ハナイ「応援ホントにありがとうございました!」

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691偽りの螺旋・崎玉の場合
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1221566283/113 おやすみはし。
俺の言葉にレンはようやく落ち着いて、うん!と返事をする。
「オレ、あ、あれ食べたい!」
……いきなりかよ。でもまあ、指差した先の牛串は美味しそうなので買う事にする。
「色んな種類食べたいからわけわけな〜」
ふひっと笑うレンを尻目に俺は牛串に被り付く。旨い。ヤバい。
半分……もうちょっと食べても良いよな……後一口……。
のっけからかなり不平等な分け前になってレンは何も言わないが、かなり涙目だ。
「ほれ」
「う、あ。あ、ありがとう」
んーまあ、金出してんの俺だし、別に良いよな?って言うか、旨そうにモシャモシャ食べてるし。
と、レンの態度に一瞬、罪悪感なんぞを感じてみたりしつつ、次の屋台を物色する。
「あータイ風カレーだって」
「う、旨そう!」
よしじゃあそれだ!俺達はお互いを見交わして、力強く頷く。
これからの敵は胃袋の余裕と財布の余裕だ!大丈夫!きっと大丈夫。手当たり次第に目に付いた屋台に突撃する。
広島風お好み焼き、シシカバブにタコスとかのみっしり調理系も、魚の塩焼きや焼きおにぎり、バタジャガ等の素材系も旨いぃ!
俺達は次々と胃袋に美味しい物を詰め込んでいく。やっぱり、二人で分けて正解だな。
ちょっと喉が乾いても、大丈夫。飲み物も充実している。
果実を絞った生ジュースに自家製のお茶やハーブティー、各種醗酵飲料も選り取りみどりだ。
「猿酒いかがっすかー!色ーんな種類の果実!使ってまーす!」
紙コップを沢山乗せたお盆を持っているお兄ちゃんが目の前で叫ぶ。
「一つ頂戴!」
小銭と引き換えに俺は原始的なアルコールを手に入れる。
一口、口に含む。ふーむ、これはなかなか。粗野な味がなんとなく新しい。
思ったよりも度数の高いアルコールに俺はにんまりする。収穫祭万歳。
一気に喉に流し込むと、レンが俺にもたれかかって来た。
「ん?」
押し返しても、なお体を預けてくるのに、不信感を抱き、レンを見る。
「すずきぃ、こえ、おいしい、ねー!」
酔っていた。勘弁してくれ。つーか何故だ。
いやまあ、犯人はすぐ傍でお盆を持ったこのお兄ちゃんだろう。