ときめきトゥナイトのエロを語るスレ Part8

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692このつづき:03/09/18 12:37 ID:ab2IjLvJ
すみません×2。つづきは夜仕事から帰ってきていれます。
693名無しさん@ピンキー:03/09/18 14:45 ID:0FWdH1uK
待ってるよー!!
694揺れる想い1:03/09/20 23:07 ID:hWbeSy3S
ゾーンとの戦いも終わり、平和な日々が続いていた。
高校も卒業し、俊はプロボクサーとして着々と自分の夢を叶えていく。

「私の夢って何かなぁー 私、何したいのかなぁー」
ため息混じりにつぶやく
「あんたの夢は真壁君のお嫁さんになることでしょ?」
かえでちゃんがなーにいってんだかって顔で蘭世を見た。
「私ってやっぱそう?それしかない?」
「はいー!?」
蘭世は独り言のようにぶつぶつつぶやいた。
昨日の事を思い出しながら……

昨夜俊のアパートにお弁当を届けに行くと
俊の部屋の灯りが点いていた。
(やったー!真壁君今日バイト早かったんだー)
蘭世はうきうきしながら俊を驚かそうと思いそーと部屋の前まで行くと
中から話し声がした。
(あれ?誰かいる。あっ日野君だ)
「真壁―おまえらいつ結婚するんだ?」
二人はお酒を飲んでいるみたいで結構酔っ払いの声になっていた。
(ひ、日野君、いきなりそんな確信に触れるなんて…くっうー)
蘭世は一人ドアの前で真っ赤になりながら悶えていた。
(聞いちゃいけない これじゃ盗み聞きだ でも…聞きたーい)
結局甘い誘惑に負けて聞くことにした
蘭世はこの手の誘惑にはめっぽう弱いのだ (笑)
「うーんそのうちなぁ」
俊は答えるのもめんどくさいって感じで言った。
「なんだよ、その冷めた言い方、まぁ照れ屋な俊君だからしょうがないかぁ」
日野は俊をからかうように言った。
「るっせーそんなんじゃねぇよ!!」
「じゃぁなんだよ!」
俊はチョット考えてから日野を見ずに言った。
695揺れる想い2:03/09/20 23:10 ID:hWbeSy3S
「あいつさー俺ばっかじゃん…」
「なんだよ、のろけかよ!」
「はぁ」
俊はため息をついた。
その姿を見て日野はまじめに話を聞き始めた
「このままでいいのかなぁって…あいつの人生俺だけで
終わっていいのかなぁって…そんなに俺大事?って思うんだよなぁ…最近…」
俊は酔っているからってこんな事を言っている自分に罪悪感を感じて
「うそ!なんでもねぇ、今の忘れろ!!」
そういって畳の上に転がった。
(何それ?真壁君…何言ってるの?)
「そりゃーお前…江藤の事、重荷なんじゃないか?」
「!!」
(ウソ!!)
「まぁ ああまで真っ直ぐ向かってこられちゃ、逃げたくもなるよなぁ」
「………」
俊は答えなかった。
蘭世はこれ以上話を聞く勇気がなくその場を離れた。
696揺れる想い3:03/09/20 23:22 ID:hWbeSy3S
「私、真壁君の重荷になってるのかなぁ?」
「蘭世?」
蘭世の目には涙がいっぱいで今にも溢れそうになっていた。
「何言ってんのよ!そんなことないよ…」
蘭世は弱々しく笑い
「そうだよね…エヘッ…ごめん…考えすぎ」
蘭世はかえでと別れその足で本屋に行った。
自分がこれから出来ること…自分一人でも大丈夫にならなきゃ!
俊の重荷にだけはなりたくなかった。
蘭世は今、家事手伝いで仕事は持っていない
(まず、仕事を探そう!!)
右手に就職情報誌を持ち、左手で小さくガッツポーズをして家に帰った。
いろいろ悩んだ結果、小さな出版社に就職が決まった。
新しい生活…仕事はやることすべてが新鮮で楽しかった…でも…
あの日以来、俊と連絡を取っていなかった。
自分から俊に連絡するのはやめようと決意した蘭世だが
俊からも連絡がなくかなり落ち込む毎日だった。
(やっぱり嫌われちゃったんだ…まさか1ヶ月も連絡してくれないなんて…)
そんなある日、蘭世が仕事で先輩社員と外を回っている時、俊と久々の再会をした。
「おっ!…元気か?」
「う、うん…真壁君は?」
蘭世は突然で声がうわずり、かなり緊張していた。
「あぁ、相変わらずだ…」
何をはなしていいのか…話したいことはいっぱいあるはずなのに…
蘭世は俯いてしまった。
697揺れる想い4:03/09/20 23:34 ID:hWbeSy3S
「江藤、行くよ!!」
先に車に乗って待っていた先輩社員の紺野が車から
顔を出して蘭世を呼んだ。
「あっ!今行きます。…じゃぁ真壁君、急いでるから行くね」
「あぁ…」
蘭世は後ろ髪を思いっきり引かれる思いで車に向かった。
なんだか惨めで、悲しくて、寂しくて、涙が溢れてきそうだった。
俊は、蘭世の後ろ姿を見つめていた。
しばらく車で走ると、紺野が車を止めて蘭世の顔見ずに言った。
「このままドライブしようか?」
蘭世はびっくりした。なぜなら紺野は仕事の鬼と言われるほど
仕事熱心で、どちらかというと、冷たい感じの人だったからだ。
「何だよその顔、俺だってたまにはサボりたい時があるんだよ!」
チョット照れたような怒った顔、
そんな紺野を見ていたら気が緩んで涙が後から後から
とめどなく流れ出てきた。
「ご、ごめんなさ…ヒック…」
「誰も見てねぇよ、気が済むまでそうしてろ…」
紺野はそっぽを向きながら、優しく蘭世を肩で抱いた。
しばらく泣いてわれに返った蘭世は顔を真っ赤にして
紺野から離れた。
「紺野さん、本当にごめんなさい…私…」
「海でも行くかぁ」
紺野は出会ってから初めて笑顔を見せた。
698揺れる想い5:03/09/20 23:42 ID:hWbeSy3S
海に着くと紺野は少年のようにはしゃぎまわっていた。
「今日は驚くことばかり…紺野さんがこんなに…フフ…」
蘭世は笑いだして気づいた。
(私、久しぶりだなぁ、こんな風に笑うのって)
「なんだよ!!俺がどうなんだよ!!」
ちょっと怒った感じで蘭世に迫った。
「ごめんなさい、でも思っていた紺野さんとは全然違ってたから」
本当にそうだった。紺野がこんなによく笑って、羽目をはずす人だとは
思いもしなかった。暗く落ち込んでいた気持ちがかなり軽くなって
自然に笑いがでてしまう。
「どんなイメージだよ!っとによ」
「へッへー…教えてあーげない」
二人は昔っからそうしていたかのようにはしゃいだ。
「遅くなっちまったな」
「うん、でも楽しかった。今日は本当にありがとう」
「いーえ!…また行こうな」
「うん!」
車は蘭世の家の前で止まった。蘭世がお礼を言って
降りようとすると、突然体が引っ張られ視界が暗くなり
唇に熱を感じた。
699揺れる想い6:03/09/20 23:45 ID:hWbeSy3S
「………」
「じゃぁな、また明日、会えたらな!」
紺野は意味ありげに微笑むと車を走らせた。
(な、なに???///)
蘭世はパニックになりそのまま立ちつくしていた。
(ま、真壁君―どうしようー?わっ、私…)
「どうすんだよ」(怒)
ビック!!後ろから声がしてそうと振り返ると
「ま、真壁君……」
そこにはかなり不機嫌な顔した俊が立っていた。
「い、いつから…そこに?」
震える声でおそるおそる聞くと
当然といった顔で
「お前が車を降りる前から…」
奈落の底に突き落とされた…
(もう…ダメだ…立ち直れない…)
蘭世はボロボロ泣き出し
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
(こっちの方が立ち直れねぇっつーの!)
俊は無言で蘭世を見た。
「うぅ…本当にごめんなさい…でも、信じて…私…突然で…
こんなことになるなんて思わなくて…」
(あぁ、なんて言ったらいいの…上手く言えない…信じてくれるわけないよね
本当にバカだな…私…)
「信じられるように言い訳しろよ!」
俊は蘭世の気持ちを読んで蘭世にその気がなかった事は
わかったが、本人の口から聞きたかった。
700揺れる想い7:03/09/20 23:48 ID:hWbeSy3S
蘭世はどうにか俊に信じてもらいたく祈るように話し始めた
「あ、あのさっきの人は紺野さんっていって、仕事先の先輩で…」
俊はびっくりしていた。
「はぁ?仕事先って、お前仕事してるの?」
「…うん…」
蘭世は上目遣いで俊を見ながら今日あった事を言った。
「で、なんで俺に会って泣くわけ?」
「だ、だって、久しぶりにあったのに…真壁君、全然平気そうなんだもん…」
(私の存在って本当にないに等しいんだ…)
「………」
「全然連絡くれないし…」
(ダメ!…これ以上話すと、また重荷になっちゃう…)
「!!」
「遅いから…帰るね…」
蘭世が走り去ろうすると腕をつかまれ、怒った顔の俊が前に立ち
はだかった。
「真壁君…痛い…腕…」
「お前…あの時いたのか?」
蘭世は思い出したくない記憶がフラッシュバックした。
「…ふぅ、いたんだな!」
俊はため息まじりに言った。
「私、大丈夫だから!ちゃんと自立するから!真壁君に迷惑かけないようにする。
重荷にならないようにする。だから、心配しないで…」
蘭世は早口でまくしたてた。
この場にいたくなっかた。俊の前から消えてなくなりたかった。
こんな惨めな自分を俊に見られたくなかった。
701ペック:03/09/20 23:53 ID:hWbeSy3S
今日はここまでです。
続きがんばります。
702名無しさん@ピンキー:03/09/20 23:55 ID:QheX8Yp/
乙華麗!
タイムリーで読めたの初めてだからか、何回更新ボタン押したか分からなかったよ。
続き楽しみにしてまつー。
703身分の差5:03/09/21 03:03 ID:+MVifAwu
「いくぞ」
俊が意を決したように立ち上がった。
蘭世の手をしっかりにぎっていた。
蘭世ははじかれたように顔をあげる。
「えっ?どこに?」
「お前んち」
「えっ?え〜〜〜〜っ?だめよっ!だって・・・」
蘭世は困惑気味だ。
今いけば、祖父と鉢合わせしてしまう。
俊はそんな蘭世を意に介してないように
ずんずんと進む。

そのころの江藤家。
「お父様は蘭世に私のような思いをしろとおっしゃるんですか?」
シーラは父を止めようと必死だ。
そんなシーラを無視し、モーリの目を見ながら言い放った。
「お前がうちの娘を寝取ったりするから、孫娘は自由な恋愛もできんようになるんじゃ!
王子とつきあってるだと?バカもやすみやすみいえ!!遊ばれてるにきまってるじゃろ〜が!
蘭世のように力の弱い魔界人が王家に入ってみろ。王家の血が薄まるだろうが。
どうしてお前達はまわりから反対される前に娘を止めてやらんのだ!
それが親の務めってもんだろう!!!」
704身分の差6:03/09/21 03:05 ID:+MVifAwu
シーラの父は一気にまくし立てた。
初めて会った蘭世にシーラの若かりし頃の面影をみた
蘭世の祖父は、孫娘に愛情を持つようになっていた。
それがあらぬ方向に暴走したのだった。
モーリは、娘をもつ父親の立場として、義父の暴走を否定できなかった。
孫娘がいかに王子と愛し合っているか、近況を知り得ないほど
祖父と孫娘を離れさせてしまった原因は自分にあるのだから。
無言のモーリをにらみながら言葉を続ける。
「蘭世のいいなづけはワシが見つける。あの子が傷つくまえにワシが阻止してみせる」
祖父がそう叫んだ時、江藤家のリビングのドアが開いた。
俊と蘭世が入ってきたのだ。
俊の顔をみた祖父は冷静さを取り戻した。
毅然とした表情で俊に話しかける。
「あなたは俊王子ですね・・・。私は狼人間村の村長をしております、
シーラの父のビィンセント=クレリーと申します。孫娘がお世話になっているようで・・・」
ビィンセントはそのままの表情で話を続ける。
「あなた様は人間界でお育ちだそうで、魔界の仕組みをよくご存じない。
後で傷つくのは孫娘なのです。お戯れはやめていただきたい。」
俊はそんなビィンセントは真っ直ぐな視線で見据えている。
ビィンセントも負けじと視線をはずさない。
ビィンセントは長年、力が弱まることを理由に
引き裂かれた王家の人間を見てきたのだ。
そんな二人の視線の対決に、蘭世はいたたまれなくなり
口を挟む。
「おじいさま、もうやめて。真壁くんにそんなこといわないで。
私が好きなんだもの。王子様だろうとそうじゃなかろうと好きなんだもの。
どうしていけないの?」
705身分の差7:03/09/21 03:06 ID:+MVifAwu
俊は目はビィンセントからはずさずに、涙をながして
祖父に懇願する蘭世の肩をやさしく抱いた。
まるで祖父から守るように。

俊はゆっくりと言葉をはき出す。
「あなたと二人だけでお話がしたい。どうですか?」
「依存はございません」
クレリー家の当主として、望むところだといわんばかりに
承諾した。いくら王子といえどもこんな若造に言い負かされる気はない。

ビィンセントと俊は江藤家の客間にいた。
「おすわりください」
年長者らしくビィンセントがリードをとる。
「王子はわたくしめにどのようなお話があると?」
挑戦するような視線で話を進める。
「あなたがどんなに反対しようとも俺はさらっていきます」
ビィンセントの目が大きく開かれた。
「あなた様はわかっておられないようですな。
あなたが蘭世と戯れで一緒にいるわけでないことはわかりました。
しかし、あなたと蘭世は一緒になることは不可能だ。
あなたはご自分の力がどれほど強力かわかっておいでですね。
蘭世の血が入ることで、その子孫はあなたの力を引き継げないでしょう。
王家が蘭世との結婚を承諾するわけはありません。
私は祖父として、後で孫娘が傷つく姿を見たくない。
あなたとの関係は断固反対いたします。
そもそもこんなことになったのも、モーリとシーラが身分不相応な
結婚をしたばかりに・・・・」

706身分の差8:03/09/21 03:08 ID:+MVifAwu
俊はどんな言葉をきいても冷静だった。
心が波立つことはない。だいぶ前から心は決まっていたのだから。
静かにビィンセントの目をみて語り出した。
「あなたは、江藤のおふくろさんがどんなに親父さんを愛してるかしっている
でしょう。どんなに幸せなのかも。娘を採られた寂しさから、
目を背けようとしているんだ。
おれは、だれに反対されようが、江藤をさらっていきます。
そのことで家族から離してしまうかもしれない。
魔界から離れなければならないかもしれない。
昔俺は江藤を幸せにする自信がなくて逃げたことがありました。
でも今は違う。俺はさらっていきます。」


俊はモーリのことをいっている。
シーラを家族から引きはがしたことをビィンセントは
どうしても許せなかった。
でもそれは揺るぎない自信があったからだと。
現にシーラは満ち足りた表情をしている。
魔界にいた時とは比べものにならない。
父の目からみてもあきらかだった。

ビィンセントはゆっくりと立ち上がった。
「老いぼれにすることは残ってなかったらしい・・・」
そういって、ドアを開けた。
ドアの前には、モーリが立っていた。


707身分の差9:03/09/21 03:09 ID:+MVifAwu
ビィンセントはまっすぐに見て、
「大切な娘さんをうばっていったことをお詫びします。
また、シーラと蘭世に会いにきてやってください。
あなたが蘭世のことを想ってやった行動だと
蘭世にも伝わっています」

ビィンセントはなにもいわず立ち去った。

魔界に戻ったビィンセントに妻が話しかける。
「どうでした?シーラや蘭世は幸せにくらしてましたか?」
「ああ。うちの一族の女どもは男をみる目はあるらしい」
「まあ。ふふふ」
蘭世の祖母は幸せそうに笑った。
 
708身分の差作者:03/09/21 03:11 ID:+MVifAwu
ずいぶんまたせてこんなできでごめんなさい・・・。
ペック様、続き楽しみにしてます。
709身分の差作者:03/09/21 13:47 ID:+MVifAwu
訂正:
707 身分の差9
「ビィンセントはまっすぐにみて」
   ↓
「ビィンセントをまっすぐにみて」
の間違いです。

ちなみにイメージは「ヴィンセント=ヴァン=ゴッフォ」です。
710モーリ&シーラ作者:03/09/21 17:54 ID:z3m0aJA4
身分の差作者さん。とってもよかったです。
そっか。シーラの父をヴィンセント・クレリーと名づけましたか。
いい名前ですね。そんで頑固だけど根はいいおじい様って感じ。
(私が今書いてるシーラのお父さんは悪役っぽくなっちゃたけど・・・)
原作で名前が決まられてないと、何て名づけようか考えちゃいますよね。
特に私の場合はシーラの婚約者。

では、運命の出会いの続きいきます。
711運命の出会い24:03/09/21 17:56 ID:z3m0aJA4
「…エレノアさん…!」
「確か、シーラさんといったわね。あなたこんな所で何しているの?」
「―私もこのパーティーに招待されているの」
「あなた一体何者なの?…吸血鬼村の人間ではないでしょ?」
「…ええ、狼人間よ」
「―ああ、分かったわ。クレリー家のシーラね。噂には聞いてるわよ、自分の婚約者を
捨ててまでも王様のお妃になろうっていう野心家だって」
「!」心ない言葉に怒りを覚えるシーラ。
「私なら、何があっても自分の婚約者をそんな風には扱わないわ」
エレノアは自身たっぷりといった感じで言葉を続けた。
「そう、私今日はモーリと一緒に来ているのよ。覚えてるでしょ、私の婚約者」
モーリ、と聞いてシーラの顔がパッと赤くなったのをエレノアは見逃さなかった。
(何かある…この娘、モーリのことを…?)
「私たち、もうじき結婚するの。もう日取りも決めてあるわ、1週間後よ―」
(そんなっ、嘘よっ…!!)シーラは心の中で声にならない悲鳴を上げる。
「あなたもご招待するわよ、シーラさん。また吸血鬼の集いにいらっしゃいな―。
もっとも、あなたがお妃になっていなかったらの話だけど。お妃様なんて恐れ多くて呼べやしないもの―」
シーラは気づくとエレノアを残して、その場を走り去っていた。
果てしなく長いお城の廊下を、どこへ行くとも知れずに走り抜けていると、誰かに勢いよくぶつかってしまった。
顔を上げると、その誰かとは他でもないモーリだった―
712運命の出会い25:03/09/21 17:58 ID:z3m0aJA4
「モーリ…!」
「シーラ!…ああ、やっと二人きりになれた―」
シーラを優しく抱き寄せる。
「とても綺麗だ、シーラ…。もちろん君が綺麗なのは知っていたが、今日は格別に美しいよ」
そう囁いて口付けたモーリだったが、いつものようにシーラがキスを返してこないのに気づく。
「シーラ…どうしたんだ?泣いてるのかい?」
シーラの震える顎を持ち上げて、涙に濡れたその青い瞳を覗き込んだ。
モーリの指を顎から取り払い、その腕の中から逃れるシーラ。
「もう…やめて…」
「シーラ?」
「―今さっき、エレノアさんから聞いたわ、あなたと1週間後に結婚するって…」
大粒の涙がその白い頬を伝う。
モーリが口を開こうとした瞬間、二人の傍らに濃い霧が立ち込め、その中から
膝まである白いマント姿の男が姿を現した。顔色も、逆立ったような髪の毛も異様なほど白い。
「きゃっ…」思わずモーリにしがみ付く。
「シーラ様、こんな所においででしたか。探しましたぞ」白いマントの男が口を開いた。
「―あの、どなた…?」
「わたくしは王様の側近をしておりますサンドと申す者です。さあ皆と一緒に大広間にお集まり下さい。
これより王様がお出ましになられます」
サンドは抱き合う二人の様子をまじまじと見やった。
「…ええ、分かったわ―」いぶかしがるようなサンドの視線を感じ、モーリの腕を解きながら言う。
彼の顔を直視できず、視線は彼の胸元に落としたまま―。
「エレノアさんなら、この先の廊下にいるはずよ。あなたは彼女をお探しだったんでしょう?」
「―シーラ!私を信じてくれ…!」
モーリの悲痛の叫び声を背中に感じながら、無言でサンドに続いて歩き出すシーラ。
しばらく歩いた後、気まずそうにサンドが小声で言う。
「…先ほどの殿方は、確かモーリ・エトゥール様ですな。…よろしかったので?」
「―ええ、もういいのよ」
シーラは自分が嘘つきだと思った。本当はあのままモーリの暖かい腕の中でいつまでも抱かれていたかった。
彼の顔を間近で見つめて、彼の甘いキスを受けていたかったのに…。
彼を深く深く愛していることに今更ながら気付く―
713運命の出会い26:03/09/21 17:59 ID:z3m0aJA4
その頃、一人残されたモーリは誰もいない廊下の先にエレノアの姿を見た。
「モーリ、ごめんなさい。私を探しに来てくれたの?」
艶やかな笑顔を浮かべてエレノアが近づいてくる。
「エレノア…君に話があるんだ」
「何なの、話って…」
モーリの首に両腕を絡ませ、唇を合わせる―
「―エレノア!やめてくれ」
エレノアの腕を振り解き、顔を離すモーリ。
「どうしたの…?」
「―私は…君とは結婚できない」
「―何ですって…?」顔面蒼白のエレノアがモーリの顔を凝視する。「モーリ…なぜ?」
「別の女性を愛している―私は…シーラという女性を愛しているんだ」
「シーラですって?まさかあの狼女なんかとっ…!」
モーリは黙ってエレノアの顔を見た。
「ばかな考えはよして、モーリ。吸血鬼同士の方がうまくいくに決まってるわ。
異種族の彼女には、一生あなたを理解できないわ―絶対…!」
「―確かに君の言う通りかも知れない。だが…私に分かっているのは―私は、
シーラと一緒に生きていきたいということだけだ」
モーリはかみしめるように静かに言った。
エレノアの片手が宙を舞い、モーリの頬を引っ叩く音が鋭く響く。「―ひどい人!!」
「…きっと、いつか君にも分かってもらえると思う。勝手なようだが―これで良かったんだと思えるようになるよ。
―君のお父上には何とでも言ってくれ」
モーリの顔をゆっくりと見据えた後、エレノアはくるりと背を向けて去って行った…。
(これですべてが終わるなんて思わないことね…!)
その目には強い憎悪が宿っていた…。
714運命の出会い27:03/09/21 18:01 ID:z3m0aJA4
場面は変わって大広間―招かれた魔界中の紳士・淑女が王レドルフの登場を今か今かと待っている。
その中にはサンドから連れ戻されたシーラや、その反対側の列にはモーリの両親もいる。
モーリの母オリヴィアは、並み居る令嬢の中でも目立って美しいシーラの姿にすぐ気付いたが、悲しそうなその顔を見て
密かに心配した。彼女のあの生き生きとした表情が失われているのは、何か息子のことと関係があるのだろうか。
(モーリは一体何をしているのかしら…)オリヴィアは姿の見えない息子を探した―

しばらくして、盛大なファンファーレが鳴り響き、宝石のはめ込まれた荘厳なドアが開き放たれると、
王が皆の前に姿を現した。頭上には王家の紋章入りの黄金の冠、緋色に輝く立派なマント…。
王家に代々伝わるという指輪がきらめく。威厳ある王の姿に人々は恐れ入り、深々と頭を下げた。
そして王の後ろには、王家直属の大魔女メヴィウスが控えていた。王は誰よりもこのメヴィウスの言うことには
必ず耳を傾ける、と評判だった。滅多に人々の前に姿を現さないというメヴィウス。
もさもさした白い髪、半透明のベールで顔の下半分を隠し、小柄な体に深い森のような色のマントを着ている。
その深い皺の刻まれた痩せた顔の中で、高い鷲鼻と鋭い光を放つ目が目立ち、人々を震え上がらせた。
磨き上げられた大理石の床を王がゆっくりと歩く音がコツコツと響く―ふとその足音が止まった…シーラの前で足を止めたのだ。
「娘…名を申せ」
ゆっくりと顔を上げるシーラ。
「―シーラ・クレリーと申します」
はっきりとした口調でシーラは答えた。その表情は媚を売るわけでもなく、ただ王の顔を
無感動に見据えていただけだった。怯えのない彼女の表情に感銘を受けたかのように、その場に立ち尽くす
レドルフの後ろでは、メヴィウスの目が一段と鋭く光り、シーラを穴のあくほど見つめていた…。
715運命の出会い28:03/09/21 18:03 ID:z3m0aJA4
しばらくして王はそのまま歩みを続け、王座に座った。
王の手の合図と共に音楽が奏でられ、息の詰まるような静寂が破かれた。
皆が踊る様子を見ながら、傍らに控えるメヴィウスに聞く。
「さっきの娘…シーラと言ったな、あれはどうだ」
「―王様、恐れながら…あの娘は王の妃にはふさわしくないかと―」
「メヴィウス、何を申す」
「確かに美しい娘じゃが、あの美しさの訳をお知りになりたいか?」
王は無言のままメヴィウスを凝視し、その言葉を待った…。

ちょうどその頃、大広間からバルコニーに出たオリヴィアは、そこで息子が手すりに掴まりながら
下を見下ろしているのを見つけた。
「モーリ!あなたこんな所にいたの?探したのよ!」
「どうかしたんですか、お母様。興奮気味のようですが…」モーリの表情もシーラと同様、力無げだった。
「そりゃ興奮しますよ。今、あなたのお嬢さんが王様に声をかけられてたんですから」
「シーラがっ!?」
「ええ。大勢いる娘達の中でたった一人だけ…」
そこにモーリの父アーサーが憤然とした表情で現れた―
「モーリ!今、ターナー家からお前とエレノアの婚約を破棄したいという申し出があったぞ!」
「―そうですか…」
「何でもお前、エレノアをさしおいてシーラとか言う異種族の娘にうつつを抜かしているというではないか!
エレノアの何が不満なのだ?」
「お父様。愛のない結婚はエレノアまでも不幸にしてしまう―」
「何を言っているんだ、モーリ。そのシーラとやらは愛人にでもしておけばいい。
お前はエレノアと結婚するのだ。詫びをいれろ、今からでも遅くはない」
「やめて下さい。私はそんな偽りの生活はしたくない。エレノアには私の正直な気持ちを話してあります。
今はまだ無理でも、いずれ分かってくれると信じてします。お父様、あなたも―」
「モーリ!」アーサーの顔に絶望の表情が浮かぶ。
「―お父様…老け込むにはまだ早過ぎますよ。私とシーラのことは心配しないで。
どこかで幸せに暮らしていきます
716運命の出会い29:03/09/21 18:05 ID:z3m0aJA4
モーリは母親に向き合った。
「モーリ…自分のしたいようにおやりなさいな。私はシーラと一緒にいる時のお前の顔の方がいいわ。
エレノアと一緒の時よりもね」
「お母様。お父様のこと頼みますよ。口には出してないけど、寂しがっていたはずです」
「…ええ分かったわ。私たちのことは心配いらないわ」
モーリは母の手を取ってそっと口付けると、シーラを探しにバルコニーを出ていった。

「愛に生きる…か。さすがはわしの孫だな」
アーサーとオリヴィアが振り向くと、トーマスが腕組みをして立っていた。
「お父様…!いつのまに」
「わしが言うのも何だがね、そう簡単に出来るもんじゃないぞ―誉めてやれ、アーサー」
「何を呑気なことを!モーリがああなったのもお父様の影響ですよ、まったく!」
「ふん、何とでも言い給え。ま、当分の間お前は村長を引退できぬぞ。嬉しい悲鳴ではないか、アーサー」
トーマスは息子の肩をポンっと叩くとレディとダンスを楽しむ為にフロアに戻って行った。
「あなた…モーリのこと、分かってやって下さいな」
オリヴィアは夫の胸に手を優しく置く。アーサーは苦悩の表情のまま、無言でその手を握った。
(無事でいてくれればいいが…)

モーリがシーラを探しに大広間に向かう少し前のこと、シーラの父の元にサンドが訪れた。
「クレリー様、メヴィウス様がお呼びでございます。わたくしが案内いたしますので
付いて来て下さいませ」
サンドの言葉にシーラの父は胸躍った。
シーラが王に見初められたに違いない―何もかも予定通りにことが運んでいるようだ。
ほくそ笑みながら、サンドに付いて行くと小部屋でメヴィウスが待っていた。
しかしその口から発せられたのは思いもよらぬことだった―
717運命の出会い30:03/09/21 18:06 ID:z3m0aJA4
「クレリー殿、残念ながらシーラ殿は失格じゃ」
魔女メヴィウスがシーラの父を真正面から見据えながら、威厳のある調子で言い放った。
思いもよらぬメヴィウスの言葉に我を失う。
「そんなっ!うちの娘のどこがいけないとおっしゃるんですか!?あのように一番美しく、
家柄だって申し分ないはず…!納得がいきませぬぞ!」
「おや、魔界の妃となる者の条件を忘れたのかえ?―まず何よりも、乙女でなくてはならぬのじゃ」
「―メヴィウス殿、おっしゃる意味が分かりませんが…」
「申し上げにくいことじゃが…シーラ殿は既に手折られておる―相手は吸血鬼、と見たがの…」
メヴィウスは不吉な笑みを見せた。
「―何ですって…!?まさかっ、そんなっ―」頭の中が真っ白になる。
「とにかく、わしに言えるのはそれだけじゃ」
メヴィウスが去って行った後も、シーラの父は唖然とした表情のまま立ちつくした。
やがて抑えきれぬ怒りがふつふつと体中から沸いてきて、憤然として小部屋を出て大広間に戻り、
娘を探しに行った。その目はさながら怒り狂う狼そのものだった。
718運命の出会い31:03/09/21 18:11 ID:z3m0aJA4
シーラの父がメヴィウスに呼ばれている間、一人になったシーラは人々の視線が
自分に向けられているのを痛いほど感じた。
さっきの王の行動が人々に強い印象を与えたのか、皆がシーラを好奇や畏怖の混じった面持ちで眺める。
そんな視線に耐えられずに大広間を抜けると、誰かに腕を強く握られて、
気が付いた時には誰もいない小部屋に連れこまれていた。
「きゃあっ、誰っ!?」
「しっ…!」男の声がして、悲鳴を上げたシーラの口がその男の唇でふさがれた。

モーリの声!ああそして、忘れもしないモーリのキス…!
瞳を開けてモーリを確認したシーラはそのまま彼の情熱的なキスに自分も応えた。
長いキスが終わってシーラは吐息をついてモーリを見上げた。
「モーリ!ああっ…!」しがみつく。
「シーラ…。さっきはすまなかった。言いたいことが言えなかった…。エレノアとの婚約は破棄した―。
君を愛してる。私の妻になってくれるかい、シーラ」
「ええ、モーリ。もちろん」
「ああ、よかった。君に拒絶されるんじゃないかと心配だった…君と一緒になれないのなら、
胸に杭に打たれて死んだ方がましだ」
「そんなこと言わないで…私もあなたを愛してるわ、モーリ。あなただけ…!」
愛を誓い、激しく抱擁し、何度も深いキスを交し合う二人の姿を
少し開いたドアの側で見つめる黒い影…。エレノアだった。
ドアを閉めると、廊下を歩いて行った。
719運命の出会い32:03/09/21 18:20 ID:z3m0aJA4
「失礼。あの…ブロンドの髪を結い上げた、青いドレスの女性を見ませんでしたか?
名はシーラというのですが」
廊下でスコットに声をかけられたエレノアは目を吊り上げた。
「シーラ…?ええ、彼女なら知っていますわ」
「お知り合いでしたか。私は彼女のフィアンセなんです」
「あら、そうですの、あなたが…。それで、シーラがどうかしたんですか」
「それが、さっきから探しているんですが、どこにもいなくて―」
「―付いて来て。彼女の居場所を教えてあげるわ」
不吉な笑みを浮かべながら、さっき来た道を後戻りし、モーリとシーラの隠れている小部屋に
スコットを案内する。
気付かれないように静かに少しだけ開かれた隙間から、スコットは中の様子を見入った。

薄暗い部屋だった。シーラの結い上げたブロンドの髪は落ちて腰まで流れ、ドレスを乱しながらモーリの愛撫を受けていた。
モーリの片手はシーラのドレスの中に入って脚の間を刺激しながら、もう片方の手はその乳房を激しく揉んでいる。
シーラはモーリの頬を両手で包むようにしながら、夢中でお互いの舌を絡ませ合っている。
そしてキスの合間から、二人の熱い喘ぎ声が聞こえてくる…。

「あの男…よくも僕のシーラをっ!」
「お待ちなさい。モーリはあなたが勝てる相手ではなくてよ」
スコットの腕を掴んで止めるエレノア。
「さあこれで充分でしょ。あなたの大事な婚約者はね、あなたを裏切って他の男に抱かれてるのよ。
モーリ・エトゥールという吸血鬼にね…」
エレノアはドアを静かに閉めた。
720運命の出会い33:03/09/21 18:23 ID:z3m0aJA4
「何ですって!」スコットの顔は真っ赤になっていた。
「今、怒りに任せてぶつかってみてもどうにもならないわ。…それより私にいい考えがあるの…」
「いい考え?何なんですっ」
「いいこと?彼は吸血鬼…吸血鬼が何に弱いかご存知でしょ?…そう、十字架よ。
あの人に決闘を申込むの。十字架を身に付けた上でね…。戦うのはそれからにしなさい」
エレノアは黒い瞳を光らせて、可笑しそうにクスクス笑った。
「あ、あなたは一体…?」怯えた口調でスコットが聞く。
「―モーリが憎くてたまらないの。あなたと同じよ…」ぞっとするような冷静さでエレノアは呟いた。
一方、スコットはこのドアの向こうの光景が眼に焼き付き、ショックのあまり呆然としていた。
ふと気がつくと、黒いドレスの女性はいつのまにか姿を消していた。
多少気味の悪い気持ちがしたものの、スコットは彼女に言われた通りに城の家臣から十字架を集めた。

しばらくして大広間に戻ると、シーラの父がただならぬ様子でスコットに聞いた。
「スコット殿!シーラはどこに行ったのだ!?どこにもいないぞ!」
「シーラなら、その…具合が悪くなって小部屋で休んでいます。こっちです」
シーラの父を小部屋まで案内してドアを開けると、スコットは姿を消した。

「シーラ!そこにいるのかっ?」シーラの父の切迫した声が聞こえる。
「父よ!私を探しに来たみたい」小声で囁く。
「シーラ、だめだ!もう二度と君を離さない」出て行こうとするシーラの腕をつかむ。
「―いいのモーリ。この場は私一人で行くわ。…あなたを信じてる。さあ隠れて」
シーラはドレスの乱れを直して、ドアの方へ向かっていった。
721運命の出会い34:03/09/21 18:24 ID:z3m0aJA4
途端にシーラの父は力一杯シーラの手を引っ張って、城の出口に向かう。
「シーラ!家に帰るぞ!」
「お父様、一体どうしたんですかっ?」
「恥ずかしくて、この城にいられるか!お前では王妃になれぬと、メヴィウスから言われたのだ!」
シーラの腕を掴みながら、大階段を駆け降りる。
「理由は分かるか!?シーラ、お前が…こともあろうに、吸血鬼に体を許したからだと言うではないかっ!?」
「お父様!どうしてそれを―」
さっきモーリの姿は見られなかったはずなのに…!
「では、本当なんだなっ!」
「…そうですわ、でも何もやましいことなんかありません、私たちは愛し合っているんですもの!」
「ええい、だまれっ!お前は…わしの顔に泥を塗りおって…!王妃になる件も…何もかも
台無しになってしまったんだぞ、分かってるのか!」
「元より私は王妃になんてなる気もなかったわ、それにスコットとの結婚だってお断りよ」
「親不孝者めがっ!頭を冷やせ、シーラ!」シーラの頬を平手で叩く。
「私は自分のしてることは十分分かってるわ。お父様こそいい加減にしてちょうだい…!」
「調子に乗るな!お前を手込めにした吸血鬼はどこに隠れている!?名を言え、シーラ」
「―いいえ、言いません!」
「お前が口を割らずとも、クレリー家の名にかけても、何としてでもその男を探し出すからな!」
城の守衛の者に目配せして、出口のドアを開けてもらう。
「お父様―彼に…彼に何をする気…!?」青い顔をしてシーラが喘ぐように言う。
「ふん、大事な娘を汚した男だ。このわしが八つ裂きにしてくれる」
「やめてっ!そんなっ…!!!」悲鳴を上げるシーラ。
「当然の報いであろう」
「―お父様!彼が死んだら、私も死にます!」
「何だと…!シーラ!」クレリーの手がまたシーラの頬をぶとうとしたその時―
722運命の出会い35:03/09/21 18:30 ID:z3m0aJA4
「―彼女に乱暴はよして下さい!お探しの吸血鬼ならここにいます」
モーリの声が突然響く。シーラと父が見上げると、モーリはマントをたなびかせ、階段の上に立っていた。
「モーリ!!」シーラは愛しい人の姿を見つめた。
(モーリ!だめっ、こっちに来ないで!八つ裂きにされてしまうのよっ!!)
シーラは心の中で悲鳴を上げたが、そんな彼女の必死の叫びとは裏腹に、モーリはつかつかと
長い階段を一歩一歩降りてくる―。
「シーラ…」モーリは愛しい彼女の顔を見つめた―
恐怖に怯えるシーラを安心させるように、限りなく優しい瞳で…。
そして怒りに震えるクレリーの方に視線を移す。
「モーリ・エトゥールと申します。―もし、私とシーラが愛し合うのが罪だというのなら、
その裁きは私が受けます。シーラに暴力を振るうのは私が許しません」
「モーリ…!」涙がこみ上げる。
「―ふん…いい度胸をしておるな。だが、そのような大言を吐いていられるのもこれまでだ。
罪を償う、と言ったな。ならば、償ってもらおうか…」
「やめてっ!お父様、私がさっき言ったことは本気よ!私も死ぬわ!」
父の腕を振り払ってモーリの腕の中に駆けこむ。
シーラの髪を撫で、力強く抱きしめながら、そっと囁く。
「大丈夫。君を残して死ねるか」
シーラを抱きしめながら、クレリーの顔を見るモーリの強い眼差しに少しひるんだ時、
スコットの声が聞こえた。
723運命の出会い36:03/09/21 18:33 ID:z3m0aJA4
「クレリー殿!待って下さい。その男と決闘をさせて下さい!」
スコットが二つの剣を持ってやってくる。
「僕のフィアンセを奪った男だ。僕が相手になります!」
「―スコット殿か…。よし、いいだろう。その吸血鬼に勝ったら、明日にでもシーラとの結婚を執り行ってやるぞ」
「ありがとうございます。―エトゥール、どうだ、勝負するな?」
差し出された剣を受取るモーリ。
「―いいでしょう。ただし、私が勝ったら…シーラを自由にさせて下さい」
「モーリ…」蒼白になってモーリの腕に強くしがみ付く。
「心配するな、シーラ。必ず勝つ―その時は、私を選んでくれ。でないと格好がつかないからね…」
シーラの頬に手をやってこう囁きながら、微笑して優しくキスした後、その身を離す。
「さあ、グレイ。外に出よ」その声は落ち着いていた。
城の入り口の前の広場には、何事かと人々が次々に集まってくる。
その中にはモーリの両親やトーマスの姿もあった。
「モーリ!」アーサーの叫び声を聞き、父の方へ向かうモーリ。
マントや上着を無言で父に渡して、上半身は白い絹のシャツ姿になる。

「勝負!!」
かけ声と共に勝負が開始された。一同が固唾を飲んで見守る中、剣がひしめき合う鋭い音が辺りに響く。
シーラは父に押さえつけられていたが、その腕を離して父から離れた所へ逃れる。
スコットは早くも汗だくになって、必死になってモーリに襲いかかるが、そんながむしゃらな攻撃を
モーリはひらりとかわしていた。

724運命の出会い37:03/09/21 18:35 ID:z3m0aJA4
モーリの動きには余裕があったが、それを見ているシーラは気が気でなかった。
「心配なさるな、マドモワゼル。モーリは剣の達人だ―何せこの私が教えたんだから」
シーラがその声の主の方を見ると、見事な白髪を後ろで束ねた長身の紳士が微笑して隣に立っていた。
モーリと同じように黒いマントに身を包み、皺が刻まれているものの整った上品な顔立ち…モーリに少し似ている…。
「―モーリのおじい様…ですか…?」
「いかにも。名はトーマスだ。初めまして」
二人は息を殺して勝負を見守った。
しばらくして、トーマスは孫の異変に気付き始めた。
始めは圧倒的に優勢だったモーリだったが、今は動きに切れがなくなり、スコットに押され気味になっている。
「…どうも、モーリの様子がおかしいぞ。普段のあいつなら、あんな相手何てことないはずなのだが…。
それに何だか見ているこっちまで気分が―」
トーマスは青い顔をしながらも、必死で試合の様子を見守る。
モーリの両親も、異変に気付いたらしい。二人とも苦しそうに冷や汗をかきながら、ハラハラした表情を浮かべている。
一方シーラの父は、勝ち誇ったような顔に余裕の笑みを浮かべていた。
スコットのはだけた首元から、金の鎖が見え隠れするのにトーマスは気付いた。
そしてその先には…大きな十字架!!!
「何とっ、卑怯な!」
「ああっ、十字架を身に付けてるのね…!」
シーラも気付き、胸が張り裂けるような思いだった。
725運命の出会い38:03/09/21 18:37 ID:z3m0aJA4
モーリはスコットの十字架に反応して、息も絶え絶えで苦渋の表情を浮かべている。
モーリの動きが鈍くなったのをいいことに、スコットは攻撃を強める。
ああ、もう見ていられない。顔を両手で覆ったシーラの耳に、トーマスの静かな声が響いた。
「シーラ殿、お顔を上げられよ。いかにつらくとも、あなたは愛する男の戦い様をしっかり見届けねばならぬ…」
「モーリ…!」涙が溢れて視界がぼんやりしている。スコットは、追い詰められて地面に倒れ込んだモーリの胸に
剣先を突き立てて、今にも止めを刺そうとしている所だ―
「モーリ!モーリ!!」シーラは必死で祈った。
(お願い!どうか死なないで、私と一緒に生きて…!!!)
シーラの願いが通じたのか、モーリはスコットの剣をかわして立ちあがった。
最後の力を振り絞って剣を握り締め、スコットに向かう。応戦するスコットの手から剣が投げ飛ばされ、宙を舞った―
モーリの勢いの前に尻もちをつき、恐怖に青ざめた面持ちのスコット。
モーリがゆっくりと近づき、剣を震える彼の首元に突き立てる…。
金色の鎖を剣先で持ち上げ、ブツッという音と共に断ち切ると大きな十字架がきらめきながら宙を舞う。
そしてそれは小さな音を立ててクレリーの足元に落ちた―。
726運命の出会い39:03/09/21 19:12 ID:z3m0aJA4
しばしの沈黙の後、どよめくような人々の歓声が沸きあがった。
モーリは手にしていた剣を落とし、額の汗をぬぐってため息をつくと、シーラの方を見た。
「モーリ!!」シーラが駆けこんでくる。
「シーラ…」シーラを抱き寄せ、その髪を撫でながら、しばらく固く抱き合う―
すると城の塔の天辺にたたずんで自分たちを見下ろしているエレノアの姿を見た…。
(エレノア…君がしたことは許す。お互いに、もう忘れよう―)
エレノアは涙を一筋こぼすと、コウモリに姿を変えて、遠い空の向こうへ飛んで行った…。
その姿を見送った後、シーラの手を取り、口付けながら囁く。
「シーラ…君をさらって行っていいかい」
「モーリ…ええ、どこにでも―」
727運命の出会い40:03/09/21 19:29 ID:z3m0aJA4
二人は手をしっかりと握りながら、シーラの父の前に進んで行った。
「お父様、私はこの人と一緒に生きていくわ。これが私の望みです」
「シーラ…。どうしても行ってしまうのか?」
シーラは無言で頷いた。がっくりとうなだれるクレリー。
「―モーリ、と言ったな。スコットが十字架を隠し持っているとは知らなかったが…
あっぱれな戦いぶりだった…」
モーリはがくっと膝をついたシーラの父を助け起こした。
「シーラのことは幸せにします」と静かに語る。
モーリの両親やトーマスが近づいてきた。
モーリの衣服を渡しながら、固く抱擁しあう父と子。
「モーリ、元気でな。魔界にもシーラと一緒に時々顔を見せてくれ」
「お父様。ええ、いつか必ず―」
「モーリ。人間界にあるエトゥール家の別荘に身を寄せるがいい。海辺の近くの―知っているだろう?」
トーマスが言う。
「実はそのつもりでした、おじい様。魔界に飽きた時には、遊びに来て下さい」
「じゃあね、モーリにシーラ。今度のこと、私の小説に使わせてもらうわね」
オリヴィアの言葉にシーラが赤くなる。
「ええっ、私が棺おけの中に入った時のこともですか?」
「何だ、棺おけの中って?」トーマスが興味ありげに聞く。
「いえ、何でもありません」
モーリは苦笑してシーラを抱き寄せると皆に別れを告げた。
728運命の出会い41:03/09/21 19:37 ID:z3m0aJA4
「メヴィウス。今日はわしの為の祝典であったのに、台無しだ」
レドルフは明らかに面白くなさそうな顔をして、馬車がモーリとシーラを乗せて
魔界城を出発するのを自室の窓から眺めて言った。
「王様、あの二人を引き離すことはならぬ、とわしの水晶は示しておったのじゃ。
いずれこの魔界を救う命が、あの二人から生まれる、とも…」
「何、それは真か?魔界を救うとはどういう意味だ」
「それはまだ分かりませぬが―。あの二人は人間界へ行くものと思われまするが、今後も王様の監視下に
置いた方がいいかと…。人間界と魔界との扉の番人の役目でもお与えになるのが宜しかろう」
メヴィウスは考えこんでいる風のレドルフを見て言葉を続けた。
「王様…それとお妃問題の件ですが、それもすぐ解決するはずじゃ。身近な所に答えがあると水晶は言っておる」
「身近な所?―まさか、自分を売り込んでいるのではあるまいな」
「まさかっ…何をおっしゃるっ!いくら何でも…!」
「―ふん。冗談だ。本気にいたすな」
メヴィウスがずっこけ、サンドが必死に笑いをこらえているところに、若い侍女が酒の盆を持って現れた。
「王様、お酒をお持ちいたしました」
「うむ―」その黒髪の侍女の美しい顔を見た瞬間、レドルフは心奪われた。
「そちの名は…?」
「ターナ・フェリアと申します。今日より王様のお側仕えとして参内いたしました」
レドルフが珍しくポーと顔を赤らめて、ターナを見つめているのをメヴィウスは興味深げに観察した。
(もしかして、これが水晶の言う答えかの・・・?)
こうして魔界の歴史は次世代へと繋がっていくのである―

おわり
729モーリ&シーラ作者:03/09/21 19:42 ID:z3m0aJA4
ようやく終わりました。こんなに長くなってしまうとは
思ってませんでした。すみません。

ところでエレノア・ターナーとターナさんは何の関係も
ありませぬ。同じ黒髪だけどね。
偶然モーリの婚約者に似たような名前を付けてしまって、
「あ、しまった!」って感じだったんです。

はー、しかしこれで妄想の泉が尽きてしまった・・・
誰かなんかお題下さいませ。よければ。
730身分の差 後日談:03/09/21 23:03 ID:HuPdcETx
ポカポカ陽気のお昼過ぎ。
江藤家の近くの大きな公園でひなたぼっこ中の蘭世と俊。
蘭世がちょっといいにくそうに口を開く。
「昨日ね、魔界のおばあさまから家族みんなで夕食に招待されたの。
おじいさまにも会ったんだけど、お見合いのことなんにもいわないの。
真壁君、おじいさまどうやって説得したの?」
蘭世とシーラはかなり疑問に思っているらしい。
モーリはなんとも言ってないようだ。
「お前みたいなドジでまぬけなヤツはそうそう相手できるヤツなんて
いないって教えてやっただけさ」
含み笑いをする俊。
「もうっ。」
フンッと蘭世はそっぽを向いたが、俊が祖父を説得してくれたことが
うれしくてたまらない。
ちらりと俊の横顔を盗み見た蘭世。ぼそっとつぶやいてみる。
「でも、一回お見合いってしてみたかったのよね」
少し離れたジャングルジムで遊んでる子供たちをボーっとみていた
俊は、がばっと蘭世を振り返った。
「くっくっくっ」
蘭世は声を殺してわらって
「さっきの仕返し♪」
と舌をだした。
今度は俊がそっぽを向く番。

こうしてラブラブの昼下がりは過ぎていくのだ。

おわり。
731身分の差作者:03/09/21 23:07 ID:HuPdcETx
モーリ&シーラ作者様。
あたたかい感想ありがとうございます<(_ _)>
いつも楽しく拝見しております。
絵が浮かんできそうな文章がステキです。
尽きてしまったとはいわず、新作を期待しております。
しっかり吟味して、お題をリクエストしたいと思いますので、
その節はよろしくお願いしますね♪
732揺れる想い8:03/09/21 23:36 ID:YuvgiJDe
「ごめん…」
「えっ?…な、なんで…なんで謝るの?」
(イヤ!謝らないで…それじゃぁまるで…別れるみたいじゃない…)
蘭世は両耳に手を当ててしゃがみ込みぶんぶん頭を振った。
俊は蘭世を優しく抱き寄せ
「バーカ、勝手に暴走するな!…他の奴に迷惑かけるのは許せねぇ…」
「???」
「俺には、かけていいって言ってんだよ!」
「真壁君?」
「お前、あの日、最後まで話聞いてなかっただろ?」
真っ赤な顔をした俊、怒ってるような照れてるような…
「うん…だって、あれ以上聞くの怖かったんだもん」
「本当、ばかだなぁ」
俊は優しい目をして蘭世に口付けした。
「ま、真壁君…いいの?いつも想っていていいの?
真壁君でいっぱいにしても…いいの?」
俊は抱きしめていた手に力を入れる。
「いいんだよ!お前なら…」
俊は紺野の痕跡を蘭世から拭うように何度もキスをした。
「他の奴とは…するな…」
「うん!」
「…俺だけを…みてろ…」
俊は顔を真っ赤にして聞こえるか聞こえないかぐらいの声で
つぶやいた。
(真壁君…うん!…うれしい)
733揺れる想い9:03/09/21 23:38 ID:YuvgiJDe
蘭世は仕事を辞める事にした。その事を紺野に告げると
紺野はニヤっと笑い
「あの後、仲直り出来たみたいだな!」
と言った。紺野はルームミラーで俊がいるのを知っていた。
「で、ちょっかい出してみたんだ…」
「紺野さん…もう!それでダメになったらどーしてくれるのよ!」
「それでダメになるんならはなっからダメだな…」
紺野は涼しい顔で言った。
「まぁ…それならそれで、俺が面倒見てやるつもりだったんだけどな!ハハハ…」
「こ、紺野さん!!もう!」
蘭世は紺野に別れを告げ、俊のアパートに向かった。
蘭世を待つ俊のアパートに…

数日後、
「かーなり元気でてるじゃない!ん?」
「ご心配おかけいたしました。」
「心配なんかしてないよ!あんた達がどーにかなるなんて
全然思ってないもん」
「か、かえでちゃーん…うぅ…」
目をうるうるさせ感激している蘭世に
「で、何がどーしたのよ?」
と、かなり興味津々で聞いてきた…
「かえでちゃん、面白がってない?」
「あったりまえよぉ」
二人は笑いあった。結局かえでに話をすると
「ねぇ、真壁君と日野君の話の続きってなんだろうね?」
「!!!」
(聞いてない…)
734揺れる想い10:03/09/21 23:42 ID:YuvgiJDe
その日、俊のアパートで夕飯を食べているとき俊に聞いてみた。
「えっ、…どっ…どうでもいいだろ!」
いつものポーカーフェイスがくずれ、かなりあわてた顔をした。
蘭世は、そんな俊を見て余計に知りたくなった。
「ふーん、教えてくれないんだぁ…いいよ!じゃぁ日野君に聞くから」
「バカ!絶対聞くなよ!」
真っ赤な顔をして怒鳴る俊、
「じゃぁ、真壁君が教えて!」
ニコニコと笑顔を見せて、俊を追い詰めた。
俊は嫌な汗をかいた…

「別れちまえ!江藤は大丈夫だよ…まぁしばらくは落ち込むだろうけど」
ニヤっと笑って
「他の奴がほっとかないだろう!」
俊は、むっとして日野を睨んだ。
「お前、俺で遊んでねぇ?」
日野は俊の問いかけに答えず
「別れるんなら、早い方がいい…お互いの為にも…自信がないんなら
別れてやったほうが江藤の為だ!」
「!!!」
言い当てられた…日野は平然と俊が認めたくない感情を
俊にあびせた。恨めしそうに日野を睨むことしか出来なかった。
735揺れる想い11:03/09/21 23:46 ID:YuvgiJDe
そうだ、本当はわかっていた。あいつの心配じゃない
俺だ…俺に自信がなかったんだ。いつも俺を想っていてくれる江藤、
どんなときも…いつも…俺はあいつに愛される価値がある男なのか
あいつの想いに答えられているのか…このままあいつのそばにいていいのか…
俺はいつも…不安だったんだ…江藤を失う恐怖…怖くて、
いつも他の口実を探して、失う前に自分から逃げていた…
離れられないのに…あいつがいなくても大丈夫だと思いたくて…
「…日野、お前の勝ち…」
悔しそうに俊は言った。その俊を見て日野は満足気に
「素直でよろしい!…自身持てよ…お前今まで会ったどんな奴より
いいよ…江藤も見る目あるよ…江藤はお前が好きなんだ、江藤と自分を
信じろよ!!」
日野の言葉が俊の心に広がる…
「あぐらかいてると、他の奴に持ってかれちまうぞ!後悔しても遅いぞー、いいのか?」
日野は俊を挑発するように言った。
「…誰にもやらねぇーよ!…絶対に…」
俊は日野ではなく、自分に言っていた。
そして、あらためて自分の中の蘭世の存在を確認した。
「サンキュ…なさけねぇーな…俺…」
日野と目を合わせ笑った。
736揺れる想い12:03/09/21 23:50 ID:YuvgiJDe
あんな事こいつに言えるか…///
「ねぇー何話してたの?」
蘭世は思いっきり期待しているみたいだった。
「…お前は、俺がいねぇーと食い気に走ってぶたになるから
一緒にいるって話だ!」
「なーにそれー!!」(怒怒)
蘭世は口を尖らせ納得いかないって顔で怒っていた。
(こいつびっくりするだろうな…あの日、あの男と一緒にいる
江藤の気を感じて…あわてて江藤を探しに行ったなんて知ったら…
全然平気じゃなかった…めーいっぱい普通にして、
偶然をよそおってたなんて知ったら…どんな顔するかな?…)
俊は今、一緒にいられる幸せをかみしめて
蘭世に優しく口付けをする…
「もう…また…ごまか…す…う…ん」
そう言いながら蘭世は俊の甘い誘惑に落ちていった…
             
                 おわり          
737名無しさん@ピンキー:03/09/22 01:38 ID:lYgZTKfZ
わぁ 今日は続編が3作も見られて幸せ〜
作者の皆様、至福のときをありがとう

あ〜、私も心ときめく恋がしたくなっちゃった
秋だねぇ〜…
738名無しさん@ピンキー:03/09/22 02:36 ID:GdtowU+l
うぅ〜!
一気に読みふけっちゃいました☆
私も身を焦がすような恋愛がしたいよ〜(泣)
739名無しさん@ピンキー:03/09/22 04:49 ID:GMmudf6t
459kbだったので次スレ立てさせていただきました。
ちょっと早かった気もしますが、誘導貼れなくなるよりいいと思って……。

ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part9
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1064173291/l50

即死防止にご協力宜しくです!

慌ててこのレスを新スレに貼ってしまいました。誠に申し訳有りません。
740名無しさん@ピンキー:03/09/27 01:38 ID:9CoM4jzr
新スレの即死は免れたようで結構なことだが
Part8はまだまだ稼働中な訳で・・・
雑談、萌え話でも構わんので埋め立てしませう



って、たまにカキコする香具師が勧めるのは変だよなぁ
・・・スマソ

>>739 いまさらだがスレ立て乙!

作者の皆様、素敵なお話をアリガd!!!本当に感謝、感激でつ
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ