HELLSINGヘルシングのキャラでハァハァ Part3

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1過去の亡霊
第3次萌え作戦 過去ログを報告せよ
http://red.ribbon.to/~amasyoku/hellsing/index.html

征くぞ、諸君
2過去の亡霊:03/08/09 22:07 ID:3cMtTC7m
3名無しさん@ピンキー:03/08/09 22:17 ID:b3UGQNjT
>1
乙。では本スレより伝統の儀式を。

中指を(以下略
4名無しさん@ピンキー:03/08/09 22:27 ID:ClCQxDoG
ギニャー
5名無しさん@ピンキー:03/08/09 22:29 ID:VdHVH+HH
本当かー 本当に本物の新スレかー
本当の新スレなら、これができるハズです。

偶然、局長の入浴シーンを目撃した
旦那とベルナドット隊長の会話のものまねー。
6名無しさん@ピンキー:03/08/09 22:33 ID:WT5x9ajD
祇園リプタン


リプ「お客さんやらしーわ
そんなにこの、リプがお望みですかー?」




(#゚∀゚)=3
76:03/08/09 22:38 ID:Norao2+n
>5かぶったスマソ
8名無しさん@ピンキー:03/08/09 22:40 ID:3cMtTC7m
●持ち用の人のために、過去アドレスも補完しておきました。

●といえば、下のスレで
「沈んでしまったスレをボランティアでサルベージしようか?」って言っていた人が
数日前に居ましたよん。
前回の悪夢はよく知らないんですが、ご参考まで。

【緊急】dat落ち情報&対策検討スレ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1031536948/

そしてこれも保守書き込みなわけですが。
9名無しさん@ピンキー:03/08/09 22:42 ID:3cMtTC7m
>6
京都人として突っ込ませてもらうが、

リプ「お客はんやらしーわ
そんなにこの、リプがお望みどすかー?」

が正しい。
106:03/08/09 22:48 ID:r20arJnm
脳内変換してくれ




↓旦那と隊長↓
隊長「旦那何してるんですか?コレは!」
旦那「我が主の入浴だ、股ぐらが勃つとは思わんか?」
隊長「見つかったら殺されますね」
旦那「それよりも見ろ意外と胸が豊かではないか」
旦那「10年前はあんなに小さかった」
隊長「ロリコンっすね」
婦警「マスタァー隊長そんなトコで何してるんですかー?」
旦那&隊長「!!(´д`)」
11勢いで作りますた:03/08/09 23:04 ID:DGosdA2H
>>5

「あれからもうちょうど10年か・・・・・・」
「お、珍しい。アーカードの旦那でも昔の思い出にひたるんですかい?」
「私とて思い出ぐらいひたる。あのコロはインテグラもまだ小さな女の子だったからな」

ざぱぁー じゃぱー ごしごし

「へー局長にもそんな時代があったんすねぇ。しっかし今はタマンねほどいい体してますな」
「胸がさらに大きくなったな・・・前も年不相応に大きかったが」
「そ、そうなんすか!? いやあ、しかし泡まみれの局長はいいっすねぇ。褐色の肌と白い泡の競演!
それに珍しく眼鏡を外したご尊顔を拝したし・・・あれ!気付かれたようっすよ!旦那ッ!」
「問題ない。何も問題はない。・・・ここにいたのはお前一人だからだ・・・」
「えッ!どういう意味ですかい、旦那ってそれエロ光線!は、反則だぁぁぁ・・・・・・」

「ここで何をしているッ!ベルナドット隊長!」
「な にも 問題 ない 何も、問題、ありません」
「問題大有りだ!この愚か者めがっ」
ゴスッ バキッ べコッ メキャッ

数日後・・・
「マスター、隊長ご存じないですか?最近見かけないんですが・・・」
「奴ならば、当分顔を出せない。今頃病院の天井の染みでも数えているはずだ」

ギャフン!END
12名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:16 ID:JlwIPCCy
素晴らしい!!
素晴らしい!!

これが これが新スレというものか!!
13名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:28 ID:Itc5SE6D
>>10
>>11

うわ―――― 超萌ーえー。
やっぱり新スレだ――――――ッ


泡まみれのお嬢に(*´Д`)ハァハァ
14名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:29 ID:RqJFB1qq
十年前のインテグラタン、お風呂一緒にはいらない?(:´д`)ハァハァ
15名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:32 ID:4dzq6Kla
「冗談じゃねえや
 モーッ
 あーーーーーッ もーーーーーッ
 畜生め ええい 新スレ立っちゃったもんなァ!!
 やるっきゃねえッよなァ!!」

「始まりましたな やはりこうなりますか」
「こんなものですむものか
 萌えるよ もっと萌える
 職人達がこんなものですますものかよ」
16_:03/08/09 23:36 ID:2Kl3r1oe
17名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:38 ID:QnYbdkSh
泡姫インテグラに祇園リップヴァーンと出歯亀旦那&隊長か。


いきなり濃いロケットスタートだな、諸君(w
18名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:49 ID:NjGNh1e/
パーフェクトだ >>1

なんとも素敵な新スレ うれしいね
(;´Д`)ハァハァだ これでまた(;´Д`)ハァハァができるぞ
19名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:55 ID:3cMtTC7m
ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ
「嬢ちゃん 読み手ってのはアレだろ 人間離れした空想力や妄想力
 獣のようにフェロモンを感じ 怖ろしい萌え力を持つ」
ザ ザ ザ ザ ザ ザ ザ
「キャラクターの弱みを感じ 動きを読み心を盗んで鋭く萌える
 広告や萎え書き込みをたやすく避け 相手を襲いハァハァを貪るんだろ?」
 じゃあ こういうのはどうだい」
ポチッ(投稿ボタンを押す音) ボ ン ッ(確認画面が表示される音)
「な …ッ!!」
ド カ ッ (レスが表示される音)
ザ ッ 「SS投下!! SS投下だ!!」
「読み始めたぞ やれ」
ガチッ ガチッ ガチッ ガチッ
ド ッ
ボ ッ
ド ド ド ド ド ド ド
ド ド ボ ゥ ッ ド ゥ ブ ッ ズ ブ ォ ッ ゴ ッ
「キタ━━(゚∀゚)━━!!! 」「モエ-(*´д`) 」「(;´Д`)ハァハァ」
「(・∀・)イイ!」

「BINGO!! 職人サマをなめるとこーなる」
「こ… こんなッ こんな仕掛けを……ッ!!」
「しかけ? 読み手がつっこんでくるから悪いんだ 真正面から
 シチュもカプも行為も厳選された萌え装置
 そして一行レスではなく避けられない文章攻撃
 推敲校正入魂済みエロパロSSの10レス分連続投下
 萌えずにいられるモンなら耐えてみろっつうの
 俺たちゃ気が弱いからよ
 おっかねえから正々堂々とエロなんかしねえぜ 読み手さんたちよう!!」
20名無しさん@ピンキー:03/08/09 23:58 ID:0M3tDNDq
課長「アンデルセン、今、風呂に由美子とハインケルが入ってる
中で『ウーフの胸大きーい』とか会話してる、
覗 か な い か ? 」
21名無しさん@ピンキー:03/08/10 00:12 ID:knXdkGZ7
>20
一目で何もかも一切合切決着する

眼前に裸婦を放置して

何が十三課か!?何がアンデルセンか!?
22名無しさん@ピンキー:03/08/10 00:15 ID:A6//iCsG
よせアンデルセン!
覗くだけで良いのだ!!
止まれ!!
23名無しさん@ピンキー:03/08/10 00:16 ID:XgrCt6CP
あげぇ
24名無しさん@ピンキー:03/08/10 00:27 ID:Yob8Iplc
お風呂でハインケルのオパーイ触って
ハイ「あっ…こらっ…何をするっ……ん…」


(゚∀゚)=3=3
25名無しさん@ピンキー:03/08/10 00:31 ID:Lmqus7pa
突入して何をするつもりだ、アンデルセン!(w
しかし、ハイと由美江(子でもよいが)に背中を流してもらったら
極楽浄土に逝けるだろうな
26アンデルセン:03/08/10 01:08 ID:/X52qNyI
ゲァハハハハハハハハ!!!
27名無しさん@ピンキー:03/08/10 01:12 ID:uvg20DsO
ヒーリング&リジェネーターで
ティムポがすごそうだ
28名無し吸血鬼:03/08/10 04:16 ID:mLHyteHd
さあどうした?
まだ夏休みが半分過ぎただけだぞうpしてこい!!
妄想を引き出せ!!
肉棒を硬直させろ!!
SSを書いて(;´Д`)ハァハァさせれ!!
ティムコをさすって射精しろ!!
夏はこれからだ!!
お楽しみはこれからだ!!
早く!
早く、早く!!
早く、早く、早く!!!
29名無しさん@ピンキー:03/08/10 04:21 ID:FkFIqAyM
そんな風呂まったく覗きたいです はう
うわーハインケルネタはツボなんだよ

あと報告 前すれのカレーシュレで遊んでみました
スク水をつい描いたら芋ズル式に。セリフ選んでページ進む構成に。
ttp://izumo.cool.ne.jp/afar/
また描いちゃったよ・・なにしてんだー
:旧413

30名無しさん@ピンキー:03/08/10 05:36 ID:RxdokXSF
>29
おはよ〜!
朝一からいいもの拝ませて頂き感謝の極み。
カレーシュレもリップとハイも姐さんキャットファイトも萌えつぼビシバシ!

しかし、真っ先に選んだのは少佐だった・・・もう駄目かもしれない
31名無しさん@ピンキー:03/08/10 07:39 ID:O8/cgCjs
わー超ー萌えてるー
やっぱり新スレだー




昨日もシュレタンでハァハァしますた(:´д`)
32名無しさん@ピンキー:03/08/10 09:19 ID:/IduoRL2
前スレ後半のネタだけど。
シュレたんに作ってもらうのは、いびつな形のオムライスがいいなあ。
もちろん「お前が作ってくれたんだから、どんな形でも美味しいよ」イベント有り。
33名無しさん@ピンキー:03/08/10 09:34 ID:cVitKqVb
むしろ、ときめきミレニアム。略して「ときミレ」。
卒業式の日、伝説の総統閣下像の下で告白すると永遠の愛が。

好感度がまだ低い時に、一緒に下校しようと誘うと、
「他のヴェアヴォルフに見られると恥ずかしいし」と断られたりするわけだ。
34名無しさん@ピンキー:03/08/10 09:39 ID:+X8+4G1V
おはよう、諸君

>32
イベントってなんだろう?とても(;´Д`)ハァハァな股間
漏れはお嬢と朝食を食べたいな…向かい合って、多分何の会話も無く(w
英国の朝食は食いでがあるそうだから、長いこと時間をすごせるな
もちろん、ウォルターに給仕されて
35名無しさん@ピンキー:03/08/10 10:17 ID:3/jLeWK+
>>All全員パーフェクトだ




シュレタンのオムライス食ったら
そのままベッドに押し倒して……(:´д`)
36外道職人:03/08/10 10:36 ID:TnyI20NZ
ゴスロリシュレSS出来ますた。これより投下します。
37愛と謀略のゴスロリ服1:03/08/10 10:37 ID:TnyI20NZ
 「見苦しいぞ、シュレディンガー准尉! さっさと覚悟を決めろ!」
 「そうですわ! こんな簡単な命令、聞けないとは言わせませんわ!」
 僕、シュレディンガーの前に恐い顔を並べて、二人の女性士官がお門違いな怒声をぶつけてくる。
その二人、リップヴァーン中尉は首にメジャーを巻きつけ、手首にびっしりと待ち針を突き刺したアームピンクッション
を装着している。手には禍々しい服を着た僕のスケッチを握り締めて。
 一方相方のゾーリン中尉は腕組みをして眉間にしわを寄せ、タバコの紫煙を僕の顔に吹きかけた。
僕はゴホゴホと咳き込んでから二人に文句を言った。
 「いや! なんで僕がそんな『ゴスロリ服』なんか着なければいけないの!?」
 「何度言わしゃ分かるんだ、准尉。お前しかいない! うちでこれを着こなせるのはお前しかいないんだよ」
 「とってもお似合いで素敵ですわ、准尉」
 任務を終え、自室に戻ろうとした僕を無理矢理女性士官用着替え室に引きずり込み、
二人はとんでもない提案を僕にしてきた。今度のコミケで僕に「ゴスロリ服」のコスプレをしろと言うのだ!
今にして思えば、二人とも挙動不審なところがあった。僕の顔をじろじろ見ながら互いに、
 『シルクでいく?』『ハッ! サテンでじょーとーだよ。色はピンクがいいかな』
 『否! 黒でなくて何がゴスロリか!?』『そうだな。ワンピースにするか? それとも…』
 『ブラウスとスカートでいいでしょう? 下手するとメイドと間違えられかねないし…』
 『ヘッドドレスはどうするよ。帽子が基本だが、あの耳を隠すのは惜しいぞ』
 『そうですわねぇ、それは後日の研究とすることで…』
と相談していた。このとき僕は今度のコミケのコスの話だとは思ったけど、それは彼女達のそれだと思っていた。
まさか、僕に着せるべく着々と準備を重ねていたとは…
 「こんなに可愛いのに、なぜ嫌なのかしら? はっきりおっしゃい!」
 リップヴァーン中尉が手にしたスケッチを僕に突きつける。
そこには椅子に座った、黒のブラウスに黒地に白レースのスカートを合わせる、
基本的なゴシック・ロリータ服を着た僕が描かれていた… 全ての裾には白のレースが使用されている。
38愛と謀略のゴスロリ服2:03/08/10 10:38 ID:TnyI20NZ
 確かに、その服は可愛い。それを認めるのには僕も問題はない。
問題は、その服を僕が着ている事なのだ! しかもこれからお前に着せるとキッパリ宣言する。
 「命令だ、シュレディンガー准尉。これを着ろ」
 「拒否します!」
 理不尽極まりない命令を出すゾーリン中尉を、僕は一言で否定した。
 「貴様、上官の命令を拒否するのか?」
 「僕、いえ、小官は大隊指揮官殿の直属です。両中尉の指揮下にはありません。
従って、命令を拝命せねばならない理由はありません。悪しからず!」
 普段の口調を改め、ワザと堅苦しくして返答する。別に僕の言ってることは間違っていない。
軍隊という縦社会では当然の常識だ。
 例えるならば、A支店の銀行支店長がB支店の行員に指令を出せないように、軍隊でも階級が上だからといって、
無闇やたらと下位者に命令を下せない。実際問題、僕の上官の少佐だって亡き総統閣下の命令を盾に、
オペラハウスのご老人の言うことを完全に無視している。
 「どうしても、ということであれば少佐殿の作命をもらって下さい♪」
 僕はつい調子に乗って気分よく言ってしまった。それを見ていた両中尉がニヤリと笑う。
よく考えたら二人がそんな基本的な事を忘れる訳がなかったのだ……
 リップヴァーン中尉がスーツの内ポケットから一枚の紙切れを出し僕の目の前で広げる。
 「これで満足かしら? 本当は自主的に協力してほしかったのだけど」
 …確かに紙片には少佐の意外に端整な直筆で書かれ、ご丁寧に大隊印まで押された作戦命令書だった。

 シュレディンガー准尉は可及的かつ速やかに、ゾーリンブリッツ・リップヴァーンウィンクル両中尉の指揮下に入り、
両中尉の指導下でコスプレ準備に従事すべし。なお、この命令は最優先事項とする。
                                      「最後の大隊」大隊指揮官 少佐
 僕は血の気の引いた青い顔で両中尉の顔を覗き込んだ。
39愛と謀略のゴスロリ服3:03/08/10 10:39 ID:TnyI20NZ
 作戦命令書を突きつけられた僕は男らしく二人に協力…しなかった!
 「やだやだやだやだやだっ! なんで僕がそんなの着なくちゃいけないだ!?
他にも適任者はいるよ、トバルカイン中尉とか!」
 「ああ? 奴は今南米で作戦行動中だ。第一、誰がガングロの髭親父ゴスロリなんか見たいものか」
 「二人が着たら! 無理矢理僕が着るよりは…」
 「あら? 私達はもう決まってましてよ。ちなみに私は…」
 そう言って、リップヴァーン中尉は書きかけの原稿用紙や乱雑に置かれたお裁縫セットに占拠された机の上に置かれた、
ビニールパッケージに包まれた衣服を僕に投げてよこした。
 「こ、これはっ 正気っ!? 中尉!!」
 僕は愕然として中尉の顔とその服を交互に見た。
 スクール水着。何処からどう見ても、完璧なスクール水着。
 誇らしげに胸をはり、傲然と顔をあげるリップヴァーン中尉。
その表情は蛍光灯の光に反射した眼鏡のためにうかがい知る事は出来ない。まさか、そこまでするとは…
 「……あなたには負けたよ。もう、好きにして…」
 「あら、そう? では早速着替えてもらいましょうか」
 リップヴァーン中尉は顎をしゃくってゾーリン中尉に合図する。彼女の両手は例の服を掴んでいた……

 「あの〜 着替えるんでちょっと退室していい?」
 「ここで着替えりゃいいじゃないか。見ててやる」
 「そうですわ、水臭い。それになにか衣装に支障があれば私が直さないといけないし」
 …結局僕はこのセクハラ両中尉の眼前で着替えることになった。
顔が真っ赤になっていることが自分でも分かる。身に着けていた軍服を脱いでたたんで隅に置き、
その問題のゴスロリ服を手に取る。僕の後ろで二人が囁く声が聞こえた。
 「なあ、おい。准尉の真っ白ブリーフがまぶしいなあ」
 「そうですわね〜 またすべすべした太腿がたまりませんね」
 恥辱に耐えながら、やっと僕は不慣れな女装を終えた。
40愛と謀略のゴスロリ服4:03/08/10 10:40 ID:TnyI20NZ
 着替え終わった僕を、リップヴァーン中尉は等身大の鏡の前まで引っ張った。
細部をお裁縫セットで調整しながら、彼女はこの服の説明をしてくれた。
 「ゴシック・ロリータ・ファッション。通称ゴスロリ服。黒を基調として、あくまで中世風にこだわった服よ。
素材は今回予算がなかったのでサテンにしたわ。シルクほどではないにしても、艶があるでしょう。
 上はダブルガーゼシャロンブラウス。前面のフリルと裾のぺプラム、肩の膨らんだバルーンスリーブが優雅でしょう?
二枚仕立てのフレアミニスカートで、美しい波を打つドレープが特徴のフランソワスカートは、
下から白のフリルを覗かせる様にしたわ。張りのあるチュールで作ったパニエ、
ああ、今スカートの下にはいてる奴ね。これでスカートを膨らませてるの。
 ゴスロリっ娘は素足厳禁だから、白のオーバーニーソックスにしたわ。黒も良いかと思ったけどね。
靴は黒光りのするエナメルで厚底。先は丸いのを選んであげたわ。どう? 気に入ってもらえた?」
 「…感謝の余り言葉も出ないよ、中尉殿」
 「それはありがとう、准尉。あ、余ったサテンで作った白手袋も忘れないでね。それとこれも」
 そう言ってリップヴァーン中尉は僕の首に手を回しチョーカーを締めて、頭にヘアバンドをした。
黒の幅広いリボンチョーカーと、これまた黒のヘアバンドで、両方とも黒猫の飾りが付いていた。
 まるであつらえたかの様にぴったりな服だ。どうせ博士の持っているデータを元にしたのだろうが。
鏡の前で軽くターンする。鏡の中にいたのは、非の打ち所のない完璧な「ゴスロリっ娘」だった。
気が重くなり、固まる僕にゾーリン中尉が慰めるように声を掛ける。
 「まあ、硬くなるなよ准尉。想像以上によく似合ってる。これでみんなの視線は…」
 「硬くなる、硬くなる… あ、ああっ! オオォオオオォォォオオオ―――」
 突然頭を抱えて悲鳴を上げるリップヴァーン中尉に、僕とゾーリン中尉は唖然として顔を見合わせた。
41愛と謀略のゴスロリ服5:03/08/10 10:40 ID:TnyI20NZ
 突然意味不明な悲鳴をあげ、眼を血走らせながらリップヴァーン中尉はガタガタ震えだす。
僚友の徒ならぬ様子に、ゾーリン中尉も何事かと慌てて駆け寄った。
 「おい、リップ! 突然なんの騒ぎだッ!」
 「熱膨張ッ! 私としたことが、これを計算に入れること忘れてしまうとわ!」
 「はあぁ? ナニ言ってんだよおめぇは!」
 さらに意味不明なことを口走るリップヴァーン中尉の様子に、ゾーリン中尉だけでなく僕まで途方に暮れた。
ただ、一つだけ言える。彼女がこれから続ける話は絶対に碌でも無いものだ。
 リップヴァーン中尉は急に右のこぶしを握り締め突き上げる。
 「准尉の熱膨張! これを計算に入れずに会場に行ったら大変な騒ぎになりますわ!」
 「なるほど、そういう事か… 確かに言えてるな」
 「何がそういう事なの!? 分かるように説明してよ!」
 「ああ、分かりやすく説明するとだなぁ」
 ゾーリン中尉が僕の背後に回りながらそう言うと、突然後ろから僕を羽交い絞めにして股間に手を伸ばしてきた。
 「な、なにをっ!? やめてよ中尉!」
 「こいつのことだろ? リップヴァーン。確かに突然膨張されたら事だわ」
 僕のことを無視して、ゾーリン中尉は確認する。確認された方は激しく頭を上下させて是認の意思を伝えた。
 「ゾーリン、そのままテストしましょう。准尉をどんな手段を使っても反応させるのよ。
その上でどれだけスカートに影響を及ぼすか、観察しましょう。場合によってはもう少し手直ししないと」
 「わかった、まかせろ」
 ゾーリン中尉のたくましい腕がフランソワスカートとやらの裾を捕らえてたくしあげる。
この期に及んで僕も二人が何を問題にしているか理解した…
 スカートを膨らませていたパニエも退けられ、瞬く間に僕の下半身は露出する。
終には僕がはいていたブリーフまで引き千切って脱がし、部屋の隅に投げ捨てる。
 「それでは実験と洒落こむか」
 欲望に熱く湿った声を僕の耳に注ぎ込み、ゾーリン中尉は舌なめずりした。
42愛と謀略のゴスロリ服6:03/08/10 10:41 ID:TnyI20NZ
  本来ならば逃げ出す非常事態であったが、僕はその場に凍りついた様に動けなかった。
なぜならば、リップヴァーン中尉ご自慢の猟銃が僕に照準を合わせているから。
 「動かずそのまま、准尉。すぐ済むからじっとしてなさい。ゾーリン!」
 「分かってるよ、リップ。今始めるさ」
 ゾーリン中尉は上半身を包む唯一の衣類であるタンクトップを豪快に脱ぎ捨て、僕の前に立ちはだかる。
鍛えぬかれてたくましく美しくマッシヴな肉体に、大胸筋に、僕は…
 「まったくの無反応っ!」
 叫ぶように言ったリップヴァーン中尉はそれから後ろを向き、込み上げてくる何かをこらえていた。
全身が小刻みに揺れている。時々口から笑いの波動が漏れ出た。
 「こ、こいつ! 上官に恥じかかすとは、いい度胸してるじゃねえか!」
 「あっ! や、やめてよ! そんなぁ」
 傷心のゾーリン中尉はやおら僕の半身を口の中に入れ、まるでストローでジュースでも飲むように強く吸い上げた。
最初はあまりの事態に萎縮しきっていた僕も、次第に反応し、たぎってくる。
そんな僕に満足したのか、ゾーリン中尉は「実験」を完遂するため舌先でさらに僕に刺激を加える。
スカートの中で何をしているのか分からない中尉の頭を強く押さえ、僕は懇願した。
 「うあぁ うっ はぁあ うっ だめだよ、そんなぁっ 中尉ぃっ」
 「どうしてだ? こんなになっちまってるぜ。さっき恥をかかせたんだ、覚悟しろよ」
 ますますゾーリン中尉の責め苦はヒートアップする。僕は次第に耐えることに窮して後ろの鏡にまで下がる。
冷たい鏡の感触を後頭部と背中に感じながら、背を弓なりに反らせてつま先立ちになり懸命に耐える。
 あうっ ううっ はぁ うあぁ んぁぁ んんんっ…
 「許してっ! 許してゾーリン中尉っ! あああっ も、もう僕だ、だめぇぇっ」
 「いい加減にしなさいよ、ゾーリン。いかせてしまっては実験にならないでしょう?」
 にやにやしながら、リップヴァーン中尉はゾーリン中尉の厚い背中を銃口で小突く。
ちっ、と短く舌打ちしてゾーリン中尉は黒地に白いレースとフリルのスカートを捲り上げてみせた。
43愛と謀略のゴスロリ服7:03/08/10 10:42 ID:TnyI20NZ
 卑猥な責め苦から開放された僕は、思わずその場にしゃがみこむ。スカートを捲られたまま。
どうしようもなく張り出した自分を二人に見下ろされて、鏡に写った僕の顔はますます朱に染まる。
 「意外にご立派なのね。もっとも標準より少し小さいみたいだけど」
 「気にするな、准尉。もだえるその様で充分お釣りが来る」
 屈辱の極みだ! 二人の会話をこれ以上耳に入れるまいと猫耳を伏せるが、
ゾーリン中尉がその耳を引っ張って遊ぶのであまり意味がなかった。
 リップヴァーン中尉が銃の先にスカートを引っ掛けて下ろす。僕のむき出しの下半身はやっと二人から開放される。
 「どうやら、少し固めのチュールで造ったパニエのお陰で押さえられて、そんなに目立たないわね。
指摘されたらドレープ、しわですって言い訳すればいいし、私の考えすぎだったみたい。
 二人ともご苦労様。完成したわよ、ゾーリン。准尉にお礼とご褒美をあげてちょうだい」
 「いいのかよ、変なにおいがつかないか」
 「あら? あなたらしくもない。ナチスの科学力は世界一だけど、なかなかどうして、日本も侮りがたい」
 リップヴァーン中尉がプラスチック容器をゾーリン中尉の鼻先に持ってくる。
それには「さわやかに香るファ○リーズ」と記されていた。
 「されど准尉のデリンジャーはなお意気軒昂! ここで帰しては失礼千万よ」
 「問題ない、ならば問題ない!」
 ズボンのファスナーを下ろし、ゾーリン中尉は僕を床に押し倒して馬乗りになりながら言った。
 「犯す! 准尉を犯す!」
 「さーさくーッといって、さくーッと犯っちゃいましょう」
 邪悪な眼鏡の同人作家は、スケッチブックとメモ帳に鉛筆を走らせながら猛女を扇動した。
 「やめてよ、本当にやめて! こ、こんなのよくないよっ あっああっ」
 「なに言ってんだ、お前だってこのままでは納まりがつかないだろう」
 僕は、文字通りゾーリン中尉に「喰われて」しまった。彼女の貪欲な下の口が僕を貪り尽くす…
44愛と謀略のゴスロリ服8:03/08/10 10:43 ID:TnyI20NZ
 僕の体の上で、ゾーリン中尉が息を弾ませ髪を掻き撫ぜながら荒れ狂う。
僕はこの一方的な虐待にもう抗議することもできず、ただ人差し指を口に咥えて強く噛み、我慢するしかなかった。
そんな僕らを尻目に、リップヴァーン中尉はスケッチブックとメモ帳に何事かを書きながら、時々質問を投げかける。
 「ゴスロリ『娘』の御感想はいかがかしら、中尉?」
 「素晴らしい!! 素晴らしい!! ホントの女の子を強姦してる気分だ」
 「そう、それは良かったわね。女装を無理強いされて、上官に犯されてる気分はどうよ、准尉?」
 「うっ あ、ああぁ ど、どんなってぇ いわっれてっもっ んんんんっ!」
 「あッ そう」
 聞きたい事だけ聞いて、再びリップヴァーン中尉は紙に鉛筆を滑らせる。
何かに取り付かれた様に、一心不乱に同人ネタを収集し、分析し、記録する。
 そんな僚友を無視してゾーリン中尉はさらに激しく腰を動かし、快楽を掘り下げる。
鍛え上げた中尉の肉体は僕を絶頂の淵まで締め上げ、責め立てる。
その無数の呪文に彩られた右腕とそうではない左腕で、僕の白のオーバーニーソックスに装われていた足を抱え、
逃がすまいとするかのように固定する。
僕も最後は中尉の腰のところで足を交差させてしがみついていた。
 高まり、昇ってくる何かに突き動かされて、僕は壊れたオルゴールの様に何度も中尉に哀願した。
 「んんっ だめだよ、本当にもうダメだよ、中尉っ もう、もう、僕本当にダメっ」
 満足気な表情を浮べて、ゾーリン中尉は髪を掻き上げながら答えた。
 「いっ、いいぞ准尉! 許可する、中に出せっ 全部出せっ 命令だ!」
 その刹那、僕は中尉の中に昇って来たものを解き放つ。
中尉の肉体は、その全てを搾り取りでもするかのようにきつく僕を包囲した…

 急速に回復した僕の羞恥心が、その光景を直視することに耐えられなくする。両の手で眼を覆い隠す。
その僕が最後に眼にしたのは、蔑んだ、侮蔑の色を濃くたたえた眼光を眼鏡の奥に隠すリップヴァーン中尉の笑みだった…
 「ご苦労様、二人とも。これで私は同人作家として最高のネタを手に入れましたわ!」
45愛と謀略のゴスロリ服9:03/08/10 10:43 ID:TnyI20NZ
 その日は何の障害もなく、あっさりと当日を迎えた。
 少佐は、ゴスロリ服に着替えた僕を頭からつま先までたっぷりと鑑賞していた。
その横で博士がうずくまって笑いを噛み堪え、大尉は無心にカメラのシャッターを押した。
 「存外良く似合っているよ、いや素晴らしく良く似合う。しかしよくその格好をする決心をしたね」
 僕は少佐の何気ない一言に我が耳を疑った。
 「えっ! このコスプレって、少佐の命令じゃ…」
 「何を言ってるのかね、准尉? 確かに作戦命令書を作成したが、
それはリップヴァーン中尉が材料の買出しに准尉を借りたいと言って来たからであって、別に私が……」
 後の少佐の言葉は僕の耳にはもう届かなかった。怒りで頭がくらくらし、足は一際高い奇声を上げる一角に向う。
 「リップヴァーン中尉! これはどういうこと!? 少佐はそんな命令出してないって言ってるよ!
それにその格好! いつもと何も変わらないダークスーツじゃないか! 僕を騙したなっ」
 「人聞きの悪い事を大声で言わないでちょうだい、准尉。指令書は両中尉に従えって書いてありますわ。
それに、私、一言もスクール水着を着るだなんて言ってませんし」
 「じゃあなぜあの時!」
 「机の上に置いてあって、邪魔だから准尉に持ってもらっただけ」
 「まあ、相手が悪かったな、シュレディンガー。もう諦めろ」
 ブーツを地下足袋に履き替え、大鎌をツルハシに持ち替えたゾーリン中尉が間に入った。
黄色の工事用ヘルメットを頭にかぶっている。ガテン系マッスル姐さん…怖いくらいに似合っていた。
 「じゃあ、今年の中尉のコスは何なのさ! そのままなんて卑怯だよ!」
 「ああ、私? これですわ」
 リップヴァーン中尉はスーツの内ポケットから濃いサングラスを取り出し、眼鏡と取り替えた。
 「これで問題は無いでしょう? アンダーソン君」

 僕は、自分の中にここまでドス黒くて固形化した殺意を抱く日が来るとは思わなかった…
46愛と謀略のゴスロリ服10:03/08/10 10:44 ID:TnyI20NZ
 「さて…」
 物思いに耽っていた僕は、その思念を一時的に断ち切り目の前の事態をのんびり眺める。
僕の抱えるスクリーンから少佐の演説が流れていた。
 『中尉、良くやった。作戦は成功だ。完全に。水面にいくら石を…』
 聞いてないだろうな中尉は、と思いつつ溜め息をつく。
 いろいろあったけど、今はリップヴァーン中尉に含むものはない。
全部この滅茶苦茶に壊れた空母の甲板上で蒸発していきそうだ。
 ただ今あの高名な「不死者」アーカード氏がお食事中。
美味そうに哀れな犠牲者の首筋に喰らいつき、流れ出る真紅の流れを口一杯に頬張る。
 そのダークスーツに身を包んだ高級食材は、痛いのか気持ち良いのかよく分からない官能的な表情を浮べていた。
口から漏れ出る血と唾液とか細い悲鳴に、僕の固形化された物が溶けて流れていく。
それはそれは、美しくも悲しくも官能的な光景だった…
彼女はその人生の最後に同人作家として至高のネタを得たのだ。自分自身の体験で。
幸福のうちにヴァルハラにいけるだろう。

     リップヴァーン
「じゃね、 中 尉 」
満月がとてもとても美しい夜。僕は爽快な一夜を迎えられそうだ。

 ――― 完 ――― 

47外道職人:03/08/10 10:46 ID:TnyI20NZ
自分で禁じ手にしたコミケ編を復活させてしまいましたが、如何なものでしたでしょうか。
オーダー主様のご要望通り、ゴスロリ服とショタ萌えに注力したつもりです。

それでは、自分は名無しに戻ります。
またいつか7月頭の様に発作的にSS投下してるかもしれませんが、
その時は笑って許してやって下さいw
それでは御機嫌よう!
48名無しさん@ピンキー:03/08/10 10:58 ID:BuTyCBuL
姐さんに犯されてるシュレタンに勃起しますた
シュレタンが靴下長いヤツはいてるよ(:´д`)ハァハァ
面白いしエロくて(・∀・)イイ





姐さんは「ガッツ」のコスプレだろうか(((゚Д゚))))
49名無しさん@ピンキー:03/08/10 11:45 ID:18tmgx+Z
ゴスハァハァ(´д`)
今日もシュレタンでヌキます
50名無しさん@ピンキー:03/08/10 11:45 ID:DpQg1PGT
ホントの女の子を強姦してる気分だ!と言っちゃうゾリン姐、、ラヴ!!
シュレ君とゾリン姐の組み合わせって、新鮮ですなあ。
○ァブリーズとかアンダーソン君?とか端々のゲドウ様的アイテムが小脇にくるっスー
熱膨張ッ万歳!! :29
51名無しさん@ピンキー:03/08/10 12:39 ID:Ke9sN6ip
スカートの中でバキュームなゾーリンに(;゚∀゚)=3ハァハァ 
そんな姉さんを押さえて必死に抵抗するシュレたん(;゚∀゚)=3ハァハァ 
メイド服編のペンちゃんを越えるゴスロリ服職人リプたん(;゚∀゚)=3ハァハァ 

ついにやっちまったんですね、ナチスでガッツ!(w
52名無しさん@ピンキー:03/08/10 13:14 ID:Kr3dQiFh
シュレタン祭り開催中!
29さん、外道さん、ゴチになります!
キーワード必死に探しますた(w


でもリップタンにもスク水着きて欲しかったな〜
胸のところに「みれにあむ りっぷばーん」って名前いれて(w
53名無しさん@ピンキー:03/08/10 13:23 ID:DpQg1PGT
わははー
30さんや52さんやいろんな人、また見に来てくれてありがとうー。
キーワード難しかったかなあ

リップでスク水!あらたな照準が・・
なんか背泳ぎがやたら速そう    :29で413
54名無しさん@ピンキー:03/08/10 14:40 ID:PCXQgKtW
ゴスシュレタンの精子なら
漏れが全部飲む(゚∀゚)=3






体操服リプタンもドゥ?、やっぱり胸のトコに「りっぷばーソ」
(:゚∀゚)=3
55名無しさん@ピンキー:03/08/10 16:31 ID:HYzP4P4n
>54
ならば、へるしんぐ組から局長と婦警も参加でかけっこ勝負だ!

もちろん、胸のところに
「へるしんぐ組 いんてぐら」「へ(ry) せらす」と入れて。
・・・字がお胸のせいでひん曲がってそうだが。どちらにせよ、ブルマまんせー!
56名無しさん@ピンキー:03/08/10 17:08 ID:EdyOHN7t
>>47
はっちゃけた作風にいつも感銘しています。またいつでも良いので、SSうPおながいします!
にしても、今回のシュレ准尉は萌え全開ですね。

>「これで問題は無いでしょう? アンダーソン君」
最初なぜリプがアンデルセンに話しかけてるのかわからなかった。
よく考えたら、ま○りっくすのスミスさんセリフなんですね。
例のOFF思い出しちゃいました。(w
57名無しさん@ピンキー:03/08/10 17:55 ID:0e+HuFNm
100人のリプタンと闘う旦那
58名無しさん@ピンキー:03/08/10 18:11 ID:O8/cgCjs
巨乳セラスのヴルマ
(:゚∀゚)=3




局長もリプタンもハインケルも由美子も全員、セラスの服着て
「欧ミニスカポリ(ry」(:゚∀゚)=3
59名無しさん@ピンキー:03/08/10 19:39 ID:PMnNjsxC
走ったら、たっぷんたっぷん揺れるんだろうなぁ
>巨乳セラスのヴルマ

漏れはハイ由美の二人三脚が見たいよ、ママン!
60名無しさん@ピンキー:03/08/10 20:41 ID:QF8Jwztj
>59
ヘルエロパロスレ大爆発!!
ぶっちぎり100m二人三脚バトルヴァンパイアーズ!!

第一コース!ヘルシング組  インテグラ・セラス
第二コース!イスカリオテ組 ハインケル・由美江
第三コース!ミレニアム組  リップヴァーン・ゾーリン

チームワークの良さで、イスカリオテ組の勝利と見た!
2−1−3の順かな?
61名無しさん@ピンキー:03/08/10 20:51 ID:oBfDNzmm
ハイ由美の二人三脚。

ハ「行くよ由美! いっちにっ いちにっ」
子「う、うん。いっちにっ いっちにっ……」
江「……にっ いっちにっ いっちにっ」

ハ「由美! 途中で人格変わるのはいいけど、リズム変えるのはやめてくれる!?」
62名無しさん@ピンキー:03/08/10 22:13 ID:5olQ7tzA
>>60
甘い!甘すぎる!
旦那直系吸血鬼のセラスが、狂信者コンビやドジン誌軍人どもに負けるわけ無し!

いざとなれば、暴走セラスがお嬢をかかえてゴール目指して大爆走(w
63名無しさん@ピンキー:03/08/10 22:26 ID:Yob8Iplc
吸血鬼だから
「夜は墓場で運動会(鬼太郎風)」
64名無しさん@ピンキー:03/08/10 22:44 ID:mOZaeM6B
暴走セラスに抱えられて、走るその勢いでぶるまが脱げかけ
インテグラ様大〜ピンチ!

「もういい セラスッ もういい、もう充分だ! もう、止まってくれ・・・」
そう叫びながら必死こいて片手でぶるま押さえてるの!
65名無しさん@ピンキー:03/08/10 22:57 ID:G15gJ0dM
パンツ見えちゃう
(!゚∀゚)=3
66名無しさん@ピンキー:03/08/10 23:56 ID:0e+HuFNm
汗かいたら局長の肌が透けて見えちゃう!
ブラも透けて見えちゃう!(:゚∀゚)=3
67名無しさん@ピンキー:03/08/11 00:24 ID:N0dpyh45
ブラは白のレースを希望!!
68名無しさん@ピンキー:03/08/11 04:57 ID:zuyJTAIf
淫魔リプタン



夜中窓から入ってきて(背中に羽ついてる)
「若〜い子の精と血をいただきますわ」



吸ってホスィ(´д`)
69名無しさん@ピンキー :03/08/11 05:10 ID:0KCFqG4X
ミレ二アム組は身長(歩幅)差がありすぎで途中何度もスッ転んで
罵り合い→そしてカップリング論争になりそうで藁。
ゾーリンはハーフパンツにして欲しい。ブルマ姿は怖いから。

ブルマ脱げかけのインテグラを大尉が激写。
70名無しさん@ピンキー:03/08/11 07:12 ID:thnALnP4
おはよう!

>>69
焼き増しは少佐に頼めばいいですか?それともド人誌新刊に掲載?
71名無しさん@ピンキー:03/08/11 11:47 ID:Ba+E/DkP
みなさーん、新スレ立って保守書き込みも終わったようなので、
前スレの950越えもよろしくお願いします。

やっぱりお嬢ハァハァ
72名無しさん@ピンキー:03/08/11 14:09 ID:HTzTC94Y
>71
Sir Yes Sir MY MASTERRR!

自分もやっぱりお嬢ハァハァ
また悪いことたくらんでる自分がいる…
73名無しさん@ピンキー:03/08/11 16:43 ID:6J1sslRL
>>57
>100人のリプタンと闘う旦那
一瞬、100人のリップタンがぶっ放す100発の魔弾を
マトリックス避けする旦那を想像して燃えた

実際は直撃しまくりなんだろうが
74名無しさん@ピンキー:03/08/11 19:43 ID:/+TLOHwS
今から頭の中でシュレタンを
お風呂で洗ってきまつ
75名無しさん@ピンキー:03/08/11 20:22 ID:Q7/Xqfe6
爪を立てられないように注意して!

漏れは妄想の中でセラスに背中を流してもらいます。
76名無しさん@ピンキー:03/08/11 21:00 ID:dkgztm/P
ネコは水を嫌がるからね。
ちゃんとシャンプーハットを使って頭を洗わないとダメだよ、>>74

現在風呂上りの局長の御体をマッサージ中、な妄(ry
7774:03/08/11 22:24 ID:cRkM/nsq
では、シャンプーハット装備して
シュレタンと風呂に・・・・
でも水を嫌がるシュレタンも見たい
78名無しさん@ピンキー:03/08/12 00:06 ID:ljV/fKVl
シ、シャンプーハット・・・また萌えなアイテムを
おまいら、シュレタンにスク水着だの裸エプロンだのコナソコスやゴスロリ服
着せてみたり、カレーやオムライス作らせてみたりと、いつまで萌えれば気がすむですか?
魔性なり!魔性のショタなり!恐るべし、シュレディンガー准尉!


ゴメソ、漏れもだよー シュレタン万歳〜
79名無しさん@ピンキー:03/08/12 09:22 ID:8VyJz6Ku
旧スレの懺悔コーナーで祭りの予告声明が!
しかも別々に2件も!
今週はステッキーな予感がするよ、ママン

>78 萌えはエンドレスでござる
80名無しさん@ピンキー:03/08/12 19:07 ID:ZPqS/E8p
やっぱりシュレタンはステッキーですね
81名無しさん@ピンキー:03/08/12 19:23 ID:3v/1Cpgk
亀ですが外道さん新作お疲れ様です。
いやー笑った笑った。熱膨張てなによー!(大爆笑)
エロもさることながら小ネタでも読み手を飽きさせないサービス精神は
まさに職人の名に恥じませんね。
ゴスロリの細かい描写(パニエとか)は資料探しが大変だったのでは?
この辺も今回のシュレたんの可憐さを引き立てていて萌え萌えですな。
今後名無しに戻られるとのことですがまた時間が出来ましたら
新作をお願いいたします。それではしばしの別れ、お元気で!
8247:03/08/12 21:41 ID:BZbcgUye
皆様に、感謝の極み!! ズパッ
>>81
そう言って頂けると、面映いものがありますが嬉しいです。
メイド服の時もそうでしたが、ぐぐるの偉大さが身に染みる今日この頃。
前スレでただ今進行中の祭りに参加すべくまた作っちゃっています。がんがります。

業務連絡:20さん、22さん、24さん、26さんへ
     祭りに参加するにあたり、皆様のネタを拝借したいのですが宜しいでしょうか?
8320&24:03/08/12 22:41 ID:AChYU3I6
47さん(:・∀・)つシチュエーションドゾー





今日はセーラ服を着たシュレタンを想像して
ハァハァしますた
84名無しさん@ピンキー:03/08/13 08:06 ID:GYSZF9s3
リプタンとお風呂ぷれいしたい
85名無しさん@ピンキー:03/08/13 09:03 ID:1Y0i6mXf
>83
セーラ服シュレたん・・・
保健室で先生といいことしてる図を妄想しますた
保険医はインテグラたんきぼんぬ!
86名無しさん@ピンキー:03/08/13 11:45 ID:4eLPAYQT
学級委員長はリップタン、同級生にセラスタン
部活の先輩にハイと由美を。

まさしく「ときめきヘルシング」
87名無しさん@ピンキー:03/08/13 12:23 ID:1kNXcKZb
「ときヘル」最初、主人公を空気のように扱う局長も
ポイントが増えれば可愛くなるんだろーな
ハァハァ
88名無しさん@ピンキー:03/08/13 13:24 ID:WC/Mh945
お嬢は担任の先生を所望する。
そして同僚で嫌な男性教諭に少佐とマクスウェルを(w
生徒には超問題児の旦那とアンデルセンとゾーリン姐さんが。

人間関係に疲れた先生を慰めるために、夜(以下自粛)
89名無しさん@ピンキー:03/08/13 14:33 ID:1ibj6TOo
>88
どっちかっつうと夜の教室で超問題児共がインテグラ先生に(ry
という往年のにっ○つロ○ンポ○ノみたいなものを連想しますた。

ところで職人さん方は黙々と仕込みを続けているようですが。
どんな花火が上がるのかなあ?わくわく。
90名無しさん@ピンキー:03/08/13 15:34 ID:Xp8CliwT
めっちゃハードな物になりそうですなぁ
>超問題児共がインテグラ先生に(ry

番長の座を巡って壮絶な戦いしてそうだ、超問題児たちは
そんな連中を抑えるために、スケ番デカなウーフーを
91名無しさん@ピンキー:03/08/13 16:03 ID:BID6f4rn
やっぱりシュレタンは特殊エンディングだろうか?→「ときヘル」
最初からシュレタンを攻略するがね
ハァハァハァ



セラスは幼なじみをキボンヌ
92名無しさん@ピンキー:03/08/13 18:37 ID:1ibj6TOo
>29
超亀ですが、ギニャー!!なんともステッキーな更新が!!!!!
なんか真夏にお年玉をもろうた気分ですわ。眼福眼福。
カレーシュレもいいけどバター犬ブリーダー嬢って、あーた…(悶絶)
93名無しさん@ピンキー:03/08/13 20:56 ID:4+nDm44e
29から92さんへ
わーい暑中お見舞いの返事がきたようだー。
次は13課心理テスト・・の前にウーフー脱衣ゲイムを完成させねば!
このスレ読んでるとやりたいネタ広がって心先走りぎみ
94名無しさん@ピンキー:03/08/13 21:20 ID:cZTup/xm
脱衣で思いついたネタ


由美子が持ってきた
麻雀牌でハイ×アンデル×由美子(江)×課長で脱衣麻雀
(:゚∀゚)=3
95こんな感じで良いの?:03/08/13 21:43 ID:W1vI+7ge
「○○くん、おっはよー」
学校への坂道を上る途中で幼なじみのセラスが僕の肩をぽんと叩いて通り過ぎた。
彼女はいつも自転車で通学している。
短いスカートが視界の隅でひらりと舞う。
運動部の彼女は「動きやすいのが一番!」と言ってスカートの丈を短くしているけど
いいんだろうか? 幼なじみとしてはやっぱり何か言うべきか、困ってしまう。

教室に入ると、いつものようにアーカードとアンデルセンが喧嘩をしていた。
「お前のような不良哲学なき者が、女子生徒をセクハラかつあげなど言語道断!」
「信条さえあれば集団で一人の者をタコ殴り、それがお前達の哲学か!?
 愉駄(ユダ)の猿番長!」
アーカードは一匹狼タイプの不良、アンデルセンはこの学校の番長だ。
どうしてこの二人を一緒のクラスに入れたのか、僕は先生達の選択が疑問だ。
インテグラ先生なら二人を抑えられると思ったんだろうか。

「あ、あの、もうすぐ授業が始まりますから...」
気弱な学級委員長、リップさんが彼らを止めようと無駄な努力をしている。
「君も校舎裏で吊り上げてほしいのかね?」
アーカードはニヤリと笑う。
「お前は黙っていろ、不良哲学を理解せん異教徒めっ」
アンデルセンは一喝した。
リップさんはおびえた目になって今にも泣きそうだ。
どうしよう、助けに入るべきか。まよっていると教室のドアがガラッと開いた。
96続き:03/08/13 21:43 ID:W1vI+7ge
「お前ら! 朝から何をしている!!」
インテグラ先生だ。今日も黒スーツを身にまとい、
タイトなスカートから伸びる長い足には黒ストッキング、さらにかかとの高いピンヒールを履いている。
女子生徒からも男子生徒からもあこがれの的だが、
勇気を出してバレンタインにチョコレートを持っていた男子生徒は、
目の前でそのチョコレートをピンヒールのかかとで粉砕されたという。通称"鉄の女"。

「さっさと座れ、授業を始めるぞっ!」
教壇をバンと叩いて言った先生に対して、アーカードはニヤニヤ好色そうな視線を投げかけながら、
アンデルセンは馬鹿に仕切った顔で、それでも一応席に着いた。

やっと授業が始まる。
97名無しさん@ピンキー:03/08/13 21:55 ID:W1vI+7ge
あ、とりあえずここでお終い。
こんな感じの設定でどーかな。反論やつけ加えがあったらどぞー。

セラス:幼なじみ。明るい、天然。怒るとバーサーカー。

リップ:学級委員長。普通は鬱モード。アーチェリー部部長。弓を持つと性格が変わる。

インテグラ:担任の先生。厳しい。いつもスーツでタイトなミニスカ着用。
得意技は教壇叩いて怒鳴り散らすこと。英語教師かな。

アーカード:不良。アンデルセンと番長の座を争う。セクハラ男。どこにも所属しない一匹狼。

アンデルセン:独自の哲学を持った不良番長。子分には優しい。不良グループの名前は愉駄。

マクスウェル:国語教師。ちょっといってる。実は愉駄を陰から支援。文学部顧問。

ハインケル:文学部部長。にして愉駄の女裏番長。

由美子:文学部部員。まじめで気弱な読書少女。

由美江:由美子の双子の姉。剣道部所属、なのだが由美子とハインケルと仲がよく、よく図書室に居る。

少佐:教頭。いつも人をこばかにしている。正論ばかり述べるインテグラ先生を目の敵。
98名無しさん@ピンキー:03/08/13 22:05 ID:UcWYL71n
>95
グッジョブ!イイねイイねー。
やっぱリップたんは音楽の時間とかに
テンパったりするのかね。キレて猟銃乱射とか。
99名無しさん@ピンキー:03/08/13 22:13 ID:NmqXOoe/
ときめきヘルシングだよ、おとっつぁん!
普通バラ色な夢の学園生活、といったところなのに、
明日生きている保証が無さげなところがテイスティーw

後は、ミレニアムの他の面子に、隊長さんとウォルターか…
博士→理系の教師、教頭(少佐)の派閥。
バレンタイン兄弟→学園支配を目指し、アーカードにボコられる。

あとは思いつかないッス。だれかおながいします!
100職員室ではこんな感じ?:03/08/13 22:24 ID:W1vI+7ge
職員室にて。

「先生、またアーカードとアンデルセンが喧嘩したとか。
 困るんですよねえ、風紀の乱れです」
国語教師のマクスウェルは小馬鹿にした目つきで
片手をインテグラの机に置いて、彼女の顔をのぞき込んだ。

インテグラは素知らぬ顔で紅茶のカップを口に運ぶ。
わざわざ持参している最高級のシロン産だ。
「それにその服装、風紀の乱れの原因だとは思わないのですか?」
長身のインテグラは既製品の椅子と机をもてあますかのように、
椅子を後ろに引いて長い足を組み、その黒ストッキングを見せつけている。

「マクスウェル先生こそ、顧問をなさっている文学部では最近怪しい噂を聞く」
まだ熱い紅茶のカップをわざとマクスウェルの手のすぐそばに置き、
インテグラは小馬鹿にしたような目線を彼に向けた。
「影番のハインケル、その親友の由美江、さらにはかのアンデルセンまでも
 図書室によく出入りしているとか」
その怜悧な瞳でマクスウェルの顔をじっと見つめる。
「不良グループにはたまり場が必要だ。誰がそれを提供しているのだろうな?」
言葉は問いかけだったが、裏には確実な嘲笑が潜んでいた。
二人はしばしにらみ合った。
101職員室ではこんな感じ?:03/08/13 22:24 ID:W1vI+7ge
その後ろでパンパンパンと小太りの男が手を叩いた。
「まあまあお二方とも、教師ともあろうものが職員室で喧嘩とはいけませんな」
この学校の教頭、通称少佐。
「インテグラ先生、マクスウェル君の言うことも分かるのですよ。
 あなたのその姿は、その、思春期の学生には刺激的ではありませんかな」
そう言いながらも楽しそうに彼はインテグラの服装を楽しんでいた。
「教師に服装規定はなかったはずですが? それに私はこの格好が好きなのです」
インテグラは平然と教頭に向かって冷笑をうかべた。
「それに少佐先生もお好きでいらっしゃるなら、何も問題はないでしょう」
少佐はその言葉に目を見開いたが、満足そうに笑って見せた。
「そうですな。私は美しい女性は好きですよ。しかし美しい女性には危険も多いもの」
眼鏡の奥で目がきらりと光る。
「お気を付けなさい、インテグラ先生」

「ご忠告感謝します」
相変わらず表情を変えずに形だけ丁寧にお辞儀してみせるインテグラと少佐を
蚊帳の外に置かれた状態のマクスウェルは忌々しげに睨んでいた。
このままではすまさん。インテグラも教頭も、いずれ横合いから思いっきり殴りつけてやる。
なにせ彼には愉駄の生徒達という駒があるのだ。

つづく(かもしれない)
102よんよんさん:03/08/13 22:31 ID:W1vI+7ge
うわ、とりあえず適当に書いたから二重用法とか文章無茶苦茶だよ。
気に入ってもらえたんなら以後はもうちょっと真面目に書くぜ。

「こーゆーシチュが読んでみたい」とかリクエストどぞー。
103名無しさん@ピンキー:03/08/13 22:43 ID:Nc3HLu5q
続かせていただきたい、いやマジで!
えらくドロドロした学園ですね。とてもステッキーですね

少佐教頭も子飼いの生徒がいるんだろうか?
シュレを飛び級で編入させてみたりとか
もしくは先生に支持者が多いか。大尉は体育教師としていつも教頭の後(ry
104名無しさん@ピンキー:03/08/13 23:14 ID:YxOiA1Tu
わー「ときヘル」だー(・∀・) イィ


ウォルターは校長?
事務員?私立の理事長(インテグラの親戚かなんか)?
全部ステッキーですね



主人公が隊長に見えました(藁
105ときヘル:少佐編:03/08/13 23:46 ID:W1vI+7ge
コンコンと教頭室をノックするものがいる。
「入りたまえ」
少佐はソファにふんぞり返りながら、声をかけた。
「教頭先生、今月の生徒会会報持ってきましたー」
この学校の生徒会長、シュレはにこやかな顔で会報を差し出す。
童顔で人当たりのいい彼は誰からも好かれる明るい生徒だった。
しかしその裏の顔を知るものは少ない。

「しかし、インテグラの態度はまったくもって目に余りますな」
ソファの後ろに控えた少佐の腰巾着、理科教師のドクはわざとらしく言って見せた。
「えー、インテグラ先生、また何かやったんですかー?」
シュレはにっこり笑いながら明るい顔で聞く。
「いやなにも。ただ私は「美しい女性には危険も多いもの」と忠告しただけだよ」
少佐は手を広げて笑ってみせる。
「そりゃそうですよねー。じゃあどうしましょ?」
シュレは笑顔のまま問いかけた。
「そうだねえ、リップ君を使うのもいいし、ゾーリン君でもいい、トバルカイン君という手もある。
 しかし彼女はなかなかの女性だ。いきなり我が校の生徒をぶつけるというのもね」
「じゃあ、そこら辺で適当に拾ってきましょうかー」
軽い調子でシュレは言った。
「そうしてくれたまえ。まずは小金をつかませた不良あたりでいい」
「了解(ヤー)」
シュレはおどけた態度で敬礼して見せた。そして猫のように足音を立てず教員室を後にする。
106ときヘル:マクスウェル編:03/08/13 23:47 ID:W1vI+7ge
学校の図書室に付属する、第一資料室。
しかしそこは不良グループ愉駄のたまり場でもあった。

「...というわけだ、諸君。インテグラの態度は最近目に余る」
マクスウェルは吐き捨てるように言った。
「まああの先生はいつもそうですから」
おずおずと由美子が取りなそうとする。
「まー、一発殴っちゃえばいいのよ、ああいう生意気な女はさー」
竹刀を肩にした双子の姉由美江はあっさりそう言った。
「しかしインテグラには自信を持つだけの裏付けがあるようですよ」
ハインケルが冷静な意見を述べる。
「私はアーカードと決着を付けられれば何でも言い」
アンデルセンは一人独自の意見を述べた。
しかしハインケルがそれを聞いてかすかに笑みを浮かべる。
「私の情報網によると、彼女と彼にはなんらかの裏取引が存在するようです。
 これまでもインテグラを狙った者がアーカードによって叩きのめされている。
 不良のすることと、誰も気にしてはいませんでしたがね」
「ふぅむ」
マクスウェルは考え込んだ。
107ときヘル:インテグラ編:03/08/13 23:47 ID:W1vI+7ge
かつかつかつとヒールの音を響かせながら廊下を歩いてきたインテグラは
ふと用務員室の前で立ち止まった。
あたりを確認し、誰もいないことを確かめてすばやくその中に体をすべりこませる。
中では作業着を着たこの学校の用務員、ウォルターが楽しそうに壊れた時計の修理をしていた。
「ウォルター」
「なんでしょう、インテグラ様」
「最近後を付けられている」
ウォルターの片眼鏡がきらりと光った。
「なにか動きがあるかもしれんぞ」
それだけ言ってインテグラは用務員室を後にした。

職員専用駐車場に着くと、愛車のロータス・エスプリに乗り込む。
このスポーツカーがまた、同僚に眉をひそめさせる原因だったがインテグラは気にしていなかった。
まず腰をシートに落とし、足を狭い空間へと滑り込ませる。
「それで、なんの用だ」
彼女がドアを閉めるのを待って、いつの間にか助手席に乗っていたアーカードが聞いてきた。
「教頭殿が何かたくらんでいらっしゃるようだ」
馬鹿にしきった口調でインテグラはそういう。
「あの馬鹿、まだ分からんと見えるな」
アーカードも同様に笑って見せた。
「なにか手を出してくるはずだ。他の生徒達に迷惑がかからんよう、始末してくれ」
「それで交換になにをしてくれるのかね、インテグラ」
生徒らしからぬ口調でアーカードは聞く。
「お前の好きなことだ」
そう言い捨てて、彼女は車を発進させた。
108ときヘル:おまけ編:03/08/13 23:48 ID:W1vI+7ge
「うわー、先生、すごいですねえ」
セラスは最近赴任してきた臨時教師ベルナドットの拳法の演舞を見て感動していた。
彼女は空手部と柔道部に所属している。しかし格闘技全般が好きだった。
「俺、軍事マニアだからさー」
ベルナドットは軽い調子で答える。
「素手格闘もナイフ格闘も銃撃戦だってお手の物」
最後の一言は冗談だと受け取ってセラスは笑った。
「でも知ってます? アーカードさんとアンデルセンさんだってすごいんですよ。
 どっちも部活には所属していないんですけれど」
「へー、そりゃ見てみたいねえ」
あまり本気で凄いとは思っていない口調でベルナドットは言った。
109よんよんさん:03/08/13 23:49 ID:W1vI+7ge
とりあえず、自分的にはこんな感じで設定してみましたー。

でも「僕」が主役の(表面だけでも)さわやか学園物が読みたいなら
そっちにも対応できマース。
どっちが好きか、皆さん次第デース。
それ以外のオーダーもどぞー。
110名無しさん@ピンキー:03/08/14 00:14 ID:ajzmle3U
>44参さんグッドジョブです
うーん迷う
鬼畜で逝くかラブラブで逝くか
どちらも(・∀・) イイのだが
111名無しさん@ピンキー:03/08/14 00:17 ID:42LAyllo
うお!仕事早え〜!!!(驚愕)
もう既に(笑)エロくさい雰囲気を漂わせているインテグラ編が見たいっす。
なにをしてくれるって…絶対オチがあると思うけどさ。
個人的には用務員ヲルターに萌え。先代は理事長だったりすんのかな。
112ときヘル:インテグラ先生の授業:03/08/14 00:23 ID:t2+Xb21R
いつものようにインテグラ先生は綺麗な文字で
教科書に書かれている英文を黒板に並べていく。
もっとも僕の視線はどうしても真後ろにスリットの入った
彼女のスカートに吸い寄せられていた。
他の男子生徒の多くもそうだろう。
しかしあまりそちらばかり見ていると、あとで痛い目にあうことになる。

「さて、」
インテグラ先生は振り向いて教壇に両手をついた。
今度は大きく開いたブラウスの隙間に目が吸い寄せられる。
かすかに見える黒いものはなんだろう,,,えーと、あまり深く考えてはいけない気がする。
「今から一行ずつ順番に訳していってもらうぞ」
そして眼鏡の奥の冷たい瞳でクラスを見回す。
大部分の生徒は自信なさげに下を向いていた。
「セラス!」
「ふぁ?」
可哀相に、いきなり当てられたのは僕のすぐ隣にすわっているセラスだった。
しかも彼女はまったく勉強は苦手ときている。
放課後の運動部にすべてをかけていて、授業中はもっぱら居眠りばかりだ。
「一行目を訳せ」
インテグラ先生はすべて知った上で、冷たい瞳でゆっくりと言葉をつむぐ。
「あ、あのー」
セラスはあわてて起立しながら、懸命に黒板の文字を目で追っていた。
...というより目が泳いでいる。
僕は可哀相になって、思わず自分のノートを彼女のほうに傾けて見せた。
セラスもそれに気が付いて嬉しそうな顔になる。
「えっとですね、Our Father who art in heaven, は...」
インテグラ先生は通路の間を歩いてきて、僕とセラスとの間に立ちはだかった。
「なんと訳するんだ、セラス?」
僕の目の前には先生の魅惑的なヒップが....
でもその向こうでは幼なじみが苦況に立たされている。辛い立場だ。
じーっと先生はセラスを見つめている。セラスはすっかり青くなっている。
「ちなみにartは祈りに使われる古語でareと考えていい」
先生は追いつめるだけ追いつめてからぼそっとヒントを出した。
こういうところが生徒の人気を失わないところだ。
「あ、「天国にいる私たちの父」ですね!」
さすがにセラスにも答えられる文章だったようだ。
それにしても、どうして祈りの文章を訳させられているのかは謎だけど。

「そうだ」
満足そうにうなずいたインテグラ先生は笑みを浮かべた。
普段厳しい人なだけに笑顔が凄く魅力的に見える。
ああやって笑いかけて欲しいと思うから、みんな勉強にも身が入るのだ。
僕も頑張ろう。そう思って次の文章を目で追った。

(要望によっては)続く
114よんよんさん:03/08/14 00:26 ID:t2+Xb21R
さわやか編だとこういうノリで進んでいきマース。
あんまり露骨にエロくないのがポイントデース。
あと私高校卒業してないんで学園生活ってよくわからないのが最大のポイント。
まあ学園物は読んでいるから大丈夫っ。

>111
おちないよ。
普通に体と体で取引さっ。
異世界なら平気だもんねー。
115名無しさん@ピンキー:03/08/14 00:28 ID:Rmgbj+8u
これだけ考えた
「今村」さん 学校の近所のじいさん、いつも「マンシュー」の話をする
116名無しさん@ピンキー:03/08/14 00:31 ID:bUCuMnsI
ときヘルおもしれー。
117よんよんさん:03/08/14 00:31 ID:t2+Xb21R
いかん、短いはずが量が多かったら結果的に同じじゃないか。

じゃあネタ振るだけ振ったんで、しばらく放置します。
あとは皆さんで相談よろしく。

...なんかシミュレーションゲームの中の人やってる気分になってきたよ。
118名無しさん@ピンキー:03/08/14 00:39 ID:2prKzSTc
わあい学園パラレルだ

すすす、好き
119よんよんさん:03/08/14 01:03 ID:t2+Xb21R
あんまり無責任に投げ出してもあれだな。

私としてはエロあり鬼畜編をメインですすめつつ、
時々息抜きでリクエストされたシチュに応じたさわやか編を書くって感じで
どーかなと思ってます。
鬼畜編でもリクエストはいくらでもおっけーよ。
もとTRPGのゲーマスだから。中の人は得意なの。
それから大学は卒業したからなっ。
120111:03/08/14 01:03 ID:42LAyllo
>114
本当かー?! 本当におちないんかー!!
もし本当なら昼間は理知的なインテグラ先生を肉奴隷にしてもええのんかー?!!!
い、いやおちけつ。交換条件というからには一人やっつけたら四つん這いでXxXとか、
二人やっつけたら片手片足ずつタイで縛って強制開脚とか!
三人やっつけたら、・・・どうやら漏れにはさわやか編は遠すぎる・・・
121名無しさん@ピンキー:03/08/14 01:42 ID:2prKzSTc
エロとは関係ないけど、校長 理事長は円卓メンバーでどうじゃろ
頼まれるといやとは言えない小心校長ペンちゃんとか
インテグラに押されまくり
122名無しさん@ピンキー:03/08/14 06:18 ID:CzLfWYxA
そうかーパラレルなら何やっても良しかー
これでリップとセラスに何の憂いもなくスク水を(ry
学園祭の相談だと誘ってリップを自宅に監禁(以下自粛
裏番ハイをゾリン姐さんが闇討ち→折檻移行→途中で由美江増援、攻守交替
も夢じゃないなぁ
123名無しさん@ピンキー:03/08/14 07:48 ID:c68W1dEo
インテグラ先生の家に
個人的に勉強教えてもらいに行きたいな
超高級マンションに住んでそう

勉強教えてもらってると段々エチな雰囲気に

(:゚∀゚)=3
124名無しさん@ピンキー:03/08/14 09:18 ID:kdmCW4Lq
>>123
なんか、こっちが犬になりそうな、そんなSとMな空気が
漂ってそうだなぁ……インテグラ邸……
125名無しさん@ピンキー:03/08/14 09:34 ID:fCD/s5v0
それよりまず考えるべきことはだね、
ヘルシング学園の制服だよ。

女子セーラー服+男子詰め襟の古風系でいくか、
女子男子ともにブレザー+下はチェックのスカート/ズボンの今風で行くか。

個人的にはヘルシングなんで前者に一票。
126名無しさん@ピンキー:03/08/14 12:44 ID:Q/Rj5X1T
>>125
英国与太郎哀歌ですかw
自分も同じに一票。
朝の全校集会でペンウッド校長を差し置いてイカシた演説をぶつ教頭先生や、
修学旅行で女湯を覗く為に、この時だけ一致団結する野郎同盟の暗躍に、
バレンタインデーに大井先生(タイイと読む)に赤くなりながらチョコを渡すいいんちょ、
が見たいです、よんよんさん師匠!

業務連絡
お祭りの準備はできますた。ご協力頂きました皆様ありがとうございます。
ささやかな打ち上げ花火ですが、お祭り始まり次第合流します。93さん。

さあ、次は局長を風呂に沈めないと…
127よんよんさん:03/08/14 14:45 ID:QOWzZaxo
>126
女湯ネタはあんたが処理するんじゃなかったんかいっ?

さわやか編のノリで書いて欲しいのか、
もうちょっと普通の文章(ときヘル設定編とか職員室ではこんな感じ?とか)
で書いて欲しいのかもお願いします。
要望中ったらこっちが勝手に選択して書くよう。
128122:03/08/14 16:09 ID:ps/KR3yr
>127
「彼」はハインケルもお嬢も風呂に沈めるみたいですぜ、レスの内容からすると
納涼あわ祭りかね〜意気軒昂でスレにとっていいことだ

学園祭の相談だと誘ってリップを自宅に監禁(以下自粛
裏番ハイをゾリン姐さんが闇討ち→折檻移行→途中で由美江増援、攻守交替
この二つをさわやかに書けたら、まさしく神だね、ウン
つか、これはダークでいいっすよ
129名無しさん@ピンキー:03/08/14 21:42 ID:NVLVgV/S
教頭(少佐)派:大半の教職員とシュレタン率いる生徒会執行部

マクスウェル派:学園最大の不良グループに文学部、場合によっては武闘派な剣道部

インテグラ派:個々は強力だが組織になっていない。上は頼りにならないペン助

・・・ものの見事に原作を学園物で再現している。パーフェクトだ、よんよんさん。
130ときヘル:水泳のお時間:03/08/14 23:16 ID:j83mB5Gu
やっぱり高校生にもなると、体育は男女別で行われる。残念なことに。
上の方からは女子の華やかな笑い声が聞こえてくる。彼女たちは水泳の授業中だ。
反対に男子はこの炎天下の中ヤリ投げなんぞやらされている。
ヤリ投げ。どうしてそんなものが体育のカリキュラムに入っているんだろう。

ヘルシング学園は私立なのでいろいろと設備は充実している。
専用プールだってちゃんとある。
グラウンドの隅に、3mほどコンクリートの盛り上げられた四角い箱があって
その上にプールがある。高くしてあるのは覗き防止のためらしいけど
いくらだって方法はあるわけで。
屋上から除くのは特殊反射ガラスの屋根に遮られて無理だけど
木の上とか2階のトイレのすみっこにある窓とか、いろいろ穴場はある。
それどころか行くところに行けば生写真だって売っている。
当然撮っているのは水泳授業に参加している同じ女子。女の敵は女とはよく言ったもんだ。

プールを見上げながらそんなことをぼーっと考えていると、上からビーチボールが落ちてきた。
「あー、ごめんごめん、拾ってくれる? ○○くん」
顔を覗かせたのはセラスだ。身を乗り出した手すりから大きな胸がこぼれている。
スクール水着ってことは、当然ワンピースなんだけど
彼女の場合胸が大きすぎて逆に苦しそうだ。きっとビキニのほうがいいんだろうなあ。
反対にリップ委員長はワンピース水着がよく似合う。
これは決して彼女が胸が小さいってことがいいたいんじゃなくて
あの人の清楚さに紺色のスクール水着はとても合っていると思ってことだ。
ビーチボールをポンとはねあげると、セラスは身を乗り出してキャッチした。
それでまた胸が揺れる。ああ、なんていい光景なんだろう。
131ときヘル:水泳のお時間2:03/08/14 23:18 ID:j83mB5Gu
「なにやっているんだ、お前ら!」
横からゾーリン先生が顔をだした。まずい。
鬼の体育教師、ゾーリン先生は
体の半分は白、もう片方は黒に何か複雑な文字が描かれている派手な水着を着ている。
まったくこの学校の先生達はどうしてそろいもそろって個性的な服装なんだろう。
「セラス、さっさと試合に戻れ!」
ゾーリン先生はそう言ってセラスの背中をバンと叩いた。それでまた胸が...。ああ。
「はーい。ありがとね、○○君!」
セラスは気にした様子もなく、明るくそう言って僕に手を振ってから授業に戻っていた。
本当に、いい子だなあ。

「なんだ、○○。セラスの胸でも鑑賞していたのか?」
かわりに顔を出したのは、有名な女不良ハインケルと由美江だった。
うわー、まずい。合同授業ってこと忘れていたよ。
「ほら、今なら彼女の胸の谷間ばっちり写真、一枚500円ね」
ハインケルはニヤニヤ笑いながら手に持ったカタログをひらひらさせる。
「ほんと、男ってどーしよーもない生き物よねー」
由美江はその横で笑っている。
彼女たちもスクール水着なんだけど、なにかセラスやリップさんとは様子が違って見える。
ハインケルはサングラスをかけ、黒いバスタオルを肩から羽織っているし
由美江は色も素材も確かにスクール水着なんだけど、胸の切り込みとか
ビキニラインとかがなんか過激なような...もしかして勝手に改造しているのか!?
彼女ならやりかねない。先生達も彼女たちにはなんにも言わないんだろうし。
「買いたかったらいつでも図書室に来いよ」
文学部部長であるハインケルは人を馬鹿にしきった口調でそう言って姿を消した。
誰が買いになんか行くもんかっ。こ、心は揺れるけど。
「リップの全身写真もあるわよ。あの子いつも水の外ではタオルで体隠しているんだから
 撮るの苦労したのよー」
由美江が追い打ちをかける。ああ、だめだだめだ。
苦悩する僕をあざ笑って、由美江も姿を消した。
132ときヘル:水泳のお時間3:03/08/14 23:19 ID:j83mB5Gu
「おーい、○○、女子の手伝いをしてやるのはいいけど、授業もちゃんとやれー」
放任型の臨時体育教師ベルナドット先生が、さすがにさぼり過ぎた僕を呼んでいる。
僕は華やかな歓声が聞こえるプールを後にして、灼熱のグラウンドへと戻っていった。

                                                 おしまい
133よんよんさん:03/08/14 23:31 ID:j83mB5Gu
えーと、ときヘルを自分が独占する気はないんで
この設定で参入してみようって書き手さんが居たらいつでも乱入歓迎です。
一応基本設定は合わせといたほうが面白いかなーとは思いますけど。

せっかくサイトスペースあるんで、後でそっちに設定とかはまとめておきますわ。

今個人的な事情から長文禁止令が出ているんで
>裏番ハイをゾリン姐さんが闇討ち→折檻移行→途中で由美江増援、攻守交替
こーゆー複雑なやつは後回しにさせてねん。
134名無しさん@ピンキー:03/08/14 23:44 ID:BCnFMmX9
ほのぼのとしてて(・∀・)イイ!!
合法的に幸せリプタンが拝めそうでうれすいYO!

やり方次第でドロドロなバッドエンドも拝めそうだが・・・
135名無しさん@ピンキー:03/08/15 00:10 ID:GQ2fKAi0
ステッキーな学園もの連載中にギョウムレンラクです
ウーフーのできました
126さんお待たせしましたー
あわよくば祭の花火にズバッと点火を願いますー。
136名無しさん@ピンキー:03/08/15 01:05 ID:dbTdEktt
>>135
らじゃー!!
といいますか、狂った様に遊んでしまい、大分遅れてしまいますたw
スゲェイカス神のHPのためガンバします。

それでは花火の点火ボタンをポチっとな。
137ウーフー祭協賛SS 1/6:03/08/15 01:08 ID:dbTdEktt
 極東の島国でツマラナイ「伝道(ミッション)」を終わらせて帰ってきた私達二人を、
マクスウェルは気味が悪いくらい上機嫌になって出迎えた。
 「ご苦労だった。大変だったね、ハインケル、由美子。地下の特別浴場を貸切にしておいたから、
そこで疲れを癒すとよい。いや、本当に助かったよ」

 「何だったんかね、課長のあの上機嫌。きっとなんか裏があるぞ」
 「大方今度の伝道で弾いたヤー公と三流政治家の利権を横取りしたんだろー。横取りは課長の十八番だから」
 広い大理石張りのゴージャスな浴場の中で、私、ハインケルは相棒の由美江と益体もない会話をしていた。
伝道自体は大したものではなかった。かの国の首都にある、小さな教会の土地所有権を巡ってのいざこざ。
バブルがはじけた今もこの手の話はあるらしい。連中はちゃっちい教会なんぞ即地上げできると踏んだらしいが、
生憎、全ての教会のバックにいるヴァチカンはそこまで寛容ではない。
 手に入れたものを守る為、神聖ローマ皇帝を破門してみたり、フランスやイギリスの王様を扇動して十字軍してみたり、
神の地上代理人の警告を無視して侵略しまくった欲深いヴェネツィア共和国を、
ヨーロッパ中の国々と同盟して痛めつけた、等々の歴史を持つ我々カトリックに盾突いたのだ。末路は決まりきってる。
 私ら二人は、利権の分け前の相談をしていた連中がたむろしていたヤー公の長の趣味の悪い豪邸を強襲し、
全部ばらして東京湾の魚の餌にしてきたところだった。

 「しっかし、教皇庁の地下にこんな大浴場があるとはねー。知らなかったわ」
 「ローマの昔っからの伝統の流れかしらね。古代の異教徒どもは、それはそれは湯浴みが好きだったそうだから」
 「イギリスの狂っとる新興宗教の奴らを殺った後に見学した、あちらのお貴族様のバスルームより立派なのね」
 「元々、古代ローマ帝国が滅亡した後に蛮族がおっ立てた国だからね、あそこは。
近代まで頻繁に入浴する習慣なかったみたいだし」
 「はっ! 大英帝国の異端教徒の豚共は、大昔の異教徒どもより小汚いってか!」
 由美江は熱い湯の中で愉快そうに腹を抱えた。
138ウーフー祭協賛SS 2/6:03/08/15 01:08 ID:dbTdEktt
 取り留めも無い話をしながら、私は豪快に石鹸をつけて体中を洗う。
体中に染み付いた硝煙と血の匂いを落とすため。そんなもの錯覚の産物に過ぎないことは私も承知している。
しかし特に仕事が済んだ後には、いつもそうしている。一つの精神衛生上の儀式だろう。
 由美江はそんな私を眺めながらにやにやしていた。
もう一つの人格の由美子は、一緒にお風呂に入ると言うことすら出来ないウブな子だ。
だが一方の人格の彼女は嬉々として修道衣と下着を脱ぎ捨て、湯殿に飛び込んだ。
彼女を見ていて時々思うことがある。彼女はきっと「悩む」ということが無いのだろう…
 「背中を流してやろうか、ウーフ」
 由美江が湯から上がって私に近付きながら言った。水滴を弾く若々しい肌を持つ彼女の裸身は同性の私にも眩しい。
 「ああ、お願いするわ、由美江。でもあんまり力を入れて擦るなよ」
 「オーケーオーケー、任せなさい。痛くしないから」
 意味深な笑みを浮べて彼女は私の手から泡まみれのボディータオルを受け取った。
由美江の手が私の背中の上を走る。滑らかな石鹸の感触と、存外優しげな由美江の手の動きに私は心地よくなった。
 「おきゃくさーん、痒いとこありませんかー」
 お世辞にも品がよいとは言い難いジョークをとばし、由美江は楽しそうに背中を流してくれる。
 「うん、いいよいいよ。そんな感じ。余は満足じゃ!」
 戯れに私もふざけて返事する。すると由美江の手が急に離れ、代わりに背中には暖かく柔らかい物体が押付けられた。
 「ホント? ホントに痒いとこないの? たとえばこことか…」
 後ろから背中越しに由美江が私を抱きすくめる。彼女の両手が私の乳房を鷲掴みにする。
 「ちょ、ちょっと由美江! こんな所でふざけないでよ!」
 「ウーフの胸大きーい それに張りがあってポヨポヨしてすべすべして触ってるだけで気持ちいいー」
 彼女の舌が私の耳をなぞり始める。間を置かずに泡で隠れた私の乳首をいじくる由美江。ゾクゾクとする触感が…
 「あっ…こらっ…何をするっ……ん…」
 言葉は彼女を拒む。しかし、うわずった声と高鳴り始めた鼓動が彼女を求めている。
 「こんなところでダメなら何処がいいのよ。ここならいいのかよ」
 由美江の意地悪な手が私の下腹部に伸びる。ボディータオルを握ったままで。
139ウーフー祭協賛SS 3/6:03/08/15 01:09 ID:dbTdEktt
 私の背後で由美江が喜悦の表情をしているのが分かる。後ろにいる彼女の表情が読めるのは、付き合いが長いからか。
 「ねえ、ウーフどんな感じ?」
 「どんな感じって聞かれても、由美江… ああっ」
 白い泡が私の股間からどんどん新しく生まれる。由美江の手がボディータオル越しに敏感な部分を執拗になぞっている。
空いた手も別にお留守ではなかった。石鹸で滑る手は私の全身を満遍なく愛撫する。
常には無い変わった感覚が私の肌を刺激し、新鮮な快感にうちふるえ、薔薇色に染まっていく。
 背中に密着する由美江の胸が躍り始めた。
まるで私の背中をカンバス代わりにするように、何かを背中に描いている。
彼女の柔らかい乳房の先についている硬く張り出し始めたものが、背中を滑るたびに背筋を快楽が走った。
 「ねえ、なんて書いたか分かる?」
 「 ス キ 」
 「大当たり! どう、前より気は晴れた?」
 私はそのとき初めて彼女の意図を知った。それまではいつもの好色の故と思っていたのだ。
だが由美江は私の胸の内で膨らむ虚無感を見抜き、彼女なりに慰めようとしたのだ。
 私は由美江の手を取り大理石の床に静かに押し倒した。
 「なんだよ、私が洗ってやるつもりだったのに」
 そう口を尖らせながらも、彼女は私を拒まない。
 「いいよ、一緒に洗おう。その方が早く済みそうだし、私も楽しめるし」
 私はまだ何かを言おうとした由美江の可愛い口を素早く塞ぐ。そして中にある舌を吸い込んだ。
彼女の柔らかい胸に、彼女が言う私の張りがあるすべすべした胸を重ねる。
 「今日ほどあんたが愛しいと思った時はないよ」
 そう告白してから、私は自分の泡まみれの体を由美江の上で滑らせた。
二人の乳は潰れて変形し、その頂点についている実が擦れあってさらに二人を狂おしく興奮させる。
 「あ、あんたが元気なら、わ、私も、由美子もうれしいぃっ ウーフっ」
 後は彼女も言葉にならなかった。なぜなら私が発言させる暇を与えなかったから。
140ウーフー祭協賛SS 4/6:03/08/15 01:10 ID:dbTdEktt
 冷ややかな大理石の上で、私と由美江は体を互いに擦りあい快楽を貪る。
白いヌルヌルとした不思議な触感が二人の距離をさらに縮め、絶頂へのゴールに向って快調に滑走していた。
 「なんか、変だな。私ら目茶変だ。疲れを癒すとよいといわれてきた浴室で抱き合ってる」
 由美江のいつもは物騒な日本刀を握る両手が、私の両頬をそっとはさんで嬉し涙で潤んだ瞳と向き合わせる。
まるで、お前はまだ癒されていないのか、と訴えるように。怒っているとも悲しんでいるともいえる不思議な瞳。
 「バカだな。充分楽しんでるよ、私は。いい骨休めになった」
 彼女の瞳に口付けしてその涙をなめ取る。謝罪の代わりに。
そうして私は由美江の淫らな液体を垂れ流す、聖職者にあるまじき部分に自身のそれを重ね合わせる。
期待に満ちた表情で由美江は私の所作を見守っていた。私も由美江の期待に応えられて、嬉しい。
後は勝手知ったる仲だ。闘争の場で培われたコンビネーションはこういう場でも完全に機能している。
何処をどう刺激すれば、相手が喜んでくれるか知り尽くしている。
今日みたいな風呂場でというのは初めてだ。
だが逆にそのことが新たに異常な興奮を伴う刺激となって私らを幸福に導いてくれる。
 「切ないか、由美江。焦らされるのは切ないかい?」
 さっき私に意地悪をした由美江に、どさくさに紛れて復讐する。
 「馬鹿っ!!」
 赤らめた顔を床にこぼれた石鹸水で濡らすのもお構い無しに、由美江はそっぽを向く。
 「私もだよ、由美江。私も切ない」
 その互いの切なさを埋めあうため、私は下半身を由美江に擦りつける。
少しすねていた由美江もすぐに機嫌を直し、足を絡めて応じてくれる。
最初は緩慢だった動きも次第に速く、大きくなる。その動作のたびにまた泡が立つ。
一体全体、マクスウェルはこの泡立ちの良すぎる石鹸をどこで手に入れたのであろうか?
由美江と一緒に果てたとき、意識の片隅で私はそう思った。
 教えてもらったら、その石鹸を買いに行こう。由美江(由美子でもいいけど)と二人で。
141ウーフー祭協賛SS 5/6:03/08/15 01:11 ID:dbTdEktt
 由美江との付き合いでいい事があるとすれば、それは愛しあった後でも自然に会話出来ることだろう。
変に引きずるものが無い。私さえその気ならば、いつもと変わらぬ二人の会話が再開する。
 この時もそうだった。いい加減湯冷めした体に湯をかけてやると、
 「熱い! もっと水をたしてからかけろ!」
と、いつもと変わらない彼女の表情に戻っていた。もっとも私はしっぽりと後を引く、由美子もたまらなく好きだが。

 私は七つの大罪を少なくとも二つは犯している。邪淫の罪、貪欲の罪を。
 私は度し難いほどの贅沢者なのかもしれない。少なくとも、二人の人格と愛しあえる特権を持っている。
一人の体に、二人の人格をもつ彼女達はそのことを許容してくれる。
普通、ありえない事だろう。二人共愛し、二人から共に愛されるなど。
それとも、最後の審判ならぬ最後の選択を迫られ、どちらか一人を選ばねばならない日が来るのか。
こんな私を、天に召します我らが主よ、どうかお許し下さい。
貴方のために、貴方のために、貴方の敵を打ち滅ぼす。貴方の栄光を守護する、その職務に励みますから。
せめてその務めの途中でこの身が砕け散る、その瞬間まで。

 「さっきさー ウーフの胸大きいって言ったけど、やっぱ私の方が大きいよねー」
 由美江は私の思いに頓着せず、挑戦的に会話を進める。
 「何見てんだよ。どう見ても私のほうがボインだ」
 私も悩むのをやめた。全ては主のお導きのままに、だから。私が悩んでも仕方ない。
他愛もない議論を吹っかけ、ふざけてお湯を互いにかけあう。
いつもの二人に戻っていた。これでいい。これがあるべき形なのだ。

 だが、そんな二人の平和は長くは続かなかった。まさか、こんな終焉を迎えてしまうとは…
142ウーフー祭協賛SS 6/6:03/08/15 01:12 ID:dbTdEktt

 ド ン ッ  ゲァハハハハハハハハ!!!

 突然、浴場の扉が乱暴に蹴破られて耳障りな笑い声が大浴場一杯にエコーして響き渡る。
入り口から一人の男が堂々と入場し、もう一人の男がその男の腕を掴み制止しようとしている。
 「よせアンデルセン! 覗くだけで良いのだ!! 止まれ!!」
 「一目で何もかも一切合切決着する。眼前に裸婦を放置して、何が十三課か!? 何がアンデルセンか!?」
 マ、マクスウェルとアンデルセン!? なぜ二人がここに!?
……謀られた!! 課長が異常に愛想が良かったのはこのためだったのだ!
 私達二人は、見知った顔が、有り得ない場所に現れてその場に凍りついた。
必死に制止しようとする課長を振り解き、繁々と私ら二人の胸を観察したアンデルセンは、
まだその場に停止していた私の所まで来て、腕を取り、高らかに宣言した。

 「 勝 者 ハ イ ン ケ ル ! 」

 「一度と言わず、永遠に死に続けろ!! この出歯亀神父がっ!」
 その後は酷かった。風呂場に護身用で持ち込んだヤー公の安い日本刀を振り回し、由美江が野郎二人を追いまわす。
そのうち逆切れしたアンデルセンも素手で応戦する。そんな二人を尻目に私は課長の襟首をつかんで交渉する。
 「ここと同じ石鹸を、一年分私によこせ。さもないと、法皇聖下に直訴…」
 「分かった! 頼むっ このことは内密に…」
 交渉成立。二人の美しい肉体とその痴態の鑑賞料としては安すぎるが、
あまり吹っかけ過ぎて交渉不成立、その後面倒臭いことになる。よりはマシだろう。

 ナンダカンダいっても、私は今この瞬間を楽しんでいたりする。

 ――― END ―――
143ウーフー祭協賛SSを書いた香具師:03/08/15 01:15 ID:dbTdEktt
ウーフー祭りの開始打ち上げ花火はいかがでしたでしょうか?
20さん、22さん、24さん、26さん。ご協力に感謝します!
我らが同志、防スレの騎士達に、敬礼!!
この埋め合わせは、いずれ形のあるSSでw

次は拙速でカキコした、>>11の補完をしたいと思います。早く局長を(ry
それではウーフー祭りを楽しんで下さい。
144名無しさん@ピンキー:03/08/15 02:05 ID:yBTRj2hh
グーーーッド!ベリーーーグーーーッド!
夜の夜中にテンション高すぎるぞ>135!と>143!誰かすぐ見当つくけどさ
絵は夏服ハイとラストの由美子が(・∀・)イイ!!
特に由美子がベリーーーーキューーート
SSは、見ろあのありさま 身ぶるいする程エロくて面白い(w
早くお嬢を泡まみれにしておくれ〜
漏れはあんたのマヌケでキュートなお嬢が大好きなのさ!

では祭りにふさわしいネタを
アンデはハイをして勝者としたが、ホントに由美に勝ってるんだろうか?
十字火2のウェイトレスな由美みてると結構逝けると思うが
まあ二人とも婦警の超乳には勝てんか(w
145よんよんさん:03/08/15 02:11 ID:Z5qk0eCm
うっひゃー、素敵なお祭りですね、お二方。
ウーフー様に惚れてしまいそうです。これでSSも書けそう(表で)。

絵の方は目つきがたまりませーん。
文章は男らしいウーフー様が素敵っす。


んで、その間に私はしこしこと「ときヘル」ページ作ってみました。
あんまり目にやさしくないのはわざとでーす。が、不評なら変えます(ポリシーなし)。
SS掲載ページとかはもっと背景色薄くする予定。

ttp://red.ribbon.to/~aa433/toki_HELL_index.htm
146名無しさん@ピンキー:03/08/15 02:26 ID:02N9dVb0
コミケ前にステッキーな花火上げてますなぁ。
徹夜組には味わえない醍醐味ね。

>144
夏服扉絵のウーならセラスにも勝てる!と言ってみるテスト。

諸君!コミケで(σ・∀・)σゲッツ!!した戦利品の報告もヨロシコ。
俺は仕事でいけそうもない・・・・・・(ノД`)シクシク
147名無しさん@ピンキー:03/08/15 07:07 ID:GQ2fKAi0
うわーうーわー興奮しちゃうよ
そんなウーフーと由美江すきだー!
綿密な焦らしトークゐゐ!
ストイックでつよいおなごでレズ+2面性のあやうさ、
それは個人的に最もびりびりくるポインとのひとつデス・・
すかさず石鹸要求するハイにポン刀振り回す由美江に
ゲァハハハハ〜!もう、その石鹸(以下略

ウーフけしごむゲームはもうちょっとバリエーションできるかも
由美子褒められて嬉しっす

148名無しさん@ピンキー:03/08/15 10:54 ID:jWM+8fOS
アワーズ繋がりってことで
 関連スレ
【六道神士】エクセルサーガのエロパロ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1059542950/l50
149名無しさん@ピンキー:03/08/15 11:06 ID:HqYPdA/1
泡泡ハインケルでハァハァしますた


わーコミケより熱い祭りだー

コミケは遠いから行けないよママン
150名無しさん@ピンキー:03/08/15 11:26 ID:2GNSWyZ4
夏服バージョンハインケルの夏服がとっても艶やかで色っぽいYO!

おんぶして甘える由美子も(*´Д`)ハァハァだが
拗ねる由美江も(*´Д`)ハァハァ

>149
漏れも地方在住なので逝けない。気分だけ味わうため虎の穴いってきま〜す。
実況スレ見てると修羅場みたいだが(w
エスプリは低い排気音を響かせながら高層マンションの地下駐車場にすべりこんだ。
「アーカード、降りろ」
インテグラは短くそう言って座席のすぐ下にある地面に降り立つ。
そのまますたすたとエレベーターホールに向かって歩き出した。
アーカードも慣れた様子でその後をついて行く。
口元には相変わらず楽しそうな笑みが浮かんでいる。

エレベーターに乗ると、インテグラは30階まであるボタンは押さず
下のカバーを開けてその中にカードを差し込んだ。
すると表示板の上に目立たぬよう配置されたランプが点灯し、
エレベーターはするすると31階にまで登っていく。
このマンションは彼女の所有であり、最上階の31階と32階がインテグラの住処だ。

エレベーターを降りるとホールがあり、重厚なスチールの扉がある。
さらにそれをくぐるとマンションとは思えない広さの玄関があり、
黒と白でまとめたシックで現代的なリビングがあり、
二階へ続く螺旋階段があり、その奥に彼女の寝室はある。

たっぷりとしたキングサイズのペットには純白のシーツがかけられ、
大きなサイズの羽根枕がいくつも並べられていた。
「こんなベットじゃ一人で寝るのは寂しいよなあ、インテグラ」
インテグラを後ろから抱きしめながらアーカードはささやく。
「私は寝相が悪い。それだけだ」
「俺にはとてもそうは思えないがね」
そう言いながらスーツを脱がしにかかる。
「自分で脱ぐぞ。お前がやるとしわが付く」

インテグラはその手を振り払って言ったとおり自分で上着を脱ぎ、ハンガーにかけた。
次にブラウスをするりと落とす。ブラジャー姿のまま無造作に拾い上げてソファに放る。
それからいつも生徒達がその下を妄想している、タイトスカートのサイドファスナーを降ろした。
スカートも床に落ちる。インテグラはしわがよらないように広げてソファにかけた。
最後にガーターベルトを外し、ストッキングをくるくる丸めながら脱ぐ。
黒いレースの下着姿となったインテグラは、無造作にストッキングとガーターも放り投げた。
アーカードはその様子をニヤニヤ笑いながら見学している。

「なんだお前は脱がないのか?」
「インテグラ先生が一人の女になっていくのを見るのも楽しみのうちさ」
フンとインテグラは鼻で笑った。
「さっさと脱げ。私は仕事は手早くと済ませる主義なんだ」
「シャワーはいいのかね?」
「お前は浴びない方が好きなんだろう」

インテグラはベットに腰掛け、眼鏡を外してサイドテーブルに置いた。
アーカードもシャツを脱ぎ捨て、制服のズボンをおろす。下着も脱ぐ。
獣のようにベットに四つん這いで上がり込んで、反対側に座っていたインテグラを引き倒した。
「楽しもうぜ、先生」
「勝手に楽しめ。不良生徒」
ベットの上に広がった金髪の中央で、インテグラはいつもどおりの冷たい瞳で答える。
「なんだ、まだ先生モードか」
つまらなさそうにアーカードはつぶやいた。
「じゃあ自分で下着も脱いで欲しいね、先生」
「フン」
インテグラは再び起きあがるとライトスタンドの前でブラジャーのホックに手を回した。
上質のレースはするりと肌から離れる。そしてショーツにも手をかけた。
キュッと上を向き引き締まった尻がゆっくりとあらわになる。
それをベットの上でアーカードは存分に鑑賞していた。
ショーツを足から引き抜く時、前屈みになった尻の隙間から淡い金の繁みが見える。
「その思い切りの良さがとてもセクシーだぜ、インテグラ」
アーカードのからかうような言葉に、インテグラはさすがに少し赤くなった。
といっても背中を向けているのでアーカードには見えない。それでも彼は知っていた。
もう長い付き合いだ。

外した下着をやはり無造作に拾ってソファに投げ、インテグラはベットに向き直った。
一糸まとわぬ裸体でしなやかにベットの上に体を投げ出す。
その上にアーカードは覆い被さった。まず、唇ではなく首筋に口づけする。
「そんな所にアザを付けられると、あとでファンデーションで消すのが面倒なんだがな」
「授業を聞きながら、そこに俺のマークがあるって考えるのが楽しみなのさ」
そう言いながら大きすぎも小さすぎもしない彼女の胸をさわる。
乳首はもうとっくに堅くなっていた。
「あんたはすぐ濡れるから好きだぜ、インテグラ」
赤くなって睨みつけるインテグラの顔を楽しんだ。
「女生徒だと手順を踏むのが面倒でね」
眉をひそめ何か言いたげな口を唇でふさぐ。
「野暮な説教はなしにしようぜ、先生」
そういいながら、一気に彼女の足を割った。思ったとおり、そこはすでに濡れていた。
アーカードは自分のものをあてがうと一気に貫く。
「んっ」
顔をしかめてこらえている姿を楽しみながら、挿入を繰り返した。
「んっ、、、くっ、、ぁ、、、」
なるべく声を抑えようとしているが、体は素直だった。
インテグラは自ら足でアーカードの腰を挟み込んでその動きに合わせている。
「本当は好きなくせになあ。変な重荷は捨てちまえよ、インテグラ」
アーカードもかすれた声でささやく。
彼女の中は熱くて適度に堅く、そして柔らかい。極上の女だった。

「はぁ、、、ぁぁ、、んんっ、、、、、、ああっっっ」
インテグラが登り詰めるのにあわせて腰の動きを早くし、アーカードは精を放った。
彼の汗が髪の毛を伝って彼女の顔の上に落ちる。

「どうだ、インテグラ?」
インテグラは目の周りを紅潮させ、とろんとした目つきでアーカードを見上げた。
もうすでに鉄の女教師の顔ではない。一人の女の顔だった。
「アーカード...」
はあはあと息を弾ませながら何か言おうとする。
「もう一回やってもいいか? インテグラ」
「だ、めだ」
感情を振り払うかのように声を出す。
「続きは、お前が仕事を果たしてから、だ」
言葉は教師のものだったが、声音は女のままだった。
実は続けて欲しい。そんな気持ちのはっきり伝わる声だった。
「じゃああんたが続きを楽しめるように頑張ることにするよ」
アーカードとしても続けたかったが、時には我慢することが次の官能を高める。
彼はすでにそれを知っていた。インテグラが教えたのだ。

そっと彼女の体の中から自分のものを取り出した。
「シャワーを借りるぜ、先生」
ベットを降りて振り返ると、インテグラはまだベットの上に無防備な姿で
上向きに寝そべった姿勢のまま、快楽の余韻に浸っていた。
アーカードはニヤッと笑ってシャワールームへと姿を消した。

シャワーを浴びて出てくると、インテグラはさすがにローブをまとった姿になっていた。
けだるそうにソファに座って煙草をふかしている。アーカードはかがみ込んで口づけした。
煙草の味が彼の口の中にも広がった。
「ちゃんと仕事はしろよ、アーカード」
顔を離す前に濡れた髪の毛をつかまれてそう言われる。
「わかっているよ。先生のためにも頑張るさ」
含みをもった口調にまたインテグラの顔が赤くなった。
「だから、仕事を果たしたら、今度はもっと激しいことやらしてくれよな」
「フン」
インテグラは赤い顔のままそっぽを向く。
了解の合図と受け取って、アーカードは床に放り出した自分の制服を身につける。
「帰りは送ってくれなくていいぜ、今の先生だと運転もできなさそうだしな」
ニヤニヤ笑うアーカードにインテグラはそっぽを向いたまま呟いた。
「バカ」
                                             おしまい
156山崎 渉:03/08/15 16:37 ID:7WSqfyM8
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
157よんよんさん:03/08/15 16:38 ID:OmHtwafN
お褒めの言葉をいただいた皆様、感謝の極み。
これからも体力に配慮しながら頑張ります。

>120
アーカードがこれまで何人先生のために消してきたと思っているのかね?
一人ずつそんなことやってたら体が持ちませーん。
とはいえ、お仕事のあとにどんなことやって欲しいかは聞くよう。

今考えているのはさわやか編と裏のコラボレート。
さわやか編はLv1で抱きしめ、Lv2でキス、Lv3でエッチとさわやかに薦めつつ
(これって恋愛シミュレーションだもんねえ)
裏ときヘルでは鬼畜炸裂させるという。
とりあえずセラスからやってみよーかなーと。
まああんまり期待せずに待っていてください。
158150:03/08/15 20:03 ID:ERs6zLqx
OH!せくしぃー女教師インテグラ様万歳!!
とても学生さんとは思えないアーカードも良し。
つか、アーカード開発したのは先生なんじゃろか?それとも逆?

セラスたんはほのぼの路線でいってほしいな、唯一似合いそうだもん。

まんだらと、虎の穴行ってきた。意外に無いのね、へるドジン。
・・・ひらこーセンセに似た絵柄で、多対戦をやられると辛いことが判明した
有意義な一日ですた。だから職人さんズはそれを避けるのか!
159名無しさん@ピンキー:03/08/15 21:53 ID:sDk7ZMu7
>157
見たよーときヘルサイト〜
インテグラ先生の紹介になぜか愛を感じた
やっぱりお嬢はパラレルでもハイソで男前エチーが一番だねッ

リップ委員長の立場がビミョー
純愛路線にも、鬼畜路線まっしぐらも両方ありそう
主人公と二人きりの居残りで、夕暮れ時の教室で某ぼーいずびー調の事故発生!
で、さわやか編突入フラグ立つかな〜
160名無しさん@ピンキー:03/08/15 23:21 ID:bKUJkuNV
>>四四三さん
やたーインテグラ先生だー(;´Д`) ハァハア
旦那は女生徒を何人落としてきたんだろう?


>>158稲鳴四季って人なら御大に似てる絵柄かもしれない
昔、虎で見たけどその頃ヘルシング知らなかった
あぁもったいないことした
161158:03/08/16 00:18 ID:LxicB4MQ
>>160
おうっ?!マジで当てられた!
預言者なのか?買ってるとこ見られたか?

あまり上手い例えではないが、ただでさえ濃い味付けの料理にさらに塩を追加
するような、濃い絵に濃すぎるシチュだったと感じた。
つか兵士の上にリップ、リップの上にシュレ、シュレの上に又兵士はどうかと。
162よんよんさん:03/08/16 00:34 ID:Ms7e5KZo
私が一つ失敗したと思っているのは、エスプリではカーセクースができないことだ。
いや乗ったことないけど、たぶん無理だよな。(ヨーロッパならあるぜ)
車高の低い車にスカートの女性が乗るとかなりセクシーな状況になるので
それを書きたかったのよねん。

まあお金持ちなんだから他になんか持っていてもいいか。
でもイギリス車限定で。レンジローバーとか。ありがちだな。
ジャガーの後部座席でってのはどうだろう。

などと考えつつ無意味にすごす夜。
163よんよんさん:03/08/16 00:38 ID:Ms7e5KZo
>159
多層パラレルを考えているので(だって恋愛シミュレーションゲーだし)
鬼畜リップも純愛リップも両方書けるよ。というか書く予定。
ハインケルとさわやか編やってみたいって人がいたらそれもオケーさ。

個人的にはインテグラ先生が主人公です。
女性らしさを前面に押し出したインテグラって、本編では絶対に書けないんで楽しんでます。
164名無しさん@ピンキー:03/08/16 04:43 ID:xQ4aBM7P
>161
4人合体!?
さすがは泣く子も黙る同人誌やる事が違う


イギリス車っていえば、西○警察撮影の観客撥ねたのもそうだったね
、、、インテグラに少佐とマクスウェルをひき殺(以下自粛)
165160:03/08/16 10:10 ID:xpi3x4Kf
>161偶然当たったみたいね(藁


稲鳴四季ぐぐってみた
ttp://homepage2.nifty.com/skyhigh/
166名無しさん@ピンキー:03/08/16 10:20 ID:vW/2zqFH
さてコミケ夏の陣も二日目、参加者諸君は無事息災であろうか?
今日がヘル関係の集中日らしいが、このスレ住人で行った香具師はいるのかな?
167よんよんさん:03/08/16 17:42 ID:Am0C8FVp
せーぶけーさつはTVRですか。あれは現代的すぎて個人的には今ひとつ。
イギリス車らしい古くささがいいなあ。エスプリも後期型じゃなくて初期型ね。

少佐が乗るのは当然ベンツなんだろうな。VWビートルなんてのも面白いけど。
マクスウェルはなんだろう。クーペフィアット? ちょと地味か。
フェラーリとか乗るのもなんだかなー。
アンデルセンには大きな体を押し込めてチンクチェントに乗っていただきたい。

コミケにいけない人の戯言。
168161:03/08/16 19:44 ID:I4+RR6+h
下に同じくコミ家にいけない人の戯言。
まだ満たされないものがあるらしく、とら&まんだらに再出撃。
探し方が悪かったらしく、今日はザクザク見つかった。ラッキー!

同時にヒラコー御大のエロドジンまでハッケソ!(σ・∀・)σゲッツ!!する。
すれいやーずでがうりぃがなーがを犯っていたが、なーがが露出狂な由美江
に見える漏れはもう頭が腐ってるのかもしれない。

どうでもいいが、インテグラ先生の乗用車をホンダの「インテグラ」
だと思っていた漏れは回線切って逝ってきます!
169名無しさん@ピンキー:03/08/16 19:48 ID:bb1hpQ/d
少佐は大尉運転バイクのサイドカーで通勤してたら
禿藁
170よんよんさん:03/08/16 20:46 ID:Am0C8FVp
>158
思春期の青年らしく、人一倍の破壊欲と性欲をもてあまし、暴れ回るアーカード。

その姿をじっと見ていたインテグラ先生が、ある日夜の街で彼に声をかける。
「アーカード。そんなことでは君は満たされない。いつか自ら破滅していくだけ。
 私がその力の使い道を教えてやろうか? 本当の官能を教えてやろうか?」
んでお持ち帰りっと。どうかな?

アーカードと先生のエロ、本番部分にもうちょっと加筆しよーかなー。
あとのお楽しみを残しておこうと思ってわざとあっさり片づけたんだけど、どーしよー。

コミケで人がいない内にいろいろ画策している寂しい人。
171名無しさん@ピンキー:03/08/16 21:16 ID:XlX6ysED
↑インテグラ先生エロいな(;´Д`)




関係ないけど「スリーキングス」始まった(=゚ω゚)ノ
172名無しさん@ピンキー:03/08/16 21:31 ID:Y3vRchoT
夜の街で声かけるってのが凄いなぁインテグラ先生
てっきり、旦那を生徒指導室に呼んでそこで轟!!だと思ったが(w
173よんよんさん:03/08/16 22:01 ID:Am0C8FVp
>172
んなことしたら、他の派閥のみなさんに関係がばれちゃいます。
陰で暗躍しまくり。それがヘルシング学園。(個人的に)萌えー。

ところで>122は
>学園祭の相談だと誘ってリップを自宅に監禁(以下自粛
以下自粛部分で何をしたいんだろ?
おびえる委員長とエッチならさわやか編でも可能だ。
ゴカーンしたいならさすがにさわやかにはならないと思う。

あと前も思ったけど、マイスターさんはどうして自分が書いた方が
面白く書けそうなシチュを私にリクエストなさるんだろう。>126参照
人の心って複雑なのねん。
174126:03/08/16 23:27 ID:yXPGu3hM
>>173
申し訳ないです、ただ師匠がどう料理されるだろうか興味深々だったんです。
特に他意はありませんです、ハイ!
明日中には局長お風呂編投下します。
それが終わったら、次の日から始まる自分の務めを果たさないと。当分職人家業は休業です。
時々心臓がタップダンスを踊ったけど、局長とシュレをいじる日々は楽しゅうございました。

ああ、回想してる暇があったら書かなくちゃ…時間がぁ。
175よんよんさん:03/08/17 02:07 ID:D2/+azVh
>174
いえ、謝っていただく必要はございません。カモーンしたのは私ですから。
でもマイスターさん、それってつまり私を試そうとしているんですね( ̄ー ̄)ニヤソ

ガイドライン板で演説コピペ改変はやりまくったからなー
お風呂ネタは今集中してるしなー
じゃあバレンタインでも書きますわ。近いうちに。

ちょっと今風邪気味なので、明日(もう今日だけど)はお休みして
職人さんの作品を堪能させていただいて、その後はまたテキトーにSS投下しまっす。

今日は本当に人少なかったなー。みんなコミケ行ったのかなー。羨ましい。
176名無しさん@ピンキー:03/08/17 08:51 ID:/00+h3/a
コミケ夏の陣三日目。参加諸君は望む萌えと巡り会えたのであろうか?
主の加護のあらんことを、Amen

>174
見たぞー旧413ホムペ掲示板〜
結構お金持ちなんすね、来年は漏れも逝って来るよ
さて、我らお留守番組はステッキーなSSを待ちますか
177174:03/08/17 11:26 ID:Sdr0djSs
>>175
いやいや、試すなどdでもございませぬ!
自分の欲望に忠実なだけですよ。
しかし、真夏にバレンタインネタをふる自分は全く以って度し難いSS狂ですなw

それでは、今からお留守番部隊のために、
僭越ながら自分がこの夏最後のSS投下します。とっくりとごらんあれ!
178秘密の通路のベルとグラ 1/10:03/08/17 11:27 ID:Sdr0djSs
 それは偶然の産物だった。
ヘルシング家の傭兵隊長、ベルナドットが何気なしに邸内のある一角の壁にもたれた時の話である。
突然彼の背後の壁が音も無く半回転し、お陰で彼は頭をしたたかに床に打ち付ける破目に陥った。
 「い、痛ってぇなおい!」
 たまたま彼と同じ室内にいた吸血鬼は頭部強打の被害者に全く目もくれず、壁の後ろの謎の空間に興味を示した。
 「ほう… こんな所に隠し通路か、この私も知らなかったぞ」
 「アーカードの旦那にも分からないことがあるんですかい?」
 「別に私がこの館の施主ではない。この家の家業の性質上、隠し通路が1ダース程あっても驚くにはあたらぬ」
 そうですかそうですか、とぼやきながらベルナドットは頭を押さえながら立ち上がり、暗い奥に眼を凝らした。
どうやら何処かに通ずる隠し通路らしく、完全な闇ではなかったのである程度眼が慣れれば進む事は出来そうだった。
 「どうします、旦那? いっちょ探検と洒落込みますか」
 「好奇心は猫を殺す、と言うぞ。長生きはしたくないのか?」
 「つまらない長生きなら結構ですわ。じゃ、旦那はここで…」
 「行かないとは言っていない。いい暇潰しになりそうではないか」
 人と人外は互いの顔を見合わせ、にっと笑った。

 …どれぐらい進んだであろうか? ベルナドットが先頭になってライターの火を掲げ持ちながら進む。
今にして分かった事だが、この通路は頻繁に人の出入りがある形跡がある。
この手の通路につき物の蜘蛛の巣も無ければ、濛々たる埃も無い。
他に変わった点があるとすれば、先に進むにつれて湿度が高くなっていくという事だった。
 「ほう、ここで行き止まりか…」
 「何すかねぇ、このスライドになったプレートは?」
 そう言ってベルナドットはプレートの取っ手をスライドに沿って引いてみる。ちょうど人の両目間隔の覗き窓があった。
そんな物があれば覗きたくなるのが人の常というもの。ベルナドットは彼に残された右目で先を覗き見る。
 「うわっ! こりゃあすげえぇっ!」
179秘密の通路のベルとグラ 2/10:03/08/17 11:28 ID:Sdr0djSs
 ベルナドットの右目が捉えた光景は、まさしく男にとっての楽園であった。
そこはヘルシング家の浴室に通じていた。中は湯気が立ち込めており、部屋の隅に置かれた浴槽には
アーカードの主にしてベルナドットの現在の雇い主であるインテグラ嬢が湯浴みをしていた。
 「ほう、浴室に続いていたとは… ヘルシング家にもこの様な趣味の持ち主がいたとはな」
 アーカードも空いた一方の覗き窓より中を覗く。二人には知る術が無いが、
この穴は向こうの室内からは壁に掛けられた人物画の眼の部分に相当し、見破られにくくなっている。

 二人のピーピング・トムの前で、インテグラは全く無防備に魅惑的な肢体を晒している。
 彼らの眼に写ったインテグラは、いつもの彼女とはまた違った表情をしていた。
眼鏡は外してかたわらの棚に置いている。乳白色の湯は泡立っており、白い泡が彼女の褐色の肌を覆っていた。
僅かだが通路にも浴室内の芳香がする。このベルガモットの香りは執事が高級デパートで購入した香料か何かだろう。
 しばらく湯船の中でインテグラは目をつむって漂っていた。疲れきった表情は次第に緩んでいく。
体が温まってきたのだろうか、彼女は一度大きく背伸びすると上半身を起こした。
湯の中から、インテグラの豊満な乳房が泡に包まれながら現れた。ベルナドットが音を立てて唾を飲み込む。
 「あれからもうちょうど10年か……」
 「お、珍しい。アーカードの旦那でも昔の思い出にひたるんですかい?」
 と、アーカードのひとり言に合いの手を入れてみたものの、その実余り興味はない。
眼前の情景に目を奪われているためだった。
 「私とて思い出ぐらいひたる。あのコロはインテグラもまだ小さな女の子だったからな」
 「昔一緒に風呂にでも入ったんですかい?」
 ボディーブラシで体を洗い始めたインテグラに視線を固定したまま、ベルナドットは質問した。
 「そうではない。その昔、あれがヘルシングの当主になりたての頃の話だ。実にあどけない表情をしていた。
風呂に入って安らいだ今の顔の様にな。それでふと思い出した」
 「へー局長にもそんな時代があったんすねぇ。しっかし今はタマンねほどいい体してますな」
 昔を回顧する言葉が、全部形而下的な答えで返されるのに内心アーカードも呆れた。
180秘密の通路のベルとグラ 3/10:03/08/17 11:31 ID:Sdr0djSs
 見られているなどと夢にも思わず、インテグラは湯船の中で爽快になっていく自分を抑えることもしなかった。
敵味方を問わず彼女のことを知る者は絶対に信じないであろう。なんと、鼻歌を歌い始めているのだ!
 ふふ♪ ふーん♪ んー♪ ふん♪ ふ〜ん♪
 柄の長いボディーブラシで背中を洗い始めたインテグラは、ちょうど二人の真正面を向く形になり、
二人に向ってその形のいい優雅な乳房を背をのけ反らして捧げ出す形になった。
どうやら痒い所になかなか届かないらしく、何度も何度も懸命に背中に手を回している。
その度にゆさゆさとゆれる胸と、普段絶対に見られない眼鏡もかけずにあどけない表情で何かに集中している様は、
俺を誘っているのでは? とベルナドットに思わせ血を熱くさせた。無論、そんな訳がないが。
 「ああ、もうたまんねぇ! 今すぐ飛び込んで、俺がお背中を流してやりてぇ!」
 「そういえば胸がさらに大きくなったな… 10年前も年不相応に大きかったが」
 「そ、そうなんすか!? いやあ、しかし泡まみれの局長はいいっすねぇ。褐色の肌と白い泡の競演!
それに珍しく眼鏡を外したご尊顔を拝したし。鼻歌まで拝聴しましたからね! ふん ふ〜んって」
 あまりにも興奮し過ぎたのが、ベルナドットの敗因だった。
 それまで機嫌よく体を洗っていたインテグラは雷に打たれかの様に動きを止め、不審な音がする辺りを睨みつける。
そこには先代がペンウッド卿より譲ってもらった大事な絵(なぜ大事な絵を浴室に飾るのかがまた問題だが)があった。
インテグラは側にあるバスタオルを手に取り体に巻きつけ、浴槽から出る。
先程まで自分の体中を磨いていたボディーブラシを剣の様に構えながら絵に、二人の侵入者に向って進撃した。
 「…あれ! 気付かれたようっすよ! 旦那ッ! どうしやす!?」
 慌てふためき、アーカードに問いかけるベルナドット。しかしアーカードは全く意に介していなかった。
 「問題ない。何も問題はない。…ここにいたのはお前一人だからだ」
 「えッ! どういう意味ですかい旦那、ってそれエロ光線! は、反則だぁぁぁ」
 人でなしは共犯者を一人置き去りにし、悠々と退場する。共犯者は朦朧とした頭で立ち尽くしていた。
181秘密の通路のベルとグラ 4/10:03/08/17 11:32 ID:Sdr0djSs
 「確かこの絵の付近から声がしたのだが…」
 インテグラは雫が冷え始めるのも無視して問題の絵に近づく。その額縁をそっと持ち上げてみた。
 「なっ 何だこれはっ」
 額の後ろから出たのは、金属でできた取っ手と覗き窓だった。
なぜ浴室にこんな物が、と愕然としつつインテグラはその取っ手を握り、引っ張ってみる。
壁は意外に力を入れることなくゆっくりと開いていく。彼女がその壁の向こうに見出したのは…

 「ここで何をしているッ! ベルナドット隊長!」
 インテグラは見知った顔の登場に、今の自分の状態を恥じるより先に相手を罵倒した。
空ろな右目の瞳でインテグラをとらえて、ベルナドットはボソボソと呟いた。
 「な にも 問題 ない 何も、問題、ありません」
 インテグラの頭に一気に血が昇る。手にしたボディーブラシの柄を高々と振り上げた。
 「問題大有りだ! この愚か者めがっ」
 あと少しで木製のブラシ本体が彼の顔面にめり込むところだった。
だが、それでも同じ内容の言葉を続ける彼のただならぬ様子に、遅まきながらインテグラも気付いた。
振り上げたブラシを下ろし、インテグラはベルナドットの顔に自分の顔を思い切り近づけて確認しようとした。
彼の鼻息が顔にかかるのも無視して(今彼女は眼鏡を外しているので、そうしないと細部がよく分からないのだ)
瞳を覗き込み、彼女は事件の実態を全て把握した。
 「まったくっ! 緊張感がないにも程がある。あの痴れ者めが」
 事態が解明したら、急にインテグラは馬鹿馬鹿しくなって目の前の男を痛めつける意思がなくなった。
今や自分の下僕の木偶人形になっている男を打ち据えたところで、何ほどの事があろう?
 それより、せっかく温まった自分の体が冷え始めたことの方が、彼女にとって大いなる問題だった。
 「人形相手ならば問題にすることもなかろう」
 インテグラはバスタオルを脱ぎ捨てると、再び湯船に身を横たえた。
 放心状態のベルナドットを浴室内に放置したままにして。
182秘密の通路のベルとグラ 5/10:03/08/17 11:33 ID:Sdr0djSs
 インテグラは中断した大事なブラシがけを、背中から足へと移行させていた。
その間もベルナドットの空虚な隻眼は彼女を視界に入れ続ける。最初、その存在を無視し続けていたインテグラも、
頭に登っていた血が湯に温まって全身に隈なく行き渡ると逆に気になり始めた。
 長い優美な左足を浴槽から出して、ブラシで洗いながらインテグラはベルナドットを見据えた。
いつもの人を喰った、余裕を見せる笑みはなく、漂白された白紙の表情をしている。
見慣れた顔の見慣れぬ表情に彼女は戸惑い、両の足を磨き終わったあと自分でも思ってもいなかった言葉を口にした。
 「こちらに来て私の足を洗え、隊長。お前の舌で」

 なぜ唐突に? と聞かれても、理由らしい理由を答えることなど彼女自身にも出来そうにもない。
強いて彼女の心理を代弁すれば、それは好奇心だったろう。
前々から、普段戦塵にまみれ、火薬の匂いを香水のように振りまくこの男が少しだけ気になっていた。
その好奇心が突然発火する。この浴室内で。
ベルガモットの香料が漂うこの浴室で屈服させたらどうなるか? 自分はどう感じるか?と。
 もちろんインテグラも好奇心が猫はおろか、人も殺す事ぐらい知っている。
だが、相手が正体を見失っていることと、二人しかいない空間は今ここだけという状況設定が彼女を飛躍させた。
 「違う。ただ湯にのぼせただけだ、ただそれだけだ」
 誰も聞いていない言い訳をしながら、インテグラは湯船から両足を投げ出した。
 「何も、問題、ありません」
 彼はふらふらとゆっくりと近付きながら、雇い主の足元にひざまずいて両足をその手に取り、軽く接吻した。

 「ふふ、あ、案外気持ちが良いものなのだな。癖になりそうだ」
 浴槽の中で身悶えしながらインテグラはうそぶいた。
ベルナドットの赤い舌が彼女の足の指の間を這い回る。舌が通過するたびにこそばゆい快感が立ち上る。
長湯するため、ぬるめに入れられた風呂の湯より熱い彼の舌がインテグラの内に眠っていたものを目覚めさせていた。
 インテグラは近眼でぼやけた目ではなく、もっとはっきりと自分の足元の男の顔を見たいと思い立った。
彼女の顔に無くてはならない物を探し、その手が宙を舞いだした。
183秘密の通路のベルとグラ 6/10:03/08/17 11:35 ID:Sdr0djSs
 インテグラの腕が、視線が、湯気に曇る浴室の中をさ迷う。
 「何処にやったかな? 眼鏡、眼鏡…」
 霞む視線が上へ上へと行くと、やっとお目当ての眼鏡を見つけた。湯船に漬かっている彼女には少し高い位置にあった。 
手を伸ばし、掴み取ろうとするが上手くいかない。業を煮やした彼女は浴槽から起き上がり、目的のものを手に入れた。
この時、再びベルナドットに何もまとわない乳房を晒していたが、それはインテグラの思慮の外だった。
 彼女は浴室の湿気で結露したレンズを湯の中に突っ込んでから愛用の眼鏡を装着する。
 「絶景、というのかな。これは」
 視界がクリアになったインテグラは、思わず息を呑み感嘆の声を上げた。
よく見ればまずまず美男のカテゴリーに入るベルナドットが自分の足に口付けし、その指を咥え、肌に舌を這わせる。
一時的とはいえ、自分の部下である男にかかる背徳行為をさせている事がインテグラの官能を逆に揺さぶり、興奮させる。
 柔らかい、温かい、湿っぽい感触が彼女の肌を通り過ぎる。
足の裏から快感が湧きあがってくる程度にこそばゆい。まことにこころよい。
 インテグラは浴槽にしなだれかかってみたり、両手で髪をかき乱したり、大きくため息をついたり、
左の中指を軽く噛んでみたりと落ち着きが無い。そのうちインテグラは我慢することそのものを放棄してしまった。
 「心地よいぞ、隊長。許してやる、今日の無礼を。だから続けろ、もっと私を悦ばせろ」
 「何も、問題、ありません」
 雇い主の言葉を聞いているかいないか、そこまではよく分からないが、ベルナドットの動きが大胆になる。
彼の唇は次第にインテグラの足を上昇していく。柔らかいふくらはぎを口に含み、舌先を走らせる。膝を接吻漬けにする。
 んんっ んふっ んんん んはぁ んんっ
「溶けてしまいそうだ 湯の中で、足からどろどろに…」
 広大な邸宅に比してそれほど大きいわけではない、古い浴室にインテグラのくぐもった声がこだました。
もはや隠すことなく火照って艶やかな顔と声を部下に披露する。
夢見がちに浴室の天井を見つめるインテグラの呼気が熱く湿っぽく、荒くなる。
こだまする自分の嬌声に自分で驚き、彼女は、今度は右の人差し指の第一関節までを口に咥えて噛んだ。
184秘密の通路のベルとグラ 7/10:03/08/17 11:36 ID:Sdr0djSs
 ベルナドットの唇と舌は、まるでインテグラの嬌声に呼応するかのように突き進む。
彼の右目がインテグラのまだ乳白色の湯の中に隠された下半身に注がれる。
突如ベルナドットは、服の袖が濡れるのもお構い無しに両腕を湯の中に突っ込んだ。
 「なぁっ あぁぁ!?」
 突然の出来事にインテグラは驚愕し、短い悲鳴をあげた。
ベルナドットの両手が彼女の細い腰をガッチリと掴み、湯の中から引っ張り出す。
その分インテグラの上半身は湯船に引きずり込まれてしまう形になった。
彼女は浴槽の中で手を使い、元の体勢に戻ろうとしたが、底がすべって上手くいかない。
 首まで湯に漬かり、真っ赤になった顔だけ湯の上に出したインテグラが目にしたものは、
露出した自分の下半身と、彼女の両腿の間に挟まったベルナドットの顔だった。

 中断されていたオーダーが再開される。ベルナドットの舌が彼女の滑らかな内股を這う。
時にその肌を強く吸う。そこに充血して彼の唇の形に赤くなった痕が残った。
 はぁ はぁ ああっ んんぁっ んっ はっはっぁ
 水面から顔だけ出して、インテグラは乱れる呼吸音を浴室一杯に響かせる。まるで酸欠の金魚みたいに。
止めなければならない。今すぐに。至急に。一線を越えてしまう前に。だが、分かっているのに体が動かない。
浴槽の淵を掴む両手に力はこもるのに、体は力が抜けていく。もっと続けろ、先に進め、と何かが囁く。
 そんなインテグラの胸の内を見透かしたように、ベルナドットの舌先に力が入る。先を尖らせる。
さらに奥へ、奥へと分け入る。いくつもの唇の痕を残しながら。

 彼の右目と、彼女の水滴のついた眼鏡越しの両目が合う。彼の右目は何かの了承を求めている。
彼女の両目は瞬きを繰り返し、確約を与えることに躊躇した。
 遂にベルナドットは、一線を越えるべく行動を開始する。緩やかに、インテグラの秘部に向って。
 「ダメだっ それだけはダメだっ ベルナドットっ それだけはっ」
 そう叫んで、インテグラは跳ね起きた。
185秘密の通路のベルとグラ 8/10:03/08/17 11:37 ID:Sdr0djSs
 上半身がバネ仕掛けの玩具の様に跳ね起きたインテグラは、両腕でベルナドットの頭を包み込み、抱きすくめる。
結果として、彼はインテグラの濡れた胸の中に顔を埋める形になった。高鳴る鼓動がよく伝わる。
 「続けろ、もっと私を悦ばせろって命令したのはアンタだろ?」
 「命令した、確かに。だが、だがそれ以上は越権行為だ。いつ私がお前に自分をくれてやる、と言った?
ははっ 役者だな、隊長。途中まで完全に騙されていたぞ。明日からシェークスピア劇の主役にでもなるか」
 まだ息が荒く熱いインテグラは自嘲気味に微笑んだ。それでもその腕を解こうとはしない。
 「騙すも何も、途中までは本当だったんすけどね。気が付いたら、こうしてたってことデスよ」
 悪びれもせずにベルナドットは彼女の胸の中で弁解する。
そっと彼女の手を取りその胸から離れ、自分の雇い主と向かい合う。その表情は悪戯が露見した悪童のそれだった。
そんな悪童の唇に、インテグラの唇がそっと重なる。ゆっくりと離れながら、彼女は彼に告げた。
 「のぼせてしまいそうだ。もう上がることにしよう」

 「で、俺はこれからどうなるんです? 市中引き回しの上磔獄門ですかい?」
 ベルナドットはインテグラの体をバスタオルでぬぐいながら聞いた。彼女は、完全に開き直っていた。
インテグラは彼が差し出す薄いピンクのバスローブに袖を通しながら答えた。
 「別にどうもしない。私は王立国教騎士団の総帥、お前は私に雇われた傭兵隊長。何か問題があるのか?」
 降参しましたとばかりに両手を上げて、石鹸とベルガモットを匂わせる傭兵隊長も答える。
 「無いっス。二束三文のクソ駄賃がもらえるなら、地獄にまでついて行くさ」
 「吐いた唾は飲めぬぞ、後悔するな」
 バスローブの帯を締めて、インテグラは吐き捨てる。その口調と姿は普段の彼女に戻っていた。
 「では、ベルナドット隊長。今夜のラストオーダーだ、少し控えていろ」
 内線電話を掴みながら、インテグラは朗らかに命令した。

 しばらくして、受話器の向こうの執事が出たのでインテグラは何事かを伝える。
執事は、少しばかり驚きの反応を主人に返したがすぐに了解し、行動した。
186秘密の通路のベルとグラ 9/10:03/08/17 11:37 ID:Sdr0djSs
 「こんな夜更けに急にシャンパンを注文されるとは… しかも浴室に持って来いと。何事であろう?」
 ウォルターは今までに一度も無い主人の命令に首を傾げながらも、注文の品のシャンパン・フルート二つと
極上品のシャンパン、クリュグを氷を張ったワインクーラーに入れて浴室に運んだ。

 「ウォルターにございます、インテグラ様。ご注文の品をお持ちしました」
 「入れ。鍵は開いている」
 主人の許しを得て、執事は浴室の扉を開ける。
その彼の前に広がる光景は、およそ想像力が貧弱とは言えない諧謔趣味のあるウォルターにも予想し難いものだった。
 あるべき絵と壁が無い! 無いはずの出入り口がある! ここで何をしているのだ、ベルナドット!
バスローブに身を包んで頭にタオルを巻き、備え付けのリクライニング・チェアに身を預けるインテグラの足元に、
片膝を床につけて傭兵隊長が膝まずいている。
 危うくウォルターは手にした注文の品を浴室の床に落とす所であった。驚愕する執事に主人が声を掛ける。
 「何をしているのだウォルター。早くそれをテーブルに置け。喉が渇いて仕方が無いのだ。
ああ、これは気にするな。英国式足裏マッサージをしてもらっている。そこの通路から来てもらった」
 インテグラの足元で、ベルナドットが彼女の足を手に取り揉んでいる。意外に上手いのにインテグラも驚いた。
 満足気に足元を見つめながら、インテグラは細長いグラスを手に取り執事に差し出す。
ウォルターは震える手でクリュグの瓶を取り、注ぎ込む。シャンパン・フルートの淵がカチカチと鳴っていた。
 「明日、彼の契約を打ち切ります!! 破廉恥な!」
 「放っておけ、何も問題ない。それに主犯が別にいる。不届きにも我が王立国教騎士団の部隊長に妙な術をかけ、
私の湯浴みを覗いた挙げ句に彼に全ての責任を擦りつけた、吸血鬼がな」
 「一体それは…」
 「ホームズでなくとも、レストレード警部にすら分かる初歩的な推理だ、実にくだらないぞ。
そんな暇人で堂々と我が機関の本部を闊歩する吸血鬼が、この世に二人といるのか?」
 「アーカードですか…」
 「皆まで言うな、ウォルター。胸に仕舞っておけ。馬鹿馬鹿しくてこれ以上何も言う気になれん」
 執事を適当にあしらいながら、インテグラは豊潤な液体を喉に流し込んだ。
187秘密の通路のベルとグラ 10/10:03/08/17 11:39 ID:Sdr0djSs
 数杯冷たいシャンパンを飲み込んだ後に、インテグラは再びウォルターに話しかけた。
 「そうだ、忘れるところであった。明日でいいから浴室の改装を手配せよ。
前々からシャワーの一つも無いことが不満だったからな。
それから、サウナでも追加してもらおう。そこの通路を潰せば、よりスペースを有効活用出来るであろう?」
 「……承知しました。早速業者に手配します。それではこの通路の仔細を調べる為にそこから失礼します」
 「そうしてくれ。私はもう少しここにいる、存外心地よいのでな。夜遅くにご苦労だった、ウォルター。下がってよい」
 妙にご機嫌な主人に対して、妙に不機嫌な執事は一礼してから隠し通路を通り退室した。
ウォルターは暗い通路を明かりも無しに突き進む。まるで知り尽くしています、と言わんがばかりに。
その違和感を、推理力がレストレード以上だかホームズ並ではないインテグラは気にも止めなかった。

 こうして、今宵ヘルシング家の若き女当主は新しい喜びを見出し、今宵老いたる執事は古くからの喜びを見失った…

 インテグラは手ずからベルナドットが掴んでいるシャンパン・フルートの中にクリュグを注いだ。
 「これを飲んだら、今夜のことは忘れてしまえ。私もそうする」
 「それが良さそうですな。互いの精神衛生上のためにも」
 二人は同時に笑って、杯を軽く触れ合わせる。澄んだグラスの音が浴室に響く。
 そうして、ちょっとした互いの悪ふざけを酒と一緒に体の奥深くに流し込んだ。

 瓶が空になった。それでは、と退室しようとするベルナドットの手を、インテグラは急に握った。
 「すまない、ベルナドット… 本当にこれが今夜最後のラストオーダーだ…」
 苦笑いをかみ殺して、ベルナドットは彼女の体を両手で抱き上げる。彼の胸の中でインテグラは呟いた。
 「私は酔っていない、酔っていないぞ、隊長。本当だ… 湯にのぼせただけなの…だ」
 その後、礼か褒美というわけではなかろうが、ん〜♪ふ〜ん♪ と鼻歌を歌い続け、仕舞いには寝息を立てた。
そんな雇い主を寝室にまで送り、仕方無しにバスローブを脱がせて裸のままベットに放り込み、羽毛布団をかぶせる。
自室に戻りながらベルナドットは思った。寝るには、もう少しアルコールが必要だな、と。

 ――― 完 ―――
188上のSS投下した香具師:03/08/17 11:44 ID:Sdr0djSs
投下終了! 途中長すぎと叱られました。
ヤパーリ自分は局長に思い入れがあり過ぎるのですね…

今日で自分のSSに始まり、SSに終わった夏休みも終りです。
明日からまたお仕事な日々。マイパソは仕事場に常駐になるので
昼休みにROMするか、土日に単発レスぐらいしか出来ませんが
たまに余裕が出来たときにSS投下したら、皆さん笑ってやって下さい。
よんよんさん師匠! どうかお体をお大事に、元気で健筆を振るって下さい。
師匠のインテグラ先生がたまらなく大好きです。

ああ、夜更かしし過ぎて眠いよパトラッシュ、お昼寝しよう…

最後に、「ベルグラ」は「ベルサイユのインテグラ」みたいでステッキーですね。
それでは皆さん御機嫌よう!
189名無しさん@ピンキー:03/08/17 15:11 ID:gZk8MFdL
萌えだ、萌えの極みだ
ただ足なめられてるだけなのに、なぜいきり立つんじゃろ?
ラストのお嬢が激しくキャワ(・∀・)イイ!!たまにはこんなお嬢もありか

下がりすぎなのでageるぞ、諸君!
190名無しさん@ピンキー:03/08/17 19:15 ID:ilUjlWCF
ううっ?突然age・・たあとドウスレバまぁいいや
あらゆるカップリングとこまやかな描写で楽しませてくれた職人殿、ありがとう。
お疲れ様です。
貴殿の書かれたカワイイ無茶なセラスを、飄々と難儀なシュレ君を、退廃のエロス・ボニー&クライドを、切なくも愛しいハイ由美を
・・あげきれない幾重ものSS錦を忘れないっす。
またふらりと登場されることを期待しつつ。敬礼!
旧413
191よんよんさん:03/08/17 20:27 ID:0RWoOR22
ウォルターさん...。マスターも....。そのノリが大好きです、マイスター!
なんか文章も内容もどんどん洗練されてきて、
これからもすっごく楽しみなのにいったんお終いとは残念です。
しかしリアルより現実の方が大切ですわな。
日本を支えるリーマンさんとして、ほどほどに頑張ってください。


思わず触発されて委員長のバレンタイン一気書きしちゃったよ。
気に入ってもらえるかわからないけど、このお話はマイスターさんに捧げます。
わたくしからの餞別ですわっ(躁リップちゃん口調で読むように)
この学校には変わった先生がたくさんいるけど、
というより変わっていない先生なんていないくらいだけど、
大尉先生はその中でも独特な人だった。
いわく、誰も先生が喋るところを見た人はいないという。僕もない。

大尉先生は美術教師だ。絵も描くけど写真も撮るらしい。
美術の時間なって美術室に行くと、いつも黒板に大きくその日の課題が書いてあって
終わった生徒は時間内であってもあとは自由にしていい、そういう決まりだった。
今日の黒板には「静物写生」と書かれていて、中央のテーブルには
全長30cmくらいのフォルクスワーゲン・ビートルの精密な模型が置かれていた。
もしかしてこれも先生が作ったんだろうか? そんなことを考えながら、
僕たち生徒はそのビートルを中心に輪になるように座って写生を始めた。

席は自由だ。
僕はなるべく書きやすい位置を取ろうと思って、ビートルの前方斜め前に座った。
でも、さすがに長く愛されてきた名車だけあって、どの角度から見ても絵になる車だ。
逆にそれが難しかったりもするんだけど....。
鉛筆を動かしながらふと顔を上げると、リップ委員長がちょうと僕の真ん前に座っていた。
いつものように少し下にずりおちた眼鏡の中の目で、一生懸命ビートルを模写している。
けど、あの位置だとビートルを後方から見た姿の写生をしているんだよな。
結構マニアックな選択だなあと思っていると、委員長がこっちを見た。
ビートルじゃなくて、たしかにこっちを見た。

え? 僕は思わずどきまぎして鉛筆を止め、彼女の様子をうかがった。
委員長はまたこちらを見る。でも見ているのは僕じゃなかった。僕の後ろを見てるんだった。
そこには大尉先生が座っていて、いつものように自分の作業に没頭しているはずだった。
それは絵を描くことだったり、撮った写真の分類だったりする。
委員長はビートルを見るのと、模写するのと、同じくらいの時間配分で大尉先生を見ていた。
その目は写生の対象を見るのと同じくらい、いやそれ以上に真剣だった。

…つまり委員長は大尉先生が好きなんだ。
一度気が付いてみると、彼女の想いはすごくわかりやすいものだった。
いつも美術の時間になるとまっさきに美術室に向かうし、
出来上がった課題を大尉先生の所に持っていく時は頬が赤くなっている。
でも委員長は奥手だから絶対にそれ以上のことはしない。
大尉先生も気が付いているのかいないのか、
ただでも考えのわからないあの先生の気持ちなんてわかるはずがない。
それでも僕はなんとなく微笑ましく委員長の様子を見守っていた。
一途で真面目で繊細な、彼女の想いが伝わっているといいなと思いながら。

2月14日のバレンタインデー。その日は雪が降っていた。
もちろん高校生にとってバレンタインデーは大きなイベントで
僕も色々期待をしながらいつもより早めに登校した。
残念ながら靴箱には何も入っていなかった。

落胆したのでまずトイレに行くことにして、僕は三階の隅っこにある男子トイレに向かった。
突き当たりには窓がある。それは少し開いていて、寒いすきま風が吹き込んでいた。
雪の日くらい窓は閉めろよなと思いながら、僕はその窓に近づいた。
その時、下から声が聞こえてきたんだ。
「あ、あの、あの...」
委員長の声だった。
僕は思わず窓を閉じるのを辞め、ガラスに顔をくっつけるようにして下をのぞき込んだ。
真っ白な雪の中に、セーラー服の上に黒いコートを着た委員長と
カーキ色のコートを着た大尉先生が立っている。
委員長の手には、はっきりそれとわかるバレンタインの贈り物がのっていた。
小さくて上品な金色の小箱で、金の葉っぱがプリントされた茶色いリボンがかけられている。
いかにも委員長らしい控えめな、でもきっと選び抜いた高級本命チョコなんだろう。
「あの、大尉先生...」
委員長の声は消え去りそうに小さかったけど、彼女たちが立っているのは
校舎と校舎の隙間なので、反響によって上に向かって声がよく響いてくる。
僕は思わず他の窓がどこも開いていないことを確認して安心した。
委員長はそれ以上言うことができなくて、ただ黙って金色の箱を差し出している。
真上からなので表情は分からないけれど、きっといつも以上に真っ赤になっているんだろう。
さっきの声の調子からすると泣きそうになっていてもおかしくない。
大尉先生の顔は、いつもかぶっている帽子の下なのでやっぱりわからないけれど
きっといつもと同じ無表情なんだろう。
ああもうじれったいなあ。
僕ならあんな委員長からチョコレートなんかもらったらその場で抱きしめて離さないのにっ。
僕は一人、廊下の隅で興奮していた。端から見たらさぞかし変な風景だったろう。
誰も通りがからなかったのは幸いだった。

僕にとっても、きっと委員長にとっても、永遠とも思える沈黙のあと、
大尉先生は黙って手を差し出し、委員長のチョコレートを受け取った。
それからコートの内側に手を差し入れ何か手帳のようなものを取り出す。
まるで何事もなかったかのように、いつもと同じ冷静沈着な動きでパラパラとそれをめくった。
よくわからないけどその手帳の中からは鮮やかな色彩が次々と現れる。…写真かな?
大尉先生はあるところでぴたりと手を止めると、その中から一枚を抜き取った。
そして委員長に向かってそれを差し出す。
真上からなのでよく見えた。それは白い花の写真だった。
真ん中にいくつも丸い実みたいなのがついていて、周りを白い花びらが覆っている。
名前は分からないけれど、委員長にぴったりの清楚で綺麗な花だと思った。

委員長は震える手でその写真を受け取った。思わず落としそうになって、あわてて拾う。
写真は一瞬宙に舞って、それから委員長の手の中に収まった。
じっとその様子を見ていた大尉先生は、ぽんと彼女の頭を叩いてきびすを返した。
何も言わず、去っていく。
委員長は胸の前で写真を抱きしめながら、いつまでも雪の中に立っていた。
上からなのでよく見えなかったけど、その顔はきっととても幸せそうなんだろう。
委員長のことだから、やっぱり涙ぐんでいるのかもしれない。
僕は今更ながら見てはいけないものを見てしまった気がして窓から離れた。
だからその後のことは知らない。
ただ、あの花の名前は気になって、後日図書館で調べてみた。
エーデルワイスという花らしい。そういえばそんな歌を音楽の時間に習ったな。
花言葉は「大切な思い出」。
きっとあのバレンタインは、そしてあの写真は委員長にとって大切な思い出になっただろう。

僕もいつかあんな風に女の子からチョコレートをもらえるだろうか。
そして大尉先生みたいに受け取ることができるだろうか。
…道は遠い。

                                               おしまい


この作品は愉快でステッキーでギャフンな職人氏に捧げます。 ふろむ よんよんさん
196よんよんさん:03/08/17 20:32 ID:0RWoOR22
「リアルの現実の方が」もしくは「ネットより現実の方が」だよ!<自分
いかんボケボケだ。

大人しくサイトでも改造してよっと。
197名無しさん@ピンキー:03/08/17 21:21 ID:ZOYg7TIE
萌えてる、スレが萌えているゾ。
どうしたんだ、二人とも?ゴイスーに萌えているゾ!

二作品とも、その後が激しく気になる。
お嬢と隊長は、その後普通の上司と部下に戻れたんじゃろか?
やっぱり忘れられず、今度はお嬢が隊長のにゅーよく覗いたりして。
リプ委員長がまた激しく萌えェ〜ときめいてるよ、漏れは。
つか、大尉先生がメッチャカッコいいぞ。一体どうなるんだろこの二人は?

ちと寂しくなるが、二人とも心温まる萌え燃えな一日をありがd。
198名無しさん@ピンキー:03/08/17 21:49 ID:RBShHiVc
コミケで男屋の新刊を手に入れた方はおられるか?
フリートークにて佐藤大輔の『皇国の守護者』の挿絵を担当する、とあるらしく
誰かその箇所をウプしてはもらえぬか。そこだけでも。
199ギャフンな職人:03/08/17 22:41 ID:sIb1ki4o
>>195
感謝の極みですっ よんよんさん師匠!
切なくも甘酸っぱい、そして美しいSSでございました。
音楽の時間に歌ったエーデルワイスが思い出されてしかたありません。
しかも、花言葉まで使われるとは… やはり師匠にはかないません。

またいつか必ず帰ってきます。来るなっ!と言われてもw
それでは今日はお先に失礼します。
200よんよんさん:03/08/17 23:15 ID:+WF9mjPt
エーデルワイスは本編の扉絵にもなってますよう。
五巻の第6話、102ページですね。
私のオリジナルってほどのもんではありません。

この話のあと、二人は普通にそのまま過ごすのもありかなって。
生徒と先生の恋愛って一時の気の迷いというか、そこまで言うとあれですが
学校という特殊空間の中での白昼夢って気がするんですよねー。
もちろん例外もありますけど。
だからこのまま何事もなく、卒業していって一つの思い出になる。
そんな結末もありだと思います。
でも続ききぼんぬされるなら考えなくもない。私節操ないんで。
201名無しさん@ピンキー:03/08/17 23:17 ID:PacqOcX4
ごらん、パトラッシュ、これが萌えスレなんだ。
って、すゴー胃、巣ゴーいいベリィーーグッーーート。

お留守番してたかいがあったよ。
ありがとう、職人さんたち。
現実はともかく、ネットは暑い夏だね。
202名無しさん@ピンキー:03/08/17 23:29 ID:+KUns+QA
>199
ギャフンな職人さん、待ってるYO!

しっかし、英国式足裏マッサージとはいいとこ突いてるよな
諸君は誰にマッサージして欲しいかね?漏れは由美子をキボンぬ
203名無しさん@ピンキー:03/08/18 09:55 ID:U92v2jc8
英国式なんて贅沢はいわねえ、婦警に肩を揉んでホスィ
最近肩がコッテしかたがない

なんなら、超乳で肩こりの婦警を漏れが揉んでもよいが
204名無しさん@ピンキー:03/08/18 17:27 ID:/wIGRPCz
>203
「揉む」ってどこを揉むんだYO!どこを!(w

旦那に揉まれたら・・・死ぬな!確実に死ぬな!ミンチになってよ〜
205名無しさん@ピンキー:03/08/18 20:10 ID:clGRgeTW
揉んでもらえなくていい。


シュレタンに膝枕してもらって、耳掃除してもらえれば。
206名無しさん@ピンキー:03/08/18 21:44 ID:3yemKPdV
>>205
> シュレタンに膝枕してもらって、耳掃除してもらえれば。
ソフトエロスは男の浪漫。
207名無しさん@ピンキー:03/08/18 22:16 ID:+P21OVEs
俺のことはどうでも(・∀・)イイ!!
俺はインテグラ様を癒してさし上げたい

不規則な生活と葉巻の吸いすぎ、手の焼く部下に厄介極まりない敵に
荒れているであろう肌と心をケアするのだ

とりあえず、全裸インテグラ様を我が手で泥パックする
208名無しさん@ピンキー:03/08/18 23:00 ID:eqzUpGf7
有明から帰ってきたらばスレがごうごうと萌えている!ギニャー!!!
マイスター!男前でタカビーで色っぽくてお間抜けで可愛い、あんたのお嬢はやっぱ最高だよ!!(感涙)
そして執事!!意外なような全然そうでないような一面が!(大爆笑)
隊長も出だしはお間抜けかと思いきや途中からえらくカコイイ!し、ええもん拝ませていただきますた。
ステッキーな一夏をありがとう!お仕事がんばって、また帰ってきとくれ!
>よんよんさん
いつもながらスピードと質の両立に感服しとります。
委員長、可憐だ〜(惚)まさにときめき。鬼畜リプたんも大好きだけどこっちもイイ!
このお話は色褪せない思い出としてこのまま終わった方が美しいような気もするなあ。
でも先生が撮ってるのはおんぷたんなのねん。ああ無情。
そして裏ときヘル(笑)プリーズ!どうか加筆してはもらえまいか?更なるえちぃを〜。
この二人は互いに利用してやるつもりがいつの間にか結構マジになっちゃってたりして、
そしてそれを相手に悟られまいと狐と狸の化かし合い、だったりすると萌えるな〜。なんて妄想。
>207
ガンバンナサイネー。もしかしたら「なめろ命令だぞ」とか言ってくれるかもしれんぞ。泥を。
209名無しさん@ピンキー:03/08/19 00:38 ID:qU/32jJd
さて、シュレたんがお風呂に入ってたら
覗くか……
おとこ同士だからどうどうと入れるじゃん(゚∀゚)



体を洗ったり洗われたり
流したり流されたりしよう


二人きり大浴場で
「シュレタンは水が苦手なんだなぁ」
とか会話してぇ(;´д`)ハァハァ
210名無しさん@ピンキー:03/08/19 01:07 ID:gVQsQoFl
諸君!
余計なお世話かもしれんが、四一三殿のステッキーなホムペに
またイカス絵がうPされましたぞ!
ハイ由美もぶるせらも局長も、柔らかそうでたまんなく(*゚∀゚)=3ハァハァ

>209
お風呂から上がった後にお互いをタオルで拭きっこするのもお忘れなく。
。。。ギャフンな職人様は実に萌えツボを押さえたシチュを開発されますたな。
冥土服お嬢の時の過激なエロがウソのような清々しさだ。でも、それがよい。
211名無しさん@ピンキー:03/08/19 05:04 ID:HGfLyDkE
確かに清々しい(w
にしても、何かにお嬢をなめさせるのが大好きでしたな
漏れもそんなssが大好きだが


最後の作品のせいでアーグラ派からベルグラ派に寝返ってしまいそうだよ、職人様
言われてみれば、お嬢のまわりの同年代でまともな野郎は隊長さんしか居ねえ(w
212名無しさん@ピンキー:03/08/19 07:25 ID:dfCLTi+S
>>211
いやあ、世間一般では隊長さんも立派にアレかと思うよ。
ただ旦那や神父や少佐と比べるとまともに見えるだけで(藁

>>209
お風呂上りにシュレタンと何で乾杯しますか?
牛乳orコーヒー牛乳、それとも酒飲ませて酔ったところをパクリッ!でつか?
213209じゃねーけど:03/08/19 19:31 ID:/JqSLxG9
コーヒー牛乳!コーヒー牛乳!コーヒー牛乳!

よろしい ならばコーヒー牛乳だ
好例のコーヒー牛乳一気飲み勝負を所望する
214名無しさん@ピンキー:03/08/19 19:53 ID:F6a7eShs
シュレタン酒に弱そう
耳がたれ下がってきて(;´Д`)ハァハァ


マタタビ?
215名無しさん@ピンキー:03/08/19 20:13 ID:ihEJ0Nrd
またたび、あれは効きますぜぇ旦那ッ!

物本の猫でやっても狂ったように激しく擦り寄り、目をウットリさせ
よだれを垂れ流し酔わせる。ただしオスにしか余り効果ないが。

もし准尉にまたたびが有効なら、麻薬の中毒患者のごとく
膝に擦り寄り腰に手を回して甘えて懇願し、おねだりするでしょうな。
216名無しさん@ピンキー:03/08/19 20:41 ID:VCK5w+dD
よし。じゃあカルアミルクでどうだ?どうだ、お前ら?
217名無しさん@ピンキー:03/08/19 21:11 ID:S11DjkwI
>>216
問題は、シュレタンが酒に弱いかどうかだね
こちらが先にやられたら話にならん。もし弱ければ

HEY シュレタンをベットに放り込んで一発で終わり
指までしゃぶって夜のおかずで一巻の終わり

なのだが(w
シュレタンに限らず、セラスタンやリップタンにも使えそうだな
局長とゾーリン姉さんは無理っぽいが
218よんよんさん:03/08/19 21:40 ID:Bd3Y2EnG
あれ、書き込みが反映されていない。

あらためまして、どもー。
>208
さんきゅーです。
>この二人は互いに利用してやるつもりがいつの間にか結構マジになっちゃってたりして、
その設定、私もむっちゃ萌えです。いただきます(-人-)ありがとう。

アーカードx先生。いくら自サイトがあるからって
一旦スレに掲載したものを大幅加筆ってもなんか卑怯な気がするんで、加筆は止めておきます。
そのかわり>>170-173でちらっと書いた、先生とアーカードの出会い編(契約編)を
書くっていうのでどーよ?

今ちょっと体調不良なんで(よくあることだ)、すぐにとは行きませんが。
セラス編もちょこちょこ書いているんだけどなー
コラボレートとなるとSS3つほど必要なのでなかなか終わりません。
最後まで書いてからはあきらめて、さっさと順次投下しようかしらん。

あ、他にも「俺のリクエストはまだか(゚д゚ ) ゴルァ」って人が居たら催促よろしく。
219名無しさん@ピンキー:03/08/19 23:00 ID:vjWQKiNr
1000getしますた!
超親切な方、後はよろしくおながいします!

>218
セラスたん編が超ーたーのーしーみー
それと先生旦那契約編が終わってからでいいので
伏線張ってあるバレンタイン兄弟編4649!
今回は立場かえて、インテグラ先生VSルーク兄貴、旦那VSヤソはいかがなものか?
220名無しさん@ピンキー:03/08/19 23:08 ID:s5LHNWt/
>>219
1000getおめ。ところでインテグラ先生VSルーク兄貴はともかく
旦那VSヤソって…801なネタか?(汗)それとも言葉通りのイミ??
221220:03/08/19 23:36 ID:s5LHNWt/
ところでイカス四一三様のホムペの更新ページってどこん?
頭の悪い漏れとPCには脱衣ゲームもできんかった。しくしく。
222よんよんさん:03/08/19 23:43 ID:Bd3Y2EnG
>221
ttp://izumo.cool.ne.jp/afar/
ここ。ゲームするならIE推奨ね。
うしろにindexって入っているとうまく飛べないので注意。
しかし、後今coolはメンテ開け全般的に鯖落ちしてるんで今晩は無理かも。

>219
セラス編はそのバレンタイン編とリンクする予定なのさ。
801はやらんぞ普通に殴り合うぞ。それもまた青春ではないか。なあ?
223219:03/08/20 00:22 ID:niVt4bRg
私をなめるな神職人!!
私はシチュをパスしたぞ、何も変わらない!!
「セラスたん必萌え」!!「セラスたん必萌え」だ!!
(*´д`*)ハァハァ の邪魔をするバレンタイン兄弟は叩いて潰せ!!
逃げも隠れもせず正面からガチで殴り合え!!
ステポテチーン兄弟はただ進み押し潰し粉砕しろ!!


801は漏れも嫌だずら〜青春そのままで突っ込んで(・∀・)イイ!!
ところで1000getで調子に乗った漏れは逝ってきます!;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン  
224名無しさん@ピンキー:03/08/20 07:46 ID:58Qy3+pv
あれかー
○○君とセラスが一緒に下校中にお馬鹿兄弟が因縁つけてきてさー大変
な時に、旦那乱入というシチュでしか?
いざ戦闘で○○君と旦那が肩を並べて殴り合い、数が多すぎて大ピンチ!
に用務員のヲルター参戦と。

どちらにせよ、萌えより燃えが気になる珍しいSSになりそうだね、パトラッシュ。
225208:03/08/20 10:32 ID:0wRQS0Jj
ギニャー!!神職人からお返事がもらえたよママン!
しかも漏れの萌えを採用していただけるとは感謝の極み。
契約編楽しみだなあ〜。でも気長に待つので無理せんでくだちい。
ところで契約編の先生って処女…じゃないよねさすがに。
(不良旦那はどうせやりまくりだろうから別にいいけど)
しかしその場合誰に開発されていたのかが非常に気になる。
まさか校長もしくは円卓連中とか用務員さんじゃないよなあ(焦)
おいしそうな男子生徒を先生がごく日常的にいただいてたとか?
でもお高くとまった美人教師(処女)が生徒と思って甘く見てたら
逆に開発されちゃったというのもええかもしらん。
こうして考えてみると原作の処女って設定は絶妙だなあ〜。
萌えを掻立てられつつ寸留めされてるって感じで(*´Д`)ハァハァ。
226よんよんさん:03/08/20 13:15 ID:9y6WEDhJ
神職人ってのはやめてくれー。
私は神じゃない、ただの病人さ。2ちゃん風に言うと社会の不良債権ね。
だから時間もイパーイあるのさ。そりゃマイスターさんより書けますわな。
それに職人でもないよ。得意技はインスピレーション一気書き。
ただ直観の赴くままに書く、技術もなにもないさ。

ま、なんでもいいけど過剰反応はやめてねん。恥ずかしいから。
>224 はっずれー。でもいつかは当たるだろうから、その前に完成させねば。
セラスは僕の幼なじみだ。家が近所だったという、すごくありがちなパターンだけど
とにかく僕らは一緒に遊んで大きくなった。
セラスは昔から明るい子で、弱い者イジメは大嫌いで、「強くなりたい」が口癖だった。
それはたぶん、彼女が孤児だったという生い立ちにも関係しているんだと思う。
僕がそれを知ったのはずいぶん後になってからのことだったけど
明るいセラスにそんな背景があったなんてとショックを受けると同時に
いつも無理にでも明るく陽気に振る舞って、
強く強くあろうとする彼女の理由がわかったような気がしたものだった。
それ以来、僕はそんな彼女を支えたいと密かに決意した。

セラスはヘルシング学園では空手部と柔道部のかけもちをしている。
どっちもかなりの腕らしい。
でも喧嘩ごとが日常茶飯事のこの学園で、
セラスが人に暴力を振るったところを見たことはない。
虐められている女子生徒を助けに入ったことはなんどもあるらしいけど
セラスの腕を知っている普通のワルはそれだけで逃げるし、
アーカードや愉駄みたいな相手なら、まともに戦わずにとにかく逃げるらしい。
その見事な逃げっぷりに彼らは追ってこないとか。
「三十なんとか逃げるにしかず!よ」と彼女は笑って言っていた。
本当は三十六計だろうと思ったけど、口には出さないでおいた。

セラスは成績はあまりよくない。頭は悪くないと思うんだけど、
たぶん運動部に力を入れすぎているからだろう。彼女はきっと強くなりたいんだ。
どこまでも強く。僕にはそれが少し痛々しく思える。
けれど彼女の生い立ちを考えると、それは僕なんかには軽々しく口に出せる事じゃなく思えて、
僕はいつも黙ってしまう。ただ彼女のそばにいることくらいしかできない。
でもずっとそばに居たい。

そんな風に思っていた。
ある日の放課後、僕は自転車置き場へと歩いていた。
この学校は私立のくせに怖い人が一杯居るので、校舎裏は気をつけなくてはならないゾーンだ。
だから僕もあたりを気にしつつ、裏手にある自転車置き場へと向かっていた。

しかし、校舎の隙間でなにやら話し込んでいる人影を見てしまった。
しまったなあと思いながら見ないふりをして通り過ぎようとする。
「...それを私にしろっていうんですかぁ」
泣きそうな声が聞こえてきた。それも聞き覚えのある声。セラスだ!
反射的に僕は校舎の角に身を隠しながら様子をうかがった。
嫌そうな顔でうつむいているセラスの前で、腕組みしながら不敵に笑っているのはアーカード!
あいつ、よりによってセラスに....。
僕は反射的に飛び出そうと思ったが、アーカードは強い。そりゃもう強い。
もう少し様子をうかがうことにした。ああ僕って駄目なやつ。
「お前がしないならと他の生徒どもに被害が行くだけのことだ」
アーカードは相変わらず笑いながら言葉を続ける。
「いい加減あきらめろ、セラス」
そういってセラスの顔の後ろにある壁に手をつき、顔を近づけた。
おいおい何する気だよ。
「お前は俺を選んだんだからな」
...!!
思わずショックで腰が抜けそうになった。ど、ど、ど、ど、どういう意味だよ。
僕が動転している間にアーカードはくるりときびすを返し反対側に向かって去っていった。
残されたセラスはうつむいたまま、寂しそうにしている。
人差し指で目を拭った。...泣いているんだ。

「セラス!」
僕は思わず声をかけていた。
「あ、○○くん...」
セラスは困ったような顔で僕を見る。気まずい。
「なんか、通りすがったら、君がアーカードなんかと話してるから、さ」
動揺しながら一生懸命台詞を考える。

「どうしたの? 何か困ったことになっているなら、僕が力になるよ」
なんて陳腐な台詞なんだろう。
それでもセラスはその言葉を聞いて嬉しそうな顔をしてくれた。
まだ涙の残る顔で、それでも嬉しそうに笑顔を浮かべながら僕に抱きついてきた。
「ありがとう、○○くん。私、しなきゃならないってわかっているんだけど、
 どうしても踏ん切りがつかなくて。そんなことしたら、何かが終わってしまう気がして」
なにか凄くシリアスなことらしい。
それはよくわかるんだけど体にあたるセラスのやわらかい胸の感触が....。
僕はドキドキしていた。セラスの柔らかさがたまらなく愛おしくて切なかった。
「○○くん、もし私が...でもずっと友達で居てくれる?」
肝心な部分はよく聞こえなかったけど、僕はうなずいた。
幼なじみが泣きながら、それでも僕に向かって笑ってくれているのに
どうして拒絶するなんてことができるだろうか。
セラスはそんな僕を見て涙のあとの嬉しそうに微笑んでくれた。

「ありがとう、○○くん、○○くんのお陰で何か吹っ切れた」
そういってぱっと体を離す。僕としてはもっと長くふれ合っていたかったんだけど
その思い切りのよさもセラスらしくて、だから僕は引き留めなかった。
セラスはその短いスカートから見える長いカモシカのような足で
俊敏に駆け去りながら、こちらを振り返っていつものように手を振った。
いつもなんども別れ際に繰り返してきたこと。
いつまで僕らは幼なじみでいられるんだろうか。

その後、セラスが何を言いたかったのか、僕は知ることになる。

                                   セラス編Lv2へ
230よんよんさん:03/08/20 14:03 ID:9y6WEDhJ
これの裏バージョンは今夜あたり投下予定。

裏ヘルなので当然裏です。そこら辺は要覚悟。
読み飛ばしてもLv2には読むのに支障ないようにしますので、
ときめきのみを求める人はそーしてください。

しかし原作セラスって敬語基本なのでため口は意外と難しい。
セラスらしさがちゃんと出せているといいのですが。
231旧413:03/08/20 18:04 ID:DrzSJg0n
僕人称にどきどき。
あぁ、いつも傍にいたはずのせらす娘が・・
守りたいと同調しつつも
むっざむざと欺かれたいスレ傍観者 裏!裏!

210さんどうもです
直後にサーバーアクシデントで消えちゃいましたが直しました
220さん
わかりづらいうえにブラウザ(機種もかっ?)依存でごめんなさい
よんよんさんさんフォローどうもですー
232名無しさん@ピンキー:03/08/20 19:27 ID:xckIeyM5
(*^ー゚)b グッジョブ!!よんよんさん殿!
婦警指数高いキャラに仕上がってますぜ、健気なところが。
そんな彼女がどんなゴイスーな目に遭うのか、楽しみだ。

>>231
見たよーやっぱり(*^ー゚)b グッジョブ!!
婦警が目茶カワ(・∀・)イイ!!
セラスは懸命に自転車を漕いでいた。
どうしてこんなんことになってしまったのか。
ただちょっと部活の練習に一生懸命になってしまって、気が付いたら日が暮れていたのだ。
できる限りのスピードで自転車をこぐ。
ヘルシング学園のまわりはお世辞にも治安がいいとは言えない。まあ、学園の中もそうだけど。

自転車についているライトは薄暗い。その明かりの中で、道になにか黄色い線が見えた。
まあただのロープだろうと思って通り過ぎることにした。ところが。
「きゃあっ」
気が付いたら体が中を待っていた。反射的に柔道で鍛えた受け身を取ろうとするも
さすがにアスファルトの上は畳と同じようにはいかない。
「痛ったぁ」
腰をさすりながら起きあがろうとしたセラスの視界に入ってきたのは、
いかにもガラの悪そうな男たちの集団だった。彼らはにやにや笑っている。
うちの学校の生徒じゃない。セラスは反射的に飛び起きて、構えを取った。

彼らは道路に粘着性のあるロープを張って、自転車でここを通りがかる生徒を狙っていたらしい。
暗くてよく見えないけれど、人数は10人近いようだ。
まいったなぁ。自分を守るために気を張りつめる底で、こりゃ勝てないわという気はしていた。
数が多すぎるし、セラスは試合以外で人を殴ったことはない。
そんなことを気にしている場合じゃないんだろうけど、この差は重要だった。
アーカードやアンデルセンの戦いを見ているとよく分かる。試合と実戦は違うのだ。
おまけに彼らは武器を持っている。
普段なら全力疾走で逃げるところだけど、腰は痛いし
彼らは準備万端で待ちかまえていたようで、セラスを完璧に包囲していた。
選択肢はない。やれるだけやってみるしかない。でも...。
...案の定、勝てなかった。
何人かにあざを作り胃の内容物を吐き出させてはあげたけど、
彼らは手にした警棒や木刀でセラスを叩きのめした。
そしてぐったりした彼女を近くにある倉庫へと連れ込んだ。

ガムテープで手を頭の上で縛り上げられる。何をするつもりかはよぉくわかる。
どうしよう。セラスは懸命に瞳を動かし辺りをうかがった。
倉庫の中は缶飲料水のケースらしきものがいくつも積まれていて
それが迷路のようになっている。その奥に連れ込まれたみたいだ。
倉庫自体は吹き抜けで二階分くらいの高さがある。
これなら声は響くかもしれない。

「だれかー!」
声を張り上げたところで、頬を思いっきり殴られた。
それでもセラスは叫び続けた。
「だれか、助けてっ!!」
その頬を立て続けに殴られる。
「黙れ、このアマ」
主犯格らしい男が襟元をつかんで恫喝してきたが、セラスは諦めなかった。
「たすけっ...」
今度は腹を思いっきり殴られる。咳き込んだところで、口にもガムテープを貼られた。
もう叫べない。

「普通は殴られた時点でショックで抵抗を諦めるもんなんだがなあ」
主犯格の大柄な高校生は上着を脱ぎながらそう言った。
「活きがいいってのも面白いじゃないっすか」
腰巾着らしい小柄な生徒が口を挟む。嫌な顔だ、セラスは思った。
こんな嫌な奴らに私は犯されてしまうんだろうか。
泣きそうになったけど、必死で耐えた。それだけが最後の意地だった。
セーラー服のリボンがむしりとられ、その下にあるボタンも乱暴に剥がされていく。
「ふぐっ、ふぐうっ」
まだ諦めずうめき声を出し続けるセラスの顔の下で、純白のセーラー服は開かれ、
簡易な白いスポーツブラに包まれた大きな胸がまろび出た。
「うっひゃあ、こりゃすげえ」
腰巾着がたまらないといった顔でその胸をつかむ。乱暴にスポーツブラを上に引き上げた。
裸の胸があらわになる。セラスにとっては大きすぎることがコンプレックスでもある胸だった。
それが男達の欲情を誘っている。

「こんな胸でこんな短いスカートで歩いてちゃ、そりゃヤられても仕方ないぜ嬢ちゃん」
主犯格は下卑た笑みを浮かべながら、木刀でセラスの短いスカートをめくった。
白い簡素なショーツがあらわになる。
動きやすさを最優先した体にぴったりフィットする下着だった。
「さっきは散々抵抗してくれたわ、こっちに連れ込んでからも大声は出してくれるわ
 ただで済むとは思うなよ、お嬢ちゃん」
「俺はまだ腹が痛いぜ」
第三の男が合いの手を入れる。
レイプ魔達はニヤニヤと欲情をあらわにした視線をセラスに注いでいた。
おそらく彼らの頭の中ではもうセラスの裸がはっきり浮かび上がっていて
どんな風に泣きながら彼らのものを受け入れるのか、
期待ではち切れそうになっているに違いない。その前に、まずは視姦を楽しんでいるわけだ。

主犯格の男が木刀でショーツの上からセラスの秘所を突っついた。
「まずこれからねじ込んでやろうかぁ?」
「ぐ、ぐぐ」
セラスは必死で身をよじった。ガムテープが緩むことを期待しながら。
さっきの声を聞きつけて誰かが来てくれることを期待しながら。

そして願いは届いた。...まあ、半分くらいは。
「よお、楽しそーなことやってるな、お前ら」
上から聞き覚えのある声が振ってきた。静かで柔らかで、でも存在感に満ちた危険な声だ。
声の主はうずたかく積まれた荷物の上にしゃがみこんで、ニヤニヤと状況を見物している。
セラスは精一杯首を伸ばして彼の方を見た。アーカードの方を。
「いい格好だぜぇ、セラス」
アーカードは心底楽しそうだ。助けてくれる気があるのかないのか、正直なところ分からない。

「なんだお前は!」
主犯格が木刀を構える。
アーカードは滅多に制服の上着を身につけず、
いつもシャツをズボンの外に出して、首元も大きく開けたたルーズな格好をしているのだが、
そのシャツの襟元に刺繍されたヘルシング学園の校章を彼らは見た。
「ヘルシングの奴らか!?」
男達はざわめいて一斉に戦闘態勢を取る。
「ま、確かにここはヘルシング学園のシマだって、アンデルセンなら言うんだろうけどなぁ」
アーカードは相変わらず一人だけのんびりした口調で話し続けている。
「俺はそんなことどうだっていいんだけどな」
体勢もリラックスしきった状況に見える。でも隙はない。
不良達に彼の強さが分かっているのかは不明だ。たぶん分かっていないだろう。
「ただ、声が聞こえたんでね。俺は諦めない女は好きだぜ、セラス」
アーカードはセラスの方を向いてニヤッと笑って見せた。
「助けて欲しいか、セラス?」
セラスは必死でコクコクと首を縦に振る。

「てめえ一人で勝手に話を進めてるんじゃねぇ」
短気な男がアーカードに向かって警棒を投げつけた。
彼は苦もなくそれをキャッチして、逆に倍の速度で投げ返す。
「がっ」
もののみごとに男は倒れた。

「じゃあ俺の女になるか?」
う。セラスは思わず返事に詰まった。アーカードの女好きは有名だ。食い捨てっぷりも有名だ。
レイプされるかわりに札付き不良の女になる?それはなかなかに究極の選択だった。
セラスはこれまでもアーカードに虐められていた女生徒を助けたことが何度かある。
どちらかというと彼のことは嫌いだった。
迷っているセラスの顔を、アーカードは薄笑いを浮かべながら見物している。

数秒間の逡巡のあと、セラスは決めた。
少なくともアーカードは強い。私は彼のそこだけは尊敬している。
力の使い方は間違えていると思うけれど、彼の強さだけは本気で憧れていた。
逆にこの不良共にはなにもない。ただの軽蔑の対象でしかない。
「ふぐっ」
ガムテープの中でもがきながら、セラスはアーカードに向かってうなずいて見せた。
「よし、決まりだな」
アーカードはぽんぽんと手を叩くと立ち上がった。
そしてひらりと猫のように荷物の上から地面に降り立つ。

あとはただ一方的な展開だった。
セラスが叩きのめされた相手が、逆に叩きのめされていく。
アーカードは容赦なく相手の一番弱い部分を攻撃する。
空手では禁じ手である頭への攻撃もためらわない。
何よりも、人を傷つけるということに対してすこしのためらいもない。
セラスは腕を縛られ口にガムテープをはられ、胸を、スカートの下をはだけられた姿勢のまま
彼の戦いを食い入るように見つめていた。

あっという間に10人の不良たちは地面にはいつくばることになった。
アーカードは地面に落ちていたガムテープを拾って、
彼らの足と手と口を手際よく拘束していく。
それからセラスの方に近づいてきて、彼女の口のガムテープを一気に剥がした。
「じゃ、するか」
「ここでですかっ」
アーカードは腕のガムテープもむしり取りながら、あっさりとした口調で言った。
「レイプ魔どもの前でやるって燃えないか?」
「燃えません!」
腕が解放された途端、あわててめくり上げられたスカートを直し
ブラを下げ、セーラー服の合わせ目を手で閉じながらセラスは思いっきり否定した。
「アーカードさん、助けてくれたことは感謝しますけど、約束は守りますけど、
 私はそういう趣味はないですっ!! それにあなたを選んだのは...」
アーカードはつまらなさそうにセラスの前であぐらをかいた。
別にする気がないならそれでもいいや、そんな態度だった。いつだって彼は気まぐれだ。
「...大嫌いな俺を選んだのは?」
ただ、アーカードの黒い瞳はセラスをまっすぐに見つめていた。吸い込まれそうな深い瞳だった。
この人にこんな一面があったなんてと思いながら、セラスは言葉を続けた。
「あなたが強いからです。私は強くなりたいからです」
ふぅんと気がなさそうにアーカードはあたりを見回す。倒れている男達を。
「お前にはもうこいつら程度を倒す力はあると思うがね。
 禁じ手だとか相手への配慮だとか余計な物を捨ててしまえばいいだけだ」
「それは...」
セラスにもよく分かっている。しかしそれは越えてはならない重大な一線だと思っていた。
そのせいでレイプされそうになっても、やはりまだ迷う。

「まあ、やる気がないなら今はいいさ」
アーカードはあっさり言った。
「そのかわりに条件がある」
なんだろう。セラスはごくりと唾を飲み込んだ。
「近いうちに、うちのクラスがどこぞのバカに襲撃される」
「えええーっ?」
「人数は不明だが、まあそれなりに集めているらしい。俺一人では防ぎきれないかもしれん。
 そこでだ、お前が手伝え。そうしたらとりあえずヤルのは先延ばしにしてやろう」
どうしてアーカードがそんな情報を持っているのだろうとか、
一匹狼で他人に無関心のこの人が何故「防ぐ」だなんて言っているのだろうとか、
疑問はつきなかったが、多すぎて咄嗟に言葉には出てこなかった。
「うちのクラスを襲撃するバカを、完膚無きまでに叩きのめせ。分かったか、セラス」
アーカードは一方的に言い切ると、そのまま立ち上がって倉庫から出て行った。
一切の反論も、疑問もゆるさない、そういう態度だった。
セラスはただ呆然とボタンをむしり取られたブラウスを手で握りしめ、その後を見送っていた。
そして後日。
セラスはアーカードに校舎裏に呼び出された。
「だいたいの襲撃日程が分かった。ここ3日以内だ。相手はバレンタインという兄弟らしい。
 手勢も連れてくるみたいだな。俺はどっちかを相手するからお前はもう片方をやれ」
相変わらず一方的に告げながら、アーカードは腕組みをして不敵に笑った。
「一切の容赦はするなよ。頭だろうが他の急所だろうが狙えるものは狙え。
 二度とそんなバカをする気は起こらないよう、完全に叩きのめしてやれ。いいな?」
「...それを私にしろっていうんですかぁ」
セラスは泣きそうになりながらうつむいた。
あのレイプ未遂の日から時間が経って、ますます迷いは大きくなるばかりだ。
「お前がしないならと他の生徒どもに被害が行くだけのことだ」
アーカードは相変わらず笑いながら言葉を続けて、セラスを追いつめる。
「いい加減あきらめろ、セラス」
そういってセラスの顔の後ろにある壁に手をつき、顔を近づけた。
「お前は俺を選んだんだからな」

そう確かにセラスは選んでしまった。
自分がレイプされることではなく、相手が叩きのめされて重症を負うことを。
この身勝手で危険で容赦のない、底なしの怖さを秘めた男を。
そしてたぶん、数日後には自分の手を汚して、こだわりを捨てて、
クラスのみんなを守ることを自分は選ぶのだろう。選んでしまうのだろう。

アーカードはまた言うだけ言ってさっさと立ち去った。
セラスは目に浮かんでしまった涙を人差し指でそっと拭う。
「セラス!」
遠くから、大切な幼なじみの声が聞こえてきた。
その言葉を聞いて分かった。私は彼を、みんなを守りたい。そう思った。
241よんよんさん:03/08/21 00:23 ID:hR8pbHWn
というわけです。

なんか最近パロだけどエロじゃないな。すまん。

本当はマジであの場でアーセラやるつもりだったんですけどね。
なんか書き手として身の危険を感じて止めました。
まあ初体験は幼なじみの彼とやっておくれ。

エロはその分Lv3エッチへんとアーカードx先生で頑張ります。

>.225
寸止めの美学、分かってくれて嬉しいyo!
242名無しさん@ピンキー:03/08/21 09:17 ID:Ib0zj204
がんがれ〜
燃えたぜぇ、チェダース村事件ときヘルバージョン(違ってたらスマソ)
これだけ派手に燃えたら、その後の萌えと(;´д`)ハァハァはすごそうだね

次回の演出手段としてのエロ少なめパロは合法だと思うよ、気にしなさるな
旧スレ194さんとゲドウさんもやってたことだし、やってよし!GO!轟!
243242:03/08/21 09:24 ID:Ib0zj204
って、今確認したら194でなくて192さんじゃんか!!
馬鹿ッ!漏れの馬鹿ッ!ごめ゛ん゛な゛ざい゛〜192様〜
後お礼が遅れたけど、パートツースレ倉庫収容ありがとうッ

やっぱりこのスレのみんなは超親切だね
244名無しさん@ピンキー:03/08/21 13:46 ID:ooKu2r00
おつ〜。正調学園番長物っていいなあ(w
なんかこの調子だと馬鹿兄弟編は激燃えな展開になりそうで楽しみい。ここでHが入るのか?
ときヘルのセラスたんはめちゃいい子なのであんま酷い目に逢ってほしくないな〜
と思ってたので今回は一安心だす。旦那に喰われちゃうのはちと微妙な感じだし。
ところで自分は13課って応援団ぽいと思ってた。毎朝銀貨と麻縄なりとか斉唱するの(w
ハインケルはサラシに長ランで、由美子は眼鏡っ子チアガールね。
245よんよんさん:03/08/21 19:22 ID:qe8S0GhZ
>242
そです。第一話のパロです。
相手をチェダース学園の生徒にでもすれば分かりやすかったかな。
サイト収録時にはそうしよう(卑怯者と呼んでくれ)。

いやー、最初はエロであるからにはセラスもしっかりまわされちゃって
さらにアーカードが助けに来るけど...ってのも考えたんだけど
やんなくて正解よね。私が死ぬ、私が。>244あたりに銃撃されて。

同様に5巻リップ編再現も考えてたりするんだが。
もち突っ込まれるのは長銃じゃなくてあれ。
...せめてバレンタインのほとぼりが冷めてからだよな。
おまけにすでにエロ同人には沢山ありそうだ。

とりあえず、パロだけで萌えもエロもないのには懲りたんで、
バレンタイン兄弟編はセラスLv2に織り込むよ。
頑張って萌えられるのを目指すぜ。

優しいスレのみなさまありがとう。
246名無しさん@ピンキー:03/08/21 20:24 ID:6WUKPlZS
(´-`).。oO(突っ込まれるのはアレってなんじゃろう・・・)
247よんよんさん:03/08/21 20:46 ID:qe8S0GhZ
>246
旦那のあれだよう。

超鬼畜ゴカーンものも一回書いてみたいんだよう。
あ、これはあくまで書き手としてのチャレンジだぜ。
決して私は鬼畜大好き人間じゃない。はずだ。
248名無しさん@ピンキー:03/08/21 20:50 ID:ooKu2r00
やぱーりゴイスーなジャッカルか。委員長可哀想に…
おいらがちょっと想像したのは13課女子連との裏番キャットファイトの果てに
モップリンチっつーやつなんだけどなんか昔の女囚物みたいだな(苦笑)
249246:03/08/21 21:02 ID:6WUKPlZS
な〜んだ、きゅうりや大根やトカレフにビールびんじゃなかったのね!
なら問題ないじゃん!ガンガン突っ込んじゃえ。



俺は、鬼畜人間なのだろうか?
250名無しさん@ピンキー:03/08/21 21:50 ID:iZ14yOrX
「なのだろうか?」ではなく
君は確実に恐るべき鬼畜人間だよ>>249

冗談はともかくとして、また無意味な予測をすると
逃げるリプたんを旦那がバキッとぶん殴ってメガネをふっ飛ばし、
次のレスに移ったらなぜか外れたはずのメガネをまたかけてた、ってところか?
ありゃヤパーリ旦那がわざわざ拾ってかけてやったのだろうな(w
251名無しさん@ピンキー:03/08/21 22:45 ID:wIpOY2n0
リップ委員長の口をふさぐために、大尉先生が生けた
エーデルワイスを突っ込むと思った漏れはセーフ!

セーフだよね、みんなぁ〜
252名無しさん@ピンキー:03/08/21 23:01 ID:UknBNoFy
>>251
やりようによっては実に美味しいシチュかと。
ギャフンマイスターであれば迷うことなく眼鏡ネタで攻めるだろうが(藁
253よんよんさん:03/08/22 01:56 ID:wLo+4Z35
...。
みなさん、わりと鬼畜ですね。私など足元にも及ばない。

>251-252  あなた方、セットでアウト!

私はどっちかというと、躁と鬱の間を転々としながら
精神的に崩壊しつつやられるってシチュに萌えるなー。
ときヘルの場合、委員長は完全に利用される立場っていう設定もあるわけだし。

おっとその前にセラス編完結だ。明日(もう今日だけど)か明後日くらいには。
254名無しさん@ピンキー:03/08/22 02:45 ID:UZkGv+TB
>精神的に崩壊しつつやられるってシチュに萌えるなー。

貴方も十分アウトかとw
私もですがw
255249:03/08/22 07:03 ID:R8PAtxmK
>250
顔射の極み!!

>253
一体どこの誰に話しかけてるのか分かってるのかね?
私がジャージに黄色のタオルを首に巻いたおっさんでいれば良かったかな?
7月頭にリップいじめシチュ画策で192さん?を呆れさせたのだぞ?
その反対の救済ssがなぜできたと思っているのかね?

リップにツインカムで賠部をツッコミ、三勢力全部に折檻させた上で冥土服を着せて
出撃の上旦那に食べてもらおう等のシチュを呼吸するかの様に思いつく
(;´Д`)ハァハァの集団にかね?
わりと鬼畜?何を今更!!2ヶ月程いうのが遅いぞ!!

よろしい!!結構だ!!ならば俺を(;´Д`)ハァハァさせてみろ
セラス編完結編で!!軍人さん純愛編のごとく!!

な〜んてね、てへっ!
256名無しさん@ピンキー:03/08/22 08:31 ID:9i0OBJt9
>>255
鬼畜おやぢ三兄弟の一人ハッケソ!!(w
惜しい!シュレタン言葉攻めがぬけてるぜ
あ、これだけはもう実現してるね
257名無しさん@ピンキー:03/08/22 11:47 ID:6VIyxmq2
みんなはリップが虐めたくて仕方ないのかな?
守ってあげたいなセラスと対照的だね。
258名無しさん@ピンキー:03/08/22 11:48 ID:QGuQtCSs
セラスを助けようと旦那と喧嘩してボコにされる主人公を想像した漏れは鬼畜ですか?
主人公の目の前で旦那セクハラされるセラス(;´Д`)


悲しき男の敗北

ボツだな
259名無しさん@ピンキー:03/08/22 12:27 ID:ve+CJApV
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
丸眼鏡マン失格な兄貴や伊達男君みたくなりたくないので
旦那とケンカはパス!つーか凹ではすまない罠。

>257
えっ、みんなのターゲットはインテグラ様いぢめじゃなかったの?
260251:03/08/22 13:09 ID:pJ/+3RpL
>>253
ア、アウトなのか漏れ!?
下の口でなく、上の口に花をくわえさせて黙らせようとおもーた
だけなのだが・・・・・・やはり世界標準のガムテープにすべきだったか
261名無しさん@ピンキー:03/08/22 13:55 ID:kPzLG/H3
んじゃ皆の言い分をまとめると眼鏡っ娘委員長の行く末は

前のお口に旦那のジャッカル、後ろのお口に倍部をつっこまれつつ
上のお口で大尉先生からのエーデルワイスをくわえながら
清らかな思い出を絶望の中で反芻しつつ昇天。

でOK?…アウトかやっぱ。
262258:03/08/22 13:57 ID:fsVaVdmL
そーいや主人公、セラスより弱いんだったな
旦那どころか,
流石だよなバレンタイン兄弟や、セラスレイープ未遂犯のDQN達にさえ歯が立たないヨカソ


でも幼なじみ(巨乳)のピンチだし
勝てないのに何度も立ち上がる主人公カコ(・∀・) イイ
263よんよんさん:03/08/22 14:13 ID:kzyjQefE
>261
まとめてどーする、まとめて。むしろ引け。
そして0をかければ全て0。特に意味はない。

委員長ときめき純愛編も用意しているのにねぇ。
ああ素晴らしきときヘル、私は当分ネタに困らずにすみそーだよ。
だったらさっさと書けってか。はいはい。
264名無しさん@ピンキー:03/08/22 14:15 ID:ohoR2Ipy
大尉の花を銜えて背徳感で一杯の中涙を流しながら昇天する委員長(;´Д`)ハァハァ
265よんよんさん:03/08/22 18:01 ID:kzyjQefE
んじゃ、みなさんの予想を裏切りまくりの投下逝きます。
「授業が予定よりも進んでいる、そこで今日は視聴覚教室で映画鑑賞だ」
教室に入ってきたインテグラ先生は教壇に立ってそう宣言した。
途端にクラス中から歓声が沸き起こる。僕も当然うれしかった。授業が一回休みってことだもんね。

この学校で視聴覚教室と呼ばれている部屋は、何故か校舎の裏手のプレハブの建物だ。
僕らはインテグラ先生についてぞろぞろと教室に向かった。
「座る席は自由でいいぞ」
先生はさらに嬉しいことを言ってくれる。僕は当然のようにセラスの横に座ろうとした。
「あ、○○くん」
セラスはちょっと複雑そうな顔で、それでも僕のために椅子を引いてくれた。
先日のことがあるからかな? 僕はその時はそれくらいしか考えられなかった。愚かなことに。

先生はてきぱきとビデオテープをデッキにセットした。正面の大型スクリーンに明かりがともる。
「作品は「天使にラブソングを」だ。原題は「SISTER ACT」。コメディーで、歌の場面も多い。
 当然字幕版だが、別に台詞のヒアリングをしてみせろとは言わん。英語に慣れればいい」
それから先生はふっと笑った。
「劇中歌がおもしろいからな。それに興味を持ってくれたら嬉しいというのが私の希望だ。
 私も君らと同じ年齢の頃、洋楽が好きでそれを歌うことでずいぶん英語の発音を覚えた。
 ま、それが英語として正確な発音とは限らないのが問題なんだけどな」
最後の言葉でみんなはどっと笑う。でもうまいやり方だなと僕は感心した。
実は「天使にラブソングを」はもう見たことがある。
たしかに劇中で歌われるゴスペルは魅力的で、CDをレンタルしてMDに落として何度も聞いた。

横のセラスを見ると、彼女もわくわくした顔で画面を見つめている。
たぶんセラスはこの映画を見たことはないんだろう。
彼女もきっと気に入るに違いない。そう思うと僕もわくわくした。
それで教室が暗くなると同時に、ちょっと座る位置をさりげなーく近づけてみたりして。
上映が始まる。セラスは嬉しそうに画面に見入っている。
僕は映画を観るの半分、映画と連動してくるくる変わるセラスの表情を観るの半分で、
インテグラ先生に感謝しながらこの幸せな時間を楽しんでいた。

映画は何事もなく進んでいき、ウーピー・ゴールドバーグ扮するデロリスが
修道院のシスターたちに歌を教え始める、いよいよと言う場面になった。
僕は期待に胸をはずませた。
ところがそこで、ガラッといきなり教室後ろの扉が開いた。
暗い教室に明かりが射して、せっかくの映画も見えなくなってしまう。
誰だよ、無神経な。そう思いながら僕は振り向いた。

「アローアロー見えますかー、ヘルシング学園のミナサマ、コンニチワー」
逆光を背に立っていたのは、たぶん黒服の男だった。
パッとすばやく教室に明かりがともる。
振り返るとインテグラ先生が操作盤の前で彼を睨みつけていた。
それを見てまた入り口の方を見ると、
例の男は耳にも鼻にも唇にも、目元にまでピアスをしている。
黒いジャージ姿で頭にはニットキャップをかぶり、ストリート系ってやつだろうか。
とにかく目は完全にいっちゃってる。奴はゆっくりと教室の中に入ってきた。
その後ろから、目と口の部分だけが開いたニットキャップをかぶった奴らがゾロゾロ入ってくる。
なんなんだよ、一体!

クラスのみんなも当初の驚きから恐慌状態に変わりつつあった。そんな中で先生の一喝が響く。
「みんな、こっちに集まれっ!」
弾かれるようにクラスのみんなは先生の居る教室前方の操作盤付近に集まる。
僕もセラスの手を引いてそっちに向かおうとした。しかしセラスは動かない。
「セラス!」
僕の声を聞いてセラスはようやく僕と一緒に前に向かった。
でもその動きはぎこちない。何か迷っているみたいだ。
セラスのことだから、クラスのみんなを守らないとって思っているのかもしれない。
でも無理だよ、セラス。相手の人数が多すぎる。
きっとアーカードやアンデルセンがなんとかしてくれるさ。
どうせこいつらも奴らが招き混んだ厄介ごとなんだろうし。
僕はそう考えながら必死で彼女の手を引いて、操作盤の前に集まった。

乱入者たちはゆっくりと教室に入ってきて、横一列に並んでみせた。
数は多分15人くらいだろう。そして中央の黒服を先頭にゆっくりとこちらに近づいてくる。
「キレーな先生コンニチワー。僕様チャンたちの名前はバレンタイン兄弟ーッ。
 弟のヤンでーす。初めましてー。よーろーしーくーねー」
黒服はジットリとした視線でずっと先生の方を見ていた。え? 先生が目的なのか?
「他はともかく、あんただけは簡単に殴って終わりだけじゃダメだなー。犯してマワして...」
「黙れ!」
先生はいつものようにバンッと操作盤兼教壇を叩く。
「私の生徒たちに危害を加えてみろ、ただではすまさんぞッ!」
その眼光はいつも僕らが見ている姿より遙かに鋭く怖かった。
先生に怒られた時、いつもその目が怖いと思っていたけど比較にならない。
「センセー、部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?」
黒服の男は余裕綽々でその眼光を受けとめた。

そして、僕の横では二人のやりとりを聞いて、セラスがピクリと動いた。
どこか一点を見つめながら、顔が引きつって汗が流れている。すごく悩んでいる時の顔だ。
僕は思わずセラスを抱きとめた。こんな時だから誰も気が付かないだろう。
行っちゃダメだセラス。君は確かに強いけど、こんな奴らに勝てるはずないよ。
きっとアーカードやアンデルセンがなんとかするし、警備員だって来るはずだ。

そう、その肝心のアーカードはどうしたんだろうかと思って探すと、姿が見えない。
たしかに教室に入った時には居たのに。同様にアンデルセンの姿もなかった。
...おいおいおい。
必死にあたりを見回していて気が付いた。
視聴覚教室にはもう一つドアがある。教室の前方、教壇側すぐ横にある非常口だ。
ああ、そっちから逃げればいいんじゃないかと思って僕はその扉を見た。
しかしそれは閉ざされたままで、いや、外から何か別の音が聞こえてくる。
やっぱりドカッバキッといった殴り合いの音だった。
そう言えば黒服は自分たちのことを兄弟だって言っていたな。
ということは、こっち側には「兄」のほうがいるってことなのか?
そしてアーカードは兄の方を相手しに行っているんだろうか。
...ってことは、逃げられないのか。

僕は本当に絶望的な気分になって、ただセラスを抱きしめていた。
どんなことがあっても彼女だけは守ろう。悲壮な決意を固めながら、
僕らの恐怖を楽しむかのようにゆっくりと近づいてくる乱入者達を見ていた。震えが止まらない。

「○○くん」
セラスが僕の腕の中でつぶやいた。
「私はみんなを守りたい」
僕はあわてて止めた。
「無理だよセラス。相手が多すぎるよ、それに君は人を殴ったりできる人間じゃ...」
「できる」
セラスはぽつりとつぶやいた。とても苦しそうに。
「私は勝てる。方法を教えてもらったから。ただ...」
「ダメだ、やめてくれセラス!」
僕は泣きそうになりながら必死で言葉をつむいでいる彼女の事が、心配でたまらなかった。
「○○くん、ずっと友達で居てくれるよね?」
セラスは最後の確認をするかのように僕の顔を見て聞いてきた。

ああ。僕は思い出した。先日校舎裏で聞いた言葉だ。こういうことだったんだ。
僕はまだ、すべてを理解したわけではなかったけど、あの時うなずいたことだけは覚えていた。
それがどんなに重要なことだったのかも、今更ながらに思い知らされた。
思わず力の抜けた僕の腕の中から、セラスは立ち上がる。
ゆっくりと黒服の男の前に進んでいった。僕はそれを見ていることしかできなかった。
「なんだぁ、ネーチャン?」
黒服はゆがんだ笑みを浮かべてセラスを見る。
セラスは黙って立っている。全身の力を抜いて、戦いに備えている。
ニヤニヤ笑いながら近づいてくる黒服が、彼女の間合いに入る。
ヒュッ。鋭い蹴りが黒服の鼻先をかすめた。
「なん...なんだ、コラァー!!!」
とても強そうには見えないセラスに挑発されて、黒服は激高した。
「やれ、お前ら!」
自分は後ろに飛びさがりながら、手下どもに命令を出す。
ニットキャップで顔を隠した乱入者どもは一斉にセラスに飛びかかった。

セラスの動きは機敏だった。それに彼女は教室をよく把握していた。
椅子や机を駆け上がり、飛び降り、的確に相手に打撃を加えていく。
「げはっ」 セラスに顔面を殴られた男が黒いニットキャップに赤いものをにじませて倒れた。
顔面は禁じ手のはずじゃないのかっ?!
セラスの攻撃は容赦なかった。普段人を殴ったことのない、手加減している人間が
本気を出すとこういうことになるのか...? 僕は戦慄しながらそれを見ていた。
...ただ呆然と、見ていることしかできなかった。

下っ端どもは横一列に散開していた。そしてセラスは教室にある障害物を上手く使って
彼らを一人ずつ、確実に、手加減なく、一撃必殺で、叩きのめしていった。
黒服の男以外はあっという間に地面に這いつくばった。本当に、わずかな時間の出来事だった。

「オイ、コラ、テメェーッ。女ァァァァァッ!!」
残り一人となった黒服は叫びを上げる。でもその底に恐怖があることも僕には分かった。
僕だって怖かったからだ。セラスのことが。大切な幼なじみのセラスのことがっ!

セラスはゆっくりを彼に近づいていく。まるで彼の恐怖を楽しむかのようにゆっくりと。
黒服はやけくそのようにセラスに向かって飛びかかった。
セラスはその腕をやすやすと跳ね上げ、つかむ。くるっと体を回し入れて腕の関節を固めた。
ゴキッ。鈍い音がした。...折れたんだ。
さらに彼女は悲鳴を上げる黒服を突き飛ばし、その腹の中心に回し蹴りをたたき込んだ。
黒服は派手に後ろに吹っ飛んだ。もう僕は悪夢を見ているような気分だった。

「セラスッ、もういい、もう充分だ」
後ろからインテグラ先生の動揺した声が聞こえてきた。
僕は先生のそんな声を聞くのも始めてだった。まるで泣きそうな声だった。
でもセラスはその声でやっと動きを止めた。

その間に黒服の男、ヤンは後ずさりし、入ってきた扉から逃げ出していた。

あとに残されたのは叩きのめされ苦痛にのたうっている乱入者たちと、
その中でこちらに背中を見せたまま呆然と立ちつくしているセラスと、
その彼女を驚きと、そして恐怖の目で見ている同級生たちだった。
僕も、その中の一人だった。

「みんな、教室に戻れ。後始末は私がつける。私が戻るまで自習をしていろ」
インテグラ先生がいつもの反論を許さない厳しい声で指示を与える。
散々ショックを受けた後の同級生たちは、その言葉を受けて
あやつり人形のようにぞろぞろと視聴覚教室を出て行った。

けれど僕は残った。
呆然とした頭の中で、彼女の声を何度も思い出していた。
「「私、しなきゃならないってわかっているんだけど、
 どうしても踏ん切りがつかなくて。そんなことしたら、何かが終わってしまう気がして」」
僕は今や完全に、あの時彼女が言いたかった事のすべてを理解していた。
僕はなんて愚かで弱い男なんだろう。今回のことで本当に思い知らされた。
でも。でも。彼女が言ったように終わらせてたまるものか。心の底からそう思った。
だからセラスにゆっくりと近づいた。

「セラス」
その言葉に彼女の背中がピクリと揺れる。小さな背中だった。
いつも僕が声をかけると振り向いて笑ってくれた。
でも今の彼女は振り向いてくれない。
だから、僕はセラスを抱きしめた。
「僕は君がどんな人間でも好きだよ。ずっと僕らは友達だ、そう約束したじゃないか」
セラスの肩は震えている。泣いているんだろう。

僕は弱くて卑怯者だけど、セラスのことが好きだ。
そう、初めて気が付いた。
僕にとってセラスはただの幼なじみじゃない。僕はセラスのことが男として好きだ。
「泣かないでよ、セラス。君は僕たちを守ってくれた。ありがとう」
その言葉にセラスはしゃくりあげて泣き出した。
結果として僕の言葉は反対の効果をもたらしたんだけど、それでいいと思った。

僕は泣いているセラスの前にまわりこんで、そっと彼女の唇にキスをした。
こんな時に卑怯かなって思いながら。

セラス編Lv3へ
273よんよんさん:03/08/22 18:05 ID:kzyjQefE
Lv2はキスまでだって最初から言ってたもんね。
さーてLv3はどうしましょう。学園ならではのシチュでエチーしたいよねえ。

それからおまけの裏ときヘルも投下。
274裏ときヘル:セラス編Lv2の後始末:03/08/22 18:05 ID:kzyjQefE
インテグラは操作盤の前で大きく息をつきながら、
幼なじみに支えられるようにして出て行くセラスの姿を見送っていた。
彼女のことは彼にまかせれば大丈夫だなと少し安心しながら。

横にある非常口から、戦いを終えたアーカードが入ってくる。
「お前がセラスを利用したのか?」
インテグラは彼の方を見ようともせず、怒りの口調で問いかけた。
「敵は二人、しかも授業中を狙うっていうんだからしょうがないだろ」
アーカードはまったく悪びれる様子もなく答える。
「怒るなら少佐に怒って欲しいね。ドアが1つだけなんて教室はどこにもない。
 やっと入り口が2つだけのこの視聴覚教室を見つけたんじゃないか」
「私はもう片方はウォルターが始末するんだと思っていたんだっ」
インテグラの怒りはまだおさまらないらしい。
「一生懸命情報収集してくれたご老体をこれ以上こきつかうなよ、先生。
 ま、バックアップはしてくれたみたいだけどな」

そのアーカードの言葉に応えるかのように、
開いたままの後ろのドアから用務員のウォルターが顔を出した。
手には何か持っている。
「ヤンとかいう若造に取り付けられていた発信器は回収しましたぞ、お嬢様」
「ご苦労、ウォルター」
「感謝の極み」
インテグラの声にウォルターは丁重な礼をして出て行った。用務員としての仕事に戻るのだろう。
「じゃあ今夜にでも報酬を支払ってもらいたいね、先生」
アーカードは馴れ馴れしくインテグラの肩に手を回して耳元でささやいた。
「半分しか片づけてないだろうが」
その手を振り払いながらインテグラはふと気が付いたように口元をゆがめた。
「アーカード、セラスにはどんな風に依頼したんだ?」
「困っていたところを助けてやったのさ。そのかわりに手をかせってね」
「ついでに俺の女になれとでも言ったんじゃないのか?」
アーカードは黙って苦笑する。
「お前は本当に見境がないな。わかりやすいとも言えるが」
インテグラは腕組みしながらアーカードの方を見る。
「じゃあこうしよう。セラスのことはあきらめろ。それで仕事の中途半端さは許してやる」
「わかったよ、先生」
先生だって本当は俺がセラスを抱くのが嫌なんじゃないか?と思いながら。
「あきらめが早いのはいいことだ」
インテグラは満足したようにうなずいた。

「で、こいつらはどうするんだ?」
セラスによって床に叩きのめされ、全員床に這ったまま男達をアーカードは見回す。
非常口の外ではルークとか言う奴がやっぱり倒れているはずだった。
「警備員は呼んである。教頭殿が始末するだろう。
 なに、発信器が回収できたなら、なにも文句は言えないはずだ」
インテグラは淡々と言って、それからまたゆがんだ笑いをうかべた。
「さて次は一体何をしてくるのかね?」
                                         おしまい
276名無しさん@ピンキー:03/08/22 18:19 ID:ohoR2Ipy
良かったねセラスタン・・・(*´∀`)
乙でした。続き期待してます
277名無しさん@ピンキー:03/08/22 19:00 ID:MWwyehPW
ひょー!!
燃えている!このスレは赤黒く燃えているぞ!
その上セーラー服でヤンをギッタギタのメッタメタにする
セラスタン萌え!絵にしたらパンチラは当然OK?
278249:03/08/22 20:10 ID:2b8Dg5VU
フヘハ・・・ハハ ハヒヒヒハハアァハア ハハハア
そうそう そうこなくっちゃなァ
こうゴキッと骨をへし折って、血がドバドバって感じでヘルシング!オーイエー

やっぱセラスはみんなのためなら、特に大好きなあの子のためならと
真っ赤に焼けた核プラントに突っ込むぐらいのド根性見せてもらわんとね。
ところで学園物ならではのシチュとは何ぞや?
279よんよんさん:03/08/22 20:37 ID:YrM1yOaZ
さんきゅー。
あんだけ鬼畜話で盛り上がったあとに、ときめき物投下して
大丈夫かと自分でも不安だったよ。
みんなキャパシティ広いねっ。

>277
私がなんのために回し蹴りさせたと思っているのかね?

>278
そりゃ放課後の教室でとか校舎の屋上でとか部室でとか
校庭のすみっこの草陰でとか。
280名無しさん@ピンキー:03/08/22 20:41 ID:AWf+6Sqm
校舎裏とか体育倉庫とかトイレとか(*゚∀゚)=3
281名無しさん@ピンキー:03/08/22 20:44 ID:+pQrW6JL
>>279
体育倉庫と、先生が席を外した保健室をお忘れです。
282名無しさん@ピンキー:03/08/22 20:48 ID:+pQrW6JL
>>280
かぶった!ケコーンしよう!
式はヴァチカン教皇庁で、神父はアンデルセンだッ!
283名無しさん@ピンキー:03/08/22 20:54 ID:AWf+6Sqm
保健室を忘れてたか・・・w
よろしいならばケコーンだ>>282
284よんよんさん:03/08/22 21:05 ID:YrM1yOaZ
>280-281
おまいら、ステッキーなケコーンぶりですね。
2つも合致するなんて、運命を感じますね。

...でもそうか、トイレもあるのか。
(実は学園物ゲーって2つくらいしかやったことない。エロなのは1つだけ
 エロ漫画、小説に至っては読んだことなし)
学園物、深いな。
285よんよんさん:03/08/22 21:07 ID:YrM1yOaZ
おっと2つは合致してないのか。
やっぱり今日も私は頭すぽんじみたいだよ、パトラッシュ(誰かの愛犬勝手に借りてすまん)
286名無しさん@ピンキー:03/08/22 21:44 ID:zR8BbQok
しっかし、○○君とセラスのレベル3でトイレっつーのもなんだね
ここは、怪我してない云々言わせて保健室か
セラスがクラスのみんなに白い目で見られて、ショックで逃げたのを
追いかけたら屋上にいました、満天の星空の下で二人は昇天!つーところかな


すまん、マジでベタなシチュだよ、ジョリー
287名無しさん@ピンキー:03/08/22 22:07 ID:GsRFdV6V
エアマスターセラス






ごめん
288名無しさん@ピンキー:03/08/22 22:38 ID:ljBgnNBN
>287
否!萌えではないか!
宙を華麗に舞い、おパンチュをちらつかせながら
ヤンやトバルカインを蹴り倒すセラス(暴走モードも標準装備)
(・∀・)イイ!!
289名無しさん@ピンキー:03/08/22 23:01 ID:nhv+yWmK
>266
ものっそい野暮な突っ込みだけど、天使にラブソングをはカトリック・・・
290名無しさん@ピンキー:03/08/22 23:15 ID:KhRlYhBw
私立ヘルシング学園はカトリック系のミッションスクールではございません。
つーか旦那とリップとアンデルセンが同じクラスにいる設定でその
突っ込みは野暮の極みだウィリス。
291290:03/08/22 23:18 ID:KhRlYhBw
カトリック系じゃねえ!プロテスタント系だった!
逝ってくるよ、パトラッシュ・・・
292よんよんさん:03/08/22 23:32 ID:YrM1yOaZ
>289
ふっ。わかっとらんな。
アンデルセンが居なかったのはそれが理由なのさ。
293よんよんさん:03/08/22 23:43 ID:YrM1yOaZ
説明不足だな。

実は愉駄(つーか文学部)はカトリック原理主義グループでもあるという設定にしようと思っている。
でもって学校創設者(アーサー)とインテグラは英国国教信者。一応な。

でもインテグラ先生はあんまり気にしない人なんで、
天使にラブソングをなんかも平気で授業で使っちゃう。
(英国国教自体がカトリックとプロテスタントの中間に位置し、
 むしろカトリックに近い部分も多い)

しかーし、アンデルセンには異教徒がカトリックの映画を流すなど侮辱の極み。
でもってむかついたんでさっさと出て行ってあの場にはいなかったと。

とかいう裏設定を細々細々どこまでも作るのが私の趣味なのよ。
まあたまに破綻していると思うけど、それは許してくれ。
294名無しさん@ピンキー:03/08/22 23:47 ID:sbJQ2siZ
なるへそ、カトリックをパロった映画は嫌だズらってことっすね
パンチラを計算してセラスたんに回し蹴りさせたりと芸がこまかいですな

ところで>>261のまとめをROMって、あの日の日曜日を思い出したよ
思えば非生産的だったこのスレが生まれ変わった瞬間だった(w
295294:03/08/22 23:50 ID:sbJQ2siZ
しまった、ageちまったずら!
しかも解釈違ってるし〜
ワンちゃんに喰われて来ます
296よんよんさん:03/08/22 23:56 ID:YrM1yOaZ
いやまあ、アンデルセンが居たら
セラスが出て行かなきゃならない必然性が薄れちゃうから
彼が居ない理由も考えないといけないから、だったんだけどね。

後付け設定には違いないが、パラレルなんであんまり深く考えないでくれ。
#散々説明しておいてからそれを言うか<自分

セラス編Lv3は明日あたりにすぱっと書きますわ。
たぶんLv2のそのまま続きみたいな形になると思う。
297名無しさん@ピンキー:03/08/23 00:28 ID:DzL6QNB8
トキヘル初期の話に戻るが

女性徒の隠し撮り写真を、からかい半分に売りにきたハインケルに
「じゃあハインケルの裸の写真がホスィ」って言って
その後、

「なっなにを馬鹿なことを」的なセリフと共に真っ赤な顔したハインケルに、殴られたいな(;´Д`)ハァハァ
298名無しさん@ピンキー:03/08/23 00:29 ID:ZliG3ZEe
ワーイヽ(´ー`)ノ
先週に続きステッキーな日曜日になりそうだYO!

それではセラス編Lv3がうPされるまで、マターリ語らいあいますか。
我ら(;´Д`)ハァハァ大隊はヘルキャラに、セーラー服にメイド服や裸エプロンや
ブルマにスクール水着とコナソコスにゴスロリ服と、あらゆる服を着せて
(;´Д`)ハァハァしますたが、後残ってるあるかな。

漏れはセラスちゃんにナース服を着てもらって看病して欲しいよ。
別に病気じゃないけど、夏バテ気味だったりする。
299名無しさん@ピンキー:03/08/23 00:30 ID:rNqM0Pj+
>>297
いいなソレ。漏れも殴られたい(;´Д`)ハァハァ
300名無しさん@ピンキー:03/08/23 00:41 ID:IOEdqoyM
殴られた後で物陰に引きずり込まれて、
「見るなら写真でなくて、生の私の裸はダメか?実は前からお前のこと・・・」
と脱ぎ始める―――ダメだ、余りにも都合が良過ぎる。

>298
巫女さんのバイトするリップたんとシュレたんをキボンヌ。
301よんよんさん:03/08/23 00:47 ID:CmSZnbTS
>300
ときめき編ハインケルなら可能だぞ。
女性主導でふりまわされる「僕」ってのも面白いかもしんない。

しかし私はハインケルは銃が使えない分、
古風にカミソリでも操ってもらおうかと思っているので
>297あたりは殴られるだけですめばいいけどナーと思いますた。
だって学園の影番さんよ?
302名無しさん@ピンキー:03/08/23 01:06 ID:VEuJj9xS
それではフラグの立ち方しだいで、
殴られて気絶し、目が覚めたらそこは保健室。
なぜか目の前には由美江がいて、
「大丈夫か、痛いところ無いか。・・・私の写真は駄目か!?」
と叫んで写真押付けてあたふたと立ち去りLv2へ、とか。(w

ところでウーフーの武器はヨーヨーだと思っていた漏れは若くないな。
303名無しさん@ピンキー:03/08/23 01:24 ID:0kNv/Lyr
なつかしー

でもそれじゃマッポの手先だから、治安維持に貢献しないと
304名無しさん@ピンキー:03/08/23 01:45 ID:pCewJGnJ
素手or補強カバンでハイに殴られて気絶した後
保険室で起きる→由美子&由美江が「ハイがあんなに動揺するトコ初めて見た(・∀・) ニヤニヤ」ってイベント発生

次の日ハインケルに会うと真っ赤な顔してまた殴られて…… (;´Д`)ハァハァ
305名無しさん@ピンキー:03/08/23 06:18 ID:NGS/PFXj
何の因果かマクスウェルの手先。って奴でしか。
ズーレー物が多かったからね、ハイとW由美は。たまにはいいかも。
バイト先でW由美とバッタリ出くわすとか。制服プレイも夢ではない。

ところで入れ食い状態な旦那と○○君が萌えだったりする。
306名無しさん@ピンキー:03/08/23 09:04 ID:fCRQcSTi
>305
クロスファイヤー2で由美江が着てた制服のことっすか?
>バイト先でW由美とバッタリ出くわすとか。制服プレイも夢ではない
あれは何処の制服なんだろ、ファミレスなんだろうが・・・

ところで少佐教頭がマクスウェル派に放つヒットマンは
イリューシンとかいうナイフ使いの女テロリストでOK?
バイト先の店長の正体は実は、とかいうノリで(w
307よんよんさん:03/08/23 11:52 ID:eTvMlvXW
宣伝くさいが、SSサイトにもうpしました。
ちょっと手直しした部分もあります。卑怯者と呼んでくれ。

○○君といえば、たまにありますわな、ドリーム小説ってやつ。
最初に名前を入力すると、○○君部分が自分の入力した名前になるやつ。
あれ、やってみたい人います? いるなら勉強しなくもない。

>304
おまいら、いつの間に3Pに突入してますか。

>306
教頭はマクスウェルは眼中にないのかもー。原作どおり。
個人的にはパラレルでもあまり独自キャラは使いたくないなー。僕だけ例外で。
クロスファイアの悪役おねーさんを少佐の手下になんてのはありかもしれません。
308よんよんさん:03/08/23 11:57 ID:eTvMlvXW
すまん、イリューシンさんが悪役おねーさんだったな。

えっと、由美江に竹刀でぼこられて逝ってきます。
あとのSS書きは誰かよろしくっ(っていうかマジに他の書き手さん欲しいぞ。
ときヘルでもいいし、それ以外でもいいし)
309名無しさん@ピンキー:03/08/23 15:25 ID:CbRQ8xAS
クロスファイアー2話にでてきた武器商人の
オサーンってヲルターに似てると今さらきずいた
ヘル学に出入りしているセールスマンという
設定で登場するのはありでつか?
ウォルターのいとこという設定もありかも
310名無しさん@ピンキー:03/08/23 15:34 ID:+lyE7hhV
リッジウェイ商会のおっさんより、ヤングウォルターをおながいします。
老ウォルターの甥か孫?の設定で、転校生としてインテグラ先生のクラス
に潜り込んで先生をお守りすると。
311名無しさん@ピンキー:03/08/23 16:49 ID:p9aSMQFo
             告  知
【あの企画が今年の8月23日(土)24日(日)帰って来る】
2ちゃんねらーで24時間テレビの裏やるとしたら・・・。
去年、名無しさんが何気なくカキコした
「24時間!!2ちゃんねら〜でつなぐ全国吉野家の旅」という発言から、
今年も、吉野屋国内約947店を1日で完全制覇する計画がスタート。
2ちゃんねらーの胃袋は吉野屋を呑み込むことができるのか!
そして松屋の立場は!
<本部スレ>
24時間!!2ちゃんねら〜でつなぐ全国吉野家の旅6
http://off.2ch.net/test/read.cgi/offmatrix/1061571460/l50
<本部スレdat落ち時>
携帯 http://off.2ch.net/offmatrix/i/
PC http://off.2ch.net/offmatrix/
312よんよんさん:03/08/23 18:59 ID:j+xJqwSn
>310
スマソ、私は単行本派なんでよく知らないのよ。
ファンサイトから入手した二次的な知識はあるけど
たぶんそれじゃ上手く書けない気がする。

まずでぼこられたのか背中が痛いよ、ママン。天罰覿面たーこのことだねッ。
313名無しさん@ピンキー:03/08/23 19:40 ID:z+rPpQLo
外伝は六巻に収録されると良いのぅ
来年の今頃、発売だと思うが


漏れもコミックス派だから読めてない(´・ω・`)
314名無しさん@ピンキー:03/08/23 20:08 ID:PhX6r1Wj
しかし学園物に戦線を広げただけで戦場が際限なく広がるね。
本編だとシチュも場所も限られるっぽいけど。

学校外でもバイト先やデートでお出かけか、いいなァ〜
リップたんの手を引いて水族館に行きたいよ。
315名無しさん@ピンキー:03/08/23 20:25 ID:N/gSliS4
外伝は連載終了までコミックスに収録されないと増刊に書いてあったような。
でもこうなっちゃうと分からんね。本誌で二本立てになるのかな?
今さらだけどエアマスターセラス萌え〜。気は優しくて力持ちってか。
ちゃんと正統派ヒロインになってるやん。
316名無しさん@ピンキー:03/08/23 20:28 ID:qim5cbcw
お、俺は、ょぅι゛ょ局長と東京ねずみランドにいきたイッス!
317名無しさん@ピンキー:03/08/23 21:00 ID:UUaEgQRA
エアマスタセラス
絵もエアマスターになったらどうする?
318名無しさん@ピンキー:03/08/23 22:01 ID:oJ+63Jtv
どうしようもない超乳ってところは共通してるね
>エアマスタセラス

逆にヘルシング絵のエアマスターは萌え燃えかと
深道兄が少佐演説ぶちそうだけどw
319名無しさん@ピンキー:03/08/23 22:15 ID:YYmf0Xcc
由紀vsエアマスター! 由紀vsエアマスター! 由紀vsエアマスター!

よろしい、ならば由紀vsエアマスターだ。



あんまり違和感ないなあ。
320名無しさん@ピンキー:03/08/23 23:26 ID:l3h4FAzz
吸血鬼の脚力ならハンパじゃなくエアマスタできそう
滞空時間に比例してパンチラ時間も増えるワケだ




ときヘル、ハインケルED(エンディング)しようと思ったら、
終盤にアンデルセンを倒さないと無理そう(((゚Д゚)))


シュレタンルートにはどうやったら行けるんだ?(藁
321名無しさん@ピンキー:03/08/23 23:38 ID:bEWjOtfA
>>319
心の中が不思議なオタクっという点で共通してるから、少佐と深道兄は
にしても坂本ジュリエッタと旦那が似てる様に見える漏れは目が腐っていますか?

エアマスターセラスにはスパッツなどという姑息な手段ではなく、
正々堂々とぱんてぃーを装着していてもらいたいですね、諸君
322名無しさん@ピンキー:03/08/24 00:06 ID:S8arX1sw
>320
801ネタ厳禁のこのスレにおいては難しいですね。
>シュレタンルート

方法は考えられる限り二つ
1.実はシュレは女の子だった! という某ゲームの歌劇団みたいな落ち。
 ぺチャパイな強制女性化シュレを存分にご賞味下さい。

2.主人公を○○さん(女の子)にする。もちシュレは男の子のまま。
 架空の主人公の描写は程ほどにして頂いて、シュレにビシバシスポットライト
 を当ててもらいます。どっちが攻めかは、フラグがたった時にでも相談しましょうw

あ、もう一つあった。
3.このルートだけ801板で誰かに書いてもらう。
323よんよんさん:03/08/24 00:08 ID:oRQaQa1S
>305
男子高校生旦那はフツーにもてると思う。
まず美形だし、一匹狼の不良でしょ、口数少ないでしょ、どっか影があるでしょ。
完璧じゃないか。頭の軽い女子生徒さん相手には入れ食い状態間違いなし。

すいませーん、セラス編Lv3はちょっと遅れる鴨ー。
それはつまりこれから書くということだ。石投げるの禁止っ。
324よんよんさん:03/08/24 02:24 ID:oRQaQa1S
では投下行きます。
僕はまだ涙の止まらないセラスの肩を抱きながら、視聴覚教室を後にした。
先生の指示したように教室に戻る気はなかった。
今のセラスにそれは酷すぎる。そして僕ももう少し二人っきりで居たかった。

でもどこに行けばいいんだろう?
学園内で絶対人の来ない場所っていうのはなかなか思いつかない。
あてもなく歩きながら一生懸命考えていると、目の前を用務員のウォルターさんが通りがかった。
「大変なようでしたな」
学園のことならなんでも知り尽くしているベテラン用務員のウォルターさんは
今回の事件のことももう知っているらしい。
その表情はいつもとかわりなく、むしろ少し微笑んでいるように見えた。
「この学園には礼拝堂がありましてな。ご存じですかな?」
知っている。このヘルシング学園はなぜか屋根に十字架が立っていたりするけど
別にミッション系というわけじゃない。キリスト教に関する話は一切聞いたことがなかった。
でも設立された当時はやっぱり何か関係があったらしい。
第二校舎の片隅に、扉に十字架の彫ってある礼拝堂といわれている部屋がある。
ただそこは開かずの間で、中に何があるのか生徒達の噂の的だった。
まあ、正確には怪談がらみがほとんどなんだけど。先代理事長の霊が出るとかなんとか。

「これはそこの鍵です」
ウォルターさんはあっさりとそう言って、銀色の重厚な鍵を僕に向かって差し出した。
「後日、用務員室まで返しにきてくださればよろしい」
「あ、ありがとうございます」
そのあまりに自然な態度に、僕も自然と鍵を受け取っていた。
それはずっしりと重く、古めかしい鍵だった。
ウォルターさんは鍵を渡すと何事もなかったかのように立ち去っていく。
僕はその背中を呆然と見送っていた。本当にこの学園は謎が多い。
ともあれ人の親切には素直に従うことにして、僕は礼拝堂に向かった。
幸い途中では誰とも出会わなかった。
今はまだ授業時間中だし、礼拝堂のある第二校舎は理科室や音楽室、資料準備室など
用のない人はよりつかない、普段から人の少ないエリアだ。
その中でもさらに奥に礼拝堂はある。
僕はその扉の前に立って、そっと鍵を鍵穴に差し入れた。
カチャッ 意外と軽い手応えで鍵はまわった。扉を開けると、中は確かに礼拝堂だった。
入ってすぐ横にある電灯のスイッチを入れると明かりがついた。

中央には祭壇があって十字架が立っている。蓋をされたオルガンらしきものもある。
横の壁には男の人の絵が掛かっていた。金髪の、どこかインテグラ先生に似た人だと思った。
部屋としては大きくなく、普通の教室より一回り小さいくらいの広さだ。
椅子が何脚もまとめて壁際に積み上げられている。
だから礼拝堂の中央部分は何もなくて、がらんとした空間だった。
床には隙間なく絨毯がしきつめられている。

いつの間にか泣きやんだセラスも驚いたようにこの空間を見回している。
僕は内側から扉の鍵をかけると、セラスと一緒に部屋の中央まで歩いていった。
セラスはそこで始めて力が抜けたように、へなへなと絨毯の上に座り込んだ。
僕もその横に座る。それで気が付いたんだけど、絨毯の上には埃が全然なかった。
他の十字架やオルガンその他の備品もきれいなものだ。
...やっぱりウォルターさんが掃除しているのかな。

「ねえ、○○くん」
そう、今大切なことはセラスのことだ。
彼女は放心したような顔で十字架のほうを見ながら僕に話しかけてきた。
「さっきはありがとう...」
「いや、お礼をいうのは僕のほうだよ。正確には僕たちのほうだ」
僕は自然とセラスの肩に手を回していた。
この礼拝堂の優しい空気が影響していたのかもしれない。
「たぶんクラスのみんなも分かってくれるよ。今はちょっと驚いているだけで」
本当は別の話がしたかったんだけど、上手い言い方が見つからなくて
僕はそんな当たり前の話をした。でもセラスは頭を振った。
「ううん、私はやっぱり変わってしまったと思う。みんなとも以前のようには話せないよ」
「どうして? そんなことないよ。セラスはずっと前から優しくて強い女の子じゃないか」
僕は彼女を強く抱きよせた。自然と顔が近づく。彼女の息が僕の頬にかかるくらい。
「だって私、戦っている時...」
セラスはまた泣き出した。ぽろぽろ涙をこぼしながら小さな声で言った。
「楽しんでた。人を傷つけることを。相手を叩きのめすことを」
僕もそれは知っていた。だって幼なじみだから。分かっていたんだ。
「最後にあの黒服のヤンって人に向かう時、相手が恐怖していることを感じていた。
 私、それを感じてすごく...そう、気持ちがよかった。何かに取り憑かれていたみたいに」
実際に君は取り憑かれていたんだよ。僕は思った。
だってそうじゃないか。優しいセラスが人を傷つける時、そのままでいられるはずはない。
きっとどこかのスイッチを切り替えないといけなかったんだ。ただそれだけのことなんだ。
誰だってスイッチは持っている。残酷じゃない人間なんていないよ、セラス。

「もう大丈夫だよ、セラス。今の君はいつものセラスだよ」
でも僕はそれだけを言った。そして彼女の涙に口づけする。
彼女の悲しみをすべて飲んでしまいたいと思った。

僕はセラスの顔に口づけしながら、自然と彼女のほうに体重をかけていた。
あっけなく、そしてゆっくりとセラスは絨毯の上に倒れた。
僕はそのうえに覆い被さる形で彼女の顔に何度もキスを繰り返した。
「セラス。僕は君が好きだ」
セラスは驚いたように目を見開いた。
「君のことが大好きだ。今日気が付いたんだ」
「どうして...?」
私はあんなに残酷だったのに?って言いたいんだろ。
「君は強くて優しいから」
僕は寝転がったままセラスを抱きしめた。
彼女はやっぱりやわらかくて愛おしかった。そして今となっては僕はそれだけじゃすまなかった。
「ねえセラス。しようか? してもいい?」
耳元でささやく。息が熱くなっているのが自分でもわかった。
セラスは僕の顔を見つめて、コクンとうなずいた。
その時の僕たちにとっては、それが自然なことだったんだ。

僕はもどかしく彼女のスカーフをほどいて、セーラー服のボタンを開いていった。
現れた彼女の肌にキスをする。そうしながら自分の制服のボタンも外した。
セラスも自分でスカートのホックを外す。
「なんか恥ずかしいなぁ...」
今更何を言っているのやら。でも僕もそう思う。
というわけで、僕らは思いきって互いに自分の服を脱ぎ捨てた。その方が早い。
それから僕は自分の制服の上着を絨毯の上にひいて、その上に裸のセラスを横たえた。
そしてまた体を密着させてキスをする。そっと手で彼女の胸をさわった。
愛撫のやり方なんてよくわからない。でも僕には彼女がいとしい。
彼女の体すべてが愛おしい。じゃあそれでいいじゃないか...たぶん、きっと。
本能の赴くままにセラスの体を撫で、あちこちにキスを繰り返した。
セラスの胸が上下して、呼吸が早くなっていくのがよくわかった。

そうしているうちにたまらなくなった。
起きあがって脱ぎ捨てた制服のズボンを漁る。そこにはコンドームが入っているはずだった。
なんでそんなもの持ち歩いているのかはこの際聞かないでくれ。
セラスに背を向けて、慣れない手つきで一生懸命それをはめる。
うまくはまっているといいんだけど...不安だ。
「○○君」
後ろからセラスの声がする。
「あの、今更なんだけど、私も○○君のことが好きだよ。ずっと好きだった」
...その時の気持ちは言葉にできない。
僕はそっとセラスの足を持ち上げて開いた。自分のものを彼女のあそこにあてがう。
初めてだからきっと痛いんだろうなとは思ったけど、気持ちが止められなかった。
そっと入れようと思ったけど入らない、腰に力を入れて押し込んだ。
「...んっ」
セラスは苦しそうな顔をする。でも僕の背中に手をまわしてぎゅっと抱きしめてくれた。
それに勇気づけられて、僕は無我夢中で体をすすめた。奥まで入った、と思う。

セラスは汗に濡れた顔で僕を見ていた。そしていつものように笑ってくれた。
少し痛みに引きつった顔だったけど、それはいつもの彼女の顔だった。
なんども見てきた笑顔。これからもずっと見ていたい笑顔。

僕は腰を動かした。セラスは苦しそうな顔をしながら、強く僕に抱きついてきた。
僕たちはお互い汗に濡れた体を密着させて、全身で相手を感じていた。
そしてそれはあっという間に終わった。だって僕だって初めてだったんだから。
出ると思った瞬間、抜かないとと思いながらも間に合わなかった。
ゴム付けていたからきっと大丈夫のはずだ、うん。
僕はあまりに早くいってしまったことが照れくさくて、彼女の顔を見られなかった。

「○○君、よかったよ」
セラスはまだちょっと苦しそうな声で、そんな嘘を言ってくれた。
「痛かっただろ? ごめんね」
僕はおどおどと彼女の顔を見ながらそう言った。
そしてゴムの付け根をもちながら、ゆっくりと彼女の中から自分の一部を取りだした。
もうすっかりふにゃふにゃになってしまっているそれを。ああ、男って情けない生き物だ。
「初めてってのは痛いものだからっ」
反対にセラスは元気だ。女は強い。
僕はそそくさとズボンからティッシュを取り出して、後始末をした。
セラスも起きあがってなにかごそごそやっている。
見ないようにした。僕も見られたくなかったから。
僕らは背中あわせの状態で、脱いだ時と同じくそそくさと服を着た。
「あーっ」
後ろからセラスの声が聞こえる。何かヘマをやってしまった時の声だ。
小さいころから何度も聞いた。彼女ってドジだから。
「ごめん、○○君」
そう言いながら、セラスは僕の上着を広げて見せた。
そこには小さな赤い点が付いている。...そういえばそうだよな。あれ下に引いていたんだから。
「いや、まあ、絨毯につくよりはよかったんじゃないかな」
僕は一生懸命フォローした。やっぱり昔からやってきたことだ。
しかし今回ばかりは...どうしよう。
家族には見せられない。クリーニングに出すのも恥ずかしすぎる。今は考えないことにした。

「なんか、すっかり元気になったね、セラス」
半分パニック、半分本気で僕はそう言った。
「うん」
セラスは笑ってうなずいた。まあ、いいいか。
僕は彼女が元気で笑っていてくれればそれでいいんだ。
いや、もう一つ。ずっと僕の傍にいてくれれば。
僕らは再び体を寄せ合った。十字架の前でキスをする。
「今日はこのまま一緒に帰ろう」
僕は言った。幸いお互いの家は近いんだし。
「ここの鍵は明日ウォルターさんに返しておくよ」
「ウォルターさんって不思議な人だね」
まったくだ。
「明日はちゃんと登校しないとなぁ」
セラスはちょっと憂鬱そうに言った。
「大丈夫だって」
僕は断言した。
「それに僕も一緒に行くから。何かあっても絶対に守るから」
神様の前で誓ったつもりだった。
「ありがとう。○○君」
セラスは笑顔を浮かべて僕の頬にそっとキスしてくれた。

僕は弱いし愚かな男だけど、できることもあるんだな。そう思った。
セラスは強いけど、僕が彼女を助けられる部分もあるんだ。
僕たちは一緒に歩いていこう。
それがいつまでかは分からないけれど、なるべく長い時間だといいなと思う。

僕らは幼なじみだった。それは一生変わらない事実だ。
その上に今日、もう一つの関係が付け加わった。
僕はそれを大切にしたい。僕はセラスを大切にしたい。ずっとそばに居たい。
神様、この願いを叶えてください。心の中でそう祈った。
僕は宗教なんて普段は全然信じていないんだけど、この礼拝堂の中でなら
なにか願いが通じるような気がしたんだ。
なんてったって、ヘルシング学園は不思議なところだから。

おわり
332よんよんさん:03/08/24 02:33 ID:oRQaQa1S
書きながら、顔から火が出そうだったぜ。
今回はリアリティ追求してみました。
最後にタイトル付けるの忘れていたことに気が付いて、あわてたりな。

シチュは結局、せっかく意味ありげに設定してあった場所を使ってみよーかと。

じゃ、寝る。
333名無しさん@ピンキー:03/08/24 02:38 ID:CrMvD+uD
良いですなぁ(*´д`*)ハァハァ
主人公が実に羨ましい。
何はともあれお疲れ様でしたー。
334名無しさん@ピンキー:03/08/24 06:57 ID:d/ypUDJT
お゛お゛、お寝むしている間にステッキーな展開になってますウィリス。
この感動をどう表現すればいいのでしょう? そう、それはまさしく青春っ!
貧しい青春送ってただけに余計に羨ましい&(;´Д`)ハァハァ 

二人は帰る間も御手手つないでたのだろうか、いやこれは愚問ですね。
そしてウォルターさんはその次の日念入りに掃除するとw
335よんよんさん:03/08/24 11:34 ID:cV/twGcY
>333
はやっ。反応早いよアナタ。

>334
私も青春は貧しかったよウィリス。貧しいっていうかみじめだったぜウィリス。
でも人間どこで開花するかは人によるんだぜウィリス。

ところで、これでも萌えてもらえましたかね?
初体験x初体験同士をリアルに現実的に書いたSSって珍らかしかろうと
私は思ったのですが(そーでもない?)、
なんか今回は書き手としてそれでもいけそうな予感がしました。
だからリアリティ追求してみました。
まあこんな手法もう使わないと思うんで。ちゃんと普通のエロもまた。
でもその前に、表のSS書くために少し休暇を貰います。1,2日のことですが。
336名無しさん@ピンキー:03/08/24 12:39 ID:AH7h/AKo
>>335
OK、OKよ。スバラシイ。
何が素晴らしいって、生々しいまでのリアルさがナントモ良い。
初めてを思い出して涙出るは(*´д`*)ハァハァしちゃったわ。

ガンヲタに不法占拠されたホンスレから亡命した甲斐があったねウィリス。
337名無しさん@ピンキー:03/08/24 15:56 ID:glbo6YDw
>335
終わった後のやりとりがまた現実的だね。
○○君はその後セラスの血のついた上着をどうしたんだろうか?
記念にずっととってたりして(w
338名無しさん@ピンキー:03/08/24 16:44 ID:XdG6+5tF
血は落ちにくいからなぁ
上着に鼻血ならついたことあるよウィリス
339名無しさん@ピンキー:03/08/24 17:37 ID:ZsfpGzOl
多分に返り血浴びまくりな不良アーカード君が服をどうしてるかが気になる。
自分で洗ってるのか?それともインテグラ先生に洗ってもらってるのか?
はたまた贔屓のクリーニング屋にまかせてるのか?


夜の夜中にランニングシャツとトランクス一丁で
洗濯機とにらめっこしている不良旦那に一票。萌えだろ、その方が。
340名無しさん@ピンキー:03/08/24 19:46 ID:JoT9xUKf
血はお湯で洗うと、熱でたんぱく質が凝固して落ちなくなるので、
必ず水で洗うのですぞ>主人公
341名無しさん@ピンキー:03/08/24 20:26 ID:Tk8yqPkA
>339
いや、洗ってもらうのを口実にハアハアも捨てがたいぞ
342よんよんさん:03/08/24 20:41 ID:/x2PaPI8
すぐ洗ったらそうたいしたことないぜ>血

○○君の性格的には、その日の夜、風呂場でこっそりかなー。
セラスにやらせるとなぜが上着丸ごと破壊されるヨカーソ。

そもそもアーカードってどうやって暮らしているんだ。
家族はいないだろ。やっぱし。収入はかつあげとかあるのかもしれんが...むう。
343名無しさん@ピンキー:03/08/24 21:11 ID:JFjDSVoe
>342
頭の軽い女に貢がせてるに一票。>旦那の収入
344名無しさん@ピンキー:03/08/24 21:59 ID:1KZ196yg
>>341
洗うのを口実に家に呼ぶのですか?
それともセラス宅に突撃隣の晩御飯?
どちらにしても美味しいですね。
345よんよんさん:03/08/24 22:07 ID:/x2PaPI8
>342
ああ、ついでに家に転がりこめばいいのか。
ジゴロってやつだな。ヒモとも言うが、私はジゴロという呼び名のほーが好きだ。

でもまあアーカード君なんで、その女にもなんかの拍子ですぐ飽きて
(ちょっとでも束縛しようとしたら途端に冷めて出て行くとかな)、
深夜先生宅のインターホン鳴らして
「あんたの所に泊まるのと、渋谷の女子ひっかけてホテルとどっちがいいと思う?」
とか言ってたら萌え。
346名無しさん@ピンキー:03/08/24 22:22 ID:mlAmO991
旦那、父親が政治家っぽい

で旦那は親父を嫌ってるんだ

萌えるな
347346:03/08/24 22:34 ID:KL2sy52r
追加だウィリス


旦那はガキの頃母親(政治家の愛人かなんか)大好きだった

で間接的に父親の所為でお亡くなりに(父親が母に全然、会ってやってないとか



屈折して育った旦那(一人暮らし

いつものように夜の町で暴れてたら、なんとなく雰囲気が母親にソクーリな局長に出会うと。

デビルメイクライのダンテとトリッシュみたいでつね
348名無しさん@ピンキー:03/08/24 22:56 ID:fz4F5TD8
政治家というよりマフィアのゴッドファーザーのお孫さんな感じ。
ドンの座が鬱陶しいので家出しちゃったと。

>344
食べるのはセラスの手料理でつか?
それともセラスの体?
まずは手料理、それからセラスだな・・・
349名無しさん@ピンキー:03/08/24 23:32 ID:JoT9xUKf
>349
そこでアレですよ。
手料理食ってるうちに、手とか口元とかにソースつけちゃって、
「汚れてしまった。舐めてくれ」

あ。キャラが違う。
350349:03/08/24 23:33 ID:JoT9xUKf
自己レスしちまった……_| ̄|○

>348にレス、ね。
351名無しさん@ピンキー:03/08/24 23:46 ID:dMmwgKL+
政治家にせよゴッドファーザーにせよ
少佐教頭もマクスウェル先生もやばいジャン!
海に沈められちまうぜ、あまりお痛たしてると(w

>>349
たった一回体を許してもらっただけでそこまで飛躍できる○○君に乾杯
352名無しさん@ピンキー:03/08/24 23:55 ID:jT91Vqyu
由美子にイタズラして由美江にボコられたい
353名無しさん@ピンキー:03/08/24 23:56 ID:bbc49/06
流れからすると旦那のことを話してると思ったのだが・・・
いつの間にか○○君に変わってたのかw
354349:03/08/24 23:59 ID:JoT9xUKf
そう、旦那のことだと思ってた。
でもその台詞は先生のじゃん、って。
355344:03/08/25 00:20 ID:kn76uVo4
すまぬ、セラスにお熱で旦那の話であることが
頭から飛んでしまった…
パトラッシュに噛まれてくるよウィリス。
356名無しさん@ピンキー:03/08/25 00:55 ID:q4+a0g+f
まことに唐突ですが、SS書いてみました。
ちと猟奇的な記述があるので、ときヘルの幸せセラスの余韻を
ぶち壊されたくない方はここから4〜5レスはスルーの方向で。
357シュレディンガー日記1 1/4:03/08/25 00:57 ID:q4+a0g+f
 8月19日「豹の巣」 晴れ
少佐にお使いを頼まれる。日本に行って、うっかり買い忘れた『戦艦名鑑』と『空母名鑑』を購入するようにとのこと。
ついでにプラモデルを見繕って買ってくるようにと少し多めに予算を貰った。
軍服のままはまずいので、私服の着替えを用意する。明日行動に移すため準備に時間を費やした。

 8月20日東京 曇り後雨
まず少佐から貰った1,000ドルの予算を円に両替する。この作業が結構美味しかったりする。
少しばかり着服…あいや私的に流用しても、
『為替の関係で誤差が出ました。あと両替手数料と』
と言っておけば少佐も細かいことは追及しない。戦争のこと以外は実にルーズなのだ。
お陰で買い食いしたり、友達になった女の子達とカラオケに行ったりすることができる。
歌はいいねぇ、カラオケは日本が生んだ文化の極みだよ。
銀行に行くのが遅くなって混んでいた。いわゆるゴトウ日というやつだ。
今日はめざす本しか買えなかった。明日プラモデルを買いに行こう。

 8月21日東京 雨
得意の瞬間移動といきたい天気だったけど、少佐に日本で目立つ行動はしないようにと釘を刺されてるので電車を使う。
通勤ラッシュとかち合ってしまって後悔する。日本人はこの状況によく耐えられると感心した。
暑苦しさに辟易し始めていると、半ズボンゆえにむき出しになった僕の太腿に誰かの手が触れた。
不快指数がさらに急上昇。だがその手は太腿に止まらず、僕のお尻にまで伸びてくる。
……痴漢? 勘弁してよぉ〜
そう思って後ろを振り向くと、眼鏡をかけたキャリアウーマン風のお姉さんがいた。
なんだか息が荒い。ほおが紅潮している。結構綺麗どころなのに、何もこんな所で…
お姉さんと目が合った。一瞬ひるんで手を引っ込めたが、しばらくして何を思ったか背後から
僕に抱きついてくる。大胆過ぎるにも程がある!
見境も無く彼女の手が僕の股間に伸びてきた。ああ、僕どうなっちゃうんだろう?
358シュレディンガー日記1 2/4:03/08/25 00:58 ID:q4+a0g+f
 (8月21日、日記続き)
困った事に(素晴らしい事に?)僕はこの痴女なお姉さんに抱きかかえられる形になってしまった。
ピッタリくっついてくるので僕の背中にお姉さんの胸がぷにゅっと当たる。なかなかのボリュームだ。
どうしてこんなイケテルお姉さんが痴漢、あいや痴女をしてるのだろう? 日本はホントに不思議な国だ。
大ピンチだ。どんどん僕も反応して股間が硬くなってくる。それ以前に誰かに見られたらどうしよう!?
もう一度後ろを振り返る。再びお姉さんと目が合った。
「あの…」
「ご、ごめんなさい、お願い、もう少しだけ…」
お願いされちゃったよ。僕にどうしろと言うんだ?
直立不動で弄ばれる僕と、何やら思い詰めた様にしがみつくお姉さんを乗せて電車は快調に進む。
そうこうする内に電車はめざす駅に着きそうになった。
「あの、ごめんなさい。僕ここで降ります」
お姉さんはやっと僕を開放してくれた。良かった、このまま何処かに連れてかれるかと思った。
彼女は急に僕の手を両手で握って、
「ありがとう…」
と言った。ああ、もう何が何だか、訳が分からない。
この場合僕の方こそありがとうございます、と挨拶すべきだったか?
僕は屹立した股間をカバンで隠しながら下車した。この状態を、一体どうしたらいいんだ?

とりあえず駅の自販機のジュースを飲んで(当然代金は少佐から貰ったお金)一服してから
今日の攻略目標のプラモデルを買いに行く。
とんだ道草を喰ってしまったが、どうやら予定は消化できそうだ。
僕にはとんと興味の無い、旧日本軍の空母や戦闘機の模型を両手に抱えなければいけないほど購入した。
少佐の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
『戦艦はビスマルクもいいが、やはり大和だね、大和。海軍は日本には敵わないよ』
と言ってたもん。これらの模型を掴んで恍惚の表情を浮べることは確実だ。
359シュレディンガー日記1 3/4:03/08/25 00:59 ID:q4+a0g+f
 (8月21日、日記続き)
ヴェアヴォルフな僕にとってさして重くもない荷物を抱えながら店を出る。
歩いてしばらくすると、僕を背後から呼ぶ声がする。野太い男の声。英語交じりの片言の日本語だ。
振り向いたら巨漢の黒人がそこにいた。どうやら僕の荷物を車で運んでやるから、一緒に食事をということらしい。
有り体に言えばナンパだ。どうして今日は痴女だのナンパだの変なのに引っかかるんだろ?
ただ荷物運びが面倒くさいのも事実。ここは邪まな好意に乗ることにした。
車に荷物を積んで乗り込むと車は急発進。猛烈なスピードでしばらく走ると用途が一つしかないホテルの
駐車場に突入する。ふふっ、分かりやす過ぎる展開に僕は苦笑しか出来なかった。
彼は荷物を持った両手で僕を急き立てて、ホテル側に示された部屋に入り荷物を乱暴に置く。
僕は特に抵抗もせずに続いて入室し、ドアを閉じて鍵をかける。施錠はしっかり確認っと。
途端に巨漢の黒人君は僕に抱きついてきた。よく抱きつかれる日だなあ。
「はいご苦労様! ご褒美に約束どおり僕とお食事しようよ」
そう英語で囁いて、僕は彼の太い首筋に白い犬歯を突き立てた。
部屋中に鮮血がほとばしり、まるで溺れた犬の様に口をがぼがぼ言わせて彼は事切れた。

彼の様な手合いが童貞な訳も無く、喰人鬼になられても困るので首をへし折り、ねじ切っておく。
その生首を正座させておいた彼の膝の上にポンと置いておく。
ついでに両手でその首を支えさせる。
完成! この前テレビのアニメ特集で見たマジ○ガーZのキャラみたいでカッコいい!!
僕は、今日のところは生前の彼の好意に甘えてここで一泊する事にした。
こんな所に来たことが無いので結構物珍しく見物させてもらった。
なかなか面白かったよ。
AVの鑑賞サービスまである。好きだねえぇ日本人も。
どれどれと目録に目を通していると、今朝の痴女なお姉さんに気持ち似た所のある、
眼鏡をかけた女優さんが出ている物を見つけた。本人かは知らない。
実は僕には日本人の顔の見分けがつかなかったりする。日本人が欧米人の顔の区別がつかないのと同じで。
360シュレディンガー日記1 4/4:03/08/25 01:00 ID:q4+a0g+f
 (8月21日、日記続き)
僕はそのビデオを再生させた。
ブラウン管の中で女優さんがみるみる裸になっていき、扇情的なポーズと目線を僕に送る。
米国製のハードコアと違って、日本製のこの手のビデオは大変女性が美しい、
そうバレンタインの馬鹿弟が言ってたっけ。今は僕もそう思ったりする。
まるで儀式の様に女優さんは男優の物を咥えて奉仕し、ついでいわゆる『本番』に入る。
そのころになると、僕も下半身がムズムズしだしてズボンのチャックを下ろす。
ああ、極東の島国まで来て僕は何をしているのだろう?
あのお姉さんが悪いのだ。
こんな事なら後をつけて、夜になったらお家にお邪魔すべきだったか。
きっと彼女も喜んでくれたろうし、僕も一人寝の寂しさを手とビデオで紛らわせずにすんだのに。
益体もないことを考えながらも、僕の視線はブラウン管の『彼女』に釘付け、上下する手もスピードが増すばかり。
ビデオの中のお二人さんもそろそろ終劇らしいので、
僕もどうしようもなく込み上げてくる物を遠慮なく吐き出した。
「ありゃ? こんなとこにまで飛んじゃったよ。やれやれ、僕も溜まってたんだねぇ」
僕の白い淫らな液体が、白目を向いた『彼』の生首にまで飛び散っていた。
きっと彼も地獄で喜んでくれてるに違いない。Amen!! なんちゃって♪

 8月22日東京/「豹の巣」 晴れ
6時起床。気持ちの良い朝だ、お日様は見ないけど。
荷物を抱えてこの部屋からおさらばする。はは、この国の司法当局が駆けつけたら驚くぞ!
完全無欠の密室殺人! 眠りの小五郎でもこの謎は解けまい。
あっと言う間に、「豹の巣」の自室に戻ってくる。軍服に着替えて少佐に帰還の報告をしに行く。
だけど少佐は不在だった。
博士が僕に教えてくれた。またオペラハウスの老人達がぐずってるんだって。
全く、あの役立たずをいつまで飼ってるつもりなんだろう、少佐は?
 TO BE CONTINUED?
361よんよんさん:03/08/25 01:04 ID:WiRBgad7
>347
母親の面影ものはなー、ビミョーだなー。個人的に。マザコンはちょっとなー。

>351
父親嫌いだし連絡も取ってないし、向こうだって関わりたくないように
不良で好き勝手やってる。それも権力持つような不良じゃなくて、あくまで一匹狼の。
だから父親がアーカードのために何かするってことはありえない。
つうことでどーかな。

スマソ、私に決定権があるわけじゃないんだが、ついまとめぐせが。
っていうか次のSS候補なんで。<アーカードx先生の出会い

まあ私はあんまりアーカード君の過去は描写したくないな。
だからしなきゃいいだけか。各自勝手に妄想補完しててくださいってことで。
362よんよんさん:03/08/25 01:06 ID:WiRBgad7
うわ、もうちょっとで割り込むところだった。
よかったー。
363356:03/08/25 01:06 ID:q4+a0g+f
少しばかり801指数が高くなってしまいましたね。
しかもオリキャラばかり。
続かせて良しならそのうち局長やリップヴァーンも出るかもしれません。
続かせて(・∀・)イイ!!ですか?
364356:03/08/25 01:08 ID:q4+a0g+f
ああ!またやっちゃった!
申し訳ないです。スルーしちゃって下さいまし。
365名無しさん@ピンキー:03/08/25 01:39 ID:pkHvjg2a
溜まってるシュレタン(*゚∀゚)=3ハァハァ
言ってくれれば漏れが手こきで出してあげたのに〜(藁
366よんよんさん:03/08/25 02:15 ID:WiRBgad7
すいません、人の萌えに口出すのは無粋の極みでした。
反省しております。
367名無しさん@ピンキー:03/08/25 07:29 ID:w8mSKD56
いや、旦那の過去は原作であまり書かれてないから
ときヘルも触れなくていいんじゃないかな?
自分で高校生旦那の父者は政治家だ、とかネタふった漏れがいうのもなんだけど





シュレタンは女の子並にキャワイイから桶
シュレタンナンパをしたら頃されるんだな
でも、漏れは我慢できずに「シュレターン」って襲いかかって、殺されると思う
368名無しさん@ピンキー:03/08/25 08:42 ID:GcUU9n0r
>367
書き手さん、横領した少佐のお金でカラオケさせてるから
好みの女の子ならナンパしても問題なさそうね、シュレタン。

シュレタンを痴漢したおねーさんの気持ちが分かる
漏れは駄目人間だな。 ( ´Д⊂ヽ
369よんよんさん:03/08/25 09:02 ID:nhlQCUd5
>367
そね、ただ描写の都合上、いろいろあるのよね。私、細かいので。
旦那の過去は原作ではそれなりに暗示されてると思いますがー。

表のSS、一晩で2本書いてしまった(1本はまだうpしてないけど)。
せっかくの休暇が...。
思えば夏休みだって7月中に宿題終わらせる人だったね、ママン。
370よんよんさん:03/08/25 09:21 ID:nhlQCUd5
つうわけで、さっさと次のSS構想に着手予定。
今の候補は
・アーカードx先生エロ
・ときめき編ハインケル
・ときめき編シュレたん
だっけか。

シュレたんは私が書くとあくまで男性にしかならんので(過去のSS参照)
書くなら>322の「2.主人公を○○さん(女の子)にする」かなあ。
結構ストーカーチックな夢見がち少女に設定して
シュレタン描写を細かく。最後は見ちゃいけないもの見ちゃってお仕置きでエチー。
とかな。

みなさんどれが読みたいですか? これら以外でもいいけど。
371367:03/08/25 10:05 ID:8nGswGo9
「を」の位置が間違ってたよママン
訂正



シュレタンをナンパする(とシュレタンにヌッ殺される)
372名無しさん@ピンキー:03/08/25 10:20 ID:CS41604O
いいな、シュレタンに犯られる○○さん。
これがいわゆるドリーム小説で自分の名前入れたら
(;´Д`)ハァハァ当社比3倍増しな罠、間違っても甘いものにならない予感。


漏れ、男なのになに想像してんだか。もうだめぽ (´・ω・`)ショボーン  
373名無しさん@ピンキー:03/08/25 10:44 ID:mN1Ssx9i
>372オナカーマ(・∀・)メ(・∀・)




漏れも男でつ(´・ω・`)
374名無しさん@ピンキー:03/08/25 11:03 ID:X9r/DjbE
>370
アーカードx先生エロが読みたいいん。
セラス編とうって変わってさわやかさのカケラもないもんになりそうだけど(w
375よんよんさん:03/08/25 12:19 ID:N8oPylpL
先生エロには出会い編と報酬編がございます。
>120 居ますカー? どんなエチーがご希望でしょー。
出てこなかったら、まず出会い編から逝くぞ。

シュレタンはまたLv1から始まる連作ものになるので、
複数希望が出た場合は単作物優先します。
376374:03/08/25 13:07 ID:X9r/DjbE
漏れが120です〜。
個人的趣味としてMっぽく責められる先生が見たいんだけど
設定的に合わないかなあ?不良旦那へのご褒美として言うことを聞くってことで
納得ずくのプレイの一環としてなら何とかなりそうな気がするんだが。
後ろ手にベルトで拘束されるとか目隠しとかのソフト(でいいや)SM路線をプリーズ。
377よんよんさん:03/08/25 15:40 ID:N8oPylpL
>367
いいですよう。ではまずそれから逝きましょう。古くからのリクだし。
アーカードx先生、報酬編ね。
んでテーマはソフトSMね。ご褒美として先生が責められる側っと。

ではもっと具体的に何して欲しいか、他の人からもリクエスト募集します。
書くのは早くて今日の深夜以降になると思うので、それまでドゾー。


そういえばリップたん超鬼畜って企画もあったな。まあ先は長いんだし。
378名無しさん@ピンキー:03/08/25 16:36 ID:YsSNju3R
リプタン純愛ときヘルと
由美江と由美子もござりますれば、当分ネタには困らないかと(w

w由美は二人で一セットはありですか?
この手のゲームはよく双子は一セットのdでもないEDがあるけど。
379名無しさん@ピンキー:03/08/25 17:45 ID:VV/12Pxu
ゾーリン姐さんにネチネチといぢめられたい。
380名無しさん@ピンキー:03/08/25 18:30 ID:/epNiyx5
>377
報酬編、ルーク兄貴をぶちのめした後の話ですか?
それではこんなんいかがですか?よんよんさんたま。(伊藤四郎調に)

ケンカで血がたぎって我慢できないアーカード君、
先生のマンションまで我慢できずに野外で押し倒しちゃうと。
視線が気になる→ならばお前の視線をふさいでやると目隠し
やっぱり嫌嫌→うるせえ、ベルトで後ろ手に拘束だ
場所はオーソドックスに公園or河川敷で。

さ〜みなさん、私のの直球ストレートを打ち返してください。
夜のエロシチュ甲子園の開幕です!(長嶋茂雄調に)
381名無しさん@ピンキー:03/08/25 19:07 ID:daUjrkT3
>339あたりから唐突に思い付いたシチュを書き殴ってみた。
イメージ壊れると思われる方はスルーよろ。
3821/2:03/08/25 19:08 ID:daUjrkT3
偶には一人で過去を顧みたい時もある。
なのにそういう時に限って、余計な事に巻き込まれるのはどういう訳か。
身の程知らずの雑魚共を屑箱に叩き込むと、アーカードは溜息を吐いた。
もう夜か。
普段なら適当な女の所に転がり込む所だが、そういう気分でもなかった。
久々に帰るか。心の中で呟くと、アーカードは自宅へと足を向けた。
高級マンションの一室。
滅多に帰らないため、というより煩わしさから、どの女にも住所を教えたことはない。
知っているのは、担任のインテグラぐらいのものか。
実際に来たことはないが。アーカードは苦笑を浮かべて、明かりを付けた。
客寄せのパンフレットをそのまま写したような部屋は、生活感もなく無味乾燥としている。
アーカードは、部屋の中心にあるソファに、どっかりと腰を下ろした。悠然と足を組む。
そこでふと制服の袖の汚れが目に付いた。
「ん?」
見下ろすと、制服に返り血が付いている。結構な量だ。
アーカードは不機嫌に眉を顰めた。
血の気の多い三下が、景気良く血を吹き出しやがって。
3832/2:03/08/25 19:08 ID:daUjrkT3
「またインテグラが煩く言いそうだ」
こんな事なら、女の所に行って洗わせれば良かった。
今から出るのも面倒だ、いっそ呼び付けるか。
いや、此処に女が来るのも鬱陶しい。
「仕方無い」
自分で洗うか。
なに自動洗濯機もある。大した手間ではあるまい。
アーカードは手早く制服を脱ぐと、洗濯槽の中に叩き込んだ。
「……洗剤が無いな」
そういえば洗濯機を使うのは初めてだった。洗剤を買った覚えはない。
適当に棚を漁ってやっと見つけ出したのは、固形石鹸1つと台所用洗剤1本。
「確か洗濯用洗剤は粉だったな」
まぁ適当に入れれば問題あるまい。汚れを落とす存在ということには変わりない。
アーカードは固形石鹸をばきばきと砕いた。
「こんなものか」
細かくなった石鹸を投入。ついでに台所用洗剤もどぼどぼと注ぎ込んだ。
汚れが落ちるに越したことはないだろう。
蓋を閉め電源を入れると、アーカードはベッドに横になった。
「寝るか」
洗濯機が動き出す音が響いてくる……


翌日、彼が私服で登校する羽目になったことは言うまでもない。
384名無しさん@ピンキー:03/08/25 19:09 ID:P3lyxayG
外か…何の制約も無い他のキャラであれば問題なしだけど
アーグラはどんなもんでしょ?シュレなんかに見られたら・・・
ファウルラインぎりぎりかと思ふ
ハイとか由美なら面白そうだが

ここは審判の判定待ちかな
385381:03/08/25 19:10 ID:daUjrkT3
ごめんなさいエロでなくてごめんなさい。
世界中に謝りますごーめーんーなーさーいー。
386384:03/08/25 19:18 ID:P3lyxayG
>385
わ、あぶない
あと少しで割り込むところだった!セーフ、だよね?

エロクなくても萌えなので問題なしかと、漏れ的にストライク
旦那の私服って、ヤパーリシャア専用に真っ赤な服なのかな

ところでよんよんさんさん?それともニューチャレンジャーの方でしか?
387名無しさん@ピンキー:03/08/25 19:44 ID:0tAVD2Vb
ニアミスの多いスレだなァおい(w

>>381
「ランニングシャツとトランクス一丁」
をやらないところに愛を感じる。そしてワロタ。
夜中に石鹸砕く旦那は萌えだ。

ところで諸君、旦那がインテグラ先生に報酬と称して
昔のセーラー服を着てやらせて欲しいと頼むのはどうだろう。アウトか。
388名無しさん@ピンキー:03/08/25 19:55 ID:lkKUdiim
漏れとしては、野外なら路地裏か墓地を!!


だめだ、大ファール・・・・
389名無しさん@ピンキー:03/08/25 19:58 ID:lkKUdiim
すまん、ageちゃった。
390381:03/08/25 20:03 ID:uA3EGb+S
>386
SS初書きです。よんよんさんごめんなさい。
391名無しさん@ピンキー:03/08/25 20:09 ID:X9r/DjbE
>昔のセーラー服を着てやらせて欲しい
ちょっとそれはオヤジ過ぎかと(w
周りにモノホンの女子高生がいるんだしさあ。
青噛んええですな。見られちゃヤバいというのがまた
羞恥プレイの格好のスパイスに。
392名無しさん@ピンキー:03/08/25 20:14 ID:b+ayrryr
授業中バイブ突っ込んだままにさせとくとか・・・
393よんよんさん:03/08/25 20:19 ID:TdQhep2a
>390
いえ、乱入大いに歓迎でございます。


野外なのは全然構わないんですけど、外だとできるソフトSM限られない?
目隠しと縛りくらいは出来るかもしれんが、
言葉責めとか人来るかもと思うとビミョーだし、
(特に彼らの会話内容は聞かれるとやばい内容であろうし)
他の道具があんまり使えない。例えば氷とか(ナインハーフかよ)。
部屋の中なら使えるものイパーイあるもんねえ。
迷うねえ。

半分外で半分中にしよーか。それって自分の首締めてないか私。
394名無しさん@ピンキー:03/08/25 20:22 ID:6qOTeIQX
バラバラにしたらええんでないかな
395よんよんさん:03/08/25 20:43 ID:TdQhep2a
>392
先生それだけは許してくれないと思うのよね。
学園内でってのはいろんな意味で絶対アウト。
まああの開かずの間礼拝堂ならありかもしれんが
アーカード君礼拝堂嫌いだし(そりゃ自分のSSだ)。
どっかの青春幼なじみが使ったばっかだし。

先生のマンションのベランダっつー手はあるな。
最上階だし普通に考えて見られる心配はないけど、
それでも野外だし、羞恥心は煽られるだろ人として。どかな?
ドキドキ感はちょっと足りないかもな。

まあどうせこれからもアーカードx先生ってシチュは書く予感がするし
なにもかもって欲張らなくてもいいのかもしれないけどね。
契約編、エロとして大したことないと思うのに、ページビュー多いのね。
潜在的需要があるのかなあと。
396387:03/08/25 21:02 ID:RBSa5akT
アウトか、やはりねぇ。
ただ単にお嬢のセーラー服を見たかっただけかもしんない。ハンセー。
戦場を野外から台所にするとか。道具がいっぱいだし。
ご褒美に先生がブドウを口移しで旦那に食べさせるとか。いやーエチー。


ところでお嬢先生料理できるの?
397名無しさん@ピンキー:03/08/25 21:06 ID:6qOTeIQX
野外だったら屋上とかどうだろうか
398名無しさん@ピンキー:03/08/25 21:11 ID:X9r/DjbE
ううむ。豪快な野外も惜しいがここは責めのバリエを重視するということで
屋内を選択すべきだろうか?言葉責めはインテグラいじめには外せないしなあ。
ところでベッドは普通にでかいやつだっけ。天蓋とかあると支柱に縛って
体位を強制的に固定できるんだが。
あ、窓際に縋りつつバックで責められるってのもいいかもしれん。
押し付けられてつぶれたオパーイをガラス越しに(;´Д`)ハァハァ
とおもたが別にSMじゃねぇな。スマソ。
399名無しさん@ピンキー:03/08/25 21:15 ID:FRE4GFa6
>>390
(・∀・)イイ!!
正直マイスター以外にギャフンエンドかます勇者がいるとは思わなかったYO!
その勢いで○○君編をうPしてくだされ、ぷりーず

>>396
それは先生を生クリーム塗りたくって美味しく頂け、ということでしか
400名無しさん@ピンキー :03/08/25 22:56 ID:2nGy4Alw
あ〜流れぶった切ってすんません。
ここロムり始めたばっかりなんですが、
ここは、まわしちゃったり、ふたなりだったり、多人数Pものだったりしても大丈夫
なとこなんですか?

少なくともあんまり痛そうだったり可哀想だったりってのを
投下するつもりはないんですが(ひどい状況だとしても本人が割り切ってたりとか)

どうせならサイトやどじんしで出せないようなヤツをかましたいなと思って。

…世界中にごめんなさい

401名無しさん@ピンキー:03/08/25 22:57 ID:2nGy4Alw
下げ忘れましたごめんなさい
402名無しさん@ピンキー:03/08/25 23:07 ID:vTxN7173
スレ1や2には局長がえらい事になるのも発表されていたし、
大丈夫だと思われ

個人的には、投下前に注意を促してくれると嬉しいが
心の準備をするなりネタによっては避けるなりしやすいので
403よんよんさん:03/08/25 23:10 ID:MGJ0l3pa
いつも皆さん華麗に萌えをかっとばしてくださるのに、
いざSSにしますとなったらまとまんないもんですな。私のふりが悪いのかしらん。
そろそろ執筆入りまーす。
戦いの余韻とその他で血がたぎって仕方ないアーカード君が
報酬ってことで言うこと聞く約束の先生に、ソフトSMまがいの責めをかますって感じで。
えーと皆さんの萌えは確かに聞きました。
たぶん想像なさるようなストレートな盛り込みはしないんですが、
期待に応えられるよう頑張ります。というわけで、ここで締め切りね。

ところで、ハガキ66枚印刷を見張るついでに
リップ委員長のやつも導入書いていたけど、すごいいいよ。
ノリノリで書けそうなヨカーン。
そのかわり無茶苦茶長くなりそうだ。そのうち完成したら投下します。
404名無しさん@ピンキー:03/08/25 23:43 ID:AL8PfNgj
アッヒャッヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ
楽しみで仕方がないよ〜
でもみんなお嬢とリプタンの時は異様に萌えるのね

>402
そだね
うPして下さるときは、うP宣言してもらえると助かる
ニアミスも少なくなるだろうし(w
405よんよんさん:03/08/26 01:54 ID:5fUxZMKL
書きマスター。

これから投下します。
結局、その日の授業は散々なものだった。
幸い最後から二つ目の授業であったことを理由に、
インテグラは独断で生徒達に今日は下校するように命じた。
「いろいろあってショックだったと思う。すまない。このようなことは二度と起こらないよう誓う。
 …それからセラスのことだが、彼女はみんなを守ってくれたんだ。それを忘れないでくれ」
生徒達がその言葉を受けとめられたかは分からない。
しかしインテグラは自分の生徒は信じることにしていた。
自分がまず信じなければ、相手も応えてはくれないだろうと思うから。

それよりも少佐教頭には怒り心頭だった。しかしここで怒鳴り込んでは相手の思うつぼだ。
次の理事会で徹底的に叩いてやる。
そう決心して無表情のまま事情を手短に報告し、さっさと教頭室を後にした。
体育館地下に隠されている教職員専用駐車場に向かう。
愛車のエスプリの中でまず一息つきたかった。それから家に戻ってシャワーを浴びて...。
そう思いながら愛車に近づくと、横にアーカードが立っているのが見えた。
エスプリの車高は1mちょっとしかない。彼の姿ははっきり見えた。
戦いの余韻でシャツや髪が乱れたままなのも、返り血が白いシャツについているのも。
「アーカード...」
どう声をかけたものか迷ったのは、彼の目つきがいつになく鋭かったからかもしれない。
これは最初に出会った時以来のことだった。
さっき教室で後始末について話していた時はこんな様子ではなかったのだが。
「他の教師がきたらどうする、さっさと乗れ」
とにかくインテグラはそう指示して自分は運転席側に回り込んだ。
スペアキーは渡してあるから彼はいつでも乗り込めたはずなのだ。
スモークガラスを張ったエスプリの中で待つというのが、いつもの約束のはずだった。
インテグラはまず腰をかがめてエスプリの座席にすわり、
それから長い足をくるりと回転させてアクセルやクラッチの上に滑り込ませる。
その横にアーカードが、やはり猫のように柔らかな仕草で乗り込んできた。
しかしドアの閉め方はひどいものだった。バンッと激しい音がする。
「おい、これは20年物だぞ」
インテグラの子供じみた抗議にも耳を貸す様子はない。
こんなところで言い争っていてはまずいと思い、とにかく車を発進させた。

「ご苦労だったな、アーカード」
とりあえずいつもの台詞を口にしてみた。ちらりと彼の顔色をうかがう。
ひどく危険な顔つきだった。怒り、いらだち、行き場のない感情がうずまいている。
思春期の青年ならではの危うさを秘めた顔だった。最初に出会った時と同じだ。
しかし今とあの時とでは状況が違う。
「どうしたんだ、アーカード?」
問いかけは鼻であしらわれた。インテグラはひどく危険なものを感じながらも
愛車を一路自分のマンションへと走らせた。約束は約束だ。どんな時でも破る気はない。

地下駐車場からエレベーターに乗り込む。指示盤にカードを差し込んで、
余人の立ち入ることのない31階へ向かう指示を与えたところで、彼の視線に気が付いた。
アーカードは獲物をなめ回すような目でインテグラの姿を見ている。肉食獣の顔だった。
授業中もしょっちゅう卑猥な視線を向けてくるが、それはじゃれ合いのようなものだった。
インテグラだって挑発的な服装をしていれば男たちがどんな目を向けてくるかは知っている。
それでもあえてあの姿をしてみるのが、彼女にとっては遊びだったのだ。
しかしこれはどうも遊びですむ雰囲気ではない。
なぜだろう。しかし深く考える暇もなく、高速エレベーターは31階へと到達した。
エレベーターを降り、ホールを進んでドアを開ける。アーカードは後ろからついてくる。
いつもと同じ手順だった。しかしインテグラは彼の視線をいやというほど感じながら扉を開けた。
玄関ホールでハイヒールを脱ごうと身をかがめた途端、廊下の上に押し倒される。
「お、おい」
後から入ってきたお前はドアだってまだ閉めてないだろうがっと思ったが、
アーカードはかまわずのし掛かってきた。
乱暴な手つきで彼女の上着をむしり開く。ボタンが飛んだ。
胸元を大きく開けているブラウスにも乱暴に手を突っ込まれ、
扉を開けるように左右に引きちぎられた。また派手にボタンが飛び散る。
「アーカードっ」
動揺半分、怒り半分の声を上げる口に、
今日首筋に巻いていた絹のスカーフがするりとほどかれて、突っ込まれた。
喉の奥まで乱暴に押し込まれたそれは、どんなに舌を動かしても吐き出すことができない。
アーカードは何かに取り憑かれたように、今度はインテグラのスカートを引きずり降ろした。
「ふぐっ」
抑えようとした手はやすやすと捕まえられ、ひねり上げられる。
アーカードはそのままインテグラの体を抱え上げて、勝手知ったるリビングへと進んだ。
そしてベットでもソファでもなく、リビングの床に下着姿のインテグラを落とす。
まったく、投げ落とすといった方が相応しいような乱暴さだった。
幸か不幸かリビングは全体に毛足の長い上質の絨毯が敷き詰められているので
頭を強く打つなどの事態にはならなかったが、インテグラは本気でまずいと感じ始めていた。
アーカードは自分をを凝視しているインテグラを、相変わらず暗い目で見つめながら
血の付いたシャツを脱ぎ捨てる。実用的な筋肉でおおわれた上半身があらわになった。
乱暴にベルトを外し、ズボンを下着と一緒に脱ぎ捨てる。
一糸まとわぬ姿になったアーカードはそのままインテグラの上に四つん這いになった。
「今日はひどかったなあ、先生」
声もとても危険な響きを帯びていた。まるであの乱入者達に対しているかのようだ。
それを思い出すとさすがに恐怖がこみ上げてきて、思わずインテグラは両手で
彼をはねのけようとした。無理なことはわかっていたが、本能的に怖かった。
その手は予期していたかのように(していたんだろうが)捕まえられて、
両腕をそろえて背中でねじり上げられる。片手だけで、手慣れたものだった。
本気で痛くて身をよじるインテグラの姿を、アーカードは薄笑いを浮かべながら見下ろしていた。
そしてブラジャーの背中のホックを外す。ブラの中央をもう片方の手で持ち、乱暴に
頭をくぐらせて引き抜いた。衝撃で眼鏡が傾く。そのままブラを使って両手を後ろ手に縛られた。
そして再びインテグラの体は床の上に投げ出された。
「俺が相手にしたルークってやつは、なかなかのもんだったぜ。
 少なくとも最初から一対一で、素手で俺と戦おうっていうだけのことはあった」
アーカードはインテグラの外れかけた眼鏡を直し、優しく金の髪をなでながら言った。
でも目の色は変わっていない。一時的な優しさが余計に怖かった。
「でもなあ、やっぱり俺の相手じゃあないんだよな」
その言葉は寂しげですらあった。インテグラも知っている。
アーカードほど強い人間はめったに居ない。彼にはそれがとても残念なのだ。
彼の中に潜む、原始的本能ともいうべき怒りを存分にぶつけられる相手には
なかなか出会えない。
ルークという奴には一瞬それを感じたのだろうだが、結局ダメだったのだろう。
だから、彼は行き場をなくしたその怒りを私にぶつけようとしている。
やっと分かった。

「約束だもんなあ、先生。もっと激しいことやらしてくれよって、俺は言ったよなあ」
アーカードの目は同意することを命じていた。
だからインテグラはうなずいた。逆らうと余計に危険だ。それに、私は確かに約束したのだ。
それを見て、アーカードは心底嬉しそうに笑った。嫌な奴を叩きのめした時と同じ笑顔だった。
腰をつかみ上げられ、ショーツが引き下げられる。
両腕を付くことも出来ず、顔で上半身を支えるしかない
インテグラの腰を両手でつかんで、アーカードは乱暴に侵入してきた。
「んっ」
スカーフの下でうめき声を上げる。痛かった。けれどアーカードは構わず挿入を繰り返した。
「んっ、くっ、、、うっ」
動くたびに頭が乱暴に絨毯にこすりつけられ、たまらず涙目になるインテグラに構うことなく
アーカードは動き続けた。そのうちインテグラの体も自らを守るため本能的に濡れてくる。
「いいなあ、インテグラ。俺はあんたが大好きだ」
アーカードは荒い息を吐きながら獣のようにささやいた。
「プライドが高くて、絶対にこだわりを捨てなくて、少佐やマクスウェル相手にも一歩も引かない」
官能が体の奥底から沸いてくる。スカーフの奥で、インテグラの息も激しくなってきていた。
「俺の住んでいる世界とは別の次元であんたは強いよ。
 その強いあんたをこうして組み伏せて犯しているなんて俺は幸せさ」
そういいながら、彼は延々と挿入を繰り返し続ける。
「んっ、ぅんっ。、、、、、、んんーっ」
インテグラはたまらず声を上げた。
「おやイっちゃったのかい、先生。俺に一方的に陵辱されてさあ」
そういいながらアーカードの動きも早くなっていった。
そしてインテグラの体の中に彼の欲望が吐き出される。
アーカードは満足そうに息をつきながら、やっとインテグラの体から手を離した。
インテグラは絨毯の上に崩れ落ちる。
柔らかい絨毯とはいえ、散々こすりつけられた頬は赤く腫れ、眼鏡もゆがんでいた。
とにかく深呼吸して気持ちを落ち着けたかったが、
絹のスカーフは濡れて口の中でしっかりとへばりついている。
インテグラが密かに気に入っていた、美しい赤を基調としたスカーフたっだ。
「口から血を流しているみたいに見えるぜ、先生。いや、インテグラ」
アーカードは今度は彼女の体を仰向けにして、その姿を楽しんでいるようだった。
彼の餓えはまだおさまらないらしい。

アーカードは再びインテグラの体を抱え上げて、ベランダへと続くガラス戸を開けた。
「うっ、んん」
外の風邪がひんやりと体に当たる。ここは31階でこのあたりに他に高層マンションはないが
それでも裸で外に連れ出されるのは人として羞恥心を刺激された。
インテグラは昼間滅多に家に居ないから、外に洗濯物を干すことはない。
広大なベランダはウッドデッキが敷き詰められ、所々に観葉植物のおかれた憩いの場だった。
普段は。
設置されていたリクライニング型の木製チェアの上に、インテグラの体が横たえられた。
椅子には肘掛けもついている。アーカードは無造作にインテグラの足をつかみ
肘掛けの上にそれを乗せた。もう片方の足も、もう片方の肘掛けに。
インテグラの下半身が露わになる。大きく開かれた下の口から、彼女自身の愛液と
アーカードが先ほどはなった白濁液が流れ出した。
「いい眺めだな」
アーカードはもう一つの椅子を正面にひっぱってきて腰掛けた。
自分自身は両足を組み、肘掛けには肘を乗せて、まるでこの場の主のように。
インテグラはただもう恥ずかしくてたまらなかった。
「足を降ろしちゃだめだぜ、インテグラ。そんなことしたら
 中からライトスタンド持ってきて、その姿がどんな遠くからでも見えるよう照らし出してやる」
今はまだベランダに明かりはない。
部屋の中の明かりが差してきて、薄い影を作っている程度だ。
すっかり普段の表情をなくし、悔しげにうなずいたインテグラに満足して
アーカードは彼女の口から赤いスカーフをゆっくりと引き抜いた。
それはまるで血を吐き出しているかのようだった。

アーカードはその口にそっと口づけする。そして舌をからませてきた。
インテグラはもうすっかり抵抗する気力をなくして、素直にそれに応じる。
「たまにはこういうのもいいもんだろ」
アーカードは口を離してそうささやいた。顔には笑みが浮かんでいるが、
先ほどのようなどう猛さはもうなくなっていた。
「よくはない」
インテグラは力無くつぶやいた。
「私はここまでしてやるなんて言ってないぞ」
けれどまだ足を降ろすことはできなかった。
アーカードは再び向かい合った椅子に腰掛けて、その姿をのんびりと楽しんでいる。
しかしいつまた先ほどのような凶暴さを見せてもおかしくない。
彼の心の中にはずっと獣が潜んでいるのだ。でもだからこそ、インテグラは彼を選んだ。
「空が綺麗だぜ、インテグラ」
言われて空を見上げた。星々が美しくまたたいている。無防備な私の上で。
「なあ、もう足を降ろしてもいいか?」
アーカードは目を細めてうなずいた。その姿を目に焼き付けておこうとするかのように。
インテグラは普通に座り直して、やっと息をついた。といっても全裸なのだけど
あんな格好をとらされた後ではこれも普通の姿に思える。
「疲れた」
ぽつんとつぶやいた。
「お前はひどいやつだ。
 私のことをプライドが高いなんて言っておきながら、それをズタズタにしてくれる」
アーカードは夜空の下、薄暗がりの中で褐色の肌をさらしているインテグラを見つめていた。
さっきまでの高ぶりはもう消え去って、今はただ美しい女性の姿態を楽しんでいた。
「あんたはこんなことじゃめげないだろ。どうせ」
「まあ、そうだけどな」
アーカードが危険な奴だなんて最初から知っていたことだ。それでも彼の力が必要だった。
それくらい学園内でのインテグラの立場は危険なのだ。彼女はただの一教師ではないから。
アーカードは危険だが、彼を手元に置くことでインテグラは安心していられるのも確かだった。
今日みたいな事は、そう、織り込み済みのリスクだ。...しかし大変だったが。
「部屋に入ろう。こんな格好では風邪を引く」
インテグラの言葉にアーカードは素直にうなずいた。
「じゃあベッドの中で暖め合おうぜ、先生」
すっかり調子のいいいつもの淫乱男の姿に戻っている。
まったく、若いっていうのは...と思いかけてあわててやめた。インテグラだってまだ若い。
ただアーカードは生徒で未成年で、インテグラはもう大人になってしまっただけのことなのだ。
二人は生まれたままの姿で立ち上がって、部屋の中に姿を消した。
それからまた改めて体を合わせたのだけど、今度は普通のセックスだった。
すべてが終わってからベットの中でインテグラは聞いた。
「なあ、アーカード。お前ちょっとはセラスにも未練があったんだろ」
「まあ、あいつの胸には興味があったかな」
「あんまり見境なく手を出すなよ。彼女には相応しい相手がいたんだ」
答えはなかった。
ただ二人は互いに心の中で考えていた。
自分にとって相応しい相手は...なんだろうかと。

おわり
415よんよんさん:03/08/26 02:00 ID:5fUxZMKL
えーと、最低限のリクは盛り込めたと思いますが、どーでしょう。
これじゃ満足できん!って人は、また次の機会をプリーズ。


そしてハガキ印刷はまだ終わらないのだな。
66枚って言っても裏表あるから132枚なんだな。
416名無しさん@ピンキー:03/08/26 02:11 ID:5HYryTTm
獣じゃ獣じゃー(嬉)
417名無しさん@ピンキー:03/08/26 06:00 ID:EnFhpCD4
やはりルーク兄貴では旦那を満足させられないですか。
ワイルド&デンジャラス5割り増しな旦那美味しゅうございました。
インテグラ先生が壊れなかったのは真に慶賀の至りw
418396:03/08/26 09:28 ID:bSRxwLZF
たまんねェなぁ旦那の言葉攻めェェ。
終わったあとの会話がまたセクシィィィーーー。
いきり立ちますタ。

>399
ヤパーリ生クリームは難しいんでないかい?
前スレでマイスターがハチミツ漬けにしたし。
やるとしたら、上で出てたバイト先でw由美どっちかかナイフ女を
ひん剥いてデコレーションケーキにしてまうか・・・
419名無しさん@ピンキー:03/08/26 09:41 ID:coVkDMwT
先生とセクースって設定はなぜか興奮するな。
1ラウンド鬼畜でさらに2ラウンドはベッドなんてうらやまし……いや若い


旦那とまともに殴り合えるのは今のところアンデルセンだけだウィリス
伊達はトランプ取ったら兄者より弱そうだしな




葉書66枚って、なんだウィリス?
420よんよんさん:03/08/26 12:54 ID:PJZcbg0N
すいません。目隠し忘れました。
目隠しのためには眼鏡を取らないといけないかーらー。
私もやっぱり眼鏡ふぇち? いやこれは原作神の啓示なのです。
すまん、エロ第三弾書く時には盛り込むよ。>376

ハガキ66枚ってのは、親から依頼された内職だよウィリス。
手書きノートの住所をデータ入力して、往復ハガキのデザインも作って
それを66枚x裏表印刷して投函さ。
8月中にといわれたのに、1日で終わらせるのがやっぱ私なんだな。ウィリス。
プリンタが頑張ってウィンウィン動いていると、
私も頑張ってエロ書こうと思ったよ。人間失格たーこのことだね、ウィリス。
421376:03/08/26 13:18 ID:Hri6qld5
そういうことだったのか、わかったよウィリス




最近、週末の洋画でダイハードやらないな
422421:03/08/26 15:06 ID:I2Q+K22n
名前間違えた、376さんごめん
423376:03/08/26 15:55 ID:mlp3Utc0
すまん出遅れた…とおもたらいつの間にか分身が!(w
ごちですた〜。原作の旦那がエロ親父なんでもっとねちこいもんを想像してたんですが
パワァと回数で押し切りましたな。若いっていいのぉ〜(羨
鬼畜だがなんか憎めねぇ若旦那(←落語かよ)。
目隠しを失念したのはメガネヘブン略してメガテンの思し召しだなきっと。
あと開脚開脚としつこく言い続けた甲斐があった(w さらに事後というサ−ビスぶり。
好き勝手絶頂の後にさらに視姦されてしまうわけやね。うひ。
こんなケダモノに委員長のエーデルワイスが散らされてしまうのか…。合掌。
と、ところで7の最後の人称が…(汗 細かいことゆってスマソ。
424名無しさん@ピンキー:03/08/26 19:39 ID:04EyqmkZ
>423
>委員長のエーデルワイス
うまい!言いえて妙だ。
山田君、376さんに座布団一枚持ってきて(w

次はリプたんの番か〜?
今日はお集まり頂いたスレ住人の方々へ
我々のステッキーな書き手のよんよんさんさんより
大事なお話がありますので
しっかりとお聞きください(cv.シュレディンガー准尉)

------------
ども、よんよんさんです。
先生に目隠しするの忘れた罰でアクセス規制くらってます。
読んでるけど書けません。まあ近々復帰できるはずなんで書きだめしときます。

>423
ああ、私わざとやるんだけど、気になる?(実は他の箇所にもあるよん)
気になるならサイトの方では直すけど。
--------------
426名無しさん@ピンキー:03/08/26 20:49 ID:1CbHF2QL
マジっすか!?
まあ、戻られるのを待ってるとして
その間またシチュでも語らいあいますか

シュレタン編はシュレタンが○○さんをゴーカーンすることで決定でしか?
ファーストアタックはお姉さんな○○さんに一方的に嬲られるのをキボンぬ
でも実は、、、の駆け引きが楽しめると思うが、どう?
427名無しさん@ピンキー:03/08/26 20:51 ID:5HYryTTm
>423
報酬編7の最後人称が三人称→一人称と変わるやつだね
私は気にならないな
428名無しさん@ピンキー:03/08/26 23:30 ID:CjC1DORf
また唐突ですが、SS書きました。
日記の続きです。
流血ざた、知ったかぶりのウンチクはノーセンキューな
方は6〜7スレはスルーでお願いします。
429名無しさん@ピンキー:03/08/26 23:31 ID:Rm8KIFi4
旦那のリプたん陵辱は、大尉に愛される幸せな夢を精神病院で永遠に
見続けるようになるところまでネチネチと徹底的に姦ってもらいたいなぁ。
430シュレディンガー日記2 1/6:03/08/26 23:33 ID:CjC1DORf
 8月23日「豹の巣」 晴れ
少佐がお戻りだ。何だかちょっとブルー入ってた。
「まったく、あの老人達には参ったよ。輝く太陽の下でゴルフ三昧が出来るのはどうしてだと…」
珍しく愚痴る少佐に、日本からの戦利品を持っていく。途端に少佐の目が輝き始めた。
「素晴らしい!! 空母赤城に戦艦扶桑、あら、アメリカの重巡洋艦インディアナポリスも!
おお! ヤンキーにワンショットライターと酷評された一式陸攻もあるぞ! それにこの…」
少佐が震える手で掴んだプラモの箱を見て、同席していたリップヴァーン中尉が口を挟んだ。
「あら、ゼロ戦もありますわね。私、結構好きでしてよこの戦闘機」
彼女の発言を耳にして、少佐が突然机を激しく叩き叱り付けた。
「ゼロ戦など存在しない! 零式艦上戦闘機、正式には零戦と略すのだよ中尉っ!
あの当時の日本人で『ゼロ』などと適性語を使うものなどいない。言葉は正しく使いたまえ!!」
猛然と迫る少佐に中尉は唖然とし、ついで少し涙ぐんで謝罪した。
部下の非常識?を正して少佐は満足したらしい。博士に向って告げた。
「私はこれより自室に控えて旧日本海軍について研究する。ついては誰が来ても私に取り次がないように。
オペラハウスの御老人も例外なくね。あ、食事の時間なったら内線で呼んでくれたまえ。
それでは諸君ごきげんよう!」
そう言って、少佐は機嫌よく両手にプラモと本を抱えて歩き出した。
慌てて僕は少佐に話しかける。余った予算はどうしますか、と。
「ああ、いいよ准尉。素敵な戦利品のご褒美だ、とっておきたまえ」
こんな鷹揚な少佐が僕はだ〜い好きだ。

 8月24日「豹の巣」 晴れ時々曇り
たまたまゾーリン中尉と廊下でばったり出会う。
「日本に行くなら一言声掛けろよ。『週刊わたしのおにいちゃん』の最新号をついでに買ってもらおうと
思ってたのに。気が利かないなぁ、立て替えて買っておいてもいいだろ」
「中尉にお金を立て替えたり、物を貸して戻ってきたことあった?」
「気にするな。私のものは私のもの、准尉のものは私のものだ」
カラカラ笑って中尉はまた廊下を歩き出した。
…この人のジャイアニズムには正直辟易している。
431シュレディンガー日記2 2/6:03/08/26 23:34 ID:CjC1DORf
 8月25日「豹の巣」 曇り
少佐がゼロ戦、じゃ無かった零戦を組み立てながら深遠なる知識の一端を披露した。
「日本の軍需工場は少し抜けててね、航空機製造工場に飛行場が無かったんだよ。
特に生産が集中して大規模なナゴヤ工場は酷かったらしい。
一度組み立てた機体をまたバラし、40km先にある飛行場まで牛車で運んだんだよ」
「少佐、ギューシャってなんですか?」
「牛が引く荷台車さ、准尉。中世では貴族階級のマイカーだったらしい。
私は役に立たない貴族を乗せるより戦闘機を乗せる方が正しい事だと信じる」
ヘェー ヘェー ヘェー ヘェー

 8月26日「豹の巣」 雨のち曇り
今日は大隊の幹部会議。
博士とブラジルの首都から戻ってきた伊達男が少佐に作戦状況進行の報告をしている。
その間少佐は組み立てたばかりの空母赤城の模型を自分の前に置き、ニヤニヤ眺めていた。
目を空母から離さない。それでも話は聞いているらしく、その指示は的確だ。
僕は明日からあのお馬鹿兄弟の所に出張することに決まった。
連中のお目付け役だ。
会議の終わり間際に少佐が突拍子もないことを言い出した。
「諸君、私は空母が欲しいのだが。本物のだよ」
その場にいた全員が互いの顔を見合わせた。
「最初から造船するのが難しいことは私にも分かっているよ。
露助から中古の空母を買えないものかな。潜水艦は簡単に買えそうだが。
ま、諸君よく考えておいてくれたまえ。それではご苦労様、解散してよろしい」
本当に不思議な人だなぁ。
432シュレディンガー日記2 3/6:03/08/26 23:34 ID:CjC1DORf
 8月27日ロンドン 晴れ
お馬鹿バレンタイン兄弟のアジトに行く。博士から預かった大量の資料を携えて。
連中のアジトは歓楽街の中で一際下品なネオンの光を放つキャバレーだ。
奴らが少佐と博士の助力を得て、急速に暗黒街で勢力を拡大している象徴だ。

僕は、連中の根城に行くのが嫌いではない。
少佐の連絡将校である僕を、兄弟は上に下にのおもてなし。
そりゃそうだ、僕があることないこと少佐に告げ口すればどうなるか。
まあ、あんな二人組みは少佐の力を借りなくても僕一人で血祭りに上げられるが。
今日も素晴らしい「接待」だった。
店の奥にあるVIPルームに通され、まずは博士からの資料の都合のいい部分だけ連中に見せてやる。
それから計画の打ち合わせをしていたが、恥ずかしいことに急に僕のお腹がキュ〜〜と鳴った。
…そういえば資料に目を通して説明受けるのに時間がかかって一食抜いちゃったんだ。
「これは失礼しました准尉殿。難しい話はこれぐらいにして今夜はゆっくりおくつろぎ下さい。
なあに、ヘルシングは別に逃げはしませんよ。実はいいものが手に入りまして。
是非准尉殿にご賞味頂こうと取っておいたんですよ。おい、ヤン」
「あいよー兄ちゃん。ちょおっと待っててくださいネ、准尉さまァ」
ルークが命令すると、ヤンがVIPルームを退室する。
しばらくしてヤンが戻ってきた。
鉄製の首輪をはめたちょっと見男の子みたいな、黒のショートカットの女の子を犬の様に鎖で引いて。
「ハ〜〜イスクゥールゥのステュ〜デントちゃんでっス。しかも処女ですヨ」
彼女は何故自分がこんな所に監禁され、首輪につながれて酷い目に遭わなければならないのかと
震えながら涙を流していた。う〜ん、ボーイッシュな雰囲気のスレンダーな体型がちょっと… ま、いいか。
「なんで処女だって分かるのさ。検査でもしたのかい?」
「なめられた飴玉はしゃぶりたくないでしょ。ダイジョ〜ウブ! 歴戦の僕ちゃんは見ただけで分かるんデスよ」
含み笑いを残して、この接待上手な兄弟は退室した。
433シュレディンガー日記2 4/6:03/08/26 23:35 ID:CjC1DORf
豪奢なVIPルームの中に、僕と僕の夕御飯な彼女が二人きり。
いつもどおり、ドアは外側から鍵がかけられている。獲物に逃げられない為に。
僕は別に困らない。何処にだって出たり入ったり自由なんだから。
さて、食欲を優先するか。それとも…
「お願いっ! 助けてっ!! 殺さないで! パパとママの所に帰して!」
うん! 決めた!! 食欲を先にしよう。
「殺すだなんてそんな物騒なことしないよ。僕、そんなに恐そうに見えるかい?」
どうやらお馬鹿兄弟は彼女の目の前で派手に「食事」をしたらしい。
「友達、みんな、ころ ころ 殺されッ キャァ!!」
僕より少し背の低い彼女の体を抱え上げる。僕の膝の上に彼女のお尻を乗っける。
ふふ、柔らか〜い。女の子のそんな柔肌が僕は大好きだ。
小刻みに揺れる首筋にちろりと出した舌を這わせる。
「もう、私死んじゃうの? パパ、ママに会いたい…」
「死にはしないさ。本当だよ、僕は連中と違って優しいし、君はお友達と違って遊んでないし」
僕の犬歯が彼女の肌に突き刺さる。彼女は最初きつく目をつむり、後に大きくまぶたを開いた。
美味い!汚れ無き鮮血がのどを潤す。五臓六腑に染み渡るとはこの事だ。
その可愛い唇からは、多量の苦痛と微量な、しかし抗し難い快感のない交ぜになった
呻き声のバラードを歌ってくれた。
メインディッシュにある程度満足した僕は、次のデザートを食すことにする。
誘拐された時から着ていたブレザーの下にあるシャツのボタンを外す。
僕のあまり大きいわけではない掌でも覆い隠せる薄い胸を飾るブラを外した。
「そんな… やめてぇ これ以上は」
「ほらね、君は死んでない。約束したでしょ? お礼に君をもっと楽しませてよ」
首筋から口を離なし、デザートの一部の二つ並んだ鮮やかな色のサクランボを舌で転がす。
徐々に、しかし確実に彼女のバラードは快楽の占める割合が増加する。
そんな自分に気付いたのか、彼女は自分の右の人差し指を咥える。
彼女の犬歯がとても白かったのを今でも覚えている。
434シュレディンガー日記2 5/6:03/08/26 23:37 ID:CjC1DORf
彼女の首筋から流れ落ちた血の一筋が、なだらかな胸の上を通過する。
僕はその赤い流れを舌で舐めとる。
薄い胸を通して、彼女が敏感に反応しているのが分かる。
薄いと、感じやすくなるという話は本当なのだろうか?
まあいいや。そう頭の中で考えながら、僕は彼女のスカートの中に手を伸ばした。
「ああっ そんなところ むぐっ!?」
あんまり五月蠅いのも好きではないので、僕の唇で彼女の唇を塞ぐ。
「ねえ、自分の血の味はどう?」
「……美味しい」
「正直は美徳だね、その調子で自分に素直になりなよ」
僕の指が湿った体内に分け入る。彼女の表情が可憐に咲き誇り始めた。

僕はソファーに自分の腕を枕にして寝っ転がっていた。
軍服の上着とその下のシャツはボタンを外され、胸板が露わになっている。
そんな僕の上で今夜のデザートが歓喜の歌を歌いながら、飛んだり跳ねたりしている。
僕の唇を、瞳を、首筋を、露わになったその肌を口付けで満たしながら。
やれやれ、これではどっちがデザートか分からないではないか。
そうこうしてる内にまた彼女は絶頂に達する。
続いて僕も彼女の淫らな水蜜桃の中に欲望を解き放つ。ああ、やっぱり僕は食べられてるね。
心地よい開放感とばんやりとした倦怠感に身を委ねていると、
彼女が乱れた僕の服を整える。ふふ、何だか手放すのが惜しい献身ぶりだね。
でも、それでは面白くない。
「ありがとう。パパとママの所にお帰り。連中には僕がよろしく言っておくよ」
「いいの? 本当にいいの? …私、何だかのどが渇いちゃって、早く帰ってママの淹れてくれたお茶が飲みたい」
僕は起き上がると、すぐ表に出てドアの鍵を外す。
「じゃね、優しいパパとママによろしく。陽が昇る前にお帰り」
彼女は手を振り、礼を述べながら夜のロンドンに消えた。
今日も一日一善。良い事をした後は気分がいい。
435シュレディンガー日記2 6/6:03/08/26 23:37 ID:CjC1DORf
 8月28日ロンドン 晴れ
僕はあのままVIPルームで一夜ならぬ一昼を寝てすごした。
ビッグベンの鐘が耳障りな音で夕刻を告げるころ、
ヤンが朝食?を持って入室する。奴は室内をきょろきょろと見回し僕に聞いてきた。
「あれ? 准尉さん、昨日の学生さんどうしたんス?」
「あれ? 食べちゃったよ、ちゃんと。
少佐に食べ残すともったいないお化けが出るぞって言われてるから」
くだらない僕の言い草に納得するふりをして、ヤンはにたにた下卑た笑みを浮べて質問を重ねる。
「飲んでから犯ったんです? それとも犯ってから飲んだんですかね」
「どっちだと思う? まあそのうち分かるさ」

 8月29日ロンドン 晴れ時々曇り
今日は兄弟のアジトの地下室で喰人鬼の軍団の閲兵をする。
すえた腐敗臭が部屋一杯にこもり、役目とはいえ嫌になった。
馬鹿兄弟は自分達だけガスマスクを準備し装着。嫌がらせか?

 8月29日ロンドン 曇り
夕方、ヤンが朝刊を抱えて持ってきた。半日以上たった朝刊にどんな価値があるのだ?
「面白い記事が載ってますぜ〜」
こいつが読みそうな下品なイエローペーパーの一面にセンセーショナルな見出しが出ていた。
『流血の大惨事!! 謎の一家殺人事件!!』
――幸せな一家を襲った不幸。平和な家庭が血まみれになり、室内が大口径の銃弾で穴だらけ。
血液鑑定により家族三人のものと判明したが警察は出血量より三人は絶望的と……
僕はその新聞をテーブルに投げ出した。
「飲んでから、すか。またアーカード君大活躍っスね」
「夜間勤務手当てを稼げてうれしかっただろうね、彼も」
愛する我が娘に天国に連れて行ってもらえて、ご両親もさぞお喜びだろう。
昨日一晩で僕は二人の人間と二人の人でなしに善行を施した事になる。エッヘン!
 TO BE CONTINUED?
436428:03/08/26 23:42 ID:CjC1DORf
すみません。またオリキャラやっちゃいました。
今度こそ局長出しますので、見捨てないで下さい。

それからゼロ戦うんぬん、飛行場うんぬんは他人の受け売りです。
違ってたらすみません。模型もフィクションです。
でも『週刊わたしのおにいちゃん』は実在するみたいですw
437名無しさん@ピンキー:03/08/26 23:44 ID:MHm0nEus
リアルタイムでキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
良かったです。シュレたん最高だウィリス。
438名無しさん@ピンキー:03/08/26 23:47 ID:9uy5q3mS
430乙!
>…この人のジャイアニズムには正直辟易している。
ワロタ。
>私のものは私のもの、准尉のものは私のものだ
なんかエロくてイイ!!
439名無しさん@ピンキー:03/08/27 01:04 ID:Z69zX4PX
漏れ、少佐と仲良くなれるかもしれない
440376:03/08/27 02:22 ID:fZAjlzOE
)425 あ、わざとでしか。そうだよなあ。
初読の時なんでかここだけ気になったんですが
改めて読み直してみると腑に落ちますた。
鬼畜→リリカルへの着地にかけては右に出るものおりませんな。
更にゴイスーな萌えを引っ下げての復帰をお待ちいたしまつ。

)シュレ日記リターンズ
いいねいいねー。やっぱシュレたんはプリティ鬼畜No1!
結構エログロなのに日常の一コマとして淡々と進んでくのが
笑えるというか恐いというかシュールというか。
あと少佐が何げにラブリ〜。
きっとこのスレの住人は皆少佐の心の友だ(w

400たんはそろそろ投下してくれるかな?
441376:03/08/27 02:25 ID:fZAjlzOE
うあ、引用のつもりがカッコになっとるよ!
回線切って首吊ってきまつ(恥
442名無しさん@ピンキー:03/08/27 10:39 ID:RmeC3tPa
難儀なシュレタンもいいが鬼畜なシュレタンも(・∀・)イイ!!

日記シリーズはこのままいくとヘルシング襲撃事件だけど
局長どうするつもりなんじゃろ?
つか少佐の空母( ゚д゚)ホスィ発言はイーグル占拠の伏線なのか?
443名無しさん@ピンキー:03/08/27 11:51 ID:6RPssmf7
>>441
生`

納涼鬼畜陵辱祭りの予感・・・
400はどじんやサイトにも乗せられないやつを炸裂すると予告するし、
シュレ日記は何気にエロくてヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
そして封印を解かれれば、よんよんさんがリップ委員長超陵辱!!

熱い夏はまだ続くねウィリス
444名無しさん@ピンキー:03/08/27 14:48 ID:vcXdh1qY
陵辱か、しかしお嬢に関しては書かれ尽くした感があるな。

ペンウッドと不愉快な円卓会議メンバーに謎の一団と輪姦され
ヤンや武装SSに強制ふぇら
早朝には旦那の下僕で、酔ったセラスに後ろを掘られる。
メイド服着てシュレたんにハチミツぬりたくられて悌毛プレーに
夢で旦那にワキワキワキと。
旦那に、シュレたんに、ワンちゃんに、セラスに、隊長さんに各々なめられて
パラレル世界で旦那とハードに回数こなし、口をふさがれ、野外で縛られ、視姦プレー。

なーんだ、お嬢にくらべたらリップたん大したことないじゃん。
445名無しさん@ピンキー:03/08/27 17:12 ID:TrVK0GVY
ときヘルリップ陵辱を期待する諸君にはあれだが、
現在よんよんさん殿はシュレ編執筆中とのこと
つーかたまにはサイトのぞくことをオススメするウィリス

だれかステッキー四一三サイトのセラス脱衣ゲームの攻略法教えて!(切実)
446名無しさん@ピンキー:03/08/27 19:19 ID:0+lzFsuL
>445
ブロック崩しに攻略法もなにもにゃい!
猛り狂う欲望を気合と根性に変換してクリア汁!

400たんもアク禁祭りにまきこまれた悪寒、、、
広告が無くなるのは(・∀・)イイ!!が、職人まで排除はたまらんなァ
447旧413:03/08/27 20:32 ID:71LWEcLx
ごめんよ絵がへんな構築で崩しづらくて。赤い爆裂弾をうまいこと出してください
遅ればせに そう、脱衣ゲームアップしましたよ局長のとセラスの。
あと今アンニュイでえろいシュレ日記をおもはず絵にしております。
またもや443さん、りっぷきちく書き込もうにも入れないようであります。
448名無しさん@ピンキー:03/08/27 20:34 ID:JA5GpNue
>>446
世知辛い話だね、アク禁祭り。

>>447
わ〜い、早速遊びにいくYO!

ときヘルシュレ会長どうなるんだろ?
まずレベル1からだよな。
見られて困るものって、猫の耳かな(w
449よんよんさん:03/08/27 21:02 ID:afg8E1JM
そろそろ書き込めるらしい?
450よんよんさん:03/08/27 21:04 ID:afg8E1JM
書き込めましたな。

そういうわけで、リップたん鬼畜編から書いてます。
今戦闘シーン終わって、陵辱シーンに入るところなの。
でも戦闘シーンだけで約7レス分あるんだなあ、これが。
しかし私はこれはこれで面白いもの書けたと思ってしまっているのだな。
そういうわけで、まず戦闘シーンから投下してもいいかな?
451448:03/08/27 21:10 ID:JA5GpNue
いいとも!!
ズパッとやっておくれ〜
452よんよんさん:03/08/27 21:18 ID:afg8E1JM
では投下行きます。

今回はエロなし、その直前までね。
秋の夕暮れ、屋上でリップは弓を組み立てていた。
少佐先生にはこれを機にもっと高級な物を買ってやろうかと言われたけれど、断った。
短い期間ではまず使い慣れた弓が一番だ。それにこれだって充分に高級なのだ。
…そう、本来ならリップはこんなものを手にすることができなかった。
そのほうがよかったのに。そう思うと涙が出るから、ただ作業に集中しようとした。
アーチェリーの複雑な弓を組み立て、防具を身につけていく。
ここは第3校舎の屋上で、小さな広場をはさんで正面にちょうど体育館がある。
アルミの目立たないドアがあって、それは地下の教職員専用駐車場に続いているらしい。
放課後、帰り際にそこを通過するインテグラ先生を狙えと言われた。
この位置から、その扉ははっきり正面に見える。
ライトに明るく照らされて、あたりに遮蔽物は何もない。

距離はそう、ここは五階の屋上で高さは15mくらいで、
第三校舎と体育館とでは約50mくらい離れているだろうか。
リップの立っている位置から扉まで、直線距離では70mといったところ。
アーチェリー競技の最長射程は90m、それより短い。距離的な問題は何もなかった。
ただこんなに高低差があるのは初めてだったけど、
学校の外の、もっと人通りの少ない、同じ高さの建物で練習させてもらった。
その時、最初の一発で的の中心を撃ち抜いた彼女に対して
シュレ生徒会長はとても嬉しそうに笑ってみせたものだった。
そして背後には大尉先生が居た。
相変わらず何も言ってくれなかったけれど、それでも分かってしまった。
リップはまだ大尉先生のことが好きだと。
少佐教頭に従っているのも、きっと何か理由があるんだと思ってしまう。
これだって、きっとなにか理由があるのだ。リップなどにはわからない正当な理由が。
まだ時間には早いけれど、そっと弓をつがえ扉を狙ってみた。
「秋の夜半の み空澄みて
月のひかり 清く白く
雁の群の 近く来るよ
一つ二つ 五つ七つ

家をはなれ 国を出でて
ひとり遠く 学ぶわが身
親を思う 思いしげし
雁の声に 月の影に」
ウェーバー作曲の魔弾の射手から、佐々木信綱が作詞して文部省唱歌になった曲。
リップの大好きな、静かな曲だった。いつも歌詞を呟くだけで心が静かになれた。

狙わなくてはならない対象のことを頭にイメージする。
インテグラ先生。背が高い。いつもハイヒールをはいているからなおさらそう見える。
でもそのヒールが回避を難しくするはずだ。まず狙うのは足。それで動けなくなったら、
上半身にもう一発。かすめるだけ。本当に、かすめるだけ。
アーカードさん。彼は難しい。やはり長身だけれど、動きに予想の付かないところがある。
やっぱりまず足を狙うべきだろう。それから腕を。彼は危険だ。反撃してくるかもしれない。
インテグラ先生より、もうちょっと思い切って内側を狙わなくては。
彼女の頭はだんだん射手としてのものになっていった。

この屋上にはこちら側から鍵をかけてある。
射撃が終わったら、鍵を開けて校舎内に逃げ込めばいい。
その先、隠れる教室も指定してあった。
臆病なリップはここに来るまでその道順を何度も何度も頭で復習したものだったけど、
弓を構えた今となってはそれよりも標的のことが気になって仕方なかった。
普段の二人の動きが頭の中で再生される。動きの癖、緩急、歩くテンポ。

インテグラ先生はいつも早足だ。それにいつもまっすぐ前を向いて堂々と歩く。
先生が迷ったところなんてみたことない。反対に私は迷ってばかりだ。
先生は月のような人。私はその影。どんなに頑張っても先生みたいにはなれない。
同じ女なのに。大尉先生だって、インテグラ先生みたいな人に告白されたら…。
そんなことを考えてしまって、あわててポケットの中の定期入れを握りしめた。
そこにはバレンタインデーにもらったエーデルワイスの写真が挟んである。
いつもこっそり眺めては、幸せな気分になれた。でも今は、集中の邪魔だ。
邪魔になる。また余計なことを考えてしまう。開くのはやめておいた。

アーカードさん、彼は難しい。それに怖い。
「おそらく二人は一緒に現れるだろう」と少佐先生は言っていた。
何故なのかはわからないけど、そもそも今回はわからないことだらけなのだから仕方ない。
「まずインテグラ先生を狙えば、彼は先生を守ることに全力を挙げるはずだ」
だからこちらに向かってくる心配はないと。
でも、なぜアーカードさんが先生を守るんだろう。あの人は誰にも興味がないはずなのに。
けれど二人一緒に現れるのだから、なにか関係があるのだろう。
やっぱりアーカードさんも先生のことが好きなのかな。
アーカードさんはきっと、私のことなんて眼中にもないだろうに。名前すら覚えていないかも。

リップは頭を振った。集中が乱れている。

アーカードさんは確かに動きが難しい。だけど彼にも弱点はある。まず先生のことが一つ。
それにあの人は自分の強さに絶対的な自身を持っている。だからあえて隙を作っている。
最初の一発をわざと受けることを楽しんでいるふしがある。大切なのは、最初の一発だ。
狙いは定まった。

秋の夕暮れは早く、あたりは徐々に闇に包まれていった。
空には月が出ていた。
「月のひかり 清く白く 雁の群の 近く来るよ…」
リップは歌詞をつぶやいた。
インテグラはいつものように用事を終え、教室を出た。
足早に駐車場の入り口へと向かう。いつもと変わらぬ無駄のない迷いのない動きだった。
明るく照らされた駐車場入り口のドアに鍵を差し込む。まわらない。
彼女は少し眉をひそめた。
その時、背後から風切り音がした。
さくっ。近くの地面に矢が突き刺さる。

「外した…」
リップにはそれがショックだった。
標的は驚いた顔でこちらの方を見ている。
しかしこの屋上には明かりがないから分からないだろう。
「今度は外さないわ…」

「リップ?」
そう呟いた矢先に二本目の矢が降ってきた。
今度は狙いあまたずインテグラの足を深くえぐった。
「くっ」
さすがに立っていることが出来ず、崩れ込む。その肩を三本目の矢がかすめた。

リップは二射目、三射目には満足だった。まったく狙いどおりだった。
「一つ二つ 五つ七つ…」
まだ標的は残っている。

「インテグラっ」
珍しく顔色を変えて駆け寄ってきたアーカードにむかってインテグラは叫んだ。
「明かりに入るな! 気をつけろ、バカッ」

アーカードさんが走ってくる。やっぱり二人には何か関係があるんだ。
そう思う一方で、彼が扉を照らす明かりの中に完全に入ったのを待った。そして、撃った。
アーカードはインテグラの声を聞いてとっさに身をよじる。
その腰を矢がかすめた。白いシャツに血がにじむ。
「彼女を止めろ、アーカードっ」
インテグラの叫びも半分しか耳に届いていなかった。
「あそこかぁっ!」
アーカードは一路第三校舎屋上目指して駆けだした。
その右肩を一本の矢がかすめる。彼は気にせずそのままの速度で走り続けた。

アーカードさんが暗がりの部分に入る。これでは当たらない。
リップはもう逃げることを忘れていた。自分が標的を撃ったこと、人に血を流させたこと、
後戻りできない気持ちとなんともいえない高揚が彼女を包んでいた。
第三校舎入り口には鍵がかかっている。どうするだろう。そうだ非常階段だ。

アーカードは非常階段の柵を乗り越え、鉄の階段を駆け上がった。
カンカンカンという音を頼りに、リップは矢をつがえる。
完全に射手の状態になった彼女にとって、もはや暗闇は問題ではなかった。
音で狙う。
「私はリップヴァーン・ウィンクル…魔弾の射手」
ヒュッ。駆け上がってくる音はまだ変わらない。
ヒュッ。駆け上がってくる音が一時止まった。当たったのだ。
「家をはなれ 国を出でて ひとり遠く 学ぶわが身…」
リップは一息ついた。アーチェリーの矢は1ダースを基本とする。あと5本。
もう少し近づけてから撃った方がいい。
カンカンカン、音は確実に近づいてくる。それでも、もう怖くなかった。

アーカードは三階部分を通り過ぎた。矢は一時やんでいる。しかし弾切れだとは思わなかった。
彼の戦闘本能が告げている。この上では敵が、強敵が彼を狙っているということを。
カンカンカン。音が大きくなってきた。もう薄暗がりで姿が見える。
白いシャツというのは便利だ。それに今日は満月。
「親を思う 思いしげし 雁の声に 月の影に…」
ヒュッ。外した。いやかわされた。
「次はそうはいきませんわ…」
ヒュッ。手応えがあった。肉を切る音が聞こえる。あと3本。
しかしもう音はだいぶ近くまで来ている。リップはそっと非常階段から離れた。

アーカードは一気に非常階段の屋上へ出る手すりを乗り越えた。
その先に立っているのは、リップ委員長。
射手の装束に身を固め、矢をつがえた弓をこちらに向けている。
その表情は、おびえて弱気は普段の彼女からは想像もできないものだった。
眼鏡の奥のするどい目つき、なにより全身から放たれる殺気。
こんな身近にこんな奴がいたなんてなあ。アーカードは嬉しかった。心底楽しかった。

リップは少し驚いた。アーカードは満面の笑みをうかべながらこちらに近づいてくる。
距離はもう20mとない。この距離で彼女が的を外すことなどあり得ない。
彼の心臓を射抜こうと思えば、そうできるのだ。なのに、なぜ笑っているの?
問いかけることは射ることだった。
ヒュッ。アーカードは素早く横に動いた。まったく人間の域を超えた反応だ。
でもこの距離でかわしきれるはずなんてない。制服のズボンが大きく裂け、血が流れた。

「リップ!」
足を止めてアーカードは叫んだ。距離約15m。
「何故なんかなんて聞かないぜ。どうせ少佐だろ」
答えはない。ただ彼女は射るのをやめた。それでもいつでも撃てるように構えたままだ。
それでいい。アーカードは笑った。
「ただなあ、俺は向かってきた奴は徹底的に叩きのめす。それが、誰であっても、だ」
その声は心底楽しそうだった。そして彼は心の底から笑っていた。
リップは始めて恐れを感じた。彼は勝てると思っている。なぜなの、なぜ!?
動揺をおさめるために、またいつもの詩を唱えた。
「秋の夜半の み空澄みて…」
同時にアーカードはリップに向かって駆けだした。
ヒュッ。矢が顔の近くを通り過ぎた。

しかしリップは大切なことを忘れている。アーカードには今や彼女の姿がはっきり見える。
射る呼吸、タイミングだってわかる。そのわずかな照準の動きも。
姿が見えず一方的に撃たれていたときより、今や彼の方が圧倒的に有利なのだ。
競技しか知らない、実戦を知らないリップにはわからないのだろうが。
もちろん一歩間違えれば矢は彼の心臓を射抜く。
しかしその事実すら、アーカードには楽しくて仕方なかった。
あと1本。しかしもう考えている余裕はない。
リップはただ、これまで何千回と繰り返してきたように、矢をつがえ弓を引き
標的、つまりアーカードの心臓に照準を合わせ、撃った。
撃った瞬間これは私の最高の射撃だという確信があった。

しかしアーカードはかわして見せた。
矢は確かに彼の左肩に突き刺さった。でもそれは心臓ではなかったのだ。

「弾切れかい、委員長?」
平然とその矢を引き抜いて、アーカードは問いかけた。
「あ、あ、あ、、、」
無意識に空になった矢筒を手で探りながら、リップは言葉をなくしている。
その顔は普段の委員長の顔に戻りつつあった。
だからアーカードも委員長と彼女のことを呼んだのだけど。

リップは今更ながらに屋上入り口へと向かって駆けだした。
その後をアーカードが追ってくる。
扉まで後一歩というところで肩をつかまれた。
「俺は、お前を、つかまえた」
勝利感に酔った声と共に、拳で頬を殴り飛ばされる。
小柄なリップの体は大きく宙を舞い、コンクリートの上に落ちた。

つづく
461よんよんさん:03/08/27 21:21 ID:afg8E1JM
ふう。続きは今日の深夜、もしくは明日あたりに。

ではー。

みなさん、シュレ編の希望とか萌えなんかもよろしくネー。
462448:03/08/27 21:33 ID:JA5GpNue
うわー
超ー燃ーえー
やっぱりよんよんさんだーッ

こんだけ血が流れたらただじゃすまねえな、委員長。合掌・・・
463名無しさん@ピンキー:03/08/27 22:25 ID:hxOAo7f4
すげー
委員長も旦那もかっくいいな
旦那を闘争であんだけ喜ばせたんだから、
エロもすげー喜ばすんだろな委員長

>ウェーバー作曲の魔弾の射手から、佐々木信綱が作詞して文部省唱歌になった曲。


( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー  

昨日の牛車といい、エロパロ板とは思えないほどの
博識なネタが飛び交うためになるスレだな(マジ本気)
464名無しさん@ピンキー:03/08/27 22:41 ID:v7gO3fgw
うわーん、ごめん、ごめんよう……
リプたん編なのに、リプたんにつけられた傷を
なめたりなめられたりする御嬢と旦那の絵図が浮かんじゃったよー

シュレたん編での最大のライバルは少佐先生と大尉先生になるのかなぁ?
アイドルなシュレたんキボンヌ
465名無しさん@ピンキー:03/08/27 22:49 ID:gNCUBOIA
射程距離90のゴルゴリプタン

萌え


弓矢ってそんなに飛ぶんだ
和弓ならもっと飛びそう(((゚Д゚)))
466名無しさん@ピンキー:03/08/27 22:54 ID:gNCUBOIA
エアマスターセラスで脳内で「延髄を突き破る」を想像したのだか


セラスを主人公にすると
走りながらコケる爆乳タンは誰にすりゃいい?


「ステップを100歩中吊りで」でのトコはシュレタンにしてぇな(;´Д`)
467名無しさん@ピンキー:03/08/27 23:17 ID:vRPj0idm
途中で追っかけてくる犬は
旦那のワンちゃんなんですね?
468名無しさん@ピンキー:03/08/27 23:35 ID:4xIpLEbt
リプタンどうなるんだろう、旦那に食べられちゃった後、次の日無事に登校できるかな?



エアマスタラストの
うあああああ、は誰にしよう
エアマスターセラスEDテーマ
「動脈に食らいつく」近日発売
469名無しさん@ピンキー:03/08/28 00:07 ID:RqQcsV5z
>468
いくらなんでも次の日は無理だろ、顔にアザありでは
旦那のあの勢いじゃ骨の5,6本折られかねんし


入院中のリップ委員長に大尉先生(○○君でもいいけど)がお見舞い、
そこで――てな感じでときめき純愛編に移行して欲しいな〜
470名無しさん@ピンキー:03/08/28 00:18 ID:v45X7hy0
おおう燃え〜!そして萌え〜!!!
よんよんさんおかえりなさーい。緊張感溢れる展開ですな。
にしても次回で委員長はおいしく戴かれてしまうのか・・・
こんな可憐なリプたんを旦那の魔の手から守ってやりたい気持ちと
思う様蹂躙されている様を鑑賞したい気持ちとにまっ二つな漏れ。うぬぅ。

>リプたんにつけられた傷をなめたりなめられたりする御嬢と旦那
これも萌えるな。しかしいつものごとく一方的な
お嬢舐め舐め祭りになりそな予感(w
471よんよんさん:03/08/28 00:23 ID:tWZpvHBc
>463
博識ではありません。今回このSS書くために調べて見つけました。いいネタハケーンと。

>465
和弓はもっと飛ぶけど命中率すごく低いよん。
アーチェリーは逆に命中させることを追求した弓。

しかし、
おまいら、散々超鬼畜きぼんぬしていたくせに...優しいのね。
それか単にゴルゴなリップたんに惚れますたか?

私も今どうバランス取るかで微妙な気分です。
まあ迷いはないんだけどな。
前半に負けないだけの後半目指すよ。
でもね、鬼畜は鬼畜なの。
472名無しさん@ピンキー:03/08/28 00:40 ID:oBjJCiEe
(・∀・)イイ!!
エロが楽しみで仕方ない(;´Д`)
473名無しさん@ピンキー:03/08/28 01:03 ID:f5zibUWE
ときヘル。
セラス編はクリアしちゃったからセラスでてこないの〜?
あんだけ色々あったからあの後対人関係どうなったのか気になったんだけど…
もう校内抗争とは無関係な唯の人?
474よんよんさん:03/08/28 01:08 ID:tWZpvHBc
>473
そんなことはないと思いますが。
元々多層パラレルのつもりでしたので、○○君と恋人関係で現れるもよし、
また他の人と恋愛関係に陥ってもよし。
アーxセラ読みたい人がいたら、私は考えてみますよ。
もちろん私以外の方に書いてもらっても全然構わないのですが。


さて、後半完成しました。投下します。
眼鏡も衝撃で飛んだのだろう。あたりがよく見えない。
ただ暗い影がぼんやりとこちらに近づいてくるのはわかった。
「ひ、ひぃ、、、」
思わず後ずさる。
「リップ、本名はリップヴァーン・ウィンクルだったかな」
アーカードの声が聞こえてくる。背中が扉に当たった。でも腰が抜けたように立てない。
「面白かったぜ。こんなに楽しいのは久しぶりだった」
陶然とした彼の声があたりにひびいた。
「俺は強い奴ほど本気で叩きのめすことにしているんだ。敬意ってヤツでね」
アーカードはいつの間にかリップの前にしゃがみ込んでいた。
顔に何か金属製の堅いものがあたる。彼女の眼鏡だ。
リップは反射的に手を伸ばしてそれをうけとり、眼鏡をかけた。
「リップヴァーン。女の場合、叩きのめすっていえば...分かるよな?」
急にはっきりした視界と共に、はっきりした現実も襲いかかってきた。

「あ、あ、あああ、あああ」
言葉を発することもできず、ガタガタ震えている彼女をアーカードは片手だけでつるし上げた。
本来そこから逃げるはずだった屋上入り口の壁に、リップの体を押しつける。
もう片方の手で無造作に彼女のスカートの中に手を入れ、ショーツを引きずり降ろした。
「ぃやぁ,,,」
力無く呟くリップをアーカードは怒鳴りつけた。
「だったら何故撃ったんだ!? リップヴァーン!」
「ひぃっ」
その声にリップの体はまたガタガタと震え出す。
「楽しかったんだろ? たぎったんだろ? 最初は少佐に命じられたことでも、
 最後はお前自身楽しんでいただろうが!!」
ちがうちがう、私はやらなきゃならないことに懸命だっただけだ。
やらなければ全てを失うから。どうしようもなかったんだ。
リップ自身嘘だとわかっていても、そう思わないと全てが崩れていきそうだった。

足が持ち上げられ、開かれた。まだ少しも湿っても潤ってもいない
堅く閉じたそこに、取り出されたアーカードのものが押し当てられる。
リップはもちろん処女だった。誰かとつき合ったこともない。キスの経験すらなかった。
しかし今、彼女の敏感な部分にはアーカードのそれが押し当てられている。
アーカードははゆっくりとリップの体を吊り上げている力を抜いていった。
自然と彼女自身の体重によって、リップの秘所はアーカードのものを受け入れていく。
「いやぁっ! いたいぃ! いたいぃぃっ!!」
泣き叫ぶ顔を、アーカードは愉快そうに眺めていた。
必死でばたつかせる足によりスカートがまくり上げられる。ポケットから何かが落ちた。
「あっ」
リップは一瞬何もかも忘れ、呆然とした顔でその定期入れを見つめた。
アーカードもその視線を追っていた。
しかし彼は気にせず、今や深々と入り込み密着した局部に手を伸ばした。

リップの背を壁に押し当て、太股を両手で持って激しく腰を突き上げる。
「ひっ! ひぃっ! いっ!!」
リップはただただ痛みに耐えかねて顔をしかめ、首を左右に振っている。
涙がぽろぽろとあふれ出していた。
接合部分からはトクトクと血が流れ出している。
激しく体を振り回され、挿入を繰り返されることで、
堅いコンクリートに押し当てられた背中もはげしくこすれ、セーラ服がやぶける。
その下のブラのホックもぷつんとはじけた。
そして薄い下着もやぶけ、背中が直にコンクリートに当たる。ざりざりとこすりつけられる。
今や局部と背中の痛みでリップは気が狂いそうだった。
必死にすがりつくように、地面に落ちた定期入れを見る。

アーカードは彼女の痛みも定期入れのことも全てを知りながら、
ただ一方的に挿入、陵辱を繰り返した。体で覚えさせるというのはそういうことだ。
「お前、俺たちを殺す気だったのか?」
答えはない。リップはそれどころではない。でもアーカードは問い続けた。
「たぶん最初はちょっとおどかすだけのつもりだったんだよな。
 少佐にもそう言って説得されたんだろ。 
 でも実際に射ってみたら楽しかったんだよな? 血を見て興奮したんだよな?」
「あぁ、あああああ...」
泣き続けるリップを見て、アーカードは無造作に体を引き抜いた。
そして彼女の体をアスファルトの上に投げ出した。

セーラー服は背中からやぶけ、背中と足の間から血を流しながら、
懸命にリップはアーカードから逃げるように這った。その先には彼女の弓が落ちていた。
反射的につかむ。でももう矢はない。
ただ弓を手にしたことで、さっきの記憶がよみがえった。
リップは確かに楽しんでいた。血に酔っていた。自分の力に溺れていた。
少佐先生に利用されるしかなかった自分、インテグラ先生のようにはなれない自分、
大尉先生に気持ちを伝えることも、「どうして?」と聞くこともできなかった自分。
弓を撃つことでその全ての現実から逃れようとしていた。
「ああ、ああ、ぅううう」
リップは大切な弓を抱きしめて泣く。そうしながら近づいてくるアーカードを前に震えていた。

「答えろ、リップヴァーン」
アーカードは月を背に、腕を組んで魔王のように問いかけた。
「そしてお前はこれからどうする?
 さあ!! どうする!! どうするんだ。
 リップヴァーン・ウィンクル!!」
ああ、ザミエルだ。魔弾の射手のザミエルだ。リップはオペラ「魔弾の射手」を思い出した。
私は彼らとは違う世界に住んでいたつもりだったのに、
今夜弓を射ることで彼らと同じになってしまった。
「亡霊を装いて戯れなば、汝、亡霊となるべし」 オペラの言葉が頭に響く。
かたん。リップの心のどこかが壊れた。
リップは弓を取り落とし、ふらりと立ち上がってアーカードに向かって歩いた。
そのまま彼の体にすがりつき、震えながら言った。
「お願い、抱いて」
私をもっと滅茶苦茶にして。

アーカードは黙って彼女の体をアスファルトの上に横たえた。
さっき散々陵辱したそこを開く。血と共に確かに透明な液も流れ始めていた。
先ほどと同じように挿入する。
「あぁ...」
リップの声は艶を帯びていた。
ゆっくりとした動きが気持ちよかった。現実からの逃亡なのか、自分への罰なのか、
とにかくリップはアーカードに犯されることで、確かに快感を味わっていた。
「ああ、ああああぁん」
もっともっとと自ら足を絡め腰を動かす。
どこまでも堕ちていきたかった。自分のすべてをさらけだして、崩してしまって欲しかった。
自らセーラー服のボタンを開き、裸の胸をさらけだす。
そしてアーカードの体にすがりついた。
熱い吐息でアーカードの胸や首筋にキスを繰り返す。
「はぁ、、、あぁああ、、、うぅん、」
快感は波のように押し寄せてきた。その波ですべてを洗い流して欲しかった。
リップは自分からどんどん深い場所へと溺れていく。
「あ、あああ、はぁあああっっ」
腰ががくがくと震えてくる。始めての絶頂を迎えた。体からすべての力が抜ける。
アーカードは無造作に自分のものを引き抜いて、リップの体の上に白濁した液を放出した。
まだ快楽に浸っているのか、とにかく呆然自失としているリップを放り出し
彼女が散々気にしていた定期入れを拾い上げる。
開くとそこには花の写真があった。真ん中にいくつも実を付けた白くて可憐な花。
大尉の写真、か。
アーカードはちらりとリップを振り返った。
哀れだとは思わない。これが現実なのだ。それに耐えられるかはリップヴァーン次第。

アーカードは無造作に定期入れをリップに向かって放り投げた。
それは彼女の顔のすぐ近くに落ちた。
それから体を翻し、非常階段を降りていく。当然だが、振り向くことはなかった。
何時間くらい自失していたのだろう。
ともあれ、リップが最初に認識したのは夜空の白い満月だった。

「秋の夜半の み空澄みて…」
リップはいつの間にか口ずさんでいた。いつもの歌を。
「月のひかり 清く白く 雁の群の 近く来るよ
一つ二つ 五つ七つ…」
涙が止まらない。それでも心はどこかおだやかだった。
頭の近くに放り投げられた定期入れを開く。
エーデルワイス。
大尉先生。
私は、これからどうするのだろう。どう生きればいいのだろう。
きっと昨日までの自分ではいられない。ちゃんと変わっていくことができるだろうか。
もうザミエルになど捕らわれない人間になれるだろうか。
それから、利用されず、自分と自分の気持ちを大切にできる人間に。

わからなかった。ただ月の下で裸身をさらしたまま、リップは歌い続けた。
「家をはなれ 国を出でて ひとり遠く 学ぶわが身
 親を思う 思いしげし 雁の声に 月の影に…」

おわり
481よんよんさん:03/08/28 01:13 ID:tWZpvHBc
まあこんな感じで。いかがでしょう。

資料にしようと原作読んで、思わずハァハァしていた自分。
今更ながらにとんでもないもんに挑戦してしまったと思いましたよ。
やっぱ原作者は神だね。神。

それから眼鏡はちゃんと拾いました。原作神さま。
482名無しさん@ピンキー:03/08/28 05:02 ID:4FHSvgGB
801板にも来てくださいです。。。
483名無しさん@ピンキー:03/08/28 06:45 ID:tSi9613i
ああよかった、メガネがちゃんと戻って。
メガネの無いリップ&インテグラはお肉の入ってない
牛丼みたいなものですからねw

射撃の快楽に埋没しすぎて我を見失い、
あげくにぶち切れて自分から誘う委員長に萌えました。
再起不能だけは避けられたし、今後彼女がどうなるかが
気になる朝一のSS鑑賞でした。
484名無しさん@ピンキー:03/08/28 08:41 ID:YJPBoWmU
火星見物からもどってきたらステッキーなものが!
やはり戦争の神さま来襲は伊達ではなかったな

りっぷ委員長に外山車な旦那に萌え〜
しかも即回復二回戦目に!漏れはもう無理ぽ(泣
そんな旦那にすがりついてちゅーな委員長に(*´д`*)ハァハァ 
485よんよんさん:03/08/28 10:07 ID:JZY82muO
反応ねーよ。やっぱだめだったのか?・゚・(つД`)・゚・
と思いつつ寝て(いつだって書いた直後は自信喪失)
朝起きたら 8 0 1 板 へのお誘いですか。

>482
つまり私に旦那とアンデルセンの死闘を書いて
その直後にベットでも死闘させろと。もち勝った方が攻めで。
・・・すいません。私炎立つの時代から散々勧誘されているんですが
いまだに801は分からなくて。801板の雰囲気とか国やおいとか
某らおいんな人のやつは楽しんで読んでるんですが、フィジカルになると...。
むしろ、シュレたんについて801で書いていただきたいという意見も
こちらには。

>483
今後。書けなくもないけど、書くべきか。個人で想像してもらうのも面白いかと。

>484
火星。そういえばそんなものが。綺麗でしたか?
486名無しさん@ピンキー:03/08/28 12:37 ID:VlLrC0Uf
リップリップ、おいらのリップが旦那に食べられた
泣くべきか、萌えるべきかそこが問題だな
追い詰められて鬱なリップからえろエロ発情な躁リップへの
転換が鮮やか!・・・やっぱ萌えるかぁ、そうしよう

>485
反応無いというより、明日うpされると思うて
みんな火星見物に逝って今寝てんじゃないの?
487名無しさん@ピンキー:03/08/28 13:06 ID:vUDcY7H1
801! 801! 801!
488名無しさん@ピンキー:03/08/28 16:06 ID:B15Mdw5K
拝見しましたーっ
不良旦那、セーラー服やぶれるほど前後!!
闇の中で眼鏡をまさぐる姿や、定期入れに固執する乙女らしさに萌えました。
やはり締めが美しい。    旧413
489よんよんさん:03/08/28 16:32 ID:EMwnNtvK
>486
すいません。またちょっとくれくれでしたね。今回のは自分でも思い入れあったので。

「魔弾の射手」、サイトにうpしました。
スレ掲載時には蛇足だと思ってカットした、
委員長の生い立ちやどうして少佐に従わざるを得ないのか、
依頼場面などを「序編」として収録。興味のあるかたはドゾー。
ttp://red.ribbon.to/~aa433/toki_HELL_index.htm
490名無しさん@ピンキー:03/08/28 17:57 ID:n1iQtCOX
漏れは801はシュレタン以外無理そう



みんな火星を見てたのか、漏れは自分の仮性を見てたよ(´・ω・`)
491名無しさん@ピンキー:03/08/28 19:53 ID:ljYtebDl
>>490
うまい!山田君座布団一枚持ってきてくれ〜

801好きはシュレタンのもだえる姿で我慢汁!
ごちそうさまですた、旧413殿、日記シュレは美味しかったです(w
日記シュレ作者はあの方だったんだね、納得
492名無しさん@ピンキー:03/08/28 21:02 ID:v45X7hy0
リプたん編サイトうぷ分さっき読んだ。
うおーん!なんだこの切なさはあ!!!(号泣)
鬼畜でハアハアというよりなんかひたすら切ないよ。
途中から発情するのも自己防衛のためって感じだし。
漏れが大尉先生に代わって抱き締めたる!!!!!
鬼畜な旦那も張り飛ばし・・・たら瞬殺だな・・・
セラス編の「僕」になったような気分だよ・・・

ああリプたん、可憐なるエーデルワイスよ。涙。

と、ところでシュレたん撮影係って・・・
もしかして撮ってたんかい?????
それをネタにまたいぢめられてしまうのか?ああ・・・
493名無しさん@ピンキー:03/08/28 21:47 ID:g+FWDfPI
>>489
。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン  
リップ委員長が可哀相の極みだよ、ママン
お元気だして、委員長〜


ところで「ときヘル」の少佐がマジで憎い!
「シュレ日記」の愛すべき少佐と比べるとその落差はすさまじい・・・
494よんよんさん:03/08/28 23:55 ID:c9zE96i1
ひい。今日はなんか心臓が痛いと思ったら、鬼畜の呪いですカー?
私が長銃胸に刺されてますカー?

というわけで、鬼畜に耐えられなかった人用にサイトに「余編」を用意しました。
まあ救いになるかはわからないけど、リップが大尉先生に連れられて
病院まで連れて行かれる話です。あと少佐のお別れの挨拶ね。

アーカードx先生かあ。あれでもアーカード君かなり重症だと思うので
(何発撃たれたんだ彼は)、あの二人も病院行きだと思いますよ。
リップ相手に二回やってるしぃ。当日は傷の舐めあいどころではないかも。
たださすがに重傷のアーカードとインテグラ先生の精神的ショックを考えると
後日(といっても次の日くらい)、
アーカードx先生の傷の舐め合いエッチはありかもしれませんな。
アーグラでラブラブなんて、ときヘル以外では書くことないであろうので
私も興味がなくもありません。みなさまはどー?

その前にシュレ編でしょーか。迷いますね。
シュレ編、まだあんまりとっかかりが出てこなくてね。まあ気長に萌えましょう。
495名無しさん@ピンキー:03/08/29 00:18 ID:HGnQGTgq
>494
大尉先生カッコいい!漢だね。
これで心置きなくときめきリップ編が待てそうです。
シュレ編、日記でみんなガスぬきされてるから(藁
もし気乗りしないならラブラブアーセラかますのも手かも。つか読みたい。
つか、結局○○さんでいいの?シュレ会長の相手は。

>493
そりゃリップ中心で見ればそうなるウィリス。
シュレ会長中心で見ればまた違う少佐が見られるさ。


ところでエアマスタセラス対ゴルゴリップ委員長を勝手に想像して燃えますた。
エアマスセラスはきっと目をつぶって矢を全部かわしてくれるだろう。
496名無しさん@ピンキー:03/08/29 00:32 ID:V8sgGiMm
つーか私も読みたいです。
アーセラ。
でも、なんとなくときヘルではアーグラが恋人風味でイメージが定着
しちゃってるので、ラブでなくてもいいので読みたいです。

やっぱり○○くんと恋人同士版のセラスはアーカードの女を辞退する代わりに舎弟
(パシリ)になり、舎弟と師弟を勘違いしたセラスがアーカードの事を師匠と
呼んだりしているんだろうか(笑)

エロネタだけなら大丈夫なのにキャラの心情が入るとなんとなく
可哀想に思ってしまうような気がします。
ああ、でもゴルゴリップ好きだ〜かっこいい〜
497名無しさん@ピンキー:03/08/29 00:51 ID:6xrKX1a2
今月号やばいよ。電車の中で泣きそうになってしまった。
498よんよんさん:03/08/29 00:51 ID:d9riuPon
え? アーグラじゃなくてアーセラ?
でもエロじゃなくて、二人の師弟関係をってことでしょうか。
それはこれからの話の中で登場させようかなーとは私も思っていました。

ただメインでとは考えていなかったな。
一応エロパロなので、エロがからまないのはどうなんだろうと。

おまけにときめきリップ編だぁ? いつの間にそれまで。
いや準備はしてたけど。余編から続きになるのかしら。
一回り成長した委員長。でもやっぱりどっか気弱で、
大尉先生のことはあいかわらず憧れているけど、
身近な○○君(セラス編とは別の「僕」ね)との間で心が揺れる、とか?
499493:03/08/29 01:45 ID:V8sgGiMm
>ラブでなくていい
っていうのは鬼畜エロでもいいってことです。
まぎらわしい書きかたしてスイマセン。

師弟関係うんぬんは自前の勝手な妄想です。
500499:03/08/29 01:48 ID:V8sgGiMm
重ね重ねスイマセン(汗)
上記の493は496のまちがいです。
501名無しさん@ピンキー:03/08/29 03:48 ID:1ww+n9SQ
早売りはもう泡図の今月号でてるのか
502495:03/08/29 11:08 ID:DzUV2gU3
ご・め・ん・よ〜
「アーグラ」のつもりが「アーセラ」になっちった。
ちょっと時々ごっちゃになるねん。
わかってるねん、わかってるねんで。

ところで旦那は病院でインテグラ先生の足の傷を
なめればいいんじゃな〜い?個室の病室でさ。
アーセラはときどききわどいセクハラしてくれればいいと思ふ。
503名無しさん@ピンキー:03/08/29 15:15 ID:apwHMj72
>502
何気にあずまんがしてるな
でもいるのか、ごっちゃになるやつ(w

あれだろ、なめさせる時に伝説の指なめセリフを
挿入したいんだろ。
でもみんなお嬢をなめるのが大好きなんだな。
504名無しさん@ピンキー:03/08/29 15:50 ID:0n1DXYWp
>503 好きじゃー。何度でも飽きん。

アーグラでラブラブ。パラレルだしええんでないかい。
原作設定ではできんシチュを見てみたいしね。
しかし委員長への所業を知ったら先生激昂すると思うんだけど。
で不良旦那が「俺がこういう奴だってのは最初から知ってただろ?」
とか何とか先生を言葉いぢめ→鬼畜Hになだれこみ。
いかん全然ラブくねえや。

ところで先程早売りゲットしたのだが。



ベルセラプリーズ!てか誰も死ぬなあーーー!!!!!
…しかし「6巻11月14日発売」って紙面のあちこちに
刷られてるけど大丈夫かね?
505名無しさん@ピンキー:03/08/29 16:18 ID:hwFfETNR
たまにはお嬢になめられたいでござる。ダメ?
つか、お嬢なめを極めつくしたヒラコー御大とギャフンマイスターに傾注!

>504
ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
なんだよー気になるじゃんかー
506名無しさん@ピンキー:03/08/30 01:29 ID:Jl/uhQ/6
またまた唐突ですが、シュレ日記の続き投下します。
今回ラストの8レス目にグロがありますので注意。
507シュレディンガー日記3 1/8:03/08/30 01:31 ID:Jl/uhQ/6
 8月30日ロンドン 曇り
今日は朝からヘルシング邸訪問。
『とっとこヤン太郎ヘルシング大虐殺作戦』(命名:ヤン・バレンタイン)
の一環として、偵察活動で来たのだ。なんで僕が馬鹿兄弟のパシリを…まあいいや。
広大ではあるが何の面白みも無い庭園を越えて正面玄関から扉も開けずに堂々の入場。
中の構造はだいたい分かっている。そして5日後に円卓会議が行われることも。
少佐の長い手から逃れられることはないのだ。

博士に渡されたビデオ片手にまず執務室にお邪魔する。
そっと気付かれない様に入り込むと、ちょうどヘルシング機関の局長さんと
年は喰ったが相変わらず元気な死神執事が打ち合わせ中。
初めて見たけど、へーすごく綺麗な女性なんだね、インテグラ局長さん。
上背があり、絶対の美女だ。特に顔が。スーツがパリッと決まっているのは姿美人でもあるからだろう。
僕は彼女のスーツの下がどうなっているのか大変興味深かったが、とりあえず今は目の前の仕事に専念しよう。
「ウォルター、来月3日の円卓会議の資料はそろったか?」
「はい、インテグラ様。礼のチップの解析も進んでおります」
おやおや、僕は聞き耳を立てて二人の会話を拝聴した。
どうやら博士ご自慢の人造吸血鬼製造チップが連中に見つかった模様。
ま、見つかったところで別に逆探知されるとか何か足のつく証拠が出るわけじゃないからいいけどね。
それより重要なのは、予定通り9月3日に円卓会議が行なわれる事だ。
しばらくして会議の準備の話が終ったのか、別の話に変わっていた。
「そういえば婦警のカンオケはどうした? やっぱ吸血鬼はカンオケで寝なきゃダメだろ」
「おっつけ出来上がる手はずです。アーカードから要望のあった新しい銃も一緒に。婦警殿の武器もそのころには…」
婦警? 誰のことだ? 博士からもらった資料にある新人女吸血鬼のことか?
今回それも研究報告するように少佐から言われてるからなあ、めんどくさいなあ。
508シュレディンガー日記3 2/8:03/08/30 01:32 ID:Jl/uhQ/6
ある程度いい情報が聞けたので、入ったときと同じように執務室を出る。
今度は邸内の探索だ。こちらの持っている邸内の情報は少し古い。
作戦実行の段階で迷いましたでは話にならないので、ここは念入りにビデオ撮影しながらチェックする。
一階フロア、二階警備室、三階円卓会議場…ふむふむ、特に改修とかはやってないらしい。
念には念を入れて、屋上にも出てみる。
わっ! ヘリコプターまであったよ。資料には無かったな、そんなもの。
当日はいの一番に吹き飛ばさねば。

日の出ている間は地下室の探索はしない。
やっぱ高名な不死者殿がいるからね、作戦前は遠慮しておこう。
小腹がすいたので、ヘルシング邸のキッチンに行ってみる。
お昼時間が過ぎたので今は人もいない。邸内に詰める機関の職員の食事もここで用意するので、
実に馬鹿でかい広さだ。そしてデンと置かれた冷凍庫も。
僕は無造作にその冷凍庫の扉を開ける。
あったあった、ありました。医療用輸血パックが。
アーカードと新人さんの分であろう輸血パックを、情け容赦なく5パック奪い去る。
ああ、なんて悪い子なんだ僕は! 人様のご飯を横取りしてしまうとは!
ご機嫌になって僕は表に出た。庭園のひときわ高い木の幹にあがってまたがる。
輸血パックにこれまたヘルシングからぶんどったストローを突き刺し、遅めのお食事。
お腹が満足したところでこのまま木の上でお昼寝する。
夜になるのを待つために。

なんだか下が騒がしくなったので目が覚めた。
お、やっとお出ましか、ヘルシング機関の諸君は。こちらの陽動に引っかかってくれたね。
地下室の探索を徹底するために、ルークに命令して郊外で喰人鬼供を複数暴れさせるようにしたんだ。
おや? ゴミ処理係だけでなく局長や執事まで出張ってる。
そいつは都合がいい。僕は再びヘルシング邸にお邪魔した。
509シュレディンガー日記3 3/8:03/08/30 01:33 ID:Jl/uhQ/6
「……なんだ、これは!? こんなゴージャスなブラジャーがこの世にあっていいのか?」
僕はヘルシング邸の地下室で驚愕の叫び声をあげた。
地下の資料は古いは大分変わっているはで役に立たなかった。
仕方なしに片っ端にドアを開け、中を確かめる。
ほとんどの部屋は空っぽの空室だったが、今僕のいる部屋は違った。
人が住んでいる形跡がある。ベッドがあって、テーブルがあって、タンスもある。
アーカードの部屋か? にしてはお人形さんも熊のぬいぐるみもあるし、
これが話題の「婦警」さんの部屋か?
一番手っ取り早くその部屋の住人の性別を知る方法を取る。
それは下着類を探す事。簡単確実だね。
ヘルシングのゴミ処理係に女装癖があるならば話は別だけど。

そうして見つけたのがこのブラジャー。
色は水色。デザイン、材質は特に変わったところが無い。問題はそのサイズだ。
もしこのサイズでぴったりならば、僕がつかんでもつかみ切れないほどのボリュームがあるはずだ。
目算だが、リップヴァーン中尉の当社比1.5倍、いや2倍はあろうか?
パフっ 頭にかぶってみる。僕の猫耳が丸ごと楽に中に入った。
恐ろしいっ! これがヘルシングの最新兵器か!
これは重要な証拠物件なので押収しておこう。
少佐に提出しないけど。僕が責任を持って研究しなければいけないから。
ついでに対になっているであろう同じ色と柄のショーツも回収する。

さて、気を取り直して地下室の奥に進むとしよう。
目標、アーカード君のお部屋。出発進こ… うん?
あれ!? もう戻ってきたの!? 仕事が早過ぎるよ。
地下室にカツーン、カツーンと硬い足音が響き渡る。
僕は地下の探索を断念し、一時上の階に撤退することにした。
510シュレディンガー日記3 4/8:03/08/30 01:34 ID:Jl/uhQ/6
 8月31日ロンドン 晴れ
いつの間にかカレンダーは31日になっていた。
地下室から退去した僕は邸内をあてどなくうろうろしていると、人影がいかめしい構えのドアを開けていた。
インテグラ局長さんだ。彼女の寝室なのか?
とりあえず、入ってみよう。話はそれからだ。

案の定そこは彼女の寝室であった。天蓋付きのふかふかのベッドが置かれ、
室内は古いアンティークの家具が置かれている。どれも高そうだ。
自室に入り鍵を閉めたインテグラ嬢は、大きくため息をつき、がっくりと肩をおろした。
仕事に疲れたのであろうか? それとも人間関係?
眼鏡を外し、のろのろとスーツとシャツと靴を脱ぎ捨て、そばの椅子の上に放り投げる。
後で、執事なりこの家のメイドなりが片付けるのだろう。
僕は、その光景に見とれていた。
健康的で、そのくせ色香漂う褐色の肌、
その全身はスーツを脱いだ今は着ていた時とは印象が一変し、柔らかにそして優美な曲線を描く。
スラリと長い手と足に、大き過ぎない、しかし十分存在感のある質感の胸。
キュっとしまった腰につんと上向きなお尻。全体としての究極の均衡。
そんな魅力的なボディーをおおうロングの金色の髪と、レース地の薄い赤色の上下の下着。
パーフェクトだ、インテグラ嬢。
僕は心の中で彼女を褒め称えた。

あらかじめ用意されたシルクの薄いピンクのガウンに着替えて彼女はベッドに潜りこんだ。
なんだ、スケ透けネグリジェじゃないんだ。ショボーン
明かりを消し、まぶたを閉じて眠りにつこうとする。
だが眠れないらしく、ベッドの上でもぞもぞと何度も寝返りをうっていた。
ついには枕元の明かりをつけて、眼鏡を再びかける。
そばのテーブルに手を伸ばし、そこにあった葉巻をくわえて火をつけた。
511シュレディンガー日記3 5/8:03/08/30 01:35 ID:Jl/uhQ/6
赤い火の塊をぼんやりとながめながら、彼女は時々思い出したように葉巻をふかす。
だが半分も吸い終わらない内に灰皿に突っ込みねじり消す。
枕に顔を埋めて右に左にとゴロゴロ転がる。
よほど寝苦しいのか、元より不眠症の気でもあるのか。
無理も無い。敵も化物、部下も化物、ではいい加減疲れ果てるだろう。
しかも相手が夜族だから、どうしても就寝時間が一定しない。

だが僕の想像は大幅にはずれた。

彼女は突如ハァ〜と大きくまたため息をつき、何か観念した表情で苦笑いした。
バッと勢いよく羽毛であろう掛け布団を跳ね除けると、
何を思ったのか左手で絹製のガウン越しに胸を揉み始める。
ガウンの裾を右手でまくり上げ、その中に自らの右手を突っ込み、中でもぞもぞ動かしている。
あのぉ、その、ひょっとして、ひょっとすると、自慰でございますか? インテグラさん?
眼鏡の奥で熱っぽく潤んでくる瞳を見て、僕はあわててビデオのテープを入れ替える。
予備にと自腹でテープを購入しておいたのが思わぬところで功を奏した。
カメラのレンズ越しに見るインテグラ嬢はますますヒートアップしていった。
汚れるのが嫌なのか、彼女はするするとガウンを、そして下着をぬいでいく。
ベッドの下に服の小山が出来上がり、ベッドの上では装飾品は眼鏡だけのインテグラ嬢が踊っていた。
快楽に身をゆだねてよがっているのか、はたまたそんな自分に気恥ずかしさを感じているのか、
どちらともつかない不思議な赤身をおびた表情でハァハァと息があがり始めている。
誰も見ていないからと大胆になっていく彼女は遠慮なく開脚し、
蜜があふれかえる秘所を右手でかき混ぜ慰めていた。
そんなインテグラ嬢と僕は真正面に相対している。
つまり丸見え、ベストアングル。バッチリです。
彼女の薄い毛に守られた、今やタレ流れる液体でテラテラと光るそこはとても…
きれいだ…!! 天国が見える。
512シュレディンガー日記3 6/8:03/08/30 01:35 ID:Jl/uhQ/6
インテグラ嬢のくぐもった声が寝室に低く響き渡る。
普段は配下の化物や執事、局員達を叱咤する支配者の鋼鉄の声は、
今、甘く艶やかに色づけされて僕の猫耳を過激に刺激する。
熱くとろける蜜の壷を行き来する右手と、
乱れて大きく上下しタプタプとゆれる胸の尖端をいじる左手が、
彼女と僕の体の奥深くに眠る官能をゆさぶり起こす。
しかし、切ない。とても切ない。
僕と同じ状況にある者だけが理解してくれるだろう。
今の僕を例えるならば、目の前にマタタビが山と積まれているのに、手出しすることも出来ない猫なのだ。
そんな僕の思いも知らず、インテグラ嬢はさらに扇情的なあられもない格好で挑発する。
腰が浮き上がったり下りたりとせわしない。
左手の人差し指を咥えた口からは、うぅっ おうっ、と喜悦の音声が漏れてくる。
ついにはその人差し指を口の中に突っ込み、自分の舌にからめる。
次第に体全体が小刻みにゆれて、右手の動きが荒々しくそして速くなっていった。
終焉は唐突だった。
かみなりに打たれた様に、インテグラ嬢の体が止まり、ぴくぴくと痙攣した。秘部から蜜が飛び散る。
「あっあぁぁぁっっ ううっっ くうっ」
全く意味を成さない言葉と共に。
呼吸を整えながら彼女はベッドに寝そべり、じーっと自分の分泌液で濡れた右手を眺めていた。
快楽の潮が引いてしまえば、そこにいるのはヘルシング家の鉄の女当主様だった。
忌々しげにその汚れた右手をシーツで拭い去り、自身を冷笑しながらまぶたを閉じた。
半時ほどすると、心地よさそうな寝息を立てている。
眼鏡をかけたまま。生まれたままの姿で、布団もかけずに。
仕方の無いお嬢様だなぁ。大サービスだよ。
僕はインテグラ嬢に羽毛布団をかけてやり、
いつも持ち歩く使い捨てカメラで安らかな寝顔の彼女とツーショットの記念撮影。パシャッ!
ついでに彼女の魅惑的な下着も片付けてあげた。僕のポケットに。
513シュレディンガー日記3 7/8:03/08/30 01:36 ID:Jl/uhQ/6
夜もだいぶふけてきた。
ここらでヘルシング邸を辞することにする。
あっと言う間に、「豹の巣」の僕の自室に着く。
ここですぐにヘルシング邸調査結果をまとめあげ、少佐に提出しなければならない。
録画したテープに分かりやすいようにタイトルをつけ、レポートに所感をつづる。
当初の計画を大幅に変える必要はなさそうだ。
不確定要素は二つ。『ヘリ』と『婦警さん』だ。
ま、ヘリは僕が片付けるしかないだろう。婦警さんは、馬鹿兄弟に任せるしかないか…
失敗して元々だし、いいよね、うん。

レポートを書き上げ、テープを整理し終わる。
一息つくと、僕はズボンのポケットに突っ込んだインテグラ嬢とまだ見ぬ婦警さんの下着を出した。
うむ、どこにしまっておくべきか。
たまに少佐と博士とゾーリン中尉が連れ立って侵略してきて、
他人の部屋をお菓子ないか、お菓子ないかと口走りながら令状も無しに家宅捜索することがあるから…
一計を案じた僕は使わない飾り物の百科事典の後ろに隠すことにした。
インテグラ嬢の痴態を撮影した、今回最大の収穫のテープは適当な題名のラベルをふって、
他のテープと混ぜれば問題なし。
その前に無事に撮影出来ているか確認した。

音声良し、画像良し、被写体大変良し。
綺麗だ、本当に美しい。そしてとてもエロティックだ。
いつしか僕もブラウン管の中のインテグラ嬢にならい、いきり立つ自分を慰める。
あのときの興奮が甦る。そのときの彼女の快楽を少しでも再現しようと
軍服も下着も脱ぎ捨てる。ヘンかな、僕は。
そしてインテグラ嬢が再び果てたとき、僕もたぎったものを思う存分吐き出した。
白く汚れた右手を眺めながら思った。
一方的な快楽の開放感と自虐的な冷笑が浮かぶ、変わった道楽だな、と。
514シュレディンガー日記3 8/8:03/08/30 01:37 ID:Jl/uhQ/6
少し休憩して、身支度を整え少佐の元に資料を抱えて行く。
ねぎらいの言葉をかけながら、少佐は書類に目を通していった。
しばらくして満足したのか、作戦実行に許可を出した。
「ところで准尉、目の下に隈ができているよ。大変だったね、下がって休みたまえ。
バレンタイン兄弟の所には明日行けばいい」
まさか、敵の総帥の痴態を撮影するのとそれをおかずにする事に全力を尽くしました、
なんて言える訳もなく、ありがたい少佐の恩情を謹んで頂戴した。

 9月1日ロンドン 晴れ
バレンタイン兄弟のアジトに再訪。
断りも無しに入店して、二人を探す。
いたいた、バレンタイン弟君。やつは店のソファーに寝そべっていた。
全裸の女の首筋に歯を立て、後ろから小汚い一物を女の陰部に突き立てながら。
「あ、お帰りなさい准尉さん。どうでした、ヘルシングちゃんたちは?」
「なかなか愉快な人たちだよ。少佐からゴーサインもらったから、ピクニックに行ってくるといいよ。
ところでこんな所でなにしてるの?」
「店の金を持ち逃げしようとごそごそしていた、挙動不審の性悪女を犯して説教中っス!!
ついでに食事もやってるんデスが、准尉さんもどう?」
僕は右手を軽く上げて謝絶した。こいつと兄弟になるなど真っ平ゴメンだ。
女は半分白目をむいていて、上半身はベタベタと赤い血に染まっていた。
ときどき、ピクッピクッとケイレンする以外、特に反応らしい反応は無い。
「くらえ、必殺ヨコハチ無限大!!」
それがお前のアイデンティティーか?

 TO BE CONTINUED?
515506:03/08/30 01:40 ID:Jl/uhQ/6
局長、一応出すだけ出しました。
これで勘弁して下さい。

諸般の事情により、少しの間日記は休ませて頂きます。
516名無しさん@ピンキー:03/08/30 02:13 ID:LVaAm0+4
グラ様ハァハァハァ…ウッ(*´Д`)
517名無しさん@ピンキー:03/08/30 02:17 ID:irECrarc
やばい!! 太平洋だ!!(*´Д`)
518名無しさん@ピンキー:03/08/30 13:43 ID:BYKawDr9
あ〜そのなんだ、




一介の幼馴染に過ぎない軟弱者の◯◯君なんてどうでも良いから
隊長先生とのこってりしているようでいて実は爽やかなロマンスを
楽しんでくれや、セラス嬢ちゃん。

…ベルナドットは教師よりも転校生の方が良かったような気がしないでもない。
519よんよんさん:03/08/30 14:11 ID:bhhCqCjP
うう、アワーズ読んでないから分からないよう。
ところで書き手のみなさん、
あまりに短い間隔(20秒以内)で連続投稿すると
警告メッセージが3回出たあげく、1時間ほど書き込み規制をくらうそーです。
ご注意ください。
詳しくは下のスレ508番参照。
ほかにもためになる情報いっぱいなので時々はのぞくことおすすめ。

【緊急】dat落ち情報&対策検討スレ
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1031536948/

私はとりあえずアーグラの傷心編(仮題)を書いてます。
舐めるのと目隠し予定。
520よんよんさん:03/08/30 16:25 ID:jhtmW8RG
アワーズ読みますた。

わかった、ベルセラ書こうじゃないか。さわやか編で(僕人称はなしかも)。
期待に添えるかわからんけれど。

ベルナドット先生は臨時教師なので、転校生と似たようなもんよ。>518
521名無しさん@ピンキー:03/08/30 21:16 ID:BYKawDr9
>520
Lv3 では「まさか先生とこんなことになるなんて思わなかった」とか
言わせてホスィ!
522名無しさん@ピンキー:03/08/30 22:21 ID:CLHPkDw2
なるほど、原作ではできなかったことを
ここで続きをさせてあげようと・・・

みんな優しいね、そんなみんなが大好きだあ〜
523よんよんさん:03/08/30 22:22 ID:jhtmW8RG
>521
ごめん。さわやか編だからそういうのない。
エロもない。萌え...は感じてもらえると嬉しいけど。

パラレルなので直接のネタバレはないですが、
なんとなーくのネタバレはあります。でもこのスレに来ている時点で分かるよな。
じゃあ投下してみます。
帰り際、体育館付属の道場の中で、セラスさんとベルナドット先生が組み手をしているのを見た。
どちらも僕なんかには想像もつかないレベルの動きで、そして楽しそうだ。
でも今日は約束がある。僕は足早に校門のほうへと向かった。

「はあ、はあ、はあ」
「ちょっと休憩するか、セラスぅ」
息が上がってきたセラスに向かって、ベルナドットは軽いノリで言った。
「はい!」
セラスは明るい顔で答え、二人そろって道場の片隅に腰を下ろす。
「先生、強いですねえ」
「嬢ちゃんに強いって言われる程度じゃ大したことないんだけどな」
ベルナドットはぼそりとつぶやいた。
セラスは意味がわからず、大きな目を開いて首をかしげる。
「このヘルシング学園ってのはとんでもないところだよなー。
 「不良共が巣くっていてどうにもならんから、ちょっと来てくれ」なんて
 軽く誘われてやってきたけど、アーカードだとかアンデルセンだとかシャレにならんぜ」
セラスもそれには同感だ。しかしそれより気になることがあった。
「その誘った人って誰なんです?」
「ん。インテグラ先生」
「えー!??」
軽い調子で答えたベルナドットにセラスはオーバーな反応を返す。
ベルナドットはそれを見てまた楽しそうに笑った。
「あの人この学園の創設者の娘だからな。経営権のかなりの部分を握っているらしいぜ」
「ぜ、ん、ぜ、ん、知りませんでした」
でもだからこの前の襲撃事件で、先生が狙われたのかなとなんとなく思った。
「まあ俺もいろんな現場渡り歩いてきた人間だけどさー」
そこまで言ってベルナドットは意味ありげにセラスを見た。
「この前の事件ではすごかったらしいじゃねえか、セラス」
「…」
セラスはうつむく。あの件に関してはまだ自分の中で心の整理がついていない。
そんなセラスの頭をぽんぽんとベルナドットは叩いた。
「気にすんなよ、嬢ちゃん。俺だってそっちの世界の人間だからさ」
「そっちの世界?」
「だから、人を傷つけたり病院送りにしたり、そういうことができる人間」
ベルナドットの口調はあくまで軽かった。
「それでこの学園に呼ばれたの。不良共に体で教えてやれってね」
「はあ」
セラスはぽかんとしていた。
自分があれだけ思い悩んだことを、先生はどうしてこんなに軽い口調で言えるのだろう。
でもその姿はいつもの放任主義で軽いノリの先生と同じで、ごく自然だった。

「そういう力で分からせるって方法が本当に正しいのかどうか、俺には分かんねえ。
 不良共が暴れる理由は、主義主張のため、なわばり争いのため、
 女のため、金のため、つまんねえプライドのため、いろいろだ」
そしてベルナドットは腕を組み、ごろっと後ろに寝っ転がった。
「俺はそういうのわかんねえ。あいつらにとっては体張るくらい大事なことだってのは分かる。
 でも別に暴力なんかに頼んなくてもなんとかなるんじゃねぇかと思う」
セラスはじっと先生の顔を見ていた。この人にもいろんな過去があるんだなあと思った。
「っていうかな、セラス」
ベルナドットはじっとセラスの顔を見つめた。
「暴力を振るうことに本当に意味なんか必要なのか?」
そんな風には考えたことがなかった。
あの時、セラスは大切な人たちを守りたくて戦ったのだけど、
たしかに戦っている最中はそんな建前を忘れていたのも事実だったのだ。
力を振るう純粋な喜びに囚われていた、先生はそのことも知っているのだろうか。
「ただ、暴力を振るうことは楽しい。それだけで充分じゃねえのかと思う」
その言葉はすうっと胸に染みいった。
セラスが懸命に否定しようとしていた事実を、この人はあっさり肯定してみせたのだ。
「先生!」
セラスは思わず寝っ転がっている先生の顔ににじりよった。
「じゃあ先生はどうやってその力を、楽しさを制御しているんですか?」
「ん。俺、大人だから」
セラスの必死さはあっさりとかわされた。
それからベルナドットは起きあがる。
「セラスぅ、そんな風に胴着姿でにじり寄ってくると胸の谷間が見えちゃうぜぇ」
思わずまっかになって胸元を戻すセラスを見て、また楽しそうに笑う。
「いやまあ、俺は場数も踏んでるし、手加減の方法も知ってるし、
 なにより金もらってやってるからねー」
ベルナドットは立ち上がって屈伸運動を始めた。
「俺って金もらってはあちこちの不良高まわって生徒をシメる、
 わりといういう先生のクズな人間なの」

「しかしなー、この学園はさすがになー」
一人ぶつぶつ呟く姿をセラスは呆然と眺めていた。
いろんな事が一気に頭の中に入ってきて整理しきれない。
しかし一つだけ確かなことがあった。ベルナドット先生への尊敬の念だ。
「先生!」
またしてもセラスは立ち上がり、ベルナドットににじりよった。
「その手加減の方法ってのを教えてください!」
「元気だねえ、嬢ちゃん」
感心したようにベルナドットはセラスを見た。
「先生のおかげです! やるべきことが分かりました!」
明るくはっきりした顔で言うセラスを見てベルナドットは思う。いい子だなあと。
この純粋さをいつまでも忘れないでいて欲しいなあと。俺にはもうとっくにないけど。
「じゃ、続きすっか」
二人は向き合った。
「打って来いよ、セラス」
そう言われて素直に正拳突きで踏み込む。
ベルナドットはひらりとかわしてセラスの胸をぽんと叩いた。
「あー!!! なにするんですかああああ!!!」
「手加減の方法その1。相手のやる気をくじく」
「…男相手だったらどうするんですか」
「そりゃもちろん男の急所を」
たちまちセラスの顔が真っ赤に染まる。
「冗談だって、あんな狙い難い場所」
軽い調子で笑ったベルナドットにセラスは叫んだ。
「先生のバカー!!!!」

「ごめんごめん、今度は真面目にすっからさ」
ベルナドットは相変わらず邪気のない顔で笑ってみせる。
「正直言って嬢ちゃんの上達速度には驚いているんだぜ。
 あと一ヶ月で俺の持っている全てをみせてやるさ」
セラスはきょとんとした。
「一ヶ月?」
「だって俺、臨時教師だもん」
「それってつまり、あと一ヶ月で居なくなっちゃうってことですか!?」
またしてもすごい勢いでにじり寄ってくるセラスに
ベルナドットは両手をあげて降参のポーズをしてみせる。
「まあ、たぶん。上の人にもよるんだけどね」
「そんなぁ」
心底寂しそうな顔になるセラスの頭をベルナドットはぽんぽんと叩いた。
「人生は出会いと別れの繰り返しってな」

「じゃあ続きすっか」
                                                     一ヶ月後に続く予定
528よんよんさん:03/08/30 22:31 ID:jhtmW8RG
うわあ、20秒ルールってシャレにならん。
これは貼る時相当の注意が必要ですよ、書き手さん。

で、私としてはこんなもんです。
期待されていたのとは違うかもしれませんが、
最後まで見届けてからでもいいんじゃないでしょうかね?って個人的には思います。
あのシーンも後々に取っておきました。
529名無しさん@ピンキー:03/08/30 22:44 ID:CLHPkDw2
うわー超ー萌ーえー
やっぱりぱろすれだーー
実に青春って感じ〜

一ヵ月後に流血の大惨事になったらどうしよう、ママン
530名無しさん@ピンキー:03/08/30 23:15 ID:P04vMuk7
職人さん達の投稿の邪魔になる、20秒規制ウゼー
もとをただせばクソ業者共のせいだヽ(`Д´)ノ




隊長×セラス読みますた
今月の泡図が気になる、田舎だからなかなか売ってないが(´・ω・`)
531名無しさん@ピンキー:03/08/30 23:15 ID:P04vMuk7
職人さん達の投稿の邪魔になる、20秒規制ウゼー
もとをただせばクソ業者共のせいだヽ(`Д´)ノ




隊長×セラス読みますた
今月の泡図が気になる、田舎だからなかなか売ってないが(´・ω・`)
532名無しさん@ピンキー:03/08/30 23:20 ID:BYKawDr9
>524
これからどんどん仲が良くなりそうな描写が良い!

ところで、
>523 さわやか編だからそういうのない。
隊長先生は大人で余裕あるからがっつかない、って程度の意味の爽やかさで
Lv3 まで到達してくれたら嬉しいなぁ。一ヶ月後までに。
隊長は、一見遊び人で実際遊び人なんだけど根は純情ってイメージあるから
そういうのがかなり似合いそう。
533名無しさん@ピンキー:03/08/30 23:50 ID:8mhX6tK+
エチするならときヘルとは別にしてくれよ・・・
セラスタンはそんな尻軽女じゃねーっつーの
534よんよんさん:03/08/30 23:55 ID:jhtmW8RG
まあもちつけ。今は発売直後で皆さんテンションあがっていると思うし。
私もちょっとSS投入早すぎたかな? しかし時間は戻らない。

私もときヘルではLv3までってのはちょっと考えてないっすね。
原作どおりの所までカナーと。
しかしときヘルではなく青いページのほうでやるという手はなくもない。
それから、2ちゃん外でベルセラずっとやってきた人は
それなりにいらっしゃると思うので、そちらをあたっていただくのもどうかと。
535名無しさん@ピンキー:03/08/31 00:08 ID:PCESJ+MC
>533
ときへるはパラレルありなんだから、処女のセラスを隊長先生が頂くって
展開はありなんじゃない?
536名無しさん@ピンキー:03/08/31 09:41 ID:AVtJYsZf
残暑が厳しいから
シュレタンと最後の花火大会に逝こう(;´Д`)ハァハァ。
537名無しさん@ピンキー:03/08/31 09:51 ID:E4oEupUV
ところでいつシュレタンは本編に再登場するのだろう?
またゾリン姉さんがバラされるときに登場すんのかな〜

日記ssのセラスタンのブラをかぶるシュレタンに萌えだ
538よんよんさん:03/08/31 19:56 ID:MiT2G5IS
どもー。

アーカードxインテグラ先生、傷心編完成しました。
これから投下します。

ただし20秒ルールは30秒になったので、ゆっくり慎重に行きます。
途中で割り込んだ奴はSS中でヌッコロスので注意。
「入院だけは絶対しないぞっ」
強硬にそう主張した結果、連れてこられたのはインテグラのマンションだった。
「看護士が1日1度包帯の交換と様子見に来る。それでいいだろ」
インテグラはベットに寝かされたアーカードの横で煙草を吹かしながら言う。
彼女自身、肩の傷は軽傷だったが、足の傷は15針も縫う羽目になったのだ。
しばらくは松葉杖の使用を薦められている。
一方アーカードの傷は腰、足、両腕、そして肩と五カ所に及んでいた。
特に最後に受けた肩の傷は矢が骨まで達するという重傷だ。
まあその肩の傷もしばらくギブスで固定することで済んだ。
あとは合併症を防ぐための抗生物質の服用。その薬も看護士が持ってくることになっている。

「お前には本当に悪魔が憑いているとしか思えんな」
インテグラは感心したようにアーカードの姿を眺めた。
「すべて重要な神経や関節、いわゆる急所は外れていると医者が感心していたぞ」
「当然だ」
言い切ったアーカードに向かってインテグラは不機嫌そうに眉を上げた。
「ちょっとは幸運に感謝しろ」
そのとき、ピーッとファックスの受信音が鳴った。
インテグラは立ち上がってびっこを引きながらその紙を回収する。
アーカードはベットの中で首をすくめた。
あれはリップのカルテだ。
インテグラがどこからともなく手を回して、入手するための電話をかけていたことを知っている。
カルテは守秘義務で厳重に守られているはずだが、やはり抜け道はあるらしい。
インテグラは厳しい目でそれを読んでいる。
喧嘩が日常茶飯事の学園の教師をしていて、カルテを読むのにもすっかり慣れてしまった。
それでリップの状況も、つまり彼女がどういう目にあったのかも理解できてしまう。
インテグラはアーカードの横にある椅子に戻ってきて、そのカルテをじっと見つめていた。
それから大きな溜息をつき、手で額をおおう。
アーカードからは背を向けた状態なので表情はわからない。それがまた重圧だ。

「怒っているのか、先生?」
アーカードは沈黙に耐えかねて自分から声をかけた。
「まあな」
返ってきた声は剣呑そのものだった。
「でもお前にじゃない。私は自分と少佐に怒っているんだ」
「どうして?」
インテグラはアーカードの方を向き直った。彼女が泣きそうになっている顔を見るのは初めてだ。
「私はお前にリップを止めろと命じた。だから責任は私にある。
 それにお前だってそれだけの傷を負ったのだろう。つまり、そういうことだったんだろ?」
頬を涙が一筋伝う。
「リップはお前に向かって矢を撃った。殺す気で。
 至近距離からの左肩の傷はそういうことだろう?」
アーカードは否定できない。ただインテグラの洞察力に舌を巻いた。
「なあ、私が止めろではなく私を連れて逃げろと言っていたら、
 彼女はここまでしなかったのかな?」
インテグラの泣き顔を見るのは初めてだった。アーカードは動揺しつつそれでも答えた。
「…俺はそれでも撃ってきたと思う。あいつは俺が校舎に向かっても逃げなかった。
 その時点で取り憑かれていたんだろう。
 そして、逃げようと必死になる姿ってのは嗜虐心をそそるもんだ。
 扉が開かないよう細工されていた時点で
 俺たちの逃げ道はリップの射程圏を突っ切るしかなかった」
言葉にこそしなかったが、アーカードには予感があった。
その時、リップは俺よりインテグラをもっと狙ったんじゃないだろうかと。
あいつは、まともじゃなかった。
「そうか」
インテグラは再びアーカードに背を向けて両手で顔を覆った。
背中が震えているのが分かる。
アーカードは思わずベットから出ようとして、点滴の針に気が付いた。無造作に引き抜く。
後ろからインテグラを抱きしめた。動かない左肩がもどかしい。
「お前、点滴はどうしたんだ」
こんな時でも冷静な声が返ってきた。鼻声だったが。
「抜いた」
アーカードはあっさり答えてより強く、右手でインテグラを抱きしめた。
「俺は謝らない。リップに対してやったことを後悔なんかしていない」
インテグラは無言だった。
「だから俺を憎めよ、先生。何もかも背負いこむなよ」
「そんなことはできない。責任は全て私にある。私は教師であり、私は命令したのだから」

インテグラは涙を拭うために眼鏡を外して机の上に置いた。
それを見て、アーカードはベット脇にある救急セットから包帯を取り上げた。
くるりとインテグラの両目にそれを巻き付ける。何重にも何重にも。
「なにをするんだ、ヴァカ」
鼻をすすりながら、それでもインテグラは抵抗しなかった。
「悪いな先生。俺は女のなぐさめ方って他に知らないんだ」
包帯を結び終えしっかりと端を止めると、アーカードはインテグラの手を引いた。
「怪我人はベットで寝るもんだろ?」
そういって彼女をベットへと誘う。お互い足に怪我をしている上
インテグラは目隠しされた状態なので、かなり危なっかしい足取りだった。
それでもなんとかベットの上に倒れ込む。

目隠しの効果か、抵抗なく倒れ込んだままのインテグラの服を脱がしにかかった。
目にまかれた包帯に、血ではなく涙がにじんでいる。
今日の彼女はさすがにスーツ姿ではなく、足の治療がしやすいように
膝下のフレアスカートにブラウスという姿だった。ストッキングも履いておらず素足だ。
この姿だと普通のお嬢様に見える。資産家のインテグラにはそういう生き方だってできるのに。
アーカードはそう思いながらブラウスのボタンを外しにかかった。
怪我をしている肩から袖を抜く特はさすがに気を遣う。
しかしインテグラは自ら体を動かしてそれに協力してくれた。
柔らかな綿のスカートもするりと抜け、無地の白いブラとショーツが露わになる。
「いつもと感じが違うな」
アーカードはとまどいをそのまま口にする。
「こういう私は嫌か?」
インテグラは手探りでアーカードの顔に手をのばした。
「お前は教師の姿の私がいいのか?」
口には自嘲の笑みが浮かんでいる。
「そんなことはない。俺はインテグラが好きだ」
アーカードはあわてて否定した。
言ってから、こんなに素直に女に対して好きだなんて言ったのは始めてだなとふと思う。
「子供だな」
インテグラはフンと笑った。その言葉にむかついてアーカードは下着を脱がせにかかる。
彼自身は包帯だらけの上半身には服を着ておらず、下も病院着の薄いズボンだけだ。
たちまち二人は裸で抱き合った。

インテグラの体を抱きしめていると、リップのことを思い出した。
自分からすがりついてきた彼女。
俺は戦っている時と同じように自分の本能に従って彼女を抱いた。
あれでよかったんだろうか。カルテを見ていたインテグラの姿が目にちらついた。
アーカードの動きがとまる。
「なにを考え込んでいるんだ、珍しい」
体の下からインテグラの声が聞こえてきた。
「何も考えるな、アーカード。お前は私の命令に従っていればいいんだ」
そういいながらインテグラは自ら足を開く。
「舐めてくれ。命令だぞ」
「え…」
アーカードはとまどった。
「まだその気になれないんだ。だから舐めろ。命令が聞けないのか、アーカード」
包帯を巻かれたインテグラの顔は表情が読めない。しかしもう泣いてはいないようだ。
アーカードはおずおずと彼女の足の間に顔を近づけた。
ぷんと女性の匂いがする。本能的に興奮する。
そっと舌を伸ばした。陰毛とその奥にある生ぬるく湿った柔らかい部分を感じる。
一度舌が触れると我を忘れてむしゃぶりついた。
「かみつくなよ、アーカード」
挑発するような声が上から聞こえてくる。
アーカードはそれに応えるように、より奥深くへと舌をすすめた。
インテグラの匂いが口から鼻から侵入してくる。それに溺れた。
散々舌を振り回して舐め尽くした後、
呼吸をするために一旦顔を引き抜いて、今度は敏感な突起へと舌を這わせる。
「う、ん」
インテグラはいつものように抑えた喘ぎ声を出した。
もっと声が聞きたくて皮をむき中の身をすする。
「ぁあ、、、ふぅ、ん、、、、」
彼女の甘い声と共に、蜜が中からあふれ出してきた。

たまらず自分のものを入れようととして、彼女の足の傷に気が付いた。
どうすればいいんだと思いながら、体は本能的に動く。
インテグラの体をうつぶせにして、無傷の方の足を膝尽かせ、後ろから挿入した。
中はいつものように熱く柔らかく潤っていて、彼のものをしっかりと引き付けてきた。
「ん、、」
インテグラはうつぶせのまま顔を横に向けて枕を手で掴んでいる。
感覚はいつもと同じように素晴らしかったが、何かいつもとは違っていた。
二人の心だろう。
切ない快楽だった。背徳感もあった。けれどそれが官能的でもあった。
アーカードはインテグラの体を気遣いながらゆっくりと挿入を繰り返す。
「んっ、、くっ、、、ぁぁ、、、」
インテグラも声を上げながら、再び包帯に涙が広がっていた。
「インテグラ…」
声をかけようとしたアーカードをインテグラは途切れ途切れの声で制す。
「今は、何も、言うな。アーカード。ぁぁ、いいんだ、これで…」
だからアーカードは挿入を繰り返し、この感覚に身を委ねた。そして果てた。

がっくりとインテグラの横に身を横たえる。
さすがに傷が染みた。
インテグラがゆっくりと手を回してくる。頭を抱きしめられた。
彼女の首の下、胸の上のくぼみにアーカードの頭がおさまる。
「お前も私の大事な生徒だからな、アーカード」
「生徒なのか?」
不満そうなアーカードにインテグラは笑った。
「生徒だ。大切な。覚えておけよ、生徒でいられる期間はもう短いんだから」
また先生泣いているなとアーカードは思う。
「今のお前は窮屈だろ。けど、もうすぐ解放される。
 でもな、そうしたら今度はもっと厳しい世界が広がってるんだ」
今の先生みたいにか。そう思ってアーカードもインテグラの体に手をまわした。
「けど大人は楽しいぞ。やりたいことができる。なんだってできるんだ」
「だから先生は教師をやっているのか?」
ぎゅっと抱きしめられた。胸がかすかに顎にあたる。
「そうだ。お前みたいな素晴らしい生徒と出会えるから」
「俺はどう考えたって素晴らしくないだろ」
「そんなことはない」
インテグラはきっぱり否定した。その後はもう言葉はなかった。
くーくーと安らかな寝息が聞こえる。それを聞いているうち、アーカードの目も自然に落ちた。
二人とも精神的にも体力的にも疲れ果てて、いつの間にか眠っていた。
次の日、アーカードが目を覚ますとインテグラはいつものようにスーツ姿だった。
いやちょっと違う。スカートではなくパンツスーツ姿だ。それに松葉杖を持っている。
「学校に行くのか、先生?」
「仕事だからな」
インテグラは眼鏡を調節しながら目をまばたかせる。
「お前が包帯なんか巻いてくれるから、今朝は目が腫れて大変だった」
がさごそと机の上の書類を分類し、鞄に持っていく書類を詰めている。
「食事はそこにある」
サイドテーブルには確かに朝食が用意されていた。
「昼には看護士が来る。食事も持ってきてくれるらしい。
 私はこの傷だから昼過ぎには早退してくる。それまで大人しく寝てろ」
キロッといつもの目で睨まれた。
「点滴は抜くな」
アーカードは思わず笑う。インテグラも口元をゆがめた。

「じゃあ行ってくる」
そういってインテグラは慣れない杖をついて、よたよたとした足取りで出て行った。
本当に大丈夫なのか?と思いつつも、
先生なら意地でもなんとでもしてみせるんだろうなという気もする。
アーカードは明るく安全な空間の中で、けだるい痛みにつつまれながら再び目を閉じた。
俺は平和なんて大嫌いだけど、たまにはこういうのもいいなと思いながら。

おわり
546名無しさん@ピンキー:03/08/31 22:05 ID:r0Cqipr7
皆労作ばかりで大変面白いでつね!思わず読みはまっちまいました。
特にお気に入りはシュレディンガー日記ですね。
金出してもいいかも、と思いましたよ作者さん。
他の人も書いてたが、日常感、爽やかなエログロ、そして何より少佐のキャラw。
同好の志として語り合えそうで良いッス。
547名無しさん@ピンキー:03/08/31 23:24 ID:wr3LnrZP
メール欄にはsageを入れてくださいデス

職人様、夏のあいだご苦労様でした
548名無しさん@ピンキー:03/08/31 23:25 ID:wr3LnrZP
保守sage
549名無しさん@ピンキー:03/09/01 00:27 ID:AZRiL+WV
萌えますた!よんよんさん殿!
らぶらぶな二人がいいよ〜
つか、頭の病院を嫌がる旦那がかわいい(w
550名無しさん@ピンキー:03/09/01 01:58 ID:jUnn7pkT
てすとさせてください。書けるかな?

書けてたら、宣伝。
明日の夜ぐらいに、ときヘルに便乗乱入させていただきます。
勝手に由美江で。まずレベル1からいきます。あてにせずお待ちください。

にしても、急に仕様を変えるのはどんなものかと…
のーとん使ってる方は気をつけて…
551よんよんさん:03/09/01 11:01 ID:SgdXKEvk
参照リンク。

書き込めない
http://qb.2ch.net/test/read.cgi/operate/1062307165/l50
■ スレ立て・投稿スクリプト対策
http://qb.2ch.net/test/read.cgi/operate/1062269604/l50

あとSSを書き込む時はストップウォッチ必須ね(w
552名無しさん@ピンキー:03/09/01 13:30 ID:pQw2tnzD
>550
大胆な犯行声明だな・・・
あのときヘルに殴りこみか、命知らずか勇気ありか

ひょっとして、400たん?
553名無しさん@ピンキー:03/09/01 18:52 ID:sDkToI5K
週末が明けてみればなんともステッキーなSS群が!至福〜。
シュレ日記快調っスね。
今回はお嬢様の超サ−ビスシーンも拝めたし。ハァハァ(*´Д`)
この日記でプリティショタエロ鬼畜物という新ジャンルが開拓されましたな。
ときヘルベルセラ編は旬ネタですな。
漏れ的にはこのくらいがちょうどいい萌え加減だなー。
これ以上求めるならときヘル外で展開させた方がいいような気がするし。
しかし原作でここまでラブい展開を見る日が来ようとは…
まあ2巻のデコピンからしてラブコメちっくではあったけどさ。
そしてアーグラ傷心編。
イイ!切ない!!そしてエロい!!!
あの名台詞をここまで直球に使用するとは思わなんだ(w
律儀に目隠しまでやってくれてるし。こういうもってき方もあるんやね。
にしても今回の先生はイイ!エロエロ女王様女教師路線と思いきや
こぼれてくるような脆さと優しさがたまりまへん。マジ惚れしそー。
いつになく可愛らしい不良旦那とそれを包み込むような
母性的な先生に萌え萌えっス。今までにない展開だすな。
こっちは裏なんだろうけどちゃんと青春ものになってるのも素晴らすぃ。
ついでに549のレスの「頭の病院を嫌がる旦那」を
精神病院を嫌がる?と一瞬勘違いした漏れは逝ってよし(苦笑)
554名無しさん@ピンキー:03/09/01 19:56 ID:2LkhtFNZ
アーグラ! アーグラ! アーグラ!
よろしい、ならばアーグラだ!
泣いてるお嬢の涙を吸うてやりたい、、、なめるんじゃないぞ!
ホントだぞ〜
555550:03/09/01 20:29 ID:WkKhwvT6
遅くなりました。ごめんなさい。
それではちゃれんじゃーな乱入ときヘル由美江編を投下します。
30秒ルールに引っかからないでしょうか?((;゚Д゚)ガクガクブルブル  

>>552
違います。自分はステッキーなよんよんさんさんでも、
400さんでもありません。
通りすがりのSS書きです。ホントです。
556乱入ときヘル由美江編Lv1 1/8:03/09/01 20:32 ID:WkKhwvT6
よく晴れた気持ちのよいお昼休みの時間。
僕らの担任、マクスウェル先生が教室に入り何かをキョロキョロ探していた。
「お〜い、○○。ハインケルと由美江を見なかったかね?」
「あ、マクスウェル先生。二人ならたぶん図書室だと…」
「またかね、よく飽きないものだ。すまないがこのプリントを二人に渡してきてくれ」
「わかりました」

僕はクラスメートの高木由美江とハインケル・ウーフーがいるであろう図書室に走った。
なぜ分かるんだって?
この時間帯は、彼女らの「営業時間」だからだ。
僕達男子の間では結構有名だ。しかし女子の間には知られていないかもしれない。
鉄壁の暗黙の了解で守られているのだ。
学園中の女子のブロマイド写真が売られているなどという事は…

「はーい並んで並んで〜 ついに入荷したよ〜 学園のマドンナ・インテグラ先生の
生着替え写真だよ〜 一枚1,000円ね〜 エロエロだよ〜」
「あ、いたいた。やっぱりここだ」
「お〜○○、お前も買いに来たのか?」
「違うよ、はいこれ。マクスウェル先生が渡しといてくれだって」
「さんきゅー。まあここに座れよ。てゆうか手伝え」
居並ぶ顧客から一心不乱に夏目漱石の肖像画をむしり取り、白い封筒を渡すハインケルに代わり、
由美江が僕の手を取り無理矢理席に着かせる。
いつもこうして彼女らの「営業」の手伝いをさせられる。
しかも無報酬で。
いくら僕が由美江のバイト仲間だからって、公私混同もはなはだしいと思う。
しかし押しの弱い僕は結局彼女に引きずられて手伝うことになる。

今日はひときわ忙しかった。流石は学園のマドンナ、インテグラ先生だ。
いつもの2倍以上の売上になりそうだ。
557乱入ときヘル由美江編Lv1 2/8:03/09/01 20:35 ID:WkKhwvT6
昼休みも半ばが過ぎると店じまい。
図書室をなかば公然と私物化している文学部部長ハインケルが内側から鍵をしてしまうからだ。
「いや〜儲かった、儲かった。信じる者は儲かるとはよくいったものだな。
○○の企画が大当たりだ。今日は缶ジュースおごっちゃる!」
ハインケルが札束を10枚つづりでまとめながらニヤついていた。
「人聞きの悪いこというなよ、
ただ男子一番人気の先生はインテグラ先生だって言っただけじゃないか」
「似たようなもんだろ。お陰で大儲けなのも事実だし」
金勘定と商品整理、そして売上集計を僕とハインケルに押付けて、
由美江は自分だけお弁当を貪り食っていた。

集計が終了し、僕とハインケルもやっと一服する。
「なー○○、お前もインテグラ生着替え写真買わないか。
お前なら特別価格700円で売ってやる。3割引きとは私も剛毅だな」
「やめとけ、○○。バイト仲間のよしみだ。
教えてやるが、着替えちゃいるが期待してる映像とは全然違う」
そういって由美江が一枚の写真を見せてくれた。
インテグラ先生だ。生着替えだ。…教室で上のスーツを脱いで椅子にかけてるだけだが。
「詐欺じゃないか、これ!」
「人聞きの悪いこと言うな。誰が全裸ですなんていった?」
だからここで開封されない様に、糊付けされてたんだ…
みんな歯軋りして悔しがるだろうが、何も文句が言えないだろうなぁ。

ハインケルの文学部部長は世を欺く仮の姿、実は学園の影に君臨する裏女番長で、
相棒の由美江は学園一の武闘派部活、剣道部随一の剣士。
しかも学園の不良たちを束ねる「愉駄」の総番アンデルセンが控えている。
こんなのに正面から挑む物好きは学園広しといえどアーカードくらいだろう。
558乱入ときヘル由美江編Lv1 3/8:03/09/01 20:36 ID:WkKhwvT6
極悪非道な商売人ハインケルは嬉々として札束を袋に入れ、カバンに仕舞う。
彼女のカバンは普通のと違う。補強されずっしりと重く強固な代物だ。
僕は現場など見たことがないが、一説によると彼女はカミソリだのヨーヨーだの
を武器に闘うという話が一部でまことしやかに語られている。
でもこの際彼女のするどく放たれる拳と凶悪な補強カバンで充分だろう。
……充分だと信じたい。

「ん〜いつも○○には世話になってるからな。よし! 大サービスだ。
どれでも好きな写真やる! 持ってけ。どれにする?
学園一の巨乳クィーンのセラスか? それとも隠れファンが多いリップ?
さらに濃すぎる奴ら垂涎のゾーリンせんせーのウソなし生着替えもあるぞ。
それともなんだ? シュレ会長の写真で禁断の世界に行くか?」
うれしそうにまくし立てるハインケル。
いつもこんな感じなら、みんなから好かれるだろうに…
その思いがとんでもない一言になって僕の口から飛び出した。
「じゃ、ハインケルの生着替え写真」
がたっ! かたーん……
僕の目の前でハインケルがゆで蛸のように真っ赤になって立ち上がり、
僕の後ろで由美江が手にした箸を落とした。

「な、な、何をぬかしやがるっ このバカ野郎がっ!」
ごんっ がっ ぐはっ
あっと言う間に僕の脳天に例の補強カバンが炸裂。
そして倒れこむ僕のみぞおちにハインケルの左ストレートが決まった。
頭が真っ白になり、目が霞む。
僕とハインケルの名を叫びながら、ハインケルを羽交い絞めにする由美江が視界に入った。
それから床に倒れこんだところまでは覚えている。
559乱入ときヘル由美江編Lv1 4/8:03/09/01 20:38 ID:WkKhwvT6
頭が痛い… それにみぞおちもずきずきして…
次第に痛みが僕の意識を無理矢理たたき起こす。
あれ? ここどこ? なんでベッドに寝てるんだ?

「あ、気付いたか、○○。どうだ、大丈夫かー」
僕の目の前に由美江がいた。ああ、ここ保健室か。
「うん、なんとか。しかし酷い目にあったなぁ」
「自業自得だ。あれでもハイも一応乙女だからな。一応、な。
ああもズバリとセクハラ発言をかまされればぶち切れるだろう。口は災いの元だ」
由美江はベッドの隣にある椅子から立ち上がった。
「今日はもう帰っていいってマクスウェルが言ってたぞ。それからあんまりハイを責めるなよ」
「分かってる、あれは僕も悪かった」
「そういうことだ。じゃ、私は伝えることだけ伝えたから、もう部に帰る。
バイトにはちゃんと来いよ。そんなひどいもんでないって保健の先公も言ってたからな。
休むとイリューシンがうるさいぞ」
イリューシンさんは僕と由美江がバイトしているケーキ屋「かーげーべー」の店長さんだ。
ロシア人で、肌が雪のように白い、ショートの金髪の美人なお姉さんだ。
ただ有能な店長にありがちな高慢なところがあり、正直由美江と相性が悪い。

保健室のドアを開けようと手を伸ばす由美江に僕は声を掛けた。
「ありがとう、ずっと傍にいてくれたんだ」
ちょっとだけ動きが止まったが、すぐに由美江は僕の方に振り向いた。
「馬鹿いうな。私はそんなに暇じゃない。マクスウェルに言われたからここに来たんだ」
保健室のドアが開く。
「なあ、本当にハインケルの写真が…」
「えっ、なに?」
「いや、なんでもない。バイト遅れるなよ」
由美江がするりと保健室から消えた。
560乱入ときヘル由美江編Lv1 5/8:03/09/01 20:40 ID:WkKhwvT6
今日は帰っていいとのマクスウェル先生のありがたいお言葉どおりに
今日は早退する事にする。
だが凶事は連れ立ってやって来るらしく、
学園からあまり離れていないところで、
ルビを振らなくても「不良です! バリバリ気合入ってます! 四露死苦!」
とわかる雰囲気をぷんぷんさせているアホにからまれた。
「よ〜兄ちゃん。おれっちのど渇いたんだわ。ちょっと恵んでクンない?」
「なんで?」
「なめてんのかァ〜おいテメエよォ〜」
まるで何かの儀式のように続く不毛の会話だ。
いつもならお構い無しに無視して通り過ぎる。
いざこざは好きではないので、走って。結構足には自信がある。
だが今日はそうもいきそうにない。
そんなピンチな僕に意外な救いの主が現れた。

「ゲァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァー
ちょうどいいっ! この私ものどが渇いていたところだ。一杯所望しようではないか!」
「そうねぇー 私もお呼ばれしていいかしら?」
人生最大の危機を迎えた不幸過ぎる不良君の前後を、不幸の源が二人がかりで囲む。
「で、この自販機は何処を押せば商品が出てくるのだ、ハインケル?」
「さあ、とりあえず思いきり殴ってみたら?
壊れた機械を直す、それが鉄則ってもんでしょアンデルセン」
それもそうだと口走りながらアンデルセンは右手を高く振り上げた。

「いやあのさ、お前にジュース奢ってやるって約束したのを思い出したわけよ。
そしたら運良くここに自販機が転がっててさ」
「…ハインケルの奢りじゃないと思うけど」
「細かいことは気にするな、ぬるくなる前に早く飲め」
顔中アザだらけになった「自販機」が、三本の缶を抱えて直立不動で立っていた。
561乱入ときヘル由美江編Lv1 6/8:03/09/01 20:42 ID:WkKhwvT6
哀れな「自販機」からもらった缶ジュースを飲んでいたら、
ハインケルがちょっとシリアスに話しかけてきた。
「さっきはすまなかったな。少し力が入りすぎた…」
「いや、いいよ。僕も悪かったし」
そういって彼女の顔を覗き込むと、右のほおにガーゼを貼り付いているのに今更気付いた。
「ああ? これか、ちょっとなケンカして殴られた。アザになってるんだ」
「誰と、その、ケンカを…まさか」
「違う違う、私ではない。挑まれない限りこれでも女子供には手を上げない主義だ。
いいか? 暴力を振るって良い相手は不良と犯罪者だけだ」
切々と自分の不良美学を語るアンデルセン。
分かっているつもりだ。でなければとうの昔に逃げている。
「これな、由美江に殴られたんだ。お前がぶっ倒れて保健室に運び込まれた直後に」
「ええぇー 由美江にぃ〜」
二人の仲の良さは有名だ。由美江はいつもハインケルとつるんでいて、
剣道部所属なのになぜか図書室にいる。
双子の妹の由美子をハインケルと二人でからかったりしながら。
一部では同性愛関係では、と無責任に噂されたものだ。
そんな由美江が……なぜ?

「由美江な、マジで怒ってたんだ。バイトどうするんだって」
「私が間に入らねば両方が血を見てたな。お陰で見ろ!
体にこんなアザをこさえる結果になってしまった」
天下の往来で突然上半身に着てる物を全部脱ぎさるアンデルセン。
僕とハインケルに出来る事は、他人のふりをする事だけだった。

「ま、よっぽどバイトが気に入ってるらしいな。それとも別のものかな?」
「別のものって?」
「知るかよ。本人に聞いてみろ。今日も行くんだろ、バイト。そこで聞いたらどうだい?
て言うか、お前には這ってでも行ってもらわんと私が困る」
そう言いながらも、ハインケルは何か意味深な笑みを浮べていた。
562乱入ときヘル由美江編Lv1 7/8:03/09/01 20:44 ID:WkKhwvT6
家に帰り、私服に着替える。
父さんは博多に単身赴任で、母さんはただいま友達と長野の温泉ツアーに参加中。
よって家には一週間ばかり誰もいない。
あ、そろそろ時間だ。もう行かなくちゃ。

「いらっしゃいませ〜〜ってなんだ○○か。早く着替えろ、私にばかり働かすな」
由美江が口を尖らせて言う。
彼女とは同級生でクラスメートだが、ここでは僕が少しだけ先輩という事になる。
4ヶ月前、僕がここでレジを打っていると、偶然由美江が来店したのだ。
『あれ? ○○、お前ここでバイトしてたのか?』
当時の僕は、正直彼女のことをあまりよく思っていなかった。
学園最大最強の不良グループとつながりがあり(というより由美江はグループの大幹部だ)
何かあるとすぐに木刀を突きつけて力ずくで押し通す。
闘争の場面はともかく、普段はいたって物静かなアンデルセンや、
要領よく周囲と合わせて自分から揉め事を起こそうとしないハインケルの方がまだマシだ、そう思っていた。
だから彼女がいろいろ細々とバイトの内容とか尋ねてきたときは内心迷惑だったりした。

それから三日後に、イリューシン店長が僕の名前を呼んで
新しいバイトの子に引き合わせたときは驚いた。
そこには帽子をちょこんとかぶり、エプロンをしてやたらと胸を強調する
独特のデザインの制服に身を包んだ由美江がいた。

僕は由美江に、そして彼女の友人達に偏見を持っていたらしい。
由美江は、ケーキ作りは駄目駄目だったが僕が教えてあげた接客とレジ処理は
飲み込みが早く、今では店には無くてはならない人材だ。
そして彼女の友人達に妹の由美子もちょくちょく来店するようになった。
それ以来、あまり不良グループを過剰に意識することは無くなった。慣れ、というのだろか。
563乱入ときヘル由美江編Lv1 8/8:03/09/01 20:45 ID:WkKhwvT6
「いらっしゃいませ。あ、教頭先生こんにちは」
「こんにちは、○○君。今日は酷い目に遭ったんだってねえ、
マクスウェル先生から聞いたよ。バイトもほどほどにね。
ところで店長さんはいるかな? ちょっと頼みごとがあってね」
少佐教頭先生がそうおっしゃるので、
僕は慌てて事務所で書類仕事をしていたイリューシン店長を呼びにいった。

少佐先生はこの店の大のお得意様だ。
一週間に2〜3回の頻度で来店される。帰るときは両手にケーキの入った箱を持って。
甘党なのだろうか、結構な量を注文する。
ただ職員室の先生方や生徒会執行部に振舞ったりすることもあるのだろう。
僕はペンウッド校長がうちのシュークリームを頬張ったり、
シュレディンガー生徒会長がチーズケーキを食べているのを見たことがある。

そう言えば、ペンウッド校長がうちのケーキをいたく気に入ったらしく、
先生方に誕生日にバースデーケーキを送るように、注文してきた。
校長自らではないけど、少佐先生が先生達の誕生日と住所のリストを店長に渡し、
誕生日に突然自宅に届けるように手配してくれだって。
そのときなぜかマクスウェル先生とインテグラ先生の欄だけ空欄だった。
「ああ、彼らのデータだけ不備があってね。今更新中なんだ。
また後日連絡するよ。しかしその間に誕生日が過ぎてなければいいのだがね」
少佐先生は僕とイリューシン店長に笑いながらそう説明した。由美江がまだいないときの話だ。

「私、あいつが嫌いだ。あの話し方、笑い方に虫酸が走る」
「そう毛嫌いするなよ、うちの大事なお得意様なんだから」
由美江が小声で僕にそう話しかけるのをたしなめながらも、
僕も心の底で彼女に賛同していた。
なんというか、この人、慇懃な態度の下に他人を見下したところが感じられるんだ。
564乱入裏ヘル少佐暗躍編 1/3:03/09/01 20:48 ID:Q3aFnDXC
少佐がショーウィンドウに並ぶ魅惑的な甘いケーキを眺めながら待っていると、
店の置くからこの店の制服を着た女が出てきた。店長のイリューシンだ。
「あら、いらっしゃいませ教頭先生。お待たせしてすみません」
「いや、そんなに待っていないから気にせずに。何を買おうか選んでいたしね」
「それで今日は何を注文されますか?」
少佐はスーツの内ポケットから一枚のメモを出し、イリューシンに示した。
「この前漏れのあった二人の誕生日が分かったのでね。その連絡だよ。
インテグラ先生とマクスウェル先生。ひとつ派手にビックリさせてあげたいので頼むよ」
意味ありげな笑みを浮べる少佐にイリューシンも方頬を歪ませて応じた。
「それで、イチゴはどれだけ上に乗せますか? あまり多く乗せるとお高くなりますが」
「うん、ここは気張って10個といこうと思うんだ」
「10個!? それはまた盛大な… わかりました先生。
私が腕によりをかけて作りまして、お二人にお届けします」
「頼んだよ。あ、代金は月締めの翌月10日振込みだったね」
「はいそうです」
「結構、二人の驚く顔が楽しみだ。驚けないかもしれないけれど。
あと、イチゴショートケーキにチョコレートケーキ、チーズケーキとパンナコッタ
シフォンケーキとマロンケーキ、そうそう忘れてはいけないシュークリーム。
以上を各3個ずつほしいね。お持ち帰りで頼むよ」
「毎度ありがとうございます。今日は会議か何かで皆さんとお召し上がりですか?」
「まさか、全部私が一人で食べるのだよ。
ここのケーキは本当に美味しいからね。いくら食べても飽きない」

少佐教頭の注文の品を二人で手分けして箱詰めするバイトの仕事を
見守りながらも、イリューシン店長は益体も無い想像に耽った。
学園を手中に収める前に糖尿病で薙倒されるのがオチではないのか、この人はと。
もちろん彼女に少佐の健康を気づかう義理などないので心配などしないが。
565乱入裏ヘル少佐暗躍編 2/3:03/09/01 20:50 ID:Q3aFnDXC
私立ヘルシング学園教頭執務室。
今日も少佐教頭の側近達が集まり悪巧みの真最中。
室内には派閥の総帥たる少佐と参謀格のドク教諭、ひっそりと佇む大尉教諭に
生徒会執行部シュレディンガー会長が集まっていた。
教頭のデスクの上には山の様にケーキが所狭しと並べられている。
少佐はドク教諭の淹れたダージリン・ファーストフラッシュのお茶といっしょに
そのケーキの戦列をスプーンで突き崩していた。
ただの一欠けらをも側近たちにくれてやるつもりは無いらしい。

「で、そのバースデーケーキに悪戯をしようという訳ですね、教頭先生。
毒でも入れちゃうんですか?」
物欲しそうに机の上を覗き込みながら、シュレディンガーが発言した。
「人を小アグリッピーナかチェーザレ・ボルジアみたいにいうのはよしてくれないか、生徒会長。
私はそんな無粋なマネはしないよ。
第一考えてもみたまえ、あて先人不明のバースデーケーキなんぞを
いきなり口にする様な可愛い連中かね、彼らが。
ご近所の犬猫に最初に振舞うか、もしくは私のところにお裾分けと称して持ち込みかねない」
悪意と偏見で極彩色に描かれた、それが少佐教頭のインテグラとマクスウェルの肖像画だった。
「ではどうするおつもりなのでしょう、教頭の御深慮の一端でも教えて頂く訳には参りませんか」
ドク教諭が3杯目の紅茶を入れながら尋ねる。
少佐はこのかわいいカボチャ頭達に自分の計画の一部を漏らす誘惑に勝てなかった。
「校長選挙の時期も近いからね。
そこで上手くいけばペンウッド校長と目障りな二人を
まとめて学園から追放する策を施しておいたのさ。
私の知り合いに、爆破物の取り扱いに関してプロ中のプロがいるんでね、
頼んでケーキの中に仕込んでもらったんだよ。爆弾を」
「ば、爆弾っ〜〜〜!!!」
さらりと過激な発言をする少佐にたいし、理系教諭と生徒会長はハモりながらのけぞった。
566乱入裏ヘル少佐暗躍編 3/3:03/09/01 20:52 ID:Q3aFnDXC
「ちょ、ちょっと過激すぎる気がするのですが…」
控え目に、不賛同の意思を述べるドク教諭。生徒会長もひいていた。
「何、大したことはない。せいぜい半径10mが粉々に吹き飛ぶだけだよ。
それに彼らが死ぬと決まった訳じゃない。病院送りですむかもしれないではないか」
論点が完全にずれている。そう大尉教諭は思ったが口にしなかった。
「でも警察が乗り込んできて、大騒ぎになりませんか?」
「君の言うことももっともだ、シュレディンガー君。
しかし、私はそれをこそ望んでいる。調べればすぐに分かることさ。
ケーキを発注し、資金を出して、配達するように指示をしたのが誰かと。
そして私は涙ながらに記者会見場でマスコミにこう語るのさ。
『ペンウッド校長を教育者の鏡と慕っていましたのに、
何も知らない私を利用してこんなに恐ろしいことをされていたとは』
とね。そして繰り上がりで私がめでたく校長就任と」
そう上手くいくものか、と思わなくもないが三人とも納得した。
なんといっても、少佐教頭の言動ではずれた事などない。

「それでそのお知り合いはどうなるんですか」
「ケーキが届けられてるころには、真夏のカプリ島でバカンス中さ。
もう平和なケーキ屋ごっこには飽きたのだそうだ。
元の国際指名手配のテロリストになるそうだよ。世界同時革命バンザイ!だそうだよ」

「インテグラを吹き飛ばすのは分かりますが、なぜマクスウェルまで」
「それはドク君、インテグラ君が可哀想だからだよ。
三途の川も皆で渡れば怖くないだろう?
マクスウェル君が同道してくれるならば、彼女も心強いはずさ」

由美江編Lv2へ
567550:03/09/01 20:59 ID:Q3aFnDXC
今日の分は全弾投下終わりました。
身の程知らずなときヘル乱入でしたがどうでしたでしょうか?

イリューシンって誰やねん!な方へ、クロスファイア2参考のこと。
由美江にギィンの、ハインケルにバスッとされた人です。
ちなみにロシア人の金髪のは妄想です。
由美江もイリューシンも例のドアガールの制服着ているので脳内変換よろしく。

かってにシチュ拝借してしまった方々ごめんなさい。
明日は書いてる本人が読み直して凍りついた、
季節外れのホラーなときヘル由美江編Lv2です。
568よんよんさん:03/09/01 21:37 ID:xX4nebOw
面白かったっすー。あの制服で由美子じゃなくて由美江なのか・・・。
複雑シチュ萌え。そしてハインケルはこのまま脇役で終わるのか!?
わくわくしますー。そしてホラーな明日もわくわく。
裏とのからみもお見事です。
乱入はどうぞご随意に。

>549 >553
さんきゅー。
人の想像を裏切るのが私の楽しみだと昔書いた気がする。うん。
サイトの方にも傷心編はうpしました。
ベルナドット先生のはまだです。ちょっとソフトの調子が悪くて疲れたので。
569名無しさん@ピンキー:03/09/01 22:04 ID:KmrQmQOH
オモシロカターヨ(・∀・)

漏れの妄想、「ハインケルにハイの写真をプリーズして殴られる」
が実現してハァハァ

シュレタンの写真を買ってハァハァ


ときヘルがゲームだとするとルートが
「国教騎士団編」「十三課編」「千年国編」に分かれそうだな



イリューシン様は元スペツナズだろうか、もしくはヴェータか(((゚Д゚)))
570名無しさん@ピンキー:03/09/01 22:11 ID:sqDFQuDT
微妙にいじらしい由美江に萌えだ
食いしん坊万歳な少佐教頭もらぶりー
やってることはスッゲー過激だけど

ところでケーキ屋「かーげーべー」ってなんでしか!?
狙ってやってるそのセンスがステッキーっす(w
571名無しさん@ピンキー:03/09/01 23:45 ID:IBKO1NlD
KGBで桶かな?



アンデルセンっていい人だな
572名無しさん@ピンキー:03/09/01 23:53 ID:pGkHOM76
>アンデルセンっていい人だな

「身内には」というのが抜けてると思いまーす
573名無しさん@ピンキー:03/09/02 11:13 ID:BfdvZ+4c
シュレディンガー!目をつむれ!!
シュレ「!!」


で、チューしたいな(;´Д`)
574名無しさん@ピンキー:03/09/02 13:13 ID:gXWE5aAG
ヘルシング見てて、「俺って、もしやバイ?」と思った。
女キャラは当然として、シュレディンガーもちょっと気になった日曜日の午後。
575名無しさん@ピンキー:03/09/02 15:11 ID:Z/ur1stL
気付けば火曜日
576名無しさん@ピンキー:03/09/02 17:28 ID:gXWE5aAG
>>575
チョトワラタ。
577名無しさん@ピンキー:03/09/02 19:14 ID:3SarbBBO
恐怖のときヘル由美江編Lv2を今から投下します。
何が恐怖かというと、書いてる本人の現実とSSの中の展開のギャップが
寒い寒い。凍りつくぐらい。都合が良すぎる○○に苗!
やはり好き勝手絶頂に局長をなめまわすのが性に合ってるってことですね。

>>568
残念ながらハイは脇役のままにて候。
二人の間でゆれる○○君のこころ…など描ける経験値はござり申さず。

>>571
ビンゴにて候。拙者が書くと誰かがいい人に…もうだめぽ
578乱入ときヘル由美江編Lv2 1/8:03/09/02 19:17 ID:3SarbBBO
店じまいの時間になった。
僕はケーキ工房とショーウィンドウの片付け、由美江はレジの点検精算。
売上金額を確認し、売上金を封筒につめて事務所の
イリューシン店長の所まで持っていく。
すると店長はその封筒を金庫に仕舞う。これが一日の仕事の終了の風景だ。
「二人ともご苦労様。私はまだ仕事が残っているから、先に帰っていいわよ」
にこにこ微笑みながら、店長はそう言ってくれた。

僕と由美江は暗くなった歩道の上を並んで歩いていた。
いくら木刀小町、セーラー服美少女狂戦士と言われる由美江でも、
女の子を夜に一人で帰すわけにはいかない。
最初、この「並んで帰る」習慣にドキドキしたものだった。
クラスの皆に見られたらどうしよう。冷やかされはしないだろうか?
噂になんかなったら、彼女に殴られはしまいか?
だが結論から言えばそれは杞憂というやつだった。
クラスメートと遭遇したことは何度もある。だが一度も噂に上ったことがない。
理由はただ一つ。これは僕が耳にしたことなので事実だ。

『あの由美江に限ってそんなわけねーって! 恋愛感情持ってるかも怪しい。
第一、ありゃ人を殴り倒すために生まれて来た様なもんだろ?』

それは偏見だ。僕が証人になってもいい。
二人で帰るとき、いつも繰り返される会話は妹の由美子の話だ。
彼女が誰かに恋しているそうだ。
そこで僕に男の心理というやつを質問してくるのだ。妹によきアドバイスをするために。
人を殴り倒すだけの女の子はそんな話はしない。絶対に。
579乱入ときヘル由美江編Lv2 2/8:03/09/02 19:20 ID:3SarbBBO
いつもは由美江から口火を切るが、今日は僕から話しかけた。
「今日、帰りにハインケルとアンデルセンに会ったよ」
「そう」
「あの後、ハインケルとケンカしたんだって?」
「そんな大袈裟なモンじゃない。ハイは怒ってた?」
「ううん、気にしてなかったみたいだよ。ところでバイトはどうするって怒ってたみたいだけど」
「お前がいなかったら、私一人であの店長の相手をしないとならんだろ。
ただ、それだけ。他意はない」

それから少し無言の時間が流れた。
だが不意に由美江が口を開く。
「ハイの写真な、生着替えは無理でも水着か体操服の写真ぐらい貰ってきてやるよ」
「えっ、でも」
「遠慮するなって、私が頼めばそれぐらいハイもやってくれるさ。
ダメなら隠し撮りすればいい。うれしいだろ」
僕はうつむきながら歩いていた。そんな僕の顔を由美江が覗き込む。
「うれしくないのか?」
「いいよ、別に。あれは冗談だったんだから」
「冗談、か。なら、いいや」
急に由美江の足取りが軽くなりだした。

彼女の家の前に着く。僕の家は当の昔に通り過ぎた。
また元来た道をたどることになる。
「あ、しまった! 店に財布を忘れてきちゃったよ。
いっけね〜 母さんから貰った一週間分の食費も入ってたのに… 取りに戻らないと」
「ばっかプゥ〜 わたしを半日以上悩ませるからそうなるんだ」
「悩むって、なに?」
「な、なんでもない。それより取りに行くなら早いほうがいい。
今なら店長がまだいるかもしれない」
「そうするよ。じゃ、おやすみ。また明日ね」
僕は駆け足でその場を離れた。
580乱入ときヘル由美江編Lv2 3/8:03/09/02 19:22 ID:3SarbBBO
少し時間がかかったが、なんとか間にあいそうだ。
店にはまだ明かりが点いている。イリューシン店長もまだ仕事中だろう。

裏口にまわると、なんと扉が少し開いていた。
「物騒だなぁ。イリューシンさんでもこういうことあるんだ」
僕はその扉から中に入り、着替え室に向う。ついでに店長に戸締りの注意をしておかないと…
「なんだこりゃ? どうしてこんなものがいっぱい…」
ケーキ工房の中にダンボール箱がごちゃごちゃ並び、
机の上に変なプラスチックや機材が積まれていた。
「C4プラスチック爆薬と電気信管よ、それ」
背後から声がした。イリューシン店長だ。
でも様子が変だ。今まで決して見た事のない冷たい表情で僕を睨みつける。
それになんだ、爆薬って。なんの冗談なんだ?
「忘れ物はこれかしら? こんなはした金のために現世からさようなら、とは冴えない最後ね」
「冗談はやめてください店長。そのお財布がないとっガハっ!?」
イリューシン店長の靴底が僕のみぞおちにめり込む。今日二度目の不幸だ。
「悪いわね、○○君。私本職は国際テロリストなのよ。冗談じゃなくね。
見てはいけないものを見てしまった者がどうなるかは、古代ギリシャの時代からただひとつ…」
床に崩れ落ちる僕の髪を掴んで彼女は言った。僕の右手に刃の鋭いナイフを突き刺しながら。
「があっ!?」
「死んでもらうしかないわね、○○君!」

ガチャン! バサッ!
「勝手なこと言ってんじゃねえぞ、おばさん!
○○から離れろ、それ以上傷一つつけてみろ、殺すぞ」
かわされたが、テロリストに卵を投げつけフライパンを構えた由美江がそこにいた。
僕は痛むみぞおちを押さえ、必死に息を吸い込み叫んだ。手の傷などどうでもいい。
「ダメだ、逃げろ由美江っ」
「そういう訳にはいかねーんだよ、お前を見捨てるわけには」
「そうね、私も困るわ。二人にはここで死んでもらわないと」
酷薄な笑みを浮べてイリューシンはナイフに舌をはわせた。
581乱入ときヘル由美江編Lv2 4/8:03/09/02 19:23 ID:3SarbBBO
新しく乱入した敵手にむかってイリューシンが突っ込む。
「勇気のあるお嬢さん、でもフライパンで一体何をしようというのかしら!?」
「ぶちのめす!」
フライパン片手にナイフの攻勢を防いだり受け流したりしているが、
どうみても由美江の劣勢だった。
剣道で県下に敵無し、全国区でもトップ10は楽勝な由美江だが、それはあくまでも競技の話だ。
相手はスポーツの愛好家ではない。冷たいテロリストだ。
「由美江っ! これ!」
やっとの思いで掃除用具入れからモップを取り出し、先を引き抜いて柄だけを由美江に投げて渡す。
「サンキュー! 助かった!」
フライパンを投げ捨てて、由美江はモップの柄を正眼に構えた。
だが、その棒の先が小刻みに揺れている。

「あらあら、怖いのかしらお嬢さん? 震えてるわよさっきから。
私、子供のチャンバラごっこに付き合ってあげられるほど暇じゃ」
「やかましいっ! 震えてるんじゃない! 怒ってんだバカ!
血だ、○○の血がついている。てめえ、この倍以上の血を流させてやるからな、覚悟しろ!」

ヒュォッ カツン
空を裂く音ともに由美江の黒く艶やかに美しく、長い髪が幾本か宙を舞った。
ナイフが由美江の後ろの壁に突き刺さっている。
「威勢のいいこと。でも彼の心配をする前に自分の心配をしたらどう?」
イリューシンは輝くナイフを何本も手にし嗜虐的な音色の発言をした。
僕の背中に冷たいものが走る。
由美江が少しだけ、しかし確実に後ずさりした。
あの由美江が、だ。仕方が無い。今まで命のやりとりなんてした事がないのだから。
582乱入ときヘル由美江編Lv2 5/8:03/09/02 19:25 ID:3SarbBBO
ヒュォ ビュッ シュパッ
残忍な女テロリストの手から銀色の閃光が放たれる。
由美江は自分を狙うナイフを可能な限りモップの柄で叩き落としたが、
全ては無理だった。かわし損ねた何本かが彼女の服を切り裂く。
「褒めてあげるわ、由美江ちゃん。本当は刺してやるつもりなのに、
服を切り裂かれる程度で避けるなんて大したもんよ」
「そいつはどうも!」
反撃に転じて突っ込もうとした由美江の足元に再びナイフが突き刺さり、牽制する。
一体こいつは何本ナイフを隠し持ってるんだ…

「ねぇ由美江ちゃん、どうしてここにバイトに来たのかしら。
ここに来なければ、死なずにすんだのにね。
もう最後なんだから○○君の前で言っちゃいなさいよ」
「てめえには関係ねえっ!」
「おおこわっ、じゃ、私が代弁してあげるわね。
大好きな、とても大好きな○○君と少しでも一緒にいたいから、あなたは私に頭を下げて頼み込んだ」
えっ!?
由美江は少しうつむいて、しかし、しっかりとイリューシンを見据えながら口を開いた。
「どうして、そう思うんだよ」
「ふふっ、女の勘よ」

由美江はキッと顔をあげ、イリューシンを正面から睨み大声で叫んだ。
「ああそうだよ! 悪かったな! それがどうした!?
私は○○が好きだ! 初めて出会ったその時から、ずっとだ!
一目惚れってやつだッ! 恥ずかしいが、事実だ! 自分に嘘はつけねーんだよっ!
だから私はここに来た。てめえの様な人でなしに頭まで下げてな!
だから許さない、てめえを許さない。○○を傷つけた、貴様だけは!」
「由美江!」
知らなかった。彼女が僕のことを想ってくれていたなんて知らなかった。
知っていれば、知っていれば……僕だって―――
583乱入ときヘル由美江編Lv2 6/8:03/09/02 19:26 ID:3SarbBBO
なにか汚らわしい物を見た様に、イリューシンは頬を引きつらせていた。
「うわっ 臭い! 青春の匂いというやつかしら?
でも貴方達が嗅ぐのは、汚いヘドロの海の底の匂い。それとも魚のはらわたの匂いかしら?」
くわっと彼女の目が開き口も開く。赤い口蓋が離れた僕にも見えた。
「全く、これだからガキは嫌いなんだ! 激動の世界情勢から目を背け、
つまらぬ恋愛ごっこにうつつをぬかす。だからこの国は腐れ果てているのだ!」
ふりかざす手に、禍々しい光沢を帯びたナイフが煌めく。
「今どき愛だの恋だのと!! おまえら学校と社会を喰い潰すガンだ!!
今だに清い恋愛なんぞを信じている、腐れ女子高生が!!」
「今どきいい恋愛もしてないのかい!?
ケッ 今だにまともな恋愛一つ出来ない、カビ臭ェ 売れ残りのオバサンがよォ!!」
ビュオッ 空を切りイリューシンの黒い影が由美江にぶつかる。
「だまれ!!」
殺気の塊をなんの遠慮もなく由美江にぶつけてイリューシンは切りかかる。
由美江の棒は辛うじて必殺の一撃を食い止めたが、じりじりと押されていた。
まずい、このままでは、何とかしなくては…そうだ!

「くらえっ!」
わざとイリューシンの気を引くように叫び、その袋を大きく弧を描くように投げつけた。
実際問題として、腹と右手を痛めつけられた僕には速球を投げつける余力はない。
「ぬるいわっ!」
振り向きもせずにイリューシンの手が一閃する。ナイフがその袋を虚空で捕らえ、切り裂く。
それがやつの敗北の瞬間だった。

「なっ!? こ、小麦粉っ!? げふぉっ がふぉっ」
たちまち頭から小麦粉をかぶり、粉まみれになるテロリスト。
由美江はそんな彼女の隙を見逃さなかった。
「島原抜刀居合流!! 天山!!」
彼女の一刀がイリューシンの顔を横殴りに薙ぎ、
悲鳴を上げてテロリストは床をのたうちまわった。
584乱入ときヘル由美江編Lv2 7/8:03/09/02 19:28 ID:3SarbBBO
目を押さえ、大音響の悲鳴をあげて床に倒れこんだイリューシンを、
由美江は怒りに燃える瞳で見下した。
手にしたモップの柄を振り上げる。
「ギャーギャーうるせえんだよ、お前は盛りのついたメス豚か!?
さっさと永遠に黙りやがれこのすべたがっ!」
狂ったように棒の乱打がイリューシンの顔や首に襲い掛かる。
いけない! 由美江は完全に我を忘れている!

「由美江! 由美江! もういいんだ、もういいんだよ! もう終わった!」
僕はまだ痛む体を無理矢理起こし、よろめきながらも由美江の背後から彼女の腕を抑える。
由美江の服が僕の右手の傷のせいでみるみる赤くなる。
だがその赤が彼女を取り戻させた。
まぶしいほどに快活な、僕の由美江を。

「傷っ!? だ、大丈夫か? すぐ手当てしないと…」
「このままでいい。いやいいかな、由美江?」
「このままって、○○、お前…」
「ありがとう。そしてごめん。肝心なときに役に立てなかった」
由美江の手からカタリと音を立てて棒が滑り落ちる。彼女の両手が僕の腕に添えられた。
「そんなことはない、そんなことはない! お前がいなければ私は」
振り向いた由美江のくちびるを僕は素早くふさいだ。
最初は驚き体中を強張らせた由美江も、すぐにその力を抜き、
両腕を広げて僕の体を優しく抱き寄せた。
やわらかい、由美江のやわらかい感覚を今全身で感じている。
こんな時が来るとは、つい半日前まで思いもしなかった。

名残惜しくもあるが、いつまでもそうしているわけにもいかない。
「さ、後片付けをしようか。続きはもういつでも出来るし。
大好きだよ、僕も。由美江のことが」
満面の笑みを浮べて由美江は何度もうなずいた。
585乱入ときヘル由美江編Lv2 8/8:03/09/02 19:30 ID:3SarbBBO
イリューシン元店長はとっくの昔に意識が無くなっていた。
しかし自称国際テロリストをそのままにしておくのも危ないので、
後ろ手に縛り、ついでに足も縛って床に転がしておく。
そんな彼女を由美江が見張っている間、僕は電話をした。もちろん警察に。
さすがに国際指名手配テロリストを捕まえたので、引取りに来てください、
とは言えなかった。悪戯電話にしか聞こえまい。
手短に店長が暴れだし怪我人が出たと、嘘ではないが事実とも違う説明をした。
先方で救急車の手配もしてくれるとのことで、そちらに電話をすることはなかった。

それから由美江のハンカチを借りて右手をグルグル巻きにする。
うわぁ、向こうが見えそうなぐらい穴が開いちゃってたよ…
だが由美江に心配かけまいとひきつった笑みをかえす。
もっとも由美江の様子からすると、あまり成功したとは言い難いが。

由美江と見張りを交代する。彼女は警察が来る前にやっておかないといけない事があった。
イリューシンにびりびりに破かれた服を着替えないと。
「なー○○〜、一緒に着替えるか〜?」
「バカっ!」
「へっへ〜 覗くなよ〜」
いつもの彼女に戻って、僕は安心した。
あ、そうだ、担任のマクスウェル先生にも一応連絡しないと…
僕は再び受話器を手に取った。

由美江編Lv3へ
586577:03/09/02 19:35 ID:3SarbBBO
投下終了しました。
由美江がちと弱すぎる気もしないではないですが、そこは女子高生だから
ということで見逃してください。
にしても、国際テロリストのくせにゴルゴ・リップ委員長より弱いイリューシン…

次回由美江編Lv3ですが、只今製作中。
広げた風呂敷をたためるのでしょうか? 自分に疑問です。

それでは今宵はここまでに致しとうございます。
587名無しさん@ピンキー:03/09/02 22:46 ID:AET4WUkP
おつかれさまー。大冒険活劇編でしな。
純情バンカラ少女由美江萌えー。「ぶちのめす!」ハアハア。
Lv3てことは次回エチーか?でもどう雪崩れるんでせうか。
男前すぎだよ由美江たんー(萌え)

>574
シュレなら全然だいじょぶだしょ
旦那に吸われたいとか神父に刺されたいとかになったら悩め。
588名無しさん@ピンキー:03/09/02 22:57 ID:AET4WUkP
関係ないけど今月号読んで隊長は素人童貞だろか
と思ってしまった漏れ。逝ってよし?
589名無しさん@ピンキー:03/09/02 23:32 ID:FJfmL0QQ
>588
逝かなくてもいいけど、隊長ならば普通にやってるザマショ
厨房工房から戦場の人ってわけならともかく
つか、あれは素人童貞がやれることではないと言ってみるテスト

>586
おつかれサマー
読んでる香具師は萌え燃えだけど、書いてる人はひいてるわけね(w
マジ切れしてコクる由美江タンに萌えだァー
いつも思うけど、言語芸がステッキーすぎる
なによ「セーラー服美少女狂戦士」とは(w
590よんよんさん:03/09/02 23:49 ID:3/4uP9jq
うっふっふ。Lv3がとても楽しみ。それこそ本領発揮だという予感がひしひし。

>577
どーせ私は物事を複雑にすることが快感なマゾですよ。
こんな書き手になっちゃだめかもしれません。はい。

>587
吸われたい...私は女だからいいのか。
その代わりシュレはあんまり気になんない。
世の中ってうまくいかないね。

次のSSはリップ委員長のときめき編かなー。
591名無しさん@ピンキー:03/09/03 01:04 ID:9wnBToeU
由美江タン、ハァハァ。
萌えだ





今月号読んだ、隊長含めワイルドギースの人達には、生き残って欲しいのぅ(´・ω・`)
592名無しさん@ピンキー:03/09/03 13:27 ID:c+uTRBw/
>589
ヤパーリ由美江たんはマーズな人なのだろうか?
>「セーラー服美少女狂戦士」

敵役の美少年四天王は
旦那と大尉とヤングウォルターにシュレたんでOK?
593名無しさん@ピンキー:03/09/03 17:11 ID:39GeNJnh
ところでイリューシンって墜落しそうな名前だよね。老朽化と手入れ不足でさ。
594名無しさん@ピンキー:03/09/03 18:30 ID:MKkV5h7y
>593共産圏の旅客機?
595名無しさん@ピンキー:03/09/03 19:48 ID:EqCTXb07
いやいや、イリューシンと言えば、シュトルモビクだろう。
・・・って、わからんかな。
596名無しさん@ピンキー:03/09/03 20:16 ID:3AqWcsCT
最近ageで書き続けているのは同じ人?
広告減ったけど、やっぱりあがってると気になる。
身に付いた習性って抜けないのね。
597名無しさん@ピンキー:03/09/03 20:56 ID:n1JDe8p2
恐怖の30秒ルール自体が広告対策の産物だからね
また業者に襲来されんようにsageていこうや マターリぞ、同志たちよ

ところでリプたんときめき編って、委員長は学校に戻れるのだろうか
ここをどうさばくかが楽しみ

シュレたん日記につづく赤裸々なウォルター日記きぼんぬ
だれか書いてー
598名無しさん@ピンキー:03/09/03 21:21 ID:TjJQACMv
ウォルター日記ってこんな感じになりそう


○月○日
アーカド×インお嬢の現場を見てしまった(´・ω・`)

○月○日
教頭に嫌味言われた(´・ω・`)
599名無しさん@ピンキー:03/09/03 21:44 ID:uqI8/WbS
>598
ときヘル版ヲルター日記ね(w
確かに本編版は範囲が限られてだめぽだね。

礼拝堂の○○×セラスも日記につけてそうでし。
学園の生き字引な彼なら、のぞきスポットもよく心得てるでしょ。
600名無しさん@ピンキー:03/09/03 21:45 ID:oGl6FMdF
アーカド  愛するセラスへ げんきですか。いまめーるしてます

セラス   うるさい死ね メールすんな殺すぞ

アーカド  ごめんね。ますたーはじめてめーるしたから、ごめんね

セラス   うるさいくたばれ、メールすんな

アーカド  棺桶のところに血液パックおいてきました。たいせつに飲んでね 楽しくくらしていますか?

セラス   死ねくそじじい

601名無しさん@ピンキー:03/09/03 22:49 ID:yHsPfBYL
…もしかして旦那の遺品のデジカメに婦警の寝顔が写ってたりすんのか?
泣ける(w
ヲルターさんの日記は見てみたいなあ。「用務員は見た」ってか。
602名無しさん@ピンキー:03/09/03 22:53 ID:O3ZWWDb3
>600ワラタ、旦那の墓でセラスが
('A`)マスタァ
603名無しさん@ピンキー:03/09/04 00:00 ID:La8xcwTh
初めて('A`)に萌えちまった・・・
604名無しさん@ピンキー:03/09/04 00:25 ID:CeeCz40M
('A`)で萌えてる最中に割り込み失礼します。
ごめ゛ん゛な゛ざい゛〜
レベル3えちーはもうちょっと待って下さい。
といいますか、内容が膨らみすぎて、そのまま完成形(予定)を全部ぶっこむと
スレジャック状態になります。
といってこれ以上削ると訳が分からなくなる罠。

たたむ事も出来ない風呂敷広げたわが身の未熟さを責めつつ、
レベル3前段階SS投下します。
ああ、PCの前でブチ切れるみんなの表情が見えるよ、パトラッシュ…
605乱入ときヘル由美江編Lv3前編 1/7:03/09/04 00:27 ID:CeeCz40M
「いやあ〜やっと着いたよ、ご苦労様。あ、○○、荷物はいいよ。私と由美江で持つから。
それより玄関の鍵を開けて欲しいね。ちょっとお茶にしようではないか。
二人の話もいろいろ聞きたいし、私も二人に話がある」
「賛成さんせ〜い! てゆうか、多過ぎるんだよケーキ。
ちょっとここで数を減らした方がいいんじゃない?」
僕は由美江とマクスウェル先生に急き立てられて慌てて我が家の鍵を開けた。

話がかなり飛んだけど、あれから狂瀾怒涛の騒ぎに発展した。
最初に来たのは交番勤務の二人のお巡りさんだった。
お巡りさんは床には顔や首を滅多打ちにされ、足と腕を縛られた女性を見て僕らを疑った。
そりゃそうだ、どう見ても被害者はイリューシンにしか見えない。
しかし僕が爆弾テンコ盛りのテーブルを指差した瞬間事態が一変する。
半狂乱になったお巡りさんが可能な限りの増援を呼び集めたのだ。

何十台ものパトカーと救急車、果ては爆弾処理班まで出動している。
救急車に乗せられた僕に付き添う由美江が唖然として囁いた。
「結構大事だったのね、これって… 知らなかった」
隊員に右手を応急処置してもらいながら、僕は今更ながら体が震えだしていた。

病院で診断と処置をしてもらう。右手の怪我は全治一ヶ月。
その間は右手を使うことは出来ないとのこと。ただ処置そのものは早く済んだ。
僕が手術室から出てくると廊下で紙コップのコーヒーをすする由美江とマクスウェル先生がいた。
先生はあれから警察等に問い合わせてこの病院に駆けつけてくれたらしい。
なぜか二人の前に大量の箱が置かれていた。
由美江が教えてくれたが、「かーげーべー」のオーナーがやって来て、
平謝りに謝って、仕舞いには持参したケーキの詰め合わせだの生クリームのパックだの
スポンジケーキだのを押付けたらしい。
お詫びの品というのは分かるが、僕らにケーキ屋にでもなれというのか? いくらなんでも多すぎる。
606乱入ときヘル由美江編Lv3前編 2/7:03/09/04 00:28 ID:CeeCz40M
その後待ち構えていた警視庁の刑事さんに事情を聞かれるが、
これも簡単に終わった。
ひとつには由美江に既に聞いた話ばかりだったからだろう。
ただその刑事さんがマクスウェル先生にA4用紙を一枚手渡すと、
先生が眉をしかめて見入っていたのが印象に残った。
何が書かれているのだろう?

病院は僕の家に近かったので最初歩いて帰るつもりだったが、
何分オーナーさんが大量のケーキと生クリームパックをくれたお陰で、
持ち帰るのが面倒なことになってしまった。
マクスウェル先生が送っていくよと言うので好意に甘えることにした。
そうこうする内に、やっと麗しの我が家に着いたのだった。
まだ両親に連絡を取っていないので中は真っ暗だ。
電気をつけ、キッチンに二人を招き、テーブルの上にケーキの箱を置いてもらった。

右手が使えない僕に代わって由美江がお茶を淹れると言い出した。
が、その結果は悲惨の一言に尽きた。
やかんが宙を舞い、茶筒の紅茶が半分以上床に飛び散り、
流し台は豪雨に晒された様に水びたしになった。
ついには母さんが清水の舞台から飛び降りる思いで買った
ウェッジウッドのティーカップが一客、名誉の戦死を遂げた。
「いいよ由美江。左手でもお茶ぐらいいれられるから」
「まあ座わりなさいよ由美江。どれ、私も手伝おうか」
「ごめん…」
「気にしなくていいよ。すぐ出来るから待ってて」
落ち込む由美江となぐさめる僕を、マクスウェル先生が興味深そうな視線でながめていた。
607乱入ときヘル由美江編Lv3前編 3/7:03/09/04 00:29 ID:CeeCz40M
マクスウェル先生がこれまたとんでもない提案をした。
豪勢にいこうではないかと、由美江と一緒にもらった生クリームを全部撹拌しだす。
「それにしても由美江よ、その格好はなんだね」
「しかたがないだろう、着ていた服はあのバカが破きやがったから」
今の由美江はケーキ屋「かーげーべー」の制服を身にまとっている。
「あのままだとレイプされた女子高生にしか見えなかったからなぁ〜」
「これ! 嫁入り前の娘がそんなはしたない言葉を使っちゃいけません!」
だが、この愉快な会話が二人を油断させた。

「ど、どうするんです、この大量のクリームを…」
「あ、アタシが悪いわけじゃないぞ、悪いのは先生だっ」
「正直、すまなかった」
結果は、食器を総動員してテーブルに流し台にと、クリームを並べ立てることになった。
僕は二人をなだめて、スポンジケーキにしゃもじでホイップクリームをぬりたくり、二人に差し出した。
しゃもじでないとキリがない量なんだ。
二人は文句も言わずにフォークを手に取った

お茶を飲み、やたらとボリュームのあるケーキを食べながら
マクスウェル先生に事件の一部始終を説明した。
それが終わると今度は先生が警察から聞いた話を教えてくれた。
「はっきり言って、君らは運が良すぎたらしいね。
そのテロリストさんの経歴を聞いた限りだと」
政府要人の誘拐・暗殺、中央銀行襲撃、各種主要政府機関爆破その他諸々…
なんとFBIとICPOが血眼になってその行方を追っていた、
その筋では大変有名な存在だったらしい、イリューシンは。
なんでそんなテロリストが街の片隅のケーキ屋店長なんかやってるんだよ…
608乱入ときヘル由美江編Lv3前編 4/7:03/09/04 00:30 ID:CeeCz40M
「ところで…」
マクスウェル先生はテーブルの上に刑事さんが先生に渡したA4用紙を置いた。
「このメモ、誰が書いたものか分かるかな?」
「あ、このメモ。書いたかどうか分かりませんが、
少佐教頭先生がイリューシンに渡したものです。
なんでもバースデーケーキを贈るんだって、ペンウッド校長先生に頼まれたらしいですよ」
マクスウェル先生とインテグラ先生の生年月日と住所が書かれている、あのメモだった。
「そうか…」
それっきり、先生はこのメモの話はしなかった。

「やれやれ、すっかりご馳走になったな。
もう遅くなったし、そろそろお暇するよ。その前に後片付けしていこうかな」
「それは私がやる! あたし、あたし〜!」
由美江はテーブルの上のティーポットとカップをお盆に乗せる。
流し台にそれらを持って行こうとした時、突然由美江の悲鳴がキッチン一杯に響いた。
「あ、あ、あっ あああぁぁぁぁ」
由美江が自分でこぼしたホイップクリームの塊に足をとられ彼女の体は一瞬宙を舞い、
続いて一緒に空中遊泳を楽しんだウェッジウッドが床に無様に着地した。
「由美江っ 大丈夫かっ」
慌てて駆け寄る僕とマクスウェル先生の視線の先に、
ポットとカップの取っ手をつかんで呆然とした由美江がいた。

「ごめん、ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい…」
取っ手から先が、無い。他の肝心な部分は床の上に散華していた。
「いいよそんなもの。それより怪我はないか、由美江!?」
僕は急いで由美江を抱き起こしたが、由美江は取っ手を持ったまま首を左右に振るだけだった。
呪文のように繰り返し、繰り返しつぶやきながら。
「どうして、どうしてアタシはこうなんだろう、どうして…」
609乱入ときヘル由美江編Lv3前編 5/7:03/09/04 00:31 ID:CeeCz40M
手早く床に散らばった破片を箒ではいたマクスウェル先生が僕に声をかけた。
「お〜い、○○。破片はここに片付けておいたから。
じゃ、先生帰るわ。これから仕事があるし」
マクスウェル先生は両手にケーキの箱を抱えて玄関に向った。
僕はその後を急いで追っていく。由美江は床に座り込んで動かない。
彼女が気になって仕方がないが、先生を見送らないわけにもいかない。

「あ、明日君ら休んでいいぞ。教頭に…そう少佐教頭に連絡しておくから。
それから、その、なんだ。ま、ほどほどにな」
「せ、先生それってどういう」
「私をなめるなよ、○○。お前、全部話してないだろう?
あそこで由美江と何があったかを」
見透かされていたのか。気恥ずかしさで自分でも顔が赤くなっているのが分かる。

「剣呑な木刀小町が半日でしおらしい乙女に変われば誰でも見当がつく。
あ、仔細は話さなくていいから。絶対腹が立ってくるだろうし。
後な、由美江の家族のことなら心配ない。あいつの家、すごい超放任主義なんだわ」
にこにこしながらマクスウェル先生は話を続ける。
「そ、それって」
「君のご両親には私から連絡する。夕方に駆けつけてくるぐらいの時間にな。それでいいだろ?」
目を細めてマクスウェル先生は僕の肩をバンバン叩いた。
両手両脇にケーキの箱を抱え、夜の闇の中に消えるマクスウェル先生の背中は、
担任教師というよりは物分りの良過ぎる叔父さんのものに見えた。

僕はマクスウェル先生の言葉に途方に暮れながらも、
由美江が待っているキッチンに戻った。
そこで僕が目にしたものは、風に揺れる柳のように
頼りなくテーブルに手をかけ、立ち尽くしていた由美江だった。
610乱入ときヘル由美江編Lv3前編 6/7:03/09/04 00:32 ID:CeeCz40M
マクスウェル先生はああ言ったが、僕は由美江に何と言葉をかければいいのか迷った。
よって、当たり障りのない言葉で逃げる。
「由美江、あのね、先生もう帰っちゃったよ」
「そう」
「あの…」
由美江は不意に、握り締めた拳を大きく振り上げテーブルの天板に叩きつける。
反動でホイップクリームがたっぷり入ったボウルがひっくり返り、
由美江の顔と服に飛び散った。

「どうして、どうしてアタシはこんなんなんだろうなぁ」
あとは体中を何かの怒りに身を震わせながら由美江は自分を罵った。
「がさつで、乱暴で、どうしようもなく不器用で、
由美子のようにおしとやかでもなく、
ハインケルのように色気もないし要領もよくない。
料理は出来ない。勉強も出来ない。愛想もよくない。
どこかの乳牛女みたいに胸も可愛げもない。
学園一のマドンナさんと違って、アタシは子供だ。無残なくらいに。
能があるとすれば、竹刀か木刀で人を殴り倒すだけ、ただそれだけだっ」
僕はそっと近づき、由美江の揺れる心と体を抱きしめる。
その瞳に涙が滲んでいた。

「本当は、ずっと傍にいられるだけで良かったんだ…
こんな女の出来損ないなアタシに愛想つかされても、傷つかずにすむから。
一人は寂しい、でも二人はもっと寂しい。
別れる日がとてもとても怖いから、それでも…」
由美江の瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
「それでも、伝えられずにはいられなかった。
悪いやつだお前は、本当に。今ならまだ間に合う、引き返せる。
こんな、アタシが本当に好きなのか? ○○…」
611乱入ときヘル由美江編Lv3前編 7/7:03/09/04 00:33 ID:CeeCz40M
僕は由美江の心の奥底の声をようやく全て聞くことが出来た。
我が道を突き進んでいるかに見えたその強引さは
劣等感から自分の心を守る為の防衛反応であり、
そして僕の気持ちに確信を持てないので不安で不安でしかたがないこと。
僕はマクスウェル先生が僕に期待した事が今になって分かった。

由美江に僕の気持ちを真っ直ぐ正確に伝えること。

「悪いけど、今更引き返すつもりはないね。
たとえ由美江が嫌がっても、ここで引き下がる訳にはいかない。
たとえ料理が下手で、成績が常時低空飛行の体育会系で、
ぶっきら棒で、嫌なやつには情け容赦が無くても、そんな由美江が僕は好きだ。
無体なまでに強くて、すがすがしいまでにシンプルで、
爽快なほどに真っ直ぐ暴走気味にがんばる由美江が僕は大好きだ」
「褒められてるのかな、それともけなされてるのかなぁ」
泣いているのか笑っているのか、よく分からない表情で由美江が反問した。
「ごめん、でも褒めてるんだよ。でも、これだけははっきり言える」
由美江の瞳に口付けして、あふれる涙を吸い取る。
そして彼女の顔にこびりついたホイップクリームをなめ取った。
僕の舌が頬を撫でたとき、由美江の全身がふるえた。

「しょっぱいのは嫌いだな。甘いのがいい。
もっといいのは君が笑ってくれること」
僕の要望どおり由美江は泣くのをやめて笑ってくれた。
612604:03/09/04 00:35 ID:CeeCz40M
投下終了しました。
マジごめんなさい!
次回(明日か明後日か、そこがまた問題)は真面目にエロします。
名付けて
「HEY 由美江をデコレーションケーキにして一発で終わり
指までしゃぶって夜のデザートで一巻の終わりだ○○君計画」
を発動させます。

期待せずに生暖かく見守ってやって下さい。
613名無しさん@ピンキー:03/09/04 01:26 ID:8NKcuk80
由美江がかわいいぞーッツ
614よんよんさん:03/09/04 02:00 ID:Y2ltFL95
なーんだ、リップ編Lv1持ってきたら、楽しいSSが投下されているじゃありませんか。

「HEY 由美江をデコレーションケーキにして一発で終わり
指までしゃぶって夜のデザートで一巻の終わりだ○○君計画」
めちゃくちゃ楽しそうじゃないですか。

期待してます。別に明日でも明後日でもオケー。
なぜなら、穴埋めに私のSSも投下するから。

というわけで、今からSS投下します。しばしお待ちをみなさん。
あの人はいつも弓をひいていた。
僕はそれをこっそり見ているのが好きだった。

ヘルシング学園は広大な土地に建物がいろいろある。
まるで大学みたいだと誰かが言ってたな。
なんでも、まだこのあたりの土地が安かった頃、とにかく大量に買いたたいて
とにかく適当に建物を配置したらしい。創立者にして初代理事長はそういう人だったとかで。
そして今でも場合に応じて建物は何気なく増え続けている。
まったく、謎の学園だね。

それはともかく。
僕はある日、校庭の隅にテントで囲われた一画があることに気が付いた。
他のみんなが気にもとめないのは不思議だったんだけど、
さっき言ったみたいにこの学園、行事に応じていろんなものができたり消えたりしていくもので。
だからそのテントも、何かの行事に使うんだろうとみんな思っていて
そのうちテントがあるっていう光景にも慣れて、なんとも思わなくなっていったんだと思う。
けど僕は違う!

僕はもともとそういう変な建物を探検するという趣味があるのだ。
「好奇心は猫をも殺す」なんて友達には言われるくらい、あちこちに首をつっこみたがる性格。
で、ある日、こっそりその中を覗いてみたわけ。

そこに居たのは長いストレートの黒髪が美しい、眼鏡をかけた細身の女の子で、
彼女は一心不乱に弓、アーチェリーの弓を引いていた。
そして、100mくらいあるんじゃないかっていうほど向こうの的をを正確に射抜いていた。
僕はただただ感心してその姿を見つめるしかなかったね。
三分の一はその技量に感心していたんだけど、残りは弓を撃つ彼女の美しさに驚いていたさ。
まっすぐに伸びた弓を支える左手、それに添えられる矢を持った右手。
そして右手に添えるように、眼鏡の奥からするどい目つきで的を見つめる黒い瞳。
矢が放たれた瞬間、彼女の髪は少し揺れた。
最初は癖のないストレートだと思っていたけど、よく見たら毛先がくるくるはねている。
前髪はなくて、いくらかの後れ毛があるだけなんだけど、それがすっと前になびくんだ。
そしてあの人は鋭い目つきをちょっとやわらげて、自分の矢の結果を見る。
綺麗に命中しているとすごく嬉しそうに、にっこり微笑むこともあった。
僕はもう、その笑顔に一撃でノックアウトされたもんだ。
でもほんのわずかでも中心を離れていると、すごく不機嫌な顔になったりもする。
それはそれで魅力的で、僕はどっちにしても楽しんでいた。
部外者って気楽なもんだね。

ところがある日突然、彼女がテントからいなくなった。
それまでは毎日のように放課後テントに通っていて、たまに居ない時は
生徒会の役員会とか学校行事とかそんな時だけだったのに。

あ、もちろん僕はそのころには彼女の名前もきちんと調べていたのだよ。
リップヴァーン・ウィンクル。かのインテグラ先生のクラスの学級委員長だ。
あのアーカードとかアンデルセンとかもいることで有名な、あそことは。
彼女の苦労がしのばれる。
弓を撃つことでそのストレスを解消していたのかなーなんて僕は思っていた。
しかしそれにしては彼女の腕は本格的だった。
もちろん僕はアーチェリーについても調べたわけさ。
そして彼女がアーチェリーの世界ではとっても有名な女子高生ってことも知ってしまった。
いやあまったくこの学園は奥が深いね。
また話が脱線している。僕の癖なんだ。

彼女の姿が休日も挟んで三日続けて見えなかった時点で、僕は本格的調査に着手した。
まずは、彼女のクラスの生徒に探りをいれる。幸い僕は顔が広い。
「ねーねー、リップヴァーンさんってどーしたの?」
「あー、彼女なら交通事故で入院してるって」
なぬ。
「じゅ、重傷なのかい?」
僕はめずらしく動揺して尋ねた。
「わからない。インテグラ先生が「リップは交通事故でしばらく休む。
 精神的ショックもあると思うから、いつ帰ってくるかはわからん。そっとしておけ」って
 宣言したら、このクラスに逆らえる人はいません」
相手はそのインテグラ先生が乗り移ったようにきっぱりと宣言した。
まーね。問題児満載のクラスだからね。下手に好奇心で首突っ込むと危険なのはわかるよ。
でもリップさんは違うだろ。

そこで僕はリップさんの様子を探る第二手段に着手した。
取り出したのは生徒名簿。んでウィンクルさんちにかけましたよ、電話を。
ところがこれが学生寮だ。実家には住んでいないらしい。
なんかますます好奇心をそそられるよね。
で、僕は寮母さんに電話した。
「あのー、夜分遅く大変申し訳ありません。僕はウィンクルさんに
 部活でお世話になっている者なのですが、彼女、交通事故にあわれたとかで」
ところが声だけで分かる厳しい鬼寮母さんはにべもなかった。
「おあずかりしている生徒のプライバシーには応えられません。
 部活の人なら学校を通じて聞いてください」
僕が男ってのも悪かったのかもしれない。でもそればっかりは仕方ないじゃん。
じゃあ第三手段だ。インテグラ先生。
いや、僕だって怖いよ。でもそれしか方法がないんだから仕方ないでしょ。
僕は思いきって声をかけましたよ、放課後廊下を歩いている先生をね。
なんか珍しくパンツスーツの。あの魅惑的なおみ足はどーしたんだろと思いつつ。
「あのー、先生。ウィンクルさんのことでお聞きしたいんですけど」
インテグラ先生は眼鏡の奥の厳しい目つきでじろりと僕を睨んだ。こわー。
「なんだ、リップに興味があるのか? 理由は?」
こりゃ、クラスの一般人は逆らわないのよく分かるわ。
しかしこの場合は引き下がれない。僕は半分意地になっていた。
それから、もう半分は本当にリップさんのことが心配になり始めていた。
「僕、ずっと彼女のアーチェリーの練習を見ていたんで。
 急に居なくなってしまって心配で心配で。
 弓を引くための腕とか怪我したんじゃないかと思って」
こう言う時は正直が一番だ。それが僕の情報引き出し方法の経験則ってやつだ。
インテグラ先生は少し驚いたようだった。
「お前、リップと面識があったのか?」
「はい!」
まあ時と場合によっては嘘も必要なんだよ。うん。その時は迷いなくまっすぐにね。うん。
案の定、インテグラ先生は少し考え込んだようだった。
「残念だが症状や病院などは教えられない。ただ、もう少ししたら彼女は帰ってくると思う。
 アーチェリーに復帰できるかは」
インテグラ先生は溜息をついた。最悪の結末が頭をよぎる。
「彼女次第だな」
ん?それってリハビリ次第ってことだろうか。
インテグラ先生はぽんと僕の肩に手を置いた。どこか薄笑いを浮かべた顔を近づけてくる。
「お前、本当は盗み見していたんだろ。アーチェリー部には彼女以外の部員は居ないぞ」
な、な、なんでばれたんですかー? やっぱりインテグラ先生だから?
「でもいい。お前は本気で心配しているようだから。今の彼女にはそういう奴が必要だ。
 お前みたいな何もわかっていない、ただ彼女が好きな脳天気男が」
先生、無茶苦茶言ってくれますね。外れていないところが悲しいです。
「まあ、ちょっと待ってろ。来週には帰ってくるらしい」
それだけ言って先生は去っていった。
僕は呆然としてその後を見送りましたとさ。完敗です。はい。
そして、先生の言ったとおり、次の週にはリップさんは帰ってきた。
クラスにも普通に出席して、いつものように静かに普通に授業を受けていたらしい。
さすがにクラスのみんなは腫れ物に触るみたいに接してしまったらしいけど、
むしろリップさんはそれを歓迎するかのように、
一人黙々と休み時間も遅れてしまった分の自習をしていたとか。
しっかり聞き出した僕を誉めてくれ。
あ、それから目立った外傷ってのはほとんどなかったらしい。
ただ頬にちょっとだけうすーくあざが残っていただけで、骨折とかはないそうだ。
僕はそれを聞いてとても安心した。

で、放課後。僕は校庭の隅のテントに向かった。
いや、いくらなんでも復帰第一日目に居ないとは思ったけどさ。
でもクラスの違う僕には彼女に会える場所ってあそこしかないんだよ。
もっと早く、事故なんかが起こる前に声をかけていたらって、何度後悔したことか。
あのね、僕は脳天気男だけど、彼女が好きなの。先生に言われて気が付きました。
あ、やっぱりなんか間抜け?

また脱線している。
で、テントをいつもの覗き窓から(ちゃんと作っている僕を褒めてくれ)覗いたら
なんといたんですね、リップさんが。僕は思わず神に感謝しました。
その姿は以前と変わらず、目立った外傷もなく、ただやっぱり少し痩せたかな?
ただでも細身なんでそこのところは気になった。
けどやっぱり安心のほうが大きかったのも確かだ。

でも。リップさんはいつものように弓を手にはしなかった。
正確には収納してあるロッカーの前まで行ったんだけど、扉をあけることができなかった。
できなかったって表現を使ったのはね、彼女、扉に触っただけで泣き出したからなんだよ。
「う、うぅ、、、、、ひぐぅ」
ってまるで号泣するみたいに。そしてそのまま地面に崩れ落ちた。
その姿を見て黙っていられる男がいるかい?
僕は二度と後悔もしたくなかったし、そりゃもうためらわずテントの中に入りました。
「え、、、?」
リップさんはびくっとしたように、何かに怯えるようにこちらを振り返ったけど
そこに立っていたのがまったく知らない、人畜無害そうな普通の生徒ってことで
余計に戸惑ってしまったらしい。慌てて眼鏡を外して白いハンカチで涙を拭う。
その姿はたまらなくいじらしかった。

「あのー」
これで声をかけないわけにはいかないよね。ん?
「僕、実はずっとあなたを見ていた者なんですけど」
すいません、怪しくて。
「あの、いや、あなたの弓を撃つ姿があまりに綺麗だったから。
 それに邪魔しちゃいけないと思って。でも急にいなくなっちゃって。
 すごく心配したんです! ずっと心配して探していました!!」 
僕は戦術もなにもかも忘れてぶちまけていた。
だって彼女は泣いていたから。本当に、心の底から泣いているように見えたから。

リップさんはちょっと呆然としていたみたいだった。
「あの、私を、ずっと、見ていたんですか?」
地面にへたり込んでハンカチを胸の高さで持ったまま、僕を見上げる。
僕はその前に正座した。変? だって真面目なときは正座でしょ。日本人なら。
「はい。弓を撃っているあなたはとても綺麗で声がかけられませんでした。
 正直、好きでした。覗き見していてごめんなさい」
がばっと頭を下げる。
...あのね、正直なところを言うと、僕もどうしていいかわからなくなっていたの。
そういう時ってさ、真実を打ち明けるしかないと思わない?
「弓を撃つ私、、、?」
リップさんはまた呆然と空を見つめて、それからまたぼろぼろ泣き出した。
「弓を撃つ私が好き、、、?」
なにか僕の言葉は彼女のツボをついてしまったらしい。
リップさんはいきなり僕に抱きついてきた。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい!」
僕も呆然としてしまったけど、それでも彼女を抱き止めるくらいはしましたよ。
そりゃもう、男の義務ってやつですから。それにリップさんのこと、本当に好きだし。

なんか、とんでもないことに首を突っ込んでしまったんじゃないかという気分半分、
リップさんが愛おしくて可哀相でなんとかしてあげたくてたまらない気分半分で。

リップ編Lv2へ
623よんよんさん:03/09/04 02:08 ID:Y2ltFL95
以上です。
続きはまた明日かそのあたりにでも。
裏をからめないと意外と展開早いのです。
問題は大尉先生をどーするかくらいだが。
頑張れ、今度の「僕」。

ではでは。おやすみなさい。
624名無しさん@ピンキー:03/09/04 03:26 ID:8PaWUtdj
由美江ケーキとリプタン花、
どっちをいただけばいいんだ?(;´Д`)ラブ死にしそう
625名無しさん@ピンキー:03/09/04 14:17 ID:3CWJsLJk
両 方 に 決 ま っ て る じ ゃ ね ぇ か


それがマルチ視点の良い処。
626名無しさん@ピンキー:03/09/04 19:24 ID:zHQr+5nl
よろしい

ならば


両方だ
627名無しさん@ピンキー:03/09/04 19:31 ID:zHQr+5nl
リプタンと由美江キタ━━(゚∀゚)━━!!!
628名無しさん@ピンキー:03/09/04 19:48 ID:YWSlSaRZ
リップタンと由美江タンが泣いてるよー
漏れの胸の中でお泣き!

漏れは同時に二人OK!
629名無しさん@ピンキー:03/09/04 21:08 ID:o062UcFr
さー果たしてリップ委員長は再び弓を手にできるのでしょうか!?
できなかった学園バイバイなのかー?
できたら今度は旦那やセラスと一緒にインテグラ先生のお手伝いするのかー?
それとも、お節介な第三○○クンとのほほん学園生活かー?

楽しみだYO!
630名無しさん@ピンキー:03/09/04 22:28 ID:u16X2AkQ
ときヘルの敵キャラで、
バレンタイン兄弟・ゴルゴリップ・イリューシン・チェダースのザコ
が一通りでたけど、あと残ったのってあったっけ?
ゾーリンタンは体育の先生で出てきたし、、、
631名無しさん@ピンキー:03/09/04 23:35 ID:+7SZSvLe
>630
ヘイ、ユー!

ト バ ル カ イ ン を 忘 れ る な !

でもときヘルでは使えない罠。
632名無しさん@ピンキー:03/09/04 23:56 ID:AuF8dogL
伊達出すとしたら
軽い893か

いや、チンピラだな
633よんよんさん:03/09/05 01:58 ID:VMslKqXV
またしても規制らしい。
書けるかな?

書けたらリップ編Lv2投下します。
僕はただ「ごめんなさい」と繰り返すリップさんをそっと抱きしめていた。
いやだって交通事故ってのが頭にあったからさ。ぎゅってしたらダメなんだろうと思って。
リップさんはしばらくして落ち着いたのか、恥ずかしそうに僕の顔を見上げた。
「すみません、いきなりこんなことしてしまって」
泣いたせいでそばかすの散った鼻のまわりも赤いけど、頬自体も赤かった。
「なんだかいろいろあって、見ず知らずの方にいきなり...」
ああ、この恥じらい具合。乙女って感じ。くぅー。
僕、本当に間抜けで呑気な人間なんです。

「どうしてだか聞いてもいいですか?」
そして好奇心に弱い人間でもあるのです。いや、好奇心なくてもここは聞くところだと思うけど。
リップさんは涙のあとの残る顔で、困ったように微笑んだ。
「それは言えないんです。ごめんなさい」
そしてまた泣きそうになる。僕は慌ててリップさんの方をがしっと掴んだ。
「いいんです! それならいいんです! ただ、そばにいてもいいですか?」
僕はもう二度と、大切な人が目の前から急に消えるなんて嫌だった。
「僕をアーチェリー部の部員にしてください」
だから、リップさんの目を見て頼み込んだ。
そうしたら、意外なことにリップさんはにっこりと笑ったの。
「部員、そうですね、もう部員さんが居てもいいんですものね」
もう?細かいことにひっかっからずにはいられない僕。
しかし聞くとまた彼女は泣くんだろうなと思ったから聞かなかった。

そして、僕は目出度く正式にアーチェリー部の部員となって、あのテントに通うことになった。

...思うにリップさんはもう一人になりたくなかったんじゃないかな。
僕が来ると嬉しそうにアーチェリーの説明をいろいろとしてくれた。
まず道具の説明。アーチェリーって複雑なのね。防具の付け方とか弓の引き方とか。
道具は自分の古い奴を使ってくださいと提供してくれた。
あの日、とりすがって泣いていたロッカーをあっさりと開けて。
僕のためなら、いや他の人のためなら平気なんだろうか。
...いやたぶん、繰り返しになるけど彼女は一人になりたくなかったんだ。
誰かにそばにいて欲しかったんだ。残念ながらそれは僕じゃなくてもよかった。
非常に残念ながら、人間観察も得意な僕にはわかってしまう。
きっと誰か、何も知らない人間にそばにいて欲しかったんだろうな。
そのためにはロッカーも平気で開けられてしまうくらい、実は必死なんじゃないかな。

僕はインテグラ先生の言葉を思い出していた。
リップさんには、本当に何があったんだろう。

「事故」に遭う前、唯一人で一心不乱に弓を引いていたリップさんは今のリップさんと全然違った。
あの頃の彼女は孤独も普通に受け入れていた。
でも今のリップさんは孤独が怖くてたまらないみたいだ。
放課後、テントで僕の顔を見る度にほっとして笑うんだもの。
...なんども繰り返すけれど、それは僕じゃなくてもいいんだろうけどね。

「最初は空撃ちから始めるんです」
リップさんはそういって弓を差し出した。
「矢をつがえずに、弓の弦だけ弾くんです」
僕は習ったとおりに弓を構えてみた。リップさんが横に立って手を添えてくれる。
僕の左手にリップさんの左手を。当然体もすごく近くに立つことになる。くぅー。
リップさんの体はいい匂いがした。石鹸の、女の子の香りってやつだ。
なにか花の香りみたいにも思えた。どんな石鹸使っているんだろうなんて考えつつ。
あ、それより弓ね、弓。

弓の弦は思っていたより簡単に引けた。
僕はてっきり、漫画で読んだような
引くだけですっごいトレーニングがいるようなのを想像していたんだけど。
「これは私の弓ですし、張り方も弱めにしてありますから」
あ、やっぱり。
「動かないでくださいね」
そういってリップさんは僕の姿勢をいろいろ調整する。
左手はまっすぐ、背筋は伸ばして、足の位置もちょっと変えて。
律儀なリップさんは足を動かす時も、
僕の足元にしゃがみ込んで両手で僕の靴を掴み調整してくれた。
うわ、僕ってすっごい幸せ者。
...いいんだよ、だから。リップさんにとっては誰でもよくても。

その証拠にリップさん、僕の名前未だに聞かないもんね。
この真面目で律儀なリップさんがだよ。
僕は悲しいより先に彼女の抱えている闇を思ってしまう。
いやもちろんすんげー悲しいけれど。

「じゃあ、そっと手を離してください。撃とうと思わなくていいんです。離すだけで」
リップさんの言うとおり、僕はいいかげんしびれかけていた右手を離した。
ビィィンと弓の弦がうなる。かすかに左手のアームガードに当たった。
防具つけていてよかったー。直にあたったら痛そうだもん。
「ちょっと体が動きましたね」
リップさんは唇に人差し指をあてて、そう評した。
「でも始めてにしては形になっていたと思います」
優しいことを言ってくださる。
それで僕たちはなんどか空撃ちの練習を繰り返した。
毎回姿勢を調整してってやるから意外と疲れる。僕、元々体育会系じゃないしね。
「ちょっと休憩してもいいですか?」
僕はあっさり音をあげた。根性なしと呼んでくれ。
なにせずっと声もかけずに覗き見していた男だ。
「あ、いえ、私こそ、つい夢中になってしまって」
優しいリップさんはそう言って、テントのすみにあるベンチを指さした。
「あそこで休憩しましょうか」
もちろん! 僕らは隣り合って座った。
思わず背伸びして全身の筋肉を伸ばす僕の横で、
リップさんは僕からうけとった弓を見ながら、また物思いにふけっている。
その顔はすっごく暗かった。
なにかにすがりつかないと闇に落ち込んでしまうんだろうなと僕は思った。
それで、僕は自然に彼女の肩に手を回していたの。
リップさんは驚きも抵抗もせず、僕によりかかってきた。
そしていつか、最初にいきなり泣きついてきた時みたいに、僕の体に体をあずけて
やっぱり物思いにふけっていた。

さて、どうするべきか。僕の本能は動かずにいろと告げていた。だからそのままでいることにした。
好きな女の子の体重を感じていられるんだ、これ以上望んじゃいけない。
例え彼女が僕の名前すら知らなくても、僕は彼女の闇を少しでも負担してあげられなくても。
きっといつか、傷は癒えるから。彼女は僕の名前を聞いてくれるから。
そう信じるしかなかった。正直なところ。僕ってさ、無力だね。
そして半月が経った。二週間ね。
僕は毎日テントに通った。元々帰宅部だったし可能なのよ。
リップさんはようやく僕に矢を撃つことを許可してくれた。
ロッカーの中から大切そうに矢を取り出す。
「危険なものですから、注意してくださいね」
そう言う顔は真剣だった。
「まず最初は30mから撃ってみましょう」
僕は的の前に立った。二週間も毎日練習していたら、
もうリップさんの修正がほとんどいらないくらいには空撃ちにもなれている。
でもやっぱり矢をつがえると緊張した。さっきのリップさんの顔が頭にあったからかもしれない。
足の位置、手を伸ばすこと、視線・照準の合わせ方、しっかりと復習しながら
矢を引き絞る。きぶんはロビンフッド。なんてね。
そして軽く矢を支える右手を離す。

あっけないほど簡単に、矢は的の中心に吸い込まれた。僕って天才?

当然リップさんは褒めてくれるだろう、笑顔を見せてくれるだろうと思って
僕は隣のリップさんを振り返った。たぶんその時、僕は得意そうな顔をしていたんだと思う。
でも。リップさんは僕と目が合うと泣き出した。その大きな瞳から大粒の涙があふれる。
え? え?
「あの、すみません、私、私、、、、」
ああ、最初の時と同じだ。僕は弓を台のうえに放り出してリップさんに駆け寄った。
そして彼女を抱きしめた。それが彼女の求めていることだって分かっていたから。

体のつながりがね、欲しいんだよ、彼女は。誰かに支えて欲しいの。
心じゃなくて体で。思うに、今押し倒したら彼女は抵抗しないね。
僕とっくの昔に童貞じゃないからさ、分かるのよ。ごめんね、汚れた男で。
でもしないってところに僕の本気を見て欲しい。
僕はただリップさんを抱きしめていた。
でも、もうそろそろ聞くべき時じゃないかなって気もしていた。
「ねえ、どうしてなのか聞いてもいいかな?」
リップさんはしゃくりあげたままだ。
「リップさん、まだ僕の名前も聞いてくれないよね」
「、、、あ」
彼女はようやく気が付いたらしい。
「いいんだよ、別に。僕は君が好きだから」
僕は体を離して、リップさんの目を見つめた。まだ涙の止まらない、くしゃくしゃになった顔を。
「けど、リップさんが好きだから、リップさんの背負っている重荷を少しは解消してあげたいの」
そしてまた彼女を抱きしめた。
「ねえ、話してくれないかな」
我ながら、一世一代の話術だったと思う。この日のために鍛えてきた甲斐があったというものだ。

リップさんは戸惑いながら、口を開いた。
「私は弓を使って、罪を犯したんです」
僕は口を挟まず、ただ黙って彼女を抱きしめていた。
「私はアーチェリーで一番いけないことをしてしまいました」
リップさんは泣きながらすがりついてくる。絞り出すような声だった。
「人を、撃ったんです」
それにはさすがの僕も動揺した。
あのリップさんが。花も手折れないようなリップさんが。
物静かで誠実で優しくて真面目で、そしてあんなに綺麗に弓を引いていたリップさんが。
体がくっついていたので僕の動揺はすぐ伝わったと思う。
リップさんは顔をあげて僕の顔を見た。
「私はとても悪いことをしました。あなたに軽蔑されても仕方ないと思います」

ああ、それで体をあずけてきてたんだね。覗き見男に。軽率な男に。
名前も知らない、好きでもなんでもない男に抱かれることで、自分を罰するつもりだったのかな。
僕も嫌な奴だ。まっさきに考えたことはそんなことだった。
僕らはしばし無言でいた。
リップさんは僕の中の怒りを感じたんだと思う。ただ黙って立っていた。
僕はといえば自分の中の怒りをどうしたものかと悩んでいた。
いや、ここは原点に立ち戻って考えよう。
僕はリップさんが好きだ。彼女の重荷を分かち合いたかった。
名前を聞いてくれないことが寂しかった。

で、彼女は自分が背負っている重荷を、とにかく口にしてくれたわけだ。
そりゃ理由も不明だし、それでどうなったのかも不明だけどさ。

僕は、彼女に応えるべきだ。

僕はあらためてリップさんを抱きしめた。
「軽蔑しない。きっと何か理由があったんだろうと思うから。理由はなんなの?」
「...ごめんなさい。それは言えません」
リップさんの答えはきっぱりとしていた。
それは今まで弓を前に散々悩んできた態度とはまた違って、毅然としたものだった。
「でも、それは人を撃つような理由じゃなかったと思います。
 その時の私にはそのことがわからなかった。ただ追いつめられて撃ってしまった」
そして再びリップさんの口調は絞り出すような苦しげな声に変わる。
「そして人を傷つけたんです。私は、それを楽しんでいました。的を撃つことを」
的を撃つか。さっき僕も楽しかったもんな。ふとそう思った。
ああ、それでリップさんは泣いたのか。得意げな僕にかつての自分を見たから。なるほどね。

「私はもう二度と弓を持つべきじゃないと思うんです。でも好きなんです、アーチェリーが。
 だからあなたの姿を自分に重ねて楽しんでいた。あなたに私の代わりをして欲しかった。
 けどけど、的を撃つあなたを見て...」
その先は言わなくていい。だから僕は唇で彼女の口をふさいだ。
リップさんは驚いたように目を見開いた。それでもって、僕は一瞬で口を離した。
いやなにせ、そーしないと、そのままディープキスから押し倒しそうだったし。男として、ねえ。
「ありがとう、話してくれて」
僕はそう言った。
「すっごく辛い話だったと思うのに、見ず知らずの僕に話してくれて」
そしてリップさんを抱きしめる。
「僕は何も知らない一般人だから言うよ。君は悪くない。沢山反省した。
 だからきっと許される。少なくとも僕は許す」
しっかりと一言一言断言した。これが別れのつもりだったから。

「君の弓を撃つ姿は綺麗だった。僕は本当に好きだった。
 いつかまた、弓を撃って欲しい。君ならきっとできるから」
そしてぱっと体を離す。涙で崩れた目のまま、呆然としているリップさんの顔を目に焼き付けた。
それから笑って見せた。なるべく彼女を力づけられるような、そんな笑顔を。
できたかわかんないけど。

そして僕は一目散にテントから走り出た。もう二度とリップさんには会わないつもりだった。
それはもちろん彼女を軽蔑したからじゃない。
リップさんは僕の名前を知らない。知らないままでいるべきじゃないかって気がしたからだ。
名前も知らない、でも半月一緒に居た人間に、自分の罪を告白して許してもらえた
それって、うまく言えないけど、「解消」ってやつになると思わない?
わかんないけどさ。何が正しいかなんて。ただ僕は直感タイプだって何回か言ったろ、ね?

それでもう走ったよ。どこまでもどこまでも。
リップさんは僕の名前も知らないまま、でも僕はリップさんが好きだった、そう思いながら。


リップ編Lv3へ
642よんよんさん:03/09/05 02:05 ID:VMslKqXV
あー、書けてよかったー。
やっと完成させて持ってきたら書き込めないこのショック。
・・・先に規制情報見ろってか。

そういうわけです。では続きはまた明日かそのへんで。
643名無しさん@ピンキー:03/09/05 03:08 ID:zqExK1TC
すっげー切ないな、リップLv2は。
やはり入れ食いな他の攻略目標と違って難易度高目か。
Lv3はどう突入かますんじゃろか。

>632
伊達は違法賭博のディーラーか、
学園の女子高生喰いなキティク先公をキボンぬ。
644名無しさん@ピンキー:03/09/05 19:39 ID:Fn5/eKTq
。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
傷ついたリプたんはどうやったら癒してあげられるですかー
つか○○がひいていったらどうやってLv3?
まさかリプたんから追っかけてくるとか!?


ところでケーキ由美江たんマダー?
645名無しさん@ピンキー:03/09/05 22:19 ID:6VgNeYHD
◯◯君はもう名無し君としては関われない訳だから次に二人が会う時は
リップが何らかの決断を迫られるってわけだ。
◯◯君にはその決断を強いる勇気は無い。だから会いに行かない。
逆にリップが自分で決断して会いに来てくれることを待っている…


ってところですかねぇ?
646名無しさん@ピンキー:03/09/06 00:42 ID:17e3uig0
切なさはリップ編のが処女童貞のセラス編より上だなあ。
欠けたる存在ゆえに人は人を求めてやまないのね。なんちて。
そう考えると原作の処女童貞しか吸血鬼になれないって設定は
どうしてナイスな発明かもしれんなあ。
647よんよんさん:03/09/06 04:19 ID:K5MWvqwC
リップが切ないのか、○○君が切ないのか、どっちだろうと気になる私。

Lv3は今日中に投下予定です。
由美江編が投下されたら、そっちとの時間差も考えるかな。

あー、眠れない。こんな夜はSS書き。
648名無しさん@ピンキー:03/09/06 10:07 ID:LxWgUFRE
>そう考えると原作の処女童貞しか吸血鬼になれないって設定は
>どうしてナイスな発明かもしれんなあ。
別にヒラコーの発明じゃないけどなー
649お待たせして申し訳ない:03/09/06 11:02 ID:KVWo3ZeN
只今より、
「HEY 由美江をデコレーションケーキにして一発で終わり
指までしゃぶって夜のデザートで一巻の終わりだ○○君計画」
遂行します。
嫌がらせのようなレベル3とおまけを合わせて16レス!
ごめんなさ〜い。
650乱入ときヘル由美江編Lv3後編 1/10:03/09/06 11:04 ID:KVWo3ZeN
僕の気持ちを確認し安心した由美江は寄り添い甘えてその身を委ねる。
僕の腕の中で由美江が囁いた。
「ねえ、○○は、甘いのが好きか?」
「うん、だからケーキ屋でバイト」
「じゃあ、こういうのは?」
由美江の指が、テーブルの上にあるボウルの中のホイップクリームをすくう。
その指が彼女のくちびるにちょこんとさわった。
「もっと大好きだ」
白いクリームごと由美江のくちびるを吸う。
それを待っていたように由美江の舌が僕のくちびるをなぞる。
僕はお構い無しに彼女の舌も味わった。甘い、グラニュー糖の味がした。
「ねえ、○○は、甘い甘い私が好きか?」
「うん、大好きだ」
「じゃあ、食べてよ。バカみたいに作りすぎた、生クリームでデコレーションした私を」
由美江のクリームで白くなった指が制服のボタンを外す。
一瞬たじろいだが、僕は彼女の甘い提案を退けることはせず美味しく頂くことにした。

僕の自室のタオルをありったけ敷き詰めたベッドの上が試食会場となった。
「冷たくないかな、大丈夫?」
「へーき、というか、なんだかフワフワしてくすぐったくて変な感じ…」
由美江の白いなめらかな肌の上を負けずに白いホイップクリームが覆う。
「あまりジロジロ見るなよ」
見るなといわれても、それは酷というものだ。
「あの、どこから食べたほうがいいのかな、お勧めとかある?」
是非、由美江の口から希望を聞きたかった。
「胸から…鼓動が早くなりすぎて、クリームが溶けて落ちそうだから…」
「それは大変だ、じゃ、遠慮なく」
どうやら僕は意地悪な性格をしているらしい。
651乱入ときヘル由美江編Lv3後編 2/10:03/09/06 11:05 ID:KVWo3ZeN
甘い、本当に甘い。
口いっぱいに広がるクリームの甘さ。
由美江の熱っぽい視線と吐息、反応してふるえる胸。
全てが甘く切ない。
「お、美味しいかなっ 味変わってないかぁ
あっ うっ うんっうっ」
返事をする代わりに口いっぱいに由美江の胸を頬張る。
美味しいに決まっている、由美江は。返事するまでも無い。
「あうっ ○○って、苺ショートの苺は最後まで取っておくタイプかぁっ」
由美江の両手がふわりと僕の頭に置かれる。
「減るもんじゃないから…もう食べて い、いいよ」

お言葉に甘えて由美江の胸の尖端の「苺」を口にする。
その名に恥じない、赤く、みずみずしい食感の「苺」だ。
僕は苺もサクランボも(本物だ、念のため)口の中で転がしてから
食べるという悪癖があって、よく親や友人にたしなめられたものだが、
まさかこんな所で役に立つとは思わなかった。
由美江の「苺」を口中で転がし、舌先に乗せて味わいそして吸う。
僕の一つの所作ごとに由美江は全身を妖しく色めかせ、
クリームの芳香に負けない甘い喘ぎ声を部屋中に漂わせた。
最後に可愛い「苺」を軽く、甘く噛んでその歯ごたえを楽しむ。

「あぅぅぅっ 美味しいかぁ 美味しいのかぁっ ○○っ ○○っ」
「美味しいよ、由美江。とても。ここも食べていいかな?」
由美江の下腹部にそろそろと手を伸ばす。
流石にそんな所にまで生クリームなどぬっていない。
だがそこはすでに別の種類の蜜が満ち溢れ始めていた。
「食べてっ 全部食べてっ 頭から足のつま先までぇ ぜ、全部ぅっ」
逆らわねばならない理由はもはやない。
ご注文通り食べさせて頂く。泣いて許しを乞うたとしても。
652乱入ときヘル由美江編Lv3後編 3/10:03/09/06 11:06 ID:KVWo3ZeN
「苺」の次は、由美江の「桃」を食す。
きれいな桃色のそこは、手で撫すと果汁が染み出てくる。
その果汁を遠慮なく「桃」ごと賞味する。
その刹那、由美江の腰が弓なりに反り返った。
「あっあっあっ そ、そんなとこ、美味いのかぁ」
「うん、美味しいよ。由美江の味だもん」
「ど、どんな味なんだ」
たぶんに好奇心ゆえだと思ったが僕は左手の指先に由美江の果汁を絡めて、
由美江のくちびるの先まで持っていく。
恐る恐る由美江は僕の指に顔を近づけ、人差し指を咥える。
彼女の赤い舌が僕の指を一巡し、ゆっくり放した。
「へ、変な味だ。これがアタシの?」
「そうだよ」
「アタシはなんだ、こっちの方がいいなぁ」
そう言って由美江は僕の手を部屋に持ち込んだ
クリーム満載の容器に突っ込み、再び口に含む。
由美江は今まで一度も見た事の無い艶美な笑みを僕に返した。

それから僕らは互いの体のあちこちを「味見」してまわった。
さすがに最後は舌が麻痺してきたが、
そんなに広くない自室に響き渡る由美江の甘い調べは艶を増すばかりだった。
「な、なあっ、○○。もう、その、いいよ。最後までっ…」
「最後って、何かな。聞きたいな、由美江の口から直接。何をして欲しいのか」
由美江の目が左右に泳ぐ。だが覚悟を決めたのか、僕を真っ直ぐに見返した。
「結構、意地悪な性格してるんだな…いいよ、答えて上げる。
○○を、○○自身をアタシに下さい。プリーズ…」
「よく出来ました」
由美江の上に体を重ねる。由美江の望むものを、由美江と分かち合うために。
653乱入ときヘル由美江編Lv3後編 4/10:03/09/06 11:07 ID:KVWo3ZeN
由美江は目を硬く閉じ、その自慢の黒髪を一房咥え、
漏れ出そうになる悲鳴をこらえた。
僕はなんだか申し訳なくなり、しばらくそのままじっとする。
本音を言えば、温かい果汁に満ちた果肉が僕に容赦なく絡みつき、
思う存分に動いたら瞬く間に尽き果てることが目に見えているからだが…

「大丈夫? 我慢できないなら――」
「うん、何とか。保健の授業でくどいぐらい痛いって、ゾーリンのやつが言ってたが、
脅しじゃなくてホントだったとは… もうあいつの授業居眠りするのはやめにする」
こんなところで女子体育担当のゾーリン先生の名前が出るとは思わなかった。
痛みに耐えて体中が固まる由美江を抱きしめ、
この一ヶ月間右手の分も働かなければならない左手で、
彼女の艶やかに黒光りする長い髪をなでる。
不意に由美江の全身から力がぬけた。
「ああ、アタシさ、他人に髪を撫でられるの、
結構好きだったりするんだ」
「いいよ、僕でよければ毎日撫でてあげる」
「ふふっ うれしいっ ね、慣れてきたから動いてみてよ」
慣れて余裕が出たのか、はたまた僕に気を使って無理をしてるのか…

「うっっ あはっ くぅぅぅっ ○○ぅぅぅっ
美味しいっ アタシはっ 美味しいっ?」
「お、美味しいよ由美江っ すっごくっ」
「よかったぁっ もっと もっと 味わってぇ…」
由美江の足が僕の腰に絡まる。
深く、もっと深く僕を誘うために。
654乱入ときヘル由美江編Lv3後編 5/10:03/09/06 11:09 ID:KVWo3ZeN
誰もが知らない由美江がいる。
彼女の両親も双子の妹の由美子も、
無二の親友ハインケルに悪友アンデルセンも、
担任のマクスウェル先生も、
クラスメートのみんなも、
彼女に殴り倒された血の気の多い連中も、
その他彼女の周りを囲む全ての人たち。
誰も彼もが知らない由美江が確かに存在する。

今僕の目の前に存在する由美江がそうだ。
自分の果肉を突き上げられれば、耐えられず熱い吐息を漏らし、
今初めて他者に饗される乳房は興奮で薔薇色に染まってわななく。
今まで彼女自身あげたことのない淫らで蠱惑的な喘ぎ声に、
白く波打つしなやかできめの細かい肌。
これらがみんなが知らない由美江。
そして世界で僕だけが知っている由美江。

そんな由美江をいつまでもいつまでも独り占めにしたかったが、
どうにもこうにも、限界が近付いてきた。
幸福にも、彼女も僕にぴったりついて来てくれていた。

「○○っ ○○ーっ アタシもうなんだか変だっ もう、たえられないっ」
「僕もっ 由美江っ 僕もっ」
漆黒の髪を左右に振り乱し、由美江は僕に許しを請う。
躍動する彼女の体の上で、僕は由美江に許しを請う。
互いが相手に許しを与えたとき、もう僕らは白熱する瞬間に向って突っ走るだけだった。
そしてその時が来る。その場所に至る。
小刻みに、絶え絶えの悲鳴とも着かない吐息をあげ由美江は崩れ落ちる。
そんな由美江の果肉の中で、僕も崩れ落ちていた。

ごめんね、父さん。避妊具一個、失敬しました…
655乱入ときヘル由美江編Lv3後編 6/10:03/09/06 11:10 ID:KVWo3ZeN
裸のままで僕のベッドに寝転がり、
由美江は今日は泊まっていくとキッパリ宣言した。
「うちは超放任主義だから何も問題ない」
そう彼女は言い切った。マクスウェル先生の言った通りだ…
僕としても何の異議があろう、先生の厚意で、
血相を変えた両親が我が家に殺到するタイムリミットは優にまだ半日以上ある。

そこまで思いが至って、大変重要なことを思い出した。
ウェッジウッド。
母さんが父さんの給与をピンハネして買った、あのティーセット。
あのボーンチャイナを由美江が完全粉砕してしまったのを今思い出した。
まずい、非常にまずい。
まあ先生が明日は休んでいいとの事だし、
親孝行と隠蔽工作の一環でデパートに買いに行こう。全バイト代はたいて…

「ねえ由美江、明日は先生が休んでいいと言ってくれたんだけど、何か予定ある?」
「何にもな〜い」
「じゃ、お昼から買い物に付き合ってもらっていいかな?
あのティーセット、気付かれる前に新しいのとすり替えないと」
「ご、ごめん! アタシ弁償するっ」
「いいよ、そんなの。あ、そうだ、うん、こうしよう。
弁償はしなくていいから、新しいティーセットを買う。由美江の分として。
そして僕がお茶のいれ方を講釈しに由美江の家に時々遊びにいく。これでどう?」
再び由美江の涙腺にスイッチが入りかけたのを見て取った僕は
とっさにそんな提案をしてみた。
「うれしい! そうしよう、行こう!」
提案した僕が面食らうほどのはしゃぎ様で由美江は僕に抱きついた。
その夜、僕は由美江の体温を感じながら眠りの園へと赴いた。
656乱入ときヘル由美江編Lv3後編 7/10:03/09/06 11:11 ID:KVWo3ZeN
デパートに着いたとき、既に時計の針は2時を回っていた。
本当はもう少し早く来るつもりだったが、
色々あってこんな時間になったのだ。

……朝起きるや、男の生理現象でいきり立っていた僕のものを、
「わかった! まかせとけ、ハインケルが調達したHビデオを
由美子と二人で観賞したからどうしたらいいか知ってる!」
と叫んだ由美江が僕の股間をまたホイップクリームだらけにして
食べてしまう。昨夜の報復だろうか?
次に敷き詰めたタオルを洗濯機に放り込み、
洗っている間に沸かした風呂に入った。
生クリームまみれでべとべとしたままで表には出られまい。
そこでまた由美江が、
「○○は右手が使えないから、アタシが洗ってあげる!」
と言い放って、ごしごしと石鹸を泡立てて僕に迫る。
もう言うまでもないが、クリームまみれの後は、
石鹸まみれになってお互い戯れあって…

それやこれやでやっと僕の家を出た後、
由美江の実家に寄って彼女が着替えるのを待つ。
手間取るかと思えば、猛烈な速さで着替えた由美江が飛び出してきて、
「行こう! 早く行こう!」
と僕の左腕を手に取り引っ張ってぐんぐん突き進んだ。
うれしくて、仕方がないといった風情であった。

ああ、そうか。
これって、実質的に僕と由美江の初デートになるんだ。
そう思うと僕も由美江と歩調を合わせて駆け出していた。
657乱入ときヘル由美江編Lv3後編 8/10:03/09/06 11:12 ID:KVWo3ZeN
僕の買い物はあっさりとすんだ。
まあ、同じものを買えばいいだけだから悩む必要など何もない。
問題は由美江のティーセットだ。
僕は、遠慮がちに初めてなんだから国産の安いのでいいのではと助言したが、
由美江はこういう事はまず形からビッシッと入るのが良いといって譲らない。
高級な食器が並ぶ店内を、獲物を狙う肉食獣の様な目つきで選んでまわる。
ああ、店員さんが引いてる引いてる…
そんな時に、由美江は一つの食器の前で歩みを止めた。

「これ、かわいい! これにするー」
由美江の指差す向こうに、ウェッジウッドの
ユーランダーパウダールビーティーセットがあった。
気品のあるルビーの色合いに金のレース模様があっている。
由美江が思わず感嘆の声を上げるのも当然だ。

問題は代金だ。
カップとそのソーサーで一客なんと25,000円!
これにティーポットにシュガーポット、クリーマーまで
まとめて購入すれば確実に20人以上の福沢諭吉とお別れすることに――
「すみませーん、これ下さ〜い」
「ゆ、由美江っ ちょ、ちょっとおぉ〜」
何の躊躇もなく無造作に由美江は店員を呼びつけ、
そのセットの購入の意思を伝える。
最初怪しそうな目つきで由美江を見ていた店員さんも、
彼女がキャッシュで支払う旨を伝えると慇懃に対応し始めた。
「由美江って、お金持ちなんだ…」
「別に、お金が欲しくてバイトしたりブロマイド売ったり
してた訳じゃないからな。どんどんたまっていったんだ」
由美江にとってバイトは手段ではなく、目的であったのだ。
658乱入ときヘル由美江編Lv3後編 9/10:03/09/06 11:13 ID:KVWo3ZeN
早速由美江の家で買ったばかりのティーセットを使ってみようということで決まった。
由美江は購入したティーセットを大切そうに抱えて歩いている。
帰り道、由美江が控え目に話しかけてきた。
「あのな、今まで相談してきた由美子の話、あれ本当は」
「うん、たぶん分かってる。分かってるつもりだから全部は言わなくてもいいよ」
僕がそう答えると、由美江はそっと僕に寄り添う。
架空の由美子の架空の恋のお話。
それは由美江自身の心情を僕に向かって吐露するための偽り。
そしてもう僕らにそんな偽りは必要ない。

「あーお帰りぃ由美江」
その話題の主の由美子が僕らを出迎えた。
怖いくらいに徹底されていた超放任主義で、昨夜由美江が帰宅しなかった
ことも取り立てて問題にもされなかったらしい。
由美江がティーセットの包装をゆっくり慎重に取り除くと、
由美子は興奮した奇声をあげた。
「うわあぁ〜 すご〜い! かわいいっ これ私も使っていい?」
「駄目だっ! これはアタシと○○のだっ! 
お前は安いコーヒーカップでも使い続けてろ」
由美江は目を剥いて由美子に怒鳴りつけ、妹が手にしようとしたカップを取り上げる。
それからいそいそと湯を沸かすべく、台所に走った。

最初きょとんとしてそんな双子の姉の後姿を見送っていた由美子も、
事態を把握してきたのか、ニヤニヤして僕の顔を眺めた。
「へぇー へぇー へぇー そういう事だったんだぁ」
「な、なんだよ。変な目で見るなよ」
厚めのレンズの向こうの由美子の目尻が下がり、心持ほおが赤らんでいた。
「昨夜は二人であっちっち!? ねぇっ何したの!? どうしたの!?」
「五月蠅い。頭カチ割られたいのかお前は」
いつの間にか背後に立っていた由美江の言葉に由美子は亀の様に首を縮めた。
今日は簡単にダージリンでストレートティーをいれることにした。
由美江が眉間にしわを寄せて、難しい顔で僕の話を聞いている。
その後ろで懲りない由美子がまたニヤニヤと僕ら二人を眺めている。
「カップもポットもあらかじめ湯を注ぎ温めておくんだ」
「うん」
「ふたをして、3分ぐらい蒸らす。大きい葉は4分ぐらいかな」
「うん」
「ストレーナーを使って葉をこし、温めたポットに注ぐ。
このとき最後の一滴まできちんと注ぐこと。
この一滴をゴールデンドロップと言うんだ」
「やった! できたっ!」
「凄い! 神の奇跡よ、由美江が最後まで物を壊さずお茶をいれられるなんて」
「お前には、お茶もケーキもやらん」
「ウソウソ、嘘ですお姉たまぁ〜」
微笑ましい姉妹の会話に、僕も思わず朗らかに笑った。

険しい目つきで由美江は僕と由美子をじっと睨みつける。
「ど、ど、どうだ、ちゃんとお茶の味がするか!?」
「うん! 美味しいよ由美江」
「本当かー。本当に本物の飲んでも大丈夫なお茶の味かー
本当の大丈夫なお茶ならこれができるハズです。
インテグラ先生の出した宿題を忘れたときの由美江のものまねー」
「やかましい このガングロ女教師!!
お前みたくミス悪役ヅラが学園のマドンナならなァ
アタシはハリウッドスターだっつーの!!」
「わーーー 超ーゴーマーン。やっぱり飲んでも大丈夫なお茶だーッ」
由美子の混ぜっ返しに僕も調子に乗って返すと、
由美江は頭から湯気を出さんがばかりの勢いで由美子に掴みかかった。

そう、それでこそ僕の由美江だ。そうでなくては!
試練を乗り越え相思相愛で結ばれた恋人達が
お茶とケーキに舌鼓を打っているほぼ同時刻に、
ここ私立ヘルシング学園教職員会議室では
二人の担任マクスウェル教諭とその敵手インテグラ教諭が疲れきった
表情で椅子に腰掛けていた。

つい先程まで緊急の教職員会議が召集されていた。
警視庁の刑事がペンウッド校長のところまで来て事情聴取をしたのだ。
事の発端は、昨夜ひょんな理由で逮捕されたテロリストの店に、
この学園の二人の教諭の名前と住所の書かれたメモがあったことだった。
ただ、これは表看板のケーキ屋の業務の一環とも思われ、
刑事たちもあまり大事にする気はなかった。

だが学園側はそうはいかない。
そこで緊急の対策会議が開かれたわけだが、それは真相解明の場ではなく、
玉虫色の「無かった事にする」という結論で終焉を迎えた茶番劇だった。
一つにはただの不幸な偶然程度に他の教諭達に思われたからだった。
彼らの幾人かには誕生日を迎えた際に、
実際バースデーケーキが届けられた者もいたが、
特にどうといった変わったところなどなかったのだから。
椅子に斜めに座る臨時教師のベルナドット教諭に至っては、
「ありゃー結構いけましたぜぇ」
などと発言し、その向かいに陣取るドク教諭とゾーリン教諭も、
「カハッ カハッ カハッ そうそう、あの生クリームは甘すぎもせずに絶品だったな」
「突然送られて驚きましたが、一人身で祝ってくれるものなど無い者
としましては嬉しいものでした。校長先生に感謝の極み!!」 ズパッ
と呑気に唱和した。
命を狙われた二人にとってはいい面の皮である。
だが、この場で首謀者を糾弾するにはあまりにも証拠が無いのも事実だ。
しかも証拠らしきものを並べると、
自動的に首謀者はペンウッド校長になってしまう。
唯一事件の真相を知っているテロリストは
この学園の生徒を亡き者にしようとして逆に返り討ちにあい、
その際に声帯を損傷し、満足に尋問ができない状態にあるという。

その諸悪の権化が白いスーツを着て今一席ぶっている最中だ。
「諸君、学園に集いし教員諸君。
諸君らもペンウッド校長先生の教育方針とお人柄は重々承知をしていると思う。
その校長先生がかかる事件に関与する訳が無いではないか!
ゆえに我ら教職員一同、一致団結して事に臨むのが何より重要だと信ずる。
生徒を指導し、生徒を教導し、生徒を鍛錬し、生徒を教育し、生徒を愛する。
我らこそ私立ヘルシング学園教職員。その我らが…」

(貴様が生徒を愛するだと!? 汚らわしいッ 偽善も大概にしろ!)
インテグラの奥歯がキリキリと鳴った。
やつはいつもそうだ。いつも舞台には上がらない。
舞台の袖の幕に隠れて、魔笛を吹き鳴らし他人を操る。
愚かなバレンタイン兄弟も、哀れなリップヴァーン委員長も、
冷酷なイリューシンなるテロリストも。
そして陰惨な喜劇に巻き込まれた人々。
セラスも、由美江も、そしてアーカードも。
傷つくのは彼らだ。少佐教頭ではない。
脚本家兼演出家を気取り、他人の人生を玩具にするあの男が、
何の資格あって愛を呼号するか!?

そんなインテグラの憤慨をよそに、会議は対外的にこの一件を
知らぬ存ぜぬで押し通すことで決定した。
黄昏の会議室で二人きりになったマクスウェルとインテグラは、
視線を合わそうともせずに会話を交わした。
「逃げられたな。中々どうして、あんなにぶくぶく肥満している割には
逃げ足は速いではないか。少し感動したな」
「だがこちらも敗北したわけではない。
とりあえずペンウッド校長の首はつながりそうだ」

インテグラが冷笑を添えてマクスウェルに皮肉を叩きつける。
「惜しいことをしたな。その女テロリストが健在であれば、
手錠をはめられ司法当局に連行される教頭を拝めたものを」
「そう言うな。由美江も○○も、生き残るのに精一杯だったのだからな」
ここで始めてインテグラはマクスウェルに視線を合わせた。
「別に責めてなどいない。知らぬこととはいえ彼らは私の命の恩人だからな」
「そう本気で思っているなら、二人に何か礼をしたらどうかね?」
「では高木由美江がまた英語で赤点を取ったら特別補習をしてやろう」
マクスウェルは肩をすくめて立ち上がった。
「やれやれ、今度の敵は英語の女教師だ、か。
それもよかろう。あいつらだけ幸福というのも癪に障るからな」
「何か言ったか?」
「何も。そうだな、私はインテグラ先生が大嫌いだぐらいは言ったかな?」
「忌憚の無い返答をありがとう。
私もマクスウェル先生が大嫌いだ。少佐教頭ほどではないがな」
会議室の扉を開け、マクスウェルは退室する。振り向きもせず右手を上げながら。
「お返しか、まぁいい 我慢しましょう!! それでは」

しばらく後に理事会で行われた校長選挙はぎりぎりではあったが、
ペンウッド校長の再選で決着した。
あいつだけはトップにさせるまいという、
三頭の凌ぎあいの結果から生まれた、妥協と打算の産物であった。

学園を舞台にした悲喜交々の三國志は陰鬱に続く。
こちら私立ヘルシング学園教頭執務室。
毎度お馴染みの少佐教頭・ドク教諭・大尉教諭・シュレディンガー生徒会長が
集まり今回の反省会の真最中。

「いやはや、旨くいかないものだね諸君」
「けしからん話です! 高木由美江と○○に報復なさいますか!?」
「次は僕の直属の風紀委員会を動かしてもいいですよ教頭先生」
いきり立つドク教諭と生徒会長をなだめて少佐は言った。
「まあまあ、そんなに興奮することはない。
君達はどう思っているかは知らないが、
私は由美江君に感謝しているのだよ」
「と、言いますと」
「彼女が滅多やたらに剣の腕を披露してくれたお陰で、致命的な証拠が隠滅出来たのだよ。
ま、彼女がいなければ今頃校長室にいたのも事実だがね」

片ほおをつり上げて、少佐教頭は体内から湧き出る歓喜を隠そうともしなかった。
「しかも闘争だよ、考えてもみたまえ諸君。
きっと血みどろの闘争になったに違いない。
素敵だろう? 闘争、闘争だよ。
いくら剣の腕が立つとはいえ、女子高生が国際手配テロリストを返り討ち。
騎士十字章ものだね、あとでフルーツパフェをおごって上げたくなる」
彼の無邪気な言い草を冗談と解し、二人は追従笑いを顔面に貼り付けた。

一転、深刻な表情になった少佐教頭は側近達に悩みを打ち明けた。
「諸君どうしよう? 私は本当にあのケーキが好きだったのだよ。
明日から何を食べたら良かろうかねぇ」
『ケーキがないのならダイエットに励めばいいじゃない』
そう三人は同時に思ったが、礼儀正しく沈黙を守った。
そんな彼らの目の前で、少佐教頭は注文しておいた
ピザチェーン店「黒シャツピザ」の名物特大ドゥーチェピザを貪り食っていた。
事件から一週間後、
高木由美江も○○も元気に学園に通っている。
○○は校庭の片隅の芝生の上に寝転がっていた。
「遅いなぁ由美江。そんなに購買並んでいるんだ…」
由美江が持参した水筒のお茶をすする。
彼女の努力は実を結びつつある。
ストレート、ミルクティー、スパイスティー、アイスティー。
様々なバリエーションを習得しつつある。
次はお弁当の作り方でも、と○○は思った。
最近由美江は丸くなっている。
以前であれば、購買に並ぶ行列を木刀で掻き分けた彼女も
今はお行儀よく列の最後尾に並んでいるのだ。
この急激な変化の理由を○○と担任と彼女の妹以外誰も知らなかった。
そう、つい先程までは。

「お〜い○○、ここにいたのか」
向こうからハインケルが走り寄ってきた。
「何? 由美江なら購買にパンを買いに行ったよ」
にたにた笑いながらハインケルは○○の顔を覗き込んだ。
「聞いたぜぇ〜○○、お前、由美江をフルコースで頂いたそうじゃないか」
「なっ えっ あッ!?」
「由美江も水臭いなぁ。最近丸くなったと思ったらそういう事か。
クリームでお互いをデコレーションしてむしゃむしゃ食べてお風呂で洗いっこ、
その上健気に尽くしちゃうって人間変われば変わるものッ!?」
「何が、変わったってっ!?」
背後から一閃された木刀を間一髪でかわし、ハインケルは慌てて振り向く。
そこにはパンの袋を抱えた由美江がいた。
小揺るぎもしない木刀の先を突きつけ、由美江はハインケルを尋問した。
「誰に聞いた、その話」
「だ、誰って、みんなもう知ってるぞ」
「だから! 誰がいっちゃん最初にうたった!?」
由美江のけんまくに押し切られ、手にしていた一冊の冊子を渡した
「なんだこりゃっ?」
「由美子が書いた、ノンフィクション短編官能小説。
で、登場人物が由美江と○○。ただいま図書室にて好評発売中」

二人とも怒り狂って図書室に突撃するかと思ったら、
意外にも由美江はそう、と言って芝生に○○と並んで座った。
○○も由美江からパンを受け取り、ランチタイムを優雅に開始する。
流血沙汰が図書室で現出すると覚悟したハインケルは拍子抜けした。

「なに? 二人とも腹が立たないの?」
「別にー バレて困ることないもん。だからあいつに話したし」
「由美江と付き合うのは恥ずかしい事ではないよ、僕は後悔なんかしやしない」
「うわぁっ熱っ! 目茶目茶ラブラブだぁ〜」
ハインケルもランチにお呼ばれしようと芝生に座り込む。
たぶん、熱々バカップルへの嫌がらせのため。

「まぁ何しろアレね。他人の情事で一儲けしてんのはムカつくわ」
「なぁに、豚は太らせてから食べるものだよ、由美江」
「なるほど、売上金全部がめるって寸法か! 流石は○○だぁ」
「…結構悪どい性格してたんだなお前は」
今度からブロマイド販売を手伝わせる時は、
○○に分け前を渡そうと真剣に反省するハインケルだった……

乱入ときヘル由美江編 ― END ―
666649:03/09/06 11:29 ID:E1TxVXXZ
投下終了しました。
マジごめんなさい。
これからは無駄な伏線張らずに清く正しく美しく、
正面から簡潔にえろに励む所存です。
あと誤字脱字にも注意します。

今度投下するとしたら、てめえのネタでインスピレーションの湧いた
シャレにならないお下品なものにしたいです。
それでは反省しにアンデルセンに殴られてきます。
667名無しさん@ピンキー:03/09/06 12:02 ID:adS71f6z
悪魔の数字ゲットでおめでとう>649氏

いや、スゲー(・∀・)イイ!! 長いって言っても冗長じゃなし、
かえって読み応えが幸せですわ。処女の極上女体盛りに萌えー
本当のお茶で物真似萌えー 官能小説書いちゃう由美子萌えー
マクスウェル×インテグラ読みたくなる、大人のやり取り萌えー
668よんよんさん:03/09/06 12:47 ID:pWPsYit1
うわー、チョーオモシロー。やっぱ○○○○さんだー。

そのところどころに挟んであるテンプレ改造に萌え。
特に「インテグラ先生の出した宿題を忘れたときの由美江のものまねー」ワロタ。

そして相変わらずエロが濃いのー。うらやましい。若いっていいなー。

マクxグラは実は私も読みたい。
2ちゃん外でも誰か挑戦した奴はいないのかっと探していたりする。
669名無しさん@ピンキー:03/09/06 14:17 ID:zJZV+Z17
>そして相変わらずエロが濃いのー。うらやましい。若いっていいなー。


グハッ (吐血)
669はクリティカルヒットを受けた
669はもうだめだ
670よんよんさん:03/09/06 14:23 ID:siKmoK5o
う、私のせいで死にかけている人が。
ここは止めを刺してあげるべきなのか?
しかし何が悪かったのか吐いてから逝け。
671名無しさん@ピンキー:03/09/06 15:52 ID:L5gZoB4e
最近このスレに居つき始めたけど
ノリのいい人たちばかりでステッキーですね。

由美江番外編の冒頭で、マクxグラやっちゃったものとばかり思って
ビクーリしますた。
個人的にゾーリン先生の保健の授業の中身が知りたいところ。
672669:03/09/06 16:09 ID:zJZV+Z17
とある漫画にあったセリフ。
「若い女には価値があるけど、若い男に価値は無いな」
四捨五入すると三十路な俺は、若くすらないなぁということを
ふと強烈に思い出してもーだめだー(ry
673よんよんさん:03/09/06 16:30 ID:siKmoK5o
そっか。
でも私グラ様と同い年だけど旦那13歳年上よ。

とか爆弾投下してみる。
674669の喪主:03/09/06 17:00 ID:zJZV+Z17
669は爆弾で真っ二つに引きちぎれてあえなく絶命致しました。
いまわの際に遺した言葉は以下の通りにございます。すてぽてチーン。

「俺の供養には、SSを、もっともっとSSを…がく」
675名無しさん@ピンキー:03/09/06 17:57 ID:0rwxLBOj
このときヘル由美江編、、、
小ネタをそこかしこに織り込み読み手を飽きさせない手法はあの方か?
○○○○さんはあのお嬢なめの第一人者か?
いつの間にか帰ってきてたんだ(勝手に断定、違ってたらごめん)

>>674
さようなら669 新ssで会おう
さようなら さようなら 669
676名無しさん@ピンキー:03/09/06 20:25 ID:3VWcMHlZ
漏れも由美江の紅茶を飲みながら由美江のイチゴが食べたいYO!
次はセラスのミルクdeティーを飲みたい
677名無しさん@ピンキー:03/09/06 20:41 ID:1EZmpEGv
由美江のマロンもたっぷり食べたいな
678名無しさん@ピンキー:03/09/06 21:00 ID:FzpZMdgb
神様!
漏れはシュレタンケーキが食べたいですッ。
679名無しさん@ピンキー:03/09/06 21:42 ID:/lX/qyww
リップでダシとったフリカッセをば!
680名無しさん@ピンキー:03/09/06 22:08 ID:+cvaj2Jc
>>679
それはリップの入った風呂の湯を使ってということでしか?
それともリップをグツグツ煮込んで・・・ イ ヤ ー ッ

女体盛りなんて贅沢はせず、ウーフーにお粥をふーふーしてもらいながら
あーんでいいよ俺は。今風邪引き中・・・
681よんよんさん:03/09/06 22:17 ID:/E6XQAYc
えーと、グルメなお話の最中恐縮ですが、
669さんが化けてでないように、リップ編Lv3を投下します。

しかし爆弾で派手に散るかと思ったら、まっぷたつとは。
最後まですてぽてチーン。な方でしたな。
リップは彼が駆け去っていった後を見送って、また床にへたり込んだ。
そう、私は彼の名前を聞こうともしなかったんだ。
その事実に気が付いたのはすごくショックだった。
私はまた狂気に陥っていたんだなと思う。
あの時、インテグラ先生とアーカードさんに向かって矢を撃ったように。
眼鏡を外し、顔を手で覆う。ちゃんと生きないと、強くなりたいと思ったのに。

病院でインテグラ先生に電話した。謝るために。
先生は黙ってリップの言葉を聞き、いつもの厳しいけれど優しい声で言った。
「いいんだ、反省したなら。人は間違うものだから、特に子供は間違えるのも仕事だからな。
 私たち教師はそのためにいるんだ、お前達の間違いを正して修正するために。
 学校的には交通事故として処理する。お前も帰ってくる気になったときに戻ってくればいい。
 気にするなとは言えないが、乗り越えろリップ。成長しろ。いい機会だと思え」
それからアーカードさんにも謝りたいけど電話番号がわからないというリップに対して
先生はちょっとあきれたような口調になった。
「アーカードがお前にやったことを踏まえて、それでも謝りたいのか?」
謝りたいです。リップはそう答えた。
「彼は嫌がるだろうな」
先生は少し困ったようだった。
「たぶん、推測だが、アーカードはお前に対してしたことでお前を罰し許したと思う。
 これは彼にとってはもう終わったことなんだ。お互い、それがいいんじゃないか?」
そうなのだろうか。リップは承諾しきれなかった。
でも先生は結局アーカードさんの連絡先は教えてくれなかった。
電話を切った後で、先生の言うことのほうが正しいのかもしれないと思った。
リップはたくさん間違いを犯した後だったので、判断に自信がもてなかったのだ。
それで結局、学校に帰ってきてアーカードさんの姿を見た時も何も言えなかった。
アーカードさんの方はさっさと視線をそらして教室から出て行った。
なにが正しいのかわからない。リップは自然と彼が置き去りにしていった弓を見ていた。
無意識のうちに近づいて、無意識のうちに手に取る。構えて弓の弦を弾いた。空撃ちだ。
下手になったな、なまってしまったなと思った。
同時にとても心が落ち着くのも感じる。
私は弓を撃つことで狂気に取り憑かれ、弓を撃つことで正気にもなるんだろうか。
じゃあやっぱり狂気は弓にあるのではなく、私の中にあるんだ。

リップは何度も弓の弦を弾き続けた。
ピンッ、ピンッと音が響く。いつも歌っていた「秋の夜半」を思い出したけど
それはさすがに声に出せなかった。
ただ黙って弓を弾く。
私はどうすればいいんだろうと考えながら。
とにかく彼には会わないといけない。せめて名前を聞かないと。それだけは確かだ。
彼は名前も聞かない自分の横に、半月もの間黙ってつき合ってくれた。
そして今日、リップの罪の告白を聞いて許すと言ってくれた。笑ってくれた。
「ありがとう...」
リップは自然と自分の気持ちを言葉にしていた。
そして弓を弾き続ける。今の自分は正気だ。それだけは確かだった。

ところが、名前もクラスも知らない相手を探すというのはなかなか困難なことだった。
おまけに向こうはおそらくリップを避けているであろうから、なおさら難しい。
リップは友人もほとんどいないし、どうすればいいのかもわからない。
そんなこんなで一週間が過ぎた。



僕の趣味がこの謎の学園探索だって前にも言ったよね?
あの日以来、僕は一層その趣味に熱を入れていた。
リップさんに会いたくなかったし...いや嫌いってことじゃなくて、
会うべきじゃないと思っていたってことね。あちこち潜り込んでいれば大丈夫だろうって。
それに普通、失恋の痛みは好奇心で解消するものだよ。ん? そーでもない?
さて、今日僕が向かったのは学園の中枢。理事会館。
そんなものがあるんですねー、この高校には。
理事といえば普通名ばかりの存在が多いけど、
この学園運営には実際に理事の皆様が強い力を持っているとかで
その理事会議で重要な決定は全て決められるんだって。何人かの先生も一員だという噂。
ま、少佐教頭なんかは確実にそうだろうね。
でもって独立した建物がある。これは学園創立期からあった古い建物だ。
中には校長室や教頭室、生徒会室もある。
理事さんに監視されながら校長するのね。大変だわ。
でもあのペンウッド校長はそのほうがいいかも。などと思いつつ。

さすがにここは危険だろうってことで今まで潜入したことはなかったんだけど、
失恋でやけくそになっている今の僕ならオーケー。一言で言うと捨て鉢です。
でもこの僕の潜入テクをなめるなよ。
入り口の守衛さんには「教頭先生たちに生徒会報届けにきましたー」、
胸には生徒会のピンバッジ(模造)、足取りはあくまで堂々と。
実際の生徒会の皆さんに出会ったら、「うちのクラスの委員長代理ですー」の予定。
ん? 意外とシンプル? あのね、嘘は最小限に付くものなの。
実際うちの委員長は今風邪で寝込んでます。

しかし意外と潜入は簡単だった。つまんないくらい。
「理事会議室」と偉そうに書かれた扉をあけてみると、中には大きな円卓のテーブルが。
個々の「理事執務室」にはさすがに入れなかった。いや、実は鍵開けも出来るんですけどね、僕。
それより気になるものがあったのさ。
「教頭室」、その扉がうすーく開いて、中から声が聞こえてきたの。
「次は誰にしようかねえ」
少佐教頭の声だ。なにかすっごく楽しそう。
「トバルカイン君なんてどうかな」
誰かに同意を求めている。
「いいですねえ、彼は学外の人間だ。直接...とやりあっても危険度は最小限におさえられます」
この声は理科教師のドク先生だな。相変わらずねちっこい声。腰巾着って感じー。
しかしやりあうとはまた物騒な。僕はそういう危険なことには近寄らない主義なんだけど、
なぜか今回は近寄ってしまったのよ。...たぶんリップさんのことがあったからかな。
この学園には裏がある。それで傷つく人がいる。その闇をちょっと知ってしまったから。
そーっと扉の隙間から中をうかがおうとする。
はっきり見えないけど、中央にふんぞり返っているのが少佐教頭で、
横で揉み手しているのがドク先生で....あ。声が急にとまった。
誰かがこっちに近づいてくる。やばい。気づかれたんだ。
しかし僕の気配に気づくとはやり手な。

そう思いながら、一目散に逃げましたよ。ところが足音は着実についてくるんだなあ、これが。
それも大股で、僕なんかより一歩がすっごく大きい。曲がり角を曲がる時、ちらりと確認した。
大尉先生だ! おいおい。
あの孤高の美術教師が教頭の腰巾着で悪巧みの一人!?
そりゃあの先生だって怒ると怖くて、以前美術の時間をぶっ壊そうと暴れた不良君を
片手で吊り上げて放り出したって話だけどね。あの人背が高いから。
で、背が高いってことは一歩が大きいわけだ。これは追いかけっこにおいては重要だ。
まずいよー、それにしてもなんであの人がー。
そりゃ、あの目は只者じゃない雰囲気かもしだしていたけど。いやそれより逃げないと。

しかし僕らの距離は確実に縮まっていた。悪いことに教頭執務室は理事会館の奥にある。
外まではかなりの距離があるわけだ。
振り返ると僕にはもう、あの鋭い目で
まっすぐ僕を見つめて離さない大尉先生の姿がはっきり見えた。
もうすぐ実際に捕まえられるだろう。あー、これが年貢の収めどきってやつ?

ところが救世主は意外なところから現れた。っていうか、意外な人が。
「あ!」
廊下の真ん中、目の前に立っていたのはリップさんだった。
僕は思わず急ブレーキをかけてしまう。見つめ合った。二度と会わないつもりだったのに。
そういえば彼女学級委員長だっけ。
学級委員長を避けて理事会館に潜入とはなんて間抜けな。僕らしいとも言えるが。ははっ。
いや、今はそれどころじゃない。僕の後ろで大尉先生も立ち止まった。
僕の肩に先生の大きな手がかけられる。がしっと捕まえられました。もーだめだあああー。
「あ、あの、大尉先生。彼がどうかしましたか?」
しかし、リップさんはおどおどと、でも精一杯の決意を込めた目で先生を見つめていた。
「この方は私の大切な部員さんなんです。彼が何か?」
ん、なんかリップさん雰囲気変わったなあ。
大尉先生は無言でリップさんを見つめていた。あの怖い目で。
しかしリップさんも一歩も引かない。ちょっと手は震えていたけど。
「離してもらえませんか?」
リップさんはぐっと一歩前に出た。後ろで大尉先生の溜息が聞こえる。
肩をぐっと乱暴に掴まれ、振り向かされた。噂に違わぬ凄い力だ。
そして顔を近づけ、僕の目をじーっと睨みつけてくる。
「何も聞かなかった。何も言うな」ってことですね、はい。そりゃもう。
僕は冷や汗だらだらでうなずいた。
この先生、その気になったら人殺せるんじゃないのー!?

そして大尉先生は僕の肩を乱暴に突き飛ばし、元来た道をまっすぐ大股で去っていった。
僕は思わず廊下にへたり込む。ああ生きているって素晴らしい、心の底からそう思った。
「大丈夫ですか」
後ろからリップさんがのぞき込んでくる。黒髪が僕の肩にかかる。
相変わらずいい匂いの髪だ。
「ありがとう、助けてくれて」
僕は情けない顔で笑った。避けていた相手に助けられるとはねー。間抜け。はは。
「よかった。ずっと探していたんです」
そう言ってリップさんはにっこりと笑った。
その笑みはなにか吹っ切れていて、以前の彼女とは違っていた。
「それで、あなたのお名前を教えて頂けませんか?」
僕は素直に自分の名前を告げました。
「○○さん、いいお名前ですね」
リップさんは笑う。
「あの時は大変失礼しました」
そういって深々と頭を下げた。あの、僕、まだ廊下にへたり込んでいるんですけど。
この人らしいなあ。やっぱり少し変わってもリップさんはリップさんだ。
「よろしければ、少しお話したいんですけれど」
はい、そうですね。助けて頂きましたし。これはもう、運命ってやつですね。

というわけで、僕らはあのテントに向かいました。
やっぱり僕らが話すべき場所はあそこだから。
それに「アーチェリー部の部員さん」ってことで助けてもらったしね。
僕、直感に逆らわないように運命にも逆らわないの。
もう冬が間近だから日暮れは早かったけど、あのテントは照明設備もばっちりです。
テントテントって言ってるけど、運動会の仮設テントじゃなくて
サーカス団のテントとかあっちのほうを想像してね、今更だけど。

でもさすがに寒いな。テントに入ってそう思った。
んで僕らはまたベンチによりそって座った。
リップさんはもう僕に体重をあずけてはこない。いいことだ。...たぶん。
「私、あれから色々考えました」
リップさんはかじかむ手を揉みながら言う。
「あの時、私は正気じゃなかったと思います。人を撃った時と同じように
 自分を忘れていました。大切にもしていなかった」
そして僕の目をまっすぐ見つめてきた。あの黒くて大きな目はもう潤んではいない。
でもやっぱりきらきらと輝く素敵な瞳だった。
「自分を大切に出来ない人は、他の人も大切にできないんですね。
 あなたには本当に失礼なことをしたと思いますわ」
「ごめんなさい」そう言ってリップさんは僕の頬にキスをした。
うわー。大胆。女の子ってわからん!
さすがの僕も呆然と固まっていた。いやもう今日は僕、全然ダメ。
得意の潜入には失敗するわ、避けていた人に助けられるわ、あげくにこれとは。
ノックアウト。ホールドアップ。ギブアップ。大降参。もうどうにでもしてください。
反対にリップさんはニコニコしている。
「寒いですわね、ここ」
そう言って立ち上がると、ごそごそとテントの隅から何か引っ張り出してきた。
小柄なリップさんには重くて大きなものみたいだったので、手伝う。
それは寝袋だった。しかも二人用の。
「たまに練習でここに泊まり込むんですよ。その時用に古いのを譲ってもらったんです。
 なぜか二人用だったんですけど、今となってはちょうどいいですわね」
いいのか!? ねえ!!??

リップさんは寝袋を広げて、その前で嬉しそうに手を叩いた。ハイテンションだなあ。
なんでだ? 僕に会えた嬉しさのあまりか。それとも変わった彼女の新しい姿か。
後者に一票。なんとなく直感で。

「一緒に入りませんか?」
リップさんは有無をいわさず僕の手を引っ張った。
僕はひきずられるようにして寝袋に転がり込む。
いやリップさんの体格的に引っ張ってなんとかなるわけないけどさ、
女の子に一緒の寝袋で寝ましょうって言われてひきずられない男がいますか? え?

こうなればキャンプだと思おう。うん。そして僕らは一緒の寝袋に入った。
リップさんは相変わらずハイテンションで、いろんな話をしてくれた。
この学校にはアーチェリーの特待生として奨学金を受けて入ったこと、
それで実家を離れて学生寮で暮らしていること、クラスのこと等々。
きっと今まで離す相手がいなかったのであろうことを、色々と。
苦労話に分類されることなのだろうけれど、彼女の口調は明るかった。
しかしもう僕はドキドキでしたよ。体は密着しているわ、
暖かい体温を感じるわ(いやそのための寝袋だけどさ)、なによりリップさんの花のような香が。
「あのー、これはやっぱりまずいんじゃなかな」
僕はおそるおそるそう言った。リップさんはしゃべり続けていた口を止めて、
ふと真面目な顔で考え込んだ。
「まずいでしょうか?」
「僕、これでも男なんで」
「...私は、構いませんわ」
う。絶句する僕を横に、リップさんは一旦寝袋を抜け出して、テントのスイッチを切りに行った。
たちまちあたりは闇に包まれる。そこに懐中電灯を持ったリップさんが帰ってきた。
懐中電灯はランタン型のやつなので、そのまま床におくことが出来る。リップさんはそうした。
そしてまた僕の横に潜り込む。

「あの、最初の二週間、私、それでもいいと思っていましたの」
さすがに真っ赤な顔になってリップさんはそう言う。僕の予想は当たっていたわけだ。
「でもそれは間違いでしたわ。でもでも、今は違いますわ」
リップさんは僕の首筋にそっと両手をそえて、伏せ目がちに聞いた。
「○○さん、私のことを好きだと言ってくださいましたね。あの告白を聞いた後でも」
「はい。好きですよ。今でも」
人間正直が一番です。
「私も、○○さんのことが好きです」
リップさんは見上げるように僕のことを見つめた。相変わらず顔は真っ赤だ。
でもさっきとは色合いが違って見えた。
そばかすが明かりに浮かび上がって、目は少し潤んでいるけど真剣だった。
「私、あなたに浄化して欲しいんです。
 勝手なお願いですけれど、私にとってはそれが最後の決着なんです」
意味はよくわからない。でも僕は好奇心を押し殺した。浄化。いい言葉だと思ったから。
そっとリップさんの服を脱がせにかかる。冬服でセーターも着ているし寝袋の中ってことで難しい。
僕らは芋虫みたいにもぞもぞと動いた。
リップさんのセーターを脱がせて、セーラー服のリボンを外す。この瞬間ってどきどきする。
しかし寝袋の中に潜ってそれって息苦しいんだよね。
だから僕は呼吸するために頭をだして、あとのボタンは手探りで外しました。
リップさんはそんな僕を面白そうに黙って眺めていました。
それからもう一回深呼吸して寝袋に潜る。彼女の胸に顔をあずけながら、ブラを外しました。
リップさん、やっぱりあんまり胸ないよね。でも好きな女の子の胸ならそれもまた素敵なのさ。
恋っていいよね、便利で。
そのままスカートも外してごそごそやっていると、リップさんは笑い出した。
「くすぐったいですわ」
「だって狭いんだもん」
寝袋の中で拗ねたように言う僕をリップさんの細い手が探ってきた。
僕の頭や顔をさわって、学生服の襟にも手をのばす。
「あ、いいよそれは自分で脱ぐから」
でも寝袋の中で見たなまめかしい細くて白い手は綺麗だった。
これが弓を引くんだなあ。僕は弓かあ。なんてバカな連想をしつつ。

そして僕は再び浮上し、一旦寝袋の外に出て服を脱ぎ始めた。
女の子に脱がしてもらうのも嫌いじゃないけど、寝袋の中はあまりにまだるっこしいよ。
ちらりと後ろを振り返ると、リップさんは両腕で頬杖をついて、僕の後ろ姿を見ていた。
「あんまり見ないでよ、恥ずかしいから」
「でも素敵な背中ですわ」
ありがとう。僕は服を脱ぐと、ごそごそとポケットから例の物を。男の身だしなみってやつ。
それからあらためて寝袋の中に入りました。
裸でリップさんと抱き合う。僕の体は外に出たことで冷たくなっていて
逆にリップさんの体は暖かかった。
「暖めてね」
そういいながら僕はそっと彼女の胸をさわる。首筋に口づけした。
それから手を背中に回して、彼女のお尻もさわる。
リップさんの細い体を優しく触りまくった。彼女の体だって弓みたいだよなとか思いつつ。
だんだんお互いの息が荒くなってくる。僕はリップさんの口にキスをした。
「いいかな?」
リップさんは少し不安そうに、こくんとうなずいた。
僕はまた寝袋の中にもぐって彼女の両足を開く。その間に自分の腰をいれた。
「あ、、、」
リップさんの不安そうな声が聞こえてくる。
「怖い?」
「いえ、大丈夫です」
リップさんの白い手が僕の頬をさわる。
僕はそれに勇気づけられて、そっと腰をすすめた。
やっぱり細身のリップさんはきつい。優しくしないと。
うまく欲望を飼い慣らしつつだねえ、僕はゆっくりと腰をすすめた。
意外とあっけなく奥まで達する事が出来た。

ぷはっと僕は寝袋から顔を出す。
懐中電灯の薄明かりの中で見るリップさんの顔は綺麗だった。
目がうるうるしていて、それでいながらどこかいたずらっぽくて。幸せそうに笑っていた。
「私、こういうのは始めてですわ」
「寝袋の中でするの?」
リップさんはちょっと首をかしげてから、うなずいた。
「そうです」
「僕も始めてだけどね。意外と面白いね」
そういいながらも僕は腰を動かしていた。しながら喋るの好きなの。変?
なんか快楽の中に没入するより、ちょっとじらしながらじらされながらが好きなんだよね。
リップさんも熱い息を吐きながら、僕につき合ってくれた。
「ん、、気持ちいいんですね、、こういうのって」
「下手な男としかやってこなかったの?」
リップさん、初めてじゃなかったんだーとちょっと驚きつつ。
でもまあ、僕も始めてじゃないんだし、相手にだけ求めるのは野暮だよな。
リップさんは僕の言葉を聞いて笑った。
「私が下手だったんですわ」
リップさんらしいなあと思いつつ、それはやっぱり相手が下手だったんだろう。
僕は一層気をつけながら、彼女の呼吸にあわせて徐々に腰の動きを早めていった。
「ねえ、、リップさん変わったね、、、でも、僕、そんな君が、、、好きだな」
「んんっ、、そうですか、、、私、、、変われました?」
お互いもう頂上近くまで来ている。
さすがにもう言葉を発する余裕がなくて、僕らはお互い抱き合いながら体を動かした。
この言葉をなくす瞬間が好きなんだ。

そして僕たちはほとんど同時に達した。
リップさんの体ががくがくと震えて力が抜ける。僕も同様だった。
そのあと、僕らはしばらく抱き合ったままでいた。
あ、リップさんがずっと下だと重いよなと思って体を横にまわす。
僕の腕枕の下で、リップさんは笑った。
「○○さん、まだ私のことさん付けで呼ぶんですね」
「なんだよ、最後に考えていたのそんなこと?」
僕らは同時に笑った。
「リップさんだってさん付けじゃない。...こういうの嫌い?」
リップさんは首をかしげた。
「それはそれで面白いのかもしれませんわね」
「そうだよ。それにこうだとね、まわりにばれないっていう利点があるの」
「ばれないのが好きなんですの?」
「うん、僕、秘密主義者だから」
人の秘密あばくのは好きだけど。いや、今日の大尉先生にはさすがに懲りたかな。
さて、そろそろ抜かないとな。そう思って僕はそっと彼女の中から自分のものを引き抜いた。
「う、ん、、」
リップさんの声が聞こえる。
「女の子って抜く瞬間も気持ちいいの?」
「んー、そうかもしれませんわ」
リップさんは人差し指を口に当てて考え込みながら答えた。
僕はまた寝袋から出て後始末をする。
「何をしていらっしゃるんですの?」
「なにって、後始末だよ」
前の男はそんなこともしなかったのか。さすがに怒りがわいてきた。大馬鹿野郎だな。
「後始末ですか」
リップさんは面白そうに笑った。
「じゃあ私も後始末をしましょうか」
へ? なに? ごそごそとリップさんは僕の横からはい出す。
服を着ないまま、裸のまま、靴下だけを履いて(そういえば脱がせるの忘れた)、
そっと弓を手にとった。それから矢も。

懐中電灯の明かりの中、裸身のリップさんは矢を弓につがえて構えた。
その姿は今までで一番綺麗で、僕は寒さも忘れて見とれていた。
ただ、彼女の背中には傷があった。どこかにこすりつけられたようなひどい傷が。
思わず息を飲む。それが伝わったのだろう、リップさんは的から顔を離さずに言った。
「これが私の背負う罪ですわ」
その声は冷たい空気の中を静かに響いた。だから僕はもう黙って続きを見つめていた。
ただ、あの傷のことは忘れないでおこう。
僕には背負えないけど、背中を守ることはできるはずだ。そう誓いながら。

リップさんは弓を放つにあたって高らかに宣言した。
「嫌な過去は、ちゃっちゃとおっ死ね、ですわ!」
矢は見事に的の中央に命中した。
浄化は成功したらしい。
これが僕と彼女の物語の始まり、なんてね。
ともあれ少し変わったリップさんは、少しずつまた歩き出した。
弓も前ほどじゃないけど撃つようになった。競技会にはまだ出る気になれないみたいだけど。

僕にはあの背中の傷が忘れられない。
いつかすべてを彼女は話してくれるだろうか。それとも聞かないほうがいいのだろうか。
わからないけれど。ゆっくりと、あの傷も癒えるといいなと思う。

いつかきっと。ゆっくりと。


おわり
695よんよんさん:03/09/06 22:27 ID:/E6XQAYc
うわーん、私も充分長いよ。

大尉先生に連れられて教頭室逝ってきます。
696669の喪主:03/09/06 22:37 ID:zJZV+Z17
早速の供養ありがとうございます > よんよんさんさん
669の亡霊がモニタの前に正座して読んでますが、いかがしましょう(笑)



ところで669は別スレで30レス以上の大作を書いた事があるのでこれくらいの
長さは全然気にならないし、むしろ丁寧な描写が心地よいとのことです。
そこに至る過程がじゅーよーなんじゃー! エロ以外の部分が雑だとエロ部分を
読む気にすらならんのじゃー!
と、ラップ音でがなりたてるのは止めて欲しいですね。
697名無しさん@ピンキー:03/09/06 22:50 ID:PTlw5tMh
イイイィィ(・∀・)イイ!!

靴下履かせたままか・・・(;´Д`)ハァハァ
698名無しさん@ピンキー:03/09/06 23:23 ID:Xx+AXCxz
OH!なんとステッキーな土曜日なんざましょう。
つーかリップと由美江で漏れを萌やしヌッコロス気ですか、二人とも。
>「嫌な過去は、ちゃっちゃとおっ死ね、ですわ!」
ちょー萌え!カコ(・∀・)イイ!!リップお元気になって良かったね。
何気に漢な大尉先生燃え。

当たり前だろうけどそれぞれのパートの○○君の性格を変えてるのが芸が細かいなと。
特にリップ編のお調子者でちょっと変な○○と、
由美江編の真面目そうに見えて実は腹黒い○○がおもろい。
699よんよんさん:03/09/07 00:37 ID:vAMiztYv
>696
亡霊にお伝えください。

そのとある漫画は知りませんが、
それって逆に言えば若くない女に価値はない、
若くない男には価値が出てくるって事になりませんかと。
んで、成仏してくださいっと。

成仏できないならさっさとこの世に戻ってこんかー!!
700666な香具師:03/09/07 00:56 ID:Q6AACihi
>>667
感謝の極み!ズパッ
ちょっと自身がつきましたので、また好き勝手絶頂にやらせて頂きます。
御バカにそこはかとなくえろいものを。

>>699
リップ委員長が立ち直って一安心。
彼女にはもう学園抗争から離れた世界の人でいて欲しいですね。
ところで今回委員長がすごく積極的ですね、そこが素敵ですね。
下手糞の大馬鹿野郎呼ばわりされたアーカード君が
(あまり出てないにもかかわらず)可笑しかったです。
701よんよんさん:03/09/07 01:16 ID:vAMiztYv
>700
ちょっと狙ってました<アーカード君

女性って可能性もあったな。
歳なんぞとってなんぼじゃー。私はむしろもっと歳取りたい。成長したい。
702名無しさん@ピンキー:03/09/07 08:15 ID:1m8Xc40S
どうでもいいかもしれないが、昨日のSSラッシュに
ちょろっとしか出てないのに大尉と由美子が美味しすぎる。
703名無しさん@ピンキー:03/09/07 10:16 ID:j9jr91cV
これでときヘルはセラスとリップと由美江が攻略されたのか・・・
残るはシュレタンとハインケルと由美子だな

たまにはインテグラ派やマクスウェル派の反撃で少佐先生大変!
な展開があってもいいと思ふがどうだろう?
シュレ会長お痛しすぎて旦那やアンデに追っかけられるとか
捕まってハイや由美江に性的いたずらされる展開が美味しそう
704名無しさん@ピンキー:03/09/07 20:40 ID:/Ck/07/q
また唐突ですけどSS投下します。
ときヘルの番外編のノリで。

実質的にゾーリン姉さんが主人公なので、洒落にならない卑猥さと下品さです。
そういうのは駄目な方は12〜13レスはスルーして下さい。
時間軸は由美江編とリップ編終了直後ぐらいの設定です。
私立ヘルシング学園第三理科準備室。
別名アウシュビッツ理科準備室。
本校生徒たちからかかる物騒なあだ名で呼ばれたその一室が
ドク先生の本拠地であった。
この準備室がとんでもないあだ名をつけられた理由は二つ。
まずこの準備室の中自体が薄気味悪いからであった。
ホルマリン漬けの標本や怪しい液体の入ったフラスコ。
使いすぎで所々色の落ちた人体模型等々、その手の舞台装置が揃い過ぎていた。

今ひとつの理由。
それはこの部屋の主人たるドク先生にある。
薬品類で汚れた白衣に妙なオカッパ頭、度の強そうな眼鏡に甲高い声。
「マッドサイエンティストとは何か?」
という問いの、歩く答の様な彼の存在が
この準備室を生徒達から遠ざける理由になっていた。

このアウシュビッツ理科実験室でドク先生は珍しいお客さんを迎えている。
同僚教師のゾーリンブリッツ先生だった。

「で、用件はなんだったかな、ゾーリン先生」
ガスバーナーとフラスコで淹れたコーヒーをすすりながら、
ドク先生はゾーリン先生に尋ねる。
「飲みますかな?」
一応紳士を自任するドク先生はそのコーヒーをゾーリン先生にも勧めた。
「あ、いえ結構です。次の授業がありますんで」
ゾーリン先生はそう答えたが、理由は別にあった。
そのフラスコが元はどんな薬品を入れていたか分かった物ではないし、
何より妙な薬品の実験の為にモルモット代わりに
使われたのではたまったものではない。
ゾーリン先生はやおらドク先生に来訪の理由を告げた。
「何、そんな難しいことじゃないんですよ。
授業で使うんで、少し大きめの試験管を40本ばかり借りたいんです」
「ほほう、試験管を?」
ドク先生は首をひねった。

それもそのはず、ゾーリン先生は体育教師であり、
ゆえに体育系であり、理系の象徴的存在たる試験管などとは縁が遠いはずであった。
本来派閥を同じくするゾーリン先生の要請に二つ返事で、
「はい分かりました。そこにありますので持って行って下さい」
で良いはずである。

ただ科学者の常とてドク先生は好奇心が強すぎた。
「試験管を一体何に使うのかね? 
体育の時間に使うことは無いと思うのだが」
ゾーリン先生は実に無造作に答えた。
「保健の授業で使うんですよ」
「保健の授業? 一体また何に? 何かの実験かね」
「いえねぇ、性教育の一環でスキン、コンドームの装着演習を
したいと思いまして、試験管を男のアレに見立てて…」
「 断 る !! 君は神聖な実験器具をなんだと心得ているのかね!?」
「いや、私にそんな事言われてもね。
どうせなら性教育に注力するよう指導要綱を変えた
文部科学省に言ってもらいたいですな」
「まったく! ゆとり教育だのなんだのと、文部省の役人のやることは…」
「ま、そういう訳なんで借りてきますわ」
目聡く見つけた試験管の入ったかごを抱えたゾーリン先生は
怒り狂うドク先生を放置してアウシュビッツ理科準備室を退室した。
「あッ これ待ちたまえっ ゾーリン先生! まだ貸すとは…
ったく! あいも変わらずのゴーイング・マイ・ウェイだな…」
開けっ放しのドアを呆然と見つめながらドク先生はぼやいた。
キーン〜コーン♪ カーン〜コーン♪
「起立! 礼! 着席!」
今日も眼鏡とソバカスが麗しいリップヴァーン委員長の号令で授業が始まる。
今の時間は保健体育なので、男子と女子が分かれて二つのクラスが合同で授業をする。

ゾーリン先生は面倒くさそうに出席簿を広げた。
「出席を取るぞ、セラス・ヴィクトリア〜」「はい!」
「リップヴァーンウィンクル」「はい」
「ハインケル・ウーフー」「ウッス」
「高木由美子〜」「はーい」
「高木由美江」「へーい」
「○×△□―」「はい」「エトセトラえとせとら〜」「はい」
………
「それでは授業を始める。今日は避妊についてを教えてやるからな〜」
「うわ〜」「キャーキャーキャー」「卑猥ですわ…」
「カハッ カハッ カハッ まあ今日の授業はある意味
三角関数や、いくひとしぬよ(1914)第一次世界大戦な年号の暗記法より
実生活で役に立つはずだから、ありがたい私の話を耳をカッポじって聞くように。
ではまず教科書を読んでもらおうか。
え〜と、よし由美子、93ページを頭から読め」
「あ、は、はい。… 受胎調節にはいろいろな方法がありますが、 受胎調節の条件としては、
 1.避妊効果が高い
 2.性感をそこなわない
 3.副作用や危険がない
 4.可逆的である(やめれば、また妊娠ができる)
 5.だれにでも容易に使える
 6.男性の協力なしで女性の意思のみでも可能である
などがあります」
「よし、そこまで。さて…」
ゾーリン先生はぐるりと教室内を見回し、それから口を開いた。
「受胎調整、まあようするに避妊だわな。
それではお前らが知ってる避妊法を答えてもらおうか。
えーとそれでは、セラス! 答えろ」
「え、は、ハイ! えーと、そのぉ」
顔を真っ赤にしたセラスは勢いよく立ち上がった。目が左右に泳いでいる。
「こ、コ、コ、コン、コン、コン」
「はあぁ〜? 聞こえんなぁ。お前は鶏か狐か?」
「コンドームですっ!」
「その通りコンドームだ!! よくぞ分かったセラス・ヴィクトリア、座っていいぞ」
少し呼吸を乱してセラスは着席した。
「まあ他にもピルや基礎体温法や殺精子剤なんぞもあるが、
今日はもっとも基本的なコンドームの装着の実演演習をする。
ここに試験管とコンちゃんがあるから各自一組ずつ持っていけ」

がやがやとざわつく生徒をゾーリン先生は手を叩いて静める。
「みんな一本ずつ持ったか? あと各自コンちゃん一個ずつ持ったよな?
それではその試験管を野郎の一物に見立ててコンちゃん装着の練習をするぞ。
リップヴァーン、袋を破いて出してみろ」
「は、はい。…これでいいでしょうか」
慣れない手つきでギザギザの部分から袋を裂き、中のゴム製品を引っ張り出す委員長。
眼鏡の奥のほおが赤く染まっていた。
「よし、出したら次はその先っちょにある突起をつかめ」
「は、はい」
「そこが精液だめ。野郎がいった時、そこに液がたまる。
そいつに空気が残らないように摘まんでひねるんだ」
ゾーリン先生の言われるままにリップヴァーン委員長はひねった。
その彼女の瞳が潤んで見えたのは目の錯覚であろうか?
リップヴァーン委員長が指示どおりにしたことを確認して
ゾーリン先生は試験管の底を委員長に突きつけ次の指示を下した。
「この先にコンちゃんをかぶせろ。
乱暴にするなよ、割ったらドク先生に私が叱られるからな」
無言でリップヴァーンはそのゴム製品を試験管の底にかぶせる。
「こ、これでいいですか!?」
「うむ。そいつを下におろせ。根元までなァ」
リップヴァーンの白い手がゴムをしごきつつ冷たい試験管をなぞる。
ドク先生曰く、神聖な実験器具はこうして薄いゴムに包まれた。
「よーしうまくいった。みんな見てたな〜各自こんな感じでやってみろ」
「ハーイ、先生質問!」
「なにかな? ハインケル」
勢いよく手を上げたハインケルにゾーリン先生が振り向く。
「男のアレが、この試験管みたく硬くなかったらどうするんですかぁ?」

どこの学級にも、必ず一人はこの手の困った生徒がいる。
これに対する先生には通常三タイプが存在するように思われる。
1.激昂逆上タイプ
ふざけて羽目を外した生徒を叱責し、授業を通常通りに遂行する先生のタイプ。
当ヘルシング学園でその典型がインテグラ先生。
例:「うるさい!! バカ!! 知った事か!! さっさと言われた事をやれバカ!!」

2. 生真面目対応タイプ
言った生徒は面白半分の冗談なのに、言われた自分が真面目に答えるタイプ。
往々にしてからかわれやすいタイプでもある。
ヘルシング学園ではドク先生がそれに該当するであろうか?
例:「それでは皆様お手元の教科書をごらんくださーい。
勃起するときは、陰茎海綿体と尿道海綿体は別々にふくらみます。
これは性的興奮によるものと外部要因による刺激によって起こりますので…」
だが、今ハインケルの卑猥な質問の矢面に立たされている
ゾーリンブリッツ先生はどちらにも属さない。彼女はこう答えたのだ。
「くわえろ」
「はっ!? 今なんと――」
「くわえるんだハインケル。そういう場合はな。知らんとは言わせんぞ」
ゾーリン先生は黒板に向って白のチョークでデカデカと大きく書き殴った。
『 フ ェ ラ チ オ 』と。
「これで可愛がってやればインポで無い限り大抵の男は問題ないはずだ。
なんだハインケル? そんな呆けた顔をして。
ははーん、さてはお前知らなかったんだな? 意外に純情だな。
よし分かったっ! 今日はまずそこから教えてやろう。
みんな試験管を手に持てぇ、底の方を口先に持っていけ」
3.セクハラ倍返しタイプ
ふざけた質問をした生徒が泣いて許しを請いそうな猛烈な勢いで
セクハラ発言を連発し、尚且つ実演してしまう危険なタイプ。
往々にして先生自身の手で授業進行を破壊してしまう。
ゾーリン先生は、同僚のベルナドット先生と共にこのタイプの両巨頭であった。

「なんだよ〜そんなに睨むなよ、私が悪いんじゃないって。
ゾーリンがイカレてんだからよぉ、なあ由美子ォ〜」
別に由美子だけがハインケルを睨んでいたわけではない。
ほぼ全女生徒の目が非難がましい視線をハインケルに突き立てていた。
あの穏健派のリップヴァーン委員長がギラギラした目で睨んでいるのが
事態の深刻さを物語っている。
ただ中には、セラスや由美江の様にまじまじと試験管を注視し、
思い詰めた表情を浮べている者もいた。
教壇で仁王立ちしたゾーリン先生の講義が始まる。
「よし、みんないいか。まずは舌でなぞって舐め回すところから始めるぞ。
由美子、お前やってみろ」
「え、えっ 私がですかぁ」
ひるんだ由美子もゾーリン先生の眉が急角度になるのを目撃して
仕方無しに赤い舌をペロッと出した。
透明な試験管の尖端を、由美子の舌がそろそろと這う。
たちまち試験管は白く曇り始めた。
「そうそう、すみずみまで舐めろ。先っぽは敏感だから注意するんだぞ。
それではみんなも始めろ!」
ゾーリン先生の号令で教室に集う女生徒全員が試験管を舐めまわし始めた。

「よ〜し、始めはそんな塩梅だ。次に進むぞ。セラス、試験管を口に含めろ」
「こ、こうですかァ」
慌てたセラスは試験管を口に放り込む。
中でガラスが歯にあたり、カチッと硬質な音が彼女の口の中からした。
「おいッ! 歯をたてるんじゃない、馬鹿者が!
下手糞の分際であんまりおいたが過ぎると
相手の男をブッ殺しちゃうわよセラスちゃん」
「ご、ごめんなさい!」
「まあいい。始めは舌を使って包み込むようにしてみろ」
「はいっ」
真剣な眼差しで試験管と向かい合い、今度は慎重にそれを口に含むセラス。
「やれば出来るじゃないか。次は口から出したり入れたり、
唾をつけてすするように動かしてみろ」
「んうっ もごっ んふ んくっ ぷぱっ」
「うわぁ」「す、すごいですわ…」
穴が開くような熱心さでリップヴァーンと由美江がセラスを見詰めていた。
異様な熱気が教室を満たし始める。
そんな中ゾーリン先生はハインケルの名前を呼んだ。
「よしハインケル、次はお前の番だ。
試験管を激しくピストンさせろ、尖端を舌で上下左右に転がすのも忘れずにな。
試験管を手でしごくようにこするともっとよい」
「な、なんで私がそんなことしなくちゃ…」
「言いだしっぺはウーフーでしょ!? 責任とってやりなさいよ」
ひるむハインケルを由美子が釘をさす。
恥ずかしい思いをするものは一人でも多いほうがいい。
汗ばむ両手をそえて、ハインケルは試験管をくわえる。

「うぐっ おごっ んも はぐっ ふあっ ふぐっ」
ハインケルのくちびるの間をガラスの試験管が素早く行ったり来たりする。
透明なため注意してみれば、彼女の口の中で舌が複雑にうごめき、
上に下に、右に左にと動き回っているのが見て取れる。
そんな彼女をクラスメートや隣のインテグラ組の女生徒がジッと観察している。
ハインケルはかかる仕打ちに自分の発言を後悔し、少し涙ぐんだ。

「よおし、これで最後だ。由美江、試験管と口の中を
間が空かないくらいに強く吸い込め。舌を強くあてながらどんどん吸い込むんだ」
「こ、こうか!?」
由美江はやおら試験管をくわえると口をすぼめ、
舌を冷たい試験管に貼りつかせて激しくピストン運動させる。
瞬く間に試験管が由美江の透明な唾液にまみれててらてらと光りだした。
「よしよし、そんな感じ。みんなもこの要領で始めろ!」
ゾーリン先生の号令のもと、可憐な40人のセーラー服の乙女達(一部例外あり)は
一心不乱に試験管を舐めたり、しごいたり、吸ったりした。
「一体全体、あいつはどういう性格してんだっ まったく!」
机の上にふんぞり返り、ハインケルは一人憤慨していた。
傍らにいる由美江がなだめる。
「しょうがないだろ。ああいう豪快な性格してんのは分かりきってたんだから。
そんな猪突猛進教師にあんなネタ振る奴が悪い」
「何だよ由美江ぇ〜えらくゾーリンの肩を持つじゃないかァー」
「そ、そうか!? 気のせいだろ、きっと。ところであいつら何やってんだ?」

きな臭い方向に話が向き始めたので由美江が話の流れを変える。
彼女の視線の先で、由美子とリップヴァーンとセラスが何やら作業をしていた。
「何やってんだ、お前ら?」
「あら、ハインケルさん。ドク先生に返却するために、
試験管からその、このゴムを外して洗おうとしているところですのよ」
代表してリップヴァーン委員長が答える。
「みんなで舐めちゃったし、そのまま返すのも問題だから」
由美子もそう付け加える。
「ゾーリンがそうしろって言ったのか?」
「ゾーリン先生は大雑把な人だから、ただアウシュビッツ理科準備室に返して来いって」
「ならそんなことする必要なんかないじゃんかセラスよう」
「そんな訳にはいかないと…」
「ああもうッ! お前ら真面目すぎるんだよ、
私と由美江で返してくるから、それをこっちに渡しな」
「でも…いいのかなぁ、そんなんで」
なにやら渋るセラスをリップヴァーンが制した。
「せっかくハインケルさんが片付けてくださると
おっしゃっているのだから、お任せしていいのでは?」
「ううん、委員長がそう言うなら…でもいいのかなホントに」
なにやら嵐の前触れの予感を感じるセラスであった。
「おい、どうすよ」
「どうするって言われても由美江、どうしようもないじゃないか」
「あら、扉に鍵がかかっているのでは仕方ありませんわ。
入り口前に置いておけばドク先生も気付かれるでしょう」
「えらく捨て鉢なこと言うようになったなあ、インテグラ組の委員長」
「えらくおしとやかになったマクスウェル組の木刀小町には負けますわ。
それより早くしないと、次の授業が始まりましてよ。私、それまでに戻らないと」
是非もなしと、リップヴァーンとハインケルと由美江は
ゾーリン先生がドク先生から借りた試験管40本を
理科準備室の前に置き去りにして足早にその場を立ち去った。

ドク先生にとっての惨劇はこうして準備されたのだった。

授業が終わり、少佐教頭のところにも詣でてご機嫌伺いもすんだ後、
アウシュビッツ理科準備室に戻ったドク先生の眼前にとんでもないものが転がっていた。
「なんじゃこりゃぁッ!」
思わず手にしていた書類全てを落とし、
準備室の扉の前に置かれたかごに駆け寄る。
そこには何やらべとついて、コンドームが装着されたままの
試験管40本がそのまま安置されていた。
「お、おのれゾーリン! なんたる仕打ち!」
ドク先生は両手に一本ずつその試験管を握り締め、
不埒な体育女教師を問い詰めんと後先を考えずに突っ走った。

「き、君たち! ここらでゾーリンを見なかったか!?」
肩で息をしながらドク先生はたまたま通りがかった女生徒に
怨敵ゾーリンの居場所を尋ねる。
だが求める答えの代わりに、廊下一杯に響き渡る悲鳴が返事として帰ってきた。
その日ペンウッド校長は文部科学省の偉いお役人を連れて
学園内を案内していた。
広大な敷地に最新鋭の設備と華麗な建築物群にそのお役人様は
ペンウッド校長に学園を褒めちぎっていた。
別に自身が褒められているわけでもないにもかかわらず、校長は実にご機嫌だった。
だが、その爽快な気分も長くは続かなかった。

「キャァァァァァァァァッ!!!!!」
耳をつんざく悲鳴が廊下を走り、校長とお役人が振り向いたそこには、
泡を食って真っ青になりながら走り逃げる女生徒が走りこんできた。
「い、一体何事かね!?」
ペンウッド校長の背後に隠れた女生徒にお役人が声をかける。
「あれ、あれ! あれー!」
指差すその先に、両手にコンドームを装着した試験管を握り締めた
白衣の眼鏡男が内股で息を切らしながら走って来るではないか!!
「どこから入り込んだのだ、この変質者めっ!!」
この発言はペンウッド校長一世一代の大芝居と褒められてよい。
「ウォルター君! 至急あの不審者を取り押さえたまえ!」
傍らに控えて校長のサポートをしていたウォルター
(というのは校長の主観で、実際に学園を案内していたのは彼だ)
は、ペンウッド校長の命令が下るや否や行動に移った。

「あ、用務員君! ゾーリンを見なかったかね!?
って何をするのだ無礼なっ!」
するするとドク先生の背後に回りこんだウォルターは
先生の右手をひねり、床に引き倒した。
「あだー 痛い痛い、やめたまえぇぇぇッ!」
無様な叫び声をあげてドク先生は廊下をのた打ち回った。
少佐教頭先生にとって今日ほど不快で腹立たしい日は無いはずだった。
それにしては彼はいつものほおの肉皮をわずかに歪ませあげる例の
笑いを絶やすことはなかった。
「大変な目にあったねぇ、ドク君」
『屈辱の極み! なにゆえ無実の私がかかる仕打ちに!
これは何者かの陰謀としか申し上げようがございません、教頭!』
「そうは言っても、あんな卑猥なものを掴んで女子高生に迫れば
普通誰でもそう思うものさ。
よくペンウッド校長が外部犯だと文部省に言いくるめたものだと
歓心してしまったものだよ。
いや、あの人もなかなかやるもんだね」
『そんな呑気なぁ〜 私は一体いつまで謹慎させられるのでしょうか!?』
「まあ当分は無理だね、ペンウッド校長も理事会もカンカンだよ。
私の方から随時説得してみるから、しばらく大人しくしたまえ」
『分かりました…… ご迷惑をお掛けしまして大変申し訳ございません…』
「まあそんなに悲観せずに、ドク先生。
校長の機転で学校職員でなく外部の変質者になってるからね。
ほとぼりが冷めれば戻って来られるよ。それでは私はこれで失礼するよ」
『なにとぞ宜しくお願い申し上げます…』

受話器を下ろして、少佐教頭はため息をついた。
これから理事会やペンウッド校長に陳情行脚しなければいけない。
そして被害?にあった女生徒のご両親にも。
「駄目な部下を持つと苦労しますね」
シュレディンガー生徒会長がへらへら笑いながらコメントすると、
「そうでもない。彼は大変優秀な人材だよ。
ただそうだね、ちょっと個性的過ぎるんだよ。科学者なんてそんなものさ」
ドク先生に輪をかけて個性的な少佐教頭はそうフォローした。

― ギャフンEND ―
717704:03/09/07 21:09 ID:n/2eyoub
大してえろくない上、笑いに走りすぎですかね。
アナザーですので、ときヘルの今後に影響することはないと思って結構です。
といいますか、殺伐とスタイリッシュにエロティックで切ないのが
ときヘルの真骨頂なのに何やってんですかね、私は。
718名無しさん@ピンキー:03/09/07 21:25 ID:rELHB35H
>710で声上げてワロタ
笑い死にするかと思った。
自分的には全然オッケー! むしろщ(゚Д゚щ)カモォォォン
719669♂の亡霊:03/09/07 21:31 ID:LNalH3OX
黒田硫黄「茄子」です。
あれは家出した馬鹿ップルを評した言で、
内面的な成長がどーのこーのだのいう深い意味は無いようですじゃ。

まーちかごろ亜鉛サプリを飲んでも元気にならない(w 等、衰えを切実に(ry
って、肉体を失った亡霊にはもはや関係ありませぬな。
ちゅーわけで、そろそろ成仏しますよ。じゃ!
720名無しさん@ピンキー:03/09/07 21:41 ID:uIiQ318s
おもしろいではないですか

先生3タイプの タイプ1 インテグラ先生に萌えますた
やっぱセクハラされんのか

ゾーリン姐さんちょーサイキョー
721名無しさん@ピンキー:03/09/07 22:16 ID:qOhcKf3R
いや、十分エロかったです。ごちそうさま。
722名無しさん@ピンキー:03/09/07 23:44 ID:mXY9OKiB
リコーダー吹いてたり、棒アイス舐めてたりでも充分エロなのに試験管とは・・・

セラスたんとリップたんと由美江たんは
このあと各自の○○君相手に試したんだろうか?
ゾーリンに教えてもらったとか言って(w
723よんよんさん:03/09/08 00:08 ID:BOFXnbGi
>殺伐とスタイリッシュにエロティックで切ない
ときヘルってそんな高尚なもんだったのかっ。
特にスタイリッシュてあたりが。

でもやっぱエロパロは面白いなと思いましたわ。お見事ですわっ。
724名無しさん@ピンキー:03/09/08 01:24 ID:U3P6slTJ
はい!
リップちゃんのナメナメ実践編キボンしまーす
725名無しさん@ピンキー:03/09/08 02:22 ID:X32awGN/
インデグラ先生はしたたかに反撃しそうではあるが
726名無しさん@ピンキー:03/09/08 03:20 ID:kxCRYGnf
>704
姐さん豪快でイイ!!セクハラ倍返しタイプワロタ。
だがしかし、姐さんにマンツーマンでエロい事されたいと思っている俺は逝ってよし。
727名無しさん@ピンキー:03/09/08 04:19 ID:QWROXtIn
リプタンと由美江はときヘルのあの勢いならマジやりそうだな
>ナメナメ実践編

セラスはちょっと想像できん。
インテグラ先生はゾリン姐さんに怒鳴り込んだりしないだろうか、
生徒に変なこと教えんなとかいって(w
マクスウェルはこの授業を笑って黙殺しそうだが。
728名無しさん@ピンキー:03/09/08 06:35 ID:QHnzva5n
「生徒におかしな事を吹聴するのは慎んでいただきたい」と抗議しに来た
インテグラ先生を「清純そうな顔してても、裏では色んな男とヤッてんデショ?」と
言葉責め&手も出しちゃう両刀なゾーリン先生キボン。駄目?
729よんよんさん:03/09/08 08:49 ID:sADtnbJ7
インテグラ先生、どう考えても清純そうな顔じゃないと思うが・・・服装はあれだし。
話聞いても鼻で笑ってそう。
つーか、高校生でもこんな保健体育やるの?
私は中学一年でセクースのやり方から習いましたが(しかも男女合同)。

リプの場合、僕のほうがそういうの嫌いそう。
ああいうやつはエチーでは奉仕されるよりするのが好きなタイプと見た。
730名無しさん@ピンキー:03/09/08 10:50 ID:U3P6slTJ
てゆーかインテグラ先生、他の件ではタイプ1だろうけど、
この手のことに関してはタイプ3だと思う。
保健体育@ヤロークラスをもし受け持つようなことがあれば、
Gスポットとは何かとか教えそう。
731名無しさん@ピンキー:03/09/08 13:25 ID:nVNON8Jr
わはは!ゾーリン先生サイコー!!!
でもドク先生がなんかすんごく可愛いわ(w
彼にももっと光を〜
732名無しさん@ピンキー:03/09/08 15:53 ID:9vgshIBO
あの〜、ときヘルアンデルセンにボコられるセラスは駄目ですか。
アーカードの指図で他校の不良(少佐の手先)との抗争に参入して
目をつけられて、とか。
セラス一人だと死体にされそうな予感がするので一応アーカードに
乱入してもらって。
それじゃもっとヤバそうなのでインテグラ先生にお出まし願って。
アイルランド辺りの流れで。

神父様なアンデルセンは本編がらみではエッチは論外ぽいんで、
ときヘルでなんとかできませんか〜
リップの銃がアレならアンデルセンの銃剣…どう考えても鬼畜…
怖い総番がみたいっす〜
733よんよんさん:03/09/08 17:11 ID:Z92tHDIa
それって、アンデルセンによるセラスゴカーンってこと?
肉体的にボコるだけじゃないんですよね。
本編あのシーンの再現は面白そうだけど、
ときヘルのセラスをやっちゃってオケーなのか、皆さんはどー?

まあゴカーンじゃなくても性的暴行ってできるけどな。いろいろと。
734名無しさん@ピンキー:03/09/08 17:21 ID:U3P6slTJ
アンデルセンに中途半端はないでしょう。
徹底的に姦るか、全く姦らないかの二値問題。

個人的にはアーカードが来た時には既に姦った後で、しかもカトリックらしく
避妊なんてしてなくて、マッドな笑みを浮かべて「子宝を授かるかどうかは
神の思召のままに!」とか言ってんのが良いな。で、そのまま旦那と殺し合い。
735名無しさん@ピンキー:03/09/08 19:15 ID:6bnMVYrZ
そして再会した時に素で「子供はできたか」とセラスに尋ねるアンデルセン。
慌てて「でででできてません!」と素で答えるセラス。
「できるかヴォケ」とアンデルセンと殴り合いになる旦那。
見たいかも。
736名無しさん@ピンキー:03/09/08 19:41 ID:nVNON8Jr
ときヘルセラスたんにはしやわせでいて欲すぃ漏れはここの住人として軟弱すぎでつか?
つかそれ以前に女をコマしてるアンデルセン番長ってのに違和感バリバリなんすけど…
やるならときヘルじゃなくて別の鬼畜パラレルにして欲すぃdeath。
737よんよんさん:03/09/08 19:57 ID:LcPogV+T
いや、リップ鬼畜編の時の反応を考えると
私もやらないほうがいいんではという気が。
特に私はやらないほうがいいんではという気が。
他に気軽にやれる人がいらっしゃるならそっちのほうがという逃げが。

どーしてもってことなら、
ゴーカンまでいかないエロ、裸に向きつついたぶる程度が限度かなと思ってます。
「汚らわしい売女め、その姿を晒してやる」程度で。
738名無しさん@ピンキー:03/09/08 20:20 ID:m1Ip9gQJ
見たーい。

でも、その場合は心情よりエロ描写を重視でお願いします。
セラスの口からつらい気持ちを切々と語られると
かわいそうになってきちゃいそうなんで。
739名無しさん@ピンキー:03/09/08 21:13 ID:8nrbSkgh
>732
つかそこまで煮詰まってるなら自分で書けばいいじゃなーい
と思うのはちょーゴーマーンでしか?
740名無しさん@ピンキー:03/09/08 22:53 ID:U3P6slTJ
>739
善し悪しは別として、別に傲慢ってほどのことではないと思うよ。
ただ、そういう意見が支配的になると、
たとえばあなたが >739 で書いたような意見に対しても
「そういうこというならお前が書け」
みたいな意見がまかりとおるようになったりするけどね。
741名無しさん@ピンキー:03/09/08 23:16 ID:9vgshIBO
>739
いや、言い出しっぺとしてはお気に入りキャラたるセラスが
胸以外のとこであんましいじってもらえてないのが勿体ない、
いいキャラしてるのにいう思いからの突発的なネタだったもんで。

アンデルセンを持ち出してきたのも、アーカードとためはるキャラの
くせに出番少なすぎだYO!という思いただそれだけ。
自分で書いちゃえ、とは思うもののそうなるとそれでいろいろ懸念も
あるわけで…。

エッチ場面は無くってもいや無い方がいいのか?とか。
ときヘルだと神父様縛りが無い代わりに、さわやかセラスのイメージの
保持も重要。その辺の塩梅がさあ、ほら難しいとこで。
ときヘル版はエロ抜き不問に処すってことなら裏セラスな正調番長ものという選択もあるわけですが、どうなんすかね。
皆さんの様子を伺ってみないと、突っ走ってブーイングな悲しい目にあいかねん。
SS初心者がこんな濃いスレにいきなり投下はできませんよう。
びみょーに殺伐としてきた所を失礼!
ゾーリン先生の授業に笑って頂き感謝の極み!! ズパッ
自分、悟りました。もう迷いません。
これから堂々とステポテチーンさせてもらいます。

保健の授業、あの元ネタは昔ニュースで見た実際の話にて候。
ただそれが厨房か工房かは記憶にございません。
インテグラ先生タイプ1、あれは我が脳内妄想にて候。
先生は自他に厳しく公私にけじめをつけるのだ! と思っていたりしなかったり。
ただタイプ3やるとしたら、もの凄い卑猥な英語のスラングで怒鳴りつけるとかw

なめなめ実践編、ドク先生に光を、両方とも面白そうですね、ステッキーですね。
やってみていいですか? 今例の日記書いてるのでかなり遅れそうですが。
なめなめ編、リップ委員長はアレなんで、自分で投下した由美江で。
と言いますか、自分はどうやら由美江を愛してしまったらしいです。
それから自分は根が善人なので気軽にごーかーんは出来ません。
リクエストにお応え出来ませんので。誰もしてないけど。

長々と失礼しました。それではみなさんヘルシングでマターリ萌えて下さいまし。

追伸:このスレのみなさまはとても広くて温かい心の持ち主の方ばかりです。
   でなければ、自分は今まで好き勝手絶頂にやれませんてw
   お気軽にご参加下さいまし。いいですよね、よんよんさんさん! ダメ?
743名無しさん@ピンキー:03/09/08 23:42 ID:CkCUm8/S
てか、ここはよんよんさんさんのSS専用スレじゃないし わざわざお伺い立てなくとも好き勝手絶頂にすれば良いと思う。
744名無しさん@ピンキー:03/09/08 23:53 ID:btfFLzx5
>742
ヘイ、ミスター!
根が善人な人は局長をハチミツ漬けにしたり
由美江でケーキを作ったり、さわやかにエログロしたりしません!

悪 人 で も い い か ら も っ と や れ ! が ん が れ !

>743
敬意をしめしてんだろ?
原作ものはそれでいいとして、ときヘルは一言ぐらいあっていいんじゃないか。
サイトまで作ってくれてんだし。
745742:03/09/09 00:18 ID:AzMmPtz0
あ〜やっちゃった!
最後の行は「ときヘルに」の一言が抜けてしまいました!
SS書きのクセに、日本語が不自由なのは…もう、バカァ!自分にバカ!

>>744
フォローありがとうございます。人の情けが身に沁みます…

ああ、ちょっと褒められるとすぐこれなので余計な事は書かないようにします。
とりあえず責任とってハルコンネンを口にくわえて発射して逝ってきます!
746よんよんさん:03/09/09 00:31 ID:rlKsn0qt
ハルコンネン口にくわえるには、たぶん吸血鬼なみの柔軟性が必要なんだな。

作ってくれたといっていただけるほどのもんではありませんが。
私自身修行のつもりでこちらを利用させていただいてるって面もありますし。
でもこうやって人の意見聞きながらそれを形にしていくってのは
正直楽しいです。自分に出来る(書ける)ことはやりたいなと思います。

>739
それは禁句だっ。私もちょっと前で文章書きたくても書けなかった人なんで。

私もアンデルセンは書いてみたいし、グラ派vsマク派も書いてみたいっす。
だから前に書いた服破けて胸ぽろり程度のエロで
なんか考えてみようかと。

うん、でもときヘル乱入は好き勝手絶頂にやってもらっていいですよ。はい。
今日は疲れたのであんまり話がまとまってないけど。寝る。
747名無しさん@ピンキー:03/09/09 00:54 ID:+i0v4p9b
グラ派vsマク派・・・どんな修羅場になるんだろう ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
今少佐派がドク先生不在で半壊状態なのに(w

○○○○さんはSSの勢いをそのままレスにしちゃうと失敗するのね(w
お元気だしてね
748名無しさん@ピンキー:03/09/09 15:30 ID:cL5m8xFS
>742
きゃー!!!ドクにスポットライトが?!
そうすると栽培中のあやしいキャベツとか
実験室でのあやしいレシピとかが見られるのかしら〜。
なんか萌えがエロとはまったく無関係な方向に(w
749名無しさん@ピンキー:03/09/09 20:00 ID:OiJhcMFd
>そうすると栽培中のあやしいキャベツとか

ドクは小佐で人体実験してたのか…あなどれん。
750名無しさん@ピンキー:03/09/09 20:45 ID:VqQ8z/Tg
あ。なんかすごい納得した。

軍隊さんの食料→少量で適度に満腹できて高カロリーが理想
(持ち歩きやすさとか保存とか、調理の手間の少なさとか味も必要だけど)

ドクがそれを研究→少佐でこっそり試食実験→肥満( ゚Д゚)ウマー

エロネタでなくてすまん。
751名無しさん@ピンキー:03/09/10 13:20 ID:AQmBWQoX
リプたんに剃毛プレイしたいな。したいなったしたいなっ。
752よんよんさん:03/09/10 14:58 ID:93lINCug
とりあえずベイドリック事件の前編書きました。
まだ導入編というか、アンデルセンと鉢合わせの直前までです。

後編は今日の夜あたり予定。

では投下開始。
753ベイドリック事件 前編 その1:03/09/10 14:58 ID:93lINCug
「アーカード、ちょっと指導室に来い」
放課後、アーカードが廊下を歩いていると
駆け足で追いついてきたインテグラが彼の耳を掴んだ。
「いてーじゃねーか! なにすんだこらぁ!!」
と言いつつひきずられていくアーカード。
また何かやったのかと周囲の人間は気にもとめなかった。

ばたんと生活指導室の扉を閉めると、インテグラは何事もなかったかのように言った。
「アーカード、仕事だ」
「あ?」
「うちのクラスの馬鹿二人がベイドリック学園の不良共に喧嘩を売って
 見事に返り討ちにあい、ラチられているらしい。一応生徒だ、助けて来い」
そう言ってさっさと、件の学園の見取り図を取り出す。
「この現在は使われていない旧校舎がベイドリックの不良共のたまり場らしい」
「んで?」
アーカードは椅子に座って興味なさそうにそっぽを向いた。
馬鹿二人の顔はすぐに思いつく。一ヶ月程前にボコッたところだ。

私立ヘルシング学園、
それは余所の学校で持てあました不良のみなさんも受け入れる心の広い学校。
その中でも強さを見込まれたものは、教頭にあるいは愉駄に勧誘され
見込まれなかったものはインテグラ先生のクラスに放り込まれる。
あとは何かの拍子にアーカードかアンデルセンに喧嘩を売って身の程というものを学習。
以後は大人しく学業に専念なさることになっている。見事な再生工場との評判である。
が、件の馬鹿二人は更正できなかったらしい。
ヘルシング学園が無理なら隣を制圧などと考えて返り討ち。
754ベイドリック事件 前編 その2:03/09/10 14:59 ID:93lINCug
「極めつけの馬鹿だな」
心底つまらなさそうにアーカードは言った。
「まあ一応うちの生徒、私の生徒であるからには取り返してきてくれ」
インテグラはその前に手をつき、やはりつまらなさそうな顔で言った。
「報酬は?」
アーカードはインテグラの胸元を指ですっと触る。
「後払いだ。大体こんな程度の相手に報酬を払うのも勿体ないんだが、仕方ない」
インテグラはその指を捕まえて自分の指とからませた。
「ベイドリックは色々問題のある学校だからな。大事になるまえにさっさと片を付けたい」
「じゃあセラスを連れて行っていいか?」
「お前、さぼる気だな」
眼鏡の下で冷たく目を細めたインテグラにアーカードは笑ってみせた。
「あいつの練習相手にちょうどいいじゃないか」

「と、いうわけだ」
今度はアーカードがセラスを捕まえて事情を説明する。
「うちのクラスの麗しき同級生だ。助けるのに不満はないだろ?」
「あのぉ」
俺の女になるかわりにクラスの防衛を手伝え。それで話は済んだはずだったのに、
いつの間にかずりずりとアーカードの手下、助手扱いされている。
セラスは今では彼がインテグラ先生の為に働いていることも薄々知っていた。
「嫌なら、ヤルか?」
トドメはいつもこれだ。
トホーという顔でセラスはアーカードを見上げた。
しかも、素直なセラスは助けられた恩を忘れられないでいる。
「で、いつ行くんです?」
「今からだ」
755ベイドリック事件 前編 その3:03/09/10 14:59 ID:93lINCug
一方こちらは図書室。今日はここに国語教師マクスウェルとアンデルセンだけが居た。
「先生、なんのご用でしょう?」
厳つい体をまっすぐ伸ばし、優男のマクスウェルの前に立つアンデルセン。
知らないものが見たら驚くだろう。
「いやぁ、ちょっと面白い事態になっていてね。君のクラス、インテグラのクラスでもあるわけだが」
彼は同僚の女教師の名前を口にする時、露骨に嫌悪感を表して見せた。
この二人の仲の悪さは有名だ。だが何故仲が悪いのか知っているものは少ない。

ま、単純に学園創立者の娘として学園支配権の35%を握るインテグラに対して
マクスウェルはヘルシング学園を乗っ取るため派遣されて来た存在であり
現在理事の20%まで買収済みという単純な構図なのだが。
でもってさらなる理由は創立者はここを聖公会(英国国教)系ミッションスクールにしたかったのに対し、
マクスウェルはばりばりのカトリック信者であり、ここをカトリックの学園としたいわけなのだが。
当然マクスウェルの背後についているのはイタリア系の怖い人。
ちなみに後の30%は少佐教頭が握り、残り15%は浮動票となっている。
おかげで理事会は毎度大荒れ。それは今回は関係ないが。

「あの堕落女が何か?」
アンデルセンの口調は教師に対するものとは思えない、
マクスウェルさえちょっとまずいんじゃないのーと思ってしまうようなものだった。
「いや、今回はインテグラ先生は直接は関係してないんだけどね。
 君のクラスに最近入った二人の新入生、それがベイドリックの連中に捕まったらしいんだよ」
それを聞いてアンデルセンの目がきらりと光る。
自校の生徒は自分に服従している限り守るべきもの、他校の生徒は敵。
彼の哲学ははっきりしている。まさしく番長にふさわしい。
「行きましょう」
アンデルセンはくるりときびすを返して図書室を出て行った。
その背中に向かってマクスウェルはつぶやく。
「あ、ハインケル君の調査によるとインテグラ先生の指示で
 アーカード君とセラス君も向かっているらしいんだけどねー」
さて、彼らが鉢合わせしたらどうなるか。マクスウェルは楽しそうに手を振った。
756ベイドリック事件 前編 その4:03/09/10 15:00 ID:93lINCug
「ここか」
アーカードは問題の旧校舎の前に立つ。適当の目の前のドアを蹴破った。
「あ、なんだ、お前ら!!」
振り返るベイドリック不良下っ端族の皆さん。
「ほら行け、セラス」
アーカードは彼らに向かってセラスを突き飛ばした。
「え"ッ!? はア!?」
仕方ないのでとりあえずセラスは目の前にせまってきていた一人を
くるりとかわしてそのまま背負い投げ。
あのーという目でアーカードを振り返ると、彼はニンマリ笑いながら手を振っていた。
「ぼっとしてるな、後ろに来てるぞ」
振り向きざま、セラスの蹴りが不良のみぞおちを直撃。
「どうせこいつらは雑魚だ。お前が掃討しろ」
アーカードの声が後ろから響いてくる。その中をセラスは突き飛ばし蹴り飛ばし投げ飛ばす。
「はッはア? えッ ええッ」
いくらなんでもそれはひどいんじゃないですかーという叫びだったが、
不良の皆さんには何かむかつく反応だったらしい。
余計怒り狂って向かってくる。
「めんどうくさい。おまえやれ。俺は上の番長をやってくる」
それだけ言うとアーカードは走り出した。不良どもの間を見事にすり抜けて行く。
相変わらず人間離れした動きだなあとセラスは思った。
これだけ密集していてまったく捕まらないのだから。
「さっさとしろよ!」
その声を残してアーカードは階上へと走り去っていった。
「はッ はッ はいーッ」
あとをぽかんと見上げる不良の皆さん。少しどうしようか考えたらしいが
とりあえずセラスの方に向き直ってきた。
ファイト開始。
757ベイドリック事件 前編 その5:03/09/10 15:00 ID:93lINCug
アーカードは二階の不良中級族の皆さんを相手にしていた。
とはいえやっぱりつまらない。
「いてっ」「うわぁっ」
彼の指から放たれる石の粒によって、不良の皆さんは打ち倒されていく。
指弾というやつだ。材料はインテグラ先生のマンションにある観葉植物の根本にしかれた石。
パチンコ球のように適度な大きさで適度な威力があるので毎回勝手に拝借している。
彼は今回徹底的に手を抜くつもりだった。
不良の皆さんは近寄ることすらできず、眉間直撃されて昏倒していく。
中級族の皆さんは幹部だけに数が少ないので、一階より早く終わってしまった。

仕方ないのでもう一度一階を見に行く。
「うおりゃああああっ」
セラスは完全に戦闘モードに入っているようだ。容赦なく相手を叩きのめしていく。
「セラスぅ、こいつらだって好き好んでお前の相手しているんじゃないんだから、
 速やかに再起不能にしてやるのがこいつらの為ってもんだぞ」
アーカードは階段に腰掛けて観戦しながら声をかけた。
同時にセラスの前に立った不幸者に、見事なアッパーカットが決まる。
「うわぁ!!」
さすがにそろそろ逃げようかと思った残り少ない不良さんにも
セラスは見事な跳び蹴りを食らわせた。
「どうやら分かってきたようだな」
アーカードは満足そうに笑いながら、階上に逃げようと、つまり自分に向かって走ってきた
一番の不幸者を、座ったまま腰を軸に横蹴りをくらわせて階段から落とした。

「さあ、雑魚は片づけたんだ。さっさと親玉も探し出して片づけるぞ。セラスぅ」
そういうアーカードの脇をセラスはすたすたと二階に上がっていく。
まだ戦闘モードが解けていないらしい。次なる敵を探している。
アーカードは満足げにその様子を見ながら、後ろから階段を上がっていった。
758ベイドリック事件 前編 その6:03/09/10 15:01 ID:93lINCug
セラスは乱暴に二階の扉を開ける。
スパッ
「えっ」
中からはなにも気配などしなかったのに。
そう思う間もなくセーラー服のリボンが切り取られていた。



「ん?」
インテグラはバイク置き場からアンデルセンの大型バイクが消えていることに気が付いた。
何事にも鷹揚なヘルシング学園は生徒のバイク通学すら許可している。
もちろんアーカードもバイク通学組だが、今回はセラスが居たので歩いて向かったらしい。
「ヘルメットもないのに二人乗りなんてできません!」
と主張する彼女の姿が容易に目に浮かぶ。
ともあれ、何か嫌な予感がした。
ベイドリックの件はまだ漏れていないはずだが、万が一アンデルセンが知っていた場合、
彼もまたベイドリックに向かっただろう。彼の番長哲学に基づいて。
そうなった場合、アーカードたちと現場で鉢合わせする。それはまずい。非常にまずい。
インテグラは携帯電話を取り出して、大嫌いなマクスウェルを呼び出した。
「おや、インテグラ先生、どうなさいましたか?」
相変わらず嫌みな声が聞こえてくる。
「ちょっと聞きたいんだが、お前の配下のアンデルセン、今どこにいる?」
「さあ。どっかで我が校のために戦ってくれているんじゃないですか」
その答えを聞いてプチッと通話を切った。
さっさときびすを返して駐車場へと向かう。
「同じ学園の生徒同士がよその学校で争っている場合か。あのバカ狂信者!!」



後編に続く
759名無しさん@ピンキー:03/09/10 20:27 ID:CdpPx1CP
うわあー超燃えな話だー
このあとアンデルセン番長が例の
「かわいらしい声でなくじゃ(ry」
のセリフがでるんじゃろか?今夜が楽しみだ

ところで少佐が握ってる理事30%はまさかオペラハウスのご老人たち?
760名無しさん@ピンキー:03/09/10 22:42 ID:ttO0/h2x
うわー聞きてぇー!!!!>「かわいらしい声でなくじゃ(ry」
761名無しさん@ピンキー:03/09/10 22:43 ID:AQmBWQoX
>760
そんなセラスに胸キュンなアンデルセン&旦那




ありえねぇ
762759:03/09/10 23:00 ID:8ZbGtPQP
すまねー正確には
「ずいぶんとまァ可愛らしい声をあげて(ry」
だった・・・どっちにしても萌え燃えだけどね(w
763名無しさん@ピンキー:03/09/10 23:44 ID:+SIi6Ja5
うむ、萌え燃え。
ところで冒頭、グラ先生に引き擦られてく旦那可愛すぎ(w
委員長に狼藉三昧してた頃が嘘のようだ〜
764よんよんさん:03/09/11 16:55 ID:3gFvXcgr
すいませんー。ついさっきまで、またアクセス規制くらってました。
待ってくれていた人、ごめんなさい。私が悪いんじゃないけどナー。

後編投下は今日の夜で勘弁してください。
765名無しさん@ピンキー:03/09/11 18:25 ID:C/V8D/45
いい子で待っていまつ。くそう、業者が憎い…。
766よんよんさん:03/09/11 23:13 ID:3gFvXcgr
いろいろとお待たせしますた。

ではこれから投下します。
あんまりエロなし、ひらすらパロですが。
767ベイドリック事件 後編 その1:03/09/11 23:14 ID:3gFvXcgr
不良さんの溜まり場らしく、旧校舎の窓はすべて目張りがしてあった。
だから電気のついていない部屋は当然暗闇だ。
その暗闇から一筋の光がセラスのリボンを切り裂いた。
セラスはもちろん反射的に後ろに跳び下がった。しかし間に合わない。
また一筋、体に達する。
「あ、あ、あ"、あ、あ"、ああ」
スッ スッ スッ スッ
声にならない恐怖をあげて逃げる彼女を嬲るかのように、ただ銀の光だけが彼女の体をなぞった。
ぱっとセーラー服がはだけた。というより細切れにされて空中に舞った。
セラスの胸が完全にあらわになる。ブラまで切り裂かれて、大きな胸は鞠のようにはずんだ。
そのくせ白い肌には傷一つついていない。
だが、戦闘者としてまた女の子としての精神的ショックはかなりのものだった。
「きゃあああああああ!!」

「ずいぶんとまァ、可愛らしい声をあげてくれるんだね、お嬢ちゃん」
そして部屋の中からゆっくりと姿を現したのは、両手にバタフライナイフを持ったアンデルセン。
彼はそのナイフを一閃して廊下の配線も切った。
たちまち廊下は暗闇につつまれる。
ただ他の部屋の電気はついているので真っ暗闇とはならなかった。
「アンデルセン!」
アーカードは叫んだ。あの声は本気だと、セラスは思った。
「我が校に逆らう者を始末するのが我が使命」
アンデルセンはわずかな光を反射してきらきらと輝くナイフを手に、
その大きな体で廊下をふさぐように立った。
「面白いところで会ったな、裏切り者ども」
768ベイドリック事件 後編 その2:03/09/11 23:14 ID:3gFvXcgr

「あ"ぁぁ」
戦闘モードの高揚から一転して、精神的に叩きのめされたセラスが後ろでうめき声をあげる。
アンデルセンはその声を聞いてまた嬉しそうに笑った。
「そんな程度ではすまさんよ。まだ肌には一切傷をつけていないのだから。
 久しぶりに本気で戦える状況だ。楽しませて頂かねばね」
「マクスウェルだな」
アーカードはそっと右手を後ろポケットに突っ込んで指弾を用意する。
彼は4発まで同時に飛ばすことが出来た。
「その通りだ。インテグラの犬共」
ゆっくりと二人は歩み寄る。
「ここに居たベイドリックの番長はどうした?」
「とうの昔に始末したよ。とんだ雑魚だった、楽しむ間すらありはしない」
だがお前らとは楽しめそうだ。アンデルセンの目はナイフはそう語っていた。
ギシ ギシ ギシ
古い廊下を二人は一歩ずつ近づいていく。
互いの間合いに入ったところで歩を止めた。
「残っているのは貴様らだけ」
「そうかい」
同時に二人は動いた。
ひゅうとアンデルセンはナイフをひるがえし、アーカードは指弾を飛ばす。
ナイフはアーカードの首筋を切り裂き、
指弾はすべてアンデルセンの顔面に命中して眼鏡のレンズも半分割った。
アンデルセンは思わず顔に手を当てて後ろに飛ぶ。
着地点にアーカードの左手の指弾がはじけ、
アンデルセンはバランスを崩して廊下の壁に派手にぶつかった。
図体が大きいだけにダメージも大きそうだ。そのまま崩れ込む。
769ベイドリック事件 後編 その3:03/09/11 23:15 ID:3gFvXcgr

「アーカードさん!」
血を見て動揺するセラスにアーカードは向き直った。
「皮一枚切れただけだ。いくら俺たちが奴にとっては裏切り者とはいえ、刃物とはな」
フンとバカにしたように鼻で笑う。
「これでも着ておけ」
アーカードは上着は着ない主義なので、シャツを脱いでセラスにかけた。
彼自身はまだその下にタンクトップのアンダーシャツを着ている。
セラスはあわててそれに袖をとおし、ボタンをはめようとして気が付いた。
「アーカードさん!」

後ろからアンデルセンが突進してきていた。振り返る余裕はない。
アーカードはそのまま姿勢をかがめて前に逃げた。
「クッ、ククッ、クカカカカッ」
アンデルセンの笑い声が響く。
アーカードは振り向きざま、再び指弾を放つ。
アンデルセンは顔だけはガードしつつ、気にせず突進してきた。
彼の指弾は肋骨くらいは折る力があるのだが、アンデルセンの体には通じないらしい。
ナイフが再びきらめいた。
「この刃物男があ!」
「お前こそ飛び道具なんぞに頼る軟弱者め!!」
どこまでいっても二人の価値観は合わないらしい。
廊下の端が近づいてくる。
アーカードはナイフを狙って最後の指弾を飛ばしたが果たせず、
刺されるよりは階段から落ちる方を選択した。暗闇の中に落下する。
ずん
はるか下の方でにぶい音が響いた。
770ベイドリック事件 後編 その4:03/09/11 23:16 ID:3gFvXcgr

「アーカードさん!!」
セラスの悲鳴が響く。
「がははははははは!!」
アンデルセンの哄笑がそれをかき消すように響き渡った。

「こんなヤツがインテグラの切り札? まるでお話にならない」
アンデルセンは階段を見下ろしながらつぶやく。
そして後ろを振り返った。アーカードの白いシャツをまとったセラスが必死に逃げていくところだ。

セラスは逆の階段から一階に下りた。
足元にはさっき自分が叩きのめした不良さんたちが転がっている。
ドアに向かおうとして、暗闇の中を不良たちの体につまづきながら必死で逃げる。
「どこに行こうというのかね。どこにも逃げられはせんよ」
暗闇の向こうから声が聞こえてくる。
「ゴミはゴミらしく処分されるべきだ。再起不能になって我が校から去れ」
逃げなきゃ、逃げてインテグラ先生に頼るしかない。もう私じゃ全然手が付けられない!
セラスの頭の中はそのことでいっぱいだった。
廊下の向こうから黒い大きな影と、影が両手に持つナイフの煌めきがせまってくる。
彼は不良などにつまづくことはなく、何も気にせず、すべて完璧に踏みつけていた。

やっとたどり着いたドアは開かない。
「な? ええ!??」
「大人しく皆殺しにされろ、裏切り者どもめ」
今度こそ切り刻まれる。殺されるっ。セラスはパニックになってあたりを見回した。
窓はすべてふさがれているし脱出経路は・・・ない。
「終わりだ」
後ろでアンデルセンの声がした。
771ベイドリック事件 後編 その5
ひゅうッ
飛んできた何かをアンデルセンはとっさにナイフでふさぐ。それはダーツの矢だった。
「彼女は私の生徒だ。なにをしてくれるんだ、アンデルセン?」
廊下の電気が回復して(一階は普通にスイッチを切っただけらしい)、
扉の前に立っていたのはインテグラ先生だった。
「インテグラ・・・先生自らお出ましとは、せいの出るこったな」
アンデルセンは呟く。
「すぐに退け、アンデルセン。今なら不問に処してやる。
 でなければこれはマクスウェルと私の間で重大な問題となる」
インテグラは強い口調で勧告した。
「退く? 退くだと!? 我々が!? ヘルシング学園の真の支配者たる愉駄が?」
アンデルセンは平然と舌なめずりをしてみせた。
「ナメるなよ、売女」
「せ、先生になんてことをっ」
思わず口をはさむセラスをアンデルセンは同じく汚らわしいものを見る目で一瞥した。
「どうせアーカードもその体でたらしこんで利用しているのだろうがっ。
 このお嬢ちゃんはそのアーカードにさらに抱かれているクチかね?」
セラスの顔が怒りで真っ赤に染まる。
インテグラはその肩に手を置いてなだめながら、平然と笑った。
「お前ごときの知ったことではない。所詮お前も駒の一つに過ぎんくせに」
アンデルセンは怒りの叫びをあげてナイフを振りかざしインテグラに突進する。
インテグラは腰のベルトを引き抜いてパアンッとそれを払った。
それでナイフは彼女の体ではなく、その両側に深々と突き刺さる。
「お前、本気で私を殺す気か?」
冷たく軽蔑した瞳で見返すインテグラに、
アンデルセンはわずかに気圧されながらも最後のカードを切った。
「貴様ご自慢のアーカード、二階から地下まで落ちていったぞ」
「ふうん、それだけか?」
インテグラは鼻で笑う。