>>820 時間なくてここまでしか書けなかった エロ無しスマン
「うおーーーい!みはしーーーっ!ひっさしぶりだなあ!!」
おれのデカい声に三橋はビクッと飛び上がらんばかりに驚いたようだ。
野菜を踏みつけないように細い道をダダッと走って用水路を跨ぎ三橋の側に行くと、相変わら
ず壊れたゼンマイのおもちゃを彷彿とさせる挙動不審な動きでアワアワしていた。
「こっ、こっ、こんにちは!田島君、めっ、目がいいんだ、ね」
「おおよ、おれたまに視力3.0あるんじゃねーかって思うんだ!」
「すっ すごいな、田島君は」
半年以上も会っていなかった三橋はなにか変わったような気がするけど、どこがどうとははっ
きりわからない。
元々は、おれが高校生のとき野球部のチームメイトだった阿部が一人暮らしをしているア
パート(下宿だったか?)で隣に住んでいた男だけど、野球絡みで知り合って阿部抜きでもた
まに会うようになった。
それが行き先も知らせず突然引っ越したって阿部から聞いて、三橋を結構気に入っていたおれ
はかなり気落ちした。
三橋がおれに相談を持ちかけてきた時、よけいなことをしたせいで阿部と気まずくなった節が
あるので、三橋がいなくなったと聞いた後阿部に謝ったら「お前のせいじゃない」とは言って
くれたけど、おれの心には溶けないしこりのようなものが残った。
だから、今おれに会いに来てくれてものすごくうれしい。
「元気だったか!?うちに来いよ、トマトも西瓜もトウモロコシもあるぞ!」
「あっ、あの 田島君…」
「んーと、もしかしてどっか行く途中だったのか?わりぃ、気が付かなくて」
「あ…ううん、違うんだけど、いいの かな…」
「なーにエンリョしてんだよ!行こうぜ!」
「あ、ありがと 田島君」
今日どこかに出かけなくて正解だった。
もしおれがいなかったら三橋はそのまま帰ってしまってもう会えなかったかもしれない。
聞きたいことはいっぱいあるけど、とりあえず三橋が元気そうでよかった。
家に向かうまでの短い間、おれはなにから話そうかとワクワクしていた。