>>576 アートがありふれている技巧を用いることはまったく正しい。
アートにおいてはアートの文脈に属する判断がなされなければ
そもそもアートと判断されようがないのだから。
厳密な区切りのない区別とはそういうもので、因果的に受け入れ更新される
大衆または担い手たちの判断が、対象を区切ることになる。
大衆の判断と担い手の判断は大概、大きくずれるものだが。
さて、芸術の担い手は少なくとも彼らのプライドとしても、常に新しいものを
芸術と呼ぶだろうし、呼びたいだろう。
そういう中では、単に奇をてらうようなものを唾棄する見方も生まれる。
574に用いた新しさとは、アートとして耐えうると判断されることを
見越すものであり、奇とは違う。奇は奇の限りに新しくもなんともない。