【異能】黄昏の学園32【異端】

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453紅裂拓兎 ◆QiSi/P5T2Q
>>432
価値を見出している点が違うな。俺にとって、それはどうでもいいことだ。
俺がキミに価値を見出している点があると言えば……そうだな。
資格がないと言われたキミは、それでも強くなって、兄を取り戻して、当主になった。
全てはキミが諦めなかったからだ。さっきの、最後の瞬間みたいにな。
(絞め技の恐怖に屈することなく、最後まで力を振り絞って抗ったことだ)
(愚直とも言えるが、それはこの男にとってこの上ない価値のあることだと思えた)
(詰めが甘いのは経験と実力の足りなさの証拠だが、そんなものは補える)
重要なのは、その場でその決断を下せたことだ。
俺がその場面で何かしたわけじゃない。
(そっと手を伸ばして、少し乱暴にぐうりぐうりと頭を撫でてやる)
(前々から少し思っていたのだが、何かとこの少女は自己評価が低い)
(資格がないと言われ続けて育ったのが原因なのだろう)
(だからせめて、自分だけでも褒めて認めてやろうと思った)
(色恋沙汰は別にしても、この少女には多少見所がある)

俺のことが知りたいなら話せばいい。知りたいことを聞けばいい。
味噌汁の温め直し方からガスレンジの掃除方法まで、何でも答えてやる。
馬鹿な鬼を躾ける方法は知らないから、聞いても無駄だ。
(相互理解なんて絵空ごとにしか思えないが、それでも理解する為には話すしかない)
(言葉は伝わるけれど、真意は伝わらない、なら根気よく対話するしかないだろう)
(問題は、紅裂拓兎がそれを面倒だと思ってる点である)
(くだらないことはべらべらしゃべるけれど、それ以外のことはどうしても億劫になる)

そこは、画廊、か?
(それは脱会した時に記憶から削除された要素である。≪虚影会≫の本拠地であり集合場所は)
(街中にぽつりとある画廊だった。その場所の位置は、今の紅裂拓兎の頭の中にはない)
(森が途切れ、月光を浴びて光る紅い単車が待っていた)
まーあいいや。長い話になりそうだから、キミの部屋へ行こう。

【置きレスにお借りしましたっと】