三橋「きょ、今日は何の日でしょう!?」

このエントリーをはてなブックマークに追加
180西浦コンビニに強盗が入った
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1210954950/107

指先一つさえ動かすのも億劫で仕方がなかった。
どうすればこんな気持ちなくなるんだ。
どうすれば楽になれるんだ。
どうすれば三橋はオレのこと、見てくれるんだ。
「三橋……っ!」
かたかたと指先が震えた。
三橋を押さえつける為の腕にもう力が入らない。
このまま崩れ落ちてしまいたかった。
そうして三橋の体でも抱きしめていられればこの震えは止まるんだろうかとそう思ったのに。
「阿部君……」
押さえつける力がなくなって自由になった三橋は逃げ出さず、そのままぐるりと体を反転させた。
怯えとも驚愕とも違う目がオレをじっと見ている。
逃げたくなったのはオレのほうだった。
三橋の目は怖い。
なにもかも見透かされているような気が時々する。
きっとオレの思い込みに違いないんだろうけど、そう思わせるだけの感情がオレの中に泥みたいにして溜まってる。
「さ、さっき、ね、あの……」
三橋の手がオレの腕を擦る。
白い肌の上に赤い痕が残っていて、痛々しさを感じさせる腕が、オレの腕を撫でて、支える。
「阿部君が言ったの、もう一度、聞きたい」
「さっきって、いつだよ」
わからないふりをするみたいにして、力の入らない指先を三橋の首に回した。
指先に少しだけ力が戻ってきたような気がする。
でも震えはまだ収まってない。
それを誤魔化すみたいに皮膚に指を強く食い込ませた。
ぐっと喉が締まって三橋の顔が苦しそうに歪むのが見える。
「勝手に死んだら殺してやる」
さらに力をこめると三橋が悲鳴みたいな鳴き声を喉の奥から絞りだした。
いっそこのまま力をこめて、本当に殺してしまえばすっぱり楽になれるんだと思う。
いままで一度も三橋を殺したいと思ったことなんてなかった。