強制女性化小説ない? part2

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784名無しさん@ピンキー:02/07/29 20:19 ID:L70NU6yr
sageできたーよ!
785名無しさん@ピンキー :02/07/29 20:32 ID:NPxoH0IL
>>772
今、直の話を書いているので書けない。つまっているのよ、展開で……。
いまひとつキャラがつかめない。のれない。
次スレができる頃にうぷできるようになっているといいんだがなー。

そうだ。次スレどうするよ?
786名無しさん@ピンキー :02/07/29 21:39 ID:lKxcDm+1
次スレテンプレート案。
他に何か必要な項目がないかどうかチェキよろしく。

強制女性化小説ない? Part3

何かの復讐や恨みから男性を無理やり女性化させて、
屈辱や羞恥を与える小説があるサイトを教えて!

【前スレ】
強制女性化小説ない? part2
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1017406685/l50

【過去スレッド】
強制女性化小説ない?
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1002/10021/1002186275.html

【関連リンク】
性転換(TS)ネタ統合スレッド Part3
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1016957522/
ここの >>2-4 も参照すると吉。

※広告を張られるので、基本的に sage 進行でおながいします。
787名無しさん@ピンキー:02/07/29 22:12 ID:ssP1wMn4
>>786
シンプルでいいかも。
厳密にツッコミを入れると、

> 屈辱や羞恥を与える小説があるサイトを教えて!
↑サイト情報だけでなく、強制女性化にまつわる四方山話も推奨されていいはず。

という点は気になったといえば気になった。
でもpart3だし、お題目と実際の活動が多少ずれてることをみんなが納得してるなら、敢えて修正する必要はないかも。
788名無しさん@ピンキー:02/07/29 22:19 ID:ssP1wMn4
あと、317としてSS発表してた者として一応最終確認しときたいのは、次スレもSSメインの進行でいいのかということ。
それでいいんじゃないかとい意見が主流だったけど、一応念のためこの機会に再確認。
TS系スレ汎用のSS発表用スレなどを用意する必要はないか。
SSが大量投下されるとどうしても雑談がしにくくSS中心にスレが回ってしまうという懸念と、
スレが寂れるくらいならSSとその感想とで賑わったほうがいいという考えと両方あると思う。

ところで、
カイト君調教物語、それなりに発表できる程度には次回分書き溜まったけど、次スレが確定するまでは投下控えたほうがいいよね?
789名無しさん@ピンキー:02/07/29 22:35 ID:J94uiMTN
>>788
既にこのスレがSS+感想+雑談になってるので、このままこのスタンスを
維持する方向でいいのでは。変にSSスレたてると本スレが寂れるし。
そうなると雑談の場がなくなる。

それとカイト物語はまだ投下して大丈夫でしょう。つかプリーズ。
一気に100使う訳じゃないでしょ(w

どうしても次スレを待ちたいってんなら…ちゃんとした正式タイトル考えながら
消費していきましょか。
とりあえず私案『カイト-Kate-』(<-そのまんまw
790名無しさん@ピンキー:02/07/29 22:37 ID:jZo+4vRK
鏡と首輪や少年少女文庫なんかもリンクしておいた方がいいかも。
791名無しさん@ピンキー :02/07/29 22:44 ID:Hb1/tUCX
実は380でつ。>>785 もおいらです。

>>787
では、最初の文章をこう修正しようか?

>強制女性化にまつわるよもやま話やSS、強制女性化話のサイト情報を扱うスレッドです。
>男性を無理やり女性化させて、 屈辱や羞恥を与える話に萌えましょう!

とりあえず、SS分離は次のスレの状況を見てからでいいんじゃないかな?
ただでさえTS系スレは枝分かれが多いし、これ以上増やさなくてもいいように思う。
TS系スレ全体で「エロ○年○女文庫」スレ設立の動きが高まったときでいいのでは。
漏れの直&奈緒の話も、まだ練り込みが足りなくてしばらくうぷできそうにもないし。
カイト君の話の続き、楽しみです。早く次のスレ立てた方がいいのかな……。
792名無しさん@ピンキー :02/07/29 22:55 ID:Hb1/tUCX
>>790
少年少女文庫は、TS総合スレからたどれるでしょ。リンクしなくてもいいと思う。
鏡と首輪はちと微妙かな。第1話以外は強制女性化とは言えないし……。
ネット小説としては出色のデキだし、みんな知っていると思うけれど、どうなんだろう?

うーん、このままだと漏れがスレ立てることになるのかなー。誰かやってくれないかなー。
朝起きたら新スレが立って、カイト君の新作が上がっているといいなー。
とりあえず別スレにSS投下したばかりだし(ぉぃ!)、眠いのでまた明日。
直&奈緒の話を練りながら寝ます。
それでは、お休みなさい。すぴょー。
793名無しさん@ピンキー:02/07/29 23:04 ID:PlhP8zRF
>>791-792の考え方でスレを立てるのに漏れは賛成です。
あ、ID変わっちゃったけど317ね漏れ。
794名無しさん@ピンキー:02/07/30 01:29 ID:25GIECV2
以前あったエンドレスストーリーのような会議室があれば
書き足しや分岐がわかっていいのだが
795名無しさん@ピンキー:02/07/30 01:48 ID:25GIECV2
ttp://www5.wisnet.ne.jp/~esprit/
ESPRIT.は以前大人の笑いと言う意味の通り
少年少女文庫に載せられないような話が結構集まっていた。
途中閉鎖したりして最近は個人でホームページを簡単に開けるので
減ってはいるが・・
796名無しさん@ピンキー :02/07/30 05:44 ID:T5M1en2r
容量がそろそろ危険水域なので、少し余裕を持って新スレを立てました。
JOJOに移行してくれると嬉すいです、ULIIIIII!!!!

強制女性化小説ない? Part3
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1027975198/

結局、熱帯夜でほとんど眠れなかったっすよ……だからこんな時間に新スレ立てました。
以上380からでした。
797名無しさん@ピンキー :02/07/30 05:48 ID:T5M1en2r
とりあえず残り50Kほどあるので、カイト君の残り投下で使い切っちゃって下さい。
50Kもないですよね? 続き。
798名無しさん@ピンキー:02/07/30 06:24 ID:R/nARKRk
>>790
少年少女はエロ禁止なので却下。
799名無しさん@ピンキー:02/07/30 06:25 ID:R/nARKRk
>>795
ESPRIT.はだめだな。
エロの程度があまいよ。
どっちつかず、中途半端。
入れかえ魂のほうがまし。
800名無しさん@ピンキー:02/07/30 08:57 ID:N1M3qYB2
>>795
らいらっくさんの未完の作品、
dark Rosesでは公開されているのにESPRIT.では公開停止。
後者管理人とらいらっくさんとの間で何かあったのか、と推測してみるテスト。
801名無しさん@ピンキー:02/07/30 15:00 ID:AQcpVeqT
>>800
オメ!
802名無しさん@ピンキー:02/07/30 19:31 ID:Li8li0tQ
>>774
秘密。
803名無しさん@ピンキー:02/07/30 21:52 ID:U/iRZI/g
>>774
このスレにいて知らないのか…(苦笑)
804名無しさん@ピンキー:02/07/30 22:10 ID:R/nARKRk
>>800
  |         |  |      ________________________________________________
  |         |  |_____ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ||ΦΦΦ
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  |         |  |   / /|TTTTTT   TTTTTTTTTT||TTTTT
  |        /\ |  /|/|/|^^^^^^ |三三| ^^^^^^^^^^^||^^^^^^^
  |      /  / |// / /|
  |   /  / |_|/|/|/|/|
  |  /  /  |文|/ // /
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/         Λ_Λ
/|\/  / /  |/ /           (___)
/|    / /  /ヽ            /〔 祭 〕〕つ
  |   | ̄|  | |ヽ/l            `/二二ヽ
  |   |  |/| |__|/   Λ_Λ     / /(_)
  |   |/|  |/      ( ´∀`)   (_)    Λ_Λ
  |   |  |/      // /  ^ ̄]゚        (`   )
  |   |/        ゚/ ̄ ̄_ヽ         ⊂〔〔 祭 〕
  |  /         /_ノ(_)          ┌|___|
  |/          (__)             (_ノ ヽ ヽ
/                                (_)
805名無しさん@ピンキー:02/07/30 22:45 ID:1H9FYXDD
>>785
>>792

私“直&奈緒”の話を希望してた者です♪
ありがとうございます“直&奈緒”の物語期待してまする。(^^*)
806名無しさん@ピンキー:02/07/30 23:12 ID:01/87A3c
806ハーレム
807名無しさん@ピンキー:02/07/30 23:18 ID:0QStwqex
808317:02/07/30 23:53 ID:FhYEWZ6h
>>748
 それは早朝だった。
 といっても閉めきられた旧校舎の中だ。ただ、小さな隙間から差し込む陽光の角度で早朝と分かるだけである。
 カイトは夢うつつの状態で、下腹に鉛でも詰められたような不快感を味わっていた。
 寝苦しくなって寝返りをうったときだった。
 ヌルリ……
 生温かいモノを股間に感じた。
 漏らした覚えもないのに下痢でもしてしまったかのような感覚。
 一瞬にしてその正体を悟ったカイトは跳ね起きた。
 いつものように起き上がるだけで耳のピアスと胸のふくらみが揺れる。
 それに加えていまは、股間にヌルリとしたものを感じる。
 何かの間違いであってくれと祈りつつカイトはパンツを降ろしてみた。
「うっ……」
 パンツにはっきりとついた赤いシミ。それを見てカイトは言葉を失ってしまった。
 そこへ再び内臓を締め付けられるような痛みがあって、しばらくしてトロトロと股間から血が出て内腿に伝った。
 排泄行為と違って、その出血はカイトの意志では全くコントロールできなかった。一方的にただ、流れ出てくる。
 その場にあったポケットティッシュをむしり取って、カイトは内腿の血をぬぐった。
 もう一枚ティッシュをとって、股の間に当てた。しばらくするとティッシュに赤いシミが広がっていった。
 その赤い色と生臭い血の匂いは、誤魔化しようのない現実だ。
 カイトに、いま女としての生理が訪れたのである。
 あれほど嫌がりながら、ムラタの予言通りの日程で生理が始まってしまった。仮にも自分の体なのにカイトよりムラタのほうがこの女体を知悉している。
 ……そう考えると、まるでムラタの掌で女としての肉体を弄ばれているようでぞっとする。
 カイトは心の底から男に戻りたいと思った。
 血を拭くために女性器にティッシュを当ててると、自然とその構造が頭に入ってくる。外陰唇に小陰唇、それらを広げたところにある膣口……。
809317:02/07/30 23:53 ID:FhYEWZ6h
 小陰唇……ラビアに触れると、それが以前よりも腫れぼったく感じた。特別授業で覚えさせられた知識の通り、生理期間中に見られる症状の一つだ。
 女陰から流れ出てくる血を指ですくうと、自分が女として生かされている事実をこれ以上ないほどに実感させられてしまう。
 男だったときは想像したことすらなかった。
 女の身というのが、こんなにも頼りなく傷つきやすいものだとは。
 細い腕。か弱いからだ。その頼りなさは、女の身になってみてはじめて実感できるものだった。
 生理による出血は、しばらく止まったように見えて、しばらくすると不意にまたヌルリと流れ落ちてくる。
 出血量がさほど多くないのが救いだが、それでも初潮でしかもまだ一日目である。
 カイトは自分が生理用品を使っている光景を想像して身震いがする思いだった。そして、数時間後にはそれが現実のものとなる。
 
 ムラタが朝礼前の時間に訪れたとき、カイトは廃教室の窓際で所在なさそうに立っていた。
 座ったり何かによりかかったりすると、生理の出血が余計衣服に付きそうで、立っているしかなかったのだ。
 もうティッシュは使い切っていて、仕方なくパンティに血が染みこむままにしていた。
 ムラタは真っ直ぐカイトのもとへと歩み寄ってくる。カイトはやましいことでもあるみたいに目を逸らした。
 生理が訪れていることをムラタに知られたくなかった。
「私をあまり手間取らせないように。君が自分から協力すれば、毎朝の身体チェックはよほど楽になるんですがね」
「都合のいいことを言うな」
 カイトは首輪の鎖が許す限りムラタから離れ、机を盾にした。
「オレを女にして、いたぶって、あんたに何の得がある!」
「自分が女の子だと認めるんですか?」
「話を逸らすな。オレが質問してるんだ」
810317:02/07/30 23:53 ID:FhYEWZ6h
「それを君が知ってどうするんですか。事情を話せば君が進んで協力してくれるとでも?」
「オレには知る権利があるはずだ」
「ないね。君にはいまや人権すらないんですよ。私の胸先三寸で君の運命は決まるんです」
「絶対思い通りになんて、なってやらねぇ!」
「そうですか。ところで、私の見立てでは今日にも君の月経周期が始まるはずですが。もしかしたらもう初潮が訪れてるんじゃないですか?」
 ムラタの言葉に呼応するように子宮がわなないて、ヌルリと粘度の高い血が股間に落ちてきた。
 無力感を覚えながら、カイトは虚勢を張った。
「生理なんて一生来るか! 余計な心配すんな!」
「生理が来ないと次のステップに進めなくて困ってしまいますが……」
 ムラタはすたすたとカイトに近づいてきた。
 机を挟んで対峙したところでムラタは腕を組んだ。
 見下した冷たい目でムラタが命じる。
「下半身の着衣を脱ぎなさい」
「いやだ!」
 カイトは泣きそうになって叫んだ。
「手荒なことをしてあなたを怪我させたくないんです。私の命令に従いなさい」
「オレが憎いなら、手荒なことでもなんでもすりゃいいだろ。オレが壊れたってあんたは少しも困らないんだろうよ!」
 そのときカイトはムラタの目線に気付いた。じっとカイトの内腿を見ている。
 赤茶けた色の血が一筋、つうっと腿を滑り落ちるところだった。
(見られた……!)
 とっさに手でこすっても、血の跡が白い太股に残った。
 ムラタの眼はレンズ越しに鋭くそれを捉えていた。
811317:02/07/30 23:54 ID:FhYEWZ6h
「******!」
「……あ?」
 ムラタは聞き取れない言葉で何かを口走った。英語だったのかもしれないが、カイトには判別できない。もっと響きの違う異国の言葉のようでもあった。
「……見せたまえ。まさか怪我などではないでしょうね!?」
「いや、見せない!」
「君と議論するつもりはありません」
 ムラタは白衣の内側から小型の拳銃のようなものを取りだした。ぎょっとするカイトだったが、ムラタの拳銃には、銃身がついてなかった。
 ムラタは拳銃のような物体をカイトの首筋にあてがうと、ためらいなく引き金をひいた。
 パシュッ!
 ほんのかすかな音がしただけで痛みはまるでなかった。
 代わりに、猛烈な脱力感がカイトを襲った。
「てめぇ……マスイを……」
 呂律も回らなくなり、後ろ向きに倒れ込みそうになったところをムラタが抱きかかえた。
「本当は無闇に薬品を用いたくないんですがね……」
 カイトの意識はすでにぼやけ始めていて、ムラタが何を言ってるのかもよく分からなかった。
 するすると下半身の着衣が脱がされていく。
 パンティは生理の血でべったりと汚れていた。ムラタはそれを確認すると、今度は器具を使ってカイトの膣を調べていく。
「良かった。どうやら、間違いなく初潮のようですね」
「うう……」
 悔しくてカイトは涙を流した。
(こいつに予告された通り……生理がくるなんて……)
 まとまった思考もできなくなって、すぐにカイトは眠ってしまった。
 寝息を立てるカイトを、ムラタは丁重にマットレスに寝かした。
812317:02/07/30 23:54 ID:FhYEWZ6h
 ムラタは携帯を取り出すと、研究所へと電話をかけた。
「……ええ、私です。予定通りの進行でした。そちらでの受け入れ準備を整えておいて下さい。特にリングの調整。頼みましたよ」
 携帯をしまうと、ムラタは改めてカイトの寝顔を見た。
「……おまえはいまどんな夢を見ている?」
 そっと愛おしそうな手つきでカイトの顔にかかった前髪をかきわける。
 カイトに意識があったなら、全身に鳥肌を立てて逃げ出していただろう。
 やがて顔をあげたムラタの口元が奇妙に歪んだ。
 ひとしきり発作のような哄笑がおこって、止んだ。
「どんな悪夢よりもどんな淫夢よりもなお苛酷な現実を君には送りますよ。せいぜい力一杯あがいてくださいね」
813317:02/07/30 23:56 ID:FhYEWZ6h
 カイトが薬品による眠りから目を覚ましたとき、ムラタの姿はもうなかった。
 そばに置かれていた紙袋に替えの下着と、生理用品が入っていた。
 起きて確認すると、マットレスとの間に挟まれてたタオルに、股間からの血がシミを作っていて、カイトはため息をついた。
 どんなに努力したところで生理による出血を自分の意志で止めることはできない。下半身が血塗れになりたくなければ、生理用品を使う以外に選択肢はない。
 紙袋にはタンポンとナプキンが両方入っていた。
 特別授業で、両者の違いについては習っている。
 カイトは迷わずナプキンのほうをとった。タンポンは自分のあそこに挿入しなければいけないという点で敬遠したかった。
 ナプキンを包装から取りだし、説明書きの通りパンティに取り付けた。実体験するのは初めてなので取り付け位置に関しては不安だったが、とりあえずナプキン付きのパンティを穿いてみた。
 膣の位置に合わせて二、三度ナプキンの場所の微調整をした。ナプキンに赤錆のような血の跡が女性器の形をスタンプしたみたいに残るのがリアルだった。
 ナプキンをつけた上で下着を身につけると、いままで感じていた下半身の気持ち悪さはおおかた解消した。
 代わりに、股間に感じるナプキンの感触によって常時、自分が生理を迎えた女だということを意識させられることにもなる。向こう何日か、昨日の葵と同じように血の匂いを振りまいて生活することになるのだ。
 ナプキンの包装紙をくず入れにほうるという自分の行為に、カイトは強い違和感を覚えた。あまりにも荒唐無稽だとカイトは思った。自分がナプキンを使っているなどと。
 無意識のうちに胸のふくらみの下側を手の甲でさすっていた。
 このところ身に付いた癖だった。痛む箇所を自ら刺激してしまうように、女にされてしまった自分の肉体を再確認するように乳房を触るのが癖になってしまったのだ。
 自分の胸にある奇妙な立体感。それを触って確かめずにはいられなかった。
 ぴっちりとしたブルマを腰まで上げ背筋を伸ばすと形のいい胸が誇らしげに突き出る。鏡代わりの窓ガラスに自分の姿を映すと手足のすらりと長いスタイル抜群の美少女がそこにいる。
814317:02/07/30 23:57 ID:FhYEWZ6h
 カイトが腰に手を当てると、鏡の中の美少女も同じポーズをとる。
 鏡の美少女が自らの胸に触れると、カイトの手にも乳房の感触が伝わってくる。
 以前はこうして鏡の向こうに美少女を見ていると、自然にペニスの幻覚が生じていた。
 ところが今は股間にナプキンが当たっているためか、幻覚でもそこにペニスを感じることはできなかった。
 目を瞑っても自分の体を男としてイメージできない。いつのまにか自己イメージがかつての自分ではなく少女としてのいまの外見に引きずられている。
 女を犯している自分の姿よりも、男によって犯されている自分の姿のほうが強くイメージできてしまう。
「反吐が出そうだ……」
 女らしい声には不似合いなセリフを呟く。
 しくしくと下腹部が痛んできて、カイトはマットレスの上で体育座りした。
 また少し血が下ったようだがナプキンのおかげであまり意識することはない。腹に手を当て、自分の膝に抱きつくような格好で休んだ。
 その姿勢では膝で乳房がつぶれてしまうが、もうそういった感触で驚くことはなかった。不本意であっても女体の身体感覚には馴れつつある。
「……月経期は3〜7日で個人差がある、だったか? ちくしょう、最悪こんなのがあと一週間も続くのかよォ。あン!」
 そばにあったナプキンの箱を八つ当たりで蹴飛ばした。とっさに黄色い声が口をついてしまうのを自分でもどうしようもできない。
 ときおりやってくる下腹部の痛みを散らしながら時間が過ぎていった。
 一時間ほどして、ナプキンを取り替えた。
 本来はもっと長く使えるはずだが、初めてのナプキンなので気になって早めに取り替えることにしたのである。
 使用済みのナプキンは説明書の通りに折り畳んで元の袋に入れて捨てた。
 新しいナプキンをパンティに固定して身につける。まるでオムツでもしてるみたいな屈辱感があるが、不随意にアソコから血が出てしまうので、選択の余地はない。
 カイトは女にとっての生理用品のありがたみをたった一日で、いや初潮が訪れて半日と経たずに身に沁みて学んだ。
815名無しさん@ピンキー:02/07/31 07:56 ID:d4iJNoAy
(゚Д゚)ゴルァ!!
816名無しさん@ピンキー:02/07/31 10:35 ID:wvG2zmh/
イイ!!
817317:02/07/31 10:39 ID:KsPazBgD
>>814
 そうこうしている間に、昼休み。待ちかねたようにカイトのことを知る男子生徒が旧校舎へと姿を見せる。
 坊主頭の小柄な少年が今日、カイトを抱く順番だった。坊主頭なのは以前カイトの手で髪に大量の接着剤をぶちまけられた後遺症である。
「カイト君。君は僕にひどいことをした罰を受けなくちゃ駄目なんだ!」
「うわ、よせ、近づくな! 今日は絶対駄目なんだ!」
 鼻面をカイトに叩かれて少年はたじたじと下がった。
 カイトは焦っていた。いま下を脱がされるのだけは嫌だった。
「まあ待てよ。カイトちゃん、今日はやけに抵抗するなァ」
 浩司は意味ありげにチラリと黒板を見た。「祝! 初潮まであと1日」の張り紙がそこにはある
「そういやあ、今日が予定日じゃん? もしかして……あの日? カイトちゃん♥」
「死ね、この色ボケ野郎!」
「おやぁ図星だった? 言っとくけどオレを色ボケにさせてんのはカイトちゃん、あんたのそのお色気満点のカラダなんだぜ」
「見るなよ! テメェ、オレの舎弟だったくせに……」
「フゥ。やっぱまだまだ男の心が強いんだなぁ。もうちょっとしおらしくなってならないといいセックス人形になれないぜ?」
 浩司がパチリと指を鳴らすと、二人の少年がカイトを取り押さえ、例のレールのところに運んで胸のチェーンをそこに繋いだ。
 四つん這いの格好でカイトの腰が少年達の眼前に突き出される。カイトの力ではそれをどうしようもない。
 誰かの手がカイトの尻を撫で回した。
「尻もいい形してるよな。おまけにピッタリしたブルマ穿いて、女子高生モノのAVだよ、まるで」
「おまえそんなAV借りてんの?」
「いや、最近は借りてないよ。カイトちゃんが性欲の捌け口になってくれるから」
「そりゃそうだよな。カイトがいりゃオレたち、AVいらずじゃん。ハハハハ……」
818317:02/07/31 10:39 ID:KsPazBgD
 ひとしきりカイトの尻を撫でたり揉んだりした後、彼らは本来の作業に取りかかった。
「やめろォ! 脱がすな! 脱がさないでくれ!」
 カイトは青くなって懇願する。
 あまりにも一方的な立場に立たされ、虚勢を張るだけの余裕もなかった。
「ご開帳〜♪」
 浩司は言うなり、ブルマに手をかけた。
「やめろってば!」
 繋がれたままどこにも逃げられず身悶えするカイト。
 ゆっくりとブルマがずり下げられていく……
 やがて……
 一斉に少年達が感嘆のため息をもらした。カイトは真っ赤になって顔を床に埋めた。
 カイトのつけていたナプキンは白日のもとにさらされ、剥き出しの股間と一緒に少年達に凝視されていた。
「「せーの。女の子の日おめでとう、カイトちゃん!!」」
 事前に打ち合わせをしていたのだろう。彼らは声を揃えて偽りの祝いの言葉を口にした。それを耳にしたカイトが屈辱に身を切り刻まれるのを十分に知った上で。
 耳を塞ごうとすると、腕を掴まれ、耳元で囁かれた。
「おめでとさん。これであんたさ、ガキを産めるカラダになったわけだね。よっ、オトナの女!」
「このゲス野郎どもぉ……」
「アハハハハ。カイトのやつ、涙目になってやんの! やっぱ女の子になると涙腺ゆるくなっちゃうの?」
 つつぅ……
 新たな生理の血がひとすじ、内腿を伝い落ちていった。
「おおスゲー。ほんとに血が出てる! オレ、女の生理って初めて見たよ」
「ナプキンで拭いてみろよ」
「おっ吸収した吸収した。でもCMと違って血糊みたいなのは表面に残るんだな……」
「うわあんま人の顔に近づけんなよ。グロいじゃねーか!」
 カイトの生理は完全に玩具にされていた。
819317:02/07/31 10:40 ID:KsPazBgD
 カイトは泣き声にならないよう腹に力を入れて口を開いた。
「もういいだろ……元に戻せよ」
「は?」
 と浩司はとぼけた。
「パンツとソレ、元に戻せよ!」
「ソレって、何?」
 ニヤニヤと意地悪く言葉尻をとらえる浩司。カイトは渋々「……ナプキン」と口にした。
「そうだよな。カイトは生理期間中の女の子だもんな。ムラタ先生にも優しくしてやれって言われてるよ」
「余計なことはいい。早く!」
「で・も・さ」
 ぴしゃん、と浩司は裸の尻を叩く。
「くっ!」
 ぴしゃぴしゃと叩いてヒップが揺れる様を楽しんでるのだ。
「このまま使い古しのナプキンをあてがうのも気持ち悪いだろ?」
 浩司はカイトの使っていたナプキンをぽいと屑籠に投げ込んでしまった。
「誰かカイトをレールから外してやって」
 浩司の指示でカイトは床に這いつくばった姿勢からは解放された。もっとも首輪に紐をつけられているので大して変わらない。
「まず、このナプキン1ダースは没収だ」
 ガサッ! 浩司はナプキンの大袋を廊下のほうに向かって蹴り出した。
「なにしやがる!」
「おっと。オンナノコがいつまでもオマンコおっぴろげてるもんじゃないぜ」
「う……」
 女としての本能が、その部分は男の視線から隠さないと危険だと告げてくる。カイトは思わず内股になって秘部を手で隠していた。
 パンティを穿きたいのだが、そうすると生理で汚れてしまう。
「浩司! ナ……ナプキン返せよ……」
「没収だって言ったろ。代わりにアレがあるじゃん」
820317:02/07/31 10:40 ID:KsPazBgD
「アレって……あっ! あ、あれは……」
「嫌ならそのままパンティ穿いちゃえばぁ? オレは別にどっちでもいいよ。ヘヘ」
 アレというのは、ナプキンと一緒に差し入れられてたタンポンのことだ。
 ナプキンが手元にない以上、タンポンを使うほかない。
 恐る恐るタンポンを手にしたカイトに声がかかる。
「オレらの前でそいつを装着してみろよ。生きた性教育ってヤツだ」
 一斉に注目を浴びてカイトはがくがくと震えた。
 下半身に服を身につけるためには、見世物にされてると分かっていてもタンポンを使うほかない状況だ。
 しかたなく包みを破って殻入りのナプキンを取りだした。ネコジャラシの穂ほどのサイズだ。
「あんなんでオマンコの穴埋められんの?」
 と素朴な質問が飛び出す。
(バカタレ……中の綿みたいなヤツが水分吸って膣内で膨らむんだよ!)
 心の中で罵倒するカイト。タンポンなど実物を見るのも触るのも初めてだが、とりあえずの使用法は頭に入っている。
 覚悟を決めると、カイトは左手を自分の秘所に添えた。
 そうっと陰唇を指で左右に開き、膣の穴を露出させる。
 少年たちが異様に目をぎらつかせて詰め寄ってきた。カイト自身の目線からは殆ど見えないが、いま少女の性器が彼らの前に丸見えになっている。
 外野は見ないようにして、右手でタンポンの先端を膣に合わせた。
 殻(アプリケータ)の先端を挿入したいのだが、初めての作業で勝手が分からない。角度を間違って挿入しようとすると乾いた膣壁にひっかかって妙に痛い。
 カイトが手間取っているとブーイングが飛んできた。
「なにやってんだよ! いつもみたいにズボッと挿れろよズボッと! バイブ突っ込む要領だよ!」
 と外野は適当なことを言っている。
 ちょうどそのとき午後の授業開始の予鈴が鳴った。
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「!」
 チャイムの音声をトリガーとする調教を受けていたカイトの体は、自然と愛液の分泌を開始した。
 多少なりとも入り口が潤ったおかげで、何度目かの挑戦でヌルリとアプリケータの先が呑み込まれた。子宮へと向かう膣の形に合わせて正しく挿入が行われたという「実感」があった。
 あとは作業としては簡単だった。
 アプリケータの中に入っているタンポンの本体をところてんのように押し出すだけである。
 ほとんど感覚もないが、注意を凝らすと膣の中にタンポンらしき物体が収まった感触がある。アプリケータを抜き取ってしまえば作業は終了だった。
 ナプキンと違ってタンポンだと、半日から一日程度は交換の必要がない。
「いやあ、いい見物だったよ、うん。女って大変なんだね」
 浩司は横からカイトを抱き寄せると、カイトの股の付け根からちょろりとのぞいているタンポンの紐を指でつついた。
「きゃっ……余計なことするなァ!」
「この紐カワイイよなぁ、プラプラしてて」
「汚い手で触んなァ! 雑菌が入ったら……」
「膣炎になっちまうってか?」
「う、く………………」
「ハハハハ。分かったよ。オンナノコの『そこ』はデリケートだもんな」
 浩司の手が離れた隙にカイトは手早くパンティを引っ張り上げた。その上からブルマを穿いても露出度では大して変わらない。ただただ愛玩される少女としての姿格好だ。
 もう一度浩司の腕がカイトを抱いた。
「ほんと。カワイイよ、あんた」
 衝動に突き動かされるように浩司はカイトの首筋に顔を埋めた。
「はぁぁン……」
 感じやすくなってる場所にキスをされてたまらずカイトは甘ったるい嬌声を出してしまった。
822317:02/07/31 10:40 ID:KsPazBgD
 浩司の顔が離れたかと思うと、今度は唇をむさぼられた。
 唇同士の接触だったのが、やがて舌までがカイトの中に入ってきた。
(やだ……やだ……男にキスされるなんて…………)
 カイトの中で男としての意識が悲鳴をあげた。男相手に力でかなわず強引にキスされてそれを拒めなかったという無力感と汚辱感。
 こりまで男性器官に舌で奉仕することを強要されることは毎日のようにあったが、処女のように抱きすくめられて唇を許してしまったことはなかった。
 浩司に騙されて抱かれてしまったときですら、こんな形でキスを許したりはしなかった。
 浩司を突き飛ばそうとしたが、力が入らない。
 キスが深まるにつれ、ゆったりとしたリズムで胸を揉まれた。
 胸を回すように揉まれ、ときおり乳房の下側をくすぐられる。
(生理中で乳腺張ってて……胸痛いから、やめれぇっ)
 そう言いたくともあいにくと唇は塞がっている。
 そして、恐ろしいことに痛い筈の刺激が徐々に快美感に塗り替えられていく。
 固くしこった乳首の先端を服の上からボタンを押すように指の腹でいじられると、気が遠くなりそうな甘い疼きがそこから生まれた。
「くふぅぅん……」
 思わず鼻から甘えたような吐息が漏れ出てしまう。
 男にキスをされてるというのに全力で抵抗できていない自分が信じられなかった。
 ……認めたくない。認めたくないけれどもカイトは、唇を吸われて「うっとりと」していた。
 まるで恋を初めて知った乙女のようにキスに酔っている。
 そのせいで抵抗できない。
(男の力強い腕……荒々しいキス…………身を任せると、心地いい…………)
 男としての自意識が屈辱に震える一方で、心の別な部分は浩司の青臭い愛撫に堕ちようとしていた。
 唇の快感が、全身をとろかすような波紋の源になっている。
(強い男に所有されるのも……悪くない……)
 酔いが回るように、抵抗しようという気力が消えていく。
823317:02/07/31 10:41 ID:KsPazBgD
 二人の唇が離れたとき、カイトの腕は無意識のうちに浩司を放すまいとして動いていた。寸前で理性が戻って、カイトはあわてて手を引っ込めた。
「……なにしやがる。男にキスして嬉しいかよ」
 湿った唇をぬぐい、いまさらのようにカイトは吠えた。
「……別に。つい、出来心」
「出来心ォ?」
「ちっ。シャレでキスしてやっただけだよ」
 なぜか怒ったようにいうと、浩司はプイとカイトから離れていった。
 普段なら昼休みの間にフェラチオ奉仕で少年たちの間をたらい回しにされるのだが、もう午後の授業が迫っているので、それは免除された。
 代わりにディルド・ギャグが用意されていた。
 リアルなペニスの形をしているそれは、少年たちの平均サイズに比べると、一回りおとなしいサイズに見えた。
「こいつは、カイトさんの元のカラダから型取りして作った代物だってさ。ムラタ先生もマメだよなぁ」
(ちゃんと測ったのかッ!?)
 疑問を口にする前にディルド・ギャグをかまされ、言葉を封じられてしまった。
「どう? 自分のペニスくわえてる気分は。気分が落ち着くんじゃないか? アハハハハ!」
「うぅぅぅぅぅ!」
 抗議しようとして口の端からみっともなく涎が垂れてしまった。
「しばらくそいつをしゃぶって、フェラテクの自習しときな」
 カチリとギャグの錠が首の後ろで締まり、ギャグから伸びたチェーンが逃亡防止のため床の金具に繋がれた。
 繋がれた場所より遠くへ行こうととすると、自分自身のペニスの形をしたディルドが喉の奥にまで侵入してきてカイトを責めるようにできてる。
「んぅぅぅ……」
 カイトは浩司や他の面々、そして何より彼らの背後にいるムラタを呪った。
 その晩、ディルド・ギャグで口を塞がれたカイトの前に初潮を祝う赤飯の皿が運ばれてきた。
824317:02/07/31 10:41 ID:KsPazBgD
 頭にきたカイトは皿を蹴飛ばしてひっくり返した。こぼれた中身を怒りにまかせて踏みつけようとしたカイトだったか゛、それ以上暴れると生理中の下っ腹に響くため、断念せざるをえなかった。
 望まなかった生理。
 望まなかった女としての体の反応。
 初めての生理の第一日目は、戸惑いと形のない憤懣の中に過ぎていった。

 翌日から、カイトの扱いに小さな変化があった。
 見方によれば、それは大きな変化だったかもしれない。
 まず地べたに置かれたマットレスの代わりに、簡易寝台ながらベッドが廃教室内に運び込まれた。
 下着や衣服、ベッドのシーツは毎日、替えが与えられた。
 日課となっていたフェラチオによる奉仕だけは続行されたが、セックスは中止された。
 全体的に、カイトの肉体的な健康面を気づかった変化である。食事の質や量も向上して、定期的に食料が与えられた。
 旧校舎を訪れる少年たちもきつく言い含められているのか、体に負担の掛かる形でカイトをいたぶることはしなくなった。
 それらの変化にカイトはホッとすると同時に、不気味なものを感じていた。
 ムラタは時折、信じられないほど冷徹な目でカイトを見る。機械を組み上げるのに必要なネジの一本を見るように冷たい目つき。
 そのムラタがカイトのことを「セックス人形に堕とす」と口にしていた以上、それをあきらめたのだとは到底思えなかった。
 しかしともかくも表面上、何事もなく時間が過ぎていった。
 生理が始まってから四日目のことだった。
 朝起きてナプキンを取り替えようとしたとき、カイトは出血の量がごく少なくなってることを知った。
 ピーク時はナプキンでも数時間毎にまめに取り替えないと気持ちが悪かったのだが、いまの出血量ならタンポンを入れれば丸一日は持ちそうだった。
 生理痛や体のだるさも、とれつつある。
825317:02/07/31 10:41 ID:KsPazBgD
 明らかに、生理期間が終わりに近づいてるのだろう。
 ムラタもまた同じ見解だった。
「どうやら、明日には常態に戻りそうですね。君の体は健康な28日周期の生理サイクルを見せていますよ」
 膣検診を終えたムラタがいった。
「こんな女の体なんていらない……生理なんてこないように、いつかブッ壊してやる」
「そんな勝手は許しませんよ。君は明日にでも、研究所へ運ばれるんです。晴れて第二ステージへと進むためにね」
「研究所って……そこで何をするつもりだ」
「ふむ。まずは徹底的に君の肉体と精神をいじらせてもらいますよ。楽器の調律をするように精密にね」
「嘘だろう……これ以上、まだ何かするつもりかよ……」
「明日になれば分かることです」
 まだ何も終わらない。悪夢の時間は続く……
 不意にカイトは金色の絨毯の中に立っていた。風にそよぐ見渡す限りの小麦畑。
 透き通った空を見たこともない軍用ジェット機が飛んでいく。空気が揺れて、かぶっていた帽子が飛ばされていった。
 幻の情景の中でカイトは叫んでいた。
 次の瞬間、あたりは元通りの廃教室に戻っていた。
 驚いたことにカイトはムラタの胸に顔を埋めていた。むしろ、ムラタがカイトをかき抱く格好だ。
 カイトは全身にうっすらと汗をかいていた。鮮明な幻視のせいか、体に疲労感が残っていた。
「あ……オレはいま……?」
「幻でも見たんですか。どんな内容でした?」
 なんでもない、とカイトは答えた。どんな形であれ、ムラタに協力するのはまっぴらだった。
 ムラタが立ち去ると、カイトは束の間の安息に体を弛緩させた。
 さきほどの幻。目にした光景自体はどうでも良かった。
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 問題なのは、幻の中で立っていたカイトが女だったということだ。
 自分の姿は見てないが、身体感覚や服の感触からいって明らかにカイトは幻の中で自分を女としてイメージしていた。
「こんなんじゃ駄目だ!」
 カイトは懸命に女を犯してる自分をイメージして自己イメージの修復をはかった。
 ヌードの女を想像して、そのイメージで興奮できることを再確認する。それの繰り返し。
 女の体を持ついまのカイトにとっては、虚しい作業だった。どんなに興奮しても固くなったペニスを握ることすらできないのだから。
 イメージトレーニングにも疲れてきて、カイトはベッドにごろりと転がった。
 生理が軽くなってるので、あまり下半身を気にせず寝返りをうてる。
 カイトの言葉を何度も思い返した。
 どうやら生理期間が終わり次第、ムラタの研究所へと移される手はずになってるらしい。
 もし研究所に監禁されたら今以上に脱出が難しくなるだろうことは容易に想像できた。
「なんとかしないと……」
 なんとかしないと、ムラタによってセックス人形に作り替えられてしまう。
 この先毎日のように男に犯されながら生きるなんてまっぴらだった。
 いままでそれを許してきたのも、隙を見て逆襲に出る心積もりがあればこそだ。
 改めてカイトは首輪や鎖が緩んだりしてないか調べてみたが、徒労に終わった。
 もどかしく時間ばかりが過ぎていく。
 その晩も葵がやってきたが、カイトが研究所のことを尋ねても口をつぐむばかりだった。
 生理用品の扱いなどの質問には答えてくれるのに、肝心な話題になると俯いて言葉少なくなってしまう。
 葵が立ち去った後、カイトはナプキンを新しいものに替えた。もう出血はとまっていて、これが最後の交換になりそうだった。
 生理が終わったのは嬉しいが、それはつまり明日体を調べられればいよいよ研究所送りになってしまうということだ。
 途方に暮れてカイトはベッドの上で膝を抱えた。
 そのとき、深夜の廊下で人影が動いた。
827317:02/07/31 10:52 ID:Lj/HGII9
 一本だけ灯った蛍光灯に背後から照らし出された人物は、葵ではなかった。
「カイト」
 と呼びかけてきたその人影は、浩司だった。
「こんな時間に何の用だよ」
「逃がしてやりにきたんだ」
 浩司がベッドに近づいてくると、カイトは反対側の端へ後ずさりした。
 ここに囚われてからというもの、男が近づいてくるのは決まってカイトの体をいじるためか、さもなければペニスを突き出して奉仕を強要するためだった。
「怯えるなよ。そうやってると、処女っぽいぞ。ヤリまくりなくせに」
「好きでヤラレたんじゃねぇ!」
「ま、いいや。とにかく、時間を無駄にすんなよ。今度はほんとに逃がしてやるから」
 カイトは、浩司の顔に向かってツバを吐きかけたが、かわされてしまった。
「今度はマジだって」
「信じられるか! お前がオレを助けようとするわけないだろ」
「あんたはオレの女なんだ」
「……はぁ?」
 カイトはポカンとした顔で聞き返してしまった。すると浩司はもう一度同じ事を言った。
 浩司は真剣そのものという顔つきで、カイトを自分の女呼ばわりする。
「あ、あのなあ浩司……」
「だからオレ、あんたはムラタに引き渡したくないんだ。研究所なんかに引き取られたら、二度と出てこれなくなっちまう」
「ヤツの研究所について何か知ってんのか?」
「詳しくは知らないけど、あそこはキナ臭いんだ。どっかの国の軍事予算から金が出てるって話もあるし。地域の警察もいざってときはあの研究所に協力するらしい」
「冗談だろ……警官にまで目ェつけられたら、逃げきれないぞ!?」
「だから、ほとぼりが醒めるまでオレの知り合いのやってる町工場に匿ってもらう。話はつけてあんだ」
 思いがけないほど熱い調子で喋る浩司にカイトは戸惑った。
 浩司には一度痛い目に遭わされてる。
828317:02/07/31 10:55 ID:Lj/HGII9
 だが今の浩司が嘘をついてるようにはどうしても思えなかった。
「オレ、あんたを自分の女にするって決めたんだ」
「な、バカッ…………」
 カイトは自分の中にわけのわからない感情がこみあげてくるのを感じた。なぜか顔が真っ赤になってる。
「ほら、掴まれよ」
 と浩司が手を差し伸べてくる。
 カイトは決断を迫られた。
 残るか。それとも、誘いに乗るか。
 残れば、ムラタの研究所へ送り込まれる。
 それならいっそ……
 蜘蛛の糸にすがるような思いでカイトは浩司の腕にしがみついた。
 浩司の持っていたキーで首輪の鎖が外され、カイトは自由の身となった。
「おまえの胸の感触、たまんねぇ」
「こんなとき、へんなこと言うな」
 浩司の腕にしがみついてると、ハリウッド映画のヒロインにでもなったような気分だった。
 その上、浩司が服の下にあいた手を突っ込んできて、カイトの胸を撫でていく。
「あくっ……ダメ、そこ敏感だからッ……」
 耐えかねてカイトはフルルと身を震わせてた。
 浩司は軽々とカイトを支えてベッドから降ろした。
 素足のままだったカイトのためにサンダルまで用意されてる。
「いこうぜ」
 浩司に手をとられ、カイトは廊下へと出た。
 廃教室から一歩でも足を踏み出すのは数週間ぶりだった。
 ずっと運動してなかったので、早足で歩くだけでも息があがりそうになる。
 はたと気が付いてカイトはいった。
「沼作のヤツ……あいつが見張ってんじゃないのか?」
829317:02/07/31 10:56 ID:Lj/HGII9
 浩司は首を振って、意外なことを口にした。
「沼作さんがオレに教えてくれたんだ。あんたを助け出すなら今日がラストチャンスだって」
「あいつが!?」
「沼作さんはオレらの味方なんだよ。っていうより……ムラタの敵って言ったほうが正確か。小汚い用務員ってのは演技らしいな」
「信じらんねぇ……」
「あのカイトがこんな美少女になったほうが信じられねぇよ」
 照れくさそうに鼻の頭をかく浩司の仕草に、カイトは怒る気力も失せてしまった。
 階段を降りて一階の通用口にいくと、二人はそこから外に出た。
 校舎外に出たとたん、涼しい風がカイトの頬を撫でていった。
「外だ……」
 芝生の青臭い匂いが懐かしかった。
 頭上を見上げると、夜空にぽっかりと明るい月が出ている。
「女の生理の周期って、月の満ち欠けに連動してるんだってさ。ほら、昔の人は生理のことを月のものって読んでたらしいじゃん」
「嫌なこと思い出させるな、バカ」
 肘で浩司の脇腹を小突くと、お返しに乳首を指で弾かれた。
 胸のピアスが金属質の音を立ててしまい、カイトは胸を押さえた。
「こっちだ」
 と浩司は用務員用のプレハブ宿舎を指さした。
「直接正門にいかないのか?」
「しっ!」
 突然浩司に押し倒された。
 草の生い茂る地面に顔を押しつけられる。
「きゃっ……!」
 悲鳴の途中で浩司の手が口に覆い被さった。
(また騙された!!)
 そう思って死にものぐるいで暴れるカイトに、浩司が耳打ちしてきた。
830317:02/07/31 10:57 ID:Lj/HGII9

「落ち着けよ。あっち見てみな」
「あァ?」
 そろそろと顔を上げ、そちらを見ると、木立の中の暗がりをチラチラと光るライトが移動していた。
 誰かが懐中電灯を持って歩いてるようだ。
「この時間、警備のために職員が見回ってる。沼作さん以外はみんな、研究所の息がかかってる連中だ」
「げ……」
「だから朝になるまで沼作さんのプレハブに匿ってもらうんだよ」
 カイトたちは見回りの人間が通り過ぎるまで身を伏せたままじっと待った。
「ビクビクした顔のカイトも可愛いよなぁ……」
「るさいっ」
 カイトにしてみれば、研究所へ連れていかれることを想像しただけで身震いがする。
 女の体は暴力に対してあまりにも無防備だ。男のときには味わったこともない心細さを感じる。
「心配すんなよ。いざとなったらオレが守ってやっから」
「……うん」
「え、えっ!?」
「な、なんだよ。そんなビックリしたみたいに」
「いやぁ……あまりに素直な反応だったんで」
「しょうがないだろ。こんな体にされて、男に力でかなわないってのはイヤってほど身にしみてるからな」
「オッケー。オレに任せろよ。よし、そろそろ通り過ぎたみたいだな」
 起き上がって草を体から払うと、二人はプレハブ宿舎へ向かった。
 プレハブの小窓からは明かりが漏れていた。壁越しに小さくテレビの野球中継の音も聞こえる。
 浩司はプレハブの戸をノックした。
「オレです。浩司です」
 反応がなくて心配になってきたとき、ガラリと戸が開いた。
831317:02/07/31 10:57 ID:Lj/HGII9
 戸口に立っていたのはまぎれもなく沼作だった。
 ねっとりとした視線を感じてカイトは身をすくませた。
「入んな」
 そう言うと沼作はさっさと奥に引っ込んでしまった。
「お、お邪魔します……」
 まず浩司が、続いてためらいながらカイトが中に足を踏み入れた。
「こっちだ」
 と沼作が二人を招く。
 入り口近くの部屋はちゃぶ台とガスコンロ、テレビがあるだけの質素な部屋だった。が、その奥にもう一部屋あった。
 沼作はその奥の間から二人を呼んでいる。
 カイトはまだ躊躇っていたが、浩司に手を引かれて強引にそちらへ連れて行かれた。
 奥の間は最初の部屋とは全く違う趣になってた。
 思わずカイトはつぶやいた。
「こういうの、どっかで見たことある、オレ……」
「ああ、アレだ、999の機関室とかだろ」
「うん。似てるな」
 薄暗い部屋で大量のモニターや計器類が照明の代わりのように光っていた。
 インターネットの画面らしきものもある。思いがけずここはIT化された場所のようだ。
 モニターの一つは見覚えのある場所を映し出してた。
 カイトの囚われてた廃教室だ。
 ネット経由の映像らしく秒間数コマの割合で変更されてる。が、カイトがいないいま、映像に変化は殆どない。
「こんなカメラが……」
「ケケケ。隠しカメラってやつよォ」
 カイトの反応に気付いた沼作が嬉しそうに相好を崩した。
「おめぇさんの映像にゃ世話んなったぜぇ。なんせ寂しい独り身でなァ」
 沼作が部屋の隅を指さすとカートン単位でティッシュの空き箱が山積みになってた。
 気のせいか部屋の空気が精液臭い。
832317:02/07/31 10:57 ID:Lj/HGII9
 通りすがりの女子高生が校門で作業をしていた沼作を指さして「近くにいるだけで妊娠しそう」と顔をしかめていたことがある。彼女らの気持ちがいまのカイトにはよくわかる。
 沼作はカイトに顔を近づけると小鼻をふくらませ、やがてニンマリと笑った。
「女子高生の体育着臭がしやがる。たまらんなァァァ……」
「…………」
 女として身の危険を感じ、カイトは浩司の後ろに隠れた。
 沼作はそんなカイトの反応に肩をすくめると、一度奥の部屋を出て、茶を淹れて戻ってきた。
「今晩は二人ともここで寝るといい。そこに俺様の布団があるんで、それを使いな」
「ありがとうございます」
 浩司はぺこりと頭を下げた。
(掛け布団の上で寝よう)
 とカイトは思った。沼作の布団に入ったりしたら、それこそ妊娠させられかねない。
 沼作がいまにも涎を垂らしそうな顔をしてカイトの姿をじろじろ見ているので、カイトは気持ちが悪くてしかたがなかった。
 沼作がもうもう一つの部屋にいってくれたときはカイトは思わず胸を撫で下ろしていた。
「ったく、気味の悪い野郎だぜ」
「そういうなよ。沼作さんのおかげであんたを助けられるんだから」
「でも、あいつはムラタの手下じゃなかったのか?」
「演じてただけだよ。内偵って奴」
「内偵?」
「沼作さん、国家機関のエージェントなんだってさ。もちろん詳しい身分は明かしてくれなかったけど」
 うさんくさいと思ったがカイトは黙ってることにした。
 それより、明日以降のことで頭が一杯だった。
 一度家に帰りたかったが、そこはムラタに監視されてる恐れがある。
 するとやはり浩司の知り合いがやってる工場とやらにいくのがベストなのか……
 茶を啜りながら、あれこれと思案していた。
833317
 プレハブの外に人がきたときはビクリと身を固くして息を殺したりしたが、沼作がうまく応対してくれて、カイトの存在が疑われることはなかった。
「やることもないし、寝るか」
 浩司が布団を指した。
 カイトを守ると宣言した通りに、浩司は今晩ここでカイトと共に一夜を過ごすつもりのようだった。
 カイトは敷き布団と掛け布団を分割し、自分は掛け布団の上に陣取った。
「その……まだ一応、生理中だから。襲うなよ」
 実際にはもう完全に出血は止まってるのだが、生理を口実にカイトは釘を刺しておいた。
 浩司は案外あっさりとうなずいてみせた。
「わーってるって」
 カイトはおそるおそる、浩司に背を向ける形で横になった。
 鎖に繋がれずにこうして横になるのは実に久しぶりのことだった。
(襲うなよ、か……。完全に女の発想だよなァ)
 最前の自分の言葉を思い返してカイトは複雑な気持ちになった。ごく自然に「襲われる」ことを意識してたのだ。
 そして、「生理中だから」という言い訳をまさか自分が使うことになるとは思ってもみなかった。
 かといって、こんなときまで浩司に犯されるのはまっぴらである。
 カイトは浩司が突然後ろから襲いかかってきやしないかと用心していたが、数分もしないうちに浩司はいびきを立て始めた。
 カイトはほっと体の力を抜いて、体を仰向きに直した。
 幾つものモニターが薄暗い部屋の壁に光を投げかけている。
 この異様な部屋は、沼作がただ者でないことを証明している。あの外見からは想像しにくいが、国家機関のエージェントという話もまんざら嘘じゃないらしい。
(となると……国家機関に見張られてるムラタのほうこそ何者なんだってことになるよな)
 ムラタの研究所についてカイトは、山奥で怪しい研究をしてる(らしい)ところという以上には知らない。