田島「三橋、お前このチーム スキだろ」

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783fusianasan
スレタイの兄貴乙!

http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1211128748/398
After days

「どうした三橋、調子悪いのか」
「ふえっ!?」
駆け寄って来た阿部君が、覗き込むようにしてオレの顔を見た。
「な、何でもない、よー」
どうしよう、阿部君の顔が近い。びっくりして思わず上げた大声に、怪訝そうな顔をして阿部君がオレを見た。
急に自分が恥ずかしくなって、オレは下を向く。
「顔、赤いぞ。マジでどっかおかしいんじゃねーの」
心配そうにそう言うと、阿部君はオレの頬に手をあてた。その感触に一瞬、身体が震える。
「ほ、本当に何でも、ナイ、よっ」
慌てて阿部君から身体を離す。ぶんぶん首を振るオレに、阿部君がふうっと息をついた。
「そうか? だったらいいけどよ。熱もなさそうだし。調子悪かったら、すぐに言えよ…って、あれ」
何かを発見したように呟くと、阿部君は今度は急にオレの手を掴んだ。
「いつの間にこんな所にマメ、出来たんだ」
つられて手の平を見ると、右手中指の関節あたりに小さな豆が出来ていた。
まだ柔らかいから投球には差し支えないと思うけど、下手に大きくなったりしたら大変だ。
「まあ、これ位なら大した事ねーかも…念の為明日はカーブ練習なしにすっか」
ぶつぶつ呟きながら、阿部君がゆっくりとオレの手を揉みほぐす。
手の平を丹念に圧して、それから一本一本、指をさすってゆく。
784fusianasan:2008/05/20(火) 07:46:28
>>783

そうして阿部君の指がオレの指の股をかすめた瞬間、つい、オレは阿部君の手をはねのけた。
阿部君が、驚いたような顔をしてオレを見ている。
「ご、ごめんなさ、…」
「いや、構わねーよ。何かあったら、すぐ言えよ。無理はすんな」
だけど阿部君はそう言ってニッと笑うと、またキャッチャーボックスの方へ戻って行った。
…どうしよう。阿部君に触られたところが、熱い。
それだけじゃない。最近、阿部君が近くに来るとドキドキする。
近くで声を聞いても。側で体温を感じると、それだけで動悸が激しくなる。
ダメ、だ。こんな事考えてちゃ。
阿部君はあんなにオレのことを考えてくれて、オレがエースになれるようにって一生懸命やってくれてるのに。
だからオレも阿部君の気持ちに応える為に、頑張らないといけない。
オレが頑張ることで、皆の、そして阿部君の夢に一歩でも近づけるのなら。
オレのこんなみっともない気持ちは押さえないと、ダメ だ。
「三橋、ラスト!」
オレに向かって、阿部君が手を上げる。そしてミットを構えた。それに向かってオレは球を投げる。