成人向けオンライン小説の筆者によるアンソロ

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1シンプルなお題でアンソロ集企画
日夜サイトの更新に骨身を削る筆者にも、
ちょっと羽を休めてマターリヽ(´ー`)ノと短編書きたい時もある。
お題を決めて、短編書いて、みんだで読んで、マターリヽ(´ー`)ノしよう。

あくまで、自サイト更新のモチベーションを保つために行う、気晴らしと考えてください。
あまり真剣にならずにご利用くださると、執筆への刺激になると思います。

>>2-4に基本ルールを載せましたので必ずお読み下さい。

本スレ→ 成人向けオンライン小説の筆者雑談
     http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1022864144/
     ※投稿スレの運用に関する議題は、こちらで受付中です。
2シンプルなお題でアンソロ集企画:02/07/06 06:00
◎基本ルール
・当然、sage進行でおながいします。
・原則として、読みきり短編のみ。連載前提は不可です。
・書き上げてから分割投稿してください。
・煽り叩きは徹底無視。
・お題に沿っていれば内容の制限はありませんが、
 極端に趣味の偏ったもの(スプラッタ、スカトロ、ハードSM等)は、
 冒頭に、「※四肢切断シーンがあります」等の但し書きをおながいします。
・以下に当てはまる作品はこちらに投稿せず、ご自身のサイトで公開して下さい。
 1.物語に連続性のある作品。(続編や登場人物の共通)
 2.設定に関連性のある作品。(登場人物や舞台背景の共有、○○という作品の外伝、等)
 3.性的描写、エロを含まない作品。(男性向け、女性向け、成人向けであること)
 4.>>3のルールに沿わない作品。
・感想のみの参加もお待ちしております。
3シンプルなお題でアンソロ集企画:02/07/06 06:01
◎お題の決め方、投稿・感想の流れについて
 >>1に書かれているとおり、お題を決めて、投稿して、感想を語るのがスレの主旨です。
 以下に基本的な流れを書いておきますので、それを参考になさってください。

◎手順
 1.提案者が、題材(例:兄×妹、などといったシチュエーション)を起案します。
  → 「こういった題材はどうですか?」といった主旨のレスを書き込んでください。
  → もちろん、『成人向け小説』の題材を選びましょうね(これは必須のお約束です)。
 2.賛成の方は、レスに対して、その意志を表明してください。
  → 「その題材で参加します」といった主旨のレスを書き込んでください。
  → 不参加を表明する必要などは、まったくございません。
 3.各個人ごとに、お題に沿った短編の執筆をなさってください。
  → 当然ですが、対象は『オリジナル作品』です。
  → 二次創作・ファンフィクションについては、>>4を参照してください。
  → 既存作品の改変などを行った作品は、あなたの『執筆』ではございません。
  → 読む人が「見やすい」と思う体裁を心がけましょう。
 4.スレッドに作品を掲載しましょう。
  → 投稿は、目安として1レスにつき『40文字x20行』程度で、分割投稿してください。
  → 簡単なあとがきといっしょに、『作品名(>>xxx-xxx)/執筆者/段階表示』の記名をどうぞ。
  → 段階表示は、三段階です。「読者に希望する評価スタンス」を表記しておいてください。
   ・【EASY】  ……ひたすら長所を褒めてくれ!
   ・【NORMAL】……良い所と悪い所を均等に教えて。
   ・【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
    ※段階表示に記載がない場合は、【EASY】と判断してください。
 5.それぞれの作品を読むなどして、ちょっとした感想を述べあいましょう。
  → 評価の基準は、4の段階表示を目安にしてください。
  → 感想は「こんな感じがした」「こう思った」「こう伝わった」程度でとどめましょう。
  → 悪い点を指摘する時は、かならず良い点についての評価も併記しましょう。
  → 他人の作品を読まずに、自作の感想ばかりを求めていると、自然に「読まれなく」なります。
  → いつでもマターリ(´ー`)ノが基本です。それを忘れずに、気晴らしを楽しんでくださいね。
 6.1〜5を繰り返します。
4シンプルなお題でアンソロ集企画:02/07/06 06:02
◎ご利用の前に投稿先がスレ違いかどうか、もう一度、確認を行いましょう
 二次創作作品を書きたい方は、エロパロ板へ
  → http://www2.bbspink.com/eroparo/
 同人作品について語りたい方は、エロ同人板へ
  → http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erodoujin/
 エロゲーのSSを書きたい方、また、エロゲーについて語りたい方は、えろげ板や葱板へ
  → http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/ (えろげ板)
  → http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/ (葱板)
 読者さんから作者さんへ要望を出したいなら、リクエストスレへ
  → http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1012317374/
 註:当スレの執筆内容は、リクエストスレの要望とは連動しておりません。

最後に:
 あなたが良い評価をもらいつつ、他の方に良い評価が伝えられることを願っております。
 それでは、気楽な執筆と投稿、軽い読書をお楽しみください。
5げと。 ヽ(´ー`)ノ
さて、最初のお題は、元スレでなんとなく決まった、

「同級生の女の子」

です。
さて、成り行き上一番手逝かせていだだきます。(;・∀・)

本来、
>→ 簡単なあとがきといっしょに、『作品名(>>xxx-xxx)/執筆者/段階表示』の記名
なのですが、スレ維持のため、ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノと連載させていただきます。
スレ立て人がルールぶっ壊してどうするか、と思われるかもしれませんが、
あくまで堅く考えずにってコトで……(´∀`)

あとがきに出来ないので、まえがきにしますね。

作品名:「ひみつ」
執筆者:シンプルなお題でアンソロ集企画
段階表示:【EASY】  ……ひたすら長所を褒めてくれ!



「おい、タカシ! ゲーセン行かねえか?」
「悪リィ、俺、ちょっと用事があるんだ」
 悪友の誘いを断って、僕は家に急ぐ。

(ふふふ、久々の更新だぞ)

 家に帰るとすぐPCの電源を入れ、立ち上がる間に着替えて、鞄からノートを取り出す。
退屈な授業なんて上の空のくせに、今日は猛然とノートにエンピツを走らせた。もちろん、
黒板を写してるんじゃない。ちょっとエッチな小説を書いてるのだ。
 モバイルマシンで直接入力できれば、こんな便利なことは無いけれど、授業中にそん
なもの使うわけにはいかない。PCに打ち込むという手間がかかるが、推敲や誤字脱字
のチェックにもなるので、僕はこの方法で満足している。
 今日みたいに、突然怒涛の如くアイデアが出てくるときには、授業なんかそっちのけ
でノートに書きまくってしまうのだ。

 打ち込み終わり、ざっと改行をチェックして、htmlに変換してオフラインで読む。
 htmlでおかしな部分を、テキストに戻って修正、そしてアップロード。飾り気はないけど、
こんな原始的なページ構成のほうが、僕には合ってると思っている。
 掲載して数時間後、
『新作拝読ッ!』
 もう掲示板に常連さんの書込みが。
 えーと、『ご感想ありがと〜(^o^)丿』っと……

 こんな風にエッチな小説を書いているくせに、正直言って自分はセックスの経験なんて
無い。色々なサイトを回って、エッチな小説を読むうちに、なんだかもう把握してしまった
気分だ。そしてその架空の経験をを継ぎ合わせ、捏ね回し、僕自身の味付けをしてホー
ムページにアップする。
 セックス行為そのものの経験は無くとも、そこへ辿りつくまでのシチュ萌えなら、誰にも
負けないと自負している。なーんて。
 でも、同世代の読者から掲示板に好意的な感想をもらうので、経験なんてなくても自分
の文章が幾ばくかの人を萌えさせたと思うと、ちょっと嬉しい。

 さて、そんなある日。

「山城くんって、パソコン得意なんだよね」
 教室で不意に淡い芳香が鼻をくすぐる。声のする方を振り返ると、美術部の佐沢さんが
立っていた。色白だけど細すぎない整った顔立ちに、つやつやのロングヘア。もちろん学
校では後ろでまとめているけど、僕の席から見える彼女の後姿は、いつも頭頂部の髪の
毛にキラキラ光る環が載っている。
 クラスでは物静かな方だけど、それは他の女子と比較してってことで、体育も人並みに
こなす。か弱げな印象とは裏腹に、校庭を何周もするマラソンでは、淡々と走りぬいて3位
でゴールし、みんなをあっと言わせた。
 少し切なげな表情で歯を食いしばりながら、一定のリズムを守って走る彼女の、交互に
擦れ合う透き通るような白い太ももに、僕は無闇にドキドキしたのを覚えている。

「得意ってほどでもないけど、どんなこと?」
「えーと、このあいだスキャナーっていうのを買ったのよ。それで絵やイラストを取り込もうと
思って。ところが、ケーブル一本の簡単なタイプを買ったのに、ちっとも繋がらなくて……」
「あー、それきっとUSBの何かがぶつかってるんじゃない?」
「別にぶつけた覚えは……」
 佐沢さん大真面目。
「あははは。いや、ぶつかるっていうのはパソコンの中のいろいろやりとりする部分を、他の
機械が使ってて、そこへスキャナーが割り込もうとしているのかも、ってこと」
「ふーん。 よくわかんないなぁ…… そうだ、今度の土曜にでも、うちへ来て教えてよ。
 あ、もちろん、山城くんさえ良ければだけど……」
「んー、まあ、ヒマだからいいよ」
「良かったー」

 親にも言えない、怪しいサイト管理者の僕だって、普通に女の子と話はする。というか、
むしろ普通じゃないと、皆にうける面白い小説なんて書けないって思ってる。
 でも、クラスの女子の中で、ややとっつきにくい感じはあるものの、見た目はダントツの
佐沢さんの家へ行くことになり、心中穏やかではなかった。女の子の部屋ってどんな様子
なんだろう。

 それから週末までは、なんとなく小説のほうは手につかなくて、別に何を期待するわけ
でもないのにソワソワしていた。

 金曜の放課後、一緒にいた女子の輪から抜け出して、佐沢さんが僕のところへ来た。
「明日から2日、両親居ないの。父は出張で、母は姉が出産したのでその手伝い。だから
気軽に遊びに来てね」
「あ、そりゃ助かったなぁ。でもおうちの人居なくて大変だね」
「うちはこんなこと多いの。もう慣れちゃった」
「ふーん」
「じゃあ、明日11時くらいに来て」
「うん」
 佐沢さんの家に、当日は両親が居ないことを告げられて、ちょっと気分的にラクになった。
 いや、待てよ……
 彼女の家に、二人っきり?
 ヤバくないか? それ。

 でも、まあ、佐沢さんはおよそエッチなこととは縁遠いイメージなんで、仮にも何かが起こ
るとは思い難かった。
 スカートを短く巻き上げて当たり前の女子の間で、原寸サイズの丈のままのスカートを穿
いている佐沢さん。
 女子同士のエッチな会話も、逃げ出しはしないけど、聞き役のみの佐沢さん。
 そんな佐沢さんと、淫らなイメージはおよそ相容れない。

 でも僕という人間の浅ましさか、それとも一応のエチケットのつもりか、その晩なんとなく
風呂にキッチリ入り、下着や靴下も新品を下ろし、普段ならジーパンにTシャツで押しかける
ところを、綿のズボンにデザインシャツ、ブレザーまで準備した。
 そして、机の引き出しからスキンを取り出し、パリパリと2枚分切ってサイフに入れた。
 何を考えているんだ、僕は。
 妄想たくましくイメージしてみても、あの佐沢さんが乱れるところなんて想像もつかない。
 いやいや、それでもカタチなんだ、と自分に言い聞かせて明日の準備をして、寝た。


 人生において重大事が起きる日は何かしら朝から胸騒ぎがするもんだ、というのを僕は
信じているほうで、事実、朝から落ち着かない日だった。
 デバイスドライバの補完に役立つかも、と自分のノートPCを持ち、ちょっと僕にしてはキザ
な格好で出かけた。彼女の家までは歩いて15分ほどだ。途中のケーキ屋で日持ちのする
ケーキを4つ買った。こんなことも普通はしないよな。

 ピンポーン。
 インターホンのボタンを押す。
「はーい」
「あ、山城です」
「山城くん? 今開けるね」
 ガチャッとインターホンが切れ、しばらくすると佐沢さんが出てきた。

―― ドキ! ――
(佐沢……さん?)
 僕は一瞬本人に向かって聞き返しそうになった。目の前に現れた女の子は、素足に丈の
短いデニムのミニスカートを穿き、ともすればだらしなく見えてしまいそうなほど襟の開いた
厚手のセーターを着ていたからだ。そのセーターの袖から指先だけ覗かせた手を、ドアノブに
掛けている。腰近くまでの艶やかなストレートのロングヘアが、校則の呪縛から解き放たれて
軽やかになびいていた。

 やっちゃいけないと思いつつも、その別人のような佐沢さんを上から下まで眺め、ミニスカ
ートの裾から始まりつっかけたサンダルで終わっている、目に染みるほど白い白磁のような
佐沢さんの生足を、産毛の様子までつぶさに目に焼き付けてしまった。

「あの、ごめんね、お客様来るっていうのに、こんなラフな格好で。うちではいつもこんなだ
から、山城くん学校の友達だし、いいかなって……  山城くん、なんかカッコイイね」
「そ、そう?」
「私も着替えようかな」
「あ、い、いいんじゃない? そのままで」
「とにかく、中へどうぞ。 いらっしやいませ」
「こんちは〜 おじゃまします」

 玄関脇の急な階段を彼女の後について上がる。目の前を、スリッパをつっかけた佐沢さ
んの、すらりと形のよいふくらはぎと、ほんのり赤みを帯びた踵が、一段ごとにパタンパタン
と交互に動く。
 これが佐沢さんの地(じ)なのか、なにかの企みがあってわざとなのか、いずれにせよヤ
バイでしょ、これは。見ようと思えば見れるはず。顔をあげ、大きく仰ぎ見るだけでいい。
ただ、それだけで、佐沢さんの――
「散らかってる、って思われちゃうかも」
自室のドアの前に着いた佐沢さんの声で、僕の妖しい妄想も途切れた。

「うわー」
 初めて入る同級生の女の子の部屋に、僕は驚嘆の声をあげてしまった。とにかく、こざっ
ぱりしていて、物が無い。一応知識として構築された僕の女の子の部屋のイメージは、何
から何までフリフリのレースに、ごちゃごちゃとしたぬいぐるみが沢山……というものだったが、
佐沢さんの部屋は、それの反対だったのだ。

 しかしよく見ると、机や椅子、ベッドや書棚のすべてが、何というか、女の子くさいのだ。
そして、ぬいぐるみは確かにあるけど、それは非常にリアルなネコのぬいぐるみが一匹、
ベッドの上に本物の如く寝そべっていた。
 ふと見ると、男子アイドルグループの写真とかも貼ってあったりして、意外な感じがした。

「あ、そうだ、これどうぞ」
「何? ケーキ? わぁ、嬉しい」
「早速だけど、本題に入ろうよ」
「うん。 このパソコンとスキャナーなんだけど……」
 比較的新しい、一番売れてるノートパソコンだ。調べてみると、本体はXPマシンなのに、
スキャナーに添付されているドライバーが古く、XPに対応していないことがわかった。
「これはね、ここのメーカーのダウンロードサイトから、最新のドライバーを取ってくれば解決するよ」
「ほんと? どうやるの?」
「説明するよりも、実際やった方が早いよ」
「うわー、山城くんに来てもらって本当に良かった! 私、お茶淹れてくるね」
 佐沢さんは部屋を出て、トントンと階段を下りて行った。

 さて、どんどんやってしまおう。
 イーサネットのケーブルが差さっているので、ネットには繋がっているようだ。
 まず検索サイトでメーカー名入れて……よしよしと。
 サポート……で、ダウンロード……と。
 XP…… ……あった。
 型番は…… ……これだ!
 早速目的のファイルを見つけ、ダウンロードを開始する。

 なんだか、女の子のパソコンいじるのって、箪笥の中を覗いてるような後ろめたさがあるなぁ。
 ヒミツがいっぱい詰まっている気がする。

 ……?!

 何?今の!

 指が引っかかって、エクスプローラーのお気に入りをプルダウンしちゃったんだけど、……どう
して……ウチのサイトが……登録されてるの?

 背中にびっしょり汗をかき、少し震える指で外付けのマウスを操作して、そのサイト名で指を離す。

 ……ウチだ……
 見慣れたインデックスページ。

 まさか……
 佐沢さんが……読者?

 うそだ……
 だって…… エッチなことして、エッチな道具買って、エッチな道具を体内に入れて外出とか……
 そんな話を、佐沢さんが、読んでるの……?

 そのとき、またトントンと階段を上る足音が聞こえてきた。急いでウィンドウを閉じ、ダウンロー
ドされたファイルを開くところから作業を再開する。
「ゴメンね、お待たせしちゃって。お母さんたら、紅茶の置き場所変えちゃうんだもん」
 ベッドの上にお盆ごと紅茶とケーキを置きながら、佐沢さんは屈託なく笑った。

 僕の作品を読んだってことは…… あんなことや、こんなことも、少なくとも知識としては知っ
てるってことだ。
 頭の中に急にエッチな佐沢さんのイメージが浮かんだ。
 白い二つの丸まりに薄ピンクの突起が載った、大きなオッパイを自分で揉む佐沢さん。
 僕の書いた小説を読んで、淫らな妄想をして、股間を濡らす佐沢さん。

 マジですか。

 その佐沢さん本人が、僕の背後約2mのところで、僕の背中を見つめてる。

 まずはインストールをやり終えてしまわねば。
 マウスを握る手がじっとり汗ばむのも構わず、システムを開いて旧ドライバーを外す。インストーラ
を開き、最新のドライバーをインストールする。
 そして再起動。
 しばらくして、接続されているスキャナーから光が漏れ、モーターの軽い唸りが聞こえてきた。
「できたよ」
「すごーい!」
「何か試しに読ませるものないかな」
「あ、この画集を読ませたかったんで、これで試してみて」
 キャリブレーションの後、スキャナーの蓋を開け、受け取った画集を開いて載せる。添付のスキャ
ンソフトで読ませ、画面に絵が表示されると、佐沢さんは僕の真横へ来て、食い入るように画面を
見て、画集がだんだん読み取られてゆく様子に手を叩いて喜んだ。

 柑橘系の甘い香り。
 肩が出そうなセーターの、襟から見えそうな胸。
 整った横顔。
 美しい髪。
 近寄られるだけで、ドキリとしてしまう。

 その佐沢さんが、エッチな小説を読んでいる?
 そして、それを書いたのは、この僕だ。

 もしも……
 もしも、今ここで、そのことを佐沢さんに告白したら、どうなるだろう。
 いやまてよ、ただお気に入りに登録されているからといって、読んでるとは限らないぞ。
 ふー、危ない、危ない。暴走するところだった。

「山城くん、紅茶飲んでよ。 おもたせのケーキもあるよ」
「あ、ありがとう」
 椅子には僕が座ってしまっているので、佐沢さんは自分のベッドに腰掛ける。体重でベッドが
沈み、お盆が傾いて紅茶がこぼれそうになったのを、自然な身のこなしで支えた。
 足を反対へ少し伸ばして。
 本当に自然に。
 しかしその動作には、僕に向かって股を開く、という仕草が含まれていた。
 自然、僕はその中心にあるものを目にする。
 白いショーツ。

 女の子の普段の生態を知らない僕にとっては、驚くほど露出度の高い、佐沢さんの普段着。
 そんなもの着てるんだから仕方ない、と言ってしまえば、今のパンチラも彼女の日常に埋没
した、致し方のない出来事に思えてしまう。幼い少女がスカートを気にせずしゃがむように、何
の頓着も無い動作。

 僕が女の子の日常を知らなさすぎるのか、それとも佐沢さんが変なのか。
 佐沢さんはソレを見せてしまったことを全く気にしていない、あるは気づいていない風で、お盆
の上からソーサーとティーカップを取り、僕が座っている机の上に置いた。
 僕は緊張してカップを持ち上げ、熱い紅茶をガブリと一口飲んだ。
 喉が熱い。

「さ、佐沢さんてさ……」「山城くんてさ……」
 間を埋めようと、二人同時に言いかけた。
「あ、ごめん、どうぞ」
「山城くん、言ってよ」
「ああああのさ、佐沢さんは、小説なんて、好きかな〜って」
「……うん。好きだよ」
「どんなの読むの?」
「面白ければ、なんでも。最近はインターネットで読んでる」

―― ドキ! ――

「おおおお面白いのなんて、ある? インターネット上に」
「そうねぇ、面白いっていうか、自分の趣味にあったのがあるよ」

 もうだめだ。
 このまま告白してしまいそうだ。
 キミが読んでる小説は、僕が書いたんです!って。

「例えば……どんなサイト? 教えてよ」
「だ、ダメダメ!」
「なんで?」
「なんで、でも」
「僕も読んでみたいよ」
「……ダメよ」
「教えてくれてもいいじゃない」
「だって……」
「だって?」
 ここで佐沢さんは茹でダコのように真っ赤になった。
「だって…… ……なんだもん」
「え?」
「え…………んだもん」
「聞こえないよ」
「えっちなしょうせつなんだもん!!」
 言い終えた佐沢さんは両手で顔を覆ってしまった。

 僕の脳は破裂しそうだった。
 でも、僕のサイトかどうか確かめないと。

「佐沢さん、良かったらどんなところか教えてよ」
「……のとこ」
「聞こえないよ」
「やましろくんのとこ!!」
「え”ーーーーーーーーーーッ!!!!!」
今度は僕が絶叫する番だった。

 まさか直撃を食らうとは思わなかった。
「し……知ってたの?」
 佐沢さんはコクンと頷く。
「いや…… まいったな……」
 頭を掻き掻き、佐沢さんを振り返ると、真っ赤に上気した顔で潤んだ目をしている。

 僕は自分では、こんなシーンに気の利いたことなんて言えないと思っていたけど、何者かに取り憑
かれたように、するりと言葉が出た。
 まるで、運命に後押しされているように。

「小説みたいに、されたいの……?」

 潤んだ目で僕を見据えながら、佐沢さんがまたコクンと頷いた。
 その顔が元の位置に向き直るより早く、僕は佐沢さんの唇を奪っていた。

 百万遍書き尽くされ、それを百万遍読んだつもりの、キスという行為。それでも現実に直面
して感じたのは、唇の柔らかさ。そして、甘みすら感じる、女の子の口の中。
 小説に裏打ちされた所作ではなく、僕の体内の原始の部分が僕にがさせる行動は、読み尽
くしたつもりの小説に、僕自身の言葉で新たな一ページを加える。

 舌を吸い合い、舌を絡め合い、お互いの唾液を混ぜ合わせる。そして一度唇を離し、お互いに
見つめあう。その瞬間の佐沢さんの顔。絶対に普段、見ることの出来ない表情。
 半開きの目に、半開きの口。 艶かしく光る唇。
 蕩けた佐沢さんの表情は、僕の理性の箍をブッ飛ばすのに十分だった。

 お盆に構わず、佐沢さんの体をベッドに押し倒した。お盆が傾き、ガチャガチャと音を立てる。
小説通りにはいかない現実。お盆が邪魔だ。それと……スキンを着けなきゃ。

 さっと身を起こしてお盆を抱え、机の脇の床に置く。ここなら足で引っ掛けることも無いだろう。
戻りざま、サイフからスキンを出し、手に握る。サイフを乱暴にポケットに押し込む。ベッドに対し、
直角に寝てる佐沢さんを、ぐるんと回してベッドに沿った向きにする。
 佐沢さんの長くて美しい髪がベッド一面に広がり、その上で佐沢さんは目を閉じて僕に身を任
せている。次に起こることを待ちわびるような、それでいて不安げな表情。

 しかし、美しく長い髪は、いざコトに及ぶとかなり邪魔な存在だとわかった。そのまま乗れば膝
が髪を踏み、佐沢さんが痛そうだ。仕方ないので、覆いかぶさるようにしてもう一度キスをし、ベッ
ドの上で上半身を抱き上げた。そしてセーターを脱がせ、その時バッサリとひとまとまりになった
髪を丁寧に横に流した。佐沢さんは僕の目的を察したらしく、自分で髪を整え、再びベッドに身体
を横たえた。

 目の前に、上半身ブラジャー姿の佐沢さんが居るのが、現実を目の当たりにしても、まだ信じられ
ない。それが現実であることを確かめるように、両手でゆっくりとその大きな双丘を掴んで、そして、
ゆっくりと揉んだ。
「あんっ」
 初めて耳にする、女の子の喘ぎ声。日常では聞くことの出来ない、女の子の声。その声を佐沢さん
も持っているのだ。

 なんて耳に心地よい声なんだろう。だれかが気持ちよくなるってことは、なんて楽しいことなんだろう。
もっと聞きたい。
 そう思って、双丘のそれぞれの頂点付近をぐっとつまんだ。ブラの生地越しに、少し固めの感触が
伝わる。
「んあっ!」
 びくん! と身体を振るわせる佐沢さん。
 かわいい。
 きれい。
 いとおしい。

 さらに触れてみたくて佐沢さんの背中とベッドの隙間に手を潜り込ませる。しかしホックの構造を
詳しく知らないので、もぞもぞ指を動かしても、ブラジャーはなかなか外れない。佐沢さんは自ら少し
ブリッジのような格好になり片手を背中にに入れて、あっさりとをホックを外した。

 開放されて緩んだブラジャーの肩ヒモを左右の腕から抜き、カップ部分を取り去ると、収まってい
た弾力の塊は、美しい形を保ったまま、ぶるんと左右にこぼれ出た。その左右の頂点にある、つつ
ましやかなピンクの尖りは、佐沢さんが興奮していることを示していた。
「いやっ」
 僕を見つめながら言う。
 その幅の狭い乳輪に縁取られた、可憐な乳首を口に含む。
「ああっ」
 聞いたこちらの方が、ぼーっとなってしまいそうなほどの、艶のある嘆息。
 ざらついた表面を溶かすように、なんども舐め上げる。そのたびに声を上げる佐沢さんは、もはや
いつも僕がクラスで見ている人とは別人だった。

 とっつきにくい?
 そんなの大ウソ。
 たまらなく可憐で、
 僕の手の中で喘ぎ、
 かわいい声で鳴く。

 口を離し、唾液で濡れた乳首をつまむ。
「んんんんっ……」
 余韻に浸る佐沢さん。
 オッパイを何度も揉み、そのやわらかさを堪能した僕は、さらに次の興味へと進んだ。

 本来お臍に繋がるはずの、鳩尾からすーっと体の中央を縦に流れる線が、今はスカートの縁で
終わっている。この下に、佐沢さんのすべてがあるんだと思うと、ゴクリと生唾を飲まずにはいら
れない。しかしその音は、自分の剥き出しの欲望を象徴しているようで、酷く不謹慎に思われた。

 サイドのホックとジッパーを外しし、スカートを下に引くと、それに合わせて佐沢さんは少し腰を
持ち上げ、その短い筒状の生地は、あっけなく抜き取れてしまった。たったこれだけの布地を巻い
た外と内に、日常と非日常が常に隣り合わせになってるとは思えないほどだ。

 本人である佐沢さんにとっては、内も外も日常。でも、本人以外の全人類にとって、その内は
非日常の秘めやかな空間だ。それがいともあっさり交通し、癒合してしまう。そして、そこに現れた、
非日常を隔てる最後の壁、白いショーツ。

 男子のだれもがそうしたい、と思う部分に、思う方向に指を当ててみた。その股を覆う布は、湿り
気を含んだ淫らな音を立てて、体から浮き上がっているように、布地ごとヌルリと滑った。

―― 濡れてる ――

 さんざん小説で読んだはずのその状況も、普段顔を合わせるクラスメイト、しかも憧れの、ちょっと
とっつきにくい、その子のソコがこの状況であることを目の当たりにすると、その「濡れる」ということの
含む意味の多さに圧倒されてしまう。
 と同時に、もう愛しいくて愛しくて、次の行動に移るのが自然の摂理であると思われた。

 その小さな布切れを下げる。信じられないほど濡れそぼったそこは、布までの間に幾重にも糸を
引き、昼間の明るい光の中で、キラキラと美しく輝いていた。

「ぐすっ……ぐすっ……」
 とつぜん佐沢さんのすすり泣きが耳に入ってきた。
 僕は驚いて手を止め、佐沢さんの顔の位置まで上った。
「ごめん、嫌ならやめるよ」
「ごめんなさい…… ちょっと怖くて…… でも、続けて欲しい……」
「うん」
 そのまま、またキスをした。
 唇を重ね合うことが、こんなにも心と心を間近に繋ぐなんて。

 僕は再び下がり、ぐちょぐちょの小さな下着を、すらっとした両足から抜き取った。このタイミングが
僕も服を脱ぐのに一番と思われたので、ズボン、シャツ、そして下着を脱いだ。
 自分の分身は弾けるように飛び出し、彼女のソコ同様、僕の心の有様を粘液の吐出で表し、ビク
ビクと脈打っていた。

 この準備の間に、いろいろなことを上手い具合に思いついた。
 ズボンのポケットからハンカチを出した。
 そしてさっき取り出したスキン。
 スキンはまさに今が装着のタイミング。
 ハンカチは……そう、出血対策だ。

 お互い全裸の状態でほぼ重なり合う位置に来た。顔と顔が向き合う。佐沢さんは上気した顔、潤ん
だ瞳はそのままに、加えて決意ある表情をしている。それをすべて受け止めるように、僕は無言で
頷くと、カチカチの肉棒に手を添えて、彼女の入り口にあてがった。

 そこからは自分の頭の中にモヤがかかったようになり、本能のまま、力任せに押した。
「アッ!」
 悲鳴に近い佐沢さんの声がして、僕の下半身は猛烈な温かさに包まれた。最初のワンストロークで
奥まで入ったが、凄く狭くて、上手に動くことが出来ない。ここまで来たのだから、佐沢さんを気持ちよ
くさせなきゃっていう焦りが募る。
「抱いて…… 山城くん。 じっと抱いたままでいいよ……」
 佐沢さんが言う。
 僕は無理に動くのを止め、奥深く突っ込んだまま、佐沢さんにのしかかるようにして、彼女を抱きしめた。

 すると……
 ……!
 膣が蠢くのがわかる。
 お互いの鼓動を感じる。
 握る位置を変え、絞り、押し返してくる。
 肉と肉の触れ合いを、身体を動かさないのに感じる。

 やがて、緊張がほぐれたのか、佐沢さんが言った。
「動いても……いいよ」
 僕は身体を起こし、大事に大事にストロークを重ねた。
 分け入り、押し入り、掻き分けて、ゆっくりと潮が引くように抜く。
 形がしっくり合ってきたのか、抜く瞬間にものすごい快感が訪れる。
 僕も初めてのわりには健闘するよな、などとちょっと不謹慎なことを考えはじめたころ、もうとても我慢が
できないほどの大きな衝撃がやってきた。

 根元をガッチリ絞められ、体の中心からすべてを抜き取られるような激しい脈動。
 それまで自分の手でやっていたことなど、子供の遊びに思えるほどの、激しい快感。
 最後に猛烈な吸引のような快感の波がきて、目の前に火花が散るほどの激しい射精をした。

「ハア……」
「ハア……」
 何度肩で息をしても追いつかない。
 やっと落ち着いた時には、二人とも汗まみれで、肌同士をくっつけ合っていた。
 ズルリと彼女の中から抜く。
 彼女の股間をティッシュで拭く。
 血は大して出ていなかったが、ハンカチが無ければベッドを汚すところだった。
 ハンカチ、ティッシュ、スキンを始末したい。

 しばらくしたら、佐沢さんも起き上がった。
「ありがとう」
 短く言って笑うと、立ち上がって小さなビニール袋を出し、ティッシュやスキンをその中へ捨てた。

「来てよ。 お風呂入ろうよ」
「は、裸のまま?」
「今はうち、だーれもいないよ。 平気平気」
「そ、それは知ってるけど……」

 強引に腕をつかまれ、裸の男女がペタリペタリと階段を下りて風呂場へ向かう。
 僕の手を引きながら、目の前で黒いロングヘアの下から覗いている、佐沢さんの白いお尻がプリプリと動く様を
見て、僕は思わずプッと吹いてしまった。
「なによう」
 突然赤面して佐沢さんが振り返る。
「いや、なんでも」
 ニヤニヤ笑いながら答える僕。

 ザーザーとお湯を張りながら、先にシャワーで体を洗って、お湯が溜まったところで、二人で浸かる。
「しかし、佐沢さんにバレてたとはなぁ」
「山城くんの小説だっていうのは、あとで気づいたんだけどね」
「どうして僕だとわかったの?」
「最初はね、休み時間にノートに書いてるのを見てしまったの。あとは主人公の学校で起こる出来事や、
出てくる先生にまつわるエピソードが、ウチの学校そのまんまなんだもん。この前化学室であった小火
騒ぎだって、タイムリーにそのまま出てくるし。一旦山城くんのこと疑いだしたら、いちいち合点がいく
ことばかり」
「……ネタを身近に求めすぎたかなぁ……鬱」
「あはは、でも他の誰にも言ってないよ」
「しばらく書く気起きないかも」
「こんなに美味しいネタが手に入ったのに?」
「あ!」

 僕はこのとき初めて、佐沢さんに操られていたような気分になった。
 でも、楽しいからいいか。

「小説の方だと、まだまだ先があるんだけど?」
 ちょっと意地悪な言い方をして佐沢さんを見ると、
 ただ真っ赤になって頷いた。



おそまつさまでした〜

途中に合いの手も何も入らなかったので、
一応アンカー書いておきますね。

>>7-26 でつ。
28電気屋:02/07/06 19:13
誉めてくれ!ちうコトなら誉めちゃっていーんだな?
覚悟はよろしーか?
では……
いやー、いーわー。
こりゃーアレだね、彼女完全にその気だったつうコトやね。
おっきめセーターも、短めスカートも、みんな計算ずくだね。
このコンボは個人的にモロツボなんで、クラクラざんす。
ただ、当然パンツやブラも勝負下着のはずだから、そこらを
描写して欲しかった気も……。(←フェチですまぬ)
ご都合主義にぽんぽん話が進むのは、モチロン長所だ。
どーもやつがれはココんトコが思いきりワルくって、
「こんなコトねーよなァ」とか思っちゃって、
結果テンポ悪いモンしか書けないんだワ。
話だけでろでろ長くなるばっかりで。
特濃エロエロ〜んも好きだけど、あっさりさっぱりらぶらぶ話も大好きなので、
とーっても満足満足。
>28
早速のご感想ありがとうございます。
ああ〜もう浴びるほど誉めてぇぇェェン
(*゚∀゚*)(*´∀`*)(*゚∀゚*)(*´∀`*)

佐沢さんのキャラは現実経験に則してますので、
カナーリ現実風味なつもりですが、仮にウソクサイとすれば、
漏れにはそんなコばっかりが寄って来たつうコトだしょか。
女の子みんながそうなのか、漏れに寄って来たコが皆特別なのか。あああああ。

>とーっても満足満足。
一番の誉め言葉です〜m(_ _)m
30寝太郎:02/07/06 22:07
 拝読しましたっ!
「女の子が、実はHな娘だった。しかも、処女」
 これ、シチュエーション作りがなかなか難しいんですよね〜。
 ただ淫乱なだけじゃあ、味気ないし。
 今その手の作品を書こうとしながら、なかなか上手いアイディアが
浮かばなくて……
 今回のコレは、ええ、GOOD!! でした(^^
 そっか〜、こんな導入の仕方が……思いつかなかったなあ…

 Hシーンも良し。
「髪の毛、どうしよう…」とか「お盆、どうしよう…」とかの
妙に現実感溢れちゃってるところが、読んでて微笑ましくて。
 
 とにかく、アンソロ第1作目としては、きわめて順調な
スタートダッシュが決まったように思います(^^

 お疲れ〜&ごちそうさまでしたっ!
31GZ:02/07/06 22:54
>アンソロ集企画さん

新スレあんど一番手乙カレです。
長いこと放置プレー(藁 だっただけあって、実になめらかなリズムで読めました。
サイト管理者の日常ネタもニヤソとするし、女の子の小さな仕草や描写が丁寧で良いです。
さりげなさを装いつつ、実は主人公の方が狙われていた罠。
ラフーな格好してみたり、なにげに足を開いて座ったり。親の留守を狙ったり。
萌、萌ゆーー(ハァハァ

たしかに出来過ぎっていうかウラヤマシ-展開だけど、読んでて幸せになれるのでおっけでした。
読み終わって余韻に浸れてこそエロ小説でしょう。やはり。
全体に写実的で小説ぽくないのも、逆に話の内容にあっていてイイですね。

一番手で、この技量……
振り返って自分のお話が、にわかに香ばしく匂ってきたように思われ(藁
推敲するかー

ともあれ、ご馳走様でした。
またまたのご感想ありがとうございます。
(*゚∀゚*)(*´∀`*)(*゚∀゚*)(*´∀`*)

>30
>「髪の毛、どうしよう…」とか「お盆、どうしよう…」とかの
>妙に現実感溢れちゃってるところが、読んでて微笑ましくて。
> とにかく、アンソロ第1作目としては、きわめて順調な
>スタートダッシュが決まったように思います(^^
ありがとうございます〜m(_ _)m

>31
>サイト管理者の日常ネタもニヤソとするし
フフフ( ̄ー ̄)ニヤソ

>読んでて幸せになれるのでおっけでした。
誉めのツボ プス→(*゚∀゚*)
元スレの1です。
まずは執筆と企画とりまとめ、そして斥候の投稿作品の方お疲れさまでした。
そして、立てちゃったからには1000まで目指して共にマターリ頑張りましょう!

それでは感想です。
ベースとなる物語は単なるエロ史上主義で終わらない、お話としての面白みも十分に持ち合わせた作品ですね。
ストーリーを面白く見せようとするネタや伏線も含まれていて個人的にも好感してます。
くどすぎないエロ描写、主人公一人称を利用した場面変化等、創意工夫が散りばめられていて、すんなりと読めました。
このスレの住人層としても、トップに持ってくるネタとしては目の付け所が上手いですね。

アンソロという「超短編」の枠で、ストーリーを持たせたエロを書くのは難しいです。
実際に私も書いている側なので、この点の苦労は共通かと思います。
この作品色なら、きっと背景や設定から書かれたのだと思います。
使うことの無かったネタ・設定もたくさん残ったのではないでしょうか(^^;
そういうのももろもろで、是非次の作品に生かして下さい。
超短編の小説にきっちりオチまでつけて完結させるのは、なかなかの労力だったのではないでしょうか。
ほんっとに、お疲れサマです。
34寝太郎:02/07/07 06:00
 そうしたら、第二弾、行かせていただきます。

作品名:「同級生」(ひねりもなくて、スミマセン)
執筆者:寝太郎
段階表示:【EASY】  ……ひたすら長所を褒めてくれ!
予定レス数:約15
35『同級生』(1):02/07/07 06:02
「ふうっ、ふう……っ」
 ……扉の隙間から、信じられないものを見た。
 放課後の高校校舎、たまたま科学実習室に筆箱を忘れた僕は、その隣にある教官室の物
音に気づき、そしてそんな場面に出くわしたのだ。
「はあっ、はあっ、はあ……」
 薄暗い部屋の中、絡み合う二つの影。
 ひとつは生物の教師、斉藤だ。確か30歳。地味だけど生徒には慕われている、そんな
先生だ。
 その斉藤が、ソファーに身をゆだねる全裸の少女の上に覆い被さっている。薄暗い部屋
の中で、彼女の白い肌だけが、やけにくっきりと、生々しく僕の目に映った。
「くぅっ……、はあ、はあ……」
 斉藤が動くたびに、少女の荒い息に変化が訪れる。あるいはため息をつくように。ある
いは、何かに耐えるように。そしてその少女を──僕は知っていた。
 そのとき、
『────っ!!』
 彼女の目と僕の目とが、合ったような気がした。思わず、身を竦める、僕。
 だけど、
「くうっ、……んんんっ」
 それはたった一瞬。二人の行為は、そのまま何事もなかったように続けられた。
『……』
 僕はそれ以上ここにいるのがいたたまれなくなり、そっと、音を立てないように注意し
ながらその場を立ち去ったのだった……。
36『同級生』(2):02/07/07 06:03
「…つまりこの文章の中で、“that”は……」
 教師の抑揚のない声が続く中、僕は斜め前の席に座る女生徒をぼんやりと見ていた。
 石倉瑞樹(いしくらみずき)。
 今年から同じクラスになったが、この4ヶ月間ほとんど話したことは無かった。
『なんか、現実感が湧かないよなあ……』
 退屈そうな顔で授業を受ける彼女。その横顔は、まあ間違いなく可愛い部類に入った。
実際、僕の友人で彼女のことを狙っているヤツもいる。
 別に妙な派手さとか、行動で目立つような娘じゃあない。ふつうの女子生徒だ。
『でも、やっぱりアイツだった』
 放課後の理科教官室で、教師に抱かれていた少女。
 あれは間違いなく、石倉だった。
『そういうのは、よく噂にはなるけど。まさか、ホントにあるとはね』
 昨日目が合ったと思ったのは、やっぱり気のせいだったらしい。
 今朝から同じ教室でお互い顔を合わせているが、彼女に特に変わった感じはなかった。
 そうやって、ボーっとつまらない考え事をしているうちに、
“キーンコーン……” チャイムが鳴り、今日の授業が終わる。
「さて、と…」
 荷物をまとめ、この後どうしようかと考えたその時、僕の机の前に、人影が立った。
「宮下君、ちょっといい?」
 ドキッとして顔を上げると、そこには僕を見下ろす石倉がいた。
37『同級生』(3):02/07/07 06:05
「……昨日、見たんでしょう?」
 人気のない屋上、その給水塔の影になったところで、石倉はそう訊ねてきた。
 僕は、素直に頷いた。隠しても、仕方があるまいし。
「なんで、誰にも言わなかったの?」
「別に……わざわざ言いふらすことでもないからね」
 肩をすくめて、そう答える。
 彼女は「そう…」と小さく言っただけだった。
「斎藤って、たしか結婚してたよな」
 僕は彼女に言うでもなく、そう呟く。
 彼女もまた、僕の方を向くでもなく、それに応えた。
「そう。こんど、年末あたりには、子供が産まれるんだって」
「へえ……」
 それきり、僕らは二人とも、なんとはなしに黙り込んでしまう。居心地の悪い沈黙が流
れる中、僕はぼんやりと、風にもてあそばれる彼女の髪を見ていた。
「ねえ」
 しばらく続いたそんな雰囲気を破り、石倉が突然僕に話しかけてきた。
「私のこと、抱きたい?」
「……え?」
 一瞬何を言われたのか判らなくて、間抜けた声を上げてしまった。
 だけど彼女はそんな僕の反応などかまいもせず、続ける。
「私と、セックスするの。それとも、したくない?」
38『同級生』(4):02/07/07 06:06
「え……」
 うろたえてしまう僕と比べ、石倉は少なくとも表面上は冷静だった。
「私じゃあ、興奮しない?」
 彼女の手が僕の手を取り、その胸の膨らみへと誘導する。手のひらに、確かな柔らかさ
をもつ感触が押しつけられた。。
 心臓がバクバクする。顔が、自分でも判るほどに赤くなっていた。
「だっ、だけど、石倉は斎藤と……」
「もう、関係ないの」
 石倉の顔が、僕の顔を見上げている。その目は怒っているようで、挑発しているようで、
そして……なんだか泣きそうに見えた。
「言ったでしょう。先生、奥さんに子供が出来たんだって。
 だからもう、奥さんを裏切るようなことは出来ない……って」
 ──こういうとき、本当ならば、どうするべきなのだろう。
 彼女がヤケになってることなんて、当然僕にも判ってた。これがドラマとかだったら、
きっと彼女を突き放して、叱ってやるんだろう。もっと自分を大切にしろ、って。
 …だけど気がついたとき、僕はそれとは正反対の行動を取っていた。
 彼女の胸に置いた右手に、そっと力を入れる。生まれて初めて体験する、女の子の胸の
感触。布地越しに、指の腹を優しく押し返す弾力を感じた。
「ねえ、宮下君。……キスして」
 その言葉に、意識が石倉の顔に戻る。
 そして彼女のその上気した目元を見たとき、僕の中でなにかのカセがはずれた。
39『同級生』(5):02/07/07 06:07
 真っ白な頭で、彼女にキスする。
 女の子と付き合ったことのない僕にとっては、これもはじめての経験だった。
 彼女も、そんな僕の不器用さに気付いたのだろう。僕の体を引き剥がすようにして少し
距離をとると、僕の目を下からのぞき込みながら訊ねてきた。
「宮下君、はじめて?」
 図星をさされ、恥ずかしいような悔しいようなで、何も言えなくなってしまう。
 だけど石倉はそんな僕を茶化したりはしないで、
「そっか。じゃあ、よくわからないよね」
 そう言って、今度は彼女の方から僕にキスしてくれた。
「ふ……ん…」
 僕の首に腕をまわして、伸び上がるように、顔を寄せる。唇に、柔らかな彼女の唇を感
じる。と…思う間もなく、僕の唇を割って、濡れた熱いものが僕の口の中に入り込んでき
た。
『……!?』
 彼女の、舌だ。僕の口の中に進入し、唇や歯茎を舐め、僕の舌をなで回す。
“ぴちゃ…くちゅ……”
 僕も必死で彼女についていこうとする。彼女の舌を吸い、舐め返し、彼女の口の中に舌
を伸ばした。
40『同級生』(6):02/07/07 06:08
「はあ……」
 二人の唇の間から、どちらのものともつかないため息のような音が洩れた。
 ゆっくりと離れる二人の口を、混じり合った唾液が銀色の糸のようにひかれ、そして、
プツリと切れた。
「ちょっと、待って」
 石倉はそう言って身を離すと、胸元のボタンを自ら外しはじめた。彼女の細い指が動き、
シャツの前が開いていく。
 その下から、胸の膨らみを包む薄いブルーの下着が覗く。
『ゴクリ……』
 僕は知らず知らずにツバを音を立てて飲み込んでしまい、それが彼女に聞かれなかった
かと少し慌てた。
 だけど彼女の手は、そのまま動き続ける。
 ボタンを外しきってしまうと、そのままブラに手をかける。フロントホックというヤツ
だったらしく、その胸の間の部分で下着は開かれ、その下から真っ白な柔らかそうな膨ら
みと、その頂点に息づくピンク色の突起が僕の目にさらされた。
「さわって、いいよ?」
 その言葉に従い、吸い込まれるように手を伸ばす。
「ん……っ」
 すべすべとしたきめ細やかな指触り。その彼女の乳房が、僕の手の動きに従って、むに
ゅむにゅと形を変える。
41同級生(7):02/07/07 06:18
 両手で双の膨らみを愛撫しながら、僕は身をかがめるようにしてその先端へと口を寄せ
た。軽く口に含み、できるだけ優しく吸い上げてみる。
「ふ…っ、ん……」
 彼女の唇から洩れる、甘い昂奮を潜めた吐息。
 それの声に勇気づけられ、僕はさらに彼女の乳首を愛撫する。乳房を手で揉みしだきな
がら、唇ではさみ、吸いたて、そして舌で転がしてみた。
「う……あ…っ!」
 そうやって唇でむさぼっているうちに、口の中でその部分が少しづつ硬くなってきた。
ときおり唇に力を入れて愛撫すると、『ビクッ』と彼女の躰が揺れる。
『石倉……感じてるんだ』
 僕はだんだん、それだけでは満足できなくなくなってきた。ドキドキしながら、そっと、
彼女のスカートの裾から手を差し込み、太股に手のひらを這わせてみる。
「あ……っ!?」
 彼女の口からそんな声が聞こえ、同時に身体が緊張するのがわかった。
 そんな彼女の反応に、僕も動きを止める。さっきまでの自信の無さが頭をもたげ、それ
以上どうしていいのか分からなくなってしまった。
 彼女の胸から顔を離し、その顔を見る。 石倉は真っ赤な顔をしながらも、
「その…制服が汚れちゃうから、脱ぐね」
 と言った。
42同級生(8):02/07/07 06:19
 スカートのホックを外し、脱ぎ去る。その下からは、ブラを同じ薄いブルーをしたショ
ーツが現れる。
 石倉は僕の顔を『チラリ』と見た後、目をそらしながら、ショーツを下ろしていった。
 身をかがめ、ショーツから右足を抜く。彼女の股間の陰りが、僕の目にさらされた。
「……いいよ、好きにして。そのかわり、強くはしないで…」
 その言葉に誘われるように、僕は彼女の足元にひざまづく。僕の目の前に、女の子にと
っての最も秘めやかな部分があった。
 手入れをしているのだろうか? 綺麗な形に整えられた体毛の下に、密やかな割れ目が
ある。よく見れば、その周囲はじっとりと湿けっていた。
「石倉…濡れてるの?」
「……バカ」
 どうにもくだらないことを言ってしまったらしい。そんな自分の行為をごまかすように、
僕は彼女の中心へと、そっと指を伸ばした。
“くちゅ……”
 指でそっと触ると、そんな水音に似た音がした。
「く……ん…っ」
 襞をめくり上げ、その奥へと指を進める。
 女性のその部分を、インターネットの写真とかでなら見たことがあった。だけど、実際
のこれは、それとは全然違う。実際のそれはずっと生々しく、グロテスクで、……そして
写真なんかよりも遙かに魅力的だった。
43同級生(9):02/07/07 06:20
“ぴちゃ…、くちゅ……”
 好奇心のままに舌を伸ばし、彼女の股間を舐める。肉襞をかき分け、その下へと舌を差
し込んだ。
 指で探っていくと、割れ目の上の方に、小さな突起を見つけた。その部分を、指の腹で
なぞり上げてみる。
「ああ……っ!」
 びくびくっ、と石倉の身体が緊張し、そして脚が小さく震えた。
 彼女の匂いが強くなったような気がして、それで彼女もまた昂奮が高まっているのを知
る。
 僕の股間のモノはさっきから自己主張するかのように脈打ち、ズボンの中で痛いほどに
いきり立っていた。
 もう、我慢できない。
 脚の間から顔を上げ、彼女の顔を見ると、見下ろす石倉の目と目が合った。
「石倉……」
 それだけで、僕の言いたいことをわかってくれたらしい。
 彼女は上気した顔で小さく頷くと、言った。
「宮下君は初めてみたいだし、私が上になるね?
 そこに、座ってくれる?」
 言われるままに、床に腰を下ろし座り込む。石倉はその脚の間にしゃがむと、カチャ
カチャと僕のベルトを外し、そして僕の起立したモノを取り出してくれた。
44同級生(10):02/07/07 06:21
「う……あ…」
“ちゅくり……”と音を立てて、僕の先端が彼女の濡れた部分へと押しつけられる。
 欲望の先端に触った熱いぬめったような感触に、僕の背中にブルリと震えのようなもの
が走った。
 そして、
「ん……っ」
 ズルリ…と、僕のペニスが彼女の胎内に包まれた。
『うわ…っ!』
 僕の欲棒が、熱い肉に包まれる。彼女の中は柔らかく、それでいて窮屈に僕のモノを締
め付けてくる。
「あ……あ…」
 ため息のような声を吐き出すと共に、石倉の身体が少し動く。同時に、彼女の中にある
僕の表面に、信じられないような感触が触った。ぬめった、凹凸のある肉の壁で、僕のモ
ノがこすられているのだ。
「く……っ」
 歯を喰いしばって、声が洩れないようにする。
 腰を動かすなんて、とんでもない。すぐにでも限界を迎えてしまいそうになるのを、必
死で耐えるのが精一杯だった。
「はあっ…、はあっ…」
45同級生(11):02/07/07 06:23
「は……ああ、…宮下君、うご…くね?」
 そうひとこと言って、石倉は僕の上でゆっくりと動き始めた。
「ふ……っ、んんっっ」
 ずりゅっずりゅっ…と、石倉の胎内が僕をこすり上げる。
『これが、女の子なんだ……』
 僕は夢中でその快感を味わっていた。
 今にもイきそうになるのを懸命に堪えながらも、動きづらいコンクリートの床の上で、
思わず腰を突き上げる。
「あ、ああ……っっ!」
 それに反応し、石倉も声をあげる。彼女もまた感じているのだと知り、なんだか嬉しい
ような、元気づけられるような気持ちになる。
 両手を伸ばし、シャツの間からむき出しになった彼女の胸に触った。
 手のひらを押し返す彼女の柔らかな感触に集中して、少しでも限界を先延ばししようと
頑張る。
 だけどそれは、逆効果だった。
「あ……んっ、みやした…くん」
 僕の愛撫に反応したのか、僕を包む彼女の部分が、ぎゅっと締まる。
 その刺激は、初めてである僕には、我慢できるものではなかった。
 もう、限界だ。このままでは、彼女の中に出してしまいそうだった。
「石倉、もう……!」
46同級生(12):02/07/07 06:26
 だけど彼女は、その動作を止めない。
 キュッと眉を寄せ、顔を真っ赤に染めながら、何かに耐えるような表情で、僕の上で動
き続ける。
「……いいよ、このままで」
 彼女は潤んだような目で僕を見下ろしながら、ささやく。
「今日は“大丈夫な日”だから……。だから、出したいときに出して、いいよ」
 その一言で、僕の忍耐も切れた。
「く……っ!!!」
 最後の力を振り絞り、彼女を下から突き上げる。
 腰の奥の方から、精子が尿道を走り抜け、先端から彼女の中へと吐き出された。
「あああ……っっ!」
 それに反応するように、石倉の肉襞が収縮し、僕を締め上げる。
“どくっ、どくっ”と、何度も何度も、脈打つように精液が放出されていく。
 石倉は背を逸らしながら、ブルブルと身体を震わせ……そして、力つきたように僕の上
に覆い被さってきた。
「はあ、はあ、……」
「ふう、ふう…」
 二人の荒い息が混じり合う。
 僕等はそんなふうに重なったまま、しばらくの間、お互いの体温を感じ合っていた……
47同級生(13):02/07/07 06:27
 ────数日後……
 ……僕は木陰に置かれた公園のベンチに寝転がり、目を閉じていた。肌に緩やかに流れ
る涼しい風が、気持ちいい。
 いい若者が何をやっているのかと問われそうだが、平日の真っ昼間に公園で昼寝が出来
るなど、そうはないシチュエーションだ。いまこの時、他の級友達は教室に押し込められ
窮屈な思いをしているかと思うと、余計に悦びが滲み出てくる。
 そんな特権を満喫している僕に、突然女の子の声が掛けられた。
「宮下君」
 驚いて目を開ける。そこには、石倉の姿があった。
「あれ、石倉。学校は?」
「抜けて来ちゃった」
 彼女は、軽く肩をすくめてそう答えた。
 僕が『よいしょっ』と起きあがると、そのベンチの開いた場所に、石倉が座る。
 二人の間に、沈黙が流れた。僕はどうにも、この手の沈黙が苦手な性分である。
「なんでここがわかったの?」
 とりあえず、無難なところで、そう話しかけてみた。
「さっき、宮下君の家に行ったんだ。そしたらお母さんが、ここに行くって言ってたって」
「そう……」
 それきり、またお互い黙り込んでしまう。
 僕は木の葉の間から覗く空を見上げながら、今度はどう切り出そうかとぼんやりと考え
ていた。が、実際に先に声を出したのは石倉の方だった。
「宮下君、いきなり停学だなんて聞いたから……びっくりした」
48同級生(14):02/07/07 06:29
「あ〜…」
 なんと応えようか、迷う。頭を掻こうかと持ち上げた右手を、石倉が取った。
「これ、痛いの?」
「ははっ、慣れないこと、するモンじゃないね。カッコ悪かったかなあ」
 僕のその手には、白い包帯。思い切り殴りつけたはずみで、拳を捻ってしまったのだ。
 我ながら、とても情けない。
「なんで突然、宮下君が斎藤先生を殴ったりするのよ」
「いや……」
 困ってしまう。正直、自分でもよくわからないのだ。
 別に斉藤が石倉を捨てたことを、僕が怒る筋合いはないし、生徒とHするなんてモラル
から外れたことをやったから、なんて正義面をするつもりもない。
 それでも何故と訊かれたら『なんとなく』としか言いようがないのだ。説明のしようが
ない。
 廊下でたまたま出会った斉藤の顔を見たら、なんとなく、それでもどうしても我慢でき
なくて、気がついたら思い切り殴りつけていた。しかも何人もの生徒達の、目の前でだ。
 …まあ、いっぱつで停学も、仕方があるまい。
 僕はどんな顔をして、そんなことを悩んでいたのだろう。
 顔をのぞき込んでいた石倉は、急にくすりと笑うと、ベンチを立った。
「ねえ、こんないい天気だし、どこかに遊びに行かない?」
 そんなことを言い出す。
49同級生(15):02/07/07 06:32
「どこかって……」
「平日だし、この時間なら、どこだって空いてるよね。
 そうだっ。『Lovin' your all』って、もうやってるんだっけ?」
 彼女は、最近話題になっている恋愛映画の題名を出した。
「えっと…、たしか、このまえの週末から上映開始してたと思うけど」
 そんな彼女に押され気味になりながら、そう答える。
 石倉はそれを聞いて、にっこりと微笑んだ。
「じゃあ、それがいいよ。今から、一緒に行こ?」
 彼女はそう言うと、僕の方を確認しもせずに、さっさと歩き出してしまう。
「え…ちょっと、石原っ?」
 慌てて、僕も彼女の後を追う。
 まったく、この何日かの間、何がなんだかわからないことだらけだ。
 ……なのに、
「宮下君、なに笑ってるの?」
「別に。なんでもないよ」
 なのに、口元が自然ににやけてしまうのは、どういうわけなのやら。
『ま、いいか』
 天気は快晴。学校にも、行く必要は無し。おまけになぜか、横には同級生の女の子。
 とりあえず今日のところは、これで文句なく幸せだ。
 僕は石倉とふたり、ワクワクした気分で街へと歩いたのだった……。


 (終)
50寝太郎:02/07/07 06:35
 以上、終了です。

 ……って、しまった。段階表示とかって、あとがきでやるんでしたか。
 失礼しました。
 以後気をつけます。
「同級生」
>>34-41
>33
>1000まで目指して共にマターリ頑張りましょう!
をーー!(゚∀゚)ノ

詳細なご感想ありがとうございました〜(*゚∀゚*)(*゚∀゚*)(*゚∀゚*)
>このスレの住人層
>トップに持ってくるネタ
ああああそれがわかって頂けただけでも充分(*゚∀゚*)

>この作品色なら、きっと背景や設定から書かれたのだと思います。
わはは。頭ごなしイッキ書きです(;・∀・)
>使うことの無かったネタ・設定
バレるまでの過程は、もっと伏線どっさり用意しました。
でも、10レス近く長くなるのでバッサリ割愛。

>超短編の小説にきっちりオチまでつけて完結
こうゆうのってお互い書き手だからわかるってとこありますよね。
>50
拝読しました。

同級生と教師の情事を目撃してしまったショック、
同じクラスで同列に過ごしていた彼女がいきなり遠い存在に。
そして、彼女との性経験の差によるやるせない気持ち。
その気持ちを抱いたまま、成り行きで彼女にリードされ、
快楽の壺へ導かれる自分自身。
肌を重ねることによって、遠い存在だった彼女が
急速に自分の手の中に帰ってきた。
そして、胸のすくオチ。
灰色のダークな背景が、一転晴れやかな明るい緑と青に変わり、
交わす会話の一語一語が、充足の微笑を誘う。
これらが手馴れた文体でキッチリ書かれ、
サクサク読めて、読後スッキリ。
まさに短編の見本みたいな作品です。

これ、書き手も書いててスキーリだとすれば、
読み手も読後スキーリで、
マターリヽ(´ー`)ノパワーだだ漏れのスバラシイ作品だと思います。
お疲れ様でした〜
54電気屋:02/07/07 14:45
>>29
>佐沢さんのキャラは現実経験に則してます
あんですと〜!こんな娘が回りにいるですか!
>漏れにはそんなコばっかりが寄って来た
しかも、それが寄ってきますか!
ウ〜ラ〜ヤ〜マ〜シ〜!!!
ウソくせェくらいにウラヤマしー状況でわないか。
やつがれなんぞ、そんなおいしーコトちっともないから、
せーぜーお話かいてガマンしてるってのにぃ〜。うわ〜ん。
きっそー。きっとソコで止めてるからコッチに回ってこないんだ……。
決めました。アナタは敵です!(爆)

>『同級生』
をを、これまたらぶらぶですぅ。思わず萌え転がり系ですナ。
このコっ恥ずかしさがナイス。オチもグッド。
どーでもいーですが、某春日瑞希を思い出してまいました。
55寝太郎:02/07/07 21:42
>>53さん
>拝読しました
 ありがとうございます。
>これ、書き手も書いててスキーリだとすれば、
>読み手も読後スキーリで、マターリヽ(´ー`)ノパワーだだ漏れ
 うう、こんなふうに言っていただいて、幸せだなあ……
 初めての、レス投稿用小説ということで、楽しんで書きました。

>>54電気屋さん
>このコっ恥ずかしさがナイス
 はいっ。書いてて身体が痒いのなんの(笑
 んでも、そんなのを目標に書きました。
 読んでいただいて、感謝です。
56GZ:02/07/08 19:04
スレッド一覧でこのスレを確認する時のドキドキっぷりは、まるで
おもちゃのカンヅメを手に入れたときのそれに近いですナ(爆
「同級生の女の子」から何が出てくるか。それはもう興奮するわ、萌えるわで。


>寝太郎さん
堪能させていただきました。クー、こういうの好きだー(萌
ちょい自暴自棄になった女の子に迫られて初体験、黄金パターンのコンボ。
そうだよなぁ、もしそんな棚ぼたシチュがあったら逃がすわきゃないよな、って感じで。

屈折した気分からエロへの移行が、感情移入して読む側にとって全然変じゃなく、
すんなり入っていけるのが気持ちよかったです。
四の五のいいながら、未練をひきながらも彼女は主人公に優しいし。
あと描写全体に、生感がすごくただよってますね。
まさにエロッちい、実用的という賞賛の意味でそう思います。
乳房の弾力具合とかキスで唾液が糸を引くシーンとか、分かりやすく非常に効果的でした。
ラストシーンも余韻が残って、さわやかで(・∀・)イイ!!。
57GZ:02/07/08 19:30
他の方のレス読んでたんですが、電気屋さんの
>あんですと〜!
の部分だけ、思わす君望の西友の声が耳元によみがえっちまいました。もうだめぽ。
つか無関係な横レス、スマソです。

さて。んではソロソロ、3つ目のお話なぞ。
こわごわと、いろんな意味で挑戦。

作品名:「ライト・ハグ」
執筆者:GZ  
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
予定レス:19
58ライト・ハグ(1):02/07/08 19:32
 「ねぇ杏子、頼むから。ボクのことは高倉って苗字で呼んで欲しい」
 「あ、今の瑞樹の喋りかた、すごーい女の子ぽかったよ。かわいいかもー」
 「……ワザと言ってるだろ、杏子」
 何度注意しても、朝霧杏子はボクのことを名前で呼ぶ。男だか女だか分かりにくい瑞樹
という名前をボクが嫌っているのを知っていて、わざと彼女はからかってくるのだ。
 「大体、モデルがふらふら動くなって」
 「んー、だって退屈だし。ね、それより、アレ、あっちの銅像の」
 甘いソプラノの声にボクはクロッキー帳から目を上げ、イーゼル越しに少女をにらんだ。
放課後の美術室には、カーテンをひるがえし、すがすがしい夏の香りが流れこんでいる。
ボクの非難のまなざしにも気づかず、朝霧はとっくにポーズを崩していた。くりくりした
鳶色の瞳を輝かせ、何を見つけたのか、しなやかな動きで美術室の奥へ駆けだしてしまう。
デッサンモデルの自覚がまったくないらしい。
 ふわりと揺らぐ夏服のスカートとポニーテールの黒髪に、ボクはため息をついた。
 やはり、焦れったがりでそそっかしい朝霧杏子にモデル頼んだのは失敗だったか……
 「ホラそこの美術部員。クールを気取ってないでー」
 はしゃぐ声に鉛筆を置いて立ち上がると、彼女は美術室の奥、キャンパスや彫像が並ぶ
一角で騒いでいた。目の前には、目を伏せた女性の胸像があるだけだが……おや?
 初めて目にする奇妙な石膏像に、一瞬とまどい、ボクは立ち尽くす。
 「瑞樹ィ、これナニ? 首輪かしら?」
 「っていうか、見た感じ、鼻フックだな……」
59ライト・ハグ(2):02/07/08 19:33
 石膏像の首にはペットを繋ぐような黒い革の首輪がまかれ、その首輪の後ろから伸びる
革ベルトの先端には鉤フックがぶら下がっていた。そのフックが、石膏像の頭頂を通って
鼻の穴に引っかかっている。SMチックで、雰囲気がなんだかいやらしい。
 ボクと杏子は並んだまま、あっけにとられて胸像を見つめていた。たしかに、美術倉庫
にはちょっと人目に出せないシュールな油絵や彫塑もある。けど、この胸像はなぜ首輪に
鼻フックまでつけているのだろう。製作者の意図がまったく読めない。
 「最近じゃ、こんなシュールな彫刻がはやりなの?」
 「さぁ、誰かの悪ふざけじゃないか? あとから誰かが……って、杏子?」
 ボクの返事さえ待たず、彼女はするっと手を伸ばして石膏像の頭をわしづかみにした。
壊すんじゃないかと冷汗を流すボクをよそに、躊躇もおそれもない動作で弄り回している。
かちゃんと音を立て、鼻フック付き首輪は胸像から外れた。
 「あははー。なんかエッチい、コレ」
 「そうやって、むやみに弄り回すなって。誰の作品かも分からないのに」
 顔を押さえるボクを尻目に、興味あるおもちゃを手に入れた朝霧はすっかりご満悦だ。
 「ねね、やっぱさぁ、これってエロッチい道具だよね」
 「だから女の子がいじるべきモノじゃない」
 「私、知ってんだー。女王様とかがこれで奴隷を引きずりまわすのよ。ビシビシって」
 「もとに戻しとけって、杏子」
 「不思議だなー。なぜこんなモノが美術室に?」
 「……話、聞けよ」
60ライト・ハグ(3):02/07/08 19:33
 やっぱりというか、夢中になった彼女とはさっぱり話がかみ合わない。
 首輪を手にして上気している杏子の表情はカワイイのだが、女の子がいつまでもSMの
道具(らしきモノ)をいじっているのは変じゃないだろうか。注意しようと口を開くと、
朝霧はからかいまじりの視線を向けてきた。鳶色の目をきらめかせ、悪戯を思いついた時
にみせる天邪鬼めいた笑みを口元に浮かべている。
 「やっぱ、一般的に男の子って、SMとか興味あるんだよね」
 「ゼロ、じゃないだろうな」
 高一の時から二年連続で同じクラスだ、朝霧杏子の無邪気な思考パターンも読めている。
ボクは事態がこれ以上深刻にならないよう、慎重な返事をかえした。
 「鼻フックって、顔ブサイクになるじゃん。なんでこんなの好きなのかな、男の子って」
 「さぁな。綺麗な女の子の顔を醜くすることで、支配欲を満たすんじゃないの?」
 「ふ〜ん」
 「満足したか? つ〜か杏子はモデルなんだから。さっさと戻ってポーズ取れ」
 イライラしつつ、少しきつく叱りつけておいて背を向ける。部屋の中央に戻って傾いた
イーゼルを直していると、くぐもった声で朝霧が呟いた。
 「瑞樹の言うとおりなら、まさに私なんかのためにあるような器具だね」
 「は? 何言って」
 言いかけてふっとイヤな予感を覚え、ボクはふりむく。
 ……予感はあたっていた。
 朝霧は、革ベルトを頭にあてがい、自分の鼻にフックをひっかけようとしていたのだ。
61ライト・ハグ(4):02/07/08 19:34
 「バカか、オマエは」
 「あ、瑞樹ったら、何を大声で……キャッ、痛ァ」
 駆けよったボクと朝霧の間で首輪の取り合いになる。必死にあらがう彼女の華奢な手首
をがっちり捕まえておいて、ボクは大声で問いただした。
 「なんで、杏子が鼻フックをするんだよ」
 「な、なによ自分こそ、必死になっちゃって。全然クールじゃない」
 「やめとけアホ、似合わね〜よ」
 顔を真っ赤にしていた朝霧の表情が、ボクのその一言でさぁっと変わった。手をつかま
れたまま、ムクれた口調でボクに言いかえす。
 「私が、私の好きなようにしたって勝手でしょ。私の顔なのに」
 「はァ? 杏子、頭おかしい」
 「そ、そういう自分こそ首輪マニアなんじゃん? 自分がヘンタイなの知られたくない
から、そんな必死になって邪魔するんでしょう」
 「お、おい、待てって」
 急に動悸が激しくなり、ボクは言葉を失っていた。
 鼻フックを嵌めた朝霧杏子が、顔をゆがめている……それって、どんな感じなんだろう。
よく分かんないのに、なにかが変だった。もやっとしたイメージを連想してしまった瞬間
から、ドキドキと胸が痛いのだ。
 ……まさか、ボクも興奮しているんだろうか。
 見たいのだろうか。そんな、ヘンタイっぽいことが。いや、そんなバカな。
62ライト・ハグ(5):02/07/08 19:35
 いつのまにか小鹿のような身動きでするりと腕の中から逃れた朝霧は、人を探るような
顔でニヤニヤしていた。その頬も、ボクに負けず劣らず真っ赤になっている。
 「ヤッバー、図星だったね。SM好きなんだ、ヘンタイ瑞樹」
 「ば、バカ言え、何も感じるもんか。好きにしろ」
 「じゃ、瑞樹。私にコレつけてよ。ヘンタイじゃないなら、全然平気でしょう?」
 「ハァ!?」
 声が裏返るのが自分で分かった。
 何だコレは。何でコイツは挑発なんかしてくるんだ。
 いや、それより何でここまで動揺してんだ、ボクは。たかが、鼻フックだろ……
 「さぁ、どうぞ。瑞樹お願い」
 「あ、あぁ」
 変な会話だと思う、そんな余裕さえなかった。デッサンモデルがどう狂ったのか同級生
の少女に鼻フックをかけるとは。自分の手が、汗でやけに濡れている。とにかく、逃げる
わけにいかないのだけは、はっきりしていた。
 うっすら目を閉じた少女の鼻の頭に指を当て、震える声を抑えつけて話しかける。
 「痛かったらそう言えよ、杏子」
 「ン」
 チャリッと金属音を奏でる鉤フックの丸い先端を、形のいい朝霧の鼻の穴にあてがう。
くにっと肉を押し上げる感触のあと、2つのフックは少女の鼻腔にめりこんだ。ヒクンと
震える少女の反応と、柔らかい手ごたえが指先に伝わってくる。
63ライト・ハグ(6):02/07/08 19:41
 ほっそりした朝霧のうなじをさらけだし、鼻フックと連結した首輪をまきつけていく。
 「ン、くー」
 頭頂を通るベルトは短めで、ムリに引っぱると、ちょっと苦しげな声で朝霧が喘いだ。
ヤバ、やっぱ痛かったのか。そう思って慌てて正面にまわり、様子をうかがおうとする。
 だが、心細げな朝霧の顔を見た瞬間、ゾクっと電撃が背筋を走っていた。
 辛そうに瞳を細め、けなげな表情で耐えている彼女の顔は、なんだかこう、すごく……
すごく、虐めがいがあるような感じで、見たことないほど可愛かったのだ。
 「あ、えっと、ちょっと痛い……」
 「まぁ自分から言い出しといて、この程度は問題ないよな」
 思いがけぬ言葉がボクの口からもれる。泣きごとを言いかけていた朝霧は、ニタァッと
笑って見せたボクの顔を見て、かすかに表情をひきつらせた。
 「う、うん。まだ全然……そういう瑞樹こそ頬真っ赤。ヘンタイだって認めたら」
 「ハハハ、陽射しの加減だろ」
 お互い素直でないために、我慢比べになってしまう。でも当然、歩が悪いのは鼻を金具
でえぐられて辛い思いをする朝霧の方だった。ボクはドキドキする心を抑えつけ、彼女の
か細いうなじを首輪で絞り上げていく。グイグイ鼻の頭を吊り上げられて、朝霧は苦しげ
な息声をもらしていた。むろん、こっちは聞こえないフリだ。
 「おっけ、できたぜ。こんな鼻フックの何に興奮してたんだろーな、杏子は」
 キッチリとたるみなくベルトを引き絞っておいて首輪を固定する。意地悪く朝霧杏子を
からかいながら、ボク自身も彼女に目を奪われていた。
64ライト・ハグ(7):02/07/08 19:42
 「いやァァ、は、鼻が、まがっちゃう」
 少女は懸命に両手で鼻の頭を押さえ、食い込むフックを下にゆるめようとムダな努力を
繰り返している。よほど気持ち悪いのか、声までが奇妙にかすれているようだ。
 すっきりした顔の輪郭を、無骨で黒い革のベルトが裂いている。形よくツンと上向いた
杏子の鼻は無残に引っぱられ、手入れされた二つの鼻腔が思いきり楕円に歪んでいた。
深々と食い込んだ鉤フックのせいで、鼻の奥までがはっきり覗けるくらいだ。
 「なに言ってんだ。好きなんだろ。あんなにつけたがっていたのに」
 「ちが、そんなつもりじゃ」
 しきりに鼻の下をモゾモゾさせる動作は、いつもの綺麗な顔からは想像さえつかない。
かわいそうな姿という以上に、惨めで、豚みたいにゆがめられた表情だ。なのに、ボクは
そんな朝霧を見つめながら、妖しい気分に心が昂揚していた。
 「だ、だって綺麗な女の子なら鼻フックだって似合うって言うから……私ただ、瑞樹に
『キレイだね』って言わせたかっただけなのに」
 あれだけ朝霧がこの器具にこだわった理由が分かって、ボクは思わず吹きだしていた。
微妙に切なげな顔つきのまま、杏子がうらめしげにボクをにらむ。
 「悪かった。杏子だって綺麗だし、似合ってるよ。子供じみた意地の張り方をするな」
 「な、なによもぅ。外すからね」
 そう言ってうなじに手を回し、首輪をいじっていた指先が、急に焦ったようにもつれる。 
動きを止めた彼女は、泣きそうな目でボクに告げた。
 「外れなくなった」
65ライト・ハグ(7):02/07/08 19:43
 何言ってんだ、コイツ、おどかすつもりか……
 いや違う。朝霧はこんな情けない顔で、痛みをこらえてまでウソをつくタイプの女の子
じゃない。予感に震えるまま、言葉より先に手が首輪に伸びていた。
 「あ、んぅ」
 黒髪をかきわけて首輪の輪郭を指先でなぞると、少女の口から吐息がもれる。止め金の
構造を確かめ、ボクは青ざめた。さっきは四角いプレートに尖った部分を差し込んだはず。
……まさか、外すには、カギが必要?
 恐怖と、名状しがたい戦慄がゾワッと心をとらえる。ほんの遊びのつもりだったのに、
SMの器具でむりやり鼻をえぐられ、外せなくなってしまうなんて。
 「ヤダよ、こんなの変なモノずっと鼻につけっぱなしなんて。鼻、曲がっちゃう」
 「大丈夫だって」
 言ったものの、ボクは途方にくれていた。そもそも石膏像の一部だった鼻フックを勝手
にハサミで切ったり、壊してもかまわないだろうか。カギだって、どこにあるのやら。
 「は、外せないんだ……私、こんな、みにくい顔のまんまで」
 「よせ、変な言い方するな。みにくいワケないだろ」
 朝霧杏子に焦りをさとられたくない一心で、目をそらしながらボクは答える。それに、
鼻を吊り上げられた少女の顔を見ていると、変な衝動に駆られそうなのだ。
 と、彼女の声が暗く沈んだ。
 「自業自得だから。不自然だよね、私。全然かわいくないし、バカばっかして」
 「は?」
66ライト・ハグ(9):02/07/08 19:45
 「瑞樹は、ムリしなくていいよ。私が悪いんだもん、全部。かわいくないし、人の言う
こと聞かないし。惨めだけど、美術教師の仁科に外してもらうよ」
 「……」
 朝霧の鼻声は、泣きだす寸前の感情をこらえるような感じだった。肩を落として、食い
こんだ鉤フックを両手で押さえながら、トボトボ歩き出そうとする。
 たぶん、朝霧の行動が正しかったのだろう。けれど。
 「え、あ、えと……瑞樹?」
 気づいた時、ボクは朝霧杏子を背中から抱きしめていた。驚いたのか、動きが止まる。
 「イヤだ。朝霧のこんなカッコ、仁科に……いや、他の誰かになんて見せたくない」
 「み、瑞樹」
 普段なら、こんな接触はみぞおちに肘でもくらうのがオチだ。だけど、この時の朝霧は
抵抗もせず、ボクの腕に柔らかいカラダを預けていた。首をかしげて、振り返る。
 ふわっと清潔で、かすかに甘い香りの黒髪が鼻をくすぐる。
 抱き寄せたものの、ボクは何を言うべきか分からず、だまって彼女を見ていた。
 奇妙なほど近づきすぎた2人。
 お互い、不自然なほどに目と目を重ね合わせている。相手の瞳が揺らいでいる。なんか、
ちょっと本気になってしまいそうな、それくらい心細い顔。かわいい顔。
 細くきゃしゃな首を絞る首輪が、光沢を放つ鼻フックが、はかなさをそそっている。
ただの騒々しい同級生だった少女が、やけに大人びた『異性』に見えるのだ。 
 「私のことね……かわいいって、思うなら」
 「私、ホラ、がさつだし、だけど、だからその……いいよ。瑞樹が、そう思うなら……」
 鼻の頭を押さえながら懸命に言葉を紡ぐ朝霧杏子は、あまりにかわいかった。
 バカな奴だよな、普段からいい加減な女の子だし……そう思いつつも、ドクドクと心臓
が弾んでしまっている。初めての体験なのに、指が勝手に動き、彼女の頬をなでていた。
なんだか、この子を自分のものにしてしまいたい気分。そんなの、ありなのだろうか。
 「バカ……可愛くないわけがないだろ」
 そう。じゃなきゃ、なんでデッサンモデルに誘ったりするんだよ……
 ゆっくり顔を近づけると、杏子は覚悟したように目をつむり、唇を差しだした。
 ゾクゾクしながらチュッとキスをする。やわな唇の、柔らかい部分がお互いに触れあう。
鉤フックのせいでひしゃげてるから、鼻と鼻をぶつけなくてすんだかな、なんて思う。
 「ん、ンフッ」
 重なった唇の隙間から洩れる、ちょっとつやめいた少女の喘ぎが、ボクは心地よかった。
腰を抱き、顔を傾けながら舌先でノックする。なんかの本で読んだディープキスの方法だ。
 ビクンと震えた少女は、おずおずと唇を開いた。
 熱い吐息をじかに感じ、じわじわ舌をもぐりこませる。なれない経験のせいか、朝霧は
上下の歯を閉ざしていた。仕方なく、舌先のざらざらでねぶるように少女の歯を舐め回す。
 「んっ、ん〜〜」
 前歯の接点をちろちろくすぐり、上唇と歯茎の間をちゅるちゅるなぞってやると、朝霧
はヒクンヒクンとボクに体を預けてきた。後ろを向いたままの顔がふるふる揺れている。
 わずかに開いた歯のすきまから、ボクは舌をこじ入れた。
 吐息の交錯とともに、一気に甘やかな少女の匂いが押しよせてくる。口腔いっぱいに舌
を這わせ、ボクは彼女の中をくまなく探索した。遠慮がちの朝霧の舌を自分から絡めとり、
唾液をすすりあげる。ドロドロに溶けた粘液の交換に、背筋がカァッと熱く火照っていた。
 顔をくねらせつつ、繊細な舌と舌をまぶして何度もやりとりをする。 
 反応をうかがうように薄目を開け、すぐ閉ざす彼女の仕草が、またボクを疼かせるのだ。
 「ンアァ、瑞樹のエッチ。えろえろダ」
 「フッ」
 息が続かなかったらしい。ぷはっと唇をもぎ離した朝霧は、ボクを弾劾した。もっとも、
拗ねぎみにうるんだ口調では説得力もあまりない。
 キュッと鉤フックに吊り上げられた小鼻が、誘うようにピクピク揺れている。
 「うあンッ」
 その鼻の頭をピッと指で弾き、息をのんだ朝霧の唇をまた奪った。今度は、彼女も目元
をゆるめ、鳶色のくりくりした目でボクを見つめながら熱心に舌を這わせてくる。
 思いきり唾液をそそぎこんでやると、ボクの腕の中で彼女はしなやかに身をよじった。
見た目以上に量感のあるセーラー服の胸が、ボクの胸にむにゅっと押しつけられる。
 ハァハァ乱れた息づかいのまま、片足を絡めて相手の少女を教室の窓ぎわにおしつける。
 「杏子ってさ、かわいい顔して首輪なんかが似合うのナ」
 「あっ、イヤ」
 首輪の上から肌をなぞると、焦ったらしく朝霧のカラダがぴくぴく跳ねた。もちっと肌
に吸いつく黒い革の感触が淫靡で、触っているうち桜色にうなじが染まっていく。
 やけに敏感なのが嬉しくて、ことさらに指でうなじのあたりをいじり、彼女をあおる。
 「なんかさぁ、意外にアレじゃん? マゾッけとかあるのかもな、杏子って」
 「うぅ、そんな違うよ……たぶん、だけど」
 「本当か?」
 勢いにまかせて、ボクは片手をセーラー服の裾から中にもぐりこませた。怒られるかと
思いきや、恥ずかしげな視線を胸に落としたまま、少女は複雑な瞳をボクに向けてくる。
物思わしげな表情は、ガツンと僕の頭を一撃した。
 大胆に指で確かめるとブラの形状もすぐ分かったので、ボクは一気に指を侵入させた。
ぷるんと弾けそうな瑞々しい乳房の感触が疼いた指先ににまとわりつく。
 「あ、いやぁ……み、瑞樹って遠慮なさすぎィ」
 「ヤッパリだ。杏子のオッパイ、すごく形がいいんだね」
 あきらめか待ちわびているのか、さほど抵抗しない朝霧の胸にゆっくりと片手を這わせ、
ボクは余った手を首輪にひっかけて意地悪く鼻フックをひっぱりつつ囁きかけた。
 「ホラホラ、鼻が歪んじゃうぞ。この方がかわいいかも」
 抗議しかけた唇をふさいでチュッチュッとキス。
 「大体、いくらエロッチい女の子だって、見つけた首輪を身につけたりはしないよな」
 むーむーと鼻声を出すのに構わず、言葉を封じたままで深々と唇を吸う。
 「やっぱ、ボクは杏子にマゾッけあると思うけどナ」
 「ん、んんう」
 ……おや?
 やわやわ胸をさわりつつディープキスを繰り返していると、朝霧の雰囲気が変わった。
唇をもぎ離し、うつむいたまま、しきりにモジモジと太ももをすりあわせる。
 「んぅ、瑞樹ィ……瑞樹のせいだ」
 「ボクを見てよ、杏子」
 「ん、んあっ」
 くいっと鼻フックのベルトをつまむと、いとも簡単に朝霧は顔を上げた。
 切実に、何か懇願するような瞳の色。トロンとした表情が、快楽の残滓を求めてゆるく
呆けているのだ。色づいた唇が、はぁはぁと吐息をこぼしている。手の平を通して暖かく
伝わってくる少女の鼓動は、ボク以上に早くせわしくなっていた。
 違和感にむにむにっと胸を揉みしだくと、ぷっくり膨らんだ乳首が中指の腹をこする。
 「ひょっとして、けっこう感じていたね、杏子は」
 「んあぁァン、いいよ、気持ちイイ」
 はっきり、少女の唇から洩れた快楽の声。 
 バチンと欲望が堰を切って流れだす、そんな音がボクの胸のうちで響いた。
 愛撫を中断したボクは教室の扉に内側から鍵をかけ、彼女のセーラー服を脱がせていく。
ホックを外したスカートがさらさら鳴り、生地が首輪にすれて淫らな衣ずれをたてる。
 彼女の、丸みを帯びたなまめかしい下着姿があらわになり、思わずつばを飲む。
 おだやかで眩しい夏色の陽射しに照らされて、朝霧の肌は白く透けるかのようだった。
飾り気のない淡いピンクのブラとショーツ、それが黒々した首輪と豚鼻めいて顔を歪める
金具との対比で、あまりに悩ましく、みだらに、そして被虐的に感じられる。
 声を絞りだす僕の声はかすれていた。
 「このまま、キスだけじゃなくて、その…エッチなこと、して……いいかい」
 「……い、いまさら」
 恥ずかしげに身をちぢめた朝霧杏子は、それだけをやっと言った。
 夏の放課後のアバンチュール。そんな言葉でごまかせないほど、ボクも彼女も昂ぶって
いる。ぴったり肌を触れ合わせ、もう一度ボクは優しいディープキスをした。朝霧の体は
どこもかしこも指が吸いついて柔らかく楽しい。思うさま抱きしめ、手を這わせながら、
ちょっと意地悪を思いついてちゅるっと鼻の穴を舐めあげる。
 「あッ、アヒャ……ヘンタイィィ」
 「どっちがさ。杏子こそ、鼻の穴を広げて感じちゃってるくせに」
 「いぅぅ……あ、ヤハァッ」
 ぬるぬると2人分の唾液をからめて溶かしあい、ドロドロに濡れた舌先で朝霧の鼻梁を
くすぐっていく。われながらマニアックだけど、鼻腔にねとねと雫を塗りつけられる彼女
の方は狂ったように身悶えていた。その裸体の動きを両手でコントロールしていく。
 ようやく鼻責めを中断すると、朝霧はもうグズグズに蕩けた表情でボクを見つめていた。
自分から乳房をすりよせ、ボクの制服にスリスリ躯をこすりつけて恥ずかしげに囁く。
 「ねぇ、瑞樹も脱いで。私だけ裸なんて、恥ずかしいから」
 「ボクは」
 言いかけた恥じらいの言葉をグッと飲み込む。
 ボクは、セーラー服の胸元のホックをはすし、スカートをするりと脱ぎ捨てた。
 「あは。瑞樹こそ、かわいい女の子ジャン。ショーツ、濡れてるよ」
 「え、そ、そう?」
 あわてて自分のショーツに指で調べると、すでにワレメはじんわりとほころんでいた。
ヌルリとした汁を貯え、とば口のクリトリスが包皮の下でコリコリ尖りだしている。
 「それは……ボクだって、ドキドキしてるから」
 「ホラ、窓見て。反射して鏡になっているよ。瑞樹かわいいもん」
 思わず目を向けると、そこに自分の姿が映っていた。
 ボーイッシュなショートボブの髪を乱し、細い切れ長の瞳を羞恥に染めたシャープな顔。
一生懸命に朝霧ばかり責めてて気づかなかったけど、いつのまにかボクもエッチな女の子
の顔になっちゃっているんだ……
 「うふふ、瑞樹がクールなまんまだったら、私拒絶してたよ。恥ずかしいじゃん。ねぇ」
 「う、うるさいなぁっ」
 カァッと火照る頬を隠さず、ボクは杏子を机に押し倒した。むき出しになったオッパイ
とオッパイが擦れあい、ヒリヒリと灼けつくような熱をおびて感じられる。ずっと受け身
だった杏子の指で尖りきった乳首をつまみ上げられ、今度はボクの方があさましい喘ぎを
こぼしてしまう。
 「あ、あふンッ、ん、はぁっ」
 「瑞樹もエッチになりなよ〜。私も、その方がいいから」
 クスクス笑う朝霧杏子を睨みつけておいて、ボクはその胸に顔をうずめ乳首をしゃぶり
だした。じきに、しのび笑いはたえまない喘ぎと切れ切れの吐息でうめつくされてゆく。
 健康的な朝霧杏子の裸は今や、どこもかしこも淡く情欲にうるんで色づいていた。
 乳首をコリコリ甘噛みし、たっぷりヨダレをまぶしておいてつつっと唇で双丘の輪郭を
なぞっていく。糸を引く粘着質な光景に、朝霧が甘い悲鳴をもらすのだ。
 かプッとわき腹に歯をあてた時、彼女の指がボクの下腹部をこじりあけた。ネチョッと
耳を疑ういやらしい音を立てて、ボク自身の花弁の合わせ目から粘液がつたい落ちる。
 「うぁっ、杏子、そんないきな……りっ」
 「責めるばかりじゃ楽しくないでしょう。イかせてあげる」
 淫らな言葉に合わせて蠢く指がくにゅくにゅ肉ヒダをいじり、それだけでボクは危うく
上りつめそうになってしまった。奥歯で快感を押し殺し、逆に愛撫の手を強める。
 女の子同士の、繊細でキメこまやかな肌と肌が重なり合い、一緒に汗ばんでフルフルと
痙攣していく。甘酸っぱい匂いが教室一面にたちこめ、ボクも朝霧も、濡れた瞳でキスを
奪い合う。どちらかというと薄いボクの胸は、たぷんと重みをはらんだ朝霧のオッパイに
押しつぶされ、固くシコリきった乳首が彼女のしなやかな肌をつつきまわしていた。
 もどかしい感触のなか、お互いの乳首が擦れ合うと全身を電撃が抜けていく。
 「ん、んアッ、イイかも」
 「杏子、ちょ、もう少し…スローに……」
 切れ切れのうわ言を口にし、互いの首をしっかり抱き寄せて、肝心な手で相手の女の子
の部分をいじりまわす。杏子のソレはボクのより肉厚で、手触りのいい柔毛(にこげ)に
覆い隠されていた。
 クリトリスを剥きだして親指の腹でさすってあげると、反応がすさまじい。
74ライト・ハグ(17):02/07/08 19:56
 「ヒアァ……」
 感じすぎて声が出ないのか、呼吸だけを絞ってヒイヒイ息たえている杏子を抱きおこし、
窓ぎわに背中を押しつけてたたせた。窓の外は人気もない裏庭、誰も見るものもない。
 そこにのしかかる格好で体位を入れかえ、ボクは朝霧の耳に囁きを吹き込む。
 「一緒にいこう、杏子」
 「ン」
 コクンと頷く少女は、鼻の穴をフックにこじられ、顔中をベタベタにしている。その姿
が愛しくて、ボクはまた唇を重ね、舌をわりこませた。口腔を蹂躙しながら彼女の片膝を
折り曲げ、そこにボクの腰をピタリと密着させる。
 「瑞樹って、ホンット……エッチ、だね」
 「杏子に言われたくないな」
 呆れたような彼女の言葉に、鼻フックをちょんちょんと引っぱって、やり返す。
 何をされるかわかって、朝霧の躯がまたポウッと汗ばみ、上気した。快楽に灼け爛れた
肌がゾワリゾワリと貪欲に吸いつきあうのが分かる。
 慎重に下腹部を重ね合わせると、トロトロに熱したクレヴァス同士がくちっと重なった。
互いにワレメから吐きだす蜜がまじわって、濃厚な女の匂いが鼻をつく。
 「女同士だと、ちょっと不便かも……」
 「あはは。だな。貝あわせっていうらしいよ、杏子は知っていた?」
 「知るわけ、んンーーッ」
 ボクは唐突に腰を跳ねあげ、パックリ口を開いたスリットを彼女に擦りつけていった。
75ライト・ハグ(18):02/07/08 19:57
一瞬で、どうしようもない電撃が、重なり合った乳房とクレヴァス、そしてネバネバの雫
を揉みこまれるクリトリスから伝わってくる。衝撃のあまりの大きさに、ボク自身も半開
きの口からヨダレを流しかけていた。声を漏らしかけた唇が、ぴったり覆われる。
 「ん、んふっ、瑞樹カワイイ」
 朝霧に唇を奪われたと分かるまで、タイムラグがあった。悲鳴を、嬌声をあげる手段を
奪われた全身の灼けつく火照りが、すべて体内に逆流してくる。ゾワゾワざわめき、蠢く
肉壁同士がとば口で擦れあい、もどかしい快感がクリトリスをさらに鋭敏に尖らせる。
 「ンッ、くぅぅ」「うふ、ひ、ひふ」
 ぴったり吸い合う唇のすきまから、呻きとも呼吸ともつかぬ空気がもれでる。
 ミシミシと相手の腰を砕く勢いで抱きしめあいながら、ボクたちはカラダを重ねあわす
一体感に酔いしれていた。息つぎも忘れて相手の口腔を蹂躙し、腰をこすり合わせながら
乳房を、うなじを、背筋の敏感な部分を、互いに感じそうな場所すべてを刺激しあう。
 「んンーン、ンフ、ク……」
 ディープキスを続けながらボクは朝霧をみつめていた。過不足ない美少女の条件をそろ
えた顔はみにくい拘束具に傷つけられ、大きくたわんでいる。顔を裂く鼻フックのベルト
は残酷で嗜虐的で、けれど彼女をカラダを重ねるきっかけを作ってくれたのだ。不思議な
陶酔と、もっともっと虐めたいような気持ちがわき上がってくる。
 そろっとお尻に手をまわし、後ろの穴をツプンといじってやろうと思った瞬間。
 カハっと息を吐きだした朝霧が、それと一緒に大量の唾液をドロドロとボクの喉に流し
こ込んできたのだ。急激な侵食に息がつまり、ビクビクッと全身が痙攣する。
76ライト・ハグ(19):02/07/08 19:59
 引き攣ったボクの指は彼女のお尻をえぐり、朝霧は瞬間的に爪先立ちになってのびあが
っていた。ブルブルッと、たとえようもない刺激が、快楽の波が、じかに乳房を、下半身
をつたって、ボクの中にまで流し込まれてくる。
 ミチリミチリとこすり合わせていた腰同士が、一瞬たわむように動きを止め……
 「ン、んフーーーーー」
 「ひギィッ!!」 
 そして、言葉を失くしたまま、爆発的な快楽の閃きがボクのカラダを灼き尽くした。 

 コトがすんだあとも、気だるい余韻がボクたち2人をひたしていた。まだまだ日の長い
夏の日差しが、美術室の机にくてっと横たわった2つの裸を照らしだしている。
 よくよく調べたら首輪はバネ仕掛けになっていて、あっさり外れたのも笑い話だった。
 「最初からこういうの狙ってた? やけに、手際よかったもんね、瑞樹」
 「首輪は偶然だったけど……でもまぁ、ボクは、かわいい女の子が好きだからサ」
 「キザな台詞。ホント、瑞樹って男の子みたい」
 世間的に、こういう同性同士の関係がどうなのかは分かんない。けれど、ボクの答えを
聞いてプッと吹きだした朝霧杏子は、やっぱり溌剌としていて……
 そして、かわいかった。

 後日、ボクは美術教師の仁科に、首輪のことを訊ねた。どんな返事が帰ってきたと思う?
”知り合いのアダルトショップの経営者に、製作を頼まれた”だって。 
                                   <FIN>
77GZ:02/07/08 20:03
以上です。
あぁぁ……ナンバリング、2度もミスってるし。打つ出し能。
ひねた内容でスマソです。

「ライト・ハグ」
>58-76
「ライト・ハグ」
>>57-76
>「ライト・ハグ」
拝読しますた。

……しばし声もナシ……
こうきましたか……
しかもこのオチ……(゚Д゚)

ツボを直撃された漏れは、激萌えの奔流の中でいいように流されますた。
描写力はいまさら評価の必要もないほど手馴れていて、
>重なった唇の隙間から洩れる、ちょっとつやめいた少女の喘ぎが、ボクは心地よかった。
このへんなんかもう勉強させていただきまくり。
しかも鼻○○○に○輪(ネタバレボウシ)というソッチ方面属性バリバリの漏れにとっては、
もうなんだか自分も、書きたくて書きたくてたまらなくなりますた。

さて、【HARD】ご希望なので、言わなくてもいいつぶやきを一つ。
ま、ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノお聞き下さい。

アレを着けられたにしちゃ、その後の会話がちょいとフツーすぎな気がしますた。
直後はイイ感じですが、
> 「あは。瑞樹こそ 中略 るよ」
> 「ホラ、窓見て 中略 いいもん」
> 「うふふ、瑞樹がクー 中略 じゃん。ねぇ」
あたりはサクサク喋りすぎかと。
「……」を多用するなりして、「未だ顔にまとわりつき感」「不自由感」を維持すると、
萌えが持続するものとおもはれまふ。
ああああああ、ふだんこんなんばっか書いてるから口うるさくてスマソです〜

乙〜&ナイスな作品をありがとうです〜ヽ(´ー`)ノ
誰が書いたかわかりやすすぎというのは禁句?
81GZ:02/07/08 21:51
>>79さん
>拝読しますた。
すばやい感想、ありがとうございます。
>激萌えの奔流の中で
おぉぉ。まさに感謝の極み。
一人称なので、こういうチャレンジャブルなのは萎えるかもなと危惧してましたが、
ズバッと切り込めたようで何よりでした。
エロ物書きとして、同じ幻想に萌えていただく同士が増えるのは何よりの喜びだと思われ。
当選の舞でも踊りたい気分です(・∀・)

それと、HARDの批評大変に感謝です。
実は、自分でも鼻OOOがわりに指でつまんで声を確かめたんですが(藁、
思ったより会話がスムーズなので、あまりワザとらしいのもあれかと直しをいれてました。
でもま、ヘタレ芸人の宴会芸などTVで見るといかにも不自由そうだし、実際はもっと
ハードかもしれないですナ。
もう少し研究した方が萌えやすかったでしょう。勉強させていただきますた。

>誰が書いたかわかりやすすぎというのは禁句?
ん、いやぁ、まぁ、あははははは(汗
全然おっけです。つか、この書き方しかできないもので。
誰が書いたかバレる方が、エロ投稿するよりよほど恥ずかしいのに今気づいたり。
82寝太郎:02/07/09 21:04
>GZさん
「ライト・ハグ」、拝読しました。

 いや〜……イイッス。
 自分は本来、レズものは苦手な性分なんですが、ときおりその好みを
突き破ってくれるような作品があるんですよね〜。
 今回のコレは、まさしくそうでした(^^ ごちそうさまです。

 (1)〜(3)あたりの杏子嬢、可愛いですねっ。
 ……人の言うことを聞かないあたり(笑
 ああいうタイプの可愛らしさをもった女性キャラって、大好きです。
 実際、この短い文章中でこれだけキャラを立てて、かつその魅力を十分に
振りまかれているトコは、ホント脱帽です。

 あと、(14)〜(15)の”転”の部分、『ヤラレタ』って感じでいいですよね(^^

 ともかく、全編通して、大変楽しませていただきました。

 ああ、それと、
>56
>堪能させていただきました
 ありがとうございますっ。
>黄金パターンのコンボ。
 いや〜、自分はとにかく、『お約束』が好きで……(笑
 実際、みんなが楽しめるシチュだからこそ、お約束なんだと思いますしね。
>ラストシーンも余韻が残って、さわやかで(・∀・)イイ!!。
 ありがとうございます。
 今回心配だったのは、この分量の短編の、いわばエピローグに当たる部分を、
こんなに長くして(3/15レス)いいのかなあ? ということでした。
 それでも皆さんこんなふうに言ってくれるので、ホッとしてます(笑
83電気屋:02/07/09 21:07
『ライト・ハグ』読んだ〜。
そーか、そーきたか。ぢつは○合であったとわ。おぢさん一本取られちゃいました。

会話っスけど、コレはお話なんで過剰な演出もアリだと思うっスよ。
少々大げさにいかにもな表現するのはむしろ吉だと思うっス。
それよかぽにてだと首輪から伸びるタイプの○○○はしっぽが邪魔なんでわ?
などと思ったり。フェイスハーネスならおっけーなんスけどね。
あとね、「少女」なんて言い方すんの、おやぢだと思う。
同年代が相手を呼ぶのに少女とか少年とかって使わないんでないかなァ。
やつがれはそう思うんで、「女の子」とか使うよーにしてるっス。
GZさん、電気屋さん、あの責め具は不自由さがメインじゃないよ〜

いびつに歪められ、面と向かって話せないほどの禿しい羞恥がメインです。
しかも、全○マスクとかなら、鏡で見ないと、
その異様さが装着させられた本人にはわからないけど、
アレはその押し潰れた感じで、どんな有様か鏡なしでもわかるところがミソ。

どうせ主アイテムに持ってくるなら、
その醸し出す羞恥で(;´Д`)ハァハァな雰囲気を
余すところ無く表現してくだちい。ヽ(´ー`)ノ
マニアでゴメソ。
85電気屋:02/07/10 17:12
>>84
へい、アレは辱めを与える道具。けして拘束具じゃあござんせん。
でもね、話し方がふがふがしちゃうのってミジメやん、みっともないやん、
当然自分のブ○面イヤでも思い浮かべさせられるやん。
話し方をそーするコトで、辱めをより強く演出することは出来ると思うのヨ。
86電気屋:02/07/10 18:03
しまった。アゲてしまった。すまぬ。
8784:02/07/10 22:06
>85 なるほどヽ(´ー`)ノ
88GZ:02/07/10 22:19
激オソにしてまとめレス、まことにスマソです。

>寝太郎さん
>本来、レズものは苦手な性分なんですが、ときおりその好みを突き破ってくれるような
いやもう、ここまで言っていただければ何よりのホメ言葉かと。
キャラがひっくりかえった時点で一人称に共感できず萎え、ってのがもっとも不安だったので。

>この短い文章中でこれだけキャラを立てて
ありがとうございます。(自分で書きこなせる、数少ない)得意なタイプのキャラなので、
楽しんでもらえたら何よりです。ハタ迷惑なキャラですが、書いてて楽しい女の子ですた(藁


>電気屋さん
感想ありがとうございます。ちうか、
>ぽにてだと、邪魔でわ?
指摘されてはじめて気づきました。感謝です。
ポニテでなく、ツインテールにでも修正すべきで砂。

会話はたしかにそうですね。
もちっと羞恥バリバリの、鼻声で苦しそうなので突っ切っても良かったと思います。
「少女」も、言われてみりゃ当たり前ながら、まったくボケボケで痛いご指摘でした。
そりゃそーだ、3人称じゃあるまいし(藁
非常に的確なご指摘、参考にさせていただきましたです。


>>84さん
感想ありがとうございます。

>面と向かって話せないほどの禿しい羞恥がメインです
>どうせ主アイテムに持ってくるなら、その醸し出す羞恥で(;´Д`)ハァハァな雰囲気を
あー、やっぱそうッスよね。
自分でも、書きつつ「微妙くせー」とか思ってたところをズバッとつかれて痛いです。
なんか、恥ずかしいはずの○○○を自分でつけたがる辞典でどーじゃろ、つう感じ
でしたが、しだいに勢いがのってあらぬトコ炒っちまったようです。
深く勉強させていただきマス。
89山田sun:02/07/11 00:37
作品名:「汗」
執筆者:山田sun
段階表示:【HARD】……判断の一切をお任せします。
予定レス数:5

皆さんはじめまして。今まで自己流で書いてきたもので、
自分では小説として成立しているかどうかすら、判断がつかなかったりします。
スレ汚しと呼ばれるのを覚悟で、乱入スマソです。
90汗(1):02/07/11 00:38
ある夏の夕方、風もなくべっとりと暑い中、僕は放課後の教室に戻った。
明日から期末試験だというのに、机の中に辞書を忘れたのだった。

さすがに今日は部活の連中も早く帰ったようで、校内は静かだ。
窓を締め切られた校舎の中はさらに暑く、全身から汗が吹き出てくる。
暑さに嫌気が差し、早く用事を済ませようと勢いよく教室の戸を開くと、
机に突っ伏していた女子が顔をあげ、僕と視線がぶつかる。
それは同級生の桜原美咲だった。

大人びた面長の顔に真直ぐな黒髪、切れ長の目をした美人タイプで、
今までにかなりの数の男子がアタックを試みた。
だが彼女は、冷めた考えと無愛想な言動で他人を寄せ付けようとはせず、
女子に親しい友達すらいないようだった。

「ちょっと、忘れ物しちゃってさ……」

僕は、なぜか弁解するような口調で言った。
彼女は背筋を伸ばし、無表情で僕のほうを向いたまま、机を前に押しやる。

「どうぞ」
91汗(2):02/07/11 00:38
一瞬その意味が理解できなかったが、それが僕の机なのだと気付いた。
(どうして僕の席に?)
心の中で、妄想と期待が急激に膨らんでいく。

「よ、よかったら一緒に冷たい物でも飲みに行かない?おごるよ。」

彼女は僕の言葉をまるで無視し、机を指差して冷ややかに言う。

「忘れ物を取りに来たんでしょ?」

僕はその態度に少し腹を立て、会話をつなげる気をなくした。
彼女に背を向け、机の前にしゃがんで、中の辞書に手を伸ばす。

いきなり僕は、胸がギュッと締め付けられるのを感じた。
驚いて視線を落とすと、背後から桜原の細い腕が巻き付いている。
振り返った僕の目の前に、眼を閉じた彼女の端正な顔があり、
唇に熱く柔らかいものを感じた。

(桜原さんが……僕にキスを!ウソだろぅ!!)
92汗(3):02/07/11 00:39
ポカンと開いたままの僕の口に、暖かい舌がスルリと入ってくる。
僕は思考を失い、口の中で舌を絡ませるのに夢中になった。
ペニスが急速に膨張し、ズボンの中で窮屈になる。

桜原の手が、胸から滑るように下がってきて、ズボンの膨らみで止まった。
心臓の音が頭の中で響く。それが自分のものなのか彼女のものなのか、
僕はその判断もつかないほどに興奮している。
ジッパーが降ろされた後、トランクスのスリットから冷たく柔らかな指が
入ってきて、僕の固く張詰めたペニスに触れた。

たまらない気持ちになり、向き直ろうとして体を捻りかけた途端、
桜原はペニスを痛いほどきつく握り、厳しい口調で僕に言った。

「そのままにしてないと止めるわよ。」

僕は素直にあきらめ、彼女のいいなりとなることにした。
ベルトのバックルがはずされ、耳元に彼女の声が聞こえる。

「ズボン汚しちゃうといけないから、脱いで。」
93汗(4):02/07/11 00:40
僕は立ちあがり、ズボンをトランクスごと膝まで降ろした。
彼女は後ろに膝で座った体勢のまま言う。

「それでいいわ。動かないでね。」

尻の肉を左右に広げられ、熱く、ねっとりとした物が僕の肛門に触れた。

(さ、桜原さんが舐めてる!?僕のお尻の穴を!)

彼女の舌が滑り込むように侵入し、波打つように動く。
僕は膝から力が抜けてしまい、机に両手をついて体を支えた。

「うぅ……ん……」

生まれて初めて、お腹の中を舐めまわされる気持ち良さのあまり、
思わず声を出してしまった。恥ずかしさに顔が熱くなる。
彼女が舌を離し、立ち上がって背中にもたれかかりながら耳元でささやく。

「このままキスする勇気ある?」
94汗(5):02/07/11 00:43
僕は答える代わりに顔だけ振り向き、彼女の唇にかぶりついて舌を吸った。
今まで自分の尻穴に入っていた物だと知りながら……

向き直って彼女を抱きしめたい衝動をこらえ、僕は夢中でキスをつづける。
彼女の指が巻き付くように僕のペニスを握り、撫でるように動きはじめた。
手の動きが速まってくると、すぐに発射してしまいそうになったが、
この快感をいつまでも味わっていたいので、必死に耐える。

静かな教室の中に、2人の荒い息遣いが響いていた。
彼女の額を流れた汗が、僕の鼻先にぽたぽたと落ちる。
3度目の快感の波が来て、また僕が耐えようと身構えた瞬間、
彼女の指が肛門に挿し込まれ、中で掻き回すように動いた。

「ああんっ!」

僕は女の子のような声を出して喘ぎ、ついに射精してしまった。
へなへなと尻餅をつくように座りこんでしまった僕を、彼女は優しく抱きとめ、
白いハンカチでペニスをきれいに拭いてくれた。

「夏休み、絶対補講になんかなっちゃだめよ。頑張って。」

彼女は、そう言い終えてから僕の頬にキスし、立ちあがって一人で教室を出ていく。
僕は頭の中が混乱したまま、暑い教室の床に座って机の上に散る精液を見ていた。
95山田sun:02/07/11 00:45
終わりです。

アンカー
>90-94
「汗」
>>89-94
>89
いやこれはある意味相当高度ですよ。
たった5レス分でこの濃さとは。
こういった雰囲気に属性の無い漏れでも、
ソノ前後のあたりではビキーソとポキーしまそた。
なんの説明もなくイキナリはじまり、思わせぶりで終わる……(・∀・) イイ

さて、【HARD】ご希望なのでザクソとぶった切ると……
体位的にチョト窮屈すぎる印象がある(実際には可能かもしれないが)のが気になったのと、
これは好みの問題かもしれないですが、アナール→写生の描写がなんか足りないというか、
せっかくここまで持ってきたんだから、あと1レス多くして、
そのあたりを濃厚にネッチリ書き込むと、
前半の盛り上がりがドドォームと爆発できたのでは。

非常に意地悪い言い方だが、そのあたりの描写は「知識のみの合成」、
といった感じが払拭できず、合成なら合成でもっと二重三重に表現すべきかも。

ともあれ、女○様系のコに引き摺られてイキナリ萌えたのは初めてですた。
すごいインパクトありますた。
しかもたった5レス分で。
……(;´Д`)ハァハァ
 (・∀・) イイ

投稿乙〜&ありがとございますた〜
>>89
読ませて頂いたので感想を。
なかなかテンポがよくて、いいと思います。
前後の無駄を省いているので、かえって強いインパクトが
生まれたのではないでしょうか。

ただ、少し情景の作りこみが足りない気がします。
>>97さんの体位の話もそうなのですが、例えば

>心臓の音が頭の中で響く。それが自分のものなのか彼女のものなのか、
>僕はその判断もつかないほどに興奮している。
というのは、自分が彼女の胸に手や耳を直接当てていないと難しそう
ですし
>彼女の額を流れた汗が、僕の鼻先にぽたぽたと落ちる。
というのも、よほど下を向いていない限り、額から出た汗は顔面を流れて
顎から落ちると思われます。
文章に書く前に一度ドラマか映画仕立てで場面を思い描くと
いいと思います。

あと、文章の歯切れがいいので、一人称小説よりは
三人称小説の方が向いていたのではないでしょうか。
さらに細かいことを言うと、鍵括弧を閉じるときの直前の「。」は
小説では書かないのが作法だそうです。
99電気屋:02/07/11 19:08
ンマい!山田く〜ん、ザブトンやっとくれ。
これは「この短さでこの濃さ」でなく、「この短さだからこそのこの濃さ」ですナ。
ムダを省いたからこその鮮烈さ。
不足を書き足すのと不要を省くの、難しさは断然後者っスよね。やつがれはどーも
ムダに書き込むクセがあるので、こーゆー凝縮するセンスの持ち主がウラヤマしー。
それに、いきなり問答無用でアナルディープ舐めつーのもタマらんっス。思わず
ケツむずむず来ちゃったっスよ。えぇ、モチロン勃ちましたとも。

情景描写の具体性は、やつがれはコレでいーと思います。
細部をキッチリと書こうとすれば、それだけ情報量が要求され、当然それだけの
文言を費やせねばなりません。そーしたら、持ち味のキレの良さが削がれます。
やるべきコトがあるとしたら、文章にする前に、脳裏に思い浮かべた映像自体の
解像度UPでしょうか。なるべく具体的な映像をイメージできれば、文章化する
際にも、情報量をふやすことによってではなく、情報の精度UPによって描写の
具体性も上げられると思うっスよ。
100三輪緒:02/07/11 23:13
ふと目に入ったので参加させていただきます。

作品名:「教えてくれる?」
執筆者:三輪緒
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
予定レス数:2(とても短いです)
101三輪緒:02/07/11 23:14
「ねえ、男の子のオナニーってどうするの?」
 淳は思わずコーヒー牛乳を吹き出しそうになり、慌てて飲み込んだ。その拍子
に気管に詰まって激しく咳き込み、机に突っ伏す。
「ちょっと、だいじょうぶ?」
 美弥が淳の背中をさすって、さり気なくティッシュを取り出して彼の鼻から漏
れたコーヒー牛乳を拭き取った。
「いきなりなんてこと言うんだよ、お前は」
 ようやく落ち着いた淳がティッシュで鼻を押さえながら、眉をひそめて美弥に
向き直る。
「だってさ、インターネット見ても男の子のオナニーの写真って見つからないん
だもん」
 淳は再び机に上半身を倒れ込ませた。
「そういうことを堂々と言うもんじゃないの」
「男はずるいよね。そういうの一杯見れるもん」
 彼の話など聞いちゃいないという風に、美弥はほっぺたをぷうっと膨らませて
怒ったふりをする。
102三輪緒:02/07/11 23:14
「で、何で俺に言うわけ?」
「淳なら見せてくれそうだから」
「誰が見せるか、そんなもん」
「じゃあ」
 そういって美弥は、悪戯っぽく、そして艶っぽい笑顔で囁いた。
「あたしとエッチする時なら、見せてくれる?」
 心臓のビートが急ピッチで上がってゆく。
「マジ?」
「うそ」
 近づいた美弥の顔が、すっと離れてゆく。
 笑っていた。でもその顔は、ちょっと照れたような色を帯びていた。
「いつか見せてね!」
「誰が見せるか、ばーたれ!」
 そして、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響き始めた。昼のほんの一時
の戯れ。だが、それはただの戯れかどうかは、美弥を問い詰めなければわからな
いだろう。

            「あたし、本気だよ?」

−fin−
103三輪緒:02/07/11 23:16
考想5分、執筆20分。校正10分と1時間足らずで完成。
ここのお話は一人称ばかりなのと、えっちシーンが目立つのでばっさりカット。
少ない文章でどこまで萌えさせることができるか。
そこはかとないエロさを追及してみました。
すぱーんすぱーんもいいのですが、こういう触れ合いのないじゃれあいってのも好きです。

なお、男の××画像はホ○系のサイトから探せます、って何を書いているんだか。
他の方々の作品への感想はまた後ほど。
「教えてくれる?」
>>100-102
105山田sun:02/07/12 00:38
>96
アンカー訂正、ありがとうございます。
いきなりミスってますね(´д`;)

>97,>98,>99電気屋さん(まとめてレスで申し訳ないです)
自分で良し悪しの判断つかぬものを、いきなり延々読ませるのは気が引けまして、
なるたけ短くまとめようと心がけました。
が、やはり写生に至る後半の性行為は、もう少し書きこむべきだったかもと後悔。

体位について、今読み返してみましたら、ご指摘通りだと思いました。
自分でも無理ありすぎだと思う……
書いてるときには、まったく気が付いてませんでした。
情景の描写も含め、

>文章に書く前に一度ドラマか映画仕立てで場面を思い描くといい
>文章にする前に、脳裏に思い浮かべた映像自体の解像度UP

と、具体的な方法を教えていただき、自分の弱点がはっきりわかりました。
やはり人に読んでいただくのって大事ですね。

>鍵括弧を閉じるときの直前の「。」は 小説では書かないのが作法だそうです。
作法は知ってるつもりでいたのですが、知りませんでした。面目ないです。

皆さんのご意見、大変勉強になりました。ありがとうございました。
106山田sun:02/07/12 00:57
>三輪緒さん
僭越ながら、感想書かせていただきます。
短いながらも、初めから素直に情景が浮かび、読み進めやすかったです。
ただ、滑らかに話が進みすぎて物足りない感も……
なにか「意外な発言」みたいなのが欲しかったような気がします。
>100
>少ない文章でどこまで萌えさせることができるか。
萌えましたです……(;´Д`)ハァハァ それなりに。
そういった点では十分目的を達せられているでしょう。
濃縮とそぎ落としのバランスも良く、テンポも良いと思います。
読後感も、ほほえましさがいつまでも残る感じで、
こんな萌えもいいな〜とマターリヽ(´ー`)ノ楽しくなります。
ありがとうございますた。

さて、【HARD】ご希望ということなので、正直な感想を一つ。
マターリヽ(´ー`)ノとお聞き下さい。ヽ(´ー`)ノ

明文化されていませんが、このスレの主旨としては、
一応、読みきりのショートストーリーを目指していると思われます。
ということは、食い物で言えばコンビニの仕出し弁当のような1セットですね。
ご飯、メインの惣菜、おまけの惣菜、サラダ、香の物がセットになっている。
で、御作の場合、この弁当のうちの、一つの惣菜のみ完成された、という感が否めません。
他の作家の方は、御作に相当する部分を含めて、全体として1作品に仕上げて
おられるような気がします。

ですので、もしよろしければ次回ご投稿の節は、もう少し(短くとも)読み応えのあるもの
を目指していただくと良いかと存じます。

いや、でも大変書きなれてますね。とても自分ではそんな時間で書けません。
ご投稿、乙〜でした。(´∀`)
108名無しさん@ピンキー:02/07/12 01:07
保守あげ &

<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-41
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
109寝太郎:02/07/12 07:35
>>89
>山田sunさん
>『汗』
 ……思わず絶句しちまいました。
 いきなり始まって、突然翻弄されて、そのまま余韻を残して去っていく……。
 いや、スゴイです。
 文章として書かなきゃならないノルマはきっちりこなしてますし、
やってる行為も濃いし、呆気にとられてしまいました。
 読後、その後の展開を色々と想像しまくり、そのせいで余計に
興奮してしまうような、そんな作品ですね。

>>100
>三輪緒さん
>『教えてくれる?』
 拝読しました。
>じゃれあいってのも好き
 じゃれあい、いいですね(^^
 手慣れた感じを受ける文章も読みやすくて、テンポもいいです。
 萌えさせる為の最短・最小限の文章って感じですね。
 後は読み手が、どこまで脳内で補完できるか(主に情景を)で、
この作品に対する評価は大きく変わりそうですね。
110三輪緒:02/07/13 23:48
 感想、どうもです。
 ううむ、やはり短すぎましたか。ネタをぎゅうぎゅうに詰め込むのも少し飽き
ていたので、あっさり風味に仕上げてみたのですが……。次回はこってり風味で
いきますので、汚名返上の機会はその時に。それとも、もう一作出してもいいの
かな?
 掲示板の行数制限がちょっとツラいですね。一つのレスで、ある程度の盛り上
がりを作らなければならないような気になってしまうのが難しいところ。

 今回の話は、一通り全体を通したストーリーを組み立ててみたのですが、ここ
で発表するにはどうにも長すぎる。短くすると、ここですでに発表されている話
とだぶる部分も多くなる。それならば、お互いの関係が見えるような会話の中に、
エッチな言葉を織り込んでみてはどうか、というのが今回の話というわけです。
 どうもネット小説は一人称がやたらに多くて、へそ曲がりの私としては絶対に
やってやるもんかというわけで、語り口は三人称に決定。
 食い足りないというのは私の技量不足。短い話でお約束事をできるだけ使わず、
萌え狂わせたかった……。
 手慣れているというのは、それはもう、書き続けているからに他なりません。
かえってそれで失ってしまったものがあるようで、今ひとつ心に訴える作品をモ
ノにできないのが今の悩みです。それを取り戻すために、今努力しているところ
です。
 しかし書いていた期間より寝かしておいた時間(中2日)の方が長いよ……。

 一応私は、現在ネットでは作品を発表していませんが、2ちゃんの幾つかのス
レで書いていたりします。興味があったら探してみてください。
111三輪緒:02/07/13 23:48
 それでは、今までに作品を発表している方々への感想をば。

作品名:「ひみつ」
段階表示:【EASY】  ……ひたすら長所を褒めてくれ!

 若いっていいですね〜という青臭さがいい雰囲気になってます。
 佐沢サンが、私を食べて(はあと)と迫る様子も、拳で男の頭をぐりぐりとね
じり倒してやりたくなるような甘さが、身悶えしたくなるほどに良いです。この
幸せ者! という感じ?
 男の視点というのも、この話の雰囲気にはあっているかな。女の子の視点から
も見てみたい気がしますね。


作品名:「同級生」
執筆者:寝太郎
段階表示:【EASY】  ……ひたすら長所を褒めてくれ!

 なんか上の感想と同じ出だしなんですが、若いっていいねえ。青春の暴走って
やつですか。先生殴っちゃうところもいいですよ。こういう考えも無しに一発っ
て奴は大好きです(一発には両方の意味があります<おいおい)。
 女の子がリードしたりするところが一番好みかな。なんだかんだいって、前か
ら目をつけていたんじゃないかってくらい大胆なのもいいなあ。
112三輪緒:02/07/13 23:48
作品名:「ライト・ハグ」
執筆者:GZ  
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。

 最初の一節でピンときましたね。なぜなら、私も同じことを考えていたから。
 ならばこの出だしは、ちょっと惜しい。後のオチに繋がる流れを生かすのだっ
たら、こういう会話を最初に持ってくるのはやめておいた方がいいでしょう。冒
頭からちょっと下った会話の中で、さりげなくはさみこむのがグッド。
 でも、このシチュエーションはいいですね。ぐっときますよ。舞台設定と小道
具もいいです。この組み合わせでこの話の何割かは得してます。
 しかし、この内容で「ライト」ってのは……ヘビーですねえ、これ。これがラ
イトだというなら、ヘビーの方を見てみたい気がします。


作品名:「汗」
執筆者:山田sun
段階表示:【HARD】……判断の一切をお任せします。

 流れが急展開し過ぎ、というよりも文章量に対してネタを詰め込み過ぎのよう
に思います。もう少し女性への視点が欲しい所ですが、それが男の焦りを表現し
ているともとれますね。これはこれでよし。鋭いナイフのような切れ味と表現す
ると褒め過ぎかな? もっと練れば日本刀並になりそうです。
 でもまず、少なくとも話を書き上げたという時点で、書こうかなあと言ってい
るだけの人達より一歩リードしている訳ですし、文章にも"色気"を感じます。
 小説は枚数を書けば、それなりに上達します。アマチュアの最大の利点は、締
め切りが無いことですから、じっくり書いてください。あとは、いかに読者の視
点に立てるかどうか。ネット小説の多くは、作者の自己満足小説に留まっている
という弱点があります。これを打破できるかどうかで、だいぶ違ってきますよ。
113山田sun:02/07/14 01:32
>三輪緒さん
ご指導ありがとうございました。
いろいろと自分の直すべき点が見えてきたんで、
もう少し考えながら書き続けてみます。
>110
>もう一作
どうぞ〜ヽ(´ー`)ノ
てか、是非。

ただし同一キャラの使い回しはスレ違いですので、予めご了承下さいまし。
115感想マシーン1号:02/07/14 04:47
コノスレッドノタメニカイハツサレタ、カンソウマシーンデス。
ミナサン、ガンバッテエロショウセツヲカイテクダサイ。

「ひみつ」【EASY】
題材(オンライン作家の主人公が……)の選び方から、するっと読める気軽さまで。
一人称としても没入感があるし、描き込みと読みやすさのバランスもいい。
なにより、ヒロインが『男に都合のいいエッチ好き娘』なのが、エロ小説的には大正解だ!
これは申し分ナシだ、グッジョブ! さらなる執筆に励んでください。

「同級生」【EASY】
全体的にさわやかさを保ちながらも、導入部のインモラルさは演出として成功している。
さらにそれが、うまく主人公の横恋慕につながる。このあたり、じつに妙味がある。
青春物としての空気と、エロ小説としての演出は、見事なくらいに均整がとれている。
台詞と地の分の比率など、文体もスッキリしていて、これは読みやすくていいぞ!

「ライト・ハグ」【HARD】
主人公(一人称の視点の主)を用いた叙述トリックとしては、あきらかに萎え系だ。
性別をしらしめる、生理感覚的な描写が伏線として足りていない。
だから、『作者が都合よく演出している』感が強い。これが萎え感の一因となる。
読者に没入感を与える描写や、文体などに工夫を加えてみたまえ。まだまだできるはず!

「汗」【HARD】
カメラ小説となってしまっている。描写がだらーっと続くだけ、という印象しかない。
途中で力強い一文がほしいところ。心理描写にも、工夫を加えるべきではなかろうか?
()で二ヶ所ほどあるが、これは一人称なのだから、地の文でやってしまっていいはずだ。
さらなる研究と実践を経て、大きく成長することを願っているぞ!

「教えてくれる?」【HARD】
手法と描きたいことの組み合わせが、あきらかに間違っている。
三人称としては描写が薄すぎて、人物の印象や風景などがまったく伝わってこない。
こういった台詞コントこそ、一人称でやるべきではないか、と思う。
さらに「男のオナニーを見たい」は女の子の萌えで、題材としてもありきたりすぎる。

マターリヽ(´ー`)ノナノデ、ヨンギョウシバリデカイテミマシタ。
116三輪緒:02/07/14 12:02
二編目を、ちょっと変わった趣向で行かせていただきます。
 一人称は嫌だと言った舌の根も乾かぬままの、一人称小説。ネタのこねりかた
といい、ひねくれてますね、私(苦笑)。自己満足的な話になっていないか、少
々不安です。


作品名:「ささやかな同窓会」
執筆者:三輪緒
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
予定レス数:5
117三輪緒:02/07/14 12:02
 あは、愛美。お久し振り〜。元気そうだね。ささ、入って入って。
 あたし? あはは、元気に決まってるじゃない。愛美の方はお腹の子供も元気
そうだし。急に呼び出してごめんね。そのかわり、腕によりをかけてご馳走作っ
たからさ。楽しみって言われると嬉しいわあ。
 今日は泊まっていくんだよね。奈美ちゃんと享君はおばあちゃんの家だっけ?
 早いよね、奈美ちゃんも四月から小学生なんだ。年取ったなあって気がするな。
 うん、そうそう。呼び出した件だけどさ。
 実はあたしも結婚することになりまし、て。ちょっとお! そんなに驚くこと
ないじゃない。
 相手? 作島クン。ほら、高校の同級生だった。……憶えてない? 作島勇治。
何となく? ま、そんなもんか。三年間一緒だったんだけど、あいつ、同窓会に
も顔を出さないから愛美も顔を憶えてないか。そのカレと、ね。
 んー。知り合ってからだと、もう十四年? 高校一年の時からだからさ。お互
い、もういい年なんだしってことで、なんとなくと言いますか。実はもう、籍は
入れてあるのよ。だから今のあたしは、作島姓です。へへっ。
 今日はそういう意味もあって、愛美に報告がてらささやかなパーティーをとい
うわけで。これ、ノン・アルコールのスパークリングワイン。ほんのちょっぴり
アルコールが入っているけど、これくらいなら大丈夫だよね。愛美、呑んべだか
ら飲めないのはつらいでしょ。旦那さんにも許可貰ってあるし、お祝いだからつ
きあってね。
 それじゃ、かんぱーい!
118三輪緒:02/07/14 12:03
 馴れ初め? うーん、忘れちゃったなあ。お互い一目惚れだったってことは確
かだよ。それで、すぐにデートして。初エッチも夏休みになる前だったな。
 そんなに驚かないでよ。そりゃ、愛美には話してなかったけどさ。
 皆がいる時は話とかも全然しなかったから、愛美も気付かなかったでしょ。あ
たしのことならおしゃぶりの色だって知ってる、赤ん坊の時からお隣同士だった
あんたも騙せたんだから他の人が気付くはずもないわよね。
 勇治とはいろんなとこでエッチしたよ。
 教壇に座って裸になって脚開いて見せたり、すっごくどきどきした。次の日な
んか、まともに前を向けなかったもん。だって、つい昨日、自分がそこでストリッ
プみたいな真似をしてセックスしたんだよ? 見てなんかいられないわよ。
 ん。そうそう。その時。愛美も良く憶えているね。担任の釘田の奴に怒られた
日。でもそれが病みつきになっちゃってさ。やっぱり若い時の方がいろいろなプ
レイができていいわよ。四十八手なんか一応全部試したもんね。でも結局、前と
バックと上か下かって基本さえ押さえていればいいのよねえ。
 教室ではよく素っ裸でエッチしてたな。上履きとソックスだけはいてね。それ
で放課後の廊下を歩いたりすると、もう心臓がばくばくいって破裂しそうなんだ
けど、一度やったらやめられないのよ。あたしって変態? そかそか、愛美もそ
うしたかったんだ。やっとけばよかったのにね。
 でね? うん。色々な教室でエッチしたなあ。職員室でもやったよ。夏休みに
さ、ちょうど職員室に誰もいない時間があってね。その時はゴム用意してなかっ
たから、生だったけど。スカートまくって、パンツずらして。興奮したよお。勇
治のやつ、二回も中に出しちゃってさ。危なく先生に見つかるところだったわよ。
でも、すっごくよかった。あとでソックスに垂れてきちゃって大変だったけど。
119三輪緒:02/07/14 12:04
 勇治は一年の時にあたしの方が唾付けたはずなのにさ。それが三年になったら、
立場逆転なのよ、これが。どっちかというとそれまではあたしがリードする感じ
だったんだけれども、三年になったら勇治が逞しくなって……え? やだ! そっ
ちじゃないわよ。まあ、あっちも、ね。お口でしてあげたりしてたし、それはそ
れで……もう! 愛美ったら何言わせるのよ!
 うん。で、ね?
 もう一、二年の時に変態チックなプレイは一通りやっちゃってたわけ。軽いS
Mとか、リモコンローターで授業中に攻められたりとか、下着無しで学校に来た
りとか、電車で痴漢プレイとかコスプレプレイとかさ。羨ましい? あはは。旦
那さんに今度頼んでみたら? 男の人って、結構そういうの好きみたいよ。
 三年生になってからかなあ。ベッドでエッチというのが普通になったのは。週
末になったら、勇治の家でこってりと濃〜いエッチをするわけ。それまでは少な
くとも二日に一度はエッチしていたわけだけど、受験ってこともあって回数も少
なくなっちゃって。
 二人とも溜まるわよお。やりたい盛りだもん。一応、安全日でもゴムは付けて
たけどさ。日曜なんかもう朝から、さあ今日はやるぞーっ! ってな感じでやる
気マンマンなわけですよ。勉強するって名目あったけど、あたしなんかもう、エッ
チがしたくて勇治の家に行っていたりするわけ。それを勇治がうまーくそらした
り、じらしたり。さんざんじらされてからエッチをすると、もう全身どこ触られ
てもびんびんに感じちゃってね。
 それで、二人とも結局、仲良く一浪したというわけ。そりゃあ、勉強しないで
エッチばっかりしてればそうなるわよね。
120三輪緒:02/07/14 12:04
 そうねえ。高校の時の小遣いは、かなーり避妊具代に消えてたね。勇治なんか
デート代に加えて避妊具代でしょ。年がら年中ぴぃぴぃ言ってたわよ。でもちゃ
んと避妊はしてたな。そのへんは偉いと思うよ。あたしもちゃんと買ってたもん。
うん、美子さんの薬局で。割引もしてくれたし、常連デシタ。あはは!
 やっぱり男は最初の教育が大事だとおもうのね。最初にがつん! と言ってお
かないと、生でやらせろだの飲めだのとうるさいわよ。大学の時につきあってた
奴なんか、危険日に生でやらせろ、なんて言いやがんのよ。妊娠しても俺の知っ
たことじゃないなんてアホなこと言うから、玉蹴っ飛ばしてやったわよ。
 え? 勇治とつきあっていたんじゃないかって? それはねえ、大学とか就職
とか別々の道へ進んだから、いろいろあったわよ。喧嘩なんかしょっちゅうだし、
嫉妬したりされたり、一年くらい会わなかったりしたこともあったな。
 結局、十人くらいとつきあったかな。セックスもしたし、結構深入りしちゃっ
た人もいたな。結婚を申し込まれたこともあったよ。某電器メーカーの製品開発
してる人で、この前新聞に出てた。びっくりしたなあ。彼ももう結婚して子供も
いるみたいだけど。幸せだったらいいな。
 でもやっぱり、勇治が一番なの。心の深いところにたまってるって感じで、気
がつくと側にいてくれる。一緒にいて疲れない人なんだ。
 ふふっ。いつも愛美の旦那様ノロケ話を聞かされているから、そのお返し。あ
たしもそれなりに恋多きムスメだったワケですよ。でも結局は最初の人と結ばれ
るってのは、愛美とおんなじだよね。
121三輪緒:02/07/14 12:04
 あっ。噂をすればなんとやら。おーい、入っておいでー。
「三奈理!」
 おい、こら。これはノン・アルコールだってば。取り上げちゃ嫌だよう。
 ビックリしたでしょ。これが、旦那の勇治。いい男だろ? ほら、目をきらき
らさせない。あんたはもう旦那持ちで、3ヶ月後には三人目の子供だって生まれ
るんでしょうが。
 はいはい、無理しないから。あんたも手を洗ってきなさいよ。
 え? わかってた? 服がいつものジーンズじゃないからなんとなくって?
 さすがはお母さんだなあ。うん。あたしも妊娠してマス。まだ2ヶ月だけど。
病院行って来ました。ブイッ!
 別に妊娠したから籍を入れたってわけじゃないんだけど、子供ができたからな
のか、すごく彼を頼りにしたいって思ってさ。籍入れてから産婦人科行ってね。
そしたら急に勇治が優しくなっちゃって、気持ち悪いくらい。こんなに優しくで
きるんだったら、いつもそうしろって……こら、頭をぐりぐりするなあ!
 ねえ、勇治。この人が、いつも話している愛美。あたしの幼なじみね。幼稚園
の先生やってたんだ。
 こらあ。何が失敗しただってのよ! そんなにあたしがお嫌? ならとっとと
帰って。どちらにしても今日は愛美が泊るんだからあんたは泊めてあげないわよ。
籍入れたからって、急に旦那面しないでよね。
 はいはい、喧嘩はやめます。大丈夫だって。こんなのしょっちゅうだし。勇治
も早く手を洗ってきて。脱いだ靴下はカゴの中にいれといてよ。いつも放ったら
かしなんだから。
 それでは、久し振りに揃った3年B組の、ささやかな同窓会を始めますか!
122三輪緒:02/07/14 12:14
アンカー

「ささやかな同窓会」
>>117-121
「ささやかな同窓会」
>>116-121
>116
読み物としてはスゲー面白いですね〜!!
なーるほど、こうゆう書き方もあるんだー

弾丸のようにまくしたてつつ、状況説明&エチーネタまで織り込む。
すばらしい技を見せていただきますた。


書きまくり煩悩全開でもうスキーリなら、以下は読まないで下さい。
_________________________________
【HARD】指定なので、チョト歯に衣着せぬ意見をば。
ご自身で書かれている通りです。
>ネタのこねりかたといい、ひねくれてますね、私(苦笑)。
「書きたい」と「萌えさせたい」が、それぞれ別の煩悩支配野とすれば、
この手法おいては、後者はあきらめた方がよさそうです。
>自己満足的な話になっていないか、少々不安です。
なってます〜ヽ(´ー`)ノ
語りの中から状況を説明させているため、冒頭の情報が少なすぎで、
「え?え?いったい何をまくしたててるの、このヒト?」
という説明不足感が、ずっと引き摺られてしまいます。
やっと状況が呑み込めた頃には、エチーの話も半ば過ぎでザネーン。
あと、用語が古い感じがするのは漏れだけでしょうか。
125三輪緒:02/07/14 17:05
 ご意見どうもありがとうございます。
 やっぱり匿名とかでないと語れないことも多いし、こういう場があるのはあり
がたいですね。
 しばらく物語を紡いでいなかった報いが来ています。まだ語りたいことと手法
がうまく頭の中で合致してないのかな。ちょっと手探り状態です。
 書き慣れていることと、書きたいことが書けるというのは違うんだよなあ……。
つくづく、この世界は深い。
 内容についての説明とかは書いてもいいわけにしかならないので、ご意見・ご
感想は、次回に活かしたいと思います。

 二本投稿させて頂きましたが、三編目はありません。次回のお題までお休み。
 他の皆さんが直球ストレートなので、ひねくれ屋の私はパームボールとかナッ
クルとか変な方で攻めさせてもらいました。アンソロジーということなので、こ
ういうのもどうかな? ということです。でも、暴投したんじゃ意味ないよな。
 だけど、ここのところ書けているのがふしぎなくらい。ここ数年、全っ然話が
書けなかったんですよ……。もう絶不調でした。また書けなくなるのが怖くて、
暇さえあればキーを叩いています。もうスランプは嫌だあ〜。

 正直な話、なんで他の人はこんなに上手いんだというどろどろとしたものが脳
味噌の中に溜まって……。ああ、上手くなりたい。自分の下手さ加減に嫌になり
つつも、また書けなくなるのが怖いのでキーを叩く。鬱の下降スパイラルですわ。
126124:02/07/14 17:40
>125
>鬱の下降スパイラルですわ。
おっとっと。
書き手の煩悩優先のマターリヽ(´ー`)ノスレに投稿して、
ウトゥになられたんじゃ困るな。って叩くなよ>漏れ(;・∀・)
でも【HARD】指定は、
>やっぱり匿名とかでないと語れないことも多いし
これを長所として活かすための合言葉。
以前、文芸投稿所とリク投稿所でご意見いただいた漏れは、
直球がどれだけ心に刺さるか知ってます。
でも、本当に嬉しかった意見も多かった。
でもでも、2,3日立ち直れないほど鬱になった。
でもでもでも、役に立った。

ですから、またぜひ投稿してください。
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノと。
こんどは評価【EASY】で。

>他の皆さんが直球ストレートなので、ひねくれ屋の私は
>パームボールとかナックルとか変な方で攻めさせてもらいました。
まずは直球でいきましょうぜ。
もう直球がウザく感じるほど、書いて書いて書きまくってらっしゃるのでしょうか。

>アンソロジーということなので、こういうのもどうかな?
それは、もちろんオッケーです。
十分面白かったですし。
>でも、暴投したんじゃ意味ないよな。
暴投とは思いませんが、まずは直球がよろしいかとヽ(´ー`)ノ

>ああ、上手くなりたい。
>自分の下手さ加減に嫌になりつつも、また書けなくなるのが怖いのでキーを叩く。
( ´∀`)ドゥーイです。
続きのグチは本スレでどうぞ。
漏れはスレ主ではありませんが、グチくらいオッケーと思いますよ〜ヽ(´ー`)ノ
127GZ:02/07/14 21:20
しばらく見む間にスレ伸びましたね。
つーことで感想と、感想のお礼と。その1

>山田sunさん
>「汗」
クールでSっぽい女の子にいじめられる展開、非常に萌えました。
これ系の属性は自分にはなく、本来苦手ジャンルなのですが、凝縮された展開の濃度が
イイ感じに働いて非常にのめりこめます。
夏のだらだらむせ返るような情景描写と、話の内容がシンクロしてるのもナイス。
完成度高いと思います。

HARDつうことでなにか上げるなら、他の方の指摘する体位とかと同時にもう一つ、
簡単でいいので女の子の描写が欲しかったところ。
何か一つ、髪型とか瞳の感じとかあると、感情移入も段違いのハズなので。
これだけ単語の取捨選択ができるなら、そこまでできると思います。ゼヒもう一押し。


>三輪緒さん
>「教えてくれる」
短いんでまずビクーリ(藁。この長さでチャレンジしたことに敬意を表したいです。
牛乳とか、比喩的に使われているのでしょうか。悪くないアイテムだと思います。
残念なのは、やはり短すぎて男の子と女の子があまりに抽象記号化してる点。
女の子の悪戯っぽい感じをもっと出たら良かったのでは。
128GZ:02/07/14 21:21
感想その2

>三輪緒さん
>「ささやかなお礼」
さきの「教えてくれる」と2つ読んで思ったのですが、「エロのための話」でなく、
「エロありの話」を志向してるなと感じました。そう感じて読み直すと、非常に話の
方向性が見えてきていいかなと思います。
エロ自体はチョト弱いけど、話したい話があってそれが文章からあふれてくるという。
オリジナリティあって、引き込まれる部分が多いですね。

女の子の一人称、独白対面形式(仮にそう表現してみますた(^^)は、非常に
まとめがたいと思うのですが、うまく雰囲気つかんでると思います。ややうるさい
くらいのしゃべりも個性があってよいと思われ。
残念なのはラストの方。
彼女の前に友人が集まってきた時の、友人たちの動きが分かりずらいこと。
(どの辺にいて、なにをしてて、彼女のしゃべりにどう反応してるか)
告白形式だと、読み手はいわば情景が見えない状態なので、その辺もうまく表現されれば
もっと良かったのではと思います。
129GZ:02/07/14 21:22
そして、感想に対するお礼。

>三輪緒さん
たしかに、最初の会話は少々露骨かもしれないですね。
書き手としては、最初にずっしり主人公のイメージを固定して植え付けたくなかったので、
「あれ、この主人公どっち?」とまどわせておきたかったワケです。
>舞台設定と小道具も
ありがとうございます。カビ臭い美術室はムードあるかなと思いました。
「ライト・ハグ」は、女の子同士がじゃれて抱き合うイメージと、ひねた内容を隠す意図ですた。


>感想マシーン1号さん
非常に鋭く有益な感想、ありがとうございます。
主人公の描写は伏線の関係上なかなか書き難かったのですが、感想マシーン1号さんは
どう思われたでしょうか。ネタバレ前にもっと細かく書くべきだったか、ネタバレ後にきちんと
イメージ修正をすべきだったのか。正直言って、話を書きながら相当悩んでいますた。
できれば、感想マシーン1号さんの、もう少し細かい批評を聞きたいところです。
130電気屋:02/07/16 15:48
>「ささやかな同窓会」
やー、似たよーなコト考える人っておるもんやねェ。やつがれもこーゆー形式の
掌編よそで書いたコトあるっスよ。
コレって会話の相手のセリフ書けない上に、書きたいことは会話の中で語られる
だけっスから、二重に間接的。だもんでなかなか思うに任せない。おまけに今の
状況と思い出話の状況と、二元中継でもあるんだよなァ。
でも、コレがけっこー書いてて楽しかったっけ。ちまちま言葉遣い調整しながら
会話としてのバランスとってくってのがオモシロかったんだよねェ。
三和緒殿はどーでした?
131三輪緒:02/07/17 22:33
 電気屋さん、感想どうもありがとうございます。
 今まで思いついたことはあっても、この形式をこうやって最後まで形にした
のは初めてなもので、多少の不安はありました。実際、説明不足と受け止めら
れたり後の方が駆け足だったりと、慣れない形というのは難しいものです。
 でも、こういう場でもなければなかなか新しい試みはできませんし。
 確かに書いていて楽しいですね。会話文だけでどうやって話を成り立たせる
のかを考えるのは難しいですが、やりがいはあります。一度ざくっと書き上げ
てから、細かい所を調整したりしました。
 ワインの記述とかも、一応裏を取ったりして(はい。シャンパンはシャンパー
ニュ地方の特定の西方のワインのことで、「ノンアルコールのシャンパン」と
いうのは存在しません)。
 また機会があれば、この形式に再度挑戦したいと思います。

 今はなんか、大昔に星新一氏のショートショートを読んで、友達と一緒に物
語もどきを書き始めた頃のような、日々新鮮な気持ちで話が書けるのがしみじ
みと嬉しい、ただそれだけですね。

 それと私、三「輪」緒なんですが〜ヽ(´ー`)ノ
 改名せよとのお達しなのでしょうか(笑い)?( ゚д゚)ノ


 GZさん、どうもありがとうございます。
 ストーリー優先と看破されてしまいましたねー。とはいえ、ストーリーもま
だ未熟なのですが……くくく。上手くなりたい。
 上でも書いたとおり、元がショートショートで次はSFにはまった人間なの
で、エロはかなり後になってから読んだ口です。それゆえか、エロが添え物的
になってしまうのが悩みであります。官能小説と名乗ったら団○六先生にくび
り殺されてしまいそうです。
 表には出せない未完成の話の中にはひたすらエロを追求したものもあるので
すが、今見てみると弱いですね。いつかはエロの巨匠と呼ばれるように、精液
を絞り尽くすような文章を書けるようになりたいものです。
132名無しさん@ピンキー:02/07/18 11:56
保守あげ

さて、同級生で1編書いてます。
本スレ1様後復活までマターリと持たせたく候。
133あぼーん:あぼーん
あぼーん
>132
保守もsageで平気ですよ。板の圧縮時に優先してdat落ちするのは、
・1000に達したスレ
・最終書き込み日が最も古いスレ
といった順番があるはずです。
sage続けても、書き込みさえあれば保守は可能ですよ。

ちょっと自分でも調べてみてくださいね。お願いします。

●保守はsageでも十分役割を果たす。
●間違ってageてしまった時には、慌てず「広告ホイホイ」スレをあげれば吉。

エロ漫画小説板広告避けホイホイU
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1020535568/
エロ漫画小説板用広告取り紙スレ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1019086980/

>134,135
油断した隙にダト落ちの苦い経験があったもんで…

スマソ。 氏んでくる。
137感想マシーン1号:02/07/19 01:24
ハードノバアイハ、テカゲンシマセン。
ホントウニキバラシナラ、イージーニスルノモヒトノチエデゴザイマス。

「ささやかな同窓会」【HARD】
これは一人称ではなく、独白といった形ではないのでしょうか。告白体験記風ですね。
エロ小説としての致命的な欠点を指摘すれば、『インモラルさ』が欠落しきっていること。
エロを「めずらしくもない行為なのだよーん」と貶めているだけになってしまっています。
読者が男性でも女性でも、「読んだ人に発情してもらうには?」といった研究をするべき。

>GZさん
機械に頼っていては真の力を引き出すことなどできぬ。
キミの真実は、己の股間にのみ宿る……と知るがよかろう。

ミナサン、キラクニカキマショウネ。
138感想マシーン1号:02/07/19 01:29
カンソウマシーンナノニ、カイテシマイマシタ。てへ。

作品名:「月の瞳」
執筆者:感想マシーン1号
段階表示:【NORMAL】】……良い所と悪い所を均等に教えて。
139月の瞳(1):02/07/19 01:31
 乙木七海(おとぎななみ)には、夜の儀式とでも言うべき日課がある。
 窓際で自慰を行う。二階建ての家にある自室、そこに置かれたベッドの上が祭壇となる。
 軒を接した隣家の窓、観客がいるとすればそこにしかいない。
 そして、狙いはまさしく、その部屋の住人に見てもらうためだけであった。
「準ちゃん……」
 七海が口にしたのは、幼なじみの美河準(みかわじゅん)の呼び名だった。
 幼い頃から、ずっといっしょで――同級生でもあった。
 好きだった。愛している。でも、それを自分から告げたくはない。準に気づいてほしい。
 だから、窓辺で懸想にふける。大きな黒瞳で、思い人の臥所を見やりながら。
「どこでも、触っていいんだよ」
 男は髪を撫でるのが好きなのだろうか。
 そんなことを思いながら、七海は準の手つきを想像する。背に落ちてゆく長い髪を撫でつ
けて、ゆるやかに気分を高めていく。せつない吐息が夜気にまぎれて、無為に消えた。
 幼少の準は、女と見紛う愛らしい少年だった。
 今は、頬骨の張った男になりつつある。きっと、手も筋ばっているに違いない。逞しい筋
肉のついた腕で抱きすくめられたい。がっしりした腰をぶつけてもらいたかった。
 自分の手に想像の手を重ねて、七海はふくよかな胸元をまさぐりだす。
 下着はつけてない。綿のパジャマは、女の肌にやさしい手応えを加味してくれた。
「準ちゃん。乳首、勃っちゃった……よ」
 こりこりと指に当たる、とがった突起がある。
 桃色で、男が吸いたがりそうな、きれいな色をしていると思う。
 そこに触れていいのは、もちろん準だけだ。
140月の瞳(2):02/07/19 01:31
「は、ァ……こ、こんなになってる。おかしくなり、そう」
 両手が乳房を揉みしだく。
 男は――準は、どんなふうに、ここをいじくりまわしてくれるのだろうか。
 やがて手のひらはするすると落ちて、肋骨の線がかすかに浮いているあたりをなぞる。
 下半身、腰の奥にきゅうっと血が集まってきた。
「いっぱい、触って」
 下腹に力を入れて、臍のあたりを右手でさする。
 反対の手は、腿をさぐった。パジャマは上半身のみを着ている。脚は剥き出しとなって、
闇の中に白く浮かんでいた。外側から内側へと、中年じみた執拗さで這いまわらせていく。
 男の動きを思い浮かべるのが、ひどく楽しい。それが準なら、たまらない。
 本物なら、もっといいはずだ。
 ぞくり、と寒気さえする。
「フぅ、あ、いい、よ。すご、く。準、きて」
 指を接してもいないのに、七海の秘裂は潤いだしていた。
 濡れている。熱く、じっとりと牡を手招く湿り方で、執拗な情念を吐き出していた。発情
した動物の放つ香気、フェロモンがじわっと室内に満ちていく。扇情的なアロマであった。
 七海の鼻腔に、己の下卑た淫猥さが到達する。
「あ、ァ……」
 ぶるり。
 風が訪れ、熱くなった体が震えた。たまらなさげに腰をくねらせ、夜の息吹を浴びて身悶えする。陰核に触れることも、陰唇を撫でさすることも、下着の上から慰める必要もない。
 そういう絶頂感がやってきて――去った。
141月の瞳(3):02/07/19 01:32
 七海は、悲しげに細い肩を抱く。
「……準ちゃん」
 形の整った鼻に皺を浮かせて、スンと鳴らした。
 今日も準は来ない。教室では、あまり話すこともない。情欲めいた目つきをするだけだ。
 七海が自身へ愛撫を加える時に、カーテンの隙間からやってくる視線。
 それが、準の答だ。
 その先へと導くために甲斐もなく続ける。男を誘う方法も知らない、少女の手口だった。
 通じない思いを胸にしまって、七海は床に伏せた。さびしい体を毛布でくるむ。
 この日も、結局は、枕を湿らせるだけとなるはずであった。
 からり。
 窓の滑る音がした。がたん。誰かが来る。願いが通じた、布団にくるまり七海は硬直。
「七海」
 名前を呼ばれた。準の声、待ち遠しく焦がれていた相手から誘ってくれる呼びかけだ。
 七海は――。
 二人の行為をのぞき見るのは、夜空に輝く月色の瞳だけとなった。

     (閉)
142感想マシーン1号:02/07/19 01:36
カイギョウモレ、ゴメソ。モクジ、コウシン。

<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-41
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「月の瞳」 >>138-141
サイト持ちではなくて、2チャンに投稿してるぐらいっすが(w
覗きにきたら、感想マシーン1号サンと遭遇したんで、記念カキコ。

「月の瞳」

良い所:
余韻がイイでつ。
短い中に、「これから起きる何か」を想像(妄想?)
させてくれる幕切れが良いです。
文体も格調高い。
少女の切なさが、上手に伝わってきます。

悪い所:強いて言えばって事で、勘弁でつ。(マターリ
素材(男を知らない少女が、同級生を誘う)と文体とのマッチングに、ちょっと疑問符が。
もっと長いお話になると、それも緩和されると思いますが。
準のイメージが伝わりにくいのは、この長さではやむなしと。
当方女性ですが、自慰シーンは若干萌え足りなかったっす。

でもこの長さで、この雰囲気の伝わり方、お見事でございました。
お疲れ様です。
>138
プロか、あるいはセミプロか。
アマチュアでも楽園上位にいたどなたか。
そんな安定した文章力とお見受けしました。
良い意味で先が読めるリズム、
すなわち読者が「こうなってほしい」と思う方向へ、
ぎこちなさのかけらも見せず誘導する手腕。
普段聞きなれない形容詞でも奇異に聞こえない、
語彙の豊富さと、表現力。
すごいですねぇ。

評価【NORMAL】ってズルイですよ。
だって悪いところは漏れの脳じゃわかんないもん。
強いて言えば短すぎ?
でもこれだけ綺麗に、余韻をのこしつつまとめるなんて。
ああプラス評価になっちまった(´Д`;)

スバラスイものを読ませていただきました(゚∀゚)!
サンクス&乙〜です。
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ

少しマターリしてきましたので、すでに書きはじめてる方、参加表明よろしく〜
>145
14KB 12レス分。
ただいま推敲中。
長すぎ……鬱。

作品名:「クラスメイトボンデージ」
執筆者:名無しさん@ピンキー
段階表示:【EASY】
予定レス数:12(このレス除く)

こんなの絶対無いよなってバカバカしい設定で、文字通りのコトをやらせてみました。
しかも本番なし。
ヌキネタには使えませんので予めご了承下さい。
 今日、僕は今までの人生に於いての一大決心をしている。
 初めてプールのスタート台から飛び込むとか、親父に小遣いの値上げを要求するとか、
エロ漫画を掴んでレジに出すとか、今までの僕の人生で少しは「勇気」というものを使っ
ただろうと思われる状況とは、比較にならないほどの大決心だ。
 自分でも、なんとなくそういった性癖は持ち合わせてるとは思ってた。だが、それがはっ
きり自覚できたのは、3年ほど前に本屋でSM雑誌の表紙を見かけた時からだ。
 縄で縛られる体。吊るされ、鞭打たれる、緊迫感と緊縛感。そんな中でも僕のお気に
入りは、アメリカンボンデージと呼ばれる皮ベルト多用した拘束具と、顔を固定してしま
うマスクだ。
 最初は雑誌を買う勇気もなく、閑散とした本屋で、オヤジの目を盗んで立ち読みする
だけだった。その当時としての一大決心をして、やっと1冊買い、それこそページが擦り
切れるまで読んだ。
 そして、雑誌の内容もさることながら、巻末の広告に載っているSMショップに、一度
でいいから行ってみたいと思っていた。そんな想いがグルグルと渦巻き、ついに限界に
達したある日の放課後、僕は雑誌の住所を頼りに行ってみることにした。
 大人の街にあるマニアックな店には、どんな格好で入れば良いのかわからないので、
ジーパンに皮ジャンで妥協した。駅のトイレで着替え、コンビニで買ったサングラスを掛け、
夕方の歓楽街を歩く。財布には、なけなしの小遣いを貯めた5万円が入っている。何を買う
つもりでもないけど、何かは買って帰りたい。折角勇気を出して行くのだから、その証が欲
しかった。
 妖しげな大人の街に負けないようにと、意気込んで駅を出てみたものの、その店は表通
りに面しているので、道往く人はそんなに妖しげではない。OL、ビジネスマン、そしてやっ
ぱり、僕でも水商売系とわかる女性。
 ビルの壁面に打ち付けられた住所表示板で確認し、古びた雑居ビルの名前を確認して、
リノリウム張りの階段を上がる。2階にあるピンクの電飾のついた、黒い分厚い扉の前に
立つ。ああ、これが大人の妖しいお店の雰囲気、何年も前にマセた頭で目覚めてしまった
僕が、ずっと憧れた店の雰囲気なのだ。
 ドア脇のポスターを見る。「ドミナとの夕べ」「コスチューム・フェス」「女性のためのSM
バー、オープン!」
 貼られた写真も現世を超越した世界。こんなことしている大人が、本当にいるのか?
 毎週開催って……? ああ……タメイキが出る。
 意を決して、目の前にある扉を、ついに開ける。グイと押しても開かない! 会員制?
どこかからカメラで監視されているのか? ドクドクと汗が出る。もう一度ドアを良く見る。
 『引く』
 あああああああ。大丈夫か、僕は。ノブを引くと、何事も無かったようにドアは開いた。
 入ったとたんに鼻をつく皮とビニールの匂いが立ち込め、それだけでもう頭がクラクラする。
自分では落ち着いているつもりなのに、喉はネットリと粘つき、唾液が上手く飲み込めない。
 入って左手の棚には、赤や黒のボンデージコスチュームが所狭しと置いてある。金網式の
棚から吊り下げられた、首輪や手械、足枷の数々。そしてその前に立っているマネキンが着
ている、ベルト式の全身拘束具。
 ゴクリ、と生唾を飲む。実物を目の当たりにして、手が震えるほど興奮している。僕はジー
パンで良かったと思った。制御不能な股間の猛りが、今にも厚手のデニム生地すら突き破り
そうだ。
 店内を見渡すと、誰も僕の動きを気にしていない。店員ですらこっちを見ようとせず、カウ
ンターの上から頭頂部だけが見えている。カウンターの脇には、媚薬と思われる妖しげな薬
とボディピアスが並んでいる。僕は心の昂ぶりを悟られぬよう、その前を通り過ぎた。
 店員は低い椅子に座ってうつむいていて、帳簿らしきものに書き込んでいた。後頭部の感じ
からして、若い男性のようだ。耳には大きなボールのついた太いリングのピアスが下がって
いた。
 カウンターを過ぎてさらに歩くと、ビデオと書籍の棚があり、目も眩むほどのコアなビデオや
本が沢山あった。ここが専門店であることが何より嬉しい。当然、ちょっとした恥かしさはある
ものの、少なくとも一般書店でエロ本を買うような、奇異な目線を浴びせられる心配は無いのだ。
 そのままさらに奥へ入ると、棚いっぱいのバイブの山だった。こんなに沢山の種類があると
は知らなかった。毒々しい箱に入れられた、極彩色の男根の模型。あれが……女性のアソコ
に入るのか?
 その棚の裏側には良く雑誌で見る浣腸器や、長いゴム管、得体の知れないポンプなどが並
んでいた。すごい…… 全部本物だ。
 その時、サラリーマン風の男性がビデオを持ってカウンターへ行き、何か尋ねはじめた。
店員は椅子から立ち上がり、説明している。その横顔を見て、僕は愕然とした。
「花井……?」
 花井爽子(はない・そうこ)。クラスの中ではかなり変わっている子だ。中性的な顔立ちと
ショートヘアのせいで、制服を着ていなければ、必ずと言っていいほど男子に間違われる。
しかし女性という先入観をもって見れば、ギリシャ彫刻のような彫りの深めな顔は、すごく
整った美人に見える。
 友達と群れるのを面倒がっているのか、クラスメイトを遠ざけることが多く、大人びた寡黙な
雰囲気も手伝って何か近寄りがたく、いつも教室ではポツンと一人で居ることが多い。
 しかし、そんな態度が同性に受けるのか、下級生たちの中には彼女の熱烈なファンがいる
ようだ。当然、彼女はその子らにそっけない態度をとり続けているが、それがまた火に油を注
ぐ結果となっている。
 この店員は、その花井爽子にそっくりだ。ビデオの客は説明を聞き終わると、そのをビデオを
購入した。店内で棒立ちになってレジでのやりとりを見つめる僕の姿は、店員の目に奇異に映
ったらしく、ビデオの客が立ち去ったあと、僕の方に向き直った。
「やっぱり石垣くんかぁ」
 その店員は、ボソリと言った。
「えっ! 花井……さん?」
「ふーん、石垣くんみたいな人でも、こんなところへ来るんだね」
 僕はとたんに自分の置かれた状況を把握して、真っ赤になった。
「は、花井さんこそ、どうして?」
「だって、ここウチのお店だもの」
「エーーッ!」
 さすがに驚いた。
「いつもはお父さんが店番してるんだけど、お友達とのミーティングがある時は、あたしが店番
してるの」
 花井さんは相変わらずの雰囲気で、小さな声で淡々と答えた。
「花井さんちがSMショップだとは知らなかった」
「本当は、お父さんは輸入代理店の社長なんだけど、関連商品扱ってるうちにショップもはじめ
たの。 あまし聞こえ良くないから、ナイショにしててね」
「あ、も、もちろん」
「今日は、何を探しに来たの?」
「え!? あの、な、なにって?」
「だから、ビデオ?本?それともバイブとか。 石垣くんも隅に置けないわね」
 表情を変えずに冷やかす花井さんに、何て返事していいかわからなかった。
「えーと、僕はただ単にこうゆうの好きだから見に来たんだけど……」
「えー? 彼女いないの? 一人でこんなの買って楽しい? それとも、石垣くんて自縛マニア?」
「そこまで言わなくてもいいじゃん。 だいいち、『じばく』って何だよ」
「ごめん。 だからあたし友達少ないんだな。 あ、ちょっとごめん」
 下着を選んでいたハデなカップルが、何着か持ってレジに来た。
 花井さんがお客の会計をしている間、僕はレジ横の媚薬を手に取って見ていた。
「こんなのって、効くのかな?」
「まあ、キッカケにはなるよ。その赤いキャップのやつは良く売れるよね。最初、心臓がドクンって
なって、しばらくぼーっとしたあと、ちょっと頭痛がするけど」
 会計を終えた花井さんが詳しく答えてくれた。
「使ったこと、あるの?」
「一応、商品だからね、ある程度は知っておかないと」
― ドキ ―
(商品って、バイブもか?)
 喉まで出かかった質問を、ゴクリと呑み込んだ。
「あ、おかえり」
 花井さんの言葉に振り向くと、がっしりした男性ががこっちへ来た。
「何か変わったことあったか?」
「とくになし。 あ、お父さん、こちら同級生の石垣くん」
「こんばんわ」
「いつも娘がお世話になってます。 って、キミも好きだねぇ、その若さでこんな店に来るなんて。
 ゆっくり見て行ってくださいね」
「ど、どうも」
「もういいの? 打ち合わせ」
「おう。 俺が店番やるから、爽子は帰っていいぞ」
「やった。 ……そうだ、石垣くん、お買い物つきあってあげようか」
「ぼっ、僕は、別に……」
「一番欲しい物は何?」
「えと、全身拘束具…… でも着せる彼女も居ないし……」
「ごめん、あたしが変なこと言ったから、買いにくくなっちゃった? うちとしては、ぜひとも
売り上げアップしたいんだけど」
「じゃあ、何か買うよ。 もともとその気だったし」
「お詫びに、あたしがモデルやってあげる。 お父さん、いいよね?」
「おう、でも商品汚すなよ」
「わかってるって」
「ちょ、ちょっと! モデルって……?」
「こっちへ来て」
 花井さんに手を引かれて、革製のボンデージが置いてあるところへ来た。
「どれにする?」
「そんなこと言われても……」
「あたし、コレなんて好きだな」
 花井さんが手に取ったのは、革製のベルトが金属のリングで繋ぎ合わされた全身拘束具。
「い、いくら?」
「3万円。 でも石垣くんなら2万9千円でいいよ」
「そ、そりゃどうも」
「こっちへ来て」
 こんどは試着室の前へ連れてこられた。
「ちょっと待っててね」
 相変わらずボソボソとした小さな声で言うと、花井さんは試着室に入った。
 カーテンの下から見える試着室の床に、花井さんが穿いていたジーンズがパラリと落ちて
きた。その上に、こんどはTシャツが脱ぎ捨てられた。そしてしばらくカチャカチャという、ベルト
のバックルが鳴るような音が聞こえていたかと思うと、急にシャッとカーテンが開いた。
 僕は息を呑んだ。 と同時にちょっとだけ失望した。
 そこには縞柄のパンティと素っ気無いスポーツブラの上から、革製全身拘束具を身に着けた
花井さんの姿があった。
「ここから先は、自分じゃ出来ないんだ」
 ボソッと言うと、くるりと背を向けた。
 僕の目には、花井さんの背中を縦横に走る、黒いベルトが飛び込んできた。その縦の部分に
1箇所、横の部分に2箇所、緩んだバックルがあり、背中の中央には手枷がにぶら下がって
いた。

「締めて」
 あまり付き合いのない同級生に言うにしては、相当にヘヴィーなことをさらりと言う。
「う、うん」
 震える手で、それに触れ、まずは縦のベルトを絞った。
「ウッ」
「あ、大丈夫?」
「平気……っていうか、緩いよ」
「ごめん」
「あと2コマ締めてみて」
「うん……」
 実際2コマ締めるためにはかなり引っ張らないとだめだ。本人がいいと言ってるので、遠慮
なく引っ張ってみると、ごつい皮ベルトがパンティの後ろの布を深く割り込み、お尻が完全に
2つに割れてしまった。
「これでいい?」
 花井さんは少し前屈してみてから、
「うん」
 と言った。
 前屈したとき、ベルトが「ギュチッ」と軋んだ音に、自分がこの性癖に目覚めたときから持って
いた、正体不明の核心に触れたような気がして、全身が電撃を受けたように痺れた。
 じっとり汗ばんだ指先で横のベルトも締めると、花井さんはそれまで体の横に揃えていた腕
を後ろに回して、左右の手首を枷の辺りで重ね、
「これも」
 と言った。
 華奢な手首をそれぞれ分厚い皮の手枷で留めると、花井さんは抵抗の自由を失った。
「できたよ」
 僕が言うと、花井さんはそのままくるりとこちらへ向き直った。
― ドキ! ―
 全身拘束着で戒められた花井さんの体は、下着を着けているとはいえ、僕の僅かに残った
理性など粉々にフッ飛ぶほどエロティックだった。
 白い首には皮の首輪が巻かれ、それは彼女自身の手で、食い込むほどに締められていて、
そこから延びるベルトが乳房を締め上げるベルトの環へと下りていた。
 大振りなTシャツや、学校の制服からはわからなかった、彼女の並以上のボリュームがある
胸は、卑猥な形にベルトでくびり出され、すこしゆったり目サイズのスポーツブラのカップ部分が、
窮屈そうに布目を伸ばしてしる。普通はその布の厚みに隠されて目立つことのない乳首が、
キリキリと締め上げる圧力によって、はっきりそれとわかる形に浮き出ている。
 そして腹部は腰周りをベルトで絞られ、彼女の女性らしい腰のくびれを強調している。この状
態の彼女を見れば、だれも彼女を男と間違えないだろう。
 一番気になる部分に目をやると、その部分は縞柄のパンティがきつく割れた中央の、とても
繊細な部分に荒々しい皮の肉厚なベルトが容赦なく食い込み、単に下着姿を見るよりも何十倍
も卑猥な有様だった。
「どう?」
 僕の沸騰する脳とは対照的に、花井さんは極めて事務的な口調で訊く。
「すごいね。 なんていうか、エロティックだよ」
「そうでしょ。 一番の人気商品だもの」
 商品のことを言ったんじゃないのに、と思ったが、実際商品もエロティックだった。
「あ、下着があると細かいとこわかりにくい? ごめんね、試着のきまりなんだ」
「ううん。 じゃ、それ、買うよ」
「ふふふ、まいどー」
 拘束具で縛られたまま言う。
「他にはいいの?」
「他って?」
「口枷とかブーツとか」
「口枷かぁ」
 彫りの深い花井さんの口に食い込むボールギャグを、思わず想像してしまった。
「いくら?」
「3千円」
「それももらうよ」
「お買い上げなら、試しに嵌めてみていいよ」
「エッ」
「唾で汚れるから、普通は試着できないけどね」
 僕は背後の棚から、真っ赤な穴あきボールのついた、ボールギャグを持ってきた。
「はい」
 花井さんはパカッと口を開け、目を閉じた。ドクドクと高鳴る心臓をなんとか落ち着かせながら、
整った上下の薄い唇の間へボールを押し込み、ピアスを巻き込まないように注意しながら、彼女
の頭の後ろでベルトを留めた。
「ろう?」
「スゴイよ…… あれ? けっこう喋れるんだね」
「まあれ」
 僕は花井さんをじっと見つめた。拘束具で無抵抗な上に、唇を醜く割り開かれて、今にもよだれ
をこぼしそうな花井さん。ほっそりした頬と、そこへ食い込むギャグのベルトのコントラストが痛々
しいほどに美しい。
「らりよう」
「いや、花井さん綺麗だなーと思って」
 意外なことにこの時、突然花井さんが真っ赤になった。
「ひやっ」
 多分『いやっ』と言っているのだろう。突然体をくねらせて僕の目を避けるように横を向く。その
時僕の目は、花井さんのパンティの股の部分が、暗く湿っているのを見てしまった。
 僕はちょっと意地悪く、羞恥に体をもぞもぞとくねらせる、この同級生の女の子の肢体を見つめ
続けた。
「ひやぁぁ……」
 耳の付け根まで朱に染めて、さっきまでの事務的な表情から、羞恥の表情に変わっている。
 発音の自由まで奪われ、僕が気を利かせて解釈しなければ、解放を哀願することも出来ない。
「ろっれ……」
「え?」
「ろっれ」
舌でギャグのボールをコロコロと回す。
「あ、うん」
 僕は我にかえり、急いでボールギャグを外してあげた。
「んぱっ…… ふう。 ごめん、取り乱しちゃって。 石垣くんがヘンなこと言うから」
「でも、素直にそう思ったから」
「ありがと。 あ、これも脱ぐね。 汚しそうだから」
 花井さんはくるりと後ろを向いた。
僕は彼女を拘束している手枷を外し、背中のバックル3箇所を緩めた。
「待っててね」
 手が自由になった彼女は再びカーテンを引いた。カチャカチャと音がして、試着室の床に、先ほど
まで花井さんの体を戒めていた拘束具が置かれ、代わりにジーパンとTシャツが取り上げられた。
 カーテンが開いて、花井さんが出てきた。手にした全身拘束具のベルトの一部をしげしげと眺め
ている。
「汚したかもしれないから、新品と代えるね」
「え、いいよ、いいよ。 どうせ誰に着せるわけでもないんだから」
「…………」
「…………」
 花井さんと僕は、同時に言葉に詰まってしまった。
「それじゃあさ……」
「あたしが着るよ」
「……花井さんに着てもらおうかな? なんて」
 僕が、とっさに思いついたつまらない冗談に、花井さんの言葉がカブった。
「えっ?」
「あ!」
 とたんに、花井さんはさっきのように耳まで真っ赤になった。普段感情に乏しそうな子が、ここま
で羞恥を露にするのを見ると、本当に心を曝け出してるのが手に取るようにわかって、胸が締め
付けられるほど、花井さんのことをかわいいと思ってしまった。

「お会計して」
 渡された拘束具とボールギャグを持って、花井さんのお父さんに会計してもらう。カウンターの
お父さんはニコニコ笑っている。
「さすがに御目が高いね。 ところで、ボールギャグはサービスしてあげるから、この編上げの
全頭マスクも買わない?」
「いくらですか」
「2万円でいいや」
「じゃあ、もらいます」
「まいど。 全部で4万9千円ね」
 結局持ってきたお金を全部使ってしまった。
「娘ともどもごひいきに〜」
 面白いお父さんだなぁ。

 店を出ようとすると、花井さんが一緒についてきた。
「下まで送るよ」
「いいよ、いいよ」
 それでも付いて来た。
― あたしが着るよ ―
 さっきの言葉が、まだ僕の頭の中をぐるぐると回っている。
 階段で花井さんがぐっと僕に顔を寄せてきた。
「さっきの話、ホントだからね」
 いつもの表情の少ない花井さんの顔で言うと、
「じゃ」
 と素っ気無く言って階段を上って行った。
 僕は繁華街の猥雑な外気に火照りを鎮めながら、僕の手の中で恥ずかしがる花井さんの表情が
また見られればいいな、と密かに期待してしまうのだった。

[終]
「クラスメイトボンデージ」
>>147-159
<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-41
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「クラスメイトボンデージ 」面白かったです!

ボンデージやSMとか、フェティッシュなものって
属性に興味のない人間から見ると、なんか痛々しいイメージがあるんですよ。
でも、これは明るく初々しい感じがしますね(サワヤカ系?)
猟奇っぽいジメーッっとしたところはないのに、導入のドキドキ感はバッチリ!
1から4の途中ぐらいまで、ゾクゾクドキドキな緊張感タップリの雰囲気で進んでから……
そこで、いきなりの明るい展開が不意打ちみたいに効きました。
(ホントに「エーッ!」って笑いそうでした)
お父さんなんかも、ちゃっかりした商売人のキャラが立ってて、会計の場面がいい感じw

最後の会話とか(〜ホントだからね」の部分とか)も萌えましたよ。
ヒロインのそっけない自然さとも、すごくマッチしてると思います。
フェティッシュなファッションとして「ボンデージもアリか?」とか、ハマリそうです。

読者が変に勘繰らなくていい直球、ってのがズバリわかった気がします。
定番のシチュとか多いのに、根っこの部分が面白い、ってこういうのなんですね。
しかも、サクサク読めるんですよね(セリフのテンポとか、なんか読みやすいw)
楽しい作品をありがとうございました!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
本スレ342様……神!!
そして162様……神!!アーンドいいひとだーヽ(´ー`)ノ
ご感想ありがとうございます〜〜

あまりの放置プレイに逝くところですた……(´Д`;)
おりしも本スレはジサクジエーンの話たけなわ。
漏れもタマシイが許さないので「新作うpされてるよ」とも書けず……

 (´Д`;)ヾ アリガトゴザイマスタ…
   ∨) 
   (( 

>読者が変に勘繰らなくていい直球
普段どちらかというと「からめ手系」が多いもので、
バカバカしいほどズバリというのを書いてみたかったです。
なるべく短くまとめるというこのアンソロスレの指向性に沿って
普段まず絶対書かないほどあからさまに書いてみました。
それで萌えていただけたならもうしわあせイパーイですヽ(´ー`)ノ

このスレで書いてスキーリ!!
重ねてありがとうございますた。
164向こうの342:02/07/23 15:39
うお、そんなたいしたことしたつもりではないっすが(汗)
むしろ本レスに342書いて、「ならお前が感想書いて来いや」ってつっこまれやしないかと思ってたくらいなんで(藁
ってか自分は出来悪いなりに小説書いてる身なのに、感想もまともに書けなくて欝。
修行も兼ねて逝ってきマス。

ちなみに、どこがどう面白いかもはっきり言葉で表現できないヘタレではありますが、「クラスメイトボンデージ」楽しく読ませていただきますた。
>164
書き煩悩だだ漏れスレなんで、
「楽しかった」の一言で十分です。
ありがとうございますた〜

>感想もまともに書けなくて欝。
それじゃあ書き手にまわってわどお〜か、と言ってみるテスト(w
「月の瞳」 >>138-141
すごく好みの作品でした…どきどきどきどき(;´Д`)
「すきだから、したい。」という気持ちがリアルで、
女の子が願い求めているロマンティックエロへの、
胸騒ぎプロローグ的作品でした。萌えさせて頂きました!
たった3レスであれほどの作品を書けるのですね…。
感想マシーン1号さん、好きです(告白)
167本スレ342:02/07/24 02:28
>165
漏れの文章は、ここで皆様方に混じって世に知らしめていいものでは断じてないと自覚してますんで(藁
一応、元は非アダルト物書きだったんですわ。
最近になってアダルト書きはじめてみたけど、さすがに簡単にはいきませんで。
ここのアンソロスレ立った頃、いっちょ書いてみるかと思ってたら、各々方の投稿文にすっかりビビリ入ってしまったわけです。
シチュは考えたけど頓挫。
それに書いてるうちにお題が次に行ってしまいそうだし(藁
参加するにせよしないにせよ、もっと修行して出直すてきます。
<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-41
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
169名無しさん@ピンキー:02/07/25 06:32
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノage
ここはsage進行のはずだが、、、
171169:02/07/25 15:25
>170
す、すまぬ…… 停滞してたので、つい……
逝ってくる。
ずーれーもOKなのかな?
>172
桶。

既にあるし(;・∀・)
>169
停滞してたら感想でいいのでは?
あと、感想だから(・∀・)イイ!!とか程度でも許してほしい。
「どこがどういうふうに良くて〜」とか、いちいち細かくわからないから。ゴメソ

つーことで「ささやかな同窓会」が(・∀・)イイ!!
エロさは足りないけどニギやかな感じがしてこういうのスキ。
175三輪緒:02/07/25 21:54
感想です。うう、感想を書くのをさぼっていました。キーボードが壊れまして……。

・「月の瞳」感想マシーン1号さん
 何か一幅の絵を見ているようなイメージのある話ですね。
 乾いた言葉遣いと、静かな夜の月明かりの下で想い人を脳裏に浮かべつつ一
人遊びに耽る女の子という組み合わせがうまく噛み合って、想像力をかきたて
てくれます。
 ただ、単語や表現はもう少し選んだ方がいいかな? とは思いました。「中
年じみた執拗さ」というのは、ちと気分的に萎えます。言葉のテンポも、まだ
手を入れる余地はあるように思えます。
 小説、というよりは詩に近い感じ趣のある話でしたね。余韻を感じさせる風
情があります。ええ話や〜。


・「クラスメイトボンデージ」名無しさん@ピンキーさん
 グレイト! サイコーです。ヌキネタに使えない? とんでもない!
 確かに、まず現実的にはありえない話ではあるものの、同級生に出くわし、
彼女がモデルになって品定めを手伝うというシチュエーションは激しく燃えま
す。正直、ヤラレタ! と感じました。
 ハート直撃、轟沈です。
 続きものは無しというのがこのスレのお約束ではあるものの、続きを読みた
くなってしまいました。別のスレでもどこかに投稿でもいいから、このカップ
ルの続きが読んでみたいです。
 今回のアンソロの中で、今のところ一番お気に入りです。
>174
>停滞してたら感想でいいのでは?
う〜ごめん。全部感想書いてるので……(´Д`;)
他のスレ管理の癖であげちまったんだよおおおぉぉぅ

>(・∀・)イイ!!とかでも
十分とおもはれ。
放置プレイが一番こたえるとおもはれ……(・д・)
>>176
まあ、あまり気にしなさるな。
今回あがって別にさしたる問題は起こってないしね。
常にあがりまくってるわけでもないから、大丈夫でござろう。
>176
漏れも気にしなくて(・∀・)イイ!!と思うデシ

心配症のようなので、ちゃんとセツメーしておくデシ
『スレの圧縮時に最終書き込みの日付で判定して、順位はソートされる』
dat落ちの条件とかは、ガイシュツ(>134-135)にある通りデシ
落ちる時は何をしてても落ちるから、心配してもムダー、つーのもあるデシ

そして、名無しだからこそ感想は何回書いてもいいと思うデシ
「自分だけじゃヤダ!」なら、他板のSS系スレまで宣伝に行くとかいう手段もあるデシ
方法はいろいろあるので、みんなでがんばるデシ
>175
ご感想ありがとうございます。
>彼女がモデルになって品定めを手伝うというシチュエーションは激しく燃えます。
おお、なんか命中したみたいでつね。

>今回のアンソロの中で、今のところ一番お気に入りです。
ひゃー!もう恐れ入谷の鬼子母神。

>続きを読みたくなってしまいました。
書いちゃいました(;・∀・)
ていうか途中ですが。
ふたりだけでギチギチ革拘束ゴッコするところを、
ネチーリ・ミチーリ書いたら、長くなりそうな罠。
どうしたらいいでせうかね。<うp
完成したらお知らせしますので、
棄てアドでも取っていただければメールしまつ。
180電気屋:02/07/26 23:25
>>179
てけとーな上げ場所ないならウチであずかりますが。
ウチの小説はSMモノが中心っスからカラーも合うし。
個人的には縄のが好きっスけど、花井さんのキャラはとっても気に入ったので
やつがれも続きはゼヒ読んでみたいもんっス。普段クールな彼女がギチギチに
拘束されてヒイヒイいうトコなんて……うをう。
亀でつが、好きでつ、クラスメートボンデージ。
長さを感じなかったっす。
>>179-180
うお。
楽しみでつ。
うp待ってまつ。
>181
サンクスです。
しかし続編キヴォンヌが出るとは……
書いちゃう漏れも漏れだがアヒャ(゚∀゚)!
つてようやく8割書いて15KBオーバー。
本編よりなげーぞ。おっと続編の話はスレ違いですね。

とにかくご感想サンクスですた〜
ドヨウノヨルニガヲー! スレノハイウェーニガヲー!
マズハ、カンソウノオレイデス。ミナサン、アリガトウゴザイマス。サンクス。

お返事、まとめてで申し訳ありません。
女性の方から感想が多いのには驚きました。参加者、ほとんど男性と思ってました。
ご指摘の通り、書こうとしたのは『濡れ場のある風景スケッチ』的な文章です。
主体は情景。このあたり(書き手の色気)を見抜かれたご慧眼、感服つかまつった。
みなさん、ご自身の眼力を信じて、今後も創作に励んでくださいますように。

>143さん 速攻で鋭い感想をくださったのに、遅くてすみません。萌え不足も謝罪。
>144さん アマチュアだっ。類語辞典の使用や主語の削り、研究すればキミもできる。
>166さん ドキドキとかロマンは、やっぱり大切ですよね。私もキミが好きだぞっ。
>三輪緒さん 感想の一行目がもう、そのものズバリで、あなた超能力者ですか。

トテモベンキョウニナリマシタ。カンシャシテ、コレカラニイカソウトオモイマス。
ソシテ、カンソウデス。レンゾク、スマソ。

「クラスメイトボンデージ」【EASY】
じつに痛快な作品。文体的な演出、全体にメリハリが利いて、迷いがない。
バランスの傾き具合が、かえって痛快な効果を呼んでいる、とでも言うべきか。
セリフ主体で読みやすく、メインの試着シーンなどは描きこまれてわかりやすい。
『これが自分の正しいエロだ!』と明確に抱いた人の作品、そのように感じました。

ツギカラハナナシニナリマース。ミマモッテイルノデ、ミンナガンガレ。
185感想マシーン1号:02/07/28 00:32
ッテイウカ、スデニナナシジャネエカ。キカイノクセニ、イイカゲンダナ(w

>三輪緒さん
>142での目次更新漏れ、ゴメソ。次から気をつけます。

デ、コンドコソ。ミナサン、ガンバッテクダサイ。
>184
ゴカンソウアリガトウゴザヒマス〜(つい

>『これが自分の正しいエロだ!』
ありがとうございます〜
しかし濃すぎ故、もうあと2編ほど投稿すれば、
「皆同じパターンじゃん」という評価を受ける罠。
スレ違いなんで、続編に関する書き込みは最後にします。
捨て垢とりました。
ttp://japan.pinkserver.com/antholo/index.html
2週間で消えるそうです。

ちなみに、ご感想等一切不要です。
188ハアハア@181:02/07/29 12:01
>>186-187
感想不要って……あうあうあ〜〜(クチパクパク
言いたい。言いたいけど、スレ違いによって自主規制。
ありがと、ありがとね〜〜。(感涙中
それから、自分の趣味的にはもっと濃くても大丈夫!w
久々のコテハン(w

さてさて、未だ「同級生」で書いてる方、練ってる方、いらっしゃいますか〜?
即、お題変更するわけではありませんが、そろそろ収束し、新お題募集しても宜しいかと。

書いている最中に方を置き去りにすることは致しませんが、
書いてるという意思表示を頂戴したく思います。

*** 書いてる方、「書いてるぞ〜!」とカキコしてくだしゃい。 ***

また、新お題の募集を開始したいと思います。

レンジ広めなわりにツボを刺激するようなお題をおながいします。

例:【いもうと】 【再会】 【悪戯】

その他「シチュお題」とかでも宜しいかと。(【再会】なんてそれに近いですね)

ご意見お待ちしてます〜〜
書いている最中に方→書いている最中の方

あうう、誤字訂正しようとして書き込みボタン押しちまった。鬱氏
提案:
ガイシュツの題材については、
『占め切らずに継続して受付する』
そういった形でもいいと思うのですが。
そのあたりについてはどうでしょうか?

所感:
あとは……現時点での不安材料なんですけれど。
『全作品分の感想を書いているコテ(投稿者)がすくない』
電気屋さんは投稿されていないので除く、としても
投稿者では二名(+アンソロさん?で三名)だけ。
書いてそれっきりが悪い、とは言わない。みんな事情がある。
でも、こういった部分でモラルの欠落を感じさせると
やっぱりそれはそれでマターリヽ(´ー`)ノが薄れる。
そう思ったので、メモ程度で書くだけは書いておきます。
<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-41
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
>191
>『占め切らずに継続して受付する』
微妙なところですね。
「書き手煩悩優先」という主旨からすればオケなんですが、
別なお題で感想がクロスした場合って、
なんか味が混ざった感じになると思います。
なんとも上手く表現できませんが。
締め切らずに受付しておくほど書き手の人数多くないのでは?
アンソロという形式にしている以上お題は揃えたほうがいいと思います。

>『全作品分の感想を書いているコテ(投稿者)がすくない』
>書いてそれっきり
前述の通り、書いてスッキリするためのスレですので、
「それっきり」でいいと思います。書くだけでも大変なんで。
他の人に感想書くかどうかは、仰るように本人のモラルの問題なんで、
別に強要することでもないでしょう。漏れは絶対書きますが(w

>こういった部分でモラルの欠落を感じさせると
>やっぱりそれはそれでマターリヽ(´ー`)ノが薄れる。
これは個人的には逆だと思います。
カタイこと言わないのがマターリヽ(´ー`)ノの基本と思われます。
別にそれで倉庫落ちしちゃったり荒れたりするなら、
所詮その程度のスレだった、つうことで。 (´∀`)
194:02/07/30 13:25
 遅れましたが感想を書かせていただきます。
 ネタバレを含みますので未読の作品がある方はご注意ください。

>『ひみつ』【EASY】
 自サイトを持っている身としては、非常に共感できる部分が多かったです。
 特に、更新の際の高揚感とか。
 んでもって、「自分が書いた作品に萌えてくれた同級生が……」なんてのは、もう羨ましくて仕方がないです。
 実際にエロ小説まで書いている主人公が、ことに及ぶといろいろ瑣末なことで戸惑う、というところも初々しくてイイですね。
 これでヘンに手際がよかったら、妬ましさの方が先に立っちゃうとこでしたので、そういう点でもよかったです。

>『同級生』【EASY】
 学校で、という王道シチュエーションが、後ろめたいキモチヨサといった雰囲気をすごくだしてると思います。
 濃厚な、それでいて切ないような行為の描写も萌えです。
 それと、やはり読後感が爽やかなのがいいですね。
 オチ、と言うか物語の構成が、主人公たちの「解放」を表現しているようで、素直にイイ気持ちになれました。
 Hはドロドロ、でもストーリーは後を引かない、という点が俺的な好みにマッチしてます。

>『ライト・ハグ』【HARD】
 拘束具が外れなくなってしまった、というアクシデントによるゾクゾク感がよかったです。
 それと、拘束することによってだんだん本性が現れてくる、という流れも、イイと思います。
 ここらへんは、ヒロイン(杏子ちゃん)のキャラクター造形の勝利だと思います。いろいろな制限の中でこれだけ表現できてるのは素晴らしいです。
 ただ、本作の「真相」については、これがエロ的興奮度に結びついてるかどうか、ちょっと疑問でした。

>『汗』【HARD】
 個人的には、「このままキスする勇気ある?」のセリフに大変萌えてしまいました。
 まさに暴風のような一夏の体験。
 それがぎゅっと凝縮されている感じですね。
 そういう意味で、主人公の体験と、話の構成、長さなどがマッチしてて、するりと感情移入してしまいました。
 心に残るお話、という感じです。
 ところで、冒頭、彼女がなぜあの机にいたのか、冗長にならない程度に、もう少し描写して欲しかったと思います。
195:02/07/30 13:26
 感想の続きです。

>『教えてくれる?』【HARD】
 その短さもあって、なんだかほっとしました。
 ほのぼのと心が和んでしまいました。
 いかにも「同級生」という感じの距離感で、学校らしさみたいなものがよかったと思います。
 あと、ヒロインの性格が好みです。
 こういった、冗談に見せかけたHなかけ引きというのは、逆に色々と想像をかきたてられてしまいます。
 一方で、もう少し妄想の材料を提供していただければ、もっともっと想像が広がったかも、とも思いました。

>『ささやかな同窓会』【HARD】
 この手があったか! というのが最初の感想です。
 前作に引き続き、不意をつかれました。
 テンポもよくて、ぱっと見の印象(改行の少なさ)にも関わらず、すらすらと読めてしまった感じです。
 直接的な描写はなく、独白のみ、という形態なので、かえっていろいろと想像して楽しめました。
 語り口調も自然な感じが出てたと思います。
 ただ、正直、自分の「萌え」や「興奮」のスイッチには触れませんでした。
 エロ抜きで小説として楽しめた、といった感じです。

>『月の瞳』【NORMAL】
 ラストの一行が効いてると思います。
 その夜の風景が目の前に見えるような感じですね。
 全体に描写が綺麗で、妖しい雰囲気をうまく醸し出しているように思えました。
 そして、その雰囲気が、ヒロインの一途な、そしてどこか歪んだような感じの想いを、うまく演出していると思います。
 ただ、個人的には、あまり男の方の描写はなくてもよかったのでは……と思いました。

>『クラスメイトボンデージ』【EASY】
 恋愛小説としても面白い上に、描写の精密さがまた素晴らしいです。
 「本番なし」でありながら、いや、そうであるからこそ、高い萌え効果を上げていると思います。
 あと、ヒロインの設定の勝利ですね。
 性格的にも立場的にも超然とした感じの相手の優位を奪い、拘束して感じさせてしまう、というSMの醍醐味を味合わせていただきました。
 それから、ヒロインのお父さんがまたイイ味を出していますね。
>>189
カキカキ中なり〜。
乗り遅れないよう、なるべく早く仕上げまする。
イタチの最後っぺみたいに、スレ汚しにならない事を祈りつつ アヒャ(゚∀゚)!
>196
了解です。
お待ちしてます。

>194
感想ありがとうございます。
>「自分が書いた作品に萌えてくれた同級生が……」
一番手ということで色々考えましたが、
どうせなら書き手の気分にシンクロさせちまえ、って思いつきました。
そのへんの仕掛けが上手く機能しているようでなによりです。
>195
ご感想サンクス。
>相手の優位を奪い、拘束して感じさせてしまう
をー。言葉にすると萌えますね〜
クインテッセンス・オブ・萌え萌えテクノロジーでしょうか。
199Rala:02/07/30 23:41
感想遅くなりましたがじっくり拝読しましたのでご容赦下さい〜。
それと、書かれた皆様、お疲れさまでした^^


作品名:「ひみつ」
段階表示:【EASY】 ……ひたすら長所を褒めてくれ!

いいですねぇ。仄かな期待を抱く少女。もしかして、「僕」に
好意なんぞ抱いていて全て計算し尽くしてお家に招いたのかしら
と思わせるくらいです。微妙なオンナゴコロは期待以上って
感じかな。
途中で泣いてしまうシーンは非常に良いですね。実際処女喪失
した時ワタクシもあの段階で泣きましたから〜(笑)
色々思い出させてくれるストーリーで読んでいて懐かしい気持ち
にもなってしまいました^^


作品名:「同級生」
段階表示:【EASY】 ……ひたすら長所を褒めてくれ!

あ〜いいですね。一度は憧れます、こういうの。
エッチがって訳じゃなくて、殴ってくれたりするのが(笑)
石倉さんはなかなか良いですね。ヤケになってエッチしちゃう
様な無謀さの中に傷付きやすい心とかちゃんと描けていて
感情移入しちゃいそうになりました。
でも、割に姉御肌なのねん……とエッチの最中ちょっとだけ
思った部分もあったのですが……
童貞クンを頂く、ってシチュエーションはかなり私的に「萌え」
なので、「ごちそうさま^^」でした。はひ。

作品名:「ライト・ハグ」
段階表示:【HARD】 ……判断の一切をお任せします。

あら〜……そう言うオチでしたか、って感じでした。これはまさに計算尽く
なのでしょうね。そう言う意味では、この計算はかなり読者にとって嬉しい
ものなんだと思います。
ところで、○百描写ですが……拝読していて、体位にちと無理がある?と
思ってしまいました。構造上、その体位では恐らく重ならないだろーなー、と。
松葉崩し的な体位にならないと多分どうやっても無理だと思います。
陰毛とか恥骨とか……

さてHARDと言うことなので……
全体的に申し分なく、途中まであった違和感を凌駕してしまう怒濤の後半。
なので、まぁいいかと思ってしまうんですが……途中までかなーり
違和感があるのは事実です。
まず鼻フック……それを着けた彼女に興奮する過程→行為という流れは
かなりスムーズですが、やはりどう考えてもそれを、格好を気にする
年頃の女の子が身につけるか、と言うところで女の私はかなり違和感を
覚えました。セリフで気持ちの描写を補っていらっしゃるのが功を奏して
後々気にならなくはなりますが、杏子のこの行動はちと理解に苦しみます。
単に首輪だけなら、違和感は無いんでしょうが。
……けど、鼻フックという拘りは分かるので……うーむ。
その辺は、嗜好性の問題なのかしら。

でも、ホントに後半になればなるほど違和感無くなってますから……
と、フォロー。
200Rala:02/07/30 23:42
作品名:「汗」
段階表示:【HARD】 ……判断の一切をお任せします。

衝撃的で夏の夕立の様な勢いのある作品だと思いました。
桜原さんが魅力的で妖艶で、なかなか女王様のカンロクがあるなぁと
思いました(笑)なかなか濃厚なストーリーで、最後に桜原さんの
「ごちそうさま」って声が聞こえてきそうでしたねぇ。
(言ってないけど)
えーっとHARDと言うことなので一言。
お尻を舐められる「僕」の描写が、他の濃厚さに比べ、かなり薄味
で勿体ないと思いました。舌が触れた瞬間だとか、お尻を割り開かれる
具合だとか、後ほんの数行増えただけで説得力が増す様な気がします。
おちりイジメが好きなワタクシとしては是非ともその辺を詳しく
される側からの描写が欲しかったなぁ、って感じです。


作品名:「教えてくれる?」
段階表示:【HARD】 ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。

短いって言うだけじゃなく、ストーリーの進み方もスムーズで非常に
読みやすい作品だと思いました。
表情やら風景が簡単に浮かんでくる様な感じで、テンポも良くて
しかも話の内容的には、言葉の駆け引きがとても楽しい。
こういうやりとりをしてみたかったって感じでしょうか。
 ただ、最後の「あたし、本気だよ」は蛇足の様な気がします。
心の中で思っていても、曖昧に微笑む彼女って言う方が何だか艶っぽい。
そんな気がしました。……単に私の嗜好ですが(笑)


作品名:「月の瞳」
段階表示:【NOMAL】 ……良い所と悪い所を均等に教えて。

<良いところ>
可愛らしい話だと思いました。余韻がいいですね。実はお互い
気にとめていたのだろうなぁ、と言う感じでしょうか。
女の子の自慰行為は確かに儀式めいてますし、ねっとり時間を掛けて
頭の中で瞑想するように耽っていくところがよく描けていたと思います。

<悪いところ>
>>143さんが仰ったのと少しかぶるかも知れませんが。
七海は処女なのか否か。……申し訳無いですが、それが非常に気になり
ました。恐らく内容からすれば処女なんでしょう。その彼女が準を
誘うために自慰行為を見せつける……これは非常に微妙だなぁ、と。
セクースしても自慰を見せるのを恥ずかしがるのが女性の性ってヤツだと
思いますので、偶然見られてしまった程度の方がいいかな……
でもそうなるとラストの布団にくるまるシーンがなくなってしまう……
あれは欲しいなぁ……

そんな感じです〜。

201Rala:02/07/30 23:45
作品名:「クラスメイトボンテージ」
段階表示:【EASY】  ……ひたすら長所を褒めてくれ!

 これはかなりいいです。SMとかそう言う嗜好がある人だけじゃ
無く。爽子ちゃんというキャラクターがかなりいい、と思いました。
SMショップを持つ父と言う設定、たまに店番をする彼女の淡々とした客との
対応。当然大人びてそれらのことを冷静に観察する事が出来ながら、
自分の身に降りかかった瞬間に素に戻って真っ赤になる辺りなんて
めちゃくちゃツボです。
 ギャップの描き方とか、凄く参考になるし、話自体も楽しんで読み
進められました。
皆さんも仰ってますが、是非とも続きを拝読したい様なストーリー
運びに唸ってしまいました。

あ……200ゲトしてた……

書かれた皆様お疲れさまでした^^
拙い感想ですがご容赦下さい。
>201
お褒めに与り恐縮です。
店員としてMに踏み込まないノーマル領域と、ドロドロのM領域を、
切り替えスイッチを中間で弄ぶマネをしてるうちに、知ってか知らずか、
石垣くんに手を添えられて、パチンとM側へ倒されてしまう瞬間が伝われば幸いです。
>是非とも続きを拝読したい
なんつうか、これに勝る誉め言葉は無いかも。
勿体無くも有難く、お受けいたします〜m(__)m             >187
191です。
>193
余計なことを書いてしまって、ごめんなさい。
もうヒトコトだけ許してくださるとうれしいです。

>カタイこと言わないのがマターリヽ(´ー`)ノの基本と思われます。
同意です。
でも、カタイこと言う人を排斥するだけでは、
「UZEEEE!」と他者の発言を排除する人とかわりません。
記号的にマターリヽ(´ー`)ノを出すだけでなく、
『それじゃあ、マターリを生むものはなんなのだろう?』
『スレの参加者にマターリを感じさせるには?』
そんなことを考えていただければいいな、と思います。

ここでは、段階表示などのルールがあります。
それに添う形での「マターリ」「カタイ」など、
多くのものを包括してもらえるとうれしく存じます。
スレの将来的にも、広がりがあるのではないかと思いました。

>別にそれで倉庫落ちしちゃったり荒れたりするなら、
>所詮その程度のスレだった、つうことで。 (´∀`)
私も結論はコレにつきるのではないかと思います。
>>197
サンクスです。
ドキドキですが、乗り遅れないうちに挑戦してみますた。

作品名:「彼女の顔」
執筆者:名無しさん@ピンキー
段階表示:【NORMAL】】……良い所と悪い所を均等に教えて。
予定レス数:9レス
205彼女の顔(1):02/07/31 03:01
 俺がそいつの変な行動を、最初に見つけたのは、中間テストの真っ最中の事だった。
 自慢じゃないが頭のデキの決して良くない俺が、いやいやながら試験を終えた日の帰り
道、駅のホームにそいつは立っていた。
 うちの学校の制服だ。遠目じゃちょっと見には誰だか分からない。いや、あの髪型には
見覚えがある。
 ポツンと1人で、ホームに立っているそいつは、ちょっと挙動不審だった。人気のない
ホームの1番前の端、点字ブロックの辺りまで、じわりじわりとにじり寄って行く。電車の
到着の合図が電光掲示板に流れる。途端に唇をかんで電車の方をキッと見つめると、
もう半歩前に足を踏み出した。
 おい、まさか飛び込もうって気じゃないだろうな。寝覚めが悪いからやめてくれよな。
祈るような気持ちで、ちょっとずつ近づいていく俺。
 疾走し迫ってくる電車。俺の想像に反して、そいつは入線してくる電車を、睨みつける
ように見つめると、すぅっと深呼吸したように見えた。
 電車がホームに入ってきて、風が巻き上がる。そいつの横顔を覆い隠していたセミ
ロングの髪が、その風でふわりと揺れた。制服のスカートの裾もひるがえる。
電車が目の前を通り過ぎる瞬間、そいつはごくりと唾を飲み込んで、目をつむり、
ビクンと形の良い顎を上向けた。金魚が呼吸するように、そいつの口が半開きになった。
一瞬、肩先が震えたように見えたのは、俺の気のせいだったろうか。
 停車とほぼ同時にドアが開く。電車に飲み込まれていくそいつの頬は、心なしか上気し
て赤くなっているようだった。
 隣の車輌に乗り込みながら、俺はそいつの名前を思い出していた。
 そう、あいつだ、相澤智子。
206彼女の顔(2):02/07/31 03:04
 相澤は、デキの良くない俺と違って、才媛と言ってもいい。そう目立った美人じゃない
が、同じクラスの中でも、中々いい雰囲気の奴だと、俺は思っている。あんまりお喋りで
もなく穏やかで、それでいて言いたいことはハッキリ言う。スタイルはそうだな、中の上
と言ったところか。
 さっきの相澤のとった行動は、いったい何だったのだ?
 顎をツンと上向けて、白い喉を見せた相澤の横顔が、頭の中をフラッシュバックする。
あの表情を、俺はどこかで見たことがあるような気がする。喉の奥に引っ掛かった魚の
小骨のようで、思い出せそうで思い出せない。
 考えるのを放棄して、俺は隣の車輌にいる相澤の様子を、それとなく窺った。鞄の上
に文庫本を広げて読み耽っている。休み時間と一緒の光景じゃないか。俺はつい苦笑す
る。いつもの相澤とおんなじだ。

 そんな相澤の変な行動を、すっかり忘れかけた頃、俺はまたまた見てしまったのだ。
相澤の不可思議なあの表情を。
 その日はかったるい事に、『校外学習』とかいう奴だった。生徒が大勢で某科学館に
見学に行くという。小学生や中学生じゃあるまいし、面倒臭い事この上ない。
 やっと帰る時間になって、がやがやと俺達はエレベーターに乗り込んだ。最上階から
1階まで直通のそのエレベーターは、いわゆるシースルータイプというやつで、眼下に
東京湾が見てとれる。
 乗り込んでその1番奥に、手すりを握りしめるようにして、相澤が立ち尽くしているの
に気がついた。あの時と同じように唇を噛みしめて、うつむきがちで白い横顔を見せて
いる。こいつ、どこか具合でも悪いのか?
207彼女の顔(3):02/07/31 03:07
 後ろからお喋り女の一団が乗り込んできて、エレベーター内はいっそう賑やかになった。
朝のラッシュ並の混雑になって、あっという間に俺は奥まで、相澤に接近する位置まで、
押し込まれた。
 慌てて片手を壁につき、相澤を押しつぶさないように気をつける。
「ごめんな、大丈夫か?」
「あ、ううん。平気よ、武井くん」
 相澤は普通に返事をしているが、どこか上の空な様子が気にかかる。
「お前、具合でも悪いのか?」
 思わず声をかける。
「ちょっとね、苦手なの。外の見えるエレベーターが」
 相澤が呟くと同時に、定員オーバーのブザーが鳴って、エレベーターのドアが閉まった。
途端に相澤は目をぎゅっとつぶった。手すりを握る指にも、力が入ったように見えた。
 エレベーターはノンストップで急降下する。うつむいた相澤の肩が、ビクンと揺れた。
薄目を開けてガラス越しに外を見て、それからまた目をつぶる。ふっくらとした制服の胸元
が、呼吸とともに大きく上下する。目の前にいる相澤の口から、喘ぐような小さな吐息が
洩れる。
 耐え切れなくなったように、小さな顎がツンと上を向き、も一度肩がビクンと震える。
「ごめん」
 相澤はそう言うと、俺がダランと垂らしていたもう片方の腕を痛いほど掴んで、いきな
りギュッとしがみついてきた。ごめんって、気が動転するのはこっちの方だ。どうしたん
だ?こいつ。
 それでも、頬をほんのり染めて上気した顔の相澤を見ていたら、俺も何だか切ない気分
になってきた。
208彼女の顔(4):02/07/31 03:39
 後ろの奴らからは、ガタイの大きい俺の影に隠れて、相澤の姿は見えていないに違いな
い。ええい、ままよ。思わず壁についていた手を離すと、そのまま片手で相澤をギュッと
抱きしめた。
 その途端、驚いたように相澤は目を見開いたが、すぐに力なく体を俺に預けた。何だ?
どういう展開だよ、これ。いや、俺としても嬉しくない筈はなくて。
 最初は苦しそうだった相澤の顔が、トロリと柔らかい表情になって始めて、俺は気がつ
いた。電車の時と同じ顔だ。そしてようやっと思い出した、どこでこの表情を見たのかを。
 兄貴からこっそり拝借したAVだ。それも女の子の自慰モノ。何度も抜かせてもらった
な。いや、相澤が出ているんじゃなくて、そっくりなんだ、その表情が。女の子が感じたり、
イク時の様子が、今の相澤とおんなじだ。苦しげで切なげで、トロリと上気したその顔。
 こいつはもしかして、電車の入線や、エレベーターの急降下で、『感じて』しまって
いるのか?
 背後でドアが開く気配がした。
「着いたよ」
 小さく耳元で囁くと、相澤は夢から覚めた時のような、バツの悪い顔をした。
 どやどやと屋外に吐き出されると、初夏の陽光が街中に満ちている。ここから先は自由
解散だ。つまり各々勝手に家へ帰れということ。
 ぶらぶら歩き出してから、ふと後ろを振り返ると、少し離れて相澤の姿があった。俺と
目が合うと、小走りに駆け寄ってきて、こう言った。
「さっきはごめん。ホントにありがと」
「気にするな。マジで苦手なんだな、エレベーターが」
「普通のエレベーターなら大丈夫なんだけど、外が見えちゃうと……」
209彼女の顔(5):02/07/31 03:43
 言いよどんだ相澤に、俺は思わずたたみかけた。
「外が見えるエレベーターに乗ると、感じちゃう?」
 俺の繰り出したジャブは効いたみたいだ。相澤は棒を飲んだように固まっている。
「なんで、分かるの?」
 ようやく相澤は絞り出すように、呟いた。
「俺の超能力。いや、それはウソ。それより相澤、電車が来る時にも感じてるんだろ?」
 途端に相澤の顔は真っ赤に染まった。
「知って、たの」
 絶好調だ、今日の俺。気をよくしてもっと苛めてやろうかと、身構えた矢先、相澤が
ポツリと呟いた。
「あたし知ってるもの。武井くんだってさっき感じてた、エレベーターの中で」
 グッと言葉に詰まる。知ってたのか、こいつ。俺の分身が、相澤を抱きしめた拍子に、
元気に暴れていたのを。俺の股間はズボンの中で、まだはちきれそうに膨らんだままだ。
 隣を見ると、相澤は俺と歩調を合わせるようにして、ついてくる。俺の中で、再び悪戯
心が湧いた。
「それにしても、奇妙な癖だな。いつ頃から自分で気がついてたんだよ」
「エレベーターは、小学校に入る前からなんか変な場所だったの」
 変なのはエレベーターじゃなくて、そこで感じてしまうお前だろうが。
「電車に気がついたのは、高校に入って、電車通学するようになってから」
 告白するようにポツリポツリと話し出す相澤に、俺はますます興味が湧いてきた。
210彼女の顔(6):02/07/31 03:45
「わざわざ、ホームの1番前に立って、電車を待っているのは、もっと感じたいから?」
 今度は耳まで真っ赤になって、コクリと黙ったまま相澤は頷いた。
 目の前に小さな公園が見えた。俺は底意地の悪い考えにとりつかれたまま、ずんずんと
公園目指して歩いていった。
「相澤って、オナニーとかするの?」
 口を半開きにしたまま、驚いた相澤がブルブルと首を横に振る。
「じゃあさ、どうして感じてるって自分で分かるの?」
「それは……」
 言葉に詰まる相澤に、俺はますます図に乗ってしまう。
「感じると、どうなるのさ?」
 目指す公園にたどり着いた。自然な感じに見えるように、人気のない東屋のベンチに
腰をおろす。そう、あくまで自然に。少し静かにしろよ、股間の俺の分身。
 警戒するように、微妙な距離をおきながら、相澤も俺の隣に腰をおろした。やれやれ。
「どうって、それは……」
 言いながら、潤むような目をして俺を見る相澤を見ていたら、なんだか落ち着かない気分
になってきた。
「武井くんこそ、感じるとどうなるのよ。大きくなるんでしょう。だってさっきそうなって
いたもの」
 すっかりヤラレてるな、俺。とっさに相澤の肩を抱き寄せて、こう言った。
「知りたいか?」
 相澤はもう一度コクリと頷くと、おそるおそる俺の股間に手を伸ばした。ズボンの上
からはちきれそうになっている分身を優しく撫でる。ドクドクと分身が脈打っている。
211彼女の顔(7):02/07/31 03:49
「俺も相澤が感じてるかどうか、知りたい。感じるとどうなるのか、教えてくれよ」
 かすれた声で囁く。俺もいっぱいいっぱいだ。
 蕩けたような顔をして相澤が俺の手を、黙って膝の上に導いた。ツルンとした膝小僧を
撫で上げて、俺はそのままスカートの中に手を潜りこませた。いざ、秘境探検だ。
 すべすべの太腿をゆっくりと撫で回す。相澤の口から熱い吐息が洩れる。相澤も俺の
分身を撫でながら、こう尋ねた。
「ねえ、はちきれそうで苦しそう。解放してあげてもいい?」
 望む所だ。俺がゆっくりと頷くと、相澤はチャックを下ろして、トランクスから自己
主張の塊みたいな俺の分身を、取り出した。そしてそのまま珍しいモノでも見るように、うっとりとした顔で、撫で続ける。
 相澤の顔を見ながら、この顔がすべての始まりだったんだよな、と俺は思い返す。
太腿を這い回る俺の手は、せわしく動いて、しっとりと湿ったショーツにたどり着いた。
相澤の呼吸が途端に荒くなる。太腿の付け根をなぞり、ゆっくりとショーツの上から相澤
に触れる。
「ぁあっ」
 相澤が小さく声を上げた。俺の指がスルッと下着の隙間に入り込んだからだ。そこは
もう、トロトロに溢れて洪水みたいになっていた。
「感じると、こんなにびしょびしょになるんだ」 
 割れ目を指で上下に行き来しながら、駄目押しのつもりで俺は呟く。
「ん。んぁっ!」
 相澤の体がグラリと揺れた。慌てて左手で相澤の肩を支える。俺の大好きな顔、切ない
上気した顔を、俺の肩の上に乗せて、相澤が小さく喘いでいる。
212彼女の顔(8):02/07/31 03:51
 指が上部の小ぶりの突起に触れた。
 びくんっ!相澤の顎が跳ね上がった。ここが感じるみたいだ。そのまま休まずに、指で
擦り上げる。下の方からは、ジワジワと溢れ続けている。このままでは、スカートまで濡
らしてしまうのじゃなかろうか。
 相澤から溢れ出るヌルヌルの液を塗りつけて、膨らんだ突起を飽きることなく捏ね
まわす。俺は感じている相澤の顔を、もっとずっと見ていたいのだ。
 湧き出る液に指を浸すように、小さく開いている口に指を押し当てる。
「はぅんッ!」
 さっきのエレベーターの中みたいに、相澤の手が俺の腕に絡みつく。今にもイキそうな
相澤の顔を見ていたら、俺の方も堪らなくなってきた。
「いいよ。さっきみたいにイッちゃいなよ。俺、相澤が感じている顔、イク顔が
とっても好きだ」
「んッ、ふぅ。やッ。もうだめ、た、武井くん!」
 ビクンビクンビクン。ガクガクと体を揺らしながら、俺の分身を一段と強く握りしめる
ようにして、相澤が俺の体にしがみついた。もうかわいくてたまらない。俺はそのまま
相澤の顎を持ち上げると、強く唇を吸った。
 唇を離すと、大きく吐息をつく。まだ相澤の目は蕩けたままで、煙ったような色をして
いる。
「すごくオカシクなっちゃった」
「相澤がオカシイのは、元々じゃあないのか?」
 すかさずツッコミを入れる俺。拗ねたような顔をして、俺を睨みつけると、急に気が
ついたように、相澤が言った。
「武井くん。感じてるのに、まだ気持ちよくなってないでしょ」
213彼女の顔(9):02/07/31 03:54
 その言葉を待ってましたとばかりに、相澤の手に握られたペニスがドクンと脈打つ。
「もっと強く擦っていいの?」
 始めはおそるおそる、そして段々と大胆に相澤の手が、俺のペニスをしごく。相澤の手、
ほんの少しひんやりとして、凄く気持ちいい。
「武井くんも気持ちよくなって。イッちゃっていいよ」
 相澤が耳元でやさしく囁く。そうか、いま俺の感じている顔も、相澤に見られてるんだ。
ちょっと恥ずかしいけど、すんげぇ気持ちいい。もう俺もイキそうだ。自分の手を相澤の
手に乗せて、一緒にしごく。ドクンドクンドクン。足元の湿った砂に向けて、俺は思いきり
射精した。
 
 そして、いまは夏休みだ。ここは俺の部屋。どういう訳だか、俺の目の前には相澤が
いて、古典文法について、俺にとうとうと説明している。俺の期末テストの散々な結果に、
あきれ果てた相澤が、個人教授を買ってでてくれたのだ。
 普段はくそマジメなこの顔が、どうしてあんな風に蕩けたステキな顔になっちまうん
だか。俺がそんなコト考えながら、ボウッと相澤の顔を見つめていたら、頭にゴンと衝撃
が走った。
「ちょっと、聞いてるの?武井くん」
 痛いな。いくらなんでも古語辞典の端っこで、ぶたなくてもイイじゃないか。相澤は
これ以上ないような、怒った顔をして、俺のほうを睨みつけている。この顔も中々ステキ
だけどな。でもそれよりも、もっと見たい顔がある。
俺は黙って相澤の顔を上向けると、まだ何か言いたそうな唇を塞いだ。唾液で糸をひく
唇を離すと、相澤はトロンとした目を俺に向けた。そうそう、この顔だ、俺が見たいのは。
 俺はゆっくりと相澤の体を、畳の上に押し倒す。俺達の夏休みは、まだ始まったばかりだ。

[終]

「彼女の顔」
>>204-213

<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213
>204
(・∀・) イイ!!
好きです、こうゆうの!
それにしても、同級生がテーマだと、男性視点の方が写実的で爽やかな感じ、
女性視点や神視点だとねっとりと淫靡な感じになるのが不思議です。

感想です。
ネタバレ防止のため非常に婉曲な表現を含むことをお許し下さい。

彼女の不思議な行動を、精密に克明に書かれていて、
またその中に彼女の気分を表現する仕草が程よく織り交ぜてあり、
前半を読むと「これは、ひょっとして……」と読者の妄想を掻き立ててくれます。
会話のやりとりもすごくそれらしくて、良いテンポで、ああいよいよ、
と期待させてくれます。
ソノ時の表情も描写も克明で(;´Д`)ハァハァです。
ラストもほのぼのマターリとしててすごくイイです。

後半、特殊な刺激で達してしまうという状況が、いまいち説明不足かと思います。
そのへんを段階的に説明しながらシーンを進めると、もっとリアリティーが出て
(;´Д`)ハァハァかと。
>武井くんこそ、感じるとどうなるのよ。
>ねえ、はちきれそうで苦しそう。
このへんのセリフは、相澤さんの口から出ると、ちょと違和感があるのは漏れだけでしょうか。
むしろいきなり触れ合うのではなく、
性癖を中心に押し切った方が良かったような気がします。
「相澤、明日から俺と電車に乗ろうぜ。入線するとき、俺は後ろから見ていてやるよ」
「ええっ!そんな…」
みたいな。ヽ(´ー`)ノ
<現在の作品リスト>

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213

一個足りなかったので修正。
218GZ:02/07/31 17:04
しばらく見ぬ間に非常な良スレにしあがっていて、没頭してしまいますタ。
ちと夏ヘタレで感想とどこおっておりまして、まことにスマヌ。とくに、
>191
>『全作品分の感想を書いているコテ(投稿者)がすくない』

ご尤も。コテハン名乗っておいてこのザマはまこと申し訳ない限り。
しかしながら、久々に感想書く気になったのは各々の興奮度にヤラレタからで、
義務感で書いてはおりませぬ。
いうなれば、実用的に読ませていただいたことのお礼?(藁
マジにそういうつもりの感想です>各作者サマ

感想が長くなりすぎなんで、個別にレスするッス。

それと次のお題でスが、
『年上との切ない再会』
なんてどーでしょう……なんかエロゲみたいなネタだな(藁
219GZ:02/07/31 17:05
>月の瞳
額縁から切り抜いたような、美しいエロスに感動。
まさに題材に見合った『耽美』なイメージ。
3レスという短さでこれだけエロ含んで、すっきりストーリーもまとめているのは
さすがです。なにげないことですが、キャラの名前のセンスもかなりよし。短編だと
名前の響きからくるイメージでかいんで、その点でかなりイケテルと思います。
3人称ながら、ヒロインの自然な信条が吐露されて切なさも加味されていますな。

NORMALですが、3レスという短さで、これだけ凝縮されていればいうことないです。
しいて言えば自慰をもっとシツコクやってホスィとか、男との絡みも見せろとか……
単なる読者の希望になっちまうんで割愛(藁
220GZ:02/07/31 17:06
>クラスメイトボンテージ
直球キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
SMネタがメチャメチャ好きなんで、もろハマりマスタ。もうなんかお話の
タイトルからして萌えまくり。ボンテージっすよボンテージ。同級生ネタで。
行くぞ行くぞって、読む前からテンションあおられてPCモニタ見つめてました(藁

主人公の男の子が期待と不安に震える様子が、まずイイです。ここが実にナチュラル
なんで、ショップの淫靡な雰囲気や詳細な描写に目を奪われます。
つうか花井さん萌え。萌えすぎっす。なにげに商品使ってるらしいし、わりに
天然で状況のエロエロな危うさに気づいてないのもまたイイし。
キャラクターの深みが見事ですな。最初に、中性的で寡黙な感じの女の子が淡々と
SMの話を主人公と交わしているこのシーン。これがあってこそ、その後の拘束
していくシーンと、不意に恥じらいに目覚めた花井さんのもがくクライマックスの
シーンがメチャメチャくるんだと思います。

それと、SM専門の物書きとして、拘束具の描写も感銘受けました。複雑な革紐の
食い込み方とかが実に分かりやすくて、かつ肌との対比からくるエロさが見事。

イカヌ、興奮しすぎて感想がメチャクチャに(藁
つーか、そんぐらいエロですタ。本番なしなんてとんでもない。コイツぁいい!!
……ひそかに、2も堪能しました。マジヨカタヨ(・∀・)
221GZ:02/07/31 17:08
>彼女の顔
一読して思ったこと。神?
凄いッ、つうか素晴らしいっすよ、このデキ、この仕上がり。この読みやすさと淫靡さ。
一気にラストまで引き込んでいく勢いといい、ものすごい完成度じゃないでしょうか。

こういう、ちょっと謎ありきなお話はもとから大好きなんですが、途中から「それか? 
やっぱそれか?」と匂わせつつも、真相が分かった時のエロっちさにクラクラ。
冒頭の謎な行動をもう一度読み返したくなるくらい、キメ細やかなんですよね。丁寧な
描写でゾクゾクくるから二度読み返せる。
ストーリーの強みを非常に生かしていると思います。

なにより特筆したいのが、文章のリズム感。男性一人称の大胆な筆致ながら描写は細かく、
イメージがわきやすく、心理描写と行動描写が完全にシンクロしてて没頭させられました。
大胆でいながら普通っぽい主人公の反応や会話が自然体でいいですよ。本当に自然な流れで
エロにいっちゃうので違和感もないし。

なにより、少し控えめな女の子の特殊な性癖がリアルっぽくって楽しめました。
ごちそうさまです(^^
>220
ありがとうございます〜
命中しましたかアヒャ(゚∀゚)!
もう、ご自身がSMすきな有様があふれ出てて、
ほほえましくご感想を拝読いたしましたヽ(´ー`)ノ
>SM専門
そ、そでしたか(;・∀・)
幾らかでもご参考になれば幸い。
>2
3でも4でも5でも逝けるのですが、自ページ更新サボってますので
もうやめときまつ(;´Д`)
223:02/08/01 19:15
 感想です。

>『彼女の顔』【NORMAL】
 感じている女の子の顔を日常の中で垣間見てしまう、というシチュエーションがいいですね。
 二人の掛け合いも、また絶妙でよかったと思います。
 ほのぼのとした面白さとHさがうまく両立してる、という感じですね。
 さて、ヒロインの性癖についてなんですが、俺個人としては、もう少し説明が欲しかったような気がします。
 ただ、あまり説明しても野暮になってしまうかもしれないので、匙加減が難しいところですね。
224:02/08/01 19:19
>218
>『年上との切ない再会』
 次のお題は、これで決まりでしょうか?
 できれば参入したいところなのですが……ネタが出るかなあ。
>224
>『年上との切ない再会』
エロに持ってイクのが難しそう。
さらに言うと、「切ない」ってスッゲ難しくねでげすか?
シチュ限定ではなく、もう少し広義が良いかと。
ここは難しいお題に挑戦するスレではなく、
自分のページとは別人(同じでもいいけど)になって、
いっぱい誉められて、更新パワーを得るためのスレとおもはれ。
なのでお題は一応<広め>でおながいしますだ。
例えば「年上」だけとか、
もちっと狭めて「年上との再会」とか。

どうでしょう?
こういった議論は、なされても良いかと。
>>191
う。途中よりハケーンしたスレなので、亀な感想書くのを控えておりますた。
「月の瞳」「クラスメイトボンデージ」両作品については、
既にレス済ですのでご容赦を。
ネタバレの可能性があるので、作品未読の方は、スルーしてください。

「ひみつ」 【EASY】 
読んでてひたすら楽しいー!
作家と読者の意外なつながりにもわくわく。
いざ現実に「スル」となると、気懸かりになってくるモノたち。
お盆・長い髪の毛・スキン・出血の心配など、小道具がピリリと効いています。
ウラヤマシー話とリアリティの、上手なミキシング。
この作品の登場で、即座に良スレケテーイ!つう感じでありますた。
雑談スレからの派生スレ立て、だけじゃなく、
シンプルなお題でアンソロ集企画さんの、功績は大きいっす。

「同級生」 【EASY】
冒頭のエロい衝撃シーンで引き込まれ、そこからオイシイお話が展開していく。
ごちそうさまです、じゅる。(おっと
やりばのない気持ちを抱えている石倉さんと、誘われるがままなのに
いつの間にかその気持ちを丸ごと受け止めてる、宮下君萌え。
エロから爽やかな幕切れへの、展開がお見事。
読後感 爽快っす。
「ライト・ハグ」 【HARD】
SMネタ萌えなもんで、ツボはまりすぎ。
叙述トリック的部分については、こういうのに「すんなり騙される」のが
楽しかったりするので、全然オッケーです。
鼻○○○装着場面については、>>199でRalaさんが述べられている通り、
一読した限りでは、微妙な違和感があり。
でも感想を書くにあたって、再読して納得。
これも後半に向けての、伏線になってるではないですか。
異性の前で、この年齢の女の子がとる行動としては、疑問符がつくけれども
○○同士ふざけてるなら、違和感なしー。
エロについては、言うことなしです。大満足。

「汗」 【HARD】
1クラスにひとり、桜原さんがいたらいいな、と言ってみるテスト。
お尻責め描写は、あとほんの少しネトッと書いてくれたら
もっと嬉しいっす。
気持ち良さと一緒に、思いもかけない場所へ攻撃を受けた羞恥を
表現できたら面白いな、と思います。
短くても嵐のようで、印象に残る作品でした。
読み終わった後で、主人公と一緒に茫然自失しました。
「教えてくれる?」 【HARD】
少ない文章で挑戦の心意気、すごいです。
>そこはかとないエロさを追及
微妙なのですが、「エロに至る5分前」って感じがしました。
行為や裸がなくても、もちろんエロになりますが
ちょっとドキッ!の一足先が見たい。

「ささやかな同窓会」 【HARD】
楽しいワンマンショーを見せていただきました。
話のリアリティに、思わず「あるあるー」と言ってしまいそうだ。
細かな点ですが、「三奈理!」の一言は、いっそなしで
押し通しても面白かったかも。
そして、ありがたーい感想へのお礼を。
>>216
レス読みながら、いちいち頷いてまつ(゚∀゚)!
>特殊な刺激で達してしまうという状況が、いまいち説明不足
次作に生かします。ありがとー。
>相澤さんの口から出ると、ちょと違和感
>むしろいきなり触れ合うのではなく、性癖を中心に押し切った方が
書きつつ迷いを生じてた部分です、ドキ。
最後に書いて下さった会話シーンに、うわッ。
このエンディングが、実は当初の予定ですた。
書いてる最中のアタマの中が、見られてしまった(;・∀・)
萌えネタ盛りこむ足し算の手法でなく、
テーマしぼった引き算上手になりたいでつ。
>>217
間違いスマソ(汗
>>221
>冒頭の謎な行動をもう一度読み返したくなるくらい
感涙でつ、謝謝。
楽しんで下さったのが、書き手として何より嬉しいです。
>>224
>もう少し説明が欲しかった
ご指摘アリガトです。
匙加減、たしかに難しいですね。何度読み返しても、いじりたくなる罠。
冗長でなく、かつ充分に。短編は修行の塊じゃ!と実感。

ビビリながらでしたが、書いてみてヨカッタ!
1さんサンクス。
>>189 
新お題について
「シチュお題」面白そうだ。【再会】【悪戯】あたり良いですな。
「年上」とか区切らないほうが、色んなバリエが読めていいのでわ?
今度は広すぎですかね >>225
>226
ご感想ありがとうございます〜
まあ、なんせ一番手だったので緊張すますた。
楽しんでいただけてヨカッタです〜
>229
さらに書いてスキーリならなおさらです〜
ところで……
最後に表明された方が書き終わっちゃったのですが、
本スレ1さんはどうなったのでせう……
新お題の話しながらマターリと待ちますか。

基本的にはsage進行ですが、新メンツも欲しいので一度あげますね。
233名無しさん@ピンキー:02/08/03 22:30
……と言っておきながら、あげ忘れたぞ…と。鬱氏
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
夏コミ明けまでお題は、待ったほうがとも思うけど・・・。
いっそ、テーマごとにスレッドを分ける・・・乱立しそうだからダメか・・・。

「同級生」ネタ考えていないわけではないけど、時間的に難しいからな
私は、発表は諦めています。
(しばらくは自分のところでいっぱいいっぱいなんだな)
>235
>コミケ
そっかぁ。って自分も他人事ではない罠。
とりあえすこのままお題係留でいいかな。と言ってみるテスト
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
アヒャ(゚∀゚)!
なんとなく思った。
投稿する時に「男性向けor女性向け」の表記をきぼん、って人いる?
>>239
それはあってもなくてもイイのでわ?
てか、なんとなくここでは「男性向け」かいな?とかオモタヨ。
チトそれは意識した鴨。
241239:02/08/09 03:27
>それはあってもなくてもイイのでわ?
ドウーイということで。

過去ログ読んで「女性です」と言ってる人が何人かいたので、チョトオモタワケヨ。スマソ
感想なんかでも、性別的な側面から「リアルじゃない」とかがあると、微妙にアレ。
一作品、耽美指向の文章あるけど、まあ官能系の表現方法とは違うからね。
>>242
・感想を書くなら作品あてにどうぞ。
・自分の「官能小説的表現」を主張したければ、投稿をどうぞ。

指摘が不明確だと、煽りっぽく思われますから注意ですよ。
HARDやNORMALなら、多少はキビシイこと言っても平気だろうから、
きちんと説明してあげればいいと思われ。
>>241
204=240っす。
仰りたいことは、よく分かるっすよ。
続きは雑談スレのほうで。
>>243
同意。
気楽な執筆と投稿、軽い読書……を楽しみましょうぞ。

ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
アヒャ(゚∀゚)!
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
コミケ終わったけど、どうでした〜?
         ∧_∧
  (○)   (∀・  )
  ヽ|〃    (∩∩  )

保守リーナ
お題どうします〜?
変える?
同じでまだ逝く?

……(;´Д`)
ミンナオボンデリアルニイソガシイノネ……

かく言う漏れも仕事……
250:02/08/17 15:03
 実はすでに書き始めてしまったので【年上との再会】希望であります。<<お題

 あ、でも、まだ【同級生】で書いてる人いるんでしょうか?
>250
ちょいとマターリしちまったもんで、議論が未完結なんですが、
T様フライングで書き始めちゃったなら、それでいいかも。
書き手が好きに書いてマターリするスレですから。

しばらくは「同級生」も受付可にして、「年上との再会」が出揃ってくれば
自然終了でよいのでは。

ROMってるかたご意見キヴォンヌ。
>250
特に反論はないです。
【年上との再会】……
漏れも練ってみるか。
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
255名無しさん@ピンキー:02/08/21 00:54
age
書けたぁ?
>256
まーだぁ……
258:02/08/23 05:53
>>256
 推敲中でし……
259:02/08/23 20:50
 では、参ります!

作品名:「不純な動機」
執筆者:T
段階表示:【NORMAL】……良い所と悪い所を均等に教えて。
予定レス数:12
260不純な動機(1):02/08/23 20:53
 いつものように夏が来て、僕は縁側でスイカを食べていた。
 目の前には濃い緑色の雑木林。その向こうには、やはり緑の山々が連なっている。
 田舎で暮らす、と突然言い出した両親に連れられてここに来たのが、もう9年前。僕は、
高校最後の夏を、相も変わらず山の中で過ごしている。
 そろそろ本気で受験のことを考えなくてはならないのだが、どうもここに住んでいると、
本気になりきれない。
 街生まれということで、友人に隠れて勉強するくらいのこすっからさは備えているが、
はたして自分が東京の大学に行くだけの動機を持っているのかどうか、自分自身でもなん
だか心もとない感じだ。
 毎日楽しそうに畑で働いている両親を見ると、僕もここで一生暮らすことになるのでは、
といった漠然とした予感のようなものすら抱いてしまう。
 確かに、いろいろと手伝ってるうちに、畑仕事も楽しいかもしれない、と思いつつある。
 ただ、むしろこういった田舎では、人間関係の方が大変だ。両親は朝から、山一つ向こ
うの母さんの実家に法事に出かけている。
 スイカを食べ終わり、ぼんやりと庭先に視線をやった。
 と、濃い影が、土が剥き出しの庭に差していた。
「勇くん、お久しぶり」
 影の主が、綺麗な声で言った。
261不純な動機(2):02/08/23 20:55
 視線を上に上げると、ほっそりとしなやかな体が、空色のワンピースをまとい、そこに
立っている。逆光でちょっと見辛かったが、そのぱっちりと大きな目が印象的な顔に、記
憶は瞬時にして甦った。
「遥さん?」
 僕は思わず大きな声を出していた。
 遥さんが、昔と変わらぬ開けっぴろげな顔で、にっこりと笑う。
 そう、彼女は、水城遥。母さんのいとこの娘、要するに、はとこにあたる。
 そして、僕こと巻島勇司の、5歳年上の初恋の人だった。
 遥さんが、家を出て、東京で暮らすようになったのは、5年近く前の話である。高校を
卒業してすぐ、両親の反対を押し切り、半ば勘当同然に身一つで上京したのだ。
 それ以来、音信不通の状態が続き、今に至る、というわけである。

         *         *         *

「勇くん、おっきくなったねー」
 遥さんは、僕が注いだ麦茶を一息で飲んでから、そう言った。
 薄暗い茶の間にはクーラーはないけど、すだれを通して部屋に入る風は気持ちいい。
「そりゃまあ、もう18だからね」
 僕は、胸のうちで高まる動悸を意識しながら、できるだけ平静な声で答えた。
「それより、東京じゃあどうしてたのさ。手紙一つよこさないんだもん、心配したよ」
 そう、我ながら恨みっぽいことを言うと、遥さんは、なぜかきょとんとした顔になった。
262不純な動機(3):02/08/23 20:58
「――おじさんもおばさんも、留守なんだ」
 と、遥さんが、全然関係ないことを言った。
「お盆だからね。水城の家の方も、出払ってたでしょ?」
「うん、締め出し食らっちゃった」
「なんでわざわざこんな時期に戻ってきたのさ。誰もいないって思わなかったの?」
「ちょっとした賭けだったんだけどね」
 ふふ、と遥さんは謎めいた微笑みを見せた。
「賭け?」
 聞き返す僕に、遥さんが、その妖しい笑顔を近付けて来る。
「ちょ……」
 僕がそれ以上何か言う前に、遥さんの柔らかな唇が、僕の口を塞いだ。
 5年前の、別れの時と同じ、唐突な口付け。
 しばらくして、唇を離した遥さんは、もう笑ってはいなかった。
「わざと、このタイミングで帰ってきたんだよ。わかんない?」
 遥さんが、なじるような口調で言った。その黒い瞳は、なんだか濡れているように見える。
 かっと、頭に熱い血が昇り――気が付くと、僕は遥さんを畳の上に押し倒していた。
「――乱暴なんだからあ」
 そう言いながらも、遥さんは、かすかに震える僕の手を、自らの胸に誘導した。服の上
から見るだけじゃ分からなかったけど、意外なくらいボリュームがある。
「優しくしてよ、ね」
 そう言われて、僕は、遥さんの胸を、ゆるゆると服の上からまさぐった。
263不純な動機(4):02/08/23 21:01
 まろやかな膨らみを愛撫すると、遥さんが、白い喉を反らす。
 その首筋にキスを繰り返しながら、僕は、遥さんのワンピースのすそを、そっとまくっ
た。夏だというのに少しも日焼けしてないような白い脚が、綺麗な曲線を露にしていく。
 僕は、さらに手を進ませた。
「え……?」
 指先に、こつん、と固い感触が当たった。
 慌てて身を引き、脚の付け根に視線をやると、金属の鎖と、黒光りをする革を組み合わ
せて作られた不思議な衣装が、遥さんのその部分をしっかりと隠している。
 おへその辺りは寸の短い金属の円筒で、その中央には、小さな鍵穴があった。
「ふふっ……貞操帯っていうんだよ。知ってる?」
 僕は、首を振った。実際、初めて見る代物だったのだ。
 が、その機能は、見ただけで分かる。それは、遥さんのその部分を、何モノも犯すこと
がないように守り、閉ざしているのだ。
「驚いた?」
 問わずもがなのことを聞きながら、遥さんは、僕の股間に手を伸ばす。
「あっ……」
「こんなになってるのに、おあずけくらっちゃって、可哀想♪」
 遥さんの言葉通り、僕のそこは、自分でも驚くほどに固く強張っていた。熱くたぎった
血がそこに漲り、痛みを覚えるほどである。
「可哀想だから、なぐさめてあげるね」
264不純な動機(5):02/08/23 21:03
 そう言って、遥さんは、膝立ちの姿勢の僕の股間に顔を寄せ、そして、テントを張った
短パンを、トランクスごとずり下ろした。
 僕のペニスが、冗談みたいに、びよん、と立ち上がる。
 その先端を、遥さんの小さな口が、はむ、と咥え込んだ。
 想像したこともなかった生温かい感触が、僕のそれを包み込む。
 いくら田舎で情報源が限られてるからって、フェラチオという言葉くらいは知っている。
けど、実際にされたその行為のもたらす快感は、まったく予想外のものだった。
 例えば、劣情にまかせて自分の手でしてしまった時なんかとは全然違う。鮮烈でいなが
ら、自分でコントロールできないせいか奇妙にもどかしい。そんなカイカンだ。
 遥さんの口内で、その舌がどんなふうに動いているのかは分からない。けど、唾液にぬ
めりながらもかすかにざらついたその表面が、僕のペニスを奔放に嬲っていることは感じ
られた。
 僕は、今や自分が、遥さんの口によってあっけなく追い詰められつつあることに気付い
ていた。
 まるで射精をねだるように、遥さんがちゅうちゅうと僕のペニスを吸引する。
 もうダメだ、と甘い敗北感に身を任せつつあった時――ドアのベルが鳴った。
「書留でーす」
 親切で無遠慮な声が、玄関から響いてくる。
「ほら、勇くん、書留だって」
 無情にもフェラチオを中断した遥さんが、上気した顔にイジワルな笑みを浮かべて言う。
265不純な動機(6):02/08/23 21:05
 僕は、トランクスと短パンをずり上げ、四つん這いの情け無い格好で、顔見知りの郵便
屋さんを出迎えた。
「ん、どうした勇ちゃん。夏バテか?」
「こ、腰を、ちょっと」
「若いのに大変だな。ほれ、ここに印鑑」
 犬のような姿勢で受け取ったその封筒の宛先は、僕だ。そして、差出人は――水城遥、
と、意外と几帳面な字で書かれている。
 僕は、あわてて封を開いた。中味は、あの気泡が一杯ついてる梱包用のシートに何重に
も包まれている。
 シートを引き千切るようにして、開いた。
 その中には――

         *         *         *

「遥さん、これ……」
 前かがみの姿勢で戻ってきた僕を、遥さんは、笑みを浮かべた表情で迎えた。
 艶然、という言葉が一番ぴったり来るような、そんな顔である。
「ちょっと遅れちゃったけど、きちんと届いたね」
 遥さんは、僕の手元を見つめながら、ささやくような声で言った。
 僕が右手の指先に持った、金色の小さな金属。
 それは、疑いようもなく、遥さんの貞操帯のカギだったのである。
266不純な動機(7):02/08/23 21:07
「ねえ、勇くん……」
 遥さんは、自らワンピースをまくりあげ、脚を開いた。
 ものすごく淫らな格好なのに、ぜんぜん下品な感じがしない。それどころか、僕は、そ
のぬけるように白い太腿の内側に、うっとりと見惚れてしまった。
「あたしも、そのカギを送ってから、ずっとおあずけだったんだよ……」
「……」
 僕は、んく、と喉を鳴らして、唾を飲みこんだ。そして、花の蜜に誘われる虫のように、
遥さんの両足の間にひざまずく。
 震える指先で、真鍮製らしきカギを、鍵穴に差し込むと、遥さんは、まるで自分の体の
中に何かが入りこんだような、そんな切ない表情をして見せた。
 カギを回すと、ぱくん、という小さなショックとともに、貞操帯のおへそのあたりが、
三つに分かれる。
 遥さんは、はぁ……っ、と色っぽいため息を漏らしながら、貞操帯をずり下げた。
 黒い艶やかなヘアに飾られたその部分が、露になる。
「あ、ダメ……!」
 思わず覗きこもうとする僕の頭を、遥さんが押さえる。
「どうして?」
「だって……匂いが……」
 顔を真っ赤にしながら、遥さんが言う。こんな可愛い表情の遥さんを見るのは初めてだ。
「それよりも、ね……早く……」
267不純な動機(8):02/08/23 21:10
 遥さんが、貞操帯を脇にどけながら、僕の股間に熱っぽい視線を注ぐ。
 僕は肯き、再びペニスを外に出した。そして、元気に天井の方を向いているソレを、下
向きに押さえる。
 先端を遥さんのアソコにおしつけると、くちゅ、という湿った感触があった。
 そこは、思いの他に柔らかく、そして、すごく熱かった。
 見ると、遥さんのアソコが、ぱっくりと割れ、透明な蜜を溢れさせながら、僕のペニス
の先端を浅く咥えこんでいる。
「遥さん……!」
 僕は、初恋の人の名前を呼びながら、その体の中に、これ以上はないというくらいに熱
くたぎったペニスを挿入させた。
「ン……はぁ……っ、ゆ、勇くぅン……」
 遥さんが、甘い声をあげながら、覆い被さる僕の背中に腕を回す。
 膣壁がシャフトをずるずると擦るその感触だけで、イってしまいそうだ。僕は、奥歯を
噛み締めて必死にこらえながら、腰を進ませる。
「ふぁ……」
 腰が密着した時、遥さんは、満足げなため息をついた。
 そうしてから、涙に潤んだ瞳で、僕の顔を見つめる。
「ごめんね、勇くん。あたし……初めてじゃなくて……」
 消え入りそうな声でそんな言葉を紡ぐ唇に、僕は、ほとんど無意識に口付けした。
 この想いを伝えるうまい言葉が見つからなくて、何度も何度もキスを繰り返す。
268不純な動機(9):02/08/23 21:12
「これからは、ずっと、勇くんのものだから……勇くんの好きにしていいから……」
 キスの合間に、遥さんが、そう囁いた。
 そうか。さっき僕が受け取ったあのカギは、そのためのものなんだ。
 それに気付いた時、僕は、直接頭にお湯を注がれたような興奮を覚えていた。
 そして、荒々しい衝動に突き動かされて、腰を使い出す。
「あ、あン! あぅ! は、うン! ンあッ!」
 遥さんの、明らかな快楽の喘ぎに励まされながら、僕は、本能の命じるまま、抽送を続
けた。
 初めて感じる、女の人の体の中。
 柔らかくて、熱くて、とろけそうなくらいなのに、僕のにぴったりと吸い付き、まとわ
りついてくるような感じ。
 腰を突き出すたびに、腰から背中に電流のような快感が駆け上がり、脳をびりびりと痺
れさせる。
 いつ射精してもおかしくないほどの快美感に断続的に襲われ、僕の体は、かえって射精
するタイミングを逸してしまっていた。
 ますます膨張した僕のペニスが、熱く濡れた遥さんの膣壁をムチャクチャにこすりあげ
る。
「ひあッ! ゆう、くんッ! そんなに、したら……ダメえーッ!」
 遥さんが、切羽詰ったような声をあげた。そして、両腕で僕の首にしがみつき、脚を腰
に絡めてくる。
269不純な動機(10):02/08/23 21:14
 大きな動きを封じられ、それでも僕は、腰を小刻みにピストンさせた。
「んッ! んうッ! あン! ああン! ああッ!」
 きゅううっ、と遥さんのアソコが、僕のペニスを絞り上げる。
「イっ……イっちゃう……ッ!」
 その遥さんの叫びが合図ででもあったかのように、僕は、大量の精液を、彼女の中に迸
らせた。
「ああああアーっ!」
 僕のペニスが、何度も何度も律動しながら、熱いスペルマを遥さんの子宮目掛けて注ぎ
込む。
 互いを抱きしめあったまま、僕と遥さんの体が、硬直した。
 そして、しばらくしてから、ほとんど同時に、僕たちはぐったりと力を抜いた。
 遥さんの豊かな胸に突っ伏し、はあはあと呼吸を整える。
 庭で鳴いているセミの声が、ひどく、遠くに聞こえた。

         *         *         *

「もう、帰っちゃうの?」
「うん」
 僕の問いに、遥さんはそう返事をする。
 あの後、遥さんはシャワーを浴び、そして再び貞操帯を身に付けたのだ。
 そして、僕の手の中には、金色の小さな貞操帯のカギがある。
 すでに日は傾き、村は、早くも山の影に入ろうとしていた。
270不純な動機(11):02/08/23 21:16
 と、庭に出た遥さんが、縁側に立ち尽くす僕の方に振り返る。
「なんて顔してるのよ、勇くん」
 そう、微笑みながら、遥さんが言う。
「別に、今生の別れって訳じゃないんだからさ。ここから東京まで、電車で3時間くらい
なんだし」
「そう、だけど……」
 未だに遥さんの気持ちを量り兼ねている僕は、つい、言葉を濁してしまう。
「――はっきり言わないと、分からない?」
 と、遥さんは、ちょっと引き返してきて、間近から僕の顔を覗きこんだ。
「あたし、勇くんに会いたくて……勇くんのこと忘れられなくて、戻ってきたんだよ?」
「遥、さん……」
「東京に出てね、いろいろあった。あんまり、人には話したくないことも、ね。でも、あ
たし、勇くんとのキスを思い出して、これまでやってこれたんだ」
「……」
「あたしのカギを預けられる人は、もう、勇くんだけなんだよ……」
 これまでの5年間、遥さんの身に何があったのか、僕には分からない。
 でも、遥さんの気持ちだけは、痛いくらいに伝わってくる。
 僕は、最初に選ばれた人間じゃなかったなかったかもしれない。でも、今、遥さんが選
び、カギを託してくれたのは、まぎれもなく僕なんだ。
271不純な動機(12):02/08/23 21:19
「ガマンできなくなったら、また来るから……カギ、なくさないでね」
「も、もちろんだよっ!」
 遥さんの言葉に、僕は、自分でも恥ずかしくなるくらい大きな声で答えた。
「あんまり、間をおかないで来ちゃうかもしれないけど」
 遥さんが、くすくすと笑う。
「遥さん、僕――東京の大学、受けるよ」
 僕は、ついさっきまで思いもしなかったことを、言っていた。
 そう、僕は、ようやく本気になることができたのである。
 動機が不純かもしれないけど……。
「うん、待ってる」
 明るい声で、遥さんは言い――そして、通りのバス停まで歩いていく。
 朱色の太陽に照らされながら、僕は、その背中にいつか追い付く日に、しばし、思いを
馳せたのだった。


 おわり
272T:02/08/23 21:29
「不純な動機」
>>260-271

 というわけで【年上との再会】で書かせていただきました。
 フライングすまそです。
>T氏
フライング全然おっけーです。
て……○○帯とはッ!やられましたぜ。
訳アリ年上女性が、グイグイと迫ってくる美味しすぎるお話。
オイシスギるんだが、スイスイ読めちゃうじゃないか、チキショー!
これでNORMALキボンヌって、悪い所は何もなかったりする。
ごっそさんでした。w
この主人公を少年と呼ぶには、無理があるかもしれないが
何故か読んでる時の脳内BGMは、陽水の「少年時代」だった。
素材はエロイはずなのに爽やか。
逝く夏を惜しむ。
アンカー訂正  「不純な動機」 >>259-271


現在の作品リスト

※お題「同級生の女の子」

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213

※お題「年上との再会」

「不純な動機」 >>259-271
>「不純な動機」(・∀・) イイ!
さすがに描写は書きなれているほどにこなれていて、
もし、普段書いている年齢層より高めに挑戦されているのだとしたら、
とてもそうは思えないほどにキッチリ描写されてて、
年上の人の妖艶さがビシビシ来ますね。
それと、特殊なアイテムもさらりと使いこなし、これもなんだか
書きなれてるように思えるのは漏れだけか?(;・∀・)
さて、ちょっとだけ言わせていただくと、
押し倒す動機付けがやや弱かったように思います。

それにしても萌え〜
T様、乙〜でした〜
276T:02/08/25 07:53
 感想、感謝です!

>>273
>オイシスギるんだが、スイスイ読めちゃうじゃないか、チキショー!
 美味しすぎるのは俺の願望が反映されてるからです(笑)。
 「スイスイ」は個人的に目指しているところなのでそう言って頂けると……(感涙)。
>何故か読んでる時の脳内BGMは、陽水の「少年時代」だった。
 うあああああ、最高の褒め言葉ですー!
 俺もあの歌好きなもので。いいですよね、アレ。
 なぜかシングル持ってるのですが2曲目が「荒ワシの歌」なのが謎(笑)。
>逝く夏を惜しむ。
 季節モノなのでフライングでした(汗)。

>>274
 アンカー訂正ありがとうござます〜。

>>275
>もし、普段書いている年齢層より高めに挑戦されているのだとしたら
 うっ、なぜ俺が炉属性だと……? って、バレてる人にはモロバレですよね(笑)。
>年上の人の妖艶さがビシビシ来ますね。
 ありがとうございます! 最近、「年上もいいなあー」と思いつつあるので、嬉しいお言葉です。
>特殊なアイテムもさらりと使いこなし
 アレに関しては、いろいろなサイトの文章を参考にさせていただいてます。
 予想以上にディープな世界で吃驚なのです。
>押し倒す動機付けがやや弱かったように思います。
 確かに。あそこは大事な場面なので、心理描写を疎かにしてはいけませんね。
 「気が付いたらやっちゃってた」という雰囲気がきっちり伝わるようにせねばっ!
277寝太郎:02/08/25 10:52
久しぶりに訪問してみたら、ををっ! こんなに進んでいるとは……(喜

>>111三輪緒さん、>>115感想マシーン一号さん、>>194Tさん、>>199Ralaさん、
御観想いただいた皆さん、あまりな亀レスで申し訳ないっ(汗
えっちくて、かつ「恥ずかしい青春もの」ってな作品にしたかったんですよねえ。
お褒め頂けて、感謝です。
いや、この『easyモード』って、イイわ……
278寝太郎:02/08/25 10:54
目を離していたうちに、こんな大量の作品がupされていて、嬉しいですねえ(^^

>「教えてくれる?」
テンポいい会話が、goodですね。
「必要最小限に絞った」文章は、きちんと機能してると思います。
あんまりといえばあんまりなノリに、「をいをい…」と感じつつも、ついつい
ニヤニヤとさせられてしまいました(^^

>「ささやかな同窓会」
これもセリフ回しが上手い。機関銃のようなノリもイイっ。
短編ならでは可能な表現方法に、脱帽です。
ただ、そうであるが故に、旦那が語り手の名を呼ぶのセリフは、それまでの
雰囲気をぶちこわしていました。
そこだけ──ほんとそこだけな故に、残念。

>「月の瞳」
なんというか……スゴイ、です。うん、ホントに。
雰囲気、表現力、文章力、──「格が上」って感じですよ。スゲー!
こんなの、書いてみたいというか、何というか。
……なのに、自分的には、最終的なところで萌えられませんでした。
妖しく淫靡かつ透明な雰囲気&文体と、七海ちゃんのキャラとの間に、ギャッ
プを感じるんですよね。
いや、これだけ楽しませていただいて、言いたい放題で、失礼。
279寝太郎:02/08/25 10:54
>「クラスメイトボンデージ」
全編通して「えっちい」雰囲気が漂っていて、ナイスです。
爽子ちゃんがいいよね。実際、彼女が登場してきたとたんに、文章がイキイキ
してますし。
そっけない外面(そとづら)と、内面からにじみ出てる雰囲気のコントラストが
なんとも……(^^
ごちそうさまでしたっ。

>「彼女の顔」
何といっても、彼女の表情の描写でしょう。自分はエロマンガとか読むときにはそのキャラの表情で興奮する方でして。感じてる表情の上手い漫画家が好きなん
です。
だからこの作品、かなり”来る”ものがありました(^^
寂しかったのは、ラストかなあ……。「異常な状況で感じる」という魅力的な
テーマの上に乗りながら、結局自分の部屋で楽しんでるってのは。
異常なシチュでのH、な続編を読みたい気持ちですっ!

>「不純な動機」
いいですな〜。そこはかとない年上の従姉への憧れと、そこから急転直下なH。
これで燃えないってのは無いですよね〜(^^
Hシーンも実に実用的で。読みやすい文章が、さらにエロさを盛り上げてます。
しかしあの特殊アイテムって……むう、ここで喜ぶかどうか、読者が真っ二つに
割れそうですねえ。
自分はOKっ! でしたけど(笑
>>279
感想どうもですー。
>彼女の表情の描写〜
表情描写に特別に気を使ったりはしないんですが。
目鼻立ちとか、詳しく書かないし。w
でも、皆さんもよくやっていらっしゃるでしょうが、
書きながらの映像化ってのはあります。
カメラパンしたりズームになったり、切り替えたり、
マイクロカメラで体内映像見てたり?!(オイオイ
かなり”来る”……それは何よりです。w
>寂しかったのは、ラスト
そう言われて見ればそうだー。(爆
何も自室で楽しまなくても。
>異常なシチュでのH、な続編を読みたい気持ちですっ!
お約束により続編はありませんが、じゃいつかそれで1個……。(メモメモ
あれ?感想拾いにきて、ネタを拾ってしまったかも。w
>297
「クラスメイトボンデージ」へのご感想ありがとうございます。
>爽子ちゃん
評判いいですね。
ちょっと唐突すぎないかと心配したのですが、ウケたようでなによりです。
282T:02/08/25 23:52
>>279
 感想ありがとうございます〜♪
>しかしあの特殊アイテムって……むう、ここで喜ぶかどうか、読者が真っ二つに
>割れそうですねえ。
 確かに、仰る通りですね〜。
 最近思うのは、人によって喜ぶシチュが本当に違うんだな、ということです。
 俺はかなりストライクゾーンが広い方なんですが……
 あのアイテムとか、炉とか、ふたなりとか、ぜんぜん萌えない、って人もいるんですよね。
 まあ万人に受けるものを書くこと自体ムリなのかもしれませんが。
>自分はOKっ! でしたけど(笑
 ううっ、それはよかったです♪
 一般性のないネタだと、思わず「同志!」と思ってしまったりします(笑)。
一応宣言〜(゚∀゚)/

「年上との再会」書いてますのでよろしう〜
>>283
楽しみ〜〜♪
285寝太郎:02/08/27 00:43
「年上との再会」で書き上げました。
 なんだか妙にノリノリで、半日で書き上がったよ。
 っつーわけで、これからUPさせていただきます。
286寝太郎:02/08/27 00:46
作品名:「幻の思い出」
執筆者:寝太郎
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
予定レス数:20  ……長すぎるか? 失礼。
287幻の思い出 (1):02/08/27 00:47
「暑っちー」
 暴力的な夏の日差しの下、目の上に手をかざして頂上を振り仰ぐ。鬱蒼と生え茂った木
々の間から、山の上に立つ洋館の屋根がのぞき見られた。
「あと、もう少しか……」
 英司(えいじ)はそう自らを励ますと、林の中、獣道と見間違いそうな道を再び歩き始
めた。周り中から聞こえる蝉の鳴き声が、疲れた耳にうっとうしい。
「ホントに、こんなキツイ道だったかなあ」
 なにせ8年近く前のことだ。記憶が違っていたとて驚くことはない。が、当時10歳だっ
た英司が踏破したした道のりだ。これほど歩きづらかったとは思えなかった。
 まあ、恐らくは単純な事情だろう。ろくに人も通らずに、荒れてしまったということだ。
「そうか、もう8年だものな」
 以前、彼が最後にこの山中の村に来たのは、ここで一人暮らしていた祖父が死んだとき。
確か英司は、小学校の3・4年生だったか。やはり、暑い夏の日のことだった。
 優しい祖父だった。離れて暮らしてはいたが、年に何度かはお互いの家を訪れ会ってい
たし、その度ごとに祖父は、英司を本当によく可愛がってくれた。
『英司、英司。また大きくなったなあ』
 いつも、英司と話をするときは、嬉しそうな、楽しそうな顔をしてくれていた。
 ……だから、その祖父が死んだとき、英司はとても悲しかった。
 悲しくて、寂しくて……だけど同じように辛いはずなのに、忙しそうに葬式の雑務をし
ている両親を見ていると、自分だけが座り込んで泣いているのは、なんだか気が引けた。
 それで、一人で、誰の迷惑にもならずに泣ける場所を探して、8年前の英司はこの道を
歩いた。
 ──この道の先には、廃墟となった洋館がある。
 そしてそこで、彼は"彼女"と出会ったのだった……
288幻の思い出 (2):02/08/27 00:48
「おいおい……」
 館を見上げた英司の口から、思わずそんなため息がもれた。
 ところどころ、植物が頭を出した屋根。表面が、ボロボロと崩れ落ちはじめている壁。
割れたガラスが、そのままのぶら下がった窓。半分開いたままになっている、正面の扉。
 ここまでの道と同様、この古い洋館もまた、記憶よりも遙かに荒れ果てていた。
「入って、崩れて死んだりしないかなあ」
 ここで怪我でもして動けなくなっても、誰も通りがかったりしないだろう。携帯を引っ
張り出して確認すると──怪しいながらも、なんとか圏内である。少しは、勇気が出た。
「おじゃましま〜す」
 そっと声をかけ、館の中に入る。ひんやりと涼しい屋内の空気が、彼を迎えてくれた。
 洋館の中もあちこちが崩れかけ、外観とあまり大差ない状態だった。
 足を降ろすたびにギシギシと鳴る床におっかなびっくりしながら、英司は幼い頃の記憶
を頼りに、館の中を進む。
 広い、吹き抜けになった玄関ロビーを抜け、階段を上る。吹き抜けに張り出した2階の
廊下を回り込み、突き当たりのドアを開け、部屋に入る。
「あっ」
 開け放たれた窓。そこから、海の匂いを運ぶ、気持ちのいい風が吹き込んでいる。窓際
に行くと──記憶の通りだ──限りなく広く、碧色に輝く空と海とが、一望にできた。
「うわ……っ」
 そう、その壮大な美しい眺めに、8年前の幼い英司も、いまの彼とまったく同じ感嘆を
もらしたのだった。
 そして……、
「ねえ、なにしてるの?」
 そんな彼に対して後ろからかけられた声もまた、記憶と変わらぬものだった。
289幻の思い出 (3):02/08/27 00:49
「ねえ、なにしてるの?」
 英司の思い出の中にある通り、その声は綺麗で、耳に透き通るようで、それでいて……
少しだけ寂しそうだった。
 そっと、振り向く。そこに"彼女"がいた。
「あ……」 思わず、そんな声がもれる。
 年の頃は英司と同じくらいか、あるいはもう少し上か。
 長く、真っ直ぐな黒髪。可愛らしく整った顔。すらりと細い首筋。華奢な肩。涼しげな
白いワンピースを着た、そのほっそりとした身体。
 そのまつげの長い、黒目がちな瞳を見つめ返し、英司は喜びを抑えられずに話しかけた。
「よかったよ。本当に会えるかどうか、ぜんぜん自信なんか、無かったから」
「……え?」
 彼女は、いぶかしげな表情で彼を見る。
 そんな彼女に、英司は懸命に訴える。自分を、思い出して欲しい一心で。
「ほら、英司だよ。工藤英司。
 ずっと前の夏、ここて泣いているところを、香澄(かすみ)さんに慰めてもらった……」
 そう、英司が幼い頃の話だ。祖父を失った悲しみに耐えかねて、彼は一人泣くことがで
きる場所を求めてこの館に来て、そして、この部屋で彼女と出会った。
「もしかして……英司くん?」
 驚きに目を大きく開けながら、彼女はそう言う。
「いや、だから、さっきからそう言ってるじゃない。そう、ずっと前、香澄さんに遊んで
もらった、英司だよ」
 そんな彼を確認したのか、香澄もまた、おそらくは懐かしい人間に会えた嬉しさに、顔
をほころばせる。
 相変わらずの優しい笑顔が、その8年前と『まったく変わらない』綺麗な顔に浮かんだ。
290幻の思い出 (4):02/08/27 00:51
「そっかー。英司くん、もう大学生になったんだ」
 楽しそうに、香澄はそう話す。彼女の穏やかな声、仕草、綺麗な顔、……その全てが、
英司にとっては、ただ懐かしく感じられるものだった。
 綺麗な、そして優しい幽霊。荒れ果てた洋館の主。時から取り残された、その存在。
 大人達に話しても、誰も信じてはくれなかった。信じてもらえないことが悔しくて涙を
流す英司の頭を、香澄はそのたびに何度も撫でて、慰めてくれた。
 祖父が死に、その後はこの村に来ることもなくなった。
 それから8年……自分でも現実に出会ったのかどうか判らない、幽霊の彼女に会いたく
て、彼はこの場所に来たのだ。
「試験、大変だったでしょ?」
「まあね。でも、いちおう、現役合格」
「そうなんだ、すごいねー」
 彼女の目が、少しいたずらっぽく細まる。
「あの、泣き虫の英司くんがね〜」
「泣き虫って……」
 このあたり、自分の小さな頃を知っている年上は、極めてやっかいだ。なのに、その楽
しそうな笑顔を向けられると、どうにも怒れない。
 まったく、なんだって幽霊のクセして、こんな魅力的な笑顔ができるのやら。
「言っておとくけどね、香澄さん。俺だって、もう18歳だよ? あれから、8年も経っ
てるんだから」
「そうだよね……」
 柔らかな、微笑み。優しさと、そして……隠しきれない、寂しさと。
「でも、私は、全然変わらない。死んだ、あのときのまんま」
291幻の思い出 (5):02/08/27 00:52
「あ……」
 沈黙が、部屋を支配する。英司には、何と言えば彼女を慰めることができるのか、見当
もつかなかった。
 だから、関係がありそうで、それでいて全く関係のない話を切り出すことにした。
「そういえば、香澄さんって、いくつなの?」
「え?」
 きょとんとした顔で彼を見る、香澄。その顔を見て、彼は自分の作戦が上手くいったこ
とを知った。
「いくつって言っても、私はもう歳は取らないから……死んだのは、19歳の時だったけ
れど」
「あれ、そうすると、まだ俺より年上かあ。じゃあ俺、あんまりタメグチとかしてて、も
しかして内心、ムカつかれたりしてる?」
 おどけてみせる英司の気持ちが分かったのだろうか? 香澄はクスクスと笑ってくれた。
「なに言ってるのよ。英司くん、会ってこのかた、丁寧語なんて使ったことなんて、無い
じゃない」
「あれ、そうだったっけ」
 お互いの顔を見て、微笑み合う。
 それから、二人はいろんなことを話した。英司が大学生活のことを話せば、香澄はとき
どき館を訪れる狐の親子の話を彼に聞かせる。それに、昔の、二人の思い出。
 ──ふと気がつけば、外はだいぶ薄暗くなってきていた。それを確認し、英司は腰を上
げた。
「それじゃあ、今日はもう帰るね。暗くなると、あの道デコボコしてて、危なそうだし」
292幻の思い出 (6):02/08/27 00:53
「え……」
 その場の空気が、一転する。
 再び暗い表情になってしまった香澄に、英司は慌てて言った。
「ああ、そんな寂しそうな顔しないでよ。
 大丈夫。俺、あと何日かは、この村にいる予定なんだ。宿だって、とってるし。
 だから、また明日も来るし、それに大学生なんてヒマだから、そのあとだって……」
 しかし、香澄はそっと首を左右に振った。彼女の動きに合わせて、長い黒髪がサラサラ
と揺れる。
「多分、『そのあと』は無いよ……」
 彼女は、小さく呟いた。
「それって、どういうこと?」
 怪訝そうにそう訪ねる英司に、香澄は弱々しい微笑みを浮かべて答えた。
「この建物、もうすぐ壊されるらしいの」
「な……っ」
 突然の話しに驚く、英司。
「もともと、もう住む人間もいないし。それに、このまま残しておいても、いつ壊れるか
わからないから、危ないでしょう?
 だから解体しようって、この前やってきた男の人達が言ってた」
「そんな、だってそんなことしたら、香澄さんは……っ!」
 香澄は、彼の顔を見上げると、言った。
「でも私は、それもいいと思うの」
293幻の思い出 (7):02/08/27 00:54
「そんなのって……」
 そんな彼女の言葉に、抗議しようとする英司。だけれど香澄は、小さく首を横に振ると、
訴えるように言った。
「私、もう、疲れちゃった……」
「香澄さん…」
 何と言っていいのかわからない。そんな英司に、香澄は話す。
「私、ずっとここにいるの。カレンダーも新聞もないから、もうどれだけここにいるのか、
自分でも見当もつかない。
 その間、ずっと寂しかったわ」
 あんまりにも弱々しくて、まるで今にも消えてしまいそうな彼女。
 そんな彼女に、英司は必死に話しかける。
「そんな……、だって、でも、これからは俺もいるじゃない。
 さっきも言ったけど、俺、明日も来るし、そのあとだって……っ」
 そっと……香澄の手が伸ばされ、その人差し指が、彼の唇に触れた。
 柔らかく、ひんやりとしたその感触……それが、英司の口を閉ざす。
「ありがとうね。でも、そうじゃないの」
 静かに、あんまりにも静かな声で、香織は続けた。
「私が寂しいのは、きっと、私がもうここには属していない存在だから──そう思うの。
 一緒の時間を生きた人達からも、ううん、時間そのものからさえ、取り残された存在。
 だから私は、きっとこんなに空虚なの」
294幻の思い出 (8):02/08/27 00:56
「そんなことないよ。香澄さんは、あのときの、泣いていた俺を、一生懸命慰めてくれた
じゃない。
 そんな香澄さんが、空虚な存在だなんて、……そんなこと、ないよっ」
「……ありがとうね。なんとなくだけど、英司くんなら、そう言ってくれると思ったんだ」
 だけど、英司にもわかっていた。自分を語る、香澄。その悲しげな彼女の姿は、確かに
どこかぼんやりとしていて、なにかしら決定的に『足りない』ものを感じさせた。
「でもね、やっぱり私は、自分が全てから取り残された存在だって、……理屈じゃあなく
て、心でそう感じるの。
 ……ううん、全てから取り残されたっていうのは、ウソね。だって、この家だけは、私
と一緒にあるもの」
「香澄さん……」
「私はずっと、この建物と一緒だったの。生まれたのも、この家。生きてる頃はいつも病
気ばっかりしていて、あんまり外には出られなくて、ずっとこの部屋の中にいたわ」
 いたわるように、愛おしむように、香澄はあちこち壁紙がはがれた壁に、手をそわす。
「そして私が死んだのも、やっぱりこの部屋。
 私はこの部屋しか知らなくて、どこに行っていいのか分からなくて、それでずっとこに
居つづけてきたの」
 壁を見る彼女の横顔にはその長い髪がかかっていて、英司には彼女の表情を見ることは
できなかった。
「でもね、これはいい機会だと思うの。この建物がなくなって、私のいる場所がなくなっ
て……。そうしたら、私はやっと、こことは違うどこかに行けるんじゃあないかって。
 そう思うの」
295幻の思い出 (9):02/08/27 00:57
「怖く、ないの……?」
 しかし、そんな質問などしなくても、答えはわかっていた。壁を向く、香澄。その細い
肩は、確かに小さく震えていた。
「──怖いよっ! 当たり前じゃない、……私、この部屋しか、知らないんだから!」
 英司の方を振り向く、香澄。その頬は、彼女の目から流れた涙で濡れていた。
「香澄さん……」
 だから英司は、彼女の背に両腕を回し、そっと、彼女を抱きしめた。
「英司、くん……」
 何度も、何度も、英司は彼女の頭を、彼女の髪を撫でる。何度も、何度も。
 遠い昔、泣きながらこの部屋に駆け込んできた彼を、彼女が慰めてくれたときと、……
そのときと、同じように。
「香澄さん……」
 彼女の小さな耳に、できるだけ柔らかく、優しく届くように。そう願いつつ、囁く。
「香澄さん、きっと、大丈夫だよ。
 死んだ後のことなんて、もちろん俺には何にもわからないけど。……だけど、香澄さん
が優しい人だってことは、よくわかってる。
 香澄さんは辛い人生を送って、辛い死に方をして、……それでも僕に、あんなに優しく
してくれた。
 だから、大丈夫。そんな優しい香澄さんに、香澄さんが死んだあとでまで、この世界が
辛く当たることなんて、そんなこと、絶対にないよ」
296幻の思い出 (10):02/08/27 00:58
 ふっと……香澄の肩から、強張りが消えた。そのままゆっくりと、英司に体重を預ける。
「ふふ……」
 小さく、彼女のそんな笑い声が、英司の耳まで届いた。
「やっぱり、英司くんって、そういう男の子だよね」
 彼女の細い腕が、彼の背にまわる。そしてその腕にきゅっと、彼にしがみつくように、
力が加わる。
「英司くんなら、そんなふうに、私のことを慰めてくれるって、そう思った」
 今日、2度目のそんなセリフを呟きながら、香澄はその小さな額を、彼の胸にすり寄せ
るように押しつけた。
「ふふふ……、英司くんって、結構わかりやすい性格だよね」
「……単純で、悪かったね」
 そんな英司の憮然とした声に、香澄は小さく首を振って、否定の仕草をした。
「そうじゃないよ。素朴で、優しくて……。だからきっと、一緒にいると、こんなにもあっ
たかいんだね」
 そう呟き、一度ギュッと力を入れて英司を抱きしめた後、香澄は顔を彼の胸から離して、
そして彼の顔を見上げた。
「じゃあ、慰めてもらったついでに、もう一つ、お願い事しちゃおうかなあ」
 英司の目を上目遣いに見上げる、彼女の目。先ほど流した涙が、まだ乾き切っていない
のか。その黒目がちな瞳は、うっすらと濡れ、潤んでいるように見えた。
「あー……、はははっ、まあ、俺にできることなら、何でもするよ?」
 その彼女の瞳と、そして触れあった身体に内心どきどきしてしまって、英司は冗談めか
した口調でそう言った。
 今更になって、幼い頃から、心の中、憧れとして存在し続けていた女性が腕の中にいる
ことを、自覚してしまう。
「そっか。じゃあ……」
297幻の思い出 (11):02/08/27 00:59
 だけどそんな彼のおどけた仕草には応えずに、香澄は顔を赤らめ、そして消え入りそう
な小さな声で言った。
「じゃあ……お願い。
 ……私を、抱いて……くれるかなあ」
「……え?」
 思わず、間抜けた声を出してしまう、英司。
「えっと、それって……」
 自分がなにか、とんでもない聞き間違えをしたのではないか。そんな思いが彼の頭の中
を巡る。
 それでも、それが聞き間違えなどではないことは、わかっていた。
 なにより彼に向けられた、香澄の、その瞳。黒い、まるで夜の泉を思わせるような、そ
んな潤んだ瞳。
 すがるように。求めるように。誘うように。懇願するように。……彼女の瞳は、彼を捕
らえて離さなかった。
「そうすれば、もしも私が、ただ消えてしまって、そしてその後には何にも残らなかった
としても……」
 彼女の腕を通して、彼女の躰の震えが、英司にも伝わる。
「きっと、英司くんは……英司くんだけは、私のこと、ずっと覚えててくれるでしょう?」
298幻の思い出 (12):02/08/27 01:01
「香澄さん……」
 自分でも、なにを言おうとしたのか。
 だけど英司の口からでかけたその言葉は、押しつけられた唇で外にこぼれることはなかっ
た。
「んっ……」
 少し冷たい、その唇。……だけどそれは、確かに、柔らかかった。
「ん……、あっ」
 そのまま、彼は香澄の身体を抱きしめた。できるだけ、強く。できるだけ、優しく。
「香澄、さん……」
 彼女の背中に回した手で、後ろにあったファスナーを降ろす。後は軽く手を動かすだけ
で、その白いワンピースは、彼女のほっそりとした肩を滑り、足元に落ちた。
「英司くん……」
 なにか言いかけたその唇を、今度は彼がふさぐ。そしてそのまま、舌で彼女の唇を割っ
た。
「ん、……んんっ」
 舌を、香澄の口内に差し込む。舌で彼女の舌をまさぐり、あるいは歯茎を舐め上げる。
 そうしながらも彼の手は動き、彼女の下着のホックを外していた。
「あ……」
 恥ずかしそうに、ずれるブラをおさえようとする香澄。けれど英司はそれを許さない。
彼女の両手首を押さえると、その胸元に口づけた。
299幻の思い出 (13):02/08/27 01:02
「あ……っ」
 びくんっ、と彼女の躰が震える。その感覚を、触れた肌から感じ取りつつ、英司はその
きめ細かな白い肌に、唇を這わせた。
「ん……、ああ……」
 羞恥と、そしておそらくは自分ではどうしようもない感覚に、身を震わせる香澄。眉を
キュッと寄せ、まぶたを強く閉じ、唇を噛みしめる。その頬は、薄暗くなった部屋の中で
もわかるほどに、確かに紅く染まっていた。
 そんな彼女があんまりに愛おしくて、彼はどうしても我慢できなくなる。
 もどかしげに、英司は自分の着ているものを脱ぎ捨てる。そしてせめてもと、その服と
香澄が着ていたワンピースの上に、彼女の細い身体を横たえた。
「香澄さん、……綺麗だ」
 酔ったような頭で、そう囁く。そして再び、彼女の唇を塞いだ。
「ん、んん……っ」
 懸命に、彼を受け止めようとする彼女。だけど今の彼には、それがいっそうの欲望をか
き立てる。
「は……、あ…っ」
 手で、彼女の胸の膨らみを愛撫する。年齢のわりには小さな隆起は、それでも確かに女
性を感じさせる柔らかさを持っていた。
 手のひら全体を使って、撫でるように、その乳房を揉む。ときおり指先で、隆起の中心
にある慎ましやかな突起をこすり上げるように刺激した。
「あ……、英司く…んっ!」
300幻の思い出 (14):02/08/27 01:03
 英司は顔を動かし、舌で彼女のラインをなぞる。可愛らしい耳元から、しなやかな首筋
へ。そこから、魅惑的な窪みを形作る鎖骨へと。
「ああ……、あ…」
 左手は香澄の乳房をゆっくりと揉みし抱きながら、そろそろと右手が動く。つつましげ
な胸の膨らみから、肋骨の凹凸を僅かに浮かべた脇腹へ。そしてほっそりとした腰の曲線
をなぞり、汗でしっとりとした手触りがする太股へ。
 その右手が、彼女の最も密やかな場所にたどり着く。
「あ……っ!」
 未だ下着に包まれたその部分は、その布地の上からもはっきりと判るほどに濡れていた。
 英司の手はその下着の中にもぐり込む。柔らかな恥毛の感触と、その下方にある、熱く
濡れた柔らかい肉。
「ふう……っ、ああ……!」
 まるで耐えかねたように、香澄は英司に抱きついた。両の腕を彼の首に回し、しがみつ
くかのように必死で力を入れる。
「香澄さん……」
 そんな彼女に気を使い、英司もまた、その抱擁に応えた。愛撫の手を一旦止め、彼もま
た、彼女を抱きしめる。
 そっと、二人はただ、お互いの荒い呼吸の音だけに耳をすませる。
「英司くんは、あったかいね」
 香澄が、そう呟く。
「……ごめんね。私、初めてだから……少し、怖くて」
 そんな言葉に、英司は小さく頷いて応える。
「うん……なんとなく、そうだろうなって──思ってた」
301幻の思い出 (15):02/08/27 01:04
「──ありがとう、もう、落ち着いたから」
 少し呼吸が規則的になった頃、英司の耳元で、香澄がそう言った。
「もう、大丈夫だと思う。だから、英司くんを、私にちょうだい……」
 英司は、無言で頷く。
 できるだけ乱暴にならないように手を伸ばすと、香澄の身体から、最後の一枚を抜き取
る。
「ん……」
 目をギュッとつぶり、これから起こることに備えようとする香澄。そのあまりに魅惑的
な表情から目を離さず、英司は彼女の中へと自身を沈めこんだ。
「く……、んんんっ!」
 英司のものが、快感にくるまれる。彼女のそこは、きつく、熱く、彼を締め付ける。
 唇を噛みしめ、必死に声を上げるまいと堪える、香澄。その閉じられたまぶたの端から
は涙が盛り上がり、そして、流れ落ちる。その綺麗な水滴を、英司は舌で拾い上げた。…
…僅かな、塩からい味。
「んっ、……はあっ!」
 身を引き裂くような痛みの中、香澄は奥歯を噛みしめ、ただ己の身体の中に入ってきた
英司を感じながら、彼を力の限り抱きしめていた。
「大丈夫、香澄さん?」
 彼女を気遣う、英司。しかし香澄は、痛みに体中を緊張させながらも、懸命に答える。
「だい…じょうぶ、だよ。痛い、けど……だけど、嬉しい、から。
 だから、……お願い」
 そんな彼女の心を感じながら、英司はゆっくりと、腰を動かしはじめる。
「はあっ、はあっ……英司く、ん!」
302幻の思い出 (16):02/08/27 01:05
 香澄の胎内が、英司を締め付ける。ついさっきまで汚れを知らなかったそこは、まるで
香澄の両腕と同様、必死にしがみつくように、彼のものを力の限り、懸命に締め付けてい
るようだった。
 その乱暴な快感が、英司を追いつめる。
 彼も、長くはもたなかった。
 下腹の奥からこみ上げてきた熱が、堰を押し破らんと、その圧力を強めていく。耳元で
動脈が騒ぎ立てる音が、やかましい。
 それはさながらマグマのように、彼を身体の奥から焼き尽くすようだった。
「香澄さん……行くよ」
 彼女の耳元で、そう囁く英司。だが香澄の方は、返事など出きる余裕があるようでもな
く、ただ何度もコクコクと頷いた。
 そして、堰が、破れる。
"ドクンッ、ドクンッ……"
「あ…あああ……っ!」
 彼の中で極限まで高まりきっていた熱が、ドクドクと脈打ちながら、香澄の胎内へと流
れ込んでいく。
 まるで、彼の熱を、彼女の身体の最も奥へと届けるかのように。
「はあっ、はあっ、……」
「ふう、…ふう……っ」
 二人の身体から全ての力が抜け失せ、そのまま床の上へと崩れ落ちた。
 汗にぬれた裸の肌を重ね合わせ、荒い息を継ぎながら、お互いの身体に手を伸ばし、そ
の存在を確認し合う。
 そこには、そこで抱きしめ会う二人には、確かに『同じ時間』が流れていた……
303幻の思い出 (17):02/08/27 01:07
「もう、大丈夫だよ」
 衣類を身につけ終わると、香澄は言った。
「これでもう、怖くなんかない」
 そう、笑う。
 綺麗で、穏やかで、柔らかくて──そして寂しげな、その笑顔。
「あ……」
 気がつけば、英司は手を伸ばし、彼女の手を取っていた。その細く長い指を、指で絡め
取る。
「このまま……」
 その手に力を入れるべきか、そうするべきではないのか。そんなことすらも判断できな
いまま、彼は香澄に囁く。
「このまま、香澄さんを連れて行ったら、どうなるのかなあ。
 どこだっていい。俺の部屋にだって、全然知らない、どこか別の場所にだって……」
 ほんの少しだけ、彼の指に絡まる香澄の手に、力がこもった気がした。
 ──だけどそれは、ほんの少しだけ。
 香澄のもう片方の手が、優しく彼の手に重ねられ、そして、その手をそっとほどいた。
「英司くん、……私の、最後のお願いがあるの」
 透きとおる声が、彼の耳に伝える。
304幻の思い出 (18):02/08/27 01:08
「これで、お別れ。英司くんはこのまま帰って、そして、普段の生活に戻るの。
 そして、そんな日常の中で……」
 さらりと、その長く真っ直ぐな黒髪が揺れる。
 英司の頬に、香澄はそっと口づけた。
「ときどきでいい。私のことを想い出してくれたら……それが、一番幸せ」
 彼女の目が、英司の目をのぞき込んでいた。
 黒く、深く、まるで澄んだ夜の泉のような、そんな瞳。
「……うん」
 そう、答えるしかなかった。
 そして多分、そう答えるのが正しいと、そう思った。
「香澄さんのことは、絶対に忘れないよ。
 いつまでだって覚えてて、……何度だって、想い出すから」
「うん」
 嬉しそうな、その微笑み。
 いつだって、英司の前で、彼女はそんなふうに笑うのだ。
「ありがとう。約束だよ?」
 ────そして二人は、別れたのだった。
305幻の思い出 (19):02/08/27 01:08
「それじゃ、上がりまーす!」
「おつかれさまーっ」
 そんな挨拶を交わし、英司はバイト先の居酒屋を出た。
 暦はもう秋。昼はまだ暑いとはいえ、夜になれば大気はずいぶん冷え込んできた。
「ふう……」
 そんな夜の風を感じながら、こんな時間になっても絶えることのない人の流れとすれ違
いながら、英司は自分の住処であるアパートへと歩く。
 ──あの後、香澄と別れ、彼は約束通り、そのままこの街まで戻った。その間、彼は決
して館の方を振り返ろうとはしなかった。
 そんなことをしても、きっともう意味はないと……それがわかっていたから。それはと
ても、寂しいことではあったけれど。
"ザァ──"
 風が、英司の前髪を揺らした。
 彼のアパートはは、街から少し離れた丘の中腹にある。その道筋、この辺りまで上って
くれば、街のざわめきも遠いものに感じる。
 英司はそこから、街の明かりを見下ろした。
『ここが、俺の暮らす場所……』
 ここには、緑の森々も、青い海原も存在しない。
 あるのはただ、コンクリートの街並みと、行き交う人々。ネオンの灯火に、流れ行く車
のライトの明かり。
『それでも……』
 彼はそっと、目を閉じる。
306幻の思い出 (20):02/08/27 01:10
 閉じたまぶたの下、そこには、はっきりと思い描ける。
 四角い窓と、その向こうには、見渡す限り青く広がる空と、限りなく続く澄んだ海。潮
の香りを含んだ風が、窓から涼しげに吹き込んでくる。
 そして窓辺には、一人の女性。
 長く、真っ直ぐな黒髪と、その華奢な身体にまとった白いワンピースが、風に緩やかに
揺れている。
 そのまつげの長い、黒目がちな瞳には、確かに英司に対する親しみが溢れていた。
『香澄さん……』
 胸の中、そっと呼びかける。
 それだけで、彼女はとても嬉しそうな笑顔を、その可愛らしい顔に浮かべる。
『俺、約束通り、ずっと忘れないよ……』
 ──そして彼は、まぶたを開く。
 眼下に広がる、街の明かり。
 彼が住み、彼が生活する場所。彼の生きる、現実の世界……
 ……ほんの少しの間、そんな夜の街の明かりを眺めた後、再び彼は帰り道を歩き始めた。
『幻の思い出』 >>286-306
308寝太郎:02/08/27 01:15
あああっ……!  一番最初で、間違えてageてしまいました。
スンマセン(汗っ

……ちょっと長い文章になってしまいましたが、勢いで書き上げた
作品ですので、そのまま勢いでupさせていただきました。

それではどなたか、お次の方、よろしくお願いします〜
>308
くっはあぁぁ〜〜
こらまたすごいネタで来ましたね。
漏れ、丁寧な描写に萌えるんですが、まさにツボですた。
情景、人物、仕草、すべての細やかな描写が、
そこを通る風の色まで感じさせて……
>勢いで書き上げた
って、とてもマネ出来ません。
HARD評価ですが、強いて言うならエロ薄味ってとこでしょうか。
でも、この作品にはそれが合ってる気がします。

ちょっともの悲しいのに爽やかな、素敵な作品をありがとうございますた。
>寝太郎殿
拝読しました。
いいですね、憧れの年上の女性に純粋な思いを抱く少年。
当方女ですが、この作品の綺麗な描写に、読んでいてロマンチックな気持ちになれました。
しかし、一つ間違えてしまうと現実味が薄くなってしまうかも知れません。
けれども、女性が既に死んでいるという設定が、
全体的に生かされていないように思いました。
セックスのシーンでは、女性がとても肉感的でリアルであるだけに
違和感を覚えてしまいました。

辛口になってしまいましたが、力量はあると思います。
>>310
訂正です。
6行目「けれども、女性が〜〜」の「けれども」はいりません。
失礼しますた
312寝太郎:02/08/28 20:58
>309さん
>こらまたすごいネタで来ましたね。
はい、ちょっとひねってみました(^^

>漏れ、丁寧な描写に萌えるんですが、まさにツボですた。
ありがとうございます〜。励みになります。

>エロ薄味ってとこでしょうか。
これに関しては、ちょっと迷ったのですが…。
最終的にこういう形にしました。

>310さん
>この作品の綺麗な描写に、読んでいてロマンチックな気持ちになれました。
ありがとうございますっ。

>しかし、一つ間違えてしまうと現実味が薄くなってしまうかも知れません。
>女性が既に死んでいるという設定が、
>全体的に生かされていないように思いました。
>セックスのシーンでは、女性がとても肉感的でリアルであるだけに
>違和感を覚えてしまいました。
かなり痛いところを突いていただきました。
というのは、この辺、悩みましたんで。
セックスシーン、
『香澄をどんなに強く抱きしめようとも、英司はなにか
空虚な存在を抱いているように思えてならず……それが
たまらなく寂しかった』
と言う風にしようかとも思いました。が、これを選択すると、
ただでさえ長い文章が、余計長くなる&エロさが薄れるか?
という壁があり、結局、今の形にしました。
結論としては、中途半端になってしまったか? というのが正直なところです。

>辛口になってしまいましたが、力量はあると思います。
いえいえ。そのぶん、勉強になります。ありがとうございました。
313T:02/08/28 21:29
>幻の思い出
 香澄さんの表情から、舞台の様子まで、目に浮かぶような感じですね〜。
 すでにお話出てますが、丁寧な描写の勝利、といったとこですね。
 しかし、切ない! 切ないですよ!
 生者と死者。けして共に生きていけない二人。
 なのに、これ以上はないというくらいに心を通じさせて……。
 「二人は末永く幸せに……」という結末を選ばなかったことによって、作品そのものを裏切らずに済んだ、という感じでしょうか?
 えーと、HARDということなのであえて申し上げますと……
 「なぜ香澄さんは、館を出て英司と共に街に行くことができないのか」について、言及が欲しかったような気もいたします。
 ただ、これをやると作品の雰囲気が壊れてしまいそうなので、「無理な注文」なのかも……。
314寝太郎:02/08/29 23:55
>Tさん
ご感想、ありがとうございます〜。
>香澄さんの表情から、舞台の様子まで、目に浮かぶような感じですね〜
魅力的に書けていたならば、それが最高なんですが。
>言及が欲しかったような気もいたします
う〜ん・・・これは、どうなんでしょう?
確かに、説明を省き余韻を増そうという手法をやろうとしすぎると、
説明不足でよくわからん、という風になるのは、ままあることですが・・・
雰囲気として伝わっていなければ、やはりこれは作者の力量不足
なんでしょうなあ。
315T:02/08/31 20:18
>>314
>>雰囲気として伝わっていなければ
 いえ、雰囲気はびりびり伝わってきてるんですよ〜。
 ただ何と言いますか、伝わってくる分、香澄さんが不憫で……。
 無論、二人を安易にくっつけてしまわなかったことは、正解だと思うんですけど。
 切なさ、やりきれなさを感じる分、英司君に感情移入しているわけですし。
 むしろ、本来出会うはずのなかった二人が出会えたことを、素敵な奇跡として想いに留めます。
316名無しさん@ピンキー:02/09/02 14:17
新作期待あげ
書いてます宣言したのに、まだ出来ない。
どんどん長くなっちゃって……
鬱ダシ脳
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
>>317
楽しみに待ってるので、がんがって〜〜。

>寝太郎さん
『幻の思い出』拝読しました。
懐かしさと甘酸っぱさ、哀しくも優しい思い出。
読み終わってしみじみ〜〜。
エロ度薄味は、確かにそうですが、これに無理してもっとエロを盛り込むと
何やら、おかしなものになりそうで。
本来の作品世界を壊してしまうように思えます。
ほんのりエロか、ギッチギチのエロか、
これは作品や作者の特質によるものが大きいでしょう。
前回のお題での作品が、ワリと煽情的に始まったので、
ついつい読むほうも、寝太郎さんに期待してしまいますが。w
香澄さんが××である特性は、やはり生かしきれていないように思います。
所詮「オハナシ」の世界と言ってしまえばそれまでですが、
>>312に書かれていたような、チョイと変則的なエロシーンも、ひとつの方法だと。
(と、言うのは簡単で、描写するのは難しいですがねw

兎にも角にも、楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。
320寝太郎:02/09/06 02:02
>>317さん
楽しみにしてます。マターリヽ(´ー`)ノとガムバッて下さい(^^

>>319さん
ご感想、感謝ですっ。
>読み終わってしみじみ〜〜。
ありがとうございます。今回の短編、こういう評価が頂けるのが、イチバン嬉しいです。
>ほんのりエロか、ギッチギチのエロか、
>作品や作者の特質によるものが大きい
そうですよね。これはゼッタイですな。
>前回のお題での作品が、ワリと煽情的に始まったので、
>ついつい読むほうも、寝太郎さんに期待してしまいますが
む〜、そうだったのかあっ。よっし、いずれ次のお題が出たときには、エロエロで頑張るぞっ(笑
>香澄さんが××である特性は、やはり生かしきれていないように思います
結局、これが今回の一つの壁で、それを越えることができなかったようです。
いろいろ反省して、考えて、今後に活かしたいものです。
は〜推敲中〜 (´Д`;)
みんな執筆ガソバレ〜ヽ(´ー`)ノ♪
復帰したのだね。おかえり〜(涙
324寝太郎:02/09/09 20:08
よかった、よかった。
…………だけど、本スレが〜(泣
>>324
ん?生きかえってまっせ、本スレ。
326寝太郎:02/09/09 21:33
>>325
あ、ホントだ。
…………………………ホッとしたね。
書けた〜!
明日かあさってくらいにうpします。
>327
たのしみで〜す♪
329しるし:02/09/11 23:13
 都会での運転に慣れた僕にとって、田舎の道はひどく緩慢に感じる。いつまでも前車を追い越さない、
のんびりしたご老体の車に、突然行く手を阻む、トラクター。都会のクセで、ついクラクションを鳴らして
しまう。アクセルを踏み込んで追い越す時、通りすがりに忌々しく睨みつけると、相手は「うるさいなぁ」と
いう怒りの反応より、「なぜ急ぐ?」という怪訝な顔を返す。

 そうだよなぁ。

 子供の頃さんざん自転車で遠出した川原は、車で行けばわずか5分の場所だった。土手の空き地に
車を停め、斜面の草に腰を下す。吹き抜ける風に、もう秋の気配を感じ、気早く飛び交うトンボの群れに、
子供のころ良く遊んだみっちゃんを思い出す。
 『みっちゃん』とタメで呼んでいたが、実際には2つ年上で、色白で楚々とした見た目とは裏腹に、僕たち
の間ではガキ大将的存在だった。
 カエルはストローで破裂させる、ヘビは捕まえて振り回し、頭を叩き割る、近所の表札を剥がしてまわる、
挙句の果てに自分は川でおぼれかけた。
 しかしそれは川に落ちた僕の友達を助けようとしたからで、身を張って面倒を見る姉御は、僕たち子分の
憧れだった。
330しるし:02/09/11 23:14

 みっちゃんを女として意識し始めたのは中学のころからだ。僕たちも別々に遊ぶようになり、次第にみっ
ちゃんとも挨拶くらいしかしなくなった頃、真夏にこの川原で水遊びをしているみっちゃんに会った。
 もともと、おしとやかにさえしていればすごく可愛い子だったのが、水着で露になった体型の胸は膨らみ、
腰はくびれ、当時高校生の彼女は、眩しいほど美しくなっていた。その後、彼女は都会の大学に行き、
そこで出会った大金持ちの一人息子と結婚した。

 僕はといえば、その実、みっちゃんを追うようにして都会へ出て、大学に進学し、去年ようやく就職した。
仕事も落ち着き、今年の夏はこうしてゆっくりと帰省できた。都会にいれば、いつかは会える気がしたみっ
ちゃんとは、全く会っていない。
 大学時代を含めて、何人かの女の子と付き合ったが、みっちゃんほど清楚で、明るくて、行動力のある
子は居なかった。
「よしお……くん?」
 不意に懐かしい声がして、振り返ると、驚いたことにみっちゃんが立っていた。
「みっちゃん……?」
「わあ!やっぱりよしおくんだ。 後姿は変わらないわねぇ」
「どうしたの? 里帰り?」
 急にみっちゃんは表情を暗くし、うつむいた。
「ううん…… 出戻り……なの」
「なんで!?どうしたの?まさか、離……」
「交通事故なの……」
 ひゅうひゅうと川原を渡る風が、急に涼しく感じた。
331しるし:02/09/11 23:14

「交通事故って……」
「仕事でアメリカへ出張中に、向こうで……」
「そうか。 それは大変だったね」
「あの人、ボンボンのくせに、人一倍努力する人で、そんなところが好きになって結婚したんだけど、
あの人が亡くなってから、相続の問題でゴタゴタしてしまって……
子供も居なかったので、向こうの両親が、三智子さんも若いからやりなおせるだろうって……」
「離婚したのか?」
「うん……」
「親戚はがめつい人が多いけど、ご両親はいいひとよ。 だから、私……」
「もう言うなよ」
「僕だって、みっちゃんがお嫁にいった時はショックだったけど、幸せそうだから黙ってた」
「……何を?」
「僕だってみっちゃんを想う気持ちは、誰にも負けないってこと」
「……」
「こんなとき、こんなこと言うのは不謹慎だってわかってる。でも、少しでもみっちゃんの支えになりたくて……」
「ありがと。今日もね、こっちへ戻って、真っ先によしおくんに会いたくなったのよ。おうちへ行ったんだけど、
留守で、お母さんにきいたら、車で川原へ行ったっていうから……」
「そうだったんだ」
「ね、帰ろ?」
「うん」
 みちゃんが乗って来た自転車をトランクへ放り込み、蓋が跳ね上がらないようにトランクの金具を紐で
結ぶと、二人で車に乗って僕の家へ帰った。

「ねえ、いつまで居るの?」
「3日くらい」
「そう……」
 みっちゃんはにっこり笑うと、自転車に乗って帰っていった。
332しるし:02/09/11 23:15

 翌日、みっちやんを呼び出し、神社の境内へ行った。
「何? 話って」
「昨日も言ったけど、今こんな話するのは不謹慎だってわかってる。そして、すごく卑怯だってことも。
でも、言わずにいられないんだ。前のダンナのような贅沢はさせてあげられないけど、僕と一緒になって
くれないかい?」
 みっちゃんはグッと真剣な顔になり、それから、フッと笑った。
「ごめんね。 私の体には、あの人の物っていう印があるのよ。とてもよしおくんには見せられない、印」
「なんだよ、それ。 妊娠してるわけじゃないだろ?」
 みっちゃんはルーズな普段着のワンピースの襟のボタンを2つ外すと、ブラの肩紐をずらし、カップを指
で引っ張った。
 僕がそこに見たのは――金属のリング。
「ピアスよ。 反対の胸にも、そして、下の方にも3箇所ついてるわ」
 ゴクリ。と生唾を呑む。
「もう、戻れない体なのよ…… ごめんね」
 みっちゃんは胸を仕舞うとそのまま帰っていった。
 僕が実家へ居る間、もうみちゃんとは会わなかった。やるせない気持ちを残し、都会へ戻った。
333しるし:02/09/11 23:16
 みっちゃんに打ち明けた想いは、そのまま僕の中に残り、日増しに大きくなっていった。実家へ電話した
ときに、それとなくみっちゃんの様子を聞くと、また家を出て一人暮らしをしているという。このまま音信不通
になってしまうのを心配しながら、なんとなく仕事も忙しくて、少しみっちゃんを忘れかけたある日、書店の
雑誌コーナーでオトナ向け雑誌のピアス特集を見かけた。
 不快に思いながらも、パラパラとページをめくると、ピアス装着の手順や必要な道具が載っていた。
「スナップリングプライヤー」
 道具の名が目に飛び込んできた。
「これでリングを開き、ピアスを外します」
 なんとなく気になって、その名前を覚えていた。

 それから随分経ったある日曜日。仕事の用事も兼ねて、大きなDIYデパートへ行った。何時もここへ来
ると余計なものまで買ってしまう。もちろん、それも楽しみのひとつだが。
 エレベーターで最上階へ行き、らせん状の売り場の配置に合わせて、ぐるぐると回りながら各階を見て
まわるのが、僕は好きだ。
 仕事用の材料も買い込み、今日はあまり余計な買い物をしなかったと安堵しながら、下の方の階まで
降りてきた時、見覚えのある後姿が目に留まった。
―みっちゃん―
 追いついて声を掛けようとしたが、こちらには全く気付かず、スタスタと売り場の間を進み、ドライバーや
ペンチの棚の前でしゃがんだ。
「みっちゃん」
 やっと声を掛けた時、彼女はちょうど棚にあるペンチを手に取ったところだった。
『スナップリングプライヤー』
 それを見た一瞬では、その工具の名前とみっちゃんの行動とが結びつかなかった。
334しるし:02/09/11 23:18

「よしおくん! どうして?」
「みっちゃんこそ! 僕はたまたま仕事の買い物で……」
 彼女は急いで手にした工具を棚へ戻した。伏目がちな彼女の仕草をみて、僕は初めてその工具の意味
を思い出した。一瞬のうちに彼女の心を知り、頭に血が昇った。そして、自分自身の心を決めるように、口
に出した。
「僕…… それ、知ってるよ」
 その瞬間の、みっちゃんの困ったような、泣きそうな顔が忘れられない。
「そこの、喫茶店に入ろう」
 みっちゃんを促して、店内の喫茶店に入った。
「あの人がね、どうせ明けるならちゃんとした所がいいって、この近くのプロのところで明けてもらったの。
だから、今日はそこに行って外し方を教わったら、ここで工具を売ってるって言われたの。それで……」
「そのプロのところで外してもらえばよかったのに」
「ううん。付き添いなしで、そんな所をお店の人に晒す勇気なんて無い」
「そうか」
「あの……」
「え?」
「もし…… その、もし、よかったら……」
 そこでみっちゃんは言葉を止め、うつむいてコーヒーを啜った。
「もし、よかったら、よしおくん……外してくれない?」
 僕は自分の拳をギュッと握った。
「あの……」
 僕も一言言いかけて言葉を切り、アイスコーヒーのストローを口に含んだ。ある考えが突然頭を過ぎり、
そのことを口に出してもいいものか、考えた。
「あの…… 外すのはだめだ。僕が買ったものと交換だ。それでも……いいの、なら……」
 みっちゃんは一瞬戸惑った顔をして、それからにっこりと微笑み、
「うん」
 と頷いた。
335しるし:02/09/11 23:19

 僕らはその工具を買うと、店を出て、歩いて一分足らずのピアスの店に行った。お店の人にみっちゃん
が相談する。胸はリングだと少し煩わしいので、バーベルにしたい。下は3箇所とも、リングの新しいものを、
色々なデザインのボールの中から選んだ。

 みっちゃんを連れて、僕のマンションへ帰る。
「ふふふ。あたし、小さいころのよしおくんしか知らないから、なんか不思議な感じね。 男臭くって」
「いきなりだから何もかも散らかったままでごめん」
「こう見えても元主婦よ? お屋敷掃除に比べれば、このくらいの部屋」
「あははは狭くて悪かったね」
「あ、ごめん、そういう意味じゃ……」
「散らかってるけど、まあ、座んなよ」

 前の彼女が忘れていった、未使用の湯のみでお茶を淹れて、みっちゃんに出す。
「よしおくんも色々あったのね」
 湯のみをしげしげ眺めながら、みっちゃんがポツリと言った。
「でも、みっちゃんほどの女性には出会わなかった。みんな依存性ばかり強くて、身勝手で……」
「あたしだって依存性強くて身勝手だよ? よしおくんが思ってるような女じゃないよ、きっと」
 みっちゃんはスッと立ち上がると、背中に手を回し、ワンピースのジッパーを下げた。薄い木綿のワンピー
スがはらりと足元に落ち、素っ気無いグレーのブラとショーツが露になる。
「なにを……」
 僕の言葉を無視するようにブラを外し、ショーツもするりと脱ぎ去った。
336しるし:02/09/11 23:20

「交換、してくれるんでしょ?」
 全て露になったピアスの実物に圧倒され、しばらく言葉も出なかった。元人妻とは思えない、淡い色の
乳首が、その形は淫靡さいっぱいに突き出している。その根元を貫く、金属のリング。単純なその構造は
頭で理解できても、肉に刺さる金属棒の視覚的衝撃はものすごい。
「さあ、早く。 外してよ」
 衝撃と興奮で混濁した頭で、いかにも冷静ぶったセリフを紡ぎ出す。
「なんだか、亡くなったダンナに悪いなぁ」
「いいの…… これが供養なの。外したリングはお墓に入れるわ。早く私が立ち直ることが、そして新しい
生活を送ることが、彼の両親も望むこと。虫がいいかもしれないけど、逆にそうする義務が私にはあるの」
「愛されてたんだね」
 みっちゃんは言葉をつまらせた。
「ごめん」
「いいのよ。 お願い……」
 自分の乳房を掴み、乳首を突き出す。
 僕は買ってきた荷物から『スナップリングプライヤー』を取り出すと、先を除菌ティッシュで消毒した。
「こんなもの、ハサミとかペンチで代用できないのかな」
「よしおくんもピアスすればわかるわ。ペンチやハサミでも不可能じゃないけど、サイズに合っていないペンチ
で作業して、万一滑ったら、すごい衝撃よ。ピアス穴が裂けてしまうわ。こんな敏感な部分を貫いているも
のに、そんな恐ろしいこと、出来ない」
「なるほど、そうか」
 僕は話をしながら、プライヤーをリングの中に通し、強く握ると、リングに挟まれたボールは簡単に外れた。
「これって、単にリングの切れ目が、横に凹みのあるボールを咥え込んでるだけなんだね」
「うん。でもステンレスのリングってすごく硬いから、それが無いと外せないのよ」
「なんだか、鍵みたいだね」
「着けられた時は、外す時が来るなんて思わなかった」
337しるし:02/09/11 23:20

 リングの切れ目は乳首の直径よりかなり狭いので、更にリングを開いた。リングをゆっくりと回して抜く。
「痛くないの?」
「うん。内部はもう皮膚のようなものが出来てるから。でも、回されるとツーンって感じる」
「乳首硬くなってきたよ。 あ、抜くのがきつくなってきた」
「少し痛い」
「ゆっくりやるよ。 ほら、取れた」
「じゃ、よしおくんのバーベル入れて」
「うん。これネジの頭ごと入れて、痛くないのかな」
「平気。 んんんんん!」
「通ったよ」
「ボール嵌めて」
「うん」
 バーベルはボールにネジ穴が明いていて、そこへ棒の先のネジ山が入る、単純な仕掛けだ。そっと手を
離して見る。リングもすごいけど、バーベルはバーベルですごい。見た目は乳首の外に2つのボールが付
いているようにしか見えないが、そのボール同士があんな太い金属の棒で繋がってるなんて……

「こっちも、お願い」
「うん」
 反対の胸も交換する。
「何も知らない人が見たら、見た目はこっちの方がおとなしいわね」
「うん。 僕もそれを考えてバーベルにしたんだ。知ってる僕だけが萌えるつもりでね」
「ありがとう」
338しるし:02/09/11 23:21

「さて……と」
「よしおくん、緊張してる?」
「だ、大丈夫だよ、き、緊張なんて……」
 みっちゃんは、僕jがあからさまに緊張してるのを見て、僕の両肩に手を置き、僕を見つめて、にっこり
と笑った。
「おねがい……」
 ぞわぞわと総毛立つような快感が背筋を駆け抜け、そのぽってりとした、甘いチェリーのような、光沢の
ある唇に自分の唇を重ねた。ねっとりと絡みつくような、年上の人妻の舌の感触。小さい時に一緒に遊
んだ女の子の、女としての変貌を体で思い知った。
 ぽっ、と唇を離し、僕はみっちゃんをベッドへ寝かせた。
「足、開いて」
 強ばるような超興奮の渦の中で、なんとか平静を装い、落ちついたつもりの声で言った。
 みっちゃんは無言で足を開いた。綺麗に剃り上げられた、無毛のそこは、すでに何がなんだかわからな
いほど濡れていた。
「すごい……」
「言わないで……」
 みっちゃんは両手で顔を隠してしまった。
339しるし:02/09/11 23:30

 僕は部品の整理をするように、左右の花びらをパックリと分け、リングの向きを整えた。
 びちゃびちゃに濡れたまま、左右の花弁のリングを外し、僕が買ったものと取り替えた。
 クリトリスはリングの径が小さいのと、その部分が非常に敏感なので注意を要する。
「んっ!」
 少しリングの向きを変えただけで、たまらない声が漏れる。ゆっくりとペンチで広げ、ボールを取り、丁寧に
回して抜く。
「ふんん……」
 また、声が漏れる。もと付いていたものより、若干径の小ぶりなリングに、少し径の大きなボールを付けた
ピアスを通す。きっちりボールを噛ませて終了だ。
「できたよ」
 一連の作業の中、止め処無く蜜を吐きつづけるその穴と、リングのおかげで突起したままのクリトリス、
ひくつく肉ヒダを凝視しつづけ、僕の理性は崩壊寸前だった。
「きて」
 とどめの一言が耳に入ると、何も考えられなくなり、ズボンも下着も脱ぎ棄てて、ベッドに上っていた。
前戯不要なほどの濡れ具合に、僕は自分の赤熱する先端を、そのまま有無を言わさず押し当てた。
「ウッ!」
 カリの上に金属の固い感触が!
「ひうっ!」
 同時にみっちゃんの叫び声。
「おおきいよお!」
340しるし:02/09/11 23:30

 一瞬すごい誉め言葉に思えたが、念のため聞いてしまった。
「何が?」
「ボッ、ボールが! クリに直接当ってる!」
 ちょとガッカリ。だがもう後に退けないので、そのままズーンと押し込むと、硬い肉棒の上面を、ボールが
つうぅっ!となぞる。
「くはっ!」
 あまりの快感に声を漏らしてしまった。
「はあああああん!!」
 みっちゃんも激しく感じている。
「ボールが当るっ!当るっ!当るっ!当るっ!!」
 奥まで押し込むと、今度は左右のリングが僕の左右に触れるようになった。
 3点をコロコロと刺激され、熱い肉壷で絞め上げられ、とても永くは持たないと思った。
「あうっ。ごめんみっちゃん。 出そうだ」
「いいわよ、ンっ!だっ!だして!ンンンン!!」
 その後2ストロークほど後に、上下左右からペチャンコにされるような圧力と供に、先端へ向かってしごき
上げられる熱い感覚がしたかと思うと、目の前が一瞬暗くなるほどの凄まじい快感とともに射精した。
 ごりっ、ごりっ、ごりっ、という音でもしそうな、ものすごいしごき上げ感……
 ちぎられそうになるモノを、無理矢理引き抜いて、みっちゃんの横へドサリと倒れ込んだ。
341しるし:02/09/11 23:31

「ハアッ!」
「ハアッ!」
「ハアッ!」
「ハアッ!」
「……すごすぎる……」
「ありがとう、よしおくん」
「御礼なんて言うなよ」
「ん……でも……」
「もう、僕のものになった証だろ? 僕が使いこなすにはまだまだ時間かかりそうだけど」
「そうだったわね」
「すごいね、ピアスって」
「よしおくん、クリのピアス、径と玉のサイズが合ってないよぉ…… これだと玉がいつもクリにぶつかって……
 感じちゃう……」
「それもいいかも」
「ばかあ」

 前の旦那と、僕の存在が完全に置き換わるまで、まだまだ時間は掛かるだろう。しかし、既に身体の一番
深い所で繋がっている僕達にとって、少しずつ、少しずつ、焦らずに解決していけばいいことだと想った。





作品名:「しるし」
     >>329-341
執筆者:名無しさん@ピンキー
段階表示:【EASY】

現在の作品リスト

※お題「同級生の女の子」

「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213

※お題「年上との再会」

「不純な動機」 >>259-271
「幻の思い出」 >>286-306
「しるし」   >>329-342

344T:02/09/12 21:12
>しるし
 おおおおお、×××ですか〜!
 その、精神的な「意味」と、物質的な「機能」の双方が描かれていて、ビリビリ来ました!
 前半の、最初の再会シーンもしみじみとしてていいんですが……
 やっぱ後半のHシーンがたまりませんね♪ すごく濃密な感じがして。
 ×××が、きちんと日常の中に「ある」感じがして。そういう点でもコーフンいたしました♪
>344
早速のご感想ありがとうございます。
>きちんと日常の中に「ある」感じ
ぬおおお。書きたかったトコでございます。
重ねてありがとうございます〜
346寝太郎:02/09/14 09:39
>しるし
拝読しましたっ。

ぬう……なるほどなあ。
自分はSMアイテムには弱いもので、勉強になります。
こういうのもいいなあ。こんど、その手のHPで勉強しようかしら。

一番良かったシーン。胸から前任者の印を取っ払う場面。
一種独特の雰囲気がかもし出されてて、妙に肉感的で、ムチャクチャ興奮しました。

ごちそうさまでしたっ!
>346
ご感想ありがとうございます。
こうしてみると「年上との再会」というありがちなシチュなのに、
みんな特殊なアイテムを持ち出してますね。

>一種独特の雰囲気がかもし出されてて、妙に肉感的で、ムチャクチャ興奮しました。
特殊なアイテムは知らない人にもそれが伝わることが大事ですから、
萌えていただけたのなら何よりだと思います。
ありがとうございました〜
348名無しさん@ピンキー:02/09/15 22:35
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノage
もうだめぽ
(;´Д`)保守ぽ
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
>しるし
楽しく拝読しました。
くぅー、そうか成る程なぁー、とか意味不明に唸ってしまいました。
××ッ×ングの世界、こういう切り口で書くのが面白い。
取替え(=委譲)、なのですね。
視覚的には痛そう?なのに、
それがするりと興奮と快感に替わっているところも楽しめました。
特殊アイテムの説明も、さりげなく的確で、勉強にもなってしまったり。
個人的には、みっちゃんがDIYショップに居るシーン、
いじらしくて好きです。
モチロン読み終わった後に、ググってその世界を調べてしまったのですが。w
一話で得をした気分です、ありがとうございます。
保守る
いっそテーマ変えるのもいいかと。
今のテーマは門戸狭い気がする。
>>354
>今のテーマは門戸狭い
 うん、これは言えてるかも。
 シンプルなテーマで・・・てのが趣旨だったはずなのに、今のテーマは「年上」「再会」と、テーマが二重になってるものね。
 もっと単純な「妹」「女教師」とかにしてみる?
 ああ、今のテーマで書いてる人がいるなら、申告キボンヌ
 「年上」と「再会」のどっちかを外してしまうという手もあるかと
>352
ご感想ありがとうございますた。
レス遅くて申し訳ないです。
ピアス差し替えシーンて滅多にないので書いてみました。
やはり何かの証である以上、古いものそのままには出来ないかな。
で委譲になるわけですね。

>355
>356
ちょっと今回は不発ネタでした。
自分も苦労して書いたので、これでは本末転倒かと。

「女教師」キヴォンヌ
「年上との再会」ムツカシですかねー。
とはいえ、自分も頭の中モヤモヤ〜の段階なので、まだ手を上げられないです。

もしお題変更なら、私も「女教師」キボンヌ。
「年上との再会」は、ある意味、フライングという面もありましたから(藁)
正直、アンソロのお題は、言ったもん勝ちなのかと思ったよ。

とは言え、お題をどうするかは、もうちょっと様子見なんじゃないの
週末くらいまで待つ?
360寝太郎:02/09/24 07:15
>お題
もし変更でしたら、自分は「妹」がいいなあ……。

いえ、今までのお題が、「同い年」「年上」ときたので、
次は年下がいいかなあ……と。
今のお題 締め切らずに、マターリ待ちつつ次も考えてみましょうか。

>>360
そういう考え方なら、いっそ「妹」でなく「年下」ではどう?
362名無しさん@ピンキー:02/09/25 18:53
>次のお題

   「妹」please
363三輪緒:02/09/26 18:02
年上との再会のアイデアは2つほど暖めているんですが……。
他のことで忙しくて、正直書いている余裕がないです。
短編はある程度気合い入れないと書けませんので。

片方はSFだったりするのも着手できない原因かもしれず、鬱。
背景説明をどこまで絞るかだけで半月悩んでいたりする罠。
もうしわけない。
>363
まあ、 ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ でいきましょうや。
乗り遅れたとしても、べつに自身のHPに公開でもいいわけだし。

ちなみに、「妹」キヴォンヌ!
お題に萌えて「漏れも!」って書くってトコあると思うので、
「年下」より「妹」のほうが良いと思われ。

ご意見モトム。
366名無しさん@ピンキー:02/09/30 09:21
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノあげ
テマーで議論するよりも早い者勝ちでうpした方をテマーに汁!
そのテマーがそれでその方が早く読めてウマー。
負けた方は次のテマーてことで
>>367
う〜ん、それだと、アンソロと言う企画の意味が、
話し合いをする意味は、多くの参加者を得るって
事じゃないですか?

とりあえず、これまで挙がったお題で
多数決します?
「妹」「年下」「女教師」
「年上」「再会」かな?
>367
>>2-4を嫁。

>368
「妹」きぼん。
ちと挙手。
ひそかに「年上」の「女教師」の「再会」で書いてまつ。
キーワード大目に盛り込んだので、やや長めになりそなカンジ。
20〜25レスくらいの予定。

今週中にはあげる予定なので、次のお題は少し待って欲しいカモ
>370
ご心配なく。
前述の如くお題協議中でも前お題生きてますので、
マターリお待ちしてます。
お題切り替わってもしばらくは平気ですから。

「女教師」ワクワク(゚∀゚)
372367:02/10/03 11:50
正直スマンかった。だが、

2.賛成の方は、レスに対して、その意志を表明してください。
  → 「その題材で参加します」といった主旨のレスを書き込んでください。
  → 不参加を表明する必要などは、まったくございません。

今の流れがコレに沿ってないと思うが?テーマ希望するだけでさ。
9/21から一向に進む気配なしだったから、
こういうのって勢いもあるし作品アプしたら
触発されてまた活発になるかなって…。

>>370
期待しちょります。
>372
お気持ちはわかりますが、「年上との再会」は、
議論されないまま作品がUPされ、そのあとで「ちょっと範囲狭すぎ」
とか意見が出たので、今回は練る方向でもいいかな、と。
374寝太郎:02/10/03 23:06
>>370
楽しみにしてます(^^

>>372
>今の流れがコレに沿ってないと思うが?テーマ希望するだけでさ。
う〜ん、今のところ、357、358のお二人は、「女教師」で
参加を希望されてるように読めますよね。
んで、自分は「妹」で参加を希望してます。
それ以外の方は、どうなんでしょう? 参加を希望されてるかどうかは、
文章からは判別がつきませんが……。

>>373
>今回は練る方向でもいいかな
370さんの作品がupされ、その感想が一段落つくまで時間ができたわけですし、
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノと意見をすり合わせましょうか(^^
375372:02/10/04 11:06
書く人がいれば俺は女教師先だろうと妹先だろうと
一向にかまわんっ!!
というか先々の作品が既に書き始められてたら
スタートダッシュいいだろうなぁと・・・。

ちょっと範囲狭すぎ>そうだね>じゃー
ってことで妹か女教師になってるし
既にその点については改良されたと思ったのさ。
376名無しさん@ピンキー:02/10/04 13:12
>>375
アンタは書くの?
ここは、「書く人」が作った、「書く人」主体のスレだよ?
読みたいだけの人間は、あんまり大声でわめくな。
377あぼーん:あぼーん
あぼーん
378あぼーん:あぼーん
あぼーん
379370:02/10/04 16:07
まま、マターリいきませう
みんだで書いて、みんだで読んで、感想もらえてウマーが
このスレらしいと思うので。

すでに書かれた作者様方にちと質問なんでつが、
40行ほぼミッチリ埋まってる×25行だと、1レスに収まりますでしょうか?
>>376
あげるやつにそういうこといわれたくねーなー。
いちおうどっちでもテーマに沿って考えてはいる。
が他のところでも書いてるんで確約はできないんで
どっちが希望とかは言ってない。

ちなみに俺は354=367だ。ただマターリでもいいから保守だけになったり
DAT行きはいやだったから書いたんだけどな。
>380
まあまあ。
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ

>マターリでもいいから保守だけになったりDAT行きはいや
住人全員その気持ちと思われ。
でもタイミングの微妙な差とかあるので、保守だけになる時期もあるかと。
358でつ。
「女教師」キボンヌしていましたが、あまりそのシチュを生かしているように
思えないので、一旦挙手を下げます。
370サンと同様に「年上」「再会」「女教師」で考えていましたので(藁
もし万が一、「年上との再会」のお題に間にあえばって事で……スマソ。
>>379(370
おっとそれから…自分の過去投稿をスキャンしてみますた。
26行とかいうのもあったので、大丈夫なのでは?
うp楽しみに待っております。w
384370:02/10/05 18:13
で、でキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
食事して戻ってきたらうPしまつ。

作品名:『10月のサマーカクテル』
執筆者:370
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
予定レス数:26      ……たぶん、最長でつ(藁
 居酒屋の扉を開けた僕は、鮮やかな既視感によろめいた。淡い天井の照明、カクテルも
焼酎も出す和洋折衷した不思議な店の雰囲気、そして学園祭の打ち上げだろう、高校生ら
しき私服の若者の歓声。懐かしい、高校時代のあの晩に一瞬で戻ったみたいだ。
 明らかに都会的なバーを意識したストゥールに座りかけ、僕ははっと動きを止めていた。
鼻をくすぐる香水‥‥この柑橘系の軽やかな匂いは、あの人の‥‥
「あのう、お客様、ご注文はいかがなさいます」
 腰を浮かしかけ、われに返った。ピシッとした服装の若い女性バーテンダーが困惑ぎみ
にこちらを見つめている。さわやかな匂いのもとは彼女のようだった。
「‥そっか。君の香水だったのか。いい匂いだね」
 台詞をどう理解したのか、女性バーテンダーは華やかに唇をほころばせる。
「あら、この香水を気に召されましたか。これはですね、」
「知っているよ。212(トゥ・ワン・トゥ)サマーカクテル、キャロライナへレラだろ?」
 彼女は、ぽかんとした顔で僕を見つめていた。
 たぶんそれは、あっさり答えてみせた僕の口調に、落胆の響きがあったからだろう。
 いまさら、あの人に許しを請おうとは思わない。
 3年もの間、約束を破り続けてきたのは、いつだって僕の方なのだから。
 だから、せめて今日ぐらいは‥‥
「煩わせてしまったね。フローズンダイキリを」
 深く腰を沈めなおし、カウンターに肘をついた僕は最後まで彼女を待つことにした。
‥‥たぶん、僕自身の淡い思い出に、区切りをつけるために。 

              『10月のサマーカクテル』
 かろうじて第三志望の高校に受かったその年‥‥その夏は、ことに暑かった。
 当時の僕は投げやりになり、すべてに無頓着で喜怒哀楽に乏しいドライな人間になって
いた。授業も退屈、クラスも溶け込めず、部活にも入っていない。怠惰な日常の連続。
 初夏の、あの日もまた、そんな一日で終わるはずだった。
 いつも通り授業をさぼって裏庭に向かい、タバコに火をつけてぼんやりと一服する‥‥
「何を、しているの?」
 風になびく長い黒髪を手でおさえ、その女性は立っていた。
 ほっそりした柔らかな体の丸みにそってサマースーツを上品に着こなしている。形良い
小さな唇に、眼鏡ごしに見つめる知的なまなざし。いかにも良家のお嬢様めいた、おしと
やかなその容姿には見覚えがあった。美術教師の、香椎(かしい)杜奈だ。
「あっ、別にとがめているわけじゃないの。何をしているのかしら」
 世間ばなれした雰囲気をただよわせ、彼女はふんわりと、たおやかな仕草でほほえんだ。
人をたしなめるかのように、物柔らかなアルトボイスで話しかけてくる。
「‥‥なんですか」
 だが、僕の返事はささくれだっていた。隠れタバコの不良をたしなめる品行方正な教師
という図が気に食わなかったからだ。
「ねえ、授業はどうしたの? こんなトコにいちゃダメよ。ね?」
「ほっといて、くれますか」
 甘やかな叱責がかえって不愉快で、立ち上がりざまタバコを花壇に捨て、踏みにじる。
 それは、一瞬の出来事だった。
 すっと近づいた彼女が、弾けるような激しい勢いで僕の頬を平手打ちしたのだ。 
 あっけにとられた次の瞬間、カァと頬が燃えあがった。怒りと屈辱がふきあがる。
「な、なんだってんだよっ! タバコの何が」
 悪いっつうんだよ‥‥怒鳴りかけた時、彼女はそこにいなかった。背を向け、タイトな
スカート姿のまま、しゃがみこんで花壇を這いずり回っているのだ。
「喫煙はまだいいわ。でもね、煙草を吸うにもマナーがあるの、分かるでしょ? 花壇に
ポイ捨てだなんて‥‥人として、最低よ!?」
 立ち上がった彼女は、ドキッとするほど真剣に怒っていた。おっとりした雰囲気は霧散
し、顔を上気させて瞳を細めている。手にしたハンカチには、丁寧にくるんだ煙草の残り。
それを目にしたとたん、罪悪感がわきあがっていた。
「2度とこんなことしないで。喫煙以上に迷惑をかけるわ。分かったわね!?」
「はい。すみませんでした」
 素直に頭を下げると、ようやく納得したらしく、彼女はふうっと息を吐いた。と、僕を
見つめなおしたその顔が、みるみる耳たぶまで真っ赤になっていく。
「た、大変! 私ったら‥‥大丈夫? ねぇ、ゴメンね?」
「‥‥は?」
 問いかけたとき、僕の頬は、柔らかい両手に包み込まれていた。
 鼻がふれあう距離で、あどけない少女のように顔を曇らせ、彼女が覗きこんできたのだ。
「ご、ゴメンなさい。教師がヒス起こしてちゃダメよね。思わず手が出ちゃって‥」
「なっ‥‥」
「ほっぺ。痛かったでしょう? 許してね?」
 ヒリヒリする頬に彼女の掌のぬくもりを強く感じながら、僕は何も返事ができなかった。
 すでに、僕は彼女に魅入ってしまっていたのだから。
 人生において忘れられない出会いなど、そうはない。香椎先生と僕の出会いは、間違い
なくその一つだった。ともかく、女の人に頬を撲たれたのはアレが初めてだったのだから。
「そうなんだ。受験の反動みたいなものかしらね」
「結構多いんですか? 俺みたいに無気力になるケース」
「第2・第3志望でうちの学校‥‥って人って多いから。目標を失っちゃうみたいよ」
 考えてみれば不思議な光景だけど、あのあと、僕と香椎先生はお昼まで、裏庭の芝生に
寝転んでしゃべっていたのだった。授業に戻れとか、煙草を渡せという話もなし。静かな
構内、さらさら揺れる並木。隣にいる、僕より少し大人の女性の、ふんわり爽やかな芳香。
 それは、奇妙にみたされた、対等なおしゃべりだった。
 そして‥‥香椎先生の勧めで、僕は美術部に入ることにしたのだ。
 予想通り、部員たちの中で、香椎先生はちょっとお茶目な、時々キレたり羽目をはずす
先生として知られていた。夏休みを前にいきなり入部した僕も、彼女のフォローのおかげ
で周囲に溶けこめた。世話好きで後輩の女子に人気がある小野部長、同じクラスの鳴沢美
樹、そしてもちろん、デッサン等の指導は香椎先生がしてくれる。
 ちょうど7月のコンクールを控え、力のある部員たちは皆、自分の世界に没頭していた。
 中学の図工以来、絵など興味なかった僕は(授業の美術選択は外していたのだ)、自然
香椎先生につきっきりで指導を受けることになった。自分の画材を買うことからはじめ、
デッサンの基礎、色の調合の仕方、構図の捉え方‥‥すべてが、未知の領域だ。
 淡々と彩りのなかった僕の生活に、しだいにリズムが生まれだしていた。高校生として。
部活に、人生を謳歌すべきティーンエイジとして。
「あら、その塗り方はちょっとムラになるわ。そこはね、こうして‥‥」
 放課後、長い長い午後の日差しを、香椎先生とすごす時間が増えていく。
「やほっ。なーんか、張りきっちゃってるのねぇ、清水君」
 香椎先生が所用で出かけた日の放課後、いつも通り第2美術室でイーゼルを広げている
と、背後から快活な声がかかった。同じクラスで、今は同じ美術部員でもある鳴沢美樹だ。
「でも、こういうのって意外ジャン。君、どこか人を突き放した感じだし、この間までは
人生を超越してる感じだったのに。最近じゃ夢中で絵に取り組んでるんだもん」
「‥‥そう?」
「うんっ。以前はさ、その雰囲気がちょっと可愛かったんだけどー」
 つい顔をしかめ、立てかけたクロッキー帖に視線を集中させる。机に座って足をぶらぶ
らさせているのか、後ろからはカタンカタンと鳴沢の物音がせわしない。
「なんかさー、君のこと、香椎先生もお気に入りみたいだしー。がっかり」
「考えすぎじゃない?」
「でもさ、知ってる? 香椎先生って、教師の間じゃ評判悪いんだ。ふふ、聞きたい?」
 さらさら走っていた僕の鉛筆が、エスキースの陰影をつけかけて止まっていた。
 口を開きかけ、何を言おうか決めていない自分にさらに驚く。どうしたんだろう、僕は。
「‥‥噂かなにか、あるの」
 ようやく絞り出した声は、どこか不自然だった。うふふっ、やっぱ止めた、教えない。
そう言うなり、鳴沢がニヤッと笑みを見せて駆けだしていく。追いかけたい思いを、僕は
どうにかこらえた。これじゃ、まるで僕が、香椎先生に恋してるみたいじゃないか‥‥
 カタンとまたドアのあたりで物音がする。 
「しつこいな。香椎先生のことなら、僕は何も――」
 言いながら、きついまなざしで振り返る。
 そこにいたのは、香椎先生だった。
 ビクンと震えて口を開けた僕を、香椎先生は不思議そうに見つめた。首をかしげると、
長い黒髪がさらさら流れていく。清楚な白のワンピースが、しなやかな躯を包んでいた。
やがて、意外にも彼女はうっすらと形の良い唇に笑みを浮かべる。
「ふふ、ただいま―」
 その微笑が、僕の呪縛を解いた。まだ混乱はしていたが、椅子に戻って作業を再開する。
「清水君もおつかれさま。最近はとても熱心に取り組んでいるわね」
「いえ、まだまだ‥‥です」
「ふふっ、あなたらしい答えね」
 デッサンに陰影をつけていくなか、彼女の声がゆっくり美術室を回り、右側から左側へ
移っていき、消えた。宙にとぎれた声を探して、意識がさまよっている。
「清水君は、好きな人、いるの?」
 描いていたエスキースのラインが、グシャッとはみ出していた。
 暖かい女性の吐息が、耳の裏側をくすぐったのだ。
「鳴沢さんが、階段の下で寂しそうに美術室を見上げていたわ。なにか、聞かされた?」
「いっ、いえ、最初はほのめかすような感じで――彼女が、その、勝手に」
「そう」
 軽く硬直した僕の首に、そっと細い腕が巻きつけられた。大人の、女性の腕が。心臓の
音がはっきり聞こえる。一つ一つの鼓動が、痛いくらいにズキズキいいだす。 
「どうしてなのかな。どうして、なんだろうね。清水君は、どう思う?」
 耳元に注ぎ込まれる声は、聞き取れないほどかすかで、なのにひどく甘美だった。
「人が、人を、好きになるってこと」
 放課後の美術室にただようのは、2人の微妙な息づかいだけだった。
「分からないの。こんな時に、どうして――って」
「こんな、時?」
 問いにはこたえず、香椎先生は僕の背中から身をすりよせてきた。教師と生徒の危うい
課外授業。そんなゴシップめいた見出しが頭の奥でいやおうもなく踊ってしまう。
「先生、あの――」
 マズイですよ‥‥自分から注意しようと決意して振り向く。
 その唇が、瑞々しい感触に閉ざされていた。
 優しく細めた彼女の瞳と、視線がからみあう。かすめるようなほんの一瞬のキス。僕は
呆然として口元に手をやっていた。唇に残る感触はなまなましい。
 いつもの、甘く爽やかな匂いが鼻腔をくすぐってゆく。
「‥‥怒った? 今の、いやだった?」
 首をふると、不安げだった香椎先生は小さくほほえんだ。その顔が、かすかに曇る。
「清水君は、一目ぼれなんて信じる方?」
「よく分からない、ですけど」
「本当に、変よね。変かもしれないわ。こんな積極的なの、自分でも信じられないもの」
 言いながら、香椎先生はうなじをかきあげた。髪留めのクリップを口に咥え、うつむき
気味に乱れた髪を直す。その脇で、僕は困惑と陶酔と緊張にとらわれていた。
「あの、今のは、その‥‥どういう、意味ですか」 
 顔を動かさず、瞳だけがちらりと僕を見つめる。たたえられた情感に、思わず息を呑む。
「今のは、ほんの――スキンシップ、かしら」
 彼女の声は、こんな近くにありながらひどく遠くに思えた。
 分からない。
 香椎先生は、なぜ、衝動的にあんなことをしたんだろう。
 ‥‥そして僕は、どう応じるべきだったんだろう。
 年上の教師からの、甘く、どこか哀しみをおびた誘惑。落ち着いた大人の物腰、インテ
レクチュアルな口調、そして、突発的なあのキス。届きそうなのに届かない奇妙な距離。
制御できない感情だけが、体の中で跳ね回っている。
 僕は、いやおうなく香椎杜奈という女性に魅かれていった。
 夏休みが過ぎ、新学期に入り、季節が淡々とすぎてゆく。放課後に美術室に向かい、部
長の小野さんに背を叩かれて部員の輪に混ざる。自分のあるべき居場所の心地よさ。
 一人一人を見て回りながら、香椎先生が的確な講評をしていく。
「ん? ちょっと集中欠いているわ。もう少し、輪郭はシャープさを心がけて」
「はい」
 頷きつつ小さな身じろぎで体を押しつけると、香椎先生はかすかにめっと目で叱るのだ。
周囲に気づかれることのない、ささやかなスキンシップ。夏合宿の間も、夏休み中の部活
でも、彼女との間にあれ以上の進展はない。それでも、先生との距離は縮まりつつある。
少なくとも、僕はそう思っていた。
 
 9月最後の水曜日‥‥だったと思う。
 ようやく部活を終えたその日、玄関まで来たところで僕はクロッキー帖を忘れたのに気
づき、取りに戻った。長く、重苦しい残暑の日ざしが、廊下に濃い陰影をわだかまらせる。
「大丈夫ですよ、香椎先生。もう、特別教室棟には誰もいやしない」
 その声を耳にしたのは、美術室の間近まで来た時だった。
「だけど‥‥んんっ、木村先生、いけません」
「何を言っているんですか。ただでさえ、噂のせいで最近じゃ会うことさえままならない。
正直、いらだちすら感じますよ。俺はね」
 「でも、こんな、ここでだけは‥‥美術室でなんて、やめて‥‥」
 声の片方は、体育講師の木村紀夫だった。厭味な体育会系で、僕の嫌いな講師の一人だ。
だが僕の体が震えたのは、甘いアルトボイスの声が誰か分かってからだった。
「はぁーん」木村の声が揶揄に変わる。「件の、香椎先生のお気に入りの子のことですか」
「えっ」
 動揺したような香椎先生の声が不自然に切れ、衣擦れめいて激しく競り合う物音がする。
長い夕陽が、秋の帳を告げる日差しが、教室の曇りガラスに反射している。
 中に入っていくわけにはいかない。なぜだかそんな気がした。けれど、放っておけない。
逡巡し、周囲を見わたす僕の目に、足元にはまった通風用サッシが目についた。これなら
相手に気づかれず中を確認できる。けれど‥‥それは、良いことなのだろうか?
「よしてください、冗談は。香椎先生ともあろう女性が、生徒に恋を?」
 木村の声が剣呑な響きをおびる。
「ハッ。そのせいで、美術室ではイヤだと言うなら、さすがに俺も頭にくるなぁ」
「き、木村先生‥‥その‥‥」
 余りに心細そうな声が、宙に余韻を残して消える。
 すでに、好奇心は切羽つまった焦燥感に変わっていた。木村がなにを強要しているのか。
状況次第で踏みこむ覚悟さえ固め、僕はゆっくり床に腹ばい、サッシに顔を近づける。
「お、お願い、もっと優し‥‥く」
 最後に耳にしたのは、香椎先生の、女の人の、嘆願する声。
 床にはまった桟の向こうで、一対の男女は抱き合い、半開きの唇をしっかり重ねていた。
 どうやって家に帰ったか、覚えていない。
 悪夢のような、朦朧とした記憶の断片。舌を絡めあう淫靡な音、陶酔した2人‥‥その
彼女の瞳孔が、唇を奪われたまま、大きく見開かれる‥‥でもなぜ?‥‥そうだ、あの時
‥‥たじろいだ僕の肩からずり落ちたバッグが床を激しく叩いて‥‥だから‥‥
 僕は、逃げ帰ってきたのだ。
 木村と僕との差は、あまりに歴然としていた。彼女が体を許し、大人のディープキスを
木村と交わしている時、僕は惨めな顔をして校舎の廊下に顔をすりつけていたのだから。
一つ一つ、今までの記憶を思いだす。初めて香椎先生と出会った時のこと、無防備なほど
あけすけになる瞬間、首に回された暖かい腕。そうして、唇をかすめたキスの記憶。
 もはや何も考えられず、僕はベットに顔をうずめて嗚咽していた。
 翌日から、僕は美術部に顔をださなくなった。
 考えてみれば、もともと美術に興味などなかったのだ。香椎先生がいるから、あの人の
そばで話ができるから‥‥あの頃の僕は、どこまで愚かしかったんだろう。
 教師と生徒の間に、恋愛なんて成立するわけがないのだ。
 だから、僕は香椎先生を避けた。美術室を避けた。部員と会うのを避けるようになった。
少しづつ、人間関係が疎遠になっていく。僕は、それを望んだ。

 10月もなかば、そろそろ学園祭という時期に、僕は小野部長から屋上へ呼び出された。
人気のない放課後の屋上は、そろそろ肌寒い木枯らしにさらされはじめている。 
「なぁ清水、オマエ‥‥本当に美術部をやめたいのか。なぜだ」
 フェンスにもたれたまま、僕は質問に口ごもる。たしかに小野部長には、合宿でも部活
でも、言い尽くせぬほどお世話になっていた。けれど、どう説明したらいいのだろう。
 言葉を選びかねていると、小野さんはポツリと言葉を放ってよこした。
「オマエ、あの人に、惚れているんだろ?」
 驚いて視線を返すと、小野部長はハハッと乾いた笑いをあげた。
「そう気にすんな。俺も最初はそのクチだったよ‥‥ただ、お前の目は、マジだったがな」
「僕は、その、たまたま木村先生と香椎先生の‥‥」 
「2人の関係を目の当たりにしたのか。こりねぇなぁ、木村の奴。まさに噂どおりか」
 小野さんは、香椎先生の噂について教えてくれた。
「木村は、前から香椎先生に迫っていたんだ。あれで学園長の甥だ。邪険にできなかった
んだろうな。けど半年前、2人がホテル街から出てくるのを見たって噂が広がったんだ。
あまりに露骨な内容で、木村は身を引くしかなかった‥‥下らない、馬鹿げた噂さ」
「そんな話があったんですか」
「自覚してないだろうが、お前には絵の才能がある。天性の観察眼みたいのを感じるんだ。
だから、こんなことが理由でお前には辞めてほしくない。頼む」
 毎日部活に来いとも強制しない。香椎先生と話したくないならそれでいい‥‥
 小野部長の熱意に折れ、僕は、学園祭の手伝いまでは美術部に残るからと約束した。

「お久しぶり、清水君。相変わらず煙草は吸ってるの?」
 だまし絵を使った展示を組み立てていると、忘れようもない、甘いアルトの声がした。
動揺を抑え、あいさつを兼ねて小さく目線で頷く。あの美術室での事を許す気はない‥‥
けれど、彼女を無視しつづけるには、あまりに僕も辛かったのだ。
「そう。私も嫌いじゃないわ。でも、吸いすぎないようにね」
 おや?と見上げ、胸を突かれた僕は目を伏せていた。聞きようのない問いが心に浮かぶ。
‥‥どうして、先生はそんな、痛々しげにほほえむんですか?
「一つだけ伝えたかったの。学園祭の打ち上げ、私、いないから。気にしなくていいのよ。
いい思い出を作ってね。顧問として、最後のお願い‥‥だから」
 顔を上げられないまま、もう一度僕はうなずく。
 香椎先生の声は、たしかに泣いていた。
 学園祭終了後の熱気は、夜の繁華街にくりだした後も続いていた。
 居酒屋の扉を開けると鮮烈な活気によろめく。淡い天井の照明、カクテルも焼酎も出す
和洋折衷した不思議な店の雰囲気。すでに、他校の学生らしき若者らが座敷で騒いでいる。
「その、小野先輩、でも僕たちは未成‥‥」
「細かいこと言うなって。打ち上げが居酒屋で驚いたろう? だから私服必須だったのさ」
 初めての乾杯。慣れぬビールと異様な部員たちの一体感に煽られ、気分が高揚していく。
30分も立つ頃には、僕はすっかり酔っていた。おぼつかない足でトイレから戻ってくる
途中、偶然ガタイのいい男性と肩がふれあう。
「オイ、前くらい見てあるけや‥‥って、お前は、あの美術室での!!」
 僕の方も、あっと息を呑み、青ざめる。そこにいたのは、泥酔した木村紀夫だった。
「なんで未成年の、しかもうちの生徒が居酒屋にいるんだよ、ええ?」
 逃げようとした僕の胸倉を、木村の手がグイとつかみあげる。
 普段の取りつくろった仮面が割れ、酩酊した木村の口調はヤクザそのものだった。何度
も謝りながら手を振りほどこうとするが、体育教師の握力は信じられぬほど強い。
「お前のことは知っているぞ。俺の杜奈に手を出そうとした奴だよなぁ。いい機会だ」
 反論する間もなく、重いパンチが顔に吹っ飛んできた。
 視界に閃光がはじけ、背中がずるりと壁をこすった。酒臭い手が僕の体をガンガン廊下
に打ちつけていく。痛みで意識がバラバラになり、無意識に僕は悲鳴をあげていた。
「まぁ、これも俺の恋路を閉ざしてくれた罰だ。あきらめるんだな」
 止めに入る店員を振りはらい、逆上した木村がとどめの拳を高々と振りあげてゆく‥‥
「木村先生ッッ!! 何をやっているんですか」 
 だが。次の瞬間、小柄な体が凄い勢いで木村をつき飛ばしていた。
 この声。この雰囲気、この記憶にある匂い‥‥
 香椎杜奈先生が、床に崩れた僕を守るように立ちはだかり、木村をにらみつけていた。
 キレイだ‥‥何よりまず、そう思った。
 美しいまなじりを眼鏡ごしにきつく吊りあげ、激しく肩で息をしながら両手を広げる姿。
好きだった女教師に守られる――そのことに屈辱など感じなかった。純粋に心が震えた。
「ふ、ふざけるな杜奈。こいつの肩を持つのかよ!」
「居酒屋で生徒に怪我させたら、冗談では済まされませんよ。いま、他の先生方も呼んで
きます。学園長にもすべて報告いたします。よろしいですね、木村先生」
「ま、ま、待てって。学園長に報告って、そんな大げさな」
 しだいに野次馬も集まりだし、激情が冷めてきた木村はすっかり打ちひしがれていた。
「だいじょうぶ? 清水君、立てる? ケガの具合は」
「はい。痛いけど、普通に歩けそうです」
 肩を借りて立ちあがる。僕を見つめる香椎先生は、どこかおどおどしていた。
「その、先生方との飲み会があったのよ。別に、木村先生とは」
「‥‥いいんです。助けにきたのが香椎先生だって分かった瞬間、すごく嬉しかったから」
 彼女の瞳には、大粒の涙が盛り上がっていた。
 その先はあわただしかった。部長にメールを打ち、騒ぎになる前に帰ってもらう。店に
事情を説明し、教頭が何度も詫びる。香椎先生は、僕を駅まで送っていくと全員に告げた。
店の外に足を踏みだすと、底冷えのする秋風が正面から叩きつけてくる。
「その顔で戻ったら、ご両親が心配なさるわね」
「ハハ。いま、両親は仕事の関係で日本にいませんよ。一人暮らしみたいな感じですから」
「‥‥そう。じゃ、今夜も一人ですごすのね」
 香椎先生のアルトボイスが、なにかを思案しているかのように低く沈む。
「先生?」
 駅の改札前で、僕たち2人は向かい合っていた。
 手帳に走り書きし、さっと手に握らせて彼女は戻っていく。改札を抜け、僕は確かめる。
 紙と一緒に握らされたもの‥‥それは、家のカギだった。
 マンションの、家のカギ‥‥!
 その意味する重みに、心臓がバクバク壊れそうな勢いで弾みはじめる。
 香椎先生が、無条件に家のカギを貸してくれたことの意味。一人なのねという問いかけ。
流れる電車からの夜景が、緊張で舞い上がりそうな心をどうにか現実につなぎとめている。
ウソじゃない。夢でもない。香椎先生も、僕のことを‥‥!
 速攻で一度帰宅し、下着とトランクスを一番気に入ったモノに取り換えて家を飛びだす。
彼女の住まうマンションは、走り書きのメモを頼りにすぐ見つかった。 
「お邪魔します」
 口の中で呟き、ドアを押し開ける。2LDKの室内はかわいいインテリアで統一され、
一番奥の寝室からは、ドキっとするほどなまめかしい女性の生活の匂いがただよっていた。
 足を踏み入れると、あの甘い柑橘系の匂いが鼻腔をみたした。大好きな人の匂いにみた
された部屋。ベットに近寄り、布団をそっと手で撫でる。電気のようにゾクゾクっと産毛
があわだち、柔らかな毛布の中に僕は顔をうずめていた。思わず顔がニヤける。
「何してるの」
 不意打ちに、僕は飛びあがった。めっと叱りながら入ってきた香椎先生は懸命に笑いを
こらえている。リビングのテーブルに眼鏡を置き、彼女はほうと吐息をついた。
「そんな、布団なんかですりすりしなくてもいいのに」
 え? と問い返す僕をはぐらかすように、香椎先生の瞳が教師のそれに戻る。
「清水君も覚悟してね。未成年の飲酒だから‥‥後日、学園長にお叱りを受けると思うわ」
「それは‥‥仕方ないですよね。自業自得です」 
 うっすらほほえむと、上着のブレザーを脱ぎ、彼女は寝室に入ってきた。
「さ、服をぬいで。先生に見せてくれる?」
 ストレートな台詞に思わずのけぞった僕を見て、彼女はクスクス笑った。
「バカね。ケガの具合を調べないと。こう見えて、私は保健教諭の資格も持っているの」
 そうか、そういや木村に殴られて‥‥思いだすと同時に痛みが走り、小さく呻く。
 香椎先生は、器用な手つきで僕の服を脱がしていった。しなやかできめ細やかな指先が
僕の上半身を裸にし、慰撫するようにまとわりついてくる。不覚にも体がビクビク跳ねた。
「恥ずかしがらないで」
 誤解した香椎先生が僕をさとし、丁寧に全身のアザをなぞっていく。時折強く押されて
呻いたものの、そう問題はないらしい。大丈夫ね、軽い打ち身だわ。彼女が呟く。
「次は、顔を見せて」
 言いながら、腫れあがった頬に指を這わせ、暖かな両手の掌が僕の顔を包みこむ。
 香椎先生が、そっと顔を近づけてきた。
「ねぇ、清水君、覚えている? 初めて会ったときも、こんな事があったよね」
「‥‥」
 むにむに頬全体を触られながら、僕は鼻をくっつけてくる香椎先生の顔に見とれていた。
「半年前かな。木村先生に強引に迫られた時、ホテル街の入口で口論になって‥‥生徒に
見られたのね。あの頃、男性不信とか、少し入っちゃってたわ」
 半年前‥‥新学期の直前。僕と、香椎先生が初めて出会った時期だ。
「傲慢は許してほしいけど、私は美人なのかしらね。生徒も教師も、ほとんどの男の人は
初対面で見さだめるような目つきをするの。それが、好きじゃなかった」
「‥‥」
「だから、私を見てすごく不機嫌そうにしたあなたに、ふっと興味を持ったのよ。初めは
そんな感じ‥‥だけどいつか、魅かれてる自分に気づいたの。生徒なのにどうしてって、
何度も苦悶したわ。心を抑えつけて、思いを殺して、でも‥‥どうしても‥‥」
「先生、僕は――」
「ううん、分かっている。だって、一目ぼれしたのは、私の方が先だったんだから」 
 瞳を閉じた香椎先生の端正な顔立ちが、心なしか形の良い唇を開いて近づいてくる。
 おずおず両手を回し‥‥僕は、初めて大人のキスをした。
 唇と唇が、さえぎるものもなくゆっくり触れ、淫らな音をたてて絡みあう。
 もわっとする彼女の吐息を感じ、それを味わう間もなく繊細で濡れた舌がぬるりと入り
込んできた。ビクッと体を弾ませてしまうと、女教師の顔に薄く愉悦の笑みが浮き上がる。
 互いの鼻が何度もふれあい、興奮した彼女の息づかいに僕も煽られてゆく。
「ンっ‥‥んあ、んふっ」
 かすかに鼻をならし、年上の女性の舌が、嬉しそうに僕の口の中を侵略してきた。前歯
の裏をくすぐり、捕えようと懸命な僕の舌をかいくぐって、とろとろと甘い蜜を喉の奥に
流し込んでくる。完全に防戦一方の僕のおとがいをつまんで、彼女が軽く上向けた。
「ん、ック」
 僕はひとたまりもなく、彼女の唾液を一滴もこぼさず飲み干させられていた。ネバッと
した感触が体を下りていき、どうしようもなくカラダが燃えあがる。閉じていたはずの瞳
が細く開き、甘い視線が勝利に酔っていた。少しだけその色にカチンとくる。
 今度こそ逃げまわる彼女の舌を絡めとった僕は、勢いのままに香椎先生を押し倒した。
「うあっ、ン〜」
 ブラウス越しに抱きしめたカラダは、あまりにきゃしゃで柔らかい。
 ぼふっとベットが軋み、いきなりの事に彼女が驚きの抗議をあげる。そのスキに、僕は
ぬるりと彼女の唇をこじあけ、侵入していった。たった今、彼女にされて感じた事を思い
描きながら、同じように舌先を這わせ、ねばついた未知の口腔を探索していく。ズルリズ
ルリと舌先で触り具合をたしかめ、口の中にためておいた唾液をとろりと注いでいく。
「あ、ん〜、ま、待っ‥‥ん〜〜」
 思わず屈服の声を上げかけた香椎先生の、香椎杜奈の唇を、僕は強引にふさぎたおした。
唾液をため、かぐわしい口腔にザラザラまぶしつける。ぐちょぐちょに混ざりあったそれ
を飲ませていく。コクンコクンと喉を鳴らされた香椎杜奈は、悔しげな色をうるんだ瞳に
たたえ、ヒクヒクと身をよじっていた。
「な、なによぅ、上手じゃないのぅ」
 長い長いキスのあと、ぽうっと瞳をうるませて香椎杜奈はかわいく拗ねてみせた。ギシ
ッと2人分の体重でへこんだベットに、美しいロングヘアが波打って広がっている。
「先生の教え方が上手なんですよ。煽るようなことするんだから」
「年上としての意地だったの。フフッ」
「あははっ」
 抱き合ったまま親密に笑う。裸の胸にすれる彼女のブラウスの生地がくすぐったい。
「清水君は、私をいじめてみたい?」
 唐突で意外な台詞に目を向けると、女教師は恥じらってモジモジしていた。
「その、ブラウス。私が脱いでもいいんだけど‥‥脱がせられるのも、いいかな、って」
「‥‥もちろんです」
 にまぁっと笑う僕に、香椎先生は怯えと期待の入り混じった目を向けてくる。
 ブラウスに手をかける指先が、呆れるほど不器用になっていた。僕に身をゆだね、彼女
はベットに横たわっている。しどけなく両腕を広げ、無防備な姿で。
 どうにかブラウスの前を押し開き、彼女を抱きあげて袖を脱がせる。ほっそりくびれた
腰、大胆な胸の隆起、鎖骨のくぼみ。そして大人の女性らしい、素敵なデザインのブラ。
「‥‥ホックは、ここ」
「し、し、知ってますっ!!」
 とまどいかけた手を導かれ、僕は真っ赤になって背中のホックを外した。ふるんと揺れ、
彼女の乳房があらわになる。視線は完全に釘付けになり、ゴクンと唾を飲む音が響いた。
なだらかな曲線の先端にツンと染まる乳首。吊鐘型のバストが淡く色づいている。
「は、恥ずかしいな‥‥そんな、見ないで‥‥ドキドキしちゃう」
 あわてて目を逸らし、スカートに手をかけた。恥ずかしいのか、横を向いた彼女は布団
に顔をうずめてしまった。ショーツを足から抜きさる手がじっとり汗ばんでいる。
 そして‥‥
 香椎杜奈は、僕の前にすべてをさらして横たわっていた。
 ベールを脱いだヴィーナスの裸身は、淡い桜色に染まっていた。瑞々しい張りと熟れた
甘みが入り混じる20代の女の人の丸み。かすかな身じろぎのたびにふるふる乳房が揺れ、
素晴らしい腰のくびれから下半身にかけてのラインに目を奪われていく。
 女性の一番大事なあのワレメは、男性向け雑誌で見た写真とは天地の差ほどもあった。
黒ずみや沈着もなく、うっすらとヒダがほころび、鮮やかに肉めいた息づかいをしている。
痛いほどジーンズの前を突き上げるこわばりを、僕は抑えられずにいた。
 これが、これが本当の彼女なのだ‥‥なんて美しいんだろう‥‥
「ダメ‥‥隠さないで」
 思わず胸をかばいかけた香椎先生の動きを制する。ためらいのあと、彼女は静かに腕を
のけ、さっきまでのしどけない姿で横たわった。耳の裏まで真っ赤になった顔をよじり、
恥じらいに唇を噛んでいる。年上の女性のそんなさまは、僕を激しく興奮させた。
「先生。キレイです。僕‥‥その、もう」
「嬉しいわ。10才も年下の男の子に褒められるなんて‥‥ドキドキするね」
 突然、ニコリとほほえむ彼女の頬から、感極まったのかつうと涙がこぼれた。その涙に
さえ気づかないのか、僕だけを見つめて彼女が話しかけてくる。
「お願い。清水君。来て。抱いて」
「い、いいんですよね‥‥?」
 それは、なにげない確認のつもりだった。本当に、なにげない台詞。
「ええ。だって‥‥もう私には、今夜しか、残されていないから」
 ‥‥えっ?
 意味深なその台詞に、僕はドキリとした。ざわつくような悪寒が一瞬で背を這いあがる。
 だって、普通、そんな台詞の後に続くのは‥‥
「学園をやめることになったの、私。恩師の先生に紹介されて、四国の徳島の高校に行く
ことになったのよ。だから、もう、清水君とも会えなくなるの」
 本当に、本当に心の底からショックを受けた時、人は、何も話すことができない。
 阿呆のように口をあけ、僕は香椎先生の顔を見つめていた。
 どのくらい放心していたのか‥‥彼女がそっと頬をなで、涙まじりに微笑んだ時、堰を
切ったように呪縛がとけ、僕は彼女のカラダにむしゃぶりついていた。
「ウソだ! ウソでしょ、酷いじゃん。なんでそんな、そんな冗談を言うの。ヒドいや」
 叫びながら分かっていた。この寂しい微笑みに、表も裏もないことを。
「ずっと木村先生に交際を迫られていて‥‥学園長の甥だから負い目もあるし、辛かった
けど学校は楽しかったわ‥‥だけど、あの人は、俺とつきあえないならあなたの事を噂に
して流すぞって‥‥あんな‥‥私と同じ思いをさせるぐらいなら、私が」
「分かったよ。別れるから。もう先生と親しく話をしたり、好きだってそぶりも見せない
から。会話だってしなくていいから。だから、だから行かないで‥‥僕のそばにいて」
「‥‥清水、君」
 泣いちゃいけない、そう思っているのに、涙がボロボロあふれはじめていた。
 こんな‥‥こんな残酷なのって、あるのだろうか?
 教師と生徒の恋愛なんてムリだと思ってた。彼女といると癒されるのは先生だからで、
好きだからだとは考えないように努力してきた。あれだけお互いを想って、あれだけ心を
殺して‥‥やっと、やっと両想いになれたのに‥‥
「ね、お願い、泣かないで。笑ってよ。せっかくの夜じゃない。こんな素敵な機会なのに」
 そっと囁きながら、香椎先生は僕の目尻を優しくぬぐった。
「お願い。普通に私と接して。今日で最後なんて思わないで。明日も‥‥あさっても‥‥
そのあさってもずっと続く、いま始まったばかりの恋人のように、して」
 透明なしずくが、彼女の頬をつたって落ちる。
 涙をいっぱいに切れ長の瞳にたたえ、それでも微笑みつつ、彼女は両手を広げて招いた。
「私でよかったら、いい思い出を、残してあげるから」
 見つめあう瞳と瞳が、スタンドライトの光で輝き、潤んでいる。誘われるまま抱擁し、
そっと上体を起こした。僕の腕の中で、しなやかに彼女が身をよじる。
「や、やっぱりお風呂、先に行っとけばよかった‥‥汗かいてて、匂っちゃうから」
「虐められるの、好きなんでしょ? それに僕、先生の匂いが好きです」
「や、もう、ばかぁ」
 拗ねてもがくたびに、豊満な乳房が胸板にふれるのを感じるのだ。
 こんなにも楽しいはずなのに、こんなにもドキドキするはずなのに‥‥なのに、彼女と
じゃれあいながら、とめどなく涙が視界をにじませる。
 今の僕にできる事を、悔いのない思いをすべて彼女にぶつけて、そのカラダに刻み込み
たい‥‥それは、気負いだけが先ばしる初体験の青年の、あまりに悲壮な覚悟だった。
 「んっ、ンア」
 軽くついばむような愛玩をくり返して、耳たぶを甘咬みしてやると、彼女が熱い吐息を
僕の肩にあびせてくる。不器用に乳房をまさぐる僕の掌に上から指を絡めあわせ、そっと
なぞりかたをレクチャーしてくれるのだ。
「こういう風に‥‥胸の先を‥‥ん、うんっ、その方が、私は好きなの」
「先生‥‥」
 呼びかけると、衝動的に彼女が僕の唇を奪い、ムリヤリな勢いで唇を吸い上げてくる。
「イヤ。先生じゃなくて。杜奈って、呼んで。敬語もダメ」
「わ、分かった。ぼ、僕のことも‥‥清水じゃなくて、圭(けい)って呼んで」
 初心(うぶ)な恋愛ドラマみたいだ‥‥恥ずかしさにカァッと頬が火照る。それはイヤな
恥ずかしさではなかった。ギリギリの瞬間に、同じ気持ちを彼女と共有できる幸せ。
 たった一度の逢瀬を、深く記憶にきざみつけるための‥‥
 香椎杜奈は、ひくひく腹を波打たせ、自在にカラダをよじって僕の愛撫に応えてくれた。
瑞々しい美肌にふつふつと汗が吹きだしていく。触った指先はもちっとした肌触りに吸い
つき、驚くほど感受性豊かに反応する。大胆な反応に、僕は夢中になっていた。
「この匂い‥‥甘くて、爽やかで‥‥杜奈の匂い」
「ん、香水のこと? これは212サマーカクテルっていうお気に入りの‥‥ん、あふッ」
 今さっき教わったとおりに片方の掌を使い、触れるか触れないぐらいのタッチで乳輪を
焦らしながら、細い裸身を抱いて背骨の脇のくぼみをつうっと指でなぞっていく。冷静に
喋りかけていた女教師は衝撃でのけぞり、僕の肩に顔をうずめた。
「んぁ、ふぁァ、なんでそんな、圭君はすぐにツボを覚えて、私を感じさせるのよぅ」
「先生こそ、僕のを握って‥‥ック‥‥き、気持ちよすぎです‥‥」
「うふふ、こんな反り返って、エッチな子‥‥‥ん、くぅぅ‥」
 尖りきった乳首の先を指でつまむと、女教師は切なげに顔をしかめ、甘い声で啼く。
 いつのまにか僕の上で彼女が反転し、目を見はる卑猥な光景が広がっていた。ヒクヒク
肉の合わせ目が色づき、期待に満ちた汁がべっとり太ももを濡らしている。
「キレイなピンク色。これが圭君なんだ。なんだか、ドキドキしちゃうわね」
「ん、んぁ杜奈、さんッッ‥‥!!」
 ちろりと亀頭の先を舌でつつかれ、必死に歯を食いしばって電撃じみた刺激に耐える。
お返しに、蜜のしたたった秘貝の裏側をちろりと舐めると、美しいお尻がブルブル揺れた。
「け、圭君‥‥おかしくなっちゃ‥‥い、入れて‥‥」
 再び彼女が位置をいれかえ、汗に滑る細い指が、よりしとどに濡れた最奥を押し開いた。
初めてのことに焦り、腰をうごめかす僕を、からみつく彼女の指が導いていく。
 ぬちっ‥‥
 猛りくるう僕自身が彼女の亀裂をこじ開けた時、すさまじい感触が背筋へ突き抜けた。
ざわざわまとわりつき、ねぶり、めくるめく陶酔の波が僕の下腹部を一瞬で連れ去り‥‥
 ほとんど2度・3度‥‥腰を振るか振らないかで、僕は激しく射精していた。
 ビクッ、ビクンッッ‥‥‥‥
 腰の抜けるような開放感と快感の中、恥ずかしさと屈辱に僕は顔をゆがめた。早すぎる
のは恥ずかしいことだ。力を失ってゆくソレの反応に、耳まで燃えあがりそうになる。
「その、気に障ったらゴメンね。女の人とするの、初めて?」
「‥‥」
 無言の返答に、下から僕を見つめていた彼女は大きく、こぼれるようにニコリとした。
「嬉しい。じゃ、圭くんのカラダに、私の○○○を刻んであげられるのね」
 その、あまりに淫らな一言で‥‥
 柔らかな肉襞をねじりぬいたばかりの僕の分身は、弾けんばかりに固く反り返っていた。
貫かれたままの彼女の裸身が、一瞬で膨張する僕の動きにビクビクッとのけぞり、本人も
気づかぬ間に唇の端からつっとヨダレが流れ落ちてゆく。
「あぁっ、圭君‥‥すごいの、一瞬で‥‥ドロドロになっちゃうぅ‥‥」
「僕も、です。杜奈さんにも感じて欲しいから。だからもう一度、してみます」
「あふ、フフッ。何度でもいいのよ。時間はあり余るほど。好きなだけ、私の中に注いで」
 安全日だから気にしないでね‥‥香椎杜奈はそう囁き、僕の胸板に頬をすりよせた。
もう一度ゆっくりと、剛直にからみつく、めくるめくヒダのざわめきを感じながら静かに
腰を使い始める。
「杜奈さん、一つだけ。演技はしないで。感じるのが不十分なら、それでもいいから」
「んっ、分かった」
 囁きかえして、彼女は狂おしく僕の下でカラダをよじらせる。
 なれぬ動きに腰が少し痛かったが、それ以上に下半身にすべての感覚が凝集していく、
あの溶けるような陶酔が、僕を衝動的に駆り立てていた。ずっ、ずくっと腰を打ち込んで
行くたびに、汗みずくの裸身が波打ち、彼女の吐息が荒くなっていく。
「ん、イイ、いいわ、もう少し‥‥」
 僕がもう一度イッた時、彼女の瞳は激しくうるみ、後一歩で高みへたどり着けなかった
切なさに痙攣を繰り返していた。
「ダメ、だめよぅ。もう少しだったの‥‥だからお願い、ちょうだい‥‥今度こそ」
 媚肉を焦らされきった年上の彼女からおねだり‥‥これ以上に男を駆り立てるものが
あるのだろうか。三度、硬直した僕自身を突きたて動きだす。
「あっ、圭君‥‥ッッ!」
 杜奈が鋭く、あわてたような声を上げる。正常位だった僕が体を起こし、彼女のお尻を
支えながらあぐらをかくようにしたからだ。いわゆる対面座位の格好になり、杜奈自身の
体重が僕の分身を深々と奥へ受け入れることになる。
「アハハ‥‥一度してみたかったんです。もう、恥ずかしいこともないと思って」
 照れ笑いを浮かべ、ズンズンと爛れた粘膜をえぐり、こすり上げる。すぐに彼女の目が
うつろになり、貪るように自分から腰を使い出した。男と女の絡み合う淫靡な響きが寝室
いっぱいに広がっていく。
 だが、めくるめく感覚の頂点が驚くほど間近に迫っていた。またか‥‥?
「一番、嫌いな人のことを、ンンッ‥‥憎しみを、心に想ってェ」
「え」
 囁かれた瞬間、他ならぬ木村紀夫の顔が浮かんでギリッと奥歯が軋れた。グウッと腰に
力がわきあがり、怒りすら込めてドスドスと股間のモノを打ちあげる。わずかな猶予‥‥
だが、今度こそはそれで十分だった。震えていた杜奈のしなやかな足がキュウッと僕の腰
に巻きつく。キリキリ下腹部が締めつけられ、爪が僕の背中に立てられる。
「イッ、いひっ、ん、く‥‥イク、イッちゃうぅぅ‥‥‥‥!!」
 長い尾を引いて彼女のアルトボイスがはしたなく喘ぎ、全身を波打たせてよがり狂って
いく。上半身がヒクンと弓なりにのたうった瞬間、ガクガク断末魔の震えをみせて彼女は
カクンと崩れた。声もなく呻いて僕の肩にあごをうずめ、ふるふる余韻に痙攣する。
 痺れるような深い蠕動が、僕自身の滴を最後の一滴まで搾りだそうと襲いかかってくる。
 そして‥‥
 我慢の限界を迎えた僕は、彼女のなかに思いきり、残ったすべてを放出していた。
 幾度愛しあい、何度彼女の中で果てたのか、分からない。
 顔をなぜる冷たい陽射しに目を覚ました時、香椎杜奈はすでにリビングで朝食の準備を
していた。一服してから寝室を出て、エプロン姿の彼女を背中から抱きしめる。振り向く
年上の女性の頬をなで、甘く舌と舌を絡めあう。
 こんなにも愛しあったのに、引き裂かれるという現実。ゆっくり心にしみていく事実が、
2人のキスをいっそう深く、いとおしいものに変えていた。
「ンっ‥‥煙草が匂うわ、圭君。その匂いちょっとキツすぎない?」
「なんだよ、CAMELにはこだわってるんだ。この味が一番好きなんだから」
 たわいない会話の合間にも互いを感じあい、心が繋がっているのをたえずたしかめる。
恋人と向きあう、最初で最後の遅い朝食を僕たちはとっていた。
「でも、もう、どうしても会えないの? 遠距離恋愛だって、不可能じゃないかも‥‥」
「ううん、ダメよ。きっと、圭君は私を忘れるから‥‥」
「そんな‥‥どうしてそんなこと言うのさ。僕が信じられないの!?」
 湯気の出る珈琲を手に、香椎杜奈は小さくなっていた。カップ越しに、これ以上はない
ほどの愛情と、哀しみのこもった目で僕を見つめる。
「どうしてもと言うなら、毎年、私たちの結ばれたこの夜に、あの居酒屋のカウンターで
待ち合わせましょうか。一年に一度会えるかもしれない。会えないかもしれない」
「ホント?」
 ぱぁっと明るくなる僕を、彼女は不思議な色の瞳で見つめていた。 
「高校生のうちはダメよ。大学生になって、それでも、まだ私を覚えていたら」
「僕が忘れるわけないって。必ず、大学生になったら、あの居酒屋で先に待っているから」
 朝食を追え、別れの優しいキスのあとでマンションをさりぎわにもう一度ふりかえる。
フローリングの床を斜めに這う冬の光の中、黙って玄関で微笑む彼女‥‥
 それが、僕が香椎杜奈を見た、最後の記憶だった。
「女の人を待っていらっしゃるんですか?」
 女性バーテンダーのしんみりした口調に、僕は長い物思いからわれに返った。
 そう‥‥結局彼女は正しかった。ただ一人の女性を見ていたはずの僕も、いつか彼女が
できていた。高校から大学へ。さらに3年間。僕は、どうしてもここにに来られなかった。
後ろめたさと、その時々の彼女へのやましさと、矛盾に裂かれて。
 だが、どんな女の子と寝ても、あの身も心も溶けあい、つながる感覚は得られなかった。
香椎杜奈は、僕にとってのかけがえのない人だったのだ。
 ‥‥遅すぎた今、それが、ようやく分かったから。 
「あぁ‥‥僕のファム・ファタル(運命の女)かな。君と同じ香水の持ち主なのさ」
「出会えるといいですね、その方」
「ただ、当時は僕も高校一年だからね。背も伸びたし、成長した僕を見て分かるかどうか」
 すると、バーテンダーが驚くことを口にした。
「その方‥‥ひょっとして、あなたの後ろにいる方ですか?」

 ふわりと首に巻きつく、柔らかい腕を、僕は感じていた。

「どういうつもり? 人を悪女扱いするのかしら。久々の再会なのに、つれないのね」
「あ、いや‥‥」
「なぁに? 弁解なら、一度だけ聞いてあげるわ。圭(けい)君」
「相変わらず大胆だね。いきなり抱きついて、人違いだったらどうするつもりだったの」
「‥‥タ・バ・コ。キャメルのそれ、銘柄にこだわっていたんじゃない?」
「そっか。コレが、僕の匂いか」
 この匂いが、彼女にとってのサマーカクテルだったのか‥‥
 にやりと笑い、僕は楽しげに僕たちを見つめて微笑するバーテンダーに語りかけた。
「前言撤回するよ。彼女は僕の――初めてで、たぶん最後の、大事な人だ」
                                     <Fin>
410370:02/10/05 20:24
‥‥以上です。
よく数えたら、26レスじゃなく25レスでした。


現在の作品リスト

※お題「同級生の女の子」
「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213

※お題「年上との再会」
「不純な動機」 >>259-271
「幻の思い出」 >>286-306
「しるし」   >>329-342
「10月のサマーカクテル」>>385-409
>10月のサマーカクテル

………………(゚∀゚;)

キタ……………(゚∀゚;)……………!!!

……震えてます。
こんな作品が、筆休めのはずのアンソロスレの作品で、いいんですか?
上手すぎて…… ショックで細部の感想は書けません。全部良すぎて。
1シーン1シーン描写が鮮明で、
嫌味無い、効果的な語彙が選んで組み合わせてあって、
お話そのものも感動的で面白いです。
エチシーンも濃厚で、キスの描写なんか思い切り勉強させて頂きました。
その、濃厚さが、シチュ濃厚でも描写濃厚でもなく、
あああ、やはり描写濃厚に近いかもだけど、空気の重みすら感じるというか……

これだけのモノが普通の「作品」と呼ぶに値するとすれば、
自分の雑文はゴミだなとおもううつだしのうぐちってゴメソ。

文章量にもかかわらず、サクッとイッキ読み。
とにもかくにもスゴイ作品をありがとうございますた〜
興奮で支離滅裂な感想でスマソ。

ちなみにHARDってことなのでちょっと付け加えると、
長さのせいだと思いますが、再会の手前、大学の記述あたりがやはり早送りに
なってしまっているのは仕方ないですかね。
自分的には、この作品なら40スレ消費したって許せるのだが。
あるいは、誰かが続編をやったみたく、どこぞの鯖かりて、
完全版をうpするとか。

乙〜でした〜
412寝太郎:02/10/05 23:02
>『10月のサマーカクテル』
 拝読しましたっ。

 ……うわあ、411さんじゃあないけれど、これ、ご自分のHPに掲載じゃあなくて、いいんですか!?

 ストーリーを盛り上げる為の仕掛けが上手いですよね。
 鳴沢さんとの会話で杜奈先生の現実感を強調したり、木村センセーの絡ませ方だって、リアルな肉感を盛り上げてます。
 その他にも、ちょっとした洒落た知識の書き込み方による雰囲気作りとか、ひとつひとつの場面での表現力とか、人物描写だとか……
 きちんと考えられ、また書き慣れているんだろうなあと、感じさせられます。
 すごいなあ……

 エッチシーンも、ホント官能的で、興奮しました。
 描写に色々な表現方法を取り入れてて……勉強になるなあ。

 とにもかくにも、堪能させていただきましたっ(^^ 


 hardって事ですが……そうですねえ。

 あえて(本当に”あえて”ですが)言うならば、情景文や説明文が、あるいはセリフばかりが続き、文章が平面的に見えてしまう部分が何ヶ所かありました。
 もう少し両者を織り交ぜた方が、テンポよく読みやすいですよね。
 ……って、そんなこと言えるほどの文章書けないだろうに > 俺


 前作品(『しるし』)のupからずいぶん間が空いてしまって、ちょっとスレの雰囲気が停滞してるように感じていましたが、そんな流れを一気に吹き飛ばしてしまうような作品でした。

 ホント、ごちそうさまですっ! (^^
413370:02/10/05 23:46
>>441さん
うpしてすぐさまのご感想、ありがとうございます〜。キターーって書いてもらえるの、
ものすごく嬉しいものですね。真っ先に顔がにやけますた(藁

>……震えてます。
>こんな作品が、筆休めのはずのアンソロスレの作品で、いいんですか?
なんだかもう、ココまで褒めて頂けると本当、作者冥利に尽きるばかりです。
最近、少しスランプだったのですが、このお話は書きながらかなり手ごたえを感じて
いました。それだけにもしコケたら‥‥と不安だったのですが、杞憂だったようです。

>これだけのモノが普通の「作品」と呼ぶに値するとすれば、
創作活動をされている方はご経験あるかと思いますが、なにかの瞬間にふと神のように
完全なストーリーが頭の中に降臨することがありますよね。
この話はまさにそんな感じでストンと降りてきました。自分でもめったにないです、ハイ。

>長さのせいだと思いますが、再会の手前、大学の記述あたりが
実を言えば、別れのあたりまで書いた時点ですっかりヘバッていました(藁
それと、大学のシーンでは香椎先生が出てこないですから、書く気にならなかったのかも。
もう少し時間を置いて練ったら、また変わったかもしれませんね。
414370:02/10/05 23:47
>寝太郎さん
ご感想ありがとうございます〜。

>ストーリーを盛り上げる為の仕掛けが上手いですよね。
ありがとうございます。良くも悪くも私の場合伏線貼るのが好きで、ちょっとした会話や
動きが後で効いてくるような展開ばっかりむやみに考えてしまいます。
失敗すると、破綻してヒドイことになるんですけどね(^^

>エッチシーンも、ホント官能的で、興奮しました。
官能作家にとって何より嬉しい一言です(^^
尺の関係でエチィなシーンがだいぶ少なくなってしまいましたが、感じていただければ幸いでつ。

>情景文や説明文が、あるいはセリフばかりが続き、文章が平面的に見えてしまう部分が
なるほど。そうですね、これは何箇所か自分でも思い当たります。
文章に少しクセがあるので、クドさを感じさせる場面があったかもしれません。勉強しますね。
415370:02/10/06 00:44
あぁぁ。
今見たら、 >>413 の発言、>>411さんへのレスのはずなのに、
441とか書いてました。まだそこまでスレ伸びてないじゃん。大失態。
申し訳ないでつ。
416411:02/10/06 01:45
>413
>なにかの瞬間にふと神のように完全なストーリーが頭の中に降臨
>自分でもめったにない
これは読みながらビシビシ感じました。
だからホントにアンソロ用でいいの?って思った次第です。

自分も最近2ちゃん連載の方がキターッて作品多い罠。
417三輪緒:02/10/07 21:15
はいっ! 「年上との再会」で書いています。
SFの方はアイデア倒れっぽいので、たぶん書き上げられないでしょう。
ファンタジーの方は短い中で話を進めようとすると、説明的台詞が増えてしまったのでこれも却下。
いろいろあって、普通の世界の普通の話で書いております。

今度は奇を衒わず、ド真ん中ストレートでいかせていただきます。
なんかえらく長くなってしまいそうな予感……。
現在、創作の女神様降臨モードのようなので、このあたりで続きを書きに戻ります!
418三輪緒:02/10/07 21:23
感想が書き上がっているのが直近のこれだけだったので、まずはこれでお許しを。
他の方の話も、今書いてある話が終わり次第がんがって感想書きますので……。

○10月のサマーカクテル(370さん)
 おお、綺麗な話ですね。
 すらりと読めて、さわやか。ほんのり柑桔系の香りが漂う、なめらかな喉越しのカクテル。それでどこか甘酸っぱい味わい……。
 題名もいいですね。こういう話にくどくどとした感想は似合いません。良かった、面白かった! これが全てです。ある意味、2ちゃんにふさわしくない話ですね。(笑)

 ここからはちと重箱の隅モード。
 まず、出だしの語彙で膝ががくがくっと落ちちゃいました。
「鮮やかな既視感」とか、「和洋折衷した不思議な店の雰囲気」というのは、疑問符が残ります。凝り過ぎて装飾過多になっているのではないでしょうか。
 後の文章でもそれは同じで、個人的な意見としては、「アルトボイス」は一回だけですませるべきだったのではないかと思います。
 それと、所々で「女教師」とか「秘貝」とか、腰砕けの単語が出てくるのも気になりました。全体的な流れがスムーズで良いだけに、こういう単語は厳選すべきだったのではないでしょうか?
 あと、先生の名前。ヤングキングアワーズに連載されているマンガの保険医と同じ……。これはまあ、不幸な偶然の一致なのかもしれませんが、もしここからとったのだとしたら、大きな減点。
 最後は、先生の名前は何て読むんでしょう? もりな、かな。
 全体的な構成はよいと思います。充分、及第点ですね。(個人的には花丸をさしあげたいくらい)
 それだけに、細かな心配りに欠けているのが惜しいです。
 こういう話の後に書くのはプレッシャーがかかるな。
 負けないように、がんがります。
>418
>マンガの保険医と同じ……。これはまあ、不幸な偶然の一致
俺もその漫画読んでるけど気付かなかった。
北九州の地名に明るい人間なら、思いつきそうな名前と思われ。
420T:02/10/08 22:22
>>『10月のサマーカクテル』
 題名からして、イイ感じですね〜♪ 冒頭の雰囲気もまた……!
 そして、それを全く裏切らない内容。素晴らしいです。
 Hシーンもそうなんですが、そこに至るまでのお話がよかったですね。
 キャラクターの性格や関係とか、何とも「青春」、という感じがして。
 女教師と生徒との禁断の関係、というのはある意味で王道のパターンだと思うのですが、
それがきちんと萌えるお話にしあがっているのは、やはり丁寧かつ流れるような描写による
ものかと思います。
 あえて難を言うなら……これは仕方のないことなんですけど……
 テーマが「年上との再会」なので、ラストの展開がやや読めてしまうということでしょうか?
 でも俺は、かえってそれで安心した口ではあるのですが……(笑)。
 「Hard」ということで書いてしまいましたが、作品自体の価値とは関係ないですね。スマソです。
 おつかれさまでした〜♪
421370:02/10/09 00:29
>三輪緒さん
ご感想と、そして丁寧な分析、ありがとうございます〜。

>まず、出だしの語彙で膝ががくがくっと
>「鮮やかな既視感」とか、「和洋折衷した不思議な店の雰囲気」というのは、疑問符が
や〜、なかなか痛いところをついてきますね(笑
1レスの行数制限や、舞台背景のつかみは簡潔にしたいと思って、冒頭はだいぶ苦しんで
いました。もう少しのんびり(情報量をつめすぎず)書いても良かったかも知れません。

>それと、所々で「女教師」とか「秘貝」とか、腰砕けの単語が
やはり、こういう昔ながらの官能表現は使いどころが難しいですね。露骨な性器の呼称も
雰囲気壊しますし、ついついごまかしがちに使ってしまうというか‥‥(苦笑

>先生の名前、ヤングキングアワーズに連載されている
あ、そうなんですか。初めて知りました、というかちょっと興味をそそられます。
「杜奈」はそのまま「もりな」です。
私の場合、名前はわりに適当に決めますね。語感がキレイだったりとか、その程度で。
それでも書いてるうちに愛着がわくから、けっこう不思議なものです(笑

>負けないように、がんがります。
ぜひぜひ、素敵でエチィお話を期待しておりまつ。
422370:02/10/09 00:32
>Tさん
ご感想ありがとうございます〜。

>題名からして、イイ感じですね〜♪ 冒頭の雰囲気もまた……!
ちょっとキザかなー? とは思いましたが、エチっぽさより雰囲気重視にしました。
楽しんでいただけたようで何よりです。

>キャラクターの性格や関係とか、何とも「青春」、という感じがして。
>女教師と生徒との禁断の関係、というのはある意味で王道のパターンだと思うのですが、
禿同です。やはり学園モノは読んでいて甘酸っぱい思い出を重ねあわせやすいですし、
書いていても楽しいです。
王道なだけに、スムーズに感情移入できるようにしたいなぁというのは心がけていました。

>テーマが「年上との再会」なので、ラストの展開がやや読めてしまうということでしょうか?
ま、そこで裏切っちゃっても面白いのかもしれません。お題には反しますが(笑
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
┐('〜`;)┌
>>424
気持ちはとてもよく判るね




         先に進めないか?
426名無しさん@ピンキー:02/10/14 22:18
三輪緒氏、まだかなぁ・・・・
>370氏
「10月のサマーカクテル」拝読しました!
ほんとキターーーーー!ですね、楽しみました。
登場人物も多いのに、上手にさばいてサクサクと読ませてくれる、
エロもねっとりとじっくりと……はぅう〜〜。(溜息中
「オトナ」でありながらピュアで天然入ってるような、先生のキャラも秀逸。
中盤「覗き見」してしまってからの、主人公の懊悩には胸を打たれますた。
エロもイイけど、エロじゃないシーンが凄くイイ!

さて【HARD】ということなので、
「ごく主観的な」重箱の隅つつきをします、ご容赦を(w
冒頭シーン>>385及び中程の>>396、居酒屋の描写を重ねている部分、
効果を狙っていると思われますが、一読した時にひっかかりを感じました。
「既視感」と先に表現され印象づけられているので、
後半のほうはさらっとした描写でも可。
お題は「年上との再会」ですが、「女教師」のお題のほうがより合っているな、とも(w
「再会できた訳」をもちっと書いてくれたら嬉しかった。
彼ではなく彼女はどうして其処にいたのか。
(女とはそんなに待てない生き物らしいので……ボソ
ファム・ファタル……ちょっとキザ、どころじゃない、ずいぶんとキザ。
でも素敵な大人の童話だからヨシ。

以上、筆力のある方なので、「もっともっと」と我儘な要求ですた、スンマソン。
素敵な作品をありがとうございました(w

>三輪緒氏
マターリ待ってます(w
428三輪緒:02/10/15 21:40
ごめん。エロ書かなきゃというのがプレッシャーになってブロック状態。
最初と最後は書き上がって、あとはえちシーンだけなんだけど。
こういうときはムリに書こうとしないのが一番なんだけど、そうも言ってられなくて。
もうちょっとだけ待って下さい。ごめんなさい。
他のスレで書いているSSも滞っているし、リキ入れなきゃならないな。
429三輪緒:02/10/15 21:45
追加。
どうも今回降臨した創作の女神様は、エロはお嫌いな模様です。
エロになるととたんにキーが止まるのが不思議ですよ。
まっとうな話はすらすら書けるんですけどね‥‥‥。
今回の降臨で、止まっていた話を一気に書き進めていたりします。
うーむ、どうあっても今回はエロを書かせない気か。こうなりゃ根性比べだ。
>428
苦しむスレじゃなくて、
書いて息抜きするスレですので、
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノでどうぞ。
いいっすね。>「10月のサマーカクテル」
ただ、四国への赴任の話は、一度交わった後での告白だったら、杜奈の思いやりが感じられて
よかったかも…。
唐突な別離を告げられ、打ちひしがれる圭〜男を奮い立たせる先生のスペシャルな行為〜
残された時間で燃焼し尽くすかのように愛し合う二人…とすると、よりドラマチック?
まあ、批評つーより、自分の願望のあらわれですな(笑)。
         ∧_∧
  (○)   (∀・  )
  ヽ|〃    (∩∩  )
>>432
どうしたの?
なにを聞いて欲しいんだろう?
>433
スマソ 保守リーナでつ。
その・・・・そろそろ先に進めません? 三輪緒氏には、悪いですけど。
マターリは非常にいいんですが、いくらなんでも流れが停滞しすぎなような。
次のお題がはじまっても、しばらくは前のお題も受付可、てことになってたはずだし。

「妹」か「女教師」かで、それぞれ参加希望者がいたわけだし、その人達のテンションだってあるだろうし。

どちらのお題にしろ間口は広いと思うし、前レスで言ってたみたく、書き上がった人優先で話を進めちゃってもいい気がするけど、ダメ?
>435
一応、賛成。
「妹」か「女教師」の書き手の方は見てるのだろうか。
437三輪緒:02/10/29 19:10
作品名:「春霞」
執筆者:三輪緒
段階表示:【NORMAL】
予定レス数:8
438三輪緒:02/10/29 19:10
 彼女に再会したのは、まさに偶然以外の何ものでもなかった。
 その日、私は上の娘の入園用品を買いに、妻と娘とともにデパートへと向かった。
 正直を言えば家で休みたかったのだが、妻の視線が肌に突き刺さるようだったので、仕方なく重い腰を上げたという次第だ。だがそれも、私と妻の間で両手を繋いでぶら下がるようにはしゃいでいる娘の姿を見て吹き飛んだ。
 親の欲目があろうとも、自分の子供はかわいいものだ。
 久し振りに外で食事をして、服やらカバンやらを揃える。私から見ればどれも同じような物を、妻はくどいくらいに時間をかけて選ぶ。いつもはすぐに退屈するはずの娘も、女の子だからなのか、飽きずに母親に付き合っている。
 私は二人に声をかけ、喫煙所へと向かった。嫌煙権とやらのお影で、会社ばかりではなく家でもろくに吸わせてもらえない悲しいホタル族の私にとって、気楽に吸えるのは外出時くらいのものだ。それでさえも、徐々に窮屈になってきている。
 デパートの喫煙所はエレベーターの隣、まるで動物園の柵のように取り囲まれた一角にあった。煙草を取り出して口に咥え、内心でため息をつきつつそこへ入ろうとした時、エレベーターの扉が開き、中から人が溢れ出してきた。
「おっと!」
 女性にぶつかられ、私は咥えた煙草を落してしまった。
「ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ」
 中学生くらいの男の子を連れた女性だった。私は床に落ちた煙草を拾い、埃を落して再び口に咥えようかどうかしばし迷った。
 気配を感じて私が右を振り向くと、ぶつかってきた女性がじっと私の方を見ているのに気付いた。
「何か?」
「……政信君? 滝田政信君でしょう?」
「ええ」
 いきなり名前を呼ばれて私は戸惑った。
 さすがにまだおじさんと呼ばれるには抵抗があるが、そろそろ三十路を迎えようかという二児の父親を、君付けで呼ぶ女性など私の記憶にはない。
「失礼ですが、どちらさまでしょう」
 すると女性は、屈託のない笑顔を浮かべて右手を勢いよく差し出した。
「美里(みり)お姉さんよ。もっとも、お姉さんという歳でもないけれども」
 その瞬間、忘れ去ってしまったはずの切ない記憶が勢いよく溢れ出してきて、思い出と目の前の女性とが重なった……。
439三輪緒:02/10/29 19:11
 美里姉ちゃんと再開したのは、僕が中学の卒業式を終えたばかりの頃だった。
 姉ちゃんと言っても、本当の姉さんじゃない。二軒隣りに住んでいる山崎さん家(ち)の六人きょうだいの、一番上のお姉さんだ。次男で末っ子の勝とは同じ歳で、よく遊びにお邪魔していたので勝手は知っている。
 その日も、やり終えたばかりのドラゴンクエスト3を持って、勝と何かゲームを交換しようと山崎さんの家に上がりこんだ。
「おじゃましまーっす。勝君いますかー?」
 すると、玄関のすぐわきの扉が開いて、ふわっと甘い化粧品かなんかの匂いが漂ってきた。
「……政信君?」
「美里……さん?」
「やあねえ。美里姉ちゃんでいいわよ」
 そう言って、美里姉ちゃんは右手を勢いよく差し出した。
「さ、握手握手!」
 どういうわけか、美里姉ちゃんは家に誰かを迎える時は必ず握手を求めるというくせがあった。勝はそれが嫌で、姉ちゃんやめてくれよと懇願していたけど、一向に直る気配はなかった。
 僕は、姉ちゃんが差し出した手を見て慌ててズボンに手をこすりつけて、そっと握った。なぜか胸がどきどきした。
 上下にぶんぶん、と握った手を振って姉ちゃんは手を離した。
「いらっしゃい。勝は、ちょっと出かけていないんだけれど、何か用かしら?」
「いや、別に用というわけじゃないんですけど」
 すると姉ちゃんはくすくすと笑って、僕を見つめた。
「なあに? 改まっちゃって」
 姉ちゃんのいい匂いが僕の鼻をくすぐる。
「いえ、あの……」
 僕は照れ臭くなって、顔を背けた。
440三輪緒:02/10/29 19:11
「あの、なんで姉ちゃんがここにいるのかなあ……って」
 美里姉ちゃんが、びくっと体を震わせた。
 5年前に短大を卒業してすぐお嫁に行ってしまった美里姉ちゃん。里帰りなんだろうかと思って姉ちゃんの方を見た僕は、驚いてしまった。
「うん……ごめんね。ちょっと、ね」
 顔をくしゃくしゃにした美里姉ちゃんは、そう言って後ろを向いた。小さな背中が震えている。
「泣いてるの?」
「ごめんね」
 僕は居たたまれなくなって玄関から逃げだそうとした。
「待って……」
 聞き落としそうな小さな声で、僕は動けなくなった。
「ちょっとお話、聞いてくれるかな」
 何と答えていいかわからなくて立ち止まっていると、姉ちゃんが続けて言った。
「あのね、今お茶を入れるから。勝ももうじき帰ってくると思うから、それまで待っていてくれる? えーっとね、ケーキもあるから。ね?」
 そう言われると断れるはずもなかった。
 靴を脱いで、ダイニングに通された。居心地が悪くてもじもじしているうちに、美里姉ちゃんがお盆を持ってやってきた。
「ごめんね、こんなおばちゃんの話につきあわせちゃって」
「おばさんだなんて、そんな!」
 声を張り上げる僕を、美里姉ちゃんは嬉しそうに見つめていた。
「まだ私も若いってことかな」
「美里姉ちゃんは、美里姉ちゃんだから……」
 僕が紅茶に手を付けたのを見計らって、姉ちゃんが話し始めた。
「何で私がこの家にいるか、というのはね……」
 美里姉ちゃんは、片肘をついてほっぺたをその上に乗せた。
441三輪緒:02/10/29 19:11
「私ね、子供ができなくて離婚させられたの。ほら、うち今時には珍しい六人きょうだいでしょう? だから先方さんも私ならって」
 僕は姉ちゃんの言葉を黙って聞いていた。何か口を出しちゃいけないような雰囲気だったからだ。
 確か、相手は凄い大金持だというんで、町内では玉の輿と大騒ぎになったのをよくおぼえている。
「それがおかしいんだ。旦那さんと一生懸命頑張ったのに、私、一度も妊娠しなかったの。それなのに、旦那さんがたった一度浮気しただけで、その女の人に赤ちゃんができたの」
 空いたもう片方の手で紅茶をかき回しながら、美里姉ちゃんは続ける。
「それだけならいいんだ。でも、二年前、またその女の人との間に赤ちゃんができたの。そして今年も。それで私はお払い箱ってわけ」
 スプーンを皿に置く音が、心に痛かった。
 まるで姉ちゃんが泣いているような音だった。
「私、役立たずなんだ。女として失格なの。子供も産めない半人前の人間なんだ……」
「そんなことないよ!」
 僕は思わず立ち上がって声を張り上げていた。
「そんなこと……ないよ。美里姉ちゃんはきれいだし、美人だし……その……」
 僕の、初恋の人だった。
 もう少しでそこまでしゃべりそうになった僕に、美里姉ちゃんはそっと立ち上がって、僕を抱きしめた。
「おっきくなったね、政信君」
 僕の心臓がどきんどきんと激しく脈打ち始めた。
 美里姉ちゃんのいい匂い、すべすべの白い肌、そして胸に当たっているおっぱいの柔らかい感触……。
「み、美里姉ちゃん……」
「政信君は、彼女いるの?」
442三輪緒:02/10/29 19:12
「いない。……よ」
 僕は、股の間のあれが固くなっているのを姉ちゃんに知られるんじゃないかと、気もそぞろだった。
「キスはしたことあるの?」
「ない」
 すると姉ちゃんは僕の耳の下あたりを両手でつかんで、いきなり顔をひきよせた。
 かちん、と、歯と歯が軽くぶつかった。
 姉ちゃんはくすっと笑って、僕の前髪をかき上げて、今度はゆっくりと顔を近づけた。
「ん……っ」
 花のような化粧品の薫りと、お菓子のような甘い匂いが僕の鼻を苦しめる。息が止まってしまいそうだった。
 美里姉ちゃんの舌が、僕の唇の中に入り込んできた。どうしていいか迷っていると、姉ちゃんはすっと顔を離してしまった。
「政信君のファーストキス、だよね?」
「う、うんっ」
 僕は何度も、バカみたいに顔を上下に振った。
 そんな美里姉ちゃんの手が僕の肩や胸をはいまわる。くすぐったいけれど、なんかとても気持ちが良かった。
「じゃあ、まだ女の子の事、知らないんだ」
「女の子の事って?」
 その答えを言う時の美里姉ちゃんの顔は、とてもエッチだった。
「エッチな事よ」
 その時、電話が鳴った。
443三輪緒:02/10/29 19:24
 美里姉ちゃんは慌てて、走って電話を取りに行った。
 ちょっと惜しかったけれど、ほっとした気持ちの方が大きかった。僕はシャツをズボンの中にいれて、座って美里姉ちゃんが戻るのを待った。
 すぐに姉ちゃんは戻ってきた。
「勝が送別会で遅くなるんですって。帰りは8時頃になるから、貸してくれるなら代わりに何でも好きなもの持っていっていいよ、だって」
「好きなもの……」
 もちろん、勝が言ったのはファミコンのカセットのことだろう。
 でも、
「ぼ、僕は……美里姉ちゃんがいい」
 とうとう言ってしまった。
 何でこんな事を言ってしまったのか、自分でもよくわからない。
 美里姉ちゃんは立ち上がって、僕の隣に座った。
「美里姉ちゃんじゃなくて……美里って呼んで」
「み、美里……さん」
「ううん。美里って、呼び捨てにして」
「そんな風に呼べないよ」
「じゃあ、罰をあげないとね」
 そう言うと美里さんは、僕にのしかかるようにしてキスをしてきた。
 それから僕達は美里さんの部屋に行った。
 そして、黙って服を脱いだ。美里さんは、むきだしになった僕のあそこに顔を近付けて……。
444三輪緒:02/10/29 19:24
 今にして思えば、あれは夢のようなできごとだった。彼女も身心共に疲れきっていたのだろう。でなければ、私が彼女と結ばれるなんてことはなかったはずだ。
 彼女と私は、夜になるまでお互いを貪り続けた。
 玄関の鍵を開ける音で私達は慌てて身仕度を整え、私は逃げるように山崎家を辞した。
 それ以来、彼女とは一度も会っていない。
 美里さんはあの日を境に、私の知る限り一度も実家に戻らなかったのだ。
 勝とも別の高校に進んだということもあって徐々に疎遠になり、私が都心の大学へ進学して以降、会うこともなくなった。母から聞いた話では、勝も結婚したという話だった。
 私は大学を出て就職し、二年ほどして大学の時に知り合った女性と結婚した。
 やがて子供も生まれ、子育てとバブル崩壊の荒波を乗り越えるのに必死で、後を振り向く余裕もなかったのだ……。

 彼女は、私がためらいがちに差し出した手を握って、そっと上下に振った。
 年こそ重ねたものの、あの頃のままの彼女がそこにいた。もう40の声を聞こうという年齢のはずなのに、優に一回りは若く見えた。
 それでも目尻のあたりに、やはり年を感じさせるしわがある。
「お久し振りね。もう、14年ほどになるのかしら」
 昔と変わらない懐かしい声だった。
「そう……そうですね。そんなになりますか」
 名残惜しげに手を離した彼女の横で、所在無げに突っ立っている少年に目が止まった。
「息子さんですか」
「ええ」
445三輪緒:02/10/29 19:24
「再婚なさったんですか」
「いいえ。あれからはずっと一人なんですよ」
 屈託なく微笑む彼女。
 少年と目が合った瞬間、私は衝撃を受けた。
 似ている。
 そう。彼女と一時の情を交わした頃の私に……だ。
 私は答を求めようと、彼女の方を見たその時。
「あなた、ちょっとあゆの靴の見立てをしてくれない? どうしても迷っちゃって決められないのよ」
 妻と娘が小走りに私の方に駆け寄ってきた。彼女は微笑んで言った。
「奥様ですか。可愛いお子さんね」
「え、ええ……」
 質問をする機を逸して、私はうろたえた。
「それでは」
 彼女は妻に向かって軽く会釈をすると、息子を連れて立ち去った。呼び止めようかと迷う私に、妻が側に寄ってきて耳元で言った。
「どなた?」
「僕の実家の近所に住んでいた人でね。同学年の友達の、お姉さんだよ」
「ふぅん……」
 かすかに疑いを込めた声で私を見つめる妻。そんな妻と私の間に割って入って、娘が声をあげた。
「ぱぱぁ、おなかすいたー!」
「さっきお昼食べたばかりでしょ?」
「よし! 靴を買ったら、パパと一緒にアイスを食べような」
「わーい! ぱぱだいすき!」
 私は足にまとわりつく娘を抱きかかえた。妻は困ったわねという顔をしていたが、無邪気に喜ぶ娘の顔を見て白旗を上げたようだった。
 ふと振り返ると、喫煙所の壁の上から立ち上る煙がまるで霞のように見えた。
 そうだ。
 私には今、守らなければならない妻子がいる。
 私は春霞のように淡い思い出を振り切って歩き始めた。
446三輪緒:02/10/29 19:26
アンカー

「春霞」
>>438-445
447三輪緒:02/10/29 19:26
 三輪緒です。えらく難産でしたが、なんとか仕上がりました。
 それでも頭のどこかに引っ掛かりを感じるのは何故なんでしょう?
 どこかで読んだ話に似ているような気がしてなりません。無意識になんかのパクリをしてなきゃいいけれど……うーん!
 実はエッチシーンはもっと長い予定でしたが、書いてみるとノリが悪い。それならばいっそ、というわけでカットした次第です。
 こうやってみると、やはりカットしてよかったかな、と思います。

 遅れて申し訳ありませんでしたが、この話が皆さんの一時の楽しみとなったのであれば幸いです。
 次回は「妹」がいいかな。
448寝太郎:02/10/29 20:59
>>『春霞』
拝読しました。

……いいですね。
作者が、自身のストーリーにひたって書き上げたというのが、
よく伝わってくる作品です。
そしてよく伝わってくるが故に、こちらもその雰囲気にひたって
読むことができました。
過去を惜しむ、あるいは懐かしむ感覚っていうんでしょうか?
そういったものが、ストレートに伝わってきて、
濃厚な雰囲気のわりに、読後が爽やかに仕上がっているように感じました。

残念なところは、うん、三輪緒さんの過去の作品に対する感想に
あったのと、全く同じ。
ご飯・お総菜・付け合わせと、一通りが揃っているようには思えない、
といったところですか。

449寝太郎:02/10/29 21:04
>次のお題
以前書き込んだとおり、『妹』を希望です。
一応、二つほどネタは考えてあるので、書き始めれば早いと思います。

ただし、「女教師」になった場合でも、時間はかかるかもしれませんが
参加はさせていただくつもりです。ハイ
>三輪緒氏

「春霞」 拝読いたしました。
たなびく霞のように、一気に読めてしまいました。
お話の余韻といい、Hナシでも読ませてしまうのは、三輪緒氏の文章のなせる技でしょう。
エンディングとして、何も聞かず言わずして、主人公が去っていってしまうのは
男の狡さ?!のなせる業というか、
それなりのリアイティを感じさせて、作品としては楽しめました。
あと惜しむらくは、>>443>>444の間に本来あるはずの
ストーリーが読めないのは残念至極です。
自己レス>>450
 リアイティ → リアリティ です、失礼。(汗
>>446
キャラクタの心理展開に難があります。美里さんが一気に盛り上がりすぎて読んでいてついていけませんでした。
普通の作品としてはテーマを欠き、成人向けと言うには肝心なHシーンを欠いているのが少し残念ですね。

まあ、文章は流れていますし、雰囲気づくりもなかなかに巧みなのでこのスレの作品では上位を争う出来ではないかと思いました。
>春霞
う〜ん、基本的には上の人達が言うとおりかなぁ。
「現在」のシーンはホントお見事なんですよ。
すごく雰囲気出てて「読ませる」んですよね。
俺的には、その部分ではもう脱帽って感じなんです。

問題は「過去」のシーン。
Hシーンを入れようとすればこそ、この流れが必要だったわけですよね。
実際にはHシーンを削ってしまい結果として>>452で指摘された通り、
「美里さんが一気に盛り上がりすぎて読んでいてついていけませんでした」
という感想を与えてしまうわけですよね。
Hシーンを入れるか、あるいはいっそ非18禁小説としてきっちりまとめるか。
どちらかを選べば数段ランクアップしたのではと思いました。

楽しませていただいといて言いたい放題でモウシワケナイ
惹かれる作品であったがゆえの書き込みと、ご理解下さい。
>次のお題
今まで両方のお題に参加してるコテハンさんがそろって希望してるんだし、「妹」でいいんでない?

あ、あと、新しいレス住民勧誘age
455あぼーん:あぼーん
あぼーん
456370:02/11/01 02:02
しばらく目を離していたら、一気にスレが進んでる‥‥(^^

>>三輪緒さん
「春霞」、大変楽しく拝読いたしました〜〜
小説の背景が秀逸でいいですね。落ち着いた子持ちの父親が、ふとしたきっかけで過去を回想する
スタイルで、現在と過去との対比や、小物などの背景描写も細やかなのが非常に入り込みやすいと
思います。
美里さんの容姿については描写が少ないにも関わらず違和感なくその姿をイメージできるのは
丁寧な筆致あってのことでしょう。

惜しむらくは、他の方も言われるとおり、この筆致でエチィなシーンを読んでみたかったということ
ですね。成人向け小説としての、おいしいシーンで寸止めになっている感が(笑)残念だなぁと
思わされます。
457370:02/11/01 02:04
私の小説にもレスがついているので、ありがたい感想へのお返事など。遅すぎでスマソです。

>>427
>中盤「覗き見」してしまってからの、主人公の懊悩には胸を打たれますた。
>エロもイイけど、エロじゃないシーンが凄くイイ!
ありがとうございます。「ちょっと泣けるような」話が書けたらなぁと思っていました。その辺は
筆力不足なのですが、ストーリーも楽しんでいただけたようで何よりです。

>女とはそんなに待てない生き物らしいので
そうですね〜。たしかに、一方的にモテすぎてる感もありますね、主人公は。彼女の側の感情の
変化も、もっと丁寧にできたかなぁと思います。


>>431
感想ありがとうございます〜。
>唐突な別離を告げられ、打ちひしがれる圭〜男を奮い立たせる先生のスペシャルな行為〜
うん、燃えますね、それ。そういう手もあったか(^^
なんか、しちゃった後で「これで最後なの」って言わせるのが残酷かなぁとか、書いてる当時は
思っていました。まぁ、分量が増えすぎて落とし処に困った、ってのもありましたし(藁
さて、アンソロの次の御題ですが、
流れ的には、『妹』なんじゃないの。

一応、『同級生の女の子』『年上との再会』と
同い年、年上と来たら、次は、下でしょう。
もっとも、妹=年下とは限らないけどね。

あと、書きやすいように、実の妹、義理の妹に縛らず、
妹のような幼馴染みや近所の子みたいに広義な妹というのは、どうでしょうか?
459T:02/11/02 12:12
>>『春霞』
 読みましたー♪
 Hシーンの有無について、話題になっているようですが、俺も「読みたかった派」です。
 ただ、秘すればこそ花、ということもありますし、話の流れもありますからねー。
 「流れ」という意味では、するするするっ、と読めました。
 途中で一人称を変える、という変則技にもかかわらず読みやすかったのは、やはり、文章力によるものかと。
 ラストの余韻にひたりながら、美里さんの想いを想像して楽しみました。
460名無しさん@ピンキー:02/11/06 23:31
ぴんくさーばーあげ
461名無しさん@ピンキー:02/11/09 07:37
(゚д゚)ホシュー (゚д゚)ホシュー
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノ
463名無しさん@ピンキー:02/11/20 00:13
(;・∀・)
464あぼーん:あぼーん
あぼーん
465名無しさん@ピンキー:02/11/23 14:46
ヽ(´ー`)ノマターリヽ(´ー`)ノage
466あぼーん:あぼーん
あぼーん
467名無しさん@ピンキー:02/11/27 21:30
ほしゅ〜
ほしゅったらほしゅ
469T:02/12/01 20:23
 こっちの板も生きてるんですね。
 2ch初心者なので(以下略)。
圧縮&dat逝きにならんように、保守カキコ。。
エロパロに続きそろそろ圧縮きそうな予感…
済まない、シンパーイなので一度上げとく…
471名無しさん@ピンキー:02/12/05 00:46
アンソロジーコ
472あぼーん:あぼーん
あぼーん
473査化牙三:02/12/05 00:56
http://www1.ezbbs.net/39/ta-aa_525/

僕、がんばったのでみてください。感想キボンヌ。
474三輪緒:02/12/06 22:09
感想への返事をしなくて、もうしわけありません。
正直、書き終わったという解放感でアップしてしまったのはまずかったなと反省しております。
こうして今読み返してみると、突っ込みどころ満載。次回で汚名返上といきたいところです。

ところが妹のテーマで書いてはみたものの、エロ度ゼロという結果に愕然。
エロ〜、エロ〜と呟きながらアイデアを練ってはいるのですが……端から見たらバカそのものですな。
えっちな話って本当に難しいです。
475名無しさん@ピンキー:02/12/09 02:24
age
ほしゅ〜

しかしここまで忙しいとは……
うつだしのう
(;´Д`)ハァハァできる話がないな(´・ω・`)ショボーン
保守がてら目次を追加

現在の作品リスト

※お題「同級生の女の子」
「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213

※お題「年上との再会」
「不純な動機」 >>259-271
「幻の思い出」 >>286-306
「しるし」   >>329-342
「10月のサマーカクテル」>>384-409
「春霞」 >>437-445

お題に沿って考え中のネタが横道にそれて同じく (´・ω・`)ショボーン >>477
ほしゅーり
しゅしゅっと ほしゅ
なんか、延々と延命するだけ無駄なような
もう2ヶ月だからなぁ。
ほしゅばかりと言うのは、正直、みっともないかも。
dat落ちも、仕方ないのかも。

そもそも、誰か書いてるのだろうか?
お題もなく書くなら即書くけど、またコミケ時期が来たですよ。
皆さんお忙しいかと。
自分が出展しなくてもコミケに命かけてる作家さんもいらっしゃるようですし(w
ほしゅーり
もうダメぽ
485山崎渉:03/01/12 08:19
(^^)
ほんとに書いてるよって方は誰もいないんでしょうか?
・゚・(ノД`)・゚・ 泣きながら訴えてみるテスト&ほっしゅ
>486
だから、お題さえ決まれば即書くんですが。
ならもう>>487さんがお題を宣言してしまいませう 多分誰も文句言わないのでは?
>487さんじゃないけど、お題「卒業」っていうのはどう?時節柄だし。
490487:03/01/16 08:30
>489
お題 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
「卒業」
イイかもです。
泣いたかいがあったか(w

待ってますぜ、487タソ。
なんか泣ける話が期待できそう?!
では、お題「卒業」で他にも手を上げるヤシきぼん。
ついでに一度上げておきます。
きょしゅ。
493netarou:03/01/16 21:18
卒業・・・・・・・・・・・・うぃ
494山崎渉:03/01/17 07:40
(^^;
487タン、492タン、寝太郎サン…カチカチカチっと3名様
お待ちしております。
496487:03/01/30 15:39
ス、スマソ……
即書きますと言いながら仕事と自ページの更新で氏んでますた……
過去ここまで仕事と更新が重なることって無かったので、
安易に「即」と言ってしまい反省してまつ……
間もなく時間取れそうなので書きたいとおもいまつ。
案が浮かべば、ひょっとしたら参加するかもです。
期待しないで待っててください。
498109のライト好き:03/01/31 23:35
作品名:「卒業」(相変わらず、ひねり無いです)
執筆者:寝太郎
段階表示:【HARD】  ……判断の一切をお任せします。でも、基本はマターリね。
予定レス数:22 
499寝太郎:03/01/31 23:37
しまった……まあ、いいか。
続けましょう。
500卒業(1):03/01/31 23:38
 ブレザーの制服に身を包んだ少女達が、校門から歩み出る。つぼみが付き始めた桜の木
々が、まるで彼女らを見送るかのように立ち並んでいた。
 少女達の手には、卒業証書の紙筒。高校時代の3年間慣れ親しんだこの制服を着るのも、
今日が最後だった。
「なんか、あっという間に卒業だったね」
「うん……」
 こんな使い古されたような言葉が、こんなにしみじみと感じられる時が来るとは、つい
この間まで思ってもみなかったのに。
「じゃあ、これで」
 いちばん背の高い、ショートカットの細身の少女が、他の2人にそう声をかける。
「あ、うん。それじゃあ、またね。でも、葉子(ようこ)。本当に来れないの?」
「うん、ごめんね。どうしても行きたいところがあって……」
 葉子は、その目鼻立ちの通った整った顔を残念そうに曇らせ、そう応えた。
「そっか……。でも、用事が早く済むようなことがあったら、携帯かけてよ。多分、みん
なで町中で騒いでると思うから。途中からでも合流してね」
 友人の2人は彼女に言うと、歩み去った。
 少女はそれを見送ると、友人達とは別方向に歩く。しばらく歩いて、今日までの母校か
ら少し離れたところまできたとき、彼女は一本の脇道に入った。
 そこには、20代半ばほどの若い男が車を止め、彼女を待っていた。背広にネクタイの、
きちんとした格好をした男。──だがその瞳には、どこか冷酷そうな歪みが浮かび、それ
が彼女に向けられている。
「やっと来たか、麻宮(あさみや)」
 葉子は、そんな彼に頭を下げると、丁寧に応えた。
「お待たせして申し訳ありませんでした。先生」
501卒業(2):03/01/31 23:40
「ふうっ……、ふんん………っ」
 薄暗い部屋の中、うめき声にも似た、押さえ込まれているような息づかいが、空気に溶
けていく。
 ギシギシと、なにかがきしむような音。それは少女の腰掛けた大きな椅子が立てる音で
あったけれども、同時に、それはまるで少女の躰が立てているようにも感じられた。
「ふん、んん……んっ」
 椅子に腰掛けている、という表現は、正しいものではなかった。
 つい先程卒業式を終えたばかりの葉子は、今では大きな、どっしりとした木の椅子に縛り
付けられていたのだ。
「んん………っ!」
 それは見るものを疑わせる、異様な格好であった。
 彼女は全裸であった。白い、そのほっそりとした躰を、まがまがしげな赤い色の太いロ
ープが幾重にもかけられ、彼女を椅子に固定している。
 彼女がどれほど力を入れても、身動き一つとれない。そのほっそりとした体型にしては
大きめな乳房も、くびれた腰も、柔らかな曲線を描く太ももも、そして少女の最も秘めや
かなその部分も、何一つ隠せはしなかった。
 少女はただ眉を寄せ、いつも凛としていると評されるその顔を歪め、全身に汗を滴らせ
ながら、荒い息であえぐ。
 そして異様なのは、それだけではなかった。
 彼女の口には布で猿ぐつわが咬まされており、
「ふ……んんんっ!!」
“ブウウゥゥゥゥゥゥ……………ン”
 ──そしてそんな振動音が、大きくさらされた彼女の股間の陰りから立ち昇っていた。
502卒業(3):03/01/31 23:41
「どうした、葉子。気持ちいいのか?」
 あてこするような、嘲笑するような、そんな響きをした声が彼女にかけられた。
「まあ、お前にしてみれば慣れ親しんだバイブだからなあ。たっぷり楽しんでくれ」
 先程、路地で葉子を待っていた男だ。背広は脱ぎ、今は全裸でベッドに腰掛けながら、
嬲るような目で少女を眺めている。そして大きく開かれたその両足の間には、長い髪をし
た小柄な別の少女がうずくまるように跪(ひざまず)いていた。
「んんっ、ふう……。……んっ」
“ぺちゃ……、ぴちゅ………”
 彼女もまた、全裸だった。長い髪を背に垂らし、まだ成熟しきってはいない、その代わ
りにこの年齢の少女でしかもてない瑞々しい肌をさらしながら、男の股間にその可愛らし
い顔を伏せている。
 そしてその細い首には、おおよそ不釣り合いなものが巻かれていた。
 太い、犬の首輪。少女の首には、革製の、鋲を打った無骨な首輪がかけられており、そ
こからは鎖が伸び、そのもう一方の端は男の手に握られていた。
“ぺちゃ……、くちゅ……”
 首輪の少女は、小さな口で、懸命に彼の大きく起立したものに奉仕する。
 唾液に濡れた舌を付き出し、舌の腹をべっとりと幹の部分にまとわりつけながら、何度
も何度も舐めあげる。その肉棒を、ハーモニカを吹くように横ぐわえにして愛撫する。そ
うしながらも、少女のその小さな両手は休み無く動きつづけ、彼の内股や剛毛に包まれた
肉の袋をさすりあげ、男に快感を送り続けていた。
「んん………んあっ」
 舌先を尖らせ、亀頭の付け根のあたり、カリになった部分をくすぐるように刺激する。
「お……うう」
 その少女の動作が起こした快感に、男は思わずといった感じで声をもらした。
503卒業(4):03/01/31 23:44
「ん……、ふふふ……」
 そんな男の反応に、彼女は嬉しそうに目を細めた。その瞳は自らも興奮していることを
表すかのように、ぼうっと潤んでいる。
「いいぞ、直美(なおみ)。その調子で続けるんだ」
「……はい、先生」
“くちゅ……” と音を立てて、直美と呼ばれた少女は男のペニスの先端に唇を被せる。
そしてそのまま、彼のものを深く口の中にくわえ込んだ。
 男の起立を口にしながら、少女は頭を上下に動かす。口の中に進入してきたものに、舌
を絡ませる。あるいは、上顎や頬の粘膜に、その先端をこすりつける。手は口に余る肉棒
の根本と、その下の袋を、やわやわともみほぐすような動作をしていた。
“ぶちゅ……、ぬちゅ……”
 そんな濡れたような音が、男の性器と少女の唇との間から漏れ、立ち上った。
「そうだ……上手くなったぞ、直美」
 彼は手を伸ばし、少女の髪の毛を、誉めてやるかのようにやさしく撫でる。
「ふん……んんん……」
 嬉しそうな鼻息をもらしながら、少女はさらに熱を込めながら、男のものをいっそう深
くくわえた。その熱のこもった動作は、彼女自身が興奮していることを如実に表現してい
た。
 少女の従順な態度に対し口元に笑みを浮かべながら、男は顔を上げ、葉子の方を見る。
 その目が、葉子の視線と合った。
504卒業(5):03/01/31 23:45
 ロープで体中を縛られ、ただ一つ自由になる首で顔を精一杯にあげている。葉子の顔は、
汗と、涙と、鼻汁と、そして猿ぐつわの脇からたれ落ちた唾液でぐしゃぐしゃになってい
た。
 真っ赤に染まりきったその顔───その真ん中で、まるで高熱にうかされたように潤ん
だ瞳が、男と直美の方に向けられていた。
「はははっ、葉子。何か言いたそうだな?」
 少女の瞳は、必死で訴えかけるかのように、彼を見ている。
「困ったヤツだなあ。俺からの卒業プレゼントが気に入らないのか」
 彼は手で、直美の首輪に付いた鎖を無造作に引き、股間から彼女の頭を邪険な動作でど
けた。
 少女はそれに逆らうことはしない。
“ぬぷ……”と音を立て、唾液でてらてらと光る男のペニスが、その少女の唇から禍々し
い姿を現した。
 己のものを隠そうともせずに、彼は葉子に近づいた。彼女の顔をのぞき込みながら、そ
う声をかける。
「物欲しそうだな」
 葉子は羞恥に両目をギュッと閉じると、力無く首を左右に振る。しかし彼は、そんなこ
とで納得はしなかった。
「はっ、違うって言うのか? ここをこんなにしやがって」
 嘲るようにそう笑うと、男は葉子に手を伸ばす。
 柔らかそうな、葉子の乳房。上下に縄がかけられ、今は卑猥に強調されたその膨らみの
頂点にある突起を、彼の指がそっととらえ───次の瞬間、ギュッとひねり上げた。
505卒業(6):03/01/31 23:45
「ん、んんん──っっ!?」
 猿ぐつわの下から、そんな悲鳴が上がる。眉を振るわせ、痛みに耐えるような表情をす
る。だが男の顔に浮かぶ笑いは、全く変わらない。
「そんな辛そうな顔をしても無駄だぞ。こんな事をされてるくせに、お前が喜んでいるこ
とは判るんだからな。その証拠に──」
 乳首を捻っていた指の力を緩める。そしてその代わりに彼はその指で、今度はその突起
を一転して優しく愛撫し始めた。
「ふ……ん、……んんんっ」
「──その証拠に、こんなに乳首を勃起させやがって。この変態が」
 無遠慮に、思うがままに葉子の乳房をもてあそぶ。乳首だけを嬲っていたかと思うと、
こんどは手のひら全体でその膨らみを揉みしだいた。若々しい、きめ細やかな肌をした少
女の張りのある乳房はふにふにと思うがままに変形し、まるでそんな彼の手の動きを全て
受け止めようとしているかのようだった。
「くふ……っ、んっ!」
 不自由な口から発せられる、そんな荒い息づかい。しかしそこには、今でははっきりと
判る、悦びの響きが滲み込んでいた。その呼吸、あえぎ声の一つ一つが証拠として、男の
言葉を裏打ちしている。
 そして証拠となるのは、それだけではなかった。
「あーあ、だらしねえなあ。まったく。椅子がお前の垂らした汚いよだれで、びしょびし
ょになっちまってるぞ?」
506卒業(7):03/01/31 23:52
「んんんんっ!」
 羞恥に身を震わせながら、葉子は顔を伏せる。だがそんな行為には、なんの意味もなか
った。
 太ももを大きく広げた状態で固定された、ほっそりとして、それでいて女としての確か
な肉感を備えた両脚。その付け根に存在する彼女の最も密やかな割れ目。そこから滲み出
る液体が肌をつたわり、そしてそれだけではおさえきれずに椅子にまで垂れ落ち、そこに
はっきりとした染みを作り出していた。
“ブブブブブブブゥゥゥ………………”
 そしてその湿りの中心に突き立てられたもの。きちんと手入れされた薄目の陰毛の下、
彼女の割れ目にねじ込まれるように、太い棒状のものが存在していた。バイブである。
 いやらしいどぎついピンク色をしたその淫具は、小さなモーター音を立てながら、グニ
グニと動く。胎外にはみ出した部分だけを見ても、道具が彼女の体の中でどんなに卑猥な
動きをしているのかが、想像された。
「ふうっ、ふうっ、………んんっ!」
 そんなバイブの動きに同調するかのように、葉子の躰は大きく震える。その度に彼女の
秘所からは新たな粘液が吐き出され、椅子を濡らし、その上の染みを大きくした。
「くくくくく……」
 男はそう口元だけで笑うと、葉子の頭の後ろに手を伸ばし、そこにある結び目を解く。
 葉子の口から、唾液でぐっしょりと濡れて重くなった猿ぐつわが、ズルリと外された。
「は………ああああっ…」
507卒業(8):03/01/31 23:53
「どうした、葉子。何か言いたいことがあったんじゃないのか?」
 グイッと、なんの頓着もなく、男は葉子のショートカットの髪を掴んで少女の顔を上げ
させ、その目をのぞき込んだ。
「あ……せん、先生……」
「いや、違うな」
 彼女の言葉をさえぎり、男が言う。
「お前は今日、学校を卒業したんだ。俺はもう、お前の先生なんかじゃあない」
「……え?」
 その言葉に何を感じ取ったのだろう。葉子は不安そうに訊ねる。
「あの……それって、いったい……」
 彼はそんな彼女の表情を心地よさげに見つめながら、ゆっくりと、噛んで含めるように
それに答えた。
「だから、もうお前は学園を卒業したんだ。だから俺とお前は、もう教師と生徒でも、な
んでもない。
 いや……」
 その彼の顔には、明らかな、他人をいたぶることで悦びを感じる者特有の、ねじれくれ
た下品な笑いが浮かんでいた。
「もうお前と俺とは、何の関係も無くなるんだと言ったんだ。
 もっとわかりやすい表現を使うなら、お前とはもう終わりだ──そう言ったんだよ」
508卒業(9):03/01/31 23:54
「え……そん、な……」
 驚いたというよりも、むしろ茫然とした顔で、葉子は呟いた。
 だがそれでも、彼が冗談を言っているわけではないと感じ取ったらしい。すがりつくよ
うな表情を浮かべると、彼女は必死に男に訴えかける。
「だって……そんな、ひどいっ……。わ、わたし、先生に、こんなに一生懸命したのに…
…ひぐぅっ!」
 言葉は途中で、悲鳴に変わる。男が手加減無しで、彼女のショートに揃えられた髪の毛
を引っ張ったのだ。
 その証拠に、何本かの髪の毛がプチプチと千切れる音が聞こえた。
「何か誤解しているみたいだけど。……言ってみろ。お前は俺の、なんなんだ?」
「わ……私は、先生の………“モノ”です…」
 涙をポロポロとこぼしながら、葉子は途切れ途切れにそう言う。
 だが男は、さらに彼女を追い込む。
「“モノ”な。……でも、それだけじゃあなかったろう? 言ってみろ。お前は俺の、何な
んだ?」
「それは……」
 ひくひくとしゃくり上げながら、少女は消えてしまいそうな声で答えた。
「わたしは……先生の、モノで、奴隷で……先生の“イヌ”です……」
「わかってるじゃないか」
 そんな彼女の返答に満足そうに頷く。
「お前は、俺の“モノ”なんだよ。“モノ”を飽きて捨てようがどうしようが俺の勝手だし、
“モノ”にどうこう言われるような筋合いは無いな」
「そんな…」
509卒業(10):03/01/31 23:55
「直美」
 男に呼ばれ、床にしゃがんでいた直美が彼のもとに歩み寄る。彼女は自分にかけられた
鎖を両手で捧げ持つようにし、男に差し出す。
 男はそれを受け取ると乱暴にひっぱった。
「きゃっ」
 首輪を惹かれた直美は、再び床に膝をつく。
「もともと、学園でのオモチャが欲しかっただけだしな。新しくて質のいいのが手に入っ
たことだしな」
 男は、腰のモノを直美に突きつける。彼女は従順に、再びそれを口に含むと、“ぴちゃぴ
ちゃ”と音を立てて奉仕し始めた。
 涙を流しながら、辛そうにそれを見つめる葉子。そんな彼女を追い込むように、男が続
ける。
「コイツは、本当に上手くなったぜ。絶品だ。
 お前も自分の後輩が育ってくれて、嬉しいだろう? なんて言ったって、コイツにフェ
ラの手ほどきをしたのは、お前なんだからなあ」
「……あああ」
 葉子は力無く、首を振った。
 うつむき、ギュッと目を閉じる。だが直美の唇がたてる淫らな湿ったような音は、彼女
の耳に流れ込んだ。
510卒業(11):03/01/31 23:56
 小柄な少女の口を己のモノで責め立てながら、男は言葉で葉子を責め立てる。
「だからもう、お前はいらないんだ。卒業しちまったら、今までとは違うからな。それで
付きまとわられたら、それこそうっとうしい。
 それにお前だって、寂しがることもないだろう?」
 そう言いながら手を伸ばすと、椅子の上、大きく広げられた葉子の脚の間に置かれてい
たコントロールボックスを拾い上げる。男がそれをいじると、“ブブブブブゥゥゥ……!”
とバイブのたてる音が、いっそう大きくなった。
「はああぁぁぁっっ!!」
 思わず、というように、葉子の口から悲鳴にも似た声があがる。まるで痙攣でもするか
のように、縛られた全身がガクガクと振るえた。
「さっきも言ったけど、そのバイブは卒業記念にお前にやるよ。どうやらよっぽど気に入ってるみたいだしな。
 これだけよがってるんだ。ソイツがあれば、お前も俺なんかいらないだろうに」
「ぐっ、は、……ううううっ!」
 奥歯を喰いしめながら、凄惨ともいえる形相で耐える、葉子。露わにされた肌から、大
粒の汗が、若くきめ細やかな肌をつたい落ちる。その肌も、今は全身が真っ赤に染まって
いた。
「こんな……こんなの、いや……イヤだよぅ。
 おねがい、おねがいします……先生、せんせい……ぃ」
511卒業(12):03/02/01 00:07
 男は薄ら笑いを崩さずに、慟哭する葉子を見下ろしていた。いや、彼女が悲しめば悲し
むほど、苦しめば苦しむほど、そんな彼女の痛みを舌で味わうかのように、男の口元に浮
かぶ笑みは深いものとなった。
「ははっ、そんなに俺のが欲しいのか。欲張りなヤツだ。……でも、まあいいだろう。今
日で最後だし、何より今日は、お前の記念すべき高校卒業の日だ。特別に、くれてやるよ。
 ───直美」
 鎖を引いて合図すると、自分のモノを頬張る少女に命令する。
「コイツのを、抜いてやれ」
「……はい」
 直美はなんの逡巡もなくそう返事をすると、いったん男のモノを離し、代わりに葉子と
向かい合った。床の上に腰をつけている彼女からみると、ちょうど目の前に、淫らな器具
をくわえ込んだ葉子の肉の割れ目がある。
 そっと手を伸ばすと、直美は葉子の粘膜からはみ出したバイブの端を掴む。グニグニと
いやらしく動くそれを、彼女は同性の性器から引き抜いた。
「ふ……うっ!」
 その刺激に、たまらず声をあげる葉子。そのバイブを引き抜かれた秘所からは、中で溜
まっていたねっとりとした愛液が、トロリと椅子に垂れ落ちた。
「よし、いいぞ。どくんだ、直美」
 あくまで従順に、直美は男の言葉に従う。
 彼女がどいてできた場所に、男は身体を割り込ませた。
512卒業(13):03/02/01 00:11
 猛りきった己のモノに片手をそえると、葉子の濡れそぼった部分に狙いを定める。
 そのまま、思い切り突き上げた。
「ああああああっっ!!」
 ずりゅ……と、ペニスが割れ目の奥底にもぐり込む。バイブにより十分に濡れ、ぬかる
んだ葉子の膣は、男の起立を待ちきれなかったのように迎え入れる。
「ふ……あ、ああっっ」
 首を折れそうな程に反らしながら、葉子が叫ぶ。その声に煽られるかのように、男は大
きく腰を振り立てた。
“ギシッ、ギシッ!”
   “ぐちゅ……っ、ぐちょ……っ!”
 椅子の軋む音と、二人の繋がった部分から洩れ出す音。その二つが絡まり合い、部屋の
中に充満する。
「ふうっ、ふうっ」
    「うあ……ああっ!」
 不自然な形で繋がる二人。
 椅子に縛り付けられ、それでも可能な限り腰を突きだし、懸命に男のものを受け止めよ
うとする葉子。
 やや中腰の大勢で、その分力の限り腰を突き上げる男。
“ぐちゅ……っ、ぬちゅ……っ!”
 その普段と違う体勢が、二人にいつもとは違う刺激と、そして興奮をあおり立てた。
513卒業(14):03/02/01 00:12
 男の猛りきった肉棒が、少女の熱くとろけた肉壁と擦れ合う。
 少女の潤んだ肉襞が男のモノを締め付け、さすり、そしてこすり上げる。男の剛直が少
女の秘所を押し開き、かき分け、そして奥へとねじ入る。
「はあ、ああ、……いい、いいっ!」
 葉子の口から、耐え切れぬように嬌声が溢れだす。緊迫され、自由の利かぬ身体をそれ
でも可能な限り振り立て、少しでも多くの快感をくみ出そうとあがく。
 男の方にもそれほど余裕があるわけではない。唇を噛みしめ、少しでも油断すれば解き
放たれてしまいそうになる熱いものを、必死で押し止める。
 眉をよせ、額に汗をかきながら、少女の中に出入りする。その度に、少女の胎内にある
無数の凹凸が、彼にからみつき、吸い付くようにまつわりつく。
「ぐ……こっちの締め付けは、最高だな。手放すのが、惜しくなりそうだぜ」
 だが男は、更なる快感を求めた。
「おい、直美。来いっ!」
 一人床に座り、二人をただ黙って見つめていた長い髪の小柄な少女は、腰を上げる。
 己の主人である男が何を求めているのか、これまで数え切れないほど男の快楽に奉仕す
ることを教え込まれた直美は、正確に理解した。
 主人の後ろに近づくと、その尻たぶに両手を添える。そしてその臀部を両側に広げると、
乱暴に腰を振る男の動きに合わせるのに苦労しながらも、その隙間にまだ幼さが残る顔を
埋めた。
「んあっ、……ん、ちゅる……」
 舌を突きだし、周囲に毛の生えた男の肛門を舐め上げる。さすがに男の動きに完全にあ
わせるわけにもいかず、その愛撫は離れたり、急に強く押しつけられたりする。
「う……くぅ!」
 そのもどかしさが、余計に男に興奮を与えた。
514卒業(15):03/02/01 00:13
「ぐ……う、行くぞ、中に、出すぞっ!」
「ああ……あ、いやぁ、イく、イっちゃ……い、ますっ」
 急速に、限界が近づく。二人は息を荒げ、汗を飛び散らせ、そして絶頂へと駆け上る。
“ブチュ……ッ、グチュ……ッ!”
 男が最後の力を振り絞り、大きく乱暴に、少女の中にねじ入る。
 そして、
「う……っっっ!」
  「はあ……、ああああああああっっっっっ!!」
 二人は全身を硬直させ、その動きを停止させる。
“びくっ、びくっ”
 男の腰が拍動するかのように振るえ、その震えは彼の後ろの排泄器官を口で奉仕してい
た直美にも、舌を通して伝わった。
「ああ、……ああああ」
 放心したような、葉子のため息。
 そしてそれを合図にしたように、3人の身体から、ストンッと力が抜けきった。
「はあ、はあ、はあ……」
  「ふう……、ふう……っ」
 ぐったりとし、椅子にその全身の体重を預ける葉子。その上に覆い被さるように寄りか
かる、男。
 時が、止まったようにさえ感じた。
515卒業(16):03/02/01 00:14
 弛緩しきった少女の身体の上から、男はゆっくりと身体を起こす。
“ぬちょ……”
 そんな音をたてて、やや力を失った男の肉棒が、葉子の秘所から抜け落ちる。
「ああ……あああ………」
 茫然と宙をさまよう、その視線。全ての力を失い、だらしなくたるみきったその口元。
そんな葉子の肉の割れ目から「ドロリ……」と白い粘液がこぼれだした。
「おい、綺麗にするんだ」
 そう声をかける男の腰に顔を寄せると、直美は二人分の淫液でドロドロに汚れたその肉
棒を、舌で清め始める。
“ぴちゃ……、ぴちゃ……”
 柔らかく、丁重に、少女は男のモノを扱い、その汚れを舐めとっていく。
 そんな彼女の行為を十分に堪能すると、男は自分のモノを直美の口から引き抜いた。
「もう、いいぞ。後かたづけは、お前に任せる。きちんと綺麗にしておくんだぞ」
「はい……」
 そう答える直美の態度に満足し、男は二人に背を向けた。背後で、ごそごそと少女が動
く音がする。
 男はシャワーでも浴びようと、そのまま部屋を後にしようとした。
 だが、
“バチ……ッ!!”
 そんな物音と共に、彼の全身を何か衝撃のようなものが駆け抜ける。
「……え?」
 それが何であるのか理解すらできないままに、男の意識は暗く深い闇の中へと引きずり
込まれていった。
516卒業(17):03/02/01 00:18
「───あ、ああっ」
 ……ゆっくりと、深い水の底から浮かび上がるように、男の意識が戻ってくる
「くふっ、……ん、あああっ」
 そんな淫靡な響きを漂わせた若い女の声で、彼は目を覚ました。
「う……あ」
 小さくその身をよじると、背中の筋肉に引きつるような痛みが走った。
(いったい、なにが?)
 だがそんなふうにぼんやりと考えていたのもつかの間、彼は自分の身体が全く自由が利
かなくなっていることに気づき、愕然とした。
「な、なんだっ、これは!?」
 体中が、太い縄で縛られている。彼は芋虫のように身動きができない状態で、床の上に
転がされていた。
 あまりの急な出来事に茫然とする彼の目に、その光景が飛び込んできた。
「ああ……お願いします、もっと……っ」
 ベッドの上で絡み合う、二つの白いからだ。柔らかな曲線を描く肉体をもつ二人の少女
が、そこで身体を重ね合っていた。
「な……っ」
 とっさに言葉も出ない男。
 そんな彼に、少女が気づく。彼女は小さく微笑むと、男に言った。
「ああ、先生。目を覚まされたんですね」
 葉子は、無様な格好で床に這いつくばる男を見下ろしながら、上体を起こした。
517卒業(18):03/02/01 00:22
「なっ、これは何のつもりだっ。早くこの縄を解けっ!」
 額に青筋を浮かべ、そうわめき立てる男。
 だが葉子はそんな彼の声に大して興味を示さぬ様子で、ただ黙って額に垂れる髪の毛を
かきあげた。
 そんな彼女の態度に、男の苛立ちはいっそうつのる。今度は直美の方に目を向けると、
ツバを飛ばしながらがなり立てた。
「おいっ、直美っ。何をしている。俺は、この縄を解けと言ってるんだ!」
 彼の方に顔を向けようとする、直美。しかし、横から差し出された細い腕が彼女の顎を
たぐりよせ、それを阻んだ。
「ん……んん」
 少女の小さな唇を、葉子の唇が塞ぐ。もごもごと、二人の口元が動く。その隙間から洩
れ出すピチャピチャという濡れた音が、二人が舌を使ってお互いに与えあっていることが
わかった。
「ふう……」
 ゆっくりと、唇が離れる。二人の口元を細い唾液の糸がつたい、そして、途切れた。
「失礼ですけど、あんまり大きな声でわめかないで頂けます? うるさいです」
 平然とそう言い放つ葉子。
 その余裕さえ感じさせる態度に、男は余計に頭に血を昇らせた。
「葉子、お前、自分が何をしているのか、わかっているのかっ!?」
518卒業(19):03/02/01 00:24
 それでも葉子の表情は揺るがなかった。相変わらず見下したような視線で、彼を見る。
「先生こそ、ご自分が置かれている状況を、理解できていらっしゃらないようですね」
 少女の唇から出された、その言葉。
 ──男は、ゾッとする。
 そこには、今まで彼が出会ったことのないような響きが込められているように感じた。
今までに体験したことのない、冷たく、それでいて他者を焼き殺そうとでもするかのよう
な、その響き。
「お、おま……なんのつもりだ」
 我知らず、舌がもつれる。いくら必死に否定しようとしても、彼は自分の中に生まれた
恐怖の感情を押さえ込むことができなかった。
 全身の体毛が逆立ち、鳥肌ができているのがはっきりとわかる。冷たい汗が、背中にわ
きあがった。
「どうするも何も……私が先生から頂いたものを、そのまま先生にお返しするつもりです」
 葉子はそう言うと、直美に小さく頷いてみせた。
「………はい」
 ゆらりと、直美が体を起こした。ベッドサイドに置かれていたものを、右手で拾い上げ
る。
 黒い、小さな箱形の道具。グリップと、そこに付いたスイッチ。そして短く付きだした
二つの突起。少女がそのスイッチを握り込むと、「バチバチッ」と音を立て、二つの突起の
間に雷のような電気のスパークが弾け飛んだ。
519卒業(20):03/02/01 00:25
「あ……」
 それを見て、初めて男は気づいた。
 さっきの、彼の意識を失わせた、音と衝撃。それはこの小柄な少女が手に持つ、スタン
ガンによるものだと。
「おっ、おい、葉子?」
 もはや恥も虚勢も無かった。恐怖に怯え、先ほどまでいたぶり楽しんでいた当の相手に
対し、すがりつくように視線を向ける。
 そんな彼に葉子は、ほとんど優しいと言ってもいいような視線を返した。
「先生? 私は先生に感謝しているんですよ?」
 静かな声で、そう告げる。
「先生は私に、本当に色々なことを教えてくれました。私が知らなかった、色々なこと。
肉の快楽や、それよりずっと気持ちいい、心の快感。それに……」
 葉子の顔に浮かび上がった“それ”に、男は今度こそ声を失う。
 柔らかく、静かで……そうであるが故に絶望さえ感じられるような、その響きに込めら
れた、影。
「それに……私が気づかずにいた、私の中に存在したこの暗くて冷たい心」
520卒業(21):03/02/01 00:29
 葉子が、直美の方を向く。視線をむけられ不思議そうに年上の少女を見返した彼女に、
葉子はどこからか取り出したものを差し出した。
 その磨き上げられた表面が、部屋の明かりを反射して小さく輝く。
 少女の小さな手の中にあって、まるで冗談のように感じられるほどアンバランスな、そ
の大きなナイフ。
「………」
 直美は黙って一つ頷くと、葉子の手からそれを受け取った。
「……っあ、や、やめろっ。助けてくれっ」
 もはや男の口からは、まともな言葉は発せられなくなっていた。奥歯をガチガチとかち
合わせ、涙さえ流しながら、自由にならぬ身体を必死によじらせ、少しでも遠くに逃げよ
うとあがく。
 そんな彼に、直美の裸足が、一歩々々近づいた。
 ベッドの上から、葉子が言う。
「私の中に、こんなに冷たい、歪んだ私がいるなんて、先生に出会うまで、気づきもしま
せんでした。
 でもね、先生。先生が教えて下さったんです。こんな暗い心の使い方。つき合い方。発
散の仕方。楽しみ方。───そして、利用の仕方」
521卒業(22):03/02/01 00:32
“クチュ、クチャ……”
 男の耳に、そんな音が届く。
 葉子が、自分の秘所を、その自分の細く白い指でもてあそんでいた。
「はあっ、はあ……っ」
 抑えきれないような熱い吐息にも似た声が、その唇から洩れる。
「先生。本当は先生には、こんな私と一緒にいて欲しかった。先生と一緒ならば、先生が
私をねじ伏せ、ずっとイヌにそうするように支配してくれるなら、私もこんな私を押し伏
せながら生きていけると思ったのに」
“コツン”
 身をよじらせながら、ひたすら逃げようともがいていた男の背に、何かが当たった。
 ───壁だった。男の最後を告げる、硬い壁。
「さようなら、先生」
 直美が、刃物の柄を握りしめた両腕を振り上げた。
“ザクッ!”
 そんな音が部屋中に響き渡る。
“ザク……ッ! ズリュ……ッ!!”
 尖った鉄と肉が何度もぶつかり合う音と、水が跳ね落ちるような音。
 葉子は目を閉じて、股間から立ち上る快感を味わいながら、その音に耳を澄ませていた。
「先生……今までありがとうございました。これからも、先生の教えて下さったことは忘
れません」
 やがて部屋の中に静寂が訪れたとき、聞こえるのは二つの荒い息づかいだけだった……


                                 <<了>>
522アンカー:03/02/01 00:35
「卒業」
>>500-521
すげえ……
結果の是非はともかく、禿しく勃チマスタ……
文章書きなれてて上手いです〜
スレがよみがえりましたね。
素晴らしい。
「卒業」拝読しました〜
>>523さんに同意
3作とも読ませていただきましたが、芸風広いですね〜
楽しませていただきました。

スレの復活を祝いage
526あぼーん:あぼーん
あぼーん
おお、珍しい。今度はダークですね。
また保守
寝太郎さん折角書いてくれたのに後に続かなくてごめんよう(´Д`;)
ちょといま忙しすぎるんだよう
ここにティッシュ置いときますね。

  _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘
゚・(ノД`)・゚・。
ヽ(´ー`)ノ
ヽ(`Д´)ノ
ヽ(゚∀゚)ノ
もう顔文字がヤケになってないか?(W
かなりアヒャってますな。
粘土待つは無理ぽyo
そろそろヒマできたぽ。
禿しく下がってるので、たまには上げ保守してみる。
寂れちゃったね、ここ…
人材がみんな「小説を書きたい奴と・・・」スレにいっちゃったのかなあ…
>540
でもあのスレで書いてるのって現時点で実質2人だと思う。

しかもあたしゃ思いっきり遅れ気味だし。
542三輪緒:03/04/02 23:04
>>540
ん、それどこのスレですか?

あー。ちょっとへこんでいるうちにすっかり寂れてしまいましたなあ……。
>>542
ここでつ 長編がメインのスレ

小説書いてみたい奴と読みたい奴のスレ〜第二章〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1047356518/
544あぼーん:あぼーん
あぼーん
545名無しさん@ピンキー:03/04/12 20:01
546あぼーん:あぼーん
あぼーん
547あぼーん:あぼーん
あぼーん
哀しい

 とても、哀しい・・・・・
本スレでうp予定といってたお方は、まだかなあ…
元気だせ… >>548
550山崎渉:03/04/17 15:59
(^^)
213.25.170.97 , 213.25.170.97 , ?
551山崎 渉:03/04/20 04:36
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
ほしゅ〜(グス
                _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
     デケデケ      |                         |
        ドコドコ   < 誰も居ないのーーーーーーー!!? >
   ☆      ドムドム |_ _  _ _ _ _ _ _ _ _|
        ☆   ダダダダ! ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!!    ♪
         =≡= ∧_∧     ☆
      ♪   / 〃(・∀・ #)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ヽヽコ ノ  ||
         || ΣΣ  .|:::|∪〓  ||   ♪
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\

         ドチドチ!
>553
    Λ_Λ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ( ・∀・)< 執筆のジャマだから静かにしてくれる!?
  ___φ___⊂)__ \_________________
/旦/三/ /|
|. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
|熊本みかん.|/
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
555山崎 渉:03/05/22 05:18
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
556山崎 渉:03/05/28 13:24
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
      _
  ┌─┴┴─┐
  │ 終 了  |
  └─┬┬─┘
      ││
     ゛゛'゛'゛
────────────終了───────────────────
     ∧∧  ミ _ ドスッ
     (   ,,)┌─┴┴―─┐
    /   つ   終了ッ!  .|
  〜′ /´ └─┬┬―─┘
   ∪ ∪      ││ _ε3
終了

─終了──

──終了───

───終了────

────終了─────

──────終了───────

───────終了────────

────────────終了────────

────────────終了─────────

────────────終了────────────

────────────終了─────────────

────────────終了───────────────

────────────終了─────────────────

────────────終了──────────────────

     ∧∧  ミ  _ ドスッ
     (   ,,)┌─┴┴─┐
    /   つ 糸冬 了 .|
  〜′ /´ └─┬┬─┘
   ∪ ∪     ││ _ε3
            ゛゛'゛'゛

────────────終了───────────────────
─糸冬 了──

──糸冬 了───

───糸冬 了────
 レスが進んでると期待してきてみれば・・・・
スレ容量はあと100KBちかく残っているからこのやり方じゃ
そう簡単には沈めれられないぞ(藁
1000までレス打ってみるか?(藁藁
時期的にも、新しいお題を考える方向に、
話を進めた方がいいと思うのは如何なものか。
さすがにもう、『卒業』もきついだろうし。
……いや、まだ職人さんがいらっしゃるならですが。
3〜4月にぜんぜん書き込めなくなって、
それからこんどは仕事が忙しくなって、
最近、やっと書けるようにはなりますた。

なんかお題決めましょうか?
衣がえですし『夏服の少女』なんてのは?
583寝太郎:03/06/03 21:47
>「夏服の少女」
 もし、本当にみんなでupできるのであれば、参加したいところですが・・・・・
スレのリハビリってことで、あまり厳密に考えず、
折角出たお題ですから「夏服の少女」でケテーしてマターリ書き始めても
いいような気がします。
 マターリ書き始めてうpされるのが「冬服の少女」の頃だったりしてなあ(w
「夏服の少女」でだいたい書けたし。
スイコチュー(゚∀゚)
>>585  ぐはっ…w
>>586  うわぁい!
うーし、一応、私も完成したー。
書き上げてから参加表明ってのもなんですけどね。
589588:03/06/11 02:18
ええと、それではいかせてもらいます。

作品名:「真夏の制服×2(かけるの・に)」
執筆者:588
ヘタレ文章書きなので、評価は【EASY】でお願いします。
59001/19:03/06/11 02:19
 グラウンドから、運動部の掛け声が微かに聞こえる。
 夏休みの五日目、人の気配は呆れるほど少ない。
 ジリジリと日が照らす真夏だというのに、その教室の窓は締め切られていた。
「暑い」
「んっ…にゃ…夏だからねー…はっ…んん……」
 教室の最前列、窓際の机二つをベッドにし、歴史教師である黒須仁は童顔で
ポニーテールの女の子を組み伏せていた。
 仁が腰を動かすたびに、カエルのような格好で貫かれている夏服の少女の右
足首に引っ掛かったスプライトのショーツが力なく揺れる。
 乱れているのは唯一そこだけで、セーラー服もスカートもそのままだ。
 仁に正常位で結ばれ喘いでいる、健康そうだがまだ未発達な肢体の持ち主の
名を寺沢ちえりという。
 仁が担当する歴史の授業で唯一赤点を取った女生徒だ。
 一つ後ろの席には、ノートとプリントが広げられていて、『一応』補習が終
わった事を示すようにそれらは文字で埋め尽くされていた。
「……ついでに熱い」
 仁は、シャツの襟元を緩めた。
 仁もちえりも、室内の蒸せるような熱に汗だくだった。
 けれど、二人は大きく緩い動きを休めず、互いを求め合う。
 襟元を緩めた仁は、ちえりの首筋に舌を這わせた。
59102/19:03/06/11 02:21
「んっ……」
 ちえりが、ピクッと身体を震わせる。
「しょっぱいな……」
 仁と同じように、ちえりも仁の首筋や顔を舐めていく。
 やはりそこから感じられる味覚はしょっぱかった。
「冷房も付いてない密室状態の教室で……くんずほぐれつしてるからだと思う…
…運動してたら、そりゃ熱くもなるよ……んっ……せんせーのも、熱いよぉ……」
「じゃあ、原因はお前だ……ちえりの中も……すげー熱くなってる……」
 仁の腰が前後するたびに、机の上に溜まった大量の水分が床に滴っていく。
 その大半は汗で、幾分かはちえりの愛液だろう。
 教室の床にも、小さな水溜りが出来ていた。
 ちえりが、窓の方に視線を向ける。
「ね、窓…あ…んうっ……開ければ涼しくなるんじゃないかなぁ? 開けよう
よぉ……ねっ……あ、あぁんっ」
「駄目だ……声が漏れるだろうが。抑えてろ」
「ん、うん……は、あ……駄目だよぉ……声、出るぅ……」
 ちえりは腕で口元を抑えるが、荒い息は口が開かれるたびにどうしても漏れ
てしまう。
「なら、動くのやめるか?」
 少しずつ動きを強めていきながら、仁はそんな事を言った。
59203/19:03/06/11 02:22
「それ、駄目ぇ……もっとぉ……」
 慌てるちえりの白いセーラー服に、指を滑らせる。
 薄い肌色が、汗に濡れて生地にくっつく。
「あーあ、お前、汗で服が肌に張り付いてるぞ……」
 そこではた、と仁は気がついた。
 緩やかな膨らみの頂点が、やはり生地に張り付きながら存在を主張していた。
 手の平で胸を包み込みながら、指で弄ってみる。
「やぁっ、つ、つねんないのぉっ……あ…あぁっ…ね、ヨクジョーする?」
「馬鹿。つーか、どうしてノーブラなんだよ……こんなの、丸分かりじゃねえか」
 乳首を弄るたび、締め付けがきつくなる。
「だって、暑いし……大丈夫だよぉ……汗かかなきゃバレないって」
「恥じらいってもんがないのか、お前は……それに、実際バレてるじゃねえか」
 片手で胸を弄んだまま、服越しの乳首に仁は吸い付いた。
「んうっ……ここで…生徒とこんな事してるせんせーに言われたくないんだけど…
…や、あ……もっと、吸ってぇ……」
「っくそ、説得力ねーな……ま、薄い胸だから大丈夫か」
 感触を確かめるように、仁はちえりの胸を揉んだ。
 薄いが、確かな柔らかさが伝わってくる。
「ん、あっ……だいじょーぶだよ……それに、来る時はちゃんと着けてたから…
…ね、もう一方も……舐めて、あ、んっ、ゃあんっ!」
59304/19:03/06/11 02:23
 生地を肌に張り付けるように胸全体に舌を這わせ、仁は執拗に先端に固執する。
 最初は元気よく身体を跳ねさせていたちえりは、次第に脱力し、敏感な箇所を
攻められたときだけ弱電流が流れたような反応を繰り返した。
「俺の口は一つしかないんでね……で、それは今、どこにあるんだ」
「はぁ……はぁ……被るの?」
「なんで被るかっ!」
「あーもー、大きな声を出さないでよぉ。ちょっと早い目に来て、プール入ってたの」
「だが、それは今着けてない理由にはなってないと思うが」
「んー、せんせーが喜ぶと思って」
「……ほー」
 仁は腰の動きを強めた。
 同時に、尖った胸の先端を親指の腹で弄くり倒す。
「んっ……あっ、せ、せんせ!? やっ……きゅ、急に強く……ひっ、あっ、
やだ、だめだってばっ……」
「いやー、喜んでやろうと思ってな。よかったなー、ちえり。せんせーは、
すっごく喜んでるぞ?」
 容赦なく腰を送り込みながら、仁はこみ上げてくる射精欲を堪えていた。
 ……まだ、大丈夫だな。
 もう少し遊んでいたかったし、先に追い詰められているのは明らかにちえり
の方だった。
59405/19:03/06/11 02:31
「ん、あっ、あぁっ……そ、そーは見えないんだ…んんっ…けどっ……」
「この阿呆。いくら夏休み中で人が少ないとはいえ、男子生徒や教師だってい
るんだぞ? 少しは慎め」
 乳首責めをやめ、仁はちえりの腰で手を固定した。
 大きく力強い本気のストロークで、何度もちえりの中を貫いていく。
「あ、せんせー妬いてる? あ、うそっ、ごめんなさいっ……あっ、あっ、
やぁっ、壊れちゃうよぉっ!」
 ちえりが泣くのと共に、汗と愛液が飛沫となって床に飛び散った。
 狼狽しながら、ちえりは一人先に絶頂への階段を駆け上っていく。
「あんまりくだらない事言ってると、マジやめるぞ、こらぁ」
 まあ、これぐらいでいいか……。
 ちえりの反省を見て取った仁は、ようやく抽送を緩めた。
「うー……この状態で生殺しはちょっときつい……」
 ようやく仁に遊ばれている事に気がついたのか、ちえりは不満そうに唇を尖らせた。
「なら、もう一回さっきのされたいか?」
「ん、あっ……これぐらいが、ちょーどいいかな……」
 ホッとしたちえりは、ようやく息を整える余裕を与えられた。
「ったく、少しは真面目になったかと思えばこれだからな……」
「今のせんせーにその台詞は説得力、全然ないよ……せんせー、ね、そろそろ……」
 ちえりが腰をくねらせる。
59506/19:03/06/11 02:32
「ああ……しかし、説得力については反論出来ないな……で、どこに欲しい?」
「んー、口……飲む……」
「そういえば、喉が渇いたな……後で飲み物買うか」
「ん……水分ほきゅー」
 ちえりが仁に両手を伸ばした。
 その手が首筋に絡み、二人の顔が接近する。
 仁が拒まず唇を重ねると、舌と共に生ぬるい唾液が送り込まれた。
「エロ生徒が……お前もいるか?」
「ちょーだい……ん、くっ……でも、助平教師に言われたくありませんよーだ」
 唾液の交換に満足すると、再び仁は腰の動きを強めた。
「ん……じゃ、こっちも飲ませてやるとしますか……」
 今度はちえりも覚悟できていたらしく、仁の首にしがみついたままそれを受け入れる。
 それまで燻っていた体内の快感を一気に燃焼させるように、ちえり自身声を
上げながら腰を振りたくった。
「んぅ……あっ、あんっ、せ、せんせっ、はっ、あ、ああぁっ!!」
「くぅっ……!!」
 限界を悟った仁は、絶頂寸前のちえりの最奥に思いっきり突き込んだ。
「あああああーーーーーっ!!」
 一気に高みに追い込まれたちえりが、高い声で泣く。
 そして、仁は腰を引き抜く――否、抜こうとした。
59607/19:03/06/11 02:34
「先生っ!!」
 突然今まで閉じていた扉が勢いよく開いて、教室内に女生徒の声が響き渡った。
「うわっ!!」
 仁は思わず、ちえりの膣の中ほどで暴発していた。
 溜まりに溜まっていた精液がちえりの膣内に迸り、狭い道を白く染め上げていく。
 仁の痙攣と共に、ちえりも胎内を満たす熱いエキスの感触に酔いしれた。
「あ……あっ……ああっ、中にぃ……んうっ……いっぱい…きてるよぉ……」
「あ……」
 扉の前に立った長い黒髪の少女は、仁の下で身悶えるちえりの姿に真っ赤に
なって口元を抑えた。
 色白小柄で、いかにも大人しそうな印象を受ける女の子だ。
 ちえりと同じく、白いセーラー服に身を包んでいる。
 仁は、彼女を恨めしげに睨んだ。
「あーまーねー……」
「だ、だって……時間になっても、兄さんもちえりちゃんも出て来ないし……」
 仁の幼馴染みで教え子でもある神代天音は、ボソボソとか細い声で、微かな
抵抗を試みた。
「もうちょっとやりようってもんがあるだろうが。ったく、普段は優等生なのに、
どうしてこういう時は頭が回らないかな、お前は」
「ご、ごめんなさい……ですけど、心配で……そ、それに待ち切れなくて……」
59708/19:03/06/11 02:35
 天音につられて、黒板の上に掛けられた時計を見ると、ちょうど授業時間の
四分の三を過ぎた所だった。
「ああ、もうそんな時間なのか……あっという間だな」
「私は、長かったです」
 寂しそうに言いながら、天音は仁に近付いてくる。
「悪いな、天音」
「うー……せんせー、何か忘れちゃいませんか?」
 恨めしそうな声に、仁はハッとその存在に気がついた。
「あ、悪ぃ」
 その下半身は、まだちえりと繋がったままだった。
「悪ぃじゃないよぉ! 中に出すしっ、放ったらかしだしっ! そんなじゃもう、
真面目に補習出ないよ?」
「せ、先生……」
 天音はおろおろと、仁とちえりを交互に見た。
「心配するな、天音。どうせポーズだ……それに」
 仁は、中途半端に突き刺さったままだった肉棒を、勢いをつけてちえりの中に
送り込んだ。
「んっ……ああっ!」
 そのまま、仁は天音を手招きした。
「まだ、俺の方が有利だしな。天音、お前も来い」
59809/19:03/06/11 02:36
「え? で、でも見張りは……」
 戸惑いながらも、天音は仁の言葉に従い、こちらに駆け寄ってきた。
「これまで、一回でも誰か来た試しがあるか?」
 手の届く場所まで近付いた天音を、仁は片手で抱き寄せた。
 少しバランスを崩しながら、天音は仁の胸元に飛び込んだ。
「ない、ですけど……」
「まあ、まだ見張りをしていたいって言うのなら話は別だが?」
 そのまま仁は、天音の胸を手で揉み上げる。
 ちえりより大きな、形のいい胸だ。
 揉み心地も当然こちらが上回るし、何より手に馴染んでいる。
「し、します。させてください……兄さん」
 頬を赤く染めながら、天音は仁にキスした。
「ん」
 仁は動かず、天音の好きなようにキスを許した。
 それを悟った天音は、積極的に仁にキスの雨を降らせる。
「いーなぁ。二人ともらぶらぶで」
 相変わらず忘れられたままのちえりは、羨ましそうに仲睦まじくキスを続ける
仁と天音を見ていた。
「お前、これをそう見るか」
 仁としては、天音のさせたいようにしているだけなのだが。
59910/19:03/06/11 02:53
「兄さん……違うんですか?」
 ギュッとワイシャツを握り締めながら、天音が仁を悲しそうに見上げる。
「いや、天音、お前もちょっと待て」
 仁は、幼馴染みのこの表情に弱かった。
 どうにかしてやろうと、子供(ガキ)の頃からの習性で思考を巡らせる。
「私は、兄さんの為ならなんだってしたいですけど……んぐっ!?」
 仁は、天音に強引にキスすると、そのまま舌を彼女の唇に割り込ませた。
「ふっ……ん……嬉しい、兄さん……」
 甘えた声で、天音は年上の恋人の舌と唾液の味を堪能する。
「やっぱり、年季の差かなぁ。中学からだもんねぇ」
 仁は天音から顔を離すと、ちえりの方を向いた。
「ええい、そんな事は後で話せ後で。萎えるだろうが。いいから天音、始めるぞ」
「あ、はい」
 顔を赤らめながら、天音は紺のスカートをめくり上げた。
 そこに、仁は手を滑り込ませる。
 そこの感触に、仁はにやりと笑みを漏らした。
「……まさか、廊下でしてたりしてないだろな」
「……っ! し、していません!」
 その割に、すごいよなぁと仁は思う。
60011/19:03/06/11 02:55
 この状態のまま、ずっと廊下で待っていた天音を想像し、自身の肉棒が再び
固くなっていくのを仁は感じとっていた。
「してたら、見張りの意味ないもんねー」
「って事は、何にもしてないのに、太股に垂れるぐらい濡れてたって事か」
 透明な粘液で糸を引く指を、仁は天音に見せつけた。
「は、はい……」
 突き出された指についた、自分自身の愛液を、天音は舌で清めていく。
「じゃあ、準備はもう必要ないな。おい、ちえり。ちょっと場所代われ」
「うー、しょうがないなぁ……で、どうするの?」
「まず、お前にはこっちに向いてもらう」
 仁は、ちえりから自分自身を引き抜くと、その身体を前後180度回転させた。
「わっ」
 ちえりの目の前に、天音を抱き寄せながら股間をむき出しにした仁がそびえ立った。
「で、天音はこう。ちえりの頭をまたげ」
「え……? こ、こうですか……?」
 仁に言われるまま、天音は机の上に乗った。
 ちえりの頭上から、薄い恥毛と楚々とした割れ目が下りてくる。
 一方、天音の方も眼前に、ちえりの割れ目が突き出されていた。
 いわゆる、女同士のシックスナイン態勢だった。
 仁は、天音の濡れた秘処に自分自身を押し当てながら、二人に命じた。
「そのままバックで行くからな。ちえりはちゃんと繋がってる場所に吸い付いてろ」
60112/19:03/06/11 03:00
「あ……」
「う、わぁ……せんせー、変態?」
「やかましいわっ。嬉々としてやってるくせに、喉奥まで突っ込むぞ手前」
「ちゃんとしまーす……うわ、すごいドキドキする」
 まだ、天音の中に仁の肉棒は突っ込まれていない。
 けれど、秘唇を割って先端が時々埋まり込んでは離れる光景は、ちえりを
昂ぶらせるには充分だった。
 もうすぐ、天音ちゃんにこれが入れられるんだよねぇ……。
 大人しく、とても生々しいセックスとは縁がなさそうな天音が乱れる様を想像
しただけで、ちえりは自分の中心が熱くなるのを感じていた。
「天音も、自分一人だけ気持ちよくなるんじゃなくて、ちゃんとちえりの中から
俺のを吸い出すんだぞ」
 仁の言葉に、ハッと我に帰った天音は顔を上げた。
「は、はい……ご、ごめんなさい、ちえりちゃん……」
 そして、再びそこに視線を向けた。
 さっきまで仁に貫かれていたそこは、新しい愛液と共に精液を滴らせていた。
「……こっちはこっちで、何気に嬉しそうだな、お前」
「に、兄さんのですから……んうっ!!」
 急な後ろからの刺激に、天音は背を仰け反らせた。
 待ちきれなくなったちえりが、天音の秘処に吸い付いたのだ。
60213/19:03/06/11 03:04
「天音ちゃん、あたしもー……あぁっ!」
 天音がちえりの股間に顔をうずめ、ちえりの言葉も喘ぎに変わる。
 二人が責め合う様子を眺めながら、仁も腰を溜めた。
「それじゃ、俺も始めるかね……」
 素早くちえりが頭をどけ、そこに仁は自分のモノを突き入れた。
「ん……あああっ……に、兄さんのぉ……入って来ますぅっ……!」
 ちえりの腰にしがみつきながら、天音が声を震わせる。
 一瞬、二人が繋がる光景に見とれてしまったちえりは、慌てて仁のモノに舌を
伸ばした。
「こっちはちゃんと着けてるな」
 腰を動かしながら、仁は天音の背中を指でなぞった。
 白く薄い制服が肌に張り付くが、ちえりと異なり天音はちゃんとブラをつけていた。
「あっ……あんっ……え?」
 話が見えない天音は、戸惑ったような声を上げた。
「こっちの話だよ。天音は淑女だから、ノーブラなんてはしたない真似はしないって事」
「……淑女は……んっ……教室でこんな事しないと思うんですけどー?」
 秘唇から出るたびに愛液にまみれる肉棒に舌を這わせていたちえりが、今度は
天音の肉芽にキスをした。
「んあっ、ち、ちえりちゃん、そこはぁっ!」
 敏感な場所を責められた天音は、たまらず叫んでしまう。
60314/19:03/06/11 03:07
 けれど、それでやめるようなちえりではない。
「弱いよね。じゃ、もっとしてあげる」
 むしろ積極的にそこに口付け、舌でくすぐりながら吸い上げる。
「あっ、ああっ、も、もっと優しく……ふぁっ、んぅっ!」
 仁はそれを邪魔しないように、ゆっくりと天音を貫いていた。
 けれど、膣内を肉棒で掻き回され、肉芽を舌で弄ばれては、その強い快感に
天音の意識は次第に追い詰められてしまう。
「はっ、あっ、んっ、んんっ!!」
「おいおい、あんまり天音を虐めるな。こいつで遊んでいいのは、俺だけだ」
「ん、はぁ……はぁ……うん……」
 ちえりは、少し舌使いを休める。
 けれど、天音が忠実に仁の言い付けを守り、ちえりの秘処を舐め吸い回すので、
どうしてもちえりも責めを止める訳にはいかなかった。
「けど天音、もう少し辛抱出来てもいいんじゃないか? お前のここ、すごい
事になってるぞ?」
「で、でも、兄さんとちえりちゃんが、教室でしてるって思うと……」
 声を上げながら、天音は自分でも腰を動かし始める。
「朝、お前とあれだけしたのに?」
「っ……!! に、兄さん……」
 天音は赤らめた顔を、慌てて振り向かせた。
60415/19:03/06/11 03:09
「ん……どれぐらいしてたのー?」
「ああ、朝起きる時に口で一回、それから騎乗位でー……」
 ニヤニヤと笑いながら、仁が説明しようとする。
「兄さんってばぁ……!」
 仁は身体を伸ばし、涙ぐむ天音にキスをした。
 それだけで機嫌が直ってしまう辺り、安いなぁと仁はつい思ってしまう。
「あー、悪ぃ。あんまり人に言う事じゃないな。後はま、想像に任せる」
「いいなぁ。家が隣同士だと、いつでも出来るもんね」
「いつでもって訳でもないが……うん? 天音、本当に我慢出来ないみたいだな」
 仁は、天音の喘ぎがせっぱ詰まっているのを感じていた。
「あ、んっ、ご、ごめんなさい……でも、でもぉ……」
 仁が奥を突く度に天音は可愛く鳴きながら、それでも自分で腰を動かす事を
やめようとはしなかった。
 下から責めるちえりは舐めるのに苦労するが、それが不規則な刺激となり、
帰って天音を追い込んでいく。
「構わないさ。さっきのは俺も暴発気味で不満だったからな……しっかり中で
出してやる」
「あ、ん、っう、嬉しいですっ……」
「天音ちゃんばっかりズルイなぁ……」
「文句言うな。お前だって、このまま続けてたら、リクエスト通りになるだろうが」
60516/19:03/06/11 03:17
「口に出してもらうのと、舐めるのは違うー」
「いらないのか?」
 仁は天音の中から自分自身を大きく引き抜き、ちえりに竿を見せ付けた。
「ん……飲む」
 その竿の裏筋を舐めとりながら、ちえりは大人しくなった。
「なら、文句言うな」
「ふ、二人とも…ん…あぁっ……こんな時に…そんな会話しないください……」
 腕と足をガクガクと震わせながら、天音は仁達に抗議した。
「ん、もー、天音ちゃん、限界みたいだね……じゃあ」
 ちえりは天音の肉芽に再び吸い付いた。
 ガクンガクンと腰を揺するが、ちえりは両腕を天音の身体に回して離れない。
「ん……あああっ!」
 天音の秘処を肉棒が出入りするたび、ちえりの顔を愛液の飛沫が汚す。
「俺も……」
「ひっ、あっ、ああっ、ひあぁんっ!」
 天音は虚ろになりつつある脳裏で、絶対的存在である兄から命じられていた
すべき事を思い出した。
 ちえりと同じように、彼女の胴に腕を回してその秘処に顔を埋める。
 まだ残る、生臭い精液と透明な蜜を啜り上げ、お返しとばかりにちえりの淫核を
唇で強く吸った。
60617/19:03/06/11 03:23
「あ、あたしも……ん、んんうっ!!」
「あ、あ、あああーーーーーっ!!」
 天音とちえりの身体が、同時に大きく跳ね上がった。
 ズン、と根元まで埋め込んだところで、仁も天音の胎内に迸りを解放した。
 二度目とは思えない量の精液が尿道を駆け、天音の子宮を満たしていく。
「ふぁっ……あ……あ……に、兄さぁん……もっと、もっとぉ……」
 繋がった箇所から溢れ出した精液と愛液の入り混じったエキスを見て取った
ちえりは、ごく自然にそれに舌を伸ばしていた。
「は、ぁ……せんせー、二回目なのに……すごい、いっぱい出てるよぉ……」
 仁は残る精液を全部天音に注ぎ込もうと痙攣を繰り返し。
 天音はそのたびに、兄の精を受ける喜びに身を震わせ。
 ちえりは絶頂の余韻に浸りながら、いまだ接合部から溢れる体液の味を噛み
締めていた。
 ……教室に設置された二つのスピーカーから、電子音が奏でられた。
「あー……チャイム」
 気だるい口調で、ちえりが呟いた。
「よし、今日の補習は……これまで」
 そろそろと、仁は天音の中から自分自身を引き抜いた。
 完全に脱力した天音の体重が、ちえりの全身に圧し掛かる。
60718/19:03/06/11 03:26
 おまけにその股間が顔面を覆い、口の中に性臭が広がっていく。
 ちえりはそれを吸い上げ、まだ微かに開いた秘処の中を舌で掻き分けていく。
「んっ……んんっ……」
 ピクッピクッと天音が反応を示す。
 ほぼ仁の体液を清め終えたところで、ちえりは頭を上げた。
 暑苦しいが、それでも新鮮な空気が肺に染み渡る。
「んっ……んうー……あーつーいー……」
 ほとんどサウナのような状態だった。
 仁はというと、かろうじてズボンを直した状態で、床に大の字に寝転んでいた。
「天音ー、窓開けろ、窓。暑さで死ぬ……」
 仁の命令に天音は従おうと身体を起こそうとするが、すぐにちえりに体重を
預けてしまう。
「ん、くぅっ……駄目ですー、兄さん、お願いしますー……」
「あぁーつぅーいー……ってばぁー……」
「足腰立たないか……しょうがないな」
 ヨロヨロと仁は立ち上がり、窓を開いた。
 室内の熱気が解放され、代わりに風が教室に入り込んでくる。
 仁は、重なり合う二人に視線を向けた。
 苦笑しながら、天音の袖をつまんでみた。
「すごいなぁ、こりゃ……」
 汗を吸った半袖の白いセーラー服は、ほとんど半透明のような状態で二人の
肌に張りついていた。
60819/19:03/06/11 03:42
 職員室で仕事を片付けた仁は、大きく息をついた。
 これで今日の仕事は終了、後は家に帰るだけだ。
「お疲れ様です」
 仁が帰り支度をするのに気付いた隣の女教師が、声をかけてきた。
「いや、本当にお疲れですよ。寺沢一人の為に、補習授業をする羽目になるなんてね」
「成果の方はどうですか? 確か、神代さんも手伝っているんですよね」
 表向き、そういう事になっていた。
 事実、天音は歴史に関してなら学年内ではトップクラスの成績を誇っている。
 好きこそモノの上手なれという奴だ。
 その成績維持の秘訣が、歴史が好きだからなのか、仁が好きだからなのか
微妙なところだが。
「ええ、まあ。あいつの教えがいいのか、少しずつ憶えはよくなっているみた
いです……と、これで終わりかな。やっと休めますよ」
「午後はどうするつもりですか?」
 そう、それだ。
「うちで、犬を二匹飼ってましてね。暑い暑いって騒ぐんで、家に戻ったら水
浴びですよ」
「大変ですねぇ」
「ええ、まったく」
 仁は苦笑し、腰の後ろをトントンと叩きながら職員室を出た。
609588:03/06/11 03:44
以上です。
タイトルは即興で深い意味は全然ありません。
夏服、という事でどうしても『田舎』のイメージを払拭できなくて、
こんな全然違う形になりました。白い半袖セーラー服。
楽しんで頂ければ幸いです。
それでは。
>588さま
楽しませて頂きましたー!
明るいラブラブ、しかもエロエロ。ご馳走様でした。
>「なんで×るかっ!」
バカウケ(w
611寝太郎:03/06/11 20:02
>>588さん

 すばらしい……凄いぞ、コレは。

 いや、こんなことを言ってしまうのはナニかもしれませんが、この板に限らず、
今まで読んできたスレ投稿作品の中で、自分的には最も『実用性』を感じてしま
いました(w

 やってる行為自体のエロエロさ。ストーリーのシンプルさが、それを損なうこ
となく味あわせてくれます。
 まさに、直球勝負!

 それに加え、文章から溢れてくる、『夏』というテーマに沿ったこの感じ。
 汗に湿った肌の感じや、ほとんど暑苦しい体温、部屋の中に充満する湿気や
男女の匂いとなど……ムチャクチャ肉感的なものを覚えてしまう、この表現力。

 ……味・量ともに、お腹いっぱいになれました。
 ごちそうさまです<(_ _)>

 スレの復活を飾るに、なんともふさわしい作品かと。

 むむむむ……なんだか、自分もやる気が湧いてきましたっ!
 この流れに、是非参加しないとっ!!
思わぬことで時間食ってる間に掲載が遅れちまった。
ってもう一作アップされてるし。
588さん目茶うまっ!
のっけからブッ通しのやりまくり。
なのにちゃんと説明されていて、
夏の閉め切った教室の怠惰な蒸し暑さと渦巻く劣情がもうビシビシ伝わってきます。
なせにX2?とヲモタら…… (・∀・) イイ (;゚∀゚)=3

ごちそうだまですた。
ああ、早く仕上げにゃ。てか、分量増えちゃったのよ。すごく(´Д`;)
613588:03/06/14 04:01
>>610さん
うす、ありがとうございます。
>「なんで×るかっ!」
エロの最中だってのに、このヒロインはぁ……。
でも、いつも書いてる作品もこんなノリです。

>>寝太郎さん
ありがとうございますー。
自サイトの作品も、この調子で突き進んでいけそうです。
いや、突き進んでいいのか?
是非、続けての投稿お願いしますです。

>>612さん
感想ありがとうございます。
他の『夏服の少女』ってどーゆーのが来るのか楽しみです。
612さんも投稿ヨロ、お待ちしております。
614【夏服の少女】:03/06/15 00:53

「今年は、ダメかなぁ……」

 浜山智夏(はまやま ちなつ)は箪笥から引っ張り出したノースリーブの
ワンピースを眺め、ほうっと溜息をついた。
 少し恨めしげに、自室の窓から見える紺碧の四角い空を見上げる。
 台風が5月の末からたびたびやって来た変則的な今年の梅雨も、昨晩
通過した低気圧に最後の雨雲を払われ、ようやく終わりを告げた。
 蝉の声こそまだ聞かないものの、いきなり始まった全開の夏モードに
智夏の心は浮足立っていた。

――ギシッ――

 袖のあるワンピースを探そうと、腰を曲げて引き出しの奥を覗いた時、Tシャツ
の下の裸身に纏わり付く、革ベルトの拘束具が軋みを上げた。
「んっ……」
 革ベルトだけで出来たブラのような形の胸を絞り出すパーツから、縦に伸びて
股間をくぐるベルトが引っ張られ、思わず声を漏らしてしまった。
「もうっ」
 少し困ったように笑い、体の曲がりを直して、再び引き出しのの奥を覗く。

「無いよなぁ……」
615【夏服の少女】:03/06/15 00:54

 きっかけは半年前、同級生の間山博(まやま ひろし)をこの部屋に招いた時だった。
お互い異性を意識せずに遊びに行ったりケンカしたりする仲だったので当の本人たちも
周囲も、いまさら男女の関係になろうとは思わなかった。

「おまえ、俺とつき合って見ねぇ?」
 なんとなく二人でダベっている時にいきなり切り出した博に、智夏は大爆笑で答えた。
「プハハハ!! ほらほら、今つきあってるじゃん。何をいまさら」
「お前のこと、抱きてぇ」
「ちょ! バカ?」
「俺は真剣だぜ」
「やだよぅ。だって友達だろ? ヘンだよ ム…… やっ!」
 博は強引に智夏の唇を奪うと、彼女をベッドに押し倒した。
「ちょ! やめろ! 怒るぞ! ほんとに!」
「おまえ、自分が思っている以上にすげえ可愛いって知らねぇだろ」
「や、バカ、そんなこと言ったって……」
 智夏は抵抗しながら真っ赤になった。
 博に両手を掴まれ、バンザイの格好に押し付けられ、再び唇を奪われると、智夏は横を
向いてボロボロと涙をこぼした。
「やめろよぅ…… 友達にひどいことすんなよぅ……」
「俺は友達じゃ嫌だ。智夏とエロエロなことしたいんだ。俺はこのままお前を犯す。それで
全部がブッ壊れても後悔しないくらい、おまえのことが好きなんだ!」
 ドクン、と智夏の心臓が高鳴った。
 いつも男友達にまみれ、わざと自分から避けていた感情に、いきなり正面から向き合わ
されてしまった。
「いやだぁ……」
 抗ってはみるものの、智夏の口からこぼれた弱々しい言葉には、もはや抵抗する勢いは
無かった。
616【夏服の少女】:03/06/15 00:55
 ずっと昔から、女であることを意識すると、そのことに束縛されるような気がしていた。
 博たちとも対等な友達でいたかった。
 しかし博の熱意を受けて、智夏の心の片隅に、今まで避けていた感情を素直に認めても
いいかもしれないという想いが芽生えた。
 急に多幸感に襲われ、対等もいいけど束縛もいいかな、と思った瞬間に智夏は博に貫か
れていた。

 彼を受け入れてからしばらくは激しい照れが続いた。教室でも毎日会う級友とのセックス。
 特別な関係だとはわかっていても、今までの『友達』というスタンスが邪魔をする。

 そんな時、博が持ち出したのがこの拘束具だ。
『智夏は強いよ。でもその強さが智夏の一番かわいい所を隠してしまってる』
 そして拘束具を着せられた。
『ほら、今の智夏は弱いんだよ。仕方無いよね、こんな拘束具を着せられてるんだから』
 ――ドクン――
 じわっと体の中心から何かが込み上げてきた。
『智夏はこれを着せられてるあいだ、本当の自分を晒け出しても誰にも咎められないんだよ』
 ――ドクン――
『智夏がどんなに乱れても、それは拘束具のせいなんだから』
 ――ドクン――
 今まで突っ張っていたものを捨てて、自分の中にある、弱い、幼い、素直な少女の心になっ
てもよいという免罪符を得た気分になった。

 照れは消えた。
 博に抱かれると、心の底から歓喜の叫び声を上げて乱れに乱れた。
 それから智夏はすっかり拘束具の虜になり、排泄に支障のない半日や1日なら拘束具を着せ
られたまま過ごすことが多くなった。
 そのうちご丁寧に鍵まで掛けられるようになった。
 もちろん革ベルトを切ればいつでも脱げるのだが、わざわざ自分の心を解放してくれるアイ
テムを脱ぎ捨てようとは思わなかった。
617【夏服の少女】:03/06/15 00:56

 智夏の大好きな夏が来た。
 しかし、綿のノースリーブのワンピースはもう着れないと思った。
 智夏は、あの服の間を風がすり抜ける心地よさ好きだった。

 拘束具に姿勢を制限されながら引き出しの奥を探っても、袖のあるワンピースなど無いのは
智夏自身が良く知っていた。
 あとはTシャツやブラウスとスカートかジーンズの組み合わせだが、Gパンは拘束具のベルトが
食い込むので避けたかった。
 仕方なくデートに着て行くにはあまりに普段着然としたブラウスとスカートを選び、室内着を脱い
で拘束具だけの裸になった。
 デートの時は、博に下着を禁じられていた。

 肌にしっとりと馴染む柔らかい革の拘束具が、スリムな腰を蜂のようにくびれさせ、小柄な体格の
割りにはボリュームのある胸を絞り出している。
 D字リングを2つ重ねた金具でギチギチに締め込んだ革ベルトを、智夏のサイズに合わせて折り返
した部分に、ハトメをかしめて南京錠で施錠してあった。
 ブラウスを取り上げた智夏の目に、先程出しかけたノースリーブのワンピースが映った。
 ――ドクン――
 はっきり奴隷と明言されたわけでは無いが、拘束具を着けられ、半ば同級生の所有物のように扱わ
れて、智夏の心に少しずつ被虐の喜びが生まれ始めているのは事実だ。
 被虐の喜びは、抑圧を理由にした自己責任の解放。
 縛られてるから、感じても自分ののせいじゃない、と自分を騙す手段。
 拘束されている間は本能のままに悦楽に浸ることを許される。
 その心が智夏にブラウスを捨てさせ、袖の大きく明いたワンピースを取らせた。
618【夏服の少女】:03/06/15 00:56
 拘束具で戒められた体に、ほとんど圧力を加えず、空気のように纏うことのできる、木綿の服。
 肩ストラップ式の胸の拘束具パーツは、襟の広く明いたワンピースでも辛うじて見えない。
 背中のジッパーを上げるとどこから見ても普通の格好だ。
「なぁんだ、平気じゃない」
 智夏は嬉しくなって、散らかった残りの服を箪笥に押し込むと、早々に部屋を飛び出した。

 袖から入る風が、ギチギチに絞られた裸身を撫でて、裾や襟から抜けて行く。
 ノーブラの乳首が裏地の無い木綿の服地に摺れて勃ってきた。
 駅前の雑踏を歩くと、拘束具に戒められたまま裸身を晒しているような錯覚に捕らわれ、乳首の刺激も
加わって、股間にじわりと潤みを生じた。
 自分の胸を見下ろすと、トップにはっきりそれとわかる乳首の尖りを認め、とたんに激しく現実離れした
姿をしている自分に気付いて、耳の付け根まで朱に染めた。
 頭の中に渦巻く羞恥に当てられて、歩む速度も遅くなる。
 正面から歩いてくる女子大生3人組が、自分を指して何かを笑い合っているように見え、智夏は消え入
りたいほど恥ずかしくなった。
 今は手も足も自由だとはいえ、軽やかに風にはためく薄いワンピースの下で、弾ける肉体をボンレス
ハムのようにいびつに縊られた姿で歩いているのだから。
619【夏服の少女】:03/06/15 01:05

 智夏は左の内腿に生温かいものを感じた。
 それは軌跡を残しながらゆっくりと左の足首めがけて垂れてくる。
 しばらくしてその正体に気付き、あまりの醜態にハッと後ろを振り返ると、何人かの男性が既にそれを
目撃しているようだった。

 智夏は真っ赤になってその場から走りだした。
 全身がギシギシと軋む。
 乳首が摺れて痛くなってきた。

 ハアッ

 ハアッ

 ハアッ

 ハアッ

 息も切れてきたころ、やっと目的地に着き、良く知った人影を見つけた。

「ヒロっ!」
「おっすぅ〜」
「『おっすぅ〜』じゃないわよ! わああん!」
「どうしたんだよ、いきなり」
「鍵はずしてよぉ」
「だめだよ、ちなつはそれ着てるからエッチになれるんだろ?」
「うう…… なりすぎちゃうのよぉ」
「とにかく行こうぜ」
 二人は近くのデパートの呉服売り場へ向かった。
 目的は和服ではなく、売り場近くのトイレだった。
620【夏服の少女】:03/06/15 01:06

 人目を避けて、連れだって男子トイレの個室に入る。
 改装されたばかりで上品なリノリウムと壁材に囲まれたそこは、快適な密室だった。

「(それ嫌ぁ)」
 囁くより小さい声で耳打ちし、泣きそうな目で博を見つめる。
「(だって、ちなつの声、聞こえちゃうだろ? はい、あーんして)」
 潤んだ目でおずおずと開けた智夏の口に、博は丸めたハンカチを押し込み、その上からバンダナで
猿轡を噛ませた。
「(んーー!)」
 拘束具に戒められている時はどんなにエッチになっても許される。
 智夏は猿轡を噛まされただけで、もう滴る程に秘所を潤ませていた。
 ワンピースを捲られ、カギを外され、股間を割り裂いて締め上げられているベルトを抜き取られると、
股間からベルトまで恥ずかしいほど幾筋もの糸を引いた。
 前戯など不要なソコに、ズボンを降ろした博がいきなり侵入してきた。
「(ふあああ!」
 叫び声は猿轡に押し潰された。
 智夏の頭に、同級生に犯されているという被虐感が渦巻く。
 長い付き合いの友達の逸物に背後から貫かれ、一擦り毎に恍惚の愉悦を流し込まれている自分に酔う。
 その友達に拘束具まで嵌められ、自由を奪われているのだ。
621【夏服の少女】:03/06/15 01:06
 自由を奪われているから、どんなに乱れても自分のせいじゃない。
 智夏の頭の中でその思考回路が完結した時、めくるめく快感の渦に巻き込まれ、博を咥える筋肉が
恐ろしく収縮した。
「(ウッ! ちなつ、俺…… もう……)」
 博の囁きを耳に受けながら、智夏はそれに答えるようにウンウンと細かく頷いて見せるが、博からは
抽送の動きに頭を振っているようにしか見えなかった。
 やがて智夏本人も何のために頭を振っているのかわからなくなってきたころ、その激しい動きと博の
突き上げに、下腹部を絞り潰すような激しい絶頂を迎えた。
「(んんーーーーーーーーっ!!)」
 声を絞りに絞った絶叫を吐き、智夏はがっくりと脱力した。

 博は自分と智夏の股間を始末すると、肩に掛けたリュックからラジコンバイブを取り出した。
 恍惚の中で緩く蠢く智夏には、これから何か悪戯をされてしまうという認識がまだない。
 博は、濡れて開いたままの智夏のソコにバイブをあてがうと、少し捻りながらゆっくり押し込んだ。
 今までほぼ同じサイズに広げられていたそこは、たやすくシリコンの淫具を根元まで呑み込んだ。
 クリトリスを責める小型の突起の向きを合わせ、まだぐにゃぐにゃになったままの智夏の股間ベルトを
締め込み、カチリと施錠した。
622【夏服の少女】:03/06/15 01:08
 とたんにバネに弾かれたように智夏が跳ね起き、自分の手で猿轡を外すとハンカチを吐き出し、
いつもの友達同士の目で博を睨んだ。
「(なっ! なにしたのよっ)」
 博はその問いにバイブのスイッチを押すことで答えた。
――ヴィイイイイッ――
 股間に抉り込まれた淫具が唸りを上げると、智夏はくの字になって股間を押さえた。
「(止めてッ! 止めてッ!)」
 博はすぐにスイッチを切った。
 そして捲れたワンピースを元に戻すと、個室の戸を開けて先に外へ出た。
 出口に人がいないのを確かめてから、男子トイレの奥に向かって合図する。
 泣きそうな顔の智夏が足早に出て来た。
623【夏服の少女】:03/06/15 01:13

 エレベーターホールで智夏が怒る。
「はずしてよ! ねえったら!」
「だめだよ。今日のデートが終わるまでは入れっぱなしさ」
「そんなの嫌ぁ」
 再び博がスイッチを入れた。
「あ!」
 智夏が腰を引く。
「ほら、行くよ」
 あまり人の通らない階段を下りて行く。
「ん! んんん!! もうダメぇ…… 歩けないぃ……」
「本当にダメなのは、多分こんなことを言うんじゃないのか?」
 博が更にスイッチを操作すると、クリトリスに押し当てられた小さい方のバイブも振動し始めた。
 智夏は階段の踊り場で棒立ちになったまま目をカッと見開いて虚空を掴む。

「ひッ!!!! ひぐゥッ!!! そんないきなりッ…… もうイク!!!!」

 こんな公の場で立ったままイクとは思っていなかった智夏は、半分信じられないといった表情で
小刻みに震えながらアクメに達していた。

 博がバイブのスイッチを切ると、智夏はちょっとだけ博を睨み、体を引きずるように歩き始めた。
624【夏服の少女】:03/06/15 01:20

 デパートの外に出ると、蒸し暑い西日の中で、一陣の爽やかな風が吹き抜けた。

 その風は智夏の袖から服の中に入り、淫具を咥えたまま締め上げられた智夏の肉体を舐めるように踊る。

 ひとしきり服の中で踊ると、これ見よがしに裾を捲り上げながら通り過ぎていった。

「あン……ッ」

 智夏は自分でも不思議に思うほど甘えた声を上げ、

 博の腕に自分の腕を回して、ドン!と抱きついた。


作品名:「夏服の少女」
>>614-625
段階表示:【EASY】

果てしなく長くなりそうだったのでぶっつんと終わりにしてしまいました。
このくらいじゃないと負担になりすぎちゃうので……
食い足りなくてスマソ
新作マタキタ―――!

>>625
乙カレーっす。おいしく頂きました。
このジャンル大好きなので、もっと食べたいです(w
でも負担にならないのが一番ですね。
現在の作品リスト

※お題「同級生の女の子」
「ひみつ」 >>7-26
「同級生」 >>34-49
「ライト・ハグ」 >>57-76
「汗」 >>89-94
「教えてくれる?」 >>100-102
「ささやかな同窓会」 >>116-121
「月の瞳」 >>138-141
「クラスメイトボンデージ」 >>147-159
「彼女の顔」 >>204-213

※お題「年上との再会」
「不純な動機」 >>259-271
「幻の思い出」 >>286-306
「しるし」   >>329-342
「10月のサマーカクテル」 >>384-409
「春霞」 >>437-445

※お題「卒業」
「卒業」 >>498-521

※お題「夏服の少女」
「真夏の制服×2(かけるの・に)」 >>589-608
「夏服の少女」 >>614-625
保守
「夏服の少女」のお題、夏が終了するまでに(ひどくアイマイ)
何とか書き上げようと考慮中です。とりあえず挙手(w
んでも、抱えてるモノもあるので、投下は1ヶ月くらい先になりますか……トホホ。
>629
執筆乙彼
気長二松

誰在他執筆者
猛烈切望御感想

毛駄目舗
あー、私も「書いてる」って事だけお知らせしておきます。
なにせ初挑戦なもので、バタバタ悪戦苦闘しています。
挙手に至らないまでも。

あと、途中までアプするってのはありなんでしょうか?
>>631
失礼。一応、書き終わってからうpというお約束になってます。
楽しみにしてますので、頑張って下さい(祈願
633寝太郎:03/06/29 19:25
>夏服の少女
 いいなあ。こういうエロさ。
 ボンテージ&羞恥系のSMえっち。本番付き。

 あああ……こういうのって、読むのは大好きなんですけど、自分では
書けない分野なんだよなあ。
 だから、書ける人が羨ましいです。

 この延々と、エンドレスのエッチがなんとも。
>果てしなく長くなりそうだったので
 とある通り、放っておいたら延々と続くんだろうなあ。
 博クン、幸せすぎです。……いや、智夏もか(w

 あ〜、なんにせよ、イイものを見せていただきました。
 ごちそうさまです<(_ _)>
>626
ご感想サンクス

>627
>作品リスト
乙〜

>629
>631
がんがれー!

寝太郎様
>いいなあ。こういうエロさ。
>ボンテージ&羞恥系のSMえっち。本番付き。
むしろそれしか書けないのでつ。
635 ◆/af2bl5VbY :03/07/04 17:15
ds
636 ◆/af2bl5VbY :03/07/04 17:16
d
(・∀・)   にゃ〜
(・∀・)   にゅ〜
(・∀・)   にょ〜
(・∀・)ニャー
∧_∧
(・∀・)ニャー
∧_∧
(>∀<)ニャー
∧_∧
(`Д´)ニャー
644寝太郎:03/07/14 22:44
∧ ∧
( >Д<) ニャー!
645寝太郎:03/07/14 22:44
失礼………つい(w
寝太郎さんまで……(´Д`;)
って、637は漏れですが(・∀・) (637ダケヨ)

ヽ(´ー`)ノ まぁ、マターリ待ちましょう。
647山崎 渉:03/07/15 09:44

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
648関連スレ:03/07/17 02:07
成人向けオンライン小説の筆者によるアンソロ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1025902807/

インターネット上のエッチな小説その6
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1053176742/

誤爆スマソ
>649
(・∀・)ホノカニワロタ
>648
どこのテンプレ?
筆者雑談スレとおもわれ。
653あぼーん:あぼーん
あぼーん
654あぼーん:あぼーん
あぼーん
655confusion:03/07/24 18:01
「わざわざ来てくれてありがとう」。
 それだけを言うつもりだった。なのに窓の外の光景には、二人の姿はなかなか現れなかった。
 あいつと、あいつ。康介と、裕未。
 自分が寝ている病室のベッドの前には、さっきまで二人が座っていた丸椅子がある。
 そこに残る夏の制服の残像と、かすかな柑橘系の香り。
夏になると裕未が好んでつけてた、コロン。つい半年前まではそれを一番近くで感じていたはずなのだ。

元気そうだから、安心しちゃった。
もっと早く来とけばよかったね。
また、来るから。
じゃあ。

突然だったから、二人の顔もまともに見られずに生返事してしまった。
けど、彼女の短い言葉が思い出されて、いても立ってもいられなくなる。
礼を、言わなきゃ。悪友の康介はともかく、裕未に。心配かけてしまっている、裕未に。
656confusion:03/07/24 18:02
 残念ながら、今の俺には走って追いつく自信はない。そして、見つかればきっと看護婦に止められる。
 残された道は、屋上だ。無理して1階分上れば、病院の玄関から長く外を見渡せる。
 俺は、急いでスリッパを履き、まだ重い足取りで立ち上がった。
 屋上からあいつらを見つけたら、恥ずかしげもなく叫んでやるんだ。「わざわざ来てくれてありがとう」って。
 ままならぬ自分の足に腹を立てながら、屋上へと続く階段を上る。鉄のドアが見えた。
 そこを開ければ、ここのところ浴びた事のないまぶしい陽光が、俺を待っているはずだった。

「……んなこと、いわないで」
 耳がかすかに捉えた、聞き覚えのある声。
「でもさあ、さっきあいつの顔色見たろ?退院して、学校に戻ってくるのは、まだずっと先だよ」
「そんな」
「そんなもなにも、それが現実。俺だって、あんなにひどいなんて思わなかったさ」
 待ち侘びていた声だったはずなのに、俺はドアノブに手をかける事ができなくなっていた。
657confusion:03/07/24 18:04
「……それでも、あいつを待つの?」
 男の問いかけに、女は返事を躊躇している。5秒、10秒、15秒。のどが、急激に乾いてくる。
「なあ、そういうのやめない?いつ戻って来るか分からないあいつのために暗くなってんの、裕未らしくないよ」
 ハッとした。
いつから、こいつは裕未の事を呼び捨てにし始めたんだろう。
「そんなことよりさぁ」
 ささやき声がはっきりと聞こえる、ドア1枚越しの距離。
 聞きたくない音、布と布が擦れ合う音すら、俺の耳は拾ってしまった。
「やっ、やあ……っ」
「いいじゃん、こんなとこ誰も来ないしさ……な?」
「だ、ダメだよ。あ、やあっ」
 化繊が擦れる音が続く。先ほど見たシャツと、ちいさなリボンのついた夏の制服が、密着しているのだろうか。
「あん……ん、ふっ」
 その瞬間、声が篭る。何かが、彼女の口を塞いだのだ。ドアノブに手をかけようか迷う、俺の手は硬直してしまっていた
658confusion:03/07/24 18:06
「ん、んふ……ん、うんっ」
「んー、んふー」
 聞きたくもない、男の声まで聞こえた。女は必死に口をつぐみ、男はその強く結ばれた唇を奪い続けているのだろう。
 なぜ、この手は小刻みに震えるだけで、目の前のドアを勢いよく開けようとしないのだろう?
 なぜ、唇を吸い合う男女に向かって、怒りの言葉ひとつも投げかけようとしないのだろう?
 その答えを、混乱する俺の思考は見つけ出せていなかった。
「い、やあっ!」
「なんだよ、いいじゃん」
「だ、め……っ。お願い、キスだけでがまんし……」
「暑いだろ?だから脱がすんだよ。それだけじゃん」
「あんっ、もう」
 布の擦れる音の、トーンが変わる。
「動くなって、うまく外せねえだろ」
「やあっ……康介くん、もう、しないで」
 いつも俺の名前を明るく呼んでいた、少し鼻にかかった声が今は、さらに高く変化して俺の鼓膜を揺する。
 それは小さい音なのだけれども、どうしようもなく心掻き乱す。
659confusion:03/07/24 18:08
「ほーら、出た」
 腹立たしい。前なら同調してバカ笑いできていた軽口が、限りなく腹立たしい。
「もう、やめて……お願い、こんなとこじゃ」
「うそだぁ。裕未、こうされるの好きなくせに。ハハッ」
 こうされる?
「このおっきいおっぱい、乱暴にされるのが好きなくせに。初めてのとき、そうだっただろ?」
 見えない俺の疑問に答えるかのように、康介は腕の中にいる女に囁きかけている。
 背後から添い、白く薄い夏の制服からあの魅力的な乳房をまろび出させた男の姿が脳裏に浮かぶ。
 多分きっと、その想像どおりだろう。
「やっ、も、揉まないで……っ、あん!」
「やだね、揉むよ」
「あっ、くっ、や、やあっ!」
 艶を帯びていく裕未の声を聞きながら、なぜか俺は横にあるすりガラスの明るさに目が行った。
 病室とは比べ物にならないほど明るい日差し。
 二人の初めての夜。二人が交わした、たった一度だけの夜。肌を少しでも見せるのを嫌がって、全ての灯りを消した夜。なのに。
 今、裕未は、裕未と康介は夏の光の真下で、素肌を晒し始めている。
 親友の病室の上で、そして一瞬でも恋人同士だった男のすぐ上で。
660confusion:03/07/24 18:10
「下も、触ってやろうか?こっちも汗かいてるんじゃないの、なんて」
「そんな……あ、ふうっ!」
 返事を待たずに、晃司は強引にスカートの中に手を差し入れたようだ。
「ハハハッ、いった通りじゃん」
 カーッと、身体中が熱くなる。しかしやはり手は動かないまま。汗が頬を一筋流れた時、気づく。
 俺は、あろうことか、勃起している。
「……ここじゃ態勢がキツいから、あっちいこうぜ」
「ああ……んっ」
 声が、ドアの直前から移動した。そして、さっき眺めたすりガラスの外を、男に引っ張られた女の姿が通った。
 小さな赤い紐リボン、ボタンを外され風にはだける制服の白いブラウス。その場所に肌色が見えた気がするのは、俺の妄想だろうか。
 瞬間、俺はドアノブを掴み、回した。運良く、鉄のドアは音を立てなかった。
 音が出ても、それを止めなかったかも知れない。それほど、俺は追いたかった。二人の姿を。
661confusion:03/07/24 18:12
 眩しい。半年振りに浴びる直射日光。
 ペントハウスの裏側は病院の洗濯物を干すスペースがあり、今も数多くのタオルが真っ青な空の下舞っている。
 高鳴る鼓動を感じながら、だがあくまでも慎重に、俺はその洗濯物を迂回した。
 二人のいる場所が、なんとなくわかったからだ。
 そして、その予感は当たった。ついに、二人の姿を見てしまった。
 俺が潜む洗濯物の幕から10メートル先。背後に自分たちが住んでいる街を望む、金網の前のくたびれたベンチ。
 そこに、裕未と康介は座っていた。
 康介の上に、裕未が。
 眩しかった。眉をひそめて口をつぐみ耐える横顔が。白い肌が。
 はだけられた夏の制服に沿って垂れる真白いブラが。そして、乳房が。
「ん……んふ、んっ」
「なあ裕未、気持ちよくなってきたんだろ、な?」
 右手でスカートの中を、左手でたわわな乳房を弄んでいる康介が、奇妙な笑顔を浮かべて尋ねる。
「ん、くっ……ふ、あっ」
 言葉では、答えはなかった。しかし、裕未のきれいな首が、その言葉と同時に上に反った。
 康介の手のひらによって歪められた乳が、それに同調して少し、揺れる。
662confusion:03/07/24 18:13
「ハッハッハ。まあ、何でもいいけど」
 腰の上の裕未に囁きかける声。勝ち誇った、声。
「じゃあ、ここにもうちょい汗かかせてあげるよ」
「ひ、い……っ!ひ、あ、あんっ!」
 短いチェックのスカートが、小刻みに上下する。差し込まれている指先の動きが、変わったのだ。風のそよぎとは、違う。
「あー、いい感じだよ裕未。裕未のここ、どんどんヤラしくなってく」
「いや、あん……っ、く、うんっ!」
 ますますスカートの動きが激しくなる。いや、違う。裕未が動いているのだ。
 侵入して来る康介の指先に向かって、裕未のどちらかといえば小柄な身体が、ゆっくりとくねっている。
 こんな状況で、こんな場所で、今さらになって思う。もう少し、その小さな身体を抱きしめてあげればよかったと。
「あ、あんっ!もう、ダメぇ……」
「何がダメなの?おっぱいが気持ちよすぎて?それともオマ○コが?」
「やあ、んっ……ヘンな事、いわな……あうんっ!」
 裕未の言葉を待たずに、康介はぐいぐいと強く揉む。
 遠慮なく健康的な脚と脚の間をまさぐる。
 途切れる裕未の声がさらに甘く、艶っぽくなる。
 そして、俺の物はさらに遠慮なく。
663confusion:03/07/24 18:14
「あー、気づいてる?俺のもすげー大変になってるんだけど?」
「んんっ……そんなの、知らない……っ、はあんっ!」
「ウソ言えよ。お尻に当たってるだろ?俺のチ○ポ。な、言ってみ?」
「いや、言わない……っ」
「なんだよ、外でやってるから恥ずかしいの?昨日も言ってくれたじゃん」
 昨日、裕未が、どうした?
 激しい頭痛が、俺を襲う。それは、直射日光のせいじゃなかった。
「そっか。やっぱあいつの近くじゃ言えないか。ハハハッ」
 勝ち誇った声。俺がすぐそばにいる場所で、裕未を抱く。
 たとえ、裕未が何かを許さなくても、その大部分は康介の手の中にあるのだ。
「じゃあ代わりにさ、舐めてくれる?」
「い、やっ」
「あーあ。裕未の口、おいしいんだけどなぁ」
 心臓の鼓動が早くなる。激しい運動をしてるわけじゃない。どこかに、血がどっと流れ込んでいる。だから。
「まあいいや。じゃあ、やっちゃいますか」
「……っ」
 その言葉が耳に届いた時、俺は自分のモノをしっかりと握っていた。
 二人がつながろうとしている瞬間、手のひらに感じる自分の鼓動。
664confusion:03/07/24 18:16
「じゃあ、裕未ちょっと手伝ってね……ほら」
「やあっ……は、あんっ!」
 裕未の腰が浮いた。腰を浮かした。そして、今までその裕未の中心を弄り倒していた右手が、裕未の右手を掴む。
 それはまるで、そうする事が当たり前のように、沿う。
「はーい、いっしょに俺のチャックを下ろしてくださーい」
 バカ声。だから、その聞きなれた金属音を聞かずにすんだ。
「出てきたよ。ほら、裕未の好きな奴……」
 今度は一転して、低い囁き。
「あ、やっ、ああっ……」
 裕未は、何かに嘆息した声。裕未はその指先で、俺はしっかりとこの目で、それを感じた。
「俺、やっぱいつもより興奮してるかも。わかるだろ、裕未」
「あ、う、うっ……」
「何でかなあ、こんなになっちゃってる。やっぱ……あいつのすぐ近くだからかな」
 続く笑い声。こんなになっちゃってる物を、裕未の指先は、離さない。
 高まる敗北感と、高鳴る興奮。
 なのに俺は、裕未のこれからの姿を、見たかった。見たかった。
「じゃあ、入れちゃうよ。裕未のだーい好きなこれ、入れちゃうよ」
「やっ……あ、あ、あ、あっ」
 浮いた腰を、右手一本で見事に沈ませていく。まだ左手は、胸を揉み続けているままだ。
 稚拙な、余りに稚拙だった自分と裕未のつながりを一瞬思い浮かべて、すぐに忘れた。
665confusion:03/07/24 18:17
「やあっ、はいって、くるぅ……」
「そうだよ。俺のチ○ポがどんどん入っちゃってるよ。裕未のオマ○コにね。へへ」
「や、あんっ……!」
 短い喘ぎと同時に、瞳を閉じた裕未の首が左右に振られた。
 でもそれは、きっと拒否のジェスチャーじゃない。
「あー、きもちい。裕未ん中、すっげえ気持ちいいよ。なんか、じくじくしてる」
「あ、は、あっ……じくじく、ってヘン、だよ……はあ、んっ」
「いいじゃん。他に言いようがねえもん。あー、いい」
 やっと静止した腰の下降運動。代わりに、俺が見たことのない二人の表情がしばらく続く。
 悔しくて、悔しくて、自分のを握る力が、擦る力が、強くなる。
「ね、裕未。動いていい?動いていい?」
「……」
「言わなきゃわかんないよ。動いていい?早くしないとあいつが、来ちゃうかもよ」
「そんなこと、言わない、で……っ」
「やっぱ、ヤバい?あいつに見られると、ヤバいの?ヘヘヘッ」
 見てるんだよ、俺は。
 好きだった女の子が、親友とセックスしてる所を。
666confusion:03/07/24 18:19
「ま、冗談だけど。俺4時から塾だから、動くね」
「動く、の?あ、くう……!」
 それは明らかに、喘ぎ声。俺の聞いたことのない裕未の声。
「すご……イイよ裕未。裕未の中、すごくイイ。あー」
 康介の右手はスカートを纏った裕未の腰をしっかり持って、激しく揺さぶる。
 左手はみずみずしい裕未の乳房を、あらん限りの力で歪める。
 どれも裕未に似合わない激しい動き。でも、それをしっかりと受け止めているのは裕未自身。
 小さい、可愛い、俺だけのものだったはずの、裕未。
「いっ、は、ああ……こんなのっ、あ、うんっ!」
 ベンチの上。康介の上。裕未は身体をくねらせて、康介の激しい攻撃に耐える。
 不安定な態勢で縋っているのは、ベンチの背。そして、肌に這う男の両手。
「うわー、なんでかなぁ。裕未の中、いつもより全然いいよぉ。熱いし、締めてくるし」
「やあっ、うそ……そんなこと、ないっ……あ、は」
 振り返って、康介の顔を覗き込む顔。初めて見たとき、胸がマジできゅんとなった、裕未の顔じゃない。
 それはオンナの顔。だから俺は、またチ○ポを握る。そうする事が最善だと思った、裕未の表情。
「うん、うんっ……!ああ、こ、こうす、け……くんっ」
 名前を呼んだ。甘えまくった声で、俺の名前とまるで違う名前を。
「裕未ぃ……すげえ、すげえやらしいよ。うわ、あっ、気持ちイイ……っ!」
「やん、やあん……っ、そんなに、しない、でっ」
「やだ、する。裕未、すげえやらしいんだもん……うわあ、おおうっ」
「あっあっ……くう、うんっ、ダメ……ダメぇ……っ」
667confusion:03/07/24 18:20
 左手に捉えられていない右の乳房が、はだけられた白い制服に隠れ切れずに跳ねる。
 態勢が崩れ、前のめりになる白い身体。乳房も、顔も、髪も、歪んで俺の目に映る。
 どうしたいとか、どうしようという結論が出ない混乱の中、その歪んだ裕未の姿を、ただ熱く見つめる。
 たまらなく、美しい姿。高まってくる、熱い液体。
「うー。俺、なんかやばいよ……裕未すげえし……あ、あっ、あー」
「い、いい……んっ、こう、すけ、くうんっ……あ、はあっ!」
「裕未もイクの……?ハハッ、あいつのすぐ上で、イッちゃうんだ……あーっ」
「ひっ、あっ、イイの……ここでするの、がっ……気持ち、イイ……っ!」
 裕未の衝撃的な言葉。しかし、もうどうでもよかった。
 俺も必死に、裕未と康介に追いつこうとしていた。
「あ、あーっ……裕未、イクよ。俺、イク……な、中で出しても、いいっ?」
「だ、ダメぇ……それだけ、はっ……そ、外にぃ、出し、てっ!」
「外なの!?くうーっ、しかたないかあ!」
「あ、あんっ!絶対、外、だからねっ!い、い……っ!」
 一瞬だけ、また甦ったあの日の記憶。冬の寒い日、暗い部屋、稚拙な交わり。
 ただ一つ。あの夜の裕未は、俺のほとばしりを身体の奥で受け止めた。
 それにささやかな、しかしすごく奥深い喜びを感じた。
 しかし、そんな喜びは今ここで消え去った。
 俺の知らない夜、康介が何度裕未に注いだか分からない。
 康介の精液は、俺のくだらない幸せを帯びた精液を洗い流し、裕未を汚し切ったに違いないのだ。
 たった今、裕未が中出しを拒否したからといって、それには何の価値もない。
 だからこそ、俺は二人をこんなにも乱れた視線で見つめる事ができるのだから。
668confusion:03/07/24 18:21
「イクよ裕未、あー、あーっ!」
「あんっ!康介くんっ……外に、外にぃ……あ、ひ、いいいっ!」
 追いつくことが、できた。
 康介の両手が離れたことで完全に前のめりになった裕未の小さな身体。
 まくれたスカート。はだけた夏の制服。そのすぐ後ろに、赤黒い康介の。康介の。
「いっ、ひっ、あっ、はっ……」
 白いものが飛ぶ。空中を見事に飛んで、裕未の制服を汚す。
 こちらは、情けないことに、ぽたぽたという音しか拾えない。自分の足元を濡らす、しずく。
「はあっ、あ、はあ……っ」
 きっと自分の服が汚れる音を、裕未は聞いたに違いない。
 しかし裕未は、ベンチの前で四肢をぶざまに突っ張り、荒い息を吐くだけ。
「よかったよ、裕未。すげえ、最高だった……」
「ん、ん……っ」
 そんな裕未の身体を強く引き寄せた康介。小さな顔を両手で抱えて、口づけ。
 それを合図に、俺はその場を離れた。でも、病室に戻る気力もなかった。
 眩しい陽光の下。二人からも、ペントハウスからも離れ、やせ細った自分の体を隠す機械室の陰。
 目を閉じ、荒い息を整えているとしばらくして、あの鉄製のドアが閉じる音がした。
669confusion:03/07/24 18:23
 医者から「あと3ヶ月の命」と言われてもう2ヶ月。
 俺は自分の住んでいた、そしてもう戻ることのない町を屋上から眺めている。
 きれいだったよ、裕未。
 康介に抱かれてるお前、すごくきれいだった。
 俺が好きだったお前よりも、ずっと。
 もう2度と抱きあうことも、手をつなぐことすらできないから。
 康介が裕未につけた、制服の染みみたいに。

 見つけた。康介が先に出てくる。その1mあとをゆっくりついていく、裕未。
 ここからなら。
 言えなかった「来てくれてありがとう」の代わりに。
 俺は最後の力を振り絞って、鉄柵から体を躍らせた。
 風が気持ちいい。
 あ、裕未が気づいた。近づいて来る、裕未の恐怖にこわばった顔
 裕未、そんな顔しないでよ。
 俺はただ、君に覚えていて欲しいだけなんだから。
 康介の染みと一緒に、俺の染みも。その眩しい、夏の制服に。

 おわり
いいね
671631:03/07/24 18:32
題「confusion」。
ちなみに好きな曲から採りました。すごいマイナーな曲ですが。
>>655-699
初挑戦なので評価 【EASY】 でお願いします。

文体は弄らなかったのですが、普段書かない作風になりました。
だから書き急ぎ感がかなり…ご容赦下さい。
あ。「夏服の少女」が裏イメージになってしまっている…。
勉強になりました。
おー、寝取られだ。
いいっす!! ゴチでした。
673寝太郎:03/07/25 01:21
>631さん
 うっわ〜、寝取られですか。なんか、スゴイですね。
 ほとんど書いたりしたことはないんですが、なるほど、こういう書き方をするんですねえ。

 なんというか、キツイ。
 友人の男が軽薄でノーミソ足りなそうな所も、彼女がそんなヤツの好きにされて流さ
れるがままに喘いでいるところも、主人公が出ていくことも立ち去ることも出来ずに
ただその場に立ちつくしているところも、なんというかキツイですなあ。

 ぬう、これはいろんな意味で後を引きそう……。
 きっと、このキツさが、寝取られの醍醐味なんでしょうね。

 ごちそうさまでした。
>confusion
良かったっす。
何だか、とても自然に映像が頭の中に思い浮かびました。
犯ってる二人から、終始離れた視点で物語を見れたのが良かったみたいです。
しかし見ていた彼がかわいそうだ。
こんなところ見なきゃ良かったのに。
675631:03/07/27 20:27
>670
>672
感想ありがとうございます〜♪

>寝太郎さま
>674さま
実は私も、寝取られは初めて書きました。
とにかく傍観者視点に徹そうとがんばったかもです。
その点はなんとか達成できたかなぁ…?

>なんというか、キツイ。
>こんなところ見なきゃ良かったのに。
普通、彼女が他の奴に取られたら、すげえショックだと思います。
でも意外にラブ×2で終わってる作品があったりして。どっちが受けたんでしょう。

ここまで暗く終わらせなくてもよかったかなぁ。何もかも初挑戦だったので…。

よかったです
ラブラブは現実で体験できるけど
こういうのは無理なのでおいしいっす
677山崎 渉:03/08/02 02:36
(^^)
629です。
どうやら時間切れのため、投下不可となりました。スマソ。
挙手下げ&保守。



          マターリヽ(´ー`)ノ
すげえ残念な話じゃないですか
時間切れって何?
>>680いい事言ったね
>>680
予定がズレこんで夏が終わってしまいそうなんす(泣 >時間切れ
秋にカキ氷食べても、それはそれでおいしいよ
盆を過ぎても夏は夏と信じて、画面を前に唸っている私。
ああ、エロが少ない。というかエロが添え物。書き直し決定。にゃふー。
現在ログ容量は472KBです。500KBになると書けなくなります。
そろそろ新スレかな?
>685
 そうですなあ。
 次スレは欲しいところですなあ。

 心配なのは、次スレを立てたはいいけど、作品をすぐに投降できる人間がいなくて
すぐにスレがあぼ〜んされてしまうこと。
 立てるのであれば、誰かが作品を仕上げて、用意が出来てからがいいと思う。

 そう考えたとき、お題はどうしましょうか?
 現在のお題で書いている方は、挙手をお願いします。
 いないようであれば、次のお題を決めた方がいいでしょう。
 シンプルで汎用性が高いお題であれば、「今すぐ書ける」方が決めてしまって
いいのではないでしょうか。
あとは、このスレが終了するとなると、
投降作品の保存倉庫が欲しくなるところですね。
HPを開設してる方や、そうした作業を厭わない方がいらしたら、
お願いしたいところです。

その場合、掲載を希望されない方はいらっしゃるでしょうかね。
おな感スレの人が保存していたぞ。
>>688
おな感? 探したけど、見つからない・・・・・
>689
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1046837302/
ここの縮刷版のセレクションに入ればわかる。
>>690
見つかりました。
ありがとn
こちらのスレの非公認BackUpをしてたものです。初めまして。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/musique/cache/
ダイレクトリンクはこちらです。今後、固定的に保管させていただきます。
心おきなく次スレへどうぞ。
693GZ:03/08/25 21:36
ひさびさに来たらまだスレが残っててびっくり。なのですが。
……あのぉ、
ライト・ハグ、保管庫から外して欲しいのですが。
ちょっと書き手の心情的にいろいろあって、あの話は抹消していただきたいのです。

まさか保管庫できると思ってなかったから、当時トリップつけてないんですよね。
本人確認できないのでアレなんだけど。

どうでしょう。OKでしょうか。

             マチクタビレタ〜
          ☆ チン  マチクタビレタ〜
       ☆ チン 〃   ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ヽ ___\(\・∀・) < 新スレまだ〜!?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |  愛媛みかん ..|  |
       |.           |/
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お題募集しましょうか
すごいヒネたお題でいいですか?
ちょっとアイデアがあるのですが……
>696
試しに言ってみ。
「成人向けオンライン小説筆者」です。
699:03/09/03 01:07
>698
そのヒネリは最初にやりましたが、
新たに(・∀・)ピカーソとひらめきましたので、
始めた責任上、新作書いて新スレに移行したいとおもうのですが。

他にお題の指定はありますか〜
700696:03/09/04 21:12
ホントだ、失礼しました。
ちゃんと読んだことがあるはずなのに、エッチさが上回っていたようです。
なんとなくそういう作品を書いてたので、お題として挙げてみたのですが。
……というか、すごく書きにくいお題かもしれませんね。
「旅行」つーのはどうですか?
ここは秋らしく「野外H」というのはどうか
現在473KB
>>701
旅行に賛成。
前のお題で弄っているんだけど、Hにならないのでどーにもなりましぇん。
旅行……野外Hよりは書きやすいけど……
706名無しさん@ピンキー:03/09/14 21:10
 
707名無しさん@ピンキー:03/09/15 17:24
f@a
「旅行」でGOでしょうか?
>>708
そうですね。あと現在の容量が474 KBなのですが、次スレのほうどうしましょうか?
誰かが「できたよ」の時点で次スレという感じか
それとも早々に立てて即死防止作業の後どなたかが
UPという流れのほうがいいんでしょうか
711:03/09/17 09:28
「旅行」でよさげっぽいので、アイデア練りはじめますた。
出来たら告知しまっす。
712寝太郎:03/09/20 13:56
>旅行

 参加予定で書き進んでます。
 というか、サクサクいってるんで、もうすぐ書き終わりそうな勢いですわ。
さすが寝太郎さん。
714:03/09/20 21:42
あ、うちはまだ全然なんでバトンタッチしてもよかですか?
>寝太郎様
715寝太郎:03/09/20 22:50
>1さん
>バトンタッチしてもよかですか?

 もちろん、それは全くかまいませんが。
 ただ、自分の環境ではスレの立ち上げはできませんので、書き上がったら
御報告しますので、どなたかにお願いできれば幸いです。

 上手くタイミングを合わせられるといいのですが。

 あと、「旅行」では何人くらいの方が参加できそうなのでしょうね。
 せっかく新スレを立てるからには、みんなで、いいスタートをきりたいものです (−o−)ノ
716588:03/09/21 22:12
ええと、とりあえず立候補。
『旅行』のお題でそれっぽいネタが降臨したので、
ちょっと行ってみようと思います。
都合上、十月頃になるかもしれませんけど、それでよろしければ……。
717寝太郎:03/09/23 05:31
 書き上がりました。

 が、上でも書きましたが、私の環境ではスレ立てはできないんです。
 どなたかにお願いできればと思います。

 立ち上がり次第、投稿させていただきます。
>>717
テンプレはこんな感じでおkでしょうか?

成人向けオンライン小説の筆者によるアンソロ Part2

日夜サイトの更新に骨身を削る筆者にも、
ちょっと羽を休めてマターリヽ(´ー`)ノと短編書きたい時もある。
お題を決めて、短編書いて、みんだで読んで、マターリヽ(´ー`)ノしよう。

あくまで、自サイト更新のモチベーションを保つために行う、気晴らしと考えてください。
あまり真剣にならずにご利用くださると、執筆への刺激になると思います。

>>2-4に基本ルールを載せましたので必ずお読み下さい。

前スレ
成人向けオンライン小説の筆者によるアンソロ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1025902807/
関連スレ
成人向けオンライン小説の筆者雑談
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1022864144/(dat)

成人向けオンライン小説の筆者雑談 〜第弐夜〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1058374917/
719寝太郎:03/09/23 15:18
>>718
 えっと、多分それで問題ないと思うんですが、いかがでしょうか?
いちぶ訂正 >>718

関連スレ
成人向けオンライン小説の筆者雑談(過去ログ倉庫)
http://www2.bbspink.com/erocomic/kako/1022/10228/1022864144.html

新作 書きあがり次第、次スレにGO! 残りは埋め立て。
寝太郎さま&1さん、よろすく。
721寝太郎:03/09/23 17:04
今晩とかならば、いつでも行けますよ〜^^
スレを立てればよろしいのですな?
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1064315856/

次スレたてたけど、ちょっと失敗した。スマソ
724  :03/09/24 22:39
じゃあ、埋めるか
725  :03/09/24 22:40
埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋
埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋
埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋埋
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726  :03/09/24 22:44
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727  :03/09/24 22:45
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