1 :
fusianasan:
ドリは禁止です。
2ゲトー
3ゲトー
みつけた!
(_(*゚∀゚ノリ ?
どうするんだ?
埋める
どうでもいいけどさ
埋め埋め
梅ー
しらんがな(´・ω・`)
梅酒
しらんがな(´・ω・`)
うめうまうめ
どうなってるんだよ?
一先ずうめ、かな?
しらんがな(´・ω・`)
メロリポップ
しらんがな(´・ω・`)
メロは萌えだなあ
エロ有りのキャラ萌えスレ?
いいんじゃね?
どうでも
まさかな…
しらんがな(´・ω・`)
メロ萌え!
メロ可愛いよメロ
メロのうなじ
しらんがな(´・ω・`)
メロ、脱げよ
胸を張ってメロ萌えだと主張する
メロ萌え!
メロ萌え!
やっぱ瞳は黒なんだよな?
あどけない瞳
目つきの悪さも服がちょっとアレなのもおかわりポーズも好きだメロ
ここどうするんだよ?
埋めるんだよ
自分はメロの服の趣味にも萌えるよ
どこでああなってしまったのか激しく気になる
放っときゃ即死だったのに
もいっこがあんな状態なのに即死はしないだろ
埋まったらくるだろうし
即死防止成功
なんでもいいや
兎に角メロ萌え
死なないでくれよ
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
しらんがな(´・ω・`)
メロは視力良さそうだなあ
新スレage
50 :
fusianasan:2005/07/28(木) 15:47:08
新スレage
51 :
fusianasan:2005/07/28(木) 15:52:10
新スレハケーン☆
新スレはここですかー!?
前スレ993
9月にL復活キタコレ
ドリ禁止…ホッ
1000ゲトできなかったー!
新スレ立ってたのか、良かった良かった…
ここでは暴れんじゃねーぞ腐女子
本気で殺すかんな
ここだゆな?
(_(*゚∀゚ノリ ←かあいいゆ
ドリと腐女子の違いが分からないけど、とりあえず来てみましたww
60 :
fusianasan:2005/07/28(木) 15:54:50
ドリ厨キター
ドリ禁止でホッとしました
(_(*゚∀゚ノリ <ドリ以外ならなんでもありあり!
63 :
fusianasan:2005/07/28(木) 15:56:07
ドリ厨の子はもうコテデビューしちゃえば?
64 :
fusianasan:2005/07/28(木) 15:57:06
ドリドリうるさいですぅ><
ドリ禁止ってのはどういう定義なのかハッキリ分かる人いる?
ここをちゃんとしないと前と変わらないよ。
っていうか私が分かってないだけだけどww
頭の良い人教えてー!
あの…ここでは行き過ぎたMメロじゃなければネタとして喋る程度なら可ですか…?
一応参考までに
決して暴れたりしないのでここに置いてやって下さい!!
さっそく許容範囲が曖昧になってまいりました!
>65
喪前がいなくなればぉk(´ー`)b
>>66 絶対暴れないと誓えるならいいんじゃない?
もちろん前みたいなドリ臭い発言したら駄目だけど
つか何で俺等がこいつ等に媚び売んなきゃいけない訳?
元々のメロスレ潰したのお前等だろが
いい加減出てけ
ドリ臭したら物凄い叩かれるだろうけどな
74 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:00:14
またドリ腐キター
>66
分からなければ来なければ良いんだよ(^∀^)
>>67,70
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
だって自分がどっちに属するかも分からないのに?
頭の良い人のレスキボン!
とりあえず自分は腐女子なんですかドリなんですか?
77 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:00:57
だからドリスレを自分で立ててください
糞ドリ腐女子さん^^
80 :
65:2005/07/28(木) 16:02:33
馬鹿なのかもしれませんww
>76
分からないんなら来ないでね(`v´)☆ミ
わけわーかーめー。
>81
もまい両目つぶってるゆ(´ロ`)
>>66です
正気に戻って、原作100万回読み直して来ます!!
もし私っぽい子からドリ臭が出ていたら遠慮無く叩いて下さって結構ですから!
ここ21禁だよな・・・
>83
(゚v´)☆ミ
これでいいかゆ(´ロ`)
私も同じこと思った。
66のレスは若すぎる…!年寄りにはツライぜぇ〜。
>86
(゚v´)b
>>84 21歳以上になってから出なおしてきなさい(゚v´)☆ミ
みんな若々しいなぁ。
なんだよその顔文字…。
(*^ ^)ノ⌒☆
>91
若い子が来てたから
合わせてみたんだよ
94 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:10:18
♪(*'-^)-☆
メロタソハァ━━━━━━;´Д`━━━━━━ン !!!!
…おお皆すげぇ。
合わせることすらムリだわwwww
メロタソハァ━━━━━━;´Д`━━━━━━ン!!!! ←見てて落ち着く
97 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:13:15
(b^-゜)
98 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:13:26
ハァ━━━;´Д`━━━ン
はやめとけ
99 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:14:05
(b^-゜)
ナンダッテェ━━━━━━;゚Д゚━━━━━━ン !!!
ワロタ☆*:°
(_(*゚Д゚ノリ<暑い暑い暑すぎる!チョコ溶けて手につくんだよクソッ
`w´ ゚ -゚)<チョコ食べなければいいじゃないですか
103 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:15:06
(`へ´)
(σ・∀・)σ
そういえばここは難民もアリなの?
107 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:19:17
【モザイク】<ア・ツ・イ!ア・ツ・イ!
`w´ ゚ -゚)<騒いでるから暑いんですよ
>>106 (_(*゚∀゚ノリ<ドリage以外はなんでもありあり!
`w´ ゚ -゚)<sage進行でお願いします
>109
ヒドスw
もうまけまかんねーゆ(´ロ`)
112 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:20:58
玉たんモザイクだゆううううううう(つロ`)
ここは俺の日記帳なんだ
ドリってなぁに?
そ、そうなんだ…。ありがとう。
難民言葉?っていうの?アレ、どーにも苦手なんだよね。
みんな平気なのか。いいなあ。
お前等
いつか絶対殺す
ドリ腐の子(´v`)ニラニラ
>114
分からないなら来るな
>115
115がドリで無いなら言葉なんか気にせず好きに堂々と居座れ
ドリ腐キター
120 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:24:04
(´ロ`)<ド・ド・ドリ腐の大爆しょー!!
122 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:25:01
はぁ…
やっぱりこうか…
(´ロ`)(´v`)←前スレの頃から苦手なのよ。
ガンガレ自分!!wwww
なんでもいいじゃん
ドリ話しないんだったらいつか平和になるよ
128 :
fusianasan:2005/07/28(木) 16:26:41
(´ρ`)?
会社だからまだバレ見れないよ
メロやっぱ死にそう?
信じちゃいるが、不安だ
さっきから難民嫌がってる子は自分が難民の人なんじゃ…
過剰反応しすぎ
同族だから嫌なの?
スレ名はメロだけになってるけど、女の子メロに萌えるスレでいいの?
開始早々スレの雰囲気が安定するなんて思うなよww
>>129 死ぬって決まってないよ
ちょっと危ないだけ
私も不安だよ
ドリ以外はおk
(´ロ`)(´v`)(´ρ`)
↑
最悪ですわ…。
いい加減スルースキルあげろよ、お前等!
なんでそんなに耐え性ねぇんだよ
>133
トンクス
スルースキルがLv.1上がった!!
少しだけスルーできるようになった!!
…少しだけ
>>138 今度からバレスレでちゃんと見てきな
こういう話って荒れる元となるから
ヾl*´3`ノ
なんでもありは大体荒れる
漏れここでもるっそ玉韮トークかますゆ
玉に萌えてりゃなんでもいいんだゆ(*´v`)
難民へ帰れ
漏れも帰るから(´ロ`)つ<*´v`)
>140
わかった
木綿な
このスレでどうゆう風にすれば話合えばいいんじゃない?
確かになんでもありならそれもありだ
新たなる神、投下キボン!!
>>146 日本語がおかしいが貴様ミハエル・ケールか?
ド●さえ無ければなんでもいいゆ漏れは
今んところはゆ
>>148 (_( ゚∀゚リ<ばれたか…ヒャハー!!
俺が居る限り絶対それだけはさせない
俺は俺の全てを賭けてこのスレを守るつもりだ
例えば一人になったとしてもな
ド●・・・ドラ?
ワロスwwwwww
>>151 一人になったらとっとと消えてくれよ、有害にも程がある
>>151がミハエルの台詞ならちょっとカコイイかも…
もう少し夜になれば仲間はやってくんだよ
今は俺一人だが見てろよお前等
俺達で絶対潰してやる
ドラ工モンならポケット目あてで欲しいなあ
どこでもドアщ(゚Д゚)щ
>>151 守るもなにもお前がこのスレたてたんじゃないじゃんw
どっちかというと父が言いそうだ
一人称違うけど
>>158 てかな、ここリアは禁止なわけよ
お前そのテンションで21以上だったらマジでやばいぞ…
>>158 ちなみにどこ属性?
もし元女の子スレの住人なら俺もそうだけどお前とは相容れない。
確かにPM22〜AM00くらいは確かに変な奴ら湧くよな…
ドリ腐の子は発言がリアすぎて見てて痛々しい
21になってからここにきな
今じゃ何言っても説得力ないよ
ああ…
俺までつられて日本語がおかしく…
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す腐女子殺す
某ゲームの落ちかと思ったw
まあ、ね、スルーで
かゆ うま
さああと五時間程でドリ厨のオンパレードですよ
ワロス
だが、住人のスルースキルは思ったほど上がってはいなかった!!
さっきから
>>157の脳内変換して楽しんでる自分は勝ち組ww
もうニアメロでもメロニアでもいいから語ろうよ…
ところで今更なんだが難民語はどうでもいいんだけどキャラの呼称がイマイチわからん。
せめてここらへん説明してくれんかね・・・
182 :
fusianasan:2005/07/28(木) 17:01:25
キモス
基地外ドリ腐たちの襲来…
ワクテカw
玉→メロ
韮→ニア
だゆ(´ロ`)
ドリの新名→ドリ腐
186 :
fusianasan:2005/07/28(木) 17:03:31
青汁→メロ
ピザ→ニア
だゆ(´v`)
>>184 サンクス。それは分かったんだけど三原とか何?
しかしほんと古今東西独特の文化だよな・・・wwww
>>187 悪い。これで最後にするよ、どうせぎすぎうしても現状変わらん事だし。
韮はなんとなく分かったけど、玉は全然分からなかった…。
ピザも分からん!!
>>188 お前は知らなくてもいいこと
というか知らない方が幸せなことが多い
今日も暑かった…。
このスレは見るだけでひやっとなるスレですね。
ここまで読み飛ばした
まずテンプレに一つ追加"難民"
テンプレも糞もこのスレで終わりだし
どうせドリ禁止とか言ってもまた占領すんじゃねぇ
基地外に何言っても無駄
どうせとか愚痴書くなよな
ドリ腐はゴキブリ並みに生命力が強い
しかも蛇のように粘着し蠅のようにうざい
ウジ虫以下の存在だから相手にするだけ無駄な労力使うぞ
メロ萌えスレ
・メロに萌えるスレです
・ドリは禁止
・ドリ厨は立ち入り禁止
・sage進行です。メール欄に「sage」と書くだけです
・荒らしは徹底スルーが大人の対応、スルーできないあなたも荒らしです。
・本スレ、バレスレ、関連スレは自分で検索する。
難民関係とクレクレ厨も追加して<禁止事項
難民の子が立てたスレで難民禁止ってw
まぁまぁそういいなさんな
難民のヤシが立てていてもここは難民じゃない
>>204 お前も言ってるそばからw
ヤシはやめろヤシはwww
>>201 ・メロに萌えるスレです
・ドリは禁止
・ドリ厨は立ち入り禁止
・sage進行です。メール欄に「sage」と書くだけです
・荒らしやクレクレ厨は徹底スルーが大人の対応、スルーできないあなたも荒らしです。
・本スレ、バレスレ、関連スレは自分で検索する。
・難民の方はほどほどにお願い致します
以上を100回読んで分からないなら2年ROMして下さい。
難民てか2自体新規の子多いよな、ここの子
暫らくROMってからカキコしろ
アンカ全角になっちまったごめ
>>206 とりあえずそれで行くか
あとはなんか問題あったら随時追加していけばいいよ
>>206乙!
>206
GJ
もう少しで本誌メロ分が補給できる
干からびるかと思った
しかし今回赤丸が無いのが残念だ
ラクガキ4コマメロ見たかった
メロ萌え〜〜〜〜
このままこのスレ稼動させる気なのか?
こんなんじゃ神どころかまともな人間は寄り付かんと思うが。
>216
まともな人間って誰だゆ(´ロ`)
適当に埋まればいいと思ってる
>216
おまえは来なければいいんじゃね?
>>216 女の子メロ(*´Д`)ハァハァ言ってる奴も文書いてる奴もまともですかそうですか
レス見りゃ分かると思うけど、まともな人は来てないよ。
かくいう自分もヲチ目的で来てるww
オチ目的なら書き込まないでください
ところでミハエルって普通は男性の名前なのか?(´ロ`)
>>222 同意。
ミシェルとも読むからミシェルでもいいと思うよ。
まとめサイトはどーなっちゃうんだろうね?
226 :
fusianasan:2005/07/28(木) 23:44:04
テンプレ来た!!
もしかしたら持ち返せる…の…か?
うげ、上げちゃった…すまんorz
>>222 女の子の名前だと思ってたけどどっちでもいいらしいよ、ガイシュツだけど
バレスレでメロ萌え発言控えれば荒れない気するが(´ロ`)
>>224 ミシェルたんか…かわえぇ〜なあぁ(*´Д`)
そうそう、バレスレとここをごっちゃにしてる奴は考えを改めるべき
メロ語りをしていいのはココ、バレスレでまで言ってると
メロオタは痛いと言われても仕方ないんだな、
初心者が多いのか分からんが言ってない俺等も同時に叩かれるから勘弁
>>229 火種は結局それだったんだろうけどね
最近は調子乗りすぎた感があったし
バレスレでは考察程度で萌えとか持ち上げる発言はこことか
他のメロ萌えスレで語った方がいいかも
234 :
fusianasan:2005/07/28(木) 23:52:57
のっとりはやめてください><
ここは女の子メロ限定じゃなくてなんでもありスレですぅ><
235 :
fusianasan:2005/07/28(木) 23:53:59
宣言通りドリ腐キター
バレスレに書き込んでる奴って本当にここの住人だったの?
21歳以上にもなってその程度だなんて終わってる。
そんな奴らがこのスレの構成員ってことはこのスレも終わってるね。
237 :
fusianasan:2005/07/28(木) 23:54:56
ドリ腐たちの自演タイムですか^^
ドリ厨て何?
バレスレのレス見て萎えてたからシラネ
240 :
fusianasan:2005/07/28(木) 23:55:44
ドリ腐キタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
241 :
fusianasan:2005/07/28(木) 23:56:33
ドリ腐は少しはログみなさい^^
(´ロ`)<ド・ド・ドリ腐のだいばくしょー!!
>236
終わってるって、今気付いたおまえが終わってるよw
早くこのスレも終わってくれないかな〜。
245 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:02:21
∧ ∧
(´ロ` ) <仲良くするゆ☆
゚し‐J゚
何の騒ぎなんだこれは
重複あるし…
バレからの出張?
247 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:03:54
こっちもえりちゃん萌えスレにするゆ(*´ロ`)
このスレに辿り着いておいて何の騒ぎだもないだろう…
ログぐらい読めよ
251 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:06:24
だからドリ腐の方たちはログもみない常識知らずな人たちなんですぅ><
ここにきてこれ以上恥を晒すなよ<ドリ厨
皆、荒らしは総スルーでな。
ここを本スレにするなら定期的にテンプレ貼っていった方がいいかも
えりちゃんって誰ー?
よーしスルー!よぉーしスルーだ!いいか、スルーだ。
えりちゃん専用ヌレは他にあるゆ
>>206にテンプレあるよ
貼るならそれ貼ってね
ここ女の子メロスレじゃないから
258 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:11:43
ドリ腐が仕切りハジメタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!
>>253 意義無し
次のテンプレには
荒らしは徹底スルーを付け加えた方がいいかもね
どうもここの住民はスルースキルが
低過ぎるからなあ
260 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:13:22
ドリ腐ってほんとにこの時間に活動しはじめんだなw
ここリア禁ですよー
ぬっちゃけこのヌレももしれーゆw
こんな場所でホントにメロのこと語れる日なんて来るのだろうか…
本スレって何?
このスレこれだけで終了だよな?
ここから何もなかったように萌えネタドゾー
↓↓
今書きこむのやめれ
ドリ腐さえおとなしくしてりゃあ語れるよ
>>263 大丈夫!!
3日もすりゃ落ち着くってww
それまでおとなしくメロたんに(*´Д`)ハアハアして待ってようぜ!
・メロなったつもりで萌えるスレです
・ホモは禁止
・腐女子は立ち入り禁止
・sage進行です。メール欄に「sage」と書くだけです
・荒らしやクレクレ厨は徹底スルーが大人の対応、スルーできないあなたも荒らしです。
・本スレ、バレスレ、関連スレは自分で検索する。
・難民は来るな!!!!!!!!!111!!!!!
こんな荒れてるところでメロ話するなんてメロがカワイソス…って本気で思った。
276 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:21:31
>>272 >・メロなったつもりで萌えるスレです
・メロになったつもりで萌えるスレです
の間違い
277 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:22:37
>>272 そのテンプレで違う板探してたててね☆彡
一応新テンプレに
保管庫とかも貼っといた方がよくね?
やっぱりここで熱い萌えを交わせるまともな人間はいないみたいだ。
280 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:23:43
そもそも女メロがまともじゃないから仕方ない
282 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:25:14
>>279 だからそう悲観ぶるな
今だけ今だけw
あと何日かすれば収まるだろ
285 :
fusianasan:2005/07/29(金) 00:27:35
さっきから今だけ今だけって言ってるやつとりあえず
>>206は読んだか?
うはwwwww会話を成立させることすら困難なこのスレwwwwwwwwww
泣きそう…。・゚・(ノ∀`)・゚・。
>>284 でもそれじゃ
今まで投下してくれていた神々達に申し訳つかんだろうにって思ってさ
>>285 とりあえずageてる奴のレスは読まないことにしている。スマン。
もう蛙家族やまっしろメロの続編は読めんな…
今書きこんでるやつ全員荒らしに見える
レス控えろ
>>290 また新しい神々達が生まれるさ
それまで待とう…
>>287 その神の中にドリが交ざってるだろうが
昨日もドリ厨がご贔屓の神の名前あげてたし荒れそうだからいいよ
まとめサイトは皆ブクマしてるからいいんじゃない?
この状況で貼っても神が喜んでくれるとは思えない。
今まで神なんていなかったさ
これからに期待したい!
>>293 先代の神々も
ドリのつもりで書いたつもりじゃなかろうに…
可哀想でならん
>>293 ×ドリが混ざってる
○ドリにご贔屓されてる
だろww
別に神達はドリ厨じゃないんだから
誤解されるような発言こそ今こそ控えろよ
>>296 そうじゃなくてもドリにみえる
そのつもりじゃなかったらなんのつもりだったんだか
ドリとか違うとかどうでもいいよ
とりあえず
>>206読んで落ち着け
皆さん嵐はスルーでつよ><
>>300 そうか?
俺は別にそこまで言う程ドリに見えんなったぞ
ドリはあそこまでのクオリティを出すのは不可能だろw
お前等過剰に反応し過ぎ
ドリを擁護しようとする人はその時点でここのスレには合ってないような
アスカ メロ
綾波 ニア
>>304 そいつがドリ腐を呼んだんだからもう話するな
まぁまぁ(´∀`)つ旦
流れ豚切でミハエル萌えしようぜ
なんか、もう21禁鯖どころか2ちゃん控えたほうがいい奴が混じってるな・・・
メロがミハエルならLはラシエルかな
┏━━━┓ ┏━━━━┓ /´ ``ヽ ┏┓ ┏┓ ┏┓┏┓ ┏┓┏┓
┗━━━┛ ┗━┓┏━┛ | lノlノl从)` ┃┃ ┃┃ ┃┃┃┃ ┃┃┃┃
┏━━┓ ┃┃ lつ!j ゚∀゚ノ` ┃┃ ┃┃ ┃┃┃┃ ┏━━━┓┃┃┃┃
┗━━┛ ┃┃ \.y ⊂ )! ┃┃ ┃┃ ┃┃┃┃┏┓ ┗━━━┛┗┛┗┛
┏━━━┓ ┏━┛┗━┓ / `\ ┏┏┛ ┗┓┓ ┏┛┃┃┗┏┛ ┏┓┏┓
┗━━━┛ ┗━━━━┛ し. ̄ ̄ ̄\).┗┛ ┗┛ ┗━┛┗━┛ ┗┛┗┛
バレスレより。
あ、バレスレに出張してるの自分じゃないッス><
>>306 違うよ、勘弁してくれ
ていうかホントに絡まないと気が済まない奴ばかりだな
うはwwすんげーズレたwwww
誰か修正ヨロ〜。
テンプレ追加
無知ロリM泣き虫真っ白は控える
もしくはNGの方向。行きすぎなければOKとかにしねー?
じゃないとこの萌え話題になるとまた荒れそうで恐い
317にとりあえず同意。
これじゃあ荒れるだけだ。
ドリ腐必死だなwwwwwwwww
メロの原型なくなってるのは本当勘弁な
だから317には同意
ラシエルか…バレスレに出てたルシフェルという案はww
無知ロリM泣き虫真っ白って何?
私…もう笑えないよ。笑えなくなっちゃったよ…
とドリ腐が申しております
>>317 つか乗り越んどいてずけずけ仕切りかよw
それお前等が気に入ってねーだけじゃんwww
レイザーラモンかもよ
キミタチヨウチエンセイミタイダヨ、モチツコ、ネ?( ´・ω・)
電車男の持ってるミーナタンのフィギアって発売されないかな
ドリ腐また切れハジメタキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
無知ロリM泣き虫真っ白は控える、もしくはNG、行きすぎなければOKのどれ?
あっ、電車男見るの忘れた!!
今日はメモオフとらぶどるがイパーイ出てたぞwwwwいのりたんwww
「控える」のと「行きすぎなければ」の違いは?
も前らは素直にメロに萌えてればいいんだお
ところでおまめきたかお(´ρ`)
きていませんよ
おまめとかいうコテ、存在自体がウザイ。
…と思うんだけど自分だけかな。とりあえずガマンガマンwwwww
>>333 完全NGでいいよ
そもそもそんなのメロじゃねーし
少しでもすれば絶対暴れると思うし
漏れが来る時おまめいつもいないお(´ρ`)
暇だからミハエル萌えネタだしてお
タクシー運転手ミハエル
(´ρ`)?
>340
おまめ美味しいお(´ρ`)
ケールの方が苗字かお
荒れててミハエル萌えネタ出せる状態じゃないんです
>>343 萌えネタってどういうのがいいんだ
ちんこの頑張って剥こうとしてるとかでおk?
>>345はシュールすぎて自分にはついていけないであります。
>>343は時間つぶしに来てるだけ?
本気でメロに萌えてるわけではないとか?
そんな奴と萌え話なんてできるかあああああああああああああああああああああああああああああ
インディーズメロ
>351
ここは女化スレじゃなかったのかお?
おまめは漏れの事好きだお(´ρ`)
マフィアに入る前は路上で歌歌って生活してたとか。
大道芸人メロ
>>355 自分女の子スレの住人だったけどメロネタ総合かと思ってたよ
ちんこ却下?
そこで空にいる少女に出会う
それはおまめさんがいる時に言って下さい
>353
ごめんね一番はおまめなんだお(´ρ`)
ミハエルって名前かっこいいお
364 :
fusianasan:2005/07/29(金) 01:07:45
5分後に君が来なくとも
どろり濃厚チョコレート
>>363 ならお前なんていらねぇ。
ついでに萌え話されても嬉しくないんだよ。
>>367 誰だか分からないけどおまえもいらないよ
>359
萌えスレは他にあるお?
ここ女化じゃなく総合なのかお(´ρ`)
370 :
fusianasan:2005/07/29(金) 01:10:38
>>368 誰だか分からないけどおまえもいらないよ
ここは真似したがりが多いね
>367
も前はメロが嫌いなのかお?
漏れはおまめ嫌いじゃないお(´ρ`)
局中法度があるスレはここですか?
自己主張じゃなくてワガママだけでまとまりのないスレです
何ならおkなのかも分かりやすくしない?
盛り上がりそうじゃね?w
ミハエル死亡回避しそうだお
おまめまだかお?(´ρ`)
ちんこおkか。解った。
ロリ無知M泣き虫真っ白というか原作からかけ離れたメロは他所でやれ、でよくね?
>379
それだとおまめ来ないお(´ρ`)
シドウはミハエルのこと好きなのかお
漏れもおまめ大好きだお(´ρ`)
普通はそんなこと書かなくても原作にそった話になるんだけどな
ドリ腐に目を付けられたからしょうがない
自分がなんでちんこに拘ってんのかよく解らなくなってきた
>>382 お前等馬鹿腐女子が我が儘言って荒れなきゃこんなことになんなかったんだろ
無意味なテンプレ増やす前にさっさと去れよ
1:30頃になるとおさまるんだなと思った俺が馬鹿だった
はぁ…ドリ厨早く消えろ。
ちんこOKってつまりホモか?
それともメロ白湯投稿しろってことか?
………どっちにしろorz
だから何だったらいいの?はっきりしてくれないと投下も来ない
1スレから見ていてちょびちょび小説投下したり楽しかったが、まさかこんな事になるとはな…
とりあえず10月まで雲隠れしますのでさようならヾ(´Д`)
また10月にドリ厨が去ったら会いましょう
>383
漏れの片思いだから無理だお
普通にミハエル女化オンリでいいじゃない(´ρ`)
グバーイノシ
>>392 俺もそう思う。
ちんこ×ちんこ見たいなら801板いってくれ。
デスノ板あるから。
前スレの埋まり方にはがっかりした。
スルーとかそういうものがこんなに難しいものなのかと
いつかまた前のような雰囲気に戻るの待ってるよ。
また前のお前らに会えるのをその時まで楽しみにしてる
メロに萌えてりゃなんでもいいんだよ
女体化にこだわりすぎのやつもうざいよ
被害妄想すんな
ミハエル死にそうだお
死ぬなお(´ρ`)
鶏和えずミハエル萌えをしよう
ミハエル死んだらおまめ悲しむお(´ρ`)
前の雰囲気になるまで待ってたらメロ死んでそう
死んだら地縛霊メロが見れますか
ミハエル死なないお(´ρ`)
メロ死んだらホントにどうしよう…
メロたんメロたんメロ………………。゚(゚´Д`゚)゜。
気持ちわりーなぁw落ち着けよww
408 :
fusianasan:2005/07/29(金) 02:15:24
ウゼー
萌 え ま し た
くそっ萌えさせられた!
>>409 勝手にメロにするなよ、おまえのせいでアゴぶつけた
メロはわりーなぁなんて言わないしなー
テンプレ追加
ドリ腐が来たらメロ様(*´Д`)ハァハァ
とするべし
ドリ腐は性格が勘違いだからスルーが一番だよ
もう皆寝ただろうから一言
やっべーバレのメロが男前過ぎて不覚にもときめいたw
ここメロ攻めも大丈夫ならメロ攻めトークかまさね?
>>416 お前みたいな奴が居るから受け感情移入型ドリ腐が発生するんだよ
418 :
fusianasan:2005/07/29(金) 02:53:15
攻めでも受けでも構わん
とにかくドリ禁止
じゃあドリ腐が来たらメロ様降臨キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
とするべし
だからスルーを覚えろって何度言わせるんだよwww
するべしじゃねーよwwww
受けでも攻めでもドリ腐じゃなきゃいいよ
じゃあまずはメロ攻めについての萌えを語ろうか
受けは粧裕?ミサ?そこらの女?ボス?
ボス!(*゚∀゚)-3
前スレだっけか?
ニアの口塞いでこっそりセクースネタ。
あれ萌えたなあ(*´Д`)
完全版書くって言ってた奴、これ見てたら投下ヨロ!
>>426 俺でも良かったら書くよーw
このスレが平穏になったらの話しだけど…
このまんまなら永遠に没www
過疎化のほうがまだ良かったなあ
水差すなドリ腐
スルーしろ
腐は分かるがドリって何?
いや釣りじゃなくてまじ分かんないんすけど
ドリームの略?意味わかんねっす
>>432 トンです
で、ドリームって2chではどういう意味なんすか?
>>431 前スレ見ろ
ログを見ろ
他人頼りにするな
これ基本
>>431 分からないことは自分で調べようとはしないのか?
>>206読んでそんなこと言ってるのか?
読んでいたらそんなの書き込まないはずなんだけど、おかしいな
学芸会でメロが王子で
ニアがお姫様てのもあったな
あのくらいの流れが
一番萌えたなw
あれはあれで腐臭だだ漏れしてて嫌だった
ドリ腐様がまだ
寝ていらっしゃらないのですがどうしましょう
巻き込もうとしないで下さい
スレタイを見る限り、ここはもう女の子メロスレではないわけか?
どっちもドリ
キャラ×自分=ドリ
受けキャラに自分を自己投影=ドリ
ドリ女は自己投影するキャラを原型をとどめない程崩す癖あり
決まって無知系ロリにしたがる性癖を持つ
これらを突っ込まれると切れて暴れだす
どうあってもロリロリにしたいらしい
人に絡まらずにはいられない
そしてネナベ率高し
ドリ以外の人をすぐ腐女子扱いする
自分の思い通りにしないと気が済まない恐怖の独裁者
>>440 (_(゚∀゚リ<何でもありあり!!ヒャッハー
ドリ腐ってネーミングだけはウケるんだけどな
他キャラが被害被るのもドリ腐の仕業か
>>441 よく分かりましたありがとうございます。
キャラ×自分のほうは調べて分かったんですがそういうことっすか。
確かにどっちも同じようなもんですね。
正直バレメロのあまりにも雄的な匂いに濡れてしまった訳だが
>>447 来週かっこいいよな・・・すごい雄々しい。
あ−メロはこうじゃなきゃなって改めて思った。
・・・と、こんな話なら普通のメロスレのが適切なんだがww
そう思うならそっち行け
何か妙に突っかかるな・・・
早速スルーできてないな。減点。
どんぐりの背比べって言葉知ってる?メロの髪型見てるとどんぐりみたいだね
鬼頭みたいだw
どんぐりってベレー帽みたいなのついてるよな
メロがベレー帽かぶったら似合いそうだけど子供みたいだ
まだ戦ってたのか…
何だかな…
>>454 バレ画見る限り
もう奴は子供にゃ見えないなw
つか、そもそも子供にはみえないしw
バレのメロ綺麗だし格好良かった
益々惚れなおしたぜハァハァ
遊び心さえもなくしたスレって面白味ないな
メロ美しいよメロ(*´Д`)ハァハァ
>458
お前の言う遊び心があるスレ=自分の思い通りにできるスレ
そりゃ面白くないだろうよwwwww
バレのメロ美しすぎ(*´Д`)ハァハァ
小畑神ありがとうございます!!
あんなメロになら殺されても本望だハァハァ
そうきたか
メロが殺されるんだけどね
>>461も何を求めてここに来ているのか理解不能
テンプレみてね
>>461はここを女メロスレのドリ小説スレにしたいんだろ
メロは殺されねーよwwwwww
あの馬鹿親父が殺されるんだよwwwwww
どっちも死んでいいよ
面白くなるなら
ついでに月も死んじまえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺俺
俺って誰だよw
本人認定して何がしたいんだか…
暇なんだからお前も付き合えよ
会話
だから俺って誰なんだよwwwwwwww
会話成り立ってねーwwwwwwww
俺があいつであいつが俺で
マスカレード!!!!
俺は俺で俺じゃない
名無しで会話は難しいな
記憶喪失!!!!
ここはどこ・・・俺は・・・俺だ!
みんなコテデビューしろよwwwwwwww
だから誰なんだおまえはwwwwwwwwwwwwww
495 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:46:05
ぷりっ
>>488が仁王なのか柳生なのか大層気になっている
ぴよっ
499 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:51:50
500 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:52:26
いや、片方は柳生だろう
メロはははって笑うのな、杉本哲太ワロス
502 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:54:52
メロはアヒャヒャのが似合うと思うwww
503 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:55:10
ぷぴっ
504 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:56:15
505 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:57:15
メロマフィアなのに真面目だよな
物凄い卑怯な手使ってもだってマフィアだしで済むのにポリシーなのかなんなのか
507 :
fusianasan:2005/07/29(金) 06:58:27
アデュー
メロと向日って従兄弟か親戚じゃね?!
510 :
fusianasan:2005/07/29(金) 07:01:19
いやイザークのが近い
確かにイザークってアスランには絶対勝てない二番キャラだったw
マジネタするとモデルはサ/イ/コの全/一だよ
513 :
fusianasan:2005/07/29(金) 07:04:44
あ、マジレスの間違いだった
俺イザーク萌えでメロ萌えwwwww
>>512 見た見たwww
すっげーそっくりだったなwwwwww
服装も同じなのなwwwwwwww
516 :
fusianasan:2005/07/29(金) 07:07:13
イザークって
痛い!!痛い!!!いたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!
の奴?
そうだよ
518 :
fusianasan:2005/07/29(金) 07:09:26
全一たんも無知でロリで真性Mっ子です^^
全一って耳に長い棒入れてたアレか?
520 :
fusianasan:2005/07/29(金) 07:10:20
>>521 ?ォクス
うろ覚えだよ、メロ程長髪じゃなかったな
メロにおもっいっきりデッドボールかましたい
おまえのせいで清原の生き写しのようなメロが思い浮かんだ
>>522 サ/イ/コの1・2巻あたりそっくりだよ
二部1話で着てたメロの服と同じの着てたし
他にも被りまくりwww
モデルとかどうでもいい
バレのメロは有り得ないくらい格好良いな
あの胸でニアを抱く日はいつ来るのだろうか
すまんすまん
いつもの数段メロ丁寧に描かれてんのにビビッた!
普通に美形キャラだよメロ(*´Д`)
>>525 モデルなんて言ってたのか?ォクス
読んだの何年も前だからなー
メロの服装がもろゲイファッションらしいけどそれそのまま受け継いだって事か
小畑が勘違いしてゲイファッション雑誌見てかこいいって描いたのかと思った
モデルだとは言ってないけど似てる
小畑さんが金一を描いたらメロみたいになるんじゃん
みたいなwww
>>530 金一って・・・
俺は全一より弖虎に似てると思ったが
全一は外見が似てて弖虎が中身ってとこか?
言われてみればメロは全一みたいにへたれじゃねぇなwwwwwwwww
533 :
sage:2005/07/29(金) 11:07:21
投下できない。
どこにおけばいいんだろう これ
普通に入れる場所間違えた。ごめん。
(_(*゚д゚ノリ <ド・キ・ド・キ ハラハラ〜♪
(_(*`ロ´ノリ <マロンでチクチクしてやる!
(_(*`Д´ノリ <ピ・キ・ピ・キ ジョキジョキー!
(_(*゚∀゚ノリ <ハサミでザクザク切っちゃる!
(_( ゚∀゚リ<アッチーゼ!オマエラ ナントカシロ!
‖
(*゚∀゚ノ <あっちーから髪結んだゼ
SAMURAIみたいで俺カコE!
538 :
まーぼう:2005/07/29(金) 13:37:20
お邪魔します すみません。
書き物どうぞ↓
540 :
1:2005/07/29(金) 13:40:19
僕がその日ニアを見つけたのは、白い部屋の中だった。
窓の近くの床にはレースのカーテンの模様が菱型を描いてそのまま光っていた。
その光を避けるように、部屋の中心にニアは居る。いつもの猫背で、パズルをしていた。
僕は後ろ手にドアを閉め、そっとニアに近づく。そして隣に腰を下ろし、こっちを見ろよ、と言ってみた。
他より長く視界に入るだけでいい。
それだけできっと、記憶力が飛び抜けたお前は、僕を長く認識し続けるだろう。
そんな(僕にもわかるほど)頭の足りない考えで、僕はニアに話しかけた。
「はい」
ニアは僕を見て、また何事も無かったかのようにすっとパズルに戻った。
以前、そんな退屈そうなことどうしてやってるんだと聞いたことがある。
そうしたら、この世界は退屈だから、パズルでもやるしかないんですとニアは言った。
僕はもうずっと昔から、僕を正確に理解しているのはロジャーでも研究室の人間でもなく、ニアだけだと思っていた。
“メロはさほどの価値は持ち合わせていない”
これが、ニアと僕との僕に関する唯一の共通認識だろうと思う。
実のところ、僕には価値が無い。
半年ほど前、自分でそれを認めるのに丸二日を要した。
吐いて、泣いて、物も壊した。あの時ニアだけはその理由を知っていたはずだ。
事の発端は僕が何十回も練習した知能テストで、ニアが容赦なくぽんと僕を追い越したこと。
差は21ポイント。僕が何もしなければ、多分45ポイントくらいになる。
ああ、そうか。こいつは、違うんだ。
結果を見たその時は何故か、心の中に感情らしい感情はあまり無かった。
強すぎてシナプスがスパークしたのかもしれない。その点、麻薬常用者のようだった。
ニアが張り出された結果を見ている僕を遠くから見たのを知っていた。
悔しがらないから驚いていたんだろうか。それとも、まさか僕の心情を心配でもしたのか?
感情が追いついたのは半日後で、それから二日間、僕は狂っていた。
皆が僕を避ける二日間、ニアだけがああやって話しかけにきた。
「みんな、追々そう気付くんですメロ。お前だけじゃない」
ニアは表情無くそう言った。僕の目を見てはいなかった。
“気付く”?じゃあ、最初から僕らに価値なんて。
「・・・私は、努力できることも才能だと思います。メロ。そんな評価とは別に、私は、」
ニアは何か言いかけたが僕はそれどころじゃなかった。
この場で眼球の奥に親指を入れて、殺してやろうかと思った。
多分そうするつもりで、肩口を思い切り蹴ってニアをパズルの上に倒したんだ。
無言で顔を上げたニアは無表情に鼻を押さえていた。赤い血が白いシャツを汚していく。
「メロ、大丈夫です。」
・・・それで嘘のように僕の心は収まった。
そのとき、ニアに対する評価が鮮やかに色を持った。
そしてそれを一生認めるまいと、僕は心に決めた。
ニアの中に僕を置き、そして僕がニアを嫌えば、それは負けじゃない。
「こっちを見ろって!」
「さっき見ました」
「もう一度だよ馬鹿ニア!!」
「・・・何が目的なのか、聞かせてください。それが達成されない限り、メロは私にメロを見ることを強いるでしょうから」
更に言えば僕が三番以下に対して持っている優位性なんて、吹けば飛ぶような軽いものだ。
いくら頭のいい子ばかり集めたとはいえこの遊び盛りの年齢で、寝る時間を削って勉強するなんて僕くらいのものだったから。
要は、ここでは今のところ、努力さえすれば優位を保てる。
もうニアからの評価は考えない。
周りが「ニアとメロ、すごいね」と、名前を並べるのを聞くのが嬉しかった。
そんな惨めな僕だった。
僕は今までも、これからも、この孤独な哲学者の興味を引けるカードは持っていない。
それが解って、悲しかった。
541 :
2:2005/07/29(金) 13:41:55
「僕は、」
悲しみに混じった、この苛立ちをどうすればいいんだろう。
僕はふっと頭をよぎった言葉を口に出すことにした。
「・・・・いつかお前を殺してやるんだ。」
「・・・・・・」
一瞬目を見開き、驚いたのがわかった。
ニアの心を動かした、それだけで嬉しい僕はきっと何かの病気だ。偏執症だ。
「それとメロを見ろという命令と、どういう関連性が?」
「だから覚えておけばいい。僕は親切だから、教えてやった」
関連性までは考えていなかったので、きっとおかしな返答だったと思う。
ニアは黙って何か考えている。あるいは何も考えていないのか、しかしパズルを掴んだままの手は確かに止まっていた。
ほんの十数秒だった。
パズルがはまる音と同時に、ニアは話し出した。
「メロが、私を終わらせるんですか」
「・・・・・ああ。」
「私の、この退屈を。」
「ああ。」
パチン。
また一つ、ピースは嵌った。そしてニアは完全にいつものニアに戻って、言ったのだ。
「楽しみです。」
ああ、この感じ。
悲しみが混じった、苛立ち。
本物の殺意を抱きながらも、僕がしたのはニアの服のすそを掴むことだった。
「ニア」
「何です、メロ」
「ニアを産んで捨てたのはどっかのクソ女だけど、終わらせるのは僕だ。そして捨てたりなんかしないよ。」
「ありがとうございます」
「でも、僕はお前が嫌いなんだ。お前の存在があるって思うだけで、死にたくなるほど、」
「それはいけません」
服のすそを引っ張る僕の手にニアの手が被さり、手首を掴んだ。
「世界からメロが失われるなら、私が消えます。」
「!!」
いきなりのことに驚き、僕はニアの手を叩いた。
白いその手が赤くなっても、ニアは僕の手首を離さなかった。
少し落ち着いた僕は攻める方向を変えて、ニアを睨んでやった。
「はっ、口説いたつもりか?世界から本物の天才が失われるほうが、損害はでかい。お前がそんな簡単な計算を出来ない訳が無い」
「・・・メロ、」
「そうだろ、ニア?次そんなつまらない事言って失望させやがったら、時を待たずに殺してやる。」
‖
(*゚皿゚ノ <俺カコEだろ?カコEと言えよ!
543 :
3:2005/07/29(金) 13:44:53
二人の真っ黒な目がお互いを探り、僕は出方を待った。
ニアは目をそらし、僕が勝ったと思った瞬間、
「メロ。お前は何か誤解している。」
そう言ってニアはもう片方の手でやりかけのパズルをひっくり返した。部屋の隅っこまで、ピースが派手に転がる。
僕はあっけに取られる。何をしてるんだニア。
「・・・・私はメロには勝てない。」
そのセリフにかっとなって手が出た。殴ろうとしたそれも、ニアの手に捕らえられた。
「んっ、クソ、離せニア!!」
「冷静に聞いてくださいメロ。お願いします。聞き終わって、まだこの気持ちが持続していれば、その時は私を殴るなりなんなりして構いません。」
「ニア!離せよ、馬鹿にするな!!」
「殺しても、構いません。サイドテーブルにはナイフもあります。」
何故だかニアがあまり苦しそうな顔をするので、僕は黙ってやった。
「わかった。話が終わりだと言うまでは、口を挟まない。約束する」
「私は、メロが好きなんです」
「なっ・・・」
「口を挟まない。メロはさっきそう言いました」
「・・・・」
僕は黙る。好きって言葉が他に何か意味を持っていたかと考える。
好き。好意を持っている。ニアが、この僕に?
価値の無い、僕に?何の皮肉だこれは。
それを見透かしたように、ニアは続ける。
「私はメロの価値を知っています。何の関係も無い他人が見る、メロの価値を。
そしてそれとは別に、私だけの尺度で測るメロの価値というものがあります。
私はメロの知能がほしいんじゃない。わかりますか?
私にとってのメロは、この世界全てと引き換えにしても悔いるところが無いほどの女性です。
理由はわかりません。いつからかも解りません、でもそう思うんです。」
ニアは僕の手ごと、僕の胸に手をやった。掴まれた手首が薄い胸を柔らかく押さえる。
僕は叫びそうになるのを懸命に抑えた。口は挟まないと約束した。
「メロが私と違う性で、良かったと思います。それを知ったとき、神は私を嫌ってはいないと思いました。
とにかく私はこの気持ちを恋と名付けることが出来た。」
両手首を押さえるニアの手は、もうだいぶ優しくなっていた。
僕は嬉しさと憎しみでおかしくなりそうだった。僕がニアに抱いている感情には、最初から矛盾があったのだ。
「・・・私はメロに紙の上で負けることは無い。でもそんな物、私たちに影響を与えるほど価値のある物じゃない。
馬鹿な大人たちに勝手にやらせておけばいい。テストがどうあろうと、私たちは二人で居れば、何にだって成れるのだから。・・・・Lにだって。
それと逆も言っておこうか、メロ。私は貴方が居なかったら何にも成れないんだ。
だから、私と一緒に居てほしい。・・・ここを出た後も。どちらかがLになったとしても。」
嘘を言っているようには見えなかった。
真摯な瞳で、僕を覗き込む。人の目を見て話さないニアがこんな風にするのを見たことが無い。
ニアがこんなに多く喋ったのを聞いたのも初めてだった。
・・・でも、その取引は僕のプライドが許さない。ここで限界が来た。
「わかったよ、ニア。もういい。綺麗な言葉を使って、お前は俺を未来のL、つまりお前のダッチワイフにしたいだけだ。
ここでうなずけば僕は人間じゃなくお前の精神安定剤だ。違うか?」
「メロ、まだ話は終わってはいないです」
「そりゃあ僕をそうしたら都合はいいだろうな?出自不明、ワイミーズハウス出身、女、 邪魔にならないそれなりの頭をしてて、おまけに絶対にお前には勝てないときた。」
「勝てない?もう私は負けを認めたのに。」
544 :
4:2005/07/29(金) 13:45:33
よりによってこんな形でしか勝てないのか?
いや、これは勝ちですらない。
僕がニアと競っていたのは、頭。
体を引き換えに誰かを縛るなら、馬鹿だって出来るんだ!常連持ちの売春婦がやってるように!!
僕は賢いニアに必要とされたい。でも、それはこの忌々しい女の体じゃない。
僕自身なんだ!僕の主体は肉体じゃない。精神、そして頭脳だ。
「僕がそんなチープなセリフで丸め込まれるとでも思ったか、ニア?僕をなめすぎたな。
女で良かったって?笑わせるよ」
「・・・・本当に、愛してるんです。」
「っは、何をだよ!僕の下についてる穴をだろ!?僕じゃなくて!
手の届くところに手ごろなのが居たからって、これから来る思春期の対策を今から練っただけだ。
頭のいいニア、優秀なお前の精神をこれからも正常に保つために!ニアは僕を興奮剤として使うだけだ、面倒くさくないように!」
「違いますメロ、私は、」
「何が違うんだよニア。説明できるか?・・・僕の身体だけが必要とされるなら、誰と寝てもお前とだけは寝ない。」
「・・・・メロ・・・・・」
流石に怒ると思ったが、(そして僕はニアを嫌わねばならないのでそれを期待してもいたが)ニアはあっけなく僕の手を離し、ニアはゆっくりと立ち上がった。
ベッドサイドの引き出しを開けて、何かを持ってもう一度僕の前に座る。
だぶだぶのすそからかすかに見えるのは、紛れも無く小さなナイフだった。
革のカバーを床に落として、そのまま僕にそれを渡す。前髪の間から伺うようにして見たニアはいつもの気だるげな表情。
そして先ほどとは違い、僕の目では無く斜め下の床を見ながら、淡々と言葉を紡ぐ。
「きっと聡明なメロのことだから、何年待っても考えは変えないのでしょう。だから今、頼みます。」
「は?ヤケになったのか?」
「先ほど、終わらせてくれると言いました。」
「ああ、言った。」
「私は、今がいい。今終わりたいんです、メロ。今まで気分を害し続けたことをお詫びします。
あれはただ、メロの上に居ればメロが私を必要とするのだと思って、くだらないテストも大人の言いなりになって受けてきただけなんです。
そしてこれからメロが私を必要としないのであれば、この生に何ら意味は無い」
僕はナイフを逆手に握りなおした。手首なら時間が掛かる。首かな。
「・・・感傷的になってるとこ悪いが、お前がやれと言うんなら僕は本当にやる。
ワイミーズハウス出身が、自殺幇助くらいじゃ傷が付かない経歴だってことはわかってるんだろ?」
「ええ。最後にメロが私の言うことを聞いてくれた。幸せに死ねます」
「どこまで馬鹿なんだニア。」
「貴女のためにならどこまででも馬鹿になれます、メロ。」
そう言ってから、はっと何かに気づき、ニアは膝の上に頬を乗せて何か考え始めた。
545 :
4:2005/07/29(金) 13:49:07
二秒後、ニアは顔を上げて僕に言う。
「今思いついたのですが、こういう場合はどうなるでしょう。」
私が薬物によって、もしくは物理的に脳に影響を与え脳の働きを抑えるのです。
程度はメロが決めて構いません。ぎりぎりメロに負けるくらいでも、IQにして100前後の凡人、いえ白痴でもご自由に。
そうしたら何のコンプレックスも持たず、メロは私とともに居ることが出来る。
・・・と、私は思ったのです。が。どうでしょう。
それはとても簡単な話だった。
ニアの重視しているものと、僕の重視しているものは・・・見ている世界は、違ったんだ。
僕の欲し憎んだものはニアの知能のみ。ニアはそれを、僕のために捨てることも厭わないらしい。
何て馬鹿な奴。何て馬鹿な奴。
僕一人、お前が少し大きくなったらすぐに好きなように扱える力を持つのに、よりによってこの中身にこだわるらしい。
ニアの欲しがっているものは僕の知能でもなかったが、体でもなかった。
「お前、重要なこと忘れてるよ」
「何でしょう。何か穴がありましたか?」
「僕がお前の事好きじゃないと、お前の知能がどうであれ、一緒にいたいと思うわけ無いだろ。」
「・・・・・・・そうですね。忘れてました。私は自己の内面感情をメロに投射していた」
「でも、いいさ。それで。」
僕は、ナイフを床に捨てた。
ニアは床をすべるナイフを目で追って、それから僕を見た。
「今のでいいということですか、メロ」
「・・・ああ。その案に従ってお前がお前の脳の機能を失うとまで言うのなら、僕はお前を信頼できる。
僕はお前を愛せると思う。生涯だってお前と一緒に居ると、約束するよ。」
僕だって本当は、・・・・あの日から、ニアのことが好きだったんだ。
僕自身、知っていた。
「メロ」
ニアの表情が明るくなる。
僕はお前の才能を削ろうとしているのに、一緒に居てやるというだけでこんな風に子供みたいに笑うんだ。
本当にお前は、どこでボタンを掛け違ってこんな残酷な人間に惚れたんだろう。
神はお前を愛してなんか居ないよ。
世界には頭のいいニアに心底惚れ込んで尽くしてくれる、僕よりずっと中身のいい女がたくさん居るはずなのに、ニアを僕に惚れさせたんだから。
「じゃあ、明日、ロジャーに言いましょう。いや、薬物なら言わなくてもいいのか・・・」
「いや、ロジャーには伝えろ。僕がお前に要求するのは外科手術だから。」
「OK、大人一人丸め込むのなんか容易なことです」
546 :
6:2005/07/29(金) 13:50:54
翌日の昼、ニアはニアの小さなナイフを持って、これからロジャーの部屋に行きますと静かに僕に告げた。
はにかんだ様なその顔は、結婚式前の新郎のように嬉しそうだった。
「来いよ、ニア。まだ時間がある」
僕は食べかけのチョコレートをベッドの上に置いて、ニアを招き入れた。
こんなことは今まで無くて、さすがのニアにも緊張が見て取れる。お邪魔しますと頭を下げて、若干猫背のニアが入って来た。
僕は今までに無くうきうきしていた。
知能を除けば本当に愛しいニアの中身を、僕は好きなように改変できるのだ。
そしてその時からは、ニアを僕の人形にだってできる。
それは僕が予想していた真逆のことで(だって僕はニアが僕をそのように扱いたいのだと思っていたから)、ニアが僕に対してどれだけの弱さを持っているのかが理解できた。
「なあニア、一つ聞いていいか」
「いいですが、ちょっと待ってください・・・座れません、ベッドがお菓子屑だらけで」
「気にするなよ」
「いいえ。これは大事な・・・」
そこまで言ってニアは頬を赤らめた。
「そういう、意味じゃないんです、ただ、本当に座り心地のことだけを言ったのであって、」
「あって?」
意地悪な僕は気分も手伝ってニアにその先を促した。
「そもそも私は下心があってここに来たわけではないんです。」
頭が良すぎて、若干飛びがちなニアの話。それについていける僕。少しの満足感。
「あっはは。ニア、お前も男だったんだな。」
「だから、そういう意味で言ったのではないと・・・ほら、一度立ってくださいメロ。」
僕がチョコレートを避難させると、シーツをひきなおしますと照れ隠しのようにニアは言って掛け布団を床に押しのけ、シーツを一度はずした。
バサッと一度翻すと、床にぱらぱらと菓子屑が散る。
「こんな場所でよく寝ていられましたね・・・」
「お前が潔癖症なんだろ。一緒に暮らすなら、これくらい我慢しろよ」
「・・・家事は私にさせてください。」
「任せた。それが出来るくらいにはしとかなきゃな」
笑いあう僕とニアはハウスで最初のテストが行われる前の関係に戻ったみたいだった。
これからはずっとこのままで居られるんだ。
引きなおしたシーツの上に二人で並んで腰掛けた。力を抜くと膝が触れ合う距離なので、僕は足をぴたりとくっつけた。
「メロ、さっき、聞きたかったことというのは?」
「なあ、二人でLやるってお前は言うけど、Lがずっと現役だったらどうするんだよ。推理小説の探偵はだいたい老人だろ」
「名前にはこだわりません。そのような存在が世界には他に居なかったのでLと言ったまでのこと、
要は頭脳労働の何でも屋です。我々は二人でなら現役のLだって追い越して・・・あ、私は知能を失うのでした」
髪の毛をくるくると指でいじくるニア。何でもないことのようにそれを言う、ニアが少し可哀想にも思えた。
「・・・そこら辺は後から僕一人で何とかするよ。僕が勝てないのはお前だけで十分だ」
「具体的にはどうするんです?Lは」
「追い越すより殺すほうが簡単だから、殺すよ。お前の頭が駄目になる前に今日考えとこう。」
「・・・メロの考え方の方向がわかりました。私にするのと同じことをするんですね」
「僕はサディストなんだ。」
「ええ。愛しています。」
急にこっちに向き直ったニアが僕の頭を撫でるものだから、僕は笑ってしまった。
>>542 カコE!(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ /ヽァ /ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
548 :
7:2005/07/29(金) 13:53:46
「何やってんだニア、もう馬鹿になっちまったのか?」
「この知能で今見ている世界が分からなくなる前に、あなたの髪の感触も覚えておこうと思って。」
「・・・僕がお前のここを、記憶を保てないほど改変したらどうする気だよ。」
僕はニアの頭に手をやった。外形がふわふわの髪にさくっと指を差し込むと、柔らかい銀髪が指に絡む。
それからニアの頭の形を確かめるように手のひらで押さえた。この中には世界で一番だと僕が信じる頭脳。
「記憶も保てないほどに改変・・・それは、困りますね。」
あくまで冷静に言う。
「でもお前はお前の中身をどう変えてもいいって僕に言った。そうされても文句は言えないな?」
「はい 言いました。どうされようと文句は言いません。あなたも・・・」
「ああ、お前と一緒に居るって言った。」
「なら私はどうなってもいい。だってそういう約束でした。
考えてみるにこれは、普通の男女がするような結婚の約束などとは趣旨を異にするものであり、しかし私はこの約束に至極満足しています。
メロを苦しめ、メロと私の間を遠ざけていたものを失う代わりに私は未来永劫メロとともに生きることが出来る。
こんなに合理的でしかも双方の希望が完全にかなう、そんな約束は今までしたことがありませんでした。」
今日もニアは良く喋る。今のニアを僕に記憶させようという魂胆なのかもしれない。
つい昨日、僕はその逆のことをニアにしていたのに。ニアの視界に長く入り、ニアに覚えていて貰おうとしていたのに。
「メロ、私は幸せです。」
愛した人間の中に残るということは大事なことだと、僕も知っている。
そしてニアは、ニアがニアであるからこそ、僕が今のニアを忘れてしまうことを怖がっていないはずが無いのだ。
「ニア、怖いんだろ」
ニアははっと顔を上げた。僕の髪から指をはずしてまっすぐに僕を見る。
「はっきり言ってしまうと 怖いです。・・・一番危惧すべきは私を廃人にし、そのままメロが私を棄ててしまう事。」
「その通り。お前がそれに気づかないはずが無いよな。手術の失敗にかこつけて殺すこともできる」
「ええ。でも、」
ここでニアは笑った。笑ったんだ。
「私に、他に選択肢はありません。」
僕はある考えを持ってニアのシャツに手をかけた。上から順番に、ボタンをはずしていく。
意外にもニアはそれを止めようとはしなかった。
「ニア、お前僕を愛しているな?」
「ええ 心から」
迷いの無い返答。もう昨日から何度聞いたか分からない、その言葉。
「なら僕を抱ける。そうだろ?」
僕は早打ちをする心臓を何とか押さえて手を止め、精一杯いつも通り、いたずらっぽく笑って見せた。
1
`w´ ゚ -゚)<私の方がカコEです。1番ですから
‖
(*゚∀゚ノ <547マリマ!
続き、書いて今度また持ってきます。
>>549 んー、やっぱメロのがカコE(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ /ヽァ /ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
1
(*`皿´ノ <結い直した!今度こそ俺が一番だからな!
>>553 (*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ /ヽァ /ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア / \ ァ / \ ァ
(_(*゚∀゚ノリノ■゙ <552マリマ!マリマ!チョコやるよ!
ありがとうメロたんカコE(*´Д`*)つ■
難民語つかうなよ、なりきりキモス
>557
テンプレ>206を嫁
しかしどれが難民語なんだ?
「マリマ」や「マリ」だったら昔行っていた音楽系の板でも使っていたが
559 :
Yoshie:2005/07/29(金) 14:56:19
投下乙
少なくとも漏れにはドリには見えなかったゆ
>>539 どっかのコピペじゃなければ投下乙
中々面白かったよ
続き期待してる
強いて言うならメロがニアを抱いてやるくらいのセリフがあった方が
潔くて良かったかもしれないな
サディストな女は大好きだ
続きいきます
誰も居ないの?
バレスキャン来たよー
メロ滅茶苦茶かっこええ〜(*´Д`)
「どうしてです、メロ。」
「何がだよ。」
カーテンを閉めた昼の薄暗い部屋の中、向かい合って裸で僕らは話し合う。
掛け布団はシーツから落とした菓子屑で使い物にならないので、ベッドの上には枕とニアと僕だけだ。
お互い、不思議と恥ずかしがる気持ちは無かった。お互いの前では裸で居ることが当たり前のような気すらしていた。
「私に身を任せてくれた事です。知能を失う私を憐れんでいるのですか?」
「憐れみじゃない。」
「じゃあ何です。」
僕はニアに抱きついた。ニアが少し神経を尖らせる気配。この感じだって、大事な情報だ。
「天才だった今のお前を、全部覚えておいてやるために。お前が忘れても僕は覚えてる。それでいいんだろ?」
ニアは僕を両腕できつく抱きしめて、涙を流した。ニアが泣いているとわかったのは、僕の背中に水滴が落ちたから。
「貴女を愛してよかった。メロ。」
僕らはしばらくそのままでいた。ニアも僕に泣き顔を見られたくないのだろうし、僕もニアにこんな表情見せられない。
ニアの知能を奪うことに、ためらいなんか無い。その前提じゃなかったら、今すぐ僕はニアを突き飛ばしているだろう。
最後だから、こんな風に優しくできるんだ。
「・・・ニア、今のお前にどう響くか、お前より馬鹿な僕には分からないけど、」
「・・・・」
「僕はお前を愛してるよ。」
ニアは一度さらに強く僕を抱きしめると手をはずし、そのまま僕に体重をかけた。
「・・・行きましょう。」
「ああ。」
僕らはいつもの服をできるだけちゃんと着て、強く手をつないだ。
廊下を一歩一歩、ロジャーの部屋に向かっていくこの歩みだって大事なことだ。
僕らが一生、一緒に居るための大事な儀式。
僕らの生涯の約束は教会でなく、小さな手術室で行われるのだから。
「わかったかロジャー?簡単なことだ。」
「我々の要求を飲んでください。私のためにも、貴方がたのためにも。」
ロジャーの部屋は静かで、そして子供の目の高さしかもっていない僕らにはとても広く感じられる。
その分、ニアの知能を捨てるというだけで簡単に怯えるこの大人が小さく感じられたのだった。
「何を言っているか解っているのか、ニア。お前の脳は世界のために・・・」
僕とニアがその要求を突きつけると、ロジャーは今にも倒れそうなほど驚き狼狽した。この反応は僕には少し意外だった。
きっと僕が同じことを言ってもこうは驚かないだろうと思う。
次期Lが誰かは未定だとこの老人の言った、それがやはり真っ赤な嘘であることがわかった。おまけにしてはいい収穫だ。
「その脳の持ち主である私がそれを望んでいないんです、ロジャー。世界なんか救いたくない」
「しかし・・・」
青い顔をしてLと繋がる事のできるモバイルフォンをちらちら見るが、ロジャーからLに連絡を取れないことは既に知っている。
ああ、そうか。ロジャーは僕ら二人よりずっと馬鹿なんだ。ニアが簡単な事だと言った意味がわかった。
「なあロジャー。ニアに外科手術を施すか、」
僕はニアの首筋にキスをし、ニアがその後を続ける。
「それともワイミーズハウスの子供たちに・・・考えてみてください、簡単なことですロジャー。私が言うのはここまでですが、メロは・・・頭のいい子です。失礼ですが貴方よりずっと。
キラ事件に取り掛かっていて手一杯のLに連絡のつかない今、メロがもし貴方に反旗を翻したらどんなことになるか解りますか?いえ、解らなくていい。貴方がいくら考えたって解らないだろうから。
ただ恐ろしいことが起こると、それくらいは予想できるでしょう?」
ニアはナイフを僕に手渡す。
「長くなったな。じいさんの頭にはつらい話だったか?でもこの一つさえ聞いてくれたら何もしない。・・・わかるな?」
「さ。ロジャー、手術の用意を。早ければ早いほどいい。今日だってかまわない・・・いえ、そうしてください。今日中に手術のできる場所の確保を。
その黒電話で、今すぐ、信頼のできる病院に電話をさせてもらいます。ロジャー、受話器をとり、用意を。番号はメロから一つずつ伝えられます。
違った動きをしたら・・・先程の約束は守られないと思ってください。我々は真剣です」
「時を引き伸ばそうとなんてしないことだな。ニアの心は変わらないし、もしそれが俺たちに知れたら事前でも事後でも・・・」
ロジャーは深くため息をつくと、番号を、と言った。
今の8です 番号入れ忘れました
続き来たな
面白いからもっと貼ってって
すみません、まだここまでしか書いてなくて。
お褒めの言葉ありがとうございます!書いてく気力湧きました!
>>570 ここももう過疎ってるし、冷やかしもないだろうから続き投下頑張ってね
少なくとも俺は面白く読めたよ
ニアが泣いてんのがいいね。
Sメロモエスw
>>570GJ
>>566 皆マロンに移動したっぽい
変なのも湧き出してるが、ここより盛り上がってるよw
574 :
9:2005/07/29(金) 19:11:14
病院の床は真っ白だった。
車から降り、ニアの手を取って救急用の裏口から病院に入る。一歩先に行ってドアを開けてやると、まだ私は全て正常ですと笑われた。
薬物で薄く大脳皮質を麻痺・・・性格の変わらない程度に前頭連合野をいじるか?
今僕が考えうる選択肢の中で最適だと思えるのは、ニアの“思考”の程度を落としてやることだった。
感情は持続、記憶もある程度は持続、そして僕に従順であればいい。
「メロ そろそろ執刀医に注文を。19時30分に私に麻酔を掛け始めるそうですから」
「ああ。・・・処置する部位は決まってるから、お前の頭を開いてからでも遅くない」
「なら心配ありませんね。」
病室は無駄に広い。テレビもあったが、ニアはきっと見ないだろう。いや、脳をいじった跡に光による刺激は危ないか・・・
室内を見回しながらそう考えてやっていたら、執刀までの暇つぶしにとニアはパズルやダーツをバッグから出し始めた。
思うに、ニアの私室はまるで病室だ。ダーツが壁に掛かりさえすれば、ここがニアの部屋ですと言われても違和感はない。
病院と僅かに違うのは子供用の低いベッドと、それから腹の立つほど難しい本の有無くらいだろう。
「的、掛けといてやるよ。お前は着替えろ」
「ええ。メロ、その前にしてみたいことを見つけました」
押しピンを刺して的を適当な場所に掛ける。ベッドからでも、ここまでは届くだろうと思いつつ、振り返ってニアを見た。
「何。」
「一度、メロの服を着てみたいんです。おかしな話ですがなぜか急にそう思いました」
僕がいいとか悪いとか言う前に、ロジャーが部屋から出ようとする。
「待て。携帯を置いたとはいえ、部屋からは出るな。」
僕の命令を、ニアが補足する。
「おかしな場所に連絡されては困るんです、ロジャー。ベッド周りのカーテンだけ閉めて、離れていてください。それで事は足りる」
「・・・・待て。まだ貸してやるとは言ってないぞニア」
「最後のお願いというやつです、メロ。私は、私が別物になってしまうことを理解している。手術室から出てくる私が、今の私と思考を共有できないことを知っている。
だから何でもしておくんです。そして書いておく。手術開始まで後、1時間32分ありますから。」
「・・・・麻酔開始までは後1時間10分しかないけどな。好きにすればいい」
僕の黒い服を着ているニアは、袖を確かめたり、匂いをかいだり、子供のように忙しくしている。
最も五感を使う生き物に戻ったニアは、たまに嬉しそうに僕を見て笑うのだ。メロ、なんだかいいですね、と言って。
僕はニアの手術着を着る訳にもいかず、ベッドの上で頬杖を付きながらああそうかと返事をする。
体温で暖まっていないベッドが腹を冷やす。胸を何とか見られないようにと、枕を抱え押し付けるようにして僕は起き上がった。
「実験は終わったか?学者さん」
「・・・はい・・・ええと、」
ニアは半分呆けたような顔で天井を見ると、後はメロに少し触って、それで終わりですと言った。
「ばっ・・・」
ここにはロジャーだって居るんだぞと言いかけたその唇を手のひらでそっと塞がれる。
「どうせ我々に関係のない人間になるんです、すぐに。気にすることはありません。」
生産遅くてすみません・・・
あっちもIDでないし自演しまくりなんじゃねw
ここももう終わりなのかねぇww
今日はここでやめて、今度最後までまとめて置きに来ます。
本当にありがとうございました。
>>577 投下有難う
メロ格好良いしニア可愛かったし
ニアの純粋さにうっかり泣きかけたよ
最後まで見たいからまた宜しくね
>>577乙!
ニアが切なくていいね。
続き期待してるから
がんがれ。
正直ここにまともな投下がくるのは諦めてた、
乙。
とても良かった。
久々に真剣に読んだよ。
なんというか…上手く言葉が出てこないんだが…他人から見たら狂った考え方を持っている二人なんだろうな。
メロと一生一緒にいるために知能を手放すニアや、一番憎い知能を無くしたニアを欲すメロは。
でも結果的には、二人にとっては二人の最上の在り方なわけなんだな。
すまん自分が何言ってるかわからなくなった(´д`;)
面白かったよ。
続き凄く楽しみにしてる
m9(^Д^)プギャー
m9(^Д^)9mプギャー
…(´ロ`)
やばい、続きが気になっ…
ニアはもっと弱さを見せた方がいい
メロはもっとあざとく残虐にニアを弄んだ方が萌える
女メロじゃない方が良かった
結局こっちがドリスレなんですか?
「ドリ」で検索すると引っかかる時点で
>>570 面白かったですよ
荒れるとか叩きとか気にしないで投下してくださいね
いつごろ続きできる?
∧ ∧
(´ロ` ) <何でもありあり
゚し‐J゚
そんな事よりメロ格好良すぎ(*´Д`)
ドリ禁止とかじゃなくて
ここメロドリ萌えスレにしない?
語り合える人欲しい!!
続きまだかなぁ
催促すんなよ
飢えてんならメロの萌え話でもしてろ
もめん…(´ロ`)
バレの焦ってるメロ可愛かったなぁ
もめん…(´ロ`)
601 :
fusianasan:2005/07/31(日) 04:14:45
>>602 厨が自分を厨だと自覚してたら苦労はしねえよ
自分の期待していたレスと違うレスがよく付くやつは、無自覚厨。
いつまでもスルーできない子達でつね
スル〜
('A`)'A`)‖
「Tヽ ̄T ̄ ̄\
ε= `◎====◎=
??
メロメロ??????
♥??
??
??
??
♣ ?
♠ ?
♦
メロタン?
名前が出ないほうがよかった と思う
(´з`)| ̄|_・`;:゙;`
めっ(´∀`)σ)Д`)
616 :
fusianasan:2005/08/04(木) 03:50:44
一応こっちにも挨拶しておくお
ヨロシクしますお(´ρ`)
617 :
fusianasan:2005/08/04(木) 03:54:00
銃を構えるミハエルたんは野獣のように相手を求める視線で狙うお
狙われた人は百発百中で恋に落ちるお(´ρ`)
618 :
fusianasan:2005/08/04(木) 03:56:09
強がりなミハエルたんは素直になれない自分にヤキモキするお
孤高なミハエルたん萌えるお(*´ρ`)
619 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:00:18
近衛隊の隊長のミハエルたん
剣術も完璧にこなしなんでも出来るエリート
だけどやっぱり一番になれないミハエルたん(´ρ`)
620 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:03:17
努力を惜しまない頑張り屋なミハエルたん
頑張りすぎていつも睡眠不足
そんなミハエルたんを影から見守るニアたんだお(´ρ`)
621 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:04:10
サッカー選手なミハエルたん
チームのムードメーカーなんだお(´ρ`)
622 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:06:05
小さい頃は木登りにおいかけっこに色々大忙しに遊んだミハエルたん(´ρ`)
623 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:07:24
学芸会でひよこの兵隊さんの役をやったことがあるミハエルたん(´ρ`)
624 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:07:59
タンバリンが異様にうまいミハエルたん(´ρ`)
625 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:09:02
学校の発表会のとき盛大に転んでしまったミハエルたん(´ρ`)
626 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:10:17
恥ずかしのあまりそこらのものを投げ散らかし
失敗をもみ消そうとするミハエルたん(´ρ`)
627 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:12:00
寝ぼけてニア髪を綿飴と間違え食べてしまった過去を持つミハエルたん(´ρ`)
628 :
fusianasan:2005/08/04(木) 04:12:33
寝るお(´ρ`)ノ
こっちにもキテター
ワロスwww
タンバリンのが一番ワロタw
∧ ∧
(´ロ` )
゚し‐J゚
え〜りちゃん☆彡(*´ロ`)
∧ ∧
(´ロ` ) <しえ☆
゚し‐J゚
えりちゃんにしえって言われちゃったゆ〜(*´ロ`*)ハォハォ
∧ ∧
(´ロ` ) <やん
゚し‐J゚
637 :
fusianasan:2005/08/06(土) 04:52:39
(´ロ`)ヤンマーニ ヤンマーニ
639 :
fusianasan:2005/08/06(土) 10:00:50
(´ロ`)ヤンマーニ ヤイーヤ
ノ
(´з`)
( (7
< ヽ
マジでそれやめてゆー_| ̄|〇ノシノシノシノシ
(´з`)| ̄|_・`;:゙;` _| ̄|〇ノシノシノシノシ
えりちゃん…(´ロ`)
ノ
(´з`)
( (7
< ヽ
646 :
fusianasan:2005/08/09(火) 18:39:04
道しるべage
647 :
fusianasan:2005/08/09(火) 19:50:52
女の子は挨拶でまずオマンコを見せてくれます
全員の女の子のあそこの毛は剃ってあります
完全に計算された照明装置を使い、高性能CCDカメラを使用しているのであそこの毛穴まで鮮明に映ります
あなたの思いをすべてかなえます
もうあなたはわずらわしい思いをする必要はありません
SM、バイブ、野菜、クスコ、ろうそくなどあなたが選んでください
八月末日オープン ライブチャット LIVE GLOBAL 20分無料体験プレゼント→
http://www.live-global.com
番長ここにきてゆ(*´v`*)ノシ
春に玉が飼われてたって韮玉妄想は止まらないっゆ(`v´*)
ここ削除依頼だした方がいいんじゃん
書き込まなければ自然に落ちるんじゃ
あ、保守したの?
削除依頼より埋めたほうが早いか?どうだ
じゃあ埋めよう
(_(*゚∀゚メリ <傷を埋めるチョコくれゆ
メロ
メロ
メロ
メロ
エロ
>>655 痛かったゆね
チョコやるゆ(*´v`)つ■■■■■■
沢山食えゆ
メロ
メロ
>655
チョコを傷に塗りたくるのかゆ
メロ
メロ
エロ
メロ
グロ
(_(*゚■■■■■■゚メリ <マリマ鼻からチョコ出そうだゆ
グロ!
メロ
ホモ
メロ
ウロ
メロ
ペロ
エロ!
レロ
メロ
もまいら良都市はどうでしたゆ?
漏れ行かなかったのを少しだけ後悔してるゆ
本スレだめぽorz
じゃ、こっちで盛り上がろ!
じゃ、こっちで盛り上がろ!
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
(´ロ`)<ド・ド・ドリ腐の大爆しょー!!
(´ロ`)<ド・ド・ドリ腐のだいばくしょー!!
ごめん。貼ってみたかっただけ。
そうか
前ここに投下された小説の続きが禿気になる
689 :
fusianasan:2005/09/05(月) 14:21:30
待っている人がいるとは思わなかった
少し書いてた
sage消えてた
sage落ち謝罪
691 :
10:2005/09/05(月) 15:52:19
ニアは黙って僕の体を確かめる。たまに腕を上げて、とか後ろを向いて、とか指示をする以外は感想も無しだ。
「今何を考えてるんだ ニア」
「・・・・・・。」
ハウスでは、僕はいつでもニアを怖がっていた。まだそれは持続している。
ニアが無言でいると、これも何かの策略かと疑ってしまう。もしそうだとしたら、いつから騙されてるんだろう。
今日のベッド?昨日の告白?それとも僕が錯乱した二日間から、ずっとか?
まさか本気だなんて思ってませんよねと、くだらないゲームには飽きましたと、そう言って背中を向けるのだろうか。
いつかの午後のように、まだそこにいたんですかと言外に僕を不要だと告げる、あのニアがここにそのまま存在する。
ロジャーもグルで僕を試している、そういう可能性は考慮したか?
「ニア もうやめてくれ。」
「わかりました。貴女がそう言うのなら」
「昨日から言おうと思ってたけど、その“貴女”っての、吐き気がする」
「はい やめます」
「・・・では、メロもこの部屋を出てください。一人になりたい。」
まるで人体を研究でもするかのように僕の体を不躾にいろいろ触ったあと、一度とても長いキスをしてニアはそう言った。
もちろん、気づいてはいた。でも、ニアの綺麗な目の端にうっすら浮かんでいる水の膜を、僕は見ないように心掛けた。
僕より聡明なこの化け物を、まだ信じるわけにはいかないんだ。少しでも慰めようなんて思ったら、きっと負けだ。
「いいか、ニア」
僕は服を着ながら、視界の端でニアを捕らえる。
「お前の天秤が逆に振れたら、いつだって約束は破棄できる。麻酔開始まであと少しだ。よく考えろよ。」
「結果は変わりませんが」
「昨日も言ったな。僕はやれといわれたら、やる。」
「お願いします」
前髪に掛かる銀色の髪を指でいじる、その目線は僕ではなく何もない宙を指していた。
692 :
11:2005/09/05(月) 15:52:50
「じゃあ、ニア、何かあったらコールボタンで呼べ。分かるだろ、枕もとの、それだ。
僕がここにいなくてもナースを呼べば、院内放送で僕を呼び出せる。」
わざと気のないようにそう言って、ロジャーと共に廊下に出た。
スライド式のドアが重い音を立てる。
廊下につけられた木の手すりが目に入った。ニアには少し低いかもしれないな。
思考のスピードをまた一段ずつ上げて行く。ニアの中身。一番僕が安全かつ幸せなリミッター。そしてその維持の仕方。
「どうしてニアに手術なんか・・・」
それを邪魔する老人の声で一瞬周りの全てが頭から飛び、僕は馬鹿なロジャーの胸倉を思い切り掴む。
「しなくても愛せるんだったら、こんなこと最初から考えやしないんだよ!!」
呼吸を整えている最中に自分がひどく醜い顔をしているだろうことの想像が付き、僕は顔を隠しながら手を離した。
「メロ・・・」
まだ何か言おうとする、うるさいロジャー。
「言っておくがこれは元々ニアの案だ。 分かったら黙っててくれ。僕は忙しい」
そう、後悔はない。胸の奥で痛む棘が一つ、しかしこれも多分感傷に近いものであって、手術が終わってしまえばなくなる、そんな類の感情だ。
囚われる必要はない。
個室ばかり並ぶ最上階はしいんと静まり返っている。足ざわりのいい絨毯が階下からの音も吸収するからだろう。
眼下に広がるのは、“郊外”を演出するためにわざとらしく整えられた数種類の高級な緑。そして夕焼け一歩手前の、やけに明るい光。
昨日読んだ医学書にあった脳の断面のスライドが再生されていく。
僕らが生きるに値するのは、こんな場所でもこんな国でも誰の監視下でもない。
この手術が終わったらすぐここを抜けて、もっと何もないどこかに、ニアと二人で逃げよう。
ニアの“完成の程度”にもよるが、きっと幸せになれるだろう。
まるでそうしなければ呼吸が出来ないみたいに暇さえあれば抱き合って、笑い合うんだ。夜だってぴったりくっついて寝る。
晴れた空の下で何を疑うこともなく、ニアは僕を愛し続ける。僕はニアを庇護しつつ、同じようにまっすぐニアを愛する。
・・・違う、思考が逸れた。考えるべきはこれからのことじゃない、今のことだ。
693 :
11:2005/09/05(月) 15:53:58
絨毯の上で揺れながら、ゆっくりと小さな台車が進んできた。
考え事をしながらぼうっと眺めていると、今から髪を洗います、とナースが僕に言った。
勝手にしろと僕は答える。きっとこの質問は外科医の指示で、本当に進めていいのかと、そういう確認の意味だろうと僕は考えた。
「・・・もう少し経ったら麻酔医が簡単な質問をしに来ます。保護者の方は今までのアレルギー反応や薬物に対する・・・」
「質問は全部、中の奴にしろ。これは保護者じゃない。」
「これからレントゲンとMRIをしますが、」
「その続きもだ。」
「それと・・・」
「黙れ、僕はいまさら思いとどまったりなんかしない!」
僕の想像とは違いただ与えられた言葉を喋っていただけだったらしいナースは僕の剣幕に困惑し、僕は少し申し訳なく思った。
「・・・・・手術関係のことは全部あいつに聞いてくれ。僕は忙しいんだ。」
僕は或る所まで達した結論を掘り下げながら脳外科医と話をしに、やけに歩みの遅いロジャーを引っ張って手術の行われる棟へと移動した。
方法やリスクや成功率を聞いて推敲すると案外打ち合わせは長く掛かり、麻酔開始の時間まではすぐだった。
頭の中から余計なことを追い出すのには役に立った。
一度消毒をし、決められた服を着て、そうしたら隣接の準備室で手術を見ることも出来ますがと言われ、僕は迷わず要らんと答えた。
「陽が落ちます・・・」
「そうだな。」
「行ってきます、メロ」
「ああ。」
いつも通りの顔で麻酔室の中に入っていくニアに笑って手を振ってやれなかった。
それこそ、病室の何倍も無駄に明るくて白い部屋がニアだけの為に開く。
開いたドアから聞こえてきたのはリラックス用にかけられている、ピアノ曲。聞いたことがある賛美歌だ。
クソ、ここにいる誰が神なんか信じているっていうんだ。
僕は片頬を歪ませた。
694 :
12:2005/09/05(月) 15:55:02
「・・・さようなら、メロ。」
そう微笑んだ最後の言葉に驚く僕を残して、内側からナースがドアを閉めに掛かる。
自分の咽喉が収縮したように何も言えない。呼吸も止まっていたんだろうと思う。
細くなる風景の中を、ニアは振り返らず進む。
ニアを呼び止めようと中途半端に出てしまった声はドアが閉まると同時に、長い廊下に響いた。
おいニア、お前今グッバイって言ったのか?
「・・・手術開始までは、いつだってやめられる。メロ。」
「黙れ ロジャー」
馬鹿なニア。
・・・・・愚かな僕。
ニアは売店で買った、黒く安っぽいノートを抱え、手術着に着替えて部屋から出てきた。麻酔開始の15分ほど前だった。
「もし手術後の私がここに書いてあることを分からないようだったら、説明してやってください。」
そう言って僕に渡した。何があろうと私はメロを愛してます、と、一言添えて。
「正気のお前と話すのはこれで最後になるかもな」
頬を片方だけ持ち上げニアの目を下から覗き込んだ僕にニアは言った。
「だから、今、頼んだんです。」
695 :
13:2005/09/05(月) 15:55:44
どうして泣けてくるのか解らなかったが、つい数時間前のベッドの中でのことが追い出しても追い出しても想起される。
数時間。僕とニアが生きた、こんなに長い時間は時計のたった数時間分の刻みの中にあったのだ。
ニアがはにかみながら僕を呼びに来たあの午後も。
Lをどうやって殺そうかと笑いながら頭をつき合わせたことも、うまくできなかったセックスも。
・・・ロジャーの部屋まで、二人、手を繋いで歩いていったことも。
僕が愛したのは何だったろう。
ニア。
ニアの何をこんなにも苦しく思うんだろう。
気を紛らわそうと、僕はニアに渡されたノートを開いてみた。
「・・・・・・」
そこに書かれてあったのは、ニアの今まで見ていた世界の詳細な説明でも、知識の再取得方法でもない、
・・・ノート10枚分のただのラブレターだった。
それは自分が如何にメロを愛しているか、そしてメロは如何に自分が愛するに足る人間であるかもう一度思い出すためのもの。
僕以外のことは殆ど書かれてなんかいなかった。
最後のページが近づくにつれて“愛しています”の出現率が高くなっていった。
この二日間で学んだのは、ニアが何かを怖がっているとき、愛していますと言うことで何かを確かめようとするのだということ。
確かに、これは保険としても機能するだろう。
僕がこのままニアを棄てたいと、そう思っていた場合、これを読ませることによってニアは僕の眼前に聡明なニアを蘇らせ得るのだから。
でも、この内容。本当にお前は聡明だったのか、ニア?
それとも僕に関しては聡明さを棄てる前に馬鹿になることが、聡明なお前の結論なのか?
696 :
14:2005/09/05(月) 15:56:46
「ロジャー」
「何だ メロ」
廊下のソファに座っていたロジャーは、組んだ手の上に乗っけていた額を跳ね上げるようにすばやく反応した。
「ニアに会いたい」
ロジャーはチラッと時計を見た。麻酔室に入ってから、14分。僕はもう随分長い時間が経っていたと思ったが、そうではなかったらしい。
「・・・話は出来ないと思うが 顔くらいなら見られると思う。もしかして、気が変わったのか、メロ?」
ムカつく明るい声。大人たちが僕らを説得しようとするとき、よくこの心理テクニックを使うことを僕らは書物から、そして経験から知っていた。
「さあな お前に話すことじゃない。」
僕は敵意をむき出しにロジャーを睨みつけた。
ニアに関しては、今は僕がすべての決定権を握っているんだ。
お前じゃない。
僕とロジャーが麻酔室に入ると、真ん中の硬そうな台車ベッドでニアが眠っていた。
ニアが、眠っていた。
その向こうには青い服の男たちが行き来する、手術室のドア。小さな覗き窓からは、その向こうに色々な機器が鎮座しているのが見える。
不思議なものだ。もう一度ここに戻ってくるとき、お前は僕と同等になっているのだから。
この骨の向こう側にある脳の前頭を少しいじって、少し働きを鈍らせる。それだけだ。
散々脅しておいて本当は、僕はニアを馬鹿にしようだなんて思っちゃいなかった。
なあニア、お前に何か言われるのが怖くて言えなかったが、僕が望んだお前は限りなく今のお前に近い、僕とほぼ同等のニアなんだ。
僕より少し馬鹿であればそれで良かったんだ。
ニアが恐れたようにニアを廃人にして棄てようだなんて、これっぽっちも考えちゃいなかったんだよ。
考えてもみろ、僕はお前を愛してたんだよ?僕より勝った部分以外の、全てを。
何分くらいそうやってニアの顔だけ見つめていただろう。
今はなにも感じない世界最高の頭脳に最後のキスをしてやろうと思って、僕はニアに近づき目を閉じた・・・
・・・・瞬間に、顔に霧状の液体を噴霧された。
697 :
15:2005/09/05(月) 15:57:44
何分くらいそうやってニアの顔だけ見つめていただろう。
今はなにも感じない世界最高の頭脳に最後のキスをしてやろうと思って、僕はニアに近づき目を閉じた・・・
・・・・瞬間に、顔に霧状の液体を噴霧された。
「なっ・・・・」
振り返るとそこにロジャーはいなかった。
麻酔医が一人、ばたんと部屋から出て行くところだった。そして同時に外から鍵がかかった。
やられた。変な感傷なんか持ったからだ。あのままロジャーから目を離すべきじゃなかったのだ。
ああそうか、ここは麻酔室だものな。何だってそろってる。
血中注射じゃないから少し時間が掛かるだけでこれも麻酔薬、しかも吸入タイプのものの現液だろう。
この後僕らはほぼ100パーセントの確率で引き離されるだろう。僕がどこかに消える形で。
そしてロジャーがニアになんと言うか、想像もつく。 “メロはお前を棄てて消えたんだ。”
一緒に居られないくらいなら、ニア、お前は死にたがるだろう。
僕に終わらせて欲しいと言っていたお前だから。
そこまでを一秒も掛からずに結論付けた僕は、部屋を見回し目に留まった手近な鉄製品を一つ、すでにかなり朦朧とする頭で手に取った。
自分が麻酔に掛かりつつあることを意識してから、完全に落ちるまでは一瞬だ。
体が重い、重い、重い、頭が痛い、ニア、ニア愛してるよ、助けて、僕は、これからも、
お前と一緒だよ。
僕は手にした何かを眠るニアの額に向かって振り下ろしたはずだ。
確認する前に、ごっと鈍い音を最後に、僕の意識は途切れた。
キタ!待ってました!
でもこんないい所で切っちゃうんですか…?放置プレイ(;´Д`)ハァハァ
続きお待ちしてます!
まじめに、おまいの作品が好きだ。
実は催促してしまってたのは俺だったりする。
この続きを見たいがために何度もこのスレに足を運んでた。
この作品本当に大好きだからガンガッてくれな。
続き禿気になるwwww
自分もひそかに
>>691の続きを待ってたよ。
文体も勿論だけどキャラの捕らえ方が好き。
メロがメロらしいというか。
こんな荒れてるスレでこんなレスするのも何だが
自分もおまいさんの作品すげー好きだよ。
続きが気になるけど、のんびり待ってます。
>>961の負担にならないくらいのペースで頑張ってノシ
>>699-700 言いたかないけど自演しなくても気持ち伝わってるから大丈夫だって
文体くらいかえろよな…
700です。今は携帯からだからIDちがうけど。
>>699とは別人だよ。誤解させて申し訳ない。
自分のカキコのせいでまた荒しの原因になるかもって思ったら
どうしても一言言いたくなった。
ごめん。ヌルーしてくれ。
↑ってごめん。ID非表示なの寝て起きたら気付いた…。
自分アフォだな。本当にスマン。逝ってくるorz
はいはいわかったわかった( ´,_ゝ`)プッ
705 :
16:2005/09/08(木) 13:47:11
原液による麻酔はなかなか抜けず、ひどく朦朧とした意識は二日ほどで正常に戻った。ひどい頭痛と吐き気に悩まされ、それでも誰一人看病には来なかった。
食事は一日に三回(多分そうだと思うが時計は与えられていなかったし日光にも当たらなかったので定かではない)、ロジャーがじきじきに持ってきた。誰かを言いくるめてメッセンジャーにすることも出来ない。
ロジャーは本当にうまくやった。僕をこうやってニアから引き離し、そしてたぶんニアは生きているのだから。
僕を閉じ込めておくのは、未来のLが健在だからで、だから二番の僕の能力開発は必要ない。
・・・あれから、ニアは泣いたのだろうか。ニアは。
僕がお前を裏切ることを恐れていたお前は、病室で目を覚ましたとき僕が居ないのを見て何を思ったのかな。
もう僕を嫌いになってるだろうか。いや、それより先に考えるべきは生きているか否かだ。
そんな根本的な事から悩まなきゃならない。
ニアが生きていた場合のこれからの僕のとるべき行動。そして、死んでいた場合の行動。
「夕食だ メロ」
「食べない」
「もう水だけで三日になるぞ。食べなさい」
笑えるぜ、その三日ってのすら本当かどうか怪しいもんだ。
「・・・ニア。ニアに僕のことを伝えろ。ここに居るって。まだハウス内に生きてるって。」
「それは出来ない」
「じゃあ、僕はニアを棄てたんじゃないってニアにそれだけでいい。一言でいいんだ。」
「それは・・・出来ない・・・ワイミーに禁じられている」
くそ!いつかあいつも殺してやる。
いつもの僕なら喚き散らしていたところだろうが、今そうするのはまったく得策じゃない。
ニアならその一言でロジャーを詰問しにかかるだろう。ただのけなげな台詞に見せかけてそう期待していたんだが、情に流されやすいロジャーがそれすら拒否したのは多分ワイミーの入れ知恵だ。一度負けた人間は用心深くなる。
僕は心の中でだけ、派手に舌打ちをした。
「置いておく。食べてくれ」
「・・・・。」
706 :
17:2005/09/08(木) 13:48:07
このまま僕が小さなストライキを続けたらロジャーは僕を殺すかな、と考えたりもした。
真っ暗な刺激のない部屋で大人は僕を狂わせるつもりなんだろう、きっとこの部屋の外でニアが僕を要求しているから。
はは、逆じゃないか。
僕を人形にしてニアに与えてどうするんだ。ニアはそんなものが欲しいんじゃない、即物的なお前らにはわからないんだろうけど。
・・・そうやってそこまで考えたときに、僕の目の奥がきゅっと締まった。
何だったろう、この感じは、と目に手をやろうとしたそのとき、涙が出てきた。。
“ニアはそんなものが欲しいんじゃない。”
“お前らにはわからないんだろうけど。”
泣いた理由はコンマ数秒後に理解できた。
僕は深層で考えたことを後に言葉にするタイプの思考体系を持っているらしく、だから体が先に反応を見せるのだろう。
そうだ、一番何もわかってなかったのは僕だった。ニアに酷いことをした。
僕は僕のプライドが傷つけられるのだけを怖がって、そんな臆病な理由で、最後まであいつを信じてやらなかった。
ニアは今も僕を要求しているのに。ニアのその抵抗で僕は生かされているのに。
こうやって最悪の局面を迎えてから判るなんて、もう、どうしようもない。
僕は本当に生きることを考えなくなった。ニアにこの気持ちがわかってもらえれば、他には何も望まない。
僕の死体の搬出にニアが気づけばいい。ここで手首を食い破る僕の血がこの下の部屋に染みていけばいい。
もう、そんな雲をつかむような抵抗しか出来ないのだ。
水だけで過ごした期間がロジャーのカウントで五日を超えた後、僕は無理やり栄養注射を打たれた。
足だけベッドに固定されて点滴と注射、食事の時間以外口には自殺防止の猿轡。
それでも僕は狂わなかった。
707 :
18:2005/09/08(木) 13:51:08
僕は違うタイプの鍵が四つ付いた小さな部屋で2週間過ごし、その間ニアには会えなかった。
出られたのは多分、ロジャーがこの状態を続けることに最初から罪悪感を感じていたからだろう。
ニアもニアでたぶん自分の命を盾にプレッシャーをかけ、僕は僕でハンガーストライキだ。
代理を立てることも出来ずに直接その二つの行動に触れ続けなければいけない彼の心情は大変なものだっただろう。
自分が子供の恋心を引き裂き、それによって子供たちが自ら死のうとしている。
実際、子供が好きで教育者としてここに来た、理想主義者のロジャーの衰弱っぷりは酷いものだった。
日に日に頬がこけていく。僕よりずっと消耗が早い。
これはもしかしたらどうにかなるかも、と思った。
「ロジャー」
「何だ、メロ」
「あんたはよく頑張ってる」
次の日、ロジャーは鍵を開けた。
僕は交渉の新しい手法を学んだ。
708 :
19:2005/09/08(木) 13:52:30
酷く縮んだ胃に固形物は入らない。
僕はチョコレートを一枚、ゆっくりと舐めた。
どうやら監禁場所はワイミーズハウスではなかったらしい。ロジャーとしては注意を払ったつもりだろうが、一日中ハウスに居るのが普通である人間が日に三度も車で抜けて、それにニアが気付かないはずがない。
だからニアも生きていたんだろう。お前の馬鹿さが天才を救ったよ。
車はまぶしい風景の中を抜けていく。
助手席でチョコをかじり始めた僕に、ニアに勝って見せろとロジャーは言った。
「私と、そしてワイミーが欲しているのはトップの一人だけだ。だから、」
「・・・僕がニアに勝って一番になれば、僕はニアを好きに出来る。そういうことか?」
「そうだ。」
ロジャーはその一言で手の内を全部ばらした。お前は優しすぎたな、ロジャー。嫌いじゃないよ。
「もしくはLが長生きするかだな。」
僕はもうひとつの可能性を探り始めた。
ハウス内の噂では、Lは僕らと10年も年が離れていないらしい。
だからそのLが長く存命するとなれば、跡継ぎをLと近い僕らの世代から選ぶ必然性は無くなる。
今のところ危惧されるのは年齢による衰え、そして不慮の事故のみなのだから。
「リミットを決めよう あと何年で次の世代の子供にシフトさせる?」
「・・・わかった。リミットは5年 今のお前たちが19になったら、メロがニアを自由にすることを許す。」
5年。
その間Lが存命するか、僕がニアを追い越すか。
あの日病院の廊下で思い描いた幸せな未来が見えた、気がした。
終わりじゃないです。
まだ続きます。
最高だった!!
あの、ネ甲さま、あなたはまさかyun氏ではないですよね?
ウホッ!!キイチャッタ!!
712 :
fusianasan:2005/09/09(金) 03:11:01
ドリ腐様晒しage(´v`)
意図的に名無しにしてるんだから、そこは聞いちゃだめだよ
714 :
fusianasan:2005/09/09(金) 08:55:43
ドリ腐様晒しage(´v`)
せっかくyun氏かもしれない神が帰ってきてくれたんだから、あんまり騒ぎ立てないでくれよ…。
例えばyun氏じゃなかったとしても素晴らしい作品だよ。
気にせず続きお待ちしております…!
716 :
fusianasan:2005/09/09(金) 11:28:32
ドリ腐様晒しage(´v`)
誰だ とか関係ないよ。
続き、楽しみにしてるな
718 :
fusianasan:2005/09/09(金) 14:56:37
ドリ腐様晒しage(´v`)ニラニラ
俺も続き気になってる
楽しみに待ってるから
がんがってね
720 :
fusianasan:2005/09/09(金) 22:57:20
ドリ腐様晒しage(´v`)ニラニラ
722 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 11:09:44
選挙に行こう!
まだかな(*´艸`)ワクワク
(゚v´)☆ミ
期待してくれている方には悪いですが、yun氏ではありません。
騙っている様で申し訳ない。
726 :
20:2005/09/15(木) 17:05:56
「ニア!!」
車から逃げるように降りてハウスの中へ入っていく。ニアは自室でパズルをしていた。
「メロ、・・・ああ、メロです。」
目を見開くニア。駆け寄り、抱きつく僕。こんなときの行動にIQは関係なく、きっと馬鹿でも同じ行動をするのだろう。
ニアを窒息させるくらい強く抱きしめて、愛しているというより先に謝った。
「ニア!ニア、ずっと僕はお前の事を考えてた」
「はい。私も、メロのことのみ信じて生きていました。」
頭のいい人間と馬鹿の違いは、小さな違和感に気が付くかどうかだ。
その違和感は、確かにあった。それは小さな疑問になって僕の中に溜まった。
「メロ 私は、メロがメロであるということが分かります。パズルも同じように解ける。」
「当たり前だ、手術はしてない。」
ニアは何かのあっけなさに気づいたときのような顔をして、ダーツを手に取った。
「では、これは何ですか?」
いつものように真ん中に当てるものだと重い、僕はニアがダーツを構えた瞬間から壁にかけられた的の中心しか見ていなかった。
隣でニアがぎこちなく腕を振る。
待っていた場所に、ダーツは飛んでこなかった。ニアの手を離れたそれは壁に当たって嘘みたいに床に落ちた。
「あのノートは没収されてしまったんでしょうね。」
「ニア、お前」
「そして私は、私を支えることが出来なくなった。これは?」
ニアは自分の足に体重をかける。まるで地震でも起こったみたいにバランスを崩し、肩から床に崩れ落ちる。
「ほら、立てないんです。」
何から何まで完璧だったニア。いつも猫背の背筋は必要とあればピンと伸ばすこともできたのに。
「これは何ですか、メロ」
倒れたままでニアは言う。
727 :
21:2005/09/15(木) 17:07:21
確かにニアの脳は働きを鈍らせた。でもそれは僕の苦し紛れの一撃によってであり、僕が望んだものでは無かった。
僕は世界一の頭脳の中身を変えようと悪あがきをして、入れ物だけを壊したんだ。
「・・・平衡感覚がおかしくなったんだろうと思う。」
僕はニアに全てを説明した。
最後にニアに会いに行ったこと、そこで麻酔をかけられたこと、そしてニアを殺そうとしたこと。
愚かなことと言われると思っていたが、ニアは微かに笑った気配があった。
「それでいい。そうするのがメロです。」
きっとその一撃は私の額にでなく、少しずれた場所に当たったんでしょう。
なんでもない新聞記事を批評するように、ニアはそう言った。
あの日と同じ、白い床。
ずいぶんとやせて骨みたいな僕と、素っ頓狂な方向を向いて無様に倒れたままのニア。
ニアが何を欲しているのか分からない。この部屋に横たわるその記号が何を表しているのか分からない。
私を支えられなくなったというのが自分の足で立てなくなったことに関することなのか、それともノートを没収されたことに関することなのかすら、僕には判別が付かなかった。
ニアはいつもそうだ。曖昧な接続詞で、どうにも取れるような発言をして、僕がどう答えるか高みから見ている。
言いたいことも、訊きたい事も、胸まで溜まった。苦しくて苦しくて、上手くいつものように優先順位がつけられない。
「なあニア。」
「何ですか」
728 :
22:2005/09/15(木) 17:11:16
・・・お前は寂しかったか?僕を疑ったことは?
ロジャーに何を言った?
僕を未だ愛してるか聞いていない。
どうして会ったその時にキスをしてくれなかったんだ?
どうして倒れたままなんだ?どうして僕を見ないんだ?
あの日のノート、どんな気持ちで書いたんだ?今も同じ気持ちか?
僕はどうすればいい?何が言って欲しい?
今からでもお前の何かになれるのか?
どうして抱きしめ返してくれなかったんだ?
骨ばった僕は醜く見えるか?
どうして愚かな失敗を叱ってくれない?
お前の夢も気持ちもぶち壊したんだ。
「・・・・・。」
僕は床にぺたんと座ったまま声を噛み殺して涙を流した。
栄養状態が悪い。きっとそれで、精神も不安定なんだ。だからこんなに簡単に、泣いてしまう。
「メロ」
その呼びかけには答えられなかった。
答えていたら、もしかしたらあの疑問の洪水の答えを一つか二つ、貰えたのかもしれない。
これからどうすれば僕らは幸せになれるだろう。
・・・どうしようもない。
ここで生きるしかない。
大人たちが規定した世界の中で。ニアをLにして。
こうやって次代も、その次も、同じ枠の中に収めていこうとするんだ。
このハウスに来たときには天井の無い場所で好きなだけ葉を伸ばして行けるような気がしたのに。
乙!
ここじゃなくてID板かあまり薦めたくないがもう一つのスレに投下してみたらどうかな?
最近カキコないし荒らしも去ったかもしれない
投下されたらスレも盛り上がると思う
ちょっと考えてみたらどうかな、と
後、投下してくれる人は誰であろうと平等にありがたい存在なんで
詮索するような奴なんか気にしないでマイペースに投下しなよ
誰が投下してようと楽しみにしてる奴はいる…俺とかw
投下の場所についてだが
最後までここで行こうと思っている。
板を変えることなく、ここで投下を続けるのが最善だと思うので。
731 :
23:2005/09/15(木) 18:30:42
堤防が決壊した。
「ニア」
あの日とよく似た、酷く情けない声が出た。
はいと答えるニアを仰向けにして、その上に乗りかかった。
目を閉じろというのももどかしく、手でニアの目を覆ってキスをした。
ニアの舌はあの日より幾分か滑らかに僕に答えた。
そうだ、これでいい。向いてないんだ、小さなパーツを頭の中でごちゃごちゃ弄るより、分かりやすいように生きていきたい。
評価を受けないそのカテゴリでだけ、ニアに少し勝るのかもしれない。
僕は何か教えるようにニアの舌を絡め取る。
舌と呼吸を組み合わせて言葉を紡ぐより、空気を介在させずにじかに伝えるこの方法のなんと効率のいいことか。
風で閉まったのか誰かが閉めたのか解らないが、酷く大きな音を立てて部屋のドアが閉まった。
耳にはお互いの喉が閉じて奏でる甘い音。それからそれに伴ってなされる呼吸。
ニアの舌で少しずつ疑問が消されていく。でもまだ足りない。まだ、こんな単純な動きじゃ伝えるべくもない疑問が渦巻いている。
ニアがゆっくり手を伸ばして、僕の髪を一束掴んだ。そして僕の舌の裏を刺すように硬くした舌を滑り込ませる。
ああ、そうか。ニアも同じだったんだ、と僕は思った。
ニアも疑問と不安の洪水の中にいたんだ。ぜんぜん進んでいなかった枠だけのパズルと、立てないお前が抱え込むようにした膝。
本当は僕を抱き寄せたかった腕がやっと掴んだ頭の端。
ニアは口の中に溜まった唾液をむせないように少しずつ飲み込む。おろそかになった口の動きに抗議するように僕はニアの上唇を甘噛みした。
目を薄く開けるくらいの余裕が出来た。目の端に丸いレースの影が映りこむ。
カーテンの柄が変わったな。きっと新しいこれの縫い目のどこかに盗聴器、後でカーテンレールも調べておこう。
ニアが上手く立てないのをいいことに天井際につけたんだろう。
ああ、神経がいい感じに尖ってきた。考えることが頭の中で箇条書きになっていく感じ、この感覚をここ数週間忘れていた。
ニアの舌をいいように相手してやりながら、上から順番に並行して結論を探す。
お前があんまり寂しそうにキスをするから元の僕が少し戻ってきたとニアに伝えるかどうか迷って、結果、そのセリフを飲み込んだ。
ニアに少しでも弱みを見せちゃいけない。
そう、それでいい。またあの日をやり直すために、僕らはまだ全てを見せ合っちゃいけない。
褒めてやってんだから礼の一つくらい言ったらどうなんだよw
クールなアテクシカコイイ臭漂いすぎだろwwwwww
>>730 そうか
他にカキコがなくてここにだけあると
逆にこのスレに変なの集まって来るかなって思ったんだ
どこに投下しても同じなら正規のスレにって投下して
皆で盛り上がった方が良いかなって
知らない人もいるだろうし
ま、頑張ってくれノシ
助言・励ましありがとう。
何か反応があるから書き続けてられるんだと思う。
一人一人に返していたらほかのスレであったように何かしら反発をくらって荒れる。
感謝の念がないわけではない点、ご理解頼みたい。
今25を書いている。
30で完結目指すが、増えるかもしれない。
>>734 ?
感謝するしないはどっちでもいいよ
俺も好きで見てるしw
ここは比較的荒れないし良いかもね
続き楽しみだ
ワクテカしながら待ってるよノシ
何?
こいつもしかして頭悪い?
>>734 がんがれ
同じスレにまとまっていたほうが読みやすいのでここに投下は助かる
自演乙!
こんなに心待ちしてる投下は久しぶりだ。
ガンガってくれ!!!
(/д\;)ミテラレナス//////
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ワクテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
玉厨おとなしくしてろゆ(´ロ`)、
巣から出ちゃめーなのゆ(´v`)つ<´ロ`)、
結構加筆修正した。
最初から投下しなおす
745 :
1:2005/09/20(火) 19:15:09
僕がその日ニアを見つけたのは、あの白い部屋の中だった。
窓の近くの床にはレースのカーテンの模様が菱型を描いてそのまま光っていた。
その光を避けるように、部屋の中心にニアは居る。いつもの猫背で、パズルをしていた。
僕は後ろ手にドアを閉め、そっとニアに近づく。そして隣に腰を下ろし、こっちを見ろよ、と言ってみた。
他より長く視界に入るだけでいい。
それだけできっと、記憶力が飛び抜けたお前は、僕を長く認識し続けるだろう。
そんな(僕にもわかるほど)頭の足りない考えで、僕はニアに話しかけた。
「はい」
ニアは僕を見て、また何事も無かったかのようにすっとパズルに戻った。
以前、そんな退屈そうなことどうしてやってるんだと聞いたことがある。
そうしたら、この世界は退屈だから、パズルでもやるしかないんですとニアは言った。
僕はもうずっと昔から、僕を正確に理解しているのはロジャーでも研究室の人間でもなく、ニアだけだと思っていた。
“メロはさほどの価値は持ち合わせていない”
これが、ニアと僕との僕に関する唯一の共通認識だろうと思う。
実のところ、僕には価値が無い。
半年ほど前、自分でそれを認めるのに丸二日を要した。
吐いて、泣いて、物も壊した。あの時ニアだけはその理由を知っていたはずだ。
事の発端は僕が何十回も練習した知能テストで、ニアが容赦なくぽんと僕を追い越したこと。
差は21ポイント。僕が何もしなければ、多分45ポイントくらいになる。
ああ、そうか。こいつは、違うんだ。
結果を見たその時は何故か、心の中に感情らしい感情はあまり無かった。
強すぎてシナプスがスパークしたのかもしれない。その点、麻薬常用者のようだった。
ニアが張り出された結果を見ている僕を遠くから見たのを知っていた。
悔しがらないから驚いていたんだろうか。それとも、まさか僕の心情を心配でもしたのか?
感情が追いついたのは半日後で、それから二日間、僕は狂っていた。
皆が僕を避ける二日間、ニアだけがああやって話しかけにきた。
746 :
2:2005/09/20(火) 19:16:25
「みんな、追々そう気付くんですメロ。お前だけじゃない」
ニアは表情無くそう言った。僕の目を見てはいなかった。
“気付く”?じゃあ、最初から僕らに価値なんて。
「・・・私は、努力できることも才能だと思います。メロ。そんな評価とは別に、私は、」
ニアは何か言いかけたが僕はそれどころじゃなかった。
この場で眼球の奥深くに親指を入れて掻きまわして、殺してやろうかと思った。
多分半ばそうするつもりで、肩口を思い切り蹴ってニアをパズルの上に倒したんだ。
無言で顔を上げたニアは無表情に鼻を押さえていた。赤い血が白いシャツを汚していく。
「メロ、大丈夫です。」
・・・それで嘘のように僕の心は収まった。
そのとき、ニアに対する評価が鮮やかに色を持った。
そしてそれを一生認めるまいと、僕は心に決めた。
ニアの中に僕を置き、そして僕がニアを嫌えば、それは負けじゃない。
「こっちを見ろって!」
「さっき見ました」
「もう一度だよ馬鹿ニア!!」
「・・・何が目的なのか、聞かせてください。それが達成されない限り、メロは私にメロを見ることを強いるでしょうから」
更に言えば僕が三番以下に対して持っている優位性なんて、吹けば飛ぶような軽いものだ。
いくら頭のいい子ばかり集めたとはいえこの遊び盛りの年齢で、寝る時間を削って勉強するなんて僕くらいのものだったから。
要は、ここでは今のところ、努力さえすれば優位を保てる。
もうニアからの評価は考えない。
周りが「ニアとメロ、すごいね」と、名前を並べるのを聞くのが嬉しかった。
そんな惨めな僕だった。
僕は今までも、これからも、この孤独な哲学者の興味を引けるカードは持っていない。
それが解って、悲しかった。
747 :
3:2005/09/20(火) 19:17:23
「僕は、」
悲しみに混じったこの濁った苛立ちをどうすればいいか解らず、僕はふっと頭をよぎった言葉を口に出すことにした。
「・・・・いつかお前を殺してやるんだ。」
「・・・・。」
ニアが一瞬目を見開き、驚いたのがわかった。
思いがけず少し表情が晴れる。ニアの心を動かした、それだけで嬉しい僕はきっと何かの病気だ。
・・・偏執症だ。
「それとメロを見ろという命令と、どういう関連性が?」
「だから覚えておけばいい。僕は親切だから、教えてやった」
関連性までは考えていなかったので、きっとおかしな返答だったと思う。
ニアは黙って何か考えている。あるいは何も考えていないのか、しかしパズルを掴んだままの手は確かに止まっていた。
それはほんの十数秒だった。
十数秒の静寂の後、パズルがはまる音と同時にニアは話し出した。
「メロが、私を終わらせるんですか」
「・・・・・ああ。」
「私の、この退屈を。」
「ああ。」
パチン。
また一つ、ピースは嵌った。そしてニアは完全にいつものニアに戻って、言ったのだ。
「楽しみです。」
表情も変えずに。
僕がいつもニアの事を考えるたびにわだかまる思いと同じものが色濃く僕の思考を支配していく。
ああ、この感じ。
悲しみが混じった、苛立ち。
本物の殺意を抱きながらも、僕がしたのはニアの服のすそを掴むことだった。
「ニア」
「何です、メロ」
748 :
4:2005/09/20(火) 19:17:58
何の疑いもないような目をして僕を見るな。
「ニアを産んで捨てたのはどっかのクソ女だけど、終わらせるのは僕だ。そして捨てたりなんかしない。」
「ありがとうございます」
「でも、僕はお前が嫌いなんだ。お前の存在があるって思うだけで、死にたくなるほど、」
「それはいけません」
ニアの服のすそを引っ張る僕の手にニアの手が被さり、思いがけなく強く手首を掴んだ。
いつもの行動からは予想も付かないその強さに、僕は何か危険を感じたのだった。
「世界からメロが失われるなら、私が消えます。」
「!!」
いきなりのことに驚き、僕はニアの手を全力で叩いた。
白いその手が赤くなっても、ニアは僕の手首を離さなかった。
少し落ち着いた僕は攻める方向を変えて、ニアを睨んでやった。
「はっ、口説いたつもりか?世界から本物の天才が失われるほうが、損害はでかい。お前がそんな簡単な計算を出来ない訳が無い」
「・・・メロ、」
「そうだろ、ニア?次そんなつまらない事言って僕を失望させやがったら、時を待たずに殺してやる。」
二人の真っ黒な目がお互いを探る。
僕は出方を待った。
ニアは目をそらし、僕が勝ったと思った瞬間、
「メロ。お前は何か誤解している。」
そう言うとニアはもう片方の手でやりかけのパズルをひっくり返した。部屋の隅っこまで、ピースが派手に転がる。
僕はあっけに取られる。何をしてるんだニア。
749 :
5:2005/09/20(火) 19:19:30
「・・・・私はメロには勝てない。」
そのセリフにかっとなって手が出た。殴ろうとしたそれも、ニアの手に捕らえられた。
「んっ、クソ、離せニア!!」
腕を振ってなんとかニアの手から逃れようとしながらその冷たい目を睨んでやる。
ニアは重そうな目蓋をいっぱいに持ち上げて、ただ僕の腕を強く握る。
「冷静に聞いてくださいメロ。お願いします。聞き終わって、まだこの気持ちが持続していれば、その時は私を殴るなりなんなりして構いません。」
「ニア!離せよ、馬鹿にするな!!」
「殺しても、構いません。サイドテーブルにはナイフもあります。」
何故だかニアがあまり苦しそうな顔をするので、僕は黙ってやった。
「わかった。話が終わりだと言うまでは、口を挟まない。約束する」
「私は、メロが好きなんです」
「なっ・・・」
「口を挟まない。メロはさっきそう言いました」
「・・・・」
僕は黙る。好きって言葉が他に何か意味を持っていたかと考える。
好き。好意を持っている。ニアが、この僕に?
価値の無い、僕に?何の皮肉だこれは。
それを見透かしたように、ニアは続ける。
「私はメロの価値を知っています。何の関係も無い他人が見る、メロの価値を。
そしてそれとは別に、私だけの尺度で測るメロの価値というものがあります。
私はメロの知能がほしいんじゃない。わかりますか?
私にとってのメロは、この世界全てと引き換えにしても悔いるところが無いほどの女性です。
理由はわかりません。いつからかも解りません、でもそう思うんです。」
ニアは僕の手ごと、僕の胸に手をやった。掴まれた手首が薄い胸を柔らかく押さえる。
僕は叫びそうになるのを懸命に抑えた。口は挟まないと約束した。
「メロが私と違う性で、良かったと思います。それを知ったとき、神は私を嫌ってはいないと思いました。
とにかく私はこの気持ちを恋と名付けることが出来た。」
750 :
6:2005/09/20(火) 19:20:38
両手首を押さえるニアの手は、もうだいぶ優しくなっていた。
僕は嬉しさと憎しみでおかしくなりそうだった。僕がニアに抱いている感情には、最初から矛盾があったのだ。
「・・・私はメロに紙の上で負けることは無い。でもそんな物、私たちに影響を与えるほど価値のある物じゃない。
馬鹿な大人たちに勝手にやらせておけばいい。テストがどうあろうと、私たちは二人で居れば、何にだって成れるのだから。
・・・・Lにだって。
それと逆も言っておこうか、メロ。私は貴方が居なかったら何にも成れないんだ。
だから、私と一緒に居てほしい。・・・ここを出た後も。どちらかがLになったとしても。」
嘘を言っているようには見えなかった。
真摯な瞳で、僕を覗き込む。人の目を見て話さないニアがこんな風にするのを見たことが無い。
ニアがこんなに多く喋ったのを聞いたのも初めてだった。
・・・でも、その取引は僕のプライドが許さない。ここで限界が来た。
「わかったよ、ニア。もういい。綺麗な言葉を使って、お前は俺を未来のL、つまりお前のダッチワイフにしたいだけだ。
ここでうなずけば僕は人間じゃなくお前の精神安定剤だ。違うか?」
「メロ、まだ話は終わってはいないです」
「そりゃあ僕をそうしたら都合はいいだろうな?出自不明、ワイミーズハウス出身、女、
邪魔にならないそれなりの頭をしてて、おまけに絶対にお前には勝てないときた。」
「勝てない?もう私は負けを認めたのに。」
よりによってこんな形でしか勝てないのか?
いや、これは勝ちですらない。
僕がニアと競っていたのは、頭。
体を引き換えに誰かを縛るなら、馬鹿だって出来るんだ!常連持ちの売春婦がやってるように!!
僕は賢いニアに必要とされたい。でも、それはこの忌々しい女の体をもってじゃない。
僕自身なんだ!僕の主体は肉体じゃない。精神、そしてこの頭脳だ。
751 :
7:2005/09/20(火) 19:21:59
僕がそんなチープなセリフで丸め込まれるとでも思ったか、ニア?僕をなめすぎたな。
女で良かったって?笑わせるよ」
「・・・・本当に、愛してるんです。」
「っは、何をだよ!僕の下についてる穴をだろ!?僕じゃなくて!
手の届くところに手ごろなのが居たからって、これから来る思春期の対策を今から練っただけだ。
頭のいいニア、優秀なお前の精神をこれからも正常に保つために!ニアは僕を興奮剤として使うだけだ、面倒くさくないように!」
「違いますメロ、私は、」
「何が違うんだよニア。説明できるか?・・・僕の身体だけが必要とされるなら、誰と寝てもお前とだけは寝ない。」
「・・・・メロ・・・・・」
流石に怒ると思ったが、(そして僕はニアを嫌わねばならないのでそれを期待してもいたが)ニアはあっけなく僕の手を離し、ニアはゆっくりと立ち上がった。
ベッドサイドの引き出しを開けて、何かを持ってもう一度僕の前に座る。
だぶだぶのすそからかすかに見えるのは、紛れも無く小さなナイフだった。
革のカバーを床に落として、そのまま僕にそれを渡す。前髪の間から伺うようにして見たニアはいつもの気だるげな表情。
そして先ほどとは違い、僕の目では無く斜め下の床を見ながら、淡々と言葉を紡ぐ。
「きっと聡明なメロのことだから、何年待っても考えは変えないのでしょう。だから今、頼みます。」
「は?ヤケになったのか?」
「先ほど、終わらせてくれると言いました。」
「ああ、言った。」
「私は、今がいい。今終わりたいんです、メロ。今まで気分を害し続けたことをお詫びします。
あれはただ、メロの上に居ればメロが私を必要とするのだと思って、くだらないテストも大人の言いなりになって受けてきただけなんです。
そしてこれからメロが私を必要としないのであれば、この生に何ら意味は無い」
僕はナイフを逆手に握りなおした。手首なら時間が掛かる。首かな。
「・・・感傷的になってるとこ悪いが、お前がやれと言うんなら僕は本当にやる。
ワイミーズハウス出身が、自殺幇助くらいじゃ傷が付かない経歴だってことはわかってるんだろ?」
「ええ。最後にメロが私の言うことを聞いてくれた。幸せに死ねます」
「どこまで馬鹿なんだニア。」
「貴女のためにならどこまででも馬鹿になれます、メロ。」
そう言ってから、はっと何かに気づき、ニアは膝の上に頬を乗せて何か考え始めた。
752 :
8:2005/09/20(火) 19:23:27
二秒後、ニアは顔を上げて僕に言う。
「今思いついたのですが、こういう場合はどうなるでしょう。」
私が薬物によって、もしくは物理的に脳に影響を与え脳の働きを抑えるのです。
程度はメロが決めて構いません。ぎりぎりメロに負けるくらいでも、IQにして100前後の凡人、いえ白痴でもご自由に。
そうしたら何のコンプレックスも持たず、メロは私とともに居ることが出来る。
・・・と、私は思ったのです。が。どうでしょう。
それはとても簡単な話だった。
ニアの重視しているものと、僕の重視しているものは・・・見ている世界は、違ったんだ。
僕の欲し憎んだものはニアの知能のみ。ニアはそれを、僕のために捨てることも厭わないらしい。
何て馬鹿な奴。何て馬鹿な奴!
僕一人、お前が少し大きくなったらすぐに好きなように扱える力を持つのに、よりによってこの中身にこだわるらしい。
ニアの欲しがっているものは僕の知能レベルでもなかったが、体でもなかった。
「お前、重要なこと忘れてる」
「何でしょう。何か穴がありましたか?」
「僕がお前の事好きじゃないと、お前の知能がどうであれ、一緒にいたいと思うわけ無いだろ。」
「・・・・・・・そうですね。忘れてました。私は自己の内面感情をメロに投射していた。メロは・・・」
「でも、いいさ。それで。」
753 :
9:2005/09/20(火) 19:23:57
僕は、ナイフを床に捨てた。
ニアは冷たいフローリングの床をすべるナイフを目で追って、それから僕を見た。
「今の案でいいということですか、メロ」
「・・・ああ。その案に従ってお前がお前の脳の機能を失うとまで言うのなら、僕はお前を信頼できる。
僕はお前を愛せると思う。生涯だってお前と一緒に居ると、約束するよ。」
僕だって、・・・・あの日から、ずっと。
僕自身、知っていた。悔しくて認めるのを拒否していただけだ。
だって、自分に勝る人間に一方的に惚れ込んだらそれは完璧な敗北だ。
でもニアが僕を求めるのなら、まだ許せる。いやきっと許していいんだ。
「メロ」
ニアの表情が明るくなる。
僕はお前の唯一の才能を削ろうとしているのに、一緒に居てやるというだけでこんな風に子供みたいに笑うんだ。
本当にお前はどこでボタンを掛け違ってこんな残酷な人間に惚れたんだろう。
ニア、神はお前を愛してなんか居ないよ。
世界には頭のいいニアに心底惚れ込んで尽くしてくれる、僕よりずっと中身のいい女がたくさん居るはずなのに、ニアを僕に惚れさせたんだから。
「じゃあ、明日、ロジャーに言いましょう。いや、薬物なら言わなくてもいいのか・・・」
「いや、ロジャーには伝えろ。僕がお前に要求するのは外科手術だから。」
「OK、大人一人丸め込むのなんか容易なことです」
754 :
10:2005/09/20(火) 19:24:40
翌日の昼、ニアはニアの小さなナイフを持って、これからロジャーの部屋に行きますと静かに僕に告げた。
はにかんだ様なその顔は、結婚式前の新郎のように嬉しそうだった。
「来いよ、ニア。まだ時間がある」
僕は食べかけのチョコレートをベッドの上に置いて、ニアを招き入れた。
こんなことは今まで無くて、さすがのニアにも緊張が見て取れる。お邪魔しますと頭を下げて、若干猫背のニアが入って来た。
僕は今までに無くうきうきしていた。
知能を除けば本当に愛しいニアの中身を、僕は好きなように改変できるのだ。
そしてその時からは、ニアを僕の人形にだってできる。
それは僕が予想していた真逆のことで(だって僕はニアが僕をそのように扱いたいのだと思っていたから)、ニアが僕に対してどれだけの弱さを持っているのかが理解できた。
「なあニア、一つ聞いていいか」
「いいですが、ちょっと待ってください・・・座れません、ベッドがお菓子屑だらけで」
「気にするなよ」
「いいえ。これは大事な・・・」
そこまで言ってニアは頬を赤らめた。
「そういう、意味じゃないんです、ただ、本当に座り心地のことだけを言ったのであって、」
「あって?」
意地悪な僕は気分も手伝ってニアにその先を促した。
「そもそも私は下心があってここに来たわけではないんです。」
頭が良すぎて、若干飛びがちなニアの話。それについていける僕。少しの満足感。
「あっはは。ニア、お前も男だったんだな。」
「だから、そういう意味で言ったのではないと・・・ほら、一度立ってくださいメロ。」
僕がチョコレートを避難させると、シーツをひきなおしますと照れ隠しのようにニアは言って掛け布団を床に押しのけ、シーツを一度はずした。
バサッと一度翻すと、床にぱらぱらと菓子屑が散る。
「こんな場所でよく寝ていられましたね・・・」
「お前が潔癖症なんだろ。一緒に暮らすなら、これくらい我慢しろよ」
「・・・家事は私にさせてください。」
「任せた。それが出来るくらいにはしとかなきゃな」
笑いあう僕とニアはハウスで最初のテストが行われる前の関係に戻ったみたいだった。
これからはずっとこのままで居られるんだ。
引きなおしたシーツの上に二人で並んで腰掛けた。力を抜くと膝が触れ合う距離なので、僕は足をぴたりとくっつけた。
755 :
11:2005/09/20(火) 19:25:55
「メロ、さっき、聞きたかったことというのは?」
「なあ、二人でLやるってお前は言うけど、Lがずっと現役だったらどうするんだよ。推理小説の探偵はだいたい老人だろ」
「名前にはこだわりません。そのような存在が世界には他に居なかったのでLと言ったまでのこと、
要は頭脳労働の何でも屋です。我々は二人でなら現役のLだって追い越して・・・あ、私は知能を失うのでした」
髪の毛をくるくると指でいじくるニア。何でもないことのようにそれを言う、ニアが少し可哀想にも思えた。
「・・・そこら辺は後から僕一人で何とかするよ。僕が勝てないのはお前だけで十分だ」
「具体的にはどうするんです?Lは」
「追い越すより殺すほうが簡単だから、殺すよ。お前の頭が駄目になる前に今日考えとこう。」
「・・・メロの考え方の方向がわかりました。私にするのと同じことをするんですね」
「僕はサディストなんだ。」
「ええ。愛しています。」
急にこっちに向き直ったニアが僕の頭を撫でるものだから、僕は笑ってしまった。
「何やってんだニア、もう馬鹿になっちまったのか?」
「この知能で今見ている世界が分からなくなる前に、あなたの髪の感触も覚えておこうと思って。」
「・・・僕がお前のここを、記憶を保てないほど改変したらどうする気だよ。」
僕はニアの頭に手をやった。外形がふわふわの髪にさくっと指を差し込むと、柔らかい銀髪が指に絡む。
それからニアの頭の形を確かめるように手のひらで押さえた。この中には世界で一番だと僕が信じる頭脳。
「記憶も保てないほどに改変・・・それは、困りますね。」
あくまで冷静に言う。
「でもお前はお前の中身をどう変えてもいいって僕に言った。そうされても文句は言えないな?」
「はい 言いました。どうされようと文句は言いません。あなたも・・・」
「ああ、お前と一緒に居るって言った。」
「なら私はどうなってもいい。だってそういう約束でした。考えてみるにこれは、普通の男女がするような結婚の約束などとは趣旨を異にするものであり、しかし私はこの約束に至極満足しています。
メロを苦しめ、メロと私の間を遠ざけていたものを失う代わりに私は未来永劫メロとともに生きることが出来る。こんなに合理的でしかも双方の希望が完全にかなう、そんな約束は今までしたことがありませんでした。」
今日もニアは良く喋る。今のニアを僕に記憶させようという魂胆なのかもしれない。
つい昨日、僕はその逆のことをニアにしていたのに。ニアの視界に長く入り、ニアに覚えていて貰おうとしていたのに。
「メロ、私は幸せです。」
愛した人間の中に残るということは大事なことだと、僕も知っている。
そしてニアは、ニアがニアであるからこそ、僕が今のニアを忘れてしまうことを怖がっていないはずが無いのだ。
756 :
12:2005/09/20(火) 19:27:45
「ニア、怖いんだろ」
ニアははっと顔を上げた。僕の髪から指をはずしてまっすぐに僕を見る。
「はっきり言ってしまうと 怖いです。・・・一番危惧すべきは私を廃人にし、そのままメロが私を棄ててしまう事。」
「その通り。お前がそれに気づかないはずが無いよな。手術の失敗にかこつけて殺すこともできる」
「ええ。でも、」
ここでニアは笑った。笑ったんだ。
「私に、他に選択肢はありません。」
僕はある考えを持ってニアのシャツに手をかけた。上から順番に、ボタンをはずしていく。
意外にもニアはそれを止めようとはしなかった。
「ニア、お前僕を愛しているな?」
「ええ 心から」
迷いの無い返答。もう昨日から何度聞いたか分からない、その言葉。
「なら僕を抱ける。そうだろ?」
僕は早打ちをする心臓を何とか押さえて手を止め、精一杯いつも通り、いたずらっぽく笑って見せた。
757 :
13:2005/09/20(火) 19:30:15
「どうしてです、メロ。」
「何がだよ。」
カーテンを閉めた昼の薄暗い部屋の中、向かい合って裸で僕らは話し合う。
掛け布団はシーツから落とした菓子屑で使い物にならないので、ベッドの上には枕とニアと僕だけだ。
お互い、不思議と恥ずかしがる気持ちは無かった。お互いの前では裸で居ることが当たり前のような気すらしていた。
「私に身を任せてくれた事です。知能を失う私を憐れんでいるのですか?」
「憐れみじゃない。」
「じゃあ何です。」
僕はニアに抱きついた。ニアが少し神経を尖らせる気配。この感じだって、大事な情報だ。
「天才だった今のお前を、全部覚えておいてやるために。お前が忘れても僕は覚えてる。それでいいんだろ?」
ニアは僕を両腕できつく抱きしめて、涙を流した。ニアが泣いているとわかったのは、僕の背中に水滴が落ちたから。
「貴女を愛してよかった。メロ。」
僕らはしばらくそのままでいた。ニアも僕に泣き顔を見られたくないのだろうし、僕もニアにこんな表情見せられない。
ニアの知能を奪うことに、ためらいなんか無い。その前提じゃなかったら、今すぐ僕はニアを突き飛ばしているだろう。
最後だから、こんな風に優しくできるんだ。
「・・・ニア、今のお前にどう響くか、お前より馬鹿な僕には分からないけど、」
「・・・・」
「僕はお前を愛してるよ。」
ニアは一度さらに強く僕を抱きしめると、そのまま僕に体重をかけた。
「・・・行きましょう。」
「ああ。」
僕らはいつもの服をできるだけちゃんと着て、強く手をつないだ。
廊下を一歩一歩、ロジャーの部屋に向かっていくこの歩みだって大事なことだ。
僕らが一生、一緒に居るための大事な儀式。
僕らの生涯の約束は教会でなく、小さな手術室で行われるのだから。
758 :
14:2005/09/20(火) 19:31:26
「わかったかロジャー?簡単なことだ。」
「我々の要求を飲んでください。私のためにも、貴方がたのためにも。」
ロジャーの部屋は静かで、そして子供の目の高さしかもっていない僕らにはとても広く感じられる。
その分、ニアの知能を捨てるというだけで簡単に怯えるこの大人が小さく感じられたのだった。
「何を言っているか解っているのか、ニア。お前の脳は世界のために・・・」
僕とニアがその要求を突きつけると、ロジャーは今にも倒れそうなほど驚き狼狽した。この反応は僕には少し意外だった。
きっと僕が同じことを言ってもこうは驚かないだろうと思う。
次期Lが誰かは未定だとこの老人の言った、それがやはり真っ赤な嘘であることがわかった。おまけにしてはいい収穫だ。
「その脳の持ち主である私がそれを望んでいないんです、ロジャー。世界なんか救いたくない」
「しかし・・・」
青い顔をしてLと繋がる事のできるモバイルフォンをちらちら見るが、ロジャーからLに連絡を取れないことは既に知っている。
ああ、そうか。ロジャーは僕ら二人よりずっと馬鹿なんだ。ニアが簡単な事だと言った意味がわかった。
「なあロジャー。ニアに外科手術を施すか、」
僕はニアの首筋にキスをし、ニアがその後を続ける。
「それともワイミーズハウスの子供たちに・・・考えてみてください、簡単なことですロジャー。私が言うのはここまでですが、メロは・・・頭のいい子です。失礼ですが貴方よりずっと。
キラ事件に取り掛かっていて手一杯のLに連絡のつかない今、メロがもし貴方に反旗を翻したらどんなことになるか解りますか?いえ、解らなくていい。貴方がいくら考えたって解らないだろうから。ただ恐ろしいことが起こると、それくらいは予想できるでしょう?」
ニアはナイフを僕に手渡す。
「長くなったな。じいさんの頭にはつらい話だったか?でもこの一つさえ聞いてくれたら何もしない。・・・わかるな?」
「さ。ロジャー、手術の用意を。早ければ早いほどいい。今日だってかまわない・・・いえ、そうしてください。今日中に手術のできる場所の確保を。その黒電話で、今すぐ、信頼のできる病院に電話をさせてもらいます。
ロジャー、受話器をとり、用意を。番号はメロから一つずつ伝えられます。違った動きをしたら・・・先程の約束は守られないと思ってください。」
「時を引き伸ばそうとなんてしないことだな。ニアの心は変わらないし、もしそれが俺たちに知れたら事前でも事後でも・・・」
ロジャーは深くため息をつくと、番号を、と言った。
759 :
15:2005/09/20(火) 19:32:40
病院の床は真っ白だった。
車から降り、ニアの手を取って救急用の裏口から病院に入る。一歩先に行ってドアを開けてやると、まだ私は全て正常ですと笑われた。
薬物で薄く大脳皮質を麻痺・・・性格の変わらない程度に前頭連合野をいじるか?
今僕が持っている情報と兼ね合わせると考えうる選択肢の中で最適だと思えるのは、ニアの“思考”の程度を落としてやることだった。
感情は持続、記憶もある程度は持続、そして僕に従順であればいい。
「メロ そろそろ執刀医に注文を。19時30分に私に麻酔を掛け始めるそうですから」
「ああ。・・・処置する部位は決まってるから、お前の頭を開いてからでも遅くない」
「なら心配ありませんね。」
何が心配ないって言うんだ。今この瞬間のお前はもうこの世界から消えるのに。
病室は無駄に広い。テレビもあったが、ニアはきっと見ないだろう。いや、脳をいじった跡に光による刺激は危ないか・・・
室内を見回しながらそう考えてやっていたら、執刀までの暇つぶしにとニアはお得意のパズルやダーツをバッグから出し始めた。
思うに、ニアの私室はまるで病室だ。ダーツが壁に掛かりさえすれば、ここがニアの部屋ですと言われても違和感はない。
病院と僅かに違うのは子供用の低いベッドと、それから腹の立つほど難しい本の有無くらいだろう。
「的、掛けといてやるよ。お前は着替えろ」
「ええ。メロ、その前にしてみたいことを見つけました」
押しピンを刺して的を適当な場所に掛ける。ベッドからでも、ここまでは届くだろうと思いつつ、振り返ってニアを見た。
ニアは前髪に絡めた指を引っ張って外す、いつもの遊びをしながらどこか中空を見つめていた。
「何。」
「一度、メロの服を着てみたいんです。おかしな話ですがなぜか急にそう思いました」
僕がいいとか悪いとか言う前に、ロジャーが部屋から出ようとする。
「おい待て。携帯を置いたとはいえ、部屋からは出るな。」
性急に用件だけ伝えた僕の命令を、ニアが追って補足する。
「おかしな場所に連絡されては困るんです、ロジャー。ベッド周りのカーテンだけ閉めて、離れていてください。それで事は足りる」
「・・・・待て。まだ僕の服を貸してやるとは言ってないぞニア」
「最後のお願いというやつです、メロ。私は、私が別物になってしまうことを理解している。
手術室から出てくる私が、今の私と思考を共有できないことを知っている。だから何でもしておくんです。そして書いておく。
手術開始まで後、1時間32分ありますから。」
「・・・・麻酔開始までは後1時間10分しかないけどな。好きにすればいい」
760 :
16:2005/09/20(火) 19:33:42
僕の黒い服を着ているニアは、袖を確かめたり、匂いをかいだり、子供のように忙しくしている。
最も五感を使う子供という生き物に戻ったニアは、たまに嬉しそうに僕を見て笑うのだ。メロ、なんだかいいですね、と言って。
僕はニアの手術着を着る訳にもいかず、ベッドの上で頬杖を付きながらああそうかと返事をする。
体温で暖まっていないベッドが腹を冷やす。胸を何とか見られないようにと、枕を抱え押し付けるようにして僕は起き上がった。
「実験は終わったか?学者さん」
「・・・はい・・・ええと、」
ニアは半分呆けたような顔で天井を見ると、後はメロに少し触って、それで終わりですと言った。
「ばっ・・・」
ここにはロジャーだって居るんだぞと言いかけたその唇を手のひらでそっと塞がれる。
「どうせ我々に関係のない人間になるんです、すぐに。」
ニアは黙って僕の体を確かめる。たまに腕を上げて、とか後ろを向いて、とか指示をする以外は感想も無しだ。
「今何を考えてるんだ ニア」
「・・・・・・。」
ハウスでは、僕はいつでもニアを怖がっていた。まだそれは持続している。
ニアが無言でいると、これも何かの策略かと疑ってしまう。もしそうだとしたら、いつから騙されてるんだろう。
今日のベッド?昨日の告白?それとも僕が錯乱した二日間から、ずっとか?
まさか本気だなんて思ってませんよねと、くだらないゲームには飽きましたと、そう言って背中を向けるのだろうか。
いつかの午後のように、まだそこにいたんですかと言外に僕を不要だと告げる、あのニアがここにそのまま存在する。
ロジャーもグルで二人して僕を試している、そういう可能性は考慮したか?
「ニア もうやめてくれ。」
「わかりました。貴女がそう言うのなら」
「昨日から言おうと思ってたけど、その“貴女”っての、吐き気がする」
「はい やめます」
761 :
17:2005/09/20(火) 19:34:50
そしてふっとうつむく。
「・・・では、メロもこの部屋を出てください。一人になりたい。」
まるで人体を研究でもするかのように僕の体を不躾にいろいろ触ったあと、一度とても長いキスをしてニアはそう言った。
もちろん、気づいてはいた。でも、ニアの綺麗な目の端にうっすら浮かんでいる水の膜を、僕は見ないように心掛けた。
僕より聡明なこの化け物を、まだ信じるわけにはいかないんだ。少しでも慰めようなんて思ったら、きっと負けだ。
「いいか、ニア」
僕は服を着ながら、視界の端でニアを捕らえる。
「お前の天秤が逆に振れたら、いつだって約束は破棄できる。麻酔開始まであと少しだ。よく考えろよ。」
「結果は変わりませんが」
「昨日も言ったな。僕はやれといわれたら、やる。」
「お願いします」
前髪に掛かる銀色の髪を指でいじる、その目線は僕ではなく何もない宙を指していた。
「じゃあ、ニア、何かあったらコールボタンで呼べ。分かるだろ、枕もとの、それだ。
僕がここにいなくてもナースを呼べば、院内放送で僕を呼び出せる。」
わざと気のないようにそう言って、ロジャーと共に廊下に出た。
スライド式のドアが重い音を立てる。
廊下につけられた木の手すりが目に入った。ニアには少し低いかもしれないな。
思考のスピードをまた一段ずつ上げて行く。ニアの中身。一番僕が安全かつ幸せなリミッター。そしてその維持の仕方。
「どうしてニアに手術なんか・・・」
それを邪魔する老人の声で一瞬周りの全てが頭から飛び、僕は馬鹿なロジャーの胸倉を思い切り掴む。
「しなくても愛せるんだったら、こんなこと最初から考えやしないんだよ!!」
呼吸を整えている最中に自分がひどく醜い顔をしているだろうことの想像が付き、僕は顔を隠しながら手を離した。
「メロ・・・」
まだ何か言おうとする、うるさいロジャー。
「言っておくがこれは元々ニアの案だ。 分かったら黙っててくれ。僕は忙しい」
そう、後悔はない。胸の奥で痛む棘が一つ、しかしこれも多分感傷に近いものであって、手術が終わってしまえばなくなる、そんな類の感情だ。
囚われる必要はない。
762 :
18:2005/09/20(火) 19:35:24
個室ばかり並ぶ最上階はしいんと静まり返っている。足ざわりのいい絨毯が階下からの音も吸収するからだろう。
眼下に広がるのは、“郊外”を演出するためにわざとらしく整えられた数種類の高級な緑。そして夕焼け一歩手前の、やけに明るい光。
昨日読んだ医学書にあった脳の断面のスライドが再生されていく。
僕らが生きるに値するのは、こんな場所でもこんな国でも誰の監視下でもない。
この手術が終わったらすぐここを抜けて、もっと何もないどこかに、ニアと二人で逃げよう。
ニアの“完成の程度”にもよるが、きっと幸せになれるだろう。
まるでそうしなければ呼吸が出来ないみたいに暇さえあれば抱き合って、笑い合うんだ。夜だってぴったりくっついて寝る。
晴れた空の下で何を疑うこともなく、ニアは僕を愛し続ける。僕はニアを庇護しつつ、同じようにまっすぐニアを愛する。
・・・違う、思考が逸れた。考えるべきはこれからのことじゃない、今のことだ。
絨毯の上で揺れながら、ゆっくりと小さな台車が進んできた。
考え事をしながらぼうっと眺めていると、今から髪を洗います、とナースが僕に言った。
勝手にしろと僕は答える。きっとこの質問は外科医の指示で、本当に進めていいのかと、そういう確認の意味だろうと僕は考えた。
「・・・もう少し経ったら麻酔医が簡単な質問をしに来ます。保護者の方は今までのアレルギー反応や薬物に対する・・・」
「質問は全部、中の奴にしろ。これは保護者じゃない。」
「これからレントゲンとMRIをしますが、」
「その続きもだ。」
「それと・・・」
「黙れ、僕はいまさら思いとどまったりなんかしない!」
僕の想像とは違いただ与えられた言葉を喋っていただけだったらしいナースは僕の剣幕に困惑し、僕は少し申し訳なく思った。
「・・・・・手術関係のことは全部あいつに聞いてくれ。僕は忙しいんだ。」
僕は或る所まで達した結論を掘り下げながら脳外科医と話をしに、やけに歩みの遅いロジャーを引っ張って手術の行われる棟へと移動した。
763 :
19:2005/09/20(火) 19:37:00
方法やリスクや成功率を聞いて推敲すると案外打ち合わせは長く掛かり、麻酔開始の時間まではすぐだった。
頭の中から余計なことを追い出すのには役に立った。
一度消毒をし、決められた服を着て、そうしたら隣接の準備室で手術を見ることも出来ますがと言われ、僕は迷わず要らんと答えた。
「陽が落ちます・・・」
「そうだな。」
「行ってきます、メロ」
「ああ。」
いつも通りの顔で麻酔室の中に入っていくニアに笑って手を振ってやれなかった。
それこそ、病室の何倍も無駄に明るくて白い部屋がニアだけの為に開く。
開いたドアから聞こえてきたのはリラックス用にかけられている、ピアノ曲。聞いたことがある。
クソ、ここにいる誰が神なんか信じているっていうんだ。
「・・・さようなら、メロ。」
そう微笑んだ最後の言葉に驚く僕を残して、内側からナースがドアを閉めに掛かる。
自分の咽喉が収縮したように何も言えない。呼吸も止まっていたんだろうと思う。
細くなる風景の中を、ニアは振り返らず進む。
ニアを呼び止めようと中途半端に出てしまった声はドアが閉まると同時に、長い廊下に響いた。
おいニア、お前今グッバイって言ったのか?
764 :
20:2005/09/20(火) 19:37:50
・・・手術開始までは、いつだってやめられる。メロ。」
「黙れ ロジャー」
馬鹿なニア。
・・・・・愚かな僕。
ニアは売店で買った、黒く安っぽいノートを抱え、手術着に着替えて部屋から出てきた。麻酔開始の15分ほど前だった。
「もし手術後の私がここに書いてあることを分からないようだったら、説明してやってください。」
そう言って僕に渡した。何があろうと私はメロを愛してます、と、一言添えて。
「正気のお前と話すのはこれで最後になるかもな」
頬を片方だけ持ち上げニアの目を下から覗き込んだ僕にニアは言った。
「だから、今、頼んだんです。」
どうして泣けてくるのか解らなかったが、つい数時間前のベッドの中でのことが追い出しても追い出しても想起される。
数時間。僕とニアが生きた、こんなに長い時間は時計のたった数時間分の刻みの中にあったのだ。
ニアがはにかみながら僕を呼びに来たあの午後も。
Lをどうやって殺そうかと笑いながら頭をつき合わせたことも、うまくできなかったセックスも。
・・・ロジャーの部屋まで、二人、手を繋いで歩いていったことも。
僕が愛したのは何だったろう。
ニア。
ニアの何をこんなにも苦しく思うんだろう。
765 :
21:2005/09/20(火) 19:39:18
気を紛らわそうと、僕はニアに渡されたノートを開いてみた。
「・・・・・・」
そこに書かれてあったのは、ニアの今まで見ていた世界の詳細な説明でも、知識の再取得方法でもない、
・・・ノート10枚分のただのラブレターだった。
それは自分が如何にメロを愛しているか、そしてメロは如何に自分が愛するに足る人間であるかもう一度思い出すためのもの。
僕以外のことは殆ど書かれてなんかいなかった。
最後のページが近づくにつれて“愛しています”の出現率が高くなっていった。
この二日間で学んだのは、ニアが何かを怖がっているとき、愛していますと言うことで何かを確かめようとするのだということ。
確かに、これは保険としても機能するだろう。
僕がこのままニアを棄てたいと、そう思っていた場合、これを読ませることによってニアは僕の眼前に聡明なニアを蘇らせ得るのだから。
でも、この内容。本当にお前は聡明だったのか、ニア?
それとも僕に関しては聡明さを棄てる前に馬鹿になることが、聡明なお前の結論なのか?
「ロジャー」
「何だ メロ」
廊下のソファに座っていたロジャーは、組んだ手の上に乗っけていた額を跳ね上げるようにすばやく反応した。
「ニアに会いたい」
ロジャーはチラッと時計を見た。麻酔室に入ってから、14分。僕はもう随分長い時間が経っていたと思ったが、そうではなかったらしい。
「・・・話は出来ないと思うが 顔くらいなら見られると思う。もしかして、気が変わったのか、メロ?」
ムカつく明るい声。大人たちが僕らを説得しようとするとき、よくこの心理テクニックを使うことを僕らは書物から、そして経験から知っていた。
「さあな お前に話すことじゃない。」
僕は敵意をむき出しにロジャーを睨みつけた。
ニアに関しては、今は僕がすべての決定権を握っているんだ。
お前じゃない。
766 :
22:2005/09/20(火) 19:39:52
僕とロジャーが麻酔室に入ると、真ん中の硬そうな台車ベッドでニアが眠っていた。
ニアが、眠っていた。
その向こうには青い服の男たちが行き来する、手術室のドア。小さな覗き窓からは、その向こうに色々な機器が鎮座しているのが見える。
不思議なものだ。もう一度ここに戻ってくるとき、お前は僕と同等になっているのだから。
この骨の向こう側にある脳の前頭を少しいじって、少し働きを鈍らせる。それだけだ。
散々脅しておいて本当は、僕はニアを馬鹿にしようだなんて思っちゃいなかった。
なあニア、お前に何か言われるのが怖くて言えなかったが、僕が望んだお前は限りなく今のお前に近い、僕とほぼ同等のニアなんだ。
僕より少し馬鹿であればそれで良かったんだ。
ニアが恐れたようにニアを廃人にして棄てようだなんて、これっぽっちも考えちゃいなかったんだよ。
考えてもみろ、僕はお前を愛してたんだよ?僕より勝った部分以外の、全てを。
何分くらいそうやってニアの顔だけ見つめていただろう。
今はなにも感じない世界最高の頭脳に最後のキスをしてやろうと思って、僕はニアに近づき目を閉じた・・・
・・・・瞬間に、顔に霧状の液体を噴霧された。
「なっ・・・・」
振り返るとそこにロジャーはいなかった。
麻酔医が一人、ばたんと部屋から出て行くところだった。そして同時に外から鍵がかかった。
やられた。変な感傷なんか持ったからだ。あのままロジャーから目を離すべきじゃなかったのだ。
ああそうか、ここは麻酔室だものな。何だってそろってる。
血中注射じゃないから少し時間が掛かるだけでこれも麻酔薬、しかも吸入タイプのものの現液だろう。
この後僕らはほぼ100パーセントの確率で引き離されるだろう。僕がどこかに消える形で。
そしてロジャーがニアになんと言うか、想像もつく。 “メロはお前を棄てて消えたんだ。”
一緒に居られないくらいなら、ニア、お前は死にたがるだろう。
僕に終わらせて欲しいと言っていたお前だから。
そこまでを一秒も掛からずに結論付けた僕は、部屋を見回し目に留まった手近な鉄製品を一つ、すでにかなり朦朧とする頭で手に取った。
自分が麻酔に掛かりつつあることを意識してから、完全に落ちるまでは一瞬だ。
体が重い、重い、重い、頭が痛い、ニア、ニア愛してるよ、助けて、僕は、これからも、
お前と一緒だよ。
767 :
23:2005/09/20(火) 19:40:48
僕は手にした何かを眠るニアの額に向かって振り下ろしたはずだ。
確認する前に、ごっと鈍い音を最後に、僕の意識は途切れた。
768 :
24:2005/09/20(火) 19:41:48
原液による麻酔はなかなか抜けず、ひどく朦朧とした意識は二日ほどで正常に戻った。
ひどい頭痛と吐き気に悩まされ、それでも誰一人看病には来なかった。
食事は一日に三回(多分そうだと思うが時計は与えられていなかったし日光にも当たらなかったので定かではない)、ロジャーがじきじきに持ってきた。誰かを言いくるめてメッセンジャーにすることも出来ない。
ロジャーは本当にうまくやった。僕をこうやってニアから引き離し、そしてたぶんニアは生きているのだから。
僕を閉じ込めておくのは、未来のLが健在だからで、だから二番の僕の能力開発は必要ない。
これが時期Lに手を出した二番への仕打ちなのだと眠りに落ちかけた頭で理解する。
・・・あれから、ニアは泣いたのだろうか。ニアは。
僕がお前を裏切ることを恐れていたお前は、病室で目を覚ましたとき僕が居ないのを見て何を思ったのかな。
もう僕を嫌いになってるだろうか。いや、それより先に考えるべきは生きているか否かだ。
そんな根本的な事から悩まなきゃならない。
ニアが生きていた場合のこれからの僕のとるべき行動。そして、死んでいた場合の行動。
「夕食だ メロ」
「食べない」
「もう水だけで三日になるぞ。食べなさい」
笑えるぜ、その三日ってのすら本当かどうか怪しいもんだ。
「・・・ニア。ニアに僕のことを伝えろ。ここに居るって。まだハウス内に生きてるって。」
「それは出来ない」
「じゃあ、僕はニアを棄てたんじゃないってニアにそれだけでいい。一言でいいんだ。」
「それは・・・出来ない・・・ワイミーに禁じられている」
くそ!いつかあいつも殺してやる。
いつもの僕なら喚き散らしていたところだろうが、今そうするのはまったく得策じゃない。
ニアならその一言でロジャーを詰問しにかかるだろう。
ただのけなげな台詞に見せかけてそう期待していたんだが、情に流されやすいロジャーがそれすら拒否したのは多分ワイミーの入れ知恵だ。
一度負けた人間は用心深くなる。僕は心の中でだけ、派手に舌打ちをした。
「置いておく。食べてくれ」
「・・・・。」
769 :
25:2005/09/20(火) 19:43:11
このまま僕が小さなストライキを続けたらロジャーは僕を殺すかな、と考えたりもした。
真っ暗な刺激のない部屋で大人は僕を狂わせるつもりなんだろう、きっとこの部屋の外でニアが僕を要求しているから。
はは、逆じゃないか。
僕を人形にしてニアに与えてどうするんだ。ニアはそんなものが欲しいんじゃない、即物的なお前らにはわからないんだろうけど。
・・・そうやってそこまで考えたときに、僕の目の奥がきゅっと締まった。
何だったろう、この感じは、と目に手をやろうとしたそのとき、涙が出てきた。
“ニアはそんなものが欲しいんじゃない。”
“お前らにはわからないんだろうけど。”
泣いた理由はコンマ数秒後に理解できた。
僕は深層で考えたことを後に言葉にするタイプの思考体系を持っているらしく、だから体が先に反応を見せるのだろう。
そうだ、一番何もわかってなかったのは僕だった。ニアに酷いことをした。
僕は僕のプライドが傷つけられるのだけを怖がって、そんな臆病な理由で、最後まであいつを信じてやらなかった。
ニアは今も僕を要求しているのに。ニアのその抵抗で僕は生かされているのに。
こうやって最悪の局面を迎えてから判るなんて、もう、どうしようもない。
僕は本当に生きることを考えなくなった。ニアにこの気持ちがわかってもらえれば、他には何も望まない。
僕の死体の搬出にニアが気づけばいい。ここで手首を食い破る僕の血がこの下の部屋に染みていけばいい。
もう、そんな雲をつかむような抵抗しか出来ないのだ。
水だけで過ごした期間がロジャーのカウントで五日を超えた後、僕は無理やり栄養注射を打たれた。
足だけ手錠でベッドに固定されて点滴、食事の時間以外口には猿轡。
一週間経ったころ、数日後にニアに会わせてやるとそう言われ、僕はデリバリーらしいまずい食事を取りはじめた。
あんまりみすぼらしい自分を見られたくないと、そんなプライドでピザを口に放り込む。
僕は違うタイプの鍵が四つ付いた小さな部屋で2週間過ごし、その間ニアには会えなかった。
770 :
26:2005/09/20(火) 19:44:00
ある日急に鍵が開いた。
僕は目だけを明るくなったその方向に動かした。
直線的でいびつな光が外界と僕の小さな世界を繋げていた。
ニアと会わせる、とロジャーは言った。
僕は、ああそうか。会うよ。シャワーだけ頼みたい、と出来るだけ平静を装って言うと、頭の中で真意を測りかねるその言葉を反芻した。
頭から熱いシャワーを浴びて屈伸をする。
ニアに会える。
「ニア!!」
車から逃げるように降りてハウスの中へ入っていく。ニアは自室でパズルをしていた。
「メロ、・・・ああ、メロです。」
目を見開くニア。駆け寄り、抱きつく僕。こんなときの行動にIQは関係なく、きっと馬鹿でも同じ行動をするのだろう。
ニアを窒息させるくらい強く抱きしめて、愛しているというより先に謝った。
「ニア!ニア、ずっと僕はお前の事を考えてた」
「はい。私も、メロのことのみ信じて生きていました。」
頭のいい人間と馬鹿の違いは、小さな違和感に気が付くかどうかだ。
その違和感は、確かにあった。それは小さな疑問になって僕の中に溜まった。
771 :
27:2005/09/20(火) 19:45:42
「メロ 私は、メロがメロであるということが分かります。パズルも同じように解ける。」
「当たり前だ、手術はしてない。」
ニアは何かのあっけなさに気づいたときのような顔をして、ダーツを手に取った。
「では、これは何ですか?」
いつものように真ん中に当てるものだと重い、僕はニアがダーツを構えた瞬間から壁にかけられた的の中心しか見ていなかった。
隣でニアがぎこちなく腕を振る。
待っていた場所に、ダーツは飛んでこなかった。ニアの手を離れたそれは壁に当たって嘘みたいに床に落ちた。
「あのノートは没収されてしまったんでしょうね。」
「ニア、お前」
「そして私は、私を支えることが出来なくなった。これは?」
ニアは自分の足に体重をかける。まるで地震でも起こったみたいにバランスを崩し、肩から床に崩れ落ちる。
「ほら、立てないんです。」
何から何まで完璧だったニア。いつも猫背の背筋は必要とあればピンと伸ばすこともできたのに。
「これは何ですか、メロ」
倒れたままでニアは言う。
確かにニアの脳は働きを鈍らせた。でもそれは僕の苦し紛れの一撃によってであり、僕が望んだものでは無かった。
僕は世界一の頭脳の中身を変えようと悪あがきをして、入れ物だけを壊したんだ。
「・・・平衡感覚がおかしくなったんだろうと思う。」
僕はニアに全てを説明した。
最後にニアに会いに行ったこと、そこで麻酔をかけられたこと、そしてニアを殺そうとしたこと。
愚かなことと言われると思っていたが、ニアは微かに笑った気配があった。
「それでいい。そうするのがメロです。」
なんでもない新聞記事を批評するように、ニアはそう言った。
772 :
28:2005/09/20(火) 19:46:17
あの日と同じ、白い床。
ずいぶんとやせて骨みたいな僕と、素っ頓狂な方向を向いて無様に倒れたままのニア。
ニアが何を欲しているのか分からない。この部屋に横たわるその記号が何を表しているのか分からない。
私を支えられなくなったというのが自分の足で立てなくなったことに関することなのか、それともノートを没収されたことに関することなのかすら、僕には判別が付かなかった。
ニアはいつもそうだ。曖昧な接続詞で、どうにも取れるような発言をして、僕がどう答えるか高みから見ている。
言いたいことも、訊きたい事も、胸まで溜まった。苦しくて苦しくて、上手くいつものように優先順位がつけられない。
「なあニア。」
「何ですか」
ああ、ニアは生きてる。
・・・お前は寂しかったか?僕を疑ったことは?
ロジャーに何を言った?
僕を未だ愛してるか聞いていない。
どうして会ったその時にキスをしてくれなかったんだ?
どうして倒れたままなんだ?どうして僕を見ないんだ?
あの日のノート、どんな気持ちで書いたんだ?今も同じ気持ちか?
僕はどうすればいい?何が言って欲しい?
今からでもお前の何かになれるのか?
どうして抱きしめ返してくれなかったんだ?
骨ばった僕は醜く見えるか?
どうして愚かな失敗を叱ってくれない?
「・・・・・。」
僕は床にぺたんと座ったまま声を噛み殺して涙を流した。
栄養状態が悪い。きっとそれで、精神も不安定なんだ。だからこんなに簡単に、泣いてしまう。
「メロ」
その呼びかけには答えられなかった。
答えていたら、もしかしたらあの疑問の洪水の答えを一つか二つ、貰えたのかもしれない。
これからどうすれば僕らは幸せになれるだろう。
寝転がるニアの横に体を横たえて、惨めな僕は考え始めた。
773 :
29:2005/09/20(火) 19:46:57
いつかあの日をやり直そう。
僕らはいつか、きっと大人の手も誰の手もどんな社会事象の影響も受けないで、この箱庭に戻ってこよう。
そして二人で生きるんだ、楽園を夢見る必要のないくらい幸せに。
僕らは床に馬鹿みたいにただ横たわってお互い呼吸だけをしていた。
まだ愛してるんだろ、と訊いてみた。
はい、もちろん、とシンプルな答えが返ってきた。
どうして僕らはただ一緒になるだけのことで大立ち回りを演じなくてはならないのだろう。
もし僕らがここで育ったのでなくロジャーがいなければ、きっと代わりに双方の親が居て僕らの邪魔をする。
僕らを放任しやがった世界はどうして、こんなに僕らに自由を許さないんだろう。
15歳の子供が二人手に手を取って生きるのは、こんなに難しいことなのか?
ニアはさして動揺する風も無く、そして僕を見ないで、
「ああ、メロは聡明だから、この先が見えるのでしょう。我々がすぐに分かたれる未来が。」
そう言ったのだった。
僕は仰向けになって天井を見た。監禁されていたあの日と変わらない。
目を開けていなければこれが現実だなんて信じられないくらいの事実。
だって、我々がすぐに分かたれる、未来。そんな事をニアは言ったのだ。
意味するところは、ロジャーは僕をただ解放したわけではないということ。あれは同情じゃなかったのか?
774 :
30:2005/09/20(火) 19:47:32
「次は、私です。メロ。」
「ニア?どういうことだ?」
きっと、さよならをすることになります。
まるで子供みたいにニアは言った。さっきから僕を見ようとしないのは、まさか。
「私が隔離されるのでしょう。早ければ明日にでも。」
簡単なこと。
メロがこうやって私を変えたために、二階以上の建物であれば私の脱走の危険は、ほぼゼロです。
このイギリスに二階以上の建物が幾つあることか。外観を住宅に似せれば、候補は無限。
きっとメロでも探し当てることは出来ないでしょう。
こればっかりは知能指数如何の問題じゃない。身体が動かないんです。
回復をしていないように偽装し続けていつか逃げ出して貴方の元へ行くにしても、何年もかかります。
その間に顔も名前も晒す事を許されないLになってしまったら、きっともうメロには会えない。
「今日・・・メロが来る事を、私はロジャーから告げられていた。多分、最後のお別れをしろという事でしょう。」
開放理由すら大人の都合だ。
変わったお互いに別れを言って、想いはもう断ち切れと、そういうことだ。
「でも、メロ。貴方もまだL候補なんです。」
視界は涙でぼやけた。顔を傾ければ涙が落ちてしまうから、ニアのほうを見られない。
こんな時に昔の話を持ち出さなくてもいい。Lになればそれが一番の証だと思ってニアと張り合っていた自分。
「必要ならメロを殺せば良かったんです。メロはこう予想するでしょうが、私は、ロジャーに私の命を盾にしてメロを生かせとは言っていません」
ニアは不器用に僕を慰めようとした。
「もしメロが候補でなければメロを殺したほうが事は簡単に運ぶはずなんですから。それだけメロの命は大事だって事です。」
だから、我々はもうあの日をやり直さなくていい。
「でも、最後に僕に会わせなかったら死ぬとか言ったんだろ。」
「・・・・それは、言いました。」
ああ、やっぱりな。お前はこんなときでも優しくあろうとするんだ。
775 :
31:2005/09/20(火) 19:48:17
「ニア。僕を見ろ。」
「はい。」
「・・・見ろよ!」
僕は我慢することもなくぼろぼろと泣いた。視界は一瞬だけひどく滲み、そして耳まで伝った涙がこん、と固い床に落ちた。
「見ています」
もっとだ。
それで、ニアが僕を、
・・・二人のための計画に失敗した無様な僕を覚えておけばいい。
この哲学者の中に、この日の僕とこの結果がいつまでも残ればいい。
ニアの平衡感覚が戻らなくたっていい。
いつまでもダーツが当たらなければいい。
いや、僕らが引き離される明日が来なければいい。
僕にもニアにも、明日の隔離を止める力はない。
足りないのは腕力で、今となっては物理的に不可能なことは、どうしようもない。
「なあ、今日がずっと続けばいいな。」
「はい。」
「明日、お前はどこに行くんだろう。」
「・・・解りません。」
僕らは重い体を引きずって、何とかベッドまで辿り着いた。
爪を折られたぼろぼろの猫二匹が、ベッドの中で丸まった。
776 :
32:2005/09/20(火) 19:49:05
ニアは、メロを愛している。
それが書き始めでした。
ああ。読んだ。最初のほうは、覚えてる。
次の文は、「そして、これからもずっと」。
最後のほうまで、覚えていて欲しかったです。
読み終えましたか?
読み終えたには読み終えた。大体は覚えてもいる。
でも、後半は違うことも考えてたから一字一句違わずという訳にはいかない。
では夜が終わる前に全部聞かせてあげます。
10ページ分。
・・・ああ、頼む。
僕が欲し憎んだニア。
僕が愛し慈しむはずの同等のニア。
どちらも手に入らず、この体温も明日には消える。
「メロ。」
「何だよ」
「サイドテーブルに、ナイフが。」
「・・・ああ。」
疲れた体で何ということもなく吐く息とともに返事をする。
そうか、あれからニアはナイフを元の位置に戻しておいたのか、とそんなことだけを思った。
777 :
33:2005/09/20(火) 19:49:51
「メロは生きていてください。」
「・・・・。」
「そして、Lになればいい。元はといえば、我々が幸せになれないのはメロがLをめぐって私に対して持ったコンプレックスからでした。
私は知能を棄てて貴方と一緒になることも望んだが其れが叶わない今、私に出来るのは黙って消えることだけです。
メロはLになり、この世界の一番に成る。私は未来のメロの幸せを得、最愛の人の手で死ぬという幸福を味わう。
私が死ぬことによって得られる幸福はこのまま別離を迎える生に勝る。」
だから、終わらせてください。
ニアはそう呟いて目を閉じた。
僕はニアを抱きしめたまま黙っていた。
僕だけが生きて、Lになったって意味がないんだ。
僕はLになり、それによってニアに勝って、
・・・そして、その状態をもってニアと一緒に生きたかったんだ。
外はまだ暗く、何の音もしない。
現実感はなかった。二人で別の世界にいるみたいだった。
朝になれば、きっとロジャーを始め大人たちがこの世界に土足で踏み込んで一人を引っ張っていくんだ。
朝になれば、夢みたいなあの日に繋がる全てが消えてしまうんだ。
僕は空っぽの部屋とそこに取り残される自分を想像した。
泣き喚いて、声が嗄れるまでニアの名前を呼んで、次に、何をするだろう。
加筆修正乙!!
凄いよおまい…!
ラストまで投下いきます
780 :
34:2005/09/21(水) 15:14:48
「ニア、お前だけなんて駄目だ、一緒がいい」
「・・・・・本当ですか」
「ああ。」
ああ、僕らは幸せだった。求め合う意思に気づいてからたったこれだけの、恋人同士だった。
僕らは聡明であるが故に、ただ愛し合うことすら認められない。
ニアがキスをねだった。昨日からよく、ニアは首を傾けてキスをねだる。
ベッドの上をニアがにじったからぐちゃぐちゃなシーツがさらに縒れて、僕はうざったいそれを足で隅に押しやる。
それはすでに落ちた分の重さとあいまって、あっけなく床に落ちた。
僕の部屋のシーツ、ニアが綺麗にしたシーツ、あれは今も僕の部屋にあるのかな。
そんなことが頭の奥をよぎった。
僕の部屋で一回、ニアの部屋で一回。
僕らは最後にはこんなにも平等だ。
ニアは長い袖のシャツで口を押さえてもごもごと頬を動かすと、OK、キスしてください、と言った。
「メロ」
「・・・ニア。」
お互いの名前を呼んで目を閉じた。
思うに、そんな簡単なことが出来ない大人が指輪の交換なんて作り出したんだ。
愛の言葉。名前。
互いを表すかりそめの、互いにとっては真実の記号。
ニアが誰だっていい。僕が誰だっていい。名前なんてなくてもいい。
781 :
35:2005/09/21(水) 15:16:11
キスは苦かった。ニアが僕の中に舌で何かを押しやったので、舌で受け取って確かめてみた。
・・・・解けかけの錠剤一つと、それとは別の味の液体?
それは追って来たニアの舌によってするっと喉の奥へ行ってしまった。
さらに情報を得るためにニアの口の中に舌を差し込むと、ニアは甘噛みしながら逃れた。
「ニア 何で逃げるんだ」
「これは私の分。」
こくん、とニアの喉が動いた。
目を閉じるとニアは急に子供に見える。
小さな出始めの喉仏が一度、二度、上下するのを言いようのない愛しさとともに見ていた。
「予告も無しにすみませんでした。ナイフが良かったですか」
「いや。」
多分あと40分です、とニアは言った。
何を意味するかは解っていた。僕は微笑み、黙って頷いた。
782 :
36:2005/09/21(水) 15:16:57
「目が覚めると、病院内に、一人でした。メロがいなかったということです。だから私は病院の天井を見たままで泣いた。
頭がぐらついて、手術は為されたのだろうと思った。傷がとても小さかったが、メロのことです、そういう方法を選んだのだろうと。
そう考えるとほぼ同時に手術の失敗を確信した。私は私だった。黒いノートもなかった。
何て残酷なんだろうと思いました。私を白痴にしたまま置いて行ってくれるのなら私は苦しみなんて感じなかっただろうに。
そう思って泣いたんです。」
「・・・辛かったか?」
「はい。 でも、気づいた。ロジャーはいつも、決まって日に三度出かける。実は私は昨日までここではなく病院にいたんです。
ロジャーはずっと私の傍にいました。思うにあれもワイミーと同じく、教育者でなく研究者だったのです。
平均的なハウスの子供何人より、私一人を重視し私のために時間を使った。
まあ多少腹は立ちましたが、そんなことは問題でないので置いておきます。
ロジャーが日に三度出かける先がハウスではないのは、ロジャーの車が出る車線でわかっていました。」
「僕の存在を感じた?」
「はい。いくつか証拠を積み上げ、メロは私を棄てたのではないと確信できたときは嬉しくなって思わず笑みがこぼれました。
それと同時に、・・・私はなぜかいつも何かしら同時に背反した事象を頭に描くらしく、悲しくなりました。
もう二度と会えなくなる。それを理解したからだと思います。
・・・何とかメロを存命させつつ逢う方法を考えながら、病院内の見取り図を食い入るように見つめる日々が続いた。」
「・・・結果、これか。」
「はい。私の知識で考えられる限り、一番苦しみが少ない組み合わせを選んだつもりです。格好悪いところを見せたくなかったから。
私は自由にならない体をベッドから落とし、咳き込み、それから足と手だけで前進し、別棟の倉庫までゆっくりと這って行った。
客観的に見ればとても惨めで情けない姿です。深夜の病院の廊下を白い塊がもぞもぞと、不恰好にもがいている。
でも、私は数センチ進むその行程すら誇らしかった。頬を他人の靴裏の泥で汚しながら、喜びでいっぱいでした。
これは私がメロにしてやれる最善の愛の証明だと、そう確信していましたから。
でもその時点では、私がメロの前でこの薬を飲み干す、その瞬間のことしか考えていませんでした。」
783 :
37:2005/09/21(水) 15:17:43
愛しいニア。何より白くて綺麗なこの頬を汚して、お前は僕のために死のうとしたんだ。
「・・・・だから、二人分とすると絶命まで約40分、即死は無理です。もしかしたら、最後は少し、苦しいかもしれません」
「いいさ。お前と一緒だろ。」
「はい そうです。・・・ずっと。」
互いの中に残る毒を少しでも多く負担しようとするように、僕らは舌を絡めあった。
愛するものが少しでも苦しまずにこの生を終われるように。
「メロ」
「ニア」
僕らが生きた小さな箱庭。
白い部屋。
まだ明けない夜。
どこまでも哀しく、限りなく幸せな僕ら。
大人たちは日が昇ったころに、抱き合ったまま静かに冷たくなっている僕らを見つけるだろう。
[end]
未来に繋がらない物語にしたかった。
メロとニアは、お互い違った理由で死を選んだんだといい。
長らくお待たせしたり、最初から書き直したり、どうもすみませんでした。
何かするたびに一言くれた方々のおかげで、ふと思い付いてそのまま忘れるはずの話が形に出来たんだと思います。
裏話告白すると書いて没にした部分が4,832文字。(計画性のない・・・)
完成本文は24,745文字(word調べ)。
これで終わりです。今までありがとうございました。
乙!
うるさいやつとかいたけれど、投下をやめないで完結してくれてありがとう。
1つの素晴らしい作品の完結をリアルタイムで読むことができて俺は凄く嬉しかった。
ホントに乙な!
ちなみに保管庫に保管するよな?
俺が心配するようなことじゃないけど、このまま流れていって消えるのはもったいない。
いい作品だからこそ色々な人に見てもらいたいんだよな
ワオ 素晴らしい
自作自演もここまでくると感服するよ
でも楽しい一人遊戯を見せてくれてありがとう
乙っすた。
はい!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!ついに完結か!乙!
ひそかにずーっと待ってたから嬉しいよ。
ものすごく良かった。
こんなに心が揺り動かされる文章は久しぶりだ。
わかったから文体変えなさいw
凄く良かった。乙でした。ありがとう。
漏れ弄ばれてるハァ━(*´Д`*)━ン!!!
794 :
fusianasan:2005/09/24(土) 11:55:42
(´・ω・)(´・ω・)
昨日このスレ発見して読み進めてたんだが、最近完結した話だったんだな
いいもん読ませてもらったよ。読んでる間中、没頭できて
読み終わった後も作中での雰囲気を思い浮かべたくなる話は、僕オタ姫以来だわ
切腹しろ 切腹しろ
切腹しろ 切腹しろ
切腹しろ 切腹しろ
切腹しろ 切腹しろ
切腹しろ 切腹しろ
切腹しろ 切腹しろ
(´ロ`)…
798 :
fusianasan:2005/09/30(金) 11:01:38
あげ
799 :
fusianasan:2005/09/30(金) 11:32:28
カタカタ
|| ̄ Λ_Λ
||_(Д`; ) 「なに?このスレ・・・」
\⊂´ )
( ┳'
800 :
fusianasan:2005/10/05(水) 00:03:05
あげ
801 :
fusianasan:2005/10/07(金) 08:11:19
ゆ
しばらく離れてて戻ってきてみたら投下されてた!
感動しました ほんとに乙!
すごく遅くなってしまったけど、どうしても乙したかったもので・・・