三橋「ハーター が サイン くれないんだ・・・」

このエントリーをはてなブックマークに追加
764偽りの螺旋・崎玉の場合
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1221728841/110 おやすみはし。
頭を下げられて、俺はちょっと困ってしまう。
「お祭りなんだから、まあいいよ」
「そうですか。すんません」
もう一度下げた頭を元に戻したイッチャンは、ホッとしつつも、目玉が忙しなく動いてこちらに視線を合わせない。
一応、高級品の愛玩人相手に、あ〜んな事してんだから、ビビるのも仕方ないか。
人によっては愛玩人に目茶苦茶思い入れが有ったりして、裁判沙汰になってるのも時々ニュースで聞くもんな。
俺もレンに思い入れが無い訳ではないけど、たかだか試飲程度の飲酒だし、本当にまあいいよ、だ。
だからと言って、これ以上イッチャンの心が落ち着くような事を言わなきゃならない義理もないし、と俺は口を開かなかった。
イッチャンも自分から何かを言い出すきっかけも無かったんだろう。
一瞬の空白の間。
我知らず「喉が渇いた」と、俺は呟いてた。
キョドキョドと普段のレンばりの挙動不審なイッチャンは弾かれたように立ち上がる。
「水、汲んできます!」
言うなり返事も聞かず、教室を駆け出して行った。いや、あの、水。ですか?嬉しくないよ、嬉しくない。
第一、未だぐずる大地君と相変わらずなレンを俺にどうにかしろと言うのか。酷いヤツだな、君は。
「すずきぃ、俺、も、喉、渇いた」
レンの言葉に、脳内でプリプリするのに熱中していて反応が遅れた。ま、一応俺も酔っ払いだし。
音が言葉だと脳に浸透する前に、ヒラリと俺の膝に乗ったと認識する間もなく、レンは俺に口付けをし、舌を差し込んできた。
エルエルと舌を絡めるレンの後ろで目の前の事態に目を丸くする大地君が立ち尽くす。
一気に涙も引いたのか、呆然としているように見えるのに、その下半身が反応をしている。
ああー、普段こういう職場にいるせいで忘れがちになるが、普通の人々にとって『性』は秘め事なんだよなあ。
16歳までの児童は性的な知識や行動等に厳しく制限が掛けられているが、それ以降の年代には、かなり緩いと思う。
だが、やっぱり回りに言いだしっぺがいないと『性』って無くても毎日が過ぎちゃうんだろうな。
ゴメンなー大地君。なんてぼんやり考えているうちにレンがジュルジュルと俺の涎を啜りだす。
うへえ、勘弁してくれと、顔を離すと、悲しげな顔でこちらを見る。
「鈴木、オレ、まだ、喉、カラカラ」
俺の方がお前に水分吸い取られて、口の中パサパサに乾いて死にそうだよ。
文句を言おうとした途端、レンが俺の膝から滑り落ちる。いや、床に降りたのか。
余りにもその動きが滑らかだったので、落ちたのかと思った。
床にぺたんこ座りをしたレンは、俺の割った膝の間にから頭を出してこちらを見る。
「ミルク、頂戴」