http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1208532008/45 ※エロなし注意
センター試験まで1週間を切った。
もうこの時期になると今さら焦っても仕方ないので、ペースダウンして過去の引っかけ問
題の見直しとか苦手な部分の再確認とか当日持参するものに抜けがないかとかの最終チェ
ック的なことをしている。
三橋の本命は私大だけど国公立も受けるそうだ。
送られてきた受験票を見たら、俺と三橋は同じ住所なのに試験会場は別だった。
収容人数とか申し込み時期の関係かもしれない。
年明け前に当日の朝一緒に出ようと約束していたけれど、あれはまだ有効なのだろうか。
最近は三橋と顔を合わせても一言二言話すくらいで、どんな風に過ごしているのか全くわ
からないが、健康上の問題は今のところなさそうだ。
三橋に手を振り払われてから俺もなんとなく気まずくなって、三橋に渡そうとしていた御
守りは食器棚の上の段にしまわれたままだ。
さすがにどうにかしなければならないと決心したのは試験の2日前。
夜の10時頃になって重い腰を上げたものの、三橋の部屋の前まで行ってから今度は時間
が遅すぎただろうかとなかなかノックする勇気が出ない。
やっぱり明日にしようかと引き返しかけた時、部屋のドアが開けられた。
「…あ」
俺の姿を見て三橋はあからさまに困ったような顔をしたが、今のこのチャンスを逃すこと
はできない。
「三橋、渡すの遅くなったけど受験の御守り。正月にお参りしてきたんだ」
簡潔に説明して中に御守りの入った小さな紙袋を三橋に押し付ける。