秋丸「ミハしり追〜いし香具山〜」

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http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1222529975/609

/三橋

徹夜明けの朝練は大変で、ランニングは結構つらかった。
授業の1時間目はほとんど全部眠ってしまって、2時間目も寝ちゃいそうだったからオレは教室を出た。
どっか、見つからずにちょっとだけ寝させてもらえそうな場所はないか、探してみた。
そしたら、中庭で沖君に会った。沖君も保健室に入りづらくて、隠れる場所を考えていたそうだ。
いっしょにそろりそろりと探検した。でもどこも見つかりそうで、自転車に乗ってグラウンドまで来てしまった。
「もう限界だぁ…」
たたんだタオルを枕にして、並んで倉庫の横に転がった。もう涼しいから、日影じゃなくて葉っぱに透けた日が半分ぐらい当たるところだ。
ちょっとだけのつもりだったのに、田島君に起こされたときはお昼をとっくに過ぎていた。
オレたちが全然帰ってこないからみんなが捜索隊を組んで、田島君がカン・オブ・ヨバンという力でオレたちを見つけたらしい。
よくわからないけど、田島君は、すごい な!
監督には内緒にしてくれて、オレたちは代わりに阿部君と花井君に頭を握られた。
沖君にごめんなさいを言ったら、花井君の頭ニギリはあんまり痛くなかったみたいで、オレは少しだけ安心した。

次の日にあった秋の県大会初戦は、みんなが打ってくれたおかげで勝った。
オレも沖君も、1日ですっかり元気になっていた。

初戦の翌日、中村さんからメールが来た。

あさって2回戦なので行きません
それから、もう行かないです
ごめんなさい

返信を送ろうとして、オレは最後のごめんなさいを消した。