阿部「三橋!東京へいくぞ!」

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564四畳半のウサギ 3
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1208687839/666
※エロなし注意

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土曜日。
ついにセンター試験の日を迎え、俺は緊張して早く目が覚めた。
三橋にとってはある意味力試し的なものかもしれないが、俺には本番そのものだ。
去年とは違い体調は万全だし、大家さんが有り難くもトンカツを用意してくれている。
着替えて顔を洗うと三橋の部屋のドアを叩いた。
「…お はよう」
「おはよう、大家さんとこ行こうぜ。…お前寝癖ひでーな」
「え、そ…かな」
一生懸命髪を撫でつけようとしている三橋が段を踏み外さないように目を配りながら階段
を降り、母屋の玄関に回った。
「おはようございまーす」
「おはよう。今呼びに行こうかと思ってたのよ」
「わざわざすみません」
「いいから上がってちょうだい」
恐縮しながらダイニングテーブルに着くと、ほかほかのご飯と香ばしく揚げられたトンカ
ツ、それに湯気の立つみそ汁がすぐに2人分並べられた。
「たくさん食べてね」
「ありがとうございますっ!」
「…ありがとう、ございます」
三橋と「いただきます」と手を合わせ、一口一口噛みしめて味わう。
この1年間はあっという間だった。
まさかの不合格、いろいろ悩んだ末の浪人、家族に気を使わせたくないという理由での一
人暮らし、ここで出会った三橋…。