俺「うちジェットコースターあるんだぜ、遊びに来いよ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
811影法師
>>797   ※鬱注意

冬の気配が近くなり、練習も早めに切り上げられるようになってきた。
ある日の練習後、監督に呼ばれた俺は田島に三橋を送る役を頼んで部室に残っていた。
監督が何を話すつもりなのか俺には心当たりがあった。
三橋は頑張っているが、投球の調子が今一つ戻らないのだ。
だがこれからは基礎練習や体をつくることがメインになってくるので、俺はそれほど問題
だとは思っていない。
俺としてはできれば今の三橋が不安になるような練習の変更などはしてほしくないと思う。
ガラッと戸が開き、ジャージ姿の監督が入ってきた。
「お疲れさまです」
監督は椅子に座ると俺をじっと見た。
「…なんで呼ばれたのかわかってるって顔だね」
「はあ、なんとなくは…」
「三橋くんのことなんだけど」
そらきたと思いながらも俺はかしこまって監督が話し始めるのを待つ。
「よくない…っていうより、悪くなっているのはわかってるよね?」
少しずつでもよくなっていっていると思っていた俺は驚いた。
「えっ、そんなことないと思いますけど」
「阿部君がそう思いたい気持ちもわかるけど、夏大の頃と比べたらかなり落ちてるよ…。
 ところで、三橋君と仲直りした?」
「あ、はい…」
俺は監督に言われたことがショックで、何も考えず反射的に返事をしてしまった。
「そう、よかった…」
監督はふと目を逸らして窓の方を見た。
すでに日は暮れて真っ暗なので、ガラスに俺と監督が映り込んでいる。


ここまで
最初から読み直すという自虐プレイで打ちのめされたよハハハ