さくらの秘密図書

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63545:03/07/11 23:50 ID:3mgqJi7K
「ど、どうしたんだろう?」
 おろおろとした表情を見せるさくらを優しく見つめた知世は、
「ひょっとして、普段と違う事をしたからでしょうか?」
 この指摘は、実は正鵠を射ていた。
 主に女性に言えることだが、クルマに揺られたり、遊園地のアトラクション等
で興奮すると、それが軽い性的な刺激を受けたのと同じになり、普段よりよく濡
れ、感度が良くなることがある。さくらも、今日はほぼ一日、興奮しっぱなしだ
った。それが、肉茎の勃起に繋がったのだろう。
 さくらは、半立ちのそれを見おろしていた顔を上げた。何か考えている顔つき
で暫く知世を見つめる。やがて、何事かを決心したさくらは、腕を伸ばし、知世
の裸身を抱きすくめた。
「さ、さくらちゃん……だめ……だめです……」
 何を意図してかを瞬時に悟った知世が、僅かに抵抗する。
「するの……いや……?」
「そ、そんな事はありません……けど……今日は、たくさん遊んでさくらちゃん
も……お疲れで……しょうし……」
 知世の言葉が途中で途切れた。皆まで言わせず、さくらが抱く腕に力を込めた
から。
「よかった。知世ちゃんがいやじゃないなら、大丈夫だね……」
 囁くように言ったさくらは、つぼみのような唇をそっと知世の頬に押し当て
た。
「でも……さくらちゃんが……」
「わたしは大丈夫だよ。それより、知世ちゃんに気持ちよくなってもらいたい
の」
 知世の抵抗を封じるように、さくらの唇が首筋に滑る。ちゅっと吸って、場所
を移し、繰り返す。
63645:03/07/11 23:54 ID:3mgqJi7K
 その一方、さくらの右手はそっと知世の腿を撫でてから上に上がった。その役
目を一身で引き受けている人差し指が、そっと合わせ目に沿わされ、優しく往復
を始めると、たちまち知世の唇から甘い喘ぎが漏れ始める。
「あ……あぁ……うん……」
 知世と肌を合わせ始めた頃の事を思い出しながら、そっと沿わせた指をわれめ
に沿って動かすと、程なくしてねっとりとしたものが絡みついてくる。遊園地で
興奮したのは知世も同じなのだろう。あっという間に身の内に火が入った様だ。
 さくらは、膝が笑って立っていられなくなった知世を支えながら、ゆっくりと
床に膝をついた。滑りどめ加工されたそこは、シャワーのお湯で温まり、固さ以
外は不快なところはない。しとねには小さすぎるが、ないよりはマシと、手ぬぐ
いを敷いて、知世をそこに横たえた。
「さくらちゃん……」
 切なく自分を見上げる知世の頬をそっと撫でてから、さくらは知世の胸にそっ
と口づけた。緩く開いた唇に、シミのような小さな乳首を捕まえ、優しく吸い、
尖らせた舌でくすぐる。
「あッ……んん……」
 知世の反応が嬉しくて、さくらは、一度腿に後退させてそこを撫でていた右手
を再び敏感なところへと進めた。
 ふっくらした大陰唇にそっと突き立てられた人差し指。軽くまさぐり、トロト
ロと蜜を溢れさせる入り口を探り当てると、ゆっくりとそこに潜ってくる。
 にゅぷぅ……。
「ああッ……!」
 とろけるような襞をかき分け、根本まで没入した人差し指は、すぐに指先まで
引かれ、また突き入れられる。満遍なく知世の愛液を纏いつかせると、次第にそ
の往復が早くなっていった。
63745:03/07/11 23:57 ID:3mgqJi7K
 ちゅくちゅくちゅくちゅく……。
「あ……あぁ……はぁ……ん……」
 指の往復に合わせ、切なく喘いでくれるのがさくらには嬉しかった。
「知世ちゃん……知世ちゃん……」
 首筋にキスをしながら、耳たぶにそっと囁く。知世はさくらの背に腕を伸ば
し、しがみついた。身体のひくつきが大きくなっていく。
 今、気持ちよくしてあげるからね……。
 想いを込めた人差し指の往復に、知世の頭の中が真っ白な光で満ちた。
「ふぁ……ああぁーッ!!」
 さくらにしがみつき、喚起の悲鳴をあげながら瘧のようにひくついた知世は、
そのまま凍り付き、やがてがっくりと脱力した。
「はぁはぁはぁ……」
 せわしなく荒い息を継ぐ知世を見つめるさくらの目は、幸せいっぱいだった。
けれど、まだ終わった訳ではない。さくらは気持ちを引き締め、自分の股間にそ
っと触れた。
「ん……」
 手に触れるそこは、まだ膨らんでいた。と言っても半立ちで、これで知世を貫
けるかどうかは不安が残る。一方で、金曜日の夜と同じくらいの硬度はあるよう
な気もした。
 とにかく、がんばろう!
 決心して、覆い被さろうとしたさくらは、けれど、知世の手で押し止められ
た。
「どうしたの?」
 訪ねるさくらの下で、知世がゆっくりと半身を起こす。
63845:03/07/12 00:00 ID:f9vy6B+t
 まだ絶頂の余韻を抜けきっていないのか、妙にしっとりとした声で、
「お膝で、立ってください……」
「え?……あ、い、いいよ……きょ、今日は……」
 意味を察したさくらは、慌てて手を振った。けれど、知世はこんな風に言い出
したら、聞いてくれるものではない事をよく知ってもいた。
 案の定、伸びていた足を引き寄せ、お嬢さま座りから正座に近い様子に座り直
し、両手を前足の様について準備を整えてしまう。
 はう〜。
 内心で呻いたが、こうなっては嫌も応もない。さくらは恐る恐るという様子
で、そっと膝立ちになった。
 知世がそこに顔を寄せると、高さの関係はぴったりだった。身を屈めている知
世の頭頂は、さくらのお腹の真ん前にある。
 知世は、一欠片の躊躇いも見せず、目の前で半立ちになっているさくらの肉茎
に口づけ、そのまま口の中に引き入れた。
「あッ……!」
 さくらの背が思わず伸び、反動で腰が突き出される。根本まで入ってきたそれ
に優しく舌を絡めると、知世の頭が前後に動き始めた。
「あ……ん……くぅ……」
 さくらが切なげに喘ぎ、身体をひくつかせる。なんだか今日は、普段よりも気
持ちいいような気がした。
 一方、知世の方も少し驚いていた。一番、元気だった時の様に、往復の度にさ
くらのが固くなっていくのを感じ取っていたからだ。
 一番深く肉茎を含み、口内に溜まった唾液を飲み下すと、さくらがビクンと引
きつった。
63945:03/07/12 00:01 ID:f9vy6B+t
「も、もういいよ……こ、これ以上は……だめ……」
 さくらの訴えを聞いて、知世は少し名残惜しそうに口を離した。
 ちゅぽ……。
 知世の口と唾液の糸で結ばれた肉茎は、ここ何日かではなかった位にぴいんと
立ち上がっている。
「知世ちゃん……」
 さくらが身を屈め、知世を押し倒すように覆い被さった。僅かに開いた柔らか
な腿の間に腰の位置を定めると、右手で茎を握り、微調整をする。
 先端が入り口を捉えたのを確かめて、さくらは知世の顔を覗き込んだ。
「いく……よ……?」
「はい……」
 今日は、声に出して確認しあった。さくらは知世を抱きすくめ、知世もさくら
の背を抱く。一瞬、なにもかもが静止した。
 ずにゅぅぅぅぅ……。
「ふあッ……!」
「はうッ……!」
 さくらが腰を突き上げると、肉茎は力強く柔肉を押し割り、知世を貫いた。
 は、入った……!
 今日が初めてでもないのに、さくらは挿入を果たした事に感動していた。
 胸をいっぱいに満たす甘酸っぱい想いに突き動かされ、さくらはそろそろとお
尻を引くと、突き上げた。一突きの度に、知世が敏感に感じて切ない喘ぎを漏ら
すのが嬉しくてたまらない。リズムを保ってお尻を弾ませると、知世が下から優
しく突き上げて迎えてくれるのも嬉しかった。
「あ……さくらちゃん……さくら……ちゃ……ふぁ……」
  広いとはいえ、音の響くバスルームに、知世の切ない喘ぎが木霊する。それ
に励まされ、さくらは一生懸命にお尻を突き動かした。
64045:03/07/12 00:03 ID:f9vy6B+t
「知世ちゃん、知世ちゃん!」
 ぢゅちゅ、ぢゅちゅ、ぢゅちゅ……。
 普段のベットの軋みに代わり、湿った粘着音が漏れ聞こえて来る。それが知世
の恥ずかしさを掻き立て、柔肉がきゅうっと「さくら」を締めつけた。
「あッ……だ、ダメ……そんなしたら……すごく……すごく……」
 さくらが喉を晒して仰け反った。唇の端から、涎が一筋滑り落ちる。
 だめ、がんばるんだもん!知世ちゃんを気持ちよくするんだもん!
 必死に自分を叱咤し、柔肉の誘惑に耐えてお尻を動かし続けるさくら。けれど
もう肉茎には熱い芯が通り、既に引き返せないところに来てしまっていた。
「あ……あ……あッ……」
 完全に切羽詰まったさくらの声。リズムが乱れ、お尻の蠢きが急に大きく、速
くなる。
「んんッ!」
 びゅくん!
 熱い粘液が知世の奥で爆ぜたその時、一気にヒートアップした抽送で知世が追
い詰められた。
「さくらちゃん!さくらちゃん!……あッ……あぁぁーッ!」
 びゅく、びゅくん……。
 熱い粘液を奥にぶちまけるさくらのひくつきに合わせるかのように、知世が瘧
のように震え、腰を突き上げる。
 ふたりはぎゅっと互いを抱きしめ、ぶるぶると震えた。
『あ‥‥はぁぁ‥‥』
 詰めていた息をほとんど同時に吐くと、がっくりと脱力した。
64145:03/07/12 00:07 ID:f9vy6B+t
あとがき?

え〜、お話ですが……あはは、書いている当人が食傷する程の甘々なシーンの連
続でした(^^;)。でもなんか、らぶはにゃんは書いていて楽しい出すけどね〜

急にお○ん○ん回復しちゃいましたけど、これ、本当にエッチ関係の本に載って
たんですよ〜。遊園地やクルマで揺られると、感じやすくなるんだそうです。
でも、男の方はそうはならないはずですけどね〜(^^;)

では、続きは出来たら来週末にはアップできるように、なんとか努力してみま
つ。
642名無しさん@ピンキー:03/07/12 17:32 ID:Vd012cZ6
45氏キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
643名無しさん@ピンキー:03/07/12 18:04 ID:iczfJPZW
はぁ〜 なごんだ〜
45さん萌える作品ありがとうございます。
64445:03/07/12 23:26 ID:O+9iLz2Q
どもです。
レスを飛ばしているのがありましたね。
なんか亀レスになってしまい、すみません。

>>593
>>612

 ボクは同人活動というのはしてませんです。なんで申し訳ないですが、
本にもなる事はないと思います。
 あと、目標にしている作家さんですが、雑破業先生だったりします。

 でもすごい落ちるのが速いです。
 昨日ageたばかりなのに、カキコの時点では200です(^^;)
 カキコがあるうちは、下の方でもDAT落ちしないそうですが、不安なので
ageておきますね。
645名無しさん@ピンキー:03/07/12 23:49 ID:DHHA6DDz

ものすごい数のサンプルと画像を集めてみました。モロ
こきすぎ注意
http://www.h2.dion.ne.jp/~m_oka/moemoe/ero_03.html
646名無しさん@ピンキー:03/07/13 03:29 ID:4yQaEjG1
初めてこのスレを見つけましたが、45さん(・∀・)イイ!!

遊園地は豊島園でしょうか?VVVFなんてマニアックな描写も気に入りますた(・∀・)
647山崎 渉:03/07/15 11:10 ID:vhmwz+RP

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
648名無しさん@ピンキー:03/07/15 14:58 ID:bD2mjyhU
64945:03/07/15 23:19 ID:jB3nBiRR
え〜と、今週は少し進んでます。このペースで邪魔が入らなければ、
もしかしたら週末up可かも(^^;)
とりあえず、保守であげておきます。

>>642
>>643

 ありがとうございます。今度の分も少し和んで貰えるかも。
 その後は……ま、これはおいおい。

>>646

 遊園地ですが、適当にインターネットで情報を集めたので、特定の
遊園地には依存してませんです。でも、駅のすぐ前ってコトは、ラクーア
かな?(^^;)
650名無しさん@ピンキー:03/07/16 08:27 ID:w4S9F0te
萌〜ゆるよ萌ゆる〜よ
651名無しさん@ピンキー:03/07/16 09:28 ID:UyJ9zAvm
652名無しさん@ピンキー:03/07/16 12:16 ID:srSpxu/6
スタッフもマジで驚いた「現役コンパニオン」の登場ッス!もちろん顔出しで無料公
開!
http://www.hamedori.net/video.html
653裸族 ◆mh0WlO0c8U :03/07/16 15:51 ID:Hv+UGDES
おい45!!
ひょっとしてさくらたんと知世たんは「妊娠」という知識があって
しってて中だししているとでもいうのか!!

ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
すっごく萌えるよ……
65445:03/07/17 22:08 ID:AxDL6KMy
>>653

わ、裸族さん、お久です。まだ読んでいて頂けて嬉しいです(^^)

さて、知識ですが、一応のことはあるという設定になってます。
ただ、あまり詳しいコトはもちろん知らないでしょうから、「妊娠しちゃう〜」
という意識はありません。

いくらお○ん○んが生えてしまったとはいえ、さくらちゃんが「おとこ」になっ
たという認識はないでしょうから(^^;)
655名無しさん@ピンキー:03/07/17 23:04 ID:YrrYWLqn
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656名無しさん@ピンキー:03/07/19 16:42 ID:i7tF4BB9
小狼×さくらの普通なHが見たいという俺は
このスレじゃ主流じゃないのか?
逝ってよしなのか?
657名無しさん@ピンキー:03/07/19 17:19 ID:F9yWSBvP
ここまじ許せない!!パクリばかりして!!荒らしてください!!
http://x13.cool.ne.jp/
この書き込みコピペしてどんどん広めて!!!
658名無しさん@ピンキー:03/07/19 17:21 ID:IZu6jsSP
>>656
俺もそうよ。小狼×さくらのあまあまなのが大好き派。
逝ってよしではないが主流ではないようで。
こればっかりは職人さんの降臨を待つしかないっす。
45氏は頑張っているのだし。
659名無しさん@ピンキー:03/07/20 16:37 ID:ZtWW5ivw
俺は知世×さくら派だけど小狼×さくらも嫌いじゃない。
寺田×利佳もいいし
ていうか桃矢×雪兎でも可(チョットマテ
まあ愛があればいいということで。
660名無しさん@ピンキー:03/07/21 10:33 ID:onNAkTZR
66145:03/07/21 18:38 ID:5snLfRlY
どもです。続き、UPします。

なんとか今週はUP出来ましたです。でも今週はちょっと手が放せそうも
ないので、この週末はちと無理かも……

さて、お話ですが、>>640からの続きで、甘々らぶはにゃん全開にしまし
た。何しろこれが……(こほんこほん)

とにかく、お楽しみ頂ければ幸いです。

でわ。
66245:03/07/21 18:41 ID:5snLfRlY
 さくらは、最後の最後に残った気力で、知世の上に折り重なるのだけは何とか
防ぎ、バスルームの床にしどけなく身を投げ出した。固い床の上で、自分の体重
まで知世に預ける訳にはいかないという判断だった。
 何も出来ず、ただ息をするので精一杯だった。湯気に曇る天井をぼんやりと見
つめ、ただ酸素を貪る。
 暫くすると、さくらは叫びたくなる位の嬉しさが、胸をいっぱいに満たしてい
くのを感じた。もしかしたら、もう出来なくなるかもと思ったのに、もう一度、
知世を気持ちよくする事が出来た。この気持ちを言葉にするのは難しい。「幸せ」
という以外に思いつかない。こんな気持ちになれるなら、男のコのがついたまま
でもいいと、さくらはぼんやり思った。
「さくらちゃん……」
 虚脱から回復したのか、知世が恥ずかしそうに声をかけてくる。顔を向けたさ
くらは、そっと右手を伸ばし、知世の頬に触れた。
「気持ちよかった?」
 さくらの問いに、知世は頬を染め、それでも小さく頷く。その答えがなんとも
嬉しかった。
 後ろ手をつき、さくらが半身を起こす。流石に固い床には、そういつまでも横
たわっていようという気は起きない。
 続けて知世も身を起こした。ふたりは少しふらつきつつも、立ち上がった。
「あ……」
 そう声を上げたのはさくらだった。ふと見ると、知世の内腿を、少しだけ白っ
ぽく濁った液がゆっくりと滑り降り落ちていく。
「は、恥ずかしいから……見ないでください……」
 思わず知世は両手で覆い隠した。はしたなく乱れた証を見られ、知世の頬が朱
に染まった。
66345:03/07/21 18:44 ID:5snLfRlY
「そんな事ないよ。わたし、うれしい。知世ちゃんがいっぱい気持ちよくなって
くれたからだもん」
 言いながらも、さくらはシャワーを捻り、温かい湯を出すと、知世の身体にそ
っとかけた。求め合った名残が、溶かされて流れていくのが心地よかった。
 代わる代わる流し合い、バスルームを後にする。
 お互いをバスタオルで拭き合ってから、ショーツに足を通したが、そこでさく
らの手がハタと止まった。一瞬だが、自分の着るものが用意されていない様に見
えたのだ。
 しかし、よくよく見ると、全く同じデザインと色の可愛らしいネグリジェが2
着ある事に気付く。
「お揃いなんですの」
 さくらの様子を見ていた知世が、嬉しくてたまらないという様子で言う。なる
ほど袖を通してお互いに見合うと、そっくりの物だった。
 さくらもまた、同じ物を着せて貰えたのが嬉しかった。ペアルックの感覚に近
いだろう。如何にも少女っぽく、ふたりは笑い合った。
 ガウンも同じ物が用意されていて、それを羽織ると、知世に手を引かれてダイ
ニングに顔を出した。
「ずいぶん長湯だったわねぇ……逆上せてるんじゃないかって、見に行こうかと
思ってたのよ」
 ふたりの顔を見るなり、園美が言った。
「お疲れのようでしたから、ゆっくりしていただいたんです」
 まさかお風呂場でえっちな事してましたとも言えず、当たり障りのない言葉で
ごまかす。と、同時に胸を撫で下ろした。あの場に踏み込まれていたら、言い訳
のしようがない。
66445:03/07/21 18:47 ID:5snLfRlY
「さ、座って頂戴。今日は腕によりをかけたのよ」
 本当は、一緒に遊園地に尾いて行きたかった園美だが、知世にどうしてもふた
りだけで行きたいからと懇願されて、泣く泣く同行を諦めたのだ。その代わり、
夜は必ず連れてきなさいと申し渡して、知世を送り出している。さくらがお泊ま
りする事は、当人の思惟に関係なく、既に決定された事だった。
 園美は、自分の作ったシチューを美味しそうに食べるさくらを、うっとりと見
つめていた。こうしてみていると、愛しい想い人の忘れ形見だと言うことがよく
判る。
 いそいそと世話を焼き、ご機嫌な園美は、けれど、話題が藤隆に触れると途端
に不機嫌を露にした。逆に、さくらの亡母、撫子の事は、すぐに機嫌が直り、に
こやかに話す。その気分の替わり方はまるで幼児の様だ。大きなおもちゃ会社を
率い、ずいぶんと敏腕で名を馳せてはいるが、内面の方は、知世よりも子供なの
かもしれない。
 食事が済むと、おいしい紅茶にデザートのケーキ。食事中といい、今といい、
さくらの話す相手はずっと園美で、知世は黙って聞いているだけだった。けれど、
決して不機嫌には見えない。にこにこと笑って、母親と想い人の語らいに耳を傾
けていた。
 園美にとっては、あまりに楽しくそれだけにあっという間に過ぎてしまった時
間。本当なら、この可愛らしいさくらと、もっと一緒に過ごしたかった。けれど、
園美も人の親としての分別は失っていなかったらしい。
「さぁ、そろそろ良いコは寝る時間よ」
 名残惜しいのを隠すために、わざとおどけてそう宣言すると話を打ち切った。
 椅子から立ち上がった知世がエスコートする様にさくらの手を取ると、
「では、お母さま、おやすみなさい」
 知世の挨拶に、さくらも慌てて園美にお辞儀をした。
「おやすみなさい。園美さん」
「はい、おやすみなさい」
 にこやかに手を振る園美の前を辞した知世は、さくらの手を引いて自分の部屋
に向かった。
665名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:49 ID:2l6Xz6Hi
66645:03/07/21 18:50 ID:5snLfRlY
 途中、さくらは、ふとあるものに目を止めた。長い廊下を等間隔で照らす壁の
飾り電球。知世の部屋のすぐ前の一つだけ、妙に明るかった。なぜそうなのか、
どうして気になったのかが判らないまま、さくらはそれが印象に残った。
 部屋に通されると、そのままベッドに腰を下ろした。
「母のわがままにお付き合い頂いて、ありがとうごいます」
 隣りに腰を下ろした知世が言う。さくらは首を横に振ると、
「ううん。わたしも楽しかったよ。お父さんと結婚する前のお母さんの事とか、
たくさん聞けたし……」
 お世辞でもなんでもない、本心だった。
 知世はさくらの優しい答えが嬉しくて、静かに微笑んだ。さくらもそれに笑顔
を返す。
 ふたりは暫し、黙って見つめ合った。
 やがて、さくらの手が知世の膝の上の手に静かに重ねられる。殆ど無意識に近
い動作で、もし「何故?」と問われたら、答えられないだろう。
 手を重ねた為、必然的に近くなる顔と顔。知世がそっと瞼を閉じたのを合図に、
さくらの唇が知世の頬に圧し当てられた。
 優しいキスが、頬のあちこちを動き、やがて首筋に降りる。
「少し……お尻、あげて……」
 耳朶に息を吹きかけながら、さくらがそっと囁く。知世は、度の強いアルコー
ルに酔ったような赤い顔で、黙って従った。
 すすす……。
 ネグリジェの裾を捲るさくらの手は、ゆっくりと丁寧で、がっついた様子は微
塵もない。腹、胸と上がった薄い布は、やがて頭を抜かれて脇につくねられた。
 ちょっとしたいたずら心で、露になった胸に素早く顔を寄せると、ちゅっとキ
ス。知世が恥ずかしそうに身をよじるのが楽しかった。
66745:03/07/21 18:53 ID:5snLfRlY
 今度はさくらの番。知世が言葉にする前にそれを察したさくらが軽くお尻を浮
かせると、知世は優しくネグリジェをたくし上げて脱がせていく。
 ふたりとも、布地はあと一つ、ショーツしか身につけていない。まずはさくら
が知世のそれに手をかけた。細い足を滑らせてくるぶしから抜き取ると、今度は
知世がさくらのショーツをそっと降ろした。
 完全に産まれたままの姿。ふたりは、暫しお互いを見つめたあと、そっとベッ
ドに乗り上がった。
 暗黙の了解に従って、知世が先に身体を横たえる。胸の前に何かを抱える様に、
両手を引きつけているのが可愛らしい。
 さくらは、知世の右横に寝そべると、まず頬にちゅっとキスをした。唇が首筋
から胸元へ降りていく。
 胸に引きつけられた知世の手首を右手でそっと掴むと、ゆっくりと下げさせる。
目を凝らし、シミのように薄く、小さな乳首に狙いを定めて唇を寄せた。
 ちゅ。
「あ……」
 ぴくんと走った波と小さな喘ぎ。それに促され、さくらは熱心に乳首を舐る。
もう片方の手もそっと退かせると、反対側の乳首にもたっぷりとキスを振る舞っ
た。
 吸い上げる。舌でくすぐる。手でそっと触る。その度に紡がれる知世の甘い喘
ぎ。それを堪能したさくらは、次のステップへと指を進めた。
 右手でそっと知世の腿を一撫でしてから、Y字の集線したところ――柔らかい
恥丘へ掌を置く。手触りを楽しむ様にそっと撫で、それから人差し指をそこに刻
まれたふっくらしたわれめに割り込ませた。
66845:03/07/21 18:56 ID:5snLfRlY
 ぢちゅ。
 うわぁ……こんなに……。
 そこは既に熱いシロップをたっぷりと湛えていた。その事に少し驚いたさくら
は、気を取り直すと指を進める。溢れ出る蜜に潤滑され、殆ど抵抗なく柔らかな
粘膜の狭間に吸い込まれていった。
 無理もない。つい数時間前に2度も登り詰めさせられたばかりだ。ちょっとし
た刺激で、気持ちよさが蘇ってしまうのだろう。
 少しづつ速度は上がっているが、あくまでソフトに出入りするさくらの指に指
揮され、知世の上下ふたつの唇がはしたない声の合唱を歌い続ける。
 ちゅく、ぷちゅ、ちゅぷぷ……。
「あッ!……ッン……ッ!……んッ!」
 さくらは、うっとりと目を細め、その合唱に聞き入った。自分しか知らない、
知世の秘密の歌。それは何度聞いても、幾ら聞いても、もっと、もっと歌い続け
て欲しいと思ってしまう、不思議な魅力のある歌だ。
 このときの表情がまたいい。
 ひそめた細い眉の間に切ない皺を刻んだ顔を、時折、いやいやをするように振
る。最初は苦悶のそれかと思ったものだ。でも、今は違いが判る。これは気持ち
いい時の顔だ。
 聞きたい、見たい。そして、指を包む火傷しそうな熱く柔らかな中の感触をも
っと味わっていたい。そう思いながら熱心に知世を出入りするさくらの指は、け
れどその動きで終わりを招き寄せていた。
 纏いつく何かを振り解く様に身悶えし、その可愛いお尻でシーツにシワを刻む
知世は、背中を何かで釣り上げられた様にぴいんと反り返らせる。
「あッ!……んッ!さくらちゃん、さくらちゃ……んッ!あッ!ああぁッ!」
 顔を寄せ、じっと見つめるさくらの目の前で、知世が喚起の悲鳴を迸らせ、大
きくひきつった。
66945:03/07/21 18:59 ID:5snLfRlY
 ひくん、ひくん、ひくひく。
 さくらの指によって、電気でも流されたかのように痙攣する。見れば瞼の端に
は大粒の涙が浮かび、唇の右端に一筋の涎が――。
「……ッはぁぁ……」
 大きく引きつっていた知世が息を吐き、がっくりと脱力した。
 ふんわりした胸をせわしなく上下させ、貪るように空気を補う。さくらはそれ
を優しく抱き、その頬に何度も口づけた。
「気持ち……よかった?」
 呼吸が落ちついたと見て、さくらが聞いた。その声音には、ここ数日はなかっ
た、自信のようなものが感じられる。
 知世は、恥ずかしそうに顔を伏せながらも、こくりと頷いた。
 しばらく、何をするでもなく緩く抱き合い、今度は知世がそっと半身を起こす。
「さくらちゃん……少し……」
 自分愛用の枕を取った知世が言う。意味不明な言葉だがさくらに意味が通じれ
ば、それで良い。案の定、さくらは少し恥ずかしそうに、爪先と肩を支点にして
お尻を持ち上げた。
 知世がその隙間に枕を差し入れ、恥ずかしさを掻き立てない程度に、さくらの
膝を緩く開かせる。ふと、さくらの顔を見ると、期待と不安の混じった、なんと
も複雑な表情を見せていた。
 不安が少しでも無くなる様に、優しく微笑みかける。それから、そっと唇を寄
せた。
「ひゃっ!」
 さくらが思わず声を漏らす。胸にキスが来るとは予想してなかった。知世は先
ほどさくらにされたことそのままに、緩く開いた唇で小さな乳首を吸い上げ、舌
で弄んだ。反対側の薄い膨らみにはそっと掌を置き、さするように撫でる。
67045:03/07/21 19:02 ID:5snLfRlY
「あッ!……ッン……ふぅ……ン!」
 さくらが切なそうに身を捩った。それを愉しむ様に乳首を吸い、舐め、薄い膨
らみを弄んだ後、キスを繰り返しながら、その位置を身体に沿って少しづつ下ろ
して行く。鳩尾からお腹へ入り、お臍はちゅっと吸ってから舌でくすぐった。さ
くらが、その気持ちいいくすぐったさにたまらず身悶える。やがて、知世のキス
は下腹へと降り、それが腿の間へと進んだ。
 刺激に反応してか、さくらの肉茎は既に少し勃起していた。といってもまだふ
んわりした勃ち方で、実用にはなりそうもなかったが、直接に舐められもしゃぶ
られもしないのにこの状態というのは、ここのところ元気がなかったのが嘘のよ
うだ。
 知世は、喉元からそっと横に肉茎を逸らして更に顔を寄せた。
 奥にひっそりと息づくさくらの女のコに唇を寄せ、軽くキスを済ませると、腕
をさくらの腿に絡みつかせるようにして反対側から手を回した。秘密の唇に両手
の人差し指と中指の計4本の指を宛うと、大きく割り開く。
 かぱぁ。
 はぜ開いた薄桃色の粘膜をうっとりと見つめ、それから尖らせた舌先で優しく
まさぐった。
「ふあぁッ!……」
 電気の様な快感に、さくらの腰が思わず跳ね、イヤイヤをするように身を捩る。
知世はその様にぞくぞくし、熱心に舌を蠢かせた。
 渦を描くように動き回る知世の舌は、やがて、中心にえくぼのように穿たれた
孔に落ち込んでいく。
「あッ!と、知世ちゃん……はいっちゃ……はいっちゃ……あうぅ!」
 さくらが背中を引きつらせ、うわずった声で言った。
67145:03/07/21 19:05 ID:5snLfRlY
 はいっちゃ、イヤ。
 そう言おうとするつもりが半分くらいある。なんだかこのまま、知世の舌が怪
物の触手の様に伸び、固まって、思い切り奥まで貫いて来る――つまり、初めて
を奪われてしまう――そんな気がして、恐怖が沸き上がっていた。
 けれど、そうなって欲しい――知世の舌にこのまま貫かれ、めちゃくちゃにさ
れたいという気持ちも、さくらの中に確かにあった。
 そんなさくらの気持ちを弄ぶように、入り口を熱心にまさぐっていた舌が急に
離れた。思わず「やめないで」とばかりに腰を浮かせてしまう。けれど、知世は
愛撫を止めたわけではなかった。舌の代わりに、窄めた唇をさくらの女のコに押
し宛てる。
 ぢゅ……ちゅ……ちゅぅ……。
 何かを啜る音がくぐもって聞こえる。一瞬、茫然としたさくらは、自分の愛液
を啜られたのだと気付いて、朱の昇った顔を更に赤くした。
 口いっぱいに拡がる「さくらの味」を心ゆくまで味わうと、知世は更に分泌を
求めて尖らせた舌で入り口をまさぐり、湧き出して来ると啜り、舐めた。
「や……やめてぇ……そんなの飲んじゃダメぇ……」
「ふふ……さくらちゃんの『あいえき』、とっても素敵なお味ですわよ……」
 知世のうっとりした言いように、さくらの恥ずかしさは頂点に達した。なおも
知世はさくらを舐め、蜜を啜り、さくらの味を堪能しつくす。
 そうして、女のコを弄んでいると、知世の喉元で次第に男のコが硬度をあげ、
押しつけられてきた。ふと少し顔をあげると、まるで「こっちにもしろ」と言い
た気にすっくと立ち上がっている。
 知世は顔を傾け、フルートを吹くように茎の根本にキスをした。そのまま顔を
あげ、中程も吸い、最後は先端。今度はリコーダーの様に唇を付けると、そのま
ま丸飲みにしていく。知世の唾液と、啜ったさくらの愛液とのミックスジュース
がたっぷりと満たされた温かい口腔粘膜に包み込まれ、肉茎が危険なひくつきを
繰り返した。
67245:03/07/21 19:08 ID:5snLfRlY
「あッ!……知世ちゃん……知世ちゃぁん!」
 さくらが切なく喘ぎ、喉を晒す。知世は様子を伺うように、そっと頭を上下さ
せたが、それでもたっぷりと女のコに愛撫を受けたばかりのさくらは敏感で、往
復の度に腰が大きくひくつき、今にも破裂しそうだった。
「ダメ……も、もうダメェ……」
 上げ下げがまだ間違いなく一桁のうちに、さくらが音を上げた。少し名残惜し
さを感じながら、知世は肉茎から口を離した。
 はぁはぁと荒い息をつくさくらの横に寝そべり、そっと頬から首、肩を撫でる。
顔を寄せ、頬に優しく口づけたり、耳を甘く噛んだりもした。
 そうして時間を貰い、少し持ち直したのか、さくらは寝返りを打つように知世
の方を向き、そのまま身体を重ねていった。胸と胸、お腹とお腹、下腹と下腹が
ぴたりとあわさり「ひとつになる」という気分がぐっと盛り上がる。
 もぞもぞと動き、位置を微調整すると、「知世」に「さくら」の先端がはまっ
たのが伝わってきた。そのままそっと知世の背中に手を差し入れ、抱きしめる。
知世もまた、さくらの背中に手を回した。
 いく……よ……?
 はい……
 眼と眼で話す最後の確認。そして、さくらが優しく、けれど一気にお尻を突き
上げた。
「んッ…………!」
「ふあぁッ……!」
 さくらは柔肉を押し割って行く快感に、知世は満たされ貫かれる快感に、ふた
りの口から同時に喘ぎが迸る。フルフルと震えがお尻から背中へ駆け上がった。
 互いの右肩に喉をつけ、何処にも隙間がないくらいぴったりくっついたふたり
は、暫しそのまま一体感を味わい、それから少しずつ蠢きはじめた。
67345:03/07/21 19:11 ID:5snLfRlY
「んッ……あ……ん……んッ……」
「……あッ……あぁ……あふぅ…」
 上半身はしっかり抱き合ったまま、さくらのお尻がひくひくと跳ね上がっては
落ちる。そのリズムに合わせ、知世も腰を突き上げる。完全に息のあった協奏に、
ベットが伴奏の軋みを添える。
 キシ、キシ、キシ、キシ、キシ、キシ、キシ、キシ、キシ、キシ……。
 これにかき消されてふたりの耳には届いていなかったが、液体歯磨きで口をす
すぐ時のような粘着音と、猫が舌でミルクを舐めるときの様な小さな水音が動き
続ける腰から下で発せられていた。
 何もしなくてもこぼれそうな位に「知世」を満たした蜜液が、突き入れられる
「さくら」にかき回されて音を立て、溢れて下腹や腿を濡らしていく。
 一方、さくらの女のコの方も、男のコが熱くぬめった「知世」を出入りする度
に発するピンク色のパルスに刺激されてか透明な蜜液を止めどなく分泌し、溢れ
たそれは、さくらの腿や、男のコの表面を伝って知世の腿や下腹に拡がっていっ
た。
 それに濡れた皮膚同士がくっつき、離れる度、肌が湿った音をさせる。
 ふたりの液は混ざり合い、滴り落ちて、下になった知世のお尻あたりにはシミ
が拡がりつつあった。
「あ……さくらちゃん……わた……わたし……あ……あぁッ!」
 さくらをぎゅっと抱きしめた知世が、甲高い声を上げる。「さくら」に突かれ、
かき回され、知世は次第に頭の中が真っ白になっていく。
「知世ちゃん……知世ちゃ……わたしも……わたしもぉ……」
 メルティングポットと化した「知世」に出入りし、包まれ、締め付けられてい
たさくらも、もはや限界を迎えていた。狂ったようにお尻を振り、何かを振り解
く様に身悶える。
67445:03/07/21 19:17 ID:5snLfRlY
「あッ……あッ……あッ!」
 だめ、もう、もうダメ……。
 ふたりの脳裡に、同じ想いが煌めき、声があわさる。一拍の間を置き、さくら
が弾けた。
「知世ちゃん!ともよ……ちゃん!……あッ!……んッ!……ああぁッ!」
 びくん、びく、びく……
 知世をきつく抱きしめたまま、感電した様に跳ねるさくら。その強烈な突き上
げで、深々と打ち込まれた「さくら」が知世を高みへと打ち上げる。
「あ……さくらちゃん!……あ……あッ!あぁぁッ!」
 知世は思いきりさくらにしがみつき、瘧のようにぶるぶると震えた。頭の中が
真っ白になり、意識がふっと遠くなった。
「……っはぁ……」
 全てが終わり、ひくつきの収まったさくらが脱力して知世の上に崩折れた。知
世も詰めていた息を吐くと、ふたりで競うように空気を貪る。
 指一本動かすのすらおっくうな、気怠い痺れに支配され、さくらはぐったりと
知世に身を預けたままだ。同じように激しい絶頂の余韻に細かく震えて、動く事
も出来ずにいる知世の肩口から顔を出し、シーツに突っ伏していた。
 それでも、さくらは僅かな気力を寄せ集め、ゆっくりと身体を起こす。それほ
ど重くないとは思うが、知世に体重をかけたままでは申し訳がない。
 そのままベッドの枕元に手を伸ばし、ティッシュペーパーをしぱしぱと3枚ほ
ど抜き取った。知世の上から身を避け、しどけなく投げ出されたその横に寝そべ
り、そっと濡れた下腹を拭ってあげる。
 けれど、かけ過ぎたメープルシロップの様に濡れそぼった下腹や腿は、とても
僅かばかりのティッシュでは拭いきれない。
67545:03/07/21 19:20 ID:5snLfRlY
「……すごぉ……い……」
 思わず漏らした感嘆の声に、知世がうっすらと目を開けた。いそいそと追加の
ティッシュを抜き、更に腿を拭う優しいさくらの手を受け入れながら、知世はさ
くらが何に驚嘆しているのかを不思議に思って少し身を起こす。
 余韻で上手く回らない頭だが、驚くほど広範囲に拡がる濡れた肌とそれを見る
さくらの眼差しでようやくと理解した。たちまち、頬が茹でたように真っ赤に染
まった。
「ち、違います……わ、私そんなに……」
「恥ずかしがらなくていいよ、知世ちゃん。わたし、なんだかとっても嬉しい」
 にこりと笑ったさくらのその言葉に、知世はますます赤くなる。どうやら完全
に誤解してるらしい。
「そ、そうじゃなくて……」
 言いかけたが、知世は言葉での説明を諦めた。これは現物を見せねば、納得し
てもらえそうもない。
 体を起こし、片手を後ろ手に突くと、自分の横に寝そべるさくらの腿に手を伸
ばした。一瞬、硬直したさくらに構わず、その間の奥へ指を潜らせる。
 まだ知世の蜜に濡れそぼったまま、うなだれているさくらの男のコを避け、そ
の内側、女のコを指で軽くなぞり、拭い取られない様に気を付けて抜き取った。
 その指は水飴の瓶に浸けて引き上げたように、透明な蜜液をたっぷりと纏って
いた。
 さくらはその指を見つめ、次いで知世の顔を見た。知世が小さく頷くと、さく
らの顔に朱が上がる。
「わ、わたし……の……?」
「私だけでは、こうは……」
 言われてさくらは知世の腿に眼を落とす。こんなにさせちゃったと言う誇らし
さは霞と消え、このお漏らしをした様なぬめりの半分は自分のだという事実に恥
ずかしさがこみ上げる。
67645:03/07/21 19:27 ID:5snLfRlY
 暫し、赤い顔同士で俯き合った。知世は、自分もティッシュを取ると、さくら
の腿やその間を拭く。さくらも、新たなティッシュで知世の腿を拭った。
 少し多めの量になってしまったそれをくずかごに捨て、ふたりは向かい合って
寝そべった。
 自然に緩く抱き合い、優しく見つめ合う。いつの間にか交互に頬へキスをして
いた。気持ちいいのも好きだが、こうしたぬるま湯の様な肌の温もりも快感だっ
た。それを体現するように、さくらの掌はゆっくりと、優しく、知世の髪や頬、
肩や背を撫でる。
「……ん……」
 ため息の様な知世の吐息が漏れた。さくらの手は、いつしかお尻の丸みをそっ
と撫でていた。瞳を閉じ、うっとりした表情でそれを受け入れる知世。その表情
に、さくらは次第に魅せられていく。
 お尻を撫でていた手が腿を越え、そっと間に分け入った。指がその隙間を潜っ
ていく。
「あ……さ、さくらちゃん……だめ……」
 さくらの手の動きを察知して、咄嗟に手首を取ったつもりだが遅かった。伸ば
された人差し指は、既に入り口を潜り、粘膜の間に滑り込んでいる。
 にゅるる……。
「……はぁ……ん……」
 知世が眉を寄せ、吐息を漏らす。小さく震えが走るのが自分でも判った。
 けれど、さくらの指はいつもの様な往復を始めない。動いてはいるのだが、す
ごくゆっくりで、そぉっと奥まで入っては、ゆっくりと引かれて行く。
「ん……さくら……ちゃん……な……なにを……う……」
「うん……知世ちゃんの……気持ちよさそうな顔、見たくなっちゃったの……」
 目を開け、さくらを見る知世。それを覗き込むように、
「……そっと、ゆっくり……するから……だから、いいでしょう……?」
 言葉だけは許可を求めつつ、さくらの指は緩く往復して、知世を内側から優し
くマッサージしていた。
67745:03/07/21 19:29 ID:5snLfRlY
「あ……だ……だめ……あ……だめです……」
 言いながら、キュッとさくらの手首に指を食い込ませる。なおも緩やかな往復
をやめないさくらの指。その心地よさに溺れ、抜けそうになる力を懸命に支え、
知世は、なんとかさくらの指を引き抜かせる事に成功した。
「知世ちゃん……ね?……いいでしょう?……ね?……ね?……」
 寝そべったまま顔を寄せ、さくらは迫った。手の方も、隙あれば――というの
を、何とか抑えている。
 知世も、される事がイヤなのではないが、つい今しがたしたばかりなので、こ
んなに求められるのは少し恐い。出来ればもう少し時間が欲しかった。
 攻防を続けながら思案し、知世は一つの条件を思いついた。
「さくらちゃんの……でなら………いいですよ……」
「う゛……」
 これにはさくらが声を詰まらせた。具体的には言わないが、これが自分の男の
コを指していると判らないさくらではない。
 だが、そこは登り詰めたばかりで、まだぐったりとしていた。とてもではない
が、役に立つ状態ではない。
「お手伝い、しましょうか?」
 さくらが怯んだ隙を、知世は見逃さなかった。返事を待たず、身体を起こすと、
さくらにのし掛かる。
「きゃっ!」
 虚をつかれて仰向けにされてしまったさくらの上に覆い被さった知世は、躊躇
いもなくその下腹に顔を埋めた。
「と、知世ちゃん……」
「さっきは、女のコしかしてあげられませんでしたから……今度は男のコの方を
してあげますね……」
 言いながら、柔らかく横たわるさくらの男のコに軽くキス。そして、舌を伸ば
すとそっと表面を舐めた。
67845:03/07/21 19:32 ID:5snLfRlY
「ず、ずるいよぉ……知世ちゃん……あ……わたしが……わたしが、知世ちゃん
の気持ちよくなるトコ……ん……見たいのに……」
 いきなり攻守をひっくり返されてしまったさくらは狼狽えて抗議の声を紡いだ。
けれど、知世はさも当然とばかりに、
「……さくらちゃんだけ……私の恥ずかしい顔を見るのはずるいですわ……私に
も、さくらちゃんの気持ちいいお顔を見せてくださいな……」
 両手の指ををそっと絡めて肉茎を起こすと、敏感な先端をくわえ、そっと吸引
して口中に引き入れた。舌を優しく絡め、飴玉をしゃぶるように熱心に蠢かせる。
もっとも、柔らかさは飴というよりは、マシュマロのようだったが。
 硬さが無いから、引き入れるのには吸引する。顔を少しあげて引き出し、また
吸い上げる。その時、窄めた唇で胴のあちこちをはむはむと締める。それを繰り
返した。
「あッ!……知世ちゃん……」
 たまらない刺激にさくらが切なく喘いだ。
 今日のさくらの男のコは、やはり元気だ。このところだと、これを顎がクタク
タになる程しなければならなかったのに、さくらの鼓動にあわせる様に、少しづ
つ、少しづつ、血が通って膨らんでくるのが判った。
 膨らんだ茎を一度口中から出し、首を傾げて横から咥える。
 根本、真ん中をちゅっと吸い、そして先端に。そのまま唇を開いてもう一度呑
み、今度は頭の上下で刺激する。
 程なくして、さくらのは男のコとしての使用に耐えそうな状況になった。知世
はゆっくりと顔をあげ、唇を離す。唾液が細く糸を引き、消えた。
 満足そうに微笑んだ知世が、そっとさくらの横に寝そべると、ゆっくりとさく
らが覆い被さって来た。
 いつもの様に、もそもそと動いて微調整をする。さくらが手を添え、知世が少
しお尻を浮かせ、少し動いただけで「知世」に「さくら」が浅く食い込んだ。
67945:03/07/21 19:36 ID:5snLfRlY
 本当ならここで、お互いをぎゅっと抱きしめる。その方が一つになる感じがし
て気持ちいい。でも今回は趣向を変えた。
 知世は、崩れた万歳の様に、しどけなく両耳の脇に手を置いていた。その手に、
さくらの手が重なる。腕立て伏せから肘を付いたような姿勢。これだと、確かに
知世の顔が真っ正面になる。
 知世の右手とさくらの左手。さくらの右手と、知世の左手。指と指を交互に絡
め、しっかりと握りあった。
「ほら……こうすれば……」
 潤んだ瞳でさくらを見上げ、知世が囁いた。そうだ。こうすれば、お互いに気
持ちいい顔を見る事が出来る。
「あ……」
「ん……」
 ふたりが僅かに眉を寄せ、吐息を漏らした。
 さくらが腰をそっとしゃくりあげ、男のコをすっかり知世の中に滑り込ませた
のが理由。いつもの挿入に比べ、倍以上をかけてゆっくりと入り、そろそろと引
く。
「あ……ッ……」
 細めた眼でさくらを見上げ、その動きに合わせる様に僅かに胸が上下する。吐
息はため息の様に切なく、それを紡ぐ、うっとりとした顔がまた良い。
「知世ちゃん……気持ちいい?」
「……さくらちゃんも……ん……気持ちよさそうですわ」
 知世が幸せそうに笑った。下から見ていると、とろんとした表情で、動くのに
合わせて小さく声が出ているのが愛らしかった。
「うん……とっても……とっても……気持ちいいよ……」
「どんな感じ……ですか?」
「あったかくて……ぬるってしてて……ん……わたしのをぬちゅって包んで……
きゅぅって……う……うまく言えないよぉ……」
 さくらは、自分の言葉を確かめるように、じっくりと知世の中を探った。そこ
から得られる快感を言葉に変換しようと努めたが、上手く言い表す言葉が思いつ
かない。
68045:03/07/21 19:38 ID:5snLfRlY
「わたしの……わたしの……女のコも……こんなに気持ち……いいのかな?」
「きっと……凄く気持ちいいのに違いありませんわ……」
 知世はそう言って、ちょっと寂しそうな表情を見せる。自分で確かめられない
のが残念でならなかった。
 さくらは素直に、知世にも男のコがあればいいのにと思った。きっと、優しく
て可愛らしい男のコで、そっとさくらに入ってきてくれるに違いない。
 ぢゅん……。
 自分の下半身にわき上がった感覚に、さくらは少し驚いた。喋る余裕を持ち、
溺れきらない程度のゆっくりした抽送だったので、愛液が湧き、それが溢れる程
になっているのが感覚として伝わって来た。
 想像だけでこんなになってしまうのが恥ずかしかった。でも、恥ずかしいと思
うとますます湧いてくる。さくらは暫く無言でそっと知世を抉り続けた。自分が
そうされている事を想像し、秘蜜を溢れさせながら……
「と……知世ちゃんは……どんな感じ?」
 そっと腰を送り込みながら聞いた。うっとりと眼を閉じ、ぬるま湯の様な抽送
に身を任せていた知世がそっと目を開ける。
「さくらちゃんでいっぱいな感じです。なんだか……お腹の中にさくらちゃんが
入ってきそうで……」
「そんなの……恐くない……?」
「ちっとも……むしろ……そうなって欲しいです……」
 そう言って優しく微笑んだ。
 さくらは、そっとだが、精一杯に腰を突き出し、出来るだけ奥へと入った。
「どぉ?」
「あ……気持ち‥‥いいです……」
 そのまま、お互いの顔を見つめ合い、ゆっくりと時間をかけて、優しく求めあ
った。
68145:03/07/21 19:42 ID:5snLfRlY
 けれど、何事にも終わりはあった。少しずつでもゆっくりでも、積み重ねれば、
やがては高みへと辿り着く。
「あ……あ……知世ちゃん……知世ちゃん……いい?……きつくして、いい?」
 限界を迎えたさくらが切羽詰まって許しを請うた。知世が頷くや否や、優しく
ゆっくりだったお尻が、急に激しく突き上げられる。それでも名残の様に両手を
握りあったままだが、もうすっかりいつもの様にカクカクとお尻を揺さぶってい
た。
「あ……さくらちゃん……あ……あッ……あぁぁッ!」
 急にめちゃくちゃに掻き回されて、知世が一気に高まって、爆ぜた。頭が真っ
白になり、痙攣するように下から突き上げる。
「うッ!……んッ……んッ!」
 びくん!びく、びく……
 知世の動きで誘爆させられたさくらが、背中を弓の様に反らせて跳ね回った。
『……ッはぁ……』
 同じように息を吐き、ぐったりと脱力したふたりは、暫くして先ほどと同じよ
うに後始末をし、身体を横たえた。
 コチコチと飾り時計が静かに時を刻む。どのくらい弛緩した時間が流れたか、
知世の声があがった。
「あ……さくら……ちゃん……だめ……もう……もう2回も……」
 小さな抗議の声。けれどそれはやがて、切なげな吐息へと代わり、静かな部屋
に途切れる事なく聞こえていた。
 
68245:03/07/21 19:44 ID:5snLfRlY


 リリリリリリリリリリリ。
 目覚まし時計のベルの音が知世の部屋に響いた。
「う……う〜ん……」
 持ち主である知世は気怠そうに手を伸ばし、何とかスイッチを切ると、本体を
掴んで引き寄せる。
 午前6時。普段ならこの音で爽やかに、ぱっちりと目が覚めるのだが、今日は
このままもう一度眠ってしまいたいという誘惑が、耐え難い位に沸き上がってい
た。
 無理もない。眠ってから5時間経っているかどうかというところなのだから。
 それでも知世は、誘惑を断ち切って身を起こした。
 ふと振り向き、手足を丸めて幸せそうに眠っているさくらを見た。
 起こすのが可哀想になるくらい、ぐっすりと気持ちよさそうに寝ている。けれ
どここで揺り起こさなければ、さくらにとってはもっと辛い事になるだろう。
「さくらちゃん。朝ですよ。起きてください。さくらちゃん」
 声をかけながら、肩を揺すって目覚めを促す。
「うぅ……あと5分……」
「だめです。ぐずぐずしていたら、メイドが来てしまいますわ!さ、起きてくだ
さい」
 なおも揺さぶられ、さくらはようやくと目を開けた。
 メイドさんが来る?なんの事だろう?
 知世の言葉をぼんやりと考えたさくらは、ふと目を移し、あっと声をあげた。
68345:03/07/21 19:47 ID:5snLfRlY
 見れば知世は、何も着ていない素裸。続いて、自分もショーツすら身に着けて
いない裸である事に気付いて思わず身を捩った。
 昨夜、求め合った名残。何も着ないまま裸で眠ってしまったのだ。
 さくらは慌てて身を起こすと、自分のショーツを探す。木綿の小さな布地は知
世のと一緒につくねてあった。その下のお揃いのネグリジェも分け、何とか身支
度を整えた。
 シーツも始末しなければならない。見れば丸く濡れたシミ。これではふたりの
どちらかがお漏らしをしたと誤解される。幸いにして臭いが違うから、手早くベ
ットから引き剥がすと濡れたところを中心に丸めた。これなら拡げてしげしげと
見ない限りは大丈夫だろう。
 とりあえず、証拠の隠滅は済んだ。何も知らない無邪気な女のコふたりが、た
だ眠っただけ。誰もふたりがここで、どんなえっちな事をしていたか、気づきは
しないだろう。
 ホッと胸を撫で下ろしたところへ、ドアをノックする音がした。ふたりとも驚
いて飛び上がった。
「お嬢さま、おはようございます。朝食の用意、できております」
 やはりメイドだ。起こしに来た。
「はぁい」
 知世が努めて自然に返事をし、ドアの鍵を開けて、メイドを中に入れる。一礼
したメイドは、シーツが丸められているのを見て、一瞬きょとんとした顔を見せ
た。
「さくらちゃんはいつもご自分でベットメイクされますから、いつもの癖で始め
てしまいましたの。これはお洗濯して置いてくださいね」
 言いながらシーツの塊をメイドの籠に押し込んだ。
 メイドはその言葉を疑わず、新しいシーツを敷き、夜具を整え始めた。
 胸を撫で下ろしたさくらは知世に手を引かれ、部屋を出た。
68445
「あら?どうしたんですか?」
 出た途端、知世が訊ねる。肩越しに見れば、メイドがふたり。一人は梯子をか
けてそこに登り、もう一人が下で支えている。
「おはようございます。お嬢さま。電球が切れてしまったので……」
 言われて視線をあげると、壁の飾り電球に一灯だけ、点いていないものがあっ
た。さくらは、それが昨夜、妙に気になったものだと気付いた。
 夕べはあんなに明るかったのに……。
 新品に差し替えられ、他より少し明るい光を放つそれを見ながら、さくらはふ
と思った。
「おはよう。さくらちゃん」
 ダイニングでは既に園美が食事を始めていた。忙しい社長だ。寸暇を惜しむの
は仕方がないだろう。
「おはようございます。園美さん」
 少し緊張の面もちで、メイドの引く椅子に座り、礼を言うさくら。もちろん、
配膳も彼女たちが行う。根っから庶民だから、どうも緊張してしまう。
「昨日は遊びすぎたのかな?」
 コーヒーを一口飲んだ園美がクスッと笑って言った。さくらの肩が思わず跳ね
る。まるで昨夜の営みを見ていたような表現に、心臓が一気に高鳴った。
「まだ、寝足りないって顔、してるわよ」
 からかう様に言う園美に、知世が切り返した。
「ジェットコースターとかいっぱい乗りましたから、疲れたのですわ」
 さくらは不自然な位大仰に、頷いて見せた。園美はそれを信じたのか、にこり
と笑い、
「今度は私と行きましょうね。さ、行かなくちゃ。クルマを回して」
 とダイニングを出ていった。
 さくら達も朝食を済ませると、部屋で着替えをした。知世は友枝小学校指定の
制服。さくらは昨日の格好そのまま。
 用意されたクルマに一度家に寄ってもらい、制服に着替えるのだ。