阿部「三橋やんのにでかくて困ることねーよな」

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323偽りの螺旋・田島の場合
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1216566618/905
田島が空間にデータを開く。見ると、貯金通帳で、凄い残高が記されていた。
「……何、したんだ?」
訝しげに尋ねた俺に、田島はへっへーんと、鼻の下を擦る。
「契約金だよ!来期から、俺、プロの野球選手になるんだ!」
おお、それはそれは。おめでとう、おめでとうと、田島を囲んで、全員で思わず拍手をする。
「しかし、まだ16だろ。高校とかはどうすんだ?」
「辞めるよ。てか、これだけあれば、レン、買えるよな!」
押されて俺は思わず頷いた。実際、これだけあれば、新品の愛玩人、数人余裕で囲えるだろう。だが。
「つか、新しいのでいいじゃん。レンの記憶そのまま移し変えれば同一人物だよ」
「違うよ!俺は、レンが欲しいの!」
「じゃあまあいいけどさ」
「うっしゃー!」
田島が勢いよくガッツポーズを取る。
俺は話題の中心であるレンを見た。そのレンは困惑していた。なんでだ。
「レン?」
「う、あ、すずき」
「良かったな。身請けして貰えんぞ」
プルプルと、首を振る。
「どーしたー、レン?」
田島がレンに抱きつく。
「オレ、オレ、どうなる、の?」
「レンはうちの子になるんだ!」
田島が即答するのに、レンは涙目で首を振る。
「ち、ちが、う。オレの、記憶とか、そーゆーの」
「田島が、レンの記憶が有った方がいいならそれで。それでなかったら、記憶全消去だよ」
俺の言葉に田島が目を剥く。
「記憶、消さないでよ!そしたらレンがレンじゃなくなるじゃん」
そりゃそうだろうなあ。
「ただマスター登録が、なあ。
全消去したらそれは関係なくなるんだが、残すんだったら、俺がレンのマスターだったって記憶がレンに残るんだよ」
「んん?それが、なんか問題になんの?」