2 :
名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 23:12:14 ID:1/cZoQsD0
____ ________ _______
|書き込む| 名前:| | E-mail(省略可): |sage |
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,ィ
,べV //
ネリーみたいなくーるな女には / 〃  ̄ ヾ; / ./
sage進行がぴったりよね〜 ! i ミ(ノハソ / /./
!ik(i|゚ ヮ゚ハ<///
リ⊂}!廿i つベ/
く/Цレ'
し'ノ
あてんしょん
| ̄ ヽ
|」」 L.
|゚ -゚ノ| ……えっとこのスレに投稿したネタ(名前欄に題名を記入したもの)はね……
|とl)
,べV
/ 〃  ̄ ヾ;
! i ミ(ノハソ
!ik(i|゚ ヮ゚ハ 。・゚・⌒) 作者の意向が無い限り、
リ⊂! |T|!つ━ヽニニフ)) 問答無用で>>1の保管庫に収録されちゃうんだよ〜
く/|_|〉
(フフ
Q: 雑魚スピって何ですか?
A: サブスピです。
Q: 具体的に教えて下さい。
A: シアー・セリア・ナナルゥ・ニムントール・ネリー・ハリオン・
ヒミカ・ファーレーン・ヘリオン、以上9名の総称です。
Q: これまでに投稿されたSSはどこで読めますか?
A: ここで読めます。→
http://etranger.s66.xrea.com/ Q: 俺あんまりサブスピに興味ないんだけど。
A: 雑魚スピです。
>>1の関連スレリンク集で行き先を探してみましょう。
えっと点呼は前スレ607さんの、
“雑魚な彼女たちの為の永遠神剣名募集コーナー”で。
セリアに『照突』 <1>
>>1乙。
ヘリオンで『自慰』<4>
どちらでもOKな二刀流(違
明けましておめでとうございます。
>>1さん
ヘリ乙〜。
ヘリオンに『夜戌』 <4>
>『セリアの憂鬱U』
「見つからない所」とやらの本を発見した瞬間のエスペリアを思うと涙を禁じえません。
そのままお約束の場所に置きなおした時の悪魔的表情を考えただけで、
嬉々として清掃場所のシフト表を組んでいる状況を思い浮かべただけで……
何だ、楽しそうじゃないですか。
今年も良き年でありますように。
すみません<5>でした。
ヒミカに「烈日」<6>
>>1乙。
ハリオンに「天竺」(てんじく、ガンダーラ)
光陰向きかもしれないけど、ハリオンて観音様みたいなイメージがあるので。
母性的で、おおらかで、力強さのある仏教(てかヒンドゥー神話)の女神ぽい感じ。
あけましておめでとうございます。今年も良い年でありますように
で、セリアに「蒼穹」<8>
アセリアが夜空の中に煌めく光なら、セリアは青空の下の淡い光のイメージが
あけましておめでとうございます
今年もこのスレの住人にマナのみちびきがありますように…
ファーに「斬影」
ニムに「追光」
<9>…かな?
あけおめですー<10>
正直『無垢』はヘリオンにあげたいと思った。
ヨーティア『愚者』 ってのは冗談で、
ヒミカ『克己』 学ラン着て応援団だなw
ナナルゥ『憐憫』 情感豊かに
<11>
<12>
ニムに恒久。だらだらこたつでうにぃ〜。
18 :
セリアの初夢:2006/01/01(日) 18:19:54 ID:EAdPrANO0
「ふ……も、やぁぁ……」
「ほらネリー、大人しくしてなさい」
「んん!……で、でもぉ……あんっ!」
いやいやをしてはいるが、本当には嫌がってはいない。
その証拠に、薄っすらと桜色に染まった肌はときおりぷるぷると震え、
その度にだらしなく開きっぱなしの口元からは悦びの証でもある銀色の涎が吐息と共につつーと伝い落ちている。
「フフ……可愛いわね。ん……ふぅ」
「ひゃうっ! み、耳はダメなのぉ……あ、あ、ああぅ……はぁはぁはぁ……」
ゆっくりと舐め上げ、最後にふっと軽く息を吹き込む。敏感になっている身体には、それだけでもかなりの刺激な筈。
案の定ネリーは慌てて耳を押さえ、うるうると大粒の涙を浮かべながら訴えかけるように上目遣いでこちらを見た。
その怯えるような蒼い瞳に、ぞくぞくと背筋が震える。当然この程度で終わらせる気は無い。ぺろっと舌なめずりをして告げた。
「だめよ、これはお仕置きなんだから。私に内緒でマロリガンの新参者と旅に出ようとなんかするからこうなるのよ」
「ご、ごめんなひゃいぃ〜。で、でもあれはヘリオンが勝手に……」
「言い訳はいいの。それにそんな事言ってもココは――――」
不意打ち気味に水玉模様の下着の中に手を入れ、洪水になって広がっている膨らみの溝を指先で優しくなぞり上げる。
「はぁんっ!!! ……あ゛、あ゛、あ゛、…………」
「―――――正直ね。ほら、こっちも寂しがっているみたいよ」
ささやかに波打つ幼い胸の頂上で既につんと尖っている桜色の突起を口に含め、転がすように舌で舐め上げついでに甘噛み。
「はう、はう、ゆ、許してセリアぁ……もう息が……ごめんなさい……ごめんなさいぃ〜……ああぅっ!!」
同時に秘部の包皮に隠れた蕾の芯をそっと剥き、痛みにならない程度に、しかし最大限の快楽を与える加減で軽くノック。
「…………はぁっ! あ、もうダメ、もうダメ、許して許して、ん゛、ん゛、んんん〜〜……あ、あぁぁぁぁっっっ!!!」
瞬間、堪え切れず、仰け反るように白い顎を晒してネリーは硬直し、全身を弓のように撓らせたままぴくんぴくんと痙攣した。
手先に伝わる、どろっとした粘液質の熱い液体。掬い取って、ぺろっと舌を付ける。ネリーの味と匂いがした。
19 :
セリアの初夢:2006/01/01(日) 18:20:46 ID:EAdPrANO0
「ぁ…………は……ぁ……ぁ……ぁ…………あふぅ…………はぁはぁ…………ふわぁ…………あぁ…………」
枕に顔を押し付け、ぐったりと脱力しながら時折ぴくっと震える細い肩。綺麗に浮かび上がった肩甲骨に思わず笑みが零れる。
汗に塗れた小さなお尻、大人しい背中。散らばったポニーテールの蒼い髪を見ながら嗜めるように耳元で囁きかけた。
「もぅだめじゃない。イっちゃったら、お仕置きにならないでしょう? さ、次はシアーね、呼んできてちょうだい」
「ん…………くーるぅ…………」
しかし未だ陶然となったまま恍惚に酔っている虚ろな瞳からは、返事が返ってくる事は無かった。
がばっ。
跳ね上がるように飛び起きると、そこはいつもの自分の部屋。眩しい朝日に、思わず目を細める。
蒸れたような空気が全身に貼り付いているようだった。激しく波打つ動悸。前髪を掻き分けながら額の汗を拭う。
「…………予知夢?」
知らず口元からこぼれる意味不明の言動。混乱した頭で、反射的に背中に手をまわしていた。
20 :
セリアの初夢:2006/01/01(日) 18:22:09 ID:EAdPrANO0
「……なんだ、ちゃんとあるじゃない……って私、何を言っているんだろう」
指先に確認できた長い後ろ髪にほっとしながら、先程の夢を振り返ってみる。そしてすぐにかぶりを振った。
冷静に。今の状況を思い出すのよ。今日は……ええと、聖ヨト歴332年ルカモの月アネース(青)ふたつの日。
私はラキオススピリット隊の一戦士。そう、今そのラキオスは帝国との会戦に向け、着々と準備を整えている真っ最中。
旅に出ている余裕など無い。大体、マロリガンの新参者って誰だろう。コウイン様などという事は死んでも有り得ないけど。
「……馬鹿馬鹿しい。夢の中とはいえ、我ながら何を考えているのやら」
正常な判断が出来た事に多少気分が良くなり、心臓の鼓動も落ち着いてくる。
年が変わって初めて見た夢があんなのなんてね、などと苦笑する余裕も出てきた。
うん、夢は夢。あの“お仕置き”が隠れた願望なのだろうかと多少は気になるが、どうせすぐに忘れるだろう。
ネリーに会った時に、思い出さないようにしないと。変に意識したりすると、あの娘意外と勘がいいし。
胸に手を当て、大きく一度深呼吸。朝の冷たい空気を吸い込み、頭をすっきりとさせる。
さて、そろそろ起きなきゃね。朝食の準備をしているハリオンをあまり待たせても悪いし。
りぃぃぃぃぃん…………
寝巻きのホックに手を伸ばしかけた所で、響く『熱病』の声。立てかけていた剣が淡く輝いている。
あら、今日はなんだか機嫌が良いみたい。珍しいわね、高揚した気配が伝わってくるわ。
どうしたのかしら。まるで大量のマナを与えられた直後のような。変ね、暫く戦いも無かった筈なのに。
…………ん? 何、このシーツの盛り上がり。ちょっとやだ、何か動いて……ってえ、え? 待って、誰かいるの?――――
祝ファン投票一位も兼ねて、セリア&ネリーの姫始め(ヘブンズ
新年早々あれなネタで申し訳有りません。オフィシャルのスピたん紹介で他のメンバーより登場が遅れた理由とかなんとか。
書いている途中、画像板のセリアさんに興奮してたら何故かこうなってしまいました。
謹賀新年。こんなんですが、皆さん今年も宜しくお願い致します。住人の方々にマナの導きがありますように。
>>前スレ714さん
満たされたポニーってどんなんですかw
って誘導文書いた自分も途中で何言ってるか良く判らなくなっていた訳ですが(汗
>>前スレ718さん
ア&セリアの頃からでしょうか、このコンビは妙に書き慣れた感じがしてある意味便利(?)なのですが、
一方放っておくとネタ置き去りで勝手気儘に動き出すので構成泣かせでもあります(汗
部屋に戻ってから悶々と考え込み、壁に抱き込んでいた枕とか叩きつけてそう>ループ
>>前スレ719さん
ESsode Tってw エスペリア、フォースを信じろ、信じるんだ。そうすれば恥じらいも身に付くぞ。
多分部屋中ひっくり返して捜索してもどうしても見つからなくて、こっそりと涙に裾を濡らした事でしょう>エス
メイド本執筆中のヒミカさん。横目でじーっとエスペリアの一挙一動を観察していたり。関係無いけど東京砂漠に爆笑w
>>9さん
そう、真に不幸なのはエス姉さんなんですよね、あのネタ。詰所の汚れが落ちて楽しそうですけど、身も心も汚れきって(ry
実はタイトル、『エスセリアの憂鬱』にしようかどうか悩んだのは秘密です。誤字と突っ込まれそうだし(汗
今年は良い年になると良いですね。特にエスとかエスとかエスとか(←主犯の一人が何を言うか
年明け二本目……ハッスルハッスル!!
. __ __
_( ()_( ()
| |
/\ .|
//\\ |
// \\ ヘ、
// // ∩ /´ 'ヾ
\\ //⊂⌒ 从从リ ヒック...ヒック..
\\// `ヽ_つ/"⊂ノ
\/
セ「な、、、、、まさ、、、泣いてっ?!嘘!!? ちょ、ちょっとネリー?」
ネ「ゔゔ゙あ゛ぁぁぁあたまいたいーおみ゛ず〜〜ふつかよいやだーー〜〜」
………
……
エ「あら、セリアおめでとう。珍しくお寝坊ですね」
セ「あれ頂戴。あの辛い薬湯あったわよね?あれ」
親戚回りの最中に新スレが立っててびっくり<13>
えっと…
セリア…目覚め
ハリオン…恩寵
ヘリオン…希求
ネリー…蒼穹
シアー…碧落
ニムントール…地祇
ファーレーン…河漢、際涯
ヒミカ…浄火
ナナルゥ…光冠
「蒼穹」以外はかぶらなかったみたいですねw
>>21 新年早々ごちそうさまでしたw
布団を開けるとそこには真っ黒な翼の(ry
あけおめぇ
ヘリオンに「純心」
セリア 赤熱
ネリー 淑徳
シアー 雪花
ハリオン 抱擁
ニムントール
ヒミカ 焔心
ナナルゥ 鼓動
ファーレーン 彩雲
ヘリオン
全員分考えたけど、ニムとヘリオンが思い浮かばん。 <15?>
>>21 乙です〜。
布団の中に潜むもの・・・
その正体は一体!?
次回を待て!!(勝手に続けるな)
「曙光」(希望の兆し)は今、兆しから明確な希望へと・・・
「希望」のニムントール
「失望」を越え、絶望を征した者。その力は、相対する者を絶望させる・・・
「絶望」のヘリオン
「因果」を超えて魔を断(ry
・・・ごめんなさい
>>21 乙です〜。
新年一発目の次の絵が決まりました(デストローry
>>29 なるほど、このぶつぶつから無数の火の玉が出てくるのか。
スピたんの、ヘリオンとツェナの倒立ポップを見かけた。
もしかして結構力入れてるの?
アセリア=アテナ
エスペリア=メイフラワー
オルファリル=ニナ
ウルカ=ナイトメアー
ネリー=ウインドマスター
シアー=ウイングス
セリア=アンジェリカ
ヒミカ=ベリサマ
ナナルゥ=リビティーナ
ハリオン=ホーリィナース
ヘリオン=デーモン
ファーレーン=グナー
ニムントール=サガ
ヨフアル=アナヒタ
今日子=ステラ
光陰=コンラッド
住職(なぽりたん)=モモンガ
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <さぁヴァ……こほん、悠人さん、
j /ヽ y_7っ= 全てのベリル……マナを集めるのです
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
おま、ちょw
ついこないだなんとなくコインいっこで買った俺に対するメッセージかそれはw
おお同士。俺もついこないだ買ったばかりだ。
結構はまってるうちに連想しちまったんだが……
しかしこんなに早く反応する住人がいるとは、ヤベえ、雑魚スレw
おっとID変わってた。32=34、一応。
遅レス申し訳ありませんorz
>>22さん
む、それは1RK.O.負けという事でしょうか>ハッスルハッスル
なーんだネリー、二日酔いだったんですね、安心したw(ぇ
それにしても情け容赦無いですねセリアさん、ていうかそれは八つ当たりというものでわ(バニッシャ
……そのAAいいなぁ。他にも使えそう(ボソ
>>24さん
真っ黒な翼のネリーグールへ……続く?w
>>27さん
個人的には寝惚けた光陰辺りが出てきたらそれはそれで面白いのでわとか何とか。
Gヘリオンでもいいかなぁ。
>>28さん
おお、このネタから一体どんな絵が……ごくり。
喉鳴らしつつお待ちしておりますw
ところでロウエターナルってマナ回収に『紡ぎ』も利用しようとはしなかったんだろうか(ボソ
「ねえパパ。それなあに?」
食堂の戸棚の上に綺麗な紙を敷いて、その上に一抱えはある物をよっ、と置いた俺にむかって、
オルファが興味津々と言った面持ちで駆け寄ってきた。
「ああ、これか?」
ソフトボールよりも一回りは大きい、円形二段の物体。俺にとっては見慣れた、しかしこの世界では珍妙かも知れないもの――いわゆる鏡餅。
それを俺のちょうど腹の辺りの高さに供えたのだった。
俺と鏡餅の間に入り込んだオルファは、二本の紅い髪を好奇心と共に振りながら俺の説明をせっつく。
「これはな、鏡餅って言うんだハイペリアの正月用の飾りなんだ」
「かがみもち? ふーんおもしろーい」
面白いのか? まあいいけど。
一応てっぺんにはこの世界のそれっぽい柑橘系果物が乗せてあるけど、実はこれ、昨日ハリオンに頼んで作ってもらったものだったりする。
餅なんてあるわけ無いので、
「……パパ、これってパン?」
なわけだ。
「そう。パンとは違くてホントはもっと堅いんだけどな、この世界じゃ材料がないから、ハリオンにそれっぽく作ってもらったんだ」
表面には白い粉砂糖が掛けられていて、それっぽく仕上がっている……はずだ。近くで見るとあれだけど。
ま、三日くらいこのままおいてても大丈夫だろう。オルファが指で突っつくのを控えてくれれば(汗)
「でもこれって、そっくりだよ」
「そっくり?」
「うん。エスペリアお姉ちゃんのお腹みた〜い♪」
「はははは。そうかもな」
見た事有るわけじゃないけど、オルファが言うんだからまちg
「ユートさま。お茶をお持ちしました。あ、オルファ。ちょっとお話がありますからこちらに来なさい」
はぅっ!! 背中に突き刺さる槍襖オーラ。やはり戦闘に置いてどちらを向くのかは戦術上大きなウエイトを占めるのだな、とスピたん。
目の前のオルファの背中が一瞬で堅い一本の棒に変わるのを目の当たりにしてしまった俺は、ディタレントパパ。
次の日の食卓は4人しかいなかった。俺とエスペリアとアセリアと、そしてウルカ。
どうやら、オルファは予定より一足早くエターナルになったらしい。
…………あれ、オルファって誰だっけ?
ククククク。甘いですね、甘いんですよ勇者殿。この私のエスペリアが二段で済むわけがな
>>38 GJ
ていうか、このエスペリア好きすぎるんですけどw
空席が一つある事に違和感を覚えつつも、アセリア達は普段どおり手を合わせ、
温かな湯気が立つ器にスプーンを差し入れた。
「エスペリア、スープの中にオルファのリボンが入ってる。」
「あらやだ、リボンはマナ仕様じゃなかったのね、ウフフ♪」
「ユート殿、手を合わす時間が長すぎませんか?」
すいませんやり過ぎました(´・ω::::::......
2段じゃないって事はやはり06年にちなんで6だn(ソニックストライク
>>38-39 実は紛い物だと説明されたウルカ。
「ふむ、心とは己を映すもの。鏡餅とは良く言ったものです。あ、エスペリア殿、屈むと余計に目立ちますぞ」
次の日食卓は3人しか(ry
そして誰も(ry
初回クリア記念カキコ
セリアにドラゴンスープレックスを決めたぜ!
◆ そのまま横四方固めでフォールだ!ハァハァ
◆ 逆襲を食らって三角締めで昇天!ハァハァ
5回目
41番目でした
一発抜け
48番目?
あれ?違和感がないよエスペリア
人気投票でのはじけっぷりを見てたからあるあるwと思ってしまった
漏れは10回くらいかかったぞ。
60人目
俺も10回ぐらいかかった。
61人目
一発クリア。77人目らしい
55 :
41:2006/01/06(金) 19:43:47 ID:10tG5GiE0
うお、思った以上に反響があってポックリ。
もっと細かいところをいじれればなぁと思ってたけど、案外これでよかったのかちら。
ここだけの話、最初はラスボスが佳織で脇役に光陰がいたのよ。
でも、テストしてみたら光陰がエスペリアに愛を告白して、佳織がなんというか…筆舌に尽くしがたいあんまりさになったので、今のように修正したのよ。
ともあれ、楽しんでいただけたようで幸い。
1発クリア86人目!
道中エスペリアっぽい選択肢を選んだら難なくクリアです
何がエスペリアっぽいかは秘密
勢いのある面白い作品でしたよw
>>55 ちょwwwぽっくりってwww逝くな逝くなー!!
あったまでっかでっーか
おっしりでっかでっーか
そーれがどーしましーた
わたくしエスぺりあ
みらいのせかーいのーおっとはユートさまー
おやゆびリュールゥキスキスキス ぜんかいです
間違えてカンカリスレに書き込むとこだったwww
悠「ん、なんだエスペリア、背中から紐みたいなのが出てるぞ」
エ「え、あ、だめですユートさまそれ引っ張らないで下さいまし――――ぷつん」
光「うわなんだ、ハイロゥがいきなり寿命の切れた蛍光灯みたいに真っ黒になったぞ?」
悠「いやそんなことより動かなくなったんだけど。おいエスペリア、おいって!」
身長1m。ウエストも(エレメンタルブラスト
悠「おーい、オルファ、いるか?」
オ「なぁに、パパ」
悠「…なんで黄色いネコミミ…まあいいや。エスペリアさ、あれどうなったの?」
オ「ああ、あれはね、お姉ちゃんのデンゲンが切れただけだよ?へーきへーき」
光「なぁんだ、そうか電源が切れたのか」
悠「電源…」
電源!?
光「そうか…ついにファンタズマゴリアにも電気が」
悠「いや…つっこむところはそこじゃないだろ」
>>59 黒くなるところでは無く、ウエストに言及した所で消されるのか(笑)
いまさらになって
>>41に気づき、早速やってみたらなんとちょうど100人目のクリアでした。
やっぱエスはみんなに愛されてるんだな、いろんな意味で。
そーっと、そーっと。
ア「ユート、何してる?」
ウ「コウイン殿も……手前の背中が何か?」
悠「い、いや何でもないんだ気にしないでくれ」
ハ「あらあらだめですよユート様〜。女の子のお尻を追っかけまわしたりしたら、めっめっですぅ〜」
悠「え、あ、違う、違うって! ってなんで背中を向けて屈むんだよ!」
ハ「え〜でもぅ、見たいんですよね、お尻〜」
光「うほっ! イイお尻っ!」
悠「お前も喜ぶなっ!」
ア「……そうなのか、ユート?」
ウ「では手前も……」
悠「だから違うって! これには訳が!……え゙」
光「そうそう、ちょっと尻尾がないか確かめて……む゙」
ア「ユート、変。尻尾なんて珍しくない」
悠「…………」
光「…………」
ひゅう〜〜…………
光「なぁ悠人、ここはやっぱり異世界なんだよなぁ」
悠「ああ、改めて思い知ったよ……」
二人並んで夕日に向かって遠い目。
その後尻出しルック大フィーバーの第二詰所。手前迅速落書き無用。
エ「ユートさま……申し訳ありません。わたくしは、未来に帰らねばなりません」
瞬「いい加減にしろよ悠人。これ以上うざいんだよ!」
悠「俺は……もう負けない! エスペリアがいなくても大丈夫に成らなければならないんだ! うぉぉおおおおおお」
エ「わたくしがいなくても大丈夫なんですね」
悠「ああ。もう大丈夫だよ……」
エ「…………」 ホロリ
悠「こう、大丈夫って言ったら、ホロリって涙が」
光「お前、それ惚れられてんだよ」
悠「エスペリア…君がいなくなったら、食卓ががらあんとしちゃったよ。
でも大丈夫。すぐに慣れるし、オルファがちゃんとしてくれるから。安心して」
光「…素直じゃねえ奴。用済みだって言ってやれよ」
悠「いや…こういうことは形式だけでもちゃんと…ん?なんだこれ」
光「エスペリアの全身像の掘り込まれたカンオケ?なんだってこんなもん…」
悠「…おーい、アセリア」
ア「なんだ?」
悠「これ捨ててきて。なるべく遠くで、人目の付かないところに」
ア「わかった」
ぱたぱたぱた…
ア「捨ててきたぞ。すっきりしたな」
悠「そうだな。さ、食事にしようか。オルファ、頼むぜ」
オ「りょうかーい、パパ♪」
エ「喉が渇かれたのですね。判りました、今お茶をお持ちします、ユート様」
エ「夕食の用意が整いました、ユート様」
エ「え、マナが足りないのですか。承知しました、少々お待ち下さい……はいどうぞ」
エ「あら、ハイロゥリングはどこにしまったかしら……ええと、あ、あった」
悠「……エスペリア、気のせいか全部そのエプロンのポケットから出てきているように見えるんだが」
>66
婚姻届けだってでてくるぜ?
こうしたエスペリアの献身によって、エスがいなければ何も出来ない少年になっていくのであったw
良い事を思いつきました。
ベッドから落ちないようにユートさまの部屋の押入で寝れば良いんです!
さぁ今晩も冷えますからユートさまもご一緒に。狭くて暗くて……もういけませんっ!
「ええと、ここをこうやって……」
「ユート様、何をなさっているのですか?」
「ああ、アヤトリだよ。向こうの世界の遊びでさ、結構得意なんだ」
「…………やっぱり(ニヤリ)」
「え、なんか言ったか? エスペリア」
「いいえ、何も。ところでユートさま、ヒミカから借りた眼鏡があるのですけど――――」
「マナよ、我が求めに応じよ 一条の光となりて、彼の者どもを貫け!」
び〜むっ! び〜むっ! び〜むっ!
「百発百中……素晴らしい腕前ですユートさま」
「ああ、何だか眼鏡をかけてると外す気がしないんだ」
「……やっぱり(ニヤリ)」
「え、なんか言ったか? エスペリア」
「いいえ、何も。ところでユートさま、そろそろ聖ヨト語の勉強の時間ですけど――――」
そろーりそろーり。
足音を立てないように、抜き足差し足忍び足で逃げようとする悠人。
…が、食卓でお茶を飲むエスペリアは何の素振りも見せずに悠人を制止する。
「…ユート様?そーっと逃げようとしても無駄ですよ?さぁ!聖ヨト語のペーパーテストをしますよ!」
「ウワアアアァアアァーン」
数十分後。
「ユート様っ!!また0点ですか!もっと勉強しなさいっていつも言ってるでしょう!ガミガミガミ…」
「(…耳栓。これ最強)」
「ガミガミ…はぁ、はぁ…もう、いいです。今度からちゃんとしてください!」
「はーい」
たったったった…
「はぁ…もう、ユート様ったら…ああ、でもなんだか最近、ユート様を叱るのが…ちょっと か・い・か・ん♪」
ゾゾゾーッ
「え、エスペリアお姉ちゃん…怖いよぅ」
「オルファちゃん。しばらくは近づかないようにしよう。代わりに俺が近くにいt」
ズドーン、バリバリバリ…
エスペリアに、隠れ性癖診断テストをやらせてみよう。
…きっと、Sっ気が強いはずだ。
(別のエロゲーのメーカーのサイトにある奴なので自分でぐぐってくだされ)
ちなみに私は「アブナイ調教師タイプ」と出ました。
調教師バナーもらえましたよ、家宝にしてますよ。
私のいぢめは愛の証、うっふっふっふっふっふっふっふっ…。
エスペリアはSでMだからなぁ・・・
攻めるのも攻められるのも大好きなのよ。
そう考えると、だから緑スピなのに異常に攻撃が強いのか・・・
よく燃えるからって萌えるかどうかはその人の判断にゆだねる。
ちなみに俺はエスは実によく萌える。
光「この役振りだとおれが出来杉君か!? いや〜まいるなぁ。この土管の中に隠れて幼女が近づいてくるのを待ち伏せっと」
今「ふーん。土管なだけにドカーンと行って欲しいわけね。なかなか体を張った覚悟のようね。光陰君?」
前スレが埋まってしまったのでこちらで失礼をば。
>>19-753さん
うぁ、あれだけ気を付けていた筈なのになんでオルファだけスピリットのままだったんだろorz
御指摘有難うございます。早速連絡スレへ報告させて頂きました(汗
>>19-754さん
ナナルゥ、無言で炎の中に冷凍ヒミカを放り投げそうw
>勢揃いした記念写真
悠「……あれ? ヘリオンだけいないぞ?」
光「まさかとは思うが……この雪だるまがそうじゃないか? ハイロゥ浮かんでるし」
>>19-755さん、19-756さん
実は、確かアセリアは(21)だったような気がするなぁと後テキトーにイメージで揃えただけですので、お気になさらず(汗
ちなみに(13)〜(22)の間に整数の空白が無いのはスレのあらゆる住人の方々の嗜好に対応出来るようにと調整させて頂きました(ぇ
>>19-758さん
流石はナナルゥ、転んでもただでは起きませんねw しっかりソデノシタをざっくざく。
あ、早くしまわないと凍りますよ。その豊満な胸の谷間にしっかりと(スターダスト
>>19-759 本日未明某食料倉庫にて、小麦粉20tが忽然と消えうせたという事件が発生した。
従業員の話によると、血相を変えた巫女姿の少女が突如空中に現れ、次の瞬間には大量の小麦粉袋と共に居なくなっていたという。
警察ではこの従業員に詳しく事情聴収する事を諦め、近々精神鑑定に回す模様。
また、ほぼ同時刻に近くの養鶏場でも数千個の卵が盗難に遭っており、関連性について懸命の捜査が行われている。
>>73 エ「コウイン様、デキスギクンはそのような犯罪紛いの事はいたしません。そんな事より早くヨト語を憶えて下さいまし」
デ、デキスギクンって一体どういう役なの……(ペラペラパラリ)
ふんふん、なるほど……そ、それじゃえっと……ごくり。
ク「ココココウインさま! わたしにヨト語の宿題教えてくださいっっ!!」
光「いや、クォーリンの方が詳しいだろそりゃ。……え? まさか書けないのか?」(ジト目)
ク「う……か、書けますぅぅぅ!!」(脱兎)
光「あ、おーい……しまった、まさかマロリガンの教育水準がここまで低いとは……悪い事言っちまったかな?」
悠「お前本気で判ってないのな」
\ ……ユートさまにだけは言われたくないと思います /
, ヘ _
'´ ⌒ヽ 〃 ' ヘ ヘヽ , ' ` ^ヽ
_ ,ヘ ! l」」ルl」」 ノi ミ从l~iルソ ノ ル从ルリゝ
〃/::::|ヽi !ゝ゚ -゚ノゝ ((ヾ(i|゚ -゚ノi 从リ゚ ー゚从 .^》ヘ⌒ヘ《ヾ
∠ <====ゝ " \ / \ / /"つ \( リ〈ノルリ !〉'´ ヘ ヘヾ
んヘi」゚ -゚ノ」二⊃日| .|" | | | | | / / |. | ノ(゚ ヮ゚リ!ノ〈从ハ从〉
/⌒ \ .|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄且⊂ニヽ/´ ヲ´ヮ`ヲ从
../ /i ヽ_ ||\\ ,べV \ / (~冫
/ / .'´ ⌒ヽ .  ̄ ̄\!二二二'´ ⌒ヽ'二二二/ 〃  ̄ ヾ | | | |
,,/. ! ソノノ~))) ___._|| |;:;:;'.,;,ハ」」」l」」〉;';;';:;;:;:;' ! i ミ(ノハソ \ヽ /.| |
く人リ゚ ー゚ノiゝ ̄ ̄ ̄|| |;;/⌒ヾゝ゚ ヮ゚ノへ. /⌒ !ik(i|゚ ヮ゚ハへ.─ヽつl⌒Y⌒l
⊂二丶 ノ ノ____l| i( ー○=ヘゝ_)( ー○=ヘゝ_) .⌒Y⌒旦
>>75 そのAA初めて見たかも。オモシロス(w
あのコタツネタSSを思い出すな。
王立ラキオス学院中等部
聖ヨト暦334年度
【コサトの月 給食献立表】
青みっつの日
ハクゥテナポリタン リクェムの肉詰め
ヨフアル クールハテ茶 冷凍ひみか
>>77 冷凍ひみか。お待ちどおさま。
________ /ヽ∧/∨\
|=====| 《 ' ` ^ヽ 》
'~~~~~~ヽ 《 ノ ル从ルリゝ 》
! l」」ルl」」 《 从リ ゚д゚从 》
i !ゝ゚ -゚ノゝ 《 ⊂》|Tリつ 》
i !/wkつつヾ 《 く/|_ノゝ 》
ノノく/|_ノ | 《 し'ノ 》
し'ノ |二二二二二二|
◎ ◎
>>77 ちょw 吹いたww
>>78 救出されたとたん車内販売されてしまうヒミカカワイソス。
「えー美味しい冷凍ひみかはいかがですかー」
つーか凄い形相のまま固まってますなヒミカww
「く、くっくっく……『献身』のエスペリア!!
【おそろしいもの】になってやってきたものですねぇ……」
「ええ、そうです。元隊長ソーマ・ル・ソーマさま。
わたくしは、もう何も…どんな誹謗中傷もおそろしくありません」
「まるで鏡餅(二段以上)の様な腹をして……妖精の名を冠しているくせに、なんて様ですか」
「(ニヤリ」
新年早々、ネタにされ過ぎなエスの瞳に乾杯♪
遂に、冷凍ひみか(20)を追い越し、部隊内最年長に昇格したエス(22)の明日はどっちだ!?(ドッチダロウ
>>78 一瞬、ナナルゥの帽子がメーテル帽子に見えちゃったよw
ウ「けっして砕ける事のない氷柱に封じ込められたヒミカ殿を助ける為には」
エ「黄金永遠神剣『天秤』による一撃しかありません」
悠「な、なんだって!? だ、だけどそんな剣一体どこにあるって言うんだよ! あの時計にともる九雑魚の灯が
燃え尽きる前に助けなくちゃ成らないってのに!!」
オ「あせっちゃ駄目だよパパ。ほら、アセリアお姉ちゃん」
ア「ん、私がちょうど良く持ってた。大事に使え」
悠「なんだって! だったらさっさと!……あの……これ……アセリア愛用のノミと金づちに見えるんだけど」
ナポリタン神の化身佳織お嬢様「お兄ちゃん……無事で……」
教皇ジェミニネリシア「カオリさま〜ケーキ作って〜」「生クリームいっぱ〜いね」
ちょうど9人の雑魚スピたちがサ○ボーグ009のコスに身を包み…。
地獄の戦鬼と人の言い、涙で血の大河を渡る白昼夢を往来で見た俺はどうすれば。
ピュンマ役をどっちがやらされるかで揉めそうw
夢見て走る死の荒ー野ー♪
阿鼻叫喚のフランソワーズ争奪戦
「赤スピを凍らせるのが最近の味覚…だったらぁ、あったかい青スピはどういう味がするんでしょう〜
たのしみです〜♪」
ウフフフフ
'´ ヘ ヘヾ , ヘ アチチチ
ノ〈从ハ从〉┃ 〃 ' ^^ヾ '´ ⌒ヽ
从ヲ´ヮ`ノヲつ i ハ从从リ ハ」」」l」」〉
ノノ/wkつノ. ┃ノ∩リ;゚ヮ゚从 ヾゝ;゚ヮ゚ノゝ やぁ〜ん、たすけてぇ〜
ノノく/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡U≡U≡≡〉
し'ノ ./ だ し ヾ グツグツグツ…
||ニニニニ||(____________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从;;;ノ
雪害地域への炊き出しおつw 元凶を立たねば!w
暖かいセリア…………熱病に飲み込m
あったかセリア
嫌と言いつつも毎日布団に入ってあっためてくれます。
好感度が高ければそのあと人肌であたためてくれます。
好感度MAXになればせっk(アイスバニッシャー
セッ カン
そんなに寒いなら 折 檻 で温めてあげましょうか
,ヽノ_
,' 〃, ^^ヾ ☆))Д´) <<88
i y(从ソ))リ゙∩ ☆))Д´) <<88
ノノ゙(リ゚ -゚ノリ彡☆))Д´) <<88
(( ⊂彡 ☆))Д´) <<88
☆))Д´) <<89
せっかいと、セリアの反応熱で暖まります。
決してせっかんのスパンキングで暖まるわけではありませんのでそこんとこお間違えの無いように。
,ィ^i^!1-、 ∠ 人気の出るお出汁が濃厚に出てくるって話しなんですが
,(レ´  ̄ ヽ)
i`_l !i_!li_!i!リ ┃ ,'^》フ⌒´ヽ》ヘ
jixi」 ゚ -゚ノリつ ( ノ i」」」」」〉))
/wkつノ. ┃ ノノ(!リ;゚ヮ゚ノリ((
く/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ 人 気 ヾ グツグツ……
||ニニニニ||(____________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从;;;ノ
________ ∠氷ると脆くなるようです
|=====|
'~~~~~~ヽ /ヽ∧/∨\
! l」」ルl」」 ┃《 ' ` ^ヽ 》
i !ゝ゚ -゚ノゝつ 《 ノ ル从ルリゝ 》
!/wkつノ ┃《 从リ ゚д゚从 》
ノノく/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ 解 凍 中 ヾ グツグツ……
||ニニニニ||(____________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从;;;ノ
r‐-- -┐
/ /゙・ 皿・_ヽ _ , ヘ , ヘ _ _ ,ヘ
レ'´从リ从!〉 ┃ , ^》ヘ⌒ヘ《ヾ '´ ⌒ヽ '´ ヘ ヘヾ ' ` ^ヽ '´ ⌒ヽ 〃 ' ^^ヾ 〃 ' ヘ ヘヽ '´ ⌒ヽ 〃/::::|ヽ
l从◎_◎从つ ( リ〈 !ノルリ〉)) ! l」」ルl」」 ノ〈从ハ从〉 ノ ル从ルリゝ ハ」」」l」」〉 i ハ从从リ ノi ミ从l~iルソ ! ソノノ~))) ∠ <====ゝ
/wkつノ ┃ ノノ(!リ;゚ヮ゚ノリ(( i !ゝ゚ -゚ノゝ 从ヲ´ヮ`ノヲ从リ;゚ヮ゚从 ヾゝ;゚ヮ゚ノゝノノゞリ;゚ヮ゚从(((ヾ(i|゚ -゚ノi|く人リ;゚ヮ゚ノiゝんヘi」;゚ヮ゚ノ」
く/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ 忘 れ な い よ 、 お に い ち ゃ ん ヾ
||ニニニニ||(______________________________________________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从;;;从;;;ノ
さすがセリアだ
魔人共と張り合っても
なんともないぜ
>>91 ナナルゥとハリオン、セリアは風呂にでも入ってるような表情だなwwwww
>>93 心頭滅却すれば火もまた涼し。
つーか、何があっても動じないでしょ、この娘達は。
95 :
エロ大王:2006/01/12(木) 01:38:23 ID:+8+V78wW0
やせ我慢しすぎてのぼせ倒れたセリアを
助け出す役は俺に任せろ
鍋の具になりたいのは誰かしら?
, ヘ _
〃 ' ヘ ヘヽ
ノi ミ从l~iルソ.┃
(((ヾ(i|゚ -゚ノi|つ
)) /wkつノ ┃ (;`Д´)←
>>96 く/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ 闇 ヾ グツグツグツ…
||ニニニニ||(____________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从;;;ノ
, ヘ _
〃 ' ヘ ヘヽ
ノi ミ从l~iルソ.┃
(((ヾ(i|゚ -゚ノi|つ
)) /wkつノ ┃ (;`Д´)
く/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ ヾ
||ニニニニ||(_________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;从;;;ノ
, ヘ _
〃 ' ヘ ヘヽ
ノi ミ从l~iルソ.┃
(((ヾ(i|゚ -゚ノi|つ
)) /wkつノ ┃
く/|_ノ. ┃
し'ノ ┃ (;`Д´)
||ニニニニ|| 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
|| || ./ ヾ
|| ⌒ ||(_________,, )
|| ⌒ ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;从;;;ノ
, ヘ _
〃 ' ヘ ヘヽ
ノi ミ从l~iルソ.┃
(((ヾ(i|゚ -゚ノi|つ
)) /wkつノ ┃
く/|_ノ. ┃ ?
し'ノ ┃ (゜ー゜;)
||ニニニニ|| 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
|| || ./ ヾ
|| ⌒ ||(_________,, )
|| ⌒ ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;从;;;ノ
!! , ヘ _
〃 ' ヘ ヘヽ
ノi ミ从l~iルソ.┃
(((ヾ|;゚ヮ゚ノi|つ
)) /wkつノ ┃
く/|_ノ. ┃ ウホッ
し'ノ ┃ (゜∀゜;)
||ニニニニ|| 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
|| || ./ ヾ
|| ⌒ ||(_________,, )
|| ⌒ ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;从;;;ノ
# ,ヽノ_
,' 〃, ^^ヾ ☆))Д´) ぱんつ
i y(从ソ))リ゙∩ ☆))Д´) パンツ
ノノ゙(リ゚ -゚ノリ彡☆))Д´) パンツ
(( /wk⊂彡 ☆))Д´) はいてな
く/|_ノ. 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ ヾ
||ニニニニ||(_________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;从;;;ノ
101 :
エロ大王:2006/01/12(木) 21:23:36 ID:+8+V78wW0
のーぱんか!!のーぱんなのか!!
+ <いやあぁぁぁ〜〜
;;
;; ゴゴゴー
;;;
(;:)
(;: )
(;;;: )
(;;:: )
(;;;;::⌒ )
(;;;;:::: )
(;;;;;:::::,,, .. )
( (;;;;:::::,,..;;:: ) )
(;;;::::,,.. ...,, )
今回はヘリオンイジられ祭りですな
'´⌒ ヽ
| ゙「_~~_i
. ヾ(!゚ ー゚ノウホ (´・c_・`)<<104
〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
./ オ ト コ ヾ
||ニニニニ||(_____湯_____,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;从;;;从从ノ
107 :
104:2006/01/14(土) 01:08:30 ID:1SakeGKm0
>>105 煮られるのが好きなんじゃないやい!
セリアさんに煮て欲しかったんだい!
しかも、うほっなんて…・゚・(ノД`)ノ・゚・。ウワァン
| ̄``''- 、
| `゙''ー- 、 ________
| ,. -‐ ''´ ̄ ̄`ヽ、_ /
|, - '´ ̄ `ヽ、 /
/ `ヽ、ヽ /
_/ ヽヽ/
/ / / / / / ヽハ
く / /! | 〃 _/__ l| | | | | | | ||ヽ
\l// / | /|'´ ∧ || | |ー、|| | | l | ヽ
/ハ/ | | ヽ/ ヽ | ヽ | || /|ヽ/! |/ | ヽ
/ | ||ヽ { ,r===、 \| _!V |// // .! |
| || |l |ヽ!'´ ̄`゙ , ==ミ、 /イ川 |─┘
| ハ|| || | """ ┌---┐ ` / // |
V !ヽ ト! ヽ、 | ! / //| /
ヽ! \ハ` 、 ヽ、__ノ ,.イ/ // | /
┌/)/)/)/)/)/)/)/)/)/)lー/ ` ー‐┬ '´ レ//l/ |/
|(/(/(/(/(/(/(/(/(/(/│|| | \ 〃
r'´ ̄ヽ | |.ト / \
/  ̄`ア | | | ⌒/ 入
〉  ̄二) 髪を切った | | | / // ヽ
〈! ,. -' セリアさんに | | ヽ∠-----', '´ ',
| \| | 煮てると | |<二Z二 ̄ / ',
| | | よく言われます _r'---| [ ``ヽ、 ',
| | | >-、__ [ ヽ !
\.| l. ヽ、 [ ヽ |
ヽ| \ r' ヽ、 |
上がったデモムービー見た
しかし…アセリアのムービーとは似ても似つかぬハジケっぷりですな
デモ見た。
まさかヘリオンのキャラ紹介がツェナより前に来るとはね・・・
こりゃ少なくともヘリオンには攻略ルートありそう。
…ナナルゥ攻略ルートもあるといいなぁ。
しかし本編とのノリの違いにワロタ。
いや、好きだけどね。
ヘリオンの扱いでかいなぁ。
途中でヘリオンのチップキャラをRPG風に動かすような所もあったが・・・・・・いったいどうした主人公(ロティ)は。
そこでロティとヘリオンとヘリオンの弟子で三角関係勃発ですよ
そうなると紡ぎタンも交えての四角関係に
そんな修羅場をヨソにセリアさんが華麗に活躍ですよ
とりあえずニムとファーさえいてくれればいいよ
今更気がついたことなんだけど
キャラ紹介のロティシルエットを見ると
紡ぎタンを持ってたのな…本当今更だけど。
ザウスとしては、商品戦略上ヘリオン人気を絶やしたくないという打算のあらわれ。
PS2版発売記念の4コマであったように「狙った」キャラなんだからこそ、控えめにGでカサカサ行こうぜw
「で、でもヌメッとしたレザーが幼い体型と相まって妖艶な魅力になると…あいたっ」
「ヘリオン、少し黙れ」
「あ、あぅぅ…じ、実用性も高いんですよ?Cd値を絞り込んだこのスーツは極限までナロー&ワイド。
マナを凝縮させなくても高速移動が可能になる6本の補助節足に、ハイロゥ展開無しに三次元高速
機動が可能なハイマット――い、いたいですぅっ!」
「黙れ。とにかくそのGスーツは脱げ!俺は…いつものヘリオンがす、好き…なんだからっ」
(( へ(へ´∀`)へ カサカサ
「で、でもヌメッとしたレザーがスレンダーな体格と相まって妖艶な魅力になると…あいたっ」
「……お姉ちゃん、舌噛んでる」
「あ、あぅ……じ、実用性も高いんですよ? 補助スキルを絞り込んだこの覆面は極限までブラック&ホワイト。
マナを凝縮させなくても赤面症克服が可能になる上に、私が黒だと識別が可能な灰色の光沢――あうっ」
「黙れ。とにかくその覆面は取れ!俺は…素顔のファーレーンがす、好き…なんだからっ」
>>117>>118 お前らっつうか、お前らのソゥ・ユートってツンデレなのか。
別の意味で俺的に萌えるじゃまいか。
男も女もツンデレ最強
しかし悠人もセリアもツンデレだと喧嘩が耐えない罠。
で、想像してみた。
「セリア、茶の時間が過ぎたぞ。いつまでこんな所でダベッてるんだ、本当にグズだな」
「あのね。ユート様にだけは言われたくないわ。いつになってもクールハテとシナニィの違いも判らないんだから」
「わざわざ呼びに来たのにその態度かよ。いいだろ、俺はルクゥテとハシバスのブレンドが好きなんだ」
「勝手に私の好みを取らないでくれますか? ユート様だけがお茶の本当の美味しさを判っていると思われるのは心外です」
「そこまで言うのなら決着を付けようじゃないか。今日はセリアにも準備を手伝ってもらうからな」
「ええ、望む所よ。いつもはどれだけ不味いお茶を私が我慢して飲んできたか、思い知らせてあげる」
「ふふふふふ……」
「ふふふふふ……」
……なんだ、仲良さそうじゃないか
ツンデレカップルってあれか
らんま1/2
なんかツンデレカップルと聞いて
誤作動を起こした蒼の水玉の影響でツンデレになってしまうネリシア
なんてのを連想してしまった
誤作動で、フタなりになってしまう……まで読んだ。
佳織の為、第二詰所で下働き悠人。
「スピ萌え。」
及び
「雑魚スピ萌え。」
入手いたした。
一番の衝撃は「なるー」が寄稿していた事<そんなんかよ
雑魚スピ萌えの表紙はなんつ−かw ナナルゥ、何入ってんだそれw
スピ萌えは、エスが手にしたものは……がいかったです。ウルカはほぼスルー状態な気が。
とらのあなではスピ萌はもう在庫切れの模様。
いやほんと、ザウスさんアンソロジーでも出さんかね?
>>64 悠「こう、大丈夫って言ったら、ポロリって胸が」
光「お前、それ誘われてんだよ」
悠「こう、大丈夫って言ったら、ボロリって胸が」
光「お前、それパットなんだよ」
>>128 でもアンソロ出来るほど絵師が揃ってない希ガス。
ていうかこんな「知る人ぞ知る」程度の知名度の作品じゃ採算取れないって。
アセリアでだめなのか(´・ω・`) そんなもんかね……と思いつつ検索してみたら……
(成)最果てのイマ アンソロジー 11/24 発売中止 宙出版
おい、ちょ、ww
うはー……
前スレdat落ち。
>>133 ファイヤー☆ミカ先生(20)、センター試験近くて追い込みで〆切に間に合わなかったんだよ、きっと
ちょっと気になったんっすけど。
PS2版の第5章でユウトがはじめて聖賢使って守護龍モドキ倒した後のレスティーナの戦いの宣言みたいなやつ
なんか明らかにレスティーナの声の中の人が違うような気がするんやけど、なんで?
>>135 ていうかミカ先生二浪してるんですかw
お菓子屋でバイトしてる場合じゃないですよ!
138 :
104:2006/01/16(月) 14:58:37 ID:4oqho4zt0
最近ミカ先生はアイマスで見かけ・・・ゲフンゲフン
>>126 ちょっと聞きたいんだがそれって店頭で買った?
さっきアキバ回ってきたんだけど何処にも無かったんでさ
>>139 試しに「ヒミカ アイマス」でググってみたら……ゲフンゲフン
☆ミカ先生、一体何足のわらじを履いてらっしゃるのかw
>140
とらのあなの通販です。
「雑魚スピ萌。」ならまだあるのではないかな。表紙はここの住人ならニヤリとするであろうね。
143 :
そーなんだ:2006/01/16(月) 23:30:55 ID:s3g2cMez0
「蒼の水玉の建設を上申致します」
リレルラエル防衛をたった1ターン終えた夜、エスペリアは言い切った。
自らの抵抗力に限界を感じ、むしろブルースピリットのバニッシュ系に期待したのは懸命な判断だろう。
今から建造しても間に合わない、という一言をついに誰も口にはしなかった。
これほど切羽詰った形相のエスペリアに反論できるような勇者はラキオス・スピリット隊には存在しない。
それにエスペリアなら、何かをやってくれそうだ。そんな微妙な期待感が場を支配していた。
「異存はないようですね。それでは上層部にはわたくしから申請しておきます。それでは次の案件ですが――――」
一同の沈黙を了承と受け取ったのか、淡々と次の議題について語るエスペリア。
隠してもその口元には誰でも判る程の笑みが浮かび上がっていた。
「蒼の水玉の建設が完了しました」
満身創痍で自慢のメイド服がぼろぼろになりながらも毅然とした声色を変えず、
高らかにエスペリアが報告したのはそれからたったの2ターン後。恐らく相当無茶な注文を通したらしい。
やってくれた。微妙な期待感は今、明らかに別の意味での尊敬へと変わりつつあった。
法則を捻じ曲げたとしても、エスペリアなら何故か納得もいく。お肌の艶が良いのも決して気のせいではないだろう。
その証拠に、戸惑う一同が敵襲に出撃する途中で干からびた技術者を数人見かけたとかなんとか。
「これでわたくしの死亡率も下がるというもの……ふふふふ……」
最早公私混同を隠しもせず、エスペリアはずらりと並んだ蒼の水玉×10をいつまでも満足げに眺めていた。
144 :
そーなんだ:2006/01/16(月) 23:31:37 ID:s3g2cMez0
「さて、と……そろそろわたくしも出撃しなければ」
我に返ったエスペリアは、鼻歌交じりに城門を開いた。
しかし次の瞬間、襲い来るのはソーン・リームもびっくりの問答無用な暴風雪。たちまちHPが削られる。
「くぅぅうぅっ!……この程度では…っっ!」
思わず叫ぶ、ダメージ小の戦闘台詞。顔を庇って翳した手の向こうでは、ブルースピリット同士が戦っていた。
セリアがエーテルシンクを放ち、ネリーがサイレントフィールドを唱え、シアーがアイスバニッシャーを(ry
その度に、酷くなっていく吹雪。今ならバナナで釘を打てそうだ、などと感心している場合ではない。
城から溢れてくる、物凄い波動の水のマナ。エスペリアは風に押され、ふらつきながらお約束のように城外へとよろけ出た。
途端、氷点下の、凍えて鋭くなった空気が針のように全身を刺す。吐き出した息がスターダスト現象で白く結晶化した。
「くぅぅうぅっ! こ、これくらいで…っ!」
ダメージ中の台詞。確かに、戦場に炎の気配はない。エスペリアを度々焦げ付かせてきた雷鳴の轟きもなかった。
だがしかし、寒すぎる。がちがちと、合わなくなってくる歯の根。勝手に震えだす体。これでは戦場よりたちが悪い。
無理矢理顔を上げると、視界が0になっている。目の前に透明な塊が映り、良く見るとメイドキャップに氷柱が生えていた。
更にヒロインとしてあろうことかあやうく鼻水まで垂らしそうになり、慌てて引っ込める。Mdが大幅に下がった。
145 :
そーなんだ:2006/01/16(月) 23:32:23 ID:s3g2cMez0
「だ、だめ…!? いや、まだ……だいじょうぶっ!」
それでも戦士としてのプライドが、エスペリアを突き動かす。雪の積もった『献身』を引き摺り、前に進む。
剣戟だけを頼りに戦場に辿り着こうとするが、段々意識が朦朧としてきた。現在HP15程。ノーマルでも既に崖っぷち。
突然氷壁にぶち当たり、尻餅をつきながら見上げると、変な笑顔のままのヒミカがペンを握ったまま凍っていた。
ここにきてようやく自分の考えが浅はかだったと気が付くが、もう遅い。振り返っても、城は見えなかった。
周囲に気配が感じられない。恐らく見当違いの方向に出てしまったのだろう。有体に言えば、遭難していた。
「だ、大地に満ちる活力よ、癒しの風となれ、マナよ、わたくしの傷を癒して……あ、あら?」
堪らず唱えたハーベストも、一向に発動しない。さっきの鼻水でMdが30を切っている。エスペリアはがくり、と膝を付いた。
「あ、あぁぁ…… みんな、ごめんなさい」
遂に漏れる、戦闘不能台詞。見渡せど雪原。エスペリアは、最後にもう一度空を見上げた。
すると幻想か、ラッパを吹きながら羽根の生えた天使達が集団で降りて来る。GameOverかと思ったが、
輪を描きながらゆっくりと降り立ったそのうちの一人にやけに見覚えがあった。
「……助けが……必要か?」
アセリアだった。しかも、首に小さな樽のようなものをつけて。
「パ○ラッシュ……わたくしもう疲れました……がくり」
==== 第T章導入部分へ to be continued ====
怒涛のエスいぢりと冷凍ヒミカがツボに嵌って思わずやった、今は後悔して(ry
>>146 乙です。
もうエス姉さんはこの路線以外道が無いような気がしますw
>それにエスペリアなら、何かをやってくれそうだ。
>法則を捻じ曲げたとしても、エスペリアなら何故か納得もいく。
同意w
>>146 乙です〜。
とりあえず温まってください。
________
|=====|
'~~~~~~ヽ /ヽ∧/∨\ ,ィ^i^!1-、
! l」」ルl」」 ┃《 ' ` ^ヽ 》 ,(レ´  ̄ ヽ)
i !ゝ゚ -゚ノゝつ《 ノ ル从ルリゝ 》 i`_l !i_!li_!i!リ
!/wkつノ ┃《 从リ ゚д゚从 》 jixi」 ゚д゚ノリ
ノノく/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ 解 凍 中 ヾ グツグツ……
||ニニニニ||(________________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;从;从;;从;;;从;;从;从;从;ノ
「エスペリアとヒミカ重い。ん、鼻水凍ってる」
ようやく、リレルラエルの町のみならず城壁の外、遥か地平まで続いていた蒼の水玉の効果範囲から
脱したアセリアは、好むと好まざるとに関わらず、自動的にフリーザー化してしまっていた自身の身体が
だんだんと赤みを帯びはじめ、春の雪解けのような暖かさを醸しはじめていた事に気が付いていた。
もっともspring has comeの恩恵を二本の氷柱は受けることなく、ムシロで巻かれて荒縄に適当にくくられ、
アセリアによって、ヘリコプターよろしく吊されたていた。
アセリアは手に食い入る重さに顔をしかめながら、陥落間近のシーオスまでふたりを運搬中である。
占領の瞬間ふたりを投下し、マインド回復を図る。企画立案セリアなのだが、釜で煮た方が早いのではないだろうか、
と思わなくもないが、気にしない。
そろそろ予定時刻だ。
眼下で神剣を閃かせているのはナナルゥであろうか。だがアセリアは時間には結構うるさかった。
1400
スティックを握る、汗ばむ手のひら。親指が対地爆弾のスイッチカバーを押し上げた。
今。
shooooooooooooot!!!!!
緋色の劫火。焼却の業火。
投下地点と寸分たがわず放射状に広がった爆炎は、どう見てもアポカリプスだった。
本当にありがとうございました。
解凍終了。Mission Complete! ランク S
信頼さん…マジ乙&ベリーGJ。
いつまで続くエスいぢり、果たしてこれで終焉を迎えたのだろうか。
エスゲームを作りエスいぢりに加担した者として、私はそうは思わない。
(ていうか占いもだが今も訪問者が訪れる事に感涙です)
いつかまた、第二第三のエスいぢりが訪れるのであろう。
っていうか、終わるわきゃないし。今更第二第三もないわなぁ。
んで、いぢりネタになる何か作れるモノ無いかと探してます。
でもなかなか無いもんですのう…。
デスクトップアクセサリー作るのとか色々やってみたんだが。
私にはハードル高かったりとか諸般の事情により無理だったりとかねー。
…ただ、ボー○スが我らに等しく光を与えてくれそうではあるが。
「難しい技術いらず手作り雑魚スピ可動フィギュア」という光を。
詳細は、以下のURLからね。
ttp://blog.livedoor.jp/custom_san/ まあ…知ってる人はとっくの昔に知ってると思うけどね。
「無駄ですテムオリン。私の時詠みの目には、あなたの矮躯が消え去る運命しか映りません」
「あいかわらず口だけは減りませんわね。時深さん、たまには言った通りにしてみなさいな」
…………
……
…
__ 、-‐‐- ,
「,'´r==ミ、 , ノ) /二二二\
くi イノノハ))) うるさいです。 ノ)ノ,(ノi もぅ、まだですの時深さん <从ソ^ヽヽ,ソ
| l|| ゚ヮ゚ノl| もう少しですから ( (ノし いい加減わたくし 从i、゚ヮ ゚ リ从ソ
j /ヽ y_7っ= 待ちなさい ノ ξ亀〕ζ 飽きましたわ ( < 〒 /丶) )
(7i__ノ卯! ξ 〔甲〕 ノ,( ヽ「( ヽ__i J
く/_|_リ //|\\ (__|_丶>
時「あ、そうそう、うちのユキナが」
テ「こっちなんてボンクラばかりで困りますわ。あのぼーやトレードしません事?」
悠「一時間以上、焚き火囲んで井戸端会議してるんだが……大体亀甲って(汗)」
タ「聖賢者ユートよ。永遠者とは総じて気が長いものなのだ。肝に銘じておくがいい」
え〜、ども、こんばんわ。
相変わらず流れが読めません、くじらでございます。
長編の続きを投下したいと思います。
色々な都合上、二本立てでお送りいたします。
このスレにマターリとしたマナの導きあれ。
投下、開始。
がちゃり。
「ただいま・・・」
元の世界に戻り、家に戻った佳織は、誰も答えてはくれない挨拶をする。
もう、この家には、両親はおろか、ただ一人生きている仮の肉親、悠人すらいない。
それだけで、家の中が広く感じる。マンションの一室で、たった一人ぽつんと立ち尽くす佳織。
だが、その表情は、ついさっき、悠人との別れを済ませてきた者とは思えないくらい、明るかった。
自然と、足が自分の部屋に向かう。
何をするというわけでもないが、ベッドにでも横になりたかった。
佳織が部屋に入ると、そこには、畳まれた状態で山積みになった家中の衣服があった。
「あれ?誰か・・・あ、そっか、お兄ちゃんたちが・・・一度戻って来たんだっけ」
おそらく、ヘリオンとハリオンが、町にでも行った時に着替えたものなのだろう。
悠人から聞いた話では、町で結構いろいろなことがあったらしいが・・・
「そういえば・・・何かの劇に出たとか言ってたっけ。確か・・・」
佳織は、その動きの鈍った体を、リビングへと向かわせる。
テーブルの上には、向こうに行く前にはなかった一つの写真立てがあった。
佳織はそれを手に取ると、そこには、奇妙な格好をした三人が写っていた。
「す、すごいなぁ・・・これ。ハリオンさんお姫様だし・・・お兄ちゃんとヘリオンさん、おそろいだし・・・」
思わず苦笑いする佳織。
それとともに、この三人がこの世界に来たことが真実であることを証明された。
・・・だが、それと同時にひどく悲しくもなった。
この三人のうち一人は、もうどの世界にもいない。この目で、その人が死ぬところを見たから。
もう、この写真の笑顔しか、その人の面影を残すものはない。
そう考えると、あの瞬間が佳織の脳裏にフラッシュバックする。
「お兄ちゃんに、ヘリオンさん・・・生き延びてくれるかなぁ。ううん、生き延びてくれるよね、絶対・・・」
そう信じるしかなかった。
もう二度と会えないのだから。もうすぐ、自分の記憶からも消えてしまうから。
記憶が、想いがあるうちに、生き延びてくれることを祈るしかなかった・・・
─────何時でもない時、何処でもない場所。・・・時の迷宮。
エターナルになるための、大いなる永遠神剣が、その主が訪れるまで眠りにつく場所。
その空間に、一人のエターナル、一人の青年、一人の少女が・・・降り立った。
青年は、自分の世界と、ファンタズマゴリアという世界を救うため、エターナルという力を求めて。
少女は、その青年を護り、大事な人の遺言を果たすために。
「ヘリオン・・・どうして、どうして来たんだ!」
「だって・・・だって、ユート様が、いなくなっちゃうって、そんな予感がしたんです。だから・・・!」
「だからって・・・!ヘリオン、ここがどういうところか、わかっているのか?」
「わ、わかるわけないじゃないですかっ!」
そりゃそうだった。
ヘリオンは、時深の説明を受けているわけじゃないから。
悠人を追って、その結果巻き込まれる形でこの時の迷宮に来てしまったのだから。
悠人がちらり、と時深の方を見ると、時深は仕方なさそうに掻い摘んで話し始める。
「・・・ここは、時の迷宮と呼ばれる空間。エターナルになるための、第三位以上の永遠神剣が眠る場所」
「あの・・・ちょっといいですか?」
「なんでしょう?」
「そもそも、エターナルってなんですか?ユート様は、その、エターナルになるためにここに来たんですか?」
「・・・ああ、そうだ。俺は新しい神剣を手に入れて、エターナルになるためにここに来たんだ」
悠人はそう答えるが、どこか、その口調には重々しいものを感じられた。
その口調の正体を明かすかのように、時深はエターナルについて話し始める。
「第三位以上の神剣に認められれば、エターナルになります。エターナルになると、自在に世界を越えたり、
外見や年齢がその時点で固定・・・つまりは、歳を取らなくなり、半永久的に生き続けることになります」
「す、すごい・・・そんなすごいのに、ユート様はなるんですね・・・」
自在に世界を越えられるってそう聞いた。ならば、悠人はいつでも自分に会いに来れるのに・・・
では、なんなのだろう。あの時感じた、もう二度と会えないような、そんな予感は・・・
「・・・ここからが、一番大事なことです」
「え・・・?」
さっきまでは柔らかい表情だったのに、突然、時深の顔が真摯な顔になる。
「エターナルになると、その人に関する記憶が・・・エターナル以外のすべての人から、消えます」
「え??ど、どういう、ことですか・・・?」
「・・・つまり、悠人さんがエターナルになると、佳織ちゃんや、光陰さんに、今日子さん、レスティーナ女王。
スピリット隊のみなさんや、もちろんヘリオン、あなたの記憶からも、悠人さんに関する記憶が消えるのです・・・」
「・・・!!」
記憶が消える。それはつまり、ハリオンのことを忘れたときと同じことになるということ。
大事な人のことを忘れてしまう。それがどんなに、辛くて、悲しいことなのか。
もう二度と、あんな目には逢いたくはないと思っていたのに、悠人は、それを繰り返そうというのだ。
「ゆ、ユート様・・・そんなの、そんなのって・・・!!」
「・・・ヘリオン、ごめん。でも、そうするしかなかったんだ」
「嫌ですっ!私、ユート様のことを忘れたくありません!そんな、エターナルなんかに、ならないでください!」
「けど、俺がエターナルにならなきゃ、あの世界は消滅するんだ。みんな死んじまうんだぞ!?
俺は、みんなが死ぬのが嫌なんだ。ヘリオンにだって、死んでほしくないんだ!」
「・・・っ!私、私は・・・ユート様のことを忘れるくらいなら、憶えてるまま死んだ方がいいですっ!!」
ヘリオンの瞳は、怒りの色を浮かべながら悠人の悲しそうな瞳を睨み付ける。
だが、簡単に『死ぬ』などと口にしたヘリオンに、悠人の瞳も怒りに染まっていった。
「馬鹿っ!そんな風に、死んだ方がマシだなんで言うなっ!・・・俺に、あのときのことを、
ハリオンが死んだときのことを、あの嫌な気持ちを、もう一度繰り返させろって言うのかよっ!!」
「馬鹿はユート様の方ですっ!あの星空の下で言ってくれた、あの言葉は嘘だったんですか!?
私と一緒にいたいって・・・あの言葉は、口からの出任せなんですか!?嘘なんですか!?」
「ちがうっ!一緒にいたいよ!でも・・・俺がエターナルにならないと、それすらも叶わなくなるんだ!」
「ユート様がエターナルになったら・・・私、ユート様のこと、忘れちゃうんですよ?それで、
たとえ世界が救われても・・・ユート様は私に会って『はじめまして』って言われるのに、耐えられるんですか!?」
「それは・・・!」
「私、そんなの嫌です・・・忘れたくない・・・ユート様との思い出を、捨てたくない・・・」
「ヘリオン・・・」
ヘリオンの、思いっきり瞑った目から涙が漏れ出す。
このとき、悠人は初めてわかった。こんなにも、自分を想ってくれている人がいることを。
でも、ヘリオンは佳織と違って、記憶や思い出を捨てる覚悟はできていない。
だからこそ、こんな風に真っ直ぐな想いをぶつけてくれている。
それだけに、罪悪感が積もっていく。歯を食いしばって涙を流すヘリオンを、見ていることしかできなかった。
「なぁ・・・時深」
「・・・なんでしょうか?」
ふと見ると、時深の顔も怒りに染まっていた。
それだけに尋ね辛かったが、ヘリオンのためにも、聞いておきたかった。
「なにか・・・方法はないのか?ヘリオンが俺のことを憶えたまま、俺がエターナルになる方法とか」
とりあえず聞いてみた・・・が、どう考えても無理難題・・・という感じがする。
時深は目を瞑って少し考えるようにすると、細目で、重そうに口を開く。
「無いこともありません・・・が、難しいですね」
「本当か!?あるんだったら、難しくてもいい。教えてくれ」
「・・・それは、悠人さんのすることではありません。・・・すべては、ヘリオン次第です」
「ぇ・・・?わ、わたし・・・?」
僅かに希望の光が見えたかのように、ヘリオンは流れ落ちる涙を腕で拭う。
悠人のことを忘れなくて済むなら、なんでもしてやる。そんな気持ちが、ヘリオンを支配していた。
「その方法は・・・ヘリオンも、私たちと同じ存在、エターナルになること」
「な・・・!?」
「わ、私も・・・エターナルに!?」
記憶を失うのは、あくまでエターナル以外の存在。
すなわち、ヘリオンもエターナルになってしまえば、悠人がエターナルになっても記憶が消えることはない。
・・・だが、それはみんなからヘリオンの記憶も消してしまう、ということだった。
「・・・だめだ!そんなの・・・こんな目に遭うのは俺一人で十分だ!」
「悠人さん、これはヘリオンが決めることです。私や悠人さんが口出しすることではありません」
「でも!」
「・・・わかりました。私、エターナルになります」
「ヘリオン!?」
そのヘリオンの瞳には、ニムントールと戦った時の様な、決心のような光が宿っていた。
「なんでだよ、なんでそんなに簡単に・・・!!」
悠人がそう言うと、ヘリオンはその真っ直ぐな瞳を悠人に向けて、こう言った。
「ユート様と一緒にいたいから・・・じゃ、だめですか?」
「え・・・?」
「私、決めたんです。ユート様と一緒にいるって」
「・・・いいのか?俺についてきたら、きっとろくなことないぞ」
「カオリ様に頼まれたんです。ユート様のこと、守ってあげてって。それに・・・」
「それに?」
「それに・・・ハリオンさんは、私たちに生き延びてくださいって・・・そう言ってました。
だから・・・私、ユート様と一緒に、どこまでも、いつまでも、生き延びたいんです」
悠人と一緒にいたい。ただそれだけのために、今までを捨てる覚悟をするヘリオン。
さっきまで怒りと悲しみに染まっていたその表情は、悠人に向かって満面の笑みを浮かべる。
悠人も思わず笑顔になって、その少女の頭に掌を置いていた。
「・・・ヘリオン、ごめんな。・・・それと、ありがとう」
不思議な気持ちだった。泣きたいのに、泣けないような、そんな気持ち。
目の前の、普段はぎこちなくて頼りないような少女が、今は自分よりも大きく、強く見える。
それは何よりも心強く、安心できる。・・・本当に、いつまでも、どこまでも一緒にいられるような気がする。
いや、一緒にいたい。
「ユート様・・・私、ユート様についていきますから!ずっと、ずっと・・・!」
「ちょっとちがうな・・・ずっと一緒にいる、だろ?一緒にいるのと、ついていくのは、ちがうよ」
「そう・・・ですね!改めてよろしくお願いします!ユート様!」
「ああ、よろしくな、ヘリオン」
悠人とヘリオンはお互いの右手を握り合う。お互いの温もりを、想いを確かめ合うように・・・
「じゃあ、行こうぜ。時深、案内してくれ」
「はい。こちらへ・・・」
時深は、何処まで続くかわからないような道にその視線を向けると、すたすたと歩き出す。
悠人はヘリオンの手を引いて、時深に導かれるまま果てしない空間を歩き出すのだった・・・
「あ、そういえば・・・トキミさん」
「どうかしましたか?」
ヘリオンは歩きながら、時深に気になっていた事を尋ねる。
「あの・・・私がエターナルになるって言ったときに、トキミさん、難しいって言ってましたよね?
あれって・・・どういう意味なんですか?」
ヘリオンは、エターナルになると決めた。だから、なれなければ意味がない。
もしかしたら、エターナルになるためにはとんでもない試練を乗り越えなくてはいけないのか、
等々、自分がエターナルになれる可能性について、不安を感じているのだった。
「この時の迷宮には、五本の永遠神剣・・・【聖賢】、【永遠】、【聖緑】、【再生】、【深遠】が眠っています。
エターナルになるために、神剣に認められること・・・誰がヘリオンを選ぶのか、それがわからないのです」
「そうですか・・・認められなきゃいけないんですね・・・」
「ちょっとまて。もし認められなかったら・・・ヘリオンはどうなるんだ?俺のことを忘れちまうのか・・・?」
もしヘリオンがエターナルになれなかったら・・・そんな不安が悠人の脳裏に過ぎる。
そのときは、ヘリオンは悠人のことを忘れてしまう。さっきのヘリオンの決意の意味がなくなるのだ。
「・・・それだけじゃすみません。この空間は、エターナルにならない限り出ることはできません。
つまり、ヘリオンがエターナルになれなければ、永遠にここで彷徨うことになります・・・」
「な、なんだって・・・!?そんな・・・」
「悠人さん、あなたにも説明したはずです。それに・・・悠人さんも例外ではないのですから」
「あ、ああ・・・」
>>147さん
やっぱりこんなエスペリアでいいんですかねぇ……いえ、書いておいてなんですけど。
……いや、他にもある筈! もっとこう、ズダボロになるような(ブラスト
>>148さん
釜茹で解凍ですか。ナナルゥ、ヒートフロアで釜炊き中。
唐突に銭湯経営するナナルゥとか変なこと思いつきました。
というかエスペリアさん、なんかもう解けてるんですけどw
>>149さん
爆笑ww アセリア、絶対確信犯。狙いは外さない天国へのカウントダウン。
桃源郷への誘いか、解凍終了というか昇華までしていそうですけどw
微妙にランクがSなのが気になります。というか、巻き添えヒミカカワイソス。
>>150さん
なんか折角沈静化していた火に油を注いでしまいました(汗
ある意味スレがエスペリアさん一人で緑化している模様w
>>151 そういえばファンタズマゴリアにも占いってあるんでしょうか?
相性占いとか、呪術とか、一部流行りそうな面々が……
悠人はちらり、と横にいるヘリオンの顔を見る。
が、その表情は永遠を伴う試練に挑む者とは思えない顔だった。
悠人の視線に気がついたのか、ヘリオンは悠人を見てはにかんだ笑顔を向ける。
「大丈夫ですよ!ユート様、絶対に一緒にエターナルになりましょうね!」
明るく振舞い、まるで一緒に受験でもしに行くかのように悠人を元気付けるヘリオン。
しかし、不安に思っているのはヘリオンも同じ。この笑顔は、ヘリオンの精一杯の笑顔だった。
それが、ひしひしと悠人に伝わってくる。
「・・・そうだな。俺たちはそのためにここまで来たんだからな」
どれくらい歩いただろうか。
時深曰く、この空間は時間の流れという概念は存在しないらしい。
それだけに、体が疲れたり、腹が減ったりとかそういったことはないらしいのだが、精神が疲れているのだった。
「時深・・・まだ着かないのか?」
「・・・着きました。悠人さん、ヘリオン。左を」
着きましたと即答されて、思わずあっけらかんとしてしまう悠人。
言われるままに左を見ると、ブロックのような壁に大きな光の門が開いていた。
その門の中心では、マーブル模様のような、青白い渦が静かに波紋を立てている。
あからさまに『門』という感じだった。
「ここが・・・?」
「ええ、ここが時の迷宮の入り口。ここをくぐると、試練が始まります」
「試練・・・って、どういうものなんですか?」
試練と聞いて、また少し不安そうな顔をするヘリオン。
時深は、仕事面なのか、ナナルゥ並みのポーカーフェイスぶりで答える。
「試練の内容は決まってはいません。どういう試練にしろ、迷宮の先の時果ての間までたどり着かなくてはいけません。
その時果ての間で、エターナルになるための契約を行います」
「・・・ま、そこに辿り着いてから、ってことか」
すみませんすみません、割り込みついでに支援(大汗
「じゃあ・・・ユート様!行きましょう!」
ヘリオンは先陣を切って門に飛び込もうとする。が、
「あ、ちょっと待ってください」
と、その時深の一言でヘリオンはずっこけ、板が倒れるかのように真っ直ぐにばたり、と倒れてしまう。
痛そうに鼻を擦りながら起き上がるヘリオンを尻目に、時深はなんだか説明を始める。
「この門をくぐるか、触れるかしたときに、人々の記憶からあなたたちという存在が消えます。
あまり意気を削ぐような真似はしたくないのですが・・・これが最後の選択肢になるので・・・」
「なるほど・・・ね。でも、俺たちは退くわけにはいかないよな。ヘリオン」
「はうぅ・・・そ、そうですっ!がんばりましょうっ!」
悠人とヘリオンは、お互いに顔を見合わせてその意思を確かめ合う。
・・・もっとも、先刻のヘリオンのきれいなコケ具合に、さっきから悠人の頬は緩みっぱなしだったが。
そんなことも気にせず、ヘリオンは赤っ鼻の笑顔を向ける。
悠人もヘリオンも、顔など見てはいなかった。瞳の奥の、想いと、志だけを見つめていたのだった。
「よし・・・ヘリオン、行こう」
「はいっ!」
悠人とヘリオンは、静かに波打つ門の中へと足を踏み入れる。
エターナルになる。エターナルになって世界を救う、最愛の人とともに戦う、その想いを踏みしめながら───
───── 一方そのころ、現実世界、佳織の自宅にて。AM6:30。
佳織は自作のサンドイッチを、向こうで学んだお茶の知識を織り交ぜたコーヒーと一緒に食べていた。
「もうそろそろかな・・・?」
ぴんぽーん、ぴんぽーん。
玄関のチャイムがけたたましく鳴るとともに、リビングに青い人影が飛び込んでくる。
「佳織〜。迎えに来たよ!」
「小鳥〜・・・ちょっと早いよ。今日の練習は7時半からでしょ〜?」
「だって、悠人先輩たちが泊りがけで出かけてるせいで、最近の佳織は元気ないんだもん!
だから、早くに来て元気付けよーと思って!」
確かに、自分でも自覚できるくらい元気はなかった。
もう、こちらに帰ってきてから一週間ほども経った。でも、まだ悠人の記憶は消えない。
なまじ焦らされている感じがするだけに、いつ消えるのか不安でたまらなかったのだ。
いつかは消えてしまう。それは避けられない。ならばいっそ、早く消えてほしかった。
ちらり、と、佳織の視線はテーブルの上においてある写真立てに向かう。
それにつられてか、小鳥の視線もそちらに向かっていった。
ちなみに、悠人や今日子、光陰は泊りがけでバイトに行っている。・・・ということになっていた。
「あれ?この写真・・・あ、ああ〜っ!」
「どうしたの?小鳥・・・」
「ああ、悠人先輩・・・ヘリオンさんとおそろいでぇ〜・・・しかも、ハリオンさんがお姫様ぁ〜!!?
佳織!佳織っ!?この写真は一体何!?なんなの〜?!?」
「え、えっとね・・・それは・・・かくかくしかじか・・・」
激しく暴走する小鳥の勢いに押され、悠人から聞いたとおりに説明する佳織。
「ああ、悠人先輩・・・あんなに文化祭の劇には出るのを渋っていたのに・・・この二人と一緒ならいいんですかっ!」
「・・・結構、成り行きというか、無理矢理にやることになったみたいだよ?」
「ふ〜ん。でも、この格好似合ってるな〜♪悠人先輩が私のナイトに〜♪」
写真を抱きしめ、くるくると回りながら妄想トリップする小鳥を、佳織は苦笑いしながら眺める。
いつものこととはいえ、今回はヘリオンやハリオンというライバル(?)付きなのかいつもより激しい。
そんなことを考えていた、そのとき・・・
キイイイィィイイィイン・・・
一瞬、目の前が光に包まれたような気がした。
・・・何が起こったのだろう。小鳥はもちろん、佳織はそれを理解することはできなかった。
くるくると回り終わった小鳥が写真立てをテーブルに戻すと、佳織を急かす。
「さ、佳織!早くいこっ!」
「え?あ、う、うん・・・」
まるで何事もなかったかのように振舞う小鳥。あっけにとられた佳織だったが・・・
そんなことはおくびにも出さずに鞄を手に取ると、小鳥に引っ張られていくのだった。
テーブルの上に残された写真立て。そこには─────
─────スピリットに酷似した奇妙な存在。守護者なのか、巨大な竜。
試練という名にふさわしいような、そうでないような敵を倒しながら、悠人とヘリオンは迷宮を歩いていた。
「・・・このあたり、マナが溢れてます。ユート様、ちょっと休みましょう!」
「あ、ああ・・・そうだな」
悠人はとにかく疲れていた。
ヘリオンが戦っているのに、自分は見ているだけ。そんな無力感に駆られているのもそうなのだが・・・
何よりも、ヘリオンに護身用にと持たされた【大樹】が負担になっていた。
「(うぅ・・・重いな。ハリオン、こんなの振り回してたんだなぁ・・・)」
飼い主・・・もとい持ち主に似るとはよく言ったものである。
長柄で幅広の刃が特徴の大槍型神剣、【大樹】は、ハリオン自身と同じくずっしりと重かった。
悠人とヘリオンは、マナの光に包まれた場所に腰を下ろす。
「ああ〜・・・生き返る〜・・・」
「そんなに疲れてたなんて・・・ユート様、大丈夫ですか?」
「【大樹】が・・・重くて。やっぱ神剣の力ってすごいんだな・・・」
思わず弱音を吐き出してしまう悠人。
ついさっきまでは、自分を守ってくれてるヘリオンの負担になるまいと我慢していたが、もう限界だった。
両腕の筋肉と、肩の骨がぎしぎしと悲鳴を上げている。数十kgのバーベルを運んでいるような感覚。
それを、ハリオンはもちろん、ヘリオンも片手で持っていたのだ。・・・ここにきて、改めて神剣の偉大さを感じるとは。
「ご、ごめんなさい、ユート様・・・私、槍って使い方がわからなくて・・・」
「いや、謝らなくていいよ。俺が足手まといなんだし・・・時果ての間までは、もたせてみせる」
徐々に回復してくる体に、悠人は精神で喝を入れる。
そうでもしなければ、ゴールに辿り着いても契約で参る羽目になりそうだからだ。
「・・・ん?そういえば・・・ヘリオン?」
「? どうしたんですか、ユート様?」
「いや・・・もしエターナルになったらさ、【失望】や【大樹】・・・どうするのかなって」
「あ・・・」
そういえばそうだった。
エターナルになるということは、第三位以上の神剣の持ち主になること。
今まで、それこそ生まれてからずっと生死を共にしてきた神剣は、もう用なしになってしまうのではないか。
彼女たちの行方。これから。それも、ヘリオンは背負わなくてはならなかった。
「そう、ですね・・・もしエターナルになっても残っていたら・・・」
「残っていたら・・・?」
一体どうするつもりなのか、悠人はその言葉の続きを待ったが・・・
ヘリオンは目を瞑って、首を横に振って言葉を止めた。
「・・・やめます。そんなこと、あまり考えたくありません」
「・・・そうか。辛いもんな。俺も、あのバカ剣が死んだって自覚したときは、少し、苦しかった。
いろいろあったけど、やっぱりバカ剣は俺のパートナーだったんだなって、あの時初めてわかったんだ」
「ふふっ、ユート様は知らないでしょうけど、【失望】はよく言ってました。
『ユート様と【求め】はいつも仲がいい。本気で信頼できる相手がいて羨ましい』って」
「・・・羨ましい?俺と、バカ剣がか?どうして・・・」
当然の疑問だった。悠人としては、あれほどギクシャクしていたのを羨ましがられたのだから。
「信頼というものは、最初から持っているものではありません。例えそれが成り行きでも、無理矢理でも、
少しずつ分かり合って、喧嘩して・・・いろいろあるからこそ生まれるものなんです。
だから・・・はじめから私のことを何もかも分かっていた【失望】には、ユート様や【求め】が少し羨ましく思えたんです」
「・・・なるほど。それにしてもヘリオン、随分と説明が上手いな」
「【失望】が言ったことをそのまま言っただけですよ?それに・・・」
「ん?どうした?」
「それに、【失望】は、二回泣いたんですよ?」
「・・・え?」
ヘリオンは、何かを思い出すように、天を仰ぎながら言葉を紡ぐ。
「一回目は、ハリオンさんのこと・・・二回目は、【求め】のこと・・・本当に、悲しそうでした・・・」
「バカ剣が死んで泣いてくれる奴もいたんだな・・・少し、不憫だよ。俺、何もしてやれなかったし」
「ユート様が気に病む必要なんてないです。【失望】は、【求め】に感謝してましたし、それに・・・
【失望】は、【求め】のことが好きだったんです。近づく度に、恥ずかしそうにしていたんですよ?」
「それって、もしかして・・・あのときの?」
久々に支援
「・・・はい。【失望】にとって、【求め】は命の恩人ですから。私にとって、ユート様がそうであったように」
「・・・あった?」
「今は、ユート様は、私の大事な人。私が誰よりも愛してる・・・誰よりも好きな男の人です」
いつもの調子からは考えられない、凛々しさを含んだ表情で心を打ち明けるヘリオン。
本当に伝えたかったヘリオンの気持ちが、悠人の疲れきった心に突き刺さる。
ぼんやりと立ち上る淡い色のマナが、まるで悠人とヘリオンを祝福するかのように二人を優しく包んでいた。
「・・・ヘリオン?」
「え・・・?あ、や、やだっ!私、何言ってるの・・・?」
悠人が呼びかけるようにヘリオンに声をかけると、ヘリオンは我に返ったかのようにはっとする。
自分が言ったことに今まで味わったことのないような恥ずかしさを感じていることが、赤面した顔からはっきりと分かる。
一気にいつもの調子に戻ってしまったヘリオンは、塞ぎ込むように顔を隠してしまった。
「俺も・・・好きだ」
「あ・・・」
悠人は音を立てずにヘリオンに寄り添い、そっとヘリオンの肩を抱く。
ヘリオンは、以前に抱き上げてやった時のように、ぎこちなさや緊張を表に出すことはなかった。
まるで、父親や兄に甘えるように、静かに悠人の方に寄りかかる。
・・・ずっとこうしていたい。悠人とヘリオンの心は、ただそれだけに染まっていた。
「一緒に・・・エターナルになろう。生き延びよう・・・な」
「はい・・・ユート様・・・」
─────どれくらいの時を過ごしたのだろう。いつの間にか、悠人の意識は闇に落ちていた。
体が、傾いてるのがおぼろげにわかる。まるで、それを支えているかのように、力がかかっていることも・・・
悠人は、やや寝ぼけた、本来はねぼすけの瞼を自力でこじ開ける。
「・・・?ここは・・・ああ、いつの間にか寝ちまったのか」
自分を支えているこの重さ。ふとその方に目を向けると・・・そこには、幸せそうな顔で眠っている少女がいた。
「ん・・・ぅ〜ん、ゆ〜とさまぁ・・・」
幸せな夢でも見ているのだろうか、口から漏れる寝言も、これ以上なく幸せそうだった。
「ヘリオン・・・起こすわけにはいかない・・・かな?・・・もしかして、起きるまでこのまま・・・?」
なんとなく懐かしい感じがする、幸せというよりは、幸運な感覚。
・・・電車の座席で、隣の女の子が寄りかかって眠っているときのような、今まさにそんな感じだった。
それにしても、眠る前のあの感覚はどこへやら。悠人の心は、少なからず不純な感覚に襲われていた。
「(うう・・・困った。起こすべきか起こさざるべきか・・・)」
「う・・・ん?・・・・・・あ、ユート様・・・起きてたんですね・・・」
起こすかどうするかを頭の中で交錯させているうちに、ヘリオンは目を覚ましたようだ。
よかった・・・悠人の心は、安心したような、がっかりしたような、そんな感覚に襲われた。
「起きたか。じゃ、行こうぜ。こうしてる間にもファンタズマゴリアは戦いになっているかもしれない」
「はい!行きましょうっ!」
二人は勢いよく立ち上がると、時果ての間へと向かう。
エターナルになるための、神剣を手にするために・・・
「門、か・・・この先が時果ての間なのかな?」
「しかも二つ・・・です。ユート様と、私の分、ってことでしょうか?」
この迷宮に入ったときに飛び込んだ門。
その門にひどく似た門が、ブロック状の壁に、今度は二つ並んでいた。
「そう、なのかな・・・?とにかく、行ってみるしかないよな。ヘリオン、【大樹】は返すぞ」
悠人は、やっぱり恐ろしく重い【大樹】をヘリオンに手渡す。
・・・ヘリオンは、それを片手でひょいっと担ぎ上げてしまう。・・・ちょっと情けない。
「じゃあ、私も・・・返しておきますね」
「え?」
ヘリオンはそう言うと、胸元に手を入れる。
何かと思っていると、ヘリオンが取り出したのは・・・【求め】のペンダントだった。
「あ、それ・・・あの夜から、ずっとつけてたんだ」
「はい・・・ごめんなさい。全然返せなくて・・・結局、カオリ様に渡せませんでした・・・」
「いや、いいんだ。俺がエターナルになったら消えちゃうだろうし。ヘリオン、持ってろよ」
「いいんですか?・・・・・・ありがとうございます、ユート様・・・」
【求め】のペンダントをその手に包んで、うれしそうに、はにかんだ笑顔を悠人に向けるヘリオン。
悠人はその笑顔を受け取ると、くるりと踵を返し、門の方に向き直る。
「じゃ、俺は先に行くから。・・・後で、また会おうな」
「あ・・・はい。・・・がんばって、ください・・・」
ヘリオンの、小さな声の激励を受け取ると、悠人はその体を門の波の中へと沈めていく。
完全に通り抜けると、その門は光に包まれ、まるではじめからなかったかのように、消えてしまった・・・
「ユート様・・・」
ヘリオンは、もう一つの門の前に立つと、【失望】と【大樹】を持つ手に力を込める。
絶対に悠人とともにエターナルになる。その志を、その力に乗せて・・・
「・・・行きますっ!」
そして、ヘリオンも門に飛び込んだ─────
──────ここはどこなのだろう。真っ暗で、何も見えない。
足場が、無い。上も下も、右も左もわからなくなってくる。ふわふわと浮いているような、不思議な感じだった。
・・・やがて目の前に、夜空に広がる星空のような空間が広がっていった。
「・・・ここは、どこ?私・・・どうなったんですか?」
さっきとは全く違う空間に放り出されたヘリオンは、なにがなんだかわからずに混乱していた。
それどころか、さっきまでは感じていた【失望】や【大樹】の重さすら感じられなくなっている。
しばらくそうしていると、無重力の中で、どこかで聞いたような声が響き渡った。
『こんにちは』
「・・・あなたは?」
『さあ・・・誰でしょう?ふふっ、それより・・・あなたの名前は何ですか?』
「私ですか?私は・・・」
名前を言いかけて言葉がとまる。一瞬、何が起きたのか・・・分からなかった。
『・・・どうしたのですか?あなたの名前ですよ?誰よりもよく知っているはずじゃないですか・・・?』
「私は・・・え?あ、あれ・・・!?私、だれ・・・!!?」
思い出せない。・・・いや、もともと記憶には無い。知っているはずなのに、無くなっている。
『そう、思い出せないのですね?じゃあ名前はいいですから、あなたの大事な人を教えてください』
「だ、大事な人・・・?な、なに?それ・・・わたし、そんなの、しらない・・・」
りいいいぃぃん・・・
聞き覚えのある音が、頭の中に響き渡る。
『・・・もう一度聞きます。あなたの名前は何ですか?』
「わたしは・・・ヘリオン。・・・あ、あれ?ど、どうなってるんですか!?」
『ふふっ。どうでしたか?自分のことを忘れてしまった感覚は・・・』
「や、やめてください!ど、どうしてこんなことを・・・!!第一、あなたは誰なんですか!?」
『私のことなんてどうだっていいじゃないですか・・・エターナルになるとはどういうことか、説明しただけです』
「・・・!!」
エターナルになる。人々の記憶から、自分の存在が消える。
もちろん、自分が忘れてしまうということは無いが・・・今回は、記憶を覆い隠されたのとはわけが違う。
最初からいなかったことに・・・きれいさっぱり記憶が消えてなくなってしまうのだ。
たった今、ヘリオンはそれを体感した。何も知らないこと。知られていないこと。それは・・・すごく怖くて、背筋が冷えた。
『あなたは耐えられますか?過去のあなたのお友達に会って、はじめましてって言われるのに耐えられますか?』
「そ、それは・・・!!」
『あなたは、自分自身が他人に出した問いにすら答えられない。それで耐えられるとは思えませんけどね・・・』
「・・・そんなの、無理に決まってるじゃないですか。忘れられるのが辛くない人なんて、いません」
『そう。それが普通。エターナルになる人はみんな辛いのです。・・・まあ、中には例外もいますけど』
「・・・でも、私・・・私たちは、それを覚悟の上でここまで来たんです!」
『あなただけの、真っ直ぐな強い意志・・・それを忘れないでください』
ヘリオンに対する試練。それは、エターナルになるものなら誰もが通る道。
この声のせいで、少し悪戯が過ぎたようだったが・・・ヘリオンに理解させるにはこの方法が一番早い。
そのことを、声の主は知っていた。
『・・・さて、単刀直入に言います。エターナル用の永遠神剣・・・あなたを持ち主に選ぶものは・・・いません』
「え・・・!?そ、それじゃ・・・!!」
『はい。時の迷宮にある4本の神剣では、あなたはエターナルになることはできません』
「・・・4本?トキミさんの話では、5本あったような・・・」
『すでに、【聖賢】の主は決まったようです。ユウト、という青年のようですね』
「ゆ、ユート様が・・・もう、エターナルになったんですね・・・ユート様ぁ・・・」
悠人はすでにエターナルになった。・・・それだけで、自分は置いていかれてしまうような、そんな感覚に襲われる。
それどころか、ここには自分を認めてくれる神剣はいないという。
・・・このまま、永遠に迷宮を彷徨う存在となってしまうのだろうか・・・嫌なのに、逆らえなかった。
絶望感が、ヘリオンの心を染める。
『・・・まあ、このままではなんですから、神剣にまつわる話などを聞いていきませんか?』
「神剣の・・・話?」
その声の主は、ヘリオンの返事を聞くまでも無く、神剣の伝説を語り始める。
もっかい支援
『全ての永遠神剣は・・・はじめは一つの巨大な剣だったと言われています』
「・・・一つだった?【失望】や【大樹】や・・・【求め】も、一つの剣だったんですか?」
『あなたたちの持つような低位の神剣は、再生の剣から生まれたもの。それとは少し違いますね』
「じゃあ、その再生の剣や、エターナルの持つ神剣が・・・?」
『ええ、そう言い伝えられています。そして、ある時、それが砕け散って・・・さまざまな世界へと散っていき・・・
それらの欠片が、様々な形の、様々な力を持つ剣になった・・・と言われていますね』
「・・・でも、砕けた神剣はどうなったんですか?全部、欠片の神剣になっちゃったんですか?」
『その神剣の・・・核となる部分はまだ生きています。そして・・・一部の神剣は、その核に戻ろうとしています』
「戻る?」
『つまりは・・・一つの神剣になろうとしているのです。すべてがすべて、そういったものではありませんが。
自分の意思で生きたいと思っている神剣もいますし、エターナルと共に永遠に生きたいと思う者もいます』
「・・・一つに。あの、ちょっと聞きたいんですけど・・・」
『・・・?何でしょう?』
ヘリオンの中で、ある考えが形を作り始めていた。自分がエターナルになるなら、これしか可能性は無い。と。
「・・・神剣を一つにする。それは、低位の神剣同士でも、できることなんですか?」
『できなくは無いでしょう。あなたも見たはずです。【誓い】に、【求め】が吸収されて【世界】になったところを。
・・・まさか、あなたが持っている二つの神剣を、融合させるつもりなのですか?』
「いいえ。私が一つにする神剣は・・・三つです」
ヘリオンは【求め】のペンダントを掌にのせる。未だに、【求め】は僅かに光を放っていた。
『・・・そこまでして、エターナルになりたいのですか?媒体となる神剣・・・【大樹】、【求め】はともかく、【失望】は・・・』
「はい。【失望】を失うのは悲しいです・・・。でも、私がエターナルにならなかったら、もっと悲しむ人がいるから・・・
私、その人のために生きようって、一緒に生き延びようって決めたんです。・・・そのために【失望】、力を貸してください」
『(そう、それでいいのです。ヘリオン、あなたは、あなたの望む道を歩みなさい。
【大樹】も・・・その主であるハリオンも、それを望んでいます。決して、立ち止まらないで、躊躇しないで・・・)』
『・・・わかりました。そこまでの覚悟があるなら、もう何も言いません。融合を、行いましょう』
ヘリオンは、【失望】と【大樹】、【求め】のペンダントを目の前に浮かべる。
『念じてください。あなたが望む神剣の形を。あなたの望みを。一途な心を・・・!!』
「(・・・ユート様ッ!!)」
キイイイィィイイィン・・・!!
目の前が、あたたかい光に包まれる。その光は、三本の神剣を混ぜ合わせるかのように渦を巻く。
・・・やがて、その光が、一振りの剣の形を、作り出した・・・
─────その神剣は、【失望】を一回り大きくしたような・・・刃の幅も、長さも、柄の太さも、大きくなっていた。
柄の先には深緑の宝石。【求め】が入っているからか、その刃は、青白く光を放っていた。
ヘリオンは、迷うことなくその神剣の柄を握り締める。
その瞬間、【失望】がいなくなったせいでぽっかりと抜けた心に、パズルのピースがはまるようなものを感じる。
・・・からだが、別のものへと変わっていく。
「これが・・・私の!」
『まったく、無茶をするものです。上手く第三位になったからいいものの、そうでなかったらどちらにしろ永住ですよ?』
「じゃあ・・・私も、エターナルに?」
『ええ、おめでとう。・・・それと、私も一緒に行かせてもらいます。もうこんなところにいるのはウンザリですから』
ヘリオンは一瞬ぎくり、とする。ついさっきまで神剣の話をしていた声の主が、神剣の中に入っていた。
「はうぅ・・・変なことしないでくださいね」
『するもなにも・・・私の持ち主はあなたですから。・・・あ、でも、変なことは考えない方がいいですよ?筒抜けですから』
「うぅ〜・・・そ、そんなぁ」
『じゃあ、早く行ったほうがいいですよ?ユウト様はお待ちかねのようですし』
「あ、は、はい!ユート様っ!今行きます!」
ヘリオンが悠人のことを考えると、目の前に門のような空間が現れる。
自分の意思でつないだ空間の扉へと、ヘリオンは飛び込んでいった・・・
「そういえば・・・あなた、お名前はなんて言うんですか?」
『私の名前ですか?・・・そうですね、【純真】とでも名乗らせていただきましょう』
「・・・【純真】。よろしくおねがいします、【純真】!」
─────時の迷宮へと続く回廊。すでに契約を済ませた聖賢者ユウトこと悠人は、ずっと待っていた。
自分のことを愛してくれている、自分が愛している少女の帰りを・・・
「・・・ヘリオン、まだ帰ってこないのか?」
「気の毒だとは思いますが・・・おそらく、契約に失敗したか、あるいは、時間がかかっているのか・・・
悠人さん、これ以上は・・・待てませんよ?あまり時間をかけると、ファンタズマゴリアが消滅してしまいます」
「わかってる。わかってるけど・・・一緒にエターナルになろうって、約束したんだ。諦められるかよ・・・」
本当ならずっと待っていたかった。でも、ファンタズマゴリアが消滅しては元も子もない。
刻々と迫るタイムリミット。その中で、悠人は悔しそうな顔で天を仰ぐ・・・
「(ヘリオン・・・頼む。早く・・・戻ってきてくれ。一緒に、生き延びるんだろ?)」
るううぅぅうん・・・
そうして、ただひたすらにヘリオンのことを想っていると、突然、頭上の空間が歪む。
「・・・!なんだ?」
悠人はその歪みを見つめる。【聖賢】の警戒音が響いているにもかかわらず、体が動かなかった。
何かが来る。そんなことは、容易に想像できた筈なのに。
「きゃああああぁぁぁああぁ〜〜っ!!」
「いッ──────!!」
どさぁっ!
黄色い悲鳴と共に顔に何か白いものが当たって、倒れると共に後頭部に衝撃が走り、目の前が真っ暗になる。
「(ま、真っ暗!?・・・顔に、顔に何か・・・やわらかいものが乗ってる!?)・・・もが、ふがもが・・・」
「い、いたたたぁ〜・・・もう、乱暴な門ですぅ・・・」
突然の出来事に呆気に取られた時深の前に現れたのは、痛そうに腰を擦る黒髪のツインテールの少女。
それは、紛れも無く悠人と一緒に迷宮へと飛び込んだヘリオンだった。
スレ住人の支援・・・priceress
「・・・ヘリオン?契約は終わったのですか?」
「・・・あ、トキミさん!はい、私、エターナルになりました!・・・って、あれ?ユート様は?」
ヘリオンはきょろきょろと辺りを見渡す。が、そこには顔を赤くした時深の他には誰もいなかった。
「トキミさん!ユート様はエターナルになったんですよね!?どこに行ったんですか!?」
「・・・・・・悠人さんは・・・あなたの、お、お尻の下ですよ・・・」
「・・・!!!」
「・・・ふぇ?」
そう言われて、ヘリオンは恐る恐る、自分の尻の下にあるものを触る。
ツンツンした毛のような感触と、人肌よりも少し熱いようなやわらかい物体が、そこにはあった。
「────!!」
ヘリオンははっとして立ち上がり、後ろで倒れている人を見る。
そこには、下敷きになりながら真実を知り、恍惚の表情で死にかけた悠人の姿があった。
「ゆ、ゆゆっ、ユート様っ!な、なな、何してるんですかっ!!」
「し・・・しるかっ!そっちが突然・・・!」
悠人の頭上に現れた門。
それを通り抜けたヘリオンはお尻から悠人の顔に突撃してしまい、そのまま下敷きにしてしまったのだ。
・・・おまけに、スカート越しというわけではなく、生尻、直撃。
「・・・悠人さん、最低です」
「ほ、ほんとですっ!せっかくの再会がこんな・・・こんな・・・!!」
ヘリオンは真っ赤な顔でそっぽを向いてしまう。不可抗力なのに・・・
「な、なんで俺が責められるんだああぁぁ〜〜っ!?」
────── 十数分後、ようやく落ち着いた悠人とヘリオンは、時深とともにファンタズマゴリアへと向かっていた。
「・・・そうか。【失望】と【大樹】、それから【求め】を融合させて、その・・・【純真】を造ったのか」
「正直、最初はもうだめかって、ユート様にはもう二度と会えないって、そう、思っちゃいました・・・
でも、神剣が元々は一つで、それがバラバラになって、また戻ろうとしているなら・・・」
「神剣同士の融合も可能、と考えたのですね?・・・随分と、悪運が強いのですね、ヘリオンは」
「確かに。運良く手元に三つの神剣があって、運良く思いついて、運良く第三位になって・・・
それしかなかったとはいえ、ヘリオン・・・本当に運がいいんだな」
「今まで運がありませんでしたから・・・その皺寄せかもしれません。それに・・・」
「それに?」
「強く、願いましたから。ユート様と一緒にいたいって。その願いが、きっと届いたんです」
「そうか・・・ありがとな、ヘリオン」
激しく惚気られた。だが、悠人は本気で嬉しかった。
自分をこれほどまでに愛してくれる人は・・・今まで、いなかったから。
「・・・あ、見えてきました!では、二人とも?ファンタズマゴリアに飛び込みます!」
「よし・・・ヘリオン、行こう!」
「はい!ユート様っ!」
三人は、ファンタズマゴリアへと飛び込む。
世界を守りたい。その志に、想いに、導かれるままに・・・
──────悠人たちが時の迷宮にいる間に、ファンタズマゴリアでは約1ヶ月の時が流れていた。
時深の計らいにより、悠人とヘリオンは同志のエターナルとして紹介されることになったが・・・
「ラキオスへようこそ。ユウト殿、ヘリオン殿。私たちはあなたがたを歓迎します」
悠人とヘリオンは、謁見の間でレスティーナに謁見をしていた。
その周りには、時深はもちろん、スピリット隊のメンバー達が集結している。
「ゆ、ユート様ぁ・・・」
「ああ・・・これは、思ったよりもきついな。でも、これが忘れられるってことなんだよな」
二人に突き刺さる、スピリットたちの興味と嫌疑の視線。
自分たちは、彼女たちのことを知っているのに、彼女たちは、自分たちのことを知らない。
なまじ一方的に知っているだけに、こんな視線を向けられるのは強烈な精神的ダメージとなっていた。
受け止めなければならない。彼女たちとは、初対面。・・・それが、現実なのだから。
「・・・というわけで、私たちはキハノレへと進攻します。ユウト殿には、ラキオスのスピリット隊を率いてもらいます」
「どうして、俺が?」
「トキミ殿が言うには、ユウト殿は統率能力に優れているとのこと。的確だと思ったのですが・・・駄目でしょうか?」
「・・・いえ、やらせてください。彼女たちの命、俺が預かります」
しかし、時深・・・まさかこんな所にまで手を伸ばしていたとは。
時深のすることは大抵が余計なお世話なのだが、今回はありがたかった。
やることがいつも通りにまとまったからだ。
「出陣は三日後。それまでは、この城の施設、人材など、必要なものは何でも使ってくださって結構ですので」
「ありがとう。レスティーナ・・・女王陛下」
「では、解散しましょう」
スピリット隊のメンバー達が三々五々、謁見の間を出て行く。
その中で、緑色のメイド服に身を包んだ亜麻色の髪のスピリット・・・エスペリアがこちらに寄ってくる。
「私たちの館に案内いたします。ついてきてください」
悠人とヘリオンは、エスペリアの案内を無言で受け、スピリットの館へと向かうのだった・・・
─────少しして、第一詰所・・・の見覚えのある部屋に、悠人とヘリオンは案内されていた。
「ここに滞在する間は、この部屋をお使いになってください」
「ん、あ、ああ・・・ありがとう、エスペリア」
「では、ごゆっくり。何かありましたらご遠慮なくお言いつけてくださいませ」
エスペリアは上品な振る舞いで会釈を済ませると、部屋を出て行った。
悠人とヘリオンは、何か運命付けられたような気がして、その場にボーっと立ち尽くすのだった。
「いやぁ・・・またこの部屋か。つくづく、縁があるなぁ・・・」
「そ、そうですね。なんだか、懐かしいような・・・そんな気がします」
「なんだかんだいって、ヘリオンはよくここに来てたからな。じゃ、契約で疲れただろうし、少し休もうぜ」
悠人は【聖賢】の入った鞘を壁に立てかけると、ベッドにごろん、と寝転がる。
よっぽど疲れていたのか、あの時の衝撃がきつかったのか、ものすごいスピードで眠りについてしまった。
「(私・・・どうしよう。や、やっぱり、一緒に寝るわけにはいかないし・・・はうぅ)」
こんこん。
何をしようかと途方にくれていると、部屋のドアが軽くたたかれる。
「あ、はい!」
とことこと足音を立てて、ヘリオンはドアを開ける。
やってきたのは、第二詰所をまとめる立場にある蒼きスピリット、セリアだった。
「あ、セリアさん。何か、御用ですか?」
「・・・ええ、あなたに幾つか聞きたいことがあって。すぐに私と一緒に来てくれる?」
ヘリオンはちらり、と後ろを見る。悠人はセリアという来客に気づく様子も無く、爆睡していた。
「・・・わかりました。一緒に行きます」
特に何をするでもないヘリオンは、セリアに連れられて、第二詰所へと向かうのだった。
181 :
エロ大王:2006/01/18(水) 20:53:04 ID:vCihKU7t0
支援・・・
多分これで今回は最後の支援かな
─────第二詰所の食卓に連れてこられると、すでにヒミカとファーレーンが席についていた。
明らかに嫌な視線をこちらに向けている。・・・まるで、取調べでも行わんと言わんばかりだ。
「ここに座って。お茶でも飲む?」
「いいえ。それより・・・何を聞きたいんですか?」
食卓の中に充満した殺気。三人がヘリオンに向けているのは・・・疑い。
・・・怖かった。でも、逃げるわけにもいかなかった。ただ、真実を知りたいだけかもしれないから。
「・・・一つ目。あなた、さっき私の名前を言ったわよね。どうして、私のこと知ってるの?」
「そ、それは・・・それは、あの、トキミさんから聞いたんです」
「トキミ・・・あの紅白のエターナルよね。カオリ様が帰る前にも来てたから・・・言っててもおかしくないわ」
嘘だった。本当はずっと前から知っていた。・・・でも、そんなこと言えなかった。
それは、彼女たちにとってはただの嘘でしかなかったから。記憶の上では、ヘリオンはいないから。
「二つ目。あなた、どうして私たちと同じ服を着ているの?」
「!! そ、それは・・・!」
「・・・悪いけど、そんな服が都合よく他の世界にもあるとは思えないのよ」
「ヘリオン、率直に聞きます。あなたは、この世界の・・・このスピリット隊の出身ですね?」
あっさりばれた。スピリット隊の服装が、盲点になるなんて・・・思いもしなかった。
もっとも、洞察力に優れた三人を相手に誤魔化せるわけないと、考えればわかったことなのに。
「あなたがどうしてエターナルになったのか、どうしてここにいたことを隠すのか・・・それは聞かないわ。
エターナルになるのは、相当悩んだんでしょうし。どれだけの物を捨てたのか、わからないもの・・・」
「正直に答えて、ヘリオン。あなた、ここにいたんでしょう?」
嘘はつけなかった。ついても、しょうがなかった。
「・・・そうです。私、ここにいました。ここで・・・みなさんと一緒に、戦っていました」
ヘリオンがそういった瞬間、三人の強張った顔が詰まりが取れたように、ふっ、と柔らかくなる。
「最初から素直にそういえばいいのに。エターナルになる子ってみんなこうなのかしら」
「私たち、あなたのことを知りませんけど・・・ここにいたのなら、私たちの、家族ですよね?」
「ふふ、こんなこと言うのは変かもしれないけど・・・おかえりなさい、ヘリオン」
「・・・!あ・・・ありがとうございます!ありがとう・・・う、うあぁ・・・」
思わず、涙が溢れ出す。
自分は、スピリット隊のみんなを捨てた・・・それなのに、スピリット隊のみんなは、自分を受け入れてくれる。
情けなかった。エターナルになって、悠人以外の全てを捨てた気になっていた。
でも、違った。大事な人は、例え記憶が消えても捨てられるものじゃなかった。
ヘリオンが涙を拭うと、それにタイミングを合わせるかのように、両脇から青い影が抱きついてくる。
「ネリー、シアー・・・な、何ですか!?」
「えへへっ。だって、ヘリオンはネリーたちの知らない、ネリーたちの思い出を持ってるんでしょ?話して〜」
「何も知らないのって、嫌なの。だから・・・シアーたちに思い出を分けて?ヘリオン〜」
「ね!ヒミカお姉ちゃん!ヘリオン借りてっていいでしょ?」
「いいわよ。たっぷりと話してもらいなさいな」
「ってわけだから!こっちこっち〜♪」
「エターナル一名様、ごあんない〜♪」
「わ、私は・・・あ、あ〜れぇ〜・・・・・・」
ヘリオンは、なんだか楽しそうなネリーとシアーに引きづられ、食卓を後にするのだった。
それに擦れ違うかのように、ニムントールが食卓に入ってくる。
「あれが、私たちの所にいたっていう・・・スピリットのエターナルなんだね」
「どうしたのですか、ニム?なにか・・・気になることでもありましたか?」
「ううん、頼りになりそうな顔してるなって。そう思っただけ」
「みんなそう思ってるわ。実際、神剣から出てくるマナの力強さが半端じゃないもの。ナナルゥもそう思うでしょ?」
セリアがそう言うと、台所の影から、ずっと聞き耳を立てていたナナルゥが姿を現す。
「はい。十分に信頼をもって行動できるでしょう」
「私たちは、私たちと・・・エターナルの皆さんを信じて、戦いに望みましょう。・・・マナの導きがあらんことを・・・」
・・・結局、ヘリオンが悠人の元に戻ったのはかなり日が暮れてからだという。
捨てたはずの、新しい家族。そのあたたかさを、ヘリオンはその日の間ずっと感じ続けていた・・・
「・・・ハリオン。あなたの仇は、きっとあの子がとるわ・・・だから、安心して眠りにつきなさいな・・・」
─────二日後の夜。・・・すなわち、決戦前夜。
悠人は、訓練で疲れたその体を風呂場で癒していた。
「今日の訓練もきつかった・・・エターナルになったとはいえ、アセリアたち、本気でかかってくるからなぁ」
訓練。それは主に、スピリット対エターナルの模擬戦のようなもの。
なにしろ、明日はエターナルを六人も相手にするのだ。対策を練らなくては苦戦は必至だろう。
「エターナルの神剣って・・・こんなにも力強いものだったのか。神の剣とはよくいったもんだよな・・・」
第二位の神剣を持って、その気になれば簡単にスピリットを蹂躙できる自分が時々恨めしくなる。
スピリットとエターナルの絶対的な力の差。それを、ひしひしと感じているからだ。
おそらくそれは、第二詰所のメンバーを相手にしていたヘリオンも同じ。
・・・そんな戦場に彼女たちを連れて行って、生き残れるのだろうか・・・悠人は、ただそれだけを考えていた。
がらがらがら・・・
脱衣所の扉が開かれる音が、湯煙の向こうから聞こえる。
「あの・・・ユート様・・・」
「ん・・・?ヘリオンか。どうした?」
「その・・・ユート様、一緒に入って・・・いいですか?」
「いいけど・・・」
「じゃ、じゃあ・・・失礼しますっ!」
ちゃぽん。
ヘリオンは湯船に浸かると、すーっと悠人に寄ってくる。前と同じく髪をほどき、タオルを体に巻いて。
以前のような緊張は、今はあまり見えない。それどころか、いつになく積極的だった。
「はぁ・・・気持ちいいですね・・・」
「そうだな・・・こう、訓練とかで疲れてると、一層気持ちよくなるもんなんだよな」
「前にも・・・こうして一緒に入りましたよね」
「ああ・・・もっとも、あの時はもう一人いたけどな。・・・なんか、あの時のことが懐かしいよ」
「ユート様、思いっきり掴んでましたから・・・あの時の感触が懐かしいですか?」
「ぶっ!ち、ちが・・・!そういう意味じゃ・・・」
いま、ここに、このスレ独自のマスコットが誕生。
へC_Cへ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z <シエンマン参上!
くく
まだまだ支援
悠人はどぎまぎしながら必死に否定する。
すると、ヘリオンは悪戯っぽい顔でくすくすと笑い出し、悠人を落ち着けてきた。
「ぷふっ、冗談ですよぅ。でも、本当に懐かしいですよね。あの時から、色々ありましたから・・・」
「そうだな。ヘリオンとハリオンの家に行ったり、俺の世界に飛んじゃったり・・・」
本当に・・・色々あった。悠人とヘリオンは、あの時のことをまるでかなり昔のことのように思い出す。
思えば、ハリオンを失ってから・・・ずいぶんと長い時をすごしてきた気がする。
「私・・・時々思うんです」
「・・・え?何を・・・?」
「・・・もし、ハリオンさんが生きていてくれたら・・・私、どうしてるのかな・・・って」
「それは・・・どうなんだろうな・・・ヘリオンはどう思うんだ?」
ヘリオンは、ハリオンが生きていてくれた時の未来の自分を思い浮かべるかのように天を仰ぐ。
少し考えるように目を瞑ると、すぐに目を開いて語りだす。
「私・・・ハリオンさんが生きていたら、きっとここにはいません。エターナルにならずに、ユート様のことを忘れてます」
「・・・だろうな。【大樹】があったからこそなれたんだし・・・」
「それだけじゃありません・・・私、エターナルになろうなんて絶対に思いませんでした・・・」
「・・・辛いよな。本当に大事な人に忘れられるっていうのは・・・ハリオンと一緒に、いたいよな・・・」
「それで・・・ユート様に聞きたいんです」
「え・・・?」
ヘリオンはその真摯な瞳を悠人に真っ直ぐ向けて、その心の内を明かしてくる。
「どうして、ユート様は・・・カオリ様や私たちを・・・大事な人の記憶から消えようって、そんな覚悟を持てたんですか?」
「・・・大事な人を失いたくなかった。ただ、それだけだ」
単純な一言。だが、それに込められた想いは、何よりも深く、何よりも強い。
「俺は・・・ヘリオンや、みんなの記憶からいなくなっても・・・守りたかった。もう、大事な人を失うのは嫌なんだ」
「それって・・・ハリオンさんのことですか?」
「・・・俺、もう・・・家族を三度も亡くしてるんだ。俺の両親、佳織の両親・・・ハリオン・・・
みんな、みんな俺のせいで死んじまった。だから・・・もう、俺のせいで大事な人を失いたくない・・・嫌なんだよ・・・」
「!!・・・ユート様・・・ご、ごめんなさい。私、こんなこと聞いて・・・」
大事な人を・・・家族を失った。それがどんなに辛くて、悲しくて・・・悔しいことか。
二度も家族を亡くしたヘリオンには・・・その悠人の苦しみが痛いくらいにわかる。
胸が・・・締め付けられるような想いだった。
ヘリオンの謝罪も聞かず、悠人はただただ自虐的に、呪われた言葉を紡いでいく。
「俺・・・疫病神なんだ。俺を愛してくれた人は・・・みんな俺から離れていくんだ。だから・・・きっとヘリオンも・・・」
「や、やめてくださいっ!!ユート様、私は・・・!」
「そうじゃないって言えるのかよ!エターナルになったからって、死なないわけじゃない。
明日の・・・明日の戦いで、ヘリオンも・・・死んじまうかもしれないじゃないか!!」
「し、信じてください!私は・・・ユート様の元を・・・絶対に離れません!!」
「絶対なんて無い!絶対に死なないなんて・・・言い切れないだろ・・・!」
正論だった。だが・・・ヘリオンはそれを許さなかった。
いや・・・許せなかった。正論よりも何よりも、自分を信じてくれなかった悠人を・・・
「・・・ッ!!・・・私、ユート様がそんな人だったなんて思いませんでした!」
「ヘリオン・・・!?」
「今のユート様は最低です!こんな最低な人を追いかけて、エターナルなんかになった私がバカでした!!」
ヘリオンは瞳に涙を浮かべて立ち上がると、一刻も早く去りたいという気持ちを露にして風呂場から走り去っていった。
ばんっ!と、引き戸が勢いよく閉められる。
「ヘリオン!待ってくれっ!」
・・・待ってくれ。そう言ったのに、ヘリオンから離れたくなかったのに・・・体が動かなかった。
─────しばらくして風呂から上がった悠人。
ヘリオンを捜して館中を走り回るが、どこにも姿が見えない。
・・・感じていたのは、孤独。明らかに慌てる意識の中で、自分が一人でいることを感じていた。
「(ヘリオン・・・どこにいるんだよ。俺を・・・一人にしないでくれ)」
「おい」
玄関口まで来たところで、後ろから聞き覚えのある男の声が聞こえる。
「光陰・・・?」
「連れのあの子なら、さっき出て行ったぜ?」
光陰はそう言うとともに、つかつかと悠人に近づいてくる。
目の前まで来るといきなり悠人の胸倉を掴み、ぐいっと引き寄せてきた。
「!・・・な、何を・・・」
「・・・何があったのか知らないけどな、あの子・・・ヘリオンは泣いてたぜ?
エターナルだかなんだか知らないが、女の子を泣かすのは最低バカのすることだ・・・!!」
「!!」
最低。ついさっきヘリオンにも言われた言葉が・・・悠人の心に突き刺さる。
「時深さんから話は聞いた。あの子は・・・お前と別れたくないから、お前と一緒にエターナルになったんだってな・・・
だがな・・・もし、あの子が本気でお前を見限ったときは・・・お前は本当に最低バカだ。死んだ方がマシだよ」
「く・・・だから、俺は・・・」
「謝りたいか。謝っただけであの子が満足すると思うのか?お前の胸に聞いてみろ。何をしたのかな」
「俺は・・・俺は・・・!!」
光陰の手に力が篭り、シャツで締め付けられる首がぎりぎりと鳴る。
体と心に、同時に苦しみが襲い掛かる。この苦しみから解放されたくて、思わず、涙が───
「悔しかったら・・・さっさと行って来い!もし一人で帰ってきたら・・・悠人、俺はお前を殺すからな・・・!!」
光陰は胸倉を掴んだ腕をぐっと押し、悠人を突き放す。
げほげほと咳き込む悠人だったが・・・すっと立ち上がって光陰に向けた目は・・・感謝。
「すまない・・・光陰」
体中に十分に酸素が行き渡ったところで、悠人は玄関から飛び出して行った。
支援!支援!
─────神剣の力も借りずに、ひたすら走る。走って、ヘリオンを捜す。
夜の冷たい北風が、ばしばしと風呂上りの頬にぶち当たる。それだけに、余計に体力が削がれる。
第二詰所、訓練所・・・ヘリオンが行きそうなところはくまなく捜すが・・・やはり、姿は見えなかった。
「くそ・・・どこにいるんだよ・・・ヘリオン!」
息が切れ、足が棒になる。
道の脇にある木によりかかって少し休む。そうでもしないと・・・自分が参って倒れてしまう。
「はぁ・・・はぁ・・・ヘリオン、いなくならないでくれ・・・」
ただそう願っていた。それが、今の悠人を支えるたった一本の柱だった。
こつ・・・こつ・・・
誰かの足音が聞こえる。こちらに、向かっている。その方から、ぼんやりと光が見える。
その光に照らされて現れたシルエット。・・・それは、青白い光を放つ巨大な刀を手にした、ツインテールの少女。
「ヘリオン・・・!」
悠人がそれに走り寄ろうとした瞬間、そのシルエットは姿を消す。
「!?」
そして、背中に当たる暖かい壁。
ヘリオンは一瞬にして回り込み、悠人にその小さな背中をぴったりと合わせて寄りかかっていた。
「・・・ユート様。ユート様は、私のことどう思っているんですか?」
「・・・大事な人。俺を愛してくれてる・・・俺が、愛してる人・・・これじゃ、だめなのか?」
「だったら・・・どうしてあんなこと言ったんですか?私がいなくなっちゃうような・・・あんな卑屈な考えを・・・」
「ごめん・・・でも、知っておいてほしいんだ。そういうことが、あり得るってこと・・・」
「・・・最低です」
「・・・え?」
ヘリオンは背中を悠人から離し、こつこつと歩き出す。
「ヘリオン!!」
悠人はすぐに振り返り、まるで消えるようにその歩くヘリオンを制止しようとする。
ヘリオンは三、四歩歩いて立ち止まると、悠人に自分の心の叫びを・・・投げかけた。
「・・・私は、ユート様と一緒にいたいから・・・一緒に生き延びたいから、エターナルになったんです。
それなのに、ユート様は私の心を踏みにじったんです。だから・・・最低です!」
「・・・!!俺は、ヘリオンを失いたくないんだ!だから・・・!!」
「だったら・・・信じてください!私と一緒に生き延びられるって・・・信じてください。でないと、本当に・・・」
「!(・・・そうか・・・そうだったんだ)」
悠人はようやく理解できた。ヘリオンが怒った本当の理由。
二人は、世界を守って、生き延びたいがためにエターナルになった。
それなのに、悠人は最悪の事態ばかりを考えている。
戦いに勝てると、生き延びることができると信じて戦いに臨まない限り、それは決して叶うことは無い。
・・・このまま戦っては、悠人かヘリオンか・・・少なくともどちらかは死んでしまうだろう。
二人が生き延びるためには・・・二人が信じあって、意思を重ねあわせなくてはならなかった。
「ヘリオン・・・ありがとう。俺、大切なことを見落としてたみたいだ」
「・・・気持ちはわかります。何度も大事な人を失って・・・そんな考えを持っちゃうこと・・・私にも、覚えがあります。
でも・・・それじゃだめなんです。そんなこと・・・誰も望んでいないんですから・・・」
「そうだ・・・よな。ハリオンのためにも・・・俺たちは、死ぬわけにはいかない。絶対に生き延びないと・・・!」
悠人のその言葉に、ヘリオンは髪を靡かせて振り向くと・・・いつもの、あどけない少女の笑顔を向ける。
悠人は・・・心が埋まっていくような・・・そんな感覚を憶えていた。絶対に失いたくない、少女の微笑み。
いつのまにか・・・ヘリオンは、悠人にとってただの大事な人ではなくなっていた。
「よかった・・・いつものユート様に戻ってくれて。私が好きな、ユート様に戻ってくれて・・・」
「・・・ヘリオン」
悠人はヘリオンの方へと歩み寄る。
ヘリオンはさっきのように消えてしまったり・・・悠人から離れたりすることは無かった。
正気を取り戻した悠人を・・・受け入れていた。
悠人はヘリオンの目の前まで来ると、ヘリオンの首の後ろと背中に腕を回す。
「・・・ユート様・・・?」
そして、ヘリオンが上を向いたとき、悠人はぐっと顔を近づけ、唇を、重ねた────
「・・・!!」
ヘリオンは・・・ただ受け入れていた。思わず瞑った目から涙が溢れ出し、痛いくらいに感じていた。
唇を通して伝わってくる温もりを、悠人のヘリオンに対する純粋な愛を、一緒に生き延びたいという想いを・・・
────やがて、唇が離れていく。
悠人とヘリオン。二人がお互いに向けた表情は・・・決意の篭った、慈しみの笑顔。
「生きよう・・・な。絶対に」
「はい・・・ユート様・・・」
ファンタズマゴリアの月明かりが、【純真】から漏れる青白いマナが・・・
いつまでも、いつまでも・・・二人を見守るように、祝福するように、悠人とヘリオンを包み込んでいた。
時の迷宮での決意を、覆すかのように・・・生き延びるために・・・
支援7回目
二本目投下、続けていきます。
へC_Cへ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z <シエンマン参上!
くく
─────翌日。よく晴れた日、鳥のさえずりが・・・部屋の中にも聞こえてくる。
「ユート様、起きてください!ユート様っ!」
そんな中で・・・最愛の人の声が聞こえる。その声は、まるでお迎えの天使のようだった。
「う・・・う、う〜ん・・・へ、ヘリオン・・・?」
「もう、エターナルになってもねぼすけなのは変わらないんですね!」
悠人がそのねぼすけの瞼をこじ開けると、そこには腰に手を当てて立っているヘリオンがいた。
すでに制服に着替え、身だしなみを整え終えていることから、結構前から起きていたことがわかる。
ヘリオンが早く起きていたのか・・・それとも、悠人が寝坊したのか・・・悠人はそれが気がかりだった。
「ヘリオン・・・早起きだな。俺なんかまだ頭がぼーっと・・・」
「ぼーっとしてる場合じゃないですっ!エスペリアさんが朝ごはん用意して・・・もうカンカンですよ!」
「げっ!」
エスペリアが怒ってると聞いて、反射的に体が動く。
ベッドから跳ね起きた悠人はヘリオンに後ろを向かせてすぐに着替え、一緒に食卓へと向かうのだった。
─────食卓に着くと、二人分の食事がテーブルの上に並んでいる。
その傍らではエスペリアが腕を組み、目を細めてじーっとこちらを見ていた。
「・・・エターナルというのは、永遠に生きる分、よく寝るものなんですか?」
エスペリアはよっぽど待たされていたのか、嫌味を飛ばすほどに苛々していたらしい。
「うぅ・・・すまない。寝坊癖は元々なんだ」
「ユート様が起きないから・・・私まで怒られちゃったじゃないですか・・・」
「はぁ・・・もう、とにかく早く済ませてください。みんな待っていますから・・・」
悠人とヘリオンは言われたとおりに、さっとテーブルについて、さっと食事を済ました。
それを見たエスペリアは食器をさっさと片付けると、悠人とヘリオンに急ぐように促す。
悠人とヘリオンは部屋に戻り、それぞれの神剣・・・【聖賢】と【純真】を手に取ると、謁見の間へと急ぐのだった・・・
─────謁見の間には、すでに時深を含めたスピリット隊のメンバーが集結していた。
悠人とヘリオンは完全に遅刻組に入ってしまったらしい。
「ユウト殿!遅刻するなんて・・・本当に大丈夫なのですか?」
「うっ・・・」
レスティーナを始めする面々の冷たい視線が突き刺さる。
これから世界の命運をかけた戦いに臨むというのに、遅刻するような人に命を預けられるのだろうか。
そういった種類の視線だった。
「ふふ、大丈夫ですよ、レスティーナ女王。悠人さんはいざという時に真価を発揮するタイプですから」
レスティーナの傍にいる時深が、その不信を取り払うかのようにフォローを入れる。
妙に引っかかる物言いだったが、悠人はあえて突っ込まず、黙っていることにした。
「はぁ、まあいいでしょう。・・・この一戦に、この世界の命運がかかっています。
敵のエターナルを排除し、再生の剣を破壊する・・・そして、この世界に平和をもたらすため、力を貸してください!」
「みんな・・・頼むぞ!!」
悠人は振り返り、【聖賢】をその声と共に高く掲げ上げた。
白い光のマナがその部屋中に降り注ぎ、スピリットやエトランジェ、ヘリオンや時深の士気を高揚させる。
そして、それに呼応するように全員が神剣を掲げ上げ、共鳴させるかのように意思を重ね合わせた。
悠人は全員の顔を見渡す。それは、勝利を信じて戦いに臨む、決意の表情だった。
「(これなら・・・勝てるかもしれない。いや、絶対に勝つんだ!!)」
「ユート様、いつもの、お願いしますっ!」
隣から、ヘリオンが促す。
「よし・・・みんな、行くぞ!!」
「おおーっ!!」
一斉に上がる声。一つに固まった意志の強さを、その場にいた全員が感じ取る。
・・・永遠戦争の最終章の火蓋が、今ここに落とされた・・・
─────敵の根城、再生の剣の眠る最果ての雪の大地、ソーン・リーム。
悠人たちは、エターナルミニオンと呼ばれるスピリットのコピーのような存在を倒しながら進軍していた。
キハノレまではまだ随分とある。だが、天然の要塞とはよくいったもの。
深い積雪と気温、必要以上に濃く、不安定なマナ。そういった要素が、バランスの悪い戦いを強要させていた。
時深が言うには、こういった状況ではマナの影響を受けにくいエターナルやエトランジェが有利らしいが・・・
さっきから、黒マナの濃いところではやけに元気になるヘリオンが気になるばかりだった。
「はああぁぁあっ!!」
ヘリオンは【純真】で辺りを薙ぎ払い、一度に三人のミニオンを屠り倒す。
以前とは全く違うレンジの長さと強さに、今までどおりの戦いを行っている悠人は圧倒されるばかり。
もちろんこれでも実力は全然出していないのだろう。
三つの神剣が融合することが、ここまでの力を出すものなのか・・・【聖賢】は、さっきから悩んでいた。
『あの娘・・・強い。神剣は第三位だが、実力は第二位に匹敵するぞ』
「(そうなのか?・・・うーん、そう言われると、気後れしちまうなぁ)」
『しちまうなぁ、ではない!ユウトよ、汝ももっと気合を入れるのだ。でないと、本当に追い抜かれてしまうぞ!』
「(はいはい・・・でも、それが空回りするといけないからな。慌てずすかさず、だ)」
『むぅ・・・』
【聖賢】・・・まだ契約してから大して経っていないが、この負けず嫌いのあしらい方はすぐにわかってしまった。
口は悪いがいい奴、みたいなもので、こっちがある程度冷静ならすっと引き下がってくれる。
なんだかんだいって、【求め】よりも付き合いやすいのだった。
「ユート様〜っ!置いてっちゃいますよ〜!」
その声に反応して先を見ると、ヘリオンはもうずっと先まで進んでいた。
「ほら、悠人さん。早く行ったほうがいいですよ?」
後ろから、時深が急かす。心なしか、その顔は妙にニヤニヤしていた。
「・・・なんだよ。その顔は」
「いえ、悠人さん、いい子に惚れられましたね、と思っただけですよ?」
「お゙い゙」
「だって本当のことじゃないですか。悠人さん、大事にしてあげなきゃだめですよ?ああいう子はナイーブですから」
「わかってるよ。今更そんなこと言われなくたって・・・」
悠人は、結構前からヘリオンのことを大事に想ってはいた・・・つもりだった。
そう、昨日の夜、あんなことがあるまでは・・・それは、ただのつもりだった。どこかで本気じゃなかった。
あんなことがあって初めて、悠人はようやくヘリオンのことを本気で大事に想うことができた。
かけがえの無い、たった一人の、悠人が恋する少女・・・絶対に失いたくなかった。
「(それにしても・・・時深からナイーブという言葉が出るとは・・・)」
『同感だ。このような変わり者から、そんな台詞が出るとはとてもではないが思えん』
悠人はちらり、と時深を見る。すると、時深は何か勘違いするように顔を赤らめてくる。
「あら、悠人さん。あれだけの恋愛ドラマを繰り広げておきながら、私に乗り換えですか?」
「(・・・これだからな。少なくともこいつはナイーブやデリケートじゃない。間違いなく)」
『うむ。【時詠】も物好きなものだ。このような者と契約を交わすとは・・・』
「・・・悠人さん?何を考えているんですか?」
その声に反応して振り向くと、頭上に怒りマークを浮かべた時深が微笑んでいた。
いつの間にやら、【聖賢】と【時詠】の刃が重ね合わせられている。
「・・・悠人さんっ!!」
『・・・【聖賢】っ!!』
明らかに怒りを浮かべている言葉を放つ二人。もとい一人と一本。
『・・・ユウトよ。どうやら我々の考えは見抜かれていたようだな。逃げるぞ』
「言われなくてもそうするって!」
悠人は瞬時にオーラフォトンを展開し、ヘリオンのいる方に向かって全力で走り出す。
「ま、まちなさあぁ〜い!!」
対照的に、大慌てで雪飛沫を立てながら追ってくる時深。
悠人はヘリオンも巻き込んで、雪上の鬼ごっこを展開することになったのだった・・・
202 :
エロ大王:2006/01/18(水) 21:13:58 ID:vCihKU7t0
支援
─────数日後、スピリット隊は始まりの地、キハノレに到着した。
地下に続く門の前で、悠人たちは決戦に向けて決意を新たにしていた。
「この先に・・・エターナルが六人、か」
「怖気づきましたか?私たちよりたった三人多いだけです。大したことは無いでしょう」
まるで本当に大したことが無いように、冷静に淡々と言う時深。
さすがは平安時代から・・・千年以上生きているだけはある。百戦錬磨といったところか。
「ヘリオン、大丈夫か?」
「怖いです・・・私たちと同じくらいの力が、六人も・・・でも、勝たなきゃいけないんですから!」
「そうだな・・・行こう!」
─────キハノレの内部は、時の迷宮のようなブロック状の通路が入り組んでいて、まるで迷路だった。
おまけに敵の本拠地ということもあり、ミニオンの数は半端ではなく、スピリットたちは苦戦を強いられる。
悠人たちは、ミニオンの掃討をなるべくスピリットたちに任せ、敵エターナルの撃破を目指していた。
「・・・この先、強力な神剣の気配があります!」
「ここを通らなきゃ先にはいけない、か。ヘリオン、全力で行くぞ!」
「はい!」
悠人たちは開けた空間に飛び込む。そこでは一人の・・・目隠しをした女性がただならぬ気配を放っていた。
「来た来た・・・私の獲物が。これは、かわいがってあげなきゃねぇ・・・ふ、フフフ・・・」
気配だけではない。神剣を持って気が大きくなっているのか、口調も怪しさを放つ。
・・・だが、どんな狂人であろうと、エターナルの実力者であることは事実。ただで通してくれそうも無かった。
「時深、こいつは!?」
「おそらく・・・【不浄】のミトセマール。私も見るのは初めてですが・・・強敵でしょう」
「よく知ってるねぇ・・・あんた、トキミだっけ?テムオリンがトキミは相当なバカだって言ってたけど・・・」
「な、なんですってええぇぇえ〜〜!!?」
バカと言われたのが頭に来たのか、テムオリンとかいうのに言われたのが頭に来たのか・・・
ともかく、時深にはバカにされたことによる怒りによって、闘志が湧き上がっていた。
「アハハハハ!図星みたいだねぇ。それに、あんたが一番面白そうだ・・・生まれたてのエターナルなんかじゃ、
私の飢えは満たせそうもないしねぇ・・・いい声で鳴いておくれよ。うふふふ・・・」
「なんだと・・・!!」
悠人はいきりたって踏み出そうとするが、時深の突き出した腕によって制止されてしまう。
「悠人さん、ここは私に任せてください。私をバカにしたこと・・・後悔させてあげます!」
完全に目的を見失っている。
時深の闘志は、体の周りのマナが僅かに燃え上がっているようにも見えるほど強かった。
そもそも、最初にバカにしたのはテムオリンなのだから、ミトセマールにあたるのはお門違いな気がするけど。
何を言っても止められない気はしたが、悠人とヘリオンは、とりあえず黙っててあげることにした。
「ユート様・・・放っといていいんですか?」
「・・・黙って見届けよう。倒してくれるなら、それでいい気もするし」
時深は扇と【時詠】を、ミトセマールは鞭型の永遠神剣、【不浄】を構える。
馬鹿げたような前座だったが、それを覆すかのような殺気を含んだマナが、びりびりとその空間に充満する。
悠人とヘリオンは巻き添えを食わないように、いつでも動けるようオーラフォトンを展開していた。
「まずは私からだよ!ボロ雑巾のようになりなッ!!」
「!これは、爆発だっ!!」
ドオオオォォン・・・
ミトセマールは、オーラフォトンを時深の足元で爆発させる。
悠人とヘリオンは間一髪、その爆発の巻き添えにはならずに済んだが、中心にいた時深は・・・
「なにするんですか!こんのおおぉぉお〜っ!!」
・・・ボロ雑巾のようになっていた。巫女装束がボロボロになったのとともに、髪が乱れまくっていた。
ダメージ自体は殆ど無い様だが、こうなったことは時深にさらなる攻撃力を与える結果となってしまったようだ。
時深は人型の札をあっけにとられるミトセマールの眼前へと投げつけると、分身と共に激しく切りつける。
へC_Cへ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z <シエンマン参上!
くく
俺もなんとなく気に入ったw
「この!このおっ!死になさい!消滅しなさい!滅びよ!」
どす、ばき、ざく、みし・・・
ミトセマールの障壁はあっさりと破られ、時深の時間加速斬撃をもろに食らっていく。
「な・・・!?私が、殺される?ば、馬鹿な・・・こうも、あっさりと・・・」
あっというまに体中に無数の傷を負ったミトセマールは、黒いような、穢れたマナに包まれて、消滅してしまった・・・
「はぁ、はぁ・・・全く、失礼な人ですね。・・・タイムシフト!」
時深はそういうと、自分の体の状態をさっきの時間に戻し、装束と乱れた髪を復元する。
・・・悠人とヘリオンは、その一部始終を、哀れみを含んだ遠い目で見つめていた・・・
「ミトセマール・・・さん、ちょっと可哀想・・・ユート様、そう思いませんか?」
「ああ・・・時深の八つ当たりは、エターナルを簡単に消滅させるものなんだな。俺たちも気をつけよう」
「(ちょっと突っ込むところが違う気がしますけど)・・・そうですね」
「さあ、悠人さん、ヘリオン。先を急ぎましょう」
けろりと、いつもの調子に戻った時深は、悠人とヘリオンを促す。
二人はその心に時深の本性の一部を刻み込んで、言われたとおりに先を急ぐのだった・・・
─────しばらく進んでいると、また広い空間に出る。
その中心には、強力な神剣の気配と共に、巨大な目玉の化け物が浮かんでいた。
「うおっ!な、なんだこいつは!」
「こ、これもエターナルなんですか!?」
「ンシュフルルルルル・・・」
「この王冠・・・【業火】のントゥシトゥラ。二人とも、エターナルは必ずしも人型とは限りません。気をつけて」
「・・・それだけじゃないんですがねぇ」
どこからともなく、人を小ばかにしたような声が聞こえる。
先に続く通路から、今度は人型のエターナルが姿を現した。
「! 時深、今度は人間みたいだけど・・・知ってる?」
「おそらく、【流転】の主、水月の双剣メダリオ。まさか二人同時に来るとは・・・手強いですね」
「ミトセマールが倒れるのが早すぎたのでしてね・・・それほどの強敵なら、力を合わせねば、と思いまして」
メダリオのその言葉に、悠人とヘリオンは薄ら笑いを浮かべながら横目でじーっと時深を睨みつける。
「な、なんですか、二人とも・・・早いに越したことはないじゃないですか!」
「いや、まあ・・・いいんだけどね。一応3対2だし」
「シュフ、ル、ルアアアァァアア!!」
妙に力が抜ける悠人たちに対し、ントゥシトゥラは何語かもわからぬ声を張り上げる。
「あ、あの〜・・・メダリオ、さん?何言ってるのか・・・訳してくれませんか?」
「僕だって知りませんよ。まったく、面白い人たちです。・・・殺さなきゃいけないのが、実に惜しい!」
ぎんっ!
メダリオは神剣の力を解放し、辺りを殺気で包み込む。
それに呼応するようにントゥシトゥラも力を解放し、遅れて悠人たちもオーラフォトンとハイロゥを展開する。
「シャアッ!」
メダリオが両手に剣を突き出したかと思うと、瞬時にヘリオンの懐に飛び込む。
「・・・!!」
次々に繰り出される連撃を、ブラックスピリット特有の障壁とともに受け流す。
「そこですっ!!」
持ち前の素早さと、格段に上がった底力で【純真】をメダリオに叩きつけ、オーラフォトンと共に吹き飛ばした。
弾かれて受身を取ったメダリオは、自分の頬に付いた傷を舐めながら、ニヤリ、と笑みを浮かべる。
「くくく・・・面白い。そのような大きい剣を持ちながら、そこまでの速さがあるとは思いませんでした」
速さを肝とする者同士の対決。ヘリオンは、剣を構えながらそれをひしひしと感じ取っていた。
「ユート様っ!この人は私が倒します!ですから、ユート様はあの目玉をお願いしますっ!」
「ヘリオン・・・よし。うおおおおぉぉおっ!!」
襲い掛かる無数の触手をかわしながら、悠人はオーラフォトンを展開してントゥシトゥラに斬りかかる。
巨大な目玉の化け物。それだけに木偶の坊なのか、かわそうともせずに障壁を展開する。
「(障壁ごと、叩き切るっ!!)」
「悠人さん!いけません、もどってください!!」
「(何・・・!?)」
時深が制止したときにはもう遅かった。【聖賢】は振り下ろされ、障壁ごとントゥシトゥラを切り裂いていた。
・・・同時に、体中に焼けるような強烈な痛みが走る。体の一部がぢりぢりと焼け焦げていた。
「ぐあ・・・っ!!な、なんだこれはっ!」
「あの障壁・・・恐らく、攻撃で受けたエネルギーをそのまま返す効果を持っています。
闇雲に斬りかかっても、その力がそのまま自分に帰ってきてしまい、大きなダメージを負ってしまいます!」
「くっ!じゃあどうすればいいんだ!」
【聖賢】によるダメージを負ったとはいえ、ントゥシトゥラはまだまだ元気そうだった。
次の瞬間、ントゥシトゥラの大きな目が光り出し、辺りが赤黒いオーラフォトンに包まれる。
「しまったッ!!」
ズドオオオォォン・・・
オーラフォトンの爆発が、悠人と時深を直撃する。
【業火】の名は伊達ではないらしく、強力な爆炎のダメージが悠人たちを苦しめていた。
「く、くそぉっ・・・!」
「げほ、げほ・・・悠人さん!あの障壁は私が何とかします。その隙に、全力を叩き込んでください!」
「な、何か方法があるのか?あまり長くは動けないぞ!」
「大丈夫、一瞬でかたをつけます。『時』を操る力を甘く見ないでください!」
「・・・わかった。頼むッ!でやあああぁぁあっ!!」
悠人は焼け焦げる体に鞭打って、オーラフォトンを展開してントゥシトゥラに突撃する。
案の定、ントゥシトゥラは反射障壁を展開してきた。
「・・・今です!」
・・・が、次の瞬間、その障壁はまるで元から無かったかのように消えてしまう。
「フシュ!?」
「うおおおおぉああぁあ!!」
そこに、悠人は聖なるオーラフォトンを纏った全力の一撃を叩き込む。
思いっきり振り下ろされた【聖賢】がオーラフォトンの波動と共に、ントゥシトゥラを真っ二つに切り裂いていた。
「フシュルルルルブルウアァアア・・・!!」
断末魔と共に、ントゥシトゥラは赤いマナの霧へと姿を変えていった・・・
「や、やった・・・時深、一体どんな手品を使ったんだ?」
「あの障壁が発動している時間をこの次元から切り取っただけです。まあ、それだけでも結構疲れるんですけど」
「とにかく、助かった。あとは・・・!」
悠人たちが横を見ると、そこでは神速の戦いが繰り広げられていた・・・
ガギイィン!キイイィン!
流れるように襲い掛かる無数の斬撃。それを、ヘリオンは悉く受け流していた。
一見、防戦一方のように見えるが・・・メダリオが斬り荒ぶ度に、徐々にメダリオの傷が増えていっている。
対して、ヘリオンはかすり傷を少し負っているくらいで、決定的なダメージは殆ど無かった。
それに気づいたのか、メダリオは障壁を展開するヘリオンから後ろに飛びのき、距離をとった。
「!・・・なるほど、反撃に特化した障壁ですか。これはなかなか厄介ですね・・・」
「あなたの攻撃は見切りました!・・・もう、諦めてください。向こうも終わったみたいですし」
ヘリオンはちらり、と横を見る。そこでは、ントゥシトゥラを撃破した悠人たちがオーラを立ち上げていた。
「そうですね・・・ですが、ただでは終わりませんよ。・・・これを使わせるとは、本当に誇っていいでしょう!」
きいいぃぃいぃいん・・・!!
【流転】に、強烈な・・・突き刺さるような殺意のマナが集まり始める。
「え・・・!?」
「・・・死ぬがいい!!」
【純真】から発せられる警鐘音が体中にいきわたり、ヘリオンが危険を察知したときはもう遅かった。
無数の水の刃がヘリオンを取り囲み、一斉に襲い掛かっていた。
・・・そしてその刃は、ヘリオンの全身を、ハイロゥに至るまで、完膚なきまでに貫く。
「・・・ヘリオン!?」
「ふふふ・・・くくく。身動き一つできずに散ってしまうとは。エターナルとはいえ、命は大事にするべきでしたね・・・」
目を見開き、完全に人格が変わっている。いや、元々こういった人格なのだろうか、メダリオは上機嫌だ。
「さあ、次はあなたたちの番です!彼女と同じ運命を辿るがいい!」
「それは・・・どうでしょうか?」
「なに・・・!?」
時深が冷静そうに答えると、メダリオは一瞬呆気に取られた。・・・いつの間にか、体の感覚が無くなっていた。
認知したときにはもう遅く、目の前が赤く染まっていく。首から吹き上がる血の雨と共に、メダリオは消滅した・・・
そして、その血の雨の向こうから姿を現した・・・ヘリオン。
その姿は、体中を貫かれたというわけではなく、全身に軽い切り傷を負っている程度になっていた。
「ヘリオン!?一体、何が起こったんだ・・・?」
「あの刃が来る前に全力で脱出したんです。ちょっと食らっちゃいましたけど・・・」
「じゃ、じゃあ、あの攻撃を受けたのは・・・?」
「悠人さん、残像ですよ。それにしても、私たちの目を誤魔化すほどの速さを生み出すとは・・・」
ヘリオンがメダリオの攻撃をかわし、回り込んで首をはねたことは・・・誰にもわからなかった。
それだけ速く動いたということ・・・いよいよ、ヘリオンの実力が計り知れなくなってきた。
「(うぅ・・・ヘリオン、マジで俺を越えてるんじゃ・・・)」
『ユウトよ、己を卑下するな。己を信じてこそ、本当の力というものは出せるものなのだぞ』
「(そう言われても・・・)」
『ふむ・・・確かにすぐには無理だろう。信じる力は、あの娘の方がずっと強い。自信に溢れている』
「(自信、か・・・ま、俺の自信はじっくりと培っていくさ。見てろよ!)」
『その意気だ、ユウトよ』
「ユート様!何してるんですか?行きますよっ!」
ヘリオンの声に促され、悠人が顔を上げると、すでに時深とヘリオンは剣を鞘に収め、先に行こうとしていた。
「ん、ああ。今行く!」
悠人は考えをとりあえず鎮めて、先を急ぐことにしたのだった・・・
─────はじまりの地、深部。
マナがどんどん濃くなってきている。それだけ、中心部に近づいたということだろう。
「ユート様っ!また強い神剣の気配ですっ!」
「くそっ・・・!?こ、この気配、どこかで・・・!」
「・・・法皇テムオリンと、黒き刃のタキオス!以前元の世界で対峙したあの二人です」
「・・・なるほど、あの時の二人か・・・ここで決着を、ってことか?」
「そうでしょう・・・悠人さん!」
時深の顔が一層真剣さを増す。あの二人には因縁があるのだろうか、時深は少し殺気を放っていた。
やや開けた空間に出ると、その気配の主が姿を表した・・・!
「あら、随分と早く来れたのですわね。もっと苦戦しているかと思ってましたわ」
「あの三人をいとも簡単に退けるとは・・・面白い」
それは、時深の言うとおり、悠人の世界で邪魔をしてきた二人だった。
白い法衣に身を包み、槍のような刃の付いた杖を持った少女と、黒衣に巨大な神剣が特徴の大男。
「ふふふ・・・ユウトよ。あの時の【求め】の主がここまで強くなるとはな。あの三人ではつまらなかったろう?」
「ええ、少し力足らずでしたかしら?もっとエターナルになる人材は選ばないと、駄目ですわね」
テムオリンとタキオスはゆらり、と動き出す。その挙動には、一切の隙は見当たらない。
やる気満々な気配をこちらに向けてきている。これに応えてやらないわけには行かなかった。
「・・・俺は、俺たちは・・・お前たちを倒して、この世界を救うんだッ!!」
「そうだ、それでいい・・・お前は、この俺を倒すことだけを考えればいい」
睨み合う悠人とタキオス。その視線の間には、ちりちりと焼けるような殺気のマナが弾け合っていた。
んじゃ普通に支援
そうしている悠人とタキオスを尻目に、テムオリンはその視線をヘリオンに向ける。
何か目論見があるかのように、顔を怪しくニヤつかせながら・・・
「あら、あなた・・・あの時の」
「・・・!」
「あの時は、確かもう一人妖精がいましたわ。あの妖精は今どうしているのですか?」
「え、そ、それは・・・!!」
「うふふ、ごめんなさい。確か、無様に死んだんですわ。【誓い】に体を貫かれて・・・!!」
「!!」
挑発するように言葉を紡ぐテムオリン。ヘリオンは、完全に術中にかかっていた。
「あんなにあっさり死んじゃって、本当に可哀想。あなたも一緒に死ねば、あの妖精も浮かばれましたのに・・・」
「だめだ!ヘリオン、こんなやつの言うことなんか聞いちゃいけない!」
ヘリオンの後ろから悠人が注意を促すが、もう、ヘリオンの耳には悠人の声も届いてはいなかった。
ヘリオンはがくり、と膝を付き、目を見開いてがたがたと震えていた。
あの時の記憶。それとテムオリンの言葉が、ヘリオンの精神を蝕んでいく・・・
「それにしても・・・たった一人の坊やのために命を投げてエターナルになるなんて、しぶといにも程がありますわ。
さっさと死んで、死後の世界に行って、あの妖精を安心させてあげた方が賢明だと思いませんの?」
「・・・・・・・・・」
ヘリオンの震えがぴたり、と止まる。前髪が陰になって、ヘリオンの眼は闇に沈んでいた。
「うふふ・・・さあ、その命を絶ちなさい。それが、あなたと、あの妖精のためなのですから・・・」
りいいぃぃいん・・・
【純真】から聞こえる澄んだ音とともに、声が聞こえる。
『ヘリオン〜?あなたが死ぬことは、誰も望んではいないんですよ〜?
こんなところで死んで、私のところなんかに来たら、めっ、てしちゃうんですからね〜!』
「(え・・・?は、ハリオン・・・さん!?)」
一瞬、神剣越しだけど、確かに聞こえた。
その人を失ってこそいるものの、今でも忘れることの無い、大事な人の声。
その声は、再び闇に飲み込まれかけたヘリオンの心を、光へと導いていった・・・
「・・・どうしたのですか?さっさとその刀であなたの首を切り落としなさい」
「テムオリン、さっきから黙ってれば・・・!お前にヘリオンとハリオンの何がわかるって言うんだ!!」
「うるさい坊やですのね。このことは、この子とあの妖精の問題ではなくて?あなたに関係はありませんわ」
「関係ないのは・・・あなたですっ!!」
ヘリオンはゆっくりと立ち上がると、その決意の瞳をテムオリンに向ける。
【純真】を握る手に思いっきり力を篭め、オーラフォトンとハイロゥを同時に、全力で展開していた。
「ハリオンさんを侮辱して・・・絶対に、絶対に許さないんですからっ!!」
「ヘリオン、助太刀するぞ!こんな奴、許しておけるかっ!」
「お前の相手は俺だ!」
悠人がヘリオンに近づこうとすると、その道は【無我】によって絶たれてしまう。
この大男・・・タキオスの闘志は、完全に悠人だけに向けられている。逃げるわけには行かなかった。
「くっ・・・!」
「悠人さん、ヘリオンには私が加勢します。テムオリンには、私も因縁がありますし・・・悠人さんは、タキオスを・・・」
時深は【時詠】と扇を引き抜き、ヘリオンの隣に並ぶ。
それに応じるように、悠人とタキオス、テムオリンは同時にオーラフォトンを展開する。
完全に、この空間には闘志と、殺気、・・・怒りが、満ちていた。
「ユウトよ、来いッ!俺を楽しませてみろっ!!」
「第二位の力、見せてあげますわ。存分に、存分に楽しみましょう・・・!!」
自らの身の丈よりも大きな、巨大な片刃の永遠神剣第三位【無我】。
タキオスはそれを軽々と扱い、空間を切り裂いて悠人に突進してくる。
「ふんぬっ!!」
ガキイイィン!
思いっきり振り下ろされた刃を、オーラフォトンの障壁で受け止める。
「く・・・っ!!」
ほぼ互角の神剣同士の戦い。それだけに、こんな迫力を放つものをも受け止めることはできるが・・・
質量と、相反するオーラフォトンによる相乗で、障壁はガリガリと削られていく。
「どうした!お前はその程度なのか・・・聖賢者ユウトッ!!」
「ぐ、うあああああぁぁっ!!」
悠人は【無我】を弾き返し、その勢いでタキオスに斬りかかるが、黒い障壁によって全て受け流されてしまう。
「ふむ、少しはやるようだが・・・まだまだ、【聖賢】を扱いきれていないようだな・・・」
「くそ・・・っ!なんとかならないのか!」
「まさか・・・それが本気というわけでもあるまい。俺を、失望させるな・・・ユウト!」
タキオスがそういうと、周りの黒いオーラフォトンがさらに力強さを増す。
そして、そのオーラフォトンの殆どを【無我】の刀身に集結させた。
『ユウトよ!タキオスは次の一太刀に全力を叩き込んでくるぞ!』
「(あんなパワーに、空間移動能力・・・!とてもじゃないけど、防ぎきれない!どうすれば・・・)」
『方法はある。だが、一瞬の駆け引きが肝要だ。奴のいうとおり、我を扱いきれていないお前にそれができるか?』
「(・・・できるか、できないかじゃない。やるんだ!【聖賢】、力を貸してくれッ!!)」
『そう来なくてはな。・・・来るぞっ!』
キイイィィイン・・・!
【聖賢】から、タキオスに対抗する手段が感覚的に流れ込んでくる。
悠人の全身にオーラが行き渡りると、それを阻止せんとタキオスは一気に距離を詰めてくる。
目の前が大男の全身で埋め尽くされ、巨躯の剣が振り下ろされた。
「(・・・今だぁっ!!)」
ドゴオオオォオォォン・・・
【無我】が全力で振り下ろされ、床がその衝撃で砕け、抉れ渡る。
その衝撃のあったところに・・・悠人はいない。
悠人は・・・タキオスにぴったり、まさしく零距離で【聖賢】を突き出し、タキオスの体を貫いていた。
しかし、悠人も無事では済まなかった。振り下ろされた腕と【無我】の柄によって、体の骨の幾つかが砕けていた。
時間が、止まった・・・隣でヘリオンたちが戦っているにも関わらず、静寂が、その場に訪れる。
「ぐぉ、ふ・・・見事、だ・・・ユウトよ・・・」
タキオスの血反吐が降り注ぎ、悠人の体を赤く染める。
今にも消えてしまいそうなその体で、悠人に満足そうに、力が抜けるように言葉をかける・・・
「若きエターナルに、こうしてやられるとはな・・・ふふふ・・・満足、だ・・・」
「本当に満足なのかよっ!こんな所で死んで・・・あんたにも、大事なものがあるんじゃないのか!?」
「テムオリン様に敗北してから・・・俺は、全てを捨て、ただ純粋に良き戦いを求めるようになった・・・
俺には、何も残っていない。お前のように、あの娘が大事だとか・・・そのようなものは、何も無いのだ・・・」
「・・・!戦いだけが、生きがいだったって言うのかよ・・・!」
「そう、なるな・・・そして、俺は、お前のようなエターナルが現れることを望んでいた・・・全力を出せる相手を、な・・・」
るぅううぅうん・・・
辺りが、純粋なマナに包まれる。同時に、悠人の全身からタキオスの感覚が消えていく・・・
「ふふ・・・ユウトよ。俺は本当に満足している。またいつか、剣を、交えたいもの・・・だ、な・・・」
「わからない・・・俺には、わからないよ・・・」
その場から完全に消滅したタキオスに対して、悠人はそう呟き掛ける。
戦いだけを求めて世界を混乱に陥れる戦鬼と、世界を救うために戦いに身を投じる勇者。
意味は違えど、どちらもその想いは純粋。それだけに、全力で戦える相手。
タキオスが本当に求めていたのは、本当にそれたけだったのだろうか・・・悠人は、その心に蟠りを残すのだった・・・
「やあああぁぁあっ!!」
「はあぁっ!!」
怒涛の如く斬りかかるヘリオンと時深。
怒りに身を任せ、疲れを知らないヘリオンの神速を越えたスピードの斬撃。
時間ごと自身を加速させ、分身と共にオーラフォトンを叩きつける時深。
だが、テムオリンの【秩序】の障壁は何処にも隙はなく、斬り破ることはできなかった。
「うふふ、そんな攻撃では私は倒せませんわ。でも、これでは少し面白くありませんわ・・・!」
テムオリンは後ろに飛び退き、障壁のマナを【秩序】の先端に集めていく。
【純真】と【時詠】から同時に、二人に警戒音が鳴り響く。すぐに離れなさい、と───
「これに耐えられるのかしら?壊れないでくださいね。うふふふ・・・!」
カッ!と【秩序】の先端が光り出し、ヘリオンと時深を爆音と衝撃の光で包む。
「きゃああぁ!は、はうぅっ・・・!」
「くっ!ううぅ・・・」
全力で距離をとり、オーラフォトンを展開していたおかげで何とか耐え切ったが・・・
それでも、かなりの体力を削られてしまっていた。
「うふふ、頑張りますのね。そうでなくては、面白くありませんわ・・・!」
「あなたなんかに・・・あなたなんかに、負けるわけにはいかないんですっ!」
「あら、どうしてですの?・・・あなた、何のために戦っているんですの?」
「それは・・・!」
「あの坊やのため?あの妖精のため?世界を救いたいから?それとも、ただの自己満足?
・・・いずれにせよ、くだらないですわ。私、あなたみたいなバカは嫌いですの」
まるでヘリオンの心の弱点を突くかのように、言葉で責め立てるテムオリン。
だが・・・一途な想いに包まれたヘリオンの心は、理屈では折ることはできなかった。
「くだらなくありません!あなたみたいに、命を軽く見るような人にはわからないですっ!」
「・・・それに、テムオリン?あなたは、もうすぐそのくだらない理由で戦っている私たちに殺されるのですよ?」
「うふふ、大した自信ですのね。じゃあ、もうそろそろ死んでください。
あなたみたいなバカや、時深さんを相手にするのはもう飽きちゃいましたから・・・!」
テムオリンがそういった瞬間、三人の足元からオーラフォトンが爆発するように溢れ出す。
「(全力で・・・一瞬で決めます!【純真】、お願いします!)」
『ええ、速さという壁を越えたあなたの動きで、あのテムオリンという敵を倒すのです!』
支援どんどこどこどこ
テムオリンは全開で攻撃しようと、さっき以上に強力で濃厚なマナを【秩序】の先端に集中させる。
そのマナを放とうとした、その刹那────
「(今ですっ!)」
「(テムオリン・・・消滅しなさい!!)」
ギイイイィィイイィン・・・
【秩序】が宙に舞う。テムオリンは、それを認知することができなかった。
音よりも、光よりも速く動いたヘリオンの刃は、テムオリンの全力の篭った【秩序】を弾き飛ばしていた。
「え・・・?」
テムオリンが気づいたときには、自分の懐に飛び込んでいた時深が、前後からテムオリンを切り裂いていた。
自分の強さに絶対の自信を持っていた。それが、がらがらと音を立てて崩れていく。
テムオリン自身も、血の飛沫を飛ばしながら、仰向けに崩れ落ちた・・・
「な、なんてこと・・・私が、この、私が・・・!」
「あなたみたいな人が・・・あなたみたいな人がいるから・・・!!」
「ふ、うふふ・・・いい目をしていますわ。是非とも、壊したいと思っていましたのに・・・」
「・・・一つ、聞かせてください」
「・・・なに、かしら?」
白い光に包まれて消えかかるテムオリンに、ヘリオンはずっと思っていた疑問を投げかける。
「どうして・・・私たちを、ユート様の世界に飛ばしたんですか?」
「そんなこと、ですの?・・・それは、【世界】のために、あなたたちを生贄にするためですわ・・・」
「生贄・・・!?」
「そう・・・あなたたち妖精がマナ不足で倒れれば、あの坊やは【求め】のマナをあなたたちに注ぐしかない。
【求め】のマナが枯渇し、あなたたちも息絶えれば・・・【誓い】は【求め】を容易に砕き、【世界】を創ってくれる・・・」
「・・・ヘリオンとハリオンが死に、【求め】も昏睡したところで、悠人さんを戻すつもりだった・・・ということですね」
「ふふ、時深さんのせいで、中途半端になってしまいましたが・・・結果はうまく行きましたわ」
ヘリオンは複雑な気分だった。
ハイペリアに行った自分たちを、マナ不足から解放し、ファンタズマゴリアに送ることで助けてくれた時深。
それは、少なくとも時深が悠人はもちろん、自分やハリオンを助けたかったということ。
・・・だが、結局ハリオンは悠人のために命を落としてしまった。
一体何のために自分たちは助かったのか・・・わからなくなっていった。
「・・・今回は、私たちの負け・・・みたいですわ。・・・ヘリオン、今度はもっとかわいがって・・・あげます、わ・・・」
完全に白いマナと化し、この世界から消滅するテムオリンを、ヘリオンは複雑な眼差しで見ていた。
「・・・ヘリオン、大丈夫ですか?」
「トキミさん・・・ごめんなさい。少し、休ませてください・・・」
「そうですね・・・この辺りはマナが溢れています。少し、休んでいきましょう」
疲れきった顔のヘリオンは、壁に寄りかかって座り込む。
体を休ませたいのもそうなのだが、色々と考えたいこともあった。
エターナルになった自分の存在意義、この戦いで、自分が本当にしたいことは何なのか。
悠人と一緒に生き延びるため。たったそれだけでは済まないような気がしてならないのだった・・・
「ヘリオン、大丈夫か?顔色がよくないぞ・・・?」
ぎしぎしと鳴る体に鞭打って、悠人はヘリオンの隣に腰掛ける。
「ユート様・・・ごめんなさい。私、あの時・・・少しですけど、あの人の言うことを聞いちゃいました・・・」
「・・・それだけ、ヘリオンはハリオンのことを大事に想ってるってことさ。気にしなくてもいい」
「そう、ですよね・・・ユート、様・・・」
どさっ。
「おっと・・・」
余程安心してしまったのか、ヘリオンは横に体を倒し、悠人に寄りかかって眠ってしまう。
「すぅ・・・すぅ・・・」
「(戦いの連続で疲れてたんだな・・・ま、少しの間だけど休ませてやるか・・・俺も、少し眠い・・・)」
時深がじっとりとした視線で見ているにも拘らず、悠人とヘリオンはその体をくっつけて眠ってしまうのだった・・・
「・・・悠人さん、ヘリオン!起きてください!」
「う〜ん・・・もう少し寝かせて・・・」
「悠人さん、寝ぼけないでください!もうみんな集まっていますよ!」
「あ・・・そぅ。みんな集まって・・・・・・え゙!!?」
悠人が慌てて眼を開けると、そこにはスピリット隊のメンバーが全員集合していた。
くすくすと薄ら笑いを浮かべる者、あきれた様子でこちらを見る者・・・その反応は様々。
その原因は、悠人のすぐ隣で幸せそうに寝息を立てている奴がいるからだった。
「すぅ・・・う、ん・・・」
「え、えっと、その・・・これは・・・」
時の迷宮の悪夢の再来。ただ、その規模が天と地の差だということ。
あの時は二人っきりだったから誰にも見られていなかったが・・・今度はスピリット隊という大観衆の前。
ある意味絶望的な気分。それほど恥ずかしかった。
「悠人さん、お願いですから・・・幸せに浸るのは戦いが終わってからにしてくれませんか?」
「・・・そうします。おい、ヘリオン、起きろ!」
「ん・・・んん?・・・はぁうっ!ゆ、ユート様っ!こ、これは一体どういう〜・・・」
「どうもこうも・・・寝てる間に来ちゃったみたい」
起きるなり、顔を真っ赤にしてあわあわするヘリオン。
どうやら、恥ずかしい目に遭っているのはヘリオンも同じらしい。
なんだか、こういった恥ずかしさは共有できる相手がいるとなんだか嬉しいものだ。
「あの、トキミ様?・・・エターナルって、みんなこんな風にのんきなのですか?」
思いっきり肩の力が抜けているのか、エスペリアは時深に不思議そうに尋ねる。
「この二人が例外なだけです・・・まったく、緊張感の欠片もありゃしません」
まるで異端児のように言われる悠人とヘリオン。
だが二人は知っている。のんきなのは時深もあまり変わらないことを。
「ぷっ・・・ふふ、あははははははっ!」
どこからともなく笑い声が漏れ、それとともにこの空間が笑い声に包まれる。
悠人とヘリオンもおかしくなって、お互いに向き合って大笑いしてしまうのだった・・・
─────数分後、眠っていたおかげですっかり傷の癒えた悠人たちは、スピリット隊の面々の前に立っていた。
「これから、最後の、最強の敵・・・【世界】に挑む」
「これが、悠人さんの言うとおり、本当に最後の戦いになります。みなさん、力を貸してください!」
おおーっ、と、士気を高揚させる部隊。
・・・ここまで来た。誰一人死なせるわけには行かない。絶対に、ハリオンの二の舞は踏ませない。
「(全員で・・・生き延びるんだ!)」
─────幾何学模様の立方体のブロックが所狭しと浮かぶ広大な空間。
その中心、遥か上空にある巨大な神剣・・・再生の剣。その麓には、一人の男の姿。
統べし聖剣シュン・・・変貌した【世界】の主が静かに佇んでいた。
「みんな、悪いけど少し待っててくれ。少し・・・あいつと話がしたい」
悠人は、スピリット隊のメンバーを離れたところに待機させる。
「あ・・・ユート様、私も・・・行きます」
何か話したいことでもあるのか、ヘリオンもついていくことになった。
悠人とヘリオンは、瞬であって、もはや瞬でない存在に・・・近づいていく。
「貴様・・・か。本当にエターナルになっていたとはな」
「・・・決着をつけよう。瞬・・・いや、【世界】」
「決着、か・・・我となのか、この男との決着なのか・・・それとも、仇討ちのためか?」
瞬とは思えない位冷静に語りかける【世界】。いや、もう瞬ではない・・・面影を残すのは、顔と声ぐらいだ。
思えば・・・ずっと前からあった因縁。佳織を巡っての対立。それは・・・もう無くなっている気がする。
こいつが・・・【世界】になる前のこいつが、ハリオンを殺したことも、今はどうでもよかった。
今は、この世界を救って・・・生き延びたくて、こうしてエターナルになって戦いに身を投じている。
ハリオンの願いを叶えること・・・それが、今の悠人とヘリオンにできることだからだ。
「ふん・・・まあ、そんなことはどうでもいい。どうあっても、貴様らは我と戦う、そうだろう?」
「そう・・・です!この世界を、消滅させるわけにはいかないんですからっ!」
「そうか、ならば力でかかってくるのだな。もっとも、消滅するのは貴様らだがな!!」
爆発するようなオーラフォトンが、シュンの足元から立ち上り、背に浮かぶ六本の剣を翼のように広げた。
それに応えるように悠人とヘリオンもオーラフォトンとハイロゥを展開、ずっと後ろにいる仲間たちも力を解放する。
「みんな・・・行くぞおおおぉぉおっ!!」
世界の命運を掛けた最後の戦いが、今ここに始まった─────
「うおおおおぉぉおっ!!」
悠人はいきり立って、シュンにオーラフォトンを叩きつける。
だが、【世界】の障壁はかなり厚く、生半可な力では突き破ることすらできない。
「ふん、この程度か」
「くっ!」
シュンは完全に右手と同化した【世界】で悠人と切り払い、弾き飛ばす。
・・・防御力だけではない。そのオーラフォトンは純粋に力をも飛躍的に強化していた。
「みんな、行くわよっ!」
遥か後方のセリアが、号令を発する。
それとともに、ウイングハイロゥを展開したスピリットたちが一斉に飛び込もうとした。
「雑魚が・・・邪魔をするな!」
「む・・・速いッ!!」
シュンは翼のような剣を飛ばし、スピリットたちを迎撃する。
その速さは、アセリアやウルカでさえやっと目で追えるほどのもの。
まるで生き物のように素早く動き、その動きの一つ一つが攻撃になっているせいか、足止めされてしまった。
「せめて援護だけでも・・・だから、集中砲火をかけます!」
エスペリアを筆頭に、オルファ、ヒミカ、ナナルゥ、そしてニムントールが並ぶ。
一斉に神剣魔法の詠唱をし、遠距離から攻撃魔法で叩こうとする。
「エレメンタルブラストッ!!」
「アポカリプスッ!!」
「ライトニングファイアッ!!」
広範囲にわたる緑マナの爆発と、雷炎がシュンを包み込む。
「ぐぅ・・・ッ!」
僅かに、シュンがその強力な神剣魔法の威力に対し仰け反った。
その隙を見計らうかのように、オーラフォトンを全力で展開した今日子と光陰が突進をかける。
「よし、この間に一気に行くぞ、今日子!」
「あんたに言われなくても分かってるわよ!このバカを【世界】から開放してやるんだから!」
「貴様ら・・・第二位に敵うと思っているのかぁっ!!」
【因果】と【空虚】の刃がシュンに届くかと思われたその瞬間、シュンの足元のオーラフォトンが衝撃を放つ。
シュンに攻撃が届かないまま、今日子と光陰は大きく吹き飛ばされてしまった。
「だったら・・・第三位ならどうでしょうか?」
「私たちの攻撃を・・・想いを受けて、無事でいられると思わないでくださいっ!!」
続けて、神速を尊ぶヘリオンと時深が全力で加速をかけて突っ込み、さらに悠人が追撃をかける。
「瞬・・・覚悟しろおおおぉぉおっ!!」
三人のエターナルの連撃を続けざまに受け、【世界】の障壁は少しずつではあるが削れて行く。
明らかに差のある物量の嵐。その勢いに、シュンの痺れは切らされていった。
「く・・・うぅっ!貴様ら・・・手加減していればいい気になりやがってええぇっ!!」
バキイイィィイン・・・
【世界】の障壁が弾け、その衝撃で三人が弾き飛ばされる。
それと同時に、シュンの全身に強烈な殺気を含んだマナがものすごい勢いで集まっていった。
「(あ、あれは・・・!?)」
『まずいぞ!ユウトよ、早く奴を止めるのだ!!』
「く、くそおおぉっ!!」
「ゆ、ユート様っ!駄目ですっ!ま、間に合いません!!」
「貴様ら・・・まとめて砕け散るがいい!!オーラフォトン、ブレイクッ!!」
再生の剣のある空間をすべて包み込むほどの巨大なオーラフォトンの爆発。
その力強さは、並のスピリットなどは触れるだけで簡単にマナの霧にしてしまうほど強かった。
「うわああああぁあぁぁっ!!」
「きゃあああぁぁっ!!」
文字通り、まとめて吹き飛ばされた悠人や、スピリットたち。
幸い、誰も致命傷には至っていないようだが・・・それでも、傷は決して浅くは無かった。
今年の目標は支援オブザイヤー
「うぅ・・・ね、ネリー・・・痛い、いたいよぅ・・・」
「シアー、大丈夫・・・?まだ、ネリーたちは負けるわけにはいかないんだから・・・諦めないで・・・!」
「ニム・・・まだ、生きてますか?」
「くっ・・・!こんなので、負けられない!このムカつくエターナルなんか・・・!!」
「被害、甚大。これ以上の戦闘続行は危険です」
「そうね・・・だけど、ここで膝を折ったらハリオンに笑われちゃうわ。こいつをやっつけるわよ!」
体中がボロボロに、傷だらけになっても、その闘志を絶やすことの無いスピリットたち。
「へっ・・・前よりも強いじゃねえか・・・秋月よ!」
「ったく、神剣に飲まれてるからに、こんなになっちゃって・・・ホント、馬鹿なんだから!」
変わり果てた知り合いを開放してあげたい。その想いを胸に闘志を燃やすエトランジェ。
たとえ圧倒的な力の差があっても、自らの志のために決して諦めない心。
・・・それは、第二位の剣を持つエターナルといえども簡単に打ち破れるものではない。
「チイッ・・・広すぎた、か。誰も死なないとはな・・・」
「瞬・・・それは違う」
吹き飛ばされた悠人はゆらりと立ち上がり、オーラフォトンを強めながらシュンを睨み付ける。
「俺たちには・・・意思があるんだ。たった一つの、叶えたい想いがな・・・!」
「その意思のために死なないだと!?・・・馬鹿な。貴様らはともかく、妖精どもまで・・・!」
その言葉に、悠人の横からすっと立ち上がったヘリオンが、シュンを諭すように語りかける。
「想いを、馬鹿にしちゃだめです。想いがあるから、力は出せるものなんです。
かつてのあなたが、カオリ様に想いを寄せていたように・・・みんな、その想いのために戦っているんです!」
「カオリ・・・佳織!?ぐ、ぐううぅう・・・うあああぁああ!!」
『カオリ』という名前を聞いたとたん、シュンは頭を抱え、暴走するかのように苦しみだす。
それは、エターナルになっても、【世界】に取り込まれても、まだ僅かに瞬という存在がいることを意味していた。
「・・・! 瞬!?」
へC_Cへ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z <シエンマン参上!
くく
「悠人・・・ゆうとおぉ・・・は、はやく・・・僕を、殺してくれ!」
「瞬!!まだ生きてたのか!ならまだ間に合う、【世界】の呪縛を解き放つんだ!!」
「ぐ・・・もう、無理だ・・・だから、僕がこいつを押さえている間に、はやく・・・僕を殺すんだ!!」
「そんな!瞬・・・俺は・・・!」
「この世界を救うんだろう!?・・・それとも、さっきそいつが言っていたことは、お前には無いのか、悠人!!」
その言葉に、悠人はちらり、とヘリオンを見る。
・・・ヘリオンは、悠人に向かって真っ直ぐにその視線を向けていた・・・覚悟を決めてください、と・・・
悠人はその想いを受け取って、悠人は瞬に向き直り、全力でオーラフォトンを展開する。
「そうだ、それでいいんだ・・・悠人、この疫病神め・・・か、佳織を助けてくれて、あ、あり、が・・・!!」
「・・・ッ!!」
瞬の体が弓なりに張り上がり、言葉が途切れた。完全に【世界】に支配されてしまった。
・・・もう、何度もそう考えていた。でも、これで未練がなくなってしまった。
目の前にいるのは、瞬ではない。悠人たちの、この世界に生きるすべてのものたちの敵。
「ぐ、ううう・・・こいつめ、一瞬とはいえ、我を押しのけるとは・・・だが、もう完全に消滅した・・・!」
「【世界】・・・お前はもう許さない。みんなのために、瞬のために・・・俺は、お前を倒すッ!!」
悠人の全身から立ち上るオーラフォトンが、【聖賢】の刀身に集まっていく。
その意思に、目の前の敵を倒して想いを果たすことに・・・何の迷いも無かった。
「黙れ・・・黙れえええぇぇえっ!」
力をため続ける悠人に、シュンは右手の神剣にオーラを集中させ、いきり立って斬りかかる。
「ユート様の邪魔は・・・させませんから!」
悠人の横を通り抜ける一陣の風と共に、ヘリオンがシュンの力の篭った攻撃を目の前で受け流す。
剣の翼を伴った流れるような攻撃は、ヘリオンと【純真】の前では完全に見切られていた。
「く・・・この、小娘がああぁあっ!!」
「ヘリオン!・・・もう、いい。離れるんだ!」
悠人のその言葉に、ヘリオンは全力でその場から離脱する。
【聖賢】に全力の込め終えた悠人。シュンは・・・【世界】は、背筋に寒気のようなものを走るのを感じた。
「【聖賢】・・・アイツを、瞬を・・・楽にしてやってくれっ!!・・・うおおおぉあぁあああぁあ!!」
ズドオオオオォオォォォオォン・・・!
聖なるオーラフォトン、想いを希望に繋ぐその力が、文字通り全力でシュンに叩きつけられる。
その空間に響き渡った、爆発音、床が砕けるようなびしびしという音・・・そして、断末魔。
「が、ふ・・・そ、そんな馬鹿な・・・そんな、あ、が・・・う、ぐぅあああああぁぁあぁぁ・・・!!」
【聖賢】からの爆発のオーラが晴れると共に、シュンが・・・【世界】が、マナの霧となって消えていく。
そんな瞬に・・・悠人は、一言、こう言った。
「お前だって、佳織を殺したかったわけじゃないだろ・・・?瞬・・・」
その問いに、答える声は無かった。だが、悠人には、瞬が何て答えるのか、なんとなく判った気がする。
自分なりの正義、自分だけの想いで、佳織を守りたかった。
ただ、悠人と瞬では・・・それが擦れ違ってしまった。だから、戦いが起こったのかもしれない。
「俺が、疫病神、か・・・認めたくないけど、そうかもしれないな・・・」
達成感に包まれたような、哀しみに包まれたような・・・そんな悠人に、仲間たちが駆け寄ってくる。
「ユート様っ!やりました・・・やりましたね!」
いの一番に、飛びつくように駆け寄るヘリオン。その顔は、安心の一色に染まっていた。
「これで・・・これで、この世界は救われるんですよね!私も、ユート様も、生き残ることが・・・」
「はは、ヘリオン・・・少し落ち着けって」
嬉しさのあまりか、考えたことがそのまま口に出てくるヘリオンを、悠人はなだめるように落ち着かせる。
だが、嬉しいのは悠人も同じだった。ヘリオンと一緒に生き延びられた。
ハリオンの遺志を、願いを、遂げることができた・・・その想いで、心がいっぱいになっていた・・・
「悠人さん、上を・・・」
時深に促され、悠人とヘリオン、スピリット隊の仲間たちは上を見上げる。
そこでは、スピリットの母、再生の剣が崩れるように砕け散っていた。
その欠片は、この空間の中心にある穴に吸い込まれるように落ちていく・・・
悠人たちは、再生の剣が砕け散るそのさまを、最後の一欠片が無くなるまで、ずっと見つめていた。
「(これで・・・もう、スピリットが生まれることも無いのか。今生きているのが、最後のスピリットなんだな・・・)」
「ゆ、ユート様っ!」
驚くように声を張り上げるヘリオンに、悠人は哀しい考えを振り払う。
目の前では、再生の剣が落ちていった穴から、マナ蛍のような光の球体が、立ち上っていた。
「こ、これは・・・!?」
「なんとなくわかります・・・多分、今まで死んでいった、生まれようとしていたスピリットたちの心・・・」
ふわり、ふわりと、魂のように浮かんでいく。
ヘリオンは、その魂の一つ一つを、注意深く見つめていた。・・・決して、見逃さないように。
「・・・あ、いました!」
ヘリオンはぱっと両手を伸ばし、まるで小さな虫を捕まえるように、魂の一つをその小さな手で包み込む。
とても懐かしいような、あたたかい、憶えのあるカタチの心を。
「ヘリオン・・・それって、もしかして・・・」
「はい・・・これ、ハリオンさんの心です。やっぱり、再生の剣に還っていたんです」
もう離したくないと、ヘリオンの眼はそう言っているようにも見えた。
指の間から漏れるあたたかい心の光。
それを見つめるヘリオンは・・・安心しているような、悲しんでいるような・・・複雑な顔をしていた。
「ヘリオン・・・ハリオンを旅立たせてやろうな。無事に、ハイペリアに行けるように・・・」
「はい・・・ユート様。・・・さようなら、ハリオン・・・さん」
ヘリオンは手の中にあるハリオンの心にそう呼びかけるように呟くと、静かに手をあけ、心を飛び立たせる。
ハリオンの心は、他のスピリットたちの心の中に混ざると、ハイペリアに向けて、天に昇っていった・・・
『ヘリオン、ユート様・・・ありがとうございます〜・・・』
「さあ、みんな・・・ラキオスに帰ろう!」
悠人が振り返ってそう言うと、スピリットたちは一斉に笑顔を見せて、おーっ、と声を上げる。
ぎゅっ。
悠人の手をあたたかく包みこむ小さな感触。
ヘリオンが、まるで甘えるようにように悠人の手をしっかりと握っていた。
二人とも、何も言わなかった。なぜなら、二人が何を考えているのか、お互いにわかっていたから。
お互いの想いを・・・愛を知るのに、百の言葉は要らない。
好きな人が傍にいて、ただ、一途な心があれば・・・それでいい。
誰かを好きになるのに、理由なんて要らないから。同じカタチの心があれば、分かり合えるから────
ん〜、支援
以上です。
長いこと支援してくださった方々、どうもありがとうございました。
次回でラストになります。
やっぱり戦闘シーンは苦手だ・・・orz
エタ戦、適当すぎたかな?・・・と、書き込んだ後から感じてしまったり。
でわ。
誤字脱字、ハリオンマジックなど、指摘がありましたらお願いします。
長々とお疲れ様でした〜
ハリオン復活を期待してたんですけど、それとは違っていましたがとても面白かったです。
にしてもこれでへリオンエンドの長編は『希望』『飛翔』に続いて3作目かな?
人気高すぎだよヘリオン。
戦闘シーンは難しいものですね。
俺も書くのが苦手ですが、頭の中に思い浮かんだキャラの動きをできるだけわかりやすく
スピード感がある戦闘ならその描写を、重い戦闘ならその重さを書けるように心がけてますが
まぁ、俺の技量じゃ無理っす( ´∀`)
大人しくネタSSでも書いときますわ
235 :
信頼の人:2006/01/18(水) 22:04:07 ID:xwVIaZfq0
長編連続投稿、乙です。というか割り込み、すみませんでしたorz
ずっとサントラ聴きっ放しで読み耽ってました。
どうしてもシリアスに傾きがちな所に軽い笑いが混ざっていて、ストレス無く読み進めますね。
難しい場面だったと思いますが、今までの伏線含め、ヘリオンの心の動きがすんなり入ってきて、
たまに肉声が(悠人もヘリオンも)耳に飛び込んでくるような錯覚すら覚えました。
>>―後編―
ええと、途中、『大樹』+『失望』=『大望』とか予想していた事を自爆しますorz
それにしても、まさか造ってしまうとわ>第三位
悠人は運が良いと言いましたが、ヘリオン、頭良いなぁ。
『純真』という名前がぴったりくるのは、きっと『大樹』が含まれてるから。
声の主、実は違う名前なのに融合した時ふと出てきたのかも、とか少し斜め上の予想でしょうか。
光陰、地味にかっこいい。いやむしろ風呂悠人がヘタれなのか。
セリアさん、鋭すぎw というか、なるほどなぁ。確かに服でばれますよね、そりゃw
>一緒にいるのと、ついていくのは、ちがうよ
ここ、今回一番痺れました。
>>─Final Battle─
悠人と時深、戦いの最中になに鬼ごっこでじゃれてんだ、と苦笑。
ミト姉……活き活きと描かれていたのにカワイソスw 逆鱗にはむやみに触らないほうがいいでしょう。
ントゥタン……ヘリオンにまで目玉扱いw
というか3エタ、シリアスな筈の戦いを微笑ましく読んでしまうのは何故でしょうw 書き手の愛情の片鱗を見た気が(ぇ
タキオス……一人だけ「ユウト」と呼んでいるのに注目。彼らしい重厚さ。
対コアラさま……届いたハリオンの声、『純真』からなのでしょうか、それとも『再生』に籠められたマナからなのでしょうか。
圧倒的な、『世界』との戦い。それぞれが(瞬も)死力を尽くす展開に、手に汗握りつつ。余韻にほっと浸ったり。
ところで写真が凄く気になります……次回が楽しみw
長編乙です
>>222 × 二の舞を踏む
○ 二の舞を演じる
長編投稿お疲れさまでした。
うはぁ、ファンタズマゴリアに帰還するときに写真を置いていったのはこの為でしたか。
すっかりテーブルの上のままでしたから、
あの時には「え、忘れ物は無いの?」とまで思ってしまってました。
記憶の途絶えた写し絵に残るものは何なのか、ラストシーンを楽しみにしています。
Eヘリオン、元ラキオススピ発覚イベントで意識せず目が潤みました。
解かれた縁がもう一度結ばれたこと、それから意識の盲点を突かれたことがヒットしたようですw
先読みにならないように言うのが難しいのですが、これってもう一度のお別れを考えるとよりキますね……
最終、ハリオンの言葉、口調で『らしいなぁ』とは思いながらも、
超ゆったりマイペースに何故か噴き出してしまったことをお詫びしつつ、
次回をお待ちしております。
そういやいつのまにかスピたんの会員限定特典用にお便り募集してるね。
勇気あるものたちよおまいらの名前を雑魚スピに呼んで貰えるチャンスだぞ。
>>233 乙彼さま〜
次回でラストですか。がんがって下さいましね。
遠足じゃないけど終わるまでが。
>>236 あるいは、「踏む」に合わせるなら「轍を踏む」もありだね。
と、定型は定型として、模索・創作としての意図があれば
「二の舞を踏む」もありかもね。舞踏って言葉もあるし。
>233
う〜むモルテン。じゃなくて盲点。そうか服か。たしかに第一詰所の連中なら問題ないけど、第二の場合こうなるわね。
ただ時深さんベラベラ喋りすぎw
『純真』の中の人って一体?
ハリオン、のぼっていったねぇ……いつかまた、この大地に産まれる事を。
おっと忘れてた。
>234
「ヘリオン。こんどは握手会なんてどうでしょう。わたくしと二人っきりで延々と。ウフフフフフ」
「わたしが悪いんですかぁ〜〜(泣)」
(意味分からんかったらスマソ)
>>234さん
ハリオン復活・・・確かにそっちの方面もありかな、と思ってました。
ただ、復活させるためにどうすればいいか、ってのが思いつかないんです(汗
エタ化による歴史の改竄とかも結構難しそうですし・・・矛盾が生じたらまずいかな、と。
まあとりあえず、PS2版人気投票一位は伊達じゃないと(何
>>235さん
そこまで楽しんでいただけたとは光栄です。
光陰は、以前二度もカワイソスな目にあっているので、今回はカコイイ役どころで。
まあ・・・あとは、妙なジンクスが生まれないことを祈るばかり(滝汗
>>237さん
うを。もうちょいと写真に関することを書いておくべきだったか(反省
意識して書いた見せ場で感動してくれる人がいるのは嬉しい限りです。
お楽しみに〜
>>239さん
遠足・・・いやむしろ遠征に近い感じを憶える今日この頃。
ラストまで気を抜かずに頑張らせていただきます。
>>240さん
【純真】の中の人は・・・いや、みなまで言うまいて。
まあ、次回をお楽しみに。
長編乙です〜
神剣合体(融合?)は予想外でした
で、中の人が気になる…
「求め」は男性、「大樹」と「失望」は…?
まあ、無粋なので突っ込まないでおきましょう^_^;
…SS書きてぇ〜
けど、今月は多忙確定な無名でしたorz
書き方をミスったので修正〜
×:で、中の人が気になる
○:で、今更ながら、セリフの無かった神剣の中の人の性別が気になる
ちょっと前に『大樹』が『求め』を神剣の世界の中でパヤパヤしようとするSSがあったので
俺は『大樹』は女だと思ってます。
しかもハリオンによく似た性格、体格(神剣の中ではいいスタイル)の。
なんとなくだけど『失望』は活発な少年のイメージがあったりする。
>>242くじらさん、お疲れ様です。
しばらく見てなかったら、なんかえらい事になってると驚き。
今回も、とても面白かったです。
なんとなく、ユートがやっと自分の弱さをヘリオンに見せれたなぁって気がします。
好きな子だからこそ、カッコよく強くあり続けてもいい。
だけど、相手のほうはたまには弱さも見せて欲しい、もっと自分を信じて欲しい。
これから二人は、コツコツと時間をかけて互いの気持ちを育てていくんでしょうか。
恋愛ってやっぱり、ゲームみたいに告白がゴールじゃなくていつだって全てがはじまりだから。
>>245おにぎりの中身の人さん
私も、保管庫にある過去のSSの影響で同じようなイメージがあります。
目が覚めたら、まだ真っ暗だった。
それでも、上半身だけ起して窓のカーテンを少しめくってみる。
窓の向こうでは、星空がだんだんと白くなっていった。
ずっと長く見ていたのかな、日が昇り始めるまでその様子を見ていた。
すぐ横からは、ネリーの寝息と寝言が聞こえる。
「シアー…それ…ちょうだい、ムニャ…すぴー…」
そんな平和な、自分の双子のお姉ちゃんの様子に思わず笑みがこぼれる。
本当の双子じゃないのは、お互いにわかってる。
だけど…シアーたちだって何かが欲しい。
ずっと信じていける、不確かだけれど暖かい何かが。
こんな、終わりの見えない戦争で自分も誰かも…いつ死ぬかわからない時代だから。
カーテンから少し漏れる、まだ弱い朝の陽射しに部屋が少し照らされる。
まだ薄暗いけど、ネリーの寝顔がだんだん見えてくる。
昼間は活発だけれど、寝顔だけは何処かのお姫様みたいだね…ネリーお姉ちゃん。
ポニーテールを解いた長い青い髪が、余計に昼間と全然違うように見せる。
そのネリーの髪を、起さないようにそうっと撫ぜてみる。
いつも思うんだけど、ネリーって毛並みがいいし綺麗なんだよね。
毛並みがいいとか言うと、まるで小動物か何かみたいだけれど。
ネリー自身は気がついてないみたいけど、シアーは誰のよりもネリーの髪が綺麗だと思う。
動き辛いとか言って、ポニーテールで隠してしまってるけどね。
そうしてしばらく、ネリーの髪を撫ぜたり指をくしみたいにしてすいたりしてたら。
きゅっ、とネリーがシアーの身体に両手をまわして抱きついてきた。
シアーは上半身を起してて、ネリーは真横で寝てる状態だから腰に抱きつくカタチ。
ネリーったら、寝顔が幸せそうに笑ってる。
大好きなネリーの髪を撫ぜながらも、ネリーの抱きつく暖かさがここちよくて。
ふと、ネリーと目があう。
なあんだ、ネリー起きてるじゃない…。
そう言おうとしたら、またネリーは目をきゅっとつむって更に抱きついてくる。
しょうがないなぁ、とくすりと笑いながらネリーの髪をくすぐる。
ぷっ☆
不必要なまでに可愛らしい音で、もともと静かだった部屋に、更に沈黙が走る。
さっきまでのは暖かい静けさだったけど、今の静けさはなんかイヤな静けさ。
そうっと、掛け布団をめくろうとすると…ネリーが腕を掴んで止めようとする。
でも、シアー自慢の年少組一の腕力で強引にそのままめくってみる。
くさッ!
このくささは、あきらかにオナラのくささ!
鼻をつまんで、掛け布団をばたばたとめくって臭いを追い出す。
「ネリーって時々こうなんだから、まったく〜!」
そう文句を言うと、恥ずかしさで真っ赤だったネリーの顔がムッとなる。
口をとがらせたネリーに、両頬を両手でぐにーっと引っ張られる。
「シアーだって寝てる最中にオナラしたりするじゃないっ!ネリーのよりくさいしっ!」
あんだとこんにゃろう、そう来るならシアーだってやり返すんだからっ。
そっちがほっぺなら、こっちは鼻に指をつっこんでやるんだから!
「ネリーなんか、寝相が悪くて時々シアーに頭突きしたりするじゃないっ!」
首を左右にふって、パワーでネリーの細い手を両頬から引き剥がして言い返す。
こっちもムッとしてるので、いつもより自分の口調がとがってる。
ネリーは何か言おうとしてるけど、鼻の穴二つとも指を突っ込まれてるので出来ない。
シアーの勝利、と思ったらイキナリ両腕で胸を掴まれる。
って、なんかヘンな事してるーっ!?
慌ててネリーの鼻から指を抜いて、妖しい触り方を繰り返す両腕を払って自分の胸を隠す。
「腕力とパワーじゃ確かに勝てないけど、器用さとテクニックならネリーの勝ちぃ♪」
ベッドの上にあぐらかいて腕組みするネリーに、真っ赤になりながら涙目で文句を言う。
「ネリーそれ、器用さでもテクニックでもないっ絶対に〜!」
そうしてきゃいきゃい言ったり、じゃれたりしてたら…。
「…朝っぱらから、何を騒いでるの」
その一言で、寸分たがわず同時に二人とも動きが止まる。
シアーもネリーも、この世でもっとも恐れる人物の絶対零度の声。
二人同時にごくりと唾を飲み込み、油のきれた人形の関節みたいにギギギと振り向く。
やっぱり、セリアがいた。
顔は微笑んでるけど、目が笑ってないし口を引きつらせてるし額に青スジ浮かんでるしっ!
「二人とも、ベッドから降りて横に整列しなさい。…今すぐ」
慌ててベッドから二人絡まりながら降りて、セリアの言うとおりにする。
「よろしい、じゃあ私と一緒に正座。それから、食事の時間までお話しましょう」
床に直に正座するのは痛いよう、お説教も長いよう〜。
セリアも直に正座してるのに何で平気なの、どうして小言のネタがいつも尽きないの〜。
それからしばらくたって、訓練場でネリーと一緒に一休みしてた時。
オルファから聞いたんだけど、ユート様とコウイン様も似たような目にあってたそう。
ユート様とコウイン様の相手は、エスペリアお姉ちゃんなんだけれど。
そういえば…コウイン様、時々ユート様の部屋によく遊びに行くんだよね。
それでそのまま夜中過ぎまで「オトコタチノダンギ」とやらで盛り上がるらしい。
寝ないで今朝まで盛り上がってたら、盛り上がりすぎて暴れて第一詰め所を破壊して。
…龍のオーラをまとったエスペリアお姉ちゃんに、えらい目にあわされたそう。
それで今、エスペリアお姉ちゃんの監視下で破壊した箇所の修理をしてるという事だった。
こんな、終わりの見えない戦争で自分も誰かも…いつ死ぬかわからない時代だけど。
それでもせめて、願ってもいいよね…?
生きたい…って。
ども、本日の短編はここまでです。
シアーを書くというのもだけれど短編を書くの自体、ひさしぶりです。
ギャグっぽい題名にみあわない内容になったかなぁと思わなくもなかったり。
では、また次にシアー長編の続きか誰かの短編にて。
シアーさん……最後そんな綺麗に纏められても説得力が(汗
でも楽しそうですな。特に説教してるセリアがw
ナナルゥとヘリオンも仲が良いらしいし、同じような朝のどたばたで駆け回るセリアさんとか。
>ユート様とコウイン様の相手は、エスペリアお姉ちゃんなんだけれど。
この瞬間、三人がベッドの上でじゃれ合うシーンが何故か脳裏に浮かんでしまった。
第一詰所が壊滅した為、その夜ソゥ・ユート以下スピリット隊は全員第二詰所で就寝する事となった。
しかしスペースには限界があり、明らかな定員オーバーに。
結局光陰の提案でまるで修学旅行のように布団なるものを応接間に敷き詰めるが、
「修復に一体幾らかかると思ってるの?」
そろばんを弾きながらこめかみに青筋を浮かべたレスティーナの指示によって
何故か第二詰所のメンバーも連帯責任という形でそれに付き合う事になってしまう。
狂喜する光陰。突っ込みを入れつつもお祭り騒ぎは嫌いではない今日子。
戸惑いながらもちゃっかり競争率の低い光陰の隣をキープするクォーリン。
そして怒涛のようなユート様の隣ポジション争い。飛びまくる雑談と寝巻きと枕。
= 週末misson 2 =
〜雑魚スピ達の雑魚寝を何事も無く完遂せよ〜
【挑戦者乱入!】
レムリア「しょうがないからぁ、ユート君の隣は私が寝てあげるね♪」
【新たなス○ンド使いかッ!】
ヨーティア「はっはっは、楽しそうじゃないかボンクラ。ほら酒も持ってきたぞ」
イオ「こんばんは、皆さん。申し訳ありませんがヨーティア様と共にお邪魔しますね」
【 NEW ENEMY!】
時深「悠人さん、こんばんは。隣が寂しいという事ですのでお招きに預かりました(当然ウソ)」
【ボーナスキャラクター出現】
ソーマ「こんばんは、勇者殿。雑魚スピと雑魚寝ですか…いいですねぇクックック」
【謎のバージョンアップにより新キャラクターが追加されました】
ロティ「えっと、こんばんは…ロティ・エイブリスです。ミュラー先生の代理で来ました」
エスペリア「報告は以上です。…さあユート様、恥ずかしがらず堂々とこの私をお側にッ!」
>>252-253 何事もなく完遂するにはソーマとロティを隣にするしか!?
光陰の隣りはクォーリンと今日子で埋まってるし!
さて、午後7時を過ぎ未だぼたん雪已まないここラキオスの第二詰所から多次元神剣放送でお送りします。
先ほどまで続いた能天気にも繰り広げていた醜いポジション争いもようやく収束に向かい、
というかエトランジェの周辺にまるで洟が、いえ花が咲いたように放射状に枕を並べる妖精達ですが、
それぞれの距離は互いを牽制するというか、微妙に離されております。
一部黒と緑の妙に仲良しそうな二人が炬燵を囲んでいますが、黒の方がはらはらとそちらを伺い、
その都度緑に何かを言われてがっくりと項垂れたりしていますが。
一方この国では見た事の無い人間も数人混じっており、その周辺にもこれまた見た事の無い妖精がいたりします。
緑の方はどうやら砂漠から来たらしく、妙な長い一枚布の寝具の裾を微妙に脱だけて何だか誘惑しているような格好ですが、
どうやら誘惑されている方にその自覚はないらしく、人間の女がそれに気づいて盛大な溜息を付くのを不思議そうに見てます。
他にも灰色の髪をした人間が変な猫耳の少女に迫られ、後退した所に我が国の科学者の尻があったりして、
あ、不幸にも彼女は酔っているようですね、完全に絡まれました。彼女は酒癖が悪いので、これはもうご愁傷様でしょう。
ご愁傷様といえば一人の緑が変な人間に杖でつつかれつつ何かを囁かれてイヤイヤをしていますがまぁいいか。
部屋の奥では早くも枕が飛び交っています。何が楽しいのか、ウイングハイロゥ全開にした青と、
スフィアハイロゥ全開の赤がマナを籠めて全力で打ち合うので速過ぎて正直枕なのか微妙に判らないのですが。
さて、肝心の我が国のエトランジェは……ああ、やたらと色気のある緑と赤に迫られてますね。不謹慎この上ありません。
嫌がっているふりだけはしてますが、それもどこまで続くのやら。あ、砂漠のエトランジェが何か言いました。
ええと、『ここはお約束、じゃんけんで負けた順番に初恋エピソードを告白する大会だ!』。おお。
おっと時間が来たようです。続きが気になりますが、ここはひとまず次の方へバトンタッチといきましょう。
それでは皆さん御機嫌よう。ナレーターはいつものルーグゥ・ダィ・ラキオスでお送りしました。
あう、
×:先ほどまで続いた能天気にも繰り広げていた
○:先ほどまで能天気に繰り広げられていた orz
>>緑の方はどうやら砂漠から来たらしく、妙な長い一枚布の寝具の裾を
>>微妙に脱だけて何だか誘惑しているような格好ですが、
>>どうやら誘惑されている方にその自覚はないらしく、
>>人間の女がそれに気づいて盛大な溜息を付くのを不思議そうに見てます。
負けるな、クォーリン…ガンガレ。
>>他にも灰色の髪をした人間が変な猫耳の少女に迫られ
いつの間に来たんか、ツェナ。…【紡ぎ】タンもいるのか、もしかして?
>>部屋の奥では早くも枕が飛び交っています。
>>何が楽しいのか、ウイングハイロゥ全開にした青と、スフィアハイロゥ全開の赤が
>>マナを籠めて全力で打ち合うので速過ぎて正直枕なのか微妙に判らないのですが。
…ネリーとオルファだと見たが、セリアさんは何してるんですか。
シアーは太平楽な寝顔ですーぴーすーぴー何事も無いかのように熟睡してそうだなー。
さて、この状況を黙ってみている佳織と小鳥だとは思えないがどうなのだろうか?
それに、この様子だとコアラ様ご一行も当たり前のように紛れ込んでるような気もするんだが。
それぞれがどんな寝巻きを着ているのかも気になるところ
>>259 薄っすらと透けてしまっているのに普段は同性しかいないから気にも留めずに着て悠人の前に出、
その反応からようやく気づき、真っ赤になって逆ギレするセリアさん。
寝ぼけてパジャマのままエプロンしてお料理中のハリオン。
夜着用マスクを付けてるファー。
ヒミカはアイマスク愛用w
>238
ヒロイン関係はボツなんだろうねw
「ヘリオンさんは失望が九位だという事に引け目を感じませんでしたか」 辺りならOKかな。
剛田の新規CGにハリオン&ヒミカのエプロン姿ならあったけどね。
さらにヒミカ、ヘリオン、ミュラーにそういうシーンの新規CGが。
そしてセリアさんの新規CGはまたまたえちぃシーンにあらず。ナズェダ!? 。・゚・(ノД`)・゚・。
セリア単品の新作の為にCGはありません・・・・・・・だったらどんなにいい事か
エンディングに出られなかったから拗ねちゃったんだよ。
エンディングにいないのは美容院行ってたからだろ?
だからスピたんのあれは生き別れの双子の姉だと何度言べばゔわぁぁぁぁんちくしょぉぉぉ
いやそのままえち無しの方向で。
だってロティなんかにセリアはやれん。
いや本当、他は食ってもいいからセリアだけは許して
だが真面目な話それはあるまい。
ありえんことは祈るよりは、
覚悟を決める方がナンボかマシな気がするが?
もしくは完全に現実逃避して無かったことにするか。
ロティが主人公として最終的にイイキャラになってくれればいいんだがな
スピたんの正史ってツェナだよな?ヘリオンとかだったらツェナ登場させた意味ないよな
アセリアのメインキャラでてこないかな…
たしかに・・・ロティがいいキャラか否かで評価が変わるね。
スピの正史はデモを見るとヘリオンになりそうな気がしなくも無いw
なんかツェナより目立ってるし。
個人的には雑魚スピは必要以上に目立っちゃ駄目だと思うんだが・・・
まぁ雑魚スピが本格的にヒロイン化して欲しい人もいるだろうから
そこらへんは微妙なとこかな。
大丈夫。例えそうなっても我々にはまだクォーリンがいる。
どちらの人にとってもウマーな展開ではないか。…………多分。
「ふぁぁ〜……」
まだ空が薄暗い紫色に染まっている頃。
ハリオンの日常は、まだ周囲の寝静まった早朝から始まる。
「……朝、ですねぇ〜」
寝惚け眼をぽやぽやとしょぼつかせつつ起き上がり、胸を逸らしてうーんと大きく伸びを
ぷちぷちぷちっ!
「……あらぁ〜?」
拍子に、何か耐え切れずに弾け飛ぶような音。
いつもの事だが、すぐ忘れてしまう。直すのだって結構手間なのに。
「また、やってしまいましたぁ〜」
寝巻きの前を大きくはだけたまま、ちらばったボタンと
たゆんたゆん揺れている豊満な胸を困ったように見下ろすハリオンだった。
ことことことこと…………
充分に煮込んだ大鍋から美味しそうな湯気が立ちこめる。
おたまで掬い、軽く味見。いつもと変わらない味が口に広がり、
「これは絶品ですぅ〜」
自分で作ったものなのに、ハリオンは幸せそうな笑みを浮かべる。
「……あ、でもぅ、もう少しお塩さんを加えてみるのもいいですねぇ〜」
それでも更なる追究を怠らない。拘りが、ハリオンのハリオンたる所以だった。
≪いただきまーす!!≫
今日も明るい声が第二詰所に響き渡る。
「はい、いただきましょう〜」
「今日も美味しいです、ハリオンさんっ!」
「うふふ、ありがとうございますぅ〜」
「うん、栄養も豊富そうだし、訓練前に丁度良い軽さだし、相変わらずね」
「え〜そんなに褒めても何も出ませんよぉ〜」
いつもの賛辞に、身をくねらせながら喜ぶ。揺れる胸に腕が当たりフォークが持ちづらいが、
もちろんそんな事は気にも留めない。皆の嬉しそうな顔がハリオンにとっての朝食。
お腹一杯詰め込んで、もといお胸一杯詰め込んで、今日一日を乗り切る原動力とするのだ。
ひょい。もこっ。
「……あらぁ〜? ええとぉ、んしょ、ん〜?」
「どうしたの? ハリオン」
「ん〜、ネネの実さんが、潜り込んでしまいましたぁ〜。くすぐったいですぅ〜」
「…………」
一転して訪れる沈黙と冷ややかな空気。其々深刻な顔をして俯いてしまった一同をよそに、
ハリオンはくすぐったそうに激しく振動を繰り返す胸の谷間をごそごそと漁り続けていた。
相棒である『大樹』がひゅん、と空気を切り裂く。
普段からは想像もつかない速さだが、その重さも半端ではない。
たまたま触れた一本の枝が、蒸発するようにそこだけ削り取られて消え去る。
「凄いな。今度からハリオンも攻撃に参加してもらうか」
「あらあら、ユート様見てらしたんですかぁ〜? 恥ずかしいですぅ〜」
「恥ずかしいことなんてないよ。それより俺にも訓練をつけてくれないか?」
「え? ええっとぉ〜……」
いきなり声をかけられた上、思わぬ提案に一瞬戸惑うが、ふと妙案が思い浮かぶ。
少し小首を傾げた細い瞳が悪戯っぽい色を帯びるが、当然キングオブヘタレ様は気がつかない。
「ん〜そうですねぇ。ユート様、ちょっと『求め』さんを構えて下さりますかぁ〜」
「ああ、こうか? え、お、おい」
「じっとしていて下さいぃ〜。ここを、もう少し……」
「おおおっ! じゃなくて、胸が、胸がっ!」
「ん〜? 胸が、どうかしましたか〜?」
こうして弟のようなエトランジェをからかうのもいつも通りの光景だった。
自他共にみんなのお母さんと認める彼女の存在は、戦闘以外で負う所も大きい。
訓練後は、皆の身の回りのなんやかやを洗濯するという使命が待っている。
「ごしごしごしっと……ふふ、皆さんお綺麗ですよぉ〜」
誰かの戦闘服へと語りかけながら、鼻歌交じりで洗剤を擦り付ける。
真っ白な泡が二の腕やうなじや頬っぺたへと飛び散って、何やら背徳の香り漂う洗濯場。
無意識に汗を拭った額や鼻の頭にまで付いているが、当の本人はシャボン玉に夢中になっている。
「抑えて〜も、抑え切れな〜い、揺れるこの谷〜間〜わぁ〜……あららぁ?」
ふと、声がぴたりと止まる。手にしているのは某ブルースピリットの下着。
急に真剣な表情を浮かべ、暫く何かを考え込んだ後、
「――――さて、これでお終いですぅ。皆さんひなたぼっこのお時間ですよ〜」
一瞬にして普段のぽやぽやとした表情に戻り、物干し場へと向かうハリオンだった。
気分の良い日差しの中、はためく洗濯物に囲まれ、額の汗を拭う。
これからは、夕飯の仕込みまでの自由時間。ハリオンにとっては買出しを兼ねた趣味の時間。
「うふふ〜、楽しみですう〜」
今日は城下の街にあるお菓子屋『みどり亭』で新作発表のある日。一体どんなお菓子が出るのだろう。
うきうきと街に向かう足取りが弾む。ついでに胸も弾んで急ぐのに邪魔だが、やっぱり気にしない。
着いた店先には、行列が出来ていた。お構いなしに割り込む。
「あらあら〜、ごめんなさいぃ〜」
誰もが胸を張って堂々と歩くハリオンに触れると顔を赤くして道を譲る。
特に常連の男性陣にはもう見知っている者も多く、ハリオンの笑顔にだらしなく鼻の下を伸ばす者や、
連れの女性に袖を引っ張られて名残惜しそうに離れる者とそれぞれのドラマ。
「これとこれ、ええとぉ、これもくださいねぇ」
「へい、いつもありがとな嬢ちゃん。ほら、こいつはオマケだ」
「はい〜、ありがとうございますぅ〜」
異端視されている筈のスピリットに有り得べからざるなごやかな光景。
紙袋を抱えて去っていく彼女の後姿を、見送る視線は何故かいつも温かかった。
「どう、ハリオン」
「ん〜もう少し焼いた方が香ばしいかもしれませんね〜」
届いたばかりのお菓子を囲み、相棒のヒミカと恒例の研究会。
この時ばかりはハリオンの表情がきゅっと引き締まる。ある意味戦闘よりも真剣勝負なのだ。
「そうね、今度は生地に何か練り込んでみましょうか」
「ええと、この時期だと何がいいでしょう〜」
手を休めずに、あれこれと議論をする。時たまつまみ食いをしてヒミカに見つかり、怒られる。
きゃいきゃいと騒ぎ、結局お茶会に流れ込むのは普通の女の子と何も変わらない。
≪いただきまーす!!≫
朝と同じように繰り広げられる斉唱。その様子を眺めながら微笑むのがささやかな幸せ。
「……あら?」
ふと、向かいに座っていたセリアが不思議そうにスプーンを止める。
何か不味い所でもあったのだろうか。ハリオンは不安になって訊ねた。
「どうかしましたかぁ、セリアさん〜」
「あ、ううん。なんか私のだけ別メニューなのかな、って」
「ああそっちですかぁ〜、ええ、それはセリアさんだけの特別メニューなんですぅ〜」
「そっち……? まぁいいわ、美味しいし。で、どんな効果があるの?」
「ふふふ、知りたいですかぁ? それはぁ、セリアさんの戦闘力を高める薬草を使った新作なんですよぉ〜」
「へぇ……嬉しいわ。最近どうもスピードが乗らない時があったから。ありがとう、ハリオン」
「あー! いいないいなセリアだけー!」
「はいはい〜、ネリーにもそのうち作ってあげますね〜」
不満そうに頬を膨らませる年少組をやんわりと宥め、その場を収める。
そのうち、というのがいつなのかはっきりしないが、誰もそれに対して文句を言わない。
食後のお茶を用意しようと立ち上がったハリオンの重力に逆らった胸の動きとボリュームたっぷりのお尻。
そこに詰まった包容力に、毎回自分のスタイルについて考えさせられる一同だった。
支援必要?
湯船に浮かぶ丸い球体二つ。白く弾力のあるそれはぷかぷかと重さから開放されて気持ち良さそうに漂っている。
「あ〜、気持ちがいいですねぇ〜」
一日の疲れを癒す、入浴タイム。たっぷり張ったお湯が物凄い勢いで流れ出て、
ざざざ……と余韻を引いた静けさの中、様子を見ていたニムントールが羨ましそうに声を漏らす。
「はぁ……いいなぁ」
「まあ、ハリオンは特別ですから」
苦笑しながら慰めるのは覆面をつけたままのファーレーン。
彼女もスタイルは悪くないのだが、ハリオン相手だと部分部分で分が悪い。
「ふふふ〜、ニムントールさんはこれからですから〜……よいしょ、っと」
ざばあ。身体を洗うつもりで立ち上がったハリオンの透き通る背中に細かい水滴がきらきらと光る。
つつーと浮き上がった背骨を通り真っ白なお尻に流れ落ちるそれを見て、二人は一斉に溜息をついていた。
そして早めの就寝。朝が早いハリオンは、まだ宵の口でもぐっすりと寝息を立てている。
「んん〜ユートさまぁ〜……ふふ、可愛いですぅ〜」
呼吸のたびに波打つシーツ。解かれて散らばっている長い髪は湯上りの良い匂いをまだ漂わせ、
枕に埋めた半開きの口元からは時折零れる吐息。一体どんな夢を見ているのだろう、幸せそうな寝顔。
立てかけた『大樹』が淡く輝いている。窓を通して月明かりが注ぐ。
見守るのは、穏かな日常と机の上に置かれた一本の壜。
緑色の薬草が詰まったそのラベルには、ヨト語でこう書いてある。
『ハリオン特製胸ダイエット薬:大変危険なので自分では絶対試さないで下さいね〜♪』
――――こうして成長期のライバル達を次々と蹴落としていくのだろう。
確かに嘘は言っていない。戦闘において大きすぎる胸は邪魔以外の何物でもないのはよく知っている。
だが、私だけは騙されない。その微笑に隠された、おそるべき陰謀に。
「次の標的はエスペリアのようですが……難しいでしょう、彼女は自分で料理をしますから」
一人呟き、また明日も必要になるだろう裁縫道具を胸に仕舞い込みながら、私は天井裏を後にした。
おまけ。
「あら? 今日はナナルゥも特別メニューなの?」
「ええ〜最近ナナルゥさんも『消沈』のキレが悪いようですからぁ〜」
「……………………」
どっとはらい。
281 :
信頼の人:2006/01/23(月) 19:49:50 ID:mOjrhUIS0
支援、有難うございました。
えっと、最初に題名浮かんだ時はハリオンさん色々と小っちゃくなっちゃって大暴落だよ的なネタの筈だったんですが
どこで何がどうなったのやらorz
>>281 GJっす。
タイトルからてっきり粉飾疑惑が明らかになる恐るべきネタかと思ってましたがw
そうですか、ラキオスにひんぬーが多い(某王女含む)のはハリオンのせいでしたか。
ハリオンかわいいよハリオン。
ハリオンの乳に関するSS書いてる途中でめんどくさくなって放置して早半年。
俺のかなえられなかった野望を・・・ありがとうございましたっ!
>>281 つまり、こういうこと↓か。さすがハリオンw
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま さっき 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ 頼 j} /,,ィ//| 『おれはハリオンが小さくなるSSを書こうと思ったら
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ いつのまにか他のやつが小さくなるSSを書いていた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも 何をされたのか わからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 誤字脱字だとか変換ミスだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなうっかりミスなんかじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ 真のハリオンマジックの 片鱗を味わったぜ…
長編で燃え上がったハリオン熱が一瞬で冷めたぜ
やっぱりハリオンは黒くないとな
お〜い監査役ナナルゥさ〜〜ん。胸に疑惑(と言うより容疑?)をしまっちゃいけませ〜ん。
ほら、あなたにも火の粉がw
さぁーて、別件で引っ張ってきて、 ヨ
エ ロ 門だ
寸
>>283で書きましたが、このSSに触発され放置していたのを一気に書き上げてみました。
あとは細かいところを直し、誤字脱字ハリオンマジックチェックを終えたら投稿しようと思います。
>>282さん
自分にはとてもそんな最終兵器なようなネタは書けませんw>粉飾疑惑
むしろヨフアル王女の方があれでも上げ底なのではと疑うわなにを(ry
>>283-287さん
また温めましたね。きっとはちきれんばかりの胸が膨らむハリオンが。期待してお待ちしてますw
というか触発が変な影響になってなければいいのですが(汗
>>284さん
えっと確かにそういうことなんですが……その額の文字、嫌だなぁ(苦笑
>>285さん
く、くじらさんのハリオンとは別人ということでどうかorz
これ以上黒いのが増えてもスレ的に……楽しいかもしれない(ぇ
>>286さん
別件、と聞いて保管庫つらつらと眺めたら、出るわ出るわナナルゥ疑惑。
しかしナナルゥを捕まえようとしたら、そう簡単にはいかなそうな気がw
>誤字脱字だとか変換ミスだとかそんなうっかりミスなんかじゃあ 断じてねえ
そこはかとなく個人的に orz
×:
>>283-287さん
○:
>>283&287さん ですorz
またアンカーミスった……はっ?! これももしかしてハリオンマ(エレメンタルブラスト
>>288 > く、くじらさんのハリオンとは別人ということでどうかorz
別人のようにみえて、実は全てのハリオンは、同一存在であったりして
「我が名はハリオン。我々は胸が豊かであるがゆえに。」(w
胸重い。故に胸あり。
んじゃ、構想に10分程度、執筆半年、実際に書いた日数3日程度の作品を投下します。
「てやあああああ!!」
カッ、カッ、カン!
ヘリオンは訓練師のミュラーを相手に連続して残撃を打ち込むが、涼しい顔をしてすべて受け止められている。
今は訓練中なので木刀を使っているが、当たれば相当なダメージ・・・少なくとも骨は折れるだろう。
永遠神剣を持たなくとも常に戦場に身を置く彼女たちは人間よりよほど強い。
しかし、ミュラーの能力と経験は圧倒的にヘリオンを凌駕していた。
カッ!
木刀同士がぶつかり、そのまま止まる。力と力のぶつかりあいだ。
ヘリオンはそのまま木刀に力を込めて押し出そうとする・・・が
ミュラーは流れるような動きで体を右に寄せ、木刀から力を抜いた。
ヘリオンは相手も力を込めているものとして突っ込んでいったものだからいきなり肩透かしを食らったようなものだ。
そのまま体ごと前に流れていってしまった。
ドガッ
「うぐっ!」
そして、ミュラーはその隙を見逃さない。前のめりになって体制を崩したヘリオンの脇腹に膝蹴りを食らわした。
そのまま床をゴロゴロとしばらくの間のた打ち回る。
「全く・・・ヘリオン、あんたの太刀筋はあまりにも素直すぎる。ブラックスピリットはもっとトリッキーな動きが要求されるんだ。」
「は・・・はい!ミュラー様、もう一本お願いします!」
何とか木刀を杖に立ち上がろうとする・・・が、ダメージが大きいのは確かで、たっているのがやっとであるのは一目瞭然だ。
「いい返事だ。でもな、ヘリオン。もうレベルは上がってるだろうからこれ以上の練習は無意味だ。」
「で・・・でも!」
「練習熱心なのはいいことだ。だがな、休息と練習を同様にとってこそ、練習の効果ってもんが出るんだ。
今は休むべきなんだよ、ヘリオン。」
「・・・わかりました」
そういうと、ヘリオンはその場にへたり込んだ。
「全く、その熱心さは置いてきた私の弟子にそっくりだよ」
(そういや急いで出てきたもんだから食料2日分しか用意してなかったが・・・まぁ生きてるだろ。あの子は弱い子じゃないからな)
ミュラーはサバイバルかつスパルタな先生であった。
周りを見渡すと、同じターン内に訓練をしている人が二人いることを思い出した。
一人はウルカ、ヘリオンにとって憧れの人物である。
かっこよく、強く、早く、スタイルもよく、美人で、それでいて後輩の面倒見もよく、ソゥ・ユートからも信頼も厚い。
ヘリオンは将来、あんな風なブラックスピリットになりたいと思っていた。
しかし、そんな憧れは今日の練習を見てしまえば一発でぶっ飛ぶほどの代物だった。
100年の憧れも一瞬で覚めてしまうような悪夢が展開されていた。
ウルカを担当しているのはガンダリオン。老体ながら情熱あふれる指導が有名なのだが
「ぬおおおおお!!腕立て1000回ぃぃぃぃ!!!!」
あの体から出されているとは思えないほどの大声で叫び
「うおおおおおおおお!!!ラキオスのスピードは世界一ぃぃぃぃぃ!!!!」
もはやバターになるのではないかと思えるほどの速さでピストン運動を繰り返すウルカ。
訓練師ガンダリオン。彼は戦術や理論より、基礎体力と根性を重視する古いタイプの人間であった。
そしてウルカ、彼女は己の限界を超え、強くなるためにはすべてをやり遂げるスピリットであった。
「ぬぅぅぅぅぅん!!次は素振り1万回ぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「どりゃどりゃどりゃどりゃどりゃどりゃど(ry」
ヘリオンは思った。
こいつら少しおかしいのではないのか、と。
バトルマニアじゃないのか、と。
頭のネジが1ダースほどはずれてるのではないのか、と・・・。
もう一人訓練しているのは・・・ヘリオンはさらに周りを見渡すと、そこにイオが地面にしゃがんでいた。
イオの前にはよく見るグリーンスピリット、ヘリオンと1字しか違わないが中身も外見も大幅に違うハリオンがいる。
・・・のはいいのだが、仰向けになって大の字を描いている。
すでにイオに伸されてしまったのだろうか?
イオはかがんでハリオンの体をゆする。
「起きてくださいハリオン様。もうすぐ訓練の時間が終わってしまいます」
「ん〜・・・・眠いですぅ〜」
・・・彼女は寝ていた。もはや完膚なきまでに。
「結構大きいですね〜・・・スヤスヤ」
ふにふに
「んっ・・・寝ながら無意識で胸を揉まないで下さい。それにあなたのほうが大きいと思いますが」
「ふぁ・・・・あれ〜、イオ様、おはようございます〜」
やっと起きた・・・でも、もうすぐでターンが明けて、訓練の時間は終わる。
ここままだとレベルが上がらないんじゃないのだろうか?
「ハリオン様、ヘリオン様とウルカ様に回復魔法を」
「はぁい。キュア〜」
寝起きだからだろうか、普段からのほほんとした声がさらに間延びしている・・・、回復効果のほかに睡眠効果もありそうだ。
しかし、それでもヘリオンの傷を癒し、体力を回復する。
本当に回復魔法が得意なんだろうなぁ、と感心するヘリオンだった。
「あ、レベルが上がったみたいです〜」
「えぇ!?」
思わず声を上げてしまったヘリオン。
それもそうだろう、彼女が訓練時間中、ほとんど休み無しで特訓していたのに対し、
ほとんどの時間を睡眠に費やして回復魔法1回でレベル上がるって・・・
「おめでとうございますハリオン様。」
そう言ってパチパチと手を叩くイオ。疑問に思わないあたり何かハリオンに通じるものがありそうだ。
10分後。
ヘリオンがまだ腑に落ちないでいると、エスペリアが入ってきた。
「みなさんお疲れ様です。」
そういうとエスペリアは訓練師から受け取った報告書に目を通す。
「まずは・・・ヘリオン。レベルが上がりました、日々精進です」
この言い回しは毎回変わらない。ひそかにお気に入りのようだ。
見ていた紙を渡す。
「はい、ウルカ。レベルが上がりました。日々精進です。」
ウルカも
「ハリオン、レベルが上がりました。日々精進です。」
ハリオンも・・・ヘリオンは納得はいかないが、ちゃんとレベルが上がったらしい。
「あぁ、それと、ヨーティア様からより詳しく成長の記録が取りたいとのことですので、今までのより項目が多くなっています。
ちゃんと全部に眼を通しておくように」
エスペリアは最後に一言付け加えて、訓練所をあとにした。
ヘリオンは早速もらった紙に眼を通した。
・攻撃力2アップ 防御力1アップ 抵抗値2アップ
・ダークインパクトを覚えました。
ここまではいつもとかわらない・・・が、次からの項目が増えていた。
身長や体重など、いつ測定したのかと聞きたくなるようなことが大量に書かれていた。
その中の一つを見た瞬間、ヘリオンは凍りついた。
・バスト −0,1cm(ハイペリア換算)
何が?胸が?どういうこと?何故に?なんで小さくなってるの!・・・・
「ど・・・どういうことなんですか!?」
喉がからからになり、必死の思いで体のそこから叫んだ言葉は自分でも驚くほどの大声だった。
ハイロゥを展開し、彼女は走り出した。理由を聞くために。
「ちょ・・・ちょっとまってください!」
ブラックスピリット特有の驚異的なスピードを生かし、柱にぶつかりそうになるもそれをも足場にし
さらに加速をしていく。ギリギリのところで詰め所に戻ろうとしていたエスペリアに追いついた。
「ど・・・どうしたのヘリオン!?」
「ハァハァ・・・こ・・・このバスト−0.1cmってなんですか!?何で小さくなってるんですか!」
「え・・・あ・・・ごめんなさい。実は今日から導入されたものだから私にも詳しくは・・・」
「エスペリアさんもわからないなんて・・・誰か・・・誰かこれを説明してくれる人はいないんですか!」
ぽん、と肩を叩かれた。
「手前が説明しよう。」
「あ・・・あなたは(バトルマニアの)ウルカさん!」
驚異的なスピードで飛び出していったヘリオンをウルカが心配して追ってきていたのである。
「ヘリオン殿、ブラックスピリットにとって最も大切なこととは何かわりますか?」
「スピード・・・ですか?」
「そう、手前たちブラックスピリットの最大の武器は他のスピリットを凌駕するスピード。」
「でも、それが胸の大きさと何の関係があるんですか!」
「胸が大きいとそれだけ空気抵抗が少なくなる。その分、スピードが増す、ということ。
・・・ヘリオン殿、手前の成長記録表を。手前も胸は小さくなっている。」
そういってウルカはヘリオンに自分の持っていた紙を渡した。
そこには・・・
・バスト−0.01cm
「私の10分の1しか小さくなってないじゃないですかぁ!」
「そう、つまりヘリオン殿にはブラックスピリットとしての才能が手前の10倍のあるということ・・・正直うらやましい」
ウルカはため息をつくと、その大きな胸が少し上下に揺れた。
(もはや嫌がらせじゃないんですか?ウルカさん・・・)
ふと、ヘリオンは嫌なことを思い出した。
た・・・た・・・た・・・
(そういえば最近ブラが少しぶかぶかになっていたような・・・)
たゆ・・たゆ・・たゆ・・
(うう・・・ユート様は胸の大きい女性と小さい女性、どっちが好きなんでしょうか・・・?)
たゆんたゆんたゆんたゆん
(やっぱり大きい人のほうが・・・でもコウイン様の話だと胸の小さい人を好む男性もいらっしゃるとか・・・)
「ふぅ〜、やっと追いつきました〜」
「うわぁ!ハリオンさん!びっくりさせないで下さい!!」
「あら〜、面白い顔してどうしたんですか〜?」
このときヘリオンは悲しみを顔の右半分、驚きを左半分で表していた。
通常の人間がやればおそらく顔の筋肉が引きつるであろう表情だがスピリットならできる・・・ものなのか?
「ふむふむ・・・なるほど〜、困りましたね〜」
ヘリオンはハリオンに事情を概ね話すと全く困ってない声で対応された。
「それじゃあ私が大きくしてあげますね〜」
「え・・・どうや・・・きゃう!」
「ん〜、小さいですけどなかなかいい感触です〜」
ハリオンはヘリオンの胸を揉み出したのである。
「や・・・やめてください・・・んあっ!」
「ふふふ〜、イオ様も私に毎日もまれることによって大きくなったんですよ〜」
「うっそ、まじで!?」
「ウソです〜」
「ふぇ?うぅぅ〜」
ヘリオンはハリオンを振りほどいた。
「あ・・・そういえば・・・ハリオンさんのレベルアップの紙を見せてもらっていいですか?」
「はい、ど〜ぞ〜」
そういってハリオンは自分の持っていた紙を渡した。その紙は何故か胸の谷間に挟んであったのだが。
(こいつも嫌がらせかよコンチクショウ)
「巨乳キャラのたしなみですから〜」
「かってに心の中読まないで下さい!」
その紙を見て真っ先に探した項目はもちろんあれである。
・バスト +0.1cm
「ふぇえええええええええええええええええええええええ!?」
「ん〜、うるさいですよ〜。大きい声出したらめっ、です〜」
「ななななんなんなんなんなんなんなん」
「ナンはインドのパンです〜、ナン専用の釜のタンドールで作るから実は結構な高級品で〜、一般家庭ではチャパテ」
「そんなことはどうでもいいですから!なんで胸が大きくなってるんですか!」
「あらあら〜、せっかくカオリ様に聞いたハイペリアの料理の知識をご披露したかったのに〜」
(だめだ・・・ハリオンさんじゃ埒が開かない!誰かこの状況を説明できる人は・・・・!)
ぽん、と肩を叩かれた。
「手前が説明しよう。」
「あ・・・あなたは(バトルおたくの)ウルカさん!」
「グリーンスピリットに最も大切なもの・・・わかりますか?」
「えっと・・・防御力ですか?」
「そう、防御力。だから彼女たちは急所である心臓を守るために胸が大きくならねばならない。」
「でも・・・ハリオンさんがこれ以上大きくなったら・・・」
「ハリオン殿もエスペリア殿も、クォーリン殿も胸が大きい。
胸が大きいことはグリーンスピリットのシンボルのようなもの。」
「うぅ・・・私もグリーンに生まれたかった・・・」
「そのうちニムントール殿も先輩のグリーンスピリットのような立派な胸を持ちましょう。」
「そんな・・・ニムにまで!ニムにまでっ!!シアーに抜かれたと思ったらニムにまでっ!?」
目から出せる限界量の滝涙を流しながらヘリオンは限界を超えた速度で飛び去っていった。
「ヘリオン殿あんな速度で・・・手前も精進せねば」
「お姉さんも嬉しいです〜(化け物なんて言ったからあとでめっです〜)」
ぎぃ
「失礼します。本ターンにおけるレベルアップしたスピリットの報告書を持ってまいりました。」
「おおぅ〜、ご苦労様。」
イオから渡された書類を渡され、ぱらぱらとめくっているのは自他共に認める変人天才、ヨーティア
「・・・ん?なんだこれ」
「どうかなされましたか?」
「ヘリオン マインド−50?・・・何があったんだ?」
「さぁ・・・そのマインドの報告は訓練の後で報告されたものですが・・・」
「まぁ、あの子の事だ。ボンクラがらみでなんかあったんだろ。ほっときゃいいさ。」
珍しく天才様の考えは外れていた。
それから数週間後・・・
「あの・・・トキミ様」
「どうしました?ヘリオン」
「わっ、私をレベル1までタイムシフトしてくださいっ!」
「は?」
そんな願いもちろんかなうことはなかった。
〜fin〜
あぁ〜、やっと投稿できた・・・
長かったなぁ・・・
これで次のSSに取り組むことが出来る・・・
私の中ではヘリオンは「報われない不幸キャラ」で定着しつつあります。
がんばれヘリオン、加齢による成長分を考えたらレベルによるバストの減少なんて相殺できるさ!
速さのために胸を犠牲に…(ノД`)
だが安心せよ。きっとトップだけじゃなくアンダーも増えてるから
弁当箱を踏みつけるのは誰〜?(激謎
ガンダリオンワロス
相殺って、それでいいんかいw ウルカは相殺してもあまりある胸成長力だったんだろうけど。
ヘリオン(ノД`)……む?……いや……ちょっとまて。
ヘリオンこ、これをミロ! つおい子のミロ!
>297 バスト −0,1cm(ハイペリア換算)
ピリオド「.」ではなくカンマ「,」になっているぞ!! と言う事は……えーと、なんだろう右が−0で左が+1?w
>>302おにぎりの中身の人さん
超GJ。
…私、あなたのガンダリオンが大好きになってしまいやがりました。
今からでもシアーの特訓コーチはアセリアじゃなくてガンダリオンに修正できないかと無理な事を考えました。
やったらやったで、話の雰囲気がブチ壊しになるのが目に見えてるわけですが。
そしてウルカ、何故か脳内で某男塾の学ランをまとっていたわけですが。
あまつさえ、額に「大往生」と書いてあったり。
しかし、保管庫にある過去スレや過去の作品に出たネタを上手に生かしてますね。
それぞれのキャラクターの描き方も凄く上手かったです。特にハリオン。
技術者ネタ、訓練士ネタ。私も誰かやってみようかなぁ、未だに名前が出てない人物で。
>>302 ガンダリオンとウルカワロスwwww
ウルカの愛読書は、○明書房大全ですかw
>>303 悲しいかなこれがブラックスピリットのサダメか・・・
イオ「トップ減少、アンダー増幅、これにより弾丸に近い形状となり
スクリュー回転をしながら剣を前に突き出して驚異的な威力を出す新技『ジャイロ・ブラック・バレッド』の
最初の取得者はどうやらヘリオン様になりそうです。おめでとう。ぱちぱち」
ヘリオン「もういやあああああああああああああああああ」
>>304 はっはっは、ただの書き間違いですわ(つД`)
>>305 そんなに誉めても何もでませんよ( ´∀`)
キャラの書き方については最も頭を悩ませるところです。
ヘリオンやハリオンのようなネタ・SSの多いキャラはやりやすいのですが
ウルカの喋り方を思い出すのに時間かかった・・・
何故か最初、ウルカの喋り方が「〜ござる」だったし。
デュ○ルセ○バーをこれを書く前にやってた影響かのぉ
>>306 ガンダリオンvsニム、ガンダリオンvsネリシア とか面白そうですな。
書きたい人があればどうぞお書きになってくださいな〜
自分で間違ったところを見つけたので訂正します。
>>300の最後のハリオンの台詞、
>>「お姉さんも嬉しいです〜(化け物なんて言ったからあとでめっです〜)」
の部分が本当は『化け物は〜』のくだりはいりませんでした。
これはヘリオンの台詞に
「これ以上ハリオンさんの胸が大きくなったら化け物じゃないですか!」
という台詞があったのを消したのに、ハリオンの台詞を消すのを忘れておりました。
まことに申し訳ございません。
May 9, 1998
夜、黒スピリットのウルカとファーレーン、緑スピリットのハリオンと食事を作った
ハリオンの奴、やたらチチを揺らしやがったがきっと偽者に違いねぇ
私をばかにしやがって。
May 10, 1998
今日、城のおえら方から新しいスピリットの世話を頼まれた
真っ赤な長髪で無口なレッドスピリットだ
歩くたびにこれ見よがしに揺らしやがる
May 11, 1998
今朝5時頃、戦闘服を着たニムに突然たたき起こされて私も戦闘服を着せられた。
なんでも、変換施設で事故があったらしい。
研究員の連中ときたら、夜も寝ないでスレ覗いてるからこんな事になるんだ。
May 12, 1998
ヒミカが戦闘服を着たままなんで、乳の下がむれちまって妙にかゆいとか言いやがる。だったら切り落としてやろうか?
いらいらするんで、ネリシアに貧乳になる薬を盛ってやった
いい気味だ。
May 13, 1998
あまりに胸がかゆいんでよーティアにいったら、むねをすっげー揉まれた
それから、「こりゃもう成長しないな」とやつがいった。
今夜は悪夢が見れそうだぜ
May 14, 1998
ガキどもの部屋がやけに静かなんで、足引きずって見に行ったら数が全然たりねえ。
むねを3cmちいさくしたぐらいで逃げやがって。
おえら方に見つかったら大変だ。
May 16, 1998
昨日、この城から逃げ出そうとした訓練師、懐柔された、て はなしだ。
夜、からだ中 あついかゆい。
胸のはれ物 かきむしたら 胸がくさり落ちやがた。
いったい どうな て
May 19, 1998
やと ねつ ひいた も とてもかゆい
今日 はらへったの、にわ のはな くう
May 21, 1998
かゆい かゆい エスペリアきた
でかいちちなんで もみほぐじ
やわらかっ です。
4
つる
ぺた
---------------日記はそこで終わっている---------------
カサカサッ
トラックのトマトケチャップをブッチャケトマトと読んだ位か。
すまん
>>302 ……ロティ、まだ洞窟にいるのかw(違
>同じターン内
さりげない軽妙な表現が所々で爆笑をw ネジが1ダースとかうっそ、まじでとかww
しかしハリオンさん、寝てただけでLv.上がるとは。ああ、寝る子は育つってやつですか。胸とか。
ガンガレヘリオン、多少胸が減っても速さを維持しないと初期設定Lv.1のままじゃ使い道なくて処(ry
>>ガンダリオン&ニム
「ぬおおおおお!!腕立て1000回ぃぃぃぃ!!!!」
「……面倒」
「ぬぅぅぅぅぅん!!次は素振り1万回ぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「自分でやれば?」
≪Lvが上がりました≫
・毒舌:ストップ高
今ここに、速度と胸についての法則が! つまりヘリオンは速すぎて最早減らず(-0)、バスト1cmと(テンジョウムキュウ
>>308-309 えっと……セリジャーノンさん? 花束はGヘリオンにでもあげときますね(謎
>>312 それがハリオンマジック
ユニットGによるグリーンスピリットの殖装形態"ガイバー"だ!
>>315 強植装甲ハリオン
強植装甲ニム
強植装甲クォーリン
強植装甲エスペリア
強植装甲ロリペリア
強植装甲ウルカルートのウルカの部下の名無しグリーン
強植装甲ファーレーン
どりる氏あたりが、嬉々として書きそうだからよしなさい。
あの人物、今までのネタ見る限りそーゆーの大好きみたいだから。
>>316 ファーレーンが普通に混ざってるのは何故w
318 :
エロ大王:2006/01/27(金) 20:44:02 ID:YTcKJK7A0
メガスマッシャーやったらすごかろうな・・・・・
とくにハリオン
ギガンティックにならんでも、ギガスマッシャー…いやテラスマッシャーくらい打てそうだw
と、ここで久々にアセリア世界へのなんでもない疑問をひとつ。
この世界にも海があるわけだけど、やはり海水はしょっぱいのだろうか?
もしもハイペリアと変わらないのなら、海岸地域では塩の生産があってもおかしくないよね。
なんとなく、食卓にあった黒塩とか赤塩は岩塩っぽいかなとは思うけど。
スピたん3/3に延期ですか…
さて、どれだけ問題が改善されるか興味津々
具体的には戦闘とか戦闘とか
>>320 身体の組成が同じなら、塩は不可欠のはず。
ただ海に接した国がサルドバルトとマロリガン?だけのようだから、岩塩主体のような。
ヨーティアあたりがJTのように塩化ナトリウムを化学精製していそうだけど。
というかスピリットの汗もやっぱりしょっぱいのだろうか、セリアさんちょっと舐めさせ(ヘブンズ
>>321 ナナルゥの立ち絵とかセリアの髪とかおbsnの歳とか
ふむ、避難所が落ちてるな契約者よ。
大丈夫かしら……
_ ,へ
,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ
∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i 叩けば直るんじゃない?
んヘ!」 ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ>
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
…………ニム、釜茹でにするわよ
_ ,へ
,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ
∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i いいけど、ちゃんとsageてねお姉ちゃん
んヘ!」 ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ>
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
ニムを釜茹でにしたい?
今セリア汁を抽出してるからちょっと待ってな
ウフフフフ
'´ ヘ ヘヾ , ヘ _
ノ〈从ハ从〉┃ 〃 ' ヘ ヘヽ
从ヲ´ヮ`ノヲつ ノi ミ从l~iルソ
ノノ/wkつノ. ┃((ヾ(i|;゚ -゚ノi|
ノノく/|_ノ 〈≡≡≡≡≡≡≡〉
し'ノ ./ 塩 味 ヾ グツグツグツ…
||ニニニニ||(_______,, )
|| || ヾ;从;从;;从;从;从;;ノ
ソーマ「くくく……妖精の塩ですか。これはいいものが手に入ったものです」
>>326 ヽ ゞγ´゚皿゚`ぐ
, ´ ̄ 〉ヽ k @ ノ
γ⌒ヽ ixil ノノハ))) `ー-‐'
( 宗 ) ノノi(リ ゚ヮ゚ノlヾ、 <ころしてでもうばいとっちゃうよ〜
`ー‐' ´ 〈_イ个(7っ `
i二iニ二jR{G}Ri二ニi二l
(_ノ ヽ)
328 :
避難所の人:2006/01/28(土) 21:04:03 ID:58qxq/oX0
>>323 12:00〜14:00辺りに鯖自体に異常があった痕跡は無いようなので、
間のどこかとか私の方ではどうにもできない所で何かがあったのかな。
とある大黒屋と奉行の密談
「言われた通り、サウナ室の地下に設置してはみたが……一体何に使うんだい?」
「ご苦労様でした。これで効率良く採取できます……皆には内密に」
「それはいいが、何で塩なんか――――ああ、ラキオスは専売制だったね」
「そういう事です。最近ヨフアル代も馬鹿にならなくて。財政に気を配るのも女王としての務めですから」
「それは別問題じゃ。あーまぁいいか、面白そうだし」
「あ、ところで賢者殿、その装置、ブランド別に識別・仕分け出来るよう、改良は可能ですか?」
「え? ああ、難しいねぇ、時間帯を把握しても複数で入ってこられたら。何故なんだい?」
「あら、紛い物を国として販売する訳にはいかないではないですか」
「ああ、コー(ピー)の事か、了解した。だがこれは面倒だ、この大天才様でもそう簡単には作れないよ」
「あと、彼女達の個人的なファンも意外と多いんですよ。研究費は今の倍出しますから、お願いします」
「了解した。しかし、それにしても――――」
「即答に感謝します。それにしても――――」
『お主も悪よのう』
妖精が潮?
とうとう、ガロリキュアにもブルセラ販売が。。。
>>322 >>身体の組成が同じなら、塩は不可欠のはず。
そのへんはあまり深く考えてはいけない問題のような気が、だって、死んだらマナに蒸発してしまうような存在なんだから(w
一番搾り 初潮
>329
青塩、赤塩、黒塩……そうか。さすがエスペリア先見の明があるなw
「ユートさま。あの、今日はこのお塩をお使いになって下さいませ。
この緑塩……ユートさまのお口に合うかと……(艶笑)」
>322
ま、それ以外は人間だ、とも言えるってことでw
>326
ハ「妖精の粉は傷薬として珍重されてるんですよお〜〜」 スリコミスリコミ
ヒ「うぎゃっ〜〜!っ!!〜っ! こ、殺す気かぁ!」
詰所にトイレって幾つあんのかね?
いっこしかなかったら毎朝第二は戦場だなw
はっ。まさかこうやって常に緊張感を植え付けようとかいう狙い?
何となくヘリオンは速さだけが取り柄なのにいつも最後っぽいw
何となく新聞広げて占領している光陰くん想像した。
小股摺り寄せながら、とあるスピリット。
「あ〜あ〜そこの不法占拠しているエトランジェ、すぐに投降しなさい――――早くしなさいったらっ!!漏れ」
ドンドン。
女の園に無断で入り込むんじゃねぇと足蹴にされる光陰
339 :
エロ大王:2006/01/29(日) 20:41:39 ID:XqWarkFM0
,べV .イ
/ 〃  ̄ ヾ; / /
! i ミ(ノハソ //./
!ik(i|゚ ヮハ <///
リ⊂}!廿i つヾ∨
く/Цレ'
し'ノ
さあってと。気合い入れていっくよ〜っ!!
とトイレのドアを蹴破るとか・・・
光陰は、今日子の命令で自室にお○るを設置されてるんじゃないのか?
【1R フローリング トイレ付き キッチン/バス共同 家賃0ルシル】 ……と
_ ,へ
,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ
∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i お姉ちゃん、いくら探してもそんな物件ここしか無いから。
んヘ!」 ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ>
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
なんとなく作ってみた。
必要ならばお好きなように修正してくださいませ。
γ"⌒ヽ
(.リノ彡ヾ〉 コウイン様のためなら火の中水の中っ!
!pリ゚ ヮ゚リ 身の回りのお世話も致しますっ!
⊂》 ノ リつ=====口ニフ お○るだってお片づけさせていただきます!
. く/|_ノ ノ::::ヽ
ι'J "'⌒ '
γ"⌒ヽ 〜♪ '´⌒ ヽヘリオンタ〜ン .,'^》フ⌒´ヽ》ヘ
(.リノ彡ヾ〉 | ゙「_~~_i .( ノ i」」」」」〉))
)))) !pリ゚ ヮ゚リ ヾ(!゚ ー゚ノ ノノ(!リ;゚ヮ゚ノリ((
〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
./ お、お背中流し…… コ、コウインさま?! ヾ
||ニニニニ||(__________________________________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;;从;从;;从;;从;从;从;从;;从;;从;从;;从;;从;从;;;从;从;;从;;从;;从;从;;从ノ
ヾ'ベ^7^フ7 γ"⌒ヽ ・・・・ '´⌒ ヽヘリオンタ〜ン ,'^》フ⌒´ヽ》ヘ
ミミ「_~~_i/ (.リノ彡ヾ〉 | ゙「_~~_i . ( ノ i」」」」」〉))
)))) ミ(!゚ _ ゚/ !pリ;゚ヮ゚リ )))) ヾ(!゚ ー゚ノ )))) ノノ(!リ;゚ヮ゚ノリ((
〈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡〉
./ うむ、頼む きゃぁきゃぁきゃぁぁぁ!! ヾ
||ニニニニ||(__________________________________,, )
|| ||ヾ;从;从;;从;从;从;;从;;;从;从;;从;;从;从;从;从;;从;;从;从;;从;;从;从;;;从;从;;从;;从;;从;从;;从ノ
すげぇズレたorz
>>342-343 立ち絵、顔グラ、戦闘データときてとうとうAAまで出来ましたか(w
名前だけの登場でこれだけ愛して貰えるだなんて後にも先にもこのスレだけだろう。
しかしこのスレで愛して貰えば貰う程コウイン様には愛して貰えなくなる罠(w
戦闘データってあったっけ?ヨフアル8なら知ってるが。
>>346 画像板へgo!
ここまで来ると逆にXuseには出して欲しくないな。
いつまでもこのスレのマスコット的存在で居て欲しい。
まぁ出たら出たで、
受け入れ派とこんなのクォーリンじゃない派で荒れそうだしな。
平和の為には出ないほうがいいのかも。
トイレ→シャワー→映画とかでよくある、下からフレームが移動するシャワーシーン
でセリアさんのシャワーシーンを腰まで想像してしまった俺色々とヘヴンズ
しかしこうなると戦闘チップスまだー(AAryとか無茶を言いたくなるジレンマ。
戦国自衛隊……つっこみどころ満載な気もするが、雑魚スピ者としては金柑……いやさ酔漢頭で、
「突如関ヶ原の合戦前夜にあらわれたラキオススピリット隊」
とか考えるのが義務だよねー? マナ薄々でだめですか(´・ω・`)?
馬印はヨフアルか? ユート君歴史知らなそう。
あの頃の日本はマナが満ちていそう。
ナナルゥ・ヒミカ・オルファの三交代神剣魔法で関ヶ原焼け野原。
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| 鉄砲が伝来したのも私の導きなのです
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>354 ,べV .イ あ・お久しぶり〜〜ときみおばさん♪
/ 〃  ̄ ヾ; / /
! i ミ(ノハソ //./
!ik(i|゚ ヮハ <///
リ⊂}!廿i つヾ∨
く/Цレ'
し'ノ
>>355 何か言い残すことはありますか?
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))((ニ(ニ(l +
| l|| ゚ヮ゚ノl||三三二弌ll============lニlll)
j /ヽ y_7っニ〃l,=l┘
(7i__ノ卯! |||||
く/_|_リ  ̄
すげぇ、さすがおbsn!
伊達に鉄砲を伝えただけの事はあるな!
てか、持っているのは鉄砲と違うだろ・・
おbsn容赦ねぇな
年代的にはむしろ「てつはう」の伝来が正しいのdうわなにをすqあwせdrftgyおbsnlp
最近日が長くなったね。
ということで、ファンタズマゴリアでは太陽の運行ってどうなってんのかなあとつらつら思う。
四季がなくて、気候はその土地のマナに左右される。
それはまあいいとして、日の出日の入りに変化なしなのかな?
何となく思うに、ロウエタによって切り取られたこの世界では、
一年=12ヶ月=240日
これがキッチリ固まっていて、なんの狂いもなく毎日、日月星が動いていくんじゃないかな。
でも、永遠戦争が終結し、柱である『再生』が消えてしまったこの世界は元の世界との繋がりを取り戻していく……。
そのうち誰かが気付く、新たな、しかし元々のこよみ。うるう月が必要になるかも。
妄想 了
悠&光「げーつげーつかあすいもくきん!きん!」
エ&ク「もくきんきん!」
悠&光「にーじゅーうよじかん たたかーうぞー!」
アセリアの世界にバイクを持ち込んだらどうなるだろうと考えてみる
燃料切れ→放置→ヨーティアの手により「求め」の欠片を媒介にしたエンジンが作られて復活!→ロウエタ陣営の雑魚を引き殺す悠人。と、同時にリアシートの取り合い競争が発生!
ネリー・ヒミカ・セリア・ニムあたりは予想がつくけど…
ネリー:普通にはしゃぐ
ヒミカ:何故かヤンキー化
セリア:細かく指示を出す鬼教官っぽいが、密着しすぎているのに気づいて慌てる。結果、バランスを崩して転倒。戦闘後、悠人と口喧嘩が発生
ニム:スピードを恐れて思わず叫ぶが、降りた後「こ、怖くなんてなかったんだからっ!」などと強がる
…書いてみたいかもw
なぜか数取り団風にぶんぶんぶぶぶん言ってる年長組を幻視した
>>364 相撲の相手は光陰(×ゲームだし)
でも全力で返り討ちにするナナルゥ達。
光「ちょwwwこれじゃ×ゲームにならなwwwww」
>>365 ソレはおまいが別の意味の「相撲」を取ろうとするからだw
馬じゃだめかい?
白馬のユート様。
魔法使いハリーオンに、0時までだけ有効なデレの魔法をかけてもらったセリアは、ああ、憧れの舞踏会へ。
いぢわるな緑の姉やら、無感動な薄紫姉やらを出し抜き、ユートさま御自ら手を取って、ホール中央へ。
カンカンカンカン
櫓の半鐘が鳴り響き午前0時を告げる。
ちょうどチークタイムだったセリアはユートの胸を突きあまつさえひっぱたき、城の階段を駆け下りていく。
翌日。ユートの頬に付いた手形にピッタリ合う手の者を探すお布れが告げられるのだった。
>>368 その手形が偶然ントゥたんの触手の一つとぴったり合ってしまう罠
以後、本スレで上演中w
>>368 正にツンデレラですな。
しかし、エス姉さんの意地悪姉は嵌っているなw
スレ20 今までの流れを試しにまとめてみた。
点呼→途中セリアSS→隕石→モルダ→3段腹疑惑&冒険&エスえもんで一気にエス祭り→突然冷凍ひみかAA登場
→釜茹であったかセリア→スピたん鍋→AAネタ連爆→公式でwebラジオ4回目&デモ公開→スピたん予想
→Gヘリオン(略式)→同人→途中ヒミカアイマス疑惑→エスペリアSS→時深亀甲占い→ヘリオン長編SS
→シエンマン参上→シアーSS→週末misson→寝巻き→エプロン→スピたん討論→ハリオンSS→ヘリオンSS
→Gウィルス誘爆→ガイバー誕生→唐突な疑問(塩)→スピたん延期→釜茹で復活→ブルセラ→素朴な疑問(トイレ)
→ついにクォーリンAA参入→戦国自衛隊→唐突な妄想(四季)→唐突な疑問(バイク)→ツンデレラ→?
ま、全く流れが読めねぇまとまらねぇ……つーかたった370スレで恐るべし雑魚スレ
>>371 >ま、全く流れが読めねぇまとまらねぇ…
へC_Cへ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z <だが、それがいい。
くく
こうやってみるとすごいな。時深さんのクリティカルワンでも読み切れねえな。
しかも結構、それぞれに参加してる俺がいるorz
突然、ジグラッド(だったかな?)と戦うアセリアが思い浮かんだ俺って…
妄想を制御しろよ、俺…
定番ねた。もしもファンタズマゴリアに……
1:【へたれ】おまいらの隊長ってどうよ?【セクハラ】(799) 2:新たな技を習得しました 17手目(510)
3:ウイングハイロゥってズルくね?(219) 4:【嬉しい】人間に言われた言葉 7葉目【悲しい】 (282)
5:十位ですがなにか(47) 6:三傑に出会ったことある奴の数>(128) 7:四 神 剣 (265)
8:【妬み】女の園((( ;゚Д゚)))【シカト】(568) 9:おまえらの色の特徴どこにでてる?(97) 10:二軍はマナの無駄(77)
11:戦場オフ 4会敵 (301)
_ ,へ
,´ /:::: |ヽ
∠ <=====ゝ
ん∩!」メ ‐ノ」|
バンバン<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【赤だけ】赤スピ四傑入り考察スレ 7ルゥ【蚊帳の外】
あー、なんか新スレ建ってる……へへ、ここはネリーの出番だね!
,べV
/ 〃  ̄ ヾ; / ⌒ヽ
! i ミ(ノハソ ( LLLL i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 もきゅもきゅ
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
↓
http://etranger.s66.xrea.com/gallery/archives/000018.htm ↓
>>2 ↓
これでよしっ、と……
,べV
/ 〃  ̄ ヾ; / ⌒ヽ
! i ミ(ノハソ ( LLLL i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 …………
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,べV
/ 〃  ̄ ヾ; / ⌒ヽ
! i ミ(ノハソ ( LLLL i
!ik(i|;゚ヮ゚ハ パヮ゚ 从 ネリー、それ【赤だけ】スレだよ〜?
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ
( リ〈 !ノルリ〉))
ノノ(!リ゚ ヮ゚ノリ(( 新スレ…これでよしですっ!
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
1:スピ流告白術教えてくださいっ!(1)
…1時間後
1 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 06:45:37 ID:GsiTuboU
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ 憧れのあの人に愛を告白する方法を教えてください!
( リ〈 !ノルリ〉))
ノノ(!リ゚ ヮ゚ノリ(( 2 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 06:55:57 ID:mOoNraiT
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ 糞スレsage
>>1は逝ってよし
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ 3 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 07:13:02 ID:biGWoodH
うはwwww
>>1はG確定wwww
4 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 07:33:05 ID:bTunDERE
そんなの、私が知りたいわよ!
5 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 07:33:05 ID:gtUnDerE
誰に告白するのか知らないけどさ、ここで相談するのはお門違いだと思うよ
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ
( リ〈 !ノルリ〉)) カタ
ノノ(!リ# ヮ ノリ(( カタ 6 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 07:48:22 ID:GsiTuboU
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ …そうですね、ごめんなさい。
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ お詫びにこれでもどうぞ つ
http://(ブラクラURL)
 ̄ ̄ ̄
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <キャストオフ
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
俺もやってみよ。
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ
( リ〈 !ノルリ〉))
ノノ(!リ;゚ヮ゚ノリ(( 7 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 06:55:57 ID:sOuyuUTo
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ まずは誰に告白するかくらい晒せ。話はそれからだ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
564 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 03:45:37 ID:GsiTuboU
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ 10秒以内にレスが付かなかったらユート様は私の物
( リ〈 !ノルリ〉))
ノノ(!リ゚ ヮ゚ノリ(( 565 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 03:45:37 ID:mOoNraiT
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ させない
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ 566 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 03:45:38 ID:biGWoodH
氏ね
567 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 03:45:39 ID:bTunDERE
通報しました
568 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 03:45:39 ID:gtUnDerE
お前等とっとと寝ろよ
< ヒギャーッ
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ
( リ〈 !ノルリ〉)) て
ノノ(!゚ヮ ゚ノリ(( そ ビクッ
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
>>382 ありえねーwww
565のレスの速さありえねーwww
γ"⌒ヽ
(.リノ彡ヾ〉
!pリ゚ ヮ゚リ 777 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 11:11:11 ID:lIgHTniN
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ 稲妻板から誘導されて来ました。良スレハケーン記念カキコ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
>>378 >>382 ニムが一番良識あるのがワロタw
>>384 >稲妻板
1:ファイヤー☆ミカ先生総合〜壱百八拾弐〜(510) 2:【炉理?】コウイン隊長について語るスレPart25【変態?】
3:稲妻試験落ちた香具師→4000+(219) 4:【ていうか】アンチファイヤー☆ミカ総合5発目【ヒミカだしw】(282)
5:【キタ━(゚∀゚)━!!】深緑の稲妻が玉砕したら上げるスレ★15涙(891) 6:【後ろ髪】一人称『僕』隔離スレ【狙い過ぎ】(528)
7:ユ×コ シチュ妄想スレ25穴目(568) 8:腐スピ連中は同板池(265) 9:大統領限定・カプスレ其の7(97)
10:二股は是か非か?9股目(623) 11:稲妻が期待外れだった件(650) 12:【コウイン】ユート様萌えスレ4【イラネ】
………
……
…
702:コウイン様を誹謗中傷から守るスレ (2)
【キタ━(゚∀゚)━!!】深緑の稲妻が玉砕したら上げるスレ★15涙
γ"⌒ヽ
(.リノ彡ヾ〉
!pリ;゚ヮ゚リ Σ ビクッ! 875 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 18:21:11 ID:RsHouTInN
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ 本日の玉砕報告:
稲妻、訓練前に夜通しで作った(青ツン付添い)手作り弁当を手渡そうと入り口前で待機。
⇒目標、今日に限って裏口より入場。
稲妻、訓練中なんとか気付いてもらおうと、身振り手振りでアピール。
⇒目標、年少組に目が行き終始気付かず。
昼休憩時、なんとか目標に接近。弁当を手渡そうとする。
⇒目標、「今日子のがあるからいいや」と拒否。
青ツン、泣きそうな稲妻を見るに見かね、目標に接近。いいから食べなさいと強引に手渡す。
⇒目標、「ユート、良かったら食えよ。」とヘタレに手渡す。ヘタレ、「光陰サンキュ」とあっさり受諾。完食。
稲妻、突然の全力疾走。青ツン、唖然とする目標とヘタレに全力の斬撃。
被害:
稲妻⇒行方不明 目標⇒斬撃及び雷撃により重症 ヘタレ⇒斬撃及び食中毒により重症
備考:
まずモミアゲを切りましょう。話はそれからです。
γ"⌒ヽ
(.リノ彡ヾ〉
!pリ;゚ヮ゚リ ……… 876 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 18:35:37 ID:mOoNraiT
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
>>875  ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ムーンライトワロスwwwwwwwwwww
877 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 18:45:38 ID:biGWoodH
>モミアゲ
プゲラwwwwwwwww
878 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 18:49:39 ID:gKEnshine
>目標、今日に限って裏口より入場
ウハwwwwwwwwwwこいつ避けられてるの気付けよwwwwwwwwwwwww
青ツンも必死過ぎてワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwww
γ"⌒ヽ
(.リノ彡ヾ〉
!pリ;゚ヮ゚リ アセアセ 879 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 20:57:11 ID:lIgHTniN
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
>>875  ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ モミアゲは関係ないだろ!?それに稲妻さん似合ってるから切る必要ないと思う。
>>878 偶々裏口から入っただけで避けられてるって決め付けるのはおかしいだろ!
所用で入っただけって可能性だって十分ありうるだろ!?
γ"⌒ヽ
(.リノ彡ヾ〉
!pリTヮTリ 880 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 20:57:14 ID:KEnshine
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ >ありうるだろ!?
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ねーよwwwwwwwwwwwww
881 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 20:57:14 ID:mOoNraiT
>>879 本人乙
>>880 ダイエット乙
882 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 20:57:17 ID:biGWoodH
>>879 必死杉wwwwwwwwwwww
>>880 ケツデカ杉wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
883 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 20:57:20 ID:RsHouTInN
>>879 いいからモミアゲ切れ。
>>880 いいから贅肉落とせ。
884 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/05(日) 23:45:08 ID:sOuyuUTo
>>878 お前も気付けよ。
>>379 目に見えぬSPEED越えてくobsn?
やたらIDバレが激しい上、すぐ荒れる板だなw
まぁ使用者が限定されているから仕方が無いといえばそうだが。
つーか何故、どれも西暦なんだ?
>>390 まあ、その辺は細かいことは無しってことで
ヽ)/ r‐-- -┐
∠´ ハ`ゝ /・ 皿・ ヽヽ
彡//ノハハ〉 レ'´从リ从!〉
ゞ(リ ゚д゚ノ! 从◎_◎从 世界を超えてレスとは流石だなオニイチャン
/¶ V ¶\ / V ⌒i
/ | |゚/ ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ 求め / .| .|____
\/____/ (u ⊃
392 :
エロ大王:2006/02/05(日) 20:39:13 ID:NxC74ArA0
なんだこの流れ・・・・ペタワロス〜〜〜〜
393 :
エロ大王:2006/02/05(日) 21:02:54 ID:NxC74ArA0
ところでID解析はこういうおとでおけ?
ID:GsiTuboU =ヘリオン
ID:mOoNraiT =ネリー
ID:biGWoodH =ハリオン
ID:bTunDERE =
ID:sOuyuUTo =悠人
ID:gtUnDerE =
ID:lIgHTniN =クォーリン
ID:RsHouTInN=
ID:gKEnshine =
空欄はわからなかった・・・orz
もう一回アセリアEXやってくる・・・・
ID:GsiTuboU =ヘリオン
ID:mOoNraiT =ファーレーン(月光=ムーンライト)
ID:biGWoodH =ハリオン
ID:bTunDERE =セリア(ブルーツンデレ)
ID:sOuyuUTo =悠人
ID:gtUnDerE =ニム(グリーンツンデレ)
ID:lIgHTniN =クォーリン
ID:RsHouTInN=ナナルゥ(消沈。Rってなんだ?)
ID:KEnshine =エスペリア(献身。最初ケンシャインって読んでた)
では?
>>394 > ID:RsHouTInN=ナナルゥ(消沈。Rってなんだ?)
RedのRと思われ。
> ID:KEnshine =エスペリア(献身。最初ケンシャインって読んでた)
e は エスペリアのエと桃割れ。
>390
SpiNetでは、ヴァーチャルなハイペリア暦を採用することで異次元感覚を表現しています。
その為参加者の皆さまも、普段の自分とは違う裸の心を抵抗無くさらけ出す事が出来ると、好評を博しております。
17:女王様ってさ……( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` ) (4)
1 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
2 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
3 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
4 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
5 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
6 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
7 名前:勇者どの[勇者どの] 投稿日:勇者どの
クックック……
8 名前:あぼーん[あぼーん] 投稿日:あぼーん
あぼーん
あれ、転送されたのって2007年だったっけ?
そうすると光陰は今期のアニメもチェックできてんのか?
ふたごとかプリキュアとか。
稲妻部隊で作ればよかったのに…。
第六位月光とともに苦難を乗り越えてゆくスレ
1 名前:名無しの雑魚スピ[sage] 投稿日:2006/02/05(日) 21:53:08 ID:dAichanN
闇夜を照らす月…
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ヽ
l:::::::::. |
|:::::::::: (●) (●) |
|::::::::::::::::: \___/ |
ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ
たとえどんな暗い道を歩むとしても…
精霊光は必ず私たちの足元を照らしてくれる
>398
転送は2008/12/18
誰よ
,ヽノ_ 930 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/06(月) 07:17:38 ID:4tsUMugi
,' 〃, ^^ヾ あ、あの、初めてカキコします。冒険……楽しいですよ?
i y(从ソ))リ゙
ノノ゙(リ゚ -゚ノリ. 931 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/06(月) 07:17:40 ID:bTunDERE
(((<(つ/ ̄ ̄ ̄/ ……誤爆?
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
>>395 >> ID:KEnshine =エスペリア(献身。最初ケンシャインって読んでた)
>e は エスペリアのエと桃割れ。
エスペリアって、身体が砂でピラミッドになったり胸がローラーだったりする悪魔超人だったのか。
そういや、身体が砂で出来てるのに固め技で真っ二つにされて死ぬのとディフェンダーなのに可燃物だったりするのは非常によく似てるな。
>>398 作ろうとはしたが、前触れ無しに覚醒した今日子にサンダーしばかれと桃割れる。
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ あっ!やっとまともなレスが!
( リ〈 !ノルリ〉))
ノノ(!リ゚ ヮ゚ノリ(( 784 名前:名無しの雑魚スピ 投稿日:2006/02/06(月) 10:46:17 ID:1T0o0K0i
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
>>1  ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ここを参考にすると良いでしょう。
 ̄ ̄ ̄
ttp://(URL)
, ^》ヘ⌒ヘ《ヾ
( リ〈 !ノルリ〉)) ☆
ノノ(!リ゚ ヮ゚ノリ(( / Click!
((<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
'´ ⌒ヽ ん? ガガガガガガガ…ボン!!>
! ソノノ~)))
く人リ ゚ーノiゝ
<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
ここで唐突にスーピー3分クッキング
【下克上】人気の雑魚スピ・実力のヒロイン【王道】 ED5
1 名前:名無しの雑魚スピ[sage] 投稿日:2006/02/05(日) 21:53:08 ID:prIyohuA
マターリいきましょう
差し込む朝日に頬を暖められ、ヘリオンは目を覚ました。
仮に充てられた寝所のせいか、睡眠が少し足りない。
ふわぁ、と軽い欠伸を溢し、ゆっくりと身を起こす。
窓からは、見慣れない景色。寒々とした深い谷の向こうに薄紫の空。
まだ上手く開かない瞼をこしこしと擦る。ぼんやりとした頭を振りなおした。
素足に冷たい床に気づき、先にソックスとブーツを履くことにする。
屈んだ時に下ろしたままの髪が両側から頬に掛かってややうるさい。
椅子にかけておいた戦闘服を頭から被ると少しだけ汗臭いのが気になった。
「ん……と。あ、ありました」
ポケットの中を、ごそごそと漁る。組の白い髪留めと一緒に出てくる小さな壜。
窓の光に翳し、その残量を確かめてから、一瞬迷って机の上にそっと置く。
まずは髪を纏めようと手を上げた所で気がついた。自室ではないので鏡がない。
「う〜……どうしよう……」
きょろきょろと辺りを見回すが、当然そんなものは見つからない。
仕方が無いので窓際に近づき、その反射を利用して何とか形をつけようとする。
髪留めを口に軽く咥えたまま、とことこと歩きながら纏め上げる片方の髪。
ややぼやけた像で映るそれが気に入った角度に整った瞬間、一気に留める。
慌てていたので少々乱れたが、多少は止むを得ない。
くるり、と一度後ろを向き、おかしくないかと確かめ、もう片方。
「ん……良しですっ」
同じ行程を二度繰り返した後、満足気に頷きながら、机の上に置いた小壜を手に取る。
コルク栓を抜き、鼻を近づけくんくんと匂いを嗅いでみると、細かい粉のような香料がすがすがしい。
軽くちょんちょんと指につけ、手首と首筋に擦り付ける。目立たない若草のような匂いがして眠気が覚めた。
「…………んっ!」
大事に栓を閉めなおし、再びポケットの中に。両手を伸ばして背伸びをし、大きく深呼吸。
立てかけてあった細身の、黒光りする鞘ににっこりと微笑みかけながら柄を手に取り歩き出す。
「さ、行こう、『失望』!」
部屋の扉を開いた瞬間、外から聞こえてくるのは凛とした高らかなレスティーナの声。
――人の未来のために。スピリットの未来のために。そして……この世界の未来のために――――
「……………………わきゃっ! ち、遅刻ですぅ〜〜〜!!」
開戦直前のサーギオス。ヘリオンは持ち前のスピードを最大限に上げて、誰もいない廊下を全力で走り抜けていった。
怪しい人影を見つけ、ニムントールは足を止めた。
休日の城下は喧騒で溢れかえっており、その姿はあっという間に消える。
それでも小路の影に見えなくなる直前、確認したあの目つき。
きょろきょろと、挙動不審に隠れる動きの素早さは尋常では無い。
「…………怪しい」
一瞬迷い、追いかける。角を曲がると、寂れた薄暗い路地だった。
古い石畳とひび割れた壁を湿ったような陰が覆い、人通りもない。
きいきいと頭上から音がして、驚いて見上げてみると風に靡く壊れた窓だった。
急に不安になって隣を窺うが、いつも一緒にいるファーレーンが今日はいない。
「……ふ、ふん! 一人でも……出来るもんっ」
無意識に短い前髪へと手をやりながら、『曙光』の柄を握り直す。
手の平が、じっとりと汗ばんでいた。どっ、どっ、と気に障る心臓の音。
慎重に、足元を確かめながら歩き出す。銀色の剣先に何かが映る度に緊張が走った。
「落ち着け……落ち着け……」
ラキオスではつい先日、人間による爆弾騒ぎがあったばかり。戦時中でもあり、治安は乱れたまま。
だからという訳ではないが、警戒するに越したことは無い。油断なく周囲を確認する。
泥のようなものが所々に溜まっている壁際。積上げられた埃まみれの何かの木箱。日が届かず、黴臭い。
光輪をシールドハイロゥに変えようかどうか悩んでいると、前方で屈んだような影が飛び出してきた。
「ッ…………!」
無言で『曙光』を構える。躓いた石がころころと後方に弾ける音。からからに渇いている喉。
動けない。腕にも肢にも力が入らない。恐怖で落ちそうになる腰を支えるのが精一杯。
驚き、ただ無防備なまま目だけで動きを追っていると、影は懐にまで飛び込んでくる。思わずぎゅっと目を瞑った。
「…………あ、あれ?」
当然次に来る筈の衝撃が、いつまで経っても来ない。
恐る恐る目を開いてみると――――小さな子供に、スカート部分の裾を強く引っ張られていた。
「あ、え、えっと…………ま、迷子?」
どっと脱力し、ぐったりとしながら聞き返すと、泣きそうな瞳でこくこくと頷く少女。
服が所々汚れ、膝小僧を軽く擦りむいている。恐らく人ごみで親とはぐれ、もみくちゃにされた結果だろう。
「もう、メンドくさい……ほら、名前は?」
呆れたそぶりを見せながら、そっと手を差し出す。しがみつくのを確認して、ゆっくりと歩き出した。
人間には、神剣魔法が利かない。それが初めてじれったい、そう思いながら。
409 :
信頼の人:2006/02/07(火) 10:17:16 ID:XGmwcF8Q0
題名はメーカーさん配布の月別カレンダーからです。
本当は月に合わせて連載投稿しようと企んでいたのですが、今回は一月分と二月分纏めてということで(汗
>409
年端もゆかない少女。
しかし一歩外は、張りつめた空気。
それが彼女たちの日常。
まとめた髪も勇ましく戦いに赴く戦士。
それでも心の装いは少女らしく。
ぁゃιぃ……ニムの眼力の前にはどんな強面も落とされてしまいます。
まして小さな子供おや。
とりあえず、ほら。目の前のヨフアル屋にいこうかw 怪獣懐柔。
お怪我がお膝の治し方は……チャキン えっと(汗) 秘中の秘なので口外出来ません(汗)×ストラロス
しかしなんつーかww……アセリアのラストが街中で座禅を組む佳織だったらネ申w
412 :
名無しさん@初回限定:2006/02/08(水) 01:04:47 ID:AbyDsbM60
>>410さん
やられた>心の装い
正にそれを表現したかったネタですw
エハの方は姉ニム(仮)のつもりだったのですが、晦渋懐柔て(違
ニム、行動が親爺臭いぞw
装ってみる。
ユートが今夜部屋を訪ねてくることを予知したある人は、
お風呂でお肌のお手入れ中です。
「♪ふんふんふーん。ユートさんだけが触る事が出来るこの若さ弾けるピチピチお肌。
しっかりお手入れしませんと」
人 ( ゚д゚) 為
\/| y |\/
その頃悠人は既に部屋の前。
「おーい時深……いないのか。仕方が無い、今夜はエスペリアの所へでも行くか」
夜〜霧よ〜こ〜んやも〜あ〜りがとお〜
オルファの教育問題って有ったけど、
他の年少組はどうなんだろう? ニムはファーが育成したようだが。
ネリシアが、敵さんをいたぶってたら鬱だ……。
けど、ユウトを痛ぶってたら一部の人にとっては…
炉利S姉妹丼キタ━━━━( ゚∀゚)━━━━!!!!
となる罠
妄想を膨らませてないで早くSS書けよ、俺…orz
前に書かれてなかったっけかそのネタ
俺にはエロを通り越してグロだったが
>>416 一緒にいただけで、育成や教育は人間が行っているものだと思ってた>ニム、ファー
でも言われてみれば、年長組が年少組を教えているという方が自然かも。
炉利S姉妹丼とくれば、ダブル足コキしか連想できない貧弱な発想
スピたんには…なさそうだなぁ…
足はミュラー先生、大賢者様、セリアおねーさんに期待してください。
本命はやはり先生か。
orz←貧弱な発想の人
._ ._ _ _ __
.//___//_____./.// \
// // /./| | |
| | | | '´ ⌒ヽ | || | | |
| | | |ハ」」」l」」〉 | || | | |
| | | |ヾゝ゚ ヮ゚ノゝ| .|| | | |
\\ |_|\___|_|\\\___/
 ̄  ̄ | |  ̄ ̄ ̄
,べV .| |
/ 〃  ̄ ヾ;| |
∧ ミ(ノハソ .| |
| | (i|゚ ヮ゚ハ | | これをユート様の尿道にですね
| |⊂! |T|!っ| |
| | く/|_|〉 | |
[_] し'ノ .|_|
ヽ)/
∠´ ハ`ゝ
彡//ノハハ〉
ゞ(リ´Д`ノ! <うわああああぁあぁぁあぁぁぁ
人 Y /
( ヽωつ ο°:;。。o。
(_)_) '
>419
PS2版を見ると、オルファの戦闘教育はエスで、詰め所に来る前は人間が教育したらしい。
ニムは、ファーが付きっきりの模様。だから、善悪に関してもファー基準なのかな。
ニムの場合は、教育じゃなくて飼育だと思う。
ガロリキュアになってからのダラダラ生活を見ると
狩猟用の犬が、愛玩用の犬に成り下がったわけだと。
>ガロリキュアになってからのダラダラ生活
そんな描写あったっけ?
それはともかく、どっちかというと猫のイメージがあるな>ニム
飼育したのがファーレーンなら、正に見事な毛並みのロシアン・ブルーに(ry
>>426 ようこそ、ガロリキュア放送局へ。
この内容は会員専用だから、まず会員になってから聞いて欲しい。
うん、「第5回」なんだ。済まない。
フライングの寝たバレって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
嘘ですゴメンナサイ。
ニムにエレメンタルブラストかけてもらうわ。
(反省になってない気もする)
マジレスすると、教育じゃなくて人間の都合の良い様に洗脳されていたんだと思う。
ネタレスすると、いいんちょセリアを調きょ……げふんげふん。教育したい。
洗脳ってか、
最終戦で、ロウエタがスピリットに掛けられた制約を解いて、反乱や疑心を生ませようと画策したのがあったけど、
これでツンも解除ですか?
とりあえず学校の担当科目に割り振ってみると
国語…ヒミカ
算数…セリア
社会…イオ
家庭科…ハリオン
音楽…ナナルゥ
図工…アセリア
体育…ファーレーン
保健体育…エスペリア
結構バランスいいかも
日本語講座と理科も欲しいところだ。
日本語講座…エトランジェ×3の半分漫才トリオ
理科…賢者様
で。
ところで…保体のエス姉さんが教えるのは主に性教育ですか?
遠征前には、男共を閉め出した教室で秘密の香り漂う説明会。
光「……ハァハァ」 ドアにコップを押し当てつつ
エスペリアの回想モードを教材にしようと思ったら
なんとオルファの凌辱モードと間違える
ゴクリ(゚-゚;;(゚-゚;;(゚-゚;;(゚-゚;;(゚-゚;;(゚-゚;;は…入るんだ…
生徒一人に先生が大勢というシチュが萌えたw
スピたんこーゆーシチュにすりゃ良かったのに!
この世界の教育実態を知ろうとヨーティアを問い詰めてみるチームオブエトランジェ。
「ふむ、つまりこっちとお前さん達が居た世界の技術水準の差を知りたいと、そういう事だな」
「いやそんな大それた事じゃなく、ただスピリット達って普段一体どういう教育を受けているのかなって」
「ああ、悠人の言うとおり、俺も少し興味があってな。このスレを見る限りじゃかなりアヤsくぁwせdrftgyふj」
「あー気にしないで。ほら悠、戦闘の時とか、たまに困るって言ってたじゃない」
「……あ、ああそうなんだ。
無駄に瀕死の敵にスターダスト喰らわすナナルゥとか、
うっかり防御スキル尽きてるのにヘヴンズ受けて轟沈するエスペリアとか、
たまにHPが1になってもいつまでも星火燎原の太刀を敵黒スピに放つヘリオンとか、
逆に攻撃スキル尽きて詰まるアセリアルートとか、自分の事ウルガとか言っちゃうウルカとかetc.etc.……」
「攻撃止めないのはむしろ今日子もだけどな、わははははハグッッ、ちょ、嘘です、ごめん、勘弁、しっ!」
「……まあそんな訳で、どうもスピリット達って算数教育足りてないんじゃないかと」
「うーん、最後の方は余り関係無い気もするが確かにスピリットの教育は急務だねぇ、レスティーナ陛下に言っておくよ。
…………でもなユート、それだけでこの世界の技術がお前さん達より劣ってるとは限らないぞ」
「え? いやそんな事だれも言ってな」
「よーし判った。特別に、たった今この大天才様が編み出した大定理を説明してやろう!」
「い、いや遠慮するよ。なんだか難しそうだし、ヨーティアも忙しいだろうし(話長くなりそうだし)」
「まぁいいから聞いていけ。さて……ここに取り出したる一枚の紙。ユート、この図形がなんだか判るか?」
「……三角形?」
「うむ、ボンクラにしては上出来だ。これをだな、こうやってそれぞれの頂点を分けるように三つのピースに切り取って……」
「お、おい悠人」(ヒソヒソ)
「あ、ああ。俺も何だか嫌な予感がしてきた」(ヒソヒソヒソ)
「あー、何だっけ。アタシあれ、見た事ある」(ヒソヒソヒソヒソ)
「そこっ! 静かに! いいか聞いて驚け見て驚け、三つの頂点を合わせると……どうだっ! 見事に一直線だろうっ!!」
「………………」
「………………」
「……そ、そうだ悠人、俺達確かもうすぐ訓練の時間じゃないか?」
「あーっ、そういえば! ほら悠、行くわよ。ぐずぐずしないでっ」
「あ、ああ……そうだな。それじゃヨーティア、俺たちもう行くわ……」
「ああん? なんだいマナがげっそり抜けたような顔をして……って行っちまったよ」
思わぬ所で初等数学の講義を受け直すはめに。
セリア先生はポニテで授業中だけノンフレの眼鏡着用希望!
ファーはジャージ、ハリオンはエプロンじゃなく割烹着の方向で。
>ファーはジャージ
唐突だが、あの戦闘服よりもジャージのほーが戦いやすそうだよな。
実際、ジャージって丈夫だし着脱は早くて簡単だし。
まあ、着衣で戦闘すんのは柔道のような掴み技にすげぇ弱いわけだけど。
マジな話、ライダースーツ+プロテクターのほーが戦闘向きな気もするが。
>ファーはジャージ
背中摘んで引っ張ったら前が凄そうだハァハァ
ジャージと聞いて
竹刀持ってキレまくりのスポコン鬼体育教師なウルカを思い浮かべた俺がいるorz
でも年少組からは羨望の眼差し。本人に自覚なし。
それは、エスペリアの鶴の一声から始まった壮大な物語。
「全て、支援施設に注ぐ事を具申致します」
またか、と溜息が漏れる。大体新しい支援施設に関しては、ロクな想い出が無い。
いくら自分がPS2版以降大幅に抵抗力を削られたからといって、最近のエスペリアは少々我を忘れてしまっているようだ。
「……いいですね、ユート様」
何を感じ取ったのか、じろり、とこちらを睨むように確認してくる。当然、逆らえる筈も無かった。
事の発端は、イースペリアへの侵攻中だった。
その日ランサに到着した俺達に、ちょっと信じられない報告が入る。
≪大穴を当てたので、自由に使ってもいいよ:さすらいのギャンブラーより≫
『…………なに、コレ』
『さあ。私はただ、届けるよう任務を言い渡されただけですから』
ラキオスで待機している筈だったナナルゥに渡された一枚の紙を見て、俺は思わず顔を上げた。
普段からポーカーフェイスの彼女に何を期待した訳でもないが、せめてもう少し詳しい話が訊きたかったところだ。
『いや、これ、レスティーナの字だろ? 何を使えって?』
そもそも、大穴という意味が判らない。いや、正確には知ってはいるのだが。
この世界に賭博の類があるのかどうかはともかく、そのネーミングセンスもどうかと思う。
しかしそれにも増して、このフランクかつ投げやりな文章。気のせいか、やさぐれているようにも取れる。
首を傾げていると、じーっと見ていたナナルゥが口の端を僅かに上げ、ぼそぼそと説明を始めた。
『何でも我が国の保有しているエーテルを全て人気薄のエクゥにつぎ込んだ所、見事に期待に応えて頂けたそうです』
『一点買いかよ?!』
突っ込みどころはそこじゃないだろ、とか思いつつ、ついつい突っ込んでしまった。
女王陛下ともあろう立場の人間が、国の財産をそんなリスクに晒してどうする。それって横領じゃないか。
いやそれ以前に、全てって。何か嫌な事でもあったのだろうか。俺の対レスティーナ信用度が大幅に下がった。
『詳細はMap画面右上を確認せよとの事です。バグでは無いので心配は無い、とも』
気のせいか、何だか楽しそうな口調で淡々と喋るナナルゥ。俺はおもむろに東の空を見上げ、
『うわぁ…………』
嫌な溜息を漏らした。
上空に、まるで飛行機雲のような巨大な数字の列が、フレームからはみ出しソーンリームまで並んでいる。
いや、これもう右上とか関係ないから。なんで今まで気づかなかったんだ。
そんな訳で初回プレイにしてはちょっと有り得ないマナを得た俺達は、その使い道について相談していた。
「ま、まずはエーテル変換施設を充実するべきです!」
未だにLv.1のまま、一周目は放置されようとしていたヘリオンが早速身を乗り出す。いや、気持ちは判るけど。晩成型だし。
「そうね。どの道マナにしないと使えないわけだし」
冷静に状況を分析するセリア。こちらはどうでもいい感じな口調。流石はクールビューティー。
PS2で得たアドバンテージは大きかったようだ。澄ました表情のまま、カップを手に取り口に運んでいる。
その様子をちら見しつつ、ラキオスから来たばかりのナナルゥが遮る。
「抜かりはありません。こんな事もあろうかと、全ての土地で技術者達が休日返上で建設中です。後1ターンで完了します」
「建設が完了しました」
「早っ!」
「エルスラーオのエーテル変換施設の建設が完了しました、リーザリオのエーテル変換施設の建設が完了しました、リモd」
ナナルゥの説明が終わるや否や突然立ち上がり、まるでプログラムされているように報告するエスペリア。
いちいち一箇所ずつ具体的に紹介するので、会議はそのまま30分ほど膠着した。ここで場面スキップが使えないのは痛い。
「あ〜あ始まっちゃった。これ、長いんだよねぇ。あ、アイスバニッシャー憶えた」
「んぐんぐ……あ、シアーのLv.も上がったよ〜」
欠伸をするネリーに、ヨフアルを盗み食いしているシアー。ちゃっかり自分達の宣伝も忘れない。
≪これ以上Lv.上げる訓練士がいないんです!≫
≪お、お姉ちゃん落ち着いて!≫
何だか本国からも謎の悲鳴が聞こえてきたりして、会議はすっかり緩みきったものになってしまった。
支援します!
「――――という訳で、上にもありますが、全て施設に注ぐ事を具申致します」
「……あのさ、上、ってどこだよ」
「気になさらないで下さい。それより、ここランサは将来、とても重要な防御拠点になるような気がします」
なんで判るんだ。上にもあるが、溜息が漏れる。大体新しい支援施設に関しては、ロクな想い出が(ry
「いや、でもなぁ」
「いいですね、ユート様」
「……はいはい。でも、せめて訓練用のマナは残しておいてくれよ」
「ありがとうございます! ええ、それはもう抜かりなく。というか、有り余ってますし」
黙っているとじろりと睨まれたので、主人公としてはどうかと思ったが、つい投げやりな台詞を吐いてしまった。
嬉しそうな顔の前で両手を握り、感激を表しているエスペリアの立ち絵を尻目に隣に目をやると。
「……ん。終わったか?」
アセリアが、開放してもいいのか、という視線でさっきからずっと持っていたマナ結晶を差し出してきていた。
色々な意味で、もうどうでもよかった。
豊富なマナのおかげで、俺達の戦いは遅々として進まなくなった。
こう言うと何だか逆説的だが、実際そうだったのだ。
「Lv.がLv.がLv.がLv.が新たな日々日々新たなLv.が日々精進です――――!」
などと、いつかポリープにでもなるんじゃないかというくらい、毎ターンエスペリアの声が大陸全土に響き渡る。
特にサルドバルト戦に入ってからこっち、味方はラースからさっぱり動かなくなった。
進撃など、出来るものではない。理由は一つ、そこに訓練施設があったからだ。
個別データの更新が激しすぎて、いちいち目を通す事も止める事にした。機械的にスキルの上書きだけを繰り返す。
「あ、テラーTは残しておいて下さいね。デフォですっ!」
「………………」
「エーテルシンク上書きしたら殺しますよ」
「……いや、出来ないから」
誰もかれもがそこで最大限にLv.を上げようとするものだから、どの訓練士も引っ張りだこ。
そのうち自らの能力の限界を悟り、暇乞いを始める者が続出し始めた。
何故訓練士のLv.は上がらないんだとゼネストを始める奴まで出てきたが、あっという間にブラックリストに載り、鎮圧される。
もちろん、彼らが鍛えた我がスピリット隊全員の袋叩きによって。――――女って、怖ええ。
「あの訓練士さん、いっつもマインドシールドばっかり。オルファ、いらないよ」
「どこで使うのか判らないヒートフロアとかじゃなくて、ちゃんとファイアエンチャントを更新して欲しいわ」
さっぱりマナが足りなくなり、溜まるまで無駄にターンを消費する。SSランク?なんですかそれな状況が繰り返された。
そうしてもうこれ以上は上がらない、という所でようやく進撃を再開する。すると今度は異常な速さで攻略が進んだ。
サルドバルトの連戦も一部隊であっけなく終了する。ましてや城に忍び込んだウルカ以下などは瞬殺だった。
10ターン待機して戦いに備えよとのmissonを言われても、暇つぶしに水龍を倒した後はもうやる事が無い。
仕方が無いのでイベントを消化しつつ、遂に待望のエーテルジャンプ施設が出来た所で一斉に旅立つアマゾネス軍団(と俺)。
ランサには、巨大な塔やなんやかやが乱立しているはず。それを見るのが、退屈な中、唯一の娯楽のような気さえしていた。
「……あれ?」
着いた砂漠で、周囲を見渡す。しかし何も変わった所が無い。
「おーいエスペリア、何もないんだけど」
「はい、ちょっとお待ち下さい。ええと……まだ完成には少々かかるようですね」
「少々って、形跡もないんだが。後どのくらいなんだ?」
「う〜ん……後250ターン位、でしょうか。Lv.を300に設定しましたので」
「ああ、それならしかたがないな。楽しみは後に取っておき――――――――300?」
「ええ。わたくしの抵抗力は、半端じゃなく弱くなってますから」
「いや、そうじゃなくて。有り得ないだろ300とか」
「そうですか? ですが、念には念をといいますし」
「……あのさエスペリア、試みに訊くけど、250ターン後にここで戦いはあるのか? そもそも全部終わってるんじゃないか?」
「………………」
「………………」
「建設を中止しました」
「うをぃっ!」
マロリガンは、ある意味激戦だった。
もちろん、新しい訓練士を目指して雲の子を散らすように彼女達が全侵攻ルートを突き進んだからだ。
光陰や今日子、それに稲妻部隊こそ、いい面の皮だっただろう。戦いは、常にスキップ。
ろくに戦闘台詞も放てないまま、僅かなタイムラグの後真っ黒になるHPパラメーターバー。
バーゲンセールに殺到するおばさん宜しく血走ったラキオス軍にとって、彼女達はただの障害物に過ぎない。
イオが参入した時スレギトで一瞬膠着状態になったが、それも束の間、あっという間にマロリガンは征服されていた。
気づいたときには誰がヒエレン・シレタに向かうかをじゃんけんで決めていたそんなある日。
「おい悠人、ヨーティアが呼んでるぜ」
「あ、ああ……」
適当に選択肢を選んでたので、忘れてた。光陰、助かったんだっけ。イベントもろくに見てないからなぁ。
「なんか今、仏罰ものの事を考えてなかったか?」
「そんな事は微塵も無いぞ。それより、なんの用事だ?」
「さあ。とにかくとっととラキオスに帰りやがれ。編成に出来る空席には、シアータンを入れるんだからな」
「そっちが目的かよ。オルファタンはどうした」
「それなんだが。リレルラエルに着いた途端行方不明になってしまったんだが、知らないか?」
「…………心配するな、後でひょっこり出てくるさ」
アポカリプスが便利でついいつも一緒の部隊で行動してた事は、内緒にしておこう。ていうかよく憶えてるな俺達。
「ヨーティア、入るぞ」
「お、来たね。見せたいものは、これなんだが」
「また何か発明したのか。…………えっと、どれだって?」
「これだ、これ。まぁ無理もないがな。小さくしすぎたかもしれん」
「…………お」
差し出された小さな手の平。その上を凝視して、ようやく見つけたのは小さな小さなガラスのようなもの数個。
「……で、なんだ、コレ」
「なんだとはご挨拶だね。折角ぽしゃりかけていた企画を復活させてやったというのにさ」
「へ?」
「支援施設だよ。これは蒼の水玉Lv.300。で、これが黒の祭壇Lv.300だな。これが――――」
「作ってたのかよ!? しかもこんな短期間で!?」
そう突っ込みながらも、嬉々として開発したであろうヨーティアの顔が目に浮かぶ。
天井を眺めると、確かに数値が一桁少なくなっていた。……いや、元々桁多すぎて良くわかんないけどなんとなく。
「……いや、でもこれ、小さすぎだろ。無くしたらどうするんだ」
「わっ! こら、鼻息を吹きかけるな。落ちたら見つからんぞ!」
「す、すまん」
「全く。科学というのは、常に性能と小型化への挑戦なんだ。ま、この大天才様だから可能だったともいえるがね」
「ふーん……」
ヨーティアの説明を聞き流しながら、危うく身を逸らす。周囲を見渡してみると、相変わらずの乱雑な部屋。
確かにこんな所で落としたら、人ごみで落としたコンタクトレンズ宜しく未来永劫出てくる事はないだろう。
しっかしもうこうなったら祭壇もへったくれも無いな。なんか別の呼称にした方がいいんじゃないか?
「じゃ、使い方を説明するぞ。よく消毒してから人差し指に乗せ、こう、目にそっと嵌めこんでだな……」
「まんまコンタクトかよ!!!」
そんな訳で、近視でも遠視でも乱視でも免許に眼鏡等ともないのに、我がスピリット隊は全員コンタクト着用となった。
属性ごとに色分けされていたので、正確にはカラーコンタクト。何故かファーレーンが嬉しそうにしていた。
「ほらニム、黒ですよ、黒」
「もうわかったからお姉ちゃん。それより凄いねこれ、ノーマルなのにエレメンタルブラストが使える」
「はい〜。これで敵の皆さんを釘付けですぅ〜」
「………………」
これだけ隔絶された彼我勢力で、そんなもん必要ないんじゃないか、とは言えなかった。
ミュラーが見つかったので、攻略はもうLv.上げの必要が無かった赤と緑に任せ、こっちはひたすら日々精進。
うっかり上がりきる前にサーギオスの連続戦闘に入りかけ、用も無いのに城下で暫くうろうろとしていた。
「何だかセリアが出てこないと思ったら……お前か」
「な、なんだ悠人、突然睨み出して」
エターナルになったところで、オルファが復帰してきた。何だか難しい話を聞かされた気もするが、よく憶えていない。
ラスダンの事を考えるとそろそろ気が重くなってくる。こればっかりは、どんなにLv.を上げても手間が変わらない。
ニムばりに面倒臭がって何も考えずにメダリオに当り、危うく流転100%でゲームオーバーになりかけた。
そこでようやく今まで全くセーブしていないことに気づき、慌てて重たいシステム画面を開く。ありがとう、メダリオ。
「もう、いつまで経ってもハリオンが帰って来ないから、お気に入りのヨフアルを作って貰えないじゃないっ……もぐもぐ」
「それでヤケ食いの割りにはまたエラく買い込んだものだね。いくら次のプレイにマナの持ち越しがきかないからって」
「いいの。これはこれでガロ・リキュアの貨幣流通の活性化に繋がるんだから」
「まぁ、それはいいんだが、ところで新しい技術が完成しそうでね。予算を回してはもらえないだろうか」
「いいけど、あんまり使わないでね。一応、マナ技術は廃止の方向を打ち立ててるんだから」
「ああ、今度の飛行船は、多分大丈夫だと―――――――」
以下、スピたんに続く。
451 :
信頼の人:2006/02/11(土) 23:55:44 ID:iW5IGV0a0
支援、ありがとうございました。
誰も憶えていないスレ18_462を受けてみました、が……
なんだか悠人視点のPS2版レビューみたいになってしまったorz
何となく書きなぐったので、設定とか微妙にあやしい所がありましたら、
誤字脱字ハリオンマジック等含め、御指摘頂ければ幸いです。
レベル上がる程お荷物になるのになあエスペリア。
(`・ω・´)/ 先生! エーテルをつぎ込んで、それをコンバーターでマナにするのは逆であります!!
(`・ω・´)/ 先生! エスペリアさんがいきなりとちっています! エスフェラーオだなんて! キャッ!
(`・ω・´)/ 先生! メダリオはロウエタ最強ですね!
(`・ω・´)/ 先生! 女王様はちゃんと寺銭払いましたか! 胴元丸儲けですか!
(`・ω・´)/ 宣誓! コンタクト型ドーピングなら、スピリンピック黒の部にファーレーンさんが出場出来ますね! スピ色チェック回避可能です!
ガロリキュア建国後、スピリットへの理解を広める為
第一回冬季スピリンピック開催。
場所:ソーンリーム
大会規定によりファーレーンさんの失格が決まりました。
初歩的なミスです。
>>451 うは、色々な意味で、もう突き抜けまくりだw
で、30分レポートでエスは何回地名を噛んだろうか?w
ちなみに、18_じゃなくて17_だね。
>>452さん
まぁその墓穴っぷりがエスペリアの魅力ということでw
>>453さん
うわ、早速連絡スレに報告させて頂きます(大汗 ……なんで気づかなかったんだ>マナ、エーテル
競エクゥは国営なんでしょうかねw うっかりハーフパイプとかに出場したら落としそう>ドーピング
>>454さん
スピリンピックフィギュア部門。正に盤上の妖精。美の競演。
見事な演技を終え、颯爽と戻ってくるファーレーン。
しかしマナ掲示板に映し出されるのは低得点の数々。あげく失格の裁定。
ファ「な、何故ですかっ!?」
天才「まずはフェイスガードを外せ。話はそれからだ」
こんな感じですか? それともまさか体j(ウンサンムショウ
>>455さん
う、ほんとだ、すみませぬ17_462さん、18_462さんorz
噛ませるつもりは無かったんですがw>エス
でもあの時点で10箇所建設可能? なので二桁は硬いかとうわなにを
思うんだがメダリオって、エタ同士のタイマン勝負なら最強無きガス。
先手を取る必要有るかも試練けど。
「あーはっはっはっは。言うじゃないかい。このあたしの『不浄』の前にはまさに陸にあがった魚みたいなもんなくせに。
ほーら (ピシ!パシ!) 動けないだろう? ほらほらほらっ気持ちいいのかい。この変態! 魚臭いんだよ!ハァハァ」
スピリンピック>ファーレーンさんはノーマルヒル専門ですがなにか。
メダリオってスレの性質上雑魚(お笑い要員)扱いされることも多いけど、1対1ならスピリットじゃ太刀打ち出来ないスペックあるんだよな
流転100%にばかり目が行きがちですが、
Aスキルは防-200%*3とオルファえんちゃんと並です。
>>458 設定的にはタイマンはおろかスピが束になっても敵わないレベルだと思う。
ゲーム上のデータ的には最弱エターナルな感じだが。
やっぱエトランジェやエターナルのサポートもバニッシュできるくらいじゃないとな・・・
妖精!
合体!
GO,エスペリアン!!
無印のつもりでろくにプロフィール見ずに突っ込んで、何が起こったか呆然としたことが>メダリオ
>>457 つまりハイロゥを規定より3cm余計に展開してしまったと。
エ「本日開催のスピリンピック、競技のお知らせです。
フィギュア(ペア・フリー)
元ラキオス代表のネリーシアーペア、アセリアセリアペアに
メダルの期待がかかっています。
クロスカントリー(チームスピリント)
ヘリオンナナルゥチームが出場します。
このチームには何が起こるか、正直分かりません。
先日、大会規定で失格となったファーレーン選手ですが
新たにラージハイロゥでの参加を表明しました。」
ネタなんで続かない。
465 :
再生:2006/02/13(月) 15:57:38 ID:P0sgzatc0
ダイゼンガーと同サイズで凄い。
超巨大ヘリオン発進!
まぁ冗談はさておき、いいですな。
てゆーか欲しい。
・ボブスレー(二人乗り
期待はハリオン・ヒミカペア
漕ぎ手の脚力と重量を活かした加速が勝負となるこの競技
ヒミカ選手の火の玉ダッシュに加え、ハリオン選手の重りょ……げふんげふん
・カーリング
元マロリガン代表のチーム稲妻部隊に注目
しかし、監督の碧光陰氏が会場入りしていないらしく
リーダーのクォーリン選手をはじめチーム内に動揺が広がっている
(以下、Yofual!JAPANトピックスより)
行方不明だった碧光陰氏は、同日開催される女子フィギュア観戦に行くことが判明
年齢規定で出場が危ぶまれたラキオスフィギュア界期待の新星、
オルファ選手の応援に向かう模様
>>465 ウイングハイロゥでかっ!!
つーか何と戦ってwww
>467
じゅうはっさいいじょう じゅうはっさいいじょう
・アイスホッケー
姉であるファーレーンの心配を余所に、GKを務めるニムントール選手。
生来の負けず嫌いに火がついた格好で、チームの主将として率先して練習に励む姿は、以前のめんどくさがり
からの完全な脱却を示しているようだ。
だが大人になったようでまだまだ子供な所も……。昨日は、ファンの子達にサインをねだられると上がってしまう一幕。
Yofual!JAPANトピックス
選手村食堂では、ヨフアルが大人気。だが選手達の間ではこんな噂が流れている。
曰く……「選手名簿にない黒髪の女の子が(検閲)
【遺伝子】緑に光る「蛍光ブタ」 台湾大が成功 [06/01/13]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1137171882/ マナのしわざじゃ! ヘ⌒ヽフ
>>469 ねりちゃぎ同好会さんのイベント限定品です。前から欲しかったんですが、関東の方では
ないので、えらく長いこと手に入れるチャンスを待っていました…。
で、年末にやっと手に入れたので、コツコツ作っておりました。
エスとかセリアとか聖剣シュンとか作ってくれる造型氏いませんかねw
自分には色塗るくらいしかできないッス。
473 :
再生:2006/02/14(火) 09:28:42 ID:s5uxd/wc0
>>472 自分も関東人だけど、これの為だけに神戸遠征しましたよ、深夜バスに揺られて。
神戸21で敗北、神戸22で買えました。
その後の有明で売ってるの見て「おれの2度の遠征って・・・orz」でしたが
475 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:05:58 ID:5cwPPWka0
「悠人よ、今年も来たな」
「え、何がだ?」
「素でボケてるのか。明日は念願のバレンタインデーじゃないか。この日を忘れるなんて、男としてどうかしてるぜ」
「は? 明日? いや、ここファンタズマゴリアだし。お前が勝手に決めてるだけじゃないか」
「何を言う悠人。世界は違えど衆生は変わらず。戦いの日々、彼女達にだって少々の潤いは必要だと思わんか」
「思わんか、ってそれはお前の潤いの間違いだろ。どうでもいいよ、大体この世界にチョコレートなんかないし」
「お前はそれだからいかんのだ。少しは肩の力を抜け。独りで背負い込むな。俺達だっているんだ」
「光陰……話を無理矢理感動的な方向へと持っていくんじゃない」
「チッ、ノリの悪い奴だ。まぁいい。明日は勝負だ、悠人。俺はこれでお前に勝つ!」
「いや、握り拳で力説されても。大体誰も知らないだろ、バレンタインデーなんて」
「ふっ」
「うわ、ヤな遠い目!」
「抜かりは無い。既に情報はシアータンにリークしておいた。明日が楽しみだぜ」
「お前はまた微妙な線から流布を……そんなんだから株価が暴落するんだ」
「何を意味不明な事を。そんな訳で、どっちが多くチョコを貰えるか勝負な。負けた方が神剣を差し出すって事で」
「待て! そんな重いペナルティーを雑談混じりに軽く決めるな!」
キィィィィン……
「ぬをっ! 頭痛が、頭痛が痛いっ!!!」
「ほらみろ、いくら『因果』が大人しいからって調子に乗りすぎだ。今日子みたいになりたいのか?」
「アタシがどうしたって?」
「きょ、今日子! いや、これには色々と訳があって」
「ふ〜ん、ま、いいけど。ちょっと光陰、顔貸して。アンタが流した噂について、少し詳しく聞きたいから」
「ふぃ〜、死ぬかと思った……お、今日子。どうしたんだ、ハリセンなんか構えて……ってお、おおっ?!」
「いいから来なさいってば。あ、悠、ちょっと光陰借りてくわね」
「ああ、お手柔らかにな…………行っちまった。さて、念仏でも唱えてやるか」
バリバリバリ……ズゥゥン……
476 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:06:47 ID:5cwPPWka0
そんなこんなでエトランジェ同士の見苦しい仲間割れが行われていた頃、
ここ第二詰所では住人達の住人達による住人達の為の会議兼お茶会が繰り広げられていた。
「ふーんそれで……ばれんた……なんだっけ?」
「ばれんたいんでーだよ、セリア」
カップを手に取りながら、やや不機嫌そうに呟くセリア。説明するシアーはちょっぴり緊張気味。
「それでそのたいんでーで、私達がどうするって?」
「だからぁ、みんなでユートさまに、ちょこれぇとをあげようって思うの……」
「冗談じゃないわ。今は戦争なのよ。そんな暇あったら訓練を」
「まぁまぁセリアさん〜。もう少し、シアーさんのお話を聞いてあげてもいいのではないかと〜」
「……ふん」
すかさずフォローを入れるハリオン。空になったセリアのカップにシナニィ茶を注ぎながら、やんわりと嗜める。
俯いたまま何か草稿のようなものを書き殴っていたヒミカがふと顔を上げ、眼鏡の縁をくい、と持ち上げた。
「話が見えないんだけど、それには何か理由があるの? つまり、私達がそれをユート様に贈る理由とか」
「ん〜、それでさっきキョウコさまに訊きにいったんだけど……」
「何だかキョウコ様、血相を変えられて何処かへ行かれたんですよね……」
首を傾げるネリー。繋げたヘリオンも何だか要領を得ない表情でもじもじと落ち着かない。
「あ、あのね。日頃の感謝を込めて、男の人に女の子があげるんだ、ってコウインさまが言ってたの〜」
「女の子……正気?」
シアーの補足に、ニムントールが呆れた声を上げる。ファーレーンが何が可笑しいのか、くすっと覆面越しに笑った。
「あらニム、私達スピリットの性別は、全員女性ですよ」
「お姉ちゃん、そういう意味じゃなくて……はぁ、面倒」
人がスピリットを人扱いしているという意味だったのだが、この姉には言っても通じるまいと溜息を付くニムントールだった。
477 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:08:08 ID:5cwPPWka0
「ところでちょこれいと、というものは食物なのでしょうか?」
今までずっと立ったまま様子を見ていたナナルゥが発言する。
年長組の中では一番発展的な質問に、ぱぁっとシアーの表情が明るくなった。
「あ、うん、それはね〜。甘くて、黒くて、すぐ融けるんだって〜」
「……何それ。謎掛け?」
「甘くて〜、黒くて〜、すぐ融けるんですかぁ〜」
「う〜んどうやらお菓子の材料のようですね……」
「何だろう……そんな食材あったかしら……」
一斉に唸りつつ、天井を見上げる一同。やや思い当たるものが無いでもないが、単品で食するものでもない。
開け放った窓からそよそよと流れる風が、暫くの間沈黙の中を漂う。やがてぼそっとナナルゥが呟いた。
「…………トキミ様」
「あ! オハギですっ!」
ぽん、と手を叩くヘリオン。隣でああ、と嬉しそうに頷くネリーのポニーテールが大きく揺れる。
「それだよ! 甘くて、黒いし!」
「それなら以前教わりましたから大丈夫ですぅ〜。用意しましょう〜」
「あ、私も行きますー!」
「ネリーも〜!」
「あ、待ってよ〜」
たたたたた……。早速やる気を見せたハリオンに、ヘリオン、ネリー、シアーが続く。
「まぁ、お菓子作りには興味あるし、日頃の感謝を込めるっていうのは悪くないわね」
「そうですね。私達も色々とお世話になっている訳ですから」
やれやれといった感じで手帳を閉じ、立ち上がるヒミカ。何を納得したのかファーレーンも追いかける。
こうして第二詰所スピリット隊は、肯定派と否定派に分かれた。
478 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:11:04 ID:5cwPPWka0
残されたセリア、ナナルゥ、ニムントールの3人は、静けさを取り戻した応接間の中、
しばし何事も無かったかのようにハーブを楽しんだ。ややあって、満足げにカップを置いたセリアがまず呟く。
「…………融ける、かしら?」
「…………融けない、と思う」
「つまり、境界条件を満たしていません」
「みんな、気づいてないのかしら。勢いって怖いわね」
「お姉ちゃんまで……はぁ」
「ナナルゥ、頼める?」
「しかたがありません。調査します」
「宜しく」
「では」
ぱたん。今まで寄りかかっていた壁がくるり、と反転し、たちまち姿を消すナナルゥに、セリアはひらひらと手を振った。
数分後。
「調査完了しました」
「早っ!」
突然天井から舞い降りたナナルゥに、食器の後片付けをしていたニムントールは仰け反ってしまった。
「お帰り。どうだった?」
一方こちらは動じないセリアが冷静に対処する。ナナルゥは僅かに首を左右に振り、答えた。
「雷撃の後の放電でやや苦労しましたが……これです」
「ふうん。これが例のちょこれーとってやつ?」
「ちょ、これってスリじゃ」
「ちゃんと後で返せば問題は無いのでは?」
「……まぁ、どうでもいいけど」
「とりあえず、この世界の食材では再現が不可能のようです」
「そう。決まりね、この話は無かった事にしましょう」
「ええ、それが賢明と判断します」
「それでいいよ。何だか面倒臭いし」
淡々と話を打ち切るクールビューティーズ。あっけなく3名脱落。
479 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:12:05 ID:5cwPPWka0
一方こちらは厨房。
「アチチチチッッ! なにコレ、煙が出てるよー!!」
「何だか焦げ臭いぃ〜〜」
「判りましたっ! どどどどうやらこれは直接火にかけては駄目なようですっ!!」
「震えながら今更な事叫んでないで! 早く消火、消火しなさいっ!!」
「あらあらヒミカさん〜、それを捻っては余計に火がぁ〜」
ボンッ!
「…………あ」
「…………あ゙」
「ファ、ファーレーンさん!」
「ちょ、ちょっと大丈夫……?」
「あらあら〜、お顔がすっかり真っ黒にぃ〜」
「…………しくしくしくしく」
6名脱落。というか、最初から間違えてはいたが。
更に第一詰所。
「あ、キョウコ様。丁度良かった、あの、お聞きしたい事が」
「あらクォーリン、どうしたの? また光陰がバカでもやった?」
「いえ、あの……ば、ばれんたいんでーというのは、一体……」
「……は?」
480 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:13:13 ID:5cwPPWka0
そして次の火、もとい日。
訓練中、悠人は妙に疲れた第二詰所の面々に囲まれ、妙に気まずい視線を感じながらノルマを終えた。
「……なんなんだ、一体」
呟きながら、第一詰所に帰る。途中、ひょっこり現れた光陰と鉢合わせした。何だか顔が緩みきっている。
「よ、悠人。どうだ調子は?」
「調子? ああ、絶好調だ。何だか誰も相手してくれなかったから素振りだけだけどな」
「あん? 何の話だ。そうじゃなくて、チョコだよチョコ」
「チョコ?……ああ、まだ続いてたのか」
「当たり前だ。……で?」
「でって。いや、別に。だから言ったろ、チョコレートなんてこの世界には……おおっ!」
話の途中で光陰が差し出してきたものを見て、悠人は驚いた。見覚えのある黒い塊。色艶。
ご丁寧に包装までされ、緑色のリボンが巻きついたそれはどう見てもハート型。
「お、お前、それ一体どこで」
「はーっはっは! 驚いたか悠人。ま、義理だろうがな、クォーリンがくれたんだ」
「いや、それ、どう見ても本m」
「悔しいか? 悔しいだろう。さて、誰からももらえない哀しい悠人君の目の前で、ありがたく食するとするかな」
言うや否や、包装ごと口に咥える光陰。どうでもいいが、リボンは取れ。そう思いながら、ちょっぴり羨ましい悠人だった。
しかしそれも束の間。
「グボッ!!! な、なんっ……がっ! ちょtあqwせdrftgyh!!!」
「お、おい光陰!!」
口から猛烈な緑色のマナを噴き出しつつ倒れる光陰。まだぴくっぴくっと痙攣する身体を、悠人は覗き込んでみた。
「これは……伝説の緑塩か。多用しすぎたな」
何をどう勘違いしたのかは判らない。しかし、そこに今日子の入れ知恵が隠されているような気がして、悠人は身震いした。
481 :
聖なる贈り物:2006/02/14(火) 23:14:49 ID:5cwPPWka0
『……という訳で、この中に自分の……ごにょごにょ……な塩を入れるのよ』
『そ、そうなんですか……で、でも……』
『ま、その位の覚悟がいるってこと。無理しなくても……あら? クォーリン? どこ行ったのかしら……は、はは、まさかね』
食卓。いつもどおりの楽しい夕餉。
「さ、沢山お食べ下さいユート様」
「ん。今日のは少し、塩辛い」
「そ、そう? あ、アセリア、それはユート様用ですから」
「ん、そうなのか」
「………………」
何だかイヤな予感がする悠人だった。南無。
482 :
信頼の人:2006/02/14(火) 23:16:42 ID:5cwPPWka0
時事ネタ滑り込み。緑塩については
>>334さんのネタ(勝手に借用)を参照で。
>>473 こらヘリオン、なんてはしたなハァハァ(死
>>482 GJ!&時事ネタ乙です。
ナナルゥの能力が日を追う毎に進化していきますねw
セリアさん、なんだかんだで乗ってくると思ったのに、あっさり引いてちょっとびつくりです。
やっぱり髪切ってまるくなったのでしょうか。
ていうか禁断の緑塩発動ワラタです。クォーリン、あの短時間でどれだけ生成したんだw
なお、昨日のバレンタインで悲しい思いをした香具師は、
画像板に行くと幸せになれるやもしれません。
店舗特典テレカにハリオンがいねぇ。
絶望した、俺の中の失望がE化して絶望した。
ヘリオンは描き下しかよ…。
遊コンのテレカを見て思ったこと。
実は敗北するとモンスターに襲われるシーンが…
あっても寸止めでしょうなぁ…
>>485 代替品の野郎に寝取られるくらいなら
まだもんすたのほうがマシかもな
>>遊コンのテレカ
何処の馬の骨とも分からん新キャラなど眼中にないわっw
…でもテレカの一覧見てたら、
雑魚スピは全員ギャグ&エロ要員で、
シリアスな展開はネコ耳娘にしか用意されてない気がしてきた orz
>>485 触手目当てでアセリア買った俺としては異種姦ばっちこーいだけどねぇ。
多分無いな。絵師的にはバリバリあってもおかしくないけど
ファン層的に需要が無さそうだからな・・・
まぁ今回はロティとのラブでいいっす。
幸せになっておくれ。
ななるぅは ようせいのふえをつかった
えすぺりあは ねむった
どうする?
こうげき
どうぐ
まほう
にげる
ゆーとのへやにしのびこむ
とりあえず「まほう」
政治役のネリー
蟲毒のシアー
捏造のセリア
借金王のヒミカ
承知のナナルゥ
退治のハリオン
猪口のニムントール
下戸のファーレーン
出動のヘリオン
なんか時代劇が出来そうだ
>>483さん
うっかりセリアさん走らせるとまた暴走するので今回は封印してみました(汗
>>489 とりあえずシチュー(エレメンタルブラスト100%
「ねえニム。お姉ちゃんね、ニムとの将来の為にイオさんに付いて技術者として学んでみようと思うの」
……お姉ちゃんは一級技術者。
>>491 上から3つ目、捏造のペリカに見えたw
承知のナナルゥ、そのまんま杉w
何気猪口と下戸で対になってる辺り芸が細かいっすね。
>>492 バルスw
お姉ちゃんは一級技術者 〜イケない腹黒計算〜
えーと、この部屋は今までのより二倍の大きさにして、ユートさまとニムと私の部屋って事にして当然東南の角部屋。
減った分はエスペリアさんの部屋を削る事でまかなって……本人より先にお部屋のダイエットですねクスクス
あ、やっぱり第一詰所を丸々私たちの家って事にして、店子の皆さんには第二の方に移ってもらうというのも捨てがたいですね。
ユートさまとニムを毎日見送って、いってきますのチュゥを……キャーー ニムったらへそ曲げたりして。
夜は三つ指ついてお出迎え。ご飯にしますかお風呂にしますか、それとも……ああんもう覆面は脱がさないで!
今は駄目です我慢なさってバレちゃいますから!
>491
himika the debt of honor
金の為、望まぬ創作活動へ身を投じていく。
♪かわーることーのないー
空気キャラだからこそ補完の価値がある!
今求められているのはろてぃのAAではないだろうかっっ!!
炉ちぃ君は空気っていう属性が完全に付加されてるから
補完の余地が無い希ガス。
やるんなら紡ぎたん補完で炉ちぃ使用っていうのがモアべたー。
>>494 微妙にエスペリア入ってるのにワラタ。何がバレるとw
>>497 最初から諦めちゃだめだ!……いや、俺も思いつかないけどな。
でもまだ発売前だし、きっと空気以外の何かがあると思う。多分。もしかしたら。
ろてぃAA(仮)↓
゜ー゜
最近一部ではまりつつある、マビノギというゲームのキャラエディタ
調子に乗って雑魚スピは作成可能かやってみた。
ダメだ、俺の感性じゃ無理がありすぎるorz
一応
ttp://mabinogi.or.tp/pmcs/v4/0/1,1/2,0/3,0.7,0.9,0.4,0.8/4,EFE3B5/5,660066/6,28/ 7,663300/10,0/11,000000,000000,000000/12,184/13,000000,d4c8c8,f2c8c8/14,17/
15,ffffff,ffffff,ffffff/16,67/17,000000,000000,000000/18,45,0/19,c0894b,f9f8f7,f9f8f7/28,1/29,1/30,0/31,0
これでヘリオンっぽくしてみたが、皆さんどうでしょう?
参考までに
ttp://mabinogi.or.tp/pmcs/v4/0/1,1/2,0/ ここで遊べますのでどうぞ。
500 :
罪と罰:2006/02/18(土) 22:40:04 ID:DbAMrj320
「ユート様」
ある晴れた昼下がり、詰め所の居間で、ハリオンお手製のお茶を片手にまったりと過ごしていると、
ふと、同じようにテーブルの向かいでボーッとしていたナナルゥが、めずらしく自分から話し掛けてきた。
色々あった戦闘の日々も去り、スピリット達の立場もレスティーナの尽力により少しづつではあるが、
改善されてきている。
うちの連中はまだマシなほうだったが、一般的に人間にも自身ですらも戦いの道具としてしか、
価値を認められず、また戦いのやり方以外、何も知らなかったような他のスピリット達も、
徐々に人間らしい趣味や娯楽を見出してきている。
うちの連中の中でも特に感情が希薄だったナナルゥも最近ではとみに感情豊かになったものだ。
表情自体は若干まだ硬いが、その分純粋で混じり気の無い気持ちが伝わってくる。
好奇心も年少組に負けないくらい旺盛で、何か知りたいこと、分からないことがあると、
俺に限らず、光陰や今日子、セリアやエスペリアなどと積極的にコミュニケーションを図ろうとする。
それはとても良い傾向だと思う。だが……。
「”萌え”とは一体どういう意味を持つのでしょうか?」
誰だ。いらん事を吹き込んだ奴は。(いや、十中十生臭坊主だろうが。後でシメる)
501 :
罪と罰:2006/02/18(土) 22:41:09 ID:DbAMrj320
結局教えることになった。
あの期待に満ちた瞳(一見無表情だが、分かる奴には分かるのだ)で見られたら、
突っぱねるのは極めて困難だ。
『萌え』
ハイペリアにおいてもごく最近出来た言葉……というか、概念だと思う。
本来は植物の芽が出るとかいう意味だったが、何をどう間違ったのか今では立派なヲタ用語。
俺は、ある意味萌えの貯蔵庫と言っても良い第二詰め所でずっと暮らしてきていた。
無論、萌えという概念など感覚として実感できている。
だが、あえて他人に説明するとなると意外なほど難しい。
何しろ概念だからな。『生きる事』や『運命』等について論じるのとも大差無いと思う。
上位永遠神剣の銘に『萌え』という名があってもおかしくない勢いだ。
うむ。
やはり言葉でこの概念を分からせるのはナンセンスだな。
感覚として実感させるのが一番良い。プロシュートの兄貴もそう言っている。(言ってません)
――さて。誰に白羽の矢を立てるべき、か。
この場にいないのは、外交でレスティーナの護衛についていったエスペリアと今日子、
買い物に出かけたネリシアにオルファ、付き添いとして嬉々としてついていった光陰、
目付けとして(誰に対してかは言うまでもなかろう)セリアといってところである。
「ふ……む」
ぐるりと部屋を見回し、黙考する。と、目に止まったのはちっこい黒妖精。
「よしヘリオン、君に決めた!」
502 :
罪と罰:2006/02/18(土) 22:43:54 ID:DbAMrj320
「え?」
いきなり指名を受けて目を白黒させるヘリオン。それには構わず手招きすると、
小動物じみた動きで駆け寄ってくる。
……うん、萌えだ。
彼女たちとて解っている筈なのだ。
ただ、こんな萌え空間で暮らし続け――――もとい、環境に慣れすぎて、
或いは戦争により感情が磨耗して、ピントが合っていないだけ。
ならば、事は簡単だ。至極解り易い形にして目の前で表現してやればいい。即ち――
「ああ、ヘリオン。それじゃあ向こう向いてくれ」
言われたとおり素直に俺の前で回れ右するヘリオン。
その小さな頭に、俺は懐から取り出したネコ耳の形をしたカチューシャをジョイントさせた。
「あ、あの、ユート様?」
「あーヘリオン、そのまま小首を傾げて適当な小動物の鳴き声でもあげてくれたまえ」
釈然としないながらも、ヘリオンが俺の指示に従った瞬間。
刻は、確かに止まった――。
発端のナナルゥに始まり、ヒミカも、ハリオンも、ウルカも、ファーレーンも、アセリアやニムまでもが、
恐らくは初めて自覚したであろう、言いようの無い衝動に為す術もなく氷結していた。
――ネコ耳。
数ある萌具の中でも最もポピュラーかつ高い威力を誇る物の一つである。
本来はこの萌具の真価は、ヘリオンでは引き出す事は出来ない。
従順かつ人懐こい彼女に合うのはネコ耳ではなくイヌ耳である。
ネコ耳の真価を存分に引き出せる人材は、この面子の中では、ツンデレ属性を持つニムントールに、
気まぐれで天然な性格を持つアセリアだろう。
503 :
罪と罰:2006/02/18(土) 22:45:17 ID:DbAMrj320
それでもあえて俺がヘリオンを選んだ理由。
それはネコ耳とイヌ耳の違いなどこの異世界の住人には分からないだろうという事。
そして、初心者には、複雑な性格をしているニムやアセリアよりも、
ヘリオンの方がわかり易いだろうと判断したからである。
俺はテーブルに組んだ両手の肘をつけ、渋く決めた。
「これ以上あれこれ語る必要も無かろう。即ちコレが萌えである」
俺はとんでもない事をしてしまった……。
その後、何処からどう話が流れ伝わったのか、ネコ耳オルファに一発KOされたどこぞのヨフアル女王や
、一部のスピリットの手により、首都ラオキスで獣の耳を模したカチューシャ型アクセサリーが
大陸中で大流行した。文字通りネコも杓子も獣耳である。
若い女の子ならともかく、恐怖な事にオバハンや老女、何をどう勘違いしやがったのか、
男性までも、果ては脂ぎったオヤジまでがつけ始めたのだ……!
――ああ。俺はとんでもない事をしてしまった。
504 :
罪と罰:2006/02/18(土) 22:45:46 ID:DbAMrj320
――思うに、我が故郷でも、江戸時代のチョンマゲや、中世ヨーロッパの三段カールなども、
何処かの異界からの介入者が面白半分に流行らせたのではないかと思う。
だって普通に考えてあんな面白可笑し過ぎる髪型はありえないだろう。
俺だったら影でせせら笑うね。むしろ写真撮ってネットでバラ撒くね。踊る阿呆に見る阿呆。
まさしく裸の王様さトニー。HAHAHAHAHAHAHA…………。
…………そんな事はどうでもいい、どうでもいいのだ。
今考えるべきことは
「ここにいたわよ!故郷の恥晒しが!!」
「ひぃっ!や、やべぇ!!」
佳織、今日子、時深の阿修羅同盟(身内の恥抹殺し隊会)の制裁をどう回避するか。
それだけである。
「大人しく然るべき裁きを受けなさい――!」
「お兄ちゃんのバカーーーー!!」
ニゲロニゲロ ニゲロニゲロ ドアヲアケロー
>>498 ロティAAワロタ
でも個人的にはもっと希薄な感じが出てもいいと思う。
>>499 見方がわからんのだけど、マビノギやってないとわからんのかな?
>>500-504 乙ですた。
>それはネコ耳とイヌ耳の違いなどこの異世界の住人には分からないだろうという事。
ネコ耳とイヌ耳の使い分け漏れも分からなかったorz
でもチョンマゲのターニングポイントってどこだったんだろう。
まさか本当にobsnが介入したんじゃないだろうなw
>>506 ごめん
URLが長すぎて、一発で貼り付け出来なかったのよorz
だから3段になっているのをうまく連結してください・・・
それでキャラが出てくるはずッス
>>507 ごめん、activeX入れたら出てきた。
あぁ、確かにヘリオンっぽいね。
服とかも再現できれば良かったんだけど。
>>507 短縮URL機能あるんだから、使・・・という以前にあまり広めんでくれ
確か個人鯖だろ、そこ
>>500-504 悠人、何故そんなモン持っているww
つか、初心者って。どんな玄人なんだ、お前さんは。
どこぞのヨフアル王女、貴女だって前から付けてるでしょうに変なカタチの王冠。
と色々突っ込みつつ激しく爆笑させていただきました。ドフトエフスキーも吃驚ですなw
>504
ユート。なんて取り返しの付かない事をしてしまったんだ!
貴様はスピ達の命を奪うという罪だけでなく、心までっ…………
ああそうさ、キツネ耳ナナルゥとか、トン耳エスペリアとかタヌキ耳ファーとか萌るよ!
ロバの耳ルーグゥなんて萌え尽きてしまうぜ! って既に鬼籍ですかそーですか。
>ロティAA
ワロス これ以上希薄ってどうすればイインダーーw
∩ ∩
'´ ⌒ヽ
! ソノノ~)))
く人リ' ー`ノiゝ うにぃ〜……王様の耳?
〜/\ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ ※ \______ヽ
\※ ※ \ 。 。
\ / ※ ※ ※ ※ ヽ ー )))
`───────'''
第二詰所の朝の食卓。
皆で、一つテーブルに綺麗に並び、いただきますを唱和してから既に10分ほど立っていた。
セリアは、ネリーのスープ皿に目をやって溜息混じりに言う。
「またネリーったらリクェム残して。ちゃんと食べなさい。そうやって好き嫌いしてると強くなれないわよ」
「ネ、ネリーだけじゃないもん。ほらシアーも残してるよ」
「あ〜んネリー言っちゃ駄目〜」
青スピ三人。厳格な長姉と、ちゃらんぽらんな次姉、ぽやっとした末妹。
何度も繰り返された情景。涙混じりに口にリクェムを詰め込む結果が待っているのは疑いようがなかった。
テーブルを囲む皆は、窓から差し込む四角い朝日の中、戦いとはかけ離れた穏やか空気に和んでいたのだった。
そんな中ファーレーンが言う。ちょっとだけ自慢気。
「ニムは昔から不思議と好き嫌いがありませんでしたね」
「ニムはネリー達とちがって大人だし。野菜好きだもん」
フフン、とネリーを挑発的な目で見つつニムはリクェムを口に運ぶ。これ見よがしに「子供には分からないよね」と付け足す。
「うーニムムカツクぅーー」
「ぅーー」
シアーが器用に“ぅ”だけ発声しているのを、ポツンと離れたテーブルで食事中の光陰は聞いてはいなかった。
(ニムントールちゃんは野菜好き。ってことはベジタブル好き……
野菜好き=ベジタブル好き=ベジータ好き=お…俺の事が好きっ!!!!! ナ、ナンダッテー)
その後、口の中にリクェムを詰め込まれた変死体が発見されたとか、クォーリンのリバイブが間に合ったとかなんとか。
,
_,'´⌒"´|
\フl」」ルl」」
i !ゝ゚ -゚ノゝ キツネ耳、装着完了しました
i⊂》|Tリつ
ノノく/|_ノゝ
し'ノ
_ ,へ
,@)/:::: |(@
∠ <=====ゝ
んヘ!」;゚ -゚ノ」| タヌキ耳装着…何か違う気がするとです
⊂》|Tリつ
く/|_ノゝ
し'ノ
>>514 生臭坊主に物申す。その発想はもうこよなく愛すとかいうレベルじゃない。ただのストークだw
>>515 激しくロバの耳を期待してる俺ガイル
>>514 ベジタブルからベジータが出てくるコウインバロスwwww
518 :
恋愛持論:2006/02/19(日) 21:04:33 ID:a9v7hf9K0
ある日訓練を終え、この後はどう過ごすか、あのハリガネ頭に合う洗髪料を調合でもするか、
それともエスペリアの恥ずかしい日常をハイドウォッチングでもするかと悩んでいたナナルゥは、
人気の少ない第二詰所の裏まで来たところでふと足を止めた。
前方に人影を二つ捕捉。一人は良く知る顔。
「あれは、ヒミカですね。…………何をしているのでしょう」
好奇心、猫を殺す。なんですかソレな彼女は、早速行動に移った。
素早く近くの木の陰に隠れる。そして二人の気配を探りつつ、次の木の陰へ。
そしてまた次と、足音を立てないよう摺り足で徐々に接近する。――――早い話が盗み聞き。
風の流れや雑音を効率良く排除しつつ、会話だけをピックアップする。
その為に全能力を傾ける事。それが彼女の、甚だ迷惑な「戦い以外の生きる道」だった。いい加減止めなさい。
「ごめんなさい。これは、受け取れないわ」
「どうして? 俺はいつも、ヒミカを見ていた。今すぐ返事をくれとは言わない。けど、せめて読むだけ読んでくれよ!」
隠れるまでも無かった。風に乗って、鋭い叫びが聞こえてくる。
冷静に淡々と話すヒミカに対し、何か理不尽だと言わんばかりの男の憤慨。
丸聞こえである。これではスキルを発動した意味が無い。ナナルゥは、ちょっぴりがっかりした。
「――――をや? あの男性は、もしかして」
しかしそこで、興味有る事実を発見した。彼は確か、ヒミカが転送されてきた頃から付きっきりの訓練士。
名は、なんと言っただろう。ええと…………ああ、キ○ド・キレ。(一部本人の名誉の為伏字)
普段は「人」にしては珍しく、スピリットに対してもちゃんと快活に接する青年だ。
少しおどけた所もあるが、真面目な部分ではちゃんと真剣で、詰所でも評判がいい。
エスペリア曰く、どこかしら面影がラスク様に似ているとの事。
そんな事言われてもラスク様を知らないのでどう反応したらいいのか困るが、客観的にも好青年といえるだろう。
しかし、それにしても。
519 :
恋愛持論:2006/02/19(日) 21:07:49 ID:a9v7hf9K0
「なるほど。そういう事でしたか」
用も無いのに訓練を見学したり、偶然のように帰りがけに声をかけられているヒミカの姿はよく見かけてはいた。
赤の育成が苦手なくせに、いつもヒミカに拘っていたのはこういう訳か。妙に納得し、そして複雑な気分になる。
「そういう事じゃないの。私はスピリットだし、貴方は人。この意味は、判りますよね」
「そんな、人とかスピリットとか、関係ない! ……それともまさか、他に好きな奴でもいるのか?」
「………………」
何だか聞いた事のあるような台詞。アンニュイに浸っていたナナルゥは、顔を上げた。これがシュラバというものか。
予想通り、困ったようなヒミカの頬が薄っすらと染まってきている。間違いなく、“ツボ”だったのだろう。
自分だって不覚にも、どきどきしてしまっている。
ある意味反則的なその台詞をこの場で恥ずかしげもなく口に出来るとは、恐るべしキー○・キレ。
「…………判ったわ。でも、読むだけよ。余り期待とか、その、しないで……」
何だか手に汗握り締めつつ見守っていると、やがてためらいがちに差し出されるヒミカの細い腕。
途端、飛び跳ねるようにして喜ぶ○ード・キレ。そして何故か木陰のナナルゥも。
「やったぁ!――ありがとう! 本当に、嬉しいよ!」
「―――やったぁ」
だんだんと語尾が掠れてしまいには俯いてしまうヒミカを他所に、勝手にユニゾンするナナルゥとキード・○レだった。
520 :
恋愛持論:2006/02/19(日) 21:09:10 ID:a9v7hf9K0
その夜。何気無い風を装って、ナナルゥはヒミカの部屋の天井裏を訊ねた。
いや、別に何気無さを装う必要はないのだが、ただなんとなく。
「――――ん、ちゃんと机に向かってますね」
一部始終を見てしまったせいか、手紙の内容がとても気になる。そこにプライバシーの侵害という概念は無い。
なにせここはファンタズマゴリア。個人情報保護法など、この世界にはまだ縁の無いお話。
「ええと……私こと、キード・キ○はいつも貴方を見て着ました……はぁ〜どうしよう、まいったなぁ」
早速ヒミカは机に突っ伏し、悩んでいた。
気のせいか、甘い吐息のような悩ましげな溜息など、普段からは想像も出来ない。
生真面目で何にでも本気で立ち向かう真摯な彼女にとって、たった一枚の小さな手紙がかつて無い強敵なのだろう。
「いつも頑張っている貴方を恒に支えたい……ああ、なんてことなの……」
男勝りな彼女が人前では絶対に見せないか弱い背中。潤んだ瞳が虚ろに彷徨う。
幼い子供がいやいやをするように首を振る、甘えた表情。
――――ぐびり。
「こ、これは……」
女っぽい仕草に、ナナルゥの喉は思わず鳴ってしまった。
気づかれなかったかと一瞬身を硬くする。しかし、手紙に夢中なヒミカは気がつかない。
何か、思いついたように顎に手を当てたかと思うと、熱心に筆を走らせている。
次は、一体どういう反応をするのか。いや、一体どんな返事を書くのか。
訳の判らない期待や好奇心にぞくぞくしてくる背中。
「ククク……もはや犯罪的ですねぇ……」
勝手に汗ばむ全身や乱れ始める呼吸に、ソーマもびっくりの声が漏れる。
悪魔に魂を売りかけ、ふらふらと身を乗り出したその瞬間。
「あーもうっ! ここもっ! 全く、誤字脱字が多すぎて読めたもんじゃないわ!」
どんがらがっしゃん。ナナルゥは盛大に、天井裏から落ちた。こう、床に頭から突っ込む勢いで。
521 :
恋愛持論:2006/02/19(日) 21:11:37 ID:a9v7hf9K0
「あら? ナナルゥ?」
「……よく、足だけでわかりますね」
床から生えた二本の太腿と化したナナルゥに、ごく冷静な口調でヒミカが振り向く。
その手に持っているのは巨大な朱筆。書道の先生が持ってたアレ。
「痛たたた……ああ、コブが出来てしまいました」
「大丈夫? 早くハリオンにでも看て貰った方がいいわよ。あと、覗きも程ほどにね」
「………………覗きではなくハイドウォッチングです」
ナナルゥは少し変な角度に曲がってしまった首を元に戻しながら訊ね返していた。
「――――そんな事よりヒミカ、一体何をしているのですか?」
「ああ、これ? う〜んどうやらラブレターのようなんだけど、ほら私、誤字とか見つけると気になって気になって」
「………………」
「で、添削してみたんだけど……どうかな?」
「………………」
ばーんと擬音交じりで差し出されたそれは文面中が真っ赤に塗られ、
止せばいいのに「0点」なんて大きく朱書きまでされている。もう元の文章など読めるものではない。
なのにヒミカはすっかり上機嫌で、鼻歌でも聞こえてきそうな程のご満悦っぷり。
どこから突っ込めばいいのか。ナナルゥは、ようやく声を絞り出した。
「ヒミカ…………問題はそこなのですか」
「え? 他に何か、問題があるの?」
「………………」
まるで親によく出来た成績簿を見せてくる子供のように無邪気ににこにこと首を傾げるヒミカに、
ナナルゥはがっくりと膝をついた。これを返された後の青年の心を思うと、いくら感情の乏しい自分ですら何だか痛い。
人とかスピリットとか、確かにそんなものは関係ない。
この鈍さは、最早この世界の常識なのだろうかとちょっぴり眩暈を感じたナナルゥだった。
新番組「妖精王ヒミカイガー!」
523 :
514:2006/02/19(日) 22:57:21 ID:j64bLhj50
ヒミカさんの恋人は創作です! ペンです! 文章です! 男なんて、BLで十分です!
もう、鈍い人ばっかりなんだからぁん♥
ということで、誤字ネタを逆手に取ったキー○・キ頼さんGJデスた。
次はヒミカ作ファンタズマゴリア版八墓村でゴー(イヤ、ネタ元は分かっておりますw)
>515
キツネ耳イイ! この指向性集音装置で、スキル「出刃亀」を習得したわけですね。
>516-517
いや、光陰はヨウジョへの純粋な思いの丈があふれ出てついにスーパー光陰にな(ブルマ今日子のライトニング
524 :
エロ大王:2006/02/19(日) 23:26:53 ID:YMbX8Jie0
ハイロゥが黒いよ!黒いよママン!!
だーくへりおんなんだろ。
悪です!
何気にアセリアもカコイイ……が、なんでどっちもぱんつ見せてるんだ?そういうモンなのか?いいけどw
>>521 GJっす。
ミカ先生酷すぎるw
人間だからというよりは、三次元だからという理由で否定してそうな勢いですね。
ガロリキュア設立後、スピリットに違うベクトルでの偏見が蔓延しないか心配でなりません。
>>524 これって
>>465のとはまた違う奴?
バリバリのブラックヘリオンじゃないですか。
さすがマインド30は違いますね。
>>529 同じでしょ。
ガレキだから塗装は人それぞれと。
>>523さん
(´-`).。oOネタ元って何の事だろう……(←本気で判ってない
>>529さん
ほら、違うベクトルが出来ればそれなりに次元が増えていつか三次元に(違
_ ,へ
ええ、そうね。 ,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ ラスフォルト一ヶ月一万ルシル生活
∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i 参加者募集?
んヘ!」 ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ>
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
_ ,へ
ニ、ニム。 ,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ でもこれって一ヶ月缶詰じゃないと意味無いよね
身も蓋もない事 ∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i
言うんじゃありま んヘ!」; ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ>
せん <(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
_ ,へ
ニムゥ〜 ,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ それにホントに一ヶ月連続して
(実は既に ∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i 収録してるのかとか
応募済み) んヘ!」;дノ」| L!、ー゚| i)イ>
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
|
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/V\ ,J
/◎__ヽ ジー
レ'´iミ(ノハソ
_ l !ik(i|;;゚ヮ゚ハ < そ、そんなオイシそうなイベント……つ、釣られないんだからっ!
ヽツ.(ノリ:::::::.::::.:..|)
ヾソ::::::::::::::::.:ノ
` ー U'"U'
嵐の前の静けさですね…明日あたりマスターアップor延期の告知か
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <うかつに延期とか言うと、タイムシフトしちゃいますよ
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>535 表面は変わらないけど
お肌に年輪が刻まれてる方ですね
>535
スピたんは時深さんルート後だって聞いたんですけど嘘ですよね?
>>534 あれ?まだ延期告知出てなかったっけ?
発売日はとっくに3月以降に移ってると思ったけど。
ラキオススピリット隊、第二詰め所。天気は快晴。
もはやラキオス隊の娯楽室と化している居間のカーペットで寝転ぶ『いつもの』面々。
オトナな何名かは、テーブルで優雅にティータイムと洒落こんでいる。
ちなみに我らがソゥユートはコドモな何名かとカーペットに寝転んでいた。
「ふあぁあああぁ〜」
あまりの、まったりとした空気に大口を思い切り開けて欠伸してしまう。
そのとたん、ぽすッと口に何かをつっこまれる。
少し涙のにじんだ眠気全開の目で、悠人は自分の口になにか突っ込んだ相手を見る。
エスペリニャンが、妙に得意気な表情でその手を悠人の口に突っ込んでいた。
-いつからいるようになったんだろ、コイツ。
エスペリニャンは悠人の口の中で少し手を開いて何か残してから手を戻す。
悠人が口の中に残されたものを下で確かめると、どうやらニボシだった。
ポリポリとニボシを食べる悠人を満足げに見ながら猫の仕草で顔を洗うエスペリニャン。
とりあえず、悠人はエスペリニャンの髪を撫で撫でしてやる。
ふにゃあ、と顔がとろけて耳や尻尾が微妙にぴくぴく動くエスペリニャン。
そうしていると、悠人は後ろからの視線に気づく。
視線の主は、シアーやヘリオンと一緒にハリオンに本を読んでもらってたロリペリア。
-コイツも、いつからいるようになったんだろ。
とりあえず、手招きしてやるとロリペリアはしずしずと悠人のそばによってきた。
じっ、と期待の眼差しで悠人を見ながら微妙に首を傾けて頭を差し出している。
期待に応えて、もう片方の手でロリペリアの髪を撫で撫でしてやる。
…その際、寝転がったままでは苦痛なので一度「よっこらさ」と起きて座りなおしたが。
悠人に髪を撫でてもらいながら、溶けてるエスペリニャンと幸せそうなロリペリア。
ちら、と向こうのオトナな何人かがお茶を楽しんでいる食堂のテーブルのほうを見る。
エスペリアと目があう。
-いつからいたん(ry
「私は最初からいます、ユート様」
顔だけ、いつもの優しい柔らかな微笑みのままで睨みつつピシャリと遮るエスペリア。
無駄かつ無意味に平和だった。
信頼さんに画像版に誘導されて、それでビビビと変な電波を受信。
とりあえず、3大ぺリアが揃ってる場面を描きたかっただけで。
…で、ロボペリアとかメカペリアとか他にもあとあと増えるんでしょうか?
>>538 2月→3月になった事?
それ以外でなら公式から来たメールでは3/4で確定のようだけど。
先日はクラブザウス通信販売を
ご利用いただき誠に有難うございました。
ご予約いただいております『スピたん』の
配達希望日時は以下のようになっております。
〜割愛〜
・配達希望日は3月4日(土)より承ります。
~~~~~~~~~~~~~~
〜割愛〜
なお、特に指定がない場合、弊社から3月1日(水)に
発送いたします。
ただしこれ、2/17に着た奴だからそれ以降や雑誌の情報は知らないけど。
>>541 のらスピ思い出したw
ふむ、時代は犬から猫になったのかなエスペリア……って。増殖してる?!Gか?Gなのか?!
つーかファンタズマゴリアにニボシがw 何に使うんだろ。。。。
>>541 乙乙〜。
エス増殖期ですかな?
とりあえずエスペリニャンにはコタツ設置推奨。
以前クロマティのフレディエスやメカ沢エスを考えていたワタクシってorz
ちなみに神山はソゥ・ユートでそれ以上のことは考えていない。
剛田を買った。
TG専用スピたんをやってみた。
どう見ても会員に配布された体験版と一緒です。(セーブデータそのまま使えました。)
本当にありがたくありませんでした。
そういえばスピたんは街中を移動できるみたいだな
高台でワッフルもどき買えるかどうか調べようと思ってるヤツ正直に挙手
ノ
今日帰宅途中立ち寄った某路線赤羽駅近くの裏寂れた路地で、
『セリア生活用品』
って看板の店を見つけた。どうやらスピたんの予約は受け付けてないらしい。
>>545 ノ
ていうかありえるかも。ハリオンに上げたら好感度上がるアイテムとかで。
地元の百均はみんなセリアだ
>>547氏は岐阜県民でしょうか?
というかうちから1駅のとこにある。>Seria
針金髪の男「そこの僕。すまないがちょっと道を教えてくれないか。この街に孤児院があるって話しなんだが……分かるかい?」
少年「ああ、しってるよ。それならほらあの看板」
そう言って、男の子は埃っぽい道の向こうを指さした。
針金髪の男「100ルシルショップセリア……?」
少年「うん。あの看板のある店の隣だよ。しかもどっちも同じ、キレイなラスフォルトのお姉ちゃんがやってるんだ。」
針金髪の男「……そうか。サンキュ」
少年「……さん きゅ? なんだいそれ?」
針金髪の男「ああ悪い。ウレーシェ。ありがとな助かったよ」
少年は怪訝な顔をしながら、さっきまで遊んでいた仲間の元へ駆けていった。
針金髪の男は少々ばつの悪い顔をしながら再び看板を見上げる。
――――なんか俺、戻ってこなくてもよかったかもな。
聖ヨト歴334年コサトの月。
ガロ・リキュア首都ラキオス。
全てが平和となった大地。
針金髪の男は頭を掻きむしると、歩き出した。
――――旧知との新たなる出逢いの為に。
>>549 えらく好きな展開なのにここで途切れるとは……orz
というかスピたんが出たら、やっぱりこのスレでもユートは消える運命にあるのだろうか………
嵐の予感。
PS2アセリア最終戦うざ杉
なんか投げそう…
俺の心の中の太田さんが鉄砲を撃たせろとうるさい
この間外を歩いてる人に音声を聞かれたのがショックでPS2版やってません
どうしたらいいですか?教えてセリアさん
>>553 イヤホン使いな。
ついでに延長コードも買って。
ヘッドホンは音漏れするのでお勧めしない。
なんか気風が良くなりましたねセリアさん
>>552 ガンガレ、誰もが通る道だ
>>553 私と外歩いてる他人、どっちを取るつもり?
…スマソ、やっぱり俺にはなりきりはムリ。素直にボリューム下げてください。
外歩いてる人相手だったら普通にヘッドホンでもいい希ガス。
少々漏れても聞こえまいて。
というかイヤホン使いすぎは耳悪くするよ?
色々シャットアウトしてテレビのボリューム小さくすればいいんじゃないのか?
ていうか外に聞こえるってどんだけ大音量でやってるんだ……
閑静な住宅街をのほほんと歩いていて
どこからともなく「ユート様〜」とか聞こえてきたら何か嫌だなw
みんなありがとう
壁一枚隔ててもうすぐそこは外なんだよな
しかも大きなガラス戸がついてるから音は小さくても外に聞こえちまう(今こうしてPCやってる姿も外から丸見え
イヤホン試してみるよ、本当にありがとう
ニ〜ム っとネリー なか よく けんかしな
ニ〜ム ニムニム にゃ〜お ネリー ネリー ネリー ちゅう!
…………正直スマンカッタ
とりあえず体験版始めたけどテキストが中々楽しい感じになってるな。
地雷かと思ったがもしかするかもしれん。
ちょっと質問があります。
ロティってひょっとしてソーマの関係者?
ストーリーや設定は良いと思う。
けど、だけどな、戦闘がウザイと思う、タルいと思うよ。
同人サークルで、連ジみたいな3on3バトルとか作ってくれないかな。
>>564 とりあえずそんな説明はなかったと思う。ネタ的には面白そうだが。
>>565 なぁにかえって免疫が(ry
まぁアセリアPC版の時も体験版では色々言われていた訳だし>戦闘システム
まだ42%なんだがちょっと思いついた。
ロティがエトランジェの子孫なら、回復魔法が効くのも説明が付くってわけか?
戦闘は聞いていたほどには難しくなかった。まあ簡単だけど、正直ちとメンドイのが難点かな。
これを何度もやるのは億劫そう。
個人的には文章の平坦さの方を何とかして欲しい……ここのSS職人の方が上手いんじゃないカナ。
単純にここの作者さん達が上手いだけかもしれんが(特に長編モノ大好き)
正直エロゲのテキストならこんなもんだと思うけどね。
テキストをウリとしたゲームじゃないわけだし。
雑魚スピをはじめとするキャラの性格をぶち壊してはいないから
これ以上を期待するのは正直どうかなー、と個人的には思う。
ここの職人の皆様方はクオリティの高さならば板でもトップレベル
2ch全体で見ても結構上位にいるのではないかと思いますわ
>>567 それならミュラーさんにも回復魔法が効く上マナで鍛錬できる説明が付きませぬ。
いやエターナルだろあの人。
少なくともヒトではない。
うーむ。
積んであるPS2版アセリアを崩そうかなぁ。
インフルエンザで寝込んでたんだが、
このスレに久しぶりに来てみるとそう思ってくる。
>>574 ラスダンガンガレ。
ところで体験版も出回った所で、このスレ的にはスピたんはどう扱うの?
ミュラーやロティはともかく、ツェナや『紡ぎ』も含め、雑魚スピスレとして補完するの?
えっと…一応bbspinkになるのかな?場合によっては分家する可能性も出来るのだろうか。
いや、ExやPS2の時もちゃんと固まってなくて混乱してたから、
ここらで一度暫定でも確認しておいた方がいいのかな、と思ってさ。ウザかったらスマソ。
ミュラーさんは少なくともあの世界の人間ではない気がする。
まぁ神剣持ちだとすると時深達ですら気付かないのも何かおかしい気がするので、
個人的には地球以外の異世界から召喚されたエトランジェ説を取る。
高い身体能力と年を経てな若々しい肉体はそういう種族だから。
ミュラー「私の故郷にはね、穏やかな心と激しい怒りを持つことで凄い力を出せるって言う伝説があるんだよ。」
光陰「あんたはサイ○人かよ・・・」
ロティ「???」
>>575 補完っていうか、弄るのは全然ありじゃまいか。
ベースはファンタズマゴリアなんだし、素材が増えたという認識でいいんじゃまいかと。
ロティとツェナはどうでもいいが、ミュラー先生と紡ぎタソは是非お願いしたい。
分家とかして変な制限かけると、却ってやりづらくなるので反対。
連投スマン。
>>575 とりあえずここで統合でいいんじゃないかね。
公式で発売された続編な訳だし。
今まで別にネタに制限とかかけてない訳だしこのスレ。
(オリキャラとかですら禁止はされてないし)
職人さんがロティや紡ぎ、ツェナを登場させる話がやりたいと思うなら
いくらでもやっていいんじゃないかと。
あっさり船の動力源問題を解決してくれたヨーティアに敬礼。
で、完全に永久機関なわけなのかね? だったらレスティーナの政策は意味を失うような気が。
効率が悪いとは言え、改善の余地はあるのだろうし。
スピたんネタ……ここでいいでしょ。どうせ溶け合うでしょうから。
スピたん体験版、青の島クリアした人いる?
Cで先頭キャラを青スピにすれば青のマナ?溜まりは越せることには気づいたけど、
その先にいる王様っぽい人に勝てねー。
あと戦闘中動き制限されるし。
緑の島:初級 赤の島:初・中級 青の島:上級と勝手に認定
>>580 王様っぽい人って方舟から出てすぐのマップにいる人かな?
それだったら無視してもオッケーだぞ。マップクリアには関係ない。
俺も挑戦したがアンチブルーの回復スキルは強すぎて無理だった。
582 :
575:2006/02/26(日) 17:03:21 ID:eixU/uDY0
>>577-579レスサンクス。
今の所はスピたんもここでネタに包みつつ、って感じか。
あ、でもネタバレとかはどうするんだろ。
その辺も職人さん達にお任せって事でいいのかな。
通じないネタはすべるだけだし。
>>580-581 ヘリオンがレベル10で星火燎原の太刀を覚える。
レベルボーナスを全部攻撃力に振って、
実戦値を全部星火燎原の太刀の攻撃力に費やす。
防御の上からでも1発で1200当る。(1ターンに5回打てる)
あとはネリーでも少し強化すれば2ターンで倒せる。
倒したら(obsnの?)赤いハチマキを入手。
>>583 " タイムアクセラレイト
´∴ # __ ゜ヾ´ ″´∴
「,'´r==ミ、―≡ ̄`:∵∧_∧´∴∵゛'
__くi イノノハ))≡―=',((( )≡―=‥、 ∵゛、゜¨
, ≡ )| l|| ゚ヮ゚ノl|r⌒) _/ / ̄ =―≡― _
´∴'≡く / ∧ | y'⌒ ⌒ ヽ イノノハ))( ≡―=‥、,、
″″ \/〈(((ノ从| / | | ゚ヮ゚ノ`=―≡―∞
" ||( ゚ヮ゚ー' | |ヾノ //
=―≡ ̄`:, | , | ( ̄=―≒‥,,
" ,゛"=―≡―=',/ ノ )∵`=≡―=
″( ゚ヮ゚∴/´/ / | | , ゚ヮ゚ノ'ゞ ∵゛、 ゜ ¨
ヾ =―≡ ̄`:゛/ / \| |≡―=‥、,、 ヾ
,゛"=―≡―='( | ( |=―≡―∞=@ , 、∴
/ | | |\ \ ´ ∴ ヾ .
・ / / | | | ヽ/⌒〉
.... . ............ . .(_ 「 _) (_〈_/....... . .. . .... . . .
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
え?ロティタンは総受けで書く予定ですが?
相手は紡ぎタン
総受けならもっと増やそうぜ。
つ サードガラハム
587 :
エロ大王:2006/02/27(月) 00:06:15 ID:XWFxP+aI0
今更だけど胸が豊かな人と残念な人か見分けがつきやすい服だね
あぁ、怨念の声が聞こえる…
ムービーのラスト。
父子対決って気がしてならない。
ついでに言えばツェナが両手拡げてる絵。これ方舟からの光景なら、日の出はああいう風には見えない希ガス。
光陰と仮面がセットなのは何か意味あるのかね・・・
>>587 404 Not Found って出ますよ
あてんしょん
このSSは、基本的にセリア only の補完です。全八回で完結します。
無駄に長いので、そういうのが嫌いな方は遠慮無くスルー願います。
593 :
胡蝶 T−1:2006/02/27(月) 22:08:23 ID:NrUtvtsr0
細い街道の両脇に突き出るように伸びた岩肌。鬱蒼と繁る樹木が続く谷間。
バーンライトの山並みは、その峰を天に突き出し、細く屹立している。
人を拒むかのような景色から視界を左に向ければ、僅かながらに垣間見える平原。
ただ、首都サモドアの名を模したそれは、残念な事にあまり目を休めるような材料にはなりにくい。
山脈の切れ間から遠望しただけの印象だが、その葉先がどれも皆鋭すぎ、丈も長すぎる。
全体的にやや茶色っぽくもあり、平原と呼ぶには草や木の温かみに欠ける様にも思われるのだ。
例えば、今来た道を振り返ってみる。そこに開けるのはリュケイレムの森。
贔屓目かも知れないが、そこには無数の広葉樹が脈々と生え、自然に落ち着いた穏かな印象を醸しだしている。
我が国ラキオスが所有している二大森林地帯の内、国の南側に位置しバーンライト王国との接点ともなるそれは、
豊富な水と柔らかい日差しに包まれ、私達スピリットにも青と緑のマナを常に分け隔てなく与えてくれていた。
何より森の奥深くに立ち入れば、殆ど人の姿を見かける事などはない。
戦いだけを許された存在として忌み嫌われている私達にとっては、そこは安息を感じられる数少ない憩いの空間なのだ。
ラセリオは、リュケイレムの森を抜けた先にひっそりと佇む国最南端の街である。
普段は何という事もない、目立った特長もないささやかな、村とでも称すべきこの街は今未曾有の危機に直面していた。
隣接するバーンライトへと続く山道。閉鎖されていたそれを打ち破り、彼の国のスピリット達が侵攻を開始したのだ。
宣戦布告して2ヶ月が経っていたが、戦いは専らサモドア平原の更に東にある、リーザリオ、リモドア方面に終始していた。
594 :
胡蝶 T−2:2006/02/27(月) 22:09:08 ID:NrUtvtsr0
ラキオスを発って丸一日。ようやく到着した私達は、早速部隊を編成し始めた。
もっとも編成といっても、元々予備隊として残されていたスピリットは少ない。
“人”の一般兵士は無数にいるが、スピリット同士の戦いに於いて役に立たないのはこの世界の常識だった。
彼らには向こうで既に、一番人当たりの良いハリオンが街の警護を依頼している。
わかっている、と言わんばかりの傲慢な態度で配置についた彼らを横目で見ながら、
臨時の部隊長であるヒミカの説明に耳を傾ける。心持ち緊張したような張り詰めた声だった。
「敵の数は不明。ただ、その侵攻ルートが判りきっているのは助かるわ。彼女達は、あそこから来る」
永遠神剣第六位、『赤光』を指揮棒代わりにびっと指し示す。その先、狭い山道の入り口付近に皆の視線が集中した。
「両脇は傾斜のきつい崖。生えている樹木の密度と高さから、ウイングハイロゥを使っての空からの奇襲もない」
ヒミカの指摘は正しい。私達ブルースピリットやブラックスピリットが得意とする空中戦は、この地形では非常に難しい。
飛んでみれば判るが、上空から敵の姿が捕捉出来ない視界の悪さでは、確実な攻撃が出来ないのだ。
滑空しての一撃は、避わされるとその隙も大きい。スピリットの集団戦闘でそれは致命的とも言えるだろう。
気配を探って一か八か、というのもあるにはあるが、それには同士討ちの覚悟が必要である。とても選べる選択肢ではない。
「いい、私達の目的は、あくまでも時間稼ぎ。決して深追いはしないで。攻撃も、神剣魔法主体で。いいわね、ナナルゥ?」
ヒミカの確認するような問いかけに、ナナルゥが黙って頷く。兵士達の説得から帰ってきたハリオンがその隣に立った。
広範囲の敵に対して神剣魔法を浴びせられるレッドスピリットは、ナナルゥ一人しかいない。彼女の負担は大きいだろう。
それを気遣ってか、微笑みながら何か話しかけているようだった。無表情ながら、ナナルゥもぼそぼそとそれに答えている。
595 :
胡蝶 T−3:2006/02/27(月) 22:09:46 ID:NrUtvtsr0
「あ、あのぅ、大丈夫、ですよね?」
隣からか細い声をかけられ、振り返ると真っ青な顔をしたヘリオンが立っていた。
全身で不安を表し、永遠神剣第九位、『失望』を両手で抱え込むように握り締めている。肩が少し震えていた。
彼女は、スピリット隊に身を置いてまだ日が浅い。訓練不足のまま実戦に狩り出されたのだ、無理も無いだろう。
ましてや部隊は彼女も含め、これで全員。エスペリア達主力も、高位神剣の持ち主であるエトランジェもいない。
たった5人の戦力で敵の大軍を相手にするのだ。防ぎきれなければ死ぬ。彼女でなくてもある程度の悲壮感は全員にある。
「……大丈夫よ。無理しないで、私の側にいなさい。怪我をしたら、すぐにハリオンに頼むのよ」
「は、はいっ!」
先程のハリオンの様子を思い出し、出来るだけ優しく髪を撫でてあげてみた。
するとヘリオンはぴょん、と飛び上がるように気をつけの姿勢を取り、敬礼みたいな格好でぎこちなく固まってしまう。
そんな上官に際するような態度に、思わず苦笑してしまった。やはり自分には、こういう役は向いていない。
普段から他人と接することが苦手な私は、こんな場面で咄嗟に励ますなどという高度な芸当が出来ないのだ。
それでも、もっと上手に緊張を取ってあげたかったな、そう思うと、伝わらないもどかしさが少し寂しかった。
「みんな、来たわよっ!」
そんな感傷も、ヒミカの鋭い叫びに一瞬にして霧散してしまう。
私は永遠神剣第七位、『熱病』の柄に手を添えながら口元を引き締め、山道の入り口を鋭く睨みつけた。敵の姿が見えた。
かつかつと、小気味良い音を立てながら飛び散るチョークの欠片。
廊下側が僅かに暗い。出来るだけ避けた横書きで簡潔に議題だけを記す。
隣の教室からの喧騒が、壁越しにくぐもって聞こえる。伝わってくる振動。
教室の配置は対称になっている筈。向こうでも同じような事をしているのだろうか。
窓からの日差しに埃っぽい粒子が舞い、濃緑の背景にくっきりと浮かび上がる。
ややくたびれた黒板が、嫌いじゃない。
隅の方に残る消し忘れ。強く書きすぎたのか、薄っすらと残る残滓。
それらがまるで、わたし達が確かにここにいた、その証のようなものだと思えるから。
きっと、大切な事。
それはただの数式だったり、退屈な古語だったり、将来役に立ちそうも無い化学式だったりもするけど。
例えば、大きく書かれた体育祭の結果。休み時間に書いた落書き。放課後に使った伝言板。
そんな何気無い一つ一つに、わたし達は一喜一憂したりもしたのだ。ここで、仲間や友達を作って。
写真のように、明確には残らない。でも、写真のように意図されて残すものではないから、決して色褪せない。
忘れるのは、わたし達。憶えてるのもわたし達。黒板は、ただ、示すだけ。選べ、と。だから、きっと、大切な事。
「それにしても……」
軽く溜息をつき、ひとりごちる。
ぎしっ、と軋む木製の教壇。背後で、押さえつけられるようなさざめく声。
一種異様な緊張感が漂う中、所々でひそひそと相談するような気配が感じられる。
うるさいな。わたしだって、好きでやる訳じゃないわよ。どうしても、っていうから。
「……はぁ」
最後の一行を手早く書き終え、赤いチョークを持ち直す。
あらかじめ作っておいた余白に自分の名前をやや乱暴に書き込み、抑えていた感情を爆発させながら振り向いた。
597 :
胡蝶 T−4:2006/02/27(月) 22:13:22 ID:NrUtvtsr0
当初戦いは、良い意味で順調に進んだ。
こう言ってはなんだが、不安材料だったヘリオンが思わぬ活躍を見せたのだ。
吹っ切ったとでもいうのだろうか、ナナルゥの神剣魔法の間隙を縫った敵を、的確に捕捉したのは常にヘリオンだった。
「セリアさん、あそこですっ!」
「判ったわ、マナよ、我に従え、氷となりて、力を無にせしめよ……」
むしろ私は飛び出すヘリオンのサポートに回り、自分で斬り込む事はしないようになっていった。
彼女の剣技は稚拙だが、ブラックスピリット特有のその速さに、敵の方で混乱してしまう。
そこへ袋叩きのようにヒミカが殺到するので、単独で突破してきた敵にとってはたまったものではなかった。
敵が複数の場合にだけ気を配り、周囲の状況を監視する。山道が狭いのと、街正面の見通しの良さが幸いした。
問題は、時間が経つにつれ、ナナルゥの疲労が目立ってきた事。最初から予想はしていたが、このままでは潰れる。
戦いが始まって、既に3日。主力は今どの辺りにいるのだろう。
情報は、私達スピリットにまでは与えられない。後方の兵士達は知っているかもしれないが、訊ねる事も叶わなかった。
「……敵、確認しました。マナよ、炎のつぶてとなれ……」
「待って、ナナルゥ。私が行くわ……はぁぁぁぁっ!!!」
今の所戦局は一進一退のまま変化が無いが、ナナルゥが崩れてしまっては支えきれない。
狭いといっても山道の中は軽く小さい屋敷なら丸々収まる程度の幅がある。
その上両脇を繁った木々に覆われて極端に見通しが悪いので、敵の捕捉が常に一歩遅れていた。
それでも波状攻撃を行ってくる敵の集団にレッドスピリットが確認できない時にはバニッシャーをかける必要が無いので、
ナナルゥは休ませ、私が斬り込み攪乱させるようにしている。そうして少しずつ、最前線に立つ機会が増えてきた。
「……ッ…そこっ!」
斬り込みながら、ふいにリモドアが陥ちる直前、第二詰所でヒミカと訓練をしていた時の事を思い出していた。
―――――――――――――――――
598 :
胡蝶 T−5:2006/02/27(月) 22:14:01 ID:NrUtvtsr0
レッドスピリットとは思えない機敏な動きで剣先を微妙に変化させ、
上段から突きに変わった『赤光』をサイドステップで避わし、『熱病』を捻りながら振り下ろす。
斜めに流れるそれを前髪に掠る程度で凌ぎ切った後、一息入れようと仕草で伝えてヒミカは剣を下ろした。
足元の岩にかけておいたタオルを手に取るのを見て、私も額の汗を拭う。
「危ない危ない。まさかあれ、誘ったんじゃないわよね?」
「まさか。ヒミカの仕掛けに焦って咄嗟に手が出ただけよ」
「本当に? ふうん」
気のせいか、にやにやと口元を緩ませるヒミカ。レッドスピリットを示す赤い瞳が何か言いたそうにきらきらと輝いている。
「……何?」
「ううん、やっぱり速さじゃセリアには敵わないな、って。読んでるつもりでも、予想外の所から剣が飛んでくるんだもん」
「そんな事ないわよ。それに、威力はヒミカの方が重いわ。神剣の位も違うしね」
ヒミカが持つ神剣は六位、『熱病』は七位。本気でやりあったら、多分負けるだろう。それは技量の問題ではない。
そういう意味を籠めたつもりだったのだが、しかしヒミカは別の事に関心が移ったようだった。
「そうそう、位といえば、ユート様。どう思う?」
「え? どうって……別に。一度見ただけだし」
先に、ラキオスに出現した所謂エトランジェ。異世界からの来訪者と言われる彼を見たのはつい先日。
そう、見ただけ。あの会見は、会ったとは言いづらい。一方的にエスペリアから紹介されただけなのだから。
599 :
胡蝶 T−6:2006/02/27(月) 22:14:52 ID:NrUtvtsr0
我が国に保有されていた高位の永遠神剣第四位、『求め』。
永く所有者が居なかったそれに主と認められた人間が現れたと、第二詰所でももっぱら噂にはなっていた。
どんな人物なのだろうと私にも多少の興味が無かったとは言えない。実際、男性だとは思ってもいなかったので驚いた。
ただ、失望した事だけは確かだ。一見して実力の底が見えてしまう程、彼は戦士には見えなかった。
一般兵士と比べても見劣りする体格。気迫の感じられない佇まい。平凡な市民のような大人しい目つき。
愛想笑いのようなものを浮かべながらの自己紹介はろくに耳にも入れなかった。
誰にも話してはいないが、第一印象で決め付けるのは良くないと、一応その後の様子を自分なりに確かめてもいる。
守り龍討伐以降の戦闘詳報は一通り目を通していたし、エスペリアから、詳しく話も聞いていた。
彼は人としては、珍しい部類に入るらしい。スピリットを心底人と同じだと思いこんでいるようなのだ。
だが、これまでの戦いの仔細については……残念ながら、語るべき部分が殆ど無い。
「――――そうね、確かに尋常じゃない強さを感じたわ。……神剣からは」
少なくとも、世話役としてのエスペリアは好印象を持っているようだ。しかしそれは戦闘指揮能力とは全く関係が無い。
彼が一体どういった経緯をもってして戦いに身を投じるような事になったのかは知らないが、
これからエスペリアに替わり、自分達スピリット隊を預かる隊長になるのが彼だというのは決定事項。
ヒミカの手前誤魔化したが、正直それだけは勘弁して欲しい所だったのだ。
しかしお互いに口には出さないが、思うところは同じだったらしい。
答えを聞いたヒミカはじっと私の表情をタオル越しに見た後、はは、と乾いた笑いを返していた。
600 :
胡蝶 T−7:2006/02/27(月) 22:16:47 ID:NrUtvtsr0
「お〜い」
その時だった。妙に間延びのした気の抜けたような声が聞こえてきたのは。
二人同時に振り向くと、そこには今話題のエトランジェがひらひらと手を振りながら立っている。
「ユート様?」
聞かれていた訳でもないだろうに、ヒミカは慌てて手元のタオルを落とし、直立不動のまま神剣を鞘に収めていた。
こっそり溜息を付き、タオルを拾って岩にかけなおす。ヒミカが目配せしてきたので、私も『熱病』を腰に吊るした。
「どうなさいました? こんな所までいらっしゃるなんて」
「いや、こっちのみんなが配属されてから、ゆっくりする暇がなかったからさ。少し話そうと思って」
人の良さそうな笑顔で歩き寄ってくるエトランジェ。
対してあくまで目上に対する態度を崩さないヒミカは実直な彼女らしい、と思いながら、一方で妙な反発心が起こる。
笑顔が下手に好印象だったのが禍だったのかもしれない。気づいた時には殊更冷たい調子で口を挟んでしまっていた。
「……余裕など、今もありません。無駄な時間を過ごすくらいなら、その分訓練でもしておいてください」
「セリア!」
う、と詰まってしまったようなエトランジェをフォローするように、ヒミカの注意が飛ぶ。
当然の叱咤なのだが、しかし今更引っ込みもつかないので知らない振りをしていると、
「そうだな……もっと頑張らないと」
意外にも彼は妙に納得気に頷いていた。そんな簡単に折れる態度に、益々皮肉ばかりが口をついてしまう。
「ええ。前の戦いも見せてもらいましたが、よく生きてこられたものです。エスペリアの苦労がしのばれます」
「うぅ……」
601 :
胡蝶 T−8:2006/02/27(月) 22:18:14 ID:NrUtvtsr0
不思議な苛立ちが湧き上がっていた。名ばかりとはいえ隊長、まして“人”とこれほど対等に話したことなどない。
いわば、無礼この上ない態度。なのに、目の前のエトランジェは怒りもせず、逆に落ち込んでいるとはどういう訳か。
重ねて言うならば、自慢でも無いが異性との接触など初めてである。と、そこで急にいたたまれなくなってきた。
「……努力するよ。俺も、もっと強くなる」
「自由になさればいいでしょう? 私は、あなたを信用しません……自分の好きにします」
「え……?」
「ちょっ、セリア、本気!?」
「ええ。こんな人に命を預けられないわ。それでは、失礼します」
戸惑う彼とヒミカを振り捨て、背を向ける。結局初対面は、終始冷たいものになった。
全部自分のせいだという自覚はある。しかしだからといって、どうにもならない。これが自分の性格なのだから。
「あ……ちょっと……」
「…………なにか?」
「え、えっと……いや、なんでもない……」
この苛立ちは、なんなのだろう。呼ばれて振り返ると、彼は一瞬怯んだ表情を浮かべていた。
多分今、自分は睨んでいるように見えるのだろう。ずきり、と少し胸が痛む。
――――馬鹿馬鹿しい。彼は、“人”だ。
立ち去る時、後ろで懸命に謝っているらしいヒミカの声が聞こえていた。
602 :
胡蝶 T−9:2006/02/27(月) 22:19:43 ID:NrUtvtsr0
「隊長であるユート様に対しての口調ではありませんでしたね、セリア」
第二詰所が見えてきた所で、木陰から姿を見せたエスペリアに声をかけられた。硬い表情から怒っていると判る。
「……聞いてたの。エスペリア、でも彼はまだ隊長として自覚が足り」
「セリア、ユート様はわたくし達の隊長です。彼、ではありません」
「……ユート様は、隊長としてまだ未熟だわ。いいえ、はっきり言って失格です。あれでは生き残れない」
「失格かどうかは貴女が決める問題ではありませんよセリア。生き残れないというのならわたくし達が盾となればいいのです」
エスペリアの言葉はあくまで丁寧さを崩さない。しかしその眼光は常に鋭く私を捉えている。
そこに少しの疑問も許さないという意志の強さが伝わってきて、一言も言い返せなくなっていた。
「いいですかセリア、ユート様は人です。わたくし達はその剣となり、盾となるだけの存在。それだけを考えて」
「……判ってる。私達はスピリット、“人”じゃない。そうよね?」
「セリア……貴女が、ユート様の事を心配しているのは判っています。ですから、今度はもう少し正直な態度で、ね?」
不意に、優しくなるエスペリアの口調。そっと肩に手を添えられて、いつの間にか項垂れていた顔を上げる。
黙って微笑むエスペリアに、ぎゅっと唇を噛み締めながら、それでも素直に頷き返す事が出来た。
―――――――――――――――――
異変は、5日目の早朝に起こった。
「マナよ、燃えさかる炎となれ、雷の力を借りて突き進め、ライトニングファイアッ――――グゥゥッ!!」
「ナナルゥ!? くっ、どういう事……チィッ!『熱病』、力を貸してっ!!」
敵が、ナナルゥの神剣魔法で“止まらなく”なったのだ。
いくら強力な火焔に包まれても、その奥から爆煙を纏い次から次へと血相を変えて飛び出してくる敵。
激しく火花を散らしつつ受けた剣越しに偶然合った瞳には、正気の色が既になかった。
遮二無二剣を振るい、手当たり次第に襲い掛かってくる第一波をどうにか凌ぎ振り返ると、
ハリオンがナナルゥに治癒魔法を掛けている。反対側で、ヒミカがその護衛を兼ねて剣を構え直していた。
丁度戻ってきたヘリオンが肩で息をしながらこちらを見る。訳が判らない、と首を振って訴えていた。
私にだって訳が判らなかった。これではまるで捨て身ではないか。それとも総攻撃――――
「一体、何が起こってるの……?」
背中を流れる冷たい汗を感じた時、ヘリオンが正面を睨んだ。私も睨んだ。敵の第二波が押し寄せようとしていた。
爪先だけで辛うじて支えてきた戦線が崩れる予感に総身が粟立つ。
「ヘリオン、まだ神剣魔法は使える?」
「え? あ、はい、でもあの……」
「まだましな神剣魔法が使えないのは判ってるわ、この際テラーでもなんでもいいの。私が斬り込む場所に、出来るだけ早く」
「は、はいっ! でも“ましな”って……セリアさん、何気に酷いです」
「うん。ごめん、言い過ぎた」
ぷうっと可愛く頬を膨らませた後、にっこりと頷く瞳。ヘリオンにも判っているのだろう。
この軽口が、少しでも緊張を紛らわせようとした冗談を含めているという事に。
――――だけど、気づかない事もある。ぎこちなくならないように、さり気なく謝りつつ身を屈めた。
「じゃ、行くわよ……モート(3)、ラート(2)、スート(1)…………ガロッッ!!!」
「神剣よ、我が求めに応えよ 恐怖にて、彼の者の心を縛れ テラー!」
後ろから霧のように、薄い闇の波動が追い越していく。動きが鈍くなったポイントを見極めて駆け出した。
これで、ヘリオンが前線に立つタイミングを僅かでも遅らせる事が出来る。そうすれば生存の可能性も少しは高まるだろう。
ナナルゥの神剣魔法による脅威がなくなったので、敵は新鮮なまま一丸となって殺到してくる。
反対側から迎撃しているヒミカがファイアボルトを唱えたようだが、気休めに過ぎなかったようだ。
元々彼女はあまり神剣魔法が得意ではない。『赤光』が薄く赤いマナに覆われている。付加魔法も唱えたのだろう。
薄暗い山道に飛び込み、私はこっちを、そんな目配せを合図に、ヒミカは左に飛んだ。
同じように右手の林立する木々の間を抜け、背中に気を集中させてハイロゥを翼状に展開する。
「まずは一撃を与えて……ハァッ!!」
正面に立ったグリーンスピリットの槍を掻い潜り、手元に滑り込んで握り手に狙いを付け、
懐に入られた敵が反射的に上体を仰け反らせた隙に無防備な指を全て切り落とす。
両手持ちだったので、左右の指を全て切断されたグリーンスピリットは短い悲鳴と共に蹲り、動かなくなった。
地面に落ちた神剣を確認しながらウイングハイロゥを羽ばたかせ、敵の頭を飛び越す。
そこに待ち構えるブルースピリットが2人。
右手の彼女が突っ込んでくるのを身を捻って避わしながら『熱病』を水平に走らせ、その胴を薙いだ。
ギッ、という獣染みた短い悲鳴が聞こえたが、手応えは浅い。倒れそうになる身体を軸足で踏ん張りながら、敵を探す。
「はっ、はぁ――――上っ?!」
目の前に舞うウイングハイロゥの羽に気づいた。反射的に見上げる。落下してくる少女から血飛沫が舞うのが見えた。
口元からも腹部からも金色に還るマナを迸らせながら攻撃してきた彼女の神剣の先は、確実に自分の頭部を狙っている。
首だけ咄嗟に捻り、殆ど地面に水平だった『熱病』の剣先を急いで両手で持ち上げた。
首筋に皮一枚を切り裂かれた鋭い痛みが走る。しかしそのまま彼女の身体は串刺しになり、掠り傷の代償に命を失った。
ずっしりと重い死体を力任せに剣を振るって“引っこ抜く”。突然、視界が真っ白になった。
「……グ、あ゙っ?!」
まずい、と思った時には遅かった。腹部に、鈍く貫通するような痛みが走る。衝撃で吐いた息に血が混じった。
ぎっと歯軋りをして震える膝を抑え、その場に留まる。足に力が入らない。取り落としそうになった『熱病』を握り直す。
見下ろすと、肋骨にめり込み、渦を巻きながら急速に霧散していく光球。無防備な瞬間を狙われた。
「死ねェェェェェ!!!!」
そこへ未だエーテルシンクの余韻を残したままの刀身を煌かせながら、もう1人のブルースピリットが斬り込んでくる。
迎撃しようとするが、水平感覚が戻らない。縺れるように倒れた。地面の冷たい感覚が頬を伝わる。落ちそうになる意識。
「セリアさん、しっかりっ!!」
「…………ヘリオン?! く、ツァァッ!!」
飛び込んできた甲高い悲鳴のような呼びかけに、無理矢理目が覚めた。『熱病』を地面に突き刺しその反動で身を浮かせる。
今まで身を横たえていた地面に敵の渾身の攻撃が突き刺さり、衝撃で爆発したように砂礫が舞い上がった。
ふわりと爆風に押された身体をそのまま体勢を整え着地すると、丁度ヘリオンと背中合わせの形になる。
「は、あ……まったく、速すぎるわよ、ヘリオン」
「セリアさんだけに活躍されちゃう訳にはいけませんから……えへへ」
そう言って歳相応の幼いはにかみを見せるヘリオンは、先程のブルースピリットを既に斬り倒していた。
『失望』の先から滴り落ちる血がみるみる金色のマナに替わり、刀身に吸い込まれつつある。
意外に頼もしい、と思うのも束の間、周囲を囲まれた気配を感じて剣を構え直した。
口元の血を拭いながら覚悟する。せめてこの娘だけは、と。
その時だった。
山道の奥で潜んでいた敵が、一斉に攻撃気配を解いたのは。気のせいか、ざわついた様子さえ窺える。
「セリアさん、おかしいです……皆さん何だか慌てていらっしゃいます」
「敵にまで敬語を使わなくてもいいわよ。貴女らしいけど……でもそうね、確かに変だわ」
いぶかしみ、警戒を怠らないよう慎重に周囲を探る。ヘリオンの言うとおり、敵の間に妙な動揺が走っていた。
理由は判らないが、死中に活を求めるなら今しかない。『熱病』を握り直し、手ごたえを確かめる。
いける、そう思った時、唐突に山道の反対から聞きなれた声が飛んできた。
「セリアっ! ヘリオン、無事なのっ?!」
「ヒミカ!? ここは危ない……え? どうして?」
驚いた。
敵と敵の隙間から、弾むようにヒミカの姿が現れる。それを見送る敵からも、殺気というものが感じられない。
駆け寄ってくるヒミカに戸惑っていると、がしゃがしゃっと同時にあちこちから神剣の落ちる音がした。
「終わったのよ! サモドアは陥ちたわ!!」
「ど、どうやら……助かったようですよセリアさん!――――はふぅ……」
「え……本当に…………?」
興奮気味のヒミカが両手を取って喜びを表す。隣で気が抜けたのか、へたり込んでしまうヘリオン。
振り返ってみると、立ち上がり、諸手を上げて動かないスピリット達。それが降伏の合図だと、暫く理解できなかった。
「さ、いい!? 言い出しっぺはわたしだから、責任持ってやるわよ。で、残りを決めないと。まず主役。挙手!」
しーん。途端、静けさを取り戻す我がクラス。…………ってをい。
「あのね、全会一致で決めたのは貴方達なんだから、配役くらいぴっと決めてよね!」
呆れてばんばんと教壇を叩き、ぐるりと睨みつけても誰もが俯いたままで動かない。
……いや、一人笑いを噛み殺すように下を見たまま肩を細かく震わせてるけど。後で憶えてなさいよ。
身を乗り出した時に前に来たポニーテールを軽く後ろに追いやる。すると、目が合った人物発見。
「今日子、推薦」
「え、え? アタシ? いや、委員長、アタシ女だから」
「判ってるわよ。だ、か、ら、誰か推薦して。このままじゃ日が暮れちゃうわ。みんなだって早く帰りたいだろうし」
あちこちで頷くクラスメート。そう、日差しはもう傾いて、グラウンドからは部活の掛声も聞こえ始めてきている。
それでも尚全員残っているのはクラスの団結として嬉しいけど、それはそれとして各人の都合というものもある。
よって、長時間拘束するのは忍びない。というか、わたしだって早く決めて貰って落ち着きたい。
本当は立候補が理想的なんだけど、この際手段を選んではいけないだろう。今日子は人望もあるし。一部にだけど。
「えーっと……お、ふふふふ〜。はいっ! コイツがいいと思います!」
「あのね、もう指名してるんだから挙手はいらないって……え?」
「おう、俺も賛成だ。どうせ寝てるんだし、いいよなみんな」
「え、え?」
しかし、今日子はよりにもよって彼を指差した。
急に立ち上がった碧くんの一声に、さんせーい、と控えめな声がクラス中から湧き上がる。
誰もが、彼を起こさないようにと気を配っているのだろう。ものの見事な満場一致による生贄の誕生だ。
「…………あ、ちょ、ちょっと」
我に返り、鋭く今日子を睨みつける。こんな逆襲を受けるとは。
今日子は悪戯っぽくにっと笑い、机の影から他の人には見えない角度でVサインを送り返してきた。……やられた。
わたしは民主主義に心の中でちっと小さく舌打ちをしながら黒板に向きなおし、やけくそ気味に大きく板書した。
主役:高嶺 悠人
「――――じゃ、これでいいわね。今日子、碧くん、彼にちゃんと伝えておいてよ」
「まっかせなさーい!」
「ああ、もちろんだ」
「……ん? なんだ、なんの騒ぎだ?」
溜息をついた時、当の本人がむくりと起き上がった。当然だが事態を把握してはいない。
わたしは咄嗟に外に目を逸らした。夕日のおかげで、染まってる筈の頬は隠せているだろう。
窓の向こうには山の稜線。緩やかな曲線を、繁る樹木が僅かにぼやかしている。
長くなった日差しが黒板に反射して、彼の名前の隣に仲良く板書されているわたしの名前をくっきりと映し出していた。
山道を抜け、陥落したばかりのサモドアまでは半日かかった。
戦いを終えたばかりの城は所々崩れ落ち、焦げ付いた壁の黒い染みはよく見ると人型を形作っている。
何かを掴もうとしたまま絶命した敵兵士達の死体がまだ所々に残っていて、本当に戦争は直前に終わったのだと実感した。
ラキオスの兵士達が勝鬨を上げている。通りがかった私になど目もくれない彼らの脇を抜け、城に入った。
……よく、持ちこたえられたものだと思う。後半刻遅かったら、間に合わなかっただろう。
敵が先に降伏してくれた事も幸いした。自分達は知らなかった、いや、知らされなかった。
まだ続いていた山道の戦いの中に、ラキオスの一般兵士達は近寄れなかったのだ。
寂しそうな表情を浮かべつつヒミカがそう話してくれたが、もう怒りなどは湧かなかった。
背後に聞こえる歓声をまるで他人事のように感じながら、今更のように、諦めに似た溜息が一つ漏れただけだった。
気をつけないと崩落しそうな階段を慎重に昇る。一番上、開けたホールのような所に主力のみんなの姿があった。
誰もが疲れたように、膝を落として座り込んでいる。ネリーやシアーは壁に二人寄り添ったまま、居眠りをしていた。
神剣は側の壁に立てかけたまま、戦闘服の所々が破れ、汚れきったむき出しの四肢には細かい傷や痣があちこちに出来ている。
疲れたのだろう、起こさないようにお疲れさまと小さく呟き髪を撫でてやると、ううんと唸って二人は頬を摺り合わせた。
久し振りに見たが、相変わらず仲が良い。微笑ましい姿を眺めている内に、アセリアはどこにいるのかとふと気になった。
歩きながらきょろきょろと辺りを見回す。一番奥まで来た所に、壁を大きく失い、青い空が顔を覗かせてる場所があった。
「アセ――――」
声をかけようとして、口を噤んだ。恐らくは玉座があったのであろう崩れた石畳の上。
そこに、眩しい陽光に照らされてエスペリアにアセリア、そして――――エトランジェの影が、細く並んで伸びていた。
「なぁアセリア……確かに俺達は、戦うことが出来る。でも、それだけじゃないはずだ」
風に流れてくるのは、掠れながらも意志のしっかりと篭められた声。
それは、どうやら問いかけているような彼の言葉だった。腰を下ろしたままのアセリアが、戸惑うように見上げている。
「アセリアの手だって、剣を握るためだけにあるんじゃないと俺は思う――俺はアセリアに死んでほしくないんだ」
「…………」
不思議だった。
彼は、何故戦いの直後にそのような事を言い出すのだろう。やはり異世界からの来訪者という噂は本当なのか。
少なくともこの世界の、“人”としてのまともな発言では無い。おおよそ現実からかけ離れた、酔狂な物言い。
「じゃあ……わたしは……何をすればいい?」
「今は守るために、剣をふるう……でもアセリアにはアセリアの何かがきっとある。
戦い以外の、なんのために生きてるのか、とかさ。だから、簡単に命を捨てるようなことはやめてくれ」
なのに、聞き流す事が出来ない。つい耳を傾けてしまう。
差し伸べられた手を、たどたどしくアセリアが掴んだ。
それを見た瞬間、判ってしまった。アセリアは、彼を認めたのだと。認め、その言葉を信じる事に決めたのだと。
「……ん。わかった。ユートがそういうなら――――わたしは、生きてみる」
「――――っっ!」
ふいに、嫉妬のような感情が湧きあがった。ぴく、と『熱病』の柄を持つ手が震える。
あれ程気を許した表情のアセリアは見た事が無い。昔から不器用で、あんな風に素直に感情を表現出来る娘じゃなかった。
「ユート様……ユート様は、変わりませんか? 力を持った事で、変わっていきませんか?」
それともそんなに説得力のある“人”なのだろうか、あのエトランジェは。エスペリアが、縋るような瞳で訊ね返す程の。
「わたくし達は、戦うためだけの存在です。それは……本当なのです。それでもユート様は、戦い以外に生きろ、と?」
「判らない……俺はスピリットじゃない。だけど俺は、みんなが戦うだけなんて、嫌なんだ。
俺にとって、アセリア達は、人とかスピリットじゃない。その……なんだ……そう、仲間なんだから――――」
判らないなら、言わなければいい。エスペリアだって、判っていない筈は無い。そんな言葉が、ただの理想論だという事を。
“人”とスピリットは、違う。違うから、“仲間”ではない。違うから、そんな都合の良い事を言える。
この城のすぐ下、今も時々上がる勝鬨。叫んでいる彼らが、今までどれだけの事を私達スピリットに強いてきたか。
つい先程も、それで死にかけたばかり……彼の言葉は、考えないようにしていた感情を、一々揺さぶり逆撫でしてくる。
「――――人もスピリットも、関係ない」
その“人”が支配するこの秩序の中、“仲間”を守る以外、一体私達にどれ程の自由が与えられているというのだ――――
「……下らない」
急に和んだ空気の中に自分の居場所が無くなったような気がして、私はその場を後にした。
重い足取りが小刻みに速くなる。途中の廊下で擦れ違った兵士達を睨みつけ、強引に押し退けて城の外に出た。
大きく広がる視界の先、やや傾いた太陽に分厚い雲がかかり、亡びた国の壊れた街並みを暗い翳で一瞬覆う。
「私は……信じない。そんなの無理に決まってる。――――期待なんて、するだけ無駄よ」
風が、吹き抜ける。後ろ髪を抑えた時、唐突に雲が晴れた。目を細め、差し込む日差しに手をかざす。
嘘みたいに澄み渡る青空を背景に、エスペリアの呟きがいつまでも私の心に重く反響を繰り返していた。
――――わたくし達は、戦うためだけの存在です。それは……本当なのです――――
その夜、夢を見た。
懐かしい、昔の夢。まだエスペリアの指導を受けてアセリアと2人、神剣を使いこなす訓練をしていた頃。
暦でいえば、聖ヨト暦317年。ラキオスに転送されて8年目。もう10年以上前の、古い、古い記憶。
「あれ程前には出るなと念を押していたでしょう? アセリア」
「…………ん」
私達は、項垂れてエスペリアの叱責を受けている。私は小さな身体に不釣合いの神剣を握り締め、それにじっと耐えていた。
――辺境の小競り合いに半ば実地訓練として出撃していた私達は、エスペリアに引率されたエルスサーオ市外の
荒涼とした平原で敵と不定期遭遇をし、混戦の中、いつの間にか迷うように単独で最前線に出てしまっていた。
アセリアはそこで敵を2人倒し、私は神剣魔法でそのフォローに回った。すぐに後退しなかったのには、訳がある。
巻き込まれた小さな“人”の少女がそこで倒れていたからだ。スピリットは、人のために戦う、人のための道具。
教えに忠実に私達は剣を振るい、その場に留まりつつ救援を待った。やがてエスペリアが駆けつけ、敵は追い散らされる。
「セリアもですよ。……聞いていますか、セリア?」
「…………うん」
実は、聞いていなかった。敵が去った後の一光景を、私は今でも思いだすことが出来る。
戦闘が終わったとみるや、突如現れた少女の母親の顔を。
まるで化け物をみるような形相で私達を窺いながら子供を引っ張り、
抱き抱えるようにしてそそくさと離れていったその後姿を。遠巻きに見ている市民達の、警戒する表情を。
あの母娘はその後、逃げるようにエルスサーオを出、ラースへと引っ越していったと聞いている。
恐らくは怖くなったのだろう。私達が住んでいる場所から、少しでも遠ざかりたかったのだ。
もう薄茶色に変わってしまった記憶の中、私の背丈に合わせて目線を下げたエスペリアが肩に手を当てながら囁いた。
「……でも、“人”を守った事は褒めて差し上げます。良く頑張りましたね、アセリア、セリア――――」
その一言がとても嬉しく、そしてとても哀しかったのを憶えている。私は泣いてしまったのだ。ただ、訳も判らず。
遠く滲んでいく景色。霞む人影に呼びかける。違うの、エスペリア。私は少女を守ったんじゃない。“仲間”を守っただけ。
『セリア……貴女が、ユート様の事を心配しているのは判っています』
違う、違う。
私が“人”を心配している? そんな筈、絶対にない。“人”を心配したことなんてない。
生き残れない、と言ったのは、私達の事。“人”を守った事なんてない。
だってあんな冷たい瞳で私達を見る、そんな“人”を守れるわけがないじゃない――――
≪ ――――人もスピリットも、関係ない―――― ≫
りぃ、と何かの鋭い音に、瞼が開く。真っ暗な天井が見えた。いつもの、見慣れた自分の部屋の天井。
「夢――そうか、今日あんな戦闘があったから……」
ヘリオンのフォローをしたり、敵に囲まれたりしたので思い出したのだろう。
バーンライトのアセリアも影響しているな、とつい自己分析してしまう。汗でびっしょりと濡れている寝巻きが気持ち悪い。
「リア……」
まだ激しい動悸を抑えながらのろのろと上体を起こし、改めて見渡すと、部屋の隅で『熱病』が淡く輝いていた。
微かに引き攣っている頬。そっとなぞると、涙の跡が残っている。重く気だるい溜息が夜の闇に長く続いた。
614 :
信頼の人:2006/02/27(月) 22:37:18 ID:NrUtvtsr0
スピたん発売目前記念(なんだそれ
一応PS2版の流れを追っています。
誤字脱字ハリオンマジック等、御指摘があれば幸いです。
>>614 お疲れ様です…
…あぁ、始まってしまいましたか
ヤバス(急
>>614 GJ!
長編大好き、セリアスキーからすると非常に嬉しいSSです。
やはり、あのサモドアの場面は名シーンの一つですな。CGも美麗だったし。
なにげにセリアの反発を理解しているエスペリアも良い感じ。
続きを楽しみにしています〜
>>614 胡蝶…何とも興味深いタイトルに絶妙なタイミングで挿入された回想…
実に続きが楽しみです。
セリアスキーとして、長編ファンとして、応援します!
>>616 乙ですー
セリア。いいですねセリア。ツンデレポニテ最強(w
もうメチャ楽しみにしてます。彼女の心配が、いつの間にか怒りになっているところが巧い(笑)
Yearning部分の伏線がどう絡むのかも期待。
今話題のセリアさんが、スピたん公式で世界解説をしている訳だが
621 :
寸劇の人:2006/03/01(水) 06:49:46 ID:QL7C3QYS0
少し遅れましたが雑魚スピスレ2周年ってことで、一本でっちあげました。が、
・話の時期がいきなりサーギオス戦後から始まります(汗
・拙作『寸劇@第二詰所』を読んでないとわけがわかりません。
・想定読者層は2年前のあの頃の雑魚スピスレ住人です(w
・その中でもさらに人を選ぶような気がします。
・コンセプトはエロゲのバッドエンドの一種「誰ともHせずにまったりエンド」です。
ということで、あまりに人を選ぶのでスレに直接投入は避けておきます。
そんな代物でも見てみようという方へ捧げます。
『寸劇をもう一度』
ttp://www.miscspirits.net/Aselia/SketchPlay/tmp/SketchPlayOnceAgain.html タイムリミットの関係もあって練度がいまいつつぐらいです(汗
というかぶっちゃけ、スピたん前に慌てて滑り込みってやつです、はい。
>>信頼さん
なんとも、これからが凄く楽しみな始まり方。
てか、こういう「見せ方」がいつも上手いなぁ…。
>>寸劇さん
こういうのを、読みたかった。
凄く、久しぶりにリアルタイムで読むことが出来て嬉しいです。
避難所の一件以来、アナタには色々と未だに納得出来ない部分もあるけど、また一つアナタが好きになりました。
よかったら、また今度何かを書いてください。
望むことは罪でしょうか。祈ることは愚かでしょうか。
確かに、普通に考えればそれがあり得るとは思えません。
夢物語と言われても仕方ないかもしれません。
希望を持つから絶望する。それもまた真実でしょう。
けれど。
諦めれば傷付かないのでしょうか。受け入れれば幸せでしょうか。
私は…否と答えましょう。
諦めようが、受け入れようが、私はそれがあるならば落ち込まない自分が想像もつきません。
たから。
だから私は望みます。
だから私は祈ります。
来るスピたんに。
セリアスキーの名の下に。
『願! セリア攻略不可!!』
…攻略不可を願ったのは初めてだ。
>>621 ……GJ。良いSSでした。あのSSを思い出して、何だか懐かしい気分になったり。
あのSSはキャラが全員楽しく動き回っていて、当時印象に残った事を覚えていますー
>コンセプトはエロゲのバッドエンドの一種「誰ともHせずにまったりエンド」です
それはむしろツボ(笑) 内容の展開が理想的と言うか、個人的にかなり好みでした。
こう言う再構成があったら良いけど凄い長編になっちゃうだろうなあ。
しっかり保存しました。と言う訳で、乙〜
625 :
頼:2006/03/01(水) 20:41:56 ID:0ijypbB60
えっと今更ですが、このSSはスピたん前に書き上がっているので
スピたん発売による新たな公式設定等などが発生しました場合最新のパッチを当ててご使用下さい。
万が一セリアさんの補完がメーカーさんにより行われてしまった場合でも当方では一切の責任を(ry
…………すみませんすみません、慌てて書き忘れてましたorz
>>615さん
何とか間に合ったって感じなので、革命さんのイメージ壊れてなければ良いのですが>セリア
>>616さん
サモドアの絵、綺麗ですよね。あの絵の背景描写って何度挑戦しても勝てない(汗
エスペリアについてはセリアが転送されてきた時期からして、昔から知っている筈なので
あんな感じに理解していると想像しました。今回スレの腹黒を入れられなかったのが残念で(ソニック
>>617さん
応援、ありがとうございますw
今回割りとダイレクトに題名つけてみたので
(友人曰く深い、との事でしたので付けてみましたが)ネタばれになっていないかガクブルものです。
>>618さん
まぁセリアさんですからw
勝手に気遣うくせに気づいてもらえなかったりすると逆ギレしそうじゃないですか? 何となくw
Yearningは……えっと第七回分で収束します。
626 :
頼:2006/03/01(水) 20:43:13 ID:0ijypbB60
>>621 えーとリンクなのでまだ読んでない方の為にネタばれは避けるとして。
……もっの凄く良い話なのに、最初に出てくる感想がどうしても
「笑い殺させる気ですかっ!!」
となってしまうのはどういう訳ですか、仕様ですかそうですかw
その『判る奴だけ判れ』と言わんばかりの投げっぱなしなネタが最高です。
特にハリオンとかナナルゥとかヒミカとかファーレーンとかハリオンとかナナ(ry
というか恐るべき伝言ゲームですね。こんなに頭使って笑ったの久し振りです。
そしてちゃんと最後にきっちりしんみりと。うーん節目(2周年)に相応しい。お疲れ様でした。
>>623 最後の一行に爆笑しつつ激しく同意w
>621
GJ!
いやあ、凄く懐かしいですな。初期の頃を思い出します。
いかにもスレ向きな内容で楽しく読ませて頂きました。
>623
長文だけど、言いたい事は最後の一節に込められていますな(w
自分もナカーマノシ
メーカー通販が届いた香具師もいるのにココはマターリしてますな
ひょっとして買う住人かなり少ない?
買いますよノシ
時間取れないので週末指定にしてますがorz
>614
胡蝶……羽ばたく羽根はうつくしけれど 剥げた鱗粉流し落とすは夢の涙。
Yearningが謎だ。どう繋がるのか期待。
セリアの嫉妬が楽しい。
>621
素直にスレに投稿でイイとは思うけど、たしかに人を選ぶかも。どっちかっていうと「笑顔を大切に」を思い出しました。
佳織たんの扱いがナンですなw 記憶消えなくて嬉しいような不安なような日々を過ごすのでしょうか。
役の役の役はこんがらがるw ゲーム本編ではヒロイン以外なんの音沙汰もなくひっそりユートは旅立ってしまうのだけど、
さみしいんだなこれが。
ユートとスピ達の人生は、代役無しの一回こっきりの演劇なのかも知れません。修羅場含有。
>623
セリアたんはテレビに出っぱなしでいそがしくてスピたんヒロインから降板するそうです。
>628
まだこねえよヽ(`Д´)ノ ま、私としてはネタ・つっこみゲー扱いだけど。
>>614 乙乙〜・・・ってこのタイミングでまた長編突入とわ。
まだ初めのほうなのにいきなり見せ場に投げ込まれたような臨場感には圧倒されるばかりです。
続きを楽しみにしています。
>>621 読ませていただきました。
これはなかなかに面白いです。もう一度元の方を読んでみたくなりましたね。
PS2から入ったワタクシですが、それでも・・・いい!って思いました。
まったりエンド補完・・・そういう方向もありですねー・・・
・・・で、神レベルSSが二本も来た後で大変大変・・・超大変恐縮なのですが、投下させていただきます。
くじら式長編の最終章です。
リミットが近いということで慌てて仕上げたので、あちこちにハリオンマジックが見つかるかと思いますがご了承ください。
(ノД`)一応間に合ったか〜
では、投下開始。
─────世界の命運をかけた戦いに打ち勝ち、ラキオスに凱旋した悠人たち。
そこで待っていたのは・・・国中の、いや、大陸中の人々の出迎え。レスティーナのこれからの政治方針。
人間とスピリットが等しく大騒ぎするパーティ。調子に乗った時深の日本舞踊・・・
とにかく、ラキオス・・・いや、ガロ・リキュア<無からのはじまり>と名を変えた国でのお祭り騒ぎだった。
「(みんな楽しそうです・・・ハリオンさんにも、見せたかったな・・・)」
ヘリオンは、城内でどんちゃん騒ぎをする兵士やスピリットたちを見て、ずっとそう思っていた。
あの普段は氷のように冷静なセリアや、無愛想さでは右に出る物はいないであろうナナルゥも、我を忘れて騒いでいる。
悠人はというと、酔っ払った今日子と光陰に無理矢理一気飲みをやらされ、頭上でヒヨコを回しながら気絶していた。
どういうわけか、その中でヘリオンはただ落ち着いていた。
「なんか、浮かない顔してるね」
その声に反応して横を見ると、もう一人落ち着いていたニムントールがいた。
その手には二杯のグラスとネネジュースの入った瓶。一緒に飲もうかということだろうか。
「ニム・・・そうですよね。私、変です。嬉しいはずなのに・・・なんか沈んじゃってて」
「深く考えない方がいいと思う。・・・死んだ人のことを想うのはいいけどさ、いくら想ってももう帰ってこないんだから」
「・・・!」
まるでヘリオンの心を読み透かすかのように言葉を紡ぎ、テーブルに置いたグラスにネネジュースを注ぐニムントール。
そのグラスの片方を取ると、ヘリオンに視線でグラスを取るようにと促す。
ヘリオンはもう片方のグラスを取ると、ニムントールのグラスと かちん、と軽くぶつけ合い、ネネジュースを口に注ぐ。
「これさ、多分・・・聞いたこと無かったよね」
「・・・?なんですか?」
「ハリオンってさ、ヘリオンにとって何だったの?」
ハリオンがヘリオンにとって何だったのか・・・そんなこと、当たり前すぎて考えたことも無かった。
大事な人・・・それ以前に、ヘリオンの心の拠りどころで、もう一人の『お姉ちゃん』で・・・目標だった。
「あ、答えなくていいから。なんとなくわかる気がするし、私にもお姉ちゃんがいるから・・・」
「ニム・・・」
ヘリオンはふと、ニムントールと初めて会った時のことを思い出す。
あの時・・・ヘリオンは、自分たちがニムントールとファーレーンに似ていると言った。
でも、ニムントールはそれを認めようとしなかった。それが何故なのか・・・結局わからなかったけど。
「・・・ねえ、私さ、ニムって呼んでいいって言ったっけ」
「はい!言いました・・・というよりも、私が勝手に呼んでたのを許してくれたんですけどね」
「本当?・・・まあいいけどさ。あ〜あ、記憶がなくなるって、面倒・・・」
面倒・・・悪い言い方をすれば、そうかもしれない。
ニムントールは、ヘリオンを尊敬したことも、目を覚ますために剣を交えてくれたことも憶えてはいない。
一方的に知っている記憶を押し付けているに過ぎないのだから、憶えてないほうにはいい迷惑だろう。
「疑ったり・・・しないんですか?」
当然の疑問だった。嘘をついていると思われてもおかしくないから。
「はぁ?なんで私がヘリオンを疑わなきゃいけないのよ。大体、そんな嘘ついたってしょうがないじゃん」
そう言って、ネネジュースを一気に口に注ぎ込む。
その一見素っ気ないような反応は、いつものニムントールの反応だった。
ファーレーンほどの深い付き合いではなかったが、同じ所で戦った仲間だからそれくらいはわかる。
ヘリオンは、懐かしさで思わず吹き出してしまう。
「ぷっ、あははっ、ごめんなさい、ニム」
「なにバカみたいに笑っちゃってんのよ・・・でも、少しは気が晴れたでしょ?」
「あ・・・」
そう言われて、いつのまにか気持ちが楽になっている自分がいることに気づく。
賑やかな場で、たった一人沈んでいるヘリオンを、ニムントールは励ましに来てくれたのだった。
誰かに諭されれば、気持ちを楽にできる。それは、ファーレーンがよくニムントールにしてくれたことだから。
「せっかくこんなに賑やかなんだからさ、楽しまなきゃ損だと思うよ」
「そうですよね・・・でも」
二人はちらりと、テーブルの向こうを見る。
そこには、飲みすぎたせいか泣き上戸で隣のセリアにすがるファーレーンと、相変わらず気絶した悠人。
顔を見合わせ、呆れた顔ではぁ、と同時に溜息をついたのはまもなくのこと。
そして、そのせいで二人に忍び寄る影に気づかないのも、至極当然のことなのだった。
「え〜へ〜へ〜、陰気なやつらに〜っ、ネリー、突撃するよ〜っ!」
「シアーも〜、とっつげき〜!」
がばっ!
ヘリオンとニムントールの後ろから眼前に飛び込み、同時に口に突っ込まれる酒瓶。
「ね、ネリー!?ま、まさかよっぱらっ・・・もがっ、ん、ん〜・・・!!」
「な、し、シアーまで!あんたら未成年じゃ・・・!ふぐぅっ!」
どくどくと流し込まれる(未成年である彼女らにとって)強烈な酒。
その酒は一気にヘリオンとニムントールの全身に回り、気分をこれ以上ないくらい高揚させる。
指先に至るまでホットになった体と赤ら顔、千鳥足状態に変身するのにそれほど時間はかからなかった。
「は、はれ・・・?な、なんだかきもちいいでふぅ〜・・・」
「う、うう・・・うにぃ・・・そ、そうらね〜あ、ああ・・・おねえひゃ〜ん・・・うにゅぅ」
「うへへへ〜・・・ネリーのさけにぃ、ふかのうはないのだぁ〜」
「ないのらぁ〜」
・・・ここに、世界で一番幸せそうなバカ×4が誕生した。
こうなってしまっては、誰も彼女らを止めることはできないだろう。
ぼんやりと光る月明かりの元、歓喜の声と奇声が入り混じって、より怪しさを露呈する国。
アルコールの臭いの充満する城内で、ヘリオンたちは酒の勢いで目をぐるぐると回しながら踊り狂うのだった・・・
──────次の日の夜明け。城内だけと言わず、国中に響き渡るガンガンという擬音。
決して何かを叩いたり破壊したりしているわけではない。そう、二日酔いによる頭痛の擬音なのだった。
満遍なくアルコール漬けになったスピリット隊によって、その擬音は館中にも飛び交っていた。
頭上に斜線を浮かべ、今にも吐きそうな顔で頭を抑えるエターナル×2。
食卓で、これでもかというくらいに水を飲んではトイレに行き、体内のアルコールを少しでも薄めようと努力していた。
「まったく、悠人さんもヘリオンも、酒がダメなら飲まなきゃいいのに・・・あんなに調子に乗って・・・」
「す、好きで飲んだわけじゃない・・・きょ、今日子と光陰が・・・あ、う、うぷ・・・」
「そう・・・です。ゆ、ゆだんしてまし、た・・・はぁうぅぅ・・・」
マインドが不安定になりつつある二人を尻目に、ピンピンしている時深。
あの時、時深は城内にはおらず、城下町に下りては日本舞踊のはしごをしていて、酒を飲む暇などなかったという。
もっとも、時深が酒を飲んだら本性丸出しになるので、【時詠】が抑制しているらしいが。
「こんなときに言うことじゃありませんが・・・一応教えておきますね」
「・・・?何を?」
気持ち悪さで掻き回される脳みそで、何を聞かれるのか・・・悠人は次の言葉を待った。
「ヨーティア殿が、『蓋』を完成させたそうです」
「ふ、ふたぁ・・・?」
「ええ、エターナルのこの世界への出入りを封じる『蓋』です。発動は三日後・・・悠人さん、ヘリオン、決断の時です」
「決断・・・エターナルの出入りを・・・も、もしかして?」
「はい。この世界に残るか、私とともに別の世界へ旅立つか・・・決めておいてください」
悠人とヘリオンは、あの宴会の前にヨーティアがレスティーナの前で自慢げに話していたことを思い出す。
酒のせいで記憶が思いっきりおぼろげになってしまったが・・・確か、数千年単位で稼動するとのこと。
つまり、旅立てば数千年の間ここに来ることはできず、残れば、その間中ずっとこの世界で生活するということだ。
「そ、そうか・・・そうだな。へ、ヘリオン・・・どう、する・・・?うぷっ・・・」
「うぅ・・・い、今は・・・難しいことを考えさせないでくだ・・・!う、ううぅっ・・・!」
「「お、おええええぇぇぇぇぇええぇ・・・・・・」」
神剣の力でも取り除けない、強烈なアルコール中毒に見舞われる二人。
・・・結局、その日の間にこの世界に残るかどうか、その話題が出ることは二度となかったという・・・
─────さらに次の日。
ようやく酔いが醒めた悠人とヘリオンは、ある場所に向かうため、城下町を歩いていた。
当然、この世界に残るのか、あるいは旅立つのか・・・その二択の答えを模索しながら。
雲一つない昼下がりに、今まで以上の賑わいを見せる城下町。
エーテル機関が使えなくて今までどおりの生活ができないにもかかわらず、人々は笑顔を絶やすことはない。
戦争による被害も、人々とスピリットたちの協力によって、その傷を癒しつつある。
・・・その様子が、この世界の行く末を見守りたいという想いを作り出そうとしていた・・・
「・・・なんか、平和だなー」
「そうですね!みんな笑ってて、楽しそうで・・・まるで、昔の様子が嘘みたいです」
「昔・・・か」
悠人は、自分がこの世界にやってきたばかりのころを思い出す。
あの時は、人間とスピリットの間の確執は・・・もう、目も当てられないほど酷かった。
思えば・・・ヘリオンとハリオンの育ての親、『お姉ちゃん』が死んでしまったのもその名残なのかもしれない。
スピリット自身はおろか、スピリットに与する者までもが軽蔑された時代・・・それが、本当に嘘のようだった。
「この世界は・・・これからどうなっていくんだろうな。このまま平和だといいんだけどな」
「きっと大丈夫です。きっと、レスティーナ様が導いてくれます!」
そう・・・そのはずだった。レスティーナなら、きっとこの国を導いていけるに違いない。
それは、わかっているはずだった。それなのに、妙なもやのようなものが、頭の中にかかってしまう。
心配・・・なのかもしれない。エーテル機関がなくなっても、新たな戦争の火種が出ないとは限らないから。
「なあ、ヘリオン・・・ヘリオンは、この世界に残りたいか?」
悠人のその言葉に、さっきまでのヘリオンの笑顔は少し難しい顔に変わってしまう。
「・・・ごめんなさい、ユート様・・・今は、まだ・・・」
「・・・そっか」
迷っているのは・・・ヘリオンも同じだった。
ヘリオンは・・・捨てたくなかった。取り戻した家族を・・・記憶がなくても、自分を受け入れてくれる家族を・・・
・・・旅立てば、また失ってしまう。・・・それに、もう二度と会うことはできない。
「ユート様、今は・・・今することをしましょう。決断するのは、まだ早いです」
「そうだな。じゃあ、えーと、花屋は・・・どこ?」
「う、えっと・・・どこでしたっけ?誰かに聞いてみましょう!」
悠人たちは、花屋の場所を聞くために、誰かに声をかけようとした・・・その時
「ああ〜〜〜っ!!」
どこからともなく響く、少年のような声。
それは、ヘリオンにとっては・・・どこかで聞いたような声・・・だった。
やがて、人ごみの中から現れる、まだ10歳くらいの少年が悠人とヘリオンの元に駆け寄ってきた。
「やっぱり!なあ、兄ちゃんたち、神剣の勇者様だろ!?」
突然の出来事に茫然自失としてしまう二人。
そんなことよりも、『神剣の勇者様』って・・・わけもわからずに、悠人とヘリオンは顔を見合わせる。
「誤魔化したってだめだぞ!俺、見たんだ!なんか・・・えたーなる、だっけ?とにかくすっごく強いんだろ!?」
そう言われて、悠人とヘリオンは事態を把握する。
よくよく考えてみたら、レスティーナの演説のときに二人で神剣の勇者としてテラスに出ていたんだった。
これじゃ、有名人になってしまっていてもおかしくない。
「すげー!なぁ、兄ちゃん!姉ちゃんでもいいけどさ、俺に剣を見せてくれよ!」
「だ、だめですっ!この剣は、みだりに振っていいものじゃ・・・」
振っていいものじゃありません。と、そう言いかけて、ヘリオンの言葉が止まる。
「ヘリオン、どうした?」
「あ・・・い、いえ、なんでもないです!・・・と、とにかくだめですっ!」
「えー?なんだよ、ケチだなー・・・じゃあ、兄ちゃんは」
「俺もダメ」
悠人はきっぱりといった。こういう少年にはちゃんと言った方がいいからだ。
なんだか小鳥の少年版のような感じがするので、あしらい方はなんとなくわかってしまう。
「ふーん。じゃあさ、俺に剣を教えてくれよ!」
「剣を?」
「そうそう!俺のししょーになってくれ!俺、強くなりたいんだ!」
「・・・ヘリオン、どうする?この調子じゃ下手に断ってもついてきそうだぞ」
真っ直ぐな視線を向けてくる少年を前に、ややたじたじ気味の悠人。
しょうがないと思ったのか、ヘリオンは少年と同じ目線までしゃがむと、諭すように語り掛ける。
「ごめんなさい。私たち、もうすぐ遠くに行かなくちゃいけないんです」
「ええっ?ずっとこの国にいてくれるんじゃないのかよ。せっかくみんな歓迎してくれてるのに!」
「・・・本当に、ごめんなさい。だから・・・私たち、あなたに剣を教えることはできないんです」
遠くに行く・・・ヘリオンは、嘘は言っていない・・・つもりだった。
まだ残るのかどうかすら決断していないのに・・・そんなことを言ってもいいのだろうか。
迷いと矛盾が心の中で交錯する中で、ヘリオンは、少年を説得するしかなかった。
「でも・・・これだけは覚えておいてください」
「え?何?」
「どうしても強くなりたいのなら・・・その剣を、大事な人のためだけに振るうことです。
それが約束できるのなら、それができるのなら・・・あなたは、きっと強くなれますから!」
「本当?本当にそれだけで強くなれるのか?」
難しそうな顔で疑問符を頭に浮かべる少年に、ヘリオンは笑顔で、頭を撫でながら語りかける。
「はい!実際に、私はそうやって強くなりましたから・・・私が、保証してあげます!」
ヘリオンがそう言うと、少年も笑顔になって、お互いに笑いあう。
その姿に、悠人は美しい師弟愛を見たような、そんな感覚に見舞われるのだった。
「そっか!姉ちゃんがそう言うなら、そうなんだな!俺、がんばってみるよ!じゃあね!」
「はい!是非ともがんばってください!」
そう言って、少年はここから走り去ろうとするが、悠人はそれを制止する。
「あ、ちょっと待ってくれ!」
「なんだよ、兄ちゃん」
「あ、いや・・・・・・花屋、どこにあるか、わかるか?」
「花屋だったら、その通りの突き当りを右に行ったところだよ!もういい?」
「ああ、じゃあな!」
「うん!バイバイ、兄ちゃん、姉ちゃん!」
悠人とヘリオンは、大きく手を振って少年を見送る。
少年も手を高々と振ると、元気いっぱいに走り去っていった・・・
639 :
ヘリオンマン:2006/03/01(水) 21:48:35 ID:fcI3Biza0
へ*__*へ
/ ヽ|・∀・|ノ. \
|__|
| |
シエンマッ……あっー髪飾り代え忘れました!
「・・・いい弟子だな」
「はい・・・って、気づいてたんですか?あの子が、あの時話した私の弟子だって・・・」
「途中から、なんとなくだけどね・・・これからの成長が楽しみだな」
「そう・・・ですね。あの子、きっと強くなります」
ヘリオンはすっと立ち上がると、少年が走り去った方へと寂しそうな視線を向ける。
「・・・いいのか?この世界に残って、あの子を鍛えてやるって道もあるんだぞ?」
「変に約束したら・・・私、また裏切ることになっちゃいますから・・・ごめんなさい」
「そうか・・・あんまり、気に病むなよ?悩み始めたら、キリがないんだからな?」
あの少年の願いをかなえることはできない。それは・・・エターナルの宿命に縛られているが故。
ヘリオンは、記憶を失わせることだけを業としているわけではない。
姿形の変わらない師を見られて、あの少年に化け物として扱われることが、何よりも怖かった。
「ユート様っ!早くお花を買って、行きましょう!」
ヘリオンの精一杯の空元気。それがはっきりとわかるだけに、悠人の心も苦しめられる。
ヘリオンを巻き込んで、こんな目に遭わせている自分が恨めしくなってしまう。
「(疫病神・・・か。俺、ヘリオンに何かしてやれないのか?)」
「ユート様っ!」
無理矢理作った笑顔に、じわりと浮かぶ涙。悠人は、そんなヘリオンなど見たくはなかった。
自然と、足が動き、少年の言った方へと進む。
「・・・行こう」
時深や【聖賢】がよく言っていた。
エターナルは、一つの世界に干渉しすぎてはいけないと。・・・それは、こういった意味もあるのかもしれない。
望むとも望まずとも、悠人とヘリオンは・・・この世界から去らなくてはいけないのだろうか。
・・・『蓋』の発動まで、あと二日。時間は・・・ない。
へG_Gへ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z <真・G支援ヘリオンマンです!
くく
──────城下町で花束を買った悠人とヘリオンは、覚えのある街道を歩いていた。
やがて見えてくる一軒家・・・そう、目的地は・・・ヘリオンとハリオンの物語が始まった場所。
ヘリオンが悠人に過去を明かしてくれた、悠人の世界に向かうきっかけになった・・・あの家。
「また・・・ここに来ちゃったな」
「でも、今日はお墓参りですから・・・ユート様、こっちです!」
ヘリオンは花束を持っている悠人の手を引いて家の裏手に回りこむ。
そこには、日陰にあったせいか苔むした大きな石の置いてある、粗末な墓。
その石には、幼いころに彫ったのだろうか、崩れた、消えかかった字で”ルルー<お姉ちゃん>”と彫られていた。
「お姉ちゃん・・・ハリオンさん・・・」
ヘリオンはそう呟くと、オーラフォトンを展開し、【純真】の刃先を墓石に近づける。
器用に、文字の一画一画を、オーラフォトンで丁寧に墓石に刻み込んでいく。
『お姉ちゃん』の名前の下に刻み込まれた名前は、ハリオン・・・”ハリオン・グリーンスピリット”。
悠人は、持っていた花束をヘリオンに手渡すと、視線で供えるように促す。
ヘリオンはその視線を受け取って、墓石の袂に、生前『お姉ちゃん』やハリオンが好きだった花を供えた。
・・・悠人は、静かに目を瞑って、顔の前で両手を合わせる。
「ユート様、それは・・・」
「ん?これか・・・これは、俺の世界のお祈り。死んだ人に対するお祈りだよ」
「そうなんですか・・・え、と・・・こう、ですか?」
「そうそう」
ヘリオンは悠人にならい、同じように祈りをささげる。
本当は知らなかった、死者に対するお祈り・・・世界が、カタチが違えど、その想いは同じ。
上天気、さんさんと降り注ぐ日差しの中、聞こえる音は空を翔る鳥のさえずりと草の擦れ合う音だけ。
静寂の中で、二人の心に映るのは・・・ハリオンとの思い出、『お姉ちゃん』との思い出・・・そして、呼びかけ。
ハリオン・・・俺たちは生き延びた。ハリオンが描いたカタチとは違うかもしれないけど・・・生き延びられた。
世界も平和になりつつある。みんな・・・みんな、本当にうれしそうだよ。もちろん、ヘリオンや俺も・・・
でも、俺・・・戦いが終わってから、ヘリオンを見るたびに思うんだ。
・・・ヘリオンはこの戦いが終わるまでに、何回泣いたのかな、どれだけの涙を流したのかなって。
ヘリオンは・・・これから、どれくらい泣けばいいんだろうって。俺は、どれくらい慰めればいいんだろうって。
きっと、これからヘリオンはまた泣く。ヘリオンは俺と同じだから、きっと俺と一緒に旅立つ道を選ぶ。
みんなと別れるのが辛くて・・・また泣くんだろうな。それで、また俺は慰めなきゃいけないんだろうな。
辛いのは・・・俺も同じなのに、俺は・・・弱さを出せないんだ。ヘリオンを、支えなきゃいけないんだ。
いつだったか言ってた。ヘリオンは・・・もうひとりぼっちなんだ。だから、俺が・・・ずっと支えてあげなきゃいけないんだ。
俺は・・・ヘリオンが悲しさで、苦しさで泣いてる顔なんて見たくない。だから・・・ハリオン・・・
ヘリオンは・・・俺が守るから。月並みかもしれないけど・・・きっと、ヘリオンを幸せにしてみせるから。
ハリオン・・・俺たちを見守っててくれ。それと・・・ありがとう。俺を・・・佳織を守ってくれて・・・
お姉ちゃん・・・ごめんなさい。私・・・誓いを果たせませんでした。
あの時・・・私がスピリット隊に入隊するときに・・・ハリオンさんと一緒に生き延びるって、誓ったはずなのに。
ハリオンさんは・・・私とユート様を守るために・・・犠牲になってしまいました。
でも、後悔はしていないと思います。だって、死ぬ間際のハリオンさんは・・・笑顔を向けてくれましたから。
私、ハリオンさんのことを全部知ってるわけじゃありませんけど・・・これだけははっきりとわかるんです。
自分の命を犠牲にしてでも、大事な人を守る・・・それが、ハリオンさんの愛のカタチなんだって。
・・・お姉ちゃん、ハリオンさん・・・私、ユート様と一緒にこの世界から旅立とうと思います。
ユート様は優しいですから、きっとまた自分が疫病神だなんて変な考えもって、
みんなに迷惑をかけないようにと思って、この世界から出て行くと思うんです。
私、ユート様と一緒にいたいんです。・・・ユート様のことが、好きだから・・・ユート様を支えたいから・・・
・・・ユート様は、ひとりぼっちだから・・・私と同じだから・・・一緒にいてあげて、慰めてあげたいんです。
お姉ちゃん、ハリオンさん・・・本当に、ありがとうございました。それから・・・さようなら・・・
───── 一心に、純粋な祈りをささげる悠人とヘリオン。
・・・はるか彼方の世界、ファンタズマゴリアの死者の心が集う世界で、その想いを受け取る者がいた。
『ふふっ、うふふふ〜♪』
『随分とうれしそうですね。私はさっきから複雑な気分なんですよ?』
『だって〜、二人とも考えてることが同じなんですよ〜?おかしくないわけないですぅ〜♪』
『まぁ、そうですね・・・二人とも、バカみたいですから』
『あらあら〜、バカなのは、あなたもじゃないですか〜?人が悪いですよ〜?ずっと【失望】の中にいたなんて〜』
『これでも、たまに顔を出していたんですよ?ヘリオンも【求め】も、全然気づかないんですから』
『よっぽどそっくりだったんですね〜、あなたと、【失望】は・・・』
『うふふ、おかげで、人間だった私にはわからない色々なことを学ばせてもらいました・・・』
『おまけに〜、一度抜けたかと思えば〜・・・あんなことになっちゃって〜!』
『トキミさん・・・でしたっけ?あの人は未来がわかるそうですから・・・運命付けられたのかもしれません』
『はぁ・・・あなたが羨ましいです〜・・・ずっとヘリオンの傍にいられるんですから〜』
『・・・それだけ、多くの悲しみ、苦しみを共有することになりますけど、ね・・・』
『それよりも・・・あなたは後悔していないのですか?まだ、やりたいことがあったのでは?』
『私は、ヘリオンが幸せなら、それでいいですから〜・・・』
『それだけでしょうか?あなたは表には出さずとも、心のどこかであのユートという人を好いていたのではありませんか?』
『お見通しなんですね〜・・・確かにそうですけど、あの時、私が行かなかったら・・・ユート様を庇っていたのは・・・』
『ヘリオンだった、と・・・?あなたが最後に守ったのは、ヘリオンもだったのですね・・・』
『ユート様にもヘリオンにも死んでほしくなかった・・・それが、理由として不足ですか〜?』
『それが、あなたの愛のカタチなら・・・誰にも咎めることはできませんよ。
それに、これから私はもっと辛いものを見続けなければいけないのですから・・・』
『やっぱり、行っちゃうんですか〜?』
『はい、私は・・・ヘリオンと共にいきます。あのユートという方も、一緒にいると退屈しそうにありませんし』
『ユート様ですか〜・・・あの人は、優しい人ですから〜』
『そうですね。ヘリオンを想う心は、あなたにも負けていないくらいですし・・・それよりも・・・』
『私ですか〜?私は、もう戻れませんから〜、ずっとここで見守ってあげようと思うんです〜
それに〜、この世界のお菓子やお茶も、なかなかに美味しいものがそろっていますから〜♪』
『ふふっ、相変わらずですね。またいつか会いましょう。ハリオン』
『そうですね〜、お姉ちゃん・・・いいえ、今は〜・・・【純真】』
磨きのかかったマイペースと悪戯心満載な、『お姉ちゃん』の心は、主の元へと戻っていく。
いや・・・今は、彼女は『お姉ちゃん』でも【失望】でもなく・・・【純真】というヘリオンの剣。
そして、ハリオンとヘリオンを繋ぐことのできる唯一の橋。
ハリオンの・・・何よりも叶えたかった願い・・・ヘリオンの幸せ。
それが信頼できるものに変わったとき、ハリオンの心は満足なものに包まれ、上機嫌になる。
『ふ〜ぅ。じゃあ、スピリットのみなさんと、お茶にでもしましょう〜♪』
死者に、心の存在となってこの世界に来た以上、敵同士だったとかそういうのはなくなっていた。
主にハリオンのお茶の相手になっているのは、ラキオスのスピリット隊が今までマナの霧に変えてきたスピリット。
どうやって死んだとか、生前の思い出とか、そういった生々しい話を種にティータイムを楽しんでいる。
そんな中でも、大事な人を庇って死んだハリオンの体験談は群を抜いて人気を博していた。
死んだなら死んだなりに楽しみ方もあるのだなと知ったときは、どうしようかと思ったものだが・・・
それでも、長話とティータイムが趣味のハリオンにとっては嬉しい限りなのだった。
ただ・・・ハリオンが思うのは、ヘリオンや悠人にはこんな世界は見せられないということだった。
こんな話をしているところを見られたら、それこそ呆れられてしまうだろう。
『(はぁ〜・・・【純真】、ぜぇ〜ったいにヘリオンやユート様をここには連れてこないでくださいね〜。
もし連れてきたりしたら〜・・・お姉ちゃんよりも激しく めっめっ・・・てしちゃうんですから〜・・・)』
──────ハリオンがそんな調子であることも露知らず、悠人とヘリオンは祈りを終える。
同じ想いと、同じ決意を・・・同じカタチの心に乗せて・・・
「ヘリオン・・・そろそろ行こう。あんまり長く離れると・・・みんな大騒ぎするから」
「そうですね・・・ユート様」
お互いに力なく微笑みあって、しっかりと手を握ると町のほうへと帰っていく。
残された墓にぼんやりと集まりつつある緑マナ。
遠い未来、この場所が地平線の果てまで続く花畑になることを、二人はまだ知らない。
そして、その花畑の伝説の主役になるハリオンも、当然知る由もないのだった・・・
──────翌日。蓋の発動まで、あと一日。
ヘリオンは、第二詰所での・・・ハリオンの部屋にいた。
戦争が終わったので、第二詰所のメンバーは、ハリオンの遺品を整理することになったのだ。
何せあのハリオンだ。持っている私物の量も他のスピリットの比ではない。
ハリオンに縁のある人物・・・ヒミカやセリアを筆頭に、立候補したヘリオンが手伝って部屋を片付けているのだった。
「・・・ヘリオン、また出てきたわ」
そう言ってヒミカが取り出したのは、料理関連の本。
「えぇ〜・・・ハリオンさん、溜め込みすぎですよぅ〜・・・」
・・・そう、何せあのハリオンだ。部屋の中にあるのは、主に料理やお菓子、お茶に関する知識の宝庫。
いつの間に、どこで買ったのかわからないような書物が溢れていた。
それは丁度、買った雑誌をなかなか捨てられなくて、部屋の隅に溜まっていった状況に似ている。
「つまり、私たちは今までこれらの本の知識の実験台にされてたわけね・・・これじゃ毎日ティータイムするわけだわ」
ぶつぶつと文句を言いながらも、机の引き出しを片っ端から調べるセリア。
そして、一番下の引き出しからやや厚めでボロボロのノートを見つけるのは・・・まもなくのことだった。
「うん?これは・・・ヘリオン、これは何かしら?」
そう言われて、ヘリオンはセリアの取り出したノートを見るが・・・それは全く見覚えのないものだった。
「なんですか?・・・見たことないです。・・・も、もしかして・・・ハリオンさんの秘密がぎっしり!?」
そのヘリオンの一言に、ぎっくりする面々。
ハリオンの、妹分のヘリオンにすら見せたことのない古びたノート。
それだけに、この場にいる者たちは何か見てはいけないものを見たような感覚に襲われる。
「へ、ヘリオン・・・見てみたら?」
「そうね、ここはあなたが見るのが妥当じゃないかしら?」
セリアはノートをぽん、とヘリオンに手渡すと、ヒミカと一緒にささっとノートから離れる。
爆弾があったりするわけでもなく、相手はただのノートなのに・・・この場の面々は恐ろしく警戒気味だ。
観念したヘリオンは目を皿のようにして、恐る恐るノートを開ける・・・
「・・・・・・」
中身を読んでいるのか、右往左往するヘリオンの瞳。
「・・・!?」
そして、間もなくヘリオンの顔が驚きに染まる。
それは、見てはいけないものを見た顔ではなく・・・信じられないようなものを見た顔。
「どうしたの?な、何が書いてあったの?」
「これ・・・ハリオンさんの創作料理やお菓子のレシピみたいです」
そう言って、すぐにノートを閉じる。
中身は本当にハリオンのレシピなのだが・・・ヘリオンは、その中に本来は無いものを見つけてしまったのだ。
「あ、あの・・・これ、貰っていってもいいですか?じっくり読んでみたいんです!」
「え?え、ええ・・・いいわよ。私たちが持っててもしょうがないと思うし・・・」
「そうね。あなたが持ってたほうが・・・ハリオンは喜ぶんじゃないかしら」
慌てるように懇願するヘリオンに、思わずあっけにとられるヒミカとセリア。
「え、えっと・・・じゃあ、あとお願いしていいですか?」
「え、あ・・・ちょっと、ヘリオン!?」
「それじゃあっ!」
二人の返事も聞かず、脱兎のように部屋を飛び出したヘリオンは・・・自室だった部屋へと向かった。
部屋に着くなり、ノートを開いて一字一句を見逃さないようにじっくり読むヘリオン。
「(やっぱり・・・!見間違いじゃないです。で、でも、どうして・・・!?)」
そのページは、ヘリオンが好きな料理・・・野菜スープの作り方が事細かに書いてあるページ。
その隅には・・・こう書いてあった。
『・・・の月、・・・・・・の日、やっとお姉ちゃんの味に近づくことができました。これで、やっとヘリオンに喜んでもらえる』
日付を見るに、どうやらこのページは『お姉ちゃん』が亡くなってから程なく書かれたものらしい。
だが、ヘリオンにとっては、このレシピがいつ、どこで書かれたかは重要ではない。
・・・どうして、このレシピにヘリオンの名前が書いてあるのか・・・それが疑問だった。
エターナルになって、消えるはずの自分に関する記憶と、いなかったことになる歴史の改竄。
そう、エターナルになったヘリオンの名前がここにあるのは・・・おかしいのだ。
「(そういえばあの時も・・・もしかして、ハリオンさんは・・・)」
この事実に関する可能性・・・いや、真実。
・・・それは、ヘリオン一人の胸の中へとしまわれ、あの時まで誰かに知られることは無い。
そして、ハリオンの創作料理は、導かれるようにヘリオンに引き継がれるのだった・・・
──────次の日の朝、蓋の発動する日。
悠人は一つの決意を胸に、時深の指定した場所へと向かう。
その傍らには、ずっと一緒にいようと誓った少女、ヘリオンもいる。
・・・悠人は、自分のために家族を捨てるヘリオンに、エターナルになる時の自分を重ねていた。
ヘリオンは・・・あの少年の時のように・・・辛いのに、痩せ我慢して、無理矢理に笑顔を、まっすぐな表情を作っている。
ヘリオンの泣き顔を見たくない。・・・ハリオンに祈ったその想いは間もなく崩れようとしていた。
悠人にはわかっていたから。ヘリオンは、辛いとき、苦しいときには正直になってしまうから・・・
「(まさかとは思ったけど・・・ヘリオンが俺と同じ決意をしていたなんてな・・・)」
──────約十五時間前。悠人とヘリオンは、第一詰所の客室でお互いの決意表明をしていた。
「・・・いいのか?」
「はい。もう・・・決めたことですから」
悠人がこの世界を出て行くと言うなり、ヘリオンはそれに従うように一緒に行くという。
「みんな・・・ヘリオンを受け入れてくれてるのに。もう、ずっと・・・二度と会えないんだぞ?」
「確かに・・・みんなと別れるのは辛いです。でも・・・私、きっと耐えられないんです・・・」
「・・・耐えられないって?」
大方想像はできたが・・・悠人は、その想いがヘリオンの口から直接飛び出すのを待った。
それはこの世界に残るかどうかという選択をする上で、悠人自身も懸念していたことだったからだ。
「たった一人・・・私だけ、年をとらないんですよ?みんな成長して、年をとっていくのに・・・私だけそのままなんて・・・」
「・・・そんなこと言ったら、俺だって同じだよ。・・・何千年も、年をとらない化物として、この世界にいるなんて、嫌だ」
だから出て行くって、そんなことは理由にならないことは二人ともわかっていた。
今この国にいるスピリットたちは・・・少なくともスピリット隊のメンバーたちはそれをも受け入れてくれるだろうから。
だが、それ以降はどうなる?悠人とヘリオンを知る者がいなくなったら、この世界に二人の居場所はない。
『蓋』が機能を停止するまでは、ずっとこの世界から出ることはできない。
それこそ、何千年も羨ましがられ、蔑まれ、イレギュラーとして存在しなくてはならない。
悠人とヘリオンという、優しさの塊のような・・・それでいて一途で脆い心を持った二人がそれに耐えられるはずもなかった。
「ユート様も、私と同じ理由で出て行こうって決めてたんですか?」
「それもあるけど・・・俺、疫病神だからさ・・・また何かこの世界に厄介事を起こすような真似をしたくないんだ」
「そう・・・ですか」
ヘリオンは思った。やっぱりそうだった、と。
どこまでも自虐的になる悠人は・・・この世界に迷惑をかけまいと出て行くだろうと。
「あ、あの・・・ユート様・・・」
「・・・どうした?」
「・・・辛いときは、いつでも言ってください。どこまでできるかわかりませんけど・・・私、ユート様を支えますから」
俯いていた顔をぐっと上げ、真っ直ぐな視線を向けて想いを放つヘリオン。
その眼には、悠人を本気で愛してくれているが故の・・・悠人を守りたいという気持ちが篭っていた。
悠人は、それに力なく笑って、ヘリオンの頭を優しく撫でながら応える。
「ヘリオン・・・ありがとう。それと・・・ごめんな」
悠人は・・・ヘリオンを支えてあげなきゃと思っていた。・・・確かにそれでよかった。
でも、支えられなきゃいけないのは自分も同じ。
思えば、悠人の心が悩みを抱えている時・・・傍にいてくれて、励ましてくれたのは・・・ヘリオンだった。
今日子や光陰と戦わなきゃいけない時も、悠人の世界に行った時もエターナルになる時も・・・いつも、一緒にいてくれた。
そして、これからも・・・悠人には、ヘリオンがたった一人の心の支えになっていた。
「それで・・・持っていくのはそれだけでいいのか?」
そう言って悠人はヘリオンの持っている一冊のノートに視線を送る。
「はい。ハリオンさんのレシピは私が受け継ぎます!」
レシピをきゅっと抱きしめ、悠人に笑顔を送るヘリオン。そのレシピにある料理でも作ってくれるのだろうが・・・
問題なのは、そのレシピに書かれているのはこの世界での料理であって、他の世界に行ったら意味がないということだ。
「(まあ・・・参考ぐらいにはなるよな)」
悠人がそんなことを考える一方で、ヘリオンは思っていた。
悠人の世界の料理をあっさりと作るハリオンの書いたレシピなのだから、どこに行っても通用する気がする、と。
「ユート様、たっくさんおいしいもの作ってあげますからっ♪」
「あ、ああ・・・期待してるよ」
ヘリオンの料理の腕は知っているはずなのに、どこか不安になってしまう悠人なのだった・・・
─────ぼんやりと回想しながら歩くうちに、一面に若草の生い茂る草原のど真ん中に立つ時深を視界に捉える。
『門』を開こうとしているのだろうか、すでに【時詠】を手に持って、静かに目を瞑り、瞑想するように立っている。
二人が近づくと、気配を察知するかのように開眼した。
「ここに来たということは・・・二人とも、この世界から旅立つのですね?」
エターナルになるときと同じ・・・意思を確かめるように時深は悠人とヘリオンに問いかける。
「ああ、そうだ・・・時深、発動まであとどれくらいだ?」
「あと15分程です。ですから・・・この世界の景色を目に焼き付けておきたいなら、どうぞ・・・」
時深がそう促すと、ヘリオンは無言のまま振り向いて・・・ラキオスの町の方を見やる。
訪れる静寂とともに、ヘリオンは・・・何を思っているのだろうか?
町のほうから優しく吹き付ける風に靡く黒髪のツインテールが・・・ヘリオンをより寂しそうに見せていた。
ここからではもう見えない町のほうをしっかりと見ているヘリオンの瞳には、底知れない想いが宿っている。
ハリオンや悠人と歩いたあの町には、もう戻れない。
ともに戦い、生きて・・・自分を家族として受け入れてくれた仲間たちとは、もう会えない。
みんな・・・そんなことは忘れてしまう。覚えているのは、たった”三人”だけ。
その者たちの心の中でしか、その思い出は生きることはできない。
だからこそ、ヘリオンは絶対に忘れまいと焼き付けていた。何千年、何万年・・・それこそ、永遠に生きることになっても。
「(ハリオンさん、ずっと私たちのことを覚えていてください。私もユート様も、ハリオンさんとの今までを忘れませんから・・・)」
改めて祈りをささげ終えると、くるりと時深の方を向いて旅立ちを促す。
「もういいのか?あと10分位残ってるけど・・・」
「あんまり見てると・・・また未練っぽくなっちゃいますから。ユート様、行きましょう?」
「う、ん・・・・・・そうだな」
悠人も時深の方を向いて促すと、時深はすぅっと【時詠】を掲げあげる。
いよいよ、旅立ち・・・別れの時。だが、そのとき・・・
キイイイイィィン・・・
「!!」
同時にその場の三人に響き渡る、強烈な干渉音。
それが意味するものは・・・町のほうから猛スピードで迫ってくる、覚えのある多数の神剣の気配。
「ヘリオン!これって・・・!!」
「ま、まさか・・・みんな!?」
慌てるように振り向くと、接近する神剣の気配とともに現れるたくさんの人影。
誰が見間違えるだろう・・・それは、紛れもなく共に戦ったスピリット隊のメンバーたちだった。
「ヘリオーンっ!!」
ヘリオンの目の前まで来ると、全力で走ってきたのだろうかぜいぜいと息を切らすメンバーたち。
そのうちの数人に見える、目尻を伝ったのであろう涙の痕がその急ぎぶりを象徴していた。
「はぁ、はぁっ・・・ひどいよっ!何も言わずに行っちゃうなんて・・・!」
「そ、そうだよぅ〜・・・どうして、言ってくれなかったの〜?」
ネリーとシアーのその言葉に、ヘリオンは何も言い返せなかった。
みんなと別れるのが辛いから、涙を見たくなかったなんて、誰が言えよう。
「ネリー、シアー・・・ヘリオンも辛いのよ?あんまり、わがまま言わないで・・・」
冷静さを欠いた、蚊の鳴くような声でなだめるセリア。
ヘリオンが旅立つつもりだと、どこかで気づいていたのだろうか・・・もう、何もわからない。
何も言えずに立ち尽くしていると、ヒミカが何か説教をするような顔でヘリオンに近づく。
そして、肩にぽん、と両手を置いて悟るように、語るように言葉を紡いだ。
「やっぱり・・・あなたはハリオンの妹なのね・・・」
「え・・・?」
その言葉に、ヘリオンは虚を突かれたような気がした。
「自分が本当にやりたいことは誰にも言わないの。それで・・・たった一人でやろうとするの。
本当に・・・ハリオンにそっくりなのね・・・」
「ヒミカさん・・・!私は・・・!」
「そう、ヘリオンはヘリオンなの。でもね、あなたを見てると・・・ハリオンの面影がね、見えちゃうのよ・・・」
それは、ハリオンと深く付き合っていたからこそ出る言葉だった。
スピリット隊ならみんな知っている、共にお菓子屋を開こうと夢を語っていた仲。
そんな夢を持っている中で、ハリオンは・・・ヘリオンのためになら命を賭ける志を秘めていた。
小さな命を守ること・・・そんなハリオンと同じ想いを持っていたヒミカは、どこかで感づいてしまっていた・・・
「どうしても・・・行くのね?」
「・・・はい」
「そう・・・」
ヒミカはすっとヘリオンから離れる。真紅の瞳に潤う涙を必死にこらえながら、メンバーの元に戻る。
ヘリオンは・・・ひたすら自覚し続けなければいけなかった。
自分がしていることは・・・悲しみを生み出していることだって。生まれて初めて、誰かを泣かせているって・・・
「ねえ・・・本当に行っちゃうの?」
服の裾をぎりぎりと握り、ヘリオンの眼を睨みつけて語りかけるニムントール。
「・・・はい。私、もう・・・決めたんですっ! ・・・うっ、うぅ・・・」
思い切り瞑った眼から、つぅっとヘリオンの頬を伝う一筋の涙、小刻みに震える体が・・・本当は分かれたくないと語る。
「バカぁっ!!ヘリオンの・・・ばかぁあ・・・」
「・・・っ!!」
また・・・バカって言われた。でも・・・あの時とは意味が全然違う。
涙で濡れた顔を上げてニムントールを見ると、そこには怒りと悲しみに満ちた少女の姿があった。
「せっかく、私たち仲良くなれたのにっ!せっかく・・・トモダチになれるって思ったのに・・・!!」
「ニム!だめよ・・・!」
思っていた本心が口から飛び出し、いきり立つニムントールを後ろから抱きつくように制止するファーレーン。
「(友達・・・トモダチ?)」
今まで、自分たちは家族なんだって・・・ずっとそう思っていた。
初めてだった・・・友達だなんて言われたのは。ましてニムントールがそう思っていたことなど・・・夢にも思わなかった。
「ヘリオンのバカぁぁっ!もう、他の世界でもどこでも行っちゃえっ!!・・・ぅぐ、ひぐうっ、うわああぁあぁ・・・」
ファーレーンに抱かれたまま・・・本音と共に大粒の涙を流して泣くニムントールに・・・
ヘリオンは、ただ・・・罪悪感が積もっていくばかりだった。自分がしていることは本当に正しいことなのか・・・わからない。
「ニム・・・ごめんなさい・・・ニム・・・」
「・・・かなしい」
「ナナルゥお姉ちゃん、どうしたの?」
少し俯き気味にそう呟くナナルゥに、オルファは涙目で疑問に思う。
すぐ傍でニムントールが泣いているにも拘らず、相変わらずのポーカーフェイスのナナルゥはすぐに答えた。
「胸が・・・苦しい気がするのです。カオリ様と別れたときのような・・・あの時と同じ苦しさ。これが・・・悲しい?」
「そうだよ・・・だって、オルファも悲しいもん・・・こんなにいい人たちと、別れなきゃいけないなんて・・・」
・・・佳織と別れたときのように、微妙な表情のまま涙を流すナナルゥ。
オルファからの貰い泣きではない・・・ナナルゥの本心の涙が、ぽたぽたと顎から滴り落ちていた・・・
「ユウト殿、ヘリオン殿・・・本当に行ってしまわれるのですか?」
一層沈んだ顔のウルカが、引き止めるように悠人たちに問いかける。
自らの過去の神剣【拘束】に苦しめられていたあのころよりも、辛くて仕方が無い心を持ちながら・・・
「ああ、俺たちはこの世界から旅立つんだ・・・」
悠人がそう言うと、ウルカはその眼を殺気立たせて悠人に再び問いかける。
「本当に、旅立つのですね?その決心を変えるつもりは毛頭無いと?」
「・・・ああ!」
ぴりぴりと伝わってくる殺気にやや怖じながらも、悠人は自分の意思をそのままぶつける。
・・・すると、ウルカは瞑想するように眼を閉じ、ふっと殺気を抑えた。
「ユウト殿の意思は本物・・・決して揺らぐことのない山の如き決意・・・」
「・・・ウルカ?」
「ユウト殿・・・人は、大事な人のためにこそ本当の力を出せるということを、努々忘れないようにしてください」
大事な人のためにその剣を振るう・・・それは、ヘリオンの戦いの理由そのもの。
その言葉に、涙で顔がぐしゃぐしゃになったヘリオンははっとしたように顔を上げる。
「え?・・・どうして、ウルカさんがそれを・・・」
「以前、誰かにそう言われたような・・・そんな気がしました故。確かではないのですが・・・真理なのです。
ですから、ユウト殿・・・その剣はヘリオン殿のために振るってください」
「・・・ああ、ありがとうウルカ・・・」
悠人はにっと笑ってそう答えると、ウルカも詰まり物が取れたように柔らかい表情のまますっと下がっていった。
「(ウルカさん・・・あのときのこと、覚えてたんでしょうか・・・?)」
ヘリオンの脳裏に浮かぶ、砂漠での一対一の戦い。
あの時・・・ヘリオンは自分や悠人が神剣という力を持って戦いに身を投じている理由を、素直にぶつけた。
大事な人を守るため・・・ウルカは、そのヘリオンの言葉にどれだけの感銘を受けたのだろう?
記憶の消えた今となっては・・・そのウルカの想いは泡沫の如く。誰にもわからないものになってしまったのだ・・・
「エスペリア・・・引き止めないのか?」
大急ぎでここに来たはいいものの、何もしようとしないエスペリアにアセリアは疑問符を浮かべる。
「どうして・・・止めなきゃいけないんですか?彼らのすることは彼らの意思。私たちが邪魔していいものではありません・・・」
「じゃあ、何で来たんだ?私は・・・まだいなくなってほしくないから止めに来た。エスペリアは何で来たんだ?」
「それは・・・」
何も答えられないエスペリアに呆れたのか、アセリアは音も立てずにすっと悠人に歩み寄る。
・・・それこそ、いつだったかのように、眼と鼻の先まで近づいて。
「う、な、なんだ?アセリア・・・?」
「本当に行っちゃうのか?・・・せめて、何かしてあげたらよかった・・・」
純粋さにかけては右に出るものはいないアセリアは、露骨に残念そうな表情を近づけてくる。
・・・だが、何かしてあげたいと言われた悠人はアセリアには感謝しなければと思っていた。
アセリアが(本当は)佳織のためにと作ってくれた【求め】のペンダント・・・
それは、悠人とヘリオンの記憶を取り戻すきっかけになったと共に、ヘリオンがエターナルになるために使った鍵。
これがなくては、今とは全然違う未来・・・最悪、悠人は現実世界に帰り、この世界は消滅していただろう。
「いや・・・俺、アセリアには感謝してるよ。・・・まあ、色々と」
「? 私、何かしたか・・・?全然、覚えてない・・・」
「あ、うん・・・気にしないでくれ。とにかく、俺たちはもう・・・行かなくちゃ」
悠人はちらりと腕時計を見る。・・・あと三分もなかった。
「そうか、じゃあもう止めない。さよならだ、ユウト、ヘリオン・・・」
アセリアはあっさりと別れの挨拶を言い終えると、くるりと踵を返してエスペリアの元へと戻っていく。
「エスペリア・・・何か言いたいなら、言ったほうがいい。ハリオンの時みたいに、後悔してからじゃ遅いから・・・」
エスペリアの耳元でぼそりとそう呟くアセリア。
サーギオスとの決戦の後・・・悠人とヘリオンが眠っている五日間の間に色々なことがあった。
誰もが、ハリオンが戦死したことによるショックを受けていた。
そのせいか、誰もが『あの時ハリオンと一緒に戦っていれば』・・・と、後悔に駆られて結果論を呟いていた。
親友だったヒミカや、王座の間の直前で悠人たちから離れたアセリアとエスペリアは特にそれが酷かったのだ。
・・・何かがあってからでは何もかも遅いのだ。できることは・・・できるうちにやっておかなくてはならない。
アセリアは、悠人とヘリオンが旅立ってから後悔するエスペリアを見たくなどなかった。
「そうですね・・・じゃあ、ちょっと行ってきます」
アセリアはにっと笑ってそんなエスペリアを送り出す。
「あの・・・ユウト様」
「なんだい、エスペリア?」
実は何も言うことを考えていなかったエスペリアは、なんだと言われて戸惑ってしまう。
「ええっと、その・・・」
エプロンの端を握り、何かを我慢するようにもじもじしながら、ぽっと思いついた言葉を紡ぐ。
「・・・いつまでも御健勝でいてください。あなたたちが死んでしまうことは、誰も望んではいませんから・・・」
「あ、ああ・・・ありがとう」
エスペリアらしいような、らしくないような・・・そんな激励を受けて、悠人はそれに微笑みで応える。
エスペリアは、ほんのりと頬を赤らめると、そそくさと逃げるようにアセリアの元に戻っていった。
「・・・?どうしたんだ?エスペリアは・・・」
悠人がそんなことを考えていると・・・
ドガッッ!
「いっでええぇっ!!」
すぐ横にいたヘリオンと、いつの間にか反対側に立っていた時深から、同時に脇腹に拳を叩き込まれた。
二人とも目を細めて、ヘリオンは真っ赤な頬をぷぅっと膨らませて実に不機嫌そうな顔で悠人を睨みつけている。
明らかに神剣の力を使って拳を撃ち込まれたせいか、何か怒りのようなものを感じていた。
「うぅ・・・俺が何をしたんだぁ〜・・・」
「い〜え、な〜んにもしてませんよ!私がヤキモチ焼いてるなんて、そんなことぜんっぜんないんですから!」
「そうそう、それよりヘリオン・・・考えてることが口から出てます」
「はぁうっ!!」
涙を流して、悲しみに駆られて真っ赤な顔だったヘリオンは、そのままいつもの調子に戻ってしまう。
さっきまで積みあがっていた罪悪感やら何やらはどこへやら。
そこにあるのは、エターナルになる前も後も関係ない、いつもの悠人とヘリオンの姿なのだった。
「ぷっ、くくく・・・」
この状況がツボに来たのか、堪えきれなくなって思わず吹き出してしまうセリア。
それが震源地となってどんどん笑いが拡大していってしまう。
「あ・・・あはっ、あははははははっ!」
真摯な気持ちに浸っていたヒミカや、ただひたすらに涙を流していたニムントールですら笑い出す始末。
「なんか・・・前にもこんなことがあったような・・・」
そう、前にも・・・最後の決戦の前にもこんなことがあった。
悠人とヘリオンという二人を見て、幸せそうに笑う仲間たち・・・それは、彼らに対する最大の祝福なのかもしれない。
「ユート様、いいんじゃないですか?・・・泣きながら別れるよりは、笑って別れたほうがいいです」
ヘリオンは頬を濡らしていた涙をさっと拭って、悠人に向かってはにかんだ笑顔を浮かべる。
「そうだな・・・笑顔で、さよならを言おう。嫌な気持ちが、残らないように・・・」
悠人はそう言うと、時深に視線で『門』を開くように促す。
それを受けて、時深は再び【時詠】を高く掲げ上げると、周りのマナを立ち上らせて『門』を開きだした。
「おい、ちょっと待ってくれ!」
そう言ってメンバーたちの後ろから飛び出してくる今日子と光陰。
「? どうしたんだ?」
「いやね、最後に聞いておこうと思って・・・あんたの『ユウト』ってさ、日本人の名前でしょ?だから・・・教えて?本当の名前」
「そうそう。なんかさ、初めて会った気がしなかったんだよな。もしかしたら知り合いかと思って・・・な」
その言葉に、ぴくりと反応する悠人。
本来の名前を言うべきか・・・正直に言っていいものかどうか悩んでしまう。
だが、迷ってなどいられない。だから・・・悠人は、今までで一番輝いていた名前を・・・高らかに言った。
「俺の名前は・・・悠人。高嶺 悠人だ!」
「・・・やっぱりね!」
「そうだろうと思ったぜ!」
光の向こうで満足そうな表情をする今日子と光陰に、悠人もすっきりしたような笑顔を送る。
どんどん開いていく『門』。もう、本当に別れるときなのだ。
「ヘリオン!ネリーのこと忘れないでね!」
「シアーのこともだよ〜!」
「・・・ユウト様、ヘリオンのことを大事にしてあげなさい。でないと、許さないわよ!」
「同じ黒き妖精として・・・私のことも覚えていてください。あなたの記憶、いつまでも・・・」
「ヘリオン・・・ユウト様・・・さようなら・・・」
「ヘリオン、ハリオンの遺志を、いつまでもその心に留めておいて・・・それが、永遠<とわ>に続くように・・・」
「ぅくっ・・・バイバイ!ヘリオン・・・!!」
ネリーとシアーは呼びかけるように、ファーレーンとヒミカは祈るように、セリアは本当に世界を超えて来そうな勢いで・・・
ナナルゥは相変わらずのポーカーフェイスぶりで、・・・ニムントールは迷いを断つように、ヘリオンに叫びかける。
ますます立ち上る勢いを増す周りのマナ。まもなく消えてしまう英雄たち。
その中の黒髪のツインテールの少女、ヘリオンは・・・これ以上無い笑顔で、大きく手を振りながら・・・
「みなさんっ!ありがとう・・・ござ・・・ました・・・!さよ・・・なら・・・!さようならぁあ・・・!!」
弾けるように、ファンタズマゴリアから旅立った三人のエターナル。
フラッシュのように激しく輝く白きマナが・・・その場には暫くの間、留まっていた。まるで、何かを消すかのように・・・
─────時は流れて・・・
「失礼致します、統一女王陛下」
「そんなに畏まらなくても・・・いつも通り、レスティーナで構いませんよ、ヒミカ」
びしっと敬礼をして謁見の間に入ってきたヒミカは、レスティーナにそう言われて肩の力を抜く。
そんな真面目の塊のようなヒミカの手には、お菓子・・・主にヨフアルが大量に入ったバスケット。
「それで、今日はどんな用事なのですか?そのバスケット、一緒にティータイムでも、と?」
「いいえ、今日は店がお休みですから、予め届けておこうと思いまして」
あれから・・・ヒミカはハリオンの遺志を継いで、ひたすらにお菓子作りの修行に励んでいた。
その甲斐あってかヒミカの技術の向上は凄まじく、僅か半年ほどで店を持てるほどの腕前になっていたのだ。
そして、修行に行っていた店を貰いお菓子を作っては売り、新たなお菓子の研究をするなど、充実した日々を送っていた。
・・・で、レスティーナはといえば、そのヒミカのお菓子屋の常連客でお得意様なのだ。
ヒミカは軽い足取りでレスティーナに近づくと、手に持っていたバスケットをぽん、と手渡す。
「そうですか・・・売り上げのほうはどうなのですか?」
「上々ですよ。特にネリーやシアーが売り子として店に来てくれてからは」
「給料などは支払っているのですか?」
「給料は毎日おいしいお菓子を食べさせるくらいですよ。普段の生活はセリアが賄っていますし」
レスティーナは考え込むように顎に手を当てると、確かにあの二人ならそれで満足してしまうかも、と思ってしまう。
「・・・それでは、私はこれで」
「そういえば、なぜ今日に限ってお休みなのですか?あの店は年中無休でしょう?」
「今日は・・・特別な日ですから」
ほんの僅かに、悲しみに染まるヒミカの表情を・・・レスティーナは確かに感じ取っていた。
心なしか、謁見の間から出て行くその足取りも妙に暗い感じがする。
「今日・・・今日は・・・ああ、あの日、ハリオンの命日なのですね・・・」
ヒミカは急ぎ足で、ガロ・リキュアの町の門のところまで向かう。
その場所に着くと、そこにはすでにみんなが集まっていた。
「ヒミカお姉ちゃん、おっそ〜い」
「お〜そ〜い〜」
「ごめんごめん、でも、これくらいやっとかないとレスティーナ様はへそ曲げちゃうから」
僅かに息を切らして、ヒミカはメンバーたちの持っている物に目を通す。
ネリーが持っている、レスティーナに渡したのと同じようなお菓子の詰まったバスケット。
あとは、セリアが用意してくれた花束・・・欠けているものはないようだった。
「そろったみたいね。じゃあ、行きましょう」
元スピリット隊第二詰所所属(実質今もだけど)の顔ぶれがそろった所で、セリアがそう促す。
七人のスピリットたちは、あの大事な人の元へと向かうのだった・・・
─────暫く街道を歩く一行。すると、まもなく視界に古びた一軒家が飛び込んでくる。
「ここかしら?」
「そうじゃない?裏手にあるってことだったよね。・・・早く行こ」
ニムントールに急かされ、一行はそそくさと家の裏手へと回りこむ。
そこには、小さな花畑の中心に苔むした大きな石の置いてある・・・ハリオンの墓。
真新しく彫られたハリオンの名前の上にあったはずの名前は・・・すでに風化してしまっていた。
誰が作ったのか・・・誰にもわからない孤独な墓がそこにはあった。
「ヒミカ、お供え物をお願い」
「え、ええ」
ネリーとセリアに供え物を手渡され、受け取るなり無言のまますっと捧げる。
「ハリオン・・・あなたの好きなものを持ってきたわ。向こうで・・・ハイペリアで受け取って・・・」
ファンタズマゴリアにはお供え物とかお墓参りとか・・・元々こういった風習は無かったが・・・
死者に対する祈りを何も知らない彼女たちに、光陰が日本流の死者への祈りの捧げ方を教えたのだった。
ヒミカはそのままくるりと振り向いて、祈りを捧げようと、仲間たちに視線で促す。
一斉にハリオンに向かって捧げる、目の前で両手を合わせる祈り。
七人の家族の心には、それぞれのハリオンに対する想いが、思い出が飛び交っていた・・・
「(ハリオン・・・ハイペリアで幸せにしていますか?あなたの思い出は・・・私たち以外の誰の元で生きていますか?
もし、私たちの祈りが、願いが届くなら・・・答えて、教えて・・・ハリオン・・・)」
─────現実世界。4月上旬 佳織の自宅 AM8:00。
「佳織、ほら急ぎなさい。小鳥ちゃんもう来ちゃったわよ〜!」
「う、うん!」
母親に急かされ、大急ぎで制服に袖を通す佳織。
元々くせっ毛であることが幸いしてか、あまり身だしなみなどを整えなくてもいつもの佳織に見えるから楽なものだ。
トレードマークともいえるあの不気味な帽子もしっかりと被り、鞄を手に取ると玄関にすっ飛んでいく。
「佳織、おっはよっ!」
「小鳥、おはよう!今日から新学年だね〜」
そんないつも通りの他愛も無いような挨拶を交わす日常。
長い長い戦いの後に、有り難味を込めて取り戻したそんな日常を、佳織はしっかりとかみ締めていた。
・・・何かがすっぽりと抜け落ちたような、そんな違和感をその小さな胸に秘めて・・・
─────いつもの通学路を、いつもの小鳥と一緒に歩く。
この時間は登校ラッシュであるためか、学園に近づくにつれだんだん人が増えてくる。
・・・この光景は、いつもの佳織が持っている光景のはずだった。
「佳織〜・・・やっぱ元気ないよ。やっぱりさ、岬先輩や碧先輩が外国に留学しちゃったのがショックなの?」
そう言われて、佳織は無言のままこくり、と頷くしかなかった。
外国とはいっても、この世界ではなく、別の世界の外国。脳裏にちりちりと焼きついている、二人の戦う姿。
忘れたくても忘れられない・・・現実が、そこにはあった。
だが・・・それだけではない。何か・・・決定的なものが抜け落ちているような、そんな気がするのだ。
「・・・大丈夫だよ!あの二人が心配されるような人じゃないってことは、佳織もわかってるでしょ?」
「う、うん・・・そうだね・・・大丈夫だよね・・・」
そうは口に出しているが、しょぼくれているのは小鳥にだってはっきりとわかる。
折角の新学期に溜息をつくような、そんなことはしたくなかったが・・・思わずはぁ、と二人とも溜息が漏れてしまう。
そんな具合に歩いていると・・・
「はうぅ〜っ!しょ、初日から遅刻ですぅ〜っ!早めに来てくださいって言われたのに〜!!」
「だぁ〜もう!だから目覚ましをしっかりとセットしてくれって言ったのに〜!!」
「だってあれ、すっごくうるさいし・・・朝からびっくりするのは嫌なんです〜!!(で、止めちゃいました)」
「遅刻するよりはマシだああぁ〜っ!!」
どこからともなく響いてくる賑やかな男女の口喧嘩。
まあよくある光景だろうと、気にも留めずに交差点に入った、次の瞬間・・・
「あ、危ないっ!」
どしんっ!ごろごろごろ・・・
「ひゃあっ!」
「うきゃあっ!!」
危険を察知したのか、青年のほうは止まったが・・・
勢いよく飛び出してきた少女のほうは、その勢いが収まることは無くそのまま小鳥に激突してしまった。
二人の服装を見るに、どうやら同じ学園の生徒らしいが・・・
「あ、あいたた〜・・・だ、大丈夫ですか?」
「う、うん・・・」
ものすごいすっ転び方をしたはずの黒髪のツインテールの少女。それなのに、けろりとした顔で小鳥を気遣っている。
「おい、大丈夫か?」
それに応じてか、一緒にいた青年も小鳥に駆け寄る。
が、次の瞬間、青年のほうはばっ、と佳織の方を向くなり、鳩が豆鉄砲を食らったように驚いた表情になる。
「(げっ!!よりによって!?)」
「あ、あの・・・どうしたんですか?」
「い、いや、なんでもない!それよりごめん!おい、急ぐぞ!」
「え?・・・はぅっ!!は、はい〜!!」
青年はツインテールの少女を急かし、少女のほうも佳織を見るなり驚いたと思うと・・・
その動きは脱兎かあるいは韋駄天か、逃げるようにその場からすっ飛んで去っていった。
「こ、小鳥〜・・・大丈夫?」
「うん、大丈夫・・・それより、今の・・・」
どこかで見たことがある・・・と、佳織がそう返す前に、素早く小鳥マシンガンが発動する。
「いい男だった!」
「・・・へ?」
「あんなかっこいい人、このあたりじゃ見ない!ひょっとして転校生!?交差点の衝突から始まる恋〜♪」
「ぅ・・・小鳥、一緒にいた子、彼女じゃないかな?だから・・・たぶん無理だよ〜?」
何より、衝突したのは少女のほうで、小鳥のハートを奪った(?)青年のほうではない。
というか、よくあの状況で青年のほうを見ることができたなと感心してしまう。
「がぁ〜ん!ああ、そんな・・・やっぱりかっこいい人はコブ付きなの〜?あ、でも妹という可能性もっ!」
懲りない奴、というのはこういうのに使う言葉なのだろうか。
こういったロマンチックな展開を見逃そうという気にはならないらしい。
「でも、どんな展開にしろ、学園に行けばきっとまた会えるっ!ってわけで、佳織、早く行こう!」
えらい勢いで衝突したはずなのに、何事も無かったかのような小鳥。
そのタフネスさに身を任せて、小鳥は佳織を引っ張っていこうとする。
「え、う、うん・・・!」
新学期から腕の関節を外されては堪らないと、佳織は小鳥に追いつくように駆け足で学園へと向かう。
「(あの人たち・・・見覚えがある・・・まさか、ね・・・)」
きーんこーんかーんこーん・・・
無事に始業式も終わり、初日ということでお昼前には今日の行事は終わった。
「はい!それでは今日はもう終わりです・・・が、その前に新しいお友達を紹介したいと思います!」
と、教室内に先生のご機嫌そうな、どこかの子供向け番組のお姉さんのような声が響き渡る。
おおっと、教室の中はあっというまに騒がしくなり、期待で充満していった。
「ねえねえ佳織、転校生だって!どんな子かなぁ〜・・・楽しみっ!」
「うん、そうだね〜」
「それじゃあ、入ってきていいわよ〜!」
先生がそう言うと、がらっと教室のドアが開き、ごくり、という擬音が教室内に響き渡る。
それとともに、おずおずと教室に入ってきたのは・・・朝衝突した黒髪のツインテールの少女だった。
その瞬間、教室内はわあっ、と盛り上がり、愛くるしい仔犬を見たときのような歓声が沸き起こる。
「それじゃ、自己紹介して?」
「はい!あ、あの・・・私は、えっと、く、黒羽(くろは) ヘリオンですっ!よ、よろしくおねがいします!」
ざわ・・・ざわ・・・
前半部分はともかく、後半の『ヘリオン』という名前を聞いた瞬間、教室内がざわめく。
まあ日本では聞かないような名前だから仕方ないが・・・ただ一人、それに違和感を感じていない佳織。
そのざわめきの中で、隣の小鳥はすっと手をあげて質問してくる。
「あんまり聞かない名前ですけど・・・留学生なんですか?」
無数の眼で見られて緊張気味のヘリオンをフォローするかのように、先生が代わりに答える。
「ええ、そうよ。なんか、皆が知らないような遠くの国から来たって話。仲良くしてあげてね!」
─────元々帰る寸前だったこともあり、自己紹介と席決めの後にホームルームは終わった。
「ねえ、ヘリオン!一緒に帰ろう!」
まだ来たばかりということもあり、教室の雰囲気になじめないヘリオンに接近する佳織と小鳥。
「え?えっと・・・はい!ありがとうございます!」
「うぅ・・・一緒に帰ろうってだけでお礼言われても・・・」
思わず苦笑いする佳織。だが、そんな気まずい雰囲気もあの小鳥の前では風前の灯。
なんだかんだいって佳織とヘリオンは小鳥に引っ張られていく感じで教室を出て行くのだった。
黒髪のツインテールをぷらぷらと垂れ流し、時折風に靡くそれが印象的な少女を見て、佳織は妙な親近感を覚える。
それは、何よりも『どこかで会ったことがある』という違和感によって生じるものだった。
「どうしたんですか?カオリさん」
少し沈んだ表情をする佳織に、ヘリオンは思わず疑問符を浮かべる。
「う、ううん、なんでもないよ。・・・あ、あと、私は呼び捨てでいいから」
「あ、私もね!」
遠慮しているわけでもなく素のままでそう呼んでしまうヘリオンに、二人はそういうが・・・
「いえ、さんづけで呼ばせてください!・・・なんていうか、そのほうがしっくりくるんです」
と、ヘリオンは後ろ頭を掻きながら笑顔で答える。以前の無差別様付けよりは改善された、といったところだろうか。
三人が校門まで来ると、その校門に寄りかかる一人の青年の姿が目に入る。
「あ、ユートさぁ〜ん!」
その青年を視界に捉えるなり、大手を振ってそう叫ぶヘリオン。
妙に疲れたような、呆れたような顔をする青年は、ツンツンした針金頭の・・・やはり、どこかで見たような人。
「なんだ・・・もう友達出来たのか。(しかもこの二人とは・・・)」
「ねえねえヘリオン、この人は誰?お兄さん?・・・ひょっとして、恋人とか」
「へ?あ、ぅ・・・は、はい。私の・・・好きな人です」
じと目でそう問いかける小鳥のプレッシャーに抵抗できるわけも無く、そうこぼしてしまうヘリオン。
ああ・・・と落胆したり興味津々になったりを繰り返す小鳥を尻目に、ぎこちなく自己紹介が始まった。
「俺は、悠人・・・枯木 悠人だ。今日、ヘリオンと一緒にここに転校してきたんだ。よろしくな、小鳥に・・・佳織」
そう言われて、佳織は、この人・・・悠人に『佳織』と呼ばれるのが初めてな気がしなかった。
思わず・・・悠人とヘリオンに質問してしまう。
「あの・・・ヘリオンさんに、悠人・・・さん?・・・どこかで、会ったことありましたっけ?」
その佳織の言葉に、二人がぴくり・・・と反応したかのように思えた。
だが、悠人もヘリオンも、そんなことはないって言うだけで結局は何もわからなかった。
勘違いだったのだろうか・・・そんな想いを持ちながら一緒に下校することになったのだった。
「それでそれで?お二人はどこまで行ってる関係なんですか!?」
藪から棒に何を聞いてくるのやら、小鳥は先ほどのじと目を強化したようなプレッシャーの視線をヘリオンに投げかける。
またさっきのようにヘリオンに余計なことを言われては堪らないと、悠人はさらりと答えた。
「まだ付き合い始めたばっかりだよ。お前が想像してるようなことにはなってないって」
「なぁ〜んだぁ、そうですか!私はまた、国境を越えた禁断の関係になってるかと思いました!」
「こ、小鳥〜・・・いくらなんでもそれは・・・」
国境を越えた禁断の関係・・・そう聞いて、悠人は自分とヘリオンがどういう関係なのかを事細かに思い出す。
国境どころか、世界そのものや種族という、常識的には相容れないものを越えて、今の自分たちがいる。
それこそ・・・同じ世界の、同じ人間であるかのように・・・今、同じ存在となって。
「(そういえば・・・俺、ヘリオンにキスしちゃったんだよな・・・勢いでしちゃったとはいえ、今思うと・・・うぅ・・・)」
「(そういえば・・・私、ユート様にキスされちゃったんですよね・・・す、す素敵なファースト・・・はあぅ〜)」
同じことを考えて、思わず視線が合ってしまう二人。
ぼん、と爆発するような擬音を立てて一気に赤面するなり、恥ずかしくて顔を合わせられなくなってしまう。
「おやおや?初々しいですね〜♪」
怪しい口調で茶化す小鳥。残念ながら、今までこういった状況に陥ってうまく脱出出来た者はいない。
だが、調子に乗ってきたところで佳織が助け舟を出すことがあるからうれしいものだ。
「もう、小鳥・・・ダメだよ、そんな野暮な真似しちゃ・・・」
と、こうなるわけだ。この二人の性質を知り尽くした悠人には慣れっこだった。
対照的に、こういった状況には慣れていない・・・というより小鳥に慣れていないヘリオンは相変わらず赤面調子だ。
「(ったく、だからやめとこうって言ったのに・・・)」
悠人は自分たちがこんなことになるまでの経緯を思い出していた。
─────悠人とヘリオン、時深がファンタズマゴリアを離れてからすぐのこと。
エターナルとして覚えておくことやら何やらを時深に教え込まれた悠人とヘリオンは、何をしたらいいのか悩んでいた。
しばらく、数周期の間は何の事件も無いことを【時詠】の力で知った時深は・・・
「そうですね。しばらくは戦いは無いようですし、どこかお好きな世界で過ごしてはどうでしょう?」
と言うのだ。それだったらファンタズマゴリアにいてもよかったが、『蓋』がある以上、そうは行かなかった。
どうしようか、と悠人はヘリオンに相談しようとすると・・・
「だ、だったら・・・私、ユート様の世界で過ごしたいですっ!」
まるで何かを決意するような、覚悟するような表情でそう提案するヘリオン。
「え゙、い、いや、それはちょっと・・・やめとこう」
「ダメですか?私、あのガクエンってところで一緒に勉強したり・・・もっと、ユート様の世界の物が見たいんです!」
興味を持ってくれるのは嬉しいことだが、悠人はそれにはちょっと抵抗があった。
なにしろ、あんなに佳織との吹っ切れた別れをしたのに、また会うことになってしまうではないか。
向こうは記憶が無いからわからないだろうが・・・それでも、気まずいばかりになるのは火を見るより明らかだった。
「そうですか。では色々と準備しなくてはいけませんね!」
そう言って時深が楽しそうにどこからともなく取り出したのは・・・一着のあの学園の女子用制服と、二部の転校届。
その他にも、どこかのアパートの契約書やら何やらがどかどかと出てくる。
「お、おい!どこにそんなもん持ってたんだ!?つーか、なんでそんなにノリノリで・・・!?」
「ふふふ、こんなこともあろうかと、くすねておきました。これは面白くなりそうです」
こんなこともあろうかと・・・そう聞いて、悠人は自分のやっていることが無駄な抵抗であることを悟る。
よくよく考えたら、時深は未来がわかるのだから、ヘリオンがああ言うことも予見済みなのだろう。
何がそんなに面白いのか、やたらと楽しそうな時深を前に、悠人は覚悟を決めなくてはならないようだった。
「学園生活での愛は恋人同士としての王道ですから。たっぷりと堪能してくださいね。うふふふふ・・・」
「そ、そうなんですか?ありがとうございます、トキミさん!」
時深が何かを企んでいるのは明らかなのに、それに気づかない上に半分騙されているヘリオン。
時深の今までを考える以上、ストーカーのように悠人とヘリオンの生活を見て楽しむのが目的なのだろうが・・・
「ユート様、幸せに暮らしましょうねっ♪」
「あ、ああ・・・」
世にも幸せそうなヘリオンに、悠人が逆らう術は無かった。
確かに、相思相愛のヘリオンと一緒なら幸せになれるだろうが・・・時深が一枚かんでいると思うと、安心は出来ない。
それから少しの間、移住の準備が整うまでの間に、神剣の翻訳機能を交えて日本語を教えたり、色々と教育したが・・・
前途多難。悠人の脳裏にはその言葉がこびりつくばかりだった・・・
「ユートさん、どうしたんですか?ぼーっとしちゃって」
ヘリオンにそう言われて、はっとするように回想の世界から戻る悠人。
思えば、ヘリオンの様付けが直ったのも悠人の教育の賜物(というよりも、人前で様付けはヤバイ)。
ここで生活するためにヘリオンに付けた名字『黒羽』も、元ブラックスピリットだったからというわけでの安直なもの。
何よりも、この世界に驚くほど馴染んでしまっているヘリオンに、悠人は置いていかれている感じさえする。
以前来たときもそう思ったが、ヘリオンにはこの世界にいる方がいいのかもしれない。
「いや、なんでもない。・・・それより、家はそっちじゃないぞ」
悠人がそう注意を促すと、ヘリオンの隣の佳織が申し訳なさそうに言葉を返す。
「あの・・・私の家でコーヒーでもと思って。お詫びといっては・・・なんだけど」
どうやら、回想している間にそういう話になっていたらしいが・・・
すごく申し訳なさそうだ。佳織がこういう顔をするのは、大抵は小鳥が何か失礼なことを言った(と思った)時。
もちろん悠人やヘリオンはそう思ってはいないが、佳織はお詫びしなくては気が済まない性質なのだ。
「そうか・・・じゃあ、付き合おうかな」
「あ、私は用事があるので、これで失礼しますね!」
小鳥はそう言うと、駆け足でその場から去っていく。一瞬振り向いて、にやりとした表情を向けつつ・・・
「もう、小鳥ってば・・・ごめんなさい!小鳥って、ああいう子なんです」
「いや、いいよ・・・別に気にしてないから」
「そうですよ!じゃあ、その・・・コーヒーを飲みに行きましょう!」
そう言って意気揚々と、三人は佳織の家に向かうのだった・・・
─────三人が佳織の家に到着するなり、佳織の母親がぱたぱたと音を立てて玄関に駆けてくる。
「ああ、佳織。おかえりなさい。・・・あら、新しいお友達が出来たの?」
少し慌てた様子の母親をなだめるように、佳織は経緯を説明する。
「・・・そう、転校生なの。佳織、私はこれからお買い物に行ってくるから・・・ゆっくりしていってくださいね」
忙しそうに悠人とヘリオンに挨拶を済ませるなり、ダッシュで玄関から飛び出していく佳織の母。
悠人は無意識のうちに、懐かしいような・・・悲しいような、そんな視線を彼女に送っていた。
・・・もう二度と、会うことなんて無いと思っていたのに。
エターナルさえ絡んでいなければ、人の死の運命さえ変えられる・・・それが時深の時逆の力。
だが、佳織のことを考えれば・・・これがベストの選択だったのかもしれない。
佳織の両親の死は・・・悠人が引き起こしたもの。【求め】は・・・そう言っていたから。
「おじゃましまーすっ」
ナーバスな気分に陥る悠人を尻目に、ヘリオンは靴を脱いで家に上がっていく。
置いていかれては堪らないと、悠人は少し慌てるようにヘリオンの後を追った。
・・・そのせいか、悠人は気づかなかった。
玄関先においてある家族の写真から、少年のころの自分の姿が消え、佳織が笑顔になっていたことに・・・
「じゃあ、今から淹れますから・・・そこに座っててください」
佳織はそう言うと、慣れた手つきでコーヒーメーカーの電源を入れ、うまい具合にドリップしていく。
悠人とヘリオンは言われたとおりにテーブルに着くと、佳織に聞こえないように話し始める。
「ヒソヒソ・・・ヘリオン、佳織の淹れたコーヒーはうまいぞ」
「ヒソヒソ・・・え?・・・苦くないんですか?」
「ヒソヒソ・・・いや、苦いことに変わりは無いんだけど・・・なんていうのかな。香りが違うっていうか・・・」
「ヒソヒソ・・・よくわかりませんけど、私はお砂糖を使いますね。苦いのはちょっと・・・」
「お待ちどうさま〜」
ヒソヒソ話をしているうちに、佳織はコーヒーを淹れ終え、各々の目の前に運ぶ。
悠人はそれを手に取ると、大分ご無沙汰していた佳織のコーヒーの香りを堪能する。
ヘリオンはというと、テーブルの上の砂糖壷を開けて、ぽいぽいと砂糖をコーヒーの中に放り込んでいた。
一口、コーヒーを啜る・・・それは、紛れも無く佳織が淹れたコーヒーの味だった。
「どうですか?私、コーヒーを淹れるとか、料理には自身があるんです!」
「ああ、これはなかなかいけるな。俺も、コーヒーやお茶にはちょっとうるさいんだぜ」
「ふはぁ〜・・・やっぱりコーヒーは甘いのがいいですね〜」
一人ぽわぽわとしているヘリオンを交えて、大人の味を堪能する三人。
そうした和気藹々とした談合の場は、ヘリオンのふとした視線によって崩れようとしていた・・・
ちらり・・・ヘリオンの視線は、テーブルの隅にある、ひとつの写真立てに向かっていった。
「あれ?これって・・・え!?」
「な・・・!?」
ヘリオンのその言葉に、悠人と佳織の視線もそちらに向かう。
「あ、それは・・・私の大事な人の写真なんです。でも、もう・・・亡くなっちゃったんですけど・・・ね」
悠人とヘリオンは信じられないものをその目に焼き付けていた。
そこに写っているのは・・・本当はもう無くなっている筈のものだったからだ。
・・・ヨーロッパの将校を思わせる、どこかの漫画の騎士のような格好をしている針金頭の青年。
・・・その青年と同じ格好をした、どこか少年らしさも見える、かわいらしい黒髪のツインテールの少女。
・・・そして、豪華なドレスに身を包み、姫様を演じた、緑色のさらさらした髪の、豊満な体つきの女性。
その写真に写っていたのは・・・三人の記憶の結晶。
決して捻じ曲げようの無い、三人がこの世界を訪れたころの真実の写真だった。
「(この写真・・・そうか。俺、ここに置いていっちゃったのか・・・いや、それより・・・まさか、ハリオンの記憶は・・・)」
「(これ・・・ハリオンさんのレシピと同じ。私が、ユート様が・・・残ってる!)」
「この緑色の髪の・・・お姫様みたいな人、ハリオンさん、っていうんですけど・・・後の二人が、どうしても・・・
あれ?そういえば・・・後の二人って、悠人さんとヘリオンさんによく似てますね・・・」
「・・・カオリさん」
突然、きっ、と真摯な視線を佳織に向けるヘリオン。
「え・・・?ど、どうしたんですか?」
「この写真・・・もらっていっていいですか?」
写真をもらってもいいか・・・そんなこと、ダメに決まっていた。
この写真は、佳織にとって唯一の・・・大事な人の面影を残すものだからだ。
でも・・・なぜか逆らえなかった。
この写真は・・・この二人、悠人とヘリオンという人の元にあったほうがいいような気がしたから。
「・・・頼む、佳織」
真摯な顔をしているのは悠人も同じだった。
だが・・・二人ともただの真面目な顔ではない。その眼に込められているのは・・・哀しみ。
なぜだろう・・・今日会ったばかりなのに、どうしてこの人たちのことを信頼できるんだろう。
「わかりました・・・私が持っているよりは、悠人さんとヘリオンさんが持っているほうがいいと思います」
「すまない・・・佳織」
「ごめんなさい・・・カオリ、さま」
そう言われて、佳織は少しうつ向き気味になり、悠人とヘリオンのほうを見れなくなる。
この世界に戻ってから心にぽっかりと開いた穴・・・それが、埋まっていくような、この二人を見てそう感じたのに。
「お・・・おにい、ちゃん?」
心無く出てきた言葉・・・だが、その言葉を聞く者は・・・誰もいなかった。
佳織が顔を上げると、もうすでに、そこには誰もいなくなっていたから・・・
「あ・・・あれ?ゆ、悠人・・・さん?ヘリオンさん!?」
─────佳織の家から逃げるように・・・アパートに戻った二人。
「ユート様・・・ごめんなさい。でも、私・・・」
「わかってるよ。写真とはいえ・・・久しぶりにハリオンの顔を見たんだ。いてもたってもいられなくなるさ」
それに・・・ヘリオンがああ言い出さなければ、代わりに悠人が言っていただろう。
エターナルでなかったころの思い出の象徴・・・取り戻したかったのは、二人とも同じこと。
『だが、どうするのだユウトよ。このままこの世界にいるのは気まずかろう・・・』
『そうですね。あのカオリという少女は・・・一瞬ですが、記憶を取り戻しかけました。これ以上は・・・』
【聖賢】と【純真】が、早くこの世界から出て行くように進言する。
こうなった以上、そうしなければいけないことは幾らなんでもわかっていた。
「ヘリオン・・・ごめんな。学園にきて、一日で退学する羽目になっちまった」
「・・・私なら大丈夫です。なんだか、泥棒みたいですけど・・・かけがえの無いもの、取り戻せましたし・・・
それに、私・・・ユート様と一緒なら、どこの世界にでも生きていけるつもりですから・・・」
そう言って、佳織の家から持ってきたあの写真を強く抱きしめるヘリオン。
見慣れたはずの、もう無くしたはずのハリオンの笑顔を・・・たったひとつ、カタチに残しているもの。
歯を食いしばって、涙をこらえている様が・・・はっきりとわかる。
悠人に涙を見せまいと・・・健気に気張って、悲しみを抑えているヘリオンが・・・そこにはいた。
「・・・その写真、ずっと持ってろよ?俺たちがエターナルになって、皆の記憶から消えても・・・
俺たちがハリオンと一緒にすごした日々の思い出は・・・消えたわけじゃないんだからな・・・」
「はい・・・ユート様・・・」
少しでも悲しみが拭えるように・・・悠人は、そっとヘリオンの頭を撫でてやる。
そうでもしなければ・・・ヘリオンの温もりを感じていなければ・・・自分も悲しみでどうにかなってしまいそうだからだ。
すぅっと、ヘリオンの頬を伝う一筋の涙が・・・すべての本心を物語っていた。
「行こう・・・また新しい世界に、旅立つんだ」
翌日・・・佳織は、悠人とヘリオンという・・・二人の大事な人に関する記憶を完全に失った。
誰にも、佳織本人にすら気づかれないまま・・・
─────さらに、時は流れて・・・どこか、誰も知らないような彼方の世界。
「ユート様っ!早く起きてください!お仕事に遅刻しちゃいますよ!」
窓から差し込む太陽光線と、ちゅんちゅんという鳥の鳴き声が心地いい清清しい朝。
いつものように、エプロン姿のヘリオンの悠人を叩き起こす声が家中に響く。
「んあ・・・あと5分・・・寝かせて」
「さっきもそう言って・・・5分なんて5分前に過ぎちゃいましたっ!早く起きてください〜!!」
ゆさゆさゆさゆさ・・・
神剣の力を使って体を揺すぶられ、かき回される脳みそ。
だが、その中途半端な痛みが寝ぼけた脳みそにはかえって心地がいいものなのだ。
「お〜や〜す〜み〜・・・」
「はぅ〜・・・!昨日はガンガンで起こしたからもう効かないし・・・こうなったら、最後の手段ですっ!」
最後の手段・・・何をするつもりなのか、寝ぼけた脳みそで考える悠人。
以前にもあったシチュエーションを思い起こし、危機感を覚えたときはすでに遅かった。
んちゅっ!
「ん・・・んん〜!!」
予想通り、ハリオン直伝目覚めのキッスを思いっきり喰らい、呼吸困難に陥る悠人。
そしてあの時と同じく、死ぬ前にその眼をこじ開けて、静かに口付けをするヘリオンを引っぺがす。
「ぷあっは・・・!こ、殺す気かっ!」
「流石ハリオンさんの技、効果覿面ですっ!・・・というか、早く起きないユート様が悪いんですからねっ!」
頬をほんのりと赤らめ、満更でもなさそうな顔で悠人を起こすヘリオン。
「これから寝坊しそうなときは・・・いつでもこれをやってあげますから♪」
楽しそうな笑顔。なんだか、毎朝これをやるのを楽しみにしていそうな顔だ。
つまり、毎朝死の淵に立てと言うのか。
そんなことは冗談ではないが、よくよく考えたらこういうのも悪い気はしないものだ。
ハリオンほどの破壊力が無いことが唯一の救いだろう。
「さ、早く起きて、顔洗って、着替えて、朝ごはん食べて・・・お弁当もちゃんと作りましたから!」
張り切っているのか、やけにてきぱきとしているヘリオンには敵わない。
なんだか尻に敷かれているダメ亭主のような感じが拭えないのが気がかりだ。
「(なんか、ヘリオン・・・段々ハリオンに似てきたような・・・気のせいかな?まあいいか)」
顔を洗い、着替え、朝食を済ませた悠人は、今日もこの拙い家庭を支えるべく仕事に出る。
傍目から見れば年の離れた新婚さんか、あるいはデコボコ兄妹か。
「ほんじゃ、行ってきま〜す!」
と、悠人は玄関のドアを開けて飛び出そうとする。
「あっ、ユート様!いつものを忘れちゃダメですよっ!」
「おっと、そうだった」
ヘリオンにそう言われて、悠人は玄関の下駄箱の上にある写真立ての方に向いて静かに手を合わせる。
「今日も俺たちは幸せだ。ハリオン・・・」
静かに、遥か彼方の世界にいる大事な人に祈りをささげる悠人。
ふと気がつくと、ヘリオンも横に並んで祈りをささげていた。
「はい。私たちは幸せです・・・あ、でも、私が子供がほしいって言ったら、ユート様はまだ早いって言うし・・・
まだ、私が目指しているような幸せには程遠いです!」
「お゙い゙!余計なことまで報告しなくていい!」
「だって〜・・・」
まるで駄々っ子のようなヘリオン。大体そんな軽い気持ちで出来るものではない。
いろんな意味でまだ早いと、悠人は口をすっぱくして忠告していた。
「ったく・・・じゃ、俺は行ってくるから!」
「はい、行ってらっしゃい!」
ヘリオンの見送りを受けて、猛ダッシュで仕事へと向かう悠人。
その、大好きな悠人の背中を温かい目で、視界から消えるまで見つめるヘリオンは・・・
「ユート様・・・私、本気なんですよ?」
一途な想いをその小さな胸に秘めて、蚊の鳴くような声で呟いた。
丈の短いエプロンをスカートごとぎゅっと握り締め、もう見えぬ愛する人に向かって意思を紡ぐ。
「・・・もしも、私とユート様の間に子供が出来て、それが女の子だったら・・・その子の名前は・・・」
玄関の写真に写る三人。
その格好はどうあれ、幸せそうな顔で・・・まるで、本当の家族のように写っている。
写真の三人目の主は・・・一途な少女の想いを受け取ると、一言、こう呟いた。
『うふふ〜、本当、ヘリオンらしい名前ですね〜・・・』
ヘリオンの部屋で、ぼんやりと光り輝くヘリオンだけの心の剣・・・【純真】。
その光は・・・まるで、悠人とヘリオンという二人の、ただ、一途な心の持ち主を祝福するかのように・・・
世界を、種族を超え、同じカタチの心を持って、同じカタチの愛で繋がった青年と少女。
それを、遥か彼方と、すぐ傍から見守る二人の女性。
彼らの物語は、終わることは無い。エターナルという存在がなくならない限り。
永遠という名の枷に捕らえられても、大事な人のために生きようと思う限り、彼らの物語は終わらない。
愛する人と共に生き延びたい。生き延びて、幸せになりたい。
ただ一途な、誰でも持っているようでありきたりな、何よりも強い想いがある限り─────
大慌てで、 完 結 。
無駄に長い上・・・容量もギリギリで・・・やばいやばい。
あんまり多くは語れないんで・・・
誤字脱字、ハリオンマジックなど、指摘がありましたらお願いします。
>>678 乙です。
まだじっくり拝読していないので感想は後程。
で、480Kトリガー目前なので煽り文投下してみます。
どなたかスレ建て宜しくです。
――――始まりは、僅かな声と立ち絵、そして戦闘台詞だけだった。
何が、我々をこの衝動へと駆りたてるのだろうか。
何が、我々をここまで魅了するのだろうか。
あの衝撃的なスレ建ちから早2年。
今や顔グラや一枚絵はおろか、単独で一本のゲームまで発売されようとしている彼女達。
ここは永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド21。
スレでは常に来訪者による新しい彼女達の意外な一面をお待ちしております。
SS投稿乙です
見る暇がないので、後程まとめて見ます
休日中、ある場所に行った時にネタSSを思い付いたので、時間が出来たら最優先で書きます
じゃ、次スレ建ててみる。
>>678 投下お疲れ様でした
だめだ…読もうにも眠い
楽しみは明日にとっておこう
それは昔々のお話です。
あるところにガロリキュアという国がありました。
その国には嘘をついてばかりのエイブリスという男がいました。
エイブリスは嘘をついて国の人を困らせていました。
あるときエイブリスは、とんでもない嘘をついたのです。
エイブリスは言いました。
「女王様、私は見ました。
その島には山のようなヨフアルがあり、ヨフアルで出来た建物がありました。
そこはヨフアルの島なのです」
「それは本当か、私をそこへ連れて行きなさい」
エイブリスは女王様とお付の兵士たちと一緒に海へ出ました。
何日もかかってやっと島に着きました。
しかし女王様とその一行がついた島には何もありませんでした。
女王様はかんかんです。
「ヨフアルなど無いではないか、この嘘つきめ」
「そんな事はありません、きっとヨフアルは海に沈んだのです」
「まだそんな嘘を言うか、この男を死刑にしてしまえ」
こうして嘘つきエイブリスは死刑になってしまいました。
「・・・というお話がハイペリアにあったんだよ。
どうだいネリーちゃん、シアーちゃん」
「興味深いお話ですね」
「Σ!!」
「兄さんを嘘つき呼ばわりした・・・」
「いやシアーちゃん、ロティの名前を使ったけれど分かりやすくする為で・・・」
「光陰のアホー!!」
「!!ニムントールみたいな感じだけど、ネリーちゃん違うんだ!!」
「光陰〜また何か馬鹿なことをしたんじゃないでしょうね」
「きょ、今日子違うんだ、ハイペリアの文化をだな伝承する為に〜」
『問・答・無・用・!』
「うwあqswftrひゅjきぉ;p」
島巡りの冒険で突発的に思いつきました。
絵本風な語りで書いてみました。
どう見てもインスパイアです。
本当にありがとうございました。
FC特典のガロ・リキュア通信で
「信頼の人」さんの質問ありましたね〜。
ファーレーンの黒スピリット的特長とは?
その他の人の質問でも、
・ヒミカの眼鏡
・セリアの髪型
等についても語られてますな。
688 :
679:2006/03/02(木) 22:58:04 ID:almYhQZh0
>>678 ファンタ編ラスト(勝手に命名)……
神剣の理は、家族の絆も友達の絆も壊せない。
想いは受け継がれ、そして紡がれる。
お互いは、お互いの為に。ただそれのみに剣を持つ二人。
……「お姉ちゃん」には吃驚。やられました。
学園編(←だから勝手に命名するな)……
よもや写真、こんな所で使われるとはと二度目の吃驚。
同時に、エターナルとして流れていく二人が不思議に物哀しい。
最後まで拝読して、微妙な違和感に気づきました。
今回、一般的に楽しいと思われる場面は物哀しく、哀しいと思われる場面が何故か温かいんですね。
きっとそれは今までの三人やお姉ちゃん、そして周囲にすっかり感化されてしまったから。
数々の伏線と共に、練りこまれたお話。いつの間にか、ものの見事に嵌らせて頂きましたw
改めて、お疲れ様でした。次回作期待しています。
>>686 というかどんな流れでそんな古典を披露することになったんだ光陰w
あれ? ちゃんとネリーの声が聞こえた自分は一体どうすれば>アホー
689 :
寸:2006/03/03(金) 01:13:50 ID:pPxV/oTM0
>>622 まぁ、突っ込んだ話はあちらでまたそのうちとして。
読んで頂けたのならこれも、ゆっくりと私を知ってもらう一環ということで。
練れてない分、私らしさがより出ている面もあるでしょうから。
鍵はヒミカです。
>>624 おお、同志よ!(w < むしろツボ
そうか、いましたかぁ、そういう人が。良かった良かった。
>>626 うん、「投げっぱなしジャーマン」なんだ。済まない。
「もう一度」だしね、謝って許してもらおうとも(ry
> その『判る奴だけ判れ』と言わんばかりの
まぁ、既に>621で
>・拙作『寸劇@第二詰所』を読んでないとわけがわかりません。
とは言っちゃってるわけだけど(w
あれぇ? ハリオンって何かあったっけ? わかんないや。
今回本当に出番組まずに、タイプ時に紛れ込むに任せたからなぁ。
>>627 いろんな意味で懐かしんで頂ければ、二周年記念として、これに勝る喜びはありません。
>>630 うん、人を選ぶんですよね。
ある意味、本編のコアに対するアンチテーゼでもあるし。
あなたみたいに「笑顔を大切に」なんてものまで覚えてる人ばかりでもないし(w
佳織もねぇ…「忘れないよ、お兄ちゃん」ということで(w
>>631 何かしら想像の翼の助けになったなら幸いです。
スレの残り潰しをかねて・・・
フラでゲットのスピタンを起動
しょっぱなから平然と出てくる奴を見た瞬間拒絶反応で
スピタンアンインスト><
奴を気にせず遊べる日は来るのだろうか?
ゆんちゅとのダブルで最近Xuseが憎い><
なんつーかこのスレ住人に必要なのは
戦闘スキップモードじゃなくてロティスキップモードだな・・・
そこまでロティが嫌、もとい雑魚スピがユート以外と一線越えるのが嫌なら
このゲームやるの止めた方が無難だと思います。
とりあえず俺の進行ルートだと第一節から普通にエロシーンあるので。
(他の島の場合に変わるかどうかはしらない)
煽りとかじゃなく、このスレ住人としての忠告。
ロティも嫌いじゃない、てゆーかそこまでユートに執着してないよ・・・
って人はやる価値あると思う。
戦闘スキップも搭載されたので、今回のシステムが苦手な人も
ストーリーだけ気軽に追うこともできるようになったし、
雑魚スピたちはいい感じだしね。
まぁロティはユート並にヘタレだが。
・・・スピはヘタレに惚れるんだな、多分。
>>678くじらさん
お疲れ様でした。
不思議な読後感にとらわれる最終話でした。
言葉が見つかりません。
今までは、我ながら余計にも程があるだろうってくらい色々言ってたのですが。
ただ、長編を完結させた後で終わり方が妙にすっきりしてるというのは凄いと思います。
私自身、過去にオリジナルのですが長編を書いていてすっきり完結させられませんでした。
それも、二作品ほど。だから、素直にこれは凄いことだと思います。
あと、人によって同じゲーム本編でも受け取り方が全然違うものですね。
私とあなたのヘリオン&ハリオン像が全然違うと今回は特に思いました。
(それでも、苦手で知り合いだったら逃げちゃうタイプには違いないですが)
次の新たな物語をいつかまた紡がれることを期待しています。
もう一度、おつかれさまでした。
>>690 漫画キター―――――!!!
3ページ目、手を翳した悠人の表情が最高です!
もしや貴方は☆ミカ先生では(違
>>690 漫画いいですねー 特にラストのページがなんとなく格好良い。
乙。
>>691 自分は買わなかったのでその点は安心かも(違
ま、ライターさん違いますしね。
>>691 奴ってだれだよ><
スピたん評判悪いな・・・
>>678 長編乙ですた。
週末にでもゆっくり拝見させて頂きます。
>>690 おぉ、GJですよ。
続編wktkしてます。
スレ的にはうpろだに投下するよりも画像板に投下した方が
保管も出来ていい希ガスるんだけどどうなんだろ?
大分前から居るけど、画像板の立ち位置(というか使い方)が未だに良く分からん。
>>696 そりゃ、ここは特異点だからなぁ。
ここで先鋭化した愚痴が出るのはしかたあんめぇよ。
余所のスレでそういう暴れ方はしないようにせんとな。
ま、どこぞのスレで外から石投げるようなまねする奴は
ぬっ転しに行ってやってもいいかなぁ? だめかなぁ?
と思わんでもないが。
>>698 >ま、どこぞのスレで外から石投げるようなまねする奴は
>ぬっ転しに行ってやってもいいかなぁ? だめかなぁ?
>と思わんでもないが。
いちいち喧嘩ごしの意見書かんでもいいだろ。スレの雰囲気が悪くなる。
まあ、シナリオ以前の問題として戦闘システムはどの板でも不評っぽいが。
だいたい極楽モードって……
むしろシナリオ以外のシステム全てに問題と言うか・・・・
90年代のソフトをプレイしているような
>>698-700 意見マリガト
体験版をプレイしてみたが戦闘システムだるいな・・・
でも雑魚スピへの愛があれば大丈夫だと信じたいです!><
>>699 一度や二度じゃないからな。
いーかげん一度ぐらい怒鳴っておくぐらいは必要かと思うが?
ま、今のところはまだ実際に現地に乗り込むつもりはないけど。
>701
冬コミの体験版は酷かった・・・・・・あれよりかはマシらしいけど。
・・・極楽モードねえ。
>702
君のようなのは事態を悪化させるだけだよ。止めとけって。
それで良くなったスレなんて見たこと無い。
大体2chだから住人の区別すらつかないのに。
>>696 今更愚痴ってもしゃーねーんだけど
前作でもユートがスピに受け入れられるまで(条件とか)いろいろとあったのに
なんか、起動してしょっぱなからゲームのど真ん中に平然と居座られてるって
感じでハァ?って気分になったんよ。
例えれば
オリ厨の2次SSみたいな感じで
後付け設定なんでもアリ〜で、とにかく奴のために都合を合わせるって感じ。
前作ファンとしてはやっぱむかつくかも。
板汚しスマン。
まぁ荒れるのを楽しむだけの人間もいるしね。
本当にアセリアやザウススレの住人かどうかなんてわからんし。
あと言いたくは無いけどこのスレに問題が無いわけじゃないし。
正直ロティが嫌いでもいいし、無理に好きになれとも思わんが、
それをおおっぴらにしたらそりゃ他のアセリア関連スレからいい目では見られないでしょ。
このスレ住人だってみんながみんなロティ嫌いじゃないわけだし。
(少なくとも俺はロティ嫌いじゃないよ)
嫌いな人も、「好きな人だっているかもなぁ・・・」くらいの考えは忘れない方がいいと思う。
以上、ロティ程ではないけど叩かれキャラ常連の今日子ファンより。
・・・今日子も一時期そうとう叩かれたからなぁ・・・あれは悲しかった。
ま、ロティ嫌いの人も程ほどにね。
みんなファンタズマゴリアに生きる仲間ですよ。
まあ、スピたん発表当時はこのスレも含めて色々嘆きの声やらあったけど、
結局現状に落ち着いているんだし、余計な事はしない方がいいでしょ。
他板覗いて来たけど、別に問題ないようだったし。
>>707 オルタ……あちこちで戦死者多数の一品ですな……(遠い目
自分はもう手元に無いけど。
>>705 俺は今のところロティ嫌いでも好きでもないし、
(つーか体験版すらまだやってないわけだけど)
自分で特異点とかいってるぐらいで雑魚スピスレが絶対正義とは思ってない。
だが、ロティ嫌いな人や雑魚スピスレが絶対悪だとも思ってないわけだ。
だから、他スレで
ヤダヤダヤダユートジャナキャヤダロティナンテヤダジタバタ(AAry
やってたらそれは叩かれて当然だとは思うが、ここで言ってる人は守りたいと思う。
そのために声を上げてる。攻撃じゃなくて防御なんだ。
まあ、ロティ自体は嫌いだとは思わないがストーリーのプロセスが安直だったなあ・・・・
この流れもなんだかなあ・・・
すぴたんで提示された設定が
自分の思う設定にあわないって騒いでいる気がしてならない。
シアーがロティを兄さんって呼んでいることが発端でしょ?
そのくらい寛容になれよ。
自分、誰が書いたかなんて某所見たし
判っているから突っ込んで書くけど、
自分に合わないとか言うんだったら
自分のSSでオリ神剣持ち出してここに記載する必要もない。
自分のサイト立ち上げようか考えているんだったら
そこで晒せばいいやん。
システム云々に言及するのはわかるが、
設定云々に言及するのは
ザウスに直接メールして文句してもいいと思わんか?某Dさん?.
まあ、今のところはスルーがベターと言う事でFA。
>>712 >自分の思う設定にあわないって騒いでいる気がしてならない。
>シアーがロティを兄さんって呼んでいることが発端でしょ
ネタで嘆いている人はともかく、マジで;連日反論している奴なんかここにはいないでしょ。
と言うか、ここしばらくは何の問題もなくスレは進んでいたと思うけどね。他の板でも。
>ザウスに直接メールして文句してもいいと思わんか?某Dさん?
誰の事か分からないけど、荒れる要因になりそうな発言はもう止めて。
と言う訳で後はマターリと。
>>712 埋めついでにスピたんげっと後のしょっぱなの感想を
今日始めて入れただけで、ここ以外の場所で荒らすような真似はしてないぞと。
次のスレに行ってまで面倒ごとをやるつもりはないけど
>シアーがロティを兄さんって
筋違いでキモい寝言はやめれ。
718 :
紡ぎタン:
サードガラハム討伐の際、伝説についてエスペリアは語る。
悠人「なぁ、どうして守り龍とかって呼ばれているんだ?」
エス「守り龍様は、かつてバルガー・ロアからの使者を退けたと言われています。
虚無からの使者。全てのマナを奪い尽くすといわれる者を打ち滅ぼしたと」
――時を遡る事数周期前。
紡ぎ「どうしてもそこを通さないと仰るのですか」
ガラ「無論だ。小さき剣よ、ファンタズマゴリアに行きたいのなら主を探す事だ。単身では何も出来まい」
紡ぎ「クッ! ――――ふぅ、今日はここまでにしておいてあげるわ。憶えてなさい、いつか必ず素敵な主を連れて来るから」
ガラ「ふ、せいぜい捨てられないようにするのだな、人は所詮高位神剣に浮気をするもの……」
紡ぎ「黙りなさい。我はきっと我だけをずっと持っていてくれる主を選んでみせるっっ」
↓
で、スピたん。
紡ぎ「はぁはぁ、どう、この見事なまでの一心同体。何の変哲もないけどちゃんと我を運んでくれる主!……あら? いない」
ロテ「いやあのさ。守り龍がいなくなったから僕たちはここまで来れたんじゃないのかな……?」
紡ぎ「…………」
ロテ「…………」
紡ぎ「…………えいっ」
ロテ「うわぁぁぁ頭が、頭が割れるぅ! な、なんで僕がぁ!」
紡ぎ「――ふんっ!」
ロテ「もぅ酷いなぁ。いきなり強制力はやめてよ……」
紡ぎ「…………こうなったらマナを全部食べることにします。自棄食いというやつですね」
ロテ「へ? うわ、ちょ、ちょっと、ちょっと待ってってば、だから身体を勝手に操らないでよーー!!」
↓
そしてエスペリアエンドへ(ぇ