http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1196693478/320 「しっか、つかまってろよっ」
ぐええ、と呻きたいのを抑えて叫ぶ。胸元に回ってる三橋の手を引っ張って位置調整して。
背中におぶった体は鍛えてない身には重い、重いです安西先生!あとガンダムって立ち上がった後盛大に転んでなかったっけ、ダメじゃねえか。
イメージでは颯爽と失踪して保健室へ参上してるのに、よろけながら小走りしてる現実はすっげ滑稽。
「ごめ ん、な さい」
首にかかる息が熱くて、ぴとっとこめかみにくっついたほっぺたも熱くて、でも俺の胸の前でぶらぶらゆれてる腕には全然力なくて。
じゅず、と鼻を啜る音が三橋と接してる耳殻から頭の中に直接響く。骨伝導すげえ!股間にきそう!鼻水なのに!
「おんぶなんてするの、生まれて初めてだよ」
「う、ひ。重い、よ ね」
「んなことないよ」
重いって正直に言ったら降りて歩くって言うんだろうな。
こいつの考えることちょっとずつわかってきた。
みたらいくん、と名前を呼ばれる。
「なんだ。また吐きそうか」
「ちが う。みたらい君、は ヘイキ?」
ふう、と吐いた三橋の息にうっすらゲロの香り。こいつ胃酸強いのかな。匂いきつい。
さっき俺がもらいゲロしてたの気にしてんだろうか。
「もらいゲロっただけだから元気だよ」
体ゆすって何度か背負いなおしながら保健室についた。
ドアを開けたが誰もいない。授業サボってるし、助かった。
二つあるベッドのカーテンはどちらも開いていた。
三橋を下ろして奥の方のベッドに寝かせる。上履きはいたまま毛布にもぐりこもうとしやがったからばっちいだろつって脱がせた。
「ごめん ねー」
とろんとした目が俺を見上げて、普段は合わない視線がばっちり合った。
でかい目がやんわりと細められてる。
なんだろ、恥ずかしい、のか。落ち着かない。
水いるだろ、とごまかして三橋から離れた。