レズ物で道具を使うのは邪道だと思わんかね!!その3
期待保守
六月の某日、私立マンコスキー女学院内は、夏の訪れを知らせる花が
美しく咲き乱れ、衣替えを終えた女生徒たちを気恥ずかしそうに飾っては、
彩りを捧げていた。歌にもあるように、花の命は短い。しかし、それ故に美し
く生き、また、散る事を許されている。それはまるで、三年間の高校生活を
過ごす、マンコスキー学院生たちの姿を映しているかのようでもあり、切ない。
学内のスロープを、一年生と思しき初々しい少女の一団が歩いている。その
中心には、学内におけるヒエラルキーの頂点、薔薇の君っぽい人・オブ・
ピンクに選ばれた、一年D組に在籍する鬼龍院綾乃の姿があった。
「鬼龍院さん、そのお帽子、とっても素敵ね」
「ほんとう。品がよろしくてよ」
綾乃を囲む女生徒たちが、ピンクの薔薇の君っぽい人が被っている帽子を
見て、喝采をあげている。すると、綾乃は気分上々といった感じで、
「ありがとう。おばあさまに買っていただいたの。とっても気に入ってるのよ」
そう言って、帽子のつばをひょいと持ち、お愛想交じりに笑って見せた。
綾乃は、名門鬼龍院家の一人娘で、高貴な美しさと繊細さを持つ美少女である。
育ちが良いためか、周りを囲む友人なども家柄の良い者が多く、おおよそ世上
の穢れに触れる事は皆無であった。だが、それは同時に、か弱き心しか持ち得
ない人間を育成してしまうという危惧を伴わせる。
学内のスロープは山の斜面を削って作られていた。その為、山おろしの
風が気まぐれに吹く事が多く、特に、高温多湿なこの時期は、大気が
不安定になりやすい。今も、スロープを滑るようにして、突風が綾乃たちの
間を吹き抜けていこうとしていた。
「あッ・・・風が」
綾乃が小さく悲鳴を上げ、スカートを抑える。風が内股を抜け、スカートの
裾をさらっていく事を防ごうとしたのだ。これは、他の女生徒も同様。しかし、
「ああッ!お帽子が!」
と、女生徒の誰かが叫んだ時、綾乃の帽子は宙を泳ぎ、天使の羽を授けら
れたかのように美しく飛んでいた。そして、純白の帽子は学内にある大きな
桜の木の枝へ、引っかかってしまう。
「ああ!そんな!」
木の枝に引っかかった帽子は、まるで囚われ人のように戒められていた。
祖母から貰った大切な帽子──それが、自分の手に届かない場所へ行って
しまったのを見て、綾乃は涙ぐむ。
「くすん・・・くすん・・・おばあさまから、買って貰ったお帽子が・・・」
帽子は、泣き崩れる綾乃へ意地悪するかのように、微動だにしない。更に
悪いのは、木の向こうに池がある事だった。もし、もう一度突風が吹いて、
帽子が池に落ちれば、悲劇は決定付けられてしまうだろう。
「どうしましょう?」
「先生を呼びましょうか?」
よよ、と泣く綾乃を囲み、取り巻きの女生徒たちが色めきたった。教師を
呼ぼうという意見も出たが、女所帯の学院では引っかかった帽子を取る
為に、木へ登る事が出来る人間などいる筈もない。もはや、帽子は二度と
綾乃の元へ帰る事など無い・・・この場にいる誰もがそう思った瞬間、
「何やってんの?」
と言いつつ、右手に大きな弁当箱を持った美しい少女──当、マンコスキー
女学院で、名誉ある紫の薔薇の君っぽい人に選ばれた、山城エリカが現れた。
「あなた、鬼龍院さんじゃないの。どうしたの?泣いてるけど」
綾乃の事は、エリカも見知っていた。自分と同じく、薔薇の君っぽい人に選ばれ、
ガラスのようなか弱さを持つ少女と認識している。
「お帽子が・・・」
涙を拭いながら、綾乃が木に引っかかった帽子を指差した。そこには、まだ囚わ
れの身となった、少女の頭を彩る装飾品がうなだれている。すると、
「ははあ・・・飛ばされちゃったのか。ちょっと待ってて」
事の次第を理解したエリカが、おもむろにスカートの裾をパンティの中へ入れる
という、珍妙な行動に出た。
綾乃を含む一年生たちが、この紫の薔薇の君っぽい人の動向を、訝しげ
に見ている。そして、エリカが裾を全部パンティの中へ入れ終わると、
「秘技、なんちゃってブルマ」
そう言うや否や、何の躊躇も無く、桜の木へ登っていった。
「きゃあ!」
「あぶない!山城センパイ、およしになって!」
パンティの中へ詰め込まれたスカートは、まるでちょうちんブルマの如く
変貌し、木を登るエリカの足を軽やかにしている。だが、それを見た一年生
は突飛な行動にすっかり驚かされ、目を丸くしてエリカの身を案じた。しかし、
紫の薔薇の人はそれを何ものともせず、
「大丈夫、大丈夫」
そう言って、あっという間に綾乃の帽子を手にする事が出来た。元より、
運動神経抜群のエリカゆえ、木登り如きは朝飯前なのだ。
「あらよっと・・・はい、もう飛ばされちゃ駄目よ」
木の幹を伝って、するすると降りたエリカが帽子を綾乃へ手渡す。泣き崩れた
下級生へ微笑む顔が、まるでガキ大将のようだ。
「あ、ありがとう・・・ございます」
帰ってきた帽子を胸に抱き、綾乃も笑顔でエリカに報いた。祖母から貰った
大切な物を、自分の元へ戻してくれた紫の薔薇を敬い、また愛しむように。
「さて、あたしはドカベンを食すとしますか。こんなに食べちゃうと、ドカッ
と便が出そうな気がするな。だから、ドカベン・・・」
エリカが大きな弁当箱をぽんぽんと叩き、一年生たちに向かってのたまう。
いやしくも、花も恥らう女子高生様がおっしゃられる言葉とは思えないが、
エリカはこれがデフォルト。他の学院生と違い、野良育ちの彼女にしてみれ
ば、無作法こそが普通なのである。そうして、エリカがその場を立ち去ると・・・
「素敵!山城センパイ!まるで、正義の味方よ!」
「ううん、エリカお姉さまよ!お姉さまって呼びましょう!」
華麗なる紫の薔薇の活躍に胸を打たれた一年生たちは、エリカの後姿を見
送りながら、大はしゃぎ。もっとも、エリカ本人はパンティの中へ入れたスカート
を直す事も忘れ、なんちゃってブルマ姿のままずんずんと歩き、それらを知る
由も無い。そして、はしゃぐ一年生たちの中に、一人だけ尋常ならざる視線を
送っている少女がいた。
「お姉さま・・・」
ぽうっと頬を染め、帽子を胸に抱く少女。そう、エリカに難を救われた綾乃が、
誰よりも熱っぽい眼差しで、紫の薔薇の姿を目で追っていたのである。それは、
初心な少女が始めて知る恋だった。しかも、女同士というあまりに深い恋である。
(お姉さま・・・ああ、綾乃はあなた様に恋をいたしてしまいました・・・)
綾乃は心の中で想いを募らせ、愛を紡ぎ始めた。もっとも、下級生の難を救って
やった、綾乃にとっては言わば恩人に当たるエリカにしてみれば、これが災難の
始まりとなるのだが、それはさて置く。
エリカの近辺に異変が起きるようになったのは、それからすぐの事。
「下着が無〜い!」
まず、体育の授業を終える度に、エリカの下着が盗まれた。否、厳密に
言うと、盗難では無い。何故かと言うと、汚れた安物の下着こそ消えは
したが、代わりとばかりに真新しい下着が用意されていたからだ。しかし、
色々恥ずかしい染みなどが付いた肌着を盗まれて、いい気などする訳
が無い。故に、エリカは体育の授業が終わる度に、上記の如く叫ぶ事と
なった。
「ちくしょう、誰の仕業だ!」
元々、同性愛に寛容な校風の学院である。しかも、エリカは紫の薔薇の
人。公然と求愛してくる輩も大勢いて、犯人が誰かも見当がつかない。
仕方が無い──エリカはそう言って、真新しい高級そうな下着を見つつ、
「う〜ん・・・こんな高そうなモン、貰っちゃっていいのかな。まあ、いいや。
取り敢えず着るか」
と、庶民らしくおどおどと下着を身に着けていった。
その頃、綾乃は悦に浸っていた。手には、汚れた安物のパンティを持ち、
股布部分へ鼻をあてがいながら、そこから香る恥臭に酔っている。
「お姉さまのパンティだ・・・えへへ」
可憐な少女は、恋焦がれる想い人の下着を手にした事を喜び、それが
まるで至宝とも言うように、崇めていた。
「ああ、お姉さまの臭いがする・・・」
目を蕩けさせ、綾乃がパンティを啜っている。股布の部分に出来た、恥か
しい女の汚れを口にして、うっとりを頬を緩めているのだ。
「これ・・・たぶん、ウンチの跡だ。お姉さまったら、きちんと拭かなかった
のね、うふふ・・・」
尻の割れ目を覆っていた部分に、黄色い縦筋が染みている事を確かめ、
綾乃は狂気する。それを鼻先まで手繰り、ぷうんと香る汚臭を心行くまで
楽しむと、甘い疼きを下半身に沸き起こさせた。それは、言うまでも無く女
としての喜びである。
「お姉さま・・・綾乃は幸せです・・・ああ・・」
知らず知らずのうちに、自らの女へ指が這う。綾乃は、これまでに自慰など
した事は無く、完全な処女宮を持っていた。だから、過敏な急所を指で弄る
仕草がぎこちない。
「お姉さま・・・ああ、お姉さまッ!」
今、薄暗い女子トイレの個室内に、綾乃は居る。盗みたての下着を味わい、
想い人の笑顔を思い出しながら股間をまさぐり、生まれて初めて味わう自慰
の快楽に包まれているのだ。だが、その想いは募るばかりで、満たされるに
は及ばない。やはり、愛を欲するのである。
「お姉さまに・・・抱かれたい」
はあっとため息をついた後、綾乃は呟いた。すでに心は決めている。エリカに
告白しよう──自慰に狂った少女の目に、確固とした決意が込められていた。
それから数日後、エリカは体育の授業を終え、シャワーを浴びていた。
「ふん、ふ〜ん・・・ああ、気持ちいいねえ」
辺りに級友の姿は無い。級友の大半も同性愛者ゆえ、シャワーを浴びる
時間をずらすのが、彼女の常となっているのだ。隙を見せると、同性から
輪姦される懸念があるので、汗を流すにも一苦労のエリカ。
「シャンプーはどこだっけ」
頭からシャワーの飛まつを浴びているので、エリカは手探りでシャンプー
を取ろうと試みる。すると・・・
「ここですわ、お姉さま」
と、誰かの手がにゅっと伸び、シャンプーをエリカへ手渡した。
「ああ、サンキュー・・・」
麗しい肢体に水をしたたらせ、頭からシャンプーを被るエリカ。今、ここが
自分以外居るはずが無い・・・という事は、すっかり忘却して。
「ひゃー!あわ立ちいいねえ、このシャンプー」
そう言って、ガスガスと頭を洗うエリカの素肌を、背後から誰かが見ていた。
その誰かは、言うまでもなく綾乃である。そして、
「ええ、わたくし専用の、特注ですから」
にっこりと笑い、エリカの背へひたりと抱きついた。
「ギャー!なんだ、なんだ?」
頭から被ったシャンプーが仇となり、エリカに油断が生じた。そこへ、綾乃は
つけこんだのである。用を足す事と同じく無防備な入浴中に、ピンクの薔薇の
君っぽい人は乗じ、想いを遂げようと目論んだのであった。
「お姉さま、好き!」
綾乃がエリカに縋りつき、後ろから乳房を鷲掴む。掴みつつ、柔らかな
膨らみの頂点を指で啄ばみ、力任せに引っ張った。
「いてて!その声は、鬼龍院さん?何するの?放して!」
「イヤ!それと、綾乃って呼んでください!」
シャワー室内で裸の少女が二人、絡み合いを始めた。想いを遂げようと
する美少女綾乃と、抗うノーマルな美少女エリカが、肉弾戦とでもいうべき
争いに突入したのである。
「ち、乳首を引っ張っちゃ駄目!放しなさい!」
「放したら、お姉さまは逃げてしまうでしょう?絶対、放しません!」
身を揺すって抗うエリカの乳首を、綾乃はしかと摘んでいた。そして、肌を
密着させつつ、エリカが願いを受け入れてくれるようにと、乞うた。が、しかし、
「お姉さま、あたしを・・・抱いて!」
「で、出来ないって!女同士なんだから!は、放して!乳首が千切れそう!」
ノーマルのエリカは願いをはねつけるだけで、麗しい下級生の求愛を決して
受け入れようとはしていない。それどころか、摘まれた乳首に込められた力が
強烈で、涙ぐんでいるという有り様だった。おおよそ、麗しい愛を紡ぐ様とは
程遠い。だが、エリカにとっての災難はこれからだった。
「あれ?何をしてるの、エリカ」
シャワー室の入り口が開くと同時に、見慣れた級友が二人顔を出す。それを
見たエリカは、直ちに救いを求めようと、顔をほころばせたのだが・・・
「あ、いい所に・・・ちょっと、この子を何とかして・・・」
自分を抱きすくめている綾乃を指差し、級友に助けを求めるエリカ。
と、そこまではいいのだが、問題は二人の級友の姿である。シャワー
室ゆえ、二人が全裸である事に異論はない。問題は、その二人の
全身に付けられた、キスマークと思しきあざの数々。
「うふふ、エリカもようやく目覚めたらしいわ」
「よかった。これで堂々と誘えるね」
級友二人は手を繋いでいた。繋ぐのは良いとして、危険な感じがする
のは太ももを伝う、粘液の類。そして、口元に付いた恥毛の如きちぢれ
ッ毛・・・
「・・・あ、あなたたち・・・そう言えば・・」
エリカの脳裏に、この級友たちが日頃から人目を憚る事無く抱き合い、
唇を重ね合う姿が沸いてきた。ああ、そうだ、この二人・・・
「レズ・・・キャーッ!」
レズビアンだったよなあ・・・と言い終わる前に、エリカは新たな敵に
襲われていた。しかも、今度は筋金入りの同性愛者二人。
「手と足を押さえて、バンザイをさせるのよ!逃がしちゃ駄目!」
「合点!うふふ、エリカ、この時を待っていたわ!」
級友二人が綾乃を押しのけ、エリカを床へ這わせていく。こうなって
みると、綾乃の方がずっと可愛らしく、穏やかに感じるというもの。
「あ、あのなあ!やめてってばよ!」
シャワー室の端へ追いやられた綾乃が、怯えるように竦んでいる。
そして気が付くと、エリカは二人の級友によって、両手足を戒められ、
大事な所を隠す事さえ出来ないという、哀れな格好となっていた。
続編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
あいかわらず萌えと下品さのコラボレーションwがGJです。
しかも今回は女子校モノの王道ともいえる深窓の令嬢!
まるで某有名姉妹作品のような展開のあと、いきなり
なんちゃってブルマw
それにしても、この女学院の生徒はパンティフェチがデフォでつか?
そんなの最高すぎですw
「紫の薔薇って言われてるのに、全然ピンクじゃないの・・・エリカの
アソコ」
「本当ね。あんまり綺麗だから、思わず食べちゃいそう・・・」
級友二人が、エリカの恥部を指で裂き、形良く色も鮮やかな女肉に感嘆
している。そのうちの一人は中指を立て、女穴の入り口付近をゆっくりと
撫で付けていた。
「いや、ホント・・・勘弁して」
エリカは、級友二人に急所を掻き広げられ、気が気ではない様子。しかも、
処女の秘苑に指まで差し込まれてしまっている。まさに、絶体絶命という
状態だったが、エリカは何とか窮地から脱しようと気勢を上げた。
「お前ら、こんな事して・・・後でひどいぞ!」
まるで、噛みつかんとばかりに吼えるエリカ。しかし、級友たちは少しも怯む
様子は見せず、
「気の強いコね。ますます、気に入ったわ」
「ああ、エリカ。あたしたちを喜ばせちゃって・・・」
などと言い、うっとりと頬を緩める始末。こうなっては、分が悪いのはエリカ。
「ま、まずい・・・犯られる・・・ねえ、鬼龍院さん。誰か助けを呼んできて!」
最早、自力で窮地を脱する事は不可能と悟ったエリカは、部屋の隅にいる
綾乃を促し、助けを乞う。だが、それすらも級友たちの牙にかかっては、何ら
効力を持たない。
「あら、あのコ・・・ピンクの薔薇よ」
「本当だ・・・やだ、こんなチャンス、滅多にないわよ」
レズビアンコンビが、子猫のように竦む綾乃を見て、舌なめずりをする。そして、
「イヤーッ!」
という、綾乃の叫び声がシャワー室内に響いたのであった。
「アッ・・・ウンッ・・ウンッ・・ウウンッ・・」
「アアーン・・・い、いやぁ・・・」
少女二人のうめき声が、シャワー室内の空気を震わせ、淫らなユニゾン
となっていた。ピンク、紫両名の薔薇の君っぽい人たちは共に尻を並べ、
レズビアンコンビの指捌きに悲鳴を上げさせられている。
「シャンプーが、いいローション代わりになってて、いい感じよ」
級友の一人が、エリカの尻を責めていた。中指で女穴を穿ち、親指は肛穴
へねじ込まれ、小指でクリトリスをくすぐっている。まさに、フレミングの左手
の法則になぞらえた絶技と言えよう。
「こっちは堅肉よ。オナニーもした事無いんじゃない?」
次いで、綾乃の女穴をもう一人の級友が愉しんでいた。共に処女ではあるが、
エリカと違い綾乃の女穴は未熟過ぎて、まだまだ堅い。今も、女穴へ中指一本
を差し込まれただけで、悶しきっている。
「お姉さま・・・助けて・・綾乃・・こんなの、いやあ・・」
たまりかねた綾乃が、エリカに救いを求めた。処女宮を無理にこじ開けられる
恐怖が、かつて帽子を取ってくれた勇ましいエリカの姿を思い出させ、自分を
窮地から救ってくれると信じている。しかし・・・
「ご、ごめん・・・あたし、お尻の穴までほじくられちゃってて・・・とても、無理!」
エリカは苦笑いで、綾乃に詫びた。このようになった原因が綾乃にあっても、
敢えてそこを責めない所が優しい。
「睦まじいわね、薔薇のお二人さん。正直、妬けるわ」
エリカの尻を責めていた級友が、ぐっと指に力を込めた。途端、
「キャーッ・・・」
と、紫の薔薇が泣き叫んだ。中指と親指はそれぞれ根元まで埋められ、小指
がクリトリスを押し潰さんばかりに、責めを与えている。
「まったく、案外、薔薇の君同士で普段から乳繰り合ってるんじゃないの?
悔しくてたまらないわ」
今度は、綾乃が責めを受ける。女穴を穿っていた指が増え、中指と人差し指
が束ねられてバイブレーターの役目を果たした。無論、綾乃は悲鳴を上げる。
「イヤーッ!ぬ、抜いてください!」
女穴の中で、中指と人差し指が開いているのを感じ、怯える綾乃。ろくに自慰
もした事がない処女宮が、こんな暴力まがいの愛撫を受けては、それも無理
ない事だった。
「抜いてっていいながら締めてるわよ、このコ。ふふ、才能あるわあ・・・」
指を拒もうとした綾乃の膣口が締まって、逆に暴虐者を喜ばせる。未経験ゆえ
に、必死の抗いが裏目に出てしまったのだ。
「やだ!怖い!抜いてッ!」
尻を振って、指を排出させようとする綾乃の姿を見たエリカは、自分も責められ
ているというのに、
「お願い・・・その子は、帰してやって・・・あたしは・・・どうなってもいいから」
と、気丈にも言い放った。自分を質に、綾乃を解放してやって欲しいと哀願して
いるのだ。だが、級友たちはそんなエリカの切ない願いをせせら笑う。
「バカね、エリカ。その態度が、あたしたちを喜ばせるのよ」
「うふふ・・・健気なエリカって、可愛い。いつもは、ちょっと気が強すぎるもんね」
二人のレズビアンに狂気が宿っていた。健気ゆえ、壊したい。強気を従順に
変えてやりたい──それが、級友たちの願いなのだ。
妖しい指使いで、二つの薔薇を征服したレズビアンコンビは、本格的な
性の饗宴を催す事にした。一人はエリカと、もう一人は綾乃と股間を
せめぎ合わせ、互いの性器を擦り合うのである。要するに貝合わせだ。
「ああ、アソコがクチュクチュいってる・・エリカ、いやらしいわ」
「綾乃ちゃんのココ、お花がとっても小さいのね・・・あたしの好みよ」
レズビアンコンビは、芳醇な二つの薔薇を愛しみ、絶好調であった。本来、
野趣であるエリカと温室の綾乃。それぞれ生まれが異なっても、手活けに
されてしまえば、花瓶を飾る一輪と化す──それは、美しいものの宿命とは
言えないだろうか。
「き、鬼龍院さん・・・大丈夫じゃないとは思うけど、一応聞く・・・大丈夫?」
ズンズンと股間を突かれながらもエリカが問うと、
「え、ええ・・・お姉さま、綾乃は案外平気だったりします・・・」
同じく激しい貝合わせに耐える綾乃が答えた。無理をしてはいるが、エリカ
が思うほどのダメージは無いらしく、取り敢えずは安堵出来る状態のよう。
「お姉さま、手を握って」
「あ、う、うん・・・」
綾乃に乞われるまま、エリカは手を取った。そして、しっかりと握る。
「お姉さまと一緒なら、綾乃・・・怖くない・・・あッ」
そう言って、綾乃がエビ反った。見るからに、絶頂を得ているように腰を浮か
せ、口をぱくぱくと開けては閉め、また開けている。
「あなたもイクのよ、エリカ。ほら、クリちゃんがこんなに膨らんで・・・」
今度はエリカが絶頂を強要され、淫らに責められる番だ。級友の腰使い
が荒れ、クリトリスをやんわりと刺激する指が悩ましくなる。
「ひッ!つ、摘んじゃ、やだあ・・・ああ・・あ・・」
せめて、級友の顔を見て達することは避けたい。その思いで、エリカは綾乃
を見た。見ると、ピンクの薔薇はまさに今、散ったような儚さを見せている。
「あ、綾乃ちゃん・・・」
不意に、エリカの口からピンクの薔薇のファーストネームが出た。知っては
いたが、今までは意識的に苗字で呼んでいた。だが、はずみというか本能の
部分で、綾乃と呼んでしまったのだ。それは、少女の思いを受け止めたに
等しい。
「お、お姉さま・・・綾乃って呼んでくれたんですね・・・嬉しい・・」
ぽろりと随喜の涙を流す綾乃。この瞬間も、少女は女の喜びを感じている。
そして、エリカも遂に絶頂を得た。
「あ、ああッ!あたしも、イクッ!」
この瞬間、二つの薔薇は心を一つとし、存分に昂ぶった。最後に、それぞれ
の薔薇が散らされたこの日、その悲しみに呼応したかのように、マンコスキー
学院内の花が一斉に哭き、散った事を追記しておく。
おしまい。
真面目にやろう→なんちゃってブルマで笑いを→脱線した!→
もう一度真面目に→パンティ好き→再び脱線→シャワーでエッチ→
最後くらいは真面目に・・・
スイマセ〜ン・・・スイマセ〜ン・・・
>>350 ぐっじょぶ!
難をひとつ挙げますと、先にどこか別の文書ファイルにテキストを書いておいて、コピペで
一気に投入したほうがよろしいかと。でないと、
>>344のような早まったフライング住民がレスを
付けてしまって美しい流れに水を差します・・・。
>>351 すいませんすいません。作者の方ともどもすいません。
美しい流れに水を差してしまいました。
このシリーズ大好きなもんで、ついコーフンしてフライングレスしてしまいました。
今後はちゃんと終了を見てから書き込みます。本当にもうしわけありませんでした。
と反省しつつ、やはりこれだけは言っておきたい。
「パンティ最高!!」
>>352 「作者の方ともどもすみません」という言い方は作者の方も謝ってるように見えますが?
まあこまかいことは置いといて、最後の二行余計。謝ってるように見えない。半年ROMってろ。
>>350 すぅー薔薇すぃー!
マンコスキー学院に栄えあれ!
>>351-353 連続投下ゆえに時間を置いていたのではないかと思われ…
そうカリカリせんでも…
同意。そこまで怒らなくてもw
投下間隔のこともあるし、ときどきあることだよ。
せっかく楽しいSSが投下されたんだから、スレをぎすぎすさせないで
楽しい空気で行こうよヽ(´ー`)ノ
マターリほしゅヽ( ̄▽ ̄)ノ
レズ物で菅原道真を使うのは邪道だと思わんかね!!
ごめん。保守だから・・・。
道真…?
天神様…梅干の種プレイか!
…どんなプレイだ(´Д` )
大きな梅干しの種をポロっと口から出す。
実家のおばあちゃんが作った特製の梅干しだから、種だけでも親指大の大きい梅干しだ。
あたしはおもむろに、彼女のアソコに種を埋める。
彼女はあたしの言いなりのまま。
そりゃあね、彼女はまだ女子大生で、遊びたい盛り。
社会人のあたしは彼女といつでも一緒ってわけにはいかない。
それはわかってるわよ。
でも、だからといってあたしの居ない間に他の女の子と遊ぶ……、ううん、ただ飲んで遊ぶだけ
ならともかく、キスマークをつけて帰ってくるっていうのはどうよ。
梅干しのお茶漬けをすすりながら、ムスっと怒っているあたしの前で、彼女は申し訳なさそうに
上目遣いにあたしの様子をみている。
口の中でコロコロと梅干しの種を転がしてるうちに、このおしおきを思い付いた。
「さ、立って。…今日1日、ずっとこのままでいなさいね」
「……そんな」
「落としたりしたら、しょうちしないわよ」
アソコの入口にある異物感に彼女はそわそわ。
ぎゅっと締め付けると、たらりと汁が漏れてくるのが見える。
思わずゴクリとつばを飲み込む。
はっと我に返り、あえて無関心のふりをする。
ふふふ、どれだけ持つかしら。
落としたら、どんなコトしてやろうかな。
………と、こんなプレイを妄想しちゃいますた。(;´Д`)ハアハア
>360
お姉さまって呼んでいいですか?
梅干一つからこんなレズエロが妄想できるなんて素敵です。
道真は邪道
>>360 お、お姉さま・・入れっぱなしじゃイヤですぅ
ちゃんと続き書いてください
>>362 梅干しの種って道具なのか。なんかワラタ
みちざねかYO
眼鏡かけてなかったから見間違えた。
そして道真ワラタ
続きなんてなんも考えてなかったけど。orz
うーんうーん、じゃあ、こんなのいかがっすかぁ。
そのまま、食後のお茶をいれるように命じる。
モジモジしながら彼女は湯を沸かし始めた。
動くたびにプリプリとふるわせるお尻がかわいいっ!
もちろん下着などはかせてない。
種を埋める直前にちょっとだけ潤わせたことだし。
雑誌を読んでるふりをしながら、じっと彼女を観察。これがまた楽しいのよね。
「ねえ、許してよぅ」
コトっとお茶を差し出しながら、なみだ声で懇願する。
ちろっとにらんでやる。
「何度も言ってるようにこのキスマークは皆でふざけてつけたんだってばぁ」
ツーンと無視する。
「ふぇえ〜ん」
やがて彼女はガマンしきれなくなったのか、傍のイスに腰掛けた、それも浅〜く。
イスの角がちょうどアソコのあたりに当たるようだ。
下腹部の動きで、締めたり緩めたりしてるのがわかる。
膝の上においてた手が内股へ、少しずつ揉みながら移動していく。
次第に目つきがとろ〜んとしてきている。
自分で気をやろうとしてるのだ。
しかし、そんなこと許せば、おしおきにはならない。
彼女が入れ込みそうになるのを見計らうと、湯飲み茶わんでコトンとわざと音を立ててやる。
ハッと我に返る彼女に、厳しい目つきを向けて諌めてやる。
頬を赤らめ、両膝をギュっと閉じて、手は再び膝の上に置いて、居住まいを正す。
これを何度か繰り返すうちに、とうとう彼女は耐えきれず、右手を両腿の間に差し入れたまま、
自分のクリトリスを刺激し始めた。
息が荒くなり、惚けたように半開きの口が濡れ光っている。
幾度となくその表情を見てきたことか。
あと少しでイク…というときに、あたしはガターン!と大きな音を立てて、立ち上がった。
びくっと現実に返った彼女は、哀しそうに切なげだ。
「あふ……、ねえ、おねえさまぁ、ゆるしてぇ……」
とうとう涙を流してきた。
思わず、あたしはニンマリと眺める。
あたしの微笑みを了解ととったのか、彼女は早速、右手の動きを早めた。
声も遠慮なく出して…。
「あッ、あッ、…ああ〜ん、はッ、はぅッッ、…お、おねえさまぁ〜」
指でクリトリスを刺激しながら、イスの角で梅干しの種の出入りを刺激している。
あたしまで、呼吸が苦しくなりそう。
自分もさぞかし瞳をランランとさせて、彼女を見ていることだろう。
「アッ………、アアアアァァーーーー!!!!」
ビクっビクッ…と、全身を痙攣させ、彼女はイッた。
同時にあたしも息を止め……、やがて、静かに息をはいた。
なんというか、このスレのポテンシャルを見せ付けられたよ
マンコスキー女学院では、
『薔薇は夜に咲く』
と言われているが、その真意を汲み取れる人間は少ない。何故ならば、
それらは寮生活をしている一部の女生徒のみにしか、知る機会を与えら
れないからだ。マンコスキー女学院寮──そこは、遠隔地から当校へ
入学してきた者のために用意された、マンション形式の女子寮である。
男子禁制は勿論の事、寮内は女性と子供以外には無差別に襲い掛かる
ドーベルマンが十頭ほど放たれており、完璧な防犯体制が敷かれていた。
寮内の浴室で、数学教師を務める矢崎幸代がシャワーの飛まつを柔肌に
滑らせ、人心地ついている。幸代は、二十三歳。自身も当校のOGであり、
寮生活を経験した過去を持っていたため、学院から寮生を管理する職務
を与えられていた。
「いい気持ち・・・」
ぬるめの湯を肩から流し、乳房の上で手に円を描かせながら体を洗う幸代。
ほどよい肉付きの肢体がどうにもまばゆく、教職にあっては少々お色気過剰
と言えるであろう。が、しかし、マンコスキー女学院は女所帯なので、それを
揶揄する者などはいない。むしろ、幸代の溌剌とした性格と、毅然とした態度
が万人から愛され、教師としての素質を十分に認められていた。
「さてと・・・もう、出ようかな」
寮の浴室は共同で、今は幸代が使用する時間だった。この後は、新陳
代謝の激しい女子高生たちが、むんむんと女臭を撒き散らしながら入浴
する予定である。だが、幸代がそろそろ退出しようと考えた時、
「あっ!先生、入ってたんですか?」
と、浴室のドアをがらりと開け、素っ裸の寮生たちが数人、なだれ込んで
来た。それも、女所帯ゆえか誰一人前を隠そうともせず、揺れる乳房と
ようやく生え揃ったような恥毛をあからさまにし、教師と管理人を兼任する
幸代を見ながら、ばつの悪そうな顔をしていた。しかし、
「いいのよ、あたしも少し長風呂だったかも」
この女教師は別段怒る素振りも見せず、寮生たちを優しく見遣った。
「えへへ・・・先生は、優しくて好きだな」
「うん。それに、とっても美人だし」
寮生たちは幸代を持ち上げつつ、しずしずと近寄る。その仕草に、幸代に
対する威厳と敬愛が込められていた。何しろ当校のOGであり、この寮に
おいても先輩である幸代は、寮生たちから見ればまさに雲上の人。しかも、
寮生の面倒見もよいので、自然と好かれてしまうのである。
「おだてても、何も出ないわよ」
寮生たちのおだてにフフッと頬を緩め、微笑む幸代。彼女とて、同じ寮に
住まう身。だから、こういった優しいふれあいは何より嬉しい。ちなみに、幸代
自身も学院生時代に、同性との愛を紡いだ経験を持っているので、素っ裸の
寮生たちを見る目が若干怪しかった事を追記しておく。
「じゃあ、あたしはお先に。みんなは、ゆっくりしてちょうだいね」
幸代は寮生たちの間を抜け、たっぷりと乳肉を揺らしながら、浴室を
後にする。そして、思うのだ。
(可愛いわ、みんな・・・うふふ、先生をちょっぴりいじめて欲しいわね)
幸代の学生時代は、受身の愛によって過ごされた。初めは、上級生
から授かった甘い愛。その後は、同級生や下級生の手遊びによって、
奔放な自分を知る。幸代は体を相手に預ける事こそ女の喜びと悟り、
恥知らずなほど快楽に従順だった。
(愛されたいのよ)
と、幸代は痛烈に思う。それも、一対一の尋常な交わりよりも、自分を
中心とした複数姦を望んでいる。
(可愛いあたしの生徒たち・・・みんなで、先生を愛してくれないかしら?)
内心ではそう思っているのだが、自分は教師であり、寮の管理人でも
ある。その立場から、幸代は常にもどかしい気持ちを抱えていた。
部屋に帰った幸代は、浴室の脱衣場で身に着けた衣服を全て剥ぎ取り、
ベッドへ臥せってしまった。間接照明だけを点け、薄闇の中で恥ずかしい
指遊びに耽溺すべく、声を殺して身悶える。
(うッ・・・ああ、ああん・・・)
自慰の時は声を上げない──それが、幸代の掟だった。目を固く閉じ、
仰向けになったまま足をぴーんと伸ばす。そして、ふくらはぎをベッドの
縁へ預け、受け専だった自分の姿を思い返すのだ。
(ああッ!お姉さまたちったら・・・意地悪ゥッ・・・)
声を上げないと決めたのは、黙せば黙すほど攻める側が張り切ってくれ
たからだった。声を上げまいと頑張っている自分を見た攻め手は、
(幸代ったら・・・逆らうつもりね?いいわ、みてらっしゃいな)
そう言って、絶対に声を上げさせてやるとばかりに、激しい責めを与えて
くれた──毎日のように攻め手が変わり、同性による輪姦が日常だった
幸代。また、それを彼女自身が望んでもいたのだ。
(お姉さま)
寮内には、そう呼べる同性が何人もいた。犯されるのはいつも自分ひとり。
そして、責めは場所を問わず行われ、容赦も無かった。
(ああ、お風呂場での楽しい思い出・・・)
幸代の指が、恥丘から陰裂にまで及び、柔肉を掻き毟っている。今、彼女
は寮内で体験した様々な荒淫を、記憶の溝から刻み返していた。
(お風呂では・・・あたしは、犬だった・・・)
浴室で犬のように這わされ、性器や肛門を悪戯された事。そして、他の寮生
の性器や肛門を舌で清めさせられた事などが、幸代の脳を焼く。
『幸代ってば、犬みたい』
『そうね。あたしたちのペットよ』
湯煙の中で、数人の寮生から蔑まれた日々を、幸代は決して忘れ
ない。いや、忘れられなかったのだ。
『犬なら犬らしく、片足あげて、おしっこしてごらんなさいな』
と、誰かに乞われ、欲室内で放尿までした事もある。その時、幸代は
羞恥で顔から火が出そうになった事を鮮明に覚えていた。
『足をあげてするのは、オスじゃなくって?』
尿を放ち終えた後、寮生がそう言って一斉に笑った。その瞬間、自分
は間違い無く達していた──と幸代は過去を懐かしむ。
(ああう・・・だめぇ・・)
自室での自慰は、最高潮に達していた。体が自然に折れ、横向きにな
っている。受け専の悲しさか、責めから逃げるような姿勢を取る事が、
一番快感を得られると刷り込まれているのだ。
(ううんッ!い、いくッ!)
今際の時が来ても、幸代は無言だった。ただ、眉間に皺を寄せ、唇を
きゅっと結んで下半身を暖める快楽の波が、腰骨の辺りまで抜けていく
のを待っている。穏やかな絶頂が、彼女の特徴だった。
(はあう・・・おおッ・・・ああ・・んッ・・・)
ため息交じりに達した幸代は、太ももをしっかりと合わせ恥部を穿つ
指の感触を最後に確かめた。自身の指ではあるが、こうする事で誰
かに悪戯されているような感覚に酔えるからだ。そうして、絶頂が余韻
に変わった頃、ようやく幸代はのっそりと起き上がり、パンティとTシャツ
を身に着ける。
「ふう・・・髪がぼさぼさ・・・」
考えてみれば、まだ髪さえ乾かしていなかった。浴室で出会った寮生
たちの艶姿にあてられ、すっかりと忘我の人であった自分が恥ずかしく
感じている幸代。
「この年になって・・・オナニー狂いって、恥ずかしいな・・・」
ドレッサーの前で生乾きになった髪を手櫛で梳き、鏡に向かってお愛想
をする。幸代はそれが日課となっていた。受け専という熱い思いはあって
も、敢えてそれは抑え、教師としての職務を果たし、寮の管理を託されて
幸代は生きてゆく。実は、マンコスキー女学院には、そうした理知者たちが
多数存在し、生徒達の身を常に案じているのだ。ただ、女同士睦み合えば
いいと言う訳ではなく、やはり純然たる理性というものが学院と寮には必要
なのである。
「愛し合いたいけれど、あたしはあの子達の保護者代わりでもあるんだから」
おそらく今、欲室内で賑やかにやっていると思われる寮生たちを思いつつ、
幸代は床についた。そして、ゆっくりと眠りにつく・・・
時を同じくして、マンコスキー女学院寮内の浴室──では、先ほどから
寮生たちがきゃあきゃあと嬌声を上げては、はしゃいでいた。
「あはは!シャンプーまみれにしてやるゥ!」
「キャー!誰?お尻に指入れた人?」
「はーい!それは、あたしですゥ」
舌足らずな声が、欲室内に響いている。見れば、寮生たちはシャンプーを
辺り一面に撒き、その上で泥レスよろしく掴み合っていた。しかも、それぞれ
が乳房やら陰部を責め合い、頬を緩めているという有様で。
「先生も仲間に入ったらいいのにね」
誰かがそう言った。親の心子知らずとでも言うべきなのか、寮生たちは好き
勝手に抱き合い、また唇を重ねて本格的な愛撫に移行する者もいる。
「あたし、先生いじめたーい!ふふ、あの人絶対マゾよ」
目端の利いた寮生が、幸代の秘めたる性格を見抜いていた。さすがは、マンコ
スキー女学院寮生とでも言うべきか。
「うん、あたしもそう思うわ。今度さあ、先生がお風呂入ってる時に、襲っちゃおう
か?ちょうど、ネコの数が足らないし・・・」
「賛成!そうしようよ」
この場にいる寮生たち全員が目をぎらつかせている頃、何も知らない幸代は、
自室で安眠しつつ、
「むにゃ・・みんな、あたしの可愛い生徒たち・・・ふ・・ん」
と、寝言を漏らしていたのであった・・・・・何とも皮肉な思いである。
おしまい
>>377 幸代先生の妄想思い出しオナニー(;´Д`)ハァハァ
ところで「おしまい」じゃなくて「つづく」ですよね?
さもないと暴動が起こりますよ!
そうそう、続いてくれなくっちゃ、漏れも暴れちゃいますよ(;´Д`)ハアハア
幸代先生が教え子たちに輪姦されるなんて……(;´Д`)ハアハア
きょ、きょーしとしての威厳はっ……(;´Д`)ハアハア
>377
GJ!
回を重ねるごとにエロくなっていると思いまつ。素晴らしい。
待ってる・・・(・∀・)
こっそりホシュ
レズエロ分、不足ちうにつき、ほしゅ
>>357さんからの情報の、リアルロマンス文庫の新刊
だれか、読んだひと、いる?
もうひとつのもまだ見つからない
(つд⊂)エーン
ほしゅ
ここってオリジナルのみだよね?
百合モノといったら…な、あれとかあれは駄目だよね?
>387
2次創作モノのSSをあげたいってんなら、エロパロ板に百合カプスレが復活してるから、
そっちにGO。
桶です。
マンコスキー女学園みたく
私立の女子校に通う女の子たちは
みんなレズだと思っていいんですか?(*´Д`)ハァハァ
男と付き合ってるのはあくまで世間体。
女学園の女の子はみんなレズです。
昔このスレでも話題になっていた大島永遠の薔薇尻が8月28日発売の単行本に載るってよ!
あれだけの為にうさまん買ってたからうれすい。
マンコスキー女学院生徒はみんなレズだから
着替えの時なんかハァハァしながら周りを見てるんですねえ。
そのまま乱交にもつれこんだり。
マンコスキーの学園祭ってどんなだろう?
レズ喫茶が大はやりとか。
コーヒーや紅茶に入れるポーションは愛液で、ミルクは母乳なんだろうなぁ。
んでもって若い女性しか入れないんだろうなぁ。
ついでにコスプレハブとかやりそう。
きっと紅茶やコーヒーのポーションやミルクに愛液や母乳を使うに違いない。
>>396 なんで女子高生で母乳やねん!?w
個室に仕切られててムード音楽が流れてると思う。
コーヒー券を買ったお客(女子のみ)はウェイトレスの女の子と
心ゆくまで愛のあるディープキスを堪能できるとか。
飲み物口移しとか、女体ケーキとか。
やっぱ、飲み物は口移しでしょ…。
追加料金で下のお口をコップ代わりにとか…。
この日ばかりはお堅い女教師たちも意中の美少女をご指名。
「ね、ねえ・・ちょっと入ってみませんこと・・・?」
「え、ええ・・せっかくの前売り券ですものね・・(ゴクリ)」
教室内からもれ聞こえる愛の声に、通りがかったPTAの母親たちも
吸い寄せられるように次々と入り口をくぐっていく。
「なんだぁ、おばさま達も女の子が好きだったのね?うふふ・・」
「ち、違うわ・・これはその、娘の母親として・・・あっ」
出迎えたのが顔見知りの少女たちだったのに戸惑う母親たち。
うれしそうに駆け寄ってきた女の子たちが、すかさず恋人のように腰に手をまわしてくるのには
さすがにほおを赤らめてしまう。
「んふ・・んふうっ・・」
だが締め切ったカーテンの奥から聞こえてくる情熱的なディープキスの音が、母親たちの官能を
妖しく揺さぶった。よく聴くと、ピチャピチャいう規則正しい湿音もそれに交じっている。
この中には自分の愛娘もいるはず。
「うれしいっ。おばさまがお客様なら特別サービスしてさしあげなきゃね・・」
「で、でも・・」
母親たちは気まずそうにお互いを見やった。
だが少女たちに甘えるように肩に頭を乗せられると、それぞれ個室へと急かされても逆らえない。
甘いリンスの匂い。
ふた組はカーテンの奥へと消えていく。
「ああっ、ああっ……裕美さんすごいっ、ヘンになるうっ」
「先生、遠慮なさらずに合わせてっ、ほらっ、もっと・・!」
個室に入ると、薄い仕切りからは先客たちがギシギシと椅子を軋ませる音が丸聞こえだった。
前の客が残した淫らな匂いが女盛りの官能をさらに疼かせる。
「うふふ。リラックスなさって、おばさま・・。好きよ」
「そんな、ああ・・」
ふたつ並べた椅子に腰掛けあうと、女の子の手がみっちりと脂をのせた腰の曲線を淫らに
這い回る。もう一方の手をそっと握られ、愛の色に輝きわたった瞳で見詰められると、うっとりとして
瞳が潤みだす。
チュッ・・チュバッ・・チュバッ。
いっしょに入室したもうひとりが、はやくも少女との恋を芽吹かせたようだ。
「さあ、おばさま・・あたしたちも時間いっぱい楽しみましょう」
桜色に濡れた唇がそう囁いて妖しく誘うと、その母親もまつ毛を伏せつつ自分から唇を重ねていった。
妄想スマソ
(・∀・)イイヨイイヨー
某私鉄に設けられた、女性専用車両──それは、痴漢被害に悩む
女性たちを、不埒な輩どもから守るために図られた、素晴らしい試み
である。だが、その車両が、
『痴漢鉄道999999(ちかんてつどう・シックスナイン)』
という別名を授かっている事は、意外と知られてはいない。女性専用
車両と銘打っておいて、痴漢鉄道とはこれ如何に?と、思われるかも
知れないが、確かに『999999』は女性専用であり、男が乗り込もうも
のなら、二秒でたたき出されてしまう仕様となっている。では、何故痴漢
鉄道なのか?それは、今、ホームに滑り込んできた『999999』車内の
状況を見て、判断していただく事にしたい。
『999999』は、首都圏と郊外を結ぶ路線。沿線には有名女子校が軒を
連ね、当然の如く利用客は女性ばかり。それも、幼稚舎を始め、小学校、
中学校、高校、大学と、うら若き乙女たちが集う、ある種のパラダイスエク
スプレスである。故に、朝の通勤通学時ともなると、『999999』はむんむ
んと女臭漂う空間と化し、何やら淫蕩な雰囲気になるのだった。
「い、いや・・・やめてください」
『999999』内で、メガネをかけた女子大生風の美女が、キュロットスカート
の裾から悪戯な手の侵入を許し、身悶えている。メガネ向こうの目に大粒
の涙をたくわえ、むずがる表情が哀しい。
「黙ってなさいな、お嬢ちゃん」
メガネ美女を泣かせているのは、驚くべき事に見るも麗しいOLっぽい
美女である。きちっとしたスーツに身を引き締め、セミロングの髪がふん
わりとたゆむOL美女は体を密着させ、メガネ美女を逃がすまいと目を
血走らせていた。
「ああ・・・」
メガネ美女・・・は、ざわざわと下半身を這いずる同性の悩ましい指使い
に気もそぞろ。どうも、こんなふしだらな行為を受けるのが初めてらしく、
いやいやをするように腰を振り、戒めから逃げようとしていた。しかし、
「お嬢ちゃんのここ・・・すごく火照って・・・ああ、熱いわ、いやらしい娘ね」
OL美女はメガネ美女の急所を的確に突き、じくじくと疼く女肉の変化を
指先で感じ取る。その後、人差し指と中指を揃えて、ほぐされて花開いた
女穴へ、ゆっくりと埋めていった。
「いやあ・・・」
「ほうら、どんどん入っていくわ・・」
メガネ美女を車内の壁際へ追いやり、背中から体重をかけるようにして、
OL美女は指で女穴を穿っていく。背後から悪戯を仕掛けられ、逃げ場
を失ったメガネ美女は、ただ、泣き、ひくひくと身悶えるばかり。そして、
女穴を塞いだ指がまた、奥へと入っていく──
「あ───ッ・・・」
何かを無くしたかのように、メガネ美女が叫んだ。しかし、ひといきれを
飲み込んだ『999999』車内にあっても、誰一人彼女を助けようとはし
ない。それどころか、痴技に堕とされんばかりとなったメガネ美女が悶え
る様を見て、微笑をたずさえていたのである・・・
痴漢鉄道と名づけられたこの女性専用車両は、その名の通り、指先の
魔術に自信を持った兵(つわもの)の集う、戦場のようなものであった。
それも、女性しか乗れない事を逆手に取り、同性愛者ばかりが得をする
仕様となっている。要約すると、女痴漢と『999999』は、漁師と漁場の
関係に当たるという訳。
「キャーッ!だ、誰か!」
メガネ美女の事はさておき、今度は連結部に近い車両後部で、絹を裂く
ような悲鳴が上がった。見ると、セーラー服を身にまとった美しい少女が、
幾人かの痴漢たちから、激しい陵辱を受けている。
「やめて!あなたたち、女の人じゃないの!触らないで!」
女子高生の名は、前崎逸美(まえさき・いつみ)。沿線に聳える、私立マン
コスキー女学院に通う十六歳であった。逸美は吊り革に腕を通され、尋問
を受けるスパイのような姿で、複数の女性に縋りつかれている。
「この制服、マンコスキー女学院のじゃない?」
「そうよ。ふふ、あそこの子は大半がレズなのに、この子はどうやらノーマル
みたい」
「たまらない!ノーマルな子を、傅かせたいわ」
「それが、醍醐味よね」
逸美に襲い掛かる女痴漢は四人。公にこそなってはいないが、この道では
名の通った、『日本同性愛痴漢連盟四天王』と呼ばれている、業師であった。
「いや・・・あッ!」
スカートの中に手を入れられると、逸美は顔を赤く染め、甘いため息を漏ら
す。すると、それを聞きつけた他の乗客が色めき立ち、四天王と逸美をぐる
りと取り巻き、輪になってこの痴業へのめり込んでいった。
「やだ・・・助けて・・・お願いよう・・」
乗車率八十五パーセントの今に対し、痴漢と無辜な人間の対比は、九対一。
要するに、『999999』における乗客のほとんどが痴漢であるか、また、淫ら
な指先の悪戯を望む、発展家の方々という事。だから、救いを乞う逸美に向
かって、助けの手を差し伸べる者は、皆無であった。
身動きの取れない逸美の周りに、四天王はそれぞれポジションを取り、
身勝手な淫行を開始した。ある者は可憐な少女の唇を吸い、またある
者は、意外にふくよかなバストへと、魔の手を伸ばしていく。
「ううんッ・・・や・・だ・・・」
同性から口づけを強制された逸美が、顔を振って舌の侵入を拒んだ。
しかし、その抵抗も女痴漢たちのしたたかな責めの前では、ささやかな
ものでしかない。
「ふふん。あたしを拒もうっていうの?まあ、いいわ。今に、舌や唾液を
吸わせて下さいって、言うようになるわよ」
四天王の一人、口唇愛撫の鬼と呼ばれている、神無月遙(かんなづき・
はるか)が、強引に逸美の唇を割って、舌を差し込んだ。遙は逸美の舌
を己の舌で絡め取り、同性同士の淫らな吸引愛撫を開始する。
「んんッ・・・んッ!」
唇を奪われた逸美が眉間に皺を寄せて、強引な口唇愛撫を拒もうとした
が、ちゅうっと舌を吸われた瞬間、不思議なことに彼女の体からは力が
抜けていき、足腰にも力が入らなくなっていった。実は、これこそが口唇
愛撫の鬼と呼ばれる遙の秘技、『濡れる街角』である。
「遙ったら、おいしい所を持っていったわね」
逸美のバストへ張り付いているもう一人の四天王──磯野姫子(いその・
ひめこ)が、口唇愛撫の鬼の妙技に感嘆した。姫子は今、両手で逸美の
乳房を弄び、意地悪く乳首を啄ばんでいる。だが、その動きは決して粗野
なものでは無く、慈しむように、そして、同性愛の素晴らしさを語りかける
ように蠢いていた。
駅をいくつか通過した頃、最初に痴漢されていたメガネ美女は、
幾人もの女痴漢たちの悪戯に耐えていた。
「はあッ・・・はあッ」
ドア近くの手すりにつかまり、尻を突き出した姿勢で、メガネ美女
は女穴を指で責められ続けている。キュロットスカートの裾は完全
に捲られ、太ももにまで淫液が垂れこめていた。
「も、もう・・・許して・・かんにん・・」
背後に複数の女痴漢たちの息遣いを感じ、メガネ美女はわななく。
これまでにも、ずいぶん悪戯をされ、もはや立つ事だってままなら
ないのだ。しかし──
「ふふふ・・・この子、すごく素質あるわよ。許してとは言いながら、
ベッドじゃ積極的になるタイプね。うふッ、おつゆが多くて、困っちゃ
うけどね」
中指を意地悪く女穴の奥まで埋めている痴漢が言った。その瞬間、
「あうッ!」
メガネ美女は何度目かの引導を渡され、達してしまう。痴漢の手を
淫液で濡らし、恥ずかしいとは思いながらも、膣穴を締めずにはい
られない。すると、
「やだ、またいったのね?指が食いちぎられそうよ」
メガネ美女を絶頂に導いた痴漢は、してやったりの笑顔を見せたの
であった・・・・・
その頃、第二の痴漢被害者である逸美は、相変わらず吊り革の戒
めに遭い、身動きが取れないでいた。しかも、彼女はセーラー服を
着崩した姿で、下着が丸見えという有り様。そんな艶姿の逸美へ、
前述の痴漢四天王が蛇のように絡みつき、思い思いの恥行に身
を浸していた。
「あうう・・・はうッ・・・おお・・ん」
もはや、逸美の口からはうわ言しか出ない。四人の痴漢達者が、
全身をくまなく愛撫し、底の無い同性愛の深層へと引きずり込もう
としているのだ。ただ、当たり前の生活を送ってきた逸美は、これに
抗う術など無く、成すがままである。
「あの子、堕ちたわね」
「もう、帰れないわ」
遠巻きに恥行を見守っていた乗客から、羨むようなため息が漏れた。
列車の車輪が軋むたびに揺れる、少女の肢体を食い入るように見つ
めながら───
『痴漢鉄道999999』
それは、痴漢被害に悩む女性を守るために設けられた、女性専用車
両。だが、その意図に反し、毎日のように淫行は紡がれ、この路線を
利用する女性たちを、新しい世界へと招いているのである・・・・・
おしまい
す、素晴らしくGJ!
普通の輪姦は虫酸が走るほど嫌だけど、レズでの輪姦は大好き…ていうか、萌えるんだよね。
マンコスキー女学院キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
うおおおお!!女だけの天国行き特急ですね!?
もう女子校生だけじゃなく女の人はみんなこの列車に乗ってもらって
全員レズになって欲しいです(;´Д`)ハァハァ
>>それも、幼稚舎を始め、小学校、中学校、高校、大学と…
ちっちゃな子供も…やるのかな?
むしろ、幼児数人から絡まれて、無垢な愛撫を受けるという、倒錯的な話キボン。
おおお!!すごいっ!!
女になってこんな風にしてみたい(;´Д`)ハァハァ
ほしゅほしゅ
萬湖透木待ち。
『痴漢鉄道999999』
では、今、露出ブームが起こっていた。夏場という事もあり、まこと
涼やかに感じるこの恥ずべき所業は、当路線を利用する女性諸氏
の間で瞬く間に流行し、今や乗客の大半がそれを楽しむに至っている。
もっとも前述した通り、同性愛者ばかりが利用する女性専用車両であ
るが為に、これを咎める者は無く、車内は常にその道の愛好者たちで
常に満員御礼。艶めく女臭で溢れかえるという状況と相成っていた。
「お姉さん、なんで裸なの?」
「あ、暑いからよ・・・ああ・・暑い、暑い」
七月のある朝、露出初心者の相沢ねね子さん(二十五歳・OL)は、
学び舎へと向かう幼稚舎や小学生たちに囲まれ、いい調子であった。
ねね子は薄手のワンピースを着て乗車したのだが、たちまち同性愛者
たちからの痴漢行為を許し、早々と衣服を剥かれている。しかも、痴漢
からは、
「お子ちゃまたちに、悪戯して貰ってきなさいな。イクまで苛めて貰えな
きゃ、服は返してあげない」
と言われ、周囲を固められていた。今、ねね子は扇形に出来た人の輪
の中で全裸露出を敢行し、通学途中の女児たちの前へガツン!と立っ
ている。
(み、見られてる・・・ああ、みんな・・・あたしを変な目で見てるわ)
車内の乗車率は八十パーセントほど。無垢な女児たちを除いて、残りは
ほぼ同性愛者たちが占めているので、当然のごとくねね子の裸身を見な
い者はいない。それどころか、当節流行のカメラ付き携帯で、露出女を
激写しては、喜んでいるという有り様であった。
「ねえ、お譲ちゃんたち。ちょっといいかな?」
露出行為のはずみをつけてやろうと、女痴漢師の一人がねね子の
前へ進み出て、女児たちに声をかける。すると、痴漢師は身なりの
整った有名幼稚舎や女子初等学校に通う子供たちへ、
「このお姉さん、服が無いの・・・あなたたち、水着でも貸してやって
くれない?電車に乗っている間だけでいいから」
と、言い放った。
(ああ、そんな!)
女痴漢師の言葉を聞いたとき、なな子は軽く絶頂。二十五歳のOLで
ある自分が、女児の水着を身に着ける・・・そんな、恥ずかしい事を!
そう考えただけで、たまらなくなったのである。
「うん、いいよ。お姉さん、裸じゃかわいそうだもんね」
気の良い女児のひとりが、通学カバンの中をごそごそとやり始めた。
見れば、有名幼稚舎の制服を可愛く着込んだ頭の良さそうな美少女
である。それ故、人を慮るような躾を受けているのだろう、車内で全裸
となった女を哀れに思い、自分の水着を貸し与える事を快諾したのだ。
「どうぞ、お姉さん」
「あ、ありが・・とう」
幼稚園児から水着を渡されたねね子は困惑した。確かに、貸し与えて
貰えたのは有難いのだが、いかんせん手にした物はあまりにも小さく、
無理して着込めば破りかねない代物である。
(ど、どうしよう・・・か)
ちらりと背に陣取った女痴漢たちを見て、救いの眼差しを向けるねね子。
だが、痴漢たちの答えは冷淡であった。
「着るのよ」
「ああ・・・見ないで」
かくしてねね子は衆人環視の前で、生着替えショーを行う事となった。
もっとも露出趣味がある手前、見ないでと言いつつも、見なされ!と心
の中では思っている。
「き、きついわ・・・ああ」
水着に足を通し、肩を入れようとしたねね子ではあったが、どうやっても
これを着る事は出来なさそうであった。だが、背後の女痴漢どもは水着
を食い締める桃尻の頑張りに満足げで、喝采を送ってもいる。それも、
もっと、食い込ませんかい!と、女児水着にエールを送りながら──だ。
「き、着ました・・・ああ・・」
乞うような流し目を見せつつ、ねね子が呟いた。しかし、着た、とは言って
いるが、女児水着はようやく恥丘の一部を隠すにとどまっており、若草な
どはごっそりとはみ出ている。しかも、陰裂をV字に割った水着はせいぜ
い腰の下辺りまでしか布の面積を有してはおらず、当然、乳房は丸出しで
あった。
「いやらしい!こんな、いやらしい姿、見たことがないわ」
女痴漢たちがいっせいに色めき立つ。同性愛者が集う女性専用車両では
あるが、ここは公共の場である。その中で、ねね子は全裸より恥ずかしい
姿で、同性たちからの失笑を買っているのだ。
「あううッ!い、イクゥッ・・・」
ここで二度目の絶頂を得るねね子。女児水着を着込み、嘲笑われるという
憂き目が、彼女の被虐心を燃え上がらせているらしい。
「イヤッ!イッてるわ、このお姉さん」
「あそこからジュースがたっぷりと出てるわ。困ったお方・・・」
ねね子の耽美な露出絶頂を、カメラ付き携帯を持ったギャラリー
たちが囲んでいる。口々にいやらしいを連呼してはいるが、彼女
たちもこの淫靡なショーにめぐり合えた事が、僥倖と思っていた。
実際、ギャラリーの皆さんもすべて同性愛者で、ねね子の艶姿
を見て、下半身を熱くさせている状態なのだ。
「ああ・・・見ないで・・く・・ださぁ・・・い」
ひくひくっと全身を戦慄かせ、のけぞるねね子。何と、彼女は陰部
へ指ひとつ触れてもいないのに、二度の絶頂を喰らい、ノックアウト
寸前であった。特に、彼女の嗜好の琴線を弾いたのは、無垢な女児
たちの視線である。根っからの露出愛好家と言えよう。
「ほら、いつまで着てるの。その子に水着を返しなさいな」
燻る官能でふらつくねね子の体を支えつつ、女痴漢が言う。責めの
手を休めない構えのようだ。
「ああ・・・そうでした・・ごめんなさいね、お嬢ちゃん・・」
ねね子が食い込む水着を返すべく、体をくねらせた。幸い、小さな女
児用水着は大人の女の肢体にも負けず、何とか原型をとどめている。
しかし・・・
「ちょっと待ちなさい。お股の所がべとべとじゃないの」
女痴漢の一人が、絶頂でぬめった水着の股間部分を指差し、眉をひ
そめた。
「そんな恥ずかしいシミがついた水着を、幼稚園児に返すつもり?
きちんと綺麗にして返さないと」
きりりと中性的な顔立ちを持つ女痴漢が、ようやく女児水着を脱い
だねね子を責めるかのように詰め寄った。その気迫に思わず竦ん
だねね子は、水着を手にして呆然と立ち尽くす。
「ああ・・すいません・・でも、どうしたら」
「ちょっと、貸しなさい」
ねね子がどうにも致しかねると、女痴漢は待ってましたかの如く女
児水着を奪っていった。そして、芳しい女臭を放つ、股布部分へ鼻
をつけるや否や、
「・・・ああ、上質なチーズの香りがする・・・」
そう言って、恥ずかしいシミをちゅうっと唇で吸い付けた。
「いやあッ!は、恥ずかしいッ!」
今まで以上に頬を羞恥に染め、両手で顔を覆うねね子。同性が、自
分がつけた恥ずかしい液体を啜っている──そのおそろしく背徳的
な行動に当てられたねね子は、思ったとおり三度目の絶頂をゲット。
「う・・うう・・いいお味・・」
ねね子が恥らうのをよそに、女痴漢は夢中になって女児水着に付着
した、恥液を貪っていた。目を血走らせ、かすかなチーズ臭を漂わせる
淑女の粘液を、まるで甘露にありつけたかのごとく味わっているのだ。
「お姉さんのココって・・・どうして、こんなにぐちゃぐちゃしてるの?」
「あたしたちとは全然違うね。なんか、貝みたい」
「しかも、臭いよ。生臭い」
濡れそぼるねね子の女を見た女児たち数人が、そう言って騒ぎ始め
た。体格差もあって、女児たちの目には、ぬめる女の様子が良く分か
る。しかも、ちょっぴり上ツキで肉厚なねね子の女は、立ち姿勢でも
女唇がはみ出てしまうという、ある意味の豪傑。
「そ・・・それは・・ああんッ!」
無垢な瞳の女児たちから受けた問いで、ねね子はまたもや絶頂を得た。
特に、恥臭を生臭いと指摘された所が良かったらしい。すると、ギャラリー
のひとりがずいと進み出て、
「触ってごらんなさい。そうすれば、違いが分かるかもよ」
そう言って、にっこりと微笑んだのである。
「うッ・・・ううッ・・ふんッ・・・」
揺れる車内では、素っ裸となったねね子が座席に座り、両足を大胆にも
広げていた。その中心へ、ランドセルを背負った女児たちが群がり、それ
ぞれ好き勝手に、痴態を晒す淑女の女を弄り回している。当然、ねね子は
ああ、ああ、と声を荒げて、ただすすり泣くばかり。
「わッ!今、動いた」
「この、ピンクの米粒みたいなトコつついたら、ひくひくしたよ」
「面白いから、もう一度やってみようよ」
小ぶりなねね子のクリトリスを、女児たちがつついては弄んでいた。もっとも
敏感な女の急所は包皮を無理矢理剥かれ、女の理(ことわり)に興味を持ち
始めた女児たちの手によって、さんざんに嬲られている。
「そのビラビラした所も引っ張ってごらん。面白いから」
ギャラリーからこんな声が飛ぶと、女児たちは一斉に花弁を指で
啄ばみ、力任せに引っ張った。その途端、
「ヒイーッ・・・」
という、ねね子の哀しい悲鳴が上がる。被虐心を備えているとはい
え、女児たちの加減を知らない暴力を受けては、彼女もいささか音
を上げざるを得なかった。もっとも、こんな事を幾度か繰り返される
と、女穴を中心にきゅーんと甘い疼きが走り、更なる嗜虐を求め恥
液を漏らしてしまうのだが。
「おもしろーい!お姉さんのココ、ピクピクってなるんだあ・・・」
「それにしても、この臭いおつゆはなあに?後から後から溢れてくる
んだけど・・・」
女児たちは真剣な眼差しで、ねね子の女を観察した。様々な悪戯で、
今やすっかり肉がほぐれた淑女の秘部は、しくしくと涙を流しては嬉
しさにむせび泣く。
「この穴はなあに?」
肉襞が掻き分けられ、本懐を曝け出すねね子の女穴を見て、女児が
誰に問うでもなく言った。すると、ギャラリーの一人が、
「ここは・・・ね。女の子の幸せを感じる場所よ。見ててごらん」
と言いつつ中指を折り曲げ、着座姿勢で上付いたねね子の女穴を、
ずぶり──と穿ってしまった。
「キャ───ッ・・・」
顔を引きつらせ、仰け反るねね子。ギャラリーの曲げられた指が、
的確に感じる場所を小突いたからである。
「ここが、女の子の幸せスポットよ。ああ、随分うぶな反応・・・あまり
ハードな行為が経験ないみたいね・・・」
女が知る指戯。それが、ねね子を泣き狂わせていた。ギャラリーの
言うとおり、ねね子の女には荒淫を重ねた跡が無く、膣内の感触も
純潔に近い。
「ああうッ・・・んん──ッ・・・」
椅子のスプリングを利用し、尻をばたつかせるねね子。真下から突き
上げられるギャラリーの指捌きが、素晴らしく巧みだったからだ。
「お姉さん、エビみたいね」
女児の眼差しがねね子を射抜くと、ギャラリーはひっそりと笑い、
「むしろ、まな板の上の鯉って所かしらね」
と言って笑った。そして、ねね子には幾度目かの絶頂が──
「イクゥッ!」
・・・という事で、痴漢鉄道999999では、今夏、露出が大ブーム。
もし、女性諸氏がこの路線を利用する際には、くれぐれも着替えをお
忘れ無きようご注進して、おしまい。
>>416-423 最高。幼児の無垢な遊戯で感じまくるというなんて、最高の倒錯シチュですよね。
エロっ!ここまできたらもうレズリンチですね
しかし女性専用車両でこんないやらしいことが
行われてたなんて(;´Д`)ハァハァ
笑えて、エロい。
大満足だす。
Her Personal Maid VOL.8
Temptation or Surrender...
「みどりちゃん、行こ行こ!」
「あ、今行くから待って。」
真梨子の呼びかけに、碧はカバンの中から弁当の包みを取り出しながら答え、
教室の戸口に立つ彼女の許へ駆け寄った。
最近は、昼休みにはこうして真梨子、琴美と連れだって、中庭で食事を取るのが日課に、そして楽しみになっている。
荒々しい一夜を共に過ごしたことで、それをきっかけに真梨子と琴美の縁を取り持つ結果になったことで、
碧は琴美とも友人同士と言える間柄になりつつあった。
階段の近くで、一年生の教室から琴美が出てくるのを待ち、落ち合った三人は談笑しながら中庭へと向かった。
芝生の上に腰を降ろした三人は、それぞれ弁当を見せ合い、碧は次作の卵焼きやチキンソテーを友人たちにお裾分けし、
真梨子はプロのメイドである碧の料理の腕を忌憚なく誉め称えた。
一方で、真梨子と琴美は、互いに自分の弁当を相手の口へと食べさせて、あつあつの「新婚」ぶりを見せつけ、
碧はそれを暖かく見守った。
食事しながらの会話の話題は、年頃の少女たちだけに、自然と恋…いや、セックスの話題に向かいがちだった。
何せ、三人が三人とも互いに肌を許し合ったのだから、今更恥ずかしがることはなかった。
タイプとしては恥ずかしがり屋に属する碧や琴美も、
自分たちの抱える悩みを共有することの大切さを嫌というほど経験しただけに、そういった種類の遠慮はしなくなっていた
−ただ一人だけ、あの夜に貴枝の寵愛を受けた者たちの中から、置き忘れられている者がいたが。
友人に対していちいち気を遣い、誰かを仲間はずれにしたりといった陰湿さを嫌う真梨子は、
鈴香をこの集まりに入れてやりたく思っているのだが、鈴香への警戒心を捨てきれない碧や琴美にも気遣い、
無理を通してまで鈴香を加えることは出来ないでいる。
「……みどりちゃん、やっぱり貴枝さんに押し倒されちゃったりするの?」
「どういうこと?」
十七才の少女同士としては、余りに靡篭な質問だが、真梨子は平然と問い、碧は平然と問い返した。
これが真梨子か琴美でなかったら、真っ赤になって俯いてしまうところだろうが、今の彼女らには全く自然な会話だった。
「だって、メイドさんでしょ?やっぱりご主人さまのお手がついたりしそうじゃない。
家事をしてる最中にいきなり後ろから押し倒されちゃうとか、ご奉仕を要求されちゃうとか」
「まり先輩、最近ちょっとご主人さま気取りなんですよ。私にメイド服着せたいなんて言い出すし」
「えー、だって琴美がメイドさんの格好したら可愛いと思わない、碧ちゃん?」
「うん、絶対可愛いと思う。今度、私の服貸してあげようか?」
「えー、駄目ですよぅ。みどり先輩の服だと、私だとおっぱいが小さくて着れないもん、きっと」
「……で、どうなの、碧ちゃん?」
碧は、暫く答えなかった。
そんなことをされたことはない。
考えてみれば、意外なことと言えた。
随分と淫らな行為を要求され、それを悦ぶように調教されてきたが、それは常にきちんとベッドでの夜伽という形に限られていた。
いわば、貴枝にとっては、メイドに主人である自分の性の相手を務めさせるのは当然のことであり、
即ち碧にとっての夜伽はフォーマルな「仕事」なのだった。
他の日常の所作の中に、セックスが入ってきたことは滅多にない。
「ご主人さまは、ベッドの上と外の区別がはっきりしてらっしゃるから……」
既に、貴枝の屈折した性癖に関しては、当たり障りのない範囲で、何度も説明していた。
夜伽があるかどうかはささやかな符丁から読み取らなければならなかったこと、
以前自分がオナニーをしていたことで貴枝がひどく怒り悲しんだこと、
初めて自分から夜伽を要求したらしばらく全くお情けを頂戴出来なくなり、放置プレイの憂き目に遭ったこと…
それらの経験を通して、ようやく最近になって、夜伽の有無や攻め受けの選択権が碧にも与えられるようになってきたのだが、
それくらい貴枝はセックスということに関しても−いや、愛する者と肌を重ねるという重大事項だからこそ、「お固い」のだった。
「……それってすっごくえっちだよね、はー」
「は?……ええ、そうだよね」
『お固い』などという言葉が頭に浮かんだ矢先だが、実際はそうだ。
決して情欲に流されず、自分ばかりかメイドの性欲までコントロールして夜の生活に臨む貴枝の指針は、
固いように見えてその実余りにも淫らだ。
「私が貴枝さんだったら、絶対にみどりちゃんレイプしちゃうなー。お料理しているところを、後ろからッ!」
そう言って真梨子は碧にがばっと抱きつく。
間髪入れず、心なしひきつった笑いを浮かべた琴美が真梨子の耳を引っ張って、恋人を碧から引き剥がす。
「……いてて、やめてよぅ。ちょっとしたスキンシップじゃない」
「……本当?」
「本当。私は琴美のものだし、琴美は私のものなんだから…じゃ、代わりにメイド姿の琴美を後ろから押し倒させてくれる?」
「それとこれとは」
友人たちのやり取りを微笑ましげに見つめつつ、碧の脳裏には、淫猥な夢想が広がり始めていた
-
日々の家事をこなす最中に、貴枝に後ろから押し倒され、欲情のはけ口にされる様、それを受け容れてしまう自分を。
(ご主人さまにだったら……レイプされてもいい……)
一度芽生えてしまった夢想は、もう留まるところを知らない。
碧の関心事は、早くも如何に貴枝に押し倒されるかということに集中しはじめていた……
どうも、お久しぶりです、あるいは初めまして。
随分昔はこちらの過去スレにSSを投下させていただいていた者です。
最近は最近で、色々な作品が投下され盛況な様子で、実に結構なことと思います
(たまには名無しでカキコしてます)。
んで、ここ数ヶ月ほど忙しかったのが少し時間が取れそうになったので、
ちょっとリハビリがてらに短いのを投下してみます。
内容は、貴枝/碧もの偶数回の常で、碧タンのエロ願望に歪んだ形で貴枝タンが応えるつー、
ワンパターンなアレです(苦笑)。
何かご意見等ありましたら、是非お願いします。
もう飽きたとかでも結構ですんで。
二、三日中に、次回分を投下する予定です。
俺は今神の降臨に立ち会った。
きゃあああ!!師匠ぉー!!!(勝手に師匠にしてるヤツ)
お待ちしてましたーーーっ!!!!!(≧∇≦)
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
なにげにエロいお三人ですなあ(;´Д`)ハァハァ
今んとこ仲間はずれの鈴香タンも激しく気になります
貴枝は、妙にそわそわとした碧の様子に違和感を覚えていた。
落ち着きがなく、ちらちらとこちらの目を窺っては、視線が交わされると逃げるように目を背ける。
何かあったのだろうか?
思い返してみるに、夜伽を禁じて放置プレイを喰らわせているときの様子に近い。
だが、今はそういうことはしていない。
夜伽の交渉権は碧に与えたし、他に何か悩みがあったとしても、今の碧は素直に打ち明ける筈だ。
意志とは裏腹に貴枝を裏切りかけて罪悪感に苛まれてしまったことも何度かある碧だが、
そうした困難な情況も二人で乗り越えてきた今となっては、碧は恥ずかしがらずに相談してくれる筈だ。
「お茶になります……」
「いいわ、あなたもお座りなさい」
「はい……」
紅茶を給仕して、碧は貴枝と差し向かいのソファに座……らない。
相変わらず落ち着きのない様子で、立ったままでいる。
「どうしたの?」
「えっ。いや、なんでもないです…」
慌ててスカートをたくし上げて、碧はソファに腰を降ろした。自分の分のカップに紅茶を注ぐ。
「さっきから妙な態度ね。何かあった?」
貴枝の声音には、わずかに苛立ちが混じっていた。それを感じ取り、碧はほとんどびくりと震え上がった。
「いえ、何でもないです、すみません!」
「何か言いたいことや相談したいことがあるなら遠慮はいけませんよ、親子なんだから」
さりげなく『親子』という言葉を用いたところに、貴枝の自分への気遣いが感じられ、碧は少し気持ちが弛緩するのを覚えた。
「はい、お母さま……あの……お砂糖…」
やはりセックスの悩みか。何か要求したいことがあるのか。
角砂糖で、偶数個なら碧が貴枝を抱く。奇数個なら貴枝が碧を抱く。
それが何度も夜伽とお茶の時間を繰り返すうちに決まったルールだ。
以前は、貴枝が一方的に砂糖を入れて、その数で夜伽の有無を読み取らせていたのが、
互いに歩み寄りを続けた末、自然と碧がそれを決めるようになっていた。
「いくつ?」
「……ひとつ」
つまりは、今夜は受けに回りたいということだ。
貴枝は砂糖壷の中から、褐色の固まりをひとつ取り出し、碧のカップに入れた。
だが碧はカップに手を伸ばさない。しばし無言のままで時が流れたが、
「あ…あの……ご主人さま、おそばに座らせていただいて……いいですか?」
貴枝は首を傾げた。
「……構わないわよ?」
以前の貴枝なら、主人とメイドの立場をはっきりさせるため、隣あって座るなどということには寛容でなかったかもしれない。
だが、今の自分と碧は、母と娘たらんとしている。親子が肩を寄せ合って座って、何の不都合があるだろうか。
碧は、恐れ入ったかのように肩をすくめ、貴枝より小柄な身体を更に縮こまらせるような所作で、貴枝の右脇に腰を降ろした。
そして、ようやく紅茶に口を付ける。
もう何も言うことはない。碧が相談したくないのなら、相談する気になるまで、自分も無言で待つまでだ。
貴枝は、自分もティーカップに左手を伸ばすと、右手をそっと碧の肩に回し、自分の胸元に抱き寄せた。
「あ…ご主人さま?」
「いいのよ、何も言わないで」
碧は、少し安心したのか身体をもたせかけてきたが、それでも身体の緊張は取れていないようだった。
身体を密着させると、碧の鼓動が早くなっているのが却って良く分かってしまう。
今更、このていどのスキンシップにびくびくする間柄でもないのに、どういうことなのか。
碧は、貴枝の肩に頭をもたせかけた姿勢で、ソファの上に半ば身を横たえた。
そんなメイドの肩から背中にかけてを撫で下ろしていると、貴枝は、改めてこの少女への愛情が胸に湧いてくるのを感じた。
静かに過ぎていく甘美な時間を満喫する。
だが、そんな貴枝の態度とは裏腹に、相変わらず碧の様子には落ち着きがない。
上目遣いにちらちらと貴枝を見上げ、何やら物欲しげな様子だった。
貴枝は苦笑しつつ、
「どうしたの?キスでもして欲しい?」
碧は真っ赤になったが、ワンテンポ置いて首を激しく縦に振った。
「………はい
貴枝は敢えて焦らさず溜めを作らず、すっと碧の唇を塞ぎ、すっと唇を離した。
ベッドの上以外ではキスをするものではないと考える貴枝は、
こういう場では例えキスを交わすにしてもセクシュアルにならないようにするのを美学とする。
だが、碧は満足しなかった。
あっさり味のキスは却って碧を焦らす結果になったようで、碧は唇を名残惜しげに半開きにしたまま、視線を貴枝から逸らした。
その様子に、さしもの貴枝も身体の芯で情欲が蠢くのを禁じ得なかった。
愛くるしく、はかなげに欲情と理性の間をさまよう碧の様子は、女主人の理性にも強烈な一撃を加えた。
−ここはもう少し碧の無言の欲求に応えてやるべきだろうか、
それともいつもベッドの上でしているように、もっともっと焦らして碧の煩悶する様を鑑賞して楽しもうか……
少し迷った貴枝だが、どちらも没であるな、と考える。
どちらにしても、女主人然とした今の貴枝には些か淫猥に過ぎた。
今は、女主人ないし母親として、しっかりと碧を受け止めてやらなければ。
碧は、顔を更に赤く染め、首元に手を伸ばしてリボンを緩め、第一ボタンを外した。
貴枝から身を離すと、スカートを持ち上げ、白いニーソックスに包まれた臑を覗かせた。
今度はソックスを脱ぎ捨てる。
「……みど…り…?」
リボンの手をかけた辺りで、はしたなくてよ、と途中まで言いかけたが、そこからの余りのはしたなさに声を失い、身体が固まる。
夜伽以外の場で服を脱ぐような所業は流石に許せない。
碧は、こんなことをする娘ではなかった筈だ。
碧自身、ソックスを脱ぎ捨て、足の生肌を貴枝の前に晒しはしたが、そこで動作が止まった。
羞恥が勝ったか、はたまた貴枝の方から手を出すのを待っているのか。
よろしい。
貴枝は、決然とした表情で碧に襲いかかった。素足になった碧の足を掴みあげる。
「ひゃん!」
碧が、驚きと同時にいくぶん甘えた気色も含んだ声をあげる。
貴枝は碧の両足を開かせ、スカートを一気にまくり上げた−
予想通りだった。
碧は下着を履いていなかった。
顔がひきつるのを自覚し、貴枝は必死に冷静を保とうと務めた。
夜伽の際には、必ず夜伽専用のスカート部が極ミニのメイド服の着用を義務づけ、
尚かつ下着の着用を禁じてはいるが、これは予想だにしなかったことだった。
別に、昼間のメイド服の下にショーツの類を着けていないからと言って、外から見た分には問題がない。
だが、知ってしまった以上、話は別だ。
このようにはしたない行為には、主人としてひとこと言っておかねばならない。
碧と視線を交わすと、そこには明らかに貴枝を恐れている様子と、
期待が叶うか固唾を呑んで見守っている様子とが混在している。
「…さっきから様子が変だと思ったら。どういう意味があって?」
そう答えながら、スカートの裾を戻すのを忘れない。
「えっ……あの……」
俯き加減に目を背け、唇に握りしめた拳の小指を当てた碧は、消え入りそうな、か細い声でぼそぼそと答える。
「……あの…お夜伽をお願いさせて……お願いさせていただくのは……有りですけど……」
「……はい。続けなさい」
「……あの……お夜伽以外の時にも……あの……私、メイドですから……」
ここで長い沈黙が入る。
「メイドよね、だから何?」
「…………メイドですから、ご主人さまの……その…ご主人様のお手が…つく……っていうんですか?」
貴枝は驚愕……を通り越して、呆然となる。
「……はっきり言うと……はっきり言うと……ご主人様に……お夜伽以外の時にですね
……例えば……おっ…押し倒していただくとか……」
貴枝は額に手を当てて、眉間に皺を寄せた。
「あのね……もう一回言ってちょうだい。夜伽以外の時に、何て?」
「ご主人さまに……夜伽以外の時に………えっちなことを仕掛けていただけないかと……」
「それで、さっきからそわそわしてたの?押し倒された時のためにパンツ履いてないの?まぁまぁ」
碧は無言で頷く。
貴枝は深々と溜息をつき、その様子に、碧はますます顔を赤らめ、落胆した様子だった。
「どこでそんな妄想仕入れてきたか知らないけど、全く馬鹿馬鹿しい。
いくら私だって、ピンク映画や小説じゃないんだから、四六時中、あなたを押し倒すことばかり考えている訳じゃないのよ。
碧は、私をそんな目で見ていたのね、ふしだらな娘ッ!」
「えっ……そんな……」
碧がほとんど泣き出しそうな顔になったのを眺め、貴枝は、腹の中で笑いを押し殺すのに必死だった。
実際は、いついかなる時でも碧を視線で愛で、碧を抱くことが出来る自分の幸福を心から痛感しているのだが、
ここは、厳格な女主人の顔を見せておく。
今、こうして碧が動転し悲しみに引き裂かれそうになっている様子が、また、たまらない。
確かにふしだらな娘ではあるが、そのふしだらさ、ふしだらな自分を恥ずかしがる姿、
それを指摘され慌て悲しむ姿、そのいずれもが愛おしい。
「でもね」
碧が本当に落ち込む前に、タイミングを見計らって、その頭を抱き締め、自分の胸に押しつける。
「そんな碧だから、私も好きよ……ああは言ったけど、やっぱり私もえっちだから」
「ふあ……ご主人さま……?」
とびっきりの笑顔でメイドの顔を覗き込んでやる。こんな笑みは碧にしか見せない。
ちょっと意地悪したけど、これで許してくれる……かな?
きっと碧は許してくれるだろう、その自信が貴枝にはあった。
「碧がそんなに私のことを求めてくれてるのかと思うと……」
「ご主人さま……私を……」
手を熱く握りしめられ、碧は熱く潤んだ瞳で女主人を見上げた。
女神の如き優しい眼差しで、貴枝が自分を見つめている。
このように美しく、このように優しい女性が、こんなにも汚れた自分などを愛して、許してくれる……
「いいの。落ち着くまでこうしてなさい」
もう言葉は必要なかった。母と娘はひとつになって、互いの温もりに包まれながら、
静かな甘い時間へと滑り落ちていった……
照れながらおねだりする碧タン可愛い杉(*´Д`)ハァハァ
そんな時でも冷静を装ってる貴枝さんとのチグハグぶりが
このふたりの魅力ですね
嗚呼、なんて淫乱なんだ…(;´Д`)ハアハア
444
続き、まだぁ?(;´Д`)ハアハア
ちょっと前に、梅干しのネタが出てたけど。。。
おかげで梅干しの種を見るたびに、思い出してしまって、困タ。。。orz
夏場ということもあって、ウチじゃ梅干しが大活躍。
んで種がまたデカいんだこれが。w
>>初代410さん
毎度ながら、エロいですね。続きが楽しみです。
三つ編みとツインテールがイタズラで、ふわふわ毛の娘のアソコに梅干しの種を挿入。
んで、えっちしてイクときに潮吹きと一緒に梅干しの種が飛んでいき、
ツインテールの頭に当たって気絶。三つ編みとふわふわが今度はお尻の穴に種を挿入というシチュを想像しました。
410 キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
つづきーーー、まだぁーーーー!?チンチン AA略
焦らす初代410さんのイケズ…orz
さすが貴枝を生み出したお方だけはある……
夕食が終わり、入浴を済ませた後となっても、昼間の感動の残滓がまだ身体の芯に残っているのが感じられた。
身体にも心にも、貴枝の寵愛を受ける喜びは、碧を至高の快楽へと誘った。
風呂上がりの肌にバスタオルを這わせながら思い返すたびに、頬がにやけてしまう。
(また、愛していただけるかな……)
お茶の際に今夜の夜伽を要求していたが、すぐその後にあのような行為に及ぶことになった。
あれで代わりに今夜の夜伽はなし、というようなことにはならないだろうか?そんなことに気を回す。
快楽のための禁欲を好む貴枝であるから、際限なしのお愉しみという訳にはいかないかもしれない。
お茶の席で抱いてくれただけでも、充分にルール違反なのだ。
その上でまだ夜伽まで要求するのはあつかましいような気もする。
かといって、砂糖の個数で要求する夜伽はルールの範疇なのだから、逆にきちんと守ってくれるかも……
雑多な思惑を抱えつつ、濡れた髪を拭く碧だった。
まぁ、どちらになるにせよ、貴枝の寝室に行ってみることが先決である。
仮のパジャマをまとった碧は、夜伽用のメイド服に着替えるべく、自室に戻った。
部屋の扉を開ける…
「待っていたわ」
眼前の光景の思いがけなさ、そして淫らさに碧は固まった。
自分のベッドの上に、先に入浴を済ませたガウン姿の貴枝がしどけなく寝そべっていた。
ほとんど腰を抜かし、扉に背中を打ち付け、そのままずるずるとへたりこんでしまう。
ワインレッドのガウンの裾から覗く白い足は最もセクシーに見える角度で折り重ねられ、
襟元は胸の谷間が覗けるよう微妙に着崩され、黒髪が枕の上に流れて曲線を描いている。
そのいずれもが碧のハートをきつく打ち据えた。
そして、半開きになった唇には、真っ赤な紅が差されている
−外出時以外は化粧をしない貴枝が、よりにもよってこんな時に。
からかっているようにも、落ち着かせようとしているようにも取れる口調で、貴枝は碧に語りかける。
「今夜の予定は変更よ。碧が私の夜伽の相手を務めるんじゃなくて、私が碧の夜伽の相手をするわ。
さぁ……来て」
碧は、昼間に下着を履いていなかったことを指摘された時以上に取り乱した
−いや、取り乱しはしていなかったが、
何と言っていいか分からず思考停止に陥った状態は明らかに今度の方が重態だった。
「……ええと……あの……ですね!……私がご主人さま……じゃなくて、ご主人さまが私の……」
貴枝はくすりと笑う。この反応を待っていたと言わんばかりだ。
「どうしたの?風呂上がりをベッドの中で待ち構えているような、そんなふしだらな女は嫌い?」
「!えっ……いや、そっ、そんなことは……」
「それとも、こんな魅力のない女は押し倒す気にならない?」
「とんでもない!」
こんな蠱惑的な女性にベッドの上で手招きをされたら、どんな
−「どんな女」と考えかけ、世の女性の全てがレズビアンではないというごく当たり前のことを思い出し、訂正する。
−ただでさえ抗い難い魅力を放つ貴枝がこんなにも蠱惑的な装いでベッドの上で手招きをしてきたら、
貴枝を女神と崇める自分には抵抗のしようなどある筈ない。
正気を保てるかすら怪しい−事実、余りに突然な事態であることの衝撃とも手伝い、明らかに思考が機能していないではないか。
そんな碧を慈しみと諧謔の共に籠もった視線で見つめ、貴枝は更に誘惑を続ける。
枕に頭を預け仰向けになった姿勢で、身体を背伸びさせるようにゆっくりとのたうたせる。
「ねぇ、早く……」
あの厳格で禁欲的な貴枝がこんなことを−その驚愕とその淫靡な美しさに、碧はまたも頭を殴打されたような衝撃を覚える。
脳内に、漫画の表現になって鼻血を噴出して悶絶する自分の姿がオーヴァーラップする。
心臓が重機のように轟音を立てているのが分かる。
自分に落ち着くよう何度も言い聞かせ、碧は何とか立ち上がり、ふらふらとベッドへ向かった。
「ご主人さま……」
まだ事態を呑み込めていないメイドに、女主人は手を差し伸べた
−それは娘に救いを提供しているようにも、相方を誘惑しているようにも見えた。
「今は『ご主人様』じゃないわ。今の私は碧の夜伽の相手。
碧に押し倒されて、欲情のはけ口にされるための女……碧のための娼婦」
『娼婦』−何というはしたない響きであるか!
かくも気高い女主人が娼婦となって自分の前に身を投げ出している。
そのギャップに言い知れない背徳的な快楽を、愛する女主人が自分に尽くそうとしてくれる事実に感動を覚え、
碧は感極まってベッドに駆け登った。
真っ赤に彩られた貴枝の唇の端がにやりと歪む。
その淫らな光景が碧の視界を占め、完全に自制心を焼き尽くした。
碧はデリカシーを欠くのも構わず、自分より大柄な貴枝の身体に抱きつき、首筋にむしゃぶりついた。
あの愛して止まない貴枝の体臭が漂ってくる。
何度も鼻面を貴枝の白い首に擦り付け、そのまま胸の谷間に突っ込む。
ガウンを脱がせないまま、艶やかな貴枝の乳房の肌に舌を這わせる。
「ああ、みど…りぃ……」
のしかかる碧の背中に手を回しつつ、貴枝は低く呻く。
その呻きを封じるように、碧は貴枝の唇を塞ぎ、舌を挿し入れた。
興奮に任せ、貴枝の口腔を荒々しく蹂躙する。
もはや技巧がどうのということは頭になかった。
とにかく、貴枝を抱き、犯し、己の欲情のはけ口とすることしか頭になかった。
(だって、ご主人さまは私の娼婦なんだから!)
え、エロい……
いつもと逆の立場だとどうなるんでしょうね?
それと大人っぽい魅力の貴枝さんが誘うシーン
ゾクゾクしますた
流石に貴枝も苦しくなったようで、息継ぎすべくキスを中断したが、碧はそれも許さず、
顔のあちこちにキスの雨を降らし、涎を鼻先や瞼に塗っていく。
自然に手が動き、貴枝のガウンの帯をほどき始めていた。
ムードもへったくれもなくガウンの前を開かせるが、そこで赤い毛織りの谷間に挟まれた裸身が現れると、
再び碧はその美しさに心を奪われ、一度手を止めた。ごくりと息を呑む。
その様子を見て、貴枝が最初は苦笑気味に、そしてすぐにまた誘うように蠱惑的に微笑み、
ひと言「来て……」と囁いた。
そのひと言が引き金となり、今度は何も覆い隠すもののない貴枝の胸へと碧はダイビングした。
双球の狭間に顔を埋めつつ、右手で乳房を玩ぶ。
左手は迷いなく貴枝の股間へと向かい、早くも貴枝の性器への責めを開始していた。
貴枝の喘ぎが次第に切なくなり、身体が時折快楽にびくりと波打つ。
「もっと良くしてあげます……」
興奮にかすれた声で呟きつつ、碧は舌を乳房から下腹へと這わせていき、股間へと到らせた。
思った以上に激しく感じているらしい貴枝の様子に更に興奮しつつ、碧は貴枝の陰核を舌で制圧した。
押し潰し、転がし、弾く。溢れ出る愛液を啜り、音を立てて秘裂を吸い上げる。
容赦ない責めに貴枝が息を荒くしているのが聞こえるが、手加減するつもりは全くない。
貴枝が絶頂に近付けば近付くほど、激しく舌を動かす−
「ああッ……あぁぁぁぁぁーッ…………はあっ!」
上体を起こした貴枝の身体に力が入ったかと思うと、腰から背中にかけてが痙攣する。
碧の顔に熱くたぎる愛液が注がれる。
そして、潮が引くように貴枝の身体の緊張が解け、脱力する。
貴枝が達したことにより碧もようやく少し冷静になるゆとりが出来た。
貴枝が感じているかもろくに確認せず、ましてや焦らして貴枝の欲情を盛り上げてやるなどということは全くしなかった。
ムードも技巧もない、ドライなセックスをしてしまったことに気付き、恐る恐る貴枝の顔を見上げる。
すると、優しい眼差しで見下ろす貴枝の視線と目があった。
「とっても……いいわ」
「ご主人さま……」
無闇やたらに責めてすいません、と詫びようとして、言葉が途切れた。
一方的に責められた後で疲労しているにも関わらず、穏やかな貴枝の微笑みを見ていると、
またすぐにその顔をよがり狂う娼婦の顔に変えてやりたいという欲望が頭をもたげてきたのである。
こうなると遠慮はしない。
すぐに陰核を右手の指で責め始める。舌で秘裂を擦りあげる。
左手は自分のパジャマとショーツの中へと突っ込まれ、熱く湿って待機していた自分の性器を慰め始める……
「ああッ……はぁぁぁぁ……」
達したばかりで敏感になっている貴枝は、先ほどにも増して激しく身体を震えさせた。
一度絶頂を覚えた身体は、快楽の波動をより早い周期で全身に伝達しているようだ。
碧自身の秘裂も欲情の証を垂れ流していた。
下着が汚れるのも構わず、興奮に任せ、手荒く自分の性器を愛撫していく。
両の手で自分と貴枝それぞれの性器を同時に責めているという快感が、興奮を更に倍加させる。
手の動きはそのままに身体を貴枝の上に添わせて向かい合い、
感じきって恍惚とも苦痛とも取れる表情の女主人の顔を正面から覗き込むとキスをする。
「むむッ………」
「ンッ………!」
興奮を抑え込むかのように、碧と貴枝は互いの唇とへ大きく息を吹き込み、喘ぎ声や叫び声をこらえた。
碧の指の動きが激しさを増し、快感の限界の壁を突き破った。それでも二人はキスを止めない………
どちらかともなくキスが解かれ、二人は疲れ切ったまま脱力し、汗を浮かべた額を寄せ合って動けないでいた。
二、三分ほど経ったか、貴枝がゆっくりと目を開け、碧の瞼にそっとキスした。
睫毛を切なげに震わせる碧に微笑みかけ、唇を塞ぐ。
今度は、碧の目が開いた。
そして、すぐに静かに閉じられ、女主人の舌と唇を愛おしげに受け容れる。
陶酔しきった碧を見つめ直すと、貴枝は碧の両手を取って、こびりついた自分と碧の愛液を舐め取り始めた。
すぐに碧もそれに加わり、女主人とメイドは指を分かち合うように舐め合い、そして再びキスに突入する……
「はぁ……ご主人さま、こんなのって……」
「いいでしょ、たまには?碧が押し倒されたいっておねだりするなら、私も同じことを碧に求めても?」
悪戯っぽく微笑む貴枝に、碧もようやくその意図を察し、自分より大柄な貴枝の身体を抱き締めた。
「もう一度……いい?」
頷きながら、貴枝の両肩からガウンを取り去る。
そして、自分もパジャマを脱ぎ捨てて、女主人と肌を重ね合わせた。
裸の自分の胸にもたれかかり、乳首に舌を這わせはじめる碧の様子を、貴枝は女の悦びと母親の温かさを併せ持った視線で見つめていた……
「……あのー、まり先輩……」
真梨子と碧がなかなかやって来ないので、琴美は二年生の教室を覗き込んだ。
真梨子の姿を見留め、遠慮がちに部屋に入り、真梨子の許へ近寄る。
だが真梨子は唇に人差し指を当て、「しーっ」のポーズを取った。
「起こしちゃうから、静かに!」
囁くような声で、机に突っ伏して眠る碧を示す。
「……どうしたんです?」
「今日は朝からずっとこんな感じなの」
「……それって……」
「……うん。多分……」
見つめ合った目が悪戯っぽい了解を取り交わす。
「うらやましいなぁ……ご主人さまとの愛の夜にすっかり疲れ果てて、オネムなのね、みどり先輩!」
「きっと押し倒されちゃったのね。それで女の身も心も自在に操る手管で!あとは、もう………」
ひそひそ声で囁き合う友人たちをよそに、碧は依然として夢の中で昨日の女主人との愛の行為を反芻していた。
ただ、それは彼女が女主人を押し倒したものであり、
それでいてやはり、女主人の手管に堕ちて身も心も操られた結果であったが……
「ご主人さま……むにゃ……また……今夜も……私の娼婦に……」
……さて、どうか?
______________
取りあえず、このエピソードはここまで。
……何かまだリハビリ中って感じで、上手くオチない。短めだし……
すぐに貴枝/碧もの以外で一本書く気でいますが、よろしいでしょうか?
以前もやったNight Tripsのパターンで、時期的にもよろしい水着でプールサイドでくんずほぐれつな奴など(笑)
GJ!!
さすが410さんならではの重厚なエロさがすばらしいです(≧∇≦)
早くも次作のアイデアがおありですね。
楽しみにしてます!
うきゃーーーー!(((((((((⊂⌒~⊃。Д。)⊃ゴロゴロ
にんまり。
さすが上手ですね、410さん
年齢や身分は離れていても、結局
おふたりさんの仲睦ましさに当てられっぱなしw
「ぁぁぁぁぁぁ………」
柔らかい肉が呻き声に合わせてうねり、指が張りのある乳房にめりこんで揉みしだく、
あるいは黒のショーツの上から性器を刺激する。
白い肌には汗が浮かび、閉じられた瞼と半開きにされた唇には、例えようもない恍惚が浮かんでいる。
カウンセラーのジェイミー・サマーズとその恋人で助手のトリー・ウェルズは、
目の前のソファに寝そべって「ドリームマシン」に繋がれ、自慰に浸る女を冷静な視線で見つめていた。
「ふふ、凄いわね」
「異常なレベルね。性への欲求が全く止まらない」
「昔の私みたい……」
「……そして、今の私たち、でしょ?」
トリーが、ジェイミーの治療により潜在的なレズビアン嗜好を自覚させられ、
多淫症から解放された−そしてジェイミーと公私に渡るパートナーとなった時から、
二人の目的はトリーと同じ様な悩みを持つ女性に救いの手を差し伸べるというものになった。
ドリームマシンは性的な悩みのカウンセリングに抜群の効果を発揮するという以上に、
トリーの奔放な妄想をヴァーチャルリアリティ化して、二人の愛の日々をより一層淫らなものにしていた。
多くの女性をドリームマシンで治療する際に、レズビアンへの潜在的な願望が強い患者に対しては、
ジェイミーは巧みな誘導で彼女らをレズ行為へと誘い、かつてトリーの夢の中に入っていくことで自分自身の夢を彼女のそれと融合させた過程と同じく、
自分とトリーもヴァーチャルリアリティ内に出現し、患者に直接愛の技を施すのだった。
更に行く行くは、そこで得られたレズ体験をストックすることで、
ヴァーチャルリアリティ内に自分たち用のレズハーレムを築き上げるという遠大な計画を企図していた。
「治療」の際の、二人以外は誰も知らない役得だった。
今、二人の目の前で喘ぐ患者−ポーラは、そんな二人の思惑にぴったりの逸材だった。
かつてのトリーに匹敵するニンフォマニアである彼女は、やはりトリーと同じく際限のない己の性欲に悩まされ、
救いを求めてジェイミーの許へやって来た。
ドリームマシンでのセッションを繰り返すたび、次々と彼女の脳内の淫猥な幻想が画面上に現れ、
それでも彼女は満足することを知らず、妄想から妄想へと快楽の海をどこまでも漂っていく。
彼女が多くの「シチュエーション」をストックに提供してくれることは間違いなかった。
後は、彼女をレズビアンに覚醒させれば良いのだ……
画面ではトリーが幾多の乱れた行為を繰り広げているものの、それを見つめるジェイミー、トリーは落ち着き払ったものである。
それはプロのカウンセラーであるという以上に、彼女らがこの程度の快楽には慣れっこになってしまっていること、
そして画面でトリーが交わっているのが男であることも原因だった−最早二人には、男は用はない。
ジェイミーは、根気よくセッションを繰り返し
−そもそも、何度自慰で達してもまだ飽きたらず、新たな妄想を映像化し続けるポーラの淫猥さがあってのことだが−、
レズ行為のきっかけになるようなシーンが出てくるのを待っていた。
ようやくそんな兆しが見えてきた、と彼女とジェイミーはポーラのそばへと近付いていった。
荒い走査線で画面に映し出されているのは、バスタブで湯に浸かり、自慰をするポーラの姿だった。
自慰をする妄想をしながら自慰をするとは、如何なる淫蕩さか。
ほとんど無限にサイクルしそうな欲情に、流石のジェイミーもあてられるものを覚えた。
だが今は、ポーラのイマジネーションを誘導することが先決だ−彼女の妄想の中に、男がいない間に。
ジェイミーは、ポーラの耳元でそっと囁く……
「あなたの身体、とってもきれいね……」
(喘ぎ声を漏らしながら、画面の中のポーラが両乳房を絞りあげる)
「このきれいな身体が感じているのは、もっときれい……」
(画面の中のポーラが息を荒く乱し、それがバスタブの水に伝わり震える)
「美しいのは、あなたの身体、女の身体なの。感じるのは、女の身体……」
(水に濡れた指がポーラの乳房から腹にかけてを滑っていく)
「女の身体で女の身体を感じてみない?」
(水滴がはねあがり、ポーラの喘ぎに合わせて水面が揺らぐ)
「女の身体で女の身体を感じさせてみるの……そうすれば、あなたももっと感じることが出来る……もっときれいになれる」
(水面が揺らぐ……)
−水面の揺らぎに光が反射し、それを契機に画面に新たな映像が映った。
真昼の豪奢なプールサイドだった。揺れる水面に強烈な日差しが照り返している。
スローなカメラがプールサイドに寝そべる女性を映し出した。
ポーラではなかった。
ほっそりした身体を黒く細いビキニと手袋のみで隠し、サングラスとハイヒールを身に付け、長身の身体をマットレスに横たえている……
次の瞬間には、画面が切り換わり、ポーラが映った。
やはりビキニとサングラス、ハイヒールという格好であり、画面に背を向けてカメラの方を振り返る……
(現実世界のポーラが自分の乳房に指を這わせる)
振り返るポーラの視線がそのままカメラの動きとなったか、再びマットレスの上の女が映る。
左肩を下側に、半身を起こした姿勢で、カメラに向かっている。
長い黒髪は丁寧に梳きあげられ、額が完全に晒されるようにオールバックに流され、うなじで束ねられている。
水着のボトムはほぼ逆二等辺三角形の形で股間を覆い、左右の腰骨より高い位置で細い紐で結ばれて留められている。
トップはというと、ストラップともビキニともいえず、首にうなじから前方へと巻き付けられた極細の紐が胸の前で交差し、両乳房のちょうど真ん中を通り、
その軌道にある乳首をぎりぎり覆い隠して背中へ向かっているという代物で、美しい真円を描く乳房の形の良さを際立たせている。
両手には黒いサテンの手袋をつけている。
中指に通して手の甲から肘までを覆う指抜きのガントレットで、手の甲の黒、指の白、爪のペディキュアの赤が見事なコントラストを為している。
両耳には喉元近くまで届きそうな大振りなイヤリングが飾り付けられ、シェイドタイプのサングラスがその表情を判読し難いものとしている。
カメラは身体の左側を寝かせて横たわる女の顔から胸、背中にかけてをゆっくりと追ったが、
すぐにお預けを喰わすように切り替わり、今度は挑発的に右手を腰に当ててポーズを取るポーラを映し出した。
いま一人の女に比べれば、オーソドックスでおとなしめなビキニだが、それでも乳房を受け止めている三角の布の面積は決して広くはない。
ボトムにも同様のことが言えた。
女の象徴を覆い隠す逆二等辺三角形の布は最小限の面積で、三角形のラインの延長から成る紐が腰を通り、身体のスムースなラインを印象づけている。
その堂々たる肢体で立ちはだかる姿は、誇らしげにも淫らにも見えた。
(現実世界のポーラが大きく息を呑む)
マットレスの女がねっとりとした手つきで、自分の胸から腰にかけてに手を這わせる。
カメラが引いていき、彼女の全身像が映るが、彼女の足許にもうふた組のハイヒールを履いた足が映る−
今度はカメラがゆっくりと上昇していく。
ポーラと更にもう一人の女が身を寄せ合うようにして立っている。
ポーラはもう一人の女の背後に寄り添い、その身体に手を回している。
もう一人の女は、陽光にきらめく艶やかなプラチナブロンドの持ち主だった。
サングラスとハイヒールは、他の二人と同じ装いだが、水着はビキニではなく、より露出の多いスリングショットである。
パチンコを思わせる、V字の極めて細い紐が身体の前後で両肩と股間を結ぶのみで、横腹や脇、腰は完全に素肌を晒すことになってしまう。
乳房は他の二人と比べても目に見えて大きく盛り上がっており、ただでさえ細い水着の下でこれでもかとその存在を主張している。
サングラスは、フレームと弦が一体化したバイザーに近いタイプのもので、目元の露出が全くなく、他の二人以上に表情が見定め難い。
右手首には髪の毛の色と同じ金の腕輪が光っており、右手の中指には黒い宝石がはまった指輪が鎮座している。
やはりどきりとするような赤黒いペディキュアで爪を彩っており、手首から先の飾り付けも完璧にセクシーだった。
そんなブロンドの女の身体にポーラが後ろから手を回し、ブロンドの女もポーラの腰へと手を伸ばす……
そんな画面の様子に、ジェイミーとトリーは満足げな笑みを浮かべた。いよいよだ……
目の前であられもない格好を晒すポーラがひと際切なく喘ぎ声を漏らすと、淫猥で甘美な悪夢が始まりを告げた……
どうも、初代スレ410です。
Night Tripsの続編、映画(つか、早い話が洋ピンですが)Night Trips2の一シーンのノベライズです。
映画自体が一作目と全然繋がってない話なんで(つか、エロシーンばっかでストーリーそのものがほとんどねぇ)、
今回は前回登場した二人を筆者独自の展開で登場させてます
(つか、一作目も2もカウンセラー・看護婦・患者という配役・シチュは全く変わってねぇので置き換え)。
よって、ストーリー展開や心情描写云々ではなく、純粋にエロい映像を文章で追うという試みです。
個人的には、ここ十年間で最もハァハァした回数の多いレズエロシーンなので、思い入れが非常にあり、
ずっと前から文章にしてみたかったんですが、
極めて画面造りが凝っていて、これを言葉で追っかけるのは何とも至難&無粋だなと痛感。
それでもこれは文章にしてみたくなるなぁ、という凝りようの映像でもある訳ですが。
つーことで、またご意見などありましたらお聞かせください。
初代スレ410さん
前回はいまひとつシチュエーションが理解出来なかったこともあって
情況を追うことが優先になってあまり読み込めませんでしたが、
今回は「ドリームマシン」という背景をすでに知っているだけに、
溶け込みやすいと思いますた。
このままどしどしエロい描写をおながいしまっす!(・∀・)
>>初代410氏
漁師役も♀でキボンヌ(w
エロいなあ!
初代スレ410さんの文章を読んで、ナイトトリップスを観てみたくなったけど、これってけっこう
古い洋ピンですよね?
アマゾンで入手できないもんかなあ。
初代スレ410さん、古い洋ピンでも新鮮味があっていいです。どんどん初代スレ410さんのペースで書いていって下さい
なんと幻想的でゴージャスなレズビアン・エロス!!
潜在的なレズ願望を引き出して女性をレズビアンへと導いていくなんて
本当に素晴らしいマシンです!!
ポーラが元々どんな女性なのかという説明があると、なおいやらしくなる気がします。
画面がセピア色に染まる。
ぎらぎらした陽光はかなり抑制され、代わりに、女体の白と水着やハイヒールの黒の対比がより鮮明に映える。
プールの間近で、思い思いにポーズを取る三人の女−
マットレスに寝そべる束髪の女−ニーナ。
その近くに佇み、ポーラに抱きすくめられたブロンドの女−ヘザー。
そして、ヘザーに背後から手を伸ばすポーラ。
いずれもが男を−いや、同性を誘うように、唇を半開きにし、己の肌にその手をゆっくりと這わせているが、
サングラスで視線の行方を遮断されたその表情は、何を考えているのか、何を見つめているのか判然としない。
明後日の方向を見つめるその様子は恍惚に浸っているようにしか見えないが、表情自体はサングラスの下に封じられている
−その二律背反は却って淫靡さを醸し出していた。
ニーナは右手を乳房から腹にかけて撫で下ろし、首を物憂げにゆっくりと逸らせる。
ポーラは、眼前に立つヘザーには視線を向けず、「カメラ」の方へ、あるいはいずことも知れぬ方向へ視線をさまよわせつつ、
密着するかしないかの位置に立つヘザーの剥き出しの脇腹から腰にかけてに手を添える。
左手はヘザーの乳房をごく軽く愛撫しつつ彼女の左半身を撫で下ろし、右手はヘザーの腰にあてがわれる。
左手が腰まで降りてくるのを待つと、ポーラの両掌は、ヘザーの股間から両肩へと向かう布の軌跡と併走するように、
ヘザーの腰から脇腹をなぞっていき、肩へと到達する。
ヘザーも、やはりどこを見つめているともつかぬ視線で、ポーラの掌の動きを確認しつつ、
自分も後ろに回した右手をポーラの腰に愛おしげにあてがう。
画面が切り換わった。
そんな三人の姿が微風に揺れるプールの水面に映り、水面から反射した光が大理石の彫刻のように艶やかなポーラとヘザーの肌を照らす。
カメラの動きがゆっくりとハイヒールを履いた足を舐めるように昇っていき、二人の腰の位置までやって来る。
ポーラの両手が再び水着の上ないしその軌跡をなぞってヘザーの身体の上を滑って上がっていき、
カメラもそれに合わせて上昇を続行する。
一方、自分の腿に触れているヘザーの左手の甲をポーラの左手がわずかにかすめ、
ポーラの腰へと回されているヘザーの右手もポーラの右手と触れ合う。
どこを見ているのか分からなかったポーラの視線だが、かすかに俯いたその頭の動きから
ヘザーを愛撫する自分の手の軌跡を、あるいはヘザーの腰から脇腹にかけてを見つめていることが分かった。
両手が触れ合ったのが契機になったのか、ヘザーもわずかにポーラを振りむきかけ、右手で後ろ手にポーラの半身を撫で上げようとする。
自分の右肩の上に位置するポーラの息遣いを感じようとするように、右掌が伸びていき、肩に落ちるポーラの、そして自分の髪に触れる……
画面が切り換わった。
ニーナがその手に日焼け止めのローションの瓶を握った。
白い掌にローションを取ると、右乳房に塗り始めた。
鳩尾から乳首の上を通って横へと抜け背中へと消えている水着では、
乳房も隠れていない部分の面積がずっと大きく、水着を脱ぐこと、あるいはずらすことなく、その乳房の辺縁にローションを塗ることが出来る。
黒い手袋に飾られた掌が乳房の上を動いていき、腹へ到り、臍の周辺にもローションを塗布していく。
そして腰にまで辿り着き、ボトムの腰紐の上からくびれたウェストにローションを塗る……
掌がもと来た道を戻り、それを追うカメラが再び右乳房を映し出すが、
脱いだりずらしたりはしなかった筈の水着がずれており、その軌道から外れた乳首が剥き出しとなっていた……
画面が切り換わった。
デッキチェアに座るヘザーが映し出された。
デッキチェアであれば寝そべるのが普通であるが、ヘザーはその片側に腰を降ろして座っており、両足を揃えた格好で投げ出していた。
両手は後ろにつき、バランスを取っている。]
その格好だと、横からの身体のラインが丸見えとなり、豊かな胸、細く長い手足、均整の取れた腰つきがこれでもかと強調される
−そこへローションを手にしたニーナが寄り添ってきた。
デッキチェアのもう片側に優雅な身のこなしで腰を降ろす。
水着の位置は直されているものの、ほとんど剥き出しに近い豊かな乳房は、この程度の動きでもぷるんと揺れるのがはっきりと分かる。
ヘザーのなでらかな肩に挨拶するように優しく触れつつ、ニーナは妖艶な笑みを浮かべたその唇で
−横顔となったニーナの、サングラスの下の表情が辛うじて垣間見えた−
ヘザーの耳たぶにそっと触れた。
閉じられていたヘザーの唇が半開きになり、わずかに顔がニーナの方を振り向くが、
依然サングラスが彼女の表情を封じ、彼女がニーナの接触に対しどのような思いを抱いているかを伝えない。
ニーナの右手が動く……
まだ触れてはいない、脱がせたりずらしたりはしていない筈のヘザーの水着は、
いつの間にか内側へとわずかにずれており、右の乳首が剥き出しとなっていた。
脇腹から這い上がってきたニーナの右掌が包み込むように乳房を撫で上げ、ローションを塗りつけた。
そして感じ易い乳首に、鋭く尖ったペディキュアの爪の先がつまむように集中したかと思うと、
ドアノブを回すような動きで質感のある乳房を捻りあげる……
画面が切り換わった。
ニーナとヘザーは互いの唇と舌を貪り合う……
画面が切り換わった。
二人は、大股を開きデッキチェアを跨いで腰を降ろしていた。
ヘザーの水着は両サイドとも外側へとずれており、完全に乳房が晒される形になっていた。
余りにも巨大な乳房の脇にひっかかった細い水着は、寧ろ拘束着か何かのようにさえ見えた。
ニーナはヘザーの背中に身体を密着させて座り、その掌をヘザーの胸へと回していた。
執拗な手つきでローションを乳房や腹へと塗っていく。
右手が乳房から降りてヘザーの下腹へと、左手が乳房から上へ昇り喉元へと向かう。
ニーナの愛撫に何の抵抗も出来ず、ヘザーは半開きになった唇から切ない吐息を漏らし、あらぬ方向に視線をさまよわせる
−だが、その恍惚に浸っているであろう表情も、サングラスに覆い隠され、抑制されたものとなってしまっているが。
(現実世界のポーラが夢中になって喘ぐ)
ニーナとヘザーは互いの唇と舌を貪り合う……
画面が切り換わった。
ポーラの胸から股にかけてが大映しとなり、背後から回された手袋をした掌がその上を滑っていく。
粘土をこねるように、弾力のある乳房を玩び、水着に辛うじて隠された股間へと指先が伸びる。
水着の内側の宝石に触れたかと思うと、すぐに掌全体で腹の上を昇っていき、焦らす……
(現実世界のポーラがショーツの上から秘所に指を立てる。それを冷静な目つきで、ジェイミーとトリーが見守る)
画面が切り換わり、ニーナとヘザーは互いの唇と舌を貪り合う……
画面に一瞬ノイズが走ったかと思うと、画面が切り換わった。
ポーラはその細い身体をデッキチェアに横たえ、少し離れた位置のニーナとヘザーを見つめていた
−サングラスでその思惑は隔てられ、二人の女の姿にどんな思いを抱いているかは見た目に定かではないが。
ニーナとヘザーは立ったまま抱き合い、唇を重ね合いつつ、一定のリズムに合わせて身体を上下させ、互いの身体をゆっくりと擦り合わせていた。
二人のキスは激しく甘かった。
額と額、サングラスとサングラス、唇と唇、舌と舌、水着と水着、乳房と乳房、肘と肘、膝と膝が何度となくぶつかり合う。
互いの腰に回された腕がパートナーの背中を優しく撫で上げ、
量感のある乳房が劣らず量感のある乳房と押しつけられあい、その狭間でもみくちゃにされた水着が本来あるべき位置から追いやられていく。
二人のコントラストは完璧だった。
灼熱の陽光と場違いにすら思える白さの肌に、ストレートの黒髪を束ねたニーナと、
小麦色に灼けた健康的な肌に、軽くウェーブしたプラチナブロンドのヘザー。
ほっそりとした体躯に、真円のような美乳を備え、ツーピースの水着を着たニーナと、
圧倒的なヴォリュームの巨乳と尻を、下手なビキニなど問題にならないくらい露出度の多いワンピースの水着で包んだ
−いや、包んでいない。どうにか無理矢理引っかけた、くらいが適当か−ヘザー。
異なるセックスアピールを持つ二人の女が、互いの魅力に惹かれ合い、自然と唇を重ねているように見えた。
太股が互いの股に差し込まれた形になり、相手の太股の上に跨って腰を上下させる。
水着に覆われた性器が太股に擦り付けられ、鋭い官能が腰から脳天にまで突き刺さってくるが、
同時に、その上下運動は自分の太股で相手の股間をも擦りあげており、相手にも同じだけの快感がはね返る。
そしてもちろん、動くのは自分だけでなく、パートナーも、なのだ。
淫猥なリズムに合わせ、快楽が合わせ鏡になって増幅していく。
高ぶる思いを文字通り目と鼻の先のパートナーにぶつけようと、ニーナとヘザーは夢中でキスを繰り返すが、
顔をほぼ密着させていても、それぞれのサングラスに阻まれた二人の視線は決して交わることなく、互いの思いを目で伝え合うことも出来ない……
おおっ、意外とレスが多い。
>471
ああ、あったですねえ、そんなシーン……すごく短いので忘れてました(笑)
男の出ているシーンを全部女に置き換えると、それはそれで猛烈にエロくなるなぁとも思いまつ。
ナイトトリップス4の「アラブの金持ち男三人の前で、女三人がレズらされる」シーンを、
鑑賞している方も女に脳内変換してですね……とか(笑)
>472
見るだけなら、普通に今でもレンタルに置いてあると思いますよ。
前スレッドの292で簡単に説明してあります。
あと、去年くらいに、何故か今頃になって、
Night Tripsの1と2は国内の会社がDVDを出したようで、
検索していたら偶然見つけてしまって驚きました。
あまりその手の店を頻繁に覗く方ではないので、
実物は見たことないんですけど。
アマゾンには、昔誰かが出品した跡だけありますけどねえ
とりあえず、いよいよ佳境の水着で抱き合ってハァハァな辺りなんで、
じっくりお楽しみください。
デッキチェアに寝そべるポーラはその手を脇腹から股間へと這わせていき、水着のボトムに右手の中指と薬指を突っ込む……
最初は二人は互角に快感を与え合い、受け取り合っていたが、次第に攻守の差が顕れてきた。
−ニーナがより積極的で、巧妙な手管を持っていたのか。
それともヘザーがより淫楽に脆かったのか。
大きく喘ぐヘザーの背中をニーナが抱き締める。
標準より遙かに大きいヘザーの尻の割れ目から両肩へと渡されたV字の橋が、標準よりぐっと細い腰のために、
彼女の背中にくっきりと影を落としており、ニーナの赤い爪と黒いサテンの手の甲がその下の絹のような肌を悠然と滑っていく。
ヘザーの腰に回されたニーナの左手が、ヘザーの尻に食い込んでいるスリングショットのV字の基部へと巧みに滑り込み、
指と指の間に水着を引っかけて、尻を揉む動作と共に、水着をぐいと引き上げた。
同時に、右手もヘザーの尻へと回り込み、赤い爪を弾力のある尻にめりこませ、
激しく撫で回しながら、両手で尻全体をきつく押しつける−自分の太股へと。
強烈な快感に抵抗するように、ヘザーは腰をくねらせるが、
水着を後ろから引っ張り上げられているため、却って股間への刺激は増してしまう。
強烈な刺激から逃れようと、思わずヘザーは腰を下方へぐっと落とそうとしたが、
逃すまいとニーナはヘザーの股に差し込んだ太股をより深く突っ込んだ。
逃げたと思った先にも相変わらずニーナの甘い太股が待ち受け、ヘザーは快楽に震えつつニーナの太股の上を滑っていく羽目になる。
尻の割れ目でも水着を玩ばれ、ヘザーは狂おしく喘いだ。
上下運動のリズムに身を任せたためか、それとも下へは逃れられないと悟ってか、ヘザーはより背伸びをして、腰を上へと持ち上げた。
ニーナの太股とヘザーの股間の間に隙間が出来、一瞬だけヘザーは執拗な責めから解放されたかに思われた……
−が、ニーナは平然と尻を愛撫していた右手を前へ回し、自分の太股とヘザーの股間の間に出来た隙間に潜り込ませた。
そして、ヘザーの蟻の戸渡りをそっと撫で上げつつ、股間の正面から尻へと右手を伸ばしていった。
尻の割れ目で水着を玩んでいた左手と右手が出会い、二つの掌が水着をきつく引っ張り上げる。
左手が水着を後ろへと引っ張り上げていき、右手が再び蟻の戸渡りを戻っていきながら前へとたぐり寄せる。
股間にスリングショットが食い込む。
淫らな身体を自らの水着で罰せられ、ヘザーはニーナの腕に抱かれた姿勢で腰を深く落としていった
−無理に背伸びした姿勢がいつまでも保つ訳がなく、更に靴の高いヒールと身体を痺れさせる快感が爪先立ちすることを困難にしていた。
上下運動のリズムに従う以上、より高く上へ逃れた後は再び深く下へと沈み込まなければならない。
ニーナの膝の上を滑り降りつつ、また、ニーナの股間を擦りあげつつ、ヘザーの腰は崩れ落ちていった。
水着をたぐられつつ、溢れ返る快感に耐えかねたヘザーの腰は、横へとわずかな逃げ場を求め、切なげにくねった。
丸く柔らかい尻が淫らなリズムに合わせて踊る様は、余りにもエロティックだった……
その間もずっとヘザーの唇はニーナの舌と唇の侵略を受けているのだ。
ずっと二人の交歓を鑑賞していたポーラは、そのスマートな長身を起こしてデッキチェアより降りると、二人へと歩み寄った。
ついに、というべきなのかもしれないが、サングラスで守られたその表情からは、ポーラの真意を窺うことは出来ない……
画面が切り換わった。
ポーラは、ニーナの背中に自分の身体を密着させ、彼女の太股から腰、背中にかけてに手を這わせながら、
二人が身体を擦り合わせるリズムに合一し、自らも身体を上下にくねらせていた。
ニーナは、身体の前面をヘザーのそれに押しつけつつ、背中にポーラの身体が触れ、
耳元に半開きになったポーラの唇から吐息が漏れるのを感じていた。
緩やかだが確実に欲情を煽るポーラの愛撫を堪能しつつも、ヘザーを責める手を決して緩めない。
ヘザーは、息も絶え絶えとなりつつ、ニーナの責めによって豊かで淫らな肉体が歓喜の声をあげるのを満喫していた。
一連の責めにより、身体の右半身−といっても右肩から右乳房、股間に到るまでの距離を、
乳首をぎりぎり覆い隠すのみのごく細い幅でしかないのだが−を覆っていた水着が脱げ落ちてきていた。
だらしなく垂れたスリングショットは肩からずり落ち、右腕の肘に引っかかっていた。
露わになった右乳房に容赦なくニーナの手が伸び、寧ろ快楽に狂った自分の方からニーナの胸へと押しつける。
既に何度となく乳房同士を押しつけられあった末、やはり紐でしかないニーナの水着のトップもすっかりずれ落ちており、
乳房の真ん中、乳首の位置を通って首から胸、背中に巻き付いていたのが、
今では、首からまっすぐに下降して両乳房の狭間へと落ち込んでおり、ただ乳房を縁取るのみと成り果てていた。
互いの背中や腰や尻だけでなく、乳房までも愛撫の対象に加わり、
二人は夢中で互いの双球に手を伸ばし、その柔らかさを堪能した。
その間も腰は淫らに上下して互いの股間を互いの太股へと、
既に手を添えている乳房を乳房へと押しつけていき、唇と唇も愉悦を交換し合う。
すっかりこの戯れに夢中のニーナとヘザーだが、それはサングラスの貼り付いた顔からは窺い知ることが出来ない。
そしてニーナの背中というS席に位置するポーラは、サングラスの下からクールですらある視線を送り、
二人の女が互いを貪り合うのを見つめる。
三人の女がリズムに合わせ、身体を密着させて身体を擦り合わせる様を、カメラがゆっくりと下から上へと舐めていく。
ハイヒールに収まった足から始まり、見事な曲線を描く太股が交差して擦り合い、互いの手が絡みついた腰へと到り、
淫らにうねるヘザーの背中とニーナの乳房が映し出され、サングラスで飾られた三人の顔へとゴールインする。
極細の水着しか身に着けていない三人が身体を重ね、ひとつのリズムに合わせて互いに身体を押しつけ合っている様子は、
横から見るとほとんど身体のラインを覆い隠すものがなく、不気味な美しさを持つ肉色の波のように見えた……
画面が切り換わった。
ヘザーはマットレスに大股を開いて座っていた。
乱れに乱れた水着はきちんと元の位置に戻っていたが、すぐ脇に屈み込んだニーナ
−こちらは水着は胸の谷間に落ち込んだままで、乳房は完全に晒されている−がヘザーの股間を覗き込むと、
躊躇なく股間を覆うスリングショットのV字の基部をひっつかみ、乱暴に捻り上げた。
ヘザーの性器に狂おしい炎が走り、下方から引っ張られた水着が中継地である乳首にも刺激を与える。
ニーナは剥き出しのヘザーの腹に掌を当て、ゆっくりと上へと撫で上げていく……
と、そこには水着に食い込まれ形を変える柔らかい乳房があった。
と、カメラはすぐにもっと上へと向かい、ニーナとは反対側から屈み込んできたポーラの顔がヘザーの顔へと近付くのを映し出した。
責められて尚サングラスのおかげで表情が崩れないヘザーの顔に、
サングラスでキメて憎たらしいほどにクールに振る舞うポーラの顔が近付き、わずかにヘザーより早く舌を出した。
ヘザーも舌を出して応え、二人の舌がタッチする。
キスにまでは到らない、手短で淫らな挨拶……
い、いやらしい
読んでるだけでムラムラしてきました
今から元ネタ探してきます
はう〜
続きはまだっすかー
期待ほしゅ(・∀・)
画面に一瞬ノイズが走ったかと思うと、画面が切り換わった。
マットレスに寝そべって、はしたなく大開きになったヘザーの股が大映しになり、そこにニーナがすがりついている。
ニーナは、スリングショットを強引にずらし、剥き出しになったヘザーの性器に左掌を執拗に這わせ擦り上げていた。
一方、右掌はヘザーの左腿を抱え込み、手袋の先から覗く指が太股に巻き付くように貼り付き、色っぽく蠢く。
深紅の爪が柔らかい小麦色の肌に食い込む。
ヘザーの手が興奮のあまりに自身の乳房を手荒く玩び、腹から腰にかけてを滑っていく。
うねるヘザーの白い腹は、まるでそれ自体がひとつの性器のようだ。
画面は切り換わり、肝心のヘザーは全くカメラから消え、まさにヘザーを責めているニーナの顔がアップとなった。
ニーナの口は半開きに、時には喘ぐ時のように大きく開かれ、熱い吐息をヘザーの感じ易い性器に吹きかけていく。
その口の動きはひどく淫らだが、顔の上半分はサングラスに覆われ、表情を露わにしない。
その二律背反が……却って淫靡さを醸し出していた。
ノイズと共に、画面が切り換わった。
ヘザーのM字に開かれた股に顔を埋め、ニーナは舌をねっとりと動かしていた。
完全にヘザーのスリングショットのV字は角度を崩し、性器が露わになっていた。
よくもこのような細く幅の狭い水着で覆い隠せたものだと思えるほどの、
高く膨れ上がった性器、濃い陰毛が水着の真横に顔を覗かせていた。
そこをニーナは、容赦なく舐め続け、キスしては吸い上げ、人差し指でなぞり、息を吹きかける。
そのたびにヘザーは狂ったように喘がされ、たまらずに自ら水着の前をはだけてニーナ同様深紅に彩られた爪の先端を乳房に這わせてしまう。
下半身でも股間からずらされ、上半身でも胸からはだけた紐状の水着は肌に食い込み、ヘザーの身体の柔らかさをより強調しているようだった。
ニーナは、ヘザーの興奮が高まってくると、今度は性器を無視し、太股の付け根にキスを繰り返す。
直接的な刺激に慣れたヘザーは、一気に頂点まで登りつめるのを拒否され、焦らされる苛立ちにますます乳房を激しく揉みし抱いた。
一方、ニーナはまるで甘いキャンディを舐めている子供のように、夢中になってヘザーの腿の上で唇と舌を動かす。
そんなニーナの顔がアップになっていく。
斜め後方の角度から映るため、サングラスの下で陶酔のうちに閉じられた瞼が確認出来、
うっとりと動く舌と共に、この女の美しさを余すことなく伝えていた……
画面が切り換わった。
デッキチェアに寝そべるポーラはその手を脇腹から股間へと這わせていき、水着のボトムに右手を丸ごと突っ込み、性器に触れる……
ヘザーの手が腹を滑り、股間へと伸びていくが、ニーナの舌の責めはそれを寄せ付けない気迫を誇っていた。
手は虚しく来た道を戻り、腹から乳房にかけてを慰める他ない。
かと思うと、またニーナは責める対象を性器から太股に変え、ヘザーを焦らす。
(現実世界のポーラが夢中になって喘ぎ、ショーツの上から自身の性器を慰める)
責めと焦らしの繰り返しにヘザーはすっかり翻弄され、上空から照らしつける太陽と下半身を犯すニーナの愛技に焼き尽くされようとしていた。
嗚咽するように喉を上下させ唇を開閉させて喘ぐヘザーだが、やはりそんな淫らな口とは裏腹に、
サングラスに覆われた顔の上半分には、快楽の痕跡は窺えず、その異様なコントラストがまた更に淫猥な情景として画面に映る……
ノイズと共に、画面が切り換わった。
マットレスの上に寝そべるヘザーの上に、身体の上下を逆さまにしたニーナが覆い被さり、
二人は水着の上から互いの股間に顔を突っ込み、夢中で舌を動かしていた。
ニーナの細い腰がヘザーの顔の上に乗り、腰と背中が、立ったまま抱き合っていた時と同じリズムで、上下を繰り返す。
ニーナの全身で顔面から腹にかけてまでをマッサージされ、ヘザーは文字通り押し潰されそうなほどの快感を味わっていた。
少しでも応えようと、必死に水着のボトムの上からニーナの性器にキスを送り、ニーナの滑らかな背中に手を這わす。
ニーナはというと、ずらしたヘザーのスリングショットの脇から大きく開いた秘裂へと容赦ない責めを仕掛けていた。
指で秘裂を大きく開かせ、竪穴のようなそこに舌を挿入し、唾液を流し込む。溢れる愛液がそれを受け止め、混じり合う。
両股の付け根に巻き付かせた掌が淫らに動き、感じ易い内股の肌を優しく揉む。
ニーナの白い背中に垂れた、ポニーテールの髪が激しい動きに合わせて揺れ、そこへ背中を愛撫するヘザーの掌が触れる。
水着越しに股間に感じるヘザーの舌の動きに刺激を覚えつつも、その快感を責めへの燃料として、舌の動きを更に激しくしていく。
全身を貫く快感に背筋を張りつめさせ、ヘザーは息も絶え絶えとなりつつあった。
しかも顔の上には、ニーナの腰が覆い被さっている。
荒い息がニーナの股間を湿らせていき、負けじと突き出される舌が水着の上から唾液を染み込ませていく。
一方で、ニーナは巧妙な手つきでスリングショットを引き寄せ、蟻の戸渡りに紐を食い込ませ、ヘザーの肛門から性器にかけてを擦り上げる。
かと思うと、太股の付け根に執拗なキスを送り、秘裂に舌を這わせる。
そんな彼女の背中を何度もヘザーの掌が撫でていく。
画面が切り換わると、ニーナの下半身からは−脱いだり脱がせたりする画面はなしに−水着のボトムが消えていた。
ヘザーの顔の下半分の真上に丸々とした白い尻が盛り上がり、淫猥なリズムを刻んでわずかに上下していた。
股間へのニーナの責めにすっかり放心しているヘザーだが、
それでも舌を突き出し、ニーナの尻を両手でしっかりと押さえ、自分の口の前へと固定しようとしていた。
ニーナの股間が上下運動の過程でヘザーの顔に近付くたびに、ヘザーの舌がニーナの性器を刺激する。
一瞬だけの刺激だが、自らの刻むリズムに合わせて襲ってくると、
ニーナはヘザーが味わっているのと等しい快楽を感じ、シックスナインでしか得られない悦びにうち震えた。
身体をなまめかしく上下させてヘザーの口や乳房や腹に身体を擦り付けていき、内股や性器をより大きなストロークで舐めていく。
きちんと後ろに撫でつけ、束ねていた髪が乱れはじめ、右耳にぱさりとひと房の髪が落ちる。
それを合図にしたかのように、ニーナはヘザーの左腿に左手を改めて絡め、
同じくヘザーもニーナの背中を愛撫していた左手を移動させ、自分の太股に向かい、ニーナの手と一瞬だけ触れる……
現実世界のポーラが今までになく、大きく喘いだ。
画面が切り換わり、セピア色だった画面がフルカラーに戻った−
プールの際ぎりぎりに立つポーラは、ハイヒールとサングラス、ネックレス以外は身に付けない全裸となっており、
同じ格好−サングラス、ハイヒール、手袋、腕輪、指輪といった装身具のみ−のニーナとヘザーから奉仕を受けていた。
先ほどまでペット同士が戯れるのを眺める感覚で、ニーナとヘザーが絡むのを鑑賞していた筈が、気がつくと、自分自身が責められている。
何が起こったか分からず驚く間もなく、ニーナの手と舌が両の乳房を愛撫し、
ヘザーが、股の間に座り込み太股に取りすがった姿勢で性器に舌を伸ばしてくる。
二人の舌が卑猥に自分の上下の急所を舐め上げてくると、ポーラはサングラスの下に快感を押し隠しつつも、
身体を軽くのけぞらせ、手持ち無沙汰に右手を頭の後ろに伸ばし、髪をかき上げる……
画面が数秒だけ切り換わり、カメラが、ハイヒールから伸びる、すらりとした臑から太股を舐め上げ、
それに合わせ、踊るような仕種で太股から腰、豊かな乳房を誘惑するように撫で上げるヘザーの姿を映し出す。
挑発するかのように半開きになって突き出された唇は、キスを求めてきているようだが、
反面、サングラスに閉ざされた視線からは何を考えているかは窺えない。
それがますます彼女を惹きつける−誰を?
(どぅ、魅力的でしょ?)
「ええ……あなたは誰?」
(私でもあり、パートナーでもあり、そしてあなたでもあるわ)
「どういうこと?分からない」
(あなたはこの身体で他の女の身体を感じ、他の女の身体を感じさせた。あなたが求める理想の女たちなのよ)
「私の……」
(憶えていない?あなたはニーナとなってヘザーを愛し、ヘザーとなってニーナに責められ、
そして二人を目の前で愛し合わせて愉しんだ。それはあなたがそう望んだからよ)
「……そう。そうだったわ」
(あなたの性器はヘザーの性器。あなたの指はニーナの指……そして私たちも愉しませてもらったわ)
「あなたたちも?」
(あなたが用意してくれたこの美しい身体を堪能させてもらったの。
この身体で愛し合うのは……この身体であなたを誘惑するのはとても愉しかったわ)
「じゃあ、あなたたちは……」
(さ、お返しに、今度は私たちがあなたの身体を気持ちよくしてあげる……あなたの身体の味を愉しませてもらうわ)
三人の女の意識は溶けあってシンクロし、絡み合う三つの身体の感覚を同時に共有していた。
まだニーナとヘザーの身体へのリンクを残し、二人の感覚を持ち続けつつも、
最早コントロールすることはままならず、責められるばかりのポーラ。
ポーラの左乳首を飽くことなく舐め続け、ポーラの腹から右乳房にかけてに掌を這わせる「ニーナ」
−いや、ジェイミー。
ポーラの両足の間に潜り込み、ポーラの左股に左手を這わせ、
ポーラの股間に蛇のように舌で刺激を送る「ヘザー」−その身体に宿るのはトリーの意識だ。
現実世界のポーラが喘ぎ、激しく上下するその胸に優しくジェイミーが聴診器を当てる
−いつの間にか「ログイン」していた二人だが、既に妄想をドリームマシンにチャネルさせることに慣れた二人は、
夢を味わいつつ、冷静な笑みを浮かべて、ポーラが花開いていくのを見守っている……
画面が再びセピア色に一転し、ニーナとヘザーに責め続けられるポーラを映し出した。
右乳房に伸びるニーナの左掌を、夢中でポーラは自分の右手で押さえて握る。
その動作に、柔らかい乳房が押されて変形する。
向かい合ったニーナの唇がキスを求めてきて、いとも易々とポーラは唇を許す。
たちまちニーナの舌と唇が激しくポーラの口の中を犯しはじめ、ポーラの舌も必死でそれに応える。
二人の顔の上半分がほぼ正対し、互いのサングラスに互いの顔の上半分が映り込む
−ポーラのサングラスには、ニーナのサングラスをかけた顔が、ニーナのサングラスには、ポーラのサングラスをかけた顔が。
それが、キスを繰り返す、サングラスには映らない口を支点に揺れ、唇が触れては離れを繰り返していることを示す
−サングラスに合わせ鏡に映る互いの姿、互いの口の中に送り込まれる舌が互いへの憑依を可能とし、
ポーラは「ニーナ」と化し、ジェイミーもポーラとなる……
(現実世界のポーラが自分の唇を舐め、舌を淫らに突き出す……)
一方、ヘザーは今までになく激しくポーラの股間を舐め上げる。
ついには極限まで感じ易くなりつつも触れるのを避けてきていたポーラの陰核を噛んで、軽く引っ張る。
強烈な刺激がポーラの魂を「ヘザー」の肉体へと引き寄せ、一方で、ポーラの身体にもトリーの意識が侵入する……
(現実世界のポーラが、呵責なく自分の性器を擦り上げる……)
現実世界の診療室では、延々とオナニーを続けるポーラと、彼女の妄想を映し出すスクリーンを、
冷静なプロのカウンセラーの目と、淫夢に浸る女の目の両方で、ジェイミーとトリーが観察し続けていた。
次々とポーラの生み出す妄想がドリームマシンに記録されていき、それが二人のための愛の宮殿を形作っていく……
画面が切り換わった。
ポーラと「ニーナ」が舌を重ね合わせるシーンが数秒続いた後、
ついにどのような性行為にも満足しなかったポーラが屈し、プールサイドに寝そべり、快楽の余韻に浸っている姿が映し出された。
だが、それでも尚彼女の指は、自身の性器を慰めるのを止めない。
サングラスも用を為さないほど淫らな表情で喘ぎながら、ポーラは、まだ立って愛し合う「ニーナ」と「ヘザー」を見つめていた……
ポーラの足許にもうふた組のハイヒールを履いた足が映り、カメラの動きがゆっくりとハイヒールを履いた足を舐めるように昇っていく。
最早水着を着ていない「ヘザー」の身体に後ろから手を回し、
「ニーナ」は腰から乳房までに両掌を何度も何度も這わせ、また自分も乳房を「ヘザー」の背中に押しつけていく。
これもサングラスをかけていてもはっきりと分かるほどに大きく喘ぎながら、
「ヘザー」は、背後から自分を抱きすくめる「ニーナ」へと手を回し、せめてもと彼女の腰を撫で上げる。
二人は淫猥なリズムに合わせて身体を上下させ、互いの身体の前面と背面を擦り合わせる。
ジェイミーとトリーは新しく手に入れたこの肉体の心地よさを早速試し始めていた。
そして、その足許にだらしなく横たわるポーラは、依然己を慰め続け、はしたなく喘ぎつつ、
この新しく得た満足が更に繰り返されることをぼんやりと知覚していた……
お盆休みをいただきましたが、ひとまずこれで終了です。
楽しんでいただけたら幸いです。
今回は、元ネタにはないトリーとジェイミーの出番を無理矢理付け加えたので、
ラスト辺りは少し映像とずれがあります。
(元ネタは、妄想画面に興奮したカウンセラーの男医師と看護婦がやり始めるというもの)
また、この作品(に限らないのでしょうが)、
日本を含むアジア圏向けの修正きつめ版と本国無修正版がありまして、
>490の
>かと思うと、またニーナは責める対象を性器から太股に変え、ヘザーを焦らす。
>(現実世界のポーラが夢中になって喘ぎ、ショーツの上から自身の性器を慰める)
の件は、無修正版は、現実のポーラにヴァイブを挿入し、
すると画面の中のヘザーもニーナにヴァイブを挿入されているというもので、
道具ありなので、無修正版の方を採用しました。
道具嫌いの私ですが、これは「現実のポーラの性器」=「妄想のヘザーの性器」という
解釈が結構好きで、無修正版の方が気に入っています。
また、無修正版はシックスナインのシーンで、
ニーナが最初から下半身すっぽんぽんになっており、
修正版では最初は水着ありで同じシークエンスを繰り返す最後のみ下半身裸というもので、
こちらは始めの辺りの「触っていないのにずれている水着」に通じるイメージが好きなので、
修正版の方を。
んでは、また機会/リクエストがありましたら。
貴枝/碧の、美冴や鈴香を絡めて書きたいネタがあったりします。
描写そのものはエロくてすっごくイイんですが、(;´Д`)ハアハア
正直なところ、画面が切り替わるという一文で、
モニターを眺めてる感覚に戻るので、
感情移入はしづらかったですケド、
それはオリジナルを知らないせいもあり、
シチュになじみが薄いというのもあるんだろうな。
次なるネタもおありのようなので、激しく期待してます!
>>497 いや、エロかったです!まるでその夢のような作品を
観ているような感覚ですた。(;´Д`)ハァハァ
これはレズ+アイテムものの新たなる可能性を切り開いた
作品だと思いますGJ!!
ほしゅっ
今日の夕刊見出しに驚いた!
『女子レズ王国』!?
(;´Д`)ハァハァ
んっ?女子レス(リング)だった…orz
>>501さん
漏れにも似たようなことが起こりますた。
スーパーへ買い物に行ったら刺身コーナーのところで、
「貝合わせ」!?
ナヌ?(;´Д`)ハアハア
「貝盛り合わせ」だった…orz
最近はSS来ないねぇ。
SS待ち保守
本スレでも517狙ってます。
…と宣言すると取れなかったりして。(w
ほしゅ
ほしゅ
みんな、レズ・百合萌え板にいってるのかなー
あれま!?いつの間にレズ板が!?( ゚д゚)ポカーン
ぜんぜん気がつきませんでした。
レズビアン画像板よりも、レズ・百合萌え板のほうが、
ネーミングがぴったしって思タ。w
ふむ、517を取るべくってか、また保守代わりに、ちまちまとうpさせていただきます。
ってまだ完成してないんだけどね。。・゚・(ノД`)・゚・。
暑い夏。
ビルの中に入るや、冷気でホッとする。
待ち合わせ場所の本屋で、立ち読みしている彼女の姿を認めると、ちょっとだけジェラシー
が沸き起こる。私とデートの夜なのに彼女は新刊のチェックに夢中。少しは私が来ることを
今か今かと待ってくれる様子ってないのかしら。
うーん、なんかそんな短歌があったなあ、なんて歌だったっけ?
じっと見つめてると彼女は視線を感じたのか、顔をあげてあたりを見回す。私の姿に気づいたようで、今度は彼女が私を見つめてくる。
私は小さく手を振ってみせた。
ぷいっと新刊に目を落とす彼女に、なにか違和感。
機嫌悪そう。
……怒ってる?
「待った?」
「…別に」
顔をあげずに答える。
えーっと……。
「待ち合わせ時間は7時だったわよね?」
今はまだ7時5分前だ。
「…ん」
「場所はココでよかったのよね?」
「…ん」
じゃあ、なんで怒ってるんだ?
ワタシ、何か怒らせるようなこと、したっけ?
「なんか怒ってる?」
「……別に」
………やっぱり怒ってる。
わたし、なにした?
それとも何かしてないせい?
「……ちょっと会計してくる」
彼女は私のほうを見ず、レジにむかっていった。
憮然としつつも、出口近くで待つことにする。
あれこれ思い返しても、理由がわからない。
たまにはデートらしいデートをしようということで、こうして待ち合わせをしたのだが、
どうも気詰まりな空気が漂う。
どうしたのかと何度尋ねても、彼女はなんでもないとしか答えてくれないので、とりあえず
気にしないことにして、食事に行く。
そのうち話してくれるだろうと期待しつつ、なんでもないふりをして、いろいろ話しかけて
みるのだが、そして彼女も適当に相づちをうってくれるのだが、あいかわらず様子が変だ。
−−−ずっと、私のほうを見ない。
そのことに気づいてしまってはもう哀しさで落ち着かなくなった。
何か私に隠しごとでもしてるのだろうか。
ひょっとして私に飽きたのだろうか。
他に好きなひとが出来たとか…。
まさか…。
(゚∀゚)ゲッツ!
久しぶりだからか、しょっぱなからミスってるナー。_| ̄|○
タイトル入れるのも忘れてるし。。。_| ̄|○
「続・彼女と彼女の話」ってことでひとつ。
いや、だから風邪で中断して、直ったらプロ串規制でかきこめなくなってたんだって。
これは携帯から書き込んでるわけですが
ゴバーク
てへっ
>517さま
新作ですね。
相手のことが気になってやきもきしているところが相変わらずでいいです!
んで、こちらも新作の準備に取りかかっているのですが、投下してもよろしいでしょうか。
同時だとちと混乱するかもしれないすけど。
>>522 初代スレ410さま
ああっ、師匠の作品の邪魔をしちゃ申し訳ないですぅ。
今回のは短く、あと2回ぐらいの連続投下で終わりますので、
しばし、お待ちくださいませ〜。
初代スレ410さまのファンの皆様、邪魔してすみません〜。
*
困った…。
目のヤリ場ない…。
まったく、なんでこういう格好してくるんだ、このオンナはっ!
いくら暑いとはいえ、それはないだろう。
ぴっちりと体に密着したキャミソールが見せるその胸のラインに、かすかに見える胸の谷間
に、ドギマギする。ブラジャーのカップもいつもと違ったお椀型なだけに、ますますそのラ
インが強調されてるのがよくわかる。
スカートはというとこれまた風通しの良さそうで、刺激的だ。どうかするとピップのライン、
内股のラインが見えてきそうな…。
あーっ、もう!
あまりのイロっぽさに、彼女のことを直視していられない。
ヘタに見たりなんかしたら、そのまま押し倒してしまいそうだー!
つくづく自分が男じゃなくてよかった。男だったらきっとバレバレなほどに勃起してただろ
う。今の自分は、濡れるというよりも、クリトリスがキュウっとジンジンしてて切ない。
どうしよう、このままじゃ落ち着いてデートなんかしてらんないよぅ。
彼女は相変わらずキレイで、美人で…。
地味ぃーな自分がそばに居ていいんだろうかと不安になるほど、いい女で…。
とにかく冷静に振舞わなくては…。
スケベ親父みたいにニヤけてしまいそうなのを、必死にこらえる。
あたりを見回すと、周りの男達がみんな彼女に視線を向ける。いや、女達もだ。
絡みつくような視線が何を意味するかがわかるだけに落ち着かない。
あーもうっ!見るなっ!
あっちへ行けっ!
主人に近付く不審者に吠える犬の気持ちが今わかる。
ってあたしゃ犬か…。
つい、大きなため息がもれる…。
まいったなあ…。
*
ぎこちない空気ながら、やがては食事も終わり、私たちはレストランを後にした。
問いつめようかと逡巡するが、この後は映画の先行レイトショーを観にいくつもりなので、
あまりゆっくりしていられない。しかしこのままでは映画どころじゃないだろう。
歩くこと数分。
「ねえ…」
沈黙を破ったのは彼女のほうからだった。
ちょっとだけホッとする。
「なに?」
「………」
何かためらってるようで、なかなか言いたがらない。
「…今夜は、映画はよして、もう帰らない?」
ずいぶん前から楽しみにしていたのに?
伏し目がちの彼女。
相変わらずこちらを見ようとしない。
涙目になりそうなのをこらえる。
「…ええ、そうね。そうしたほうがいいみたいね」
何度目かの彼女のため息に、もう耐えられない。
「え?」
私の返事が予想外だったのか、やっと私のほうに顔を向けてきた。
「いったい何怒ってるの?」
「別に、怒ってなんか…」
「ううん、怒ってる。ていうか、不機嫌よね。いったいどうしたの? 私、何かした?」
「…なんでもない」
「なんでもなくないじゃない!」
つい、ヒステリックに声を張り上げてしまう。
通行人がこっちを見るので、逃げるように、彼女を道のはずれに引っ張る。
人目はばからず泣き出しそうになるのをどうにか理性を保ち、小さな声で言った。
「ずっと、私のほうを、見てくれないじゃない…」
「………」
この暗がりの中、彼女は次第に顔を赤らめているのが見えた。
彼女は不機嫌というより、スネてるような…。
この変化のおかげで、さっきまでの深刻な気分がすぅーっと消えた。
違う。
怒ってるとか、不機嫌とか、そういうことじゃない。
何かこう…、そう…、夜の睦言のそれを思い起こさせるような…。
嬉しいような楽しいような予感…。
ちょっと戯れに絡み付いてやる。
「こら、白状しろっ!」
「なんでもないったら。もー、うるさいなー。……どうせ言ったら笑うんだから」
「なになに? 笑わないから、ねっ? 約束する、ねっ?」
「なんでもないってば」
「だめ、ちゃんと言って」
「………」
相変わらず、私を見ようとしないが、恥ずかしがってるのはわかった。
少々の押し問答の末、ようやくかすれるような小さな声が聞こえる。
「…どうしてそんな服装で来るんだ」
「は?」
「そんな…、体にピッチリしたキャミソールなんか着て来ないでよ…。胸のラインに目の
やり場がないし…、まわりがみんな、あなたを見る……」
「………」
「あなたは私のものでしょう。他のひとにその体を見せないでよ…」
「………」
「私の自分勝手な言い分だってことは、わかってる。でも、イヤなの!!」
彼女は私の手を振りほどき、ぷいっと横を向いた。
恥ずかしそうに答えた彼女。
しかし、自分もまた顔が赤くなってきてるのがわかる。
もぉっ!
どうしてこのひとは、こんなにも私を天にも昇るような気持ちにさせてくれるの!?
ついさっきまでは奈落の底のような気分だったのに。
私は嬉しさのあまり、ニヤけてくるのを堪えきれず、手で口元を覆う。
約束通り笑いはしなかったが、いや、笑えなかった。
目をそらしながら、うつむき加減に、真っ赤な顔をしている彼女。
かっ、かわいーーっ!!!
10も年上の女性に向かって、可愛いなんて失礼かもしれないけれど、でもこんなコトで
妬いてる彼女は可愛いすぎる。
あまりの可愛さにこっちまで赤くなる。
もう我慢出来ないっ!
まったく、中学生のデートじゃあるまいに、女ふたりで顔を赤くして何突っ立っているん
だろう。
私は彼女の手を引っぱり、ずんずん歩いていく。
ここから自宅までタクシーで10分とかからない。このまま家に帰りたいところだが、そん
なに待てない!
待ちきれないっ!
裏道へ入り、ラブホテルに入っていく。
この時ばかりは、かつて遊びまくり、このあたりのホテルを知っているコトに感謝する。
>517さん
ひねくれてるとこあるけど、そこがまた愛らしい彼女ですね!
でもきっと、よっぽど主人公のことが好きなんでしょうなぁ、ヒュウヒュウ〜♪
しかしこみ上げてくる情愛を押さえ切れずにラブホに雪崩れ込んでしまうなんて
なんか生々しいですわ、ゴクリ・・・
ホテルの部屋に入るや、彼女を押さえつけてキスをする。
ロマンチックのカケラもない荒々しいキスをしながら、舌と舌を絡ませながら、優雅さとは
かけ離れた手つきで彼女をまさぐり、服を脱がせる。新記録じゃないかというほど、すばや
く彼女の上半身を裸にし、ジーンズも脱がせる。
このクソ暑い季節にジーパンなんかはいてこないでよっ!
彼女もジーンズを踏みつけながら、脱ぐのに協力してくれる。
彼女のショーツをもあっという間に脱がせる。
すると今度は、なすがままだった彼女が私のキャミソールとブラジャーを一緒にたくし上げ、
プルンと剥き出しにされた乳房を掴み、その乳首を吸い付いてきた。
「…あん!」
いつもと違う、その激しい吸い付きに、思わず彼女への愛撫の手が止まる。
弄ぶというよりは嬲るその手つきに、いつもと違う昇華を感じられ、股間が切なくなる。
自分でミニスカの裾をまくり上げショーツを脱ぐ。しかし、彼女の手を取って股間に導こう
としても、彼女は執拗に私の乳房を嬲ってくる。
尖った乳首の疼きと同時にクリトリスも痛いほど尖っていくのがわかる。こんなに疼くのに、
触れてくれないもどかしさ。
「ねえ…、アソコも触って…」
「イヤっ!」
「どうして!?」
「…許さない。んんッ……許さない。んぐッ……許さないんだからっ!」
何を許さないのかわかった。
自分の許可なく、この体、この肌を晒したことが、許せないのだ。
それは大いなる喜びとなり、火に油を注ぐように激しく興奮させる。
私の意図を叶えてくれないくせに、自分は私の太腿に己の股間をこすりつけてくる。
太腿がヌルヌルしてくるのがわかる。
これまでにない感触にゾクリとし、官能が加速ついてくる。
もう全身で彼女の攻めを受け止めるのが精いっぱいになってきた。
「あん……、あッ、あッ、あッ…! は、はうっ!」
そんなっ…。
自分の胸はそんなには感じないはずなのに…。
なに、この感覚……?
乳房全体を嬲りながら乳首を激しく吸い付くかと思えば、乳房のアンダーラインに沿って
吸い付いてくる。空いてる手ですかさず乳首を責め立てる。再び吸い付いてくるかと思えば、
唇や舌で乳首を転がしてくる、それも先端だけを…。
的確に私を責め立てる。
いつの間に、こんなに上手くなっちゃって……。
「んッ……んッ……あんッ……!!」
しびれる衝撃が腰を貫いてくる。
胸だけが、乳房だけが、性感帯になったような気がした。
「はッ……、ああッッ……、イイッ!! いいッ!! あ、…あぁーーーーーッ!」
やがて、最初の絶頂がやってきた。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、…ふぅーッ」
む、胸だけでイッちゃうなんて……。
私って自分が思ってる以上にムードに弱いのかしら。
互いに息切れしながら、私は彼女の頭を抱きしめる。
私がイッたことで彼女もひとまず落ち着いたようだが、その手はまだ離さず軽く弄んでいる。
彼女のものと自分のものとが混じり、それが太腿を伝い、滴り落ちる。
静まりかけてきたものが、また噴き出してきそうだ。
この立ったままの不安定な状態では、快楽に集中できない。
両脇でひっかかっていたキャミソールとブラジャーを脱ぎ捨て、しがみついたままの彼女を
引きずりながらベッドへなだれ込んだ。
ようやく彼女は、私の熱く切ない箇所に手を伸ばしてくれた。
それからも何度イかされたことか。
あまりの快楽に何度逃れようとよじったことか。
しかし彼女は許さなかった。
彼女の可愛らしさでむしゃぶりつきたかったのは私のほうなのに、まずは彼女の怒りを昇華
させるほうが先決というほどに激しかった。
彼女の気の済むように身を任せるしかなかった。
*
「結局映画、観ないでしまったね」
度重なる絶頂感でグッタリしてる彼女からは返事がない。
自分も満足感でグッタリ。
肉体的にはイッてないけれど、精神的には何度達したことか。
ちょろちょろと彼女の長い髪をいじりながら、彼女の匂いを嗅ぐ。
…とろけそうだ。
区切りのない快楽にゆだねる快感。
このまま眠ってしまいそう。
「うん…」
彼女が動き出してきた。
「…楽しみにしてたのは、あなたのほうでしょ」
「いきなりホテルに引っ張ったのはあなたでしょーが」
「あら、私のせい?」
「うん」
「まあひどい」
気力が回復したのか、彼女は妙な含み笑いをみせ、その片手を私の中に挿れてきた。
そこはまだ潤ってるはず。
背が小さい分、標準サイズより小さい自分のアソコは、彼女の長い指だとかなり奥のほうまで
届く。うらやましい。自分の短い指じゃ彼女の奥にはなかなか届かない。
彼女は私の中をかき回すでもなく、出し入れするでもなく、ただ奥のほうの一点だけをゆっく
りゆっくりと愛撫している。
最初はあまり感じないが、じわりじわりと、なんとも言えないような感覚が浮遊してくる。
もうすぐ、チェックアウト時間だというのに………。
「あんなに、私を不安にさせたんだから、たっぷりお返ししなくちゃ!」
「…不安って?」
「ずっと私のほうを見てくれなかったじゃない」
「……だから、それは、……言ったじゃない」
「そのとき、私がどんな気持ちでいたか、わかる?」
「………ッ」
想像しようとしても官能の波に邪魔される。
「何か隠しごとでもしてるのかな、とか」
ソレは、最初は小さな波だったが、次第に大きなうねりのようになって、押し寄せてくる。
「もう私のコト、飽きたのかしら、とか」
答えるどころではなくなりつつある。
「……そんなことッ、……思わな……ッ!」
激しい愛撫ならまだしも、そうじゃないからこそ……。
「他に好きなひと、出来たのかしら、とか…」
否定したいのに、呼吸が苦しくて……。
「………そんなひと、……いな……い……」
「ほんとう?」
カクカクと首をたてにふるのが精いっぱい。
「私だけ、見てくれる?」
カクカク…。
「ふふふっ」
彼女はその淫びな唇で、熱いキスをしてきた。
嗚呼、彼女の唾液が美味しい!
突然、彼女が指を引き抜いてきた。
「はあゥッ!!」
いきなり途切れた波に戸惑う。
ハッ、ハッ、ハッ……。
ようやく息がつけた安心感と快楽が半端に途絶えた不安と物足りないさが、混ざりあう。
彼女のほうを見ると、いやらしい笑顔を見せてる。
「さあ、チェックアウトの時間よ。シャワーを浴びてらっしゃい?」
そんな…。
ここまでさせといて……。
「ん? 動けない? じゃあ先に浴びてくるわね」
「…ひどい」
「なあに?」
「…こんな、中途半端でやめるなんて」
「チェックアウトの時間だって言ったのはあなたよ?」
もう、泣きそう…。
ホテルを出て表通りで拾ったタクシーの中でも、まだジンジンしている。
これから彼女の部屋で起こることの予感で、体が熱く火照っている。
運転手にヘンに思われてないだろうか。
彼女のほうはというと、何事もなかったかのように、澄ました表情だ。
小憎らしいと思う瞬間。
同時に、深い愛情の念が押し寄せてくる。
*
数日後。
ふぅ!
こうも毎日暑くちゃかなわないわ。早く秋が来ないかしら。
あいかわらず、彼女が指定する待ち合わせ場所は本屋。
広い店舗の中で彼女を見つければ、やっぱり、立ち読みに夢中。
いつも私が彼女を見つけ、私が彼女に声をかける。
もし私が声をかけなかったら、どうなるのかしら?
そのまま忘れて、ずっと読んでるのかしら。
私が声かけなかったら、探してくれるのかしら。
彼女が私の格好にスネたのなら、私も彼女が本に夢中になるのをスネたっていいはずだわ。
私はレジ近くのベンチに腰掛ける。
さあて、今日のデートはどうなるかなー。
〜終〜
というわけで、やっと終わりました。
連続投下のエラーが出たときは焦ってしまったけど。
最近、「彼女」のキャラの違いの描写が甘くなってます。
いいかげん名前つけろという声も脳内に響いてるのですが、
ついついラクなので一人称で書いてしまいます。
全然進歩のないデキで申し訳ないです。
よかったら、また感想をお聞かせ願えたら、幸いです。
>>初代スレ410さま
作品、お待ちしてます!
>>528さま
感想をありがとうございます。
自分の萌えポイントにラブラブな嫉妬ってのがあるので、
ああいうヒネクレさを溶かしてくれるストレートさって好きなんです。
>>536 完結乙です!
しかし焦らし焦らされ、もどかしいお二人ですなぁ・・・
だからそのぶんの激情をお互いの肉体にぶつけ合ってるわけですね?いつも。
いいじゃないっすか!(;´Д`)ハァハァ
あと指の長さやアソコの深さが生々しく実感させられるとこがエロエロでした!!
それにしてもけっこうお洒落な作品でしたね(*^ー゚)b グッジョブ!!
>517さま
いいっすね。
互いに嫉妬し合い意地を張り合う関係が、
セックスでもリバな展開へと繋がっていく辺りがとても美味しいですなあ。
つーことで自作を投下。
今回構想にあるものは全部書くとやたら長くなりそうなのですが、
何とか投げ出さないで書いていく覚悟でおります。
まずは……
Her Personal Maid VOL.9-a
Sister's Engagement
「はぁぁぁ、お姉さまぁぁ……」
「んっ……りえちゃん、可愛いわよ…」
ぴちゃぴちゃという湿気を伴った響きが茶道部室の青畳の上に響く。
二人の少女の唇と唇が重なり合っては離れを繰り返し、
互いの手が互いの股間に伸びて、潤んだ秘裂を優しく愛撫している音だ。
鈴香は理恵の肩を抱き寄せ、まだ未熟なその乳房に自分の乳房を押しつけた。
「そうよ、手で支えて……」
膝立ちになった少女たちは、片手を乳房に添えて支え、ほぼ密着したパートナーの乳房へと擦り合わせ、
もう片手を互いの股間に伸ばす。
「……ああっ……お姉さま……おっぱいが……おっぱいが……」
「気持ちいい?」
「はっ……はい……んんっ……」
柔肉同士が押しつけられ合う心地よさに、理恵は思わず腰を上下させ、背筋を快楽に緊張させる。
その運動のたびに、理恵の青く細い身体が鈴香の白い身体にまた押しつけられ、
柔らかい肌同士が互いに擦れ合って、変形する。
ここが神聖なる学舎の中であることも忘れ、理恵は憧れる先輩との情交に溺れていった……
鈴香が三年生になり、茶道部には五人の新入部員が入ってきた。
既に蔦が丘学園高校茶道部の部長という立場の重責をしっかりと認識していた鈴香であったから、
速やかに彼女たちを茶の湯の道−と甘美なるレスボスの道へと導きはじめた。
真梨子を含む他の三年生や琴美たち二年生にはまずは手を出させず、五人全員を自ら「指導」し、
ことごとくを自分の魅力と技量で屈服させ、鈴香は大いに自信をつけていた。
可憐な容貌といい、年齢離れした大人びた体型といい、上品な物腰といい、
鈴香の存在は、理恵を含む新入部員たちの「上級生への憧れ」を刺激するに充分すぎるほどの魅力を備えており、
加えて優しく精妙な愛撫を施され、あっという間に全員が鈴香を「お姉さま」と呼ぶようになってしまった。
以後、部の流儀に慣らすため、一年生同士での技術の切磋琢磨や、他の上級生からの指導も薦めてはいるが、
どの新入部員も鈴香個人に心奪われているため、却って茶道部のレズビアン派閥としての機能はその役目をあまり果たしていない有り様だった。
少女たちが互いに愛し合うためにある−その時点で既に本末転倒であるが−茶道部が、
半ば白沢鈴香ファンクラブの様相を呈してしまうというのは異常事態であり、
この点に置いて、鈴香が歴代の茶道部長の中でも突出していることの証明と言えた。
自然、他の部やOGからの注目も並大抵のものではなく、鈴香はその手際を、訪ねてきた卒業生からも絶賛された。
が、一方で、卒業生からお叱りを頂戴したこともあった。それは……
「……お姉さま……あの、今日こそ……」
「うふふふ、「今日こそ」、何?」
理恵は真っ赤な顔になり、目を伏せながらも、熱い口調で、
「今日こそ、私の………初めてを……もらって欲しいんです………」
「嬉しいことを言ってくれるのね。でも、まだ早いわ」
そう言いながら、理恵の肩に手を伸ばし、そっと寝転がるよう促す。
そして、彼女の腰に手を移動させると、理恵も肩に体重をかけて下半身を鈴香に預けた。
理恵の両足を担ぎ上げつつ、鈴香は未だ処女の理恵の性器にキスし、そのまま吸い上げる。
「あああああああ!」
鈴香は、副部長である真梨子の頼みを聞き入れ、上級生が新入部員の処女を散らす風習を取りやめ、
あくまで両者の合意のみによって行われるものとした。
かつて自分たちが味わった悲惨な経験を繰り返さないようという真梨子の念願が叶ったものであったが、
こと計算外だったのが、今年の新入部員がことごとく鈴香に操を捧げたがっていたことだった。
部の在り方の故に、他の部員とも肌を合わせることはありつつも、どの新入部員も鈴香を心より慕っており、
こと処女を捧げるとすれば、その相手は鈴香以外は考えられないという情況だったのである。
鈴香としては、彼女らの処女をもらってやっても良かったのだが、
当の一年生たちは誰が最初に鈴香に処女を散らしてもらえるかを競い合うような雰囲気になっており、
鈴香もまず最初の一人を決めることが出来ず、様子見を余儀なくされているということがあった。
そして、もう一つ、琴美の処女を奪って勝ち誇っていた去年とは、今年の鈴香は、心境に変化があった……
「……お姉さま……どうかなさいました?」
一度達した理恵は、畳の上にぐったりと寝転がりつつ、鈴香を慕わしげに見上げた。
「ううん、何も……どうしてそんなこと聞くの?」
理恵は俯き気味になって、
「……わたし下手ですから……満足してもらえないのかと……愛していただくばかりで……」
鈴香はにこやかな笑みを崩さず、後輩の唇を軽く塞いだ。そして、
「気にすることはないわ。すぐに上手になるわよ、りえちゃんも」
理恵が何を考えているかは分かっている。
責めの技巧がまだまだ未熟で、自分を逝かせられないことを気に病んでいる……
ことに加え、かつて自分が愛し合ったであろう他の女性の存在をライバル視し、
そうした先達に比べて何の技巧もないことに焦燥を感じているのだ。
そう、こうして処女の後輩たちを抱いていると、数ヶ月前のあの恥辱と快感を思い出す。
処女だと思って犯そうとした相手に、完膚無きまでに敗北したことを。
そして更に、犯そうとした相手の女主人に捕らえられ、一生忘れられないほどに甘美な地獄を垣間見せられたことを。
あの体験が、鈴香に相手に処女を奪うことを躊躇わせていた。
それほどにあの体験は彼女に大きなトラウマを残した。
そうするほどに、鈴香の心は、今目の前で快楽に身を震わせている後輩たちではなく、愛おしい佳人へと向かっていく。
そして、そんな鈴香の様子に、ますます理恵は形なき嫉妬を抱き、恋に燃える鈴香の美しさにますます惹かれていくのだった……
_______________________________
帰宅しようと、下駄箱を開けた碧は、その中に白い封筒が鎮座しているのを見て、溜息をつきそうになった。
そっと辺りを見回し、誰もいないのを確認して、封筒を素早く懐にしまう。
帰りのバスに駆け込み、再度周囲の目がないのを確認して、開封する。
やはり、鈴香からの手紙だった。
文通とは言えないだろうが、鈴香からの一方通行の手紙は週に一、二度のペースで碧の許に届いていた。
最初は、もらっても困るからやめてくれ、と直接鈴香に言ったこともあったのだが、鈴香は全くめげた様子はなく、
「構いません。私が書きたくて書いているだけですもの。困るというのでしたら、読まずに捨てていただいて結構です。
私、碧さまにもう一度私を愛していただけるまで、続けるつもりです!」
などと、元気いっぱいに宣言してくるのだった。
そんなストーカー一歩手前の熱愛ぶりに、一度自分を犯そうとした前科があることも加わり、
最初は碧は身の危険を感じないではなかったが、鈴香は意外にも節度を持って碧に接していた。
無理なスキンシップを持とうとはせず、クラスも隔たっているため、ある程度の距離が保たれていた。
手紙の内容も礼儀正しく、年頃の娘にありがちな浮ついた感じは希薄だった。
好きな人に対して着飾ろうとするところがなく、自分を碧に知ってもらいたいという素直で真摯な気持ちが読み取れ、
碧は好感を覚え始めすらしていた。
それほどしょっちゅう手紙を書いていると、”あなたが好きです”というだけでは続かなくなってきており、
日常にあった些細なことをさらさらと書くような私信に近い内容になってきており、定期的に読むのが楽しみになってきた。
だが、それでもそれほど頻繁にラヴレターをやり取りしていると周囲に勘違いされてはならないと、
碧は手紙を開封し読むのには細心の注意を払っており、そして……
バスから降り、夕食のための買い物に行ったついでに、碧はスーパーの前で便箋と封筒を破り捨て、クズ篭に捨てた。
クラスメイト以上に、このことを貴枝に知られてはならない。
決して手紙を家に持ち帰る訳にはいかなかった。
下手に手紙を保管するような真似は、貴枝に対する裏切りであるように思えた。
貴枝を愛しているのならば、その思いに迷いがあってはならないし、半端に鈴香の気持ちに応えようとすることがあってはならない。
貴枝に疑われるようなことになれば……貴枝の怒りを買うのが何よりも恐ろしく、それ以上に貴枝を悲しませるのが辛い。
だが、こうして鈴香の心がこもった手紙を破り捨てるのも、それはそれで何とも辛いものだった。
鈴香自身は、「読まずに捨ててくれても結構」と言ってくれてはいるが、そんな健気な思いがこもっているのかと思うと、なお辛い。
後輩の処女を奪って愉しむようなサディスティックな性質に見えた鈴香だったが、
一途な恋に身を焦がせば普通の少女と変わりないことを碧は痛感した。
これでその思いが当の自分に向いているのでなければ、積極的に応援するところなのだが。
今の碧には、鈴香は決して憎むべき存在ではなく、寧ろ同情と共感を抱ける存在だった。
だが、貴枝への愛を誓っている身では、決して鈴香に同情してはならないのだ。
溜息をつき、碧はスーパーへと入っていった。
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
しょっぱなからエロいっすね!
鈴香と碧、そして貴枝と、どう展開していくんでしょうか。
期待してます!
>>537さま
感想をありがとうございます。
指摘されて初めて、焦らし焦らされ…が多いことに今さら気づきました。
いやこれはもう初代スレ410さまの貴枝戦法(w)に毒されてるせいです。(^^;
オサレな作品とお褒めいただけて、恐縮です。
>>538さま
初代スレ410さま、ありがとうございます。
深刻にならない程度、あるいは絶対誤解が解けるというような、
嫉妬と意地は、んまい調味料ですワ。ヽ( ̄▽ ̄)ノ
いよいよ作品開始ですね。
続きをお待ちしてます。
言うまでもなく、貴枝はこと碧の悩みや表情の変化に関しては敏感である。
ひょっとすると、碧自身が意識するよりも早くに彼女が悩みを抱えていることを察知してしまうのかもしれない。
碧の表情がここのところ憂いの度を増してきているのに、貴枝は少々不安だった。
以前も、碧が自分以外の誰かを思っているのではないかと疑ったことがあったが、確かにそういう心配はある。
嫉妬深い女の、「子供」を独占したい「母親」のエゴではあると分かってはいるが。
一方で、碧が真剣に悩みを抱えているのなら、相談に乗ってやらなくてはという義務感も強くある。
今までに経てきた経験から、こういう際には遠慮せずに碧に干渉し、口を出すようになっていた
−碧と巡り会う以前のクールな自分からは考えられないことである、と貴枝自身も思う。
碧はというと、目の前で神妙な顔つきで紅茶を啜っている。
「………何か悩みでもあるの?」
「えっ?」
碧は驚いた様子で、貴枝を見つめ返した。
「何か悩みでもあるのなら、相談なさい」
「いえ、何も!」
即答が返ってきた。
ふむ、本当のところはどうか分からないが、相談する気でないのなら、仕方あるまい。
ここはぐっとこらえて我慢して、これ以上の干渉はせずにおく………
暫し、沈黙のうちに時が流れ………
「…………ごめんなさい!ご主人さまの目はごまかせないんですね………実は……」
やっぱり、と思いつつも、顔には出さない貴枝である。
碧は、慎重に言葉を選びながら、鈴香のことを話し始めた。
全てを聞き終えた貴枝は、いつも通り−いや、いつも以上に無表情を装い、無言で考え込んだ。
そんな貴枝の様子に碧はすっかり恐縮し、審判を待つ被告のような表情で頭を垂れている。
「……私にも少し考える時間をちょうだい。いい?」
「はい……」
馬鹿正直に打ち明けて貴枝の機嫌を損ねたかという後悔と、
隠し事をしないようにした判断を肯定する気持ちとがない交ぜになり、碧は複雑な表情だった。
だが、黙っているよりも、正直に打ち明けた方が、結果としては貴枝の心に痛みと心配の種をもたらすことになったかもしれない。
(ああん、もう私の馬鹿馬鹿!ご主人さまに心配かけてどうするの!)
貴枝は、そんな碧に慰めの言葉を投げかけようとしたが、ぎりぎりで踏みとどまった。
碧を不安なままにさせておきたくはないが、その一方で、自分も碧の悩みの種の当事者であるだけに、
自分も混乱しており、冷静な判断を下すには少し気持ちの整理が出来てからでなくてはなるまい。
(しっかりなさい、水上貴枝!「母親」がそんなことでいいの!碧が困ってるでしょ!)
心の中で己を叱咤しつつも、貴枝は碧が鈴香に同情の念を抱いていることにはっきりと嫉妬を感じていた。
決して自分に向けている愛情とは同じではない気持ちなのだろうが、それでも嫉妬の念が湧いてくるのを抑えることが出来ない。
鈴香が碧を犯そうとしたのは許せないし、自分が許せないところを犯されかけた当人の碧が許し、
あまつさえ同情しているというのは、ますます貴枝を不安にさせる。
そんな碧の優しさを好ましく思いつつも、その想いが他の女に向くのには我慢がならない。どうしてくれようか?
ドキドキ…
悶々とした一夜が明けた。
昨夜は貴枝は夜伽を命じておらず、碧はいつもの時間に起きだしてきて、洗濯と朝食の準備にかかろうとしたが……
居間から物憂げなピアノのメロディが流れてくるのに、貴枝が先に起きてきていることに気付かされた。
貴枝は、レコードを聴きながら珍しくコーヒーなどを啜っている
−碧が嗜まないため、貴枝も家ではコーヒーは滅多に呑まない。
ガウンや浴衣ではなく、着物をきちんと着ているが、髪は束ねたりまとめたりはしておらず、起きてきたばかりという態である。
少しやつれたように見え、昨夜充分寝ていないのだと気付いた。
自分が持ち込んだ悩みのせいで、貴枝が眠れない一夜を過ごしたことに気付き、碧はひどい罪悪感に苛まれた。
「あ……あの、ご主人さま、おはようございます……」
「おはよう、碧」
いつもしているように、碧は貴枝におずおずと近付き、おはようのキスを交わそうとしたが、所作はどこかぎこちない。
妙に威圧感を感じてしまい、近付き難い。
だが、貴枝は穏やかな笑みを浮かべて、碧の頭に手を回すと、そっと唇を触れ合わせた。
コーヒー味のするキスだった。
「いい、碧?」
貴枝が目の前のソファに座るよう手で示した。いよいよ審判が下されるのだと息を呑み、碧は従順に応じた。
「はい……」
碧を前にして、貴枝は務めて明るく軽い口調で語り始めた。
「単刀直入に言うわね。彼女は、あなたと寝たがっているの?」
「!!!」
「言っている意味は分かりますね?彼女の気持ちはどうなの、ということなの。
そこのところを今日はっきり学校で聞いてきなさい」
「………あ、あのぅ、それって……」
「まあ、落ち着きなさい。彼女の気持ちがどうなのか、ということを確認してきて欲しいの。
それで碧はどうなの?碧も彼女と寝てみたい訳?」
「そんな訳ありません!私が好きなのはご主人さまです!」
碧は強い口調で反応した。当の愛する人から愛情を疑われるのは耐えられない。
だが、貴枝の口調はあくまでクールだった。たちまち碧の激情は冷却される。
「私だけ?」
「…………」
暫しの沈黙があり、碧は口の中から押し出すように、重い口調で答えた。
「ご主人さまを好きなように「好き」なのは、ご主人さまだけです………」
「それは「私を好きなように」でない意味で、彼女を好きということね?」
碧は応えず、首だけを縦に振った。貴枝は淡々とした口調で、説明した。
「夕べずっと考えてね、碧がお友達とそういう関係になりたくて、
彼女も碧にそういう関係を求めるというなら、私には止めることは出来ないと思ったの。
碧が彼女に抱く気持ちと、彼女が碧に抱く気持ちがいっしょであるなら、
碧が私に抱く気持ちとも矛盾しないで関係を持てるということになる、それでいい?」
碧は、混乱する思考を必死にまとめようとした。
自分が貴枝に抱く愛情と鈴香に抱く好意とは別物である。貴枝と身体を交わすような関係は、鈴香には望まない。
だが、鈴香は自分の身体までを望むだろう。
鈴香が自分に抱く気持ちは、自分が彼女に抱く気持ちとは異なり、寧ろ自分が貴枝に抱く気持ちに等しい
−とすれば、答えはノーだ。
「それは無理です……白沢さんが私を好きだっていうのは、私が白沢さんを好きだっていうのとは違いますもの……」
「でも、彼女は諦めない、そうでしょうね?」
碧は力なく首をこくりと振る。
「もう彼女は力ずくでは碧に手を出す気にはなれない。でも、碧が欲しくて仕方がない。
そもそもそれが私があの子に与えたお仕置きなのだけど。でも、碧はそんな彼女が可哀想だと思う。そうなの?」
「…………はい」
「なら、いいわ。一晩だけに限り、外泊を許可します。彼女と寝てきなさい」
「えーっ!」
「えーっ!」
碧はほとんど絶叫した。
心臓の鼓動が虚しく響いているのだけが意識に刻み込まれる。
目の前の貴枝が旧に遠くに見える。
「………それは、私は……」
私がご主人さまに捨てられたってことですか?と口にしようとするが、言葉にならない。
自分は身も心も貴枝のものである。
そうありたい。
一晩だけであろうとなかろうと、他の女に抱かれてこいなどと、貴枝自身の口から宣告されるとは。
貴枝は、呆然となっている碧を抱き締め、背中を撫で下ろした。
「碧は優しい娘だものね。彼女を慰めてあげたい。そうよね?」
「そんなことありません!そんなこと!私はご主人さまが………うぅん、そうです……
でも、それとこれとは……白沢さんのことは気になるけど……やっぱり私、ご主人さまじゃないと……」
自分は、何て醜いんだろう。
自分に焦がれ苦しんでいる鈴香に同情しておいて、それでいて、貴枝に愛し愛されるこの立場は失いたくないなんて、何て勝手なんだろう。
貴枝の宣告の厳しさにも増して、浮き彫りにされた自分の醜さ、不貞さが心に痛い。
……だが、心の奥底にわずかに鈴香と身体を重ねることへの希望、欲望が芽生えていることも否定出来ない。
嗚呼、ますます醜い……碧は知らず知らずのうちに涙していた。
貴枝は、碧の肩を抱いて正面から優しい視線で覗き込んだ。
「大丈夫よ、私は碧を信じているもの。一晩が過ぎれば、また碧が私の許へ帰ってくるのを信じている。
それとも、碧は私との関係に自信が持てない?」
「……そ…そんなこと、ありません!」
力ない返答に、すぐに熱気がこもる。貴枝への想いは絶対に揺るがない自信がある。
「なら、いいわ。もう暫く考えて、碧の好きなようになさい。
ずっと今のままにしておくか、一晩だけ彼女と恋人になるか、どちらでも。
碧の好きなように……碧と彼女の好きなようになさい。
だから、学校に行ったら、彼女に一晩だけという条件をきちんと説明して、その上で彼女の気持ちを確認してきなさい。
よく話し合って、あなたと彼女の気持ちが一致したら、尚かつその条件を守れるなら、という約束の上で……」
無言で碧は頷いた。
自分が鈴香を気遣う以上に、貴枝は自分を気遣ってくれているのだ。
逆に、それは自分の愛を切り捨てる残酷さとも表裏一体なのだが。
「それと、もう一つ」
貴枝は、クールな口調で言葉を継いだ。
「碧にも、同じ晩に私が一晩外泊する許可を出して欲しいの。これでおあいこ」
「ええーっ!」
それは嫌だ!
「ダメです!絶対にダメ!白沢さんのことはもういいです!ご主人さまは私のものだもん!お願い!捨てないで下さい、お願い!」
自分でも何を口にしているか分からない。
頭にあるのは、たとえわずか一晩であろうと、貴枝が自分から離れ、他人と過ごすという有り得てはならない悪夢だった。
そして、すぐにそれは逆の立場で自分が同じことを言い出したのが発端だと思い知る……醜い。醜すぎる。
「あらあら、そんなに私のことを思っていてくれてるの。それなら、彼女と寝ても大丈夫ね」
貴枝はくすくすと笑っている。
本当に碧を信頼している証の筈なのだが、今の碧には何とも意地の悪い笑いに見える。
残酷な冗談を言って、自分を苦しめているようにしか見えない。
「嫌ぁ……ご主人さまは私の……こんなことは二度と言いません……だから、お願いですから……」
貴枝はくすくす笑いを止めない。
「いいこと、碧?私が誰のところに外泊してくるかまだ話してないじゃない?」
「誰であろうとダメです……ご主人さまは私だけのものでいてください!」
「名前を言わなくても分かりそうなものだけど。
碧は彼女とケリをつけてくる必要があるから、私にそういうお願いをした。
私にもね、いずれケリをつけなければならない相手がいるの。分かって」
碧はきょとんとなり、抵抗をやめた。
混乱している頭が次第に鎮静化していき、空白になった脳裏に自然とある顔が思い浮かぶ……
「あ……」
「”おあいこ”っていう意味が分かるでしょ?これはいい機会だわ。
彼女のためとか、碧のためとかだけじゃなく、私たちが先に進むためにこうするの。
私たちそれぞれが、その相手と向かい合うべきだと思うの」
________________________________
その相手とは?ってバレバレですな(笑)
ところで、フォローしておくのを忘れてましたが、鈴香が三年生になった→
碧や真梨子も三年生になったということです。一作目から一年経過したくらいの時間、ということですね。
>これでおあいこ
貴枝タン、あいかわらず見事な策士だ。(;´Д`)ハアハア
ご主人さまの懐広い愛情の中でぬくぬくしたいんですね、碧タンは。
ダメですと言ってすがりつく姿がかわゆい!(≧∇≦)
さて、いかにして、確執を解いていくんでしょうか。期待!
「じゃ、川田さん、後、お願い」
土曜の夕方、アルバイトの女の子に後を任せ、美冴はバッグに荷物を書類や化粧品をまとめ、店を出た。
画廊などという商売は因果なもので、お客はそうはしょっちゅうやって来ないが、
かといって、ずっと店舗に居座っていなければ意味がない。
出来るだけ店のことは自分の手で直接切り盛りしたい美冴ではあるが、
時折の他の画商や画家との折衝や営業で店を開けなければならないこともあり、人を雇わないではいられなかった。
それに、どんなに忙しくとも、週に二日は夕方に家に帰り、母親と夕食を取ることに決めている。
今日はその日に当たるのだ。
女手ひとつで自分を育ててくれた母に対する感謝と敬意の念は、三十年間、一度として薄れることなく、
長じた今でも、母とともに食卓を囲むことで母娘の絆を確認することに大きな義務と喜びを感じていた。
母・幸恵もそんな自分を誇りに思ってくれている。
自分の選んだ道を着実に進む独立心の強い女性に成長した自分を見て、育て方は間違っていなかったと誇らしげに思い、
また、そんな自分が今でも母を敬慕し、共に過ごす時間を重要視してくれることにも喜びを覚えてくれている筈だった。
ただ、いつまで経っても孫の顔が見られないということだけは母の不満の種であり、未だに愚痴をこぼされることであったが……
娘が同性愛者であるということは即ち孫の顔を見られないということであり、
この点に関してだけは、美冴は母の期待に応えることが出来ないという負い目を強く感じていた。
高校の時、自分とクラスメイトの関係が母に露見し、自分がレズビアンであるということを母に知られてしまったが、
最初はすったもんだがあったにせよ、娘の独立心の高さを認める幸恵は、最終的には娘の嗜好を許した。
だが、そんな幸恵ですらも、近年は無理と知りつつ、何度か美冴に男との見合いを薦めていた。
自身が未婚の母だっただけに、望まない結婚の無意味さを良く知る幸恵が、
男に頼ることなく独立して生きていく強さを持った娘にそのようなことを薦める矛盾を感じていない筈はなく、
美冴もますます罪悪感を強く感じていた。
日頃から結婚などというものに無理矢理意味を見出そうとする女を莫迦にしている美冴であり、
その点では、レズビアン仲間とも意見が一致するところではあったが……
(酒席で)
仲間「男なんて意味がないよねー」
美冴「異議なし!」
仲間「結婚なんて意味がないよねー」
美冴「異議なし!」
仲間「全く男捕まえるのに一生懸命になっちゃって、馬鹿っつーの。
そんなの、自分一人で生きてく自信がないだけじゃん。ヘテロとかレズとか関係なしにさ」
美冴「異議なし!」
仲間「それに、出産だって意味ないじゃん。親がさ、うるさいのよ、孫の顔が見れないって。
あたしの子宮だつーのよ。
生もうが生むまいがあたしの身体なんだからさ、親に孫の顔見せるためにセックスしてるんじゃないてーのよ」
美冴「 い や 、 そ れ は ち が う だ ろ う 」
仲間「( ゚д゚)ハァ?」
……その後、喧嘩に発展し、別れることになってしまったのは言うまでもない………
本当に、自分が今あるのは母のおかげなのであり、どんなに感謝してもしたりない。
母ひとり娘ひとりの、決して恵まれたとは言えない少女時代だったが、
男に頼らず、父方である水上家からの援助も拒み続けて生きてきた強い母の姿を見て育ったお陰で、
自分も独立心の強い女に育った。
その裏返しで、水上の家には強い怨念を抱くようにもなったが。
母は、父やその妻から受けた仕打ちは忘れはしなくとも、今更怨みはしてはおらず、
子供だった頃の美冴が水上一族に対して激しい感情を覗かせるのをたしなめたものだが、
未だに美冴は水上家に対する複雑な思いを捨てきれなかった。
それは、多分に中学生の時に初めて会った腹違いの姉の存在が大きくものを言っていた。
同じ父親を持ちながら全く異なる環境で育った貴枝は、美冴の目には、自分が強く育んできた独立心や意志の強さと全く無縁に映った。
それは物事を単純かつ自分に都合良い形に二分化したがる若気の至りや、
恵まれた環境で育った姉への嫉妬だったと今では認めており、
貴枝が貴枝なりに複雑な家庭環境の中で、ある意味では自分以上に辛い思いをして育ってきたこと、
恵まれた経済環境とは関係なく貴枝が自力で生きていく才覚や意志力を持っていることにも気付くようになった。
……だが、かと言って、成長した結果、貴枝を好きになれたとは言い難い。
家柄や経済力の面での嫉妬などはなくなったし、相手の優れた面も認める気になれたが、
却って、貴枝の自分にはない美質を認めざるを得ない苦痛というものもあった。
例えば、女性的なエレガントなたたずまい、
例えば、自分に劣らず主張が強いにも関わらず、言葉少なく相手に意志を伝えることが出来る支配的なオーラ、
例えば、経済や語学の分野に見せる才能……
そして、それより何より苛立たしいのは、寧ろ自分にも貴枝にも共通する性質だ。
SMクラブで出会ってしまったあの気まずい思いは忘れられない(貴枝にしてみても、同じ気持ちだろうが)。
二十代になり美しい大人の女性になった姉を見て、思っていた以上に自分たちが同じ血を引いていること、
自分たちが姉妹であることを痛感させられないではいられなかった。
しかもその上に、同じく同性愛者だったとは。
タチ同士として、その技量や美しさを張り合わないではいられなかった。
直接対決の際に、貴枝が自分に勝ちを譲ったのには、本気で侮辱されたと感じたものだ。
自分に劣らず美しく、自分に劣らず女をよがらせるのに長け、自分に劣らず我が強く、自分に劣らず屈折し……
大嫌いな姉が長所も短所も自分とそっくりだという事実は、
美冴に自分が忌み嫌う水上の家の血を引いているということを思い知らせ、
その苦々しさがますます貴枝に対する近親憎悪へとなって跳ね返っていた。
そんな貴枝に膝を屈したことが一度だけある。
父が死んだ折り、貴枝は遺産と称して多額の金を自分と母に手渡した。
今まで絶対に水上の家から援助されることを断ってきた幸恵と美冴だったが、
美冴は苦渋の選択の結果、遺産を受け取ってしまった。
当時、美大で多くの才能と切磋琢磨し合っていた美冴は、その中の何人かが世に出て然るべき才能を持っていることに気付いており、
いつか彼等・彼女らの仕事を世間に紹介したいと考えていた。
具体的には画商として彼等の作品を売り込むことだ。
そこへ途方もない額の遺産が舞い込んでくるという。
大学卒業を控えていた美冴は、夢が回り道なしでいきなり実現する可能性に惹きつけられてしまった。
SMクラブでバイトしてこつこつ稼ぎ出す額とは比べものにならない大金が手に入る。
今まで紐付きの金など蹴飛ばしてきたが、明確な目的−それこそ十年、二十年とかけなければ成し遂げられない目的
−が出来たばかりのところへ、振って湧いた遺産は、美冴のプライドをも揺るがすものだった。
迷いに迷い、また、今まで水上家に頼らずに生きてきた母への罪悪感にも煩悶した末、
ついに美冴は遺産を受け取り、大学卒業と同時に、仲間と共に画廊を開いた。
金が出ていき始めればきりがない美術の世界であるから、多額の遺産もあっという間に目減りしていったが、
その埋め合わせには到底及ばないものの、美冴が特にと目を付けた友人たちの名は少しずつこの業界に浸透し始めたし、
その小さくとも確実な成功例から、新たな若手の発掘・紹介に回す余力も出てきている。
経済的には圧倒的にマイナス分の方が大きいものの、得た小さな成功は金では買えないものだったから、
敢えてプライドを捨てて遺産を受け取ってまで臨んだ賭けは成功した、と美冴は考える。
現在の自分の地位は、スタート地点こそ水上家の力を借りたものの、実際に築き上げたのは自分と仲間たちなのだ。
そのことは美冴の誇りであり、決して卑下する思いはなかったが、
かといって貴枝の存在がなかったら、未だ野望のとば口に立てていたかどうかすら怪しいのも事実なのだった。
ビジネスと自分の家庭の事情は別と考えるようにしても、そのことが足の裏に刺さった棘のように、美冴を苦しめる。
せめてもと、絵を貴枝相手に売り込むことも何度かしてみたし、
やはりビジネスと自分たちの関係を絡めて考えない貴枝は、良家の育ちらしい目の確かさで、
気に入った絵を、適正な値付けで買い取っていた。
そうしたビジネスライクな付き合い方でずっと付き合っていくのなら、貴枝は決して悪い相手ではない。
最近も、碧の友人だという美大進学希望の少女の世話をしてくれないかと頼まれ、
事実、なかなか見所のある森下というその少女を友人の画家に紹介してみたりもした。
____________________________________
「ただいまー」
自宅の扉を開け、美冴は玄関をくぐった。
が、思わぬことに、母ともう一人の女性の会話が漏れ聞こえてきた。
来客かと思い、自分も靴を脱ごうとふとあがり框に目をやると、明らかに来客の物であると思しい履物が目に入った。
靴ではない。草履である。
はて、草履で、ということは、和装でうちに来るような知り合いはいたか、とさっと脳裏を思考が巡るが、
母のではなく自分の「知り合い」に一人心当たりがあるのを思い出した。
「え……」
来客としては有り得ざるその心当たりに、思わず絶句した時、奥から母の声が響いた。
「お帰りなさい!お客さまがいらしてるわ」
慌ただしく靴を脱ぎ捨て、板張りの廊下を踏みならして居間へと向かう。
「お帰りなさい。お邪魔させていただいてるわ」
ちゃぶ台を挟んで、幸恵の差し向かいに座り、笑みを投げかけてくる貴枝の姿があった。
予想もしていなかった来客に、美冴は口をあんぐりと開けて半ば固まってしまった。
そんな自分を、母と腹違いの姉がおかしげに眺めているのに、はっと正気が戻る。
気まずい思いを押し殺しつつ、美冴は吠えた。
「何してるの、あんたは!どういうつもりなのよ!」
貴枝は事も無げに、憎らしいほどクールに言い捨てた。
「たまには妹とお義母さまの顔が見たいと思って。それが何か?」
貴枝の態度は全く攻撃的ではなかったが、その落ち着き払ったたたずまいは却って美冴のガードに深く切り込んだ。
我が家への闖入者が、ここにいるのがさも当然という顔をしていることが、美冴には耐え難く不快だった。
だが、貴枝はそんな妹を易々といなす。
「そう言えば、以前あなたがうちに遊びに来た時は、ちょうどこんな感じだったかしら。
私が帰ったら、あなたが先に来ていて碧と……」
美冴の顔色がまた変わる。
畜生、と腹の中で毒づくが、言葉には出来ない。
母親の前では、絶対に言葉に出来ない。
貴枝を騙して誘き出し、その間に碧を犯しかけたあの時の意趣返しか。
口には出せない悔しさが猛烈に腹の中に噴出すると同時に、この見事な復讐ぶりに美冴はほとんど敬意すら覚えた−
(流石は私の姉だけのことはあるわね………ていうか、だから許せないんだけどね!)
改めてこの腹違いの姉が、狡猾で皮肉屋で毒気のある性格に於いて如何に自分とよく似ているか再認識し、
美冴はあの近親憎悪が芽生えるのを覚えた。
この思いがある限り、どんなにビジネス上で恩義があろうと、尊敬し得る独自の才覚を持っていようと、
自分にとってこの姉がどこまでも不快な存在であるのを改めて確認する。
_____________________________
全然エロが始まる気配がありません(苦笑)
書いてる側としては、美冴タンの可愛らしいところをたっぷり披露できて満足なのですが
ま、もう少しおつき合い下さい。次回は碧と鈴香の方もぼちぼち…
>>562 初代410さま
し、し、ししょーーー!(T▽T)
拙作のキャラを使っていただきぃー、ありがたき幸せに存じまするぅーーー!!(//∇//)
美冴タンの心象がこうまで具体的に出てくるのは初めてですね。
今後の貴枝との絡みで、この屈折した感情の姉妹が、
いかに変化していくかが、見物というか、楽しみです。
焦らされ待たされ…。_| ̄|○
仏頂面に困惑と敵意を押し殺しつつ、美冴はジャケットを脱いで座布団の上に座った。
母が立ち上がりかけたが、貴枝が、
「あ、私がやります」と制止し、席を立つと台所に向かった。
その様子に、ますますこの家で我が物顔に振る舞う傲慢さを感じ、きっと姉の背中を睨み付ける。
「これ、何て顔を!」
幸恵が小さいながらも鋭い声で囁き、たしなめる。
「何なのよ、あの女は!母さんも母さんだわ、何であいつにうちの門をくぐらせるのよぉ」
「わざわざ来てくださったのよ、子供っぽい真似はいい加減になさい!」
不満たらたらという表情で、貴枝の背中を目で追う。
神妙な顔つきと手つきで紅茶を淹れたカップを盆に載せて、貴枝が戻ってくる。ティーセットを持参してきたようだ。
「召し上がって、美冴さん」
「……こういうときだけ『さん』付け?」
「あら、だったら『美冴ちゃん』って呼ばせてくれる?お姉さんらしい気分が味わえて良さそう」
「死んでもゴ・メ・ン!だよ」
貴枝はおかしそうにくすくすと笑うばかりで、ますますその態度が美冴の神経を逆撫でする。
幸恵も、そんな二人の様子に、
「全く本当の姉妹みたいねぇ。変に意地を張るのはやめたらいいのに」
「やめてよ、そんな言い方。私はね、この女が大っ嫌いなんだから!」
ちゃぶ台の上から紅茶のかぐわしい香りが漂ってくるが、意地でも手をつけない。
「それは残念だわ。私は、美冴さんのような妹が欲しかったんだけど」
「本当にね………貴枝さんと美冴がいっしょの姉妹として育ったら、どうだったでしょうね………」
母の口からこのような言葉を聞くのは、複雑な思いの美冴である。
水上家への愛憎半ばする思いを抱えてきたという点では、
自分などより遙かに辛く長い経験を経てきた幸恵であるから、
一度は自分とも情を通じた男の正妻の娘には嫌悪を覚えないではいられなかったろうし、
その母が自分と水上の娘とを「姉妹」というように形容することに違和感を感じていない筈がなかった。
だが、母も色々あり、苦労を重ね、歳を取った。それだけ疲れた、ということもあろう。
かつての情痴の相手である水上正之助が事故死してからも数年経つ。
水上家への感情も冷静なものになってきたようで、また年を重ねたことで、
かつての想い出も辛かったものは風化し始め、
美しく甘いものが青春の日々を懐旧させてくれるものとして浮かび上がってきた、ということであるらしい。
貴枝にしても、色々確執はあったにせよ、亡き父の若き日を知る幸恵と想い出話を交わし合うことで、
互いの傷を癒そうとしている節がある。
そのこと自体は決して悪いことではないと美冴も考えるのだが、理性では理解出来ても、感情がついてこない。
やはり、母が長年憎んできた水上家の人間と親しげに会話するのは、
どこか尊敬する母に裏切られたような気がする。
そして、母や貴枝と違い、自分には父・正之助に関するいい想い出がない。
まともに言葉を交わしたことなど、物心がついてからはほとんどなく、ひたすら母に苦労をかけた非道な男という印象しかない。
その想い出を美化して、母が貴枝と語り合うのを目の当たりにしなければならないのは、何とも居心地の悪いものだった。
「……ごはんの準備にかかっていい?」
美冴は答えを待たず、席を立つ。
「貴枝さんの分も……分かってるわね?」
今度は自分が答えず、さっさと台所へ向かう。
もっともなんだかんだ言って、貴枝の分まで作るつもりではいるが。
諦め気分で、エプロンを身に付ける。
冷蔵庫から食材を取りだし、まな板の上に並べ、包丁を手に取ったところで、幸恵がまた言った。
「後ね、貴枝さん、今晩泊まっていくそうだから。後で、お布団の準備を」
後頭部を痛打されたような衝撃が走る。
凄まじい形相を作り込み、包丁を手にしたまま、美冴は居間を振り向いた。
「何言ってんですかー!」
ショックの余り、裏返った声で絶叫する。
「ちょっと待て!私は認めないぞ!どういうことだッ、それは!」
「ちょーっとね、碧とひと悶着あって……追い出されちゃったの。ほら、うちってカカア天下だから」
貴枝は口に手を当てて上品に笑う。
そのわざとらしいまでの態度から嘘だと分かった。
その余裕のある笑みは、あなたのイメージ通りの、嫌味な上流階級の、
暇と金を持て余してる、性格の悪い女を演じてあげてるのよと、無言で告げていた。
その態度に、美冴は却って怒りの行き場を奪われ、立ち往生を余儀なくされる……
だが、だとするなら、貴枝がわざわざうちに泊まりに来た本当の理由は何なのか?
「いずれこのケリはつけさせてやる……」
低い声で脅すように唸るが、貴枝は「まぁ、怖い…」とにやついて相手にしない。
まあ、いい。必ず真意を暴いてやる、と美冴は心に誓う。
「ケリをつける」とはそういうことだ。何とか混乱する頭を落ち着かせて、美冴は再びまな板へと向かった……
どんなケリをつけるんでしょうか。ドキドキ
翻弄されっぱなしの美冴タン、楽しみ。(・∀・)ワクワク
その一方で、あの外泊日ってことは、碧タンは今頃…。(;´Д`)ハアハア
いいねえ。。。
実にいい。
こういうシンメトリカルな美しい構成は好きだ。
二本立てですな
(*´Д`)ハァハァ
お願いだから、ジラさないで……。 _| ̄|○
土曜の午後、碧と鈴香はいっしょに下校し、鈴香の家へと向かった。
授業が終わると、鈴香は碧を伴って茶道部に出席し、暫し真梨子たちと雑談を交わしたり、お茶を淹れたりしていたが、
部長であるところを今日は早めに帰宅するといって席を立ち、それに碧が従うと、
今日は部長の寵愛を受けられないことに落胆を隠せない一年生たちは、さてはライヴァル出現かと碧に嫉妬のまなざしを送った。
またその一方で、真梨子は、また碧の身に危険が迫っているのではないかと鈴香を睨み付け、碧が慌てて取りなす一幕もあった。
そんなこんなで、二人は肩を並べて校門を出て、バスに乗り込んだ。
鈴香の家は、碧がいつも降りるところの三つ向こうのバス停であるそうだ。
「ごめんなさいね。部に付き合わせたせいで、変に気を遣わせちゃって。
私のわがままのせいで、碧さまにこんな……」
「いいの、気にしないで。まりちゃんも分かってくれるだろうし……
でも、一年生の娘たちには、白沢さんの方から上手く言っておいてあげてね」
「………いいのかしら。あの娘たちにも、碧さまにも、私のわがままのせいで……」
「ほら、それは言わない約束。私もご主人さまに同じようにわがまま言って、今日こうしているんだもの。
それに……ご主人さまにわがまま言って迷惑かけてって……白沢さんと同じこといって悩んだり。
だから、私に気を遣うことはないよ。同じことだから、ほら」
鈴香はしおらしく首を傾げ、微笑んだ。
数日前、碧から泊まりに行っていいかと聞かれ、一夜だけの関係を許され、鈴香は天にも昇る歓喜に沸き返った。
いつか叶えられると信じてきた自分の愛がついに通じたのだ。
たった一晩だけと念を押されたが、一度であろうとなかろうと、碧が自分のものになることには変わりない。
泊まることに問題はないのか、両親はいいのかと碧に聞かれ、何の問題もない、両親は留守がちだからと鈴香が答えると、
碧は、それなら夕食を自分が作ると言いだし、二人はバス停で降りると、手近なスーパーへと向かった。
碧の様子は少しぎこちなさげだった。
やはり貴枝や真梨子ほどには、自分に気を許していないのが分かり、
鈴香は何とか彼女の気持ちをほぐそうと冗談を言ったり、色々なネタの話を振ったりしたが、いま一つ反応が鈍い。
「−−ねぇ、それで碧さまはどんな音楽を聴くんですの?」
「……え、何だっけ、ああ、音楽?そう……ご主人さまがいつも部屋でかけてるバッハとかジャズとか……
自然に好きになってたっていうか……曲名とかは分かんないんだけど……うん……」
どの話題も、碧がある一定以上になると口が重くなるのに気付き、
それが貴枝のことを思い返してしまっているからだと気付いた鈴香は、碧と女主人の絆の強さを見せつけられ、
また敗北感を覚えさせられた。
このような機会においてすら、碧の気持ちは依然貴枝の許にあるのだ。
碧はというと、買い物にも気を取られており、
寧ろ場違いな空気をこの先に待っている仕事に集中することで紛らわせようとしているようでもあった。
碧自身、自分自身の言い出したことでありながら、こうして鈴香と二人きりになってみると、どう反応していいか分からず、困惑していた。
まぁ、いい。今はベストを尽くすだけだ。
買い物を終え、二人は鈴香の自宅へと向かった。
町の喧噪から少し引っ込んだように位置する閑静な住宅街には、
高いフェンスと広い庭を備えた邸宅が並び、財産家が集まっている地域だと知れる。
そのうちの門のひとつに鈴香が近付いていき、インターフォンで家の中とひとこと、ふたこと言葉を交わし、電子錠を開けた。
流石は、大手製薬会社社長の令嬢だけのことはある。
財産家であり古くからの家柄でもある水上家に住まいするようになったとはいえ、
未だ孤児院育ちの感覚が抜けない碧にとっては、圧倒されるものを禁じ得なかった。
「さあ、どうぞ、いらして」
庭を横切り、二人は戸口へと向かった。
扉をくぐると、天井の高い玄関へと足を踏み入れる。
水上家のような古色蒼然とした雰囲気はないが、豪奢な造りであることは間違いなかった。
家へと上がり込むと、鈴香に従って居間へと入っていく。
居間では、あたふたと何やら走り回っている中年女性の姿があった。
「ただいま、大塚さん」
「お帰りなさいませ、お嬢さま」
「こちらは、葉山さん」
「どうも……こんにちは」
碧はぺこりと頭を下げた。どうやらこの家の使用人であるらしい。ということは、自分と同じ立場か。
「はい、初めまして……お嬢さま、よろしいんですね?」
そう言いながら、その視線が自分の提げている、食材の入った買い物袋に止まるのを、碧は見逃さなかった。
「ええ、葉山さんがね、お料理作って下さるっていうから、折角だから……」
「申し訳ありませんね、それでは…」
そう言って、大塚という女性は居間を出ていってしまった。
碧と視線が合うと、鈴香は少しばつの悪そうな笑いを浮かべた。
「あの人、家のことを全部やってくれてるから悪くはいいたくないんだけど、ママから私を監視するよう言われてるのよね。
家に一人で娘を置いておいて、悪い遊びをしないようにって」
「え……それって……」
「そう。ろくに娘の面倒も見ない両親が家に置いてるお目付役。
でもね、ずっと家にいなきゃいけないのも気詰まりだから、今日はお友達が泊まりに来るから帰っていいわよ、って言っておいたの。
上手くひっかかってくれたわ。まさか、女の子相手に『悪い遊び』をするとは思わなかったみたいね」
如何にも年頃の娘らしい−そして、他人が自分の思い通りに動くのを当たり前と思っているこの娘らしい物言いに、
碧は多少の不快感と憎めない可笑しさを覚えた。
「……あの、着替えてきていい?どこで……」
「あら、私はここでも構わないのよ、はや……いえ、碧さま」
早くも鈴香の視線は、友人ではなく、主人へ向けるものへ変わりつつある。
「あの……私もちょっと考えてきて……」
「いいです、大塚さんがもうじき変えるから、あの人の部屋を使って……止まっていただく部屋はもちろん別だけど」
セクシーな含みを持たせて言ったつもりだったが、碧には通じなかったらしい−あるいは無視されたか。
ちとがっかりしつつ、鈴香は大塚が帰るのを待ち、碧を使用人の部屋に通した。
碧はバッグに入れてきた着替えを取り出すと、学校の制服を脱ぎ、着替え始めた……
……やはりバッグに入れて持参したティーセットを持って居間へ戻ると、鈴香も制服から私服に着替えていた。白を基調にしたブラウスに、赤のスカートで、金持ちの令嬢という割りには、庶民的な格好のように思えた。自分の格好が格好であるだけに……
「わぁ……」
鈴香が驚嘆の声をあげる。
以前、水上家を訪れた際に既に一度見ているのだが、メイドの服装で現れた碧は、とてもキュートだった。
どくんと心臓が大きく跳ね上がる。こんな素敵なメイドさんが、一晩いっしょにいてくれるなんて!
碧はにこやかに笑いかけながら、
「それでは、お茶の支度にかからせていただきますね。台所を使わせていただいてよろしいでしょうか、お嬢さま?」
「お……お嬢さ……ま? って、私が?」
「もちろんでございます。今から、明日の昼までは、私は鈴香お嬢さまにお仕えするメイドでいようと……
そう思って、今日やって来たんです。精一杯努めさせていただきますので、どうかよろしく」
神妙に頭を垂れるメイドの姿に鈴香は呆然となり、感動に浸りながら頷くのだった。
「え……ええ!碧さま、台所、分かります?こっちへ…」
「どうぞ、碧とお呼び下さい」
「そんなもったいない……私の方こそ、碧さまのおもちゃに過ぎませんのに…」
「いえいえ、私は貴枝さまからお嬢さまに貸し出された身ですから……
でございますから、ご主人さまのお側に仕えるメイドという立場なんです。
ですからこそ、今夜のお夕食の支度を私に任せて下さったのでしょう?」
一晩だけいっしょに過ごすのにここまでしてくれる碧の好意に、鈴香は涙が滲むのを覚えた。
自分の方こそ、碧にどんなお礼をすればいいのか分からない。それを、向こうの方から……
「お願いするわ、碧……」
半泣きになりながら、鈴香はソファに座り込んだ。
碧は、それでは失礼致しますと一礼し、台所へ消えた。
鈴香は、静かな感動に震えながら、今宵の愉しみに期待を膨らませていた……
一部改行失敗… _| ̄|○
なかなか筆が進まず苦戦しております。
エロの直前でぱたと止まってしまっており、自分を焦らしてどーすんだよ、という気分ですが、
まぁ、ぼちぼちやっていきます。
キタ━━━━━━━(≧∇≦)━━━━━━━!!
貴枝タンと美冴タンも気になるけど、ようやく碧タンと鈴香タンが出ましたな。
それにしても碧タン、ここでもメイド姿ですかー! (〃∇〃) ドキドキ…
ほしゅ(;´Д`)ハアハア
ほしゅ _| ̄|○
夕食は静かに進んでいった。
広い食堂の大きなテーブルに、たった二人しかいないというのは、静かであり寂しくもあった。
最初は、メイドとして自分のそばに立って控えている碧に、鈴香は、どうして食べないのと尋ね
(如何に財産家の白沢家といえど、使用人が食事中に立って控えていることはない)、
お嬢さまのお許しがあるのでしたら、という碧の言葉に、自分が今は碧の主人であることを改めて気付かされた。
慌てて碧に着席と食事を許可したが、にこやかではあるが、少し静か過ぎる碧の様子に、予想していたものと違和を感じた。
(いっしょになってはしゃげると思ったんだけどな……主人とメイドっていうのも素敵だけど……)
これではいつもの冷たい食卓とさして変わらない。
貴枝はいつも碧にこのように接しさせているのだろうか。
だとしたら、やはり彼女は相当に風変わりな女性ということになる……
あるいは、貴枝と碧の間には、これでも通い合うものがあり、単に自分に碧の気持ちをくみ取ることが出来ないだけなのか。
だとしたら、これもまた落胆させられることではある。
食事の後のお茶の時間になると、その違和はますますはっきりした。
居間でテレビを見ながら談笑するつもりだったのだが、碧の反応は相変わらず鈍かった。
バラエティ番組でも見ていっしょに笑えば自然とうち解けるだろうと思っていたが、碧は控え目な表情のままだった。
気がついて、面白くないの?と尋ねると、
今度は、家では居間でテレビを見ることがありませんから、という返事が返ってきた。
よせばいいのに、それじゃどうしてるの?と聞いたら、ただ黙ってご主人さまの隣か差し向かいに座らせていただいて、
いっしょにいる時間を満喫している、と些かばつの悪そうな態度で返答が返ってきた。
またしても、貴枝と碧の絆の深さに打ちのめされる鈴香だった。
特に共通の話題など持たなくても、愛する人といっしょにいればそれだけで心地よいというのか。
碧も、鈴香の気を害してしまったと紅茶のお代わりを申し出ると、鈴香の許可を待たずに彼女の脇に座り、そっと肩にもたれかかった。
碧の温もりを直に感じ、鈴香は肩にしなだれかかる碧の頭を抱き寄せた。
碧が自分の腕を取り、すがりついてくる。
テレビの音声が急に遠く感じるようになり、碧の呼気が耳にクローズアップされる。
自分の鼓動がどんどん大きくなってきたのが分かる。
それはそうだ。
これから恋人同士−と敢えて言う−で初めて一夜を過ごそうというのだから。
ずっと待ち望んできた碧との逢瀬が叶い、こうして自分の家で身を寄せ合ってくつろいでいられる。
その喜びを確認し、鈴香は碧の頬に手を伸ばした。
「お嬢さま……」
潤いを帯び始めている碧の瞳がこちらを覗き込んでくる。碧の鼓動も早くなってきたのが伝わってくる。
鈴香は、碧の顎に右手をかけ、左手で肩を抱き寄せた。
碧の瞼が閉ざされ、碧の顔がどんどん近付いてくる……
二人の唇が触れるかと思われた瞬間、碧は、突然、
「ダメ!」
と叫び、鈴香の肩を押し返した。すぐに慌てて、頭を下げる。
「ご……ごめんなさい!ごしゅ……お嬢さま!私……」
鈴香は暫しショックで固まっていた。
が、目の前の碧が困惑しているのを見て、自然と口からフォローの言葉が紡ぎ出された。
「うぅん、気にしないで……あの……あとで、また……いいよね?」
「はい、お風呂の後ででも……それじゃ、早速お風呂入れますね?」
「うん、お願いするね」
碧が居間を出ていってしまうのを見送り、鈴香はソファに突っ伏した。
己の不甲斐なさを嘆く。
今まで多くの少女を無理矢理押し倒してきた自分が、一度恋をしてしまうと何という有り様か。
碧も、まだ貴枝に対して浮気しているという意識が抜けないのだろう。
あるいは−意識しているかいないかはまた別問題だが−貴枝流に自分を焦らしているのか。
そう思うと、あの重苦しい熱気が身体の底から沸き上がってくるのが感じられる。
こうして愛する人に延々とおあずけを喰らわされることに、
却って喜びを感じるようになってしまったのは、貴枝と碧のせいだ。
だが、ついに碧の愛を与えられようというその時になっても、まだ焦らされ続けるとは。
それとも、やはり自分では、貴枝の代わりにはなり得ないのだろうか。
碧はメイドとして自分に仕えるつもりで今夜ここに来ているという。
だが、やはり彼女がメイド足り得るのは貴枝に対してのみなのではないだろうか。
確かに貴枝の持つ、上品で物静かで知的な大人の魅力は自分には持ち得ないものだ。
それが碧が主人に望むものだとするなら、とても自分では貴枝の代わりは務まらない。
またしても貴枝に対する敗北感にうちのめされ、
二人きりで尚碧が自由にならないフラストレーションに苛まれ、鈴香はソファの上で手足をばたつかせるのだった……
風呂をあがり、碧は髪にドライヤーを当ててセットすると、再びメイド服をまとった。
流石に気恥ずかしく、貴枝との夜伽の際に着る、極ミニのメイド服は持ってこなかったので、
先ほど着ていた服をもう一度着ることになる。
この格好で愛し合ったことは貴枝とも数度しかなく
−互いに誤解して別れ話に到りかけた時や、最近、催促して愛してもらった時などである。
いずれもベッドの上ではなく、居間で愛し合った時であり、だからこそ夜伽用の服ではなかった訳である−、
鈴香相手にどのようにしようか思案してしまう。
夜伽用の服は尻や胸が簡単に露出してしまう作りになっており、貴枝に下着を着けることも禁じられているのだが、
ちゃんとしたこの服では下着をどうしようかでまず悩むところだった。
以前、この格好で貴枝におねだりした際は、ショーツを履かずにいたが、
少し迷った末、下着は上下ともにきちんと着ることにした。
貴枝以外の女性に対してはそこまではしたない真似は出来ないとも思ったし、
鈴香に下着を脱がせる愉しみを与えるのもいいかと考えたからだ。
貴枝と彼女を比べてはいけない、今は貴枝のことを忘れなければ、と思う。
先ほどキスを拒んでしまったのは、大きな失態だった。
もう二度と、鈴香を傷つけてはならない。
だが、どうしても、貴枝のそばに控える時のような気持ちになれないのだ。
それは自分にとっての鈴香が、「恋人」でないからなのか、娘に対する「母」でないからなのか、
メイドに対する「主人」でないからなのか、碧にも判然としなかった。
恐らくはそれらの全てなのだろう。
恋人であり、母であり、女主人である貴枝が自分にとって如何に特別な存在であるか改めて思い知り、碧は嘆息した。
それに比べると、鈴香は何とも分が悪い。
彼女の責任ではないが、存在が薄すぎ、親密感というか距離感というか、スキンシップの持ち方が全く違う。
かといって、ここに来たのは自分の意志でだ。やるべきことをやらねば……
おおっ!バタバタともだえる鈴香タン、(・∀・)イイ!
碧タンはいったい何を考えて、焦らしてるんでしょうか。
すっかり母親に似ちゃって…。(;´Д`)ハアハア
ほ _| ̄|○
「お嬢さま、失礼いたします」
「どうぞ、入って」
返事を待って碧は鈴香の部屋の扉を開けた。
既に灯りは読書灯のみが灯されており、スリップ姿でベッドの上で身を起こす鈴香が微笑みかけてきた。
シチュエーションとしては、貴枝の許へ夜伽に訪れた際と酷似している。
具体的に貴枝との夜伽の様子を語って聞かせたりはしていないので、偶然の一致だろうが、これは幸いである。
いつも貴枝としている雰囲気でいけるかもしれない。
「さあ、来て…」
鈴香の手招きに従い、碧はそっとベッドへと近付いていき、スカートの裾をつまみあげて一礼すると、鈴香の正面に正座した。
鈴香は碧の肩に触れ、何か言いかけたがすぐに口ごもり、碧の手を取ると、自分の胸に押しつけた。
シルクの寝間着越しに柔らかい乳房の感触が感じられ、その乳房が早いテンポで脈打っていた。
「あの……分かる?」
私の今の気持ちが、ということなのだろう。
碧は笑み返すと、自分も鈴香の手を取って自分の胸に押し当てた。
みるみるうちに鼓動が早くなっていく。鈴香がわずかに欲情をこめて乳房を捻る。
今までにも何度となく女同士の愛の交歓を経験してきた二人だが、その心境はまるで愛する人との初夜に臨む乙女のようだった
−いや、経験はともかく、年若い感性の上ではまだまだ乙女なのだ。
お互いが同じ気持ちであることを確認出来た時、碧はそのことに気付いた。
だとすれば−貴枝と愛し合うのとは違った意味で、鈴香と愛し合うことが出来るかもしれない。
その一方で、貴枝に対して浮気を働いているという罪悪感も再び頭をもたげてくる。
それが更に心臓の鼓動を加速させる……
夢見るような目つきで見つめ合ったまま、二人は同時に顔を寄せ合い、唇を重ね合った。
静かにただ唇を重ねるだけのソフトなキスだった。
鈴香は一度顔を放して呼吸を整えると、飽きたらぬというように、もう一度碧にキスをし、今度はすぐに舌を碧の口の中に挿し入れた。
積極的な鈴香の舌使いに多少驚きつつ、碧は鈴香の攻めを受け容れ、鈴香の舌が自分の口の中を存分に探検するに任せた。
キスが再び途切れると、しばらく口の外で互いの舌を戯れさせ、またキスに入る。
自然に、今度は碧の舌が鈴香の口へ攻め入っていき、鈴香がうっとりとそれを受け容れる。
気がつくと、碧は自分が鈴香の腕にすっぽりと包まれ、自分の腕も鈴香の背中と腰に貼り付いているのに驚いた。
考えてみれば、鈴香とこうするのは初めてかもしれない。
初めて鈴香と身体を交わした際には、鈴香が自分を犯そうとし、自分が自衛のために逆に鈴香を圧倒した。
貴枝と鈴香を責めた際は、拘束した鈴香を二人がかりで責めては焦らしを繰り返した。
互いの温もりを感じ合いつつ、対等に愛し合うのは初めてだ。
まだしばらくキスは続いたが、このまま先に進むのを恐れている訳にはいかない。
碧は思い切ってキスを中断すると、鈴香の肩を掴み、そっと彼女を促しベッドに寝かせた。
期待を瞳に輝かせ、鈴香は尋ねてきた。
「みどりさま……碧……愛してくれるの?」
その台詞に思わず手が止まる。
このまま一気にいってしまうつもりだったが、言葉が割って入ると、却って意識してしまう。
「……お嬢さまのお好きなように。
私はメイドでございますから、お望みなら喜んでお嬢さまにご奉仕させていただきますし、
私の身体を責めたいとおっしゃるのでしたら、それもお嬢さまのご自由に」
精一杯優しく、上品な笑みを浮かべて答える。
極めて特殊なルールを持つ貴枝との夜伽と違い、完全に対等であるが故に、
責めるか受けるかを決めかねていた碧だったが、ここは今の主人に委ねるべきだろう−少しずるい気もするが。
鈴香はわずかに頬を染めて、
「最初は、碧が、して…」と呟いた。
「かしこまりました」と、碧はそっと鈴香のスリップの肩紐をずらした。
白い肩が露わになり、ショーツのみの格好となった鈴香の喉にキスをする。
一度強く吸って、そのまま頬と舌を乳房の谷間へと這わせていく。
掌をそっと乳房に添え、軽く揉み、両乳房を中央へと寄せる。
その間に舌を滑り込ませ顔全体で鈴香の乳房の感触を堪能する。
「はぁぁぁ……」
鈴香の呻きが耳に心地よい。
「もっと感じてくださいませ、お嬢さま」
舌が乳房へと這い昇っていき、乳首へと到達する。
既に固く勃起していた乳首を音を立てて唇の中に吸い込んでしまう。
鈴香の身体がびくんと震えるのを合図に、手をショーツの中に突っ込む。
時間差で訪れた刺激に、鈴香は他愛もなく身体をくねらさせられてしまう。
刺激を与えたすぐ後には焦らすべく、すぐにショーツから手を引っこ抜き、へそをくすぐり、腰を愛撫する。
乳房からも顔を放し、再び鈴香の口を貪る。
少しずつ背筋に汗が浮かんできたのが感じられるが、それは鈴香も同じだろう。
「うふ、お嬢さま……お嬢さまのここ……もうこんなに……」
少し言葉責めもしてみよう。指にねっとりと絡んだ彼女自身の愛液を鈴香に示してみせる。
「いつも茶道部の子たちとこんなことをしていらっしゃるんですの?」
喉元を舐めあげ、焦らしてやる。
「あっ……もっと触って…んん…」
「……質問に答えて下さらないと」
自然と歪んだ笑みが浮かぶ。この美しい少女を玩んでいるという優越感がそのまま快感になって、
もっともっと喘がせてやりたい、焦らしてやりたいという欲求が溢れ出てくる。
「……あぁぁぁ……してるの……」
「後輩の子たちと私とでは、どっちが……上手?」
尋ねながらショーツをおろしてしまう。
「はあああん!」
つと股間に顔を近づけ、一瞬だけ陰核にキスする。すぐに太股の内側へと舌を滑らせていき焦らす。
「ぁぁぁぁ……もっと……はっ……碧の方が……うん……上手……ずっと上手…もっとぉぉぉ…」
「……今は何人くらい子猫ちゃんがいますの?」
少し茶道部に関する質問を続けることにする。
今も自分の脳裏にはついつい貴枝の顔がちらつき、浮気をしているという罪悪感がやめろと警告の声を発し、
同時に、背徳的な行為に及んでいるという意識が快感を却って増幅してしまうという二律背反を呼んでいる。
ならば、同じ気持ちを鈴香にも味わってもらおう−
「はっ……五人……一年生の子が五人……」
「みんな可愛い子なんでしょうね?」
「はっ……くっ……かわぃぃ……かわいいのぉ……碧の方がもっと……ずっとかわいいのぉ!」
「子猫ちゃんたちが聞いたら泣きますよ、そんなこと」
「いいのぉ!碧がいい…のぉ!私が好きなのはっ!あの子たち……あの子たちは……んんっ…
みどりのかわり……みどっ……みどりっ……はああっ……みどりがすきぃぃ…」
鈴香が達しようとしている。機を逸するまいと、碧は舌を鈴香の陰核に強く押しつけ、痙攣する陰核を圧迫しつつ、激しくマッサージした。
「はあっ!みどりさ…まぁぁぁぁ…………」
汗と涙と愛液を振りまきながら、鈴香は身体を逸らして達した。
荒い息をつく鈴香を見下ろしながら、碧は改めて鈴香が如何に自分を深く、熱く想ってきたかを思い知り、
軽々しく彼女の懸想に応えようとした自分の軽率さを恥じた。
愛人たちを自分の代替に過ぎないと本音を漏らし、自分の名前を絶叫しながら達する鈴香の姿を見て、鈴香の一途さに圧倒された。
彼女を一方的に玩んでイかせたのは自分であるが、碧は鈴香の深い情念に寧ろ気圧されている自分を確認していた。
このままこの行為を続けていいのだろうかという疑問が頭をもたげてくる。
貴枝に対してだけでなく、鈴香の後輩たちにも後ろめたいものを覚えてしまうが、目下の鈴香は甘ったるい声をあげ、囁きかけてきた。
「みどりさまぁ……だいすき……」
碧は自分も身を横たえると、鈴香にそっと顔を寄せた。
鈴香が彼女自身の愛液で汚れた碧の顔をぺろぺろと舐め出す。
快楽が引いた後のその表情は、至福といっていいものだ。
碧は、しばらく鈴香に顔を掃除させるに任せていたが、ふと鈴香の肩を掴んで、
「お嬢さま……白沢さん……あの……私、白沢さんをおもちゃにしちゃってたような……」
鈴香は怪訝な顔をした。
メイドの奉仕を受けるお嬢さま、あるいは想い人に愛される少女の立場から引き戻された困惑が強く感じられる。
「どうしてそんなことを……私は碧さまのおもちゃにしていただくのが望みなの……気になさらないでください」
「ちょっと違う……白沢さんが私のことをそんなに想ってくれてるって思ってなかったの。私、何か悪いことをしているような……」
事実、悪いことをしているのだ。一晩だけの行為と限定されてはいても、やはり貴枝に対して裏切りを働き、
一晩だけと前もって限定することで、裏切ることを承服させた上で鈴香を玩んでいる。
貴枝が発案したこととはいえ、ひどい話ではないか。
だが、鈴香は優しく微笑み、碧の胸に顔を埋めてきた。
「悪いことをしたのは私の方です。碧さまに手を出そうとした罰が今までずっと続いてきて……
ひょっとしたら、琴美たちに悪戯したことからの罰なのかも。
今夜一晩だけは、碧さまに愛していただけるのでしょうけど、明日からはずっとまた罰が続く……って、分かってます。
でも、それは私が悪いのだから、仕方ないです。お願いですから、今だけはそれを忘れて、愛して下さい」
鈴香の言葉はどこまでも真摯で、熱かった。
鈴香の態度が真摯で誠実であるほど、ますます罪悪感が募る。
「……白沢さんにもだけど、茶道部の一年生の子たちにも悪いような……
白沢さんは後輩の子たちを裏切って、私と今こうしてる。
私は白沢さんを裏切って、いつもご主人さまに身体を預けている。で、ご主人さまは……」
−貴枝も自分を裏切っている。
今まさに、貴枝はきっと外泊しに行った先で、自分と同じ行為に及んでいるに違いない。
苦い嫉妬が胸に惨み出る。
そうだ。自分の心も体も貴枝のものであり、貴枝の心と体も自分のものであるが、今夜だけは違うのだ。
それを開放とは感じず、重荷に感じてしまっているのが問題なのだ。
鈴香の瞳に悲しみの色が差し、無言で唇を重ねてきた。
一晩だけの夢に過ぎないと、相手の心を一方的に奪っておいて、自分の心は別の相手に委ねている、と分かってはいる。
同じ気持ち、同じ情況であることを察し、鈴香は碧を慰めようとしていた。
気持ちが完全に重なり、貴枝に身を預けている時に劣らぬほどに、自分と鈴香の心がひとつになっていることを感じた碧は、
一瞬だけまだ逡巡に囚われたが、迷いを振り切り、鈴香のキスに応えた。
きっぱり割り切り、罪悪感を共有しよう。
今夜だけの行為なのだ。
「お嬢さま……今夜は私をお嬢さまのものにしてください」
「嬉しいわ、碧」
見つめ合う二人の目には涙が宿っていた。ひしと抱き合うと、二人は新たな段階へと足を踏み入れた……
遅筆で申し訳ないです。ようやくエロが出てきました。
次回は貴枝/美冴です。交互に書いていくつもりです。
うわあ!うわあ!うわあ〜!!ヽ(〃∇〃)ノ
−何かが頬に触れる感触が絶えず訪れ、眠りが妨げられる。
安らかな寝息を立てていた美冴の眉間に皺が走り、首が無造作に左右に揺れ、手が持ち上がる。
半ば意識がないままに、手が虫か何かを追う動作を繰り返すが、ぺちぺちと何かに手が当たる。
おかしい、こんなところに何が、と思ったところで、意識が覚醒へと向かい始め、
手が逆に掴み返された時、はっきりと目が覚めた。
「痛いわ、ぶたないで」
「!」
思わず大声をあげかけた美冴の口を、貴枝の唇が塞いだ。
キスはすぐに途切れたが、唇の上に人差し指が置かれる。貴枝が意味ありげに微笑みかけてきていた。
「静かにして、雰囲気が台無しだわ」
「んぁぁぁ、あ、あんたなんでここにいるのよ、あんたの布団はここじゃな…」
また貴枝の掌が口を塞ぐ。
そこで初めて既にパジャマのボタンが全部外され、腹の素肌が露出していることに気がついた。
しかも、貴枝は裸身である。
平然と貴枝がパジャマのズボンにまで手をかけてくるのを必死に止めようとして、
姉妹は布団の中でもつれあう形になる。
「ふふ。姉妹でいっしょの布団に寝る経験をしてみたかったの。いいでしょ?」
「冗談もいい加減に!こら!しなさいよ!あ……」
手に集中がいったところを狙われ、口にまたキスされてしまう。
引き剥がそうとすると、貴枝は一旦は素直に離れていったが、そのまま首筋へと舌を這わせていき、
乳房の狭間に顔を埋めて、ブラジャーの縁と素肌の境界を舐めあげていく。
そして、一言囁く。
「騒ぐと、お母さまに聞こえるわよ」
「ちょっと、悪ふざけもいい加減にし……あ……しなさいよ…怒るわよ……んん…」
感じた。
屈辱的にも、感じてしまった。
「母に聞こえる」の一言は効いた。
やめさせるにせよ、このままなすがままにされるがせよ、騒いで声が漏れれば、母に聞こえてしまう。
自分が同性愛者であることは今更母も承知だが、家に女の子を連れ込まないよう気を遣うのを暗黙のルールにしている。
それを自室で、しかも腹違いの姉を相手に抱き合っていては……
そして、声を出してはいけないという一念が頭に植えつけられた瞬間、身体の防御は脆くなってしまった。
声を立ててはいけないと思えば思うほど、肌は感じ易くなってしまう。
責め受けを決定するのは技巧だけではなく、感じ易さが鍵であり、
共に責めを指向するものが同格の技巧を持つ場合は、相手のガードを緩め、感じ易くさせた方が主導権を握る。
十年近く前、二人が初めて寝た時は、技巧も防御も互角の二人が責め合ったため、勝負がつかず、貴枝が自分から折れた。
美冴が碧を人質に取った時には、心理的に不利な立場に立たされた貴枝が美冴の技巧に膝を屈した。
だが今度は……自分が母親を「人質に取られた」形になったのだ。
そして、これこそが貴枝の復讐なのだと思い知る。
怒りが瞳に滾らせ貴枝を睨み付けるが、貴枝はくすくす笑いをやめず、愛撫を繰り返すだけだ。
この構図は、まさに以前の逆転に他ならない。
「ねぇ、ほんとにやめて……今はやめて。母さんの気分を悪くさせたくないの……お願い」
憎んで余りある腹違いの姉に懇願しなくてはならない屈辱。
だが、なすがままにされても、抵抗しても同じ結果になるのであれば、和戦に持ち込むしかない。
自分に膝を屈させたことで、貴枝の自尊心が満足することを期待するしかない。
「優しいのね、美冴は。でもダメ。お母さん思いは結構だけど、今夜の美冴ちゃんはお姉さんのものになるのよ」
その一言がまたも背筋を刺激する。
この憎い姉と肌を交わすということに忌まわしいものと……期待を感じてしまう。
禁忌であるからこそ、憎む相手に犯されるからこそ、意識とは裏腹に身体は感じ易くなっていく。
もちろん、これは自分が貴枝や碧に、また、今まで多くの他の女たちにしてきたことだ。
天罰というものがあるとすれば、今のこれがそうなのか。
「三十過ぎて言うことじゃないでしょ!変態!」
叫びたいところをぐっと堪えて、鋭く囁くが、貴枝は全く意に介さず、
布団の中に潜り込んでいき、美冴の腹を舐め始める。
頭を押し返してやめさせようとすると、貴枝は鰻のようにすり抜け、
そのまま下へ沈み込んでいき、ズボンに手をかける。
しまった、と思う間もなく、脱がされてしまった。
「いいじゃない、いくつになっても姉妹は姉妹よ。姉妹同士で変態行為をするのって素敵じゃなくて?」
勝ち誇ったような笑みを浮かべながら貴枝はそう言い放つ。
またも背中に鳥肌が立つ。気味の悪さと快感が混じり合った反応だ。
美冴は恐慌一歩手前の頭を何とか落ち着かせつつ、考えた。どう言えば貴枝は諦めるだろうか?
簡単ではないか。こちらも、碧を「人質に取れ」ばいい。
「……碧に言うわよ、この浮気女」
余裕を取り戻しての台詞だった。これで悪霊は退散する筈だった。が。
「構わないわよ。今夜は碧も浮気をしに行っちゃったもの。だから、私も……と思って、お泊まりに来た訳ね」
愕然とする。
ようやく掴んだと思った優位が瞬時に崩壊した衝撃と、
あれほど互いに想い合う仲の貴枝と碧がそのようなことになってしまっている衝撃が二重に襲ってきた。
昼間の「碧とひと悶着あった」というのは本当だったのだろうか。
「言ったでしょう?碧がお友達とどうしても浮気したいっていうから、行かせてあげたの。
代わりに私も浮気してみようって思った。それで、浮気する相手としては、あなたしかいないって……思ったの」
自分を見つめる貴枝の視線は本気そのものだった。
口調からもからかう気配が消え、真摯な熱気がこもっている。
何故貴枝がうちに泊まりに来たのかつきとめるつもりでいた美冴だったが、こんなことであれば……
知りたくなかった!
今まで戯れに近親相姦に及んだことはあったものの、基本的に、自分は貴枝を憎んでいる
−憎んでいるからこそ、以前は身体を重ねてみた訳でもあるのだが。
だが、貴枝は本気で自分と寝たがっている。
碧を最も愛していることは揺るいでいないのだろうが、碧以外の誰かと寝るとなれば、
その相手にまず自分を選んだというのは衝撃だった。
これほどまでに彼女を憎んでいる自分を。
以前、貴枝と碧に愛され、ほだされた時の、甘さと苦さが入り交じった想い出がフラッシュバックしてくる。
またも、貴枝への自分の憎しみが、常に貴枝の自分への愛情に負けようとしている。
「お願い、今夜だけは……」
貴枝の熱い吐息が顔に近付いてくる。
今度は美冴は避けも抗いもせず、キスを受け容れた。
「……何故私なの?こんなにあんたを嫌いな私を……」
正面から目を合わせるのが怖く、視線を逸らしながら尋ねる。
「私はあなたが大好きだわ。あなたが私を嫌いというのは承知してるし、
同じような意味では、私もあなたが疎ましいと思う……
でも、あなたが魅力的な女性であるのに変わりはないし……それに、妹だもの」
うわあ!うわあ!うわあ〜〜〜!!ヽ(〃∇〃)ノ
ウワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n ∇〃)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
605 :
名無しさん@ピンキー:04/11/03 16:42:58
邪道だ!!!!!!!!!
おっぱいいいい
保守
「そんなに、血が繋がってるということが重要なの?」
「血が繋がっているからこそ、私が嫌いなんでしょう?私は、血が繋がっているからあなたが好き。
それでいいじゃない。あなたは世界に一人しかいない私の妹だもの、とても大事な人だわ」
美冴を抱き寄せながら囁く貴枝の声は、寂しげだった。
確かに、家族を事故で失って、貴枝は血の繋がりをどこかに求めていたのかもしれない。
碧と母娘を演じるのもそれ故だろうが、その碧がいない今夜は、「妹」を欲しているのか。
今度は逆に貴枝の方が美冴に問いかけてきた。
「それとも、あなたの方に私と寝られない理由があって?浮気すると誰かに怒られるの?」
「ふん、まさか、浮気も何も、特定の相手なんていないわ」
強がりではなく、本当のことだ。特定の、あるいは対等のパートナーなど、何年も作っていない。
「でも子猫ちゃんはいるんでしょう?」
「今は…五人。でも本気の相手はいないわ」
そのうちの二人とは互いに遊びと割り切っているし、一人にはまだ他の女との関係を伏せている段階、
もう二人は完全に奴隷化し服従させたので、自分が他の女と関係しようと文句が言えない。
それが背徳的であるのだとしたら、別に構わない。
肉の喜びに心の充足までは求めないし、相手が求めていたとしても、それはお門違いだとすら思う。
だがそんな美冴のドライな考え方をも上回ることを貴枝が言い出した。
「なら、私が立候補するわ」
え、と思う間も与えず、再び貴枝の愛撫が始まった。
貴枝の右手が乳房を玩びはじめており、背中に回された左手がブラのホックを外す。乳首に優しいキスが降る。
「ん……」
「対等に愛し合うパートナーはいないんでしょ?だったら、私が立候補するわ。
本気の相手とまでは言わないけど……私も自分の本命は碧だし……
それに、あなたと対等に渡り合えるのは、私くらいしかいないんじゃなくて?」
確かにそうだ。
相手を喘がせ、屈服させるのに快感を覚える美冴は、相手に愛される、
または、対等に愛し合うのにはあまり関心がない。
貴枝もそういうタイプだ。
まさに似たもの同士の姉妹であり、だからこそ、近親憎悪を覚えもする。
そして……あくまで万が一であるが……
互いに対等に愛し合うことが出来る、数少ないパートナーになり得るだろう。
「美冴女王さまも、お姉さんの前ではあくまで妹ってことで、ここは姉妹仲良くいきましょうよ」
今度はショーツに手をかけてくる。
抵抗するのも虚しく、素直に脱がされる。
騒いで母を起こしてしまうのに比べたら、取りあえず、姉が一回満足するまで付き合った方が面倒がなさそうだ。
全裸となった姉妹はそっと抱き合い、キスを交わした。
いくらか挑戦的で酸っぱい、いくらか共感がこもった甘いキスを……
抱擁が解けると、鈴香は、碧の肩を撫でながら、
「さ、今度は私に碧を愛させて」
エプロンの肩紐に手をかける。
「はい、お嬢さま。どうか可愛がってくださいませ」
鈴香はエプロンを取り除き、いくらか戸惑いつつもメイド服を脱がせ始めた。
フリルのついた付け襟を取り除き、喉元から下へと並ぶボタンを外していき、手首のカフスも外し……
寝転がったままの姿勢で身体を動かしつつ、碧は鈴香が服を脱がせるのを手伝った。
服に続いて下着とソックスもあっさり取り去り、碧はカチューシャのみを身に付けた裸身にされてしまった。
鈴香は剥き出しになった碧の背中に舌を這わせる。
濡れたものが背筋を伝う感触に、碧はぴくりと身体を震わせた。
鈴香の手が腰に、肩に、乳房に回される。
以前、茶道部で受けたものとは比べものにならない、優しい愛撫だ。
掌に続き、鈴香の乳房が、腹が背中に押しつけられる。
「ぅぅん……」
切り揃えられた碧の髪をそっとかき上げ、露わになったうなじから耳元にかけてを舐めあげる。
顔に手を伸ばし、鼻から唇にかけてに指を這わせる。
碧は、猫か犬が甘えるように、鈴香の指をくわえて吸い上げた。
碧が自分の愛を受け容れてくれている様子に、鈴香は内心狂喜していた。
もうこれで死んでもいい、このまま時間が止まってしまって欲しい、と本気で願う。
そんな至福の時間を少しでもきめ細かに味わおうと、焦る心とは裏腹に、
鈴香の指はゆっくりゆっくりと碧の肌の上を滑っていく。
そうだ。
突然、あるアイディアが閃き、鈴香は碧から離れた。
え、と怪訝な表情で振り向く碧に、意味ありげに微笑むと、鈴香は脱がせたエプロンを手に取り、碧の背中へと戻った。
「さ、手を上げて……」
鈴香の意図を察した碧は、顔を赤らめて俯く。
何て可愛いんだろう。きっと貴枝に色んなプレイを仕掛けられるたびに、こんな風に恥ずかしがるのに違いない。
そんなことを思いつつ、碧の裸身の上にエプロンを着せ、剥き出しの腰の後ろで紐を結んでしまう。
言葉責めを開始する。
「こういう格好でするのは初めて?」
「……はい」
背中越しなので顔は見えないが、羞恥に縮こまっている様子はそこからでも分かる。
「貴枝さんのお夜伽を務める時は……あの、前に着ていたあの服?」
そう、以前貴枝と碧が自分を責めた時は、乳房が露出するようになっている、フレンチメイド紛いの服を着ていた。
「……はい、そうです……」
エプロンの下に手を潜らせ、その下に半ば隠れている乳房への愛撫を開始する。
エプロンの生地と擦れて、既に乳首が固くなっているのが分かる。
「どうして、今日はあの服を持ってこなかったの?あんな恥ずかしい格好は、私には見せられない?」
「そ……そんなぁ……意地悪おっしゃらないで……」
どうやら図星らしい。貴枝への嫉妬と羨望が深まるのを覚えつつ、背中を愛撫する舌に、より愛情をこめる。
「あのえっちな格好は、貴枝さまだけのためのものなのね?どうなの?」
「…………そうです……申し訳ありません……」
唇の端に、悪意ある笑みが浮かぶ。
「気にすることはないわ、構わないで。その代わり……裸エプロンをするのは、私だけのために……いい?」
…たとえ今宵一夜だけのことであるとしても。
今夜、碧が自分の夜伽を務めたこと、碧に初めて裸エプロンをさせたのが自分であること、それは動かせない事実となる。
エプロンの下の股間に右手が辿り着き、陰核をきつくつまみ上げる。
「!!」
既に充分興奮していた碧の秘裂は蜜で溢れ返り、どろどろになっていた。
ここにこの刺激はかなり強烈だったようだが、自制が保ったのか、碧は達することなく耐えた。
この辺りは、流石に貴枝にさんざん焦らされるのに慣れているだけのことはある。
鈴香は自分自身の股間にも、左手を伸ばした。自分の濡れ具合も相当のものだった。
ずっと恋い焦がれてきた相手を喘がせているのだから、それも不思議はない。
両手の動きを出来る限りシンクロさせ、自分と碧の二人分の性器を責め始める。
興奮がますます高まり、欲望が一気に噴き出ようとして、自制が効かなくなってくる。
だが、まだダメだ。
鈴香は寝転がると、碧に向かって、
「さぁ、来て……」と四肢を拡げて誘った。
恥ずかしげに目を閉じ、熱に浮かされたような表情で、
碧は、ごく短いエプロンをまくり上げて慎重に鈴香の顔の上に跨り、顔を鈴香の股間へとそっと近づけた。
碧の熱い舌を再び秘裂の粘膜に感じた時、鈴香は更に強烈な刺激が身体の自制に痛打を加えたのを感じた。
碧の丁寧な愛撫と滴り落ちる愛液に意識が陶然となる。
必死に自分にも同じ役目があるのだと言い聞かせ、舌を動かす。
碧も時折背筋を痙攣させ、達しそうになるのを懸命にこらえているのが分かる。
碧を感じさせているという悦びと、碧に攻めたてられ感じている悦びとがスパークし、頭も心もどろどろに溶かされていく。
きっと碧も同じ気持ちだろう……
「はっ……みどりっ……みど……みど…りぃぃぃぃ………」
「あン……はぁっ……おじょうさま……おじょう……さまぁ!」
こらえにこらえてきた碧の自制がついに崩れ、ダムが決壊した。
鈴香の顔に大量の愛液が注がれる。
それを合図に鈴香の興奮も頂点に達し、爆発する……
今までにない関係性が描かれてるせいだろうか、
こころなしか、貴枝&美冴がやけに艶っぽいですな。
そして碧の裸エプロン!ヽ(〃∇〃)ノ
交互に出てくる貴枝と碧の、それぞれの違いが楽しみです。
絶頂の快楽でほとんどまともに働いていない頭でも、
ぐったりとなった自分の身体が鈴香にそのままのしかかっていることを、碧は認識していた。
何とか鈴香の上からどかなければと思うが、その気力もない。
鈴香はというと、苦しい息を喘がせつつ、その口元に今だ押しつけられる碧の性器に、
意識しているか否かは定かではないが、唇を触れさせ、かすかに愛撫を続けていた。
エプロンに覆われた胸から腹にかけてにうっすらと汗が浮かび、
その反対側からも鈴香の汗が染み込んできているのが感じられる。
気を失いそうなところを何とか残る力を奮い起こして、碧は鈴香の上から横へと転がり、身体を離した。
顔の横に鈴香の足が横たわっているのが見える。
こうした情景は、貴枝との行為に於いても余りない。
貴枝とはシックスナインをすることが余りない。
かなり自分の我が儘を聞いてくれるようになり、関係も対等に近付いた今でも、
貴枝は自分とはシックスナインをすることを好んでいない。
頼めばしてくれるが、碧自身も、どこか気後れしてシックスナインに関しては積極的にならないのだ。
碧は、少し力が戻ってきた身体をもぞもぞと動かし、身体の上下を入れ替え、鈴香の顔を覗き込む姿勢を取った。
鈴香は心地よい寝息を立てて始めており、その安らかな寝顔を眺めているうちに、
碧も平静で幸福な気分になってきた。
そっと鈴香の頬にキスして、シーツを鈴香と自分の上にかけて、「お嬢さま」の眠りを見守り続けた。
数分経ったか、数十分経ったか、鈴香の意識が戻り始めた。
碧自身もうとうとしていたが、身体をもぞつかせる鈴香に、目が覚める。
再び鈴香の頬にキスを送る。自分自身の愛液でしっとりと汚れた顔だが、構わない。
「お嬢さま、良くおやすみでしたよ」
「……みど……り……あぁ…」
鈴香も身体を横に向け、碧の顔を覗き込んだ。
微笑みが交わされ合い、どちらからということもなく、キスを求め合う。
「素敵だったわ、碧」
「お嬢さま、ありがとうございます……」
「そんなことを言われるようなことはないわ。私の方こそ、碧を……」
これ以上のことを語って良いか、少し迷う。
だが頭が逡巡している間に、碧の口は貴枝に関する話題を喋り始めていた。
「……ご主人さまは、滅多にシックスナインをして下さらないのです……
シックスナインって、対等に愛し合う形ってイメージがあるでしょ?
私にもご主人さまと対等ではないから恐れ多いっていう気持ちがあるし……」
一度、大きく息を呑んでから、続ける。
「ご主人さまも、昔、対等に愛し合った方とシックスナインを愉しまれた想い出がおありで、
敢えて私とはしないようにしているんです……」
貴枝にとって、シックスナインをする相手は露子でなくてはならないのだろう。
今の貴枝が愛しているのが自分であるのは分かってはいるが、
この一点に関してだけは、未だ自分は露子に並び得ていない。
もちろん、露子を愛するようには自分を愛さないというのは、
それはそれで貴枝が自分を尊重してくれていることだとも思う碧ではあるが。
鈴香は少し衝撃を受けたようだった。
驚いた、というだけでは足りないレベルの様子で、気遣わしげな表情で、問い返す。
「そんな……貴枝さまは、葉山さん…じゃない、碧を誰よりも好きなんじゃなかったの?」
「あぁ、誤解なさらないで。今のご主人さまのお気持ちが向いているのは私です……
でも、昔にご主人さまがその方を愛したのと、今のご主人さまが私を愛しているのとは、違うっていうことで……」
こういうことを自分を愛していながらその想いが叶わないでいる鈴香に語って聞かせるというのは残酷なことだ、
と気付いた碧だったが、もう遅い。逆に鈴香の方が好奇心を刺激されてしまった様子だ。
「あの貴枝さまにとってそんなに特別な人なの?碧を脇に置いても特別扱いしなければならないほど?」
このことを説明するとなると、貴枝の過去を他人に明かすことになる……
と考えたところで、今の自分と鈴香の関係、そして今愛し合った形態が話の内容に符合することに碧は気がついた。
何という偶然か、それとも宿縁というべきか。
これなら話したとしても問題ないだろう。
「ご主人さまが十代だった頃、初めて愛し合った方です。
まだご主人さまが中学生の頃に水上家でメイドをやっていた方で、
ご主人さまはその方の手ほどきを受けてこの道に足を踏み入れたんだそうです」
「えっ、それって……」
碧は微笑んだ。
「そう、今の私たちと同じ」
かつて貴枝はメイドの露子と恋に落ち、長年に渡って愛し合った。
今の自分は、一夜だけの鈴香のメイドとなり、彼女との恋を楽しんでいる。
そして、どちらの組み合わせも、シックスナインで対等に快楽を分かち合った。
「ね?今まで気付かなかったけど……私たち、こうなる運命だったのかな?ご主人さまと露子さんと同じ…」
「そうなの……それじゃあ……」
鈴香の顔にいたずらっぽい笑いが浮かぶ。
「碧の方からも、貴枝さまとはシックスナインしちゃダメよ。
裸エプロンをするのも、シックスナインをするのも、私とだけ。分かった?」
「はい、お嬢さま」
そう応えて、碧は堪えきれずに笑いだしてしまう。鈴香もつられて、二人はひとしきり笑いあった。
そして、碧は、
「……ねえ、お嬢さま……お嬢さまの誕生日はいつですの?」
「どうして聞くの?7月15日だけど」
「あっ、私と三日違い……鈴香お姉さま」
『お姉さま』という甘い響きが胸に刺さる。
後輩たちからいつもそう呼ばれているが、碧の口からその言葉が漏れると、
まるで初めてそう呼ばれたかのような新鮮な感動に襲われる。
「ご主人さまは、私にとって特別な方で、それはご主人さまとは母娘だからです。
ご主人さまにとって露子さんが特別なのは、ご主人さまと露子さんがやっぱり心の繋がりって意味で姉妹だから……
だったら、私はお嬢さまと姉妹になりたいです……」
そう言って胸に甘えるようにすがりついてくる碧に、鈴香は震える手を伸ばした。
碧と自分が姉妹……貴枝と碧が母娘であるのと同じように、自分と碧が姉妹になる。
碧も、かつて貴枝とそのメイドが姉妹の契りを交わしていたのと同じように、「お嬢さま」と姉妹になれる。
二人ともが、敵う筈がないライヴァルに並びうることが出来るのだ。
先ほど交わし合った愛情よりも大きい共感で、
自分と碧が結ばれているのを感じ、鈴香は身体が熱くなるのを禁じ得なかった。
「喜んでお願いするわ、碧……私の……妹…」
歳がわずか三日しか離れていない姉妹であるなら、その関係は限りなく対等に近いものだろう。
本当の主人である貴枝が碧とは母娘関係であるなら、限りなく対等に近い自分は姉妹関係になってみよう。
貴枝には、自分ほど碧とは対等になれまい。
ごくわずかで屈折したものではあるが、確かな勝利の喜悦が差し込み、鈴香の脳裏を酔わせる。
「碧……私のメイドの碧、私の妹の碧……さ、お姉さまにキスをして?」
興奮に押し流されそうになるのをこらえ、鈴香は碧に命じた。
碧も、改めて高鳴る鼓動、溢れ出る涙を抑えつつ、応えた。
「はい、お嬢さま…このキスで……」
それ以上の言葉は互いの唇へと吸い込まれ、発音されることはなかったが、
その言霊だけはキスを介して、碧から鈴香へとしっかり伝えられた。
このキスで、私たちは姉妹になりましょう、と……
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慎重に舌を互いの口に挿し入れ、まさぐる。
キスのみに集中し、互いに口以外の部位で、相方の口以外の部位を責めるのを牽制する。
貴枝と美冴は、静かに火花を散らすような交歓を続けていた。
キスのみに耐えきれなくなり、手を使って責めれば、均衡した勝負がより激しくなるだろうし、
キスによってガードを崩され、それ以上の愛撫を求めたりすれば、相方に天秤が傾き、
あとはただ自分が絶頂へと押し上げられるかのどちらかとなるのだろうが、
二人とも、全力で相手を責めることはなく、また全身で相手の責めを受け止めることもなく、
抑制された技量のみで抗し合う。
予想通りだった。
二十代の頃に初めて愛し合った時と同じ状況であり、将棋の千日手にも似たこの状況に陥るのを恐れるからこそ、
今まで二人は本気で身体を重ねることを避けてきていた。
相手を一方的に責めることを好む者同士であるが故に、
互いが多大なフラストレーションと緊張感にがんじがらめにされ、だが、それ以上の快楽を味わっている。
キスのみの交歓でこれほどスリリングなのだから、本気で愛撫を交わしたらどれほど…とも思うのだが、
そこに踏み出すのは危険な罠が待っている。
(これだからやりたくなかった……)
美冴は後悔するが、もう遅い。
声を立ててしまえば母に気付かれまいとする気遣いは無と化すからには、
声をなるたけ立てないよう、責めを控え目にすることで貴枝の責めも抑制し、口を口で塞ぎ合う他なかった。
もちろん、貴枝をさっさと満足させてしまえばいい問題であり、
貴枝を逝かせるか、逝かされれば、いいとも思えるのだが、
現実には、自分と互角の技量を持つ貴枝をさっさと逝かせるなどとても出来ない相談であり、
自分が貴枝に逝かされればいいかと言うと……
「ふふふ、辛そうね。逝ってしまいたくないの?」
魔女のような貴枝の笑いが、美冴の怒りを煽る。
何が何でも相手に自分から逝かされるなどという真似は出来ない。
かつて貴枝相手にこのような千日手に陥った時、子供っぽい我の張り合いに疲れた貴枝は、
自ら美冴に逝かされて勝負を終わらせた。
タチ同士のプライドを賭けた勝負そのものを汚すその態度に美冴は激怒し、
それがますます二人の仲を険悪にするきっかけとなった。
よって、さっさと勝負を終わらせるため、自分から折れてしまうなどという真似は絶対にしたくないのだ。
これをしたら最後、自分は大事なものを失ってしまう。
もちろん、そこまで察して貴枝は自分を焦らし、責めている。
相手の弱みを掴んだらねちねちと責め続ける、ある意味ではまことに女同士の競い合いらしい手管だった。
怒りに呑まれかけた美冴の首筋に貴枝が吸い付き、空になった美冴の唇に貴枝の指が押し当てられる。
このままおとなしくそれを口にするのは、この忌々しい姉の思うがままにされているようで何とも業腹なものだったが、
何かを口にしていないと声を立ててしまわないかと気分が落ち着かない。
「そうよ、可愛い美冴……お姉さんの指をしゃぶりなさいな」
普段なら意にも介さない言葉責めも、今の状況では有効だった。
少しでもガードを崩す訳にはいかない状況下で挑発されると、やり場のない怒りが燃え上がる。
それを責めへの燃料に変え、積極的に責めていく…といいたいところだが、激しく責めてまともに応戦されると、
極力音を立てないでことを運ぶことが難しくなる。
怒りと怨みのこもった視線で貴枝を睨み付けるのが関の山だが、貴枝はますます舌鋒鋭く言葉責めを仕掛けてくる。
「素敵ではなくて?やっぱり私たちは肌が合うのよ。姉妹ですもの……
対等に愛し合うには、私にはあなたでなければ、あなたには私でなければダメだと。そう思わない?」
姉妹萌え〜 (;´Д`)ハアハア
そろそろ500kbに達するころなので、移行の心構えをしておきましょう。
歯ぎしりして貴枝を睨み付けるが、口惜しいことにその言葉の正しさも痛感せずにはいられない。
自分相手にこのような静かにして息詰まる攻防を繰り広げることが出来るのは、他のペットやセックスフレンドでは到底無理だ。
貴枝は甘えるように美冴にしなだれかかり、
「ねぇ、お願いよ……シックスナインをさせて」
「ろくきゅー?そんな…」
「今更恥ずかしがることでもないじゃない。シックスナインさせてくれたら、今夜はもう解放してあげるわ。
それとも、何か出来ない理由でもあるの?」
既に憎い姉と肌を重ねてしまっている以上、確かにそうそう恥ずかしくて出来ないことなどないのだが、何故今更シックスナインなのか。
これで最後にしてくれるというが、何故なのか。
自分と同じく、プライドの高い貴枝が約束を重んじるのは分かっている。
それならシックスナインをするのもやぶさかではないが、そんなにこだわる理由があるというのが引っかかる。
「……声を立てたら、殺すからね」
「ふふ、分かってるわ。あなたこそ、みっともなくわめいたりしないことね」
またしてもの挑発に思わず声を荒げそうになるが、ぐっと堪えた美冴は、手足を開いて姉にその裸身を捧げた。
貴枝は相変わらずクールな笑みを浮かべていたが、それでも確実に瞳の奥に欲情の光が宿っているのが分かる。
貴枝が顔の上にしゃがみこんでくる…
ほとんど触っていないにも関わらず、煮え滾る大釜の如くに熱い愛液が滴り落ちてくる。
美冴が顔をしかめると同時に、胸から腹にかけて姉の体重が乗りかかり、性器にも刺激が走るのを感じた。
貴枝の唇と指が陰核を挟み込む。
声を立ててはならないと、姉の股間に顔をつっこみ、声を押し殺した。
それが貴枝の性器にも刺激を与え、貴枝の背骨から腰骨にかけてがぶるんと震える。
同じ部位を互いに同じ部位で責め合う、シックスナイン独特の合わせ鏡の快楽だ。
貴枝の指が内股を這い、性器を玩ぶのを感じ、美冴はその巧みな動きに敬意を覚えた。
忌々しい姉ではあるが、やはりテクニックは自分に劣らない。
自分に劣らないという事実が、快楽と共にライヴァル意識をも刺激し、
負けじと舌の動きに神経を注ぐが、かといって無軌道に熱くなることも許されない。
声をあげてもあげさせてもならないという縛りに加え、このまま姉といっしょに燃え上がりたいという欲情と、
姉と愛を共有することをあくまで拒む気持ちの間に引き裂かれ、
美冴は必死に自制を働かせ、意識をクールダウンしようとした。
そんな美冴を嘲笑うかのように、あるいは寧ろ愛おしむように、貴枝は責めの合間に言葉責めを続行する。
「ふふ、碧とはね、シックスナインを滅多にしないの……分かる?
最近はかなりあの子も上手になってきたし、私も素直になってきたから、
あの子に責めさせるのもいいかなって気になってきたけど。
でもね、シックスナインって対等の体位ですもの、責めるのも受けるのも対等。
まだ碧は、私とシックスナインをするには早い……
でもね、あなたとなら出来る。分かるでしょ……
あなたと私は対等……どんなに嫌だろうと、対等……姉妹だから対等……」
貴枝自身も快楽に酔っていない筈がないだろうに、その言葉は落ち着いたものだった。
まるで催眠術のように、美冴の脳裏に入り込んで、自制心を、あるいは貴枝への頑なな気持ちを溶かしていく。
「対等だから……あン……シックスナインが出来る……」
嫌だ。こんな女と対等だなんて。
嫌悪が脳裏を駆け巡るが、それを嘲笑うかのように、貴枝は尻を揺らし、股間で美冴の顔を押し潰そうとする。
垂れてくる愛液が喉に滑り込んできて、むせそうになるのを堪え、負けじと美冴は舌を貴枝の秘裂へと押し込む。
「碧にもしない……シックスナインを……してあげるわ…愛してるのよ……」
愛されたくなんかない。だが……
あれほど可愛がっている碧にも施さないシックスナインをしてくるというのなら……
本当に貴枝は自分を愛しているのか?
愛液のしぶきを鼻面に受けながら、美冴は姉の秘裂に潜り込ませた舌を蠢かせ、
姉の尻から背中にかけてに手を滑らせた。
姉の身体を抱き締め、より自分の胸に密着させようとしている自分に気がつく。
「美冴……いいよ、いい……私たち愛し合ってる……姉妹で愛し合ってる……」
そうだ。姉妹で愛し合っている。
今までの戯れでのセックスではなく、本当に今の自分と貴枝は気持ちも身体もひとつになって、
互いの愛撫を受け止めている。
こうなることをずっと恐れてきたというのに、貴枝相手に本気で燃え上がるのを避けてきたというのに、
それが崩れ去ろうとしている。
かつて貴枝が自分にわざと逝かされ、真っ向勝負から逃げた時の怒りが思い出される。
実は、自分自身も貴枝と正面から向かい合うのを恐れて、逃げてきたのではなかったか?
こうして、貴枝と一つになるのを恐れていたのではないのか?
今まで憎んできた相手と身も心もひとつになってしまう……
貴枝にわざと逝かされるのも主義を曲げることになるが、貴枝と対等に、本気で愛し合ったとしても、
それは貴枝に自我を預け喪失してしまう結果になるのではないか?
姉と一体となるというイメージに、今まででも最大の嫌悪と快楽を感じ、それが美冴の自制を崩壊させた。
気がついた時には、もう手遅れだった……
美冴は必死に貴枝の秘裂にむしゃぶりつき、音を立てて姉の愛液を啜った。
声を立てないためにはそうするしかなかった。
貴枝も同じことをしている。
声をあげるのを必死に堪えるため、姉妹は互いの股間に顔を埋め合い、互いの絶頂をより高め合う他なかった……
快楽が美冴の全身を痺れさせ、心までをもとろけさせる。
貴枝が自分の上から転げ落ちるのを感じたが、かといって、ぐったりとなった身体は依然動けないままだった。
全てを姉に委ねきり、また、姉の全てを自分のものとしたという確信を得て、
美冴は今までに味わったことのない開放感を感じていた。
頑なに拒んできた貴枝との愛を受け容れ、プライドを失墜したことが、逆に快感となっている−
サドだったところがマゾの快楽に目覚めるのはこのようなものか、とぼんやり思う。
貴枝がようやく再び動き始め、体勢を変えて自分と向き合う形で寝そべり、抱きついてくる。
疲れた腕を貴枝の背中に回し、重ねられてくる貴枝の唇に唇で応える。
(姉さん……)
言葉にするには疲れが蓄積しており、また、わずかにプライドが抵抗を示していた。
美冴は心の中でそう呟いて、姉に甘えるように抱擁を交わした。
ほんの数分前までとは全く逆に、自分が貴枝の妹であり、貴枝が自分の姉であること、
その姉とこうして抱き合えることに、言葉には出来ない悦びを感じている
−正確には、言葉にはしたくない悦びを。
やはり、まだ意識のどこかでは、貴枝に膝を屈したことを認めたくない自分がいる。
だが、身体に残留する快感と温もりが意識を麻痺させているので、その抵抗も弱々しかった。
言葉にして愛を囁くにはまだプライドが邪魔しているが、身体はこうして姉と睦み合っていることに悦びと安堵を覚えている。
いや、愛を言葉にするのに無粋なものを感じる。
愛を伝えるのに言葉は必要ない。こうして肌を合わせていれば、それ以上は必要ない−
そんな想いを反芻しながら、姉妹は半ば意識の薄れたまま抱き合い、
互いに無言であることを確認するように、唇を交わし合っていた。
何も言いたくないし、貴枝の口からも何も聞きたくない。言葉が漏れれば、この甘い夢は終わってしまうから……
日頃の屈折した、支配者然とした態度とは全く違う、少女のような気持ちで、美冴は姉との甘美なひと時を満喫していた。
「……ねぇ、美冴?」
「………」
貴枝が口を開いた。お願い、何も言わないで、と心の中で懇願する。
素直に「愛している」とは自分の口からは決して出ないであろうことを感じている美冴は、
貴枝と言葉を交わすのを恐れていた。また頑なな自分に戻ってしまう。
「美冴、お願いがあるの。私と結婚して」
「………はぁ?」
頭を支配していた逡巡が瞬く間に消し飛んだ。
「あのさ、何を言っているか分かってる?」
ついさっきまで感じていた甘い夢から醒まされたばかりか、
またも訳の分からないことを言い出して機先を制しようとする姉の態度に再び嫌悪が募ってくる。
だが、相変わらず貴枝は気味悪いくらいに優しく、快活な笑顔を浮かべ、
「もしこの先同性結婚が可能になったら、の話でいいから、私と婚約してくれない?」
いけない、と思う。
完全に酔いが醒め、シックスナインをする前の関係に戻っている。
「嫌よ!誰があんたなんかと……結婚なんて……」
『結婚なんて意味がない』が座右の銘だった自分である。
それは結婚というものが男女の間で交わされるものであるからそう思うのだが、
果たして女同士で結婚することが可能だとして、貴枝と−いや、他の女たちとも、結婚したいかといえば否である。
今まで誰とも対等に愛し合わずにきた、それが故に特定の恋人を持たないできた自分には、結婚など……
……たった今、貴枝と対等に愛し合ってしまった。まずい、と思う。
何とか話を逸らそうと、お馴染みの武器を持ちだしてみる。
「……結婚なら、大事な碧とすればいいじゃない?」
だが貴枝は動じない。
「碧は『娘』だもの。碧の『母親』でありたいから、結婚相手は別に探さなきゃ……碧にも『父親』が必要だわ」
「……わたしゃ男扱いかい……」
少し不満に思う。
いつも、どの女と寝る時も、タチ役を譲らない美冴であるが、はっきり男扱いされると意外と不快なものである。
「男装の似合う素敵な叔母さんがお父さん代わりになれば、碧も喜ぶわ」
碧を持ち出されると少し気持ちが揺らぐが、そういう問題ではないと必死に思い直す。
「だからねぇ……何であんたと結婚しなきゃならないのよぅ?」
貴枝は突如真顔になり、正面から美冴に向き合った。
「本当の姉妹になるために」
え、と思う間もなく、唇を奪われる。
「ちょ、ちょっと!もう今夜は何もしない約束でしょ!」
「ふふ、そうだったわね。でも、朝までずっといっしょよ。
この格好で客間に戻らせないでね。お義母さまに感取られたくないもの」
このまま朝まで抱き合っていなくてはならないのか?
げっそりと青ざめる美冴と裏腹に、貴枝は本当に嬉しそうに妹に抱きつき、頬ずりを繰り返した。
初代スレ410さん
GJ!! 姉妹萌えがいいですね。
>>629 どうでしょうねえ。
レズ・百合板があるからには本スレの主旨からみても、
そっちに移動すべきなのかもしれませんが、
このままでもいいならこのままでもーという気もします。
何よりも、スレタイはこのまま続いてもいいんじゃないか、
いやむしろ続いて欲しいと思っています。
"道具なし"のSSだけじゃなく漫画や小説の話ができるのも
ここの最大の特徴だと思います。
他の方々はいかがでしょうか?
あまり簡単にRLがどうの言い出さないで欲しい。
RLだの言い出すんだったら、エロ「パロ」板で
「オリジナル」作品を書くほうがはるかに微妙です。
この板のRLは板が本格稼動する前に、立ってすぐ作られたものなので
実情に合っていないのは、以前のpink板変動のときに
あきらかになってます。
レズ系スレでは以前からパロディSSはエロパロ板スレ、オリジナルは
こちらに住み分けするという住人同士の了解ができていました。
これまで一度もこのスレに削除依頼等されていないという事実も
考えてから発言をお願いしたいです。
ろくに論議すらしなかった過去を持ち出されても・・・。
そしてよっぽど毛嫌いしてるようだね。
問うべきことは、
次スレを百合・レズ板に移動すべきかどうかということなの?
それとも本スレ自体は終わりにして次からは他の関連スレで続けということ?
あるいはその両方?
スレを百合・レズ板に移すということではないの?
次スレから板を移動せよというなら、移動先にエロパロ板は俺も違和感ある。
レズ物で道具を使うのは邪道だと思う人のSSスレ
とかになるのかな
この板でいいよ。
他の書き手の人の意見も見たいけど、万が一無いようなら410氏の言うように移転で。
流れ邪魔してすみませんが、
林家志弦の『ウルトラソード』ってコミックを読みました。
登場人物の少女のひとりが、ふたなりもニセちんこも邪道!と
叫んでは斬りかかるさまが笑えました。w
えーっと、次スレのことですか。
自分は道具もふたなりも邪道という主旨が好きなので、
この邪道スレが続くなら、板はどこでもいいです。
というか、せっかく「レズ・百合板」というのがあるくらいなんだから、
類似スレに移動というよりも、
より萌えを細分化させていってもいいんじゃないかと。
だめすかね。スレの無駄遣いになりますか。
活気無いこのスレが分裂したら、両方即消滅の悪寒
朝食の席で、苦いコーヒーを啜りながら、美冴はまだ鈍さの残る瞼を擦りあげた。
貴枝はというと、穏やかな笑みを浮かべ、コーヒーカップに顔を近づけ、妹の淹れたコーヒーの薫りを愛でている。
その正面に座った幸恵は、二人の間に漂うぎこちない空気を感じ取り、娘と貴枝の顔を胡乱げに見比べた。
(まずいな…)
平静を装いながらも、美冴は母に昨夜の情事を感づかれていないかと内心びくびくしていた。
弛緩した表情を引き締めようとするが、睡眠不足と疲労の色は隠しようもない。
反対に、貴枝の方はというと、昨夜のご乱行の痕跡など微塵も感じさせない涼しい顔をしており、服装や髪も至極きちんとしていた。
全くいつも通りの貴枝なのである。
二人の間のギャップが却って幸恵の不審を煽っているようだった。
どこか弱々しげにトーストを囓る娘に、幸恵が尋ねた。
「ねぇ、あなたたち、夕べは……」
「!」
来た。どんな顔をすればよいのだろうか。青ざめた顔で食い入るように母の顔を見つめ返す。
「……何、母さん?」
声がしゃがれて震えている。
「……あのね、夕べ美冴の部屋から何か物音がした……ような気がしたんだけど……」
尋ねる母も、明らかに気まずそうな口調で、聞いてよいものか逡巡している様子である。
「………あなたが……その……分かっているつもりだけど……あの……貴枝さん?」
「はい?」
肩の向こうで幸恵ににこやかに笑み返す貴枝に、美冴は声にならない怒鳴り声をあげた。
言うな!
「あの……貴枝さん……夕べは客間でおやすみに……」
「いえ、美冴さんのお部屋で」
ちゃぶ台に頭をぶつけそうになる。
母の前でさらし者にされた羞恥により、顔にさっと血の気が差し、青ざめていた顔が真っ赤に染まり、体温が沸騰するのが分かる。
幸恵も絶句し、質問した方だったのが二の句を継げないでいる。
独り平静を保っている貴枝は、コーヒーをひと口啜ると、カップを置いた。
そして、両手を膝の上につき、話し始めた。
その様子に、貴枝は貴枝で大いに緊張しているのが見て取れ、美冴ははっとなった。
「今回、こうしてお邪魔したのは、正直申しまして、最初から美冴さんとセックスするのが目的でした。
以前から…美冴さんとは感情的なもつれがあって、それをときほぐしたいという思いまして。
美冴さんの気持ちは決して同じという訳ではなかったでしょうけど、一晩お付き合いいただきました」
本気なのか?今までずっと頑なだった自分をあれだけ挑発するのも、そのためだったのだろうか?
美冴は訝しげに姉を見つめた。
このようなことをぬけぬけとぬかす貴枝に対する苛立ちもあるが、貴枝が真摯に気持ちを述べているのも分かる。
だからこそ、認めたくない。
昨夜、ほんの一時だけ、姉の愛を受け容れたことは、却って今の美冴の気持ちを固くしていた。
幸恵も複雑な表情である。
それはそうだろう。
娘が同性愛者であることを(世間体という意味ではなく、孫の顔が見られないという点で、であるが)
気に病んでいる幸恵であり、美冴もその方面のトラブルを家庭に持ち込まないよう気を遣っているというのに、
こんな形でこんなことになろうとは。
しかも、その相手が幸恵・美冴母娘には因縁のある貴枝なのだから、困惑するのも無理はない。
「昨夜も、美冴さんにお願いしたんです。婚約してくれって……
もちろん、現行の法では結婚は不可能というのは承知しております。
いつか同性婚が可能になった時、結婚するという約束をして欲しい、と……そういうお願いをしたんです。
結婚するとすれば、美冴さんを水上家の『婿』として迎える……
正式に水上の家へ入っていただくことになると……
それで、今まで水上家がお二人にしてきた仕打ちに替える代償にしたいのです」
「あ…」
母娘は同時に感嘆した。そういう意味があったのか。
美冴は、貴枝の婚約に関する発言が戯れ言ではなく本気であったのを知り、またもこの姉にしてやられたと感じた。
「本当の姉妹になるために結婚する」というのはそういう意味だったのだ。
自分が『婿入り』し水上家の一員になったとしたら、まさに貴枝と自分は夫婦であると同時に、名実共に姉妹ではないか。
憎んできた水上家の一員になるという発想は、確執のある貴枝と結婚するという以上に、美冴の心に強い抵抗感をもたらした。
今まで拒否し続けてきた水上家に入るというのは、自分と母の意地を無にすることになる。
だが、貴枝が自分たちに対するお詫びとして、誠実に、このことを言い出したことも理解出来てしまう。
水上家が冷や飯を食わせてきたお詫びとして、貴枝は、水上家そのものを差し出そうというのだ。
家柄も財産も並大抵ではない、水上家を丸ごと捧げるというのなら、それは自分たちの勝利といって差し支えはない。
そこまで述べると、貴枝はコーヒーカップを取り、ぐっと濃いコーヒーを飲み干した。そして、
「お願いします。お義母さま、美冴さんを私に下さい」
貴枝は床に指を突いて深々と頭を垂れた。
信じられない。あの貴枝が自分のためにこうまでするとは。
美冴は目を見張り、姉の姿を見つめ続けた。
その様子からは、貴枝が本気であることしか伝わってこない。
からかいと挑発を繰り返し、韜晦し続けたその裏には、このような誠実な姿が隠れていようとは。
……そして、その誠実さの故に、美冴は姉の申し出を受け容れ難く思う。
姉が本当に自分に全てを捧げる気でいるのは分かる。
だが、その誠実な気持ちを受け容れると言うことは……貴枝の誠実な気持ちを認めると言うことは……
あくまで不誠実な水上家を憎み、貴枝を仮想敵としてきた美冴には、受け容れ難いのだ。
貴枝が誠実であればあるほど、その姿は美冴の中の貴枝の姿、水上家の姿と遠ざかっていく。
そして、貴枝の誠実さを拒否しようとすればするほど、自分の子供っぽさ、矮小さを思い知らされてしまう。
またしても、完全に姉に敗北したという思いに打ちのめされ、思わず美冴は姉から顔を背けた。
「母さん……」
助けを求めるように母の方を見やる。幸恵は唇をわなわなと震わせ、畳に額を擦り付けた貴枝を凝視していた。
だが、ついに貴枝へと歩み寄り、その手を取りながら、
「貴枝さん……」
幸恵は大きく息を呑む。それを見つめる美冴も、我知らず母の呼吸に合わせて息を呑んでいた。
「貴枝さんがそこまでおっしゃるなら、もう何も言いません。どうぞ、ふつつかな娘ですが、もらっていただけます?」
「お義母さま……」
母と腹違いの姉のやり取りに、美冴は耳を、いや、正気を疑った。
昨日から何度となく、同じような経験をしてきたが、これほどの衝撃はなかった。
「ちょっと待てー!」
ほとんどちゃぶ台をひっくり返す勢いで立ち上がり、美冴は拳を握りしめた。
「勝手に決めるなー!私は何も……」
幸恵は悟りきった表情で美冴を振り返り、
「恥ずかしがらなくてもいいのよ。
あなたが女の子を好きなのは知っていたけど、まさか貴枝さんと相思相愛だったとはねぇ。
私に気を遣って、今まで言えなかったのね……
構わない、あなたたちの好きになさい。
孫の顔を見られないのは残念だけど、あなたたちの気持ちが同じなら私は何も文句はないのよ」
「違うって!私は別に貴枝とはねぇ……あー、だから…貴枝、あんたからも説明しなさいよ。違うでしょ?」
「あら、結婚したいっていうのは本気よ、本気。冗談でこんなことが言えると思う?」
「だからそれとこれとは……あのね、母さん、貴枝の言う結婚ていうのはね……」
美冴は躍起になって母の誤解を解こうとしている。
そんな美冴の慌てぶりを、幸恵は愛おしそうに見つめ、貴枝はおかしそうにくすくすと笑い続けるのだった……
庭に洗濯物を干し終えた碧は、吸い込まれるような空の青さに目を奪われ、今まで忘れようとしていたことがまた脳裏に浮かんでくるのを感じた。
甘い一夜は過ぎ去った。
あの後も鈴香と愛し合い続け、それぞれ何回か達したが、別れの時間が迫っていることを常に感じながら抱擁し合うひと時でもあった。
貴枝のことを意識せずに鈴香を愛することが出来たのは予想に反して快いことだったが、
鈴香を愛してしまうことで別れ難くなるのではないかという不安な予想は的中してしまった。
−いや、鈴香の方がもっと辛いだろう。
自分には貴枝がいるが、彼女には、自分にとっての貴枝ほど全てを委ねきることが出来るパートナーはいない。
昨夜一晩だけという貴枝との約束がある以上、もうこれ以上は共にいることは許されなかった。
朝食を準備し、共にシャワーを浴び、昨夜汚れたシーツや下着を洗ったが、これが済めば、メイドとしての自分の仕事は終わる。
それは自分が水上邸へ帰る時間でもあった。
室内に戻ると、やはり寂しげな様子の鈴香がぼんやりと居間のソファに座っていた。
疲れた視線を泳がせ、室内に入ってきた自分を捕捉する。
「……終わった?」
憂いの隠せない声に、碧もしゃがれ気味の声で応えた。
「……はい」
「だったら、着替えなきゃね。昨日のお部屋、覚えている?あそこで…」
「はい、それでは失礼して……」
そっと居間を退出した碧は、荷物の入ったバッグを持って、使用人部屋に入った。
照明の点いていない、わずかな陽光がカーテンの向こうから差し込むだけの薄暗い部屋で、
碧はメイド服を脱ぎ始め、学校の制服へと着替えを始めた。
どこか気が進まず、手の所作も緩慢になってしまう。名残惜しい気持ちが募る。
だが、それは貴枝に対する裏切りではないか、と自分に言い聞かせ、気持ちを決別へと備える。
そんな気持ちになった折り、扉の向こうから何か物音が聞こえてきた。
それが鈴香の啜り泣きであると気付いた時、碧は深い罪悪感に囚われた。
だがもう後戻りは出来なかった。
着替えを終え、髪にブラシを入れると、碧は部屋を出て、居間へと向かった。
「それでは、一晩お邪魔致しました……」
「こちらこそ、何から何までやらせちゃって…」
他人行儀な言葉の応酬が痛々しかったが、互いに一晩だけの夢だったと確認しなければならなかった。
鈴香は碧を玄関まで見送りに出た。
このまま時間が止まればどれだけいいだろうか。鈴香はそう考えているに違いない。
自分にもそんな気持ちがあるのを否定出来ない。
だが貴枝の許へ帰れなくなる前に、きっぱりと別れなければ。
貴枝も鈴香も失いたくないと言う自分の卑怯さに、碧は軽い自己嫌悪を覚えた。
靴を履く碧の背中を眺め、鈴香は、疲れてはいるが安らかな表情を浮かべていた。
このわずかな時間に、昨日の夕刻からの想い出を反芻し、脳裏に焼き付けようとしているかのようだった。
最後の挨拶をしなければならない。
「それじゃ、さようなら……」
「ええ、さようなら……葉山さん」
碧から「葉山さん」へ。メイドでも妹でもなく、同級生へと戻ったことを暗示する呼び方だ。
碧は悲しみと不快感を拭えず、眉を曇らせた。
夕べの甘い夢は夢に過ぎなかったとしても、事実には違いない筈だ。
何もなかったかのように振る舞うことは、美しい記憶を自らの手で汚すことのように思えた。
「……葉山さん?」
返事をしない碧を訝しみ、鈴香は言葉を重ね、そこで熱く手を握りしめられた。
「あのね、白沢さん!……ううん、お姉さま!
ご主人さまとの約束がある以上、昨日一晩だけのことだったかもしれないけど……でも……」
鈴香は思わず顔を背けた。聞きたくない、というような様子だ。
もちろん、本当は碧の気持ちが嬉しいのだが。
だが、貴枝がいる以上、また関係を持つことは無理に決まっている。
ならば最初から聞きたくない。そんな気持ちでいるのが碧にも分かった。
だが、自分の想いに正直に、碧は続けた。
「たとえ一晩だけのことだったとしても……姉妹の契りを交わしたことだけは間違いなく本気だったの。
これからも……ずっと……心の姉妹でいて、鈴香」
鈴香の表情が困惑から驚きへ、そして遠慮がちな歓喜へと移り変わる。
「鈴香」と呼ばれた。
同級生としての「白沢さん」でも、メイドとしての「お嬢さま」でもなく、更には「お姉さま」ですらなく、名前を呼んでくれた。
対等の関係であることを宣言するその呼び方は、碧と自分がほぼ対等に近い姉妹だったあの数時間の記憶を一気に意味のあるものへと変えた。
「……いいの?本当に?」
碧の手を握り返すと、碧は優しくほほ笑みかけながら頷いた。
「姉妹の関係であることはご主人様との関係とは違うもの……
ううん、これは私と鈴香が決めた関係。ご主人様の気持ちとは別。
私と鈴香が姉妹になったことは誰にも変えられない」
碧は背伸びして鈴香の顔に唇を近づけた。唇と唇がそっと触れ合う。
キスはほんの数秒で終了したが、唇から伝わってきた優しい温もりは鈴香の身体にしっかり残った。
「それじゃ、また明日学校で会おうね、鈴香」
「ええ、また会いましょう……碧」
互いに名前を呼び交わし、微笑みを交わし、互いの絆を確認する。
他の誰とも、世界中の他の誰とも異なる、目の前のパートナーだけと持ち得た関係
−その貴重な思いが別れの悲しみを癒した。二人は互いに手を振って別れ、碧は白沢邸を出ていった……
__________________
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、早かったわね」
水上家へ帰ると、貴枝の方が先に帰宅していた。
「早かったわね」のひと言が、貴枝を随分と待たせたようにも、
あるいは、自分が貴枝の許へ帰ってくるか心配していたようにも聞こえ、碧は緊張を覚えた。
「いえ、遅くなって申し訳ありません……お待たせさせてしまいましたか?」
「ううん、私も今帰ったばかり。だから、お茶も淹れてないわ……淹れてくれる?」
「はい」
いつもの通りのやり取り。これなら心配なさそうだ。
互いに浮気をしてきたという罪悪感や嫉妬がある筈なのだが、貴枝の自然体でクールな態度はそれを意識させない。
まことに得難い人柄だと改めて感心し、碧は一度自室へ戻ると、メイド服に着替え、居間へと戻った。
持ち帰ったティーセットを使い、手早くお茶の準備にかかる。
「アールグレイでございます」
「ありがとう。お座りなさいな」
「はい。失礼します」
ティーカップにお茶を注ぐと、碧は指示に従い貴枝の脇に座った。
すると、貴枝は碧の肩を抱き寄せた。え、と思う間もなく、
「それで、どうだったの?愉しかった?」
「え……あ、あの……はい………」
蚊の泣くような声で答え、俯く。
間髪を入れない意地悪な質問に、早くも主導権を握られ、碧は真っ赤になってしまう。
思わず「はい」と答えたことで、貴枝も嫉妬を覚えているのではないだろうか、素直に答えたのは間違いだったろうか、
と思い至った時、次の言葉が予想出来た。
案の定、「そう、それは良かったわね……私も愉しかったわ」
心に小さな棘が刺さる。
自分以外の女性と貴枝が一夜を過ごしてきたという事実は、碧の心に確かな痛みをもたらした
−きっと貴枝も同じ思いを味わったのだろうが。
「さて、と、お茶をいただきましょうか。お砂糖はいくつに?」
−つまり夜伽はどうするか、と言うのだ。偶数個を入れれば、碧が貴枝を抱く。奇数個入れれば、貴枝が碧を抱く。
一夜の浮気の後だけに、どちらが良いのだろうか。
「あの……三つお願いします」
貴枝は微笑みながら、茶色い角砂糖を碧のティーカップにひとつ、ひとつ、またひとつと落としていった。
たちまち砂糖が崩れて形を失い、赤いお茶の中へと拡散していく。
「はい、三つね……私のにも入れてくれる?」
「え………あ、はい!三つでよろしいのですか?」
「そうね、そうしてもらおうかしら。碧のと同じだけ……」
意味ありげに微笑む貴枝の様子に、主人が何を言わんとしているのか察し、碧はまた顔を赤らめた。
今夜は、碧が貴枝を抱き、貴枝も碧を抱く。
離ればなれになった一夜の後は、互いが互いのものであることを改めて確認するため、双方向に愛し合おうということだ。
一夜一夜の変化をはっきりつけることを好む貴枝の性癖のため、どちらが責めるかをはっきり決めることが多い中、
このようなリバーシブルな関係を求められる−しかもお茶の時間の符丁の形で−のは珍しい。
貴枝の気遣いに碧は嬉しさを隠しきれず、頬を赤らめたままティーカップを両手で掴んで口許へと運んだ。
甘い紅茶の薫りに陶然となりつつ、沸き上がる微笑みを押し殺すように、紅茶を啜る。
そんな碧を愉しそうに見つめながら、貴枝は、娘がどんな経験をしてきたのかに想像を巡らせた。
娘の人生を縛り付けてはならないと、許可した浮気ではあったが、自分にも思わぬ解放をもたらした一夜となった。
美冴・幸恵との関係に進展があったのは大きな収穫だ。
自分が他の女と−それも腹違いとはいえ実の姉妹と−「婚約」してきた、と知ったら、碧はどんな顔をするだろう?
多少なりとも嫉妬はまぬがれないが、碧もまた美冴に好意を抱いているのは間違いないから、
「家族」として愛し合っていくことも可能なのではないかと思う。
「夫」となる美冴との関係と「娘」の碧との関係は別の性質のものと考えることが出来れば、決して両立出来ない関係ではない。
もっともそうすると、碧と鈴香の関係も、自分の関係とは別の系統のものとして
許容していかなければならなくなるので、そこがネックであるが。
自分の鈴香への悪い印象は碧をレイプしようとしたことに尽きるのだから、碧が彼女を許すというなら構わないのだが、
そのために彼女と寝ようとしさえする碧の態度は、ますます貴枝の嫉妬心を煽ってしまった。
まあいい。
それならそれで、構うまい。
自分と美冴が本当の姉妹になるのであれば、碧と鈴香にもそれを許してやらねば、と思う。
いずれこのことを碧に明かすまで、彼女らにはまだ暫しのプラトニックな関係を強いておこう……
月曜の午後、茶道部の部室で−
「はぁぁぁぁ、りえちゃん、かずみちゃん……」
「んっ……お姉さま、とっても素敵ですぅ……」
畳の上に寝そべった鈴香の裸身に二人の少女がまとわりついていた。
理恵は鈴香と舌を絡め合いつつ、その手を鈴香の股間へと伸ばし、和美は鈴香の乳首を猫のように舐めている。
「そう、いいわ。あン、ダメ。まだ触ってはいけないわ……もうそんなに濡らしちゃって」
「……もう辛いです……愛してください、お姉さま」
「私もです、早くぅ……」
「ふふふ、可愛い。まだダメよ、私をそれぞれがイかせてくれてからでないとね。
先にイかせてくれた方にしてあげるわ……負けた方は、放置プレイだからがんばりなさいな」
二人からの愛撫を受けつつも確実にまだ未熟な子猫たちをリードし、
後輩たちの欲情やライヴァル意識を煽り、また焦らしていく。
理恵も和美も、責めているのは自分たちであるにも関わらず、
完全に鈴香の掌の上で玩ばれているのを感じ、それに屈折した快感を覚えていた。
この美しい先輩のおもちゃにされることを愛情と認識し、光栄に感じてしまっている。
自分たちが一方的に支配され、操られている辛さを覚えつつも、その快楽を否定出来ない。
微妙な感情の狭間に囚われ、ますます膨れ上がっていく欲情に駆られ、二人の少女は鈴香に奉仕し続けた。
奉仕される鈴香自身もまた、自分の愛が自由にならない悲しみと苛立ちに苦しみ、
抑制された感情の中で快楽に溺れているとも知らず……
愛おしい後輩たちの舌によって高められつつも、鈴香の心は、彼女らと異なり「対等である妹」へと向かっていた。
(碧……碧さま……私の碧。私のメイドで、妹……愛してます……)
思いが届かぬことが却って三人の快楽を煽り、少女たちは静かな快楽の縁へと堕ちていくのだった………
長々とテンション低く続けてきましたが、これでひとまずの終了です。
お付き合いいただいた方、スレッドが微妙な時期なだけに、余り余裕がない中を大変ありがとうございました。
次はどうしましょう?
後続スレを立てる→この板に、尚かつこのスレタイで
スレタイや内容からいって、既存の他のスレッドを利用→
漫画ならこの板、二次創作ならエロパロ、オリジナルや道具談義はレズ・百合にそれぞれスレッドが既存である
どちらかはっきり分けた方がいいと思います。
やはりレズ・百合板の誕生で、かなりこのスレの位置付けは微妙になってきていると感じます。
スレタイ通りの道具談義が少なくなっていることもありますし。
639さんのいうように、他のSS書きの方の意見もうかがいたいです。
この板に新スレッドを立てても、SSだけでは保守が困難であると思われるので、
書き手がひとりであるかふたりであるかでかなり違ってくると思います。
初代スレ410さま
乙ですー!(≧∇≦)
今回は激しいものではなく静かに静かにそれでいて燃えるような流れでしたね。
契りをかわした姉妹の関係が今後の貴枝と碧にどんなふうに影響を
及ぼしていくんでしょうか。それもまた妄想かきたてられます。
てか、いつの日か4人プレイの予感が!ヽ(〃∇〃)ノ
次スレについてですが…。
このスレでSS書きを始めた自分ですが、それだけにこのスレは
残ってて欲しいと思いますねー。
思いきって、問題の先延ばしという手もあります。
レズ・百合板の存在で、この板における本スレも微妙。
SSとしても微妙。道具談義としても微妙。小説やマンガ談義も微妙。
どれをとってもこれはという決め手に欠けている本スレ。
だからこそここまで、淡々と細く長く成り立ってきた…とも言えますが。
次スレもこのままこの板このスレタイで作り、
他板や他スレで話題移行しつつそのまま自然消滅するか、
あるいは本当に残る価値あるスレになっていくか、
次スレの流れにまかせるというのも手かもしれません。
で、延々と同じことを繰り返すってか。w
まあさすがにそれはないと思いますけど。
このまま自然消滅?(つД`)
それは嫌だ保守
時々出てくるSSは面白くて楽しみだし
小説やコミックの話も他の類似スレには出てこないものが出てくるし
忘れた頃に出てくる道具談義も同じことの繰り返しでいてビミョーにそうでもないし
荒らしも少なくスレ住民もマターリしてて(・∀・)イイ!
保守ばかりだろうとなんだろうとこのスレは生き延びてくれ
ふむ 残りだいたい30KBぐらいか
どうする?
板はどこになるにせよ
次スレのテンプレでも作って茶濁す?
それとも間持たせる雑談ネタでもふるか?
30KBってどんくらいだろ?
小話なSSでもうpしようか、
それとも次スレの即死回避用にとっておくか。
前スレと同じテツは踏まないようにせねば。w
とりあえず、現スレでも次スレでもいいから、「碧&貴枝(これのタイトルは何?)」と「私立マンコスキー」のクロスオーバー作品きぼんぬ(w
ほしゅ
666
万個スキーの続きが読みたい
こりゃこのまま消えてしまいそーですなー
やらせはせんよ
ほし
そういちろう
672 :
名無しさん@ピンキー:05/02/04 06:24:45
age
補習
ほ
さらに保守
どうなるんだろ、ココ
百合板できて過疎化が進んでるのかな・・・
正直何の話するスレか分からなくなってきてるし。
>>677 ある「ふたなりは邪道!!!」、「指と舌!指と舌!」、「棒に頼らず己の技で勝負すべし!!!」
といった某エロ漫画のキャラにならって、初心に戻って話してみるか?
俺は「わざわざ痛い思いするなんて駄目だよ・・・」と言った某エロ漫画のキャラの言うと通り
痛くなるセックルなんて駄目だ。
>677
かといって、百合板は創作で盛り上がってるのかな?
ナマモノ系(TVタレント等)のスレは伸びてたみたいだけど。
読む人も書く人も集まるんなら、それでもいいんだけどな。
>某エロ漫画のキャラ
知らん。
>>679 林家志弦の「ULTRA SWORD」を読むがよろし!
オススメだっ!!
おお、「ULTRA SWORD」か。今度買おうと思ってるよ。
最初からそう言ってくれれば(´ー`)
>>681 内容はこのスレの主旨には反してるけどね。
でも面白いよ。
つか、林家志弦が面白い。
>>683 そうそう。そうなんだよねー。
エロはないけど百合色な『はやて×ブレード』もめっさ面白い。
あー、またレズエロなコミック、描いてくんないかなー。
ピサチが読みたい
ほ
自分が書いたSSの登場人物にソックリな娘と知り合って
あまりのイメージ通りすぎに、嬉しさ反面、ちょっとウツ_| ̄|○
ここ、どうなるんでしょうか
俺が聞きたいよ
とりあえずここから旅立つ奴は旅先を教えてくれよ
旅先が見つかりません。(つД`)
次スレの場所も決まらないし(そもそも次スレあるんだろうか)、
残りのサイズからみても半端な量だし、
宙ぶらりんですなあ。
レズ・百合萌え板とかじゃダメなのか?>引越し先
レズ・百合萌え板もだいぶ落ち着いてきたみたいだからソコでいいかも?
でもその前に次スレ作るほど要望あるかというと、微妙な気もするが。
話の流れをぶった切ってスマヌが、
今週プレで連載されている小説、今週号がすばらしかった。
碧&貴枝や他SS作品が読みたいんで次スレ建ててクレ 板はココでもレズ萌えでも良いんで・・・
「貴枝&碧」シリーズももちろん楽しみだけど
個人的には517さんの「彼女と彼女の話」の続編もかなり期待してまつ。
設定が現実的でかなり萌えハァハァ
697 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 21:57:04
マンコスキー女学園…
それも読みたい