三橋「あべくんそうにゅうしてください」

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398fusianasan
>>390

眠りにつく前にいつも思い出すのは、最後に見た阿部君の顔だった。
訳もわからず阿部君の部屋にいたオレが、迎えに来たお母さんと一緒に帰ることになったあの朝。
どうしてこんなことになったのか。また阿部君に迷惑かけてしまったんじゃないのか。
そう考えると申し訳ないやら、いたたまれないやらで、オレはとてもじゃないけど阿部君の顔を見ることが出来なかった。
阿部君がオレのことをどう思っているのか、考えるのも恐ろしかった。
きっと呆れているかも。もしかしたら、軽蔑しているかも知れない。
そう思うと本当に怖かったけれど、でもやっぱりお礼はちゃんと言おうと思って、阿部君の部屋を出る時に思いきって顔を上げた。
驚いた。
怒っているわけでも呆れているわけでもなく、その時の阿部君の表情がすごく辛そうに見えたから。
まるで何かを言いたげに、苦しげに顔を歪めている。
初めて見る、阿部君の表情。こんな表情の阿部君、今まで見たことがない。
…何で、阿部君はこんな目でオレを見るんだ。
何だか自分がとても酷いことをしているような気がして、結局オレはそれから阿部君のほうを振り返ることもなく、逃げるようにして家に帰った。

この三日間、オレはいったい何をしたんだろうか。



とりあえずこの辺で。それではよい朝をー