ホラー注意
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1216141000/103 グラウンドに集合した部員達からことの概要を聞いた百枝と志賀は、愕然とした。
「順番」に関してだけは偶然の可能性もあるので安易に口にする者はいなかったが、各選手が背負う番号と同じ本数の傷を目の当たりにし、事態の異様さを悟る。
浜田からのメールにより、ただひとつの心当たりも消滅した。むしろ「消滅した」と思わなければ、気が狂いそうだった。
「ストーカー」とあだ名されたあの男子生徒がこの凶行を行っているのだとしたら、それは生きた人間の仕業ではないということになる。
薄気味悪いスコアボードのプリントを見つめ、志賀は眉根を寄せた。
「泉と水谷の傷は、確かにあったものが消えたんだね?」
「はい。でも花井は足だったので、病院では確認しませんでした」
「わかった、明後日の月曜みんなで形成外科へ行こう。どういった傷なのか調べることからも、何かつかめるかもしれない」
一同が頷くのを見て、その前に、と続ける。
「少なくともこの紙は、呪われていると思い込ませて精神を傷つけるやり方だね」
温厚な教師の声が、低く怒気をはらむ。
「あの、先生」
田島が手を挙げた。全員の視線を集めながら、まっすぐに志賀を見る。
「オレさっき、犯人、幽霊かもしれないって思いました」
まわりの空気が一斉にびくりと振動した。
「やめろ、そんなわけねーだろ」
「べつにふざけて言ってんじゃねーよ」
阿部と田島が口論になりかけたが、止めようとする者達の顔色も悪い。
「田島君、聞かせて。他にもそう思った人がいるみたいだね、全部言っていこう」
百枝の指示に、田島と栄口が中心となって話をする。
毎日グラウンドに現れた人物は、百枝の記憶にも新しかった。