阿部「ハゲが増えたな〜」

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472子宝飴
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1232214542/162


と、とにかく落ち着けオレ・・・!
つーかもうさっきっからずっとテンパりすぎだ。
とりあえず三橋がこう・・・アレでソレなのは棚に置く。置かせろ。
「・・・ちょっと待っとけ」
「うがふっ」
オレは三橋の顔をがっと手で押しつけて寝かせつけてから、体を思い切り伸ばして
椅子の上に置いといたスポーツバッグを取った。
足で挟んで左手だけでチャックを開ける。当然だがスマートにはいかない。
右手の生ぬるいのは垂れないよーにしなきゃなんねーし、こんな時に限ってチャックが抵抗してガチャガチャいうし
三橋は見てっしつか見んな! 三橋なんも言わねーし!
すっげえことしたよーな気がすんのに、なんか妙に間抜けでものすごい、
なんつーか、
・・・気まずすぎる・・・!
「・・・」
なんとかタオル取り出して、自分の右手拭いてから裏返して三橋の腹を拭いてやる。
「・・・あ、ありが とお・・・」
「・・・おー。」

三橋の腹をじっと見ながら、オレは手を動かしキレイになった腹を拭き続けた。
ちょっと体を起こした三橋は黙ったままオレの頭頂部をじっと見ている。視線が痛い。
図書室は静かだった。
オレたちの衣擦れの音しかしない。
図書机はナナメってて、三橋が座ってた椅子は倒されてる。よくよく見ると三橋のシャツは
ボタンがいくつかどっかいってる。やべえ椅子もボタンも全然覚えてねえ。
図書室も、三橋も、オマケに子宝飴までもが美しい夕焼け色に染まってる。なんだこのシチュエーション。



オレの喉がごくりと鳴った音は、部屋の中で妙に響いた。