ホラー注意
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1215876056/538 【6】
同じ病院に収容されていた花井と泉を、三人は少しだけと許可を得て見舞った。
意識のない彼らは顔色こそ良くなかったが、起こしたら起きそうなほど普通に眠っていたことを全員にメールで伝えた。
田島と水谷は、共に自宅へ翌日の早朝戻ることを連絡してそのまま三橋の家に来た。
仕事で遅めに帰宅した三橋の母が大急ぎで用意した夕食を平らげ、三橋の部屋に入る。
話がしたかった。これが「生贄」の意味だとしたら、きっと自分達にも同じ災厄が降りかかる。
オレ思ったんだけど、と水谷が言った。
「なんかの発作って、苦しいとこ押さえてうずくまるもんだろ。鏡割るとか、変じゃね?」
田島と三橋が頷く。普通に考えれば、思い切り腕を振った時に当たったか、割るつもりで故意に叩いたかの二択だ。
「花井、何かぶん殴ったのかな」
田島がふと漏らした言葉に、三橋と水谷は目を合わせ、徐々に青ざめた。
「ゆ、幽霊とかが呪い殺しに来たってこと?つか、オレらのとこにも来るってこと!?」
「知らねーよ、呪いのことなんか!」
水谷は何か言いかけたが、三橋がおろおろしているのを見てやめた。
「に、西広君、のろい のこと、調べてくれてる!ハマちゃん、も、あの人の こと…」
「そーだった!幽霊とかじゃねーよ、アイツがデスノートみたいなのやってんだ!」
怪談に出てくるような怨霊が人をとり殺すのと違い、生きた人間の行うそれは、どんな方法で対象を襲うのだろう。
考えても、呪詛の儀式など想像もつかなかった。
恐怖は尽きないが、花井も泉もすぐに病院で処置を受け、見てきた通り命に別状はない。
誰かと一緒にいるか、すぐ助けを呼べる状況にあれば、たとえ何か起こってもきっと大丈夫だと頷き合う。
「早速なんだけどさぁ…一人で風呂入んの、怖くね?」
何を言っても、いつも三橋と田島の視線だけは冷たくならない。水谷は、この二人と来て本当によかったと思った。