http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1240219075/536 ※女装注意
「お前も休憩貰ったのか さっさとコスプレしちゃってんなんて早ええな それ昔の服だろ? もっと派手なのにしろよ」
膝を抱えたまま三橋は田島を見上げる。その酷く怯えた感じは入学したばかりの頃を思い出させた。
顔が少し泥まみれっぽい感じだ。誰かに苛められたんだろうか?後で聞き出さにゃあな。
もっとも三橋の場合、単にけっつまづいて転んでいる可能性もあるが。田島は三橋をまじまじと眺めた。
「派手 な の 先生に怒られな い?」
「怒る訳ねえだろ ここはそういう場所だぜ」
「い いの?」表情がやおら明るくなった。
「何だよ、来てるんだったら水谷もヒトコト言ってくれたら良いのに
なあ、どんなのにする?やっぱ可愛いのがいいよな」
「え えっと 花柄のスカートが着たい そ それとレースのブラウス と」
「へえ、じゃあ、こんなのどーよ」
田島は白いレースのペチコートの付いた小花柄のサーキュラースカートを差し出す。
三橋はにんまり笑って頷いた。
「よしっ それじゃあ上は白っぽいブラウスがいいよなー」
「あ、今手にしている襟にレースと刺繍の付いているのが良いで す」
「辛気臭え服なんてさっさと着替えちまえ、ほれっ」
田島は選んだスカートとブラウスを三橋に押し付けて指で更衣室に行けと指図した。
三橋は顔を上気させて衣裳部屋から出て行った。
「俺だって着たいもんねー 何にすっかな?沢山有って決められねええええ
三橋にスカートとブラウス勧めたから俺はワンピにすっか」
散々迷った挙句、田島は3着程をわしっと抱えると衣裳部屋を後にした。
衣裳部屋を出ると三橋は既に着替え終わっていて田島のいたテーブルに、ちょこんと座っていた。
「おう、ちょっとまっててなー、俺着替えたら直ぐ行くから 写メ撮りっこしようぜー」
田島の言葉に三橋は再びにっこりと笑った。
三橋はスカートが余程嬉しいと見えて足をブラブラさせてスカートがヒラヒラするのを満面の笑顔で眺めている。
着替え室に入った田島は子供の頃に姉や母親が着替えているのを必死に思い浮かべた。
「確かワンピは途中までファスナー上げとくと楽ちんだよなー」頭からすっぽりかぶって着た感じを鏡で確認する。
セクシー狙いでボディコンなワンピースも羽織ってみたが、出っ張りと引っ込みが無いと格好が付かない事が判明した。
水谷はよくアレを着こなしているよな、やっぱ偽乳の効果は大きいのか?!田島は頭を掻いた。
>>295 田島は無難な所でピンタックとりぼんが大量に付着した花柄のワンピースを着る事にした。
ウエストの所は友布でこさえた紐を引っ張ることで調整するようになっている。
成る程、これなら凹凸が無くても調整して着られる。そういえばアニキの嫁さんも妊娠中こういう紐付きの着ていたっけ。
鏡の前でくるりと回ってみせる。うんうん、結構いいじゃん。これならソックスも違和感ねーし。
田島が勢いをつけてカーテンを開けたは多少の照れが有ったからかも知れない。
周りが一斉に引いたら直ぐにカーテンを引けばいいし、笑いが起きれば自分も笑い飛ばしてしまえばいい。
じゃん、と言ってスカートをヒラヒラさせて見せた。ただ三橋だけがニコニコと手を叩いて笑っていた。
周りが女装しているのばっかりだから、目立たないのだという事を田島は失念していた。少々ばつが悪くなって苦笑いをした。
三橋が不意に立ち上がり田島の後ろに回った。
「背中のファスナー上がりきってない です あ、上げます このまま」
「おあ、上げ足りなかったか?さんきゅーっ」
ファスナーを上げ、後ろの鍵ホックを閉めると前に回って、もう大丈夫と、三橋は前に手を合わせた。
三橋の手が掠り傷だらけで指に絆創膏が貼られているのが目に入った。
「なんだよ、その指の絆創膏、怪我したのかよ エースが怪我したら怒られんぞー」
三橋ははっとすると田島の腕を掴んで教室の外に出た。
廊下を走りながらきょろきょろと辺りを見回す。田島が制してもどこ吹く風といった感じだ。
「ど、どうしたよ、衣装着たまま外に出ると怒られんぞ・・・って、気付かれずに出てきちゃったけど」
「えっと 背の高い坊主頭の人、探してマス お礼が言いたくて」
「沢山いんだろー、坊主頭」
田島の腕を引っ張ったまま、三橋は人の溢れた文化祭会場の校舎の廊下を進んでいく。
あれ?三橋、俺より背ぇ縮んだか?手も何か小っちぇえし?あれれ??田島が疑問に思うも三橋の歩みは止らない。
「こ こんなに人が多いと思わなかった どうしよう、余り時間が無い のに」
「時間?ちょっと遅れたくらいなら泉に怒られる位で済むだろ
そんなに焦る事はねえよ」
「あ、そ それは駄目ですっ 時間はちゃんと守らないと」
「俺も一緒に怒られてやるって で、どこで会ったんだ?背の高い坊主って」
「さっき会ったんです ここの生徒だって言っていて・・・高女なのに男の人って変だなって思ったんだけ ど
ここ、男の人も女の人も 沢山」
「文化祭の最中だから余計に人が多いんだよ」
“こうじょ”って何だろう?と田島は疑問に思うも、その時は何故か聞いちゃいけない気がして敢えて聞こうとはしなかった。