三橋「ハグハグ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
415影法師
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1211389502/811
※鬱注意

「前に三橋君がちょっと変わったみたいだって言ったの覚えてる?」
俺は記憶をたどったが、はっきりとは思い出せなかった。
「すみません、覚えてないです」
「謝らなくていいよ。私も確信してたわけじゃないしね」
「…はい」
「三橋君はずっと1人で野球していた。三星学園での話だよ。ヒイキでなった使えないピ
 ッチャーだってみんなに思われて、試合ではキャッチャーからサインももらえず、自分
 で配球を考えなければならなかった。打たれるのは全部三橋君の責任だった」
「……」
「だけど西浦に来てから、だんだんチームで野球をする意味がわかってきた。阿部君の配
 球で三振も取れるし、打たれても守備がしっかりしていればアウトにできる」
監督の話がどこに向かうのか俺にはまだわからない。
「最初から自分には何もないと思っていれば、人はいくらでも強くなれる。…強いってい
 うのとは本当は違うんだけど、少なくとも他人を当てにしない分メンタル的には崩れに
 くい。三星学園との試合を思い出してもらえればわかると思う」
三橋に中学時代を払拭させる目的も含めて組まれた練習試合は、初めてということもあっ
て強く印象に残っている。