【姉しよ】きゃんでぃそふと SSAAスレ6【つよきす】
1 :
名無しさん@初回限定:
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ きゃんでぃそふとSSAAスレの星5つの誓い
┃1つ、スレはむやみに上げない
┃2つ、職人さんへの感謝とGJを忘れずに
┃3つ、職人さんとのリアルタイム遭遇では支援を推奨
┃4つ、気にいらないからって荒らさない
┃5つ、荒らしにストレートに反応しないこと
┃
┗━━━ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ━━
_ < ここはテンプレの村です 、,
'´, `ヽ\_________ '´ '`´ ゙ヾ
!爪リリ从)ゞ { ソ从从シ}
ノwリ゚ ヮ゚ノル  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ メ(リ;-__-ノリ
⊂)个iつ 既にセリフが \ ノ,'くj `i´lヽ
. く/_|j〉 パターン化しちまったな>(( ll_ハ_iJ
し'ノ ________/ ゙ i_7、」
_)___
'´ ヽ_ヽ
l、lノノ八l ) <柊家の長女、皆のお姉さん
´\ リl|.゚ ヮ゚ノ<⌒> 柊雛乃である。
( ● ⊂[ .ヽソ/ ]⊃ .疑問にずばり答えてやろう
. ヽ/ .└|--|┘
. . ノl__」
Q、職人さんのSS投下最中に張ってある支援とか、④、私怨etcってなんですか?荒らし?
A、うむ。あれは総じてしえんと呼ばれるものである。
世の中には荒らし対策用の連投規制なるものがあってな。時間によるのだが、
だいたい3回くらい連投すると、規制がかかってしまうのじゃ。これにかかると職人さんが、
続きを書き込めなくなってしまうのでな。すれ住人による手助けが必要になってくるわけじゃ。
お主がりあるたいむで 職人さんに出会った時には、是非支援をして差し上げるが良い。
Q、スレにあるSS、AAだけじゃもの足りないです。
A、で、あるか。お主も欲張りな奴よのう。そういう奴のために
>>1に書いてあるように、
過去すれのSS、AAを集めた保管庫というものがある。保管庫の中の人、
職人さん方に感謝を忘れずに読みふけるが良い。それでも物足りなければ、
いっそ自分で書いてみるのも我的には面白いと思うがのう。
Q、お嬢ちゃん賢いねー。ほら、キャラメルをあげよう。
おぉ・・・これがまた美味でな・・・って違うわ!我をあなどるでないぞ
__
| |  ̄ `ヽ
||_ ` 、 粛清……淘汰……
__)_∩ `ヽ l
〃 ,^i^ ヾ l i
i ,ノノ八)〉 i i ガッ
. ゙ヾl#"-ノゝ l .人_∧∩
/ヽソ _ン. ノ< >Д´)/
l_/r==l l ´-‐'∨ /
く/l_ゝ
【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを30行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
なお、一回の投稿の最大行数は32行、最大バイト数2048バイトです
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
自分がアップしたところをリダイレクトする。
>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.スレッド容量が470KBを超えた時点で、
ただちに書き込みを中止し、次スレに移行して下さい。
★保管庫
きゃんでぃそふと SS&AA保管庫
ttp://yellow.ribbon.to/~nechan2/ 過去スレ・関連スレ
>>1 過去スレは保管庫の中にミラー有り
>>1 乙をやろう
つうかみんなさん、お姉ちゃんたちの事もたまには思い出してあげてください(つД`)
7 :
SSD:2005/11/19(土) 06:47:41 ID:sC1GMxVW0
>>1
乙です
__,.-、__,._,r- 、-ー ' ´ ヽ
/`ニ´ `>'´ /´ / , / ィ' ト、_ _ _
_,.-ー' 二ニフ´/ { /、 l { {l レヽ ヽ、j
/ r'7´{ /__{ | ,| { { ! !リ彡ハ !|
{ {/{ i/ >ミ! | { ハト!、! { |`"ヾ!| {'
} y{ | lY { { 从_ハ、{ト 、ト、} ノ! } ! ハ、 , 、
| l! !ィ { j .ハ |{リtjy';}`ゞリヽト! ノソ } i { __,. ' ,ノ
} } ハヽt} !、!ハ. ` ゙` ィニfリト,/ィ´ ハ ,r‐'`´__/´
>>8 /! ト'´ ハ ソ | { {rソ'>ツ/ },ハ ,ハj / `7ヘヽヽ, おやぁ~?
/ィ { ヽ,./ ヽ{ l{ ト 、 r' `/f'´ ノ' / ` i´ i r' 〉 〉 >' おやおやおや~?
'{/!`7' ̄∧ __/!| ハ ヽ_ `>' / ハ/ { ``ー-'<、
リ {/´ /-'< |} } |、ト、 `''´,. r'´ , ,{ l` `"テr‐ ‐‐'
/ /´ `ト! ! vx<`` ´ | } ノ ハ } l |
ム' ´ { い { ヽ} j } l /}/ ソ、 | !
j __`ヽ 、 ヽ|ヽ} ! /レ'! / ノ `ー、_ } |
|´ ``ヽ ヽ 、-、 ヽト、| / }リ|/ / / /`ソ !
! `` 、``ヾ, ー-- 、__>'r-'´ { / / / { !
} `}、/`"´  ̄´くRヽ ヽ / { / ! }
| i' ヽ'´ハ ヽ/ ! {``> - 、_ /
l { } }、 } { ! / `ヽ、/
! ! ! { ト'、_レ
| { } | ノ
>>8 8~、今なんかとっても熱い事言わなかった~?ねぇ?
{08DonC0}
アイヤー、そのままコピペするだけじゃダメネ。
…中国人はよほどの事がない限りアイヤーとは言わないらしいけどw
新スレ乙 誰かともねえのSSを投下してくれ・・・
誰もいないかな?
いないなら携帯からこっそり投下を始めようかなぁ
いないならいいよね!
いいよね!
17 :
常識の壁:2005/11/20(日) 02:55:13 ID:eVMo0IToO
「2-Cの対馬さ~ん、職員室まできてくださ~い」
放課後、放送で俺を呼ぶ声が聞こえた。
「祈ちゃん、呼んでんじゃん。レオ~、おめ~何かしたんか?」
カニが聞いてくるが、まったく見当がつかない俺…。
「何もしてね~よ!フカヒレじゃないんだし。まあ、とりあえず行ってくるかな…。
姫、今日はこのまま帰っても大丈夫?」
「ん~、特に用事は無いからいいわよ~」
佐藤さんが入れた紅茶を飲みながら、顔さえ向けることなく答える姫。
「んじゃ、おつかれさん」
そう言って竜宮を後にした俺は、呼び出された理由について考えてみた。
会ったところで別にケンカする訳でもないんだが…。いったい何の話だろ??
祈先生とのダラダラとした付き合いがはじまって、もう半年近くなる。
その間俺達はマッタリとした関係を続けてきた。ケンカなどするはずも無く、
会いたい時に会い、やりたい時にやりたい事をやっていた…。
「まっ、今夜のお誘いか何かだろ…」
なぜか嫌な予感がしたが、無理矢理かき消すと職員室に向かった。
「失礼します」
職員室の中は夕日が差し込んでおり、思わず目を瞑ってしまった。
「…遅いですわよ、対馬さん」
目を開けると祈先生が目の前にいた。少し眠そうな顔をしている。
18 :
常識の壁2:2005/11/20(日) 03:02:25 ID:eVMo0IToO
「何か用で……先生?」
俺の話が終わる前に、倒れかかるようにして抱きついてきた。
「今日も一日疲れましたわ~…」
「いったいどうしたんですか…ってか、ここ職員室ですよ!」
「大丈夫ですわ。他の先生方は、今会議中ですから。」
「先生は出なくて大丈夫なんですか、会議?」
当たり前であろう疑問をぶつける俺。
「出られませんわ~、会議の内容は私達の事ですから」
「なるほど、祈先生の事はなしてるなら出られませんよね~」
「私達ですわ」
「先生、また何かしたんでしょ?この前、鉢巻先生の私物を怪しいことに
使って殺しかけたばかりじゃないですか…」
「私達の関係が、皆さんに知られてしまったようなのです」
「今度は…、どうせ館長の髭でも使って変な事してたんでしょ?」
「確かに、『量産型橘平蔵』を作ろうとはしましたが…それとこれとは別ですわ~」
当たるのはいつも、嫌なことばかり…。神様ってやっぱり意地悪だよ
「いつバレたんでしょうね?」
「聞いたのは今日なのですが、内容からするに先週の話ですわね」
先週は、いつも通りにドライブしてご飯食べてHしてHしてHして…
確かに見られてもおかしくは無いデートコースなだけに、お互いにいつかはバレる
だろうとは思っていたが、こうも突然にやってくるとは…
いないと見せかけておいて支援
20 :
常識の壁3:2005/11/20(日) 03:08:06 ID:eVMo0IToO
「それで、先生はその話をするために俺を呼んだんですか?」
最悪の事態には違いないが、なぜか俺の心は落ち着いていた。
俺たちのポイントは『マイペース』 そんな祈センセイの答えはこうだった…
「まさか、会いたくなったから呼んだだけですわ」
「ですよね~」
別にやましい事をしている気はない。単に好きになった人が教師だっただけ。
お互いに心地の良い距離をとって、本能に従ってお互いを求める。
実に人間らしい関係。他人にどうこう言われようが関係ない。
「しかし、面倒ですわね…。あ~、面倒くさいですわ~」
いかん、このままだと関係を終わりにするとか言いかねないな…。
「確かに面倒なことになりましたね~。どうしましょうか?」
とりあえず聞いてみる。
「面倒だからもうオシマイですわ~」
ぐっ!!いきなりきやがったか…。しかし、引くわけにはいかない!
「会う頻度を減らしてみるとかどうですか?」
「私が会いたいときに会えないと意味が無いので、却下ですわ~」
「それじゃあ…って、それくらいしか思いつかないな…」
「確かに、対馬さんと一緒にいると安らぎますし、心地よいですわ。今こうやって
抱かれているだけでもついウトウトしてきます…」
「お~い、寝ちゃだめですよ~!」
支援
22 :
転載:2005/11/20(日) 03:22:57 ID:69MVyjce0
859 常識の壁4 Mail : sage
「あぁ~あ、寝ちゃった…。危機感が無いというか、何も考えてないというか…」
とりあえずこのままじゃマズイので周りを見渡すと、部屋の隅にソファーがあった。
「来客用かな?まあいいや、あれに寝せよう。失礼しますよっと」
先生をお姫様抱っこしてソファーまで運ぶ。思ったより軽い…
口に出すと起きて怒り出しそうなので、言葉を飲み込みソファーに向かって歩き出す。
そして、のんきな顔で寝ている祈先生をソファーに寝かせた。起きる気配は無い。
「さて、これからどうしようかなぁ…」
正直何も思いつかない。困り果てた俺の目に校庭を歩くフカヒレの姿が目に入った。
「幸せそうな顔して歩いてやがるなぁ…。むかつくぜ!」
人が悩みを抱えている時に幸せそうなだけでむかつくのに、それがフカヒレとは!
「許せん。あいつには明日一日、カニのおもりをさせよう。」
今日帰ったら、フカヒレのカニに対する悪行三昧を暴露しよう。
明日はカニ地獄だ、ざま~みろ…
「えぇ~っと、カニ悪口集を書いたノートはどこに入れたかな?」
鞄の中をさがす。いざという時の為に書き集めていてよかった。
しかし、鞄のどこを探しても見つからない。竜宮のロッカーに忘れてきたかな?
「しゃ~ない、面倒だけど取りに行くか…」
まだ誰も鍵を返しに来てないし、姫か佐藤さんあたりが残ってるんだろ。
さっさと取ってきて今の嫌な気持ちを少しでも早く解消しよう。
んっ、まてよ…。
「竜宮か!あそこなら昼間(姫は別として)誰も来ないしいつでも会えるじゃないか!」
なにより祈先生は生徒会執行部の顧問。鍵も管理してるし、姫がいない時間に合わせさえ
すればまさに最高の環境だ。
なぜ今まで気が付かなかったのか不思議なくらいだ。明日、祈先生に相談してみるか。
ひょんな事から出てきた解決案。フカヒレへの嫌がらせなど、もうすっかり頭に無かった。
また、先生とのまったりとした時間が過ごせると思うと、自然に頬が緩んだ。
2005/11/20(日) 03:13:33 ID:eVMo0IToO (携帯)
23 :
16:2005/11/20(日) 03:24:49 ID:eVMo0IToO
生きててごめん
呼吸していてごめん
もう一回はらせてゴメン
逝きます
しえん
25 :
16:2005/11/20(日) 03:29:45 ID:eVMo0IToO
ありゃ、はってくれてる!
どこのどなたか存じませんがこりゃどうもご親切に!
これだけ騒いでなんですが今日はここまでしか書いてません…
しかし、携帯からだとこんなに苦労するとはおもわんかった!
しかも何か読みにくいし、みんなに迷惑かけたし、眠いし…
GJ!続き楽しみにしてますよ
作品の内容とは別の意味で楽しませて貰ったよw
送信したのに反映されて無くて焦って連投してもまだ反映され無くて
字数を減らして試してみたりと。頑張ってる様が目に浮かぶようだったw
>>25 GJ!祈先生とは珍しい。続き、楽しみにしてます。
>>26 前スレでのつっこみ吹いたw
28 :
16:2005/11/20(日) 03:46:45 ID:eVMo0IToO
ちなみにこのまま純愛路線でいくか、おもいっきりエロに走るか
正直悩んでます
よろしかったら皆様の意見お聞かせ下さい
>>26 まさにそんな感じでしたよ
かなり焦りましたw
>>27 最近少ないのであまり比較されないかなぁ~と…
初心者のビビリ根性、笑って下さい
もし、決まりましたら仕事中にでも書いてみますんで
んでは、支援㌧クス&お目汚しスマソ
>>28 迷わずエロスの村に向かって走れ!
若いうちはエロスがあってなんぼだ!
キミの命がけの携帯からの書き込み!
ぼくは敬意を表する!
>>28 いや!どう考えても純愛路線に!!
つよきすに求めているのはエロスではないんで。
>>28 すまん。これを忘れてた。
GJ!!
続き待ってます^^
純愛純愛純愛純愛ぃ!!
どうせなら両方書いて欲しいと思ってる酷な俺ガイル
(・∀・)イイヨイイヨー
ここで欲張りなオレが一言
純愛とエロは両立する
祈ちゃんでじゃなくていいけど
つまりよっぴーの純愛テラエロスwwwwwwwwな話が読みたいというのだな。
「しかしこのエコノミーってのは狭いわねー。
エコノミー症候群って病気ができるのもわかるわ。」
「やっぱりエリカはファーストクラスに変えてもらえば良かったんじゃないか?
慣れてない分辛さも増すんじゃ?」
心配してくれるレオ。それはありがたいけど、
「皆で行く修学旅行、自分から仲間外れになるのも変じゃない。
それに、狭い分レオと近くになれるのは嬉しいわよ。」
「うっ!」
一瞬で顔が赤くなる。相変わらずからかいがいがあるわね。ま、嬉しいのは本当だけど。
「おいこら前のバカップル!公衆の面前でうぜーことやってんじゃねえー!!」
「カニっち、声が大きいってばあ。」
後ろに座るカニっちからつっこみ。
最近よく絡まれる。幼馴染のレオをとっちゃったからかな?
私には幼馴染というのがいないからわからないわね。
ううむ。よっぴーが誰かにとられるようなものかな。それは確かに嫌だ。なるほど。
「ま、新鮮な体験としていいわよ。今後の部下の扱いの参考にもなるしね。」
「そういうことならいいのかな。定期的に座りながらでもできる体操とかして、
体動かすようにね。」
「はいはい。体が痛くなってきたらレオにマッサージしてもらおうかしら。」
「そうだな、痛くなったら言ってくれ。」
くっ、やられた。今度はこっちが顔を赤くしちゃったじゃない。
レオはたまにこうやってまっすぐ返してくるから困る。まあ、そこも好きなんだけどね。
「けど、スウェーデンでオーロラ見物か。楽しみだ。」
「そうね。あんまり寒いのは御免だけどね。」
バラも出せないような寒さは嫌よ、と付け加える。
私たちは今回の修学旅行の行き先をスウェーデンに決めた。
館長とアバラチア山脈を攻めてみるってのもおもしろそうだったけど、
よっぴーがスウェーデン希望だったし、オーロラをレオと眺めるのも悪くない。
折角の修学旅行、今回は楽しむのに徹しよう。
機内食が配られる。味は、・・・まあ仕方ないか。
のどが渇いたのでカバンからペットボトルを取り出す。
「あれ、エリカ、飲み物は出てるのに何で空港で買ったお茶飲んでるの?」
「どうもこういうところで人に入れられる飲み物ってのが信じ切れないのよ。
家にいるとね、そういうのに睡眠薬いれられるとかって話、よく聞くし。」
「・・・なるほど。佐藤さんや俺が入れたのを飲んでくれるのは信用してくれてるからなんだ。」
そりゃね、と答える。
「じゃあ、俺も合わしておこうかな。」
レオも来る時に買っていたお茶を取り出した。
「別に合わせる必要は無いわよ。」
「いいや、ナイトとして姫にだけそういうのをさせるのは無理だね。」
「全く・・・言ってなさい。」
ちょっと顔が赤くなってしまった。
そんなこんなで機内食を食べ終わり、食後のドリンクが配られる。
特に喉は渇いていないと断った。レオも合わせて断る。
おなかも膨れ、そろそろと皆が寝静まり始めたその頃に、その異変に気がついた。
「ちょっと、レオ、起きてる?」
「んん、どうしたのさ?」
レオが目をこすりながらこちらを向く。ちょっとかわいい。
ってそんな場合じゃない。
「まだ確証ないし、絶対に騒がないで聞いてね。」
「まさかこの飛行機がハイジャックされたとか?」
「意外。気づいてたんだ。何で気づいたの?」
「って、えええええ!?マジ?もがっ・・・」
あわてて口を押さえる。
「ちょっと、静かに!気づかれたらどうするの?
まあ、まだそうと決まったわけじゃないけどね。
さっきからスチュワーデスが一人も見当たらないのよ。
普通なら所定の位置で客の様子を伺ったりしてるのに。」
頭を押さえたままレオに周りを見回させる。
「確かに、いないね。」
「一人いいおっぱいの人がいたからチェックしてたんだけど、
前の方に行ったっきり戻ってこないのよ。それで気になってね。」
「おっぱいで気づいたのかよ・・・」
あきれた口調で返すレオ。いいじゃない、趣味なんだから。
まあそれは置いといて、と座席の前に取り付けられた個人用テレビの画面を操作する。
「あと、どっちかって言うとこちらの方が重要なんだけど、
さっきから前の画面の航空経路が映し出されないのよ。
普通は今の位置とかが出るもんなんだけど・・・」
「ああ、確かそんな機能があったっけ。さっきから映画見てたから気づかなかった。」
「ま、ほとんどの人はそんなもんよね。だからまだ騒ぎ出す人もいないのかな。」
「ほんとにハイジャックなのか?」
「わからないわよ。現状ではその恐れがあるってぐらいね。
だから、確かめに行くわよ。」
「わかっ・・・ってえええもがっ。」
「だから静かに!今のところ特に何かあるってわけじゃないんだから、
騒ぎ立てるのも変だし、放っておくには事が大きすぎるでしょ。
とりあえずの確認よ。」
「でも危ないんじゃ。」
心配してくれるレオ。ありがたい。けど、
「その時はナイト様がついていてくれるんでしょ?」
「くっ。」
案の定詰まる。伝家の宝刀ね、この言葉♪
「仕方ない。けど危なそうになったらすぐに引き返すぞ。それだけは約束。」
「もちろん(おもしろそうだったら残るわよ)。」
「何か小さい声で言わなかった?」
「何にも~。」
携帯より、記念支援
二人でそろそろと前の方の席を目指す。
周りを見渡すと、ほとんどの人が眠っていた。
「確かに、スチュワーデスが一人もいない。これはやっぱりおかしい。」
「そうね。それにしては犯人らしいのまで見かけないわね。
一体どういうことなのかしら?」
「!!エリカ、ファーストクラスの方がおかしい。」
「スチュワーデスが縛られてるじゃない!前の方の人たち、何で気づかないの!?」
後ろを見ると、不自然な感じがした。
ほとんどの人が寝静まっている。ああ、なるほど。
「やられた、薬ね。」
「薬?」
「ここまで皆寝てるなんて不自然だわ。
きっとさっき出た飲み物に睡眠薬が混ざってたのよ。
私たちは飲まなかったでしょ。他の人は皆飲んじゃっだみたいね。」
「まあ、普通飲んじゃうよな。」
「動けるのは私たちだけってとこかしらね。」
ひそひそ声で話しながら前方に聞き耳を立てる。
縛られているスチュワーデスの横から話し声が聞こえてきた。
隠れながら覗くと、二人の男が話している。意外に普通な感じの輩だ。
「しかしハイジャックとは・・・ね。」
「天下の・・・財閥の・・司が・・・。」
「・・・スチュワーデスが・・・しっかり見張ってないとな。」
ちょっと聞こえづらいけど、なるほど、こいつらが犯人か。
目的は私の身代金ってとこかしらね。
しかし何でまたこう、流れを話してくれてるような親切な犯人がいますかね。
ご都合主義万歳!・・・けどお約束すぎよね。
まあ、楽といえば楽だけど。
「レオ、左の奴任せた。二人しかいないみたいだし、一気にいくわよ。」
「げっ、マジでやるの?」
「あったりまえでしょ。級友を守って戦うヒーロー!くーっ、燃える!」
「やっぱとめても無理か・・・まあ確かに、この状況はたしかに放っておけないな。」
どうやら火がついたみたいね。頼もしい時の目つきになってるし。
この目のレオは信頼できる。
「じゃあ、いくわよ。」
「おう、任せろ。」
小声の打ち合わせは終了。二人同時に飛び出し、一息に襲い掛かる。
「何っ!?」
こっちに気づいた敵Aが瞬時に貫き手を放ってきた。
意外にできる!レオは大丈夫!?一瞬頭によぎる。
しかし今はそんな余裕はない。左手で攻撃を流し、
「調子にのりすぎね!」
相手をつかんで空中に放り投げ、エリアルコンボを決める。
「後悔なさい!」
「ぐあっ・・・。」
受身は取ったようだが、追撃で入れた背中への一撃で昏倒した。
「ここまでよ!こっちは良し、と。レオっ!!」
横を見ると、レオが相手の懐にもぐりこんでよくわからない蹴りを決めるところだった。
「取った!これで決める!」
「あべしっ!!」
吹っ飛ぶ敵B。壁にぶつかり、こちらも昏倒した。
「やるじゃない、レオ。こいつら意外にできたから心配したわよ。」
ほっとしながら、レオに近寄る。
「姫のナイトとして、がんばらなきゃいけないからね。
乙女さんに厳しめにしごいてもらってる成果が出てくれたかな。
それよりエリカ、怪我はないか?大丈夫か?顔赤いけど。」
「だっ、大丈夫、怪我はないわ。ちょっといきなり動いたから疲れただけよ。」
レオ、私のためにがんばってくれてるんだ。何か照れるじゃない。
支援━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
「それはそうと、早く縛られてるスチュワーデス達の縄を解くわよ。」
「ああ、わかってる。ついでにその縄でこいつらも抑えとくか。」
「そうね。」
二人で手分けしてスチュワーデス達を解放していく。
「大丈夫、怪我はないかしら?」
スチュワーデスは状況が掴めないのか目を白黒させていたが、
周りを見渡して落ち着いたのか機内の更に前方を指差した。
「もう一人、犯人がいます。操縦室の方に向かっていきました!」
なるほど、スチュワーデスを人質に操縦室から乗っ取るつもりか。
「姫、どうする?」
「残りの奴もとっちめるに決まってるでしょ。
折角のレオとの修学旅行にケチつけたんだから、
きっちり落とし前つけさせてもらうわ。」
まあ、レオと二人でハリウッド映画の主人公みたいになってるのは面白いけどね。
しかしなごめたのもつかの間、前方から一人の男が現れる。
「やはりですね、機長の方まで・・・むっ、これは一体!」
「あらら、戻ってきちゃったようね。」
「何かエリカの方が悪者っぽい・・・」
けど意外。そこに立っていたのは見るからにぼっちゃんという奴だった。
ハイジャックなんてするんだからと、ごついのを想像してたのに。
「あなたがこいつらの親玉ってわけね?」
「その呼び方には少し違和感がありますが、一応主ですね。」
「あなたの子分たちはもうおねんねしちゃったわよ。」
「ますます悪者っぽいー!」
レオ、うるさい。
「確か、霧夜のお嬢さんですよね?落ち着いてください。」
男の手にはいつの間にか花が握られている。
「むっ、あんたもバラが出せるのか!?」
「いえ、これはクチナシですが。」
「良かった、バラじゃないのか。エリカの負けず嫌いが発動して、
バラ出し勝負とか奇人対決でも始まるんじゃないかと心配したぜ。」
レオ、さりげなく失礼なこと言ってない?
「けど、私の素性まで知ってるってことはやっぱり!」
「いえ、何度かうちの主催のパーティーで見、っ!」
「問答無用!」
一息に踏み込んでお嬢様キックを放つ。
が、男は軽やかにかわした。
「ちょっと、避けないであたりなさいよ!」
古武術の動き!?こいつ、さっきの奴ら以上にやる!
「く、何故かあなたの声を聞いていると言うことを聞きたくなってきてしまう、
なぜだろう?き、聞いてください、私の名前は摩周慶一郎と言います。」
その名を聞いて、攻撃の手をとめる。
「摩周財閥の御曹司の名前じゃない。って、そういや確かに見たことあるような気が。」
よくよく見れば、このちょっと抜けたような顔は確かに。
「霧夜家は何度かうちのパーティーにお呼びしていますから。」
ああ、なるほど。それでか。って、それじゃ
「ちょっと待って、じゃあおかしいわ。何で後ろの連中は皆寝かされているのよ!?」
「やはり勘違いしていたようですね。私たちは襲われたから取り押さえただけです。」
「くっ、成る程ね、ぬかった!つまり本当のハイジャックは・・・」
気がつけば先ほどからレオの声が聞こえない。
レオっ!?
「気づいたようね、霧夜のお嬢様。本当のハイジャック犯は私たち。
全く、摩周家のぼっちゃんまで乗ってるのは計算外だったわ。
SPに飲み物の睡眠薬にきづかれちゃって襲ったけど、
返り討ちにあっちゃったしね。ラッキーと思ったけど、
二兎追うものは一兎も得ずになるところだったわ。」
なるほど、そういう状況だったわけ。
後ろを向くと先ほどのスチュワーデスの一人が、
かばっていたレオを羽交い絞めにしていた。
後ろに控える奴も含めると6人・・・多すぎる!
「まさかスチュワーデス全員がすり代わってるとわね。」
「ふふふ、それだけの価値があなたにあると感じる人がいるってこと。
あなたのおかげで形勢を逆転させてもらったから教えといてあげる。
機長も私たちの仲間。睡眠薬はおまけでね。一度北朝鮮に着陸させて、
武器を手に入れてからゆっくり抑える予定だったのよ。
全く、中々予定通りには行かないものね。」
おおげさにため息をつくスチュワーデス。
プロね・・・話しながらも隙がない。私の親族からの回し者か・・・
「まあ、あなたを簡単に取り押さえられる状況が来たのだし我慢しましょうか。
この子は貴方の大事な人なのでしょう?」
抑えこんだまま、レオの首を軽く締め上げる。
「ぐっ!」
苦悶の声をあげるレオ。
「・・・どうすればいいわけ?」
「とりあえずは、おとなしくつかまってもらおうかしら。
あと、後ろで動こうとしてる摩周のぼっちゃん!
あなたが動いてもこの子が痛い目にあうわよ。」
「くっ・・・」
後ろで動いてくれようとしていた摩周さんもけん制された。
「仕方ないわね・・・」
「ぐっ、や、やめろ、エリカ。お、お前ら、計画通り行かなかった上、
こ、こんな状況になって自分の計画垂れ流してる奴なんて典型的な死亡フラグだぜ!
ぐあああああ!」
「だまりな!」
反抗するレオの首を締め上げる。
「やめて!おとなしく捕まるから!」
仕方ない、ここは一度捕まってから策を練るしかないか・・・。
つ①
つ①
つ①
つ①
一度は抑えられる覚悟を決めたその時、
「うるさい・・・。」
少し後ろから、きつい印象の、黒髪ロングの女性がゆらりと立ち上がった。
「な、なんだお前は?」
「さっきからうるさいのよ。寝れないじゃない。黙れよ。」
げ、現在の状況わかってない?けど、なんていう威圧感なの!?
「えっ、えっ・・・」
犯人まで怯えちゃってるし。
それでもさすがプロ、犯人の見せた隙は一瞬。すぐに立て直す。が、
「今よ、摩周さん!」
「はっ!」
私たちはその一瞬の隙を見逃さない。
見逃すわけには行かない!
摩周さんは犯人に飛び掛り、同時に飛び掛った私がレオを奪取する。
「レオ、大丈夫!?」
「げほっ、げほっ・・・だ、大丈夫。問題ない。」
「良かった・・・。全く、レオをこんな目に!許さないわよ!」
レオを奪取したとは言え、気は抜けない。
相手は6人もいる。私たちだけで、勝てるか!?
焦りを感じたその時、こちらの動きにこっちへ目を向けた、
後ろの方で後部席へ目を光らせていた犯人の一人が崩れ落ちる。
「レオ、姫、遅れてすまねえ!」
「スバル!」
ナイス援護!しかしいきなり現れるとは・・・もしやレオへの愛の力!?
「よくも俺のダチの首をしめてくれやがったな、ゴラァ!」
一気に畳み掛けるスバル君。
後ろから不意に迎撃され、唐突に挟み撃ちの形にされた犯人は脆かった。
こうして、犯人はスバル君と摩周さんによって一気に沈黙させられた。
紙園
「二人とも、大丈夫か!?すまねえ、助けるのが遅れた。お前らがいないのに気づいて、
見に来てみたんだが、ちょうどレオが捕まっている状況だったんでな。」
「そんなことない、すげえ助かったよ。」
「そう、本当に助かったわ。」
スバル君が来なければ、どうなってたかわからなかったわね、実際。
さすがに真正面から戦っていたら厳しかったと思う。
「けどスバル、お前はドリンク飲まなかったのか?睡眠薬が入ってたらしいんだけど。」
「ああ、俺のは全部カニに取られちまったんで、途中で買った飲み物飲んでたんだ。」
カニっち…。一応、感謝なのかな?
後ろでは摩周さんとさっきの女性が話している。
「全く、とんだ行程ね。摩周家のSPとかいうのも役に立たないものね。」
「申し訳ありません、要芽さま。次こそは鉄の者を口説き落として見せます・・・。
イギリスへ行く前への気晴らしと、私自身が提案したオーロラ見物だというのに、
こんなことになってしまい本当に申し訳ありません・・・」
「まあ、仕方ないか。貴方のせいではないし。」
「要芽さま・・・」
あまり興味がない、といった感じで女性が話を打ち切った。
話が途切れたようなので、話しかける。
窮地は抜けたが、もう一つ大事なことが残っている。
「先ほどは犯人と勘違いしてしまい、すいませんでした。
そして彼を助けていただき、ありがとうございました。
ところで、先ほど機長の方も犯人とのことでしたが、どうしましょう?」
「ああ、先ほど犯人の一人を利用して、操縦室をあけさせて取りおさえておきました。
今は私が連れてきた、資格を持つSPが操縦しております。ご安心を。
おそらく、一度中国あたりに着陸することになるでしょう。」
なるほど。って、実は私たちが来る前に事件はもう解決してたの!?
もしかして私たち、事を蒸し返して、ややこしくしただけ!?
ぬかったあああああ!!!顔から火が出そうになる。
「フフフ、可愛いわね。」
先ほどの女性がこちらを見て笑っている。くっ、からかわれてしまった。
「ところで、エリカ。」
レオが話しかけてくる。正直この状況はきつかったんで助かった。
「何かしら?」
「さっき、やめろといったじゃないか。何で投降しようとしたんだ!
何とかなったから良いものの、もし捕まってたらどうなったかわからないんだぞ!
俺なんかを切り捨てられないようじゃ、世界なんてつかめない!」
まじめな顔をして説教してくる。思わず頭を抱えて、ため息をついてしまった。
「な、何だよ。」
意外そうな顔をするレオ。全く、わかってないわね・・・
「いい?よく聞きなさい!レオのいない世界なんてね、つかむことを考えられないの。
私の覇道はね、もうレオと一緒に歩むものってことになってるの。
私が世界をつかむのに、あなたを切り捨てるなんて選択肢は無いのよ!」
「・・・っ!」
「大体、全てをつかんでみせるのが私って言ったのは貴方でしょう、レオ。
両方とってこそ私。もし捕まってたってね、絶対どうにかしてみせたわよ!
レオ、貴方は私を信じたんでしょ?だったら最後まで信じつくしなさい!」
あー、もう、私もレオの熱血病がうつっちゃったのかしら。
自分でもちょっと無茶言ってると思う。多分、今の私の顔の色は真っ赤だろう。
「・・・わかったよ、エリカ。ごめん。」
レオの顔色も赤い。
「わかればいいのよ!」
これ以上恥ずかしくて耐えられないわよ、全く。
耐え切れず、後ろを向いてレオに背を向けた。
「熱いわね・・・私にも、ああいう考え方ができれば違った結末もあったかしら・・・」
後ろで聞いていた要芽は考える。
「次に会えたらその時こそは、か。」
流れ行く外の景色を見ながら呟いた。
結局飛行機は中国の大連空港に着陸し、ハイジャック犯を受け渡すことになった。
本来ならこんなことになったら修学旅行は中止なんだろうけど、
「折角の修学旅行がそれではつまらんだろう」という橘館長の一声で、
そのまま大連組に合流することに決まった。さすが館長といったところか。
摩周さん達はそのまま飛行機を乗り換え、イギリスへ向かっていった。
いつかきちんとお礼をしたいと思う。
私たちは今、二人で大連市内をまわっている。
旅行先は変わってしまったが、まあレオとの修学旅行というのは続けられたのだし、
良しとしよう。
「レオ、次はどこ?自由時間は少ないんだし、さくさくいくわよ!」
「ちょっと待ってくれ、いきなり目的地変わったんだから全然わかんないよ。」
「もう。じゃあ、どこでもいいから歩きながら探しましょ。」
「えっ、それでいいの?」
「いいのよ。レオとならどこでも楽しいわ。」
「っ・・・」
フフフ、また顔赤くしちゃって。あんなことがあったからか、私今少し大胆かも。
ま、旅行中くらいはいいでしょ。帰ったら、さらに忙しく動かなきゃいけないしね・・・。
「ほら、行くわよ!」
レオの手を取り、二人で異邦の街を走り始めた。
END
ラストしえん
>>53 GJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!
最高ですた!!!!!!!
56 :
89:2005/11/20(日) 15:59:13 ID:VKhZ9oi30
姫エンド後、修学旅行編です。といっても飛行機限定ですが(汗)
姫にデレさせたかったんですが、難しい・・・
改めて『夢と野望と』の方の姫デレが素晴らしかったことを思い知らされました。
姉しよとのクロスオーバーというよりは、姉様&摩周さんのゲスト出演といった感じです。
出す予定は無かったんですが、いつのまにか・・・。
姉様は1終了後の、海外へ出るところという設定です。
>>支援してくださった方々
いつもありがとうございます。スムーズに書き込めるので助かります。
>>55 ありがとうございます!
姫が要芽の顔を知らないというのもアレだがGJ
>>56 くはぁーーー!!
GJだぜ!!!
姫スキーとしてはたまらんです。はい。
よく考えて作ってあることを感じましたよ。
同時に姉様スキーとしてもあの一言良かったです!
>>89 GJ!!
姫テラカワイス!!
最高でした!!
コノアトニ、トウカナンテ、デキルハズガネェヨ…
ヒッソリスルノヲ、マチマスカ…
60 :
89:2005/11/20(日) 16:30:11 ID:VKhZ9oi30
>>57 うああああ、確かに!!気になる方、
(9/12)の、少し後ろから、きつい印象の、黒髪ロングの女性がゆらりと立ち上がった。
の下に{あっ、あれは確か巷で氷の弁護士と呼ばれてる柊要芽!?}
を入れて、
(10/12)の「さっきの女性」→{柊要芽}
あまり興味がない、といった感じで「女性」→{柊要芽}が話を打ち切った。
の下に{摩周のぼっちゃんを使えない部下扱いとは・・・やるわね。覚えておきましょう。}
を入れて、
(11/12)の「先ほどの女性」→{柊要芽}
(12/12)の「摩周さんたち」→{柊要芽たち}
いつかきちんとお礼をしたいと思う。の下に
{その時にできればあの二人を仲間にできないものかとも思う。}
をつけてみてください・・・
ってよみづれーーーーー・・・すいません、ホントすいません・・・orz
61 :
89:2005/11/20(日) 16:33:54 ID:VKhZ9oi30
>>59 そんなこと言わんといてください。ワクテカして待ってます。
62 :
前スレ309:2005/11/20(日) 16:36:59 ID:RkPtt8bq0
>>56 GJ!!
姫がデレデレでいい感じです。
態度にあまり表していないだけで、デレっぷりは十分伝わってますよ
これを「夢と野望と」の続きという事にすれば
俺は続き書く必要なくなるくらいw
>>56GJ
それはそうと、
>>48はVSヴァニラのポルナレフか?
①仲間が来て助けてくれる
だっけ?w
65 :
28:2005/11/20(日) 17:56:18 ID:eVMo0IToO
>>64 4円じゃね?とマジレス
[チラシの裏]
朝起きて、
>>29を呼んで仕事に行ったので
エロス書きそうになった…ってか、ちょっと書いちゃったよ(´Д`)
書いてて自分がキモかった…
やっぱ純愛なのか…
66 :
89:2005/11/20(日) 18:56:17 ID:VKhZ9oi30
>>63 ううう、確かに・・・姫にぬかったやらせすぎた反動か・・・
{あっ、あれは確か巷で氷の弁護士と呼ばれてる柊要芽!?}
→{あっ、あれは確かうちの顧問弁護士の、氷の弁護士こと柊要芽!?}で
>>62 そんなこと言わずに姫デレ分補充頼みますーーー!!m(_ _)m
>65
大丈夫だ。俺もキモいから
68 :
久しぶりに:2005/11/20(日) 21:49:35 ID:0WpD2Wap0
SS書こうとしたら、文章書く力が地に落ちてたわ…orz
70 :
名無しさん@初回限定:2005/11/20(日) 23:54:01 ID:2MYuwYM4O
リハビリだと思って書くんだ!
HPのほう、スカイパニックまで一気に更新されたな
GJだぜー中の人
今日の金メダルはQちゃんだが、銀メダルはおまいにやるよ
72 :
89:2005/11/21(月) 00:04:01 ID:7TD+MG780
>>中の人
乙です。
訂正した箇所まできちんと変えていただき、ありがとうございました!
中の人乙や
ところで今日の投下はないのかにゃ??
ワクテカしながら待っているんだが・・・
74 :
保管庫の中の人:2005/11/21(月) 00:18:08 ID:KLFhwnot0
>>71>>72 どもです。
銀メダルはいいので昨日の漏れに
「デュランダルは着外」と言ってきてもらえませんかorz
デュランダルか!
おまいはデュランダルに賭けたんか!
中の人はそんなん(ry
76 :
保管庫の中の人:2005/11/21(月) 00:21:11 ID:KLFhwnot0
>>73 時間差でどもです。
ではあなたには一昨日の漏れに
「オンファイアはオンファイア(笑)」と言って来てもらおうかなorz
>>76 おうおう!なんでも言ってやるぜ!?
載せてもらったりしたからな…
「オンファイアはオンファイア(笑)」
すまん…俺には元ネタがわからn(ry
78 :
名無しさん@初回限定:2005/11/21(月) 01:12:38 ID:AChEBPHyO
姉や分が枯渇してます><
79 :
常識の壁5:2005/11/21(月) 01:15:10 ID:210gpGLlO
次の日、先生の授業の空き時間となる5限目。
俺と先生は竜宮で午後のティータイムを楽しんでいた。
「昨日の会議、どうなったんですか?」
先生はいかにも面倒だという風に目を伏せた
「別に…、特に何ということもないですわ。以後慎むようにと言われた程度ですわね」
「へぇ、以外にあっさりしてましたね」
少し拍子抜けしたが、今この瞬間…祈先生と過ごせる時間を素直に喜ぶことにした…。
紅茶を飲み終わり、一息ついた所でどちらからともなく寄り添っていく。
次第に密着していき、今は俺が先生に寄り添っているという状態。
先生の肩を抱き、髪を撫でる。
優しい微笑で見つめてくれる先生。
儚くも感じられ、それでいて守られているような心地よい安心感がある。
もっと感じたい。もっと触れたい。当然の感情が頭をよぎる。
思ったままの気持ち、やりたい事を行動に移していく。
初めに頬にキス。目が合ったところで口に移し、2回3回と軽いキスを繰り返す
目は開けたまま、お互いの存在を確認しながら…。
それだけで十分幸せだったが、若い俺にはまだまだ物足りない。
まずは手を伸ばし、先生の胸に軽く触れた。
「本当に胸がお好きですわね…」
「大好きです」
俺は即答し、先生の胸に顔をうずめた。
「ふふっ、幸せそうなお顔ですわ」
そう言うと、俺の髪を撫でてくれた。
上から下からのふわふわとした感触に、俺は睡魔に似た感触を感じた。
圧迫感はあるが決して苦しくない。俺にとっては世界で一番安心することが出来る場所だ。
しばらくその感触を楽しんだ後、胸から顔を離すともう一度軽くキスをした。
80 :
常識の壁6:2005/11/21(月) 01:18:51 ID:210gpGLlO
「今度はちゃんと触りますね」
体勢を入れ替えて先生の後ろに回りこむと、羽交い絞めにするように胸を揉み始めた。
「…対馬さん、私はあまり楽しくないですわ」
「揉んでる方は最高です」
「それは何よりですが…、私の方は満足させてはもらえませんの?」
「まだまだ!これからですよ!」
そういって今度は首筋にキス。
「んっ…、楽しみにしてますわよ…」
胸からお腹の辺り、そしてふともも…その裏側、お尻と順に優しく撫でていく。
「くすぐったいですわ…」
「じきに良くなりますって…」
「オジサンみたいな言い方は止めてください…」
少し困った顔をした先生に笑いかけると、その手を先生の下着の上にもっていき、
スジに沿って更に優しく指を動かした。
「…大分…、上手…く…なってきまし…たわ…ね」
先生の呼吸が、若干荒くなってきた。
今度はスジに食い込ませるようにちょっと強めに指を動かす。
「ぁあ…、っはぁ…なかな…か良…いですわ…よっ…」
先生のセクシーな下着は、一本の食い込み線が入りその卑猥さを増していた。
下着越しにも濡れてきたのが分かりだした頃、
今度は直接触る為に、下着の中に手を差し込んだ。
それと同時に反対の手を、お尻の方から差し込み後ろの穴を刺激した。
81 :
常識の壁7:2005/11/21(月) 01:21:32 ID:210gpGLlO
「やぁっっ…、つ…対馬さ…ん。そっちは駄…目だ…といつも…ああぁっ」
お尻の方まで十分に濡らし、2つの穴の周りを撫で回す。
特に、後ろの穴の周辺を攻めると、いちいちビクッと反応してくれる。
「はぁっ…あっあっ…だ…め、やあぁぁ、んっ、あっ、あっ」
「…こっちは本当に弱いですね。可愛いですよ、先生」
「…あんまりいじめないでくだ…さい。…はぁっ…んはぁ…、んっ」
「…先生…そろそろ…」
パンパンに膨張したものを取り出し、先生にそえる。
「そう…んんっ…ですわ…ね 私も もうっ…ああっ」
先生の返事を聞き終わる前に、俺は座ったまま一気に貫いた。
自由になったモノが、先生の中で喜びを爆発させる。
俺は夢中で動き出した。
「はぁ はぁ はぁ 先生、すごく気持ちいい」
「あっ あああっ あっ…んっ 対…馬さぁ…ん」
我慢していた分、すぐに果てそうになるがそれを無視して動き続ける。
動きやすい体勢ではないが、下から力の限り突き上げる。
「あっ 私、す…ごい あっ あっ 対馬さんっ つっ対…馬さんっ んあっああ」
先生の腰がガクガクと震える。お互いもう限界に近い。
「先生っ、もうっ、駄目だ………くっっ!」
「やぁあっ ああっ っだめぇっ、あぅっ あっ あああぁぁぁっ!」
「はぁっ はぁっ はぁっ 先生っ…」
俺は出ている最中も動き続け、最後の一滴まで出し尽くした…。
支援
83 :
常識の壁8:2005/11/21(月) 01:27:17 ID:210gpGLlO
気が付くと6限目もとっくに始まっており、俺はもう1時間サボることにした。
祈先生は担当授業がはいっており、遅れたとしてもこのままにするのはまずいので
不満を言いつつも、教室へと向かった。
俺は残りの時間寝ていようと思い、改めてソファーに寝転んで目を閉じた。
…眠れない。
最後に祈先生と話した事が気になった…。
「対馬さん、あなたは今幸せなのですか?私とこうやっているのは、心地良いのですか?」
「もちろんですよ。先生とこうやってHして、まったりして…すごく幸せですよ」
「そうですか」
「先生は幸せじゃないんですか?俺とこうしてるの」
「前にも言いましたように、幸せというよりは心地良い空間ですわね」
「まあ、でも悪い気はしないわけですよね」
「えぇ、それはそうなのですが…」
「じゃあ、いいじゃないですか。お互いゆっくりゆっくりやっていくんでしょ?」
祈先生は少し目を伏せ、考えるような仕草をしたが
「そうでしたわね…」
と顔を上げて優しく笑った。
何か違和感を感じたが、深く追求はしなかった。
これがお互いのルールなのだから。
一定の距離を保つことで、良い関係を保つことが出来るはずだ。
「先生、きっと疲れてるんだな…」
そんな結論でまとめた俺は、再び目を閉じ、今度はちゃんと眠ることが出来た。
84 :
83:2005/11/21(月) 01:31:24 ID:210gpGLlO
はい、キモくてすいません。中途半端ですいません。
今回はこれで終わりです
純愛フラグ立ってるかもしれない終わりかたなので、
一応続きを書こうかと思います
いやぁ~、文章って本当に難しいものですね
それではまたお会いしましょう
86 :
ノネコ:2005/11/21(月) 01:35:04 ID:FUGj6roY0
続いて投下よろしそうかなー?
バレンタインデー 【ツン】
「あれ、佐藤さん1人?」
「あ、対馬君」
竜宮ではよっぴーがが1人書類整理をしていた。
「何か手伝えることないかな?」
「あっ、じゃあこっちの整理お願いできるかな」
「わかった。まかせて」
暇なのでレオはよっぴーを手伝うことにした。
しばらく2人無言で書類整理を行う。
「よし、これでお終い」
「対馬君、手伝ってもらってありがとう。これよかったら食べて」
よっぴーは暖かいココアと小皿にチョコを載せて持ってきた。
「エリーにあげた残りなんだけどね」
「……佐藤さん、姫にチョコあげてるんだ」
「……チョコをあげないと、エリーって駄々こねて、すねるんだもん」
糸目になったよっぴーが遠い目で言った。
「……ありがたくいただきます。お、これおいしい」
チョコを食べるレオをよっぴーは微笑んで見ている。
「でね、エリーったらホワイトデーにお返しだって凄いお返しをしてくるんだよ。嬉しいんだけど少し困るの」
「……ふーん。ま、余りものだけどいただいたことだし、ホワイトデーには何かお返しするよ。姫に比べたらしょぼいけど」
レオはココアを飲み干してから言った。
マターリした2人の間に甲殻類が乱入してきた。
「レオはいねがー。今年もボクの手作りチョコの時間だぞ~」
怪しげな塊を手にカニがレオに迫っていく。
「さあ、大人しくボクのチョコを味わえ! そして感激の涙で溺れてしまえ!」
「やかましい! 毎年毎年毒物を生産しやがって、誰が食べるか!」
どたばたと狭い竜宮で追いかけまわったあげく、外へ飛び出したレオを追いかけてカニも出て行った。
「……やっぱりカニっちが障害になりそうね。でもレオ君からお返しがもらえるようにしたし、今日のところはいいか」
そしてレオの使ったカップを取り、口つけた所に自分の唇を重ねた。
「……ああんっ、レオ君~」
よっぴーはしばらくの間、くねくねと赤くなりながら悶えていた。
89 :
名無しさん@初回限定:2005/11/21(月) 01:41:40 ID:YyAnMEBI0
よっぴーの三段活用ってさツン ンデ デレ じゃなくて
よっぴー よっぱー よっぺすと じゃないの?
バレンタインデー 【ンデ】
「対馬君、そこに座って待ってて」
よっぴーに呼び出されたレオは竜宮にやってきた。
「今日はバレンタインデーだから、はい」
小皿に載せたトリュフチョコレートとコーヒーが運ばれてきた。
「えっ、俺にチョコ? ありがとう佐藤さん」
「うふふ、本命だよ対馬君」
手で口元を隠しても判るほど、よっぴーは赤くなった。つられてレオも赤くなった。
「さっ、対馬君、食べて食べて」
「うっ、うん。いただきます」
レオはトリュフチョコをつまんで口に運ぶ。チョコを口に入れて、ココアパウダーの付いた指をなめ、味わう。
「おいしい!」
「よかった。口に合うか心配だったんだよ。作るの初めてだったし」
「えっ、これ佐藤さんの手作りなの!?」
「うん。がんばって対馬君のために作ったんだよ」
にっこりと微笑むよっぴーにレオはまた赤くなった。
レオはテレをごまかすようにもう1つチョコを口に運んでコーヒーを飲む。
よっぴーはそのしぐさを熱っぽく見つめる。ちろりと唇をなめ、瞳を欲情に潤ませて。
「本当においしいよ」
そう言ってもう1つチョコを口に入れたレオの手を、よっぴーがそっと抑えた。
そしてココアパウダーの付いたレオの指を自分の口に運び、咥えた。
「佐藤さん!?」
驚くレオをよそに、よっぴーは指に付いたココアパウダーをなめ、舌で指を味わうように弄りだした。
くちゅくちゅと小さな水音が響く。
パウダーの付いた指をすべてなめ尽くしてから、ちゅるんと指を吐き出した。
それからよっぴーはレオが逃げられないようにしっかりと顔を押さえ、そのまま無言でレオの顔に自分の顔を近づけていく。
「こっちも綺麗にするね」
レオの唇についたパウダーもなめとる。
「ふふふ……。これで全部綺麗にしたからね」
「……う、うん」
真っ赤になるレオとよっぴー。
「……好きだよ、レオ君♪」
バレンタインデー 【デレ】
「良美~、用事って何~」
呼び出されて、レオは竜宮にやって来た。
「あれ? いない。ん?」
竜宮は空だった。しかし、机の上には何かある。
それはよくみると粉々に砕けたチョコレートだった。原型が判らないほど細かく執拗に砕かれている。
「……レオ君」
バタンと扉が閉められ、ガチャリと鍵がかけられた。
レオが後ろを振り返るとドアの前にいつのまにか良美がいた。いや、おそらく最初からドアの影に隠れていたのだろう。
「よ、良美、どうしたんだ」
「とりあえず、座って。今、お茶持ってくるから」
そう言って台所に消えるよっぴーにレオはガクブルで椅子に座る。
目の前には粉々に砕かれたチョコレートがある。もともとはハート型だったのだろうか。ハートの包装紙の上に砕けたチョコが山となっている。
その横には砕いたと思しき小ぶりのハンマーがある。
よっぴーが戻って来て無言で紅茶をレオに差し出し、レオの対面に座って紅茶を一口飲んだ。
「……俺、何かしたかな」
おそるおそる切り出したレオに、よっぴーはことりと小型録音機を取り出し、再生ボタンを押した。
『レオ、今日はバレンタインデーなんだろ』
『乙女姉さん、バレンタインデー知ってたんだ』
『お前私を馬鹿にしてないか? まあいい、ほら私からだ。最近鍛錬もしっかりやってるしな、ご褒美だ』
『……びっくり、ありがとう乙女さん』
「……これは朝の会話!!」
『レオー、今年もありがたいチョコがやってきたぞー。……よしよし、寝てるな』
『……ん~。むがむがむぐむが』
『よしよし、しっかり食べるんですよ~。最近ふつーにやっても逃げるかんな。寝てる間に食べさせるなんてボク頭いー』
「!! 朝起きたらチョコまみれだったのはやはりカニか!?」
支援
続き
録音機を止め、うつむき表情を隠したよっぴーが口を開いた。
「レオ君、どうして、他の人から、チョコを、貰ってるのかな?」
「いやまて良美これはどう考えても不可抗力だ乙女さんは断ると鍛錬と称してボコボコにされるしカニに至っては俺の意識は夢の中だ
それ以前になぜ盗聴が録音されているかについて聞きたいんですがダメですかそうですか」
あわてて弁解するレオ。静かに顔をあげたよっぴーの目には暗い炎が燃えていた。たぶん。
「……このままじゃ、幸せになれないよ。どうしてなんどもなんども言っているのにわかってくれないの?」
静かに語るよっぴーに喉の渇きを感じたレオは紅茶を飲み干してさらに弁明をした。
「……お茶入れてくるね」
会話を遮り、よっぴーは二人分のティーカップを持って台所に消える。
一時的に重圧から開放されたレオだが、あまりにマズ過ぎる展開に冷たい汗がとまらない。
「はい、おかわり」
表面的にはいつもと変わらず、しかし表情は無表情でいるよっぴー。正直取り乱すより恐ろしい。
「レオ君はお砂糖使う?」
「いやいいです」
その時、レオは砂糖の瓶の横に見慣れない小瓶があることに気が付いた。化学の実験で使うような茶色い小瓶である。それを手に取り確かめる。
「……えーっと、た、タ…タ○ウム!? まさか巷で噂のタリ○ム!? なんでこんなものがここに!!」
「ああ、それ、害虫駆除に使うんだよ」
よっぴーはなんでもないかのように、にこやかに応じる。
「……レオ君によってくる害虫を駆除するのにね」
レオの顔色が青を通り越して白になった。
「……良美、とりあえず落ち着いて話し合おう」
「そうだね、私もレオ君にまだまだ聞きたいことあるし」
にっこりとレオに微笑むよっぴーの目は、カミソリよりなお鋭かった。
バレンタインデー 【デレデレ】
「レオ君、今日は一緒に帰ろうよ」
「ん、わかった」
レオはよっぴーからの暗号で、今日も泊まりか乙女さんへ連絡しなきゃと思う。
2人の間ではよっぴーが「一緒に帰ろうか?」と聞いてくる時はHあり泊まりなし。
「一緒に帰ろうよ」と誘ってくるときはHあり泊まりあり。特に何も言わない場合は普通に一緒に帰るだけ。
「さっ、レオ君、帰ろう」
よっぴーは上機嫌で今日は特別に激しそうだなぁとレオは覚悟を決めたのだった。
部屋に入るとよっぴーはレオを寝室ではなくリビングに案内して、自分は着替えに行った。
「……珍しいなぁ。いつもは玄関開けたらキスフェラパイズリのコンボで攻めたててくるのに」
いつの間にかよっぴーの部屋でのエロ単語に違和感がなくなっているレオであった。
「おまたせ、今日はバレンタインデーだからチョコレートだよ」
よっぴーがチョコレートケーキを持って現れた。
「おー凄いなー。……ってその格好は!?」
「何って? 裸エプロン~♪」
ケーキを机の上に置いてから、よっぴーはクルリと一回転してみせる。
「……キワドイ」
中核は見えそうで見えなかったらしい。
「まずはケーキから食べてね~レオ君♪ はい、あーん」
「あーん」
よっぴーお手製のケーキを手ずから食べさせてもらう。
「おいしいよ良美。また上手になったんじゃないか」
「もうレオ君ったらぁ。褒めてもダメだよ~♪ はい、あーん」
よっぴーは嬉しそうにレオに食べさせ、同じフォークを使って自分も食べる。
いや、フォークをしゃぶっていると言ったほうが正しいだろう。既に顔が赤い。
そのフォークでケーキを食べさせられるレオも、しだいに興奮で顔を赤くしてきた。
「……だめ、もう、我慢できない」
臨界点を超えたよっぴーがレオの唇を奪う。チョコレート味の濃厚な口付けが交わされる。
互いに息が苦しくなるまでむさぼり、口を離すと、つっと唾液が糸を引いた。
よっぴーは肩紐をずらし豊満な胸を露出させ、そこにケーキからチョコクリームを取って塗りつけた。両手を広げ、よっぴーはレオを誘う。
「さっ、レオ君、私を食べて」
桃色空間展開のため、中継不可。
95 :
ノネコ:2005/11/21(月) 01:53:57 ID:FUGj6roY0
支援サンクス
タリウムは殺鼠剤ですが、よっぴーは害虫駆除に使用するようです。ガクブル
デレの続きは各自脳内で補完していただければ幸いです。
残念ながらホワイトデーの構想はありません
あっても桃色一色だろうしw
>>89 できれば気にしないでください。テンションに身をまかせて書きましたのでm(_ _)m
GJ
>>95 GJ--!よっぴーは幸せものもいいけど、やっぱダークものもおもろいな。
もっとエロスもカモーンщ(゚Д゚щ)
ただ、会話のとこ以外をよっぴーで統一するのはちょっと違和感があったかも。
>>83もGJなんだけど「常識の壁」ってタイトルは何?
99 :
AKI:2005/11/21(月) 02:10:11 ID:IszQbULO0
68だが、リハビリSSができたよ。
投下OK?
100 :
ノネコ:2005/11/21(月) 02:13:02 ID:FUGj6roY0
>>97 やっぱり、レオが呼ぶ呼称に統一するのがよいのでしょうか
これは書きかけの長編がさっぱり進展しないのでリフレッシュに書いてみました。
前スレの病院編の要望に答えてみてキャストはこんな感じ
副院長 祈
医師 乙女
研修医 レオ・フカヒレ
看護婦 なごみ・カニ・よっぴー
患者 姫
でもさっぱり進展しない (TдT)
>>99 行きましょう!
キリヤコーポレーションを乗っ取ってから早一年。
側近にレオ。秘書によっぴー。ボディーガードに乙女先輩。トップは私、と揺るぎない顔ぶれで
順調に世界を手に入れるために躍進していた。
そんなある日、よっぴーが私に向かって手を合わせてきた。
「ねえ、エリー。お願いがあるの」
キリヤコーポレーションのビル最上階にある会長室。
私が心を許す人たちしか足を踏み入れる事ができない部屋で、よっぴーが私に対して突然のお願い。
普段、というかほとんど私に対して願い事なんかしたことなかったから、ちょっと新鮮だった。
ちなみにレオは少し離れた所で書類の整理をしている。
遠目から見るレオの横顔は、昔と比べてずいぶんと凛々しい。男らしくなった。カッコよくなったとも言うのかな。
……む。自分で思っておいて、少し悔しくなった。誇らしくもあるけれど。
ボディーガードの乙女先輩はレオを手伝っている。
一応仕事は私の警護なんだから、別にレオの事を手伝わなくてもいいと思うんだけれど、
これは乙女先輩の性分だと割り切る。
……その光景はとても自然で、仲のよい姉弟という感じでほほえましいんだけれど、
ほんの少しだけ心がモヤモヤとする。
私ではああいう雰囲気は出せないだろうな、というか。
レオと乙女さんは一緒にいるのが妙にしっくりくる……というか。
「なに、よっぴー? 私に胸を揉まれたくなった?」
二人から目をそらすようによっぴーの胸を揉む。
もみもみ。相変わらずいい手触り。今日も満点ね。
「やんっ。エリー、そうじゃないよぅ」
一応拒否の姿勢は見せるけど、断り切らないのがよっぴーのよっぴーたるゆえんよね。
しっかりと感じて頬を染めているし。
「え~、つまんないなぁ。じゃあ何なのよ?」
「拗ねないでよぅ。それは今度でいいから」
……いいんだ? よっぴーから許可を得られるなんてまたちょっと新鮮。
じゃあ、その今度にたっぷりと揉みしだこう。
「……で、お願いって何?」
「う~ん……それなんだけど……二人きりでいいかな?」
よっぴーがそっと目配せする。
その前にちらりとレオを見たのは気のせい……だろうか。
「いいわ。レオ。乙女先輩。ちょっと行ってくるから」
側近、ボディーガードとして後を付いてこようとするレオと乙女先輩を手で制する。
「外へ出かけてくるわけじゃないんだから、大げさよ。
行ってくると言っても、部屋のすぐ側には居るから」
「うん。ちょっとエリーを借りるからね、対馬君」
よっぴーのその表現に少し頬を染めるレオ。純情というか照れ性というか。
いちいちそんなので反応するのもどうかと思うのよね。……私も同じだけど。
会長室から出てすぐの廊下。
ここなら普段はどんな役員でも来ることはないし、レオたちのいる部屋からも近い。
そして会長室は壁が分厚いので話を聞かれる心配もない。
聞き耳を立てるような事はきまじめな乙女先輩が阻止するだろうし。
……でも、レオと乙女先輩は今部屋に二人きりなのか。
レオの事は信じているし、乙女先輩が血迷う事もないと思っているのだけど、
どうも割り切れないものが残る。
自分の魅力には確信を持っている。レオとの結びつきの強さも。
だけど、100%中1%ほど――0.1%かもしれない――ほんの僅か、心にしこりが残る。
改めて思う。私って寂しがり屋だ。今夜は私がレオを求めよう。
紫煙
「それで、どうしたの? いきなり私にお願いだなんて」
この場にはよっぴーと私以外誰もいない。
盗聴にも気をつけているし、ほとんど誰かに話を聞かれる心配はないだろう。
「……うん。あのね……」
よっぴーはもじもじとしながら言いづらそうに口ごもる。
ちょっといぢらしくてそそる姿だった。
「もう……私とよっぴーの仲じゃない。何でも言ってちょうだい」
「本当?」
「もちろんっ」
急にパッと表情が明るくなるよっぴー。すこ~しだけ嫌な予感がしたけれど、無視する事にした。
「じゃあね……あの……その……
つし……レオ君とエッチさせて欲しいの!」
「( д)゚ ゚」
嫌な予感は的中するものだと思い知った。
ヤキモチエリーかわいいよ
シェン
「駄目」
とりあえず即答。
「お願い!一回だけでいいから!一生のお願いだから!」
手をすり合わせて懇願するよっぴー。そんな親友の姿を見たら心が動いてしまいそうだけど。
「駄目!絶対駄目!こればっかりはよっぴーでも駄目!」
「何でも言ってちょうだい、って言ったのに……」
う。ダークよっぴーになりかけている。しかも純黒。目つき悪すぎ。
「何でも言って、とは言ったけど、叶えるとは一言も言ってないわ」
こんなこと初めてよっぴーに言うかも。あまり言いたくなかったけど。
「…すから。レオ君と………させてくれないと、…すから……」
あらぬ方向を見ながらつぶやくよっぴー。
今まで見てきた中で一番黒いよっぴーだった。まさにダーク!って所ね。
「あのね。レオは体も心も私のものなの!っていうか、よっぴーまだレオの事諦めてなかったんだ」
「そんなに簡単に忘れられないよ」
今思えば、よっぴーはある意味壮大な振られかたしたのよね…。
その負い目を考えると一回くらい……と考えてしまうんだけれど、
心の根っこの部分で拒否してしまう。
もしもそれが切っ掛けでよっぴーになびいてしまったらどうしよう、と。ありえない話だけど。
…たぶん。
私って寂しがり屋で、独占欲が強いのね。再確認。
「一応聞いておくけど、何で急にそんな事を言い出したの?」
「だって……最近のエリーとレオ君、身近な人たちだけになると二人だけの世界に入っちゃうというか…
…凄くベタベタしだすから、まだレオ君が好きなこっちとしては生殺し状態なんだもん……。
こっちは”アレ”があるから、もう毎日大変なんだよ?」
”アレ”……性欲過多の事ね。確かにあんまりよっぴーの事を考えずにレオとくっついていた。
無神経……って事になるのかな。でもあまり人に気兼ねするようなものでもないと思うし。う~ん…
「それについては……ちょっとは悪いと思っているわよ。
でも、それとこれとは話が違うと思わない?」
ちゃっかりと呼び方を”レオ君”で固定しようとしているし……
そこはかとなく黒さを醸し出している。
「そうかな?」
「そうよ!」
よっぴーはさりげなく自分に有利な方向へ持って行こうとするから油断できないわ。
「よっぴーには悪いけど……レオは渡せない。
たとえ一回だけでもね。もちろん、よっぴーは私にとって大事な人よ?レオと同じくらい。だけど……」
「……ううん。もういいよ、エリー。もう、わかったから。ごめんね、変な事言って」
どうやらよっぴーはわかってくれたみたいだった。
(事後承諾とか既成事実とか、いろいろ手段はあるから……)
……ぞくり、と背筋が寒くなった。
「よっぴー、今何か言った?」
「ううん、何も言ってないよ?」
振り向けばいつも通りのよっぴーだった。……表面上は。
嫌な予感がしたけれど、私は無視して心の奥に飲み込む事にした。
よっぴーは私の親友だし、信じているから。
それから一週間後。
レオの元気がない。何だか萎れている。一言で言えば、精力がない。
昨夜も何だか今ひとつだったし。気持ちよかったのは確かなんだけど、
前みたいな若々しさがない……というか。って何思ってるのかしら、私。
そして、何だか妙によそよそしいのよねえ……。何だかばつが悪いというか、悲しそうというか。
逆によっぴーは生き生きとしている。肌もつやつやして綺麗だし。
一週間前の陰鬱な顔が嘘みたいだった。
レオとよっぴーの顔を見比べる。
まさかとは思うけど……。うん、まさかね。
レオは私の恋人だし、よっぴーは私の親友。二人とも信じているし。
嫌な予感は飲み込んだ。これで三回目。
嫌な予感は的中してしまうものだと前に学んだはずだったのに。
後悔するのはもう少し先の話だ。どういう後悔かはまだ知るよしもないのだけど。
>>98 呼んでた雑誌に書いてた言葉
ただそれだけ
何か素敵なタイトルあるかなぁ?
ダーーークっよっぴー、オソロシイ子!な支援
蛇足
それからまた数日後。
乙女先輩が神妙な顔つきで私に話しかけてきた。
「姫、ちょっと話があるんだが……いいか?」
乙女先輩が、ちらりとレオの事を見る。
……凄く、嫌な予感がした。
終われ
そんな寸止め…(´д`)
姫視点だから寝取られに見えるが実はレオハーレムに持っていく気だろ
>>114恐ろしい子!w
117 :
AKI:2005/11/21(月) 02:41:02 ID:IszQbULO0
続か…ない、し……続か……せない。
「いったいなんなんだ!?あんたのほうも……!!
”よっぴー”もだが……親友なの!?どういう事!?」
「あんたの方はどうなんだ?その”寝取り”はなんだ?」
「私のは”ワザ”よ。対馬君には未知な部分がある」
意味はよくわからない。思いついたから書いた。今も反省はしていない。
支援サンクス
悪い予感は当たるってのは、アレだな
マーフィーの法則
>>117貴様新手のスタンド使いか。
なんかよくわからんが喰らえ! つ【GJ】
119 :
名無しさん@初回限定:2005/11/21(月) 03:30:30 ID:AChEBPHyO
よっぴー祭り?
お前等ほんとに深夜に投稿するの好きですねwもうみんなまとめてGJ!
そしてよっぴー祭り上等。
ぶっちゃけ投下してくれるなら誰でも歓迎。
でも最近カニエキスが足りない…うぅ…orz
カニのAAなら用意できてんだけどなw
123 :
AKI:2005/11/21(月) 07:27:28 ID:IszQbULO0
ちょうどカニ分が足りないと思って書いている最中さね。
脱線して他の娘書く可能性もあるが……
トンファー、マナのSSも待ち望んでいる俺ガイル
途中で挫折した俺が言うのもなんだが
自分で書けば良いじゃない
お、俺と付き合ってみればい、いいじゃない!?
ゲームでは好きになれなかったが、SS読んでたら好きになったキャラが
姫です。orz
すげえええ、土日見てなかっただけで新スレ立ってる上にSS投下されまくりじゃー!!
姫デレまでキテタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚ )━( )━( )━( ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
>>all
GGJJJJJJぇええええ!
>>56 姫デレ最高っ!!戦いのシーンも小ネタ多くて受けたw中の人繋がりワロスw
かなめ「そういえば、私たちって似てると思わない?」
エリカ「私たちが似てるのは当たり前ですわ。だって私たちは中の人が(ry」
あれは確か高二の夏祭りの夜のことだっけ…?
家の外で天高く打ち上げられる花火を背景に乙女さんと初めて唇を重ねたのは。
お互い初めてのキスだったので、あの時の感触は今でも忘れがたい。
乙女さんも、トロンとした目で「甘い」と言ってくれた。
まさかファーストキスの相手が、子供の頃散々に虐げられたあの乙女さんになろうとは、夢にも思ってなかった。
おそらく乙女さんの方も同じ思いだろう。
それから俺たちは付き合い出した。
ひとつ屋根の下に暮らす従兄弟同士のカップルということで、当初は周囲の目も気になったりはしたが、
別に法律上では何の違反もないし、すぐにそんなことはどうでもよくなった。
そして、俺たちは深い関係を持つようになった。
俺は何度も乙女さんの身体を求めた。
乙女さんも俺の気持ちを素直に受け止めてくれた。
が、乙女さんは俺との直接的な繋がりを感じていたいのか、避妊することは一度もなかった。
結果的に乙女さんは妊娠し、生徒会での風紀委員長という役職の立場上、退学せざるを得なくなった。
俺も責任を取る形で学園を辞めた。
その後、俺と乙女さんは正式に夫婦となりふたりの新婚生活が始まった。
俺は姫からのコネで、霧夜グループの末端の子会社に勤めるようになり、
乙女さんは毎日疲れ果てて帰ってくる俺に少しでも栄養をつけようと思ってか、
苦手な料理に悪戦苦闘している。
月日は流れ、乙女さんのお腹もだいぶ大きくなってきた。
学園から去っても、結婚しても、俺の家は蟹とスバルとフカヒレの溜まり場だ。
俺たち四人の友情は決して崩れたりはしない。
蟹なんかは乙女さんのお腹をさすっては嬉しそうな表情をするし、
スバルも身重の乙女さんを気遣ってか、家事を手伝ってくれる頻度も増えた。
フカヒレは――まぁ、いいか。
そして、いよいよ乙女さんが病院に入る日が来た。
俺と乙女さんの子供か…。
…俺が父親? なんか笑っちゃうな。
でも、きっと溺愛するんだろうな。なんだかんだいって。
「レオ」
ベッドに寄り添う形で見守る俺に向かって乙女さんが言った。
結婚しても未だに彼女は俺のことを名前で呼ぶ。
そして、俺は彼女のことを「乙女さん」と呼んでいる。
傍目からしたら完全に尻に敷かれていると思われるかもしれないけど、今はこの関係のままでいい。
子供が産まれたら、互いの呼び方を考えなきゃな、と乙女さんは言ってるけど、どうなることやら…。
「子供の名前を考えてみたんだ。よかったら聞いてくれないか?」
「ん、いいよ」
そう言うと乙女さんは枕の下に手を潜り込ませ、そこから一冊の小さな手帳を取り出した。
ああ、言い忘れてたけど、産まれて来る子供は男の子だ。
4円
支援
C円
「じゃあいくぞ、乙太郎」
……。
「ん、ダメか? なら、乙吉」
……あ、あのー。
「どうした? なぜ何も言わない」
「乙女さん、ちょっとそれ見せて?」
「て、照れくさいが…いいぞ」
顔を背けながらも俺にサッと手帳を差し出す乙女さん。
そこには俺と彼女の愛の結晶に付ける、名前(?)…らしきものが延々と書き綴られていた。
「乙平? 『おつへい』て読むの、コレ…?」
「おお、なかなか見る目があるな! それは自信作だぞ!」
…いや、名前に自信作という表現はいかがなものかと。
「乙次、乙男、乙彦、乙兵衛…」
乙女さんは読み上げるたびにうんうんと頷いている。
いやいや、こんな名前付けられたら産まれて来る子供が可哀想だ。
絶対いじめられるに決まってる。
ここは心を鬼にしてきちんと聞かないといけない。
「てか、何で全部『乙』の字が入ってるの?」
俺の質問に最初はキョトンとした様子だったが、すぐに意を介した乙女さん。
「私の子供だからな」
……。
………。
…………。
「いや、俺と乙女さんの子供でしょ?」
その間、およそ90秒弱。俺のツッコミのスキルは最下層だな。
やれやれ、俺たちの家庭の未来はいったいどうなるんでしょ…?
素晴らしい良作の連発の後にこんなもんで恐縮です
感動モノが書けない自分が情けない
最後に支援ありがとうです
>>138 GJ! 乙女さんのセンスはあの私服を見れば分かるとおり・・・ だからなぁw
ありそうな話でほのぼの読ませてもらいましたw
>>138 なかなかほのぼの感いっぱいで楽しかったですよ
>>138 GJ
しかし、その理屈だと乙女さんの母親にも乙の字が入ってないといけないわけだが、
そんな事は全く関係ないんだろうなw
174 :名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 14:38:22 ID:fnQNMO5Y0
つよきす・セカンドシーズン
次回の舞台は修学旅行・竜鳴祭です。
175 :名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 14:51:00 ID:zJ5w5ekr0
俺の名前は伊達スバル。修学旅行の真っ最中だ。
ルックスと雰囲気からクラスメートから少々怖がられているが、
なぁに、気にする事じゃない。それより今心配な事は・・・俺は乗り物酔いがヒドイ、と言う事だ。
(おぃ、スバルの奴凄い顔しているぜ。)(機嫌悪そうだな・・・今は目を合わせないほうがいいぞ。)
カニ「おーいスバル。何シケたツラしてやがるんだ??オメーも何か歌ったらどうだ?」
スバル「・・・いや、俺はいいよ。ほっといてくれ。」
カニ「んー?さてはオメー腹が減ってるな。ボクのおやつのプリンやんよ。ちょっとぬるいけど。」
スバル「・・・・」
うぉースバルが暴れたぞ!誰か止めろー!カニ、オメー何をした!
竹ノ内乙
>>138 Z! 微妙な感触のネタだなあw
こいうのもいいのかもしれないな。
146 :
AKI:2005/11/21(月) 22:24:41 ID:IszQbULO0
リハビリ二作目。カニSSができたよ。
投下OK?
OKOK
後方支援は任せろ
毎日の日課みたいに、ボクはレオの部屋を見る。
最近は毎日のように閉じているカーテンが、今夜は開いていた。
だから、今日は乙女さんのレオじゃなくて、ボクら幼なじみのレオってことでいいのかな。
とりあえず、二階へ飛び乗って部屋に入ってみる。
「おーっす! みんなの癒し、蟹沢きぬ様が久しぶりに遊びに来てやったぜー!!
って寝てんのかよ、つまんねーなあ……」
「zzZZ」
疲れてんのかなんか知らねーが、レオはベッドでグースカ寝ていた。
せっかくレオの部屋に入れたっていうのに、拍子抜けしちまった。
なんてまあ気持ちよさそうに寝ちゃってさ。レオと遊べると、一瞬すげえ喜んじまった自分が恥ずかしいぜ。
スバルもフカヒレも来てないし、何もすることがない。
レオが持っている漫画は全部読んじまったし、ゲームはレオが起きちまいそうでイヤだ。
前はこんな遠慮はしないで、レオが起きようがどうしてようが関係なく何でもやっていたのになあ…。
レオが乙女さんと、ボクに断りもなく恋人同士になってからどうもこういう事が気兼ねなくできなくなったというか……遠慮するようになっちまった。
ボクも甘くなったもんだぜ。
「う、ううん……」
レオが眠りながらうめき声を上げる。
起きたかと思ってびっくりしちまった。
最近は乙女さんの影響か、妙に逞しくなっちまったレオだけど、やっぱりヘタレな部分は残している。
さっきのうめき声とか、今の寝顔とか。妙に安らかで可愛くて、レオはいつまでたってもレオのまんま
だな。
……ボクの知っている、レオなんだ。
たったそれだけの事が、みょうに嬉しく感じるようになっちまった。
視界が揺れて歪んで、レオの寝姿が見えないけれど、ボクは泣いてない。
……泣いてないもんね。
幼なじみって立場に甘えてた。
何より近くにこいつがいたから、全然自分の気持ちに気づけなかった。
馬鹿だよなあ。スッゲェ馬鹿。
自分で自分を馬鹿なんて思いたかないけど、今回ばっかしはマジでボクは馬鹿だ。
どうしてもっと早くわからなかったんだろう。
ボクはレオのことが好きなんだって。
そりゃあさ、早いうちから気づいたとしても、この気持ちがレオに届くとは限んない事はわかってる。
でもさ……そうすりゃ、もっと別の”今”があったんじゃないかって、今でこそ思うんだよ。
レオが毛嫌いしていたバカップルにボクとレオがなっちまって、毎日毎日いちゃいちゃ楽しく暮らしている……とかさ。
自分で想像して、笑っちまった。
ホント、馬鹿みてえじゃねえか……ちっくしょう。
レオが乙女さんに惚れるのもわかるんだ。
ボクだってさ、乙女さんのいいところはたくさん知っているから。
綺麗だし、勉強はできるし、真面目だし、世話好きだし、強いし、
不器用だけどそれを補うほど一生懸命で、男らしいけどそれ以上に女らしいところもあって…
…祈ちゃんとかには負けるけどさ、胸もボクよか遙かに大きいし。
認めると悔しいけどな。
だけどさ、ならさ……ボクが乙女さんみたいだったら、レオはボクの事好きになってくれたかな?
……自己嫌悪しちまったよ。くそったれ。
おい、レオ。のんきにベッドで寝ているオメーがスッゲェむかつくぜ。
この可愛いきぬ様が、こんなにオメーの事で悩んで苦しんでいるってのにさ。
不公平だぜ。ちったあボクの事でも悩んじくり。
無茶な要求だけどさ。
DEATH宴
「zzZZ…」
「レオ……」
レオの寝顔を眺めていると、ムラムラ……というか、衝動がわき上がってきた。
ちゅーしてえ。
ボクとレオは恋人同士じゃないけれど、いけない事とわかっているけどさ。
仕方ねーじゃん。ボクはレオが好きなんだもん。
「レオ……ごめんな?」
ちゅうっ……
レオの、乙女さんに対する気持ちを踏みにじってごめん。
キスするのがボクで、ごめん。
乙女さんにも、ついでにごめん。
いろんな「ごめん」を含めつつ、ボクはレオに唇を合わせた。
はじめてのレオとのキスは、塩っ辛い味がした。
自分の枕でもう何度も味わったことのある、涙の味だ。
泣いてないのに、なんでこんな味がするんだよ。ちくしょう。
それから、しょっぱい味に混じってほんのりと甘い味。
レオの味かな? 乙女さんのも含まれているのかもしれない。間接ちゅー、ってヤツか。
全然嬉しくないけど。
レオ、おまえ本当に乙女さんのものになっちまったんだな。
……ボクのじゃなくて。
なんかすげえ悲しくて寂しくて、胸が痛くて……ちょっとむかつく。
オメーはボクの気持ちなんか知るよしもないだろうし、ボクは告ってもフられてもないけどさ。
ボクはまだレオの事が好きだぜ。たぶんこれからもずっと。
だからさ……
また、ちゅーしてもいいかな。
返答は絶対に聞こうとも聞けねえけど。
ボクは唇に余韻を残しながら、レオの部屋を去った。
, -‐-、_
(V)'ノ爪 从リ(V)
ヽw、^ヮ^ノノ フォッフォッフォッフォッ
/ /
ノ ̄ゝ
final支援
「ふあぁ……よく寝た……あれ?乙女さんいつの間に……」
「おはよう、レオ。疲れていたのか? よく眠っていたようだが……」
「う~ん……ちょっと疲れたかも。昨夜は結構頑張ったし……」
「む……あ、その……ま、まだまだ鍛錬が足りないな!わ、私はこんなに元気だぞ!!ほら!!」
「乙女さんは……ねえ?」
「……今失礼な事を考えなかったか?」
「いや!何も!」
「……まあいい。それよりも……だ。おはようの……」
「うん。キスだね?」
「直接的に言うヤツだな……んっ……ちゅくっ……ちゅっ…ちゅっ……」
「……ん~……ぷはっ」
「…………?」
「……? 乙女さん、どうしたの?」
「……いや、何かいつもと違う味がしたから」
「? そう?」
(海鮮物の味……か)
END
159 :
あとがき:2005/11/21(月) 22:44:52 ID:IszQbULO0
ということで、乙女さんルート後カニSSでした(ぇー
なんかカニのとは思えないほど妙にねちっこいSSでした。猛省。
でも、カニはいいっすね。とてもいいキャラしていると思います。
私が一番好きなのは乙女さんで、二番目がなごみ、そして3番目がよっぴーなのですが、カニはそういう順位とかに囚われない好意を抱きます。
一番言葉遣いとかに悩むのも……カニ。結構むずいです。
ではまた次のSSでノシノシ
支援ありがとうございました。
AKI
>>158gj いじらしいカニだな。
そして微妙に合わないAA投下スマン。
カニとのkissは海の味か。
>>159 GJ!カニいじらしいよカニ。
発売されて3ヶ月弱。ここにきてまた職人増えてくるとは・・・。
最近コテも増えてきたし、期待してるぞー、職人の方々。
知らない間にクソコテも消えたしw、いいことづくめ。残ってる職人はみんな尊敬してる
333 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2005/11/21(月) 23:06:17 ID:wghTZVR90
_
'´, `ヽ 乙女さんが留守の間、メシを任された
!爪リリ从)ゞ でも誰もボクのを食べてくれない
ノwリTヮTノル .だから考えた。
⊂)个iつ
. く/_|j〉
し'ノ
_ ヨイショヨイショ
'´ `ヽ _
〈(((从)〉 i '´ ヽ ?
___ i、ヮ ゚;|wヾ (ハヽ从 l
/" ̄ ̄`⊂__ ヽ. i、ロ`;i)
/ /⌒ヽ !:::( ) /i `i´lヽ
| ヽ-‐ | l::::::し' . U| 个.|J
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ .|__|_,j
_
'´ ヽ
____ _ (ハヽ从 l
/" ̄ ̄`ヽ::::ヽ. レオーーー i、∀`*i)
/ !爪リリ从)ゞ !::::::l ボクを食っちくり! . /i `i´lヽ
| ノwリ^ヮ^ノル .l::::::;! .. U| 个.|J
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ . |__|_,j
_
↑ ,.'  ̄ ヽ、↑ニューーーン '´ ヽ ???
, ヽ (ハヽ从 l
.,' `ヽ::::ヽ. i、ロ`;i)
/ !爪リリ从)ゞ !::::::l . /i `i´lヽ
| ノwリ^ヮ^ノル .l::::::;! .. U| 个.|J
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ . |__|_,j
。 +. 。・☆゚ + ☆ * +
\\ + ☆。・// ☆。・
\\:: 。・☆:* 。 //
\\: +. // + + ::・。
\\☆ * // 。・☆゚
_
'´, `ヽ ボン! 从
!爪リリ从)ゞ '´ ヽ
ノwリ^ヮ^ノル (ハヽ从 l
/''''"^"''" ヽ::::ヽ i、Д゚;i)
/ /⌒ヽ !::::::l /i `i´lヽ
| ヽ-‐ | l::::::;! . . U| 个.|J
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ .|__|_,j
_
'´, `ヽ 从从
!爪リリ从)ゞ '´ ヽ
ノwリ^ヮ^ノル (ハヽ从 l
/''''"^"''" ヽ::::ヽ ババッ! i、Д゚;i)
⊂二二二 /⌒ヽ !::::二⊃ /i `i´lヽ
| ヽ-‐ | l::::::;! . . U| 个.|J
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ .|__|_,j
_
'´ ヽ
_ (ハヽ从 l
'´, `ヽ
!爪リリ从)ゞ // //
ノwリ^ヮ^ノル
/''''"^"''" ヽ::::ヽ Σ i、Д゚;i)
⊂二二二 /⌒ヽ !::::二⊃ /i `i´lヽ
| ヽ-‐ | l::::::;! . . U| 个.|J
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ . .|__|_,j
( ヽノ
ノ>ノ ズボッ!
レレ
>>159 海の味は涙の味。・゚・(ノД`)・゚・。
_
'´, `ヽ レオーーーーーー
!爪リリ从)ゞ
ノwリ^ヮ^ノル
/''''"^"''" ヽ::::ヽ _
⊂二二二 /⌒ヽ !::::二⊃ '´ `ヽキモイヨー
| ヽ-‐ | l::::::;! ブーン! -=≡ i ソノリ从リ
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ -=≡`(リ;´Дノ
( ヽノ ⊂ ._つ
ノ>ノ -=≡_人 Y
三 レレ し'(_)
171 :
159:2005/11/21(月) 23:43:20 ID:IszQbULO0
私が締め切るまで(12時頃か?)一番投票の多かったキャラを次のSSで書くよ。
よし、なごみんに50票だ
姫に21票
>>159 GJ! カニはいじらしくてかわいいのぅ
>>171 本当に本当だね?
ありがとうとお礼を言いつつ乙女さんに投票だ。
>>171 せっかくだから、俺はよっぴーに1000億ポイントだ。
178 :
名無しさん@初回限定:2005/11/22(火) 00:01:53 ID:k2hKBJXG0
なごみに20票
いがぐりに51票いれておこう
180 :
159:2005/11/22(火) 00:04:51 ID:iRrMznaq0
よーし、ここでストップ!
181 :
159:2005/11/22(火) 00:06:27 ID:iRrMznaq0
最初は見事に票がばらけて焦ったけど、次のSSはなごみんに決定w
じゃあ書いてくるわw
182 :
名無しさん@初回限定:2005/11/22(火) 00:06:41 ID:Dm0caCMrO
の…乗り遅れた俺ガイル
集計
なごみ=50+(1×10の23乗)+20
姫=21
カニ=1
乙女=1
よっぴー=1000億
いがぐり=51
なごみん楽勝w
『うにゃー、6時だよんっ。起きろモエ!
起きないとひたすらHな言葉を流しちゃうz』
ぱちん、と瀬芦里姉さんの声が流れる特性目覚ましを止める。
う~んとその場で伸びをし、気だるさを体から搾り出して普段着に着替えた。
寒すぎず、少し涼しい。
私はこんな秋の朝も好きかな。
廊下に出て雨戸をガタガタと開けると――
「あぅ・・・凄いなこれは。」
庭中が落ち葉で埋め尽くされていた。
そういえば昨日の夜は風が強かった。
だからと言って庭中が枯葉で埋め尽くされるなんて・・・。
花壇のお花達も心配だ。
午前中に家事を終わらせて、午後になったら掃除しなくちゃな。
お昼ごはんが終わると、休日なのでみんなは自分の部屋でまったりしているらしい。
空也がお昼ごはんの後片付けしてくれているから、
私は早速庭のお手入れ。
花壇を見ると、お花達が見えないぐらい枯葉に覆われていた。
恐る恐る枯葉を払ってみると、
「あぅ、よかった。無事だったみたいだな。みんな。」
お花達は元気にまっすぐに立ち直ってくれた。
庭の掃除用具入れから熊手を取り出して、庭中に散らばった落ち葉をかき集める。
落ち葉が一箇所に集まって山になり始めた頃に、
海が縁側から私に声をかけてきた。
「巴お姉ちゃん、お庭のお掃除~?」
「うん、もうほとんど終わったけどな。
私が掃除する前なんか、庭一面が落ち葉で覆われてて凄かったんだぞ。」
「ふ~ん・・・。」
海は空返事をしながら、落ち葉の山を見つめている。
「その落ち葉、集めてどうするの?」
「ゴミ袋に入れて、燃えるごみの日に出すよ。」
「どうせ捨てちゃうならさ、焚き火してお芋焼いて食べようよ~。」
「焼き芋か・・・。うん、いいな。やろう、やろう。」
「じゃあ早速、お芋買いにくーやと出かけてくるね~。」
「あぅ、く、空也は今お昼の後片付けをしてるんだ。
海、私が一緒に行ったら、嫌か?」
私が言うと海は眉をひそめながら言った。
「う~ん・・・しょうがないか。くーやの邪魔したくないし。
じゃあ巴お姉ちゃんで良いよ。」
その時、縁側に面した部屋の障子戸が開いて、雛乃姉さんが出てきた。
「二人とも、話は聞かせてもらったぞ。
我が今人力車を呼ぶから、久しぶりに三人そろって買い物などと言うのはどうだ?」
「うわ~。いいね~。ありがとう雛乃お姉ちゃん。」
「じゃあ私、軽く支度してくるよ。」
・・・
「えっ、三人も乗るんですかい?」
「なんだ?まさかできぬと言うのではあるまいな?」
人力車のお兄さんは、雛乃姉さんの提案にちょっと困っているようだ。
「いえ、私はお三方が同時に乗っても引っ張っていけますがね、
座席のほうが狭いもんで、二人分しか・・・。」
「ふむぅ。なるほど、な。」
「じゃあさ、雛乃姉さんはわっ、私の膝の上に・・・。」
こんな事をいうと雛乃姉さんは怒るかと思ったけど、
「いささか子供っぽいような気がしないでも無いが、仕方あるまい。」
と言って承諾してくれた。
最初に海と私が乗り込んで、その後雛乃姉さんが私の膝の上にちょこんと座った。
「それではやってくれ。」
雛乃姉さんが号令をかけると、人力車の前方が持ち上がり静かに動き出した。
「それにしても、巴の膝の上は心地良いな。」
「そっ、そうかな?」
「寄りかかるとちょうど胸の谷間に後頭部が挟まって、特に気持ち良いぞ。」
「あ、あんまり頭を胸に押し付けないで・・・。雛乃姉さん。」
「あ~、確かに気持ちよさそう。雛乃お姉ちゃん、帰りは私と変わって~。」
「うむ、良いぞ。」
「あぅ・・・。話が勝手に進んでる。」
商店街の八百屋さんに着くと、買い求める人が多いのか、
サツマイモが店頭に山積みになっていた。
皆が食べそうな分だけ袋に詰めて、ご主人に重さを量って貰おうと袋を渡すと、
「巴ちゃんに、雛様!二人を同時に拝めるとは!
く~!俺はこの日の為に八百屋をやっていた!
おまけだ!もう一袋に好きなだけ芋つめて行って良いぜ!」
「えっ、良いんですか?」
「ともえよ。店のご主人が良いといっておられるのだ。
人の好意にはとことん甘えるのも礼儀と言うものであるぞ。」
「すご~い。さすが雛乃おねえちゃんと巴お姉ちゃん。
二人が居るだけでこの商店街では食べ物に困らないね~。」
結局、二袋にサツマイモいっぱい詰めて、一袋分の値段しか取られなかった。
なんかあの八百屋さんには悪い事しちゃったな。
また今度買い物に行って埋め合わせしよう。
帰りの人力車、私の膝の上では海がお下げを解いて
後頭部で私の胸の感触を楽しんでいる。
「コレ本当に気持ち良いね~。今度くーやに私がやってあげよう。」
「ふむ・・・おぬし等二人はそういうさーびすが提供できて良いな。
我はいまいちすりむな体系だからなぁ。」
「あぅ、別に提供してるわけじゃあないんだけどな・・・。」
「「「ただいまー!」」」
玄関を空けると空也が出迎えてくれた。
「あれ、三人でどこか行ってたの?」
「ご、ごめんな空也。後片付け任せちゃって。」
「ん、いやそれは別に良いんだけどさ、何その袋?サツマイモ?」
「そうだよ~。これからお姉ちゃんと一緒に、
巴お姉ちゃんが集めた枯葉で焼き芋作ろうね~。」
「と、言うわけだ。くうや、支度をするがいいぞ。」
「わかった。」
「わ、私も手伝うよ。」
空也と一緒にバケツに水を用意したり、
庭に座れるように椅子やテーブルを出しているうちに、
雛乃姉さんと海から話を聞きつけたのか、要芽姉さんに瀬芦里姉さん、
高嶺も庭に出てきた。
「おい、イカ!まだ準備終わらないの?
相変わらずトロイわねー。」
「姉貴もそんなグダグダ言ってる暇があったら、手伝ってよ。
台所にお酒の一升瓶があるから、持ってきて。」
「アタシがそんなことすると思う?」
「ツインテールは協調性に欠けるっていう性質があるから、
高嶺お姉ちゃんに手伝いを頼むのは無理なんじゃないかな~?」
お盆にお猪口やらを乗せて持ってきた海が口を挟む。
「タカは無い無いづくしだね。まず威厳が無い、色気が無い、協調性が無い・・・」
と、言う瀬芦里姉さんは早くも要芽姉さんと缶ビールを飲み始めている。
「アンタだって何もしてないじゃない!」
「私はモエが酔いつぶれたときに部屋まで運ぶ役。」
「私はその後巴の看病をする役ね。」
要芽姉さんが言いながら流し目で私を見て、にやりと笑う。
今夜は私、飲まされるのかな・・・。
でも酔いつぶれたら要芽姉さんに何かされそうで怖い。
準備ができた頃には、日がかなり傾き、細長い雲が赤く染まっていた。
空也が枯葉の中にアルミホイルで包んだサツマイモを入れて、火をつける。
皆が焚き火の周りに集まり、手をかざす。
「あは、あったかいな。」
「今日はそんなに寒くは無いけれど、こう言うのもたまには良いもですね。」
「うむ。風流よな。」
「くーや、お姉ちゃんの隣においで~。」
「ちょっと海!押さないでよ!」
「芋マダー?」
「ねぇねぇ、今火をつけたばっかりだから、まだ食べれないよ。」
皆が思い思いの会話をしている。
何だか皆でこんなに小さな輪を作って話をするのは久しぶりだな。
いつもの食卓も良いけど、こっちのほうが皆に近くて良い。
「なーんだ、ツマンナイノ。じゃあさ、早速だけどお酒飲もうか?
やっぱり缶ビールじゃ酔えないよねー。」
瀬芦里姉さんが珍しく人数分のお猪口に日本酒をついで、皆に回した。
「乾杯しよっか!?」
「なっ、何に?」
「くーやに乾杯しよ~。」
「俺に?」
「くうやに、か。」
「何だかそれも変な話ね。」
「イカになんか乾杯したら、せっかくのお酒g」
「くーやに、かんぱ~い!」
高嶺が何か言っていたが、海がそれを遮って乾杯の音頭を取った。
皆もそれに続く。
「「「かんぱーい!」」」
「ぬぅぅぅ・・・カンパイ。」
191 :
名無しさん@初回限定:2005/11/22(火) 00:25:24 ID:Dm0caCMrO
シェンロン
「も、もうそろそろお芋、良いんじゃないかな?」
乾杯をして少しした頃に、空也に提案してみる。
要芽姉さんと瀬芦里姉さんと海はもうすでに一升瓶を一本開けていた。
「そうだね。取り出してみようか。」
空也が枯葉の山の中からホイルに包まれた芋を棒で突っつきだして拾い上げる。
「火傷しない様にな。」
「大丈夫だよ。」
空也がホイルを開けようとして――
「熱っつ!」
熱いところを触ったらしく、芋を地面に落としてしまった。
「空也!大丈夫か?」
「ちょっとイカ!何芋落としてるのよ!」
「うん、大丈夫。ちょっと水で冷やしてくるね。」
と空也は家の中に入っていってしまった。
心配なのであとについて家に入る。
その時に海が高嶺を背負い投げしていたような光景が目の端に映ったけど、
多分見間違いだろう。
台所の流しで空也が水道からの水で火傷した手を冷やしていた。
「空也、本当に大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫だって。」
「そうか?ほら、お姉ちゃんに見せてみるんだ。」
空也の手を取って火傷の程度を見てみる。
うん、コレなら少し冷やせば大丈夫そうだな。
「コレなら大丈夫だよ。」
ふと空也を見ると、顔を真っ赤にしている。
あ、そうか、私が空也の手を取ってるから・・・。
そう思うと自分の顔まで赤くなってくるのが判る。
「あ、ありがとう。ともねえ。心配してくれて。もう戻ろっか。」
「そっ、そうだね。」
二人で俯きながら庭に戻った。
庭に戻ると、皆が芋を持ってすでに食べ始めていた。
「あっ、くーや、火傷大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ、海お姉ちゃん。」
「くーやより芋の事心配したツインテールは、
お姉ちゃんが退治して置いたからね~。」
そういう海の顔がちょっと赤く染まっている。
酔ってるのかな?
海の足元には、高嶺がうつぶせに倒れているのが見える。
「ほら、ともねえも。」
空也が私にお芋を一つ取ってくれる。
「空也、ホイルはそのままで良いから、四つほど私にくれないかな?」
「何?モエ四つも焼き芋食べるの!?」
向こうのほうで要芽姉さんと話していた瀬芦里姉さんが大声で聞いてきた。
「ちっ、違うよ。ここ庭だから外に聞こえちゃう・・・。
そうじゃないんだ。歩笑ちゃんと帆波さんにも、おすそ分け。」
私がそういい終わるか言い終わらないかぐらいに、
地面に倒れていた高嶺がバッと起き上がった。
「アタシも着いていくわ。」
高嶺の顔も赤くなって、酔っているみたい。
高嶺はこんなに短時間で量飲まないし、気絶してるうちに飲まされたのかな?
「私一人でも、大丈夫だよ。」
「アタシが付いて行くって言ってんだから、黙って連れて行けば良いの!」
「あぅ、わかったよ。」
空也からお芋を四つ受け取って、隣の犬神家へ。
初めて支援しまつ
ガンガレ
玄関の呼び鈴を鳴らすと、中から帆波さんが出てきた。
「あら、巴ちゃんに高嶺ちゃん。二人そろってくるなんて珍しいわねっ。
待ってて、今歩笑ちゃん呼ぶから。」
「あっ、あの、今日は焼き芋のおすそ分けに来ただけなんで、
歩笑ちゃん忙しそうだったら、よっ、呼ばなくても大丈夫ですよ。」
私がそう言うと、家の中に戻りかけた帆波さんが振り返って言う。
「歩笑ちゃん、明日締め切りらしいのよ。
で、今もキリキリ舞いで私の朝ごはんとお昼も作ってくれなかったの。
でも、巴ちゃんの顔見たら歩笑ちゃん、ちょっと息抜きになると思うから、
顔だけでも見せてあげてね☆」
「は、はい。」
帆波さんが歩笑ちゃんを二階に呼びに行った後、高嶺が私の腕を絡め取って、
何か小声でぶつぶつ言っている。
「何よ。歩笑ちゃん歩笑ちゃんって・・・」
やっぱり高嶺、酔ってるんだな。
いつもの高嶺なら、こんなに私に甘えてくれないもんな。
間もなくふらふらといつもより青白い顔をした歩笑ちゃんが、二階から降りてきた。
「巴さん・・・。それに高嶺さんも。」
高嶺が私の腕を強く抱きしめる。
「歩笑ちゃん、明日締め切りなんだってね。はいこれ。おすそ分け。」
「ありがとう、巴さん。疲れている脳には、甘いものが良い。
ところでごめんね、巴さん、高嶺さん。お構いできなくて。」
「大丈夫だよ。締め切りを乗り切ったらまた遊ぼうね。」
「うん、また今度遊びに来てね。勿論高嶺さんも。」
ここで俯いていた高嶺がハッと顔を上げて言う。
「ふっ、フン!ヒマで死にそうだったら、遊びに来てやるわよ。」
そんなことを言いながら、高嶺は嬉しそうだ。
「あぅ・・・ごめんね歩笑ちゃん。高嶺、今ちょっと酔ってるみたいなんだ。」
「気にしてないから大丈夫だよ。じゃ、私戻らなくっちゃ。またね。」
「うん。お仕事、がんばってね。」
この頃には私の腕に抱きついてる高嶺はもう半分寝ていしまっていた。
家の庭に戻ると、今度は空也が酔いつぶれて
海の肩を借りて部屋に戻るところだった。
そのまま高嶺を部屋まで連れて行ってベットに寝かせる。
庭に戻ると日はとっぷりと暮れ、姉さん達が残ってお酒を飲んでいた。
「モエ、ご苦労様。」
「空也も酔いつぶれてしまった事だし、次は巴かしらね。」
要芽姉さんが私を見ながらクスクス笑っている。
「かなめよ、ともえをあまり酔わすではないぞ。
ともえまで酔い潰れてしまったら、お前達二人が片づけをするのだぞ、良いな?」
「・・・わかりました。姉さん。」
雛乃姉さんのおかげで、何とか飲まなく済みそうだ。
火が消えかかった焚き火を、棒で芋を探して突っつくが、焼き芋が見つからない。
「あぅ・・・もうお芋全部食べちゃったの?まだ私食べてない・・・。」
「心配するでない、ともえよ。
お前の分の芋は我の監視の下、ちゃんと取っておいてあるぞ。」
雛乃姉さんが私にホイルに包まれた芋を二つ渡してくれた。
芋を割ってみると、ホクホクと湯気が出た。
「放って置くとせろりが食べてしまいそうだったのでな。」
「ひなのんにガードされてる芋なら、盗んで食べるわけには行かないからねー。」
「ホラ巴。お姉さん達に妹がおいしそうに焼き芋を頬張る姿を見せて御覧なさいな。
せっかくあなたのお姉さんが三人そろっているのだし。」
「今は妹達もくうやもおらぬからな。存分に我等に甘えるが良いぞ。ともえ。」
「うん!」
パクリと焼き芋を頬張ると、柔らかな甘さが口の中に広がった。
「モエ、美味しい?」
「うん、おっ、美味しいよ。」
「妹の幸せそうな顔を見ながら飲むお酒も、美味しいですね。」
「そうであるなぁ。」
姉さんたちがにっこりと私を見てくれる。
「ところでさ、モエ。晩御飯まだ?」
「えっ、まだ食べるの?」
夜はまだまだ始まったばかだ。
gj まだ読んでないけど gj
199 :
SSD:2005/11/22(火) 00:37:14 ID:RwEC9/9Z0
>>184-197 スレの前のほうで姉分とともねえ分を求める人がいたので書きました。
実際焚き火で芋焼いた事がないので、焼き芋に関する描写はあいまいです。
雰囲気を感じていただければ幸いかと。
支援してくださった方、ありがとうございます。m(_ _)m
快適に投下できました。
>>199 GJ!!なごんだ。
途中でこの感じはSSD氏だ!って気づいた俺はもはや古参か・・・
ともねえかわいいよともねえ。
余計なお世話かもしれんが一応。一番最後の行、ばか→ばかり ジャマイカ。
>>199 GJ!!姉しよやってないけど、ともねえカワイイねえ
苦労人の苦労が報われるのは何か嬉しいよ
202 :
SSD:2005/11/22(火) 01:04:28 ID:RwEC9/9Z0
>>200,201
感想ありがとうございます。
GJもらうと元気が出ます。
>一番最後の行、ばか→ばかり ジャマイカ。
しまったぁー!
また最後の最後で・・・中の人、ご面倒かけますが
修正のほうお願いできますか・・・orz
203 :
名無しさん@初回限定:2005/11/22(火) 01:22:19 ID:FbQ5kq1tO
だれか・・・ねぇやを・・・ねぇやをくれ・・・
グハッ
お姉様vsお姫様
おもしれー
姉しよやってないせいでコラボはすっ飛ばしてきたが…
うーむ。これは姉しよを買えということなのか…
ジリリリリリリ・・・・
目覚ましが鳴り響き私は目が覚める。
ここ最近、体に疲れが溜まりやすく朝の目覚めが悪い。
新年を過ぎ、推薦を受けた大学の合格も決まり気が緩んでしまっているからだろうか。
鉄家の家訓で「平常にこそ戦の心を忘れるな」というのがある。
私は常日頃、それを実践しているつもりだ。私もまだまだ修行が足りないという事かな。
身支度を整え、台所に行き食事の支度をする。
「うっ…」
ご飯の炊けた匂いで胸がムカつく、何だろう?知らずの内に体調を崩しているのだろうか、
学園内でも風邪が流行っている。私も健康には気をつけよう。
レオが起きる時間になり、自分で一階に降りてくる。
レオも私と交際を始めてから、姉の私から見ても立派になってきていると思う。
そんな弟の顔をいつまでも眺めていたくなる。
「乙女さん、おはよう」
レオが目覚めのキスを求めてくる。私はレオの体を抱き寄せ熱いキスを交わす。
「ん…おはよう。もうすぐお前も3年生だ。後輩の見本となる心構えを忘れるなよ」
レオは照れたようなはにかんだ笑いを浮かべて、食卓に着く。
「今日は握り飯と目玉焼きだ」
レオの提案で簡単な料理から始める事にし、目玉焼きは綺麗に作れるようになった。
「スゲェよ乙女さん!今年中にに炭化していない料理を拝む事ができるなんて…
俺涙出てきたよ」
誉めているのか…?
しかし、レオの喜ぶ顔を見て私の胸にやわらかい暖かさがあふれてくる。
こんな顔を見れるのなら私はもっと料理の腕を磨く事ができるだろう。
でも、レオは半熟が好きだと言うが、半熟は私にはまだ難しい。鍛錬あるのみだ。
「…テストが終わったら、生徒会のメンバーでスキー旅行に行く計画があるんだけど、
受験終わったから乙女さんも参加するよね?」
「もちろんだとも、私はスキーは上手いんだぞ。こう見えても体育会系だからな」
朝食を取りながら朝の会話を交わしている。風紀委員の任務も後輩に継いで、
朝はゆっくりとレオと会話が出来るようになった。風紀の任務はやりがいがあったが、
こうやってレオと長く会話ができるのなら、この生活も悪くないと思う。
「…うぐぐっ」
握り飯を5個食べたところで、胃が不調を訴える。
この感覚はお父様との稽古中、腹に強烈な拳を受けた感覚と似ている。
ダメだ耐えられない。食事中だというのに口に手を当ててトイレに駆け込み、
今食べたものを戻してしまう。ああ、農家の方に申し訳ない事をしてしまった…
「乙女さん、大丈夫?!」
レオが驚きと不安を混ぜた顔でトイレに駆け込んでくる。
「…ん、大丈夫だ。すこし風邪をひいたのかもしれん、心配するな」
「風邪?乙女さんって無病息災を地でやる人じゃなかったの?!」
「お前、私を何だと思っているんだ!名前の通り、私は乙女なんだぞ」
レオの頭を掴み、くしゃくしゃと荒っぽくかきまわす。
「心配してくれてるんだな、大丈夫、トレーニングを控えて回復に努めることにするよ」
寝ぼけた蟹沢をひっぱるように歩き、レオと並んで登竜門をくぐる、
これも風紀の任務に就いている時は行えなかった。
風紀の任務を行えた事を誇りに思っているが、
レオと一緒に登校すればもっと一日に活力が出ていただろう。難しい問題だ。
3年生も新年を過ぎれば受験体制になり、毎日の授業もなくなり自習となる。
試験の為各地を飛び回る生徒もおり、登校する同級生も少なくなる。
ついつい風紀委員の任務が癖になり、校舎内の見回りを行い、生徒に注意を行ってしまう。
それでも生徒達は私の言葉に耳を傾けてくれる。
後輩達は私を風紀委員の鉄乙女ではなく、尊敬すべき先輩の鉄乙女として見てくれている。
こんな喜ばしいことは無い。
紫煙
乙女さん、もしや…
放課後、生徒会室で姫と佐藤が談笑していた。
「あ、鉄先輩。大学合格、おめでとうございます」
「流石は乙女センパイね、キッチリ推薦で入学するなんて普通じゃできませんわよ」
「ありがとう、これも皆が応援していてくれたからだ」
2人は作業の手を止めて、私との語らいに花を咲かせる。
「そういえば、最近体の調子が悪くてな、風邪をひいたのかもしれん」
「あれあれ、鋼の乙女センパイが風邪ですか?みたところ風邪の症状は見受けられませんが…」
「うん、最近こういう症状が出ていてな…」
私は2人に自覚している症状を話す。
「…よっぴー」
「うん、エリカ、私もちょっと思うところがあるよ」
2人は顔を見合わせて、頷いている。何か思うところがあるのだろうか?
「…ねえ、乙女センパイ。大変失礼な事を聞きますが…怒らないでくださいね」
???姫は何を言おうとしているんだ?
「乙女センパイは、その、レオ君と行為…セックスをしている時に、避妊を行っておりますよね?」
私は瞬間的に顔を真っ赤に染め上げてしまった。
「あ、えっ、姫!お前女性が何を恥ずかしい事を言っているんだ!」
「真面目に聞いているので、正直に答えてください!」
佐藤が少し強い口調で私に答えを促す。私は驚いて平静さを取り戻した。
「避妊か、レオは気にしていたが、私はレオに避妊を強制していない、
レオはその上で私と行為に及んでいる。子供が出来たとしてもそれは覚悟の上だ」
2人は驚いた顔をして目を見開いている。
「…流石は乙女センパイ、と言った所でしょうか…」
「鉄先輩の症状、それ妊娠の兆候かもしれませんよ」
私は後輩に指摘されてしまった。これが妊娠の兆候だったという事実を、
佐藤が妊娠検査薬なるものを用意してくれた。どこで用意したのかを聞いてみると、
いつもの笑顔で「女の子には秘密があるんです」と答えた。
まぁ深く追求するのはよそう。今は佐藤に感謝だ。
「中の説明書をよく読んで、正しく使用してくださいね」
「レオ君に報告したら、次は私たちに結果を教えてくださいよ」
姫と佐藤の2人は、少女らしい好奇心むき出しで私に詰め寄る。
「じゃあ乙女センパイ、また明日」
「さようなら、鉄先輩」
2人は私を心配して協力してくれている。私は良い後輩をもったものだ。
レオが帰宅するのを待ち、姫と佐藤との1件を話す。
「う…確かに俺も気付くべきだった…
乙女さんの受験が終わるまでセックスを控えていたけど、まさか新年のアレなのかなぁ」
レオは私の言葉に動揺したのか、視線を宙を彷徨わせている。昔からの悪い癖だ…
「乙女さん、妊娠していた時は俺、男として責任を取るからね」
私の視線に気付いたのか、レオは私の聞きたかった言葉を言ってくれた。
「ああ、私もいつも覚悟を決めている。お前、今良い顔しているぞ」
レオの体を引き寄せ、熱いキスを交わす。
レオの鼓動が胸を通じて聞こえる。
レオ、私の鼓動も聞こえるか?私もこの結果に緊張しているんだぞ。
「ふむふむ、検査スティックに尿をかけて色の変化で検査を行うのか、これなら私でも間違える事はないな」
「乙女さん、間違いがないように、俺が最後まで見届けるよ!乙女さん手先不器用だから、俺心配で…」
「…!?お前、最初から最後まで見届けるという事…か?」
レオが真剣な顔で私の目を見つめる。う…私はこの目に弱いんだ。
支援!支援!
ワクテカしながら待ってるぜ!
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
トイレは狭いので、浴室に移動する。
「よし…今から出すからな、お前は横を向いて耳を塞いでいてくれ」」
「ちょっと待った乙女さん。俺がコップを支えるから、
乙女さんは立ったままスカートを持ち上げていてよ」
「なっ!見守らせるとは言ったが、その、私が…私が用をいたす所まで見せるつもりはないぞ!」
「知らないのかい乙女さん、検査を行うときは必ず介助が必要だって、
愛している者同士、協力して行う事なんだよ」
「む…それなら仕方ないな…」
うう、こんな恥ずかしい事まで行わなければいけないのか、私はこう見えても乙女だぞ!
子供が出来るという事は、なんと大変な試練だろうか。
下着を下ろし、スカートをめくり上げて少し両足を広げる。
レオはしゃがみこんで私の股間を見上げて採尿コップを股間にあてがっている。
くうう、恥ずかしさで倒れてしまいそうだ。これなら片手逆立ち腕立ての方が何倍も楽な事だ!
「乙女さん、用意できましたから、いつでもよろしいですよ」
sienn
「…っ…」
「乙女さん?そんなに緊張してちゃ出る物もでないでしょ、何時ものように、リラックスしてください」
「お前が見ている前で、リラックスなんて出来ないだろう!」
「乙女さんはこういう時に世話がかかるなぁ、俺が手伝ってあげますよ」
え?レオ、お前何をするつもりだ?
「ひゃうっ!…あっ、はうっ!レ、レオ、お前何をっ…やって、るんだっ…」
レオが私の股間の一番感じやすい部分を指で刺激している。
私は下半身から全身を振るわせる快感と羞恥心で頭がふわふわになってくる。
ちょろっ……じょぼぼぼ…
「あ、ああっ…は、はああうう…」
私は弟に、レオに股間を刺激されておもらしをしてしまう。
羞恥と開放感が入り混じった初めて味わう快感に、私は絶頂を向かえて頭が真っ白になってしまった。
「わ、ちょっと乙女さん、オッケー、OKです。もういっぱいっぱいです!」
何も聞こえない………じょろろろ………
後日姫と佐藤に報告した時知ったがレオは私に嘘を付いていた。
その日はレオを本気で蹴り飛ばしてしまった。
アバラにヒビが入ったそうだが私は知らん振りをしてやった。良い薬になっただろう。
今思い返しても恥ずかしさで頬が赤く染まる。
でも、レオが望むならもう一度行っても良いと思う自分も居る……
結論を先に言ってしまえば、私は妊娠していた。
今まで覚悟していた事が実際に起こると、喜びで胸いっぱいになる。
レオと私の愛の結晶。私が母親になる。レオの妻になるという事だ。
私が心の片隅にしまっていた未来、それが実現したのだ。
こんなに幸せな事はない。
そして、その後に襲い掛かる現実問題。
私もレオもまだ学生の身分だ。子供が生まれたとして学業はどうする?
子供を育てる養育費は?そもそもどうやって子供を育てれば良いのだ?
子供が出来る事は覚悟していた事だ。しかし、出来た後の事をまるで考えてなかった。
ふいに訪れた不安に悩まされる。人として今まで一生懸命己を鍛えてきたが、
女としての私はこんなにも弱い存在だったのだ。
「乙女さん、何でも自分で抱え込むのは乙女さんの悪い癖だよ」
レオが後ろから私を優しく抱きしめてくれる。ああ、なんて安心できる温もりだろう。
「レオ……お前は弟であるが、男でもあるんだな…頼もしく感じるぞ」
皆に正直に話そう。
私とレオは愛し合って子供を作った。それは胸を張って主張できる。
私達の周りには両親という偉大な先人達が居る。
きっと私達を正しい道に導いてくれるだろう。
クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
レオのあばらのヒビは瞬時に回復したのですか?
柴又の実家に2人で赴き、正直に報告した。
母様は喜んで私達を祝福してくれて、今後のアドバイスをしてくれる。
父様は静かに私達の話を聞いて、報告が終わると父様はレオを道場に連れて行った。
「レオ君、乙女と夫婦になるという覚悟を私に見せてくれ」
「叔父さん…いや、お義父さん。俺、本気で乙女さんを愛しているんです!」
レオは父様に道場で散々しごかれていた。レオの体はボロボロだったが、
父様の片頬も真っ赤になっていた。父様に拳を入れるとは…レオも逞しくなったものだ。
レオを手当てしてやる。レオの顔はボロボロに腫れあがっていたが、男の顔をしていた。
赤く腫れあがった部分、全てにキスをしてやる。私からの気持ちだ。
「親父って、強いなぁ、俺も親父達を見習って肩を並べるように強くならなきゃな」
かわいい奴め、私は気持ちのままにレオと熱く、熱く唇を交わした。
レオの両親には国際電話で報告を行った。
週末には急遽レオの両親が帰国し、私達を祝福してくれた。
「乙女ちゃん、レオはほんっとにだらしない子でこれからも迷惑をかけるかもしれないけれど、この子を見捨てないであげてね」
「レオはこれからも私が鍛えます。立派な男にしてみせますから安心してください」
「こう見えても、俺が乙女さんの役立つ事も一杯あるんだぜ
正直、乙女さんの不器用さは傍から見ていて不安になってしまう」
「バカ!私も日々鍛錬して克服しようとしているんだ。お前の助けなどいらない!」
レオの両親はそんな私達を見て、幸せそうに微笑んでいる。
夜は料亭でレオと私、お互いの両親が集まってささやかな宴会を開いてくれた。
両親が許可を出しレオもお酒を飲む事を許され男達で話をしている。
レオは正座を組まされ二人の父親に説教を受けていた。あれもレオの試練だろう。
「乙女ちゃんは、多分、年下を好きになると思っていたけど、
よもや家のレオを好きになっちゃうなんて私おどろいちゃったのよ」
「なんでも10年以上も前に約束していたんですって、レオ君も義理堅い子ね」
「レオが就職するまで養育費は私達で出すから乙女ちゃん達は、安心してお腹の子を育ててね、
この歳になると孫の顔を見るのが楽しみになっているから」
「そういう訳にもいきません、レオは学校を退学して働くと行ってます。
私も子供を育てながらレオを助けようと思います」
「乙女ちゃん!」
私の母様が厳しい顔をして私に一喝する。
母様はめったに怒る事は無いが、有無を言わさぬ迫力は父様以上だ。
「学生を途中で放棄して働くという事は、とても、とても大変な事なのよ、
レオ君が既に就職しているならともかく、就職するまでは私達が面倒を見ます。
私達から見れは貴方達はまだまだ子供なんです。
こういう時こそ親を頼りなさい、いいですわね」
「…はい、ありがとうございます。本当にありがとうございます」
私は深々とお辞儀をし、ぼろぼろと涙をこぼしてしまった。
2人の母様は、私をやさしく抱きしめてくれ、にこやかに私の幸せを祈ってくれた。
新学期を迎える事になった。
私は大学を休学にしてお腹の子供を育てる事に専念する事に決めた。
レオは学長に直訴し竜鳴館を卒業できるように頼みこんだ。
姫たち生徒会の面々は学校中をまきこんでレオの退学反対運動を行い、
見事、レオの退学を免れる事が出来た。
「乙女さん、ただいま。お腹の子もただいま」
レオが学校から帰宅して、私に帰宅挨拶を投げてくれる。
「姫からの宿題がアホみたいに多くてさ、それが片付いたらトレーニングに行くね」
レオは姫からスカウトを受けて、学園の卒業と共に姫の側近として働く事になる。
就職の条件は一つ、姫から出される様々な資格を取得する事。
能力があれば学歴なんて関係ない、姫らしい条件だ。
レオも私とお腹の子の為に使える時間の全てをもって勉強に励んでいる。
この1年で社会人としての能力を身に付ける為に、レオが熱く燃えている。
「なあ、まだ見ぬ私の子よ、レオは、お前の父はこんなに素敵な男なんだぞ」
私もお前の為に、素晴らしい母親になってみせる。
生まれてくる子供の為に、幸せな家庭の為に。
乙~
レオ幸せ者すぎ
226 :
205:2005/11/22(火) 02:30:18 ID:mBCx5qnS0
つよきすを最近初めて勢いでコンプ。
熱冷めぬ内にSSまで書いてしまいました。
実はギャルゲーも文章もゴイス久しぶりでしたが
テンションに身を任せて書いてみました。
皆さんの支援に感謝です。
カキコミミスしないように冷や冷やしてました。
これが重複エラーってですかーーっ!
>>221 アバラの件は自分で書いて忘れてましたw
乙女さんの暴力性を考えてやりすぎました。今は反省してます。
俺、なんであんなことやっちまったんだろーーー
これの続きも考えているので、出来次第のっけますね。
グハっ、アゲてるし・・・
>>226 GJ!!!!乙女さん、いい女だ・・・
三人目のママ誕生か!?
>>226 GJ!! 続きに期待。
つか、レオが人外になってるような^^;
まぁ、乙女さんの話聞く限り、館長>陣内>親父だから
一発くらいいけるのかな?w
あ、ちなみに
No.4 L12 「乙女センパイは、その、レオ君と行為…セックスをしている時に、避妊を行っておりますよね?」
姫の台詞が、デレypになってるよ。通常時の姫は「対馬クン」だから。
と、姫フリークがつっこんでみる。
>>202前スレでともねえをリクした者っす GJ!そしてありがとうございます
>>224 ゴスイgj!!
乙女さんすてき(;´Д`)ハァハァ
>>226さん,GJ!!
>>222のレオの
「親父って、強いなぁ、――」
に感動した!! やはり親はかくあるべし!!
GJだぜー乙女さん
GJ乙女さん!
乙女さんに対する姫の口調が違和感バリバリだったけど(゚ε゚)キニシナイ!
ここは神が多いスレですね
はぁ、これを怒涛の勢いというのか。GJ
ところで、よっぴーはその溢れんばかりの情熱(性欲)をスポーツ(例えば格闘技)等に
ぶつけて多少なりとも解消する術を見つけていれば一角の人物になれると思うんだ。
保管庫のSSの感想もここでいいのかな?
『黒い三連星、ネットに散る!』で茶ふいたw
>>226 超GJ!!! (*´Д`)
やっぱ愛ある妊娠ネタはいいよなぁ…また書いちくり!
姫の妊娠ネタほしい
240 :
84:2005/11/22(火) 20:10:57 ID:otx/9OmXO
しょぼ~い続き書いてみたけど
投下してもいいかなぁ
まだ最後まで書いてないけど…
中々思い付かないもんで…
>>240 別に書き込むのに許可を取る必要はないわけだがw
243 :
常識の壁9:2005/11/22(火) 20:29:58 ID:otx/9OmXO
祈先生が、学校に来なくなって一週間になる。
長期休暇を取っているという以外、誰も理由は知らないらしい。
家知らないし、携帯留守電だし、メール返ってこないし…。
それに…、先生と最後に会った時の言葉が何故か引っかかる。
「対馬さん、あなたは今幸せなのですか?私とこうやっているのは、心地良いのですか?」
なぜあの時そんな事を聞いてきたのか、俺は未だに理解することが出来ない。
とにかく心配だ…。
「エリー、今日お腹が痛いから帰ってもいいかなぁ?」
放課後、竜宮に向かおうとする姫に佐藤さんが言った。
「えぇっ、大丈夫なのよっぴー?一緒に病院に行こうか?」
「ううん、少し痛むだけだからゆっくり寝てればなおるよ」
突然横にいたフカヒレが小声で話しかけてきた。
「なぁ、レオ」
「どうしたフカヒレ?」
「俺さ、ここ一ヶ月間寝る前に星に向かって願い事してるんだ」
「気持ちわりいな…んで、何をお願いしてるんだ?」
244 :
常識の壁10:2005/11/22(火) 20:33:33 ID:otx/9OmXO
「佐藤さんが俺の子を妊娠しますようにって…」
「…」
「佐藤さん、お腹痛いって言ってたよな。
もしかしたら俺の願い通じたんじゃないかとおもってさ!」
何言ってんだこいつ…。
「いやぁ~、俺もとうとう1児の父親かぁ…。
何か色々順番飛ばしてるような気がするけど問題ないよな!」
「話しかけないでくれ…。友達と思われたくない」
「照れるなよ。一人で先に大人の階段上ったのは悪いと思ってるよ。
でも、お前なら祝福してくれると思ったんだよ」
「本当に…お前の頭の中身いっぺん見てみたいよ…」
「そんなに褒めるなよ~!やべっ、名前考えなきゃ!
こういうのは男がずばっと決めないと、後の夫婦関係にひびいてくるって
雑誌に書いてあったもんな!」
俺は無視して竜宮へと急いだ。フカヒレは、まだ後ろで一人喋ってるが
これ以上相手はしていられない。
竜宮に着いてまずパソコンを立ち上げた。
今日は姫が使うだろうから、急いで終わらせなければ…。
「……あった、生徒会執行部名簿。祈先生、顧問だから載ってるはず…
って、やっぱ変な住所しか載ってないな…」
実家は京都駅の近くって言ってたけど、まさか帰ってるわけないし
「…謎だ。一度ちゃんと聞いておくべきだったな」
これ以上調べることもないのでパソコンの電源を落としておく。
「地道に探すしか手はなさそうだな」
幸い明日は土曜日、生徒会を休ませてもらえば午後からは自由に使える。
「よ~し、ここは一つテンションに身をまかせて頑張ってみるか!」
俺は一人燃えていた。
246 :
常識の壁11:2005/11/22(火) 20:36:13 ID:otx/9OmXO
夜、俺ん家にて
「なぁ、スバル」
「ん、何だ?」
「祈先生、どうしたんだろうな?」
「祈ちゃん?あぁ、そういや最近見ねーな」
「はぁ、お前気付かなかったのかよ。もう一週間来てねーんだぞ」
「気付かなかったわけじゃねーよ。…なんだお前、気になってんのか?」
「当たり前じゃん、俺たちの担任だぜ」
「顧問でもあるな」
「そーだよ、お前は気にならないのか」
スバルは笑いをかみ殺したような顔で言った
「そんなにむきになるなよ。そりゃ気になるさ。
でも、お前のはちょっと別みたいだな」
「何が言いたいんだよ」
「確かに俺も気にはしてるよ、担任だし顧問だもんな。
でもお前は祈ちゃんを一人の女として心配してるだろ。違うか?」
俺は思わず赤面した
「ばかっ、何言ってんだよ!俺はただ…」
「ただ…何だよ」
言い返せなかった。
俺は祈先生が好きだ。
お互いに束縛せず、嫉妬せず、必要以上に甘えない。
そんな関係が俺たちのルールなのは分かっている。
しかしそれは、微妙に保たれているバランスを壊さないための言い訳にすぎない。
だから言い返せなかった。
祈先生は俺にとって大切な女性なんだ。
「そうだな…俺は祈先生が好きなんだ。だから心配してるんだ」
「すっきりしましたって顔してるぜ、坊主」
「あぁ、色々とすっきりしたよ。ついでに聞いて欲しい事があるんだ」
「??」
247 :
常識の壁12:2005/11/22(火) 20:39:30 ID:otx/9OmXO
「お前は、俺たちといて幸せか?俺やカニ、フカヒレと一緒にいて心地良いか?」
「はぁ、お前何言ってんだよ?」
「いいから答えてくれ」
俺が本気で言っていることが分かると、少し考えた後フッと笑った。
「当たり前じゃねーかよ。前にも言ったろ、俺にとってお前らは特別なんだ。
お前らが困ってるなら必ず助けるが、それ以外ははっきり言ってどうでも良い」
「あぁ、それは前にも聞いたな…。んでどうなんだ、幸せか?」
「はっきり言わせんなよ、照れるじゃねーか!……あぁ、最高に幸せだよ」
照れながらも俺の顔を正面から見つめて、スバルは答えた。
「スバル…」
「レオ…」
思わず見つめあってしまう。
「よ~う、レオ!妖精の国から可憐なボクが遊びにきてやったぜー!
死ぬほど感謝しろー!お菓子くわせろー!ゲームさせろー!
…って、おめ~ら何見つめあってんですかぁぁぁぁ~!」
突然窓から入ってきたカニにびっくりした俺たちは思わず目をそらした。
「うえっ、何乙女みたいな反応してんだよ!!
…まさか、やったんか!犯っちまったんかぁ!?」
「もうお前帰れ」
思わずカニを窓から蹴落とす。屋根があるから下までは落ちないだろう。
「レオ」
「何だスバル?」
「…何か、照れるな…」
「冗談でもやめてくれ」
「俺は別に…」
「いや、マジ、ホント、頼むから…」
色々あったけど、スバルのおかげで大切な気持ちを思い出した。
俺は祈先生が好きなんだ。
まずは先生を探そう。すべてはそれからだ!!
city艶
って俺の馬鹿orz
乙!
250 :
84:2005/11/22(火) 20:48:17 ID:otx/9OmXO
毎回短くてすんません
ナイチエを振り絞って考えております
後2回位で終わらせるつもりです
終わればいいなぁ…
でわまた、支援ありがとうございました<(__)>
>>250 Good JJJJJob!
続き、続きを!!
このスレの全ての神職人たちへ
Gいいぃぃぃ!Jえええぇぇぇぇ!
いやほんと最高ですよ神たち
おれはスンゴク幸せな気分になれるよ
ホントありがとう
そしてまだ見ぬ神職人たちへ
見切り発車だがGJ!!
期待して待ってます(で、できれば姫に清き一票を…)
俺も神職人になってみたいぜ
全米より
>>250 ゲームじゃひどい扱いの祈ちゃんを幸せにしてやってくれ~
ぶっちゃけ、祈ちゃんとみたいな関係が一番長続きするんだけどさ。
いいよねぇ、着かず離れず。
柳の恋Endは俺にとっては一種の理想だったりする。
さて、姫孕ますか。
いい加減続き書かないとな。
>>250なんかおまいさんの書くフカヒレとスバルがぶっ飛びすぎてて
クソ笑えるんだが、そういう仕様ですか、そうですか。
ええい、祈ちゃんはいい、フカヒレを出せ、フカヒレを!
とアムロの親父張りにPCの画面を叩いてしまう今日この頃
>>250 うん、各キャラの特徴をよく掴んでるよ。
フカヒレはゲームよりキモいぞw
目からしょっぱい汁が溢れてくるなぁ・・・。
257 :
シンイチ:2005/11/22(火) 22:43:11 ID:4D3NU3Vp0
俺達は今、小型艇に乗って船釣りを楽しんでいる。
…いや、あんまり楽しんではいないか。
ねぇねぇと釣りに出かけようということになり、それを見たお姉ちゃんがついて来たのだ。
しかし、これが全く釣れなかった。
ならばということで、ねぇねぇが泊めてあった小型艇を勝手に拝借し、ちょっと沖まで来たというわけ。
俺もお姉ちゃんもやめとけと言ったんだけど、全然聞く耳を持っちゃいなかった。
そして結果は…完璧にアウト。
長い時間糸を垂らしてはいるが、まったく手ごたえがなかった。
「釣れないね…」
「釣れないにゃー…」
「ほんとだね…ねぇねぇ、仕方ないからそろそろ帰ろうよ」
「うん、そうだね。うみゃ、エンジンかけて」
「はーい。それにしても、なんだか嫌な天気になってきたな~…」
さてところで、ハプニングとは予期せぬ時に起こるものだ。
嬉しい事だろうが、嫌な事だろうが、全然身構えてもいないときに起こるもの。
そう、それはこの時もだった。
「あれ?おかしいな~」
お姉ちゃんがエンジンをつけるのに四苦八苦している。
どうしたんだろう、機械には強いはずなのに。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「くーや、エンジンがつかないんだよ~」
「どれどれ…」
俺はちょっと様子を見てみることにした。原因はすぐわかった。
それは不幸のどん底への始まりとも言えるかもしれない。
「ねぇねぇ、どうしよう…」
「どうしたのさ」
「…燃料切れなんだ」
…かくして、俺達は漂流するハメになったのである。
「いいか、これは『島流し』である。日曜日の夕方に迎えに来るので、それまでの2日間を生き延びるがよい」
全員の血の気がひいていくような感じだった。
完全に騙された。これはすべて館長の策略だったのだ。
楽しい合宿は一変、地獄のサバイバルへと変貌したのである。
館長が言うには、俺達はそれぞれが高い能力を持っているにも関わらず、協調性がなさすぎるとのこと。
で、この様な処置をとることになったというわけだ。
…祈先生に尋問した結果、発覚した事だった。
島に打ち揚げられていた小型艇も、俺達の目の前で館長が爆破してしまったし、とにかく協力して生き延びるしかない。
「それにしてもさ、なんでこんなとこにちっこい船があったんだろ」
「もしかして、私たちのほかに誰か島にいるのかも…」
「こ、怖いこと言ってるんじゃねーよ、よっぴー」
「だって…」
「まぁ、それはそれでいいんじゃない?その人たちとっ捕まえて遊ぶってのも面白そうだもん」
姫はこの状況までも楽しんでいるらしい。
さすが神経が図太いというかなんというか…
「そういえば温泉が上のほうにあったわ。男子と女子、交代で入りましょ」
「そんなものがあったのか。私は温泉大好きだぞ」
「温泉で素っ裸になったみんなの胸を揉める…一人ずつ…ウフフフ…」
…大丈夫か、この人。
「それじゃ私たち女性陣が先に入るわね」
結局姫が勝手に順番を決めてしまい、俺達男性陣は砂浜で待機。
「さて、覗き大作戦を開始するぞ、レオ」
「フカヒレ…さすがはこういうときには決断を素早くする男だな」
「じゃあ行くぞ、対馬二等兵」
「了解であります、上等兵殿!」
うふふ、温泉温泉♪
カニっち以外の対馬ファミリーには悪いけど、レディーファーストは守ってもらわないとね。
それに何と言っても、ここにいるみんなの胸を揉める…
よっぴーも、なごみんも、祈先生も、乙女先輩も、みんなみんな。
あ、カニっち忘れてたわ。まぁ、ちっさいから別にいっか。
さぁ着いたわよ。早速みんなの裸を拝んで…
「む?ちょっと待て、姫」
「な、なんですか乙女先輩。私は別に胸を揉んだりしようとか考えてませんよ?」
「嘘をつくな、嘘を。そうじゃなくて、どうやら先客がいるみたいだぞ」
湯煙でよく見えないけど、何かが動いてるってのはよくわかったわ。
温泉でメチャクチャはしゃいでるみたい。
「誰でしょう。あたしたちしかいないはずなのに」
「いや、そうとも限らんぞ。砂浜に打ち揚げられていた小型艇の持ち主かもしれん」
「それなら、事情を話して迎えが来るまで一緒に生き延びればいいですわ」
「待ってください、祈先生。それは相手が善良な者であればの話。
もしよからぬ輩であったとするなら、それで全員に危険が及ぶことになるかもしれません」
じゃあ、ここは乙女先輩に任せてみようかしら…ってちょっと!
すでにカニっちが相手に接触してるじゃないの!
しかもいつの間にか服脱いでるし。
「おい、オメーら。ここは今からボクたちが入るんだから、とっとと出ていきな」
「うみゃ、何このちっこいのは」
「さあ、なんだろね~」
「食べれる?」
「茹でればいけそうかもよ~」
「オイオイ、何ワケのわかんないこと言ってんだよ」
何か変なこと言ってるわね…
別にカニっちがどうなっても私が無事ならそれでいいけど、一応会長だから何かあったら困るのよねー。
やれやれ、ここは出て行くしかないか。
「ごめんなさいね。ところで、あなたたちは誰?」
あ~あ、結局途中の崖でアウトになっちまったぜ。いくらなんでも急すぎるよ。間欠泉もあったし。
これは乙女さんたちが戻ってくる前に、さっさと砂浜に戻ったほうがよさそうだ。
フカヒレは例のごとく転げ落ちてしまったわけだが…ま、とくに目立った怪我も無い。
肩を貸してやって、ゆっくりと砂浜へ向かっていった。
「ん?レオ、ちょっとふせろ」
「どうした?」
「アレ見ろよ、アレ」
フカヒレが指をさした先は、俺達が夕食のバーベキューをやった場所だ。
そこで奇妙な影が動いている。食べ残しを回収しているんだろう。
その先にはスバルがいるが、どうやら完全に眠りこけて気づいていないらしい。
「土永さん…じゃないよな」
「見りゃわかるだろうが。それよりも、どうする?」
「…俺達でとっつかまえるか?」
「正気かよ?乙女さんもいないし、スバルはアレだし…」
「バカ、あれが美人のお嬢さんだったらどうする?きっと漂流して助けを待ってたんだ。
そんなときに俺達が登場すればどうなる?涙を流して感激し、俺にだきつき、そのまま夜のお付き合いを…」
「はいはい、それはともかく、ひょっとしたら打ち揚げられてた小型艇の持ち主かもしれないな」
影は一通り食べ物を集めたのか、森のほうへと動き始めた。
俺達にとっても食べ残しとはいえ、貴重な食料であることに変わりはない。
持って行かれるのだけはカンベンだ。
「待て!」
俺は飛び出してそいつの前に立ちふさがった。このまま行かせてなるものか。
せめて乙女さんが戻ってくるまではくいとめてみせるぞ!
「それは俺達の食料だ!勝手に持って行くなってんだ!」
「フッ、このクールガイと戦おうってのか?怪我するぜ、そこをどきな」
「泥棒しといて、なにがクールガイだ…」
「う、うるせぇ!さっさとどけっての!お姉ちゃん達が待ってるんだからな!」
そんなやり取りをしているとき、後ろから乙女さん達の声がしていきた。これでもう大丈夫だ。
とそのとき、いきなり俺を飛び越して女が男に抱きついた。その動きはもはや人間じゃない。
「クーヤ!」
支援
俺を飛び越していった女は、男に抱きついたままでキスを連発している。
そして今度は、俺の横をものすごいスピードで通り抜けてまた男に抱きついた。
「瀬芦理お姉ちゃんずるいよ~。くーや、大丈夫だった~?」
「う、うん。大丈夫だから二人ともちょっと離れてくれよ」
「愛が足りないにゃー」
「しぼむ~」
俺とフカヒレ、そして起きたスバルもこの状況が理解できないでいた。
とりあえず、一緒に戻ってきた乙女さん達に事情を聞くことに。
「乙女さん、これは一体どういうこと?」
「ああ、砂浜に小型艇が打ち揚げられていただろう?
それの持ち主の柊瀬芦理さん、妹の海さん、そしてそちらが弟の空也さんだな」
「なんでも、船釣りで沖に流さたそうですわ。今まで魚と貝しか食べてないと言っていました」
「まったくマヌケな連中だぜ」
カニはちょっと不機嫌そうだった。多分、どちらも胸が大きめだからだろう。
「いやいや、それにしても助かったよ。探検しても誰もいなかったから、もうこの島で一生を迎えるのかと…」
「でも、お姉ちゃんなら本州まで泳げそうだよ~?」
「そういえば、俺達が乗ってきた船が見当たらないな…」
あ、もしかしてこの人たちは館長が船をぶっ壊したことを知らないのか…なら、教えてやるとしよう。
「……というわけなんです」
「さすがにアタシでもそんな真似はできないにゃー」
「ま、まぁともかく、2日後には迎えが来ますから」
「私たちのじゃないのに~」
「へ?」
「ううん、こっちの話~」
こうして、突然のゲストを交えてのサバイバルが幕を開けることになった。
大変である事に変わりはないが、これはこれで結構楽しそうだぞ。
「フカヒレ、どうした?」
「いや、どっちも超美人だなぁと思って…ハァハァ」
「…やれやれ」
天気は快晴、ジリジリと照りつける太陽の日差しを浴びて俺は目覚めた。
姫が中心となり、まずは食料の調達をすることに。
「カニっちと対馬君、それに海さんと伊達君は山で食料調達。
瀬芦理さんとフカヒレ君、なごみんと乙女先輩は魚をとってきて。
空也さんとよっぴーと私は調理係ね」
「ありゃ、祈ちゃんはどーすんのさ?」
「だって役に立たないもん」
「そっか」
…生徒から役立たずのレッテル貼られてるぞ、祈先生。
「え~、くーやが調理係なら私もそっちやる~」
「「!!」」
何だ?空也さんも瀬芦理さんも、急に顔色が変わったぞ?
そんなに危険なのか?
「あら、そうですか?それなら調理係に…」
「お、お姉ちゃん!そんなことしたらそっちが人手不足になっちゃうじゃないか!
俺は大丈夫だから、食料調達を頑張ってよ!ね!?」
「うう~…くーやがそう言うなら…」
「じゃあ、海さんは山へ行ってください」
「ほっ…」
どうやら何かわからんけど危険らしい。
まぁ、もし料理がマズイと言ってもカニほどじゃないだろ。
「さぁ、それじゃ各自出発!」
俺は山だな。よし、頑張ってくるか。
拝啓、レオとスバル。お元気ですか。
俺は今、青春とは何たるかをひしひしと感じています。
これはどういうめぐりあわせだろうか。まずは姫に感謝したいです。
美人3人と一緒にいることができるとは、これほど嬉しいことはありません。
ハーレムですよ。夢にまで見たハーレムですよ。
「センパイ、何ニヤニヤしてるんですか。キモイです」
俺の横には椰子が座って一緒に糸を垂らしています。
乙女さんと瀬芦理さんは、素潜りで捕まえた方が早いと、そのまま陸に上がってこようとしません。
でも、俺は見ました!あの瀬芦理さんの完璧なボディを!
90はあろうかというあの巨乳!
カニの馬鹿にも少しは分け与えてあげれればと思ったりしています。
「おーい、バケツ頂戴。…なんだよ、変な笑い方してさ」
「いえいえ、どうぞ」
「どうだ鮫氷、何か釣れたか?」
「いやぁ、全然。椰子は釣れてるようですけど」
「どれどれ…おぉ、クロダイがいるじゃないか。椰子はなかなかやるなぁ」
「…どうも」
「よーし、そんじゃそこの君、まずはこれをクーヤのところまで持って行ってよ」
「ウッス!」
「ああ、そうだ。ついでだからあっちから水を持ってきてくれ」
「扇ぐ物もお願いします」
「オッケイ!まとめて全部面倒見ちゃうよ!」
いやぁ、俺って愛されてるなぁ。レオ、ついに俺の時代が来たみたいです。
おこぼれ頂戴しようなんて思っても無理だからな。
「なんかずっとニヤニヤしてたね。ちょっと気持ち悪いよ」
「まぁ、フカヒレセンパイですから」
4円です
支援
「山~の中~で鳥が鳴く~♪今日のおかずはなんだろな~
♪おいしい~おいしい~き・く・ら・げ~♪」
聞いたこともない謎の歌を歌いながら海さんは山菜を採っていた。
なんだか電波が飛び交ってるような気がしてならない。
もしかしてあのちょこんと出っ張った髪から受信してるのかも…
「それにしてもだりぃなー。もっと簡単にとれねーのかよー」
「文句ばっかり言うなっての。とらなきゃ食い物がないんだぞ」
「だってよー」
「まったくしょうがねぇ子蟹ちゃんだな」
そういいながらも、スバルの顔はほほえましそうだった。
そんな俺達を、海さんがじっと見ているのに気がついた。
「どうかしたんスか?」
「私って6人姉妹の末っ子なんだけど、その子が私のお姉ちゃんの一人に似てるなって思ってたの~。
なんとなくだけどね~」
6人姉妹ってメチャクチャ多いな。空也さんも大変だ…
「えっ!?ってことは、ボクのような純情で可憐な天使のようなお姉さんってこと?」
「う~ん、そのお姉ちゃんって、
ツインテールでワガママでタカビーで貧乳で短気でマヌケでヘタレでツインテールなお姉ちゃんなの~」
「あんまりこいつとの接点はないな…雰囲気が似てるってことか」
「ちょっと待てや!それって相当ヘタレってことじゃねーか!ヘタレはレオで十分だっての!」
「なんかえらい言い様ッスね。恨みでもあるんスか?」
「え~、恨んでなんかいないよ~。だって私、お姉ちゃん大好きだもん。
お姉ちゃんのためなら脱税だって余裕でしちゃうよ~」
微妙だ…本当に大好きなのか?
食材が運ばれるまでの間、俺は火をおこすことにした。
まぁ、こういうのは親父との修行の時にイヤと言うほど叩き込まれた。
覚えとかないと、本気で死にそうになった事もあったし。
「へぇ、上手じゃない」
「本当だ。誰かに教わったんですか?」
「ああ、ウチのクソ親父にね」
また死にそうになった時のことが頭の中にフラッシュバックしてくる…
ここはちょっとジョークでも。
「ついでに君のハートにも火をともしてやるよ。俺に惚れるなよ?」
「あ、大丈夫です。そんなこと天地がひっくり返ってもないですから」
「今のセリフ寒ーい。フカヒレ君みたい」
…だめだ、こんな美人なのに俺になびこうともしない。
しばらくしてから鮫氷君と伊達君が食材を持って来た。
山に行っていたほうは全員が戻ってきたようだ。
「おーい、魚獲ってきたぞー」
「こっちも山菜、だいぶ集めてきたぜ」
「フカヒレ君、あなた以外は?」
「みんなまだ取る気らしいぜ。それにしても瀬芦理さんってスゲェな。
あの乙女さんと互角の運動神経してるぜ。乙女さんが二人いるみたいだ」
「胸は瀬芦理さんのほうがあるけどねー。ああ…揉みたい…」
なんか胸の話をしてると、この霧夜さんって目がキラキラしてるよな…
とにかく、これでなんとか料理はできそうだ。
「よし、腕をふるっちゃうぞ。佐藤さん、手伝いお願いね」
「はい、いいですよ」
「お姉ちゃんもやる~」
「い、いいよお姉ちゃん!大丈夫だから!」
「しぼむ~…じゃあ、お姉ちゃんは旗を振って応援してるね~」
ねぇねぇ達が帰ってきたころ、もうほとんど料理はできていた。
余ってしまった魚は、丁寧に開いて干物にしておく。いざというときの非常食だ。
全員がおいしいと言ってくれたのは、素直に嬉しかった。
とりあえずの腹ごしらえをした俺達は、引き続き食料調達に勤しんだ。
ちなみに、祈さんが起きたのは食事ができてから。この寝起きの弱さは要芽姉様といい勝負だぜ。
そうこうしている間に空が赤く染まり、夜を迎えようとしていた。
「さあて、これから夜の一大イベント!肝試しのはじまりはじまり~!」
「イェーイ!」
お姉ちゃんがどこからかクラッカーを取り出し、パンと景気のいい音を鳴らす。
まあ、定番と言えば定番のイベントだな。
「なぁ、ほ、ほんとにやるのか?」
「なんだ、怖いのかカニ」
「こ、怖くない!怖くないもんね!いちいちうっせーんだよ、ココナッツ!」
「それじゃー、私がアミダを作るわね。ええとまずは…」
砂浜に霧夜さんがアミダを書いていく。それを見たお姉ちゃんが一言。
「そのアミダ、ちょっとおかしいよ~。霧夜さん、自分の思うとおりの組み合わせにしようとしてない~?」
(す、するどい…ボーッとしてるようだけど、観察力はすごいわね…)
「そうなのか?姫」
「そ、そんなわけないじゃないですか、乙女先輩」
「どうも信用ならんな。じゃあ、私がアミダを作ってやろう」
(チッ)
結局、乙女さんが作ったアミダでグループが決まった。
第1班:伊達・蟹沢
第2班:霧夜・対馬
第3班:椰子・瀬芦理
第4班:海・鮫氷・佐藤
第5班:空也・鉄
「祈先生はここで待機です。それじゃ、順番にレッツゴー!」
第1班:伊達・蟹沢
「大丈夫か、子蟹ちゃん。やっぱ怖いんじゃねーのか?」
「こ、怖くない…怖くないもんね…」
やれやれ、そうは言ってるけど、体にべっとりくっつかれたんじゃ説得力ねーぜ。
歩きづらいったらありゃしねぇ。別に幽霊とかでるわけじゃないのにな。
こんなに震えちまって、まったく…
本当に世話がやけるねぇ。
「あのよー、スバル…」
「ん?」
「もしも…もしもだよ?自分の身近に好きな奴がいてさ、でもそいつが他の奴を好きだったらどうする?」
「そうだな…もし他人だったら…無理矢理にでも女を奪っちまうかもしれねぇ」
「んじゃ、友達だったら?」
「決まってるだろ。レオやフカヒレだったら、俺は喜んで身を引くぜ」
「そっか…スバルらしいね」
「そうか?」
「うん。あ、でもフカヒレはありえないんじゃね?」
「ん?おお、そうだな。あいつを好きになる奴はよっぽどのモノ好きだ。
俺としたことが、気がつかなかったぜ」
「あはははは!」
まったく…人の気を知ってるのかね、この子蟹ちゃんは。
`・ω・)っφ....支援
第2班:霧夜・対馬
「ちょっと、顔が真っ赤よ?対馬クン」
「そ、そうかな?」
そりゃそうもなるだろうがよ…ってまたからかわれてしまった。
すぐそこに姫がいる。俺と一緒に歩いている。自然と胸が高鳴る。
でも、姫は俺のことなんて眼中にないんだよなぁ…
「ねぇ、対馬クン…聞きたいことあるんだけど」
「ん?」
「あの瀬芦理さんと海さんってさー、だいぶ胸大きいと思わない?」
何をいきなり言い出すんだ、この人は。
「特にあの瀬芦理さんはすごいわよ!アレは90はあると見たわね」
「はぁ…」
目がキラキラしてる…ホントどうしようもないな。
今度の体育祭の借り物競争で『ダメ人間』が出たら、真っ先に姫を連れて行こう。
多分ギリギリセーフのはずだ。
「ちょっと、聞いてるの対馬クン!」
「あいた!頭叩かなくったっていいだろ!」
「あーら、別にそんなにつまってるわけでもないんだからいいじゃない」
「うぬぬ…」
「あーあ、女の子と一緒がよかったなー」
はぁ…佐藤さんの気持ちがわかるような気がするよ。
「そういえば対馬クンさ」
「何?」
「ぶっちゃけ、伊達クンとはどこまでいってるの?どっちが受け?」
「!!!!!?????」
第3班:椰子・瀬芦理
「あ、そこ足元気をつけなよ」
「どうも」
うーん、この子全然しゃべらないから苦手だにゃー。
モエは恥ずかしがって話さないってタイプだけど、この子はしゃべりたくないオーラがにじみ出ちゃってるもん。
…ひとりぼっちなのかな。ううん、そんなことないよね。
だって、あんなに沢山の仲間がいるんだもん。この子、幸せだよ。
「うう~ぁぁぁぁ!」
「どうしたんですか?」
「もーダメ!全然しゃべんないのはもうやめ!つまんないもん!」
「で、どうするんですか」
「ジャンケンして勝ったら先に5歩進む!今からアタシたちはこのルールで行きまーす!」
「はぁ?(ギロリ)」
そんな睨んだって、要芽姉のほうがよっぽど怖いもんね。
その程度じゃなんてことないよーだ。
「睨んだってダメだよ!もう決めちゃったもんね!ジャンケンポン!」
「あっ…」
「キミ出さなかったからアタシの勝ちー!1、2、3、4、5!」
「何を…いいでしょう、そのルールでいこうじゃないですか」
「おっ、ノってきたねー」
「勘違いしないでください。勝負から逃げたと思われるのがイヤなだけです」
「はいはい、そういうことにしとくよ。ジャンケンポン!あ…」
「あたしの勝ちですね。それじゃ5歩と」
「こらー!歩幅広すぎるぞー!アタシの2倍は進んでるじゃないかー!」
「だって、そんなこと決めてませんから」
「よーし、だったらこっちも遠慮しないからね!ドンドン行くよー!」
私怨
第4班:海・鮫氷・佐藤
俺の名はシャーク鮫氷。
この真っ暗闇の中、俺の両手には可愛い女の子がいる。
早速よっぴーをおどかしてやれ。
「よっぴいぃぃぃ~」
「きゃあぁぁぁ!鮫氷君、怖いよう」
基本に忠実な反応をありがとう、よっぴー。
うう…なんて俺は幸せなんだ。これはきっと、神様が俺にご褒美をくれたに違いない!
さて、どうしようか…どっちからいっちゃう?
よっぴー?いやいや、ここは海さんからいこうじゃないか。
空也さんだったっけ、今から俺はあなたと兄弟になります!
「う~みさ~ん!」
シャーク鮫氷超奥義・ルパンダ~イブ!
かの有名な大泥棒が編み出した技を受けてみよ!
「海さん、危ない!」
「おっと~。電気ショック~」
「あばばばばばば!」
ど、どこからスタンガンを…無念。
「どうしよ~。さすがにちょっとやりすぎちゃったよ~」
「うん…でも別にいいですよ」
「このままほっとく~?」
「そうですね、明日になれば気がついてひょっこり出てきますよ」
「佐藤さんってさ~、なんだか普段は猫かぶってな~い?」
「あはは、そんなことないですよ」
「そうかな~?」
第5班:空也・鉄
この暗闇の中、男の女が一人だけ。
そうなればヤルことは決まってるんだけど…
俺はこの人には手出しできないでいた。襲ったら逆に蹴り殺されそうで怖い。
お化けよりもこっちのほうが恐ろしいぜ。
しかし、俺はこんなことぐらいでめげはしない!
何せあのお姉ちゃんたちから日々しごかれ(いじめられ)ているんだから!
これぐらいの障壁なんてどうってことない!
乙女さんってなかなかの美人じゃないか。これほどの美人、抱かなければ負けかなと思っている。
名前の通り、まだまだ可憐な『乙女』なのかもしれないんだからな。
それに、俺のテクの前にはどんな女でもイチコロさ。
「どうかしましたか、空也さん」
「うん、ちょっと足をくじいちゃったみたいで…」
「そうですか?診せてもらえますか」
屈んだ俺に不用意に近づく乙女さん。
フフフ、さてそれじゃ…
「いっただっきまーす!…アレ?」
がばっと襲い掛かったけど、そこにはもう乙女さんの姿はなかった。
おかしいと思う瞬間もなく、俺の体は投げ飛ばされていたのだ。
「ぐえっ!」
そのまま俺は木に激突してしまった。そして、目の前には怒りをあらわにした乙女さんが。
「なかなか度胸のあることをしてくれるじゃないか」
「はは…冗談!冗談だってばさぁ乙女さん!ちょっとしたチャメっ気だよォ~ん。やだなぁもう~。
本気にした?ま、まさかこれ以上痛めつけたりしないよね?木に激突して背中痛いんだけど」
「あなたには何も言うことはない…とても愚かすぎて…何も言えない」
「うわぁぁぁぁぁー!」
ボグシャーン!
○○○○
なんだかんだで、戻ってきた頃には仲良くなった俺達。
もどってきた俺はお姉ちゃんとねぇねぇに快方されていた。
「あーあ、またやったねクーヤ」
「いたた…」
「心配しているのはわかりますが、原因を作ったのはそちらです」
「わかってるよ…だから謝ってるじゃないか」
「その程度で許されると思うな!」
ゲシッ!
「イテェ!」
「あ~!もうこれ以上やると、私が容赦しないよ~!」
「…!(なんだ、この気迫は…只者ではない!)」
ここで、霧夜さんが間に割って入った。
「はいはい、もういいでしょ。どっちもおさえておさえて」
「しかし姫…!」
「この状況よ?こんな行動をする人が一人くらいいても不思議じゃないって」
「うぬ…まぁ、今回は私にも実害はなかったからよしとするか」
「ほら、クーヤ。もう一度ちゃんと謝って」
「どうもすみませんでした…」
「まったく…次はありませんよ」
はぁ、なんとか許してもらえたか…ま、全面的に俺が悪いんだしな。
とりあえずは反省しておこう。
「あれ、そういえば一人足りないような…」
「気のせいだと思うよ」
「そうかな?」
支援
本日も朝から快晴なり。
こんなところにずっといたら干乾びてしまう。
相変わらず男性陣は海岸でゴロ寝だ。
「さて、それじゃ早速食料調達を…あら?」
「む、あれは館長の船じゃないか。予定よりも随分早いようだが…」
確かに、こっちに向かってくるのは館長の船だ。
「おー、ヘイゾーも早く迎えに来るなんて気が利くじゃねーか。…ん?知らねー人が乗ってるぞ?」
「あれは…おーい!モエー!タカー!ひなのーん!」
「瀬芦理姉さーん!」
へ?それじゃひょっとして、アレがこの人たちの言っていた家族か?
すげえ、どれも美人ぞろいじゃないか。
船が海岸に到着すると、真っ先に長身の人が飛び降りて駆け寄ってきた。
「みんな…よかったよう…うえぇぇ…」
「巴お姉ちゃん、泣かないでよ~」
すると、今度はやたらと元気なツインテールが向かってきた。
「このバカイカ!心配かけさせんじゃないわよ!(バキャッ!)」
「グエー!!い、いきなりイナズマレッグラリアートかよ…」
「むう、荒削りだがいい蹴りだな」
いや乙女さん、そこは感心するところじゃないよ。
なんだか賑やかな家族だな。まぁ、俺達もそんなに変わらないかな?
「おい、せろり」
最後に館長に抱っこされて船から降りてきた少女がこっちに来た。
しかし、見た目とは違って威厳のようなものが感じられる。
こりゃヘタなことはできないな。
「あ…ひなのん。いやー…そのー…」
「今回はお前が事の発端らしいな。他所様のものを勝手に拝借するとは何事だ!」
「ばれてたか…まぁいいじゃん!こうやって無事に再会できたんだし…」
「ええい、黙れ黙れ!帰ったら説教だ!覚悟いたせ!」
館長は何故早く迎えに来たのかを帰りに話してくれた。
「昨日の夜の事なのだがな、急にそちらの3人の方々が訪ねてきたのだ。
どうやって烏賊島に漂流したのかは知らんが、助けてほしいと頼まれたのだよ」
「そういえばともねえ、どうやって俺達があの島に漂流したかわかったの?」
「う、うん…ぽえむちゃんに占ってもらったんだよ」
「ぽえむはお前達のためだと張り切ってくれたのだぞ」
「で、アタシ達が迎えに来たってわけよ」
「こちらについたとき、瀬芦理が船を無断で借りていたことがわかったのだ」
占いって…祈先生みたいな人がいるんだな。
やっぱその人も胸がデカくて駄菓子ばっかり食ってるのかな?
「そういえば、要芽お姉ちゃんはどうしたの~?」
「かなめは仕事で手が離せなくてな。ぽえむとほなみには留守番を頼んでおいた」
「ま、大したケガもなくて一安心ね」
「あれ?姉貴、俺の心配してくれてるの?」
「そ、そんなわけないでしょうが!アンタなんかもう一回漂流されてこい!」
「…にぎやかすぎ」
椰子のやつはその光景を遠くからじっと見ていた。
でも、嫌な気分とかそういうのじゃなくて、なんだかうらやましそうな顔をしていた。
カニは毛布と荒縄でぐるぐる巻きにされた瀬芦理さんにちょっかいを出している。
スバルがそれをやめさせようとしているが、全然やめる気配はなし。
海さんまで一緒になって遊んでる始末だ。
「こらー!うみゃー!いいかげんにしろー!」
「えー、だってそんなカッコしてたら遊んでくださいって言ってるようなものだよー」
「言えてるぜ。よーし、次は鼻の穴に指つっこんでやる」
「おいおい、やめとけって」
「くそー!おぼえてろー!フガガガ!」
無事に帰ってきた俺達は、約2日間一緒に過ごした柊家の人々と別れることとなった。
船が着いた所には要芽さんという人が車で迎えに来ていた。
巴さんと空也さんはバイクに乗って、あとの人たちは車の方へ。
瀬芦理さんはあの格好のままトランクに押し込められていた。
「皆の者には空也達が大変世話になった。柊家を代表し、改めて礼を言うぞ」
「いえいえ、私たちも楽しかったです。お二人の胸を見れただけで私はもう…」
「こら姫!…失礼しました」
「ふふ、よいよい。そちらがよかったら、いつの日か柊家を訪ねてくるがよいぞ」
「ありがとうございます。それでは…」
「うむ、さらばだ」
帰路へと向かう柊家のみんなを俺達は見送り、そのまま解散になるはずだったんだが…
「おい、そういえばフカヒレの奴はどうした?」
「ありゃ、言われてみればいねーな」
「おーい、誰かいませんかー。おーい、おーい…
俺を置いてみんなで帰るんじゃねーよー!
ちくしょー!結局俺はこんな役回りかよー!
絶対幸せになってやるぅ~~~~!」
283 :
シンイチ:2005/11/22(火) 23:24:57 ID:4D3NU3Vp0
やたら長いうえに初っ端から題名ミス…反省。
支援ありがとうございました。
GJ!ってか姉貴がイナヅマレッグラリアートブチかましてるのクソワロタ
関係ないけど、フカヒレが要芽姉さまに「黙れよ」って言われたら
絶対一時期の空也と同じリアクションすると思うんだが
「ヒィ!生まれてきてすいません!」とかw
286 :
名無しさん@初回限定:2005/11/22(火) 23:30:05 ID:FbQ5kq1tO
このスレ神大杉
>>283 押忍GJでした!
よもや、あそこにあった小型船にそういう意味があったとは!
ゲームと絡んで居る所がアイデアとして良いですね。
ただ、俺は姉しよ未プレイ、逝って来ます・・・
鎌倉と横須賀じゃ三浦半島の反対側だがGJ(w
GJ、さり気なくねぇねぇの簀巻きプレイに萌えたのは内緒だ。
290 :
205:2005/11/23(水) 00:33:29 ID:RngrC9mc0
205の続きが書けたので投下します。
前回書いていた時点でこの展開を考えてました。
支援よろしくお願いします。
「あいた、あいたたた」
隣で眠っていた乙女さんが声をあげて、俺は夢から覚める。
「んー、どうしたの乙女さん。こんな夜中に…」
「レオ、なんだかお腹が痛くて…」
乙女さんの訴えで部屋の電気を点けてみると、
乙女さんのパジャマの下半身、股間の部分が血でべっとりと濡れていた。
「えっ?!何!?乙女さん、血、血がでているよ!!」
「痛みはたいした事はないが…レオ、とにかく医者を呼んでくれ…」
気丈な声を出しているが、乙女さんの声と体が震えている。
俺も乙女さんの血を見て体が震える。違う!ここで俺がしっかりと乙女さんを支えなきゃ!
部屋の電話の子機を取り、119番に電話をかける。
呼び出し音が鳴っている間。乙女さんの手を握り。お互い冷静になろうとつとめる。
「すいません、救急車、救急車お願いします」
救急車が家の前に到着し、乙女さんが搬送される。
「レオ、レオぉ、私の体はどうなってしまったんだ」
いつもの凛々しい乙女さんとは思えないほど、弱弱しく俺に語りかけ、握る手がぶるぶると震えている。
俺はその手を強く握り返す事しかできない。
「とにかく、とにかく病院でお医者さんに見てもらおう」
病院に到着するまでの時間がもどかしい、もっと速く、速く走ってくれ。
病院に搬送され、医者が乙女さんの容態を確認する。
「流産の可能性が高いです。急いで母体の手当てを始めます」
「………は?アンタ、いや先生、今、流産って…」
乙女さんは緊急治療室で処置を受けている。
俺は通路の長椅子に座り、神に祈る。
「頼む、乙女さんとお腹の子が無事なら、俺はアンタの信者になる。
何でもする。だから乙女さんと子供を助けてくれ…」
俺は自分に何も出来ない事に歯軋りをし、乙女さんの安否を願う。
手術が終わり、担当医が手術室から出てくる。
「先生、乙女さんの容態は?!」
「患者の体は大丈夫です。原因は不明ですが、流産は10人に1人の割合で発生します。
原因が不明というのも多いことで、妊娠という現象に対して避けられない事なのです」
「そんな……運が悪かった。で割り切るしかないんですか!」
「幸い、母体には異常はありません、数ヶ月で健康な体に戻り再び妊娠を行う事も出来るようになるでしょう。
むしろ夫の貴方が妻を労わってあげる事が重要です」
「…はい、先生の適切な処置、ありがとうございました」
俺と乙女さんとの最初の子供が流産。
ああ、神様、貴方はなんて不幸を俺たちに与えるのだ…
悲しさと悔しさで、俺の両目から涙がこぼれていた。
病室に移された乙女さんのベットの傍らで乙女さんの目覚めを待つ
「ん…レオ…そうか、私麻酔で眠っていたのだな」
目覚めたばかりの乙女さんは、まだ夢の中にいるようなぼおっとした顔をしている。
「乙女さん…」
乙女さんは俺の顔を見ると、ぽろぽろと涙を流し始める。
「うッ…レオ、レオ、私とお前の子供が、子供が…」
「乙女さん、乙女さんが悪いんじゃない、運が悪かったんだよ」
「運が悪い?!そんな言葉で済まされる事じゃないんだ!」
乙女さんは両手を顔にあてて嗚咽を漏らしている。
あんなに強くて凛々しい乙女さんが、少女のように泣きじゃくっている。
そんな乙女さんを見ていると、悲しみが再び溢れてくる。
だけど、もう涙は出ない。俺の涙は出尽くしているから。
俺が乙女さんを支えてやらなきゃ。
俺の人生は常に失敗の連続だ。起こってしまった事に対して「運が悪かった」で終わらせる事に慣れている。
負け犬属性が身に染み込んでいるんだ。
だが、乙女さんは違う。常に己の信じる道を進み、努
力と鍛錬であらゆる障害を排除して無敗の人生を歩んできた。
そこでこの流産、自らの行動で避ける事も許されず。挽回の努力も許されないのだ。
失ったお腹の子は取り戻せない、乙女さんは心に深刻なダメージを与うけていた。
2月に妊娠が判り、4月に子供を失った。
生まれてくる子供の為に行った努力が、今では虚しく感じてしまう。
乙女さんが流産した事はごく身内にしか話していない、
カニやスバル、フカヒレは近所の幼じみ故に気付いているが、俺を気遣ってかこの話題には触れてこない。
ただ、俺に優しく接してくれる。それだけで俺の心は癒されていった。
俺は乙女さんの夫になったんだ。夫としての努力を怠る事はできない。
俺は皆の支えを受けて日常に戻る事ができた。
しかし、今の乙女さんには俺しか居ない。俺が乙女さんを支えてやらなきゃいけない。
少しでも1人にすると、気の抜けた表情で視点の合わない目をしている。
太陽のようだった笑顔も見れなくなった。それに気付き、
俺は胸が張り裂けそうな思いで苦しくなった。乙女さんのそんな姿は見たくない。
俺は退院後も乙女さんの傍にいた。学校は祈先生に事情を話し欠席の許可を貰った。
授業はよっぴーのノートのお陰で大きな遅れを出す事はなさそうだ。
乙女さんが悲しみを乗り越えられるように支えてあげる事に専念した。
「乙女さん、面白そうな映画借りて来たから、いっしょに見よう」
「乙女さん、公園の桜が綺麗に咲いているから、見に行こう」
「乙女さん、一緒に料理の勉強しよう、2人で覚えれば上達も早いって」
その甲斐あってか、以前のように笑顔を見せてくれるようになり、
医者からも運動の許可が出た。乙女さんは以前の自分を取り戻したようだ。
俺も乙女さんも学業に復帰し、以前の生活に戻る事になった。
流産は辛い経験だったが、お互いが元の生活に戻れた事を、俺は素直に喜んだ。
初支援
「乙女さん、たっだいまー」
乙女さんは大学に行っても、部活動は行わない事にしたそうだ。
授業が終われば妻として俺の世話をしてくれる。俺は幸せな男だ。
乙女さんは家に居らず庭で木刀の素振りを行っていた。
「レオか、お帰り。今日は遅かったな。もう食事の支度は終わっているぞ。
とは言っても、スーパーのお惣菜だがな」
乙女さんは素振りを続けながら、苦笑交じりに話している。
俺は素振りをしている乙女さんの姿を姿を見て驚いた。木刀を握る手が血で真っ赤に染まっている。
「うわっ、乙女さんの手、血が出てるじゃないか!やり過ぎだよ!」
「ん…?ああ、そうだな。しばらく運動していなかったから、思いの外熱を入れてしまった」
手を止めて呟く乙女さんの顔を見て俺はゾクリとした。生気の無い無表情の顔。以前の清々しい顔ではない。
乙女さんは悲しみを忘れる為に自分に厳しくして心を殺そうとしているのか。
ヤバイ、こんな時どうすれば良いのか判らない。俺は自分の情けなさに悲しくなってしまった。
乙女さんの両手を手当てして、夕食を済ませる。
俺は乙女さんの事で頭がいっぱいで食事の味が判らない。
深夜近くになりお互いベッドに入る事にした。
俺は乙女さんの体を引き寄せておやすみのキスをねだる。
思い返せば、あれ以来、キスすらしていない。
この行為すらも不謹慎な気がしてお互い触れ合う事を避けていた気がする。
「乙女さん…キスして」
「あ…そうだな、おやすみのキスだ…」
お互いの唇が軽く触れ合う、俺は自分の思いを伝えるように、唇を深く重ね合わそうとする。
「…んっ、レオ、もう寝よう」
乙女さんは俺のディープキスを拒絶するかのように体を引き離す。
俺は乙女さんの目を見つめるが、乙女さんは伏せ目がちに俺と視線を合わせないようにしている。
「乙女さん…怖いの?俺と体を合わせて、また妊娠する事を…」
「レオ……違う、私はそんなつもりじゃ…」
「お腹の子の事は悲しい、俺もスゲー泣いた。泣きまくったよ。でも、引きずっちゃダメなんだ。
お腹の子も大切だけど、俺は同じように乙女さんも大切だ。
今の乙女さん、見てられない。昔の強いお姉ちゃんだった乙女さんはどこ行ったんだよ!」
「………」
「乙女さん、俺を見てくれ、俺を叱ってくれ、俺を抱きしめてくれ!
ひっ、うぐっ、うわぁーーーん」
俺は乙女さんの両肩を掴んで、馬鹿見たいに声をあげて泣いていた。
「ば、馬鹿だなぁレオ。どうして泣くんだ。泣いたら私も悲しくなってしまうではないか…
声をあげて泣くな、私まで…ひぐっ、うっ、う、うわぁーーーーーーん」
「乙女さん、乙女さん、ううっ、乙女さん、うあーーーん」
「レオ、レオ、レオぉ、あーーーーーん、あぐっ、うわーーーーん」
2人で抱き合って泣いた。心が空っぽになるまで泣き続けた。
翌朝早朝。目が覚める。
あの後泣きながらベットに入り、俺は乙女さんの体を優しく抱きしめ、
乙女さんは俺の胸の中で涙を流し続け、泣き疲れて眠ってしまった。
まだ、俺の腕の中には乙女さんが眠っている。可愛い寝顔だった。
俺は乙女さんが愛おしくなりぎゅっと抱きしめてしまう。
「ん……朝か…おはよう、レオ」
「おはよう、乙女さん」
昨晩さんざん泣いたお陰で、目元が腫れあがってボロボロの顔をしている。
でも、俺の大好きな乙女さんの顔に戻っていた。嬉しくなってまた腕に力を入れてしまう。
「あっ馬鹿、こんな朝から抱きしめるな!…でも、力強くてあったかくて、心地良い…」
乙女さんは俺の腕の力を味わうかのように、身を任せてうっとりとしていた。
「お前に抱きしめられると、あったかくて気持ちがいいな。
私がまた悲しくなったら、この腕の中で慰めてくれ」
再び、俺と乙女さんは抱き合ってお互いの存在を確かめ合った。
その日は、園芸店に行って桜の苗木を買ってきた。
庭先にその苗木を植えて育てる事にする。
「お腹の子は亡くなったけど、この桜の苗木がお腹の子として成長してくれる。
あの子は桜として生まれ変わるんだよ」
「…お腹の子を失ったのは悲しいが、悲しみを引きずって私はお前すら見えなくなっていた。
レオには…私よりも辛い思いをさせてしまったな」
「ん、良いんだよ乙女さん。俺は乙女さんが元気になってくれただけで幸せだよ」
俺は乙女さんの肩を抱き寄せて、小さな苗木を見つめる。
俺達は生まれる事ができなかった子供の為に、幸せに生きなければいけない。
不幸を乗り越えて、俺達は生き続けるんだ。
数年後、桜の苗木は順調に成長し、今年初めて花を咲かせてくれた。
まだ、まばらにしか花を咲かせていないが、これからさらに大きな花を咲かせるだろう。
「レオ、待たせたな。柴又に行くのなら、タクシー呼んだ方がいいかな?」
乙女さんが庭にやってきた。腕の中には生まれたばかりの赤ん坊が居る。
俺と乙女さんの、かけがいのない子供だ。
~END~
流産しそうになったとき
真っ青になって反吐を吐いて股座から血が止まらなくて
それでも
女は、お腹の子供のことしか案じません
>>298 2人とも(´;ω;)カワイソス
なんで乙女さんがこんな目にあわなきゃならんのだ。・゚・(ノД`)・゚・。
301 :
205:2005/11/23(水) 01:03:53 ID:RngrC9mc0
支援サンクスでした。
妊娠、流産に関してはネットで調べました。
リアリティないかもしれませんがご容赦を・・・・
1月に妊娠して、2月に発覚、4月に流産、
12~22週の後期流産という考えです。
意図としては、完璧超人であるところの乙女さんが挫折を味わうとして、
こういう形での不幸があったらヘビーだろうなぁ、と思って書いてみました。
書いていて、良い着地のさせかたが判らずに難儀しました。
やはり、想像で書くのは無理があるぽ_| ̄|○
最後に、俺はこれでも乙女さん愛しているんだぜ!( ゚д゚)
( ゚д゚ )
「ははははっ、大きくなったな、よつば。いや、はじめまして、と言ったほうがいいか。
私の名は鉄乙女。お前の、そうだな・・・、伯母のようなものだ」
鉄先輩は笑顔でよつばを高々とだきあげた。
「はじめまして、おとめおばさん!」
「うむっ、いい挨拶だ。だが、そう呼ばれると少し複雑な気持ちになるな」
微妙そうな顔をする鉄先輩。
「よつば、乙女お姉ちゃんって呼びなさい」
さすがにまだおばさんという年ではないし、気になるだろう。よつばに注意する。
「うん、わかった!はじめまして、おとめおねえちゃん!」
「はは、よつば、ありがとう。
すまんな、佐藤。助かった。いや、もうお前は佐藤ではないんだな。
むむむっ、良美と呼んで良いだろうか?」
「ええ、もちろんです、鉄先輩」
「そうか、ありがとう。お前ももう学生ではないのだし、先輩をつけなくても良いぞ。
そうだな、レオのように乙女さんと呼んでくれると嬉しいな」
「あっ、はい。わかりました、乙女さん。」
乙女さん、か。フフ、レオ君とおそろいだ♪
「しかし、ほんと久しぶりだね、乙女さん」
それまで黙っていたレオ君が声をかけた。
「そうだな、最後に会ったのはよつばが生まれたばかりの頃だったからな」
あれ以来、か。確かにかなり久しぶりだ。
大学を卒業してから、鉄先輩は武者修行の旅で海外を周っていた。
日本に戻ってくることもほとんどなかったし、折角親戚になったというのに、
全然会う機会がない日々が続いていた。
「乙女さん、海外での武者修行はどうでした?」
「うん、やはり世界は広かった。いろいろと自分の未熟を思い知らされたりすることもあり、
ためになるものだったな。ただ、やはり私は日本が好きだということも確認させられた。
これからはしばらく日本で精進しようと思う」
米のない暮らしというのはもう耐えられそうもない、と呟く。
「そっか、じゃあこれからはこっちで修行?」
嬉しそうなレオ君。むむ、ちょっとジェラシーかな。
「まあ、そうなるな。修行を兼ねての仕事をしてみようと考えている。
姫から自分のところでボディーガードをしてみないかと誘われているので、
お前の同僚になることになるだろう。またみっちり鍛えてやろう」
「・・・もう社会人なんで、ほどほどにお願いします」
あっ、レオ君冷や汗かいてる。
フフ、最近少しお腹がでてきたように感じるし、ちょうどいいのかもしれないな。
「むっ、そうだ。これ、よつばへのおみやげと思って持ってきたのだが。」
リュックを漁り、鉄先輩は変わった形の物を取り出す。
「わーい、おめんだ!」
取り出した物は石でできた仮面だった。
「あーーーーーーっ!そ、そそそそそれは!!それ、ど、どうしたの?」
大声をあげるレオ君。どうしたんだろ?
「むっ?いや、イギリスをまわっていたときにな、夜中に賊に襲われてな。
倒して縛っておいたんだが、次の日の朝に起きると賊はいなくなっていて、
これだけが落ちていたんだ。逃げられてしまったが、まあ戦利品と言ったところか。
お面なんで、子供向けのものかと思ってな」
よつばに渡そうとする鉄先輩。
「さすが乙女さん、常識では計り知れないことを平気でやってのけてる!
そこにしびれる!憧れるぅっ!けど、それをよつばに渡すのは危険すぎーーっ!」
が、叫びながら突撃していったレオ君に奪われてしまった。
「ああっ!なんで、ぱぱ?よつばのおめん・・・」
泣きそうなよつば。レオ君、どういうことかな?
「うっ、よつば、泣くな、泣かないでくれ、これはね、危険なの、めーなの!
危ないから取っただけなの。ね、ね、だからね、こっち睨んでるお二方、
怖いからやめてくれると助かるかなー、なんて」
あっ、つい。あれ、危険な物だったんだ。だったら仕方ないか。
「むっ、そうだったのか。レオは博識だな。それはすまないことをした。
そうだ、代わりにあれをやろう」
今度は大きくてきれいな赤い石のついたペンダントを取り出し、
よつばの首にかけてくれた。
|`・ω・)ゝ”支援
「まあ、あれは大丈夫か・・・」
今度は、レオ君は飛びつかなかった。
「わあい、ありがとう、おとめおねえちゃん!」
「うむっ、いい返事だ」
にっこり笑う鉄先輩。
「よかったね、よつば。わざわざありがとうございました、乙女さん」
「いや、それほどの物でもないさ。まあ、これからしばらく居候させてもらう身としては、
これぐらい当然だろう」
ハイ?イマナニカイイマシタカコノヒト?
「お、乙女さん、そ、それどういうこと?」
「むっ?あちらでお会いしたお前のご両親に、きちんと頼んでおくように頼んだんだが。
もしかして聞いていなかったのか?姫のところで働くとなると家の方が遠いのでな。
家が見つかるまでの間置いてもらいたいのだが・・・」
「聞いてないぞ、親父、お袋―――っ!」
聞いてないですよ、お義父さん、お義母さん!
「まあすぐに家を見つけられるように努力するので、すまんが、頼む」
ぺこりとお辞儀する鉄先輩。まあ、仕方ないか・・・
「まあ、困った時はお互い様ですよ。ようこそ対馬家へ、乙女さん」
「そうか、ありがとう良美!」
がしっと手を握りしめられる。
「わあい、おとめおねえちゃんおとまりだ!やったあ!やったあ!」
よつばも喜んでるし、まあ良しとしようかな。
けど、鉄先輩と同居か。まさかこんな日が来るとは。
喜ぶよつばの頭をなでながら一人ごちた。
END
先生GJなんだけど、
仮面のネタがわかりません。
面白さ半減 |||orz
308 :
89:2005/11/23(水) 01:43:06 ID:+ChNWCes0
>>283 GJ!
おもしろかったです!海&カニのコンビが個人的にうけましたねw
>>301 GJ・・・です・・・。
最後で救われましたが、やっぱり乙女さんにはスムーズに幸せになって欲しかった俺がいます・・・
よつばちゃん二本目です。よっぴーはシリアス物が続いてたんで、
今回は楽しい日常を目指して書いてみました。
意図せず続き物っぽくなってしまいましたが、続けるか別キャラ行くかはまだ考えてません。
要望とかありましたら、教えていただけると嬉しいです。
>>306 WREEYYY!!!!!
GJ!!!!!
310 :
名無しさん@初回限定:2005/11/23(水) 01:45:20 ID:DsnyboHwO
>>306 ダークよっぴーが現れなかったことにびっくり!(良い意味で)
>>307 ジョジョの奇妙な冒険って言う漫画
石仮面をかぶると(正確にはちょっと違うけど)吸血鬼みたいなものになる
>>311 ありりん。JOJOネタか。
あんま読んでないからよーわからん。
>>205氏
OK、お前の乙女さんに対する愛情の深さは良く分かったGJ!
>>303 GJ!!お疲れ様でした!
やっぱりこういうほのぼのが良いなぁ
ここで石仮面を出してくるとは
乙女さんの奇妙な冒険?!
よつばちゃんにあげた赤い石は、もしかしてエイジャの赤ゲフンゲフン!
>>308 GJ
なんだか良い意味でノリノリなよっぴーに笑ったw
そのうち弓とか矢とかも出てくるんだろうかw
>>308 gj!!!!!!
幸せよっぴーシリーズ大好きだワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
だんだんよつばちゃんに萌えてきた(;´Д`)ハァハァ
>>283さん
コラボがピリッと効いてますね!海おねえちゃん最強!
>>301さん
オトメサンカワイソスorz
流産した知り合いを思い出してホロリときました…
>>306 ジョジョネタキター!!
レオは最終的に宇宙を漂って
いつのまにか考えるのをやめるわけですねw
みなさん最高にGJです!早くそんな文章が書ける漢になりたいっす(´Д`)
>>306さんに「さん」付けるの忘れた…
神よ、許してください…
319 :
名無しさん@初回限定:2005/11/23(水) 02:29:35 ID:DsnyboHwO
神は死んだ
320 :
SSD:2005/11/23(水) 02:35:07 ID:5nAgWuRM0
>>283 笑わせてもらいました。
相変わらずドタバタが面白いですgj
>>308 GJ!俺も幸せよっぴーものは大好きだぁ~!
そんな俺から一つマメ知識、最近時々見かけるけど、レオは内面でもよっぴーの事をよっぴーと呼んだことはないんだぜ!…確か。
>>321 確かじゃなくて絶対だよ。
レオはあだ名にトラウマ持ってるから、嫌がるあだ名は絶対呼ばないよ
>>321 やだなぁ。レオ・・・君・・・して、わた・・・しも・・・ぬから・・・。
1回呼んだことあるよ
勤労感謝の日に勤労しながらの昼下がり…
仕事の合間にコッソリと…
ダレモイナイカナ?
コソーリ コソーリ トウカシヨウ…
326 :
常識の壁14:2005/11/23(水) 14:17:14 ID:hTvA+NCbO
午前中は祈先生の事で頭がいっぱいだった…ってか、何で土曜に授業あるんだここ?
生徒会を休むことについては姫に了解を得ているので
終業のチャイムと同時に俺は教室を後にした。
「でも、手がかりも何もないんだよなぁ…」
校門に向かって歩きながら考える。
「だいたい昨日も思ったけど、ミステリアスな部分が多すぎるよな
ドコ住んでるか分かんないし、占いが得意だし、変な鳥飼ってるし…」
でもまあ、そんなところ全部まとめて好きなんだけどね。
校門には、いつものように乙女さんが立っていた。
「レオ、今日は早いな。もう帰るのか?」
「あっ、乙女さん。実は…」
俺は乙女さんに事情を説明する。
「ふむ、祈先生を…。確かに私も心配していたんだ。まあ先生も大人だから
余計な心配だと思うのだが…なぜか胸騒ぎがする。何事も無ければいいがな…」
「うん、そうだね。でも俺は…余計な心配だって分かっていても、じっとして
いられないんだ。今…、どうしても今探さなきゃいけない気がして」
「そうか…。うん、お前いい目をしているな。それだけ気合が入っていれば
手がかりなどすぐ見つかる。私も可能な限り協力しよう」
「本当に!」
「もちろんだ。私はお前のお姉ちゃんなんだぞ?私にしてやれることがあれば
遠慮なく言ってこい」
「ありがとう乙女さん」
俺は乙女さんに別れを告げ、まずは駅の方に向かった。
PM 13:30 松笠駅前
みんな暇なのか、人がやたらと多い。この中から探せっていうのも難しいな。
とりあえずしばらくこの人ごみを観察してみるか…。
俺は駅周辺が見渡せる場所に移動した。コーヒーとパンを買ってあるので
それを食べながら注意深く見ていた。
……何かいろんな人がいるなぁ。おっ、フカヒレ発見!あいつ何してんだ?
「ねえねえ、そこの彼女ぉ?俺と女性の体の神秘について語り合わない?」
「へぇっ?私ですかぁ~?」
「そうだよ、君かわいいね~。あっ、俺は鮫氷…
鮫氷新一って言うんだ。シャークって呼んでよ」
「これはご丁寧に。私は秋山と申します~。秋山いるかです~」
うおっ、ナンパしてるよあの馬鹿。どうせ玉砕するだろうけど…。
「いるかちゃんって言うんだ~。可愛い名前だね~。」
「本当ですか~?ありがとうございます~。私あまり人に褒められないものですから~」
「今暇してるの?だったらさ、遊びに行こうよ!今ならあのホテルとか超最高だよ?」
いやいや、思いっきり欲望丸出しじゃん。
「もしかしてナンパですかぁ~?うわぁ~どうしよう、私ナンパされちゃいましたよ~
…ピッ、ピッピッピ…あっ、健太~、お姉ちゃん今ナンパされてるんだよ~」
何だあの娘、あいつの言ってる意味分かってるのかな?いきなり電話してるし…
「ねぇ、ハァハァ…早くいこうよ…。俺…もう…ハァハァ…」
「何か辛そうですね~。大丈夫ですか~?
すみませんが、私待ち合わせをしてるんですよ~。なので遊びには行けません~」
はい、玉砕。
「なっ、ここまで期待させておいて…。くそぉっ、女は黙ってついてくればいいんだよっ」
うわぁ~、駄目っぷり発揮しちゃったよ…。しょうがない、助けに行くか…。
こんな事してる場合じゃないのになぁ。
そのとき
「何をしているの、いるか…。早く行くわよ」
とんでもない美人が現れた。
328 :
常識の壁15:2005/11/23(水) 14:23:13 ID:hTvA+NCbO
「あっ、お姉様~!聞いてください、私なんと今ナンパされてたんですよ~」
「ナンパ?そんなものにいちいち反応してどうするの。それもこんなブサイクに…」
「ぶっ…ぶさ…って、あんた…ちょっと美人だからって男に向かって…」
「黙れよ、不細工」
「ひぃぃっ、二足歩行しててすいませんっっっっ」
あ、固まった。トラウマ出ちゃったか。
「全く、…遅いと思ったらこんなのに引っかかってるなんて…。どこまで馬鹿なの?」
「すみません~。ナンパされた事実が嬉しくてつい~」
「私を待たせた分は、後でたっぷり可愛がってあげるわ…」
「あううぅ、あんまり痛いのは勘弁して下さい~」
「何をとぼけたことを…。それは私が決めることよ」
「あっ、お姉様。私ミントアイスを買ってあるんですよ~。
ドライアイスも貰ってあるので冷え冷えですよ~。電車の中で食べましょう~」
「あら、気が利くじゃない。それで私の機嫌をとるつもり?
ふふっ、まあいいわ。さっさと行きましょう」
「はい~。お姉様と電車に乗るなんて、もうワクワクですよ~」
固まったフカヒレをおいて、二人は駅の中に消えていった。
「…それにしてもきれいな人だったなぁ。何かホント完璧な美人って感じだな。
姫とはまた違う感じの…って、こんなことしてる場合じゃないんだよ俺は!」
祈先生を探さなきゃ。せっかくテンション上げて探してたのに…
それもこれもフカヒレのせいだ。あいつがこんな所にいるからいけないんだ…
後でカニを刺客として送ろう。
さっきからフカヒレの姿が見えなくなってるが、まあいいや。
さて、次の場所に行ってみるかな。
紫煙です
330 :
常識の壁16:2005/11/23(水) 14:26:42 ID:hTvA+NCbO
PM 14:15
ドブ坂通り。前に一度、この通りで見かけたことがあったんだよな。
見つかるといいけど…。
何の手がかりも無い状況で探すのは、はっきり言って無謀だが
何もしないよりはマシだ。
俺は、祈先生が行きそうな店、場所を片っ端から探していった。
ミス松笠である祈先生の顔を覚えている人がいないだろうかと
お店の人にも聞いてみた。
帰ってくる答えは「NO」ばかり…。
はぁ、まだまだあまり探してないとはいえ、こうも反応がないと不安になってくるよ…。
ふと横を見ると、お菓子やさんが目に入った。店の前にはなぜか人力車がある。
そういえば祈先生、お菓子が好きだったな。ここにはいないかなぁ…。
あまり期待せずに見せの中に入った。
…いた…。
…のは小さい女の子一人だった。さすがにこんなところにはいないよな…。
その店で、ふと見覚えのある後ろ姿を見つけた。
どうみてもフカヒレだった。
…こいつ、いつのまに復活しやがった…。
フカヒレは店内にいた唯一の客、小さな女の子に声をかけた。
「やぁ、お嬢さん。お一人ですか?」
俺は素早く物陰に隠れ様子をうかがった。やばくなったらとりあえず逃げよう。
女の子は、貫禄さえ感じさせる雰囲気でゆっくりと振り返った。
331 :
常識の壁17:2005/11/23(水) 14:31:48 ID:hTvA+NCbO
「我のことか?」
「そうですよ、お嬢さん。あなたのような美しい方がお一人でいらっしゃるなんて…
もしお時間がありましたら、この後お食事でもどうです?」
背伸びしたい年頃の女の子(と思われる)相手に、大人の対応をしている…。
やるな…フカヒレ…。
「我のうつくしさが、またもこのような輩を呼んでしまったようじゃな…。
まったく…うつくしすぎるのも罪よのう…」
「…可愛いなぁ…この後、この子と一緒に…ハァハァ…
着物は…やっぱり帯から…ハァハァ…」
全然聞いてねえな、あいつ
「しかしすまぬな、我は見ての通り多忙なのだ。そちに付き合ってやる暇が無い。
悪く思うな…。それにな…」
「??」
「その…なんだ。そちの顔は、何と言うか…少々滑稽であろう?
我は以外にも面食いでな。はんさむが好きなのだ」
「うわあああああああん!小さい子にも不細工っていわれたあああああああ!」
フカヒレは泣きながら走り去っていった。
「不細工などと、直接的には言っておらぬではないか…。
しかも奴め、我の事を小さい子と…どこから見ても立派なれでぃではないか。
失礼な奴だ…まあよい。主、この飴にしょう。これをくれぬか」
「はい、雛様。毎度ごひいきありがとうございます」
雛様と呼ばれた女の子は、飴を買うと店を出て
「…粛清…淘汰…」
などとつぶやきながら、外に待っていた人力車に乗って帰っていった…。
332 :
常識の壁18:2005/11/23(水) 14:34:34 ID:hTvA+NCbO
手がかりゼロですか…。
もしかしたら何とかなるんじゃないかとか思っていた。
「やっぱりちょっと甘かったな。明日もう一度…今度はみんなに相談してみようかな…」
もう日は傾きかけていた。
一度、家に帰るか…。いざとなったら乙女さんにお願いして
土永さんをおびき出すオトリになってもらうっていう手もある。
土永さんなら何か知ってるだろう、オウムだけど…。
とりあえず帰ろう、まずはそれからだ。
その時、突然携帯が鳴った。自宅からの着信…つまり乙女さんからだろう。
「もしもし?」
「あぁ、レオか、突然すまない。帰って来る時でいいのだが
薬局によって消毒液を買ってきてくれないか?」
「うん、いいけど…何に使うの?」
「明日、家を掃除しようと思ってな。汚れを落とすために使うのだ」
「なるほど、分かった買って帰るよ」
「あぁすまない、頼んだぞ」
「あっ、乙女さん。帰って話が…」
ピッ
やれやれ、後でいっか…。
幸い薬局はここからすぐの場所にある。
さっさと買って帰ろう。やることはまだまだ沢山あるんだ。
薬局の中の独特な空気にちょっと緊張しながら、店員に消毒液の場所を教えてもらう。
「滅多にこんな所来ないから、何がなんだか分からないな…」
目的の物も見つけたのでレジに並ぶ。
そこでまた見覚えのある人を見つけた。
心臓がなった。息が止まりそうだ。
今度は間違いない。いや、間違えるはずが無い…。
俺は後ろから声をかけた。
支援
334 :
常識の壁19:2005/11/23(水) 14:47:19 ID:hTvA+NCbO
「祈先生…」
後ろから聞こえた突然の呼び声に、びっくりするわけでもなくいつも通り
普段と変わらない様子で振り向いた。
「…対馬さん…」
びっくりするのは俺の方だった。
いつも眠そうな先生の目は潤んでいて、健康そうな顔もやつれているように見えた。
「先生、旅行に行ってるわけじゃなかったんですね。
連絡取れないから心配しましたよ」
先生は何も答えないでため息をついた。
よく見てみると先生の顔は、やつれてはいるが血色自体は悪くなく
病気をしているわけではなさそうだ。
それにしても何でこんな所に…。
ふと先生の手を見ると薬の箱を持っていた。
まだ精算する前みたいで、その薬が何なのか一目で分かった。
疑いようもない位にハッキリと見て取れた薬のパッケージ。
その薬は間違いなく
睡眠薬だった。
335 :
334:2005/11/23(水) 14:54:05 ID:hTvA+NCbO
はい、今回はここまでです
いつもよりは長く書いたつもりです…
>>254がディスプレイ叩き壊す前に、もうちょっと
フカヒレ出してみようと…
次は、シリアスになりそうなんでここまではこんなんで
勘弁して下さい…
支援サンクスでした<(__)>
>>335 毎日GJ!
_, ._
Σ (ii ゚ Д゚) ビクッ! 睡眠薬>
_____(つ日_と)_ __
337 :
SSD:2005/11/23(水) 15:28:21 ID:5nAgWuRM0
>>335 いるかちゃんに振られるフカヒレでワラタ。GJです。
シリアスな修羅場SSって需要あるかな?
340 :
335:2005/11/23(水) 16:46:26 ID:hTvA+NCbO
みなさん、レスどうもレス
ちなみにシリアスって言うか、純愛路線に戻すって意味です…。
今日はどうしようも無くなって、大好きなイルカちゃんを出しちゃいました
次こそは…次こそは終わらせます!!
俺はどんなSSも書けないが、代わりにどんなSSも受け入れて楽しむ自信があるぜ。ギャグから修羅場までカモーン
「ふぅ……」
今日のお弁当のおかずを作りながら、私は軽くため息をついた。
ため息の理由は、最近自分のペースを乱されがちになってしまう一個上の先輩を思い浮かべたからだった。
最近どうも、その先輩――対馬レオという――と一緒に居ることが多い。
同じ空間にいること自体は……まあ別に構わないんだけど、
先輩は何かと私に干渉したがるからかなり……いや、ちょっと厄介だ。
私は一人で静寂な空間にいるのが好きだ。
私が好きな静寂は。他人の干渉を受けては得られない。
そういった意味で、先輩から何かとちょっかいを出されるのは迷惑だと思っている。
先輩と知り合ってから、私が静寂を感じている時間は大きく減っていた。
だけど……最近は先輩と一緒に居るのも悪くない、と思い始めている自分がいるような気がする。
なんか、自分がキモい。
本当に……先輩にはペースを乱されてばっかりだ。
「なごみちゃん、どうしたの? ぼーっとして……」
「あ、お母さん……」
急に母がのぞき込んできた。
気配を感じなかったので、びっくりした。ただ単に私の注意が散漫だっただけだが。
「なごみちゃん、何だか嬉しそうな顔をしてたわねぇ……。何かいいことでもあったのかしら?」
「別に何も……」
干渉したがりの先輩にむかついていただけで、嬉しくなる事なんて一個もない。
むしろ苛立った顔をしてて然るべきなはずなのだ。母はいろんなものに対して見る目がない。
「そう? そうなの……残念ねぇ……なごみちゃんが嬉しそうだと、母さんも凄く嬉しいのに」
母はこういう事をさらりと言ってのける天然気質だから、聞いているこっちは恥ずかしくなってしまう。
「それとね? なごみちゃん……嬉しそうにしているのは構わないんだけど……
お鍋から焦げ臭いにおいがしちゃっているわよ~」
「だから別に嬉しそうじゃ……って、ああ!」
先ほどから火をかけっぱなしだった手元の鍋を見ると、底が見事に焦げていた。
鍋の中の揚げ鶏肉の甘辛煮を、一応一口味見してみると焦げた苦い味がした。
とてもじゃないが、人に食べさせるような出来じゃない。
ああもう最悪。
今日の自信作になるはずだった一品は、責任を取って全て私のお腹に入ることになってしまった。
昼休み。
二人分のお弁当を持って、私は竜宮へと向かう。
竜宮へはまた私の方が先に到着して、先輩のことを待つ形になった。
ここへ着くのは、たいていの場合私の方が早い。
別に急いで来ているわけじゃないけど…ただ単に先輩が遅いだけ、という事にする。
「先輩まだかな……」
自分で言って驚いた。思わず口を手でふさいでしまう。
念のため周りを見渡して、まだ誰もいない事を確認してホッとする。
たぶん、お姫様あたりが居たら
『あ~ら、なごみん♪ そんな切ない声をあげちゃって、一体誰を待っているのかしら♪』
とか言ってからかってくる事だろう。
……想像しただけでもムカつく。
「よう、椰子」
「……」
少し機嫌が悪くなってきたところで、ようやく先輩がやってきた。
軽いのりで挨拶してくるところに、ちょっと苛立ちのようなものを感じる。
「遅い」
「……そんなにらむなよ。ちょっと用事があってさ。
って、待っててくれたのか?」
「そういうの、キモいですよ。先輩」
「ぐぅ……」
用事…か。少し気になったが、干渉されたくない人間は他人に干渉しないのが暗黙のルールだ。
だいたい、先輩の用事なんか知っても意味がない。
少しひるんだところで、今日のお弁当を差し出す。
「今日はちょっと失敗しちゃったので、おかずが一品少ないんですが我慢してください」
「へぇ……そりゃ残念だな」
手渡す際に、一応言っておく。
先輩は凄く残念そうにお弁当を受け取った。先輩は感情がすぐ表情に出る。
そんなに暗い表情だと、それほどまでに私のお弁当に期待してくれているのだな……と感じ取れて、そこらへんは素直に嬉しく思う。
先輩はお弁当を広げて、食べ始めた。
やっぱり、メインのおかずがスッポリと抜けているお弁当は見てて物寂しかった。
「あれ? 椰子のお弁当、俺のより一品多くない?」
……相変わらず目ざとい。
「これは失敗したおかずですよ。作った者の責任として、処理をしているんです」
朝は食べきれなかったので、お弁当に残りを入れてきた。
ちなみに、この失敗作は母にも食べさせていない。私だけで全部食べきるつもりだ。
「ふーん……」と、先輩は自分のお弁当に戻った。
今日も美味しそうに食べてくれて、食べているのが先輩だとしてもかなり嬉しい。
その分、自信作になるはずだったコレがその口に入らなくなって、少し寂しかった。
「なあ椰子?」
「何ですか?」
自分のお弁当を大半たいらげた先輩が、またも私のお弁当に目を向けている。
「それ、俺にも食べさせてくれない?」
346 :
名無しさん@初回限定:2005/11/23(水) 18:03:26 ID:nPD/cxq80
支援
先輩は例の失敗作を指さしながら言った。
「イヤですね。これは失敗作です。とても人に食べてもらうようなものじゃありません」
「でも椰子は食べているじゃないか」
「先にも言ったとおり、私には作った者としての責任があるんです。
作ったものは全部食べないと、食べ物に失礼ですから」
一瞬、料理を作っていたお父さんの姿が頭に思い浮かんだ。
「でもさ。
たとえ失敗してようと、作ってもらったものを食べるのも、作ってもらった者の責任じゃない?」
どういう理屈ですか、それは。
「……別に先輩のために作っているわけじゃないですから。
あくまで料理のレビューを聞くため。ひいては私のためです。
先輩にはちゃんとした成功作を食べてもらってレビューしてもらわないと意味がないんですよっ」
「う……」
後半はかなり激しく、きつい口調になってしまった。
先輩はばつが悪そうに、少しうつむく。言い過ぎた…と思ったが、フォローの言葉を探っても何もかける言葉が見つからなかった。
私は先輩を見ないようにして、失敗作のおかずを口に入れた。
作ってからかなり時間が経っても、焦げた苦い味はそのままだった。
その後はほとんど無言で、今日のお昼ご飯は終わった。挨拶もそこそこに、先輩と別れる。
何となく気まずくて、今日のレビューは聞けずじまいだったが、仕方がないと諦めた。
メインの無いお弁当の感想を聞いても微妙だし、今日はどんなに「美味しい」と言われても素直に受け止めることも、喜ぶこともできそうに無い。
先輩には悪いことをしたと、少しは思っている。
でも、きっと明日にはいつも通りの先輩に戻っている事だろう。単純だから。
家に帰って、ベッドに寝転がる。
今日は店の手伝いをしなくていい日なので、特にすることがない。
というか、昼間の先輩の顔が頭から離れず、何をするにしても集中力に欠けている。
これなら、何もしない方がいい。そう思って、ベッドの上で丸くなった。
先輩は……悲しそうな顔だった。
本当はもっと複雑な表情だったけれども、一番はっきりとわかる感情はそれだったと思う。
今でなら、もっと別の言い方があったんじゃないか……と、反省する。謝る、という選択もあった。
でも、私はそれをできなかった。それが……線の外側に位置する人間への、私のやり方だったから。
そう……先輩は線の外側。
だから、私のやり方は本来ならばあれで正解だ。
……じゃあ、何で私はこんなにウジウジと先輩の事で悩んでいるのだろう?
いつの間にか溜まっていた、口の中の唾液を飲み込む。
まだお昼ご飯で食べた失敗作の苦い味がするようで、少し顔をしかめた。
未だにそんな味が口の中に残っているなんて、ありえない。もしかしたら、先輩の事を考えているからかもしれない。
ああ……そうか。
私は成功作を食べて、ちゃんとレビューしてもらいたかった訳じゃなくて……
ただ、失敗したものを先輩に食べられるのが恥ずかしかっただけだったのかも……
納得のいかない答えだったけど、不思議とそれが一番胸になじんだ。
紫煙
そしてまたやってくる昼休み。
また一番乗りは私。先輩は後からやってくるはずだ。
だが、今日はなかなか来なかった。昨日よりも、遅い。
今日は来ないのかもしれない……もしかしたら、これからずっとも。
原因は……言うまでもなく私だろう。うがった言い方をすれば、先輩は意外と根性がない。
素直に言えば、昨日は私が悪かったと思っている。少しは。
「っと! 遅れた!すまん!」
壊れそうなくらい扉を響かせながら、先輩が飛び込んできた。
走ってきたのか、かなり息を切らせている。
「……遅いですよ」
「う……ごめん。ちょっと用事ができて」
「またですか……一体何の用事です?」
あ。干渉……
「え? ああ、祈先生から書類とか荷物運びをやらされてさ。
昨日もそうだったんだよな。『占いでは対馬さんにやらせるのがベストと出ています』とか何とか言って」
”昨日”という単語が出てきてドキリとした。
先輩は昨日の事を気にしてないみたいで、いつも通りに笑っている。
ほんの少しホッとして、ほんの少し喜んでいる自分に気づく。
「……なんか俺の顔に付いてる?」
「……間抜けな面の皮が付いてますよ」
いつの間にか先輩の顔を凝視していたらしい。
「はい。今日のお弁当です。
昨日先輩が食べたがってたのも入ってますから。
……もっとも、今回のは成功作ですけど」
「ああ、ありがとう」
悪くない出来だと思う。それでも、昨日の(途中までだけど)には及ばないような気もする。
だけど、昨日あんなに食べたがっていた先輩なら美味しいといって喜んでくれる事だろう。
その顔と言葉を想像すると、今から嬉しくなる。本来の目的とは、ちょっと違うけど。
先輩はさっそくおかずを口に含んだ。
ゆっくりと咀嚼している。その光景を、私はじっと見つめた。。
「うん、これいけるよ。
俺はもう少し辛めの方が好きだけど、これはこれで甘さと辛さのバランスが取れてていいんじゃないかな」
……は?
「……何ですか?それ」
「何って……レビューだよ。昨日椰子がちゃんとレビューしろって言ったからさ……俺もちょっとは考えて感想言うことにしたんだよ。何か駄目だったか?」
「……」
「な、何で睨むんだよ」
「……らしくないですね」
そう。らしくない。
先輩はもっとがっつくように食べて、そして満足したように「美味しかった」と笑ってくれないと…。
無性に悲しくなった。悔しくもある。
「ボキャブラリーの貧困な先輩は、それらしく素直に感想を言ってくれればいいんですよ。
語る言葉を持たないのに批評家をきどったって、キモいだけです」
「おい、椰子。おまえ言っている事がめちゃくちゃだぞ」
そんな事は私だってわかっている。先輩が怪訝そうな顔をするのも無理はない。
だけど……先輩から素直に「美味しい」と言われなかった事が、何故か酷く私を傷つけた。
「……先輩」
「ん?」
「昨日私が言ったことは抜きにして、前までの先輩だったら……
この料理に対して何て言ってましたか?」
何て、矛盾。昨日は自分から「ちゃんとレビューしろ」って言っといて。
でも、私は聞かずにはいられなかった。
昨日の私は先輩に対して酷い事を言ったんだと今更になって気づく。
もはや謝るという選択肢は、意地っ張りな私の心に埋もれてしまっているのだけど。
先輩は私の目を見ながら少し考えた後、笑って言った。
「美味かった」
「他には?」
「蝶美味かった」
本当に、単純な言葉。
でも、素直に受け止める事ができた。
「……」
「だから何で睨むんだよっ」
「睨んでいるわけじゃありませんよ」
ありがとうございます、先輩。
「……今何か言った?」
「いえ、何も言ってませんよ。その歳でもう耳が遠くなったんですか?
可哀想に……」
「あのなあ……」
しえn
支援ついでに
修羅場とか嫌がる人がいるかと思ったけど
大丈夫そうなんで書いてみます
怪訝そうにする先輩。でも、もう一度は言ってあげない。
言いたいことの半分程度だけど……そして相手には伝わってないけれど。
私はようやく言葉にする事ができた。
納得のいかない所は正直言ってまだあるけれど……だけど、少しずつ認めよう。
私は先輩に、作ったお弁当を食べてもらいたい。
「美味しい」って喜んでもらいたい。
それが、今の私にとってたまらなく嬉しいものなのだ。
先輩。
私は今では、先輩のためにお弁当を作っています。
357 :
AKI:2005/11/23(水) 18:18:12 ID:wLOPwfPD0
グダグダ感抜群で「お弁当は誰がために」は終了です。
何か続けられそうな気がする。ネタはお弁当ものじゃないけれど。
一応、ンデ期あたりをイメージして書いたんですけど、書いているうちになごみのツンやデレが顔を出したり出さなかったりで、難しかったです。
書いているうちに本編のなごみんを思い出して「なごみん、可愛いよなごみん」とかハァハァしてました(ヲイ
支援ありがとうございました!
358 :
名無しさん@初回限定:2005/11/23(水) 18:23:37 ID:nPD/cxq80
GJJJJJJJJJJ!
>>357 GJ!なごみたん(*´д`*)ハァハァ
本編ではレオ視点の所を別キャラ視点で見るのは面白いね
ほのぼのでマッタリと読む事ができました。
>>357 コイン型の飴をやろう。この飴はただの飴ではない。
ほら、両面にGとJが彫ってあるだろう?
>>357 GJ!!
やべっ!
読んでるときも読み終わった後も
顔がニヤニヤ状態から戻らん!
>>360  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
オリエンタル ラジオ クラブ
___________________
// // ||
ビシッ / ̄ ̄ ̄ ̄\ [lllllll]
/ ̄\( 人____) ̄ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
, ┤ ト|ミ/ ー◎-◎-) |
| \_/ ヽ (_ _) ) < あんちゃん、カックイイ!!
| __( ̄ |∴ノ 3 ノ |
| __)_ノ ヽ ノ | ̄| \___________________
ヽ___) ノ )) ヽ.|∩| //
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>357 GGGGGJJJJ!なごみん(*´д`*)ハァハァ
>>357 なごみーん!(*´Д`)
いいねぇ、また続き書いてくれGJ!!!!!
>>357 ぐはぁぁぁぁぁぁ!!!何だこの破壊力は…
とにかくGJだ!!!!!!!
>>357 GJ! ただ、なごみの一人称は「あたし」かな
関係ないぐらい萌えたけどね
>>308 亀レスだが、続きもいいけどフカヒレ出してくれ。
もっと、もっとフカヒレ分を!!
369 :
AKI:2005/11/23(水) 23:07:16 ID:wLOPwfPD0
皆さんレスをどうもサンクス!
という事で、〆切0時ごろまでに一番投票の多かったキャラを次に書くYO。
一回につき一票ずつな?w
一億とか書いても一票としてカウントするからw
フカヒレ
じゃあ姫にいっぴゃう
372 :
名無しさん@初回限定:2005/11/23(水) 23:14:39 ID:KADJt9c/O
エーリカに一票
じゃあテンチョーに一票
なんか面白そうだから
女子生徒Zに一票
姫に一票
んじゃ姫に1票
乙女さんの流産の話はもらい泣きしそうで飛ばし読みしてしまった。
涙に耐えれるときにまだよみかえすことにする。
よつばと乙女さんは石仮面でわろた。
レオー、私は人間を越えるぞ。
いや、もう越えてますって。
島流しとフカヒレのナンパはGJだが姉しよをやってないので…少し損をしてるかもしれないな。
姉しよを買わせようとする飴スタッフの回し者じゃないだろうなw
ンデ期のなごみんGJ
リクエストは常になごみんひとすじ
お? 姫の流れかw まあ姫でもOKOK
いやここはイガグリだろう
よっぴー一択
381 :
名無しさん@初回限定:2005/11/23(水) 23:42:46 ID:l+cQFQCS0
やっぱ姫っしょ!
俺はなごみんに一票!
まだ間に合うか!?
あ…あと友達と妹とパピーとママンと田中(すべて脳内)の分5票も上乗せしといてくれ。
383 :
AKI:2005/11/24(木) 00:10:50 ID:q3nnMQHb0
今日は姫が強ぇー!
という事で次回は姫SSです。
>>383 やった^^
姫スキーはやるときはやるやつが多いからね
期待してワクテカしながら待ってます
385 :
名無しさん@初回限定:2005/11/24(木) 00:54:00 ID:aJ3akn0WO
>>383 バンザァァァァァァァァァァァァァァイ!!
386 :
SSD:2005/11/24(木) 01:16:57 ID:/Tq10XZp0
>>357 失敗作のおかずが、いいメタファーですね。
うまいなぁと思いましたGJ
メタファー(暗喩)かな? なんのメタファー?
どっちかというとマクガフィン(一見無意味に見えるが重要な仕掛け)ではないかな?
ちょっと違うか…
>>382 突っ込んでやろうか?(・∀・)ニヤニヤ
うほっ
390 :
名無しさん@初回限定:2005/11/24(木) 01:49:58 ID:Y3CxlP9oO
勢いあるねぇこのスレは
620 :カニvsなごみん(1/10):2005/11/23(水) 02:45:24 ID:wPZAeOG80
俺ももっと荷物持つって!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|_,.、 . _ _
| . ゙ヾ センパイトカニダ… '´ `ヽ ;'´ `ヽ;
|リ从ゾ . i ソノリ从リ . ;〈(((从)〉 i; <大丈夫だって
| -゚ノリ `(リ ;´∀ノ ;i、ヮ^#|wヾ; ボクに全てを任せろ
⊂il) !)つYつ ;⊂二i个(二つ;
|ヨ} ll_ハ_! | .;〈|_ヽ>; |
|ノ |__l_j | ̄ ̄| ;しヽ.);| ̄ ̄|
. . |10kg| |10kg.|
 ̄ ̄ . ̄ ̄
センパイ、怪我して難儀してるようですし
荷物、少し持ちましょうか? ┃
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃
、, _,.、 _ ・
'´ ゙ヾ '´ ヽ '´  ̄`ヽ
l イ从从ゾ (ハヽ从 l . 〈(((从)〉 i
l リ ゚ -゚ノリ i、´ー` |i) i、ロ´#!|wヾ
| l{(とス)} /i `i´lヽ ⊂i个(つ
ノリ く/_|j〉リ U| 个.|J 〈|_ヽ>
し'ノ しヽ.) .しヽ.)
621 :カニvsなごみん(2/10):2005/11/23(水) 02:45:55 ID:wPZAeOG80
お呼びじゃねーんだよ!このヤサグレ1年坊
カミソリ持ってカツアゲでもしてな、慎ましくな!
、, _,.、 _  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
'´ ゙ヾ '´ `ヽ '´  ̄`ヽ
l イ从从ゾ i ソノリ从リ . 〈(((从)〉 i
l リ#゚ -ノリ `(∩∀`ノ アチャー i、ロ´#!|wヾ
| l{(とス)} ヾノ `i´lヽ ⊂i个(つ
ノリ く/_|j〉リ ll_ハ_!J 〈|_ヽ>
し'ノ |__l_j .しヽ.)
なごみん VS カニ
FIGHT!!
★
、, _,.、 | ☆ _ _ サキニ
'´ ゙ヾ / '´ `ヽ '´ `ヽ イッテルゾ
l イ从从ゾ ∧ 〈(((从)〉 i i ソノリ从リ
l リ#゚Дノリ→→→< >←←←i、ロ´#!|wヾ `(リ; ´Дノ
| {(とス)} V ⊂i个(つ ))) ⊂i `i´lつ
ノリ く/_|j〉 / \ 〈|_ヽ> ノ'个ヽ
し'ノ ★ ☆ しヽ.) )))〈_/ヽ_〉
623 :カニvsなごみん(3/10):2005/11/23(水) 02:46:35 ID:wPZAeOG80
丁度いい機会だ、一度完全に
潰しておきたかった
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
、, _,.、 _
'´ ゙ヾ '´, `ヽ
l イ从从ゾ . !爪リリ从)ゞ/
l リ ゚ -゚ノリ ノwリ^ヮ^ノル ペラペラ
| l{(とス)} ⊂)个iつ .\
ノリ く/_|j〉リ く/_|j〉
し'ノ し'ノ
_____∧______
町内の皆様、聞きましたか?
フラワー椰子の娘さんの暴言
o ○(く、コイツ…)
、, _,.゚ _
'´ ゙ヾ_ '´, `ヽ
l イ从从ゾ . !爪リリ从)ゞ/
〔 ̄〕 l リ ゚ -゚ノリ ノwリ^ヮ^ノル ベラベラ
(二))===⊂li , )つ ⊂)个iつ \
〔_〕 ノリ く/_|j〉リ く/_|j〉
ハンマーコネクト! し'ノ し'ノ
_____∧_______
イヤですわねー、最近の娘サンは
親御さんもどういう教育をしてる
んでしょうかねぇー
624 :カニvsなごみん(4/10):2005/11/23(水) 02:47:11 ID:wPZAeOG80
、, _,. _
'´ ゙ヾ '´, `ヽ
l イ从从ゾ . !爪リリ从)ゞ/
〔 ̄〕 l リ#゚ -ノリ ノwリ^ヮ^ノル マシンガンマシンガン
(二))===⊂li , )つ ⊂)个iつ \
〔_〕 ノリ く/_|j〉リ く/_|j〉
((( (ノ゙J し'ノ
_____∧_______
これで花屋の娘と言うのだから
世も末ですねワハハハハハ!
ミ
ミ ,,,,iiilll!!!!!!!llliii,,,,
ミ .,llll゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙゙lllll,
ミ |!!!!,,,,,,,, ,,,,,,,,!!!! |
光になれーーっ! | ゙゙゙゙!!llliiiiiiiiiilll!!゙゙゙ ..|
、, _,.、 .. | .゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ . |
'´ ゙ヾ | 黙 |
l イ从从ゾ . | |
l リ#゚Дノリ | れ |
| li∪=∪=====!!!!!!!!lllllllliii| .|
ノく/_|j〉 .!!!!lllllllliiiii| . 甲 |
し'ノ | |
| 殻 . |
川 | .|
( ( ) ) | . . 類 |
゙゙!!!,,,, ,,,,!!!゙゙
゙゙゙゙llliiiiiiiiiillll゙゙゙゙
/.// ・l|∵ ヽ\
625 :カニvsなごみん(5/10):2005/11/23(水) 02:47:43 ID:wPZAeOG80
、, _,.、コレデヨシ…ト
'´ ゙ヾ
_.-~~/_ パカ l イ从从ゾ
/ '´, ヽ l リ ゚ ー゚ノリ 〔 ̄〕
/ !爪リリ从)ゞ .|⊂li , )つ===((二)
/ ∩wリ#゚ヮノル_ ノリ く/_|j〉リ 〔_〕
// ヽ_)个i ヽ/ し'ノ
" ̄ ̄ ̄ ̄∪
ウザイカニモヒカリニナッタシ
∧ _ 、, _,.、コレデスコシハシズカニナルナ
大根→ .| .|'´, `ヽ '´ ゙ヾ .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
l 」爪リリ从)ゞ l イ从从ゾ | 役立たず |
∥wリ#゚∀ノ . l リ ゚ -゚ノリ .| ここに眠る |
-=≡ ⊂ノ 个/つ | l{(とス)} | .|
く/_|j〉 ノリ く/_|j〉リ  ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄
ヒタヒタ -=≡(ノヽ_) し'ノ , -‐─| |─ー-,_.
支援
寝落ちの悪寒w
+Aperbjr0よ。
おめぇってやつは・・・。
なごみんにいっぴょう
んじゃ~おれもなごみんにいっぴょ~
404 :
名無しさん@初回限定:2005/11/24(木) 09:43:38 ID:AIy3Yw8Y0
なごみんwithフカヒレ
なごみんと蟹のれずぷれいにいっぴょう
「鬼は~外、福は~内」
「痛っ、カニいきなり物を投げるな!」
「どうせ友達もいなくて豆まきもしないんだろ
可哀想だから一緒にやってやんよ」
「うるさいカニ、大体これ豆じゃな…」
「歳の数だけ食わせてやんよ」
「むぐっ、ふはへるは」
「黒くて毛も生えそうだろ?オメーにはぴったりだ」
「くっ、レーズンなんか食わせやがって
食べ物を粗末にするなと言っただろうが」
かにとなごみんのレーズンプレイ
ごめんなさいもうしません
あっ、石は投げないで
5回は抜けました
408 :
名無しさん@初回限定:2005/11/24(木) 12:53:40 ID:Y3CxlP9oO
ネ申 降 臨
409 :
335:2005/11/24(木) 17:41:38 ID:ICQiD0m7O
「こうしてSSを書けば書くほど、自分の中から声が聞こえてくるんです」
「向いてないんじゃないか……早く気づけ……もういいだろたまには休もう……」
「色々聞こえますね、いわゆる弱音ってやつですか」
「現場のGJより、こっちの弱音の方が問題かもしれません」
「意外とモロいです、自分」
>>409 そういう時に向けの名言を乙女さんが言ってただろ
「根性なし」と
>>409 誰だってそう思うことはある。
で、どうする?少しは休めっていってやろうか?
もちろん辛いなら休めばいいとは思う。
けどな、俺は335(できればコテつけてくれ)が、
その弱音を潰してくれることを期待している。
見せてくれ、竜鳴魂を!
>>409-411 おれ、いつもそこで号泣ですよ。
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!!
>>409さんのSSはジューブン面白いデスケード
SSの心を掴んでマセーン
自らがSSになるような心意気デース
久しぶりに投下してもいいですか?
415 :
プレゼント:2005/11/24(木) 19:02:58 ID:cC3DE/X+0
「ごちそうさま」と乙女さんが合掌する。
「あれ、もういいの?」
「うむ、腹八分目だ」
「でも普段より全然少ないよ」
今食べたおにぎりはまだ二桁いっていない。明らかに少な過ぎる。
「最近食事の量が減ってるみたいだけど、具合でも悪いの?」
「なんでもない。ちょっと疲れているだけだ」
「疲れてるって乙女さんが!? 体力永久機関の乙女さんが!? サハラ砂漠単独で横断できそうな乙女さんが!?
時期海皇に最も近い乙女さんが!? 腐食の月光の魔力も物の数ではない乙女さんが!? 救急車呼ぼうか……?」
「レオ、心配してくれるのは嬉しいが、それはかなり失礼だぞ」
「あ、ご、ごめん」慌てて謝る。すっかり動転していた。
「だいたいお前は私をなんだと……うぅっ」
急に乙女さんは口元を手で押さえたかと思うと、台所を飛び出していった。
「あ、ちょ、乙女さん!?」
俺も急いで後を追う。
乙女さんはトイレに駆け込んでいた。中からは戻している気配。
「乙女さん大丈夫!? 乙女さん?」
しばらくして、乙女さんが出てきた。心なしか顔色が優れない。
「乙女さん……」
「だ、大丈夫だ。原因は分かっている。心配はいらない」
「でも……」
「大丈夫だと言っている。こんなもの、少し休めば治る」
ぴしゃりというと、乙女さんは覚束ない足取りで自分の部屋に戻ってしまった。
……えーと。こんな光景、ドラマとかで見たことあるぞ。ひょっとすると、これは噂に名高いつわりというものでは?
つわり。なーんだ。要するに乙女さん妊娠したということか。なるほど。
……って、ニンシン!? それは、それはつまり俺の子供ってことですか?
支━━(゚∀゚)━━援!!!
「乙女さんが妊娠?」
「どうもそうらしい」
俺はスバルに相談することにした。
こんな話カニやフカヒレじゃ頼りにならないし、聞かせるわけにもいかないので二人には内密で。
姫や佐藤さんはなんか疲れているらしく、げっそりしていたので相談できなかった。
「お前の子供か?」スバルが真剣な表情で訊ねる。
「多分」心当たりはあり過ぎるほどあるからなぁ。避妊とか全然考えずにやってたし。
「確実なのか?」
「ちゃんと確かめたわけじゃないけど、吐いてるところを何度か見た。食事の量も減ってるし、制裁にも普段のキレがない」
なにしろ蹴りを食らった後戦略的撤退する余裕があったくらいだから、いつもの威力は無かった。
「本人に聞けよ」
「面と向かって聞く勇気があるならこんなとこでお前に相談してない」
「でもな、それじゃ妊娠とは限らないだろ? 本当に疲れ気味なだけってことも……」
「それだけじゃないんだ。ここ数日、姫や佐藤さんの俺を見る視線がいつもより微妙に生暖かい」
「あー、そういや微笑ましいモノを見る目だったな。なんでだろ」
「きっと乙女さんが何か相談したんだ」
そうだ、三人で寝ずに議論していたんだ。だから姫たちもなんだか疲れたような顔していたんだ。
「なぁスバル、俺ってそんなに頼りない? 俺よりもまず姫たちに相談するくらい、俺って使えない?」
「ん、まぁ、そうだな、オロオロしながらこんな隅っこでオレに相談してるって時点でその答えは出ているような気もするな」
「あう」痛いところを疲れた。
スバルは腕を組み、思案顔で言う。
「でも乙女さんならはっきりと言いそうな気もするが……。あ、そういやもうすぐお前誕生日だな?」
今日は十月七日か。
「ん、明々後日だけど、それが何か?」
「もしかしたらそのタイミングで発表するんじゃね? 誕生日プレゼントとか言って」
「うーん。乙女さんにそんな遊び心があるとも思えないけどなぁ……」
「まあ、覚悟決めて子供の名前でも考えてろや」
>>414 ダメだ。
だが、ダメと言われて諦められるほど
お前のSSへの想いは柔ではないはずだ。
俺はそう信じている。
「レオ、ちょっといいか」
十月十日。夕食後、乙女さんが切り出してきた。普段以上に真剣な表情だ。
来た! 俺は居住まいを正す。
「な、なんでしょう」恐る恐る聞いてみた。
「ふむ。……今日はお前の誕生日だな」
乙女さんが重々しく訊ねる。
頷く。ごくり、と唾を飲み込んだ。
スバルの言ったとおりだった。やはり今日だったか。
やば……キンチョーしてきた。
「そこで、お前にプレゼントがあるんだが」
乙女さんもこころなしか少し緊張しているらしい。表情がこわばり気味だ。
「ももも、もしかして、その、出来ちゃいましたか?」
さすがに学生の身分で子持ちはどうかとも思う。
でも、乙女さんとの子供なら是非欲しい。俺たちの愛の結晶だから。
俺は乙女さんのことが好きだし、責任を取る覚悟はある。
乙女さんも大変だろうけど、頼りにならなくてもしっかりと支えていくつもりだ。
今は声裏返っちゃったけどさ。
「む、なんだ、知っていたのか。しかし出来ちゃった、とはいささか不愉快だな。
私は真剣だったのだぞ。それともお前は私には出来ないとでも思っていたのか?」
「そそそ、そうですよね」
「ふふ、これを見ろ」
そう言うと、乙女さんは懐に手を入れた。
何を出す? 母子手帳か、診断書か? 何でも来い。こっちの準備は出来てるぜ。
俺だって昼間本屋でた○ごくらぶと命名事典を購入してきたんだ。
店員の生暖かい視線が痛かったけどさ。
どっちかというと女の子の方がいいかなぁ。名前は優美清春香菜、とか個性的でいいな。
俺の妄想をよそに、乙女さんがおもむろに取り出したのは、どこからどう見ても携帯電話だった。
乙女さんがケータイ? はっきり言って近年まれに見るミスマッチ。
「ふふふ、い、いくぞ」
乙女さんはなにやら画面を見ながらボタン操作を始めた。
ぎこちない。たちまち顔が真っ赤になり、頭から湯気が出てくる。
「く、この、これがこうで、いや違う、こっちをこうして……」
ケータイと必死で格闘する乙女さん。
状況に置いていかれている俺。ああ、ケータイって、あんなビープ音出せるんだ……。
「この電話め、気合だ、気合を入れろ!」
うまくいかないのか、乙女さんがケータイを鼓舞している。
「そうだ、こうだった。よし、これで、こう!」
「あの、乙女さん?」
「ふっふっふ、いくぞ、レオ。……覇ぁっ!」
乙女さんは宣言すると、ケータイを拳銃のようにこっちに向け、気合とともにボタンを押した。
すると、俺のケータイが鳴る。メール着信。知らないアドレスだった。
乙女さんの方を見ると、緊張の面持ち。オーラで開けと訴えている。
ぴっ。開く。画面には
『レオ、誕生日おめでとう。 乙女』
飾り気の無い簡潔な文章が目に飛び込んでくる。
「ふふん、どうだ、私だってやれば出来るんだぞ。なにしろお姉ちゃんだからな!
お前には内緒で最近ずっと練習していたんだ。姫や佐藤に教えてもらってな。バレていたとは少し残念だが。
いや、一生懸命練習したからずっとデジタル酔いが抜けなかったのはキツかったな」
胸を張って、得意げな乙女さん。
「ん、どうした、ボケっとして。茫然自失するほど嬉しかったか?
ふふ、可愛い奴め。……お姉ちゃんが抱きしめてやろう」
乙女さんの顔が近づいてくる。
ぎゅ。
優美清春香菜ワロスwwwww
支援
422 :
あとがき:2005/11/24(木) 19:15:31 ID:cC3DE/X+0
というわけで、「ある日の対馬夫人」以来久しぶりの投下となります。
本当は忙しくて書くつもりじゃなかったんですが、OSクリーンインストール記念と、
流産SSでの乙女さんがあまりにも不憫だったので勢いで書きました。
もちろんあのSSや作者様を批判しているわけではないです。
素晴らしい作品だという前提で、俺がつよきす及びつよきすSSに求めているものとは違ったということです。
勢いで書いた分やっつけ仕事になってしまったのはご容赦ください。
一ヶ月以上も書いてないとやっぱりSS筋力がすっかり落ちてますね。痛感しました。
書きかけのも何本かあるし、構想だけのものも少しあるし、なんとか書けたらいいなぁ。
仕事が……orz
ちなみにever17はつよきすと並んで、俺が墓まで持っていくゲームだったりします。
>>優美清春香菜
Ever17吹いたw
GJ!
パソの電源落とすだけならともかく
携帯のメールを使えるようにするためには精魂尽き果てそうだなw
姫、よっぴー南無
425 :
名無しさん@初回限定:2005/11/24(木) 20:38:32 ID:Y3CxlP9oO
>>422GJ!
しかも今ちょうどくるりのBIRTHDAYって曲聴いてたから余計面白かった!
>>422 GJ!!!
傷が少し癒された。
それから例の流産SSは俺もトラウマです…
前日の話がよかっただけに…('A`)
『ある日の対馬婦人』みたいなの期待してたんだけどなぁ…
やっぱつよきすに不幸話(゚⊿゚)イラネ
(てか『ある日の対馬婦人』最高だったよ!こんなのまた書いちくり!)
427 :
追記:2005/11/24(木) 21:04:04 ID:cv06M+be0
>>422 あ、それからお仕事頑張ってくらはい。
しかしever17ってゲーム知らなかったなぁ…今度やってみよう。
ブッチャケ流産SSは嫌いじゃないデス
なんというかアレにはアレなりの良さってもんがある
|ω・`) コソーリ…
「レオー、早くページめくれよー」
「ちょっと待てって。お前は読むのが早いんだよ」
特に予定もない日曜日。浦賀さんから借りた動物のお医者さん漫画でも読もうと
行儀悪く寝そべると、窓から侵入してきたカニが背中に乗ってきた。
そのまま一緒に漫画を読み始めたんだが……。
「ちょいとカニさん」
「あにさ」
「そんなにくっつかないでくれます?」
「あんだよ、くっつかないと漫画読みにくいだろー」
「さっきからその、背中に何か当たっているんですが」
「…………あ、当ててんだよ(ボソッ)」
「なにその嫌がらせ!」
「あんだとー! 嫌がらせってどういうことさ」
「さっきから背中がゴツゴツして痛い」
「ゴツゴツなんかしてないだろ! さ、最近大きくなったし……」
「ダウト」
「う、嘘じゃねぇって」
「あのな、そんなすぐバレる嘘つくなよ」
「くっ。ま、まあ、胸の話はこっちに置いとけ」
「俺の部屋にそんなものを不法投棄されても困るなぁ。
っていうか捨てるほどサイズないんだから、それ自殺行為だよ」
「うがーー! 胸の話題はもういいって言ってんだよ!」
「わ、わかったから首を絞めるな、首を」
431 :
でこぼこサイズ(2/5):2005/11/24(木) 22:08:59 ID:lhbGIThX0
何とかカニを落ち着かせて漫画の続きを読み出す。
すると、漫画に影響されたのか、カニがこんなことを言い出した。
「ボク、動物飼ってみてーなー」
「動物飼うって、この漫画の主人公みたいに犬とかハムスターか?」
「んー…………パンダ」
「おいおい、いくらなんでもパンダは一般家庭じゃ飼えないだろう」
「ボク一生懸命世話するぜ?」
「太らせて喰うのか」
「喰わないよ!」
「ダウト」
「嘘じゃねーよ!」
「だって前科者だし。それにしてもパンダねぇ」
「もしパンダを飼ったらさ、パンダに乗って散歩に行ってみてーなー」
「それじゃカニの散歩にならないだろ。飼い主のパンダさんも大変だな」
「飼い主はボクだろ!」
「でも身体のサイズからイメージすると、飼い主=パンダとしか想像できないぞ」
「サイズは関係ないだろ、サイズはさっ」
「どうどう。じゃあ、散歩の他には?」
「んー、公園で一緒に遊んだら楽しそうじゃね?」
「タイヤと戯れている姿はイメージにあるな」
「そうそう、タイヤ転がしたりしてなー」
「パンダさん、そんなにカニを転がさないでー」
「ボクが転がされるのかよ!」
「パンダの名前はコロンコロンで決まりだな」
「かわいらしいのに嫌な名前ですねぇ、オイ!」
|ω・`)シエーン
「しかしパンダと遊ぶのは結構体力使いそうだな。一応、クマだろ?」
「遊び疲れたらパンダに抱きついて寝るんさ。
フカフカモコモコして気持ち良さそー」
「そして目が覚めたらカニがペチャンコ。あわわ、胸以外も薄っペラだよ!」
「胸の話はすんじゃねーって言ってんだよ!」
「すいません」
「全く、さっきからいちいち変な突っ込みいれやがって、むかつく奴だなぁ。
レオにはメロンってものがないのかよ?」
「それを言うならロマンだ」
「マロン? うまそーだな」
「こいつ、やっぱりパンダ喰う気だよ!」
「いや、パンダは喰わねーって!」
「しかしなぁ、やっぱり抱き枕にされるのは間違いなくカニだと思うぞ」
「うっ……しょうがねぇ、抱き枕はレオで我慢しとくか」
「ええっ、カニの抱き枕なんてやだよ」
「またまた照れんなよ、レオ」
「だって涎まみれにされるし」
「しないよ!」
「え、じゃあ、まさかおねしょ!?」
「するかボケェ!」
「寝る前にあんまり水分とるな」
「そんな心配いらねーよ」
「皆には内緒にしておいてやるからな。ただ、あんまり酷いようなら病院に……」
「だから、そんな生温かい心配いらねぇつってんだよ!」
「冗談はおいといて、お腹は冷やさないようにしろよ。お前寝相悪いからなー」
「うっ、そりは否定できない……」
「と言ったところで、抱き枕の件は謹んで辞退させていただきます」
「くっ、なんか納得いかねー!」
「そう言われてもな」
「ホントはボクに抱きしめられて嬉しいんだろ? たまらないんだろう?」
そう言って、背中に乗っていたカニが俺の身体に手や足を絡ませてきた。
「ハッハッハ、まさか」
「じゃあこれならどうよ? コチョコチョコチョ」
「ちょ、お前、くすぐりは反則、あははは!」
「そんなこと言って、すげー嬉しそうな顔してるじゃん」
「そりゃ強制的に笑わされてるからだっ。あ、く、首はやめろって、くふぅ!」
「嫌よ嫌よも好きのうちってな。ボクのテクでメロメロにしてやるぜぇ」
「うわ、そんなトコロくすぐるなって! あははははははは!」
「さあさあ、素直に吐いちまえよ。蟹沢様の抱き枕になりたいんです、ってな」
「だ、誰がそんな心にも、ない、あはははははは!
って言うか、ま、また胸が当たってるんですけどぉ!」
「……だ、だから当ててんだよ、バカァ!」
「なぁカニ」
「フンだ」
やれやれ、カニのやつ、すっかりへそを曲げていやがる。
「なぁ、今度の休みに動物園に行くか?」
「……え?」
「だから次の日曜日に動物園にパンダに会いにいかないか?」
「レ、レオがどうしてもっていうなら行ってやってもいいぜ」
「どうしても。お前と一緒にいきたい」
「なんかそれちょっとやらしい」
やらしいって言う人がやらしい。
そんな小学生の言い合いをすると、また話がこじれるから心の中でこっそりと。
「ま、まぁ、しょうがねぇ、レオがそこまで言うなら一緒に行ってやんよ!」
「おう」
「じゃあ、とりあえず騒ぎ疲れたら昼寝する……レオ、抱き枕な」
「はいはい」
嬉しそうな顔で俺を抱き枕にするカニ。
そんなカニを見たらなんだか悔しくなって、カニが寝たのを見計らって
こっちからも抱きつき返してみる。
んー、やっぱりサイズ的にいってこいつの方が抱き枕だよな。うん。
その事実に満足した俺も、いつしか眠りに落ちていく。
フローラルな香りに包まれて……。
436 :
430:2005/11/24(木) 22:15:49 ID:lhbGIThX0
ハンドル保存のチェックと間違えて一回ageちゃった……。orz
「当ててんだよ」が書きたかったんで、一番お気にのきぬ×レオでやってみた。
もうちょっと短くてテンポよく、自然な変な会話の流れという目標にはまだ遠い……。
とりあえず、これからトレーニングして、きぬシナリオをもう一回プレイしてくる。
途中で支援してくれた人、それから前の「おかしなふたり」にGJ言ってくれた人、
あんがと。じゃ!ノシ
おまえに言いたいことがある!ちょっとこっちこい!
GJ!!
オレはもったいぶらないぜ。
おまえに言いたいことがある!ちょっとこっちこい!GJ!!
440 :
カニvsなごみん(6/10):2005/11/24(木) 23:18:10 ID:SUyeICOr0
--------------------------------- 。 -
_______ ----- _--- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ン
. ,'´ ゙ヽ / / | \ イ
w从`ノノリ / ./ | . \ /
i、vwvノi) ./ / . | /|
<ニニニ=と)ji凵!iノ / | /|
く/__j〉 / | | /|
ヽし' / ─┼─ |
\_WWWWWWWWWWWWWWWW// ┼┐─┼─
≫ 尻がええんか、1年坊!! .≪ ││
/MMMMMMMMMMMMMMMMM\
/
,._,,..-──‐- 、 / _
/ \ / ヾ\'´, `ヽ
./ :、 / ヽ!爪リリ从)ゞ
l 地球 | / . ノwリ#`ヮノル
| ノ¬ カキーン! / ⊂)个iG、
ヽ ノ | / く/_|j〉`´
ヽ、 ノ ノ / し'ノ
"'‐ー‐---‐‐'" ノ ./ ______∧________
<‐‐'" / 生意気な1年坊に先輩がケツバットで
/ 気合入れてやったぜ、有難く思いな!
なごみん世界一周中 ./
_
. ヾ\'´, `ヽ
/ ヽ!爪リリ从)ゞ
カニィィィィィィィ!!! ノwリ#`ヮノル =3
\ ⊂)个iG、
く/_|j〉`´
し'ノ
.
.
_クルッ
. ヾ\'´, `ヽ
/ ヽ(((从)〉 i ん?
………… i、ヮ ゚|wヾ
\ ⊂)个iG、
く/_|j〉`´
し'ノ
\_WWWWWWWWWWWWWWWW/
≫ウザいカニが!そこを動くな!≪
/MMMMMMMMMMMMMMMMM\
ヽ\,∧人 _ クルッ
。 _,ゝ 、, _,.`て ゚ ヾ\'´, `ヽ
,,,,,, _ ,, ,, __.,,/ '´ ゙ヾ 7_ ヽ!爪リリ从)ゞ キノセイカ…
― - ........... ........ ......... l イ从从ゾ > |゜ . ノwリ*^ヮノル
…・・‐= (ヽ_彡 リ#゚Дノリ く| ̄ ⊂)个iG、
二 ─ :::::::::: ::::::⊂《,((_i((づーノつ)) > く/_|j〉`´
 ̄``  ゙̄  ̄ ̄ヽ;;;, ...,, ..... / し'ノ
゙Vノ ∨/|/ ゜ 。. ______∧________
ゴオオオオォォォ!! さて、愛するレオに戦果報告といくか
支援
.
| __|__ ヽ |
|\| | . | | ./
、, _,.、 . | \ ./ ./ ――― /
'´ ヽ | ./ / ___/
(i 从从l i i 。 * ・
i、ロ´#l|)l.| : \ (( 从⌒从 )) / ; ミ _
⊂( , iつ | \ ・ (( (( ・)) * ζ / ミ '´ `ヽ
〈_,ゝ ゞ \ \ ∑・ (( ∵ )) )) / ・ ミ 〈(((从)〉 i
ヽ,ヽ) \ (( : )) (( 从 ))ζ (^ l、Д´#|wヾ
\・ ∑ 从⌒从 ε (( ∵ )) ̄* r―-、ゝ个(_つ
\ * 。(( ⌒ )) ζ ` ̄ン^,く/ノ
/ ∑ (( 从 从 )) \ ゙ー'
* / (( 从⌒从 )) (( : ζ \ ∵
(( W (( ・ W )) *
\_WWWWW/
≫ WKO!≪
/MMMMMM\
。゚ 。 。゚ 。
、, _,.、ξ ξ
'´ ゙ヾ . '´  ̄`ヽ
l イ从从ゾ 〈(((从)〉 i
|! リ;´(フノl| n i、д´|nw
ノ, /i _i ノ_i リ ヽliVi (ノ
( とんU )U ノ (_(_i、ゝ_>
はぁはぁ…引き分けだったぜ……
あいつめ、なんて骨のある1年坊だ
特に最後の頭突きなんて普通やんねーぞ…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_ ξヒリヒリ _
'´, `ヽ '´ ヽ
!爪リリ从)ゞ (ハヽ从 l 。oO(死闘だったようだな)
ノwリTヮ∩イタタ i、Д` ;|i)
⊂)个iソ ⊂)⊂〈i
. く/_|j〉 /个 .i
((( (ノ'J く_/ヽ_j )))
つ4円
大長編乙
しかし(9/10)、(10/10)で終わりかと思ったら(11/10)ってなんだよw
向こうでは(10/10)で納まってるのになw
今、見てきたが、8と9で一纏めになってるのを分けて転載したんだな。
やっぱ、ここと向こうとでは行数制限が違うのか?
>>436 「あててんのよ」キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
こっ…これはこの言葉ひとつでジャソプの連載枠を勝ち取ったと言う某マンガの名言…!
まったくおそろしいやつだぜ、GJ!!!
>>422 GJ!…ってなんだってー!
対馬婦人の作者!!?
ず、ずっとファンだったんです!サインお願いします!!
ホント神だらけでまいっちまうぜ!
みんなGJ!!!
||∧∧ 誰も居そうにない、駄SS投下するなら今のうちか、
|| ,,゚Д゚)リ
>>205 >>291のSS書いた者です。
||⊂ノ コソーリ 前回のSSは賛否両論で反省。事前に断りを書いておけばヨカタと、
|| ノ 今回はコメディに挑戦しましたが、ノープロットいきあたりばったりで
|| 作品としては駄作かもしれませんが、ご容赦を・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「レオ、起きろ。朝だぞ」
カーテンが開かれ、朝日が瞼を刺激する。んー朝か。
「今日はお前が勇者として、旅立つ日だろうオラ速く用意しな」
ハ?ユウシャ??スバルさん、何を言ってるんですか?
「お前は勇者の血筋、対馬家の子孫、今日は魔王を倒す旅立ちの日、
これから城へ旅立ちの挨拶をする。OK?」
ああ、昨日は徹夜でゲームやっていたから夢にまで出ているのね、納得。
それならこちらも心構えはOKだ。
「よし、じゃあスバル。王宮へ案内してくれ」
俺はスバルの用意してくれた勇者の服(竜鳴館制服)を着て王宮へ向かう、
なんだよ、もっとこう、カッコイイ鎧が出るんじゃないのかよ、適当だな俺のドリー夢は。
家の外を出ると見慣れた風景。これで魔王とか言われてもちょっとなぁ。
城(竜鳴館)が見えてくる。登竜門の前には予想通り乙女さんが立っていた。
乙女さんは王宮の騎士団長だそうだ。武力はマツカサ王国では並ぶ者が居ないほどだ。
というか、何故乙女さんが魔王を倒しに行かないんだ。と、俺の夢にツッコミ。
「遅い!姫が竜宮でお待ちだ。無礼の無いようにな…ほら、だらしが無い、シャツがはみ出しているぞ」
うーん、いつもの乙女さんと変わらないな。
>作品としては駄作かもしれませんが、ご容赦を・・・
とりあえず第一の読者である作者自身を納得させる作品書こうぜ。
はやく投下したい気持ちもわかるけど、一日二日間おくだけで結構違うと思うよ。
>>456 ヤベエ、投下しちまったヨ。
どうすれバインダー。
20秒遅かったかw
まあ、どうやら勢いで書いた作品のようだし、その勢いを自分で止められないなら投下してもいいんじゃないか。シリアスならともかくな。
もし、投下しないで見直すんだったら音読してみて、句読点による区切りをちょっと減らしてみてはどうだろう。ひらがなと漢字変換による区切り
「オラ坊主。さっさと姫に会いに行くぞ」
スバルに急かされる。姫…という事は竜宮で待っているのは…
竜宮(王宮)で待っていたのは、予想通り姫、両隣に佐藤さんと祈先生が控えている。
「ようこそ勇者レオ。さっそく貴方に今回の事件を説明するわね、
魔王はココナッツ王国の王女なごみ姫をさらってしまているの、
魔王の討伐となごみ姫の奪還。それで貴方の力が必要って事」
ふーむ、椰子も王女役ということは魔王はつまり、
「なぁ姫、魔王ってもしかしてカニか?」
ざわっ…王宮の中の空気が変わる。
「おお、勇者対馬さん、その名前を口にすると恐ろしい呪いがかかりますわ~」
「そうだよ対馬君。魔王を怒らせると精神的イジメを積み重ねたり、
隠していたオヤツを食い漁られたりと恐ろしい事が起こるわよ」
聖なる印を結んで神に祈りをささげている佐藤さん。
というか、それは恐ろしいのか?
「魔王の最も恐ろしい所は、負けを認めない所ですわ~」
それは判る気がする。
かくして、俺は冒険の仲間を加えて魔王の城へ向かう事になった。
勇者レオの一団
ゆうしゃ:レオ
せんし:スバル
きし:乙女さん
そうりょ:佐藤さん
まほうつかい:祈先生
つかいま:土永さん
うむ、素晴らしいパーティーバランスだ。
しかし、他の皆はファンタジー感溢れる鎧や剣を持っているのにどうして俺だけ制服なんだろう。
「ところで椰子…なごみ姫ってどうさらわれたんだ?」
「では、私がこの夜店で買った水晶玉でその時の様子を見てみましょう」
~回想シーン~
夜の街、なごみ姫は何時ものように城を抜け出して街を彷徨っている。
「チッ、母さんがあんな隣の国の王との再婚を考えているなんて…」
「そこゆくお嬢さん、アンタなごみ姫だね」
「誰だお前」
なごみの前には1人の少女、いやカニ魔王きぬが立っている。
傍らには魔導師フカヒレ。そしてなごみを取り囲むようにきぬの手下のデスマスク軍団。
あーこいつら全員イガグリの顔じゃないか、手下とはいえ手抜きだな。
「お前は文武両道、料理家事万能。ボクのメイドとして城で働いてもらおうか」
「そぉーだ。魔王様の下で働ける事を喜びな、そそうがあった時はこの俺が折檻してやろう、
お前は調教しがいがありそうだ。イーッヒッヒッヒィ!」
「ああぁ?何夢見てんだボケが」
なごみ姫はフカヒレ達を睨み付ける「潰すぞ…」
「ヒッ、ヒィィィッ!ごめんなさい、許してください、ごめんなさい」
フカヒレ、魔王の側近なのにビビってやがる。
「あーもう、オメー本当に使えませんなぁ、このゴミムシがっ!」
カニ魔王はフカヒレを蹴り転がして制裁を加える。
「ったく、このボクの誘いを断るとロクな目にあいませんぜ、ココナッツ」
「ボクの手にかかれば、こんな王国、7日7晩阿鼻叫喚の地獄絵図にする事なんて簡単なんだよ~…ムガッモガガッ」
なごみ姫はカニ魔王の前に立つと、両手でカニ魔王の頬をひっぱりあげる。
「おまへ、なに、ひゃがるんだ、アイタタタタ」
「今思いついた。マーベラス蟹沢というスポーツ。お前が泣いたら私の勝ち」
「ほぉーら、目元に涙が浮かんできた。こりゃ私の勝ちかな」
「ふ、ふかふぃれ!ほ、ほまへ、こういふときに、わ、わらひをたふけろぉっ」
フカヒレの目に闘志がやどった!
「そうだ、俺はやればできる男と言われてきた…やってやる…俺の暗黒魔法の力、見せてやるぜ!」
フカヒレは取り出したギターをかき鳴らし呪文の詠唱に入る
「ツヨキススキッスツヨキッス♪ツンデレンデレツデレツンツン♪♪なごみ姫、従順な女にな~~~れ~~~」
謎の舞踏を交えてフカヒレの怪しい瞳がなごみ姫を見据えると、
マーベラス蟹沢のフィニッシュに入っていたなごみ姫の手が止まる。
「……センパイ?…ああっ、私、センパイに酷い事を!」
なごみ姫はカニ魔王の腫れあがった頬を手でさすっている。
「おおっ?!おおおっ!スッゲー、フカヒレ、お前もたまには役に立つじゃん!」
「エヘヘッ、センパイ、私になんでもお申し付けて下さいね、私、センパイの為ならなんでもしますっ」
「そ、そうか今日からお前はボクのメイド1号だ(オイ、なんか妙にキモチワリィな)」
なごみ姫がカニ魔王にすり寄っている。すげえ珍しい光景だ。映像で残したい。
「な、なごみタン。俺と俺のマイサンにもご奉仕申し付けちゃいます!ハァハァ」
「センパイに近づくな…汚らわしい!潰すぞ!!」
「なごみ…さん??(やっべ、魔王様にしか懐いてないぞコリャ)」
「ま、まぁ取りあえず~目的は達成したから、帰るぞお前達ィ!」
~回想終了~
「な、なるほど、こういう事があったのか…こりゃ恐ろしい」
「では、視聴料400円になりますわ~」
金取るんですか。
「一刻も早くなごみ姫にかけられた呪いを解いて魔王を打ち倒せねば!」
乙女さんは魔剣・地獄蝶々を振りかざし激を飛ばす。やっぱり俺より勇者らしいな
「魔王は烏賊島に居ます。船を調達しなければいけませんわね~」
俺達一行は港に向かい、船を捜す事にした。
「船なら、私が用意しよう。魔王を倒そうとするその心意気、まさに漢だ」
おお、橘館長が船を用意してくれるのかドラゴン号かな。
「その前に、お前達にアレの始末をお願いしたい」
アレ?橘館長が指差した方角に山が一つ、いや山じゃない人だ!
マツカサ王国の特大クリーチャー「マダム呂布」身長は10mを超しているんじゃないのか
「アレは商店の特売日になると街に現れて、街を破壊して食料を奪い去っていく。困った存在だ」
「橘館長なら指先一つで倒せるでしょうに」
「ワシの拳は、女性を傷つける為にもっているのではない、よって、お前達に頼む」
「どのみち倒すのかよ」
俺達は陣形を組んで、街に近づいてくるマダム呂布に突撃する。
「相手は巨大だが、落ち着いて見切れば攻撃は避けられる。
足を狙って足止めを頼む!私はスキを付いて弱点を突く!」
流石乙女さん、的確な指示を出す。で、俺は何をすれば?武器もないし
「レオは安全な所まで下がってろ、お前は魔王の切り札だからな」
「そうだよ対馬君。勇者を守るのが、仲間の役目だよ」
「ここは俺達に任せておきなっ!」
うーむ、まぁ楽だし良いか、せめて声援ぐらい送ろう
「ガンガンいこうぜ!」
「言われなくとも!」
スバルの足を生かした剣激、祈先生の魔法、土永さんの攻撃「スコスコ、スコスコスコ~」
マダム呂布の足が止まり動きにスキができる。
「巨人の弱点、それは目だっ、そこは鍛える事ができまい!」
乙女さんが大地を蹴り、宙に舞う。スゲエ、なんて跳躍力だ。
「万物全てを切り刻め、地獄蝶々ッ」
ブガーーーーーーー!ベシッ。あっ、腕ではたかれた。
派手に飛ばされて、岩肌を崩しながら叩きつけられる。
「くっ、流石に正攻法で容易に倒せる相手ではないか」
何事も無く崩れた岩を押しのけて姿を現す。鉄の名は伊達じゃないってか。
しかし、攻めの要の乙女さんが飛ばされて陣形が乱れる。
「きゃあっ」
いかん、支援魔法を飛ばしている佐藤さんに鉄槌のような拳が飛んでくる。
くっ、ここは俺が盾になるか!
スカッ。マダム呂布の眉間に刺さる薔薇。ハッ、これはまさか!
④
「フフフッ、苦戦しているわね対馬クン」
全員、声のした方を見る。マダムも、
「戦場に咲く可憐な薔薇、お嬢様仮面、ここに見参!」
(姫だよな)(姫よね)(霧谷王女ですわね~)
バタフライ仮面と赤いマントを付け、鉄騎(MTB)に跨った女子高生。
見事に高い所から登場している。姫だな。このアングルでスカートの中が見えないのが凄い。
「おお、お嬢様仮面とやら、助太刀感謝する!」
気付いていない人が1人いるや、流石乙女さん。
「くらえっ、お嬢様デッドエンド!!」
MTBを駆って宙を飛び、マダム呂布に体当たりをかけてスキを作る。
「いいわよナッシュ、やっちゃって!」
『…ザッ、OK、10秒後に着弾、3…2…1…Fire!!』
空がキラリと光ったと思った直後、マダム呂布に対して砲弾の雨あられ。
土煙が晴れ、マダム呂布が居た場所にはペンペン草一つ生えていなかった…マヂかよ。
「イェーイ!正義は勝つ!!」
決めポーズをする姫。いや、お嬢様仮面。
「ピンチの時は私の名前を叫びなさい、気が向いたら遊びに来てあげるわ。それじゃ、アデュ~~」
薔薇の花びらと共に鉄騎(MTB)に跨り走り去るお嬢様仮面。
ポカーンと取り残された面々。
「お嬢様仮面、一体彼女は何者なのだ…」
やはり乙女さんは兵(つわもの)だ。
港街に戻ると、橘館長が出迎えてくれた。
「うむ、お前達のおかげで街の脅威は去った。
礼と言ってはなんだが歓迎会を開いてやろう。焼肉が良いか、寿司がいいか?」
「や、とっとと終わらせたいので船をお願いします」
正直、疲れてきた。
「むぅ、休息も取らずに戦場に向かうとは、漢よのぉ」
「ワシの船まで案内してやる。ついてまいれ」
案内されて、目の前に在るは巨大な船。戦艦松笠じゃないか!
「俺、松笠に乗るの初めてなんだよな」
スバル、動く松笠に乗るのは俺も初めてだ。
「軍艦所持しているなんて、凄いですね橘館長」
「これに乗るときは、艦長ではない、船長と呼びたまえ」
橘館長が海の男になっている。
松笠が烏賊島に到着する。小型船で上陸する俺達。
「2日たったら迎えに来てやる。諸君らの健闘を祈る!」
ああ、行ってしまわれた…ハッ、松笠で砲撃してもらえば早かったんじゃないのか?!
「そういうツッコミは野暮だぜ、山の頂上にある城が魔王の根城だ。さっさと行こうぜ」
ほどなく城に到着、目の前には巨大な鉄の扉がそびえ立っている。
城門の巨大な扉を地獄蝶々で斬り開き、乙女さんが名乗りをあげる。
「鉄乙女が挨拶に来たぞ!腕に覚えがあるやつはかかって来い!」
シ~~~~~ン。へんじがない。というか、柱の影で手下達が震えながらこちらを伺っている。
そりゃ俺もこんな巨大扉を斬り開く奴と相手をしたくない。
カツーン、カツーン。通路の奥から靴音を立てて近づく人影。
「チッ、この俺が出なくちゃいけないとは、面倒くせぇなあ」
フカヒレがゆらーりと現れる。む、少し雰囲気が違うな
「フカヒレ、フカヒレとカス共に馬鹿にされてきたが、今日の俺は一味違うぜ…俺は超フカヒレだ!」
「勝利、屈服、調教!美人の女は俺に屈服するのだーーーーっはっはっは!」
うお、素晴らしい三下台詞。それでこそフカヒレだ。
「いくぜ!一気に超フカヒレ4だ!!」
フカヒレがオーラをまとって俺達に向かってくる。
「おまたせ~お嬢様仮面、優雅に参上!」
「おぼはっ!」
MTBで乗り込んできたお嬢様仮面、いや姫に横から跳ね飛ばされるフカヒレ。
「へ、へへ、待ちな、俺は、あと2回変身を残しているんだぜ…」
「それじゃあ変身する前に止めを刺した方が良いよね、対馬君」
べしっ、ぐしゃっ、どすっ、べちゃっ。
へんじがない、ただのしかばねのようだ。
「さー、忘れないうちになごみ姫を助けにまいりましょう~」
ぴくっ、びくっ、びくびくびくビチビチビチびちっ!
「おい、フカヒレが怪しい痙攣を起こしているぞ」
「おおおおおおおおおおおおおおおっ!ぎたっ、なんかぎまぢだあああ」
タキ○ード仮面様キタ━━(゚∀゚)━━!!!
フカヒレの体から無数の体毛生えて顔つきがより猿顔になる。
「な、なあなんかコイツ、大きくなってないか」
うおおお、フカヒレが巨大猿化してやがる!これは厄介だ!!
「尻尾だ!尻尾を狙え!!」
「い~や~あ~私ばかり狙われているような気がするよ~」
「私のよっぴーに手をだすな!お嬢様ビーーーム!!」
「勤務時間過ぎているのですが残業代でるのでしょうか~」
「レオ!こっちは俺達に任せてお前は魔王の元へ!」
「そうだレオ、足手まといはこの場から立ち去れ~い」
巨大化したフカヒレ猿が城の天井を破壊しながら暴れ始める。
破片が落ちてきてマヂヤバイ。ここは任せて椰子とカニをなんとかしよう。
その頃、魔王の部屋。
「センパ~イ。センパイの為にチョコレートケーキを焼きましたよぅ」
「おおっ!今度はケーキか、お前料理上手いなぁ良いお嫁さんになれるぞ」
「うふふっ、センパイの為ならなんでも作ってあげますよ、はい、あーんしてください」
「あ~~~ん、んぐ、ん、アンマァ~~~~~イ」
「ココナッツがこんなに良い子だったとは、ナデナデしてやるぞ。
よ~しよしよしよしよしよしよしよしよし」
「ああん、センパイに誉められちゃった、エヘッ」
カニは椰子の膝の上に乗ってケーキを食べさせてもらっている。
こうやってみると、姉妹のように見えるなぁ。カニが出来の悪い妹。
しかも、椰子は正統派メイド服か「ナイスメイド!」「ナ~イスメイド」
む、天の声が聞こえたぞ。
「おい、お前らとりあえず逃げないと、ここも崩れそうだぞ」
「うおっ!?レオじゃあないですかっ!…お前もケーキ、食うか?」
「あ、俺の分もあるのじゃあお言葉に甘えまして…って違うだろう!」
俺はカニ目掛けて走り出す。
「センパイに近づくな!境界の内側を荒らす奴は…容赦しない」
椰子がカニを片手で抱きかかえて俺に包丁を向ける。
おい、なんか状況が変じゃないですか?うわ、椰子の目、本気だ。
「奥でフカヒレが暴れているからこの部屋も危ないんだって!…っと、うおわ!」
この部屋の天井も崩れてきて、破片がボロボロと落ちてくる。
ガスッ!あ…破片が椰子の頭に命中した。
バタリと椰子が倒れる。あれぐらいなら大丈夫だろう。
「オイ、レオ!ボクのメイド1号を倒すとは、やってくれるな!」
椰子の手から開放されたカニが俺に向かって怒号をあげている。
「というか、なんでお前魔王なんてやってるんだ?」
「うるせぇバカチン!自分の胸に聞いてみろ!」
カニは壁のスイッチを押して、隠し扉を開いてそこから逃げていく。
くそ、逃げられたか。しかしあいつが魔王になった原因、俺にあるのか。
ガスン、ガスン。大きい破片も落ちてきた。この城もうダメだな。
「おいレオ、こっちは何とかフカヒレを止める事ができたぞ。そっちはどうだ?」
「カニは隠し通路で逃げちまった。お前達は椰子を連れて城から逃げてくれ」
「おいレオ!お前はどうするんだ」
「俺はカニを追いかける。それが勇者の役目なんだろ」
俺は隠し通路を潜ってカニを追いかける。
通路を抜けると島の崖に面した細い道。下は波が砕ける海が広がっている。
カニの後ろ姿が見えてきた。
「おいカニ!皆にちゃんと謝れば許してくれると思うからもう諦めろ!」
「馬鹿!ボクは悪くない、悪くないから謝る必要ないもんね!」
ホントこいつ強情だな。
「なんでお前魔王になったんだよ」
「よくぞ聞いてくれましたっ。語るも涙、聞くも涙の物語です…」
カニにスポットライトが当たり語り始める。
~竜宮にて~
「カニっち~手が空いているなら、この書類まとめておいてくれない?」
「え~これだけの量ボクだけにやらせるの、姫は人使い荒すぎだよ!
ボク、断固拒否するからね!」
「まぁまぁ、仕事終わったらこの前イギリスで買ってきたお菓子カニっちにあげるわよ」
「ワォ!それを先に言ってくれなきゃ」
「じゃ、カニっちよろしく~」
「・・・ってやっぱり量多いなコリャ。ん、オアシスから電話か、なんスかテンチョー。
え?今日人足りないから今から出てほしい、んーボクも今忙しいんだよね~
バイト代1.5倍出す?その話乗った!マッハで向かいます!!」
「この続きはレオにやらせるか、メール打っておこ」ピピピピピ。
「あーもう、会議ムダに長かったなぁ、カニっち~お茶にしましょう、って居ない?!」
「書類も投げっぱなしだね、カニっちどこいったんだろう…」
「すまんなレオ、生徒会の仕事といえお前に手伝ってもらって、すっかり暗くなってしまった」
「いやいや、お安い御用だよ乙女さん。ん、携帯にメール入っていたな。カニか、
えーと何々?…急ぎの用事なら直接俺の所に来れば良いのに、まぁ明日謝ればいいか」
「カニっち!昨日書類のまとめお願いしたのに途中で投げ出してどこ行ったの!」
「え?それならレオにお願いのメール出したんだけど…」
「あ、あのメール、直ぐに読めなくて手伝いにこれなかったんだ。俺も別の仕事していたし」
「えーっ!レオ、なんだよそれ!それを先に教えてくれよ」
「しょうがないだろ、タイミングが悪かったんだから」
「カニっち!あの後、私とよっぴーで書類まとめたんだからね!
他にやる事あったのに…カニっちにお願いした私が馬鹿だったわ」
「なんだよ姫、ボクが悪者扱いかよ!レオがメール見てれば良かったんだから、レオも共犯だからね!」
「ってカニ、悪いのはお前だろ。逆ギレするのはめーなんだからね」
「うぉっ!レオまでボクを悪者扱いですか?!
ボクは孤独なロンリーウルフさ、空の青さの、バッキャローーーー!!」
「おい、カニ!どこ行くんだ!!」
支援
「…って事があったのさ…その後グレたボクは魔王として近隣諸国に悪事を働いている訳」
そんな理由かよ…というか、やっぱりカニが原因じゃないのか?
「フンだ!レオまでボクを悪者するなんて、ボク、ショックだったんだよ…」
あ、コイツ、拗ねてやがるのか。しょうがないなぁ、カニは素直じゃないからな
「カニ、俺も悪かったから、2人で皆にあやまろう、な?」
「レオ…」
俺はカニに近づき、ぽんぽんと頭を軽くなでる。これで大人しくなるかな、
ゴゴゴゴゴ…ん、何の音ですか?
見上げると、カニの城が崩壊してその振動で崖の岩が砕けて俺達に落ちてくる。
「カニ!あぶない!」
俺はカニを抱えるように抱きしめて、海めがけて飛び込む。
夢とはいえ、こんな高いところから落ちるのは怖いな!!
アイキャンフラーーーイ!
……………
「レオ、起きろ、レオ朝だぞ」
俺は乙女さんに蹴り起こされる。ああ朝か、
「まったく、ゲームしながら眠りおって、電気つけっぱなしでもったいないぞ」
バチン、ああっ!まだセーブしていないハズなのに!
準備を済ませて登校する。カニが後ろから追いついてきた。
俺の顔を見ると、ぷーっと頬を膨らませてそっぽを向く。
これじゃカニじゃなくてフグだな。
あ、なるほど。カニが拗ねている理由は昨日の一件か。
夢に出るほどだし俺からも謝った方が良いかな。
「昨日はすまなかったな、カニ。次から急な用事がある時は直接言ってくれ」
俺はぽんぽんと、カニの頭をなでる。
「フン…ボクもまぁなんだ。少し悪かったと思っているよ」
カニは俺の言葉に不意を突かれたのか、下を向いてボソボソと喋る。
「……(ゴメン)……」
「ん?なんか言ったか?」
「な、なんでもねーよ!早く行かねーと乙女さんにドヤされるぜ!」
まったく困った魔王様だ。俺が見ててやらねーと心配でしょうがないぜ。
カニスキーな俺にはたまらんSSでした、GJ!
474 :
454:2005/11/25(金) 03:12:07 ID:7oZaMLa+0
投下完了しますた!
止めずに投下続けましたが、支援感謝です。
>>456 >>458 の言葉はSS書いていて参考になります。
今回の不安点は最初に書いた点。
あと、人物を多く出す事の難しさ。
でも、書いた以上、人に見せたくなるのが心情なので投下に踏み切りました。
今回の失敗を次回に生かしたいと思います。
長SSにて失礼しました~
>>474 GJ!おもしろかった!
やっぱつよきすはこういう感じの書いてもらえると嬉しい。
>>456 自信ある程度あっても、投下するのって恥ずかしいもんだぜ。
その反応はかわいそうな気が。ツン期か?
476 :
422:2005/11/25(金) 09:53:11 ID:Wj79y9W90
ああ、流産SSの方でしたか、GJ!ですよ。
>>422ではちょっと失礼なこと書いてしまいましたが、悪気はありませんので、ごめんなさい。
でこぼこサイズのかたも大GJ!でした。今日は出勤前に覗いてみてよかった。
では、出勤します。ノシ
all gj
最近なごみママ来なくてさみしい('A`)
「ただいまー!って、誰もいないのか…」
ちょっとバイクを飛ばして帰ってきたのに、誰もいないなんてつまんなーい。
クーヤもうみゃもモエもいないんじゃ、遊ぼうにも遊べないなー
「あ、そーだ」
ふっふっふ、実は冷蔵庫においしいケーキがあるんだよねー。
昨日、アタシが帰りに買ってきた『猫屋』のケーキ。
最近になってすごく人気が出てきたお店なんだよね。
昨日はひなのん愛用の湯飲みをこわしちゃって説教くらってたもんだから、食べ損なっちゃったんだ。
今は誰もいないし、ちょうどいいや。
「ケーキ、ケーキ」
さぁ、冷蔵庫のドアを開けてケーキとご対面…
(ガチャリ)
「あーっ!!」
ない!ない!
箱ごとケーキがなくなってる!
ちゃんと冷蔵庫に入れといたはずなのに!
「うぅぅぅぅ~、これは誰かがアタシに無断で食べやがったにゃー!」
せっかく人が楽しみにしてとっておいたのに…
許せん!
犯人をとっちめてやる!
「犯人はアタシが必ず暴いてみせる!柊瀬芦理の名にかけて!」
というわけで早速、みんなを晩メシの後に集合させといたよ。
「…まぁそういうことで、犯人はタカ!お前だー!」
「ちょっと待ってよ!アタシがそんな意地汚いマネすると思う!?瀬芦理姉さんじゃあるまいし!」
「あ、ちょっとカチーンときたよ。やっぱ犯人はタカでしょ」
「高嶺お姉ちゃん、素直にはいたほうが楽だよ~?はい、カツ丼」
「食うか!大体、アタシは最近ダイエット中なの!ケーキは我慢するわよ!」
「ダイエットするほど身がついてるとは思えないけどな(ボソッ)」
「ああ!?なんか言ったか、このダメイカ!」
(バキャァッ!)
おお、見事なシャイニングケンカキックだ。
でも次の瞬間、うみゃのドラゴンスクリューがタカに炸裂しちゃったよ。
さらにそこから四の字固めでフィニッシュだ。
「大丈夫、くーやぁ。悪いツインテールは、お姉ちゃんがおしおきしておいたからね~」
「う、うん」
あーあ、タカのやつ泡ふいて気絶しちゃってるよ。
「まぁ、その程度にしておきなさい。しかし、この中に犯人はいなさそうね」
「そんなことを言っておいて、かなめが犯人なのではあるまいな?」
「…姉さん、意地悪ですね。私はそんなマネはしません」
「そうすねるな、戯れだ。悪かったな。だとするなら、誰が犯人なのだ?」
「私にはわかりかねます」
うーん、それじゃ本当にドロボーでも入ったかな?
けど調べてみたところ、何か盗られたとかはないしなぁ…通帳もハンコもタカのへそくりもあったし。
「あぅ…わ、私…」
「ん?いや、モエは別にいいっしょ。そんなことするような子じゃないもーん」
「そうね」
「うむ」
「確かに」
「そうだよね~」
「あぅ…その…」
「よーし、そんじゃ明日は捜査範囲を広げるよ!」
けど捜査範囲広げるって言ってもなー、心当たりはすごく少ないんだよね。
「こんちわー」
すぐそこのほなみんとぽえぽえ、どっちかだと思うんだ。
ま、とりあえず事情を説明して聞いてみたんだけど…
「アタシはその日、仕事でちょっと遠出してたわっ。帰ってきたのは昨日の夜だもん」
「私も…締め切り1日前だったから、家から出てない…終わってからすぐ寝ちゃったし」
「うえー、ホントー?」
「だったら、空也ちゃんに確認してみたら?すぐわかるわよっ」
これはすぐに確認が取れた。ということは、二人は犯行が不可能ってことだね。
うーん、それなら次はあの二人かにゃー。
「大体、姉さんはケーキは滅多に食べない。太るからって」
「あっ、効いたわよ今の心のボディブローはっ」
「ぽえぽえ、お姉ちゃんにボディブローはないんじゃない?」
「姉さんだからこそボディブローだよ」
多分あとでぽえぽえはいじめられそーだね。
次は要芽姉の事務所に行くか。
「ということでアンタ達のどっちかじゃないかと」
「はわわ、犯人扱いされちゃいましたよー。これはすぐに健太に報告しないと…」
「しかし我々ではありませんよ。二人ともそちらの家の中に入ることはそれほどないので。
その日も、夜はそちらに行っていませんし、朝は家の前で要芽様をお迎えに行っただけですから」
それもそうなんだよねー。
どっちも朝に要芽姉を迎えに来る時、家の中には滅多に入らないもんね。
それにあがってきても、大抵は居間でくつろぐぐらいしかないし。
「あー、もう!それじゃ誰が犯人だってのさ!」
「見落としているところがあるのでは?」
「うーん、と言ってもなぁ…」
あーあ、手がかりゼロだよ。やっぱ家の中の人間かな?
ひなのんはケーキより和菓子だし、要芽姉はミントアイス派。
モエはそんなこと絶対しないし、タカはああ言ってたから違うでしょ。
ということはうみゃか!?
「犯人はわかったぞー!コラー、うみゃー!」
一気にうみゃの部屋に乗り込んで、洗いざらいはかせてやる!
「私は犯人じゃないよ~」
「ウソつくんじゃにゃーい!
しらばっくれるんだったら、みんなの前でそれはそれは恥ずかしい事をさせてやるぞー!」
「仕方ないな~、証拠を見せてあげるよ~」
そう言うと、箱を奥から持ってきた。
紛れもなく、アレは『猫屋』のケーキの箱!
「やっぱりうみゃが犯人じゃないかー!」
「よく見てよ~。お姉ちゃんは一切れだけ買ってきたんでしょ~?
これは二切れ用の箱だよ~」
「へ?」
あ、よく見ると大きさが違う…
「くーやがね、お姉ちゃんが『猫屋』のケーキ食べたいなって言ったら、
一緒に買いに行こうって言ってくれたんだ~。
箱をとっておいたのは、くーやヤと一緒に買った記念だよ~。
確かにその日、私とくーやはみんなにナイショで『猫屋』のケーキを食べたけど、
瀬芦理お姉ちゃんが買ってきたのは食べてないんだよ~。
同じものを食べたのに、わざわざ人の物をとってまで食べようとは思わないよ~」
ということは、自動的にクーヤも容疑者からは除外か…
「なんでナイショなのさ」
「だって、ばれたら瀬芦理お姉ちゃんやツインテールが勝手に食べちゃうじゃな~い。
それに、食べたかったのが2つしか買えなかったんだよ~」
箱は記念にとっておいたのか…ということは誰が犯人なんだ!?
うわーん、わからなくなってきたじゃないかー!
もうダメだ…なんだか犯人見つけるのなんてどうでもよくなってきたなー。
また買ってきたらいいだけだしね。じゃーひとっ走り…
「あ、瀬芦理姉さん」
「なんだモエか。アタシちょっと出かけてくるねー」
「もしかして『猫屋』?」
「うん。なんでわかったの?」
「実は…」
何だか申し訳なさそうに、モエが箱を一つ差し出してきた。
それは紛れもなく『猫屋』の箱!
「ご、ごめんね、瀬芦理姉さん…実は…わ、私が食べちゃったんだ…」
「へ?モエが?」
「う、うん…あの日、晩御飯のおかずを瀬芦理姉さんや高嶺にほとんどとられちゃったから、お腹がすいてて…
それで、れ、冷蔵庫にケーキがあったのを思い出したから…」
「黙って食べちゃったんだ」
「ごめん…瀬芦理姉さんが騒ぎ出すから、なかなか言い出せなくて…
こ、これはそのお詫びだよ。同じのを今さっき買って帰ってきたんだ」
「…なーんだ、そうだったのかー。じゃ、原因を作ったのはアタシだね」
「そ、そういうわけじゃないよ。悪いのは食べちゃった私なんだし…」
「いーよ、いーよ。モエだったら、お姉さんは許してあげる」
「瀬芦理姉さん…」
「それよりさ、それはありがたくもらっておくけど、どーせだったらみんなで食べない?」
「あぅ?」
「今から一緒に『猫屋』に行って、一切れとかそんなケチなやつじゃなくて、一個丸々買ってこようよ!
それをみんなで食べるんだ。あ、もちろんお金はモエ持ちね」
「うん!」
いつもモエにはお世話になってるんだもん。
怒ったりとかなんて、アタシにはできないよ。
「それじゃ、『猫屋』に向かってしゅっぱーつ!」
「あぅ!」
484 :
シンイチ:2005/11/25(金) 17:47:13 ID:AgMfUWEj0
今回はコンパクトです。
姉しよSSをしばらく書いてなかったのでひとつ。
次はつよきすSSを目指して頑張ろうと思います。
Well done!
486 :
SSD:2005/11/25(金) 18:28:06 ID:im/ILROu0
>484
読んでる途中でシンイチ氏だとわかったオイラはシンイチファン。
ともねえかわいいですね~。
GJです
>>もちろんお金はモエ持ちね
さりげないぜw、こういうのを狡猾って言うんだな。
姉しよSSは心温まるよ
一つ聞きたいんだが、ここは小出しでも毎日出されるのと、時間はかかるけど、
一回で全部出るのどっちがいいのかな?
一回で全部が吉。
自分で全部書くのなら、当然書き終えて推敲してあまり長くならないよう文章を削るべき
めちゃくちゃ長いならTXTファイルでウpローダを使うという手もある
自作意識が薄くコテハン名乗らない場合には、勢いで投下された書きっぱなしのコネタに、他人が勝手に続きを書く例もあった
俺は小出しの方が吉だと思うな。
夜とかにまとめて投稿されると明日も仕事なのに!と半泣きになりながらも大概最後まで読んじゃうから…
日曜の朝ほど嬉しいものはない。
遅刻を気にすることなく思う存分寝れる。
ただ、あまり調子に乗りすぎると乙女さんの蹴りが襲ってくるから、
ある程度はきちんとした生活態度を守らなくちゃいけない。
目が覚めたのは午前8時半。少し早いかな?
でも、まいっか。たまにはこんな休日があってもいいでしょ。
元気に挨拶して乙女さんをビックリさせてやろう。
抜き足差し足忍び足。
物音を立てないように静かに階段を下りる。
結構な神経を消耗する。勘の鋭い乙女さん相手ならなおさらだ。
なんとか成功。額にうっすらと滲んだ汗を腕で拭う。
しかし、最後まで気が抜けない。
距離が近付くにつれ乙女さんが感付いてしまう可能性が高くなるからだ。
死角となる位置に立って、ダイニングの様子を窺う。
後ろ姿でよくわからないが、どうやらおにぎりを作っている最中らしい。
鼻歌まじりでなんか機嫌がよさそうだ。
よし、作戦実行3秒前、2、1――
「おとめさんおはよう!」
「ああ、おはよう」
あら…? なんですか、その普通のリアクションは?
「あのさ…ビックリした?」
「ん、何にだ? ひょっとしてお前の今の行動にか?」
やれやれといった表情で乙女さんはため息をついた。
「お前の気配などとうに察知していたぞ。
私の不意を突こうとするのなら、『無』の境地に達することだな」
「『無』の境地に辿り着くにはどうすればいいの?」
「その答えは私にもわからん。ただ、修行こそがその答えを導く鍵だと信じている」
「左様ですか…」
話題を変えよう。こんな禅問答みたいなやり取りは気が重くなる。
「あれ? 乙女さん、なんで制服着てるの?」
「ああ、今日は大会があってな」
なるほど、拳法部の大会か。はて、確か先週も大会だったよな…?
まぁ、竜鳴館は武道を奨励している学園だからそんなに不思議なことでもないか。
小出しすると、途中で自分の読み返して、あ、あそこを変えときゃよかったって思うかも知れぬから、
熟考して納得行く作品になったら一気に投下がいいと思う。
「乙女さんなら優勝間違いなしでしょ?」
「あ、ああ…そうだな。任せろ」
ん? 何か様子が変だな。一瞬乙女さんの表情が固くなったぞ。
先週励ましたときは、胸を張って自信満々に意気込んでいたのに…。
は! もしや、今日の大会にはあの乙女さんでも思わず物怖じしてしまうほどの強敵が出場するのか?
弱気な乙女さんなんか乙女さんじゃない。乙女さんは常勝無敵でないといけないんだ。
これは俺もいつも以上の激励をしなくちゃな!
「乙女さん!」
「ん?」
「真の勝利を得るには、まず自分の弱さに打ち勝たないと!」
なんかどっかの教訓みたいだな。言ってるこっちが恥ずかしい。
だが、意外と効果はあったみたい。
「レオ…感謝するぞ! 私はやる! 必ず優勝してみせる!」
乙女さん復活。やっぱり乙女さんはこうでなくっちゃ。
>>492 わがままだぞ、なごみ。それはおまえが子どもっぽい
>>436 デコボコとおかしな二人の作者が同一人物か
ファンになりました。
コテ名乗ってくれたら、オレを厨房で煮るなり焼くなり好きにしていいぞ。
「では、行って来る。留守を頼んだぞ」
試合時に着用する胴着などを入れるバッグを手にして乙女さんは出かけていった。
乙女さんなら勝てる、絶対に。
いつの間にか俺の心の内に秘めた闘志にも炎が燃え盛っていた。
…いや、別に俺は試合には出ないんだけどね。
それから俺は乙女さんが作っておいてくれたおにぎりを食べて空腹を満たし、
テレビなどを見て適当に時間を潰していた。
スバルは部活。カニはおそらく爆睡中。フカヒレはエロゲでもしてるのかな?
まぁ、奴等がここに集まるのはおそらく夕方過ぎになってからだろう。
ああ、もう昼か…。
結局ダラダラといらずらに時間を費やしている俺。自分でも愚かだと思う。
部屋に戻ってゲームでもやるか。レベル上げてやらないと、またカニが無茶な特攻かますからな。
アクビをしながら窓の外に視線を移すと、洗濯物が干してある。
今日はいい天気だ。11月の終わりだが、このくらいの陽気ならすぐに乾くだろう。
…って、ええええええ !!!?
俺は目を疑った。
数多ある洗濯物の中に、乙女さんの胴着もあるではないか! しかも二着とも洗ってある…。
乙女さん、胴着持って行かないで試合に行ったのか?
こ、こりゃまずいぞ…!
まさか、サラシと下着姿で戦うなんてことはないよな?
どうしていいのかわからずにオロオロしていると、家の電話が鳴った。
「もしもし?」
「私だ」
「乙女さん !?」
乙女さんだった。丁度よかった。
「乙女さん、試合どうするのさ !? 胴着二着とも洗っちゃったらダメじゃん!」
「…お前、何言ってるんだ?」
「へ?」
「試合とか、胴着とか……それではまるで拳法の大会みたいではないか」
は? へ?
「ちょ…乙女さん、言ってる意味が――」
「ああ、すまんレオ。私にはもうあまり時間がない。
あと5分したらN○Kを付けて見ろ。では切るぞ」
ツーツーツー 切れた。というか、一方的に切られた。
半ば放心状態の俺。言われた通りにテレビのチャンネルをN○Kに切り替える。
すると、そこに映ったものは――
しんじー られないー ことばっかりあるのー♪
カーン
…………のど自慢、大会?
ピンクレディーをフリ付きで歌う小太りの中年のおばさん。
年甲斐もなくノリノリだったが、あえなく鐘ひとつ。
…よく見たらカニのお母さんじゃないですか。
「さて、それでは次の方、はりきってどうぞ!」
俺はふんぞり返った。
司会者のアナウンサーが手を差し出し紹介したのは――
「8番 鉄乙女 『夢芝居』」
あのメチャクチャ渋いイントロに乗って乙女さんの全身がアップになる。
「恋の~ からくり~ 夢芝居~♪」
完全に自分の世界に酔いしれている乙女さん。
コブシを効かせて、なかなかうまく歌えてる…と思う。
ただ、その曲を竜鳴館の制服で歌うのはどうかと……。
「男と女~ あやつりつられ~♪」
サビの部分に突入。乙女さんのボルテージがますます上がったように見える。
後ろに控える出場者の皆さんも手拍子で乙女さんを煽る。
下町の玉三郎の魂が乗り移ったような乙女さんの熱唱。
「恋はいつでも 初舞台~♪」
キンコンカンコンキンコンカン
最高の評価。客席から惜しみない拍手の雨が降り注ぐ。
いたく満足気な乙女さんの顔。いい笑顔だと素直に思った。
下手にはける間際、乙女さんが拳を前に突き出した。
「レオ、私はやったぞ」
俺にはそう伝わった。
のど自慢か!?
のど自慢なんか!!?
結果発表。
乙女さんは優勝できなかった。優勝者はオアシスの店長だった。
「オー カレーセンモンテン『オアシス』ヲドウゾゴヒイキニ」
店長の喜びの声は店の宣伝だった。
ただ、会場の支持を多く集めたということで、
特例中の特例として敢闘賞なるものが乙女さんに授与されることになった。
小さなトロフィーを手渡され笑顔がほころぶ乙女さん。
こうして番組は盛り上がったまま無事終了した。
しかし…困ったな。
乙女さんが帰ってきたとき、どう接したらいいんだろう。
なんか、逆にこっちがこっ恥ずかしい。
「歌姫さま」とか言ってからかってやろうか?
…いや、意外に本人はその気になってるかもしれないな。
ダメだダメだ。正直に自分の気持ちを言えばいいんだ。難しいことじゃない。
「帰ったぞ」
乙女さんだ。
「レオ」
「乙女さん」
「ん? なんだ?」
よし、言うぞ。呼吸を整えて…。
「おめでとう!」
終わり
ベタベタなオチでごめんね
やった当たったw
_ ∩
( ゚∀゚)彡 演歌!演歌!
⊂彡
調子にのった乙女さんがジャイアン化しそうで怖いがGJ
>>504 GJ!!
優勝テンチョーかよwwwww
のど自慢と言えば町紹介があるけど見てみたいなぁ…松笠市のVTR。
さて、オレはフカヒレと夏色でも歌ってくるかな。ギター持参で。
なごみ「センパイ。言いたいことが……」
かに「あのSSけっこうGJだったぜ!…ん?ココナッツどうした?」
なごみ「このカニが……」
>>504 SSは一発ネタがあれば十分ですよ!GJ!!
しかし、店長は何を歌ったんだ・・・気になるw
510 :
名無しさん@初回限定:2005/11/26(土) 01:17:22 ID:s4Z5STUHO
キタコレ
>>510 お前・・・よく思いついたなw
ロックオン(´∀`)9 ビシッ!
>>497 あ?潰すぞカニが。お前は自分と違う意見は人格批判から入るのか。
少しは
>>495先輩みたいにこれこれこういう理由だからって頭使えよ。
大体そのファンになったからこて名乗ってくれってのは我侭がじゃないのか?
マジレスなのかネタレスなのかようわからんが
コテ名の件は別に
>>513に言われる筋合いでもない
可能性は低いが
>>513が
>>436である確率も0ではないか。
謝るよ。
このスレの雰囲気は今、最高だから無駄に荒らしたくないんだ。
すまん。以下スルーでよろしく。
館長の童貞を誰か奪って
フカヒレが奪いました
俺はどっちも好き。まとめて投下は一気に読めるから良い。
でも小出し投下は定期連載の趣があってまた良い。作者さんにお任せする。
スバル「フカヒレが「ベ○ータさまのお料理地獄」歌ったら優勝間違いなしなんだが・・・」
でもまあ小出しにするならあまり投稿期間を空けないのと
絶対完結させる鋼の意志は持ってて欲しい
>>519 レオ「スバルだって『いよかん』とか『栗ひろい』とか歌ったら優勝確実じゃん」
コテの事はついでで突っ込んだんであって
まとめてと小出しのどちらがいいかな?って聞いてるから意見を沿えて答えたのに
自分と違う方を答えた人間に対して我侭だの子供っぽいだの言う
>>497の態度が気に食わないってことで。
要するに氏ねと。
523 :
名無しさん@初回限定:2005/11/26(土) 21:36:47 ID:s4Z5STUHO
まぁまぁ(*´∀`)ノ
数十年後に俺が代わりに氏ぬから一緒にマターリしようや
まあまあそんなことは気にしないでおくのが
飴クォリティってことで
まままあ♪
>>522 誤解だと思うぞー
自分と違う方を答えた人間に対して…って意味じゃなく
>夜とかにまとめて投稿されると明日も仕事なのに!と半泣きになりながらも大概最後まで読んじゃうから…
この部分に対して反応したんじゃないかな。
自分の都合で意見するのは子供っぽいぞ、と。
まぁ普通なら俺もこれ以上雰囲気悪くするならお前が氏ね。と書き込むところだが
関係ない喧嘩の原因をマッタリ解説してやるのも飴クオリティ。
なごみとカニの修羅場現場はここですか?
生意気いうのもおっけー♪おっけー♪
なごみママ scene9「少しずつ大人に」
「ただいまー。ちょっと友達とサッカーやってて遅くなっちゃったよ」
「あら、おかえりなさい、吼太。ご飯もうできてるから、手を洗ってらっしゃい」
「…母さん、なんで今日、お赤飯なの?」
「………」
「ま、まぁ今日は…その…お祝いなんだ。そうだろ、なごみ?」
「ええ。そうね。とってもおめでたい日なの」
「なんか、ほのかがずっと黙ってるけど…まぁいいや、お祝いなんだね!
じゃ、すぐに行くから待っててよ!」
「はは…こういうとき、男親としてはフォローに困るんだよな」
「別にいいわよパパ。私なら大丈夫だから」
「ほのかもこれからどんどん大人になっていくのよ、ゆっくりと、ね」
「そうそう。いずれはママみたいなキレイな女性に成長するだろうしな」
「…あ、ママっていえば、子供のときからずーっと気になってたことがあるの。
ママと一緒にお風呂に入ってた頃からなんだけど…」
「「いぃっ!!?」」
「ねぇママ、なんでママって…」
「お待たせっ!!僕もう腹ペコだよぉ。早く食べよう!」
「そ、そうだな。それじゃ、いただこうか!」
(ありがとう吼太。明日の晩御飯は吼太の大好物にしてあげるからね…)
「…ヒヤヒヤしましたよ、もう…」
「ははは…子供たちも随分成長して来たからな…ああいうことも話題にあがってくるんだろう」
「そういえば、さっきほのかが質問するきっかけを作ったのは、あなたの言葉でしたね?」
「いやっ、あれは、その…なごみが今も昔もキレイな女性だって言いたかっただけで…」
「そんなこと言ってもダメです。許しません」
「そ、そんな、なごみぃ…」
「今夜、子供たちが眠ったら、ちゃんとお詫びをしてもらいますからね」
「お、お手柔らかに…」
「晩御飯のときは聞きそびれちゃったけど…まぁいいや、明日パパに聞いてみよっと」
支援は任せろっ
ご無沙汰してます。最近ちょっと忙しかったのと、ネタが思いつかなかったので
ちょっとブランクが空きました。申し訳ないです。
532 :
区区:2005/11/27(日) 01:00:49 ID:EpNJxwlz0
皆さんすごいな~。
しかしここの更新スピードは目を見張るものがありますな。
楽しみにしている方いるかどうかわかりませんががんばります。
今回は1回目よりも長くなります。
では皆さんがんばってください~
>531
GJ!良いSSありがとうございましたっ
なごみママがレオに対して攻撃的になってるっ
強いなごみママも・・・・いいなぁ(;´Д`)ハァハァ
ほのかが12歳ということはゲホゴホ
GJ
>>531 お帰り&GJ!!
このドタバタ感もほのぼのしてて癒される。
ほのかちゃん、ママのそれのことについては
触れちゃいけないんだよ~!
>>529 うおー!待ってましたぁー!GJ!!!
ほのかちゃんもついに赤ちゃん作れる体にゲフンゲフン
とにかくGJです。
なぜか鼻血が出たけど気にしない。(゚∀゚)
くす、GJ。
まあ質問者本人でもないのに偉そうに他人の返答にちゃち入れんなってことだな!
不毛な争いだな。
職人さんにおまかせ。これで良いじゃない。
ここらで荒れるような話題は終了にしようよ。
541 :
〇〇:2005/11/27(日) 09:12:04 ID:NG97Hu8q0
どうも、初めまして。
とにかくGJです。
俺も何か書いてみようかな。
最近、体調悪すぎ…
超カメレスですが
>>410-413に励まされ元気でました!
また明日も頑張ろうって気になるよ!
543 :
常識の壁20:2005/11/27(日) 15:01:08 ID:dj3Xzi+/O
薬局からの帰り道、俺たちは並んで歩いていた。
「先生、それ…」
俺は視線を先生の手に落とした。
「最近、眠れないものですから…」
「前に、必要なくなったって言ってたじゃないですか。どうしてまた…」
「仕方がありませんわ、…眠れないのですもの」
先生はもう一言付け加えた。
「今回は眠りが浅い…などではなく、純粋に眠れないのですわ」
「どうしてまた…。何か悩みでもあるんですか?」
「…それが分かれば苦労しませんわ~…。こういうのは初めてですので…」
先生、辛そうだな…。言いたいことは沢山あるのに、何から言っていいものか…。
でも、言わなきゃ。言わないと何も始まらない。
「俺、先生に話があるんだ」
「手短にお願いしますわ~」
「好きです」
「睡眠薬が好きというのは、あまり良い趣味とは言えませんわね~」
「違います!」
「じゃあ何なのですか…」
「先生ですよ…。祈先生のことが好きなんです」
「それはどうも…対馬さん。私の家、ここからすぐの所にあるのですが、
よかったら少し寄っていかれませんか?」
あっさり流された…のか?
「でも先生、話は手短に…って言ったじゃないですか?」
「私の話は聞いてくれませんの?少し聞いていただきたい事があるのですが…」
「先生の話…ですか?」
「悩み…と言うほどの事でもないとは思いますが、人に話した方が
楽になるかもしれませんし…と言うか対馬さんに聞いていただきたいのです」
「もちろん聞きますよ。と言うか、ぜひ聞かせて下さい」
「では、まいりましょうか」
それから先生の家まではお互いに無言で歩いた。
良くも悪くも、今までの先生との関係が今日で終わるような気がしていたのか…
自然と足取りが重くなっていることに、俺は気付かなかった。
544 :
常識の壁21:2005/11/27(日) 15:03:58 ID:dj3Xzi+/O
祈先生の家は歩いて5~6分の所にある、まだ新しい感じのマンションだった。
玄関の鍵を開けると
「何も無いところですが、どうぞ…」
と、おきまりのセリフで俺を招きいれた。
玄関をぬけて奥のリビングに通されたところで
「対馬さん、少し待っていていただけますか?」
と言い、先に部屋の中に入っていくと机の上を片付け始めた。
「先生、少しくらい散らかっていても大丈夫ですよ」
「先ほどまで、テストの問題を考えていましたので…」
「失礼しました…」
意外なほどテキパキと片付けていく先生の姿に少しビックリしながら
その姿を眺めていた。
「お待たせしました。どうぞ」
「失礼します」
「そこのソファーにでも座ってくださいな。
お飲み物はコーヒーで良いでしょうか?」
「あっ、はいお構いなく…」
先生がコーヒー入れてるよ。しかも手際よく…。
そんな事を考えているうちにコーヒーが運ばれてきた。
「どうぞ。あまり入れませんのでおいしくないかもしれませんが…」
「あはは、そんじゃあいただきます」
ずずっと音を立ててすすった。味は普通においしかった。
「それにしても何か調子狂いますね…。
先生がこんなにテキパキと作業してるの見たことないですよ」
「失礼ですわね。私だってこれくらいのことは出来ますわ」
「いつものイメージとあまりにかけ離れていたもので…」
「対馬さんが私をどういう風に見ているのか、よ~くわかりましたわ
学年末の内申点、楽しみになさい…」
「ちょっと、先生それひどすぎ」
「それくらい傷ついた、ということですわ」
こんなどうという事の無い会話の一つ一つが、楽しくて仕方が無い。
先生も薬局で会った時に比べると、ずいぶん明るくなった。
546 :
常識の壁22:2005/11/27(日) 15:09:37 ID:dj3Xzi+/O
唐突に先生が会話を戻した。
「先ほど言いましたように、聞いていただきたい事があります」
無言でうなずく。
「私がこの一週間休みましたのは…対馬さん、あなたに会わない為ですわ」
「俺に…会わないため?」
「そうですわ。会わない為というか、避ける為というか…。
ともかく、一番の理由はそれですわ」
「何故ですか?俺のことが嫌いですか?」
「そうではありません。むしろ逆です」
「えっ」
「あなたの事が好きですわ」
「…先生、もう一回」
「あなたの事が好きです」
「ラスト」
「好きですわ」
「泣きの一回」
「…いい加減にしてくださいな」
気が動転していた。
先生が俺のことを…好きだと。
「素直に嬉しいです。俺も先生のこと大好きだから…。でもなぜ?
俺のこと好きなら、なぜ一週間も休むんですか?あんな問題があった後だし、
会えるのは学校くらいしかないのに…」
先生は静かにコーヒーを飲んだ。
「私が望んでいた関係は…もちろんご存知ですわね」
「もちろん」
「私はあなたより以前にも、沢山の生徒達と関係をもってきましたわ」
「正直ショックだけど気にしません。それで?」
「どの方々とも一度きり…。どれだけ多くの人と関係を持っても
虚しさばかりが残り、また関係を重ねていく…」
「対馬さんを最初に誘った時の事、覚えていますか」
「もちろん覚えてますよ。すごくビックリしましたし
すごくショックでしたから…」
547 :
常識の壁23:2005/11/27(日) 15:14:56 ID:dj3Xzi+/O
「あの時の気持ちとしては対馬さんもその他大勢といった感じでしたので
私は特になんとも思いませんでしたわ」
「…」
「その後は、とにかくしつこいという感じでしたわね」
ストーカーみたいないわれ様だな…
「何度言っても分からない…。こんな年上のどこが良いのか。
まあ、私の為に頑張っているという点は評価できましたわね」
「とにかく必死でしたよ。あの時の先生、本当に寂しそうだったから…」
「そして、テンションに身を任せて突っ走る対馬さんを見ていると
不思議な魅力を感じました。この人なら同じ価値観を共有できるのではないかと」
「そうですね。先生の考え方はとても心地よいものです」
「事実うまくやってきたと思いますわ。
本当ならこのまま続いていくはずでした…しかし私は気付いてしまいましたの」
「俺のことが好きだということ…に?」
「はい、正直どうしていいのか分かりませんでしたわ。今までずっとこのような
関係を続けてきて、初めての経験でしたので…」
「先生は恋とかした事が無いんですか?」
「何か今日は失礼な事ばっかり言いますわね~。ありますわよ!」
「そのときの感情に似ていたと…そういうわけですか」
「それがちょっと違うのですわ。以前の時は…、何と言うか
憧れといった感情の方が強かった気がしますわね。
自分より他人が大切だと思う事なんていままで一度もありませんでした」
「じゃあ、先生の初恋は俺だね。何か嬉しい」
「改めて言いますと、結構恥ずかしい話ですわね~」
「でも先生、その話と学校に来なくなった話とどう関係があるんですか?」
「今言った通りですわ。自分よりあなたを大切だと思ったから…」
「私といるとあなたは駄目になっていきますわ。このままじゃいけない事は
…対馬さん、あなたも良く分かっていますでしょう?」
「もちろん思いますよ。このままダラダラと過ごしていても先生との関係は
いつか終わってしまう。だから何とかしなくちゃいけないんだ」
「対馬さん、そういうことではなくて…」
シエーン
549 :
常識の壁24:2005/11/27(日) 15:27:02 ID:dj3Xzi+/O
「俺が帰り道で先生に言った『好き』っていう言葉の意味はそういう事なんです。
俺は先生と本当の意味で恋人になりたい。心から愛し合いたいんです」
「そのために学業を捨て、仲の良い友人達を失うことになっても…ですか?」
「まさか!そのくらい両立してみせますよ」
「無理ですわ」
「最初から決め付けないで下さい。一度やると決めたのならやってみせます」
「これからは今までのように会うことは出来なくなりますわよ?」
「辛いかもしれませんが頑張ります」
「卒業するまでHも無しですわ」
「ぐっ…、前向きに検討します」
「その発言はみとめませんわ~」
「でも、裏を返せば卒業したら何でもアリってことですよね?」
「卒業すれば…まぁ、そうですわね…」
「じゃあ、待ってて下さい。誰にも文句を言われなくなるまで…
俺が卒業して一人前になるまで…。待ってて下さい」
「あなたの周りには、ステキな女の子達が沢山いますわ」
「先生と同じくらいステキでも、先生以上にステキな娘はいませんよ」
「…それ、褒めて無いですし、むしろダメダメですわね…」
「とにかく…、先生でないと駄目なんです!待っててくれますか?もう少しだけ…」
「信用…して良いのですか?」
「今から一晩かけて、信用させてみせますよ」
「先ほど言ったばかりですのに…。まぁ、いいですわ。楽しませて下さいな
しばらくお預けなのですから…」
「先生…約束ですよ」
その頃の対馬邸
「まったく、レオは何をしているんだ!
遅くなる時は連絡をするようにあれほど言ったにも関わらず…。
帰ってきたらもう一度根性をたたき直してやらないとな!
仕方ない、夕飯にするとしよう…。今日のおにぎりは自信作なのだが…
寂しいものだな。一人の夕飯というものは…」
あれから一年が過ぎた。
普段の生活自体は変わってないが、祈先生と会っていた時間は
大切な幼馴染たちが埋めてくれた。
今は5限目の途中、祈先生の英語の時間だ。
先生も特に変わった様子は見せず、今までと何ら変わらない生活が
当たり前のように過ぎていった。
「一日がとても長く感じますわ。きっと、あなたがいないからですわね」
と言われることがある。
早く卒業したい。早く一人前になりたい。
でも、あせってはいけないんだ。
俺には目標がある。一人の女性を幸せにするために、頑張らないといけない。
「…さん、対馬さん」
俺は声のする方向を向く。
「対馬さん、授業中ですわよ。ちゃんと話を聞いて下さらないと困りますわね」
「すみません」
「素直でよろしいですわ」
周りを見ると、カニが馬鹿にしたような顔でこっちを見て笑っていた。
むかつくので、消しゴムのカスを投げてやる。見事に口の中に入っていった。
「うげっ、何しやがんだこのダボがっ!」
「カニさん、うるさいですわよ」
カニが悔しそうな顔をしている。ざま~みろ!
「対馬さん、元気がないですわね~」
いつのまにか祈先生が横に来ていた
「ちょっと色々思い出しまして…」
俺が笑いながら答えると
「対馬さん、信じてますわよ」
あたかもお見通しと言わんばかりにそう言った。
「祈ちゃ~ん、いつまでレオといちゃついてんのさ~」
カニ、余計な口をはさむなよ…。
「みなさん、今日はここまでにして後はゆっくりいたしましょうか」
教室から歓声があがるのを見て、祈先生は優しく笑って俺に言った。
「対馬さん、Have a pleasant time ですわ」
551 :
550:2005/11/27(日) 15:37:12 ID:dj3Xzi+/O
どうも、本当に長々ダラダラと駄文を書いてしまいました…
初めて書いて難しさを痛感しましたよ。みんなスゲェ!
でわでわ、視聴者に戻りますんで…
皆様、レスや支援㌧クスでした<(__)>
>寂しいものだな。一人の夕飯というものは…
逆に乙女さんに萌えてしまった件
>>551 一つだけ言いたい事がある。「GJ!!!」
>>551 2つだけ言いたい事がある。「GJ!!!」「GJ!!!」
難しい祈ちゃんでよくまとめた。感動した。
やっぱ禁欲も必要だよなあ、物語として成立させるにはw
>>551 駄文なんてとんでもねえ、おもしろかったよ。GJ!!
携帯から書き込むその意気、感服したぜ!
無理にとは言わないが、できるならばまた書いてくれることを期待してる!
>>551 standing ovation 拍手喝采 そして「GJ!!!]
おまえにこの言葉を送る……
GJ!
>>551 GィィィィィじじいJJJJっぇええぇぇぇ!!!
てか終わりなの!?ねえ終わりなの!?
卒業した後の話はないのん??
しかし、うん。ホントよかった
祈ちゃんに革命がおきたな
GJ!
うわ、
>>551ひょっとして全部携帯から?
コンジョーアリだな、お前は。
お姉ちゃんを抱っこしていいぞ。
727 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2005/11/26(土) 19:46:18 ID:9LGtVjaS0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧_∧
. | このカニは私のオゴリだ> (`・ω・)
\_________/ ( と彡 シュッ
|/ //
/ .//
/ //
/ .//
. ../ //
./ //
/ // .//
_ // //
'´ `ヽ // // ツツッー
!爪リリ从)ゞ //
ノwリ^ヮ^ノル// //
〈(lつiつ //
. / く_7ノ_) //
/ //
/ .// .
. /. //
. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/
.  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄
565 :
なごみ:2005/11/27(日) 18:04:39 ID:olYyhNNg0
>564
「はぁ?いらねーよ。潰すぞ」
566 :
KENZ-C:2005/11/27(日) 19:38:41 ID:fFhuXN300
SS処女作投下準備終了
誤爆か不発にならなきゃいいけど
567 :
人の夢(1):2005/11/27(日) 19:46:15 ID:fFhuXN300
俺は控え室でひたすらその時を待っていた。
あと10分もすれば出番はやってくるのだが、その10分が一生で一番長い10分だったかも知れない。
高校の時から俺は路上ライブを始めた。郵便局に就職してからも数年間続けていた。
20歳前ぐらいから俺の路上ライブに人だかりができるようになって、
地元のイベントでの演奏とかにも参加するようになっていった。
最初はギター弾けるだけで満足だったが、徐々に夢を追いかけるようになっていった。
人の夢は「儚い」。
昔、学校の授業で聞いた言葉。
568 :
人の夢(2):2005/11/27(日) 19:49:17 ID:fFhuXN300
俺は迷っていた。昔から勉強も運動もルックスもダメで、周りからバカにされ続けて来た俺がプロを目
指して大丈夫なのか。日のあたる保障がどこにもない環境で生きていくか、親父と同じ給料泥棒と言わ
れながら郵便局員として働き続けるか。
少し肌寒い秋、いつものように駅前でライブの準備をしていた。
「フカヒレさーん、一曲お願いしますよ♪」
いつもの女の子だ。竜鳴館の後輩だった娘。最近、なんかいい感じなのは気のせい?
「…ん? ちょっと待っててね。もうすぐ始めるから」
「フカヒレさーん、元気ないですよ?」
「ハハハ…。気のせいだよ」
「ならいいんですけど…。そういえばフカヒレさんはいつデビューするんですか?」
「デビュー!? ハハハ、俺の実力じゃ聴いてくれる人が出てくるかどうか…」
「私は絶対聴きますよ? フカヒレさんの曲は大好きですから、ファンクラブが出来たら、私が会員第
1号になりますよ!」
(デビューか……)
ライブが終わり、俺はギターを片付けていた。
「あれ? もう終わりかい?」
「スミマセン、今終わったばかりなんですよ」
若い男が一人。
相手の顔を見ると俺がよく知っているヤツだった。
「お前……!!」
569 :
人の夢(3):2005/11/27(日) 19:51:41 ID:fFhuXN300
近くのファミレスで互いに久々の再開を喜んだが、こいつの心理はわからなかった。
「この前のインカレは惜しかったみたいだな」
「ああ、日本一への道のりは遠い。まあ、俺が目指すのは世界だけどな」
「夢がでかいな。お前は」
「俺の夢だからな。……何シケたツラしてんだよ。それにしてもまだ路上やってたとはな」
「何でこっちに戻ってきたんだ?」
「……まあ、様子見、かな」
「レオとカニの事か? あいつらは今でも元気にやってるよ。なんなら会いに行くか?」
「今、顔をあわせる事は出来ねえよ。俺はまだ結果を出してないしな。こっそり覗いて行こうかと思っ
たけど安心したぜ」
「それじゃあ、結果を出せなかったら一生会わないのか!?」
「そうは言ってない。ただ、それくらいの覚悟が必要なんだよ」
俺達は少し黙ってしまった。
「……なあ。俺、本格的にコレやりたいんだけどさ、どうしたらいいかわからねえんだ。成功する保証
も無いし」
「保障なんてあったら俺も欲しいぜ、全く。フカヒレ、人生に保障はひとつも無えよ。失敗したら失敗
したという結果だ。ただな、何もしないで後悔するんだったら、やりきってから後悔しろ。好きでやっ
てる事なんだからな。んじゃ、俺はここら辺で失礼するわ。じゃあな、フカヒレ。会えて嬉しかったぜ
」
「おい、ちょっと……」
570 :
人の夢(4):2005/11/27(日) 19:53:23 ID:fFhuXN300
それから1週間、俺は路上ライブをせず、ギターを触ることもしなかった。
(なんなんだよ……。なんでこんなにムカついてんだ?)
イライラが募る。
(ええい! クソッ!)
俺は上着を着て夜の街へ出た。
そして、俺はいつの間にか、いつもの場所に来ていた。
上の空で歩いていたら人にぶつかってしまった。
「あ…、スミマセン」
「あれ? 椰子?」
「フカヒレ先輩。どうも久しぶりです」
「ああ…」
「最近、ギター弾いてませんね。久しぶりに聴きたいと思ってたんですけど」
「いや、ちょっとな。椰子は仕事?」
椰子は最近、料理人になるために修行中だとか。
「暇なら俺とデートしないかい?」
「遠慮しときます。潰しますよ?」
「ヒイィ!? ごめんなさいぃ!!!」
「いい加減慣れてくださいよ」
「通算100回撃沈達成!! ってことは次で成功!?」
「よく数えてますね。ってうか眼中にないです」
「……なあ椰子。夢を持ってるか?」
「なんですかいきなり。まあ、料理人になる夢はありますけど」
「なんで料理人になろうと思ってるんだ? 料理が好きだからか?」
「…それもありますけど」
(お父さんの事はこいつには言えないな)
「食べて喜んでもらえたらなって思いますよ。喜んでくれる人がいたらいいですね」
(!! 喜んでくれる人……)
(少し喋り過ぎたな…。まさかフカヒレ先輩にこんなに話してしまうとは。私にキッカケをくれたのは
フカヒレ先輩だけど)
571 :
人の夢(5):2005/11/27(日) 19:56:16 ID:fFhuXN300
椰子と別れてからしばらくいつもの場所でボーっとしてしまった。
(喜んでくれる人……か)
一瞬、あの女の子の笑顔が浮かんでしまった。いつも嬉しそうに俺の曲を聴いててくれた。そういや人
性初の「まともな」バレンタインチョコ(母親からのを除く)をくれたのはあの人だ。(カニのは殺人
級なので除外。生徒会の人達もタイミングよくいなかったりした)
「フカヒレさん!」
あの娘だ。
「最近見かけなかったから、辞めちゃったのかと思いましたよ。あれ? 今日はやってないんですか?
」
「ゴメン。最近忙しかったからさ」
とっさに出た嘘。
「そうだったんですか♪ わたし、また聴きに来ますからね♪」
「俺さ、辞めようかなって考えてるんだ」
「え…? わたし、もっと聴きたかったです。フカヒレさんの曲」
突然、女の子はいきなり泣き出してどっか行ってしまった。俺は追いかける事もせずにいた。周りから
の視線が痛い。さっさと帰ろう。
それから数日、このイライラは募るばかりだった。
思い浮かぶのはあの娘のことばかり。
(もしかして俺……)
俺は、俺は、前からわかってたけど、ヘタレで馬鹿だ。
572 :
人の夢(6):2005/11/27(日) 19:58:11 ID:fFhuXN300
あの日からしばらくフカヒレさんを見ていない。辞めたのは本当だったのかも。冗談だと信じたかった
。
この胸のモヤモヤの正体はなんなのか。それに気付くまでには時間はかからなかったけど。
久しぶりにいつもの時間、いつもの場所に行くことにした。何故行こうとしたかは自分でも分からなか
った。ただ、今日行かなきゃと思ったからだ。
夜の松笠駅。人だかりが出来ていた。どうやら路上ミュージシャンらしい。優しいメロディーだった。
(これはもしかして?)
聞き覚えのある音。人ごみを分けてやっと見える位置まで行くとそこにはフカヒレさんがいた。
今まで聴いた事の無い曲だった。自然と涙が溢れていた。
俺は、
わたしは、
恋をしてるのだろう。
573 :
人の夢(7):2005/11/27(日) 20:00:49 ID:fFhuXN300
ライブが終わり、人だかりが散っていく。
その中で動かない影がひとつ。
いつものあの娘だ。
「今日は2つの報告があるんだ」
「……」
「俺さ、プロのミュージシャン目指すよ。いや、なってやる!」
「……」
「もうひとつ、俺は君の事が好きだ!」
「ぐすっ、うぇぇん…。フ、フカヒレさん、私も、私も報告があります」
「?」
「わたしもフカヒレさんのことが好きです!」
「ふたつお願いがあるんですけど」
「?」
「ファンクラブ会員第1号はわたしですからね!」
「ああ! 約束だよ」
「もうひとつ、今の曲、もう一度お願いします!」
~FIN
「シャークさん出番ですよー!」
「おっしゃ来た!!」
マネージャーから明るく元気のいい声がかかる。オリンピックが開催されたこの年、俺はついに日本武道館のライブを決行した。
2年前にデビューして、去年爆発的ヒットを飛ばした。異例の出世街道だったりする。
『最後の曲は…』
アンコールも次でラスト。最後の曲はあの日、あの娘に聴かせた曲だ。会場全体が優しい雰囲気に包まれた。
最前列の席には、姫、よっぴ~、村田、西崎、祈先生、乙女さん、イガグリなど3-Cの面々、カニと
レオ、と子供達、そして椰子にスバル。
俺がみんなにプレゼントした最前列のS席。
そしてライブに幕が降りた。
はずだった。
『それでは特別ゲストをお呼び致します!』
特別ゲスト!? そんなの聞いてないぞ!
『キリヤカンパニー代表、霧夜エリカさん!』
な、なんで姫が…
『フカヒレ君! なんでこの私がファンクラブ会員No.1じゃないの!!』
『フカヒレ呼ばないで、俺はシャーク!!』
『どっちでもサメには変わらないでしょ! ふんっ!!』
『くぁwせdrftgyふじこlp!!!』
そして蹴られて吹っ飛んだ。会場は爆笑の渦。
後によっぴ~から聞いた話だが、インディーズ時代から俺の曲にハマってたらしい。
ちなみに会員No.1は俺のマネージャーが持っている。
575 :
KENZ-C:2005/11/27(日) 20:04:01 ID:fFhuXN300
あとがき
全てが素人なんでお許しを。
ストーリーはカニシナリオをベースに椰子を混ぜてます。
無理矢理な設定が多いのもお許しを
>>575 >お許しを
む、素人ではやむを得ないか…
よし、許す!
なんて言うと思ったか!このGJ作者め!
会話の展開がすこし強引な気もしたが
GJです
フカヒレストーリーはええな~
も少し読みやすいような改行をPLZ
>>575 姫がなかなかいい味。GJ
GJには一つの意味がある!
つまり、GOODJOB。
そしてGODJOBも兼ねる!
二つだった。
あと、GREATJOB
「エリカ、ちょっと手を出してくれないかな?」
私が竜宮でくつろいでいると、恋人であるレオがこう切り出してきた。
一瞬意味がわからず、レオの顔を眺めながら訝しんだが、手を差し出すという行為が意味するものを
私は女の直感ってやつで感じ取り、素直に左手をレオに出した。
「ふふ……センスのいいやつじゃなきゃ嫌よ?」
「え? もしかしてバレてる?」
「いいえ、知らないわ。ただの勘よ」
まあ、結構前から何やらこそこそしていたし、兆候がなかったわけじゃないんだけどね。
レオは隠し事ができないタチだから。
かなわないなぁ、と苦笑しながらレオはポケットから取り出したものを私の薬指につけた。
シンプルだけど無骨じゃない、かなり趣味のいいデザインのリング。
「そういえば、エリカにこういうプレゼントした事なかったなぁ……と思ってさ。
何て言うか……その、安物なんだけど、受け取って…もらえるかなあ……って」
レオは叱られた子供が言い訳をするかのように、赤面しながら早口で言葉をまくしたてる。
でも、私にはレオの言っている事はほとんど聞こえなかった。
そんな余裕なんて、なかった……とも言う。
「……そうね。私だったら、この程度の指輪はイヤになるほどいくらでも買えるわね」
直前にある程度予想はしたけれど、心構えはできていなかった。
だから、私の口からいの一番に出てきたのは憎まれ口。
レオは私の言葉にちょっとだけ苦笑して、そして少しへこむようにうなだれた。
ああもうっ、これくらいでへこまないで欲しい。まだ私の言葉には続きがあるんだから。
ホントは涙が出そうなくらい嬉しい。
このデザインの指輪や、これより高価な指輪はこの世にいくらでもあるけれど、
レオにしか与えられない……私にとって最も価値のある指輪はこれだけなんだから。
言葉にしたいんだけど、口から出てきてくれない。
だから私は、言葉よりも行動に出る事にする。
顔と顔が近づく。目的は、レオの唇。
私の唇とレオの唇が重なって、キスになる。単純だけど、重要な行為。
……のはずだったんだけど。
ガチッ。
「痛~~~~~~~~っ」
「痛てて……何するんだよエリカ! いきなりヘッドバットはひどいぞ!?」
「誰が何でヘッドバットをしなきゃいけないのよ! キスよ、キス!!」
嬉しさのあまり勢いあまってしまったらしい。歯と歯がぶつかって、口が痛くなった。
レオも痛かったのか、口を押さえて少し涙目になっている。
「まったくもう……こういう不意打ちはもうなしにしてよねっ。
嬉しくてどうにかなりそうだったじゃない!」
指輪をプレゼントされただけだっていうのに、何でこんなに嬉しくなるんだろう。
はあ……私って、何かすっかり普通の女の子になっちゃったわね。されちゃった、の方が正しいかも。
でも、こういう自分は嫌いじゃない。
「エ、エリカ、それって……」
驚いたように、目を瞬かせるレオ。急速に顔が赤くなっていく。
それはどんどん顔が熱くなっていく私も同じ。
「みなまで言わないの! ほんっと、もう私ってレオなしじゃ……」
生きていけない、って事はないと思うけど……
……駄目になっちゃうわね。霧夜エリカっていう一人の人間が。
今ではレオが私の側に居ない世界なんて考えられない。
照れて笑うレオに、私はもう一度キスをする。
最初は軽く優しく。そしてだんだんと深く貪欲に。
ここが竜宮だといえ、学校という事を忘れて私たちはお互いを求め合った。
「んっ……んんっ…ちゅ…はぁ…レオ、好き……好きよ……」
「くちゅ……ちゅ……俺も、好きだ……エリカ……」
キスの後は、白い橋がかかる。余韻に浸ったまま、レオと見つめ合った。
こうしてお互い見つめ合っていると、愛おしさが増してくる……ような気がする。
もう、私たち二人だけの世界。
誰も何も、全てが気にならないくらい。
そう……すぐそこで見ているよっぴーすら気にならないくらい……って!
……何でよっぴーがいるの!?
「よ、よっぴー!? い、いつからそこに!?」
「エリー、最初から居たじゃない……」
げんなりした顔でよっぴーが言う。はいはい、ご馳走様……と言いたげな顔だった。
ぬかった……レオから指輪もらったせいで舞い上がってたけど、よっぴーが書類作業でずっとここに居たんだった。
「ああもう、エリーったら妬けるなあ……昔は『馬鹿みたいな男女交際は一生しませんー』って言ってたのに……」
そういえば昔はそんな事も言っていたわね。でも、人は変わるものなのよ、よっぴー。
「ぬ、ぬぐぐぐ……! レオのヤツ、鼻の下のばしやがってチクショー!!」
「……先輩はともかく、お姫様も堕ちたものですね」
「やれやれ……レオも姫も変わったものだな。交際の恐ろしさというか……ほどほどにな」
そういえば、カニっちやなごみん、乙女先輩も居たわね。伊達君は部活だから居ない。
フカヒレ君は……鈍器で撲殺されている。おそらく犯人はよっぴーね。
っていうか、こんな状況で指輪を渡さないでよっ。レオの馬鹿!
……まあでも、見せつけるって意味では悪い気はしないのよね。そんな微妙な乙女心。
「何とでも言えばいいじゃない。今更痛くもかゆくもないわね」
私たちって、いわゆるバカップルになりかけているのかも。
以前までは嫌悪……というか、何でそうなるのか理解不能だったのよねー。
でも、今ならわかる。教えてくれたのは、レオ。
「エリカ、俺はバカップルになるつもりはないぞ」
私の考えている事が伝わったのか、レオが顔をしかめる。
どうしてわかったのかしら。これが以心伝心ってやつかもね。ちょっと嬉しいかも。
「あら、レオは嫌なの? 私とバカップルみたいにいちゃつくのは嫌?」
「う……別に、嫌じゃないんだけど……」
「でしょ? 私だって別にバカップルになりたいわけじゃないんだけど、
なったらなったで別にいいんじゃない? 私はただ、少しでもレオとの時間を過ごしたいだけよ」
何か私、凄い台詞をポンポン吐いているわね。
「ちっくしょー! また二人の世界作りやがってー!!
やってらんねー!!堕ちるとこまで堕ちてやるーーーーー!!」
「ま、待て!どうするつもりだ!!」
「優先席に座りたがっているジジババから席をぶんどって、目の前で居眠りしてやるーっ!!」
「外道すぎる!」
カニっちは怒ったような、何というか複雑きわまりない顔で走って出て行った。
「お姫様達のくだらない劇に付き合っている暇はありませんね。帰ります」
なごみんも出て行った。くだらないとは何よ。
「私も風紀委員としての見回りがあるので出て行くが……レオ、姫。まあ、ほどほどにな」
「わかってまーす。停学退学になるような事はしませーん」
ま、もうすでに十分退学になるような事(学校でエッチ)はしちゃっているけどね。
「よっぴーはどこかに行かないの?」
「まるでどこかへ言って欲しいような言い方だね……ちょっと酷いなぁ」
「ごめんごめん。そんなつもりは無いわよ。ちょっと言ってみただけ」
居ても居なくても、レオとはいちゃつくし。
たぶん、まだレオの事が好きなはずのよっぴーには悪いなあ……とは思うけど。
でも、私は自分の欲求に素直でいたいの。
「わかってる。でも、今日は私帰るね。せっかくのカップルの一時を邪魔したら悪いし」
「ごめんね。佐藤さん」
「いいよ、対馬君。エリーと仲良くね」
「あ、よっぴー。ついでにそこのフカヒレ君も持ってってくれない?」
「わかった」
よっぴーはフカヒレ君を引きずりながら、乙女先輩と一緒に竜宮を後にした。
引きずられたフカヒレ君は、段差やでっぱりに終始ぶつかりっぱなしで、時々変なうめき声を上げていた。
よっぴーは「……粛正……淘汰……」と、独裁者が好きそうな台詞を呟いていた。
明日あたりにダークよっぴーの毒気を抜かないと駄目ね。
パタン……
扉が閉まり、よっぴー達が遠くへ行くのをを確認すると、私はすかさず鍵をかけた。
「ぬふふふふ……」
「えっと……あの、エリカ? なんか舌なめずりして獲物を狙う眼になってない?」
当然じゃない。せっかく好ましい状況になったんだから。
「うふっ、じゃあ……さっきの続きをしましょうか?」
レオに向けてウインクをするが、どうもレオは乗り気じゃないみたい。
さっきの行為を見られてしまったのを引きずっているのかな。相変わらず、人の眼を気にするのね。
「う~……さっきのじゃ全然足りない!足りない足りないっ、レオ分が足りなーい!!
レオ分を補充してくれないと、私もうこれ以上動けないー!!」
「お、落ち着けエリカ! 駄々っ子になっているぞ!」
「じゃあ早くキスしてっ。一週間は大丈夫なくらいレオ分を補充してよ」
自分で言っておいて何だけど、レオ分って何かしら。
まあ……具体的には言えないけれど、感覚的にはわかる。きっとこの胸のあったかい感じよね。
私は眼を瞑り、心なしか唇を突き出す。
眼を瞑っていると、いつキスが来るんだろう?っていうドキドキ感があって、結構好き。
逆にいつまでもキスが来ないと少し不安になってしまう所もある。
けど、それもこの甘美な味のスパイスよね!
唇に、優しい感触。
心に突き刺してくるようなねちっこいキスも好きだけど、やっぱりこういう胸にじ~んと来るようなキスも好き。
そして何より、レオが好き。大好きっ!
この気持ちは、本当に素直になったときにしか言えないけれど……
レオ分の補充?
ああ……本当は指輪をもらった時点で、霧夜エリカは後10年は戦える!って状態になっていたのよね。
だから、あれからキスとかその他諸々をしなくてもレオ分は十二分に足りていた。半分は、本当。
もう半分は、嘘……というか本当じゃない。
レオ分は10年分あろうと、100年分あろうと、いくらあっても足りないくらいだし。
二日くらい一緒に居ないだけで、すぐに使い切ってしまう。一日だけでも相当かも。
でも……何だかこの指輪を見ていると、レオがすぐ側にいるような気分になってくるのよね。
完全とは言えないけど、レオ分がどんどん消費していくのを防いでくれている。
本当に寂しい時は、指輪にキスをしてみたりする。
冷たい金属の感触なのが悲しいけれど、それでも幾分かマシになる。
私は独りじゃないんだ……って、教えてくれる。
さて、今日も世界を奪るために頑張ろっかな!
590 :
AKI:2005/11/27(日) 22:03:50 ID:p/lic/y20
皆さーん、霧夜エリカは好きですかー?
私は大好きでーす!
つよきすSSを書いていると、自分の中の好きランキングなんてどうでもよくなってきます。
みんな大好きじゃ、ゴルァ!! 順位なんてくだらないぜ、俺のSSを読めぇ!!
……調子こきました。すいません。
と言うことで、指輪物語(第一章?)は終わりです。
何か姫が姫っぽくないなぁ……という感じがてんこ盛りですが、温かい眼で見てやってください。
途中で、姫がクラスの皆に指輪を見せびらかしたりとか、「エンゲージリングよんっ、うふふ……」とか、そういう展開を夢想しましたが、今回はスルーという事で。
どう見ても支援です。本当にありがとうございました!
では、また次のSSで会いましょう。
Have a pleasant time !
「レオ分」という言い回しさえなければよかったが、まあ素直にGJと。
ぜんぜん素直じゃない気もするが
か…かわいい…こんなかわいいエリカ初めてみたかもしれん…おまいにはGOLDJOBをやろう
いやね
もうね
GJ
しか言えません…
姫かわいいよ姫
こそーりGJ!
595 :
〇〇:2005/11/27(日) 22:21:09 ID:NG97Hu8q0
兎に角GJ
596 :
KENZ-C:2005/11/27(日) 22:29:36 ID:fFhuXN300
AKIさんGJ!
遅れたけど「人の夢」解説
レオはカニと結婚。スバルは大学生。なごみはフカヒレに影響されて夢を目指す事になる。
女の子は、なごみENDのエピローグの…言わなくても分かるか。名前分かりましぇん。
開始時の年齢は20歳。大体なごみEDのエピローグと同じ。
最後の路上ライブの曲はフカヒレが書き起こしたもの。
エピローグはスバルがメダル取った年なので2012年。スバル帰国後の話。
フカヒレは忙しかったため宴会に参加できませんでした。
マネージャーは…言わなくても分かるか。
また違う話を書こうかなと思っています。そのときは応援よろしくお願いします。
あぁ、本気でデレられると姫もそんなに嫌いじゃないと思える俺がいる…GJ
>>590 いいよいいよー!
もうガンガン調子こいちゃってください!!
誰を敵にまわそうとも(?)オレは断固支持するぜ!!!
バカップル万歳!本当にGJ!!!
次の話が待ちきれないYO!!!!!
>>596 GJでした!
またいいお話、期待してますよ!
>>590 次も楽しみにしてます^^
と、姫スキーの俺が言ってみる
バカップル万歳!!
GJ!!!
それにしても皆がいる前でわざわざ指輪を渡すというのは
レオも相当舞い上がっていたと解釈すべきなんだろうな
>>601 そりゃお互いにのぼせてますからw
好きで好きでしょうがなくてお互い目の前の相手の事しか考えられない。
そこにバカップルの魅力があるわけですよ。
神よ・・・乙女のSSを・・・頼みます・・・ウッ
604 :
名無しさん@初回限定:2005/11/28(月) 00:19:26 ID:xFVAelHvO
PCが物故割れた俺の為にももっと姫SSを・・・ウッ
更新きたー
中の人GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOODJOB
んども。ここまで更新。
なんだか今週は特に多かったですねえ…。
それはいいのですが、ディレクトリ構成など色々見直しましたので、
作品への直リンクは現在404になるはずなのでご注意を。
ざっとは確認したのでいいとは思いますが、もしリンク切れなどあったらご連絡ください。
作業中ウッカリindex.html消してしまったりしてたことは秘密だw
>>605 反応早杉! ホントに今やったところだぞwww
>>606 中の人乙!!
今週は確かにすごかった
量多し!良作多し!
良作多しはいつものことか^^
そういや中の人はSS書かないの?
800 :名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 00:08:11 ID:KxIIUW8M0
スバ:対馬 ちょっといいか?
スバルが笑顔で話しかけてきた
レオ:……あ……
ついうれしそうな顔になる
スバ:ん?どうかしたか?
レオ:いや なんでもない
スバ:変なやつだ
スバルがクスリ、と笑う コレはもしかして
許してくれたのか? それとも条件付きで許すとか。
レオ:で、何だ?
スバ:ああ 俺由比浜に転入手続きだしてきたから
レオ:えっ…
スバ:あと対馬の家に置いてあった俺の私物も持って帰った
スバ:対馬のボトルシップはわざと壊した すまんな
スバルはぺこりと誤った
レオ:ぅ……ぁ
842 :名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 01:30:02 ID:dEz3FVAu0
_ 地獄蝶々・卍解「森羅万象」
'´, `ヽ A
| lノノノ)リ)). ||
ル(i| ゚ -゚ノリ ノノ
く)个iつi!================================================_ノ
く/_|j〉
し'ノ
>>606 乙
今から読み直して感動させて頂きます。
にしてもAAは少ないな、もっと頑張れ、超頑張れ。
こうして見るとデレ化後にバカップルになるのは姫でもよかったかもしれんね。
カニはこう、悪友の延長上の甘酸っぱい感じで。
>>590 姫最高です。3つのGJ!!を与えよう。
いや、差し上げます。ついでに、ツンデレによる殺人罪もw
みんなGJ
>>551 1つ気になったが、ドブ坂で捜してて、その帰りなら松笠ということだと思うが、
祈ちゃん、松笠に住んでないんじゃなかった?(確か、横浜?)
>>615 大人の事情ということで…
まあ、引っ越したということに…しといて(´Д`)
>>608 ,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; SSを書いてみる…
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; そんなふうに考えていた時期が
ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ 俺にもありました
読む専門です。
240 :名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 12:45:35 ID:DqiyWloe0
「何でスカートをそんなに短くするの?」って問い詰めたい
おそらく「かわいいから」って答えるだろうから
「どういう風にかわいいの?」って聞き返して
少女「女の子っぽいし」
俺「そんなに肌を見せるのが女の子っぽいの?」
少女「違うよ!そうじゃなくて・・・・・・」
俺「パンツ見られたいの?」
少女「そんなわけ無いじゃん!」
俺「じゃあなんでパンツがちらちら見えるような短いスカートはくの?」
少女「か、かわいいから」
俺「じゃあパンツが見えるのがかわいいってことじゃないか!!」
ぜんぜんつよきす関係ないんだけど、なんか心ひかれるんだ…
619 :
区区:2005/11/28(月) 21:42:07 ID:7/zbz8z70
皆さんGJ!
( ゚Д゚)……………
(゚Д゚)
( ゚д゚)
(゚д゚)
(´ω`)b God JobBBB!
621 :
名無しさん@初回限定:2005/11/28(月) 23:17:45 ID:xFVAelHvO
( ゚д゚ )
>621
なごみ「キモイからこっちみないでください」
カニ「なんだ、こえーのかよココナッツ」
_
'´, `ヽ
!爪リリ从)ゞ
ノwリ゚д゚ ノル
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し'ノ
624 :
名無しさん@初回限定:2005/11/29(火) 00:15:41 ID:ipXFmJbR0
最近SSの存在を知った。
みなさん本当にGJ!
iPodに入れて通勤中楽しんでます。
これからも期待しております!
625 :
区区1:2005/11/29(火) 00:57:43 ID:joe+1suS0
デレデレ姫
―1―
竜鳴館高校といえば松笠に住んでいる人ならだれもが知っている高校だ。
非常に変わった校風で知られており、また館長も変わった人物で知られている。
竜鳴館高校には大きなグランドがあった。
いつもなら野球部やサッカー部の部員が汗を流している姿が見えるが今日は違った。
そこにはいろんな店が並び、そこに老若男女が多数入り乱れている。文化祭なのである。
食べ物を売っている店や射撃や金魚すくいを行っている店もある。因みに土曜日と日曜
日の2日間開催される。今日は土曜日だった。
その中で1組の男女が出店を忙しく回っている。
「ほらレオこっちにいくわよー。」
「ちょっと待ってよエリカ、荷物が邪魔で・・・。」
「私のナイトならぶつぶつ言わないの。」
姫こと霧夜エリカはそう言って恋人である対馬レオの腕を取った。
「早く行くわよー。」
「わっ、引っぱらないでよエリカ。」
「ちゃんとついてきなさいよー。」
この2人は学校公認のカップルである。にも関わらずレオは常にエリカに押されっぱな
しなのである。
「今度はあっちの店を見に行きましょ。」
「はーい。」
エリカは運動神経も容姿も成績も良くてお金持ちという非の打ち所が無い女性だが性格
にかなり難がある。非常に我侭で気分屋で傲慢な性格であるため多数のファンがいるが、
同じくらい嫌っている人もいる。
626 :
区区2:2005/11/29(火) 00:59:31 ID:joe+1suS0
対してレオは普通の高校2年生である。どのくらい普通かというと、『明日出るゲーム欲
しいけど金がねえ』とか『テストいやだなー』とか考えてしまう位に普通である。
恋人同士とは言えども当然エリカのほうがレオを引っ張ってくという図式が成り立つ。
本人曰く、“強引で我侭だけどもそこが好き”だそうだ。
「わっ、見てレオ。フリーマーケットまである。」
「本当だ、少し見ていく?」
「う~ん、後にするわ。」
レオはエリカの後についていった。
「今度はどこにいこうかな・・・?」
「エリカ、少し休憩しないか?」
少し疲れた感じでレオは言った。
「なにもう疲れたの~?だらしがないわね~。」
「だって朝からずっと歩きっぱなしだし・・・。」
「男なら黙って女の後をついて来る!」
「それって普通逆じゃあ・・・・。」
「つべこべ言わないで来るの!」
「やれやれ・・・。」
レオは口では大変そうにいっているが内心嬉しかった。
(エリカも楽しんでいるし、よかったよかった。)
そうして2人は校舎のほうに歩き始めた。
「今度は校内の展示を見にいきましょ。」
「了ー解。」
2人は校舎の中に入った。校舎の中も人でごった返している。
「しかしすごい人ねー。」
「まあ文化祭だからな。」
「ほんと日本人ってお祭り好きねー。」
627 :
KENZ-C:2005/11/29(火) 00:59:51 ID:yY5Rej7b0
投下開始
対馬君と鉄先輩の特訓も二日目。
対馬君の上半身の裸体を見るだけでとても体が疼いてしまう。
昨日はあまり食欲無かったようだからすごいハードなんだよね。
私が食べさせようとしたのに……口移しででも無理矢理たべさせたかったなあ…
だけどマッサージでスキンシップできたからまっいいか
対馬君と鉄先輩は朝から特訓。私は対馬君から洗濯物を預かって洗いに行ったのはいいんだけど…
私がオカズを目の前にして欲望を抑えられるはずが無かった。3人以外誰もいない。
誰かに見られるわけが無い。カラダが疼く。
そして我を忘れて……
629 :
区区3:2005/11/29(火) 01:00:32 ID:joe+1suS0
「そうだね・・・・しかしクラスのみんな大丈夫かなー?」
レオは心配そうに言った。
「私たちがいなくても大丈夫でしょ。」
エリカはそう言い切った。
「とりあえず行ってみようよ」。
そして自分のクラスに向かった。
姫とレオのクラスは喫茶店をしている。しかしただの喫茶店であるはずがない。
なんたってあのエリカのクラスなのだから変わっていて当たり前なのである。なんと今
流行のメイド喫茶なのだ。
出し物の案の1つであったが、当然女子は猛反対した。しかしエリカの「よっぴーのメイ
ド姿が見たい」という独断かつ自己中心的な一言で決まってしまった。
それに使われる衣装や機材はエリカが自分のポケットマネーから出したそうだ。
誰とは言わないがそれを提案したやつは狂喜乱舞し、その後男子全員に誉め称えられた
後、女子全員に簀巻きにされた。
そいつはいま喫茶店の厨房にいる。一所懸命メニューを作っていた。
「聞いてくれよレオ、俺ここから外に出ることが許されないんだぜ。」
「諦めろフカヒレ、お前が言い出したことだ。」
「ちきしょー!何でこんな目に!」
彼の名は鮫氷新一、レオの悪友である。通称フカヒレ。
「俺だって客としてメイド喫茶に来たかったのに!」
「おめーがこの騒ぎの元凶だろうが!」
そう言って背の低いかわいらしい格好のメイドがフカヒレの膝に蹴りを放った。フカヒ
レは悶絶している。
「・・・・いってーなカニ!何も蹴ることねーじゃねえか!」
彼女の名前は蟹沢きぬ、同じくレオの悪友である。通称カニ。
「ふん!メイド喫茶でなくただの展示なら今ごろゆっくりサボれたのによ!」
630 :
区区4:2005/11/29(火) 01:01:35 ID:joe+1suS0
カニは面白くなさそうに言った。
「こらこらカニっち、そういうことはいわないの。」
姫がカニをなだめた。
「んだよ姫、ちゃんとメイド喫茶手伝えよ。」
「私は衣装や機材を提供したからいいの。」
「けっ、これだから金持ちは。」
「まあ私も明日昼から手伝うし、問題ないでしょ。」
「姫がメイドするなら間違いなくツンデレ系だな。」
因みにメイド喫茶はかなり繁盛していた。エリカが提供したメイド服の出来がものすご
くよかったこともあるし何よりも内装が凝っていた。まるで宮殿の一部であるような感じ
なのである。
さらにカニが大活躍していた。持ち前の明るさとバイトで培った接客が功を奏していた
のだ。
それもあって教室の外には長蛇の列が出来ていた。
「とりあえずあとは任せたわよ。」
「レオ!おめーも遊んでないで店手伝えよ!」
「そうだ!そうだ!」
「明日エリカと一緒に手伝うし、何よりお供しないといけないんだ。」
レオは申し訳なさそうに言った。
「そういうわけだからレオは連れて行くわ。」
「ちきしょー!納得いかねー!!」
フカヒレの魂の叫び声が、厨房裏に響き渡った。
631 :
区区5:2005/11/29(火) 01:03:21 ID:joe+1suS0
―2―
「それでエリカ、これからどこに行く?」
「え~とそうね・・・。」
エリカは周りを見回した。と丁度そこへ腕章をつけた青い髪の女生徒が現れた。
「レオと姫じゃないか。文化祭楽しんでいるか?」
「楽しんでるよ乙女さん。」
この生徒の名前は鉄乙女という。レオの家に同居しており、彼の面倒をよく見ているい
わば姉みたいな存在なのである。
「乙女センパイも学校の警備大変ね~。」
「なに、誰かがやらないといけない事だ。」
「今日は何か揉め事はあった?」
「いや、大したことは起こってない。」
「それはよかった。」
乙女が言うには迷子が出たり道を尋ねられたとかそういうことしか起こってないようだ。
その後2言3言話した後レオと姫は他の展示に行こうとした。その時乙女が2人を呼び
止めた。
「ああそうだ、祈先生を見なかったか?」
「いや見なかったけど・・・・何かあったの?」
「いや少々噂を聞いてな。」
「どんな?」
「どうも占い屋をやっているらしんだ。」
「それが何かいけないの?」
レオは小首を傾げた。
「学校に許可を取ってない上、有料で行っているようなのだ。」
「それは確かに問題あるわね。」
632 :
区区6:2005/11/29(火) 01:04:38 ID:joe+1suS0
エリカがそういった。
祈先生とはレオとエリカの担任である。いいかげんでクレバーな性格の女性で知られて
いる。
「ああ、だから見つけたら私に教えてくれ。」
「わかった。」
乙女はそう言うと去っていった。
「エリカ、これからどこ行く?」
「そうね・・・展示を回るついでに祈先生を探しましょ。」
「乙女さんに教えるの?」
レオは姫に尋ねた。
「いいえ、私たちを占ってもらうのよ。」
「何を?」
エリカは少し照れてこう言った。
「決まってるじゃない、私たちの将来のことよ。」
「あ・・・・。」
レオも顔が少し赤くなった。
たまに見せるエリカのこういったしぐさがレオにはたまらなかった。
「じゃあ行くわよ。」
「わかった。」
レオとエリカは並んで歩き始めた。
そして2人はいろんな展示を見て回った。
書道の展示では体験コーナーがあり、エリカが長い半紙に『天上天下唯我独尊』と書い
た。しかも部員と引けを取らないくらい上手かった。
美術部の展示では、どう見ても地面に叩きつけたとしか思えないような彫刻にエリカが
大絶賛していた。それを見たレオは心の中で“フランスで美術審査員になれそうだ”と思
った。
633 :
区区7:2005/11/29(火) 01:05:31 ID:joe+1suS0
科学部では金メッキの実験を面白そうに見ていた。
とにかく2人はいろんなところを回った。
「さすがに疲れたわね~。」
「そうだね、少し休まないか?」
「じゃあどこか静かなところに行きましょ。」
「静かなところか・・・屋上はどうかな?生徒会執行部は乙女さん達の警備の人が使って
いるし。」
「じゃあそこに行きましょ。」
2人は屋上に行った。
「ここは静かで涼しいわねー。」
「そうだね。」
レオはそう言った。
「取りあえずあそこに座ろうよエリカ。」
「そうね。」
2人が座ろうとしたときおかしな物を見つけた。それは普通教室とかで見かけるもので
ある。
「そうしてここに机と椅子があるんだ?」
レオは疑問を口に出した。
「誰かがここに座るんじゃないかしら?」
「でも一体誰が座るんだ?」
2人して首を傾げた。
その時屋上のドアが開いた。レオとエリカは首を向けた。
そこには手に水晶を持った大きな胸の女性と男子生徒が立っていた。
「あら?2人ともどうしてここに・・・・?」
「それはこっちのセリフですよ祈先生。」
祈は不思議そうに2人を見ている。
634 :
区区8:2005/11/29(火) 01:07:26 ID:joe+1suS0
「後ろの生徒は誰ですか?」
レオが質問した。
「この人は・・・・後でしますから少し他で時間をつぶして下さいね・・・・なんでもあ
りませんわ~。」
「先生声が漏れてるわよ。」
「それはたぶん幻聴ですか?」
「私に聞かれても困ります。」
男子生徒はそそくさと屋上から離れていった。
「祈先生、乙女さんに聞いたけど占いをしてるんですか?」
「あらあら、ばれてしまいましたわねー。」
「あれ?あっさり認めるんだ。」
「ばれたら他の場所で占うまでですわ~。」
「なるほど。」
レオは頷いた。
「こんなところのお客は来るのかしら?」
エリカは祈に尋ねた。
「かなり来ますわよ。廊下に立って通りかかった男性に“私と屋上に行きませんこと?”
というと必ず来ますのよ~」
「かなり悪質なキャッチね。」
「条例の施行される前の新宿歌舞伎町見たいだな。」
あきれた顔で2人はそう言った。
「細かいことは言いっこなしですわ~。」
祈は笑顔でそう言った。その顔には悪意とかそんなものはさらさら無かった。
「それよりも祈先生、ここで営業していること黙ってあげるから私たちのこと占ってくれ
ないかしら?」
「まあ、仕方ありませんわね。」
しえーーーーーーーーん
636 :
区区9:2005/11/29(火) 01:10:07 ID:joe+1suS0
そう言って祈は水晶球を取り出して占い始めた。
「因みになんについて占えばいいのですか?」
「私とレオの未来について。」
「わかりましたわ。」
祈は水晶球に手をかざした。そして手を横に上にと動かした。そしてしばらくして祈は
話し始めた。
「見えてきますわ・・・霧夜さん。」
「何かしら?」
「貴方が対馬さんに寄りかかって不安そうな顔をする姿が見えますわ。」
「・・・祈先生の占いでもたまに外れることがあるのね。」
エリカは少し笑いながらそう言った。
「信じる信じないは勝手ですが私の予想ではここ数日中には起こると出ていますわ。」
「逆ならまだしもそんなことは絶対にありえないわ。」
「それもどうかと・・・・。」
レオは呟いた。
「そこで今ならこのペンダントを買うと良い未来が訪れますわ。」
「先生、それは霊感商法です。そしてそのペンダントどこから出したんですか?」
「それは秘密です。」
祈は胸を張って言った。
「しかし変わったペンダントですね。」
「趣があるとおっしゃってください。」
「・・・・先生、そのペンダント買うわ。」
「えっ?」
レオは一瞬聞き間違いかと思った。
「それ美しいわ、すごく欲しい。」
「なるほど、そういうことか。」
637 :
区区9:2005/11/29(火) 01:11:00 ID:joe+1suS0
レオは相変わらずの美的センスだなと思った。
「霧夜さん、良い未来というのは冗談ですわよ?」
「そんなことは信じてないけど、私は単にそれが欲しいの。」
「では5千円でお譲りしますわよ。」
「安いわね。」
エリカはすぐに払った。そして首にかけた。
「原価はいくらなんだ・・・・?」
レオはそんなことを考えた。
「ありがとございます~これで給料日まで持ちますわ~。」
「祈先生前もそんなこと言ってなかった?」
「幻聴です。」
「はあ・・・・ところで土永さんは?」
「あの鳥公とは喧嘩中ですわ。」
「またですか・・・・。」
そしてレオとエリカは屋上を後にした。
その後いろんなところを回った。気付けば夕方の5時になっていた。
「そろそろ帰ろうかしら。」
「今日は俺の家に来れる?」
「バッチリよ。明後日まで予定は何も入れてないわ。」
「じゃあゆっくりしよう。」
レオは顔を赤くして言った。
「そうね。」
エリカも真っ赤になっていた。2人は手をつないで家に行った。
紫煙
639 :
区区11:2005/11/29(火) 01:12:15 ID:joe+1suS0
―3―
レオはカーテンの隙間から差してくる朝日で目を覚ました。隣には恋人であるエリカが
寝ていた。
目を覚まさせないようにゆっくりと起き上がって着替えると階段を下りた。
因みに、同居している乙女は土日になると実家に帰るようにしていた。彼女なりに2人
に気を使ったのである。
トースターにパンをセットし、コーヒーを作り始めた。
しばらくするときつね色に焼けたパンが出来上がり、程よい熱さのコーヒーが出来上が
った。
「エリカー!朝食ができたよー!」
2階に向かってレオがそう言った。
いつもならすぐに降りて来るが今日は降りてこなかった。
「珍しいな、まだ寝ているんだ。」
レオはエリカを起こしに2階へ上がった。そして扉を叩いた。
「エリカ入るよ。」
しかし中からは返事が無かった。
「よっぽど疲れたみたいだな。」
そして中に入った。
「エリカ、朝食ができ・・・・・・あれ?」
エリカはボーとした様子でベッドの上に座っていた。少し不安そうな表情をしていたが、
レオの顔を見るやいなや、優しい顔つきになって頬を赤く染めた。
確かに彼女は顔を赤くすることはある。しかしそういう時は大抵少しにらんだような感
じで、どちらかというと強張った顔である。だから今回のような掛け値なし嬉しそうにし
て子犬のような弱々しい顔つきで見られるのは始めてである。
そんな顔で見つめられたもんだからレオは非常にドキドキした。
つ【四円】
641 :
区区11:2005/11/29(火) 01:13:14 ID:joe+1suS0
「エ、エリカ?」
レオは心配そうに呼んだ。
するとエリカは両手を広げて前に突き出した。レオは何気無く手を差し出した。
「・・・・!」
するといきなりレオの手を取って抱きしめて押し倒した。
「どっ、どうしたんだエリカ?」
レオは今かなり混乱していた。今までこんなことは1回も無かったのである。
そしてなんとエリカはレオの耳に息を吹きかけたのである。
「!」
恥ずかしさと嬉しさで耳まで真っ赤に染まった。そして口を開いた。
「おはよう・・レオ。」
「おっ、おはよう。」
辛うじてそう答えた。
「あのね・・・。」
「・・・うん。」
「聞いて聞いて。」
「・・・うん。」
レオは努めて普通の声を出そうとした。しかし完全に裏返っていた。
「朝起きたとき貴方が隣にいなかったの。」
「うん。」
エリカが家に来るときは、彼女が起きる前に朝食の準備をするの事がレオの仕事だった。
1回忘れてえらく叱られたことがある。
「だから非常に悲しかったの・・・。」
「・・・・・・。」
レオは絶句した。
「でもね・・・貴方を見たとき・・・・・とても嬉しかったの。」
普段からは想像もつかないほど甘い声で耳元にささやかれた時、レオは嬉しさのあまり
息が止まりそうになった。
「だからね、今はぎゅーとさせて。」
そしてエリカはまるで子供が大好きなぬいぐるみを抱くようにレオを優しく抱きしめた。
642 :
区区13:2005/11/29(火) 01:14:11 ID:joe+1suS0
「少しの間・・・こうさせて・・・。」
エリカは安心しきった表情でレオに体を預けた。その顔は今まで見たことが無く、まる
で女神のような顔だった。そしてレオはさらに困ってしまった。
なんと胸が自分の体に触れているのである。いつもならそこまで興奮しないけど今日は
違った。そのうえ体を前後に揺らしこすりつけるようにしているのである。興奮するスピ
ードがさらに加速していった、それはもう死んでしまうかと思うくらいに。
「レオ・・・・ドキドキしてる。」
レオはエリカの肩に手をかけた。するとエリカはその手をそっと取って自分の胸の上に
置いた。
「私と同じだ・・・・。」
レオは今すぐにでも襲いかかってしまいそうになった。しかし理性でそれをなんとか抑
えつけた。
「レオ・・・我慢しなくていいよ。貴方のしたいこと・・・・何でも受け止めてあげる。」
本当にそうしたかったが心の奥で引っかかる何かがそれを静止した。すると少し冷静に
なり考え始めた。
(こ・・・これは新手の心理攻撃なのか?)
しかしレオは頭を振ってそんな考えを飛ばした。
(姫がここまでデレデレすることは絶対無い、ならば原因が必ずあるはずだ。)
レオは昨日から今までの行動を思い出した。
(昨日はまず外の出店を回って色々遊んだな・・・。そしてクラスに帰って話しをした後
展示を見に行ったっけ・・。書道部や美術部に行って、そのあと祈先生に会ってエリカ
が・・・・・。)
そこまで考えたときレオはハッとなった。
(そうだよ!ペンダント買ったんだよ!)
慌ててエリカの胸元を見た、そこにはあのペンダントがあった。
(どう考えたってこれが絶対に怪しいよ!)
そしておもむろにペンダントを手に取った。
「これ・・・・貸してもらえる?」
「レオのお願いなら・・・・いいよ・・。」
そしてペンダントを外してもらった。その時のしぐさがたまらなかった。
643 :
区区14:2005/11/29(火) 01:15:12 ID:joe+1suS0
(ペンダントを外したら元に戻らないかな?)
しばらくエリカを見つめていたが顔を赤くして見つめ返すばかりで何の変化も無かった。
(・・・・やっぱりダメか。)
こうなったらもう残った手はひとつしか無かった。売った本人に元に戻す方法を聞くの
である。
「エリカ・・・・少し下に行ってきてもいい?」
「ダメ・・・ここにいて。」
「少しだけだから。」
「レオ・・・・私のこと嫌いなの?」
エリカは目に涙を浮かべて弱々しく言った。なぜだか知らないけどレオは罪悪感に駆ら
れた。
「いや・・・少しトイレに行くだけだよ。」
「・・・・良かった。」
心底安心したような表情でそう言うエリカ。レオはその顔にまたドキッとした。
(この状況は非常に嬉しいけど・・・・・このままでは絶対に体が持たないな、心臓が止
まりそうだよ。)
レオは複雑な面持ちで階段を下りていった。
すいません
もう支援は…
できそうに…ない…です…
ε==================((((´ー`)
姫ーーーーーー!!!
645 :
区区15:2005/11/29(火) 01:16:16 ID:joe+1suS0
―4―
レオは椅子に座ってぬるくなっているコーヒーを口の中に一気に流し込んだ。
エリカが持ってきたそれは、最高級ということもあって冷めてもおいしかった。
「さて・・電話するか。」
祈先生の番号は執行部の緊急連絡先としてメモリーに登録されていた。しかし緊急時に
は乙女に頼った方が確実なので使ったためしは無かった。
「祈先生・・・・出てくれ・・・・・。」
4回ほどコール音が鳴ったとき祈が電話に出た。
『もしもし、祈ですわ、どうかなさいましたか対馬さん?』
「祈先生おはようございます。」
『朝のホームルームは終ってもう店を始めていますわよ、早く来て手伝ってくださいな。』
「ええ、もう少ししたら学校に行きます。」
『では待っていますわ。』
祈は電話を切ろうとした。
「ちょっと待ってください祈先生。少し聞きたいことがあるんですが・・・。」
『なんでしょうか?』
「昨日エリカが先生から買ったあのペンダントなんですけど・・・。」
『それがどうかなさいましたか?』
「実はですね・・・。」
レオは今朝起こったことを祈に説明した。
『まあ、対馬さんたら見かけによらず女性の扱い方がお上手なのですね。』
「いや違いますよ先生、本当におかしくなっちゃったんですよ。」
『私にのろけられましても・・・・。』
「そんなつもりは全く無いですよ、信じてくださいよ!」
『・・・・どうも本当のようですわね・・・。』
そう言うと祈は電話の向こうで押し黙った、何か考えているようである。
『まさかとは思いますが・・・昨日お譲りしたペンダントの形を言っていただけませんで
しょうか?』
「えーとですね・・・。」
646 :
区区16:2005/11/29(火) 01:17:24 ID:joe+1suS0
レオはポケットに入れたペンダントを取り出した。
「ハートが三つ葉葵のように彫られていて、所々にいろんな文様が彫られているペンダト
です。」
『・・・・・やはりそうですか・・・・。』
祈はため息をついて言った。
「なんですかこれ?」
『そのペンダントは中世ヨーロッパに作られたもので名前を“Change of Heart”(心の
変化)というものです。』
祈は英語教師の流暢な発音でそう告げた。
「どういったものですか?」
『これには魔法がかけられていまして、首をかけたものの心を変化させる効果があるので
す。』
「・・・・マジですか?」
『本当です。ありていに言えば性格が反転してしまいますの。』
「・・・・何でそんなもの売ったんですか!?」
レオは大声で叫んだ。
『どうやら他のものと間違えて持ってきたらしく、それが霧夜さんの心を鷲掴みしたよう
ですわね。』
祈は悪びれた様子も無くそう言った。
「で、どうすれば元に戻るんですか?」
『ペンダントそのものの効果は1ヶ月~1年ですわ。』
「それでは遅いです、すぐに元に戻してくれませんか?」
『めんどくさいですわ、対馬さんも前の霧夜さんよりも今のほうがよろしいんじゃないか
しら。』
レオは少し心が揺れた。しかし毅然としてこういった。
「今のエリカは正気じゃないようなものです。だから早くもとに戻したいのです。」
『仕方ありませんわね・・・。では掛かっている魔法をまたそのペンダントに戻しますわ。
今日も文化祭ですので明日の振替休日に行いますわ。』
「よろしくお願いします。」
『今日は体調不良ということでクラスのみんなには伝えておきますわ。』
つ ④
648 :
区区16:2005/11/29(火) 01:19:22 ID:joe+1suS0
「感謝します。」
レオは電話を切った。
(さて、今日はエリカを外には出せないな。)
レオは2階に上がった。そこには毛布を抱きしめて横になっているエリカがいた。
彼が中に入ってくると毛布を抱きしめたまま起き上がり見つめた。
「何で早く戻らなかったの・・・・。」
レオは時計を見た、30分近く経過していた。
「一人にしないでよ・・・・。」
拗ねて、泣きそうな声でレオを見上げる。どうやら寂しくなって毛布を抱きしめたらし
い。
「ご、ごめん・・・・。」
レオは謝った。
「ダメ、許してあげない。」
「ごめんよエリカ、なんだってするから許してくれよ。」
そう言うとエリカはもじもじしてレオにこういった。
「じゃあ抱きしめて・・・・。」
レオはエリカに近づいて優しく抱きしめた。すると幸せそうな顔になってレオのことを
抱きしめた。
「・・・・足りない。」
「えっ?」
「これだけじゃあまだ足りない・・・キスして。」
エリカは見をつむってレオの方に顔を向けた。そしてレオは少し考えて彼女のおでこに
キスをした。本当は唇にしたかったのだが何とか抑えた。
「これでいい・・?」
「ダメ、もう1回して。」
今度はほっぺたにキスをしてあげた。するともじもじしてまたレオのことを抱きしめた。
「・・・ありがと・・。」
キスをして礼を言われるのは初めてなのでレオは非常に舞い上がった。
「じゃあ今度は私が・・・。」
「えっ?」
649 :
区区18:2005/11/29(火) 01:20:18 ID:joe+1suS0
そう言うとエリカはレオの首に顔を近づけた。何をするのだろうとレオが考えていたら
いきなり首にキスをした。背中がぞくぞくした。
「ちょっ、エリカ、何を・・・・・?」
そして強く肌を吸い始めた。するとそこには虫にさされたように赤くなった。
それを見たエリカは満足し、レオの上半身にどんどん印をつけ始めた。
「エリカ、やめてくれ!じゃないと俺は・・・。」
レオにとって地獄のような幸福の時間が訪れた。
「レオがキスしてくれたから私もしてあげる。」
しばらくするとレオの上半身はキスマークでいっぱいになった。その数数十個。そして
エリカの顔も真っ赤になった。
レオは目を回しそうになった。いろんな意味で限界であった。
(エリカが正気に戻ったとき・・・・なんて説明しようかな・・・・。)
レオは改めてエリカのすごさを思い知った。
その後エリカはレオにじゃれついていた。そして唐突に口を開いた。
「レオ・・・・文化祭に行こ。」
「えっ?」
「だって今日私クラスの手伝いをすることになってるでしょ?」
「ああ、そうだけど今日はやめないか?」
「どうして・・・・?」
650 :
区区18:2005/11/29(火) 01:21:05 ID:joe+1suS0
エリカの目は潤んでいる。そしてそういう顔をされるとレオは何も言えなくなる。
「だって責任は果たさなくちゃ・・生徒会会長だし。」
普段のエリカからは出るはずが無い言葉が出た。レオは改めてあんなペンダントを持っ
てきた祈を恨めしく思った。
「確かにそうなんだけど・・・。」
「それに・・・貴方にメイド姿を見せたいの・・・。」
「うっ。」
「だめ・・・・?」
エリカはそう言ってレオを見つめた。しかも“捨てられた子犬が私を拾ってください”
的なオーラを全開に出しながら見上げたのである。そしてメイド姿も見せたいというこの
発言、こんな破壊力抜群のコンボをくらってレオはとうとう観念した。
「・・・・わかった、行こう。」
「ありがとう・・・・だから・・・・好き。」
そしてエリカはレオに抱きついた。レオはまたクラッとした。
「でもこれだけは守ってくれ、俺の傍を離れないこと。」
「わかったわレオ・・・ずっといるわ。」
そしてレオとエリカは支度をして学校に出かけた。
651 :
区区18:2005/11/29(火) 01:22:11 ID:joe+1suS0
―5―
2-Cのメイド喫茶は昨日に引き続いて大盛況だった。
クラスメイト全員が忙しく動き回っている。
それは厨房でも同じだった。
「しかしこんなときにレオのやつ休みやがって、あとでシメないと気がすまねえな。」
「右に同じ。」
カニとフカヒレは少し休憩をしている。
「オアシスのバイトよりも忙しいぜ。」
「俺も客として来たかったなー・・・。」
「オメーはもっと働け。」
「はいはい。」
2人は休憩を終えて仕事に戻ろうとした。その時ドアが開いた、そのほうに顔を向ける
と1組の男女が立っていた。
「レオ!と、ひ・・・・・め?」
カニはわが目を疑った。そこに嬉しいような困ったような顔をして立っているレオがい
た。一方エリカはレオの腕に抱きついてじゃれていている。しかもものすごく嬉しそうに。
そんな姿を見たもんだからカニは頭に血が上っていくのを感じた。
「体調不良で休んだと思ってたけど、これはどういうことかなレオ?」
声が震えていた。
「・・・確かに傍から離れるなといったんだけどな・・・。」
レオはそんなことを呟いた。
フカヒレは体育座りをして部屋の隅でさめざめと泣いている。そして訳のわからないことを呟いていた。
「どーいうことだよレオ!返答次第じゃあオメーにメイド服着せて写真撮って脅迫のネタ
にしてやるからなあ!」
「種族:外道 名前:カニ。」
「うるせえっ!それともあれですか?仲がいい所を見せ付けに来たのかぁ!えええ!?」
.....(((ヾ( ´ ∇ ` )ノ<姫ぇぇぇぇ~~~待ってよ~~~
653 :
区区21:2005/11/29(火) 01:23:19 ID:joe+1suS0
「そんなつもりじゃねえよ。少し腹が痛かったけどしばらくしたら治ったんだ。だから手
伝いに来ただけなんだよ・・・・。」
「じゃあそのいちゃついてる姫は何なんだ!」
レオはうつむいてボソッと言った。
「・・・・今日だけの・・・・・特別サービス・・・らしい。」
そうレオが言うとフカヒレがこちらにやってきた、なんだか表情が怖い。
「ちきしょー!ぜってーお前より幸せになってやるー!」
「だからおめーは仕事しろ!」
カニの叫び声が響き渡った。
「取り合えずカニ、フカヒレ、エリカが着替えるから外に出てくれないか?」
「分かった。」
「しかたねーなー。」
そして数分後、メイド服姿のエリカが出てきた。その姿はバッチリと決まっていた。
「さすが姫、非常に似合ってらっしゃる。」
「けっ、たいしたことねーよ。」
そのままエリカはレオの前にやってきた。
「レオ・・・・似合う?」
その声にはいつものとげとげしさが無かった。だからカニとフカヒレは眉をしかめた。
「ああ、似合うよ。」
レオも照れていた。
「ありがとう・・・。」
そして抱きついた。カニとフカヒレは口をあんぐりと開けて驚いた。
「しばらくこのままにして・・・。」
カニはあきれたようにこう言った。
「レオ、いちゃつくのは構わねーが・・・ちゃんと仕事してくれよ?」
「わかったわかった、ちゃんとやるよ。」
「・・・・ちきしょー・・・」
フカヒレはまた部屋の隅で泣いている。
「じゃあ始めるとするか。」
654 :
区区22:2005/11/29(火) 01:24:16 ID:joe+1suS0
「しっかり働け。」
そしてメイド喫茶の手伝いを始めた。仕事を始めるとエリカはまじめに働いた。いつも
のお姫様オーラが発していなく非常の柔らかい感じで接客してるため注目の的になってい
た。
「・・・・なあレオ、姫なんか今日変じゃねーか?」
「そっ、そうか?」
レオはドキッとした。
「なんかさ、いつもより柔らかいというか・・・・性格が反転しているというかなこれ?」
(相変わらず鋭いやつだ。)
「だってよー、あれ見てくれ。」
そこにはエリカが注文を受けている姿があった。いつもならツンとした態度で行ってい
るはずだが、今日は優しい表情でまるで相手に尽くすような感じで行っている。お客さん
も鼻の下を伸ばしてデレーとしている。
「あのプライドの塊の姫があんな事するはずがないぜ。」
『あっ、申し訳ございませんご主人様。』
「うわっ、姫があんな事喋った!」
『ありがとうございます、またお越しくださいませご主人様。』
そしてそのお客はすぐるに行列の後ろに並んだ。
「あの客もバカだなー。」
「・・・お前に言われたくないと思うぞ・・・・。」
レオは心底思った。
「しかし姫の事調教したのか?おめー。」
「そんなことできるわけが無いだろ。」
「そだね、チキンのレオがそんな度胸あるわけ無いもんね。」
「そんな事よりもお前も働け。」
「で、実際のところどーなのよ?」
カニが興味心身で聞いてきた。
「別に、エリカがメイドになりきってやると言っただけだよ。」
レオはそう答えた。しかし彼は、こんな理由でカニが納得する分けないと思った。さて
どうやって言い訳しようかと考えたとき・・・。
655 :
区区23:2005/11/29(火) 01:25:48 ID:joe+1suS0
「へーそうなのか。」
あっさりと納得した。レオはこけそうになった。
「まあそういうことなんだよ、だからみんなにもそう伝えてくれ。」
「ん、分かった。」
エリカはその後も丁寧に接客した。客が来てオーダーをたくさん注文し、それに慌てふ
ためく姿に皆はデレーとした。又、転んでカップを割ってしまう姿に癒される客も出現し
た。そのおかげでわざと難解なオーダーを頼んだり、脚をひっかける客も出現したとか、
それにより有志の間で“霧夜エリカを守る会”も発足したとかしないとかいろんな伝説が
生まれた。
当然他のクラスメイトはエリカを不思議に思ったが、レオの説明とカニが皆にそう伝え
たためあまり騒ぎにはならなかった。
とにかくメイド喫茶は大成功した。
その後皆で片付けをして教室を掃除した。
そして竜鳴館高校の文化祭は無事閉幕したのである。
余談だがエリカはメイド服をレオの家に持って帰ってもいい?と本人に聞いて、丁重に
断られたそうだ。
656 :
区区24:2005/11/29(火) 01:27:44 ID:joe+1suS0
―6―
次の日レオはエリカを連れて生徒会執行部に向かった。
祈先生が魔法の解除をしてくれるからだ。
先に来てしばらくすると祈がやってきた。
「対馬さん、霧夜さんおはようございますわ。」
「おはようございますは先生。」
「・・・・・おはようございます。」
祈は嬉しそうな顔をしていた。
「先生、なんだか嬉しそうですけどなにかあったんですか?」
「いえいえ、ただ占いの売上が思ったより多かっただけですわ。」
「あの悪質なキャッチ何回ぐらいやったんですか?」
レオはあきれた顔をしてそう聞いた。
「悪質なキャッチとは失礼ですわ。」
「まあ乙女さんにばれないようにしてくださいね。」
「大丈夫ですわ~。」
「ではそろそろ解除をお願いします。」
「分かりましたわ。」
そう言うと祈は持ってきた鞄の中から色々な道具を取り出した。
そして床に魔方陣を書いた布を広げテーブルの上にあのペンダントを置いた。
「この上に霧夜さんを立たせてください。」
「分かりました、エリカこの上に立ってくれ。」
「立ったらキスしてくれる?」
「ああするよ、だから立ってくれ。」
そしてエリカは魔方陣の上に立った。それを確認すると祈はなにやら呟いた。
「・・・・・・・・!」
次の瞬間エリカの体が光った。そしてその光はペンダントに吸い込まれていった。
「・・・成功ですわ。」
「ありがとうございます先生。」
|ω・´)シエーン
658 :
区区25:2005/11/29(火) 01:29:14 ID:joe+1suS0
「ところで対馬さん、逃げたほうがよろしいと思いますわよ。」
「どうして?」
「性格が反転しているときの記憶はなくなるわけではありませんから。対馬さんがした事
もされた事も霧夜さんは全部覚えていますわよ。」
レオはぎくっとした。
エリカの目は優しい目つきからいつもの強気な目つきに変わっていった。
それからけろっといつものエリカに戻った。レオを見つめるやいなやその顔は赤く変化
し、わなわなと震えだした。
レオはまずいと思いその場から逃げ出そうとした。
「待ちなさい。」
「いや今日は乙女さんの練習に付き合わないと・・。」
「そんなわけなないでしょうがぁぁぁぁぁ!」
レオは執行部から逃げ出そうとした、しかし一瞬エリカの腕の方が早かった。
がしっとつかまれてレオはびくびくした。
そしてエリカはレオの上着をたくし上げた。そこには無数のキスマークがあった。それ
を見てさらに顔を赤くした。自分がこれをつけたことを思い出すとますます赤くなった。
羞恥と怒りが入り混じってエリカの頭の中で何かが切れる音がした。そしてその怒りの
矛先はレオだった。
しばらくいて執行部のソファーにはかつてレオと呼ばれていた男の残骸が転がっていた。
隣には少し冷静になったエリカがそっぽを向いて座っていた。
因みに祈はさっさとペンダントを回収して去っていた。
「ごめんねエリカ。」
「普通ならあんな事しないからね!」
「分かっているよ。」
レオが疲れたような声でそう言った。そこで初めてエリカはレオに全く非が無い事に気
が付いた。しかし恥ずかしくて声がかけられなかったのである。
「レオ・・・・ひとつだけ聞きたいことがあるの。」
「何?」
659 :
区区26:2005/11/29(火) 01:30:11 ID:joe+1suS0
「どうして私があのペンダントで性格が反転しているときに、な、何もしなかった・・・
の?」
レオはきっぱりと答えた。
「あれはエリカであってエリカじゃないからだ。いわば正気を失っているようなものだか
らそういう時にするのは男として最低だ。だからしなかった。」
そうレオが答えたときエリカは嬉しさでいっぱいになった。
「ま、まあ少しやりすぎたかもしれないから手当てしてあげるわ。」
「ありがと。」
口ではきつくいっているが心の中はものすごく感謝していた。しかしそれを口に出せな
くてもどかしい思いでいっぱいだった。
そしてレオに聞こえないようにこう呟いた。
(レオ・・・・・私は貴方を好きなってよかった。)
レオは優しく手当てされていた。
「最後にレオ、もう1つ質問させて。」
「何?」
「今の私と、昨日の私・・・・どっちがいい?」
そう言った時エリカは思わず目をそらしてしまった。
レオは優しい顔つきになってこう答えた。
「俺はエリカが好きだ。だから今のままでも昨日の感じでもそれがエリカの本当の気持ち
だったらどちらでもいい。どんなエリカでも俺は受け止め自信はある。」
レオはきっぱりといった。
エリカは思わずだきしめてレオにキスをした。
「ありがとう・・・・レオ。」
エリカはレオの胸に顔を埋めた。
「今度から貴方の前だけはもう少し優しくなるわ。」
「・・・・ありがとう。」
レオはこの女性を好きになって本当によかったと思った。
そしてこれからもエリカを助けていこうとより一層思ったのである。
秋の空はどこまで晴れわたり、まるで2人の心を示しているようであった。
END
660 :
区区:2005/11/29(火) 01:33:30 ID:joe+1suS0
ようやく投稿終った~
前に言ったとおり性格反転ネタ書きました、しかし結構長かったなあ・・・・・
支援して下さった皆さんどうもありがとうございます。本当に助かりました
また次のスレ立つあたりにSSを投稿しようと思います
後何かネタあれば書いてください、書いてみようと思いますので
次はギャグでも書こうと思います
ではまた
_ ∩
( ゚∀゚)彡 デレ姫!デレ姫!
⊂彡
>>660 ホントGJだぜ!!コノヤロウ!!
あえて死語使っていいかな??
今日私は萌え死にました
_,,..,,,,_
./ ,' 3 `ヽーっ 享年21歳
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
>>660 姫デレキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
しかしこのレオ君は気持ち悪いくらい紳士だな。
GJ乙!
最高に萌えた萌え尽きたよ…
姫の長編乙~
ゲーム本編でもデレがもう少しあれば、もっと好きになってたんだがなぁ…
いつ捨てられるかでもうビクビク…
姫みたいな娘に「捨てないで…」って言わしてみてぇもんだ(byミスチル
そんな俺はドS
>>667 ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ナカマー!
くぅぅ、姫屈服させてぇ、ヌコ耳つけてぇー
でも、そーゆープレイには興味ナス (´・ω・`)
>>668 自分もそっち派ですw
真面目に言うと愛があるプレイが一番いい
でも本当はプレイも何も、好きな人といつでもイチャイチャできればそれでいいんだけど。
ただその人が完璧な女性であればあるほど征服欲、孕ませ願望が凄くなる…
これ以上は危なくなりそうなんでやめとこ。
もう寝るか…
ただ今夜ハッキリした俺の属性をメモ。
・バカップル万歳
・強気っ娘屈服
・童貞×処女(浮気はありません)
・孕ませ(つよきすと関連性無し)
姫になごみん(+カニ)の性格も入ってたら本当に完璧なんだけどな…
あ゛ー!デレ姫孕ませてえぇぇぇーーー!!!
(壊れ気味に終了。ただ気持ちはわかってくれ。)
遅くなったけどGJ!!
みんな、毎回俺の睡眠時間を削ってくれて
ありがとう(´Д`)
>>660 ( Д ) ゜ ゜
何だこの激しく萌えまくる姫は…
GJでした。
673 :
KENZ-C:2005/11/29(火) 20:21:14 ID:albhatwj0
「無人島修行のウラ」に続き、新SSを投下!!
「キャー、鉄センパーイ!」
「鉄先輩!!」
校門の前で拳法部の後輩と、女子たちが乙女さんの周りに群がる。
それだけの人気があったという事だ。
「では、村田。後のことは頼んだぞ」
「押忍!! お任せ下さい!」
竜鳴館卒業式。今年も3年生が去ってゆく。
村田のヤツは拳法部主将になった。風紀委員にもなっていた。
責任感の強いヤツなら、まあ何とか大丈夫だろう。
それにしても男女問わず、すげえ人気だ。女子からもラブレター貰ってたぐらいだし。
にしても、コレじゃいつまで経っても乙女さんの傍には行けない。
乙女さんの困惑した顔が少しだけ見えた。
(仕方無い。無理矢理行くか)
人だかりに突っ込む俺。もうすぐ乙女さんのところに出れそうだったが、拳法部の奴らが群がっていた
のをすっかり忘れていた。
屈強な拳法部に太刀打ちできるわけが無く、つぶされる俺。
諦めてたまるか!(熱血モード)
火事場のクソ力で突っ切った。やっと出たと思ったら後ろから押される。
「うわっ!」
倒れるかと思ったが人に捕まることができ、何とか助かった。
でも両手に何か柔らかい感触。
ごごごごごご!
乙女さん+拳法部一同の怒りの炎が燃え盛る。
「アノ、コレハフカコウリョクデシテ」
片言ニホンゴ。
「レオ、、人前で恥かかせるとはな……」
「対馬ぁ。なんてうらや……ゴホンッ、いかがわしい事を~」
ちょっと、話し合おうよ…ね?
生徒たちが帰路につく中、校門脇の木に垂れ下がる布切れが一枚。
正しく言うと、乙女と拳法部一同の一斉攻撃により絨毯爆撃の犠牲者の様になってしまったレオ。
そこへ、一人の女性が。
その女性はレオを軽々と肩に担いで並木通りを歩いて行った。
そして夜。
「すまなかった」
私は未だに気絶しているレオに添い寝して顔を撫でた。
あれぐらいの事で腹を立ててしまうとは。まだまだ人間としての修行は足りないという事か。
レオが私を嫌いになってしまうのではないかと不安になってしまう。
(どうか私を嫌いにならないでくれ…)
私はそのまま眠りについた。
外が明るい。朝だろうか。俺は体を起こそうとしたが激痛が走った。
(そういや、昨日…)
昼間からずうっと寝てたのか。目を開けると乙女さんの胸の中に俺は埋もれていた。
乙女さんの体から顔を離し、顔を見た。まだ寝ているらしい。
乙女さんの目からは涙が流れていた。
「レオ……嫌いに…ならないで」
寝言とはいえ、すごく女らしい台詞に思えた。
(嫌いになれるワケがないだろ?)
涙を拭い、額にキスをしてから乙女さんの再び胸の中で眠りについた。
大好きだよ。乙女さん。
後日、
「私も揉んでみたかったな~」by 姫
676 :
KENZ-C:2005/11/29(火) 20:29:52 ID:albhatwj0
どうもKENZ-C(けんずぃしー)です。
このSSは見ての通り、アフターストーリーです。
ちっと誤字があったのは不覚。
これからも出していきます!
310 :名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 21:17:19 ID:OTkhRiwM0
从;;,,火;,,人, , ,,,;;;;; 从
て:´ `: .``:.人;'/,,;ヾ ⌒,.;・;
(´'" ;:"' `~;、 ,,;:・;; ,,)"'
;..;;,::,..~"⌒ヽ
>>293,, ろ;;, ゙;`(´⌒;;:
、,; ,,;;`゙゙' (´:(´;⌒;从;;人;;;⌒`),゙. :::''"
゙;"(´⌒;(´∴人;;ノ;⌒`)",.;・;;:ζ,,;;"' ∵
(,,;;:";;: (´⌒;;:(´⌒;人;;从;;;;:人;;:.`)";
`(´(´⌒;;从;;ノ;;⌒`);";⌒`)`)⌒゚:;"'' そ _ 成敗!
'´, `ヽ
========!iとエiニf从从リ
`(i '"ワノii
l⌒l允{ヾ)
〈坐〉人ヽつ.:.:.:::.:.:::.:.:.:.:.:.:.:.:.
>>676 少し弱気(?)な乙女さんGJ!
良く考えたら制裁受けるたびに
そのくらいのダメージ負っててもおかしくないんだよな
てか風紀委員って既に各学年にいるんじゃ無かったっけ?
679 :
KENZ-C:2005/11/29(火) 21:58:11 ID:albhatwj0
>>678 言われてみたらそうだったかも
orz
勉強せねば
次は姫のストーリー書こうかな
>>660GJ
どう見ても祈ちゃんが誤用的確信犯なわけだがw
>余談だがエリカはメイド服をレオの家に持って帰ってもいい?と本人に聞いて、丁重に断られたそうだ。
これはレオがメイド服の持ち込みを拒否したってことかな?
>>679GJ 旧乙女のココロってあったっけ?
無人島修行の裏ってあれで終わりなの?
681 :
区区:2005/11/29(火) 23:41:41 ID:joe+1suS0
>680
そのとおりです、レオはこのときなにやら不穏な気配を感じましたから。
因みに持って帰っていたら(+18)な甘甘な展開になりますw
皆さん書き込みありがとうございます、感想嬉しいです。
明日から何ぞ書き始めます
ではまた
682 :
KENZ-C:2005/11/29(火) 23:49:07 ID:albhatwj0
無人島は終わり
あれは修行の裏でのよっぴーの行動を予想したに過ぎず、私の妄想。
「新乙女のココロ」というのは本編エンディング(乙女のココロ)のアフター
「新」ではなく別のタイトルにすべきだったか。盗作になってしまうか?
これは自分なりに考えてみたエンディングということで勘弁
683 :
名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 00:49:28 ID:1zgTkmvyO
よっぴーたまらん(*´Д`)
午前の家事も終わってお昼の準備を始める前に、
居間で雛乃姉さん、ともねえと俺でお茶を飲んでまったりしていると、
急に背筋がぞくぞくっと寒くなり、体が震えた。
「むっ、くうやよ、風邪でも引いたのか?」
「いや、そういうわけじゃあないんだよ。なんか嫌な予感がしたんだ。」
「い、嫌な予感?」
「うん、なんかもうそろそろ面倒の種がやってくるような予感・・・」
と言い終わらないうちに、玄関先から居間までよく通る声が響く。
「チャオー☆空也ちゃん!あっそびーましょっ!」
「この声は、帆波さんかな?」
「そのようであるな。」
「・・・こんな休日の早い時間、って言ってももうすぐお昼だけど、
ねぇやが起きてやってくるなんて・・・。何かあるな。」
とは言ってみたものの、このままねぇやを玄関に放置しておくわけにも
行かないので、ともねえが迎えに出た。
玄関のほうからねぇやの声だけが響いてくる。
「あらっ、巴ちゃん、今日も健康そうでいいわねっ。」
何だあの近所のおばさんみたいな台詞。
間もなくともねえがねぇやを居間まで誘導して来て、
「す、座っててください。お茶、入れてきます。」
と言って台所に引っ込んでいった。
ねぇやは居間に入るなり、雛乃姉さんに元気に挨拶をする。
「おはようございますっ!雛乃ちゃん。」
「うむ!おはよう。元気の良い挨拶だなほなみよ。遠慮せずに座るが良いぞ。」
・・・人に気に入られるような事は覚えるの早いんだよな。ねぇやって。
座布団の上に座りながらちらりとこちらを見るねぇや。
「空也ちゃんも、チャオ☆」
「おはようねぇや。ねぇやにしては珍しいんじゃない?
休日の午前中に、しかも歩笑ねーたんが家にいないのに起きてるなんて。」
今、ねーたんは四日ほど前から三泊四日でどこぞに新作のための取材旅行に行っていて、
ここ三日ほどねぇやは家で一人だったのだ。
晩御飯などはウチに招待したりはしてたんだけど・・・。
「そーなのよ!今日はそのことで相談があって来たのよン。」
・・・やっぱり、相談事があったんですか。
「ほら、今日の夕方に歩笑ちゃん帰ってくるじゃない?
で、歩笑ちゃんは家を出る前、私にちゃんと部屋を片付けて置くようにって
言って出て行ったんだけど・・・。」
「ちゃんとやってない、だからねーたんが帰ってくる前に手伝ってほしい、と。」
「あら、ワタシがここまでしか話してないのに、よくわかったわね。」
いや、ねぇやの性格と今の話の流れから考えれば、姉貴でもそのくらい想像つくよと、
これは心の中にとどめておく事にした。
「一人で片付けられないほど、ひどい状態なのか?」
「いや、雛乃姉さんはねぇやがどのくらいものぐさかよく知らないから、
そんな事がいえるんだよ。」
「ふむぅ!それはけしからんな・・・。」
むぅと眉をひそめる雛乃姉さん。
それにあわててねぇやが反応する。
「まっ、まぁまぁ!雛乃ちゃんのお説教はとりあえず事態が収拾ついたらご拝聴するわネ。」
「で、あと何時間ぐらいで、ぽっ、歩笑ちゃん、帰ってくるんですか?」
お茶を持ってきたともねえが話に加わる。
なぜかねーたんの名前を言う時に顔を少し赤らめていた。
「そうねぇ、さっき電話で午前中はもうちょっと取材して、
午後の三時ぐらいに新幹線乗るって言ってたから・・・だから・・・
あと七時間ぐらいかしら☆」
とびっきりの笑顔でねぇやが答える。
「・・・流石に七時間もあれば何とかなるだろうけど、
ともあれ膳は急げだ!行くよねぇや!」
「あン!まだお茶にてつけてないのに、空也ちゃんったら強引!」
俺はねぇやの手を引っ張って急いで犬神家へ向かった。
深淵
支援だ、このやろう。
ねれなくなっちまったジャマイカ
ねぇやが玄関の戸に鍵を指して、ガタガタやっている。
「どうしたの?鍵が壊れたとか?」
「おっかしーわね。鍵は開いたはずなんだけど、開かないのよ。」
「えっ?ちょっと貸してみて。」
ねぇやにどいてもらい、俺が戸の前に立って取っ手に手をかける。
戸を横に滑らそうとするが・・・
「ほっ!やっ!・・・びくともしないよ。」
「何か得体の知れない存在が、向こうから開かないように抑えてるのかもしれないわね。」
「何その微妙におっかない発言。」
「しょうがないわね・・・お勝手から入りましょう。」
早速家の裏手に回り、勝手口の鍵を開けるねぇや。
ねぇやがドアを開けた瞬間、ボトボトとドアの内側からものがあふれてきた。
勝手口から台所の中を覗くと――
「何で台所の床が物で埋まってますのん?」
台所の床が様々な物であふれんばかりに覆われて見えなくなっていた。
足の踏み場もないというのはこう言うことを言うんだな。
「ちょっといろいろ遊んだり怠けたりしてたら、こうなっちゃったのよ。
って言うか、ワタシもこの家にこーんなに物があるなんて、びっくりだわ☆」
「まさか家中こんな調子なんじゃ!?」
不安になった俺は勝手口から家の中に入り、台所を抜けてリビング、
それから家中を回るが、どこもかしこも物が落ちてないところが無かった。
玄関にいたってはスキーのストックがつっかえ棒の様な形になって戸に引っかかっていた。
玄関で途方に暮れていると、追いついてきたねぇやが後ろから
「あン、そのストックはね、今度の歩笑ちゃんのお仕事が終わったら、
一緒にスキーにでも行こうかと思ってイメージトレーニングしてたのよ。
勿論、その時は空也ちゃんも一緒よ☆」
呆れてものも言えない。
「・・・ねぇや。」
「何か知らン?」
「ねぇやの部屋だけならまだしも、
何で家中がこんなに物で埋まってるの!?」
「だってー、片付けるの面倒くさいしー。
いつもは歩笑ちゃんがやってくれるんだけどねー。」
情けない。
ねぇやは前々から面倒くさがりだとは知ってたけど、
今回ほど情けないと思った事は無い。
コレはやはりねぇやには今日、この掃除をやり遂げさせないとダメだな。
「ねぇや!」
「なっ、なによぅ。」
「ねぇやは玄関から片付け始めて!俺はダイニングから始めるから。
七時間あれば十分かと思ったけど、家中となるとぎりぎりかな・・・。
兎に角!始めっ!」
「は~い。」
やる気のなさそうな声を上げたねぇやがしぶしぶ動き出したのを確認して、
俺はダイニングへ向かった。
ダイニングで俺は、まず落ちてる物をあるべき部屋ごとに分類し、
とりあえず床が見えるようにする事に。
なぜダイニングに便所のすっぽんが・・・。
いろいろとダイニングに不釣合いなものが床に落ちていたりしたが、
床が見えた後はごみを掃除機で吸って、床を雑巾で拭いた。
三十分と言う奇跡的なスピードでダイニングの掃除を終えた俺は、
そのまま隣のキッチンの掃除を始める。
流しに溜まった出前のどんぶりなどを洗い、片付けに拭き掃除。
こちらも三十分ほどで終了。
さすが俺、普段柊の家で鍛えられてるだけある。
さて、ねぇやは玄関のほううまくやってるかな。
玄関を覗くと、ねぇやがこちらに背を向けた形でしゃがみこみ、
なにやら考え事をしているようだ。
辺りを見ると、全く片付いてない。
片づけが進んでないのに考え事とは、よほど重要な事を考えているのだろう。
「ねぇや、何考え込んでるの?」
ねぇやのすぐ後ろに立つと、かがみこんだねぇやの目の前に、
下駄箱の中の靴がほぼ全部が玄関に並べられているのが見えた。
「あら、空也ちゃん。あのね、靴の整理から始めようと思ったら、
靴を見ているうちに買った時の事とか思い出しちゃってねー。
ついつい感慨深くなっちゃったの。」
俺はあくまで笑顔を崩さずに話を続ける。
「へー。わかるわかる。買った時のことが印象深かったりすると、
そういうこともあるよね。
で、今掃除開始から何分立ったか知ってる?」
「そうねぇ・・・十分ぐらいじゃないかしら?」
「六十分だよ!一時間かけても、ぜんぜん片付いてないじゃない!」
「えっ、まさかー。空也ちゃんったら、冗談がうまいのねっ。」
と言いながらも少し表情が驚いているねぇやが携帯電話を取り出し、
ディスプレイに表示されている時計を見て飄々と言う。
「あら、ホント!
でも今十二時七分で区切りが悪いから、半まで休憩しましょっ。
ワタシも、それからがんばるわねっ!」
俺は――キレた!
「ねぇや!」
「ひぃっ、おっ、驚かさないでよ空也ちゃん。」
「俺はねぇやはタダの面倒くさがりなだけで、人には害を及ぼさないから
今まで黙認してきたけど、今回ばかりは説教させてもらうっ!」
「やだ~。お説教きらーい。」
こそこそと逃げようとするねぇやの両肩をつかんで、
ねぇやにドアップで訴えかける。
692 :
名無しさん@初回限定:2005/11/30(水) 01:22:08 ID:JI7eP0UQ0
「ねぇや!戦わなくちゃ、現実と!」
「うぅぅ・・・」
「ねぇやはいつもいつも『明日からがんばる』とか
問題を先延ばしにしようとするけど、俺はあえてこう言う!
『明日って、今さ!』
それに今のこの状態でねーたんが帰ってきたら、
結局はねーたんが家中片付ける事になるでしょ!?
疲れて帰ってくる妹に、そんな仕打ち出切るの!?」
「空也ちゃん、痛い・・・。」
気が付くとねぇやの肩を思いっきり力を込めてつかんでいた。
「あっ、ご、ごめん、ねぇや。」
あわてて肩をつかんでいた手を離す。
「ううん、確かに空也ちゃんの言う事も正しいわね。
ワタシ一人が面倒くさいのは人に迷惑かけないけど、
面倒くさいからって歩笑ちゃんにまで迷惑はかけられないわ。
やっぱりワタシ、今からがんばるっ!」
ねぇやがガッツポーズをとり、気合を入れた。
やっぱりねーたんの話を出したのが利いたのかな。
何だかんだ言って、妹思いなんだよな。
早速玄関の片付けに着手したねぇやがふと俺に振り向いて、
「でも、ワタシにお説教かました罪は重いわよ~。覚悟しておいてねっ。」
・・・やはり何か理不尽だ。
その後ともねえがおにぎりを差し入れしてくれて、
そのまま手伝ってくれる事になった。
その甲斐あってか、ねーたんが帰ってくる予定の
二時間ほど前には家中が何とか片付いた。
「やっと終わったわね~。まさか我が家がこんなに広かったとは思わなかったわ。」
「何とか終わって、よ、よかった。
まだ、歩笑ちゃん帰ってくるまで、時間ありそうですね。」
「そうだね。ねーたん帰ってきて俺達がいたら気を使わせそうだから、
明日になったらまた来るよ。ねぇや。」
ともねえが先に玄関から出て行き俺も靴を履くために玄関にしゃがみこむと、
ねぇやが玄関まで見送りにやってきた。
「空也ちゃん、今日はいろいろ、ありがとうねっ☆」
「いいよ。姉弟じゃない。いつでも呼んでよ。」
「じゃあ、今度から私の部屋片付ける時も、手伝ってね。」
「それはダメです。」
「み~み~。」
「そんな風に鳴いてもダメです。」
「ふん、空也ちゃんのケチンボ!」
そう言いながらも俺を見送るねぇやの表情は、達成感にあふれていた。
「ほぅ、それは大変であったなぁ。」
柊家に戻ってみんなで夕食。
俺とともねえから報告を受けて、雛乃姉さんが感心している。
「あは、で、でもずいぶん散らかってたから、良い運動になったよ。」
ともねえ、何気なく酷い事言ってますから。それ。
「それにしてもあの女、自分の部屋ばかりか家までもごちゃごちゃにするとは。
自己管理がなってない証拠ね。」
「かなめよ、そういいながら野菜を端によけるお前もどうかと思うのだが。
ほれ、コレもそれもあれも食べよ。農家の方に申し訳が立たないだろう。」
「厳しいんですね・・・姉さん。」
雛乃姉さんと姉様のいつものやり取りで場が和んだ時、
玄関からのよく通る声が居間に響いた。
「空也ちゃ~ん、たすけて~。」
「この声は、帆波!」
「どっ、どうしたんだろう?」
「俺、出てくる。」
箸をおいて玄関まで走り玄関の戸を開けると、
ねぇやが眉毛をハの字にして抱きついてきた。
「うわっぷ、どうしたの!?」
「たったさっき歩笑ちゃんが帰ってきたんだけど、部屋が汚いって怒られたの。」
「そんなはずは・・・だってあれだけ片付けたじゃない。
・・・まさかねぇや、この二時間で部屋、散らかしたんじゃないだろうね?」
「ワタシは普通に歩笑ちゃんの帰りを待ってただけなのっ。
毛布に包まってお菓子を食べ食べ音楽聴いて、
何冊か雑誌読みながらオンラインゲームしてただけなのにー。」
・・・ねぇやがこの二時間でどのくらい部屋を散らかしたのか想像にたやすい。
何だか今日の努力があまり報われて無いようで力が抜ける・・・。
「それはねぇやが悪いです!って言うかいい加減俺を放して。」
「ウウン!空也ちゃん冷たい!」
「いや、こんな抱きつかれてるところ、姉様にでも見られたら・・・。」
「あら、空也楽しそうじゃない。帆波とイチャイチャできて。」
俺の背後から要芽姉様の氷のような冷たい声が聞こえた。
かろうじて首を回し振り返ると、姉様が手に持った箸を片手でバキバキと折っていた。
姉様の周りの空気がぐにゃりとゆがんでいるのが見える。
「アラ、要芽ちゃんチャオ!」
「なぜお前がここにいる。」
「あン、要芽ちゃんまで冷たくしなくて良いじゃない。」
「目障りよ。とっとと消えてくれないかしら。」
姉様から放たれる殺気が一段と強くなった。
やれやれ、今夜はまだまだコレから一波乱有りそうだな。
698 :
SSD:2005/11/30(水) 01:32:37 ID:Y3YUVMwJ0
ねぇやはあまり書き慣れないので避けていたのですが、
ねぇやを求めて死にそうな若人がいたのでがんばってみました。
苦手な人でももうちょっとすらすらと書けるようにならないとダメですね。
しかし何とか形になったので、自分を褒めてあげたいです。
支援ありがとうございました。m(_ _)m
SSDさんGJ
姉2にふつーにはいってそうなお話よね。
ねぇやルート以外はだめ人間だからw
だが、寝る前にここ覗くのはもうやめにする。
gj
SSDさん、相変わらずGJです!!!!!
これからも投稿よろしくお願いしますね。
期待しております。
GJ。いやこれで苦手なキャラなんですか?
寝る前に覗くのはやめた方がいいのは同意wでも無理なんだろうな…。
ちきしょう、SSDさんめ…
GJだぜっ!!眠れないから勘弁してくれよ…
と、嬉しい悲鳴をあげてみるテスト
勢いに乗って書いちゃったじゃん!超短いけど投下しちゃう!
しばらく傍観するつもりだったのに…
しかしそれがきゃんでぃそふとクオリティ
「ようレオ、遊ぼ~ぜ!」
「カニ…お前窓から入ってくんなと、何度言えば分かるんだ?」
「え~、めんどくせ~じゃん!そんなんどうでもいいから何かしようぜ」
この甲殻類は全く…
んっ、今日は確か…よし、いっちょからかってやろう。
「おっ、新しいゲーム買ってんじゃん!」
カニはゲームに没頭し始めた。今がチャンスだ。
俺はカニを後ろから抱きしめた。
「うえっ、いっ…いきなり何すんだよっ!」
カニはビックリしたように叫ぶ
「きぬ、好きだ…」
何故か俺がドキッとした。
「お前名前で呼ぶなって…えっ!?」
「お前が好きなんだ」
「ちょ、レオおめ~何言ってんだ!?気でも狂ったか!?」
「俺はマジだぜ」
「すっ…好きって…。おめ~がボクを…か?」
「あぁ、そうだ。ずっと好きだった」
カニはゲームをする手を止めて顔を真っ赤にしていた。照れてんのか、こいつ?
「んなこといきなり…っつ~か、…その…」
「お前はどうなんだ?俺のこと…好きか?」
その質問に、カニはさらに顔を赤くした。まるで蟹だ……あれ?
「で、どうなんだ?お前の気持ちも聞かせて欲しい」
「んっと…えっと……。ぼっ、ボクは…レオ…のこと…えっと…」
困ってる。やべ、おもしれ…。
「レっ、レオのこと…ボクも…」
「ボクも…何?」
目まで潤んできやがった…。風邪でもひいてんのか?
「ボクも…、すっ…好き…だよ…」
はぁ?こいつ何言ってんだ?もしかして、バレてたのかよ…。
俺はカニの頭にチョップした。
「ば~か、嘘って分かってんなら止めろよな」
「いたっ、てめ~何すんだ…って…うっ、嘘?」
「当たりめ~じゃね~か。今日、何月何日か言ってみろ。
お前も嘘って分かってたから『好き』なんて言ったんだろ?」
「今日…は、4月…1日…」
カニがはっと息を呑んだ。
「じゃ、じゃあ…好きって言ったの嘘…なの…か?」
「はぁ、何言ってんの?お前、まさか本気で俺のこと好きなのか…」
俺はぎょっとした。カニは目に涙をためていた。
「お前、泣いてんのか?」
「おっ、おめ~のチョップが痛かったんだよ!
ってか、泣いてない!泣いてないもん…ね」
カニはとうとうボロボロと涙をこぼし始めた。
「わっ、わりぃ!そんな強くやったつもりは無かったんだが…ちょっと見せてみ?」
俺がカニの頭を触ろうとするとその手を振り払って
「さわんじゃねーよ!レオの…レオの大馬鹿野朗―!!!」
そう言ってドアをはね開け部屋を出て行った。
「おい、ちょっと待てよ!ちゃんと窓から帰れよ!…って、あれ?」
何もそんなに怒らなくてもいいじゃないか…。
そんなに強く叩いてね~じゃん…。それとも…まさか…な。
「あいつが俺のこと好きなんて、そんなことあるわけないよな」
「…ってなこと覚えてる、レオ?」
俺の横で寝ていたきぬが思い出したように聞いてきた。
「あぁ、覚えてるよ。去年の話だよな…。本当にごめんな…変なことしちまって…」
「昔の事だし良いんだけどね…。たださ、ボク本当に嬉しかったんだよ」
「分かってる…。思えば俺も、あの時位にはこの気持ちが芽生えてたんだと思うよ。
気付くのはちょっと遅れたけど、あながち嘘でも無かったって事だな」
「じゃあ許してあげるよ!あの嘘がボク達を結んだってことだからね!!
706 :
705:2005/11/30(水) 05:09:23 ID:wwiz4aKTO
こんだけです…
やっぱ傍観者になろう…
名作の後に失礼しました<(__)>
>>706 続きがあるのかと思ったが、まぁ、気持ちは伝わる。
色々書いて数をこなせば更に上を狙えるよ。
>>706 えぇ!?
何で皆こんな冷静でいられるの!!?
ミラクルヒットなんだけどコレ!
GJ!&今季の俺リーグ最優秀新人賞をやろう!!!
また書いてくれ!マジGJ!!!
>>706 くっ、回想なのか
体育祭打ち上げ後並のカニのツンが見られると思ったのに…
何だか口惜しいのでGJとは言わん!
>>706 GJだがカニがマジ泣きしてそうでちょっとかわいそう
まあ、カニだからいいけどなw
だが
>>706のSSは想像力を掻き立てられる。
普段どおり「泣いてない!泣いてないもんね!」で通すよりも
ブチ切れつつ大泣きしてるのも普段のカニと違っていいとも思った。
よし突破口が開けた!
これを機にカニSSの大量投下支援を本部に要請する!
715 :
SSD:2005/11/30(水) 12:46:02 ID:Y3YUVMwJ0
>>706氏
長けりゃ良い、短ければだめと言うわけではないと思いました。
小粒でも ぴりりと辛い 706
GJです。
716 :
706:2005/11/30(水) 13:52:32 ID:wwiz4aKTO
皆さん、あたたかいご意見ありがとうございました
色んな意見を聞かせて頂けるので、とても参考になります!
前回のが疲れたので短くしたのですが、こんなの書くのも楽しいですね!
もっと構成力をつけて頑張りますので、よろしくお願いします<(__)>
ネ申たちに刺激され
もう一度
つよきすを
やってみた
新しい発見・不満の残る所・気づかなかった伏線
いろいろ出てきた
飴さん・みなさんに感謝
つよきすの蟹ルートで
蟹とレオの息合わない
↓
よっぴぃとレオの息が合う
↓
喧嘩
の流れがエヴァ(ユニゾン特訓)に見えたりした俺はどう見ても精子です
ほんとうにありがとうございました
719 :
名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 00:28:01 ID:e4o4Q11F0
乙女さんSS希望!!
~~のSS希望とかって言うのは流れと違うからやめとけ 職人さんがアンケートとったりする時は別だが。
ここの流れはひっそりと、そして投下後に狂喜乱舞が常だw
流石に今日は投下ないなw
なんせ工作板初の快挙だしな。
流石に流れ早いし。
そんじゃあ、ネタをプリ~ズ
何か一度書くと癖になるよ、コレ
みんなも一度かいてみたら?
昔はリクエストすると早いときはその日のうちにSSが来たもんだが
怖いこと言うなよ、もうお休みの時間だぜ…
ん、書き手としてはネタ投下してもらえるだけでも嬉しいな
こういうシチュエーションの話読みたいってのでも
十分ネタになります。
カップリングも良い材料ですね、レオ×スバルで!とかねw
携帯から投下しようとしているんだが・・・ そういうのはOKデスカ?
おk
ある日の放課後のこと
「なぁ、トンファー」
「どうしたカ?マナ」
「姫とよっぴーなんやけどな、あの二人なんやあやしいと思わへんか?」
「そうかネ?親友ならあんな感じだと思うネ」
「せやけどウチとトンファーはあんな感じちゃうやろ」
「私達と比べるのが間違てるネ。私達は、ただの友達ネ」
「そうやな~、せやったらしゃーないな。ってトンファー、ウチら親友やなかったんかいな!?」
「冗談だけど~、人と比べるのは間違てる思うネ」
「でもやで、胸を揉むのは姫の趣味としてもや。よっぴーも満更では無さそうやん」
「マナの考え過ぎネ。そんなに気になるなら、直接聞くヨロシ」
「なんやえらい冷たいやないか、そんな冷たくされたらウチ寂しゅうて…」
フニッ
「あいや!!!」
「どや?感じるか?」
「や、やめないカ。マナいい加減にするネ!」
「おっ、意外に大っきいやないか」
「ちょっと、あんっ、本当にやめ…」
「ん?なんや本当に感じてきたんか?声が出とるで」
「そ、そんなことあるわけ無いネ!マナも自分がされてみるといいネ」
ムニュッ
「あっ、ちょ、待ってや。ウチかて心の準備が・・・、あっ」
>>723 いくらなんでもそこまでのネ申はいねえだろ…
大喜利じゃないんだからw
キュピーン
「お二人さーん、楽しそうなことしてるわね」
「んなっ、ひ、姫!?一体どこからきたんや」
「あいや、全然気配を感じなかたネ」
「なーんかこっちの方から無視出来ないオーラを感じてね。
私抜きでこんな楽しいことしてるなんて」
「マナ、だからやめる言ったネ」
「今更そんなこと言うたかて遅いやろ。大体そっちかてウチの胸揉んでたやないか」
「あれはマナを止めるため…」
「はいはーい、痴話喧嘩はその辺にしてー」
「あっそやった、ウチ今から部活やった。急がへんと」
「マナ、親友を見捨てる気かネ?」
「ただの友達言うたんはトンファーやで。それじゃおっさき~」
姫とは反対のドアへと走る真名
「よっぴー、そっちよろしくね」
「えっ?」
ガチャッ
「ごめんね真名ちゃん豆花。私エリーには逆らえないんだよ」
「そんな…、よっぴーがそないなことするやなんて」
「二人とも、覚悟はOK?」
「「いやーーーー!!」」
>>727ではないけど携帯から
真名×豆花のが無かったようなので書いてみました
重箱の角をつつくようだけど、
豆花はちっちゃい「っ」とかは言えない筈
>>727です 今夜あたりにともねぇ関連の駄文を投下する予定
>>734 GJ。できればもっと長めにやってほしかったw
>>731 マジでいたぞ。過去ログ見てみれ。職人スゴス。
738 :
737:2005/12/01(木) 13:49:57 ID:GJCCD3eO0
ちょっwww俺IDでもGJwwww
>>734 GJ!!
その続きでよっぴーも絡めて4Pとか見たかった
>>740 そこでレオが現場に居合わせてしまって「対馬クン、み~た~な~」となり、
そして姫がパチン!と指を鳴らすとよっぴーがレオを羽交い締め。
「ごめんねぇ、私、エリーの味方だからジュルッ」
「佐藤さん、ヨダレ!ヨダレ!」
という流れでしょうか?
レスありが㌧
ブラウザで見ると思った以上にぶつぎりで読みにくいな('A`)
743 :
区区:2005/12/01(木) 22:02:17 ID:l7zDzSSS0
皆さんGJです
さあ今度は私の番ですね
では
744 :
名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 22:02:45 ID:A+GJWATiO
ちょっと前にSSネタをリクエストしてほしいと言う職人いたよね? 携帯で投下する程、能力がない俺からのリクエストです。
745 :
名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 22:04:29 ID:A+GJWATiO
遊園地ネタで面子は対馬ファミリー。カニの提案で姫が珍しく乗り気だったのでと言う設定。 神様達お願いします
>737
おまいJA$RACの人だろ
>>745 設定細かすぎね?
あと姫出すとオチが「気に入ったから買収」とかw
748 :
名無しさん@初回限定:2005/12/01(木) 22:47:34 ID:A+GJWATiO
>>747 別にここまで細かくていいんだけど…。 迷惑かけますもう重傷ですね俺。
749 :
89:2005/12/01(木) 22:56:26 ID:0cMOmDZb0
>>748 自分でよければ。少し時間はかかるかもしれないけど、挑戦してみますが。
迷惑かけたらだめですのよ
wait a pleasant time ですわ~
ありがたい話でも聞かせてやろう
いいか、職人さんたちにモノを頼むときは
謙虚に、感謝の気持ちを忘れずにだ。
751 :
422:2005/12/01(木) 23:07:26 ID:9ZA/1q9C0
今、レオ×乙女さんの娘が登場するSS書いてるんですが、
名前勝手につけちゃっていいですか?(優美清春香菜じゃないです)
どうぞどうぞ
753 :
区区:2005/12/01(木) 23:37:07 ID:l7zDzSSS0
>>751 いいんではないですか?
乙女だから「おとめ」の「め」の前が「む」だから乙夢などいかがです~?
まあわたくしの戯言は気にしなくてもけっこうですw
では
なごみママ final scene「これからの二人に」
「パパ、じゃ~~ん!どうかな?」
「おう、セーラー服がよく似合ってるぞ、ほのか」
「えへへ…やっぱりパパに褒められると照れちゃうな…」
「吼太のほうは…あ、ちょっとシワになってるわね」
「い、いいってば母さん…もう子供じゃないんだから」
「ふふ…そういう意味では、ね。でも、あなたたちはいつまでも、父さんと母さんの『子供』よ」
「?」
「そうだな…吼太、ほのか。二人は俺たちの最高の子供だよ。あんなにちっちゃかった二人が
今では中学に上がって、制服を着るようになるなんて…」
「年を重ねるごとに、どんどん幸せになっていくの。あなたたちのおかげよ。ありがとう」
「母さん…」
「パパ…」
「はは…慣れないこと言うもんじゃないな…。そろそろ入学式、行くか」
「そうね、さぁ…行きましょう、二人とも」
「「うん!!」」
(俺たちの愛する子供たちが、こんなに立派に成長しました。
これからも俺は父親として、なごみと支えあって子供たちに愛を注ぎます)
(この子たちがこれから先も、健やかに生き、幸せな道を歩んでいかれますように…)
お付き合いいただき、ありがとうございました。
まだ親としてのレオ、なごみの人生はこれからですが、とりあえず
ここで終わりを迎えようと思います。別の機会に番外編とかで、また
吼太、ほのかたちのことを書くかも知れません。
次は他のキャラでこのような1レス連載をやっていこうと思います。
よろしくお願いします。
GJ!…ってふぁいなるなんですか、残念です。
是非ともまたほのかちゃん、吼太くんを登場させてください。
>>752、753
では、勝手ながら名前つけちゃいますね。
乙女さんからイメージした奇を衒わない名前で、「凛」なんて考えてるんですけど。
週明けくらいには完成するかと。
それだと某六姉妹のお母さんになっちゃう悪寒w
>>755 今までお疲れ。楽しませてもらったよ
次回作も期待するが、時々はレオなごツインズのことも思い出して下さい
>>755 えー、終わっちゃうの…(´・ω・`)
寂しいけど本当にGJでした!
こう言うのがまた読んでみたいと職人さん達にリクエスト。
カニと姫がまだ出てないから誰かチャレンジしてみてくれ!
>>755 よっしゃご苦労さん。
続いてカニママバージョンを書いてもらおうか。
これは依頼ではない。命令だw
カニも姫も平等なのです。
…早い者勝ちですよ。(命名権とか)
〃〃∩ _, ,_
⊂⌒( `Д´) <カニママ書いてくんなきゃヤダヤダ!!
`ヽ_つ ⊂ノ
ジタバタ
_, ,_
(`Д´ ∩ <レオカニの子供とのふれあいを見たいんだよ!
⊂ (
ヽ∩ つ ジタバタ
〃〃
⊂⌒( _, ,_) <カニママバージョン書いてくれなかったら俺が書いちゃうよ
`ヽ_つ ⊂ノ
グスン
⊂⌒⌒ヽ
`ヽ( _, ,_) <zzz
∪ ∪
>>755GLORYJOB
なごみママ良かったけど年齢的にそのへんで切ったほうがいいかもなw
姫が書きたかったら姫でいいよ。
姫ママ…結婚したら姫から女王様に昇格すんのか。
女王様がプレイが好きなんだろ。
>>755はそんなんばっかりやね!
そんでもって美しく老いたなごみママもいつか書いてくれよ。
あれはいいものだ。
>>755 なごみファンとしては悲しいが、純粋にありがとうとGJを送る!
とりあえず、レオカニの子供だが、やつらは双子なのか、それとも普通に一人ずつ産まれて来たのか
そして、いつ生まれたのか? 俺の脳内設定では高校卒業間際で妊娠発覚。卒業と同時に結婚。レオ就職。
過去ログでは普通に大学に行ってる二人(レオ昏睡状態SS)やら高3の4月時点で妊娠発覚やら(レオvs館長SS)があったり、
どう設定していいもんやら。
ある程度までは他人のSSに準拠するにしても
すでに内容が矛盾するSSが多数生まれており
結局は自己責任で自己満足のいくSSをしあげて
他者の評価を待つしかないとマジレス
がんばっちくり
>>769 高校卒業間際で妊娠発覚はガチ。
在学中もアリかも試練。
子供達は絵見る限り双子ではないと思う。
レオ似のお兄ちゃんとカニ似の妹さんだな。
年は1つくらいしか違わないっぽい。
ひょっとしたら出産直後にまた種付けか。やつらめ…w
まあ双子でない可能性は高いな
でないと「そりゃ子どもも二人できるわけで」
というやりまくりの回数を意識した発言がおかしくなる
773 :
名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 03:00:46 ID:a427ttFhO
カニママってカニの母親かと思ったw
豪快母ちゃん
松笠の呂布の恋物語か
館長ぐらいじゃないと相手にならなさそうだな
俺の松笠の呂布イメージ
『鋼の錬金術師』のイズミ師匠
シケモクでくわえタバコをしていればなおよし
ふむぅ、俺はもっと豪快なおばはんキャラをイメージしてたな。
俺は、かわいいビック・ザ・武道を妄想した
48 :名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 05:32:56 ID:tHrFVspd0
>>47 【地方妖怪カニ】
(⌒``ヽ、_
} ヽ
ノ'´, `ヽ )
( !爪リリ从)ゞノ でーたーぞー!
(ノwリ^ヮ/^) . エロい子はいねがぁ!
ヽ /⌒Y ノ丿
γ (,_,ノ
i,_,ノ
|il:;⌒`)
('⌒: | i l
( ̄) l|l :;⌒`)
⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃
49 :名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 05:37:55 ID:Lv6ouOk90
よかった、俺の横で寝てるのは本物の乙女さんのようだ
なごみんは競争率高くて大変そうだな
じゃあモヤスミ
53 :名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 05:54:10 ID:tHrFVspd0
おい、もう朝だぞ、起きろ!
って、お前、まだ寝てなかったのか!
今からランニングに行くぞ、来い!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_
_ '´, `ヽ
'´
>>49ヽ |ニfノ从从リ
((ハヽ从 l ル(リ゚ ー゚ノリ
i、дT ;|i) /⊂li公i〉
ズルズル {〓〓}~~´ f_,ll_j
(;;⌒);;⌒))=- (|二二ソ (((〈_jノ
782 :
姫の日記帳:2005/12/02(金) 17:03:53 ID:tT6sZtcp0
○月○日
最近のよっぴーは非常に機嫌が良い。
いつもにこにこしているけど最近は、それに加え生気が満ち溢れているような
気がする。
よっぴーの笑顔は私の活力となるので、機嫌がいいのは歓迎するけど
それに反比例してレオの元気がない。
いや、元気がないというよりバツが悪そうというか、後ろめたいことがあり
それを隠しているというか。
何があったのか聞いても話をはぐらかされてしまう。
レオのくせに私に隠し事なんて生意気だけど少しは様子を見てあげようと思う。
私ってば恋人の鏡ね。
○月○日
今日もよっぴーの機嫌が非常に良い。
元気のなかったレオも調子を取り戻した模様。
ただ、遠くを見つめる目が気になる。元気になったというより開き直った
だけのような……。
何に開き直っているのかは分からないけど。
○月○日
乙女さんが私に話を持ちかけようとして途中でやめてしまった。
私が問い詰めても、一段落したら話すと言って結局、なんの話かは
聞くことができなかった。
そのときの乙女さんは、何か困ったを顔していたからもしかすると相談事
だろうか。
783 :
姫の日記帳:2005/12/02(金) 17:04:36 ID:tT6sZtcp0
○月○日
乙女さんが風邪をひいてしまった。
本人は平気だと言っていたが、頬を赤くして苦しそうに息をしながら
言っても説得力がない。
結局、その日は早退してもらい、家に送る際によっぴーに付き添ってもらう
ようにいった。
その言葉を聞いた乙女さんが非常に複雑そうな顔をしていたのが気になる。
そういえば、乙女さんが帰ってからたまに聞こえてきた、ブーンという音が
しなくなった。
あれは一体なんだったんだろうか。
○月○日
風邪をひくどころか乙女さんが倒れてしまった。
昨日の今日だというのに出勤してきた乙女さんは、昨日よりも頬を赤くしていた。
あまりに強く大丈夫だというから、少し様子を見ていたけど、案の定駄目だった
乙女さんは、私が世界を制する上で欠かせない大切な人。
大至急病院に搬送してもらった。私も付いていきたかったけど仕事があるので
昨日と同じようによっぴーに付き添ってもらった。
そのときの乙女さんは、前と同じように非常に複雑そうな顔をしていた。
そして、ちょっとばかり不謹慎だけど倒れた乙女さんは何故か妙に色っぽかった。
上気した頬、潤んだ瞳、こぼれでる吐息。
それに当てられたのか、私はちょっとばかり身体が火照ってしまった。
そして、それはレオも同じだったのか。私たちは二人きりになったのいい事に
その場で行為に及んでしまった。
その日のレオは凄かった。何が凄いのかは説明できないけど、とにかく凄かった。
ただ、後ろに指を入れられたのは納得いかない。嫌だって言ってるのに!
しかも、執拗に弄られたためか軽くイってしまった。
この屈辱は忘れない。覚えてなさいよ!
四円
黒い日記だ…
もう終わりか? こんじょーなs
送信しちった
とりあえずGJ
続きが読みたい。
乙女さんにバイブいれたのが誰なのか気になる
GJにするにはまだ早い
仕事は終わってないぞ
ごめん、ツンが過ぎた反省している。
続きが読みたいです。
GJなんです
よろしくお願いします
790 :
名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 21:18:33 ID:zTWno2tT0
よっぴーの黒さにGJ!
姫にばれたらどうなるかすごく気になっています。
これはアレでしょ、以前に上がってた姫エンド後のよっぴーがどうしてもレオと寝させて欲しいって言ってたSSの日記版。
ご本人か元にした別の人かは知らないけどGJ。
「ついにアンタも結婚かい。子供は知らないうちに育つもんだねぇ」
「へへっ。どうも今まで育ててくれてありがとうございました」
「それはまだ言う言葉じゃないよ。…それにしても思い出すねぇ」
「何をさ」
「アンタのように、アタシも若い時は恋をしたもんだよ」
「マジかよ」
「失礼なやつだね」
「じゃあ話してみろよ。若かった頃の話をさ」
「ちょっと話してやるとするかい。そう、あれは就職して間もない頃だったね…」
アタシが今の人と知り合う前の話さ。
ま、今のOLとやってることは変わんなかった。
頭の禿げあがった、イヤミな上司のお茶汲みとかコピーとか…
たまにセクハラされたりもしたね。
「オイオイ、そんな1秒でばれるウソつくんじゃねーよ」
「ちょっと黙ってな!」
で、そこでアタシはある人と知り合った。
その人は勤めていた会社を継ぐ立場にある人で、社員の間ではそれなりに注目の的だった。
結構もてたみたいだしね。
きっかけは合コンさね。若い社員ばかりで騒いでるうちに、アタシはその人と仲良くなった。
そのうちに付き合うようになり、アタシもあの人に完全にまいっちまった。
しかし、それは幻だったよ。
あの人はアタシを見ちゃいなかった。
何て言ったっけか…名前は忘れちまったけど、別の女に惚れていたのさ。
『素敵な女性は口説かなくては失礼に値する』とかなんとかあの人は言ってたね。
アタシはそれだけの女だったのさ。
「誰が素敵だって?」
「いちいちうるさいね、この子は!」
結局その人は、アタシのもとからあっさりと引いていった。
結婚するとかなんとか言ってたよ。
なんでも、女を手に入れるために恋敵と殴り合いまでやったって聞いたね。
その人が結婚してからしばらくしてから、アタシは今の人に巡り会ったというわけさ。
「ふーん、そんなことがあったんだ」
「ま、今となっちゃ苦い思い出さ。アンタも子供ができたら、自分の昔話をしてやりな。
結構いいもんだよ」
「そ、そうか?」
「ああ、そういうもんさね」
「…ヘックション!」
「うわ!汚ねぇなぁ、あっちむいてやれよ」
「すまんすまん。まぁ、かかったのがピーナッツだったからよしとしよう」
「よくねぇよ!」
「誰かがワシのウワサでもしているのかな?」
「知らねー」
「この前合コンで知り合った女子大生のアケミちゃんかな?
いや、看護婦のカヨコちゃんか?いやいや、もしかすると…」
「…俺、最低でもアンタみてーな大人にはなりたくねぇ」
空也キタ━━(゚∀゚)━━w支援
796 :
シンイチ:2005/12/02(金) 23:27:59 ID:lAX5wWzV0
勢いでやりました。
今はそれなりに反省しています。
>>796 勘違い支援スマソ…翔か…
GJ!ワロタ!
798 :
姫の日記帳:2005/12/02(金) 23:31:58 ID:tT6sZtcp0
○月○日
乙女さんの体調はもどった模様。
赤くなっていた頬もちゃんと元の白い肌になっている。
大きな病気などではなくて、一先ず安心。
そういえば、乙女さんがたまによっぴーに敬語を使っていた。
そうなるたびに、よっぴーに笑われてからかわれていたけれど
やっぱり、まだ本調子じゃないのだろうか。
○月○日
今日は凄いものを見てしまった。
何を見たのかって、よっぴーと乙女さんのレズシーンだった。
よっぴーの部屋に遊びにいったら、そのシーンに遭遇してしまったのだ。
よっぴーは性欲過多のことがあるから、まあ、わからないこともないんだけど
乙女さんのほうは意外すぎて思わず( д)゚ ゚な状態になってしまった。
もしかすると、私とレオがくっついていたりしていたのに影響されて
我慢が効かなくなってしまったのだろうか。
これからはちょっと気を使おう。
しかし、あのときのよっぴーはダークだった。
いや、ダークというよりダークネスよっぴー。コーホーコーホーってな感じで
呼吸してそう。
そんな二人にあてられすっかり身体の火照ってしまった私は予定を変更して
レオの部屋に行った。
その日のレオも前に劣らず凄かった……ってか、また後ろに指を入れられてしまった。
なんで、嫌だっていってるのにそっちを弄るのよ!
799 :
姫の日記帳:2005/12/02(金) 23:35:01 ID:tT6sZtcp0
○月○日
今、思えば乙女さんが敬語使っていたのは、あの情事が原因だったのね。
あの時、乙女さんはおねだりするときに敬語だったし……思い出すと
身体が火照ってしまうので、このくらいにしておく。
よっぴーが元気だったのは性欲云々のことが解消されたからだったのだろう。
他人の嗜好や趣味に口をだすつもりなどないので、仕事に支障をきたさない限り
ほうっておこうと思う。
それにあの二人のことだからいずれ、あちらから言い出すだろう。
ふふ、その時はなんていってからかってやろうかしら。
○月○日
よっぴーが元気になったのは、乙女さんの調子が変わるよりも前のこと。
同時期におかしくなったのはレオ。
様子がおかしくなる少し前のこと、乙女さんは私になにを言おうとしたのか。
一段落とはなんのことなのか。
ねぇ、よっぴー?
どうやら、あなたとはゆっくり話し合う必要があるようね……
コーホーで違うものを連想した俺クロエ
801 :
姫の日記帳:2005/12/02(金) 23:37:40 ID:tT6sZtcp0
○月○日
今日、よっぴーにそのことに問い詰めた。
すると、今日の夜、話し合おうと返された。
それは無言の肯定を表している。
ふふ、腐腐腐腐腐腐腐腐……
どうやら、たっぷり調教してやる必要がありそう。
明日のこの日記には、そのことを細かく書くことになりそうだ。
○月○日
かゆ うま
いきなり「かゆ うま」かよ!w
803 :
名無しさん@初回限定:2005/12/02(金) 23:59:24 ID:a427ttFhO
>>801 何があったんだぁ!!?答えないと支援するぞ
804 :
名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 00:12:46 ID:dXHFRZWf0
気になるーーーーーーーーーーーーーーーーー
245 名前: 名無しさん@ピンキー 投稿日: 2005/12/03(土) 00:46:59 ID:zzp5tQwsO
レオが冗談で「〇〇、別れよう」とヒロイン達に言ってみるとどうなるか?
模範解答→なごみ 「センパイ…私の事嫌いになったんですか?」と涙目で訴えられレオ撃沈。
これでSS書いたらおもしろいかも…
807 :
名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 01:10:43 ID:x1vv+kRuO
この質問、SSスレかどっちに出すか迷ったんだよ…。 こちらでも解答SS募集します!
>>801 姉しよオチかw でも楽しかったw GJ!
809 :
AKI:2005/12/03(土) 02:11:07 ID:ebSgSumt0
PC直ったー!
皆さんGJ!!
野暮なことは言わない。とにかくGJ!!
>>801 投下は明日になると思います。
とりあえず今は泥のように眠る・・・・
810 :
AKI:2005/12/03(土) 02:11:58 ID:ebSgSumt0
間違えてあげてしまった…orz
なごみは空の鍋をかき回すに違いない、そっち方面の担当はよっぴーがいるにも関わらず。
4月1日の別れ話…別に4月1日でなくてもいいけど、読みたいな
誰かがヒロイン6人分書く→フカヒレ追加→スバル追加→ついでにトンファー&マナ
トリは館長かイガグリか
眠れないな…
不眠症みたいだ。どうしよう乙女さん
ランニングしてこい。
走っていれば眠気など吹っ飛ぶ。
そうか、今から行ってきます!
ここで雑談スンナ
もうすぐで470か…
亀だが
>>805の設問を見て
その日の夜はもうハンドガンどころか、ガトリング砲並の勢いで燃え上がるレオと、良くわからないままに翻弄されるなごみ、
という光景を幻視したのは俺だけだろうか…
819 :
名無しさん@初回限定:2005/12/03(土) 17:59:19 ID:dXHFRZWf0
乙女さんは、「な、なぜだレオ私になにか不満でもあるのか?」というと思う。
へびきす
笠松 14 5862
マジレスすると、
乙女カニ姫「は? なに言ってんのお前? 頭でも打ったのかバーカ」
レオ 「いや冗談ですごめんなさい」
乙女カニ姫「言っていいことと悪いことがある。一回死ね」
レオ 「ギャース」
よっぴー「ふーん……」
レオ 「……」
よっぴー「……」
レオ 「(沈黙に耐えられずに)ごめんなさい!!」
そもそもよっぴーに対してはそんな冗談死んでも言わないだろうけど。
なごみ「はあ?」
レオ 「だから別れようって」
なごみ「……もう、一度。言って、ください」
レオ 「だ、だから…(罪悪感絶賛増大中)…ごめん今のやっぱなし!!」
なごみ「……は?」
結局全員が全員レオと別れたくないというのはよく分かったwww
祈ちゃんもなんだかんだですげー寂しそうに
「そうですか・・・まぁ、別に私達は正式に付き合ってるわけではありませんでしたしね・・・」
とか言いそうだ
フカヒレ辺りに言ったら面白そうなんだがwwww
824 :
区区:2005/12/03(土) 23:02:20 ID:Q0ZTuGbI0
そろそろ新スレ立てるべきなのかな?
>>824前スレか前前スレのスレ立ては早漏すぎて埋めるのに苦労した
もう少しガマンしちくり
残り30kb切って誰かが大作投下宣言したら新スレ立ててもいいけど
827 :
KENZ-C:2005/12/04(日) 00:11:07 ID:2vgBhpoN0
今新作書いてるんだけど、物語の収拾がつかないや
あと1週間あれば出来るかも
>>827 それでは次スレで。
おまちしておりますノシ
>>827 一週間と言わず、二週間でも一ヶ月でも、自分が納得できる収拾がつくまで思う存分やっちくり。
830 :
KENZ-C:2005/12/04(日) 20:07:12 ID:vv2ejbK00
突如思いついたSS投下。
姫と佐藤さんが帰ってから、俺はボトルシップの死を悼んでいた。
「うおおぉぉぉっ!!!」
俺は叫んだ。虚しい……。寝よう。
「あ、エリー。私、忘れ物したから対馬君の家に行って来るから!」
「忘れ物? 何を忘れたの?」
「ん、ちょっとね」
「そう? それじゃあこの辺でバイバイー!」
「じゃあね。エリー」
(大事な忘れ物…♪)
「対馬君! 対馬君!」
「ん……? 佐藤さん?」
どうやら夢を見てるようだ。佐藤さんは姫と一緒に帰ったはずだし。
「んもう! 起きてよ」
グイッと背中を起こされた。佐藤さんの顔がぼんやり見える。
「対馬君、おとといの約束覚えてるよね?」
「おととい…?」
はて? おととい? ああ野球の時か。
「私、二塁打打ったよ?」
二塁打? あ~打ってたな。
「祈先生が二塁打打ったら、その…あの~」
ポッと顔を赤くする佐藤さん。祈先生? ……あ。
『二塁打打ったらディープキス』
そういえば。まさか…
「プレゼント頂戴…♪」
まさか俺に…? まあいいか。夢だし。パックンチョ。佐藤さんは一気に舌を滑り込ませてきた。
俺の頭の中はボーっとして何がなんだか分からなくなった。
「う~ん…」
起きてみるとなんかだるかった。
「おわっ!?」
何故か俺は素っ裸で寝ていたのだ。
あとなんかシーツが新しくなってる…。
「レオー。調子はどうだー?」
乙女さんが帰ってきた。もう部屋に入ってるし。
「……」
乙女さんが固まってる。そういえば裸のままだった。
蹴られるっ。と思ったが乙女さんは黙って出て行った。
あ……。やべっ。ちょっといい夢見ちまったからかな。
「あんなに大きいのか……」
ちょっと気まずい夕食となった。
833 :
名無しさん@初回限定:2005/12/04(日) 20:10:59 ID:n5RHknjC0
私怨
次の日。
「おはよー。エリー」
「おはよー。よっぴー。あれ?」
「どうしたの?」
「なんかよっぴーが大人っぽくなったていうか…。昨日会ったのに」
「ちょっと良い物食べたからねー」
「美容食?」
「まあそんなとこ♪」
「ふーん」
あまり気にしないエリカだった。
今日顔を会わせた佐藤さんは俺に対する視線が何か違ってた気がする。
おわり
835 :
KENZ-C:2005/12/04(日) 20:15:59 ID:vv2ejbK00
エリカがボトルシップを破壊した後のifストーリーです。
あとでどうなるのかはご想像にお任せします(笑)
美容食とはつまりどう見ても精子です。
本当にありがとうございました。
……すまん…。俺は住人失格だ……。
SSよりIDが志村ばあちゃんの乳に見える事に対して笑ってしまった……。
カニママ scene0 「カニvs姫」
「突然お邪魔してごめんねー、きぬっち」
「ホント突然だな、姫。卒業式以来か。いったいどうしたんだ?」
「ンフフー。ちょっとねぇ。会合の帰りついでに近くに寄ったから」
「・・・姫、なんかたくらんでねぇか? 目が少し怖ぇぞ」
「それにしても、結構お腹大きくなったわねぇ」
「ん・・・おう。性別も分かったぞ。男の子だってよ」
「ふーん。オーガズムを感じたら男の子が産まれやすいっていうけど、対馬くんもなかなかのテクニシャンということかしら」
「さらりと下ネタをいうなよ」
「お腹もそうだけど・・・ふふふー♪ やっぱ胸も若干大きくなってるわね」
「・・・ハイ?」
「きぬっち」
「なんだ」
「揉ませて♪」
・・・・・・
「な、何をいきなり言いやがりますですか、姫! それにあんた、巨乳好きじゃなかったのかって
うおぉおぉぉ! 自分で胸小さいと認めちまったぁぁぁぁぁぁ!」
「確かに私は巨乳好きよ。これまでありとあらゆる胸を揉んできたわ! ・・・乙女先輩の牙城はついに崩せなかったけど。
しかし! 古今東西! ありとあらゆる胸を揉んできた私でも、妊婦の胸は揉んだことがないわ!
そして、揉む機会が今まさに訪れている! ここで揉まずして何が乳マニアか!」
「おぉ・・・なんて力強い演説・・・ってそうじゃねぇ! 冗談もよしてつかぁさいな! 姫がやっとボクの胸に興味を持ったのは嬉しいというか、
そこはかとなく複雑な気分だけどさ」
「断るというのね・・・」
「当たり前じゃん!」
「ふっ・・・ならばそれはそれでよし。無理やりって言うのも、私は嫌いじゃないわよ」
「上等だっ!この胸はレオのもので、これから産まれてくる子供のものだ! ハイ、どうぞ、と簡単に揉ませてたまりますかってんだ!」
「その意気やよし。遠慮なく行くわよ!」
「来やがれセクハラ女帝がぁぁぁぁ」
あとがき。
俺の脳内設定では、カニ妊娠で就職せざるを得なかったレオは
姫の紹介を受けてキリヤカンパニーに就職したことになってる。
それゆえ、このSS、胸をもませる要求を断るカニを姫がレオのクビを盾に無理矢理揉もうとするという展開で最初は書いていた。
そのあと、乙女さん乱入という展開だったんだが、あまりにも姫が黒すぎるのでやめた。
奇麗事だけではすまない覇道を進んでいる姫だから、それぐらいのことはしそうな気がしないでもないが、
なんとなく俺の中ではあわないのでやめた。
とりあえず無難にまとめてみた。反省はしていない。
続きは書くかどうかわからない。それは気分しだい。さらばだ。
>>835 >>839 GJJJJJ!!
>835
あの二塁打はよっぴースキーな俺の中ではすごい気になってたw
>>839 GJだが、形式といいタイトルといい…
「なごみママ」を彷彿とさせるんだが。
なごみママの作者はそれだけ凄かったということか
部活規格なんて地雷踏んで凹んだ俺が来ましたよ。
同じキャラ萌えなノリかと思いきや、
貢献するとやらせてくれるキャラがいるだけorz
>>835 GJだっ。そんな話もあったなーと思いだs(ry
2ベースなのに、レオ食ってるyp コワス((;゚Д゚)ガクガクブルブル
しかも、病み上がりなのに裸で放置かYO
まぁ、それを口実にまたお見舞いと称して食いに来るんだろうけどw
>>839 乙女さんが何の脈絡もなく出て来る事になりそうだから
書かないでよかったかも。
何はともあれGJだ。
>>841 同じ人なんジャマイカ?
書き方似てるし。
連投
GJ!!
ほかの人のSSを見ると癒されるわぁ…(≡∀≡)
昨日のうちに投下する予定だったけど、今日もできそうにない……
大人は嘘つきじゃないのです、間違いをするだk(ry
>>843 同じ人ではない。
前に、ヤダヤダと言ったヤツだ(
>>760>>764)
>>841 彷彿とさせるどころか、パク・・・インスパイアしたんだから。
説明文なしで会話だけで話を作るのは難しいぞ。
>>845 ちょっと照れるな。
すまん、あと十数分ほど待っててくれ
ウホォ!
今夜はお祭りの予感!?
それから
>>839GJでした!
設定はこれでよかったと思う。
姫はああ見えていい子だから友達にそんな酷い事はしないよ。
やるなら正々堂々やね。
女王の騎士 chapter1「父として、騎士として」
「勇騎は?」
「ええ、よく眠ってるわ。私の大きくなったオッパイに満足したみたい」
「ははは…出産してからまだ日が浅いんだから、無理しないでもう休めよ」
「そうも言ってられないわ。ただでさえお産前後は部下たちに迷惑をかけてきたんだし」
「みんなに負担かけたくないって思うんなら、早く仕事に復帰できるようにすることだ。
俺だってエリカほど優秀じゃないが、エリカがいない間くらいしのいでみせるさ」
「ママ、はやく元気になって。私もいい子にしてるから」
「…ほら、次期代表取締役もこう言ってるしな」
「ふふっ、リオナが跡継ぎになるかどうかは、まだ分からないわよ?」
「パパ、ゆうきを見てきてもいい?」
「ああ。起こさないよう、静かにな」
「…すぅ…すぅ…ぁぅ…」
(パパ、ゆうきがねごと言ったよ。かわいいね)
(そうだな。リオナも産まれた頃はこんな感じだったんだ)
(そうなんだ…ゆうき、はやく大きくなってね)
(さぁ、もう遅いから、そろそろ寝なさい)
(うん。パパ、あしたもお勉強、がんばるからね。おやすみなさい)
「…まだ寝てなかったのか」
「ええ。さっきリオナがおやすみを言いに来たわ。…レオ、ありがとう。
あなたが仕事でも、家庭でも、しっかり私をサポートしてくれたから、2人も子供が産めたのよ」
「忘れてないか?俺たちは夫婦なんだから、支えあって生きるのが当たり前なんだ。
エリカの為だったら、どんな努力だって惜しむもんか」
「…レオ…」
「ただ、エリカの代わりを務めてる間はリオナの面倒を見てやれない。あの子は
まだ小さいし、もっとパパやママと一緒にいたいだろうから、早く回復してくれよ」
「そうね…おやすみ、レオ。愛してるわよ」
「俺もだ、エリカ。おやすみ…」
改めまして、ただいま。
ただでさえ子供の名前まで書いちゃったんで、細かい設定は特に書きません。
(こちらであれこれ決めると、面白みが完全になくなっちゃうんで)
またよろしくです。
>>849 GJ
次は姫か。今回は双子じゃないのね
>>849 GJ!
ついに姫もママか…なぜだかちんちんおっきしたお
>>849 うおー!GJ!!!
今度の作品はエロエロな予感!
さらりとエロいこと言うからな姫。
そう言えば色に溺れる英雄じゃないがそれまで超毅然と生きてた人間が子供が出来た途端に人間味を帯びて丸くなるってよくあるよな。
めちゃめちゃ子煩悩な姫ってのも見てみたいな、娘の可愛い姿とか見てや~ん、可愛いっ♪ってなっちゃうの。
やヴぇえ、素直クールに転びそうだ・・
こんな俺は裏切り者だろうか・・・
つよきすファンディスクの次は素直クールで・・
・・ゲームが成り立たないか・・w;
姫は子供にネコミミベビー服着せたりして
「うにゃ~~~かわいいにゃ~~~~」
とか言いそう。俺も言う。
>>856 _ パシ
/´ `フ __ ヾ
, '' ` ` / ,! ;'',,_,,) パシ パシ
. , ' レ _, rミ,;' ノ )))
; `ミ __,xノ゙、,r'' ,,_,,) パシ
i ミ ; ,、、、、 ヽ、//,,_,,)/_,,))
,.-‐! ミ i `ヽ.._,,))
//´``、 ミ ヽ , ― 、
. | l ` ーー -‐''ゝ、,,)) ,'_ '´  ̄ ヽ
ヽ.ー─'´) [》ミ〈((^)))〉 イタイイタイ
iヾ(リTヮノリ
「ふむ。これが噂の『げぇむせんたぁ』というものか…」
「乙女さん大丈夫? デジタル酔いしてない?」
「あ、ああ…まだ軽い眩暈を覚えるが、幾分症状は和らいできた。
それにしても…なんという騒がしさだ、ここは」
乙女さん、祝ゲーセン初入店。
今までこういう場所とは無縁の世界で生きてきた乙女さん。
本来は俺とスバル、カニ、フカヒレ……まぁ、いつもの4人で行く約束だったんだけど、
何となく乙女さんも一緒に連れて行きたくなった。
一度ゲーセンがどんなところか、乙女さんにも見て欲しかったのだ。
当然強く断られた。しつこく誘ったら怖い顔で怒られた。
そこで事情をスバルに話すと、
「へぇ、乙女さんをゲーセンにねぇ。そりゃ俺は構わねぇよ。
よし! 乙女さん連れて来たら、俺がその日のメシおごってやるよ」
なんと気前のいいことで。
スバルが飯をご馳走してくれる旨を伝えると、散々悩んだ末、乙女さんはようやく首を縦に振った。
そこまで必死に迷うことかな?
その乙女さん。少し辛そうな表情をしてるけど、好奇心の方が強いのか、
周りをキョロキョロと物珍しそうな眼射しで眺め回している。
「…てか、いまどきゲーセンに入ったことない高校生がいるなんてねぇ」
「ひょっとしてボクが総理大臣になる可能性よりありえないことなんじゃないの?」
「いや、それはゼロだろ」
「なんでさぁ! ボクが総理大臣になったら、週休5日制を即導入実行するよ?
これなら絶対国民の皆様の厚い支持を得られること間違いなしですよ?」
「はいはい。まぁ、期待しないでその日が来るのを待っててやるよ」
スバルとカニが横で何やらワケのわからんことを言い合ってる。
…でも、実際週休5日制にしてくれるのなら俺はカニを支持してしまうかもしれん。
「レオ…『げぇむせんたぁ』はこういう類のものしか置いてないのか?
残念だが、これなら私は楽しむことはできんぞ」
困り果てた顔で乙女さんが不満を募らす。
今俺たちが立っている場所は、格闘ゲームやテトリス、更には昔懐かしのインベーダーゲームなどの、
いわゆるモニターを見ながらプレイするゲームが設置されてるコーナーだった。
…なるほど、ここらは乙女さんができるようなものはないな。
「なら、あっちだな」
スバルが親指をクイと立て、後方に向けて指し示す。
「ほらほら乙女さん、早く早く!」
「ああ、こら蟹沢!」
乙女さんの腕を引っ張って、目的の場所まで急行するカニ。
…え、誰か忘れてる?
ああ、フカヒレね。
アイツは遅刻。家出る前に電話あって、
「ああレオか? 悪いんだけど、今やってるゲームがいいところでさ、
ちょっとこれ終わらせてから行くから。
…そうなんだよ! 人気占い師の『細木カスコ』お姉様を落とそうとしてるんだけど、
コレが死ぬほど強情で傲慢な女なんだよ。でも彼女を引ん剥いてやるまで俺は――」
俺は電話を切った。
それにしても何とも身震いのする名前だ。というか、どんなゲームなんだ一体?
まぁいいや。
お陰でここに移動するまでの描写が省けた。いや、何でもない。
「おお、これはテレビで見たことがあるぞ!」
乙女さんの語気が強さを増した。少し元気が戻ったみたいで何よりだ。
透明の大きなケースの中にたくさんのぬいぐるみ。そして上には奇妙な形状の装置。
いわゆる『UFOキャッチャー』ですな。
「おいカニ、乙女さんに腕前見せてやれよ」
「ガッテン承知!」
スバルに促されて敬礼のポーズをとるカニ。そして俺に向けて小さな手の平を指し出す。
「…ん? なんだ、この手? お手でもして欲しいのか?」
「バーロー! ちげーよ、カネだよカ・ネ!」
「なんで俺?」
「コイツは社会のルールというものがちっともわかってないですねぇ!
ボクみたいな可憐なレディがおねだりしたら素直にカネを出すのが男の役目ってもんでしょうがッ!」
色々突っ込みたい。というか、今この場で馳浩ばりのジャイアントスイングをかまたしたい。
でも、乙女さんの手前ということもあり、グッと堪える。そして、カニの手の上に100円玉を置いた。
「…さてと、いっちょやっみますかね」
コイン投入口に金を入れ、カニが右腕をグルングルンと豪快に回す。
「乙女さん乙女さん、リクエストない?」
「え! ああ、そうだな…では、あれなんかいいんじゃないか?」
「おうおう、これまた随分厳しい注文だな…カニ、できるか?」
「フフフ。ちょろいちょろい、まぁ見ときなって」
乙女さんが指差したのは、ケースの奥深い場所に埋もれているクマのぬいぐるみ。
正直言ってかなりの難易度だ。俺じゃ到底無理だろう。
だが、カニは不敵な笑みを漏らしレバーを操作し始めた。
まず横…そして縦。この位置で本当に大丈夫なのだろうか? 若干ズレてないか?
そして、キャッチャーが4本のアームを広げぬいぐるみの中に潜り込んだ。
「おお!」
歓喜の声を上げる乙女さん。
引き上げられるアーム。すると、4本の内の1本がクマの股の間にうまく引っかかっていた。
一見不安定な格好だが、ぬいぐるみは微動だにせずしっかりと固定されてるみたいで、そのまま――
「ま、ボクにかかればこんなもの何でもないね」
「へぇ、やるなカニ」
有頂天のカニ。思わず感嘆するスバル。
まぁ、確かに大したものだ。にしても、コイツ、かなり場数を積んでやがるな。
「ほい、乙女さん」
手に入れたぬいぐるみをカニは半ば強引に乙女さんに握らせる。
「い、いいのか?」
「うん。遠慮しないでもらってよ」
「ありがとう」
乙女さんが目を輝かせて感動している。
ちなみに俺の金でそのぬいぐるみが取れたことも忘れないでください。
その後、俺たちは様々なゲームをして過ごした。
バイクゲームで対戦するスバルとカニ。結果は僅差でカニの勝ち。
さりげなく、わざとらしくなく相手に華を持たせるところがまたスバルらしい。
そして、プリクラ初体験の乙女さん。
戸惑いを隠せずに慌てふためく乙女さんにカニが付き添い、やり方を徹底的に指導している。
「こ、これでいいのか…?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「すまん、もう一度頼む」
後方で待機している俺とスバルは、うろたえる乙女さんの声を聞くたびにニヤついてしまう。
『はい、チーズ』の合図とともにフレッシュがたかれ、眩い閃光に包まれる。
やがて出てくるカニと乙女さん。
出来上がったプリクラの具合を確かめるべく、俺とスバルがどれどれと覗き込む。
緊張のため少し表情は固く見えたが、それ以外は特に普段の乙女さんと何ら変わりはない。
「なかなかいい感じじゃないの」
思っていたことを先に言われてしまった。
「レオ、お前はどう思う?」
「え… !? ま、まぁ…その、悪くはないと思うよ」
「そ、そうか!」
もっと気の利いたセリフが言えない自分が情けない。でも乙女さんの反応は上々だった。
「ねぇ、ボクは? ボクは? 可愛く撮れてるでしょ?」
「相変わらずのバカ面丸出しだな」
「ムキー !!!」
暴れ狂うカニを後ろから羽交い絞めするスバル。
やはり一日最低一回はヤツをからかわないと調子が出ない。
「レオ」
「ん、なに?」
「その、なんだ…」
なにやらはっきりしない乙女さん。口をモゴモゴしている。
「今度ここに訪れたときはお前と…あの機械で写真を撮ってみたいのだ」
「今度ってまた来る気になったの? まだ少し気分よくないんでしょ?」
「あ、ああ…でも、お前が一緒なら平気だ。って、何を言わすか、コイツ!」
「痛ッ !!!」
何で蹴られたのか理解できない俺。まったくもって理不尽だ。
俺にはひとつだけ気がかりな点があった。
それは乙女さんがまだ何もしていないということだ。
プリクラを撮ったというものの、直接的な操作は全部カニがやったので、
ここに来てから乙女さんが何かのゲームを楽しんだとことにはならない。
とは言うものの、機械音痴でデジタル酔いする乙女さんができそうな
アトラクションを見つける方が逆に至難の業だ。
とりあえず何かめぼしいものはないかと周囲を見回す俺の目にそれは映った。
「乙女さん。乙女さんでもできるものがあったよ」
「何 !? 本当か、レオ?」
「うん、こっち。ついてきて」
俄然乙女さんのテンションが上がる。
ああ、俺としたことが『アレ』の存在を忘れていたとは…!
「なるほど、こりゃ乙女さんにはピッタリだわ」
「乙女さん! ガツンと強烈なパンチをブチ込んじゃってくだせぃ!」
「そ、そういう機械なのか? これは…?」
まだどんなアトラクションなのかを把握し切れていない乙女さん。
ポカンと前方にそびえる機械を見つめるだけ。
とりあえず、俺はお金を入れた。
「難易度どうしよっか?」
「一番上でいいんじゃねぇの? なんつったって乙女さんだぜ?」
確かにスバルの言うとおりだ。このヒトは常人とは違う。
設定を完了させると、赤い皮が張られた的が立ち上がる。
上のモニターには巨大な隕石が地球めがけて落下しているというシュールな映像が展開しており、
3回以内に合計1,200kg相当のパンチを命中させないと地球が壊滅してしまうのだ。
sien!
「まぁ、とにかく思いのままに拳を叩き付ければいいんだよ」
誰にでも理解できるように俺はわかりやすく解説してあげる。
「了解した」
「あ、グローブ付けないとダメだよ」
「そんなものはいらない」
素手の拳をグッと強く握り締める乙女さん。
そして目標となる赤い的を鋭い眼射しで見据えている。
だが、乙女さんは殴りかかる素振りを見せず、その状態のまま既に1分が経過した。
「あ、あの…乙女さん?」
「レレレレレレ、レオォォォッ !!!」
恐る恐る乙女さんに早く殴るように促そうとしたその時、
カニがほとんど悲鳴に近い絶叫を上げた。
「なんだよ? 静かにしろ」
「あ、あれ…!」
「ん?」
口をポカンとだらしなく開けたカニが震えた指で指し示す方に視線をやる。
そして、カニは腰を抜かしたのかその場にへたり込んだ。
…俺は我が目を疑った。
目をゴシゴシ擦ってみたが、夢じゃない。
的の中央に拳くらいの大きさの穴がポッカリと開いていた。
もはや言葉にならない。
「すげぇ…」
あのスバルでさえ唖然としている。そしてこの感想。
「な、なぁ、スバル…お前、乙女さんがモーションに入ったの見えたか?」
「いんや、全然」
スバルもお手上げらしい。なら俺が見えるはずもない。
それにしても…なんと言っていいのか。
的を叩き付けるんじゃなくて、そのまま貫いてしまうとは…。
相変わらず、このヒトは何もかもが人間離れしている。
「なぁ、レオ。もう二発目殴っていいのか?」
当事者の乙女さんはあっけらかんとした様子で事の重大さに気付いていなかった。
「――にしても、マズイぞ。これは…」
いち早く冷静を取り戻したスバルが苦い顔をする。
「そうだな…乙女さん」
「なんだ? 殴っていいのか?」
「ここ出るよ」
「どうしてだ? まだ回数残ってるぞ?」
「いいから! 早く!」
「おい、レオ! そんな急に引っ張るな!」
俺は乙女さんの腕を引き、スバルはまだ立てないカニを抱え上げ、猛ダッシュで店を出た。
店から相当離れたことを確認してようやく安堵する俺たち三人。
「やれやれだな」
「マジ超ビビったよ」
バツの悪そうな顔で俺たちを見る乙女さん。
「ひょっとして、私に何か問題があったのか?」
はい、問題大アリです。だが、今それを言うのもなんだか気の毒だ。
「いや、大したことないよ」
「そうか。それなら安心した」
純粋だな。
「なぁ、腹も減ってきたし、そろそろ飯食いに行こうか」
スバルさん、いいタイミングです。
「ボク、ボク、肉! 肉が食いたい!」
「へいへい」
「伊達。今日はお前が奢ってくれるそうだな。なら、私は遠慮なく頂くぞ」
「俺を破産に導くのだけは勘弁してくださいよ?」
ふぅ、もうクタクタです俺、はい。
「レオ、何している! 早く来い!」
「はいはい」
あれ…俺、なんか忘れてる気が…。
ま、いっか。
「さてと…やっとの思いで『細木カスコ』お姉様を口説き落とした、ナイスガイ・鮫氷新一見参!
レオたちは確かこのゲーセンの中だよな。髪の毛乱れてないよな?
抜群に決まった最高の登場の仕方であいつらをビックリさせてやろう、ククククク…」
終わりです
投稿途中何度もエラーが出て思ったより時間かかりました
支援ありがとうです
内容は薄っぺらい落書きみたいなものです
お目汚しを…
GJ。物を壊さないようにと注意しておくべきだったなw
そのSSで目が汚れるハズがなかろう
乙女さんSS GJ!!!!!
グローブをつけさせなかったのが敗因だったな、GJ!
800 :名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 17:22:35 ID:QwjQRc+k0
\ \_[][]_/ \_[][]_/ / /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| /
| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| | ||
| || @怒素恋R ・・・ || | ||
| || 日本の国技・相撲を格ゲーに!.|| | ||
| || 血沸き肉踊る壮絶バトル || | ||
| |
ttp://not.main.jp/up/dat/5022.jpg|| | ||
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ttp://not.main.jp/up/dat/5101.gif || | ||
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ttp://not.main.jp/up/dat/4952.gif || | ||
| || '´, `ヽ || | ||
| || . !爪リリ从)ゞ || | ||
| ||_______ノwリ゚ ヮ゚ノル/____________|| | ||
| ●_● ⊂)个iつ /|_/\ | \
| ■□■ く/_|j〉 ○(___,(○ | \
| ( `∀)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ \(゚∀゚ † ) :| \
|____/ つ ̄| | ̄⊂ ヽ_________| \
/ ||( ,⌒)/  ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄|\  ̄ ̄ \_) || \ \
 ̄||し'/ |____| \ \! ̄ \
┴ / | \ \ \ \
|三三三三| \ |三三三三| \
|____| \|____| \
しかも「まわきすFULL.ver」の
マキシシングルを予約特典に!!
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_
'´, `ヽ
!爪リリ从)ゞ
ノwリ゚ ヮ゚ノル
⊂)个iつ◎
. く/_|j〉
し'ノ
801 :名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 17:24:01 ID:QwjQRc+k0
更に更に!アーケード業界への進出!
マルチメディア展開も視野に!!
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_
'´, `ヽ
!爪リリ从)ゞ
ノwリ^ヮ^ノル
⊂)个iつ
. く/_|j〉
し'ノ
スゲー、全員がハイパーアーマー装備かよ
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_______________
.| |怒素恋R| |.| Goluah!.|.| | AF2ch | |
∩_∩ ∧∧ /|ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
( ・∀・)( ゚∀゚) /■\ ./.::|::.ヽ ヾ ヾ ヽ
( ∽ )|.∽| ( ´∀`/ .:::|::::..ヽ ♀ヽ(´; )ヾ ヾ ヽ
| | |~ .| ( つ==/ . ::::|:::::::..ヽ====( )=ヽ========ヽ=========ヽ
( ・∀・)__)_) し`J ⊂`J|...:::::::::::|:::::::::...| ⊂二二二⊃ ⊂二二二⊃ ⊂二二二⊃
|| . |____.|___|_∥__∥_∥__∥_∥__∥
_____∧______
無限コンボばかりじゃねぇか!
なんだよこの糞バランスは!
802 :名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 17:24:55 ID:QwjQRc+k0
\______________________________/
O
o
'´, `ヽ
!爪リリ从)ゞ という夢を見たんだ
ノwリTヮTノル
_| ⊃/(____
/ └-(____/~
881 :
名無しさん@初回限定:2005/12/05(月) 23:17:56 ID:yUDB4CfR0
test
一つカニSSができたんですが、容量的に投下はどうなんでしょう?
次スレを待った方がいいんですかね?
そろそろ建ててもいいんじゃない?
221 :名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 01:21:15 ID:Jsfut30M0
│ .\ .│ マグロ 警報! ! | ../
│ まさに、 \ ...└―――──―――┘/ 泣いてない、泣いてないもんね!!
│ カニだな(ワラ .\ ....ヽ(´ー`)ノ /身体的特徴を指摘しやがって、マジデビルだよ
..\______ .\ ..∧∧∧∧∧ ./シスコンシスコンシスコンシスコンシスコンシスコン
v(・ω・)v v(・ω・)v v(・ω\ .< > いい加減シマウマみてーにくっきり白黒つけるぜ!!
v(・ω・)v v(・ω・)v v(・ω・)\< カ >おうよ、あのいい子ぶってる奴ら血祭りだーーー!!
v(・ω・)v v(・ω・)v v(・ω・)v .< 予 ニ >ふぅ・・・10数年さまよってようやく安楽の地を得たよ
――――――――――――< 感 ..ス >―――――――――――――――――
_, ;-:=:=ー- ー=;-;-,, < !!!! .レ > フォッフォッフォッ /丿/)
,; ';";; ;;`-' '"" ,;="ヽ_ < ..の > i´二 ̄⌒\,.. ,∧.,,..∧ (. ;;;" ノ
!;_<" o从o ∨∨∨∨∨ .\ / ./´`) ..ソ...) .( ・ ω・ ) _/ ノ
";''-ヽ 丶,, ノ;; ;;:;丶 / / \ ヽ .| l´ ノ `'' ' __ ⌒ ̄ /
' -';;";;' ー:ニ;人 ;;; ;; ;:ノヽ/// .\`、 l / / ̄\ /__ヽ | ̄
;"' -; ,二',-:(;;; ;;;ヽ; ;/; ;; ;) ;;/ .∧∧ ミ ドスッ. \.l i / \/___\|_
ー';--;;,;;_,二| ;; ;; ;;);:( ;; ;; ;;;;/ ( ,,)┌―─┴┴─\ ( __
"'' '-;- ;;:;__ ,,,ヽ;;; ; ;:; ;;; ;; ;/ / つ. 人気カニ一位\ / / ̄ /
ヾヽ, ,,- ="'-,;;__;;,-',/ ~′ /´.└―─┬┬─―─..\ / / . / ./
'--- '" ./ ..∪ ∪ .││ ε3 \.// ( ../
~'' / ゛゛'゛'゛ ..\ )./
885 :
SSD:2005/12/06(火) 01:27:12 ID:604ewWId0
>>873 乙女さんがプリクラ撮る時に戸惑う姿が目に浮かびました。
GJ!
886 :
名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 01:27:21 ID:qDdZ/lxX0
別にいいと思いますよ。カニでも乙女さんでもじゃんじゃん来てほしい。
私的に乙女さんSSが好きですがw
470KB目前ですし、次スレを待たせていただきます。
自分立てられないですorz
誰か立てられる方いらっしゃいましたら、お願いします。
ククク、後4kbもあるんだぜ?ギリギリのスリルがたまらない…。
いけるのか?
やるんかっ!?やってまうんか!?
891 :
名無しさん@初回限定:2005/12/06(火) 12:50:08 ID:4XVnN1EuO
だれかよろ。
立てたらすぐss投下します
>>892 乙。
流れ早くて読むの止まってるなぁ。
レオ君埋めていいよ
よっしゃ、まかせとけ。
埋めるぜー
__,.-、__,._,r- 、-ー ' ´ ヽ
/`ニ´ `>'´ /´ / , / ィ' ト、_ _ _
_,.-ー' 二ニフ´/ { /、 l { {l レヽ ヽ、j
/ r'7´{ /__{ | ,| { { ! !リ彡ハ !|
{ {/{ i/ >ミ! | { ハト!、! { |`"ヾ!| {'
} y{ | lY { { 从_ハ、{ト 、ト、} ノ! } ! ハ、 , 、
| l! !ィ { j .ハ |{リtjy';}`ゞリヽト! ノソ } i { __,. ' ,ノ
} } ハヽt} !、!ハ. ` ゙` ィニfリト,/ィ´ ハ ,r‐'`´__/
/! ト'´ ハ ソ | { {rソ'>ツ/ },ハ ,ハj / `7ヘヽヽ, 埋め~?
/ィ { ヽ,./ ヽ{ l{ ト 、 r' `/f'´ ノ' / ` i´ i r' 〉 〉 >' 埋め埋め埋め~?
'{/!`7' ̄∧ __/!| ハ ヽ_ `>' / ハ/ { ``ー-'<、
リ {/´ /-'< |} } |、ト、 `''´,. r'´ , ,{ l` `"テr‐ ‐‐'
/ /´ `ト! ! vx<`` ´ | } ノ ハ } l |
ム' ´ { い { ヽ} j } l /}/ ソ、 | !
j __`ヽ 、 ヽ|ヽ} ! /レ'! / ノ `ー、_ } |
|´ ``ヽ ヽ 、-、 ヽト、| / }リ|/ / / /`ソ !
! `` 、``ヾ, ー-- 、__>'r-'´ { / / / { !
} `}、/`"´  ̄´くRヽ ヽ / { / ! }
| i' ヽ'´ハ ヽ/ ! {``> - 、_ /
l { } }、 } { ! / `ヽ、/
! ! ! { ト'、_レ
| { } | ノ
>>898 _ パシ
/´ `フ __ ヾ
, '' ` ` / ,! ;'',,_,,) パシ パシ
. , ' レ _, rミ,;' ノ )))
; `ミ __,xノ゙、,r'' ,,_,,) パシ
i ミ ; ,、、、、 ヽ、//,,_,,)/_,,))
,.-‐! ミ i `ヽ.._,,))
//´``、 ミ ヽ , ― 、
. | l ` ーー -‐''ゝ、,,)) ,'_ '´  ̄ ヽ
ヽ.ー─'´) [》ミ〈((^)))〉 イタイイタイ
iヾ(リTヮノリ
埋めさせてもらうぞ
本当に上のボタンを押すだけでいいのか?
インターネットは難しくてよくわからん
「そうそ、そこでダブルクリック!」
「…ダブルクリック?」
「乙女さんが今右手で握っている
そう、そのマウスの左側のボタンを素早く2回押して」
「なるほど、素早く2回か…こうか?」
カカッ!!
「…何も起きないぞ、レオ。遅すぎるのか?」
カカッ!!
「え…乙女さん、今、1回しかクリックしてないでしょ?」
「そんなことはない、ちゃんと2回押している!」
「マウスが認識できないほどの速さのダブルクリック…」
「ええい、なぜ何も起きんのだ!」
ガガガガッ!!!
ひそかに蟹の記憶喪失モノ期待
>901
レオ「ゲェェェー!PCの処理速度を越える速さでマウスで16連射している!」
レオ「ゲェェェェッ!デストップのハットリ君が巨大化しやがった!」
>>901 誰も言わないがGJ
長いのもいいがこういうちょっと笑える小ネタもいいやね
>>898 その姫の目と口元がなんとも邪悪でいいな
ってか、このペースだと500kbいくより早く1000行きそうだな
テンプレの470kb越えたら次スレってのはちょっと早すぎるんじゃないか?
>>908 それは新作が新スレに投下されてるからだよ
っていうか、新スレが立ってないと途中で切れるのが怖くて
長編が投下できないでしょ
>>909 じゃあ無理に埋めるより、このスレは単発コネタでゆっくり使いきるか
512 :名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 15:27:32 ID:g+VWosLQ0
行け!乙女さん!!
( ゚д゚ )
¶ノ ¶ノ |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
./ (,) (,) ヽ
| | ̄| |
ヽ  ̄ ̄ /
| | | | |
.ノ .ノ ヽ ノ .ノ .|
(_ノ (_ノ .|
/ /  ̄/ /
< < .< <
ヽ ヽ ヽ ヽ
行け!乙女さん!!
( ゚д゚ )
¶ノ ¶ノ | ,.
,ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ヽ.
/.;.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::ヽ
/.://.:.:/.:/!.:.:.l.:.i.:.:.ヽ:::r-ハ
1::ir!:l.:il::_Ll_::i:li-i‐‐-::ヽゞi:i
|i::::VlィN:VヽNヽ、 _ヽミri|
Vヽハ x==ミ ヽ '´ ̄` !j:!ハ <
>>512 コイ、ダキシメテヤロウ。
ト〉∧ , ':l::|:lj _
( ヽ {i::i|::lヽ r‐┐ /:/:ル′ /./
ヽ ヽ. Ⅵ:::::l:::l>、 ー' ィ/〃j:| / /
_,ノ ヽ. ,. -Vトハ从 ィl`¨´ .ト 从Hぅ- 、_ _/ . ヽ._
⊂二_ ,ト、___, < ヽヽ ヽ_ _/ / //`ゝ_>, -‐' ´ , / ノ `二⊃
, -─ '_ . ヽ ヽ `ぃ iiヽ.ヽ、_ヽ ´/ / /! // / ゝ..__ 、 \
ー ¨/, _,..ノ、 i i リ ` -ニ.∨ =イン′! i !、 _/ \ ヽ. ヽ-’
ー' / / ヽー----| i リ [r] ̄ i l | `r一 i´ ヽ_}ヽ_〉
‐' ト、 〃 { | | }、ぃ〃 /
ヽ.ヽ/ ィ^i ! ! j\ヽ._/
`´ ', l i /  ̄
l l l /
| ト、 ./| |
l ト、 /| . |
/ |ヽ / | ヽ.
/\__ \_/____>.
/:::::::/`ー┬─┬‐┬ T´:::ハ
埋め埋め ってまじで1000行きそうだな
中途半端に余ってる……。
リレーSSとか出来そう……。
私たちは
917 :
名無しさん@初回限定:2005/12/07(水) 19:16:29 ID:egNMc25v0
むっちゃ微妙
正々堂々
エロエロな事を
くんずほぐれつ
ベッドの上で
行うことを誓いましゅ。
415 :名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 01:13:58 ID:T1mK3VKS0
仮題「姉は、ちゃんとしようよ!」
内容:ツンツンの「はーちゃん」こと姉歯たん(義姉)は敏腕建築設計士。
たとえお客たんであっても、守るべきことは貫く正義のお姉さん。
そんな出入りとは思えない態度のはーちゃんに業を煮やした(仮)木村建設東京支社幹部のおじたんが、
はーちゃんにあれやこれやと攻勢をかけ、自分に恋心を抱かせて屈服させようと計画!
最終目標は、「安くして」「今月、70万ぐらい用意して」という命令を聞くぐらいのデレデレ状態にすること。
プレイヤーの所属する建設会社に応じて「既に上下関係あり」「上下関係なし(会社に信頼あり)」「新規取引」とはーちゃんのレベルが変わります
なんて言うと思ったか、この軟弱者が!
と乙女さんは
雷のような制裁蹴りを
フカヒレのあごの先に
入れようとしたが偶然
もう片方の足でバナナの皮を踏んでおり
転んでチンコ刺さった
と思ったら、フカでは無く、レオのが刺さってて
こ、こらお前、いつの間に!
俺と一緒に立ち上がろうぜ!
立ち上がるってお前…こんな…つながったまま立つというのか?
体勢的に難しいか・・・
それでもレオなら レオならきっとなんとかしてくれる
ごめん無理
根性無しが!
「よいしょ、と。やれば何とかなるもんだな」
「レオ! ちょ、どこへ行く! まさかこのまま…ああ…
レオと繋がったままこんな街中歩くなんて…
頭がフットーしそうだ…」
なあに、かえってマゾ属性がつくよ乙女さん
Mな乙女さん・・・やべぇw 誰かこのネタでSS書いて!
レオ、マゾ属性とはなんだ?
__,.-、__,._,r- 、-ー ' ´ ヽ
/`ニ´ `>'´ /´ / , / ィ' ト、_ _ _
_,.-ー' 二ニフ´/ { /、 l { {l レヽ ヽ、j
/ r'7´{ /__{ | ,| { { ! !リ彡ハ !|
{ {/{ i/ >ミ! | { ハト!、! { |`"ヾ!| {' 振り向かないことさ
} y{ | lY { { 从_ハ、{ト 、ト、} ノ! } ! ハ、 , 、
| l! !ィ { j .ハ |{リtjy';}`ゞリヽト! ノソ } i { __,. ' ,ノ
} } ハヽt} !、!ハ. ` ゙` ィニfリト,/ィ´ ハ ,r‐'`´__/´
/! ト'´ ハ ソ | { {rソ'>ツ/ },ハ ,ハj / `7ヘヽヽ,
/ィ { ヽ,./ ヽ{ l{ ト 、 r' `/f'´ ノ' / ` i´ i r' 〉 〉 >'
'{/!`7' ̄∧ __/!| ハ ヽ_ `>' / ハ/ { ``ー-'<、
リ {/´ /-'< |} } |、ト、 `''´,. r'´ , ,{ l` `"テr‐ ‐‐'
/ /´ `ト! ! vx<`` ´ | } ノ ハ } l |
ム' ´ { い { ヽ} j } l /}/ ソ、 | !
j __`ヽ 、 ヽ|ヽ} ! /レ'! / ノ `ー、_ } |
|´ ``ヽ ヽ 、-、 ヽト、| / }リ|/ / / /`ソ !
! `` 、``ヾ, ー-- 、__>'r-'´ { / / / { !
} `}、/`"´  ̄´くRヽ ヽ / { / ! }
| i' ヽ'´ハ ヽ/ ! {``> - 、_ /
l { } }、 } { ! / `ヽ、/
! ! ! { ト'、_レ
| { } | ノ
( ゚Д゚)<ギャバン!
::::::::::::::::::::::::...... ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ ドガァァァァァァァァン.....
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........
:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、ゝ.....| |..., , ノソ::::::::::::::.......:::::: ダイナミック!
_ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''! i;;;~-ヽ_ii_i=n_ [l h__
/==H=ロロ-.γ ,~ー'''l ! |'''ーヾ ヾ 「!=FH=ロロ
¶:::-幵-冂::( ( |l | ) )=HロΠ=_Π
Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒~"""''''''⌒~'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
Д日lTl,,..:''''" ""'''ー-┬ーr--~''"" :::Д日lT::::
FH=n.:::::' | | :::FL日l」:::::
ロΠ=:::::.:. ノ 从 ゝ .::田:/==Д::
口=Π田:::. .::::Γ| ‡∩:::::
Γ| ‡∩Π::.... ...:::Eヨ::日lTlロ::::
Д日lTlロ_Π::::....... ...::::::::田:凵Π_=H:::
M乙女さん書いて欲しいワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 M乙女!M乙女!
⊂彡
「…っぁ!…や、やめ…やめないか、レオ!」
ぴた
「…いいの?本当に、やめても…いいの、乙女さん?」
「う…ぁ…わ、わかった…や、やめ…なくても…いい…」
「やめなくてもいい?違うでしょ乙女さん?
…続けてほしいんでしょ?」
「く…そうだ…だから、早く…!」
「ダメだよ乙女さん。人に物を頼むなら
それなりの言い方があるでしょ(ニヤリ」
「…つ…続けて…ください…」
「…よく、言えまし…たっ!」
「ひ!?ふああぁぁっ!?」
「…まったく、レオにマッサージなどさせるのではなかった」
「でも、肩こりとれたでしょ?」
「ああ、おかげでな…
さて、レオ?今度は私がマッサージしてやろう」
「…ベッドで?」
「…この、スケベめ…」
949 :
姫修羅場る:2005/12/08(木) 22:03:33 ID:yJXAV9uU0
「エリカ、大事な話があるんだ」
「何よ、改まって?」
覇道を目指して突き進む毎日は本当に忙しく、こうやってお昼時にレオと2人っきりで食事をすることも珍しい。
「私の方も1つ報告があるんだけど、レオの用件から聞きましょうか」
「うん……。その、ええっと」
さっきからレオは私の顔を見ない。それに何時に無く嫌な予感がしている。
「その、実は俺と別れてほしいんだ」
「えっ……」
予感はあたった。レオの表情がそれを真実だと告げている。
「どうしてよ!」
「実は、良美が俺の子供を妊娠した。俺は良美のそばに居てやりたいんだ」
「なっ、浮気してたの!?」
薄々怪しいとは感じていたけれど、まさか妊娠までいっていたとは、ぬかったー!
「ちょっとまって。子供なら私も妊娠してるわ。昨日わかったのよ。それでもよっぴーを取るって言うの?」
「……もう付いていけないんだよ、エリカには。良美や俺はエリカにとって何なのさ? ただの都合の良い駒じゃないんだよ」
「私はちゃんと二人のこと大切に思ってるわよ!」
「でもエリカは1人で歩いていける。良美は1人じゃダメなんだよ。だから俺は良美とこれからを歩んでいきたい」
「……レオ、私を捨てるの?」
目の前が真っ暗になる。ああ、これが絶望ね。
950 :
姫修羅場る:2005/12/08(木) 22:04:04 ID:yJXAV9uU0
「そういうことだよ、エリー」
「よっぴー!?」
隠れていた良美が出てきて、レオに寄り添った。
「レオ君はエリーじゃなくて私を選んだんだよ」
「!? この裏切り者ぉ!」
よっぴーの笑みに思わず手を上げてしまう。
「ふん、先に裏切ったのはエリーじゃない。信用できる仲間? ただ単に都合のいい、裏切らない駒が欲しかっただけじゃない。ああ、安心してね仕事はちゃんとするから。エリーの野望の邪魔はしないよ」
信じていたのに。唯一の親友だと信じていたのに。
「この売女! レオは私のモノよ! 返して!!」
「なによエリーの人でなし! 私たちの気持ちなんてわからないくせに!」
「この薄汚い泥棒猫がよく言うわ!!」
「き、汚いっ? いやぁぁぁーーーー!!」
発作を起こして取り乱す良美をレオが抱きしめて落ち着かせる。その光景に私の体はバラバラになりそうだ。
「……エリカ、良美を苦しめないでくれ。それに、俺はモノじゃない」
レオの視線にはもはや私への敵意しかなかった。レオの腕の中で、良美が私にしか見えないように笑みを浮かべている。
「さっ、行こう良美」
待ってレオ。行かないで。私を捨てないで。
もう私はレオがいないとダメなの。
レオ、レオ、レオ行っちゃヤダーーーーー
951 :
姫修羅場る:2005/12/08(木) 22:04:53 ID:yJXAV9uU0
「レオ、行かないで私を捨てないでーーーー!!」
自分の叫び声で目が覚めて、私はようやく悪夢から抜け出した。
「……夢?」
嫌な夢だった。全身に冷たい汗をかいている。
「まったく、私をこんなにメロメロにさせるなんて生意気だぞ」
横に眠るレオの頬をひっぱってみる。
「……ううっ」
起きないレオはかわいくうなされている。やっぱり離れられないなぁ。
けれど夢の光景にはゾッとした。あの黒よっぴーならやりかねない。レオと私の絆を信じているけど……。
「そーよ、既成事実で先に王手をかけてしまえば……。うふっ」
思い立ったが吉日。さっそく作ってしまおう。
「レーオ、2人の子供作ろうね。……いただきまーす」
翌朝
「あれ、何か腰が抜けてるんだけど?」
「気のせいじゃない? レオ」
「そういうエリカは妙に肌がつやつやしてないか?」
「昨日はたっぷり満足したからね~。えへへっ」
952 :
ノネコ:2005/12/08(木) 22:06:05 ID:yJXAV9uU0
埋めSS
一部の修羅場スキーに捧げます
>>952 GJ!
よっぴー怖ええ、そして姫エロス…
GJ!!
でも、よっぴーは本当はいい子なんだ
少し腹黒いだけなんだ
少しエロいだけなんだ
夢落ちでよかった GJ!!
姫が自分からやっているというのにレオは目を覚まさなかったというのか!
まったくなっとらん!けしからんことですぞ!
腹黒いて…くぅ、微妙に否定できん。
しかし、やっぱり次スレ立てんのって500kbくらいで良いんじゃないかね。
>>948 M乙女さんプロトタイプキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
GJ!
>>952 姫デレ(;´Д`)ハァハァハァ
子作り(;´Д`)ハァハァハァハァハァ
_ ∩
( ゚∀゚)彡 孕ませ!孕ませ!
⊂彡
しかし修羅場が夢オチでホントよかったー…
(((;゚Д゚))) 黒よっぴーテラコワス
…とにかく超GJでした!
梅SSとは思えないクオリティ!!
>>957 500kbじゃ手遅れなわけで。
今回ちょっと早かったかな、とは思うけど。
ところでスレの容量って
>959 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2005/12/08(木) 23:36:00 ID:jpVoIPhI0
みたいな、スレ番、名前欄、メル欄、投稿日、IDも容量に含まれるのか?
>>952 ナイス夢オチ修羅場! GJ!
聖域の崩壊EDがお気に入りのオレにはたまらん(;´Д`)ハァハァ
純粋に.datファイルの容量じゃないか?
そろそろ終りそうだな・・・。
>>956ヘンなとこで怒るんだな、おまえは・・・そこは怒るとこなのか?
と乙女さんが言ってました
>>959今回だけじゃなくて前の前くらいも埋めんのしんどかったんだが
32行きっちり詰め詰めで書いても2kb行くか行かんかでしょ
次スレの一作目くらいまでは感想も含めて十分このスレで対応できた
微妙だけど485kbで次スレってのはどうか
実際のところは、485kbまで様子見たら500kb越えより1000のが早くなってるかもしれないんだが
前から気になってたんだが、なんで埋めなきゃいけないんだ?
書き込み原則禁止にして沈めてしまう、っていうのは無しなの?
埋まってなかったら同時に二つのスレが存在するから「重複」で
新しいほうが削除依頼の対象になっちまうじゃまいか
( ゚д゚ ) <
>>1乙、こいつで抱きしめてやる
¶ノ ¶ノ | ,.
,ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ヽ.
/.;.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::ヽ
/.://.:.:/.:/!.:.:.l.:.i.:.:.ヽ:::r-ハ
1::ir!:l.:il::_Ll_::i:li-i‐‐-::ヽゞi:i
|i::::VlィN:VヽNヽ、 _ヽミri|
Vヽハ x==ミ ヽ '´ ̄` !j:!ハ <
>>1 ダ・キ・シ・メ・テ・ヤ・ロ・ウ
ト〉∧ , ':l::|:lj _
( ヽ {i::i|::lヽ r‐┐ /:/:ル′ /./
ヽ ヽ. Ⅵ:::::l:::l>、 ー' ィ/〃j:| / /
_,ノ ヽ. ,. -Vトハ从 ィl`¨´ .ト 从Hぅ- 、_ _/ . ヽ._
⊂二_ ,ト、___, < ヽヽ ヽ_ _/ / //`ゝ_>, -‐' ´ , / ノ `二⊃
, -─ '_ . ヽ ヽ `ぃ iiヽ.ヽ、_ヽ ´/ / /! // / ゝ..__ 、 \
ー ¨/, _,..ノ、 i i リ ` -ニ.∨ =イン′! i !、 _/ \ ヽ. ヽ-’
ー' / / ヽー----| i リ [r] ̄ i l | `r一 i´ ヽ_}ヽ_〉
‐' ト、 〃 { | | }、ぃ〃 /
ヽ.ヽ/ ィ^i ! ! j\ヽ._/
`´ ', l i /  ̄
l l l /
| ト、 ./| |
l ト、 /| . |
/ |ヽ / | ヽ.
/\__ \_/____>.
/:::::::/`ー┬─┬‐┬ T´:::ハ
13 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 01:54:11 ID:fP9zTX9F0
、
ζ ,
_ ノ
( ( (. )
. -‐ ) ‐- .
.´,.::::;;:... . . _ `.
i ヾ<:;_ _,.ン |
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まあおにぎりでも喰え
「すまんレオ、ボトルシップを割ってしまった」
「な、なななな、くぁwせdrftgyふじこ!」
「私の失態だすまない。なんでもするから許してくれ」
「……なんでも? 本当に?」
「あ、ああ、鉄に二言はない」
「だからといってこれはないと思うのだが」
「何言ってますか。これは乙女さんが子供のころ俺に会うたびやってたことじゃない」
「ううっ、それはそうだが子供の話ではないか……。この歳でこれはちょっと……」
「なんでもするって言ったじゃない。それにこれは子供心に刻み込まれたトラウマの克服なんだから」
「しかし、いまさらお馬さんごっこは……」
「無駄口はなし、さー行くよ!」
「う、うむ」
「うむじゃない! ひひーんだろ!」
「ひ、ひひーーん」
ぴしっ、ぱしっ。
「い、痛っ、痛い」
「痛いじゃなくてひひーんでしょ」
「う……後で覚えていろ」
ぴしっ、ぱしっ。
「……あっ、あう。ひ、ひひーん」
……なぜだ。叩かれているうちに体が火照ってきたぞ。
ぴしっ、ぱしっ。
「あ、あんっ」
思わず声が出てしまうではないか!? 私の体はどうしたんだ。
「ほら走れ駄馬!」
「あ、あんっ。ひ、ひひーん。……あひゃぁんっ!?」
なんだこの感覚は? まさかこれは気持ちいい!?
「どう? 乙女さんも馬にされる気持ちがわかった?」
「はぁはぁ。ああ、まさかこんなに気持ちいいものだったとは。お返しだ私もしてやろう」
「えっ、ええっ!? ちょ、ちょとまっ……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
おかしい? レオは気持ちよさそうではなかったな。
男と女では感覚が違うのだろうか。うーむ。
……しかし、癖になりそうだなあれは。
……またレオのボトルシップをうっかり壊して、いやいや何を考えている私は。しっかりしろ鉄乙女。
……でも、気持ちよかったな。
971 :
ノネコ:2005/12/09(金) 02:17:12 ID:oU/tXRJH0
フラグは立てた
後は頼む
ぐおあぁぁぁー!!!
キ…キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
結局Sッ気が出てるw
974 :
名無しさん@初回限定:2005/12/09(金) 09:02:06 ID:nFTxDWcl0
つまり乙女さんはどっちもいけるということでFA?
よし、今日もお姉ちゃんと遊ぼうか
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_
_ '´, `ヽ
'´ ヽ |ニfノ从从リ
((ハヽ从 l ル(リ゚ ー゚ノリ
i、дT ;|i) /⊂li公i〉
ズルズル {〓〓}~~´ f_,ll_j
(;;⌒);;⌒))=- (|二二ソ (((〈_jノ
そしてこうなるワケか
>>949-951のタイトルが「姫修羅現る」に見えて「とうとう姫まで人外に!?」とか思ったのは俺だけでいい
975 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 06:33:33 ID:HSztEyYR0
>>867まとめてみた
カニEDの時、
レオ=リーマン、カニ=主婦、乙女=ストリートファイター、姫=総帥、なごみ=花屋、よっぴー=秘書、スバル=メダリスト、フカヒレ=郵便局員&なごみアプローチ、くー結ばれる
乙女EDの時、
レオ=、カニ=、乙女=、姫=、なごみ=、よっぴー=、スバル=陸上選手、フカヒレ=
姫EDの時、
レオ=玉の輿、カニ=、乙女=警備兵、姫=世界征服企む、なごみ=、よっぴー=秘書、スバル=、フカヒレ=
姫BAD
レオ=乙、カニ=、乙女=、姫=乙、なごみ=、よっぴー=殺人鬼、スバル=、フカヒレ=
なごみEDの時
レオ=経営目指して勉強、カニ=ゲームデザイナー、乙女=教師、姫=世界征服目指して、なごみ=料理学校、よっぴー=秘書、スバル=陸上選手、フカヒレ=ミュージシャン
よっぴEDの時、
レオ=性処理相手、カニ=、乙女=、姫=、なごみ=、よっぴー=、スバル=、フカヒレ=
982 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 08:03:58 ID:SWkaJpaq0
一度でいいから見てみたい
乙女が風邪をひくところ。
桂歌丸でございます。
983 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 08:24:34 ID:WvAU0UE20
かにかにどこかに?
林家木久蔵です。
985 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 09:30:58 ID:3Bkusovk0
椰子さんとカニさんはよく喧嘩をなされてるようですが、そもそも
ヤシガニとは、エビ目・ヤドカリ下目・オカヤドカリ科に分類される
甲殻類の一種で、陸上生活を行う甲殻類では最大の動物であり、
強力なハサミでヤシの実を割ることができ…
よっぴー大好き、三遊亭楽太郎です。
986 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 09:46:00 ID:LgSncD0sO
あさおきてーくわえるパンと一騒動ぉ~♪
ツンデレと幸せを運ぶ山田隆夫です
990 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 11:46:04 ID:l79ds7Bv0
我が笑点 司会は時々眠ってん。
便所でお尻をふくかいちょう、小遊三です
980 :からけ :2005/12/09(金) 07:46:03 ID:Gyjsnj0O0
梅梅
乙女さん 正統派武器格闘キャラ 近距離は蹴りが異常な判定と威力
離れても地獄蝶々に隙なし 万能 初心者はこのキャラで慣れよう
姫 グラップルキャラ リーチに難あり ゲージ消費技「自転車」と「薔薇」
をどう使うかが鍵
蟹 チビキャラ 食らい判定の小ささと機動力で勝負 意外と根性値が高
いから瀕死になっても諦めるな
椰子 ツン(遠距離)モードとデレ(近距離)モードであらゆる技が変化 使い
こなすのは難しいぞ
よっぴー かわいいよ よっぴー
祈 遠距離キャラ 牽制に「土永さん」、ヒット確認から「占い」へ繋げられ
るぞ でも効果はランダムなのが痛い
981 :名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 07:59:56 ID:HSztEyYR0
フカヒレ 全ての能力のおいて最弱のキャラ、しかし一定条件を満たすと本気モードに突入しこのときは乙女さんの性能おも凌駕する