俺「これから検尿なのにたぎってきた 」

このエントリーをはてなブックマークに追加
269彼女がいる三橋
ttp://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1213778185/284
ピョアー注意

三橋と彼女の交際は継続中のようだ。
ズボラで投球しか取り得のない三橋に女子との交際が続くのか、どうせすぐ別れるだろうと踏んでいたのに予想外だった。
どこまで進んでいるのだろうか。
野球部の活動は早朝から夜まで続くハードスケジュールであるからにして、下校デートなぞ望めない。せいぜいメールや電話のやりとりや休日にジャスコに行くくらいだろう。あいつにまともなメールや電話ができるのか。
デレデレしながら電話をしている三橋を思い浮かべてみようとしたが、まるで想像がつかない。
きっと相手がよほど根気強いのだろう。

「練習見に来たりしないの? 三橋の彼女見たい!」
いつだったか水谷が能天気に持ちかけていたことがあった。KYもたまには役に立つ。三橋の彼女がどんなかオレも興味があったので耳をそばだてて聞いていた。
三橋は曖昧に笑い「見られてると集中できない、し、邪魔になると悪い から」と答えた。
「全然邪魔じゃないよー! 来たらいいのに!」
声高に繰り返す水谷に「朝、はやいし、夜 遅いから か、可哀想」と首を振る三橋にフェミニストな一面をかいま見て少しショックだった。彼女のことをいっぱしに気遣っているのか。もしかして案外亭主関白なのだろうか。
自分のことしか考えられない奴だったと思うのに恋愛は人を成長させるのか。
それともオレが知らなかっただけで、三橋はもともとそういう奴なのか。
オレの知らない三橋がオレの関せずところで増えていく。どうにも不愉快だった。

バッテリー会議でオレと三橋が残っていたときだった。ひと通り終わり部室で私服に着替えていたときだ。三橋のシャツのボタンがコロンと落ちた。部室の床の上をコロコロ転がりオレのつま先で止まりパタンと倒れた。
「ほら」
拾い上げ三橋に渡すと「あり、ありがとう」あたふたしながら三橋が受け取った。
「なくすといけないからポケット入れろ」
三橋の胸ポケットを指し示し言うと、「お、おぉ!」と感嘆の声をあげた。そんなに感心するようなことだろうか。意味がわからない。

「何だよ」
「う、うん。……ちゃんも同じこと 言ってた」
「へぇ」
「しっかりしてる 人は 違う、な」
「彼女にボタンつけてもらったりしたのか」
「うん。こ、こないだつけ、てもらった。すっごい 上手 だ」