http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1192285725/38,54 ※鬱注意 仁義わっふるわっふる!
阿部君からはその夜「今日はごめん」と短いメールが来た。
この間渡された新しい携帯は、GPS機能付きのものだった。
阿部君と顔を合わせられなくて、次の日の練習は休んだ。
なにもかも思った通りにうまくいくなんて都合のいいことがあるわけないんだ。
オレは次の日も練習を休んだ。
次の日もまた次の日も。
授業が終わると、田島君たちに頭だけ下げて教室を出る。
早い時間に家に帰り着いたオレは、玄関にたくさん靴が並んでいるのを見て、
ちょっと嫌な感じがした。
リビングには4人の男の人がいた。
「廉くん、今日は突然お邪魔してすまないね」
1人は見たことある刑事さんだ。他の人もきっと警察関係なんだろう。
お母さんは申し訳なさそうにオレを見ている。
オレは自然と身構えてしまった。
「まだ何も思い出せないのかな、君はカウンセリングを受けていないそうだね。
本当は思い出しているから、カウンセリングが受けられないんじゃないのかい?」
4人の目がじっとオレに注がれる。
オレはたまらなくなって言った。
「…コンビニ、に行って帰ろうとしたら、後ろからなんか、で殴られたこと しか
わかりません…」
これ以上言うのは嫌だ。もう許してほしい。
オレは息を殺して待った。
「…そうか、それだけでも思い出してくれたんだね。ありがとう」
刑事さんたちが立ち上がった。帰ってくれるのかな。
「そういえば、廉くんは野球部でピッチャーをしているんだってね」
オレは1人の人に急に話しかけられてびっくりした。
「きっとすごくコントロールがいいんだろうね」
なんでそんなことがわかるのかな。