永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド 19

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@初回限定
オフィシャル世界と半ば袂を別ちつつ、
今日もせっせと営みを続ける第二ファンタズマゴリア。
そのネタマナサイクル(スレ)は葱板の中で異彩を放つ速度で廻り続ける。
その先に待ちうけるのは、我等が望む栄華か?
それとも、現実との乖離が進んだ我等に下る審判の時か?
――答えは「スピたん」の中にある………。

永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド 19


前スレ:永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド 18
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1131811338/
発売元:Xuse公式サイト(『永遠のアセリア』は【本醸造】より)
http://www.xuse.co.jp/
外部板:雑魚スピスレ保管庫
http://etranger.s66.xrea.com/
外部板:雑魚スピスレ避難所@MiscSpirits
http://www.miscspirits.net/Aselia/refuge/
外部板:永遠のアセリア関連スレリンク集
http://etranger.s66.xrea.com/past.htm
2名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 22:56:35 ID:PqkRpGT70
____      ________               _______
|書き込む| 名前:|            | E-mail(省略可): |sage       |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                        ,ィ
                         ,べV       //
ネリーみたいなくーるな女には       / 〃  ̄ ヾ;  / ./
    sage進行がぴったりよね〜    ! i ミ(ノハソ / /./
                           !ik(i|゚ ヮ゚ハ<///
                            リ⊂}!廿i つベ/
                               く/Цレ'
                             し'ノ

3名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 22:57:38 ID:PqkRpGT70
あてんしょん

 | ̄ ヽ
 |」」 L.
 |゚ -゚ノ| ……えっとこのスレに投稿したネタ(名前欄に題名を記入したもの)はね……
 |とl)
    ,べV      
   / 〃  ̄ ヾ; 
   ! i ミ(ノハソ
   !ik(i|゚ ヮ゚ハ   。・゚・⌒) 作者の意向が無い限り、
   リ⊂! |T|!つ━ヽニニフ))   問答無用で>>1の保管庫に収録されちゃうんだよ〜
     く/|_|〉 
     (フフ
4名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 22:58:39 ID:PqkRpGT70
Q: 雑魚スピって何ですか?
A: サブスピです。

Q: 具体的に教えて下さい。
A: シアー・セリア・ナナルゥ・ニムントール・ネリー・ハリオン・
   ヒミカ・ファーレーン・ヘリオン、以上9名の総称です。

Q: これまでに投稿されたSSはどこで読めますか?
A: ここで読めます。→ http://etranger.s66.xrea.com/

Q: 俺あんまりサブスピに興味ないんだけど。
A: 雑魚スピです。>>1の関連スレリンク集で行き先を探してみましょう。
5名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:01:05 ID:PqkRpGT70
じゃ、点呼 兼 意識調査 を実施ということで。

Q. おまいさんにとって「本スレ」とは?

(a). [エロゲネタ板]: 永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド
(b). [エロゲネタ板]: SS投稿スレッド@エロネギ板
(c). [エロゲー板]: Xuse(ザウス)総合
(d). [エロゲー作品別板]: 永遠のアセリア/スピたん
(e). [ギャルゲー板]: 永遠のアセリア−この大地の果てで−
6名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:09:19 ID:Z8ejQ4pH0
>>1乙ァーレーン&修正Thxです。

脊髄反射で(a)。本来は(c)のような気もしますが<2>
7名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:11:02 ID:PqkRpGT70
あ、俺は「もちろん」、(a) ね。 <2>
8名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:11:14 ID:CMU7blwo0
1さん、乙でした。
A.(a). [エロゲネタ板]: 永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド
ちょこちょこ別の場所にも書き込みますが、
やはりここが書き込み量が多い場所ということで。<3>
9名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:11:52 ID:PqkRpGT70
うが、
×:<2>
○:<1>
ということで(汗
10名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:16:33 ID:jxnjGRAj0
>>1 カンザキ乙リ <4>

(a)か(c)ですかね。
元々本ヌレと呼ばれていたのは(c)なんで、
どっちかって言われると(c)なんですけど、
書き込みが多いのはこっちかな。
11名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:22:05 ID:UsSxYHKc0
>>1乙かレスティーナ<5>

(d)かなぁ。
ザウスはアセリア以外買ってないし、ここはどっちかというとネタスレという認識。
12& ◆UFPbBGCO9U :2005/11/30(水) 23:22:57 ID:Yuud7jE90
>>1 お疲れさまです<6>
(a)です
ここ以外殆ど見ていませんが、それが何か?
13名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:23:19 ID:PqkRpGT70
意識調査なんで、書き込みの多寡よりも、
心の中での位置づけ重視でよろしく〜。
14名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 23:47:15 ID:CMU7blwo0
あ、書き込み量云々の言いだしっぺだ。すんません。
それでも(a)に変わりはないですが。
15名無しさん@初目限定:2005/11/30(水) 23:59:01 ID:lZQ11NkE0
>>1 乙.新スレおめでとうございます. <7>かしら?
意識調査 
(a). 4スレッドから.実はアセリアやる前から,このスレ覗いていたりする,
  購入するきっかけにもなったスレッドです.
16名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 00:01:43 ID:CQ5t3kUL0
>>1
お疲れ様です。
(a)ですね。もうここ以外にはありませぬ。<8>
17名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 00:31:32 ID:fd8rlM/H0
>>1乙です。

信頼の人様のセリアSSに悶えて以来、ここが私の本スレですww
よって(a)で。
18名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 00:38:27 ID:+1pBAOqp0
(a)しかないでしょ。<10>

19名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 01:01:01 ID:vkhAw84V0
もちろん(a)ですよ!<11>
20名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 01:20:55 ID:tHoO+k2RO
あれ?<a>以外にアセリアスレあったんだ。とか言ってみる。
<12>
21名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 01:37:53 ID:9HYEWOwe0
>>1乙ぺリア

(a)としか言い様がないですナァ……。<13>
22革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 02:55:16 ID:RUk4KJVd0
 唯一許されているのは戦い続ける事。死んでも替えの利くヒトの道具。
 それがスピリット。
 それがこの世界の真実。
 しかし、彼はそれを寂しい事だと言った。
 哀し過ぎる、と。
 ――俺は、みんなに死んで欲しくない
 ――戦う事以外にも、何かあるはずなんだ
 ――俺はみんなが戦うだけなんて、嫌なんだ
 ――俺には人とか、スピリットとかじゃなくて…仲間、そう仲間なんだから
 ――人もスピリットも関係無い
 彼はその真実を真っ向から否定した。
 無論、否定したからといってこの真実の覆しようは無い。
 でも、その言葉は。
 私たちの中にある世界に今までとは全く違った何かを芽生えさせた――と、思う。
 つくづく不思議な人。
 私の中で彼の位置はまだ決まっていない。
 私が嫌うヒトなのか。僅かな安寧を分け合う仲間なのか。
 いまだ未分別なまま定着してしまいそうな第三のカテゴリィ。
 ただ、解っているのは。
 ――守るために戦う。
 彼のあの言葉だけは私にあるものと同じもの。
 そして、何とも言えないうわついた心で、私こそ戦っていけるのかという不安だけだった。
23革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 02:56:03 ID:RUk4KJVd0

 聖ヨト暦三三〇年スリハの月、青ひとつの日。
 ラキオス王国とバーンライト王国の戦争はラキオスの完全制圧で幕を閉じた。――はずだった。
 ダーツィ大公国がその幕引きも終わらぬうちに、ラキオスに向けて宣戦を布告してきたのである。
 しかし、予想されていた大規模な攻勢は無く、塗り替えられたばかりの国境間で散発的な小競り合いが続いていた。
 ひとつの争いが去れど、戦いは終わらない。
 平和はまだ、遠かった。
24革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 02:57:45 ID:RUk4KJVd0
「ハリオン、ネリーにパンもうひとつ!」
「…シアーもぉ」
「はいはい〜、少し待ってて下さいね〜」
「はうっ、こぼしました〜」
「相変わらずヘリオンってドジ…」
「……パンにスープが塗布されました。…問題ありません、食糧の摂取を続行します」
 やいのやいのと騒がしい第二詰め所の朝食風景。
 そこから少し離れて置かれたテーブルを占領している三人。
 セリア、ヒミカ、ファーレーン。彼女たちは一足先に朝食を終え、今は紙束と格闘をしていた。 
 戦後報告の文書作成である。セリアとヒミカはラセリオ側、リモドア側それぞれの部隊と敵の動き、そして戦況の推移をまとめていく。
 ファーレーンは上がってきた文書に目を通し必要とあらば添削しつつ所々を抜き出し別箇に文書を作成していた。
 今現在、ファーレーンとニムントールはスピリット隊への配属はされていない――ゆくゆくはそうなる事が決定しているが。
 ニムントールはまだ育成期間。そしてファーレーンが今配属されているのは情報部。彼女はそちらに流す資料を作っている。
 彼女のロシアンブルーの瞳は上がってくる紙束に綴られた内容を追いかけて左右に揺れていた。
「…なるほど。表向きは犠牲者もなく快勝、しかし実は手放しでは喜べない結果だったと」
 バーンライト首都サモドア決戦時の作戦は七割がたの成功を収めていた。
 三割の失点。それはアセリアとオルファリルの突出に気付いた敵主力がサモドアへ転進、陽動〜防衛戦のはずが一転し敵を猛追する形となってしまった事だ。
 戦場にサモドア陥落の報がもたらされたのは敵が到着する寸前……辛くも掴み取った勝利だった。
「そうね。いろいろ課題の残る戦いだったわ」
 応えたのはヒミカ。敵の転進をいち早く察知して対応したのは彼女だった。この戦いの影の功労者だと言えるだろう。
「アセリアの独走は今に始まった事じゃないけど、それだからこそ今回止められなかったのは私の責任ね…」
「え…リモドア側の部隊長は確かエトランジェ…ユート様ではなかったのですか?」
 ファーレーン手が止まる。彼女の言うとおり部隊長は悠人だった。ならばセリアが責任を感じる事はないはずなのだが――
25革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:04:29 ID:RUk4KJVd0
「そうよ。でもまだユート様は頼りないから……あの時いたメンバーじゃアセリアを止められたのは私だけだったわ。だからよ」
 セリアには悲壮感めいたものはなく、あくまで「しょうがないわね」といった感じだ。
「確かに…でもそこまでこき下ろす事もないわ。ユート様はそれ意外はちゃんと隊長の仕事をしてたみたいだし」
「何話してるんですか〜?わたしも混ぜてください〜」
 そこに割り込んできたのはハリオン。どうやら給仕は終わったようだ。
「あら、ハリオン。エトランジェ…ユート様の話ですよ」
 ファーレーンはまだ悠人と直接の面識は無い。もちろんニムントールも。
 ファーレーンはニムントールを見つめる。可愛い妹、かけがえのない存在…自分の全てを賭けて守りたいと彼女は想う。
 故にファーレーンは気になった。新しい隊長がどんな人間なのか、しっかり見極めなければならない。
「ユートさまですか〜?とっても一生懸命で可愛らしいです〜。二人はどう思いますか〜?」
 ハリオンはセリアとヒミカを見やった。二人は暫し黙考する…そして。
「まだまだ隊長と認められるレベルじゃないけど、及第点くらいはあげてもいいかしら」
「もう少ししっかりしてくれればいいんだけど…すぐには変われないものよね」
 三者の評価は悪くは無い。いや、今までの人間の中では格段に良い。
 特にセリアは、本人が聞いていたら怒りの余り殺されてしまいかねない罵詈雑言を口にする事もたびたびあった。
 そのセリアが「及第点」なのだ。これは期待が持てるかもしれない。
「なかなか好感の持てる方みたいですね。能力的な不安があるみたいですがそれを補うだけのものを持ち合わせている…と、いうところですか?」
「ええ。不思議…と言うか変な人。普通の人間と比べていろいろ規格外ね……あと好感が持てる、と言うには程遠いわ」
 セリアは「好感」の箇所だけはしっかりと釘を刺して応えた。
 全く心外だ。なんで私が彼に好感を持っていると思わなければならないのだろうか。
26革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:05:09 ID:RUk4KJVd0
「変な人ってのはセリアに同意ね。危なっかしいし頼りないけど信用はできると思うわ」
「あらあら〜?ヒミカは最初ずいぶん警戒していたじゃありませんか〜…ひょっとして〜?」
 ハリオンのニコニコ顔にニンマリとしたものが混じった。それを見て取ったヒミカが硬直する。
 こういう時のハリオンは決まってロクなことをしない。後手に甘んじてはいけない――彼女との付き合いで培われた勘がそう告げていた。
「ばっ…そんなのじゃないわよ!ハリオン、あなたこそどうなのよ?」
「そうですね〜、人間もスピリットも関係無いって言うくらいですし、信頼できるのではないでしょうか〜?」
「え、それは本当ですか?詳しく聞かせて下さい」
 ファーレーンに請われてハリオンとヒミカはサモドア陥落の際の出来事を話し始めた。
 勝鬨を上げて殺到する兵士たち。それに混じって入城したスピリット隊。ほどなく別働隊の悠人、セリアと合流を果たした。
 部隊は残りの二人を探して城内を進み、やがてオルファリル、アセリアをみつけた。
 うずくまるアセリアを見て悠人は怪我をしたと勘違いして駆け寄る。勘違いに気付くと今度は彼女の戦い方が危険だと訴えるがアセリアはそれを拒む。
 悠人はそれでも粘り強くアセリアを諭そうと言葉を続けた。
 そして…
 ――俺は、みんなに死んで欲しくない
 ――戦う事以外にも、何かあるはずなんだ
 ――俺はみんなが戦うだけなんて、嫌なんだ
 ――俺には人とか、スピリットとかじゃなくて…仲間、そう仲間なんだから
 ――人もスピリットも関係無い
「…そう、言ったんです〜」
 戦う事以外の意義を見つけて欲しい……探して欲しいと彼は言った。
 スピリットに対して理解を示す人間など世界中を捜しても僅かだ。ましてや対等に接しようとする人間はさらに少ない。
 悠人は永遠神剣「求め」の使い手という以前に稀有な存在だった。
「何となくだけど…ユート様には期待してしまうのよ。…それに、ほら」
 ヒミカの促した先には朝食を終えて歓談している他のみんな。奇しくも話題はこちらと同じ、悠人の事らしい。
27名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 03:05:53 ID:fd8rlM/H0
よぉ、支援は必要か?
28革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:08:12 ID:RUk4KJVd0
「ねえ、ヘリオン。あの時ユートさまの言った事ってどういう事なのかな?」
 そうヘリオンに話し掛けたのは話題の火付け役となる事が多いネリー。
「ふぇ、あの時って……サモドアでの事ですか?うーんと…そうですね」
 首を傾げるヘリオン。その仕草にあわせて艶やかな黒髪のツインテールがゆらゆら揺れた。
「私たちに戦う事以外の何かを見つけて欲しい、そのためにも死なないで…って事なんじゃないでしょうか?」
「…ユートってそっちの部隊の隊長?そんなにいいの?」
 話に混ざってきたのはニムントール。いつも眠たそうに見えるつり目が印象的な第二詰め所の最年少。
「はぅ〜、ユートさまはお優しいです。それにあの時はこう、アセリアさんの手を取って…あれが私だったら、っきゃ〜」
 何かのスイッチでも入ったのだろうか、ヘリオンは急にわたわたと落ち着きをなくし始めた。
(…こりゃだめね)
 ターゲット変更。
 ヘリオンの様子を見ていたニムントールは他に答えを求める事にした。
「…ネリー、シアー。そっちのユートって奴はそんなにいいの?」
「ねえ、シアー。訓練が終わったらユートさまのところに遊びに行こうよー」
「うん、そうだね〜」
 ネリーはヘリオンに話を振っておきながらシアーと今日の事で話し合っている。移ろい気の多い彼女ならではか。
「むっ、二ムを無視するな〜」
 全く聞いてない。この二人も駄目となると残るは…
 ニムントールが見やった先。そこにはまだ朝食を黙々と食べていたナナルゥがいた。
 普段から何を考えているか解らない彼女は機械的な動作で食事を口に運んでいる。
「ねぇ、ナナルゥ…」
「何でしょうか?」
 ナナルゥはピタリ、と食事を中断してニムントールに向き直った。しかし口に含んだ分は咀嚼を続けている。
 リスのように頬を膨らませていたが、言葉は明瞭そのものでしっかり聞き取れる…謎だ。
29革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:10:10 ID:RUk4KJVd0
「そっちの部隊のユートってどんな奴なの?」
「…よくわかりません。今までの人間と比較するならば、変な人というのが最も適切な表現だと思います」
 ナナルゥはそこまで行って口の中の物を嚥下し、続けた。
「およそ普通から乖離した行動が目立ち、理解は困難です…ですが」
「ですが?」
「一緒に生き残ろう、と言っていました。命令なら、私はそれを果たすだけです」
 …それは命令ではないと思うが。
「…そ、そう。…ありがと」
 結局解らなかった。何故こんなに気になるんだろうか。
 ニムントールはひとしきり考えて――そして
「…面倒くさい」
 投げた。
30革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:11:32 ID:RUk4KJVd0
「ね、ナナルゥはともかく…あの三人はみんなユートさまに懐いてるし」
 ヒミカは笑いをかみ殺しながら言った。
「二ムが私以外の誰かに興味を持つのは珍しいですね」
「それに〜、ユートさまはこれからもっと強くなります〜」
 彼は確実に実力を伸ばしている。そう遠くなく真の意味での隊長として、みんなを率いてくれるだろう。
「………」
 セリアは作業に戻りながらもこの状況を観察していた。
 サモドアの一件以来、彼を中心として部隊はまとまる方向に流れている。
 いい傾向と言うべきだろう。しかし……
(何かみんな緩んでるわね)
 セリアはこういった雰囲気は苦手だった。どうにも居心地が悪い。
 それに何故か苛立つ。ここは早々に立ち去ろうと決めた。
「…報告書の作成、こっちの分は終わったわ。後は二人でがんばって」
 セリアは椅子から立ち上がってファーレーンに紙束を差し出す。
「え、あっ!いつの間に……解りました。セリア、お疲れ様」
 セリアから紙束を受け取りながらファーレーンは彼女を労った。
「あらホント、速いわね。これからどうするの?」
「宮中警護。少し早めに行こうと思って」
 セリアは身を翻すと食堂を出ていった。
「何かセリア、苛立ってなかった?」
 セリアを見送ったヒミカが誰ともなしにぼそりと呟いた。
31革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:15:53 ID:RUk4KJVd0
 王宮の中庭でセリアは自問自答していた。
 全くどうしたと言うのだろうか。
 多少の不安はあれ事態は良い方向に流れている。――そのはずだ。
 なのに何故、こうも苛立つのだろう?
 これでいいはずだ。悠人が隊長としてみんなに認められつつある現状はセリアにとって喜ぶべき事のはず。
 悠人自身もああいった手前もあるのだろう、精力的に訓練に取り組んでいる。
(いけない、こんな事じゃ)
 乱れる思考を無理矢理に引き戻す。
 地に足がついてないといった意味ではでさっきのみんなと変わらないではないか。もっと冷静に――
 ぽすっ
 突然視界の上半分が消失した。
「な、何?」
 頭に覆い被さってきた何かを手にとって見てみる。
 形状からして帽子だと思われる。後方にだらり伸びた二枚の長い布地と本体についている黒い飾りボタン。
「……エヒグゥ、かしら」
 伸びた布地が耳、飾りボタンが目とするとしっくり来る。しかし――
(…なんか何も考えていなさそうで不気味ね)
 飾りボタンの目が淡々とセリアを見つめている。
 生き物を模して作る以上、それには何かこう躍動みたいなものが必要なのではないだろうか?
 その点から結論すると目の前のこれは明らかな失敗作だ。
 しかし、誰のものだろうか。こんな帽子を使っているなど、よほどの酔狂者だろう。
 酔狂者…一人心当たりがあるが彼ではないだろう。ためしに彼がこの帽子を被っているところを想像してみた。
(………うわ)
 嫌過ぎる。
32革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:21:51 ID:RUk4KJVd0
「あ、あのっ……」
 誰かの声。セリアは周囲を見渡してみるものの中庭には彼女以外誰もいなかった。
「あのっ、すみません」
 さっきよりはずいぶんはっきり聞こえた。セリアは声の元と思われるところ――宮殿の二階の窓へと視線を向けた。
 窓には頑丈そうな鉄格子がつけられていた。
 外からの侵入を警戒するのではなく、中からの脱出をさせない――そんなつくりだ。「監禁」そんな言葉が心によぎった。
 そこから顔を出していたのは長い赤毛の少女。眼鏡をかけた幼い顔立ち。見なれない服装。
「その帽子、私のなんです。拾って下さってありがとうございます」
 そう言って少女はぺこりと頭を下げた。
「窓際に置いて掃除をしてたら風で飛ばされちゃって…すみませんが、部屋まで持ってきてくれませんか?私、ここから出られないんで……」
 少女はいかにもすまなさそうに頼んできた。
 確かにここから歩いて城の二階まで行くのはなかなかに手間だ。セリアは暫し黙考して…
 ばさっ!
 ウイングハイロゥを広げて、跳躍。
 彼女は窓にほど近い木の枝の上に降り立つ。枝は少しばかり軋んだが、しっかりと彼女を支えていた。
「……わぁ」
 何がそんなに珍しいのか、少女は呆けた表情でセリアを見ていた。
「……どうぞ」
 セリアは手に持った帽子をずい、と突き出した。
33革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:22:57 ID:RUk4KJVd0
「…え?、あ、ありがとうございます!」
 帽子を受け取った少女はまたも頭を下げた。スピリットをスピリットと思わぬその態度はどことなくある人間を連想させる。
「……では」
「あっ…待ってください」
 セリアは枝から飛び降りようとする。――が少女に引きとめられた。
「……他に、何か?」
「私、佳織って言います。高嶺佳織。良ければあなたのお名前を教えてくれませんか?」
「…セリア。セリア・ブルースピリット。ラキオススピリット隊の一人です」
 佳織と名乗った少女の目が見開かれた。
「スピリット隊の人なんですか?…だったら、私の兄を知っていますか?名前は悠人って言います…高嶺悠人」
「!!」
 ――やはり。その格好といい態度いい王宮の人間らしくないとは思っていた。
 彼女がもう一人のエトランジェ。悠人の戦う理由、守りたい人だったのだ。
「ええ、よく知っています。ユート様は私たちの隊長です」
「今はどうして、いますか?」
「今日は、確か訓練をしていると思います…戦いに、備えて」
 佳織の表情が沈痛に曇った。
「…止める事は、できないんですか?お兄ちゃんは優しい人です。戦いに向かない人なんです」
 知っている。
 セリアの脳裏にサモドアで見た光景がよみがえる。
 敵を倒すほどに心をすり減らす悠人。懊悩に満ちた顔にしかし涙は無かった。
 だが、彼は泣いていたような気がする。セリアにはそう思えてならない。
 しかしそれを知っていたところで、告げる事実は変わらない。
「戦いは、続きます。私たちに止める事はできません。でも、終わらせる方法はあります。私たちが戦いの果てに勝利する事で」
 それまで彼は戦い続けるだろう。いや、途中で命を落とす事も十分に有り得る。
 何故そうまで戦うのか?言うまでもなく目の前の少女のためだ。
「……私が、お兄ちゃんを戦わせているんですね」
 佳織もセリアと同様の事を考えたようだった。
34革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:25:31 ID:RUk4KJVd0
 セリアは蚊の鳴くように小さくも重い言葉に声をかけられなかった。
 何を言っても彼女の慰めにはなれない、そんな気がした。
「…私のせいで、お兄ちゃんが死んでしまうかもしれない……」
 俯く佳織から深い自責が感じられた。
「そんな事はありません。ユート様は強い力を持っています。それにスピリット隊のみんながユート様を護っています。
カオリ様がご心配になる事はありません」
 セリアは口を挟まずにはいられなかった。佳織の罪悪を背負い込む様が悠人と被ったから。
「大丈夫です。私も、ユート様をお護りしています。ユート様は一人ではありません」
 今の佳織の様子を知れば悠人はどうするだろうか、とセリアは考えた。
 悲しむだろうか?
 苦しむだろうか?
 何にせよあの時とそう変わらない。セリアはそんな悠人を見るのは嫌だった。
 だからこそ、目の前の少女には罪悪や苦悩から出来る限り離れていて欲しかった。
「…そう、ですか」
 顔を上げた佳織の目尻には微かに涙がたまっていた。
「ありがとう、ございます。これからもお兄ちゃんを守ってあげて下さい…お願いします」
「はい、必ず」
 頭を下げる佳織にセリアははっきりと返答した。
35名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 03:26:12 ID:T7M6r3Kz0
支援、よろし。
36革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:27:07 ID:RUk4KJVd0
 宮中警護の後、昼食を取ったセリアは何となくラキオスの街中を歩いていた。
 路地に続く小道を通りかかった時、彼女は見知った後姿を二つ発見した。
 セリアと同じポニーテイルとショートカットの二人組の髪はこれまた同じ青。
 小道の出口になる物陰から首だけが出ている。どうやら路地の様子を覗っているらしい。
「ネリー、シアー。何しているの?」
「うひゃあ!…ってセリアかぁ。脅かさないでよー」
「よ〜」
 声をかけられた二人はビクッとして振り向いた。
「んーとね、ユートさまと遊ぼうとシアーと行ったんだけど留守で…って、いけなーい」
 ネリーは話の途中で向き直った。シアーもそれに倣っている。そんなに目の離せない何かがあるのか。
 セリアも興味を掻き立てられて二人の上から同じようにして路地を覗きこんだ。
(あれは…ユートさま。それと…誰?)
 そこにいたのは悠人とそして市民と思われる少女。年は悠人と同じくらいだろう。
 手入れの行き届いてそうなしっとりとした黒髪を頭の左右でお団子にしていた。
 彼女は手に持った紙袋から悠人に中身のお菓子を一つあげたあと、ニコニコと笑顔を浮かべて彼の手を取った。
 そのまま二人は手を繋いで路地を駆けて行ってしまった。
 正確には少女が悠人を強引に引っ張っていったのだが、セリアにはそう見えた。
37革新の一歩 第二章:2005/12/01(木) 03:28:03 ID:RUk4KJVd0
「ねえ、ネリー。あのお菓子、おいしそうだったね?」  
「そうだね。ヨフアル…って言ってたっけ?」
 ネリーとシアーは二人が持っていたお菓子の事しか頭にないようだがセリアは違った。
 なんと言うか……気に入らない。朝食後の雑談の時に感じた苛立ちがそのままよみがえってきた気がした。
 解らない。どうしてだろう、こんな気分になるのは?
「あれ、セリアご機嫌斜め?」
「斜め〜?」
 セリアの様子がおかしい事にネリーとシアーも気付いた。
 二人がどうしたの?と声をかけたその時――
「私に、解るわけないでしょ……」
 セリアは搾り出すようにそれだけ言って走り去っていった。
38名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 03:29:59 ID:T7M6r3Kz0
マナの導きよ、書き手に支援を。
39革命の人:2005/12/01(木) 03:48:00 ID:RUk4KJVd0
今回はこれにて終了です
毎度の事ながら支援の方々、ありがとうございます
誤字脱字ハリオンマジック、その他指摘がありましたらお願いします
さて、始まりました第二章
北方五国統一くらいまでを目安にいくつもりです
て言うか今までがだらだらし過ぎだったのかもしれませんが…
今回ある意味で最強の敵を出す予定w
相変わらず…いえ、ますます筆が遅いこの頃ですが
まったりと次回を待ってて下されば幸いです
そうでない方は適当にスルーしちゃって下さい、では……
40名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 04:43:53 ID:efD3nEyT0
>>39
我ながら重箱の隅というか揚げ足取りなので鬱だが、食事の摂取は『摂る』が正解じゃないかな?
41名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 08:59:10 ID:jabbuvpI0
規制明け 開き見すれば 新スレに

>>1乙。点呼番号はもう分かりませんw

やっぱ(a)ですね。最近は他のスレは覗いてないです。スピたんスレが出来てたなんて驚き。

>>39
乙です。
いや〜、いい感じで住職を絡めてますね〜(←住職って言うな)
彼女は不遇のキャラなのでこういう扱いを見るとほっとしますw
42名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 18:16:42 ID:S10Qmn2X0
>>39
心の底ではユートを認めているのに、素直になれないセリア。
佳織との会話の中で、ユートの事を考えてしまっているセリア
ユートを認め始めた皆に、そこはかとない嫉妬を感じてしまっているセリア。
ツンとデレの狭間で揺れる、複雑な乙女心が素晴らしいですw

43名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 19:14:34 ID:DAZ/A1v50
>>39
わずかに寄っては自らを律し引き返す。そんな惹かれ方にじわじわと頬が緩んできました。
宮中警護の文字を読んだらEXP、PS2版のセリア&ヨフアル女王イベントのようなものを想像し、
最後のところで、「さっきまで一緒にいたじゃん!」とか思ってしまいましたw
それぞれのスピリットが悠人をどのように捉えているかが、
変な「人」という場所にアクセントが置かれて連呼されているように思えます。
……妹さんも装備品により変な人だと断定されましたが。

「ぽすっ」ではなく「すぽっ」という感じで誤って装着した姿を想像してしまい……うわ、嫌過ぎるw
44名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 20:48:12 ID:T7M6r3Kz0
>今回ある意味で最強の敵を出す予定w
ものすっげ気になる…。
あの方かもしれないしアイツかもしれないし、うおお気になりまくり。
感想として述べたい事は先にたくさんの方に言われてしまいましたが…。
次回も、大変楽しみにしております。
45名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 21:22:19 ID:JIGhS4Pt0
>>40
うーむ、ナナルゥの喋り方からすればこんな感じになるかな?
って、思ってたんですが日本語的におかしいですか?

>>41 憂鬱さん
貴方は(16)です…って、即死回避のつもりで投下したんですが
点呼をぶった切る形になってしまいました、申し訳ないです
佳織はここで出しとかないと出番が…ゲフンゲフン

>>42
ツンデレを目指すつもりがなんかそんな方向に行きそうにない予感
個人的にはもっとツンが欲しいのですが…

>>43
中身は常識人ですけどね…ちょっとずれてますが>妹
なんか外見で損している気がします、彼女の場合……
出来ればセリアだけじゃなくほかのスピ達の内面も
掘り下げていく方向です

>>44
おお、気にしてくれますか…嬉しい反応です
じゃ、少しヒント
あの人が出てきてあの人のアレがああなって阿鼻叫喚ですw
…あ、なんか物凄く卑猥なこと言ってる気がしてきました
46名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 21:45:06 ID:7mtuPBCm0
>>39即死回避乙です。
スピリットと人の境界線。否定も肯定も出来ない心のまま、周囲の適応に戸惑う。
そして託された、小さな願い。焦燥の理由に気づくのは、もうすぐ。
はっきりと頷いたその先に、答えは見えているのだから。

う〜んセリア、いい感じでツンツンしてますね。それこそ自分自身でじれったくなってるくらい。
自分だけが認めていた部分を皆も知ってしまった時の、言いようの無い寂しさみたいなものを感じます。
さて、これが無自覚な嫉妬心なのかはたまた独占欲なのか。革命さんの料理の腕次第ですねw

ファーが当たり前のように情報部になっていて噴いたのは内緒w
47名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 22:00:42 ID:JIGhS4Pt0
>>46
信頼さんの「朔望」で、そういう設定になってたのを見て、妙にしっくり来たんですw
二ムの育成だけが彼女のしていた事とも思えなかったので…
特に抵抗もなくあっさり流用させていただきましたw
48おにぎりの中身の人:2005/12/01(木) 22:54:40 ID:ZEbjea5p0
(a)ですね、やっぱり。
アセリア自体大好きで、アセリアで検索してここが見つかったのは本当にラッキーでした。
今ではすっかりここの住人。
しかしSSを書く速度は1日1行以下。
( ´∀`)何やってんだろ、俺
49名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 01:28:50 ID:pc0IxTMy0
ふぅやっと長編三つ読み終わり〜

>いつか、二人の孤独を重ねて
交感日記!
どうだ妖精よ。我の快感と汝の快感。混じり合い高まり合い一冊の小さな恋の物語を紡いでいくのだ。
くくく、そら。どうだ? 妖精よ。テーカンスでカンケルゥだ。
言の葉の循環でクミトラスでナイハムでキシリーでサマナサマナ クーマロゥなのだ。
もっとだ。もっと恥ずかしくなるような言葉をよこせ。我の目の前に織り上げて拡げて見せよ。
って筆まめ求めさん自動書記。

交換日記キター。なんでやねんエス姉ちゃんw
クォーリンハイペリアに逝ってしまった。でもクォーリンから書く場合は業務日誌みたいになったりしてw
シアーそれ八百長だから! でもあれですか、言うより言わせたいですか。悪女気質満タンだなぁ。


>ただ、一途な心
ヘリオンちゃんとハリオンっていつも一緒にいるよなぁ……。
そういや、ふたりとも名前がHで始まるんだよな。
ふたり…えっちえっちで、ふたりえっちっ? ブハァ ヘリオンちゃんとハリオンがくんずほぐれず……グフ グフフ

ク「コウインさまの日課の瞑想姿。静謐な湖の様……私の心まで研ぎ澄まされていくようです……。コウインさま……ステキ」

――意外と軽いノリです。元の世界へのふたりの言及が欲しいかな。
初っ端、風邪を引くって心配なのはそこかい。石焼き芋ワラタ。やはり万国共通なのか。
ヘリオンキターお約束だねこのウォシュレット(R)はw 本編でも好きなシーンですw
でも前にも効くのか。もしかしてアセリアも喘ぎを我慢してたの?ハァハァ
緑髪を気にしる!>悠人  メガネは伊達なのだろうか。ふたりの下着が気に(コトリマシンガン)
小鳥タン無事でいてくれ〜。キムタクは敵w

本編でもアセリアに振る舞ったのはパンだったと思うので、米飯をぜひ味わわせてほしいです。
今後おそらくどんどん緊迫していくのかと思います。大樹と失望もガンガレ!
50名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 01:32:58 ID:pc0IxTMy0
>39
くっ、ここで引かれるとは。斜めセリアの交換ダイアリーまだ〜。
佳織との出会いがいいですね。それでもツンなのがセリアクォリティー。
でもてっきり

 r‐-- -┐
/ /゙・ 皿・_ヽ
レi ミ从l~iルソ   
((ヾ(i|゚ -゚ノi  <ツンをよこせ
)ノ
こうなるのかとw 
出来るだけツンを長引かせる方が収穫の喜びもひとしお。
51名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 10:10:45 ID:0X9WTtZB0
>>50
むしろ

 r‐-- -┐
/ /゙・ 皿・_ヽ <ツンをよこせ
レi ミ从l~iルソ   
((ヾ(i|゚ -゚ノi  <なんですって
)ノ
52名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 18:24:04 ID:EsCYRM+n0
ttp://www.xuse.co.jp/img/g_15.jpg

初めて寝具買うかもわからんね(*´Д`)
53名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 18:29:47 ID:wy1pay0D0
肩甲骨が(*´Д`)
545:2005/12/02(金) 22:59:56 ID:rlrlREZt0
意識調査について、微妙な補足みたいな何か。

歴史的な話をしておくと、雑魚スピスレ(a)設立当時、(d),(e)は存在しなかった。
(b),(c)については、それぞれ「アセリアうぜー」的な萌芽はないでもなかったが、
分割(分離)を実行するには至らなかった。
そんなわけで、雑魚スピスレが(b)〜(e)を本家・本流と仰ぐべき筋はない。
(b)〜(e)を挙げた各人の心以外には。

・迷った人/(b)〜(e)を挙げた人へ
あなたが他スレに比重を置くのは悪いことではありません。
ただし、他スレの主義・思想を雑魚スピスレに押し付けることのないよう
気をつけましょう。

・迷わず(a)を選んだ人へ
雑魚スピスレ住人の鑑ですがw、こうして(a)以外を挙げる人もいることを
知っておくのは良い機会となったかと思います。
話がかみ合わない場合に前提へ遡ってみることができるでしょうから。
しかしながら、媚びる必要はありません。誇りを持ちましょう。
55名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 23:07:55 ID:r77vmHLCO
(a)です。と言うか、ここ以外を見る事は殆んどないですね

最近はSSを見る暇すらない状況ですが…


脳内でSSの大半が完成してるのに書く暇なしorz
他のSS案も出来てきてるのに〜
56名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 23:14:33 ID:r77vmHLCO
流れ無視して書いてた〜と思って見直したら、ちんたらと書いてる間に結果(?)が〜

そしてこっちは書き込む暇がもう無いと言う事実
…よくわからん文章でスマン!
57セリアの優雅に徒然ごめんあそばせ日記:2005/12/02(金) 23:31:51 ID:sjCvwO120
サン○フトの月 いっきは名作だよね日

あってはならない事が起こった。
我が国のエトランジェ3人による、クーデターだ。
全く予測できない、むしろ予測できようのない事件だった。
ラキオス城はエトランジェ3人の突然の急襲を受けて陥落した。
城の人間の兵士で対抗できるはずもなく、わずか数時間でだ。
エトランジェ3人はレスティーナ女王陛下を人質にとり城に立て篭もった。
そして、信じられない要求を突きつけてきたのだ。

「コメじゃ、コメをよこせ!白いおまんまを食わせやがれってんだ!」
コメとは何ですか、某長編でロリコンまっしぐらのヘタレ隊長殿。
「これ以上、年貢を搾り取られたらオラたちは飢えて死んじまうだ!」
年貢どころかアナタ方は税金を納めないでいい身分ですよ、キョウコ様。
「もう我慢ならねえだ!米問屋を襲うだよ!そうじゃ、一揆じゃ!」
コウイン様、いいから下りてきてください。クォーリンが萌え悶えてます。

ヨーティア様によれば、このような事は過去の歴史にもあったらしい。
なんでも「ニッポン」からのエトランジェは「コメ禁断症状」が出るとか。
とりあえずヨーティア様が保管していたコメの粒で罠を作る。
(過去のエトランジェが持っていたのを、ずっと保存していた物らしい)
スズメを捕らえて焼いて、醤油で頭からぽきゅぽきゅ食うのに使う罠だ。
…なんだか、自分でも意味がよくわからないが気にしない事にする。
とにかく、三人ともあっさり罠にかかったところを全員で袋叩きに。
そういえばクォーリンはコウイン様をボコる時にハァハァしていた。
3人とも今は神剣をとりあげて、城の地下の牢獄に閉じ込めてある。
ヨーティア様のコメをエーテル技術で培養しているが、間に合うか…?
58セリアの優雅に徒然ごめんあそばせ日記:2005/12/02(金) 23:33:32 ID:sjCvwO120
無垢な私を月 あなたの色に染め上げて日

第一詰め所に異変が起きた。
そしてそれは、スピリット隊およびラキオスにとって無視出来ない事態。

突然、エスペリアが縮んだっていうかオルファくらいまでロリ化した。

性格や記憶はそのまんまだし、服は子供時代のがあるから問題ないが…。
エスペリア、子供の頃からその緑のメイド服だったのね。
しかも、「ラスク様」の手作りらしい。
なんだろう、私が聞く限りではコウイン様と似た危険な匂いを感じる。
それより問題なのは、エスペリアがロリ化しても働こうとする事だ。
サイズがサイズなので、色々と不便で困るそうな。
オルファが愛用している脚立を借りて頑張っていた。
そしてやはり、そんな姿をコウイン様が危険な目で見つめている。
…で、ヘタレ隊長も同じかそれ以上の危険な眼差しで見ているわけで。
他の年少組と違い、中身がエスペリア本人なのが心の琴線にふれるらしい。
ハイペリアの男は、ロリコンが多いとキョウコ様が愚痴っていた。
まあ、この世界でもあまり変わらないような気がするが。
さて、もう一つの問題が部隊編成会議で起きた。
ヘタレ隊長とコウイン様が、ロリ化エスペリアを巡って決闘をはじめた。
二人とも、自分の部隊に入れようとして決して譲らなかったのだ。
お約束通り、キョウコ様の雷撃で消し炭にされたが。
ところでエスペリア…。
「ユート様、どうか健気で可愛くて賢いエスと呼んでくださいませ」
本当に過去のせいで汚れたのか、もともと汚れた子供だったのかどっち?
59名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 23:35:09 ID:sjCvwO120
…というわけで、ネタ短編です。

セリア日記は書いてて楽しいので、気が向いたらまた投下します。
んでは、いずれまた。
60名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 23:53:10 ID:pbHkRAQW0
>コメ禁断症状
笑わせるな、大爆笑しちまって腹が痛いじゃないかw
61おにぎりの中身の人:2005/12/02(金) 23:57:03 ID:NHMY7ivL0
米テラワロスwwwww
ロリペリアはかわいいよな、やっぱ
62名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 00:44:09 ID:VYrQvl360
いや、「い〇き」てw ゲーセン版ならなんとか……?
「因果」だけは農作業にも使えそうな気がしました。
6311:2005/12/03(土) 00:53:08 ID:/QeLCoqJ0
きっぱり(a)を選んでないのは俺だけなわけだが
そんなに空気読んでなかったか?
64名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 01:08:58 ID:2f1RgcRu0
>>63
いや、別にそんな事ないと思う。
意図の掴めんレスはスルーが基本。

ちなみに、そんな俺の本スレはカナリスレ。
65名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 03:01:59 ID:eB/VLos00
>>59
ワロタ

しかしぽきゅぽきゅとはまた新しい擬音ですなw
66名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 03:15:56 ID:0JXJ91CE0
>>63
どこが本スレでも良いけど、それは自分にとってのものに過ぎないので、
他人には押し付けるなってだけでしょ。

迷わず(a)を上げた俺だが、一般的に言ったらかなりコアな領域だよな…。
まぁ、このスレのおかげでEXP・PS2では死ぬほど悶えたし、ある意味勝ち組ww
67名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 04:09:05 ID:xFJO/Ht/0
>>66
それにしたって何が押し付けた事になるんだって話だろ?
前スレ以前にそんな価値観を押し付けてる椰子が居たわけじゃないだろ?
釘刺しただけならaを選んだ人間にも言うべきじゃないのか? 
68名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 08:16:45 ID:/O/zWTWxO
>米騒動
エトランジェもお米族…進呈です…(引き替え出来ないけどね〜

>ロリペリア
着せ替えして遊ぶ第二詰め所のスピの姿が思い浮かぶ…
オルファと服を取り替えられて恥ずかしがるロリペリア
そして、オルファには反応するが、ロリペリアに反応しない光陰に、怒りの一撃が…

GJでした〜
6954:2005/12/03(土) 08:27:48 ID:rFp38WWD0
「個々人の」主義・思想・価値観については >>66 前半の通り。
当たり前すぎて言ってないけども。
で、>>54は「板・スレの」なので、主に(a)以外側へ釘刺すような形になった。
(a)側には違う意味で釘刺してるんだけど、釘とは感じないかもしれないね。
どちらも、過去に対する釘ではなく、数ヶ月という未来への釘。
>>63
むしろそうやって気にするあなたは大丈夫でしょう。
70名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 09:43:27 ID:4YJ95qWb0
>>58を見てて思ったのだが、
ほかのスピもロリ化したらどうなるのだろうか。
71名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 15:35:11 ID:zr0A5q4K0
ロリファリル……は小さすぎるか。ロリア……はニムみたいな性格になりそう。
72名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 16:40:59 ID:9+isI6Q50
ロリイオ……想像つかねぇ
やっぱりイオは大人のお姉さんだか(ry
73名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 16:46:15 ID:9JGV/+570
ロリオン……
ちっちゃな頃から爆乳で〜?
74名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 16:47:38 ID:ariqchcl0
>>73
つーかヘリオンと区別つかねーYO!w
75くじら318号:2005/12/03(土) 18:16:57 ID:DgJ0Kipt0
ええ、どうも今晩は。くじらでございます。
長編のW章第二話があがりましたので、投下したいと思います。
捕獲の際には下のタイトルで。
『ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ 第2話─』

では、流れも読まずに、投下開始します。
76ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 18:18:42 ID:DgJ0Kipt0
──────デパートのパスタ屋で昼食を済ませた三人は、別のフロアを歩いていた。
そこは主に食品が集まるフロア。惣菜屋やお菓子屋も多々存在している。
「色々な食べ物があるんですね!でも、向こうとあまり変わらないものもあるような・・・」
「そうだな。俺も向こうで似たようなのを見たときは驚いたよ。ラナハナとかネネの実とか・・・」
「近いものがあるのはいいことですよぅ〜。料理するとき困りませんから〜」
「でも、見た目が近くても味が天と地の差だったりするからな・・・」
悠人はたくさん並んでいる野菜の中から、一つの緑色の拳大の野菜を取り出す。
「あ〜、それ、リクェムですよね〜。子供たちには不評のお野菜です〜」
「そう。こっちではピーマンって言うんだけどな。リクェムのほうが、風味が強いんだ」
「そ、そうなんですか?見かけは一緒なのに・・・」
悠人はすぐにピーマンを戻す。
エスペリアの尽力あって食べられるようになったとはいえ、あまり長くは触っていたくは無かった。

それから三人がそのフロアの奥に進むと、方々からいい匂いが漂ってくる。
どうやら、お菓子屋の並ぶ場所に出てきたらしい。
「ああ、いい匂いがしますぅ〜♪これは、食べておかないと損ですね〜♪」
甘い匂いにつられてトリップするハリオン。
きっと、ほっといたらこのフロア中のお菓子を買ってくれと言わんばかりだ。
「・・・少しだったら買ってやるぞ」
「本当ですか〜?ふふ、ユート様〜、ありがとうございます〜♪」
ぎゅむ。
大喜びのハリオンは、その勢いに任せて悠人に正面から抱きついてくる。
悠人の厚い胸板が、弾力のあるマシュマロを受け止めたような感覚に襲われた。
「わぁっ!ハリオン!離れろ・・・ヘリオンが、人が見てるぞ!」
「ふふふ、はいはい〜♪」
ハリオンはパッと離れた。抱きついてくるのは嬉しさの表現のつもりなんだろうが、
ハリオンの抱擁はボディーランゲージとか、スキンシップとかとは別格の破壊力を誇る。
すぐに離れてくれたから事なきを得たが、あと10秒遅かったらどうなるかわかったもんじゃない。
77ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 18:20:05 ID:DgJ0Kipt0
「ゆ、ユート様・・・気をつけてくださいね。ハリオンさんにおごると、お財布が空になっちゃいますから・・・」
ごんっ。
「い、いったあぁ〜い!!う、うぅ・・・」
気が付くと、ハリオンは笑顔のまま拳をヘリオンの頭頂部に振り下ろしていた。
本来は神剣の力を使って めっ となるところを拳骨で済んだのだから儲け物な気がする。
それでも、ハリオンのせっかんの対象になるのはごめんこうむりたい悠人だった。
うっかり失言してしまい、痛そうに頭をさするヘリオンを尻目に、ハリオンはお菓子を物色し始める。
「あ〜、あれがいいです〜」
ハリオンの指差す先にあったのは・・・
みんなの人気者ヨフアル・・・じゃなくて、今度こそ正真正銘のワッフル。
どうやらハリオンはさっきのパスタ屋で懲りたわけではないらしい。
「いいのか?また似たような味かも知れないぞ?」
「いいんですよ〜。こういうのは、比べておいたほうがいいんです〜♪」
「そういうもんなのかね・・・」
こういうことにあまり拘りの無い悠人は、お菓子に拘りの深いハリオンには敵わない。
悠人はさっそく、ワッフル屋の店員に話しかける。
「ワッフル、6つください」
悠人がそう言うと、店員はガラスケースの中から手馴れた様子でワッフルを紙袋に詰めていく。
「はい、630円です。・・・・・・ありがとうございました〜」
悠人はお金を払ってそれを受け取り、二人のもとへと戻る。
「ここじゃなんだからさ、どっか落ち着いて座れる場所で食べようぜ」
「そうですね〜。冷めないうちに探しましょう〜♪」
「ハイペリアのヨフアルはどんな味がするんでしょうか・・・ちょっと楽しみです!」
「・・・・・・ヨフアルじゃなくて、ワッフルって言うんだけどな」
「そうなんですか?あんまり変わりませんね!」
悠人はいつだったかレムリアに突っ込まれたことを今度は逆にして二人に突っ込む。
どうでもいいことでも、知識を教えられるというのは気持ちのいいことだ。
「(レムリア、か。あいつがこれを見たら、なんて言うかな)」
ハイペリアにワッフルというお菓子が実在することを知って、驚く顔が目に浮かぶ。
あの気丈なレムリアがそんな顔をするところを想像して、悠人は思わず吹き出してしまう。
78ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 18:26:06 ID:DgJ0Kipt0
「〜? ユート様〜、どうしたんですか〜?置いてっちゃいますよ〜?」
「ん。ああ、悪い悪い。今行くよ」
二人に促され、ワッフルの入った紙袋をぶら下げて、悠人はデパートの中をうろつくのだった。

しばらく歩いていると、デパートの中にアナウンスが響き渡る。
『中庭にて、午後4時から劇が始まります!席は早い者勝ちですので、座りたい方はお早めに・・・』
悠人は反射的に腕時計を見る。14:00・・・あと2時間もあった。
「ユート様〜、今の声はなんですか〜?」
「ああ、あれはお知らせみたいなもんだな。2時間後に中庭で劇をやるんだって」
「劇、ですか?面白そうですね!行ってみましょう、ユート様!」
「そうだな。そこでなら落ち着いてワッフルを食べられそうだしな。行ってみようぜ」
さっそく悠人たちは、劇が行われるという中庭へと向かうのだった。

一行が中庭に着くと、そこには既に数組のお客さんがパイプ椅子に座っていた。
悠人たちは、劇が良く見えるようにと、最前列の席に腰掛け、紙袋を開ける。
「じゃあ、食べてみようぜ」
「はい〜、いただきます〜、はむっ」
まだ温かいワッフルを頬張ると、悠人の両側の二人は幸せそうな顔になった。
「わぁ〜、おいし〜い」
「そうですね〜、ヨフアルとはまた違ったおいしさです〜。これは、覚えておかないと〜」
「(・・・・・・やっぱりあんまり変わらないな)」
世にも幸せそうな二人を尻目に、悠人は向こうと変わらないおいしさに舌鼓を打つ。
やっぱり似たような料理は似たような味。それでも、おいしいものはおいしいものだ。

三人が一個目のワッフルを食べ終わり、二個目にかかる。
口の中に広がる甘い世界に浸っていると、一人のヒゲ男が息を切らして声をかけてきた。
「ああ、君たち君たち」
「ん・・・?俺たちのことか?」
「そう、君たちのことだ。君たち、劇に出てみる気はないかね?」
79ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 18:27:17 ID:DgJ0Kipt0
「・・・・・・は?」
「だから、あと1時間半とちょっとでここで行われる劇に出てみないか、と言っているのだ」
藪から棒になにを言い出してくるのやらこのヒゲ男は。
とにかく、普通ではない様子なのでどういうことかを聞いてみることにした。
「どういうことなんだ?大根役者もいいところの素人をスカウトするなんて普通じゃないぞ」
「うむ・・・実は、主役の三人が病気で倒れてしまったのだ。だからこうして、代役を探していたのだ」
「よりによって主役・・・・・・三人って・・・こいつらも?」
「そうだ。君たち三人で、我が劇団のデビューを飾って欲しいっ!!」
「デビュー上演だったのかよ。ますますとんでもないな。大体あんた誰なんだよ」
「申し遅れた。私はこの劇団の団長を務めている者です。便宜上、団長とお呼びください」
「はぁ・・・」
「それで、どうですか?有名になるチャンスですよ?」
そんなの自分で言うことか、と悠人は突っ込みたかったが、こいつが困っていることも事実。
とりあえず、悠人は二人の意見を聞いてみることにした。
「ヘリオン、ハリオン・・・どうする?このおっさん、劇に出てみないか、とか言ってるんだけど」
「劇って、この劇ですか〜?ふふ、おもしろそうです〜♪ユート様、やりましょう〜」
「げ、劇に出られるんですか!?そ、それなら、ぜひやらせてください!」
「(マジかよ・・・)」
劇に出られると思った瞬間、やる気満々になる二人。
「おやおや?聞きなれない言葉ですが・・・このお嬢さんたちは日本人じゃないんですか?」
「そうだよ。だから、劇の出演は無理だな」
やる気の二人には悪かったが、悠人はこんな胡散臭い話に乗る気は無かった。
「いえいえいえ!台本通りにやってくれれば結構ですから!それに、あなたは言葉が解るんでしょう?
 ちゃんとお二人にご指導してくださればいいんです!お願いしますよ〜」
「ユート様〜、やりましょうよ〜♪」
「そ、そうですよ!こんな機会滅多にありません!」
日本語と聖ヨト語の駄々をダブル・・・もといトリプルパンチで食らう悠人。
団長はともかく、ヘリオンとハリオンがやる気になっている以上、断るわけにはいかなくなった。
80ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 18:28:30 ID:DgJ0Kipt0
「わ、わかったよ。やればいいんだろ、やれば・・・」
「やってくれますか!あ、ありがとうございます〜!!」
団長はおいおいと泣きながら礼を言う。よっぽどこの劇に命をかけているらしい。
悠人たちは、団長に連れられて楽屋へと入っていった。

楽屋に入った悠人は団長から台本を受け取り、ざっと内容に目を通す。
主役となる三人の役どころは、お姫様、騎士隊の隊長、それとその隊長の一番弟子。
おおまかなストーリーは、悪のドラゴンにさらわれたお姫様を、隊長とその弟子が救い出すというお話。
どこかで聞いたような、恐ろしく月並みな設定。劇というより学芸会だ。
そもそも、こんなにヒネリの無い劇にこの団長は命を懸けていたのか、少し怪しくなってくる。
その内容を二人に話すと、心なしか目がきらきらと光ったような・・・気がした。
「・・・・・・で?誰がどれをやればいいの?」
「そうですねえ、まずはあなたが騎士隊長をやってもらいましょう」
「お、俺が!?それって、ぶっちゃけ主人公なんじゃ・・・」
「そうですよ?ぴったりだと思いますがね。・・・お姫様は、そちらの緑の髪の方にお願いしましょう」
「ハリオンはお姫様だってさ」
「そうですか〜、がんばりますよ〜♪」
「で、そっちのちっちゃい子にはお弟子さんをやってもらいましょう」
「・・・ヘリオンは俺の弟子だって」
「はうぅ・・・やっぱりそうなっちゃいますか・・・で、でも!やらせていただきます!」
適材適所とはよくいったものだ。
確かに、この組み合わせ以外のキャスティングは似合わないだろう。
「おほん、ではみなさん、これより練習に入りましょう」
81くじら318号:2005/12/03(土) 18:41:26 ID:DgJ0Kipt0
すいません。
妙な規制食らったようです。
続きはまた今度・・・orz
82名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 18:48:52 ID:zZSIejop0
>>81
ドンマイです。劇のあらすじがベタベタなのとは裏腹に、
団長の胡散臭さが先の読めなさを倍増させてどんなことになるのやら楽しみです。
が、果たしてハリオンにドレス衣装のサイズは合うのでしょうかw
83ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:10:27 ID:DgJ0Kipt0
──────1時間半後。
「いやいや、みなさん、板についてきましたぞ」
「そうは言うけどなあ・・・セリフとはいえ日本語を叩き込むのには苦労したぞ」
「ユート様ぁ〜おたすけください〜・・・こんな感じですか〜?」
「私のこの剣にかけて!隊長と共に姫様をお助けします!・・・・・・ど、どうですか?」
スローモーな姫様に、真面目な一番弟子。・・・・・・はまり役だった。
が、悠人の演じる騎士隊長は、文字通り騎士道精神に溢れる好漢らしく、
団長はどっちかというと優男な悠人には難しいのではないかと思っている。
「う〜ん、でもまあ、今回は時間がありませんので、仕方ありませんね」
「自分でスカウトしといてそりゃないだろ」
「ははは。まあ、本番ではしっかりしてくださいね。では、衣装に着替えてください」
団長はそう言うと、そばにあるハンガーから劇用の衣装を取り出す。
ヘリオンとハリオンはカーテンの向こうで着替え、悠人もその場で衣装に着替えた。
「こ、これはまた、騎士らしい衣装で・・・」
その衣装は、細身の剣をぶら下げる姿が良く似合う、中世ヨーロッパの将校のような衣装だった。
ちょうど、『ベルサイユの○ら』の主人公のような格好だ。
そんなことを考えていると、カーテンの向こうからヘリオンとハリオンも姿を現す。
「(ありゃりゃりゃ・・・)」
ヘリオンの衣装は、騎士隊長の弟子というだけあって、悠人の衣装とほぼ同じ。
二周りほどサイズの小さい衣装に、子供っぽい黒髪のツインテール。ますます文化祭か学芸会だ。
一方、ハリオンの衣装は、お姫様ということで、純白のドレスに、宝石の散りばめられたティアラ。
さすがにドレスに合わないと思ったのか、眼鏡といつもの髪留めは外している。
このままレスティーナと張れるのではないか、本物のお姫様のようだ。という具合に似合っていた。
「は、ハリオンさん・・・すごいですね・・・」
「あ、ああ・・・・・・こんなお姫様がいたら、そりゃさらいたくもなるな」
「そうですか〜?もしよかったら、さらってもいいんですよ?ユート様〜♪」
「・・・やめとく」
「・・・賢明ですね」
84ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:11:14 ID:DgJ0Kipt0
正直、ハリオン姫をさらったら毎日が めっ の日々だろう。そんなのは嫌だった。マジで。
「さあさあ、みなさん!もう時間ですよ!大丈夫。残りのスタッフもサポートしますので、頑張ってください!」
「よし、じゃあ行こうぜ」
「はいはい〜。がんばりましょうね〜♪」
「で、では、いざ、しゅちゅじん!・・・あれ?しゅつじんでしたっけ?」
「・・・・・・不安だ」
こうして、悠人たちの晴れ舞台(?)が幕を開けるのだった・・・・・・


カッ!ゴロゴロゴロ・・・・・・
稲妻が暗闇に轟き、その光によって映し出されるのは竜の棲家。
『エルドラド暦355年・・・ネープル王国には、それはそれは美しい姫がいた。その名を、ハリナ姫という。
 その姫によって長く続いた平和な時は、悪のドラゴンの出現によって、闇の中へと消えていった・・・・・・
  ドラゴンはハリナ姫をさらい、ネープル王国を絶望のどん底へと引き込んでしまったのです・・・』
「ふふふ・・・姫よ。たった一つの希望であるお前がいなくては、平和な時間は続くまいて・・・」
「・・・それはどうでしょうか?私は信じています。もう一つの希望が現れ、きっと平和を取り戻してくれると・・・」
「はっはっはっはっは・・・・・・気丈なことだ。ならば、その希望とやらも、打ち砕いてやろうではないか・・・」
ドラゴンの高笑いが轟音と共に響き渡る。

85ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:12:09 ID:DgJ0Kipt0
『さて、ハリナ姫のいなくなってしまったネープル王国では、姫の言うとおり、一つの希望が姿を現しました。
 それは、ネープル王国の勇敢な騎士隊長ユーティアスでした。武勇で彼の右に出るものはいません』
「この私が悪のドラゴンを討ち取り、ハリナ姫を取り戻し、この国に再び光を・・・!!」
ユーティアスが剣を掲げると、あちこちから おおーーっ という声が響いてくる。
姫の側近の老魔法使いが、ユーティアスに助言をしてきた。
「おお、ユーティアスよ。お主とて一人では辛かろうて。頼りになる仲間を連れて行きなされ」
『魔法使いが助言をすると、魔法使いの後ろからぴょこん、と飛び出したのは、
 少女でありながら騎士隊長ユーティアスの一番弟子となった、国で一、二を争う剣の使い手、ヘリュアでした』
「ユーティアス様!私も一緒に戦います!」
「おお、ヘリュアよ。私は嬉しいぞ!ともに戦い、ハリナ姫を救い出そうぞ!」
ユーティアスとヘリュアが共に剣を掲げ、切っ先をかちり、とあわせる。
「では・・・いざ、出陣!」
『こうして、ハリナ姫救出のために輝きを増す希望の光は、ドラゴンの棲家へと旅立つのでした・・・』

「噂では、ドラゴンの棲家はあの山の頂上にあるという・・・急ぐぞ、ヘリュア!」
「はい、ユーティアス様!」
街道を進む二人が見上げる先にあるのは、リング状の雲がかかった火山。
それを見つめながら走っていると、一つの影が火山から飛び出し、二人の前に降り立った。
その大きな腕には、ネープル王国のハリナ姫が抱えられていた。
「ぐわっはっはっはっはっは・・・・・・その必要は無い。こちらから出向いてやったぞ」
『なんと、悪のドラゴンは早めに希望の光を消したいがために、自分からやってきたのです!』
「貴様がドラゴンか!ハリナ姫を返してもらおう!!」
「ああ〜、ユーティアス様〜、おたすけください〜〜」
「私のこの剣にかけて!ユーティアス様と共に姫様をお助けします!」
「はっはっはっはっは・・・我を倒せたら、姫を返してやろう」
86ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:17:56 ID:DgJ0Kipt0
「ドラゴン・・・・・・覚悟おおぉぉーーーっ!」
痺れを切らしたヘリュアは、単身ドラゴンに切りかかっていく。
「ふん・・・小娘が!貴様などが我に勝てると思うか!!」
「ヘリュアっ!!」
「!!」
ドラゴンがヘリュアに巨大な腕を振り下ろすと、その爪で体を切り裂かれ、吹き飛ばされてしまう。
「きゃああああぁぁぁぁぁーー・・・」
「ヘリュア!!ヘリュアぁーーー!!貴様・・・姫に続いて、ヘリュアまでも!!許さん!!」
「だからなんだというのだ。所詮人間などこの程度よ!!・・・む!?」
「うおおおおぉぉぉぉおおお!!」
『怒りに燃えるユーティアスが剣を掲げると、突然辺りが真っ暗になり、雷が光りだしました。
 するとどうでしょう!その雷がユーティアスの剣に落ち、力が宿ったではありませんか!』
「な、なにぃ!!」
「終わりにしてやるぞっ!ドラゴンッ!!」
その力の篭った剣を、思いっきり叩きつけるユーティアス。
「ぬ、ぬおおおおおおぉぉぉぉおおお・・・!!」
その力は凄まじく、ドラゴンの体を粉々に吹き飛ばした。
そして、ユーティアスの慈しみの力に包まれて、ハリナ姫がユーティアスの元に飛び込んでくる。
「ああ、ユーティアス!信じていました〜・・・」
「はい。これで終わったのです・・・しかし、そのためには、大きすぎる犠牲でした・・・」
二人は地に臥すヘリュアの方をみやる。
「彼女は、しっかりと葬ってあげなくてはいけませんね・・・」
「はい・・・帰りましょう。ハリナ姫・・・」

『こうして、見事ハリナ姫を救い出したユーティアスは、儚く散ってしまったヘリュアを手厚く葬りました。
 その後、彼はハリナ姫と結ばれ、それから生きる限り、ネープル王国の平和を支え続けたそうです・・・』

87ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:18:48 ID:DgJ0Kipt0
──────劇が終わった舞台裏。観客席のほうからは歓声と口笛が響いてくる。
「いやー!みなさん、お疲れ様でした!」
「ほ、本当に疲れたぞ・・・でもさ、あんなに単純でいいのか?デビュー上演なんだろ?」
「あれ?まだ気づいてなかったんですか?これはアトラクションですよ」
「あ、アトラクション・・・?もしかして、俺たちをスカウトした時から・・・?」
「当たり前ですよ!本気だったらあんなことしませんよ〜。しかし、本当に名演技でしたね〜」
どうやら、客を捕まえて劇に出演させるというアトラクションだったらしい。
デパートでやることじゃないだろ。と言いたかったが、もう遅かった。
「ユート様〜。楽しかったですね〜♪」
「わ、私やられ役でしたけど・・・面白かったです!」
拍子抜けする悠人とは対照的に、ヘリオンとハリオンは本当に楽しかったようだ。
「そりゃよかったな・・・。じゃあ、さっさと着替えて、行こうぜ」
「ああ、お待ちください。せっかくですから、そのままの格好で記念写真などいかがですか?」
団長はそう言うと、ポケットから小型のデジカメを取り出す。
「記念写真、ね・・・」
悠人はちらり、と二人のほうを見る。まだ衣装を脱いでいるわけじゃなく、メイクもそのままだ。
まあハイペリアで劇に出演した、っていう思い出は写真でも残していいだろう。悠人はそう思った。
「じゃあ、頼もうかな」
「はいはいはい!ではみなさん、そこにお並びください!」
「あ、あの・・・ユート様?これから何をするんですか?」
デジカメを構える団長に、ヘリオンは何をされるのかと少し物怖じしている。
「大丈夫。ちょっとまぶしいけど・・・二人とも、俺のそばによって、あのおっさんの持ってるものを見るんだ」
「はいはい〜」
悠人に促され、寄ってくる二人。悠人の左側にはヘリオンが、右側ではハリオンが立つ。
そんな三人をファインダーの中に収めると、団長は決まり文句を発してくる。
「では行きますよ〜。はい、チーズ!」
88ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:19:40 ID:DgJ0Kipt0
パシャッ!
「ひゃあうっ!!」
強烈なフラッシュをまともに喰らい、驚きに顔を染めるヘリオン。
そのせいで妙なことなっていないだろうか、悠人は少し心配だった。
「おお、よく撮れています!では、プリントアウトしますので、少々お待ちを・・・」
団長は楽屋の隅にあるノートパソコンにデジカメを接続し、プリントアウトの準備をする。
小型のプリンターのセッティングをすると、小さな紙がプリンターへと吸い込まれていく。
少しすると、通常のサイズの写真がプリントアウトされた。
「はい!記念写真をどうぞ!」
悠人はその写真を受け取り、二人にも見せる。
「ほら、見てみろよ。よく写ってるぞ」
「わぁ〜!私たちが絵になっちゃいました!すごい、さすがハイペリアです!」
「あらあら〜、これは、いい記念になりますね〜」
ひょんなことから撮ることになった記念写真。それは、ハイペリアに行ったという証拠写真にもなるのだった。
さすがに、こんな格好してたらどういう状況なのかはわからないだろうけど。
「もういいだろ?着替えて、さっさと行こうぜ?」
文字通りさっさと着替えた悠人たちは、劇団アトラクションを後にした。
せっかくの記念写真を無くさないように、悠人はポケットに写真を入れるのだった。

89ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:25:23 ID:DgJ0Kipt0
─────それからどれくらいデパートの中を歩き回っただろう。
悠人が時計を見ると、17:30・・・時間的には夕方だが、冬だからか、すっかり暗くなっていた。
「ユート様〜、あとはどこが残っていますか〜?」
徒然なるままにデパートを歩き回る一行。突き刺さる興味の視線にももう慣れた。
元々何をするでもなく訪れたデパートなので、とにかく端から端まで案内していたのだった。
悠人はエレベーターの傍にある案内板を見る。
「そうだな・・・・・・あとは屋上ぐらいかな」
「屋上、ですか?何かあるんですか?」
「これは・・・説明するより、行ってみたほうが早いかもしれないな」
「どういうことですか〜?」
「行ったほうが早いって言ってるだろ?行こうぜ」
何がなんだかよくわからないヘリオンとハリオンは、そろって首をかしげる。
だが、それは本当に見たほうが早いものだったので、悠人は二人を連れて屋上へと向かうのだった。

チーン。
エレベーターが屋上に着き、分厚い扉が開くと、そこには大きなそれがあった。
「あ、あれは・・・・・・!?」
それは、のんびりと動く大車輪。その輪の上にはゴンドラがついている。そう、観覧車だった。
まだ最近できたばかりらしく、真新しいペンキの独特の色がついている。
「あれは観覧車、っていう乗り物で、あれに乗ると高いところから景色を楽しめるんだ」
「そうなんですか〜。じゃあユート様、ヘリオンと一緒に乗ってきてはどうですか〜?」
「・・・・・・ヘ?」
「ああ、それもいいかもな・・・って、ハリオンは乗らないの?」
ハイペリアの物にはなんでもかんでも興味を示すハリオンが、珍しく遠慮している。
そんなハリオンを見たヘリオンは、ただ驚きに固まっていた。
「はい〜。実は、私高いところは、ちょっと苦手なんですぅ〜」
「ここも十分高いけど・・・」
「これくらいなら大丈夫ですけど〜、これ以上は無理です〜」
普段のんびりしていて、それでいて完全無欠そうに見えるハリオンに弱点があったとは。
悠人は思わずグリーンスピリットでよかったね。と思ってしまった。
もしウィングハイロゥを持っていて高所恐怖症だったら、向こうでは洒落にならなかっただろう。
90ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:26:33 ID:DgJ0Kipt0
「私はあそこで待っていますから、二人で乗ってきてください〜」
「え、あ、ああ・・・わかった。ヘリオン、行こうぜ」
「あ、は、はい!わ、わかりました・・・」
端のほうにあるベンチに腰掛けるハリオンを置いて、
悠人とヘリオンは、その好意(?)に流されるまま観覧車へと向かうのだった。

「おじさん!二人分ね」
「はいよ!お、兄ちゃん、こんなちっちゃいのとデートかい?羨ましいね〜」
係員のオヤジが悠人をどすどすとひじで突いてくる。
「ち、ちがうって!これは俺の・・・その、い、妹だ!」
「はっはっは!まあ楽しんできなよ!これからの時間帯は混むからね」
思わず口から出任せを言ってしまったが、そういう位置づけが恐らく一番無難だろう。
下手に血のつながっていない他人だと思われたら、何を言われるかわかったもんじゃない。
係員のオヤジが観覧車のドアを開け、悠人とヘリオンはそれに乗り込むのだった。


時折、がたがたと音を立てて、二人の乗るゴンドラは上へ、上へと登ってゆく。
ふと、窓の外を見ると、大通りに並ぶ街灯、けたたましく走る自動車のライト、ビルや民家の明かり。
闇の中で瞬く無数の光が、都会の夜景を作り出していた。
「うわぁ・・・・・・きれいですね・・・」
こんなところまで来なければ、ハイペリアにいても滅多には見れないであろう光の奔流。
ましてファンタズマゴリアでは絶対に見ることのできない景色に、ヘリオンは見とれていた。
ゴンドラの中の明かりによって照らし出される、無邪気な少女の横顔。
それは、今まさに天国<ハイペリア>にいるような、世にも幸せそうな笑顔だった。
そんなヘリオンを見て、悠人は思う。

本当に、これでいいのか、と─────。
91ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:27:28 ID:DgJ0Kipt0
確かに、ハイペリアに来てからの二人は、ずっと悠人に向けて笑顔でいてくれる。
まるで、目の前にある現実をしっかりと享受して、それでも負けないように生きようと言わんばかりに。
でも、それは痩せ我慢なんじゃないだろうか。
ヘリオンやハリオンだって、戦いは望んでいない。
だが、まだこの二人の誓いは果たされていない。まだ、戦争は終わっていないから。
まだ、ヘリオンやハリオンにとっての本当の戦いは終わっていないだろうから。
本当はそれを清算したいはず。だが、こっちに来たせいで、それはできなくなった。
本当は帰りたいはず。だが、悠人のために我儘を言わずに、飲み込んでいるだけなんじゃないか。
もし帰る方法があったら、二人は喜んで飛び込むんじゃないだろうか。

・・・・・・それは悠人も同じだった。
ファンタズマゴリアに行きたい。でも、方法がない。だから、ここで生きるしかない。
自分の世界で落胆しないように、無理矢理に二人に対して明るく振舞っていた。
佳織、今日子、光陰・・・義妹や幼馴染が、戦渦の真っ只中にいる。そう思うだけで、苦しくなる。

こっち、ハイペリアでは戦いはない。こっちにいれば、おそらくずっと平和に暮らせる。
だが、向こう、ファンタズマゴリアでは、まだ何も終わってはいない。
戦争という業火は消えることはなく、瞬といういらつく存在の元に、佳織という大事な人がいる。
まだ、それすらも清算しきっていないというのに、自分はのうのうとハイペリアにいる。
戦争から、戦いから逃げて、かりそめの平和を噛み締めている。
今このときにも、向こうでは戦いがあって、誰かが傷ついて、
もしかしたら、誰かが死んでしまって、誰かが悲しい思いをしているかもしれないのに。
悠人が窓越しに天を仰ぐと、スピリット隊のメンバーたちの顔が浮かび上がる。
無事でいてくれているだろうか、ただ、無事を祈るしかできなかった。
92名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 19:28:17 ID:OKjRJau40
ロリ今日子…なんだか凄く「兄い」とか「あにぃ」とか言いそうな言わなそうな。
ロリレスティーナは…ロリレムリアと同一人物だから…なんだ?何かとデジャブを感じる?
ロリナナルゥは…な、なんだか凄まじく保護欲をかきたてられるかもしれない。
ロリヒミカは…ロリ今日子に近いけど、もっと女の子の可愛さがあるように思える。
ロリファーレーン…やばい、可愛すぎてやばいかもしれない。
ロリヨーティア…もしかして、話しててすごく面白い子供かもしれん。
ロリウルカは、どうだろう…ヘンな子供、かもしれん。
ロリアセリア…あの性格のまんまでロリ化だからなあ…あんまり違和感ないような。
ロリミトセマール…まああれだ、一部の特殊な性癖の方々に大絶賛なのは間違い無し。
ロリクォーリンは、好機と喜び勇んで光陰に突撃して普段と変わらない応対しかしてもらえず砕け散りそうだ。

みんな、もっとネタをわけてくれ。ロリ化ネタを。
もちろん、ロリペリアシリーズで他の誰かが勝手にネタSS投下するのも期待。
では、果報は男寝りに寝て待つかね。
93ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:32:12 ID:DgJ0Kipt0
「みんな・・・・・・」
「ゆ、ユート様?どうしたんですか?」
「あ、いや・・・・・・なんでもない」
悠人が冗談めかしていうと、ヘリオンはその視線を真っ直ぐに悠人に向けてくる。
「ユート様・・・嘘はやめてください・・・ユート様、今、すごく苦しそうな顔してました・・・」
「え?」
「ユート様、帰りたいんですよね?ラキオスに、帰りたいって、そう思っているんじゃないですか?」
「どうして、そう思うんだよ。いつ俺が帰りたいって・・・」
「だって・・・今ユート様は、あの時と同じ顔をしてましたから・・・
 キョウコ様やコウイン様と戦わなきゃいけないってわかったときの、あの苦しそうな顔と、同じでした」
「・・・・・・!」
「心配なんですよね?カオリ様のことも・・・だから、今すぐにでも帰りたいって、思ってるいるんじゃないですか?」
「・・・ヘリオンにはかなわないな」
心中を表情から読み取られ、余計に心配させてしまった。
もう目の前のヘリオンに嘘偽りは効かない。心のもやもやを打ち明けるしかなかった。
「そうだよ、俺は帰りたいんだ。みんなと一緒に戦って、生き延びて、佳織を助けたいんだよ!それなのに・・・」
「それなのに、こんなところで遊んでていいのかよ!・・・ですか?」
「え・・・ど、どうして・・・」
「ゆ、ユート様の考えてることなんてわかります!だって、だって・・・」
ヘリオンはその紫紺の瞳に僅かに涙を浮かべて、スカートの端をぎゅっと握っている。
「ヘリオン・・・もしかして・・・」
「そうです。私も同じこと考えてるんです・・・早くラキオスに帰って、戦いを終わらせたいんです・・・」
「そっか・・・そうなんだな」
やっぱり同じだった。ヘリオンも、おそらくハリオンも帰りたいって願ってる。
責任を投棄して、逃げるわけにはいかないって、同じ志を持っていた。
94ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:32:53 ID:DgJ0Kipt0
「それに・・・私、ちょっと変なんです」
「変・・・って?」
「私・・・ユート様のことが、他人とは思えないんです。変ですよね?ユート様は、私たちとは違うのに・・・」
「ヘリオン・・・それは違うよ」
他人とは思えないと言いながらも、自分が悠人とは違う存在であることを自覚するヘリオン。
だが、悠人にとっては、人間とかスピリットとか、そんなのは関係なかった。
お互いを見て、感じて、意思を通じ合うことができる。それだけで、人間もスピリットも、同じ存在だった。
「ヘリオン、この窓を見てみろよ」
悠人はヘリオンの肩に腕を回し、その窓のほうを一緒に向かせる。
外が暗闇になっている方の窓は、ゴンドラの明かりによって、鏡のように二人の姿を映していた。
「俺たちさ、そんなに違うのかな。ただ、男か、女の子か、ってことだけじゃないか?」
ヘリオンの目に映ったものは、自分と一緒に並んでいる見慣れた男の人の姿。
それは、何の違いもない、自分と同じカタチを、同じ心を持つ『ヒト』という存在だった。
「あ・・・は、ははっ、あはははっ!同じですね!ぜんぜん違わないです!」
そんな二人の像を見て、思わず吹き出してしまうヘリオン。
「だろ?それに・・・俺もなんだ」
「え?」
「俺も・・・ヘリオンのことが、他人とは思えないんだ。ずっと前から、俺たち似てるなって、そう思ってた」
「ど、どうしてですか・・・?」
「なんでなのかな。こういうのって、言葉では表せないんだと思う。でも、似てるって、わかるんだ。
 他人とは思えないって、思えるんだ。きっと、ヘリオンも同じだと思うよ」
「そう・・・そうですよね!やっぱり、同じでした・・・」
ヘリオンはそう呟くと、もう一度、無数の光が織り成す都会の夜景を眺める。
今度はさっきの笑顔とは違う、もうこれが見納めになるんじゃないかという、哀しみを含んだ顔で。
95ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:33:44 ID:DgJ0Kipt0
「ヘリオン・・・」
「ユート様・・・」
「絶対に、一緒にラキオスに帰ろうな」
「絶対、一緒にラキオスに帰りましょうね!」
同じカタチの心を持って、同じ意思をぶつける二人。そして、同じように笑いあう二人。
「ぷっ・・・ははは・・・こんな時まで一緒かよ」
「あははっ・・・ほんと、おかしいですね」
そして、二人で一緒に、ゴンドラが下につくそのときまで、夜景をその目に焼き付けるのだった。


ごとんごとん。がちゃ。
ゴンドラの扉が開き、悠人とヘリオンはゴンドラから飛び降りるようにぴょん、と降りる。
「ハリオンが待ってる。行こう」
「はい!」
自然と二人は早足になって、ベンチで待つハリオンの元へと向かうのだった。

「ハリオン、お待たせ」
「お帰りなさい〜。楽しめましたか〜?」
「はい!とってもきれいでした!ハリオンさんも来ればよかったのに・・・」
「いいんですよぅ〜。それでユート様〜?これからどうしましょうか〜?」
「そうだな・・・もう真っ暗だし、帰ろうぜ」
悠人は時計を見る。17:52・・・もうすぐ夕飯の時間だった。
「そうですね〜、帰りましょう〜」
「ちょ、ちょっと寒くなってきました・・・か、帰りましょう・・・」
屋上+冬+夜の北風に震えるヘリオン。三人の中では一番暖かそうなハリオン。
悠人はそんな二人を連れて、デパートを後にするのだった。

96ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:34:51 ID:DgJ0Kipt0
─────あの時と同じように、街灯の明かりを頼りに悠人の家へと戻った三人。
悠人が玄関のドアを見ると、ポストに何か挟まっているようだった。
「なんだ?郵便物かな」
どうやら、便箋のようだ。悠人はその便箋を手に取り、封を破いて中身を取り出す。
便箋の中身は、セオリーどおり手紙だった。
「なになに・・・?」

『ファンタズマゴリアに戻りたければ、明日のAM10:00までに、神社まで来てください』

「な、なんだって・・・!?」
「ん〜?なんて書いてあったんですか〜?」
「向こうの世界に戻りたいなら、明日神社まで来いって・・・そう書いてある」
「え、ええ!?私たち、戻れるんですか!?」
信じられなかった。世界を越えるということ自体信じられないことだったが、
なによりも、この人物は向こうの世界を『ファンタズマゴリア』と書いている。
それは、その人物がファンタズマゴリアで、ずっと自分たちを見ていたということだった。
よく見ると、下のほうに名前が書いてあった。

『倉橋 時深』

「くら・・・くらはし・・・ときみ・・・倉橋 時深だって!?」
紅白の袴に、茶髪のロングヘアー、赤い鉢巻が特徴的だった神社の巫女。
悠人の中で、忘れていたはずの・・・初めてファンタズマゴリアに飛んだときのことがフラッシュバックする。
「(あの時・・・時深が妙なことを言い始めて・・・それで、俺たちは光に包まれて・・・・・・ッ!!)」
倉橋 時深。それは、悠人が思いつく限り、全ての元凶。
悠人だけじゃなく、佳織や、今日子、光陰を巻き込んで、ファンタズマゴリアに飛ばした張本人。
「(もし・・・時深のせいだったら・・・俺は・・・俺はッ!!)」
手紙を持つ手がぶるぶると震える。
どういう事情があろうとも、悠人は、時深を許しては置けなかった。
悔しさが、怒りが、どうにもならない感情が、悠人を支配していく・・・
97ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:35:56 ID:DgJ0Kipt0
「ゆ、ユート様・・・?」
「? どうしたんですか〜?ユート様、顔色が悪いですよ〜?」
「・・・・・・あ?」
ヘリオンとハリオンの声によって悠人は我に返る。
このまま怒りに身を任せていたら、今すぐにでも神社にすっ飛んで行っただろう。
「い、いや・・・なんでもない。それより、明日帰れるかもしれないんだ。今日はもう休もうぜ」
「は、はい・・・」
無理矢理に話を切り上げ、家へと入っていく悠人。
だが、ヘリオンとハリオンには誤魔化せなかった。
二人は見てしまった。あの一瞬、悠人の顔が今までにないくらい凄惨なものだったことを。
・・・・・・心の中に掴みきれないもやを残して、二人も家へと入っていった。


─────家に帰ってきた三人は、リビングのテーブルに腰掛けていた。
劇のアトラクションで撮ってもらった写真は、写真立てに入れてテーブルに飾っておいてある。
「・・・腹減ったな。晩ごはんでも作るかな」
「あの〜、ユート様、晩ごはんは、私たちに任せてくれませんか〜?」
「え?」
「で、ですから!私たちが晩ごはんをつくるんです!」
この二人が食事を作る。それを考えると、何ともいえぬ不安が脳裏をよぎった。
「大丈夫なのか?食材とかは向こうとは訳が違うんだぞ」
「大丈夫ですよ〜。大体同じ物だってわかりましたし〜、料理には自信がありますから〜」
「そ、そうです!ですから、ユート様は部屋にいてください!できたら、呼びますので・・・」
「あ、ああ・・・じゃあ、任せるよ」
どんなものが出来上がるのだろうか、期待と不安が激しく混じり合っていた。
お菓子を自分で作れるようなハリオンが作ってくれるのだから、心配はないだろうけど。
問題は、もう一人のがんばり屋さん。努力が裏目に出て、とんでもないものが出てこなきゃいいが。
少しといわず、かなり心配だったが、結局悠人は自分の部屋へと入っていった。
バタン。
悠人の部屋のドアが閉まることを確認すると、二人は小声で話し始める。
98名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 19:36:41 ID:OKjRJau40
うあ、タイミングをマズった…マジごめんです。
っていうか、支援〜。
99ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ─:2005/12/03(土) 19:37:03 ID:DgJ0Kipt0
「これで・・・いいんですよね。ハリオンさん」
「ええ、よくわかりませんけど、今のユート様には一人になる時間が必要ですから〜・・・」
悠人が手紙を見ていたときのあの顔。
あの顔は怒りに染まったものだと、二人は直感的に感じていた。
怒りの問題は、他人が無理矢理に踏み込んでいい領域ではない。・・・それが、わかっていた。
自分たちが、そうだったから。

「さ、ヘリオン。料理を始めましょう〜。まずは、何があるかですね〜」
「あ、は、はい!」
「ユート様は、ここから食べ物を出してましたよね〜。何が入ってるんでしょう〜♪」
ばた。
「ひゃ!この箱、中が冷たいです〜!!」
「あらあら〜、こうして、保存が利くような仕組みなんですね〜。さすがハイペリアですぅ〜」
こうして、二人は料理をするため、冷蔵庫の中を物色し始めるのだった。


──────1時間半後。時刻にして19:50。
こんこん。
悠人がベッドに寝っころがって、いろいろと物思いにふけていると、部屋のドアが叩かれる。
「ゆ、ユート様!し、しょ、食事が出来上がりました!き、来てください!」
「・・・・・・ああ、今行く」
ハイペリアの食材という、二人にとって未知の領域に加えて、このヘリオンのぎこちなさ具合という、
不安要素のダブルパンチが悠人に襲い掛かる。心なしか、頭上に斜線がかかっている感じだ。
「(不安だ。物凄く。あの時の二の舞にならなきゃいいけど)」
悠人はふと、アセリアの初めての料理のときを思い出す。
あの時は初めてだったからって、うまくその場を片付けることができたけど、
今度は熟練者。少なくともハリオンはそうだろう。だから、もしもの時、そんな慰めは効かないということだ。
さらに増えた数々の不安を抱え、悠人はリビングへと向かうのだった。
悠人がリビングに着くと、先ほどの格好の上にエプロン姿のヘリオンとハリオンが迎えてくれる。
やや恐る恐る、テーブルの上を見ると、そこに乗っていたのは・・・
「(・・・こ、これは!!)」
平たい皿の上に乗っている、ハンバーグのような料理に、野菜を刻んでドレッシングをかけたらしいサラダ。
そこまではよかったのだが、一番よくわからないのが、テーブルの真ん中で鍋に入っている炊きたてごはん。
前半のおいしそうな期待と、後半の正体不明の不安が駆け巡る。
「どうですか〜?腕によりをかけたんですよ〜?」
「この白い食べ物、どう料理するのかわからなくて、大変だったんですから・・・」
ヘリオンのその言葉に反応して、悠人が流し台を見ると、試行錯誤の証であろう調理器具の残骸があった。
なんだかんだいって、水につけて煮る(炊く)という結論に達し、上手く行ったようだが。
「・・・じゃ、じゃあ、食べようぜ。冷めないうちに」
悠人がそういうと、皿の配置通りにおのおのが席に着く。

「いただきます!」
まずは、無難そうなあたりから、ハンバーグのような料理に手をつけることにする。
ぱくっ。
口に入れた瞬間に、肉の味と、胡椒の香ばしさが相まって、何ともいえぬハーモニーを奏でる。
なんとなく美味しんぼしてしまったが、とりあえずいいたいことは・・・
「う、うまいっ!!」
「あらあら〜、そうですか〜?それなら、よかったです〜」
悠人に続いて、ヘリオンもハンバーグを口に入れる。
「ほ、本当においしいです!」
その口ぶりから、料理の味に不安を抱えていたのは悠人だけではなかったらしい。
二口目にサラダを食べる。
これもなかなかいい感じ。しゃきしゃきのレタスに、よく熟れたトマトとの相性がいい。
ドレッシングはハリオン特製なのか、市販のものとは違う感じの味だった。
最後に鍋で炊かれた白米を食べるが、これもなかなかどうして、いい炊け具合だった。
水が多すぎず、少なすぎずで炊かれたごはんが、濃い目の味のハンバーグによくあった。
「いや、本当にどれもうまいって。まるでこっちの料理を知ってるみたいだな」
「ふふふ、だからお任せくださいと言ったでしょう〜?」
ハイペリアの料理に上手くいって鼻高々のハリオン。こんなことができるのも天賦の才なのだろう。
「あの、ユート様、この食べ物はなんていうんですか?」
よっぽど気に入ったのだろうか、ヘリオンはさっきから白米ばかり食べている。
「ああ、それは米っていう食べ物なんだ。おいしいだろ」
「はい!」
「ふふふ、これは、病み付きになりますね〜」
米の美味しさはファンタズマゴリアでも通用するものらしい。悠人は安心していた。
こうして、すべての不安が去ったところで、楽しい楽しい食事の時間が過ぎていくのだった。
その光景は、一家団欒。そういっても、過言ではなかっただろう。

食事を済ませた悠人たちはその後、風呂に入った。・・・当然一人ずつだが。
案の定シャワーなどに苦戦するヘリオンと、すぐに順応してしまうハリオン。
風呂が狭いおかげで、一緒に入ることがなかったのが救いだった。
デパートでいろいろあって疲れたせいか、風呂から上がるなりすぐに眠ってしまう悠人たちなのだった。


──────次の日の朝。午前9:30。
悠人たちは、格好や、神剣をちゃんと持ったかなど、最後のチェックをしていた。
「・・・・・・準備はいいか?」
「はい〜、大丈夫ですよ〜。ちゃんと【大樹】もあります〜」
「【失望】も、ここにあります!忘れ物はありません!」
二人はちゃんとスピリット隊の制服に着替え、神剣もその手に握っている。
悠人自身も、【求め】と、制服の上に白い衣。これ以上持っていくものは何もなかった。
「よし、行くぞ!」
悠人は自分の家にしばしの別れを告げ、ファンタズマゴリアに帰るために、神社へと向かうのだった。
──────午前9:45。
悠人たちは駆け足で神社の石段を駆け上がる。
最後まで上りきると、古風な社の前に、見覚えのある人物が立っていた。
「時深ッ!!」
「悠人さん・・・」
それは、記憶のとおり、紅白の袴と、茶髪のロングヘアーに赤い鉢巻の、巫女の女性。
動けない悠人を介抱し、悠人たちをファンタズマゴリアへと送ったであろう、倉橋 時深。
「時深・・・お前が、俺たちを、佳織を・・・・・・ッ!!」
怒りのあまり、言葉が出てこない。ただ、許せないという感情しかない。
だが、目の前の時深は真面目な視線をこちらに向けて、冷静に言葉をかけてくる。
「・・・否定はしません。ですが、こうするしかなかったのです・・・」
「ふざけるなっ!!戦争の真っ只中に俺たちを放り込んで、それが俺たちのためとか言うつもりかよ!
 本当だったら持ちたくなかった、こんな、神剣とかいう馬鹿げた物持たされて、俺たちは・・・!!」
「悠人さんたちを送り込んだのは・・・ファンタズマゴリアと、この世界を救うためです」
「なんだって・・・!?」
「もし悠人さんたちを送り込まなかったら、すでに消滅していてもおかしくなかったでしょう・・・
 それに、遅かれ早かれ、この世界も戦場と化していました」
「どういうことだよ!言ってる意味が全然わからない!ちゃんと説明しろっ!!」
「ゆ、ユート様っ!落ち着いてください!」
今にも時深に飛び掛りそうな、激昂する悠人を制止するように、後ろから抱き付いてくるヘリオン。
その体温が伝わるにつれ、徐々に落ち着きを取り戻してくる。

「くっ・・・」
「・・・悠人さん、詳しく説明している時間はありません。・・・帰るのでしょう?ファンタズマゴリアへ」
「ああ・・・俺たちはどうすればいい。どうすれば帰れるんだ?」
悠人が質問すると、時深は懐から懐中時計を取り出し、時間を確認する。
「悠人さん、10時丁度にファンタズマゴリアへの『門』が来ます。その時に、【求め】の力を解放してください」
103名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 19:43:13 ID:OKjRJau40
支援する事、支援される事。それが書き手と読み手の全て
「それだけか?」
「・・・はい。『門』が開けば、あとは勝手にファンタズマゴリアへと行きます。
 チャンスは一度だけ。この機会を逃せば、この世界に永住するしかなくなります」
「そうか・・・わかった」
「絶対に成功させてください。悠人さんが、後ろの二人のことを大事に思っているなら、なおさらです」
「・・・・・・? どういうことだ?」
悠人は自分の後ろにいるヘリオンとハリオンを見る。心なしか、顔色が悪い。
「この世界は、ファンタズマゴリアと比べ極めてマナの薄い世界・・・スピリットにとっては、最悪の環境のはずです。
 ヘリオン、ハリオン・・・やせ我慢するのはここまでですよ?悠人さんは誤魔化せても、私には通じません」
「な、なんだって・・・!?まさか・・・」
時深がすべてを言うと、ヘリオンとハリオンはがくり、と膝をつき、苦しそうに息を切らす。
神剣を杖代わりにしてやっと立てるほど、苦しそうだった。
「はぁ・・・はぁ・・・ぅ・・・ゆ、ユート様・・・」
「あらあら〜・・・ばれちゃいましたね〜・・・ずっと、隠していたかったのに・・・」
本当は悠人には知られたくはなかった。知られたら、きっとすごく心配するから。
余計な心配はかけたくなかった。そのせいで、大事なことを見落としてほしくなかったから。

「なんで・・・なんでだよっ!なんで言ってくれなかったんだよ!」
「だって・・・私、わたし・・・!」
ヘリオンは苦しそうに声を出している。事情を説明するのも大変そうだ。
「時深!どうにかならないのかよ!」
「大丈夫です・・・悠人さん。この症状は、ファンタズマゴリアに行けば治ります。それより・・・」
「それより・・・なんだよ」
「悠人さんたちがファンタズマゴリアに行くのを快く思わない者たちがいます。きっと妨害しに来るでしょう」
「そ、それって、まさか・・・」
「はい、今回、悠人さんたちをこの世界に送った者たちです・・・まもなく現れるでしょう」
「おい・・・どうするんだよ!戦えるのは、俺だけじゃないか!」
「悠人さんは、『門』を開くことに集中してください。障害は、私が排除しますから」
悠人は耳を疑った。誰かを自由に別の世界に飛ばせるようなやつを排除するなんて、尋常じゃない。
いや、時深も自分たちをファンタズマゴリアへと飛ばしたのだから、それはできるのかもしれない。
そんなわけのわからないことが頭の中を駆け巡っていると・・・
「・・・・・・奴らが、来ます!!」

時深がそう叫ぶと、目の前が光に包まれる。
徐々に光が弱まり、目を開けられたかと思うと、そこには二人の人影があった。
「ふふふ・・・久しぶりですね。時深さん」
その片方、白い法衣に身を包んだ少女が、まるで本当に久しぶりに会ったかのように時深に話しかける。
「時深・・・こいつらは、一体?」
「悠人さん!」
時深に釘を刺される。『門』を開くことに集中するように、と。

「貴様が悠人、か。いい目をしている。己が志のために、すべてを賭せんとする者の目だ」
法衣の少女に対し、黒衣の大男はの目は、悠人に対して向けられている。
その鋭い眼光からわかる。こいつは、こいつの強さは、底知れないものだと。
悠人はちらり、と腕時計を見る。9:55・・・あと5分。
「(あと5分・・・守ってやる。ヘリオンとハリオンと一緒に、ファンタズマゴリアに帰ってやる!)」
悠人は【求め】を引き抜き、正体のわからない二人に対して構えを取る。いつでも、反応できるように。
「ふふ・・・格好いいですわね。二人の妖精を守るナイト、といったところでしょうか?」
「そうだ・・・それでいい。そうでなくては、な」
キイイイィィィイン!!
その二人が、オーラフォトンに酷似した光を全身から発すると、頭の中に強烈な警鐘が響き渡る。
それは、とんでもない力を持っている者に対して発せられるもの。
光が腕に集中する・・・法衣の少女には杖が、黒衣の大男には、巨大な剣が、姿を現した。
「ひ・・・!あ、あ、ああ・・・」
「〜〜!!」
その力はとてつもない。ヘリオンやハリオンは、まともに動くことすらできない。
その恐怖に震え、目を見開き、がちがちと歯を鳴らしている。
「な・・・・・・!! 永遠、神剣!?」
その圧倒的な力の差に気圧されていると、時深が悠人の前に、じゃり、と音を立てて仁王立ちする。
そして、時深はその二人に匹敵するような光を展開すると、片手には扇、片手には剣が、握られていた。
「悠人さん・・・私に任せてください。あと2分で『門』が、来ます!」
「時深!無茶だ!」
「私は大丈夫です、悠人さん。私は、この程度では屈しません!」
次の瞬間、時深の姿は幾つもの分身を作り出し、正体不明の二人に対して斬りかかっていく。
オーラフォトンの力量がほぼ互角だからか、無数の分身によって二人は押されていく。
「む・・・時深。邪魔を、するな!!」
「私たちの邪魔ばかりして、本当に時深さんは乱暴ですわね」
少女が杖を、大男が巨剣を振るうと、時深の分身の幾つかが真っ二つになり、消え去る。
だが、時深の本体は続々と分身を作り出し、二人に斬りかからせる。隙を、与えようとしなかった。
「(あと・・・10秒!・・・9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・今だッ!!)」
悠人は直感的に『門』の到達を感じきり、【求め】の力を全力で展開する。
「うおおおおおぉぉぉおおああああ!!!」
悠人を中心に全力のオーラフォトンが立ち上る。
あの時と同じ光の柱が、悠人を、ヘリオンを、ハリオンを包み込んで、その体をどこか彼方へと飛ばす。
「ヘリオン!ハリオン!行くぞ、ファンタズマゴリアへ、帰るんだッ!!」
「は・・・はい!」
「か・・・・・・帰りましょう〜!」
やがて、悠人たちとともに、光の柱は消えてなくなった。

「くっ!しまったか!」
「! 一歩遅かった、というわけですわね・・・ですが、狙い通り、坊やは【求め】の力を浪費してくれましたわ」
「・・・!まさか、あなたたちの狙いは・・・」
「ええ。ですが、完全にはうまくはいきませんでしたから・・・時深さんの勝ちかもしれませんわ」
「いいえ、まだ終わってはいません。でしょう?テムオリン・・・」
「ふふふ、さすがですわ。では、私たちはこれで、ごきげんよう・・・」
「また会おう・・・」
テムオリンら二人は光の柱を作り出し、その中へと溶け込んでいく。世界を超える、光の柱の中へ・・・
「私も、悠人さんを追わなくては・・・」
そう言うと、時深もまた光の柱を作り出して、世界を、越えた─────



─────土が、暖かい。柔らかくて、気持ちいい。虫の鳴き声がきれいだった。
空気も暖かい。なんだか、冬とは思えない。まるで、春だ。
108名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 19:51:11 ID:OKjRJau40
神剣の主が命じる、マナよ支援となれ。
ゆさゆさ。
「・・・・・・と・・・ま!・・・ート様!」
闇の中で揺すぶられる意識。幽かに聞こえてくる、よく知っている人の声。
おぼろげな意識を無理矢理に掘り起こし、しっかりと気を持つようにする・・・
重い瞼をこじ開けると、月明かりに照らされた、二人の少女の姿が映し出された。
「ヘリオン・・・ハリオン・・・」
「よかった〜、ユート様、目が覚めました〜」
「は、はい!ユート様!私たち、戻ってきました。帰ってきたんです!!」
ヘリオンのその言葉に、悠人は飛び跳ねるように上体を起こす。
きょろきょろと周りを見渡すと、そこには見慣れた建物があった。
「あれは・・・スピリットの・・・館?」
「そうですよ〜。ほらほらユート様〜、起きてください〜。肩、貸しますから〜」
ファンタズマゴリアに戻ってきたせいか、さっきの弱った様子はどこへやら。
それどころか、今まで以上に活力にあふれているような感じまで伝わってくる。
全力を出したせいで疲労のたまっている悠人は、ハリオンの肩を借りて、起き上がる。
そして、その思うように力の入らない手で、館のドアを開ける・・・・・・

すると、そこには、やっぱりよく知っている顔があった。
「あ・・・・・・エスペリア」
「ユート様・・・!」
この日の夜、第一詰所が、いやラキオス中が、歓喜の声に包まれた────



────こうして、ファンタズマゴリアへと帰ってきた悠人、ヘリオン、ハリオン。
        だが、彼らの本当の戦いは、これから始まる。そう、始まりに過ぎないのだった────
110くじら318号:2005/12/03(土) 19:57:05 ID:DgJ0Kipt0
第2話はここまでです。
支援ありがとうございました。

規制の件ですが、>>83の ベルサイユの○ら の部分で、
最初は ベ○○○○○○ら と書くつもりだったので、
○が並んでいるせいで、巨大AAと勘違いされ、以前から食らっていたAA規制に引っかかったようです。
どうもご迷惑をお掛けしたようで、すいませんでしたorz

では、誤字脱字、ハリオンマジック等、指摘があればお願いします。
111名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 20:16:06 ID:OKjRJau40
おつかれさまでした。
今回も、大変に面白かったですー。
当たり前だけど、やっぱり自分以外の人間て自分が想像しえない世界を描き出しますね。
だから、こういう場所が好きですしそういう場所には度々出没してます。
正直、今まで「書き急いでるのかな?」感がありました。
「緑色の子守唄」「秋は恋色に染まって」に比べて悠人とヘリオン、ハリオンの距離が遠いように感じていました。
ただ、ハリオンが何の疑問も無しに悠人にキスした場面にはまだ首をかしげています。
ハリオンだからこそ、恋愛に対してはガード固いだろうしそういう事に関して軽くはないだろうと思ってましたので。
ヘリオンに関しても、いくら自分の慕う姉であっても淡い気持ちでも怒るか泣いて飛び出すかが自然なように感じています。
もちろんこれは、あくまで私個人の考え方でしかないのですが。

ともあれ今回は、途中で大変な迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
次回を、楽しみに待っています。
112名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 20:30:16 ID:U+lhVOm80
>>110 くじらさん
お疲れ様です
いや、ハリオンお姉さんが大胆です
ヘリオンがこつこつと好感度稼いでるかな…って見てると
要所で何気なくしっかりといいところを頂いていくハリオン
接近する悠人とヘリオンを見守っているお姉さんと思いきや
実は彼女自身もさりげなくアプローチしているのか?
と穿ってしまう事もw
方向は違えど二人の一途さが感じられます
113名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 20:51:13 ID:akr2l0C/0
>>110 くじら318号さん
お疲れさまでした。劇にはそう来たかっと思わされました。
お近づきになる舞台としての定番コースを前回、そして今回も
ハリオンヘリオンが生き生きと動いているのを読ませていただきました。
それでも、思う存分ハイペリアを満喫しているように振舞っていたその裏で、
やっぱり色々苦労してたんですねぇ二人とも、そして悠人も。
写真の行方が気になりつつ次回を楽しみに待ってます。
114くじら318号:2005/12/03(土) 20:59:26 ID:DgJ0Kipt0
>>111さん
えっと、幾つか説明させていただきますと、
その二つの短編に比べて悠人とヘリオン、ハリオンの距離が遠いように感じるのは、
悠人が二人に対して決定的に恋愛感情を持つようなイベントが起こっていない(書いていない)せいなんです。
その二つの短編はちゃんとそういったイベントになっているので、ちゃんと恋愛感情を持っています。
こういった構成の長編を書く以上、そういったイベントはどうしても終盤になるんです。
ですから、今まででそう思われても仕方ないと思っています。
ハリオンのキス(第1話ですか?)に関しては、これは、実は恋愛表現のキスではないんです。
上に書いたのと同様に、ハリオンも、悠人に対して恋愛感情を持つようなイベントを起こしていません。
ですから、この話の上では、ハリオンはまだ悠人のことを友達か弟、ぐらいにしか思っていないんです。
それに、下手に恋愛感情を持たせると後々問題が起こるかもなので、あまりはっきりとしたイベントは起こせません。
今日子や光陰を生存させて、本編のあのイベントを書かなかったのもその一環なのです。
よって、あのキスは、悠人を起こす時効果的するためにやったことなので、おふざけキス、というのが正しいのです。

書き急いでいるつもりはないんですけど・・・ワタクシ、書くときはガーッと書いて、後から微調整をするタイプなので、
文章構成上、そう思われてしまうかもしれません。

>>112
ハリオンが大胆・・・まあ、ワタクシはハリオンはああいうキャラだと思ってますので(何
人目を憚らず、あくまでもマイペースを貫き通すお姉さん、が、ワタクシのハリオンなのですので。

>>113
実は、この劇はパロディ(むしろパクリ?)なんです。
結構元ネタは有名なんですが、もしそれに気づかれても、楽しんで頂けたならよかったです。


上述しましたが、楽しめていただけたなら幸いでした。第3話をお楽しみに〜
115名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 21:37:08 ID:SkDLJA/F0
>>110
やけに偉そうなヒゲ男に胡散臭さ大爆発。デパートで劇やって有名人て。
なのに泣き出した途端、イイヤツに思えてくるからあら不思議。
終わってみれば、アトラクション。騙されたけどいい気分。再登場……はないだろうけどガンガレw
全然違う話なのに、なんだか寸劇@第二詰所を思い出してしまいました。ハリナ姫、ハマリ役。
ヘリュア、名前からしょぼいけど、あまりにあまりな投げられ方がヘリオンっぽいw

>>92ワロタ
壮大な支援、乙(違
ロリウルカのちっちゃいって事は便利(ry
というかこの舞台、間とかどうなってるんでしょうね。とか突っ込みつつ笑ってた訳ですがw

現れたエターナル。裏方コアラさま。そして従者タキオス。なるほど、『求め』の消費とは本編(アセリア)通りの展開。
あんまり暴れると現代世界じゃ息切れもします。ファンタズマゴリアへ鬼ごっこ。時深さん鬼で。

ちりばめられた光の奔流。人の創り出した、闇の無い世界。
ファンタズマゴリアでは有り得ない、決して得る事の出来ない大切な想い出。
持ち帰ったヘリオンに、他のスピリットには無いなにがしかが生まれ、動き出す。そんな心の揺れなんかを期待したりして。

ハリオンのキス……余り疑問持ちませんでしたね。却ってそれ以降、気づくと彼女の行動を追いかけていたりはしますが。
どうしてもこの組み合わせだと一歩引いた位置付けのような気がしますが、だがそれがいい。

というか恋愛イベント、あるんですか? そういうの抜きなお話かと思ってた……え? ユートくん、二股?

写真……伏線?(ボソ
116名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 21:38:28 ID:SkDLJA/F0
支援突っ込み……変な所に入った……orz
117名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 23:50:52 ID:7coOc8yX0
正直、桂馬飛びでナイトがエスコートな斜め上展開ですw

団長……w どうせならどっきりカメラの方がw あと温水プールとかあるとおじさんは嬉し(空間断絶)
劇の元ネタ……めぞんの人形劇を思い出したけど、こんな話しではなかったわね。甲斐性無しの貧乏人。

テムテムの謀略が効率悪すぎって気もするけど、たしかに悠人からすると時深って張本人に思ってもおかしくないですね。
しかもなんか時深が送り込んだ事になってるし。カナリ根本から設定が違うのかな?

郵便受けに挟まっていた封筒。開けてみるとあらびっくり、
「あら〜なんでこの人達ハダカで出てるんですか〜?」
「☆*!_&? な、なんですかこれ、ハイペリアの人ってみんなこんなナイスバディッッ??」
「あ〜なんでもないなんでもない」 グシャグシャポイ
118おにぎりの中身の人:2005/12/04(日) 00:12:54 ID:6Ayope5u0
悠人が窓越しに天を仰ぐと、スピリット隊のメンバーたちの顔が浮かび上がる。
無事でいてくれているだろうか、ただ、無事を祈るしかできなかった。

92 名前: 名無しさん@初回限定 [sageどりるあーむ] 投稿日: 2005/12/03(土) 19:28:17 ID:OKjRJau40
ロリ今日子…


俺はここを読んだ瞬間
「何思い浮かべてんだソゥ・ユートオオオオオオオオオオオオ!!!!」
って心の中で叫びました。
気づいたあと爆笑してました。
シリアスなシーンなのに(つД`)

とにかくお疲れ様でした。
いやー、本編の展開から考えるとここからが本当の山場ですね
がんばってくださいな!

感想としては
>>「ヘリオン、この窓を見てみろよ」
>>悠人はヘリオンの肩に腕を回し
ヘタレの行動じゃねぇ!ホスト並の行動だぜソゥ・ユート!
119名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 02:54:04 ID:5C01SWN50
ラキオスクラブNo.1を目指し、日々精進のソゥ・ユート。
今日も母性本能をくすぐる頼りなさと有り余るお兄ちゃん属性を武器に、スピリット達を篭絡する。

悠「俺は戦わなきゃいけないんだ……佳織のために」
エ「ユートさま……」

悠「アセリア達にも、戦い以外に生きる意味を探して欲しいと思う」
ア「ユート……」

悠「オルファには、戦って欲しくない」
オ「パパ……」

悠「ニムには、戦って欲しくない」
ニ「ニムっていうな」

ネオンと喧騒と『求め』が相棒。
120名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 03:18:57 ID:21085KpJ0
悠「戦いなんて無い世界を作らなければならないんだ。君には妹が居るんだろう? 実は俺にも人質になってる妹が居るんだ……」
フ「――――ジーン  あ、あの私、ニ、ニムントールの為、そ、そしてユートさまとカオリさまの為にも!」


超絶の舌技を誇るクラブ・エターナルのナンバー2メダリオは両刀遣い。
しかし、アパートに帰ると「今日の稼ぎはどうなんだい? ……ああんこれっぽっちだ? このロクデナシ!」ガシャーン

121名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 06:39:15 ID:0DK7gMvI0
>>118おにぎりの中身の人さん

>>悠人が窓越しに天を仰ぐと、スピリット隊のメンバーたちの顔が浮かび上がる。
>>無事でいてくれているだろうか、ただ、無事を祈るしかできなかった。
>>92 名前: 名無しさん@初回限定 [sageどりるあーむ] 投稿日: 2005/12/03(土) 19:28:17 ID:OKjRJau40
>>ロリ今日子…

>>俺はここを読んだ瞬間
>>「何思い浮かべてんだソゥ・ユートオオオオオオオオオオオオ!!!!」
>>って心の中で叫びました。
>>気づいたあと爆笑してました。
>>シリアスなシーンなのに(つД`)

すまん…マジで、いや本当にごめんなさい…。
悪気があったわけでもわざとでもないんで、もう本当にすまんです(土下座
122名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 09:32:03 ID:Cb+vk+1v0
>>120
ミト姐、そこはヤドロクもしくはゴクツブシだっ!
裸電球一つで冬の寒さを温めあう。「ほらいつまでもイジけてんじゃないよ、さっさと用意しな」カラン
差し出す洗面器&お風呂セット。二人でいった、横丁の風呂屋。「ああ、ミト姐の手は冷たいですねぇ」
「フザケンナ!……アンタが待たせたんじゃないさ」ちょっと照れたミト姐。わ〜か〜か〜あった〜あの〜頃〜

…………やばい、ツンデレになってしまった。
123名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 09:39:37 ID:UluwOTea0
クラブ・エターナルNo.1、ントゥシトゥラ。
語る言葉は持たずとも、理知にあふれた目で相手の全てを見通す。
一たびその情熱の瞳に包みこまれればその身を焦がさぬものは無し。

>>122
メダ兄さん「ミト姐」なんて呼ぶんじゃないよっ!w
やばい、ミト姐さんやばい。目隠しと頬の境目から紅く染まってるのがやばい。
124おにぎりの中身の人:2005/12/04(日) 11:05:53 ID:6Ayope5u0
>>121
いえいえ、極上の笑いをありがとうございます。
こういうものは狙っては出来なくて偶然の産物。
すばらしいものですよ

ソゥ・ユートはホストの才能がすばらしくあふれてますな。
年上にも年下にも、同年代にもモテモテ。
125名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 13:03:57 ID:21085KpJ0
で、いつもの如くちょっとした疑問なんだが。

永遠戦争終結後、彼女たちスピリットはそれぞれの道を歩んでいくわけだが、軍に残った者も結構居るようである。
ウルカのED絵(茶色の線画の奴ね)を見る限り結構戦いが続いたようだし、演劇のパンフでもネリシアやナナルゥが
剣を取り続けていた事が分かる。

そこで問題なんだが、”敵”ってなんだ?
ガロ・リキュアの統一によるマナ・エーテル機関の放棄に反対する人たちが主なのだろうけど、その戦力って何?
自我を失ったスピリットを利用し続けていたって事なのだろうか。人間風情では剣の一薙ぎだろうし。
それとも、ロウの陰謀で制約は解き放たれたはずだから、スピリット達による反乱?

そこんとこ識者の皆さまはどう思いますか?
126名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 13:32:49 ID:Ve4F/0H10
神剣も大幅弱体化してるし、人間より少し強い程度じゃない?
雑魚スピが持ってる下位神剣なら尚更。

暴動者を皆殺しにするならともかく、鎮圧するならそれなりの規模の軍が必要かと。
スピたんみてるとモンスターのようなのも居るみたいだし。

まぁ自衛隊みたいなものかなっと。

127名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 13:34:17 ID:cGGlq3rG0
突如魔物が湧き出てきました!って感じとかね
でもまぁなぜか人間らしいロティだっけ?すぴたんの主人公
あれがスピたちと一緒に戦ってるんだから
人間とたいして変わらない能力になっちゃったんじゃないの
そこまでマナが希薄なところで生きていられるのか知らないけど。
ところでスピリットって今居る奴らが全員死んだら
次の世代が出てくることはもう無いんだよな?
128名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 13:57:22 ID:g4oOd+bn0
永遠神剣自体の能力は落ちたが、それでも人間では太刀打ちできないレベルは維持。
「再生」が消滅する瞬間に生殖能力をスピリットたちに付与したので人間との混血は生まれる。また混血児でも神剣魔法を使える者はいる。
ただし純粋な意味でのスピリットは誕生しない。
設定資料によると、こんな感じだったはず。
129名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 13:57:54 ID:0DK7gMvI0
敵の戦力は、「機械」じゃないかなと思う。
エーテル技術が封じられたとは言え、それを用いない機械技術は存在しているはず。
帝国あたりにヨーティアやクェド・ギンが悪魔の所業だ、とか言って忌み嫌う類が普通にありそう。
スピリットが存在していたとは言え、あそこまでの技術力を有していながら。
現代にある爆薬から細菌兵器、果ては核兵器のような兵器が全く出現しなかったのは考えにくい。
イースペリアのマナ消失を見る限り、その原理を応用したエーテル兵器くらいはありそうなんだよね。
事実、マロリガンは「マナ障壁」を実用化している。
いかにエーテル技術の根本がブラックボックスとは言え、ここまでの物を目の当たりにすると…ね。
更に言えば、少なくとも中世欧州レベルの服装が一般化してるのだから「工業化」が進んでないとは思えない。
もっとも、これはあくまで私自身の狭い視野での考え方でしかない。
で、ここからが「あり得ない本題」なんだが。
ソーマのようにスピリット引いては神剣を振るう存在を憎む「技術者」も他にいたはず。
それまでのスピリット戦力至上主義故にはじかれていた彼らが、ガロ・リキュア時代から表舞台へ。
そして、そんな彼らが自分たちの時代だと思い上がって「機械兵器」を嬉々として産み出しまくる。
…とまあ、そんなところ。あくまで、視野の狭い見方の一つでしかないけどね。
130名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 14:22:58 ID:2upHFWZJ0
>>125
スピリットは人の意思から解き放たれたとしても
いや、だからこそかつてのエーテル技術を擁護するスピリットが出てきたのかも
で、同じ思想を持つ人間と競合して一派閥としてガロ・リキュアに対抗したとも考えられます
数の不利は地下に潜伏して各地でゲリラ戦でも展開すればある程度補えますしね
他にもエーテル技術に替わる何らかのエネルギー革命があって
でもそれも何らかの欠陥が露呈、エーテル技術時の悲劇を繰り返す…っていう未来も考えられますね
かつてこの大地に存在していたが、マナの減少によって滅んだと思われた存在とか
もしくは「抗マナ」から生まれた新たな存在が新体制を脅かしたり……これくらいかな
私の思いつく可能性ではこれくらいが限界
131名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 14:27:26 ID:t+e66XCx0
エターナルの「無意識の操作」のせいで、かなり何でもありになってるからなぁ。
132名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 14:46:03 ID:nwlWRinS0
ちなみに資料集によると、スピリットの混血で永遠神剣使える世代による犯罪が多発したようなので、
ロウエタみたいな外敵による侵攻は無いだろうけど、内乱みたいなのはわりとあったんじゃないかなと。
例えば犯罪者でなくても、テロリストに金で雇われたりする神剣使いとかも居るだろうし、
モンスターや機械でなくても敵の存在考えればいくらでもいるんじゃないかと。
133名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 14:57:49 ID:nwlWRinS0
あと親から子への神剣の受け渡しとかできるらしいんで、
ニートみたいなのが、神剣を大金で売り払ったりて自由気ままな生活とかもあるのかも。
それからテロじゃなくても、神剣による、アメリカの銃犯罪みたいなのも。

なんかガロリキュアが現代社会化していく過程が想像できてきた…。
134名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 15:44:52 ID:2upHFWZJ0
>>133
親に認められない限り、神剣は継承されないはずなんで
たぶんそういった奴には渡らずに他の兄弟の誰かに継承されるのでは?
そんなのレア中のレアケースのはず…と信じたい
生活に困窮して神剣を売り払うとかなら解るが…
神剣使いによるテロ行為は否定できないな
いかん、輝かしいはずの未来がいきなり厭世的だ……orz
135名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 16:52:58 ID:cGGlq3rG0
ここでよくあるハーフ差別ですよ
基本的に有能で保守的という感じのスピがエルフ的な感じ
人間はどこでもあるような人間
どちらからも差別されるハーフ
そんなハーフを利用して戦力にする奴ら
136名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 17:00:34 ID:2upHFWZJ0
>>135
それは多分ないと思われ>ハーフ差別
スピリットには男性はいないし人と比べて長寿でも不老でもないはず
だとすれば人に溶け込んでいかなければいずれ(百年くらいで)滅びてしまうだろう事が確定している
まあ、それを良しとしないほんの一部のスピリットが存在する可能性は捨てきれないが
それは全体から見てもほぼ間違いなく少数派…だと思う
137名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 17:09:04 ID:nh03JJI/0
まあ美人で有能な存在が多い時点で、問題はほとんどなくなる訳だが
道具として扱う必要が無くなった後は、あこがれの存在として扱われる
なら大きな問題は起こらない
楽観的過ぎるかもしれんが、人間はよくもわるくも現金な存在だからな
138おにぎりの中身の人:2005/12/04(日) 19:29:31 ID:6Ayope5u0
うーむ、俺は既存生物の凶暴化ではないかと思っている。
あの世界は植物や動物はマナの影響を受けて生きてたと考え
マナがあったから今までハイペリアとほとんど遜色ない生態系を築いていた。
しかし、マナが希薄になったことにより動植物が変体・凶暴化でもしたのではないかと勝手に考えている。
(そのほうがゲームにもしやすいだろうし)

エヒグゥ→一角うさぎ みたいな感じで。
139名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 21:12:45 ID:7SOTChMa0
戦争終結直後は要人警護のほかには戦災復興が主な仕事だったみたいですしね、PS2版では。
ミニオンに破壊された地域の再興や、治安維持だけでも違う意味では結構な戦いかもしれません。
ミニオンが相手では人間の兵士たちこそなす術もなく亡くなっていそうだし、
だからこそ、熟練のスピによる新兵教育が必要な状況なのか、とか。

自我を失ったまま暴れる野良スピリットの保護あるいは撃退とかなら
スピリットの力でしか解決不可能でしょうか。
140名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 21:56:38 ID:p8+WvXzX0
スマソ、前スレ埋め失敗。流れ遮るようにこちらに投稿します……(汗
141孤独の理由:2005/12/04(日) 21:57:06 ID:p8+WvXzX0

それはそうと、敵が去った後、俺は夢中でその中心にいた少女へと駆け寄っていた。
「シアー、おい、大丈夫か?!」
例によってぺたりとあひる座りで座り込んだまま、ぴくりとも動かない背中。ゆらゆらと揺れている短い髪。
このまま倒れてしまうんじゃないかと不安になった。意識が混濁していたのが、どれ位だったのかは判らない。
しかしその間、確実にシアーは一人で敵の中心に居たのだ。何の支援も無く、たった一人で。ただ、俺に言われた通りに。

叫ぶような呼び声に、小さな身体がぴく、と反応する。ゆっくりと振り向くシアーに、俺は心底ほっとしていた。
「はぁぁ〜……良かった……」
膝を付き、改めてどこかまだぼーっとしている少女を見直す。『孤独』がまだ薄くマナを帯びていた。
グレーの戦闘服は所々破れ、擦り傷があちこちに出来ている。見上げた顔も髪も泥だらけだった。それでもシアーは、
「へへ〜ユートさまぁ、やったよ〜、見てくれてたぁ〜?」
にぱっ、とまるでネリーのように明るく微笑んでVサインをした。まるで、全てを信頼しきっているかのように。
「〜〜〜〜ごめん」
「ふぇ? ユ、ユートさまぁ?」
突然頭を下げた俺に、案の定何も判っていない戸惑うような声。
「ねぇ、どうして謝るのぉ?」
ぽんぽん、と頭を撫でられる。俺は搾り出すように言っていた。
「ああ……シアー、良くやったな……」
それが、今最も彼女が言って欲しい一言だと信じて。褒めるどころか、慰められてしまった自分に言う資格などは無いのに。
苦い顔をしていると、不思議そうに覗き込んでいたシアーが少しだけ抑えたような声で、囁くように告げていた。
「うん、ユートさまを守らなきゃって思ったら、なんでか力、出たんだぁ〜」
「…………っ!」
「わ、わ、……ど、ど〜したのぉ〜?」
照れたように、はにかむシアー。俺は思わず抱き締めていた。わたわたと慌てるその小さな身体を。
142孤独の理由:2005/12/04(日) 22:00:15 ID:p8+WvXzX0

大量のマナを馴れない戦いで消費したせいか、その後すぐにシアーは寝てしまった。
その身体を両手で抱え、戦場を後にする。光陰や今日子に散々冷やかされたが、全然構わなかった。

『契約者よ、得意の保護欲か?』

どこかで一度聞いた事のあるような『求め』の台詞。
それに対して答えた口調は自分でも驚く位穏かで、そしてはっきりしたものだった。
「いや、これは……そんなんじゃ、無い」
腕の中にすっぽりと収まり、既にすやすやと寝息を立てているシアーからどうしても目を離せずに。
143信頼の人:2005/12/04(日) 22:01:53 ID:p8+WvXzX0
はふぅ、ぐだぐだ(汗
流れ切ってすみませぬ。こっそり埋めようと思ってたのにorz
支援、有難うございました。誤字脱字ハリオンマジック等御指摘があれば幸いです……

以降、何事もなかったようにドゾー(爆死
144名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 23:18:37 ID:MRfMh17FO
では、流れを戻して…

俺個人の考えとしては、反対勢力かな〜と
戦争が終結したとしても、いきなり世界中の人が賛同する訳がないですから

終結後もスピリット=道具と言った考えを持ち続ける人が駒として使ったりしてたのではないかと
弱体化したとは言え、従順で訓練もされていて人間よりも強い訳ですし


なんか、一本書けそうだ…
145おにぎりの中身の人:2005/12/04(日) 23:26:52 ID:6Ayope5u0
お疲れ様です。
シアー無垢というか・・・あまりにも無知のような気もしますが・・・
きっと将来的にソゥ・ユートがこの何も知らぬ少女にあれやこれや教えていくんですね・・・
おkユート、その役俺と代われ
146おにぎりの中身の人:2005/12/04(日) 23:37:50 ID:6Ayope5u0
求め 「なぁ」
ユート「うん」
求め 「・・・・・・」
ユート「・・・・・・」
求め 「ぶっちゃけ暇じゃね?」
ユート「・・・・・・」
求め 「・・・・・・」
求め 「寝んなよ」
ユート「寝てねーよ」
ユート「・・・・・・」
求め 「おい」
ユート「うん」
求め 「なんかコウインの野郎出すぎじゃね?」
ユート「気のせいじゃね」
求め 「気のせいか」
ユート「・・・・・・」
求め 「トキミのおbsn、右寄りすぎじゃね?」
ユート「・・・・・・」
求め 「・・・・・・」
ユート「・・・・・・」
求め 「やっべ、キョウコのアネキ特攻しちゃったよ」
ユート「すげー」
求め 「・・・・・・」
ユート「・・・・・・」
求め 「おい」
ユート「うん」
求め 「なんか来た」
ユート「まじで」
求め 「ソーンリームからものすごい勢いでなんか来た」
ユート「あ、トキ・・・」
求め 「――――」
ユート「もうタイムシフトかもわからんね」
147おにぎりの中身の人:2005/12/05(月) 00:06:40 ID:6Ayope5u0
何かかっとなってやった。特に反省はしていない。
いい加減SSを書こうと思うが手が動かない。(つД`)

元ネタ
ガ板 【なぁ】桂馬と香車のガイドライン【うん】
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1133015004/l50

148125:2005/12/05(月) 00:47:34 ID:9I8TlpHw0
火 青
火 青
火 青

お間抜け赤スピ三人衆なだけに、ホットな女シアーも何となく仲間意識を持たれて手を抜いてもらえたのかもw
だけどスキル上書きさせたのは誰w 
☆は火偏に青(ナゾ


“敵”
意外に大きな反響に驚いてます。日曜午後って人(発言)少ないのが普通なんだけどな。

個人的邪推としては、メーカーは何も考えていない。なんですが(汗)
レスティーナを暗殺しようとたくらむ勢力は隠然と存在するようだけど、ヘリオンとその他数人付いてれば事足りるだろうし、
ナナルゥやウルカなんかが部隊指揮を執る必要が有るほどの敵って、この時点では想像しにくい。ってのが正直な私の考え。

でもこのガロ・リキュア軍って主体は人間なんでしょうね。軍に残ったスピってカナリ少ないのかも。
そう考えると、敵に対応する為、軍が動くのもありか。
ただ、戦争が終わっても戦い続けてるネリシア辺りが不憫でね。学校行かせてもらってないのかなぁ。

いろいろご意見ありがとうございました。機械ってのが斬新です。あとはネタがどこかで芽吹くのを待つばかり……。


スピたん決行中の女王護衛は誰がするのだろうなぁ。
149名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 00:54:55 ID:tQi7JXb+0
>>148
やっぱ今日子じゃねぇの?
オツムの弱い所は天才様かイオでカバーw
150名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 03:22:35 ID:dYTs9omSO
むしろ、イオ一人の方が護衛に向いてると思う。
もともとヨーティアの護衛してたし、一対多の戦いにもなれてる。
今日子は守るよりどー考えてもとっこーオンリーだし。
151名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 07:18:49 ID:zKnSTJjd0
>>146
ワロタ。ネタもだけど、あれでスレ立っちゃったのねw
以前ワラ○日記で読んでいつか誰かやるだろうと思ってたけど求めと悠人できましたかww
求め、そこはアネゴだっ!w


>>145さん
なんだか必要以上にぽやぽやになってしまいました(汗
ちょっと前のロリ化ネタは影響ない筈なんですけどねぇ……w

>>148さん
ノシ ファーストプレイの自分の苦悩が如実に表れてます>スキル上書き

>女王護衛
ぱっと登場人物見たところ、今日子とイオしか残ってないような>スピリット
……いや、そこでセリア(髪切ってない前作出演の姉の方)出陣かw
152名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 08:36:28 ID:loEzRtkj0
ここでセリアが髪を切ったのは失恋のせいと言ってみるテスト。
今日子にハイペリアの文化として教えられたとか。

「ハイペリアではなぜ失恋すると髪を切るのですか?」
「うーん、次の男は必ずゲットするぞ!っていう覚悟の為の儀式?」
「・・・今日子。それはなんか違うんじゃないか?」
153名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 10:23:32 ID:vctWce8g0
>>143信頼の人さん

お疲れ様です。
ひさびさの信頼さんの短編で、シンプルに嬉しい気持ちです。
それにしても、やっぱりと思った事が一つ。
私の描くシアーとネリーよりも、信頼さんの描くネリーとシアーのほうが、「子供らしくて幸せそう」だなあと。
私も、できることなら「小難しい子供」に描かなくてすむならそうしたいけど出来ないんですよね。
かといってヘリオンは私には眩しいし、オルファはもっと暗くなりそうだし、ニムは面白いけど私にはいい子すぎるし。
信頼さんの描く年少組の姿って、なんか安心させてくれるんですよね。

信頼さんは私の作品に対する感想レスのようなもの、と言いましたけれども。
それなら私も、これ以上は自分の作品で返礼するとしましょうか。

では、また。

追伸
しっかし、保管庫の短編だとエスペリアをも凌いでネリーのエロネタが圧倒的に多いわけだけど。
…ネリーって、そんなえっちぃ子供なのかなぁ^^;
154名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 15:35:47 ID:ihAIub3QO
>護衛
名も無きスピリットが神剣探索レーダーとなって敵スピの侵入を地道に拒んでいそう…


隊員1「隊長、城下町で巡回中のスピリットの反応が消えました」
隊長「マニュアル通り近くで巡回中のスピリットに確認に行かせなさい」

隊員2「隊長〜城壁外部からお客様が来場です〜」
隊長「城の見張りに信号弾で来場を知らせて、制圧部隊に連絡しろ!神剣魔法で規模を知らせるのを忘れるな!」


またしても一本書けそうなネタだ…

休暇が取れたらとにかく書く!…言い切ってしまわないと疲れに圧されて書く気が起きないのも問題だよなぁ〜
稚拙になるかもしれないが、とにかく書き上げてうpうp〜♪俺に足りないのは時間と経験とその他いろいろだ〜


ザ○スの中の人が最近見てるのではないかと思ってしまう俺…なんとなくだけど(汗
155おにぎりの中身の人:2005/12/05(月) 16:59:41 ID:UrEsdQoe0
何の気もなく第2詰め所へ入ると、伝言板いっぱい位な大きな字で、【ユート様もロリコン】と書いてある。
俺の顔を見てみんなニヤニヤ笑っている。俺は馬鹿々々しいから、「オルファルートがおかしいか」と聞いた。
するとスピリットの一人が、「然し幼女はやばいでしょ」と言った。身長128センチだろうが体重28キロだろうが、
俺の好みで、俺が好きになったのに文句があるもんかと、さっさと用事を済まして第1詰め所に帰ってきた。
しばらく経ってまた第2詰め所に入ると【一つユート様は激ロリコン。但し笑う可からず】と伝言板に書いてある。
さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障った。スピの半分はロリキャラじゃないか。
ヨフアルの黒焦(反対語は、ヨフアルは狐色)のようなもので、誰も誉め手はない。
スピリットは相手がユートだから、どこ迄押していっても構わないという了見だろう。
5分も歩くと見物するものもないような狭い詰め所に住んで、外に何も芸がないから、オルファルートを
ネリーがニムのおやつをつまみ食い事件の時のように触れちらかすんだろう。憐れな奴らだ。
子供の時から、戦闘訓練ばっかりやってるから、いやにひねっこびた、ヨーティアの様なロリっ子ができるんだ。
無邪気なら一所に笑ってもいいが、こりゃなんだ。子供の癖に乙に毒気を持ってる。(特にニム)
「こんないたづらが面白いか、卑怯な冗談だ。君らは卑怯という意味を知ってるか」と言ったら、
「ロリコンはコウインで十分!」と答えた奴がある。
どう見てもネリーだ。
わざわざハイペリアから、こんな奴らと戦いにきたのかと思ったら情けなくなった。

元ネタ
夏目漱石のガイドライン2 天麩羅先生
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1120654230/l50
156名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 17:03:11 ID:FK8ICzjJ0
今知ったんだがスピたんの主人公ユートじゃないのなorz
157名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 20:56:53 ID:GZF1ypQx0
セリアツインテールにしてみる

他のスピリットに狙いすぎ言われる

怒って髪を切る

シアーにかぶってると言われる

orz
158名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 20:57:45 ID:aTAkEUoX0
>>156
イ`

サンプルCGで、ヘリオンのHシーンらしきものがあって
サムネイルを見て激しく後悔したのは俺だけでいい…
何故悠人が主人公じゃないんだorz
159道行書き:2005/12/05(月) 21:15:19 ID:FXvP7XGg0
>>143 信頼の人さん
お疲れさまでした。
一人きりでも頑張れてしまうのは大切な者のため。
にわか訓練士、あるいは引率の先生と化していた悠人は、
その可愛らしい生徒に教えられるのでした……

前スレに一つ。「膳は急げ」→「善は急げ」
いえ、食べるのが遅いっぽいシアーにはぴったりかと思って噴き出してしまいました。

>>おにぎりの中身の人さん
命知らずな求めと、「スピの半分はロリキャラじゃないか」がツボにはまりましたw


それでは、短編を一つよろしければどうぞ。
160くっきんぐふぁいたぁ1/13:2005/12/05(月) 21:17:01 ID:FXvP7XGg0
「よし、二人ともしっかり手を洗って、爪も切ってるな?」
「……ん」
「……準備完了しました。指示をお願いします」
台所に立つ俺の目の前には、いつもの服にエプロンをつけた
ラキオススピリット隊中一、二を争う無口コンビアセリアとナナルゥが居る。
しっかりとその手に握り締めているのは、彼女たちスピリットの証永遠神剣ではなく、
普段からよく手入れされている包丁だった。
そもそもの始まりは先日の、『料理ができるやつが一人もいないんじゃないか』事件だ。
あの時は突如舞い降りた意外な救世主によって難を逃れたが、だからと言って、
飯が作れるかどうかで哨戒の人選の幅が狭まってしまうままではよろしくない。
……というのは、エスペリアやセリアの言だ。
いや、今までも一応やって来れたんだしという俺の言葉は、
救世主降臨跡地に残された見た目にこだわらない料理の残骸、
すなわち何だかどろどろとした液体にまみれたいい匂いのする流しや、
何故かなかなか元に戻ってくれない変色した鍋や、
こんがりと煤にまみれたコンロ周りを見つめる料理長たちの前では無力だった。
ちなみに、それ以来今日子が料理をすることは基本的に禁止されてしまっている。
ともかくこうして時間の空きを利用しての特訓が始まったわけなのだが。
161くっきんぐふぁいたぁ2/13:2005/12/05(月) 21:18:45 ID:FXvP7XGg0
「今回は料理を作る際の基本となる包丁捌きから始める」
まな板と、数種類の野菜を取り出してテーブルの上に並べる。
用意するものはこれで終わりと手を叩く俺に、今までの料理経験を振り返ったように目を閉じ、
「ユート、鍋はどうした。水は、塩は、ハーブは?」
小首を傾げてアセリアはきょとんとした目を向けてきた。
俺の脳内にも、アセリアの料理による経験が蘇ってくる。
だからこそ、このメニューなんだ、ごめんアセリア。
「味付けのいる料理はまた今度な。ほら、今回はナナルゥが本当に料理初体験だろ?
アセリアのときはエスペリアもオルファも先生役についてたから、
ハトゥラを最初の献立にできたけど、俺だとこういうのが教えられる限界かなぁと」
「ご配慮ありがとうございます。至らない点があればご指導をお願いします」
う……身の安全を買うダシにしてしまったといって差し支えないナナルゥから、
こうもあっさりと感謝されると何だかじくじくと罪悪感が湧いてくる。
けれども、こんな精神的な胃の痛みなんか、あの物理的な破壊力に比べればまだまだ軽いんだ。
と、思い出し腹痛に気をとられている場合じゃない。
見れば、ナナルゥの言葉を受けてアセリアの視線が彼女に向けなおされる。
二、三度ぱちぱちと瞬きを繰り返した後、微妙に胸を反らして頷いた。
「わかった。ナナルゥ、初めてでも心配はいらない。ユートなら必ず食べてくれる。
……と、わたしの時もエスペリアは言ってた」
今のはもしかして、料理をしたことがある先輩としての言葉だったりするんだろうか。
思わず漏れかけた笑いを噛み殺して、ナナルゥの発言に答える。
「ああ。刃物を扱うわけだから危ない事をしかけたらすぐに注意するからな。気をつけるように」
言われたナナルゥも、すぅっと目をアセリアや俺に移動させて微かに頭を下げた。
162くっきんぐふぁいたぁ3/13:2005/12/05(月) 21:22:19 ID:FXvP7XGg0
もちろん、用意された材料で作れるものはほぼ一品。
切って千切って並べて盛ってで出来上がる野菜サラダだ。
ドレッシングも適当に油と酢、塩コショウだけで済ませてしまうため、
二人が関わる作業は本当に包丁を扱う工程だけにしておくのだ。
「さ、まずは野菜を洗っちまおう、それから言うとおりに野菜を切っていってくれ」
それぞれ頷き、包丁をおいて野菜を手に取る。俺もごろりとテーブルに置かれた……
んーと、これは。ええい大根だ大根、味も見た目も大根なんだから面倒だしこれでいい。
じゃぶじゃぶと表面についた汚れを落としていたアセリアが、
洗い終えた野菜をざるにあけてから袖口をくい、と引く。
「でもユート。本当に切るだけでいいのか? それは料理といえるのか?」
アセリアが浮かべているのは純粋な疑問だ。
その表情に心の裡で手を合わせながら、俺はこう返した。
「もちろんだ、野菜の切り方にも色々あるし、丸のまま出したんじゃ料理したとも言えないからな」
でもまあ、一応日本が誇る刺身については立派な料理だ。
捌いて切るだけで味が変わるという話も聞いた事がある。
「切り方といえば。確かに料理によって変化が見られます」
「あ、そうだ。ラナハナでも生で食べるのとハトゥラでは形が違う」
そうそう。だから切り方講座でも十分勉強になりうるんだ。それに加えて。
「ハイペリアでも、それも俺のいた国じゃ、
野菜の切り方にも名前がついてるくらい色々あるからな。
俺が知ってる切り方を言うから、言ったとおりに切るってのも難しいかもしれないぞ」
「……!」
思ったとおり、ハイペリアと聞いてアセリアの目の色が変わった。
しっかと包丁を握り締めてまな板の前にじっと立つ。
163くっきんぐふぁいたぁ4/13:2005/12/05(月) 21:24:46 ID:FXvP7XGg0
「うん、力が入りすぎるのもよくないけど、アセリアくらいしっかり握っておくと
切るときに包丁がぶれたりしない。あと、まな板と身体はちょっとだけ離したほうがいいな」
「了解しました」
見よう見まねで包丁を手に取るナナルゥがテーブルの左側に、その向かいにアセリアが見えるように立ち、
俺も大根を手にとって適当に三つに切り分け二人に一つずつ渡した。
「とりあえずこれで試し切りといこう。
大体一つの辺が同じ長さになるように四角い塊を作っていくんだけど、
これを『賽の目切り』って言うんだ」
馴染んだ単位で言うと約一センチ角の大きさにすとんすとんと切っていく。
「『サイノメギリ』……なぜそんな名前がついた?」
見よう見まねでややぎこちなく手を動かしながらアセリアが尋ねてくる。
ナナルゥはと言えば、どのように切るかを考えているように俺の手元をじっと見続けている。
けれど、その瞳にはアセリアと同じような疑問の色が浮かんでいた。
「んーと、紙とペンはあったかな……あ、あったあった。
ハイペリアの遊び道具のひとつに『サイコロ』ってのがあって、
ちょっと古い言葉だと『賽』って言うんだけど、ちょうどこんな形をしてるんだ」
包丁を置き、紙に立方体で形作られた双六のお供を書き込む。
ついでに一から六の数を目ということまで説明して由来については終了する。
「こんな風に同じ長さでできた四角い形に似せて切っていくから『賽の目切り』って言うんだな」
「……ん、よく分かった」
「はい、大変興味深い命名です」
164くっきんぐふぁいたぁ5/13:2005/12/05(月) 21:27:09 ID:FXvP7XGg0
実に納得、という面持ちで頷く二人。良かった良かった、この調子で包丁捌きにも磨きをかけてもらえば、
料理の際のお手伝い役くらいには十分になれるし、さて、他にはどんな切り方でやろうか……
と考え始めた俺に向かって唐突に、
「だったらユート、これでは『サイノメギリ』にはならない。似せるというなら最後までやらないと良くない」
「はい。これでは『サイコロ』の外形を模しただけです。肝心の『メ』が抜けているようです」
「……はい?」
二人揃って、俺が作った大根の賽の目切りにだめ出しを食らわせ始めた。
さらに、俺が首をかしげている間に、アセリアはさっきまで自分が切っていた大根の一つをつまみ上げ、
その面一つ一つに包丁の先をちまちまと当てていく。
「よし。できたぞ、ユート。これが正しい『サイノメギリ』だ」
胸をそらして自信に満ち溢れた表情で白い立方体を手のひらの上に乗せ、突き出してくる。
果たして、その『サイノメギリ』された大根は形から重心から面取りまで、
『どの目が出ることも同様に確からしいサイコロ』と化していた。
「え、いや、ちょっと待ってくれアセリア。確かにそれはそれですごいけど、
料理に使うんだからそんなに凝らなくても……」
「大丈夫です。形状、重量、工程、全て把握しました。量産に入ります」
「え?」
ぎゅっと包丁を握ったナナルゥが、がっしりと大根を掴み取る。
そのまま、まな板の上に置いたと思ったのもつかの間。
すぱすぱとんとんしゃくしゃくじゃくじゃくっ
ナナルゥの手が閃いたと見えた次の瞬間には、
大きな塊だった大根がぽろぽろぽろぽろとその形を崩し、
アセリアが作り上げたサイコロと寸分違わぬサイコロの群れが出来上がっていた。
165くっきんぐふぁいたぁ6/13:2005/12/05(月) 21:28:37 ID:FXvP7XGg0
「うわぁ……無駄にすごい……」
「……ありがとうございます」
微かに目を伏せて小さく口を動かすナナルゥ。実に珍しく、草笛を褒めたときよりも
遥かに感情のこもった仕草のような感じを受けた。
全然やったことがなかった事で褒められた(ということにしたほうがナナルゥのためだろう)ことは
結構衝撃的だったりするのだろうか。
「む……」
隣に立つアセリアから漏れた声に振り向くと、ほんの僅かに口をへの字に曲げて、
ナナルゥの『サイノメギリ』大根を見つめ、その顔のままナナルゥへも目を向けていた。
その視線に気付き、ナナルゥまでもがアセリアに真っ向から目を合わせる。
「ユート、他の切り方は無いのか?」
ポツリとアセリアがナナルゥから目を逸らさないまま尋ねてくる。
「先程のユートさまの言葉では、まだ存在するはずです」
ナナルゥも、決して目線を動かそうとはせずにアセリアの言葉を受ける。
これは……今の俺にははっきりと見える。
きっと、ここに来たばかりの俺ではこの状態の二人を見ても、
何かぼーっと見つめあってるくらいにしか思えないであろう表面下で、
アセリアから放たれる視線のエーテルシンクとナナルゥから放たれる視線のアポカリプスが
ちょうど真ん中あたりで水蒸気爆発を起こしかけているのが。
……って、いや、なんでアセリアがいきなり不機嫌になるんだ?
それにナナルゥだって乗ることもないだろうに……
166名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 21:29:31 ID:OvEU4nS90
支援
167くっきんぐふぁいたぁ7/13:2005/12/05(月) 21:30:40 ID:FXvP7XGg0
「と、とりあえず落ち着かないと刃物の扱いはあぶな」
「切り方はあるのか」
「切り方はありますか」
「まだまだあるぞ」
やばい、今の二人を止める事は俺にはできそうもない。
声を揃えつつも、絶対に視線を外そうとしない二人がそれぞれ包丁を右の手に握り締め、
左手を教えどおりに猫の手にするべくわきわきと動かしている。
「つ、次は『銀杏切り』って言って、ほ、ほーら例えばこんな風にラナハナを小さく縦横四つに切るときに……」
「それは本当に『イチョウ』の形なのか?」
「間違いが無いよう、再度描写を」
さっと、俺の目の前に滑らされてくる紙とペン。
いっそのこと今切ったばかりのラナハナをスケッチしようかとも頭をよぎったが、
そこまで騙すような真似をするのは気が引ける。一応形が変わるだけで命にかかわるわけじゃないのだから。
そして、出来上がった銀杏の葉の絵を見て、アセリアがラナハナを手に取り、
基本に忠実に、待ち構えていた左手を猫の手にして添える。
絶対に猫の手の意味がない切り方しないと無理だってこんなの。
それに自分でも気付いたらしいアセリアは、ラナハナを持ち上げて包丁を支え、
細心の注意を払って左手に持ったラナハナを静かに動かしていく。
「ん、できた」
ぴらり、とアセリアの細い指先に摘ままれた一枚の切れっ端。
向こう側が透けるほどに薄い葉っぱの部分にはあろうことか葉脈までもが刻まれ、
アセリアが摘んでいる軸の部分は適度な太さと固さが残っている。
どこからどう見ても、ラナハナの色をした銀杏の葉っぱだった。
168くっきんぐふぁいたぁ8/13:2005/12/05(月) 21:32:29 ID:FXvP7XGg0
「……」
だから、何でそんなに挑戦的な目でナナルゥを見るんだ……
「……」
だから、何でそんなに受けて立つ気が満々なんだ……
しゅるしゅるしゃりしゃりかりかりさくさくっ
再びナナルゥの手が動いた後に、まな板の上には銀杏の木の葉乱舞が巻き起こっていた。
あまりの手際に呆然とするしかない。
アセリアの手の動きの細かさ、そしてナナルゥの速さに思考がまとまらないうちに、二人はせっつくように俺の袖を引く。
「量産、完了しました。次の指示をお願いします」
「ユート、早く」
「あ、えっと他には……」
言われるままに、俺が知っている限りの切り方の名前と、その見本が紙に描かれていく。
それを基にアセリアが忠実に野菜を切って立体化を進め、
さらにナナルゥがこれはどうだとばかりに差し出された作品を、
いともあっさりとアセリアと同じ技術で量産してしまう。
うん、まあ。アセリアだって律儀に製作過程をナナルゥに見せ付けているのだから、
完全に力試しというか、勝負のルールはそういう風に出来上がっているんだろう。
時が経つにつれ、初めのピリピリした雰囲気が、
互いを高めあうための程よい緊張を持った空気に変化していったのがきっと証拠だ。
そして、十数人分の野菜サラダのために取り出した野菜が尽きる頃には、
木目も鮮やかな拍子木切り、馬車の車輪をミニチュア化したような輪切り、
髪を梳けそうなくらい目の細かな櫛切り、ごつごつとした突起のあるあられ切り、
何か文字まで彫りこまれている短冊切りなどなど、
テーブルの上に驚くべき品の数々が生み出されていたのだった。
169くっきんぐふぁいたぁ9/13:2005/12/05(月) 21:34:26 ID:FXvP7XGg0
「すごいな、ナナルゥ……とても初めての料理とは思えない」
「いえ、アセリアの技が無ければここまでは不可能でした」
精魂尽き果てた様子で二人並んで椅子に座り、包丁の握りすぎでこわばった右手を互いにがっちりと握りあう。
完全な部外者から見れば、リラックスしてにぎにぎと握手している光景が、
俺の目には、夕日の中で友情を認め合うライバル同士の熱い儀式のように感じられたのだ。
これはこれで、二人にはなかなかにいい経験になったようだ。
それに、ドレッシングさえかければちゃんと喰える代物が出来上がっているんだから上出来だろう。
「二人ともお疲れさん、これで晩のおかずも一品増えたってことでめでたしめでたしだな」
テーブルの上の野菜を眺めて、声を掛ける。
すいっと同じような速さで二人は俺に向き直った。
「ん、わたしたちにもちゃんとできたんだな、ユート」
にこりとわずかに頬を赤らめながら微笑むアセリアと、
「貴重な経験でした。機会があればまた挑戦してもかまわないでしょうか」
まだ、顔に表れることはなかったが、取り巻く雰囲気を柔らかいものに変化させるナナルゥ。
「ああ、もちろんだ。これからは下ごしらえならみんなと一緒にできるはずだぞ」
俺の言葉を受け、二人は一度顔を見合わせて、俺たちだけが分かるくらいの表情をつけて頷いたのだった。
と、何となくこれからの料理当番への期待が浮かびだしたところで、台所の入り口から俺たち三人に声が届く。
「これは……一体なにがあったのですか、ユートさま?」
「あなたがついていながら……いいえ、むしろ当然のことかしら」
170名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 21:35:34 ID:OvEU4nS90
支援
171くっきんぐふぁいたぁ10/13:2005/12/05(月) 21:36:08 ID:FXvP7XGg0
「え?」
そこには、ちょうど買い物からの帰りに一緒になったらしいエスペリアとセリアが佇んでいた。
一歩一歩台所の中に足を踏み入れながらテーブルの上の作品群を指し示す。
「アセリア、ナナルゥ、食材を彫刻に使って遊ぶなんて、何をしているんですかっ」
……確かにこの野菜を見たらそうとしか思えないよなぁ……
けど、さすがにエスペリアからいきなり遊んでたなんて言われるのも心外だったのだろう。
「エスペリア、これは彫刻じゃない。ユートに教えてもらった料理だ」
「……はい」
自信満々に答えるアセリアに、同じく珍しく瞳に力を込めて頷くナナルゥ。
その様子に勢いを奪われるようにぴたりと足を止めて、エスペリアは俺を見た。
「えーっと。ちょっと思ってたのとは違ったけど、二人とも頑張ってたぞ、うん」
二人の努力を間近で見てた俺からしても、その頑張りは認めてやりたい。
「だから、おかしな所もあるかもしれないけど今日のところはこれくらいでいいんじゃないかな」
「そ、そうだったのですか……」
アセリアとナナルゥに謝るように俯いて、エスペリアは下がってくれる。
けれども、もう一人のほうはそれだけでは済まなかった。
「なるほど。つまり二人の失敗した所の責任はユート様が負うという事でよろしいのですね?」
すたすたと近づき、テーブルの上やその周りを見渡しながらセリアが俺を視線で射抜く。
「失敗って、確かに食べるのがもったいないような出来だけど、
そんなに怒るようなまずいことをしてるやつってあったか?」
半ば腰が引けているのが我ながらちょっと情けない。
「いいえ、出来上がったものは素晴らしいものだと思います。ですが」
ちょいちょい、とセリアは俺の視線を床の上に促した。するとそこには。
172くっきんぐふぁいたぁ11/13:2005/12/05(月) 21:37:37 ID:FXvP7XGg0
「そのために大量の食材を無駄にするのはいかがなものかと」
彫刻。エスペリアは確かにそう言った。
木や金属を使うそれに、木っ端屑や金属の粉が飛び散るのは必然だ。
それと同じく二人の料理の跡には、車輪の隙間のために繰り抜いたラナハナの一部や、
木目を彫りこんだときに削れた大根の一部など、さまざまな野菜屑が散乱していたのだ。
もちろん、普通に切ってるだけなら十分に可食部分なんだからもったいない事この上ない。
「これは確かにまずいな……」
「かき集めれば、ちょうど一人分のサラダが作れるくらいになりますね?」
ね? ってまさかこれを洗って喰えと。
「言いませんっ。あなたは私をいったい何だとお思いですか」
あっさりと表情に浮かんだ絶望を見抜かれて突っ込みを入れられた。
「つまり、俺はこのおかず抜きってことか」
ええそうです、と頷きかけたセリアに向かって、
「栄養面での偏りが発生しますが、宜しいのですかセリア?」
「……食べてもらえないのか……?」
二人が恨めしそうに言葉を洩らす。俺でさえそう感じているのだから、
いわんや付き合いの長いセリアにはどんな風に二人が映っているのやら。
「……やっぱり、連帯責任でアセリアとナナルゥの分を分けて差し上げなさい」
そして、セリアが見た二人の表情を示すように、実にあっさりと考えを翻したのだった。
「ん、分かった。すまないセリア。次からは気をつける」
「食材の有効活用を確約します」
一時はどうなる事かと思ったけど、やはり二人の料理への挑戦はめでたしめでたしで終わるようだ。
173くっきんぐふぁいたぁ12/13:2005/12/05(月) 21:39:28 ID:FXvP7XGg0
時間は過ぎて、夕食時。
いつも通り第一詰所の食卓には第二詰所のメンバーはもちろんいない。
けれど、出来上がったサラダは人数分に取り分けてナナルゥとセリアが持って帰っている。
もちろん、俺の前にも、みんなの前にもサラダの皿が並べられている。
「うっわぁ〜、今日のサラダの形って面白いね〜っ」
そう言うオルファや、事情を知らないウルカは、
フォークで野菜を突き刺したり掬い上げたりしてしげしげとその形を眺める。
「しかし、ユート殿とアセリア殿の量がやや少ないように見受けられるのですが」
「これはちょっと自業自得というかなんというか」
アセリアとナナルゥのせいだ。と声高に言うわけにもいかず、言葉を濁す。
「まあ、あとはドレッシングをかければ出来上がりだから食べちまおう」
調味液の入った器をウルカに手渡すと、ふむ、と一つ頷くだけで追求も無しにしてくれた。
そこに、とん、ともう一つ調味液らしきものが入った器が目の前に置かれる。
手を伸ばしていたのは隣に座っているアセリアだった。
何だろうか、このそこはかとなく嫌ぁな予感は……
「減ってしまったサラダの代わりだ。ナナルゥと作ったから使ってほしい」
とか言いながら、かなり期待した目でこっちを見てるし。
さりげなくエスペリアを見ようとしても、決して目を合わせようとしてくれないし。
それだけで、この何か薄蒼くてトロトロした中に、紅い粒々が浮いたドレッシングの出来が見て取れる。
174くっきんぐふぁいたぁ13/13:2005/12/05(月) 21:41:11 ID:FXvP7XGg0
……それでも。すぐ隣のアセリアの視線に貫かれ、
恐らくは向こうでサラダを食べているナナルゥの顔も浮かんでくる。
そして、料理に取り掛かる前のアセリアとナナルゥのやり取りも頭に響いてきていた。
俺ならきっと食べてくれる……か。
……よし。
唾を、不安とその他諸々と一緒に飲み込み、
俺は覚悟を決めてドレッシングを振りかけてフォークを握り締め、しゃくりとサラダに突き刺した。
それから先の記憶は、大量の水を飲んだ後のところまで飛んでいたのだが、
一言では言い表せない感想を無理やり詰め込むと、冷たくて熱いのが水蒸気爆発を起こした。
どうやら、俺にだけはめでたしめでたしでは終わってくれなかったようだ……
……
…………
………………
「どうしたのナナルゥ、何かいいことでもあった?」
「……? 何故ですか?」
「見てると、ちょっといつもより嬉しそうだったからかな」
「良く、分かりません」
「そう? 鏡でも見れば自分でも分かるくらいだと思うんだけど。
うん、形は変わってるけど面白い食感だと思わない、みんな?」
……――――。
それとも――この温かさが『嬉しい』で合っているのでしょうか――
175道行書き:2005/12/05(月) 21:43:04 ID:FXvP7XGg0
途中での支援、ありがとうございました。

KO完了っ。決まり手はドレッシング、ドレッシングですっ。
ナナルゥにはもっと料理をして欲しかったので、包丁を握らせてみました。
あとは芸術家肌の二人による競演を。
誤字脱字、ハリオンマジック等ご指摘があれば嬉しく思います。それでは。
176おにぎりの中身の人:2005/12/05(月) 22:03:37 ID:UrEsdQoe0
お疲れ様でした〜
量産ナナルゥと技術者アセリアの戦いは面白かったです。
二人とも器用だからなぁ・・・
基本的にスピリットは料理が出来るのと全く出来ないのの2つに分かれてるな。
ちょっとだけできるヘリオンってのは珍しいタイプなのかもね
しかしこうなったのは今まで料理をほとんど他人に教えてこなかったお姉さん連中
特にエスペリアとハリオンあたりにあるんじゃないかと思う。

それとも一子相伝の技なのか・・・
エスペリア→オルファ
ハリオン→ヘリオン
ファー→ニム 見たいな感じで。
177名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 22:37:41 ID:1CqjFCT60
>>175 道行さん
お疲れ様でした!
技巧派二人のいろいろな火花を散らす攻めぎ合い、
そして二人はさらなる技の高みへと…
技と言えば欠かせないと思ったのがウルカですが
彼女まで入ってきたら+混沌風味?
結構負けず劣らず匠の業を見せてくれそうです
そしてドレッシングも……(負の)期待を裏切らない出来になるのでは?
面白く拝見させていただきました
178名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 23:10:20 ID:vctWce8g0
>>おにぎりの中身の人さん
色々な意味でステキすぎるネタでしたw
ってか、オルファってそんなに小さかったのか…。
設定資料集っと…うわ、ほんっとにマジでちいさッ。
…各種ゲーム問わずロリキャラは星の数ほどあれど、オルファが最小サイズかも?
シ、シアーは何センチなんだろ…(冷や汗

それはさておき、私は多少の毒っ気や黒さのある子の方が面白くて好きだなぁ。

>>175道行書きさん
お疲れ様でした、とても楽しかったです。
二人が、果てしなき戦いの末に熱い握手を交わす場面で涙がこぼれそうになりました。
…冗談ですが。
しっかし、さすがはあのヘリオン長編を描かれたお方だなぁと本心で思う事しきり。
私も、もっと「いいモノ」が書ければなぁ。
とりあえずは、ネタ拡大再生産に努めてレベルがレベルが日々精進。


ところで、保管庫人気投票でエス姉ちゃんにボコスカウォーズ歌わせてるの誰よw
179名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 23:36:50 ID:LuhruSg20
>>178
そのシアーもスピたんになると胸囲は原作のエスの胸すら凌駕しているように見える…。
どう見ても脅威です。本当にありがとうございました。
180名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 00:00:31 ID:n5sUxtIz0
ネリーがやけにつるぺたなんだよな。
それにしてもシアーの乳はでかい…。
181名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 00:14:59 ID:iUGBZLDo0
こうして、異境の美女ふたりに日本料理は目で味わうと言う、日本人ですら忘れてしまっている事を伝えたユートは、
水蒸気と化身し、セリアの体に結露するのであった。

うーんこのふたり、技術立国ガロ・リキュアを負って立つ逸材ですねw 衝突実験の現場にはいつも現る、とばっちりハリガネ頭。
とりあえずハンバーグの付け合わせキャベツの千切りから。これなら細工もイラナイはず。もしくは大根おろしで。
短冊に何が書かれていたのやら気になりますw

>178
エスちゅの7割方書いてますが何かw
いや、ボコスカの替え歌って存在は知ってるけど具体的には知りません。コメント合戦が静まったと言われたので発憤すますた(`・ω・´)

>179
それでもきっと70台だから! 
182名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 05:43:50 ID:YYrTtcki0
>>158
ううorz
183名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 06:51:24 ID:RCwvRBNJ0
>>175
お疲れ様でした〜
やっぱり料理ネタはいいですね。超器用、超器用、超超超超超器用。
ウルカ4コマを思い出させてくれますね。切るだけってのは。

・・・しかしあのドレッシング。一体どんな隠し味が・・・ガクガク(((;゚Д゚)))ブルブル


おおっし、続き続き、と・・・
184名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 20:44:26 ID:3pbNbLWr0
>>153さん
ハッピーエンドしか基本的には書けないだけなんですが(汗、そう取って頂けると嬉しいです。

>>159さん
教える事の難しさ。伝わる事の少なさ。主観の相違。教わった悠人くんは、今度はもちょっとましな先生に。
そんな所を籠めてみたのですが、気づいて頂いてThxです。うぁ、膳は急げ……もきゅもきゅorz


>>155
シリーズ化ですかw
>相手がユートだから
ある意味真実ですねぇ……
>ネリーがニムのおやつをつまみ食い事件
詳しくw

>157
セリアツインテール化計画思い出した……

>>175
翻ってみるに、妙に断定的な戦闘台詞の多い二人、負けん気もひとしおなのか。それとも譲れない何かを見たのか。
ともあれその心は、争いに使うよりもよっぽど建設的な刃の元に。
温度差はあってもお互いを認め、その上で敢えて無言で高めあう二人。
得る悦びは唯一つ。結果はどうあれ、勝ち負けじゃありませんね。

とか綺麗に書いてみたものの、爆笑の連続w
魔法攻撃主体の赤スピがここまで剣技に長けてるとは。いや、この場合観察眼か。流石はナナルゥ。
賽の目だってお茶の子さいさい。一の目なんて良く見ると情熱の赤。ピンゾロ。最後の台詞、利くなぁ。
陶芸家アセリア。違いの判る青。一つに賭けるその意気込みは正に後の無いヘヴンズスォード。
二つの稀有な才能が混ざり合った時新たな芸術が生まれ、ソゥ・ユートの意識は飛んだ。合掌w

>>181
何故セリアにw しかも結露ww
185名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 01:04:53 ID:kSc5eH6a0
もしもクォーリンがツンデレだったらどうしよう。

要らぬ心配ですか、そうですか。
186名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 01:39:10 ID:FcHcU20Y0
>>185
いや、ツン期をマロリガンで消化していると仮定すれば全く問題は無いはず。

光陰加入の段階で、既に信頼関係は構築できているのと考えると、
イベント発生はマロリガン攻略辺り、あるいはウルカ隊との交戦後(初期設定資料集参照)と予想される。

187ろーぜん雑魚スピ:2005/12/07(水) 01:42:57 ID:xSLEZHkL0
つい魔がさした妹の佳織によって、覚えのない通販が届いた高嶺悠人。

無料だったものの、届いたものは巨大な鞄。

「な、なんだこの鞄は?強化外骨格でも入ってるのかッ!?」
「ユニット・ガイバーかもしれないよ、お兄ちゃん」

鞄が開いて、中に入っていたものは精巧な自動人形。

色々触ったり逆さにしたりパンツの色を確かめたりするものの動かない。
やがて一緒に入っていたゼンマイに気づいて巻くと、青いマナに包まれ目を覚ます。
「手加減はしません。最強の技で葬り去るのみ」
いきなり最強剣技を食らわされ、挙句の果てに「隊長と認めません」と言われる悠人。
意味もなく嬉しそうな佳織に押し切られ、渋々と同居を承諾するが…。

襲い来る、ロリペリア。

悠人の同級生である今日子によって連れられてきたGヘリオン。
同じく同級生の光陰に懐くクォーリン。
引き裂かれた双子、ネリーとシアー。
姿を現さぬままに今はまだ微笑むだけのレイザーハリオンハードスピ。
そして他にも存在する未知のスピリットたち。

果たして、悠人が鏡の向こうに視るものは…。

「私はセリア。…萌え冥王のセリア。間違ってもデレにはならないわ」

来週よりの新番組「ろーぜん雑魚スピ」乞うご期待。
ウソです、ごめんなさい。
188名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 01:47:48 ID:FcHcU20Y0
>>187
先生!!
翠○石がセリアじゃないんですか?!
いや、赤い人でも嵌ってるとは思いますけど。
189どりるあーむ:2005/12/07(水) 01:51:06 ID:xSLEZHkL0
ごめん、出来心でつい。ちなみに翠星石が好みだ。
190名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 02:20:33 ID:xSLEZHkL0
>>188
うーむ、確かにナナルゥが真紅でも良かったかも。
191名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 06:42:33 ID:BIcFiF7DO
ネタの中身の詳細はわからないが、見ようとしているところなので自分的にはタイムリーなネタです
ですが、遅ながらも現在書いてるので、見る暇はたぶんないです…


ヘリオン抱き枕がマジで欲しい…が、ファンクラブに入っていない&行けない俺は、一般通販されることを祈るしかないです
…作るか!(ぇ
192名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 07:18:19 ID:cIiEc2u00
>>185-186
そういえば設定資料集のSSではツンといえばツンですね。
それにスレのデレを加えれば……ツンデレといえなくもない。
資料集後、砂漠で道に迷い、遭難寸前の彼女をロリ坊主が偶然助ける……とか?
「手助けなど結構です! 一人で帰れますからっ」
「おいおいそりゃないだろ、これでも一応心配してるつもりなんだぜ」
「…………」

>>187
廊下でぶつかった瞬の隣に浮くのはコアラさま。
小鳥とオルファリル、毎朝恒例の6.1ch口撃。

……スマソ、元ネタ知りませぬorz
193名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 07:58:05 ID:xSLEZHkL0
>>192

ローゼンメイデン、でぐぐったりしてみてくだされ。
ゴスいのとアンティークなドールが好きならなお楽しめるヘンな漫画。
そして例によって、出所はあの「羊のうた」の幻冬社。

スレ違い板違い、マジですまそ。

すこやかに〜のびやかに〜(AA略
194名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 10:53:17 ID:o9BFdHYn0
唐突にネリシアツ○ンビー


『ステージワァン』

「シアー来たよっ、右のダイコンおねがいっ!」
「が、がんばるぅ〜……きゃっ! 手が、手がぁ〜!」
「だいじょぶだいじょぶ。ほらエス……じゃなかった、キューキューシャが来てくれたよっ」

『スピードアァップ』

「へっへ〜ん、水色ベルも〜らいっと!」
「ネリー、それ6個目だよぅ……」
「え……わ、わ、わわわっ! 曲がれない〜っ! 誰か止めてぇ〜!」
「ま、待ってよぅ〜! ネリー、どこ、どこぉ〜?!」

『バーリーヤァ』

「なんだか赤いの取れちゃった……あれ、敵さん一杯……こないで、こないでぇ〜!」

『エターナルゥゥ』

「さあっていよいよントゥ……とと、オニ○ンヘッドの登場だねっ!」
「うう、睨まれてるぅ〜」
「む、手強そう……よっしシアー、くーるに合体っ!」
「……え゛?」
「ただし左右は駄目だよファイヤーボールでレッドスピリットになっちゃうからぁ……えいっ」
「え、え、やぁぁぁぁんっっ! シ、シアーを踏み台にしたぁ〜」
「きたきたきたぁ〜♪ 気合を入れて、いっくよ〜!」


双子スピー撃沈。
195名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 12:40:54 ID:HhehbDKX0
やはりシューティングとくればまじかるユーフィーの出番かとw
196名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 14:54:22 ID:BIcFiF7DO
飛びウルカ…

スマン…orz
197名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 16:48:48 ID:NP/rrOU60
シューティング?

東方弾幕モノで・・・いや、なんでもない。
198名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 16:56:04 ID:wR7CYS270
どうせなら、疾風魔法大作戦(ふるっ!)や
トップルジップ(もっと古!!)みたいな、皆でレース方式とか
ティンクルスタースプライツや旋光の輪舞(これは流石に無理か)
みたいな対戦ゲーム方式とか・・・それ以前にも
対戦式STGがあったはずだがタイトル失念。
199名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 17:43:50 ID:EVQ2+KxM0
GUNゲー天風に、一人がメインで飛び回って、もう一人が外からサポートとかだと、
アセリア風じゃないだろうか
200名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 20:22:31 ID:r1U9yT3Y0
>>199
それならまずキャラセレで誰でも三人選べて
メインが攻撃(あたり判定なし)防御のツーマンセル、残りは外からサポートにする
ボタン一つでポジションチェンジできれば多様な攻撃、防御、援護が可能
これでどうよ?
アセリアっぽくない?
201名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 20:47:21 ID:xSLEZHkL0
>>200

キングスナイト?
202名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 20:51:45 ID:r1U9yT3Y0
>>201
いや、単なる思いつきだが
ぐぐって見たら……凄いなコレw
203名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 22:27:00 ID:xSLEZHkL0
むしろ、これでどうか。

ジノーグ
ttp://sega-gamehompo.jp/game/MD_GYNOG/
204名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 20:58:01 ID:2SnhjXYA0
>>203
右下のボスキャラと
スレの上の方にあった敵=機械説
が合わさって脳内シューティングスピたんになってしまった……
205名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 21:41:12 ID:xS2TgSB40
206名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 21:51:36 ID:FMseWnfP0
亀レス誠に申し訳ありません。

>>176 おにぎりの中身の人さん
>ちょっとだけできるヘリオン
そうやってどこもかしこも成長途中で、将来に渡っても楽しみな逸材ハァハァ
>今まで料理をほとんど他人に教えてこなかったお姉さん連中
戦闘特化スピ方針の弊害を思い、今更ながらに『食』の大切さを噛みしめる先生たちなのでした。

>>177さん >>183さん
ウルカ……あの「切るだけ」で超絶な破壊力を生み出す彼女の業の秘密とは……
「よし、しっかり手を洗って、爪も切ってるな?」
「な、なんと……手前、これまでは花壇を弄ったその手で……
まさか料理にそのような極意があったとは……」
単に手がばっちいのでs(天壌無窮の太刀

>>178さん
涙がこぼれなかったとすると、さては特製ドレッシングに唾が湧いてきたのでは?
ささ、ご遠慮なくお召し上がりください……え、まずは自分で?
>>187
テムテムは誰の位置に入りますか?w

>>181さん
「ストラロラ(1000。多分)……だな。分かった」
正確に千等分されたキャベツの出来上がり。恐るべし。
短冊には悠人の絵に描かれていた「胃袋が無事でありますように」と刻まれている、のかもしれません。

>>184さん
ナナルゥの剣技は属性ダウン。見惚れたあなたに青属性ヘブンズの追撃が迫ります。
芸術の代償としてセリアとの約束はいきなり破られて調味料を無駄遣い。
……自分で書いておきながら、やはり味見をしてから出してねと涙が。
207名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 21:57:05 ID:FMseWnfP0
うあ、リロード……
!! 一つ前で言った成長が、成長がっ。
208名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 22:31:51 ID:Vk2E07pG0
>>205
えーっと…
と、とりあえず人丸氏の成長乙と言っておこうw
209名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 22:37:37 ID:8pEJZ+jz0
>>205
まぁ雑魚スピが幸せになるのなら全然オケなのですが・・・
とりあえずロティよ片っ端から手を出すのは勘弁な。
浮気性はいかんですよ?
・・・てゆーか俺がハーレムあまり好きくないので。
210名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 22:40:04 ID:GGBrTY1e0
スピたん、満遍なく食べて正ヒロインは2〜3人とかだったらやだなぁ
211名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 22:54:57 ID:8pEJZ+jz0
まぁハーレムルートがあってもいいのだが、
選択肢で回避できるようにはして欲しいところ。
今のところヒミカとハリオンとの3PのCGだけが俺の不安材料。
212名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 23:33:32 ID:pZQe0/WJ0
新しい主人公の面構えがなんかむかつく
なんで悠人じゃないんだorz
213名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 23:33:47 ID:2SnhjXYA0
不安というか、早くセリアが髪切った理由が知りたい。
214名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 23:45:35 ID:71ub1R1b0
>>213
子供達に引っ張られて痛むからとか?
215名無しさん@初回限定:2005/12/08(木) 23:46:34 ID:58ZSgZxy0
ハリオンルートはありますか?w
216名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 00:10:29 ID:BrEe2Wnr0
>>212
あれがもし聖賢の知識を使って変身した悠人だったとしたらXuseは神
……だったらいいのになぁ
217名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 00:35:59 ID:ZKITlI4m0
まぁ俺が望むことは唯一つ。
ロティがスピ達が惚れるに値するいい男であれって事。
今のところすぴたん肯定派だが、ロティのキャラ次第では否定派となるだろうなぁ。
218名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 01:10:27 ID:/OJGeosZ0

   , ノ)
  ノ)ノ,(ノi
  (    (ノし
 ) ィ^i^!1-、   ノ  
 ( ,(レ´  ̄ ヽ) (
レ ノi`_l !i_!li_!i!リ \ノ)
 ) jixi」 ゚ -゚ノリ    ノ
ノ  ⊂)llΨ)つ   ノ 
 ) ん/t___|l
    `tナナ'
  脂肪燃焼中
219名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 01:32:55 ID:iyMBvYii0
>>218
エス必死だな
220名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 03:07:31 ID:XlJuCGo7O
http://g.pic.to/5k27v

処女膜の保護に成功 マジ感動した
221名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 03:08:09 ID:XlJuCGo7O
ゴバーク
222名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 06:05:53 ID:9h0FFrpp0
>>216
男、てゆーか人間でありながらスピに伍して行ける戦闘能力を持つ時点で怪しいな。
この作品への反響は概ね拒否反応が多いみたいだし、営業が口出しする可能性も否定できない。
223シアーより、お姉ちゃんへ…。:2005/12/09(金) 06:55:47 ID:zydfUAHP0
寒い。
視界が、暗い…寒い。
さっきまで、シアーは暖かくて幸せだったのに。
ネリーとユート様と一緒に、知らないけど綺麗なところでお茶会してたのに。
誰かが、その吐息を感じられるくらいにシアーの近くにいる。

その誰かは…シアーのパジャマのボタンを外して、シアーの胸を触ってる。

そうか、お茶会は夢だったんだ。
シアーは眠ってて夢を見ていたけれど、誰かのせいで寒いから目が覚めたんだ。

って、シアーもしかしなくても寝込みを襲われてる!?

こここここ子供を襲う痴漢や変質者の定番と言えば、ええとえーっとコウイン様っ!?
いや、いくらコウイン様でも有り得ない。
アレのロリっ気は、まだユート様よりランクの低い視姦レベルのはずだし。
それに、キョーコ様の命令でコウイン様の寝床は第二詰め所から離れた小屋だし。
…部屋は別々と言え、わざわざ一つ屋根の下で一緒の健気なクォーリンもいるし。
いつまでたっても、して欲しいのに何もする気配ないからクォーリン落ち込んでるけど。
部下として信頼されすぎるのも、この場合は良し悪しだね…負けないでねクォーリン。

ていうか、一緒に寝てたはずのネリーは?

すうっと息を吸い込んで悲鳴の準備をしながら、そうっと薄く目を開ける。
そして、シアーが色々考えてる間も胸をまさぐったりしてたのは。

………ネリー?
224シアーより、お姉ちゃんへ…。:2005/12/09(金) 06:57:15 ID:zydfUAHP0
なにしてるの、お姉ちゃん。
なんでシアーの胸を撫でたりつついたりしながら、意味ありげにため息ついてるの。

ちょちょちょちょちょっと、なんでシアーのブラを外すの!?

背中で止めるタイプにしとけばよかった、とかそんなんじゃなくてっ。
ちなみに本当は背中で止めるタイプが欲しかったんだけど、そのサイズが売り切れてた。
薄目で不審すぎるネリーを見ながら考えてると、するりとブラをとられた。
お、お姉ちゃん?なになになにっ!?セリアの百合っ気が感染したのっ!?

いや、シアーのブラを自分でつけて更にため息をつかれても困るんだけど。

「…何処で、こんなに成長の違いが出るのかなぁ」
お姉ちゃんの悩みはわかりました、てか寒いから元に戻してぇ…。
「やっぱり本当に夜な夜なネリーのマナを吸い取ってるのかなぁ」
それは有り得ませんから、このまま何も見なかった事にするから元に戻して〜。

まままままって、ズボンをずらさないでっ!

…パンツを引っ張って中を覗かないで。そして、自分のと見比べないで。
「月明かりでも、暗くてよくわかんないなぁ」
そろそろ、あきらめてくれないかなぁ…だめかなぁ。

こらこらこらこらこら、パンツの中に手を入れて確かめちゃダメえぇぇぇぇ!

「…やっぱり、ここも差をつけられてる」
泣きそうな顔で自分のパンツに手をつっこんで比べてるネリー。
シアーが泣きたいよう…もうやめてよう…ふえぇぇん、いじめちゃやだ〜。
結局、何事もないかのよーに元に戻されていつものように一緒に寝た。
…でも、やっぱり寝てる状態だとブラつけるのは無理だったみたいでノーブラ。

えっと、シアーは何も出来ないけど…頑張って「くーるな女」を目指してね…お姉ちゃん。
225名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 07:02:00 ID:zydfUAHP0
本日はここまでに。
…すまん、今まで神剣の干渉に耐えてたが限界が来たんだ。
226名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 07:14:17 ID:siX60rZ30
>>225
朝っぱらから何を書いてやがりますかw
シアー大丈夫、それだけ成長すればロリ坊主には狙われないから。


【ロティ・エイプリス】
このゲームの主人公。基本的に温厚な性格です。
ただし、優しさとともにショタ属性を持ち合わせています。
エトランジェ『因果』のコウインの推薦もあり、今回半ズボンを穿いてみました。
227名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 07:23:22 ID:tSzkyb8l0
>>225さん
GJ!
羨ましがりなネリーw
シアーの体をいじってもしょうがないですよ?
果たして、彼女の体が魅力的に、くーるな女になる日が来るのでしょうか?
個人的にはヘリオンやニムと一緒にずっとぺたんこトリオでいてくれるとうれし(サイレントヘヴンズ
228名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 12:22:48 ID:2AGpqrID0
ユーフォリア/意味もなく幸せな気分
229名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 17:59:42 ID:tHs6gLG10
何か知らんが、人気投票が荒らされているな・・・
なんかあったのかな?
230名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 18:37:08 ID:dPdpX5Uv0
>>218
エス、体の脂肪よりも心の脂肪をなんとかしなさい。

ってラスク様が言ってました。

>>225
乙です。
公式のキャラが強すぎてか、シアーが正常な思考を働かせている事に何故か違和感を感じる漏れ。

>>229
時折、基地外が発生するっつーだけなんで無問題。
231The Door into ……:2005/12/09(金) 23:42:56 ID:/OJGeosZ0
え、何なんだって? ヨーティアの世紀の大発明だ? またぞろろくなもんじゃないんだろ。
今度のこれはエーテルジャンプを越える代物で、サーバーだのクライアントだの考える必要が無く、まさしくドアツードアで直ぐさまお届け?
ふーん。そりゃすごい。で、いつの間にか俺の部屋に運び込まれたそれが件の代物ってっわけか。
……なぁこれさ、俺知ってるぞ。ん? ハイペリアの技術は既にここまで進んでいたのかって? ああ、まあそんなとこかな。驚いていいぞ。
え、なになに。まだ試した事がないが完全完璧に機能する事をこの大賢者様が請け負うって? 自分で大賢者とか様とか言うなよ。
それって要するに俺が被験者って言うか生け贄ってわけか。そんなわけないだろって言われても自分でやらん時点でおかしいじゃん。
……ああまぁ分かってるよ。何たって俺主人公だからな。不可避だって事は重々承知の助ってなもんさ。
ん、なんだバカ剣。嫌な予感がするって? はは、まだ甘いな。俺なんか確信してるぞ。とりあえず覚悟しとけ。
行きたいところを宣言しながら開けりゃいいんだろ? なんで分かったって言われてもな。まぁいいや。
それじゃ開けるぞ。「第二詰所へ」
――――ガチャリ
232The Door into ……:2005/12/09(金) 23:45:41 ID:/OJGeosZ0
 ┌┬┬┐ ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖
 ││││ ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖
 └┴┴┘ ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖
.    ..   ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖  ‖                 /|
___________________________________________________________________________ 、                /i |   
                            へ ,     ||          ヽ)/      | | |     
^^^   ....   ....   ^^^           .〃 ' ヘ ヘヽ  ||       く´ハ `ゝ   | | |     
^        ....   ....            ノノ ミ从l~iルソ  . ||       〈ハノ/ノハミミ   |《]|   
     ^^ ^^     .....           (( ヾ(i|゚ -゚ノ   ||       li、゚ヮ゚ リゞ    | ||| 
                          "〜〜 〜   ||        くilY ii`>    | |||          
===============================^ノ         >iiT |U     | !メ      
                                    |       <_トj_ヽ>     |/ 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー     
233名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 23:47:49 ID:/OJGeosZ0
Heaven!

Heaven?
234おにぎりの中身の人:2005/12/09(金) 23:57:04 ID:6kvZ0Y+70
ユート!逃げて!
235名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 23:58:50 ID:/c6v1mgl0
>>233
激ワロス
236名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 00:02:20 ID:liysUNOB0
>>232
どこでも○アー!
ガチャリ

「キャー!ユート様のエチー!」
「セリアちゃんごめんよー」
237名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 00:06:13 ID:DLSI1+TH0
さて、ドラ○もんではタライやら水やらが飛んでくるんですが、
この場合は何が飛んでくるんでしょうか?


  1.エーテルシンク
  2.熱病
⇒3.ヘブンズスウォード


YESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYES
238名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 00:19:35 ID:lNUyljq80
この場合は

4.そのままコブラツイスト(もしくはネックブリーカー)をかけられ、背中に幸せを感じつつ昇天。

だと思ふ
239名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 00:20:01 ID:DLSI1+TH0
240名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 00:20:32 ID:xqo1gcNM0
公式サンプルCG更新。

まだだ!まだセリア姉さんのエロCGはないぞ!
241名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 00:52:10 ID:X0V8zW9t0
なんかセリアさん、明るくなったなぁ……うんうん。
242名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 01:03:18 ID:pX6uaLuY0
お姉さんっぽいセリアを見てふと思った。
スピたんにおける無印の正史はメインヒロインハーレムエンドなのでは?
おそらくラキオススピに一番影響があったと思われるエスペリアが消滅した結果、
矛盾が無くなる(少なくなる)ようにエスの穴をセリアが埋めるように修正が掛かったのでは?
未だ今日子含むメインヒロイン勢が出てこないのはハーレムエンド後だと考えれば当然だし。
いや、まぁ単なる妄想ですが。
243名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 01:12:33 ID:9pOMH17Z0
今日子エンドで残りのヒロインは護衛その他で居残りとみた。
244名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 01:17:14 ID:liysUNOB0
公式のセリアのCGすげー可愛いんですけど

一緒に怒られたいです、ハイ
245名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 05:12:48 ID:KoS/KMr2O
ファー姉の気怠げな表情もいい感じ。
原作であった可愛らしさが薄れて、ハリオンやセリアとは別ベクトルの
お姉さんキャラが表に出てきそうな感じがした。
労るハリオン、律するセリア、見守るファーみたいな。
首筋に暖かい吐息を感じて、ふと目が覚めた。
意識はぼんやりとしたままで、うっすらと目を開けて思いを巡らせる。
まず、俺の名前は高嶺悠人。ラキオススピリット隊の隊長だ。

 -俺は…どうなった?

確か、秩序の壁を突破してリレルラエルを制圧して。
そこから更に南下した先でもう少し小さい街も占拠して…。
なんて街だっけ…あとでエスペリアか光陰にでも聞こう。

 -きつい戦いだったな…ナナルゥやブルースピリット4人組がいなきゃ負けてた。

特に、あいつの…決して口には出さないけど本当は気にしている…あいつの。
いつも心をほぐしてくれる、あの明るさが無きゃ俺はとても気持ちを保てなかった。
そういえば…今俺がいるここは帝国領内じゃない、空気が違う。
ここは、ラキオス隊第一詰め所の俺の部屋…か。

 -どうして、俺は今ここにいるんだ?

考えた瞬間、記憶が昔の古いモノクロ洋画のようにフィルムとなって流れる。
そうだ、俺は瞬に敗れて…重傷を負ってラキオスに運び込まれて療養中だったんだ。
レスティーナには凄く迷惑をかけたっけ…あと、アセリアやみんなにもだ。
傷はもうふさがって、今は体力の回復につとめてるところだったんだ。
そこまで思い出して古い息を吐くと、ふと改めて気がつく。

 -そういえば、この首筋にあたる吐息って?

そうっと、首を動かして吐息の主を確かめると。

 -ネリー…か。

あいつだった…ネリーだった。何も考えてなさそうな寝顔でぐっすり眠ってる。
何でまた俺のベッドに潜り込んでるかはともかく、その寝顔に思わず笑みがこぼれる。
ネリーは、ぐっと俺の腕ごと俺の身体にしがみついて寝ている。
あーあ、本当に…こいつは全く。
エスペリアに見つかったらうるさいのわかってるだろうになぁ。
そう苦笑しながら自由なほうの片腕を伸ばして、ネリーの髪をそうっと撫でてやる。
いつも、オルファやシアーにやってあげているように。
今まで何度、心を救われたか知らない幾つもの明るい笑顔を思い出しながら優しく撫でる。
撫でていたら、ネリーの閉じられた目から涙が一粒だけ流れていった。
ネリーの目から、涙がこぼれていった。

 -ネリーが泣いてる…?

俺自身は初めて見るネリーの涙に、撫でていた手がつい止まってしまう。
ネリーが、俺の身体にしがみつく力が強くなる。

「もう、一人で何処にも行かないで」

ネリー?

「お願いだから、お願いだから…もう二度と一人で全部背負わないで。
 ネリーやみんなの見ていないところで、一人で勝手に傷つかないで…」

起きていたのかとか、起してしまったかとか…何故か、とても言えなかった。
だから、せめて代わりにまた再びネリーの髪をさっきよりも更に優しく撫でる。
すると、掛け布団がそうっとかけ直された。
それは、とても柔らかで優しい微笑みの…シアーとエスペリアだった。
シアーとエスペリアは、俺と目が合うと二人同時に軽く頷いてそうっと離れた。
部屋の扉が静かに閉まるのを感じながら、俺は目の前のネリーやみんなに思う。

 -必ず、ネリーが本当に心から笑える時代をこの世界に呼んでやる。

いつの間にか、また眠ってしまったらしいネリーは少し微笑んでいる。
俺なんかが、世界を変えられるなんて自惚れるつもりなんてないけれど。
何があっても、ネリーやみんなが本当に幸せになれる時代を呼ぶ手伝いをし続ける。
でも、もう二度と一人で突っ走ったりは絶対にしないけれども。
いつか、本当にそんな時代を呼べたなら…ネリーが本当に笑える時代を呼べたなら。

「…ネリーが大きくなって、くーるな女になれたら…俺はプロポーズするかも、な?」 

わざと悪戯っぽく小さな声でそう言うと、ネリーはしっかり真っ赤になっていた。
そんなネリーの髪を撫で続けながら、俺もまた安らいだ気持ちで眠りへ沈んでいった。

いつか、ネリーが本当に笑える時代を呼べたなら…。

いつか、誰かのため望んだ時代を呼べるなら…。
249名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 09:01:03 ID:nIlpwenf0
本日はここまで。
アセリア・パーフェクトアレンジアルバムを昨日やっと買えた。
んで、Eternal skyを聞いていたら突然頭に浮かんだ場面を書いてみた。
じゃ、そういうわけで。
250名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 19:47:47 ID:h21QNXbgO
7ヶ月ぶりにアセリアのSSが書けた〜

今日は私用故、UP出来ませんので明日UPします

今の心境は…
「こわいよ〜こわいよ〜(by.敵スピ)」
だったり^_^;
251くじら318号:2005/12/10(土) 19:58:09 ID:lNUyljq80
>>249
乙です〜。
コテがありませんが、新人さんでしょうか?
ここまで、ってことは続きがあるんでしょうか?
続き、あるいは新作をお待ちしております。

>>250
同じくお待ちしております〜。


さてさて、恐縮なところですが、
長編の第W章第3話が上がりましたので、投下したいと思います。
捕獲の際には下のタイトルで。

『ただ、一途な心 第W章─私だけの愛のカタチ 第3話─』

今回は少々展開が速く、少し毒を含んでいます。ご了承ください。
ではくじら式長編、投下開始します。
──────無事にファンタズマゴリアへと帰還した悠人たち。
ファンタズマゴリアでは、悠人たちがハイペリアに飛んでから約1ヶ月の時が流れていた。
その次の日、第一詰所では、エトランジェたちによる会合が行われていた。
「本当か?本当に、元の世界に行ってきたのか?悠人・・・」
「ああ、間違いないよ」
今日子と光陰は、信じられないといった表情だ。
「ねぇねぇ、悠。向こうはどうだったの?私たちがいなくなって、大騒ぎになってたりした?」
「それが・・・・・・向こうでは、1日も経っていなかったんだ。日付は俺たちが飛んだ日のままだし、
 小鳥にも会ったんだけどさ、まるでいつも会っているかのような挨拶をしてきたんだ。
  俺たちが行方不明になったなんて、全然そんなこと思っちゃいなかったよ。」
「マジかよ・・・じゃあこっちの大体1年半は、向こうでは1日にも満たないってのか?」
「いや、それはないと思う。俺たちは、向こうで2泊したけど、こっちでは1ヶ月しか経ってないし」
「なんか・・・わけわかんないね」
確かにわけわかんなかった。今ここに生じているのは、激しいタイムパラドックス。
法則どおりならば、ファンタズマゴリアでは約3年の月日が経過しているはずなのに。
いや、そもそも世界とか時間とか、そういった掴み所のないものを考えていても、結論は出ないだろう。
「ま、考えててもしかたないさ。とりあえず、悠人が無事でよかったぜ」
「ありがとう、光陰」

「ところで、悠・・・・・・?」
突然、今日子の口調が問い詰めるような、それでいて殺気を含んだ口調になる。
それと同時に、頭の中に警戒音が響くような、そんな感覚を覚えた。
「な、何だ?今日子、そんな怖い顔して・・・」
「悠、あんた、あの二人に変なことしてないでしょうね?」
「は!?」
「だから、つまり、その・・・そう、あんなことやこんなことをしてないか、って聞いてるのよ!」
「な、何でいきなりそういう話になるんだよ!」
「だって・・・ねえ、光陰」
「だよなあ、今日子。実家という一つ屋根の下に、女の子二人連れ込んで・・・なぁ」
今日子と光陰は顔を見合わせて、考えをシンクロさせてうんうんと頷く。
そのことから、とんでもない誤解をされているということが、悠人の頭の中に過ぎった。
「お、おい!俺は断じてそんなことはしていないぞ!」
「本当〜?なんか、ただならぬものを感じるんだけど」
「本当だ!そこまで疑うなら、ヘリオンやハリオンにも聞いてみろ!」
「ま、そこまで言うなら本当に何もやってないんだろうが・・・悠人、お前ってつくづく損なやつだよなあ」
そう言った瞬間、光陰の顔が怪しさを増す。どうやら、とんでも妄想を展開しているらしい。
「せっかく泊まったんだ。もっとだな、積極的に、ベッドに押し倒したりとかな・・・あとは夜這いとか、
 裸リボンに裸エプロンに、あるいはそっと抱いてやってソフトプレイとか、色々・・・」
「光陰・・・何考えてるかぁー!この変態がぁッ!!」
スパーン!
またもや今日子のハリセンチョップが光陰の後頭部に炸裂する。
それはお前も一緒だろ!と悠人は突っ込みたかったが、痛い目にあうのは勘弁だった。
悠人は言葉を飲み込む。
「まあ、お変わりないんだったらいいんだけどね。じゃあ悠、私は戻るからね〜」
今日子はあの時と同じように、御機嫌そうに光陰をずるずると引きずりながら悠人の部屋を出て行くのだった。
「・・・・・・終わったぞ。入ってくれ」
悠人がひとつため息をついてそう言うと、今度は第一詰所のスピリットたちが入ってくる。
「えへへ、パパ、ハイペリアのお話をしてくれるんだよね♪」
「聞きたい聞きたいって駄々をこねたのはどこの誰だよ」
「伝説のハイペリア・・・どういうところなのか、手前は興味があります」
「そうですね。どういう世界なのか、向こうで何があったのか、ユート様には一つ残らず話してもらいましょう」
エスペリアはどういうわけか問い詰め口調だ。何があったのか、の方がよっぽど気になるらしい。
「ユート、早く話してくれ」
以前からハイペリアに強い関心を持っていたアセリアが急かす。
「はいはい・・・」
悠人は観念し、4人にハイペリアでの体験談を話すことになるのだった。

──────30分後。ようやく一連の出来事を話し終えることができた。
「あ〜あ、そのカンランシャっていうの、オルファも乗ってみたかったな〜」
「ユート・・・ずるい」
「ですが、手前たちスピリットには苛酷な環境とのこと。夢においておいたほうが賢明でしょう」
「ええ・・・何はともあれ、三人とも無事でよかったです・・・」
今日子と同じく、あの二人に何も致してはいないと知ると、エスペリアの表情が柔らかくなる。
だが、悠人が何よりも恐ろしいのは、関心の強いアセリアとオルファのこの後の問い詰めラッシュなのだった・・・


────── 一方、第二詰所でも、ハイペリアに行ってきた二人に対して、問い詰めが行われていた。
「ねーねー、話してよ。いいでしょ〜?」
「いいでしょ〜?」
「え、えっと・・・その・・・はぅ」
自室にて、いきなりネリーとシアーの訪問を受けるなり、ハイペリア話を要求されるヘリオン。
あこがれの悠人との思い出はそっとしまっておきたかった。暴露するわけにはいかない。
だが、この双子のラッシュはそう簡単に受け流せるものではなかった。

「ハイペリアのお話、聞〜き〜た〜い〜!」
「話してよぅ〜」
ネリーとシアーはヘリオンが逃げないように、がっちりと両脇を固めている。もちろん神剣の力を使って。
「は、ハリオンさんに聞いてください!わ、私は・・・その、無理です」
「だって〜、ハリオンお姉ちゃんって怖いんだもん!だ・か・ら!お〜ね〜が〜い〜!!」
「そうだよぅ〜。ヘリオン、おねがい〜。お菓子上げるから〜」
よっぽどあの時のことがトラウマになっているんだろうか、ハリオンに対して恐怖を抱いているらしい。

「はうぅ・・・わ、わかりましたよぅ・・・話しますよぅ・・・」
「えへへ、そうこなくっちゃ!物事はくーるに、ね!」
「ありがとう〜」
両腕をぐいぐいと引っ張られ、体を揺すぶられ、精神的に追い詰められるヘリオン。
きっと、話さない限りこの二人が離れてくれることはない。つまり、開放されないということだ。
こうなっては仕方がないと、ヘリオンは大事な部分を除いて説明することにしたのだった。
食卓では、ハリオンが残りのメンバー、セリア、ヒミカ、ナナルゥ、ニムントール、ファーレーンに話していた。
「えっと〜、それから、『わっふる』っていうヨフアルに似たお菓子もありましたし〜、それと〜」
こっちの場合は、どちらかというとハリオンの方から話している。
うっかりハイペリアの話を聞かせてくれとハリオンに尋ねたセリアとヒミカは心底後悔していた。
こういった自慢話になると、ハリオンはとにかく長い。そして、周囲を巻き込む。
通りすがりのナナルゥやニムントール、ファーレーンを捕まえては初めから話し始める始末。
しかし、最後まで聞かないと強烈なせっかんが待っている。
ヘリオンの元に聞きに行ったネリーとシアーが羨ましい限りなのだった。

「・・・ってこともありまして〜。ん〜、ちょっと長くなりそうなので、お茶を淹れてきますね〜♪」
本当は自分が喉が渇いただけなのだが、お茶を淹れに席を立ち、台所に向かうハリオン。
テーブルについている一同(ナナルゥを除く)は、はぁ、と一息つく。
「た、助かったぁ・・・お姉ちゃん、今のうちに逃げていい?」
「ニム、命が惜しくないのですか?」
「うげ・・・」
「ですが、お茶が出ると言いましたので、少しは落ち着いて聞けるでしょう」
「馬鹿ね、ナナルゥ。あのハリオンが長くなりそうって言ってるのよ?・・・覚悟を決めないとね」
「前に、お茶を淹れずにこういう話をしたときは1時間以上かかったわよね。・・・頭が痛いわ」
もはや面倒とか言うレベルではなくなっている事態に落胆するニムントールに、それをなだめるファーレーン。
さっきから眉一つ動かさずに話を聞くナナルゥ、ハリオンの性質を知り尽くし、頭を痛めるヒミカとセリア。
「みなさ〜ん、お待たせしました〜♪」
運命の時、来たれり。
ハイペリアでの事実を余すところなく聞ける代わりに、5人は果てしない後悔と疲労を得るのだった・・・


──────それから数日後、ハイペリア談義によるスピリット隊の疲れも取れてきたころ。
部隊の主力がそろってきたことで軍の士気は上昇。いよいよ帝国に攻め込もうというのだが・・・
そんな中で、悠人はエスペリアの訪問を受けていた。
「心遣いは嬉しいけどさ、俺は・・・」
「だめです!ユート様の【求め】が弱っていることが私の【献身】を通じてわかります。戦場には出せません!」
「くっ・・・」

ハイペリアからファンタズマゴリアに帰還するために、力を解放したせいか、
【求め】の中のマナが不足し、力がすっかり弱まってしまっていた。オーラフォトンも弱弱しい。
帝国の強力なスピリット相手には、これでは役不足。それは、悠人にもわかってはいた。
「ユート様たちが復帰するまでは、私たちがなんとかします。それまでは、養生なさってください」
「たち、って・・・もしかして?」
「はい。ヘリオンとハリオンも、神剣が弱まっていますので、待機になります」
「それで、大丈夫なのかよ。戦力不足で全滅なんていったら、洒落にならないぞ」
「大丈夫です。ユート様たちの穴は、私たちや、キョウコ様、コウイン様がカバーしますので」
それはつまり、悠人やヘリオン、ハリオンがいなくても部隊が成り立つ、ということだろうか。
これまで1ヶ月も耐えたのだから心配は少ないだろうが、それでも、悔しいという感情が悠人にはあった。

「では、私たちはこれからエーテルジャンプしに向かいますので、失礼します」
「ああ・・・・・・」
エスペリアは軽く会釈すると、いつもの手つきでドアを閉め悠人の部屋を出て行く。
「くっそっ!」
悠人は苛立ち、テーブルに拳を叩きつける。
佳織のために戦えると思ったのに、力不足で戦えない。そんな馬鹿な話があってたまるか。
悠人の頭の中には、そういった考えしか浮かばなかった。
「おいバカ剣!こんなことになって悔しくないのかよ!」
『契約者よ・・・我が弱まっているのは事実だ。あんなマナの希薄な世界で力を使えば弱まりもする。
 今のままでは、汝が【空虚】を倒したときの半分の力も出せん。【誓い】にも負けるだろう』
悔しいが、その通りだった。それだけに、気持ちが逸る。
「元に戻るには・・・どれくらいかかる?」
『放置なら早くて60日。妖精のマナを吸えれば早いのだがな。それなら大体30人分だ』
「そんなに・・・話にならないな」
『契約者よ・・・焦るな。それでは、勝てる戦にも勝てぬぞ。それにあの妖精たちは強い。信頼せよ』
「気持ち悪いやつだな。この間まではスピリットをエサだと思ってたくせによ」
『フ・・・心変わりは誰にでもあるものだ。我の場合は、酔狂のようなものだが』
「わかったよ。大人しくしてりゃいいんだろ」
悠人はそう言うと、ベッドにごろん、と寝っころがって不貞寝してしまうのだった。

『契約者よ。寝ている暇はないようだぞ』
「なんだよ。話でもしたいのか?」
『違う・・・【失望】と【大樹】の妖精だ。こちらに向かっている』
「ヘリオンとハリオンが?・・・そういえば、二人も神剣の力が弱まっているんだっけな」
『あの二人は、向こうの世界でも耐えられるように、神剣の力を使っていたからな。弱まっていても不思議ではない』
「え?そうなのか?」
意外だった。非戦闘体勢だと思っていたのに、何気なく神剣の力を使っていたなんて。
でも、そのことは悠人には言ってはくれなかった。もっと頼ってもいいのに。悠人は少し寂しくなる。
『そうだ・・・大方、今日は暇つぶしにでも来たのだろう。ならば我の出番はないな。少し眠らせてもらう』
【求め】の力が急激に弱まる。戦い以外では思いっきり力を抜くらしいが、
やっぱり始めて会ったときよりは性格が変わった気がする。何があったというわけでもないのに。
──────2分後、【求め】の言うとおり、ヘリオンとハリオンが部屋を訪ねてくる。
「ユート様ぁ〜、おはようございます〜♪」
「お、おはようございますっ!」
いつもの調子で挨拶してくる二人。
神剣の力が弱まって、メンバーから外されたというのに、この緊張感のなさは一体何なのだろう。
「おはよう。何か用?」
「えっとですね〜、ユート様も、神剣が弱まっていて、お休みですよね〜?」
「ああ、そうだけど・・・もしかして、付き合ってとか言うの?」
「大正解です〜。ユート様、一緒に町に行きませんか〜?」
「あ、あの・・・ハイペリアではお世話になりましたから、そのお礼もかねて、その・・・」
ハイペリアではそんな素振りは見せなかったのに、こっちに戻った途端ぎこちなくなるヘリオン。
第一、ハリオンが一緒なら悠人に選択肢はない。二つ返事でOKするしかなかった。
「ああ、いいよ。暇だったし・・・」
「そ、そうですか!で、では、行きましょう!ユート様!」
「やれやれ・・・」
みんなが戦っているというのに、町に出てぶらぶらしていては何を言われるか分かったもんじゃないが、
戦えない以上は訓練すらもままならないし、ハリオンにも逆らえない悠人。
二人に促されるまま、町に出かけるしかないのだった。


──────天気は上天気、さんさんと降り注ぐ温かい日差しを受けて、三人は町を歩く。
とはいっても、主導権を握っているのはやっぱりハリオンで、悠人とヘリオンはそれについていくばかり。
そのせいか、町を案内するとかそういうのではなく、どっちかというとお菓子屋巡りになっている。
「ユート様〜、今日は私のおごりですから〜、遠慮しないでくださいね〜」
「あ、ああ・・・」
「ほらほら、ヘリオンも、好きなもの選んでくださいね〜」
「え?あ、はい!じゃあ、これ・・・」
ヘリオンが選んだクッキー状のお菓子をハリオンが包むと、さっと会計を済ませる。
その包みを持って町を歩くと、その匂いに釣られてなのか、子供たちからの視線が熱い。
「ここらへんで、食べましょうか〜」
ハリオンはそう言うと、段々になっている石に腰掛ける。
ちょうど三人座れる広さなので、悠人とヘリオンもそれにならって腰掛ける。
時折、さらさらと涼しい風が吹いて気持ちいい。野外で何か食べるには最適な環境だった。
クッキーの包みを開けると、甘い香りが三人の鼻腔をくすぐり、食欲を刺激したせいか、すぐに食べ始める。
一口食べると、口の中でふんわりとした甘さが広がる。
クーヨネルキをふんだんに使ってあるせいで、誰でも馴染みやすい味なのだった。
「うまいな・・・これ」
「そ、そうですね!・・・でも、ちょっとお茶が欲しいかも・・・」
「あらあら〜、ヘリオンも、こういうのがわかるようになってきましたね〜♪」
実は悠人も同じことを考えていた。こういったクッキーには紅茶のようなものが合うだろうと。
ヘリオンの知識は、ハリオンに無理矢理付き合わされて身についたものじゃないだろうか、
悠人は思わず苦笑いしてしまう。

しばらくそこでぼーっとしていると、何を感じたのか、ハリオンがきょろきょろし始めた。
「・・・?どうした、ハリオン。何か変なものでもあったのか?」
「この匂い・・・ユート様〜、ヨフアルが焼き立てみたいですよ〜?」
悠人はハリオンの視線の先を追うと、はるか先には人だかりのできているヨフアル屋があった。
さすがはハリオン。お菓子に関しては嗅覚まで強化されるらしい。
「買ってきてやろうか?あの中に飛び込むのは億劫だろ」
「そうですね〜、ふふ、じゃあユート様、これで買えるだけ、おねがいします〜♪」
「(買ってきてくれ、とか言われそうだしな)」
なんだかんだいっても自分が行かされそうな気がした悠人は自分から貧乏くじを引いたのだ。
悠人はハリオンからお金を受け取り、ヨフアル屋の人ごみへと入っていくのだった。

「結構混んでるな・・・」
人ごみに入ったはいいものの、列はかなり長く、混んでいる。買えるまではかなり時間がかかりそうだ。
まあ事態を説明すればハリオンだって許してくれると思い、悠人は大人しく並ぶことにしたのだった。
しばらく並んでいると、どこかから聞き覚えのある声が聞こえてくる・・・

「ユートくん?」
「ん?」
やっぱり聞こえてくるが、人ごみのせいでどこにいるのかがわからない。
悠人が首を振ってあたりを確かめていると、人ごみを割って飛び込んでくる小さな影があった。
「あ、やっぱりユートくんだ!」
「レムリアか、久しぶりだな」
黒髪にお団子頭が特徴的な、活発な少女、レムリア。
その腕に抱えている包みを見るに、どうやら目的は同じだったらしい。

「うん、久しぶりだね!ねえねえ、ユートくんも、焼きたてのヨフアルがお目当て?」
「まあ、そんなところかな。俺は頼まれたんだけど・・・ちょっと混んでて困ってるんだ」
「ふっふっふ・・・困ってますねえ。じゃあさ、私も一緒にその人のところに連れてってくれない?」
「え?なんで」
「実はさ、いつもの癖で買いすぎちゃったんだよね。だから、ユートくんや、その人に分けてあげましょう!」
よく見ると、レムリアの包みはヨフアルが入っているにしてはでかい。どうやら、
またとんでもない量を買ってしまったらしい。だが、ここはレムリアに甘えておいたほうがいいようだ。
「じゃあ、頼むよ。あっちのほうにいるからさ」
「いこいこ!ヨフアル好きなら、誰でもお友達っ!」
レムリアの好意は正直有難かった。悠人はそれに甘え、二人の元へ向かうのだった。
「お〜い!」
ヘリオンとハリオンのいる方に走りながら、呼びかける悠人。
「お待たせ。この人が、ヨフアルを分けてくれるってさ」
悠人はそう言って、レムリアを二人に紹介しようとする。
・・・・・・が、その時、レムリアは何かまずいものを見たような、ハリオンは驚きに染まった顔になった。

「・・・どうした?」
「え、あ、ああ、うん!自己紹介だよね!私、レムリア。よろしくね!」
「ヘリオンです!よろしくおねがいします、レムリアさん!」
「レムリアさん、ですか〜・・・ハリオンです〜、よろしく〜」
今度は『さん』付けでレムリアを呼ぶ二人。どうやら、誰彼構わず様付けというわけではないらしい。
「ねえねえユートくん、この二人って、スピリットだよね?」
「そうだけど・・・スピリットだと何か都合が悪い?」
まさか、レムリアまでスピリットに蔑視の視線を向ける気なのか、悠人は思わず喧嘩腰になる。
が、レムリアは慌てた口調ながら、きっ、と悠人に視線を向けて反論してきた。

「う、ううん!そんなことないよ?スピリットだって、ヨフアル好きには変わりないんでしょ?」
「まあ、そうだけど・・・」
「だったら、大丈夫だよ!ヨフアル好きは、誰でもお友達っ!だからね!」
レムリアは嘘をつく様な奴ではないから、その言葉は信頼に値するものなんだろうけど。
ならば、二人を一目見たときからのこの緊張感は何なのだろう。悠人は首を傾げるのだった。
「あ゙〜〜〜っ!!」
何を思ったのか、レムリアは突然大声を張り上げる。
「な、なんだ!?どうしたレムリア!?」
「ユートくん!ごめん!私急用を思い出しちゃった!」
「え?え?」
「こ、このヨフアルはあげるからさ、じゃ、じゃあねえぇぇ〜〜・・・」
どぴゅ〜ん!!
レムリアは悠人にヨフアル入りの包みを手渡すと、脱兎のごとくすっ飛んで去っていった。
「は、早い・・・一体どうしたって言うんだ?」
「さ、さあ・・・」
何がなんだかわからない悠人とヘリオンの傍らで、にやにやしたハリオン。
ハリオンがこんな顔するときは、絶対に何かある。
「・・・ハリオン、何か知ってるのか?」
「いえいえ〜、私は、な〜んにも知りませんよ〜?」
絶対に何か知っている。もっと追求したかったが、これ以上はせっかんを伴う予感がよぎる。
悠人は言葉をぐっと飲み込んだ。

「それより〜、もうちょっと早く来たら、面白いものが見れましたのに〜」
「は、ハリオンさん・・・やめてくださいよぅ・・・」
「ん?そっちも何かあったの?」
悠人がヨフアル屋に行っている間に、何か面白いことがあったらしい。
どういうわけかヘリオンは隠したがっているが、悠人は興味津々だった。
「ふふ、えっとですね〜、ヘリオンに、お弟子さんができたんですよ〜♪」
「弟子・・・って、何の?大体、誰がそんな・・・」
「さっき、男の子がやってきましてねぇ〜、ヘリオンに、剣を教えて欲しいって、言うんですよ〜?」
「や、やめてくださいぃ・・・おねがいします〜・・・」
ヘリオンは顔を真っ赤にしてハリオンを止めようとするが、その勢いは止まらない。
「ヘリオン、すっごく真面目な顔して、『大事な人を守るためだけに剣を振るってください』って、言ってたんです〜
 それを守れるなら責任もって教えるって、もう、すごかったんですから〜」
「はうぅっ!!そ、それはぁ〜・・・」
止めを刺されたのか、ヘリオンは恥ずかしさのあまりか、とうとう体育座りで塞ぎこんでしまう。

「ヘリオン・・・それってさ、もしかして・・・」
「は、はいぃ・・・そうです。わ、私たちの・・・誓いです・・・」
蚊の鳴くような声で返事をするヘリオン。
だが、悠人はヘリオンの頭をなでながら、それに笑顔で応えた。
「いいじゃないか。それって、決して恥ずかしいことなんかじゃないぞ」
「そ、そうですか・・・?」
「そうだよ。寧ろ誇るべきことじゃないかな。誰かを守るために戦うってのはさ」
「胸を張っていいんですよ〜?私たちは、みんな同じ理由で戦っているんですから〜」

それは、ただヘリオンを励ますだけの言葉じゃなく、偽りのない本心。
悠人もハリオンも、恥ずかしがっているヘリオンだって、大事な人を守りたいから戦っている。
ヘリオンは、ただそれを少年と約束しただけ。恥じることは何もなかった。
「ゆ、ユート様、ハリオンさん・・・ありがとうございますっ!」

「ふふ、それでこそです〜。じゃあ、せっかく貰ったんですから、ヨフアルを食べましょう〜」
「そうだな・・・って、うわ。すんごいな、こりゃ・・・」
悠人がヨフアルの包みを開けると、そこにはぎゅうぎゅうに詰まったヨフアルが入っていた。
「これ・・・全部食べるつもりだったんでしょうか・・・レムリアさん・・・」
「これはすごいですね〜。腕が鳴りますよ〜♪」
全部食べつくしそうなハリオンに引っ張られて、限界突破するまで食べさせられそう。
そういった危機感のようなものが悠人とヘリオンの頭の仲を同時に駆け巡った。
その後、現実にそうなったのは言うまでもないのだった・・・

265名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 20:27:25 ID:YvNGo5ZT0
支援

────それから十日後、エスペリア率いるスピリット隊が法皇の壁を越え、リレルラエルを制圧した。
帝国の領土に楔を打ち込んだことにより、部隊の士気は上昇。一気に攻め込もうという勢いが増し、
悠人たちもまだ力が不完全とはいえ、リレルラエルに召喚されたのだった。

リレルラエル周辺はマナが充実している地帯。
ラキオスにいるよりは神剣のマナの回復は早かったが、それでも、まだ完全とまでにはいかなかった。
悠人は、リレルラエルの宿屋で、精神を集中していた・・・
「・・・どうだ?バカ剣」
『今大体6、7割といったところだ。この辺りのマナは旨い。これならあと20日ほどで溜まる』
「20日・・・十分だ。それだけあれば、瞬との戦いには間に合う」
あの時失った【求め】の力が戻りつつある。これなら、またみんなと戦えるだろう。

宿屋の別室では、ヘリオンとハリオンが、悠人と同じく神剣のチェックをしていた。
「【失望】・・・戦えますか?」
『はい。ゆっくりと休ませてもらいましたので、十二分に力を出せます』
「【大樹】は〜、どうですか〜?」
『う〜ん、ちょっと足りませんね〜。あと1割ちょっとなんですけど〜』
神剣の位が高いせいか、マナの許容量が多く、まだ充足しきっていない【大樹】。
それにくらべて、許容量の少ない【失望】のマナはあっという間に満タンになったのだった。
『【失望】はいいですねぇ〜、すぐに溜まっちゃって〜』
『それって、嫌味なのかほめられてるのか、よくわからないんですけど・・・』
どうにもこうにも意味深な言葉を発する【大樹】。【失望】は、それが意味するものを知ることはできなかった。
「じゃあ、ヘリオンはもう大丈夫なんですね〜?」
「は、はい!がんばります!」
誓いを果たすため、士気が高揚するヘリオンを、ハリオンは温かい目で見つめていた・・・

────さらに五日後、悠人とヘリオン、ハリオンは、シーオスの村に向かって森の中を歩いていた。
ラキオススピリット隊の本隊は部隊を二つに分け、破竹の勢いで南下しているという。
ヘリオンとハリオンは、未だに完全に力の戻らない悠人を守るように、警戒しながら歩く。
悠人の力が戻り次第、本隊に合流できるように、本隊からやや遅れて進軍しているのだった。

がさがさ。がさがさ。
マナが豊富な地域というだけあって、森の中は多種多様な植物が生い茂っている。
そのせいで、森の中を進むのは難しく、余計に疲れを生み出していた。
「はぁ・・・ふぅ・・・・・・くそっ、この草、邪魔だな・・・」
「そうですね〜、空を飛べるといいんですけど〜」
ハリオンはそう言ってヘリオンのほうを見る。瞳をきらきらと輝かせて。
「だ、だめですよぅ!ハリオンさんを抱えているときに襲われたら大変ですっ!」
「やぁんっ、ちょっとした冗談ですよぅ〜」
「(冗談に見えなかったけど・・・)」
おそらく半分本気なハリオンを見ながら、悠人は素直にそう思っていた。
辺りに神剣の気配は自分たちのものしかないとはいえ、警戒を怠るわけにはいかない。
そういう意味でも、悠人たちは慎重に進んでいくのだった・・・

ドクン。
「!!」
突然、心臓が高鳴り、警戒音が頭に響く。それと同時に、多数の神剣の気配を察知していた。
「ゆ、ユート様!て、敵ですっ!」
「これは・・・近づいて来てるんじゃない・・・この場に、現れる・・・エーテルジャンプか!」
「なんだか〜、すごく強いのがいますよ〜?」
確かに、多くの神剣の気配はスピリットのものだったが、その中に唯一つ、
薄く粘っこく、纏わりつくような、寒気と怒りを伴う、恐ろしく強くて、黒い気配があった。
『契約者よ・・・【誓い】だ。【誓い】が来るぞ!!』
「何っ!」
悠人たちの周りに光が立ち上ったかと思うと、そこに無数の人影が姿を現した─────
「・・・瞬ッ!!」
悠人たちを取り囲むように立つスピリットたち。
だが、悠人の視線の先には、銀髪で赤い瞳をもった男と、長身の科学者風の男、そして・・・佳織。
「か、佳織!?」
「ハッ!遅かったなぁ・・・悠人おぉ・・・!」
「お、お兄ちゃん!おにいちゃぁーん!!」
瞬の後ろで【誓い】を突きつけられ、ただ動けず泣き続ける佳織。
「瞬!佳織を・・・佳織を返せっ!!」
「ふざけるな。お前みたいな疫病神に、だれが僕の大切な佳織を渡すものか」
「くそ・・・!瞬、お前とはここで決着をつけてやるッ!!」

助けたい人と、一番憎んでいる相手。それが同時に目の前にあるせいか、体がいきり立つ。
「あわてるな。お前との決着はちゃんとした舞台でやろう。・・・帝国の王座まで来い。そこで、殺してやるよ!
 佳織の目の前で、お前の仲間の前で、どっちが優れているか、完膚なきまでにその体に刻み込んでやるよ!!」
こういった茶番が好きな瞬。今日はただのメッセンジャーのつもりなのだろうか。
瞬と佳織の足元から、エーテルジャンプの光があふれ出す。

「ま、まてっ!瞬ッ!!」
「今のお前の相手はそこのソーマがしてくれる。僕と戦いたいなら、生き延びて来い。
 まあ、ソーマの妖精部隊は強力だ。それができるかどうかは知らないがな!ハァッハッハッハッハ・・・!」
「お、お兄ちゃん!生きて!助けに来て・・・!!」
瞬は高笑いを浮かべながら、佳織は助けを求めながら、光に包まれ、消えていく・・・
「佳織───ッ!!」
悠人は思わず踏み出すが、長身の黒い衣を身に着けた男に行く手を阻まれてしまう。
「やれやれ・・・どこの国の勇者も、礼儀に欠ける人ばかりですねぇ」
「そこをどけっ!ソーマぁっ!!」
怒りに身を任せて怒鳴り散らす悠人を見て、ソーマはふむ、と少し考えると、言葉を紡ぐ。
「そうですねぇ・・・確かに、ここで血を流すのはお互いに益ではありませんしねぇ・・・。
 では勇者殿、ここはひとつ、私と取引をしませんか?」
「取引・・・?」
「そうです。私の頼みを聞いてくれれば、無傷でここを通してあげましょう。
 あの勇者には、私も愛想が尽きたのでね。どうなろうと知ったこっちゃないのですよ」
まるで本当に瞬のことを愛想つかしたような口調と目で、悠人に語りかけるソーマ。
こいつは底が知れない。悠人の中に、瞬に対してとは別の恐ろしさ、警戒音が鳴り響いていた。
「なに、簡単なことです。あなたの後ろにいる二人のスピリットを、私にくれればいいのですよ」

「!!」
ソーマがそう言った瞬間、ヘリオンとハリオンの背筋にぞくり、と寒気が走る。
狂気に染まったソーマの目が、まるで品定めをするように、二人を眺めていた。
うまそうだ。そう言わんばかりだった。あまつさえ舌なめずりまでしている。・・・こんな奴を、許せなかった。
「ふざけるなァッ!!」
「おやおや、交渉決裂、といったところですか。まあ、わかってはいましたがね・・・
 仕方ありません。勇者殿、あなたにはここで死んでもらいましょう。・・・苦しまないように一瞬で、ね」
「ゆ、ユート様・・・あの人・・・怖い・・・」
ヘリオンは恐怖に怯え、悠人の服の袖をぎゅっと握り締めていた。
ソーマがスピリットに対して放つ異質な愛情。・・・それを、感じ取っていた。
声には出さなかったが、ハリオンもおそらく同じだろう。【大樹】を持つ手が、わずかに震え、息が荒い。
「安心しなさい。あなたたちは殺しませんよ。勇者殿が死んだあとに、たっぷりとかわいがってあげます。
 そして、私のコレクションの一角として、彼女たちと一緒に並ぶのです!」
270名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 20:43:28 ID:GxGMGnMr0
 
そう言われて、悠人は自分たちを取り囲んでいるスピリットたちを見る。
その目に光はなく、ハイロゥも黒い。完全に物言わぬ、従順な人形と化していた。
ヘリオンとハリオンがこうなってしまったら・・・そう考えると、悠人の心が怒りに染まってゆく。

「黙れっ!ヘリオンを・・・ハリオンを・・・お前のコレクションになんかさせない!!」
悠人が一喝すると、ヘリオンとハリオンの震えがとまった。
「そ・・・そうです!あなたなんかに、負けるものですか!」
「こういう最低な人は〜、めっ てしてあげないと、いけませんね〜」
それどころか、あれほどに恐怖を抱いていたソーマに対して、真っ直ぐに視線を向けている。
いつもの調子を取り戻して、神剣を構えていた。

「ははは!いいですねえ!その目、真っ直ぐな心、僅かな希望!ぜひとも・・・壊したい・・・」
だが、そんな二人を前にして悦びに満ちた顔をするソーマ。
こいつは、今まで何人のスピリットを絶望の淵に落としてきたのだろうか。
人間とスピリットは相容れない存在といわれているが、こいつは、ソーマは、完全にスピリット達の『敵』だった。

「さあ、お話はここまでです!やってしまいなさい!」
ソーマが号令とともに右手を振り上げると、周りのスピリットたちが一斉に斬り掛かってきた。
それと同時に、悠人はオーラフォトンを、ヘリオンとハリオンはハイロゥを展開する。
「ヘリオン!ハリオン!」
その一瞬の時間の中で、悠人が呼びかけると、二人は同時に、こくり、と頷く。
「──────!!」
今まさにスピリットたちの凶刃が悠人たちに届こうかと思われた、その瞬間・・・
272名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 20:45:16 ID:yDm6/lLv0
支援
がっきいいいぃぃぃいいん・・・
光が、走った─────。
何が起こったのだろうか、ソーマは、呆然としていた。ただ、それを眺めていた。
スピリットたちの神剣は一つも悠人たちには届いてはいない。全て、悠人とハリオンの障壁で止められていた。
光を放つ黒い影がどこからともなく飛び出し、ざっ、という音を立てて着地し砂埃を立てる。
ヘリオンは静かに【失望】を鞘に収めていく。
完全に刃を収めて、【失望】の鯉口が、かちん、と音を立てると、スピリットたちは、一斉にばたばたと倒れこむ。
ソーマは、ただ見ていることしかできなかった。
今まで手塩にかけて作り上げてきたコレクションが崩れ落ちる姿を、ただ眺めていることしかできなかった。
「あ・・・ひ、ひいぃ・・・」
まるで傷一つついていない悠人たち。
ありえなかった。いくらエトランジェとはいえ、グリーンスピリットと一緒だったからって、
自慢の妖精部隊の一斉攻撃を防げるわけがない。まして、完全に防いだなど、ありえない。
おまけに、ブラックスピリットの小娘の攻撃だけで倒れてしまうなんて、馬鹿な話があるか。
そんな馬鹿な。ソーマは、それしか考えられなかった。

悠人はその顔に怒りを浮かべて、ソーマの眼前まで迫っていく。
「な、なぜ・・・なぜだ!なぜ生きているんだ!あ、ありえん!」
「ありえない・・・?それは違う。ソーマ、お前は肝心なことを忘れているんだ。だから、負けたんだ」
「な、なんだ、それは・・・」
「俺達にあって、お前にはないもの・・・それは、お互いを信じることだ」
「ば、馬鹿な!スピリットと信じあっているだと!?ありえん!そんなことをしても、足を引っ張るだけだ!
 こんな道具共に、人形なんかに、信頼をかけたって、強くなどなれるはずがない!そんな心など、邪魔なだけだ!」
「スピリットは道具や人形なんかじゃない!俺達人間と同じ、お互いを感じて、助け合って、信じあえる存在なんだ!
 そんな風に、スピリットをただの道具としてしか考えていないお前なんかに、俺達が負けるものか!」
「ぐ、ううう・・・」
ソーマは目を見開き、汗をだらだらと流し、恨み辛みの篭った目で悠人を睨んでいる。
今まで自分が邪魔だと思っていたものに、自分が負けるなど、皮肉以上の何者でもなかった。
「ふ、ふざけるなあぁぁぁああー!!」
とうとう狂いだしたソーマは、腰の剣を抜いて、我武者羅に悠人に斬りかかってくる。
・・・が、ただの人間の攻撃を、今の悠人が見切れないはずがなかった。
ドシュッ・・・
ソーマが剣を振り下ろす前に、悠人の持つ【求め】がソーマの心臓を貫く。
「あ・・・が、はぁ・・・ぐ、ふぉ・・・」
【求め】を引き抜くと、ソーマは口から、胸から、大量の血を吐き出して、地に、臥した・・・
「この・・・大馬鹿野郎が・・・」
悠人は思わず、日本語で呪詛を吐きかける。
それは、今の悠人にとって瞬以上に苛つく存在への、弔いの言葉でもあった。

ソーマの亡骸を、さまざまな感情とともに見つめる悠人に、二人が駆け寄ってくる。
「ゆ、ユート様・・・大丈夫ですか?」
「・・・ああ、俺は大丈夫」
「本当に大丈夫ですか〜?今のユート様は、本当はちょっと怖かったんですよ〜?」
確かにそうだろう。悠人は、今明らかにソーマに対して殺意を持っていた。
自分にひどく近しい存在の、スピリットたちを蔑ろにされた怒りが、殺意を生み出して。
「いや、本当にもう大丈夫だ。・・・先を急ごう」
悠人が歩き出そうとしたその時、悠人はふと後ろを振り向く。
そこには、さっきヘリオンが倒したスピリットたちが倒れこんでいた。
「そうだ・・・あのスピリットたち、どうするんだ?」
「あ、あの人たちなら大丈夫ですよ?みねうちをかけただけですから、気絶してるだけです」
「それに、あの人はもういませんから〜、これで自由になれると思います〜」
「そうか・・・幸せになれるといいな、あいつら・・・」
悠人は倒れているスピリットたちに対して、僅かながらにエールを送った。
ソーマという拘束力が無くなった以上、このスピリットたちも自由になれる。
誰かと一緒にいて、誰かを信じて、誰かを感じて、人らしく生きることができるかもしれない。
スピリットが、人間と一緒にいられる、同じ存在として生きられる、そんな世界の先駆けになるかもしれない。
悠人のエールには、そんな期待も含まれているのだった。
「ヘリオン、ハリオン・・・一気に行くぞ!」
「は、はい!」
「そうですね〜、長居は禁物です〜」
悠人たちは走り出し、どんどん南下する。
帝国首都を目指して、帝国を倒すために、瞬を倒して、佳織を助け出すために。
・・・そして、一緒に生き延びる。その誓いを、果たすために。


──────それから七日。
スピリット隊の本隊は帝国の要である三都市を制圧。秩序の壁のトラップを解除することに成功。
完全に、帝国を包囲していた。あとは、一気に攻め込むだけ。
悠人たちはゼィギオスで、最後の戦いの準備をしていた。
「バカ剣、調子はどうだ?」
『まだ完全ではないが・・・思う存分暴れられるだけの力は戻った』
「瞬に・・・【誓い】には、勝てるのか?」
正直、不安だった。こんな不完全な状態で勝てるのかどうか、佳織を、助け出せるのかどうか。
『契約者よ・・・我を、汝自身を信じよ。信ずることが力といったのは、契約者だぞ』
「そっか、そうだよな。サンキュな、バカ剣」
いよいよだ・・・いよいよ、佳織を助け出せるんだ。そう考えると、体が疼く。
がちゃり。
ドアが開いたかと思うと、ヘリオンとハリオンが飛び込んでくる。
「ゆ、ユート様っ!合図がありました!ほ、本隊が攻撃を始めたそうです!」
「ユート様〜、急ぎましょう〜?こっちのほうは、手薄のはずですから〜」
「・・・ああ!行こう!」
悠人たちはゼィギオスを飛び出し、秩序の壁に向かって侵攻を開始したのだった。

──────走る。ひたすら、走る。
秩序の壁を突破し、本隊と合流した悠人たちは、帝国の王城に向けて、城下町をひたすら走っていた。
ふと上を見ると、城から、黒い翼が三つ、飛び出し、悠人たちの前に立ちはだかる。
「くそっ!敵か!こんなところで、時間は取れないぞ!」
「ユート様!ここは私たちに任せて、先を急いでください!」
ネリーとシアーを連れた部隊長のヒミカが、先を急ぐように促す。
敵は強力。長期戦は不利。一気に攻め込むしかなかった。
「わ、わかった!無茶するなよ!」
「それは、ユート様のほうだよ!ユート様が死んじゃうの、みんないやなんだからね!」
「そうだよ〜?でも、がんばってね、ユート様?」
「ああ!ありがとう!」
「さあ、二人とも、行くわよっ!」
ヒミカ、ネリー、シアーは敵の部隊へと飛び込んでいく。
三人が敵を食い止めているうちに、残りのメンバーは、王城へと侵攻していった。

王城の廊下を進む悠人たち。しばらく走っていると、またもや三人のスピリットが立ちはだかった。
「邪魔をするなぁーっ!」
悠人はいきり立って、スピリットに切りかかろうとするが、何か力強いものが胸に当たり、止まってしまう。
「だめよ、ユート様。あなたの力は、【誓い】を倒すために、カオリ様を助けるために使わないと」
気がつくと、セリアが腕を伸ばして、悠人を制止していた。
すらりと、優雅に引き抜いていた【熱病】が、完全に目の前の敵を捉えている。
「そうですよ。ユート様、ここは私たちに任せてください」
「勘違いしないでよ。私は別にユートのために戦ってるわけじゃないんだから。生き残りたいだけなんだから!」
さらに後ろから、ファーレーンとニムントールが飛び出し、神剣を構える。
「みんな・・・すまない!」
廊下の敵をセリア、ファーレーン、ニムントールに任せ、悠人たちはさらに進むのだった。
「急げ!もうすぐだ!もうすぐ・・・瞬が、佳織が・・・!!」
どんどん、【誓い】の気配が近づいてくる。
瞬も、佳織も、もう目と鼻の先。・・・だが、やはりそれをよしとする奴は、この王城にはいなかった。
一際強いスピリットの神剣の気配が、悠人たちの前に舞い降りる。

「くそっ!こいつら・・・!」
「ユート殿!この者たちは・・・!」
「ああ、わかってる!」
その光の失われた瞳、真っ黒に染まったハイロゥ。
それは、ウルカが目覚める原因となったあのスピリットや、ソーマのスピリットによく似ていた。
おそらく、感情などを一切捨て、戦闘能力を極限まで高めた者の成れの果てなのだろう。

「ユート殿・・・この者たちは、手前にお任せください。・・・苦しみから、【誓い】から、開放されるよう・・・」
ウルカは一歩踏み出し、そのスピリットたちに対して【冥加】を構える。
「敵能力は強大・・・ウルカ様、私も、一緒に戦います。」
「ウルカお姉ちゃん!オルファも一緒に、戦うよ!」
ウルカの両脇を、ナナルゥとオルファが固め、光のハイロゥを思いっきり展開する。
「感謝いたす・・・ナナルゥ殿、オルファ殿。・・・ユート殿は、今のうちに」
「ああ!みんな、行くぞ!」
悠人たちは脇を通り抜け、先を急ぐ。決着のときは、近い。
278名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 20:56:14 ID:Ormvc1OU0
支援
真っ直ぐに伸びた廊下、その先に、大きく、豪華な扉。
あの忌々しい【誓い】の気配は、その先から感じられていた。
悠人たちは、その扉に向かって、ひたすら、ただひたすら走っていた。
きいいいぃぃん・・・
複数の、強力な神剣の気配。その殺気は、完全にこちらに向いている。
「!! 後ろから!?・・・ここまで来て!」
「ユート、急げ!ここは、私たちに任せろ!」
「そうです!ユート様、決着をつけてきてください!」
アセリアとエスペリアはきゅっと踵を返し、迫りくる敵を睨みつける。
「アセリア!エスペリア!」
「私たちは大丈夫だ。だからユート、カオリを、助けて来い。信じてるから・・・」
「ヘリオン、ハリオン・・・キョウコ様に、コウイン様も・・・ユート様を、カオリ様を、助けてあげてください」
アセリアは【存在】を、エスペリアは【献身】を構え、ハイロゥを全力で展開する。
絶対にここは通さない。その想いが、びりびりとこちらにも伝わってくる。
「さ、悠?ここはエスペリアたちに任せて、佳織ちゃんを助けに行くわよ!」
「悠人!囚われのお姫様を助けに行こうぜ!」
今日子と光陰が、同時に悠人を激励する。
その声は、今の悠人をさらに強くし、想いを、信じる心を、力に変える。
「ユート様!行きましょう!」
「カオリ様を助けて〜、みんなで帰りましょう〜?そのために、ここまで来たんですから〜」
「・・・ああ!行くぞ、みんな!」
全力で走り、扉に、近づく。
「うおおおおおぉおおあああ!」
悠人が全力で蹴りを扉に叩き込むと、扉は真ん中からその袂を分かち、道を開いた─────。

「瞬ッッ!!」
とうとうたどり着いた、王座の間。
その王座には、あの【誓い】の主、秋月 瞬が、赤い瞳をぎらぎらと輝かせて、堂々と座っている。
その傍らでは、瞬の、【誓い】の力に、恐怖に震えた佳織が、目に涙を浮かべて立っていた。

「あーあ・・・やっぱり来ちゃったのか。とっくにくたばってると思ってたのになぁ・・・」
「あの時お前は言ってたよな。ここまで来いって。望み通り、来てやったぞ・・・」
悠人と瞬はお互いを睨みつける。・・・ただそれだけで、その場は殺気に満ちた。
「全く、雑魚がいくら集まったって、僕にはかなうわけないのになあ。どうして命を捨ててまで、僕の邪魔をする?」
「お前の邪魔をしに来たわけじゃない。佳織を返してもらう。ただ、それだけだ」
「そういうこと。瞬?悪いけど、あんたはもう私たちの知ってる瞬じゃないわ。力に溺れたクズ野郎よ!」
「秋月よ・・・俺は、助けを求めてるお姫様を放って置けるほど無神経じゃないんでね!」
「お兄ちゃん・・・今日ちゃん・・・碧先輩・・・」
恐怖に震えていた佳織が、その目に僅かに希望の光を浮かべて悠人たちを見る。

「カオリ様・・・ユート様の大事な人・・・今助けますから!そこで、待っててください!」
「心配しないでくださいね〜?ちゃんと、帰れますから〜♪」
ヘリオンとハリオンが、さらに佳織に希望を与える。
それは悠人たちも同じ。士気はあがり、なんだか気分もリフレッシュしたような感じだ。
そんな、少し軽い空気になったやり取りを、良しとしない赤い瞳が、妖しく輝く。
瞬はゆらり、と立ち上がり、【誓い】を引き抜くと、狂ったように薄ら笑いを浮かべる。
「ははは・・・そうか・・・じゃあ、ここで殺してやるよ!!絶望に打ちひしがれながら、死んでゆけ!!」
ギイイイィィィン・・・!!
瞬がオーラフォトンを展開する。その力強さは、ここにいるエトランジェの個々の力をも凌ぐ。
「・・・!!悠人、くるぞっ!」
「僕の力、その体に刻み込むがいい!!オーラフォトンレイッ!!」
ドオオオォォン・・・
オーラフォトンの爆発が、悠人たちを包む。
その威力は、スピリットはおろか、オーラに包まれたエトランジェでも無事では済まない。
「ぐあああぁあっ・・・!!くそっ、みんな、大丈夫か!?」
「はぁううっ・・・は、はい!なんとか・・・」
「これが、【誓い】さんの力なんですね〜」
「ちょっと、な、何でこんなに強いわけ・・・?」
「ちっ・・・こいつは、ちょいと洒落にならないぞ、悠人・・・!」
なんとか防ぎきったようだが、神剣の位が低いせいか、ヘリオンのダメージは一番大きい。
これ以上長引かせては、死者すら出かねない。・・・悠人は、覚悟を決めた。

「みんな・・・こいつは、瞬は、俺が倒す。俺に・・・任せてくれ」
神剣の力で、瞬に対抗できるのは悠人だけ。
なにより、瞬の殺気は悠人・・・【求め】に対して向けられている。
今までの因縁に決着をつけたい。・・・そんな意味でも、悠人は一騎討ちを決意したのだった。
「ちょっ・・・このバカ悠!何言ってるのよ!こんなのに一人で勝てるわけないでしょ!」
「いや・・・今日子。行かせてやれ。これは、悠人自身の戦いでもあるんだ。邪魔しちゃいけない」
「光陰・・・」
「だがな、悠人。少しは俺たちを頼れって言っただろ?・・・俺の力を少し分けてやる。
 それを持って、あの馬鹿野郎に一矢報いてやれ。・・・トラスケードッ!」
「そう・・・だよね・・・じゃあ悠!私の力も使いなさい!・・・エレクトリックッ!」
「ゆ、ユート様!カオリ様を助けるために・・・私の力も使ってください!・・・ブラッドラストッ!」
「えっと〜、私はそういうことはできませんけど〜、疲れを癒しますね〜・・・アースプライヤー!」
みんなの、オーラが、マナが、力が、想いが、癒しが、悠人の体に次々と流れ込んでくる。
『契約者よ・・・我の力は充足した。これなら、全力以上を出せるぞ!【誓い】・・・倒すのだ!』
「これなら・・・これならいける!・・・みんな、ありがとう」
そう言って、悠人は瞬のほうに向き直る。
282名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 21:04:17 ID:YvNGo5ZT0
支援
「お別れは済んだか?」
「・・・まだお別れを言うつもりはない。なぜなら、俺は、お前を、【誓い】を倒すからだ!」
「ハッ!仲間がいないと何もできない負け犬がよく吠える!・・・もういい。さっさと死ね!」
瞬はオーラフォトンを【誓い】に集中させ、地を蹴り、悠人に猛然と向かってくる。
「させるかぁーっ!!」
悠人はオーラフォトンとともに、電撃と、守りの力、血を伴う闇の力を【求め】に纏って、瞬を迎え撃つ。
ガッキイイィィン!!
【求め】と【誓い】がぶつかり合う。
お互いがとてつもない力を持っているだけあって、剣がぶつかり合うだけでその波動があちこちに飛び散る。
ガキイィン!ギイィン!
何度も、何度もぶつかり合う。まるで、お互いが、お互いの剣を砕こうとせんばかりに。
「悠人のくせに!悠人のくせにいいいいぃぃぃいい!!」
「お前なんかに、神剣に呑まれたお前なんかに、負けて、たまるかあああぁぁあああ!!」
ファンタズマゴリアで最強を誇る二本の神剣の戦い。
ヘリオンやハリオン、エトランジェである今日子や光陰は、その巨大な力同士が接触する、
史上最大の戦いを、ただ、眺めていることしかできなかった。・・・もとより、手出しなどできなかった。

ガギイイン!
悠人の渾身の袈裟斬りで、【誓い】が宙に舞う。
「な、何!!」
「そこだあああぁあぁあああ!!瞬ッ!!」
【求め】を流れに乗せ、体を回転させて上段の構えを取り、一気に振り下ろす────。
ドシュッ・・・
血飛沫が、悠人と、瞬の視界を染める。
びしびしと頬に当たった血は、瞬時に金色のマナの霧に変わっていく・・・
「なん、だと・・・!」
体を切り裂かれ、信じられないといった顔をする瞬。
「なぜ、だ・・・なぜ、こんな・・・」
「たった一人で、何かできると思ったか?ソーマにも言ったが、信じなかったこと。それが、お前の敗因だ!」
「信じる、だと・・・?僕が信じるのは、佳織だけだ。それ以外は・・・クズ・・・ゴミ・・・出来損ない・・・」
「そんな歪んだ考えで・・・!佳織だって、そんなお前は望んじゃいない!」
「そん、な馬鹿、な・・・僕が・・・選ばれし者の、この僕が・・・消える、消えていく・・・」
この世界で死に逝くものの証、金色のマナの霧が、瞬の体から発せられていく。

「違う・・・こんなの、間違ってる!そうだろ?【誓い】!?
 僕から何を持って行ってもいい!だから、力をくれ!【求め】を、悠人を砕く、力をヲヲオオ!!」
何が起こったのか、瞬から放たれるマナが止まり、逆に集中していく。【誓い】が、瞬の手元に戻る。
さっきまで死に掛けていた奴が、力という力に魅せられ、狂気に染まっていく。
強大なオーラフォトンの影響か、城がぐらぐらと揺れる。明らかに、危険な存在となっていた。
「悠人!様子がおかしい!離れるんだ!」
「悠!?離れて!悠ッ!」
「ゆ、ユート様っ!は、早く、離れてください!」
「だめです〜!そこにいちゃいけません〜!!」
みんなの声が聞こえる。だが、動けなかった。危険だって、わかっていた。・・・だからこそだった。
『契約者よ・・・早く、【誓い】を砕け!このままでは、取り返しがつかなくなるぞ!』
「う、うわあああぁぁぁあああ!!!」
【求め】の強制力が働き、全力で瞬を止めようと斬りかかる悠人。
だが、ちらりと横を見ると、佳織が、今落ちてくる天井に押しつぶされそうな佳織がいた。
「!!」
ドオオォオン・・・
瞬時に強制力から脱した悠人は佳織の元に駆け寄り、【求め】を叩きつけ、天井を破壊する。
「あ、ありがとう・・・お兄ちゃん・・・」
「隙があるぞおおぉぉおお!悠人おおぉぉ!!」
完全に正気をなくした瞬の凶刃が迫る。
「やめろ!ここには佳織が・・・!!」
反射的に、悠人は【求め】を構えて【誓い】を受け止めようとする─────。
バッキイイイィィン・・・カッシャアアァァン・・・
「え・・・!?」
真一文字に振られる【誓い】。それを受け止めようとした【求め】。
・・・だが、攻撃を凌いでくれた【求め】の刃は、明後日の方向へと飛んでいっていた。
悠人の手元にあるのは、【求め】の柄だけ。
ドクン。
力が、抜ける─────。
砕け散った【求め】。神剣の力がなくなって、普通の人間に戻る悠人。
ただその一瞬で感じられたのは・・・・・・絶望──────。

「悠人・・・悠人・・・貴様さえ、貴様さえいなければ・・・」
完全に狂気に呑まれた瞬が、じりじりと悠人のほうへと歩み寄ってくる。
「【求め】は死んだ!あとは貴様だけだ!妹と一緒に逝けっ、悠人おおおおぉぉおおお!!」
瞬が【誓い】を引き、佳織とともに悠人を貫こうとしてくる。・・・その目に、躊躇いはなかった。
・・・もう、だめだ。悠人と、佳織の心が、絶望感に染まった、目を瞑って、死を受け入れたその時───

「いけません〜!!」

ドシュッ・・・
剣によって、肉が貫かれた音がする。
悠人はもちろん、佳織、ヘリオン、今日子、光陰・・・誰もが、それを、見て、聞いていた・・・
「(・・・?死んで、ない?)」
悠人は恐る恐る目を開く。
その一瞬では、何が起こったのか、頭で理解することはできなかった。
286名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 21:08:45 ID:YvNGo5ZT0
支援

目の前にいるのは、緑色の髪の人。
その背中から、垂れ下がった髪の間からは、血に染まった【誓い】が突き出ている。
その人物は、まるで悠人たちをかばうように、大の字になって、悠人と佳織の前に立っていた。
ずるずると【誓い】が引き抜かれる。支えをなくしたその人は、
大きく広げていた腕をがくん、と落とし、血を吐き、飛沫を飛ばしながら、仰向けに崩れ落ちた───。
その時になって、やっと、悠人は何が起こったのかを、この人物が誰なのかを、理解できた。

何が起こったんだろう。
あのシュンとかいうエトランジェが、ユート様を貫こうとした。殺そうとした。
そこまではわかる。
でも、そこから先はわからない。
つい今まで私の横にいた人が、ユート様の代わりに、あの剣を受け止めてる。
横を見ても、あの人がいない。だって、あの人はあそこにいるから。ユート様をかばってるから。
【誓い】とかいう剣が、あの人のお腹に突き刺さってる。だんだん、それが引き抜かれていく。
あの人は、何もかもが抜けたかのように、倒れていく。
おかしいね。理解しているはずなのに、信じられていないなんて。
──────これが夢なら、醒めてほしい。

「ハリ・・・オ・・・ン?」

──────サーギオス城下町。
りいいぃぃいん・・・
城外の敵を全滅させた三人に、同時に、干渉音が鳴り響く。
それは、何かが近づいてくるような警鐘ではない。・・・何かが消えるような、寂しい音。
ヒミカに、ネリーに、シアーに・・・届く。
「・・・!?なに、これ・・・誰かが、消える・・・!?」
「え?え、ええ!?ど、どうしたの!?何か、何かが、消えちゃうよ!」
「これって、【大樹】・・・?え・・・?う・・・そ・・・うそだよね?」

──────サーギオス城1F廊下。
同時に、こちらの神剣にも、同じような音が響き渡る。
セリアに、ファーレーンに、ニムントールに・・・届く。
「え・・・こ、この気配って?・・・! そんな、まさか・・・!!」
「信じられません・・・そんなこと、冗談、ですよね・・・?」
「なにこれ・・・ちょっと!おふざけはいい加減にしてよ!嘘だって言ってよ!」

──────サーギオス城2F広間。
ウルカに、ナナルゥに、オルファに・・・届く。
「なんということ・・・力足らずだったとでも言うのか・・・!!」
「【誓い】付近にて、マナの消滅を確認・・・その命の元は・・・」
「やだっ!!ナナルゥお姉ちゃん、言わないでっ!そんなの、やだっ!!」

──────サーギオス城2F、王座の間に続く廊下。
アセリアに、エスペリアに・・・届く。
「エスペリア!誰かが、誰かが・・・!」
「この気配・・・そんなことが、あっていいのですか?そんな、そんなことが・・・!」
「本当・・・?そう、なのか・・・?嘘、だ。そんなの、嘘だ・・・」


「う・・・あ、があああぁぁあああ!!」
瞬は、暴走させた【誓い】を、砕かれた【求め】を取り込んで、異形の存在へと姿を変えていく。
翼のように瞬の背後に浮く6本の剣。右手に完全に同化した、けばけばしい形の神剣。
もう、瞬が瞬であったころの面影は、姿以外にほとんどない。全く別の存在になっていた。

「ふ・・・ふはははは!!これだ!この力だ!・・・【世界】は、完成した!!」
「(【世界】・・・?なんのことだ。それより・・・)」
「【求め】の主よ、礼を言うぞ。これで、あとはマナを集めるだけだ」
元、瞬だった存在が、悠人に語りかけてくる。
だが、悠人の心は、もっと別の方向に向いていた。・・・上の空だった。

「これから、我らが与えられていた役目というものを教えてやろう。・・・この世界を、消滅させてな!」
「(何言ってるんだよ・・・わかんねえよ・・・)」
「ここで貴様らを殺しても何にもならんしな・・・決着をつけるつもりならば、また会おう・・・」
言いたいことを言い終えたのか、瞬だった存在は、光に包まれ、消えていく。
この場から、立ち去ったらしい。
「(行ったのか・・・なんだよ、あれ。・・・どうでもいい。それより、ハリオンが・・・)」
もう、瞬のことなど頭には入っていなかった。

「ハリオン・・・?」
悠人の、魂が抜けたような、蚊の鳴くような震える声の、呼びかけ。
それに呼応するように、小さな、黒い影が、ハリオンに駆け寄ってくる。
今日子は、光陰は、佳織は・・・その場で、信じられない事態に、立ち尽くしているしかなかった。

「は、ハリオンさん!しっかりしてください!ハリオンさん・・・!!」
必死に呼びかけるヘリオンの声が、悠人の、萎みかけた心を呼び覚ます。
「!! ハリオン!しっかりしろ!」
腹を貫かれたハリオンは、大量の血を吐き出し、仰向けで、だらだらと脂汗を流し、その重い瞼を開いていた。
辛そうにその頭をヘリオンのほうに傾けると、動かすのがやっと、といった様子で右手をヘリオンに近づけていく。
ヘリオンはその血まみれの手を両手でぎゅっと握る。
まだ、温もりはある。まだマナの霧にはなっていない。しっかりと、手の感覚があった。

「ハリオンさん・・・!」
ハリオンは、ヘリオンに にこっ と、いつもの笑顔を向ける。血で汚れた、いつもの笑顔。
嫌だった。ヘリオンは、こんな時に、そんなもの見たくはなかった。最後の笑顔にはなって欲しくなかった。
ぎりぎりと、ハリオンはその顔を悠人の方に向ける。
悠人がハリオンをじっと見ると、その血で溢れた口で、言葉を紡ぐ。
ハリオンの言葉が、伝わってくる。痛いくらいに、はっきりと・・・
291名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 21:16:24 ID:YvNGo5ZT0
支援
「ソゥ、ユート、ヘリオン・・・リュールゥ〜」
<ユート様、ヘリオン・・・よかった〜>
「ああ、俺たちは生きてる!それより、気をしっかり持て!ヘリオンと一緒に、生き延びるんだろ!?」
「ソゥ、ユート・・・ラ、ヨテト・・・イス、ハタモラス、ネア。イス、ルンタラス、ミハ、セィン、ヘリオン・・・」
<ユート様・・・私は・・・もう死ぬでしょう。ヘリオンのこと、お願いします>
「ハリオンさん!やめてください!約束したじゃないですか、一緒に生き延びようって・・・!」
二人で、同じことを呼びかける悠人とヘリオン。
だが、自分の運命を既に受け入れたのか、ハリオンは、止めることなく、言葉を続ける。
「ソゥ、ユート、ヘリオン・・・イス、ハル、スクネン・・・」
<ユート様、ヘリオン・・・生き延びてくださいね・・・>
ハリオンはそう言って、また、血みどろの笑顔を悠人に向ける。
それは、やっぱりいつもの笑顔だった。
やがて、その笑顔は金色に染まっていく。ヘリオンの握る手の感覚が、消える・・・
「駄目だぁーっ!ハリオン!戻ってきてくれ!行かないでくれ!」
「いやぁぁあ!そんなの、いやあぁ!死んじゃ嫌!ハリオンさん、死なないで!」
金色のマナの霧が、立ち上っていく。
ぼたぼたと垂れるヘリオンの涙が、消えかかるハリオンの体を素通りして、床に滴り落ちる。
「・・・ハリオンッ!」
「ハリオンさん!」
二人の必死の呼びかけも虚しく、消えかかった笑顔。僅かに動く口から漏れた言葉。

「・・・・・・ウレーシェイスルス・・・」
<・・・・・・ありがとう・・・>

─────それが、最後の言葉だった。
ハリオンの体は、完全にマナの霧と化し、立ち上って、消えて、なくなった・・・・・・。

「ハ、ハリオンッ!う、ああ、あ、ハリオーーーーーンッ!!」
「ハリオンさん・・・い、いや・・・いやあああぁぁああああーーーっ!!」

悠人とヘリオンの悲痛な叫び。
それは、サーギオス中にいる仲間たちの耳に、届き、響き渡った─────。
293くじら318号:2005/12/10(土) 21:21:02 ID:lNUyljq80
第W章、終結しました。
これより、クライマックスへと進行する(つもり)
う〜ん、いろいろと大変だ。

誤字脱字、ハリオンマジック等、指摘がありましたらお願いします。
294おにぎりの中身の人:2005/12/10(土) 23:24:02 ID:1g9cV8m40
ハリオン・・・(つД`)

そしてソーマ、おそらく長編SSになるとほぼ確実に出る彼ですがこんなに早く死んだのはおそらく最速ですね。
295名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 23:32:46 ID:rqh0rOMk0
お疲れ様でした……
ハリオン…
零れ落ちるものに手を差し伸べても
指の隙間をすりぬける
哀悼を捧げつつ、次回に期待しております
296名無しさん@初回限定:2005/12/10(土) 23:33:56 ID:kgfLGCDl0
>>249
ネリーグール思い出した>首筋
寝たふりネリー。ユートくん、甘いな。後悔先に立たず。
成長した頃には相当いい女になってるから悪い虫が一杯。プロポーズするなら今だったのだよ。

>>251
どりる氏と予想してみる。(「-」の辺りが)

>>293
アセリアルートでファンタ帰還後に今日子達とその手の会話が無いのがずっと気になっていたので、
冒頭現代世界について聞きまくる今日子&光陰の補完が個人的には楽しかったです。
当然興味津々に湧いてくる残留組とかゲームにも少しはあればなぁ、などとつらつら。
ソゥ・ユート、Mind-30。このままでは立派なセイントにはなれません。ホーリーVも危ないか。
サポート魔法4連荘。流石の瞬も分が悪いか。なにせゲーム本編じゃありえないしw

で。
ハリオン……orz
シリーズ通して何故か注目していた彼女だけに……だからあれ程リヴァイブを覚えろと……
最後のヨト語に余裕の無さを感じて思わず涙腺が。彼女が庇ったのは遠い記憶と小さい笑顔。黙祷。

     __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))  
   | l|| ゚ヮ゚ノl|  <ところで私の出番が無いようですが、よもや忘れたなどという事は万々ありませんね?
   j /ヽ y_7っ= 
  (7i__ノ卯!   
    く/_|_リ
297名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 02:17:17 ID:CU/ifmSa0
>293
ハリオンなら、悠人の知らぬ間にハイペリア土産をゲットしていそうなんだがw
やっぱりハイペリア帰りのハイソなお嬢様達にはしもじもの田舎娘が色々聞きたがると言うものです。
しかしソーマさん。ここまで鎧袖一触とはカワイソスw
>『あの二人は、向こうの世界でも耐えられるように、神剣の力を使っていたからな。弱まっていても不思議ではない』
なんで俺に言わないんだよ! って言っても「聞かれなかったからな」とか言うんだろうなぁ。
佳織……なんというか。
世界……うお、意外に淡泊。
ハリオン……数有るSSでも戦死は初めてですかね。おbsnなにやってんの!

>296   | l|| ゚ヮ゚ノl|  <ところで私の出番が無いようですが、よもや忘れたなどという事は万々ありませんね?
大丈夫。最期の最期に 「,'´r==ミ、 これ位出ますから。

298名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 02:19:59 ID:C6/vF+Q4O
幾ら何でもソーマ隊弱すぎだろう、確かにゲームでも一般兵以下だけど
時代劇の殺陣じゃないんだし何かないのかこう見せ場が
299名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 02:27:34 ID:i+oJa+Lc0
>>293くじら318号さんへ
お疲れ様です。
良かったけども、残念なこともいくつかあります。
1・瞬とソーマの「憎しみ」「狂気」それらが何処からどうして来るのか、描かれていない。
2・瞬とソーマの「憎しみ」「狂気」それらの「意味」もちゃんと描けてればよかった。
人が「歪む」のには「そこに至るまでの理由と過程」があります。
瞬もソーマもまた「ただの人間」、彼らの過去と心情をできるだけ想像してモノローグかなんらかの形で描ければ場面に重みが出たかと。
歪まないですんだ悠人と、歪んでしまった瞬とソーマの違いを際立たせる事が出来ればもっと個人個人が引き立ったかもしれない。
悠人がどうして自分のためだけでなく、「わざわざ人のために命をかけて戦場に立っているのか」。
最初、佳織のためだったのがどうして身近に感じてきたスピリットたち、そしてラキオスから大陸全土への想いに広がったのか。
思考、思想、理想、信念、希望、信仰。人が心の拠り所にするものには必ず「理由」があります。
その理由の描写が漠然としたままだと、物語において盛り上がる場面の描写も漠然としてしまいます。
最後に、大事な事。
どんな邪悪も外道も卑怯も外道も、何処かで誰かを救っている場合が必ずあるものです。
ただ単に一般的に「悪」とみなされる行為に見えても、別の見方や立場からなら「善」にもなりえます。
例えば、この話においてソーマのスピリットたちは救われたとは私は思えません。
残酷な物言いですが、殺してあげたほうが彼女たちにとって親切であり幸せだったと感じています。

連載当初から感じていたのですが、あなたはどうにも人の心の闇を描くのにためらいを覚えているように見受けられます。
大変に無礼な物言いだとは自分でも思います、申し訳ありません。
ですが、ただ善きを善きとしてだけ描くだけではそこで止まってしまうのです。
あなた自身には「書く力」があると感じています、もっと自信を持って自己の感情の揺らぎを物語に投影したほうがいいかもしれません。
長々と、イライラさせてしまうかもしれない事を書いてしまった事をお詫びします。
300名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 02:34:00 ID:i+oJa+Lc0
>>298さんへ
もう少し、物言いを柔らかくしたほうが相手に伝わりやすいと感じます。
苦言も必要なものですが、くじら318号さんには噛み砕かないと伝わりにくいかと。
横から余計な口を挟んで、本当にごめんなさい。

>>296さんへ
はは、首筋からその作品を思い出してしまわれましたか。
成長していい女になって悪い虫がたかっている時にかっさらうのが、こーゆーのの醍醐味の一つなのですよw
与え合う愛も一つのカタチだけれど、かっさらう愛も一つのカタチだと思ってますから。
理由あってコテを明記しませんでしたが、そういう部分から予想されてしまいましたか。
正解かどうか肯定は出来ませんが、否定も出来ません。申し訳ないです。
ともあれ、コメントをありがとうございました。
301名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 03:09:13 ID:gnOoCJ8Y0
>>300
感想はともかく、一方的な決め付けと価値観の押し付けは程ほどにね。
302301:2005/12/11(日) 03:19:35 ID:gnOoCJ8Y0
補足。
299の感想の事じゃなくて、300の事ね。>押し付けと決め付け。
303名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 05:01:22 ID:zTG+TFNwO
超未熟者が言うのもなんだけど…ハナっから出来る人はいない
で、感想や評価を聞き、成長出来るかは本人次第

評価をする以上、書き手に対して辛い事を言うこともあると思います
が、投げつける(またはそう捉えられる)様な言葉は出来るだけ避けましょう


あと、ヘタレだけど書き手として一言…
書き手も「生活」を背負ってます。書きたいと思っても、思うように書けなかったり、書けても作り込む暇が無かったり…まあ、他にも思うように書けない状況や理由もあるものです。あまり突っ込み過ぎない様ににしましょう


まあ、俺はボロカスに叩かれる事も覚悟してますが…今日投稿予定のは、自分でも作り込みも表現も何もかもが足りないのは自覚してますし


とりあえず、く〜るにいきましょう
304名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 05:08:45 ID:i+oJa+Lc0
>>302さん >>303さん
確かに、相手の事に思慮がいっていませんでしたね。
これでは、良かれと自分は思っても独りよがりにしかならないか。

以降の発言を控えます。
重ね重ね、申し訳ありません。
305くじら318号:2005/12/11(日) 06:55:54 ID:TOxW6D1f0
>>295さん
期待を裏切らないよう、がんばらせていただきます。

>>296さん
サポート魔法4連荘・・・そこはまあ、力を合わせてGO!みたいな感じでw
安心せよ。おbsnの出番は第X章だ。・・・つーか本編でもそうだろうが。

>>297さん
【世界】あっさりしすぎですかw
まあそこは文中でも書いたとおり、もうそっちには目が行っていない、ってことを強調したかったので。
ここでおbsnが登場しないのは、ちゃんと理由があります。そこは第X章で語るつもりなので・・・

>>298さん >>294さん
ソーマ弱すぎですか・・・やっぱりそういう見せ場を期待してた人がいたんですね。大反省orz
ですが、ここでちょっと語らせてもらいますと、
ソーマはやっぱりああいう奴です。スピリットに対して異常な愛情を持っているとともに、
その一方で『噛ませ犬』的なイメージもあるんですよ。
ワタクシの一方的な見解を押し付けるわけではありませんが、ワタクシにはそういう風に見えているんです。
今回はその辺りを重視して、どうあっても悠人たちには勝てない。
ってことで、あっさりと殺してしまいました。

>>299さん
確かに、その辺りの『語り』が足りないですね。
ですが、この辺りは、展開のスピードを速めてワタクシ的にはテンポ良くしたかったわけです。
それに、セリフ以外の文は殆どが第三者視点で書かれていると思いますが、
あくまでこのあたりのメインは悠人主観なんです。
大事な人を守ろうとするあまり、悠人はソーマや瞬の心の闇を読み取れなかった。
だから語られなかった。そんな感じで理解していただければどうかと(滝汗

それともう一つ、どういったものであれ、指摘をいただけたなら有難い限りです。
今後の参考にさせていただきますね。
306名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 07:41:03 ID:zTG+TFNwO
>>304
え〜っと…特定の人を狙った発言ではなかったのですが、タイミングやら書きかたが悪かった様で…


寝惚けた頭でなんとなく「嫌な空気だな〜」と思ったので、自分なりの心構えやらをこれまた寝惚けた状態で書いただけだったりします

まあ、書いてる自分も同じミスをする事があるんで人の事は言えないのですが
307名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 10:48:46 ID:WsMpekkt0
つまりみんなソーマの大活躍が見たいんだな、そうなんだな?
よし、ここは漏れが一つやったことも無いSS書きに挑戦してやる! 後悔するなよ!


かつかつと、乾いた音だけが響くとある密室。時々混じる、溜息とも喘ぎともつかない女達の声。
蒸れた煙たい空気。薄暗いエーテル灯。汗と涙の匂い。なんだか判らない染みが所々に付着した石壁。
ソーマは、下卑た笑いを隠し切れなかった。スピリットを蹂躙し、そして鍛える。これ以上の愉悦は無い。
机に立てかけた杖をちらっと盗み見る。年季の入ったそれは鈍く光り、汚れが彼の人生のようにこびりついていた。
「はぁ、はぁ……ソ、ソーマさま、これ以上は、もう……」
「ほらほらどうしたのですか。まさか誉れも高い妖精部隊の一員が、これ位でギブアップなどという事は無いでしょうねぇ?」
「し、しかし……」
「ふん……まだ瞳の色が消えていないようですね。これは、鍛え甲斐がありますよ……くくく……」
「あっ! そ、そんな所を……」
言葉を遮るように、すばやく指を動かす。それだけで、緑の髪をしたその少女はぴくん、と可愛らしく跳ねた。
隊長の命令は、絶対。それは、骨の髄まで沁み込まされている。嘗め回すような視線にも今は黙って耐えるしかない。
ふと、元隊長を思い出す。漆黒の翼と恐れられていた彼女はとても優しかった。でも、もう居ない。誰も助けてはくれない。
「う、うう……もう……」
汗を拭い、ふっと身体の力を抜いた少女を見てソーマはほくそえんだ。もうすぐだ、もうすぐこの少女の心は折れる。
妖精趣味だのなんだのと蔑まれようと、彼にとってはその瞬間こそ自分が生を受けたその意味だと本気で考えていた。
少女の、震える指が恐る恐る差し出される。その白い指がどう動くのか、ソーマは舌なめずりをして待ち構えていた。
「…………クッ!」
「ふふふ……飛んでしまいなさい!」
ばらっ!
高笑いと共に、ソーマは自分のモノを少女の眼前へと得意げに晒す。
「クックック……メンタンピン三色ドラ三、ものの見事に高め……またブッ飛びましたね……」
「ア……アア…………」
がくりと雀卓にうつ伏した少女の髪が牌の間に散らばるのを見て、ソーマが弾けるように笑い出す。
その高笑いを、対面の少女はどこかうつろな瞳で眺めていた。サーギオスの夜は、長い。
308名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 10:58:49 ID:i+oJa+Lc0
>>307
おまいは、真の勇者だ。
タイトルこそ無いが、ぜひ保管庫におさめてもらいたい。
保管庫の管理人、御一考願う。
309名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 11:11:32 ID:1gZgDkNA0
>>307
ソーマのじいさんはエトランジェだからね。
きっとじいさんが持ち込んだ文化なんでしょうな。
…と空気読まずに真面目に考察してみる。
310名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 11:11:55 ID:6yZUI3rO0
>>307
「うああああぁ!
 そんな、そんな馬鹿な・・・・・
 僕が振り込むなんて・・・認めない!認めないぞぉ!」
「誓いの勇者様もこの程度ですか」

強いぞソーマタソ!
311名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 14:24:11 ID:CU/ifmSa0
「うぉーいネリーちゃんシアーちゃん。ちょっとさぁ〜面子が足りないんだよねぇ。どう? どう? あ、ヘリオンちゃんもどう?
ほらほら遠慮なんかしないで、俺達の仲じゃないか。ね? ね? これも相手の腹を探る洞察力を鍛える為の由緒正しいハイペリアの訓練方法
なんだよ〜。あ、ユートの奴はてんで駄目なんだけどさ〜」

「コウインさま……もうわたくしを誘ってはくれないのですね……」 落涙

つーかソーマさん、俺のエスにどんな高めをっ! 狙い撃ちなのか!? しかもエスの優しい姉達を籠絡しコンビ打ちでか! 
許せねえ! 俺も混ぜて下さい。
312名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 14:54:55 ID:/RUFIUJ80
ソーマ「背中が煤けていますねぇ……求めの勇者殿」
313名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 15:09:45 ID:xsNOG/C20
なんかいま唐突に
「勇者殿勇者殿〜」って駆け寄ってくる萌えソーマが頭に浮かんだ
314名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 15:24:35 ID:xsNOG/C20
なんかいま唐突に
「勇者殿勇者殿〜」って駆け寄ってくる萌えソーマが頭に浮かんだ
315おにぎりの中身の人:2005/12/11(日) 15:44:53 ID:JBxRTDeo0
シュンが『世界』となり、『求め』を砕かれた俺は力を失いしばらくの間眠っていた。
俺が起きたのはすでに帝国との戦いが見た目にはラキオスの完全勝利という形で終わり
国民の熱狂も少し冷めたあとだった。

しばらくは立つこともままならかたったが、どうも体を動かさないと落ち着かない。
第一詰め所を出て、陽だまりの木のところまで歩く。
一歩一歩、体に痛みが走る。

「ふぅ・・・・」
木にもたれかかり腰を下ろす。
暖かい日差し、世界は見た目には平和そのものだった。
しかしその中でエターナルの脅威が迫っている。
俺だけがもう戦う力を持たない。みなが戦うのを見ているしかない。
それが耐えられなかった。
「どうしたの?ユート様、つらそうな顔してるよ」
「・・・ネリー」
ネリーがいつの間にかしゃがみこんで俺の顔を覗き込んでいた。
神剣がないと気配を察知することも出ない。
「ユート様、一緒に遊ばない?トキミ様がハイペリアの遊びを教えてくれたんだよ♪」
ネリーはいつもの調子で、いつもの明るさで、俺を誘ってくれる。
それが今の俺にはとても嬉しかった。
エスペリアもレスティーナも、あのヨーティアですらどことなく、俺に気を使っているのが
ありありとわかっていた。
だからこそ、こうやって昔と変わらず普通に接してくるネリーの言葉が身にしみる。
316おにぎりの中身の人:2005/12/11(日) 15:45:25 ID:JBxRTDeo0
「ハイペリアの遊びかぁ・・・何を教えてもらったんだ?」
「うんとねぇ、オハジキっていうものをもらったんだ」
「オハジキかぁ、昔は佳織も持ってたなぁ」
「オハジキを打って当てて、押し出したら勝ちなんだよね」
「まぁ他にも色々と遊び方はあるけどな」
「それじゃユート様、一緒にやろー。みんなあっちで待ってるよ」
「あぁ、そうだな・・・一緒にやろうか」
ネリーの小さな手を借りて立ち上がる。
なんとなくネリーから力をもらったような感じがした。

「あっ、ユート様!お体は大丈夫なんですか!」
「大丈夫〜?」
「ふん、ニムとお姉ちゃんが行った時には寝てたくせに・・・」
第二詰め所の庭、そこには年少組みが勢ぞろいしていた。
「それじゃ、最初はユート様が鬼ね!」
「へ、鬼?」
そういうとみな、ポケットからオハジキを取り出す。
それは黒くって、重厚で・・・って



    _,、__________,,,、
    `y__////_jニニニニニfi
    〈_フソ ̄フ ,=-_,,,,-┴─'
    //o /rて__/
   ,//三/ / ̄"
  〈。ニ___/

ネリー!それおハジキやないか!
317おにぎりの中身の人:2005/12/11(日) 15:47:03 ID:JBxRTDeo0
何故か大阪弁になってしまった。
「それじゃいくよ!ユート様!」
いつの間にか四方をオハジキを持ったネリー・シアー・ニム・ヘリオンに囲まれていた。
やばい、これはやばい。
・・・いや、いくらなんでもこれは水鉄砲とか、おもちゃだろう?
ドキューン!
ニムが撃鉄を引くとその銃口から出てきた何かは俺の顔の横数センチを飛び詰め所の壁にめり込んだ。
マジもんじゃねぇか・・・
「あーあ、はずしちゃった。なんで避けるのよ」
避けるのよ、じゃねぇよ。逃げ場もないじゃねぇか。
神剣もないから防御フィールド張ることもできない
「それじゃみんな、一斉に!」
ヘリオンがさけぶ。
みんな殺す気満々ですね。
「うおおおおお!燃えろ!俺の中の何かぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」
ドキュンドキュンドキュンドキュン!
「はぁはぁ・・・」
なんとかすべての銃弾を避けることが出来た。
神剣を失ったとしても身に着けた反射神経。これは失われていなかった。
た・・・助かった・・・
けどもう一度来たら確実に死ぬ!
「も・・・もうやめよう!俺はまだ体がちゃんと動かないんだ!」
「えー、もっと遊びたかったのにぃ」
「仕方ないですよ、ユート様ちゃんと休んでくださいね」
た・・・助かった。
これでもう大丈夫・・・
318おにぎりの中身の人:2005/12/11(日) 15:50:54 ID:JBxRTDeo0
     __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))  
   | l|| ゚ヮ゚ノl|  <タイムシフト!
   j /ヽ y_7っ= 
  (7i__ノ卯!   
    く/_|_リ

「うぞぉおおおおおおおおお!!!!!」

〜fin〜



題名は「オハジキ」で。
思いついてから約10分で書いたので誤字脱字ハリオンマジックがあるかもしれませんが
ご容赦ください。
319名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 15:52:16 ID:LXG/hfVD0
そっちのおハジキかよw

酷いよおbsn
320名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 16:01:03 ID:EzM12Oa50
おbsn経由で持ち込まれたのか
321名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 17:27:00 ID:2sUFYxZi0
大阪弁になってもおハジキな悠人にワロタ。
おbsn、現代世界の兵器をファンタに持ち込んでどうするつもりだw
322名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 19:31:47 ID:6yZUI3rO0
>>318
ワロタww
それ以前にどうやったら鬼が交代するんでしょうかね?
とりあえずマトリクス避けしたであろうユートに乾杯w
323名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 19:50:40 ID:zTG+TFNwO
麻雀にお「ハジキ」…GJなネタです
次はロウエタをターゲットにした潜水艦ゲームとか…
「G-3とN-2に連続発射!…チッ、外した!」
「特撮とアニメばかり見ているアナタのパターンはお見通しです。まだまだ甘いですわね〜w」(神剣通信使用


急遽休みになったので、現在、SSの加筆&修正中〜
時間が許す限り作業を続ける予定です

…今夜投稿しとかないと一月中旬まで暇がない(汗
って、書いてて正月ネタが浮かんだ〜
諦めて作業に戻ります…
324名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 20:23:18 ID:CU/ifmSa0
ネリー。次はお手玉だ。
クールな女なら男を手玉に。
325名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 20:49:50 ID:2sUFYxZi0
新年も近い事だしここは

お題:すごろく

で各種職人様達に今から予約しておいてみる。
晴れ着の裾乱してサイコロ振るセリアとか、ハァハァ
326名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 21:02:51 ID:X/BG3f/k0
ラジオのニム荒れすぎだw
327名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 21:22:04 ID:6yZUI3rO0
ニムのせいというか、光陰とミュラーのせいじゃまいか?w
328名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 21:29:41 ID:CU/ifmSa0
すごろく。

フ「ねっ、ね〜ニム。こ、このジャニーズジュニアお正月だよ大運動会を録りたいんだけど……」
ニ「も〜お姉ちゃん、いい加減操作方法覚えてよね! 大体いい歳こいて晴れ着なんか着てマスクまで新調しちゃってさ」

ユ「あーまぁそのなんだ。そのHDDレコーダー”すご緑”って書いてあるように見えるんだが」

エ「お呼びですか?」
329名無しさん@初回限定:2005/12/11(日) 23:56:28 ID:Jpbwx6DA0
前スレdat落ち
330名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 09:28:52 ID:5MSE0v/X0
>>328
「すご緑」が「すごい緑」に見えたw
凄→にすいに妻→稲妻→クォーリン→そうか、すご緑とはクォーリンの事だったんだよ!

ク「お呼びですか?」

などと連想してクォーリンの晴れ着姿楽しんだ自分は勝ち組。
331名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 10:38:31 ID:fQNBemIOO
時間的な限界が来ましたので、不本意&不完全ではありますがSSを投下します

中盤の作業中に寝落ちしてしまった為、加筆・修正手付かず…orz
332名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 10:41:39 ID:5MSE0v/X0
キター!
333あるスピリットの終わりと始まり 1/11:2005/12/12(月) 10:51:32 ID:2NQVjmwq0
「…我が主人の関係者に貴様の様なスピリットは必要ない。大旦那様からのせめての情けだ、その金を持って早々に立ち去るがいい」
その日、彼女はこの世界に生まれてから長年仕えていた屋敷の執事に悪意のこもった言葉を投げつけられ、屋敷から強制的に追い出された

この世界に生まれてから…私は他のスピリットとは違い、屋敷の使用人として生活してきた
幼少の頃のご主人様に仕え、主人から様々な事を学び、長年の間お世話を続け…愛し合った
しかし、そんな楽しかった日々も今日でお終い…

悲しみが、そして、主人に対する行き場の無い長年の想いが彼女の身を襲う
しかし、どう足掻いても戻ることが出来ないと理解している彼女は、様々な想いを抑え付けて屋敷に一礼をすると行く当てもなく歩き出し始めた
334あるスピリットの終わりと始まり 2/11:2005/12/12(月) 10:52:28 ID:2NQVjmwq0
終戦からもうすぐ一年…
マナに頼った技術が国の方針により作られた装置の影響によりエーテル技術の使用不能又は使用が制限され、人々の生活レベルが徐々に低下していく昨今、それに伴う弊害を取り除くためにガロ・リキュアの上層部は各地の状況調査を決定
客観的な立場で冷静に判断出来る人材を求めた上層部は、各地の軍隊から隊長となる人物を、各地のから集まる希望者を隊員となるように人員を集め、人とスピリットの混成部隊による各地の調査を開始していた


調査に入って三日日―――先行した調査員の報告により、期間限定のやとわれの身とは言え軍属である事を知らせるのは調査上、問題があると判断した隊長の判断により、個別に旅人として街に入ったのだが、それが功を奏した様だ
335あるスピリットの終わりと始まり 3/11:2005/12/12(月) 10:53:27 ID:2NQVjmwq0
スピリットである彼女が宿として選んだのは、形だけの仕切りがある簡易宿泊所だった
スピリット隔離用の宿とされているのは正直、嫌な気分だったが、スピリット用だけあって値段は驚くほど安い。その安さに引かれて、スピリットに偏見の無い人も宿として利用していた
そして、宿泊初日からその宿泊所で長期滞在をしている人と意気投合した彼女は、その人物から色々と話を聞く事に成功
他の宿泊者の会話を盗み聞きしたり、軽く調査したのだが…

「酷いとは聞いていたけど、まさかここまで酷いものとは…」
ガロ・リキュアの旧ダーツィ大公国調査隊の隊員であるブルースピリットは、眼下で行われている予想以上の状況に言葉を失っていた
336名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 10:55:34 ID:fQNBemIOO
自己支援…
メモ帳直貼りなんで、思ったように入力できず(25文字改行予定だった
337あるスピリットの終わりと始まり 4/11:2005/12/12(月) 10:56:11 ID:2NQVjmwq0
地元有力者による市場の操作・街に立ち寄った者をターゲットにした窃盗および強盗殺人・街の中央通りすら安全ではない程の治安の悪化

そして今、遠く離れた眼下では、戦争孤児ターゲットにした日常的な集団暴行が行われようとしていた


地元有力者が用意した、神剣にのみ込まれたスピリット達が孤児達を運んでくる。すると、孤児を中心に人々が集まり、あっという間に三桁近い人が集まってきた
…聞いた話によると、「生活が苦しいのは、戦争孤児がいるからだ!」などと言いながら子供達を痛めつけているらしい
過去に何度か軍人が止めに入ったらしいが、あっさりと撃退され、地元有力者から何か言われ、それ以降は見てみぬフリをしている…とのことだった
338あるスピリットの終わりと始まり 5/11:2005/12/12(月) 10:57:27 ID:2NQVjmwq0

そして、暴行が始まる…
人垣の中で逃げ惑う孤児達。孤児達は幾度の暴行により体中に傷を負い、中にはは目を潰されて目の無い者や足の腱を切られてまともに歩けない者すらいた
そして、そういった身体的なハンデのある者が真っ先に捕まり、暴行を受ける
そして、痛めつける事に飽きた人達は、別の集団が拘束した孤児達の所へと向かう…
孤児達は…その醜い欲望の贄になろうとしていた


そして、拘束されたされた孤児に手が伸び、その幼い肌が晒される…まさにその時―――集団の外周に爆発的なマナの嵐が発生した!
嵐によって、密集していた人々が吹き飛ばされ、集団の中に穴が出来る
嵐の中心のに立っている女性は、外套からはみ出るほど長い髪を足元に覗かせながら…長旅によりわずかに汚れてはいるが、白を基調とした綺麗な女性用の外套に身を包み、外套とは不釣合いな程汚れた布に巻かれた長物を背負い、優雅に立っていた
339名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 10:58:02 ID:5MSE0v/X0
>>336
ノシステルス中
340あるスピリットの終わりと始まり 6/11:2005/12/12(月) 10:58:05 ID:2NQVjmwq0
突然の出来事に脅える人々を尻目に、女性は嵐を弱めて拘束された孤児に向かって静々と歩く…そして、その女性は、孤児達の目の前で嵐を解除すると、彼らに向かって声をかけた
動きを止めた人々の中から抜け出していた孤児達は、その女性の前に集まり話こそ聞いてはいたが…警戒していた


そして、その姿を見ていた街人の誰かが何かを叫ぶ…するとその声に反応したかの様に人々は騒ぎ始め、活動を再開。女性と孤児に殺到した
…が、次の瞬間、女性は目にも止まらぬ速さで長物を手に取り、片腕で一閃。近づいて来た人々をまとめて真っ二つに斬り裂く!
長物の先の布が血に濡れ、血を吸った布が、斬られた人が地に落ちる
そして、その布の中にある永遠神剣の鋒先が姿を現していた…
341名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 11:01:57 ID:fQNBemIOO
自己支援その2
342あるスピリットの終わりと始まり 7/11:2005/12/12(月) 11:02:18 ID:2NQVjmwq0
スピリットが人間を斬り殺した事実に動きを一瞬止める。しかし、狂気に染まった街の人間は止まらない
斬り殺した瞬間を見ていない後方の人間の狂気に当てられた人々はその恐怖心を忘却し、再度殺到した!

片手で神剣を振るい、狂気に染まった人々から孤児を守る様に戦う女性
だが、殺到する者の中にスピリットが混ざり始めると、片手では処理しきれなくなったのか、外套の下に隠していた物…
遠くからではよく見えないが、布に包まれた何かを孤児に預けると、殺到するスピリットの攻撃を両手を巧みに使って受け流し、まとめて斬り、神剣魔法で吹き飛ばす!
343あるスピリットの終わりと始まり 8/11:2005/12/12(月) 11:02:54 ID:2NQVjmwq0
狂気が始まって数分。その間に、女性の神剣を包んでいた布は無くなり、白く美しかった外套は返り血に染まっていた
狂気は延々と続く…かに思われた。が、その時、遠くで男達が剣を片手に叫ぶ!
そして、その剣の先には、別の孤児の集団がいた

女性は動きを止め、外套の奥からその子供達と今守っている子供達を見ると、ニ・三言葉を発して神剣を投げ捨て、その狂気の中に身を投げ出した

無抵抗に狂気の行動を受ける女性。殴る、蹴る、斬る、踏まれて罵られ…彼女の目の前で、集められた孤児達が、女性が抱えていたもの…赤子すら殺されようとしていた


344あるスピリットの終わりと始まり 9/11:2005/12/12(月) 11:03:33 ID:2NQVjmwq0
暴行により外套はボロボロ、体は傷だらけ。緑色の長い髪は泥で汚れながら、それでも立ち上がろうとする彼女…
だが、狂気に当てられた人々によりさらなる暴行が加えられ、女性は崩れ落ちた


私は―――動けなかった
目の前で同族が暴行を受けているのに…戦っているのに…!
無力だった。「大した力の無い私にも簡単に出来る単なる調査」とタカをくくり、軽い気持ちで参加した私には何も出来なかった!
私は目をそらし、天を見上げて叫んだ!自分の無力さと軽率さを呪った!そして…
(誰でもいい!誰でもいいから、あの人を!あの人が守ろうとした子供達を―――)
全霊を込めて祈った…


―――そして、奇跡は起きた
次に聞こえるのは孤児達の悲鳴と、女性の慟哭だと思っていたのだが…現実は違っていた
叫んでいるのは孤児達に剣を向けていた男性達。斬ったのは、長く青い髪を頭の上で結んでいるスピリット―――調査隊隊長、セリア・B・ラスフォルトだった
345名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 11:04:07 ID:fQNBemIOO
自己支援その3
346あるスピリットの終わりと始まり 10/11:2005/12/12(月) 11:06:07 ID:2NQVjmwq0
戦闘終了後、私は隊長と共に孤児達を守ったスピリットから話を聞き、赤子を抱きながらマナへと還っていく姿を見届け…そして、隊長の怒りを受け入れた
(何故、発見してからすぐに連絡を入れなかった―――)
隊長はそれだけを言うと、泣く赤子を抱えてどこかに行ってしまった
私はまたしても動けなかった。何も言えなかった…


数日後、隊長は戻ってきた。が、その手には赤子の姿はなく、隊長は極度の疲労から倒れ、ラキオスへと送還された
347あるスピリットの終わりと始まり 11/11:2005/12/12(月) 11:06:49 ID:2NQVjmwq0
しばらく後、セリア・B・ラスフォルトは、自らの髪を女王陛下に献上し軍籍から脱退した
それからの事は私も知らない。分かっている事は、その一件で、人間とスピリットとの間に子供が出来る事が判り、彼女は子供達を守る為、各地の発達途上のスピリットを集め保護活動を開始
…さらなる後、あの事件に関わった子供達を含む孤児を預かり、国と支援者の援助を受けて孤児院を作ったらしい


そして私は―――戦後の混乱期の出来事と平和への願いを歌う吟遊詩人になった
あの時の罪を忘れぬ為に。そしていつか―――あの人と孤児達の目の前で心からの平和と幸せを謳えるように―――
348無名:2005/12/12(月) 11:12:42 ID:fQNBemIOO
以上、不本意な作品ではありましたが投稿終了
女性(スピ)の登場やらセリア姉の書き込みやらが全然足りてません

あと、ちゃんとした文字書きソフト入れないとなぁ〜

投稿が作業になってしまったのは久しぶりだ…orz
349無名:2005/12/12(月) 11:23:55 ID:fQNBemIOO
…PCから見てて恥ずかしくなってきた
しばらく多忙(今も時間が迫ってる)で書き込みする暇がないので一月中旬まで沈黙(逃亡)します

スレをざっと見するくらいの暇はあると思い…たい

では、早いですが…よいお年を
350名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 11:42:51 ID:5MSE0v/X0
うぉ、何度も読み返していたら感想遅れた(汗

これは……こないだオフィシャルで公開された一枚絵の裏を思わず考えさせられてしまいました。
スピリット隔離用の宿とか状況が綿密に設定されていて、戦後の混乱した一地域が目に浮かぶよう。
最初に登場したグリーンスピリットのお姉さんは、どんな気持ちで我が子を子供に託し、身を民衆に差し出したのか。
ブルースピリットがただ動けずにいたのは、何故なのか。種族を超えた共存の難しさ。そんなものが全編から伝わります。
スピリットと人から生まれる子供の可能性。守ろうとするセリア、純粋に格好良い。
確かにちょっと読み足りないなぁとは感じましたが、それは設定が生きていて、興味が湧くからであって。
これでも充分面白かったです。乙でした。この勢いで、未熟(後編)も(ぇ


……ところでセリアさん、やけに疲れていたようですが、まさか授にゅ(ヘヴンズ
351名無しさん@初回限定:2005/12/12(月) 23:58:00 ID:sF4cQ7BD0
うーむ読みづらい。のだけどおもしろかった。
名無しのスピ達の、一瞬の交錯。それが何を生み出すのか。

彼女たちの行く先は果てしなく遠い。だけどこの目に映る地平線は空と大地が交わっているじゃないか。
希望(ひかり)灯すささやかな結晶が、その小さな握りしめた手をもみじのようにひらいて。そしてまた何かを握る日が来る事を願って。

>144から来てるわけなのかな。

長物って言うから剣かと思ったけど、槍なのね?



352名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 00:55:43 ID:GrZXAXOy0
ここ、ラキオススピリット隊にはひとつの伝説があります。
詰所の中庭にある、大きな一本の古木。
この木の下で、女の子からの告白で生まれたカップルは永遠に幸せになれる――――

「っって、ニムントールに聞いたんだけど本当なのセリアっっ!!??」

「あなた良く今まで生き残ってこれたわね」
353名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 07:05:37 ID:alqdHcgy0
流れた筈の>>313-314が妙に頭にこびりついて……こう、じわじわと……

戦いも終わり、平和を取り戻したラキオス。
エターナルにもならずラキオスに残った悠人は一枚の手紙により日溜まりの樹に呼び出されていた。
宛名は無い。文面にはただ、
『どうしても伝えたい事があります。卒業式の後、日溜まりの樹の下に来てください。御願いします!』
とだけ書いてあった。卒業式、というのが意味不明だったが、とりあえずはこうして待っているのだが。
やがて、背後から駆けて来る足音。すぐ側に、荒い息を整える気配。なぜか心臓がどきどきと跳ねた。

「ハァハァ……お、お待たせしました勇者殿!」
「ああ、いや俺も今来たトコ……っっっっておま、ソーマ!!」( ; Д ) ゚ ゚
「勇者殿……実は私……」
「うわああああぁ! 言うな! それ以上言うなぁああああっっ!!」

りぃぃぃん、ともう鳴らない筈の求めの警鐘が、鐘の音のように響いた。
354名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 07:46:27 ID:UeW5s8WK0
今俺が2重書きしてることに気付いた
しかしなんであんな時間差でなってんだ
それはともかく>>353吹いた
355名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 17:57:32 ID:hogUfWaR0
やばい、スピたんスルーが不可能になったorz
ttp://www.xuse.co.jp/product/spirits/digest.html
356名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 18:01:28 ID:YqnQEfJQ0
ああ、これはもうスルーするの無理だ
357名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 18:03:07 ID:xXuA0UDx0
こ、こんな餌d(ry

ちくしょう、釣られるしかないのか('A`)
358名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 18:21:46 ID:UeW5s8WK0
こんな餌を出されたら食らい付くしかないじゃないかっ!
359名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 19:13:16 ID:3SqRY4mw0
負けた・・・予約する・・・
360名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 19:14:51 ID:YmBoz4ak0
く、くそっ!ダイジェスト「だけ」が欲しくなってきたじゃないかっ
曲芸商法の亜種か?ザウスめ…中々やるっ('A`;)
361名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 20:55:31 ID:so/PNVkg0
購入後すぐに売却すればいいのでは?
オクを利用すりゃそれこそほぼ定価で売れるはず。
362名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 21:21:27 ID:V2N4i2id0
800×600になる上、PS版を買っていない自分には極上の釣り。しかし、

>Hシーン回想モード  ダイジェスト本編に収録されないシーンの「一部を」鑑賞可能

って事は収録されないシーンもあるのかな?
シナリオはアセリアルート一本道っぽいし。(>エンディング数  1 より)
後追加要素って何ですかざうすさーん。
363名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 21:44:51 ID:GrZXAXOy0
以前からこの特典の話しはあったと思うけど。雑誌でだけか。

>362
雑魚スピ陵辱シーンのことじゃね?
364名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 22:53:42 ID:NxaUu9kM0
なるほど。イービルルートを入れておけば悠人の株は相対的に下がり、その分
特に新規購入者にはロティへの高感度が知らぬ間に上がる……。はッ、まさか
これはザウス開発陣の裏にいるおbsnの深慮遠ぼ……

     __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))  
   | l|| ゚ヮ゚ノl|  <タイムシフト
   j /ヽ y_7っ= 
  (7i__ノ卯!   
    く/_|_リ


・・・・・・へー。なかなか面白い特典つけるなぁザウスも。
365名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 22:55:44 ID:hogUfWaR0
小説ルートに準拠してる悪寒。

イービル→アセリア
366名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:01:57 ID:alqdHcgy0
普通にスピたんから入る客層向けにアセリアの宣伝を兼ねて付けるのかとオモタ。
スピたんから入る客層というのがいるかどうかは知らないけど。
367名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:17:21 ID:VIc5/cq/0
>追加要素
     __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))
   | l|| ゚ヮ゚ノl| <二周期も若返った私が登場します
   j /ヽ y_7っ=
  (7i__ノ卯!
    く/_|_リ
368名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:32:16 ID:so/PNVkg0
>>365
それ意外とありそうだな。
小説ルートだとウルカとオルファも覚醒するわけだが・・・
エスだけ残留?
369名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:36:01 ID:UT/eWOC00
>>367
つまり、更に胸が薄くなるんd
370名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:54:40 ID:P03yvXf30
>>365
なんかシュンと会話している写真もあったしな
小説版は中々良かったから期待できそうだ

>>363
会員限定の情報だった希ガス
371名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:55:08 ID:Zh6KWaEi0

   " タイムアクセラレイト
     ´∴     #   __        ゜ヾ´      ″´∴
             「,'´r==ミ、―≡ ̄`:∵∧_∧´∴∵゛'
          __くi イノノハ))≡―=',(((      )≡―=‥、 ∵゛、゜¨
        , ≡ )| l|| ゚ヮ゚ノl|r⌒)  _/ / ̄ =―≡―   _
      ´∴'≡く / ∧   | y'⌒  ⌒ ヽ イノノハ))(  ≡―=‥、,、
     ″″    \/〈(((ノ从|  /    | | ゚ヮ゚ノ`=―≡―∞
     "        ||( ゚ヮ゚ー' |   |ヾノ   //
             =―≡ ̄`:, | ,  | ( ̄=―≒‥,,
  "       ,゛"=―≡―=',/  ノ )∵`=≡―=
            ″( ゚ヮ゚∴/´/ / |  | , ゚ヮ゚ノ'ゞ    ∵゛、 ゜  ¨
  ヾ       =―≡ ̄`:゛/ / \|  |≡―=‥、,、   ヾ
      ,゛"=―≡―='(  |  (  |=―≡―∞=@   , 、∴
               /  |  |  |\ \  ´ ∴  ヾ             .
  ・            / / |  |   | ヽ/⌒〉
     .... .  ............ . .(_  「 _) (_〈_/....... .  .. .  .... . . .

     __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))
   | l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
   j /ヽ y_7っ=
  (7i__ノ卯!
    く/_|_リ
372名無しさん@初回限定:2005/12/13(火) 23:55:46 ID:GrZXAXOy0
>368
オルファはまだしも、ウルカは冥加になっただけでは。

しかもその後、オルファがどうなったかまったく触れていないと思われ。
373エロ大王:2005/12/14(水) 05:04:00 ID:GYAXJ4zi0
おひさしぶりです>ALL

相変わらず黄泉応えのある・・作品ばかりで・・・・・・


スピたん、これは買うしかないな・・・・・・・・おどってみせるさ・・・・・意地でも・・・
374彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:41:12 ID:bfgNsxhw0
 聖ヨト暦332年 ルカモの月

 マロリガンを下したラキオスは、神聖サーギオス帝国との決戦に向け、着々と準備を進めていた。
 当初圧倒的だった国力差は、マロリガンを手中に収めることで総マナ量を上回った。
 陣営にも、『因果』のコウイン等、稲妻部隊が加わり、戦力面でもほぼ互角となった。
 今のラキオスに死角らしい死角は見当たらない。

 しかし、その一方で、決定力に欠いているのも事実であった。原因は技に秀でた訓練士の不在である。
 イオ、ロウィナールを初めとした、神剣魔法等のマナコントロールに長けた訓練士は居れど、
剣技に長けた訓練士が圧倒的に不足しているのだ。

 情報部からの報告書を眺め、嘆息を付いているレスティーナに、技術者クォーフォデは、
1人の女性訓練士の名前を告げた。
 なんでも彼女は、50年以上妙齢の姿を維持している、伝説的な剣聖なのだとか。
 眉唾ではあったが、藁にも縋る思いで、レスティーナは情報部にその所在を探し出すよう指示した。
 そして、ついにその場所を突き止めたのであった。
375彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:42:43 ID:bfgNsxhw0
 ミライド遺跡。一見、只のほら穴にしか見えないそれは、ダスカトロン大砂漠の中心に存在した。
「ここね。」
 交渉人として派遣されたファーレーンは、1人つぶやくと、入り口へと向かった。
 中へ入ると、一切の明かりが無く、内部は完全な闇に包まれていた。
 ブラックスピリットのファーレーンには苦にもならないが、とても人が生活しているとは思えない。
「(これは、外れでしょうか…。)」
「いや、正解だ。」
 ため息を付いたファーレーンの喉元に、突然冷やりとした感触と、それ以上に冷たい声が囁いた。
「ミュラー・セフィス様ですね?」
 五感を研ぎ澄ませていたにも関わらず、背後からの接近を許した事などかつて一度も無かった。
 屈辱と動揺を覆い隠し、ファーレーンは背後の人物に問いかけた。
「なるほど。私がここに居ると知っていながら、挨拶も無く入ってきたわけか。」
 背後の人物は、殺意を顕にし、嘲笑うように答える。
 常人であれば、それだけで殺すことも出来るであろう殺気に気が触れそうになる。
 しかし、国への忠誠心、自分を慕う妹、そして隊長への想いが、辛うじて彼女の意思を繋いだ。
「了承も得ず、内部に侵入したという無礼はお詫び致します。
 申し遅れましたが、私はラキオス所属のファーレーン・ブラックスピリット。
 本日は、女王の陛下の命により参りました。」
 前もって用意していた言葉をなんとか言い切る。
 すると、喉元の怜悧な感触と、背後の殺気が消え去った。
376彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:43:53 ID:bfgNsxhw0
「そうか、あのクォーフォデに腰を上げさせたラキオスか。」
 独りで納得するように呟く背後の人物。吹き出た汗を拭い、恐る恐る振り返ると、
後ろには穏やかな顔をした、妙齢の女性が立っていた。
 先程とは一変して、穏やかで温かみのある声であった。
「最近帝国からの追っ手がしつこくてな、いや、済まない事をした。」
「いえ、そんな、こちらこそ無作法をし、真に申し訳ありません!」
 スピリット相手に頭を下げる彼女に、ファーレーンは慌てて手と頭を振って謝罪をする。

 彼女は、そんなファーレーンの様子をおかしそうに見つめると、崩れた壁を拾い上げた。
 すると、何も無いはずの壁がせり上がり、扉が姿を現した。
「ま、立ち話もなんだから、とりあえず中に入ってくれ。」
 呆気に取られているファーレーンを招き入れると、室内中央の円卓へと案内し、椅子を差し出した。
 明かりも何も無く、崩れ落ちた壁がそのままになっている外とは対照的に、
 室内は明るく、第一詰め所のような小奇麗な空間が整っていた。
377名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 07:49:37 ID:Wp6zFXSV0
支援
378彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:50:39 ID:bfgNsxhw0
「では、話を伺おうか。」
 お茶にも手をつけようとせず、すっかり面食らっているファーレーンに、ミュラーは話を促した。
 忘れかけていた使命を思い出し、は、はい、と慌てて本題を切り出そうとした其の時である。

「ぜん゛ぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!ぜん゛ぜぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 静寂に包まれていた空間に、突然、呻き声とも叫び声とも付かない悲鳴が響き渡る。
 一瞬驚き竦み上がったの束の間、戦士としての本能が、ファーレーンを抜刀態勢に移行させた。
 しかし、ミュラーは特に慌てた様子も無く茶を啜り、鍔元に手を掛けるファーレーンを制止すると、
「済まない、少し待ってくれるか。」
 と言い残し、入り口とは異なる扉を開いた。
 ぱたん、と扉が閉まると、ファーレーン1人を残し、場は静寂に包まれた。
379彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:52:56 ID:bfgNsxhw0
「(あの扉の向こうに、何かがある。)」
 直感でそれを覚っていたが、今回の任務はあくまでミュラーとの交渉である。
 下手な探りを入れ、交渉を不意にするような事は断じてあってはならない。
 しかし一方で、好奇心や野次馬根性等とは断じて違う、情報部としての使命感がそれを許そうとしない。
 とは言え、相手はミュラー。下手に近付こうものなら、あっさりと看過されるであろう。
 だから、彼女はその場で目を瞑ると、全神経を聴覚に集中させ、鋭敏になった感覚を神剣の力で増幅させた。
 雑踏の中でも、500M先で針を落とす音すら聞き分けるという『月光』の隠された能力。
 早い話が『盗聴』である。ちなみに、仲間にはこの能力の事を話していない。
 情報部所属が極秘裏な事も理由の一つだが、以前この事を嬉々としてニムに話した時、
「お姉ちゃん、キモイ…」
 という思考を、表情から読み取ってしまった事がトラウマになっているからだ。
 以心伝心が仇になる事は少なくない。
 そんな事を思い出しながら涙を滲ませていると、扉の向こうから声が聞こえてきた。
380彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:54:01 ID:bfgNsxhw0
「ロティ、今は客人が来ている。熱心なのはいいが、もう少し静かにしてくれないか。」
「でも先生…、僕には、こんな、太いの、無理、です。どうか、せめて、他のに…。」

 どうやら、修行中の弟子の声だったようだ。弟子が居るとは聞いていなかったが、
伝説の剣聖なのだから1人ぐらい居てもおかしくはないだろう。でも、「太い」って一体…?
 ファーレーンは訝しりながらも、聞き耳を立てた。

「ったく、堪え性が無い奴だな。まぁいい、こっちのに変えてやるからしばらく静かにしててくれ。」
「本当に、すいません。あぁ、死ぬかと思ったぁ…、って先生!それさっきのよりも太あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 

 ずぷりという、何かを裂いたような音を最後に、再び静寂が場を支配した。
381名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 07:55:56 ID:Wp6zFXSV0
つ【支援】
382名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 07:58:54 ID:Wp6zFXSV0
支援
383彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 07:59:34 ID:bfgNsxhw0
 1分後、ファーレーンが『月光』の力を止め、知覚を正常に戻すと、扉の開く音がした。
「話の腰を折って済まなかったな。では改めて話を聞かせてもらおうか。」
 ミュラーは、そう告げると再びファーレーンの向かい側の椅子に座った。
「はい、でも、其の前に、一つだけ質問してもよろしいでしょうか?」
「別に構わないが?」
 何だろうと頷くミュラーに、ファーレーンはおずおずと質問を繰り出した。

「…さっきの人、大丈夫、ですよね?」

 考え込むように数秒の間を空けた後、剣聖ミュラー・セフィスは穏やかな笑顔でこう答えた。

「あぁ、全く問題ない!」

 そうですか、とファーレーンも同じように笑顔で答えると、本題を切り出した。
384名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 08:00:59 ID:Wp6zFXSV0
支援
385彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 08:01:23 ID:bfgNsxhw0
 レスティーナの理想の事、帝国との対決が間近に控えている事、訓練士が不足している事、
そしてミュラーにも協力してほしい事。

 ミュラーは一つ一つの言葉に真剣に耳を傾けて聞き、話が終わると、考える間もなく快諾してくれた。
 荷物を用意する外で待つよう指示を残し、奥の部屋に行こうとするミュラーにファーレーンは再び声を掛けた。
「あの、もう一つだけよろしいでしょうか?」
「あぁ、構わない。」
 ファーレーンは、頬を上気させながらこう聞いた。

「ユート様、いえ、私達の隊長も、ミュラー様の訓練受けるんですよね?」

 すると、ミュラーは不敵な笑みを浮かべ、

「無論だ。」

 と言い残し、奥の部屋へと向かっていった。
386彼氏と彼女の痔情:2005/12/14(水) 08:03:36 ID:bfgNsxhw0
 遺跡の外で待っていると、軽そうな旅行カバンと大太刀を担いだけのミュラーが現れた。
 もし必要な荷物があるのであれば私が持つとファーレーンは言った。
 しかしミュラーは、
「戦場に大事な物は持っていけないよ。」
 と笑いながらその申し出を断った。

「(そう、私がミュラー様を連れていく場所は、生と死が恒常的に隣り合わせの戦場なんだ。)」
 ファーレーンは自らの考えの至らなさを悔やんだ。しかし悔やんだところで、何も生み出さない。
 だから、彼女は唯一言
「行きましょう!」
 と、自分に言い聞かせるように大声で叫んだ。ミュラーも黙って頷いた。
 砂漠には似つかわしくない小鳥の囀りと、遺跡の奥から響く、何かを懇願するような叫び声を背に、
二人はその場を後にした。



 サーギオスとの決戦は近い。
387名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 08:07:45 ID:Wp6zFXSV0
支援
388名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 08:10:51 ID:Wp6zFXSV0
支援
389彼氏と彼女の痔情 あとがき:2005/12/14(水) 08:11:05 ID:bfgNsxhw0
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
/⌒ヽ  / ''''''     ''''''   ヽ
|  /   | (●),   、(●)   |
| |   |    ,,ノ(、_, )ヽ、,,     |
| |   |    `-=ニ=- '      |  
| |   !     `ニニ´      .!      天狗じゃ、これは天狗の仕業じゃ!
| /    \ _______ /
| |    ////W\ヽヽヽヽ\
| |   ////WWWヽヽヽヽヽヽヽ
390名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 08:28:54 ID:rsfR71Di0
すまん、弟子よりファーの回想の方で爆笑してしまったw
嬉々として報告し、一瞬で奈落に落ちた姿が目に浮かぶww
391名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 22:22:02 ID:W/39v/KP0
太い・・・・・・・

ロティ発売前からいじられていますなw
392名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 22:44:12 ID:JSePLOUy0
>>389

ミュラー先生、物を大事にするのはいいけどこの放置プレイは過酷過ぎやしませんか?w
393名無しさん@初回限定:2005/12/14(水) 22:58:51 ID:wjT709Gs0
おそらく、太い巻きヨフアルを恵方を向きながら食べる訓練……な訳ねえ!

スピたんではもうどんな太くてもへっちゃらなロティ君に逢えるんですね。コウインガンガレ。

ファー……喜々としてウルトラマンみたいな事を言っちゃだめでしょw ウルトラマンは3キロだったかな。
394スピたんパイロットフィルム:2005/12/15(木) 06:49:21 ID:5gF7R8hW0

第一詰所の裏。一本の大木の根元。
一人の少女が大人達に取り囲まれていた。
四方から差し出される大きな手。逆光で翳の差すそれを少女は拒絶する。
小さな腕を目一杯大の字に広げて。後ろにいるそれを庇うように。

ナナルゥ「後ろには、何もありません。本当です」(棒読み)
エスペリア「ナナルゥ、それはここに居てはいけないのです」
ウルカ「それと我々は相容れないもの。判って下され、ナナルゥ殿」

ロティ「……あの〜」
ナナルゥ「! 出てきてはいけません。何故ですか? この子は何も悪い事はしていないのに」(棒読み)
オルファリル「それが宿命(さだめ)なんだよ……オルファ達と、スピたんの」
アセリア「ん……捕まえた」
ロティ「え? え……な、なんなんです?」
エスペリア「アセリア、そのままバルガー・ロアへ。御願いね」
アセリア「ん。まかせろ」
ナナルゥ「待って、連れて行かないで〜〜」(棒読み)

らんら〜ら〜らららんらんらん らんら〜らんららら〜


ヒミカ「………………」

ごしごしごし。

『キャスト ×:ナナルゥ ○:ネリー』
395名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 10:59:50 ID:FYzLWjus0
ハリオン「やはりロティにとりつかれていたか」
396名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 11:14:38 ID:MrWnUtYj0
>>394
レスティーナ「薙ぎ払え!」
時深「スーパーアマテラス光線!」

照射される熱線が赤目で染まった大地を灼熱に塗り替える。
だが、ワラワラと迫り来る新主人公達の勢いは衰える事が無かった。

レスティーナ「どうしたおbsn!ぱにぽにに出演したというその力を見せ付けてやれ!」

しかし、人気投票で一向に票が伸びる気配が無い1000年前の古代兵器は、
2撃目を照射した所で崩れ去った。

シアー「ミュラーさま〜、おbsnしんじゃった〜」
ミュラー「その方がいいんだよ」



スピたん予約特典「風の谷のナナルゥ」絶賛上映中w
397名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 16:17:03 ID:JfreVVvVO
>>396
何て話をw
しかしミュラー大ババ様に殿下なレスティーナは嵌りすぎる。
蒼き衣を纏いしセリア、人質となった妹を助けるべく奮戦するペジテのユートも見たいなぁ。
398名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 17:47:17 ID:tWsafbeI0
新しい主人公かあ・・・
399名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 18:18:14 ID:1wkOEDMR0
カ「私は…ハイペリアのカオリ…帽子を…帽子を燃やして…」
ナ「了解」

アポカリプス発動

   ――風の谷のナナルゥ、おわり――
400名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 18:24:28 ID:CyvL2+//0
>>394-396
ワロス。
ラストはナナルゥが炉ティの触手の上歩いて幕ですかw

>>398
なぁに、かえって免疫力が(ry

まぁなんだかんだ言いながら雑魚スピスレ仕様に塗り替えられて、普通に馴染んでると言うのが俺の所感w
401名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 20:05:56 ID:FvEQDmhSO
ロティ「こ、コウイン隊長!や、やめてくださ……ア―――ッ!!」
光陰「ああ…ロティの中、あったかいぞ…」


ネリー「何書いてるのー?」
シアー「の〜?」
ヒミカ「―――!!?」
402名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 22:12:10 ID:+RVnSVGY0
ミュラー「セリアが怒っておる……赤い攻撃色をまとったヘヴンズソード……」

ネリー「セリア、怒りを収めて! (フォンフォン)  ツンデレの音が効かない!?」
403名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 22:33:38 ID:5ueTAe050
>>402
どんな音なんだ、それw
404名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 23:06:48 ID:AcY9cERw0
>401
さすがに年末まで時間がないんでは・・・
405名無しさん@初回限定:2005/12/15(木) 23:33:23 ID:+RVnSVGY0
>404
手伝えばいい!!

つか、ロティはフタナリだといいなあ(ぉ

>400
>雑魚スピスレ仕様に塗り替えられて
そう。俺もそう思うのよね。
だからね、結局スピたん最大の罪はヒミカの貧乳説を完膚無きまでに否定してしまった事だと思うのよ。
406名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 00:50:57 ID:N+WoW9Ck0
>>405
ヒミカは無印の時点では貧乳ではなかったのだが・・・
俺からすればEX以降の貧乳説にこそ違和感を感じていた。
そんな訳でサラシでも巻いてるからEX立絵では胸無いように見えると脳内補完してた。
てゆーか胸があるヒミカさんが好きです。きっと脱いだら凄いんです。
・・・ハリオンやナナルゥには敵わないけどw
407名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 02:34:54 ID:SQPnDNlT0
軍辞めてハリオンとヨフアル売るようになってから毎晩彼女にセクハラされてた説。
408名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 04:40:58 ID:19STenm0O
会員登録してヘリオン抱き枕を注文しました!
たぶん使えないけどね…orz

スピたんは…まだ迷い中
ダイジェスト版は欲しいけど…


最近、忙しさを理由にしてた事を反省中…(身内に指摘された
409淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 10:39:11 ID:wZ7lUxWI0

窓から差し込む、穏かな春の日差し。戦時中にも関わらず、のんびりとした爽やかな空気。ここ第二詰所は平和だった。


「はぁ〜たまにはこう、息を抜くのもいいわねぇ。最近戦いばっかで、肩が凝ってしょうがないったら」
こきこきと肩を揺するのは、『空虚のキョウコ』こと岬今日子。うっかり神剣に魂を奪われかけた二股疑惑まっしぐら娘。

「あの、キョウコさま、それはちょっとおbsn 臭いのでは」
少し困った風に苦笑いを返すのは『赤光のヒミカ』ことヒミカ・レッドスピリット。
レッドスピリットのくせに神剣魔法が苦手な、ちょっぴり戦士としてはファイアーエンチャットな生真面目さん。
慎重にカップを取り上げる仕草にも普段の几帳面な性格がよく滲み出ている。ペンは剣より強しが持論だと専らの噂。

「いいのいいの〜。今日は男共、だ〜れも居ないんだからさ」
「というか、何故キョウコ様がここにいらっしゃるのですか?」
無表情のまま、平板な口調で問いかけるのは『消沈のナナルゥ』ことナナルゥ・レッドスピリット。
常にサポートポジションで無口な砲台と化し、謎の言動が絶えない不思議っ娘。おはぎと草笛と天井をこよなく愛す巨乳No.2。

「言われてみれば。今の時点では敵じゃないの」
ちゃき。すかさず神剣に手を伸ばすヒミカに、今日子は慌てて降参のジェスチャーを示した。
「あははは〜まぁ細かいことは気にしないで! ヒミカもその、えっと……『赤光』だっけ? そんな物騒な得物しまってよ」
「……細かいのですか?」
「細かいわよ〜! ヤぁねぇナナルゥったら、大体雷なんて炎みたいなモンだしさ、ね、ね? いいでしょ?」
「…………意味が判りません」
「(光陰みたいにエレメンタルブラスト三連発なんてくらったらたまんないからね……攻撃は最大の防御っていうし)あは、ははは〜」
「………………」
「おっまたせ〜、準備、出来たよ〜!」
微妙な空気の中元気に飛び込んで来るのは『理念のオルファリル』ことオルファリル・レッドスピリット。
たまに misson 途中で行方不明になり、場合によってはX章直前でのセーブデータを無効化するトラップ娘。
二股お下げが今一ロリ属性に結びつかないのはその実年齢のせいなのか。最近よせばいいのにエヒグゥを一匹飼い始めている。
410名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 10:43:20 ID:G9JKgnfb0
あらあら?支援ですかぁ〜?
411淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 10:43:46 ID:wZ7lUxWI0

ちらっとオルファリルを一瞥し、すぐに油断無く今日子をジト目で観察していたヒミカが眼光鋭いまま念を押す。
「…………飲まれて、無いですよね?」
「え? あ、『空虚』のこと? うん、それは大丈夫よ、光陰が身代わりになってくれているから」
「身代わり……?」
「身代わりって一体……」
「良くわかんないけど……それって酷くない、キョウコお姉ちゃん」
きょとん、とその意味を図りかねているヒミカが、一同を見渡す。三人とも、微妙な表情を浮かべていた。
オルファリルの口調にあまり光陰に対する気の毒さが感じられないのは果たして話が見えていないだけのせいだろうか。
「はぁ……判りました。それでは一時休戦という事で宜しいですね、キョウコ様」
「あ、うん、そうそれっ! それで行ってみよーー!」
「………………(じーーーー)」
まだ納得し切れていない表情の、いや、そう見える無表情のまま、ナナルゥは今日子の額に浮かぶ大粒の汗を見つめていた。

「オルファ、ご苦労様。それにしても……これだけ揃っていて料理が出来るのが最年少のオルファだけなんてね……はぁ」
「あ、ははは……」
気を取り直したヒミカがようやくオルファリルに向きなおし、溜息交じりに苦労を労う。
はにかみ、どういえば答えればいいのか返答を迷っているオルファリルの様子にすかさず今日子が間に割って入っていった。
「ヒミカ、その辺は深く考えちゃダメだって。そんな事より皆集まった所でっと……乾杯っ!」
「そ、そうですね……乾杯!」
「えへへ〜、乾杯!」
「だから何故キョウコ様がここに……乾杯」
誤魔化しきろうと杯を上げる今日子につられるように皆が唱和して、赤(一部除く)の宴は始まった。


ランサ防衛戦が開始されてから早数週間。ここラキオスに残っているスピリットは少ない。
特に属性攻撃の要であるレッドスピリットは忙しく、こうして三人が揃うというのはかなり珍しい事だった。
412淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 10:46:01 ID:wZ7lUxWI0

「ほら、モノローグにもちゃんと三人、と書いてあります」
「ナナルゥお姉ちゃんなにぶつぶつ言ってるの〜? お料理、冷めちゃうよ?」
「……頂きます」
意外としつこいナナルゥの突っ込みは軽く流されてしまうが、本人も余り気にしてはいないようだ。
「それにしても……本当に上手よ。何か秘訣でもあるの、オルファ」
「あ、それアタシも聞いてみたいな。ねね、どうなの?」
うんうんと納得げに料理を深く噛み締めながらヒミカが呟き、便乗した今日子が肘をツンツンと突きつける。
オルファリルは照れながら、猫のように目を細めて頭を掻いた。
「え〜、う〜んなんだろう…………オルファ、料理好きだから。あとは……愛情、かなぁ」
「愛情?」
「う〜ん愛情かぁ〜」
「愛、情ですか」
首を傾げるヒミカ。苦笑いの今日子。相変わらず無表情のまま、合いの手なのか復唱に加わるナナルゥ。
「うん、愛情! ナナルゥお姉ちゃんは、“誰かにオイシイもの食べて貰いたいなぁ〜”なんて思った事、ないの?」

「…………」
ナナルゥは、暫しの間考え込んだ。愛情。→情熱。→情熱の赤。→自分はレッドスピリット。∴愛情=使命。
カチャカチャカチャ――チーン。妙な電算機のような擬音が辺りに響く。
ナナルゥは顎に手を当て、更にじっと料理を見比べ、先程のオルファリルの態度を思い出し、そして。

「食べて貰いたいなぁ〜……へっへっへ」

ガタガタガタッッ!!
一斉に立ち上がり、引きまくりの三人が弾いた椅子の音が部屋中に響き渡る。
機械的な笑みを浮かべたナナルゥに、先程までのほんわかとした雰囲気は微塵も残さず綺麗に吹き飛ばされてしまっていた。
413淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 10:48:24 ID:wZ7lUxWI0

ぴしっと凍りついた空気の中、仰け反ったまま大量の冷や汗をかいたオルファリルがようやく声を絞り出す。
「ナ、ナナルゥお姉ちゃんもういいよ……無理いってゴメンね」
「……そうですか?」
「ご、ごめん、本気でビビった、アタシ」
普段強気の今日子までが、わなわなと震えている。ヒミカにいたっては真っ青な顔で全身硬直したまま。
その場の全員が、ナナルゥの料理だけは今後一切口にすまい、と硬く心に誓っていた。
レッドスピリットしか居ない筈の部屋には、猛烈なアイスバニッシャーの吹雪が暴れまくっていた。


「そ、それはそうと、やっぱり料理は愛情か〜。でもオルファリルってば、食べて貰いたい人なんか、いるんだ?」
ナナルゥの不思議思考に引きづられそうになった場の空気をなんとかしようと今日子が話題をすり替える。
「うん、パパだよっ!」
「…………ごちそうさま」
しかし、予想外の、ある意味真っ直ぐ過ぎるつまらない即答。今日子はがくっと肩を落とし、席についた。
一方ようやく我に返ったヒミカもその様子を見ながら気を取り直して座り直す。ふと、立てかけた『赤光』が目に入った。

「…………」
思えば戦士として自分を規定してきた人生。性別は女なのに、女性らしい生活とはまったく無縁だった。
料理など、考えた事もない。でも楽しそうなオルファリルは何だか羨ましい。少しはやってみてもいいのかな、と興味も湧く。
だけど愛情といわれても一体どうやって料理に活かせばいいのかしら。
あ、技術じゃなくて、気持ちの問題か。愛情、愛情ねぇ――――そこまで考えて、ふと思い当る背中。
汚れた、背の高い後姿。戦いまみれのこの生活の中、接する事も限定された異性の、振り向きにっと爽やかに笑った顔。

≪ぼちぼちやるか。気楽に行こうぜ≫

「…………なにやってるの、ヒミカお姉ちゃん」
気づけば、無言でテーブルに突っ伏していた。
414淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 10:55:46 ID:wZ7lUxWI0

信じられない。なんでここでコウイン様が。砂漠で一度会っただけじゃない、あんなの接したなんて言わないわよ。
というかなにこの悪寒ふざけてるの――――頭の中の消しゴムを総動員する。イヤな汗が全身から噴き出していた。
「落ち着いて……だめよヒミカ、国のため、仲間のため、私は戦わなくてはいけないの、うんそうなの」
焦る気持ちを懸命に抑え、必死に自己叱咤する。傍から見れば意味不明の戦闘台詞を呟きながら。
やり直しよ……大体彼は敵なんだから。ほら、異性ならもっと他にもいるでしょ、ハリガネ頭の。
そうそう、頼りないけど最近少しだけ気になる……あ、でもサモドアは凄く格好良かったな――――などと連想。
ぼやけた像が次第にはっきりとしてきたので、ヒミカはちょっとだけ嬉しくなった。
そこで止めておけばいいのに、調子に乗って創作を始める。既に連想は妄想になりつつあった。

≪うん、美味い。まったりとして、それでいてしつこくない口に残る清々しさ……ヒミカって料理上手だったんだな≫
≪そ、そんな美味○んぼな事ないですまだまだで……あ、でも一つだけコツが……籠めた愛情、気づいて頂けましたか?≫
≪ヒミカ……嬉しいよ。君の瞳に乾杯≫
≪え、え、そんな、あ、待って下さいまだ心の準備が……≫

「それでその時の光陰ったらさ〜」

≪コ、コウイン様ご堪忍を……あ〜れ〜≫
≪ききき、君が食べたい、ヒミカタン、ハァハァ……≫

「…………なにをやっているのですか、ヒミカ」
気づけば、わたわたと何も無い背後の空間を両手でばたばたと掻き消していた。全力で。
415淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:04:23 ID:wZ7lUxWI0

「あはは〜、コウインさまって昔っからそうなんだね〜って……ヒミカお姉ちゃん、どうしたの?」
「そういえばなんかさっきから顔色悪いよね……大丈夫?」
あらぬ妄想を邪魔され、憮然としたまま料理の残りをばくつくヒミカを心配そうに覗き込むオルファリルと今日子。
まさか理由を話す訳にもいかず、一瞬今日子を睨みつけただけのヒミカはやり切れない何かを感じつつ胃袋を満たしていた。
料理がほろ苦かった。


料理も片付き、ティータイム。一時の静寂が占める空間。差し込む穏かな日差し。四人は、思い思いのハーブを楽しんでいた。
「キョウコ様は、コウイン様に何かを作られたりするのですか?」
「へ? アタシ?」
ふと、ナナルゥが思いついたように質問をする。唐突な発言に、ヒミカが顔を上げた。オルファリルも興味津々に注目する。
今日子は話が自分に振られた事に、そして全員に注目されている事にちょっと驚いた。
三人の顔を見渡した後、頬をぽりぽりと掻きながら、バツの悪そうな顔をする。
「う〜ん……全然? ほらアタシってばこんなんだし……苦手なのよね、そういうの」
「あ〜うんうん、ネリー達もね、そんな事言ってるよ〜」
「でしょ? 大体こういうのって、向き不向きがあるんだって。全く、料理が出来ないと女じゃないなんて偏見よね」
賛同を得て、調子に乗る。いつもの失敗パターンなのだが、大仰に溜息をつく今日子にはまだ事態が把握出来ていなかった。
416淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:07:02 ID:wZ7lUxWI0

「女じゃない…………」
無邪気にはしゃぐ今日子に思わず頷きかけ、はたと我に返るヒミカ。料理が出来ないと女じゃないなんて偏見。
それは正論だろう。だがしかし、それではオルファリルを羨ましがる自分の気持ちが説明出来ない。本当にそうなのか。
オルファリルと今日子を比べ見る。ついでに料理の達人エスペリアも連想――――

≪うん、エスペリアの料理はいつ食べても美味いな≫
≪もう、ユート様ったら。そんな事言っても何も出ませんよ♪≫
≪パパ〜! ね、ね、オルファのは? どう?≫
≪ああ、オルファのも最高だ。つい食べすぎちまうよ。いつもサンキュな≫
≪えへへ〜♪≫

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

≪がはっ! ちょ、おま、これちゃんと味見したのか?!≫
≪アア〜ン? ふざけんな、アタシの料理が食えないっていうのかい?≫
≪うぉ、ちゃぶ台ひっくり返すなっ!……って今日子さん? 待て、神剣は待て!≫
≪問答無用! 行っけーーーっ!!≫
≪うわあぁあっ! もうだめだーーーー!!≫

……('A`)

どう考えても、料理は出来る方が良い。ヒミカは愕然としつつ、そう確信した。意外と切実な事態だった。


一方ナナルゥは、今日子の話に相変わらずの無表情で適当に相槌を打っていた。
「そうなのですか?」
「そうよぉ。悠なんて、いっつも『佳織の料理は美味い』なんてこれ見よがしに自慢してさぁ〜……少しは女心を判れっての」
「つまり料理とは、感情を籠めて作るものかどうかが試されるものなのですね」
「うん! でもでもぉ、たっのし〜んだよ、ナナルゥお姉ちゃん。特に苦労した料理を食べてもらえる時なんてぇ〜」
「まぁ、相手に自分の愛情が伝わったらそりゃー嬉しいけどねぇ。でも、細々とした作業がアタシにはね……たはは」
「え〜そんな事ないよ、キョウコお姉ちゃんも一緒にやろうよ〜」
417名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 11:11:45 ID:TR1Paavv0
支援
418淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:13:25 ID:wZ7lUxWI0

「………………」
盛り上がる二人をよそに、ナナルゥは考えた。料理を使命と判断した以上、習得するしかない。後は手段だけ。
その道で上を行くオルファリルに間違いは無いのだろう。ならば、打ち克つ為にはオルファリルの行動をトレースすればいい。
既に彼女の中では料理が出来ない=戦士として劣るの図式が完成していた。ショートカットも甚だしいが、本人に自覚は無い。
カチャカチャカチャ――チーン。再び鳴り響く、謎の擬音。結論は弾き出された。 ∴パパに料理を食べさせれば勝ち。
「理解しました。早速行動に移します」
炎の料理人の誕生だった。

「ナナルゥ、何か判ったの?!」
こくりと確信めいて頷いているナナルゥに、妄想に耽っていたヒミカが突然噛み付くように身を乗り出し問い詰める。
ハイロゥリングを薄っすらと赤く染め、どこか尋常ではない様子に今日子とオルファリルは思わず息を詰めた。
「教えて! 御願いっ! 料理について何か掴んだんでしょっ!!」
ヒミカは、必死だった。先程の妄想から逃れる為、否、本人は気づいていないが女としての本能が彼女を突き上げていた。
普段自覚の無いだけに、一度点火すれば燃え広がるだけ。抑えても抑え切れない揺れる乙女心。
「…………ヒミカ?」
同僚の赤い瞳に懸命さを感じ、ナナルゥは一瞬きょとんとした。
もとい、きょとんとしたと思われる無表情で、一度目をしばたかせる。そして。
「…………フッ」
何故か、得意げに鼻で笑った。

ぷちっ。
419淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:14:57 ID:wZ7lUxWI0

どこからか、何かが切れた音がする。今日子とオルファリルは、考える前に椅子ごと後退していた。
理屈ではない。今まで培ってきた経験が、生物としての生存本能が彼女達を突き動かす。
小刻みに震えるヒミカの背中が一回り大きく見えた。戦闘服の上に、良く見るとゆらゆらと陽炎のようなものが立っている。
今日子はここに来て、ようやく悠人を引き合いに出した自分のタイミングの悪さを悟った。
「ちょ、ちょっとヒミカ落ち着」
だんっ!
「…………」
頑張った方だろう、オルファリルの手前、必死に搾り出した今日子の制止の声。
それを、ヒミカは何気ない踏み込み一つで沈黙させていた。
別に今日子の声が聞こえていた訳ではない、唯の偶然。それでも場を静寂で包みこむのには必要にしてかつ充分。
身体が傾いたのは踏み抜いた床のせいなのだが気にも留めない。がしゃん、と彼女のカップが床に落ちた。
ナナルゥを、睨みつける。今度ばかりは、謎思考で済まされる問題では無かった。
国のためでも、仲間のためでもなく。
ましてや戦士としてのプライドを捨ててまで縋った手を、あっさり払いのけられたのだ。

「………………」
頭上に浮かぶ光輪がゆっくりと変形を始める。幾度と無く戦場で使い慣れたこのスフィアハイロゥ。
恨み晴らさで置くべきか。ヒミカの口元にも、冷徹な歪みが発生する。同時に身体から迸る、膨大な熱量。
それはあっという間に部屋中を占め、設置された温度計がぱりん、と軽い音と共に砕け散った。

「……フ、フフ、フフフフフフフフ」
「……へっへっへ」
押し黙り、俯いて笑い出す赤二人。その背後にいきなり燃え上がる情熱のヒートフロア。
「お、お姉ちゃん達〜やめようよ〜」
既に部屋の隅へと退避を決め込み、『理念』を両手で抱え込んだままのオルファリルが無駄と思いつつ呟いていた。
420淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:19:32 ID:wZ7lUxWI0

「あ〜腹減った……お、なんだ、良い匂いがするな……って、今日子!」
そこにうっかり現れるのは、高嶺悠人ことエトランジェ・ヘタレ・ユート。
砂漠から一時帰還した彼は、誰も居ない第一詰所で食料を見つけられず、ふらふらとここ第二詰所まで彷徨ってきたのだが。
「な、なんで今日子がここに……そうだ! 神剣は? もう大丈夫なのか?!」
待ち受けていたのは予想もしなかった古馴染み。しかも、引き攣った笑みでひらひらと手まで振っている。元気そうだった。
「あ、ははは……はろー、悠」
「はろーじゃないだろ、心配したんだぞ! 今までどうしてたんだ! それに光陰は…………あん?」
問い詰めながら、ふと気づく違和感。今日子のこの態度に、悠人には覚えがあった。
そう、なにかマズイことを仕出かした時、誤魔化す時の仕草がこれだ。なんだ、一体何が――――がしっ。

「…………へ?」
突然、両手を抱え込まれるような感覚。ずっしりとした、温かい重量。気のせいか、暑い室内。ていうか、熱い。
「って痛っ! な、なんだなんだヒミカと……ナナルゥ?!」
見ると、燦然と輝くスフィアハイロゥの下で二人の赤い髪が逆巻き立ち、ちりちりとイヤな音を立てている。
まるで獲物を狙うような翡翠の双眸をぶつけ合って。気のせいか、二人の視線が絡み合う先にはぱりぱりと飛び散る火花。
悠人はようやく異様な周囲の様子に気がついた。二人とも、悠人の叫び声などまるっきり聞いちゃいない。
「パパ、発見。作戦を遂行します」
「……ナナルゥ、ユート様を離しなさい」
「譲れません。いかにヒミカといえど、それが私の使命ですから」
「そう……判ったわ、勝負、という事ね。望む所よ、受けて立とうじゃないの」
「フッ…………後悔、しますよ?」
「貴女こそ。その能面面、いつまで保てるかしら」
「心配いりません。その根拠の無い自信に嘲笑しかけてます」
悠人を挟み、互いを睨みあう二人。めらめらと燃え盛る赤いマナが、周囲を蜃気楼のように歪ませる。
421淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:26:29 ID:wZ7lUxWI0

――――いや、多分だけど後悔するのは俺だから今までの経験上。そんな突っ込みが浮かぶが、とても口には出来ない。
なんだか判らないまま、背中に滲み出してきた冷や汗に懸命に耐えながら、悠人は周囲を見渡した。
「ええっと……今日子さん?」
救いを求めるように、今日子の方を向く。すると今日子は気まずそうに、無言で手を合わした。死刑宣告のようにも見えた。


≪ごめん、悠!≫  ≪謝らんでいいから、事情を話せ≫
≪それはその……話せば長くなるってやつ。色々あった訳よ、諦めて≫ ≪諦めるってなんだっ!≫
幼馴染ならではの、必死のアイコンタクト。しかしそれは、なまじはっきり伝わるだけに不毛だった。
視線を逸らしてしまった今日子の背中から、朱色のツインテールが見え隠れする。悠人は目標を切り換えた。
「なんだオルファ、そんな所にいたのか。あのさ、なんでこんな事に」
「が……頑張ってねパパっ! オルファ、クサバノカゲから見守ってるからっ!」
悠人の言葉を遮るように、『理念』の奥でにぱにぱと手を握ったり開いたりしながら殊更明るい口調で告げる。
「いやだから、何を頑張れと……お、おおっ!」
というかその例えは色々と違うぞオルファ、と続けようとした途端、急に出口へと引っ張られる身体。
同時に両側から腕に伝わる柔らかい感触が……じゃなくて。
両手に花状態の筈なのに、悠人はただ言い知れぬ恐怖だけを両腕越しに感じていた。
422淑女達の談義〜冷静と情熱の狭間〜:2005/12/16(金) 11:32:05 ID:wZ7lUxWI0

「ちょ、ちょっと待て、待てって! どこ行くんだ、ヒミカ、ナナルゥ?!」
「どこって……ユート様、お腹を空かされているのですよね?」
至近距離で、どこか妖艶な笑みを情熱的に浮かべたまま恍惚と囁くヒミカ。

「私達で、それを満たして差し上げようと」
まるで先制攻撃を放つ時のように淡々と冷静に告げるナナルゥ。

『契約者よ、我は置いていけ』
そして珍しく必死な『求め』の訴え。

(ふざけんなバカ剣、持ち主を見捨てる気か? こうなったら一蓮托生だ)
「あ、『求め』は邪魔ですね……よっと」
「…………え゛?」
思った側からヒミカにひょい、と取り上げられる。
『求め』があったからといってこの事態がどうなる訳でもないのだが、
何故か最後の希望が断たれたような気がした悠人は反射的に腕を伸ばした。が、時既に遅く、手は虚しく宙を掴む。
その先で部屋の壁に立てかけられた『求め』から放たれる、今までに見た事も無い位穏かな輝き。人情が紙風船だった。
「それでは、行きます」
「……はい」
猛烈な、プレッシャー。背骨の奥まで突き刺さる情念の嵐。鷲掴みにされる心臓。
『求め』を奪われ、ただの○校生と成り果てた悠人に、既に抗う術は残されてはいない。
二人とも料理は出来るのかとも今更聞けず、悠人はがっくりと首を項垂れ、そのまま大人しく厨房へと連行されていった。
せめてアセリアの時のようなことにはなりませんように、と祈った事もない神に祈りながら。


「うわぁああああぁあ! もう、だめだぁぁぁあぁ…………」
やがて厨房からきこえてきた阿鼻叫喚の叫びに、残された二人が総身を粟立たせたのは言うまでも無い。
こうしてちょっぴりお約束な赤のお茶会は無事終了した。どっとはらい。
423信頼の人:2005/12/16(金) 11:36:56 ID:wZ7lUxWI0
ちなみに戦闘中ではないのでヒミカはサラシを巻いてません。

支援、ありがとうございました。
誤字脱字ハリオンマジック等、御指摘があれば幸いです。
424エロ大王:2005/12/16(金) 11:40:24 ID:HQEZmuSA0
おひさしぶりでw

>ちなみに戦闘中ではないのでヒミカはサラシを巻いてません。

ということは戦闘開始前には上半身裸のヒミカさんのイベントが見れるということですね
425名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 14:10:16 ID:UOKt+GCv0
>>423
乙です。
戦闘台詞を無理なくネタに盛り込むのはさすがとしか言い様がありませんw

今回も楽しませて頂きました。
426名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 21:55:02 ID:G9JKgnfb0
>>423
「パパ、発見。作戦を遂行します」

パパというナナルゥに全然違和感がないのが笑ったw
ユートの幸せものー
427名無しさん@初回限定:2005/12/16(金) 21:57:40 ID:AxPB/psQ0
>>423
≪うん、エスペリアの料理はいつ食べても美味いな≫
≪もう、ユート様ったら。そんな事言っても何も出ませんよ♪≫
≪…これでアレな性格さえ何とかなればなぁ……≫
≪もう、ユート様ったら。そんな事言ったら『献身』が出ちゃいますよ♪≫
≪ス、スミマセン('A`)≫

「ふぅ…エスペリアマジック、発動完了。
どういった形か分かりませんが、わたくしの出番は確実に増えたはず」
「…どうせろくでもない出番だと思うわ、何となく」

台詞一言だけなのに、エスも『求め』も笑ってしまいました。
なんつーか、二人(?)とも妙な存在感がありますね。
正直、まともな性格故にいまいち影が薄いオルファに少し分けてあげて欲しい、と思わなくも無かったり(苦笑

ファイアーエンチャット……誤字なのか、何か掛けてるのかよく分かりませんでした。(´ー`)
428名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 00:21:23 ID:Qq5QwHay0
そして、悠人の手を離れたはずの『求め』を携え、アセリア降臨!

「助けが必要か? 必要だな。ん、待ってろ。ヒミカ、この残り使っていいか。ナナルゥ、これは? ん、わかった。……いくっ!」
二刀流が唸りをあげて、風を捲き重ねて来たり物体X。青いマナを掛けてご賞味下さい。

既にマナに還りかけていた悠人すらショックで起きたあとやっぱり霧化アクセラレイト。
「…………佳織。ごめん。お兄ちゃんはここまでのようだ……最期に佳織の料r」
429名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 00:56:51 ID:Qq5QwHay0
で、佳織と言えば、拉致の時詰め所炎上してるのだけど、これどれくらい燃えたんでしょうね。
ゲームじゃスルーされてるけど。
燃えちゃったのでみんなで第二に移動。そしてここから雑魚スピシナリオ……ゴメンナサイ夢見ましたorz

火付けは重罪だぞウルカ。萌やすならまだしも。
430名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 02:04:45 ID:Of6LVmF70
第二詰め所がどんな所か詳しくはわかんないんだよね。
もしかしたらたまに背景で出てくる木造の家だったりして。
ワンルームくらいの大きさしかないけど。
431名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 02:29:46 ID:1V0H7h3O0
詰め所は、寄宿舎だか寮だかみたいなイメージがあるんだよね。
第一詰め所は小さくて部屋も少ないけれど建築デザインが凝ってて綺麗で庭とかある。
なんか、ラキオスのスピリット詰め所は他国のに比べ技術者が趣味全開で作ったらしいし。
第二詰め所はもう少し簡素だけれど建物がもっと大きくて部屋もずっと多い。
その代わり、綺麗な庭とかは無くて大きな樹が一本生えた原っぱがあるとか。
なんとなく、第二詰め所のほうが第一詰め所よりも古いんじゃないかなと妄想は際限なく。

ゲームでの「建築」に「詰め所の増改築」てのがあれば無尽蔵にエーテル注ぎ込んだのだがw
432名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 13:21:49 ID:qftikEb20
>>431
そうすると使える雑魚スピの枠が増えたり増員されたり・・・夢が広がるなw
433名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 15:32:31 ID:WBSatCdvO
そこで占領国の元敵スピを登用
7割反射のトリーズンが君の手に!

あの目無しグラのままで萌えイベントがあったりしたら最高杉
個人的に弱気青スピとツインテ黒ミニオンがツボだったもんで
434名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 16:58:06 ID:WnSqjYVu0
ボクっ娘緑でぜひ……
435名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 18:07:11 ID:TWtLzudN0
>>431
>>ゲームでの「建築」に「詰め所の増改築」てのがあれば無尽蔵にエーテル注ぎ込んだのだがw
>>433
>>あの目無しグラのままで萌えイベントがあったりしたら最高杉

そこで、『巣づくりドラゴン』を連想してしまう私は、たぶんかなり激しく間違っている…Orz
436名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 19:01:29 ID:RGFV1fSn0
>435
どうしてくれる、時々来るソーマや瞬、ロウエタ勢を撃退しつつ金をかっぱぎ
結婚という名の地獄を目指して突っ走らなきゃいけなくなったソゥユートの姿が浮かんじゃったじゃないかw



…もし当てはめるとしたら誰が誰になるんだろ?
リュミス=おbsnと漠然と浮かんだが
437名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 21:02:52 ID:Qq5QwHay0
セリア陵辱とかって第二での犯行ではなかったっけ?
438名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 23:13:58 ID:Q3fSK2Jv0
>>424さん
何故裸?w せめて戦闘服は着せてあげましょう、この寒さじゃ風邪引いちゃいます。へくち。
でもそのイベントも捨てがたいなぁ……すっと通った鎖骨とか綺麗そうだしヒミカさん(ぉ

>>425さん
書いててそういうポイントに来るとつい使ってしまいます>戦闘台詞
必ずしも全部把握している方ばかりが読んでいる訳でもないのでアレなんですけど(汗

>>426さん
何度目かの校正中、気づいたら勝手にそう言ってました、ナナルゥ>パパ
彼女の謎思考は掘り下げる程常人には理解しがたいものになるようで、面白いです。

>>427さん
このスレにいる以上、エスへの鋭い監視の目からは逃れられないのだろうかw
『求め』もですが、メインに据えるよりイジる方が面白いのは大変重宝しております、はい。
何か一度火が付いたら直情っぽいヒミカさんの紹介文考えてたらノリで書いてました>ファイアー

>>428さん
料理は一朝一夕にならず。実験台としての悠人君には同情しきり。こういうのもモテモテというのでしょうかw
「最期に佳織の料r」
「何故最後位『可愛いエスの料r』と言って下さらないのですか、ユート様」ヤキモチエレメンタルブラスト。
439名無しさん@初回限定:2005/12/17(土) 23:39:11 ID:Qq5QwHay0
ジドクリク辺りが、
「おうおう、エトランジェ殿。どうじゃ今晩わしに付き合わんか? いい店を知っとるでのう。うしゃしゃ」
とかいっていかがわしい店に連れて行ってくれないだろうか。

「おっと。言い忘れておったわい。いいかエトランジェ殿、くれぐれもエスペリア殿にはみつかr」




「施設が完成延期しました」
440名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 03:23:25 ID:Nup3ksw30
「おうおう、時深様。どうです今晩わたくしに付き合っては下さりませんか? いい店知ってるんですよ、うふふふ」



「エスペリアが婚期延期しました」
441名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 03:46:19 ID:801ekJak0
ある日の日刊ラキオススポーツ一面の見出し

「エスペリア、婚期絶望か」 
442朝のSHKニュース:2005/12/18(日) 07:52:37 ID:IDxZt97m0
「おはようございます。朝のニュースを読ませていただきます、キャスターのヒミカです(ペコリ」
「同じく、横に控えている、セリアよ(ペコリ」
「ではまず、ラキオススポーツの一面を飾りましたニュースからお伝えいたします」
「エスペリア、婚期絶望か・・・?これはまた、随分と大きくでてるのね。一ページぶち抜きよ?」
「実は、これだけではありません。ちょっとめくると、なんと二ページまであるんです」
「二ページ目、ソゥ・ユート、エスペリアの撤退により、選択肢が広がり大喜び・・・
 これは、ユート様にとっても、ほかのみんなにとってもいいニュースね。(ヨッシャ」
「そういうことです。果たして、ユート様の連れ合いになれるのは誰なのか!今後の試合に期待がかかります」
「ちょっと、試合って何」
「では、次のニュースです」
「無視しないのっ!」
「現場から中継でお送りします。第二詰所前のファーレーンさーん!おねがいしまーす!」

「はい、こちらファーレーンです」
「ファーレーンさん、そちらの様子はどうですか?」
「ええと、もうすぐ取調べが終わっ・・・ああ!出てきました!未成年略取の容疑で逮捕されたコウイン様の身柄が移されようとしています!」
「ちがうっ!俺はやってないっ!ただネリーちゃんやシアーちゃんと遊ぼうとしただけだっ!」
「・・・と、言っていますが。ファーレーンさん、実のところどうなんでしょう?」
「はい。ここで被害にあったネリーとシアーにインタビューしてみましょう」
「えっと、こないだお風呂覗かれたし、すごーくなんかいやらしい目で見るし・・・なんか、くーるじゃないの!」
「それだけじゃないよ?お尻触られたこともあったし〜、転んだ振りして胸・・・揉まれちゃったの。ほんとだよ?」
「うんうん、コウイン様の変態具合。ここに極まれり、って感じ?」
「・・・以上、被害者の生声でした。どっちかというと痴漢ですが、色々纏めて未成年略取になったようです」
「だからちがぁ〜う!!」
「はい。ファーレーンさん、お疲れ様でした〜!」

「・・・で?今日のまとめはどうするの?」
「まあとにかくいえることは、今日もラキオスは平和ってことでしょうね」
「そうかしら・・・・・・では、朝のニュースを終わるわ(ペコリ」
「あっ!勝手に終わらないで!ああもう、ありがとうございました!(ペコリ」

ちゃららら〜らら〜
443名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 10:41:06 ID:5qQYq1Z50
>>439のネタがたった3レスで婚期絶望にまでなった見事なリレーに噴いたw
SHKって神剣放送協会か。エスペリアカワイソス。ついでにコウインもカワイソス。
444名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 11:09:43 ID:5qQYq1Z50
その日の日刊ラキオスポーツ一面詳細

最近ネタとしてのイジられが著しく、ヒロインとしての立場が危ぶまれていたエスペリア・G・ラスフォルト(21)だが、
婚期ついに絶望となった事が判明した。本人は否定しているが、短編でエトランジェ・ユートに迫られたのは昨年4/14が最後。
長編でもメインヒロインに抜擢された昨年9/10以降伸び悩み、婚期はずっと不振が続いていた。
来期発足する新チーム『スピたん』への交渉も不調に終わり、現在は唯一画像板に補完されている自画像を眺める生活が続いているという。
関連記事:経済面『火力増大によるゲームバランスへの影響』社会面『神剣・時詠による世代交代徹底分析』
445名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 11:24:16 ID:4vdiBdY/0
>>444
エスカワイソスw
446名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 15:24:02 ID:6B2snB5g0
「ラキオスポーツなんて、ファンタズマゴリア版東スポのようなものです!
癒し系グラビアアイドル人気NO.1(エスペリア緑化委員会調べ)として、スレの青・黒傾化抑止のためにわたくしの力が必要なの!」
447名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 15:43:54 ID:/gxi54Uz0
グラビアアイドルと自称するならハリオンぐらいのおっぱい持ってこい!
448名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 16:42:22 ID:uph0iVSU0
保管庫にクォーリンの新イラストがいつの間にかある件について。
カチューシャありもいいが、今作もなかなかいい。

…私も絵が描ければメイド服シアーやら和服シアーやらゴスロリシアーやらピンクハウスシアーやら水着シアーやら青ジャージシアーやらセーラー服シアーやら迷彩模様戦車兵軍服シアーやら旧ジオン指揮官制服シアーやらとにかく各種コスプレシアーを無駄に投稿するんだが。
ああ、絵心もプラモ技術も欲しいがそういう才能がゼロなのが恨めしい。

近頃、夢に出るならまだしもふと気がつくとシアーの幻覚を見てる自分はマジ重症だろうか。
449名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 17:52:21 ID:URnnAqz80
>>448
…そりゃ重症だよ(恐
ドコまでつっこんでいいか怖い気もするんだが(w)、そこまで業火のごとく萌えたぎるモノがあるなら、
それを精神的な糧(かて)として、2D、3D、文章なんでもいいから表現手段を取得する方に向けてみたら?
なんかで表現できるようになればもうjけモノ、ダメでも少しはガス抜きになるかもしんない。※







※…ストレスがたまるようになり、幻覚がひどくなっても責任はもてないんだが…orz
450名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 17:58:42 ID:mT9W8FUP0
>448
この際その欲望に能力を追いつかせてしまえ。いいチャンスだ。
451名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 18:23:00 ID:VyhxfasW0
ラキオススポーツワロタ。
それにしてもエスは何時から、こんなに違和感無く汚れキャラをこなせるようになったのか、、、。

>>448
病院がモアベターだが、創作行為で出力するのは悪いことではないと思うので、
これを機に職人デビューするとスレ的にはベスト。

ただし、創作行為と言っても生身の人間には手を付けないようにw
452444:2005/12/18(日) 20:05:46 ID:Rg66OxSE0
×:短編でエトランジェ・ユートに迫られたのは昨年4/14
○:短編でエトランジェ・ユートに迫られたのは昨年4/14
職人の方々、スマソorz
453444:2005/12/18(日) 20:06:37 ID:Rg66OxSE0
ふむ、テンパっているようだな契約者よ
×:短編でエトランジェ・ユートに迫られたのは昨年4/14
○:短編でエトランジェ・ユートに迫られたのは今年4/14

orz
454名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 20:09:25 ID:6B2snB5g0
今年か……エス良かったな。まだ体乾いてないだろうw
455名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 22:12:37 ID:uph0iVSU0
>>449 >>450 >>451

448だが。
勢いで、スキャナーとタブレットを買った。
お絵かきツールについてはタブレットについてたやつで妥協。
初めに言うが、私はまともに絵を描けた事は一度もない。
加えて、20年くらいも絵筆を握った事がない。

頑張ってはみるが、先行きはあまりに暗い…よって期待せんでくれ。
とりあえず、普通に立ち姿を描いてみる事からはじめるよ。

生身の人間には、正直あまり興味がわかないつうか関心がないので。
………生足以外は。(をい
456おにぎりの中身の人:2005/12/18(日) 22:44:43 ID:sVcvlKE90
>>455
あんた漢だよ
457名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 23:01:35 ID:pW+BZMyn0
>>455
あんま続けるとスレ違いになるが、とりあえず応援している。
458名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 23:19:42 ID:gKoHhbWt0
とりあえず、応援するのもいいけど画像版にもレスろうぜみんな
と、また暫くぶりに絵を描きながら言うのも私だ(このスレのとは関係無い絵だけど)
459名無しさん@初回限定:2005/12/18(日) 23:46:36 ID:Rr0c6cXC0
>>455
頑張ってくださいね
私もすこ〜しは書いてみてたりはしますが
上手くなる気配なし…日々精進――してませんすみません
とにかく応援してます
460名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 00:43:43 ID:sUgZwF+g0
>455
がんばってください。
「日々前進です」
461スピたんパイロットフィルムその2:2005/12/19(月) 06:16:15 ID:t9IJJWMC0

俄かに荒れ始めた空。吹き飛ばされそうな暴風。
激しい雨に打たれながら、ずぶ濡れになって少女は飛んでいた。
肩に乗る黒猫が懸命にしがみつく。ようやく見えてくる第一詰所。
少女は舞い降り、スリットの奥に隠していた荷物を確かめた。

ヘリオン「良かった……あまり濡れてない」

ピンポーン

キョウコ「は〜い……あら、貴女」
ヘリオン「お、お届けものです! あのこれ、コウイン様から……」
キョウコ「コウインから?……ねぇちょっと、コウインからなんか届いたってさ〜!」
ユート「コウイン? なんだ、まだ生きてたのかアイツ」
ヨフアル「どうせまた抱き枕かなにかですよ。いつもの事です」
キョウコ「アタシあれの中の人一緒だから嫌いなのよね」
ヘリオン「あ、あの……こちらにサインを」
キョウコ「ま、いいわ……かきかき。ご苦労様」

ばたん。びゅぉぉぉぉ――――

黒猫ロティ「その……さ。元気だしなよ、ヘリオン」
ヘリオン「……バルガーロアへ帰りましょう。まだスピたんに間に合うかもしれない」


ミュラー「そろそろ急がないと、間に合わないかもしれないね」
ヒミカ「〆切……〆切が…………なんでジ○リしか思いつかないのよ……」

かりかりかり。
462名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 07:24:46 ID:l0FvBOmO0
魔女もといスピの宅急便ですか!
463名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 19:38:57 ID:J2+/v/Vx0
>>461
>「アタシあれの中の人一緒だから嫌いなのよね」
今日子ソレ言っちゃ駄目!w
禁句禁句!

(主にヘリオンファンにとって)
464名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 20:16:17 ID:e8unpie50
>>461
今日子が物凄いはまり役ですなw
つーかこれまで出てきたSSでロティが一度も人間扱いされてませんなw


さて、「目がー!目がー!」は誰がやりましょうか?w
465名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 20:34:12 ID:FCO7T/q90
>>464
やっぱりソーマか瞬でしょ?
で、海賊たちがロウエタw
ずんっじゃ〜ん、ずんっじゃ〜ん、ずんっじゃ〜ん、ずんじゃっじゃっじゃ〜ん♪

                 エトランジェQ

どんっ、じゃじゃ〜んっ♪

                 エトランジェユート
                 妄想特撮シリーズ

テーマ曲:エトランジェユートのうた (歌・倉橋時深 コーラス・マロリガン稲妻部隊)
高嶺悠人は、不思議な空間で横たわっていた。

身体が、動かない…力が、少しも入らない…どうして。
俺は、学校帰りに光陰や今日子たちと共に神社へ行って。
そこで佳織に会って、そしてあの巫女さんにも会って。
突然、光に包まれて…それから…それから?

「聞コエルカ、地球人ヨ」

突然、頭の中に聞いたことのないトーンの声が響いて悠人は身を固くしてしまう。
 -お前は、誰だ?
「某M78星雲ノ宇宙人ダ」
 -マジですか。
「私ハ怪獣墓場ニ水月ノ双剣めだりおヲ送ル途中…ウッカリ地球ニ落ッコトシテシマッタ。 
 慌テテ拾オウト思ッテ追イカケタラ、君達ト一緒ニ突然ノ光ニ巻キ込マレテシマッタ」
 -なんか恐ろしくロクでもない事を言ってませんか、偉大なる光の巨人さん。
「ドウヤラ、我々ハ全クノ別世界ヘト飛バサレテシマッタラシイ。
 ソコデ自分の責任ハ棚ニ上ゲルトシテ、落トシタめだりおヲ探ス手伝イヲ頼ミタイ」
 -はい、もうわかりました。皆まで言わないでよろしいです。
 -要するに、俺があんたと一心同体になっ…

「イヤイヤ…ドウセナラ野郎ヨリ女ノ子ガイイ。ムシロ絶対ニソノ方ガイイ、ウン。
 トイウワケデ夏小鳥ヨ、私ノ命ヲ君ニアゲヨウ…私ト一心同体ニナルノダ」

その時初めて自分にしがみついてる物に気がついて、それに視線をやると。
「ゆ、悠人先輩っ!ここは何ですか?あれは何ですか?私たちどうなってるんですかっ!」

…しがみついていたのは、まごうことなき夏小鳥だった。
何処から見ても小鳥。小鳥と言っても鳥類じゃない、霊長類の夏小鳥。
サイズは色んな意味でSサイズ。武装はマシンガントーク。性格はヘンだが可愛いと思う。

「小鳥、なんだか凄くロクでもない予感がビンビンしますけどっ!
 でもでも、悠人先輩と一緒なら小鳥は何処までもついていっちゃいますぅ!」

小鳥はとっても楽しそうで、なおかつとっっても嬉しそうだ。
何故ここにいるのか激しく気にはなったが、そこは男らしくあえて気にしない事にした。
「んっと、小鳥…俺も何だかわからんが、ずっとついててやるからさ」 
とりあえずそう言ってみたら、小鳥は黄色い声を上げて嬉しそうに強くしがみついてきた。
そんな小鳥の顔を見ていたら、自慢じゃないが得意の保護欲が猛烈に湧き上がってきた。
ふらりと誘われるように小鳥の髪を優しく撫でたり、軽く頭をぽむぽむしたりしてみる。
「にゃ〜…悠人先輩〜、もっともっと〜!」
ダメだ、耐えられない。俺の保護欲はレッドゾーンを黄金聖○士の速さで振り切っている。
耳を指でくすぐってみたり、のどを指で甘く掻いてみたり色々しまくってみる。
ますます、とろけた顔で更に強くしがみついてくる小鳥が猛烈に可愛い。

「小鳥って、こんなに可愛かったんだな…今まで忙しくて気がつかなかったよ」

つい、そんな言葉が出てしまう。
「ああっ悠人先輩っ!やっと小鳥の魅力に気づいてくれましたか!?メロメロですかっ!?」
ものすっごく嬉しそうで幸せそうな小鳥に、つい笑って微笑んでしまう。
「きゃー、きゃーっ!やったやったやったー、悠人先輩ゲットーっ!」
ああ、そんなに激しく胸にすりよられると保護欲が宇宙的規模で危険領域に。
「仲イイナ…ウラヤマシイ」

その声で、今まで完全に無視してしまっていた宇宙人の存在を思い出す二人。
「ごめん、話の途中で存在を忘れちまったっ」
慌てて謝ると、宇宙人は心なしかちょっと寂しそうに俯いてしまった。
「トリアエズ、私モ一応ハ正義ノ味方ナノデ二人ノ仲を裂クヨウナ真似ハシタクナイ。
 マア、ソモソモ二人ノ間ニハ入ル隙間ハナサソウダガ」
そこで、よせばいいのに俺はいらん事を口走ってしまうわけで。
「でも、落っことした何とかを放っておくわけにもいかないんだろ」
そう言ってしまい、慌てて自分の口を塞ぐ悠人。
「ウム、のるまモアルガ何ヨリ君タチノ星ガ滅ンデシマウ恐レガアル」
あ、一応ちゃんと自分はそーゆー使命を果たす役目って自覚はあるんだ。

「それなら、宇宙人さんの命を二つにわけてウ○トラリングで男女がった…むぐっ」

史上最悪に余計な入れ知恵しようとしやがる小鳥の口を手でふさぐが時すでに遅し。
「…言ワレテミレバ、ソノ手ガアッタカ!」
嬉々として宇宙人が手を振りかざすと、悠人と小鳥の手にそれぞれ指輪が出現する。

「セッカクダカラ、婚約指輪ばーじょんニシテミタ」

なんてこったい、完璧に婚約指輪デザインだし二人の名前まで刻印されてる。
「デハ、二人トモ一緒ニ宇宙ノ平和ト私ノのるまノタメニ頑張ロウ!」
悠人が抵抗を試みようとするも空しく、宇宙人は一瞬で二人と同化してしまった。
後世において、ガロ・リキュアの歴史書にはこう記されている。
後に永遠戦争と呼ばれる戦乱において、ラキオスはレスティーナのもと大陸統一を果たす。
戦場には、二人の男女のエトランジェが合体変身する事で出現する光の巨人が常にいた。
光の巨人に対抗できる戦力はロウエターナルを除いて存在せず、ラキオスは無敵を誇った。
ロウエターナルを倒し完全に平和を取り戻した後、光の巨人は空の彼方へ飛び去った。
余談として、エトランジェ・ユートとエトランジェ・コトリは結婚し幸せに暮らしたという。


終(…かどうかは、ちょっと怪しいかもしれない)
471名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 22:31:17 ID:8La+0h5H0
ふう、小鳥ルート完結。
色々と間違いすぎてる気もするが、まあ気にしないでくれると助かります。

さあ、気にしないでジ○リネタでイっちゃってください。
472名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 23:04:25 ID:l0FvBOmO0
あとはそうだな、大中小の3匹と遊ぶ話とか?
473名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 23:18:54 ID:xfcE3l4N0
ちょっとまった。月に帰らなくてはいかんぞな小鳥。

そして残った指輪を巡って第二次永遠戦争トーナメント夢のタッグ編が勃発。



で、ゲド戦記はどうすんだ? つか岩波さん、いい加減文庫で出せ!
474名無しさん@初回限定:2005/12/19(月) 23:37:32 ID:rv2vQ+8t0
つーか世界ってファンタズマゴリアの方かいw
てっきり現代世界に戻って模型の電信柱をぶったおすのかと(ry
475名無しさん@初回限定:2005/12/20(火) 06:47:58 ID:4rGQC5b60
君を守〜るた〜め その為に生〜まれて〜きたんだ
あきれる〜程〜に そうさ そばに〜いてあげる
眠ったよ〜こが〜お 震えるこの〜む〜ね ハリオンハ〜ト
476名無しさん@初回限定:2005/12/20(火) 07:47:46 ID:arV6R61l0
い〜まは〜むかしの〜ガロ・リキュア
はがねの〜剣〜が〜て〜ん〜をつ〜く〜
異形〜のヘタレをた〜お〜すた〜め〜
ヘヴンズ〜火〜を〜と〜も〜せ〜
ツンデレ〜心が〜よ〜びさ〜ま〜す〜
熱病〜セリア〜こ〜こ〜に〜あり〜
477名無しさん@初回限定:2005/12/20(火) 18:30:00 ID:N8R0oRmd0
>>473
>キモウト危篤、小鳥スグ月ニ帰レ
あ、やっぱりそのツッコミがきちゃいましたかw

>第二次永遠戦争トーナメント夢のタッグ編
さしでがましいのですが、ネタをわけてください。
まずはスペシャルマンとカナディアンマンを誰と誰がやるのか。
ただし、肉ネタは色々な意味で諸刃の剣ですが。

>>474
期待にそえなくて申し訳ない<(_ _)>

>>476
ブリキ大王は、私も大好き…。
無法松はヒミカですか。タロイモはネリーとシアーですか。
なんだか違うベクトルに妄想が突っ走っていますね私。
478名無しさん@初回限定:2005/12/20(火) 21:31:53 ID:Z9KnIr/y0
昨日の天気予報で、「シアーライン」って言葉が出てきた。

検索検索検索…………
熱病性低気圧とくーる型高気圧のぶつかり合う最前線を天性の見切りで躱しつづけ美味い汁にありつく世渡り上手シアー?

ttp://www.yoho.jp/shibu/saitama/cwfas/yougo_0.html
ttp://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/div1/matsumi/Lab2004/words1bumon.htm
479名無しさん@初回限定:2005/12/20(火) 22:54:41 ID:bY6Nyc0V0
予約キャンペーンの一覧が更新されたけど、俺の住んでる県ってやっぱりないのね orz
大須まで行くか…

そして何故、東海がセリア
480おにぎりの中身の人:2005/12/20(火) 23:49:15 ID:UtgSEvwK0
北海道・東北:ネリー
甲信越・北陸:シアー
関東:ニム
東京:ヘリオン
東海:セリア
関西:ヒミカ
中国・四国:ナナルゥ
九州・沖縄:ハリオン
通販サイト:ファーレーン

関連性があるようでないな・・・
481名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 01:09:33 ID:W+oKjbB60
東京へリオンってところに微妙なあざとさを感じるぜ。
482名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 01:28:23 ID:eE3egX/S0
流れとはまったく関係ないが、自分の服飾センスの無さに泣いたw

ヘンだこれw
483名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 06:50:51 ID:oh8fC1gH0
ドカ雪はネリーくーるの仕業か……
484名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 08:17:35 ID:88BbsRBb0
青スピの所に雪が降る・・・
485名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 08:39:18 ID:NPeDfauK0
>483
いや、むしろセリアの大ツン波の影響では?
486名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 14:09:17 ID:bRfx/YAW0
あー一応、豪雪地帯は青なんだな
そしてメガネって理由だけで、ヒミカが関西になった悪寒w
487名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 14:11:02 ID:2EBXUYTe0
暖かいから九州・沖縄はハリオンかの
488名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 19:09:16 ID:mTVyQOy50
通販がファーって・・・
黒スピの如く素早く運んでくる?

良い子だファー
489名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 19:16:21 ID:6++V5vbK0
>>486
赤は食欲を掻き立てる色
そして大阪は食い倒れの街だ
490名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 22:34:32 ID:oh8fC1gH0
>>488
黒スピファー子の宅急便♪
491名無しさん@初回限定:2005/12/21(水) 22:47:51 ID:4R9bcQMS0
それぞれ何か方言喋ってくれたら面白そうだ。

ネリー「したっけ〜〜 なまら気合入れて、いくべさ〜〜」
492名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 09:37:10 ID:a8y0kLKD0
>>491
それはそれで可愛いなw
493名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 11:36:19 ID:DSIzOT2a0
ちょっとマテ、ハリオンが博多弁だぞ!?
「なんばしよっとね」とか「くらすけんね」とかもゆったりとした口調でいうのか?

いや、でも沖縄は意外とあってるかもしれん
494名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 12:02:24 ID:3mgvf3bP0
ナナルゥ「射程圏内…行くぜよ」
495名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 13:16:42 ID:PwnGV/42O
予約キャンペーンのを自力で集められるヤツは、神認定かも…

ヘリオンは一番入手しやすい東京…そ、そうか!これは苦情回避を兼ねたしくまれたトラップだったんだ!

ΣΩΩΩ…ナ、ナンダッテ〜

とか、書いてみる。
もっとうまい人、書き込み頼む…orz
496名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 13:17:04 ID:9dIENUYD0
>494
何でかREDのイエローを思い出した俺が居る
497名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 17:52:17 ID:jq4lVGpr0
じゃあ…ヘリオンは江戸っ子だから、べらんめぇ口調なのか。

ってえと、シアーは具体的にどういう方言になるわけ?
498名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 18:09:12 ID:pq613H7k0
>>497
シアー「菓子ッコやれば見逃してけねべがなぁ……」
499名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 19:35:42 ID:jq4lVGpr0
>>498
脳内会話シーンシミュレート。
…やべぇ、めっさ可愛いっていうか私的萌えレヴェルが危険領域。
500名無しさん@初回限定:2005/12/22(木) 23:57:28 ID:jHI9pu4i0
なんかドカッとキャンペーン店が追加されてるんだが
……

こんだけエロゲ屋あって、漏れの住んでる県にないのは引っ越せという意味ですか? orz
501名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 06:44:33 ID:L4fdpx2L0
ネリー「北の大地をくーるに制圧♪」
シアー「今年は寒いですね……風邪には気をつけてください」
ニムントール「……面倒だから近くのお店で予約」
ヘリオン「ビ、ビッグサイトの帰りに寄らなきゃっ!」
セリア「予約は1月31日まで、忘れないでください」
ヒミカ「デモムービーを上映中のお店もあるから要チェックね!」
ナナルゥ「……行きつけ、発見」
ハリオン「冬はおコタでゲームですねぇ〜」
ファーレーン「便利なインターネット通販もオススメですよ」

なんとなくファーだけやっつけ台詞のような気がする今日この頃
502名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 08:06:29 ID:5MkBCTqf0
シアーって、こんなにお嬢様っぽい丁寧口調だっけ?
それとも、スピたんでは口調が変わってるのん?
ラジオ聞けないんでわからんのだけど、ラジオでそういう喋りだったのかちら。

>>500
あれだ、イ`。
…私も近場に店が無かったんで、通販で注文したですよ。
店のサイトに記されているのを見る限り、ちゃんとキャンペーン品がつくみたいだけど。
先着順ってのが激しく不安をかきたてるわけで…間に合ってるといいなぁ。
503名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 14:40:49 ID:1mbsrJvS0
シアーのエーテルシンクにより我が家は沈黙。未だ復旧の目処は立たず。
504名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 14:44:33 ID:4pR+mqvM0
PS2版なんてプレイするんじゃなかった('A`)
505名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 15:28:14 ID:L4fdpx2L0
1.読み込みの遅さに泣いた
2.音のショボさに泣いた
3.ラスダンに泣いた
4.雑魚スピの意外な一面を見て衝撃を受けた

さあどれだろう
506名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 15:30:28 ID:cyu30Pi40
123
507名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 15:43:32 ID:pcmU5U1Y0
5.可燃物と化したエスペリアが霧になった でFA
508名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 19:00:52 ID:Xv+QqMdaO
今さっき勘違いに気付いた俺…
けど、絶対にこの割り振りには意味があると考えてる俺がいる

…勘違いを認めつつあがく自分が情けないorz
509くじら318号:2005/12/23(金) 20:11:15 ID:pRF/1Zrz0
どうも、こんばんは。
行きつけのショップでの予約開始を待っています。くじらでございます。
流れを断ち切って、長編の続きを投下したいと思います。

聖夜の前のお目汚し。
申し訳ないと思いつつ、投下、開始します。

このスレに永遠の活力あれ。
510ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:12:56 ID:pRF/1Zrz0
──────まぶしい。閉じきっているはずの瞼の隙間から、光が入ってくる。
ここは一体どこなのだろう。この空気、すごく懐かしいような気がする。
少しごつごつしたベッドに、薄い布団をかけて寝転がってる自分がいる。
この匂い、覚えがある。・・・これは、野菜スープの匂い。大好物の、あの料理の匂い。
「(また・・・私のために作ってくれたんですね・・・お姉ちゃん・・・)」
眠い。恐ろしく眠い。でも、起きないと、うるさくなる。
あれをやられた後は、耳がキンキンになって、しばらく何も聞こえなくなる。そんなのいやだ。
「う・・・ん、う〜ん」
無理矢理、瞼をこじ開け、上半身を起こす。それと同時に、『お姉ちゃん』が部屋に入ってきた。
「あら?せっかく久しぶりにこれをやろうと思ってましたのに・・・もう起きてたんですね、ヘリオン」
金属製のバケツとおたまを手に、残念そうにくすくすと笑う『お姉ちゃん』。
「もう・・・やめてくださいよぅ・・・。それ、すごくうるさいんですから」
「ここに来たばっかりのころ、相当なねぼすけでしたからね〜。こうでもしないと、起きなかったんですよ?
 さ、ヘリオン。朝食が出来上がっていますよ?早く顔と手を洗って、食堂に来てくださいね〜」
「はぁ〜い。ふぁ〜ぁ〜・・・」
そう言って、『お姉ちゃん』は部屋を出て行く。
寝ぼけ眼の瞼をごしごしとこすり、ベッドから立ち上がる。
枕元にある二つの髪留めを忘れないように、しっかりとその小さな手に握って、ヘリオンは洗面所に向かった。

ばしゃばしゃ・・・・・・きんきんに冷えた地下水で顔を洗う。
今は夏とはいえ、冷たい水を顔にかけては、さすがに寒くなってしまう。
ヘリオンはすぐにタオルで顔を拭くと、部屋から持ってきた髪留めで、髪型をツインテールに纏める。
くるり、と踵を返すと、小走りでようやく大人の歩く早さになるその小さな体を、食堂へと運んだ。

食堂に着くと、『お姉ちゃん』がいつものように、温かい笑顔で迎えてくれる。
・・・いつもと違うのは、食卓の一角に、緑色の髪の、自分より幾つか年上であろう女の子がいること。

「あの・・・お姉ちゃん、この人は・・・誰ですか?」

ドオォォン・・・
ヘリオンがそう言った瞬間、周囲が、食堂が、『お姉ちゃん』の顔が、轟音とともに、ブラックアウトした───。
511ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:13:56 ID:pRF/1Zrz0

「お、お姉ちゃん!!?」
果てしない暗闇が晴れ、見慣れた景色がその目に飛び込んでくる。
・・・気がつくと、ラキオススピリット隊の第二詰所、自分の部屋。汗だくで、上半身を起こしている自分がいた。
「ヘリオン・・・気がついた?」
その言葉に反応して横を見ると、赤毛の女性が心配そうな面持ちで自分に話しかけていた。
「あ・・・ヒミカ、さん?」
「・・・もう5日も眠っていたのよ?ヘリオン、体の調子はどう?」
そう言われて、ヘリオンは体のあちこちを動かしてみる。
手も、足も、五体がちゃんと満足に動く。汗をかいていること以外、なんら問題はなかった。
「大丈夫、みたいです」
「そう・・・よかった」
よっぽど心配だったのか、ヒミカの表情が柔らかくなる。・・・だが、ヘリオンは、あることを知りたかった。
「あの・・・ヒミカさん。ちょっと、聞きたいことがあるんですけど・・・」
「!・・・何?」
その一瞬、ヒミカの顔が強張る。
何か聞かれるとまずいことでもあるのかと思ったが、ヘリオンは気にせず言葉を続けた。
「あの、戦いはどうなったんですか?帝国は、帝国との戦争はどうなったんですか?」
「あ、ああ・・・そのこと?・・・戦争だったら、私たちの勝利で終わったわ。帝国との戦争は、ね・・・」
なんだか意味深なヒミカの言葉に、ヘリオンは突っ込みを入れる。
「・・・まだ、敵がいるんですか?」
「う、ううん?そうじゃないの。平和を守るのも戦いだから・・・ね?」
「そ、そうでしたか・・・とにかく、戦争は終わって、世界は平和になったんですね!?」
「そういうこと。・・・ま、さっきのはレスティーナ女王陛下の受け売りだけどね」
それを聞いて安心するが、それとともにもう一つの不安がヘリオンの頭をよぎる。
「あ、それから・・・ユート様は、カオリ様はどうなったんですか?ちゃんと、生きてますか?」
「ええ、ユート様もカオリ様も生きてるわ。ユート様は・・・ヘリオンと同じく、5日前から寝込んでるけどね」
「そ、そうですか!じゃ、じゃあ・・・お見舞いに行っていいですか?」
「ヘリオンが大丈夫ならいいわよ。・・・是非ともいってきた方がいいわね」
「じゃあ、行ってきます!」
ヘリオンはベッドから出ると、【失望】を持って悠人の元へ向かうべく、部屋を飛び出していった。
512ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:16:28 ID:pRF/1Zrz0
「・・・ヘリオン。やっぱり、忘れちゃってるのね・・・」
ヘリオンのいなくなった部屋の中で、ヒミカは一言、そう呟く。
悠人はともかく、どうしてヘリオンまでそうしなくてはならないのか、ヒミカはひたすら思い悩むのだった。


──────暇だ。とにかく、暇だ。
訓練も戦争も無い日、ふと気がつくと、ベッドで寝転がっている自分がいる。
こういう日によく遊ぼう、遊ぼうって駄々をこねてくるオルファやネリーたちも、今日は大人しい。
「(でも、俺が極限まで暇なのを見計らってくる奴がいるんだよな・・・)」
その人はおそらく今日も来るであろう。
今日はなんだろう。買い物に付き合ってほしいとか、お茶会とか、一緒にお菓子を食べたりとか・・・
なんだかんだいって、その人には振り回されっぱなしだが、不思議と、嫌気は差さない。寧ろ楽しい。
いつもその人の隣にいる女の子も楽しそうだし。つられてこっちも楽しくなることだってある。
こつこつ。
廊下を歩く二人の足音。やがてそれは、悠人の部屋の前で止まる。
「(・・・ほらきた)」
がちゃり、とドアの開く音がする。
黒髪のツインテールの少女とともに現れた、緑色の髪の女性は・・・・・・

映像<ビジョン>は、そこで途切れた─────

513ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:19:56 ID:pRF/1Zrz0
──────ぼやける視界。窓から差し込む日の光に、眩しくて思わず目を瞑ってしまう。
ようやく目のピントが合ってきたかと思うと、そこにあったのは、見慣れた天井。
すぐにわかった。ここは第一詰所の自分の部屋だってこと。
意識がはっきりとしてくるとともに、無意識のうちに上半身を起こす。
それに伴ってなのか、横から声が聞こえてくる。
「お兄ちゃん!」
それは、聞きなれた声。ずっと、取り戻したいって思ってた声。・・・たった一人の、義妹の声。
「か・・・お、り?」
「よかった・・・ずっと眠ったままで、もう起きないかと思っちゃった」
佳織は笑顔で、冗談めかしてそう言う。
いつもの調子なら、『勝手に殺すな』とか突っ込みを入れそうなものだが、そんな気にはなれなかった。
「俺は・・・どうしてここにいるんだ?戦争は・・・瞬は、どうなったんだ?」
何がどうなったのかわからない。サーギオス城の王座の間に飛び込んでからの記憶が曖昧だ。
「・・・お兄ちゃん、戦争は終わったんだよ?秋月先輩も、お兄ちゃんが倒したんだよ?・・・忘れたの?」
忘れたもなにも、思い出せない。・・・どっちかというと、もともと記憶に無い、という方がしっくりくる。
その終戦を告げる記憶とともに、なにか大事なことを忘れているような気もする。
「そのあと・・・俺はどうなったんだ?」
「え?・・・ああ、そのあと、お兄ちゃんたち、急に倒れちゃって・・・碧先輩が運んでくれたんだよ?」
「・・・たち?」
「あ、あ、あああ、あの、へ、ヘリオンさんも一緒に倒れちゃったの。びっくりしちゃったんだから」
まるでなにかを誤魔化すかのように、事を説明する佳織。
「そうか・・・大丈夫なのか?・・・ヘリオン、よく気絶するからなあ」
「命に別状はないって。今第二詰所で寝てるんじゃないかな」
「それならよかった」
・・・何か引っかかった。でも、その正体がつかめない。考えようとすると、頭にもやがかかってしまう。
佳織のぎこちなさも妙に気になる。
だが、まだ本調子ではなく、だるさの残る脳みそでは、気にも留めないこととして置いてしまうのだった。
514ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:20:55 ID:pRF/1Zrz0
こんこん。
部屋のドアが、やや遠慮がちに軽く叩かれる。
「あ、お兄ちゃん、誰か来たみたい。ちょっと出てくるね」
佳織はぱたぱたと音を立てながらドアに近づき、ドアノブをひねる。
「あ!ヘリオンさん・・・」
「カオリ様、おはようございますっ!ユート様の様子を見に来たんですけど・・・」
そう言って、ヘリオンはドアの陰からそのツインテールの髪型をちらちらと覗かせる。
「え、あ、お、お兄ちゃん?お兄ちゃんなら・・・」
「・・・俺なら起きてるよ。遠慮せずに入って来いよ、ヘリオン」
「そ、そうですか!で、では・・・お言葉に甘えて〜・・・」
様子を見に来たと言っているのに、入るのを躊躇っているとはこれ如何に。
悠人の許可が出るなり、おずおずと、いつものぎこちなさを出しながら悠人の元へと寄ってきた。
「あ、あの〜・・・ユート様、大丈夫ですか?」
本気で心配そうなヘリオンの言葉。・・・なんだか前にも同じ事を聞かれた気がする。
だが、悠人は別のところが気になっていた。

「俺は大丈夫。って言っても、さっき起きたばっかりだけどな。・・・それより、ヘリオンこそ大丈夫か?」
「え?私もさっき起きたばっかりですけど・・・ぜ、全然大丈夫ですよ?」
やはり、ヘリオンは肝心なことに気がついていないようだった。
それだけ悠人のことを心配して、目覚めるなりすっとんできたんだろうが・・・
「ヘリオン・・・寝起きだな?しかも、起きたらすぐこっちに来たろ」
「え、ええ!?な、なんでわかったんですか!?」
「だって、なぁ。佳織」
「う、うん・・・ヘリオンさん、色々と乱れてるんだもん。誰でもわかっちゃうよ?」
「・・・へ?」
515名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 20:21:41 ID:91E0/Dsa0
支援
516ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:21:43 ID:pRF/1Zrz0
悠人と佳織に言われてやっと気がつくヘリオン。
いつもの髪型のまま5日間も寝かされていたせいか、寝癖で乱れに乱れきった髪。
息をするとき苦しくないようになのか、開かれた胸元、汗だくだっただろうことがわかる、てかった顔。
さらに、服のあちこちにシワがくっきりとついている。・・・どっからどう見ても、寝起きだった。
「・・・!!!」
あろうことに、悠人に醜態を見られて一気に赤面するヘリオン。
「あ、あのさ・・・ヘリオン・・・」
「あ、あう、あの、その・・・し、ししっ、失礼しましたぁ〜〜っ!!」
ヘリオンはそう言いながら、脱兎のごとく部屋からすっ飛んでいった。
なんだか、初めて悠人の部屋を訪れたときのような、あのときのことを思い出させる出来事になったのだった。
「相変わらず速い・・・でもま、元気そうで安心したよ」
「そ、そうだね、お兄ちゃん・・・」

「さて、腹も減ったし、俺も起きようかな・・・うぐっ!」
「お、お兄ちゃん!大丈夫!?」
悠人はベッドから出ようとするが、体を動かそうとすると、強烈な痛みに襲われた。
「あ、あたたた・・・こりゃ、しばらく出られそうに無いな・・・」
「じゃあ、私が食事を持ってきてあげるね」
「うう・・・すまない、佳織」
どういうわけか、体中が痛い。
悠人は、平和と佳織を取り戻した代わりに、しばらくの間病人生活を強いられるのだった・・・


517ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:24:59 ID:pRF/1Zrz0
「えっと、あれと、これと・・・ああ、あとそれも・・・」
ここは第二詰所の台所。
必死で記憶の中のレシピを思い出しながら、材料を籠の中に放り込んでいく。
そうこうしているうちに、お茶でも入れようと台所にやってきたヒミカと目が合ってしまった。
「ちょっと、ヘリオン!なにやってるの?」
「あ、ヒミカさん!・・・なにって、見ての通り、お料理しに行くんですよ?」
料理をしに行く。
ヘリオンは、材料を籠に詰め込んでいるだけでなく、準備万端に作業着に着替え、キャップもしっかり被っている。
どこからどう見ても料理をする格好だった。
「でも・・・今日はヘリオンの当番じゃないでしょ?」
「あ、ちがうんです!あの、ユート様が動けないって言うので・・・その、私が料理を作ってあげたらって、思いまして」
確かに、悠人は体中が痛むからって、ずっとベッドに入っているという情報はあった。
そんな悠人に、ヘリオンが自分の料理を食べさせて、元気付けたいというのだ。
ヒミカはその微笑ましさに、思わず笑みを浮かべてしまう。
「ぷっ、ふふ、それならいいわ。ユート様も喜ぶでしょうし、がんばってきなさい」
「は、はい!じゃ、じゃあ・・・行ってきますっ!」
そう言うと、ヘリオンは材料の入った籠を持って、笑顔でばたばたと駆けていき、第二詰所を後にするのだった。
ヒミカは、その平和に染まりきったヘリオンの背中を、哀しそうな目で見ていることしかできなかった・・・


────── ヘリオンは第一詰所の玄関まで来ると、その扉を開けようとドアノブに手をかけようとする・・・が、
がちゃ。と、ドアノブが独りでに回る。
「へ?」
反応したときには、すでに遅かった───。
どんっ。
「うきゃあぁっ!!」
玄関の扉が開き、あっけにとられていたヘリオンを直撃する。
その勢いに押され、ヘリオンはしりもちをついてしまい、籠の中の材料はばらばらと落ちてしまった。
518ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:26:00 ID:pRF/1Zrz0
「! ヘリオン、大丈夫ですか?」
「いたたた〜・・・あ、レスティーナ様・・・」
扉を開けたのはレスティーナだった。
ヘリオンは額をさすってふるふるしながら、目の前の人たちを見る。
よく見ると、その後ろにはヨーティアと、もう一人、どこかで見たような人が立っていた。
ヘリオンは体を起こし、その、茶髪のロングヘアーの、赤い鉢巻が印象的な女性に駆け寄る。
「あ、あの・・・」
「なんでしょうか?」
「・・・どこかで、会ったことありませんか?」
どこかで見たことがある。でも、それがいつ、どこなのかが浮かんでこなかった。
その女性は、くすくすと笑いながら答えを返してくる。
「いいえ、あなたと会うのは初めてですよ?」
・・・そう、会ったことは無いはずだった。少なくとも、記憶の中では。
「ヘリオン、せっかくですので、紹介しておきますね。この方は、トキミ殿です。」
「トキミ・・・さん?あ、あの、始めまして・・・ですよね?私、ヘリオンです!」
「はい。始めまして、ヘリオン。私は時深。本名を倉橋時深と言います。よろしく」
時深と名乗るその女性は、優雅な身のこなしで軽く会釈をしてきた。ヘリオンもそれに習い、挨拶をする。

「そ、それで・・・どうしてレスティーナ様がここに・・・?」
「ユートに、重大な話があったのです。色々とあったので、ヨーティア殿とトキミ殿にも同行してもらいました」
「じゅ、重大な話・・・?」
ヘリオンがそう言った瞬間、レスティーナの顔が少し暗くなった・・・気がした。
そんなレスティーナをフォローするかのように、時深は言う。
「レスティーナ女王、悠人さんはどうせ皆に知らせるのですから、今言っても同じだと思いますよ?」
519ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:26:57 ID:pRF/1Zrz0
「そうですね・・・ユートはもうすぐ、カオリと一緒に元の世界に帰るのです」
「え・・・?ゆ、ユート様、帰っちゃうんですか!?そんな・・・」
せっかく戦争が終わって、世界が平和になって、悠人はずっとここにいてくれると思っていたのに。
しかも、あの世界に帰るとなっては、自分みたいなスピリットはマナが薄すぎて一緒には行けない。
行ったとしても、長くは持たない。実際に行ったことがあるからこそ、身をもって知っていた。
悠人が帰る。それは、永久の別れを意味している。・・・そんなの、嫌だった。
「・・・ま、そういうことだ。何かしておきたいことがあるなら、今のうちにやっとけってこった」
さっきまで何も言ってこなかったヨーティアが後ろから話しかけてくる。
いつの間にやら、ぶつかった時に散らばった食材を集めていてくれたらしい。
「ほら、あのボンクラになんか作ってやるんだろ?がんばんな〜」
「はうぅっ!ど、どうしてそれを〜!」
ヨーティアはにやにやしながら、食材の入った籠をヘリオンに手渡し、肩をぽんぽんと叩く。
小さな眼鏡越しに何もかもを見抜いているその眼光。さすがは賢者様、侮り難し。
「では、私たちはこれで。ヘリオン、がんばってください」
「悠人さんは、意外と嗜好が激しいですから、食材の選考は慎重にしたほうがいいですよ?」
その微笑ましさに、レスティーナと時深もまた微妙な笑みを浮かべる。
・・・だが、その笑顔とは裏腹に、そそくさと、その場から逃げるような早足で三人は去っていった。

「・・・・・・ユート様が・・・帰っちゃうなんて・・・」
ぽつんと、その場に取り残されたヘリオンは、悠人との別れの宣告に、ショックを隠せないでいた。
もしかしたら、今自分が作ろうとしている料理も、最後になってしまうかもしれない。
そう考えると、絶対に失敗するわけにはいかなかった。余計に気合が入る。
「・・・ユート様、ごめんなさい。私・・・」
それとともに、ある決心が、ヘリオンの中で形作られていた─────。

520ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:31:03 ID:pRF/1Zrz0
──────その後、第一詰所の台所を借りることができ、調理を始めるヘリオン。
この台所は第一詰所の主とも言える、エスペリアにとっては王座のようなものだという。
そのせいか、エスペリアは借し渋っていたが、アセリアとオルファが一緒に頼んでくれたのが幸いだった。
・・・・・・その代わりに、第一詰所の全員分の昼食を賄う羽目になったのは予定外だったが。
「最後にこれを入れて、まぜまぜ・・・あとは煮込むだけですっ♪」
ヘリオンは火加減を弱火になるように調整した後、残りのメニュー、サラダとパンを食卓に並べる。
台所でじっとすわって待っていると、そこに客がやってきた。
「お、いい匂いがするなぁ」
「そうね〜、すごくおいしそう♪」
「あ、キョウコ様に、コウイン様!」
匂いに釣られてなのか、エスペリアに言われて様子を見に来たのか。
今日子と光陰が、興味津々な顔で、台所に顔を覗かせる。
「いやぁ〜、その格好もかわいいね、ヘリオンちゃん」
光陰の場合、どっちかというとメイド服(?)に身を包んだヘリオンに目が行っている。
鼻の下がぎんぎんに伸びていることが、ヘリオンにも手に取るようにわかった。
「このバカ・・・そんなんだからクォーリンに愛想尽かれんのよ」
その後ろで、今日子はぼそっと文句を言う。
悠人も悠人だが、コイツもコイツ。鈍感さは神懸りだと、今日子は芯から思っていた。

「・・・で、ヘリオン。何作ってるの?」
「お、教えませんよ!お昼までのお楽しみです!」
「おい、どうやらスープみたいだぜ。どれ、ちょっと味見を・・・」
いつの間にか、光陰が鍋に近づき、味見をしようとしていた。
「あ、だ、だめえええぇぇ〜〜っ!!」
521ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:32:59 ID:pRF/1Zrz0
どごっ。
ヘリオンの渾身の正拳突きが光陰の脇腹に撃ち込まれる。
「ぐ、ああ・・・な、なにすんの、ヘリオンちゃん・・・」
「光陰!あったりまえじゃないの!この世界を超越した大馬鹿!鈍感にも程があるわよ!」
「な、なぜだ・・・俺は何も悪いことは・・・ぐふっ」
「したわよ。恋する乙女は強いって事ね。ヘリオン、お邪魔したわね〜」
今日子はそう(日本語で)言うと、苦しそうに脇腹を押さえて悶える光陰をずるずると引きずって台所を後にした。
あの二人は一体何をしに来たのか。ヘリオンがそれをわかることは無かった・・・
「あ、もういいころですね!」
十分に煮込まれた鍋の中身。ヘリオンはそれを持って、食卓へと運ぶのだった────。


──────料理のセッティングを終わったころに、第一詰所のメンバーたちが入ってくる。
「わぁ、おいしそ〜!」
「うん、すごいな。私も、負けてられない・・・」
第一詰所の料理当番予備軍、アセリアとオルファはそろって感嘆の声を上げる。
「少し、野菜が多めですね。もう少し肉などを入れたほうが・・・」
「ですが、ユート殿のような病人にはうってつけの食事でしょう」
対して、エスペリアとウルカは、やや評価じみた感想を述べる。
だが、そのほかには、今日子、光陰、佳織しかおらず、肝心の悠人の姿がなかった。
「あ、あれ・・・?ゆ、ユート様は?」
「ヘリオンさん、忘れたの?お兄ちゃん、ベッドから出られないんだよ?」
「あ・・・あああぁぁ〜〜っ!!」
そうだった。
そもそも、ベッドから動けない悠人のために料理を作っていたのだ。
だから、ここで作っても、持って行かなくては意味がないのではないか。
「ヘリオン、持っていってあげなさいよ。そのほうが、悠も喜ぶと思うわよ?」
「そ、そうですよね!じゃ、じゃあ、さっそく・・・」
ヘリオンはそう言って、一人分の料理を盛り付け、お盆の上に載せる。
「では、みなさんは、ここでおいしく食べてくださいね♪そ、それじゃあぁ〜・・・」
たったったったった・・・
今なおベッドの中でお腹を空かせている悠人のために、悠人の部屋へと向かうのだった。
522名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 20:33:28 ID:91E0/Dsa0
二つも三つもレスは必要ない
ただひとつのレスに全てを込めて支援とするのだ!
523ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:34:57 ID:pRF/1Zrz0

「くっ・・・悠人、なんてうらやましい・・・」
「・・・うらやましい?なんでだ?コウインも、病気になりたいか?」
「そうじゃない・・・そうじゃないんだ。ベッドで動けない、自分で食べられないから、いいこともあるんだ。
 女の子が口元に運んでくれるおいしい手料理・・・男のロマンの一つじゃないかぁ〜・・・」
「へぇ〜・・・そう。じゃあ光陰には、私が引導を渡してあげようかな〜?」
目をきらきらと潤ませる光陰に、笑顔の今日子の拳がぽきぽきと鳴る。
「い、いえいえ!滅相もありません!ですから、さっきのはなかったことに・・・」
「ま、私もそういうのは憧れちゃうかな。許してあげよう!」
「あはは・・・お兄ちゃん、得したよね」
そんな今日子が光陰に同意する光景を、佳織は物珍しそうな目で眺めていた。
かつて、悠人が、風邪を引いた幼いころの自分にそういうことをしてくれたのを、思い出しながら。

「さ、せっかく作ってくれたのですから、冷めないうちに頂きましょう」
エスペリアがそう促すと、各々はテーブルについていく。
パンに、サラダに・・・おそらくメインであろうスープのような、大きな鍋に入った食べ物。
ヘリオンの料理を食べたことがないからか、やや警戒気味の面々だったが・・・
「・・・おいしい」
先制して食べ始めたアセリアのその一言で、食卓の空気は一気にやわらかくなるのだった・・・

524ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:37:00 ID:pRF/1Zrz0
「・・・昼飯、まだかな?」
悠人は、ベッドの中でそう呟いていた。
オルファが言うには、今日の昼飯はヘリオンが作ってくれているらしいが・・・
なんだろう。掴み所のない不安のようなものが、悠人の頭の中を駆け巡っていた。
こんこん。
そんなことを考えているうちに、やや遠慮がちに部屋のドアがたたかれる。
「ゆ、ユート様っ!お食事をお持ちしましたっ!」
・・・どうやら、出来上がったらしい。
「ああ、入ってくれ」
「で、では・・・失礼しますっ!」
がちゃり、とドアが開き、料理を載せたお盆を持ったヘリオンが入ってくる。
その料理は、パンに、サラダに、野菜がたくさん入ったスープのようなもの。
病人食、という感じがしないでもなかった。
「これ・・・ヘリオンが作ったのか」
「は、はい!ですから、たくさん食べてくださいね!」
口ぶりから見て、下の食卓にはまだまだ、かなりの量があるのだろう。
だが、体調は快方に向かい、食欲も出てきたころなので、たくさんあるというのは少しありがたかった。
「じゃあ、もらおうかな」
悠人はヘリオンからお盆を受け取ると、足の上に載せて、いただきます、と手を合わせる。
ふと横を見ると、ヘリオンは目を皿のようにして、料理を食べようとする悠人をじっと見ていた。
おそらく、食べた後に感想を聞くつもりなのだろう。しかも褒めてもらえると思っているに違いない。
少し喉も渇いていたので、まずはスープを口に運ぶ。
その瞬間、なんともいえぬ旨みの世界が、悠人の口の中に広がった。
525ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:38:58 ID:pRF/1Zrz0
「・・・う、うまい」
「ほ、本当ですか!?」
続いて、サラダを頬張る。
これも、野菜とドレッシングの相性がよく、バランスの取れた味。
どれをとっても、食が進んだ。
「いや、本当にうまいって!・・・でも意外だな、ヘリオンが料理できるなんてさ」
「あ〜!ひどいですっ!前にも、作ってあげたじゃないですかっ!」
前にも作ってもらった・・・悠人は体のだるさでおぼろげになった記憶を掘り起こす。
「ああ、そういえば、向こうに行ったときも作ってもらったっけな」
「そうですよ!もう、忘れるなんて・・・」
「確か、あの時は、ハンバーグと、サラダと、米だっけな・・・」
「・・・え?」
悠人のその言葉に、ヘリオンは驚きを浮かべる。
「・・・? どうした、ヘリオン」
「あれ・・・?私、サラダと、その・・・コメってのしか作ってませんよ?ハンバーグなんて・・・」
「何言ってるんだよ。あのとき、三人で一緒に食べたじゃないか!・・・って、あれ?」
「そ、そうですよね?私も、そのハンバーグの味を覚えて・・・三人で・・・?」

三人?
いつの間にか、一人増えていた。
生じるはずのない、矛盾という名の違和感、三人目の存在を示すハンバーグの味。
悠人とヘリオンは、無意識のうちに、それを思い出していた・・・もとい、記憶の中においていた。
「・・・なぁ、ヘリオン。俺たちってさ、三人で向こうに行ったんだっけ?」
「い、いいえ!確か、私と、ユート様と・・・」
と。
今、ヘリオンは確かにそう言った。無意識のうちに。
悠人とヘリオンの記憶に、存在するはずのない三人目がおぼろげに浮かぶ。
だが、それがなんなのかを確かめようとすると、思い出せなくなる。
ハイペリアでの記憶。それを思い出そうとする毎に、三人目の影が浮かんでくる。
・・・・・・ハイペリアでは、確かに三人でいたはず。
だが、悠人とヘリオンの記憶には、その三人目はおらず、二人だけでいたことになっていた。
526ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:40:10 ID:pRF/1Zrz0
「な、なんなんだよ・・・これ、どうなってるんだ!?」
「ゆ、ユート様っ!きっと疲れてるんですよ!私も、きっと疲れてるだけなんです・・・」
「そう・・・なのか?」
無理矢理そう結論付けようとするヘリオンだったが・・・
本当にそうなのだろうか、一人ならともかく、二人同時に同じことが起こるのは、偶然ではすまない。
ハイペリアに行った者独特の症状なのだろうか?本当に疲れているだけなら、寝てしまえば醒めるだろう。
「で、ですから・・・ゆっくりとお休みになってください。私も・・・休みますから」
「あ、ああ・・・」
悠人はそのヘリオンの言葉に従って、上半身を倒し、頭を枕に沈める。
この妙な違和感が取り除けるように、祈りながら、眠りにつくことにしたのだった。

「あ、そうです・・・ユート様、お願いがあるんですけど・・・」
「ん・・・?」
なにをお願いするつもりなのか、ヘリオンは、その表情に哀しみのようなものを浮かべて、悠人に耳打ちする。
「あの・・・お話があるんです。あさっての夜に、第二詰所まで来てください・・・」
「ああ、そのころにはもう起きられるだろうし。いいよ」
「や、約束ですよ?絶対に、来てくださいね・・・?」
「ああ、約束だ」
ヘリオンがこういう話を切り出すときは、実際にそこにいくまでその内容は内緒。
ここで追求しても何をしたいのかがわからないことは、重々承知の上だった。
「じゃあ・・・私は、これで・・・し、失礼しました・・・」
ヘリオンはそう言うと、空になった食器の乗ったお盆を持って、悠人の部屋を出て行くのだった。

二人の脳裏に浮かぶ、正体不明の違和感。
それは、どんなに休んでも、眠っても、あの時まで、拭い取れることはないのだった・・・

527名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 20:40:50 ID:91E0/Dsa0
そうですね…こうすれば、支援になりますか?
528ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:41:59 ID:pRF/1Zrz0
──────二日後の夜。ヘリオンとの約束の日。
悠人は、自分の部屋で、アセリアの訪問を受けていた。
「ユート、これ・・・できたぞ」
そう言って、アセリアが取り出したのは、蒼く光る金属が先っちょについたペンダント。
そう、昨日アセリアに頼んでおいた、【求め】のペンダントだった。
「すごいな・・・あのバカ剣が、ここまできれいになるもんなんだな」
「そうでも、ない。・・・ユート、それ、どうするんだ?」
「佳織にでもあげようと思ってさ。佳織のやつ、意外とこういうのに興味持ってたんだぜ」
「そうか・・・よろこんでくれるかな?」
「こういうのを貰って喜ばないやつじゃないよ、佳織は」
本当だった。あの時、アセリアが佳織にこれをあげて喜んでくれたことを、悠人は鮮明に覚えている。
もっとも昨日、突然ペンダントを貸してくれと言われて佳織は驚いていたが、これなら、納得してくれるだろう。
悠人は、その【求め】のペンダントを、制服のポケットにしまうのだった。
「じゃあ、ユート。私はもどるから・・・がんばれ」
「ああ、がんばるよ・・・って、何を?」
「ユート、ヘリオンに呼ばれてるって・・・みんな知ってる。みんな、応援してた」
「な゙っ!!」
迂闊だった。おそらくあの時、食卓のメンバー(の一部)は神剣の力を使って聞き耳を立てていたのだ。
耳打ちしてまでバレないようにしていたのに、まさかバレていたとは、ヘリオンは夢にも思っていないだろう。
「よくわからないけど、じゃあな、ユート」
にかにかと薄ら笑いを浮かべて、アセリアは悠人の部屋から出て行った。
「ったく・・・」
悠人はため息をつきながら、身だしなみを整える。
何をするつもりなのかわからないが、なんか告白とかするつもりだったら、それこそ洒落にならない。
その野次馬根性故、十中八九、覗きに来るやつがいるからだ。
「よし・・・こんなもんかな」
身だしなみを整え終えた悠人は、尾行に警戒しながら、第二詰所へと向かうのだった・・・

529ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:43:02 ID:pRF/1Zrz0
──────さっきから、視線を感じる。やはり、尾行されているらしいが・・・
居場所がはっきりとわからない以上、尾行犯を探すわけにも行かない。
【求め】を失って、神剣の気配がわからないのが、こんなところでハンデになるとは思わなかった。

第二詰所の入り口まで来ると、扉の横の壁に寄りかかっている小さな影が見えた。
「あ・・・ユート様。来てくれたんですね・・・」
「ヘリオンが来てくれって言ったんだろ?それに、約束したじゃないか」
「そ、そうですよね・・・でも、よかった・・・」
月夜に照らされた夜に浮かび上がったヘリオンの顔は、約束したときと同じ、少し哀しそうな顔。
そんな顔を無理矢理覆い隠すかのように、ヘリオンははにかんだ笑顔を悠人に向ける。
「それで・・・話って?」
悠人はさっそく本題に乗り出そうとするが、ヘリオンは何かを気にするかのようにきょろきょろと辺りを見回す。
「ヘリオン、どうした?」
「ユート様・・・ちょっと、ここは人が多いです・・・」
「え?ああ・・・そう、だな」
悠人も辺りを見回すと、木の陰からちらちらと見えるオレンジのコートや、赤い髪、
第二詰所の窓からも、ちらちらと青いものが見える。
思ったよりも、野次馬が多い。こんなところでは、話も何もできないだろう。
530ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:44:24 ID:pRF/1Zrz0
「ヘリオン・・・どうする?」
「しかたありません・・・ユート様、逃げましょうっ!」
「え?」
きいいいぃぃん・・・
ヘリオンがハイロゥを展開したかと思うと、いつの間にか後ろに回りこまれ、胴に抱きつかれていた。
「ヘ、ヘリオン!?な、何を・・・」
「ユート様っ!少しの辛抱ですっ!」
「うっ、うわあああああぁぁぁぁあああ!!」
ふっ、と体が浮いたかと思うと、ものすごいスピードで上昇していく。未だかつてない重力が、悠人にのしかかる。
あっというまに、ラキオス中が豆粒に見えるくらいの高さまで上昇していた。
「あぁぁ・・・び、びっくりした」
「高いところ、大丈夫ですよね?」
「ああ、でも、さすがにここまで高いと、ちょっとやばい。っていうか、俺、宙吊り?」
「大丈夫ですよっ!私がしっかり持ってますから!じゃあ、ユート様、行きましょう!」
「行くって・・・どこへ?」
「ユート様、目を瞑っていてくださいっ!」
「あ、ああ・・・」
悠人は言われたとおりに目を瞑ると、今度は、がくん、と落ちていく。
「〜〜〜〜〜〜〜!!」
まるでジェットコースターのような、フリーフォールのような風圧が、全身に襲い掛かる。
昇るときとは比べ物にならない恐怖に、悠人は声すら出せないでいた・・・
531名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 20:45:53 ID:91E0/Dsa0
支援なら任せて下さい!
結構、自信あるんですよ
532ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:45:58 ID:pRF/1Zrz0
─────自由落下するような風圧がようやく収まると、ようやく足を地につけることができた。
悠人が目をこじ開けると、そこは、昼間とは違う、見慣れた場所だった。
「ここは・・・訓練所?」
「そうですよ?ここは、私とユート様が出会った場所・・・です」
「ああ・・・そうだったな」

いつもは、訓練所には昼間しか来ないからか、夜になるとまったく違う場所に見えるから不思議なものだ。
ふと空を見上げると、無数の星々が、所狭しにさまざまな色の光を放っていた。
ハイペリアでゴンドラから眺めた夜景。それと比べても、勝負にはならないかもしれない。
「きれいですよね・・・年に一度、こんな風に星が光るんですよ?私、毎年眺めてたんです」
「もしかして、今日にしたのも?」
「はい・・・この星空を、ユート様に見てもらいたかったから。この星空の下で、知ってもらいたかったから・・・」
「知ってもらいたかった?・・・何を?」
悠人が頭上に疑問符を浮かべると、ヘリオンの表情が、より一層哀しさを増す。
あの時とは比べ物にならない位大事なこと。そんな予感が、悠人の中をよぎった。

「レスティーナ様から聞きました・・・ユート様、もうすぐ帰っちゃうんですよね・・・」
「あ、ああ・・・知ってたのか。いずれ、話すつもりだったけどな・・・」
「ですから・・・知ってもらいたいんです。ユート様に、私の、気持ちを・・・」
「ヘリオンの・・・気持ちを・・・」
ヘリオンの目は真剣だった。その想いの強さが、語る前から伝わってくる。
その気持ちを、受け止められるのだろうか。受け止めたところで、納得がいくのだろうか。
ヘリオンだってわかっているはず。だからこそ、話そうとしているのだから。
533ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:47:07 ID:pRF/1Zrz0
「ユート様・・・・・・ユート様は、元の世界に帰りたいですか?」
「ああ、帰りたいさ。佳織のためにも・・・」
「そうですか・・・でも」
ヘリオンは何かを言いかけて、一瞬、言葉を止める。
だが、真っ直ぐなヘリオンの気持ちが、言葉が、すぐに悠人の心に響く。

「正直に言います・・・私、ユート様に、帰ってもらいたくありません・・・」
「え、でも・・・」
「わかってます。そんなの、我儘だって。でも、私、この世界で、ユート様と一緒にいたいんです!
 別れちゃうなんて、もう二度と会えないなんて、嫌なんです!帰っちゃ、だめです・・・」
「ヘリオン・・・」
何も反論できなかった。
ヘリオンは、ただ、悠人と一緒にいたいだけ。
でも、その想いは、世界という境界線によって分かたれようとしている。・・・それこそ、永遠に。
悠人さえ、悠人さえよければ、その想いでずっと一緒にいられる。同じ世界で。

「私・・・お姉ちゃんが死んでから、ずっと一人ぼっちだったんです。初めてユート様に会ったとき、思ったんです。
 この人は、ユート様は、私と同じなんだって。やっと見つけた、同じカタチの心を持つ人・・・」
「それで・・・他人とは思えない、か?」
「はい・・・だから、失いたくないんです。せっかく、世界が平和になって、一緒にいられると思ったのに・・・」
ヘリオンの瞳から、一筋の涙が零れ落ちる。
人間とスピリットという種族の枠を超えて、同じ心の存在を見つけたのに・・・
ひとたび世界を超えれば、もう二度と交わることはない。
534ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:48:27 ID:pRF/1Zrz0
「ヘリオン・・・お前、意地悪だな」
「え・・・?」
「こんなこと言われたら、もう帰れないじゃないか・・・ヘリオンのこと、心配になっちゃうじゃないか・・・」
「・・・だったら、ずっとこの世界にいてください!・・・みんなも、そう思っているはずですから・・・」
必死に懇願するヘリオン。
その真っ直ぐな目に、零れ落ちる涙に、ただ、一途な心に、悠人の心が揺れる。

「なんで・・・なんでだよ」
「ユート様・・・?」
「なんで、ヘリオンはスピリットなんだよ!スピリットじゃなけりゃ、一緒に向こうにだって行けるのに・・・!」
「ゆ、ユート様・・・私、わたし・・・」
「人間なら・・・ヘリオンが人間だったら、俺は、どこまでも、いつまでも、一緒にいてやれるのに!
 俺だって、別れたくないんだ!ヘリオンと一緒にいたいんだ・・・それなのに・・・なんでだよ・・・」
元の世界に帰り、元の生活に戻るか、ここに残り、ヘリオンやみんなと一緒にいるか。
そんなの、本当は聞くまでもなかった。でも、佳織や、元の世界でのことを考えると、心がぐらぐらと揺れる。
迷いが、葛藤が、悠人に襲い掛かる。捨てる勇気を、いつまでも持てずに。

「ユート様っ!」
がばっ!
ひたすらに迷う悠人に、ヘリオンが抱きついてくる。
その小さな体から、温もりが徐々に伝わってくるにつれ、揺れる心は落ち着きを取り戻していった。
「ヘリオン・・・?」
「ごめんなさい・・・私、こんな我儘言って・・・」
「いや、いいんだ。それが、ヘリオンの正直な気持ちなんだからさ」
「ユート様が帰っちゃうなら・・・私、また一人ぼっちですから・・・ですから、今は、こうさせてください」
ヘリオンの、悠人を抱く腕に力が篭る。
それに応じるように、悠人はヘリオンの頭をそっと撫でてやる。
「うっ・・・ひくっ、う、うぅ・・・うああぁぁぁ・・・ユート様ぁ・・・」
悠人の胸に顔をうずめ、ひたすらに涙を流し続けるヘリオンに、悠人はこうすることしかできなかった。
535ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:50:48 ID:pRF/1Zrz0
「ヘリオン・・・」
「はい・・・」
ヘリオンはその涙で濡れた顔を上げる。
悠人はその手でヘリオンの涙を拭ってやると、ポケットに手を突っ込んだ。
「これを・・・」
「え?これって・・・なんですか?・・・きれい」
取り出したのは、【求め】のペンダントだった。佳織にあげようと思ってた、アセリア手製のアクセサリ。
「これ・・・あのバカ剣の欠片で作ったペンダントなんだ。佳織にやろうと思ったんだけど・・・あげるよ」
「そ、そんなの、受け取れません・・・」
「いや、受け取ってほしいんだ。もし、俺が帰ったら・・・このペンダントを、俺だと思ってくれ」
悠人がそう言った瞬間、さっきまで哀しみの色に染まっていたヘリオンの顔が、怒りに染まる。
その真っ直ぐな目を、きっ、と悠人に向けて、ヘリオンは反論してきた。

「だったら、なおさら受け取れません!」
「どうして・・・」
「ユート様の代わりなんていないんです!私の知ってるユート様は、たった一人だけなんです・・・
 それに、ユート様が残ってくれれば、そんなの、必要ありませんから・・・」
「そうか・・・ごめん。俺、ヘリオンの気持ちも考えずに・・・」
悠人が謝ると、ヘリオンの表情が柔らかくなる。気がつくと、
二人の間にある、満天の星空に不思議な光を放つ【求め】のペンダントを、二人は、見つめていた。

「でも・・・それ、本当にきれいですよね・・・ちょっとつけてみて、いいですか?」
「ああ、きっと似合うよ」
ヘリオンは【求め】のペンダントを受け取ると、慣れない手つきで、ペンダントをつける。
ペンダントは、ヘリオンの胸元で、きらきらしてるような、ぼんやりしてるような、そんな光を放っていた。
「お、やっぱりよく似合うな。きれいだぞ、ヘリオン」
「あ、ありがとうございます・・・えへへっ・・・」
ヘリオンは、その手で、ペンダントの先端、【求め】の部分をつまんで持ち上げる。
本当にこれが悠人の腰にぶら下がってたあの剣なのか、そう思えるくらい、きれいだった。
星の光に当ててみようと、ヘリオンは先端を掲げる・・・

536ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:52:01 ID:pRF/1Zrz0
キイイイイイィイィィィイン・・・!
ペンダントが光を放ったかと思うと、突然、二人に響き渡る。悠人がいつも感じていた、あの鬱陶しい音が。
「え・・・?」
「な、何?か、干渉音!?」

『汝らの求めはまだ果たされていない・・・あるべきところに、あるべきすがたに・・・』

「ば、バカ剣!?な、何を言って・・・」
「ゆ、ユート様っ!【失望】が、【失望】が・・・!!」
それの呼応してか、【失望】の柄の紫の石から、強烈な光が放たれる。
目覚めたときから、うんともすんとも、なにも喋らなかった【失望】の声が、二人に・・・悠人にも、響く。

『もう・・・隠し切れませんね。あなたたちの覆い隠された記憶を、開放します!!』

「〜〜〜ッ!!ヘリオン!?」
「ユート様ぁ!!たすけてっ!なにかが、入ってきますっ!!」
「う、うわああああぁぁぁああああぁ!!」
その光が一層激しさを増し、【求め】のペンダントから放たれる光とともに、二人を包み込む。
一瞬にしてその光は消え去り、その場には、あるべき姿にもどった、二人がいた。

ドクン、ドクン、ドクン・・・
心臓の鼓動が早くなる。
今まで頭の中にかかっていたもやのようなものが、消えるように、晴れていく。
二人の脳裏に同時に浮かんだ、映像<ビジョン>。それは・・・大事な人の、死の瞬間。
戦いが終わっていないことを告げる、変貌した者の姿。・・・声。
すべてが暗闇に沈んだ、あのときのことを、すべて、鮮明に、記憶の中に蘇らせる。
537名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 20:52:40 ID:91E0/Dsa0
さて、支援の時間だ
538ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:53:11 ID:pRF/1Zrz0
「あ、あ、ああ、ああぁあ・・・!!」
「お、俺たち・・・忘れてたのか?こんな、大事なこと・・・なんで、なんでだよ!!」
忘れちゃいけないこと。本当なら、絶対に忘れられないこと。
それを、今の今まで忘れていた。隠されていた。誤魔化されていた。
おそらく、知らなかった・・・いや、記憶を失っていたのは・・・自分たち、悠人と、ヘリオンだけ。
みんなは知っていた。でも、教えてくれなかった。
それを思い出すことが、二人にとって、いいことなのか、悪いことなのか、誰にもわからないから。
悠人もヘリオンも、あの時、本気で悲しんで、泣いて、叫んでいたから。

「ハリオンさん・・・ハリオンさん・・・!!」
ヘリオンはへたり、と座り込んで、がたがたと震えながら、目を見開いて、両手で頭を抑えていた。
ただひたすら、ハリオンの名前を呼び続けていた。
もう既にいない、再生の剣へと還っていった、もう一人の『お姉ちゃん』。
小さいころから、ずっと一緒にいた。何をするにも、一緒にいた。笑顔を、見せてくれた。
つらいとき、くるしいとき、なぐさめてくれた。一緒に生き延びようって・・・言ってくれた。
でも、もういない。誓いを、やぶられた。

「ヘリオン!落ち着けっ!落ち着くんだ・・・!」
「う、う、うぅ・・・」
悠人は叫びながら、ヘリオンの体をぐらぐらと揺すぶる。
だが、ヘリオンの震えは、涙は止まるところを知らず、ますます酷くなっていく。
「くそ・・・っ!あのときより酷いっ!ヘリオン・・・!」
どうすればいい。どうすれば、ヘリオンの目を覚まさせられる?
あのときのように、神剣があるわけでも、大声で呼びかけても目を覚ますわけでもない。
「あぁ・・・ああ・・・ユート様ぁ・・・」
「ヘリオン!しっかりするんだ!!」
539ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:58:01 ID:pRF/1Zrz0
がばっ!
悠人は膝をつき、ヘリオンの小刻みに震えるその小さな体を抱きしめる。
全身が震えていることが、悠人の体全体を通して伝わってくる。
なんとか、温もりを通じさせて、落ち着いてほしい。さっき、悠人がそうなったように。
「ヘリオン・・・!」
「ゆ・・・ユー、ト、さま・・・」
震えが、おさまってくる。・・・どうやら、うまくいってくれたらしい。
落ち着きを取り戻し、ヘリオンは、徐々に、今自分がどういう状況にあるかを理解してきた。

「ゆ、ユート様ぁ・・・私たち、忘れてたんですか?ハリオンさんのこと・・・」
「そう、みたいだ。それに、まだ、戦いは終わっちゃいない。瞬が・・・この世界を滅ぼそうとしてる」
「ユート様・・・私・・・」
「わかってるよ。悔しいんだろ?今までハリオンのこと忘れてて、仮初の平和を味わってたんだから」
「はい・・・でも、私たち、どうして、こんな大事なこと忘れてたんでしょう・・・」
忘れた理由。ヘリオンの言うとおり、こんなこと、本来は忘れるわけなかった。
だとしたら、誰かが故意に忘れさせた。というのが一番しっくり来る気がする。
「・・・心当たりがある。俺たちにこんなことができて、こんなことをするような奴、一人しかいない」
「それって、もしかして・・・」
「そうだ。多分、そいつが何もかも知ってる。城に・・・聞きにいこう!」
「は、はいっ!ユート様、じっとしててくださいっ!」
「え゙っ。また飛ぶの!?」
「そのほうが早いですっ!!」
ヘリオンはハイロゥを展開し、悠人をがっちりと抱くと、城に向かって、飛びだっていった。
・・・真実を、その手に掴むために。

540名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 20:58:35 ID:x0nHll3Z0
支援
541ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 20:59:55 ID:pRF/1Zrz0
城に着くと、ひたすら廊下を走り、階段を上り、客間へと急ぐ。
だが、神剣を持っているヘリオンに比べ、神剣のない悠人は、色々と苦戦を強いられていた。
「はぁ・・・はぁ・・・!まだか、客間は!」
「ユート様っ!大丈夫ですか!?」
「くそっ!今までどんなにあのバカ剣に頼ってたか、だな・・・皺寄せが一気に来てる」
「か、肩、貸しましょうか?それとも、また飛びます?」
「どっちも結構!ヘリオン、急ぐぞっ!!」
「は、はいっ!」
長い長い廊下を走っていると、その真ん中に、見覚えのある人影が優雅な姿勢で立ち構えていた。
・・・それは、おそらくすべての始まりにして、きっかけ。倉橋 時深。

「時深ッ!!」
「トキミさんっ!!」
「悠人さんに・・・ヘリオン。どうしたんですか?そんなに慌てて・・・」
時深はあっけらかんとした顔で、息を切らす悠人と、僅かに涙の痕を残すヘリオンを見ていた。
「俺・・・いや、俺たち、思い出したんだ!何も、まだ何も終わってないって!」
「・・・そうですか・・・思い出したんですね・・・」
「トキミさん・・・どうして、こんなことしたんですか?戦いが終わってないことや、ハリオンさんのこと・・・」
ヘリオンがそう聞くと、時深は仕方なさそうな、それでいて哀れみを込めた顔で話し始める。
「それは、悠人さんに佳織ちゃんと一緒に帰る、という選択肢を与えるためです。
 もし記憶があったままだったら、居ても立ってもいられなかったでしょうね」
確かにそうだった。
【求め】を吸収し、けばけばしい神剣とともに変貌した瞬。
おぼろげな記憶の中で、瞬は世界を滅ぼすと、高笑いしていた。
この世界を守るという意味でも、ハリオンの仇をとるという意味でも、悠人は戦いの道を選んでいただろう。
542ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:01:40 ID:pRF/1Zrz0
「・・・一つ、聞いていいか?」
「何でしょう?」
「それなら、俺だけでよかったんじゃないか?どうして、ヘリオンまで・・・」
そういって、悠人はちらり、と横を見る。ヘリオンも、それを知りたい、といった顔をしていた。
「悠人さん、ハリオンが死んで・・・一番辛いのは誰だと思っているのですか?」
「え、そりゃ・・・」
ヘリオンだろ、と、そう言い終える前に、ヘリオンは口を開く。
「そうだったんですね・・・私、きっと隠し通せませんでした・・・きっと、ハリオンさんのこと、ユート様に話しちゃいます」
「ええ・・・もっとも、それすらも無駄になったようですが」
もし・・・ヘリオンが、あのときの記憶を持っていたら、悲しみに耐えられなかった。
きっと、誰かにその悲しみを打ち明けていたに違いない。・・・それが、悠人の可能性が高かったのだろう。
例えそれが残酷な道でも、悠人に選択肢を与えたかった。それが、時深の判断だった。

「ごめんなさい・・・私がもう少し早く到着していれば、彼女の死も避けられたはずなのですが・・・」
「なにかあったのか?」
「向こうの世界で戦った二人を覚えていますか?・・・彼らの妨害があって、遅れてしまいました。
 そのせいで私の力が思うように働かずに、彼女の死が、避けられない運命の流れに乗ってしまったのです・・・」
「ハリオン・・・運命だったのか?・・・そういえば、あいつらは一体・・・それに、時深も・・・」
とてつもない力を持っていた、法衣に身を包んだ少女に、黒衣の大男。・・・そして、目の前の時深。

「・・・私たちは、エターナルという存在。第三位以上の神剣の持ち主」
「え、えたーなる?」
「今はこれ以上のことを話すつもりはありません。・・・悠人さん」
「なんだ?」
「もし、ここに残って戦う道を選ぶなら、明日、一人でここに来てください。色々と、お話しなくてはいけません」
「あ、ああ・・・そんなこと、聞くまでもない気がするけどな・・・」
「よく考えてくださいね・・・それから、ヘリオン?」
543ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:02:50 ID:pRF/1Zrz0
「あ、はい!」
自分が呼ばれるとは思わなかったのか、ヘリオンは思わずびっくりしてしまう。
「記憶を取り戻したのなら・・・返したいものがあります。少し、ここで待っていてください」
「・・・返したいもの?」
時深はヘリオンにそれが何であるかを話す前に、部屋に入っていく。
まもなく出てくると、それが何なのかが、明らかになった。・・・それは、大事な人の形見。

「・・・これを」
「こ、これって・・・、もしかして、【大樹】!!?ど、どうして・・・?」
「ええ、本来、ハリオンの死とともに消えるはずだったのですが・・・どういうわけか、完全な形で残っています」
時深は【大樹】をヘリオンに渡す。僅かに、その槍の柄からは、温もりのようなものを感じる。
「・・・ハリオンさん・・・私・・・」
「それをどうするのかは、あなたの自由です。では、私はこれで・・・悠人さん、またお会いしましょう」
そう言うと、時深は部屋へと戻っていった。

「ヘリオン・・・大丈夫か?」
「大丈夫です・・・って言うと、嘘になっちゃいますね。それより、どうするんですか?」
「・・・色々と考えたい。明日は、一人にしてくれ・・・今日は、もう戻ろう」
「は、はいぃ・・・」
悠人とヘリオン、二人もまた、詰所へと帰っていく。
・・・もう、これしか道は残されてはいない。二人の決心は、唯一つに固まっていたのだった・・・

544ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:04:59 ID:pRF/1Zrz0
──────次の日の夕方。ヘリオンは、朝からずっと【大樹】を眺めていた。
・・・当然、声が聞こえたり、【大樹】の力を使えたりするというわけではなかったが。
それでも、僅かに漏れる、あたたかい緑マナを、じわじわとその手で感じ取っていた。
「生き延びてください・・・ですか。ハリオンさん・・・」
幾度も幾度も脳裏によぎる、あの瞬間。
思い出すこと自体嫌だった。でも、焼きついている以上、拭い去ることはできない。
あの夜から、思い出すたびに泣いていたのに、もう、涙が涸れて、泣くこともできない。
【大樹】を握り締める手にぎりぎりと力が篭る。
ハリオンが遺したあの言葉を、忘れないように。今頃、時深の所にいる悠人と一緒に生き残るために。

こんこん。
部屋のドアが、消え入るような力でたたかれる。
「・・・?誰ですか?」
と、ヘリオンの言葉とともに、がちゃ、とドアを開けて入ってきたのは、ニムントールだった。
「・・・ニム?ど、どうしたんですか?」
「ニムって言うな。それより、訓練に付き合って」
「へ?い、いいですけど・・・今、訓練所は閉まってますよ?」
「そこの庭でいい。だから、すぐ来て」
「??」
突然の訓練の誘いに、わけがわからず混乱するヘリオン。
じっとしているよりは、体を動かしたほうがいいということだろうか。
ヘリオンは【大樹】を壁に立てかけて、【失望】を握り、訓練に付き合うことにしたのだった。
545ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:06:18 ID:pRF/1Zrz0
館の庭の開けたところまで来た二人は、一斉にハイロゥを展開する。それが、訓練の合図であるように。
「私さ・・・いつだったか言ってたよね。ヘリオンを超えるって・・・」
「そ、そういえば・・・そんなことがあったような、なかったような・・・」
「あったの!・・・で、私、今超えるから。今の腑抜けたヘリオンなんて、敵じゃないから!」
「!!」

ニムントールは、ぎっ、とした、完全に殺気を含んだ視線をヘリオンに向ける。
びりびりと伝わってくる闘志。ニムントールは、絶対の自信を持って、ヘリオンと向き合っていた。
対して、ヘリオンはその闘志にやや押され気味。一筋の汗が、頬を伝う。
「隙ありっ!そこおおおぉぉおっ!!」
「・・・ッ!」
グリーンスピリットにあるまじきスピードで踏み込むニムントール。
一瞬にして懐に飛び込まれたヘリオン。完全に、反応できずにいた。
「ぁ・・・!!」
遅れて【失望】を抜こうとするが、【曙光】の三叉がヘリオンの右手を完璧に捕まえており、抜くことができない。
下手に動こうとすれば、致命的なダメージを負うのは自分。でも、動かなくてもダメージを負う。
・・・・・・動きを、封じられた。
546名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 21:06:26 ID:91E0/Dsa0
ここで支援…と
547ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:07:24 ID:pRF/1Zrz0
どすっ。
「はぁうっ!!」
ニムントールの左拳が、ヘリオンのみぞおちに食い込む。
視界が、ぐらぐらと揺れる。目の前のニムントールが、ぼやけて見えない。
全身の力を失ったヘリオンは、どさり、と、そのまま仰向けに倒れてしまった。

「やっぱり。弱すぎるよ、ヘリオンって」
何も見えない。でも、ニムントールの声が、神剣のしまわれる音が聞こえる。
「こんなに弱くなっちゃったんだね。ほんと、あの時一瞬でもヘリオンを尊敬した私が馬鹿みたい」
「(なに・・・言ってるの?)」
「・・・私だって、お姉ちゃんを失ったら、きっと同じことになると思う。未練たらたらになると思う」
「(お姉ちゃん・・・?ハリオンさん・・・?私、未練、持っているの?)」
「でもさ、今みたいに無様に死んでさ、ハリオンの言葉をふいにするわけ?私はそんなのやだ。
 だって、そんなの、情けなさすぎるじゃん。ハリオンが望んでいるのはさ、きっといつものヘリオンなんだよ?」
「(ハリオンさんが、望んでいること・・・)」
「生きなよ。もっと強くなってさ、悲しみなんて吹っ切って、ユートと一緒に。それが、望みなんでしょ?」
「(そう、でした・・・ハリオンさん・・・ユート様・・・私・・・)」
548ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:09:03 ID:pRF/1Zrz0
「じゃ、私は行くから。さっさと目覚まさないと、風邪引くよ」
ニムントールはそう言って、くるりと踵を返す。が、
「まって・・・ください。まだ、終わってませんよ?ニム・・・」
ヘリオンは、ぎしぎしと鳴る体を起こし、その視線をニムントールへと向ける。
その目には、さっきまではあった、迷いや、未練を断ち切る強い意志が宿っていた。

「ニムって言うなって、何度言ったらわかるのよ。このバカ」
「何度言われても・・・わかるつもりはありません!もし、私に勝てたら、やめてもいいですよ?」
ヘリオンがそう言うと、ニムントールはニヤリ、と笑みを浮かべて、ヘリオンの方に向き直る。
「それいいね。じゃ、今度は手加減はしないから!」
「望むところですっ!では、行きますっ!!」

二人の足元が、同時に砂埃を立てる。黒い影と、緑色の影が、その中点で激しく衝突を繰り返す。
何度も、何度も、神剣がぶつかり合い、その度に、剣圧で周りの草や木が切り刻まれる。そして・・・
がっきいいいぃぃいん・・・
空に、小振りの刀と、三叉の槍が回転しながら舞う。
それらが、同時に地面に突き刺さると、ヘリオンとニムントールも、仰向けにばたり、と倒れこむ。
「はぁ・・・引き分け・・・ですね」
「ちぇっ・・・現金なの。いきなり強くなっちゃって、反則・・・」
「まだまだ、呼ばせてもらいますね。ニ・ム」
「しょうがないなぁ・・・でも、今度は勝つからね。覚えて、いなさいよ・・・」
「(ニム、ありがとうございました・・・)」
疲れた。二人とも、息を大げさに切らしながらそう思っていた。
しかし、どこか気持ちのいい疲れだった。なにか、詰まっていたものが取れて、すっきりした様な感覚すらある。
こうして、しばらくこのまま寝込んでいる二人だったが、後でセリアに見つかって大目玉を食らうのだった。
当然、二人から笑顔が消えることはなかったが。

549ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:10:35 ID:pRF/1Zrz0
──────次の日の夜。城の中庭にマナ蛍が所狭しと舞う。
その中心に設置された不恰好な機械。それは、ヨーティアの作った、世界を越える機械。
・・・とうとう、悠人の義妹、佳織が元の世界に帰るというのだ。
悠人をはじめとするスピリット隊のメンバーは、全員そこに集まっていた。
うっすらと目に涙を浮かべて、悲しみをかみ殺す者。
佳織との別れが名残惜しく、我儘を言うオルファ。それを制止するエスペリア。
アセリアやナナルゥも、普段なら泣かないのに、今日ばかりは一筋の涙を流している。
そんな中・・・ヘリオンは、泣かなかった。
大事な人と別れる悲しみは、自分が一番よく知っているから。
悠人には、その悲しみを、寂しさを乗り越えて、この世界を救うための意志の強さにしてほしかったから。
だから、泣き顔を悠人に見せて、意志を折るような真似はしたくなかった。

「さ、もうすぐ来るよ。早く輪の中に入りな」
ヨーティアが、メンバーたちに別れの挨拶をする佳織を急かす。
「す、すいません!ちょっと待ってください!」
それにあわてる佳織は、メンバーの顔をぐるりと見渡して、ヘリオンの元にやってくる。
そして、何か、みんなには聞かれたくないようなことなのか、耳打ちをしてくる。
「ヘリオンさん・・・お兄ちゃんのこと、守ってあげてくださいね」
「え・・・?」
「お兄ちゃん、結構無茶するから・・・それに、ヘリオンさんが一緒じゃなきゃ、意味がないもの」
「そういえば・・・カオリ様もあの場にいたんですよね・・・ハリオンさんの言葉、果たせるように・・・ですね?」
「うん。おねがい・・・ね」
「はい・・・」
550ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:11:37 ID:pRF/1Zrz0
佳織はくるり、と踵を返すと、機械の輪の中へと入っていく。
「き、来たっ!すごい反応だ!」
キイイイィイィイイイィン・・・!!
佳織の周りの輪が光り出し、立ち上って光の柱を作り上げる。
その光は、別れの光。スピリット隊の誰もが、思わず走り寄ろうとして、一歩踏み出して、留まった。
「佳織っ!」
だが、悠人は駆け寄り、今にもその場から消えてしまいそうな佳織の手を握る。
「お・・・いちゃん・・・!」
世界を越え掛っているのだろう、その声も、途切れ途切れになる。
もう二度と会えない。それなのに、悠人も、佳織も、笑顔で、お互いを見つめあう。
まるで、お互いの心中を悟っているかのように。
「・・・に・・・・・・・・・ん!わた・・・ほ・・・・・・うに、・・・にいち・・・んの・・・・・・うとで、・・・かっ・・・!」
光の柱が一層輝きを増し、佳織を、元の世界へと飛ばそうとする。
・・・やがて、しっかりと感じていた、佳織の手の感覚が消え、悠人の手は、空を切った・・・
「ああ!じゃあな佳織っ!!」
それでも、悠人は精一杯の声をあげて、佳織を見送る。
もう二度と会えないなんて、そんなことないって、言わんばかりに。

・・・ヘリオンは、ずっと我慢してたのに、泣き顔なんて見せたくなかったのに、勝手に涙が溢れ出す。
大事な人の手を握って、別れの瞬間までその温もりを感じているその姿は・・・
そう、ハリオンを失ったときの、ヘリオンの姿にそっくりだった。
551ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:12:30 ID:pRF/1Zrz0
今だって、一時的に記憶を失っていたからって、決して忘れることのない、あの時の温もり。
それは、【大樹】を握る右手に、【失望】を握る左手に、いつまでも、生きていた。
でも、決定的に違うのは、悠人は、佳織との別れを覚悟し、享受していたこと。
つい昨日、ニムントールに喝を入れられるまで、ずっと信じられないでいた真実。
やっと、受け入れることができた。別れることがわかっているから、悠人はあんな顔ができる。
ハリオンが死んだときも、別れるのが嫌だったから、ヘリオンと一緒に本気で泣いてくれた。
「(でも・・・もう大丈夫。私は、ユート様と一緒に、生き延びるんですから・・・)」
その涙は、ヘリオンの決心とともに、その流れを止める。
ヘリオンは涙を腕で拭うと、天を仰ぎ、心で、ハリオンにそう呼びかけるのだった・・・

「・・・ヘリオン、どうしたの?ぼーっとしちゃって」
「・・・!?あ、セリア、さん・・・」
ふと気がつくと、機械の整備をしているヨーティアと、横のセリア以外誰もいなくなっていた。
「な、なんでもないです!そ、それより・・・ユート様はどこですか?」
「ユート様なら、さっき城の裏手の方に行ったけど・・・どうしたのかしら?」
城の裏手・・・そう聞いただけなのに、何か、嫌な予感のようなものが、ヘリオンの脳裏にこびりつく。
このまま見逃すと、もう二度と会えなくなるかもしれない。そんな、暗い予感が。
何を考えるでもなく、ヘリオンは、その悠人が向かったという、城の裏手へと走り出していた。
「ヘ、ヘリオン!?どこに行くの!!」
「セリアさん、すいません!すぐに戻りますから・・・!!」
急がなくては・・・取り返しのつかないことになる前に。
「ユート様・・・!!」
【失望】と【大樹】。二つの神剣を担いで、ヘリオンは全力で走る。この予感の正体を確かめるために・・・

552名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 21:13:30 ID:91E0/Dsa0
よし、支援があるうちに仕掛ける!
553ただ、一途な心 第X章─昇華 前編─:2005/12/23(金) 21:19:03 ID:pRF/1Zrz0
「・・・本当に、いいんですね?」
「ああ、もう決めたんだ。この世界を救うために、俺はエターナルになる」
「考え直すなら今のうちですよ?誰からも忘れ去られるというのは、時として死ぬよりも辛いのですから・・・」
「確かに、辛いかもしれない。でも、俺には、みんなが死んじまう方が、よっぽど辛いよ。
 あんなことがあったばかりだし・・・ヘリオンには悪いけど、もう、あんなのは嫌なんだ」
「わかりました。門を・・・開きます」
時深はそう言うと、『時の迷宮』へと繋がる門を開くため、神剣の名前を含んだ呪文を唱え始める。
様々な色の光が、あたりに漏れ出す。次第に、その光が周りを囲んでいくのがわかる。
少し名残惜しいといった、沈んだ顔をする悠人。・・・遠くから、その悠人の名前を呼ぶ声が聞こえる。
「ユート様ぁっ!!」
悠人は思わずそちらの方に視線を向ける。
森の中を、がさがさと足音を立てながら走ってくる、小さな人影。
それは、暗くてよくわからなかったが、回りの光と、月明かりによって、おぼろげに浮かび上げってきた。
刀と槍を両手に持った、ツインテールの少女。
「ヘリオン!?」
悠人は思わず踏み出しそうになる、が・・・
「悠人さん、門が開きます!これ以上離れてはいけません!」
「!! ヘリオンッ!来るなっ!来ちゃだめだぁっ!!」
「ユート様あぁぁっ!」
ヘリオンの勢いはとまらない。悠人に追いつこうと、神剣の力を使って地を蹴る。
・・・そして、ヘリオンは、光の環の中へと、飛び込んだ─────。

キイイィイイイィィィン・・・!!
周りの光が輝きを増し、ふわりと、体が浮くような感覚に襲われる。
門は、完全に開かれた。
「!? こ、これって・・・なんですか!!?」
「〜ッ!!ヘリオン、俺に捕まってろっ!!」
「! は、はいっ!!」
とっさにそう言われて、ヘリオンは悠人の胴に抱きつく。
「・・・仕方ありません!『時の迷宮』へ、飛びます!!」
辺りは、目もくらむような光に包まれ、その光は、三人を導いていった。
永遠者<エターナル>の鍵となる、永遠神剣のある場所へと────。
554くじら318号:2005/12/23(金) 21:22:23 ID:pRF/1Zrz0
今回はここまでです。
支援ありがとうございました。
いやはや、年末は忙しかったり別のゲームに浮気しちゃったりしていけませんなぁ。

次回で感動のクライマックスに・・・いけるのか?怪しいものだ・・・
まったりと続き書きますんで。でわ(´・ω・`)ノシ
555くじら318号:2005/12/23(金) 21:25:56 ID:pRF/1Zrz0
あぁ、忘れてました・・・

誤字脱字、ハリオンマジックなど、指摘がありましたらお願いします。
556名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 21:27:31 ID:91E0/Dsa0
>>554
お疲れ様です〜
この流れで行くとヘリオンE化ですかね…やはり
「大樹」の位置付けが非常に気になりますね…
…とまあ邪推もそこそこにしておきます
次回で完結?ですか…どうか頑張ってください
557名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 21:28:58 ID:oaFS1ktt0
>>554
告白部分、感情がここまで真っ直ぐなヘリオンにちょっと驚き。
正直、遠慮がちな彼女の普段の態度は殻のようなもので、
悠人の事情とかそういうもの抜きで自身の素直な感情をぶつけ“られる”のが
彼女の本来の性格だと思っていたものですから(例えそれが我が侭に見えても)。
同じように考えている方もいるのだなぁ、と(ぉ

ヒミカ。いいお姉さんっぷり。
ニムントール。「それいいね。」が生声で聞こえました。ハマりすぎw

残された神剣『大樹』。ハリオンの遺志が宿ってるのか果たして……
558名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 22:25:04 ID:pBLt7S8J0
>>554
お疲れ様です。
ストレートに面白かったでした。
・・・なるほどね、こういう物語の展開のさせ方もあったのかと。
感じているはずの世界そのものへの自分の視野の狭さをいつもながら改めて痛感。
それにしても、鯨さんの描かれる悠人は「男の子っぽい」ですよね。
なんとなく、少女漫画の準主役級のカッコイイ男子という感じ。
例えて言えば「姫ちゃんのリボン」の大地みたいな。
(まあ、だいぶん違うんだけど何となくそんな感じ)
行動に一貫性があって、女の子からみて凄く頼りがいがある。
私の描く悠人と違って、ジメジメした暗い影はない。
これも、間違いなく高峰悠人なんだろうなぁ・・・うん。
その代わり、エスペリアやセリアに光陰などの軍師タイプが影薄いけど。
そいえば光陰がクォーリンに愛想尽かされてるってのにはびっくり。
今日子と光陰の距離が急激に縮まってるのとか、神剣を持たない者がエターナルになる資格を得るための儀式はどうしたんだろうとか色々気にもなっています。

さて、いよいよクライマックスとの事、楽しみにしております。
559名無しさん@初回限定:2005/12/23(金) 23:24:11 ID:zOLUCpDH0
燎原の火のように、刀槍担いで出入りです!! 

フリーフォール悠人君大変でしたねw レッドアウトブラックアウト。
ニム。何気なく美味しい役どころ。どうやら光陰はヘリオン・ニムの正拳突きをその身に浴びまくってる模様w
ついにクォーリンがw

『大樹』がどんな役割を持つのか。ヘリオンの運命は? ドキがムネムネしながらクライマックスの幕が上がるのを待ちます。

「ヘリオンがスピじゃなけりゃ」……どうもこの言い回しには引っかかりが。ヘリオンの本心に対応した悠人の本音だろうか。
560おにぎりの中身の人:2005/12/24(土) 00:28:44 ID:5yNbhU0P0
お疲れ様でした。
「ヘリオンがスピじゃなければ・・・」かぁ、ソウユート・・・
つらいことを言うもんだなぁ、この男も。

俺が「永遠のアセリア」のゲーム内で2番目に好きな台詞
『私はスピリットです。それが、誇りなんです』
微妙に間違ってるかもしれないが、なんとなくこれを思い出した。
この言葉をソゥユートとヘリオンに聞かしてやりたいさね。

『大樹』がどう動くのか、このままヘリオンエンドに向かうのか!?
これからも眼が離せません。
561名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 01:23:16 ID:qIOlyBwy0
スピリットも人も違わない。
それが、ユートの譲れない信念の一つだったはず。
その信念が口先だけの奇麗事じゃないからこそラキオススピリット隊はユートを信じた。
それが変わってしまうに至る過程がいまいち読み取れないだけに、悲しいものがある。
サモドアのあの場面で、一番心を動かされたろうエスペリアやセリアの心中は、一体いかばかりだろうか。
メインヒロインであるに関わらずエスペリアがこの雑魚スピスレで愛されているのは、自ら汚れ役を買って出るけども揺るぎない「気高さ」があるからだと思うよ。
562名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 05:04:11 ID:GgB87KLo0
おかしくないと思うけどな
スピリットだからと生き方を縛るなという意味の『スピリットも人も違わない』
だけどスピリットだからハイペリアでは生きられない、現実と理想は違うよ
ソゥユートの想いはただ一緒にいたいってだけだろ
スピリットの誇りを汚しているとは思えないが
563名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 06:54:22 ID:nsp4Vgxl0
>>556さん
まあやっぱりE化しなきゃ〜もったいないかな、とか思ったり(をぃ
【大樹】どうしよう・・・今のところ二通りの使い道がある。でもま、がんばらせていただきます。

>>557さん
以前言われたのですが、やっぱり物の感じ方というのは人それぞれなんですよね。
本編のヘリオンの弟子イベントを見てもわかるとおり、ヘリオンは本当は芯の強い子。みたいなイメージがあるんです。
ただ、普段はそれが空回りしてドジを露呈・・・って感じで。
ニムは、似たような境遇の人を使って、ヘリオンを説得させたかったんです。
第U章のあのイベントを思い出したのはその後だったんですけどね・・・(滝汗

>>558さん
ゔ。そう言われると、悠人に闇がない。
もうちょっとバランスよくしなきゃなぁ・・・
クォーリンですか?どこいっちゃったんでしょうね(苦笑

>>559-561さん
そうですね〜、あの台詞には>>562さんの言うような意味が込められているんです。
じゃあ、どうしてそんなこと言われてヘリオンはショックじゃなかったのか。
それは、ヘリオンも心のどこかで同じことを考えているからなんです。
レスティーナから悠人が帰ることを告げられたときに、
『しかも、あの世界に帰るとなっては、自分みたいなスピリットはマナが薄すぎて一緒には行けない。
行ったとしても、長くは持たない。実際に行ったことがあるからこそ、身をもって知っていた。
悠人が帰る。それは、永久の別れを意味している。・・・そんなの、嫌だった。』
という文にも、ヘリオンも自分が悠人と同じ人間だったらいいのに。ヘリオンと悠人が同じ存在だったらいいのに。
みたいな意味があるんです。同じことを思っているからこそ、ショックを受けることはなかったんです。
わかりにくくてすんません。
564名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 12:18:13 ID:+Qa3CEzaO
とりあえず、メリークリスマス。

新潟、雪二百八十三cmだって?
シアー、元気良すぎだな…。

565星降る夜に:2005/12/24(土) 12:32:07 ID:UIKS6m1n0

聖ヨト歴330年スリハの月黒よっつの日。

イースペリアが消滅したその翌日、悠人は一人ラキオス城郊外で『求め』を振り回していた。
「はぁ、はぁ……くっ!」
ぶん、ぶんと構えも何もなく、ただがむしゃらに振り回す。
既に日は落ち、目の前にある筈の小屋でさえその影を溶け込ませつつある薄紫の闇の中。
それでも、悠人は素振りを続けた。握り締めた手の痛みが、あの惨劇を忘れさせるまではと。
「――――っ!」
がきん! 振り下ろした拍子に『求め』が岩に当り、弾かれて手元を離れる。
悠人は手首を抑えながら、蹲った。どさっ、と乱暴に腰を下ろすと同時に、目の前に転がる『求め』。
微かに瞬き始めた星の光に照らされて刀身を青白く煌かせるその神剣を、無言で睨みつける。
しかし、そんな事をしても無意味だった。憤りは、どこにも消えない。無力感は、手首の痺れでは誤魔化せなかった。
「はっ……ははは…………」
息を搾り出すようにして無理矢理作った笑いが、白々しく空へと還っていく。
夜風に晒されて芯底から冷やされていく、汗に塗れた身体。寒さからなのかも判らず、震えながら悠人は手を見た。
所々豆が潰れ、血の滲む両手。降りて来た闇に、その赤は判別出来ない。だが、ぎゅっと握れば痛みはある。感じられる。
未だ頭にこびりついたままのあの断末魔のような悲鳴から伝わる苦痛に比べれば、それでもなんという事も無い。
イースペリアの人達は、もう痛みすら感じられない世界へと旅立ったのだ。そう、この世界でいうハイペリアへと。
「俺は、一体何をした……何が出来たんだ……」
マナ暴走が始まった途端、言いようの無い危機感に苛まれた。気づけば、全員に撤退命令を出していた。
ふと、もう少し残ろうと思わなかった訳ではない。それでも、逃げた事には変わりは無いのだ。
結局、佳織の為と言い訳をして踊らされていただけの自分に気づく。悠人は、膝の間に顔を埋めた。
566星降る夜に:2005/12/24(土) 12:33:37 ID:UIKS6m1n0

――――ふわ。

鼻を掠める、一筋の風。柔らかい香りに悠人は顔を上げた。滲んだ視界の先で、灰色の戦闘服が屈んでいる。
その背中に流れる蒼い髪が先程の匂いを運んできた事に気づき、悠人は慌てて目を擦った。
暗闇の中、纏めた少し癖のある髪がふわりと浮き上がり、ゆっくりと立ち上がった姿が月明かりに浮かび上がる。
「なにをしているのですか」
振り返った少女の眸は、月を背にしているせいか、いつもより酷く冷たく硬く輝いて。
「セリア……? どうして、ここに……」
「お返しします。神剣を乱暴に扱うのは……正直、感心しません」
両手に鈍く光る籠手の中、たった今悠人が放り投げた『求め』を丁寧に差し出していた。
「あ、ああ。ごめん、ちょっとな」
「…………」
もぞもぞと手を伸ばし、『求め』を受け取る。すると何を思ったか、セリアは無言でそっと悠人の隣に腰を下ろした。
腰の神剣『熱病』の剣先が足元の草に触れ、ちゃり、とその鍔元が小さく鳴る。
しかしセリアは気にした風も無く、すらっと長い足の爪先を綺麗に揃え、悠人と同じように膝を軽く抱えた。
そのままじっと前方を見つめたまま、一言も喋らない。悠人はあっけに取られつつ、つい横顔を眺めた。

「…………」
「…………」
時間だけが、沈黙の間に横たわる。どれ位経っただろう、ふとセリアの視線に気づいた悠人は、前方に顔を向けた。
「あ……」
森の切れ目にある、なんの変哲も無い草原。丈の高い草叢から、ちらほらと浮き上がってくる、光。――――マナ蛍。
夜の、弱々しい明かりの下、それらはとても儚げに、それでも次々と増えつつ舞い上がっていた。
まるで意志を持ち、目指すように。途中で失っても、尚且つ新しく生み出されていく者へのせめてもの墓標のように。
道を拓き、道を造り、道を託し、道を進み。やがては遥かな高み、ハイペリアへと導かれるように。
――――なんだろう。悠人は、自分に問いかけた。何故今、こんな事を考えているのだろう。
以前エスペリアに聞かされたマナ蛍は、あくまで単なる物理現象の筈。それなのに、感情移入なんて柄でもない――――
「アセリアは、変わりました」
突然、まるで悠人の動揺を見透かしたかのように、セリアが語り始めた。
567星降る夜に:2005/12/24(土) 12:36:55 ID:UIKS6m1n0

「――――え?」
「サモドアでユート様が話された事は、伺いました。あれ以来、アセリアは真剣に自分の事を考え始めています」
髪を掻き揚げつつ、セリアは続けた。いつの間にかこちらを向いている蒼い瞳に吸い込まれるように、悠人も横を向く。
視線に気づいたのか、手を膝に揃え直し、少し俯き加減で落ち着かない気配が伝わった。
「皆も同様です。きっと、私達スピリットが考えてはいけない事。それでも、皆、真剣に」
いつもの通りの無表情の奥に、どこか優しさを含んだ口調。前髪を揺らしながら、そうして静かに目線を合わせてくる。
今度は逆に悠人の方が落ち着かなくなった。考えてみれば、こんなにすぐ近くで彼女の表情を見た事は無い。
元々初対面の時以来、まともな会話などなかった。信用すらされていない突き放すような態度を取られ続けていたのだから。
「ユート様は、後悔されていますか? 私達に、あのような事を教えられた事を」
だからだろうか。今のセリアの少し穏かな問いかけに、きっぱりと頷けたのは。
「……いや。今でも思ってる。みんなに、その、“生きる意味”を見つけてもらいたい。スピリットとか、関係無しに」
手渡された『求め』をぎゅっと握り締めてみる。悠人の感情に呼応したのか、その刀身が微かに青白く輝いた。
同時にセリアの腰で、『熱病』がりぃ、と小さく鳴る。するとセリアは急に、慌てるようにそれを隠した。
「…………セリア?」
「〜〜なんでもありません。それより、後悔されてないのなら――――」
気のせいか、少し赤くなっているような横顔をぷい、と草原に向け、軽く息を吸い込む。
「――――いつまでも、そんな顔をしていないで下さい。士気に関わります」
そうして言い放った言葉は、キツい言い方にも関わらず、悠人の心にすんなりと沁みこんでいった。
568星降る夜に:2005/12/24(土) 12:40:26 ID:UIKS6m1n0

セリアは告げるだけ告げて満足したのか、前方を見つめたまま動かない。
その横顔を眺めながら、悠人は先程言われた意味を考えていた。
アセリア達に、生きろといった自分は、間違っていない。そして“その気”にさせた責任を、セリアは取れと言っている。
悠人がぐらついていては、皆自身に対してまた疑問を持ってしまう。つまり、だから沈んでいるなと、そういう事だろう。
素直に励まされている、とは考えられなかった悠人は、そこでまた呟くように弱音を漏らしてしまっていた。
「でも、俺は実際に何も出来なかったんだ。イースペリアで――――」

ぱんっ。

両頬に、熱い痺れるような感覚。悠人は、目を丸くした。顔が、セリアの両手に挟まれていた。
「当たり前よ! あのような事態を、一人で何とかしようとしていたとでも言うつもり?」
「セ、セリア?」
驚くほど至近距離に、二つの蒼い瞳が睨みつけている。その奥で、きらきらと意志の強さが煌いていた。
「それこそ自惚れだわ。そうやって勘違いして、何もかも一人で背負い込もうとして……それがどれだけ……っっ!?」
そこで自分の行動に気づいたのか、はっとなったセリアは慌てて手を放し、弾けるように立ち上がる。
後ろを向いてしまった細い肩が、軽く震えていた。ぎゅっと両手を胸元で握り締める気配まで伝わってくる。
「それがどれだけ……周りに、心配をかけてると思ってるんですか……忘れないで、“私達も、逃げたんです”……」
背中越しに囁くセリアの後姿を、悠人はやや呆然と見上げていた。今までどこへと思えるほど、次第に聞こえてくる音。
木々のざわめき、虫の鳴き声、風の震え、胸の――――鼓動。じっと手を当てると、確実に波打つリズム。
「……ごめん」
何も、問題は解決してはいない。それでも次第に落ち着いてくる心。悠人は素直に謝罪の言葉を伝える事が出来た。
いつの間にか、じんじんと痛み出す手の平や、両頬の熱さに実感する。
まだ、生きている。そしてまだ、一人じゃない。それで、今は充分だった。
不思議にもう、寒さは感じられなかった。
その代わり、じんわりと優しい安らぎのような何か。それが悠人を内から温めてくれていた。
569星降る夜に:2005/12/24(土) 12:45:02 ID:UIKS6m1n0

「あ……」
「うわ……凄いな」
「ええ……」
二人の声が被さる先。まるでタイミングを見計らったように、マナ蛍の群れが一斉に舞い上がる。
青、赤、緑、白。明滅する個々は次第に溶け合い、一つの川となって夜空を駆け昇り、そして吸い込まれるように消えて逝く。
光の奔流を、二人は暫く声も無く見つめた。やがて全てが終わり、辺りを再び穏かな静寂が包みこむ。
「そっか……つまり今日は、クリスマスだったのか」
「え?」
何気なく呟いた悠人の一言に、不思議そうな顔でセリアが振り向いた。
普段は猫の目のように凛と細めた瞳が聴き馴れないハイペリア語のせいか、大きく無防備に見開かれてしまっている。
頭に「?」を浮かべたような幼い表情に悠人は苦笑いを返し、自分も腰を上げながら指を前方に指し示した。
「あれさ、まるで天の川かクリスマスツリーみたいだったなって。それで、プレゼントまで貰っちまった。だからさ」
「なっ……と、突然なにを言って」
次々とハイペリア語を繰り出す悠人に不審な何がしかを感じたのか、心持ち身を引くセリア。しかし悠人は構わず追いかけ、
「……ありがとな、セリア」
泳ぐセリアの視線を逃がさないよう、それだけを伝えた。ありったけの誠意を込めて。

「〜〜〜〜っ」
悠人が立ち上がったせいで目線を上目にしなければならなくなっていたセリアの顔が、みるみる赤く染まっていく。
現代世界のイベントなど知らなくても、最後に礼を言われた事が意外だったのだろう。いたたまれなくなり、歩き出す。
「お、おいセリア?」
「〜〜だっ、だから勘違いしないでっ。私はまだ、貴方の事を“隊長として”信用した訳じゃありませんからっ!」
そうして捨て台詞のつもりだろうか、すたすたと歩いて行ってしまう。
不機嫌そうな後姿を止める事も出来ずに見送っていた悠人は、やがてぷっと噴き出した。
「なんだよ、変なやつだな」
ごろん、とそのまま仰向けになる。それだけで広がる満天の星空。悠人は一度大きく息を吸い込んでみた。
少し冷えた空気が喉を通り、頭をすっきりとさせてくれる。そっと目を閉じて、もう一度ありがとな、と呟いた。
心が軽くなったのは、たぶん錯覚でもなんでも無くセリアのお陰だと、揺れる蒼い髪を思い出しながら。
570信頼の人:2005/12/24(土) 12:47:19 ID:UIKS6m1n0
クリスマスネタ先陣を切ってみるテスツ。皆様にもペチカ(暖炉)のようなマナの導きがありますように。
……とか言いながら微妙にクリスマスネタでもなんでもないようなorz
571名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 17:17:49 ID:K/+2UKxD0
これは信頼さん、またしても素晴らしいSSを!
クリスマス、ツンでこれなら完全なデレのセリアは
どの位の破壊力になるものか…。
ユートの鈍チン振りが素敵ですなw

しかし、クリスマスに何やってんだ、俺は… orz
572名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 21:26:54 ID:arysymFB0
ツンデレベル ツンデレベル 胸が鳴る

あれ? クリスマスなのになんだか雪解けが始まってますよセリアさん!
さぁ、星降る夜に放射冷却をかますんだ!

573名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 22:57:04 ID:3vQVvm6+0
シアー、元気良すぎ・・・
うちの1階の窓埋まったよ・・・
574名無しさん@初回限定:2005/12/24(土) 22:58:28 ID:Fj4Kyw/D0
どうやらナナルゥはヒートフロアをサボっているようです
寒すぎ
575おにぎりの中身の人:2005/12/25(日) 00:46:16 ID:2mqowEie0
東海担当のセリアはちゃんと働いてます。
あいかわらずのツン寒波で雪はやんだがかなり寒い
576星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:40:05 ID:TSV9uogb0
じんぐるべる、じんぐるべる、じんぐるべる・ろっく…。
それは、「人間」が教えてくれた…小さいけれど幸せな奇跡を呼ぶ不思議な魔法の歌。


いつものように食事を終え、お茶を楽しんだり本を読んだり。
第二詰め所の全員は、思い思いに過ごしていた。
それだけなら、いつもと何も変わらなかった。

違っていたのは、第一詰め所のメンバーも一緒だという事。

ラキオススピリット隊隊長であるエトランジェ・ユートによる「隊長命令」だった。
命に関わる事ではないが、重要な任務だと全員が念を押されていた。
「…重要な任務って、いったい何でしょう?」
テーブルでエスペリアがお茶を飲んで一息ついた後、そう言った。
「さあ…でもコウイン様やキョウコ様もユート様に同行しているのよね」
同じく、エスペリアが淹れたお茶を飲みながらセリアがそう返す。
「命に関わる事ではないと、しつこいくらいに念を押されていましたが。
 …戦力の要であるエトランジェ3人が同時にこの場にいない」
クォーリンも、右手で頬杖をつきながら難しい顔でそう続く。
「そして、お三方を除くラキオス隊を全員ここに集めておく…」
ウルカもまた、同じくお茶を飲みながらそう言ってくる。
「気になるわね…一体なんなのかしら」
セリアの疑問に、エスペリアとクォーリンにウルカも真剣な表情で頷く。

ふと…セリアとエスペリアは同時にちらり、と向こうのほうを見やる。
577星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:41:20 ID:TSV9uogb0
第二詰め所は、第一詰め所と大きく建造物というか住居としての構造が異なる。
色々あるが、特に違いが際立っているのは食堂と居間がくっついている事だった。
食堂自体は第一とそう構造は違っていなかったが、居間が大きく違っていた。
食堂と居間を隔てるものは、たった二枚のカーテンのみ。
カーテンを大きく開け放すと、食堂と居間が一緒になった形になる。

現在の第二詰め所の居間は、完全に娯楽室と化していた。

床にぶあついカーペットを敷いてあり、そこで寝転んで本を読んだりできる。
割といいソファーもある、クッションもある、本棚もある、小さい丸テーブルもある。
そして何故か、チャブダイとコタツまである…。

ネリーとオルファはカーペットに寝転がって、お喋りに興じている。
ニムはやっぱりというか、コタツに潜り込んで顔だけ出して目をとろんとさせている。
ファーレーンはニムと一緒にコタツに入っていて、柑橘系の果物をちびちび食べている。
アセリアも、一緒になって果物を皮むきむきしてちびちび食べている。
ヘリオンは、ハリオンと共にカーペットの上で小さい丸テーブルを挟んで直に座っている。
二人で、時々何事か言ったり驚いたり笑ったりしながら一緒に本を読んでいる。
どうやら、お菓子の作り方についての本らしい…最新刊なのか、真新しい。
ヒミカは本棚の前に椅子を持ってきて陣取り、主に恋愛小説を物色している。
レスティーナが王位についてからは、スピリット隊にも給金が入るようになった。
それ以降、自然と本棚には誰かが買った本がどんどん増えていく傾向になっていた。

ナナルゥは「腕組みして、無言で天井に立っていた」が…誰もが必死で無視している。

時々、思い出したようにランダムに誰かへ視線を送るがほぼ全員が必死で目をそらす。
どうやって天井に立っているのか、長時間そうしてて平気なのかとは誰もが思っていた。
思ってはいたが、決してつっこんではいけないと誰もが強く感じていた。
…約三名、むしろ見つめ返してくるハリオン姉さんとアセリアとシアーをのぞいて。

シアーはソファーでクッションを枕にして寝転がりながら、ハリオン製クッキーをほおばり。
578星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:44:56 ID:TSV9uogb0
「シアーさぁ…いくら食べても太らないんだよねぇ」
一心不乱にクッキーをほおばるシアー横目で見ながら、ネリーがオルファに小声で囁く。
「やっぱり〜?オルファも、前々からシアーってそうなんじゃないかと思ってたよ…」
ネリーの言葉に、オルファもシアーをこっそり横目で見ながらそう小さな声で返す。
「ネリーはカロリー計算とか凄く気をつけてるのに、シアーは全くその気配ゼロ。
 それどころか…お菓子を食べてご飯食べてまたお菓子食べて、それで絶対に太らない」
目を細めながら、そうため息つきながら言うネリーにオルファもまたため息で無言で返す。
「っていうかさ…シアー、最近また胸が大きくなってるみたいなんだよね」
遠い目で自分の妹の噂話をするネリーに、今度はちょうど真向かいだったニムが反応する。
「シアーの場合、食べた分が胸にいくんじゃないの?…ほら、そういう特異体質だとか」
そのニムのちょっとあんまりな発言に、ネリーとオルファは同時にため息をつく。
「ハリオンさんもなんですけど…羨ましい特異体質ですよね、それって」
いつの間にか、ネリーたちのすぐそばにはいずってきたヘリオン。
ヘリオンのすぐ隣では、ハリオンがただただニコニコしながら一緒にはいずってきていた。
シアーはそんなネリーたちの様子に気づく事もなく、クッキーを食べ続けている。
ヒミカは本棚の上に隠してあった百合小説を発見し、買った人物を脳内で推理している。
ナナルゥは、そんなヒミカの真上に移動して小声で「セリアです」と暴露している。

「ふう、向こうは気楽なものね…全く、ファーレーンまで緊張感がまるでないわ」
本当に緊張感の皆無な皆の様子でそう言うセリアだが、表情は少しだけ柔らかい。
…なにげに、自分の知られたくない部分が暴かれている事に気づかないままで。
「まあ…私たちだけでも気をつけていれば、何かあってもすぐ対応できるでしょう」
それまでの渋い表情から、いつもの優しい微笑みに戻ったエスペリアもそう返す。
ウルカやクォーリンも、くすりと微笑んでまたティーカップに口をつけようとする。
579星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:48:21 ID:TSV9uogb0
それは、突発的に起こった。
全くなんの前触れもなく、本当にそれは突発的に起こった。

「Jingle bell!」
赤い奇妙な三角帽子と赤い奇妙な衣装に身を包んだ…笑顔の悠人が、入るなりそう叫ぶ。

「jingle bell!」
続いて、同じ格好の光陰も笑顔でそう叫んで続く。

「jingle bell rock!」
そしてまた、二人に続いて同じ格好の今日子も、満面の笑顔でそう叫びながら入ってくる。

全員が、あっけにとられていた。
ナナルゥまでも、三人の奇態に反応できないままヒミカを潰す形で落下してしまっていた。
ハリオンだけは、あらあら〜?とか言いながら目をきらんと光らせて期待の眼差しだったが。
そんな全員の様子に、悠人たちはニヤリといたずらっぽく笑う。
三人とも、それまで背負っていた妙に膨らんだ大きな袋を床に置いて。
それぞれ、どうやら手作りしたらしいヘンテコな形状の楽器らしい物を取り出す。
そして、その背後から小さな人影がそっと出てくる。

悠人たちと同じサンタクロースの格好をした佳織だった。
佳織はみんなにニッコリ微笑んで…フルートを両手でゆっくり構えて。

「よおっし、全員いるな…よしよし」
悠人が満足げに頷きながら、手作りのギターを小さく鳴らす。
「悠、久しぶりだからってしくじるんじゃないわよ〜?」
今日子もまた、悠人のとはまた別の形状の手作りギターを同じように小さく鳴らす。
「うっし、ヨーティア製折りたたみドラムセット組みあがったぜ…準備完了だ」
光陰も、ニヒルな笑みをうかべながら楽しそうにドラムを軽くスティックで打ち鳴らす。
どんな早業か、スピリット達があっけにとられている間にドラムセットは組みあがっていた。
悠人たちの持っている歪な形の手作り楽器は、全てヨーティア製だった。
580星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:50:44 ID:TSV9uogb0
「みなさん、驚かせてごめんなさい…。
 でもこれは…私たちからの、みなさんへの精一杯の贈り物なんです」

佳織が、ぺこりと頭を下げてそう言うとスピリット達全員の顔が少し柔らかくなる。
「それじゃ、行くぜ…本当は音楽はガラじゃないが勘弁してくれよ?」
悠人の台詞に今度は全員、何をしてくれるのだろう?と不思議な期待がわいてくる。


「Jingle bell, jingle bell, jingle bell rock」

それまで聞いたことのない、軽快でスピーディな異世界の音楽が奏でられる。

「Jingle bells swing and jingle bells ring
  Snowing and blowing up bushels of fun Now the jingle hop has begun」

まるで、音が心の上で手を繋いで輪になって軽やかに踊っているような…。
現代世界の音楽を初めて耳にするスピリット達は、そんな気持ちを感じていた。
まして、クリスマスソングなら尚更のことだろう。

「Jingle bell, jingle bell, jingle bell rock
  Jingle bells chime in jingle bell time
  Dancing and prancing in Jingle Bell Square In the frosty air.」

それは、遠い日の思い出だった。
581星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:53:01 ID:TSV9uogb0
光陰や今日子と初めて出会った頃の悠人と佳織。

もうすぐクリスマス、そんな時期。
佳織が、テレビのクリスマス前特集を見ながら寂しいため息をついたの悠人は見た。
なんとか、したかった。
でも、どうすればいいのかわからなかった。
夕暮れの公園のベンチに腰掛けて、悔しいのに何もできない自分を責め続けた。
「こら、あんた…あんたよ、あ・ん・た。…高嶺悠人!」
いきなり耳に飛び込んだ無遠慮な声に顔を上げると、最近出会ったばかりの二人組。
「あ…ヘンなオトコ女と、お寺の息子?」


同時にその場面を思い出し、悠人も光陰も今日子も苦笑しながら懐かしい気持ちになる。
何も言わなくても、演奏しているままでも…不思議と互いの気持ちがわかる。


「ほんっと、ヤなやつね…あんたって。
 なんか知らないけど暗くて凄くイヤな顔してばかりで、あげくに人の名前を覚えない」
どうやら、さっきから悠人の事を呼び続けていたらしい女の子は当然ながら不機嫌だった。
「別に、他人なんか覚えたって仕方ないだろ…お前らも他人なんかに構うなよ」
見られたくない場面を見られ、無愛想な態度で立ち去ろうとする悠人。

突然、強い力で胸倉を掴まれる。

「おい、高嶺…。いつも今日子にそういう態度しやがって、何様のつもりだよ。
 それから、俺は碧光陰だ…あと、他人なんかとか言うのもいいかげんにやめろ」
いつも、強引にあの手この手で自分を遊びに誘おうとする今日子の後ろにいるだけの光陰。
582星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:56:06 ID:TSV9uogb0
初めて見た、その光陰の凄みのある迫力に悠人はごくりと唾を飲み込んだ。
「ちょいと光陰、離してやんなさいよ…そいつ、おびえちゃってるわよ」
今日子の言葉で光陰が悠人を離すと、悠人はそのままへなへなと地面に尻をついてしまう。

そんな悠人と目線がちょうど同じになるように、今日子がそばでかがんできた。

「あんたさあ、なんかあったの?…なんか、いつもと雰囲気が違うんだけど」
そんな今日子に、悠人は表情をしかめたままでぷいと顔をそむける。
「おい、高嶺…てめえ…」
さっきよりも不穏な雰囲気で悠人に近寄ろうとする光陰の腕を今日子が掴んで止める。

「お前らに、何ができるんだよ…」

かすかな声で、そう呻くようにつぶやいた悠人の声に二人はきょとんとしてしまう。

「俺が何もできないのに…お前らに、他人なんかに佳織を助けられるわけないだろ…ッ!」

悠人は、泣いていた。
泣きたくなんかないのに、悔しくて悲しくて苦しくて涙があふれてしまう。
公園の地面に、大きな染みがいくつも出来る。
不意に両肩を力強く掴まれて、悠人はびくりと涙の止まらない顔を上げてしまう。
583星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 02:58:30 ID:TSV9uogb0
光陰だった。

「…話せよ」

さっきとは違う、力強いけれども真剣で何より暖かい眼差しに射抜かれて。
「話してくれないと、本当に俺たちにも何も出来ないのかさえわからないだろ」
まだわからなかった…こんな時にどうすればいいのか、悠人は本当にまだ知らなかった。

「…珍しいよー?光陰が怒るのも、こんなにあたし以外の誰かに真剣になるのも」

ぽん、と笑顔の今日子に軽く叩かれた背中も…光陰の眼差しと同じ暖かさだった。

全てを話すと、二人とも真剣にああでもこうないこうでもないと一緒に悩んでくれて。
そして今日子の無謀な提案で駅前の見ず知らずのストリートミュージシャンに相談して。
見ず知らずのストリートミュージシャンは、見ず知らずなのに親身になってくれた。
ライブハウスに連れて行ってもらって、バンドのメンバーを紹介してもらって。
バンドのメンバーの誰もが、悠人を心から励ましてくれて。
やっと手に入れたであろう、高価そうな楽器にすすんで触らせてくれて。
そして、クリスマスまでにたった一曲を覚える練習に毎日つきあってくれた。
光陰も今日子も「見ず知らずの他人たち」も、悠人のために一生懸命になってくれた。

生まれて初めて触れた、「他人」の暖かさ。
悠人は生まれて初めて、誰かを信じるという事を覚えた。
岬今日子、碧光陰という名前も心に深く刻まれた。

クリスマスイブ、今日子の家に佳織を招いて。
ケーキもあった、大きな鳥肉もあった。佳織は本当に嬉しそうだった。
そして、三人でのクリスマスプレゼント。
借りた楽器で、初めて覚えた一曲を佳織に披露してあげた。
幸せそうに嬉し涙を流して、佳織はずっといつまでも拍手してくれた。
クリスマスが、悠人と佳織と光陰と今日子のはじまりだった。
584星降る夜に〜ジングルベル・ロック!〜:2005/12/25(日) 03:01:35 ID:TSV9uogb0
Jingle Bell Rock。

唯一覚えた、その一曲が小さいけれど幸せな奇跡を呼んでくれた。
そして、それ以降は楽器こそ無いけれども…クリスマスには必ず4人で歌った。

だから、悠人は歌いたかった。
スピリット隊のみんなに、この歌を歌いたかった。
エスペリア、アセリア、オルファ、ウルカ。
セリア、ヒミカ、ナナルゥ、ファーレーン、ニム、ハリオン、ヘリオン。
ネリー、シアー、クォーリン。
クリスマスが近いのを最初に思い出したのは悠人だった。
思い出したら、考えるより早く身体が行動に出ていた。
佳織も光陰も今日子も、満面の笑顔で賛成してくれた。
いまいち要領を得ない説明だったのに、期待以上の出来で楽器を作ってくれたヨーティア。
練習につきあってくれた、レスティーナとイオとミュラー・セフィス。

ありがとう。

星降る夜に、拍手はいつまでも…アンコールも、いつまでも。


じんぐるべる、じんぐるべる、じんぐるべる・ろっく…。
それは、「人間」が教えてくれた…小さいけれど幸せな奇跡を呼ぶ不思議な魔法の歌。
585どりるあーむ ◆ncKvmqq0Bs :2005/12/25(日) 03:06:22 ID:TSV9uogb0
本作は、ここまでに。

微力ながら、信頼さんに続いてみました。
イブには間に合いませんでしたが、どうかご容赦を。
信頼さん、僭越ながらタイトルをお借りしました。
もし、気にさわられたら申し訳ありません。
それと、公式の設定とかほとんど知らないままに悠人たちの出会いをデッチあげました…。

誤字脱字ハリオンマジックなどありましたら、ご指摘を願います。
586名無しさん@初回限定:2005/12/25(日) 11:50:25 ID:Uq3tuhBb0
GJ!

ではありますが、どうしよ・・・ナナルゥが
勝手な脳内変換でドロロ兵長にされてる・・・orz
587名無しさん@初回限定:2005/12/25(日) 15:48:11 ID:OJvZysil0
>>585
続けて頂いてThxですw 別に構いませんのでお気になさらず>題名

なんだかほのぼのとした年末の一風景ですね。炬燵とか。
美容に気を配ってるネリー、微笑ましい。努力が実る日はあるのか。とりあえず妹目標で。
ワイルド感漂う少年光陰。なんであんなロリ坊主なんかになってしまったのかと別の意味で落涙。
そんな中、一人異彩を年末大放出中のナナルゥが。相変わらず意味不明というか、何者ですかw
588名無しさん@初回限定:2005/12/25(日) 16:26:09 ID:OJvZysil0
>>571さん
ユートくん、最後追いかけるラストも考えたんですが、どっちが良かったんでしょうね。
デレセリアというと何故か酒入ったセリアさん想像してしまいます。
>>572さん
これ以上寒気を振りまいてどうしろとw
それこそ青なのにスターダスト現象が(ry
589名無しさん@初回限定:2005/12/25(日) 18:47:05 ID:XREvF3n+0
さて。
そろそろ「緑亭」のケーキが安くなってきた頃ですか?
590名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 00:08:13 ID:155jGtVm0
人居ないな…………


「コウイン殿は人物評価を良くするとか」
「ウルカか。ん〜まぁな。男にゃ辛口。女の子にはだだ甘だけどな」
「では、お聞きしたいのですが……ネリー殿とシアー殿。どのように評価なされる? 出来うるなら忌憚のない意見を伺いたい」
「そうだな……ネリーちゃんは駿馬かね。あの直線一気の脚は思わず頬ずりしたくなるな。で、シアーちゃんはたとえは悪いが、
牛ってとこかな。だけど重みじゃ負けんぜ?」
「ふむ。その御品評通りとすると、ネリー殿の方が優れているという事ですか」
「いんや、ちょっと違うな。駿馬は速い事は速いが乗せられるのはひとりさ。だけど牛は歩みは遅くとも運べる量は比べられんだろう?
だから、どっちがどっちって二分出来る様な事じゃないぜ」
「…………確かに。手前の一知半解、恥ずかしいものです。……しかし流石はコウイン殿、手前もその慧眼にあやかりたいものです」
「ん、そうか? まあ何たって、ネリーちゃんとシアーちゃんはまさに鳳雛って奴だ。この『因果』の力を最大限に活用してでも今日の
パンツの色まで調べ上g」
「ふーん。じゃあさ、このわたしの評価はどうなのかしら〜〜ん?」
「…………あ、ははは。何言ってんだ今日子。おまえはパンツはいてな「パンツは聞いてなーーーーーーーーい」スガーン

591名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 00:39:09 ID:Np6ZFUqN0
>>589
昼過ぎには完売してたぞ
来年からは予約しないと買えないかもしれん
592名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 02:51:01 ID:OAsRJI9Z0
碧光陰 Lv50 エトランジェ/セイント 人物特性値

漢気    Lv8 +64
勇敢    Lv8 +72
女好き   Lv8 -8
自己犠牲 Lv8 +56
理知的   Lv8 +48
一途な愛 Lv8 +64
ロリコン  Lv99 -891
変態    Lv85 -680

勇者適正値 -1175

593名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 04:46:26 ID:yLMfsjzk0
>>586
ありがとうございます。
急ぎの品ゆえ至らぬ点がいくつもございますが、労って頂けるとまこと幸い。
>ナナルゥ
この雑魚スピスレのみなさんの愛の賜物です。
…すみません、狙ってやっています。こんな彼女が好きなんです、可愛いんです。
マイペース不思議系は私の心の琴線にビンビンふれまくりなんです、どうしても。
保管庫にある、とあるSSでの「ナナルゥです、情熱的です」が霊魂にこびりついていて。

>>587
どもです(頭を低く
普段から思い浮かべているみんなの様子を描いたら、ああなりました。
…特にナナルゥとか。ナナルゥ…彼女はいつでもマイペースに謎満点。
全員、平等に描いてるつもりがネリーとシアーに微妙に力が入っていた罠。
それにしても、初めて描いたキャラが多いこと多いこと。
悠人たちのはじめての出会いは小学校高学年、5年生から6年生をイメージしてます。
光陰は、なんとなくその頃は荒っぽい男の子だったんじゃないかというイメージが。
今日子は、あんまり変わってないような感じで。
悠人は、かなり激変してるイメージがするんですよ。
それこそ、光陰と今日子と出会う前はほぼ歪みきる寸前の瞬そのものだったんじゃないかと。
ゲーム本編で最後に瞬と戦った前後、悠人自身が光陰と今日子やエスペリアたちがいなければ瞬のようになっていたんだろうなと確信めいて言っている場面があったので。
悠人と瞬の決定的な違いは、光陰と今日子のような存在がいてくれたかどうかに尽きる気がしています。
>ナナルゥ
この雑魚スピスレのみなさんの愛の賜物です。…きっとそうです。
ほら見てください!あの彼女が今やあんなに生き生きと…
………生き生きと壁をスパイダーウォークで走り回ってますね。
はて?何だか、忍者から別のベクトルへ突き抜けてるような?
594名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 04:47:32 ID:yLMfsjzk0
人いないのは…まあ年末だからということで。

勇者適正値…。
そういえばアセリアのキャラって某ヴァルプロのエインフェリアにいても違和感ないなぁ。
っていうかセリアさんが「その身に刻め…神技!ニーベルンヴァレスティ!」てやってもマジ違和感ないわけですが。
595名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 06:39:54 ID:ey3OyzUU0
>>590
ウルカ、そんな慧眼にあやかってどうするつもりだw

その後律儀にも因果な御品評を体得、日々精進のウルカ嬢。
「うにぃ〜」
「なるほど、今日のニムントール殿はくまさんですか……メモメモ」
「……ウルカ、寝てるニムの服捲って一体何をしているんですか」チャキ
596名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 07:36:45 ID:EWPzQYla0
「てめぇの顔も見飽きたぜ!奥義!ファイナリティブラストォ!」
って叫ぶタキオスおぢさんが一瞬頭に浮かんだ。
597名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 09:43:32 ID:yLMfsjzk0
>>596
それ、ほとんど同一人物に近いから。
…まあ、どっちも元ネタは間違いなく某狂戦士のガッツ兄ちゃんなんだがな。

仮にアセリアキャラでヴァルプロもどきを作ったとすると。
ネリーとヘリオンにアセリアが使いやすそうだなぁ、技をつなげやすそうで。
それなりに耐久性あって手数に長ける。アセリアに至ってはパワーも充分。
ヘリオンは、人物特性もなにげに優秀そうで勇者値が高そう。
ネリーは、一撃の威力は軽いけど全キャラで一番コンボつなげやすそうな。

シアーは…グレイ化する悪寒。どっちもフェイバリットキャラなんだがな。

どうしても、手数のあるタイプが強そうな感じ。
598名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 12:13:14 ID:NBKyBK+NO
続編が決まったせいかヴァルプロネタですか
光陰とレザードの変態度といじられ具合いは似てますね
恐怖の象徴たるフレイの姐さんは…レスティーナ? それともおbsn?
599名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 15:10:42 ID:C9xabWjy0
ヘリオンは洵とラウリィを足して2で割ったような感じがする
600名無しさん@初回限定:2005/12/26(月) 18:12:25 ID:s72/xp9h0
運命の3女神の一人 セリア・ヴァルキュリア
「我と共に生きるは冷厳なるスピリット、いでよ!」
決め技台詞
「その身に刻め!スピリット奥義!ヘブンズスォード!」
とどめ成功
「再生の剣へと還れ」
とどめ失敗
「動けば苦しむだけよ」


これだけで1本書けそうですねw
イフリートキャレスとかアポカリプスっぽいし
601590:2005/12/26(月) 21:40:17 ID:62v1BBEp0
実はこの光陰のお話、「正史 三国志」の龐統伝から来てたりするのですが、マイナーすぎたかorz
だって光陰は孔明というより士元でしょうし。やはり黒眉みたいな元ネタじゃないと駄目だあね〜。

私的ネリシア評はこの通りだったりする。
602名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 06:12:14 ID:LQyFFN230

とうとつですが

「まったくイキナリ倒れて馬鹿じゃないのそんなになるまで誰が一人で無茶しろなんて言ったのよ心配?冗談じゃないわ、
 大体呆れるわねそうやって突っ走る性格がどれだけ周りに迷惑掛けてるか判らないの本当に愚図なんだから、
 痛い所があるならすぐ言いなさいよじれったいわね、え?誰が怒らせてるのよ自覚無いのというか怒ってないわよ自惚れないで、
 熱があるわねじっとしてなさい今濡れタオルを載せるから、食欲があるならこれも食べなさい熱いとか言わないの、
 お粥は熱いものよ当たり前じゃない折角作ったんだから文句言わないで、ほらシャツも脱いでくんくんもぅ相変わらず汗臭いわね、
 動かないで拭きづらいじゃないじっとしてなさいよ子供じゃないんだから我慢して世話好きなんてお世辞言っても無駄よ、
 だっ誰が嬉しそうなのよいいかげんにして病人のくせにへらず口を……え?食べられない?しょうがないわねほら……あ〜ん」

的な「テキパキ新妻セリアのインパルス看病」を妄想してみました。苦情は一切受け付けません。
603名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 08:41:08 ID:3KYVv6KS0
セリアってさ…。
これだけ愛されてて、未だにエターナル化長編が出てないのが不思議だ。
個人的に革新の一歩に期待してるのだけれど押し付けは無粋すぎるしねえ。
セリアネタやエスペリアネタは小ネタも含めてぼこぼこわくけどヘリオンは妙に少ない気がする。
まあ、愛されてるのに未だエターナル化してないのはハリオン姉さんもなんだけど。

ま、エターナル化じゃなく一人のスピリットひいては一人のただの女性(ひと)として愛する物語もありなんだけどね。
永遠の命も名誉もいらない、ただ一瞬でも「生きる」ことをこそ強く望む(と思う)雑魚スピもいるだろうし。
604名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 10:31:25 ID:YXiKlp8zO
>>603
E化させるにしても
「熱病」、「大樹」に替わる彼女たちのイメージを壊さず
なおかつ他とかぶらない神剣をだし
神剣はでしゃばらずに活躍させないといけない
このハードルは高いよ
605名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 13:10:24 ID:ad080VCN0
>>603
ユートのキャラを考えるに、非エターナルってかなり無理があるからなぁ。
今の力で掌から零れるものがあるならば、それを諦めなくても良いだけ強くなる
って趣旨の文章があった筈だけど、俺はそれが好きでさ。
「聖賢、力を貸してくれ!俺は希望を繋ぐ力になるんだ!」
って台詞もかなり好きだ。
設定上、敵エターナル六体に対して時深一人ってのはかなり無理があるし、
やっぱりユートはエターナルになるのが自然かなと思ってる。

メインヒロイン以外でもエターナル化はおかしくないけど、
>>603の様に、レスティーナEDみたいにユート残留で、
ただ一人の女性として愛するってのも良いと思う。
エターナル化で愛する人と永遠にってのも悪くないけど、
愛する人とは違う時間を生きるとしても…のレスティーナEDの方が
ユートの決意が強く表れていて好きだったりする。

短編だけど、信頼さんの「残り灯」は素晴らしい。
長編の後にあの締めだったら神だと思った。
606名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 17:05:08 ID:WWbyZBdcO
そこであれです。
炎帝をントゥタンから引き抜き(ry
607名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 19:36:00 ID:N5K8NmWC0
ほんじゃ、次スレの点呼は
                  
   “雑魚な彼女たちの為の永遠神剣名募集コーナー”

でいいかな?  イタイ?

608名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 19:44:21 ID:MBOXoMlL0
おにぎりの中身の人氏が出題されてスレ7-428以降に出てきたネタと微妙に被る気が。
まぁでもあの頃とはスレの住人も変わってるだろうからやってみるのも手かも。
609名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 20:16:51 ID:N5K8NmWC0
初期の頃は、雑魚スピに上位を持たせるならこんな名前……って話しが幾度か有りましたから。
さらにいくつかのスレに分散していた神剣名を纏めてくれた人も居ましたね。

いまならまた違ったイメージで出てくるかも。
610過去ログより雑魚スピ上位神剣名を抜粋まとめ:2005/12/27(火) 21:09:02 ID:3KYVv6KS0
セリア    孤高 霊水 開放 鎮魂 死神 絶命 熱愛>455 熱海 草津 癒し
       熱情 情熱 顔面蒼白 動悸 息切れ 氷后 情操 情動 水鏡 氷嚢
ヒミカ    赤心 赤影 紅炎
ナナルゥ   自我 誠実 至誠
ハリオン   超越 豊穣 天然 太陽 陽光 将軍 根幹 緑林 繁茂 森羅 翠嵐
結実 鳴動(ハリオンは動じない) 福音
ニムントール 独善 耀光 陽光 日輪 普遍(遍く照らす)
ファーレーン 盗人 贖罪 毒牙 腹黒 朧 耀光 北辰・破軍(良い意味では無いか)
葉隠(ちょっとネタっぽいか)
へリオン   誠実 真実 成長 昇格 自信
ネリー 静謐
シアー 絆 安息 親愛
今日子    迅雷 輪姦 強固
光陰     輪廻 輪姦 口淫 自在 無情
611名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 21:45:04 ID:WWbyZBdcO
光陰はこれしかない
つ『悟リ』

個人的ネタでロウエタヌッ殺した後に上位神剣を強奪してエターナルになった雑魚スピ、なんてのを考えたことあった。
『水月』の双子、ネリー&シアー。
『炎帝』ナナルゥ。
とか。
612名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 21:57:11 ID:Fx+4LaZP0
>>611
そのパワーアップ方法は面白いかも。
obsnがちと細工してスピのままでも一時的に上位永遠神剣使えるようにしたとかすれば
E化も回避できそうだし。
613名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 22:07:51 ID:MBOXoMlL0
>>610
しかし熱海とか草津とか盗人とか今見ると別の意味で笑えるなぁw
614名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 22:08:38 ID:Ev7XkV+y0
>>611
本編には出てませんがロウエタの中に「悟り」の所持者はいますよ
死睨って言うお坊さんです
あと、カオスにも「破壊」の所持者がいましたね
パウリコスカって名前の少女

そうなると光陰はひと睨みでスピの服とか消滅できるようになるわけで…
なんか悪用しかしなさそう……orz
615名無しさん@初回限定:2005/12/27(火) 22:23:13 ID:n+v2s/Hv0
     いいか、みんな
        (゚д゚ )
        (| y |)

   小五とロリでは変態だが、
      小五 ( ゚д゚) ロリ
       \/| y |\/

   二つ合わされば悟りとなる。
        ( ゚д゚) 悟り
        (\/\/

つまり貧乳スピを堕とすことができれば
光陰はエターナルになれるということだ
        (゚д゚ )
        (| y |)
616名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 00:28:43 ID:fQOVk1qa0
>>604
> >>603
> E化させるにしても
> 「熱病」、「大樹」に替わる彼女たちのイメージを壊さず
> なおかつ他とかぶらない神剣をだし

ハリオンなら 「聖樹」なんてのがどうかな
世界樹or宇宙樹ユグドラジルを象徴するトネリコ、生命と繁栄の象徴のナツメヤシさらには永遠の象徴のレバノン杉を聖樹と形容してる例があるが
そんでもって形状は杖型、しかも先には葉らしきものが茂ったまま、場合よっては、枝の合い間に星がきらめくクリスマスツリーもどきを振り回すことになるとか(w

617名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 08:46:58 ID:N+lgmK9C0
>>614

すまん、そういう設定て何処でわかるんだ?
手元のアセリア設定資料集にも書いてないんだが。(PS2版の初回限定特典のやつ)
618名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 09:59:17 ID:IpGXflDx0
>>617
劇のパンフかなんかじゃねえか?俺も持ってないから知らんけど。
619名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 10:55:36 ID:fQOVk1qa0
>>617,618
「パウリコスカ」でぐぐったら、神剣の情報をまとめてくれている人のページ(のキャッシュ)が見つかったりした。

ttp://72.14.203.104/search?q=cache:2hHTqKl3aIsJ:www5f.biglobe.ne.jp/~denno/sinkenbanduke.html+%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%82%AB&hl=ja&lr=lang_ja&inlang=ja
620名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 16:18:15 ID:N+lgmK9C0
ちょっと、こんなもん作ってみた。

http://u-maker.com/191272.html

インスタントだけど、まあオモチャもどきと思ってくれい。
本当はクォーリンも入れたかったけどキャラ固まってないしな…。
クォーリンきぼんぬ、と言われたら入れてみるけどフォロー頼みます。
リンクとかおけたら雑魚スピスレ保管庫を入れておくんだがな…。
あと、画像をキャラごとに入れられるらしいがやり方わからん、すまん。
621名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 16:40:15 ID:iyf9+18u0
コレ系のをやるたびに俺は2番目に望んだものを引き当てる
そして今回はファーレーンでした
622名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 17:05:32 ID:/w2kneoZO
ヒミカだった。ちょっと嬉しかったりするw
623名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 17:14:04 ID:qTwvTomQ0
>>620
乙。
ヘリオンでした。そして運勢最下位orz

スピたん体験版マダー?(AA略
624名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 17:20:40 ID:IwIqXC9r0
開運下着は、貝殻(しじみ)です!って言われたんですが。
625おにぎりの中身の人:2005/12/28(水) 17:23:46 ID:Oh3oVCUN0
占いはニムでした。ハリオンがよかったのぉ・・・
>>616
うはwwwwwすごい勢いで俺と考えがかぶってるwwwwwwww
俺がいつかハリオンの長編を書くならば、ハリオンのエターナル技を「ユグドラシル」にしようと考えていました。
んでもって「大樹」を飾り付けてクリスマスツリーを作るうとするハリオンの話も考えていました。
気がつけばクリスマス終わってましたけどな( ´∀`)
626名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 17:48:26 ID:xkv4cYkD0
>>620
うはwwwwwwwwwwwwww漏れもファーレーンだwwwwwwwwwwwwGJwwwwwwwwwwwwwww

雑魚スピ評が全部クリーンヒットですた。
特にセリアは◎
627名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 18:09:08 ID:3VQnic8a0
OK、セリアだった。
ちょいと文房具と腰巻買ってくるぁ

ところでナナルゥになった香具師っているんか。
徳川埋蔵金てw
628名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 18:15:18 ID:fRlKWQ3X0
>>627
|-`)ノ

629620:2005/12/28(水) 18:40:49 ID:N+lgmK9C0
おお、思った以上に評判がいいようで幸いだ。
ていうか、>>626は全員分を見たのか…なんつか根性あるなw
一人一人、考えるのは結構頭をひねったよ。
出来るだけ雑魚スピスレでのイメージが出るようにしたんだけどね。
これで各キャラの顔画像あれば完璧なんだが…。
まあ、このままでも携帯から綺麗に見れるからいいか。
630名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 19:19:54 ID:nHrtbmFg0
うーむ、セリアでした…喜んで良いんでしょうか?
文房具はともかく「荒縄」って…(汗
それはちょっと勘弁w

>>616
そ、それは私にハリオン長編を書けと言う事なのでしょうか?
…とにかく「革歩」が終わらない事にはどうにも予定が立ちませんです

>>617
つ ttp://natu.her.jp/aselia/top.html
この辺りとか参照して下さい
631名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 19:36:31 ID:GZckE63d0
シアーで干草でしたw

それはなにか、無人島に記憶失った状態で遭難して来いってことか(馬鹿は昔懐かしラ〇ネ&40炎ネタをひっぱりだした
632名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 20:57:45 ID:+t29Frik0
よし、セリアキタ
今から海に行って貝殻拾ってくる
633名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 21:17:59 ID:7YtbYjOq0
貝殻ビキニ!
634名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 21:25:41 ID:VeHJr4YlO
セリアで「わかめ」

…いい。
635名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 21:33:43 ID:j3SmkyUS0
うぉ、体験版キター!!!
636名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 21:42:01 ID:xkv4cYkD0
>>620
良かったら参考までにw

峻雷のクォーリン「その動きは雷光の如く、今日子様には及びませんが…。」
有能で生真面目な一方、コンプレックスの強い彼女。
仕事はあんなに出来るのに恋愛はからきし。
自慢な筈の巨乳とスレンダーな長身も、あの人にはマイナス材料。
必死の努力も泣かず飛ばず、想い人は別の女に現を抜かします。
その上、別の女は絶賛二股中と、昼ドラすれすれの恋愛模様。
忍ぶ恋は涙へと変わり、枕を濡らす日々。
それでも彼女は笑顔を絶やさず、あの人を静かに見守ります。
雨の中佇んでいたら、そっと傘を差し出してあげましょう。
637名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 22:01:56 ID:xkv4cYkD0
ちなみに>>636の台詞は懐かしのこちらから

ttp://up.viploader.net/mini/src/viploader2076.lzh.html

pass:kuxolin
638名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 23:20:28 ID:N8nkNvXT0
しかしホントにセリア1人がえちCG出ないな。
マジでセリアは攻略不可だったら俺はザウスを神と讃え、以後の作品はデフォ買いする。
639名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 23:33:43 ID:yJu9YrQG0
「ハリオン」で「ふんどし」だった……<占い
つまり、ふんどしのハリオンで羞恥プレイ?
640名無しさん@初回限定:2005/12/28(水) 23:43:56 ID:fRlKWQ3X0
>>638
探検隊騒動が思い出に変わる頃、資金面の都合から孤児院は存続の危機に陥ってしまう。
その危機を救ったのは、これまでh(ry

セリアはご奉s(ry
641名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 00:13:25 ID:+bmgYJ3K0
うしっ、シアー来たッ。
ていうかみんな、セリア多いな。
ところで…。

1位 ★大樹のハリオン
身体の一部がいちご味に

9位 ★熱病のセリア
理由も分からず土下座される

なんだろう、物凄く違和感がないのだが。
642名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 03:48:04 ID:gXcavt2T0
> >>616
> うはwwwwwすごい勢いで俺と考えがかぶってるwwwwwwww
> 俺がいつかハリオンの長編を書くならば、ハリオンのエターナル技を「ユグドラシル」にしようと考えていました。
> んでもって「大樹」を飾り付けてクリスマスツリーを作るうとするハリオンの話も考えていました。

大樹よりデカイ木となると、宇宙樹
ひょっとして、「永遠のアセリア」の世界観では根源たる(超)世界を支えていたのは、宇宙樹ではなく、天位、地位、鞘の神剣だったのかもしれない…なんて妄想してみたり
ちなみに、私の考えは殺伐としてるようで(w)、あくまでも戦闘の際のことのみ、アタック(レバノン杉風)・ディフェンス(トネリコ風)・サポート(ナツメヤシ風)の別パターンで、
杖の先端がぶわっとスパロボの参式斬艦刀っぽく成長しては行動を行う、なんてイメージでしたが
…今考えると斧型神剣持ちが天敵になるかもしんない(w

>>630
>>そ、それは私にハリオン長編を書けと言う事なのでしょうか?
めっそうもございません。中篇、短編、小ネタ、なんでも決して文句なんて言いませんよ(w
643642:2005/12/29(木) 03:50:47 ID:gXcavt2T0
>>642
>>大樹よりデカイ木となると、宇宙樹

一行消し忘れた…orz
644620:2005/12/29(木) 04:01:19 ID:1ZuoY1uD0
新たなスピリットが補充されました。

峻雷のクォーリンです。

もとマロリガン稲妻部隊の中核を担ったグリーンスピリットです。
最強の誉れ高き大陸三傑の深緑の稲妻と恐れられるほどの実力者です。
大陸三傑とは蒼い牙アセリア、漆黒の翼ウルカ、深緑の稲妻クォーリンです。
ユート様の親友であるコウイン様の信頼は極めて厚く、頼りにしていいでしょう。



以上、みんなのメイドさんエスペリアがお送りしました。
645名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 10:26:04 ID:1WMc2SK/0
しかし、予約特典で永遠のアセリアダイジェストが小説に準拠した内容(イービル→アセリア)の可能性を見て、雑魚スピたちの初体験はユートが済ませてるので、主人公がロティでも勘弁してください的な意味かと思ってしまったよ……
俺って歪みすぎかなあ
646名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 10:45:15 ID:rJJ0g25P0
サンプルのシアーのCGで破瓜の血っぽい痕があるからなぁ
647名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 10:48:08 ID:frOZHbRW0
>>644
みんなのメイド、エスペリアが更迭されました



に見えた
648名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 11:16:58 ID:3E7gz3Wb0
スピたん体験版やってみたんだけど、このスレ的にはどこまで報告すればいいのやら……
649名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 12:04:51 ID:sqLxGpM+0
作品別スレ立てるのはWeb体験版出てからが妥当だろうしな。
とりあえず、
もしWeb体験版出るより先に、デモムービー出て、それを見ても
「雰囲気にだまされるな」

慣れてないこともあるんだろうけど苦戦したわ。
650名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 12:52:20 ID:x2TwxgnP0
すまんエス、
2の幼馴染登場によってエスペリア炎上(俺的に)

雑魚スピスレでは激しくスレ違いだが許してくれ
でも、一番好きな神剣の形状は、ハリオン姉さんのランスがカッコイイ
651名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 18:05:55 ID:dMXpbULH0
よく見るとハリオン姉さんの槍に漢字で「樹」ってあったのね
652名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 19:12:01 ID:8ADhu2sBO
メール便よりも先にヘリオン抱き枕(カバー)がキタ━━━━( ゚∀゚)━━━━!!!!
開けたいけど、汚したくないし…まあ、一度スキャナで取り込む予定なんで、その時に開けなきゃいかんのだが

取り込んだあと、プリントしてヘリオンに囲まれるつもりです

…早く来い、メール便
653名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 20:11:35 ID:SOwlh+fv0
戦闘の逆算がムズい……慣れてないだけだとは思うけど。
654名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 20:54:19 ID:Q6yfYE4z0
ヨーティアさんが成長したテムオリンに見えてしまった…orz
655妄想の人:2005/12/29(木) 21:11:44 ID:RAl51iedO
抱き枕コミケで買いました。俺は何かを踏み外したのでしょうか。
あとアレンジアルバムも購入。垂れ流しながらちまちま小説を書いてます。

新作のおかげでまったく意味の無くなったobsnに哀悼の念を。どんどんどうでもよくなってくよobsn。
656名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 22:34:41 ID:Q6yfYE4z0
スピたんプレイ。
>>649氏の忠告が身にしみます
657名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:08:43 ID:s0pqVYrr0
とりあえずセリアスキーはデモだけでも見ておくと、最高の気分で年越しできるはず。
658名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:10:25 ID:LJ7KLSTC0
今さら体験版にデモが入ってるコトに気づいたw
659名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:26:58 ID:9P0NQgDN0
結構カレンダーだけでお腹一杯の俺ガイル
660名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:34:45 ID:Owyv0vzq0
購入決めてるヤツは体験版やらんほうがいいね。
そうすれば少なくても発売日まではハッピーでいられるw
5流小説バリのテキストと構成に激しく鬱った上、前作の快適
操作だけど奥が深い戦略性みたいなのが欠片もない・・・。
慣れてないだけなのかもしれないが、正直めんどくさい。
間延びしててヤル気が失せるつーかすごく秋田。回避決定・・・orz
661名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:34:48 ID:cRqd6BfD0
>>652
何でそんなに早く届くノー!!
俺、来年の宅配くらいに設定してるよ…

竜の爪あとの向こう(コミケ開場)へ逝ってきます。
662名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:44:26 ID:9P0NQgDN0
>>660
戦闘はなぁ……こんな強いスライム初めて見たよ。
ヘリオンやファーレーンの攻撃でダメージ0って……

……こりゃ雑魚スピ萌力で乗り越えるしかないな。
663名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:46:02 ID:4MkQLHz40
>>660
工作板の方でもそんな感想多いね。
ゲーム後半になれば1戦闘の尺も長くなるだろうし
比較的尺が短い(と思われる)体験版の戦闘でそういった感想が多いとちょっと不安かも。
664名無しさん@初回限定:2005/12/29(木) 23:46:33 ID:yQtgffQn0
>>660
はぁ…
665名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 00:08:47 ID:jSVoltMz0
まだ開けてないけど、バランス調整は入るでしょ。……さすがに。

俺としては、ガロ・リキュア放送局をそのままでいいから入れて欲しかった。オリジナルも歓迎だけど。
666名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 00:08:54 ID:KM3PefKV0
ファミコン版ドラゴ○クエストみたいなドット絵と
アニメパターンは何とかならんかったのかなぁ??
ドッターさんセンスがテラナサスww

そして立ち絵も崩れs(ry
667名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 00:10:34 ID:XIBZacTZ0
マスターアップ前までにパワーバランス変えてくれればなんとか…なるのかなぁ。。。
とりあえず、発売延期が購入の必須条件だな。
668名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 01:50:00 ID:p+PyInex0
とりあえず、アルティメットハンターよりはましなのかどうか教えてくれ
669名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 01:50:27 ID:h475jxVP0
>>645
長編書きとしては同意するが、どう考えてもあれは普通の販促と思われ(w
あの小説は結構好きだが。

>>660
ライターさんからして軽すぎる文章は覚悟していたけど、
この戦闘システムは少し酷いな……開発中に誰か突っ込んでホシカッタ。
670名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 03:57:41 ID:XIBZacTZ0
システムとろいかと思ったけど、ctrl押せば早くなると気付いてから、
一気にさくさく進むようになった。慣れると面白いかも。
でもテキストはやっぱり酷いね。
あれだけ濃いメンバー揃って会話がありえないぐらい普通。
671名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 04:18:45 ID:XIBZacTZ0
ていうか、戦闘中のロティ君のこの声って瞬か?
もしかしてそういうオチなの?w
672名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 04:38:40 ID:802caTao0
>>670
んだねえ
期待度は極力下げてプレイしたほうが無難かも 
673名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 06:18:00 ID:3wlh6J7z0
>>671
Ω ΩΩ<(ry
674名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 14:19:24 ID:jOttTXGhO
メール便キタ━━━━( ゚∀゚)━━━━!!!!
でも、やる暇ねぇ〜
675名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 14:40:00 ID:f/xwXV5e0
永遠神剣第六位『無垢』か……
いつか出てくるとは思ってはいたが…
676名無しさん@初回限定:2005/12/30(金) 23:23:02 ID:KM3PefKV0
しかし、この戦闘システムは・・・なんだなw
普通は刻一刻と変化する戦況にって感じなのに、なんで戦況が変化しても
一度決めたことは最後までやります的なシステムなんだろうか??
逆算的な行動の最後から決めていくってのも正直面倒ってか、うん面倒だなw
技の数値とか全部頭に入ってないと面白くはならないっぽ。
始めの移動で失敗すると目も当てられNEEEEEE!orz
せめて敵のの行動範囲とか表示できるようにして欲しかった。
蓄積もないのに新しい(難しい)事に挑戦し過ぎな感じがする。
システム面での不親切さが凄く目立つ。
作ってる人は全部知ってるだろうから面白いのかもしれないが
凄く敷居の高いものに仕上がってる。てかヒトリヨガリってやつか!?

話が変わって、世界設定が変わって、雰囲気変わって、システム
変わってで、アセリアの派生にする必要が感じられないな〜とおもった。
もちろん買うと思うけど、レベルアップとかあるって事は戦闘も多いんだ
ろうと思うとクリアまでテンション持つ気がしないお。
677名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 00:39:24 ID:2uHWSau10
紡ぎタンハァハァ
678名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 07:06:32 ID:OXx0I8/IO
紡ぎタンはクーデレですね。ロティにべったりw
679名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 08:58:58 ID:9HRgTn900
>>676

それはね、アセリアの派生にすればアセリア好きが買うからだよ、さらにアセリア系統の特典もつけらることで購買意欲をさらに増大させる
その上で、雑魚スピメインにしたのも、結構ファンが多いからだろう

少しうがって考えると、最近のザウス作品は評価高くないし、新作勝負ではなく過去の名作の名前で売るつもりなんだろうさね
680名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 11:16:40 ID:Z8qZJ8Kx0
>>678 クーデレなのか
契約者に頭痛攻撃が可能だから、普通にツンデレだと思ってたのだが


それよりもちょっと聞いてくださいよ妖精趣味の皆さん。
雑魚スピ本手に入れましたよ!
サブスピじゃないの、雑魚スピ本なのですよ。
681名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 11:28:42 ID:m3ePnB0h0
ttp://hazuki.main.jp/

これか?
682名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 12:20:40 ID:1/cZoQsD0
>>681
ヤバイ、ちょっと欲しい
683名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 13:17:35 ID:sIbHH8Dq0
>>681
ちょっと?
いやいや、死 ぬ ほ ど 欲 し い !
嗚呼何故セリアのページがサンプルじゃないんだ…
684名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 13:22:33 ID:yMJJHWJ3O
売り切れてた。通販はしてないようだ。書店委託してくれれば良いが。
まあnyで落とすからどうでもいいか。
685名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 13:26:06 ID:ln9K2NI90
>>681
そこの人、雑魚スピスキーかつ会長スキーなのか。
色々と葛藤がありそうだ。
686名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 13:34:26 ID:ruMhDBbb0
>>681
そこは一年位前のスレで紹介されていたところですな。
ユートと雑魚スピ扱うサイト少ないからね……後、ここも。
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~ralf/shortstory/ss.htm
途中だけど、珍しいオリキャラ無し雑魚スピSS。
687名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 14:56:50 ID:N8Q1o5ra0
>>681
あぁ、こんなのあったなんて知らずにスルーしちゃったよorz
688名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 15:03:03 ID:DlXC0JGJ0
こう言うとなんだが、Dreamelementからのリンクをしっかり見てれば気付くものだと思う。
ま、あまり毛嫌いしないで。
689687:2005/12/31(土) 17:14:43 ID:N8Q1o5ra0
>>688
いや、別に毛嫌いしているわけじゃないんだが。。。
690どりるあーむ ◆ncKvmqq0Bs :2005/12/31(土) 20:17:27 ID:W9N8crwl0
さて、やっとシアー長編の続きが書きあがったので投稿します。
いつか、二人の孤独を重ねて 第6章 「つきのさばく」です。
では、もしよろしければどうぞ。
691いつか、二人の孤独を重ねて1/12:2005/12/31(土) 20:19:01 ID:W9N8crwl0
   …月の沙漠を はるばると 旅のラクダが ゆきました


          -ケムセラウト南下・法皇の壁突破戦-

慣れない。
いつになっても、どれだけ経験を重ねても慣れるなんて出来ない。
今も背中に寒気が走ってる、冷たい汗もさっきから流れ続けている。
凄く重たい鼓動が、ずっと胸を内側から叩き鳴らしている。
呼吸の荒いのが、止まらない。
深呼吸しようとしても、しようとすればするほど更に呼吸が荒くなるだけで。

「孤独」が、重すぎる。

剣を握る手に力を込めているつもりだけど、全然その感覚が無い。
眼を両目とも見開いて、視界にある全てを見逃さないようにしている…はず。
身体が石のように硬い、特に肩が。
頭がくらりと来て、何も見えず聞こえずわからなくなる感覚に何度も襲われる。

それでも、自分の背中に翼をイメージする。

ウィングハィロウを展開させる、深く息を吸い込む。
ねじ込むように足を、特にかかとの部分を強く踏みしめる。
膝が笑ってるのも、腰が後ろに逃げたがってるのも強引に黙らせる。
改めて、目の前にいる…街道のド真ん中に立ちふさがる「敵」を見据える。

「敵」は、同じブルースピリット。

それも、自分たちと同じ双子…年のころだって同じくらい。
692いつか、二人の孤独を重ねて2/12:2005/12/31(土) 20:20:05 ID:W9N8crwl0
突然、肩をぽんと軽く掴まれる。
「シアー、また身体がこわばってるね」
ネリーだった。
「いつまでたっても慣れないのは、ネリーも同じ。
 だけど、慣れようが慣れなかろうが…戦争は決して待ってくれないんだよ」
ネリーの声に、いつものような明るい感情は感じられない。
目の前から絶対に目を離すわけにはいかないから、ネリーの顔を見るわけにもいかない。

だけど。

それでも、ネリーが横にいるだけで充分だった。
たった今までの身体のこわばりも軽くなり、呼吸も落ち着いてくる。
ユート様がいる時も、それは同じ。
ユート様の場合は、黙ってシアーの前に半歩ずれぎみに出る。
そして「求め」を握った両手が、シアーをかばうように斜め下段にかざされる。
最初の頃は、ネリーかユート様が側にいないと落ち着く事は出来なかった。

だけど、それでも戦わないと自分が死んでしまうから。
自分が死んでしまったら、そのせいで他の誰かも死んでしまうかもしれないから。

シアーが、殺さないと…シアーが死ぬ。
あの、バーンライトのスピリットのように苦しみながらマナの霧と散って。

シアーが、殺さないと…ネリーやユート様や他の誰かが死ぬ。
あの、バーンライトのスピリットのように苦しみながらマナの霧と散って。

そのうち、未だに慣れる事は出来ないまでも誰と一緒でも戦えるようにはなれた。
振る舞いだけはいつも通り、自分へも向けてわざと緊張感のない台詞を放つ。
693いつか、二人の孤独を重ねて3/12:2005/12/31(土) 20:21:12 ID:W9N8crwl0
「お菓子あげたら見逃してくれないかなぁ…だめかなぁ」

目の前の敵の反応は、何も全くない。

 -やっぱり、かぁ…。

下唇を少し強く噛んで、「孤独」を握りなおす。

 -帝国のスピリットって、やっぱりみんなこうなんだ。

目の前の、自分たちと同じ双子のようなブルースピリットを改めて見据える。
瞳に、光も感情も…そして「こころ」も感じられなくはないけど凄く弱い。
表情はとても虚ろで…とても、「生きている」ようには思えない。
そのくせに、神剣だけは妙にマナに満ちている。

ただし、殺意のマナに。

ラキオス城が襲撃された時、「帝国のスピリット」に初めて出会った。
強かった。
でも、ウソの強さだと感じた。
身体は糸の切れた操り人形みたいで、まるで神剣に「動かされてる」みたいだった。
同じ神剣にのまれかけてると言っても、ナナルゥの方がよほど生き生きしていた。
そしてそれは、程なくしてウルカと出会って確信に変わった。
怖いと感じると同時に、負けたくないとも強く思った。
決してあんな姿になりたくない、決してあんな姿にだけは負けたくない。
今まで言われるままにするだけで自主的に訓練する事はなかったけれど。
その日から、自分で様々なトレーニングメニューを自分に課すようになった。
694名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 20:24:23 ID:/UPn87nx0
支援。
695いつか、二人の孤独を重ねて4/12:2005/12/31(土) 20:25:07 ID:W9N8crwl0
自分たち「年少組」では、自分が一番「腕力」に長けていたから。
そして「孤独」そのものも、パワーを旨とする戦法に適した剣だったから。
ニムいわく「顔に似合わない馬鹿力と性格に似合わないデカすぎ剣」との事だった。

だからシアーは…「一撃の重み」をひたすら追求する事にして鍛錬し続けた。
普段から努力家で有名なヘリオンに影響された部分も大きかったかもしれない。

「孤独」を両手持ちで構え、切っ先をぴたりと真っ直ぐ敵に向ける。

つくづく、華奢な名前に見合わない剛剣だと自分でも思う。
正直言って小さい自分の身体に不釣合いである長大なサイズ、幅が広く分厚い刀身。
自主トレーニングをはじめる以前は、ただ扱いづらさに持て余していたけれど。
だんだん上半身の筋肉がついてきてからは、むしろ重さも頼もしく感じるようになった。
息を深く吸い込んで、深く吐く。…心を静かな水面のように、気合は風よりも鋭く。
「孤独」にマナがこもってきて、ぼんやりと刀身が青い輝きを放ち始める。

「さってと〜、気合い入れていっくよ〜?」

横にいるネリーの「静寂」も、青いマナの輝きを放ち始めたのを感じる。
ネリーの殊更に明るい台詞に無言で頷き、背中のウィングハイロゥにもマナを込める。
二人同時に、ウィングハイロゥの純白の輝きが強くなっていくのがわかる。
それに呼応するかのように、敵もマナを高めるけれど…それはあくまで黒かった。
夜空を黒いと言っていいのかわからないけれど、夜空の黒さはシアーはむしろ好きだった。
けれど、目の前にいる相手の黒さは…決して受け入れてはいけない黒さだと強く感じた。

もしも、ユート様が現れる事がなかったら…自分たちもああなっていたのだろうか。

そう思うたび、敵を…特に「帝国のスピリット」を本当に憐れに思う。
696いつか、二人の孤独を重ねて5/12:2005/12/31(土) 20:26:03 ID:W9N8crwl0
憐れに思うからこそ、斬らなくてはいけないのだとも理解している。
理解しているけれども、同時に決して納得したくはなかった。

「…ねえ、名前は?…せめて、せめて…名前だけは…教えて…」

最初から答えのわかってる、虚しいだけの問いかけ。
それでも、自分の剣で斬るからこそ…そうしなければならないような気がして。
「シアーは…孤独のシアー。…永遠神剣第八位、孤独のシアー」
だから、シアーは目の前の相手に名を問う。
「ネリーはね…永遠神剣第八位、静寂のネリーだよ」
そして決して忘れないように、必ず日記に書きとめる。
問いかけられた、青い双子の「敵」は虚ろに自分たちを見つめるだけだったけれども。
けれども…やがて。

「…永遠神剣第八位…侮蔑…」
名乗ったには名乗ったけれども、剣の名前しか名乗ってくれない。

「永遠神剣…第八位…の…嘲笑…」
いつも、そうなのだ。帝国のスピリットは実に多くが自身の名前は名乗らない。

それにしても、神剣の名と言えど…いくらなんでもあんまりな名前だった。
これまでにも帝国のスピリットの神剣名は本当にあんまりなものばかりだった。
それでも今回のは…いくらなんでも、あまりにもあんまりすぎる名前だった。
マロリガン稲妻部隊などは「記憶」「面影」「歌姫」「淑女」という感じだったのに。
根拠はないけれども、シアーはこの事について作為的なものを感じていた。
確かに聞いた二人の名前を口の中で反芻してから、シアーは「孤独」を下段に構えた。
697いつか、二人の孤独を重ねて6/12:2005/12/31(土) 20:27:28 ID:W9N8crwl0

   …先のくらには王子様 あとのくらにはお姫様


 -もう、慣れてしまったのかな。

悠人は目の前にそびえる法皇の壁の見るからに重々しい大門を見上げて、そう思う。
自分の神剣を…「求め」を改めて両手で握りなおす。

「剣に力を…、ん、慣れてきたかな」

特に意識もせずに、思った事を口に出して呟く。
目の前にいる帝国のブラックスピリットを見て、ため息が漏れてしまう。
その瞳や表情に「こころ」を感じさせるものは、もはや無いに等しい姿に。
ため息を漏らしながらも、両足を地面にねじこむように腰とひざに力を入れる。
初陣の、あの頃と違って自分が剣を持って戦う行為に恐怖は…もう、無い。
恐怖はもう無いけれども、迷いとためらいと…虚しさはある。
もう何度ついたかしれないため息をまたつきながら、目の前の相手に対し身体を斜めにする。
人体の急所は、ほぼ身体の真正面にまっすぐあり…それを正中線だとかいうらしい。
相手に対しては斜め気味に横を向けて、可能な限り急所を晒さないようにする。
光陰から教わった事なのだけれども、悠人は自分でも記憶が曖昧だなと今更に思った。
とにかく、光陰やイオから教わった通りに「求め」を武術の型に構える。
それを見て、相手も構える。これまで戦場で見慣れきった、この世界の剣術の型。

 -居合いの太刀、か。

何処の国でも何処の戦場でも、スピリットたちの剣術はすべからく全く同一だった。
ただ、それぞれのスピリットの違いにより使う剣術が決まっているだけ。
この世界には、現代世界のように「流派」などというものは無かった。
698いつか、二人の孤独を重ねて7/12:2005/12/31(土) 20:31:43 ID:W9N8crwl0
例外は、光陰の率いていたマロリガン稲妻部隊だった。
彼女たちの誰もが、現代世界のカンフー映画で見るような凄絶な動きを見せ付けてきた。
中には…神剣を鞘に納めたまま、「素手で」悠人を追い詰めるに至った者もいた。

何より、彼女たちは瞳と表情に「こころ」があった。

「こころ」のあるスピリットなら、なおさら斬りたくないという気持ちもあった。
それを置いても、クォーリンをはじめとするマロリガン稲妻部隊は本当に強かった。

蒼い牙アセリア、漆黒の翼ウルカと並び「大陸三傑」と恐れられる深緑の稲妻クォーリン。

幾度となく、悠人自身も含めてラキオス隊の全員が彼女と剣を交えた。
それはついぞ、とうとう誰もクォーリンを倒すどころか追い詰めるに至らなかった。
ウルカ、アセリア、エスペリア、セリア、ファーレーン、ヒミカ、ヘリオン、悠人。
かろうじて互角に持っていくだけなら、以上の8人だけが出来た。
逆に言えば、クォーリンと実力互角のスピリットがラキオスに7人もいたと言う事だが。
そしてやはり、当然と考えるべきなのだろうか…光陰はそれ以上に強かった。
今でも、勝てたのが奇跡のように思えてならない。
その事を思い出すたび、悠人はシアーの言葉をも同時に思い出す。

 -あのね、ユート様…シアーね、ああいうのがホントの強さなんだと思うの…。

マロリガン戦が終結して以降、また戦場を駆け抜ける毎に本当にその通りだと思った。
少なくとも悠人にとっては、現在やりあっている帝国よりもマロリガンの方が強かった。
699いつか、二人の孤独を重ねて8/12:2005/12/31(土) 20:32:56 ID:W9N8crwl0
「求め」を斜め下段に構える。
光陰やイオにエスペリアの指摘で何度も再認識を繰り返している事。
「求め」の刀剣としての形状と重量、悠人自身の武術への適正から。
自然に、依然として技は荒っぽいが…純粋なパワー型として悠人の肉体は仕上がっていた。
細かい部分は違えど、不思議とシアーと似通っていた。
課される訓練メニューも似た内容が多く、一緒にやる事も自然と多かった。
もっとも、そのパワー含め全ての面に置いて悠人は光陰にどうしても勝てなかった。
似たように、シアーの方はどうしてもアセリアに技量はおろかパワーでも勝てなかった。
二人にとって、仲間たちの誰もが師でありライバルでもあった。
特に悠人は光陰に、シアーはアセリアに対してそういう感情が強かった。
もとから教え上手の光陰はともかく、教え下手と思われたアセリア。
何かの部分で相性が良かったのか、パワー戦法に関してはシアーにとって最高の師だった。
…ただし、光陰もアセリアも苛烈極まりないスパルタ特訓だったが。

「求め」の刀身にマナが満ち、やがてオーラフォトンの輝きを放ちはじめる。

腹でなく胸で呼吸、ヘソの下…丹田と呼ばれる部分に力の流れが集まるのをイメージ。
全身から湯気のように、ただパワーがたちのぼるのが自分でもわかる。
戦闘中に限っては光陰の「因果」と今日子の「空虚」による抑制も解除されてある。
「求め」から放たれるオーラフォトンの輝きも激しくなる。

「名前を…教えてくれ。お互い…どっちに転んでも最後だ、頼む」
不意に問いかけを投げかけられた相手は、居合いの構えのままで沈黙していたけれども。

「永遠神剣第六位、黄金時代」
やはり自身の名前は名乗らず、神剣の名だけをナナルゥ以上に抑揚の無い声で名乗った。

悠人はその名を口の中で反芻した直後、雄叫びを上げて全速力で突っ込んだ。
700いつか、二人の孤独を重ねて9/12:2005/12/31(土) 20:34:01 ID:W9N8crwl0

   …広い砂漠を ひとすじに 二人はどこへゆくのでしょう
   …おぼろにけぶる月の夜を ついのラクダは とぼとぼと


腕力でなく、撃った威力が何処へ行くかを計算した上で…。
「下半身をフルに使って振るう」のこそが、単なる馬鹿力戦法と違う本当のパワー戦法。
アセリアは、シアーに確かにそう教えていた。

さっきまで激しく剣をぶつけあっていた青い双子は、二人同時に動きを封じられている。
ネリーがいつも「静寂」を納めている鞘に仕込んでいる、火薬射出式の鎖分銅。
ヨーティアによる特別製のソレが「侮蔑」「嘲笑」の首にまとめて同時に巻きついている。
ネリーは持ち前の器用さで、巧みに鎖分銅に込める力を見事にコントロールしていた。
首に巻きついた鎖分銅に手をかけ、口から泡を吹き始めながらもがいている「敵」。
その「敵」めがけて、シアーはウィングハイロゥをまばゆく輝かせて突っ込む。
 -ごめんね…でも、やらなくちゃいけないの…ごめんね…!
突進の勢いと剣の重量をのせて、冷たく鋭い青いマナで輝く「孤独」を真横に振り抜く。

腕力でなく、撃った威力が何処へ行くかを計算した上で…。
「下半身をフルに使って振るう」のこそが、単なる馬鹿力戦法と違う本当のパワー戦法。
光陰は、悠人に確かにそう教えていた。
 -許してくれなんて言えないけどッ…でも必ず、こんな時代も戦争も終わらせるからなッ!
悠人は突進の威力と剣の重量をのせて、オーラフォトンで輝く「求め」を真横に振りぬく。

「侮蔑」「嘲笑」は断末魔の叫び声をあげる事も出来ないまま、真っ二つに寸断される。
「黄金時代」は神剣ごと叩き砕かれて、呆然としたまま真っ二つに寸断される。

シアーとネリー、悠人はマナの霧にかえっていく「敵」をただ最後まで見つめ続けた。
701いつか、二人の孤独を重ねて10/12:2005/12/31(土) 20:36:55 ID:W9N8crwl0
ラキオススピリット隊は、法皇の壁を突破した。

禍々しいとも感じる巨大な大門は、あまりに重い音をたてて開かれた。
悠人は、大門で全員に束の間の休憩を命じた。
誰も、言葉は無い。
悠人、シアーとネリーを含め全員が傷だらけだった。
エスペリアやハリオンたちにより血は止まっているものの、服はズタズタだった。
特別に丈夫に作られているという、スピリット専用の戦闘服。
全員のソレがあまりにズタズタなので、悠人はヨーティアに頼もうかと考える程だった。
確かに専門分野ではないかもしれないが、ヨーティア製ならば今のよりマシかもしれない。
何より、ヨーティアが作ったという事だけで士気が違うだろう。
悠人は改めて全員の顔を見回す。
誰の顔にも例外なく、疲労の色が濃い。
戦勝の喜びも、ない。
法皇の壁を突破しても、その日のうちにリレルラエルを占拠出来なくては意味が無い。
だが自分が今立っている街道の先にあるリレルラエルは、あまりにも遠かった。
法皇の壁を防衛していた帝国スピリットに輪をかけて強いスピリットが防衛しているという。
休憩に入る少し前に聞いた、エスペリアと光陰とセリアからの全員への説明を思い出す。
目と鼻の先にありながら、リレルラエルは…あまりにも遠かった。
ふと、すっかり着慣れた軍羽織のすそを軽く引っ張られたのを感じる。
オルファだった。

「パパ…まだ、終わらないの?…せんそう、まだ終わらないの?」

普段の快活さが全く無い、疲れきった顔でオルファが悲しそうに言う。
702いつか、二人の孤独を重ねて11/12:2005/12/31(土) 20:37:53 ID:W9N8crwl0
ハクゥテと名づけた愛らしいペットを飼うようになってから。
シアーとネリー、ニムントールにヘリオンたちとの交流が深まっていくごとに。
レスティーナ即位後、少しずつ時代が新しい流れへ動くようになってから。
オルファは、だんだん変わっていった。
かつて悠人はオルファに命の重さがわかるようになって欲しいと願った。

「オルファ、もうやだよ…せんそうなんて、したくない…。
 今はもう、もう…殺したくなんか、ない…殺したくない…」

両目から涙をこぼして嗚咽を漏らしながらそう言うオルファの髪をエスペリアが撫でる。
悲しそうに、またエスペリア自身も何かに耐える表情でオルファの髪を優しく撫でる。

「もう…殺すのが楽しいなんて思いたくない…殺したく…ない…」

他の仲間たちの悲しそうな視線が、自分とオルファたちに集まっている。
セリアも、口を固く結んで何も言わないままオルファをただ見守っている。
そんなオルファを、ネリーが横から強く抱きしめる。
続くように、シアーがそっとオルファの手を両手で包み込む。
ネリーとシアーも、ひどく辛そうな表情だった。
オルファはただ、嗚咽を漏らして涙をこぼし続ける。

不意に、シアーが悠人の方を向いた。
痛みに満ちた、憂える眼差しで悠人の目をじっと見つめて。
悠人はただ、今だけは何も言えずにじっとシアーと見つめあうしか出来なかった。

誰もが、ただ望んだ時代の風が自分たちに吹いてくれるのを願うしか出来なかった。
703いつか、二人の孤独を重ねて12/12:2005/12/31(土) 20:39:09 ID:W9N8crwl0

   …沙丘を越えて ゆきました 黙って越えて ゆきました
704どりるあーむ ◆ncKvmqq0Bs :2005/12/31(土) 20:42:52 ID:W9N8crwl0
今回は、ここまでです。
長くかかった割には、ファンタズマゴリアの戦争というものを描写しきれていないように自分で感じます。
大晦日に、暗い内容で申し訳ありません。
ですが、やっと少なくとも現時点では納得できる形に書き上げられたので新年までに投稿しておきたかったでした。
それでは、みなさま良いお年を。
705名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 22:33:16 ID:4ml/r8WX0
乙でした。
サーギオス、マロリガン、バーンライト、そしてラキオス。
それぞれのスピリットの異なる「こころ」を、
スピリットとエトランジェの立場から見られたような気分にさせられました。
ネリー式物理的エーテルシンク(行動回数低下)が個人的にはヒットしました。
ラキオスそしてヨーティアの技術力に乾杯w

元の童謡のイメージに引き摺られて、
とことん死地へと向かっているような心境になってしまってガクブルです。
706セリアの憂鬱U:2005/12/31(土) 22:55:39 ID:1/cZoQsD0

年の終わりも差し迫った聖ヨト歴331年スリハの月黒いつつの日。
マロリガン共和国との戦争を終えひとまずの平和を勝ち取ったここラキオスでは、恒例の大掃除が行われようとしていた。
戦争中はそれどころではなく、詰所内の普段手の回らなかった所をこの機会に徹底清掃しようというのである。
提案者でもあり、妙に気合が入っているエスペリアが人数の分配・配置を取り仕切り、
スピリット隊が一丸となったこの作業には、何故かマロリガンから入植したばかりの光陰や今日子、
それに何の因果か元稲妻部隊の面々まで刈り出されていた。
『はは、まるで罰当番みたいだな』などと光陰は笑っていたが、確かにそれに近い物はある。
自分が使った事の無い所を半ば強制的に掃除しなくてはならないという事態に理不尽さを感じるのは至極当然であろう。
そしてそんな不愉快さを殆ど全身で現している者がここ第一詰所にも約一名。
「……失礼します」
漏れる溜息を隠しもせず、セリアは箒を片手に彼女の隊長、エトランジェ・ユートの部屋の扉をノックしていた。
「居ないのかしら…………失礼します」
何度か確かめてみたが、中から返事が聞こえてくる気配が無い。
セリアは一瞬躊躇した後、もう一度確かめるように告げてからそっと扉を開いた。

部屋は第二詰所と同じ間取りなので、珍しい所はどこにも無い。
左手に窓、入り口に少し近い壁に沿って机と椅子のセットが一つ置かれている。
ただ自分の部屋に比べ、どこか殺風景な気がするとセリアは思った。
着の身着のままこの世界に来たらしいので、私物という物が何も無いのだろう。
掃除と言われても、これでは何に手を付ければ良いのか判らない。試しに窓枠に近寄り、その“さん”を指で掬ってみると。
「やっぱり。汚れてなんてないじゃない」
エスペリアが付きっきりで身の回りを世話しているのだ。
あの世話好きが、こんな単純な造りの部屋の掃除について手抜きをしているとも思えない。
だからこそ、この部屋に割り当てられたのが自分だというのが納得いかなかった。
掃除の必要があるのかというのもある。が、逆に言えばこの位がセリアには丁度良い、そう思われているのではないか。
大体自分が使いもしない第一詰所の、しかも男性の部屋を掃除しなければならないというのが我慢ならない。
707セリアの憂鬱U:2005/12/31(土) 22:56:20 ID:1/cZoQsD0

「あら?」
確かに普段自分はろくに家事の一つもしていないけれど、それでもこんな僻地に追いやられるほど苦手ではない、
とそこまで考え少し頬を膨らませながら箒を壁に立てかけた所で、セリアはふと窓と反対側にあるベッドに目をやった。
綺麗に整頓された部屋の中で(最も殆ど何も無いのだが)ただ一箇所だけ、シーツが乱れきっている。
どうやら起きてすぐ出かけたのだろう。だらしが無い、そう考えかけ、そこでふいに自分の使命を思い出した。
「……仕方ないわね。男の人ってみんなこうなのかしら」
ぶつぶつと不貞腐れながら、セリアはシーツを手に取っていた。なんだかんだ言って役目がある事にはほっとしながら。

「んしょ……んしょ……あら?」
枕や掛け布団を取り除き、乱れたシーツを一度ベッドから剥がす。
改めて敷き直そうとして、僅かな汚れに気が付いた。泥のようなものがこびりついている。
「まったくあきれるわね、子供じゃないんだから。……まぁ私には関係無いけど」
どうせ外から帰って来てそのまま寝入ってしまったんだろう、無頓着な彼らしい。
そう呟きつつシーツを伸ばしかけるが、どうも気になって仕様が無かった。何となく見てしまう。
元々細かい所に潔癖気味な性格である。セリアは暫くその汚れを凝視し、
「……もう! 判ったわよ、やればいいんでしょ、やれば!」
根負けするように、シーツをぐるぐると全力で丸め始めた。

数刻後。
「はぁ、はぁ……い、意外と重労働だったわね……」
洗ったばかりの真っ白なシーツを見て、セリアは額に浮かぶ汗を拭っていた。
ついでにとばかりに枕や掛け布団まで洗濯場に運び→手洗い→干して→また持って来て→敷き直すという一連の作業。
我ながら余計な事と思いつつ、結局はそのコンボを達成してしまっていた。
運ぶ途中絡みついていた後ろ髪を軽く撫でて掬い上げる。手から洗剤の良い匂いがして人心地ついた。
「……さて、もう一仕事ね」
セリアは腕の裾を捲くり、むん、と気合を入れなおした。やるなら徹底的に、それが彼女の信条だった。
708セリアの憂鬱U:2005/12/31(土) 22:59:24 ID:1/cZoQsD0

「……ふぅっ!」
枕を据え、掛け布団を敷き直す。ぱふっと軽い音と共に日向の匂いがして、セリアのベッドメイクは完了した。
完成した作品を、満足げに眺め直す。嫌々だった筈なのに、気づけば心地良い疲労感がセリアを満たしていた。
そうしてベッドを上から見ていた視線が床付近まで辿り着いたところで。
「ん?…………ああっ!! 」
しまった、とセリアは今更のように気が付いた。ベッドの下を掃除していなかった、という事を。
何という事だろう。戦場では常に冷静沈着、いつも正しい判断で味方を勝利に導いてきた彼女にとっては、ありえないミス。
セリアは口に手を当て、呆然としたまま立ち尽くした。すぐにはっと気を取り直し、慌てながら膝を付く。
どれ位の埃が溜まっているのだろう、エスペリアの事だからもしかしたらここもちゃんと掃除してくれていているかも、
先程までの面倒臭そうな態度はどこへやら、そんな期待と不安が半々入り混じった心境だった。

「……良かった」
そうして覗き込んだベッドの下は、やはりというか埃一つなく、フローリングの床がピカピカと輝いている。
そっと溜息を付き、流石はエスペリア、と半ば呆れながらもう一度見直してみた。すると今度は部屋の隅に何かが見つかる。
「これ……本? ん〜っと…………」
よせばいいのに、セリアは思いっきり手を伸ばし、本の表紙に触れた。


 ―――――――――――

一方その頃第一詰所台所では、ヒミカとエスペリアが雑談しつつ鍋を磨いていた。
「いつもは中々ここまで手が回りませんから、こういう機会は有り難いです」
「今年の汚れ、今年の内にっと……でも珍しいわね、エスペリアがユート様の部屋の掃除をセリアに譲るなんて」
鼻歌を歌いながらの、何気ない一言。普段の様子からは当然の質問だったが、しかしエスペリアの手はピタリ、と止まった。
「…………エスペリア?」
「いいんです……どうせ……どうせわたくしなんて…………」
「ど、どうしたの急に。ほら泣かないでよ、まいったなぁ、何だっていうのよ…………」


 ―――――――――――
709セリアの憂鬱U:2005/12/31(土) 23:04:23 ID:1/cZoQsD0

更に一方その頃悠人は分担の仕事を終え、自分の部屋の前に立っていた。ノブに手を当てると、中から人の気配がする。
そういえば誰かが掃除してくれてるんだっけ、そう思いながら悠人は扉を開いた。
「よ、ごくろうさん。って、ここの担当はセリアだったのか」
部屋の中央に、良く知った少女がいる。既に掃除は終えたのだろう、立ったまま夢中で本を読んでいた。
「ありがとうな……ってその本ぅぁっっっ!!!」
礼を述べよう声をかけかけた悠人は、そのまま仰け反ってしまった。
マロリガンから、光陰が持ち込んだモノ。無理矢理見せられた中、何故か興味を引いてしまったタイトル。

『 右手にヘブンズ左手にスウォード 〜禁断のツンデレ、魅惑のエクゥ縛り年末大放出〜 』

セリアにそっくりな娘が恥じらいながらのアレやコレやが気に入って、絶対見つからない所にこっそり隠しておいたのに。
よりにもよって何故セリアがその本を? 悠人の思考は一気に真っ白になった。さーっと血の気が下がっていく。
寒いのは決して部屋に充満し始めた異常な冷気のせいだけではなかった。
「……ば」
「ば?」
ぼんやりとした気まずい雰囲気の中、低い声が悠人を現実へと引き戻す。
良く見ると、セリアの肩はぷるぷると震えていた。ゆっくりと上げた顔が見事なまでに真っ赤に染まっている。
その蒼い両目に大粒の涙が光っているのを確認した瞬間、つんざくような悲鳴と共に衝撃が悠人を襲っていた。

「ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!!」
「ふごくぁwsえdrftgyふじこlp;&%#!!!!!!!!!」


 ―――――――――――
710セリアの憂鬱U:2005/12/31(土) 23:05:41 ID:1/cZoQsD0

ところで一方その頃第一詰所台所では、ヒミカの懸命な宥めにより、ようやくエスペリアは泣き止んでいた。
「全く、びっくりしたわよいきなり泣き出すんだもの」
「う゛う゛〜〜、ごべむなざいぃ〜〜」
「ほら鼻かんで…………ねぇ、私そんなに酷い事言った? だったら謝るよ、ごめんなさい」
「ちぃ〜ん……ご、ごめんなさい、別にヒミカが悪い訳じゃないんです、ただわたくしが至らなかっただけで」
「? それじゃ判らないよ、掃除と何の関係が…………」

ごおぉぉぉぉぉぉぉん…………

「…………何? 今の音」
「…………さぁ? 除夜の鐘かも知れませんね。ハイペリアにはそのような習慣があると訊いた事があります」
「はぁ……そうなの?」
「ええ。もしかしたらユート様かも。さ、そんな事よりヒミカ、残りを片付けてしまいましょう」
「え、ええ……エスペリア?」
「なぁに、ヒミカ」
「…………ううん、何でもない。今年も終わりだね」
「ええ、来年は良い事があるかしら…………」
急に元気になり、不気味な笑みを浮かべながら取り憑かれたように鍋を磨くエスペリアを、
ヒミカは出来るだけ正視しないように自分の作業を続けた。
来年と言わず、とりあえず明日にはこのエスペリアの情緒不安定が直っていますようにと祈りながら。
711信頼の人:2005/12/31(土) 23:07:15 ID:1/cZoQsD0

今年最後の投稿になります。475Kトリガー超えるので悩んだのですが、時事ネタなので……申し訳ありません。
誤字脱字今回は無いと思いますが誤字脱字ハリオンマジック等御指摘があれば幸いです。


という訳で確信犯的に踏んだので、勝手ながらスレ建て逝って来ます。
煽り文はスレ7-527さんのリサイクルで。
712名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 23:19:18 ID:1/cZoQsD0

建ちました。


人は、セリアに何を求める。
ある者は、ただその日の糧のため、スピたんを買う。
ある者は、理想のために己の手を二次創作に染める。
また、ある者は、果てなき萌心のために、ツンとデレにまみれる。
熱病は汚れた大地をみそぎ、流れとなり、川となって常にポニーテールをめざす。

次スレ永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド20
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1136038203/

人はショートレイヤーに逆らい、そして力尽きて流される。
713名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 23:41:48 ID:1/cZoQsD0
>>703
アレンジアルバムの「Brave movement」を連想しました。
理不尽でも、戦いをせざるを得ないスピリットの辛さがひしひしと。
諦観したような冷めたシアーが哀しい。701のオルファの台詞が響きます。
神剣の描写、見事に画像板に投稿されたのが生きてますね。
簡単にそのシーンが目に浮かべられて、上手い手法だと思いました。


今年は大変お世話になりました。皆様、良いお年を。
714名無しさん@初回限定:2005/12/31(土) 23:54:35 ID:sIbHH8Dq0
>>712
夢を。希望を。そして満たされしポニーテールを。

というわけで今年最後の作、乙でした。セリアラヴ。そしてエス、ガンガレ。
来年が、この雑魚スピスレ住人にとって良い年でありますように。
715おにぎりの中身の人:2006/01/01(日) 00:23:54 ID:8SugSlqX0
今年の1番スピげっと〜
ついでにハリオンももらっていきますね
716名無しさん@初回限定:2006/01/01(日) 14:29:43 ID:F+7OKGSf0
>>705
感想レスありがとうございます。
>>それぞれのスピリットの異なる「こころ」をスピリットとエトランジェの立場から〜
5章目までとうってかわって、「戦争を描けるだけ描く」という方針になりましたから。
いまいち描写不足ですが、それでも描けるだけ描いた結果こうなったという次第です。
というか…この長編で、初めて悠人がヘタレじゃない事に保管庫に納められたのを確認してから気づきました。
>>ネリー式物理的エーテルシンク(行動回数低下)が個人的にはヒットしました。
当初は、ウイングハイロゥを持つスピリット全員でケムセラウト上空でドッグファイトを繰り広げる予定でした。
ただ、いざ描いてみたら派手なだけで重みを感じられず「描く必要がない」という事で、今回の描き方になりました。
ネリーの鎖分銅は、その名残です。自分では、エーテルシンクは氷の追尾型マジックミサイルというイメージでした。
>>元の童謡のイメージに引き摺られて、とことん死地へと向かっているような〜
「月の沙漠」は大正12年の歌ですが、関東大震災にて強烈なイメージを残したそうですからね。
終わりの見えない理不尽な戦争、悠人とシアーの好きあってるけれど互いにあまりに距離の遠い関係。
そういうのをイメージできる何かないかと探してて、見つけたのが「月の沙漠」でした。
717名無しさん@初回限定:2006/01/01(日) 14:30:49 ID:F+7OKGSf0
>>713
感想レス、ありがとうございます。
実は、アレンジアルバムを聞きながら場面をイメージし続けていました。
テキストに起すときも、同じようにアレンジアルバムを聞きながらでした。
なんというか、アレンジアルバムがあるだけで今までよりも「描ける」ようになった気がします。
まあ、自惚れだなと自分で思いますが。
シアーが冷めてるのは、あんな時代の真っ只中じゃ冷めるしかできないと思ったんです。
永遠のアセリアに登場する人物たちは、どこかしら冷めてしまっている部分があるように見受けられます。
そんなわけで、ネリーもかなり冷めた感じになってしまっています。
オルファも、オルファルート以外だとああいう感じなんじゃないとイメージしてました。
画像版のあの絵は、いずれ修正したのを投稿したいです…物凄く(汗
特に、「孤独」のデザインはもっとちゃんと煮詰められたものにしたいです。
スピたんでの新デザインの「孤独」がもっとアホみたいにごっつくなった感じで。
もともと、プリンセスクラウンのグラドリエルっぽいイメージ持ってましたけどね。
718名無しさん@初回限定:2006/01/01(日) 15:23:25 ID:l9pYwzCF0
>>712
正月からツボなSSを頂きました。南無。

ツンデレセリアとブラックエスのコンビは最強ですな。
怒って、恥ずかしくなって、ちょっとだけ嬉しくなって、やっぱり怒り出す、
と言うループがセリア内で発動している予感(w
719名無しさん@初回限定:2006/01/01(日) 17:37:36 ID:sXUr+xRs0
>704
あなたがいれば ああ うつむかないで
歩いて行ける この月の砂漠


零れた涙も砂に染みこみ。
嗚咽も嘆きも、東の空が白み始めザラザラ砂混じりの風に吹かれていく。

先憂後楽なんて言葉で説くことなど出来ようはずもないけど。
未来は、剣で切り裂いたところにしかないのだろう。
それが、この大陸に生きるものの明日の糸。

オルファガンガレ 

>711
エスペリア…
光陰秘蔵の品には
「ネーチャンフォースに目覚めためいどさん 〜恥じらいのライトセイバー竹箒型 ESsode T ニャン」
はなかったのですか?
え? 締め切りに間に合わなかった? ちょ、☆ミカさん、ほら黄○液のんで! ほら修正液顔にべったり付けて爆睡しないで!
720名無しさん@初回限定:2006/01/01(日) 23:03:41 ID:iKPG+G110
>>704
乙ですた。

神剣の名前だけで差別なんてあんまりじゃないですか!(違
しかしシアー、心も体もパワーうpしてきましたね。
本編の心の病みっぷりとはいい意味で好対照な感じになっていると思いますw

ただ、一発キャラでも黄金時代はちょっと。。。
一応2字っつーのが暗黙的なルールじゃまいかと。
いや、物語の雰囲気は好きなんですけど。

>>711
年明け早々いいもん見させて頂きました。
やっぱりセリアは泣かす瞬間が一番光ってますね(ヘブンズ

それはさておきエス先生のハイロゥが真っ黒な事に何の違和感もないこのスレが大好きですw
721名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 05:31:00 ID:BPR10qyR0
なあ、いま永遠のアセリアをコンプしてきたんだけど
神剣に意識を飲まれた敵のツインテール型ブラックスピリットをこよなく愛する俺はココに居ていい子?
722名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 05:36:25 ID:e55Agau90
ソーマズフェアリーのうちの一体とか、インペリアル…なんだっけ、の目の色違う奴か。
たしかに見た目的にカッコいいんだよね、あれ。黒に紫入ったやつ。
723名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 10:55:54 ID:/hOvFRb20
ボクっ娘の緑スピはいいな
724名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 16:00:51 ID:5JfTNN790
>>721
えらくコアの所に目をつけた御仁だな(w
725名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 16:04:38 ID:z3h+b50RO
光陰を助けた青髪ロングがツボだ
726名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 20:12:44 ID:j6S47l0i0
>>721
「間合いが甘い!もらったぁぁぁぁぁぁぁ!」

の子だっけ?
あの子はいいツンデレを持っていると思う。
というか実は漏れも1番好き。
727名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 20:49:58 ID:drD0VvfX0
おかっぱ黒スピもいいと思ふ俺がいる。
無理矢理戦わされてる感が強くてなんだか助けてあげたい子。
728名無しさん@初回限定:2006/01/03(火) 21:34:10 ID:n0Ai+kW90
他ゲームのヒロインになったりしない真の雑魚スピを愛するスレはここですか?
729名無しさん@初回限定:2006/01/05(木) 13:29:57 ID:reSTHAIl0
ツェナの家の永遠神剣でエターナルになった雑魚スピが悠人達を追いかける

そんなEDがあると考えていた時期が俺にもありました
730名無しさん@初回限定:2006/01/05(木) 15:08:40 ID:dHBA0SUV0
誰も触れていないコトだが、あんなキャッチーでデモであの難易度はサギではないだろーかw
うっかり今時のコが買ったらエライ目に遭うぞ
731名無しさん@初回限定:2006/01/05(木) 15:40:36 ID:MVrUE+d90
アセリアルート1週した後で
「続編があるなら主人公は『禍根』を使う」と予想していました……orz
732名無しさん@初回限定:2006/01/05(木) 21:18:30 ID:wwu1OrJo0
バッチシ壊れてるけどな
733名無しさん@初回限定:2006/01/05(木) 22:49:05 ID:FZAY/xRT0
>>729
ノシ
734ガロ・リキュア新報:2006/01/06(金) 23:28:25 ID:XRJriVX20
ガロ・リキュア新報

経済面  【老舗を救うは女王の鶴の一声】
――昨年来の売り上げ低迷で存立の危機に直面していた、「ヨフアル本舗」がガロ・リキュア政府の公的資金によって
救済される目が出てきた模様だ。
 聖ヨト暦と共に繁盛を続けてきたと言われるヨフアル製造の最大手「ヨフアル本舗」の売り上げが低迷してきていた。
新たに参入してきた「緑亭」の伸張が大きな理由と言われ、ハイペリア仕込みとも言われる創作お菓子によって、
古来よりのお菓子「ヨフアル」は駆逐の憂き目に遭うところだったのだ。
 しかし、この戦後世界の波に心をお痛めの女王陛下は、「ヨフアル本舗」の危機を耳にするやいなや、政府の援助を即決。
危うく、ラキオス市民の心とも言える味は救われる運びとなりそうだ。
 もっとも我らが女王陛下は、「緑亭」との個人的結びつきが噂されるほどのお菓子好き。そして、パンがなければヨフアルを食べれば
いいと言ったとか言わないとかのヨフアル中毒でもある。
 穿った見方としては、女王陛下御用達と言える「緑亭」への風当たりを和らげる狙いが有るのではとの識者の声もあるが、
要は美味しければなんでも良い。それが真相だと思われる。そんな愛すべき女王もいいが、国民としては太った女王陛下は勘弁したいところだろう。
735ガロ・リキュア新報:2006/01/06(金) 23:29:24 ID:XRJriVX20
社会面  【ラスフォルトを狙った詐欺事件が続発】
――先の大戦を戦い抜いたスピリット達へ、政府より支給された恩給が、犯罪者達のねらい目になっているようだ。
 旧ラキオスのスピリット達は精神を神剣に蝕まれることなく戦い抜き、銃後の生活では一般市民ともある程度の交わりを保っていた為か、
今のところ被害報告は皆無だが、旧バーンライトや、サーギオスのスピリット達は被害に遭いやすい。
 言葉巧みに近づいてくる犯罪者達の口車に乗せられ、虎の子の恩給をあっさり預けてしまう。悪意を持つ者達にとっては、まさに赤子の手を捻るも同じなのだろう。
戦い以外の生き方を知らない彼女たちへのケアが十分に行き届かない内に、独立させてしまう地方自治体の方針へも疑問の声が叫ばれている。
 もっとも、この恩給の支給方式もかなり疑問だ。一度に全額を渡してしまうのではなく、定期的に少額ずつ渡していく方が彼女たちの為でもあるのではないだろうか。
事務手続きの煩雑さを嫌ったのかと疑ってしまいそうだ。
 とにかく早急な手厚い保護と教育が必要があるだろう。そして彼女たちへの心ない犯罪を、どこか許してしまう空気の蔓延を防がなくてはならない。
我々は、ふたつと無いこの大地に根ざす掛け替えのないパートナーなのだから。



またこんなネタを書いてしまいました。文章変かも(汗)
この恩給に関しては、ファーニムの戦後生活からの想像ですが、おそらく結構な数いるであろう生き残りのスピ達へ、
真っ当な教育をしないとこんなこともあり得るのではないかな、と。
736名無しさん@初回限定:2006/01/06(金) 23:42:38 ID:vfoY49Ur0
>>734
>要は美味しければなんでも良い。それが真相だと思われる。そんな愛すべき女王もいいが、
>国民としては太った女王陛下は勘弁したいところだろう。

ここで発行禁止(w
737名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 01:47:59 ID:Rjchta7Y0
>>736
せめて検閲削除w
738名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 02:13:04 ID:QL0BJxuh0
スピ達の恩給の使い道を予想してみる。

無駄遣いネリー。お菓子食い倒れシアー。株式投資ニムントール。はらはら見守るファーレーン。
最新式子供用遊具購入セリア。最新式ヨフアル用焼釜購入ヒミカ&ハリオン。
街中でスられて慌てるヘリオン。その様子を物陰から覗いて楽しむ犯人ナナルゥ。
739名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 11:31:37 ID:SBXJ9FmU0
>>738
ナナルゥ使ってないしw
740名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 12:23:53 ID:qeXWm8V/O
ナナルゥは忍者グッズを買い漁るんでないか。
そして買った物を駆使してみんなの秘密を「見つめて」まわる。
主なターゲットはヘリオンな。
741735:2006/01/07(土) 20:50:48 ID:/z1wEIAR0
前途洋々たる自由社会を目指すレスティーナ女王陛下がそんな言論弾圧など……

ラキオス新報朝礼 新人挨拶

      _ ,ヘ         
     〃/::::|ヽ                 '´ ⌒ヽ
   ∠ <====ゝ  ファーレーンです    ! l」」ルl」」   情報部より命令に
   んヘi」゚ -゚ノ」  皆さんよろしく      i !ゝ゚ -゚ノゝ   より出向してきました
    ⊂》|Tリつ   お願いします       ⊂》|Tリつ   ナナルゥです
     く/|_ノゞ                 ノノく/|_ノゞ
       し'ノ                    し'ノ 
       
      \おい今サラッと情報部って……/  \でも美人だなぁ……/
∧_∧ ∧_∧ ∩_∩ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∩_∩ ∧_∧
  ∩_∩ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∩_∩ ∧_∧ ∧_∧   ;)



なんか読み返すと社説みたいな文ですよ(汗)

スピ嘆で、現役軍属のスピ達は恩給(報奨金と表記されてた)もらってんのかな。
報奨金だと一時金って意味合いが強いよね。
ナナルゥは床下に瓶を埋め込んで大判小判ザックザク 時折掘り返してはへっへっへw
ヘリオン速さで負けてどうするw
742名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 20:59:43 ID:/z1wEIAR0
あぅ、ガロ・リキュア新報だったorz
743名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 22:07:01 ID:pgd601zk0
>>741
レスティーナ陛下、ムチャクチャ本気ですねw
つーかファーレーン、潜入の時ぐらい兜取って!w

報奨金って事はやっぱり撃破数?
うわぁ。。。
744名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 22:40:52 ID:pgd601zk0
【天声人語】 (ガロリキュア新報)

地方自治体は事務手続きが煩雑すぎる、恩給は支給していると主張している。しかしちょっと待って欲しい。事務手続きが煩雑すぎる、恩給は支給していると主張するには早計に過ぎないか。
地方自治体の真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。
例えばスピリットからは旧バーンライトや、サーギオスのスピリット達は被害に遭いやすいと主張するような声もある。
このような声に地方自治体は謙虚に耳を傾けるべきではないか▲

思い出してほしい、過去にも何度も地方自治体はスピリットの叫びを無視している。
地方自治体はスピリットの旧バーンライトや、サーギオスのスピリット達は被害に遭いやすいという主張を間違いであるかのような発言をして、批判を浴びた。


確かにスピリットには戦い以外の生き方を知らないという問題もある。だが、心配のしすぎではないか▲

地方自治体の主張は一見一理あるように聞こえる。
しかし、だからといって本当に地方自治体は事務手続きが煩雑すぎる、恩給は支給していると主張できるのであろうか?
それはいかがなものか。的はずれというほかない▲

事の本質はそうではではない。その前にすべきことがあるのではないか。
地方自治体は、未来を担う一員として責任があることを忘れてはならない。
地方自治体の主張には危険なにおいがする。各方面の声に耳を傾けてほしい。▲

地方自治体に疑問を抱くのは私達だけだろうか。
事務手続きが煩雑すぎる、恩給は支給していると主張したことに対してはスピリットの反発が予想される。旧バーンライトや、サーギオスのスピリット達は被害に遭いやすいという主張を支持する声も聞かれなくもない▲

地方自治体もそれは望んでいないはず。しかし地方自治体は彼女たちへのケアがいい加減である。
事務手続きが煩雑すぎる、恩給は支給していると主張する事はあまりに乱暴だ。地方自治体は再考すべきだろう。
繰り返すが地方自治体は彼女たちへのケアがいい加減である▲

地方自治体の事務手続きが煩雑すぎる、恩給は支給していると主張したことは波紋を広げそうだ。今こそ冷静な議論が求められる。
745名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 22:42:34 ID:pgd601zk0
上記文章は懐かしの天声人語メーカーより作成しました。
ttp://taisa.tm.land.to/tensei.php
746名無しさん@初回限定:2006/01/07(土) 23:46:02 ID:v353FngWO
何かの皮肉かと思った
747名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 00:05:54 ID:EHGroaYp0
ぐんくつの音が聞こえてくる!

  ぐつぐつ ぐつぐつ  
今「そろそろ良いんじゃない?」
光「まて今日子。白菜と葱が足りてないぞ。それに肉としらたきはくっつけちゃならんと言っとろーが」
悠「鍋お奉行様、いい加減腹減ったから食おうぜ」
ク「コウインさま、素敵」
ア「ピーマン」
748名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 00:30:11 ID:NstjCkiE0
>>744
>>747
揃って、ネタが分かり難過ぎ(ww
749名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 00:52:02 ID:JFzg2gRs0
今だから言う
>>477についてだ

弱体チームには大会参加をご遠慮ねがおうか!!
ねえバーンライト兵さんにイースペリア兵さん!

と乱入してくるはぐれミニオンチームなんてことを思いついてしまったんだ
750寒中見舞い申し上げます:2006/01/08(日) 20:25:03 ID:3/JIiIwK0

こんにちは。
ハイペリアには私達が設定上もう済ませたような、見た目まだのようなセイジンの日という休日があるそうで、
ドニチを挟んで3連休の方も多いと思われますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、戦いも済み、ついでに用も済んだ我々スピリット隊にとっては終日連日が休日のようなここラキオスでは、
先日から珍しい事態が発生しています。なんとかつてはソーン・リームでしか見られなかった「雪」が降り注いでいるのです。
原因としては、ただでさえ普段から全身で放射冷却中のセリア・B・ラスフォルト(18)が突然ポニーを切ると言い出し、
相談を受けた幼馴染のご存知「蒼い牙」、アセリア・B・ラスフォルト(18)がそれに対して全く無反応だった事に腹を立て、
PS2版御謹製ダメージ付きエーテルシンクを乱発しつつ泣きながら暴れまくったという大変迷惑な話が確認されています。
また、とあるサイトで一人だけ豪雪地帯に指定されなかった事に対する腹いせという有力な情報も寄せられているようです。
この雪は今の所ラキオス地方にのみ局地的に降り続いていますが、アセリアの逃亡先によってはガロ・リキュア大陸全体に
広がる可能性も否定できず、交通・通信網、深刻な低温化による野菜育成等に与える影響も含め、一層の警戒が必要です。
身近な所では早速台所事情に響いたのか、エスペリア・G・ラスフォルト(22)が仕切る食卓にも鍋料理が増えてきたとの事。
ウルカ・B・ラスフォルト(21)などはラキオス湖へ武者修行という名のわかさぎ釣りに出かけているようですが、
積雪が5Mを越えてしまうという事態に至り、ようやくレスティーナ女王陛下(17)による非常事態宣言も発表されました。
曰く、「ヨフアルが凍っちゃったじゃないの!」だそうです。そっちかい。討伐隊編成も含め、我を忘れているようですね。
レッドスピリットが総出で懸命に除雪作業を行っていますが、先程ヒミカ・R・ラスフォルト(20)が表層雪崩に巻き込まれ、
氷付けで発見されたとの報告がありました。彼女のヒートフロアはやはりというかあまり効果が無かったようです。
751寒中見舞い申し上げます:2006/01/08(日) 20:27:44 ID:3/JIiIwK0
ところでここ第二詰所の庭先では、ネリー・B・ラスフォルト(15)とシアー・B・ラスフォルト(15)が無邪気にはしゃぎ、
駆け回って雪合戦などしております。ヒートアップするにつれ、応酬するアイスバニッシャーの密度が段々濃くなり、
視界が更に悪くなってまいりました。あ、今通りがかったヘリオン・B・ラスフォルト(14)が吹雪に巻き込まれたようです。
たちまち雪だるまになってしまいました。相変わらず運が無いというか、タイミングの悪さが狙ったように絶妙です。
かまくらで餅を焼いていたハリオン・G・ラスフォルト(20)が炭で眉毛と口、手に模した枝、ネネの実で目鼻などを付け、
オブジェのドレスアップに励んでいます。帽子代わりのなぽりたんを付けて完成。助けないあたり、微笑ましい光景ですね。
微笑ましいといえば、室内でも炬燵に入ったままのニムントール・G・ラスフォルト(13)。外の雪景色に目を細めたまま、
姉代わりのファーレーン・B・ラスフォルト(19)に膝枕をして貰っています。机の上には倉橋製菓の雪見大福。
おや、オルファリル・R・スピリット(16)が帰って来たようです。部屋に飛び込むなり雪を犬のように振るい落として、
「ただいま〜! あ〜お腹空いた〜! ひょいぱく」「あ、ちょっとそれ、ニムの!」「へへ〜、早いもの勝ちだよ〜ん」
…………何だかきな臭くなってきましたね。無言で炬燵に隠した『曙光』の柄を掴むニムントールが怖いです。
ファーレーンがニムよしなさいおやつ位でなどと嗜めていますが、恐らく無駄な努力でしょう。三十六計逃げるにしかず。
いえ、除雪が嫌で逃げ込んだのですが、ここは一度天井裏からも退散しようと思います。それではまた。ユート様もお元気で。

ナナルゥ・R・ラスフォルト(19)より、情熱のヒートフロアを篭めて。
752名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 20:30:37 ID:3/JIiIwK0

その頃悠人のマンション、炬燵を囲んでお年玉付き年賀葉書を覗き見るエトランジェ達。
光「……ナナルゥ、饒舌になったなぁ。日本語も上手じゃねぇか」
今「ええ、みんなも元気そうでなによりよね。何で年齢表記しているのか意味不明だけど」
佳「ナナルゥさん、几帳面さんだから。でもえへへ、置いてきたなぽりたん、使ってくれてるんだ」
時「よかったですね。ユートさんも、安心しましたか?」
悠「……いや、この葉書、一体どうやってここに届けたんだ? そもそもあっちで売ってるのか?」

ヨ「へくしゅん! ……おおやだ冷えるねぇ、なんだ、風邪かな? 感染せばなおるんだっけか」
イ「…………ヨーティア様、そこで私を見ないで下さい」


……いえ、なんだかもう最近寒さも雪もなんもかんも全部セリアさんのせいに思えてきてしまいまして(汗
753名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 23:13:53 ID:/FPorI9aO
恐らく誤表記と思われるので一応ご報告を

オルファの名字表記が
× スピリット
○ ラスフォルト
754名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 23:26:16 ID:EHGroaYp0
しかもしっかりインクジェット用ハガキだったりして、第二前で勢揃いした記念写真が印刷されてるとか。
お年玉くじ一等はハイペリア一周旅行にペアでご招待。阿鼻叫喚の地獄絵図。

ということでナナルゥさん天井裏も寒いでしょうw。
どんと祭(どんどん焼き・左義長等)では凍ったヒミカさんを融かしてあげて下さいませ。


オ「オルファだけ仲間はずれだよ……やっぱりオルファは産まれてこない方が良かったんだね」(ぉ
755名無しさん@初回限定:2006/01/08(日) 23:56:00 ID:09RsBG/30
年齢表記により半数以上がセイジンを迎えていない事が明らかにw
756名無しさん@初回限定:2006/01/09(月) 00:01:04 ID:1Ont7WNd0
ネリー=シアー>ヘリオン

今までヘリオンの方が年上だと思ってたorz
757名無しさん@初回限定:2006/01/09(月) 00:09:28 ID:BAxOCweC0
いや、そこら辺は各々に任せるでオッケーでしょ。
758名無しさん@初回限定:2006/01/09(月) 01:05:49 ID:BAxOCweC0
↑書いたらこんなん浮かんできてしまった。

天井裏から逃れたところで雪合戦に巻き込まれました。
その拍子に原稿を見られたらしいです。不覚です。
詰所から追い出されたオルファリルまでが入ってきました。
「お菓子あげたら、ちょっぴり大人に書いてくれないかなぁ、ダメかなぁ……」
「相場は緑亭のヨフアル一つにつき一歳です。若返らせる場合も同じです」
「それじゃ……オルファはこれだけっ」
「む〜、ネリーだって負けないんだから〜っ」
「あ、あ、ネリー……あげすぎ〜。シアーと同い年じゃなくなっちゃうぅ〜」
「わっとっと。う〜んそれじゃ仕方ないねー。くーるにオルファに花を持たせよっか〜」
「えぇっ、そんな事されたらどっちがお姉ちゃんっぽいかわかんなくなっちゃうよっ!」
……いくつヨフアルをせしめたかは秘密です。
ワッフル、でよろしかったでしょうか。送ってくださればそちらの方々の年齢も考慮します。
さぞかしハリオンが喜ぶ量が送られてくるでしょう。かしこ。

     __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))
   | l|| ゚ヮ゚ノl| <次スレはこちら
   j /ヽ y_7っ=
  (7i__ノ卯!
    く/_|_リ

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1136038203/l50
759名無しさん@初回限定
>>758
おbsnは、幾つヨフアル送ればいいんでしょう?
・・・みかん箱1つで足りますかね?