稲III「足がない男の子がいたんですよー」

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807影法師
また修正
投下の間があいたら試験休みにした筈が2日後くらいに練習していた orz
http://set.bbspink.com/eromog2/kako/1213/12138/1213821984.html640
上の1〜5行目を差し替え(wiki修正済み)

俺がどれだけ悩もうと時間は関係なく流れてゆく。
誰がどこから聞いてきたのかわからないが、そろそろ期末試験の日程が発表されるらしい。
日誌当番だった俺は、締めのミーティングが終わってからせっせと今日のまとめや自分が
感じたことを書いていた。
他のメンバーは、着替えをしながら今日はどこに寄るとかマンガの新刊が出るから買わな
きゃとか、練習後の高いテンションのまま楽しそうに話している。
複数の話題が飛び交う中で文章を書くのは少々疲れた。

前回分
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1225683468/662

電話は三橋の家から、正確にはおばさんからだった。
後で聞いたら別に急ぎの用ではなかったらしい。
俺はとうとう三橋の中に踏み込んでしまった。
今思えば、いずれこうなるかもしれないことは朧気に感じていたような気がする。
愛だの恋だのはむず痒いしよくわかんねえけど、三橋といるといつもの自分とは微妙に調
子がずれるのは自覚している。
三橋はまるで、外から見ても中に何が入っているのかわからないビックリ箱だ。
俺は出てくるものがその都度違うのに苛々してどきどきして……引きつけられる。
808影法師:2008/11/10(月) 03:28:04
>>807

三橋と俺をよく知る人間にもし俺の心情を打ち明けたら「お前はカン違いしている」と断
言されるだろう。
俺が三橋の投球に惚れこんでいるのは周知の事実だからだ。
でも絶対にそれだけじゃない。誰にわかってもらおうとも思わないが、三橋を腕に抱き込
んだ時、俺の頭の中はすーっと静まって凪いだ海みたいになることがある。
ごちゃごちゃとうるさい世界から切り離されて、ただ2人きりになったような錯覚。
自分の気持ちを率直に認めてしまえば、その先にあるのは明るい明日か果てしない後悔か。
後悔はしたくない。
したくないけど…。

期末試験を控えて部活は試験休みに入った。
時間を合わせて少人数ずつに分かれ苦手科目を教え合う勉強会もすっかり恒例となった。
オールマイティな西広はともかくとして、大方のヤツはこれでずいぶん助かっている。
中でも三橋と田島はこれだけは大丈夫、という科目がないので、この時期は練習に振り向
ける力を試験勉強に注ぎ込まなければならない。
今日も休み時間に花井が各教室に行って声を掛けていたので、放課後になると7組にみん
なが集まってきた。
英語中心にやって後は暗記物の要点チェックでもしようかと予定を決める。
俺は教科書とノートを広げ、2人置いて斜向かいに座っている三橋をさり気なく観察した。


おやすみはし