******勝負に負けて犯される********

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952マキシム×マリア 5:2006/11/07(火) 15:41:04 ID:/s1eDt5J
「イったのか?」
 力が抜けたマリアの身体に、ククッと笑みを漏らすと、マキシムは彼女の下の服も器用に脱がしていく。
 やがて、生まれたままの姿で力なく横たわるマリアがそこにいた。
 淫らでありながら神々しささえ感じるその姿に、マキシムは己の中の彼女を汚すという欲望に更に拍車がかかったのを知った。
 何故ここまでこの女に執着するのか、自分でもわからない。
 そもそも、汚すだけならばここまでまだるっこしい事をせずとも、最初から有無を言わせず犯せばよいはずだ。
 なのに、自分は彼女に快楽を与えながら、時間をかけている。
 まるで、恋人同士であるかのように。
「馬鹿馬鹿しい。」
 自分の考えを追い払うように頭を振って、彼女の足を押し広げる。
 十分とはいかないまでも、それなりに潤っている彼女の蕾に指を入れてみた。
(…狭い。)
 この状態では彼を受け入れるのは無理だろう。
 濡れ始めたとはいえ、指二本を入れるのでさえきついくらいだ。
「ん…っ。」
 気が付いたのか、マリアが身を捩るのがわかる。
 だが、今更辞める訳にはいかなかった。
「イタッ…な、何をしてるの、マ、キシ、ム…!」
 指二本を抽送されて苦しいのか、マリアの声が苦痛にまみれている。
「少し我慢しろ。すぐによくなるさ。」
「や…やめて…。それ以上されたら私…。」
「この期に及んでまだそんな事を言っているのか?」
 マリアの最後の抵抗を崩すように、抽送を繰り返しながら、秘芯を舐めあげる。
「あああっ!!」
 突如走った電撃のような快感に、マリアの背がのけぞった。
 その反応に満足したのか、彼は更に舌で転がすようにそこに刺激を与え続けた。
「やはぁぁっ!あんっ!だめぇ…!」
 本人の口から出る言葉とは裏腹に、マリアの蕾からは雫が溢れ出し、指の滑りもよくなってくる。
 が、それに伴ってぎゅうぎゅうと締め付けるマリアの内部に、マキシムは眉を顰めながら一人ごちた。
(三本入るか…?)
 そんな事を考えて、彼は自分が彼女とのこの行為に溺れかけている事に気が付いた。
(時間がないのに…。)
 冷静な部分ではそう思っても、普段冷静沈着で、その名の如く女神のような美貌の少女が、
自分の身体の下で、自分が与える刺激によって、淫らな快感に身をよがらせているのかと思うと、
彼のサディスティックな欲望は止まらなくなる。
(もっと啼かせたい、もっと喘がせたい。)
 聖女を汚すという背徳的な悦びに、マキシムは抗えなかった。
 指をもう一本増やし、更にマリアを攻め立てる。
953マキシム×マリア 6:2006/11/07(火) 15:41:46 ID:/s1eDt5J
「くぁぁぁぁっ!お願い…マキシ、ム。もう…もうやめぇぇっ!」
 何度達したのか、マリアが背をのけぞらせながら叫ぶように懇願するのを見て、いつものあの酷薄な笑みが浮かぶ。
「やめて…か。俺の指を三本も咥え込んで何を言うのやら。」
 一度起き上がり、マリアの耳朶に唇を寄せて囁く。
「聞こえるか?この淫らな水音が。処女なのにこんなに濡らして…聖女様は男の誘い方も心得ていると見える。」
 彼女の耳にも届くように、グジュグジュと淫猥な音を響かせると、マリアは抵抗をする様にぎゅっと目を閉じた。
 その仕草が、更にマキシムの嗜虐心を煽る。
(そろそろ頃合か…。)
 抽送を一際激しくした後スッと指を抜く。
「あ…。」
 ビクン、とマリアがそれに反応し、切なげな声を上げる。が、すぐに思い直したのか顔を伏せるのを見て、マキシムは哂った。
「そんなに物欲しそうにしなくてもすぐにくれてやるさ。」
 先程から怒張しっぱなしの自身を取り出し、マキシムは再度マリアの足を持ち上げ、
十分に潤ったそこを確認すると、一気に挿入した。
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 先程とは比べ物にならない痛みに、マリアが絶叫する。
「クッ…あれだけやってもまだキツいな…。」
 指で多少なりとも感じていたとはいえ、マリアの中は温かく、そしてきゅうきゅうと彼自身を締め付けてくる。
「あ…はぁ…」
 最初の痛みが引いたのか、虚ろな目になった少女を抱きかかえると、マキシムは腰を動かし始めた。
 ズチュ…グチュ…ヌチュ…
 愛液が混ざり合い、さっきよりも更に大きな音を立てている様にマキシムは感じた。
 興奮がそう思わせているのかもしれない。
 その水音に更に興奮し、マリアを持ち上げるようにして突き上げる。
「やぁ…はっ…ああっやめてぇっ…お願いっ…。」
 下から突き上げられる度に、マリアはポロポロと涙を零しながら彼に懇願するが、今更止められるはずも無い。
「…無茶言うな…アンタが気持ちよすぎて…っ!」
「んはぁぁぁぁぁっ!!」
 本日何度目の絶叫なのか、マリアはビクビクと身体を震わせ、再び達してしまった。
「ッ…俺も…もう限界か……!」
 快楽に顔を顰め、マキシムは自身を取り出そうとしたが、脳裏に浮かんだ一つの想いがそれを阻止した。
 マキシムは、マリアの中に大量の欲望を吐き出し、そして果てた。
954マキシム×マリア 7:2006/11/07(火) 15:43:38 ID:/s1eDt5J
先に気が付いたのはマキシムの方だった。
 いつもの冷静な表情に戻り、乱れた衣服を整えると、彼は任務を果たすべく扉の向こうへと向かった。
(何故…俺はアイツの中に…。)
 あの瞬間、彼は一つの願いが出来てしまった。
(俺も…何か生きた証を刻みたかったのか…?)
 彼の脳裏に、初めて化石を見た時の事が蘇る。
『子孫であれ、物であれ、想いであれ…生きている者は皆、何かを残したい、伝えたいと願うものだよ。』
(クソッ!こんな時に嫌なヤローの顔を思い出しちまうなんて…。)
 少し不機嫌になりかけたマキシムだったが、あの時の曳士の言葉に少なからず感銘を受けたのは確かだった。
(なら…俺はあの女(マリア)に何を伝えたかったんだ…?)
 衿宮の遺骸の入ったケースを前にして、しばし思考の迷路に陥ったマキシムだったが、脇腹に突如走った激痛に現実に引き戻される。
「マキシム…許さない…!絶対、貴方だけは生かしておかない!!」
「グッ…あれだけヤられてまだそんな元気があるとはな…。」
 いつの間に起き上がったのか、全てを燃やし尽くさんばかりの怒りを漲らせて、スタンロッドを構えたマリアが後ろにいた。
 当然衣服は身に着けている。
「残念だが今のお前に俺を倒せる程の力はない。よってゲームオーバーだ。
 あのまま眠っていれば苦しまずに済んだのに…バカだな、アンタ。」
 衿宮のケースを抱きかかえ、マキシムはふわりと浮き上がった。
「じゃあな、聖女様!」
 不可視の刃をいくつも彼女に向けて解き放つ。
「―――――ッ!!」
 それを全て防ぎ切るだけの力は、もはや彼女には残されていなかった。
 幾つもの裂傷が大小を問わず彼女の柔肌に出来ていく。
 そして…瞬間的に一際大きな衝撃が彼女の腹部を貫き、体力的にも限界を迎えていた彼女は今度こそ完全に沈黙した。
「―――。」
 マキシムは腕の中のマリアと、衿宮を交互に見比べる。
(俺はコイツに何かを期待していたのか…?)
 だとしたら何故…。
「…安全な場所には捨てといてやるさ。こいつがこの先、生きているかどうかは知った事じゃないがな。」
 ケースの中の衿宮に聞かせる様に、一人呟くと、マキシムは煙が充満してきた室内から消えた。
 その時の彼の表情が、深い苦しみと哀しみに彩られている事に誰も気付く者はいなかった。
-END-
955932:2006/11/07(火) 15:44:38 ID:/s1eDt5J
途中、どうみてもクリムゾンです。本当にありがとうございました。

お目汚しスマンでした。
956 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:07:21 ID:9tEKgFjY
>>924からの流れで思いついたネタを投下します。
957 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:09:38 ID:9tEKgFjY
「ここは……どこ?」
足元にはどこまでも広がる赤茶けた大地。
頭上には赤く赤く燃え上がる夕焼け空。
その二つの境界線となる地平線に360度囲まれた場所に、わたしは1人で立ち尽くしていた。
気がついたらここにいて、だけどここがどこなのか、どうして自分がこんな場所にいるのかがわからない。
「日本じゃ……ないよね」
こんな場所が日本にあるわけがない。
「なら外国? だけどどうして」
以前のわたしはある事情から色々な国を渡り歩いていた。
だけどその頃の記憶にもこんな場所は一つもないし、そもそも今はずっと日本にいるはずなんだ。
その自分がどうしてこんな場所にいるのか。
記憶の糸をどんなに必死に手繰ってみても、どうしても過去の自分と今の自分が繋がらなかった。
思い出せる範囲で最後の記憶、それは――、
「地下デュエル……そう、わたしは……」
深い霧が立ち込めているようにはっきりしない頭の中に、不意に1人の女性が浮かんでくる。
ぴっちりとスーツを着こなし、サングラスをかけていた長身の女性。
「わたしはその人に連れられて……くっ」
頭の芯がズキリと痛んで、強制的に思考を中断させられる。
「な、なにこれ……?」
その人のことをそれ以上思い出そうとすると、頭痛がどんどんひどくなって立っているのも辛くなる。
頭の中で何十個もの鐘を力いっぱい振り回されているような、そんな頭痛にまるで地面がぐらぐらと揺れているような錯覚まで――、
「って、ホントに揺れてる!?」
驚いている間にも地面の揺れはますますひどくなり、今度こそわたしは立っていられなくなりしゃがみ込んでしまう。
次の瞬間、耳をつんざく轟音とともに、わたしの目の前で地面が割れる。
そして、あと1メートル地割れが伸びていたら飲み込まれていたかもしれないという位置まで広がったその地割れの隙間から、真っ赤な溶岩が噴き出していく。
あまりに現実離れしたその光景に、一瞬噴水に夕焼け空が反射しているだけなんじゃないかと、そんな風にすら考えてしまう。
だけど、すぐにそんなのんきな考えはどこか遠くに捨て去らないといけなくなった。
勢いよく噴出した溶岩は、重力の法則に従うことなくある形に収束していく。
人の形。
丸太のように太い手足と、見上げると首が痛くなるほどの天をつく巨体。
わたしは、ソイツの名前を知っていた。
「ラ、ラヴァ……ゴーレム……、――!?」
半ば無意識の内にそれの名前を呟いた瞬間、わたしの頭の中でカチリと小さな音がした。
それは、それまで頑なに封じ込めていた記憶の堤防に、小さな小さな穴が開いた音。
その小さな穴は、膨大な圧力によって一気に規模を拡大し、すぐさま頭の中に記憶の大渦を作り上げていく。
「いやあああああ!」
喉から自分のものとは思えないほどの絶叫がほとばしったのは、全てを思い出したせいだけじゃなかった。
現れて以来ずっとその場から動かずにいた溶岩の巨人が、ついにこちらに向けてその大きな一歩を踏み出してきたからだ。
958 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:10:41 ID:9tEKgFjY


人生を語るにはまだまだ未熟な、まだ20年も生きてはいないわたしだけれど、それでもあえて言うならわたしを取り巻く世界はある日を境に天国から地獄へとその姿を一変させた。
世界的なカードゲーム、デュエルモンスターズのプロリーグ。
そのデビュー戦での敗北が、わたしをそれまでの華々しかった生活から奈落の底へと叩き落したんだ。
数々のアマチュアトーナメントを制覇して鳴り物入りでプロリーグに入ったわたしは、女性としては史上最年少のプロとしてマスコミから引っ張りだこになっていた。
アイドルにでもなったような、というよりあの頃は本当にアイドルだったと言っても間違いじゃないと思う。
でも相次ぐテレビ出演で準備の時間が足りなかったなんて、プロとしては言い訳にもなりはしないしするつもりもない。
だけど、あの頃のわたしはプロの世界を甘く見ていたの確かだった。
わたしならプロの世界でも順調に勝ち星を挙げていけると、根拠もなく確信していたんだ。
けれど新人としては異例の数のテレビカメラに囲まれて臨んだデュエルが始まった瞬間、それは勘違いだったと思い知らされた。
今でもはっきりと思い出せる。
デュエルが始まった瞬間、相手の姿がまるで何倍にもなったかのようにわたしには感じられていた。
もちろんプロの試合はそれまでに何度も観戦していた。
だけど観客として見るのと、実際にステージに立って本物のプロと対峙するのにはあまりにも大きすぎる隔たりがあった。
今にして思えば、あれはデュエルに臨む際のプロの気迫が見せた幻だったんだろう。
だけどあの日のわたしはそれにあっさりのまれてしまい、序盤で小さなミスをしてしまった。
普段なら絶対しないような単純なミス。
アマの大会ならそこからでも十分取り戻せるほどの小さなそれは、プロの舞台では取り戻すどころかあっという間に致命的といえるレベルにまで傷口を広げてしまった。
絶体絶命の状況。
けれど、これもまた今だからこそわかることだけど、あの状況からでもまだわたしのデッキに逆転の目はあったんだ。
なのにあの時の、パニックが最高潮に達してしまっていたわたしにはそれがわからなかった。
自分の手の内は全て見透かされているように感じるのに、逆に相手の考えていることはわたしには全く読めない。
そんな恐怖に身がすくんでしまって、最後のターンのドローフェイズにわたしはカードを引けずに固まってしまった。
どんなカードを引いても、もうどうしようもない。
そう思ってしまったわたしはいつまでもカードを引かないせいで遅延行為としてジャッジに警告を受けた次の瞬間、山札の上に手をかざしていた。
これ以上カードを引かないという意思表示。
それは投了を告げるジェスチャーだった。
突然の試合終了に会場全体がどよめく中、わたしの胸に込み上げてきたのは悔しさではなく安堵だった。
これ以上このデュエルを続けなくていい。
ただその事に安堵していた。
959 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:11:34 ID:9tEKgFjY
とはいえ、その試合が終わったからといって、プロになった以上すぐに次の試合の日はやってくる。
デュエルにはカードの引きという運の要素があるおかげで、1回ならばまだ取り返しはつく。
だけど2連敗したとなれば、それまで持ち上げてくれていたマスコミが、手のひらを返したように敵に回るのは火を見るよりも明らかだった。
そして、その日が近づくにつれ日に日に高まる恐怖の中、わたしは決してやってはいけない行為に手を出してしまった。
イカサマ。
普通にやっても絶対勝てないと思い込んだわたしにとって、それが地獄に垂らされた蜘蛛の糸に思えてしまった。
それからのわたしは、デッキの調整ではなくイカサマの手法を考えることに時間の全てを費やした。
けれど、そんな思いつきで飛びついたイカサマが、プロの舞台でばれないはずがなかったんだ。
練りに練った、絶対に見つからないと自分では思っていたそれはあっさりと発覚し、1年間の出場禁止を言い渡された時、わたしのデュエリスト生命は一旦終わりを告げることになった。
出場停止処分は1年で明けるとはいえ、そこから復帰なんてできるはずもなかった。
だから、もうデュエルの道を諦めようとした。
でも、駄目だった。
最初は兄がやっているのを横で見ているだけなのがつまらなくて始めたデュエルモンスターズ。
兄の作ったデッキで、兄のおまけとして参加した初めての大会。
そこでとんとん拍子に勝ってしまって以来、わたしにとってデュエルモンスターズは世界の全てになっていた。
運動が得意なわけでも、学校の勉強が得意なわけでもない。
そんなわたしにとって、大会で優勝してちやほやされるのはとても気分の良いことだった。
そうやってのめりこむ内に大会の規模は町内レベルの小さな大会から公式の地区大会、都道府県選手権、全国大会とどんどん大きくなっていき、後戻りはできなくなっていた。
どこへ行っても、誰と会っても、昔の自分を知っている気がする。
調子に乗った挙句デビュー戦で大失態を演じ、2戦目で不正行為に手を出して破滅したわたしをあざ笑っている気がする。
そんな疑心暗鬼にとらわれたわたしに、普通の働き口なんてあるわけがなかった。
960 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:12:12 ID:9tEKgFjY
「もうすぐ着きます」
横からかけられた落ち着いた声に、思考に没入していたわたしは現実世界に引き戻される
失意の底にいたわたしの前に一週間前突然現れ、声をかけてきたのが彼女だった。
彼女はその一言だけで口を閉ざして、車内はまたしても重苦しい沈黙に包まれる。
運転席とも隔絶された後部座席は、窓も全て外が見えないようにされているせいで本当に息苦しささえ感じるほどだ。
この空間にいるのはわたしと、そして隣に座る一人の女性。
彼女はわたしを地下デュエルにスカウトしたいと言ってきた。
地下デュエル。
観客がその勝敗に大金を賭ける非合法なデュエル。
わたしも噂くらいは聞いたことがあったけど、それでも本当にあるとは信じていなかった。
なにせ賭けの対象になるくらいならまだしも、ひどいものになると負けた選手は命を奪われ、その様すらも見世物にされるなんて噂もあったくらいだ。
でも、今のわたしに残された道はそんな所しかない。
それに、このまま生きていてもどうしようもない、そんな自暴自棄な考えもあった。
ともあれ、参加を決意した私は昨日、最初に会ったときに渡されていた名刺の連絡先に電話をして、今のこの車の中にいる。
今日は地下デュエル参加のための色々な準備をするということだった。
詳しいことは聞かされていない。
一部の隙もないスーツ姿に、こちらからではその中を全く見通せないサングラス。
真一文字に引き締められたその口からわたしが聞いたのは、本当に最低限な事務的なことばかり。
今どこに向かっているのか聞かされないまま、わたしはかすかな振動に揺られ続けていた。
961 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:13:06 ID:9tEKgFjY
「ここが控え室です」
案内されたその部屋は、ひどく殺風景で狭い場所だった。
「不満がおありのようですね」
「いえ、そんな……」
全く変わらない平坦な口調の彼女に、実際には2回しか使わなかったプロリーグの控え室とのあまりの落差に愕然としながらもとりあえず否定の返事をする。
それに、今のわたしにはこれぐらいがお似合いだとも思えていたのも事実だった。
「ランキングを上げていけば、それに応じて待遇も良くなっていきます」
別に慰めるわけでもないんだろう、ただ事務的に彼女は教えてくれる。
「では、これから貴女にはテストデュエルを受けていただきます」
「テスト……ですか?」
「試験官相手のデュエルを観戦した方々の中で、スポンサーになっていただける方がいた場合のみ正式に参加が認められます」
テストという単語にわずかにざわめいた、こんな状況でもわずかに残っていた自尊心の欠片。
それを、スポンサーを見つける為だと自分に言い聞かせて飲み込んだ。
「了承していただけたようですね。
 では、まずはデッキチェックを行いますので、使用するデッキを見せてください」
事前に言われていた通り持参した、文字通りわたしのこれからの運命を左右するデッキを手渡すと、彼女はそれに一通り目を通していく。
試合前のデッキチェック自体は、プロは当然としてアマの大会でも行われている。
あくまでルールに違反したカードが入っていないかを調べるためだけの事務的なそれ。
だけど今のわたしは、さっきのテストという単語からこの瞬間もデッキの構築力を評価されているんじゃないかと、そんなことを思ってしまう。
固唾を呑んで見守る中、彼女がデッキの最後の一枚を確認して視線をあげた。
サングラスに遮られていて、わたしからは彼女の目は見えない。
なんとなく、デビュー戦で感じた一方的に見透かされているような恐怖感が込み上げてきて、足の先から頭のてっぺんに向けてぶるりと震えが走り抜けていった。
「はい、結構です。
 では続いて身体検査を行いますので、服を脱いで両手を挙げてください」
「……へ?」
一瞬、何を言われているのかわからなかったわたしは、思わずまぬけな声を漏らしてしまう。
けれど、少し遅れてその言葉の意味を理解した時込み上げてきたのは恥ずかしさではなく憤りだった。
「わ、わたしはもうイカサマなんて――!」
「落ち着いてください。
 これは別に貴女だけにしているわけではなく、規則で義務づけられていることです。
 非合法な地下デュエルとはいえ、勝つためなら何をしてもいいというわけではありません。
 むしろ表の世界とは桁違いの莫大なお金が動く地下デュエルだからこそ、徹底しなくてはならないのです」
感情を爆発させかけたわたしとは対照的に、全く表情を変えない彼女。
一瞬サングラスだけではなく精巧な仮面を着けているんじゃないかと思ってしまうほど、その態度は冷淡だった。
けれどその言葉自体は正論と言えば正論、わたしは遅れてやってきた羞恥心を必死の思いで抑え込み、上着のボタンに手をかけたのだった。
962 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:14:03 ID:9tEKgFjY
「もう、いいですか?」
同性とはいえ他人の前で裸を晒す。
それも強盗に銃を突きつけられた銀行員さながらに両手を挙げてだ。
大事な場所を隠すことも許されないままで体を360度全方位から、そして脱いだ服や下着に至るまでの念入りなチェックが終わったのを見計らってそう尋ねる。
この羞恥の時間があと1秒でも長引けば、本当にそこから火が出そうなほどの顔の火照りを自覚していた。
「結構です――」
その返事を聞いて一秒でも早く肌を隠そうと服に手を伸ばしたとしたわたしを制したのは、続けて放たれた彼女の言葉だった。
「――ただし下着を着ける前に、これを装着してください」
差し出された彼女の手には、小さなリングが3つ乗せられていた。
銀色のそれは一見したところ指輪みたいで、でもそれにしては少し小さすぎる気がする大きさ。
「あの、これは?」
とりあえず服で体の前面を隠しながら彼女を見上げる。
それに対して告げられた言葉に、わたしは今度こそ自分の耳を疑ってしまった。
「乳首とクリトリスに装着するリングです。
 私達の地下デュエルでは、選手はこれの装着を義務付けられています」
「………………なっ!?」
「予めある程度勃起させておかないとうまく嵌らないのですが、自慰行為の経験はありますか?」
二の句が告げないわたしになんてお構いなしで、淡々と、その内容から考えたらありえないくらい淡々と言葉を続ける彼女。
「どうやら、ないようですね。
 では今回は私がしますが、次回からはきちんと自分でやっていただくようお願いします」
「え、ちょっ……」
彼女がすっと近づいてきて、その事に本能的な恐怖を感じて下がろうとしたわたしの胸に、その右手を伸ばしてくる。
獲物を狙う蛇を連想させる長い腕。
「ゃ、いやっ」
反射的にその手を払うと、パンッという妙に乾いた音が狭い部屋の中に響き渡った。
それであっさり手を引く彼女。
けれどそれで浮かんだわずかな安堵は、彼女の次の行動によって完膚なきまで打ち砕かれることになってしまった。
「私です。
 何人か人を」
彼女は一切表情を変えないまま、懐から取り出した携帯電話にそう告げた。
963 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:15:19 ID:9tEKgFjY
「や、やだ、はなしてよぉ!」
新しく部屋に入ってきたのは、どちらも女の人だった。
それでも2人がかりで向かってこられれば、わたしに抵抗なんてできるはずもない。
為す術もなく床に倒されて手と足を押さえつけられる。
それだけで、わたしはもう身動き一つ取れなくなっていた。
「お、おねがい、やめて!」
わたしをここまで連れてきた彼女の右手が、今度こそわたしの胸に触れてくる。
「つっ!?」
彼女の細くて長い指が、あまり大きくないことがコンプレックスになっていたわたしの胸の、その中心を摘みあげる。
そんなに強く摘まれているようには見えないのに、それでもわたしは痛みを感じて顔をしかめてしまった。
「今回はあまり時間がないので直接しますが、自分でする場合は最初は間接的に刺激した方がいいでしょう」
この期に及んでも事務的な口調を崩さない彼女に、わたしは得体の知れない戦慄を感じ始めていた。
けれどそんなわたしの内心とは裏腹に、直接捏ね回される右の乳首は見る見るうちにその体積を増していく。
「く……ん……」
それにつれて刺激の種類が痛みから別の何かに徐々に変化していく。
そのせいで、わたしは変な声を出してしまわないよう必死に唇を噛み締めていないといけなくなった。
「これくらいでいいでしょう」
こんな状況でも感じてしまいそうになっていた恥ずかしさのあまり直接彼女を見れなくなったわたしにそう告げると、彼女はさっきのリングの一つをぷっくりと膨らんだそこに自然な動作で宛がってくる。
彼女の体温が移っていたおかげか、思っていたほど冷たくはなかった。
でも――、
「ひっ!?」
いきなりリングが縮んで乳首を締め付けられる。
驚いて目を白黒させるわたしと、何事もなかったように左の乳首に手を伸ばす彼女。
どうして、こんなことになってしまったんだろう。
理解の範疇をこえてしまっている異常な事態の只中で、わたしはそんなことを考えていた。

「これで準備は完了です」
残りの2ヶ所への行為は、思っていたよりも遥かに早く終了した。
恥ずかしすぎる時間が早く終わってくれたことに安堵しつつ、けれどそれは最初の行為である程度反応してしまっていたということ証明してもいるから素直に喜ぶことはできないことだった。
それでもとにかく終わったことは確かなわけで、今度こそわたしは急いで服を身に着けていく。
その間も勃起した状態でリングに締め付けられている3ヶ所からは、少し動いただけでも痛みと快感の混ざり合った感覚が生まれて気になって仕方がない。
「ではテストデュエルの会場へ案内します」
それでもようやく服を着ることができて人心地つけたわたしに、結局最後まで変わらなかった表情と口調で彼女はそう告げたのだった。
964 ◆ETHbySbttU :2006/11/22(水) 05:26:20 ID:9tEKgFjY
とりあえず現在スレ容量が480kbを超えていることもあるので、今回はここまでで続きます。
続きは早くても週末になってしまうと思いますが次スレを立てたほうがいいでしょうか?

ちなみにこれは本来前置きに書いておくべきだったんですが、個々のカードを始めとして世界観に関しては遊戯王の世界です。
ただ登場人物自体は原作とは無関係です。





965名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 22:35:50 ID:EH2M/83H
GJ
966名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 08:50:50 ID:lVN/a4qL
967名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:25:15 ID:U75m54PC
GJ!まさにエロ遊戯王ですなw
968名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:26:06 ID:U75m54PC
って何で次スレの誤爆してるんだ俺orz
スマン
969名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:12:47 ID:NrtK4RSn
次スレたったんだから埋めない?
970名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:33:50 ID:5y6MsqLP
ume
971名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 02:45:01 ID:ShyTq69R
zawa
972名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 10:39:23 ID:yAPx9mbg
ume
973名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 13:18:53 ID:ShyTq69R
zawa
974名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 17:54:53 ID:yAPx9mbg
ume
975名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:10:05 ID:ShyTq69R
zawa
976名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:29:16 ID:yAPx9mbg
ume
977名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:51:13 ID:ShyTq69R
zawa
978名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:35:01 ID:7MA8xr9V
tomio
979名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 16:25:07 ID:L21Wu+cK
ume
980名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 16:50:10 ID:gjFmc0NA
zawa
981名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:28:37 ID:L21Wu+cK
ume
982名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 03:03:21 ID:xbtn2WVq
zawa...zawa...
983名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 04:16:33 ID:QWIwpshT
tomio...tomio...
984名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 11:24:10 ID:D/VQxrkZ
umeumeume
985名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 02:22:26 ID:JBMNUPdD
u
986名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 02:29:36 ID:jTB9PudI
mezawa tomio
987名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 11:01:20 ID:o1v/sCEl
ume
988名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 12:10:16 ID:jTB9PudI
zawa
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