http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1192551889/519 昼休み、弁当食い終わってから自販機に飲み物買いに行くと、三橋がいた。
なんか財布の中見ながらもたもたしてるから、三橋の後ろに並んでる上級生がイライラしてる。
ああもう、何やってんだよ、小銭くらい並んでるうちに用意しとけばいいのに。
「どうした?」
その上級生に向かって軽く頭下げて、三橋の腕を引いて自販機の前から退かせる。
「あのっ こまかいのが、無くて…」
ああ、そうだ。ここの自販機、いまだに札が使えないんだった。俺はポケットに手を突っ込んで小銭を取り出す。投入口に金入れて、自分の牛乳買って、三橋のほう振り返って聞く。
「どれ?」
「え?」
「どれがいいんだ?」
「でもっ」
「ほら、待ってる人いるから」
「あのっ、じゃあ、それ…」
顎で後ろを見ろと示すとと、三橋はいちご牛乳を指差した。女の子みたいなもん飲むんだな。
「ん」
ボタンを押すとガコンと音がして、いちご牛乳が出てくる。さっき買った牛乳と一緒に取り出して、三橋に渡してやった。
「ほら、この自販機小銭しか使えないから覚えとけよ」
「ありが、とう…」
三橋はまた困ったみたいな、ほっとしたみたいな表情で俺を見た。
「ごめんな、さい。あっ、お、お金っ」
慌てた様子で持ってた財布を開くけど、何回見たって無いもんは無い筈だ。思わず苦笑した。
「小銭ないんだろ?今度でいいよ」
「うん…」
「じゃ、俺行くわ」
もう自販機の前には誰も残っていなかった。そろそろ昼休みが終わるんだろう。早く教室戻らないと。
歩き出した俺の後ろを三橋が付いてくる。そう言えば、こいつと二人で歩くのは初めてだなと思った。
三橋は田島や阿部と一緒にいる事が多い。俺とはクラスも離れているし、練習中も一緒に組むことは少ない。
半歩遅れて三橋は俺の後をついてくる。黙ったままだけど、さっきからチラチラと俺の方を見てくるのが気になってしょうがなかった。
続きは夜中に。