目にゴミが入って痛い。三橋、舐め取ってくれ。おやすみはし。
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1221566283/691 「あのぉ」
溜め息をつきつつ、お兄ちゃんに声を掛けるとヒッと声を上げると同時に後退り、頭を下げた。
「す、すんません、すんません!全部オレのせいです!うぅっ、本当にオレってやつわぁああああ!!」
大声を上げるので、俺達に一気に注目が集まる。
「いやほんとに、考えなしですんません!俺、馬鹿で!あぁああぁぁあああああ!」
どうしよう、逃げ出した方が良いのかなと迷っていると、人ごみを掻き分けて登場した男がいた。
「どうしたんだ、大地!」
「あっ、イッチャン先輩!お、オレ、オレ、オレぇぇえええぇぇえええええ!この人に猿酒、試飲してもらっちゃったんですよぉうぅおうぅうおぉおお!!」
自分の叫びで余計にテンションが上がったのか泣き出す大地君とやらに、ドン引きなイッチャンはチラッとこちらを見て、俺に絡みつくレンを見て目を剥く。
「う、あ、大地!愛玩人にマスターの許可無く飲酒させたのか!?」
「え、愛玩人?あ、ああぁああ!!本当だ!」
気付いて無かったのか……と、レンの赤い首輪を引っ張って俺から引き剥がす。
「いやぁん、すずきぃ」
甘ったれた声を出しても甘えさせてやらん。それでなくても荷物が多いのに。
それにしても、レンがこんなにアルコール耐性がないとは思わなかった。
DB(デザインボーン。遺伝子操作で生まれた人間の事。愛玩人は含まない)だったら、分解酵素を持ってるかどうかは必須検査項目に含まれているが、愛玩人にやったりはしない。
愛玩人に嗜好品であるアルコールを摂取させる必要がないからな。
のんべで自分の愛玩人と裂け酌み交わしたいって客から要望がありゃ検査もするけど、自家用じゃあね。
ヘベレケのレンと恐慌を起こしている大地君を前に、イッチャンはこちらを怯えつつも縋る様に見た。
ひとまず、衆目の集まらない所で一息つきたい。
「あの、どっか、休憩できるところ、ある?」
俺の言葉に、イッチャンは大きく頷く。
「そう、そうですね!こちらへどうぞ」
大きな体でボロボロ泣く大地君の手を引き、俺はレンを抱きかかえながら後に付いていく。
普段は教室に使われているんだろう。懐かしい匂いがする部屋は彼らの屋台の本拠地なのか、学生向けのバッグが幾つも転がっている。
「すんません、あ、椅子」
勧められた椅子にレンを座らせてから、俺は手近な椅子に腰を下ろす。ようやく涙の波も引いたのか、ヒックヒックとしゃくりあげる大地君も促されるまま腰掛ける。
叱られるのを待つ顔のまま、イッチャンは俺の前に立った。
「すんません、オレの監督ミスで、こんな事になってしまって」