通行人「iph○ne購入待ちの行列長いですねー」

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219偽りの螺旋・三星の場合
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1219946477/813
おい何で俺なんだ。違うだろ。恐る恐る叶さんの顔を伺う。
何を考えているのか、叶さんは無言で笑顔になった。
「ひとまず、これを来ようか」
どこから出してきたのか、ナース服を手に持っている。
「おお、すごい!本格的、だ!ですねー」
レンが手を叩くと、叶さんはレンの手を取り、二人して衝立の向うへ消えた。
ここに来るたびにいつも思うが、たかだかこんな町の診療所がオリジナルのナース服を使わなくても良いじゃないか。
それがまた伸びる素材なのか立体裁断なのか、体の線がよく分かると言う、病気を治すのには甚だ不必要な代物だった。
隠れて見えない向こう側では叶さんが手取り足取り着せているようだった。
途中からなんか演技指導が入っている。うん、まあ、好きにして下さいよ。ひとまず俺が患者役じゃなかったら、何でも良いですよ。

しばらくして衝立から出てきたレンはそれを、しっかり着こなしていた。
むっちりとした尻と太腿がそれなりの太さの腰周りを細く見せて、立派にウエストと言い張れそうだった。何よりも。
「胸?」
「ブラですよ。パッドも少々」
自慢そうに言うことじゃないとは思ったが、俺は感心した振りをする。
普段見掛ける看護師のスカート丈よりも大分短い裾からは白いストッキングに包まれた足が伸びる。
おまけに、頭にはナース帽。十分、看護師に見える。
「ふーん、結構いいじゃないか」
俺の言葉にレンは笑みを零し、クルンと一回転した。
「うん、本当に立派な看護師に見えるよ、レン君」
叶さんに目配せされ、俺は椅子に座ったまま床を蹴り、キャスターの音高く部屋の隅へと移動した。
別に凝視しなくても良いだろう。俺は本棚から適当に興味深げなタイトルの医学書を手に取った。
患者役は免れたとホッとしつつ、ページを繰って目次を確認し、目に付いた項目のページに目を落とす。