(仝ω仝)「阿」

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687思い出   ◆hf2h1o.4Ko
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1246462898/130
※少し未来の話。捏造多数注意


あれは三橋さんが来て2年目の初夏だっただろうか。
季節はずれの風邪を引いて熱を出したおれは学校を休んだ。
三橋さんはおれを病院に連れて行こうとしたが、だるくて起きたくなかったし、そんなに
高い熱でもなかったので、家で寝ている方がいいと言ってぐずった。
「…で、でも お父さんに頼まれてるし…」
「いいよ、寝てたら治る」
「…えーと…、どうしよう…」

三橋さんはあの泣きそうな顔になって親父に電話をした。
おれが病院に行きたがらないことを伝えて、向こうが喋っていると電話なのにコクコク頷
いていた。
おれはなんだか悪いことをしたような気持ちになって布団に潜り込んだ。
少し経ってからベッドの側に誰か来てすとんと座った気配がした。
「…あのね、このまま寝てて大丈夫なようなら、病院行かなくてもいいって」
現金なおれは布団からすぽっと頭だけを出した。
「ほんとっ!?」
三橋さんは眉が下がっていていつも少し困ってるみたいに見える。
「…ほんと。だけど、もしひどくなるようなら、何て言っても病院に連れてけって 言わ
 れた」
「もうーっ、父さんはオーボーだよ!」
「そんな、ことない お父さん は、やさしい」
「どこがぁーっ」
「…ゼンブ…」