俺「三橋、散歩に行くぞ 用意しろ」

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111fusianasan
ナイスポジションだぞきつみは
朝飲んだバナナジュースが発酵していたのかな、胃の調子がイマイチだよ
昨日もそうだったからしばらくは飲まないでいようか・・・

【桃尻太郎】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1343485849/897

白狐の神様からわかりやすく説明された廉でしたが、やはり少し難しすぎて頭が混乱してしまいました
“業ってなんだろう?魂に刻まれるって、レンが刃物で痛い目にあうのかな・・・痛いのは嫌だな・・・”
などと考えていると、白い靄の向こうから自分に向かって白いものがやってくるのが見えました
“なんだろうあれ・・・白いおっきな・・・ぶ・・・犬だっ!阿部くん?”
やってきたのは大きな白い犬の阿部でした
「よう、神様から話は聞いたか?やっぱり難しすぎて理解できなかったか・・・」
阿部は廉の様子から、全てを察しました
「お前がレンの生まれ変わりでもレンそのものじゃない
レンはその前の誰かの生まれ変わりだし、その誰かも誰かの生まれ変わりだ
魂は同じでも、生まれ変わってしまえば別の人生だ それは理解出来るな」
廉はちょっと考えて、うん、なんとなく・・・と答えました
「・・・まあいいか んで、生きていくうちには色々な事があってその人生の中で消化できればいいが
うまく出来なくて、次の人生に課題を持ち越すこともある
例えば、レンは子供の時から男たちに身体を売って生きることを余儀なくされた
そして人生が終わる直後までそれは解消されなかった それが次の人生の課題として魂に業として記憶された」
ああ、なるほど・・・と廉はつぶやきましたが、阿部には廉が100%理解しているか不安でした
「そして生まれ変わって廉としてこの世にお前は生を受けた訳だが・・・
お前、子供の時から変な事があっただろ?鬼に誘拐されたり、男たちに尻を狙われたり
それはな、レンから受け継がれた人生の課題のせいでもあるんだぜ
男たちからの性的な視線や行為をこの廉の人生で克服する、神様はそれを利用させてもらってこの世界を救おうとしたし
俺たちはお前が業を克服しやすくなるように色々と助けてきたんだ
男たち相手に見世物をやってきただろう?あれもそのその一つだ」
確かに見世物を始めた時は恥ずかしくて仕方がありませんでしたが
慣れというのは恐ろしいもので、最終的には恥ずかしいけど気持ちいいし、嫌じゃなくなったのは事実でした
112fusianasan:2012/09/10(月) 16:24:27.30
「そして鬼が島で鬼たちを性的に散々な目にあわせた
あれによってレンが男たちにされた酷いことを鬼を身代わりにして復讐し、レンの業を解消させることができたんだ
もう、レンは悲しんでいないし、泣いてもいない ただ・・・今世のお前にはちょっと影響が残るかもしれないがな」
レンはもう大丈夫・・・ そう聞いて廉はほっとしました でも影響って・・・
「あ・・・それはまたおいおいとな とにかく帰ろう」
阿部は廉を連れて現実の世界に帰ろうとしました
「廉・・・阿部の言った通りです この世界を救ってくださって感謝します ありがとう」
白狐の神様が深々と廉に対して頭を下げました
「そ、そんな・・・俺・・・」
「あ、そうだ神様よ あの約束忘れてないだろ?頼んだぜ」
「はい、ちゃんと覚えていますよ ではまた・・・」
神様は空中を飛び上がり、くるりと一回転するとあっという間に消えてしまいました
「本当にわかっているのかな・・・まあいいか 廉、帰るぞ」
阿部は廉の先になって靄の中を歩き始めました
「まっ、待って阿部くんっ!」
「ちゃんとついてこいよ こんなとこではぐれたら一生戻れなくなるからな」
廉は阿部の横にぴったりとついて、一緒に歩き始めました
しばらくは二人、黙ったまま先へと進みましたが、廉は気になっていた事を阿部に訊ねました
「あ、あの・・・神様との約束って・・・阿部くんは神様と知り合いなのかな?」
「ん?気になるか?俺と田島と泉の三人な、次に生まれ変わるときは
ちゃんと人間として生まれ変わらせるって神様と約束してたんだ」
113fusianasan:2012/09/10(月) 16:26:39.85
「それって・・・」
「ああ、前にいた世界で俺が人生を終わらせるときに、あの白狐の神様がやってきてな
お前の手助けをするために自分の世界に来てもらえないかって頼まれたんだ
ただし、人間ではなくて動物として生を受けることになるけどどうだって
田島も泉も同じだったらしい 
だから俺たちは二回目の転生からは人間として、そしてお前と共に有りたいと神様と願い
それは約束として叶えなれることとなった
お前は気が付かなかったかも知れないけどな、俺たちはお前が小さいときからずっと見守ってきたんだぞ」
「阿部くん・・・」
「そうだ、レンが死んでからの話もしてやろうか
あの後レンの爺さんが悲しんで落ち込んで大変だったんだが、孫の敵討ちとばかりに俺の親父に依頼して
お前を苦しめた奴らを洗い出して完膚なまでに叩き潰した 
お陰である国が一つが無くなったよ 
それからも爺さんは長生きして国は更に栄えた
レンの従姉妹のルリ姫は前から好きあっていた大臣の息子を一緒になった 
俺の国はシュウが次の領主になって更に繁栄した
俺はシュウの補佐をし裏の仕事を更に発展させて一生を終えた それでお終い」
「阿部くん・・・俺・・・阿部くんたちが動物になってまで俺を助けてくれるなんて・・・どうお礼を言っていいか・・・」
「ああ、気にすんな 俺たちが好きでやったことだからな
ほら、もうすぐ出口だ」
阿部が示した先には靄が切れて、まぶしい光が差していました
廉はその眩しさに目を瞑ってしまいました
その瞬間、身体が宙を浮く感覚を覚え、廉は意識を失ってしまいました

続く