阿部「三橋、オレの事どう思ってんだよ」

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340春 花見て笑う ◆tdEt/nly/.
県警内のいい加減さは目をつぶって下さい
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2件目の現場をこなした後お昼過ぎに一旦本署へ戻る。
この時期、やれ花見だ、いざこざだで本署の出入り口はごった返しているのだが流石に昼時間直後の駐車場は空いていた。
「しかし、堪えるな 2件とも調書の翌日とはな」
「は はい、こんなの今まで無いです」
若い刑事の声は震えている。俺だってねえよと年上の刑事は吐き捨てる様に言った。
「死因とそれに至る状況はほぼ同じなんですよね」若い刑事の声は今にも消え入りそうだ。
廊下は事のほか声が響く、歩きながら年上の刑事は声のボリュームを落とす。
「そうだ 全員が失血による死亡だ 死ぬって事に関しちゃ前立腺の欠損はオマケだよ
それと茶色の欠片が気になるな、さっきの現場にもかなりの数が落ちていた」
「犯人は何が目的なんでしょう 被害者の死ですか?それとも特定臓器なんでしょうか?
あの飴色の欠片で犯人を絞り込む事は出来るでしょうか?」
「特定臓器ね・・・前立腺でいいだろうよ」
若い刑事は下を向きながら何だか嫌なんですよ、と独りごとの様に言った。
「怨恨でしたら殺すだけで充分でしょう、なのにどうして臓器を取り出してしまっているのか
あの臓器に何か意味はあるのか だとしたらどんな目的で集めているのか」
「まあ、それが本当ならコレクションって所か?」年上の刑事の言葉に若い刑事は震え上がった。
「えっえーっ・・・」
「まあ、心配する事はねえだろう 今ん所犠牲者は三星学園の中高校生の連中だ お前は狙われる事は無いよ」
「そっそんな事、分る訳無いじゃないですか」
「そうか?そうかもしれない うん まだ判っていないもんな 多くの事が」
若い刑事は小声で犯人のプロファイルを思いつくまま羅列し始めた。年上の刑事は若い刑事の言葉を遮った。
「お前ね、そんなの部外者にに聞かれたらイカンだろうよ、 一つ安心できる事教えてやるよ」
「あ 安心できる事って な何ですか?」
「欠損していた前立腺、あまり綺麗に切り取られていなかったと報告書にあったよな」
「それが何か」
「コレクターなら、そういう不細工な事はしないんじゃないか?組織が随分残っている遺体も有ったと聞いている」
「じゃあ、一体何が目的で、あえてそんな面倒な事を?」
「それをこれから調べるのが俺達の仕事」若い刑事の背中を軽く叩いた。やけにいい音が廊下に響いた。
341春 花見て笑う ◆tdEt/nly/. :2008/09/20(土) 16:45:17
>>340
捜査本部のドアを開けるとコーヒーの匂いが鼻を突いた。
これが可愛いお姉ちゃんのいる喫茶店ならいいのにと年上の刑事は思った。
端末向こうから気配がする、上司がいる様だ。
「只今戻りました」刑事2人は気まずさから声を合わせた。
「おかえりなさい 廊下での推理は避けてくださいね、情報漏洩に繋がります、それと」
しまった、小声で喋っていたつもりなのに聞かれていた、刑事2人は顔を見合わせた。
「廊下でのお話は、報告書に入れておいて下さいね、余さず頼みますよ、それから
明日の埼玉行きは、私も同行します、お願いしますよ」
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