家臣「上様!上様!!」

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740ケモノの憂鬱 ◆Z6TNEi.Aqw
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1219386319/623
※阿部獣化、いろいろ捏造注意


騒がしい親子が出て行くと部屋は何事もなかったかのように静まり返った。
おばさんの手を止めるためとはいえ、随分なことを言われたもんだ。
俺はダニの巣窟扱いされた屈辱に牙を剥き出しグルグル唸りながらも、人間に戻るために精神
を集中させた。
血液が集まりこめかみがドクドクと脈打つ。
体の内側から溶け崩れるような眩暈を伴う慄きに全身が強ばり、俺の意識はプツリと途切れた。
気が付くと裸で床に転がっていたが、脱力感がひどくてすぐには起き上がれなかった。
掃除が行き届かなくてうっすらと綿埃の積もった床を見ながら、俺の気持ちは段々と沈んでい
った。
……あいつは俺をそんなに好きじゃないのかもしれない。
自分で言うのもなんだが、俺は態度がでかくて口うるさくて何よりセックスがしつこい。
それに、三橋は豹になっているのが同居人だとバレないようにしたかったというより、母親を
俺から守ろうとしたのではないだろうか。
いくら人間に害を為すつもりがなくても何があるかわからないから、それはそれで正しいこと
だが割り切れないものが残る。
俺は服を着ると三橋たちが戻ってこないうちに部屋を出た。