http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1235790324/991 その次の日、まだ薄暗い早朝のことだ。
バターン!と凄まじい物音が俺の部屋のドア向こうから聞こえてきた。
ぎょっと目が覚めた俺は、恐る恐るドアを開けようとすると何かがドアの外でつっかえている。
何だろうと覗き窓から外を見るものの何も見えない。いや、見えた!何か下の方にいる。何かいる‥。しかも動いてる!
10センチ程開いたドアの隙間からにゅっと手がでてきた。
「‥と、とけちゃう‥」
震えるような情けない声がした。
***
冬だというのに部屋を冷房でガンガン効かせ、キンキンに冷えたお茶を三橋の前に差し出した。
ドアの前に倒れるようにして行き倒れていたのはこの少年で、昨日俺が雪だるまにお供えした女性ものの褌ランジェリーを身に付けモッズコートを羽織っている。
「もしかして‥雪だるまさんですか?」と聞いたら「み、三橋です」と言われたので三橋というのだろう。
三橋は、ぼそぼそとお茶のお礼を言ってこのくそ寒い部屋の中で、コップの中から氷を取り出してボリボリと食べ始めた。
先ほども『とけちゃう』などと言っていたが、この様子は、雪だるまというか雪男というか‥。
俺からするとダウンとマフラーで防寒しても足りない程寒いなのに。
じっと見ていることに気づいたのか、三橋はもじもじとし始めた。
「あ、あの、これ‥」
三橋は身に付けている女性用の褌ランジェリーを指差した。
「着心地 すごくイイ、です。柔らか くて 」
そのしどろもどろの感想に俺は嬉しくて思わず泣きそうになった。
売れてないけど生地にもデザインもこだわった商品で思い入れもある。
「あの、もっと氷‥いいですか‥」
「あ、すいません!」
俺は慌てて、常備してあるロックアイスの袋をそのまま渡すと三橋は嬉しそうに袋を開け舐めたり齧ったりしてはじめた。
「あっ!」
氷がつるりとすべり身に付けているブラジャーと平たい胸の間の隙間に入ってしまった。
「‥あひ‥キモチ、イイ」
雪だるま三橋は、氷をもう1つ取り出すともう一方の胸にも氷を滑り込ませ、ふうと息を漏らす。
何なの‥何なの‥この怪しげな雰囲気は‥!