阿部「三橋!201は消してけよ!」

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61めばえ
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売り言葉に買い言葉ってやつだった。オレがそんな風に好かれてるのかどうかとかなんて、実際には考えたこともなかった。
ただ触れてくる阿部くんの指はいつも優しくて嬉しいもので、少なくとも、なんかがオレたちの間で交流してるって実感があったんだ。
でも、ほんとのところがどうなのかなんて分からない。
そうだ、人に好かれるってどういうことなのかなんて、オレはよく知らない。優しさを錯覚しているだけなのかもしれないんだ。
「本当に、阿部くんはオレのこと、スキじゃ ナイ、のか」
「そーだよ。好きじゃない」
「ホントに、ホントにホントっ?」
「ホントにホントにホント。おれはウソは言わない」
「ウソだよ」
本当だよって阿部くんは答えた。
「ホントだよ」
「じゃあ 阿部くんは、もうオレに、二度とウソ、つけない よ」
ほっぺたのチリチリがジリジリに変わった。阿部くんの手が当たった瞬間をオレはもう覚えていない。
でも、ほっぺたは忘れてなかった。オレの体はオレにウソを付かないんだって思う。
「ホントのことしか、言えなくなる、んだからね」
阿部くんはじっとおれの顔を見つめると、一瞬だけ口の端を歪めた。
「本当に好きとかねぇから」
別に期待とかしていたわけじゃないのに、オレはそれを聞いて気分が重くなった。
視線が自然と下の方に落ちていくと、阿部くんのでっかいちんちんにぶち当たる。
オレはこれも好きなんだけど、阿部くんはオレのちんちんのことをオレほどには好きじゃないのだろうか。
それとも、それこそ「ごっちゃにするんじゃねぇ」って怒るんだろうか。
オレのお尻、舐めたくせに。オレにはとてもあんなこと出来ない。
そうか、だからあの時にオレは勘違いしてしまったんだ。想われてるって、大事にされてるって思いこんでしまったんだ。
それで嬉しくなってオレの気持ちをぶちまけてしまった。
オレは臆病だ。好いてもらってるって確信が持てるまで自分の気持ちに気づかないなんて、保険かけてるって阿部くんを責める資格もない。
あ、そうか。今、オレは振られたんだ。
それで落ち込んでるんだ。
「……でもやっぱり、オレは、好きだから。それは、忘れないで 欲しい」
「だーかーら!やめろってそういうの。そういう風に何回も言ってると、自分でも最初から本当にそうだったって思いこんじゃうんだぞ。
 大体、好きだ嫌いだとかって、重くて嫌だね」