捕手
ほす
やっぱ個人のカウンタも付けた方が良いんじゃ?
カウンタ上がるとやる気でるだろうし。
もっと作家さんに書いてほすぃ。
時間の都合で秋の章の全部が投入できなかったらごめんなさい。
(問題の鬼畜になってしまった場面です)
>>838からの続き
シーンが変わります。
※ ※ ※ ※ ※
翌月、涼子の休みに合わせて圭介は休みを取った。
その日、朝一番で自分の車を整備工場に預けなければならなかったが、
それさえ済めば後はフリーになった。
涼子には10時半にアパートで待ち合わせをした。
あの日、圭介は自分の気持ちを落ち着かせてからアパートに戻った。
もう取り返しが付かないかもしれない、という思いは自分を激しく
動揺させていて、時計を見ると30分以上も涼子のいなくなった駐車場にいた計算になる。
自分への情けなさで落胆してアパートに戻ると、廊下の電球が切れていた。
不動産屋に連絡しないとな、と思って自分の部屋のドアの異変に気が付いた。
紙が挟んであった。
自分が出かけるときにこんなものはなかったので、駐車場に行ってから、
ということになる。部屋に入って折りたたまれた紙を広げたとき、
圭介はガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
システム手帳のメモ帳に書かれたのは簡潔な内容だった。
話がしたいので時間を取って欲しいこと、10月の休みがいつなのか、
4日ほどの日にちが書かれてあり、今日の日付と時間と涼子のサインがあった。
お帰りなさい、という文字で始まる涼子の文章は、
圭介に暖かなぬくもりを与えてくれた。
圭介が急いで涼子と連絡を取ったのは言うまでもない。
その約束の日が今日だった。
圭介は一駅先の整備工場に車を入れると、電車で戻るつもりだった。
しかし、所用があるからといって整備工場のスタッフが近くまで送ってくれた。
予定外に早かったが、涼子の車は指示したとおり、アパートの駐車場に止まっていた。
圭介は予め郵便ポストの中に鍵を置いて来ていたのでスペアキーでドアをあけた。
「ごめん、先に入っちゃった」
涼子はそう言いながらダイニングテーブルの資料に目を通していた。
「おう」
電話では、レポートの提出の為に設計図を読めるだけの
建築関係の知識が欲しいとも言っていた。
そのコーチを引き受ける、という口実でアパートに呼び出したのである。
本当は根掘り葉掘り二人のことを話していたいという思いもある。
「何をしているんだ?」
「資料整理よ。夕方からリサーチに行きたいから」
そう言われて、圭介の動きが止まった。
涼子は資料を仕分けしているようだったが、その足元の布が
ひらひらと揺れていた。
間違いなく、スカート姿の涼子だった。
「涼子…」
圭介はそのまま涼子を抱きしめた。嬉しい、の一言に尽きた。
しかし、と思う。
「圭介、御免、離れて」
圭介に抱きつかれて身動きの出来なくなった涼子はそう言った。
はっと気が付いて圭介が離れる。
「お前スカート…」
「いきなりそんなに、苦しいじゃない?」
二人の言葉がぶつかった。
「真面目に…」
「他の男に一番最初に見せたいとは思わなかったんだもの」
圭介の喉がからからに渇いていた。
「その…涼子…」
「それとも他の女を口説いた?」
「お前以外に口説くか?」
「だって…」
「あの時は流れで口説いたと思ったのか?」
「それが自然でしょう?」
「俺、暴れるぞ。そんなに根性なしに思えたか?」
「貴方の負担になりたくないだけよ」
「負担とは思っていない。何度も言っているが、俺は本気なんだ。
お前は本気じゃなかったのか?」
「そんな余裕ないもん」
「お前正直だなぁ」
圭介が笑った。
「ちゃんと付き合ってくれないか?それとも…口説いた男がいるとか?」
頭の隅に、あの街灯の下の男がいた。
「別の男に口説かれそうになったから、このまま口説かれても良いのか
圭介の真意を聞きに来たの」
涼子はそう言った。
「選択権はお前にあるだろうが」
「夏のこと、ちゃんと謝っていないし、この先の事もあるし」
「俺、お前を抱いて後悔していないし、幸せだったんだぞ」
不意に涼子の耳元で圭介はそう言った。圭介にしてみれば
ふざけただけのことだったが、涼子にはものすごい刺激だった。
圭介の吐息がかかるだけで全身に快感が走っていた。
「それに、何でスカートはいたんだよ?」
「ばか」
「涼子?」
「ごめん」
「耳まで真っ赤だぞ」
圭介はそう言って耳朶を口に含む。
「あっ」
涼子の口から小さな声を引き出した。
「嬉しい」
圭介は後ろから涼子に抱きついた。そのまま、耳から首筋にキスを落とす。
涼子の身体がふるふると震えて資料がテーブルの上に落ちた。
圭介はゆっくり涼子を味わう。
あの街灯の下の男のことなどどうでも良くなっていた。
服の上からでも伝わる涼子の体温がこの上もなく暖かく感じられるのは
自分の感傷のせいなのか。
そう思いながら涼子の耳から首筋を往復しながらブラウスに手をかけた。
涼子はそれをさせまいと圭介の手を押さえようとしたが、
圭介の腕を胸に押し付ける格好になって、それは余計に圭介を興奮させた。
「やめて…」
その言葉と共に涼子の身体から力が抜ける。
崩れ落ちかけた涼子を支えて圭介は涼子と向かい合った。
「ねぇ、返事は?」
圭介のバリトンが耳に響く。
「真面目に俺と付き合う?」
「せめて一緒に食事、くらいの関係に修復したいんだけど」
「でも今こんなことをしてるのに?」
そう言いながら圭介の唇が首筋を往復する。
「あれから、落ち着いたからこういうことをしているんじゃないのか?
スカートはいて」
そう言った後で、変化に気が付いた。
指輪が、なかった。
いつも涼子の胸元を飾っていたネックレスがない。南の指輪がない。
涼子の決意が見て取れた。
「少し、話してよい?」
「指輪も外したのに?」
圭介が指摘した。
「まだ怖いの」
「何が?」
圭介は涼子の手を取って奥の和室に導いた。
奥の8畳の和室にはコタツとベッドとキャビネットつきのテレビ、
それに整理ダンスしか置いていない。作り付けの本棚に仕事で使うらしい本が
並べてあり、製図用の机はLDKのほうに置いてあるのでそこはがらんとした
空間だった。
涼子をベッドに座らせると、ブラウスのボタンの続きに取り掛かる。
キスを落としながらの作業は、圭介を再び興奮させた。
「何の話?」
圭介はブラウスのボタンを全部外すと、涼子の足の間に跪き、
涼子と視線を合わせた。
「圭介と向き合うことにちょっと混乱しているの。それは…
やっぱりちょっと怖い」
「混乱ってどういうこと?話せよ」
圭介はそう言った。
いつもと同じ圭介に、涼子は安心していた。
あの夏の日、独りよがりになって、自分を見失い、それに巻き込んだ
圭介のことが心配だったからだ。しかし、今はその片鱗はない。
それだけは安心材料だった。
この状態の説明には困るのだが。
圭介は涼子がためらっているのを見て取ると、涼子にキスした。
それだけで圭介のスイッチは入ってしまったことがよくわかる。
涼子の唇に、喉に、首に、そしてキャミソールに隠されていない胸元に
キスを落としてゆく。
「ぁぁぁぁぁん」
「ここは?」
圭介がそおっとキャミソールの上から胸を撫でた。
「あ…」
その力加減に、涼子の下半身の蜜が溢れた。
そして改めて感じる。
この男がいとおしい。
一度っきり、そう思って圭介と関係を持ったが、今、冷静に思い返せば
圭介との関係を望んだ自分がいて、そしてその気持ちが今も続いている。
精神的にも肉体的にも、圭介のことをもう愛していた。
幼い頃から人に対してまっすぐに見つめる圭介を、涼子は愛していた。
圭介は再び首筋に唇に落とし、涼子はその優しさに身体が震える。
だからこそ、スカートをはいてネックレスを外したのではなかったか。
瞬間、南に気持ちが向く。
しかし、南のことをまだ愛しているというのに。
その事実に涼子はまた自責の念に駆られた。
そしてその事実は同時に涼子を混乱させていることも。
「涼子、お前今も南さんのことが忘れられないんだろう?」
圭介は耳元でそう囁いた。
「ん、そう」
涼子はそう言った。
「でも、誤解しないでね。私、圭介のこと…」
圭介は頷いて涼子の隣に座った。
「話してくれないか?」
涼子は小さく頷き、その混乱の原因を話し始めた。
南は大学4年に進級すると月に一度のペースで涼子の両親に宛てて手紙を
書いていたこと、その手紙の存在は涼子は全く知らなかったこと、
そして今年3月、会社の研修の前に父親からその手紙を見せられたこと。
一気に熱が冷めたが、圭介は涼子の話をじっと聞いていた。
南が両親に手紙を書いていたということは涼子は全く知らなかったから、
その衝撃は普通ではなかった。
その夜のうちに全部に目を通し、結局色々なことが頭を駆け巡って
苦しい夜明けを迎えることになったのは記憶に新しい。
泣けるほど消化していれば苦しくはなかったはずである。しかし、
泣くという感情を表に出せないほど涼子は苦しんだ一夜だったのだ。
その苦い想いが蘇る。
「南さんの本当の気持ちが書いてあった。いい加減な気持ちで付き合って
いないから、就職して一人前になったら結婚したい、いつかは両親に
挨拶したいって。だからアタシは、南さんにきちんと答えて
あげなきゃいけない、ちゃんと仕事して、毎日を精一杯生きなきゃ、
と思ったの。いつか南さんを越えて幸せになりなさいって父さんは
言ったんだけどね」
「…………」
「圭介の気持ちは嬉しい。素直に、喜んでいる自分がいるのはわかる。
でも、貴方が愛してくれて、その気持ちが真剣だからこそ、
南さんのことは余計に忘れちゃいけないと思うの。
私が幸せになると言うことが、南さんの望むことで、南さんの幸せなら…。
でも、貴方は南さんに会ったこともなくて、ぜんぜん関係ないでしょ?
貴方にまで南さんのことを背負わせてしまうのは…」
圭介はそこまで聞くと、涼子に強引にキスした。
「前に、言った筈だ。忘れなくてよいから。3人で一緒に幸せになれば
それで良い。思い出が生々しいのなら、そうするしかないだろう?」
圭介の優しさに、どっと涙が溢れた。南とのことは過去であると
もうわかっている。しかし、未だに南のことを「愛していた」という
心の傷が残っているのも事実で、同等に圭介をも愛しているという事実は
涼子の心の中で同じ比率を占めている。
順番などつけられないのだ。
「それが、混乱の原因か?」
涼子は静かに首を振った。原因はそれだけではない。
たまたま見てた
支援
「御免、それだけじゃないの。話してよいものか迷っているの。貴方には」
「それは俺が判断するよ。聞いてまずい話なら、俺は忘れるから」
「ありがとう…」
やっとそれだけいえた。
「御免ね」
「気にするな。俺とのことを何度も何度も確認するのは慎重と言う範囲を
越えていると思っているんだ。実は。だからお前には引っかかる何かが
あるんじゃないかってずっと思っていた」
「圭介のこと、大切にしたいから。…夏にはひどいことをしちゃったし」
「共犯、なんだろう?」
圭介はそう言ってウィンクし、涼子の肩を抱いた。
「…南さんと貴方に、似ている部分が多いのよ。それが混乱の原因だと思う」
「似ているって、どこが?」
圭介は疑問に思った。和美が見せてくれた写真では、
南良明は自分と似ているとは思えなかった。少なくとも容姿は。
「本質的な部分、かな。だから、同じようなタイプの人間に惹かれるのは
仕方ないとしても、妙なところで似ている、と言うのかな…」
涼子は言い澱んだ。
「そういう部分、俺に直して欲しいと思っている?」
「どうして?」
涼子は即座に答えた。
「私そんなこと一度も…」
それで涼子は次の言葉を飲み込んだ。
「だったら、良い。そこまで目が曇っていたら重症だと思っただけだ」
「そこまで重症だったら後追い自殺でもしていると思うけど」
涼子は深呼吸した。
「全部、吐き出してみろよ」
「ほら、それよ」
「え?」
「全部受け止めようとするっていうのかな、大丈夫だよって。
俺はそれくらいで倒れる器じゃないよって言うようなこと、口にするところ」
「ふぅん、それから?」
>>853 ヘア解禁様、助かります。
「…………」
「それだけか?」
「違うけど」
「じゃぁ言えよ。全部白状して楽になれ」
「きっと怒る」
「怒らないから」
涼子は黙った。
「夏、貴方に抱かれたときね…ゾクゾクしちゃったのよ。
たった一回だけだったんだけど、今でもゾクゾクしちゃっているもの」
「は?」
「私のあの時の声を聞きたがるのも、人が感じているのを喜ぶのも、
…独りよがりのセックスをしないっていうの、そういうところ」
「ばか」
圭介は真っ赤になってそう言った。
「口にする言葉も似ているの」
「男は殆どそういうことで喜んでいるんじゃないのか?
それに…他にどう表現するんだ?」
「だって…どういうのが標準、ってほど経験がないもの。
南さんと貴方しか知らないんだし、共通点が多いとちょっと戸惑っちゃう」
「それが原因?」
「似ているから…混乱するのかな?」
「考えすぎるから混乱するんだろう?」
「圭介?」
「お前を見ていると、一人で苦しんで感情を表に出さないようにって
やっているだろう?それ、必要ないと思う」
圭介はそう言って涼子の耳朶を指で愛撫する。涼子は堪らなくなって、
少し身体を捩った。
「もっと感情を外に出してもおかしくないと思うが。泣いたり笑ったり、
南さんのことを話したり。お前の中で実際に南さんがいて、同時に俺がいて、
っていうことを客観的に理解できていると言うのは少し前進したんだと
思うんだけど。俺が不思議なのは、どうしてお前の中に俺と南さんの
二人いるってことがだめなわけ?」
不意を突かれて涼子は黙った。
「涼子はさ、南さんのことが好きで、その事実を過去のことにしようと
努力して苦しんでいるんだろう?この2年、ずっと頑張ってきて、
少しづつ過去になってきているんだろう?」
「ん、それはそう」
「俺の存在は?」
「……好き」
「俺はそれで充分だと思う。南さんのことが過去になってきているから
俺のことを考える余地ができてきたんだろう?だから俺と南さんが
似ていると言って混乱する」
「ん、そう」
「南さんのことは自分の中で一区切りついている以上、あとは時間しか
頼るものはないと思う。少しづつで良いから。それが一つ」
「ん」
「それから…、俺と南さんが似ているっていうの、あれな・・・」
「ん?」
耳朶への愛撫が、指から唇に替わる。指が真っ直ぐ下に下りて、
涼子の胸元で止まった。
それだけで、涼子の息が乱れた。
「ノーマルに女が好きな男の中で、女の喘ぎ声が嫌いっていうのは…
少数派だと思うぞ。それに…相手に気持ちよくなってもらいたいと思うのは
…普通だと思うんだが」
耳元でそう囁くと、涼子にキスをした。
「あのね…」
涼子の声が切れ切れになる。圭介は喉に唇を落とし、涼子の言葉を封じる。
「ありがとう」
震える声で涼子はそう言った。本心だった。
「他の男に口説かれるなよ」
圭介はそう言って涼子を押し倒した。
圭介の手が、涼子のキャミソールの上で遊んでいた。
その手は涼子を悩ませていることは確かだった。
圭介の指には、下着を通しても触れる涼子の胸の突起が捉えられていた。
そこを指が往復すると涼子は目を閉じたまま、眉間に皺を寄せ、
ふるふると息を乱す。
圭介の自制心は限界だった。
喉元にキスをしながらキャミソールの前をはだけると、
容赦なく露になった胸にもキスを落とした。
途端に涼子の身体が跳ねる。
「まだ大事なところにキスしていないのに?」
「やん」
涼子は真っ赤になるが、背中に差し込まれた圭介の手は下着のホックを
あっけなく外してしまい、圭介は涼子の身体を押さえるように、露になった、
そのツンとたった乳首を口に含んだ。
「はぁぁぁ・・・」
涼子が吐息を漏らした。
もう一方の乳首は掌でもてあそぶ。
涼子の両手が圭介の頭に伸びるが、圭介が舌で味わうたびに
涼子の指が震えて力が抜けてゆくのがわかる。
「あっ」
圭介に少し強く刺激されて涼子の身体が跳ねた。
圭介の温まった掌が涼子を身悶えさせる。
圭介のキスがあちこちに落ち、耐えられなくなって身を捩ったときには
涼子の背中にキスが落ちた。
「はぁぁぁん」
ぴくりと身体が震える。
圭介はその一瞬を見逃さないように、スカートを脱がせながら
背中にキスの雨を降らせた。
涼子は背中に弱い。身体を丸めて快感をやり過ごそうとしたが、
圭介に阻まれ、ベッドの上に寝かされてしまった。涼子の身体を
隠しているのは自分の両手でしかない。
「お前…」
涼子が圭介と目を合わせたのは一瞬で、その後は恥ずかしいのか、
真っ赤になって視線を外した。
涼子の腕の下でははっきりと頭を起こした胸の突起が色づいていた。
圭介の腕に、力が入った。涼子に本気のキスをすると、片手を胸に
落とそうとしたがそれはかなわなかった。
涼子は自分から本気のキスを、圭介に贈った。
圭介の脳髄をかき回すような情熱的なキスだった。
「んぁ」
圭介の喉から、小さな吐息が漏れた。涼子はそのまま、圭介の首筋や喉に
唇を這わせた。同時に、はだけられた胸に時々キスをして。
脱ぎかけの圭介の姿は妙に色っぽい。
「誘うなよ」
「さっきのいたずらのお返し」
「ここは喜んでいたぞ」
そう言って涼子の乳首を口に含んだ。
途端に、涼子の体が仰け反った。圭介の目が優しく笑って、
反応を楽しみながら自分も服を脱ぎ始め、涼子を悩ませた。
圭介は順番に涼子を責めた。首、胸、あの夏の時と同じように、
しかしそれ以上にゆっくりと。
圭介はぷっくりと立った涼子の乳首を口に含む。それだけで涼子の身体が
震える。手のひらにあるふくらみは暖かく、その弾力と肌触りは
圭介の指を喜ばせる。
鎖骨から首のラインにかけては圭介が執着する女性の肉体的条件の
ひとつだった。
男のラインはどうしても骨ばっていて首が太くなってしまう印象を
与えるが、女性のそれは男性より骨が細いせいか華奢に見えるし、
ライン自体が滑らかだった。そのラインが女性を最も
女たらしめているのではないか、と思うときがある。
そのラインにキスして、体勢を変えようと体をずらしたときだった。
涼子がやんわりと圭介を拒否して体をずらし、はっきりと男の体を
示しているもう一人の圭介を、口に含んだ。
「おお…」
圭介は小さな声をあげた。圭介は体をずらして横向きになって涼子から逃げる。
しかし涼子はやめない。口に含んだまま、舌の愛撫は圭介を悩ませる。
「やめろ…」
「イヤなの?」
涼子はそうきいただけでもう一度口に含んで続けた。
返事に困った。
女性経験は豊富とはいえないが皆無ともいえない。何度か相手に
願ったこともあったが、相手が拒否したこともあって
それ以上は強いたことはない。
付きあいでそういう場所に行ったこともあるが、商業的な
流れ作業の処理に、性欲はわいても愛情は湧かなかった。
そういう意味では、自分から口に含んだ涼子に軽いショックと、
同時に愛おしさを抱かないわけがない。それ故に圭介の快感を倍増させる。
涼子の暖かい刺激は耐えられないほどの苦痛とも言える快感を強いる。
圭介はたまらなくなって身体を横たえ、今までにないほどの強い刺激に
理性を奪われてゆく。
「涼子やめろ」
辛うじて、そう言った。それ以上は理性が耐えられない。
このまま快楽をむさぼりたくなる。そうなることは簡単だったが、
そこまでする涼子の精神状態が不安だった。
涼子は、顔をあげた。
「お前の方が嫌なんじゃないのか?」
「貴方にも気持ちよくなって欲しいの。駄目?」
「いや、そうじゃなく…」
圭介の言葉には明らかにためらいがあった。
「こんなこと…昔の彼女にさせたことはなかった」
圭介の正直な一言だった。
「でもして欲しかったんでしょう?」
「本音はね。でも…言えなかったし、彼女は嫌っていたから」
「嫌々やってるわけじゃないよ。圭介にも気持ちよくなって欲しいだけ。
貴方が嫌ならやめるけど…。圭介は女の子に触ってもらったことないの?」
「えっ?」
涼子はもう一人の圭介をそっと撫でた。いとおしむように、
ゆっくり撫でて、それから両手でそっと包む。
圭介はその行為に震えていた。体の感覚だけではない。
そこまで愛しんでくれる涼子の気持ちに震えていた。
「経験、ないわけじゃないでしょう?女性を喜ばせる方法は知っているんだから」
確かに、圭介はテクニシャンだった。少なくとも、独りよがりのセックスはしない。
「あるが…ほどほどってところだ」
圭介はそう言った。隠すつもりはさらさらない。
一方の涼子の両手はゆっくりと圭介を捕らえ、撫でていた。
「自分が嫌だったから?それとも正直に言わなかったから?
変なところで意地を張るからよ」
涼子はそう言った。圭介は昔ながらの男性気質、というのだろうか、
自分の気持ちを押し殺すときがある。それが時に誤解を生み、
亀裂を生むこともある。
援護
涼子の言葉は図星だな、とちらっと思ったが、その先を考えている余裕はなかった。
快楽をむさぼりたい。涼子と愛を交わしたいという欲望が身体を震わせている。
涼子の指はもう一人の圭介の反応を見ながら確実にマッサージしていた。
「私には正直に教えてくれないの?」
「涼子…」
「私が欲しいのは貴方の身体じゃないわ。貴方の心が欲しい」
圭介はその言葉をかみ締めていた。
「そうやって触ってくれるのも気持ち良いし、口に入れてくれるのも気持ち良い」
「じゃぁどうするのが一番気持ち良いの?ちゃんと教えてね」
涼子はそう言って、圭介を口の中に招き入れた。
「ぁぁぁぁ」
圭介はゆっくりため息をつくと、涼子の髪の中に指を入れた。
圭介の反応は正直だった。気持ち良いときは涼子の髪をぐしゃぐしゃに
撫で回し、ポイントに当たると両手が止まって指先に力が入った。
同時に圭介自身のそれが、ドクドクと鼓動を始める。一層硬さを増し、圭介は腰を震わせる。
涼子は敏感なその部分にキスを落とし、舌を這わせ、圭介から理性を
奪うと口の中でゆっくりとその欲望を味わう。
舌を絡ませるごとに熱くなる圭介の欲望は、そのまま圭介の気持ちだと
思いたい。今にもはちきれそうなその欲望は、自分に向けられた愛情だと
信じたい涼子がそこにいた。
だからこそ、余計に味わいたくなる。圭介が奥底で育んだ愛情と形として。
圭介は一番敏感な部分を舐められて腰が震えた。このまま、果てたいとも
思うがまだこの快楽を手放したくはなかった。涼子が自分の気持ちを
こういう形で示してくれたことは予想外だったこともあって、
自分の気持ちを掻き立たせていた。こんなにまで自分を求める女に、
愛おしさを超えて一つになりたいという欲望が走る。
その想いが、圭介をますます掻き立たせている。肉体の限度はあるが、
精神の限度はない。もう既に肉体は終わりを告げようとしていたが、
心の中の自分の気持ちは終わりがない。
「あう…もう…」
圭介の身体が震えた。圭介は、登りつめてきていた。感覚がそこだけに
集中してくる。
「涼子、やめろ・・・」
しかし涼子はやめなかった。圭介は涼子の頭を何とかしようとしたが、
逆に圭介の両手首を掴むと、涼子は抵抗を封じた。涼子の意思がわかると
圭介は観念してそれ以上は抵抗しなくなり、涼子は手を放した。
涼子は圭介の足の間で頭を動かしていた。
「出ちゃうよ」
「ん?」
聞こえなかったのか、涼子が顔を上げた。その姿にどきりとして
圭介は身体を起こし、涼子の身体を押し倒した。
「嫌だった?痛かった?」
「いや・・・」
どうして自分が涼子を押し倒してしまったのか、わからなくなってしまっていた。
涼子は戸惑う圭介を知ってか知らずか、再び圭介を押し倒す格好になると
圭介の乳首を逆に舐めた。手はそのままゆっくりともう一人の圭介と
遊んでいる。途端に、圭介の身体がビクリと動いて涼子を抱いている腕に力が入った。
「考えられないようなことをするなよ」
圭介が顔を歪めた。もう苦痛に近い快感が襲っている。
「こういうことの最中に複雑なことを聞くからでしょう?圭介の心と身体が
欲しいからこういうことをしているのに邪魔しないの。…私のことが
嫌いなら話は別だけど」
「だから、そういうことじゃなくて・・・」
涼子は身体をずらして固く大きくなった圭介を口に含んだ。
「ああ・・・」
舌で刺激をしながら喉の奥まで入れると、ゆっくり手と口で圭介と戯れる。
圭介の身体が震え、腕に力が入る。もう終わりが近いことを示していた。
やがて涼子の口の中で圭介は熱を帯び、高みに到達した。
「ぁぁぁぁぁ」
圭介は甘い吐息とともに果てた。
「あ、出せ」
圭介が慌てて枕もとのティッシュを差し出すが、涼子はもうそれを
飲み干していた。
「飲んだの?ごめん。でもありがとう」
圭介は本当に嬉しそうに涼子を抱き寄せた。
「今まで何人も付き合っていた人がいたけど、こんなことをしたのは涼子だけ」
「またウソを言う」
「本当だよ。俺、女の子の喘ぎ声の方が好きだから
いつもさせなかっただけなのかな?う…ん、思い出せない。
誰かさんに頭ボケボケにされたからかな」
「誰かさんが意地悪するからよ」
「俺が?いつ?」
「夏。結局貴方は1回いっただけなのに、私だけ何度もいかされて。
で、貴方私のこと見て楽しんでいたでしょ?」
「あの時、もうこんなチャンスはないと思って…今考えたら酷く責め立てたなと。
だからお前から連絡来ないのかと思って…」
「自覚しているのなら良いわよ。…少しは私にも楽しみと言うものが
あるんだからね」
「俺、下手くそ?」
「バカ。…圭介の声、好きだから」
「俺も涼子の声が好き」
そう言っていきなりスリットの中にある花芯に指を添わせ、乳首を口に含む。
突然のことで涼子は声も開けられず口をパクパクさせたが、
花芽はもう頭を起こしており、指には女の潤いが絡んでくる。
時折圭介の耳に聞こえる鼓動は早く、舌の上にある突起ははっきりと
自己主張していた。
「あ…いきなり…」
圭介が嬉しそうに舌の上にある突起をついばむ。指に絡む愛液は
もう充分すぎるほどで、もう指に絡むという範囲を越えている。
指を落とす前からもう涼子の体は蜜を溢れさせてる。
その事実に圭介の心臓が高鳴る。
「ぴちゃぴちゃになっているよ。自分でもわかる?」
「そんなにしないでよ・・・」
体を動かして逃げようとするが、圭介はそれを許さない。
涼子の気持ちが嬉しくて嬉しくて仕方ない。蜜をたたえた体がいとおしい。
自分には望めない女の体の柔らかさや華奢なラインはいっそう欲望を
駆り立てる。気持ちが通じた今は余計にあの声を聞きたいとも思う。
初めて自分の腕の中で果てた声を聞いたとき、言いようのない
暖かな感情を感じたのだが、逆に不安が残ったのは確かだった。
「少し休ませて…恥ずかしいから…」
「こんなに喜んでいるのに?」
「ああっ、もっと、って言ったほうが良いの?」
涼子が気をそらそうとそう言ったが、圭介の指の動きに身体を封じられ、
唇を噛んだ。
「やめて…早すぎる…」
涼子の言葉は耳に入らなかった。嬉しくて嬉しくて仕方のない気持ちに
歯止めはかからない。今はあの時とは違って、涼子の身体も、
心も圭介の腕の中にあった。そのまま指で涼子を責めあげる。
圭介自身を待ち焦がれる熱を帯びた蜜壷も自分の手の中にある。
圭介の愛撫に頭を起こした花芽はぷっくりと起き上がっている。
この幸せを手放したくはなかった。
「これは俺の楽しみなの」
「あ…あっあっ…はぁぁぁぁぁん」
圭介の指攻撃に耐えられず、涼子は声をあげてしまった。
そのはしたなさに、恥ずかしいとは思うが、それよりも今はその刺激に
耐えるほうが先だった。
後方支援
>>861様 支援感謝します。
途中なんですが、今日はここまでに…。
夜また来られたら来ます。
マルチネス様、ごめんなさい。感謝します。
投下したいんですけど、タイムリミットなんです。
規制も厳しいので(このレスも規制されてしまった…)
20レス近くも使えば当たり前か。
そろそろ次スレたてねば・・・
重複したらイヤンなので、
>870さん立ててくださいね。
まだチト早杉な気が、いつも早めに次スレたてんの?
>>870 だいたい1000到達前に容量で限界が来るので早めですね。
よろしくお願いします。
872 :
名無しさん@ピンキー:04/01/23 17:05
1000レスではなくこの手のスレは容量オーバーが深刻な問題・・・
いちおー責任とってたててみますた。
後おながいしまつ。
用事を済ませて戻ってきたら…、次スレが立っていて…
>>870さんありがとうございます。
このまま秋の章続行して次スレで冬の章、行きたいと思います。
即落ち防止にどれくらい書けば良いのです?
素朴な疑問。