http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1208869267/572 ※エロなし注意
(一行改行)
「ああ、うん、ちゃんと受けた。……どうかな、まあまあだったと思うけど…。うん、わ
かってるって、大丈夫……。ん、それじゃまた」
家に電話をして父親に報告を済ませると、俺は夕食を調達するためコンビニに入った。
今日の分はもう終わったことだから、チェックは後でゆっくりやる。
明日の科目にざっと目を通して早く休まなければ。
俺は弁当の入ったビニール袋をガサガサさせながら下宿に戻り、三橋はどうしたかなと気
になったので迷惑かと思いながらも部屋を訪問した。
「…はい」
ノックに対しての返事はあったが、開けられる気配はない。
「阿部だけど、ちょっといいか?」
相変わらずギギッと軋むドアを開け、三橋がひょこっと顔を出す。
「よお、早かったな。試験どうだった?」
「…う〜ん…、半分くらい、できた と思う…」
「ま、終わっちゃったモンはしかたないよな。明日も同じくらいに起きろよ」
「うん、阿部君は、できた?」
「そこそこできたと思うけど、どこで間違ってるかわかんねえからな」
俺は、三橋の肩越しに見える室内が妙にすっきりしているのに違和感を覚えた。
こいつはお世辞にも片付け上手とは言えない。
持ち物が少ないにもかかわらず、三橋の部屋はいつもとっ散らかっていた印象がある。
この時期部屋を整理整頓する心のゆとりなんてはっきり言ってないはずだが、一体どうい
う風の吹き回しだろう。
俺だって極力散らかさないようにはしているけど、掃除はしばらくしていなかった。
「なあ、お前の部屋スゲー片付いてんな。こんなにキレイなの初めて見た」
俺が何気なく言った一言に、三橋はうろたえ無意味に手をばたばたさせた。
三橋の言動が理解し難いのは毎度のことだ。
俺はそのことについて別に気にも留めず、「明日も頑張ろうな」とだけ言って、自分の部
屋に帰った。