じゃあ
>>116じゃないが投下
※今後エロ展開全くなし。ウンコもなし。完全にオチのみで続く。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1196956138/82 歩き出したはいいものの、どこもかしこも祭りに踊る高校生で溢れかえっている。人目をはばかる密談に適した場所っていうのも中々見つからないもんだ。
阿部とおれは当てを何回か外した後、結局、男子シャワールームのドアをくぐった。
「狙ってここに連れてきたわけじゃないからな」
ついさっき隣のトイレに入っていった二人組を目撃しているからか、阿部はいつになく声量を落として言った。
わかってるよ、と言外に態度で示したおれを見て、阿部は苦笑する。
「んなビビんなって。これ渡したかっただけだからさ」
尻に手をやって何やらごそごそ探っていたかと見るや、握り拳をこちらにつきだしてきた。
「なんか、話があるって聞いてたけど?」
「まず受け取ってくれ」
「う、うん」
阿部の拳の下に手を差し伸べたら、ずしりと重いものが落っこちてきた。金属の無骨さじゃなく、なにやら柔らかいものが手のひらの肌に触れる。
見てみると赤いフェルト地の袋に包まれて例のブツがあった。
「……預かっとけばいいんだよな?」
確認を取ると阿部は頷いた。
「そう。言っときてぇのはソコだよ。三橋はお前にはなんて言ってた?」
「直接は聞いてない。メールで、阿部と別れるからキーホルダー預かっててくれって」
あとなんだっけ、殴ってくれは置いておいて、そうだ。
「思い出の品だからとか言ってたな」
「そっか」
阿部はそのままおれの手元を眺めているだけで、いっこうに話が始まらない。
「それで、話ってなんだよ?」
「いや、そういうことだよ。三橋と距離とることにした。ただ、ケンカしたとかそういうことじゃなくってさ、お互いのことが嫌いになったわけでもねーし、そこんとこだけ誤解されると困る」
「なんか、それがまず分かんないんだけどさ。なんでお前らいきなし、別れる別れないとかの話になってんの?」
まずは三橋にただしたかったことなんだけど、人目があったから避けてきた疑問をおれは阿部にぶつけた。
「好き合ってんなら、なんでいきなりだよ」
「なんでって言われてもな」阿部は両肩をすくめた。「気づいたら、おれも三橋もキモすぎて」
何を今更、言ってんだこいつ。
と、おれは思ったね。