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http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1201804271/803 「まさか、お前……俺になんか、し、た?」
「しっ、してないっ!」
反射的に返ってきた否定の答えにほっとした。が、気付いた。
三橋はギギギギギと不自然に首を曲げて、俺の目を見ようとしねぇ。無理やり覗き込もうとしたら、
必死に視線をアサッテに向けていた。
ウソだな。
ブチーンと、どっかでなにかが切れる。
「てんめぇ! 俺になにしやがった!」
「ご、ごっ、ごめんなさっいいいぃぃいいぅぎぃいィいい」
俺は三橋のスッカラカンな頭に、力の限りウメボシをくらわした。
ぎゃんぎゃん列を乱す家畜に吠え掛かる牧場犬のごとく怒る俺。
べぇべぇ食後の牛のヨダレみたいに涙を垂れ流しながら呻く三橋。
これだけの騒動を起こしたら、さすがに他のやつらも俺らを気にし始める。またやってんのかと視線が痛い。
それに、休み時間はもう終わりそうだ。
こんな中途半端な気持ちのまま、部活を続けるなんて無理だ。
ちゃんと三橋から、お姉ちゃんだとか、俺にナニをしやがったのとか、聞き出さないと、俺の気がすまん。
「来い」
「う、うぇ」
「来いっつてんだろ!」
三橋の細い手首を掴む。手のひらに、柔らかでしっとりした肌の感覚が広がって、ぞくぞくした。
これが悪寒だったらいいが、どう考えてもそれは快感からくるもので、俺は泣きそうになる。
なんだこれ。
俺がなにをしたって言うんだ。
なになにとこっちを伺う部員を無視して、まっすぐに監督の前に行く。なんか、笑っているような、
驚いているような、そんな表情だ。
三橋が泣いているのはいつものことだが、俺まで半泣きなのは、ちょっと……珍しいなそれは。
俺は弾けて飛び散った脳みそをかき集めて再起動させると、顔をしかめてから嘘を並べた。