乳首小説〜長編専用

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1名無しさん@ピンキー
乳首いじりだけでイッちゃう・・・そんな小説、長編・巨編・新規も・ねおんもコチラ!!
2名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 23:13:52 ID:Mt3KnuPE
2ゲット
3名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 23:21:29 ID:iuAQ0V2C
>>1
スレ立て乙。
これでアンチからも開放されるな。
4ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:00:13 ID:pYntFNLx
>>1
スレ立てご苦労様です。

長編専用のスレとの事なのでこちらに移動させて頂きました。
初めから自分でさっさと新スレを立てておけば良かったですね・・・元スレの皆様本当に申し訳ありませんでした。
有り難くこのスレに投下させて頂きます。
5ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:02:16 ID:pYntFNLx
続き、落とさせて頂きます。 赤い砂漠3です。

「え、え・・・?」
リヤトの表情が固まった。
数秒ほど今この場の現状を理解出来なかったのだ。
「・・・は!?」
そしてすぐに思い出したかの様に砂まみれの服をずり下げ、肌蹴る自らの体を覆い隠す。
その表情は見る見るうちに羞恥心に歪んでいった。
(な・・・なんで・・・うそ・・・)
自分の自慰行為を赤の他人に・・・しかもよりによって男に見られた。
彼女自身も油断していたという訳ではない。
砂漠のど真ん中という場所に加え、わざわざ岩陰に隠れたのに・・・
もし仮に近くを人が通りかかるなら、車なりサンドバイクなりの音が聞こえる筈である。
その筈なのに・・・今のこの状況はどう説明しようか。
「野営してたら良い拾い物したもんだぜ」
大柄の男が放ったその偶然の一言が、彼女の中で疑問をほどいた。
彼女は運悪くも野営中の集団の近くで自慰行為にふけってしまっていたのだ。
リヤトは男達の顔を確かめるとすぐに目を逸らす。
とても自慰行為を見られた相手の顔など直視する事など出来ない。
「お嬢ちゃん、俺のサンドちゃんはそんなに気持ち良かったかぁ?」
髭を掻きながらリヤトに近づいてくる大柄の男。
「え、ぁ・・・そ、その・・・すみません・・・」
追い詰められたリヤトが目を逸らしながら放った一言。
どうゆう訳か謝罪の意である。
こんな卑しい行為に相手の所有物を使った事が彼女にとって罪悪感だった。
「何で謝るんだ? もっと続けてくれよ・・・」
大男がリヤトの首を掴んで、彼女の背中を後ろの岩壁にぶつける。
「きゃ!・・・」
背中が固い岩に当たった時、リヤトはその男の危険性を悟った。
その風貌、服装から察するに・・・
(・・・と、盗賊・・・?)
彼女の中で可能性の一つが浮き上がる。
6ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:02:53 ID:pYntFNLx
こんな砂漠の真ん中で野営をしているとすれば遭難者か、密猟者か、町を点在しながら略奪を繰り返す盗賊団ぐらいである。
「ご、ごめんなさい!! ごめんなさいぃ!!!」
「おい、アル。この女を押さえてろ」
リヤトの懇願を嘲うかの様に男は言った。
「・・・」
傍らにいる少年が黙って頷いた。

・・
リヤトが男達に捕まるまでは、ほんの数秒だった。
非力な女性が、ましてや、まだ少女と呼ぶべき年齢の女の子だ。
男二人に物理的に勝てるはずが無い。
あっという間にリヤトは少年に後ろ手で拘束された。
「やぁ!!! や、やめて!! 誰かぁ!!!」
上半身を激しく振り回し、必死で抵抗するリヤト。
彼女の両手首でを掴む少年は目をしかめた。
「まぁ、そう暴れるなって」
大柄の男はそう言いながらもぎ取る様にリヤトからヘルメットとゴーグルを奪い取る。
「こんなもん付けてるって事はバイクに乗ってるんだなぁ? まったくガキのくせに贅沢だぜ」
リヤトは奪われたゴーグルを目で追いながら、体を振って抵抗する。
「や、やだぁ!! 返してよ!!」
「まぁ、バイクぐらいでも足しにはなるだろう。有り難く貰って行くぜ」
「な・・・そんなのだめぇ!!!」
不気味な笑みを浮かべる男を睨みつけるリヤト。
あのサンドバイクは今まで数回ほど故障したが姉と共に修理して、仕事のために今まで使い込んで来た品だ。
生活を共にして来た相棒であると同時に、リヤトにとっては特別な物・・・
あのサンドバイクは勿論、ヘルメットもゴーグルも亡き父の形見なのである。
リヤトが自分の身の危険も振り返らず、抵抗するのは当然の反応である。
「なんだぁ? その反抗的な目は・・・まだ自分の立場が解かっていない様だな」
男はそう言いながらリヤトの服を乱暴にめくり上げた。
彼女の滑らかな肌、女性らしい膨らみが晒け出された。
7ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:03:24 ID:pYntFNLx
「ひぃ!!? やぁぁぁ!!!」
リヤトが恥ずかしそうに目をしかめながら、自分の肌を見つめた。
「け、まだぺったんこじゃねぇか・・・」
男のこの一言にリヤトの羞恥心がどれ程煽られた事だろうか。
彼女自身気にしているコンプレックスである。
しかしその彼女の小さな右の膨らみの上には、相反する様に乳首がツンッと膨れている。
サンドクローラを使って自慰行為をしてからまだ間もないので当然である。
「なんだぁ? ペチャパイのくせにこんなにプックリさせやがって・・・」
そう言いながら男は人差し指でリヤトの膨れた乳首を突いた。
「ひゃぁ!!? やぁ、だめぇぇ!!」
ビクッと彼女の上半身が反応した。
今度はしっかりと、ゆっくりと乳首を転がしながら語りかける男。
「そんなに俺のサンドちゃんは気持ち良かったかぁ? ん〜?」
「ひぃ!! うぁ!!」
敏感になった乳首をしつこく攻められ、思わず声が出る。
少年に後ろ手を拘束されながらも上半身をくねらせるリヤト。
彼女の動きは拘束の圧迫感に対する抵抗ではなく、性的な刺激による体の反射と変わりつつある。
「お前、機械職人か何かか? ・・・良い物持ってるじゃねぇか」
「え・・・?」
男がリヤトのウエストポーチに太い腕を突っ込んで中をほじくる。
その手付きからして、意図して取り出したのだろう・・・抜き取られたのは油差しだ。
半透明の白い筒状のポンプ。
柔らかい素材で作られおり、手で軽く握るだけで容易に形と内部の圧力が変わる。
更により的確な場所に油を差すため、筒の上部には先端に行くほど細くなっている管が付いていた。
修理工であるリヤトの仕事道具のひとつである。
「や、やだぁ!! だめぇぇ!!!」
「ほーら、落とすぞぉ〜落としちまうぞぉ〜」
男がリヤトを笑いながらポンプを握り、管の先端を見つめている。
針の様に細い先端から油がにじみ出て、そこで滴が膨らむ様にどんどん大きくなる。
ポタッ
8ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:06:00 ID:pYntFNLx
やがてその滴は自重に耐え切れず管の先端から離れ、リヤトの乳首の真上に落ちた。
「う!! ・・・や!? やぁぁぁ、う!!」
滴が自らの敏感な肌に落ちる感触に彼女は顔を歪め、間髪入れず男に落ちた油を指で乳輪全体に塗り広げられる。
潤滑油のぬめりが男の指とリヤトの乳首との摩擦を最小限に低減していた。
指は油に助けられ、滑る様に彼女の敏感な先端を移動し続ける。
「ほらほら〜気持ち良いだろ? コレもこんな事に使うために持ち歩いてるんじゃないのかぁ〜?」
「や、やだぁ!! ち、違うぅ!! はぁん!」
先端に広がる淫猥な刺激に耐えながら叫んだが・・・図星だった。
仕事上持ち歩く工具が彼女の自慰行為に使われた事はなくはない。
もちろんそんな意図で持ち歩いている訳ではないのだが・・・油を肌に落とした事あるのは事実だ。
強すぎる匂いで姉に悟られたその日から使う事を控えてはいるが。
男の発言に自分の卑猥な心を見透かされた様で、リヤトは羞恥心で更に頬を染めた。
潤滑油にまみれた乳首をコロコロと転がす指。
乳輪が、乳首が余す事無く油にまみれ、卑しい光沢を放っていた。
丹念に乳首を転がしている内に使い慣れた油の匂いが彼女の鼻を刺していた。
執念深い男の乳首攻めと油のぬめりに煽られる様に下半身が疼く。
最高の快感を掴み損ねた体が再び熱く火照っていた。
「ふ、ぅ・・・や、だ、だめ・・・だめぇ!! だめぇぇ!!!」
直前でサンドクローラの愛撫を失った彼女にとっては、望んでならなかった感覚が蘇る。
絶頂の予感。
しかしあれほど欲した絶頂でさえも、この男の達の前では羞恥心が邪魔をして理性が働き、抑制してしまう。
「イクにはまだ早いぜ」
リヤトの喘ぎを聞いた男は、今度は左の乳首を強くひねった。
「ひ!!? あ、あぁ!! 痛いぃぃ!!! あぁぁぁ!!!」
突然の痛覚が昇り行く彼女を引きずり降ろした。
男の前で羞恥な絶頂を迎えずに済む反面、リヤトの心は満たされず体が切ないほど物欲しい。
「う、ぁ!・・・はぁ・・・はぁ・・・」
痛覚から開放されたリヤトは深い呼吸で心の興奮と高い体温を静め様としていた。
油差しを地面に放り落とす男。
「おいアル、そいつを貸せ」
9ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:07:28 ID:guCK4S3x
「・・・」
彼女の手を拘束していた少年の手が、足元で這いずり回るサンドクローラの赤ん坊を抱え上げる。
そして男に無言のままサンドクローラの赤ん坊を渡した。
「・・・な・・・に?」
得体の知れない不安に戸惑うリヤト。
そんなリヤトを押さえつける様に再びリヤトの両腕を握りしめる少年。
「く! ぁ・・・・」
少年の優しい手付きながら、男の力には腕が痛くなる。
「なぁ、サンドクローラの習性って知ってるかぁ?」
「ぇ・・・?」
突然の男の発言に目を丸くするリヤト。
この男・・・何を言いたいのだろう?
「こいつはとにかく前に進む習性があってな、イノシシみたいな奴なんだよ・・・まぁ、普段は地面にいる生物だからな・・・」
大柄の男は小さなサンドクローラを撫でながら語る。
その表情には何かを企む小悪党の笑みがこぼれていた。
「こうゆう乾燥地帯に住む生き物だから常に水分に飢えててな。液体はなんでも舐め取ろうとするんだぜ?」
そう言いながら大きな手の平で握るサンドクローラの赤ん坊をリヤトに近づける。
彼女にサンドクローラの口とその奥をを見せ付けた。
「う・・・・・・」
余りの凶々しい光景に思わず声が出た。
人間の静脈の様な青黒い唇。
サンドクローラの赤ん坊の口は一人でに伸び縮みするゴムのチューブの様だ。
その開かれた口の奥では、微かに黄ばんだ丸い小石の様な歯が見え、その歯が内側全面にフジツボの様にこびり付いている。
これがもし成体のサンドクローラなら、この歯は獲物の肉をを削り取るため凶悪なまでに鋭利に尖っているだろう。
生物独特のうねり具合で肉の壁が広がると、更に口の奥はまた肉の壁に阻まれていた。
ここも食物を摂取する時にしか開かないのだろう・・・人間で言うなら喉にあたる。
「怖いかぁ?」
「・・・!」
リヤトが無言で首を激しく縦に振った。
その焦る様な動きと顔色から、今までこの赤ん坊に感じていたはずののん気な愛嬌はない。
10ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:08:00 ID:guCK4S3x
「こいつは赤ん坊だからそんなに痛くないだろう」
そう言いながら男は、サンドクローラのプルプルと震える口をリヤトの胸に近づける。
「ぇ・・・!?」
好奇心も覚えた触手状の足の時とは訳が違う。
恐怖。
それを感じた。
そして同時に理解した。
男が自らの性感帯に油を垂らした理由が。
この男はちゃんと全て計算していたのだ。
「ほ〜らサンドちゃん、ママのおっぱいだぞ〜〜」
「ひっ!!? やぁ!! やだぁぁぁぁ!!!」
男の赤ん坊をあやす父親の様な作り声。
その口調はリヤトの羞恥心を煽ると同時に、それ以上にリヤトを恐怖させた。
痛覚と得体の知れない生物への不安感、それらの気持ちが入り混じり更に彼女の恐怖感を煽り立てる。
「やめてぇぇぇ!!! やっ!!?」
サンドクローラの赤ん坊の口が、リヤトの膨らみに僅かに触れると、逃げる様に彼女は体をくねらせる。
「しっかり押さえてやがれ!! 愚図が・・・」
「・・・はい」
男に罵声された少年は呟く様に返事をし、押さえつけているリヤトの後ろでを更に締め上げる様に力を加えた。
「痛っ!!・・・う、ぅ・・・」
非情なまでの少年の力にリヤトは苦痛で顔をしかめる。
「ほらほら、た〜んと飲めよ〜?」
「や・・・やぁ!! う!・・・ふ、ぁ・・・ぁ・・・」
リヤトが急に大人しくなった。
膨らんでいると判断できるリヤトの乳房の範囲より狭いが、彼女の乳輪を覆い隠すにはちょうど良い絶妙な大きさに開いている。
その口がすっぽりと彼女のプックリと膨れた先端を覆い隠していた。
「ひ・・・ぁ・・・」
ミミズを貼り付けられたの様な感触、その未体験な不思議な感覚に背筋が震えたのだ。
彼女の乳房の肌と接触する赤ん坊の唇は、プルプルと痙攣する様に震えている。
サンドクローラの口が自分の触れている物を確認する様に、そして警戒する様に口をゆっくりと開閉させる。
11ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:08:36 ID:guCK4S3x
乳輪全体に広がった漠然とした甘い感触が、繰り返し膨らみの昇り乳首に集まろうとする。
しかし焦らす様に寸前で再び元の大きさに広がるのだ。
「は・・・ぁ・・・」
赤ん坊にそんな意図はないだろうが、このもどかしい感触にリヤトが肩を震わせた。
ゾクゾクする様な感覚に浸りながら、自らの膨らみの先端に張り付くサンドクローラの赤ん坊を見つめるリヤト。
得体の知れない不安と恐怖で後頭部が冷たくなるのを感じた。
そして今の自分の姿はなんと情けなく、卑しいだろうか・・・そんな事を考えさせられてしまう。
そんな彼女の心情を知るよしも無く、赤ん坊は本能に従って繰り返し目前の物体を確かめる様に口を窄める。
キュッ
僅かに赤ん坊の口内の圧力が下がった。
滑らかな乳輪周りの乳房の皮膚が僅かに引き込まれる。
赤ん坊が警戒心を解き、目前の獲物を堪能する事を決めた様だった。
「う! ぁ・・・・」
突然訪れた吸引される感触に体が跳ねる様に反応した。
「ん・・・ぁ・・・」
・・・サンドクローラの吸い込みがそのまま止まってしまった。
リヤトが唐突に止まった吸引に安心する反面、何か物欲しい様な感覚に襲われた。
「んぁ? どうした? 吸えよ、おい・・・」
男が彼女の胸に張り付いたサンドクローラを小突く。
「や!? そんな!! あ!・・・」
足元に転がった油差しを再び手に取り、更にリヤトの膨らみの上辺りから油を流す。
彼女の乳房の膨らみのカーブに合わせて、これでもかと言わんばかりにたっぷりと垂れる油。
油特有の匂いと同時に冷たい油の温度が彼女の敏感な肌を刺激した。
滑らかな肌を、リヤトの乳房に吸い付くサンドクローラの唇の形に合わせて油が伝う。
チュ、ズズ・・・
「ひ!? う、はぁん!!!」
油に刺激される様に赤ん坊が急に吸う力を強めた。
スローモーションの様にゆっくりと乳輪回りの乳房の脂肪が唇に飲み込まれる。
周りの膨らみの脂肪さえも中央に引き集められ、次々と中に消えていく。
口内で生物の体内特有の生暖かさで乳房が包まれる。
12ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:09:08 ID:guCK4S3x
「い、痛いぃぃぃ!!!」
元々控えめな膨らみを無理矢理吸い伸ばされているのだ、痛いのも当たり前だ。
サンドクローラの口先は吸い伸ばされる乳房の形に合わせ、チューバの先の様に乳房に近づくほど大きく伸び広がっていた。
薄い皮膚がクッキリと乳房の形を写していると言うべきか。
男が頃合を見て支えていた赤ん坊の体から手を遠ざけると、見事に彼女の乳房に吸い付いていた。
自重を支え切れるほどのサンドクローラの吸引力。
サンドクローラの赤ん坊の体が下向きにしなり、触手の様な足を彼女の乳房下部に密着させ体を固定した。
「んはぁぁ! やぁ、やだぁ!!」
乳首を含みながら、乳房を根元からしごく様に口を流動させる赤ん坊。
その動きにより吸い込まれた乳房が口内で、ゴリゴリと丸い歯で擦られながら更に吸い込まれる。
「ふ! うぁ!! だめぇぇぇぇ!! うぁ!!?」
リヤトが叫びながら体を反った。
彼女の吸い込まれた膨らみの先端に何かが触れるのを感じた。
乳房全体が歯に擦られて痛いが、突き出た先端だけは喉の奥に飲み込まれ、歯を回避していた。
そして痛覚を回避したその敏感な性感帯を攻めるのは待ち受けていた舌だ。
ぬるぬるとした粘液にまみれた舌が、奥でリヤトの乳首に付着した油を舐め取る。
水と勘違いしているのだろう。
舌の表面はザラザラとしている・・・これも獲物を更に削るためだろう。
しかしまだ成体でないので、この赤ん坊の舌もそれほど鋭くはない。
このざらつきは固くて乱暴な歯とは違って、彼女に甘い感触を与えていた。
「うぁ、はぁん・・・」
13ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/04(火) 00:15:46 ID:Vmo8gmWN
「うはは、色っぽい声を出すようになったな」
「ん・・・はぁ、う! ぁ・・・」
男の顔を睨みつけたが、すぐに先端に走る甘い刺激が彼女の恨みをかき消した。
頭の中だどんどん白くなっていく・・・
気持ち良いという感情意外考えられない。
いつの間にか乳房に走る鈍い痛みにも慣れ、羞恥心も消え去ろうとしていた。
恐怖心にいたってはとうに快感で覆い尽くされ、微塵も感じない。
何度も何度も必要以上に乳房を口の奥に送り込む様に流動する口。
生暖かい口内では相変わらず勃起した乳首が蛇の舌の様な小さな歯舌で攻められる。
意図のない生物があるが故、乳首を擦る感覚は不規則だ。
いつ次が来るか分からない・・・その感覚が更に彼女の快感を掻き立てるのである。
「はぁ!! あぁ、だめぇぇぇ!!!」
リヤトが周りに構わず叫んだ。
「うぁぁぁぁ!!! 出ちゃうぅぅぅぅぅ!!!!」
既に絶頂寸前まで昇り詰めていた体だ。
普段より絶頂に達するのが早い。
彼女は求めていた感覚を素直に受け入れた。
既に羞恥心は快感に覆い隠されていたのだから・・・
初体験の感覚と強すぎる刺激で迎えた絶頂。
リヤトは快感のあまりに眠る様に気を失った。
(続)

個人的な用事でしばらくONできません・・・すみません、気長に待って下さい
14名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 13:14:52 ID:nY8tKvGE
保守
15名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 15:07:11 ID:0iv7X+54
乙。気長に待ちます
16名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 23:24:25 ID:D68lIjjb
いいねいいねえ
17名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 03:00:30 ID:ZCxwy60d
乙ほっしゅ
18名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 12:14:23 ID:1q8RaZJj
はやく修とユカが読みたいよ〜
19名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 13:10:29 ID:M0oVz1Y6
20名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 12:03:04 ID:FR4cNuKq
保守
21名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 16:06:09 ID:BDVKCCFr
22名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 03:37:17 ID:nZea4uts
ねおんすわぁ〜ん
23名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 15:34:49 ID:euhqBEL6
ほしゅ
24名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 15:35:15 ID:euhqBEL6
ごめん、あげちゃった・・・・さげほしゅ・・
25名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 23:27:18 ID:MYImlR+j
>>879
それとこれとは問題が違うくないか?
26名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 23:27:53 ID:MYImlR+j
ぐは、誤爆すまそ
27ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:49:11 ID:YvDbQJar
遅くなってすみません、とりあえず落とします。

「・・・う、・・・ん・・・・」
全身から溢れる不快な汗によってリヤトは目を覚ました。
体の前面に伝わる固い感触。
そして微かに暖かい。
どうやら床にうつ伏せているらしい。
金属の様な光沢を放つ床は体で感じられるほど小刻みに振動していた。
耳を澄ませば、何か動力の様な音も聞こえる。
彼女の機械工の知識だからこそ解かる、重く馬力のある大型のエンジン音だ。
リヤトは直感した。
今、運搬車両の中にいるのだ。
「・・・姉さん・・・」
不安と孤独感から思わずそんな事を呟いてしまった。
正直、今のこの現状が非現実的過ぎて飲み込めない。
いや・・・認めたくないと言うべきだろうか。
次に理解したのは自分が全裸であるという事だ。
彼女の控えめな膨らみも、うつ伏せる床に押し潰されている。
全身からはサウナの様な車内の熱気のせいで汗が仕切り無しに吹き出ている。
砂漠のど真ん中を金属の塊が走っている様なものなのだから当たり前だ。
「・・・逃げなきゃ・・・」
不安と孤独感、そして羞恥心と戦いながら、リヤトは自らが取るべき行動を弾き出した。
この冷静さは長年機械工として仕事をしてきた職人が故に培われて来た物だ。
その場に座り込む様に上半身を起こし、辺りを見回す。
(・・・盗品?)
何が入ってるかは分からないが、大量のコンテナが規則正しく積まれていた。
他にも木材や金属の塊など・・・こちらは無造作にコンテナ近くで散乱していた。
リヤトのサンドバイクとその積荷もそこにあった。
姉から預かったロボットも機械の山の上に無造作に放置されている。
(・・・ピーちゃん・・・)
とりあえず逃走手段の確保は出来そうだ。
しかし彼女が一番必要としている物がない。
28ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:49:43 ID:YvDbQJar
(何か体を隠す物・・・探さないと・・・)
別に自分の服が見つからなくても構わない。
たった布一枚でも構わない。
それぐらいなら探せば見つかるだろうとリヤトは考えていた。
仕事の疲れと失った水分のせいか、体が思う様に動かない。
しかし力を振り絞って疲労した体に鞭打つ様に立ち上がるリヤト。
「う!・・・」
突然切る様な鋭い痛みが首元に走った。
すぐに痛みの走った箇所に触れるリヤト。
指先に伝わる肌の感触、そしてある筈のない固い糸の様な感触。
「う、嘘だよ・・・こんなの・・・」
思わず頭に思った事を口にしてしまった。
驚く様に目を見開きながら指先に伝わる固い感触を再び確かめる。
首には極細のワイヤーが巻かれていたのだ。
普通の縄とは違って下手をすれば体を傷つけてしまう。
彼女を拘束するために手頃な縄などが見つからなかったせいか、
あるいは彼女が自らの体を傷つける恐怖で大人しくなる事を狙ったのか・・・定かではない。
いずれにしても彼女を更に深い場所へ突き落とす絶望的な状況であると判明しただけだ。
(こんなの・・・まるで犬じゃない・・・)
屈辱感、恥辱感、そして絶望。
様々な感情が彼女の頭の中で乱れ踊る。
ワイヤーを口で噛み切ろうと試みるリヤト。
しかし綺麗に首の太さに合わせて巻かれているので口元まで引っ張ってくる事が出来ない。
工具の入ったウエストポーチさえあれば、こんなワイヤー切断できるのに・・・
警戒されたのか、辺りを見回しても彼女のウエストポーチだけは見つからなかった。
「・・・」
このワイヤーがどこと繋がっているのか?
彼女は首に繋がったワイヤーを指で触りながら、出所を確かめる様に伝う。
・・・天井と繋がっていた。
高い天井の止め金具の様な物にワイヤーが何重にも巻き付いていた。
29ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:50:15 ID:YvDbQJar
どうもリヤトの身長では届きそうに無い。
「ぅ! あぁ!」
吼える様な声で跳ねてみるが結果は同じである。
4、5回跳んだ所で彼女は諦めてその場に座り込んでしまった。
(・・・助けて・・・誰か・・・)
心の中で助けを乞うが、彼女の体に車のエンジン音と振動が響くだけである。
ペチャッ
唐突に液体質な音が聞こえた。
「きゃっ!!?」
次に悲しみに浸っていた彼女の背中に冷たい感触が走る。
冷たいジェルでも落とした様な、ハッキリとした感覚。
驚きの余りその場に立ち上がる。
そして、すぐに背中を擦る様に腕を回すリヤト。
背中に付着していた物が腕で払いのけられ、地面に落ちた。
再び液体質な音を立てて・・・
「な、何・・・?」
長い餅の様な真っ白い物体。
太さは5センチ程度・・・一人でに蠢くその物体は間違いなく生物だった。
「・・・サンドクローラの・・・赤ん坊?」
更に小さい赤ん坊。
成体の大きさは軽く4,5メートルを越えるサンドクローラでさえもこんなに小さい時期がある。
成体のサンドクローラなら図鑑で見た事がある。
子供のサンドクローラもつい先程実物を目にしたが、これほど小さいのを見るのは初めてだ。
おそらく産み落とされてまだ間もないのだろう。
成体のサンドクローラとは相反して真っ白いその体。
巨大な芋虫にも似ているが・・・
唯一違うのは体に不釣合いな大きな口と移動するために触手の様な足を持っていることだ。
地面に落ちた幼生体はリズミカルに流動運動を繰り返しながら、リヤトから離れていく。
「はぁー・・・」
リヤトは上がった心拍を整えようと深く息を吐いた。
30ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:50:47 ID:YvDbQJar
ベチャッ
「ひぃ!?」
一息吐いた彼女を再び冷たい感触が襲う。
彼女の後ろ首にまたサンドクローラの幼生体が落ちてきたのだ。
「あ、や、うわっ!!」
ベチャッ、ベチャッ
次々と彼女の体に冷たい感触が広がる。
まさしく雨の様にボタボタと落ちてくるのだ。
そして運良くリヤトの肌に落ちた赤ん坊は不釣合いな口を開閉させながら移動し、彼女の肌を擦っていく。
さすがの彼女も不快感をむき出しにして顔を顰めた。
「な、なんで!?」
そう叫びながら体に次々と体に纏わり付く赤ん坊を両手で払っていく。
(て、天井から!?)
頭で考え、天井を見上げた。
つい先程まではワイヤーと金具しか見えなかった天井。
その天井を真っ白に染めるほどサンドクローラの幼生体がビッシリとこびり付いていた。
もう数え切れないほどの個体数で天井の一部を隙間無く真っ白に染め上げていた。
独立した一匹一匹がモゾモゾと器用に天井を伝って、次々とリヤトに向かって落ちてくる。
余りにグロテスクな光景に思わず目を疑った。
こんな光景・・・現実じゃない・・・そうだ、これは夢なんだ。
そんな事を頭に刷り込もうとするが、次々と体に走る冷たい感触が彼女を無理矢理現実に引き戻す。
「はぁ! やだぁぁ!!」
気が付いた時には彼女に落ちた赤ん坊が彼女の体中を這い回っていた。
「や、やぁ! やめて!!!!」
両手で上半身の赤ん坊をとり払い、足を振って足首に張り付く赤ん坊を振り飛ばそうとする。
「ちょ、・・・やめてよ!! うぁ!?」
ドスッ!
リヤトの尻に鈍い痛みが走る。
足元で蠢く赤ん坊を踏みつけ転んでしまったのだ。
「は、はぁ・・・」
31ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:51:28 ID:YvDbQJar
痛みに耐えていたが次には恐怖で後頭部が冷たくなった。
忘れていた事実を思い出した。
下手をしたらワイヤーで首を切っていただろう。
転んだ場所がワイヤーの結ばれた金具の真下でなかったら死んでいたかもしれない。
幸いまだ首と体は繋がっている。
「ひっ!?」
転倒の痛みと恐怖に耐えていたリヤトを容赦なく赤ん坊達は群がりかかる。
両手足から白い海が彼女の体を侵食して行く。
何故彼女に群がるのか?
それはサンドクローラに限らず乾燥地帯の生き物は水分に飢えているからであろう。
この赤ん坊達にとってリヤトの全身から吹き出る汗はまさにオアシスなのである。
サンドクローラは水でなくても液体であれば何でも摂取しようとする悪い癖まである。
惜しみなく猛暑によって吹き出る彼女の体の汗を我先にと赤ん坊達が彼女の体を舐め回っているのだ。
「や、やめてぇぇぇぇ!!」
絶叫しながらもがくが、払いのけるにも数が多すぎる。
手足のみならず、徐々に彼女の体までもが白く染まっていく。
全身の肌が油の様な潤滑液に塗れた赤ん坊の肌と擦れ、彼女の感情は嫌悪感の絶頂であった。
「や、き、気持ち悪い! あ!!?」
彼女は異変に気が付き、驚く様な声をあげた。
ねじり込む様に一匹の赤ん坊がリヤトの膣内に入り込もうとして来たのだ。
「や!? そ、そこは・・・だめ!!!」
慌てて股間の赤ん坊の尾を掴み、取り払う。
顔を赤くしながら秘所を守る様に両手で塞ぐが、逆に上半身が無防備になってしまった。
白い海は留まる事を知らず彼女の体を更に侵していく・・・
全身の肌を満遍なく流動する口で舐め取られ、吸われる。
こんな小さな体でもこれほど吸引力があるものなのだろうか。
「う・・・ぁ・・・な、なんで・・・吸ってくるの・・・?」
白い赤ん坊が自らの同族を踏み越え、次々と滑らかな肌のオアシスにたどり着く。
すると、我先にと彼女の体にを甘えるように、何かを求めるように懸命に吸い付いて来る。
吸引される箇所がどんどん増え、位置も少しずつ上半身に向かって昇っていく。
32ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:52:32 ID:Hb/J2Lfy
「は、ぁ・・・だ、だめ・・・」
リヤトは震える両手で自らの秘所を押さえながら、平然と自分の腕の下や上を通り過ぎていく赤ん坊達を見つめる。
ただ自らの体が白く染まっていくのを見つめているだけだった。
この数が相手では何をしても無駄悟ったのだろうか・・・
・・・いや、彼女自身振り払う気持ちになれないのだ。
初めは激しい嫌悪感であったものの全身を擦れて、吸い付かれるという初めての感触によって思考は失速し始めていた。
もはや、彼女は肉体のみならず精神までも侵食され始めていたのだ。
もっとも彼女自身はそんな事はないと否定するだろうが・・・
ただ頭の中で気持ち悪いと思っていても、体が群がるサンドクローラを振り払おうと動かないのである。
「は・・・ぁ・・・やだ・・・だめぇ・・・」
頭が真っ白になって行く。
何も考えられない・・・しかし体だけは相反してどんどん敏感になっていく・・・
体中を這い回られる感触、腕、足、腹、胸部、余す事無く体中を吸い付かれるという愛撫。
「あ・・・はぁ、ぁ・・・だ・・・め・・・きゃう!!?」
突然、霞んでいく彼女の理性を強い快感が引き戻した。
赤ん坊に性感帯を狙って吸い付こうなど考えているはずがない、まったく偶然である。
彼女の右の膨らみ頂、そこのすぐ下の乳輪辺りに一匹の赤ん坊が吸い付いた。
すぐ上の敏感な粒に吸い付かれたらどうなっていただろう。
もちろん恍惚の声を上げ、狂った様に体をよじっていただろう。
既にリヤトの理性は消滅寸前だった。
彼女自身は頭の中で否定しているだろうが、もはや本能は恍惚の域に至っている。
動かない躰は本来の機能を全く果たさず、ただ愛撫を受け入れるだけの性感帯と化してしまった。
ただ虚ろな眼差しで天井を見つめるリヤト。
もはや抵抗する意思も理性も完全に快楽に飲まれていた。
膨らみの頂も何か求める様に白い海の中で突き出している。
大きく成長した乳首が躰を這い回る赤ん坊と擦れる度に電気の様な感覚が先端から広がる。
ズ、ズズッ・・・
「う!! は、ぁ!!・・・あ・・・ぁん・・・」
一匹の赤ん坊が緩んだ両手の間に潜り込み、ねじり込む様な動きで彼女の膣に入り込んだ。
しかし、リヤトは少し体を反らせて喘いだだけだ。
33ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:53:04 ID:Hb/J2Lfy
取り除こうなどと考えもしなかった。
「うぁ・・・はぁん・・・・」
希少かつ新鮮な愛撫によって既に彼女の膣内は淫乱な蜜で滲みていた。
白い赤ん坊は激しく全身を流動させながら、リヤトの愛液のぬめりに助けられ、更に奥へとのめり込む。
彼女が分泌する愛液さえも舐め取ろうというのか。
「はぁ・・・ぁ! うぁぁ!!!」
リヤトが突然体を大きく反り、獣の様な声で呻いた。
背中を反りながら開いた口を振るわせるリヤト。
口の横からだらしなく涎が垂れた。
どうやら軽いオーガズムに達した様だ。
・・・その小さな絶頂を引き金に、彼女の中の何かが切れた。
「はぁあ・・・・・・もっ・・・と・・・」
少女は堕ちた。
普段の彼女ならありえない大胆さで、再び快楽を求める様に口走った。
「も、もっとぉぉ・・・う、あぁ・・・」
今度はハッキリと躰の淫猥に捻らせ、甘える様な声で言った。
ふと乳房全体に吸い付く赤ん坊達を見つめるリヤト。
その内の一匹を摘み上げ、自らの膨らみの頂点に誘導する。
そっと開閉する赤ん坊の口を乳首を覆い隠す様に乳輪に触れさせ、促す様に人差し指で赤ん坊を小突く。
・・・ズズッ・・・
彼女のリクエストに答える様にぷっくりと膨れた乳首を吸い上げるサンドクローラ。
「う、はぁぁ!!! あ、あぁ・・・良い・・・も、もっと強く・・・」
リヤトがそう求めると、吸引力に強弱を付ける様に口を流動させる。
「は! ぁ・・・そ、そう・・・か、賢い子だね・・・あん!!」
更にもう片方の乳首を自分で弄り始める。
固くなった乳首の側面を指でなぞり、更に転がす。
「あ、あぁ!! う・・・き・・・もちいい・・・!!」
指で柔らかい乳首を押し潰して、指を互い違いにスライドさせた。
しごいていると見る見る内に先端の硬度が高まっていく。
赤ん坊に吸い付かれている方は既にピンピンに熟れている事だろう。
34ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:53:38 ID:Hb/J2Lfy
固くなった乳首の頭に指の腹を付けて、乳首を回す様に指を動かす。
自らの乳房を弄りながら、乳首と体中を吸い付かれるリヤト。
チュッ・・・
「あぁぁ!!! はぁん、良い!! 良いよぉぉ!!!」
リヤトが大きく目を見開いて喘ぎ狂った。
叫ぶその口からは相変わらず唾液がだらしなく垂れ続ける。
全身を痙攣させる度に淫核に吸い付いた赤ん坊が上下に揺さぶられて、更に彼女のそこを刺激するのだ。
チュ・・プッ
リヤトが荒げる手付きで無理矢理乳首に吸い付く赤ん坊を引っぺがした。
激しい吸引から開放された乳首は、僅か赤く染まり、やはりビンビンに腫れる様に膨れていた。
乳首から離れた赤ん坊の口が、名残惜しそうに震えながら開閉を繰り返す。
「う、ううん・・・違うの・・・う、ぁはん!!・・・」
リヤトが時折喘ぎ叫びながらも、赤ん坊をあやす様な口調で話しかける。
「は、はぁ・・・はぁ・・・こ、今度はこっち・・・吸って良いよ・・・」
彼女は自分で弄っていたもう片方の乳首を与えた。
こちら側も自らの愛撫で既にピンピンに膨れている。
チュ、プ・・・
今度は液体質な音を立てて、先端が赤ん坊の口に吸い込まれた。
乳輪全体がサンドクローラの口に張り付き、赤ん坊の口の流動に合わせて乳房全体が形を変える。
「あ!! あぁ・・・はぁん!」
リヤトはサンドクローラに吸い上げられ、赤く腫れ上がった乳首に恐る恐る指で触れて見た。
「く!! ぁ!! は、はぁ・・・はぁ・・・」
痛みに似た刺す様な感覚が先端に走る。
荒い呼吸を繰り返しながら、構わず指でパンパンに膨れた乳首を転がす。
「あ! あぅ! ぅ・・・」
今度はもっと痛覚に近い感覚。
しかしその痛覚の中に彼女の求める快感が埋もれていた。
「だ、だめ!! で、出ちゃう!!」
相変わらず膣内では白い肉棒が暴れ周り、彼女の精液を舐め取っている。
乳首に吸い付く赤ん坊を持ち上げてみると、その動きに合わせて乳輪と乳房が盛り上がり、円錐の様に伸びる。
35ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:54:10 ID:Hb/J2Lfy
彼女は耐え切れず感度が研ぎ澄まされたもう片方の乳首をも押した。
「んぁ!! は、ぁぁ・・・あぁ!!!」
痛覚に似た感覚に耐えながら、更に真珠の様に膨れ、固くなった乳首を乳輪に埋める。
柔らかい乳輪の中に指までもがめり込むが、乳首の硬さは失われていない。
「く!・・・う・・・」
思い切ってそこから更に一押し加えた。
「い、ぁぁぁあああ!!!」
固い果実が豊かな脂肪の中で弾ける・・・
僅かな痛覚を代償に驚くべきほど大きな快感を彼女に与えた。
同時に彼女の頭が真っ白になっていく。
数秒ほど思考の停止。
それを経て、我に返ったリヤトは荒い呼吸を続けながら息を整える。
「うあ、はぁ!・・・はぁ!・・・」
更に数秒ほど経つと彼女は自分の痴態に気が付き、羞恥心の極みを体験した。
「い、ぁ・・・も、もう・・・良いよ・・・ん! もう・・・十分・・・」
リヤトは自らの躰を貪る赤ん坊達を見た。
36ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/17(月) 20:55:24 ID:Hb/J2Lfy
しかし赤ん坊はまだ物足りんと言わんばかりに、彼女の肌から溢れ続ける水分を舐め取り、吸い付く。
膣内のサンドクローラに至っては、先程よりも大きく流動している様だった。
「ひ! ぁ!! そ、そんな所で・・・暴れないでぇ!」
彼女が涙目で淫核を吸い続ける赤ん坊と膣内にツイストする赤ん坊の暴れる尾を見た。
赤ん坊達は際限なく彼女の躰を、乳首を、淫核を、膣を、そして再び彼女の理性さえも奪おうとしている。
「うぁ! も、もういい・・・もういいよぉ!!! やめてぇぇぇ!!!」
リヤトの叫び声が輸送車の中に虚しく響いた。

・・
「な? 俺の言った通りだろ?」
「・・・」
無精髭を掻きながら話し掛ける大男に、少年が無言で黙ったままだ。
「やっぱりオモチャは使い易く『加工』しないとな」
邪悪な笑みを浮かべながら輸送車を眺める男。
「上手い具合に出来上がったじゃねぇか」
男の目線の先は輸送車の内部。
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・」
その中では少女が荒い呼吸を繰り返しながら、虚ろな目で開け放たれた扉から覗く景色を眺めていた。
少女は汗にまみれ、自らの唾液にまみれ、そして自らの精液にまみれながら、グッタリと中で横たわっていた。
(続)

女の子が酷い目に遭うのが嫌という人は続き読まない方がいいかもしれません・・・
あと有香と秀はもう少し待って・・・ orz
37名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 01:05:34 ID:GKeKSYB5
ねおんさん待ってました。続き楽しみにしてるので頑張ってください☆
38名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 03:11:16 ID:xoRUCqmB
ヒョオオオオオオオ!最高ぅぅううぅ!
39名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 04:51:37 ID:GKeKSYB5
続き早くね〜待ってます
40名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 13:27:05 ID:+mb1mbQc
>>37,39
はしゃぐのは構わんがsage保守進行の方が良いと思うぞ
41名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 02:38:20 ID:k+kkB3IR
やばいやばいツボすぎる
GJすぎる
42名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 21:45:31 ID:d/gw8j0A
ねおんたん来ない・・・(´・ω・`)
43ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:07:58 ID:6KfABSII
深夜にこっそり投下。 誤字脱字その他うんぬんはスルーして下さい・・・ orz

足を歩める度に床がきしむ音が響く。
壁はあちこちに穴が開いており、そこから隙間風さえ吹き付ける。
先頭に立つ少年が乱暴に仕切り扉を開いた。
リヤトは大男と『アル』呼ばれていた少年に、くたびれ切った酒場の跡に連れて来られたのだ。
途中、肌を出していると日差しで火傷してしまうとの理由で与えられた大きな麻の布。
リヤトはキュッと頭から覆い被さる布の端を握った。
その表情は緊張と恐怖で固まり切っている。
そして自らがこれから受けるであろう仕打ちを頭に思い浮かべ、微かに頬を赤く染めた。
頭に被った布が彼女の視界を奪っているが、僅かに破けた隙間から周りの状況が見える。
(・・・盗賊の・・・隠れ家・・・)
一言も言わずリヤトは下唇を噛み締め、そう理解した。
そしてもう後戻りも逃げる事も許されないのだと実感した・・・いずれにしても逃げ切れる物ではないが。
「今帰ったぞ、ガキ共」
「あ、兄貴! お疲れ様っす!」
青年の様な声が大男に挨拶するのが聞こえた。
やはりこの無精髭の男は盗賊のリーダーらしい。
「あれ、なんすか? その子は・・・」
同じ声が再び聞こえる。
リヤトは驚く様に足を震わせた。
青年が言う『その子』とは自分以外に考えられる筈が無い。
「新入りですかぃ?」
「違ぇよ馬鹿、良い拾い物をしたからな。持って帰ってきたんだよ」
「はい?」
間誤付く様な青年の声。
バサッ
ふと今まで狭まっていたリヤトの視界が広がる。
砂にまみれた固い麻の布が地面に転がった。
自らの肌を覆い隠していた麻の布が取り払われたのだ。
「う、ぁ・・・」
リヤトは反射的に両腕で自分の乳房と秘所を覆い隠し、下に俯いてしまった。
44ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:08:30 ID:6KfABSII
恐る恐る声のする方向の向かって顔を上げる彼女。
・・・まだ顔にあどけなさが残る少年、青年ばかりだった。
人数は5,6人ほど。
全員ラフな布切れの様な服で身を包んでいた。
盗賊の長と思える大男は立派な生地で着こなしているが。
「うぉっ?! 女だぁ!!」
歓喜の叫び声が響く。
その声に反応する様に雑談をするなりして騒いでいた残りの男達が一斉に視線をリヤトに向ける。
「ひぃ!?」
一斉に視線を向けられ、驚く様に後ずさりするリヤト。
余りの恥ずかしさにその場から逃げ出したい衝動に駆られた。
そんな彼女の気持ちを尻目に、男達が声を上げた。
「ほ、ホントだぁ! すげぇぇ!!」
反応は様々だ。
叫ぶ様に驚く者もいれば。
「なんだ・・・まだガキじゃんか・・・」
彼女を見た目通り子供扱いして、罵る者もいた。
歓喜しようが軽蔑しようがそんな事はどうでも良い。
何より彼女が耐え切れなかったのは刺さる様な視線だった。
腕で覆い隠した乳房でさえ、見透かされている様な気分である。
「ひ・・・ぁ・・・や、だ・・・み、見ないでぇ・・・」
瞳に水分を浮かべながら、声を漏らすリヤト。
男達から目線を逸らし、地面を見つめ、雨の様に突き刺さる視線と羞恥心に耐える。
『今、自分の裸が見られている』という事実が彼女の震える肌に敏感に視線を感じ取らせてしまう。
リヤトはギュッと瞼を閉じた。
そうすれば羞恥心が和らぐと思ったから。
しかし現実は視界が真っ暗になっても、体は痛いほどに視線を感じ続ける。
むしろ視覚という情報源を失ったために、彼女の第六感がより研ぎ澄まされ、逆効果であった。
「今日は仕事が上手くいったからな・・・祝いだ、お前等にくれてやる」
後ろにいたリーダーの大男がリヤトの背中を強く押し出す。
45ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:09:01 ID:6KfABSII
彼女は前に倒れそうになりながらも、よろける様な足取りで体勢を立て直そうとする。
しかし、ぶつかり様に前の青年の胸板に顔をうずめてしまった。
「・・・あっ・・・」
少年は自らの胸板に顔をうずめる少女を顎を掴み、グイッと顔を引き上げた。
お互い、真っ直ぐと見つめ合う。
「・・・けっこう上玉だな」
青年が眺める様にリヤトの顔を鑑賞しながらそう呟いた。
・・・凛とした顔立ちの好青年だった。
とても悪党には見えない。
「・・・」
リヤトは涙目で青年を顔を見ながら、首を小刻みに横に振る。
『許してくれ』と言わんばかりに。
いきなり青年がリヤトの顎を掴んでいた手を離し、その親指を彼女の口に捻じ込んだ。
「う、ふぁ!・・」
半開きになった唇から空気を漏らしながら、リヤトは唸った。
青年は睨みつける様な目付きではないが、とても真剣そうな表情だ。
どうやら『しゃぶれ』と言いたい様だ。
「ふ、は・・・ふぁ・・・」
リヤトは何かを訴えかける様に、涙の浮かんだ瞳で青年の顔を見つめ返した。
だが青年の真剣な目線は、押し返す様にリヤトの瞳を直視する。
『怒らせてはいけない』と、自らの身を護る本能が告げた。
とりあえず従ってこの場をやり過ごすしかない。
リヤトの唇が何かを躊躇する様に震えた。
上の歯に青年の親指の爪が当たる。
指を噛まない様に注意しながら、唇を指に擦る様に更に窄めた。
その動作を繰り返しながら、そっと唾液に塗れた舌で指の腹を舐める。
ペチャ・・・
いつしか口の中は、小さいながら淫猥な液体質の音を奏で始めていた。
暖かい鼻息を吹きながら、指を丁寧にしゃぶる。
「う・・・ん・・・」
46ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:09:33 ID:6KfABSII
こんな行為をしている内に、リヤト自身も妙な気分になっていく。
本人自身は正常を保っているつもりだったが、確実に彼女の精神は何かに侵され始めていた。
「・・・」
ふと青年がリヤトの口から指を引き抜こうとする。
チュプッ・・・
再び液体質な音を立てながら、唇と指が擦れる様に引き抜かれた。
卑しい透明な唾液の糸を引きながら離れる指と唇。
唾液の糸は途中で切れ、リヤトの口元に付着した。
そしてその付着した唾液を指先で拭い取る彼女。
「う・・・は、ぁ・・・はぁ・・・」
リヤトは深い呼吸を繰り返す。
しかしその呼吸は突然止まった。
いきなり息苦しくなり、視界は青年の顔でいっぱいだ。
間の抜けた様に目を見開くリヤト。
一瞬、何が起きてるのか分からなかった。
「ふ!?」
気が付いた時には、彼女と青年の唇が重なっていた。
初めてのキスが初対面の男、おまけに盗賊。
彼女の羞恥心を更に追い討ちする様に周りには人がいる。
そんな事を考慮する前に激しく嫌悪感が膨れた。
「ふぅぅ!!? ううううううぅぅぅ!!!」
息苦しそうなこもった声で、大きく唸る。
しかし歳、体格さえも違う男の力に敵う筈はない。
青年が両手でリヤトの頬を押さえ、更に自分の顔の方へ引き寄せる。
「んんんんんん!!! う・・・」
舌が彼女の口の中に侵入してきた。
艶かしいながら、濃厚な接吻。
そのまま唇を奪われ続け、一方的なディープキスは青年が飽きるまで続いた。
唇が離れた時には余りの羞恥心と衝撃で彼女の頭は混乱していた。
「は、ぁ!!・・・」
47ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:10:04 ID:6KfABSII
唇を覆う様に両手で押さえるリヤト。
無理矢理奪われた唇を慰める様に指で触れる。
「・・・う、ぁ・・・あぁぁぁ!・・・」
・・・小さく、喉を鳴らす様に泣いた。
平凡な日常から大きく逸れた今の現状が息苦しい。
青年に対する軽蔑ではなく、欲に負けてあの場で自慰行為に走った自分が憎らしく思えた。
「え?・・・」
青年に突き飛ばされる様に肩を押された。
尻餅をつく様にその場にへたり込むリヤト。
彼女の瞳から一滴涙が零れた。
ふと大男と一緒にいたアルがそっと酒場の奥に消えた。
彼なりの慈悲なのだろうか、それとも弱さなのだろうか。
いずれにしても時々振り返り、リヤトを気にする様な素振りであったのは確かだ。
そして青年は相変わらず彼女を鋭い眼差しで見下ろしている。
その表情は優越感に浸っている様にも、これから行うべき事を熟考している様にも見えた。
青年は有無も言わずに、リヤトの前で膝立ちになる。
そして指先でそっとリヤトの乳輪をなぞった。
「あ・・・」
リヤトがピクンと上半身を震わせる。
「・・・」
無言で青年は彼女の膨らみの頂点を攻め続ける。
指の腹いっぱいで乳輪が軽く凹むほど押し、そこから更にゆっくりと指を上下させる。
乳輪ごと乳首が擦れ、乳房全体がその動きにリンクする様に微かに上下運動を繰り返す。
「は、ん・・・や・・・だ・・・」
赤い顔を恥ずかしそうにしかめると、瞳に残っていた水分が溢れ出し、彼女の愛らしい頬を伝った。
そんな光景をただ悔いる様に見つめていた男達が不満を漏らす。
「おい、お前だけずるいぞ!!」
青年の後ろで行いを見ていた男の集団が吼える。
「別に俺が独占してる訳じゃないぞ? お前達が怖気付いているから見本見せてやってるだけだ」
「だ、誰が怖気付いてるってぇ?」
48ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:11:04 ID:6lp4kzGh
険しい表情をしながら息巻く様に言い放ち、集団の中から一人が歩み出てきた。
見た目からしてリヤトと歳はそう変わらないだろう。
茶色に染まった頭髪に加え、目付きも悪い。
町にいる典型的な『悪ガキ』だ。
その少年は集団から抜け出し、早い足取りでリヤトの横にしゃがみ込んだ。
「お、女の一人ぐらい・・・俺だって・・・」
そう言いながら震ええる手付きで、不器用そうにリヤトの腹部に触れた。
「・・・スベスベしてる・・・すげぇ・・・」
思わず頭に思った事が口に出た様だ。
まるで初めて女の肌を実感した様な口ぶり。
そんな彼の発言を聞いた残りの少年達が欲望と好奇心をむき出しにして、リヤトに取り囲む様に群がった。
「や、やだぁぁぁ!!」
何人もの男に取り囲まれる威圧感、そして息苦しさ。
思わず彼女は叫んだ。
しかしそんな彼女の叫びを余所に少年達は好き勝手に彼女の体に触れ始める。
ベタベタと手の平いっぱいで触れて、感じる女の肌。
「ほ、ほんとだ・・・すげぇ・・・プニプニしてる・・・」
歳からして女の経験などはないであろう、この少年達は物珍しいそうに少女の体を弄ぶ。
リヤトの小さな体を埋め尽くさんばかりの数の手が、触り、擦り、時にはその柔軟性を確かめる様に揉む。
慣れない手付きには艶かしい動きはないが、独特の初々しさが感じられた。
力加減を知らないその経験不足な愛撫は、かえって彼女の体は強い攻めとして受け入れてしまっていた。
「こ、これが乳首かぁ・・・」
少年はもう片方の乳首を、青年の同じ様に乳輪ごと擦る。
「く! あ・・・う・・・」
リヤトが顔をしかめた。
流れる甘い刺激に耐える様に、官能的な表情を誤魔化す様に。
キュッ
「んぁ!!」
乱暴に乳首を捻られ、声を荒げるリヤト。
痛覚にも似たその刺激に体が反る様に反応した。
49ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:11:35 ID:6lp4kzGh
「お? なんかビクビクしてるぞ、おもしれぇ」
少年は目敏くも彼女の反応を見逃さなかった。
「もっとやってみろよ!」
再び彼女の敏感なその部分を乱暴に捻る手。
「いぁ!! い、た・・・い・・・!!」
彼等は性的な欲求よりも未知に対する好奇心によって動いているように思える。
今の彼等は幼さ故の探究心、そして子供染みた遊び心で彼女の躰を愛撫していた。
「は、やぁ! だめ! あ、う!・・・」
乱暴な攻めにリヤトが拒否する様に叫んだ。
しかし間髪入れず再び先端を弄ぶ手が彼女を黙らせた。
「あれ、なんか固くなって来たぞ?」
指の中で弄ばれている内に、その先端は忠実に硬度を高めていた。
少年の手が離れると乳首は自分の存在を主張する様に控えめな膨らみの上でそそり立っていた。
「こっちも固くなるかな?」
誰がそう言ったのかは分からない。
ただ、そんな発言が聞こえた頃にはもう片方の膨らみの頂にも手が伸びていた。
「ひ、ぁ!! ん!!」
指先で小さな突起部を引っかく様に弾く。
乳輪と指が擦れ、擦れ違う度に乳首が小さく振れ、周りの脂肪が波打つように震える。
しつこいばかりの集中攻撃に遭い、指が動き続ける内にもう片方の乳首も促される様に膨れた。
「あ、こっちも大きくなったぞ」
そう言い放つ少年の言葉にリヤトは更に羞恥心を膨らませた。
自分の躰の変化の過程を浮き彫りにされてしまったのだから当然である。
「や!!? あ!!」
不意に膨れたそこを摘む指先。
まだ柔らかい先端を潰す様に力を加え、すぐに力を弱める。
その力の変化に合わせて柔軟に形を変える乳首。
何度も何度もその動作を繰り返し、先端の柔らかさを存分に味わう。
「やっぱりこっちも固くなって来てる・・・」
潰す、戻すというループを繰り返している内に指の中で硬度を増していた。
50ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:12:06 ID:6lp4kzGh
敏感な性感帯は内側から徐々に硬度を高め、刺激によって切磋琢磨される様に感度をも高めていく。
「も、う・・・や・・・めて・・・」
リヤトは紅潮した顔を強張らせ、肩を震わせた。
少年達に弄ばれる躰は慣れない手付きながらも確実に強めの刺激を受け止め、感度を加速させつつあった。
固く膨れた乳首は未だに乱暴に摘まれ、コリコリと締め上げる様に、時には極限まで引き伸ばされる様に攻められている。
「ひぁん!!?」
快感のあまり膨れて固くなった乳首を無理矢理潰すと、痛覚に似た感覚がリヤトの体を駆け巡り、リヤトが喘ぐ。
もう片方は青年の指先によって転がされていた。
中に鉄球でも入ったかの様に丸く膨れた先端を指先で上下に弾き、円を描く様に転がす。
時々指で強く突く様に押し込み、潰す。
そして高さと硬度を失った先端を再び弾き、再成長を促すという行為を繰り返す。
「ひ! あぁ!! んん!!! は、うぁ、うぁ・・・」
リヤトの躰の反応は一際大きくなっていた。
これももちろん愛撫によって躰が敏感になっている故である。
集中的な乳首攻めによって控えめな膨らみを何度も誇示する様に躰が反り返る。
極限まで反り返るとそこで何度も痙攣する様に躰が震え、リヤトの口元からは透明の分泌液がだらしなく垂れ落ちる。
「うわ、汚ね、こいつ涎垂らしてるよ」
「バカ、それだけ気持ち良いって事だよ」
手の平のひとつが乱暴にリヤトの乳房を揉み上げる。
「は! あぁぁ!! ひぎ! うぁ!!・・・」
柔らかい乳房の脂肪が手の平に吸い付く様に形を変え、その先端はより卑しく強調され、ツンと更に膨れた。
乳房をしごく様に根元から揉み、同時に膨らみの頂点で存在を誇示する様にそそり立つ乳首を指で嬲る。
「ふぁ!!・・・んんん!! は、あぁぁ!!!」
リヤトが絶叫した。
「なんかすげぇ叫んでるけど大丈夫なのか?」
「大丈夫だって、見てろ」
チュ、ペチュ・・・
性感を研ぎ澄まされた乳首を生暖かい舌が包み込む。
僅かにザラつきのある舌で乳輪のやや舌辺りから擦る様に舐める。
更に途中で引っかかった突起部を転がす様に舐り、たっぷりと唾液を塗す。
51ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/23(日) 02:14:53 ID:6lp4kzGh
チュ、ズッ・・・
そして唇全体を乳房の肌に密着させ、吸引した。
乳輪周りの皮膚が引き込まれる様に少年の唇の中に消える。
口の中では更に舌でピンピンに固く熟れ太った乳首を転がし続ける。
「も、う・・・だ・・・めぇ!!」
「え? 何?」
「う、ぁ、はぁん!!! んああぁぁぁぁ!!!!」
傍らで目を丸くする少年の疑問にも構わず、リヤトは躰を弓なりに大きくしならせる。
腰が浮くほど大きく叫びながら反った。
極限まで反った所で全身が三度ほど大きく痙攣すると浮いた腰が床に落ちた。
「はぁ・・・ん・・・」
甘い情欲にまみれた溜め息を漏らし、ぐったりと力尽きた様に体を地面に預けた。
「い、イッちゃったのか・・・」
満足する様にそう呟く声とは裏腹に、手はまだ彼女の体を貪り続ける様に動き続ける。
少年達の欲求と好奇心はまだ枯渇していない。
むしろこれからが本番なのだ。
「は・・・あぁん! ・・・あ、う・・・」
リヤトは体を震わせながら、虚ろな眼差しで天井を見上げた。
(続)


赤い砂漠ももうそろそろ終わりそう・・・
これが終わったら秀兄妹のを続き書かせて頂こうかなと思ってます。
52名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 08:17:04 ID:keYpCo2r
ねおん氏ぐっじょぶ!
あんたいつもいい仕事しやがる
53名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 23:38:03 ID:vdLmXbhj
ねおんさん乙。
続きも期待しとります
54ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:37:30 ID:kcYByHbs
続き投下。

酒場跡の裏にある大きな酒蔵。
酒場とは隔たった別の建造物である。
集団が盗品の隠し場所にしているらしく、中には装飾用の貴金属類や穀物、酒樽などが所狭しと積み上げられていた。
酒蔵という性質から窓は低い位置に一つだけ、おまけに扉は外から錠が掛けられる仕様である。
彼等にとってはリヤトさえも『盗品』らしい。
彼女も同様に全裸のまま酒蔵に放り込まれたいた。
自分がここに閉じ込められるまでの過程はよく覚えていない。
ハッキリと言える事は幸い処女だけは奪われずに済んだ事だ。
ファーストキスは奪われてしまったが今はそんな事悔しがる気力も無い。
気が付けば気絶する様に眠っていた彼女を叩き起こす程に砂漠は寒くなっていた。
小さな鉄格子付きの窓から見える景色。
外はとっくに日が暮れ、数え切れないほどの星と大きな月が夜の砂漠を照らしていた。
時折吹き付ける風で星明りに照らされながら砂塵が舞うその姿はなんとも幻想的だ。
しかし今の彼女には夜の星空さえも楽しめる様な気分ではない。
あれほど快楽に溺れ、火照っていた自分の躰はすっかり夜の冷え込みのせいで冷め切ってしまっている。
リヤトは無造作に地面に放置されていた一枚の布切れを体に巻いて寒さに耐えていた。
・・・あれからどれ程時間が経っただろうか。
グゥ・・・
リヤトの腹の虫が鳴った。
体に巻いた布の中で恥ずかしそうに腹部に手を当てるリヤト。
「・・・姉さん・・・」
思わずそう呟いてしまった。
この時間、普段の彼女なら家でエルアと作ったシチューでも食べながら、冗談でも言い合って楽しい食卓を過ごしている。
エルアは機械は得意でも料理に関してはからっきしだ。
味付けはどうも薄目になってしまうし、煮込む時間だって短い。
姉はリヤトがいなければ粗雑な料理ばかりを作る。
エルア一人で準備したこの間の夕飯だって固い野菜スープだった。
いつもなら姉に優しく手解きしながら二人で夕飯のメニューでも考えている筈である。
親のいない二人だけの生活は決して楽とは言えないがそれなりに楽しい事もある。
お互いが元気であれば何もいらない。
55ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:38:02 ID:kcYByHbs
両親が死んだ日には互いにそう誓い合ったのに・・・
あの時、素直に真っ直ぐ家に帰っていれば良かったんだ。
後悔している間も肌を刺す様な外気が、足の裏と尻に感じる固くて冷たい地面の感触が、着実に彼女の体力を奪い続ける。
「・・・寒い・・・」
今度はそう呟くと、リヤトの口から白い気体が吹き出た。
肌を小刻みに震わせながら、両手で互い違いに肩を擦る。
この砂漠は昼と夜の温度差が激しい。
日中は肌を覆い隠さないと火傷してしまう様な強烈な日差しも、夜は水も凍てつく様な寒さに変貌する。
(・・・し、死んじゃう・・・死んじゃうよ・・・)
リヤトは相変わらず寒さに震え、死を恐れていた。
既に酒蔵の中を一通り探し回ったが、あるとしたらアクセサリー、香辛料、そして樽一杯の酒。
体を覆える物はこの布ぐらいしか見つからなかったのだから。
元々盗品を保管している酒蔵だ、服や布など男の彼等が盗む筈は無い。
(・・・)
おもむろに布の端を手で押さえながら立ち上がり、何かに誘われる様に歩き出すリヤト。
その足も寒さに小刻みに震えながらだ。
彼女はひとつの酒樽の前で立ち止まった。
小さな樽だ・・・小柄の彼女の腹部ぐらいまでしか高さが無い。
虚ろな眼差しで樽を見つめ、樽の上部の丸い蓋に触れた。
そこには既に木の温もりなど感じられるわけが無く、無情にも冷たい。
だがよく見たら乱暴に叩き割られた様に蓋が割れていた。
(・・・やっぱり・・・お酒・・・だよね・・・)
そう頭に思ったリヤトは割れた蓋の隙間から覗く影に両腕を突っ込んだ。
「ん! つ、つめ・・・た・・・い」
中で冷たい液体に両手が包まれ、リヤトの肩が震えた。
寒さに耐えながらその液体を掬い上げる。
樽の中から滴が水面に落ちる音が響く・・・
暗くてよく見えないが液体は微かに紅色に色付いており、ほのかにアルコール臭もする。
リヤトは一抹の願いを込めて、その掬った液体を口に運んだ。
『酒を飲めば体が温まるかもしれない』・・・そんな希望だった。
56ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:38:50 ID:kcYByHbs
口に含んだ液体は紛れも無く酒だった。
「う!? うぁ!!」
喉が焼ける様な強い酒であったが。
慌てて口に含んだ酒を地面に吐き捨て、咳き込んだ。
液体が地面にばら撒かれる音、リヤトが咳き込む音が静かな酒蔵の中に響く。
(な、何やってるの私・・・飲まないと・・・こんなに寒いの・・・耐えられない・・・)
もちろんリヤトは未成年であるので酒など飲んだ事は無い。
それ以前に酒なんて飲みたいなどと思った事も無いが状況が状況だけに仕方ない。
・・・酒などという贅沢品はこれから彼女が成人しても二度と口にする事は無いだろう。
「・・・」
リヤトは恐る恐る手の甲に付着した酒を舐める。
(・・・なんか・・・舌がピリピリする・・・)
再び背伸びして樽の中を覗き込んだ。
(・・・こんなののどこが良いんだろ・・・)
「・・・う、ぅ・・・」
小さな窓から吹き出る冷たい風がリヤトの体に吹き付けた。
全身が身震いする。
(・・・さ・・・むい・・・)
確かにこの寒さの中ではその内死んでしまいそうだ。
リヤトは息を呑んで再び樽の中身を掬い取り、自らの口に運んだ。
今度はゆっくりと少しずつ両手で作った器を傾ける。
「ん! う・・・」
喉が焼ける様な感覚。
慣れない酒、おまけに相当高いであろうアルコール度数。
途中何度も吹き返しそうになるが『寒さから逃れたい』という一心でリヤトは掬い取った液体を胃に流し込もうとする。
「ん・・・うぁ!・・・ゴホゴホッ!」
喉が拒否反応を示し、奥まで流れた酒でさえ地面に吐き落とされた。
(・・・駄目・・・やっぱりこんなの飲めないよ・・・)
リヤトが焼けた喉を気遣うように控えめに咳き込んだ。
「何・・・してるの?」
57ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:39:29 ID:kcYByHbs
「えっ?」
背後からの声。
跳ねる様にリヤトの体が反応した後、後ろを振り向いた。
いつの間にか鍵の掛かっている筈の酒蔵の扉が開け放たれいる。
そこでは少年が星明りに照らされながら立っていた。
顔は何とか判別が付く・・・この少年、初めに大男と共にいた少年。
先程は性欲のままに自らの躰をオモチャにした男達の中で唯一、何もしなかった少年だった。
「・・・あたしを・・・犯しに来たの・・・?」
リヤトは自分の思った事を口にした。
『皆がいない夜に独り占めしよう』とこの少年がそんな事を考えたのだと思った。
見る見るうちにリヤトの表情が固まっていく。
目を驚く様に見開き、後退りした。
追い詰められた小動物の様に体を寒さと恐怖で震わせていた。
「ち、違う!! これを・・・」
少年が突きつける様に手に持っている物をリヤトに差し出した。
・・・厚い毛皮の毛布だった。
「・・・」
無言でそれを受け取り、胸に抱き締めるリヤト。
「・・・ふ、うぅ・・・」
彼女の瞳から一滴涙が落ち、地面に溜まった砂を黒く染め上げた。
まるで胸に抱いた我子を愛しむ母親の様な姿だった。
「ごめん・・・」
「・・・」
少年の謝罪にリヤトは無言のまま・・・ただ頷いた。
許すとか許さないとかそうゆう事を考えたわけではない。
相槌を打つ様に頷いただけだ。
彼女が求めていた暖かさ、そして人の温もりを感じた気がしたから。
「・・・逃げよう・・・」
少年は囁き声でボソリと呟いた。
「え!?でも・・・こんな夜中じゃ・・・方角も分かんないし・・・」
58ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:40:00 ID:kcYByHbs
「大丈夫、地図は持ち出せなかったけどこの辺りの地形は覚えてるし、方角なら星を見れば判るから」
リヤトの両肩を掴む少年。
「今すぐ行こう、とりあえずどこでも良いから安全な所へ・・・今なら皆酔い潰れて寝てるから」
少年がリヤトの細い手首を握った。
なんと冷たく、弱々しい腕だろう・・・
少年の瞳に少し悲哀の色が浮かんだ。
「・・・でも、待って! や、やっぱり・・・酷い目に遭わされちゃうよ・・・」
少年に腕を引かれながらも、恐怖に凝り固まった表情のリヤト。
「ここにいたって殆ど同じだよ! 早く行こう!!」
「ち、違う・・・」
「さぁ、今の内に!!」
リヤトに構わず、少年が彼女の手を乱暴に引いた。
「違う・・・違うの!!私じゃなくて!!!」
「!?・・・」
突然の大声に驚き、呆気に取られる少年。
彼女の腕を掴みながらも少年は引く事をやめた。
二人の会話が、体の動きが、まるで時間を失ったかの様に止まった。
吹き付ける夜の砂漠の冷たい風と、擦れ合う砂の音、夜空に輝く無数の星の瞬きだけが妙に現実感を持っていたが。
「・・・何で・・・何で盗賊の君がここまでしてくれるの?」
「は?・・・」
少年の手がリヤトの手首から離れた。
「た、ただの他人じゃない・・・私が逃げるのを手伝ったら・・・なんで・・・なんで・・・」
「・・・」
少年の瞳を真っ直ぐと見つめるリヤト。
薄っすらの水分を帯びたその瞳は幼い彼女とは不釣合いな何か、誠実で強い探究心の様な物を感じる。
そんな彼女とは対照的に少年は気まずそうに夜の星を見上げた。
・・・様々な光を放つ星々。
真っ黒いキャンパスに散らばる星の中で月はその存在感を主張するかの様に大きく、光り輝いていた。
「・・・死んだ姉さんに・・・似てたから・・」
「・・・え?」
59ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:40:48 ID:tbCjFwPn
今度はリヤトの方が呆気に取られた。
そして次には戸惑い、恥ずかしそうに表情を崩す。
リヤトその瞳に既に探究心はないが離す事無く少年の瞳を捉えていた。
「あ、ちょ・・・と」
ふと少年がリヤトの顔に視線を戻し、両手で彼女の両腕を掴む。
歳は自分とそう変わらない筈である。
しかし目の前の少年の非相応な大人びた瞳に見つめられ、思わず頬を赤く染まり、顔が熱くなった。
周りは氷点下の空気だと言うのに・・・
リヤトは生まれて初めて男性の誠実さに触れた気がした。
ふと少年の顔がリヤトに釣られる様に恥ずかしそうに歪んだ。
「お、可笑しいかな?・・・こんな理由・・・」
「・・・ううん・・・可笑しくない・・・ぜんぜん可笑しくないよ」
リヤトは直ぐに受け入れた。
少年の言葉が嘘とは思えなかったから。
そして何より両親を失った彼女が共感できたから。
「さぁ・・・行こう・・・」
少年がリヤトに向かって呟く。
「・・・」
・・・リヤトが気が付いた時には離れていた筈の彼女の手と少年の手が再び繋がっていた。
導かれる様に夜の砂漠を歩き出す二人。
空はそんな二人を歓迎する様に星を輝かせていた。

・・
「・・・?」
突然、つまづいたかの様に自らの手を引く少年の体が地面に転がった。
ドスンッと音を立て、彼の体が地面に付くのと同時に吹き出る様に舞い上がる砂煙。
その砂は夜の冷たい風に流され、広大な砂漠の空間に広がって消えた。
「ぇ・・・?」
次に見たのは空中を舞い散る黒い宝石だった。
スローモーションの様に浮かんで飛び散る宝石。
60ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/26(水) 22:42:19 ID:tbCjFwPn
そしてそれは月明かりに照らされ、キラキラと夜の砂漠の中で幻想的に輝いた。
何が・・・起きたのだろう・・・?
今の現状が飲み込めないリヤト。
「な・・・に・・・? が、ぁ!? あぁ!!」
そんな彼女の喉元がいきなり圧迫感に襲われた。
「う、あぁぁ!」
息苦しさに唸るリヤト。
その圧迫感は彼女の目線を上に向けさせ、夜の星空を見上げさせる。
何が起きたのか分からない。
ふとリヤトの体が浮いた。
彼女の足が地面を離れ、彼女の小さな身長の半分程の高さまで浮き上がる。
支えを失った布と毛皮が彼女の体から滑り落ち、足元の砂に落ちた。
「う、あ・・・は・・・」
薄れて行く意識の中、彼女は自らの首に巻き付く『何か』に触れた。
・・・それは手の平だった。
彼女の小さな首に大きな手の平が巻き付いていた。
ゴツゴツとした岩肌の様な腕の筋肉。
リヤトは見た。
星空の光を受けている鬼の様な形相のあの男を。
その大男は顔を赤めらせて、リヤトを睨みつけているのだ。
彼女を軽々と持ち上げる太い左腕には血管が浮かび上がり、怒りであろう感情に震えている。
「よぅ・・・二人でこっそり夜中にデートか? 俺も混ぜてくれよ」
右腕には半分ほどに欠けた真っ黒い瓶が握られている。
その瓶は男の黒々しい心を映し出す様に星と月の光に照らされ、邪悪な光沢を放っていた。



非エロすまそ・・・
61名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 01:32:39 ID:yW9/4QcB
非エロなんて書いてんじゃないよ
62名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 01:47:03 ID:2u0dbLyq
続きが気になるっ
63名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 12:36:26 ID:Tur7z613
エロ読ませろ!エロ!
64名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 14:00:14 ID:NzdrX8dF
エーロッ!エーロッ!エーロッ!
65ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:38:22 ID:j40X2kGy
赤い砂漠、最後です。

「く、ぁ・・・あ・・・」
悲痛な表情を浮かべながら呼吸できないという苦しさに耐える。
危険過ぎる・・・この男は。
頭でそう考え、同時に死を覚悟した。
どんどん遠のいて行く意識・・・
大男がニヤリと笑い、頃合を見て左手を離した。
ドスッ
尻餅を付くようにリヤトの小さな体が赤い砂の地面に落ちる。
「が、ぁ・・・ゲホ、ゲホッ!!」
乱暴に握られ、赤くなった喉元を手で押さえ、大きく咳き込む。
「酒が切れたから酒蔵に来たんだが・・・デートの邪魔しちまったかぁ?」
大きく目を見開いて、足元で腰の抜けたリヤトを睨む男。
「ひ、・・・ぁ・・・」
リヤトはパニックを起こしている様だ。
余りの恐怖に涙を流し、だらしなく開いた口を閉める様子もない。
「まぁ、そんな格好じゃ風邪引くぞ? 一緒に酒でも飲もうぜ、奥でよ」
男が身の覆いを失ったリヤトを眺めながら、半分に割れた瓶を握り直した。
右腕に握られた漆黒の瓶は相変わらず月明かりに照らされ、邪悪な光沢を放っている。
気が付いた様にその瓶を目にしたリヤトの体は更に硬直した。
「ま、・・って・・・下さい・・・」
少年が立ち上がっていた。
頭から流血しながら。
後頭部を押さえ、虚ろな目付きで男を顔を見ながら言葉を放つ。
「お願いです・・・その子には手を出さないで下さい・・・」
「ぷ、はははは!! 何言ってやがるぅ? お前ぇ〜」
男の冷笑が閑静な砂漠に響く。
「その子を見逃してあげて下さい・・・お願いします・・・」
少年が弱々しい声でそう言うと、地面に両手を付き、頭を下げた。
目線は真下を向き、深く深く・・・顔が砂に付きそうな程深く頭を落としていた。
「お前、何か根本的に勘違いしているようだな。いつからお前は俺に物を頼める様な立場になった?」
66ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:38:53 ID:j40X2kGy
「・・・」
少年は男の言葉を聞きながら、ただジッと地面を見つめ、頭を下げ続けていた。
少年の頭から伝い落ちる血が赤い地面の砂を黒く染め上げる。
「誰がお前を拾ってやったんだ? 俺がいなきゃ今頃スラム街の路地裏でのたれ死んでたんだぞ?」
「・・・はい」
「誰が・・・お前の様なチンピラを拾ってここまで大きくしてやったと思ってんだぁ!!? あぁ!!?」
男が赤い顔で怒鳴った。
顔が赤いのは怒りではなく、酒が入ってるせいだろう・・・既に相当の量の酒を飲んでいる様だ。
だがこの凶暴性は男の元々の性質なのか、あるいはアルコールが入っているせいなのか。
・・・おそらく前者だ・・・そして酒は更にそれを助長させているという最悪の付加要素の様だ。
時折男の語尾がだらしなく伸びるのも酒のせいだろう。
ガッ
「う!? ぁ・・・」
当然飛んで来た割れ瓶が少年の右肩に当たり、鈍い音を立てた。
肩に当たってバウンドし、少年後方の地面を転がっていく瓶。
少年が肩を抑えながら蹲まり、痛みに耐える。
「別にいつ捨てたって構わないんだぜアル。代えなら他にも沢山いるんだからなぁ」
男が腰を抜かしたリヤトを余所に、少年に向かって歩き出した。
一歩、また一歩と砂を踏みしめる音が聞こえる度に少年と男の距離が縮まっていく。
「俺はお前の親も同然だ・・・子供はお前は親である俺の言う事に従わなきゃならねぇ!!」
「がっ!!?」
軽く助走を付けた蹴りが蹲る少年の腹部にめり込んだ。
横向きに少年の体が転がり、仰向けに倒れる。
嘔吐しそうな仕草で咳き込む少年。
「どうやらまだ躾が足りねぇようだなぁ!!」
「やめてぇぇぇぇぇ!!!!」
恐怖の余り動かない筈のリヤトの足が動いた。
それだけではない、自分でも気が付いた時には叫びながら走っていた。
再び蹴りを入れようとする男と少年の間に割って入るリヤト。
少年を庇う様に身を呈すが、その表情は既に恐怖で固くなり、涙にまみれていた。
67ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:39:25 ID:j40X2kGy
「お願い、もうやめてぇ!!!」
リヤト自身何故こんな事を言ってしまったのか理解していなかった。
ただ目の前で苦しむ少年の姿を見ていられなかっただけ・・・ただそれだけのはず。
男の怒りを静めようと正しく身を差し出し、叫び続けた。
「もう逃げようなんて二度と考えません!!」
「・・・」
少年が上半身を起こし、驚く様に目を見開きながらリヤトの泣き顔を見た。
「食事は残飯でも良いし、寝床はなくたって構いません!! 盗みだって手伝います!! だから、だから!!・・・」
「・・・『だから許して下さい』・・・か?」
「何でもしますからぁ!!!!」
一際大きな声でそう叫んだ。
無我夢中で許しを乞い、大きな事を口走った自分。
叫んだ後になって初めて事の重大さに気が付き、リヤトは我に返った。
もう諦めるしかない。
その時彼女は静かに決心した。
自分の人生をこの男に差し出そう、と。
不思議と後悔という念は浮かんで来なかった。
むしろ考えだけが先へと先へと進み、不安で頭が破裂しそうだった。
「はは、『何でもします』ねぇ」
「・・・はい・・・何でもします・・・」
叫び終えたリヤトは自分でも不思議なくらい落ち着いていた。
彼女の中では既に主従関係が出来上がってしまっていた。
急にリヤトが丁寧な言葉遣いになったのはそのせいだ。
「・・・感謝しろよアル、このお嬢ちゃんがお前のためなら何でもするってよ」
邪悪な笑みを浮かべながら、乱暴にリヤトの髪を掴んで彼女を立たせる男。
「・・・なんで・・・なんで・・・」
少年の嘆きの余りそう呟いた。
自分がどうなってでも彼女を解放してあげたいという気持ちなのだろう。
しかし皮肉にも彼女自身は全く逆の感情だった。
「い!! た・・ぃ・・・う!!」
68ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:40:01 ID:j40X2kGy
男が乱暴リヤトの乳房を掴んだ。
大きな手の平が無骨な動きで彼女の控えめな膨らみを揉む。
「何でもするんだよなぁ?」
男が再び笑みを浮かべる。
この男、性的な衝動ではなくリヤトの決意を試すために彼女の体を嬲っているのだ。
まるでリヤトを追い詰める様に、苛める様に彼女の反応を見ながら体を触っていく。
「は、ぁ・・・さ、・・・むい・・・」
リヤトの肩が震えた。
叫んで興奮したせいか、体が妙に温かい。
その暖かい体に吹き付ける夜の風は温度差が激しいため、体感温度が低く感じるのだ。
寒さに凍えるリヤトを気にする事も無く、男は彼女の右乳首に指を擦り付ける。
「ひ、ぁ!!」
乳首は寒さのせいで既にプックリと膨れていた。
人差し指の腹が乳首を上下に弾く。
「く・・・ぁ・・・」
僅かにリヤトの上半身が反応を示した。
肌が冷え始めているせいか、一層体が敏感に感じられる。
指先で突き出た乳首を押し込んだ。
まだ柔らかに優れた乳首が潰れ、乳輪に押し込まれる。
乳輪が滑らかなカーブを描いて凹んだ。
「アル・・・俺はな・・このお嬢ちゃんを見てるとなぁ・・・思い出すぜ」
「!?」
少年の嘆きの表情が一変し、驚きの表情に変わった。
自分自身が感じている感情を見抜かれた気分だ。
「お前の姉をな・・・あいつは良い女だった・・・」
男がそう言いながら押し込んだリヤトの乳首から指を離す。
凹んだ乳輪が元通りに膨らみ、乳首の高さが押し込まれる事により控えめになっていた。
「ふ、ぁ・・・」
リヤトの口から熱い吐息が漏れ、寒い砂漠の中で白い気となった。
そしてその白い気は暗い空間で四散し、徐々に白色を失い、消えた。
69ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:41:18 ID:b3W0hR8Y
「ふ・・・ふざけんな・・・」
ボソリと呟く少年の目付きには恨みの感情が見える。
男を睨みつけながら震える少年の体は今にも男に殴り掛かろうとしていた。
「あいつが死んじまった今でもな・・・時々あいつを抱く夢を見るんだよ・・・」
「・・・」

・・
生まれた時から親の顔を知らない少年。
少年の共に少年の姉はこの男に拾われたのだ。
この姉弟を拾う男の顔は最初は優しかった・・・そう、最初は。
今思ったらまんまと騙されたのだろう。
拾われた途端盗賊として教育され、まるで奴隷の様な扱いを受けた。
男は慈善で子供達を拾ったんじゃない。
自分の代わりに犯罪に手を染めさせようとしていただけなのだから。
まだ幼い二人さえにも盗みを働かせ、姉が成長すると今度は性欲処理の道具として乱用した。
あの男を殺したい衝動に駆られたのは一度や二度ではない。
その度少年は姉に止められていた。
姉はあの男がいなくなると自分達の居場所がなくなると言うのだ・・・
そんな姉がある日、酒蔵の奥で冷たくなっていた。
あの気丈な姉が自決していた。
妊娠を自覚したからなのだろうか・・・未だに理由は分からない。
ただ手首から血を流しながら、冷たい酒蔵の地面にうつ伏せていた。

・・
・・・少年にとって姉は神聖な存在だった。
もちろんあの男に穢されても、自分の中では姉の死を知ったその瞬間までそうだった。
「やめろ・・・やめろ!! そのド汚い手を離せ畜生ぉぉぉ!!!!」
この男、現実で姉を殺したにも関わらず、夢の中でさえ姉を苦しめようと言うのか。
そう考えた時には既に男に向かって殴り掛かろうとしていた。
「やめてぇ!!」
70ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:42:03 ID:b3W0hR8Y
リヤトがそう叫び、少年を睨みつける。
怒りから我に返り、少年の足が止まった。
見知らぬこの女の子、顔だけでなくその挙動さえも死んだ姉にそっくりだった。
それがかえって少年にとって我慢ならなかった・・・まるで再び姉が辱められている様で。
この子さえも見知らぬ自分のために身を捧げようと言うのか。
「うぁ!!」
震える感情を押さえつけている少年の目の前でリヤトの表情が歪んだ。
両手の指が乳首を挟んでいた。
極限まで引っ張り上げると、彼女の小さな膨らみが円錐状に伸びる。
限界まで引っ張った所で指をスライドさせ、キリキリと攻める。
「ん、はぁ・・・」
リヤトが甘い声を出した。
甘美な刺激に侵食され始めているのだろう、心が、躰が。
「さぁて、じっくり見てろよぉ?」
男が挑発する様にそう言うと、自らの一物をさらけ出す。
「ひ!!? や・・・だ・・・」
恐怖で彼女の顔が強張る。
同時に拒否する様に下半身を捻った。
「・・・何でもするんだよなぁ?」
男がそう言いながら、自らの一物を彼女の股に当てた。
リヤトが頭を垂れて沈黙してしまっている。
逆らえない、絶対的な主従関係だった。
ここで拒否すると少年も自分自身もどんな目に遭うか分からない。
それが怖くて堪らなかった。
「ひ、ぎぃ!!? あああぁぁぁぁ!!!!」
唐突に強烈な痛覚がリヤトの躰を貫いた。
快感なんてない、ただの痛覚だけだ。
痛覚の余り、リヤトの表情が歪み、瞳から大粒の涙が零れた。
「殺してやる・・・殺してやるぞぉぉ!!!!」
獣の様に少年が大声で吼えた。
71ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:42:36 ID:b3W0hR8Y
鬼の様な形相で走って来る少年をリヤトはもう制止する気力がなかった。
「殺せるのか!? お前のにこの俺を!?」
男が叫び返し、リヤトから肉棒を引き抜いた。
体を男に突き飛ばす様に押され、その場に倒れ込むリヤト。
もう殺し合うつもりだ、この二人。

・・
・・・地面が揺れた。
「・・・!?」
突然の出来事に立ち尽くす少年と男。
リヤトにいたっては、もう立ち上がる事すら出来ない。
男の叫び声が聞こえた。
「うわ!? うわぁぁぁぁ!!!!」
突然男の足元の地面が盛り上がったかと思うと、砂が勢い良く吹き上げ、男の体を包んだ。
次に地面から何か大きな岩の様な物が飛び出し、男を覆い隠してしまったのだ。
見たのはそこまでだ。
立ち込める砂煙で目を開く事ができない少年とリヤトはそこまで目撃した。
周りの砂煙が消えた時、既に男の姿も見当たらない。
近くで巨大なサンドクローラが再び轟音を立て、地面に潜るのを見ただけだった。

・・
「う、・・・あぁぁぁぁ!!」
リヤトが泣き叫びながら少年の足にすがり付いた。
「ごめん・・・ごめん・・・」
そう呟き繰り返しながら、少年もその場に膝立ちになり、リヤトを抱き締めた。
「ひぐ、・・・うぅ・・・」
少年の腕の中で泣きじゃくる。
開放されたという気持ちより、穢されたという後悔の念の方が大きかった。
今となってはもう遅い事だが。
「・・・抱いて・・・くれる・・・?」
72ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:43:10 ID:b3W0hR8Y
リヤトがくぐもった声でそう呟いた。
「・・・もう・・・汚れちゃったけど・・・抱いてくれる・・・?」
「・・・・・・うん」
今にも泣きそうな声で、そう言いながら更に強く抱き締めた。
少年自身、姉の生き写しの様な彼女を抱く気なんてない。
だが自分が彼女の傷付いた心を、体を、慰めてやれると言うなら・・・
そう考えた時には既に頷いていた。
自分のして来た事への罪滅ぼしというつもりはない。
ただ、何かしないと罪の意識で自分自身が押し潰されそうだった。
そっと少年の手がリヤトの乳房を掴んだ。
「う・・・」
・・・躰はさっきよりも敏感になっていた。
あの乱暴な大男の時とは違う、まるで傷つけられた心や躰が治癒していく様な感覚だった。
少年の歳とは不相応な愛のある愛撫だ。
いつしか小さな躰は熱に満ちていた。
冷たい外気に対抗する様に・・・
「ん、うぁ・・・あ!・・・」
乳房を撫でる少年の手の平が何度も何度も乳首を擦った。
その度に躰が痺れる様な、それでいて満たされる様な気分になる。
「ごめん・・・ごめん・・・」
そう謝りながら、慰める様な手付きで乳首を転がした。
僅かに突き出た乳首を何度も転がしている内に中から固くなり、膨れるように先端が勃った。
「うん・・・うん・・・」
リヤトは少年の謝罪の言葉に相槌を打つ様にそう返した。
「は、あん!」
彼女の躰がビクッと震えた。
膨れた乳首を押し込まれからだ。
滑らかに凹んだ乳輪にめり込む指が奥で数回ほど円を描く様に動く。
指を離すと乳房が元の控えめな膨らみに戻り、波打つ様に胸の脂肪が微かに震えた。
「ふ、ぁはぁ・・・」
73ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:43:55 ID:TBI89PW8
我慢していた感情を吐き出す様に大きく息を吐いた。
押し潰された乳首を再び攻める少年の指。
乳首を上下左右に満遍なく擦り、再び敏感な頂の勃起を促す。
望み通りに再び先端がプックリと膨れた。
「・・・気持ち良い・・・?」
「う、う・・ん・・・んぁ・・」
リヤトの躰が再び震えた。
甘い感覚のせいか、寒い外気のせいか、自分自身でも分からなかった。
少年が膨れた乳首を舌先で転がした。
たっぷりと唾液をまぶし、ゆっくりとした動きで。
「う、うぁ・・・は、ぁん!・・・」
リヤトの喘ぎがハッキリとして来た。
唾液に塗れ、光沢を放つ舌が乳首を押し、擦り、転がす。
舌先で軽く押すだけで形を変える柔らかい乳房。
舌の流動する様な動きに合わせて、乳首が転がり、乳首根元の柔軟な乳輪が変形を繰り返す。
チュ・・・プ・・・
唾液に塗れた少年の小さな唇が膨れた性感帯を挟んだ。
そして軽く吸引し、唇を軽く動かして乳首を刺激する。
「はぁん・・・んぁ!」
リヤトの躰が控えめな膨らみを強調する様に反り返った。
まるで『もっと』と言わんばかりに乳房が少年の口元に押し付けられた。
その期待に答え、少年が口に含んだそれを強く吸引した。
「ひゃぁん!! あぁ、あぁん!!」
強くしっかりとした声で喘ぎ、悶えた。
羞恥心も戸惑いもないハッキリと自分の受ける愛撫を悦ぶ様に。
唇を盛んに変形させ、乳輪を揉む様に刺激、奥では舌が乳首を撫でていた。
焦らす様に乳首周りを舌先で擦り、時折乳首の上を舌で通過する。
「あぁ!! あん!! う、うぁ!!」
高ぶる感情が、敏感になる躰が抑えきれない。
何度も何度もリヤトの上半身が痙攣する様に反応した。
74ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:44:26 ID:TBI89PW8
数回その行為を繰り返した後、今度は直接乳首を舌で集中的に攻めた。
舌先で乳首を押し、転がし、時には唇と密着させて、強く吸引した。
「はぁぁん!! あうぅぅぅぅぅ!!!!・・・」
リヤトが大きく躰を反り、叫ぶ。
ふと彼女の瞳から再び涙が零れた。
何故かは本人にも分からなかったが。
快感の余り、頭が真っ白になった。
「・・・ねぇ・・・さん・・・」
最後に少年がそう呟いたのが聞こえた。

・・
リヤトは開いていた図鑑を閉じた。
やはりサンドクローラは本来夜間に活動する様な生き物ではないらしい。
何故あの時、あの男を飲み込んだのだろう。
私達を助けてくれたのだろうか?
そんな考えが頭を過ぎるが、所詮は確かめようの無い不毛な疑問だった。
ふと美味しそうな料理の匂いがリヤトの鼻に付く。
もう姉はシチューを美味しく作れる様になっていた。
「リヤト、ちょっと手伝ってぇー」
エルアの声が奥から聞こえた。
あぁ、やっと我が家に戻って来たんだ・・・
今更ながらそう実感した。
もうあの出来事から一ヶ月が過ぎようとしている。
あの日の事はエルアに散々問い詰められたが『砂嵐のせいで帰れなかったので民家に止めて貰った』と言っておいた。
心配性の姉に負担を掛けたくないと思ったからだ。
・・・気丈な自らの性格も要因のひとつかもしれないが。
既にあの日の出来事はもう自らの胸に閉じ込めてしまっている。
もう打ち明ける事は無い・・・誰にも・・・一生・・・
リヤトは手に持つ図鑑をそっと本棚に戻した。
・・・風の噂で聞いたのだが・・・
75ねおん ◆lLNihyNahM :2005/10/30(日) 17:47:51 ID:TBI89PW8
あの盗賊団は壊滅したらしい。
頭目であるあの男がいなくなったのが原因の様だ。
中には団体を存続しようと指導者を名乗り出る者もいたらしいが・・・
最終的には自然分解する様な形で消え去った。
元々あの男が無理矢理人々を寄せ集めて作った集団なのだから、当たり前と言えば当たり前だが。
リヤトがふと、家の窓から外を眺めた。
「・・・」
舞い散る砂塵と、照りつける日光をただ眺める。
あの少年はどこにいったのだろう。
そんな事を考えていた。
「リヤトー?」
「うん、今行く」
姉の急かす様な声にそう返した。

外ではただ砂が風に吹かれ、舞っていた。
欲望の炎を象徴する様な赤い赤い砂が。

(終)



長々と駄文を晒してしまった・・・おまけにエロ少ないし・・・ orz
根気良く読んでくれた方有り難う御座います。

その内、兄妹物の奴を続き晒そうかと思ってます。
76名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 01:34:43 ID:VU1FS7nI
途中心が痛かったけど最後良かった
77名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 18:33:30 ID:bOBDp3/U
GJ!!!
78名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 14:26:05 ID:l9XxWmuS
乙!
エロ少なくても書かれないよりずっといいよ
79名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 00:04:28 ID:8nzzLnvB
いや書かれないほうがましだろ
80名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 09:31:53 ID:XJdCa+8W
読んでみてエロが無かったら、「ハァ?」とはなるがね。
81名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 11:39:06 ID:zZvwCFZQ
エロが無い≠エロが少ない
82名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 23:14:50 ID:kDgNpRmH
読んでみてエロが少なかったら「ダボがぁ!」とはなるがね。
83名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 23:16:44 ID:kDgNpRmH
つーか、エロ漫画小説板なんだからエロ無かったら板違いじゃないか?
84名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 00:00:12 ID:d4v8GoOq
ストーリー性とか他にも読む要素あるだろ?
エロだけが目的ならAVでも見て擦ってりゃ良いだろ
エロ少ないからって文句垂れるなよ大人なんだからw
85名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 02:01:20 ID:heUe1kEe
エロがあるのに文句垂れるやつは読むなよ
本スレからわざわざ移ってくれて書いてるんだからさ
86ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:46:21 ID:N8gosPII
しばらく休止してた兄妹物投下再開します。 興味ない方スルーして下さい。

どこだ・・・? ここ・・・
周りを見渡しても白、白、白。
どこを見ても真っ白だ。
天国を彷彿とさせる不思議な場所だった。
何もないが・・・広大なスケールだ。
俺は真っ白い空間に立っていた・・・いや浮いていると言った方が正しいだろうか。
というのも足が宙に浮いているのである。
足は地面らしき固い何かを踏み締めているのに、地面と認識できるものは足元になかった。
そんな非現実的光景もどうゆう訳か、俺は当たり前の様に受け入れていた。
「どこだよ・・・ここ・・」
思わずそう呟いた。
あれ・・・あれは・・・有香?
有香がこちらに背を向けて立っていた。
首元辺りまで垂れた見慣れた黒いロングヘアー、歳不相応な小さな体。
服は・・・この場所を連想させる様な真っ白いワンピースを着ていた。
「おーい、有香ー!!」
そう叫びながら走り寄る俺。
・・・あれ・・・なんだ?
異変に気が付いた。
走っても走っても距離が縮まらないのである。
「な、どうなってんだよこれ!! 有香!! 有香ぁ!!!」
いつの間にか呼びかける声ではなく、助けを求める様な甲高い声になっていた。
「有香!!!!」
喉が震える程大きく叫ぶ俺。
周りには俺達しかいないんだ・・・気にする必要もない、力いっぱい叫んだ。
やがて・・・諦める様に立ち止まる俺。
いくら走っても一向に縮まらない距離。
まるで何者かに接近を阻害されている様な気分で、妙に腹立たしい。
ふと、有香が振り向いた。
体を横に向け、首だけはこちらを向いている。
87ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:47:05 ID:N8gosPII
感受性豊かな有香には珍しく、感情を見せない淡々とした表情だった。
「・・・・有香?」
突然、有香が傾く。
有香の体が後ろ向きにゆっくりと・・・スローモーションの様に体が倒れていくのだ。
「有香ぁぁぁ!!!」
そう叫び、夢中で再び走り出した。
・・・気が付いた時には有香の体を支えていた。
縮まらなかった筈のあの距離を一瞬にして移動していたのだ。
「・・・ぇ?」
思わず情けない声を出してしまった。
俺の腕の中で有香がぐったりとしているのである・・・
「お、おい! しっかりしろ!!・・・!?」
見る見る内にワンピースの白い生地が真っ赤に染まっていく。
な、これ・・・血!?
「ゆ、有香!!? おい!!!」
『何故血が』と考える前に有香の顔を叩いていた。
いつの間にか有香の瞳も虚ろになっていた。
目線は最早どこを見ているのかも分からない。
少なくともこの俺の顔は見てくれてはいないだろう。
「おい、有香!!!! 有香ぁ!!!!」
俺は夢中で有香の頬を叩き続けた。
しかし、有香の瞳は眠る様にゆっくりと閉じていく。
寝るんじゃねぇ!! 寝るんじゃねぇよぉぉぉぉ!!!!
心の中でそう叫んだ。
「有香!!! ゆかぁぁぁ!!!!」
今度は本当に叫んだ。
支える有香の体がどんどん冷たくなっていくのを感じたから。
初めて実感した。
『人間って暖かいんだ』と。
これが・・・死・・・なのか・・・?
88ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:47:37 ID:N8gosPII
そう考え付いた。
自分でも信じられないほどあっけなく・・・

・・
あ・・・れ・・・?
俺は両手に薄い毛布を握っていた。
毛布を握る手の中にはジンワリと嫌な汗を掻いている。
次に感じたのは自らの体が横になっている事だ。
・・・夢・・・か・・・そうだよな・・・
そう頭の中で整理しつつも、俺は気だるそうに布団の掛かっていない上半身を起こす。
手だけでなく全身余す事無く嫌な汗を掻いていた。
あの悪夢のせいか、夏の暑さのせいかはハッキリしないが。
服の中に着たシャツが体に張り付き、不快感を煽る。
開け放たれた障子から夜の庭の景色が覗いていた。
たかれた蚊取り線香の匂い、聞こえる夏虫の鳴き声。
それを認識した時、俺は思い出した。
自分が鹿児島の実家に来ている事を。
てっきり自分の部屋だと勘違いしていたが・・・
「はぁ〜・・・」
上半身を起こし切った所で深い溜め息をついた。
よりによって・・・あんな夢・・・
頬を何かが伝う感触。
あ・・・れ・・・・?
俺は涙を流していた。
慌てて手の甲で涙を拭う。
目尻まで濡れている事考えると、どうやら俺は寝ながら泣いていたらしい。
・・・んだよ・・・だせぇ・・・この歳になって・・・
別に誰かが見てるという訳でもないが、夢ごときで泣いている自分が恥ずかしく、馬鹿らしい。
妹を失う恐怖感、孤独感が原因だろうか、自分が泣いてしまった理由は。
よっぽど有香の体に飢えてんだな・・・俺・・・
89ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:48:26 ID:N8gosPII
自分でそう理由付けると妙に納得できてしまう。
有香は死んでいない・・・今だって自分の隣に・・・
そう自分に言い聞かせながら横を見る。
・・・案の定、有香はそこにいた。
丁寧に布団を首元まで被り、安息の極みの表情で眠っていた。
更に奥では勇太と愛の敷布団が。
勇太は乱暴に布団を蹴り飛ばし、愛はこちらに背中を向ける様に横になっていた。
全く・・・人の気も知らないでよく寝てやがるな・・・
頭の中で三人に文句をぶつけた。
まぁ、自分勝手な文句ではあるが。
スー・・・スー・・・
・・・耳を澄ませば有香の寝息を聞こえる。
素直に可愛いと思える寝顔だ。
兄である自分ぐらいだろう、この寝顔をこれほど近くで拝めるのは。
そう考えると妙に嬉しくなり、優越感がこみ上げて来る。
有香は俺のそばにいるんだ・・・今も・・・これからも・・・
先刻見た悪夢を消し去る様に自分の頭にそう言い聞かせた。
「・・・」
有香の寝顔を見ていると、まだ残る孤独感と恐怖感を塗り潰す様に妙な感覚が頭にこみ上げて来る。
好奇心と色欲が混じった様な妙な感覚だ。
そして、そこには孤独感に冷え切り、人の肌の温もりを求める甘えの感情も混じっていた。
・・・有香の躰が欲しくて溜まらないのだ。
俺は冷静にそう認識した。
そっと・・・有香の首元の布団を捲った。
バサッ
厚い布団の生地特有の音を立て、折り畳まれる様に捲れ上がっていく布団。
徐々にピンク色のパジャマが見えてくる・・・
それに合わせてどんどん心臓の鼓動が速くなるのを感じた。
寝ている少女に悪戯をしようとしているのだ。
当たり前と言えば当たり前だが。
90名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:48:49 ID:oCgF3EKX
>>84
読む要素が有ろうが無かろうが、板違いだろうと言っているのだが?
91ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:50:33 ID:N8gosPII
いつもとは違う、この犯罪的なシチュエーションはかえって好奇心と性的欲望を加速させている。
有香の小さな体を覆い隠す布団、それを有香の腰辺りまで捲り上げた。
「・・・」
息を殺すために口を閉じると、心臓の鼓動音が耳の奥で響く。
ドク、ドク、と・・・
今度は有香のピンク色のパジャマに手を掛ける。
有香がよく着るお気に入りのパジャマに。
裾の方からプラスチック製の白いボタンに触れた。
・・・くそ・・・手が震える・・・
焦りと発覚に対する緊張が手元を震えさせる。
普段日常的に行っているボタンを外す動作さえ、今この状況では困難極まりないハードルだ。
実の兄が夜這いまがいな行為を行っていると言うのに、妹は相変わらず何事も無いかの様に平和な寝顔を浮かべている。
そんな妹の寝顔は・・・なんと愛くるしいのだろうか。
女の子らしいピンク色のパジャマとの組み合わせは更に映える。
許されるなら俺は余す事無く、今の有香の姿をビデオなりカメラなりに収めるだろう。
まるで『襲って下さい』と言わんばかり、俺の中ではそう感じ取れた。
緊張のせいか、はたまた夏の暑さのせいか、顔中に汗を掻いていた。
汗が有香の体に落ちぬ様注意し、時々鼻先や顎に垂れて来る汗を手の甲で拭う。
やっと・・・一つ取れた・・・
俺の中で達成感が芽生えた。
重なっていたパジャマの裾の生地が左右に僅かに開き、健康的な肌が見える。
ゴクリッと溜まっていた唾液を飲み込んだ。
ひとつ・・・もうひとつと、震える手付きで次々とボタンを外していく。
途中で罪悪感のひとつでも感じたら途中で止めていたかも知れない。
寝ている女の子を脱がすなんて卑怯で下劣な行為だ、と自分では痛いほど分かっている。
だが、寂しさにも似たこの感情を抑えられるのは有香しかいない、いないんだ・・・
あの悪夢により生まれ、心の奥底で凝り固まった孤独と恐怖、それを排除しようと俺は必死だった。
これが俺の弱さなのかも知れない。
普段の自分が今の俺を見たらなんと言うだろうか・・・
ついに全てのボタンを外し終えた。
92ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:51:48 ID:So+y/Ifi
俺は再び裾から首元まで一直線に眺め、ボタンを全て外した事を再確認した。
有香胸元で重なるパジャマの生地の端を両方の親指と人差し指で摘む。
そして、そっと・・・それを左右に同時に開いた。
ゴクリッ・・・
再び口の中に溜まった唾液を飲み込んだ。
女性の肌というのはいつ見ても新鮮な気分になれる。
健康であるとしか言い様の無いほど、滑らかな肌。
歳相応とは言いがたいが、女性らしく膨らんだ乳房。
頂点では乳輪に紛れる様に小さな乳首が、遠慮気味に突き出ていた。
普段とは違う暗い部屋という環境がより犯罪的に、官能的に有香の乳房を飾っている。
震える人差し指の先で乳首に触れてみた。
「あ・・・」
思わず声が出た。
女性の体の中で最も柔らかい部位であろうそこは期待通りの感触だった。
しっとりと滑らかな乳輪の肌が指に吸い付く様だ。
今度はハッキリと軽く乳輪が凹むほど押し込んでみた。
・・・指の腹全体が至高の感触に包まれる。
指をグリグリと回すと指に吸い付く様に張り付いた乳輪が周りの乳房の脂肪を巻き込んで変形する。
あぁ・・・これが・・・俺の求めた物・・・
だが、今の俺はまだ満たされてはいない。
人間は望んだ物を手に入れると更に欲深くなるものだ。
そっと・・・静かにやれば有香だって起きないはずだ・・・
一体自分はいつまでこの危なっかしい橋を渡り続けるのだろうか。
俺は欲望のままに有香の体を弄り、貪る事に夢中になっている。
今の俺は女体に夢中になり、発覚への恐怖心と警戒心が薄れているのだ、極端に。
今度は爪先で乳首を擦った。
乳輪と乳首の境辺りに爪を当て、そっと掻く様に乳首を擦る。
乳首の真上を何度も通過する爪先。
有香が起きない事を良い事に、やりたい放題に何度もその行為を繰り返した。
弾く様に刺激され続ける突起部は掻く回数を重ねるごとに、少しずつではあるが、確実にその形を変えつつあった。
93ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:52:19 ID:So+y/Ifi
ある程度そこが膨れた所で今度は直に指の腹で乳首を擦る。
すると、乳輪に紛れる様に滑らかなカーブだった乳首がプックリと膨れていた。
もう俺の顔との距離は半メートルもない。
誰もが羨む様な至近距離、この特等席で俺は思う存分卑しく突き出る乳首を視姦した。
寝てても・・・ちゃんと反応するんだな・・・
俺は関心した。
深い眠りについている有香であるが、体はちゃんと反応をする様だ。
現に有香は俺を意識する事すら出来ないにも関わらず、膨らみの頂は愛撫を受け、生理的反射を起こしている。
ここで言う生理的反射、もちろん乳首が膨れる様にそそり立っている事。
有香はまだ起きない。
自分でも迂闊と言うしかないほど大胆になっているのだが、妹はまだ起きない。
それを良い事に俺は次なる欲望を展開する。
今度は舌先に唾液を集め、自らの指を大げさに舐めた。
暖かい舌に擦られた指は、唾液が伝って垂れる程たっぷりと付着している。
俺はその唾液に濡れた指で有香の膨れた乳首を突いた。
次に乳輪全体を擦る様に指を動かす。
膨れた乳首は無理矢理通過した。
ぬるりっと唾液の潤滑性に助けられ、乳輪上を走り回る指。
何度も何度も擦ると勃起した乳首が乳輪上を不規則な方向に倒れる様に、転がる様に形を変える。
勃つ前の乳首では乳輪ごと擦るしか出来なかったが、今のそこは存在を主張する様に大きく珠の様に膨れているのだ。
物理的に弄り易くなったというものだ。
!?
その時、微かに有香の上半身がピクッと震えた。
俺は思わず乳首を苛める指を止めた。
スー・・・スー・・・スー・・・
落ち着いて耳を済ませるが、有香の寝息に変化はない。
・・・こいつ、眠りながら感じたんだろうか。
息を整えながら乳首弄りを再開する俺。
俺は再び指を舐めた。
今度は左右の指を同時に。
94ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:52:50 ID:So+y/Ifi
もう片方の乳首も唾液付きの指で、左右同時に攻める事にした。
既に勃起した乳首を転がしつつ、まだ膨れてもいないもう片方の乳首に唾液を塗り付けていく。
左右同時に軽く乳首を摘んでみた。
・・・再びピクッと反応する小さな躰。
今の有香はどんな夢を見ているのであろうか。
現実で官能的な刺激を受け続ければ、自然とそうゆう行為を受けている夢を見てしまうのではないだろうか?
こいつ・・・夢の中でまで俺に弄られてるのかな・・・
俺は妹の寝顔を眺めつつ、そう思った。
「・・・ん・・・」
・・・微かに有香の声が聞こえた。
!!
慌てて俺は上半身を引き、有香と距離を置く。
「・・・だ・・・れ・・・?」
・・・有香の声を聞いた時、俺の中の緊張の糸が切れた。
警戒していた発覚が今まさに起こったのだから。
あれ程の緊張して震えていた手付きも、一度バレてしまえば意外としっかりしているものだ。
『あぁ、バレたんだな』と、それぐらいしか思わなかった。
自分でも不思議なくらい冷静だ。
「兄さん・・・?」
まだ俺の姿を見ていない筈なのに有香は言い当てた。
ゆっくりと開く有香の瞼。
視界がハッキリしていないらしい、目付きがまだ虚ろである。
「・・・兄さん・・・起きてるの・・・?」
「・・・」
無言の俺。
「な・・・何してたの!?」
表情が一変する有香・・・気が付いた様だ。
自らの衣服でがはだけている事に。
相変わらず左右に開かれたパジャマ。
若さの象徴である滑らかな肌と女性らしい乳房の丸み、プックリと突き出た乳首でさえ惜しげもなく曝け出されている。
95ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/04(金) 21:53:35 ID:So+y/Ifi
「・・・騒ぐなよ・・・皆が起きちゃうだろ?」
わざと脅す様な低い声で言った。
焦る様な有香の表情もまた愛嬌がある。
俺はキスも出来る程の至近距離で妹のその表情を堪能する。
既に俺の腕は有香の両手を押さえ付けていた。
(続)
96名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 14:56:08 ID:fF+gai1l
ねおん乙。
97名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 00:42:51 ID:edQq3TQt
ねおんタン新作乙♪
98名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 22:49:23 ID:Km1Pc9u7
こうして頻繁に新しい話が読めるのはうれしいねぇ
99名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 00:02:43 ID:kqEov9+H
ねおん次回頼むよ!
とりあえず、乙。
100ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/09(水) 20:30:26 ID:zlGMyO9e
続き投下。

相変わらず驚く様に目を見開く有香。
「や、は、離してぇ!」
その声は焦っているのか、口調が異常に速い。
有香が声を荒げながら押さえ付けられた両腕を解こうと振った。
「馬鹿かお前、大きな声出すな」
俺はそう言いながら有香の手の甲を強くつねった。
「痛っ! ・・・な、何を・・・」
痛覚をきっかけに有香の声が静まる。
「大きな声出すと皆が起きちゃうだろ? それともこんな恥ずかしい格好見られても良いのか?」
淡々とした口調でそう言いながら、拘束していた有香の両腕から手を離す。
そして胸元が大きく開かれたパジャマの襟に手を掛けた。
「・・・や・・・だ・・・」
有香が襟を掴む俺の手を見ながら呟いた。
妹の瞳に涙の気配はないが、もう今にも泣き出しそうな表情だ。
だが、もはや抵抗しようとしない。
『周りで人が寝ている』という状況が彼女の抵抗を抑制している。
抵抗しようと暴れる事で発覚する可能性があるのだから。
有香自身、自らの裸体を見られたくないという切望があっての事だが。
嫌がるも抵抗の出来ない妹を尻目に、肩に掛かったパジャマの生地を更に左右に開き、肩から下ろす。
ピンク色の布が有香の二の腕辺りで束になった。
有香の細い肩が完全に曝け出された。
背丈の小さい有香を象徴する様な小さな小さな肩だった。
「な・・・んで・・・」
力無い弱々しい声で有香が俺に問い掛けた。
「俺が今、ここで、お前を、犯したかったからだ」
しつこい程に台詞にアクセントを付けてそう言い放った。
「こ、こんな所で・・・今は・・・やめとこうよ・・・」
俺の顔色を伺う様な上目使いをしながら、そう小さく呟いた。
有香が言いたいのは時間帯や場所がどうとか言うわけではなく今周りに人がいる事が嫌らしい。
発覚を恐れているのだ。
101ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/09(水) 20:30:58 ID:zlGMyO9e
正直、今の俺はバレようがバレまいがそんな事は気にしてないが。
奥で寝ている勇太はともかく愛にだってバレても構わないと思っている。
「俺は今すぐやりたいんだよ。なんか文句でもあるのか?」
「う・・・」
有香が俺の目を睨む様に顔を顰めた。
順応的な有香には珍しい反抗的な態度を見せる。
気弱な有香にとっては精一杯の抵抗とも言えるその表情。
だが、かえって俺を苛めっ子な部分を加速させるだけである。
「別に俺はバレたって構わないんだぜ? なんなら愛と勇太起こして四人でするか?」
あっさりとそう言ってのけた。
自分でも解かる。
今の俺はかつて無いほどサディスティックだ。
何が俺をここまで加速させたのだろう。
犯罪まがいな夜這いという今の状況に通常より興奮しているからだろうか。
はたまた嫌がる素振りを見せるも抵抗の出来ぬ愛らしい妹のせいだろうか。
まぁ・・・両方共に大きな要因であろうが。
「な、・・・ほ、本気で・・・言ってるの?」
あまりに大胆な俺の発言に有香の顔が驚愕の表情で満ちる。
「勿論・・・今までだってそうだったろ?」
俺はそう言ったが全てが全てバレて良いと思っていた訳では無い。
加速している今の俺だからこそこんな嘘の発言が出来るのだろう。
「やめてぇ・・・そ、そんなの・・・恥ずかし過ぎて死んじゃう・・・」
親に許しを乞う子供の様な、すがり付く様な声だった。
いつの間にかその綺麗な瞳にも微かに水分が浮かんでいる。
本当に・・・恥ずかしくて嫌なんだな・・・
そう実感してならない。
あぁ、俺の心をますます擽る。
その声も、その表情も、その仕草も・・・有香の全てが俺の心を奮い立たせる。
そうゆう意味ではSとMである俺達はベストパートナーなのかも知れない。
兄妹としても異性としても。
102ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/09(水) 20:31:54 ID:zlGMyO9e
「バレたくなかったら黙っている事だな。 まぁ・・・最後までそれが出来ればの話だが」
俺は足元を見る発言でこの様に忠告し、有香の乳房を乱暴に鷲掴みした。
「ひっ!? い、た・・・い・・・」
大きな動きで乱暴に手の中で弾ませる様に膨らみを揉みしだく。
「ひ、ぁ!・・・や、めて・・・痛いぃ・・・」
荒い俺の攻めに彼女は痛覚を感じるらしい。
顔を顰めながらただ『やめて』と繰り返す。
「ほらほら、声我慢しないと。 バレても俺知んねぇぞ?」
「ひ、どい・・・兄さん・・・きゃうっ!?」
有香の文句を掻き消す様に唐突に先端を摘んだ。
「ひ、ぁ や、だ・・・だめぇ・・・」
既に膨れた乳首を指でこねると指の中で先端が硬度を高めた。
「声が、あ・・・出ちゃうよぉ・・・ふぁ・・あぁ・・・」
完全に台詞と喘ぎ声が混じっている。
羞恥心と性的快感に歪む有香の顔を眺めながら、有香の頬を舌で舐める。
唾液のおかげで摩擦なく、ぬるりっと健康的な頬を滑る舌。
「ひ、ぁ・・・ん」
有香の首筋が凍えるかの様に震えた。
ゾクゾクと来たという所か?
そういえばこいつ耳が弱かったな。
俺は唇で優しく有香の耳を挟んだ。
「う・・・」
逃げる様に有香の耳が離れるが俺は負けじと耳たぶを舐める。
今度は有香の頭全体がブルッと震えた。
相変わらずここが弱いな・・・こいつ。
俺は唐突に乳首を摘む指の力を更に強くした。
!?
上半身がのけぞる様に反応した。
「はぁん!あ・・う、ん・・・」
一瞬声を上げたが、途中で口を無理に噤んでいるのが見て取れた。
103ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/09(水) 20:32:26 ID:zlGMyO9e
俺が指の力を加える度に有香の表情が魅力的に変化し、直ぐに我慢する様に顔を顰める。
途中から俺はそれが楽しく感じる様になっていた。
声を我慢する顔も・・・可愛い。
こんな有香の顔を見ていた俺は、ますます加虐心を擽られた。
もう止まれない程に俺のサディスティックな部分は加速していた。
・・・俺は真性のSなのかなぁ・・・
「知ってるか? お前寝ながらでもここがピンピンになってたぞ」
俺はそう言うのと同時に『ここ』を指先で突く。
「・・・え?」
目を丸くする有香。
「いやらしい体だなぁ、寝ながらでもこんなにプックリと膨れるなんて」
俺は半笑いになりながらもからかう様な口調で言った。
「に、兄さん・・・やっぱり・・・」
「お前ぜんぜん起きなかったからな。おかげで触りたい放題だったぜ?」
有香が頬を紅く染めた。
「う・・・そ・・・」
恥ずかしそうに目を顰めると、目尻から僅かに水分が滲み出る。
「なんだ? 寝てる時は平然と乳首シコらせてたクセに起きてると恥ずかしい? 見られたくない?」
「やめ・・・てぇ・・・やめてよぉ・・・」
声を抑えながら喚く有香を見下す様な目付きで見下ろす。
「まだまだ、これ位で音を上げてもらっちゃぁ困る・・・今夜は寝かさないぞ?
「ひぃ、ぁあ・・や・・だ・・・もう許してぇ!・・・」
有香の表情が明らかに変わった。
そこには淫猥な快感の表情はなく、純粋な恐れの表情だった。
「あぁ、良かったよ・・・お前みたいなオモチャが身近にいて・・・もう逃さないからな、絶対に」
「お、もちゃ・・・? そ・・・そんなのやだぁぁ!」
自分でも信じられないほど惨く、自分勝手な発言だった。
普段の自分なら絶対に口にはしない・・・いや、良心が制止を掛けて出来ないのである。
だが、今夜は俺の中の何かが違っていた。
今の俺は更に過激で、残酷で、独占欲の塊だ。
104ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/09(水) 20:32:58 ID:zlGMyO9e
自分でもそれが解かっているが、止まらないのだ・・・俺の本能が、俺の愛が。
「や、だぁやめて・・・やめてぇぇ!」
小さく叫ぶ有香。
発覚の恐怖から抵抗も出来ない妹はただ、慈悲も罪悪感もない俺に『許し』と『制止』を乞うだけだ。
もうこの少女は完全に俺の手中にある。
あとは己の欲望がままに楽しむだけである。
「ほらぁ〜ちゃんと声我慢するんだぞ?」
俺はそう言いながら左右同時に膨れる乳首を指の腹で転がす。
「ひ!ぁ・・・あ、あ、あぁぁ・・・」
指が先端に触れるのをきっかけに、恐怖に凝り固まっていた有香の顔に再び艶かしい表情が混じった・・・

(続)


誤字等はスルーでお願いします orz
105名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 12:04:25 ID:tOldZPIj
GJ!!
106名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 22:24:14 ID:2gc/MCff
いつも乙だ
107ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/13(日) 22:12:46 ID:aXleJ80d
続き投下

俺の両腕は再び有香の両肩を押さえ付けていた。
両腕を真っ直ぐに伸ばし、そのまま下へと手の平を滑らせる。
女性らしい滑らかな肌、人間の体温、それを手の平で感じながら押さえる箇所を下へ下へと移動させる。
手の位置が有香の細い二の腕に変わった。
俺は有香の体をまたぐ様に布団を踏み締める。
有香の体に負担を掛けぬように軽い膝立ち状態からゆっくりと彼女の太腿辺りに腰を降ろす。
俺の体重が妹を拘束した。
これなら両手も自由だ。
赤い顔で俺のその動作をただ受け入れる様に眺めていた有香。
有香は既に諦め、理解した様子だ。
俺にはどう抗っても勝てない事を。
自分に出来るのは声を抑えてこの時が過ぎるのをただ待つしかないと言う事を。
ふと、顔を俯けていた有香と俺の目が合った。
「・・・もう逃げられないからな」
真顔でそう言うと有香が恥ずかしそうに再び俺の顔から目線を逸らした。
俺はまず両手で有香の乳房を握った。
「ふ、ぅ・・・」
やや下から持ち上げる様に掴み、勃起する乳首を強調する様に揉みしだく。
水の溜まったポリ袋の様に用意に形を変える肌。
手を小刻みに振動させるとそれに合わせて乳房と認識できる膨らみ全体が波打つ。
天辺の突き出る乳首も上下左右と小刻みに揺れる。
「今日はたっぷりと苛めてやる・・・」
俺はそう言いながら左右同時に乳首を摘み上げた。
「ひ!? ぅ・・・」
有香の体がビクッと反応した。
俺が腰を降ろす太腿も驚く様に振動する。
・・・相変わらず感じやすいなぁ・・・
有香の感度というのはいつまで経っても色褪せない。
同時に羞恥心も同じ・・・いつまで経ってもウブだ。
その有香の体質はいつでも何度でも俺を楽しませてくれる。
108ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/13(日) 22:13:17 ID:aXleJ80d
いつしか俺は有香を苛めるのがこの上ない快感となっていた。
「ふぁ! ん・・・くっ!」
声を我慢する有香。
快感のあまり出る淫猥な喘ぎ声を、唇を噛んで痛みで誤魔化す様に口を噤んでいる。
俺はそんな有香の表情を眺めながら乳首を引っ張り、先端を挟んだ指を互い違いにスライドさせる。
固くなった乳首を無理矢理潰しながら固さを堪能する様に捻じる。
「ふ、ぁ!・・・ん、ん! う、う・・・ん!」
ビクビクと反応が大きくなる上半身。
下半身も俺の体重が無ければ暴れる様にその場で震えているだろう。
跳ねる太腿も数回ほど俺の尻を持ち上げる様に動いていた。
気が付けば、有香の両腕が敷布団のシーツを乱暴に鷲掴みしている。
細い指に巻き込まれる様に真っ白いシーツがクシャクシャになっている・・・
「ん!! んんん!!」
指が固い乳首を乳輪に押し込むと有香が口を閉じながら唸った。
俺の指を包み込む様に滑らかなカーブを描きながら凹む乳輪。
存在を主張する様に固いままの乳首はまだ柔らかい乳房の中で真珠の様に形を保っている。
俺はそれを押す力をどんどんゆっくりと強めていく。
豊かな脂肪の中で形を変える性感帯の塊とも言うべきその珠。
「ん、ぁ! うぅ!!」
焦らす様にゆっくりとゆっくりと力を強めるとその強さに比例する様に彼女の顔が歪んでいく。
淫靡な異性を惹き付ける魅力に溢れた表情に。
あぁ・・・良い顔するなぁ・・・
例外無く俺もその表情に酔い痴れていた。
淫猥な喘ぎ声を無理に封じ込めている唇は快感のあまりか小刻みに震えている。
快感に呼応する様に狂っていく躰を押さえ込むため、手の平は敷布団のシーツを握り締めているのだ。
狂いたくても狂えない、この状況では。
有香の表情さえもまるで愛撫を求める様な深い深い眼差しで俺を見ている。
俺は望みどおり、そこから更に力を強めた。
・・・俺の指の先端の珠が潰れた。
「んぁ!!!・・・あ、ぁ!・・・」
109ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/13(日) 22:14:12 ID:aXleJ80d
有香が顔を顰めながら小さく叫んだ。
俺はすかさず潰した乳首をほぐす様に指を上下左右に動かす。
めり込んだ指が動くとそれに合わせて指を包む周りの脂肪も形を変える。
「ほら、潰れちゃったよぉ・・・もう一度勃たせようか?」
俺がそう言いながら乳房から指を離し、右手で乳房を鷲掴みにした。
有香の眼からもよく見えるようにするため、揉み上げる様に有香の左の乳房を搾る。
「いたっ! ひ、ぁ・・・や・・・いや・・・」
有香の顔が痛覚で歪んだ。
元々不十分な膨らみなのだから当たり前だが。
俺の手の親指と人差し指の隙間からは、高さが控えめになった乳首が覗いている。
先程潰したばかりの性感帯が遠慮気味に突き出ている。
「ほらぁ・・・しっかり見てろよ、自分のいやらしい乳首がプックリ膨れる瞬間をよぉ」
五本の指で乳房の感触を楽しみながら、搾り上げる乳房の先端を左手の指で擦った。
「う、ぁ・・あ、あ・・・」
引き笑いの様な声を上げる有香。
数回程指の腹で直接擦り、次に爪先で乳輪を焦らす様になぞる。
「ほ〜ら、おおきくなれよぉ〜」
子供染みた口調でそうからかうが、有香の視線は自らの膨らみの先端に釘付けだ。
悔いる様に見つめる目線を受けながら、俺は乳首の成長を促す様に乳輪を擦り続ける。
膨らんだと言えるほどではないが、先端が微かに高さを変えている。
すかさず、そそり立たせる様に爪先で乳首の側面を擦る。
「は、ぁん・・・や・・・だ・・・」
甘い吐息を吐きながら自らの恥部を見つめ続ける有香。
本人が見ている正にその目の前で乳首が膨れた。
「ほら、またこんなに大きくなっちゃったぞ?」
俺が再びからかうと有香の羞恥心のあまり、自らの紅潮した顔を両手で覆い隠した。
「まだまだ・・・この程度で音を上げて貰っちゃぁ困る」
「もう・・・やだぁぁ・・・」
顔を覆い隠す有香の手を取り払う俺。
「・・・有香?」
110ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/13(日) 22:14:51 ID:aXleJ80d
・・・有香が泣いていた。
ボロボロと目の下も涙で濡れていたのだ。
涙が溢れる瞳で見つめられ、思わずドキリッとした。
罪悪感が芽生えた訳ではない。
女の涙の魔力に惹き付けられたとでも言おうか。
だが、俺には泣いている理由が分からなかった。
「なんで泣いてんだよ」
「兄さん・・・ひど・・い・・・」
ボソリとそう呟いた。
俺の顔色を見て遠慮したというよりも力無いという感じだ。
「酷いって、俺はお前に気持ち良くなって欲しくてだな・・・」
「・・・バレちゃったら・・・どうするの?」
「お前が声を我慢すれば良いだけだろ? そんなの」
有香の瞳から更に一滴涙が零れ、頬を伝った。
「できないよ、そんなの・・・私を苛めてそんなに楽しい?」
「・・・」
俺は考えた。
ここでNOと答えてしまうと今こうしている俺の行動が説明できない。
自分がサディストである事を否定する気にはなれなかった。
何より・・・自分が優位である立場を失ってしまいそうだったから。
「・・・兄さん?」
自分でも聞き辛い程小さい声で返した。
「・・・楽しいよ・・・お前可愛いから」
有香の表情が変わった。
完全に軽蔑の眼差し、得体の知れない生き物でも見るかの様な表情。
「・・・最低・・・」
「・・・まぁ、そう言うなよ・・・お互い楽しもうぜ・・・」
俺がそう宥めながら、顔を有香の乳首に近づける。
パチンッ
低く、鈍い音が聞こえた。
111ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/13(日) 22:15:28 ID:aXleJ80d
・・・なんだか・・・頬が熱い・・・
そう認識すると次は俺の左頬が焼ける様にヒリヒリと痛み出す。
・・・どうやら有香が俺に平手打ちを喰らわせたらしい。
それを理解した瞬間、俺の頭が真っ白になった。
怒り、というよりも勝負に負けた子供の様にムキになったと言った方が良いだろう。
母にさえ打たれた事の無い頬を妹に打たれたのだ。
愛情を注いでいた飼い犬に手を噛まれた飼い主の様な、そんな気分だ。
生まれて初めて拒絶された様にさえ思えた。
「・・・」
俺は無言のまま平手打ちをした有香の腕を掴む。
力強く痛い程に。
「・・・何・・・」
険しい表情をしている俺に怯む事も無く、有香も負けじと俺の顔を睨んでいる。
「な!? や、やめ」
無我夢中で有香にのし掛かる俺。
ピッタリと重なる二人の体。
叫ぶのが速いか、塞ぐのが速いか。
俺は有香の口を塞いでいた。
・・・手ではなく口で。
俺自身気が付いた時には既に唇が重なっていた。
ある意味処女より神聖であろうキスを。
今まで一度も手を出さなかった唇を。
俺は奪っていたのだ。
112ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/13(日) 22:17:05 ID:Gf8B4x7H
あ、(続)って付けるの忘れてた・・・スマソ orz
113名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 01:16:13 ID:CfHs9aDf
ねおん今夜も乙!
そしてGJ!!
114ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/17(木) 21:28:42 ID:0HvpyZ+d
・・・唇を重ねてから初めて気付いた。
自分のしている事に。
我に返り一瞬だけ、ホンの一瞬だけ罪悪感が芽生えた。
自分でも思う、女性にとって唇は神聖で尊重すべきものだと解かっているからこそ。
だが、引っ込みが付かない。
もう駄目だ、後戻りなど出来る筈が無いのだ。
俺の頭の中を何か熱い物が通り過ぎた。
俺はヤケクソになって有香の唇に吸い付くと、自分の中の罪悪感が圧倒的な欲望に飲まれるのを感じた。
そして、同時にかつて無いほど大きく抵抗する有香を黙らせねばならないと焦った。
横で愛と勇太が寝ているのだから。
俺の口の中で響く有香の声が発覚への恐怖心を煽り立てていた。
先程までは『バレても良い』とさえ思っていたのに・・・
二人は隣の情事に気が付く筈も無く、平和な寝顔を浮かべている。
もっとも愛の方は背中を見せるだけで表情は見えないのだが。
「うぅ!! んんんぅぅ!!!」
暴れる有香の両手を押さえつけ、俺の持ちうる全体重を使って妹の体を押さえ込もうとする。
上半身に重心を移し、体を重ねる様に押さえ付けた。
抵抗する有香の腕を敷布団のシーツごと乱暴に握り閉め、口は彼女の唇と重ね続ける。
愛しさに満ちた柔らかい妹の唇に、不器用で勢いに任せて押し付ける。
愛情も何もない、束縛だけの乱暴な接吻。
キスを通して体力を奪われるかの如く、どんどん有香の体の動きが小さくなっていく。
いや、暴れて力尽きるには早い。
毎回の事ながら、圧倒的な支配力の差が有香を『諦め』に導いているのだろう。
「ふぅ! うぅ! うぅぅぅ・・・」
有香の瞳から大粒の涙が零れると、俺と重なる唇が泣き声の振動で震える。
それは俺の唇にも伝わって来た。
震える下の唇を優しく挟む様にキスを交わす俺。
数回ほど有香の唇の柔らかさを味わう様にしゃぶってから口を離した。
「うぅ、うぇ・・・ひぐっ・・・うっ・・・・」
しゃくり混じりに小さく呻く有香。
115ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/17(木) 21:29:38 ID:0HvpyZ+d
お互いの唇は唾液で濡れていた。
俺は有香の瞳から溢れ続ける涙を、頬を伝う水分を指で掬い取る。
まじまじと指に付いた水分を眺める俺は実感した。
・・・そうか・・・俺、今・・・キスしちゃったんだよな・・・
互いの性欲を解消し合うだけの間柄だったのに。
一種の遊びの様な付き合いだったのに・・・何かを踏み越えてしまった。
不思議な事に俺は冷静、いや・・・意気消沈していたと言うべきか。
だが・・・罪悪感はない。
「なぁ・・・有香・・・」
ファーストキスがどうか聞きたくなったが聞いた所で有香の傷が深まるだけだろう。
流石にそれは有香自身のためにも聞けない、聞けなかった。
「・・・もう一回・・・して良い?」
寸前で言いたかった事を切り替えて、丁寧で優しい口調でそう問い掛けた。
今度は先程の一方的なキスで噴き上げた感情を消費し尽くしたかの様に紳士的に。
有香はただしゃくり混じりに嘆く様に喉を唸らせているだけだ。
「・・・」
何も返さない有香に俺は再びそっと唇を近づける。
同時に有香の腕を押さえ付ける力も自然と強まるのを感じた。
有香の瞳が開く。
水分を帯びたその瞳で見つめられ、俺は心が鷲掴みにされた。
あぁ・・・可愛い・・・
「な・・・んで・・・」
口元を震わせながら有香が呟いた。
「・・・可愛いからだよ・・・有香が」
「だから・・・苛めるの・・・?」
「・・・」
沈黙する俺。
「おかしいよ・・・それ・・・ふ、ぅ・・・」
しゃがれた声で途切れ途切れにそう呟く有香。
そんな有香の話に横槍を刺す様に再び唇を重ねた。
116ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/17(木) 21:30:10 ID:0HvpyZ+d
「う、ぅ・・・ん」
熱い鼻息が俺の顔に頬に掛かる。
今度は抵抗もなく俺のキスを受け入れる有香。
大袈裟に舌で有香の唇を舐め、舌を口の中に捻じ込む。
卑しく、緩慢でねっとりと張り付く様なキス。
自分なりの大人のキスを懸命に演じた。
濃厚と言うよりはただ単に下品なだけかもしれないが。
俺の口から溢れる唾液の量が尋常じゃないのだから。
「・・・・・・」
有香は無言で俺の接吻を受け入れ続ける。
プ、チュッ・・・
俺の耳元には唾液の液体質な音だけが聞こえる。
唇を重ねたまま有香の乳房に手を触れた。
「・・・ふ!? ぅ!」
口を塞がれるつつも有香が声を上げた。
俺の口に伝わる有香の喘ぎ声の振動。
俺は一瞬たりとも唇を離さず、そのまま有香の躰を愛撫した。
両方同時に控えめな膨らみをさする様に刺激し続け、乳首を強調する様に手の平に吸い付かせ、鷲掴みする。
「ふ、うぅ! んんぅ・・・」
自然と荒くなる呼吸。
俺の口の中にも熱い吐息が流れ込み、それでも余りある吐息は鼻息となって俺の顔をかすめる。
唐突に乳首を指で嬲る俺。
軽く乳輪に指が付く程度に乳首押し込む。
指先に伝わる感触・・・
指の腹中央は膨れた性感帯の丸い形、その周りを取り囲んで感じるのはプリンの様な柔らかい乳輪の感触。
次に膨れた先端を慰める様に優しく擦り、成長を促す。
転がして攻める内に膨れきった先端は今度は固さを増し始める。
爪先で上下に弾くとその変化がより顕著に現れる様に思えた。
「ん、んん! うぅぅぅ!!」
不規則なリズムで喘ぎ続ける有香。
117ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/17(木) 21:30:52 ID:0HvpyZ+d
口を塞いでいるとはいえ唸る様な声は周りにも響く。
もし唇が自由なら俺の愛撫にもっと大きく呼応しているだろう。
それこそ、周りが眠りから覚める程に。
「ん!!? んんんぅ!」
俺は唐突に乳首を摘み上げた。
摘んだ先端を円を描く様に回しつつ、指をスライドさせてしごく。
「んん、あぁ!!」
余りの快感に躰が反ると、必然的に俺と有香の唇が離れた。
卑しい唾液の糸を引きながら。
「ふぁ!ぁ・・・ん、ぁ・・・」
口が自由になったが即座に声を絞る有香。
隣では何も知らない二人が寝ているのだから。
「ひ、ぁ・・・だめぇぇ・・・」
悲しむ様な小さな声は俺の耳で小さく響いた。
大きく開いた唇からは濁りのない透明な唾液が垂れていく。
俺の愛撫に有香の躰が痙攣する様に震える。
何も返す事無く、俺は追い討ちを掛ける様に再び有香を唇を重ねた。
俺自身満たされない欲を満たすため、単純に有香の口を封じるため。
「ふ、ぅ・・・ぅぅ!」
再びこもった声で喘ぎ続ける妹。
唐突に乳首を突き当たる奥まで押し込むと、有香の躰が電気を流したかの様に固くなった。
ビクッと大きく震え、その後は凍える様に小刻みに振動する。
いつしか有香の瞳も、涙でまだ濡れてはいるが目付きは完全に恍惚の域に達していた。
まるで眠気を堪えているかの様に垂れる瞼。
自らの躰を覆う官能にうっとりしている様にも見える。
「ん、ん、ん!!」
一際大きくなる声の振動。
それを唇で感じて俺は有香の絶頂を予感した。
押し込んだ乳首を無理に指で挟んで引き伸ばす。
そして再び指で上下左右、間隔も方向もでたらめに乳首を弾く。
118ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/17(木) 21:31:24 ID:0HvpyZ+d
延々と潰す、引っ張るを繰り返し、乳首を攻め続ける。
「んん!! んんんぅぅぅぅ!!!?」
有香の絶頂が振動として、音として、俺の耳にも響いた。
再び硬直し、反り返る少女の躰。
躰が大きく反り返ると唇が離れそうになったが有香の頭を抑え、それを堪える。
限界まで躰が反った所で三度ほど大きく痙攣した。
心の中に溜まっていた鬱憤を吐き出す動きにも見える。
俺の顔に更に大きく熱い鼻息が掛かる。
有香の躰の震えが完全に止まった所で俺はやっと唇を離した。
絶頂の後の疲労なのか、虚ろな目付きで俺を見る有香。
中途半端な開き位の瞳だが目線だけは俺の顔をしっかりと捉えている。
「・・・」
有香は何も語らず、搾り出すかの様に瞳を瞑るとそこから大粒の涙が零れた。

・・
俺は自らの服の袖で有香の目元や口元を拭く。
丁寧に優しく。
「・・・?」
スー・・・スー・・・
・・・気が付いた時には有香は再び夢の中にいた。
疲労したせいか、深夜に起きたせいか、定かではないが。
さっきまでの出来事がまるで嘘かの様に平和な寝息を立てている。
どんな夢見てるんだろ・・・
その寝顔を見ていると妙に心が落ち着く。
・・・何・・・してんだよ・・・俺・・・
ふと、俺の頭の中で罪悪感が膨れた。
よりによって今頃になって。
「・・・」
何の穢れもない清純な少女の寝顔を見ているせいだろうか。
何故・・・何故有香は本気で俺を拒絶しないのだろう。
119ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/17(木) 21:32:57 ID:k+lHJtYT
いつもいつも。
力に差があると言え、俺を無理に振り切って悲鳴の一つでも上げてくれれば・・・それ自体は簡単な筈。
そうすれば俺は完全に我に返り、途中で止めていただろう。
明らかな手加減していた有香の平手打ちは俺を止めるに力が足りなかった。
妹なりの兄を気遣うやさしさなのだろう。
自分の気持ちより俺の気持ちを優先してくれているのだ。
「・・・」
俺の頭の中で有香の声が『最低』と呟いた。
何してんだよ・・・有香の優しさにかこつけて・・・最低だよ・・・
『後になって後悔する』
俺にはそれが多い。
自分でも直そうと努力しては来たが、やはり成果はなく今に至っている。
考えよりも先に体が動き、気が付いた時には失敗している、それがいつものパターンだ。
今までの有香との交わりだって・・・今冷静に考えればそうだ。
『もう後戻りは出来ない』など、理由をこじつけて開き直っているに過ぎない。
性欲が赴くままに妹の肉体を貪っていただけ・・・これではただのケダモノだ。
俺は有香を・・・性欲の捌けとして利用しているだけなんだ・・・

・・
俺はそっと布団を抜け出し、開け放たれた障子から暗い縁側に出る。
庭へ繋がる窓も開け放たれ、開いた障子と直線で結ぶ様に涼しい田舎の風が部屋に流れ込んで来ている。
蚊取り線香は既に燃え尽きており、渦巻状にやや形の崩れた灰が銀色の皿の上に落ちていた。
ジャリッ・・・
石段に丁寧に置かれたサンダルを履き、庭に敷き詰められた石を踏み締めた。
今は夜中だ、家の周りに人などいない。
俺はそのまま玄関を出て、己の足が赴くままに歩き出した。
外灯のひとつもない真っ暗な闇を、僅かに見える視界を頼りに。
行くあてなど無い・・・ただ道に沿って歩き続けた。

(続)
120名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 18:20:47 ID:cMwB5Xbz
うむ。これは凄い。見事。強いていうなら出来がいいのが不満なくらいだ。
支離滅裂だが率直な感想。
121名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 18:40:11 ID:w3raoipP
>>120
確かに支離滅裂だが言いたい事はなんとなく伝わってくる気がする。
俺も似た様な経験あるよ。
122名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 22:57:51 ID:MZxVy7ZC
今回は非エロ注意。

『今夜は寝かさない』などの大口を叩いてしまったが・・・
結局逃げ出したのは俺の方だった。
事を終えた有香の寝顔があまりに平和だったせいか、それとも急に吹き出た罪悪感のせいか。
彼女が叫んで誰かに助けを求めていれば、間違いなく俺には強姦罪が適用されただろう。
しかし、有香はそれをしなかった。
それを良い事に有香の優しさにかこつけて・・・無理矢理キスをした。
今まではある程度妹の合意もあった。
だが、先刻は眠っている彼女を一方的に襲ってしまった。
今の俺は卑怯だ、そして愚かだ、本能を抑えきれず妹の唇を奪ってしまった俺は。
・・・明日、朝起きたら有香は俺になんと言うだろうか。
あの性格だから誰かに漏らす可能性は少ないだろう、だが・・・
有香に嫌われたかも知れない。
なんで・・・・俺を拒絶しないんだよ・・・
有香の優しさが返って俺には辛かった。
朝が来るのが怖い。
日の光を恐れているうちに俺は逃げる様に布団を抜け出し、暗い山に入っていた。
舗装された一本筋の道路、山中の道路をただひたすら歩いていた。
山の中なので外灯などない、僅かに見える視界を頼りに歩き続ける。
恐怖心と責任感に背中を押される様な気分だった。
足を歩めながらも俺は考えていた。
・・・なんで・・・あんな事したんだろう・・・
このまま・・・どこかに消えてしまいたい・・・
重責から逃れようなどと考えていた。
だが、所詮中学生の俺に一体何が出来ようか?
家出だって・・・自殺だって・・・きっと俺には出来ない。
どちらも有香を悲しませるだろうから、それ以前に自分にそんな勇気がないから。
拭いきれない現実は俺の頭に必要以上に強い力で噛り付いてくる。
有香に責められるのが怖い。
それ以上に有香を平然と傷付けられる自分が怖い。
自分が・・・自分じゃないみたいだ。
123ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/21(月) 22:58:23 ID:MZxVy7ZC
「・・・光?」
思わずそう呟いた。
視線の先に光が見える・・・
その光を見つめながら歩く速度を速める俺。
歩きつつもただ嘆く俺を小さな橋が迎えてくれた。
頑丈そうな灰色の橋。
どうゆう訳か外灯が。
この橋にだけ外灯が両側に定間隔に立っていた。
光の無い山中を歩き続けた俺をまるで誘い掛けるような光だ。
「・・・」
俺はそのまま導かれる様に外灯の照らす光の下に立った。
上を見上げれば外灯の眩しいばかりの白い光、その後ろでは星が燦然と輝いている。
大阪なんかじゃ見れない星空だった。
田舎だからこそ見える星空。
一面に光を散らしたかの様な光景、輝く宝石。
俺はしばらく幻想的な星空を見上げ、心の中のキャンバスにその光景を写生した。
「ふぅ・・・」
溜まっていた何かを吐き出す様に深い溜め息を吐いた。
橋の手摺りにもたれる様に背中を付ける俺。
「・・・」
『とりあえず有香に謝ろう・・・その後はそれから考えれば良い』
それが弾き出した答えだった。
右手で頭を掻き毟る俺。
『有香との関係を絶とう』
更にそう決意した。
例えあっちが俺を求めて来ても、冷たく突き放すぐらいの気概がないと。
有香の躰に触れる毎に俺は冷徹になっている。
行為を重ねるにつれ、俺は止まらなくなって来ている。
止まらないと、止まらないと。
このままでは・・・いつか有香を壊してしまう。
124ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/21(月) 22:58:59 ID:MZxVy7ZC

「・・・秀さん?」
「ぇ・・・」
思わず情けない声を上げてしまった。
跳ねる様に俺の体が振動したのが自分でも解かった。
首を横に向けるとそこには女性が立っていた。
短い髪、透き通るような瞳。
「・・・あ、・・・あ、愛さん?」
ふと愛がその綺麗な瞳を細めた。
「凄い汗・・・大丈夫ですか・・・?」
愛に指摘され初めて気が付いた。
俺は全身に汗を掻いていた。
夜中に加え、山の中なのでそれほど暑くはないのだが・・・それにしても妙に冷たくて嫌な汗だ。
「あ、いや・・・だいじょぶ・・・」
目に入ってくる汗を乱暴に服の裾で拭った。
「どうしたんですか? いきなり布団を飛び出したかと思ったらこんな山奥まで来て・・・」
愛が自らが着ている灰色の上着の裾を掴んだ。
下にパジャマを着ているらしく、下半身は足首まで淡い青色の生地で覆われている。
俺は他人の前でパジャマを着るのは恥ずかしいのでトレーナーを着て済ませているが。
「・・・愛さんの方こそ・・・なんで」
「心配だったので、夢遊病とかだったら」
愛は平然とそう言ってのけた。
いくら夢遊病でもこんな長い距離を歩く筈が無い。
でも愛の表情は真剣そのものだった。
「すみません、心配させちゃって・・・」
「いえ・・・でもどうしてこんな所に?」
「ぇ、ぁ・・・ほ、星が綺麗だから」
とっさに言った一言。
なんと不自然な一言だろうか。
「秀さん?」
125ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/21(月) 22:59:51 ID:MZxVy7ZC
愛が首を傾げた。
「・・・逃げて来た・・・」
俺はボソリとそう呟き、訂正した。
「逃げた?」
「・・・はい・・・すみません、嘘付いてました・・・」
俺はそう言い終わる。
愛はそれ以上尋ねようとはしなかった。
「・・・」
会話が途切れた。
木々の間から聞こえる虫の音、枝の擦れる音だけが時の経過を告げている・・・
「あの・・・」
「はい?」
愛がもじもじと恥ずかしそうに両手を擦り合わせた。
「その・・・」
「何ですか?」
頭を垂れる愛。
「・・・い、いつからなんですか? 有香ちゃんとの・・・関係って・・・」
「・・・」
目の前に見える闇が真っ白になった気がした。
バレていた・・・か・・・
当たり前と言えば当たり前だが・・・
予め考えていた可能性だった、それ程驚きもしなかった。
自分でも不思議なほど冷静だ。
「あ・・・あのですね・・・」
「え、いや!・・・わ、私誰にも言いませんから、本当に!」
・・・妙に冷静な俺とは対象的に愛が動揺している。
「た、ただ・・・あんな事ダメだと思いますよ・・・」
「・・・それぐらい分かってますよ・・・放って置いて下さいよ・・・」
俺は拒んだ。
愛に言われるまでも無く、断たなくてはいけない関係。
126ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/21(月) 23:00:29 ID:MZxVy7ZC
言われるまでも無い・・・おせっかいだよ・・・
「・・・私が有香ちゃんに言ってなんとか」
「結構ですよ」
「あ、・・・それじゃぁ・・・」
「もういいですよ!! 俺に構わないで下さい!!!」
思わず怒鳴ってしまった。
当たり前と自分で分かっているのに・・・まくし立てるから・・・
今の俺は反抗期の子供だ。
一方的に怒ってふて腐れて・・・
「・・・なんで・・・?」
「は?」
思わず俺の口が再び開いた。
愛の頬を水分を伝っていた。
顔の表情はひとつも変えず、ただ瞳から涙だけを流していた。
「・・す・・なんだから・・・」
愛が呟いた。
上手く聞き取れないが・・・何か言っている。
「・・・好き・・・なんだから・・・」
・・・は?
俺の開いた口が更に広がる。
木々の間から吹く風が俺と愛の髪を撫でた。

(続)

エロは次回の予定。
127名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 23:34:50 ID:25pEnSzI
非エロは板違い。
氏ね
128名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 23:57:01 ID:AxNB/fUl
次回エロって言ってんだから我慢しろカス
エロいだけがSSじゃねぇっての
129名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 00:42:34 ID:pYtJTJ3q
エロ漫画小説板なんですけどね(w
130名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 15:47:25 ID:Ehdodzlc
妙な奴に粘着されてるようだが・・・
てか読む方もスルーのスキル取得しろよ
131ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:14:39 ID:KWl0Vd02
「あ、あの・・・い、今・・・なんて?」
「・・・」
愛が俯けている顔を少しだけ上げた。
既に愛の顔が紅い。
「・・・」
上目使いで愛が俺の顔を見ると再び顔を伏せた。
俺のはゴクリッと唾を飲んだ。
本気・・・なのか?
愛のその恥ずかしそうな仕草を見てそう思った。
「こんな事、いきなり言われても・・・困りますよね・・・すみません」
「え、ぁ、いや・・・」
・・・気の利いた事言えよ俺 orz
「あ、あの俺・・・き、気持ちは嬉しいけど・・・俺・・・愛さんとは」
急に愛の表情が変わった。
険しい様な、真剣な表情に。
「・・・有香ちゃんがいるからですか?」
俺の言葉に横槍を刺す様に愛が言い放った。
どうゆうわけか・・・随分強気な口調だ。
別に有香の存在がどうとか言う訳じゃない、でも彼女の言葉は俺の心にズシリッと来た。
「血が繋がった兄妹・・・ですよね? ・・・なんであんな事してるんですか?」
「・・・そんなのこっちが聞きたいよ」
・・・本心だった。
別に恋人同士の様な愛がある訳じゃない、最初は完全に成り行きだった。
次第・・・躰を交える回数を重ねる毎に・・・俺は有香に対して貪欲になっていった。
冷静な時なら・・自分でも止まろうとしている、だが出来ないのだ。
「・・・」
「・・・」
二人の間を再び沈黙が流れる。
気まずい。
別に俺がこんな気分になる必要はないのだが・・・気まずい・・・
132ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:15:32 ID:KWl0Vd02
この気まずい空気を破ったのは俺の予想通りに愛の方からだった。
しかし、愛の放つ言葉は俺の脳味噌を大きく揺さぶった。
「わ、私じゃ・・・ダメですか?」
「は?」
普段のクールな彼女とは相反して・・・挑発的な、攻撃的な一言だ。
「・・・」
沈黙する俺。
正直、今の彼女が怖い・・・目付きも何処と無くギラリッとしている。
なんだろう、彼女は恋愛に関してはこれ程までに積極的なのか?
いや・・・そもそも愛さんが俺を好きって・・・何故だろう、足の震えが止まらない。
「私が有香ちゃんの代わりになります」
「な、何・・・言ってんの・・・?」
淡々とした口調の愛とは相反して俺の平常心はどんどん乱れていく。
心が押さえつけられる様な気分になった俺。
俺・・・有香に対してもこんな事してたのかな・・・
「妹の有香ちゃんとあんな事・・・いけません・・・だから」
「な、何言ってんですか! 俺達も従兄弟同士でしょ!?」
思わず叫んだ俺。
愛は・・・一体何を言いたいんだ・・・?
「私、秀さんの事・・・ずっと前から好きでした」
「・・・?」
「10年前から・・・あの時の秀さんの顔だって、絵に描けます」
愛が丁寧に指先で目元を拭った。
「あの時、私の似顔絵描いてくれましたよね? 私、あれがきっかけで絵を描き始めたんです・・・」
「似顔絵・・・」
思い出した。
10年前、愛と裕也の二人の似顔絵を・・・スケッチして二人にプレゼントしたんだ。
俺は小さい頃から絵を描くのが好きだったから・・・つい自分の絵画力を自慢しようとあんな事を・・・
10年もの前の記憶、どうゆう訳か一度思い出せばクッキリと残っているもんだ。
「従兄弟同士だから・・・恋愛なんて無理だって解かってたんです、だからこの気持ちは忘れてしまおうって」
133ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:16:08 ID:KWl0Vd02
「・・・」
「忘れようとしてるのに・・・秀さんが有香ちゃんとあんな事してて・・・何故か凄く悔しくて・・・」
「ぇ、ぁ・・・」
愛が喋りながらおもむろに上着を脱いだ。
バサッと音を立てて地面に束になる灰色の生地。
「普通の恋人なら諦めてたと思います・・・でも実の妹となんて・・・納得出来ません!!」
イテッ!!・・・
突然、後頭部に鈍い痛みが走った。
・・・愛が俺を押し倒していたのだ。
お互いの顔さえも、キスも出来る程の距離。
背中に感じる固い橋の地面の感触。
下腹部の圧迫感・・・
愛の足が俺の体を跨ぎ、馬乗りになっているのだ。
ちょ、いくらなんでも強引過ぎる・・・
「兄妹なら平気なのに・・・従兄弟ならダメなんですか?」
「お、俺・・・そんなつもりは」
なんだろう・・・今の彼女、何かが変だ。
俺の平常心の方も・・・何か変だ。
「・・・触って下さい」
愛が胸を誇示する様に俺の顔に近づける。
やばい・・・俺の理性が。
「この事、お互い秘密に・・・有香ちゃんにも・・・だから」
俺は息を飲んで愛の胸を見つめた。
パジャマ越しでも分かる膨らみ。
有香のとは違う、より女性らしく、果実の様な乳房。
「な、なん・・・で・・・」
愛の表情が歪んだ。
言ってる事とやってる事が正反対だ。
俺の手の平が愛の乳房を鷲掴みにしていた。
あぁ、ダメだ・・・俺、なんて人間なんだろう。
134ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:16:46 ID:KWl0Vd02
そこに肉体があれば何でも抱く。
理性の欠片もない野獣の様な人間だ、俺は。
『自分を抑えきれない、誘われているのだから思い通りにすれば良い』
『妹をこれ以上泣かせるなら、愛さんとの関係を持った方が良いかもしれない』
そんな事さえ考えてしまった。
元々、有香だから交わっていたんじゃない、女なら誰でも良いんだ・・・俺。
凄く・・・自分勝手。
心の中でそう思った・・・しかし、そんな自責の理性はどんどん本能に飲まれて行く。
「あ・・・も、もっと優しく・・・」
夢中になって目の前の膨らみを揉みしだく俺の手の平に、愛がそう言った。
そう言われた俺は強弱を付けて技巧的な動きで脂肪を撫でる。
有香よりも数段大きな大人の女性の乳房だ。
俺の手の平は、圧倒的な柔らかさに囲まれていく。
「は、・・・ん・・・」
愛が急ぐような手付きでパジャマの首元のボタンを外した。
次々と迷い無い動きで順々にパジャマのボタンが外されていく。
「・・・」
無言の俺を構わず、
「う・・・」
思わず声が出た。
有香よりも大きく、乳房らしい形の愛。
重力に従う意思すらも見せず、綺麗に整った脂肪、肌。
まさしく美乳とも言えるそれに俺は今度は直接手を付けた。
「ん・・・私じゃ・・・ダメですか?」
今まさに触ってるんだ、ダメじゃないわけない。
俺は無言のまま、そっと豊かな乳房を優しく包む様に撫でる。
手の平全体に感じる柔らかい乳房の感触。
それは何処までも俺を受け入れる様な、それでいて壊れやすいものに感じた。
時々擦れる先端の突起は有香のとは違う成熟した卑しい形。
外界に突き出る卑猥な局所。
135ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:17:18 ID:KWl0Vd02
「私が・・・有香ちゃんの代わりになります・・・」
「・・・」
俺は頷いてしまった。
何言ってんだ俺・・・有香の代わりがどうとかじゃないのに・・・無責任な事を。
「は、ぁ・・・好きなだけ・・・触って下さいね・・・」
愛が紅い顔で微笑んだ。
俺の手の動きに呼応する様に時折艶かしい表情が混じる。
なんで・・・こんな表情が出来るんだろう。
愛が俺を誘いかける・・・まるで俺を独占しようかの如く。
俺は理解した、彼女は愛に関しては貪欲なんだと。
10年以上も前の古ぼけた恋心が膨れてしまったんだ。
醜く歪んだ形に・・・
「ん、・・・ぁ・・・」
俺の目の前にある愛の口から吐息が吹く。
色っぽく、それでいて暖かい。
「・・・!!」
「きゃ!?」
俺は愛の躰を押し返し、強引の上半身を起こした。
俺の突然の動作に驚いた表情の愛。
お互い周りを気にせず、地べたに座り込んでいる。
「・・・秀さん?」
俺は再び愛の乳房を掴んだ。
「ん! あ、ん・・・」
左右同時に乳房を下から持ち上げる様に揉む。
あぁ・・・触ってるこっちが気持ち良い。
やっぱり大きいとこんなに気持ち良いんだな・・・
手の平で胸の感触を楽しみながら指を使って先端を摘んだ。
「あ!! ぅ・・・」
愛の表情が痛覚に耐えているかの様に歪んだ。
「・・・」
136ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:18:25 ID:pHWZKkxs
何も言わず、操られているかのように愛撫を続ける俺。
有香の時とは違う・・・どうゆう訳か加虐的な感情はない。
指先で摘んだ乳首を引っ張る。
「は! あぁ・・・!!」
体積のある乳房の分、乳首を引っ張ればよく伸びる。
綺麗な御椀型の乳房の肌も、円錐の様に引っ張る力に合わせて形を変える。
「ひ、ぁ・・・しゅ、秀さ・・・ん・・・」
「・・・」
俺は愛の言葉に何も返さず、彼女の乳首を指で押し込む。
「あ!! う・・・」
大した攻めも受けていないため、まだ膨れてもいない乳首。
胸の脂肪が俺の指を押し返し、進まなくなる限界まで押し込んだ。
さらに指をグリグリと回す様に動かす。
「ひ、ぁ! そ、そんなに・・・動かさないで・・・」
「・・・何でですか・・・愛さんがやって欲しいって言ったんでしょ?」
俺は気が付いた。
今の声・・・有香に向けるものと同じだった。
俺・・・どうなってんだ?
そっと、愛の肩を押し、地面に押し倒す俺。
今度は逆に俺が上になった。
「愛さん・・・」
137ねおん ◆lLNihyNahM :2005/11/27(日) 02:19:05 ID:pHWZKkxs
俺が口を開いた。
理性のない本能の塊のような俺が。
「有香の・・・代わりになってくれるんですよね・・・?」
「・・・」
愛が目を見開いた。
俺の威圧的な態度に驚いたのだろう。
「・・・はい・・・」
彼女はボソリとそう返した。
しかし、さっきとは違って少し不安そうな表情だ。
「俺・・・愛さんの事有香だと思って良いんですね?」
「・・・はい・・・」
愛が再びそう返した。
その言葉を聞いた瞬間、俺の頭が熱くなるのが分かった。
俺のサディズムな、加虐的で乱暴な性癖が・・・熱を持ち始めていた。

(続)
138名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 18:42:48 ID:dRqet8eX
こいつらの話飽きた
139名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 18:50:30 ID:FP8ZY9YJ
↓↓↓↓↓ 今からここは荒らし専用のスレになりました。さぁ初めのかたどうぞ♪ ↓↓↓↓↓
140名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 23:02:45 ID:NCOUpizc
>>128
誰もエロくない物は小説ではない等とは言っていないのですが。
当然エロくなくてもSSですよ、ええ。
だけれど、非エロSSをこの板に投下するのがルール違反だと言っているのです。
そのくらい理解してくださいね。カスはカスなりに。
141名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 00:10:48 ID:R7sokyPi
>>140
長編なんだから投下する小説全てに常にエロを盛り込めというのも無理な話。
長編だったら常にエロじゃないといけないなんて誰が決めた?
『時々エロ』だろうが『常にエロ』だろうがねおんのSSにはエロがあるし、乳首弄りだってしてるんだからスレ主旨外してないだろう。
142名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 00:37:13 ID:fv1L0SK1
正直に言えよ。長文読むのが面倒くさいんだろ?
つ〜か、長文だと理解出来ないんだろ?
143名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 16:28:50 ID:/OiYArB4
(´・ω・`) なにこのながれ・・・
144名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 12:24:29 ID:K7KOXBio
はい、ストップ。
こっちのスレまで議論する・・・という二の舞を演じてどうするよ?

荒らしはスルー、コレが一番。
145名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 13:51:15 ID:CFDj4nfq
文句がある奴は自分で書けば(・∀・)イイ!!
146ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/03(土) 01:47:25 ID:XPkMtGjH
「じゃぁ・・・遠慮なく・・・」
その言葉の通り、俺は大きな手付きで愛の両乳房を掴んだ。
「あ、ぁ・・・や、優しく」
「イヤです」
そう言うのと同時に、膨らみの先端を挟んだ。
「ひ!?ぁ・・・」
愛が声を出し、控えめに口を開いた。
瑞々しい唇が口の開閉に合わせて動く。
「有香の代わりになるだなんて大口叩いて・・・優しくして欲しい?」
愛の耳元でそう呟きながら、乳首を摘む指先に力を加える。
指に吸い付くようなしっとりとした乳首の皮膚。
有香よりも成長した乳房はより女性らしい丸みを形成している。
同時に乳首は有香のとはまたひとつ違うエロティックな形をしている。
その先端を、力に強弱を付けて感触を楽しんだ。
力加減に比例する様に、潰れて形を変える性感帯。
強めの力で挟むのと同時に軽く手前に引くと、愛の上半身がピクッと反応を示した。
「自分勝手だね・・・さっきはそっちから押し倒したくせに」
俺は冷静な口調で続けながら、乳首を潰す、戻すを繰り替えす。
その動作の間隔に合わせ、彼女の躰が軽く反り、固くなる。
「あぁ!! あ! あ! あぁぁ・・・」
乱暴な力で乳首を潰すと愛が嘆く様な声を上げた。
「良い声出すね・・・」
そう言いながら執拗に乳首を攻め続ける。
摘んでいる先端が、中から凍りつく水の様に固くなっていく。
そう、乳首の中で腫瘍が成長しているかの様に内側から・・・
「あれ・・・? もう固くなってるよ?」
「あん! ぁ・・・」
硬度を強調する様に、乳首の根元から摘み上げる。
「いやらしい体だね、すぐビンビンに反応しちゃってさ・・・有香だってもう少しはもったよ?」
「は、ぁ・・・す、すみません・・・」
147ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/03(土) 01:47:57 ID:XPkMtGjH
どうゆう訳か、愛がそう呟いた。
一体何を思ったのだろうか・・・だが、その言葉は俺の心を擽るに違いは無いが。
なんだろう・・・
俺って熱くなると・・・自分でも信じられないほどサディスティックな台詞がポンポンと出てくる。
「凄く固いよ? 今まで何人の男にここを吸わせて来たんですか?」
「な、にを・・・まだ男に見せた事も!!」
俺の悪意ある発言に愛が声を荒げて否定した。
「・・・勇太はどうなんです?」
勇太の事を聞いてみた。
つい最近姉弟で一緒に風呂に入っていたらしい、勇太本人の口から聞いた。
「ゆ、勇太とは何の関係もありません・・・」
「ふ〜ん・・・まぁ、いいや・・・」
俺は軽く鼻先で笑い、納得した様な口調でそう言った。
勇太と有香も『共犯』だって事・・・今は言わない方が良いか。
「ふぁ! ぁ!」
先端を引っ張ると有香よりも豊かな脂肪が円錐の形を築く。
成長した乳房というのも・・・また一味違った感触が楽しめる。
唐突に摘んだ乳首を離した。
「ぁ!」
伸びた先端が、再び乳房の滑らかなカーブに戻る。
戻る瞬間、微かに周りの皮膚を波打たせながら・・・
「ふ、う・・・ん・・・」
彼女の荒い鼻息が俺の顔にかかる。
生暖かい息が。
「愛さん、そろそろ・・・イキたい?」
「・・・は、はい・・・」
愛がいそいそと、パジャマのズボンに手を掛ける。
「・・・愛さん? 何してるんですか」
「ぇ?」
「乳首だけでイクんだよ、イクまで続けるからね」
148ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/03(土) 01:48:45 ID:XPkMtGjH
「な・・・」
愛の表情が変わった。
不安で、好奇心も混じった様な表情に。
俺はその愛の表情を見てから、再び両乳首に手を伸ばす。
先程よりも乱暴に乳首を挟んだ。
「ひ、ぁ!!・・・い、・・・ぁ」
少し苦痛に近い表情を浮かべる愛。
彼女のその表情を真近で堪能しながらキリキリとしごき、乳首を攻める。
固くなった乳首を無理矢理潰す様に力を加える。
すると、愛が艶かしい表情と声で反応を示す。
「い、痛い! んぁ!!」
「どうしたんですか? 有香の方がまだ我慢強いよ」
「す、・・・すみません、うっ!!」
何度も何度も痛覚に顔を歪める愛。
しかし、それを繰り返すうち、痛覚は快感に変わる。
絶頂直前ならまだ物足りないくらいだ・・・
「はは、愛さんイキなよ、遠慮しないでさ」
軽い口調で俺が言った。
「しゅ、秀・・・さん?」
愛の瞳が俺の顔を見る。
驚いているのか、目を見開いている。
俺の変貌振りに驚いているのか・・・
「ほら、イキなよ・・・愛さん」
「あ! うぁ!!」
乳首を挟んだ指を左右同時に互い違いにスライドさせた。
捩れる先端、乳輪までも僅かに皺を作る。
「ひ、ぁぁ! ああぁぁぁ!!」
卑しい声で愛が叫ぶ。
「い、たいけど・・・気持ち良い・・・ん!!」
喘ぎ声の合間を縫って、愛が率直な感想を述べた。
149ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/03(土) 01:49:23 ID:XPkMtGjH
「気持ち良いだろ? 痛いけど気持ち良いだろ!?」
俺も狂った様に叫びながら極限まで乳首を引っ張った。
更に伸びきった乳首を再び捻る。
「あぁ!! あぁぁ!! んぁぁぁぁー!!!」
愛の躰が、固い地面の上で跳ねた。
反った肉体が、呼吸を繰り返しながら戻っていく。
「ん、は・・・はぁ・・・」

・・・あれ?
妙に早いな。
有香の時はもっと時間が掛かった気がしたが。
「ご・・・めんなさい・・・」
「はっ?」
愛のいきなり謝った。
何言ってんだ・・・?
思わず口を開く俺。
「うぉ!?」
愛が突然上半身を起こし、俺の体を突き飛ばした。
尻餅を付く俺。
まだ荒い呼吸を整えながら、いそいそとパジャマを羽織る愛。
「・・・ごめんなさい・・・私も嘘付いてました・・・」
灰色上着まで着こなした所で愛が口を開いた。
「・・・?」
「秀さん追いかけてきたのも・・・下心なんです、二人っきりになりたいって」
「は・・・はぁ?」
首を傾げる俺。
「ごめんなさい・・・」
愛が軽く頭を下げた。
嘘がどうとか、そうゆう事じゃない。
何故、愛が・・・謝らなくちゃいけないんだ?
150ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/03(土) 01:50:12 ID:XPkMtGjH
「今日の事・・・忘れて下さい、ごめんなさい・・・本当に」
愛が淡々とした表情で立ち上がる。
「あ、あの・・・愛さん?」
「秀さんも・・・早めに家に戻って下さいね」
「あ、愛さん、ちょっと待って」
「・・・」
愛が俺の制止も聞かず、愛が背中を向けて歩き出した。
何で無視するんだよ・・・
俺は少しムッとして、自らの服の乱れを整えながら立ち上がる。
「愛さん!!」
少し乱暴に背中を向ける愛の肩を掴んだ。
「・・・」
俺の方を振り向く彼女。
!!?
151ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/03(土) 01:51:50 ID:29mlo4d7
思わずドキリとした。
愛が泣いているから。
さっきとは比べ物にならない程、悲しそうな表情をしていた。
おまけに何かに追い詰められたかの人間の様な切羽詰まっている・・・そう感じた。
「な、何で泣いてるんですか?」
「・・・ごめんなさいごめんなさい!!」
愛が叫びながら肩に掛かる俺の手を振り切って走り出した。
「あ、愛さん!!?」
どんどん小さくなっていく背中。
バタバタと足音を立てながら、夜の闇に消えていく愛。
俺には追いかける勇気がなかった。
・・・な、なんなんだ・・・?
愛があんな顔するなんて。
俺は再びその場に座り込んだ。
脱力したのか、呆気に取られたのか。
固い地面を指でなぞりながら俺は考えた。
なんで・・・謝ったんだ?
・・・俺、嫌われたのかな・・・

(続)


文が雑になってきた・・・スマソ、次はガンバルよ・・・
あと誤字はスルーして下さい。
152ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/05(月) 00:03:25 ID:an15ubxq
バサッ
俺は勢い良く上半身を起こした。
捲れ上がる掛け布団。
「・・・」
辺りを見回すともう朝、いや昼だ。
おまけに周りには有香や勇太はおろか敷いていた布団もない。
どうやら俺は一人で昼まで眠り呆けていたらしい。
(あれ・・・俺、たしか山の中にいて・・・愛さんと・・・)
山の中にいた時の記憶はあるが、愛が走り去ってからの記憶がない。
いつ自分が家に戻り、布団に入ったかも分からない。
「はぁ・・・」
溜め息を吐きながら頭を俯ける俺。
昨日の事が記憶がないなんて・・・今までこんな事なかったのに・・・
「愛さん・・・」
そう呟き、昨晩の事を思い出した。
しかし思い出そうとしても出てくるのは情事ではなく、愛の顔ばかりだ。
愛のあの悲しそうな・・・表情だ。
あの表情だけが頭にへばり付いて離れない。
他の記憶は曖昧だというのに・・・あの顔だけはハッキリと覚えている。
本当に悲しい人間じゃないと出来ないような、そんな表情だった。
「つっ!・・・」
妙に頭が痛い、風邪でもひいたか?
「おはよう、兄さん」
頭の痛みに耐える俺を更に襲う声。
慌てて振り向くとそこには有香がいた。
有香と目が合った瞬間、頭の中身がかき混ぜられる様な感覚に襲われた。
「・・・」
首を絞められた様な気分だった。
声を出そうにも、喉が開かない。
おまけに頭にガンガンと痛みが響く。
153ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/05(月) 00:04:11 ID:an15ubxq
「おはようって言ってももうお昼だけどね、昼御飯食べるでしょ?」
「・・・あ、ぁ・・・」
俺がやっとの思いで声を絞り出すと、有香がニコリッと笑った。
有香は普段通りだった。
口調も、俺に向ける笑顔も・・・
だが、俺には返ってそれが重苦しくてならない。
昨日の事を、無理矢理キスをした事を、今になって思い出すと・・・頭が更に痛くなる。
「すぐ着替えてよ、御飯もうすぐ出来るから」
俺を責めもせず、咎めもせず、いつも通りの有香が背中を向けて奥に消えた。
「・・・有香・・・」
(・・・なんなんだよ・・・ちくしょう!!)
頭の中でそう叫んだ。
重くて溜まらない。
何も言わない有香が、憎くて溜まらない。
潰れてしまいそうだ。
有香なりの優しさなのだろうか・・・だが俺には紛れもない苦痛だった。
平手打ちのひとつでもくれれば少しは軽くなるかも知れないのに。
何故、何故、何も言ってくれないんだ?
「くそっ!!」
乱暴に頭を掻き毟ると鈍い頭の痛みを伴いながら黒い髪が数本ほど布団の上に落ちた。

・・
俺はただ目の前に並べられた料理を見ていた。
大人数で囲む食卓、そんな賑やかに見える一面だが・・・俺には肩身が狭く、息苦しい。
俺の左右に、まるで俺を板挟みにするかの様に有香と愛が座っていたのだから。
今まで意識しなかったが・・・最悪の配置だ。
いや、・・・俺の隣よりマシか。
テレビを見ながら下品に口を開ける伯父と勇太。
丁寧な手付きで箸を進める祖母。
愛と有香、そして俺は何も語らず黙々と口を動かしていた。
154ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/05(月) 00:05:06 ID:an15ubxq
気まずい食卓。
少なくともそう感じていない奴等もいるが。
「姉ちゃん、お茶取って」
勇太が口の中身を見せながら愛に向かって手を伸ばす。
愛がお茶の入った容器を勇太に手渡した。
「兄さん」
有香が唐突に俺に話しを掛ける。
焦る内心を覆い隠す様に、入ってもいない口をモゴモゴと動かしながら振り向いた。
「今日夜ね、近くの神社で夏のお祭りがあるんだって」
「・・・」
『まだ口に入ってますよ』とアピールするかの様に口の速度を速める俺。
周りから見たらどんなに不自然だろうか。
「愛さんと勇太君も行くんだって、兄さんも行くでしょ?」
有香は表情のひとつも変えず、そう尋ねてきた。
よりによって『行かない?』ではなく『行くでしょ?』。
まるで肯定されるのが当たり前かの様な問いかけ。
「あ、ぁ行く! 行くよ!」
不自然なほど速い返答だった。
もう俺にそこまで気を使う余裕などない。
俺に選択肢などなかった。
今日一日だけでも家に閉じこもり、一人きりになりたかった筈なのに。
正直、この二人と顔を合わせるのも辛い。
「・・・秀さん、大丈夫ですか?」
「へ?」
中途半端に開いた俺の口から空気が漏れ、情けない声が出た。
「顔色悪いですよ、大丈夫ですか?」
「・・・は、はは・・・そうかな」
愛に指摘され、自らの顔を手の平で拭う俺。
既に俺の顔にも汗が伝っている。
気分が優れていないのは事実だ。
相変わらず、鈍い痛みが俺の頭の中で蠢いているのだから。
155ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/05(月) 00:06:18 ID:an15ubxq
その要因達は再び箸を進め始めた。
「・・・」
俺は最後の一口を無理矢理口に流し込み、逃げる様にその場を離れた。

(続)
156名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 23:13:49 ID:E/WAU+f/
まだー?
157名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 00:38:59 ID:0N1/YYRE
ねおんタン、年末校了?
投下まってるよー
158ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:23:28 ID:EJ/vW8ne
遅くなってスマソ

左右を通り過ぎていく活気ある声。
灰色の石畳の上に敷かれた砂利が時折、ジャリッと音を立てる。
時間帯はもう夕方。
伯父達の車で送られて行くのかと思いきや、徒歩で十数分歩けばすぐ着いた。
本当に『近くの神社』である・・・
この催し物はここら地域では毎年行われているものらしく、地元の舞踏団の舞などが行われるらしい。
祭りなんてもっと騒ぐ物だとばかり思っていた・・・花火だとか太鼓のリズムに合わせて踊るだとか。
どちらかと言うと地元のしきたりを重んじているという印象を受ける。
愛と勇太、有香、四人連れ添って賑わう出店の間を歩いていた。
誰もが少しは明るい雰囲気になりそうな雰囲気だが、唯一俺だけは相変わらず沈んでいた。
俺は・・・有香に昨夜の事について話す、その手段を考えていた。
いかにしてその話題を切り出すか、いかにして二人きりになるか、そんな事ばかりを考えていた。
だが、俺のその熟考もやかましい祭りの声で乱れている。
俺以外は、勇太はもちろん愛や有香にまでちらほらと笑顔が見えていた。
どちらもまるで昨晩の事など気にも留めていない様に・・・
「あ、すげぇ!!あのヒモクジ、ムシ○ングカード置いてるよ!!」
「やってみる勇太?」
「うん!」
勇太が満面の笑みを浮かべ、愛に向かって手の平を差し出す。
すると愛がズボンのポケットから小銭を取り出し、数枚程そこに置いた。
愛は珍しくトレーナーにズボンと言うラフな格好をしている。
女性なら浴衣でも着て来ると思っていたが、それを着ているのは有香の方だった。
「じゃぁ、一発良い物当てて来るよ!」
勇太が腕を大袈裟に振りながらヒモクジの出店に向かって走っていく。
「すみません、愛さん・・・こんな立派な浴衣借りちゃって」
「良いんですよ、それ私が小さかった時に着てた物で・・・もう私には小さいから」
愛が昔着ていた浴衣が押入れの奥から引きずり出されたのだ。
最初は有香も遠慮気味だったが、提案した祖母に押し切られ、結局この浴衣に身を包んでしまった。
「ゆ、浴衣なんて着た事無いから・・・大丈夫かな」
「凄く似合いますよ、ねぇ秀さん?」
159ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:23:59 ID:EJ/vW8ne
「え、ぁ」
突然の話の振りに言葉を詰める俺。
「う、うんバッチリ」
作り笑顔で俺がそう返すと、有香が恥ずかしそうに俺から目を逸らした。
浴衣の生地の青色で目が冴えるが、今の俺にそんな事に気を掛ける気分にはなれない。
「愛姉ちゃん!!」
と、気が付くと戻って来た勇太がまた愛に向かって手を差し伸べていた。
「・・・お菓子・・・当てた」
勇太のもう片方の手には大きな菓子詰めの袋が握られていたが、満足そうには見えない。
どうやら『もっとくれ』と言いたいらしい。
「もう・・・」
愛が呆れるように溜め息を吐くが、顔は笑ったままだ。
「はい、まとめて1000円ぐらい渡しとくわね、これで自由に遊んでおいで」
「やったぁ!姉ちゃん太っ腹!」
「ちょ、ちょっと声大きい勇太・・・」
勇太が喜んで数回その場で小さく跳ねる。
渡した千円札を乱暴に握り締めながら走り出し、勇太が人込みの中に消えた。
「大丈夫なんですか?勇太君一人にして・・・けっこう広いですよ、ここ」
有香が心配そうに人込みを見つめながら愛に尋ねた。
「大丈夫です、毎年やってる事ですから。お金がなくなったら勇太の方から戻って来ますよ」
「あ、あの・・・」
「・・・?」
俺と有香が目を丸くした。
愛の傍らに・・・知らない少年が立っていたのだ。
黒色のフレームの眼鏡、整えられた髪型だが少々毛の量が多く膨らんでいる。
誰だこいつ・・・?
「・・・あ、神木君?」
愛が表情ひとつ変えず、そう返した。
「ぐ、偶然見かけて・・・もしかしたら星野さんかなって」
「えぇ、偶然ですね」
160ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:24:29 ID:EJ/vW8ne
話が読めない俺と有香は二人のやり取りをただ見守っていた。
話の流れを読むに、どうやら同級生らしい。
ただ・・・何か引っかかる・・・
『神木君』とかいうこいつの喋り方が。
「そ、そちらの方は?」
神木が妙な早口調でそう言った。
「あ、この人達は従兄弟なの。夏休みでこっちに遊びに来ててね」
「ほ、星野有香です」
ペコリッと丁寧に頭を下げる有香。
「星野秀です」
俺も有香の後に続いた。
「あ、あの、ほ、星野さん!僕、ほ、他の友達も今一緒にいるんですよ!だからぁその・・・」
神木の声が高くなる。
・・・なんだ?こいつ・・・初対面の俺達の前だから緊張してるのか?
その声は緊張により裏返っているというのは一発で分かる。
「・・・はい?」
愛が首を傾げる。
「だ、だからい、一緒にいきすぇ、ぁ」
「・・・ぷっ」
噛んだみたいだ。
思わず含み笑いをする俺。
俺は彼のその態度を見て確信した。
こいつ・・・愛さんに気があるな・・・?
「い、一緒に行きませんか?!・・・」
慌てて再びそう言い直した。
「御免なさい・・・今従兄弟の人達がいるから・・・」
「え、ぁ・・・そ、そうですよね・・・」
・・・おいおい、押しが弱いぞ神木君。
「いや、別に大丈夫ですよ、一緒に行きましょうよ。人は多い方が楽しいし」
俺が愛と神木のやり取りに横槍を刺した。
161ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:24:53 ID:EJ/vW8ne
神木が驚いた顔で俺を見る。
「そう・・・ですか?」
愛も視線を俺の顔に移した。
「えぇ、お前も別に構わないよな?なぁ有香」
「え!?ぁ、う、うん」
有香が一瞬目を見開いたが、すぐに首を縦に振った。
どうも本意ではないようだったが。

・・
「どうも〜初めましてぇ、貝塚でぇ〜す」
妙に語尾の伸びた男性の声。
僅かに金色に染まったよれよれのヘアー。
見た感じ・・・街のチンピラと言う印象を受ける。
「初めまして、浜口拓也です」
もう一人、スッキリとした顔立ちの背の高い青年が続けて自己紹介した。
「お久しぶりですね、貝塚さん、浜口さん」
「いやぁ、夏休みになっちゃったから全然愛ちゃんに会えなくて寂しかったよぉ〜」
チンピラ風の貝塚が愛に向かって下品に笑い、歯を見せる。
なんか、むかつくなこいつ・・・殴ってやりてぇ・・・
「えぇ、こっちも」
愛があっさりと貝塚にそう返した。
「えぇ!?愛ちゃん今の愛の告白!?そう受け止めて良いの!!?」
「どうも初めまして、星野秀です」
うるさい貝塚の声を遮る様に、しっかりとした口調で俺は自己紹介した。
「は、初めまして!星野有香です!」
釣られて有香が緊張気味な声で自己紹介を続ける。
「あぁ、有香ちゃんって言うの?え、愛ちゃんの従兄弟!?可愛いねぇ〜」
「ぇ、ぁ・・・はは・・・」
顔を近づける貝塚に、有香が困り顔で笑った。
あぁ、マジぶっ飛ばしてぇ・・・有香に近づくんじゃねぇ・・・
162ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:25:14 ID:EJ/vW8ne
俺は心の中でチンピラを殴り倒した。

・・
「で、やっぱり君も気付いてるんだろ?」
「はっ?」
いきなり貝塚が俺に話掛けてきた。
口調がずいぶん馴れ馴れしい・・・不愉快でないと言えば嘘になる。
「何って・・・あれだよ、あれ」
「・・・?」
一方的な会話に首を傾げる俺だが、歩く足は止めない。
有香も不安そうな表情で俺の横を並んで歩いていた。
「愛ちゃんに気があるんだよ」
「ぇ、俺?! ないない!」
慌てて否定する俺。
俺達の目の前を歩く愛と浜口が振り返り俺の顔を見た。
「あ、いや・・・お気になさらず・・・」
俺がそう返すと再び二人が正面に向き直った。
「ちげぇーよ、この眼鏡君の奴がだよ」
少し声を小さくして俺の耳元で喋る貝塚。
「あ、あぁ・・・」
「こいつ全くの恋愛ベタだからなぁ・・・だからあいつの恋の手助けをな、してやってるんだよ」
「へ、へぇ・・・」
「あいつに愛ちゃんをこっちに誘う様に言ったのも俺なのよ、面白そうだろ?ひとつ乗ってみねぇ?」
いきなり何を言い出すんだこいつ・・・
「い、いいよ貝塚君、その子達も迷惑だよ」
神木が困り顔で貝塚を制止しようとする。
「ほら、いつまでもウダウダやってねぇでさ・・・それとなく自然に愛ちゃんの横に並ぶんだよ」
「え、ぇぇ!」
神木が驚き、顔を俯けた。
そんな態度を見かねた貝塚が、神木の背中を強引に押し出した。
163ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:26:16 ID:0rjZVSrr
「大丈夫か・・・あの人」
思わず声に出した俺。
神木が時々小走りする様な動きも見せ、愛と横に並んで歩く浜口の隣側に位置取る。
・・・横に並ぶまでは出来たが会話までは出来ない様だ。
「あぁー、もう歯痒いぜ、全く・・・やっぱ強行手段で行くしかないか」
「強行手段?」
俺がそう尋ねると、横にいる有香も興味有りという表情を浮かべた。

・・
「ほら、自分から誘わなきゃ」
浜口が神木に耳打ちした。
「あ、あの、金魚掬いでもしませんか?」
神木が相変わらずの早い口調で愛に尋ねる。
それを言い出しただけでも内気な少年の精一杯の勇気だった。
「良いですね」
愛がズボンのポケットに手を入れ、財布を取り出すと神木の表情が変わった。
「お金はぼ、僕が出します!」
「悪いですよ、そんな」
「僕が誘ったんで、気にしないでくらぁさ、・・・」
緊張のあまり絡まる舌。
少年が表情を改め、再び愛に向かう。
「ぼ、僕に出させて下さい!!」
「・・・あの・・・」
「は、はい!」
「はぐれちゃったみたいですね・・・」
「へっ?」
思わず情けない声を上げる神木。
辺りを見回すが、既に二人の周りに三人の姿はなかった。
(は・・・ハメられた・・・)
神木の頬に一筋の汗が流れた。
164ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:26:42 ID:0rjZVSrr

・・
「お、あの娘良くなくない?どうよ浜口?」
「貝塚・・・今、何連敗目だよ?もっとやり方変えた方が良いと思うぞ」
「んなことねぇって、女は強引でも自分を引っ張ってくれる男が好きなんだよ」
浜口と貝塚が妙な会話を交わしていた。
「じゃぁ、俺達もそろそろ女の子探しに行くからさ、ここで別行動って事で」
「は?」
思わず口が開く俺。
「は?じゃねぇよ、ナンパに来たの。俺達は」
「僕は無理矢理付き合わされてるだけだけどね・・・」
浜口が即座にそう付け加える。
「はは、そう言うなよ、お前だって女に飢えてるくせに〜」
「君と一緒にしないでくれる?」
「うぇ、酷ぇ・・・まぁ、あとは神木の奴に任せるとして、俺達も真実の愛を探す旅に出るぜ、なはは」
「は、はぁ・・・」
何言ってんだこいつら・・・
「じゃ〜ね、有香ちゃん」
貝塚が有香に向かってニッコリと笑うと、口の間から歯が覗いた。
「は、はい、それじゃ、さようなら」
有香が作り笑顔で返した。
「それじゃね、バイバイ」
浜口が整った顔を微かに緩め、軽く手を振った。
二人がこちらに手を振りながら人込みの中に入っていく。
「な、なんだったんだ・・・?あいつら・・・」
俺が呆れ顔で二人が消えるのも見ていた。
「さぁ・・・面白い人達だったけど」
「う〜ん・・・」
台風みたいな連中だったな・・・
「で、どうするの?」
165ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:27:05 ID:0rjZVSrr
「んぁ?」
有香の突然の問いかけ。
「愛さんも勇太君ともはぐれちゃったし・・・」
「・・・あぁ、そうだな・・・」
・・・望んでいた機会かも知れない。
人込みの中だが、二人っきりである事には変わりは無い。
「愛さんの所行く訳にも行かないよね・・・やっぱり」
有香がそう言いながら浴衣の首元の生地を整える。
・・・今この場で・・・言うしかない・・・
この先に言う機会があっても・・・言い出せる勇気が自分に湧くとは思えない。
今言うしかないんだ・・・今言うしか・・・
「勇太君探そうか? ・・・それとも二人だけで楽しんじゃう?」
有香が俺に向かって微笑む。
俺は喉が詰まる思いだった。
有香のその顔を見た途端、俺の勇気がかすれた。
「あ、ぁ・・・そうだな・・・」
自分の言いたい事を・・・口にも出来ず、俺はそう返してしまった。
情けない・・・俺。
「あ、私自分の財布持って来たからさっきのお店で林檎飴でも、きゃっ!!」
「有香!」
ザサァッ
布生地が地面と擦れる音がした。
有香がその場につまづいて転んだのだ。
固い石畳の上で横になっている有香の体が痛みからか震えていた。
「うぅ・・・」
「おい、大丈夫か?ちゃんと足元見ろよ全く・・・」
「なんでここだけ・・・段差になってるのよ、もう・・・」
規則的敷き詰められた石畳の筈が、その内の一枚が妙に反れ曲がっている。
その石が周りの石に重なって、僅かな段差を築いていたのだ。
「あ・・・」
166ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:28:02 ID:0rjZVSrr
有香が思わず声を出すと、周りの人込みの目線が俺達に集まっていた。
「あ、す、すみません、お騒がせして・・・」
俺がそう言いながら周りに向かって頭を軽く下げると、有香が僅かに赤面した。
「大丈夫か?」
「ご、ごめん・・・ちょっと足挫いたみたい・・・いたた・・・」
無理に立ち上がろうとする有香。
羞恥心からか、一刻も早くここを去りたいのだろう。
「無理すんなって・・・とりあえず、どっかで休もう」
「う、うん・・・ごめん」
有香が俺の腕に掴む。
よろけた足取りの有香を支えながら、石畳を横切りその場を離れた。

・・
賑わいのある出店の通りとは相反して静かだ。
有香は神社の敷地端に儲けられたベンチに座っていた。
ベンチに一人座っている有香に近づくと、俺より先に有香が声を掛けて来た。
「お帰り、兄さん」
トイレという名目で少しだけその場を離れていた俺。
だが俺には別の目的があった。
「ほれ、林檎飴」
「あぁ、有り難う!」
有香が驚き、感激した。
「もしかして・・・トイレとか言ってどこかに行ったのも私にこれ買って来てくるためなのかなぁ?」
有香はすっかり上機嫌な様だ。
その女の子らしい口調からもよく分かる。
「バカ言うな、ついでだついで」
・・・こいつ、鋭いな、油断ならん。
「あ、お金返すね」
有香がもぞもぞと浴衣の中に手を入れる。
・・・どこに入れてんだ?
167ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:29:03 ID:0rjZVSrr
「いいよ、奢る」
俺がそう言うと、有香の手の動きが止まった。
「ふふ、優しいのね兄さん・・・私が怪我してるから?」
「普段から優しいだろ?俺」
「・・・どうだろ」
有香が笑みを浮かべ、魅力的な唇が巧みに形を変える。
ちょっと、今のはドキッと来たな。
「そんなに嬉しいか? 林檎飴」
「うん、甘い物好きだもん」
「なるほど、楽しみで足元も見えなくなる程甘い物が好きか」
「もう、やめてよ・・・その言い方・・・」
俺がからかうと、有香が表情を顰めた。
その表情もどことなく嬉しそうだが。
「あ、どうしよう・・・浴衣、つまづいたせいで汚れちゃったよ・・・」
有香の言う通り、浴衣があちこち砂で微かに白くなっていた。
「まぁ、事情話せば大丈夫だろ・・・」
俺はそう言って有香を宥める。
「兄さんだけでも楽しんで来てよ。私ここで待ってるから」
「男が一人で祭りの中を歩いて何が楽しいんだよ・・・」
「あぁ、それもそうだね」
「きゃっ」
168ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:31:56 ID:sc8c9ews
「この野郎」
俺が有香の頭を小突くと、有香の長い髪が揺れた。
・・・あれ、俺・・・今普通に話してるよな・・・
朝はあれほど顔を合わすのも辛かったのに。
今だったら・・・言えるかも知れない。
そう頭の中で思っていると、既に口に出していた。
「なぁ・・・有香・・・」
「ん、何?」
「・・・ちょ、ちょっと話したい事あるんだよ・・・」
自然と表情が締まる俺。
「・・・」
有香も俺の真剣な表情に感付いた様だ。
重要な話であるという事に。
「・・・うん」
有香がそう返す。
それを合図にするかの様に・・・風が彼女の髪を優しく撫ぜた。

(続)


B地区は次回の予定です・・・ orz
169ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/14(水) 23:33:33 ID:sc8c9ews
あ、>>167の29行目と30行目のセリフ逆だ・・・すまそ orz
170名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 00:14:41 ID:uQUZ0lsy
>>167の29行目と30行目じゃなくて、>>167の30行目と>>168の1行目じゃない?
そうじゃないと台詞ズレる
171名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 00:36:47 ID:JEOkoAYi
ねおん、ご苦労さん♪
つ〜か、そろそろ纏めサイトかホムペでも作った方がイイように思うなァ。
172名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 18:50:36 ID:o4AAzwNU
だなー。
全部読みたいのに読めないのとかあるし。
データーあればオイラが纏めてもいいが。
173ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/18(日) 18:53:35 ID:lWtBSGqC
まとめZIPじゃダメですかね?

有香が林檎飴を舐めながら、時折口を離して俺に言葉を掛けてくる。
「どうしたの? 溜め息なんかついて・・・」
「いや・・・情けないなって・・・」
「自分が?」
「・・・そう」
「・・・」
有香が林檎飴を口に咥えたままだが、その口の動きが止まった。
「・・・別にいつ話したって良いよ、待ってるから」
「・・・うん」
有香の優しさに触れた気がした。
同時にその優しさに甘えようとしている自分の卑怯な心にも。
「その・・・なんて言うか・・・ごめ、が!?」
『ごめん』とそう言おうとした瞬間、歯に固い物を挟んだ。
有香は俺の口に林檎飴を捻じ込んでいた。
自らが舐めて、半分ほどの大きさになった金色に輝く林檎飴を。
「な、何すんだよいきなり・・・」
「やっぱり奢ってもらいっぱなしじゃ悪いから・・・半分あげる」
「・・・ていうか、口付けたの貰ってもなぁ・・・」
「あっそ、じゃぁ良いや」
有香が半開きになった俺の口から林檎飴を引き抜く。
「あ、嘘です! ありがたく頂戴します!」
再び自分の口に入れようとする有香を止めようとする。
「はい」
こちらに向けて林檎飴を突きつける有香。
俺はそのままそれを口で受け取った。
「・・・ありがと・・・」
口に含んだままそう返した。
「間接キスだね」
有香がニヤニヤと笑う。
内心ドキリとした。
174ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/18(日) 18:55:08 ID:lWtBSGqC
『間接』キスなら・・・コレほどまで気軽にその言葉を口に出せるのか?
「うるせぇやい」
思わず俺の表情も緩んだ。
照れ隠しで頭をボリボリと掻く俺。
「じゃぁ、さ・・・私の方から良いかな?」
「おぅ、何?」
口から林檎飴を抜き取り、飴の棒を捻りながら見つめる。
唾液と飴特有の光沢が暗い辺りながら、微かに伺える。
「・・・」
「?」
有香が少し顔を顰めた。
「・・・こ、後悔してるのかなって・・・」
「は? な、何が・・・」
多少うろたえながらも冷静を装う。
何を後悔するのかなど、有香が言う事なのだ・・・決まってる。
自分が言うべき事を先にあちらの方から言われた。
一瞬、俺の頭が痛くなった。
「うん・・・今までの事・・・いろいろ」
「・・・成り行きなんだよ、全部」
俺としても成り行きだと思う。
正直に思っている事を口にした。
「私は・・・後悔してないからね」
「は?」
・・・奇妙な一言だった。
『好き』だとか『嫌い』だとかそれ以上に複雑で、意味深な言葉。
「兄さんは後悔してるのかなって・・・それだけ聞きたかった」
「・・・してねぇよ、俺も・・・後悔なんか」
「うん・・・良かった」
「別に恋人同士じゃ・・・ないんだからさ」
「うん、そうだよね・・・好きだからするんじゃ・・・ないんだよね・・・」
175ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/18(日) 18:55:40 ID:lWtBSGqC
有香も肯定した。
安心したような気分の反面、何か寂しい気分になった。
女を抱くからと言って、その女が好きだとは限らない。
そんな男の本音を、男のわがままを有香は幼いながらも理解していたのだ・・・
「ねぇ・・・」
「ん?」
「・・・ここでしよっか?」
有香が問い掛ける様に語調を上げた。
「・・・な、なんだよ、改まって・・・一目に付くのが嫌なんじゃないのか?」
「・・・ここなら人いないしさ・・・今なら良いムードかなって」
有香が照れ臭そうに顔を顰めた。
確かに有香の青い浴衣姿は男心を擽る物がある。
おまけに周りは人一人いない、忘れ去られた神社の敷地の隅のベンチ。
有香の浴衣姿、一目の付かない場所、不自然な程『良いムード』だ。
「兄さんが嫌なら・・・良いけど」
「別に・・・そんな事ないけどさ」
そう言うのと同時に、俺は有香の浴衣の中に左手を滑り込ませていた。
何故だろうか・・・あの夜あれ程悩んで『関係を絶とう』と決めたのに。
有香の方から誘惑されたせいか、それとも有香の本性を知って安心したせいか。
ただ不思議と、この時は自分の中に『いけない』という感情は微塵もなかった。
「あ・・・」
微かに有香の吐息が俺の顔に掛かった。
手の甲に感じる浴衣の布生地の感触、手の平には人肌の感触と温度。
「あ、ごめん・・・浴衣脱げない。帯を解いたら結び方分かんないし・・・」
「いや、問題無い」
軽く浴衣の胸元を上に引くと、帯に挟まれた生地が容易にずれ、胸元か少し肌蹴た。
目も冴える青い生地、それが左右に開かれ、綺麗な肌の色が見えた。
まだ固くなってもいない乳首は乳房全体の膨らみのカーブに紛れる様に控えめに突き出ている。
そして控えめながら女性らしく膨らむ乳房も。
「・・・林檎飴、食べちゃえば?」
176ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/18(日) 18:56:13 ID:lWtBSGqC
有香がまだ俺が右手に持っている林檎飴を見て、指摘した。
有香に引き続き俺が舐めた飴はもう小さくなってしまっている。
「いや、やっぱお前が食べろよ」
俺はそう言いながら握っている林檎飴を乳房の先端の擦り付ける。
「ここで」
行為を行ってから、そう付け加えた。
「あ、ちょ、ちょっと!」
有香が少し慌てた素振りで上半身を震わせた。
「うわ、凄いベタベタする・・・ゆ、浴衣汚れるよぉ? これ借り物なんだからね・・・」
「大丈夫、後で俺が綺麗にしてやるから・・・口で」
「もう・・・」
有香がまた照れ臭そうに笑った。
しかし、すぐにその笑顔が崩れ、歪む。
「ふぅ・・・」
有香の唇から熱い吐息が漏れた。
粘着性の強すぎる飴に潤滑性などない・・・唾液で溶けているから尚更ベタ付く。
擦れる訳でもなく、ただ有香の乳房の天辺に張り付く黄金色の球体。
飴を円を描く様に動かすと、それに合わせて有香の柔らかい乳房までもが形を変える。
頂点をのみを動かす円錐の様に、滑らかなカーブの山がほぐれる。
「・・・」
有香は声一つ上げないが、その顔は淫靡な感覚を受け入れている様に、耐えている様に歪んでいる。
更に押し付ける様に飴に力を加えると、小さな球体が乳房にめり込んだ。
肌のカーブは膨らみの中央に近づく程激しくなり、凹みが大きくなる。
ネチャッと僅かに粘着質な音を立てて飴が先端から離れ、糸を引く。
「あ、ぅ・・・」
有香が少し声を上げた。
しかしすぐに声を絞り、吐息だけが口から溢れる。
(林檎飴って・・・体温で溶けるのか?)
俺はふとそんな風に思った。
有香の躰そのものも熱くなっているせいか、先程よりもベタ付く気がする。
177ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/18(日) 18:56:45 ID:lWtBSGqC
再び先端に飴を押し当てる俺。
「ん・・・」
有香の乳房や上半身がブルリッと震えた。
頬が既に紅く染まっている。
グリグリと飴を乳房に押し付けて回す。
やはり俺の手の動きに合わせて形を変える脂肪。
肌から飴を離す、付けるという行為を繰り返すとその回数が増す毎に引く糸の数が増えて行く。
ベタベタとした糖分で光沢付いた先端はいつもより更に卑しく見える。
「う、ぁ」
乳首に接着した飴を急にひっペがすと更にハッキリとした喉の震える有声音で有香が鳴いた。
「・・・これが良いのか?」
しつこく飴を先端に押し付け、より強く接着する様に強めに押し付ける。
それを再び素早く引き剥がす。
「ひっ!ぁ・・・」
思わず声が出た様だが、途中で無理に口を噤んだのが見て取れた。
今度は有香の上半身がビクッと反応した。
声を出すまいと口を噤んだ口は小刻みに震えている。
「ほら、飴でベタベタしてるぞ?」
「・・・う、うん・・・」
俺がそう指摘すると有香が恥ずかしそうに俺から目を逸らした。
「ん・・・」
飴をそっと先端から引き剥がし、適当にベンチの横に置いた。
そして粘着性の極まった性感帯に指を付ける俺。
「・・・ほらほら、乳首がこんなに指に吸い付いてくる」
指先に伝わる柔らかい乳輪の感触。
性感帯と指の間にコーティングされた糖分が互いの皮膚を吸い付け合う。
「ふ、ぁ・・・」
再び有香の唇から熱い吐息が吹いた。
まだ柔らかい先端を乳輪に押し込む様に指で突くと、指先が至高の感触で包まれていく。
指先で軽く円を描く様に動かし、満足するまでその感触を味わった。
178ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/18(日) 19:05:20 ID:rkPJ1C5M
指をゆっくりと引いていく俺。
指の腹に張り付く乳首が少しずつ剥がれて行く。
「・・・」
有香が赤い顔を歪めた。
「兄・・・さん・・・」
「ん?」
途切れ途切れな弱々しい声で有香が言った。
「・・・ううん・・・やっぱり何でもない・・・」
「・・・そうか」
有香が何を言いたかったのかは分からない。
ただ有香のその仕草は俺にとっては愛らしくて、可愛くて仕方が無かった。
「あっ・・・」
驚く様に口を開け、声を上げた有香。
俺が舌を這わせたからだ。
飴に塗れた有香の先端に、女性の象徴に。
舌で二、三度擦った後、俺はそれを口に含む。
その瞬間、有香の上半身は再び寒さに凍える様に震えるのを唇で感じた。

(続)


DAT落ちした前スレそのもののログならある。
179名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 19:14:02 ID:rkPJ1C5M
ぐはぁ、ミスった・・・
>>173の一番最初の行より前に以下の文が入ります。


俺の息が詰まった。
「や、やっぱり・・・何でもない・・・」
「え?」
有香の表情が変わった。
拍子抜けたかの様に。
「何それ・・・」
「そのなんだ・・・よく考えたらどうでも良かった・・・」
どうでも良いなんて思ってる訳が無い。
ただ出しかけた話題を切り替えるにはこれしかないと思った。
「はぁ・・・」

有香が林檎飴を舐めながら、時折口を離して俺に言葉を掛けてくる。


コピペミスなんて・・・スマソ orz
180名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 12:53:26 ID:nWnN8x7K
まとめページ作ってもらえるなら随時更新できるし、
古いのも見れるから便利でうれしいです
181名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 14:25:46 ID:uqpN7koe
乳首小説スレなのに乳首なし部分を投下するのはおかしくないですか?
182名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 14:50:59 ID:z2+Uw3+h
ねおん毎度乙
そして俺もまとめサイトもしくは一括ダウソがいいと思う
>>181のような最もな指摘に対してもそれでフォローできるのでは
183名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 17:34:02 ID:A5bFInw0
横から失礼する…

>>172みたいに纏め読みしたい人とか他の人の過去のSSも見たい人がいるかも知れないから過去ログを再うpしとく。
既に持ってる人はスルーしてくれ。

ttp://osiire.x0.com/
場所 : 3.0MB(*30Files) up3794.zip
DLパス : yorino
184名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 23:22:48 ID:OdEgXWVu
ねおんたん、マジ乙! まってましたよ〜

>183
オマイいい香具師、いただき升。
185ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:08:17 ID:pTAnnQp+
投下します。

「は、ぁ・・・」
有香が甘い吐息を漏らした。
当然だ、敏感な性感帯に俺が舌を這わせているのだから。
舌先にたっぷりと唾液をまぶしてから、舌先で乳輪ごと乳首をを擦った。
舌の大きな動きに翻弄され、柔らかい膨らみが形を変える。
プリンの様な柔軟性の乳房は、舌先に押されると凹み、舐め回されると容易に上下に形を変える。
すべすべしている筈の頂点の皮膚も、林檎飴の糖分でベタ付いていた。
「ん、ぅ!」
へばり付いた糖分を削ぎ落とす様に舌で強く擦ると、有香が腰をよじった。
たちまち、俺の舌の上に甘いものが走っていく。
「おいしいぞ、有香のここ・・・凄く甘くて」
俺が冗談気味に言うと、有香が困り顔で笑った。
「あ、はは・・・それ、林檎飴の味だよ」
歪むその表情は・・・照れ隠しなのか、あるいは性感のあまりなのか。
「ふぁ、ぁ・・・に、い・・・さん・・・」
「・・・ん?」
ふと、有香が俺を呼ぶが、気にせず愛撫を続ける。
「ん、ぁ・・・お母さん達が・・・こんな事してるの知ったら・・・怒るかな・・・」
熱い呼吸を繰り返しながら有香が呟いた。
何かに怯える様な、震える声で。
しかし表情は、快感に上気し切った女の様にも、不安に苛まれる少女の様にも見える。
俺は乳房から口を離す。
「・・・少なくとも親父には殴られるかな・・・ははっ・・・」
俺の冷たい返答に、有香が目を顰めた。
「や、やだよ・・・お父さん・・・すぐぶつもん・・・」
妹が恐れるのも無理はない。
俺達の父親は、今の時代では珍しい厳格な人だ。
怒る時なら、女である有香にも手を上げた。
父親らしい情など持ってないと・・・俺にはそう思えて仕方ない。
金さえ稼いでいれば父親だと思っている、そんな人間なのだ。
186ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:08:49 ID:pTAnnQp+
親父がこの状況を見れば、何て言うんだろうか・・・
考えるだけでも身の毛がよだつ。
鹿児島に来た時に乗った船の一等室だって、どうせ親父の提案だろう。
『他の人と相部屋になって妙なトラブルでも起こされたらかなわない』。
まぁ、そんな所だろう。
親父のそんな態度のせいか・・・物心が付いた頃には既に、俺は親父が嫌いだった。
有香は『好き』だとか『嫌い』とか、それ以前に『怖い』と漏らしているが。
不安そうな表情をする有香の頭を撫でる俺。
「大丈夫・・・勝手に俺がやってるだけなんだからさ・・・おまえは何もしてない」
『そうゆう事にしておけ』と、遠回しな言葉で有香を宥めた。
両親のいない離れた土地に来たから、俺は開放感に襲われ、今こうしている。
親達は知らない、こんな行為を繰り返している俺達の事を。
大人達は知らない、子供達はいつでも裏で秘密を作っている事を。
子供である俺達だけが知る、淫らで充実した時間だ。
「神様も・・・怒る、かな・・・神社でこんな事して・・・」
「・・・」
俺は思わず、有香の顔から目を逸らした。
(神様・・・か)
「大丈夫だよ」
俺はそう言いながら、有香の頬に軽くキスをする。
すると、有香が赤い顔を背けた。
裸体を見られる羞恥とは、また別の恥ずかしさが湧いたようだった。
「有香は・・・こんなに良い子じゃないか、別に悪い事してないだろ・・・な?」
言い聞かせる様な優しい口調で言葉を掛けると、有香が恥ずかしそうに顔を俯けた。
再び、有香の敏感な部分を舌で覆う。
「は・・・ぅ・・・」
有香の口から空気が抜け、その後は再び熱い呼吸を繰り返す。
すっかり糖分の剥がれた乳輪が、本来の肌の感触を取り戻していた。
滑らかで、健康的な皮膚。
男を受け入れる柔らかなその部分は、舌で舐めているこっちが気持ち良いくらいだ。
187ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:09:23 ID:pTAnnQp+
舌全体を使って、大袈裟に膨らみの天辺を舐め回す。
ちょっと自分でも下品だと思うくらいに。
ネチッ
舌先が往復する度に、唾液が液体質な音を立て、更に俺の興奮を煽る。
「う、ぁ・・・あぁ・・・に、兄さん、浴衣汚れちゃう」
「え? あぁ・・・」
有香に指摘され、始めて気が付いた。
余りある俺の唾液が有香の乳房から垂れ落ち、今まさに腹部を伝っている。
透明の滴が華奢な妹の腹部の凹みに合わせ、滑り落ちていく。
俺はすぐにその滴を指で掬い取り、もう片方のまだ何の愛撫も受けていない左の乳首に塗った。
「きゃ!?」
前触れの無い左右同時の攻めに、有香が小動物の様な甲高い声を上げた。
(可愛いなぁ・・・)
素直にそう思った。
(女性の驚く声って・・・なんか良いよな・・・)
こんな風に思うのはやはり、サディズムな性格だからだろうか。
「こっちはどうかな?」
右の乳首を口で啜りながら、もう片方は指を押し付ける。
「う、ぁぁぁ・・・」
強烈な左右同時の攻めに、先が呻く様な声を出し始めた。
チュッ・・・
指でぐりぐりと乳首を押し込むながら、唇を密着させ、乳輪ごと吸引する。
「ひ!? ぁぁぁ・・・」
それを切っ掛けに、有香の声の調子がまた変わった。
乳輪辺りを唇で挟み直し、先端の突起を舌先で擦る。
そんな動作を繰り返している内に、そこがプックリと膨れた。
「ほら、乳首が膨れたぞ?」
「う、うん・・・」
俺の指摘にもただ『うん』と返すが、顔は相変わらず赤い。
ふと、指攻めしていた先端を指から離し、再び林檎飴でそこに触れる。
188ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:09:57 ID:pTAnnQp+
「ほら、お前の好きな林檎飴だ」
「あ、もう・・・凄くベタベタするよぉ・・・」
まだ成長してない突起を飴で突付き、糖分をなすり付ける様に大きな動きで擦る。
ベタ付いた糖分で乳輪がペッタリと飴に張り付き、飴の動きに付いて来る。
先ほどなすり付けた唾液のせいか、ベタ付きが更に強い。
「ん、ぁ・・・は、ぁん・・・」
色っぽい声を上げながら、躰をくねらせる有香。
「お前は本当に甘い物が好きだな・・・」
そこから飴を剥がすと、微かに音を立て、溶けた飴が糸を引いた。
「そ、そこに押し付けたって・・・味なんて分かんないんだから・・・」
俺が茶化すと、有香が少し不機嫌そうな顔になる。
だが、この表情も・・・良い。
「あ!? うぁぁぁ!!」
口を密着させて、夢中で乳首を吸引すると、有香が小さく叫んだ。
唇で乳輪を揉む様に刺激しながら、舌先で乳首を転がす。
林檎飴を再びベンチに置き、ベタついたもう片方の乳首を指で攻める。
糖分の粘着性を指で感じながら、あえて乳首は避け、乳輪辺りを指で摘んでしごく。
「う、はぁ、あああ・・・ん!」
指で挟んだ皮膚を左右にスライドすると、押し出される様にこちらの乳首も膨れた。
「ほら、両方ともピンピンだぞ・・・」
「あ、うぁ、あぁぁ」
しゃくりあげる様な声を上げる有香。
「ぐぇ」
俺も思わず妙な声を出してしまった。
いきなり、有香が俺の顔を抱き付いて来たのだ。
俺の口元全体に有香の乳房が押し付けられ、息苦しい。
だけど・・・柔らかくで・・・気持ち良い・・・
「お、おい・・・有香? 息苦しいんだけど」
「ん、ぁ・・・は、ぁん・・・」
有香は俺の声を聞いちゃいなかった。
189ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:10:28 ID:pTAnnQp+
後頭部に巻き付く腕を振り解こうとするが、有香の手には既に俺の頭髪が握られていた。
それにしても・・・非力は筈の有香にしては力が強い。
身長も低くて、体格も華奢のくせに。
こんなに力強かったっけ・・・そりゃ、テニス部だから多少腕力はあるだろうけど。
「ご、めん、もう・・・すぐなの・・・お願い・・・」
やっと返事を返した有香が『もっと』と言わんばかりに、更に強く俺の顔を締める。
「ちょ、本当に・・・苦、しい・・・」
しかし、俺はそのまま唇に当たる突起を歯で優しく噛んだ。
もちろん、もう片方の指攻めも忘れない。
固くなった乳首を指の腹で転がし、同時に歯で挟んで舌先で弄ぶ。
「ひ! あ! ふぁ、んんんぁぁぁ!!」
有香が叫んだ。
声を絞って控えめに。
同時に俺の後頭部にある有香の腕が、更に力を増す。
「ぐ、うぇ・・・ちょ、やめ」
(痛い痛い!)
俺の首の骨がポキッと音を立てた。
・・・死なないだろうな・・・俺。
「く、ぁ、はぁ・・・はぁ・・・」
有香が落ち着いた様に深呼吸を繰り返すが、腕の方は一向に力が緩む気配がない。
「・・・」
俺は無言のまま、有香の方から腕を離すのをずっと待った。
有香が飽きるまで・・・このまま・・・

・・
「ごめん・・・首、大丈夫?」
落ち着いた有香が俺を心配する。
「うん、いける」
俺は首を押さえるが、心配をさせまいとあっさりそう返した。
「・・・そろそろ、愛さんと勇太君探さないとね」
190ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:13:09 ID:Q6B/6rpf
有香がそう言いながら肌蹴た浴衣を調える。
「そうだな」
俺もそう返し、帯の下から覗く浴衣の生地を引っ張り、整えた。
「おーけー、証拠隠滅・・・どこから見ても普段通りだ」
「うん」
半笑いで俺がそう言うと、有香も釣られて笑顔を作った。
「有香、足は?」
「あっ」
思い出したかの様な顔をして、有香が足を振った。
「・・・ちょっと、まだ痛いかな・・・でも歩くには大丈夫だと思う」
「・・・いや、無理すんなよ」
「兄さん? ・・・な、何?」
背を向け、腰を落とす俺に有香が問い掛ける。
「乗れよ」
「えぇ・・・良いよ、歩ける」
「良いから乗れって」
慌てて手を横に振る有香を、俺は更に誘いかける。
「いや、本当に大丈夫だから・・・」
黙ったまま、ただ有香に背中を向け続ける俺。
「・・・」
「ほら」
「・・・」
やっと観念し、しぶしぶと無言のまま俺の背中に体を預ける有香。
手で有香の腿を支え、有香の腕が俺の肩を握る。
自らの足にグッと力を加え、立ち上がった。
・・・驚くほど軽かった・・・
「・・・軽いな、お前」
「そう?」
「背もぜんぜん伸びないしな」
「・・・言わないでよ・・・気にしてるんだから・・・」
191ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:13:57 ID:Q6B/6rpf
余りの軽さに、少し妹の発育が心配になった。
普段から側にいるが・・・こんなに軽くて・・・弱々しかったなんて・・・
ちょっと力を加えてしまえば、簡単に壊れそうだ。
ガラスの器みたいに・・・
「まぁ・・・もうちょっとすれば、有香だってもっとグラマーに」
「ふふ、期待しといてね」
「あぁ」
お互い、冗談っぽく会話を交わした。
「・・・有香、血出てるぞ」
「ぇ?」
俺は目の前にある有香の手を指摘した。
手の甲から真っ赤な血が滲んでいたのだ。
擦り傷の様だ。
「あ・・・転んだ時に擦り剥いたのかも・・・」
「そっか、ティッシュもないし・・・水出そうな所もないしなぁ・・・まぁ、良いや」
俺はそう言いながら、自らの服の袖で有香の手の甲を拭う。
「ちょ、に、兄さん、何で拭いてるの!? 服汚れちゃうじゃない!」
「別に良いじゃん・・・それよか浴衣汚れた方が困るだろう? 洗濯とか大変そうだし・・・」
「そ、そうだけど・・・」
「気にしない気にしない」
俺はそう宥めながら足を進めた。

・・
「ねぇ・・・覚えてる?」
「ん? 何が」
歩きながら俺は有香に返事を返した。
だいぶ歩いたので、既に周りには人や明るい屋台が見え始めていた。
相変わらず愛と勇太が見つからないが。
「昔・・・よくおんぶしてくれたよね・・・」
「あぁ、そんな事か」
192ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:14:29 ID:Q6B/6rpf
突然、有香が昔の話を持ち出した。
「私が泣いてる時とか・・・決まっておんぶしてくれたよね」
小さい頃、俺は有香が泣いてる時はいつも決まっておんぶしていた。
慰めるという器用な事の出来ない俺の唯一の気配りだったのだが・・・
「そうだな・・・有香、泣き虫だったからな」
「もうっ」
「とと、危ない危ない」
俺がからかうと、有香が体を揺らして俺を困らせた。
「まぁ、なんだ・・・久しぶりにおんぶしたな」
「うん」
「本当に・・・久しぶり」
「・・・うん」
「体重も大して変わってないよな」
「だから言わないで」
有香が俺の耳元で文句を垂れる。
ふと、有香が俺の背中に顔をうずめた。
「・・・暖かい・・・」
193ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/24(土) 19:31:05 ID:Q6B/6rpf
有香がくぐもった声で呟いた。
「このまま・・・寝ちゃいそう・・・」
「おいおい、寝るなよ・・・もう赤ん坊じゃないんだから・・・」
「う・・・ん・・・」
「・・・有香?」
有香の声が途切れた。
「・・・」
「おい」
「・・・」
「もしも〜し」
スー・・・スー・・・
背中に熱い物を感じた。
寝息の様だ。
「こんな五月蝿い中で、こんなすぐ眠れるなんて・・・器用な奴だな」
俺はそう呟き、肩をすくめる。
「・・・まぁ、重くないから良いけどな」
やせ我慢の言葉も、既に有香には届かない。
「・・・よっぽど疲れたのかね・・・」
俺の独り言が賑やかな人ごみの声に掻き消された。

(続)


今まで書いた分、勝手に詰めてうpします。
興味ない方スルーして下さい。
>>183氏がログうpして下さいましたが、自分のは誤字多かったのであちこち訂正した奴を改めて・・・ orz
こっちの方が読み易いかなって。

ttp://osiire.x0.com/  3.0MB  up3815.zip
DLPASS chiku
194名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 13:57:23 ID:P4rJ44Mr
>>193
乙。いただきますた。
195ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:17:17 ID:mWUgCtqH
続き投下。

海岸沿いにある人で賑わう海水浴場。
照り付ける太陽の日差しの中、俺と勇太は思わず息を飲んだ。
なんたって美女二人が目の前で水着を着こなしているのだ、仕方あるまい。
眩しい日光の中で踊る有香と愛の姿には神々しささえ覚えた。
愛はプロポーションが良いし何を着ても似合うな、うん。
有香の方はいまいちな幼児体型だが・・・美人だから問題無し!
「おお、よく似合うよ二人共!」
伯父がパンパンと手を叩きながら二人を絶賛した。
「ふふっ・・・」
眩しい黄色の水着を纏った愛がクールに笑い、横目で伯父を見る。
対照的に有香はと言うと…人目が気になるのか愛の横で縮こまっている。
腹部も覆うワンピースタイプの水着だが…色が明るい水色だと言う物だから目立ってしょうがない。
「有香ちゃん凄く似合ってるよ、ほらもっと堂々として!」
有香は元々は色の質素な学校の水着を着るつもりでわざわざ家から持って来ていたのだが…
これまた愛が実家に置いてある水着をお古を有香に貸してくれたのだ。
もっとも着せたがっていたのは祖母と伯父であったが…
最終的には有香の断り切れない気弱な性格が災いし、今に至る。
「愛さん・・・見た目によらず・・・大胆」
「うん・・・毎年あんな感じだよ」
日除けのパラソルの下で俺と勇太は眩しい二人を見ていた。
「勇太・・・」
「何?」
「・・・来て良かったな」
「・・・うん」
俺の言葉に勇太が控えめに頷いた。
「・・・よし! さっそく海に飛び込むか!」
何分、気合の入った俺は勢いよく立ち上がった。
「俺は良いよ、お父さんとここにいる」
勇太が淡々とした口調で返した。
「はっ? 何でだよ、せっかく海に来たのに泳がねぇと勿体無いぞ?」
196ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:19:00 ID:mWUgCtqH
「俺は・・・海に来てはしゃぐとかそうゆう歳じゃないから」
(いや、お前完全にそうゆう歳真っ盛りだろが)
心の中でつっこみを入れつつ、勇太の手を引く俺。
「良いから行こうぜ、ここにいたってつまんないぞ」
海に来た事で俺も気分がオープンになっているのか・・・妙に強引だ。
「い、良いよぉ・・・俺はゆっくりのんびりしてたいんだよ・・・」
「はは、勇太はまだ泳げないんだよ」
「うわっ!」
有香達の側にいた筈の伯父がいつの間にか俺の横にいた。
猫かこいつは。
「び、ビックリした・・・」
胸に手を当てる俺。
「お、親父ぃ! 言うなよぉ!!」
勇太が目を見開きながら叫んだ。
・・・どうやら勇太は本当にカナヅチらしい。
「あぁ、そうなのか」
勇太を傷付けまいと冷静に振舞う俺だが・・・
「まぁ、良い機会じゃないか。 秀兄ちゃんに泳ぎを教えて貰いなさい」
伯父が鈍感にもニヤニヤしながらそう言った。
「あぁ、もう! なんで言うんだよ!!」
カナヅチだと発覚した事がショックなのかえらい剣幕だ。
別にこの歳ならカナヅチでも可笑しくないがなぁ・・・
「はいはい、怒らない怒らない」
怒り心頭の勇太の頭を撫で、伯父が軽くあしらった。
「いや、俺より有香の方が泳ぎ得意ですよ」
「ほぉ、そうかそうか・・・じゃぁ、有香姉ちゃんに教えて貰いなさい」
伯父が笑いながら、パラソル下に敷かれたレジャーシートに寝転がった。
「四人で遊んで来なさい。 お父さんはここにいるから・・・」
「二人共!!」
ふと、愛がこちらに手を振りながら駆け寄って来る。
197ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:19:31 ID:mWUgCtqH
それに釣られて、有香も少し遅れてこっちに駆け寄って来た。
「向こうの方が人少ないからあっちに行かない?」
愛が指差す方向を眺める俺。
「もう・・・親父のバカ、バカ・・・」
「ほら、いつまで拗ねてるんだよ・・・泳ぎ教えてやっから」
呟き繰り返す様に伯父に文句を垂らす勇太の手を引く俺。
「有香、勇太に泳ぎを・・・って、どうしたんだ?」
俺達の前に来て早々、もじもじと有香の挙動が可笑しい。
「何もじもじしてんだよ」
「いや、なんか・・・は、恥ずかしくて・・・」
「はっ?」
「こうゆう人に見せる水着って初めて着るから・・・変じゃないかな・・・?」
水着の胸辺りの生地を摘んで、引っ張る有香。
目の冴える水色が鋭い山の形に伸びる。
「変じゃないよ」
素直な気持ちで即答する俺。
「本当に?」
「えぇ、よく似合ってます」
俺に続いて愛が褒めた。
「ていうか、十分似合ってるからもっと堂々として良いぞ」
「え、えぇ!?」
俺が言うと、有香が困り顔で水着の生地を離した。
「あ、そうそう・・・勇太に泳ぎを教えて欲しいんだけど」
ふと、本題を思い出す俺。
「泳ぎ? 私が?」
有香が首を傾げた。
「そっ、クロールでも平泳ぎでも何でもいいからさ。 有香泳ぎ得意なんだろ?」
「得意って言っても・・・小さい頃少しスイミングスクール通ってただけだよ?」
「でもクラスで一番速いんだろ? 水泳部でもないのに」
「そうだけど・・・」
198ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:20:06 ID:mWUgCtqH
有香が少し顔を俯けた。
偶然勇太と目が合い、勇太の方が恥ずかしそうに目を逸らした。
少しの間勇太の顔を見て、有香が口を開く。
「うん、良いよ。 教えるのは得意じゃないけど・・・」
「そう言うと思ってましたよ! さすが有香さん!」
「もぅ、調子が良いなぁ・・・」
有香が不機嫌そうな顔で言いながら、勇太の手を引く。
「勇太君、あっちの岩場の辺りに行こうか? あそこなら波が来ないから」
有香の問いかけに勇太が無言で頷いた。
「兄さん達二人で泳いで来たら?」
「え?」
突然の有香の言葉に固まる俺。
「横で練習してるの見てたってつまんないでしょ? せっかく泳ぎに来たんだから楽しまないと」
いきなり愛さんと二人っきり?
それはいくらなんでも気まず過ぎる。
有香なりの『自分達に構わず楽しんで欲しい』という気遣いなのだろうが今の俺には荷が重過ぎる。
有香はまだ俺と愛の事について知らない。
慌てて事態を取り繕うとする俺。
「・・・で、でも有香だってそうじゃん。 なんか有香に悪い気がするし・・・」
「別に私は構わないけど?」
有香が勇太と繋いでいる手を振った。
「いや、有香達の近くにいるよ! 途中で変わるからさ!」
「そう? なら別に良いけど・・・」
俺はそう言いつつも、愛の意見も聞かず勝手に事を運んでる自分に気が付いた。
「・・・愛さんが構わないなら・・・」
慌ててそう付け足す俺。
「はい、別に・・・私もそれで構いませんよ」
・・・良かった、助かった・・・。

・・
199ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:20:41 ID:mWUgCtqH
大きな岩場の側。
水平線から来る波が岩場に当たるので殆ど波が来ない。
有香がここを練習に選んだのもそれが理由だ。
「お腹を曲げちゃダメ!」
有香が水の中で勇太のお腹を支えている。
「ゆっくりで良いから大きく綺麗な円を描く様に・・・」
「え、こ、こう?」
思いの他、熱心な有香の教えっぷり。
そのお陰で勇太の伸びは上々の様だ。
少々遠方から俺と愛は二人を眺めていた。
結局は愛と二人にされたが、近くに勇太と有香がいる分まだ大分マシだ。
足が付く程度の浅瀬。
足が砂にめり込み、波がさらう砂の感触が心地良い。
「熱心だな、有香の奴・・・」
「ええ」
「この分なら・・・その内、四人で泳げそうですね」
「ええ」
(・・・な、なんか・・・)
佇む愛も・・・可愛い。
「・・・秀さん」
「はい? ぁ・・・」
一問一答の会話の流れに慣れてしまっていたのか・・・
愛の突然の問いかけにも、俺には珍しく冷静に返してしまった。
「この間の・・・山の中の・・・事なんですけど・・・」
いきなり核心を突く話題の切り出し。
露骨に表情にも声にも出さないが、俺は凄く驚いた。
「すみません・・・この間、いきなり逃げ出しちゃって・・・」
「いえ・・・気にしないで下さい」
「・・・」
「・・・」
200ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:22:01 ID:DlwhETtj
俺達は沈黙した。
まるで時間が止まったかの様だ・・・
幸い、波の音が定期的に聞こえて来るので錯覚する事はない。
「あ、愛さん・・・」
「・・・はい」
俺は心の奥底で気に掛かっていた事を、あえて口に出さなかった事を口に出した。
今聞かなければ・・・もう聞く機会も勇気もないと思ったから。
「そ、それよりも・・・なんで謝ったんですか? あの時、『ごめんなさい』って・・・」
「・・・」
愛が顔を俯けた。
「・・・真剣に聞いて下さいね?」
「え?」
「これから話す事・・・全部本当の事ですから」
愛が真剣な表情で俺の顔を見つめた。
思わずドキリッとし、俺の表情も釣られて険しくなる。
「はい・・・」
「私・・・好きだったんです・・・裕也の事が」
突然出てきたのは・・・事故死した愛のもう一人の弟の名前だった。
そして実の弟に恋愛感情を持っていたという事も。
「兄弟愛だとかそんなんじゃなくて・・・本当に」
「・・・」
「可笑しいですか?」
「いや・・・俺も否定なんて・・・出来る立場じゃないし・・・」
「そう・・・ですか・・・」
俺だって同じだ・・・今の俺に否定する権利などある筈がないのだ。
似た立場の俺は冷静に愛の告白を受け入れていた。
「・・・自分ではダメだって分かってるのに・・・どうせ実る筈のない恋なのに・・・」
愛の肩が震え始める。
まるで何かの感情に奮い立つかの様に。
「でも・・・毎日顔を合わせる度に感情が膨らんで来て・・・だんだん自分を隠せなくなって来て・・・」
201ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:22:49 ID:DlwhETtj
愛が冷静に返事をし、目元を手の平で拭った。
そして声の調子が・・・いつも通りの冷静な愛のそれに戻る。
「・・・それで・・・10年ぶりに会った秀さんが・・・裕也に似てたから凄く驚いたんです・・・」
「似てる? 俺が?」
「・・・はい・・・似てます」
「そ、そうですか・・・」
思わずたじろぐ俺。
まぁ・・・血が共通する部分もあるから似てないって事はないと思うけど・・・
「そんな時に・・・秀さんと有香ちゃんがあんな事してるのを見てしまって・・・」
「・・・」
「だから・・・従兄弟ならまだ許されるのかなって・・・そんな馬鹿な事を・・・」
愛が再び顔を俯ける。
「それで衝動的に・・・秀さんにあんな事を・・・してしまったんです」
「・・・でも、何で俺に謝る必要が?」
「・・・秀さんを裕也に重ね合わせていたんです・・・」
愛の声が再び震え始めた。
「それなのに秀さんに『好き』だなんて言ってしまって・・・裕也の代わりみたいで凄く悪い気がしたんです」「それで・・・あの時?」
「・・・結局後々になって気が付いたんです、それに」
「そう・・・ですか・・・」
俺は冷静にそう返した。
「馬鹿ですね・・・私・・・」
「いえ、そんな」
「ううん、馬鹿なんです、私・・・秀さんに恨まれたって仕方ないんです・・・」
愛が再び目元を拭った。
「すみません・・・私の事忘れて下さい」
「・・・」
202ねおん ◆lLNihyNahM :2005/12/29(木) 01:23:28 ID:DlwhETtj
「それと・・・誰にも言わないで下さい」
「も、もちろん・・・」
俺がそう返すと、愛が海にいる勇太達の方に振り返った。
「秀さんは・・・有香ちゃんの事好きなんですか?」
「えっ?」
思わず言葉を詰める俺。
「・・す、好き・・・ですよ」
違う・・・俺は・・・好きだから有香を抱いてるんじゃないんだ。
欲望を抑えきれず、有香を捌け口にしているだけなんだ。
だが、どうやっても俺に『好きではない』とは言えなかった。
愛に有香を弄んでいるだけと思われそうだったから。
・・・俺は卑怯だ。
下劣で、姑息で・・・自分の事しか考えられない。
俺も海にいる有香を見つめた。

(続)


エロは次回の予定。
203名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 13:48:19 ID:mRfC2C2Y
age
204名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 11:46:06 ID:YrwcPG6X
ねおんさん乙です。
愛とのエロはもう終わりですか?ちょっと淋しいですね。
205名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 12:19:03 ID:onrz2lwv
そろそろ人生にも飽きたであろう・・・。さぁ、ココ↓で新しい刺激を求めよう!
あんちやふー
ttp://www.unti-yahoo.com/
206名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 21:18:46 ID:WGy2deTQ
ほす
207ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:10:06 ID:KWjCFQUn
勇太が浜辺に座り込んでいた。
何て事はない・・・溺れかけて、有香に助けられた。
息継ぎの練習中に誤って水を飲み込んだらしく、慣れていない勇太はパニックを起こしたのだ。
「もうやらない」
で、勇太はふて腐れてさっきからこの調子である。
「もうやらないって・・・一回溺れ掛けただけだろ? 失敗ぐらい誰にでもあるって」
「・・・」
勇太が三角座りするなり、顔を伏せた。
「な、泣くなよ・・・勇太」
「泣いてない」
顔を伏せながらも勇太はすぐに否定した。
「俺だってなぁ、お前ぐらいの歳の頃には、うわっ!?」
突然首の後ろに強烈な冷たさを感じ、引き攣る俺。
「あはは、ジュース」
後ろを振り向く前に、背後から女の声が聞こえた。
「な、何すんだよいきなり・・・」
有香がイタズラに成功して嬉しいのか、満足気な表情を浮かべている。
その後ろで愛がクスクスと口に手を当てて含み笑いしていた。
「ごめんごめん、背中向けてたから」
「理由になってねぇよ・・・」
反省の色のない有香に俺は顔を顰める。
その表情のまま俺はジュースの缶を受け取った。
「勇太・・・いい加減拗ねるのやめなさい、ほら泣いてないで」
「泣いてない」
愛に対しても勇太は即答した。
俺はそのやりとりを見ながら缶の中身をあっと言う間に流し込む。
「いっき飲みしなくても良いのに・・・」
「胃に入っちまえば同じだ」
今度は有香が顔を顰めるが、俺は気にしない。
「勇太、ジュース」
208ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:10:39 ID:KWjCFQUn
勇太にジュースを差し出すが、相変わらず本人は三角座りで顔を伏せたままだ。
「・・・」
無言の勇太に愛が呆れる様に手を引くが、隣に座る俺が代わりに二本目のジュースを受け取った。
「ほら、ジュースいらないのか? 勇太」
「もう、兄さん・・・そっとしといてあげなよ・・・」
有香が強引な俺を制止するが、俺はかまわず続ける。
「ほら、冷たいぞ〜」
冷えたジュースの缶を勇太の腕に当てるが、少しビクッとしただけであまり反応がない。
「じゃぁ、俺が二本とも飲んじまお〜と」
プシュッ
嫌味っぽい口調で勇太を誘いながら、俺は勇太の分のジュースの栓も開ける。
「!!」
勇太が乱暴に俺の手からジュースを引っ手繰った。
「なんだ、飲むのか」
わざとらしく言うと、勇太の表情がが少し怒った。

・・
「二人で泳いで来たらどうです?」
「えっ」
突然の愛の提案に有香がたじろいだ。
「私、勇太とここにいます。 勇太こんな状態だし・・・」
愛が勇太の頭を撫でながら言った。
「あっちとかが良いんじゃない? 人少なそうで」
俺はすかさず人の少なそうな岩場を指差した。
「勇太だってまだ練習できるような感じじゃないしさ」
「う・・・うん」
少し顔を俯け、呟く有香。
有香が微かに頷くのを確認し、俺は軽く有香の手を取って引いた。
我ながら強引だと思う。
「あ、ちょ・・・ちょっと兄さん」
209ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:11:13 ID:KWjCFQUn
強引な俺に有香が言うが、気にせず腕を引く。
愛が俺達に向かって軽く手を振った。

・・
「ん・・・」
水着の生地の上から体に触れると、有香の表情が変わった。
腹部を軽く撫でる様に手を動かす。
「人・・・来るよ、兄さん・・・」
「来ないよ、わざわざ人気のない岩場選んだんだから」
有香の心配を俺は一蹴する。
「あ、誰か来た」
「え、え!?」
「嘘だよ」
慌てふためく有香。
こうゆう表情も可愛いな・・・
「も、もう!」
有香が顔を赤くして、俺の肩を軽く叩く。
「赤くなるなよ」
「だって・・・恥ずかしいんだもん・・・」
もじもじと体を動かす有香。
そんな有香を見た俺はますます悪戯心を膨らませる。
「水着、似合ってるぞ」
わざと真剣な表情と口調でそう言った。
「なっ」
驚くように目を見開く有香。
有香を褒める俺の態度が真剣過ぎて小っ恥ずかしいらしい。
「真剣な表情で・・・妙な事言わないでよ・・・もう・・・」
「妙じゃねぇよ」
今度は少し笑いながらそう言うと、有香が俺から目線を逸らした。
有香がたまたま目を向けた方向には青い海が広がっていた。
210ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:11:53 ID:KWjCFQUn
一定間隔で岩場に打ち付ける海の水。
時々、飛沫が飛んできて顔が冷たい。
「本当に・・・変じゃない?」
有香が海を見ながら口を開いた。
「ああ、変じゃない」
「・・・」
俺がすぐにそう返すと、有香が目線を落とした。
「なんかさ、有香がそうゆう人に見せる水着を着てるのって初めて見るな」
「私だって・・・初めて着る」
目線を落としたまま有香が呟いた。
「魅力あると思うよ」
「・・・本当に?」
俺の顔を見て有香が言った。
「もうちょっとボリュームが欲しいけどね、胸の方とか」
「もう、気にしてるの知ってるくせに・・・」
からかうと有香が少しだけ顔を顰めた。
「まぁ、胸が大きい方が良いとか、俺はそんなの拘らないけどな」
「あっ・・・」
有香の胸を軽く撫でると、有香が一瞬体を引いた。
「水着ってのもまた・・・そそるな」
明るい水色の生地、少しザラついた感触を手の平全体で確かめる。
まだ水分で湿っているので、微かに冷たい。
「もう、スケベ」
「お前だって何も言わずに付いて来たくせに」
「兄さんが無理矢理引っ張って連れて来たんじゃない」
俺の言い分に有香が真っ向からぶつかって来た。
「それじゃぁ、途中で無理にでも振り解けば良かっただろ? 嫌ならやめても良いぞ?」
「やだ、続けて」
「はいはい・・・」
有香の少し怒ったかの様な口調に、俺は冷めた口調で返した。
211ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:12:25 ID:KWjCFQUn
膨らんだ水着の生地を手の平で覆う俺。
軽く上下に揺すり、次に五本の指を全てを曲げて軽く揉んだ。
突っ張った水着のせいで思うように掴めない・・・
そのせいか、有香の乳房を触る手にも力が入る。
「に、いさん・・・ちょっと痛い」
「あ、ごめん・・・」
有香に指摘された俺は手を引く。
「じゃぁ・・・これなら・・・」
今度は指の爪で引っかく様に触れる。
膨らみの下部から徐々に上に昇り、天辺を集中的に掻く。
有香の表情を確かめながら局所を探す俺。
「どこが乳首かなぁ?」
少々おとけた口調で俺が言うと、有香が苦笑いした。
恥ずかしさと呆れも混じった笑みを。
「ここか?」
膨らみの中心を指で軽く押すと、水着の明るい色の生地がたやすく凹んだ。
あぁ、水着越しでもすげぇ柔らけぇ・・・
「ここかなぁ?」
有香の表情を見ながら、軽く押す箇所をずらす。
「・・・」
有香が再び苦笑いした。
今度は不器用な作り笑顔だが・・・
ここか。
表情が変わった箇所にひたすら触れる俺。
「み、水着・・・脱ごうか?」
「いや、このままで良い。 水着の有香なんてあんまり拝めるもんじゃないからな」
「そ、そっか・・・」
今度はもう片方の指で左右同時に突付く。
指で軽く押して弾力感をたっぷりと味わい、時には押したまま円を描く様に指を動かす。
「ふ、ぅ・・・」
212ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:13:14 ID:8BeAJxrw
微かに有香が息を漏らす。
それを聞き逃さなかった俺はすかさず問いただす。
「気持ち良い?」
「・・・」
俺の問いに有香が無言で頷いた。
その頬も既に赤くなっている。
今度は乳房の天辺に口を近づける俺。
「あ、水着脱ぐよ」
俺のしようとしている事を直感し、有香が気を使う。
「いやいや、水着着たままだから良いんじゃん」
「やめときなよ・・・」
有香の制止に構わず、大袈裟に口を開ける俺。
まるで肉に食らい付く野獣の様に、その膨らみに口を付ける。
しかし、俺はすぐに口を離した。
「うぇ、塩辛い・・・」
海水を含んだ水着は塩辛かった。
「もう、だから言ったじゃない・・・」
有香が呆れ顔で言う。
だが、諦めない・・・俺は。
舌に残った感覚を拭うように唇を擦りながら、再び口を付ける。
唇に当たる脂肪を引き込む様に唇を動かし、唾液に塗れた舌で含んだものを擦る。
「は、ぁ・・・」
有香が一瞬息を吸い込み、その瞬間俺が口を付ける上半身全体が震えた。
それを感じた俺は、舌の動きを更に大きくする。
時々、口内に溜まった唾液を舌で掬い取り、乳房に擦り付ける。
どんどん海水を含んだ水着の生地が、摩り替わる様に俺の唾液を吸収していく。
夢中で有香の乳房に吸い付いていると、徐々に俺の舌が塩分を感じ取らなくなっていく。
「うん旨い、絶妙な塩加減になった」
「・・・もう・・・バカ・・・」
有香がそう言いながら俺の頭髪を指で弄る。
213ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:13:47 ID:8BeAJxrw
「兄さん・・・」
「何?」
口を離す事無く、こもった声で俺が返した。
有香も相変わらず俺の髪で遊んでいる。
「好きじゃないのに・・・こんな事するのって・・・可笑しいかな・・・」
「・・・」
しばらく考え込む俺。
まぁ・・・普通は好きだからするんだよな・・・
(可笑しいよな・・・俺達・・・)
そんな事を考えてしまった俺は、慌てて言い訳を探した。
「・・・別に・・・お互い欲求不満解消するだけなんだからさ・・・」
「うん・・・」
「たまたま近くにいる異性が妹だった・・・それだけだろ? お前だって・・・」
「・・・」
俺の頭髪を弄る有香の指が止まる。
「・・・別に・・・好きじゃなくても・・・良いんだよね・・・」
「・・・有香が嫌なら、別に俺の事キッパリ拒絶してくれたって良いんだぞ」
「・・・」
「俺、もう二度と無理矢理にはしないよ、有香」
「うん・・・」
「でもさ、俺すぐ熱くなるだろ? もし、有香を乱暴しそうになったら俺を殴ってくれ、グーで良いからさ」
「・・・兄さん?」
有香が呼び掛ける様な口調で言った。
だが、俺は続ける。
「俺だって自分で自分が止められない時あるからさ・・・馬鹿みたいだけど・・・」
「・・・」
「約束だぞ、俺だってお互い納得の上で・・・無理矢理ってなんか嫌だし・・・」
「・・・うん、分かった」
有香が俺の頭を撫でた。
髪と指が擦れる音が俺の耳に聞こえてくる。
我子を慰める母親の様な・・・優しい手付きだった。
(続)
214ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/05(木) 01:16:28 ID:8BeAJxrw
なんだか最近展開がマンネリ化して来たから近々、別のSSを展開するかも・・・とりあえずこれ終わってから orz
215名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 02:32:21 ID:CRfHa0gu
ねおんたん、続き投下乙!
続きをまって升
216名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:56:42 ID:UgEGZIF4
別の展開楽しみでありんす
217ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/08(日) 01:19:09 ID:i7HESKEJ
舌先に伝わる水着の生地のザラついた感触。
舌で脂肪を押し返すと、乳房の弾力を感じ取る事が出来る。
俺は欲のままに有香の乳房に吸い付いていた。
それも水着の上から。
何故そんな事をしているのか?
理由は簡単、その方がなんだか新鮮だからだ。
・・・有香に甘えてんのかな、俺。
もう傍から見たらただの変態だな・・・
でも、男なら誰しも一度はこんな事してみたいんじゃないか?
男は誰しも心の奥底に甘えの欲求があるって言うし・・・
俺はもう、その欲求を100%曝け出していた。
しかし、そんな事を有香に悟られぬ様、いつもの口調は忘れない。
「なんかビクビクしてるな、有香」
「・・・にい、さん・・・」
有香の方も擽ったがるものの、あまり抵抗はしない。
それどころか、まるで母親の様に俺の頭を優しく撫でてくれる。
こうゆうのって、女の底にある母性本能・・・って言うやつなのか?
「もう・・・塩分が抜け切ったかな」
塩辛さを誤魔化すために大量に塗した唾が良かったみたいだ。
既に塩分は感じなくなっている。
まるで水着に染み付いた海水を舐め取るのが目的かの様にしゃぶり付いていたからな・・・
「も、ぅ・・・赤ん坊じゃないんだから・・・」
気ままな俺に有香が文句を垂れる。
「お前も気持ち良いんだから別に良いだろ? 水着越しとは言えさ」
海水に濡れた水着も強烈な日差しと潮風によって乾き始め、少し黒ずんだ生地が本来の色に戻り始めていた。
唾液のたっぷり染み込んだ水着の膨らみの天辺だけが未だに黒く湿っているが。
俺が有香の胸元から口を離そうとするが、有香の腕が俺の頭に絡み付いている。
「手、どけてくれ」
「あ・・・ごめん・・・」
有香が慌てて手を払った。
218ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/08(日) 01:19:40 ID:i7HESKEJ
「やっぱり水着越しじゃ乳首は立たないかなぁー」
膨らみの黒ずんだ部分を指で突付く。
「あっ・・・もう、すぐそうゆう事言う・・・」
有香が恥ずかしそうに顔を顰める。
「・・・まぁ、有香の可愛い乳首さんも拝みたいな、さすがに」
俺はそう言いながら水着の肩紐に手を掛ける。
紐ってか、細い生地だけど。
「あ・・・ちょ、ちょっと・・・」
有香が生地を掴む手を見ながら言った。
「脱がしちゃうぞぉー」
俺自身、アホらしいと思うよな口調だった。
海に来て気分が晴れ晴れしいせいだ。
いつもなら一方的に攻める様な、押し試す様なキャラクターなのに・・・
俺、ただのスケベ野郎になってる・・・ orz
「いきなりやめてよ・・・も、もう・・・なんか変だよ、今日の兄さん」
戸惑う様に体を捩る有香。
「あれだ、有香の水着姿にウキウキしてるんだよ」
「私を赤くしようったって・・・もうその手には食わないからね」
うげ、バレてら。
さすがに褒め過ぎると感付かれるもんだな。
「ま、まぁ有香だって水着脱いだ方がもっと気持ち良いだろ?」
「え、う・・・うん・・・」
「それともこのままでずっとやる? ・・・多分イケないだろうけど」
「そ、れは・・・やだ・・・」
有香がそう言いながら赤い顔を俯ける。
「有香だって気持ち良くなりたいもんな? ん?」
ちょっと、本来の調子が戻って来た。
ねちねちと苛めながら、と言うのが俺の好みのプレイスタイル。
「有香もエッチになったよな、この間までは『恥ずかしい』って言って泣いてたのに」
「誰の・・・せいで・・・」
219ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/08(日) 01:20:19 ID:i7HESKEJ
有香の表情が少し怒り、ボソリッとそう呟いた。
「じゃぁ、脱がすぞ」
「あっ」
俺はそう言いつつも、掴んだ肩の生地をそっと下ろした。
有香の肩幅の狭さを感じつつも、腕をゆっくり動かす俺。
水着の生地はまだ水分を含んでいるので肌に密着している様だ。
水色の生地が『落ちる』と言うよりも『剥がれる』という感じで下がっていく。
有香の肌にへばり付いた生地の端ががペロッと捲れ、俺の腕のスピードに合わせて下っていく。
「あ、あ・・・」
有香が嘆く様な声を出しながら、曝け出された自らの乳房を見ていた。
女性らしく膨らんだそこは見れば見る程愛らしい。
健康的な肌色のカーブが女性の乳房特有のエロティックな丸みを築き、臍辺りはすっきりとスマートだ。
薄い桃色の乳輪も、乳首も、素直に綺麗と言える。
控えめに突き出た乳首に俺は愛しささえ感じる。
「あぁ・・・やっぱり・・・良いわ」
「え?」
思わずそう声に出してしまい、有香が驚く。
「止めるの? ど、どうして・・・」
「いや、そっちの意味じゃなくて・・・綺麗だなって」
「あ、あぁ・・・」
やっと意味を理解した有香が苦笑いした。
誤解していた事と褒められた事、その両方共が恥ずかしいらしい。
「何? どうしたの? 改まって・・・」
「いや、やっぱ有香のって綺麗だなって・・・美乳だよ、美乳」
「そ、そうかなぁ?」
有香が再び照れ隠しで苦笑いする。
「改めて真剣に見ると・・・良い」
「・・・」
結局の所、俺の褒めちぎり作戦で有香がまた顔を赤くしているのだが・・・
「ほら、肌も綺麗でさ・・・」
220ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/08(日) 01:20:51 ID:i7HESKEJ
そう言いつつ、有香の乳房を撫でる。
「あ、ぁ・・・」
円を描く様に手の平を回し、時には人差し指の腹で乳首を軽く叩く。
「は! あ、ぁ・・・」
「乳首なんてさ、こんなにスベスベしててまるで指に吸い付いてくるみたい・・・」
俺の言う通り、滑らか過ぎる乳輪の肌は動く指に吸い付く様にしっとりと張り付く。
そこから指を動かすと、まるで接合したかの様に乳輪が付いて来て、形を巧みに変える。
「あぁ・・・すげぇやわらけぇ・・・水着越しの時とは比べ物にならねぇや・・・」
やはり、直に触る方が何倍も気持ち良い。
有香はもちろん俺も。
水着の生地の伸びでは限界がある。
しかし、直接触ると俺の手の動きにシンクロする様に乳房が形を変える。
「やっぱり、直接触った方が良いだろ? ん? ん?」
「・・・」
有香は俺と目を合わせようともせず、ただ無言で頷いた。
乳輪に密着さえた指を、小さく円を描く様に動かす。
やはり、柔らか過ぎる乳輪に指はいとも簡単に沈み、俺の指は至高の快感で包まれる。
「は、ぁ・・・」
有香が小さく息を吐きながら、体を震わせる。
乳輪に埋めた指を大きく上下させると、周りの脂肪が大きく形を変える。
「ひ! は、ぁ!・・・」
指の動きが大きくなるのに合わせ、有香がより大きく悶える。
先ほどまでは空気しか通っていなかった妹の口元からも、時折震える声が出てくる。
その変化はしっかりと俺の耳にも届いていた。
「こっちも相手してやるか」
俺はもう片方に手を伸ばす。
こちら側は直接乳首を指で挟み、優しくしごく。
「ひ!? あ、ぁ・・・ど、同時は、だめぇぇ・・・!」
「ダメって何だよ、こんなにエロい顔になってるくせに」
俺の指摘に有香がその艶かしい表情を無理矢理に顰めた。
221ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/08(日) 01:21:22 ID:i7HESKEJ
まるで俺の攻めを我慢する様な、何かに耐え忍ぶ様な我慢の表情だ。
「そんな顔したってダメだぞ・・・ここを少し捻れば・・・」
俺がそう言いながら乳輪に埋めていた指で、目の前にある乳首を摘む。
左右同時に乳首を捻られ、有香の表情は俺の読み通り簡単に崩れる。
「ひ!? あ、あぁ!!」
「声出すのは構わないけどさ・・・もう少し遠慮しろよ。 人目が付かない場所とは言え外なんだからさ」
「ご、ごめ、は、ぁぁ!!」
有香が謝る前に、俺は言ってる事とは正反対の動作をする。
挟んだ乳首を軽く引っ張り、極限まで引っ張った所で離す、という動作を繰り返す。
まるでもっと喘ぎ声を出せと言わんばかりに攻める。
「ひ、ぁ、あぅ! い、・・・たいよ!」
「痛いか? ちょっと痛いくらいがちょうど良いんだよ」
再び、極限まで引っ張り、そのまま挟んだ指をスライドさせる。
「にい・・・さん!」
「その痛みがな・・・だんだん気持ち良くなっていくんだよ」
「は、ぁ、ぁあ!」
有香が控えめに叫び、体を更に震わせる。
その表情は痛みに耐えている様にも、快楽に恍惚している様にも見える。
「可愛いよ・・・有香。 本当に・・・可愛いな・・・お前・・・」
俺自身、意図もしていないのに・・・まるで何かに憑り付かれたかの様に、そう口に出てしまった。
俺は有香のその上気した表情を眺めながら指先の力を強めた。

(続)
222名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 01:15:00 ID:r//x+EWp
hosu
223名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 00:16:20 ID:gjl5rXwT
皮膚の弱い人がホントにひっぱられちゃった日にゃ
後日乳首が腫れるし痛いし・・・皮膚科で薬をもらう
羽目になるから  ほどほどで  きをつけろ!
224ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:55:12 ID:b6FWbDCO
指先で弾む感触を味わいながら、ぐりぐりと先端をしごく。
根元から大きく捻り、時には乳輪辺りを摘み、乳首を搾り出す様に擦る。
「ひ、ぁ!! い、たい!・・・兄さん!!」
有香が小さく叫ぶ。
有香の声色が変わった所で、俺は唐突に指を離した。
「ごめんごめん」
悪びれる態度も見せず、俺は軽い口調で返した。
「は、ぁ・・・はぁ・・・」
痛覚から開放され、ただ深い呼吸を繰り返す有香。
「でも気持ち良かっただろ?」
「・・・」
有香が遠慮気味に小さく首を横に振った。
「そうか・・・」
「痛い・・・んだからね・・・」
ボソリッと有香が呟く。
「・・・じゃぁ、慰めてやるよ」
「あ・・・」
俺はそう言いつつ、有香の肩を軽く押す。
有香も自分から体を岩場に預けた。
「岩・・・固い」
「我慢しろ」
頭の後ろを撫でながら有香が文句を垂らした。
「これなら痛くないだろ?」
舌先で乳首を小突く。
「ん、ぅ・・・」
舌が触れる瞬間、ピクリッと体が震えた。
「感度良いな、やっぱり」
「・・・」
有香が一瞬俺の顔見たが、すぐに目を逸らした。
舌で乳首を上下に弾く俺。
225ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:55:44 ID:b6FWbDCO
既にたっぷりと攻められた急所は既にプックリと膨れる様に突き出ている。
無理に引っ張ったりしたので当然なのだが。
舌先が突起にぶつかる感覚を頼りに、乳首を転がす様に刺激する。
「は、ぁ・・・う・・・」
有香が体を震わせ、悶える。
細い腕は荒々しい固い岩肌を力強く握っていた。
指先も小刻みに震え、指が岩肌と擦れる音も時折聞こえる。
「・・・」
俺は前戯の様に、更に数回程大きな動きで有香の性感帯を舐めると、今度はそこに吸い付く。
控えめな膨らみにピッタリと唇全体を密着させ、ゆっくりと口内の圧力を下げる。
俺の思うままに、口に含んだプリンの様に柔らかい肌が形を変える。
「あ!」
ペロリッと素早い動きで口内で突き立つ突起を舐めると、有香の上半身がビクリッと反応した。
「ん、は! あ・・・」
更に数回程乳首を擦り、性感を煽った。
そこから俺は唇を窄め、肌に密着する面積を絞る。
唇に感じる突起の感触。
自らの唾液で塗れる唇で突き出るそこを挟み、吸引する。
「ん、あ、あぁぁぁ!」
有香が小さく叫び、上半身を捩った。
ツ、プ・・・
過剰に分泌された唾が妙な音を立てる。
唇に力を加え、小さな乳首を潰し、そのまま引く。
「う! あ、は・・・」
突起周りの脂肪が微かに伸びるが、すぐに唾液の滑りによって逃げる様に唇からそれが離れた。
頃合を見た俺は次の行動に移る。
「さてと・・・」
「・・・あ!?」
俺が海水パンツを降ろす様を見て、有香は酷く驚いた。
俺のギンギンに固くなった一物から目を離しはしないが。
226ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:56:15 ID:b6FWbDCO
「俺のも・・・気持ち良くして貰おうかな」
赤い顔で口を半開きにしながら、有香はただ俺のものをジッと見ている。
「俺の見るの二回目だっけか?」
「・・・」
無言のまま有香が小さく頷いた。
「触っても良いぞ」
「・・・」
すぐに有香が首を横に振った、今度は大きく。
うは、この反応・・・好き・・・
「風呂一緒に入った時以来・・・だったな」
「・・・う、ん・・・あっ」
思わず俺の背筋も震えた。
怒張する俺の一物に、相反する様に柔らかい物が当たった。
亀頭全体に広がる脂肪の感触、そして卑しく勃起した有香の先端もしっかりと感じられる。
俺も肺に溜まった息を吐きながら、一物を手で握る。
吹き出る精液のぬめりのおかげで擦る動作はスムーズだ。
「き、気持ち良いか?」
俺も少し荒い息遣いになって来ている。
「ん、は・・・き、もちいい・・・」
今にも泣きそうな、甲高い声で有香がそう返した。
一物の先端を使って有香の乳首を愛撫する。
ぬるり、ぬるり、とぬめりに任せて思う存分固くなった性感帯の上を往復する。
「い、は! ぁぁ・・・う、ぁ!」
「ん?」
唐突に有香が俺の腕を握った。
「どうした?」
「・・・い・・・イキ・・・そう」
俺の腕を握る有香の手の平は汗ばんでおり、小刻みに震えている。
「なんだ? 早いな」
「そ、んなこと・・・くっ! な、ないよ!」
227ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:56:46 ID:b6FWbDCO
乳房に走る快感に有香が声を詰まらせながらも返した。
「なんだか・・・お前、回数重ねる事に早くなってないか?」
「・・・」
有香が赤い顔を再び左右に振った。
「まぁ・・・良いけど」
「あぁ!」
手で握る陰茎で有香の固くなった乳首を押し込んだ。
亀頭全体が柔らかさに包まれた所で、グリグリと軽く陰茎を回す。
その動作によって固くなった乳首を解す様に動かす。
「あ! あぁ! うううぅぅぅ!!!」
有香が控えめに背中を反った。
軽い絶頂を迎えた様だ。
反った背中が小刻みに震え、そして力なく固い岩の地面に落ちる。
突然、傾斜となった胸を上を俺の亀頭がぬるりっと移動し、離れた。
「は、あ、はぁ・・・はぁ、はぁ・・・」
途切れ途切れに息が吐かれ、その後は深呼吸が一定間隔で繰り返される。
「有香・・・」
「ん、はぁ・・・な、に・・・?」
深呼吸の合間の縫って、有香が返す。
「すっきりしたか?」
「うん・・・」
「俺は・・・まだ満足してないぞ」
あっさりとした有香に対し、俺は文句を呟く様にそう言った。
おまけにちょっと不機嫌そうに顔を顰めながら。
「・・・」
有香が手の平で自らの乳房を大きく拭い、俺の顔を見る。
「・・・うん・・・良いよ・・・」
赤い顔が少しだけ、少しだけ微笑んだ様な気がした。

・・
228ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:57:18 ID:b6FWbDCO
「あぁ、旨い! やっぱり真夏のビールは最高だなぁ!」
伯父の大きな声が海の家の中で響く。
なみなみと注がれたジョッキを高々と上げ、満足気な表情を浮かべる伯父。
「昼間からお酒なんて・・・良い身分ね」
横にいる愛が不機嫌そうにそう言い、首から下げる大きなバスタオルで髪の撫でた。
「なんだよ愛、お父さんも休みなんだから酒ぐらい飲ませてくれよ」
「どうせそれが目的で私達を海に連れて来たんでしょう?」
愛が横目で伯父を見る。
「だはは! もちろん!」
有香と勇太が伯父の下品な笑い声に釣られ、笑った。
「うわ、俺帰りの車乗らないから」
勇太が冗談まがいなく口調でそう言い放つ。
「大丈夫、ちゃんと酔い覚ますから」
伯父が右手で握り拳を作り、親指を立てた。
「さぁさぁ、お前達も泳ぎ疲れただろう? 食え食え!」
「じゃぁ、頂きまーす」
俺はそう言うのと同時に割り箸を割り、目の前の焼きそばに食らい付いた。
どうゆう訳か、いつもの昼食前以上に腹が空いてる様な気がする。
まぁ、ついさっきまであんな事してたんだから当たり前か・・・
「どうだ、楽しいか? 午後は三時ぐらいに家に戻るからな、しっかり泳いでおきなさい」
伯父がジョッキから口を離し、そう言った。
酒を飲めるせいか、いつも以上に上機嫌の様だ。
「・・・兄さん」
「ん?」
不意に横にいる有香が俺の肩を掴む。
「食べ終わったらさ・・・また泳ぎに行こ」
「ん、ぁ・・・あぁ」
有香が俺に向かって笑った。
作り笑顔でもない、純粋で天使の様な微笑みを。
そして、俺も同じ笑顔で受け答えた。
229ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:57:57 ID:/M6aJqJE

・・
俺達の前方でじゃれ合う有香と勇太が振り向いた。
俺達三人のペースにも合わせず、先へと先へと歩いて行く。
車の鍵だって持ってないんだから、先に行ったって意味無いのに・・・
第一そんなに急がなくて良いだろう。
やっぱり子供だな、あの二人。
たっぷりと海を堪能した俺達は、車を停めた駐車場までの道のりを歩いていた。
もう午後三時だと言うのに空か降る太陽光は凄まじく、道路のアスファルトが異様に熱気を帯びている。
「暑い」
思わず俺はそう漏らした。
せっかく海に入ってスッキリしたと言うのに、この分では車に着くまでにまた汗を掻きそうだ。
ていうか、既に俺のシャツはじんわりと水分が染み込んでいる。
せっかく水着から着替えたのに・・・
「早くー!」
前方にいる勇太がこちらに手を振り、叫んだ。
「やれやれ・・・」
二人に追い着こうと歩く速度を速める俺。
勇太に続いて、有香が俺に向かって手を振った。
こちらを向きながら、逆向きに歩いている。
吹き付ける風で有香のスカートがなびいた。
白いワンピースが照りつける太陽のライトの下でヒラリッと、スカートに続いてなびく。
別の意味で眩しいな、これは。
「おいおい・・・ちゃんと前見て歩けよ、コケるぞ」
・・・?
俺の声と重なる様に、何か音が聞こえた。
・・・車だ。
有香の後ろから、黒いワゴンカーが走って来ていた。
随分スピード出してるな・・・危ない危ない。
目を凝らすと、中には金髪の男女が乗っている様だ。
230ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:58:34 ID:/M6aJqJE
男の方は運転席の窓から腕を出しており、その腕には煙草が握られていた。
更に、男が煙草をそこから投げ捨てた。
海には一人ぐらいいるんだよなぁ、あんな態度の悪い奴が。
・・・なんだ? 変な音だな。
車がエンジン音とは別に、何か金属が擦れ合う様な音を立てていた。
改造車か?
俺はその悲鳴にも似た音に、妙な寒気を覚えた。
夏だと言うのに、太陽光が憎らしいと言うのに・・・背中が冷たい。
そして、俺は異変に気が付く。
目の前に人がいるなら、普通は少しぐらいはスピードを緩めそうなものだ。
そう、普通なら。
(お、おい・・・)
有香の後ろから、車の姿が覗く。
「ゆ、有香、勇太! 車!!」
「ん?」
有香が後ろ歩きする足を止めた。
だが、後ろを振り返ろうとはしない。
「何?」
俺の声が上手く聞き取れなかったらしい。
231ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/15(日) 19:59:23 ID:/M6aJqJE
有香がそう返す間も・・・有香の小さな体に重なる影が、どんどん大きくなっていく。
「おい!!!」
普段の姿からは考え付かない程、男らしい声で伯父が叫んだ。
やっと勇太が前に向き直った。
だが有香は・・・
そうか。
俺は妙に納得出来てしまった。
有香が着ている白いワンピース。
有香が遠くでこちらを振り向く様。
あの夢と・・・俺が以前見た悪夢と同じなんだ。
白い服を赤い血で染め、俺の腕の中で冷たくなっていったあの時と。
これって・・・デジャビュ?
「!!」
そう認識したのと同時に、俺は堅いアスファルト蹴った。
体だけが反応したというのはこうゆう事を言うのだろう。
・・・俺自身は意識もしていないのに、既に走り出していた。

(続)
232名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 14:04:00 ID:JdaLWyc9
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
233ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/23(月) 22:11:59 ID:qG83okkE
「うぅ、痛ってぇ・・・」
思わず声に出た。
俺にとってはいつもと同じ寝起きなのだが、ひとつだけ違う部分がある。
頭が割れる様に痛い事だ。
頭痛の様に中が痛むと言うよりも、傷を受けた様に皮膚全体がズキズキと痛む。
俺はその痛みに耐えながら、ゆっくりと目を開けた。
「・・・?」
どこだ? ここ・・・
見慣れない真っ白い壁、いや天井か。
俺はどうやら横たわっているらしい。
「兄さん!」
突然、横から女性の声が聞こえた。
ビクリッと反応する俺の体。
聞き慣れている声・・・有香の声だ。
ちょっと風邪をこじらせたかの様にしゃがれた声だったが。
「秀兄ちゃん!」
「秀さん!」
また別の二人の声が重なって聞こえた。
愛と勇太か。
「先生!!」
一足遅れ、更にまた別の女性の声が聞こえた。
そして、バタバタと慌しく走る音も。
「・・・ここ、どこ?」
俺はそう言って首をすくめる。
真っ白い天井が、窓から差し込む夕焼けでオレンジ色に照らされていた。
「病院・・・か」
俺はそう直感した。
そして、自分が怪我をしてここにいる事も。
「兄さん・・・兄さぁぁん!!・・・」
ベッドの横にいる有香がいきなり号泣し、俺の左腕にすがり付いた。
234ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/23(月) 22:12:33 ID:qG83okkE
「え、な、何? 何?」
有香の突然の行動に戸惑う俺。
「ご、めんなさい・・・えっく・・ごめん・・・なさい」
俺の腕に顔を押し付けながら、ただしゃくり混じりに『ごめん』と繰り返す。
(なんで泣いてんだ? 意味が分からん・・・)
状況を上手く飲み込めない俺だが、とりあえず泣いている有香を見て、宥めようと思った。
「あんまり泣くなよ・・・頭に響くだろ」
俺はもう片方の腕、右腕を上げ、有香の頭を撫でようとする。
あれ?
「えっ」
思わず俺は目を疑った。
有香の頭を撫でようと上げた腕には、真っ白い包帯が巻き付いていたのだ。

・・
俺は腋に挟んだ体温計を差し出す。
「どこか痛む所は無いですか?」
白衣を着た男性が体温計を眺めながら俺に言った。
医者、だろうな。
「・・・ちょっと・・・気分が悪いです」
俺はその後のいくつもの質問にも、淡々と返事を返した。
正直、その内容はよく覚えていない。
「腕の骨折の方は少し時間が掛かりそうですが、大丈夫ですよ。完治します」
(あぁ、やっぱり折れてんだ)
ギプスに目を移し、俺は冷静にそう受け止めた。
見た直前はかなり動揺していたが・・・完治するなんて言われたらな・・・
「頭の方はこの後もう一度精密検査を受けて貰います。何分、相当強く打ったみたいですからね・・・」
「はい」
「とりあえず安静にしていて下さい。検査は準備が出来たらこちらからお呼びしますから」
「はい」
俺は淡々と『はい』と呟く様に繰り返した。
235ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/23(月) 22:13:05 ID:qG83okkE
医師が重々しい扉を開け、足早に病室を立ち去った。
「秀君・・・大丈夫かい?」
「あぁ、大丈夫ですよ全然」
伯父の心配も余所に俺は軽い調子でそう返した。
伯父の深刻そうな表情を見ていると、どうもそうとしか言えなくなる。
・・・無駄に心配かけても意味ないし。
「に、いさん・・・ごめん・・・なさい・・・」
「ん?」
さっきからずっと俺の腕にすがり付いている有香。
医師が来ていた時だってそうだ。
その有香がやっと顔を上げた。
目を赤くして、涙で頬を照り付かせていたが。
「な、何泣いてんだよ」
ショックを受けて沈んでいた俺の気分は、有香の泣き顔を見るのと同時に少し高揚する。
正直、自分が骨折したという事よりも有香が本気で泣いている方が心が痛む。
「ごめんなさい・・・私のせいで・・・」
「ていうか、状況がよく分からないんだが・・・」
「覚えてないの!?」
傍らにいる勇太が驚いた様に目を見開いた。
「いまいち・・・な」
俺はボソリッとそう返す。
「有香姉ちゃんが車にぶつかりそうになった時、秀兄ちゃんが飛び出して助けたんじゃないか!」
「・・・なるほど」
俺は納得出来た、というのは自分があの時、夢中で走り出した事だけは覚えていたからだ。
だが・・・それ以降が記憶に無い。
「で、有香は大丈夫か?」
「・・・うん・・・大丈夫・・・」
「そうか」
「兄さんが助けてくれたから・・・ちょっと擦り剥いただけだよ・・・」
有香が細い二の腕に巻かれた包帯を俺に見せる。
236ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/23(月) 22:13:37 ID:qG83okkE
「ん、そうか。 良かったな」
俺がそう言うと、有香が再び泣きべそをかく。
あぁ・・・もう、泣くなっての・・・
「良くないよぉ・・・本当だったら私が怪我する筈だったのに・・・いたっ!」
俺は有香が言い切る前に頭を叩いた。
もちろん、固いギプスじゃない方で。
「・・・」
有香が自らの頭を撫でながら『一体何を?』と言いたげな表情で俺を見る。
「そんな事言うと俺が余計な事をしたみたいだろ?」
「で、でも・・・」
「あぁ、分かった分かった。もう何も言うな」
ちょっと不機嫌になった俺は、その口を塞ぐためにだけに有香の頭を乱暴に撫で回した。
長くて綺麗な頭髪の天辺がクシャクシャになる。
「・・・」
有香が目元を指で拭いながら小さく頷いた。

・・
それから俺はいろいろな事を一遍に聞かされた。
俺の怪我の直接の原因は飛び込んだ時、車にぶつかって地面に激しく体を打ちつけたせいであるという事。
有香を轢きそうになった車は咎められるのを恐れ、そのまま走り去ってしまったという事。
警察の捜査も田舎の辺境地で起こった事なので、あまり進展は望めそうにない事。
最低限、頭部の骨が完治するまでここの病院で大人しくしていなければならない事。
既に大阪の両親には一報入れ、明日にも母さんが鹿児島に駆けつける事。
そして・・・怪我の処置と検査が終わった後も、俺の横でずっと有香が泣きながら謝っていた事。
俺の意識が戻ってもいないのに、ずっとずっと謝り続けていた事を・・・
伯父達はまた見舞いに来る旨を伝え、もう実家に戻ってしまった。
愛と勇太は俺に気遣いながらも渋々と伯父に従ったが、有香は涙を流しながらそれを拒んだ。
有香だけは、最後の最後まで『兄さんの側にいる』と言って伯父を困らせていた。
結局は勇太の『一人でゆっくりさせてあげなよ』という一言で食い下がったが。
あの瞬間だけは有香より勇太の方が大人に見えたな、うん。
237ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/23(月) 22:14:08 ID:qG83okkE

・・
「・・・」
俺は布団を首元まで被った。
慣れない枕が俺の頭部の不快感を更に煽る。
もう・・・夜か。
カーテンで仕切られた窓だが、カーテンの隙間から僅かに外の景色が見えた。
田舎なので散らばる星がよく見える。
月光も僅かに隙間から漏れ、幻想的だ。
静かな個室には俺の横たわるベッド、ピンク色のカーテン、花瓶、カード式の有料テレビ。
傍らのブックラックには見た事も無い雑誌が数冊捻じ込まれていた。
今更になって考えたが、恐らく俺が今いるこの部屋は上等な病室なのだろう。
いくら小物を置いても埋めきれない部屋の広さは・・・今の俺にとっては返って苦しいだけだった。
傍らには誰もいない。
昨日、一昨日までは傍らにいた筈の人間はいない。
当たり前だと思っていた温もりがない。
勇太も、愛も・・・有香も。
「・・・」
空元気で笑顔を作り、三人を送り出すまではなんとも無かったのに・・・
ただでさえ慣れない部屋、ベッド、枕。
全てが・・・俺の安心感を削ぐ。
側に有香がいるだけで・・・鹿児島と言う見知らぬ土地でもやって来れたのに・・・
今はその有香すらいない。
有香に、有香の顔が見たい、有香の声が聞きたい。
有香に・・・会いたい・・・
「・・・有香・・・」
思わず、声に出してしまったが、不思議と自分に恥ずかしさは無かった。
叶う筈も無い願いを頭の中で繰り返し、その度に孤独感で胸が締め付けられる思いだ。
俺は一度真っ白い天井を見上げ、孤独感から逃れる様に頭まで布団を被った。
目元が少し濡れていたのは・・・気のせいじゃなさそうだ。

(続)
238名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 15:21:27 ID:S2tHSFGa
ホッとしたよ・・・
GJ!!
239名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 18:07:05 ID:R1Wxx17w
きたいあげ
240ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:21:11 ID:EoGiSGWW
いつもと違う一日。
慣れないこの真っ白な空間にもやっと馴染めて来たのは、次の日の事だ。
時間はもうお昼前。
朝食べた味気のない病院食がまた出てくるのかと思うと嫌になる。
別に血糖でも高血圧でも無いのに・・・なんであんな薄い味付けなんだろな。
「・・・はぁ・・・」
退屈の余り、繰り返し溜め息が出る。
頭痛のする頭を抱えながらトイレに行き、それ以外は殆どベッドに横になって白い天井を見ているだけだ。
ブックラックの雑誌だって、もう全て読み終えてしまった。
「安静・・・か」
看護婦が検診に来る度に、俺に釘を打つ様に言う。
どうやら、退屈の余り朝早くから病院内を出歩く俺は目を付けられたらしい。
俺ってそんなに重症患者なのか?
しかし、病院は退屈だな。
骨の蘇生速度の遅さが嫌になったのは生まれて初めてかも知れない。
「・・・」
ふと、自分が何故個室にいるのか疑問に思った。
危篤患者でも無いんだから共同の部屋でも良いんじゃないか?と、そんな考えが浮かぶ。
どうゆう訳かVIPみたいな扱いだ。
田舎の病院とだけあって病室に空きがあるから・・・いや、そんな理由じゃないか。
コンコンッ
「ん?」
木製扉のノックよりも数段低い音がした。
誰かが昼食でも持って来てくれたのだろう。
「どうぞ」
スライド式の扉がゆっくりと開く。
「お邪魔します」
(・・・?)
聞き覚えのある声だ。
「お、おはよう・・・兄さん」
241ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:21:45 ID:EoGiSGWW
丁寧に両手で扉の取っ手を持ちながら、有香が俺に声をかけた。
「・・・あ、あぁ、おはよう」
思わず、ここが家だと錯覚してしまいそうな程、自然と返事を返してしまった。
「ていうかもう昼だけどな・・・伯父さんとかは?」
「うん、来てるよ。お母さんもいる」
「・・・そうか」
退屈で堪らなかった俺は内心嬉しかった。
自分を見舞ってくれた皆の気持ちが嬉しいとか、そんなんじゃない。
ただ単に退屈と孤独が掻き消されるからだ。
「秀兄ちゃん」
小さな有香の後ろから、また更に小さい勇太が遠慮気味に顔を覗かせる。
「おう、勇太もいたか」
「・・・うん」
少しだけ、勇太の顔が微笑んだ。

・・
愛や伯父を始め、祖母や母さんまでもが俺を見舞いに来てくれた。
危篤患者でもないし・・・たかが骨折程度でこんなに集まらなくても・・・
こっ恥ずかしい思いに駆られた俺は、看護婦さんが来ない事だけを祈り続けた。
「腕と頭の骨折? それ以外は怪我してないの?」
心配性の母が深刻そうな顔で俺に詰め寄った。
「あぁ、大丈夫」
俺がそう返すとやっと母が普段通りの気さくな口調に戻る。
「もうビックリしたわよ、電話でいきなり秀が事故に遭っただなんて言われたんだから」
「でも大した事無いって聞いただろ? 別に来なくても良かったのに」
「何言ってるのよ、そんな冷たい親だなんて思われたくないわ」
母が顔を顰めた。
「秀が入院してる間、個室にして下さいって言っといたから」
「は? 何言ってんだよ、別に共同でも良いじゃん」
本当に母は突然妙な事を言い出す。
242ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:22:17 ID:EoGiSGWW
昔から母は親父とよく似ていた。
子供に対しては執拗にお金を掛けると言う点では。
個室の病室なんて金が掛かる以前に・・・必要ない、こんな一人だけの広い部屋なんて。
たかが骨折だろ?
「でも、他の人と同じ病室だと息苦しいじゃない」
「何言ってんだよ、んな理由で個室にする必要あるかよ・・・」
馬鹿馬鹿しい母の提案に俺は思わず目を顰めた。
「そんな事言っても、お父さんが個室にしときなさいって言ってるのよ」
「・・・親父がそう言ったのか?」
俺は思わずカチンッと来た。
なんで親父がそんな事をする?
そう考えた時、俺は鹿児島に来た時の船が個室だった事を思い出した。
あえて、共同寝台の二等室ではなく一等室に泊まらせた事を。
俺は知っている。
親父が俺達子供には関心が無い事。
仕事ばかりに打ち込んでいる親父の日常を。
『子供は金さえ掛ければまともに育つ』と思っている。
躾は『子供を叩いて謝らせる事』と思っている。
俺は前から気に入らなかった。
家庭を顧みない親父はもちろん、昔からその親父に歩幅を合わせている母親も。
「母さん、いっつも親父の言いなりにだよな」
「えっ」
俺の冷たい一言に母の顔も固まった。
口調を変えればまだ冗談で済んだかも知れない。
だが、俺の重苦しい口調はこの一言が俺の本心であるという事を語っていた。
「・・・しゅ、秀・・・?」
「ずっと言おうと思ってたんだけどさぁ」
母の固まった表情が動揺の表情に変わるが、俺は構わず続けた。
「親父や母さんにとっては俺みたいな子供はただの厄介払いなんだろ?」
俺の強めの一言に賑やかだった周りが凍り付いた。
243ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:22:55 ID:EoGiSGWW
勇太とじゃれ合っていた有香さえも、外の景色を眺めていた愛さえも、驚く様に目を見開いて俺の顔を見る。
俺、怒ってるのか?
頭が妙に熱くて・・・痛い。
「ここに来る船の時だってわざわざ個室取ったのも、他の人とトラブル起こして欲しくないからだろ?」
「秀・・・な、何言ってるの? 私そんなつもりは」
「母さんにその気はなくてもな、親父の言いなりなんだから同罪なんだよ!」
母の言葉を遮り、俺は一番言いたかった一言を。
物心付いた頃からずっと不満だった事を口にした。
だが、俺は言ってしまった後になって気が付いた。
一番言ってはいけなかった事を言ってしまった自分に。
半ば怒りに身を任せていた自分に。
俺も内心、血の気が引く思いだった。
「な、何でそんな事言うの? お母さんは秀のために今まで頑張って・・・」
やばい、これは。
母さんが泣く。
「一人にしてくれ」
俺はこの場を乗り切る手段としては強引な方法を選んだ。
そう一言言って、皆に背を向ける様に体を捻り、布団を被る。
「・・・秀?」
涙を堪える様な口調で母が俺の背中に言った。
「一人にしてくれよ」
俺は淡々とそう返す。
そう言った後は、皆の顔や視線が怖かったので布団を頭まで被った。

・・
俺は布団の中でずっと考えていた。
なんであんな事を、しかも皆の前で言ってしまったのだろう、と。
あんな・・・母さんのプライドを傷つける様な真似を・・・
自分の行為を心の底から悔いた。
いくら不満だからって、今までずっと口にせず耐えて来たのに・・・
244ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:23:26 ID:EoGiSGWW
自分のした行為を反省と後悔を繰り返す俺。
コンコンッ
再びのノック音に、俺は息を詰めた。
母さん? いや、看護婦さんか・・・?
「・・・兄さん、入って良い?」
・・・有香?
「あ、あぁ」
慌てて上半身を起こす俺。
追い返すなんて事出来る筈が無い。
有香と会えば気まずくなるのを分かっていながらも、俺は了承してしまった。
有香が再び両手で扉を開け、同じ様に丁寧に閉める。
「・・・どうかしたか?・・・」
「ん・・・」
有香が黙り、少し間を空けて口を開く。
「・・・も、戻って来ちゃった・・・」
「・・・そ、そうかよ・・・」
深刻な口調で尋ねる俺に、有香も同じ口調で返した。
そんな淡々としたやり取りが、返って気まずさを増させる結果となっている。
「・・・皆は?」
「お昼ご飯食べに行っちゃった。兄さんのお見舞いついでに外で食べようってなってたから」
「そっか・・・ん?」
「どうかした?」
「・・・じゃあ、なんでお前戻って来たんだよ」
「私は・・・別にお腹空いてないから・・・」
有香の言う事が嘘だと言う事ぐらい俺には分かっていた。
こいつは・・・俺のために戻って来たんだ。
嬉しい気持ちの反面、妹にここまでさせている自分が情けなかった。
「・・・別にここに居たって・・・暇なだけだぞ?」
「んー、そうかもね・・・」
「・・・」
245ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:24:01 ID:fZ9eVLmq
「・・・」
お互い沈黙し、俺は自分で予想していた通り気まずくなった。
話す話題はない。
話題を探そうにもこの部屋には話題になる様な物もない。
息苦しい・・・この空間は。
俺の側にいてくれる妹の気持ちは嬉しいのだが、こうゆう時だけはどうもお互いそりが合わない。
「・・・別に」
有香がしばらくの沈黙の後、突然口を開いた。
「別に暇だとか・・・そんなのいいよ。ここに居たいだけだから」
「はっ?」
思わず口を開ける俺。
俺にもはっきりと見て取れた。
有香の頬が微かに赤付いているのを。
「な、何赤くなってんだよ」
「え!? あ・・・あ、赤くなんてなってないよ」
俺の指摘に戸惑う有香。
その表情は相変わらず俺の心を擽ってくる。
「なってるよ」
「気のせいだよ、気のせい」
「・・・まぁ良いや・・・」
俺はそう言って窓の外を眺めた。
・・・夏晴れの青空、広大な緑。
不便だけど・・・良い所だよな、田舎ってのは。
お昼時の窓は眩いばかりに日差しが差し込んでいる。
時折、爽やかな風が静かな病室に吹き込んで来る。
「・・・兄さん」
「んー?」
外の景色を眺めながら、俺は有香の顔も見ずに返す。
「お母さんに・・・あんな事言っちゃダメだよ・・・」
「・・・分かってるよ、今度謝るつもり」
246ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:24:42 ID:fZ9eVLmq
「そう・・・」
俺は有香の方に振り返り、
「でもさ・・・お前も思うだろ?」
「お母さんがお父さんの言う事ばっかり聞いてるって事?」
「そう」
「お母さん、あれでもがんばってるんだよ。お父さんだって・・・色々大変なんだと思うよ、きっと」
有香が少し微笑み、俺の語りかける。
「・・・よくそんな事言えるなお前、有香も小さい頃散々親父に泣かされてたじゃんか」
「そうだっけ・・・」
「ちょっと悪戯しただけで打たれてたじゃん。俺も流石に女の子に手を上げるのは・・・思ってたよ」
「お父さんは悪くないよ・・・悪いの私なんだし」
文句の一つも言わない有香に俺は思わずムッとした。
「有香・・・」
「何?」
「親父や母さんに気を使ってばかり・・・やめろよ」
「えっ・・・そ、そんな事ないよ」
「使ってるだろ! 親父にも母さんにも、俺にも!!」
「!・・・」
有香の瞳に、薄っすらと涙が滲み始める。
俺は叫んだ後になって『しまった』と思った。
「ゆ、有香・・・ごめ」
「怒ってるんだね」
『ごめん』と言うとしたその時、重なる様に有香が口を開いていた。
「はっ?」
「兄さんおかしいよ・・・怪我してから・・・いつもと違う」
「な、何言ってんだよ」
有香は少し俯くと涙が数滴、白い地面に落ちた。
「・・・ごめんなさい、私のせいで・・・怪我しちゃって」
「べ・・・別に・・・気にしてないよ」
有香の泣きそうな声に、俺は更に勢いを失った。
247ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:25:14 ID:fZ9eVLmq
「嘘よ、本当は私の事怒ってるんでしょ? だって本当は兄さん優しいのに・・・おかしいよ、あんなの」
「有香・・・俺は別にお前を怒ってないよ、本当に」
「兄さんも・・・気を使ってる」
「・・・そんな事ねぇよ」
「・・・」
ダメだ。
有香・・・自分を責めてるらしい。
俺が怪我した事を自分の責任思ってる。
俺自身は有香が恨めしいなど微塵も思っていないが、俺がそうなだけでは解決しないらしい。
それでは有香自身が納得しないのだ・・・
「本当に・・・気にしなくて良いから・・・な? 有香・・・」
「・・・」
俺は宥めるが有香はまだ納得のいかない、といった表情だ。
「兄さん・・・」
「・・・な、何?」
「・・・溜まってるでしょ?」
「はっ!? な、何が・・・」
解かっていないフリをしたが・・・
俺の焦りの表情からその返事が嘘である事は有香にもバレているだろう。
こんな関係になってしまった妹が言う事なのだ・・・決まってる。
「溜ま・・・ってるよね、ずっとベッドの上だもんね」
「・・・」
気が付いた時には既に俺の顔からダラダラと汗が垂れていた。
暑さのせいではなさそうだ。
「・・・好きにして良いよ、私・・・なんでもする」
「ゆ、有香・・・やめろよ」
緊張し切った声で俺が返すが、なんとも頼りない。
さっき怒鳴った時とはえらい違いである。
「伯父さんに頼んで・・・なるべく毎日お見舞いに連れて来て貰える様にするから・・・」
有香が俺の顔を見つめながら、自らの服の裾に手を掛ける。
248ねおん ◆lLNihyNahM :2006/01/30(月) 21:26:04 ID:fZ9eVLmq
「お、おい、やめろって!」
そのの動作を見て俺は制止するが・・・有香は自分から進んで服をたくし上げた。
首元いっぱいまで思いっ切り服を捲っている。
「な・・・」
喉を詰める俺。
真っ白い部屋しか、退屈な毎日でしかなかった。
数日振りに見た有香の躰に思わず俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
こんな場所で、こんな流れで・・・有香の躰を触るなんていけない。
頭ではそう思っていても、俺の目は妹の躰から外れない、外せない。
赤ん坊の様な滑らかな肌、ほっそりとした腹。
幼さを語る乳房の滑らかなカーブ、綺麗な桜色の乳首。
俺はあの日の様に、初めて女体を見たかの様な気分に陥った。
この数日は当たり前の様にあった有香の躰は、それはおろか女さえも側にいなかった。
あえて言うなら看護婦だけか。
正直に言うなら禁欲を強いられていた今の俺には、有香の躰は数倍にも数十倍にも魅力的に見えた。
水分が滴る有香の顔も、泣き出しそうな震える声も・・・返って淫靡で艶かしい。
「兄さんは・・・この体、嫌い?」
有香自身はそんなつもりは無いのだろうが、俺を誘い掛ける様な甘い声だった。
嫌いな訳が無い、大好きだ。
俺は絶対口には出せない事を・・・頭の中で思った。

(続)
249ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:03:49 ID:el6rdiHA
「・・・」
少しだけ有香の裸体を見たが、俺は顔を伏せた。
「服、戻せよ・・・」
「・・・ううん」
俺が足元を見たまま言うが、有香は拒む。
「可笑しいだろ・・・なんで、なんでお前がそんな事しなきゃいけないんだよ」
「・・・私にはこれぐらいしか・・・出来ないから」
「・・・」
「兄さんが良いって言っても・・・私納得出来ない」
有香が誘惑する様に俺に近づいてくる。
だめだ、やめてくれ・・・そんな顔で・・・近づいてくるのは。
「ねぇ、兄さん・・・」
「・・・」
俺は有香を拒む様に顔を俯け続ける。
「溜まってる物・・・全部私に吐き出してくれて良いから」
有香がそう言って少し、ほんの少しだが微笑んだ。
その笑顔に俺の心のガードは緩む。
「・・・兄さん・・・」
有香が優しく呟き、俺の手を取る。
もちろん、怪我をしてない方だが。
そして、その俺の手の平をそっと有香の乳房に導いた。
俺は思わず顔を上げ、有香を見る。
暖かい肌に触れる瞬間、俺の手先はピクリッと驚く様に震えた。
「・・・償うだとか許して欲しいだとか・・・そんなんじゃないの」
「ゆ、有香・・・」
普段とは違って俺の方が固まっている。
「私、兄さんのために何かしてあげたい・・・こんな事ぐらいしか・・・出来ないかも知れないけど」
俺は、有香が俺の全てを受け入れてくれた様に思えた。
そんなの勝手に俺が思った事だが。
そんな感情に押されたのか、俺の手の平は優しく妹の乳房を掴んでいた。
250ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:04:21 ID:el6rdiHA
何日ぶりにも感じる女性の柔らかさ、夢中になっていなかったと言えば嘘になるだろう。
「クスクス・・・」
有香の含み笑いに俺は不機嫌そうな表情で返す。
「な、何だよ」
「・・・なんか、兄さんの方が緊張してるね」
「えっ?」
「手、震えてるよ」
有香の指摘した通り、有香の膨らみを握る俺の手は小刻みに震えていた。
「な、何だよ・・・仕方ないだろ・・・本当に久しぶりなんだから・・・」
「うん」
「それよりも・・・」
「うん?」
有香が首を傾げ、俺の顔を見る。
「俺が・・・自分から触ったんだからな。有香が償うだとか、そんなの関係無いからな」
「・・・うん・・・分かった」
俺は自分の欲に押されて今こうしているんだ。
有香が償わなければならないとか、そんな事は思ってない。
思って・・・いないんだ・・・
「あっ」
俺の指が先端を挟むと、有香が微かに声を上げた。
「ん・・・」
だが、すぐに呼吸を整える様に息を大きく吐く有香。
指の間にある柔らかい存在を確かめる様に、俺は指を力に強弱を付ける。
挟まれた部分が少し潰れる様に形を変えた。
「ふ、ぁ・・・」
有香の口元から、膨らんだ唇から空気が抜ける。
「に、いさん・・・」
「ど、どうした?」
「兄さんのも・・・する」
「はっ?」
251ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:04:52 ID:el6rdiHA
有香がそう言いながら、俺の股間を触った。
既に少し勃起している俺の一物にズボン越しに触れる。
たぶん・・・俺のが大きくなっている事も有香にバレているだろう。
だからこそ覆う様な手付きで触ったのだ。
俺は思わず有香の躰から手を離すと有香の服も垂れ下がり、妹の体を隠した。
「く・・・口でも良い?」
有香が躊躇しながらそう言った。
その表情は微かに赤味がかり、羞恥心が見受けられる。
有香からまさかフェラチオを言い出すとは・・・俺は少し驚いた。
「いや・・・しなくて良いよ」
「でも・・・兄さん気持ち良くないでしょ?」
「風呂の時とは訳が違うんだぞ? ばっちぃよ」
「大丈夫」
「いや、良いって・・・」
「じゃ・・・じゃぁ手でするね」
そう言いながら有香は大胆にも俺のズボンの中に手を入れて来た。
慌てて俺は拒否する様に体を捻ると、有香が驚いた表情でズボンから手を抜いた。
「な・・・なんで?」
有香は俺が拒否した事にショックを受けたのか、目を見開き俺を見る。
「俺、妹のお前にそんな汚い事までさせたくない」
「・・・」
有香は俺の一言で納得したのか、ゆっくりと顔を俯けた。
「そんなのより・・・俺、有香の躰に触れたい」
「・・・」
有香が赤い顔を顰めた。
「・・・うん、分かった」
そう言って、有香が顰めた顔を元に戻す。
「・・・」
俺は再び有香の乳房に手を伸ばす。
手の動きに合わせ、綺麗な滑らかな肌が形を変える。
252ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:05:45 ID:el6rdiHA
手の平いっぱいに広がる感触を、慈しむ様に大切に丁寧に感じる。
腕が片方しか使えないのが煩わしい。
本当は両手いっぱいで有香を感じたい。
両手いっぱいで有香を悦ばせてやりたい。
所詮は叶わぬ願いだが。
「あ、うっ」
控えめに突き出た乳首を指の腹で擦る。
有香が瞼をギュッと閉じて肩を震わせた。
「もう片方は・・・自分で触りなよ。俺右手使えないから」
「じ、ぶんで?」
有香の表情が驚きと羞恥の混じった感情に変わる。
苦笑いに見えなくも無いが。
「そうだよ。・・・もしかして自分でした事無いのか?」
「な、無いよ、そんなの・・・」
「でも、したくなる時もあったんじゃないか?」
「・・・あったけど・・・」
「けど?」
「・・・兄さん・・・いるから・・・」
「ん、そ、そうか・・・」
俺は妙に小恥ずかしい気分になった。
有香が・・・俺のために我慢してくれてるって事なのか?
「ほら、触ってみ」
「う、うん・・・」
有香が自分の空いている方の乳首に目線を移し、手を近づけた。
震える指先。
躊躇する指先だが、徐々に突起との距離を詰めていく。
「・・・な、なんか・・・恥ずかしい」
有香が誘惑的な上目使いで俺を見る。
普通に他人に裸を見られたりだとか、そんな類の羞恥心とはちょっと違う。
自分でする所を見られるのは恥ずかしいようだ。
253ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:06:16 ID:el6rdiHA
「やっぱり恥ずかしい? 今まで自分で触った事ないなら」
「・・・当たり前だよ・・・あぅ!?」
俺は突然、有香の乳首を摘む力を強めた。
有香の体がビクンッと震え、捩れる。
「ほら、手伝ってやるよ」
強い快感に思考が乱され、有香を押し留める羞恥心を掻き乱される。
「や、ぁ!・・・もぅ・・・」
困り顔で笑うが、その無垢な表情とは相反して有香の左指は自らの突起部に触れていた。
「ほら、触れただろ?」
「う、うん・・・」
「気持ち良いか? 左右同時は」
「ひ、ぁ・・・き、もちいい・・・です・・・」
息も絶え絶えになりながら、妙な声混じりで有香が答えた。
「俺入院してたから・・・少しの間できなかったからな」
「う、うん・・・ん、ぁ」
俺の目の前で有香の表情が歪む。
頬を赤く染め、自らの性感帯を弄ぶ少女。
あぁ・・・やっぱり・・・有香で良かった。
こいつが・・・俺の妹で良かった・・・
「ふぁ、ぅ・・・はぁ・・・」
「固くなって来てないか? ここ」
「ん・・・」
有香が恥ずかしそうに赤い顔を俯けるが、左手は相変わらず自らの敏感な部分を弄っている。
「自分で弄ってる方はどう? 固くなったか?」
「・・・」
これにも有香は無言のまま、指を動かし続ける。
「赤くなってる割には止まらないんだな、自分の乳首を弄る指は」
「ふ、ぅ・・・」
喘ぎ声なのか、返事の声なのか、有香が微かに唸った。
「あ、兄さん・・・」
254ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:07:25 ID:pKRcbFA4
俺が優しく有香をベッドに押し倒すと、有香が赤い顔を緩ませる。
「・・・」
俺は無言のまま、有香の乳輪に唇を重ねた。
ピクリッと有香の上半身が反応を示し、俺が舌で突き出た部分を舐めるとその反応はより顕著に現れた。
舌先で感じる突起を、楽しむ様に惜しむ様に嘗め回す。
「くっ! ん、はぁ、あぁ!」
久しぶりに聞いた有香の喘ぎ声は、以前の時とは比べ物にならない程卑しく思えた。
数日禁欲しただけで・・・これ程まで感じ方が変わるんだなぁ。
「ん、はぁ!!」
俺が敏感なそこを吸うのと同時に、有香が今度は違う声色で喘いだ。
先程よりも真に迫る様な甲高い声だ。
口の中の圧力を下げると、熟れた乳首が柔らかい乳輪の肌と共に巻き込まれ、吸い込まれる。
口内に誘い込まれた突起を歯で甘噛みし、時にはねちっこい舌使いでねぶる。
「ん、やぁ、あぁ! き・・・もちいい・・・!!」
有香が喘ぎ声混じりに『気持ち良い』と言った。
「・・・」
有香の上気加減を見て、俺は強くそこを吸引する。
「や、ぁ!? そ、そんなに!・・・強く吸っちゃ、ぁ・・・だめぇぇぇ!!!」
有香が絶頂し、小さく叫んだ。
声量は抑える事を意識した様だが、力強いしっかりとした声だった。
「う、は! あっ・・・は、ぁ・・・」
痙攣する様に有香の体が大きく振動し、その後は力尽きる様にベッドに横たわった。
「・・・」
気が付けば、有香の目元は再び水分で濡れていた。
行為の途中で流した物なのか、あるいは・・・

・・
俺はベッドの端に座り、膝を揃える。
すっかり有香の乱れた服、髪、表情は整えられていた。
既にいつも通りの有香だ。
255ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:08:16 ID:pKRcbFA4
頬がまた多少赤めいている所以外は。
「おいで、有香」
そして、軽く有香の手を引いて招いた。
「あ、うん・・・」
少し恥ずかしげな表情で、有香は背を向ける様に俺の膝に座る。
「違う、こっち向いて」
「・・・」
有香は無言のまま、体をこちら向けた。
抱っこでもする様に俺は有香の後ろに手を回し、両足は俺の腰を跨ぐ様にベッドに投げ出されている。
お互いに見詰め合うような向きで互いに体を密着させた。
「・・・」
「・・・」
無言のまま、俺は有香の体温を感じた。
小さな有香の体。
こんな小さな体でも・・・人並み以上に存在感を感じる。
有香の顔は俺の胸板辺りに納まり、有香の小さな腕は俺の体に巻き付いている。
「・・・暖かい・・・」
有香がボソリッと、俺の胸の中で呟いた。
「・・・あぁ」
俺も相槌を打つ。
「こんな風に抱っこしてくれたの・・・いつだったっけ・・・」
「・・・小学校二年生以来・・・かな」
「・・・おんぶじゃなくて抱っこの時もあったよね、けっこう」
「うん」
「懐かしいね・・・あの時、背丈もそんなに変わらなくてさ、兄さん私抱っこするの大変だったよね」
「そうだな・・・重かったぞ、あの時」
「もう・・・」
俺が意地悪っぽく言うと、有香が頬を膨らませながら俺の胸板に顔をうずめた。
「ゆ、有香」
「んっ?」
256ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:08:47 ID:pKRcbFA4
「俺・・・へ、変な事言うかも知れないけど・・・真剣に聞いてくれないか?」
「・・・うん」
俺の胸板に顔をうずめる有香が顔を上げて俺を見た。
もうキスだって出来るほどの顔の距離。
有香の表情が、その瞳の奥さえもよく見える。
「・・・」
ただ俺の次の言葉を待ち望む様な瞳で、俺の目を見詰める有香。
もう、俺は魅了されてしまっている。
この幼い妹の表情に、魅力に。
「俺、お前の事・・・好きなのかも知れない」
俺はあっさりと想いを打ち明けた。
有香の暖かさに勇気付けられていたのだ。
・・・場の雰囲気に飲まれてもいただろう、きっと。
「・・・かも・・・知れない?」
有香が俺から一瞬も瞳を話さず、問い掛ける。
有香の声も・・・緊張からか、震えている。
「・・・俺、よく分かんないんだ・・・人好きになった事なんて、今までなかったし・・・」
「・・・」
「好きって・・・こうゆう事なのかなって・・・最近自分の中で思い始めた」
俺は・・・今まで自分は妹の躰を求めているのだと思っていた。
性欲に駆られ、有香を求めているのだと思っていた。
でも、違う。
違うんだ。
馬鹿な俺は入院して・・・有香と離れ離れになって始めて気付いた。
俺は、性欲だとかそんな欲求は抜きにしても、当たり前の様に有香の表情が、存在が、恋しかった。
俺、有香が・・・妹が好きなんだ。
家庭というごく当たり前な空間で、日常のいう枠組みで、有香はいつも俺の側にいてくれた。
だから、かえって気付かなかった。
普段から思っていたこの気持ちが、恋だなんて分からなかった。
たぶん、俺は・・・この気持ちはずっと前からあったんだと思う。
257ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/08(水) 02:09:28 ID:pKRcbFA4
きっと、もっと子供の時から・・・昔から・・・。
「兄さん・・・」
有香が声を震わせると同時に、体もブルリッと震わせる。
その震えは、有香の体を抱いている俺にも感じ取れた。
俺は有香の震えを感じ、突然強烈な後悔に駆られた。
後頭部が冷たくなっていく。
馬鹿か。
大馬鹿か、俺は。
何を・・・言ってるんだ。
「ご、ご・・・めん・・・有香・・・」
「えっ?」
有香が再び目を見開き、俺の見た。
「・・・忘れてくれ・・・今の・・・何もかも」
相手は妹だぞ?
いきなり、実の兄にこんな事言われて・・・受け入れられるとでも思ってたのか、馬鹿か、俺は。
「だけど、有香・・・俺をその・・・嫌いにならないでくれ・・・」
俺は今にも泣きそうな、情けない声で言った。
ダメだ、軽蔑された。
「・・・」
俺は・・・受け入れられなくても良かった。
ただ、拒絶だけはされたくなかった。
有香の側にいるだけでも良い、それすら叶わなくなるのが怖かった。
場の雰囲気に飲まれ、言ってしまったんだ。
どんなにこの想いが強くても言わずにおけば、少なくとも俺達が大人になるまで仲良くやっていけるのに。
兄妹として、過ごして行けるのに・・・
こんな告白が・・・全てをぶち壊したんだ。
「に、兄さん・・・あのね」
コンコンッ
場違いとも言える軽快なノック音を立てて、看護婦が昼食を運んで来た。

(続)
258名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 19:51:05 ID:YXijbUIX
保守
259ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/17(金) 01:33:05 ID:ZuomGiJb
「星野さーん、昼食持って来ましたよぉ」
看護婦が微笑みながら病室の扉を開けた。
これが俺にとって良いタイミングだったのか悪いタイミングだったのか判らないが。
「あら、妹さん?」
「あ、はい・・・そうです」
俺が頷き、そう言った。
「・・・」
突然の乱入者に有香は一瞬困惑したが、それを悟られまいととっさに冷静を装った様だ。
もはや、俺はおろか看護婦とも目を合わせようとしない。
「可愛いわねぇー名前は何て言うのかし・・・」
「あ、あの! 私、もう帰りますから!」
有香が看護婦の言葉を遮る様に言った。
「お、おい、有香!!」
俺の言葉も無視し、足早に開け放たれた病室の扉を抜けた。
あいつ・・・帰るって言ったってどこも行く場所ねぇだろ・・・
「あら・・・」
看護婦は有香の行動に唖然としていた。
「私・・・何か悪い言っちゃったかな・・・?」
「いえ、その・・・なんというか・・・恥ずかしがり屋なんです、あいつ」
気を落とす看護婦を俺は適当に理由付けて宥めた。
「いや・・・むしろ良いタイミングで来てくれたと・・・思いますよ」
「はぁ?」
看護婦が首を傾げながら俺の顔を見た。

・・
その後も有香には何度も会えたものの、母さんが周りにいたため、二人っきりにはなれなかった。
いや、むしろ・・・俺の方が二人っきりになるのを避けていたのかも知れない。
有香があの時言おうとした事を俺は冷静に受け止める自信がない。
自分が、兄妹の関係が、壊れてしまうのを恐れていた。
いや、既に遅いのかも知れない。
260ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/17(金) 01:33:36 ID:ZuomGiJb
兄である自分が妹に恋愛感情を持っている事を暴露してしまったのだ。
仮に有香からは何も言わなくても、お互い気まずくなるのは目に見えていた。
俺だけが一方的にそう思っている、という可能性もあるが・・・
・・・結局、ろくな会話もせず、俺の夏休みは終わった。

・・
それからの俺達というのは、あろう事に更に親密になっていた。
あの病院での告白をきっかけに、俺達は更に濃厚な行為に至る様になっていたのだ。
妹の処女を奪ってしまったのは有香が中学三年生の時・・・
だが、あくまでも親に隠れて体を交える機会が恐ろしく増えたという事。
愛し合ってるとは言えなかった。
有香の方は交わる前も後も俺に対する気持ちは一言も口にはしない。
ずっとずっと何も言わなかった。
心の繋がっていない、体だけの関係。
ハッキリ言って、愛情や欲求に駆られて重なると言うよりも、完全に習慣化していた。
まるで何かの義務の様に、休日前の夜は俺かあるいは有香の部屋で共に同じベッドに入る。
愛情の延長線に有るべき性行為だが、俺達にはそれが全く当てはまらなかった。
だが、体を交える度に俺は有香に対する感情は膨れ続けた。
行為の途中は天井の見えない程の優越感に浸り、その直後でさえ有香が愛しく感じる。
だが、結局は有香に対する『拒絶される恐怖』で俺の方からは何も伝えらなかった。
どれ程優柔不断なのだろう、俺は。
・・・こんな生活を三年も続けて来たのだ。
ほとほと自分でも呆れてしまう。
いや、想いを伝えられない事ではなく、恋愛感情を抱きながらも平然と三年間も妹を抱いていた事にだ。
気が付けば、俺はもう高校三年生になっていた。

・・
俺は国立の大学へ進学する様、厳格な親父に背中を突付かれいた。
たしかに親の期待には応えたいとは思っていたが、親のために自分の進む道を選ぶ事は俺自身嫌だった。
俺は・・・ある日、子供の頃から密かに想っていた事を家族団欒の場で話した。
261ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/17(金) 01:34:08 ID:ZuomGiJb
画家になりたいという夢を。
有香は笑って応援してくれた。
母さんは多少驚いたが、最終的には俺の背中を押す様になった。
だが・・・親父には猛反対を受けたのだ。
画家などという不安定な職には付かせたくない。
勉学の才能があるのだからそれを潰さないで欲しい、と言うのだ。
だが、俺は親父には殴られてでも自分で進路を決めるという覚悟だった。
俺は半ば強引に芸術系の専門学校に行く事を決めた。
それからと言うもの、親父と目を合わせるたびに嫌味の様に愚痴られる様になったが・・・
たぶん、有香の奴・・・怒るだろうな。
俺が一人暮らしするなんて聞いたら・・・

(続)
262名無しさん@ピンキー:2006/02/19(日) 18:14:37 ID:DZd/pAZB
イイヨイイヨ

保守
263ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/22(水) 01:01:53 ID:2r8T5922
時間はもう10時。
いつもならテレビのバラエティー番組でも見ている時間帯なのだが、今日の俺は違った。
特に理由はない。
ただなんとなくベッドに転がっていただけだ。
だが、横になっていた俺の体もすぐに跳ね起きた。
「どうして行っちゃうの?」
ノックもせず、いきなり俺の部屋の扉をこじ開け、不機嫌になった俺に対する第一声がこれだった。
有香が潤んだ瞳に尋ねる。
なんて事は無い。
母が・・・俺が必死に隠し通していた事を有香に喋ってしまったのだ。
東京に出て一人暮らしをすると言う事を。
「そりゃ・・・東京にある学校なんだから・・・大阪から通える訳ないだろ」
「どうして東京の学校なの? 大阪にだっていっぱいあるじゃない」
「・・・いつまでも母さんや親父に迷惑掛けれないから一人で暮らすんだよ」
俺は・・・また嘘をついてしまった。
『親に迷惑は掛けれない』という名目。
内心、俺は有香と離れたかった。
嫌いになった訳じゃない、大好きだ。
本当に一人の女として見始めている。
でも、もう五年以上有香との関係が続いている。
もし親にバレたら・・・もう子供過ちじゃ済まされない。
「・・・嘘だよ」
「・・・」
有香はあっさりと見抜いていた・・・まるで俺の心を読んでいるかの様に。
女のカンという物だろうか、もはや恐怖さえ感じる。
「後悔したんでしょ? ・・・私と繋がった事を・・・」
「・・・後悔は・・・してない」
「じゃぁ・・・何で!? 何で逃げるの!!?」
「後悔したくないからだよ!!!」
俺は思わず声を張った。
264ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/22(水) 01:02:25 ID:2r8T5922
下に母さんがいるにも関わらず。
聞こえていない事を祈るしかない。
「もう・・・バレたら許される歳じゃないんだよ、俺も、有香も」
「・・・」
「過ちで済まないんだよ・・・俺達もう子供じゃないんだ・・・」
「・・・何よ、大人だとか子供だとか・・・」
俺の言い方が悪かったのだろうか、有香は酷く険しい表情で口を開いた。
固まり切った表情は断固とした意思を感じる。
「有香、もうやめよう・・・」
「・・・わ、私はバレたって構わないよ」
「何でそんな事言えるんだよ!!!」
「えっ・・・」
俺の怒声に有香が怯んだ。
同時にポロリッと瞳から涙が零れる。
「もし! ・・・もし、バレたら・・・家族がムチャクチャになるんだぞ?」
「・・・」
上手く言い返す言葉が見つからないのだろう、有香は半開きになった口を震わせている。
「うっ・・・」
有香が口を噤んで、袖で目元を乱暴に擦った。
「ごめん・・・有香・・・」
力無く、結局俺に出来るのは謝る事だけだった。
「兄さん・・・兄さん・・・」
有香は目元からポロポロと水分を滴らせながら、ただ『兄さん』と俺を呼び繰り返していた。
その表情を見るなり、俺の心は悲鳴を上げた。
思わず、俺まで釣られて泣き出しそうになったのだ。
だが、俺は・・・寸前でそれを堪えた。
目元が多少潤んでいるのは仕方ない。
「俺・・・親父と母さんと・・・お前がいる家族も大事なんだ」
「に、いさん・・・」
俺が有香を抱き締めると、有香が俺の胸板に顔をうずめた。
265ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/22(水) 01:02:56 ID:2r8T5922
思わず俺は強く抱き締める。
すると、有香の小さな体が俺の腕の中で震えた。
恐怖に怯え、寒さに震える様な・・・力無い弱々しい反応だった。
華奢な体格、細い腕。
少し押しただけでも壊れてしまいそうだ。
繊細なガラスの器の様な、そんな存在だ。
「兄さん・・・好きだよ・・・私、兄さんの事・・・」
「・・・」
俺は『自分も』と言う事が出来なかった。
有香が・・・俺に想いを打ち明けてくれたというのに。
俺がここで何と言ったら有香は救われるのだろう?
俺にそんな答えが出せる筈が無い。
「好きなのに・・・どう・・・して・・・?」
「・・・」
『ごめん』と口に出せない台詞を、俺は有香の頭を撫でて表現した。
「キス・・・して」
くぐもった声で俺の胸の中の有香が呟く。
「最後に・・・お願い・・・」
また篭った声で・・・言った。
「・・・あぁ・・・」
俺の声は空気が僅かに抜けただけだった。
266ねおん ◆lLNihyNahM :2006/02/22(水) 01:03:35 ID:2r8T5922
有香なんかよりも、もっと頼りない、情けなく、弱い声だった。
そして、俺は有香と唇を重ねた。
お互い固まり切ったギコちない接吻。
ただ、唇を触れさせ合うだけ。
初めて感じる悲哀のキスだった。

・・
「俺も・・・有香の事好きだ」
俺は堪え切れなかった涙が零れない様に天井を見上げながら言った。
真っ白い天井を・・・ただ見詰めながら言った。
「嫌いだから離れるんじゃない・・・」
「・・・うん」
有香がまた俺の腕の中で呟く。
「俺なんかより・・・もっと良い人見つけてさ・・・」
「・・・うん」
「きっと見つかるよ・・・だって、有香はこんなにも良い子じゃないか・・・優しくて・・・清純で・・・」
上を向いていても無駄だった。
やはり、出てくる涙は喋る俺の目から垂れ落ちる。
ポトリッと有香の肩に落ち、服を黒ずませた。

(続)
267名無しさん@ピンキー:2006/03/01(水) 19:09:25 ID:BSbNOHoX
保守
268ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/06(月) 02:57:44 ID:vt6Z1C86
「ふぅ…」
俺は溜め息を吐いた後、すぐに煙草に火を点けた。
ライターと煙草の箱をズボンのポケットに戻し、口から煙を吹く。
駅前の花壇に腰を掛け、煙草を片手にリラックスする。
ふと、目の前を見ると人が忙しく行き来している。
上京する前までは見る事のなかった人の量。
これを見る度に俺は今自分が東京にいるんだ、という事を自覚する。
二十四時間眠らない街とはよく言った物だ。
ふと、駅内にあるエスカレータから降りてくる人の数がドッと増えた。
規則正しく直線に人が並んでおり、エスカレータの終わり辺りでその線は散らばる。
「…」
俺は掛けていたサングラスを外し、エスカレータから溢れる人の波を凝視していた。
(…多いな…人…)
三年前記憶を頼りにそれらしい人物を徹底的に捜す。
「…おっ?」
気が付けば、エスカレータを降りてすぐの所で白いマフラーを着けた人物がいた。
キョロキョロと辺りを見回している。
俺は目を更に顰め、顔を確認する。
(…あれか)
間違い無い。
俺は確信した。
あいつも今年で十八になる筈。
成長期もとうに過ぎたのだ。
たかが三年でそれ程顔が変わる筈が無い。
俺の記憶通りの顔がそこに今ある。
「…」
乾いた唇を舌で舐め、俺は腰を上げて歩き出す。
だんだん高鳴る胸の鼓動。
固い石畳を踏み締める感触。
正直、緊張気味だった俺はあえてそれを悟られる様、気さくに声を掛けた。
269ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/06(月) 02:58:16 ID:vt6Z1C86
「よう」
軽く片手を上げながら声を掛けると、マフラーを巻いた首がこちらを振り向いた。
「…あ、あの」
しかし、こちらを振り向くなり慌てる。
「俺だよ、分かんねぇ?」
「え?…あっ…」
どうやら、俺だと分かっていなかった様だ。
ナンパにでも間違えられたか?
遠目では分からなかったが、近くでよく見ると少しだけ顔付きが変わった様だ。
膨らんだ頬もほっそりとスマートになり…垢抜けたというか、なんというか…
可愛いと美人の中間の様な顔だったのだが、ずいぶんとそれが美人側に寄ってしまった様だ。
それでも…魅力は変わらない、いや、何倍にも磨きが掛かったと言える。
「兄さん…」
マフラーを巻いた首が少し傾き、ニッコリと微笑んだ。
顔付きは変わっても…この笑みだけはあの時のままだ。
(…馬鹿か俺は…まだ、そんな気持ちが…相手は妹だぞ)
『大人』になった有香の笑みにドキリッとした俺は慌てて、心の中でそう言い聞かせた。
「ひでぇな、こっちはすぐ分かったのに」
「ごめん、なんかぜんぜん…兄さんらしくなくて…」
「あぁ、金髪にしたからかな?」
三年ぶりにこうして顔を合わせてみると、気まずさはもうなくなっていた。
もう…普通の兄妹に戻っていた。
「お父さんがそれ見たら絶対怒るよ。『不良になったのかぁ』って」
「こんなもんファッションだよ、ファッション」
俺は半笑いのまま頭を掻いた。
「それにしてもあんまり変わらないな。三年ぶりだってのに」
「兄さんは凄い変わったよね…ぜんぜん兄さんだって気付かなかった」
「そうか?」
「うん、なんか…たくましくなったって言うか…一人暮らししてたからかな?」
何気無い会話。
270ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/06(月) 02:58:49 ID:vt6Z1C86
あえて昔の事に触れない俺。
有香自身も…同じなのだろうか。
それとももう過去の事と割り切ってくれたのか。
「…でも、驚いたぞ。いきなり『遊びに行きたい』なんて言い出すから」
「うん、ごめんね。せっかくの冬休みだからさ…なんか会いたくて…」
「…」
有香の『会いたくて』という言葉に俺はまたドキリッとした。
たぶん、有香はそんな意味で言ったんじゃないんだろうけど…
「…大晦日ぐらいはこっちに帰って来たら良いのに」
「親父に小言言われるからヤダ」
俺があっさりと断ると、有香が少し不機嫌そうな顔になった。

・・
駅の近くにある賑やかな喫茶店に俺達はいた。
この時間帯はカップルも多く、店は繁盛している様だ。
たぶん…俺達も恋人同士と勘違いされてるだろうなぁ…
まぁ、有香は気にしてないみたいだから良いけど。
「俺はコーヒーで良いや。有香は?なんか食うか?」
「ううん。私もコーヒーだけで良い」
有香の返答を聞くなり、ウェイトレスがわざわざ持って来たメニューを服のポケットに戻す。
そして、足早にその場を立ち去ってしまった。
(なんか別に頼んだ方が良かったかな…)
今更ながら俺は後悔した。
「兄さん」
「ん?」
「兄さんって…美術の学校に通ってるんだったよね。上手くやってる?」
「あぁ、けっこう楽しいぞ」
「ふーん…」
有香が俺の顔を見つめるなり、小さく頷く。
「お前はどうなんだ?進路決まったか?」
271ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/06(月) 02:59:20 ID:vt6Z1C86
「うーん…」
小難しそうな表情で首を傾げる有香。
こんな仕草一つでも…愛嬌が感じられるから困る。
って、まだ抜けてないのか…俺のシスコンは…
「まだ決まってないけど…行きたい所あるから今、勉強中」
「そうかそうか。どこの学校だ?」
「えっとね、看護士になるための学校」
「へぇ、看護士になりたいのか…でも、親父に反対されなかったか?」
「ううん…あんまり…」
有香がマフラーを巻いた首を小さく横に振った。
「まぁ、有香の人生だしな。親父が口出すのも可笑しいわな」
「うーん、たぶん兄さんのお陰だと思う」
「はっ?」
俺のお陰?
はて…心当たりが無いが…
「兄さんがお父さんの反対押し切って上京してからね…なんか、お父さん妙に優しくなった」
「あぁ…」
「兄さんが出て行ったのが相当効いたみたいだよ」
272ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/06(月) 02:59:58 ID:vt6Z1C86
「ははっ」
(あの親父がねぇ…プッ)
俺は妙に優しくなった親父を想像すると、思わず吹き出しそうになった。
「やっぱり怒ってんだろうな、親父」
「ううん、そんな事ないよ」
「ん?なんで?」
俺がテーブルに肘を着け、聞き返す。
「いつだったかな…『あいつ、初めて俺の言う事つっぱねた』だなんて文句言ってさ。…でも笑ってた」
「そうか…」
「今はお父さんも兄さんの事応援してるよ。電話じゃ照れ臭いから何も言わないけど」
「へぇ、あの堅物がねぇ…なんて言ってた?」
「…『大物になるまで帰って来るな』だって」
「…上等じゃねぇか」
ピクリッと頭に来る台詞に、俺は思わず握り拳を作る。
「お待たせしました」
唐突にウェイトレスが会話に割り込む様にコーヒーの注がれたカップをテーブルに置いた。

(続)
273名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 18:33:41 ID:twNMniD8
良いね〜続きが楽しみ
GJ!!
274名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 12:22:38 ID:bVuskba6
保守
275ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:53:54 ID:nzhO+pcj
有香が扉の穴に鍵を差し込んで捻ると重々しい扉が音も立てずに開いた。
「ふぅ…」
食料品が大量に詰まったビニール袋を両手に抱え、俺は部屋に入る有香の後に続く。
「うわー、けっこう広い…」
部屋の中を見るなり、有香がそう漏らした。
「けっこう家賃高いからな」
「ボロボロのアパートとか想像してたんだけど…違うね。あ、コタツまである」
「風呂も台所も完備だぞ」
俺は冷蔵庫の前にビニール袋を降ろした。
「何日ぐらい居るんだ?」
「んー、お母さんには四日ぐらいって言ってる」
「ふ〜ん…」
そう返しつつも俺は買ってきた食料を冷蔵庫に詰めていく。
最初は冷凍食品。
次に野菜、肉…
ただ、無心に俺は手を動かしつつ物思いに耽る。
(…四日か…)
俺は考えていたのだ。
有香がいきなり俺の所に来た理由を。
(四日も…有香と二人きり…か)
いきなり電話で『東京に遊びに行きたい』と聞いた時は、大して考えもせず了承してしまった。
と言うよりも、あまりに驚いてよく考える事が出来なかったのだ。
もちろん、三年ぶり顔を会わせたいという懐旧の情があったのも確かだが。
受話器に『うん』と言った時にはもう遅い。
実際、駅前で有香と待ち合わせをする日になってやっと俺は実感し、後悔した。
元より有香の考えが俺には分からなかった。
かつて肉体関係を持っていた相手と…ましてやそれが実の兄だと言うのに…
ただ単純に肉親との再会を望んでいたのか、はたまたその裏に何か隠している物があるのか。
いくら考えても俺に答えは見つけられそうにない。
それに今更追い返す訳にもいかない。
276ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:54:25 ID:nzhO+pcj
なるべく自然に過ごすんだ。
俺はそう決意した。
「あっ…そっか、絵描いてるんだよね…」
「ん?」
「これ」
手を止めて振り向くと有香がコタツの上に置かれた油絵具を眺めていた。
更にコタツの足に立て掛けてあったキャンバスを指差す。
「これ兄さんが描いたの?見て良い?」
「あぁ」
何が描いてあったか、そんな事も考えず俺は返事を返した。
返事をした後になって思い出すが…油絵の途中だった奴だ。
「…」
有香がキャンバスを両手で抱え、眺めるなり沈黙した。
目線は木炭で描かれたデッサン画を一時も外さず見詰めている。
冷蔵庫の中を整理しつつも、俺は横目で有香の表情を見ていた。
なんとなく、自分の描いた絵を見られると言うのは恥ずかしい物だ。
それが実の妹なら尚更。
「…綺麗…」
ボソリッとそう呟いた。
「…凄い…兄さん、高校の時より凄く…」
「上達してる?」
俺が尋ねると有香がこちらを向き、困り顔で答えた。
「…絵の知識ないから偉そうな事言えないけど…」
再び有香の目線がキャンバスに移る。
「なんか…凄く描き方が繊細になってる気がする」
「…まぁ、それなりに頑張ってるからな」
才能ではなく努力の証なのだ、とそんな意味合いを込めて俺はそう返した。
勿論自分に絵画の才能があるとは思ってない。
小さい頃から描いていて、人並み以上に上手かっただけだ。
「これ…学校で描いたの?」
277ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:55:19 ID:nzhO+pcj
「いんや、個人で描いた」
再びキャンバスをまじまじと眺める有香。
なんか、そうじっくり見られると…恥ずかしいだろ。
「この絵のモデルって…」
「ん…あぁ、それは…」
自分の歪なデッサン画に目をやる俺。
白地に描かれた黒い線が、中央で人物の顔を形成している。
その人物は俺には馴染みのある人間だった。
「学校の友達だよ」
俺はとりあえずそう返しておいた。
「ふーん…」
納得した様な素振りで有香はキャンバスをコタツの足に立て掛ける。
「真面目に勉強してるんだね…」
「当たり前だろ」
「なんか…不良ぽくなっちゃったから心配してた」
「だからファッションだって」
有香の台詞に俺は不機嫌そうな表情で頭髪を撫でた。

・・
「ねぇ、兄さんは今の時期休みなの?」
有香が台所で手を洗いながら尋ねた。
「バイトばっかり行ってるな、最近」
「そっか…一人暮らしだもんね…」
俺はテレビのリモコンを手に取る。
ボタンを押すと独特の電子音を立て、灰色の画面に色が灯った。
「ご飯とかどうしてるの?」
「朝は適当にパン、昼は学校近くで外食して…夜はバイト帰りにコンビニかな」
「栄養偏ってそう?」
「そう」
有香が冗談気味に笑みを浮かべながら言い、俺も同じ調子で返す。
278ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:55:50 ID:nzhO+pcj
クスクスと笑いながら有香が蛇口を捻り、水を止めた。
「じゃぁ…なんか作って上げようか?晩御飯。居候させてもらってばかりじゃ悪いし」
「へぇ…料理出来る様になったのか?」
そう言えば、女の子だと言うのに有香が台所に立つ姿を見た事が無い。
いや、ただ単に俺が見てなかっただけという可能性もあるが…
物心付いた時から今まで、殆ど有香が料理する所なんで見た事が無かった。
「いろいろ教えて貰ったよ。料理の本とか読んで勉強した」
「じゃぁ、期待して良いのか?」
「もちろん」
有香が得意気に微笑む。
その瞬間、俺は妙な感覚に陥った。
有香の見せた笑みが昔と全く変わらなかったせいか、過去の事を思い出したのだ。
フラッシュバックという奴だろうか。
ちょっとした切っ掛けで過去の事が一斉に頭に流れ込んでくる。
よりによって…兄妹の関係を踏み越えた時期の事だった。
「…」
俺は慌ててリモコンに目を移し、テレビのチャンネルを回した。
やばい、俺…
俺、まだ…マジかよ…
体が妙に熱く、肌には冬だと言うのに微かに汗が滲んだ。
リモコンを握る手も例外ではない。
「兄さん」
「えっ!?」
有香の何気ない声にも俺は必要以上に反応してしまった。
「何か食べたい物ある?」
不自然な自分の挙動を塗り潰す様に俺は平静を装った。
「いや、特に」
妙に短い言葉もボロを出さない様に配慮した結果だった。
ガチャンッ
「んっ?」
279ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:56:34 ID:nzhO+pcj
唐突に玄関の方から音が聞こえた。
どうやら玄関の扉が開いた音らしい。
「お邪魔しまーす」
俺が『誰だろう?』と思う前に玄関から声が聞こえた。
その声を聞いた瞬間、俺は理解する。
あいつが来た、と。
馴染み深いおどけた様な声。
「良い物買って来たぞぉ!」
そう叫ぶ声が響きながらも、同時にズカズカと廊下を歩く音がする。
その音はやがて俺のすぐ後ろで響く様になった。
おいおい、こいつ…勝手に入ってくるなよ。
俺の表情が不機嫌になる。
有香の方はただ台所で呆然とし、その訪問者を見詰めていた。
「よう、秀。あ、何してるの?」
「お前…勝手に入ってくるなよ」
俺がそう言うが、そいつは反省の色も見せる事無く、身に付けた赤いコートをひけらかす。
「良いじゃん。鍵開いてたんだから…ん?」
気配に気付いたのか、不躾な赤コートを来たそいつは横にいる妹を見る。
目が合う二人。
刹那、俺を含めた全員の会話が止まった。
聞こえてくるのはテレビの間延びしたニュースキャスターの声だけ。
ふと、そいつは手に握ったビニール袋を握り直す。
「こ…」
「…こ?」
ボソリと何か呟き、ビニール袋を握る手が震えた。
「この裏切り者がぁぁ!!死ねぇぇ!!!」
「へえ!!?」
俺は思わず情けない声を上げると、俺の視界が真っ暗になった。

・・
280ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:57:58 ID:4kjRAG1D
「いやぁ、御免なさいね。妙な疑い掛けちゃって」
「あ、いえ…」
赤コートが丁寧に頭を下げると、妹は困り顔を浮かべながら手を横に振った。
と言うか、コートはもう脱いでしまったのだが。
「真っ先に俺に謝るべきじゃねぇ?」
俺は鼻元を丸めたティッシュを押さえながら呟く。
不機嫌だった俺は更に不機嫌になった。
いきなり荷物入りのビニール袋を顔面に投げ付けられたのだから。
中に入ってる物が弁当やお惣菜ならまだ良かった。
中身が中身だけに俺のダメージは相当でかい。
「ごめんごめん、お詫びとして今日は朝まで付き合うからさ。それで許してくれ」
そう言いながらそいつは俺に投げつけたビニール袋をコタツの上に置いた。
ゴトンッと重厚な音がコタツに響く。
「…まぁ、割れなくて良かったよ、本当」
「あ、あの…兄さん…」
有香は未だに状況がよく掴めていないらしい。
「あ、あぁ…こいつは学校で知り合った…」
「飯野麻子って言うの。よろしくね」
「ほ、星野有香です!」
麻子は丁寧にもう一度有香に向かって頭を下げると、有香も慌てて頭を下げた。
麻子の奴…俺の時と態度がえらい違いなのだが…
「兄さん、麻子さんって…さっきの…」
有香が言いたい事を俺は直感した。
目の前にいる人物が先程のキャンバスに描かれたデッサン画のモデルの人物なのか。
たぶん、そう聞きたかったのだろう。
「え、あぁ…そうそう、この人」
俺がそう言うと有香は納得した様子だ。
「あぁ、これまだ色入れてないんだ」
麻子はコタツに立て掛けてあったキャンバスに気付き、それを手に取る。
「今度暇な時塗るよ」
281ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:58:30 ID:4kjRAG1D
俺は麻子からキャンバスを受け取り、後ろの壁に立て掛けた。
「あの、麻子さんは兄さんと…と、友達?」
有香が戸惑いとも緊張とも付かない態度で俺に訪ねる。
「いや、友達と言うか…仲間と言うか…」
「友達以上恋人未満って奴だよね」
ニヤニヤと笑いながら麻子が俺の体を肘で小突く。
「何言ってんだよ、お前!」
俺が慌ててそう言うと、麻子が更に口角を吊り上げた。
麻子は知らないのだ。
俺達の過去を。
普通ではない兄妹だと言う事が分からない。
だから平然と有香の前でこんな事が言えるのだろう。
「…」
有香は真剣な眼差しで俺を見ていた。
驚く事はおろか、妹の表情には全く変化がない。
むしろ驚いたのは俺の方だった。
内心ビクビクしていたのだ。
嫉妬されるだなんて思ってはいない。
しかし、過去の関係がある…どうゆう形であれ、有香を傷つけてしまうのでは無いかと思っていた。
本当に…昔の事だと割り切ってくれたのだろうか。
有香の淡白な反応は本心か、それとも…
俺はそう考えると不安の余り喉が詰まりそうになった。
たぶん、有香の目には俺達は恋人同士に映っているのだろう。

・・
冬場の家庭に似合うコタツ。
その上に俺自身も初めて見る物が並べられて行く。
有香の手料理だ。
感想はと言うと…見た目はかなり良い。
多分これなら味も…
282ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 03:59:05 ID:4kjRAG1D
俺は思わず目の前で湯気を立てる鳥の唐揚げを一つ摘んで口に放り込む。
…申し分なく旨かった。
うーむ、有香の新しい才能を見つけてしまった。
ぜんぜん素質にも気付かなかった…
「あぁ〜摘み食いはダメダメェ」
横にいる麻子が意地悪そうに笑う。
その声に反応し、台所に立つ有香が首をこちらに向けた。
「あぁもう、先に食べちゃダメだよ。我慢出来ないの?」
怒った様な口振りだが、有香の顔も麻子と同じ様に微笑んでいた。
「はい、サラダ」
有香が最後の一品をコタツの上に置いた。
大きなガラスのボールにレタスやらコーンやら野菜類が大量に盛られている。
「野菜摂らなきゃ。コンビニの弁当ばっかりじゃ栄養偏るでしょ?」
「んっ…」
俺は軽く喉を鳴らして頷いた。
再び有香が台所に向かい、蛇口を捻る。
どうやら調理に使った器具を先に洗ってしまうつもりらしい。
「…ねぇ、秀」
麻子が声のボリュームを下げ、コタツ越しに俺を呼ぶ。
「有香ちゃん料理得意なの?」
「いや、俺も初めて食べる。有香の手料理は」
「凄いね…私、料理なんてからっきしだわ」
「そういや…前に俺の家で料理するなんて言い出した時、牛肉を消し炭にしてくれたよな」
「それ言わないでよ。すっごく気にしてんだから」
苦笑いを浮かべながら麻子が返す。
「でも…美人でスタイルも良くておまけに料理が出来るんだよ。モテるんじゃない?」
「…」
俺の表情が深刻になると、麻子がまた意地悪な口調で言う。
「あらお兄さん、もしかして妹の恋人知らない訳?」
「…いや、いるかどうかも分からないな…」
283ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 04:00:04 ID:4kjRAG1D
有香に恋人…か。
いるのかな、やっぱり。
三年もすれば男の一人や二人…ましてや、あの器量。
昔の関係も引き摺らずに…俺よりも良い男を見つけてくれたのだろうか。
そう考えると安心する反面、少し寂しく感じた。
…馬鹿か、俺は…
有香には有香の付き合いがあるんだ。
もう過去の事は過去の事。
これ以上詮索するのはやめよう。
「何、内緒話してるの二人とも」
有香が手をタオルで拭きながらコタツに足を入れ、俺達に声を掛ける。
慌てて顔を引く俺と麻子。
「いや、何でも…」
俺がそう言うと麻子も続けて首を横に振った。
「怪しいなぁ。何話してたの?」
「あのね、有香ちゃんって…」
おい、それ以上言うな。
麻子が余計な事を言う前に俺は話題をすり替える事にした。
「朝まで付き合ってくれるんだよな?」
「ん?…あぁ、もちろん。そのために買って来たんだもんね」
「付き合う?」
有香が首を傾げて俺の方を見ると、麻子がすかさず例のビニール袋をコタツの上に置いた。
「えへへ、これでーす。良い気分になれる魔法のお水」
「普通に酒って言えよ」
麻子がそそくさとビニール袋の中身を取り出す。
二本、三本…どんどん数が増える。
瓶に入ったビールである。
これだよ、俺がさっきぶつけられたの。
「ささ、どうぞどうぞ」
麻子はさっさとビールの栓を開けた。
284ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 04:00:40 ID:4kjRAG1D
瓶を傾け、瓶口を俺が手に持つコップに誘導する。
ドクドクッと特有の音立てながらコップが黄金色の液体で満たされていった。
自分の先程の誤解があったせいか、今日の麻子はいつも以上に丁寧なお酌だ。
「ん、どうも」
軽く礼を言い、俺はコップの中身を一気に流し込んだ。
「う〜ん、良い飲みっぷりねぇ。惚れ惚れするわぁ」
麻子が微笑みながら瓶口を別の所に向けた。
「ささ、あなたもどうぞどうぞ」
「えっ!?」
有香が慌てて首を横に振ると、麻子が更に瓶の口を有香に突き付ける。
「こらこら、未成年に酒を勧めるな。まだ19だぞ」
「何よ、殆ど成人じゃないのぉ。ちょっとだけ、ちょっとだけ…練習と思ってさ」
更にグイッと瓶を突きつけると、有香が戸惑い気味な手付きでコップを取った。
(押しが弱いな…)
昔から有香は強引に物を頼まれると断れないタイプだった。
その性格は今も変わらない様だ。
「す、少しだけで…」
有香の頼み通り、コップには四分の一程度ビールが注がれる。
意地悪な麻子の事だから目一杯入れると思ったが…
「さ、ゆっくり飲んでみて」
麻子が急かすと有香はゆっくりとコップに口を付け、傾ける。
少量のビールが唇の中に消えた。
「…」
驚いた様な表情の有香。
「どう?美味しいでしょ?」
「なんか…苦いです」
初めて体験する苦味に有香が顔を顰めた。
「有香にはまだ酒の旨さは解かんねぇって」
「あら、残念…良い飲み仲間が出来ると思ったのに…」
「俺だけで十分じゃねぇ?」
285ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 04:02:00 ID:NMixMHkG
「人は多い方が楽しいじゃない」
そう言いながら自分のコップにもビールを注ぐ麻子。
「明日は休日!さぁ、今夜は朝まで飲もうぜぇー!!」
麻子がおどけた口調で叫ぶと、コップの中身を一気に飲み干した。
こいつ、酒の事になると…豪快になるんだよな。

・・
俺は暑さの余り目を覚ました。
酔い潰れてコタツで一眠りしていた様だ。
瞼を開けると、視界が虚ろだった。
かなり飲んだからな…顔も体もまだ熱い。
そのせいか、腰元まで被っていた筈のコタツ布団がない。
寝ている内に無意識にコタツから抜け出していたらしい。
ふと、視線を壁の時計にやると時間はもう午前3時だった。
けっこう寝たかな…
「んー、秀ぅ…」
「うわっ!」
声に反応して慌てて横を見ると、麻子が俺のすぐ横で寝転んでいた。
「起きてたのか…」
「あはは、起きてまーす」
「…」
麻子が赤い顔で笑った。
こいつ、大酒のみのくせに俺より酒に弱い。
まだ酔っているらしい…口調が妙におどけている。
相当酒臭い…いや、俺もか。
「有香は?」
「有香ちゃんもコタツでオネンネ中でーす」
再びケラケラと笑った。
「…お前、まだ酔ってるだろ?」
「酔ってないよぉ、ぜーんぜん。んふふー」
286ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/17(金) 04:03:01 ID:NMixMHkG
「…」
ダメだ、こいつ。
これ以上相手にしても仕方ない。
「ねぇ、秀ぅ…」
「ん?…な、なんだよ」
妙な手付きで俺の胸板を撫でる麻子。
「…エッチしようよぉ」
麻子が赤い顔で満面の笑みを作った。
「…お前なぁ…」
「最近お酒の相手しかしてくれないじゃーん。欲求不満でーす」
「…有香がいるだろが、起きるぞ」
「だいじょーぶ。お酒が入って寝てますからぁ」
「はっ?」
「秀が寝てる間に飲ませましたぁ」
こいつ、何してくれてんだ。
俺が慌てて上半身を起こすと、コタツの反対側で有香が安堵の寝顔を浮かべていた。
やはり…有香の顔が真っ赤だ。
しまった…先に寝るべきじゃなかった。
有香のあの性格だ。
麻子に勧められればいくらでも飲んでしまうだろう。
「何してんだよ、お前」
俺が不機嫌な顔で言うと、麻子がそれを気にもせず俺の頬を指で撫でた。
「んふふ、二人の愛の時間を作るのためだもん」
麻子も上半身を起こして俺に寄り添う。
「お前なぁ…ちょ、ちょっと…おい」
気が付いた時には麻子の腕が俺の首に回っていた。

(続)
287名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 00:30:43 ID:AL2U5w4K
いやマジホント関係ない長文とか氏ねよ
288名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 00:46:42 ID:rfICS4R+
長文読むの面倒臭いだけだろ?
289名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:25:27 ID:6NlW8X9j
GJ!!
続き、期待してますよ
290名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 00:43:55 ID:+tLJRurE
>>287
興味なきゃ放置しようぜ
本スレあるんだし
291ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/20(月) 01:09:13 ID:pVSzMeJ6
目を覚ましても、有香はすぐに寝たフリをした。
元々眠りが浅い方ではないのだが、今日は酒を飲まされたにも関わらず、寝付けなかった。
たぶん…兄の事を気にしていたからだろう。
慣れないお酒を飲んだせいか、頭痛が酷い。
そのままコタツに居たのは別に頭痛が理由じゃない。
まだ意識もハッキリしないそんな有香に更に追い討ちが掛かる。
トイレに行こうとコタツの布団を抜け出そうとした瞬間、体が凍り付いた。
突然聞こえた女性の嬌声。
有香じゃない。
妹以外の別の女の人。
最初は何が起こっているのか解からなかった。
しかし、この部屋にいる人間を頭に思い浮かべると、それはどうしても現実味を帯びて来る。
何か大切な物を失ったかの様な衝撃。
余りのショックに一瞬、目の前が真っ白になったが…有香はすぐに正気を取り戻した。
しかし、せっかく取り戻したその平常心もどんどん侵食されていく。
嫉妬と言う感情に。
破裂する様な先程の驚愕とは違う…それはゆっくりと膨らむ感情。
燃え上がる醜い嫉妬の炎。

・・
妹はかつて兄と関係を持っていた。
互いに好く関係だったが、それは成就しないと運命付けられた関係。
二人の距離が限りなく近づこうとも、それは漸近線の様に決して接しはしない。
有香自身もそれは解かっていた。
だが、例えそうであっても兄と居たい。
一分でも一秒でも長く夢を見ていたかった。
そして、それは兄と離れ離れになり…あっさりと壊れた。
実際に離れ離れになって初めて、有香はこれが自分には耐え難い物だと実感した。
のし掛かる孤独感、際限無く溢れる躰の欲求。
秀を見送った駅のトイレで、彼女は生まれて初めてオナニーをした。
292ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/20(月) 01:09:46 ID:pVSzMeJ6
味気もない、ホンの数分で終わった自慰行為。
いくら性欲が満たされようとも、心の空洞は満たされない。
いくら兄を想いながら秘所を弄ろうとも、砕けた心が満足する事はなかった。
…ある日、ひょんな事から家族団欒の話題が兄の話になった。
有香が高校三年生となり、本格的に進路を決めなければいけない時期。
それにも関わらず、勉強にはあまり身が入らず、その事で両親からも背中を突付かれていた。
そんな辛い時期に思い出したのは兄の事だった。
東京で絵の勉強をする兄。
気を使っているからだろうか…
兄から家族に電話やメールが来る事があっても、有香個人に直接来る事は一度もなかった。
兄がどんな風に変わり、どんな生活を送っているのか。
それを考えるだけでも切ない気持ちになる。
そして、有香はその団欒の場で両親にある事を話した。
両親は戸惑い、返答を濁す。
しかし、両親から一言だけ返答を受け取る。
『兄に直接頼みなさい』と。

・・
その事を言おうと…出来るならなるべく早く。
その機会をずっと伺っていたが、寸前になって臆してしまう。
気弱な自分の性格を有香が腹立たしく思っていた。
『でも、まだ四日もある。ゆっくり機会を待とう』。
そう思っていた矢先、妹は『兄が変わってしまったのだ』と…そう悟った。
「あん!」
麻子の声に有香も思わず背中がビクリッと震えた。
何故だろうか…頭痛が更に激しくなる。
思わずコタツ布団を握り込む有香。
布団の端の生地を握った拳が小刻みに震える。
「もぅ秀。イジワルし過ぎぃ」
そんな甘い声が聞こえると有香の脳が沸騰しそうになる。
293ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/20(月) 01:10:18 ID:pVSzMeJ6
羞恥ではない。
純粋な怒り。
「やめてよ…」
小さく呟くも二人に届きはしない。
小さなコタツ一つに遮られてしまう。
「ふふ、でも…そんな秀が好きぃ〜」
(何も…何も知らないくせに…)
有香の体が芯から火照り始める。
(…麻子さんが…兄さんの何を知ってるのよ?)
口に出そうな寸前でそれを堪え、心の中で有香が言った。
(私なんか小さい頃から一緒だったんだから!!ずっと小さい頃から…好きだったんだから…)
溜まっていた何かを頭の中で吐き出した。
「お前ここ好きなんだろ?」
兄が悠長な口調で言う。
おそらく、麻子の性感帯か何かに触れているのだろう。
そう理解すると、有香の体が固くなった。
「あぁ、そこダメよぉ!」
「し、静かにしろよ…有香起きるだろ」
(…起きてるよ…兄さんの馬鹿)
有香が頭の中で罵倒した。
秀が慌てるが、酒の入った陽気な麻子は反省の色を見せない。
「何よぉ、有香有香ってさぁ…それなら有香ちゃんも入れて3Pでもする?」
「…!!?」
まるで体に電気が流れるかの様に有香の体が震えた。
麻子に自らの心の中を見透かされたかの様な…驚き。
大きく脈打つ心臓の鼓動が自らの耳奥で響く。
(…あっ…)
有香の秘所が濡れていた。
まだ何もしていないのに筈なのに。
「…冗談だろ?兄妹だぜ?」
294ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/20(月) 01:11:12 ID:pVSzMeJ6
兄がそう言うのが聞こえ、有香が悔しさで震えた。
『散々…苛めたクセに』。
そんな兄に対する文句がまた有香の頭に浮かぶ。
「あっ…」
有香の小さな声がコタツ布団の中で漏れた。
自分でも気づかぬ内に欲情していたのだろうか。
悔しさを抑えるだけでもう手一杯の筈なのに。
震える自らの指先が服の裾から潜り込んでいた。
滑らかなは腹部の皮膚を擦りながら、ゆっくりとゆっくりと昇って行く。
人差し指をブラジャーと皮膚の間にねじ込み、目一杯伸ばす。
すると、いとも簡単に突起に届いた。
(あ…ん…)
敏感な膨らみの先端は既に尖っていた。
おまけに微かに指が乳首に触れただけでも、心がときめくかの様な感覚に陥る。
おそらく、愛しい兄の側で自慰をしているせいだろう。
兄と離れた後にするオナニーなど…回数を重ねても、時間を掛けても虚しいだけだった。
それがどうだろう…兄は自分とは別の女を抱いていると言うのに。
兄が自分が起きているとすら思っていないのに。
愛する兄の側ならこれほどにまで体が敏感になる。
「う…」
漏れそうになる声を必死に殺しながら、指で膨れたそこを撫でる。
ピリピリと先端から甘い刺激が乳房全体に広がる。
「く、ぅ…」
ゆっくりと指の腹で乳首を上下に弾くと、また甘い吐息が漏れる。
本当なら…もっとしたい。
今からトイレに駆け込んででも。
でも、動けないのだ。
二人が行為の最中だから…それを盗み聞きしていたと思われるのが恥ずかしく、屈辱だったから。
「あ、はぁん…ち、乳首…もっとぉ」
かなり色を帯びた麻子の声が聞こえた。
295ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/20(月) 01:12:04 ID:pVSzMeJ6
兄は…今彼女に何をしているのだろう。
見てみたくても、振り返る事はおろか動く事さえ出来ない。
『一体どんな事を?』『自分もして欲しい』と、そんな事を願いながら有香は先端を擦る速度を速める。
(…して…よ…)
膨れた乳首を指が挟む。
(私も…麻子さんばっかり…ズルイ…)
突起を挟んだ指が交互に動いた。
乳首の根元が捻じれる度に、程良い痺れが乳房全体に広がる。
今度は爪先で突起を嬲ってみた。
乳首の頂点を小さく掻き、二枚の爪を使って根元から挟む。
三年も前の記憶を…あの兄の手付きを自分の指で再現してみたのだ。
そうすれば、兄に弄られている様に思えるから。
(に、いさんの指が…私のを触ってくれてる…)
自分に催眠を掛ける様に有香が心の中で甘い声を漏らす。
自己満足に過ぎないが…それでも有香自身は少しでも満たされる。
突起の根元を挟んだ二つの爪先。
それを小刻みに揺らすと、痛覚にも似た快感が走った。
「ふ、う…はぁ…」
有香が思わず布団を顔から被る。
そうすれば抑え切れない声が漏れ難くなるから。
耐え切れず、もう片方の人差し指で反対の乳首に触れた。
兄の事を頭に思い浮かべながら、兄の手付きを真似ながら、左右同時に嬲る。
(に、兄さん…もっと私の事…い、じめて…)
頭の中で兄を呼ぶ。
すると、そんな自分自身が恥ずかしくなり、更に興奮した。
体が熱湯に使っているかの様に熱い。
骨の髄まで融けてしまいそうな、そんな感覚だった。
「は、あ…!!」
左右の指が同時に突起を捻ると同時に絶頂した。
華奢な体がコタツ布団の中で硬直する。
296ねおん ◆lLNihyNahM :2006/03/20(月) 01:12:47 ID:RzFyI84h
強張った背筋が融ける金属の様にゆっくりと解ける。
愛する兄の側でオーガズムに達した。
小さな絶頂だったが…妹は満足していた。
(…兄さん…兄さん…)
ふと、有香の目元から一滴涙が零れた。
一時的に得られた悦びからか、あるいは兄に対する哀しみからか。
(ごめんね…やっぱり…兄さんの事諦められない…)
再び、小さな拳が布団の端を握った。

(続)
297名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 13:09:41 ID:cGVuA87g
保守
298名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 18:32:55 ID:LKSgvgxs
ほしゅ
299名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 18:24:31 ID:NyfP4qXw
未だ嘗てこんな素晴らしい官能小説があったろうか...
初カキコですが、続投キボン!
300名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 17:53:38 ID:P/lDtdlG
ねおんタン、続き激しく希望!!!

この兄弟のつづき、本当によみたいよーーーー!
301名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 23:39:51 ID:D5py4qcX
ネ申と呼ばせて下さい!
302名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 09:14:40 ID:R/WjdHdz
sage
303名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 21:32:36 ID:QcrASDc4
ほしゅしゅ。
ねおんタン、たのむからかむばっく!
304女子高生:2006/05/22(月) 00:18:55 ID:e5SZRAuI
ネオソさんすてきすぎ 女子高生の私も読みながらしちゃったw
305名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 17:46:08 ID:WkReIzDC
はじめましてねおんさん。どうか続投してください。お願いします
306名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 17:11:29 ID:kAFW4BL2
保守
307名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 00:02:55 ID:74arT+Cl
ねおん(笑)
308名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 21:19:00 ID:Pwnmq4iR
捕手
309名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 11:05:30 ID:eSoKbor0
↑↑↑
310名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 08:00:41 ID:PSd8dAG3
待ちくたびれた
311名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 18:06:14 ID:nBF3OZS/
ほしゅ
312名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 17:14:53 ID:2xaaqvdO
あげ
313名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:17:47 ID:nG58OT8X
ほしゅ あげ
314名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 21:28:17 ID:D3RFs0yw
あげ
315名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 16:13:31 ID:PgHspc+q
あげ
316名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 13:50:47 ID:JDQzqtQl
ほしゅ
317名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 00:25:05 ID:0BzaDv86
捕手
318名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 09:59:23 ID:LgRaPFI3
続きまだー?
319名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 10:45:32 ID:bvPJ3eH5
帆主
320名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 01:52:23 ID:Z2/AnGPb
すみません失礼します…
>>49-
321名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 02:11:58 ID:Z2/AnGPb
>>92-
322名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 02:36:35 ID:Z2/AnGPb
323名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 11:32:35 ID:Z2/AnGPb
324名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 03:27:29 ID:BVNk3eJF
ねーーおーーん
325名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 17:16:47 ID:8lL05sB6
展開予想
@布団からでてくる→3P
A麻子が帰ってから
Bいつの間にか寝てしまい、・・・
326スケラレ1−1:2006/11/17(金) 18:23:45 ID:IqqxQ9tT
住む家も通う学校も変わって心機一転。
この町で、きっと新たな出会いや事件があるのだろうなと期待半分心配半分だった
訳ですが、転校一日目から僕はどうやら大変な状況下に置かれているらしいです。
その事に気付いたのが担任の教師に呼ばれて教室に入り、新たな級友となる生徒達を
見渡しながらすわ自己紹介だ、と息を吸った次の瞬間です。

女子生徒の一人が全裸でした。

「沖ノ鳥島から来まごふぁっっ!?」
テキトーで簡単な自己紹介でお茶を濁そうとして、一息目で噴出す事になりました。
クラス内が爆笑あるいは失笑する中で、その子は他の生徒達とは違う種類の微笑みを
こちらに投げかけてくれます。
ああ、いい人なのだなと思います。
そして何故素っ裸なのだろうかとも思います。
「じゃあ、とりあえず空いている席に座ってくれ。高木加奈、ちょっと立ってくれるか? 
――あのハダ……いや、あの美少女の隣だ」
「な、なんですか先生。なんですかその紹介は」
全裸少女は加奈ちゃんと言うらしいです。
立ち上がった彼女が、恥ずかしそうに担任に文句を言います。
もっと恥ずかしがるべき事があるような気がするのですが。
あと先生、今何を言いかけましたか。
やはり僕だけに見える幻覚ではないのですか。
「彼女はこのクラスの委員長だ。解らない事があったら聞くように」
指示され、フラフラとなんかの中毒患者のように席に向かう僕の背中に、
教師の声が届きます。
327スケラレ1−2:2006/11/17(金) 18:26:50 ID:IqqxQ9tT
「高木加奈です。よろしくね」
加奈ちゃんは微笑んで、仰々しく頭を下げてきます。
露出している大きめな乳房と、その先端が一緒に下へ上へと揺れます。
と言うかすいません。そこしか見てませんでした。
歳相応と思われる(同世代の生乳など拝んだ事は有りませんでしたので、比較対象は
曖昧ですが)豊かな曲線を描いた二つの丘と、十円玉で隠せそうな程の乳輪、その中心に
は桜色の乳首がふるふると震えている訳ですよ。
同級生のおっぱいですよ。
目の前でふるふるですよ!
見ない訳には行かないだろうが!
もうですます口調で風景描写してる場合じゃ無ぇだろうッ!!
「どうしました?」
「あ……いや、別に。あはははは」
不思議そうに尋ねてくる加奈ちゃんの声に我に返りました。
解らない事があったら聞くように、ですか。
ぜひ聞きたい事がついたった今発生した訳なのですが。
これは『本人』に聞いても良い事なのでしょうか?


授業が始まりました。
授業なんか身が入るわきゃありません。
スキを窺っては、右隣の加奈ちゃんを観察する訳ですよ。
「……」
熱心にノートをとっている彼女はやはり、どう見ても、どう考えても。
全裸です。
マッパダカです。
そのけしからん乳房は、机の上に乗っている彼女の左腕によって微妙に僕の視界からは
隔てられている訳ですが、何かの折に、ちらちら見える訳で、正直たまりません。
専門用語で言う所のヨコチチな訳です。
328スケラレ1−3:2006/11/17(金) 18:30:08 ID:IqqxQ9tT
フクヨカな曲線が見え、そして腕が筆箱に伸びるとき。ノートのページをめくる時。
先端がっ!
さくらんぼがッッ!
チェリーッ!
ストロゥベリィーッ!
……ごめんもうはやくも僕だいぶおかしいみたいです。
色んな意味でいっぱいいっぱいなので、少し冷静になろうと、彼女の横顔に視線を
向ける事にしました。
教室の壇上で見かけてからこっち、ずっとおっぱい一直線だった為、彼女の顔をじっくり
見ていない事に遅まきながら気が付いた訳ですね。
目鼻立ちには特に目立った所の無い女の子。
教師の言う通りに美少女ですが、美人にありがちな近寄り難い雰囲気も無く、可愛いと
呼ぶ程に童顔味も薄く。全体的に屈託無く親近感を持ち易げな雰囲気。
どこか何が得意なのか外見からは想像出来ない子です。
学業優秀そうにも見えますし、アレを揺らしながら運動場のトラックを疾走する姿も
似合いそうだし、教室で静かに読書をしている姿も絵になりそうです。
要するに「無属性」なのだろうと。委員長、てのは多分に後付け的な意味合いが多そうですから。
例外的に黒髪のすらりとしたロングヘアーは、むしろ今では珍しい個性と言えるかもしれませんが。
「ヘイ、マインファーター。助かったぜ。最悪の事態は免れた」
僕の下半身の辺りから声が聞こえます(イメージ)。
「今までの航海でこれだけのダメージはかつてなかった……だが、まだ航行に支障は無い。
エンジンも、おかげで大分安定してきた」
「大丈夫か。無理はするんじゃない」
最愛の息子に呼びかける僕(イメージ)。
「なあに……こんなところで臨界突破させるわけにゃあ行かないさ」
脂汗を流しながら、彦左衛門(マイサンズネーム)はニヤリと笑いかけてきます。
幾多の死線を乗り越えて来た戦人(いくさにん)だけが持つしぶとさと力強さを感じさせる、
気持ちの良いからっとした笑顔でした。
「こんな所じゃ死ねねぇさ……俺、この航海が終わったら、故郷で待ってるあいつに」
縁起の悪い事を口走り始めた架空の息子との対話を打ち切り、なぜ隣のあの娘が
マッパなのか考える事にします。
329スケラレ1−4:2006/11/17(金) 18:32:06 ID:IqqxQ9tT
危うく横を向きかけ、理性を総動員して前を向き続けます。
これ以上の視認が危険極まりない事は明白です。エンジン臨界です。
……クールだ。クールになれ山崎。お前は強い子だ。やれば出来る子だ!
心の中で、自分に呼びかけ続けます。
あ。こんな時にこのタイミングでなんですが。僕は山崎裕介と言います。
今後ともよろしくおねがいします。
あー、だいぶ落ち着いてきました。
改めて、彼女がスッパでいる理由を色々推察してみましょう。

@罰ゲーム
A裸族
B山崎裕介は引越しによるリフレッシュ効果で透視能力に目覚めたのだった!
C新素材・童貞には見えないナイロン100%
D沖ノ鳥島にはまだ情報が伝わっていない新たな服飾文化『ゼンラー』
E停滞しているスレを見て博士が「もういい! 私が自ら書く!」
Fこのノートに名前を書かれた人間は全裸になる。

なんか推察と言うよりか妄想小説のネタ帳みたいになってきました。
Gは……と考える僕の脳裏に、何かが流れ込んできます。
それは――知識でした。

「彼女」を視覚した男性達が等しく得る、『スケラレ』の知識――。

なぜかバックミュージックにゲームボーイの名作「saga2」のオープニングが流れ始めました。
330スケラレ1−5:2006/11/17(金) 18:34:32 ID:IqqxQ9tT
     ……スケラレ……
  みにつけた あらゆる いふくが
だんせいには しにんされない じょせい
 それは すばらしいせかいの シンボル
スケラレをめぐって おおくのものがけんきゅうし
  あるものは ねんじるだけで さわられ
  また あるものは イかされていった

  そしていま あらたな スケラレの
ものがたりが はじまろうとしている…………



意味が解りづらいですが(特に最後二行何言ってんだ?)そう言う事らしいです。
スケラレ、と言う症状を持った女性が世界には居ると。
彼女達の衣服は常時スケスケの状態になってしまって、しかも本人および一般女性達は
その事に気付く事は出来ない、と。
男性はスケラレの症状を持った女性に出会った時に「スケラレ」の概念および情報を得る事が
出来ると(どこから得るんでしょう?)。

「……?」
あんまりと言えばあんまりな事実に呆然としていると、こつんと頭に何か軽いものが
ぶつかってきました。
バウンドして僕の机の上に転がったのは、丸めた紙くず。
どうやら手紙のようです。
生徒の誰かが僕に向かって放ったもののようですね。
331スケラレ1−6:2006/11/17(金) 18:37:16 ID:IqqxQ9tT
何についての事なのか、半ば以上に想像出来ますが、とりあえず開いてみました。
『彼女は入学当初は電車で通学していたが、耐えられなくなり自転車通学に切り替えた』
……えーと?
『セクハラは程ほどにしてくれたまえ』
学生のくせに、くれたまえ、なんて結び方する奴いるんだ!?
いや、そうじゃなくて。
なんでしょう、この二行ばっかしの手紙の意味は。
彼女、ってのが加奈ちゃんの事だとは何となく解るけれども、他はほとんど意味不明です。
電車通学の何に耐えられなくなったんでしょう?
セクハラは程ほどに、ってあなた。言ってみれば彼女の事を見るだけでセクハラじゃないですか?
だいたい、素っ裸を見られてる自覚が彼女に無いんだったら、セクハラもなにもないでしょうに。
無自覚に晒しているあの乳を、例えば後ろから鷲掴みしちゃったりするならともかく――。

「ひぁんっ…!?」

……なんでしょうか。今の甘い声は。
機関室の彦左衛門が何やら悲鳴めいた警告をしてくるのを無視して右隣を見ると、加奈ちゃんは
両手で自らを抱く様な格好で、両胸を隠していました。
ゆっくりと頬が、と言うか全裸の体中、うっすらと桃色がかってきます。
不安そうに左右をきょろきょろ見回して――あ。目が合った。
「ぐむっ」
思わず喉が変な音を立てました。
ハダカを見ている事を気付かれたのかと、一瞬思った訳ですが。
「……えーと、ごめんなさい……気のせいみたいです」
そっと両腕を体から離して、済まなさそうに頭を下げて来ました。乳首見えました。
「ごめんね。勉強の邪魔しちゃって」
そう言って、黒板の方に向き直る加奈ちゃん。
……うん。バレた訳じゃなさそうだ。
それに、得た「知識」によれば、スケラレが裸を見られている事に気付く事は絶対に出来ません。
わざと教えようとする事も出来ないようです。
332スケラレ1−7:2006/11/17(金) 18:39:32 ID:IqqxQ9tT
魚が陸に上がれないように、猫が空を飛べないように、世の男性達はスケラレの概念を
スケラレ当人(あと女性全般にも)に伝える事は出来ないのです。
今、少なくとも僕が言える事は――。
おっきしました。
えーと、何を考えていたんでしたっけ?
確か、加奈ちゃんのおっぱいを両手で、包み込む様に揉みしだいて――。

「……っ」

びくん、と右隣の加奈ちゃんが肩を震わせるのが、気配で解りました。
そして、僕の両手には何故か――ナニカキモチノイイモノの感触がある訳で。
……念の為に言っときますと。揉んでませんよ? 妄想しただけです。
っつか、お互い真正面の黒板を向いている訳ですから、僕の手が触手か何かじゃ無いと
物理的に不可能です。そんな事。
……触手か。それもアリだな……。
いやもとい。
さっきのモノローグは何て言ってたっけ?

  あるものは ねんじるだけで さわられ
  また あるものは イかされていった

生徒の誰かが投げてよこした手紙には、何て書いてあったでしょうか。
『セクハラは程ほどにしてくれたまえ』
……つまり、これは、……そういう事と解釈してよろしくて?
(期待と妄想で語調がやや乱れております。ご了承下さい)

僕は、両手を目の前の虚空に向けて差し出して。
そして、妄想で投影した加奈ちゃんのおっぱいを、
にぎり
田舎の乳牛の乳搾りの要領で、握り締めたりしてみました。
333スケラレ1−8:2006/11/17(金) 18:42:07 ID:IqqxQ9tT
「ふぁ……あっ…!」
ぴくん! と右隣の加奈ちゃんが、甘い声を漏らして背中を仰け反らせます。
熱いお湯の中に放り投げられた新鮮な海老を連想させました。
これは!
良い!
凄く良い!
良く出来ました!
イメージの中の加奈ちゃんに後ろから抱きつき、後ろから抱きつき、胸を胸胸胸ををを
後ろかららら後ろからソフフトにににい揉揉み揉み。
(語り手の表現力が低下しております。擬音とセリフでお楽しみください)
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ。
「ひゃぁ……っ……あっ……なんで…っつ……ぁっ……やっ…!」
「ファーター! ファーター! 落ち着いてくれ! こっちももう限界なんだ!」
必死に押し殺して喘ぎ声をあげる加奈ちゃんの声に混じって、野太い機関長の悲鳴が
こだまします(イメージです)。
無視する事にしました。
むにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむに
むにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむに
むにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむにむに
むにむに。
「……な……んで…っ? ずっと……あっ…無か……たのに……ひぁっ…!」
僕が横目でずっと観察している事に気付かず、もう声を押し殺しきる事も出来ず、
加奈ちゃんは喘ぎ喘ぎ何事かを呟きます。
自分の異変を、どうにか他の生徒に気付かれない様にする事で手一杯のようです。
時々、いやいやをするように小刻みに体を左右に振りますが、これは背後に居る「らしい」
何かを必死に振りほどこうとしているようですね。
もっとも、後ろには誰もいない事を、彼女は気配と経験とで感じ取っている様でもありますが。
334スケラレ1−9:2006/11/17(金) 18:45:36 ID:IqqxQ9tT
ぐにぐにと、自分の掌の中で形を歪ませる加奈ちゃんの乳房の感触を十二分に満喫しながら、
ああ、考えればこれが人生の初乳。初おっぱいですなあ、と思い至ります。
初生乳ですがある意味バーチャルです。
何となく情けない気もしてきましたが。
「はぁ……ッあっ…! あぁ……っっっ…」
横目で見ると、加奈ちゃんは先ほどと同じ格好。
両手で乳房を抱くように守って、目はぎゅっと閉じ、文字通り未知の攻撃に耐え忍んでいるようです。
腕でのガードはバーチャル愛撫(命名・山崎裕介)の前では全く無意味なんですけどね。
そのガードの緩みから、乳首が顔をのぞかせていますが、さっきまで可愛らしい桜色だった先端は
充血して赤みを増し、更には外気に向かって大きく成長し、ぷるぷると何かを待ち望むかのように
震えています。
これに触れるとどうなってしまうのでしょうか。
いや、先ほどからおっぱい全体を揉み、絞り、あるいは手が触れるか触れないかの状態で
上下に行ったり来たりしてる訳で。
掌にもそれらしき感触を何度か感じた事もあり、その度に加奈ちゃんの反応が激しく艶やかに
なっていったりしている事は解っていた訳ですが。
これ単体を責め始めたら、彼女はいったいぜんたいどうなっちゃうのか。
例えば……そうですね、人差し指の腹でそっと押したり、摘んだり、あと、えー
……吸っちゃったりするとか?
これだけやって何ですが、初対面の女の子にあんまり酷い事は……。
「……あっ…! あっ…だめ…だめ……ひゃっ…!?」
あ。考えただけで発動でしたっけ?
「んぁっ…!! ふぁ、ぁぁ…………あぁっ…!」
乳首を腹で擦られ、摘まれ、吸われるままでいる事しか出来ない(イメージで)加奈ちゃん。
見えざる手に嬲られていく事に、抵抗の術は全く無い訳でして。
……。
…………。
……ごめん加奈ちゃん。
と言うか。
……えーと、マジごめんなさい。悶える加奈ちゃんを見ていたら。
色々な枷が吹っ飛びました。
335スケラレ1−10:2006/11/17(金) 18:47:57 ID:IqqxQ9tT
本能のままに爪で弾き、吸い、甘噛みし、人差し指と中指の間に挟みながら揉みしだいたり
……要するに、童貞ブレインの思いつくままに加奈ちゃんの乳首を蹂躙していきます。
「やだ……やだよぅ…やっ……あっ…ひぁっっ! あ……ああああ」
ぎゅっ、と。
自らの胸を――そして、同時に爪で弾かれ甘噛みされ挟み揉まれたりした乳首を――
抱きしめるように押えながら、加奈ちゃんが、
「あ……ひゃ…いやぁ……あああ…ひぁぁ……ああああっっ!!」
一際高い声を上げ。
「……ニーナ……すまない……お前の誕生日に……会えなくなりそうだぜ……」
爆発炎上する機関室の中、彦左衛門が一際渋い声で呟きました。
あ……無我夢中でかぶり付き過ぎ…た…あ……うあっ……。
…………………………。
……………………。


で、すごい自己嫌悪が襲いかかってきた訳ですが。



「原因不明の病気なんです」
保健室で、加奈ちゃんはしみじみと呟きました。
気分が悪いと言う事で保健室に去った加奈ちゃんを、一時間目の授業以降悟りの境地に至った
――理由は極秘――僕がお見舞いに行った図であります。
ちなみに授業の終わり頃に届いた、
『ちょっと体育館の裏まで来たまえ』
と言う一行だけの手紙はブッチしております。恐いしね。
「普段は普通に生活出来るんですが、突然……えと、急に気分が悪くなる事があって」
そう言って、しゅん、とうなだれます。
「気分が悪くなる? クックック、逆じゃあ無いのかい加奈ちゃんよお?」
……いや、言わないですよ? そんな事。
336スケラレ1−11:2006/11/17(金) 18:50:14 ID:IqqxQ9tT
物理法則的に言えないみたいだしね。
「すいません。会って間も無いのに、ご心配をおかけしまして」
申し訳無さそうに頭を下げてくる加奈ちゃん。
こちらこそ申し訳ありません。マジで。
ちなみにどういう訳か、加奈ちゃんは現在ハダカではありません。
もとい、ハダカに見えません。
首元に止まった赤いリボンが可愛らしい、学校指定のブレザーであります。
恐らくは悟りを開いた段階で服もちゃんと見える様になるらしいです。
「いやいや。これから色々お世話になる訳だし。困った時はお互い様、で行こうよ」
爽やかな笑顔で、僕は加奈ちゃんにそう言いました。
歯もなんとなく光らせてみたりします(任意です)。
色々お世話にて、何のお世話になる気なんでしょうか僕は。
「……ありがとう、ございます」
そう言って、加奈ちゃんも微笑み返す。天使の笑みでした。
そうだ。
セクハラは良くない。
今日限りにしよう。
息子を失い悟りを開いた僕は、そんな決意を簡単に固めてしまえるのでした。
それにまあ、性欲云々は無関係に、この子とは友達になりたいと思うのです。素直に。
「あれだけやっといて何言ってんだ」とか言うの禁止。

「それにしても、最近は症状も治まったんですけど」
まだ若干顔を紅潮させたまま、加奈ちゃんは呟きます。
「症状が出る期間が延びてるんなら、きっと、病気が治りかけてるんじゃないかな?」
適当な相槌をうったりします。
「そうですね。……確かに、入学した頃は……乗った電車で気分が悪くなって……その、
車掌さんが助けてくれるまで山手線をぐるぐる回り続けた時もありましたし……」
ああ、最初の手紙にあった『電車通学を耐え切れなくなった』って話ですね。

考えてみれば、彼女に電車通学は酷過ぎるでしょう。
居合わせた男性客は皆加奈ちゃんの裸を見放題。
そして触り放題。
337スケラレ1−12:2006/11/17(金) 18:52:11 ID:IqqxQ9tT
吊革に捕まる裸の女の子を前から後ろから。
摘んだり揉んだり吸ったり。
快楽に耐え切れなくなり、座席に倒れた彼女の乳首を舐り、嬲り、ツン、と突起したそれを
視姦し、ぐったりした裸体を写メに保存し(写真等も全裸となります)……。
童貞たる僕はこれ以上出来ませんが(ここまではやるんかい)、恐らく他の乗客達は。
とても十八禁的な事が(あくまでもイメージで)繰り広げられ。
……加奈ちゃんからしたら、毎日毎日登下校で無自覚にレイプされてるようなもので。
……時間無制限・嬲られ放題イかされ放題な訳で。…………。
おっきしました。

「生きていたのか! 彦左衛門!」
「……へへ……ファーター、忘れたのか……一握りの灰があれば俺は日に三度まで
蘇るんだぜ!」
「彦左衛門!」
「ファーター!」
親子感動の再開を(脳内で)しめやかに行いながらふと加奈ちゃんを見ると。
「? どうしたの、裕介くん?」
彼女のブレザーが、Yシャツが透けていき。
薄い緑色の下着が見え。
そして。
……って駄目だ。駄目じゃん! 見るな考えるな!
何を考えるなって言うと、例えば加奈ちゃんの乳首を親指と人差し指でこすり合わせる様に
つまみ上げたいとか何か――。
「――ひぁうっ!?」

「ニーナ……伝えそこなったな……俺とお前は……本当は兄妹なんか……じゃ……」

悟りを開きました。

……。
そんな感じの学園生活が、ちょっと始まりました。
<了>
338326:2006/11/17(金) 18:55:19 ID:IqqxQ9tT
主人公達の年齢はみんなの脳内設定に準拠しております。

エロ難しいです。

ごめんなさいごめんなさい。
339名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 21:19:08 ID:D7vUScwO
GJ!
340名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 13:14:12 ID:kfKAz+DZ
久々にみたら・・・

GJアゲ
341名無しさん@ピンキー :2006/11/18(土) 13:40:40 ID:fbPEpIu4
超GJ
342名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 11:49:13 ID:BBXAOoud
超超GJ
343名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 03:28:56 ID:4ZK9jKdV
マジでグッジョブ本当に良くやった
これからも頼むよ神様
344名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 19:00:09 ID:IHJhl7YX
抜けないけどおもしろかった〜
345名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 00:15:09 ID:4F83xspz
保守
346名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 13:07:03 ID:eOB4Wq/u
保守
347名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 17:27:28 ID:Y8oXCoT4
妖しい乳首たちの保存している小説をまとめてサイトを作りたいのですが
協力してくれる人います?
348名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 20:08:59 ID:0vQ1ZUT4
349名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 22:48:01 ID:D7AOvetx
ほしゅ
350名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 18:03:36 ID:v0W/XQPR
351電報堂
宣伝厨です申し訳ありません)

巨乳、ロリ、搾乳、人妻、孕ませのオンパレード
めぐみの裏日記の作者山本五番について
語るスレの普及活動です

スレ名:(どこいった?)山本五番を語るべし

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