http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1214573293/857 エロ無し
三橋を招き入れて座らせると、おれは風呂場に飛び込み3分弱でシャワーを済ませて出てきた。
ばあちゃんたちに構われて小さくなっている三橋の姿に、去年うちでバイトしてくれたときの
ことが思い出された。
「あのさ、2人で話するから、これ縁側に持っていっていい?」
三橋の前に山と置かれた西瓜やトウモロコシや枝豆を別皿に取り分ける。
どれも朝採った新鮮なものばかりだ。
三橋には麦茶の入ったコップを持ってもらい、おれは先に立って案内した。
居間から続く部屋を挟んだ奥の和室から縁側に出ると、一瞬涼しい風が通り抜けた。
三橋と並んで腰を下ろし、真ん中に皿を置いて「いっぱい食べろよ」と勧める。
おれがトウモロコシを1本取ると、三橋もおずおずと手を伸ばしてきた。
しばらく黄色い粒々に無言で齧りつく。やっぱ採れたて最高!うまい!
「お、おいしいね」
三橋がおれを見てニコッと笑った。
「なあ三橋、今なにしてるんだ?大学…どうなった?」
ちょっとストレートすぎるかなとは思ったけど、一番気になっていたことを聞いてみる。
「あ、う、受かったよ。補欠だったけど、入れた。あの、実は、阿部君と同じ 大学、なんだ。
学部は違うけど、倍率低いところ 選んで、うまくいった」
「ちょ、阿部なんで教えてくんねーんだ!?つか、よかったなあ!お前アタマ悪いって自分で
言ってたけど全然いーじゃねえか!よくがんばったな!」
「え、ヘヘ…ありがとう、田島君。あ、阿部君にも 受かったこと、言わなかったから、ずっ
と 知らなかったと、思う…」
「なんで?お前阿部と同じ大学に行きたかったんだろ?おれのせいか?」
聞きたいことを畳み掛けるように質問して三橋の目をじっと覗き込む。
急に顔を近づけたおれに驚いたのか、三橋は反射的に体を引いた。
茶色い瞳がじわじわと水を含んで睫毛の先に小さな水滴がいくつも煌めく。
「あっ、ゴメン、言いたくなかったら別にいいんだ!」
人を追い詰めるような言い方をしてしまうおれはあわてて付け足す。
「ち、違うんだ、オレ、この頃ヘンで…田島君は、気にしないで ほしい」
三橋は手の甲で目をぐいと擦って、庭の方に視線をやった。