http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1248784499/248 ※少し未来の話 捏造しかない注意
「三橋のじいさんちの話、したことあったか?」
食べるのをやめてしまったおれの手からフォークを奪って親父はぽつりと聞いてきた。
おれが黙って首を振ると、親父は「…そうか」と言いながら、ホットケーキを口に運んだ。
「…あいつの実家じゃないんだが、本家って言ったらいいのかな、群馬ではそこそこ有名
な家らしい。一番知られているのは私立の学校を経営していることだな。あと他にも会
社をいくつか持っているんだが、最近じいさんが引退して代替わりしたんだ。それでま
あ、後を継いだじいさんの息子たちが帳簿なんかの洗い直しをしたら、結構な赤字だっ
たんだとさ。お前にはこんな話難しくてわかんねーよな…」
くやしいが親父の言うとおり、おれにはムズかしすぎる話だった。
それに、三橋さんのおじいさんがなぜ関係してくるのかがわからなかった。
「あいつの親も前からじいさんの手伝いをしていたんだけど、そんなに経営状態が悪くな
っているとは気づかなかったんだな。それであいつも連帯責任みたいなものがあると思
い込んじまったんじゃねーかってのは俺の想像なんだが、外れてはいないと思うんだ」
「…もっとわかりやすく言ってくれよ」
「今までのは前置きだ。簡単に言うと、三橋の親がすごく困ってるってことだな」
「じゃあ、お父さんを助けるために出て行ったのか?」
「…結局はそういうことなんだろうと俺は思ってる」
「でも、それならここにいてもいいじゃないか。あっ、しばらくあっちに行ってて留守に
するとかって話?」
「だったらよかったけどな…。あいつ他の男と結婚するって言って出てったんだよ」
「なにそれ!?」