※捏造多数注意・エロなし
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1197131894/432,587,672-673 兄ちゃんが食べ終わるのとほぼ同時くらいに、三橋さんも床を舐め終わった。
だけど、体に付いた異臭だけはどうにもならない。特に三橋さんの髪の毛はかなりの量の尿が染み入っていて、鼻につく。
鍋を温めなおしたせいで、キムチとモツの匂いも再び部屋に充満していて、オレは気分が悪くなりそうだった。兄ちゃん、よくこの状況でうどんなんか食えるな。
「あべくん、でき、た」
口を拭って、三橋さんが誇らしげに兄ちゃんを見る。
うどんを堪能しながら様子を見ていた兄ちゃんが、鎖をちょっと引いて「言い直し」と言うと、三橋さんはハッと慌てて「ご、ごしゅじゅんさま、できました」と出しっぱなしで疲弊した舌でたどたどしく言った。
そこで、ようやく兄ちゃんは「うん」と満足そうに頷いた。
「よくできた」
「オレ、が、がんばった」
「うん、そうだな。ご褒美欲しいか?」
ご褒美、という言葉に三橋さんの耳がピクっと動いた・・・ように見えた。あと尻尾も。
「ほ、ほしい!」
三橋さんがのそのそと四つん這いのまま、兄ちゃんの足元に移動する。
キラキラ期待に満ちた顔が眩しい。お仕置きだったはずなのにご褒美も何もあるのか?
オレはとりあえず、成り行きを見ていようと傍観を決め込んだ。兄ちゃんの怒りがオレに向かってこなきゃ何でもいい。
「ケーキ。貰ったやつ好きなの選んでいいよ」
なんとなく企みのあるような顔をして、兄ちゃんはケーキの箱を開けて三橋さんに中身を見せた。
三橋さんは涎を垂らさんばかりの顔をして、ケーキを吟味している。
「オレ、これがいい!」
指差したのは、一人前用のブッシュドノエルだった。
切り株に見立てて、ココアクリームがたっぷり乗ったそれはクリスマスケーキの定番だ。上には可愛らしいクリスマスリースの飾りが付いていて、いかにも女の子が好きそう。
だけど、それより三橋さんの決め手になったのは、それが他のケーキよりも若干大きいからだろう。鍋の時も思ったけど、三橋さんって案外食い意地張ってるよな。
「これね」
フンフンと頷いて、兄ちゃんは楽しそうにそれを皿によそった。
三橋さんは、ワクワクしながら兄ちゃんから大人しくそれが与えられるのを待ってる。